第196回国会 総務委員会 第11号
平成三十年五月十七日(木曜日)
    午前九時一分開議
 出席委員
   委員長 古屋 範子君
   理事 井上 信治君 理事 池田 道孝君
   理事 橘 慶一郎君 理事 原田 憲治君
   理事 務台 俊介君 理事 武内 則男君
   理事 奥野総一郎君 理事 高木 陽介君
      井野 俊郎君    井林 辰憲君
      小倉 將信君    加藤 寛治君
      金子万寿夫君    川崎 二郎君
      菅家 一郎君    木村 次郎君
      小林 史明君    左藤  章君
      佐藤 明男君    新藤 義孝君
      谷  公一君    冨樫 博之君
      中谷 真一君    鳩山 二郎君
      穂坂  泰君    三浦  靖君
      宮路 拓馬君    宗清 皇一君
      山口 俊一君    山口 泰明君
      岡島 一正君    高井 崇志君
      長尾 秀樹君    山花 郁夫君
      原口 一博君    緑川 貴士君
      太田 昌孝君    本村 伸子君
      丸山 穂高君    吉川  元君
      井上 一徳君    小川 淳也君
    …………………………………
   総務大臣         野田 聖子君
   総務副大臣        奥野 信亮君
   総務大臣政務官      小倉 將信君
   総務大臣政務官      山田 修路君
   総務大臣政務官      小林 史明君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  白岩  俊君
   政府参考人
   (内閣官房統計改革推進室長)           横田 信孝君
   政府参考人
   (内閣府大臣官房審議官) 林  幸宏君
   政府参考人
   (内閣府知的財産戦略推進事務局長)        住田 孝之君
   政府参考人
   (内閣府経済社会総合研究所総括政策研究官)    長谷川秀司君
   政府参考人
   (警察庁長官官房審議官) 小田部耕治君
   政府参考人
   (警察庁長官官房審議官) 長谷川 豊君
   政府参考人
   (総務省行政管理局長)  山下 哲夫君
   政府参考人
   (総務省行政評価局長)  讃岐  建君
   政府参考人
   (総務省自治税務局長)  内藤 尚志君
   政府参考人
   (総務省総合通信基盤局長)            渡辺 克也君
   政府参考人
   (総務省統計局長)    千野 雅人君
   政府参考人
   (総務省政策統括官)   三宅 俊光君
   政府参考人
   (総務省情報公開・個人情報保護審査会事務局長)  山内 達矢君
   政府参考人
   (法務省大臣官房審議官) 加藤 俊治君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           井上  真君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           伊原 和人君
   政府参考人
   (厚生労働省政策統括官) 酒光 一章君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房審議官)           塩田 康一君
   総務委員会専門員     近藤 博人君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月十一日
 辞任
  泉  健太君
同日
            補欠選任
             井上 一徳君
同月十七日
 辞任         補欠選任
  大西 英男君     加藤 寛治君
  新藤 義孝君     中谷 真一君
  宗清 皇一君     宮路 拓馬君
  山口 泰明君     井野 俊郎君
同日
 辞任         補欠選任
  井野 俊郎君     山口 泰明君
  加藤 寛治君     大西 英男君
  中谷 真一君     新藤 義孝君
  宮路 拓馬君     宗清 皇一君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 統計法及び独立行政法人統計センター法の一部を改正する法律案(内閣提出第三四号)
     ――――◇―――――
○古屋委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、統計法及び独立行政法人統計センター法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官白岩俊君、内閣官房統計改革推進室長横田信孝君、内閣府大臣官房審議官林幸宏君、内閣府知的財産戦略推進事務局長住田孝之君、内閣府経済社会総合研究所総括政策研究官長谷川秀司君、警察庁長官官房審議官小田部耕治君、警察庁長官官房審議官長谷川豊君、総務省行政管理局長山下哲夫君、行政評価局長讃岐建君、自治税務局長内藤尚志君、総合通信基盤局長渡辺克也君、統計局長千野雅人君、政策統括官三宅俊光君、情報公開・個人情報保護審査会事務局長山内達矢君、法務省大臣官房審議官加藤俊治君、厚生労働省大臣官房審議官井上真君、厚生労働省大臣官房審議官伊原和人君、厚生労働省政策統括官酒光一章君及び経済産業省大臣官房審議官塩田康一君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○古屋委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○古屋委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。務台俊介君。
○務台委員 自由民主党の務台俊介です。
 統計法及び独立行政法人統計センター法の一部を改正する法律案について質問させていただきます。
 この数年、日本の統計制度については各方面からさまざまな意見が出てきております。その背景には、客観的な証拠に基づくエビデンスベースでの政策決定が求められている中で、我が国では、ともすると統計の最大のユーザーである政府の立案過程において統計や業務データが十分に活用されず、往々にしてエピソードベースでの政策立案が行われてきたという指摘があると思います。EBPMを推進するためには、その根拠となる統計等の整備、改善が重要であり、EBPMと統計改革は車の両輪として一体として進める必要がある、そういう所論だというふうに理解しております。
 特に、GDP統計を始めとした経済統計は非常に重要な役割を果たしますが、情報関連技術の進展や経済のサービス化などの環境変化に合わせ、統計のカバレッジの拡大や産業分類の整備等を通じて、各種経済統計の改善、拡充を図る必要性も指摘されているというふうに理解しております。
 私自身が統計についての問題意識を持たざるを得なかった局面が最近ございました。それは、今次の税制改正で、昔、私自身が策定に携わった地方消費税、この清算基準を見直すという議論がございました。地方消費税の税収をより適切に最終消費地に帰属させることが必要という認識をしながら、新たに清算基準として活用できるデータが見当たらないということが見直しに当たってのジレンマとなったと理解しております。その結果、清算基準の見直しにより、統計のカバー率がかえって下がるということになりました。
 お手元に配付させていただいた資料の見開きの二ページ目でございますが、従前七五%の統計カバー率が、今回の見直しで半分の五〇%に下がったということがございました。その結果、統計データのカバーの代替指標として人口を基本に用いるという判断が行われておりました。
 やはり、政策判断の合理性を国民の皆様にしっかり説明するためには、できるだけ精緻な統計のあり方を模索していく必要があると改めて思った次第でございます。
 さて、今回の法律改正ですが、清算基準の見直しに携わり、経済統計利用官庁の一つである総務省自治税務局のサイドから見て、地方消費税清算基準の見直しの際に、どのような統計があれば基準の見直しに当たってより的確な判断ができたのか、その評価を伺いたいと思います。
○内藤政府参考人 お答えを申し上げます。
 今般の地方消費税の清算基準の見直しにつきましては、地方財政審議会のもとに設置した、学識経験者を交えました検討会での専門的な議論を行いました。
 その際、できる限り統計を活用して最終消費の額を把握するという観点に立ちまして、新たに清算基準として利用可能な統計データがないかどうかの検証も行いました。
 清算基準に用いる統計データでございますけれども、都道府県別の最終消費を的確に捉えたものである必要があるわけでございますけれども、現在、清算基準で用いておりません、例えば建設業、電気、ガス、水道業、情報通信業などは、いずれも都道府県別の対個人事業収入額が把握されておりませんで、現時点において清算基準に用いることは難しいとされたところでございます。
 このことから、清算基準として新たに利用可能な統計データは、現時点では見当たらないという結論に達したところでございます。
○務台委員 そういう評価ではありますが、今後、どういうデータがあればよかったのかということについてももうちょっと聞きたいところではございますが、なかなか、時間の制約もあるので、今回は伺うことは控えたいと思います。
 いろんなデータの制約ということに関しての、政府の中のユーザーとしての意見があると思います。今回の政府の統計改革に際して、統計改革を行う側で、今話を伺ったような統計改革に対する声も受けて、統計改革全体としてどのような改革を行っていくのか、どのような手続で行っていくか、なかなかこの法案だけでは全体像が見えにくいと思いますので、私の方でも資料を三ページ以下に用意させていただいておりますが、今回の全体像、そしてこの法律で何をしようとしているか、端的にお答えいただきたいと思います。
○三宅政府参考人 今回の統計改革は、昨年五月の統計改革推進会議の最終取りまとめ、これを受けて行うものでございまして、具体には、公的統計基本計画の前倒しの検討と統計法制の見直しを進めてまいりました。
 今回の法改正では、データの二次的利用の拡大、オープン化、官民の既存データの統計的利用の推進、統計改革の推進体制の整備など、データ利活用環境や統計作成体制の整備を行うこととしております。
 また、GDP統計などの各府省の個別の統計の改善や業務の効率化などの個別の具体の取組につきましては、改革の工程表として、公的統計基本計画のもとで計画的に進めてまいりたいと考えているところでございます。
○務台委員 ありがとうございます。
 私も、今回の統計改革の青写真ともいうべき昨年五月の統計改革推進会議の最終取りまとめ、しっかり読ませていただきました。そして、ことしの三月に閣議決定された公的統計の整備に関する基本的計画も読ませていただきましたが、改めてこの改革を行っていく必要性というものを痛感させていただきました。一方で、これを実際に進めていくことに必要とされるエネルギーというものが大変大きなものであることも感じさせていただきました。
 政策立案の基礎である統計には、どちらかというと、これまで余り光が当てられていなかったという側面もあろうとは思いますが、この改革を不退転の決意で実現していくことについての、大臣のお考えを伺いたいと思います。
○野田国務大臣 務台委員にお答えいたします。
 委員御指摘のとおり、公的統計は、政策立案の基礎となるだけではなくて、社会全体で利用される情報基盤として極めて重要なものです。
 昨年五月の統計改革推進会議最終取りまとめには、GDP統計を軸とした統計の改善を始めとして、統計の利活用環境や統計作成体制なども含めた重要な取組が多数盛り込まれており、今回の統計改革はまさに歴史的な大改革、統計法は戦後に生まれ、そして約十年前に統計委員会の設置という改正があったわけですけれども、今般のものは歴史的大改革というふうに言えると思います。
 統計制度を所管し、また重要な統計を所管している総務大臣として、これらの提言を重く受けとめて、各省庁を牽引して、政府一体となった統計改革を着実に進めていく決意です。
○務台委員 大臣から歴史的な大改革だという強い決意表明があったと受けとめておりますが、一方で、日本の統計実務に投入する人的リソース、これが非常に脆弱だという指摘があります。
 例えば、私の資料の六ページにも出させていただいておりますが、米国では、商務省センサス局、経済分析局、労働省の労働統計局を合わせて九千人以上の職員がいる。カナダでは、カナダ統計局に五千四百人の職員がいる。一方で、我が国は、総務省統計局に各省の統計部門を合わせても二千六百人ほどの職員数である。この人数で最終取りまとめに示された改革が本当にできるのか、そんな懸念もあろうかと思います。ここら辺についての認識を伺いたいと思います。
○三宅政府参考人 我が国の国の統計職員の数は、統計センターの職員も含めまして、約二千六百人ということでございます。我が国の公務全体の職員は、諸外国と比べまして比較的少なくなっておりまして、効率的に業務を行っていると思いますので、単純な比較は難しいんですけれども、これを例えば御指摘のあったカナダの職員約五千四百人と比べますと、御指摘のとおり、諸外国とは、少ないということでございます。
 今回の統計改革の実現に当たりましては、統計リソースの計画的な確保が不可欠である、この点、三月に取りまとめました公的統計基本計画、これにも明記されているところでございます。
 平成三十年度には、統計改革に関する定員といたしまして、国全体で百三人を確保したところでございまして、総務省といたしましては、引き続き、新たに必要となる人員の確保につきまして、各府省と連携してまいりたいと思っております。
○務台委員 人員の確保、ぜひしっかりとやっていっていただきたい、我々も政治的にもバックアップしたいというふうに思います。
 統計データを適切に利用できるためには、統計リテラシーというものが不可欠であるというふうに思いますが、日本ではその人材育成が立ちおくれているという指摘がございます。
 昨年四月に、滋賀大学に我が国初のデータサイエンス学部が創設されたと承知しております。本年度からは、横浜市立大学にも同じ学部が設置されたと承知しております。ただ、裏返せば、それまでは本格的な統計を専門にする学部が存在していなかったということにもなろうかと思います。
 内閣官房でも、最近、RESAS、地域経済分析システムを一般に公開しておりまして、私の地元の長野県の県ケ丘高校がこのシステムを活用して地元の経済構想の課題を分析し、地方創生の処方箋を提示し、内閣府のコンテストで地方創生担当大臣賞を受賞したということもございます。
 こういう動きが徐々には出てきておりますが、できれば、初等中等教育の段階からデータ利活用能力が高められるような体系立った取組が必要だと思います。この点についてのお考えを伺いたいと思います。
○三宅政府参考人 御指摘のとおり、近年、データ処理、分析能力の高度化などを背景といたしまして、統計ニーズが高度化、多様化しております。これに応える形で、御指摘ありました滋賀大学あるいは横浜市立大学の学部設置のほかに、大学院ですと統計を専門とするコースの開設などがふえてきております。
 また、統計リテラシーの向上を図る上では、小中学生といった早い段階からデータの扱いに親しみを持つということが肝要でございまして、小中学校、高等学校の学習指導要領の改訂においても、統計教育の充実が盛り込まれたものと承知しております。
 総務省といたしましては、これまで、これらの大学への講師派遣、児童生徒向けの教材の提供など、統計リテラシーの向上に向けた取組を行ってまいりましたけれども、引き続き、このような取組を進めてまいりたいと考えております。
○務台委員 統計制度についてのさまざまな改善を図る上で、統計の司令塔ともいうべき機能がこれからますます重要だというふうに思います。
 カナダのように統計について一元的管理が行われている国もあれば、米国や日本のように分散型管理が行われている国、これが各国区々であるというふうに思います。日本では、平成十九年の統計法全部改正で統計委員会を設置し、司令塔機能をつくったということでございます。今回、法律改正で、統計委員会に幹事を置くということで、一歩前進かなというふうに思います。
 一方で、各省に分散している統計業務を一元化する方が、人的資源を育み、有効に活用できるのではないかという意見がございます。ここら辺についての現時点の政府の認識を伺いたいと思います。
○三宅政府参考人 委員御指摘の統計機構の一元化につきましては、統計の専門性がより発揮され、統計の整合的体系を図りやすいというメリットがあることは承知してございます。一方で、我が国のように、各府省がそれぞれの統計を作成する分散型におきましても、所掌する分野に関して知見を十分に活用いたしまして、行政ニーズに的確、迅速に対応して、政策の企画立案に役立つ統計を作成できるというメリットがございます。
 今回の法改正では、御指摘のような縦割りの弊害を防ぐために、幹事を設置しまして統計委員会と各府省の連携を強化するほか、統計委員会が大臣の諮問によることなく意見を述べることができるようにするとともに、公的基本計画に対する勧告及びフォローアップの規定を整備するということにしておりまして、分散型統計のメリットを生かしながら、政府全体として統計整備を総合的、計画的に推進してまいりたいと考えております。
○務台委員 今、自民党の行革推進本部を中心に、これまで行われてきた省庁再編の評価が行われるという報道に接しております。仮に将来、省庁再編の見直しがあるとしたら、私は、統計部門というのもその一つの大きなテーマになるのではないかというふうに思います。
 今の時点でこういうことをお伺いするのもいかがなものかもしれませんが、統計部門を所管している総務省としての考え方、御披瀝いただければと思います。
○野田国務大臣 務台委員にお答えします。
 今の御指摘の報道があったことは承知していますが、中身、どういう議論がされているかは、私、承知していないところです。
 先ほど三宅統括官から答弁がありましたが、分散型統計機構と集中型統計機構には、それぞれメリットとデメリットがあるわけです。総務省としては、今回の法改正によって強化される統計委員会と協力して、政府全体として整合性のとれた統計整備を進めるとともに、各府省が統計を作成する能力を向上させることによって分散型のデメリットを克服しつつ、集中型のメリットを取り入れて、統計行政をしっかり進めてまいりたいと考えています。
○務台委員 私ども自民党の有志で統計改革を後押しする議連もつくっておりまして、この法律改正を推進力として統計改革が一気呵成に進むことを後押ししていく、このことをお約束しまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
○古屋委員長 次に、太田昌孝君。
○太田(昌)委員 公明党北陸信越ブロックの太田昌孝でございます。
 よろしくお願いをいたします。
 質問をさせていただきます。大変に今、務台先生、大きな立場の中で質問をいただきました。私は、むしろ地方の現場の中での話を中心にして少しさせていただければというふうに思います。
 こうした今回の統計法の改正、正確な統計、これは、国においてもそうですが、地方においても、的確な政策立案を行うためには重要なツールであります。昨年の五月の統計改革推進会議の最終取りまとめの中においてもこうした提言がなされてきたわけで、そうした中で、こんな言葉がありました。厳しい財政状況を背景として、国も地方も人員を始めとした統計リソースが減少を続けており、人員の育成が急務となっている一方で、プライバシー意識の高まり等により統計調査への協力確保がますます困難なものとなっており、統計調査における報告者側からの負担軽減の要請も高まるなど、統計行政部門を取り巻く環境が厳しさを増している実情があると。
 本当に、地方自治体において統計を担当している方々の声、あるいは、後ほどちょっとまたこれにもかかわらせていただきますが、こうした統計を活用をして、この地域を、この市町村を、あるいは県をどうやってこれから発展をさせていこうかというような形の活用においても、大変に今、ある意味、統計をとることが目的化してしまっているところもあるのかなというふうにも思っております。こうした意見も大変に現場とは一致しているなと思います。
