第196回国会 文部科学委員会 第12号
平成三十年五月十八日(金曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 冨岡  勉君
   理事 安藤  裕君 理事 神山 佐市君
   理事 亀岡 偉民君 理事 工藤 彰三君
   理事 鈴木 淳司君 理事 川内 博史君
   理事 城井  崇君 理事 浮島 智子君
      池田 佳隆君    石川 昭政君
      上杉謙太郎君    尾身 朝子君
      大見  正君    鬼木  誠君
      小島 敏文君    小林 茂樹君
      櫻田 義孝君    繁本  護君
      下村 博文君    田野瀬太道君
      高木  啓君    根本 幸典君
      馳   浩君    船田  元君
      古田 圭一君    松本 剛明君
      宮内 秀樹君    宮澤 博行君
      宮路 拓馬君    八木 哲也君
      櫻井  周君    日吉 雄太君
      山本和嘉子君    西岡 秀子君
      平野 博文君    中野 洋昌君
      鰐淵 洋子君    金子 恵美君
      畑野 君枝君    串田 誠一君
      吉川  元君    笠  浩史君
    …………………………………
   文部科学大臣       林  芳正君
   内閣府副大臣       あかま二郎君
   文部科学副大臣      丹羽 秀樹君
   政府参考人
   (内閣府大臣官房審議官) 進藤 秀夫君
   政府参考人
   (内閣府大臣官房審議官) 柳   孝君
   政府参考人
   (内閣府地方創生推進事務局審議官)        村上 敬亮君
   政府参考人
   (総務省自治行政局公務員部長)          佐々木 浩君
   政府参考人
   (外務省大臣官房審議官) 石川 浩司君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房長) 藤原  誠君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房文教施設企画部長)      平井 明成君
   政府参考人
   (文部科学省生涯学習政策局長)          常盤  豊君
   政府参考人
   (文部科学省初等中等教育局長)          高橋 道和君
   政府参考人
   (文部科学省高等教育局長)            義本 博司君
   政府参考人
   (文部科学省高等教育局私学部長)         村田 善則君
   政府参考人
   (文部科学省科学技術・学術政策局長)       佐野  太君
   政府参考人
   (文部科学省研究振興局長)            磯谷 桂介君
   政府参考人
   (文部科学省研究開発局長)            佐伯 浩治君
   政府参考人
   (文部科学省国際統括官) 川端 和明君
   政府参考人
   (スポーツ庁次長)    今里  讓君
   政府参考人
   (文化庁次長)      中岡  司君
   文部科学委員会専門員   鈴木 宏幸君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月十八日
 辞任         補欠選任
  宮川 典子君     宮澤 博行君
  宮路 拓馬君     繁本  護君
  八木 哲也君     小島 敏文君
同日
 辞任         補欠選任
  小島 敏文君     八木 哲也君
  繁本  護君     宮路 拓馬君
  宮澤 博行君     鬼木  誠君
同日
 辞任         補欠選任
  鬼木  誠君     宮川 典子君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 文化財保護法及び地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第三五号)
 文部科学省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出第二六号)
 文部科学行政の基本施策に関する件
     ――――◇―――――
○冨岡委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、文化財保護法及び地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案に対する質疑は、去る十六日に終局いたしております。
 これより討論に入ります。
 討論の申出がありますので、これを許します。畑野君枝君。
○畑野委員 日本共産党を代表して、文化財保護法及び地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案に対し、反対の討論を行います。
 反対の理由は、第一に、本法案が文化財保護法の理念を踏みにじるものだからです。
 文化財保護法は、国民の文化的向上に資するとともに、世界文化の進歩に貢献することを目的として、文化財を保護するために制定されたものです。
 ところが、安倍政権は、文化財を観光資源として活用する稼ぐ文化への転換を打ち出し、文化財を中核とする観光拠点を全国二百拠点程度整備することなどを推進しています。
 文化財の保存よりも経済的利益を追求する方向が推進されるなら、経済的利益が見込まれない文化財は顧みられず、切り捨てられることになりかねません。地域の文化や教育にとって重要な文化財の喪失が進む危険性があります。
 日本歴史学協会など二十八団体が昨年十月の声明で厳しく批判しているように、本改正案は、文化財保護法の理念に反するものです。
 第二に、本法案は、文化財の保護を担ってきた行政の仕組みを壊すものだからです。
 これまで文化財保護行政は、首長部局とは独立した教育委員会が所管してきました。それは、文化財保護行政に求められる、専門的、技術的判断、政治的中立性、継続性、安定性、開発行為との均衡、学校教育や社会教育との連携という基本的要請を担保するためであります。
 しかし、本法案は、地教行法を改正し、文化財保護行政を教育委員会から首長部局に移管することを可能にします。稼ぐ文化を推進しようという政府のもとで文化財保護行政が首長部局に移れば、開発や経済的利益を生み出す文化財の活用が促進され、その保護、保存が軽視されることは目に見えています。必置とされる地方文化財保護審議会も、委員の任命権は首長にあり、何の歯どめにもなりません。文化財の保護を担保してきたこれまでの仕組みを壊すことは許されません。
 文化財は、後世に伝えていくべきかけがえのない公共財産であり、その保存を重視し、そのための学芸員など専門職員の配置を始め、体制を整備することが緊急に求められていることを強調し、討論を終わります。
○冨岡委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○冨岡委員長 これより採決に入ります。
 内閣提出、文化財保護法及び地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○冨岡委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
○冨岡委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、安藤裕君外五名から、自由民主党、立憲民主党・市民クラブ、国民民主党・無所属クラブ、公明党、日本維新の会及び社会民主党・市民連合の六派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。西岡秀子君。
○西岡委員 私は、提出者を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。
 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。
    文化財保護法及び地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府及び関係者は、本法の施行に当たり、次の事項について特段の配慮をすべきである。
 一 文化財保護行政においては、文化財の保存と活用の双方が共に重要な柱であり、文化財の次世代への継承という目的を達成する上で不可欠になることを踏まえ、国及び地方公共団体は、文化財に係る施策を推進するに当たっては、保存と活用の均衡がとれたものとなるよう、十分に留意すること。
 二 文化財の保存及び活用が適切に行われるためには、文化財に係る専門的知見を有する人材の育成及び配置が重要であることを踏まえ、専門人材の育成及び配置について、国及び地方公共団体がより積極的な取組を行うこと。
 三 文化財の確実な継承のためには、適切な周期による修理及び修理に必要な原材料・用具の確保が必要であることを踏まえ、国及び地方公共団体は、文化財継承のための十分な支援を行うこと。また、文化財の修理においては、国が必要な予算を安定的に確保し、計画的な修理の実施が行われるよう努めること。
 四 重要文化財等の保存活用計画のうち、文化庁長官の認定を受けたものに認められる「美術工芸品に係る相続税の納税猶予の特例」については、美術工芸品の一般公開を目的とせずに節税等の目的で濫用されることがないよう、運用に十分に留意すること。
 五 本法律案による罰則の見直しについて、文化財の毀損等の行為に対して被害の現状に応じた実効性のある抑止力が整備されるよう、十分に周知徹底をするとともに、文化財保護法における罰則の在り方等について、不断の検討を行うこと。
 六 地方公共団体の長が文化財の保護に関する事務を担当する場合に当たっては、文化財の本質的な価値が毀損されないよう十分に留意するとともに、地方文化財保護審議会の役割の明確化及び機能強化、文化財保存活用地域計画の作成並びに文化財保護法第百八十三条の九に規定する協議会の設置が図られるよう、国の指針等においてその方向性を示すこと。
 七 文化財保護の推進は我が国の観光基盤の拡充等に資することに鑑み、国際観光旅客税法(平成三十年法律第十六号)により創設される「国際観光旅客税」について、文化財を保存しつつ活用する取組の財源としても活用できるよう検討を行うなど、文化財保護の財源の更なる拡充に努めること。
以上であります。
 何とぞ御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○冨岡委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○冨岡委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
 この際、ただいまの附帯決議につきまして、文部科学大臣から発言を求められておりますので、これを許します。林文部科学大臣。
○林国務大臣 ただいまの御決議につきましては、その御趣旨に十分留意をいたしまして対処してまいりたいと存じます。
    ―――――――――――――
○冨岡委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○冨岡委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
     ――――◇―――――
○冨岡委員長 次に、文部科学行政の基本施策に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣府大臣官房審議官進藤秀夫君、大臣官房審議官柳孝君、地方創生推進事務局審議官村上敬亮君、総務省自治行政局公務員部長佐々木浩君、外務省大臣官房審議官石川浩司君、文部科学省大臣官房長藤原誠君、大臣官房文教施設企画部長平井明成君、生涯学習政策局長常盤豊君、初等中等教育局長高橋道和君、高等教育局長義本博司君、高等教育局私学部長村田善則君、科学技術・学術政策局長佐野太君、研究振興局長磯谷桂介君、研究開発局長佐伯浩治君、国際統括官川端和明君、スポーツ庁次長今里讓君及び文化庁次長中岡司君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○冨岡委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○冨岡委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。鰐淵洋子君。
○鰐淵委員 おはようございます。公明党の鰐淵洋子でございます。
 本日、一般質疑の機会をいただきました。大変にありがとうございます。
 それでは、早速、時間も限られておりますので、質問させていただきたいと思います。
 まず、大臣の方にお伺いをしたいと思います。
 少し前の話になりますが、三月の話になりますが、第二回の日中韓教育大臣会合が東京で開催をされました。この日中韓教育大臣会合は、二〇一五年十一月一日に韓国・ソウルで行われました第六回日中韓サミットの際に、三カ国の首脳が、三カ国の相互理解と共栄の促進における教育の重要性を再確認する中で、立ち上げが決定されたと承知をしております。
 これを受けまして、二〇一六年一月に第一回目の日中韓教育大臣会合が開催されておりまして、これは、その当時の馳大臣が御出席をされております。そして、今回、二回目ということで、三月二十一日に日本で開催をされまして、林大臣が参加をされております。
 私は、参議院議員をさせていただいておりましたときがございまして、平成十八年の文部科学委員会で、日中韓の教育担当大臣の会議の開催、この必要性を訴えさせていただいておりました。
 中国、韓国は、歴史的にも文化的にも深いつながりがございまして、また、日本からしても恩のある国でございます。さまざま政治課題はございますが、それぞれの国で最優先課題になっております教育の課題、また文化芸術、こういったことをテーマにしまして、より一層、この三カ国で審議また対話を重ねる中で、よりよい関係性をつくっていくことが重要ではないかと思っております。
 中国、韓国と、林大臣もそれぞれ個人的にも交流を重ねてこられていると伺っておりますけれども、その林大臣が教育担当の大臣ということで、今回、会議に参加をされております。
 改めまして、この会議の重要性、意義についてお伺いしたいと思います。そして、あわせまして、今回の第二回目の日中韓の教育担当大臣会議、この成果をお伺いしたいと思います。
○林国務大臣 日中韓の教育大臣が一堂に会して教育について主に交流をするということは、今、委員がおっしゃったように、とても大事な場ではないか、こういうふうに思っております。
 ことしは、三月二十一日、陳宝生中国教育部部長、金相坤韓国副総理兼教育部長官をお招きしまして、第二回の日中韓教育大臣会合を開催いたしました。
 この会合では、これまで日中韓の三国の間で築き上げてきた教育交流、協力の重要性を再確認するとともに、今後の協力の方向性について合意をしまして、会合の成果文書として共同コミュニケを採択しております。
 共同コミュニケにおいては、日中韓の子ども童話交流事業を始めとした三カ国間の若い世代の交流を引き続き拡大、振興すること、また、三カ国間の大学生交流事業であるキャンパス・アジア・プログラムの継続的な推進を確認し、今後、質の保証を重視しつつ、同プログラムのアジア地域への拡大の実現可能性を議論していくこと、さらには、国際的な枠組みを通じて、国際社会が目指すべき目標である持続可能な開発目標、いわゆるSDGsですが、これの達成に向けて、持続可能な開発のための教育、ESDの推進などに積極的に取り組んでいくこと、こういうところを確認できたところでございます。
 韓中、中韓両大臣と大変率直な意見交換ができまして、共同コミュニケをまとめることができたということは、大変有意義な会議だったというふうに考えております。
○鰐淵委員 ありがとうございました。
 今、具体的なお取組を含めて御報告をいただきました。こういったことを三カ国で積み重ねていく中で、先ほども申し上げましたが、よりよい関係性を築いていくこともできるかと思います。
 そういった意味で、こういった大臣担当の会議、しっかりと継続的に行っていく必要があると思っておりますが、今後のこの会議の持ち方、方向性についてお伺いをしたいと思います。
○川端政府参考人 お答え申し上げます。
 先生も御指摘のように、この三カ国の教育大臣が定期的に一堂に会して教育の諸課題について意見交換を行うというのは非常に有意義なことでございます。
 第一回は韓国・ソウル、第二回が東京、今般の三大臣会合において、次回の第三回は、来年、中国で開催するということで合意したところでございます。
 文科省としましては、今回の共同コミュニケを踏まえて、引き続き日中韓の教育交流、協力を着実に進めるとともに、これからもこの大臣会合を定期的に開催することで相互理解を深めまして、未来志向の日中韓関係の構築に貢献してまいりたいと考えてございます。
○鰐淵委員 ありがとうございました。
 重ねてになりますけれども、やはり定期的にということで、重ねていく中で、よりよい対話、また具体的な取組につながっていくかと思いますので、ぜひとも、林大臣のときに、定期的に行っていくという流れを定着させていただきたいと思いますので、重ねてになりますが御要望を申し上げたいと思います。
 また、あわせまして、多分、事務方レベルのそういった協議というものも行われていくかと思いますので、それもあわせて、ぜひとも定期的に行っていくということでお願いを申し上げたいと思います。
 その上で、今、大臣の方からも成果につきまして御報告がありましたが、やはり私自身も、特に重要な観点というか取組といたしまして、特に青少年の交流が重要ではないかと思っております。
 これも私が十八年のときに文部科学委員会で質問させていただいたことではあるんですけれども、これまでも、政治、また経済界、さまざまな分野で、中国、韓国、日本、交流がなされてきておりますけれども、やはりこれからのそれぞれの国を担っていく青少年、そういった方々を中心とした交流を更に深めていくということが重要ではないかと思っております。
 しかし、現在、それぞれの青少年、それぞれの国に対するイメージ、マスコミだったりいろいろなものを通してそれぞれがイメージを持っているんですけれども、それが果たして正しいものなのか、そういった問題もあるかと思います。
 そういった意味で、直接自分の目で相手国を見ていただいて、また、中国の人、また韓国の方、直接対話を重ねていく中で、どういった考え方を持っているのか、どういった国なのかということを直接自分で実感していただくことが重要ではないかと思っております。
 そういった意味で、青少年の交流、これを更に力を入れていくことが重要であると私も思っておりまして、私も、これまで二回ほど、高校生、大学生の皆さんと交流団がございまして、中国に行かせていただく機会がございました。
 その中で、そのときもちょうどいろいろ政治的に問題というか課題がある中での訪問ではあったんですが、実際に行かせていただいて、参加した方の感想といたしましては、自分の中に勝手な何か悪いイメージを中国に対して持っていたけれども、行ってみると、やはり同じ同世代の仲間で、例えばアニメだったり音楽だったり共通の趣味というか楽しみがあって、また思った以上に皆さんが親切で大歓迎をしてくれてという、そういった本当にちょっとしたことだったんですが、お互いに触れる中で相手のことを知ることができて、行ってよかった、そういった感想もいただくことができました。
 そういった意味で、私自身も一緒に行かせていただいて、じかに見る、また交流を重ねるということの重要性を実感してまいりました。そういった中で、ぜひとも、文科省もそうなんですけれども、国を挙げて、こういった青少年の交流ということで力を入れていく必要があると思っております。
 まず、大臣の方に、この青少年の交流につきましてどのようなお考えか、まず御見解をお伺いしたいと思います。
○林国務大臣 この日中韓を含む青少年の交流の取組、先ほど申し上げた日中韓子ども童話交流事業やキャンパス・アジア・プログラム等々あるわけでございます。
 今、委員がまさにおっしゃったように、若いころに実像を知るといいますか、その国へ行くとかその国の人と知り合う、そして友達になる、こういうことを通じて、今まさにおっしゃっていただいたように、イメージではない実像をしっかりと知る、そして個人個人としての友人関係を持つということが、特に若い方の場合、やはり現在から未来に向かってバイの関係がいいものになっていく、強い基盤になっていく、こういうふうに考えておりまして、そういう意味では、青少年の交流というのは大変大きな意義を持っているのではないか、こういうふうに考えております。
○鰐淵委員 ありがとうございました。
 大臣からも御答弁いただきましたけれども、これを更に具体的に進めていくという上で、改めて具体的な取組をお伺いしたいと思いますが、この日中韓、日中でも結構ですし日韓でも結構なんですが、こういった青少年の交流ということで、更に具体的な取組について、文科省と外務省から御答弁をいただきたいと思います。
○石川政府参考人 お答え申し上げます。
 日中韓ユースサミットというのがございまして、これは、平成二十七年七月に韓国にて開催された第七回日中韓の外相会議におきまして開始が決定されまして、同年に第一回が開催されて以降、三カ国の持ち回りにて毎年開催されております。
 青少年を含みます人的交流の拡大につきましては、先般開催された第七回の日中韓サミットにおいても、日中韓三カ国の首脳がその重要性を改めて確認しておりまして、日本といたしましても、日中韓ユースサミットの主催や積極的な関与を通して、今後、さらなる青少年交流の強化に貢献してまいりたいと考えております。
○川端政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほど大臣からも言及がありました日中韓子ども童話交流事業、それからキャンパス・アジア・プログラムをしっかりやっていくということでございますが、これらに加えて、例えば文科省では、日中韓の三カ国の学生が集まって世界規模の課題に対する解決策をともに探るという日中韓大学生交流プログラムといったものも実施しております。
 また、今年度から新たに、アジア諸国で日本語を学ぶ優秀な高校生を日本全国の高校に招聘して、日本の高校生とともに学び合って国際交流を深める、アジア高校生かけ橋プロジェクトというようなものも取り組むこととしております。
 いろいろな取組をやってございまして、文科省としても引き続き、青少年交流を着実に推進していきたいと考えてございます。
○鰐淵委員 ありがとうございました。
 今、文科省と外務省から具体的な青年交流事業ということでお伺いをいたしました。
 冒頭にも申し上げたんですが、さまざま政治課題があるかもしれませんが、こういった青少年の交流ということは、行く行く、先々の三カ国の交流、また関係性を持ったときにやはり大事なことになると思いますので、これも引き続き定期的に行っていくということで要望させていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 それでは、次の質問に入らせていただきたいと思います。
 リカレント教育について質問させていただきたいと思います。
 人生百年時代を見据えまして、私たちの働き方が大きく変わろうとしております。また、少子高齢化に伴う社会の担い手不足を乗り切るための取組も求められております。
 そのような中で注目されておりますのが、子育てが一段落して職場復帰を目指す女性や、また働く意欲を持つ元気な高齢者などを対象に新たな職業能力や知識を学ぶ機会を設けるリカレント教育、これが今注目を浴びていると思っております。
 これは、皆様も御存じかと思いますが、一九七〇年代にOECDが教育政策論として取り上げたことで注目されておりまして、欧米を中心に普及が進んでおります。
 そういった中で、我が党におきましても、このリカレント教育、注目をしておりまして、推進していきたいと思っておりまして、ことしの二月に、行われております帝京大学の方に視察をさせていただきました。
 この帝京大学では、産業保健分野の専門職、特に女性の産業医、産業看護職、あるいは衛生管理者などの学び直しに力を置いていらっしゃいました。社会人を対象とした学習プログラムを提供していらっしゃいまして、産業保健分野の人材を養成することを目的とされております。
 平成二十七年から二十九年の受講生の年齢なんですが、三十二歳から六十一歳ということで年齢層も大変に幅もございまして、女性が二十五名、男性が三名ということで、また民間企業、研究機関、医療機関等にお勤めの方が受講されているということでございました。
 私も実際に、授業というか、視察もさせていただいて、参加者の方にもお話を聞く機会があったんですが、やはり印象的でしたのが、皆さん大変に意欲があって、そして生き生きと楽しく学ばれているなということが一番印象に残っておりまして、またさらに、先ほども申し上げたんですが、六十一歳の方もいらっしゃいまして、新たな仕事、また新たな生き方に挑戦するという上で、年齢も関係ないですし、本当に自分次第でどうにでも切り開いていけるんだなということも実感をいたしました。
 先ほども申し上げましたが、これから人生百年時代、こういったことも見据えまして、また、少子高齢化の中で高齢者や女性の活躍が期待もされております。そういった中で、このリカレント教育というのが次の時代を切り開く、また、こういった社会構造の変化の中でこれが一つの大きな鍵になるのではないかと思っております。
 そこで、林大臣に、このリカレント教育についての御見解をお伺いしたいと思います。
○林国務大臣 今、委員からお話があったように、これからの時代は、技術の進展が非常に速くなりますので、それに伴う産業構造の変化も加速をするということで、大学等、高校とか大学まで行って学んだことが、就職してからずっと定年まで役に立つということがなかなか難しい時代になってきている。一方で、人生百年と言われるように、大変長寿命の社会が到来するということになって、大きな転換に直面をするということだろうと思っております。
 こうした時代においては、今お話があったように、このリカレント教育を通じて、新しいステージで求められる能力を、その都度、能力、スキルを身につけながら個人が主体的に人生を再設計できるように、誰もが幾つになっても学び直しができる社会、これを築いていくことが重要であろうと考えております。
 人生百年時代構想会議というのが政府として設置をされておりますが、私も副議長として参画をしておるわけでございます。リカレント教育の推進に当たっては、実践的な教育プログラムをいかに充実をするか、それから、受講者の学びやすい環境をいかに整備するか、こういう課題が指摘をされておりますので、引き続き、議論に積極的に参画しつつ具体的な推進方策について検討を進めて、しっかりと取り組んでまいりたいと思っております。
○鰐淵委員 ありがとうございました。
 今、大臣の方からも、このリカレント教育推進に当たってさまざま課題があるということで、そういったこともおっしゃっていただきました。
 今、働き方改革、国会の方でも議論が進んでおりますが、その人がその人らしく、またその人の力、能力を発揮しながら活躍できる社会ということで、リカレント教育の推進も大事になってくるかと思います。
 その中で、具体的な課題ということで今触れていただきましたが、私も直接伺った中で、一つは、職場の皆さん、また家族の皆さんの理解、応援が必要だという声もいただきました。快く、会社の方、職場の方が送り出してくれる、また、有休もとりたいといったときに、いいですよと快く送り出してくれるかどうか、そういった周りの応援、環境整備が重要になってくるかと思います。
 そのほか、実際に働きながら、子育てをしながら通われているお母様もいらっしゃったんですが、そういった方は、やはり保育園、そういった整備もぜひとも進めていただきたい、そういった要望もいただきました。
 また、学費の負担軽減、こういったことも進めていただきたい、こういった要望もいただいておりまして、今申し上げただけでも、文科省以外の、本当に政府全体に横断的な課題になっていくかと思いますけれども、いずれにしましても、しっかりと、文部科学省を中心に、こういったリカレント教育の推進ということで環境整備また具体的な支援策を進めていただきたいと思っておりますが、これにつきましての御見解と具体的な取組についてお伺いをしたいと思います。