 そういう中で、統計作成については、こうした調査環境、大変に悪化をしております。なかなか現場にたどり着かない、あるいは人と会えないというような状況もございますし、リソースの不足などが問題となっているというふうに認識をしておりますけれども、今回の統計改革の中で、そうした問題に対してどのように対応するのか、また今回の法改正によってどのようなことが可能になるものか、大臣にお伺いしたいと思います。
○野田国務大臣 太田委員にお答えいたします。
 御指摘のとおり、近年、共働き世帯の増加とかオートロックマンションの増加によりまして、統計調査を取り巻く環境、大変厳しさを増しています。そして、国、地方の統計職員は減少傾向にありまして、統計作成に係る環境の改善や体制の整備は重要な課題だと認識しています。
 こうした中で、総務省としては、本年三月に決定された公的統計基本計画に基づき、調査環境改善と、今お話がありました統計リソースの確保に取り組んでいくこととしています。
 具体的には、例えばオートロックマンション等の共同住宅で統計調査を円滑に行うことができるよう、マンション管理関係団体と連携を密にし、調査環境の改善に取り組むこととしています。
 また、統計リソースについては、その再配分と最適配置を促進することなどによって、既存の統計リソースの有効活用を図るとともに、必要な統計リソースを計画的に確保していくこととしています。
 さらに、この法改正におきましては、行政機関が公的統計の作成に関して関係者の協力を得るよう努める義務を明確化し、その上で、関係者の方々には、重要な統計を作成する行政機関からの協力を求められた場合には、その求めに応じるよう努める義務を定めているところです。
 こうした規定を踏まえて、行政と関係者の方々が重要な統計の作成に向けて協力しながら取り組む環境をしっかり整備していきたいと考えています。
○太田(昌)委員 ありがとうございます。
 そうした統計を取り巻く状況については、後ほど、ちょっとまた伺いたいというふうに思います。
 そんな中で、なかなか現場にたどり着かない、あるいは、やはり人的な資源も少ないという中にありまして、統計を作成する中で民間が保有するビッグデータの活用、そんなことも重要だというふうに思っております。
 ビッグデータ、民間の保有する各種データなど新しいデータを統計作成に利活用する、そんなニーズも生じているというふうにも伺っておりますし、統計調査の実施あるいは結果の公表を基本として、こうしたこれまでの枠組みを超えた対応というものも求められると思いますが、今回の法改正によって、今後こうしたビッグデータの活用をどのように進めていくものか、伺いたいと思います。
○三宅政府参考人 今回の法改正では、公的統計を作成する国の行政機関等に対しましては、統計法の基本理念にのっとって公的統計を作成する責務、また、公的統計が国民にとって合理的な意思決定を行うための基盤となる重要な情報であることに関しまして、国民の理解を深め、公的統計の作成に関して関係者の協力を得る努力義務を明確化いたしました。
 その上で、公的統計の作成に有用な情報を有している側の方々に対しましては、基幹統計を作成する行政機関の長から協力を求められた場合には、その求めに応じる努力義務を定めております。
 これによりまして、例えば行政機関が基幹統計を作成する際には、基本理念であります適切かつ合理的な方法といたしまして、ビッグデータの利活用を選択をし、これを保有する民間企業に協力を求めた場合に、民間企業がその重要性を十分に理解していただいた上で応じるということになれば、基幹統計の精度向上や効率的作成、基幹統計調査の報告者の負担軽減、これが進むというふうに考えているところでございます。
○太田(昌)委員 データでございますので、お互いにそれぞれしっかりと、情報共有という側面のみならず、しっかり、セキュリティーの問題も当然出てくると思いますので、丁寧に進めていただければというふうに思います。
 そんな中で、例えば民間企業なんかでは、消費者に関する、例えば、膨大なビッグデータの分析でありましたり、あるいはそのマーケティングへの活用が進んでいるというふうにも伺っております。
 さまざまな経済指標の中でも、消費動向を捉える統計指標、これはとても重要であろうというふうに思っておりますが、こうしたビッグデータを積極的に活用することで、また、これまでにない消費統計の提供が可能になるのではないかというふうに思料するわけでございますけれども、こんな中で、ビッグデータを活用した今度は消費指標の作成に向けた取組も進められているというふうにも伺っているのですが、その具体的な内容についてお聞かせいただければと思います。
○千野政府参考人 お答えいたします。
 総務省におきましては、消費動向をミクロ、マクロの両面から包括的に捉えます消費動向指数を開発いたしました。これにつきましては平成三十年一月分から公表を開始しております。この消費動向指数は既存の統計を活用して作成したものでございますが、今後は、ビッグデータの活用を視野に、これを更に進化させていくことを考えております。
 このため、昨年、平成二十九年七月から、消費関連情報、ビッグデータを保有する企業と大学の研究者が参画いたします消費動向指数研究協議会を設立いたしまして、産学官で連携した研究を進めているところでございます。
 今後とも、ビッグデータなどの新しいデータソースや最新の統計技術を積極的に取り入れまして、消費経済の実態を的確に捉える統計の作成に取り組んでまいりたいと考えております。
○太田(昌)委員 大きな消費動向と当時に、地域経済に対してもぜひ活用できますように、それぞれの地域地域の活用が見込まれる、そんなことを期待をさせていただきたいというふうに思います。
 さて、冒頭、大臣からも、大変に現場の御苦労について御理解のあるお話を頂戴をしました。若干ちょっと現場現場のお話も聞いてまいりましたので、ちょっとだけ紹介させていただきます。
 私の地元、長野県長野市ということで、例えば長野市、統計調査員というのは今四百人弱おります。平均年齢は七十歳です。もう七十にもなっております。これが、正直言うと、そろそろ終わりにしたいという、まあ当然ですね、方々が多いんですね。五年に一遍の国勢調査ということになりますと二千人になります。これが、やってくれる方を選定するのが本当に大変な御苦労になります。
 統計調査員は、基本的には非常勤の県職員ということになります。国勢調査ということになると、総務大臣から任命される非常勤の国家公務員ということになります。
 そんなことなんですけれども、ただ、じゃ、あなたはきょうから統計調査員ですよ、あるいは、きょうから国勢調査の調査をしてもらいますよ、一定の説明会のようなことはありますけれども、とりたてた訓練等々はこれは行われずに、突然そういう調査の現場に送り出されるというような形になってございます。
 まして、最近はタブレット端末での調査ということもふえてまいりました。そうすると、平均年齢七十歳ですから、タブレットなんか使えないわけですよ。そんな中で、それを理由にして、もう勘弁してくださいというようなことも実際は出てきている。
 統計調査員のために、利便性を高めるために、あるいはとりやすいようにと、さまざまなことをやっているんだけれども、逆に、そこに対してきちんと手が入っていないからかえって活用しづらくなっているというような側面も一方ではあるというようなこともちょっとお伝えをしておきたいというふうに思いますし、現実には、従事するごとに報酬が支払われますけれども、ないときには給与、賃金なんかの定期的な収入もない。
 あともう一つ、ちょっと制度的なこと、これは指摘だけしておきますけれども、基本的に、歩いて統計をとるというのが基本になっているようでございますので、例えば事故などに遭った場合、偶発的に起こした車両以外の対人対物事故補償は、これは統計調査損害賠償補償事業ということで対象になるらしい。だけれども、車とかバイクなんかで事故を起こした場合はこれは対象にならない、みずからの任意保険でやってくれということになっているんですね。都心だったらいいんですけれども、私の地元なんというと、場所によっては隣の家まで一キロなんてところだってあるわけです。
 そういう中で、ちょっとそのような形の中で、なかなか、そういう統計調査員であったり統計の現場においては、それぞれの個人に対しての負担というのがやはり多くなっている。一方で、地方でも、先ほどのオートロックみたいなところもふえてきておりますからたどり着かない、あるいは大学生なんか何時に行っても会えないみたいなこともやはりございます。
 そんな中で、まして、最近はいろいろな被害があるものですから、統計調査員を装ったかたりや押し売りじゃないかというふうに疑われるなんということも間々あるようでございます。
 そんなようなことの中で、やはりそうした現場の声を伺うにつけ、統計調査員、それをしっかりと中心にしながら、作成する側のリソース、こんなものがしっかりと確保されていることが大事だというふうに思っております。
 統計調査員中心に、作成側の人材育成が肝要と考えますが、今回の統計改革ではどのような取組を進めていくものか、伺いたいというふうに思います。
○三宅政府参考人 お答えいたします。
 統計調査を適切に実施するためには、御指摘のとおり、調査の実査部門が重要でございまして、その中でも統計調査員は大きな役割を果たしているところでございます。
 このため、総務省におきましては、統計調査員を育成するために、従来から、あらかじめ登録をしていただいた統計調査員の希望者、これに対しましては研修を行ってきております。
 今回の改革では、この研修につきまして、統計調査員が時代の変化に対応できるように、御指摘ありました、調査が困難なオートロックマンションへの対応といったもののノウハウの共有でありますとか、個人情報保護の重要性の徹底、あるいはオンライン調査の実習などの内容を充実をいたしまして、その育成の強化を図ることといたしております。
 また、育成にとどまらず、調査員のなり手の裾野を広げるという取組でございまして、学生等を任用する先行的な取組を行う公共団体には、担当職員の加配の支援でございますとか、その成果の横展開といったような人材の確保にも取り組んでいくこととしております。
○太田(昌)委員 ぜひ指導をしっかりしてあげてください。
 あと、若い方でも何とか、若いといっても、そんなに若い方はなかなか難しい、学生の活用というようなこともございますので、それぞれのスキルに応じてできることというのはあるのかなというふうに思います。
 あと、よく現場の中で言われるのが、こうした調査を行った、この調査がいかにこれは県であり市町村の政策に生かされているのかを、ちゃんともうちょっと知らしめてほしいというような要望もございます。
 一方で、今度は行政側の方になりますと、なかなか、今度はこうした統計調査が、調査の結果に基づいて、例えば、総合計画であったり、それぞれ、各関係の施策の中で、どのように生かしていけるか、そういう、活用できる人材というものが不足しているというふうにも伺っております。
 今回の統計改革において、政策部門において統計を活用する側の人材育成、先ほども大臣からオール・ジャパンの方でお話しいただきました。むしろ現場の中でどのように人材を育成していく取組を進めていくのかを伺って、質問を終わりたいと思います。
○三宅政府参考人 今回、統計改革とEBPMとを車の両輪として取り組むということとしておりまして、公共団体におきますEBPMの推進も課題の一つでございます。昨年の骨太の二〇一七にも、国と歩調を合わせてEBPMを推進するよう促すということとされたところでございます。
 公共団体におきますEBPMの推進のためには、御指摘のとおり、政策部門を含む公共団体の職員につきまして、統計利活用能力の向上を図るほか、公共団体の統計部門が政策部門による分析を技術的に支援をできるように強化をすることが重要でございます。
 このため、総務省におきましては、統計人材の育成方針、これに基づきまして、国、地方の双方の職員を対象に実施している統計研修、これの充実をする、あるいは地方の統計職員の能力向上を目指した人事交流を行う、あるいは地方の統計部門の技術支援のための専門家の派遣などに取り組んでいくこととしております。
○太田(昌)委員 ありがとうございました。
 やはりEBPMというのが今回も出ましたけれども、それは大事だと思います。地方議員出身でございますので、そういう意味では、今回の勉強の中でも、どうしてもエビデンスベースからエピソードベースでの質問が多いかなというふうに、これまでの自分の反省もあります。
 地方でそのようなことがないように、また、地方の政策にしっかりと、そうしたエビデンスが生かされるような統計改革を希望しまして、私の質問とさせていただきます。
 ありがとうございました。
○古屋委員長 次に、山花郁夫君。
○山花委員 立憲民主党の山花郁夫でございます。
 きょうは統計法の質疑ということですけれども、ちょっとそれに先立ちまして、内閣府に来ていただいております。
 先日、当委員会でも、海賊版防止対策について少々議論がございました。このことに関連いたしましてですけれども、漫画村、アニチューブ、ミオミオなどを明示をして、これは何とかしなければいけない、こういう話でございました。
 著作権法違反であることは間違いありませんので、ほっておいていいというつもりは全くありません。ただ、何とかしなければいけないとは思いますけれども、いっとき何かブロッキングするのではないかということで、大変懸念をする声が上がりました。私のところにも関係団体の方が、ちょっと大丈夫だろうかということを、直接お声をいただいたところでありますが、今回は、いろいろ経緯がありましたけれども、あくまでもプロバイダーの自主的な取組のための環境整備である、こういう位置づけだということではありますけれども、いっときブロッキングについてどうかということもテーブルされたやに聞いております。
 例えば、これまで接続の遮断というのは児童ポルノに限って、これは、実在する児童ですから、被害者は明らかに存在しておりますので、こういうのに限って危険が差し迫るやむを得ない場合に規定された緊急避難の規定を使いまして、警察情報を受けた民間の第三者機関が対象となるサイトを決めてプロバイダーが接続を遮断するという自主規制の形をとってきております。
 この児童ポルノの議論のときには、著作権についても一応議論になったんだけれども、これについては当時除外をするということになっていたはずですけれども、今回の議論と当時の議論との整合性についてどのように考えておられるのでしょうか。また、保護法益は著作権ということでよろしいんでしょうか。
○住田政府参考人 御指摘の点でございますけれども、今回の緊急対策における検討の過程でも、児童ポルノのときの議論というのは当然議論されました。
 御指摘のとおり、児童ポルノのブロッキングの議論におきましては、民間事業者を中心に法的考え方の整理がなされた際に、削除や検挙といった手段の可能性があるということ、あるいは、財産権であって被害回復の可能性があるということなどを理由に緊急避難の構成を応用することは難しい、不可能だというふうに整理をされていたというふうに承知をしております。
 この点、今回の緊急対策におきましても、刑法三十七条の要件でございます現在の危難、そして補充性、法益権衡、この三つの要件について検証を行っているところでございます。
 まず、現在の危難につきましては、月間で数千万人あるいは一億人を超える訪問者があるような特に悪質な海賊版サイトにつきましては、被害額も総額で数百億円あるいは数千億円に上ると推計をされまして、こうした場合には、著作権という財産の侵害行為が確実かつ深刻な程度で存在をしており、現在の危難は現実として存在すると言えるというふうに考えたものでございます。
 また、補充性につきましては、権利者が、サイトの運営者への削除要請あるいは訴訟、告訴の対応など、考えられるあらゆる対策をとった場合でも、運営者の特定が実質的に困難な今回のケースなどのように、いずれの対策も実質的な効果が得られない場合があるということで、そうした場合には、自身の権利を保護するために、現状ではブロッキング以外の手法は存在しないと考える余地があるというふうにしております。
 また、三つ目の法益権衡につきましては、この点については、特に児童ポルノの議論のときのことを引きまして議論をしておりますけれども、昨今のように大量の著作物を無料で公開をして、現行法での対応が困難な悪質な海賊版サイトがあらわれる前の状況を児童ポルノの議論というのは前提としたものでございまして、昨今では、運営者の特定が実質的に困難な中で、訴訟による被害回復が実質困難な状況も生じているというところ、こうした状況も踏まえて、一律に、財産権であることをもってすなわち回復可能と考えるのではなく、事例に即した具体的な検討が求められるべきだというように検証をしたものでございます。(山花委員「保護法益は、著作権」と呼ぶ)
 その点につきましては、先ほど現在の危難というところで申しましたように、著作権という財産権の侵害行為が確実かつ深刻な程度で存在をしているということで、現在の危難が存在するということでございます。
○山花委員 私は非常に、その説明に当初、形式的な理屈としては、何か異論としてここがおかしいという話ではないけれども、すごく違和感を持ちました。
 といいますのも、例えば児童ポルノの場合は明らかに個人という保護法益がはっきりしていますし、例えば生命とか身体を守るということで行うというのは非常にわかりやすいケースですし、また財産権も、財産権だからだめだなんということは全く思っておりません。例えば大事な財物があって、これに対して何か壊そうとしている人がいたときに有形力を行使したりとか、場合によっては生理的な不良な変更を生ぜしめてしまう、暴行とか傷害のことですけれども、これに対して緊急避難というのはあり得ると思いますけれども、ただ、著作権というと、ちょっとこれは、対象が少しふわっとしてくるのかなと。
 繰り返し申し上げますけれども、別に著作権侵害していいとは思っていませんけれども、ということが一つと、あとは、公権力が緊急避難という行為を行うということについては、ちょっと違和感があるなと思ったんですけれども。
 ちょっと法務省に伺いますけれども、知的財産権を保護法益として緊急避難が認められたという裁判例というのはあるんでしょうか。
○加藤政府参考人 お答えを申し上げます。
 裁判例を全て網羅的に調査するということは困難でございます。
 法務当局としてそれらについて網羅的に承知しているわけではないのでございますけれども、今回お尋ねを受けて調査した範囲では、お尋ねのような最高裁判所の裁判例というものは見当たりませんでした。
○山花委員 いや、ないんですよ。そこが一つ違和感を感じる大きな原因なのかなと思います。
 くどいようですけれども、ほっておいていいとは思っていませんけれども、ちゃんとこれはやはり、法律による行政の原理であるとか、あるいは比例原則、こそ泥を捕まえるのに大砲を撃ってはいけないとか、そういうことにのっとってちゃんとやらなければいけないと思っているわけであります。
 例えば、児童ポルノの場合は、被害者たる幼い子が自分で法的措置に打って出るということは、これはなかなか難しいことだと思いますから、いろいろな議論があって、自主規制というのはあり得るのかなと思いますけれども、著作権という概念については、それを守ってくれというのであれば、例えば今回の報道では、ある者が訴えたというのも報じられておりますけれども、警察庁に伺いますけれども、一般論としてで結構ですので、著作権法違反の疑いで、例えば国内の配信されているものであれば、それは告発して、配信元の捜査ということができるんじゃないでしょうか。
○小田部政府参考人 特定の行為が特定の犯罪に該当するか否かにつきましては、個別具体的な事実関係に即して判断されるべきものでありますから、一概にお答えすることは困難でございますが、いずれにいたしましても、著作権法等の法令違反が疑われる事案に対しましては、適切に対処していく所存であります。
○山花委員 この場ですので、警察当局として一般論としてしか答えられないというのは、そこは容認いたしますけれども、ただ、先ほどの内閣府の説明で、これだけ被害があって、これだけ大変なことだということはもう指摘があったわけですので、今回の件も、これは当然捜査対象となり得るのだと思います。
 それと、留意しなければいけないのは、例えば、最終的にどういう形で検討されるのかはまだこれからということなんでしょうけれども、例えばブロッキングみたいなケースだと、ユーザーの側がどこにアクセスしているのかというのを探知しないと、これはできないはずですので、そうすると、いわゆる検閲ということにひっかかってきたりとか、通信の秘密ということにかかわることではないかと思います。
 何か先にこういった結論がいいのだというのを出して、後から実は検閲という概念はこうですみたいなことをされるとちょっとかなわないので、現時点で総務省として、通信の秘密等の関係で、例えば電気通信事業法三条について、検閲はしてはならないということになっていると思いますけれども、どういう概念で、これはしてはならないというふうに認識されているんでしょうか。
○渡辺政府参考人 お答え申し上げます。
 電気通信事業法第三条では、電気通信事業者の取扱いに関する通信は、検閲してはならないと規定されているところでございます。この検閲とは、国その他の公の機関が強権的にある表現又はそれを通じて表現される思想の内容を調べることとされているところでございます。
○山花委員 ぜひ、今後検討されるということですので、そういうところに当たらないような形でやっていただきたいと思います。
 また、こういった海賊版サイトというのは、趣味で愉快犯的にやっているということではなくて、バナー広告など、これが収入源になるから広がっているわけであって、広告規制であるとか、要するに、より制限的でないような方法で、実効性のある形を検討していただきたいと思いますし、とめるとかなんとかというのは、本当に最後の最後の手段だと思っておりますので、あらかじめ、こういうことは行政としてはやっていけないという類型をちゃんと置いた上で、後々、批判に耐え得るような制度設計をしていただきたいということを要望させていただきたいと思います。
 委員長、内閣府の方、これで退席されて結構です。
○古屋委員長 では、住田事務局長、御退席になって結構でございます。
○山花委員 それでは、統計法について質問させていただきます。
 先ほども、エビデンスベースでというのがございました。
 総務大臣、今回、趣旨説明の中でも、「国民により信頼される行政を展開するためには、統計改革推進会議最終取りまとめ等に基づき、EBPMと統計の改革を車の両輪として一体的に推進することが必要」と述べられておりますけれども、今回の立法事実について教えていただきたいと思います。
○野田国務大臣 山花委員にお答えいたします。
 昨年五月の統計改革推進会議の最終取りまとめ、ここで、EBPM推進体制の構築に加えて、統計改革として、GDP統計を軸にした経済統計の改善、そして、ユーザーの視点に立った統計システムの再構築と利活用促進などについて提言をされたところです。
 提案理由説明で申し上げたのは、これを受けて、EBPMと統計改革というのは、車の両輪として一体的に進めていく必要があるという認識をお示しいたしましたが、この改正法案は、統計データの利活用ニーズへの対応とか、正確で効率的な統計の作成や被調査者の負担軽減への対応、また、統計改革の円滑な推進などのため、統計機構の一体性を確保などの課題に対応するためのものであります。
 ですから、これまでEBPMが不十分であったかどうかというような点が、この改正法案の立法事実というわけではありません。この改正法案による制度改正を実現することによって、EBPMと統計の改革を車の両輪として一体的に推進する体制ができて、国民により信頼される行政を展開していけるようになるというふうに考えています。
○山花委員 お立場的にはそういうお答えになるのかなと思いますけれども、最近でも、この国会で、エビデンスベースかどうかちょっと疑われているケースがあるのではないでしょうか。
 厚生労働省、今話題になっております裁量労働制に関して、一般的な者と比較したデータというのは、公的統計に当たると考えてよろしいでしょうか。
○酒光政府参考人 お答えいたします。
 公的統計につきましては、統計法第二条第三項に定義規定がありますけれども、この調査、平成二十五年度労働時間等総合実態調査という調査になりますけれども、これは、この統計法第二条第三項に規定する公的統計に該当するものと考えております。
○山花委員 「公的統計は、適切かつ合理的な方法により、かつ、中立性及び信頼性が確保されるように作成されなければならない。」これは、現行法にもこう規定がございます。
 総務省に伺いますが、今回の改正案第三条の二第一項において、行政機関は、前条の基本理念、つまり、今読み上げました第三条第二項の理念も含めて、公的統計を作成する責務を有するという規定となっておりますけれども、つまり、第三条第二項、現行の、一項から四項がありますけれども、この理念に基づいてという理解でよろしいでしょうか。
○三宅政府参考人 お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、改正法第三条の二第一項の「前条の基本理念」とは、第三条第一項から第四項までの規定全体を指しております。
○山花委員 つまり、今回、改正法でこの理念に基づき責務規定が発生するわけですけれども、そうでなくても、現行法でも、先ほど申し上げたように、第三条第二項の規定がかかってくるわけでありまして、もう一回厚労省に聞きますけれども、今回のそのデータというのは、適切かつ合理的な方法により、かつ、中立性及び信頼性が確保されるように作成されたという認識をお持ちなんでしょうか。
○井上政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘のデータは、全国の労働基準監督署の労働基準監督官が臨検監督の一環として全国一万一千五百七十五事業場を訪問し、事業場からの聞き取りや書類の確認をしながら、三六協定の締結状況や時間外、休日労働の実績、裁量労働制における労働時間の状況等について調査を行い、厚生労働省において、平成二十五年度労働時間等総合実態調査として取りまとめたものでございます。
 この調査結果のうち、裁量労働制に関するデータにつきましては、実態を反映したものと確認できなかったため、撤回させていただき、残りのデータについても精査を行ったところでございます。
 精査に当たりましては、全ての調査対象事業場の調査原票の内容と、それに基づき入力されたデータの突合による入力ミスのチェック、精査用に作成したプログラムにより論理チェックを行い、統計としての正確性を担保する観点から、異常値である蓋然性が高いものは無効回答として、当該事業場のデータ全体を母数から削除したものでございます。
 母数から削除したものは、具体的には、明らかな誤記と考えられるもの、理論上の上限値と考えられる数値を上回るもの、複数の調査項目間の回答に矛盾があるものであり、ここには、国会等の場で精査が必要との指摘をいただいた事項も全て含まれてございます。
 なお、裁量労働制のデータは既に撤回させていただいており、裁量労働制の対象事業場に係るデータは、一律に母数からの削除を行ったものでございます。
 このように、異常値である蓋然性の高いデータを母数から除外した上で再集計しており、今回の精査を通じ、統計としてより信頼性の高いものとなったと考えておるところでございます。
○山花委員 異常値が二割もあるわけですから、とても統計法上求められているようなデータではなかったと思いますし、また、ちょっと、きょう、ここは総務委員会ですから、これ以上申し上げませんけれども、高プロについても本当にエビデンスに基づくものなのかというのは、私たちは極めて疑わしいと思っております。それも切り離すべきだということを、ちょっとここで申し上げてもしようがないのかもしれないですが、指摘をしておきたいと思います。
 さて、本題に戻っていきたいと思いますけれども、平成二十九年五月、先ほど大臣から御指摘がございました統計改革推進会議最終取りまとめのところでも、「統計委員会は、関係行政機関の調整が必要と判断した場合には、諮問を受けることなく、自ら調査審議を始め、」云々とあります。
 「関係行政機関の調整が必要と判断した場合」、いろいろあるんですけれども、ちょっと後ほどエピソードを紹介したいと思いますが、これって、政策立案、それぞれ、例えば、いろいろな役所が任務を担っておりますけれども、空白地帯がないという前提でこれは議論されていたのかしらということについて、ちょっと確認をさせていただきたいと思います。
○三宅政府参考人 今回の法改正によりまして、統計委員会が総務大臣の諮問によることなく意見を述べることができるようにするとともに、公的統計基本計画に対する勧告とフォローアップの規定を整備いたすこととしております。
 また、各府省の統計部局を統括する職員を幹事といたしまして、統計委員会と各府省の連携を強化することによって、政府一体としての取組を進めることといたしております。
 個別の政策課題の対応に当たりまして各府省間の調整が必要となった場合につきましては、統計委員会は、今回の、先ほどの機能強化を通じまして、その政策課題の対応に資するため、統計及び統計制度の発達、改善という観点から必要な意見を述べ、公的統計の整備に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための勧告を行うことができると考えております。
○山花委員 それぞれの役所の持ち場持ち場で、どこがやるんだという話はあり得るんだと思います。
 かつて、私は、原口一博先輩のもとで子ども政策調査会の事務局長を務めているときに、道路交通法で、当時まだ、補助椅子つきの自転車にお子さんを乗っけたときにヘルメットをかぶせるというのは法律になっていませんでした。この二人で、ねえ。
 都立墨東病院の先生から最初にお話を伺いまして、脳神経外科の先生です。お子さんの頭の手術をするケースは、交通事故なんかよりも、よっぽどママチャリで転倒したケースの方が多いんですよという話を聞いて、いささか驚きまして、どれぐらいですかと言ったら、何十倍という話で、驚きまして、まさにエビデンスを求めていろいろ各役所に聞いたんですけれども、なかなかわからなかったということがありました。
 例えば、最初、墨東病院からのお話でしたので、厚労省に聞いたらわかるのかなと思って、厚労省にお伺いしますけれども、レセプトで、幼児が自転車の補助椅子に乗って転倒して頭部にけがをしたというケースというのは、認知することができるんでしょうか。
○伊原政府参考人 お答え申し上げます。
 診療情報明細書、いわゆるレセプトでございますけれども、これには、患者の氏名、被保険者番号のほか、傷病名、それから診療行為や投薬内容、こういうことは記載されておりますが、傷病が発生した状況や原因、こうした情報は記載されておりませんので、先生が御指摘のケースをレセプトから認知することは難しいと考えております。
○山花委員 そういうことのようなんです。
 人間というのは、前の骨というのはかたいんだけれども、横というのは割と細くて、転倒すると結構簡単にぱりんと割れちゃうという話も伺いました。
 これは道交法関係ですので、警察は御存じなのかなと思って、当時伺ったところ、さあみたいな感じだったんですけれども、警察でこれって認知できるんでしょう。
○長谷川(豊)政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘の点につきましては、警察庁では、交通事故により負傷した人数等について把握しているところでございまして、具体的には、平成二十九年中に、交通事故により自転車の幼児用座席に同乗中の幼児が頭部を負傷した人数は二百七十九人というところでございました。
○山花委員 交通事故によりなんです。だから、車と接触したりとか走行中はそうなんですけれども、大臣もおわかりになるかもしれないですけれども、ちっちゃい子は、例えばスーパーに行ってとめておいて、とめた状態で、ちっちゃい子というのはじっとしていないですから、足をばたつかせたりとか、身を乗り出したりしたときに転倒してしまって。自転車というのは走っているときが一番安定している乗り物で、とまっているときというのは不安定なんですよね。
 当時、そうだということで、補助椅子にSGマークがついているわということで、経産省は何かわかるのかなと思って、経産省にも聞いてみたんですけれども、経産省、何か把握している事故情報ってありますか。
○塩田政府参考人 お答え申し上げます。
 経済産業省におきましては、消費生活用製品安全法に基づき、製品起因が疑われる死亡、重傷等の事故、いわゆる重大製品事故情報については把握をしております。また、これに当たらない軽微な製品事故につきましても、独立行政法人製品評価技術基盤機構を通じて情報収集を行っているところでございます。
 今先生御指摘の自転車の幼児用補助椅子に関する事故につきましては、平成二十四年度から二十八年度までの五年間で合計十七件の事故情報を把握しておりますけれども、あくまで製品起因の事故ということでございまして、誤使用でありますとか、いろいろなそういうほかの状況についての事故については把握をしてはおりません。
 以上でございます。
○山花委員 そういうことなんです。つまり、ノーマルな状態で使っていることについては把握できないんですよ。
 例えば、一台しかないのにお子さんを二人乗っけちゃったとか、ベルトをしていなかったとか、あるいは普通に使っていて何かぱりんと割れちゃったとか、そういうケースは把握できるんですけれども、肝心のところが結局どこに聞いてもわからないという経験を我々はいたしました。
 ただ、後に、これは議員立法として出したんですけれども、それで成立したわけじゃなくて、道交法の改正ということで、今六十三条の十一で保護者の方のヘルメット着用の努力義務となっていますけれども、これはどういう立法事実に基づいて立案されたんでしょうか。
○長谷川(豊)政府参考人 お答え申し上げます。
 平成十九年当時の道路交通法の改正経緯について申し上げますと、自転車乗用中の死者については頭部の損傷を致命傷とする者が六割を超えておりましたことから、自転車の利用者の交通事故時の被害軽減を図るため、ヘルメットの着用が効果的とされていたところでございます。
 特に、自転車乗用中における幼児、児童の死者につきましては頭部が致命傷となった割合が高いことに加え、児童等は自転車の転倒を予測して自分自身で頭部を守る能力が低いということなどを踏まえまして、他の年齢層と比較してヘルメット着用の必要性は相当に高いというふうに認識されていたところでございます。
 こうした理由等に基づきまして、平成十九年に道路交通法を改正し、児童等に自転車を運転させる場合又は児童等を自転車に同乗させる場合においては児童等に乗車用ヘルメットを着用させるよう、保護者等に対して努力義務を課し、自転車乗用中における児童等の安全確保を図ったところでございます。
○山花委員 大臣にちょっと所感を伺いたいんですけれども、今の御説明でも、要するに、ピンポイントの何か本当にデータがあったのかというとちょっと、別にけしからぬと言うつもりは全くありませんけれども、いささかエピソードベースの話のような気がします。
 多分、これはめったにないケースだと思います。そうそうあってはいけないことだと思いますけれども、それぞれの、だから、今みたいな話というのは、いわば、うちじゃありません、うちじゃありませんと言って、野球でいうと何か野手がお見合いしてぽてんヒットみたいな、こういう世界なんですけれども。
 このように、政策立案に当たってデータ収集に困難を来すというケースがまれに生じ得るのかなということを私たちが既に経験をしておりますので、こういったことについて認識をされたいと思いますし、こういったケースでこそ、今回の統計法改正で何か御検討いただいて、そういうケースでの指摘があったらこういうことができますよとか、そういうのがもし今ないのであれば検討していただきたいという思いがあってですけれども、大臣、ちょっと所感を述べていただければと思います。
○野田国務大臣 お答えいたします。
 まず初めに、私の個人的な所感でふと思い出したのが、消費者庁設置のときの周辺事情でした。消費者事故がさまざま多発する中、すき間事案が多く、今おっしゃったような、どこの役所の責任というのが明確にされない、そういう事案をしっかり解決していかなきゃいけないということで、当時は全党で消費者庁を設置しようという動きがあったことを今思い出したし、また、うちはパパチャリですけれども、息子を自転車に乗せているときは本当に不安定です、ヘルメットもつけていますけれども。
 やはり、恐らくこれも今、両先生が、エピソードを聞いていただいて、そしてそのエビデンスを探した中で実態がなかったということで動きが進んできたと思っていますし、今さまざまな議員提案で新しい政策ができる中で、例えば、古くは発達障害者とか、最近では私たちの医療的ケア児というのがあるんですが、こういうのも実態調査されていません。
 むしろ、法律ができたことによって実態調査が始まるということも間々ありまして、やはりそういう意味では非常に私自身も立法府にいたときは歯がゆいところもありましたけれども、そういう積み重ねのもとで、より現実に即したデータ収集ができていくのかなというふうに所感として感じたところです。
 今回の法改正によりまして、統計委員会の機能強化を通じて、今のような各府省の調整が必要となった場合、統計委員会が必要な意見や勧告を行うことができるようになります。
 また、公的統計基本計画においても、これまで各府省において個別の調査ごとに行われてきた統計ニーズの把握を経常的かつ横断的に実施する仕組みというものを再構築して、把握された提案への対応状況を統計委員会と総務省においてフォローアップすることとしています。
 総務省としましては、これらの取組を通じて、政策立案のもととなる統計等データが適切に整備されること、その利活用が図られることにしっかり取り組んでまいりたいと考えています。
○山花委員 済みません。ほかにもたくさん通告していたんですけれども、時間が来てしまいましたので。
 ありがとうございました。終わります。
○古屋委員長 次に、奥野総一郎君。
○奥野(総)委員 国民民主党の奥野総一郎でございます。
 国民民主党としては初めての質問になります。よろしくお願いをいたします。
 先ほど来、EBPM、エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキングという言葉が出てきています。私も大賛成であります。まさに、客観的な情報に基づいて政策立案をするということが今の時代に合ったやり方だと思います。
 じゃ、具体的にどうしよう、EBPMを車の両輪で進めるとおっしゃっていますが、じゃ、具体的にどういうふうにすれば進んでいくのか、どういうやり方を考えておられるのか、まず、伺いたいと思います。
○白岩政府参考人 お答え申します。
 EBPMとは、先生御指摘のとおり、政策立案や評価に当たり、データ等の証拠に基づいて行うこと、又は適切なデータ等に基づく合理的な証拠づけを重んずる政策思考を含むものと考えております。
 近年の統計等のデータ収集や分析に係る技術や各種の理論の発展を生かして、これを背景に限られた政策資源を有効に活用し、国民によりよい、信頼される行政を展開する上で大きな可能性を持っており、重要であると認識しております。
 政策決定の方式あるいはその具体的な進め方についてでございますが、EBPMに基づく考え方としては、個々の政策のよって立つ論理を明確にし、これに即して、データ等の証拠を可能な限り求めるということをその政策に応じて考えていく、重視していくことが必要だということになろうと思います。
 しかしながら、政策は、御存じのとおり、多種多様でございますので、現在、政府としては、昨年来、推進のかなめとなる機能の整備とEBPMの実践の試行をしてきたところであります。
 これらの取組を踏まえ、今後、個々の政策に即して、政策目的を明確化させ、その目的のため、本当に効果が上がる行政手段は何かなど、政策の基本的枠組みを証拠に基づき明確にする取組を重ねることで、霞が関にこの考え方を浸透、定着させていくことが肝要と考えております。
○奥野(総)委員 ある種、当たり前のことが今までなかなかなされてきていなかったということだと思うんですね。だから、逆に言えば、これを徹底させるというのはなかなか難しいとも言えるわけです。
 EBPM、組織をつくろう、統括官組織を設けて、これを推進していこう。今おっしゃったように、これから試行を始めるわけですが、各省においてきちんと行われているのか、あるいはデータに基づいて政策立案が行われているのか、チェックが恐らく必要だと思うんですね。
 統括官の設置状況について、それからEBPMの要は進捗状況について伺いたいと思います。
○白岩政府参考人 統括官の設置状況についてのお尋ねがございました。