○常盤政府参考人 お答え申し上げます。
 文部科学省といたしましては、社会人や企業の抱えるニーズや課題に対応するために、産学が連携した実践的な教育プログラムを充実すること、あるいは経済的、時間的なコストの軽減、こうしたことに取り組む必要があるかと思ってございます。
 具体的には、企業等のニーズを踏まえた大学等のプログラムについて、文部科学大臣による認定制度を設けておりまして、企業等との連携による実践的な授業の実施、あるいは夜間開講であるとか保育環境の整備、こうしたことを通じまして、社会人が学びやすい、工夫がなされたプログラムの開発というものを促進しているところでございます。
 また、文部科学大臣が認定したプログラムにつきましては雇用保険制度による受講費用の支援の対象にもなっていることから、厚生労働省とも連携をいたしまして、これらのプログラムの全国的な拡充を図ってまいりたいと考えております。
 さらに、時間的コストの軽減という観点からは、大学、専修学校における短期のプログラムの開発促進、あるいは放送大学等におけるオンライン講座の拡充、こうしたことを進めますとともに、先ほど御指摘がございましたけれども、女性が子育てなどをしながら、大学等におけるリカレント教育を活用して、復職、再就職しやすい環境の整備に向けたモデルの構築を図ってまいりたいと考えております。
 こうした取組を通じて、リカレント教育の推進に努めてまいります。
○鰐淵委員 ありがとうございました。
 しっかりと具体的に支援策、環境整備を進めていきたいと思いますが、先ほど、帝京大学の取組というか、御説明、また御紹介させていただきました。これ以外に、特色あるこういった教育を実施している機関があると思いますので、簡潔に御紹介していただけますでしょうか。
○義本政府参考人 お答え申し上げます。
 具体的な大学でのプログラムの例としましては、例えば女性の復職支援ということで、日本女子大学でございますけれども、育児で離職した方を対象にしまして、ビジネススキルの向上やキャリア教育、インターンシップなどを通じまして、復職等に必要な技能、知識を習得する短期プログラムや受講者の再就職支援を実施しておりまして、その成果としまして、実際にいろいろな企業に就職されているというふうな実績があるところでございます。
 また、近年は、技術者についての再教育のニーズが非常に高まっておりまして、例えば東京電機大学におきましては、近年高まっておりますサイバーセキュリティーへのニーズの対応のために、ICTシステム管理者、開発者やサーバーセキュリティー技術者等として働いている方を対象にしまして、実践的な演習を通して、技術の習得だけではなくて、法律や倫理等に関する分野も含めた教育を実施することで、経営等を担える専門家の養成に取り組んでいるところでございます。
 文科省としては、こういう個別の大学の特色ある取組をPRするとともに、引き続き、学びやすい環境の整備を進めまして、リカレント教育の一層の推進に努めてまいりたいと存じます。
○鰐淵委員 ありがとうございました。
 帝京大学の受講者の皆さんに伺ったときに、何がきっかけでこれを受講されようと思ったんですかと伺ったら、やはり皆さん意欲がある方ですので、自分でいろいろ、ネットで検索をしたり関係者に相談をしたりということで、それがきっかけでこれを知りました、そういった方がほとんどでした。
 意欲がある方が自分で探そうと思えばこういった機会を見つけることができると思うんですが、こういったリカレント教育、学び直しをして、またさらに、働き方を変えるというか充実したものにする、こういった考え方がまだまだ日本では定着しておりませんので、先ほども御答弁いただきましたが、こういった学び直しができる、また、働き方をまた更に充実させることができる、こういったリカレント教育のPRということで努めていただけるということでしたので、その点、しっかりと、まだ意識がない方、知らない方に対するPRもぜひとも力を入れていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 次の質問に入らせていただきたいと思いますが、消費者教育の取組について質問させていただきたいと思います。
 消費者教育につきましては、これまでもこの委員会でも質問がございました。また、今、消費者契約法の改正ということで特別委員会でも審議が行われておりまして、昨日もこちらの方で、私も消費者教育の取組について質問させていただきましたが、改めまして、文科省の方にも伺ってまいりたいと思います。
 御存じのとおり、今回、成年年齢の引下げということで、特に十八歳、十九歳、こういった方々、若年者の消費者トラブルに巻き込まれる可能性がふえる、そういった懸念がされている中で、やはり事前防止、教育が重要になってくるかと思っております。
 そういった意味で、学校教育の場でこういった消費者教育の充実が求められてくるわけでございますが、文科省の取組につきましてお伺いをしたいと思います。
○常盤政府参考人 お答え申し上げます。
 民法が改正されますと、成年年齢が十八歳に引き下げられることになるわけでございますけれども、その場合には、十八歳、十九歳の方が行った契約について保護者等の取消権がなくなるということがございます。
 こうしたことを踏まえて、十八歳までに、契約に関する基本的な考え方や責任ということについて理解をする、その上で、主体的に判断し、責任を持って行動できる能力を育む必要があるということでございます。
 そこで、関係省庁が連携をして進めていかなければいけないということがございまして、本年の二月に、消費者庁、文部科学省、法務省、金融庁、この四省庁の関係局長会議におきましてアクションプログラムを決定いたしまして、二〇一八年度から二〇年度までの三年間、集中強化期間として取り組むということとしております。
 これを受けて文部科学省では、高等学校等において、社会科や家庭科など関連する教科において、学習指導要領の趣旨の徹底を図る、消費者庁作成の高校生向けの消費者教育教材の活用を促進する、実務経験者の外部講師としての活用を推進する、教員養成、教員研修等における消費者教育の充実を図る、こうしたことを進めることとしております。
 今後とも、関係省庁としっかりと連携をいたしまして、消費者教育の充実に向けて取組を加速してまいりたいと考えております。
○鰐淵委員 ありがとうございました。
 もう御存じのとおり、「社会への扉」、こういったパンフレットをもとにまた授業も行われていくと思いますが、これはクイズ形式で、契約をすることはどういうことかとかそういったことを学んでいくようなパンフレット、教材になっております。実際に私もやってみたんですが、十二問ありまして、一回やっただけでは私も全問正解することができなくて、結構知らないこともたくさんありました。
 そういった中で、特に実務経験者、相談員の方だったり弁護士の方だったり、そういった方に来ていただいて実施するということが、やはり印象にも残りますし有効的な授業にもなるかと思います。そういった意味で、消費者教育コーディネーター、これが設置されることになると思いますので、こういった方々に活躍していただきながら、さらに学校現場での教育の充実ということで、文科省の皆さんも力を合わせて取り組んでいただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 それではまた、次の質問に入らせていただきます。
 通学路の安全対策についてお伺いをしたいと思います。
 先日、新潟県で小学校二年生の女の子が学校の帰り道に事件に巻き込まれまして亡くなるという、大変に痛ましい、また悲しい事件がございました。このような事件は二度とあってはなりませんし、引き続き、学校現場、地域の皆様、そして警察等協力をして、通学路の安全対策にしっかりと取り組み、子供たちを守っていかなければいけないと思っております。
 先日、ニュースでちょっと拝見をしたんですが、こういった事件が起きやすい場所があるということで専門家のお話がございまして、例えば空き家の前、また階段の踊り場、公園のベンチ、草木で隠れている、生い茂っているところ、そういった紹介がございまして、そういったところを重点的に見回ることによりまして、常に誰かが見ている、そういったメッセージを送ることができ、事件等が大幅に減った地域があるということで御紹介がございました。
 こういった通学路の問題は、それぞれの現場によって違いますけれども、いずれにしましても、地域住民、警察、そして専門家の方々、関係者の方々が力を合わせて安全対策を講じて子供たちを守っていく必要があると思っております。
 大臣の御見解、また取組についてお伺いをしたいと思います。
○林国務大臣 今回の痛ましい事件につきまして、亡くなられた女子児童に対して心から哀悼の意を表したいと思います。
 文部科学省では、児童生徒等が登下校中に犯罪被害や交通事故等に遭わないために、本年四月二十三日に、通学時の安全確保に係る注意喚起を各都道府県教育委員会等に対して行ったところです。
 これまでも、登下校時に緊急事態が発生した場合の対応について記載した学校の危機マニュアル作成の手引や、児童生徒等が危険を予測、回避し安全な行動をとる力を育むための教材等の作成、配付、登下校時の児童生徒の見守り活動に対する支援、そして、学校における防犯教室の講師となる教職員を対象として都道府県教委が実施する講習会の支援、こういった取組を行ってきておりまして、学校だけではなく、警察や家庭、地域と連携した取組を推進してきたところでございます。
 また、実はきょうの朝、登下校時の子供の安全確保に関する関係閣僚会議、これが開催されまして、官房長官から関係閣僚に対しまして、新潟市で発生した事件の被害状況を踏まえた再発防止、通学路の安全点検の徹底と不審者情報への迅速な対応、子供に対する安全対策の強化について指示があったところでございます。
 文科省としては、登下校時の児童生徒等の安全確保について、引き続き、関係省庁と緊密に連携しながら取り組んでまいりたいと思っております。
○鰐淵委員 以上で終わります。ありがとうございました。
○冨岡委員長 次に、櫻井周君。
○櫻井委員 立憲民主党・市民クラブの櫻井周です。
 火曜日の本会議質問に続きまして質問の機会を与えていただきましたこと、まことに感謝申し上げます。
 それでは、早速質問に入らせていただきます。
 その五月十五日の衆議院本会議での質問でございますが、大臣にも御答弁いただきました。ただ、中には十分に御答弁いただけなかった部分もあるように思いますので、もう一度ちょっと質問させていただきたいと思います。
 安倍政権はこれまで、道徳教育に力を入れてきた。そして、小学校でもことしから道徳が教科ということになりまして、教科ということで評価されるということが始まっているわけでございます。
 他方で、安倍政権、これまで、特に今国会におきまして、さまざまな問題、虚偽答弁であるとか決裁文書の改ざん、裁量労働データ捏造、自衛隊日報の隠蔽など、これはうそと言っていいと思うんですけれども、こうしたことが多数出てきている。
 本会議でも申し上げたとおり、うそがだめだということは子供でもよくわかっていることなんです。国権の最高機関である国会におきまして大臣が、そして政府高官が公然とうそをつくということ、このことは子供たちもテレビニュース等で見ているわけです。
 児童の育ちに悪い影響を与えているのではないのかと大変心配をするところですが、これら子供たちに対する悪い影響について、大臣の御所見をお願いいたします。
○林国務大臣 委員から道徳に関連してのお尋ねでございますが、学習指導要領に基づいて行われる特別の教科道徳は、検定教科書を導入して確実に質の高い授業が行われるようにすること、それから内容について、いじめ問題への対応の充実や発達の段階をより一層踏まえた体系的なものに改善したこと、問題解決的な学習や体験的な学習などを取り入れ指導方法を工夫すること等、道徳でございますので、答えが一つではない課題に子供たちが道徳的に向き合って、さまざまな意見や考え方に触れながら多面的、多角的に考え議論する、こういう道徳教育を行うということにしております。
 各学校において、現在、こうした道徳教育に取り組んでいるところであり、文科省としては、引き続き、道徳教育の質的改善にしっかり取り組んでまいりたいと思います。
 安倍内閣に対しての御指摘でございますが、人づくりを始めとした諸課題の解決に向けて取り組んでいるところでございまして、こうした姿が子供たちにどういうふうに伝わっているかというのは、詳細、承知しておるところではございませんが、私としては、やはり、こうした課題に一つ一つ丁寧に着実に取り組んで成果を上げるということを通じて、国民から信頼される行政に努めてまいりたい、そういうふうに考えております。
○櫻井委員 一方で、学校では、学校の先生は、道徳は大事だと。その道徳の重要な項目の一つに、うそをついちゃだめだ、だましちゃだめだ、こういうことがあるわけです。
 他方で、現実の社会を見ると、テレビのニュースの中で、国のある種偉い人たちがうそをついているということになると、何だ、社会は全然違うじゃないか、このギャップがまさに子供に対して悪い影響を与えてしまうのではないのかということです。
 大臣、今、しっかりと信頼回復に努めていくという御趣旨の御答弁をいただきました。これは国会対策委員会等での話合いのものだと思いますけれども、こうしたいろいろな問題についてしっかりと正直に国会運営していただくように、ぜひ、大臣、内閣の一員として、よろしくお願いしたいと思います。
 続きまして、もう一つ、子供というよりは学生に対する悪い影響ですけれども、特に、厚生労働省の統計データ、裁量労働データの捏造といいますか、いろいろな間違ったデータがいっぱい入っていた。こういうことについて、特に社会科学を勉強している学生たちからすると、統計データとかしっかりと正確なものを集めてきて、その上でいろいろな社会の問題を摘示する、そしてその問題を解決する、これがまさに社会科学の基本的な進め方だと思うんですけれども、ところが、社会科学、特に政策研究なんかをやっている学生からしますと、一生懸命自分たちは勉強しているのに、実際の政策作成の現場において、データはいろいろな変な間違ったもの、もう捏造と言っていいと思いますけれども、そういったものが行われ、そして結論も違ってくるということになると、何だ日本では一生懸命こうした政策研究をやったって意味ないのか、こういうふうにもなってしまいます。
 そもそも安倍政権、これまで、ともすれば文科系の研究に対して冷たいといいますか、予算を減らすであるとか、そういった傾向にもあったのではないかというふうに思いますが、こうした傾向と相まって、社会科学を学んでいる大学生、大学院生に対して悪い影響を与えているのではないかというふうにも考えるんですが、この点についても改めて御所見をお願いいたします。
○林国務大臣 厚生労働省で働き方改革に関するデータに誤りがあったことについては、今お話のあった社会科学系、統計等について学んでおられる大学生や大学院生における受けとめもさまざまであると考えられることから、影響を一概に申し上げることは難しいものと考えております。
 日本学術会議が平成二十七年に作成、公表した統計学分野の参照基準においては、これからの時代の市民にとって、個人の意思決定や社会的判断を行う際の、データに基づき物事を科学的に把握する能力、それから、正確なデータを提供するという精神の涵養、これが重要であるということを指摘しておりまして、各大学においては、これらを踏まえつつ、適切な統計に関する教育がされるということを期待しておるところでございます。
○櫻井委員 厚生労働行政については林大臣の所掌ではないということで、なかなか言いにくい部分はあろうかと思いますが、しかし、内閣の一員として、しっかりと、こうした社会科学に基づいた政策、科学的な客観的な政策形成が行われるように、ひとつよろしくお願いしたいと思います。
 続きまして、男女共同参画のことについて質問させていただきます。
 おとといですか、五月十六日の参議院本会議で、政治分野における男女共同参画推進法が可決、成立をいたしました。大臣も賛成されたというふうに聞いております。また、衆議院の採決の際には私も賛成させていただいているところです。
 この法案の趣旨の、候補者数を男女で同じぐらいにするということについて全く賛同するわけでございますが、ただ、実際問題、そうした候補者、特に女性の候補者、立っていただく方を探すというのはなかなか大変でございます。
 なぜ大変かというと、議員になっていただく、なってほしいと思う方であれば、やはりそれなりの社会経験といいますか、実務能力ということが必要になってこようかと思います。これは、例えば役所の中でもそうですし、企業、それからいろいろな各種団体ということもあろうかと思いますし、また、それ以外にも、地域のさまざまな活動においてそうした経験をお持ちの方というふうになってくると、実際問題、そういう方で、更に議員として頑張ろうと言ってくださる方はなかなか見つからないということです。
 例えば、文部科学省なり国家公務員の中で見ますと、やはり女性が少ない。特に、そうした経験を十分積んでこられた、例えば管理職を見ますと、女性の数はまだまだ少ないというのが現状かと思います。きょうも政府参考人のところで並んでおられる方、全て男性という状況でございまして、やはりそうしたところからも、なかなかちょっと、実現していくためにはいろいろ乗り越えていかない部分が多いのかなというふうにも感じるところです。
 じゃ、例えば役所に入る前の段階、大学教育の段階でどうかというふうに見ますと、大学教育の段階でも、やはり女性の割合というのが低い、男性に比べて随分低いという状況がございます。これは別に、男性の方がお勉強ができる、女性はお勉強が余り得意でないというわけでは決してないと思うんですね。
 例えば、林大臣は、日本とアメリカでトップスクール、非常に評価の高い大学を御卒業されているというふうに聞いております。そのうちの一つ、東京大学では、男性の生徒の割合は大体今でも八割弱、女性は二割ちょっと、こういう状況でございます。一方、アメリカではハーバード大学御卒業というふうに聞いておりますけれども、ハーバード大学では、男女の学生の割合は大体半々ぐらいというふうになっています。
 大学教育の段階で、日本ではこれほど大きな差がある。アメリカ、また諸外国、ほかを見ましても、アジアの中国とかヨーロッパの国を見ても、そんな大きな男女比、差ができていないのに、日本では大きな差ができてしまっている。これは何でかなというのを常々疑問に思っているところです。
 林大臣も、御出身の二つの大学、比較をして、どうして日米でこれほどの大きな差、学校教育の段階での男女の差が生じてしまうのか、これをどのようにお考えでしょうか。
○林国務大臣 なかなか深遠な問題だと思いますが、私個人的な感触としては、自分が東大に入ったときは、たしか法学部に進むコースの中で女性は一桁だったものですから、六百分の一桁でしたので、今二三%になったんだなというふうにも見させていただきましたが、それにしても、ハーバード大学、五一%と四九%、ほぼ半々。東京大学、男子学生七七%、女子学生二三%と比べると、圧倒的に違うわけでございます。ハーバード大学も含むアメリカの大学全体でいうと、女子学生の方が五〇を上回っている、こういうデータもあるようでございます。
 東大では、女子学生比率の向上に向けまして、女子学生のための進学の選択情報の提供をするとか、それから女子学生のためのキャリアガイダンスの充実をするとか、それから理工系、その他特に女性の少ない分野への進学の促進をするとか、奨学金の創設や学生寮の充実などに取り組んでおると聞いております。
 もともと少ないので、そういう、何というんですかね、いろいろな設備がなかなか整っていない、そうするとなかなか行きにくい、そのままになっている、この循環をどこかで変えていかなきゃいけない、こういうことではないか、こういうふうに思っておりまして、男女共同参画ということを実現していくために、やはり教育を通じて必要な資質、能力を養うということは大変重要であると考えております。
○櫻井委員 今の大臣の御答弁ですと、ある種、設備的な、ハード面でのお話がちょっと中心であったかと思うんですが、実際は、それ以前のいろいろなものがあるように思います。それこそ、文化的なものとか、家庭環境の問題であるとか、親世代が子供にどういう教育をさせたいのか、それが男の子だったら、女の子だったらということで、そこに違いがあるのかどうなのかということも含めて、さまざまな要因があるのではないかというふうに思います。
 男女共同参画をしっかりと実現していく、女性も男性も性差に関係なくしっかり輝ける社会をつくっていくという観点からすると、やはり、大学教育に入る段階でこういった差ができてしまう原因は何なのか。ハード面もあるでしょうけれども、それ以外にもいろいろあるのではないかということについて、しっかり文部科学省としても調査研究するべきだと考えるんですが、いかがでしょうか。
○義本政府参考人 お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、大学での数の問題もありますけれども、進学率そのものが数%女性の方が少ないということがございます。その背景には、御指摘いただいたような家庭の環境の問題、社会的、文化的な要素もそうでしょうし、現場での、高校での進路指導、いろいろな要因があるかと思います。そういう点については、既存のいろいろな大学とか研究機関での調査等についても参考にしながら、今後、分析あるいは調査も含めて考えていきたいと思っているところでございます。
○櫻井委員 先ほどの社会科学、政策研究の話でもないですけれども、やはり、それなりのデータは多分あるんだと思うんですけれども、まさに、このデータに基づいて、何が問題か、どうしたことが女性が輝こうとしたときに輝けない要因となっているのかということをしっかり分析していただきたいと思います。
 先ほどちらっと、社会的、文化的な要因というのもあるのではないのかということも申し上げましたが、前回、委員会で質問させていただいたこと、女性差別に関して、女性が市長だと土俵に上がれないという話、この問題を指摘させていただきました。
 こういうことがあると、やはり、女が幾ら頑張ったって結局だめなんだ、上限があるんだというふうになってしまうと、頑張ったって無駄だというふうになってしまうのではないか。やはり、こうした目に見えるところでの女性差別はしっかりとなくしていく。
 これは、公益財団法人の自律性に任せるのではなくて、どう運営するかは最終的には法人がみずから決めることではございますが、ただ、市長が男性だったら土俵に上がっていい、市長が女性だったら土俵に上げられない、上げないというのは、もう明らかに女性差別ですよ。これは女性差別だ、まず、そのことをしっかりと認定し、おかしいと。おかしいことに対してどう対応するかは相撲協会が判断することだと思いますけれども、おかしいことはおかしいとしっかりと発信するところから始めないと、何も世の中は変わらないと思うんです。
 こうした一つ一つ、世の中全体からしたら小さなことかもしれませんけれども、積み上げていくことは重要だと思うんですね。これは大臣、御所見をお願いできますでしょうか。
○林国務大臣 相撲協会についてはこの間御答弁したとおりでございますが、やはり、男女共同参画社会を実現していくためには、一つ一つの積み重ねというのが大事だと思いますし、それぞれの分野でできることをしっかりやっていくということでございます。
 私が留学していたときは、アファーマティブアクション是か非か、こういう議論を随分したものでございますが、今余り、非だと言う人はいらっしゃらないんだろう、こういうふうに思います。しっかりとそういう枠をつくってやるとか、いろいろな方法をやって、しっかりとこの男女共同参画社会を実現していかなければならないと思っております。
○櫻井委員 今、アファーマティブアクションも含めた、ある種、社会的な差、格差を是正していく必要性についても大臣に御言及いただきました。
 ただ、アメリカの場合では、性差、男女によるアファーマティブアクションというのは行われていないというふうに一般論として聞いております。少なくとも公立の大学では性差によるアファーマティブアクションはしてはいけないというふうになっている。ただ、大臣の御出身のハーバード大学など、私もブラウン大学に留学させていただいておりますけれども、そういった私立の大学では一部取り入れている。公立は取り入れていない。その結果どうなっているかというと、実は女子学生の方が入学が多いという状況になっている。女子学生の方が真面目でしっかり勉強していて優秀だ、こういう傾向にあるとも言われておりまして、例えば、公立で有名なところとしますと、UCLAやUCバークレーといったところでは女子学生の方が多いという状況だそうです。
 一方、性差によるアファーマティブアクションを導入している、いわゆる東部のアイビーリーグ校等では、大体半々になるように、つまり、女子学生にとってむしろ狭き門になっている、こういう傾向にもあるそうですので、その点も含みおきまして、日本がだから、よほど何か女子学生にとって大きな障害が社会の中にあるのではないかということで、先ほど局長からも御答弁いただきましたので、お調べいただき、有効な対策を早急に打っていただきたいというふうに思います。
 こうした手を打ったからといって、来年の参議院選挙に間に合うのかというと、それはちょっとなかなか厳しいところではございますが、それはそれ、ただ、また十年先を見据えてそうした取組もお願いしたいと思います。
 続きまして、生徒のウエルビーイング、生活満足度についてお尋ねをしたいと思います。
 OECDの生徒の学習到達度調査、PISAの調査でございますが、これの中に、二〇一五年は生徒のウエルビーイングということで、幸福度といいますか、そういったものについての調査も行われております。この幸福度といいますか生活満足度についてはOECDの平均値を日本は大幅に下回っている、下の方にいるという状況でございます。
 このPISAの調査結果から見ますと、日本の生徒は必ずしも幸せではない、満足しているわけではないというように見えるんですけれども、まず大臣の御所見をお伺いいたします。
○林国務大臣 OECDによるPISA二〇一五年調査結果におきまして、日本の生徒の生活満足度の平均値が六・八でございまして、OECD平均の七・三と比べて低い結果になっております。
 これは、先ほど統計学という話がありましたが、生徒の主観的な満足度を尋ねておりまして、ほかの国と比べてみますと、大体東アジアの国が低くなっておりまして、逆に中南米の国が高いという傾向があって、地域的なちょっと偏りが見られているというところがあるわけでございます。
 このデータの解釈に当たって、やはり調査に参加した国のまさに社会文化的要因、これを考慮する必要がありまして、例えば、日本は、ほかの国と比べますと、回答の男女差がほとんどないこと、それから、読解力等の三分野の得点が高い生徒ほど生活満足度が高くなる傾向があるという特徴が見られるところでございますので、こうした国際比較等の結果も踏まえて、教育政策の充実に生かしていければと思っております。
○櫻井委員 この生活満足度の調査は、確かに主観的なもの、主観的に答えてもらうということではございますが、主観であっても、それをたくさん集めるとある種の傾向が出てくるのではないのかというふうにも思うところです。すなわち、本当は生活とかでいろいろな課題を持っているけれども、それでも前を向いて人生楽しいよという方向に丸をする、答える、そういう傾向にある文化なのか、それとも、いやいや、頑張っていろいろ到達できているんだけれども、それでもまだ足りないというふうに、マイナスの方向にネガティブに捉えてしまうのか。それは文化とか個人のいろいろなものがあろうかと思いますけれども、そうしたものも含めて、やはりこの傾向というのはしっかりと分析していくべきではないのかというふうに思います。
 特に東アジア世界の中では、もしかすると自尊感情とか自己肯定感、こういうものが低いのではないのか。東アジアというか日本ですね、この自己肯定感が低いということは、いろいろな調査でも言われているところでございます。こうしたものが、PISAの結果では、いわゆる教科の成績は日本は決して悪いわけではございませんが、むしろいい方なんでしょうけれども、しかし、にもかかわらず自己肯定感が低いというような傾向にあるのではないのかというふうにも言われているんです。