 委員御指摘のこの職につきましては、審議官級では、本年四月に、八省庁において政策立案総括審議官等を新設しております。
 また、今年度中に、更に六省庁において同様の職の新設を予定しているところでございます。
 また、課長級でも、今年度に五省庁で政策立案参事官を設置する予定で、四月現在で既に四省庁で設置済みとなっております。
 これらの審議官あるいは参事官が中心となって、まず、各府省においてEBPMの検討とかそういった具体的な取組をしていただくこと、それから、春の公開レビューにおきまして、幾つかの省庁ではそういう検証を公開の場でやっていただく、こういう取組をしているところでございます。
 以上でございます。
○奥野(総)委員 これは、いわゆる充て職とか、事実上の組織というわけではなくて、組織要求をして正規の組織として立ち上がるという理解ですよね。ありがとうございます。
 そこで、やはり気になるのは厚生労働省なんですよね。働き方改革がまさに求められているのは、正しいデータに基づいて政策議論をするということが求められている。データが正しいのかどうかというところが今問題になっているわけですが、きょうは厚生労働省、お見えいただいていると思いますけれども、まず、じゃ、今のEBPM、厚生労働省としてはEBPMに今どう取り組んでいるのか。今ほど、八省庁では統括官を設置済みでしたっけ、六省庁ではこれからということなんですが、厚労省は既に設置をされているんでしょうか。進捗状況を伺いたいと思います。
○酒光政府参考人 お答えいたします。
 今御指摘いただいた組織の関係につきましては、EBPMの統括官というのは、私どもの厚生労働審議官が先頭に立つということで統括官になっておりまして、また、担当の総括審議官も今後速やかに設置する予定でございます。
 また、EBPMの取組方ということでございますけれども、ことしの四月にEBPMの推進委員会というのがありまして、その中で、各府省がEBPMの取組方針を策定して、それに基づいて実践を進めるというふうになりました。
 厚生労働省でも、EBPMの取組方針を作成して、これに基づいて取り組むこととしておりまして、具体的には、省内の関係部局の幹部を集めてEBPMの推進チームをつくりまして、この推進チームのもとで、各部局が多様な形でEBPMの実践に取り組むということとしております。
 それから、大事なことは、EBPMを取り組む上で、統計なりEBPMに関するリテラシーを持った人材を育成していくということだと思いますので、先ほど申し上げたEBPMの推進委員会でも、EBPMを推進するための人材確保・育成等に関する方針が定められておりますけれども、厚生労働省でも、それに先立ちまして人材の育成方針を定めておりまして、これに基づいて統計の作成、活用、分析能力を有した人材を計画的に育成していくということを、研修等を通じて育成していくことを取り組んでいくこととしております。
○奥野(総)委員 働き方改革の例を挙げましたが、医療とかも、やはりビッグデータを使って検証していく。匿名加工情報の話がありましたけれども、例えばレセプトを使って薬の効果とかそういうのを検証していくという意味で、まさにこのEBPMは厚生労働省に活用していただきたいと思いますが、もう一回確認ですが、先ほど、八省庁では統括官ができている、六省庁では要求をして立ち上がるということですが、今のお話ではっきりしなかったのは、審議官が当面やっているということなんですが、組織要求はしているんですか。
○酒光政府参考人 お答えいたします。
 組織につきましては、今年度の組織要求ということで行っておりまして、それについてはお認めいただいているということでございます。
○奥野(総)委員 じゃ、統括官も間もなくできるということでよろしいんですよね、そこは。
○酒光政府参考人 組織要求という意味ではEBPMの担当の総括審議官を要求しておりまして、これがお認めいただいておりますので、ことし、今後間もなくできる予定でございます。
○奥野(総)委員 組織ができればいいというわけではもちろんないんですけれども、とりわけ、いろいろ言われているわけですから、そこは意識を持ってしっかりやっていただきたいと思います。
 それで、先ほど、例の労働時間等総合実態調査については統計法に言うところの公的統計に当たるんだ、こういう御答弁がございました。
 それで、先日、いろいろ再調査というか再検証の結果が出されまして、もとの裁量労働制も含めると二割、これは毎日新聞ですけれども、二割削除、二千四百九十二事業所分が削除されるということであります。もとからいうと二割ぐらい、一万件のデータのうち二割ぐらいが削除されているわけですけれども。
 これは統計的に、先ほどもありましたが、もう一度確認しますが、残りのデータは統計的に問題はない、残りの八千幾つのデータでこの働き方改革を議論することは問題ないと。あるいは、加藤大臣が、統計として削除後も一定の姿になっているのではと会見で述べておられるようでありますけれども、統計上問題がなく、そして、これをまさにエビデンスとして働き方改革の政策の議論をすることについては全く問題はないとお考えでしょうか。
○井上政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘のデータは、全国の労働基準監督署の労働基準監督官が臨検監督の一環として全国一万一千五百七十五事業場を訪問し、事業場からの聞き取りや書類の確認をしながら三六協定の締結状況や裁量労働制における労働時間の状況等について調査を行い、厚生労働省において、平成二十五年度労働時間等総合実態調査として取りまとめたものでございます。
 この調査結果のうち、裁量労働制に関するデータにつきましては、実態を反映したものと確認できなかったため撤回させていただき、また残りのデータにつきましても精査を行ったところでございます。
 削除いたしました二千四百九十二事業場のうち、異常値である蓋然性が高いものは九百六十六事業場であり、残り千五百二十六事業場は、裁量労働制の対象事業場に係るものでございます。
 今回の精査におきましては、プログラムによる論理チェックやこれに基づくエラーデータの精査を行い、異常値である蓋然性が高い項目が一つでもある場合には、調査票全体を無効として、母数から除外する方法をとっております。このため、母数から除外した調査票は約二千五百となっておりますが、それでも九千を超えるサンプル数を確保してございます。
 また、本調査は当初、調査設計時におきまして、業種別、規模別の区分におきまして、母比率二分の一の比推定という前提で、標準誤差率が五・五%以下となるよう標本設計を行ったところでございますが、再集計結果も、業種別の標準誤差率が五・五%以下におさまるようサンプル数は確保されてございます。
 なお、裁量労働制を除くデータにつきましては、精査後の再集計結果を見ましても大きな傾向の変化は見られず、信頼性のあるものであると考えております。
 加えまして、労働政策審議会では、労働時間等総合実態調査のデータに限らず、さまざまな資料を確認し、また、現場の実情に精通した労使各側の委員の御意見を踏まえ御議論いただいたものと承知しているところでございます。
○奥野(総)委員 長々と御答弁いただきましたけれども、要は、除いてあって、残りの部分については信頼性がある、それに基づいて政策議論することは問題ないんだ、こういうことでよろしいですね。
 そうは言うんですが、しかしこれだけ、二割ぐらいが異常値が含まれていたりおかしいというものについて、表面上数字が整っていたとしても、じゃ、正確に調査を受けてから答えているのか、適当に答えている可能性もあるわけですよね。だから、信頼性という意味で、本当にそこまで言い切れるのかというのは、私はいかがなものかと思うんですね。
 きのうの毎日新聞の記事に出ていましたけれども、これを読み上げると、「厚労省は調査票や記入要領の不備を含む調査手法の問題点に触れ、「初めて調査をする労働基準監督官もいたので、わかりにくい面があった」と釈明。加えて、データ集計時のエラーチェックが甘かったことも挙げた。」ということですね。わかりにくかったということを厚労省自身も認めている。
 それから、これは取材の範囲なんでしょうけれども、時間が十分にとれずにずさんな調査になってしまったという東日本の労働基準監督署に勤務した監督官とかのコメントがあったり、あるいは、そもそも監督業務の片手間、先ほど臨検監督に合わせてと、やられていましたよね。
 ここの記事によれば、臨検監督というのは、労基法に違反していないかの抜き打ちチェックをする、いきなり入っていって監督をした上で、調査票の質問項目について聞き取る調査的監督という手法で行われたと。抜き打ちで行くわけですから、向こうは準備は全然できていないわけですよね。普通は、こういう調査というのは、事前に調査票を渡しておいて、調べてもらって回答するというのが普通だと思うんですね。
 これによると、本当かどうか、記事ですけれども、一日一件で、一社当たり二時間で済ませるようにという指示があったということもこの記事になっているわけですよ。いきなり行って、何の準備もなく、二時間で済ませなさいといったときに、正確に答えるかということですよね。この記事が事実だとすれば、非常にずさんな調査だったということになると思いますが。
 ちょっとこれは通告していなかったんですけれども、今申し上げたような事実関係、臨検の際にやったというのはさっきおっしゃっていました。だから、その場で調査票をお渡しし、しかも、移動時間や報告書の作成時間も含め、一社当たり二時間で済ませるようになどと指示があったと、これはこの方だけかもしれないんですが、こういった事実はあったのかということをまず伺いたいと思います。
○井上政府参考人 ただいま議員から御指摘のありました点なども踏まえまして、私どもとしては、今回の件をしっかりと反省し、統計データの精度向上に向けて、調査規模に見合った人的体制の確保に努めるとともに、計画的に職員の統計作成等の能力を高めるための研修を充実させ、組織的な人材育成を行うこと、調査設計、エラーチェック、取りまとめ等、調査の全工程にわたり、調査担当部局が統計作成部局と連携し、当該部局や専門家のアドバイス、支援を受けて進めること、調査を担う全ての者が容易に理解できるよう調査票や記入要領をわかりやすくつくり、調査実施者に対して調査手法や記入方法の徹底を図ることなど、今後、調査方法の見直しなどについて検討してまいります。
○奥野(総)委員 時間がなくなってきたので、簡潔にお答えいただきたいんですが。
 もう一度確認しますが、先ほどのような、私が指摘した、一社当たり二時間で済ませるようにという指示をした事実があったのかなかったのかということを端的にお答えいただきたいのと、それから、その上で、先ほど、その調査自体、統計的には大丈夫だとおっしゃっていますが、調査手法自体が不適切であった、ずさんな調査であったということはお認めになるんでしょうか。二点。
○井上政府参考人 今お尋ねの点、一件当たり二時間ということについては、今手元に資料がございませんので、大変恐縮でございますが、臨検調査の中で行った調査ということでございますが、そうした点も含めまして、今後、調査手法等につきまして検討をしていきたいと考えております。
○奥野(総)委員 もう一度。じゃ、調査手法は適切だったとお考えになりますか。
○井上政府参考人 その点、今回の調査方法が適切であったかどうか、それについて改善をする必要があるかについても、今後検討してまいりたいと考えております。
○奥野(総)委員 じゃ、わからないということですかね。これだけ、新聞によれば、わかりにくい面があった、データ集計時のエラーチェックが甘かったことも挙げたと、公器である新聞でコメントしているわけですよ。それでもなお、これは適切であった、こう言い切れるわけですか。
○井上政府参考人 今回の調査につきましては、この臨検監督等の中で行うことのほか、調査票や記入要領が、初めて調査を行う監督官にわかりにくかったというような点もございますので、そうしたことも含めまして見直しの検討をしたいと考えております。
○奥野(総)委員 もう一度聞きますけれども、見直すということは、不適切だった、現状が望ましくなかったということでいいんですよね。もう一度。
○井上政府参考人 私どもとして、今回、反省すべき点があったと考えております。
○奥野(総)委員 いや、ちゃんと答えてください。反省すべき点があったということは、不適切な点があったということでいいんですね。
○井上政府参考人 具体的な検討はこれからになってまいりますが、そういった改善すべき点があったかどうかについても精査してまいりたいと考えております。
○奥野(総)委員 いや、答弁が二転三転で、改善すべき点はあったかないかもわからないということなんですね。今、臨検をしたときにやったことはよくなかったというような答弁はあったんだけれども、そうじゃなくて、それも適切か不適切かはわからないと。
 一言、これは不適切な点があったので見直したいと言えば済む話だと思うんですけれども。そんな頑張るところじゃないと思うんですよね。
○井上政府参考人 適切ではなかった点もございますので、その点も含めてちょっと検討してまいりたいと思います。
○奥野(総)委員 何か済みません、だんだんいじめている気分になってきたんですが、そう言っていただければ、まさに済むんです。
 そこで、大臣に。ちょっと時間をとってしまいましたが、先ほど山花先生からもあったんですが、統計法三条二項というのがあって、公的統計は、適切かつ合理的な方法により、かつ、中立性、信頼性が確保されるように作成されなければならない、こうなっていまして、まさに公的統計、労働時間等総合実態調査は公的統計だということになります。
 この調査については、この統計法三条二項の基本理念に反して、公的統計への信頼を損ねているんじゃないかというふうに私は思うんですが、大臣としてはどうでしょうか。
○野田国務大臣 奥野委員にお答えいたします。
 このたびの厚労省の調査は、統計法に基づく統計調査として総務省の承認を受けて実施されたものではありません。そのため、具体的な設計や調査方法等を承知していないところです。
 ですから、私からは、その統計の有用性などについてのコメントはここでは差し控えますが、もっとも、国の作成する統計におきまして不適切な取扱いが見られたことについては、統計制度を所管する総務省として、極めて残念なことだと受けとめています。
 統計法では、公的統計について、「中立性及び信頼性が確保されるように作成されなければならない。」という基本理念が規定されていて、このたびの法案では、行政機関等の責務として、「基本理念にのっとり、公的統計を作成する責務を有する。」と明記をしたところです。
 総務省としては、今後、公的統計への信頼を維持するために、この責務が各府省においてしっかり果たされるよう、周知徹底してまいりたいと考えています。
○奥野(総)委員 大分時間を使ってしまったので、ちょっとはしょりますが、要は、確かに、基本理念を周知徹底するということは大事なんですが、具体的に担保をする措置、いわゆる基幹統計とか一般統計調査に基づくものについては調査方法の承認をされているので、そこでチェックが働くんですが、それ以外の、いわゆる各府省がやっているような調査研究といったような公的統計について、理念は周知徹底するのはいいんですが、それを担保するような措置を、ぜひ、今回の改正には入っていませんが、設けていただきたい。あるいは、今の制度で何とかなるのか、ちょっと御答弁いただきたいと思います。
○野田国務大臣 お答えします。
 繰り返しになりますけれども、もう既に統計法で基本理念があり、そして、今回の改正法では、行政機関がこうした基本理念にのっとり公的統計を作成する責務を有するという規定を盛り込んでいるところです。
 また、総務省の方では、三月に閣議決定されている公的統計基本計画に基づいて、統計委員会に必要な体制を整備して、統計調査に限らず、いわゆる業務統計、今のお話の業務統計についても、その品質を個別に検査、分析する取組を行うことを予定しています。
 さらに、業務統計も含めた公的統計について、各府省が品質保証活動に引き続き取り組むことを公的統計基本計画で定めていますが、今回の改正案では、統計委員会に、この基本計画の実施状況を調査審議し、必要な場合には総務大臣又は総務大臣を通じて関係行政機関の長に対して勧告できるようにすることとしているところです。
 こうした取組を通して、業務統計についても基本理念に沿って作成されるよう各府省に徹底していく、そういうことになります。
○奥野(総)委員 EBPMについてはこれで終わりにしたいと思うんですが、やはりきちんとしたデータに基づいて議論しないと、誤った方向に議論が行くんですよね。ですから、統計を所管する総務省として、やはり業務統計についても横串を通してしっかりチェックをしていただきたいというふうに思います。
 厚生労働省とそれから内閣官房はもうお帰りいただいて結構なんですが。
○古屋委員長 御退席になって結構でございます。
○奥野(総)委員 最後に、情報公開について伺いたいと思います。
 お手元に資料をお配りをしています。この表は、情報公開・個人情報審査会において文書の不存在について争点となった事案についての数であります。各省で文書がないと言われて、審査会の方に異議申立てをしたものの件数ということになります。
 実は私、これは質問主意書で一回出したんですが、ちゃんとお答えいただけなかったこともあって、改めて質問をさせていただきます。
 お手元の表を見ていただくと、二十二年度から二十八年度まで、諮問件数、これは文書不存在のみということになっていますが、諮問件数は、行政機関と独法ということで左側に出ています。二十八年度だと、行政機関、国の機関については百四十七件諮問があり、独法には十件。それに対して、答申、文書不存在に係る答申が、二十八年度は二百十二件あって、百九十九件が行政機関に係るもの。で、妥当でないと書いてありますが、これは、要するに文書の存在等ということで、実際に文書が存在した、文書の存在等ということで認められたもの、文書があるということが認められたということですね、要するに覆ったものがこれだけの件数ということになっています。
 ちょっと気になるのが、ここに表が出ていないんですけれども、諮問件数が出ていないんですね。諮問件数は質問主意書の方でお答えいただいていまして、例えば、二十八年度は五百七十四件、行政機関については諮問件数があって、そのうち百四十七件が文書不存在に係るもの。四分の一が文書不存在に対する諮問だった。
 これは実は、割合だけ見ると、件数もふえてきているんですが、例えば、平成二十五年度は六百四十二件諮問があって、そのうち不存在のものは八十二件だったんですね。だから、これだと八分の一が不存在ということになります。だから、八分の一から、不存在に係る諮問件数が四分の一までふえてきているということだと思うんです。
 これは通告していないんですが、文書不存在に関しての諮問の割合がふえてきている、これは理由がわかりますか。
○山下政府参考人 お答えいたします。
 文書不存在という形での不服申立てがあり、諮問がされるという、あるいは特に、覆った、妥当でないと判断されるものについて、実際どういう場合なのかということの中身を見てみますと、開示請求の内容は字義どおりに解釈するとこういうことについて求めているんだなということで、それはないといって行政機関が判断したものに対して、審査会で、この請求者が求めているのは実質的に考えるとこういうことではないか、その意味ではあるのではないかというような判断がなされたものが多い、ちょっと具体的に厳密な数字は申し上げにくいんですけれども、そういったものでございます。
 なので、その意味で、この文書があるないということの判断の部分のそごの部分だと思われますので、特にふえてきている、あるいは減っている、そういう傾向があるものではないと考えております。
○奥野(総)委員 もう時間が来てしまったので最後にしたいと思うんですが、要するに、これは全てじゃないわけですね。文書不存在のみということで、ほかの案件とセットのものについてはこれには含まれていないんですね。
 実は、質問主意書で、全貌を把握したいといって質問したんですが、把握していない、調査に時間がかかるのでできないと却下されてしまったんですが、こういういろんな日報問題とか文書の不存在が問題になっているわけですから、やはり網羅的に、過去、ネットで調べると、網羅的に事象を、平成十三、十四、十五年について分析したペーパーもネット上は出てきたんですよ。
 だから、どういう場合に文書不存在が起きているのか、きちんと答申を分析して報告書を出していただきたいと、ひとつお願いしたいと思います。