 こうしたことについて、いま一度、大臣、御所見をいただけますでしょうか。
○林国務大臣 日本は先ほど六・八と申し上げましたが、韓国が六・四、台湾が六・六、マカオが六・六、香港が六・五と、軒並み最下位の方にあるわけでございまして、やはり、委員もおっしゃったように東アジア独特の、余りラテンアメリカのように楽しいねと言わないということがあるのかなということと、それから、これもおっしゃっていただいたと思いますけれども、まだまだ自分は足りないんだという、まあ積極的な意味でですね、そういうふうに言っているということもひょっとしたらあるのかなと。ちょっと、これは中国が入っていないものですから、そこは比較がなかなか難しいわけですが、そういったところもあるんだろうということと、先ほどちょっと申し上げましたように、読解力等の高いお子さんほど満足度があるということもそういうことの一つのあらわれかなというふうに思っておりますので、そういうところをよく見ながら教育政策に生かしていければと思っております。
○櫻井委員 まあ、東アジア世界でこのPISAの結果については芳しくないというのは、いろいろな理由がほかにも考えられるかと思います。単純に外遊びの機会が減っているのではないのか。塾やお稽古事、こうしたもので子供が多忙になっているのではないのか。
 塾通いというのは、私の知る限り東アジアでの傾向であって、なかなか欧米でいわゆる塾に通うというのは余り聞かないところではございます。もちろん、地域のスポーツクラブ等に通うといいますか、地域スポーツに夕方行くとかということはあるんでしょうけれども、海外では、むしろちゃんと学校の中でしっかり勉強する、学校の中でもうこれ以上勉強できないというぐらい濃密にやって、その後、帰ってからはリラックスする、ある種めり張りをつける、そんな傾向にあるようにも聞いています。
 そういう意味で、日本の学校教育は、一つ、学校の中が実は余り充実できていないのではないのか。
 これは、学校の先生が悪いというわけではなくて、むしろ体制。大人数で一斉授業をする、四十人一クラスというような体制でやっていると、なかなか、先生のやっている授業の進度、それよりずっと理解の早い子は、ある種、授業は退屈だ、もっと先をやればいいのに授業は退屈だということになってしまうし、それより理解の遅い子は、授業がよくわからない、だから退屈だということになってしまって、授業の進度にぴたっと合った層というのは必ずしもたくさんいるわけではない。また、学校の先生もそれに合わせながら授業をしなきゃいけないので、理解の早い子、遅い子、見ながらやるんですが、非常に大変だと思うんです。
 海外の先進事例などでは、例えばオランダなど、実はもう半分ぐらいは自学自習といいますかでやりながら、他方で、先生がちゃんと一人一人の生徒の学習進度を見ながら適切にアドバイスをしていく。一方で、集団で、やはりみんなでディスカッションしながらやらないといけないこと、社会のいろいろな課題について、まず現状をみんなで調べ、そしてその問題について、どうやって解決したらいいのかみんなでアイデアを出し合い、では、そのために自分たち、子供たちにできることはあるのかというようなことも考えてアクションを起こす。こういったサイクルの部分については、個別学習というわけにはいかないですから、みんなで一生懸命やる。そういった、ある種の目的に合わせた学習形態、柔軟に組み合わせているというような話も聞きます。
 学校教育、私は何かちょっと抜本的に考え直す時期に来ているのではないかというふうに考えるんですけれども、大臣の御所見をよろしくお願いいたします。
○林国務大臣 大変興味深い御提言だと思います。
 この間、足立区でしたか、ちょっと視察に行きましたけれども、やはり就学援助の家庭が半分ぐらいいらっしゃるという地域でございましたので、五年前は二十三区で一番この平均が低いところにいた。そこに、給食の時間、配膳の時間を免除して補習するとか、それから放課後残りたい人は残って見てあげるとか、それから算数を二つのクラスに分けて進度別にやるとか、そういうことをやった結果、五年で平均まで戻してきたということでございました。
 まさに、五年生にいるときに、六年生に行ったらもうここは全部みんなできているんだという前提で今物事が進んでいると思うんですけれども、そういうところを、足立区の例のように、しっかりと一人一人によく目を配って、どこまでこの子がわかっているのかということをやれるような仕組みというのは大変大事なことであろうというふうに思っておりますので、今の制度のもとでも足立区はやっておりますし、またどういうことを制度的に考えれば更にそういうことが進むのか、そういうことがあるのかないのかということも含めてしっかりと考えていきたいと思っております。
○櫻井委員 時間が大分なくなってまいりましたので、これで最後の質問になろうかと思います。
 先ほどの質問の関連になりますけれども、日本の教育というのは、ともすると、ある種、集団行動をちゃんとできるようにする、友達と仲よくできるようにしたいと、親の要望というのもそういうものが中心になってくる。一方で、海外、例えばフランスとかオランダの親御さんたちは学校に何を要望するかというと、むしろ個性を潰さないでほしい、個性を伸ばしてほしいと。集団行動とか余り気にしない、子供たちの持っている可能性を伸ばしてほしい、そういうところに主眼を置いている。
 海外のそうした先進事例なんかですと、むしろ自分が何をどう考えている、どう感じ、どう考え、そしてそれをどう伝えていくかということに主眼を置いて、個人を磨くところに主眼を置いている。磨くだけでなく、ちゃんとほかの人たちとお互い尊重し合いながら、どうやって社会を運営していくかということを考えさせる教育をやっている。日本は、どちらかというと、まず集団ありきで、それに自分を合わせていくということをやっているのではないのか。しかし、それはもはや、これからの時代、その考え方を抜本的に変えていかなきゃいけないのではないのかという問題意識を私は持ったものですから、ちょっと最後に、その点について、個人をしっかり磨くことの重要性について、改めて、日本の教育でも重視するべきだということについて、大臣の御所見をお伺いいたします。
○林国務大臣 この間、正月にベルギーに出張いたしましたが、そのときたまたまベルギーの日本人学校の始業式がございましたので、出席してまいりました。
 日本人学校の方は、やはりちゃんと整列をして、起立、礼というのがあるのでございますが、一方で、ゲストで来られていたベルギーの学校の方の先生が、そういうことはなかなかできないんだ、同じ日本人の子弟なんですがということをおっしゃっておられましたので、私は、一概に、そういうふうに、集団的に、人に迷惑をかけないとかチームとして規律を持ってやるということは悪いことではないと思いますが、そういうベースを持っているところに、まさに委員がおっしゃったように、個人として、個を尊重する教育、自分はどういうことを考えているのかということをしっかりと相手にコミュニケーションする、ディベートがけんかにならないようにする、こういうことがやはり非常に大事なことであろうか、こういうふうに思っておりまして、アクティブラーニングというのもそういうところをしっかりとやっていこうということだと思いますけれども、やはり新しい時代にふさわしい、バランスのとれた教育というのが必要になってくると考えております。
○櫻井委員 時間になりましたので、これで質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○冨岡委員長 次に、川内博史君。
○川内委員 おはようございます。よろしくお願いをいたします。
 委員会でたった今文化財保護法等の一部を改正する法律案が議決をされたところでございますけれども、ちょっと文化財のことについてお尋ねをさせていただきたいというふうに思います。
 群馬県のみどり市というところに岩宿遺跡というのがございます。旧石器時代の遺跡で、この岩宿遺跡が発見されるまでの間は、日本は縄文時代から始まったというふうにされていたそうなんですけれども、この岩宿遺跡が発見をされて、日本にも旧石器時代というものが存在をしたということが考古学上証明をされたという大変価値のある遺跡だということですが、その発見の経緯と歴史的意義についてまず教えていただければと思います。
○中岡政府参考人 お答え申し上げます。
 委員御指摘の岩宿遺跡は、群馬県みどり市に所在し、確実な旧石器時代の人工品が我が国で初めて出土し、日本列島における人類文化の起源が旧石器時代にまでさかのぼることを立証した遺跡として昭和五十四年に史跡指定されました。
○川内委員 この岩宿遺跡というものを発見した人は誰ですか。
○中岡政府参考人 お答えいたします。
 相沢忠洋さんという方でございます。
○川内委員 この相沢忠洋さんという人は、戦前の青年学校までしかお出になられなかった。戦争に行き、復員してきて、とにかく考古学が大好きで、サラリーマンになると好きな考古学の研究ができないから、納豆の行商などをしながら、一生懸命いろいろな遺跡の発掘に尽力をした。自分は学問的な知識がないから、群馬から東京まで自転車で百二十キロ、往復しながら、学問的な知識を大学の先生に教えてもらいながら遺跡の発掘に生涯をささげたという人で、その方がこの岩宿遺跡を発見した。
 その岩宿遺跡の発見の端緒となるのが、一九四九年に、やり先形尖頭器という、黒曜石でできたやりの先につけるとがった武器のようなもの、あるいは砕くようなものなんでしょうね、そのやり先形尖頭器を関東ローム層の中で発見し、それが岩宿遺跡の発掘につながっていくわけですけれども、この相沢忠洋さんのような、本当に町の考古学者、在野の考古学者の方の業績というのを正しく評価し、それがすばらしい業績であった場合には高く評価をすべきではないかというふうに私は思うんですけれども、文化庁としてはどうお考えになられますか。
○中岡政府参考人 お答えいたします。
 先生御指摘のとおり、相沢氏が発見いたしましたやり先形尖頭器を始めとする採集品は、日本列島における旧石器時代の遺跡、遺物の存在を初めて証明することとなった岩宿遺跡の発見の契機となったと認識しております。
 相沢氏による採集活動や採集資料は、後の学術界による発掘調査及び検証に寄与するものであり、その活動を総体として評価されているものと認識しております。
○川内委員 評価されているものと認識していると。文化庁自身が評価しているかどうかは言わないわけですけれども、要するに、国としてその方の業績を評価するということにつなげていくためには、相沢さんが発見をしたやり先形尖頭器を重要文化財等に指定すべきであるというふうに私は考えます。
 相沢さんは町の考古学者で、学問的な知識や学術的な、あるいは学界的な地位というものを持たなかったので、その後にやってきた大学の先生たちの発掘チームに全部、実は重要文化財等のおいしいところは持っていかれたわけですね。
 今、日本の旧石器時代を証明する、相沢さんが日本で一番最初に発見したやり先形尖頭器は、文化財としての指定を何にも受けずに、相沢さんの奥様が守っていらっしゃる相沢忠洋記念館でガラス箱の中に入れて一般に公開はされているわけです。
 私もそれを見に行きましたけれども、これこそ文化だと。文化財というのは、学術財でもなければ学問財でもなければ、学界で認められた財でもないわけですよ、文化財ですから。町の、本当にそれまでは、何だこの人はと言われていたような人が一生懸命、生涯発掘に身を尽くして発見をしたやり先形尖頭器、それが日本の歴史の評価を大きく変えることにつながった。
 それは、国として、もちろん、重要文化財に指定するためには学界上の何ちゃらかちゃらが必要だとか、いろいろな細かい規定があるのはわかっています。だけれども、日本としても、あるいは子供たちに対する、こういう生き方というのがすばらしいんだよということを伝えていくためにも、相沢さんのやり先形尖頭器を重要文化財として私は指定すべきと思っていますが、指定すべきであるとここで言っても指定しますとは言わないでしょうから、指定に向けた検討をすべきであるというふうに思うんですが、文化庁としてのお考えをお聞かせください。
○中岡政府参考人 お答えいたします。
 先ほど御答弁申し上げました中で、その活動を総体として評価されていると認識しておるということにつきまして、国として、既に平成元年にも叙勲を受けられているということでございますので、評価されているという意味でございます。
 そして、今御質問の点でございますけれども、重要文化財の指定基準には学術的価値の特に高いものという要件がございます。学界や展覧会などを通じて、学術的な検証と評価が定まっていることが必要でございます。
 相沢氏が採集したやり先形尖頭器は、岩宿遺跡の発掘調査のきっかけになったことは事実でございますが、出土位置、層位、地層の位置でございますが、その正確な学術情報を欠いておりまして、学術的評価が確立していないと承知しております。
 このため、現時点におきましては、当該やり先形尖頭器を重要文化財に指定することは難しいと考えておりますが、文部科学省といたしましては、今後の学術的研究の進展を注視してまいりたいと考えております。
○川内委員 そんな冷たいこと言わないでくださいよ。だから、説明したじゃないですか。相沢さんは町の考古学者で、学問的な知見をそれほど持っていなかった。したがって、相沢さんが連れてきた大学の、学界の重鎮を始めとする発掘チームに全部、功績、業績を持っていかれたわけですね。
 だから、最初にどこで発見したかとか、その発見した場所とかもその学術チームが、後で来た発掘チームは多分特定していたと思いますよ、だけれども、書類をどこかへやっちゃって、最近は隠蔽とか改ざんがはやりですが、恐らく、学問の世界でもそういうことがあったのかもしれない。まあそこまでは言いませんが、とにかく、文化財として学術的、学問的な、発見された場所等が、はっきりとここから発見されたんですという資料がなければ、それは文化財として指定できません、今後の進展を見守りたいですと。今後の進展って、だってもう相沢さんはいないんですから、お亡くなりになられて。
 大臣、ここは大臣に御答弁いただきたいんですけれども、重要文化財として指定する要件として、学問的な知見が確立をしていることというのがあることは知っているということは私も申し上げました。だけれども、私は、補足の説明として、国が指定する文化財として、一介の名も知れなかった考古学の、本当にマニアが自分の人生の全てをかけて、日本の旧石器時代の歴史があるんだということを発見することにつながったやり先形尖頭器、それがなければ、日本の旧石器時代の証明というのはその当時なかったわけですから、そこはしっかりと評価をすべきではないか。
 重要文化財として指定するに足るものなのかどうか、その検討をしてみるというぐらいは、検討の結果だめだったということはそれはあり得るわけですから、大臣、検討するぐらいは言ってくださいよ。お願いします。
○林国務大臣 文化庁が答弁しましたように、学術的価値の特に高いものという要件がございますので、学術的価値が高くなることは、今後の学術的研究の進展によっては、ないことではないというふうに思っておりますし、それから、この方を個人として顕彰することと、それから尖頭器そのもの、物がそれに該当するのかというのは、やはり一緒にするというよりか、それぞれ考えなきゃいけないことだろう、こういうふうに聞かせていただきました。
 相沢忠洋さんについては、勲五等瑞宝章、それからその前に吉川英治文化賞、さらには群馬県功労賞というようにいろいろな賞は受賞されておられますし、きょう、委員がこれだけ紹介をしてくださったので、私どもの耳にもしっかりと入って、こういう方がいらっしゃったんだなということで受けとめさせていただきましたので、重要文化財と個人との話については先ほど申し上げたとおりでございます。
○川内委員 大臣にまでこんなに冷たくされると思わなかったんですけれども、学術的価値という意味においても、このやり先形尖頭器、日本で一番最初に、日本の旧石器時代があったのだと。しかも、関東ローム層という、関東地域が物すごい火山の噴火で、そんなところに人が住んでいるわけがないじゃないかと言われていた関東ローム層からやり先形尖頭器が発見されている。その一番最初に発見されたやり先形尖頭器ですから、学術的価値はめちゃめちゃ高いじゃんと私は思うんですけれども、相沢さんの個人的な顕彰という意味とそれこそ切り離して、日本で一番最初に発見された、旧石器時代が存在することを証明するやり先形尖頭器について、検討をしてみるよということをおっしゃっていただけないというのは甚だ残念なんですけれども、ちょっと検討ぐらいしてくださいよ、大臣。
 もう一度ちょっとお願いします、検討すると言うだけでいいんですから。検討ぐらいしてくださいよ。お願いしますよ。
○林国務大臣 先ほど文化庁からございましたように、発掘調査前に採集をされたということで、出土地点や位置情報、こういった情報が伴っておらないので学術的な検証と評価が定まっていない、こういうことでございますので、何らかの形でここをクリアできれば検討への道が開かれるというふうに思っております。
○川内委員 大学の発掘チームが残している資料の中に、発掘された位置とか状況という資料が私は恐らく残されているのではないかというふうに思います。
 私が言う検討というのは、そういう、もう一度、その大学の発掘チームが残している資料等を含めて精査をし、検討をしていただければよいのではないかという趣旨でございまして、ぜひ大臣、そういうことを含めて、ちょっと取り組んでみようかというふうにおっしゃっていただけると大変ありがたいのでございますが、よろしくお願いします。お願いしますよ。
○林国務大臣 御意思に沿えなくて申しわけないかもしれませんが、重要文化財は、我々が指定しに行くということでは基本的にはなくて、これは重要文化財ですからといって指定を要望される方がやるということが原則であろうか、こういうふうに思っております。
 これは、明治大学がこの発掘調査を昭和二十四年からやっておられるので、明治大学におかれて、今、委員がおっしゃっていただいたようなことをしっかりとやって、申込みというか申請、こういうことになれば、そこから、先ほど申し上げたような可能性が出てくるのではないかというふうに思っております。
○川内委員 それでは、文化庁にお願いなんですけれども、川内博史から、その当時の明治大学の発掘資料の中に、相沢忠洋氏が最初に発見をしたやり先形尖頭器に関する発掘調査隊としての資料があるのではないか、発見された位置等を含めて、状況を含めて、そういう資料があれば御提供をいただきたいという旨の要請が国会で正式になされた、調べていただけるかということをお伝えいただけますか。
○中岡政府参考人 お答えいたします。
 先ほど来申し上げましたように、正確な学術情報を欠いているということにつきましては、先ほど大臣から御答弁、再度いたしたところでございますけれども、先ほど委員の方からそういう、明治大学の方に先生の方から話があったということでございますので、あったことにつきましてお伝えをしたいというふうに思います。
○川内委員 学術的な証明につながることを祈りながら、次の質問に入らせていただきます。
 次は、またがらっと変わりまして、加計学園のことについてお尋ねをさせていただくわけでございますが、二〇一五年四月二日、柳瀬総理秘書官、加計学園、愛媛県、今治市との首相官邸会合に同席した文科省出向の内閣官房内閣参事官、現在は文科省高等教育局私学部私学行政課長さんですが、この首相官邸の会合について、文科省本省の当時の大臣官房総務課長、官房総括審議官、そして官房長に連絡、報告をしたかどうかについて調査をしていただきたいというふうに要請をしておりましたが、その調査の結果を教えていただけますでしょうか。
○藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 文部科学省といたしましては、去る四月二十日に公表したとおり、委員御指摘の点について、事実関係の確認に当たり、必要な範囲についての確認作業を十分行ったところと認識しているところでございますが、川内委員からの御指摘なども踏まえまして、林大臣とも御相談の上、補足的に、当時の大臣官房長、総括審議官、それから官房総務課長の三名についても聞き取りを行いました。
 その結果でございますが、三年前の四月二日に愛媛県あるいは加計学園等が官邸を訪問したとされていることに関しまして、文部科学省から内閣官房に当時出向していた職員から文部科学省に対して、これら三人の者に対しての報告などがあった、受けたことがあると答えた者はございませんでした。
○川内委員 ヒアリングをしていただいたということでございます。
 それは、三年前のことをどうだったと聞いて、覚えていますよと言う人はなかなかいないわけで、したがって、記憶より記録ということになるわけですが、記録の精査、個人ファイルとか個人フォルダ、そういうところへの調査というものをすべきである。
 なぜかならば、せんだっての委員会で、内閣官房内閣参事官は、内閣官房の指揮命令のもとで職務に従事しており、当該職務を遂行する上で必要があれば、関係省庁との連絡調整を行うこともあるというふうに文部科学省は答弁をされております。また同様に、文部科学省は、関係省庁との連絡調整については、文部科学省にとっては獣医学部の新設というのは当然重要な関心事項であるので、連絡調整に含まれるものと考えているというふうに御答弁をされております。
 国家戦略特区にとって、獣医学部を新設するというのは重要なテーマであったろうというふうに想定をされるわけで、当然、内閣官房内閣参事官は本省へ、どういう会合であったのかということについて報告をしているはずであります。
 したがって、聞き取りの結果は、覚えている人はいませんでしたというのはよくわかりました。記録の精査、電磁的記録あるいはファイルの精査というものをしていただく必要があるというふうに考えますが、官房長、いかがでしょうか。
○藤原政府参考人 お答え申し上げます。
 去る五月十日の予算委員会における参考人質疑等を踏まえまして、内閣官房の指示を受けて、当時、文科省から内閣官房に出向していた職員に対しまして、委員御指摘の、三年前の四月二日とされる会合への同席等についての確認を行っております。
 その結果、面会への同席については、明確な記憶はないが、柳瀬参考人の答弁の内容を踏まえれば、同席していたのではないかと思うということを説明しておりますし、また、面会後、文科省に連絡をしたかについては、明確に覚えていないが、連絡しなかったのではないかと思うというふうに回答しているところでございます。
 そういう状況でございますので、従来から文科省は、この手の調査につきましては、具体的に、関係者に対するヒアリングで、事前連絡に関する文書を見たことがあるか、作成したことがあるか、又は共有したことがあるかと確認することを通じて、委員御指摘の個人ファイル、共有ファイルを含めて、それらを問わず、当該文書の存否そのものを確認する作業を行っているというところでございます。
 この点につきましては、去る先週十一日の金曜日の当委員会において、大臣などからも御説明申し上げたとおりでございます。
 なお、当然のことながら、新たな文書やあるいは証言が出てきた場合などについては、今後、必要に応じて、その都度適切な対応を検討していきたいと考えております。
○川内委員 だから、新たな資料等を見つけるために、調査されていない部分、電磁的な記録やファイル等を調査されたらいかがか、調査してくださいねということを、事実確認を求めているわけです、私どもはですね。
 それに対して、いや、聞いて、覚えていないもんと言ったからいいんだもんというのは、それは違う。こっちは事実確認を求めているわけですから、ちょっと今の答弁は全く納得できないわけで、今後、理事会等でしっかり議論をしてまいりたいというふうに申し上げておきたいと思います。
 きょうは内閣府の国家戦略特区担当にも来ていただいておりますが、藤原次長が平成二十七年八月五日、六日出張の際、加計学園から車による移動について便宜供与を受けていたということでございます。
 この藤原次長と一緒に出張に行った同行者は何名ですか。
○村上政府参考人 お答え申し上げます。
 藤原以外に二名、職員が同行してございます。
○川内委員 藤原次長と同行者二名、飲食についての便宜供与を受けていますか。
○村上政府参考人 お答え申し上げます。
 八月六日の岡山出張につきましては、野党合同ヒアリング、それからこの文科委においてお尋ねがありまして、先週末の段階で、まず、移動手段の一部に民間事業者が管理運用する業務用車両を用いた可能性、これについて御指摘をいただいたことが推認をできる事態となりました。
 このため、今、関係法令との関係も含め精査をしているところでございます。
 これにつきましては、公務員倫理法の基準に照らして、違反の有無にかかわらず、しっかりと調査をする必要があるということで、現在、倫理審査会の事務局にも調査の方法を御指導いただきながら、飲食でありますとかそういったことにつきましても、出張全体についてそうした事実があるかないか、確認をしているところでございます。
 大変恐縮でございますが、調査中の事項につきましては個別のコメントは差し控えをさせていただきたい、このように思います。
○川内委員 調査の対象は藤原次長お一人ですか。それとも、同行者二名も含まれるという理解でよろしいですか。
○村上政府参考人 お答え申し上げます。
 調査自身は、調べるべきと考えられる事実に応じまして、倫理審査会に御相談をしながら、範囲が、どの範囲でやるべきかということ自体についても御指導いただいてございます。
 そういう意味で、詳細についてはお答えいたしかねるということではありますが、当時の出張者につきましては、三人とも当然に調べさせていただいているところでございます。
○川内委員 藤原次長は、その在任中に岡山出張をほかにされていることはなかったのでしょうか。
○村上政府参考人 御通告をいただいて、調べました。
 正規に残っております旅費の手続書類を確認している範囲では、在任中、岡山への出張記録は、当該案件以外は残っておりませんでした。
○川内委員 時間が来ましたので終わらせていただきますが、内閣官房内閣参事官から文科省本省への平成二十七年四月二日の報告については、これは、私どもは事実確認をしているだけですから、その報告が残っていると思いますが、その報告を見せてくださいということを言っているだけですから、その調査について、電磁的記録やファイルを見ていないということなので、これは事実確認をしているだけについてお答えにならないというのは甚だ遺憾である、これは大きな禍根を残すということを申し上げて、終わらせていただきます。
○冨岡委員長 次に、平野博文君。
○平野委員 国民民主に変わりました平野博文でございます。ありがとうございます。
 改めて質問に立たせていただきました。我が党の城井理事の方から、質問しろ、こういうことでございますので、質問させてもらいたいと思います。
 特に、この文部科学委員会という委員会ですが、科学技術についての質問というのが余りないものですから、私、これからできるだけ科学技術について質問をしてまいりたいと思います。
 つい先日でございましたが、少し気になる点がございましたので、この点についてまず質問をしたいと思います。
 「もんじゅ」が廃炉に決定をされた、こういうことでございましたけれども、一週間前でしたか、五月の十一日に会計検査院から、廃止措置中の高速増殖炉「もんじゅ」についての研究開発の状況及び今後の廃止措置についての報告がなされたわけであります。
 「もんじゅ」について適切な保守管理を行いつつ廃止措置を行い、その中で、廃炉などの研究成果を引き揚げていくということになると理解をしておりましたけれども、検査院の報告においては、研究の達成度は一六%、こういう数字が出てきたわけであります。私の記憶が正しければ、一六%というこの数値というのは、私、文科大臣の時代に、「もんじゅ」の今後のあり方を検討したときに原子力委員会が試算した例として示されたと思うのでありますが、この点のこの数字はどうなんでしょうか。
○佐伯政府参考人 お答え申し上げます。
 「もんじゅ」の性能試験開始後の技術成果の達成度につきましては、平成二十四年に文部科学省が原子力委員会新大綱策定会議に提出した参考資料の試算がございまして、こちらも一六%という数字でございます。
 会計検査院におきましても、同じ条件を用いて再度試算した結果だと伺っております。
○平野委員 逆に言いますと、本稼働に至っていない「もんじゅ」、プラントとして稼働させることで得られる成果はあったわけですが、これは不十分だ、こういうふうに認識していますが、この数字だけを出されると誤解を招くことになりはしませんか、このことを言いたいわけですよ。
 私は、もっと研究成果がある、こういうふうに実は思っておって、ただ、保守管理がうまくいかないから研究成果を十分に刈り取ることができなかったんだ、こういうふうに私は思っていたんです、その当時。しかし、この数字だけが表に出てくると、一体、一兆円以上も金を使って何をしておったんだということになりはしないか、こういうふうに私、誤解を生むと思うものですから、ここはきっちりと、こういうことではありません、こういうことを文科省としては言えないんですか。
○佐伯政府参考人 お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、この数字につきましては、あくまで、性能試験開始後に得られました技術成果の達成度を、稼働開始後十年までに得られる技術成果に対する割合と示したものでございます。
 一方、「もんじゅ」におきましては、性能試験開始前の設計、建設、あるいは性能試験開始後の四〇%出力までの運転を通じまして、高速炉開発に関するさまざまな技術成果を獲得しているところでございます。加えて、研究人材の育成にも貢献するなど、多岐にわたる成果を得られておりまして、こちらにつきましては、「もんじゅ」の取扱いに関する政府方針におきまして、「もんじゅ」の研究開発の成果と示しているところでございます。
 また、私どもとしても、その点についてはしっかりと御説明してまいりたいと思っております。
○平野委員 やはり国民の税金を使って、一兆円以上の金を使っているわけですよ。それで一六%しか達成していないなんて言われたら、何をしておったんだという批判だけが起こってくると私思うんですね。
 したがって、いろいろな意味で、技術的な知見、今後のことを含めて、残念ながら廃炉、廃止になったということは事実ですから、これは否定しませんが、やはりここまで至った研究結果を報告すべきだ、こういうふうに実は私思っておりまして、一六%だけが、数字が躍っていくようでは、それに対して、文科省の担当部局がしっかりと、そういうことではありません、もっとこういう成果が得られていますということを言う環境をつくらなきゃだめですよ。
 これはぜひ、そういう成果報告を出してくださいよ。大臣、どうですか。
○林国務大臣 まさに今、先生がおっしゃっていただいたように、設計、建設の段階における成果というのがあるわけでございまして、国内技術に基づく設計、建設とか、四〇%出力試験もやっておりますし、高速増殖炉の炉心燃料等々の技術的知見というものがあって、それから、性能試験が始まってからのものの中では、途中でこうなりましたので一六%ということで、そこをしっかりと説明をしていこうということで、今、私も図を見ながら御説明申し上げているわけですが、そういうわかりやすい図をつくるなどして、この一六%がひとり歩きをしないようにしっかりと説明してまいりたいと思っております。
○平野委員 なぜ、私、これを言うかといいますと、ちょうど私のときには、なかなか「もんじゅ」というのは理解されない、難しいいろいろな課題がある、これはもう私は承知。その上で、減容化の問題であるとかこういう問題の成果が必ずこの技術で上げられる、こういうふうに私思ったものですから、「もんじゅ」について存続させよう、こういう立場で、組織としては意思決定をしてきたというのが私の立場でございました。
 しかし、残念ながら、それ以降のいろいろな問題を含めて廃炉ということで決定をされたわけですから、私は、そういうことについては事実ですから、結構かと思うんです。ただ、もう一つ残念なことは、廃炉を進めていく上で、引き続き適切な保守管理を行うということは重要なんですね。しかしながら、廃炉の決定に至る前に、保守管理上の不備で保安措置命令が出ているんですね。「もんじゅ」が是正して報告した内容について、規制委員会から回答が出てきているんですか。
○佐伯政府参考人 お答え申し上げます。
 「もんじゅ」につきましては、平成二十二年に発生した炉内中継装置落下トラブルの復旧を完了したものの、多数の機器点検不備が明らかとなり、平成二十四年及び二十五年に原子力規制委員会から、「もんじゅ」の運転再開に向けた作業を行わないことなどを命じる保安措置命令を受けるに至りました。
 原子力機構は、保安措置命令の解除に向け改善作業に取り組んだものの、その後の保安検査においても再び機器の点検不備等の指摘を受けておりまして、機器の点検の時期や内容を記載した保全計画の抜本的な見直し作業を行うこととなりました。その後も、原子力機構は、進捗状況を保安検査等において原子力規制庁に逐次報告しております。
 安全上特に重要な機器についての保全計画の見直しにつきましては既に作業を終えておりますが、その他の機器の保全計画についてはまだ残っておりまして、見直し作業を速やかに完了すべく、引き続き取り組んでいるところでございます。
○平野委員 いやいや、よくわからない、そこのところは。
 要は、規制委員会に是正あるいは措置命令が出ておって、「もんじゅ」からそれに対して是正報告をしている。報告に対して原子力規制委員会から回答が来ているのか来ていないかでいうと、今の答弁だったら、回答が来ていないということですね。来ていないのにこれから廃炉の計画なんて組めるんですか。
 ですから、来ているか、来ていないかだけ答えてくださいよ。来ていないんだろう。
○佐伯政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほど御説明申し上げましたが、随時、作業状況については原子力規制委員会、規制庁に対して報告をしてございまして、その都度、いろいろなやりとりはございます。
 ただ、全ての機器を対象とした保全計画の最終版の確定までは至っておりませんで、その分についてはまさに作業中という状態でございます。
○平野委員 では、いつまでにその作業が終わるんですか。それが終わらないと、これから廃炉を進めていく上においてのプロセスが描けないんじゃないですか。
○佐伯政府参考人 お答え申し上げます。
 今般の保全計画の見直しにつきましては、機器の点検周期、点検内容といった保全内容をより科学的、合理的に決定するために、保全内容の根拠を部品レベルの劣化現象に至るまで詳細に分析した知見を適宜反映するものでございます。
 これらの知見を反映した保全計画により、設備点検をより効率的かつ効果的に行うことが可能となることから、原子力機構はその改定を速やかに完了させることとして努力をしているところでございます。
 今後、原子力機構が廃止措置の作業を実施するに当たりましては、関係する設備の点検等に万全を期して取り組むことが必要でございますので、文部科学省といたしましても、原子力機構がこれらの点検の取組をしっかりと行った上で作業を進めていくということが大事だと思いますので、そのように指導監督してまいりたいと考えております。
○平野委員 よくわかりました。
 このことで余り議論をしたくないんですが、要は、廃炉が決まったら余り保守管理についてはどうでもいいんだみたいな、もう消えちゃっている話だと思うんですが、これは物すごく私は、「もんじゅ」の廃炉を進めていく上において莫大なコストと人とかかっていくものでありますし、廃炉のプロセスでも規制委員会との関係は十分にきちっとしておかないといけない、こういうことですから、今、局長おっしゃったように、十分にきちっと踏まえてやっていただきたい、このことを申し上げておきたいと思います。
 さて、本題に入ります。
 きょうは研究開発という、特に我が国の科学技術立国ということで、これはいつでしたかね、二十年前でしたか、こういうことで、科学技術基本法の制定によって科学技術創造立国という国の大命題、今、この国会は働き方改革、これを大きな目玉にしておるわけですが、二十年前に、科学技術創造立国とする、こういうことで立ち上げてきたわけです。また、その実現に向けて進めてきたわけでありますが、昨今、こういう国策として進めてきている科学技術は、毎年大体四兆円弱の予算を使って今日まで進めてきているわけであります。
 しかし、我が国の研究開発力の低下を懸念する意見や報道がこのごろ出てまいりました。その一つに、昨年の学術雑誌ネイチャーに記載された、これで私すごく気になったわけであります、特に我が国の研究開発のパフォーマンスが低下をしている、こういうことでもありました。
 多分、我が国の科学技術政策にかかわってきた者にとっては、ある意味、これはよく承知のことだと思いますが、ネイチャーにこういうことが載ったということは、科学技術の関係者に相当のインパクトがあったと私は思っています。余りそのことについて関係ないよという方については全く私は論外だと思っていますが、この問題はやはり重く受けとめていかなきゃいけない、こういうことであります。
 特に、研究開発の部分の競争力を示すという代表的な指標に、論文の数をよく言われるわけですが、論文が全てだとは思いません。先ほど、川内さんからの質問がありました。あれが本当に価値があるかどうかというのは、権威のある人でないと認めていかないと学術的な価値を云々言っていましたけれども、必ずしも権威ある論文が正しい研究成果、競争力を持つとは私は思いませんが、一つの指標でもってあることは事実であります。
 日本は、世界の中でシェアをどんどん落としていっている。昨年の大学のランキングでも上位百位に入っているのは、東京大学と京都大学しか入っていない、こういうことであります。
 ダボスの会議を主催している世界経済フォーラムの国際競争力のランキングでも、日本は九位に落ちていっている、こういうことであります。
 したがいまして、こんな状況の中で、日本の研究開発力の低下については現場の研究者が厳しい認識を持っているということについては、いろいろな新聞の調査であるとか研究所のデータであるとか、そういうのは数値として出てきたわけであります。
 しかし、日本というのは科学技術でまだ世界レベルなんだよ、国民はそういう認識にあるんだろうというふうに思います。現場は全然違う。二十年前から国策として、科学技術立国なんだ、こういうことを言って、四兆円近い金をずっとつぎ込んできている。この乖離が私は今後非常に大きな問題になってくるのかな、こういうふうに思います。
 したがって、平たく言えば、私は、科学技術について、我が国の力云々というのはもう危機的状況を超えてしまっているのではないか、崖から転げ落ちていこうとしているのではないか、こういう危機感を持っております。
 したがいまして、こういう状況を打破するために、研究資金の配分を含めて科学技術政策の抜本的な改革をしなきゃならない局面であると私は感じておりますが、大臣、私が今申し上げましたような状況を含めて、大臣の認識はどうでございましょうか。その認識の上で具体的に質問します。
○林国務大臣 私も平野先生と同様の認識を持っておるわけでございます。
 世界を見渡しますと、中国はかなり物量的にといいますか、予算を使って伸びてきておりますが、それ以外のヨーロッパの国に比べても、国際的に引用される数等が落ちてきている、こういうことも言われておるわけでございまして、かなり抜本的なプッシュをしていく必要があるのではないか、こういうふうに思っております。
 やはり、インプットである投資が諸外国に比べて伸びが低調である、それから論文、質、量、双方で、量も減っているわけでございまして、国際的な地位が低下しておるのと同時に、新しい研究分野へ挑戦するというところがほかの国に比べて少ないということが言われております。
 それから、よく言われることですが、若手研究者の能力発揮のための研究環境が十分でないということで、これを見ていると、マスターを終わった人が博士へなかなか行かない、こういう状況にもなっているということでございますし、それから、まだ産学連携で民間から入ってくる研究費が依然として小さいということもあろうか、こういうふうに思っておりますので、今、委員から御紹介もいただきましたけれども、第五期科学技術基本計画、これは五年で二十六兆円、GDP比一%という目標を掲げてやっておりますので、まずはこれを達成しなきゃいかぬと思っております。
 それから、やはり基盤的経費を確保すること、そして研究力強化に向けた制度改革を進める、これが大事なことであろうかと思っておりまして、科研費や卓越研究員事業、人事給与マネジメント改革等を図ることによって、新しいことに、余り後のことを心配せずに挑戦できるようにしていくということ、そして、産学連携でも、研究室と企業の一つの組織ということ、今までの産学連携から、大学、企業のトップ同士が主導する、いわば組織対組織、大学全体と会社全体による産学連携への重点化、こういうことが大事である、こういうふうに思っておりまして、こういう施策を通じてしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。
○平野委員 後半に質問しようという内容までかなり答えていただいておりましたから、いいと思いますが、その中で、特に私は、一番大事なことというのはどういうことかなと思っております。
 いみじくも、今、大臣から御答弁いただきましたが、若手研究者の層が薄くなっていっている、その要因というのは一体何なのか、こういうことなんですが、研究費が非常に減少していっている、こういうことでございました。
 なぜ研究費が減少していくのかな、こういうことですが、競争的資金を含む我が国の研究者一人当たりの研究費というのは、ここ十数年、研究者一人当たりの平均ベースでとりますと、年間大体百二十万円ぐらいですね。年間百二十万円で何ができるか、まあ平均ベースですから。一方、基盤的経費とされる運営交付金、これは毎年一%ずつ減らされていっている、こういう状況であります。したがって、固定費ベースを考えていきますと、研究費はそれ以上に圧迫をされてくるわけであります。
 したがって、文科省としては、運営交付金にかわってこういう競争的資金をつくり出してきた、こういうことですが、結果的には、そのことによって研究費がふえていっているのであればいいんですが、ふえない、こういうことであります。
 特に、競争的資金という考え方でいきますと、上位の一部の大学でしか入ってこないということですから、そういう上位大学に集中していっている、こういうことであります。中堅以下の研究者の相当数は、平均ベース百二十万ですが、年間大体数十万円の単位になってしまっている、こういうことであります。
 文科省が実際調査した、六割の研究者が、年間の研究費が五十万円以下の水準になっている。また、お一人、国立大学で研究費が十一万円だ、そんな事例まで挙がってきている。こういうことになるわけであります。研究現場が最低限の出張すら困難になっている、こういう状況に置かれている。私は、調べた結果、そういうふうに思っています。
 文科省としては、こんな状況は把握しておるんですか。把握していないんですか。これは放りっ放しで来たんですか。どうですか。
○義本政府参考人 お答えいたします。
 特に、国立大学の法人への支援につきましては、平野先生御指摘のとおり、基盤経費である運営費交付金と教育研究活動の革新ですとか高度化、拠点化を図る競争的資金、いわゆるデュアルサポートに行ってきたところでございます。
 その中におきまして、若手の教員の安定的なポストが減少しているということとともに、先ほど御指摘いただきましたように、教員の自由な研究活動を支える年間の個人研究費が、平均ではありますけれども、五十万円未満の者が六割いるというふうな結果が出るなど、国立大学の教育研究の基盤の強化が、特に若手にとって必要だというふうに思っているところでございます。
 こうした中で、平成三十年度予算におきましては、国立大学の運営費交付金、先ほど、過去において一%減少というのがございましたが、対前年度同額の一兆九百七十一億円を計上させていただくとともに、それから科学技術研究費、科研費につきましては、前年度二億円増の二千二百八十六億円を計上しているところでございます。
 文科省としましては、今後とも、国立大学が人材育成、学術の中核として、安定的、継続的に教育研究活動ができるように、運営費交付金等の基盤経費の確保とともに、科研費等の競争的資金の充実、質の向上に取り組んでいきたいと存じます。
○平野委員 たまたま、三十年度の予算は維持できたということですよ。これはもう文科省、体を張って、維持じゃなくてふやす、科研費をふやすということにしないと、先ほど言いましたように、だらだらと落ちていっているんじゃないですよ、もう崖っ縁に入って、崖に落ちますよ。そういう意味では、覚悟を決めてやってもらいたいと思います。
 研究者としての活動を保障する最低ラインはやはり守ってあげないと。これはぜひお願いをしておきたいと思います。
 運営交付金と競争的資金、こういうところについての、苦肉の策でつくり上げてきた部分でしょうけれども、私は、より成果の上がるところに重点配分をしていくという考え方は否定しません。しかし、そうすると、中堅以下の研究者等々、あるいは地方大学等々の皆さん方に回っていかない。やはり研究というのは、裾野を広げていくということが大事なんですね。よりスーパーエリートだけの研究者だけじゃなくて、裾野の広い研究体系が組まれるようにしていかなきゃいけないと思いますし、特に、先ほど大臣答えていただきましたからもう言いませんが、若手の研究者が持続的に研究でき得るような環境をどうつくってあげるか、こういうことだと思います。
 もう一つ指摘しておきたいんですが、ノーベル賞を受賞しておられる方々のノーベル賞受賞の研究のテーマは、大体四十歳ぐらいのときにやっているテーマがその対象になってくる。その四十歳ぐらいの研究者に十分に研究できる環境をつくっていってあげないと、この問題というのはなかなか解消しないんです。
 その上で、国立大学では任期なしの教員、いわゆるずっと大学で研究できる教員、四十歳未満の研究者は一五%しかいない。四十歳未満の教員の実に六三%がいつ首を切られるかわからないという任期つきの教員になっている。逆に、研究者がそういう不安の中で研究しているという、この現実をやはり直視してもらわなきゃいけないんじゃないかな、こういうふうに思います。
 私、京都大学の山中教授から、この点を文科省にいたときに指摘されて、このことだけはずっと頭に実は残っている。研究予算が、安心して研究できるために、無駄な研究費とは言いません、必要な研究費だけは持続してもらいたい、このことを強く、山中教授に言われたことをずっと私は思っておるところであります。
 したがって、直ちにこの問題を直視してもらって、予算のあり方、こういうところ、これはまた財務省との大臣の戦い方になるんでしょうけれども、財政論と成果ということがバランスをとれているから大丈夫なんだみたいなことを言っておりますが、やはり研究というのは未知への遭遇でもあるんです。成果だけを強調するところに予算を配分しておれば、未来を予測していく大きな研究成果に私はなっていかないと思います。
 特に、アカデミックな領域というのはリスクも伴います。しかし、そこに思い切った予算をつけていくことが我が国の未来に大きな光を照らすことにもなろうと思っておりますので、大臣、ぜひそういう点について、時間が来ましたから終わりますが、最後に御決意をいただければありがたいなと思います。
○林国務大臣 平野先生からも、今、財政の状況についてもちょっとお触れいただきましたが、何とかこの厳しい財政状況の中で、めり張りというものも考えながら基盤的経費を少しずつでもふやしていく。ことしは去年と同額でしたが、おととしと比べると去年はちょっとふえてきておりますので、また減るということになりますとメッセージを持ってしまいます。
 したがって、そこを押さえていきつつ、科研費の方も、めり張りがきいたところ、若手に対するいろいろな施策、こういうものを通じていろいろな研究が相積もって花が咲いていく、こういう環境を目指したいと思っております。
○平野委員 終わります。ありがとうございました。
○冨岡委員長 次に、城井崇君。
○城井委員 国民民主党の城井崇です。
 本日も質問の機会をいただき、ありがとうございます。きょうも、大臣に集中してということで質問申し上げたいと思います。よろしくお願いいたします。
 本日は、先日からの積み残しでようやっとお伺いすることができますが、現場の教員不足について大臣に、特に、これも財務省と戦う話になるかと思いますが、御質問申し上げたいというふうに思います。
 きょうは、お手元に資料をお配りしておりますので、ごらんください。公立小中学校等の教員定数の標準に占める正規教員の割合、平成二十九年度という資料でございます。
 これまでにも、現場の教員不足というものは報道でも逐次取り上げられております。例えば、二〇一七年十一月二十七日、毎日新聞の記事では、ここ五年間の全国の公立小中学校における定数に対する教員の充足状況、違った言い方をいたしますと、不足している数ということでございますが、これを調べると、教員定数に対して、特に正規の教員の数が足りていない状況が五年間も続いております。直近の数字が、今お手元の資料でございます。青い部分が正規教員、赤い部分が臨時的任用教員、そして黄色が非常勤講師等ということでございます。臨時的任用教員ですとか非常勤講師などへの依存が極めて大きい状況を見ていただけるというふうに思います。
 教育現場に必要な教職員が物理的に足りておりません。このグラフの上に、各都道府県ごとの定数に対する充足の割合を書いておりますが、一〇〇%を切っているところが幾つも見られるという点を大臣にも確認をいただきたいというふうに思います。
 国として、教員不足の状況への認識とそして現場の教員不足の理由、対応策について、まず大臣から具体的にお答えいただきたいと思います。お願いします。
○林国務大臣 最近、各地域の小中学校におきまして必要な教員を確保するのに苦労しているという事例が多く生じているということを承知しているところでございます。
 この原因として、各都道府県の教育委員会等からは、まず、大量の教員が定年により退職をしていることに伴って大量の教員を採用する必要が生じている、それから、特別支援学級の数が増加している、さらには、産休、育休を取得する教員が増加をしている、さらには、民間企業等の採用が活発になっていることに伴い教員採用試験の受験者そのものが減少している、そういうことが考えられると聞いているところでございます。
 したがって、対策として、採用試験の年齢制限を引き上げる、それから、英語資格などの一定の資格を有する志願者に対する加点制度を導入する、教職経験のある志願者に対して特別な選考を実施する等々の工夫をしているというふうに聞いております。
 教員の採用については、やはり各任命権者の判断に委ねられておるところではございますけれども、文科省においては、今後多くの教員が今から退職することが見込まれておりますので、以前から、教員の年齢構成に配慮して、中長期的視野から計画的な教員採用、人事、こういうことを行うことを促してきたところでございます。
 各任命権者においては、教員の確保に関する厳しい現状を踏まえて、より一層退職教員の活用とか社会人の積極採用等の工夫をしていただくとともに、文科省としても、働き方改革を進めるなどして、多くの方に教職を志していただけるように取り組んでまいりたいと考えております。
○城井委員 ありがとうございます。
 計画的な教員採用を促すというのがこれまでも文部科学省の姿勢でございましたし、現在も、今大臣がおっしゃっていただいたとおりでございます。
 ただ、その一方で、実際に教育現場がどうなっているかということをここで申し上げねばならないと思っています。
 二〇一八年五月十五日にRCC中国放送が報じたところでは、広島県教育委員会によりますと、広島県内の公立小中学校などを対象に調査をした結果、何と三十五の学校で、合わせて三十八人が欠員状態になっております。内訳は、非常勤講師が十二人、臨時採用の教員が二十六人ということになっています。このうち、呉市の吉浦中学校では、一年生の国語と二年生の理科で必要な教員を確保することができず、合わせて四クラス百一人が四月分の授業を受けられなかったという状況です。かなり深刻です。
 文部科学省に事前に、この点知っていますかということで報道の事実確認をいたしましたけれども、五月に入った今も教員確保のめどは立っていないという報告でございました。極めて深刻です。
 先ほど大臣からも、原因は何かということで幾つか事例の例示がございましたけれども、定年による大量退職に新規採用が追いつかないことが教員不足の原因との広島県教育委員会からの説明ということでございました。先ほど例示いただいた理由の一つに当たるなというふうに思っております。
 ただ、これが、では広島県特有かというと、そうではない。例えば、島根県の松江市などでも、中学校の英語教師が不在という状況があったり、福岡県福岡市においても、足りているといいながら、実際には、休む教員の方々もおられているということで、担任を担当するような教員が足りないというような状況も現場の教員から聞こえてきているところでございます。
 この欠員の解消があればこそ、国の対応策が届いたというふうに言えるというふうに考えます。
 先ほどのさまざまな手だてがやられているという前提ですけれども、実際に現場は欠員が生じております。大臣、この深刻な欠員の認識と、そして、そこを踏まえて、先ほどの足りていないところがどこかというところ、どう対応しようかというところを、ぜひ大臣からお伺いしたいと思いますが、お願いします。
○林国務大臣 今の広島県における事案については、必要な教員が配置されていないことによって計画的に授業が実施できていない、こういう事案でございまして、好ましくない事態である、こういうふうに認識しております。
 最近、先ほども申し上げたように、各地域の小中学校において必要な教員を確保するのに苦労しているという事例が多く生じていることについて承知をしておりまして、広島県における事案のように授業等の実施にも支障を来すような状況であれば、大変懸念すべき事態であると認識しております。
 やはり、各任命権者において、教員の確保に関する厳しい現状を踏まえて、中長期的視野から計画的な教員採用、人事を行ってもらうということと、退職教員の活用、社会人の積極採用等の工夫、これをしていただきたいと考えておりますし、我々としても、働き方改革を進める、部活指導員ですとかスクールカウンセラーですとか、職員ですね、教職員といいますが、職員の部分を充実していくことによって、本当に先生にやってもらわなきゃいけないところになるべく集中してもらう、こういうような働き方改革をやることによって、学校における効率化というのが果たされていくということと、それからやはり多くの方に教職を志していただけるという両面から、こういうことを含めてしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。
○城井委員 大臣から前向きな改善策を幾つもおっしゃっていただきました。
 その部分で押し上げていければいいなというふうに私も思うわけでございますが、逆の話も聞こえてまいります。現在のかなり程度の進んだ少子化によりまして教員定数が今後削減をされる見込みであるから、各教育委員会は正規職員の採用を抑えて非正規雇用の臨時採用の枠を広げている、こうした指摘が専門家からもございます。この点について、文部科学省としてどう考えるか。
 これまでも、文部科学省の各種審議会等におきましても、十年後の教員需要の想定が大きく下がるということがデータとして示されたりしてもおります。こうした教員需要の想定が大きく下がるから、この現状をある意味で、先ほどの改善策が刺さらなくてもしばらくは見守るかということになってはいないかと大変危惧をいたしております。
 大臣、この点をあわせてお答えいただけますでしょうか。
○林国務大臣 一部の報道におきまして、少子化によって将来的に教員過剰や大量退職が繰り返されることを懸念して、多くの教育委員会で正規採用を抑えがちであるという旨の指摘があったということは承知をしております。
 各都道府県の教育委員会等が教員の確保に苦労している要因は、先ほど述べたようにさまざまなものが考えられるわけです。また、教員が不足しているとされた複数の自治体に対してその要因等を尋ねたところ、正規教員採用数の抑制がその要因であると回答した自治体はございませんでした。