 それから、最後、大臣に伺いたいんですが、行政評価局は、ごめんなさい、きょう来ていただいたんですが時間がなくなってしまいましたけれども、行政評価も調査をしていて、要するに、文書の保存期間が適切に設定されていないというような事例が各省庁見受けられたということなんですね。
 ですから、総務省としては、今の、例えば情報公開審査会も所管しているわけですから、そこで適切な、文書不存在の事例をちゃんと把握した上で、それから行政評価のツールもあるわけですから、きちんと文書保存期間が徹底される、なるべく役所としては短目にということに恐らくインセンティブも働くと思うんですが、そうならないように、決められたように。政府も基本指針を出して、意思決定過程などの跡づけや検証に必要なものについては、一年は短いので、なるべく一年以上にしろというような指針をこの四月にも出していると思います。
 ですから、総務大臣として、しっかり、こうした事例を分析し、文書が保存されるように取り組んでいただきたいと思います。
 最後、大臣にお願いします。
○野田国務大臣 各府省が公文書管理法に基づいて公文書の作成や管理を的確に行い、さらには、情報公開法に基づく開示を通じて、政府の国民に対する説明責任を全うするということは、極めて重要なことだと考えています。
 今後とも、制度の運用状況や答申、裁判例を把握した上で、情報公開請求への適切な対応というものを各府省に徹底して、情報公開をしっかり推進していきたいと思っています。
○奥野(総)委員 以上で終わりたいと思います。ありがとうございました。
○古屋委員長 次に、本村伸子君。
○本村委員 日本共産党の本村伸子でございます。
 どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 初めに、公的な統計とはどういうものであるかということですけれども、統計法第一条には、「公的統計が国民にとって合理的な意思決定を行うための基盤となる重要な情報であることにかんがみ、」というふうにございます。統計法は、国民の皆様お一人お一人が、その合理的な意思決定を行うための基盤となるような重要な情報を担保するためのものだというこの観点から、以下、法案について、あるいは公的統計の課題について質問をさせていただきたいというふうに思います。
 この統計にかかわる重大な課題として、先ほど来も御議論ございましたけれども、前回の二〇〇七年改正時から指摘されていますのが、統計に携わる職員の減少でございます。
 確認ですけれども、国の統計職員の数の推移について、二〇〇八年度と二〇一八年度で、それぞれ職員数、お示しをいただきたいと思います。
○三宅政府参考人 お答えいたします。
 国の統計職員数は、二〇〇八年四月一日時点では四千三百九十人でございました。二〇一五年には、農林水産省の地方の統計実査組織の改廃、廃止が行われたこと等から、国の統計職員数は千九百九十一人まで減少いたしまして、二〇一八年四月一日現在の国の統計職員数は千九百四十人ということでございます。
○本村委員 二〇〇七年改正時から指摘をされておりますけれども、かなり減っているということでございます。
 政府の研究会の委員もお務めになられておられます美添泰人青山学院大学の名誉教授は、この統計職員などの削減の問題について、統計改革で掲げられた課題を検討する上で最も重要だと繰り返し指摘をされております。行革による人員削減こそが、公的統計の精度を下げる、そして信頼性を揺るがす大きな原因となっているということは、以前から美添教授を始め有識者の方々が指摘されてきた問題でございます。
 統計改革というのであれば、まず何よりもここに手をつけなければ、ここに手を打たなければならないというふうに思いますけれども、所管大臣である野田大臣に御見識をお伺いしたいと思います。
○野田国務大臣 本村委員にお答えいたします。
 統計行政の推進に当たっては、ICTや既存の行政記録情報等の活用によって、合理化できる業務は合理化する一方、統計改革の実現や統計行政の諸課題を解決するためのリソースは的確に確保して、これを着実に推進する必要があります。
 このために、三月に閣議決定されました公的統計基本計画においても、予算、機構・定員等の統計リソースについて、既存の統計リソースの有効活用を図るとともに、統計改革の実現に必要な統計リソースを計画的に確保する旨明記をしたところです。
 平成三十年度におきましては、統計改革に関する定員として、各府省全体で百三人の増員を確保いたしました。
 総務省としては、このような各府省における統計リソースの計画的な確保に資するよう、新たに統計リソースを重点化するべき分野等を定めるなどに取り組んでまいる所存です。
○本村委員 後でも議論いたしますけれども、国の職員と同様に深刻なのが、地方公共団体の人員の体制です。
 国の行う大規模な統計調査で、実際に現地へ行って調査することなどを担うのが都道府県の統計専任職員の皆さんでございます。
 その定数がどうなっているかということで、配付資料を配らせていただいておりますけれども、総務省からいただきましたこの資料を見てみましても、都道府県の統計専任職員の定数の推移ということですけれども、この定数は一貫して減ってきていることがわかるというふうに思います。
 この間で見てみましても、二〇〇四年度でいいますと二千二百四十二人だった定数が、今年度は千六百七十一人ということで、五百七十一人の削減となっております。集中改革プランで二百二十五人削減をされ、それに続く定員の削減で二〇一三年度までに二百六人の削減となりまして、その後も、国家公務員削減計画に準じて、二〇一五年度以降、五カ年間の計画で一〇%合理化を図ることとなっております。
 前回の統計法の改正以降も減らし続けてきたわけでございます。
 統計専任職員というのは、都道府県において統計の専門性を担う重要な部署だというふうに認識をしておりますけれども、例えば、集中改革プランに当たって、こうした統計になくてはならない専門性を持った統計職員の配置について配慮すべきだということを言った通知などを行ってきた経過はあるんでしょうか。
○三宅政府参考人 お答えいたします。
 国の行う統計調査に従事する都道府県の職員につきましては、業務のICT化や民間委託等の状況を踏まえながら、これまで、国の行政機関の職員に準じて毎年度計画的に合理化に取り組むこととしてまいりましたが、これは、各地方公共団体が行政改革を推進するために独自に策定する集中改革プランとは別の取組でございます。
 国の行う統計調査に従事する都道府県の職員につきましては、例えば平成三十年度におきましては、統計改革の一環といたしまして、調査環境の改善や統計調査員の確保のための先行的な取組を行う都道府県に対して職員の加配を行うということとしたところでございまして、両者は連動するものではございません。
○本村委員 連動していないと言いつつ、実際には減っているわけでございます。
 二〇〇七年の統計改革の改正のときに、公的統計が行政だけではなく国民の皆様お一人お一人にとって重要なものであるというふうに位置づけられたにもかかわらず、一方では、地方自治体に人員削減を迫り続け、公的統計作成を支える重要な職員も減らし続けてきたということだというふうに思います。
 二〇一八年三月に策定されて実施が始まっております公的統計の整備に関する基本的な計画、第三期計画ですけれども、国の統計職員の数及び都道府県の統計専任職員を今後純増していくというものになっているんでしょうか。
○三宅政府参考人 お答えいたします。
 第三期の公的統計基本計画、これにおきましては、予算、機構・定員等の統計リソースにつきまして、その再配分と最適配置を促進することなどにより、既存の統計リソースの有効活用を図るとともに、統計改革の実現に必要な統計リソースを計画的に確保するということとされております。必ずしも、国の統計職員を単に純増することとはされておりませんが、平成三十年度におきましては、統計部門全体で見ますと、前年度より四十四人の統計職員数が純増しております。
 いずれにいたしましても、総務省といたしましては、このような各府省における統計リソースの計画的な確保に資するよう、新たな統計リソースを重点化するべき分野を定めることなどに取り組んでまいる所存でございます。
○本村委員 重点化というふうに言うわけですけれども、そもそも絶対数が少ない中で重点化と言うと、需要は低くても重要な統計分野を合理化してしまったり、あるいは、安易に、民間委託、行政記録情報の活用で埋めればいいという安易な方向になっていくんじゃないかということを懸念しているわけでございます。
 先ほども御紹介をさせていただきましたけれども、美添泰人青山学院大学の名誉教授が次のように指摘されている点は非常に重要だというふうに思います。
 最も重要と筆者が指摘し続けてきた問題は、国の統計機関における職員の弱体化である、予算及び人数について、以前より極端に削減されていない場合であっても、職員の経験年数は大幅に短くなっている、専門性の低下によって、重要な調査を民間委託せざるを得ないとしてきたが、そうすると、現役の職員が調査の企画設計に参加する機会が減って、前任者の知識と経験を継承する機会が失われるという悪循環に陥っている部門もあるというふうに指摘されております。
 大臣にお伺いをしたいんですけれども、国の統計機関の弱体化と民間委託化が更に悪循環となって国の統計の専門性が失われていく、こういうことがあってはならないというふうに思いますけれども、大臣はこの指摘についてどのように受けとめておられますでしょうか。
○野田国務大臣 お答えします。
 政府では統計リソースが限られています。その中で、統計調査の企画、分析等の中核的な業務に統計職員を集中的に投入できるようにするため、その他の業務には、すぐれたノウハウやリソースを有する民間事業者を活用してきたところです。
 こうした民間事業者の活用は引き続き重要であると考えていますが、統計部門の多様な課題に的確に対応していくためには、専門性を有する統計職員の確保、育成も重要な課題となっています。
 このため、政府では、この四月に、政府全体を通じて、統計人材の確保・育成方針を作成したところです。
 今後、この方針に沿って、まず、計画的な採用、OJTや研修を通じた能力開発、外部専門家との交流などを通じて、各府省における戦略的そして重点的な統計人材の確保、育成の取組を進めていくこととしているところです。
 総務省としては、統計及び統計制度を所掌する立場から、また統計研修を担う立場から、こうした取組を強力に推進していきたいと考えています。
○本村委員 先ほども議論がありましたように、厚生労働省のデータの捏造など、公的統計の信頼性が失われるような事態があるわけでございます。国の統計の専門性を失わせることがないように、対策をしっかりと打っていただきたいというふうに思います。
 もう一つなんですけれども、調査票等の配付、回収など、最前線で公的統計の作成を支える統計調査員について伺いたいというふうに思います。
 第三期の計画の中には、統計調査員に関して、処遇改善ということが書かれておりますけれども、処遇改善すべきと思いますが、具体的にどのようなことを考えているんでしょうか。
○野田国務大臣 お答えします。
 統計調査を的確に実施し、必要な結果精度を確保する上で、統計調査員は必要不可欠な人材であることは言うまでもありません。こうした認識のもと、今回の基本計画には、統計調査員の確保、育成に資する処遇改善策の方策を進めることも盛り込んでいるところです。
 具体的には、例えば、統計調査員の仕事を希望する者をあらかじめ登録して、その者を対象に研修等を行うことは従来から行ってきていますが、今回の改革では、この研修について、統計調査員が時代の変化に対応できるよう、先ほども申し上げましたが、調査が困難なオートロックマンションへの対応等のノウハウの共有、個人情報保護の重要性の徹底、オンライン調査の実習など、内容を充実して統計調査員のスキルアップを図ることとしています。
 また、これにとどまらず、統計調査員のなり手の裾野を広げるために、学生や生涯学習受講者等の任用に向けた取組を推進するなど、多様な統計調査員の人材確保に努め、統計調査員全体の活性化を図ることとしています。
 なお、統計調査員の手当の日額単価については、統計審議会答申を踏まえ、従来から、公務員給与のベースの改定に合わせて改善等を行っているところであり、引き続き所要の予算をしっかり確保してまいる所存です。
○本村委員 ぜひ具体的な処遇改善をやっていただいて、調査の人員の確保を進めていただきたいというふうに思います。
 次に、調査票の情報等の提供範囲の拡大についてお伺いをしたいというふうに思います。
 今回の法改定では、統計の調査票情報の提供やオーダーメード集計、あるいは匿名加工情報の提供の範囲が拡大をされます。新たに対象となる、調査票情報の提供を受けて行うことについて相当の公益性を有する統計の作成等について、統計委員会の意見を聴取し、総務省令で規定するというふうにしておりますけれども、具体的にはどのようなものを想定しているのでしょうか。
○三宅政府参考人 お答えいたします。
 調査票情報は、特定の調査客体を識別できる情報を含み得るものでございます。このため、今回の第三十三条の二の規定に基づく調査票情報の提供につきましては、これにより国民の統計調査に対する信頼を損なうことのないよう、当該情報の提供を受けて統計の作成等を行うことについて相当の公益性が認められる場合にのみ提供をすることができるということにしております。
 具体的には、この三十三条の二で例示しております「学術研究の発展に資する統計の作成等」を行う場合、すなわち、例えば、論文や学会発表等によりまして科学コミュニティーに向かって公開し、その内容について吟味、批判を受ける統計の作成等を行う場合に提供ができるということを考えてございます。
 このほか、総務省令によりまして、例えば、学術研究と密接に関連する高等教育の発展に資する統計の作成等を行う場合にも、当該情報の提供を認めることを想定をしているところでございます。
○本村委員 ありがとうございます。
 今想定されているのが高等教育等ということだというふうにお伺いをしているんですけれども、五月十日の参議院の経済産業委員会で総務省の横山審議官が、本法案の提供対象の拡大に関して、総務省令で規定するに当たりましては、今後、連携を深める各府省の統計責任者が幹事として統計委員会を支える、そうした統計委員会に意見を聞いた上で、意見公募手続を経て策定したいと考えておりますというふうに答弁をされております。
 今後、公募される意見の内容によっては、先ほど答弁をされました高等教育機関以外についても拡大の対象が広がるのかという点を確認させていただきたいと思います。
○三宅政府参考人 お答えいたします。
 総務省令の制定改廃についての意見公募手続につきましては、行政手続法にのっとって行うものでございます。同法の規定にあるように、提出された意見を十分に考慮しなければならないというふうに考えているところでございます。
○本村委員 そうしますと、必ずしも、現在想定されております高等教育機関等だけに限定されないということになるというふうに思います。
 次に、もう一つ確認をしたいんですけれども、営利目的の統計作成等を行う場合であっても相当の公益性があると認められる場合があり得るのか、確認をさせていただきたいと思います。
○三宅政府参考人 お答えいたします。
 統計調査票情報の提供に当たりましては、統計法において、提供を受けた者に対しまして、適正管理義務、守秘義務及び目的外利用、提供の禁止を課すことによりまして、秘密保護の徹底を図っているところでございます。
 しかしながら、この調査票情報は、特定の調査客体を識別できる情報を含み得るものである以上、国民の統計調査に対する信頼を確保するためには、二次的利用による新たな統計の作成等が国民の理解を得られるものとなっていることが必要であると考えてございます。
 このため、国民の統計調査に対する信頼の確保の観点から、調査票情報の公的機関以外への提供に関しましては、公的機関から委託を受けた場合のほか、今回の法案の三十三条の二の規定に基づきまして、調査票情報の提供を受けて統計の作成等を行うことについて相当の公益性がある場合にのみ提供することができるとしているところでございます。
 具体的には、先ほど申し上げましたように、学術研究の発展に資する統計の作成等を行う場合でございまして、論文、学会等の発表によりまして科学コミュニティーに向かって公開し、その内容について吟味、批判を受ける統計作成等を行う場合に提供することができるというふうにしております。
 したがって、この調査票情報の提供の可否につきましては、目的のいかんを問わず、この条件を満たすものか否かを厳格に審査した上で判断するということになると考えております。
○本村委員 第三期の計画では、「ユーザーのニーズを考慮し、提供対象とする統計調査・年次の追加等に引き続き取り組むとともに、利用要件の更なる緩和や、利用促進策等を検討する。」というふうにございます。
 例えば、オーダーメード集計については、既に利用要件の緩和が二〇一六年四月から実施をされております。企業活動の一環として行う研究であっても、学術研究の発展に資すると認められるものならば利用できるというふうにされまして、公表は研究の成果でなくてもいいですとか、公表時期は営利目的利用の後でもよいですとか、本人確認書類の添付を不要にするなどの利用要件の緩和が行われておりますけれども、調査票情報の利用や匿名加工情報の提供も、今後、これらと同程度にまで緩和をするということを想定しているんでしょうか。
○三宅政府参考人 お答え申し上げます。
 重ねてでございますけれども、調査票の情報というものは、特定の調査客体を識別できる情報を含み得るものでございます。
 このため、今回の法案三十三条の二の規定におきましては、調査票情報の提供につきまして、これにより国民の統計調査に対する信頼を損なうことのないように、当該情報の提供を受けて統計の作成等を行うことについての相当の公益性が認められる場合にのみ提供することができるということにしているところでございます。
 具体的には、学術研究の発展に資する統計等を行う場合でございまして、すなわち、何度も恐縮でございますけれども、論文や学会発表等によりまして科学コミュニティーに向かって公開し、その内容について吟味、批判を受ける統計の作成等を行う場合に提供することでございます。
 この条件を満たす場合には、民間企業に調査票情報を提供することもあり得るということでございます。
○本村委員 調査票情報の提供、オーダーメード集計、匿名加工情報の提供ということを比べてみますと、一番利用が、かなり桁も違って利用されているのが、調査票情報の利用だというふうに思います。
 この調査票情報というのは、かなりセンシティブな情報も含まれておりまして、個人情報保護の観点から、かなり慎重に扱わなければならないというふうに思います。
 現在、調査票情報を使う場合、閉ざされた施設内で利用する場合には、名前や住所とか、そういうものを隠さないで見ることができるようになっているのか、確認をさせていただきたいと思います。
○三宅政府参考人 お答えいたします。
 個人や世帯に関する統計調査につきましては、氏名や住所の記入を求めているものもございますけれども、このオンサイト施設におきまして閲覧できる情報につきましては、統計分析に必要なものに限定しており、氏名は含まれておりません。
 また、住所につきましても、地域的な分析に資する観点から、市町村単位など、一定レベルによる地域情報に限って閲覧することが可能となっております。
○本村委員 かなりのセンシティブ情報が含まれております調査票情報を施設の外に持ち出すことは絶対にないのかという点、確認をさせていただきたいと思います。
○三宅政府参考人 お答えいたします。
 調査票情報のオンサイト利用の取組では、高い情報セキュリティーを確保する観点から、調査票情報のデータそのものはオンサイト施設にはなく、パソコンの画面に表示されるだけでございまして、ダウンロードなどもできない仕組みでございます。
 また、施設内の入室管理や監視カメラによる監視などの措置を講じておりまして、閲覧した調査票情報を外部に持ち出すことができない仕組みになっております。
 以上でございます。
○本村委員 確認をさせていただきましたけれども、今回、協力の努力義務が入っているわけでございますけれども、統計調査に協力をし、情報を提供した方々に、この調査票情報はもともと統計をつくることのほかにも利用するということについて、同意をちゃんととっているのかという点が問題になるわけでございます。