 こうしたことから、文科省として、お尋ねの御指摘が妥当であるとは必ずしも認識をしておらないわけでございます。
 いずれにしても、教員の採用については、やはり地域において中長期的な教員需要を見通しつつ、現に必要な数の教員の採用を確実に行うべきものと認識をしております。
○城井委員 その上で、もう一点伺おうと思います。
 非正規教員の配置割合が過度に高い県が先ほどのグラフを見ていただくと見ていただけると思いますが、こうした過度に高い県に対して国から改善を促すべきというふうに考えますけれども、この具体策についてお考えでしょうか。国の考え方を教えてください。
○林国務大臣 平成二十九年の五月一日現在の文部科学省調査において、公立小中学校の教員数に占める臨時的任用教員、非常勤講師などいわゆる非正規教員の割合は八・五%となっておりまして、その割合が最も高い自治体、これは一五・八%になっております。
 この具体の教員配置は、任命権者である教育委員会が適切に行うべきものでありますけれども、やはり教育の機会均等とか教育水準の維持向上等を図る観点からは、仮に臨時的任用教員の配置により支障が生じる場合には、可能な限り正規教員が配置されることが望ましいと考えております。
 このため、各都道府県・指定都市教育委員会に対して、自治体ごとの教職員定数の標準に占める正規教員の割合に関する情報を提供するとともに、個別のヒアリングや各種会議を通じて適切な対応を求めておるところでございます。
○城井委員 各都道府県や市町村が各学校現場を支えていくその財源は限りがあるというふうに思っております。その意味では、学校現場に一義的な責任があると言いつつも、先ほど大臣がおっしゃった教育の機会の均等あるいは教育水準の維持向上という観点から、国がもう二歩踏み込んで支えていくべきだと思っています。
 そのときに、国ということでは二つ考え方があると思っています。
 一つは、文部科学省として、例えば教職員定数の改善を含めた今後の教員の養成、採用、研修の一体的な改革をきっちりやるということ。このことで教員不足や非正規教員配置への過度の依存を改善していくということは重要だと思います。
 もう一つは、対財務省だと思っています。かつての自民党政権、その後の民主党政権、そして現在の安倍自民党政権においても、財務省の教育現場に対する目線は変わっていないというふうに思っています。子供の数が減るのだから教員の数は減らすべきだ、こういう姿勢から変わっていないというふうに思っています。先ほどの欠員状況を、具体的にエビデンスとして財務省にも示すべきだと思います。そうしたことも含めて、対財務省の取組をしていただくということ。
 そして、今申しました教員の養成、採用、研修の一体改革、ここの部分は特に、義務教育にかかわる文部科学省の取組の中で一番計画的にできていないところだというふうに思っています。以前から、特に民主党政権になる前の自民党政権の折から、退職教員が間違いなくふえてくるというのは教員の配置分布で見えていたはずだということ、でも、その間に、財務省との戦いで綱引きをしながら、五年たち、十年たちというのが現在の状況だというふうに思っておりますので、この対財務省の部分と、そして文部科学省としての教員養成、採用、研修の一体改革を速やかに実行していくということ、この二点をぜひお願いしたいというふうに思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○林国務大臣 財務省と折衝するときには、あらゆるデータ等を駆使してやっていかなければならないと思いますので、委員からも貴重な御示唆をいただきましたので、そういうことも含めて鋭意折衝してまいりたい、こういうふうに思っております。
 この具体の教員配置は、任命権者であります教育委員会が適切に行うべきものでありますが、先ほど申し上げましたように、やはり教育の機会均等、教育水準の維持向上を図る観点で、臨時的任用教員の配置により支障が生じる場合は正規教員が配置されることが望ましいと考えております。
 平成二十九年の三月の義務標準法の改正によりまして、障害に応じた特別の指導、いわゆる通級による指導や、外国人の児童生徒等の教育のための教員定数等の加配定数の一部について、対象となる児童生徒数等に応じて算定される基礎定数というふうにいたしました。この基礎定数化によって、例えば、通級による指導に係る定数については、二〇二六年度には、この対象となる児童生徒十三人に対して一人の教員定数が算定されるということになるわけでございます。
 これは、地方自治体側から見れば、これまで毎年度、国の予算の範囲内で措置されていた加配定数約六万四千人のうち、三割が基礎定数化されるということでございますので、各自治体ごとの学校に置くべき教職員の総数について中長期的な視野で先の見通しが立てやすくなり、教職員の安定的、計画的な採用、研修、配置が行いやすくなると考えております。
 また、この基礎定数化に合わせまして、通級による指導などの対象となる児童生徒数の増加が見込まれることなどから、二〇一七年度から二〇二六年度までの十年間で、三千九百四十九人の教員定数改善を見込んでおるところでございます。
 以上のような制度改正の概要については、平成二十九年三月の義務標準法改正に伴う施行通知において周知を図るとともに、留意事項として、正規教員の採用や人事配置を一層適切に行うこと、質の高い指導体制を確保すること、これらについてもあわせて通知をしたところでございます。
○城井委員 今後の教員の自然減も踏まえますと、教職員の定数改善、特に先ほどの基礎定数の拡充というところは、十分ここから十年後以降も含めて組んでいけるという数字になるというふうに思いますので、ぜひ具体的にもう一押し頑張っていただければというふうに思います。
 最後に一点、先ほど大臣からも少しお話がございましたが、部活動の外部指導員について伺おうと思います。
 平成三十年度予算でも、部活動に外部指導員を活用する取組を行っております。せんだって、私の地元北九州市でも、この外部指導員に対する委嘱状の伝達が今月あったところでございます。
 その意味では、地域でも大変期待も大きい。しかし、それが例えば各小中学校、特に中学校の部活動の指導にどれぐらい届くかというところを皆期待もしつつ、注視もいたしているところであります。
 今後、どこまで広げていけるか、どこまで手が届くかというところの見通し、スケジュールを含めてお示しをいただければと思うんですけれども、大臣、お願いします。
○林国務大臣 先ほども申し上げましたように、学校における働き方改革に向けまして、教師以外の人材の活用の促進、これが必要であると思っております。
 このため、平成三十年度予算において、適切な練習時間や休養日の設定など、中学校における部活動の適正化を進めている自治体を対象にしまして、部活動指導員の配置を支援するための補助事業に係る経費として五億円を計上しておるところでございます。これは四千五百人相当ということでございます。
 本事業では、今、委員のお地元では既に始まっているということでございましたが、まだ現時点で今後の明確な配置の見通しを定めておるわけではございませんが、まさに今年度の実施状況等も含めて、地域や学校の実態に応じた配置に努めてまいりたいと思っております。
○城井委員 時間が参りましたので、終わります。
 ありがとうございました。
○冨岡委員長 次に、大見正君。
○大見委員 自由民主党の大見正でございます。
 質問の機会を与えていただきまして、ありがとうございます。
 本日は、日本語指導が必要な児童生徒についてお伺いをしてまいりたいというふうに思います。
 平成二十八年度の日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査で、日本語指導が必要な外国籍の児童生徒は三万四千三百三十五人で、前回の調査より一六・七%ふえ、日本語指導が必要な日本国籍の児童生徒数は九千六百十二人で、二一・七%ふえていると報告をされました。
 この報告書に基づきまして、順次質問をさせていただこうと思います。
 まず、指導体制についてでありますけれども、文部科学省の学校基本調査によりますと、公立学校に在籍をしている外国籍の児童生徒数は八万百十九人とされており、四二・九%の、先ほどの三万四千三百三十五人が日本語指導が必要だというふうにされております。
 日本語指導が必要かどうかというのは、児童生徒の学校生活や学習の様子から判断をする、児童生徒の来日してからの期間を対象基準としてそれを判断するとされ、また一方で、日本語指導の必要性は認めているものの、日本語指導を行う指導者不足、指導教室や時間の不足、指導方法や教材がないなどの理由で指導を実施していないという回答がございます。
 本来指導が必要なのに、指導が必要でないと判断をされていたり、あるいは体制が整っていないということで指導が受けられないようなことが実際のところ起こっていないのかどうか、まずお伺いをさせていただきたいというふうに思います。
○高橋政府参考人 お答え申し上げます。
 日本語指導が必要な児童生徒とは、日本語で日常会話が十分にできない者、日常会話ができても、学年相当の学習言語能力が不足し、学習活動への参加に支障が生じている者、これを指すこととしておりまして、これらに該当するかどうかにつきましては、ただいま御指摘いただきましたように、児童生徒の学校生活や学習の様子、児童生徒の来日してからの期間、あるいは日本語能力判定方法の活用、こういったさまざまな手段を活用することにより、総合的に判断していただくことが適切と考えております。
 文部科学省といたしましても、学校や教育委員会における児童生徒の日本語能力の判断に資するよう、外国人児童生徒のためのJSL対話型アセスメントを作成、配付しているところでございます。
 また、日本語指導が必要である児童生徒のうち、二三・七%が特別な指導を受けていない状況にございます。御指摘いただきましたように、指導体制が整っていないなどの理由でございまして、こういった形で特別な指導が受けられない状況を改善するため、指導、支援体制の充実や教師、支援員の資質、能力の向上等に今後とも努めてまいりたいと考えております。
○大見委員 日本語指導が必要かどうかという判断で、各自治体等々によってばらつきがないようにお願いをしたいということ、それから、学校側の都合で指導が受けられないというようなことがないこと、これは絶対にやってもらいたいというふうに思います。
 次に、指導内容について三点伺いたいというふうに思います。
 日本語の基礎を教える、サバイバル日本語を教えるなどの指導内容というふうになっておりますけれども、これは、日本語の習熟度によって、段階を追って教えるということだろうというふうに思います。思いますけれども、国として、どこまで理解できるようになってもらいたいかというような、統一した指導基準だとか目標が一体あるのかどうか。
 それから、日本語指導を行っていない理由に、先ほども申し上げましたけれども、指導方法や教材がないという理由がありましたけれども、現場の先生方ともお話をしますと、教材をつくるということ自体が相当大きな負担になっているというふうに聞きます。リライトをしたり、あるいは物がわからないので実際のものを用意したりということであります。
 そういうことでありますので、地域によって違う、また、教科書も違う教科書会社のものを使っているということもありますので、そういう違う教材を使うというよりは、生活者としての外国人のための日本語教育事業の標準的なカリキュラム案等に準拠した全国同じ教材を使って教えた方が、教材開発や指導方法のノウハウが共有をできて、現場の負担も減るのではないかというふうに思いますけれども、その点についても文部科学省にお伺いをしたいというふうに思います。
 また、もう一つ、小中学校では国語と算数又は数学を中心に教えているというふうに理解をしておりますけれども、ほかの教科、特に社会科はどうなっているのか伺いたいというふうに思います。
 近隣国からの児童生徒あるいは父兄の皆さん方からすると、我が国と歴史の認識が違い、あるいは領土の考え方が違うということでありますので、国としてどういうふうに対応するように指導しているのか。また、社会科の教科書自体も、日本語指導が必要な児童生徒には非常に、正直難し過ぎるということで、学校現場では独自の教材をつくって指導しているというようなことであります。
 これも非常な負担になっているというふうに思いますので、これも国で統一的に同じような教材を扱った方がいいのではないかというふうに思いますけれども、この三点についてお伺いをさせていただきたいと思います。
○高橋政府参考人 お答え申し上げます。
 日本語指導が必要な児童生徒については、いわゆる生活者としての外国人とは異なり、単に日本語の学習を行うだけでなく、各教科の学習も行わなければならないことや、学校において学習することができる時間も限られていることなどから、一人一人の日本語能力を的確に把握しつつ各教科等や日本語の指導計画や目標を立てることが大切であり、教科書や指導教材も、一人一人の状況に応じたものを使用することが効果的であると考えております。
 また、御指摘いただきました、現場の負担軽減という観点からは、文部科学省では、平成十五年度から十八年度にかけて、日本語、教科統合指導のモデルカリキュラムであるJSLカリキュラムを開発するとともに、平成二十三年度から、先進地域での実践事例を集約、普及するポータルサイトを構築したところでございます。
 このポータルサイトでは、各教科指導等において実際に使用したプリント教材などを検索、入手することができるようになっており、今年度中にはこのサイト内容の抜本的な拡充も行う予定としております。
 なお、社会科を始めとして、各教科の指導を行う場合には指導要領に基づいた指導を行うことが基本ではございますが、日本語指導が必要な児童生徒は、我が国とは異なる文化的背景、生活習慣、行動様式、家庭の教育方針などを有していることから、指導に際してはこれらに対する配慮が必要であると考えております。
○大見委員 ありがとうございました。
 一人一人の日本語能力に応じてオーダーメードの教材をつくっていく、指導していくというのは同感でありますけれども、その分現場の負担というのは物すごく大きくなる。また、社会科の教科書も同じようにつくっていくというのは、やはりこれも、それぞれの現場が負担をすることになりますので、これは国として考えていく必要があるんじゃないかということを申し上げたいというふうに思います。
 もう一つ、次は、児童教育の教員への指導と父兄の理解についてちょっとお伺いをしておきたいというふうに思います。
 今回の調査では幼稚園とかが入っておりませんでした。しかしながら、小学校入学前までに子供や保護者が準備をしておくことなどの情報を提供するということは非常に大事なことであります。また、そうした場として、就学前教育を行うプレスクールの意義というのは非常に大きいものがあるというふうに思っております。
 まず、幼稚園やこども園の外国人の園児の在籍状況、これがどういうふうになっているのか、お伺いしたいと思います。
 また、小中学校同様、幼稚園、保育園、今はこども園もありますので、こども園などで、言葉や宗教上からくる食生活や生活習慣の違いを子供や教員、外国籍の保護者が理解するということは、スムーズに小学校生活を送れるようにするために極めて大切なことだというふうに思います。幼児教育を担っている現場の教員にこの点をどのように指導しているのか、伺いたいと思います。
 また、ある市教委では、実は、礼拝の場所を設けてほしいというような要望が寄せられております。これは私、複数の市教委で聞いております。
 公立学校と宗教などについてどういう理解を図っているのか、これらの指導なり理解というのを多言語で父兄に説明できるように国として何か対応しているのか、伺いたいというふうに思います。
○高橋政府参考人 お答え申し上げます。
 まず、幼稚園やこども園における外国人幼児の在籍状況については、これは調査をしておりませんので把握はしておらないところでございますが、国際化の進展に伴い、幼稚園において海外から帰国した幼児や外国人幼児などが在園することがあり、こうした幼児が安心して幼稚園等で生活できるようにすることは大変重要であると考えております。
 昨年の三月に改訂いたしました幼稚園教育要領においては、海外から帰国した幼児等の幼稚園生活への適応について新たに項目を設けまして、幼児の実態に応じ、指導内容や指導方法の工夫を組織的かつ計画的に行うとしたところでございます。こうした記載を踏まえ、各幼稚園では、幼児への指導の工夫とともに、例えば、教職員が外国の文化理解等に関する研修に参加したり、保護者への連絡方法を工夫したりするなどの配慮を行うことが考えられます。
 また、公立学校の仕組みなどについての説明を各自治体でどのように行っているか、具体には承知をしておりませんけれども、外国人幼児等の小学校入学後の円滑な学校生活に向けて、今年度は新たに就学前の幼児、保護者への支援について補助メニューに追加をしたところでございまして、各地域の特性に応じた支援体制整備のモデル化を文科省としても図ってまいりたいと考えております。
○大見委員 私の住んでおりますところには、私立の幼稚園にはもう外国人が来ておりますし、私立の民間の保育園にも外国人が来ております。さらには、特別支援学校、高校ですけれども、そちらの方にもいたりということで、どこの教育機関にも今外国人があふれてきているというのが実態だというふうに思います。
 調査もせずに、いろいろ指導の発出はされておるようでありますけれども、課題が見つけられるのかなというふうなことを正直思います。せっかく幼稚園教育要領というのを出していただいたわけでありますので、この際に、またしっかりと実態調査をしながら課題の把握に努めていただきたいというふうに思います。
 保護者への連絡方法も各自治体の方にお任せということでありますけれども、ある学校につきましては十一カ国語ぐらいありますので、正直その言語対応というのは非常に難しいですし、また、共通する連絡項目というのもあろうかというふうに思いますので、こうしたものはやはり全国で統一したものをひな形としてでもつくっておく必要があるんじゃないかということを指摘させていただきたいというふうに思います。
 続いて、指導人材について伺いたいというふうに思います。
 日本語指導を行っていない理由に、先ほど指導者不足というのを掲げました。日本語を指導するという教員免許は実はないということでありますけれども、したがって、日本語指導というのは、教師でなくても、日本語を教える能力を持った、例えば民間資格の日本語教育能力検定試験などの能力、技能を持った人や、日本語指導を行っているNPO法人を主に活用することができるのではないかなというふうに思います。
 特別な教育課程のお話もございましたけれども、そこでの主たる指導者の要件というのが教員免許を有する教員となっておりますけれども、この要件というのが教員の負担になっているという面もあるというふうに思います。取り出し教育を行って、独自のメニュー、教材を使って授業を行うということであるならば、ノウハウと能力、こうしたものがある外部人材をメーンに置いて活用することも可能ではないかというふうに思っているところであります。
 その点についてどんなふうにお考えか、お伺いをさせていただきたいと思います。
○高橋政府参考人 お答え申し上げます。
 学校教育において日本語指導を行うに当たっては、児童生徒の心身の発達や学習状況を理解するとともに、児童生徒に対する教育方法や生徒指導についても十分に知見を有する者が指導することが必要と考えておりまして、教員免許を有する教師が主な指導者となることが必要であると考えております。
 一方、御指摘いただきましたように、日本語を教える技能を持った者やあるいはNPO法人、こういった方々を指導補助者として積極的に活用することは効果的であると考えております。
 文部科学省といたしましては、地方公共団体が日本語指導が必要な児童生徒の在籍する学校に対して日本語指導員及び母語支援員の派遣などを行う取組を補助、支援しておりまして、引き続き、外部人材の積極的な活用を進めてまいりたいと考えております。
○大見委員 ありがとうございました。
 正規の教科書を使う場合には、教員免許を持った先生というのはあろうかと思いますけれども、取り出し教育で、別の教室でまた違うメニューでやるというときに、本当にそれが必要なのかというのはこれから考えていかなければいけない。学校の先生の負担ということも踏まえて、トータルで考えていかなければいけないことだというふうに思いますので、今後ともまた御検討をよろしくお願いしたいと思います。
 デジタル教科書についても、少し御質問をさせていただきたいと思います。
 デジタル教科書が使えるようになりますと、日本語指導にも活用できるのではないかというふうに大変期待をしております。地元の碧南市というところでは、今、外国人児童生徒が非常に急増しておりまして、ICT機器を教員に配付するということを今検討しているというふうに伺っております。
 ここで言うICT機器というのは、この間の議論にあったタブレット端末ということではなくて、多言語翻訳機であります。また同時に、タブレット端末というのも、実際のものを見せるという意味では必要でありますので、これは両方必要だということでありますし、両方ともWiFiにつながっているということが必要だろうというふうに思います。
 そういう中、今年度、横浜市とそれから浜松市の政令市でモデル事業を行っていると承知をしておりますけれども、来年以降、地方の日本語指導が必要な学校現場でICTの活用と普及というのをどういうふうに行うのか、お考えを伺いたいというふうに思います。
○高橋政府参考人 文部科学省では、平成三十年度予算において、地方自治体が行う取組を支援する補助事業の中で、今御指摘いただきました多言語翻訳システムなど、ICTを活用した取組のメニューを追加し、重点的に補助することとしております。
 今年度は、横浜市及び浜松市などにおいて実証実験を実施することとなっており、具体的な例で申し上げますと、例えば、多言語翻訳システムを活用して、教育委員会の窓口において、新たに渡日した保護者が就学相談に来た際に、外国語によりさまざまな学校事情を説明しながら就学ガイダンスを行うこと、児童生徒への初期日本語指導の場面において、児童生徒がわからない日本語を調べたり学んだ日本語を確認したりすることにより学習に役立てること、教師が保護者と懇談を行う際、外国語によりきめ細かなコミュニケーションを図ること、こういった取組を行うこととしております。
 文部科学省としては、こういった横浜市、浜松市などの取組の成果と課題を把握しつつ、モデル化を図り、各地域への普及を今後図ってまいりたいと考えております。
○大見委員 ありがとうございました。
 ぜひ、集住地域、特に急増している学校のところでは、来年度から確実に配置ができるような御努力を切実に私もお願いしたいというふうに思います。
 次に、各機関の連携と地域ぐるみの展開についてお伺いをさせていただきたいというふうに思います。
 日本語指導が必要な外国籍の児童生徒が在籍する市町村数というのは、全国千七百四十一市町村のうち八百二十五で、四七・四%になっております。都道府県別では、愛知県が七千二百七十七人、二番目が神奈川県の三千九百四十七人というのが多くて、少ないのは、高知県の十二人、岩手県の十三人で、派遣で製造業が盛んな地方で、しかも、公営住宅があるところに集住化が進んでおり、それ以外のところでも散在化が起こっているということが言えるというふうに思います。
 今後も外国人が増加する傾向の中で、外国人との共生に苦慮しているのは、学校だけではなく、集住化が顕著な地域や外国人が多く住んでいる公営住宅の自治会などもございます。
 私の住んでいる知立市のところの知立東小学校というのは、児童生徒、全校で三百人のうち百六十人から七十人が外国人、そこに隣接をしておりますURの住宅も六割が外国人だというところであります。そこで、つい先ごろは外国人による殺人事件も起こっておりますけれども、まだ逮捕はされておりません。そういったことがございます。
 学校での指導の点からは、集住地域、散在地域、幼稚園、小学校、中学校、特別支援校、外国人の特別枠を持つ高校、NPO法人などで情報交換や教材の開発や相互利用、進路指導などを円滑に行うため、教員養成系大学を中心としたネットワークをつくっていくということが必要だというふうに考えます。
 また、集住地域では、災害時の対応や防犯面で地域社会での相互理解を深める点から、自治体、住宅設置者、教育委員会、学校、PTA、企業、国際交流協会などの組織が協力をして、緊急時の対応や問題意識の共有と課題解決、通訳派遣などの協力を行うなど、そうしたことを話し合う協議会の設置が必要だというふうに思われます。
 国として、関係機関が連携してネットワークや協議会のモデルをつくっていくということが必要だというふうに思いますけれども、お考えを伺いたいというふうに思います。
○高橋政府参考人 お答え申し上げます。
 外国人児童生徒等については、日本語指導のみならず、生活支援や進学、進路等のさまざまな問題があると認識しており、これらの問題に対応するためには、教育委員会や地域のNPO法人等がさまざまな関係機関等と連携して、地域におけるネットワークを形成し、包括的な支援を行うことが必要と考えます。
 こうしたことから、地方自治体が行う取組の支援事業において、教育委員会、学校、大学、企業、NPO法人等の関係者、協力者で協議会を構成し、地域における外国人児童生徒等の支援について協議を行う取組に対して、文科省としても補助を行っているところでございます。
 文科省といたしましては、こうした取組を各地域においてより一層充実させる必要があると考えております。委員のただいまの御指摘も踏まえまして、その充実方策について検討してまいりたいと考えております。
○大見委員 自治体の取組に対して補助を行っているというところでありましたけれども、ぜひそうした、自治体任せのことではなくて、モデル地域をつくって積極的に関与して取り組むような姿勢をつくっていただきたいというふうに思っているところであります。
 時間がありませんので、残り時間、基本的な考え方についてお伺いをしていきたいというふうに思います。
 質問を通じまして、日本語指導が必要な児童生徒の課題を伺いました。あらゆる点でまだまだこれからだという印象を持ちました。
 この取組というのは、そもそも論でありますけれども、外国人がその保護する子を公立の義務教育諸学校に就学させることを希望する場合には、無償で受け入れ、教科書の無償供与や就学援助を含め、日本人と同一の教育を受ける機会を保障しているものと理解をしております。しかし、何をどこまで教えるかというゴール、これがはっきりしていないというふうに私は感じております。
 また、日本語指導が必要な児童生徒のいる学校での日本人の児童生徒にとっても、学校という多文化共生社会の中で、社会的、文化的背景が違って、言葉が十分伝わらない状況の中で意思疎通を図るという経験というのは、これは言葉を英語に変えれば、世界で今、日本人が苦労している状況に当てはまるというふうに言えます。グローバル社会の中での対応力という点で、日本人にとっても生かしていけることが多いのではないかというふうに感じております。
 その上で、人口減少社会を迎えるに当たり、外国人の増加は避けられず、日本語指導が必要な児童生徒が全国の自治体の約半数近くに存在するという状況を踏まえますと、我が国に親しみや身近さを感じる人材を育てていくこと、将来、日本国内だけでなく海外で活動している企業などでも、我が国に理解のある人材として、産業や文化交流などさまざまな分野で、外国人児童生徒の母国と我が国とのかけ橋となる役割を担ってもらえるように、大きな目標を持って日本語指導を行うことが必要だというふうに考えております。
 今後は、日本人にとっても、コミュニケーションの難しさを超えて、相手の考え方を把握し、自分の考え方を理解してもらうという対応力を磨いていくことが国際化の中で大変重要になってまいります。日本語指導が必要な児童生徒がいる学校では、こうした視点の指導というのがこれから必要になってくるというふうに私は考えております。
 その意味で、改めて、そもそも日本語教育を行う目的というのは何なのか、そして、日本語教育が必要な子供たちに将来どういう人になってほしいと願っているのか、また、日本人の児童生徒には貴重な経験をどう生かしていくようにしているのか、基本的な考え方や方針を伺いたいというふうに思います。
 その上で、しっかりとした基本方針のもと、現場が困らないように、外国人、日本人双方に有用な充実した指導を進めていかなければならないと思いますけれども、政府の御見解を伺いたいというふうに思います。
○丹羽副大臣 お答えいたします。
 日本語指導が必要な児童生徒の日本語能力は、一人一人さまざまであります。これらの児童生徒が日本語を用いて学校生活を営むとともに、学習に取り組むことができるように、日本語の能力を身につけさせることが重要だと考えております。
 また、日本語指導のみならず、一人一人の日本語能力に応じて、各教科等の指導をきめ細かに行うことも重要であります。
 これらにより、当該児童生徒が自信や誇りを持って学校生活において自己実現を図り、将来的には我が国と出身国とのかけ橋となるような人材となっていただきたいというふうに考えております。
 さらに、これらの児童生徒とともに学ぶ児童生徒につきまして、互いに尊重し合う態度を育て、国際理解を深めるとともに、国際社会に生きる人間として望ましい能力や態度を育成していただきたいというふうに考えております。
 こうした考え方に基づきまして、文部科学省といたしまして、今後とも、日本語指導が必要な児童生徒への支援に努めていきたいというふうに思っております。
 なお、大見委員のお話の中にはございませんでしたが、今、大見先生も多分御存じかもしれませんが、日本語教育推進議員連盟が自民党内、また超党派で日本語教育推進基本法の制定に向けて検討を進められているという話も聞いておりますので、この基本法の制定が、外国人児童生徒等への日本語教育を含め、日本語教育全体の推進に資するものとなることを期待いたしております。
○大見委員 丹羽副大臣から御答弁をいただきました。
 掲げる目標は大きいのですけれども、現場の指導というのは、現場の先生方の日々、情熱と努力によって支えられているというところだろうというふうに思います。
 ノウハウを共有できるという点では、教員養成大学あるいは外国語学部、こうしたところの教員あるいは学生さんというのはそうした力を持っておられる皆さんだというふうに思いますので、ぜひ、そういうネットワークをしっかり形成しながら、そして、外国人がふえてきているというのは、とりもなおさず、製造業の企業の皆さん方が海外に工場をつくり、そこの幹部となるべき労働者を国内で養成しているという側面もあろうかというふうに思いますので、企業の皆さん方ともしっかりと連携ができるような連携体制、これを構築しながらやっていっていただくというのがやはり必要だろうというふうに思います。
 日本語教育推進議連は、馳先生が一生懸命やっていただいているというふうに私も理解をしております。しっかり私も、基本法の制定に向けては、微力でありますけれども努力をさせていただいて、ぜひ、日本において学んでおられる児童生徒が将来日本のシンパになるような、そうした環境をつくってまいりたいというふうに思いますので、私からも、与党の皆さん方、また野党の皆さん方にしっかりと御協力いただけますようにお願いを申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
○冨岡委員長 この際、暫時休憩いたします。
    午後零時四分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時四十七分開議
○冨岡委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。金子恵美君。
○金子(恵)委員 無所属の会の金子恵美でございます。よろしくお願いいたします。
 マスコミを通して、大変ゆゆしき教育問題についての情報が届いてくるということで、先ほどもありましたけれども、教員の不足の問題であります。義務教育の現場で授業を受けられない、そういう子供たちがいる、こういう問題。当然のことながら、看過できるものではないということであります。
 五月の十一日に朝日新聞の地方版で示されたのは、「教員不足、英語授業一カ月受けられず 松江市の中学校」というタイトルでの記事であります。
 そしてまた、五月の十五日には中国放送で、広島県内の公立の小中学校など三十五校で、教員不足で授業ができない学校もあったということで、実際には、呉市の中学校でありますけれども、一年生の国語と二年生の理科で必要な教員を確保できない状態で、合わせて四クラス百一名が四月分の授業を受けることができなかったということです。
 もうこの委員会の中でこの問題については何度も取り上げられてきたということは、私も承知をいたしております。ということであれば、これは、先ほど来ほかの委員の質問に対する御答弁もあったということではありますけれども、それでも、国を挙げてしっかり取り組んでいかなくてはいけない、そういう課題であるということであります。
 例えば、昨年の七月でありますけれども、NHKの朝の番組で取り上げられてもいました。その番組では、都道府県と政令都市、合わせて六十七の教育委員会に取材したところ、昨年の四月の始業式時点で、半数近い三十二の教育委員会で、定数に対して少なくとも七百十七名の教員が不足していたということが明らかになっているということで、そういう情報を取材を通して提供しているということであります。
 繰り返し申し上げますけれども、認識はされていることというふうに私は理解はしておりますけれども、しかし、このように、やはりマスコミの取材等でまずは教員の不足数が出てきていた、そして、生徒が授業を受けることができない、こういう状況にある中で、実際に文科省として本当に状況をしっかりと把握しているのか、実態調査等は行ってきているのか、そしてまた、教員不足によって児童生徒にどのような悪影響をもたらしているのか、ここが重要なポイントでありますけれども、その件についてどのような認識をお持ちになっていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
○林国務大臣 午前中も広島の例がございましたが、やはり最近、各地域の小中学校で必要な教員を確保するのに苦労している事例が多いということについて承知をしておりまして、また、広島の例のように、授業等の実施にも支障を来すような状況であれば、懸念すべき事態であると認識をしております。このことについては、各都道府県教育委員会や政令都市教育委員会から状況を伺うなどして、実態の把握に努めているところでございます。
 そうした都道府県教育委員会等から伺っている状況を踏まえると、現在各地域において生じている事案については、やはり大量の教員が定年で退職をしている、したがって大量の教員を採用する必要が生じている、それから特別支援学級の数が増加している、産休、育休を取得する教員が増加している、それから景気回復に伴って民間企業等の採用が活発になっているということに伴って教員採用試験の受験者が減少している、これらのことが複合的に関連をしているもの、こういう認識を持っております。
○金子(恵)委員 複合的な要因があるということでありまして、今御説明をいただいたところであります。そしてまた、現状について、実態把握について、聞き取りなどをして今に至るまで努めてきているということであります。
 しかし、実際、子供たちの学ぶ権利というのが奪われている、そういう厳しい教育の現場があるということでありますので、簡単に、努めているからそれで終わることではないということだと思うんですね。しっかりと、私は全体としての実態調査なりをもっとやるべきだというふうに思っています。細部にわたってきちんとやっていかなくてはいけないというふうに思っておりますし、今、大臣がおっしゃるように、このような事態が発生している要因というものがあらあらわかっているのであれば、そうであれば、もっとしっかりとした対策を講じることができるというふうに思うんです。
 今までどのような対策を講じてきたのか、お伺いします。
○丹羽副大臣 お答えいたします。
 かつて、平成二十三年の時点で、文部科学省の方から各都道府県や教育委員会に対して、今後十年間で教員全体の約三分の一が退職します、そういった通達を送っておりまして、教職員の早期の対応をするようにという話がございました。
 そういった中で、先ほど林大臣からも答弁がございましたが、教員の採用については、各任命権者の判断に委ねられております。文部科学省におきましても、今後多くの教員が退職することが見込まれるという中で、以前から、教員の年齢構成に配慮し、中長期的視野から計画的な教員採用、人事を行うことを促してまいりました。
 各任命権者におきまして、教員の確保に関する厳しい現状を踏まえ、より一層、退職教員の活用や、また社会人の積極的採用等の工夫をしていただくことによって、文部科学省といたしましても、働き方改革を進めるなどして、多くの方に教職を志していただけるように取り組んでいきたいと考えております。
○金子(恵)委員 国は、地方公共団体とともに、義務教育に係る費用を無償にし、国民の教育を受ける権利を保障する義務を負っているということでよろしいですか。
○丹羽副大臣 お答えいたします。
 委員のおっしゃるように、国は、教育に対して、教育は人なりと言われているように、学校教育の成否は教師の資質、能力にかかっております。教師が養成段階から教職生涯を通じて研さんすることができる環境づくりが、そういうために非常に重要かなと考えております。
○金子(恵)委員 もう一回質問させていただきます。今の御答弁、多分、次の質問に対する御答弁だというふうに思うんです。
 国は、地方公共団体とともに、義務教育に係る費用を無償にし、そして、国民の教育を受ける権利を保障する義務を負っている。これは基本的なことですので、それでよろしいんですよね。文科省として、当然、答えていただけるものだと思います。
○丹羽副大臣 申しわけございません、先ほどの答弁の中で。
 委員おっしゃるように、国と地方でそれぞれの役割を持って、教職員の確保というのが非常に重要な課題であるというふうに考えておりますので、国といたしましても、しっかりと、教員確保に向けた、財源等を含めた、教員の質の向上を含めた対策、施策を行っていきたいと考えております。
○金子(恵)委員 義務教育費国庫負担制度、国の制度です、これに基づいて、憲法の要請に基づき、義務教育の根幹、機会均等、水準確保、無償制を国が責任を持って支えていくということであります。
 いろいろな議論が今までなされてきたというふうに思うんですけれども、教員不足の深刻さ、どこから出てきたのかということであります。今まで、欠員を埋めるために使われてきた臨時採用までが今不足するという事態が発生しているということでありますから、抜本的な大きな改革というのをしていかなければ、私は、この教員不足というものを解決することができないというふうに思っています。
 二〇〇四年、平成十六年の総額裁量制の導入、そして、平成十八年の県費負担教職員給与の国庫負担率引下げ、二分の一から三分の一となったわけですが、それ以降、自治体の財政難の中で、教員の非正規化、臨時採用や非常勤講師の増加が進行してきたと言えるのではないかというふうに思うんです。
 今申し上げたように、国が責任を持って支える制度である義務教育費国庫負担制度、このもとで義務教育がしっかりとなされていくはずなんですけれども、どうでしょうか、実際には、教員不足、全く解消される見込みがない状況の中、子供たちの学ぶ権利が奪われているんです。いかがでしょうか。
○丹羽副大臣 お答えいたします。
 教員数の確保に向けては、国といたしましても、今、文部科学省といたしましても、財務省としっかりと議論した中で、やはり少人数制も含めて、教員の確保というのは非常に重要なことでございますし、また、委員おっしゃるように、各都道府県において教員の定数が足りないということも、実際、ニュースでも報道されておりますが、起きているという現状を鑑みても、これは非常に大変なことだというふうに考えますので、今後しっかりと文部科学省としても対応していきたいと考えております。
○金子(恵)委員 ありがとうございます。
 しっかりと御対応いただきたいんですけれども、今私が申し上げましたような国庫負担率を、引下げではなく引き上げる、そして、しっかりと教員の方々の処遇改善をしていく、そういう検討もしていただきたいというふうに思うんです。
 その上で、決して教育の現場というのはブラック企業的なものではない、大変とうとい仕事をしていただいている先生方でありますので、その方々が子供たちを愛しながら、そして、すばらしい学びの場を提供してくださる、そこにつなげていくということをしていかなくてはいけないと思っているところであります。
 実際に、二月の七日でしょうか、文科省がまとめたということでありますけれども、二〇一七年度の公立学校教員採用選考試験の実施状況調査の結果が出ております。それによりますと、二〇一七年度採用試験の受験者は約十六万六千人で、四年連続して減少したということがわかったということであります。
 ここで申し上げたいのは、先ほどもお話がありましたけれども、恐らく、大卒者が民間企業への就職を選択していることもあるかもしれない。あるいは、もしかすると、教育の現場というのに魅力を感じることがなくなってきた若者がふえてきているということかもしれない。いろいろな要因はあります。あるいは、今申し上げたような処遇というものが改善されなければ、なかなか自分がやりたい仕事につこうという思いにならない。いろいろなことかもしれませんけれども、あくまでも、本来、大変魅力的な仕事であるということをどんどん発信していかなくてはいけないというふうに思うんです。
 そこで、先ほど申し上げました昨年七月のNHKの番組でも、当時の文部科学省初等中等教育課、教職員課の課長が、待遇改善は間違いなく働き方改革の一つの論点に出てくるが、教員という仕事の重みとかやりがいが一つの選択肢として確実に出てくるような魅力の発信とか、そういったことについて取組を進めていきたいと述べていらっしゃる。
 昨年から今に至るまでどのような取組がなされてきたのか、そして今後、教員をどのようにしっかりと養成していく環境づくりをしてこられるのか、お答えいただきたいと思います。
○丹羽副大臣 御質問ありがとうございます。
 まず、教員養成の件でございますが、やはり教員が、昨年度までに、文部科学省といたしましても、教職員の免許法の改正等を行ったことによって、今までさまざまな分野に分かれていた、教職とか教科と分かれていたところをもっと簡易にすることによって、より幅広い教職員を採用できるような、免許が取れるような中身の制度改正を行ったところでございます。それによって、各都道府県のニーズ等に応えられるような対応をしてまいりました。
 しかし、学校における働き方改革、委員の御質問の後段の部分でございますけれども、働き方改革におきまして、実際に学校の現場においても、やはり教職員の方々が働き過ぎだという声も非常に強く聞かれております。
 そういった中で、具体的な検討が進められている中で、中央教育審議会、こちらの中でも議論がされております。実際に、平成二十九年の十二月には、この教員の働き方改革について中教審でも取りまとめられていたところでございます。
○金子(恵)委員 実は、私自身も、高等学校、高校で教諭をしていた経験があります。まさに、裁量労働制の中で成果物を出していかなくてはいけない、そういう場でありました。
 ですけれども、大切な教育、学びの場、それを提供するということは、資源が余りない我が国の中で、人を大切にしていくということをよく多くの方々はおっしゃいますけれども、そういうことだというふうに思うんです。ですので、ぜひ、この教育の現場の正しいあり方というものをしっかりと今後も考えていただきたいというふうに思っているところでございます。
 またの機会にもっと詳しい内容についても御質問させていただくということで、きょうは次の質問に移らせていただきますが、SNSを活用した相談体制について質問をさせていただきたいというふうに思います。
 これも私のところに、済みませんが、マスコミの情報提供ということで届いた情報によって少し質問をさせていただきたいと思うんですが、ちょうど読売新聞の五月十三日の朝刊で、読売新聞が独自に調査をした結果が公表されたところでありまして、全国の都道府県、そして政令市、県庁所在地、九十八自治体のうち三十一自治体、約三割となる自治体でSNSによる相談対応を今年度以降実施するということがわかったということでございます。
 この数字をどのように捉えていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
○林国務大臣 都道府県、指定都市、県庁所在地である市の計九十八自治体のうち三十一自治体が今年度以降に実施又は実施予定であると報道されたことについては、承知をいたしております。
 御紹介いただいた読売新聞自体は、三割に上ることがという書き方をしておるようでございますが、文科省においては、この三十一自治体全ての取組を網羅的に把握しているわけではありませんけれども、平成二十九年度補正予算及び三十年度予算において、SNS等を活用した相談体制の構築を支援するために新たな補助事業を創設させていただきました。現在のところ、十八都道府県、六指定都市、その他三市の計二十七自治体が、補助を受けて相談事業を実施することになっております。
 新規事業であるため、一部自治体での実施となっておりますけれども、文科省としては、引き続き、全国の子供たちが、SNS等を活用して、いじめ等のさまざまな悩みを気軽に相談できるような体制が構築されるよう努めてまいりたいと思っております。
○金子(恵)委員 ありがとうございます。
 読売新聞の記事が上るという言葉を使っているということは、ポジティブに捉えているのかなというふうにも思います。
 今、大臣がおっしゃっていただいたように、上限一千万円の補助金制度、その活用というものもあってこういう数字も出てきているんだろうということであります。
 これはどちらかというと、研究的な感じだというふうに思うのであります。試行錯誤をしていく中で、どんな形で結果を出せるかというようなそういうモデル的なものだというふうに私は理解をしているんですけれども、しかし一方で、やはりこのような相談体制の構築というものに対する支援というのはもっと大きくしていっていいんだというふうにも思います。
 なぜならば、このSNSを通した形で、いろいろな事件と、命を奪われるようなそういう問題も起きてきていたということでありますので、単に、これはSNSを活用したいじめ対策とかそういうこと以上に、いろいろな方々の問題あるいは悩みというものを解決していけるようなそんな体制づくりというのをしていかなくてはいけないというふうに思っています。
 若い皆さんの中では本当にSNSというのは当たり前に活用がされていて、急速に拡大もしているということでありますけれども、一方で、SNS悩み相談については、まだ多くの自治体が、ノウハウあるいは担い手の不足、そういう状況にあるようであります。
 どのように更に支援をしていくのか、お伺いしたいと思います。
○丹羽副大臣 文部科学省におきまして、さまざまな悩みを有する児童生徒の相談に関するSNS等の活用策の検討を行うため、昨年七月に有識者会議を開催し、本年三月に、SNS等を活用した相談体制の構築に関する当面の考え方、こちらを取りまとめさせていただきました。
 この最終報告書におきましても、SNSを活用した相談体制をより充実したものにするためには、地方公共団体また民間団体、学識経験者等を交えた協議の枠組みを設けて、それぞれの取組について情報交換を行いつつ、委員おっしゃるように、知見を共有して、相談員の研修のあり方、また相談技法の研究等を通じて相談体制の改善につなげることが考えられるとされております。
 そして、この最終報告書を踏まえまして、今般新たに開始したSNS等を活用した相談事業の成果や課題等について、この協議の枠組みにおいて共有しつつ、相談技法や相談員の研修による人材の確保も含め、相談体制をより充実すべく検討をしていきたいと考えております。
○金子(恵)委員 ありがとうございます。
 相談員の研修、しっかりやっていただきたいというふうに思うんですけれども、例えば、現役世代の臨床心理士の方々あるいは教員経験者の方々が相談に携わるということがあると思うんですけれども、その場合に、どちらかといいますと電話相談のコミュニケーションにはなれている世代でいらっしゃる、しかし、SNS等を活用した相談についてはまだまだふなれである方もいらっしゃるかもしれないということから、例えば、SNSの中での若い人たちのメッセージの言葉遣いとか絵文字とか、そういうものについても、ある一定の知識というのが必要になってくるというふうに思うんです。
 実は、私もカウンセラーをやっていた、そういう経験をしているんですけれども、ふだん、例えば電話で相談ということになれば、声のトーンというものの中にどんなメッセージが含まれているかということをしっかりと注目していくということをやります。しかし、SNSだとそれができません。ですから、一つ一つの文字の中、絵文字の中にもどんなものが、どんなメッセージが含まれているのか、これをしっかりとチェックしていくということが重要なんだというふうに思います。
 ですので、そういうことができる人材の育成というものをしていただきたいということをお願いしたいというふうに思います。
 最後になりますけれども、一つだけ、いじめについてお伺いさせていただきたいと思います。
 これは福島から避難している子供たちのいじめの問題なんですけれども、まだまだ続いている現状を御存じだと思います。
 私、自主避難をされている方々からのお声を届けていただけたんですけれども、昨年、福島復興再生特別措置法が改正されて、県内外へ避難した子供へのいじめを防ぐための支援という部分が盛り込まれたわけです。それによって、しっかりといじめ対策、県内外に避難している、特に福島から県外に避難している子供たちへの支援というものをしっかりやっていける体制づくりをしていかなくてはいけないというふうに思うんですが、やはり今現在でも、マスコミに取り上げられたことによって表には出ないけれども、反対に、もっと陰湿ないじめというものが、なくならないでそこにあるという状況です。
 今後どのように、今申し上げたような子供たち、ニーズのある子供たちを支援していくのか、最後にお伺いして、終わります。
○林国務大臣 原発事故等によって福島県から避難をされておられる児童生徒へのいじめの中には、ひどいあれですが、福島に帰れとか放射能がうつる、こんな発言を言われたというものもありまして、やはりその背景には、周囲の大人も含めて避難を続ける方々のつらい思いに関する理解不足、それから放射線そのものに関する理解不足が存在すると考えております。
 昨年四月に、被災児童生徒へのいじめの防止について、児童生徒、保護者、地域住民及び教育委員会の職員、学校の教員等に対し文部科学大臣からのメッセージを発表しております。
 また、文科省においては、昨年三月、いじめの防止等のための基本的な方針を改定しまして、被災児童生徒に対するいじめの未然防止、早期発見について明記をいたしました。
 さらに、昨年五月に改正した福島復興再生特別措置法におきましても、いじめ防止対策の実施を支援するために必要な措置を講ずることを明記したところでございます。
 加えまして、児童生徒が福島県外に避難を続ける方々のつらい思いに関する理解を深めるとともに、放射線に関する科学的な知識を身につけることができるよう、福島県教育委員会作成の道徳教育教材の積極的な活用や、放射線副読本等の活用を含む放射線に関する教育の充実を各学校に促しております。
 引き続き、被災児童生徒に対するいじめについて、各教育委員会に対する必要な指導助言を行い、その防止に努めてまいりたいと思います。
○金子(恵)委員 終わります。ありがとうございました。
○冨岡委員長 次に、畑野君枝君。
○畑野委員 日本共産党の畑野君枝です。
 きょうは、ことし二月の予算委員会に続いて、教員の働き方改革について質問いたします。
 二月の予算委員会で私は、文部科学省の教員勤務実態調査の結果も紹介しながら、持ち帰り仕事を含めれば、小学校で約六割、中学校で八割近くの教員が過労死ラインを超えているという妹尾昌俊氏、学校における働き方改革委員のコメントや、二〇一四年に過労自殺した福井県の中学校教員の実例などを紹介し、林芳正文部科学大臣にもその解決のための対策を求めてまいりました。
 まず、総務省に伺いますが、公立学校の教員のいわゆる過労死の労災認定はどうなっていますか。
○佐々木政府参考人 お答えいたします。
 過労死等防止対策推進法において、過労死等とは、業務における過重な負荷による脳・心臓疾患若しくは業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする死亡等と定義されているところでございます。
 地方公務員災害補償基金が、平成二十六年度から平成二十八年度までの三年間で、義務教育学校職員について、脳・心臓疾患及び精神疾患等として公務災害認定した件数は合計三十九件となっており、そのうち死亡件数は十三件となっているところでございます。
○畑野委員 資料の中で、総務省からいただいたものを載せております。この資料についてちょっと説明していただけますか。
○佐々木政府参考人 実際に認定を行っております地方公務員災害補償基金において、認定件数、そのうちの死亡件数というのが職種別に出されたのが平成二十六年度からということになっておりまして、新聞等では、過去を照会することによって調べているところですが、現在、基金及び私どもの方で所管しているのは、そこに書いてある数字になっております。
 平成二十六年度においては十七件、これは学校職員及び以外の教育職員も含まれておりますけれども、トータルで十七件中うち九件が死亡事案、二十七年度は二十一件中五件が死亡事案、二十八年度は二十一件中六件が死亡事案となっています。いずれも、公務災害認定をした件数の中でということでございます。
○畑野委員 つまり、二〇一四年、二〇一五年、二〇一六年と、この三つの資料をお示ししていただいている、それ以前についてはそういう分類を調査の中でしていなかったということですね。それで、一番上の義務教育学校職員というところが死亡された方が十三人ということで、三年間の調査を言っていただいたということだと思います。
 今、総務省からもお話がありましたように、実はこの三年しかわからないんですね。
 それで、例えば、資料の二枚目につけておりますけれども、これは毎日新聞の独自の調査によりますと、二〇一六年度までの十年間で、過労死と認定された公立校の教職員が六十三人に上っている。これは、各県ずっと調査をされた数字の積み重ねだというふうに思うんです。
 この記事の中で、樋口修資明星大学の教授が、学校では勤務時間の把握がおくれているため、公務災害の認定申請をするのも難しいのが実情だ、教員の働き方改革を進めるなら、国として、長時間勤務の最悪の結果である過労死の実態をまず把握すべきだというふうに指摘をされております。
 そこで伺いますが、文部科学省として、教職員の過労死の実態についてどのように把握をしておりますか。
○高橋政府参考人 お答え申し上げます。
 公立学校の教師のいわゆる過労死や過労自殺の件数については、文科省としては直接は把握しておりませんが、先ほどの地方公務員災害補償基金のデータ等については承知をしているところでございます。
 また、文科省としては、過労死等防止対策推進協議会の参加を通じて、過労死等に関するさまざまな情報を把握するように努めているところでございます。
 また、過労死等を防止するためにも、学校における働き方改革を推進することは重要と考えております。中教審の学校における働き方改革特別部会においては、全国過労死を考える家族の会からの文科省に対する要望書を配付して、これを踏まえて議論をいただいたりといったこともしたところでございます。
 過労死等については、要因が多岐にわたっており、長時間勤務もその一つと考えられます。長時間勤務により、教師が疲労過度によって心身の健康を損なうことのないよう、学校における働き方改革に関する取組を進めてまいる所存でございます。
○畑野委員 三枚目の資料は、先ほど紹介した記事の続きで四月二十一日付の記事なんですが、そこで、過労死と認定された公立校の教職員の例として工藤義男さん、当時四十歳の記事、御遺族の記事が載っております。