 同意をとるのが当たり前だというふうに思いますけれども、総務大臣、御答弁をお願いしたいと思います。
○野田国務大臣 お答えします。
 行政記録情報を統計の作成等に利用することは、正確で効率的な統計の作成に資するとともに、報告者の負担の軽減にもつながるため、政府としてはこれを着実に推進しております。
 その際、他府省に要請して、その保有する行政記録情報を統計の作成等に用いる場合には、行政記録情報を用いて作成された統計では個々の情報が識別できないこと、作成等に用いた行政記録情報は統計法に基づく守秘義務で保護されることから、制度上、報告者の同意をとるところまでは求められておりません。
○本村委員 個人情報保護の観点から、しっかりと同意をとることがこれからは必要になってくるというふうに思っております。
 そして、もう一つお伺いを、ちょっと前後して申しわけないんですけれども、第三期の計画の推進にかかわって、統計委員会でバランスのとれた審議を確保するために、委員等の構成について措置するというふうにございますけれども、専門家のほかに、作成者、報告者、ユーザーの声を代表する者とありますけれども、どのような方が具体的に加わることが想定されているのでしょうか。
 そして、個人情報保護の専門家、しっかりと加えるべきだと思いますけれども、その点、お願いしたいと思います。
○三宅政府参考人 お答えいたします。
 公的統計基本計画では、今後、統計改革の推進におきまして統計委員会が役割を果たしていくことができるよう、委員等として、各方面の声を代表する方々に審議に参加いただくこととしております。これは、今回の法案で強化される統計委員会の機能を発揮する上でも重要であると考えております。
 具体的には、統計の専門知識を有する学識経験者、作成者の声を代表する者として統計作成経験者、報告者の声を代表する者として企業経営者、自治体の首長さん、ユーザーの声を代表する者として統計を利用して分析を行う学識経験者やシンクタンクのエコノミストなどのほか、今回の法案により、調査票情報の二次利用に関する省令の規定整備に当たっても統計委員会の意見を聴取することとなることから、御指摘のような個人情報保護の専門家にも審議に参加いただくことを想定しております。
○本村委員 統計等のデータには個人の極めてセンシティブな情報が含まれており、やはり、これらの個人情報への十分な保護なくして統計調査の信頼は成り立たないというふうに思っております。
 利活用ありきであってはならないというふうに思いますし、人員の確保についてもしっかりとやっていただきたいということを申し述べて、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○古屋委員長 次に、丸山穂高君。
○丸山委員 日本維新の会の丸山穂高でございます。
 拍手、ありがとうございます。済みません、笑顔で拍手いただきまして、ありがとうございます。
 私からも統計法の質疑をさせていただきたいと思います。
 統計といえば、我々も、選挙のたびに各新聞が世論調査をとったり、それだけじゃなくて毎月のように調査をとられていると思うんですけれども、一方で、それをどう受けとめるかというのが非常に、その受けとめる側の統計のリテラシーというのがないと、うちなんかがよく言われるのは、本当にまだまだ支持率が少ない政党ですので、例えば、二%の支持率が三%にふえた、やったと言ってくださる方もいるんですけれども、恐らくその数字は母数から考えたら誤差なんじゃないかなとか思うような数字であったりですね。
 一方で、経年的に見ていかなきゃわからないですし、母数自体が、例えば選挙のときの新聞なんかを見ていつもこれはおかしいなと思うのは、全体のサンプル数、衆議院なので三百小選挙区なので、その三百で割ったら、恐らく一選挙区当たり百前後しか多分とっていないようなデータで、それによってその候補者がどちらがみたいな、実質的にどちらが勝っているかのような書き方を新聞にされているわけで、この意味でも、今の日本の、選挙だけ切り取っても非常に違和感のある統計の状況だと思います。
 世論調査なんかは恐らく、新聞によっては、例えば、朝日新聞ですと言っただけで、朝日新聞は嫌やといって切る方もいるかもしれませんし、逆の、例えば産経新聞やからといって切る方もいるかもしれません。
 そういった意味で、正確性という意味で、国としてはしっかりこの部分は見ていかなきゃいけませんし、また、後ほど伺いたいんですが、国民の統計リテラシーを高めることで、出てきた数字をしっかりと国民の皆さんにも御理解いただく、我々も理解していくというのも非常に大事な部分だと私は考えていますので、そういった意味で、この法案に対してはしっかりやっていただきたいんです。
 細かい部分をお聞きしていきたいというふうに思います。
 統計の正確性という意味では、例えば政府もいろんな統計をとっていらっしゃるんですけれども、類似の統計が幾つかあると思うんですが、その類似の統計ですら、例えば総務省の家計調査、似たようなものだと経産省が商業動態統計調査をとっていらっしゃると思いますけれども、サンプル数の偏りがあるんじゃないかとかいう話だとか、あとは、厚労省が勤労統計とかをとっていらっしゃるときに、事業所のサンプルの入れかえ時の落差があるんじゃないかとか、総務委員会なので総務省は消費者物価指数ですか、この辺とかも、インターネット販売価格を加味されていないんじゃないのというようなお話だと思うんですね。
 非常に、政府がやっている基礎統計に対するいろいろな問題提起がこれまでもなされてきていると思うんですけれども、こうしたずれの部分、問題提起について、政府はどのように基本的に認識されているのか、お答えいただけますか。
○千野政府参考人 お答えいたします。
 家計調査を始めといたします公的統計の正確性につきまして、さまざまな御指摘や問題提起があるということは承知しております。
 このような御指摘に対しましては、例えば、サンプルの世帯分布について全数調査である国勢調査の世帯分布との比較を行ったり、インターネット販売の拡大を踏まえまして、世帯におけるインターネットでの購入割合を分析するといったような、さまざまな観点から統計の正確性についての検証を行っているところでございます。
 近年のICTの進展などがございまして、社会経済は大きく変化しております。今後も、統計の正確性につきまして検証を進めるとともに、社会経済の変化に対応し、統計の不断の見直しを進めることが必要であるというふうに考えております。
○丸山委員 非常に難しいところで、政府のお答えで、よく検討、検証をしていくというお答えをいただくんですけれども、結局検討されていないみたいなことが結構あるんですが、これはしっかり、そういった意味で、ずれは認識されていて、そうした部分は認識されているんですか。実際の取組としてそうした部分を反映したものはあるのかとか、反映することができるのかとか、このあたりはどういうふうにお答えになりますか。
○千野政府参考人 お答えいたします。
 総務省では、統計の正確性をより一層向上させるために、できる限りの取組を進めております。
 特に、実地調査を正確に行うということが重要だと考えておりまして、例えば、実地調査が難しいオートロックマンションにつきまして、マンション管理団体など関係団体への協力依頼を行うこと、それから、統計調査に対する国民の理解を促進するために広報を充実することといったような、調査環境の改善に向けた取組を行っております。
 また、そのほかにつきましても、調査票の設計を工夫すること、それからオンライン調査を推進することといったような、調査対象者の記入負担の軽減に向けた取組も行っております。
 今後も、このような取組をより一層進めまして、正確な統計の作成、提供に努めてまいりたいと思っております。
○丸山委員 統計の中でも、特に経済の、GDPについて少しお伺いしたいんですけれども、例えばGDPなんかも、多分に言われるのは、ずっと言われてきたのは、家計での、家事労働というのはもちろん含まれていないというのは長年言われていましたけれども。
 しかし、最近であれば、例えば民泊みたいな部分だとかカーシェアリングみたいにシェアリングエコノミーという、いわゆる新しいような経済活動がふえてきた中で、これらについての把握も難しい、反映するのが難しいんじゃないかという、先ほど来役所の方もおっしゃっていますように、完全に新しい経済価値が出てきた中での、その中での反映というのは非常に難しい時代になってきているなというのが私も感じるところなんですが、このあたり、どのようにお考えなのか、又はどのような検討をなされているのか、その部分もお伺いできますか。
○三宅政府参考人 お答えいたします。
 シェアリングエコノミーにつきましては、総務省では、平成二十八年度から調査研究に着手しておりまして、先行事例のサーベイや課題の整理を行いまして、二十九年三月には統計委員会で審議を行ったところでございます。
 また、二十九年度におきましては、総務省と内閣府が連携をいたしまして、国際的な動向も踏まえたシェアリングエコノミーなどの新分野の統計への取り込みにつきまして、国内における実態の把握を行う共同研究プロジェクトを推進したところでございます。
 このような取組も踏まえまして、ことし三月に閣議決定いたしました公的統計基本計画、これにおきまして、シェアリングエコノミー等多様化するサービス産業の計測などの課題につきまして、その研究成果を踏まえ、実用化に向けた方法を検討するというふうに定めたところでございまして、引き続き、関係省庁一体となって、具体化のための検討にしっかりと取り組んでまいりたいと存じます。
○丸山委員 重ねてお伺いしたいのは、いわゆる消費者余剰という形で、デジタル社会で新たに生じるようなこういった価値もGDPに反映されないんじゃないかというお声もあると思うんですけれども、このことについて、政府はどのようにお考えなのか、どう考えていらっしゃるのかということをよろしくお願いします。
○長谷川(秀)政府参考人 お答え申し上げます。
 GDP統計は、国連が合意、採択された国際基準、SNAに準拠して作成されておりますが、消費者余剰につきましては、GDPの範囲に定義上、概念上は含まれていないところでございます。
 一方、デジタルエコノミーの消費者余剰の計測に関しましては、国内外でさまざまな理論的、実証的な研究が行われておりまして、また、IMFなどの国際機関での議論がなされていることは承知しております。
 こうした消費者余剰に関する研究や議論の動向をしっかりとフォローしつつ、私どもの方では、シェアリングエコノミーの測定に関する研究など、時代の変化に対応した経済統計の整備改善について不断の努力を続けてまいりたいと思います。
○丸山委員 政府側も、新たな取組やっていきまっせという話はもちろんされていまして、済みません、やっていきますよの関西弁なんですが、従来の経済統計を補完する新たな指標群を考えるという表現で、一応そういった方向性について示されているんですけれども、これってどういったものを指すのか。
 さっきの消費者余剰にしても何にしても、シェアリングエコノミーにしても、こうした部分を盛り込んでいくというのは十分可能だという認識でこういう表現をされているんだと思いますが、このあたりについて、詳しく御説明いただけますか。
○林政府参考人 お答えいたします。
 骨太方針二〇一七におきまして、「従来の経済統計を補完し、人々の幸福感・効用など社会の豊かさや生活の質を表す指標群の作成に向け検討を行い、政策立案への活用を目指す。」こととされております。
 この指標群の作成に当たりましては、既に存在している統計のうち、社会の豊かさや生活の質をあらわす指標を多角的に集めて俯瞰することを考えております。
 委員御指摘の消費者余剰を直接推計したような統計というのは現時点で存在しているとは承知しておりませんけれども、もしそのような統計が開発されれば、推計された統計の内容にもよりますけれども、指標群の中に組み込む候補の一つになり得るんじゃないかと考えております。
○丸山委員 これは非常に学問的な部分もあると思いますし、国際社会の中での基準値のあり方というのもあると思いますので、うちの国だけというのはなかなか難しいところもあるとは思うんですが、しかし、新たな取組を我が国から発信していくというのも一つ重要な、その国の持っている価値観を示していくという部分もあり得ると思いますので、ぜひ前向きに進めていただきたいというふうに思います。
 問題は後半なんですけれども、統計のデータが出てきても、それをきちんと理解いただける環境をつくっていかなければ、政府としても、出しても、専門家の方だけが使ってしまう。もっといけば、悪いふうになってしまいかねないのは、統計が間違ったふうに理解をされて、それが、国民の判断、いろいろなところで御判断いただくときに、間違った御判断をいただくような形にならないようにしっかり私は教育に入れていかなきゃいけないというふうに思うんです。
 よく考えたら、余り統計とか数字の扱い方というのを学校教育でやらないんですよね。私も、どこで勉強したかなというと、大学のときぐらい。私は経済学部なので、文系でいくと、数学も、本当に、統計の分析方法なんというのも、初等教育、中等教育でやった覚えがなくて、高等教育だったんじゃないかというのが私の記憶なので、もしかしたら、そうじゃない学部に行かれたら、全然統計の基礎的知識もないまま社会人になられるとすれば、非常に、そうした数字に対するトリックみたいなものも、統計のトリックみたいな部分も見過ごしてしまいかねないと思いますので、やはりもっと、初等教育なり中等教育のところでも、しっかりこうした教育は必要だというふうに思うんです。
 まず、いろいろな教育があると思うんですね。専門家という意味と、もう一つ、今申し上げたような、国民全体での統計スキルという意味があるんですけれども。
 まず、前半の専門家についてもどうなのかという部分をお聞きしたいんですけれども、データ分析をできるようなスキルだとか統計科学、こうした専攻をするような人材自体が極めて少ないんじゃないかと言われていると思うんですけれども、こうした部分に関して、政府のバックアップ体制はどうなっていらっしゃいますか。
○三宅政府参考人 お答えいたします。
 日本の大学の統計教育は、これまで、欧米で見られるような統計学部ではなく、理学部や経済学部などでそれぞれ行われる例が多かったと承知しております。
 もっとも、近年では、データ処理、分析能力の高度化などを背景といたしまして、高度化、多様化する統計ニーズに応える形で、滋賀大学や横浜市立大学にデータサイエンス関連の学部が設置されたほか、大学院では統計を専門とするコースの開設がふえていると承知しております。
 総務省といたしましては、これらの大学と連携しつつ、大学からの要請に応じまして、統計行政や、統計作成実務を担う専門家として職員を講師として派遣するなどの支援を行ってきたところでございまして、今後とも、こうした取組を進めてまいりたいと存じます。
○丸山委員 例えば、先生の方も不足していると思うんですよ。よく考えたら、小学校、中学校、高校もそうですけれども、初等中等教育において、この先生方に対して、やはりきちんと統計の重要性、多分科目によるんだと思うんですけれども、特に数学において、若しくは、どの分野でしょう、数学か理科かわかりませんが、そうした部分に関して、数字の扱い方、調査をした場合の、統計、サンプルのあり方、どういうふうに分析するのか、高度な部分は難しいと思うんですけれども、基本的な部分を、やはり早目の段階からぜひやっていただかなきゃいけないと思うんです。
 こうした部分に関して、政府で何か対策をされていたり、若しくは目標を置かれたりされているのかどうか。そうした部分について、どのようにお答えになりますか。
○三宅政府参考人 お答えいたします。
 統計スキルの向上を図る上では、小中学生といった早い段階からデータの扱いに親しみを持つことが肝要だと思っております。現場で指導に当たる教員の方々への支援が重要であるというふうに認識しております。
 総務省におきましては、平成十四年度以降毎年、現場の教員の方々を対象といたしました統計指導者講習会、これを開催をいたしておりまして、最近では、二十六年度からでございますけれども、東京以外での開催も機会を設けまして、より多くの教員の方々が参加できるように努めてきたところでございます。
 また、平成二十八年十二月の中央教育審議会の答申では、社会生活などのさまざまな場面におきまして、必要なデータを収集して分析し、その傾向を踏まえて課題を解決したり意思決定したりすることが求められていると承知しておりまして、総務省といたしましても、この答申を受けた学習指導要領の改訂なども踏まえまして、引き続き、教員の方々への支援を通じまして、統計スキルの向上に向けた取組を進めてまいりたいと存じます。
○丸山委員 どうしても通告の関係で重なってしまうんですが、お聞きしたいと思います。
 政府においてどういうふうになられているのかということなんです。さっき、四千三百九十人でしたっけ、政府の統計関係の方がいらっしゃるということなんですけれども、これは年々減少傾向にあるということですが、外部からこの統計関係に関係して政府職員として来ていらっしゃる方もいるのかどうか、どういうふうな形で優秀な人材の確保、採用をやっていくのかどうか、育成していくのか、このあたりについてお答えいただけますでしょうか。
○三宅政府参考人 お答えいたします。
 現在、国の統計部門では、統計センターの職員も含めまして約二千六百人の職員が統計の作成や公表の事務に従事しているところでございます。このうち外部から受け入れた職員数につきまして、包括的な調査は行っておりませんけれども、総務省におきましては、昨年度、外部から一名の職員を受け入れまして、今年度は七名を受け入れているところでございます。
 こうした、これまで外部から受け入れた職員からは、政府の統計部門が、就職先として、あるいは研究者の間で十分認知されていないといった声も多く聞かれておりまして、受入れの促進のためにもさらなる工夫が必要だというように考えております。
 このため、本年四月に策定いたしました政府全体を通じた統計人材の確保・育成方針にのっとりまして、各府省において、専門的な内部人材を計画的に確保、育成していくこととあわせまして、外部の専門人材の受入れを促進するために、学会や就職セミナーなどにおきまして、就職先として統計部門の認知度を高めていく、こうした活動を積極的に行ってまいる所存でございます。
○丸山委員 済みません、四千人じゃなくて二千人ですね。二千人ぐらいの中で七人が外部の方ということは、数字でいえば〇・三五%ですか、統計でいったら誤差の範囲で、非常に少な過ぎですよ。
 だから、やはり、外部から、役所はいつもそうですけれども、外部の人材を入れる入れると言って、なかなかそこまで、ほかの民間企業から見たら活発には見えませんし、そういった意味で、せっかく統計も日進月歩で、いろんな統計の最新の高度なものも進んでいるわけですから、ぜひ外部の方も入れていただいて、より中にいらっしゃる方の切磋琢磨を目指していただきたいですし、政府の、今最初に申し上げたような、次の時代の統計の形に向けての新たな取組も前に進めていかなきゃいけないというふうに思いますので、ぜひそうした面でも活性化していただきたいというふうに思います。
 最後、これまでの先生方でも、議員の皆さんでも質問がありましたが、少し、オーダーメード集計は気になりますので、お伺いしておきたいというふうに思います。
 経団連の方で提言されておりまして、企業における利用促進に向けて、今後は、企業の商品開発、市場分析、地域産業の活性化等にも生かせるように緩和してほしいという提言が出ていて、本改正が行われるんですが、今の現状に比べてどのようにデータ提供が認められるかというのは、やはり疑問の声、もうちょっとしっかりと明らかにしてほしいという声は多いと思います。さっきもありましたけれども、営利目的であっても提供可能なのかという話だとかも含めて、非常にこの部分が民間の方々からすれば気になっていらっしゃるところだと思います。
 改めて、わかりやすいように御説明いただけますでしょうか。
○三宅政府参考人 お答えいたします。
 オーダーメード集計や匿名データの提供制度につきましては、平成二十一年以降、約十年にわたり特段の問題もなく運用してまいりまして、社会的な理解が進んでいると認識してございます。
 また、オーダーメード集計では調査票情報自体は利用者に提供しないものでありまして、また、匿名データは調査客体の識別ができないよう加工されているものでございます。こうしたことから、現在より条件を拡大しても、国民の統計調査に対する信頼を損なうおそれは小さいというふうに考えております。
 このため、改正後は、オーダーメード集計あるいは匿名データを利用できる場合といたしまして、現在の条件に加えまして、総務省令におきまして、例えば、官民データ活用推進基本計画、これにおきまして、データの利活用により諸課題の解決が期待できる分野として指定されている重点分野に係る統計の作成等であって、当該統計の作成等が国民経済の健全な発展や国民生活の向上につながる場合などを追加することが考えられると思っております。
 また、このように、オーダーメード集計あるいは匿名データを利用できる場合は、相当の公益性がある場合に限定される上、作成された統計等は、広く社会一般に利用が可能なものとして公表される仕組みとしているため、利用目的に営利目的が含まれる場合であっても国民の御理解は得られるものと考えているところでございます。
○丸山委員 今おっしゃった公表の部分もみんな気になっているところなんですけれども、要は、使ったというだけの公表でも可能なのかどうか、具体的にどんな成果物の公表というのを考えられているのか、このあたりについて詳しくお伺いできますか。
○三宅政府参考人 お答えいたします。
 公表制度を設ける目的は、調査票情報の二次的利用により、統計調査への国民の信頼を損なわれることがないよう、調査票情報の利用の透明性を確保するとともに、二次的利用により作成された統計等を広く社会に還元することでございます。そのために、早期に詳細な内容が公表されることが望ましいと考えてございます。
 一方で、調査票情報を利用する側からいたしますと、インセンティブを損なうような公表の仕方をされることは望ましくないということもまたあるかと思います。
 こうした利益均衡を踏まえまして、オーダーメード集計を行ったときは、本法案では、少なくとも統計の作成等の委託をした者の氏名又は名称、統計の作成等に利用した調査票情報に係る統計調査の名称、作成した統計等又はその概要を公表しなければならないとしているところでございます。
 これらの措置によりまして、調査票情報の利用や、これにより作成した統計等の提供状況を明らかにして国民の信頼を確保しつつ、二次的利用制度の運用を適切に図ってまいりたいと考えております。
○丸山委員 あともう一個最後に聞いておきたいのは、統計委員会を補佐する機関として、一応、今回、幹事というのを置くということなんですけれども、これは、また何かポストをふやしたいんとちゃいますのというふうに言われかねないと思うんです。
 これは、どういう人を置こうと思っていて、この置く理由というのはどういうことをおっしゃるのか、このあたりについて、どのようにお答えになりますか。
○三宅政府参考人 お答えいたします。
 今回の法改正により統計委員会に置くこととしている幹事につきましては、各府省の統計担当の局長など、自府省の統計部門を総括する局長クラスの職員を充てることを想定しております。したがって、新しいポストを設置するものではございません。
 また、この目的でございますけれども、今回の法改正によりまして統計委員会が機能強化をされるということでございまして、その補佐をする体制を強化ということで幹事を設置することといたしております。
 各府省の統計部局を総括する職員を幹事としまして、それぞれの府省の中で、統計に関して府省を代表する立場であることを明らかにすることによりまして、みずからの府省の統計につきまして十分把握し、必要に応じて府省内の調整を行うことが可能になるというふうに考えております。
 さらに、幹事が統計委員会と各府省の間の連絡調整、これを担うことによりまして、政府一体としての政策を推進していくことが可能になると考えております。
○丸山委員 時間が来たので終わりますけれども、いずれにしても、統計が国民の理解を得られるように、ぜひ前向きな方向で頑張っていただきたいというふうに思います。
 大臣、済みません、きょう、大臣に対する御質問はなかったんですが、また一般もありますので、そこで質問させてください。
 ありがとうございました。
○古屋委員長 次に、吉川元君。
○吉川(元)委員 社会民主党の吉川元です。
 今回、統計法の改正ということでございますが、若干、SNAについて、最初に何点かお聞きしたいと思います。
 これについて、ことしの本会議の中でも少し触れられたんですが、余り腑に落ちない点がありますので、お聞きしたいというふうに思います。
 まず、国際基準であるSNAが二〇〇八年に改定をされ、日本では、二〇一六年度に、二〇一一年度をGDPの基準値に置く改定の際に、新しいSNAの基準が導入をされました。
 この改定で、従来は中間消費に位置づけられていた研究開発費や、あるいは防衛装備品を資本形成として扱うなどの変更が行われて、二〇一五年度の名目GDPは、二〇一一年度基準で五百三十二・二兆円にまでかさ上げされ、旧基準よりも三十一・六兆円ふえたというふうになっております。
 この三十一・六兆円のかさ上げの内訳では、研究開発費が十九・二兆円、これは最も大きいんですが、これら研究開発費や防衛装備品の扱いの変更というのは、これは〇八SNA、つまり国際的な基準でありまして、日本独自の意図を持って行った改正ではないというふうに理解をしております。
 他方、このかさ上げ幅で研究開発費に次いで大きな額を占めているのがその他の項目で七・五兆円。これは、〇八SNAに基づくものではありません。具体的にどのような項目をどのように改定したのか、この点についての説明をお願いいたします。
    〔委員長退席、原田(憲)委員長代理着席〕
○長谷川(秀)政府参考人 お答え申し上げます。
 二〇一六年十二月に行いましたGDPの基準改定には大きく二つの改定要因がございます。
 一つ目は、今議員おっしゃいましたように、RアンドDの設備投資への計上など、最新の国際基準、二〇〇八SNAに対応したこと。これは、約十六年ぶりに行われました国際基準の改定を反映したものでございます。
 もう一つでございますが、これまでも五年ごとに行ってまいりました改定があります。五年ごとに行われます国勢調査、それからあと産業連関表等の大規模で詳細な基礎統計、それから最新の知見に基づく推計方法を反映したものでございます。
 今回、基準改定の公表に当たりましては、基準改定によるGDPへの影響額につきまして二つのパートに分け、今申し上げました二つの要因でございます、一つ目は、新しい国際基準への対応によるものを二〇〇八SNA対応要因といたしまして、二つ目は、それ以外の新しい基礎統計や推計手法の反映によるものを委員御指摘のその他要因として公表しているところでございます。
 その他要因について具体的に申し上げますと、一つ目でございます建設投資について、建設工事にかかった費用ではなく、いわゆるコストではなくて、実際の販売額を活用するなどの推計手法の改善、二つ目でございますが、産業連関表や住宅・土地統計など、最新の基礎統計の反映などを挙げているところでございます。加えまして、二〇一五年度につきましては、詳細な基礎統計を反映いたしまして、QE、いわゆる四半期別GDP速報でございますが、それを年次推計に改定した要因も含まれているところでございます。
○吉川(元)委員 この新基準によるGDPの計算、一九九四年度までさかのぼって行われております。九四年度から二〇一五年度まで二十二年間あるわけですが、この二十二年間のうち、その他部分が対前年度でプラスに振れたのはたった六回、しかも、そのうち三回は安倍政権、第二次安倍政権ですが、以後の二〇一三年度から二〇一五年度までの三年です。
 それ以前、プラスに振れているところもあるんですけれども、それらを見ましても〇・五兆円前後なんですが、残りは全部マイナスということですけれども、安倍政権下の二〇一三年度は四兆円、二〇一四年度が五・三兆円、そして二〇一五年度は七・五兆円、その他が急激にふえております。
 なぜ、この三年間がこういうふうに急激にその他の項目がふえているのか、この点について尋ねます。
    〔原田(憲)委員長代理退席、委員長着席〕
○長谷川(秀)政府参考人 お答え申し上げます。
 二〇一三年度からの改定幅の増加につきましては、建設投資の、先ほど申し上げました推計手法の改善が寄与していると思われます。
 具体的には、旧基準では、建設資材や建設労働者の賃金など建設工事にかかった費用、コストから建設投資額を推計いたしましたのに対しまして、新基準では、建設工事の実際の販売額を用いた推計方法に改善いたしました。
 そして、最新の平成二十三年産業連関表を反映しつつ、こうした推計方法の改善によりまして、GDPの改定額でございますが、二〇〇七年度から二〇一二年度まではマイナスに寄与しておりましたが、二〇一三年度以降はプラスに寄与しております。これが二〇一三年度以降、その他要因を押し上げている要因になったと承知しております。
 こうした要因に加えまして、今般の基準改定で反映可能な最新の平成二十五年住宅・土地統計及び平成二十年住宅・土地統計を織り込んだ結果、持家の帰属家賃等を含む住宅賃貸料、こちらが、二〇〇三年度以降、押し上げる要因となっていることも影響しているかと思われます。
○吉川(元)委員 建設関係の推計手法が変更されたということですけれども、これはきのうレクの際にも聞いたのは、もちろん、これも寄与度としてはあるということですけれども、上がったり下がったりというのは二〇一三年以前も当然あった。大きく上振れしたりあるいはマイナスになったり、それと同じ程度で二〇一三年以降も上振れが出ているということでありますから。
 そういう意味でいうと、プラスの寄与度という言い方をすれば、建設関係だとかが寄与しているということは言えるかもわかりませんけれども、きのうのレクの際にお話を聞いた際には、実際にこの三年間が特にプラスに、しかも、それまで〇・五兆円程度のプラスの振れ幅だったものが、四兆、五・三兆、七・五兆円に振れたというのは、これは帰属家賃が二重に実はやられているというお話を伺ったんですけれども、この点、いかがですか。
○長谷川(秀)政府参考人 お答え申し上げます。
 今先生御指摘ありました二重の件でございますが、二重ではなくて二つの推計項目で、別々でございます。住宅の、今回、これまでのコスト積み上げから、いわゆる出来高にシフト、変更させていただきました。二つ目でございますが、住宅の建設ではなくて、帰属家賃、家賃の分でございますので、建設とはまた別のサービスというふうに御理解いただければと思います。
○吉川(元)委員 いや、私が聞いているのは、その帰属家賃が、ちょっと僕、正確にきのうメモできなかったんですが、帰属家賃というのが実際にそれまでの基準年に比べると大きく、大きくといいますか上がっている。それまでは、それをずっとならしていく過程で、一三年から一五年にかけてならしていく部分に、もう一個、もう一つ同じようなものが乗っかっているという話を聞いたんですが、その点についてはいかがですか。
○長谷川(秀)政府参考人 お答え申し上げます。
 今般の基準改定におきまして利用可能な基礎データといたしまして、今回取り込みました最新のデータの中で、住宅・土地統計でございます。これについては、平成二十五年とそれから平成二十年、この二つの大きな統計を織り込んだために、そのような結果になったと思います。
○吉川(元)委員 つまり、二十年の調査と二十五年の調査によって、帰属家賃というのはもともと考えていたよりは高い水準にあった。それまでは、二十年のやつだけ、一つだけで見ていたのが、二十五年の調査が加わったので、それに更に上乗せをして、二〇一三年度以降、この帰属家賃を上げていった。
 結果として、統計が、統計といいますか、このGDPのその他の項目が、これによって、もちろん、先ほど言っていた建設の推計手法が変更になったということで上がった部分もありますけれども、それはいつもあるわけで、二〇一三年以降大きく変わったのは、この帰属家賃の推計の仕方が、平成二十年と二十五年、二つ分を合わせて乗っけて、その結果として上振れをしているというふうに私は理解をいたします。
 もう余り時間がないので、次に、ちょっと質問させていただきますけれども、今のその他の項目、これは、支出の側面から見た需要項目では、どういった項目に影響を与えているというふうに考えればよろしいでしょうか。
○長谷川(秀)政府参考人 お答え申し上げます。
 推計手法の改善や最新の基礎統計の反映によります影響は多岐にわたりまして、厳密に分解することはできませんが、主に、家計最終消費支出、それから総固定資本形成に影響が及んでいるものと考えられます。
○吉川(元)委員 次に、民間最終消費支出について尋ねたいと思います。
 旧基準、二〇〇五年基準では、前の基準では二〇一五年度の実質民間最終消費はどういうふうになっているのか、教えてください。また、それは前年度比でプラスですか、マイナスですか。
○長谷川(秀)政府参考人 お答え申し上げます。
 旧基準、二〇〇五年基準でございますが、こちらの最後のQE、四半期別GDP速報の段階では、二〇一五年度のGDPの実質民間最終消費支出は三百六兆七千億円でございました。これは対前年度比でマイナスの〇・一%でございました。
○吉川(元)委員 じゃ、関連してお聞きしますけれども、これは基準年が二〇一一年に変わったということで、新基準ではプラスになっているけれども、旧基準のままでいくとマイナスだということであります。
 そういたしますと、一四年度、これもマイナスであります。それから、今のお話、旧基準の計算でいきますと一五年度もマイナスということでありますから、実質的に旧基準で見ると二年連続で実質民間最終消費がマイナスになったということでありますが、二年連続で実質民間最終消費支出がマイナスに振れたということは過去にはあるのでしょうか。
○長谷川(秀)政府参考人 お答え申し上げます。
 現行基準、二〇一一年基準におきまして、御指摘のように二年連続でマイナスになった期間はございません。
○吉川(元)委員 今答弁にあったとおり、過去に例がないということでございます。
 二〇一四年度のマイナスというのは、これは消費増税によって発生をした。旧基準のままですと、それは引き続き二〇一五年度にも影響を及ぼしたということになるんですが、これが新基準に変わりますとプラスに変わりますから、消費増税は二〇一四年度のみで、二〇一五年度については大きな影響を与えなかった、こういう実は政策的な結論になっていくわけであります。
 今回の法改正は、証拠に基づく政策形成、EBPMと言うそうですが、これが重要だということが強調されておりますが、いわゆる実体経済の、特に消費について、消費増税がどのように影響を与えたのかということが旧基準と新基準で百八十度評価が変わってしまうわけであります。
 そうなりますと、これは果たして、今言っていた証拠に基づく政策形成ということがこれでできるのかどうなのか。対前年比が基準を変えることでマイナスからプラスに変わってしまう、こういう基準改定についてどのような認識をお持ちですか。
○長谷川(秀)政府参考人 お答え申し上げます。
 私ども、改定幅の縮小に向けてさまざまな努力をしております。統計改革推進会議最終取りまとめや、それからあと、先般閣議決定されました公的統計基本計画に基づきまして、引き続き、そうしたGDP統計の精度向上、改定幅の縮小を含めまして取り組んでまいりたいと思います。
○吉川(元)委員 答えにくいのかもわかりませんけれども、EBPMというものが重要だというふうに言われているその中にあって、例えば、消費増税が実体経済、とりわけ消費にどのような影響を与えているのか。それは非常に重要な、今後の政策決定を行う上で重要なデータになるわけです。ところが、それが基準を変えたことでマイナスだったものがプラスに変わってしまうとなれば、それはどちらが本当なんですかという話にもなってくるわけです。
 そして、先ほど、その他要因のところで、その他要因がいわゆる需要の面から見るとどういうふうに影響を与えるのかと言ったら、消費にもかかわるという話でした。だとするならば、EBPMをやっていく上で非常にこれは私は問題があるのではないかということを指摘をさせていただきたいというふうに思います。
 次に、防衛装備品の資本化なんですが、これを見ておりますと、遡及改定された九四年度から二〇一五年度までの間、改定幅が全て〇・六兆円という同額でずっと推移をしております。実際にその防衛関係予算、その中の防衛装備品の予算を見ますと、毎年同額というわけではありませんし、〇・六兆円前後、例えば五千八百億円のときもあれば六千二百億円のときもある、だったら丸めて〇・六というのはわかるんですが、実際に見ると、一兆円近いときもあれば七千億円強のときもございます。
 そうしますと、これらが全てなぜ〇・六兆円になるのか、なぜ同額なのかというのを教えていただけますか。
○長谷川(秀)政府参考人 お答え申し上げます。
 防衛装備品の資本化につきましては、最新の国際基準、今回の〇八SNAでございますが、のっとった推計を行ったものでございます。
 各年の政府支出の政府最終消費支出から公的固定資本形成への移しかえ自体、今回その資本化ということで、今まで消費という扱いでしたけれども、これからは資本というふうに扱いましたので、それの移しがえがありました。それ自体はGDPの総額に対しては、いわば中立の影響でございます。
 一方、今回GDPの改定幅で、今回〇・六兆円ということをお示ししておりますが、これは、資本化あるいはストック化した防衛装備品から新たに生じる固定資本減耗が政府最終消費支出を押し上げたことによるものでございます。
 以上の推計を行った結果、各年度〇・六兆円程度の改定幅になったものでございます。
 以上でございます。
○吉川(元)委員 もう、ちょっと余り時間がないので最後に質問しようと思っていたんですが、ぜひお願いなんですけれども、今回新基準に移行して、遡及分が九四年度までということであります。長期の時系列、これをずっと見ていくということは非常に大切なことでもありますし、できる限り、非常に重要なGDPや、あるいは、これは総務省になりますが、家計調査、CPIあるいは鉱工業統計、こうしたものについては基準が変わった際にはできる限り過去にさかのぼってぜひ数値を出していただきたいということをお願いをしておきたいと思います。
 次に、総務省の方に伺います。
 先ほどから職員の数というようなお話が出てまいりました。これは、ほかの国、いろいろ、分散型、集中型というお話もありましたけれども、統計のとり方、やり方が違うということで、職員、そこにかかわる職員の数、一概にどうこうというふうには言えないんですが、ただ、日本の職員の数というのはこれは非常に、集中型あるいは分散型、比べても少ないのではないかというふうに思います。
 これは真剣に検討すべきだというふうに思いますけれども、これは総務省としてもありますし、ほかの省のことについてはなかなか答弁しにくいと思いますが、大臣のお考えを伺います。
○野田国務大臣 吉川委員にお答えいたします。
 統計職員数は平成三十年度で千四百五十四人となっており、地方支分部局や統計センターを含めて約二千六百人となっています。
 我が国の公的部門の職員数は、全体として、諸外国に比べ少なくなっていることに加えて、統計調査の実施方法など国によって異なるため、統計部門の職員数を諸外国と単純比較するのは難しいです。
 日本においては、統計調査の実査の多くは地方公共団体が担っている、都道府県の統計専任職員は約千七百人いるということですが、例えばカナダでは約五千四百人となっていることなどと比べると、我が国では少ない職員数で効率よく業務を遂行しているものと考えております。
 もっとも、統計行政の推進に当たっては、合理化できる業務は合理化する一方で、統計改革の実現に必要なリソースは的確に確保する必要があり、平成三十年においては、統計改革に関する定員として、全体で百三人を確保したところです。
 総務省としては、このような各府省における統計リソースの計画的な確保に資するよう、新たに統計リソースを重点化するべき分野を定めることなどに取り組んでまいります。
○吉川(元)委員 もう時間が来ましたので終わりますけれども、気になるのは、昨年の十二月二十一日、あっ、一昨年ですね、統計改革の基本方針の中で、統計コストを二割削減というのが明記されております。
 今回の統計法改正もそうですけれども、よりスピーディーに、より正確に、そしてコストは減らせ、これはかなり無理な要求だと。正確でスピーディーな統計をつくっていくためにもぜひ職員の確保をお願いをして、私の質問を終わります。
○古屋委員長 次に、井上一徳君。
○井上(一)委員 希望の党の井上一徳です。