 頭が痛い、二〇〇七年六月、横浜市立中学校の教諭だった工藤義男さん、当時四十歳はそう言って自宅から病院に行き、待合室で倒れた、意識が戻らないまま五日後にクモ膜下出血で亡くなった、同年四月に別の市立中から転任した工藤さんは、担当する保健体育の授業のほか、生徒指導や学年主任など多くの校務を受け持ち、放課後や休日は顧問を務めるサッカー部の指導に明け暮れた、異変を訴えたのは二泊三日の修学旅行の引率から戻った日、学校を休んで寝込み、病院を訪れたのは六日後だった、絶対過労死だから公務災害認定を申請しましょうと前任校の同僚が声をかけてくれたことを通じて、当時十四歳と十歳の娘二人とともに残された妻の祥子さんが取組を始めたけれども、この認定を受けるのは本当に大変だったという話が述べられております。
 工藤祥子さんに伺いますと、学校外のことだからなかなか難しいとか、クモ膜下というのは、いろいろあってなるものですよねということなんですが、この工藤先生は、大変健康に留意をされていてお元気だったと。ですから、主治医の方も、やはりいろいろなストレスなどが重なって、突発的にクモ膜下になられたということをお話しされているということも伺ってまいりました。もう涙なしには伺えない御遺族のお話でございます。
 それで、私は、今文科省からお話がありましたが、直接把握していないとか、しかし情報は把握しているとか、こういうことなんですが、それをそのままにしておいてはいけない、どういうことが更に進めることができるのかというのを、林大臣を先頭にぜひ検討していただきたいと思っているんです。
 現状を伺います。
 学校における働き方改革の中間まとめや、それを踏まえて出された学校における働き方改革に関する緊急対策では、勤務時間管理の徹底ということが指摘されています。
 公立小中学校における教員の労働時間管理の現状はどうなっていますか。
○高橋政府参考人 教員の勤務時間については、労働法制にのっとり、各学校において適正に管理する責務があります。
 平成二十八年度に文部科学省が委託事業として実施した教員勤務実態調査では、出退勤時刻の管理について、タイムカードやICTにより記録している学校は三割に満たない状況であり、報告や点呼、目視などで管理職が確認する方法が最も多い状況となっております。
○畑野委員 おっしゃったように、小中学校とも三割に満たないのが現状です。
 文部科学省として、こういう現状に立って、教員の労働時間の管理をどのように徹底していくおつもりですか。
○高橋政府参考人 文部科学省では、これまでも各教育委員会に対して、教師の勤務時間の適正な把握に関する取組を求めてきたところですが、本年二月九日付で発出した学校における働き方改革に関する通知においても、「ICTの活用やタイムカードなどにより勤務時間を客観的に把握し、集計するシステムを直ちに構築するよう努めること。」として、各教育委員会に、勤務時間の適正な把握を改めて促したところでございます。
 文部科学省といたしましては、各学校において勤務時間を適正に把握するよう、指導を引き続き徹底するとともに、取組状況を定期的にフォローアップしていきたいと考えております。
○畑野委員 高橋局長には、二〇一七年十月二日に、全国過労死を考える家族の会の皆さんがお会いをして、代表世話人の寺西笑子さん、公務災害担当の工藤祥子さん、先ほどの事例の御遺族です、そして前公務災害担当の中野淑子さんが、学校における働き方改革に係る緊急提言について以下のとおり要望いたしますというふうにされておられますね。よろしいでしょうか。
○高橋政府参考人 御指摘のとおりでございまして、実は、馳元大臣から御紹介をいただきまして、十月二日に、家族会の方に局長室においでいただきまして、私が直接要望書を受け取りました。
 ちょうど翌十月三日が中教審の部会の日だったものですから、それを資料として配付して、委員の方々にもごらんいただいたというところでございます。
○畑野委員 馳元大臣の御尽力もあったということですが、さらに、林大臣の方は進めていただきたいというふうに思っております。
 この中で、私、本当に大事だなと思ったんですね。「私たちは、文科省が現在に至るまで出された、さまざまな教師の働き方の改善に対しての対策が、功を奏し、いずれは教育職場が過労死ゼロとなる事を心より願っております。 「教員が健康でいきいきとやりがいを持って勤務でき、教育の質を高められる環境を構築し」、現場におけるすべての教員が改善されたことを確実に実感できるような改革を求めて、ここに要望書を提出致します。」と。
 国会にもこの過労死問題の超党派の議員連盟がございまして、私も参加をさせていただいております。そして、過労死遺族の会の皆様も、寺西さんを始め、本当に足しげく国会まで足を運んでいただいているわけです。
 三つの御要望があるんですが、全ては時間がないので御紹介できませんが、その中の一つ目に、「「勤務時間」を意識した働き方を進める為、教職員の勤務時間を正確かつ確実に把握、分析し、実効性のあるものに改善すると共に、開示をしてください」ということなんですね。
 工藤祥子さんにお話をいたしました。教員の過労死をなくすために一番してほしいことは何ですかと伺いましたら、教育に財政、つまり予算ですね、これを本当に注いでほしい、教員をふやしてほしい、人をつくる仕事に国がお金をかけてほしい、一クラスの生徒数を減らして本来の先生の仕事に専念させてほしい、そして給特法を改正してほしいことなどなどおっしゃってくださっておられます。
 林大臣、私、こういう点で、局長の御答弁もあったんですけれども、本当にこの深刻な実態、政府を挙げてこれは正さなくてはいけないというふうに取り組んでいるわけですが、教職員のこうした過労死の実態、一刻も早く解決するように、まずは実態把握を進めるということが御要望で出されておりますが、いかがでしょうか。
○林国務大臣 今、委員からもお話がありましたように、この御要望、昨年の十月二日の緊急提言でございまして、勤務時間を意識した働き方を進めるため、教職員の勤務時間を正確かつ確実に把握、分析する、実効性のあるものに改善するとともに、開示をしてくださいと。
 この前提として、やはり今どういうことが現場で起きているのかということをしっかりと我々が把握するということが大事であろうというふうに思っております。
 もとより、すぐ調査、調査、調査といいますと、今度はそれがまた働き方改革に逆行することも考えられますので、今あるものをうまく活用しながらということも頭に入れながら、しっかりと現場を把握するとともに、今やりとりしていただいたような予算の確保と、もう一つは、働き方改革、いろいろな提言も出ておりますので、やはり教職員という言葉がございますが、教員と職員、職員でやれることはなるべく職員でやっていただく、学校でやらなくてもいいこと、例えば給食費の徴収なんかは首長部局でやってもらうとか、いろいろな工夫をして、先生がやはり生徒と向き合う時間に専念できるようにしていく、このことが肝要なことではないかと思っております。
○畑野委員 今後の中教審の議論に基づくことになると思うんです、給特法の問題ですね。工藤祥子さんがおっしゃっているのは、やはり残業しても手当がつかない、教師は自分の定時が、帰る時間ですね、わからない人も多いと。働かせ放題で、高度プロフェッショナルの悪い先駆けの勤務実態だというふうにおっしゃっております。
 今、働き方改革一括法案、これは本当にいろいろな問題を含んでいて、強行採決などやってはならない、徹底審議の上に私は廃案にすべきだという立場でございますが、それはそういうことで、教職員の問題、これは一刻も進めて、改革をするべきだということを申し上げさせていただきます。
 さて、こうした中で、過労死や過労自殺になった場合に、勤務時間管理が徹底されていないことで労災申請ができないという現状が指摘されております。
 二月の予算委員会で、私は学習指導要領上の問題について質問をいたしました。標準授業時数がふえてきたことが教員の長時間労働の原因の一つであることを文科省もお認めになりました。
 現在の小学校学習指導要領に定められた標準授業時数は五千六百四十五時間です。しかし、実際の授業時数を決めるのは学校だということで、標準授業時数と実際の授業時数との間には乖離があります。
 そもそも、授業時数の考え方について、小学校学習指導要領解説総則編ではどのように述べていますか。
○高橋政府参考人 お答え申し上げます。
 各学校が教育課程を編成するに当たっての標準授業時数は、学校教育法施行規則第五十一条に定めております。
 この標準授業時数は、学習指導要領で示している各教科等の内容を指導するに要する時数を基礎とし、学校運営の実態などの条件も十分考慮しながら定めたものでございます。
 学習指導要領解説におきましては、学校の教育課程の編成に当たって、年度当初の計画段階から標準授業時数を下回って教育課程を編成することは適当ではないこと、児童の過重負担にならない限度において標準授業時数を上回って教育課程を編成することは可能であること、災害や流行性疾患による学級閉鎖など不測の事態により標準授業時数を下回った場合には、その確保に努力することは当然であるけれども、下回ったことのみをもって学校教育法施行規則に反するものではないこと、こういったことをお示ししているところでございます。
○畑野委員 最後に局長が言われましたけれども、ですから、要するに、下回っても特段法に違反することではないということでよろしいですね。
○高橋政府参考人 先ほど申し上げましたように、災害や学級閉鎖など不測の事態により標準授業時数を下回った場合に、ただ、それは何もしないということではなくて、その場合には、一応その下回った授業時数を確保する努力はしていただく、ただ、努力の結果、どうしてもそれが回復しないことはあり得ますので、そういった場合には、下回ったことのみをもって学校教育法施行規則に反するものではない、こういったことを解説書において示しております。
○畑野委員 確認しました。
 それで、直近の調査で標準授業時数と実際の授業時数が一致している小中学校はどれぐらいありますか。
○高橋政府参考人 文部科学省が実施している教育課程編成・実施状況調査の結果で見ますと、平成二十七年度において、標準授業時数と年度当初の計画段階の授業時数が一致している小中学の割合は、これは学年ごとにとっておりますので、学年ごとに若干のばらつきはございますが、おおむね三割程度といった状況になっております。
○畑野委員 中間まとめでは、「一部の学校においては、標準授業時数を大きく上回った授業時数を計画している例が見られるが、指導体制の整備が伴わないまま実施すると、教師の負担増加に直結するおそれが高い。各学校における教育課程の編成・実施に当たっては、教師の「働き方改革」に十分配慮すべきである。」としてきております。ことし二月九日に発出された通知でも同様の趣旨が述べられていると思います。
 文科省として、標準授業時数を大きく上回るような実態に対して、具体的にどのような対応をとるつもりですか。
○高橋政府参考人 お答え申し上げます。
 ただいま委員から御指摘いただきました通知においては、授業時数の設定等における配慮として、警報発令や感染症による休校や学級閉鎖等も想定した必要な授業時数の確保や、指導内容の確実な定着を図る観点から、標準を上回る適切な指導時間を設定することは想定されるが、標準授業時数を大きく上回った授業時数を計画している場合には、指導体制の整備状況を踏まえて精査し、教師の時間外勤務の増加につながらないよう、教師の働き方改革に十分配慮するようお願いをしているところでございます。
 文科省としては、今後、この通知の趣旨の周知徹底に努めるなど、学校における働き方改革の推進に努めてまいります。
○畑野委員 林大臣、ちょっと御紹介したいんですけれども、児童の負担が過重にならないようにということと、加えて、教職員の働き方、教員の働き方ということが言われているわけですよね、今。
 例えば、横浜市では、通称横浜版学習指導要領というものが独自の授業時数ということで決まっておりまして、国の標準授業時数よりも、小学校一年から六年まで一律に二十時間上乗せされている。学校によっては、更に余剰授業時数を七十時間前後も上乗せしているという例があるんです。
 ある小学校二年生の担任教員に聞きましたら、ことしの二月から三月までの二週間のうち、平日の十日間、出勤時間は朝七時や七時三十分、退勤時間は二十二時や二十二時三十分、平日十日間の合計勤務時間は百四十三・五時間。法定勤務時間は七十七・五時間なんですね。六十六時間の残業をやっている。一カ月に換算すると、百三十二時間の残業時間なんです。土日の持ち帰り仕事を含めれば、百五十時間の残業なんですね。月八十時間の過労死ラインの約二倍という実態なんです。
 教員の働き方という点では、本当にこういう状況もよく見ていただいて、しっかりと改めさせてもらうということが必要だと思うんですが、御所見を伺います。
○林国務大臣 今の横浜の例は大変驚きでございますが、働き方改革のそもそものきっかけに実態調査をいたしております。そこでも、今、委員からお話がありましたように、かなり、小学校でも中学校でも過労死ラインすれすれのところが平均ということで出ておりますので、先ほど来申し上げておりますように、いろいろな仕組み、それから予算の確保等々をもって働き方改革を進めていかないと、先生御自身が疲れ果てて大変残念なことになったり、また、結局、お疲れになっているということは、子供に対しても元気で向き合っていただくということがなかなか難しい状況になる、こういうことでありますので、ぜひ、元気に生徒児童に向き合っていただくような環境を目指して、働き方改革を進めていきたいと思っております。
○畑野委員 時間が参りましたので、アメリカンフットボールのその後の経緯についてスポーツ庁から伺う予定になっておりましたが、また次の機会に質問をさせていただきたいと思いますので、申しわけありません。
 ありがとうございました。
○冨岡委員長 次に、串田誠一君。
○串田委員 日本維新の会の串田誠一でございます。
 今、働き方改革の質問がありましたが、それとあわせて、教育のあり方というのもいろいろと変わってきているわけでございます。詰め込み教育からゆとり教育、そして脱ゆとり教育、そして二〇二〇年には教育改革ということが、学習指導要綱も変更になるというような話も聞いておりますので、そういう教育のあり方に対する検証といいますか、そして、二〇二〇年に改革をするに当たっての何らかの改善点みたいなものを見出せればいいなと思っているわけでございます。
 通告の後に、おとといですか、西城秀樹さんがお亡くなりになられました。二度の脳梗塞を乗り越えて、リハビリをして、そしてコンサートでも歌われている姿というのは、非常に勇気づけられたのではないかなと思います。
 そういう意味で、きょうのNHKのニュースでも、非常に有名なリンゴと蜂蜜のCMが流れておりまして、NHKも変わったなと思いますのは、昔はそういったようなブランド名と商品名というのを一切隠していたのが、今は結構堂々と出ているんですね。そういったような意味でも、かなりメディアのあり方とかそういったようなものも変わってきたのかなと思いました。
 このCMは、昭和四十八年から昭和六十年まで西城さんが担当されたということで、詰め込み教育とゆとり教育をちょうどまたがっているCMなんですね。
 その前の詰め込み教育のときのCMでは、有名な、「わんぱくでもいい。たくましく育ってほしい。」そういう意味では、ちょっと、どうして詰め込み教育のときにこういうCMがあったのかなということなんですけれども、子供を見て、とてもそういうキャンプ場に行けない状況の中で、憧れというか、こういうような生活を、ぜひハムを食べながら過ごしてほしい、そういうCMのことなのかもしれません。
 また、有名なところでは、昭和六十三年の「二十四時間戦えますか。」これは、働けますかと勘違いされている方もいらっしゃるみたいなんですが、戦えますかということで、ちょうどバブルのときだったのではないかな。そういう意味で、教育と景気というのはかなり密接に関連しているのかな、ちょっとそこも考えてみたいなと思います。
 景気が悪いときには、やはり学歴というものが非常に重要になって、就職難ということもあるんでしょう。景気がよくなれば、そういったようなところの懸念が少なくなって、むしろ、ゆとり教育というものになっていくのかな、こういったような波が教育の中にも訪れているのかな、そんなような印象を受けたわけでございます。
 そこで、まず、ゆとり教育というのは、これは文科省がつけられた名前ではないようなんですが、基本的に、ゆとり教育と言われているものはどんな内容を指すのでしょうか。
○高橋政府参考人 お答え申し上げます。
 委員から御指摘いただきましたように、これまで文部科学省としてゆとり教育という用語は用いておりませんが、おおよそ十年ごとに学習指導要領を改訂いたします。平成十年に改訂した学習指導要領では、単に知識を詰め込むだけではなく、自分で課題を見つけ自分で考えるといった力を身につけ、子供たちに生きる力を育む、こういった理念のもとに、総合的な学習の時間を創設したり、一方で、教育内容の厳選や授業時数の縮減を行いました。
 この平成十年改訂の学習指導要領のもとでの教育が、いわゆるゆとり教育と呼ばれるようになったものと認識をしております。
○串田委員 具体的に、その前が詰め込み教育というような言い方も、これもまた文科省がつけたのではないのかなとは思うんですが、実際問題、授業の時間だとか曜日だとか、詰め込み教育からゆとり教育に変わったときの具体的な例というのは、どんなふうな変化があらわれていたんでしょうか。
○高橋政府参考人 先ほど申し上げました平成十年の学習指導要領の以前の指導要領は、平成元年のものでございます。平成元年に公示された学習指導要領においては、生涯学習の基盤を培うという観点に立ち、二十一世紀を目指し社会の変化にみずから対応できる心豊かな人間の育成を図ることを基本的な内容として、基礎的、基本的な内容を重視し、個性を生かす教育の充実が図られました。
 しかしながら、その後、過度の受験競争の影響もあり、多くの知識を詰め込む授業になっていること、学校週五日制の段階的な実施などに伴い、時間的なゆとりを持って学習できずに、教育内容を十分に理解できない子供たちが少なくないこと、こういったことが指摘されまして、そして、先ほど申し上げたように、平成十年の学習指導要領の改訂に至った、こういった経緯がございました。
○串田委員 今説明がありましたが、詰め込み教育というのがいろいろな弊害があってゆとり教育になったわけですけれども、また、このゆとり教育について、随分いろいろな批判といいますか問題点というものが指摘されたということなんですが、具体的にはどんな問題点というものが出てきたんでしょうか。
○高橋政府参考人 先ほど御答弁申し上げました平成十年改訂の学習指導要領が目指した生きる力の育成という理念は、これは、変化の激しい社会の中で、基礎、基本を確実に身につけ、いかに社会が変化しようと、自分で課題を見つけ自分で考えるといった力を身につけさせることなどを目的としておりまして、その理念は現在にもつながる重要なものであると文科省としては考えております。
 しかしながら、この平成十年改訂の指導要領に対しましては、こういった生きる力の意味や必要性について関係者の共通理解が十分でなかったこと、各教科での知識、技能の習得と総合的な学習の時間での課題解決的な学習や探求活動との間の段階的なつながりが十分でなかったこと、知識、技能を習得するとともに、それを活用する学習活動を行うためには授業時数が不十分だったことなど、この生きる力の育成という理念を実現するための手だてに課題があった、こういった指摘が行われております。
 こうしたことを踏まえて、文部科学省では、その後、次の改訂は平成二十年になるわけでございますけれども、二十年改訂の際には、ゆとりか詰め込みかとの二項対立を乗り越えて、生きる力の一層確実な育成を図ることを目指して現在の学習指導要領の改訂を行った、こういうことでございます。
○串田委員 かいつまんで言いますと、いわゆる詰め込み教育というのは、知識をどんどんと詰め込んでいって、暗記重視という形であった、そうすると自分で考える力というのがなかなか育たない、そういうことなのかなとちょっと感じたわけでございます。
 今、成人年齢が十八歳に引き下げられるという話がありまして、法務委員会におきましても、参考人として千葉大学の名誉教授の宮本先生が話をされておりましたが、諸外国では十八歳というのが非常に多い中で、いろいろと懸念が今指摘されているわけですけれども、むしろ、外国が十八歳に引き下げられる中で、我が国のそういう若い人たちの、自分自身をどうやって自覚していくのか、そういったようなところが諸外国と比べると弱いのではないか、そういったようなところを重点的に社会が育て上げなければいけないというような、そんな指摘がありました。
 そういうような部分で、今のお話を聞いてみると、本来、詰め込み教育というのが、自分で考えない。それが、平成十年になったら、自分で考えるような指導というふうにしたんだけれども、周囲がそれについて十分理解がされていなかったというような、そんな話があったんですけれども、当時、詰め込み教育からゆとり教育に変わるときの、両親、それとまた学校の先生、これらの方々の考えというか意見というのはどんなことがあったんでしょうか。
○高橋政府参考人 いわゆる詰め込み教育からいわゆるゆとり教育にということですので、平成十年ごろの状況ではないかと思いますが、この平成十年の改訂を行うに際しては、教育課程審議会において議論を行いまして、その答申の作成過程に当たっては、関係団体からヒアリングを行っております。
 その中で、例えば、保護者を代表すると思われます日本PTA全国協議会や全国高等学校PTA連合会からは、知識の習得に偏りがちだった教育から学校教育の指導内容にゆとりを持たせることが必要、教育内容の厳選は緊急かつ重要な課題、基礎、基本の指導の徹底が必要、こういった意見が示されていたと記録に残ってございます。
○串田委員 試験偏重主義というか、そんなようなことがあったということだったと思うんですけれども、一方で、ゆとり教育によって、国際的なそういうコンテストといいますか、試験のそういう部分について結果がいろいろと出てきているという部分の批判といいますか、そんなこともちょっと聞いているんですけれども、実態はどうだったんでしょうか。
○高橋政府参考人 お答え申し上げます。
 今委員が御指摘いただいた国際的なコンテストにちょっと該当するかどうかはあれですけれども、我が国は、平成十二年以降、OECDが実施する国際的な学力調査であるPISA調査に参加をしております。これは、義務教育終了段階の十五歳児を対象として、読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシーの三分野について、三年ごとに実施をしている調査でございます。
 我が国のトレンドを、ちょっと傾向を申し上げますと、読解力においては、最初の調査の平成十二年調査から平成十五年調査にかけては、点数及び順位が低下いたしました。平成十五年から平成十八年にかけては横ばいでしたが、その後、平成二十一年、平成二十四年と、二回にわたって点数、順位ともに上昇をいたしております。
 直近の調査は平成二十七年調査でございますが、実は、この二十七年調査においては調査方法等の変更がありまして、厳密な比較がそれまでとはちょっとできないという状況でございますが、得点、順位ともに、いずれも二十四年調査と同様に上位グループに位置している、これが読解力の調査でございます。
 それから、数学的リテラシー、科学的リテラシー、いずれもちょっと接続可能な調査の開始年が異なりますので、全く同じというわけではないんですが、経年比較が可能な範囲で調べますと、若干の差はあるものの、おおむね今の読解力と同様の傾向が見てとれるという状況でございます。
 ただ、委員御指摘の点について比較を行うためには、義務教育課程全体を通じてどのような指導要領のもとで教育を受けたかに基づき分析を行うことが必要と考えますが、それぞれの実施時期の対象になった高校一年生、十五歳児でございますけれども、これは複数の指導要領のもとでの教育を受けておりますので、こういった、先ほど申し上げました累次にわたる学習指導要領の改訂と国際的な学力調査の動向とを一概に分析することはちょっと困難であると考えております。
○串田委員 詰め込み教育ではなくて、自分で考えるというのは大事かなとは思うんですけれども、ゆとり教育を行うことによって学力が低下したというのは、結構世間的に言われているのかなと。そういったような部分で改善していくということだったんだと思うんですが、それがゆとり教育の前の詰め込み教育と同じようになってしまっては、また同じ道を歩んでしまうのかなという部分もあると思うんですけれども、今、この学力が上がってきたということは、ゆとり教育に比べれば、かなり知識というものをふやしているという教育体制に変わったのか、それとも、本来のゆとり教育である、自分で考えるというものの周知徹底がなされなかったという反省点を踏まえて、みずから考えるという部分を改善していったのか、その点についてはどちらなんでしょうか。
○高橋政府参考人 先ほど少し申し上げましたが、現在、平成二十年に改訂されました学習指導要領では、ゆとりか詰め込みかの二項対立を乗り越えて、生きる力の一層確実な育成を図るといった理念のもとに編成をされております。
 それで、平成二十四年の調査結果では、数学的リテラシー、読解力、科学的リテラシー、三分野において、いずれも学力の向上が見られております。この背景には、こういった学習指導要領の目指す基礎的、基本的な知識、技能、こういった基礎的、基本的な知識、技能と、それから思考力、判断力、表現力、こういったものをバランスよく育むといった学習指導要領の理念が、確かな学力を育成する取組として浸透してきたこともあるのではないか、このように考えております。
○串田委員 そのためにいろいろと検討もされているんだとは思うんですけれども、具体的に今、どんなようなことを具体的な現場において行われているのか。例えば、教科書の内容がこういうふうに実は変わったんだとか、あるいは学習時間がこういうふうに変わったんだとか、そういうちょっと具体的なものを示していただければなと思っています。
 といいますのは、大きく分けて四つの、今転換点を迎えようとしているわけですね。一九七〇年代の詰め込み教育から一九八〇年代のゆとり教育、そして、ゆとり教育を脱する脱ゆとり教育、そして今度は、二〇二〇年の教育改革。
 ただ、二〇二〇年の教育改革というのは、教育問題とも逆に言われていて、果たして二〇二〇年の教育改革がいい方向に行くのかどうかということは、一般的にも心配されているというか、懸念されているという部分もあるかと思うので、もう少し具体的に、どういったようなものがゆとり教育の是正ということで学校の教育部分が変わったのか、ちょっと示していただければと思うんです。
○高橋政府参考人 いわゆるゆとり教育からということで、平成二十年改訂を更に少し具体的に申し上げますと、一つは授業時数をふやしたということがございます。そして、理数教科を中心に教える内容の充実も図りました。一方で、単に知識を習得するだけでなくて、それを活用する力を育成するということで、思考力、判断力、表現力の育成もバランスよく育む。こういったような形で、その後、指導要領に基づいた授業が行われるように、さまざまな施策を展開しているところでございます。
 そして、昨年三月に改訂いたしました次の新しい学習指導要領では、そういった考え方を更に発展して、いわゆるアクティブラーニングと申し上げておりますが、主体的、対話的で深い学び、こういったような形での授業改善を図っていく。さらには、社会に開かれた教育課程を目指す。これは、教育課程が目指す理念を社会とも共有して、地域社会とも連携しながらカリキュラムを組んでいこう、こういったようなこともより明確に打ち出しまして、そういった方向で、現在、新しい教育を考えているところでございます。
○串田委員 一方では、学校教育がゆとり教育ということになると、家庭が、その分だけ塾に通わせたり、いろいろな形で補っていくということも現実にあるかと思うんですが、文科省としては、そういう学校以外の教育の時間、こんなようなものを把握しているのか。また、ゆとり教育によってそういったような通う生徒がふえたのかとか、そういった関連性みたいなものを資料として集めているということはあるんでしょうか。
○常盤政府参考人 お答えを申し上げます。