 本日、統計法等の改正案について最後の質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 私は、統計法の審議に先立ちまして、新宿区にある総務省の第二庁舎に統計の研修にお伺いさせていただきました。何か聞きましたら、野田総務大臣は一回のみならず二回伺われたというふうに聞いております。まさにその場所で五年に一回の国勢調査を行っています、その際にプレハブを建てて、多くの職員が出て作業に当たっておりますとか聞きました。
 それから、千野統計局長からはいいお話を伺いまして、国勢調査というのは、選挙区の区割り、それから税金の配分のもととなっているということで、まさに民主主義の基盤そのものだということ、それから、米国では十年ごとの国勢調査、これは憲法に規定されているということで、非常に重要な施策であるということも研修の際に教えていただきまして、その節はありがとうございました。
 また、その後、いろいろ御案内していただきまして、消費者物価指数のもとになる小売物価統計調査、これについては、全国八百人の調査員の方々が日ごろから丹念にスーパー等に出向いて調査されているものを集計しているということもお聞きをいたしました。
 統計に携わる全国の多くの皆さんの日ごろの活動に改めて感謝を申し上げた上で、質問に入りたいと思います。
 初めに、先ほども申し上げましたように、二回も熱心に視察に伺われたという話も聞いておりますし、うわさでは、大臣の愛読書は「日本の統計」ですよということも聞きましたけれども、大臣の統計に対するまず熱い思いを語っていただきたいというふうに思います。
○野田国務大臣 井上委員にお答えいたします。
 まず初めに、視察をしていただきまして、まことにありがとうございます。
 そこにある資料館というのも大変興味深い施設でありまして、本当に、昔の資料から今日に至るまでの統計の歴史というのをつぶさにかいま見ることができまして、ますます統計が大好きになるという場所でございます。また一度、御一緒できればなと思いますが。
 今たまたま「日本の統計」の話が出ましたので、少し個人的な話になりますけれども、初当選したときに、私は、自民党の大先輩である竹下元総理に呼ばれまして指南を受けました。そのときに、あの当時は、女性は感情的である、そういう先入観を持たれているので、いい政策をつくってもなかなか、同僚議員たちに、女性がつくったものだからなというような、そういう取扱いを受けることは間々ある、そういうことで、まずはデータをもとに政策を示すことが大切なんだということを言われ、統計局が作成している、今先生御指摘の「日本の統計」という本に、しっかり勉強しましょう、竹下登とサインをしていただきまして、初当選のお祝いとしていただいたことが始まりであります。
 それ以来、この本を私的にはバイブルとして、とにかく統計データをもとに政策の議論を行うという姿勢を貫いてきたつもりです。
 統計によって、さまざまな関係者が同じ基準で物事を捉えて議論することができるわけです。また、今まで見えなかった事実もあぶり出すことができます。さまざまな統計を進める際に、関係者の理解を得るためには、統計の客観的な数値を示すことが、エピソードではなくやはりエビデンスということで、極めて効果的でありました。
 統計は、我が国の実情を映す鏡だとも思っています。
 日本は大正九年に国勢調査が始まりました。そして、直近の平成二十七年の国勢調査で初めて人口減少に転じました。一貫して人口は右肩上がりという国の体質が大きく変わり、今までとは違う、別人格になったということを統計データがしっかりと示してくれています。
 私は、少子化、人口減少こそがこの国の最大の危機とずっと考えていますが、こうした危機に的確に対処して、必要な施策を講じていくため、統計を通じて社会経済の実情を正確に把握することが、これまでの右肩上がりで富が十分あったときの時代と違う、これからの厳しい時代においては、まして重要になってくると思っています。
 さまざまな分野で活用されて、そして全ての人々にとって必要な統計は、精緻なものでなければならないし、わかりやすくなければいけないと思っています。
 今回の統計改革を着実に進めること、これによって、統計が社会全体の情報基盤としてその機能をよりよく果たせるよう、国民の皆様の的確な意思決定を支えていきたいと考えているところです。
○井上(一)委員 ありがとうございました。
 大臣のもとで統計の改革が行われているということを大変心強く思いました。
 それでは、統計改革の目的、それから課題について伺います。
 いろいろ議論ございましたので、なるべく重複のないようにお聞きしたいと思います。
 やはり統計はあらゆる政策の基礎となる重要なものですけれども、これまで、統計等が政策立案に十分使われていない、それから、これを推進する体制が不十分だということが議論されております。
 私も、データというのは、やはり資源というか、言うなれば、金の山、銀の山、そこから金それから銀を製錬していく、そういう作業に似ているんだと思います。たくさん山がある中で、どれが金の山か銀の山か、こういうのを見つけるだけでも大変だと思いますし、それを更にそこから製錬していく、こういう作業に似ているんじゃないかなというふうに私自身は思っています。
 これからエビデンス・ベースト・ポリシー・メーキングを推進していくということで、各府省にも総括審議官級の担当者を設置するということで、先ほど各省庁の体制について説明を受けましたけれども、やはりEBPM推進委員会、これが重要な役割を担うということが、議論の中でもわかってまいりました。
 この総括審議官級の担当者、それからEBPM推進委員会、これの現在の整備体制について伺いたいと思います。
○白岩政府参考人 お答え申し上げます。
 まず、審議官の職、設置状況、ちょっと説明させていただきます。
 審議官は、各府省においてEBPM推進の取組を総括する、そして統計等データの利活用のモニタリングをし、統計等データへのニーズへの対応、国民からの照会等にも対応することも含めます、それから人材の確保、育成等に取り組むということがまずございまして、他方、委員御指摘のEBPM推進委員会のメンバーとして、各府省と横連携をとって政府全体としてのEBPMの推進に取り組むという者でございます。
 次に、御質問にありましたEBPM推進委員会の整備状況でございますけれども、これは昨年八月に、審議官の設置に先立ちまして第一回の会合を開きました。この四月に、先ほど来質問もございましたが、設置された総括審議官を正式のメンバーとする形でもう一度会合を開き、今後、適宜開催して、審議等、活動を進めていく方向でございます。
 以上でございます。
○井上(一)委員 私も役所にいたことがあるのでわかるんですが、形式的な会議というのを設けることはよくあるんですけれども、そうならないように、しっかり、実質的にまさに推進していくということでやっていただきたいと思いますし、できれば、事務局も設けて、しっかりやっていただきたいというふうに思います。
 それでは、続きまして、GDP統計に関しましては、G7の諸国では、産業連関表を抜本的に見直して、供給・使用表、何かSUTという体系というふうに聞いておりますけれども、これにもう既に転換しているということで、日本もこのSUT体系に変えてGDPの精度を上げていくことが期待されているというふうに言われています。
 ただ、これについては、有識者の中で言われているのが、まさに統計のいわばガラガラポン改革が必要になります、大改革ですというようなところで、私も正直余りイメージが湧かないんですけれども、このSUT体系に変えるというのはどういうことなのか、それで、これによりどのようにGDPの精度が上がるのか、教えていただきたいと思います。
○長谷川(秀)政府参考人 お答え申し上げます。
 今議員お話ありましたSUTでございますが、SUTは、GDP統計を推計する際に用いられる統計表でございます。
 我が国では、現在、企業に対しまして、調査などさまざまな基礎統計を使って、最初に産業連関表を作成し、それをSUTというものに変換し、そこからGDP統計を推計しております。
 今般の統計改革におきましては、産業連関表を経由せず基礎統計から直接SUTを作成し、そこからGDP統計を推計する、SUT体系と申しますが、SUT体系に移行する予定でございます。
 SUT体系への移行によりまして、基礎統計から産業連関表、そこからSUTという、いわば二つのプロセスが一つに減るということになります。SUT及びそれをベースとして推計されるGDPの精度向上が図られることが期待されるところでございます。
 また、基礎統計とSUTの関係が明確になりまして、SUTの精度向上に必要な基礎統計の改善点が抽出されやすくなることから、その体系的整備によります将来的なSUT及びGDP統計の精度向上が期待されるところでございます。
○井上(一)委員 済みません、大改革と言われるんですけれども、大体いつぐらいまでにこの改革が終わるめどなんでしょうか。
○横田政府参考人 統計改革につきましては、政府といたしましても、昨年五月、統計改革推進会議の最終取りまとめ等に基づきまして、EBPMと統計の改革を車の両輪として一体的に推進するということで進めておるところでございます。
 EBPMにつきましては、先ほど来御指摘のございますように、推進体制を今整備しつつあるということ、それから、統計に関しましては、本年三月に、今後の改革工程表でございます公的統計の基本計画を閣議決定するということ、それから、あわせまして今般の法案を御審議いただくということで、今、着実に取組を進めているというところでございます。
 今後の見通しということでございますけれども、いずれにいたしましても、大変複雑な取組等も含んでございます。そういうことで、中長期にわたる継続的な取組が私どもは必要だというふうに考えておりまして、統計改革推進会議におきましても、引き続き、各府省等の取組を後押ししながら、それから改革の目的を達成できるよう、着実に進捗状況をフォローアップしていくということで進めてまいりたいと考えております。
○井上(一)委員 それでは、時間もありませんのでちょっと何問か飛ばさせていただいて、人材確保について質問をさせていただきたいと思います。
 先ほどの金山、銀山でいえば、どれが金の山か銀の山か、こういうのを見分ける目を持った人を育てる必要があるというふうに思っておりますけれども、特に、この人材の質の確保については、改革推進会議の中でも有識者の方々が繰り返し強調されておりまして、人材について発言させていただきたいということで、統計に関する幅広い知識を持ち、統計調査の設計だけでなく、ビッグデータや因果関係の分析などに貢献できる人材を政府全体として育成する必要がありますというような御意見もありました。それから、創造的、クリエーティブな能力を必要とする分野に人材を配置することが統計改革に必要な条件である、こういう意見もございました。
 とにかく、こういった統計改革をやる上では、人材の質、これを高めなければならないという指摘は繰り返し述べられております。
 それから、人材の数につきましても、今までも議論ありましたけれども、平成十九年には五千人おられた人が、今は千八百九十五人まで減っているということでございます。
 この統計改革を進める上で、どのように人材の質、それから数を確保していくのか、教えていただきたいと思います。
○奥野副大臣 この統計法の改正というのは、きょうの議論を通じて皆さん方はおわかりだろうと思いますが、質の高い情報を国民の前へしっかり提示して、そして、国民になれ親しんでいただくというのが一つの目的である。さらには、それをうまく使いながら、我々サイドでEBPMを推進していく、充実したEBPMを推進しようじゃないか、こういう目的だろうと思います。
 そうすると、やはりそれを支える人材というのは、今御指摘のとおり、質の高い、仕事の能率の高い人たちを集めながら立派なデータをつくっていくということが一番大事なことだろうと思います。
 このため、政府では、統計改革の一環として、この四月に、政府全体を通じた統計人材の確保・育成方針というものを示させていただきました。
 今後、この方針にのっとって、計画的な人の採用、あるいはOJTや研修を通じた能力開発、それから外部専門家との交流を通じて、各府省における戦略的、重点的な統計人材の確保、育成を進めていくことをしなくてはいけない。それは地方にも波及する話だろうと思います。
 また、職員数について、今御指摘のとおり、昔は五千人からいたわけでありますけれども、これが今二千人程度になっている。これは、いろいろデータを整理していく上では、生産性を上げていく、効率化を追求するという中で減ってきている部分もありますけれども、データの充実度を上げていくという意味合いでは、おっしゃるとおり、質を上げていきながらできるだけ効率化をしていくということが大事なことだろうと私は思っております。
 そういう意味で、三月に閣議決定された公的統計基本計画において、「統計改革の実現に必要な統計リソースを計画的に確保する。」というふうに進めていきたいと思っております。
 平成三十年度には、統計改革に関する定員として、各府省で全体で百三人の増員をしたところであります。これは、五千人に持っていこうということじゃなくて、必要最小限、ふやしていく必要があるものはふやしていこうじゃないか、こういうことで、そういう人員の増強も進めているところでありまして、各府省における統計リソースの計画的な確保を全省庁挙げて進めてまいりたいというふうに考えているところであります。
○井上(一)委員 ありがとうございました。
 では、最後の質問をさせていただきます。
 統計局等の和歌山県への一部業務移転についてお尋ねしたいと思います。
 政府として、東京一極集中を是正するために、政府関係機関の地方移転を進めるということで、平成三十年四月一日に和歌山市内に統計データ利活用センターを開設したというふうに承知しております。
 当時の高市総務大臣は、記者会見におきまして、関西圏における統計データの利活用やデータサイエンス人材の育成が進み、地域の課題解決や発展を促すというような認識を示しておられますけれども、現在、総務省としてどのようにお考えでしょうか。
○山田大臣政務官 お答えいたします。
 井上委員からお話がありました統計データ利活用センター、和歌山県にできておりますけれども、このセンターでは、先進的なデータ利活用の拠点といたしまして、統計ミクロデータ、いわゆる調査票情報の提供、そしてまた、統計データを活用した課題解決の取組の支援、そして、データ利活用に関する人材育成等を進めていくということにしております。
 委員からお話がありました、高市前総務大臣が述べておられました地方の課題解決、発展を促す、また地方創生の取組に成果を上げていくということについては、その方向で今後業務を進めてまいりたいと思っております。
 具体的には、統計データ利活用センターでは、和歌山県が設置しておりますデータ利活用推進センターというのが同じビルにありますけれども、こういった地方自治体との共同研究、あるいは優良事例の地方への横展開、さらに、地方における人材育成などを行いまして、地方創生に資する業務展開に努めてまいりたいと考えております。
 ありがとうございます。
○井上(一)委員 以上で終わります。ありがとうございました。
○古屋委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○古屋委員長 これより討論に入ります。
 討論の申出がありますので、これを許します。本村伸子君。
○本村委員 私は、日本共産党を代表して、統計法及び独立行政法人統計センター法の一部改定案に対し、反対の討論を行います。
 本法案は、統計委員会がEBPM推進委員会と協力連携して、統計作成にかかわる報告者、統計利用者のニーズを反映する対応策の検討、作成を行うことが前提となっています。
 統計等データには個人の極めてセンシティブな情報が含まれており、これらの個人情報への十分な保護なくして統計調査への信頼は成り立ちません。統計作成の効率化や利用者のニーズの反映を名目に、十分な個人情報保護制度がないまま、行政記録情報、ビッグデータを含む民間保有情報等の利活用や調査票情報等の提供拡大を進めることがあってはなりません。
 統計ユーザーのニーズ反映等が、官民データ活用推進基本法のもとにあるEBPM推進委員会と連携して行われ、統計委員会の機能強化等により具体化されることで、調査票情報等を含む官民データ活用推進ありきの改革が推し進められる懸念があり、反対です。
 調査票情報等の提供についても、相当の公益性が認められる場合にも拡大されており、相当の公益性については、統計委員会に諮問の上、総務省令で規定することとなっています。今後の検討によっては、提供範囲が無限定に拡大するおそれがあり、それを認めることはできません。
 国及び地方の統計機関の専任職員の削減に対する抜本的な改善策が示されていないことも重大です。
 国、地方の統計職員の削減が統計の質の低下をもたらしていることは、統計学会や専門家から繰り返し指摘されてきました。公的統計の課題を真に解決するためには、職員の定数をふやすことや交付金の増額など、統計担当職員の純増につながる具体的な対応が何よりも求められています。
 そのことを強調し、討論を終わります。
○古屋委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○古屋委員長 これより採決に入ります。
 統計法及び独立行政法人統計センター法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○古屋委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
○古屋委員長 この際、ただいま議決いたしました法律案に対し、橘慶一郎君外七名から、自由民主党、立憲民主党・市民クラブ、国民民主党・無所属クラブ、公明党、日本共産党、日本維新の会、社会民主党・市民連合及び希望の党の八派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。武内則男君。
○武内委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
 案文の朗読により趣旨の説明にかえさせていただきます。
    統計法及び独立行政法人統計センター法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切に措置すべきである。
 一 事業所母集団データベースに記録されている情報を利用できる公的統計の作成主体の範囲が拡大することを踏まえ、新たに利用できることとなる地方公共団体等に、当該データベースの利活用について、必要な助言及び情報提供を行うこと。
 二 公的統計の作成のための調査に当たっては、当該調査に対する報告者の声や各府省における先進的な取組事例等を踏まえ、報告者の負担の軽減に努めること。
 三 調査票情報の二次的利用の拡大に当たっては、個人情報が本人の意図に反して利用されることのないよう、調査票情報の適正管理と秘密の保護に万全を期すこと。
 四 統計改革を確実に遂行するため、必要な統計人材を育成するとともに、十分な予算と人員の確保に努めること。
 五 公的統計の作成及びその前提となる調査に当たっては、正確性・信頼性の確保に万全を期すこと。
以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○古屋委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○古屋委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。
 この際、総務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。野田総務大臣。
○野田国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
    ―――――――――――――
○古屋委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○古屋委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
○古屋委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時十七分散会