 児童生徒の学習塾に通う率、通塾率でございますけれども、平成五年度、平成十四年度、そして、平成十九年度以降は毎年調査を実施し、状況を把握してきているところでございます。
 平成十九年度以降は、毎年、全国学力・学習状況調査の中で、小学六年生と中学校三年生の児童生徒全員を対象とすることを基本といたしまして、ほぼ同じ質問項目により調査をしておりますけれども、一方で、平成五年度と十四年度は、調査対象あるいは内容等が異なるために、必ずしも結果の数値を比較するということは、難しいということではございます。ただ、そのことを前提とした上で、平成元年、十年、二十年とそれぞれ学習指導要領が改訂されておりますので、そのもとで行われたこの三回の調査結果について申し上げたいというふうに思います。
 学習塾に通う児童生徒の割合でございますけれども、例えば中学校三年生については、平成五年度が六七・一%、平成十四年度が六二・五%、平成二十四年度が六二・五%となっております。また、小学校六年生については、平成五年度が四一・七%、平成十四年度が三五・六%、平成二十四年度が四七・八%という数字になっております。
 先ほど申しましたように、調査方法の違いがありますので、必ずしも一概には比較できないかなと思ってございます。
○串田委員 今の数字を聞きますと、中学は塾に通う率というのは余り変化がないのかなという気がいたしました。小学校に関しては、塾に通っている子が四七%というのがあったようなので、かなり上昇してきているのかなというふうに思うんですけれども、ちなみに、ゆとり教育を受けた生徒は会社で使えないというような、そんなことも時々聞くんですけれども、そういう因果関係みたいなものが発生するということがあるのかどうかというのもちょっと疑問になるんですが、むしろ、自分で考える力というのが身についているはずなわけですよね。
 そうだとすると、本来なら会社で使われているというようなことがあるんですけれども、そんなようなことを文科省の方で、例えば大学の入試の状況だとか、あとは会社の状況だとか、そういうようなところは文科省としては調べたりするということはあるんでしょうか。
○義本政府参考人 お答えいたします。
 委員御指摘の、いわゆるゆとり教育の影響という観点から、大学生の進学時、就職時、あるいはその後の評価について総合的に分析したものとしては、文科省として把握しているものはございません。
 ただ一方、社会における大学生の評価につきましては、いろいろな調査あるいはアンケートがございまして、例えば、平成三十年に経団連が会員企業に対して行いました高等教育に関するアンケート調査がございまして、その中では、卒業時に学生が身につけている資質、能力、知識について、社内教育をすれば対応できるレベルと回答した企業が約八割ですとか、すぐに仕事に対応できるレベルと回答した企業が少数にとどまっているなどの課題が指摘されたりとか、あるいは、今後必要な能力としまして、問題解決力が必要だというふうなことを会員企業が答えているというアンケートがあったところでございます。
 いずれにせよ、今現在、中央教育審議会においては、学生が在学時に密度の濃い学修を通じまして、それを促すという観点から、大学に対して、学生の学修時間ですとか、あるいは学修成果等の情報の公開を義務づけていく、さらには、学生が在学中に身につけた能力、付加価値の見える化を図っていく、あるいは、学生の状況について全国的な、把握するための調査を行っていくというような御議論をいただいているところでございまして、その議論の一定の整理をいただいた上で、文科省としてできる対策について講じていきたいと思っているところでございます。
○串田委員 非常に時間をかけたからいいというものではないということだと思うので、そういう意味では、ゆとり教育イコール学習時間が短い、そういうことでは本来ではなかったと思うし、そういったような教育をしていたわけでもないのかなとは思いつつも、いろいろな学力の低下だとか、あるいは社会における適応性などが低下しているという意味では、本来のゆとり教育が求めていた自覚を求めるという部分が、確かにちょっと欠けている部分があるのかなという気がいたします。
 そういう意味で、今度、脱ゆとり教育の中で、学力も上がってきたということでありますし、さらには、二〇二〇年を踏まえて、さらなる諸外国との十分な競争社会で勝ち残っていく子供を育てていくという、そういう意味で、詰め込み教育ではないけれども自覚を持つというようなことを率先してやっていただきたいなというふうに思うんですが、ほかの、ちょっと、先生の最終的なそういう労働時間もふえるとか、そういったようなことはないようにというようなことの質問もあったんですが、二〇二〇年等を踏まえて、将来的な教育像というものを最後に、もし、大臣、所感を述べていただければと思います。
○林国務大臣 今やりとりをしていただきましたように、ゆとり教育といわゆる言われているもの、この理念そのものが悪かったということではなくて、それを実現するための手だてに課題があったということであろうというふうに我々も認識をしているわけでございます。
 まさに、AIとかロボット、そういうものが普及をどんどん加速度的にしているということになれば、新しい意味での生きる力、機械にできること、知識詰め込みということ、基礎的な知識はなければいけないと思いますが、それをどういうふうに使うのか、また、人間でなくてはならない、アクティブラーニングとかコミュニケーションスキルと言っていますが、そういうことを今、新しくまた考えているわけでございますので、まさに、ゆとりか詰め込みかは二項対立を乗り越えるということですが、その上に、やはり、新しいソサエティー五・〇と言われるところを踏まえて、そういうところをしっかりと引っ張っていく人材、またそこをちゃんと生き抜いていける人材をつくっていきたい、こういうふうに思っております。
○串田委員 時間になりました。ありがとうございました。
○冨岡委員長 次に、吉川元君。
○吉川(元)委員 社会民主党の吉川元です。
 本日は、他の委員も少し質問されておられましたが、教員の働き方について何点か尋ねたいというふうに思います。
 本来、これは一月以上前から準備していたんですが、この一カ月余りの間、文科省をめぐってさまざまな問題が発生をいたしました。名古屋の公立中学校に対して文科省が圧力をかけたのではないか、あるいは、直近で言いますと、北海道の町立の高等学校に北海道経産局から不当な介入、圧力があったのではないか。
 本来もっと議論しなければいけないことが、こうしたことでなかなか時間をとれなかったということについては、大変残念に思っております。
 そこで、ずっとこの間温めておりました働き方について尋ねていきたいというふうに思います。
 まず、長時間労働の是正についてでございます。
 労働基準法の第百八条は、「使用者は、各事業場ごとに賃金台帳を調製し、賃金計算の基礎となる事項及び賃金の額その他厚生労働省令で定める事項を賃金支払の都度遅滞なく記入しなければならない。」というふうになっております。加えて、労基法の施行規則第五十四条に従えば、賃金台帳には、時間外労働、休日労働、深夜労働を行った時間数を記入することが求められています。
 最初にお聞きしたいのは、教員の場合、この所定内労働時間を超えて超勤四項目以外の業務に従事した時間数は、賃金台帳への記載が求められているのでしょうか。記載を不要とする場合は、その根拠もお示しください。
○高橋政府参考人 お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、労働基準法施行規則において、賃金台帳には労働時間数を記入しなければならないとされております。また、厚生労働省が作成した、労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドラインによりますと、労働時間とは使用者の指揮命令下にある時間とされております。
 このことから、正規の勤務時間を超過して従事した分に関し、給特法に基づき、いわゆる超勤四項目として学校長から命じられた業務に関する時間については、賃金台帳に記載すべき労働時間に含まれると考えております。
 一方、使用者からの指示に基づかず、正規の勤務時間を超えて、教師の自主的、自発的な判断により勤務を行った時間については、賃金台帳に記載する労働時間に含まれないものと考えております。
○吉川(元)委員 これも、先ほど同僚議員が少し指摘をされておりました、高度プロフェッショナルのような働き方だというふうに言われました。私も、全く同じような感覚を持ちます。
 といいますのも、みなし労働、裁量労働制については、少なくとも、深夜や休日についてはきちんと記載をしなければいけないと。ところが、教員については、それは自主的、自発的な活動だ、そういうことを隠れみのにして、全くその記載が行われていない。
 結果的に言えば、先ほども指摘がありましたけれども、公務災害を申請する際に、この労働時間の管理が行われていないがゆえに申請を諦めたというような方もたくさんいらっしゃいますし、はねられた方もいらっしゃる。十年間で六十三人の方が公務災害、文科省としては、情報は知っているけれども、把握はしていないというようなことでありますけれども、実際にはこれは氷山の一角なんだろうというふうに私は思います。
 そこで、所定内労働時間、七時間四十五分を超えて先生方がどのような業務で超過勤務を余儀なくされているか、そういうことを調べようとしたところ、昨年十月三日の、学校における働き方改革特別部会の第五回会議に、参考資料四として、二〇一六年度教員勤務実態調査に基づく業務時間別の勤務時間という資料が配付をされておりました。
 ところが、そこに記載されている業務内容別の勤務時間という資料は、業務内容別の勤務時間は示されているものの、どの業務によって、あるいはどの時間にどの業務が行われてきたのか、あるいは何が原因で七時間四十五分を超えて働いているのか、非常にわかりにくい。例えば部活動というのは、恐らく一般的には放課後に行われますから、早朝もあるかもわかりませんけれども、大体わかるんですが、それ以外のものについては、どの時間帯に行われているのかというのが、なかなかわかりづらい資料でありました。
 文科省の方には、平均的な働き方をしている教員の出勤から退勤までの業務を時間割りとして示してほしいというふうにお願いもしましたが、ただ、一人一人の教員が一日の業務をどのような時間割りでこなしているかは異なっているので、大変それを示すのは難しいということでもございました。
 しかし、どのような業務が超過勤務の原因になっているのかを把握するためには、やはりこの資料というのは必要なんだろう。大変難しいことでありますが、ぜひわかりやすい資料の作成をお願いしたいと思いますし、それがまた特別部会でより実態に即した議論のもとになるんだろうというふうにも思います。
 そこで、小学校教諭と中学校教諭のそれぞれについて、今超勤四項目のお話がございましたが、それ以外で、所定内労働時間を超えて働いた時間は一日当たりどの程度あるのか、二〇一六年に実施した教員勤務実態調査の結果から教えてください。
○高橋政府参考人 お答え申し上げます。
 ただいま御指摘いただきました調査は、文科省が、教育政策に関する実証研究委託事業として、公立小中学校各四百校に勤務するフルタイムの教員全員を対象として、時期としては、平成二十八年十月から十一月にかけての連続する七日間に勤務実態調査を実施いたしたものでございます。
 この速報値では、一日当たりの平均勤務時間は、小学校教諭で十一時間十五分、中学校教諭で十一時間三十二分という結果になっております。
 県費負担教職員の正規の勤務時間については、各都道府県及び政令市の条例等によって一日当たり七時間四十五分と定められているため、平均勤務時間から正規の勤務時間を差し引くと、小学校教諭では一日当たり三時間三十分、中学校教諭で三時間四十七分となります。
 一方、いわゆる超勤四項目というのは、生徒の実習に関する業務、学校行事に関する業務、職員会議に関する業務、非常災害等のやむを得ない場合の業務に従事する場合であって、臨時又は緊急のやむを得ない必要があるときに限られておりますが、今回の調査では、臨時又は緊急のやむを得ない場合であったか否かについては区別した調査が行われておりませんので、正規の勤務時間内外を区別して集計を行っていないため、一概にお答えすることは困難でございますが、例えばでございますけれども、小学校教諭では、学校行事とその準備時間も含めた学内勤務時間が一日当たり二十六分となっております。
 また、職員会議については、超勤四項目に該当しない学年会なども含めても、校内の会議に関係した勤務時間が一日当たり二十分となっておりまして、仮にこれらの業務が全て正規の勤務時間外に行われていたとしても、三時間三十分の多くを占めているとは言えない状況にございますので、三時間三十分のかなりの部分については超勤四項目に該当しない業務ではないかと想定はされるわけでございます。
○吉川(元)委員 今回の調査は、超勤四項目に該当する、いわゆる正規の時間を超えて行われた時間外勤務については正確には出せないということであります。
 私が把握した、正確かどうかわかりませんが、ちょっと古い数字なんですけれども、二〇〇六年の勤務実態調査では、たしか一日当たり七分だったというふうに聞いております。いずれにしても、大変少ない時間しかないということで、今おっしゃられたとおり、小学校で三時間三十分、中学校で三時間四十七分ですから、そのほとんどは、いわゆる給特法上の超勤四項目には該当しないものでありますし、いわゆる給特法上、超過勤務として認められているものとの差というのは、余りに私は差があり過ぎるのではないかと。
 結果、給特法上の超勤は、先ほど一日七分というふうに言いましたが、正確かどうかわかりませんが、月に換算すると三時間にも満たないのに、実際の勤務時間は、過労死ラインに相当する週六十時間以上働いている人が、小学校で三三・五、中学校で五七・七に達しているわけです。
 実際には、いわゆる給特法上の超勤はほとんどないのに、実態は過労死ラインに近い働き方、このギャップを放置している限り、教員の長時間労働の是正は不可能だと思いますが、この点の認識について、大臣に伺いたいと思います。
○林国務大臣 今委員からお話がありましたように、給特法の規定によりまして、教師を正規の勤務時間を超えて勤務させる場合は、いわゆる超勤四項目に従事する場合であって、臨時又は緊急のやむを得ない必要があるときに限られておるわけでございます。
 したがって、超勤四項目に該当しない業務については時間外勤務を命じることはできないわけでございますが、正規の勤務時間を超えて、自主的、自発的な判断により勤務を行っている場合がある、そういうふうに理解しておりまして、昨年四月に公表した教員勤務実態調査の速報値では、教師の長時間勤務の実態が明らかになったところであります。
 文科省としては、緊急対策で示しました、学校や教師の業務の役割分担、適正化や、必要な環境整備等を通じて教師の長時間勤務の是正に取り組んでまいりたい、そのための予算もしっかりと確保して、実行に移してまいりたいと思っております。
○吉川(元)委員 予算のお話ございましたが、これは以前にも言わせていただきましたが、文科省が要求する予算というのは、半値、八掛け、二割引きというのが相場みたいな感じになっておりますから。ただ、私、まず実態の把握ということも含めてきちんとやっていくべきだろうというふうに思います。
 中教審の中間まとめ、これも以前少しここでお話しさせていただいたかなと思いますけれども、学校、教師が担う業務の明確化、適正化が言われて、教員の業務の総量を服務監督権者である教育委員会の責任で削減するということが求められています。
 しかし、新学習指導要領で、授業のこま数、これもほかの委員が指摘されておられましたが、こま数自体がふえて、あるいは、いじめや不登校などの課題への対応もある。そういう中で、教員の業務を、教育委員会の責任、学校現場の創意工夫で減らしていくということは、やはり私は限界なんだろうと。
 もし、文科省あるいは中教審が、今の制度を変えずに教員の長時間労働を削減しようとするのであれば、まさに、その中途半端な、半値、八掛け、二割引きみたいな、そういう世界ではなくて、きちんと教員の増員をしなくてはならないでしょうし、また、サポートするスタッフ、職員もふやしていかなければ、私はこれは不可能だというふうにも思います。
 一方で、給特法の見直し、教員が働いた時間を賃金台帳に記載すべき労働時間に位置づけて、それをもって勤務時間を適正に把握する、そこから私はまず出発すべきだと考えますが、この点はいかがですか。
○高橋政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほどのちょっと答弁とも重複いたしますが、厚労省が作成したガイドラインによりますと、労働時間とは使用者の指揮命令下にある時間とされており、使用者からの指示に基づかず、正規の勤務時間を超えて、教師の自主的、自発的な判断により勤務を行った時間については、賃金台帳に記載する労働時間に含まれないものと考えております。
 一方で、教師については、自主的、自発的な判断により勤務を行っている場合があると承知をしております。このような教師の勤務態様の特殊性を踏まえつつ、客観的な記録の基礎として、タイムカードなどで勤務時間を確認する、記録することは重要であると考えております。
 文科省としては、昨年十月に取りまとめた緊急対策に、教師の勤務時間管理に係る取組の徹底について盛り込むとともに、本年二月に、その旨を各教育委員会に周知したところであります。引き続き、教師が心身ともに健康を維持して教育活動に携われるよう、勤務時間の適正な把握に関する取組に努めてまいりたいと考えております。
○吉川(元)委員 建前といいますか、文科省としては、超勤四項目以外は、自主的、自発的な活動だという整理でこの間ずっと来られてきている。それが今の教育現場の長時間労働を、過労死に至るようなそうした長時間労働を生み出す温床になっている、恐らくこれは文科省もわかっていらっしゃる話だというふうに私は思います。
 だからこそ、以前、この委員会でもお話に少しなりましたが、ガイドラインを設けるというような話も大臣の方から以前答弁をいただきました。その際に、ガイドラインを設ける、それは私、結構だと思います。例えば、月四十時間までですよとか、あるいは三十五時間までですよと設けるのは結構なんですけれども、だとするならば、もう一方で、超勤四項目、先ほど言いましたように超勤四項目というのは実際にはほとんどない状態ですから、だとするならば、自主的、自発的な活動についてのガイドラインを設けるという、これまた矛盾したことを文科省がやることにつながってしまう。
 逆に、自主的、自発的ということでガイドラインを設けて、これ以上やっちゃだめだよということは、半ばそれは勤務時間だ、超過勤務時間だと。だからこそ上限を設けるんですよというふうにもなりますし、一方で、あくまで自主的、自発的な活動なんだとすれば、それについてガイドラインを設けるということは、自主的に自発的に、私がこの委員会が終わった後に何かお勉強をしようと思ったら、それはガイドラインに違反していますよなんて当然言えないわけで、それは明らかに矛盾を来してしまうんじゃないですか。
 この点については、大臣、前回の答弁の際に、大変難しい問題も、そうした問題もあるというふうに、一カ月半ぐらい前ですかね、ちょっと正確には覚えていませんけれども答弁をいただきましたが、その後、この問題について、仮に自主的、自発的だけれどもガイドラインを設けるとなると、これは、逆に言うと、そこまでは働かせていいんだ、そこまでは働いていいんだ、合法的なただ働きを容認することにつながるんではないかというふうにも、その際にも指摘させていただきましたけれども、この点について、その後、省内での検討を含めて、どういうふうになっているんでしょうか。
○林国務大臣 給特法によりまして、教師には、時間外勤務手当を支給しないかわりに、勤務時間の内外を問わず包括的に評価した処遇として教職調整額、これを払うことになっております。
 先ほど申し上げたように、超勤四項目に該当しない業務については教師に対して時間外勤務を命ずることはできないということでございますが、自主的、自発的な判断によって勤務を行っている場合があるので、昨年四月に公表した教員勤務実態調査の速報値のようなことが出ているということでございます。
 これを受けて、昨年十二月の中教審の中間まとめにおいても、公立学校の教師の長時間勤務の改善に向けて、業務の総量を削減するに当たり、勤務の特殊性にも留意しつつ、勤務時間に関する数値で示した上限の目安を含むガイドラインを早急に検討すべきという提言をいただいたわけですが、この趣旨は、やはりこうした長時間勤務によって教師が疲労を過度に蓄積して心身の健康を損なわないために検討すべきというふうなお考えのもとであったというふうに考えております。
 したがって、文科省としては、まずは、緊急対策で示した学校や教師の業務の役割分担、適正化や必要な環境整備等を通じて、教師の長時間勤務の是正に取り組むとともに、ガイドラインについては、やはり中教審の議論も踏まえて検討を進めてまいりたいというふうに思っております。また、給特法のあり方も含む教職員の勤務時間等に関する制度のあり方については、これも現在中教審で御審議いただいているところでありますので、慎重に検討してまいりたいと考えております。
○吉川(元)委員 結局、ずっと堂々めぐりのような議論になるんですけれども、給特法という、昭和でいいますと四十一年の調査、四十一年といったら私が生まれた年で、私は今五十一歳ですから、半世紀以上前の調査、それに基づいて、この給特法、当時は八時間、今は七時間四十五分ですが、それを調整給にするということでやられてきたわけです。ところが、それが実態ともう全く乖離をして、乖離したがゆえに教員が長時間労働で次々と倒れていく。
 だとするならば、これは私、中間取りまとめを見ますと、ガイドラインについては早急に検討して示すべき、恐らくそういう中間まとめを受けてやられているんだと思いますが、同時に、給特法については引き続き議論をするというふうに中間まとめではまとめられております。
 やはり、このタイムラグというのはつくっちゃいけないと思いますし、いろいろな問題の矛盾の根幹には、この給特法と現実が全く乖離してしまった。だとするならば、現実に合わせた給特法の改正をしないと、結局、さっき言ったように、ガイドラインというのは、何で自主的、自発的な活動についてガイドラインが設けられるんだという話から始まって、いつまでたっても結果として事態が改善をしないのではないか。少なくとも、このガイドラインの問題と、それから給特法の、改正なのか廃止なのかわかりませんが、見直しとをやはり同時に決着すべきだと思いますけれども、その点についてはどのようにお考えですか。
○林国務大臣 この給特法のあり方も含む教職員の勤務時間等に関する制度のあり方については、先ほど申し上げましたように、現在、中央教育審議会で御審議をいただいておりまして、この審議の中での具体的な見直しの方向性、それから検討スケジュールはまだ決まっておらないところでございますけれども、これまでの議論を踏まえつつ慎重に検討してまいりたいと考えております。
 一方、勤務時間についてですが、現在国会で御審議いただいております働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案において、時間外勤務の上限の設定が盛り込まれているところでございます。
 文科省としては、その議論や中教審の審議の状況も踏まえつつ、勤務時間に関する数値で示した上限の目安を含むガイドラインについて、先ほど申し上げましたように検討してまいりたいと思っております。
○吉川(元)委員 やはり、今、先ほどから何度も繰り返しておりますが、問題の本質がどこにあるのか、その本質をきちんと捉えて、その本質そのものに切り込んでいかないと、これは結局、笛吹けど踊らずじゃないですけれども、勤務実態が改善をされず、結果的には、それは教員の健康や命をむしばんで、そして教育現場そのものも混乱をしていく、そういう問題なんだということをぜひ自覚していただいて、この給特法の見直し、とにかく早急に取り組んでいただきたいというふうに思います。
 この間、特別国会の本委員会でも取り上げましたけれども、タイムカードで出退勤の管理をしている学校というのは、小学校、中学校ともに一割強しかできていないと。中間まとめでは、そういうことも含めてやりなさいということで促しております。
 ただ、勤務時間管理の必要性というのは、恐らく今に始まったことじゃないんだろうと思います。二〇〇〇年代に入ってからで結構ですから、教員の勤務時間管理を促す文科省からの提言や通知、大体何回ぐらい出されておりますか。
○高橋政府参考人 文部科学省では、これまで、教員の勤務時間の適正な把握について、各教育委員会に対して取組を求めてきたところでございます。
 主なものを申し上げますと、例えば、平成十八年四月三日付で発出した労働安全衛生法等の一部を改正する法律の施行についての通知において、勤務時間の適正な把握について呼びかけていたほか、昨年一月に厚生労働省において定められた労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドラインについても、その内容を各教育委員会に周知しているところでございます。
 また、先ほど答弁申し上げました、本年二月九日付で発出した学校における働き方改革に関する通知においても、ICTの活用やタイムカードなどにより勤務時間を客観的に把握し、集計するシステムを直ちに構築するよう努めることとして、改めて各教育委員会に勤務時間の適正な把握を促したところでございます。
○吉川(元)委員 今、初中局長から紹介ありました、二〇〇六年の労働安全衛生法等の一部を改正する法律案施行について、こういう通知から始まって、私がちょっと知っている限りでいいますと、今回の緊急対策まで、少なくとも十回ぐらいは文科省から通知が出ている。毎年毎年に近い回数で勤務時間の管理を促す通知が出ております。
 しかし、結果は、先ほど少し紹介しましたけれども、タイムカードについて、これから先伸びていくのかどうかわかりませんが、一割強しか導入をされていない。幾ら通知を出しても、この十年余りの間、ほとんど効果が上がっていないということは一目瞭然なんだろうと。
 この点、現場に対応を丸投げして、通知を出したからやってくださいねというのがこの間の文科省のやり方だと思いますけれども、これでは、成果といいますか結果がもう出ていない、もはや限界だということを示しているんじゃないかというふうにも思います。
 加えて、給特法の存在によって勤務時間を把握しても仕方がない、普通の民間企業だったら、時間管理しないと超勤も含めて賃金計算できませんし、労基署からも指導を受けますが、そういう世界ではないわけですから、そういう意識が学校現場やあるいは教育委員会にも蔓延しているのではないかというふうにも思います。
 通知を幾ら出しても効果が上がらないこの原因というのは、どこにあるのかということを尋ねます。
○高橋政府参考人 文部科学省では、これまで、教員の勤務時間の適正な把握について、各教育委員会に対して取組を求めてきたところでございます。
 文科省の調査では、出退勤時刻の管理について、タイムカードや校務支援システムを活用する事例がふえてきているという実態もございます。ただ、依然として、報告や点呼、目視など、管理職が確認する方法が最も多い状況でもあります。
 労働法制上、使用者である校長や教育委員会等は教師の勤務時間を適正に把握する責務を有していますが、その意識が、各学校の管理職や教師の服務監督の市町村教育委員会等において希薄である状況もあるのではないかと考えられることから、文科省としては、引き続き、各教育委員会に勤務時間の適正な把握を促してまいります。
 先ほど二月九日の通知を申し上げましたが、これについてもしっかりと今後も定期的にフォローアップをしていくといった形で取り組んでまいりたいと考えております。
○吉川(元)委員 いや、それはだから、今までと同じことをまたよりトーンを強くして言っているだけなんじゃないんですかと私は聞いているんです。
 結果的に、そうやって、こういうふうにちゃんとやってくださいねという通知を出したとしても、さっき言ったように、給特法の問題と、それから実際の勤務が、あるいは長時間労働が全く整合していない、その矛盾の中で現場がこういう実態になっている、そのことを把握した上で、やはり私は、給特法の見直し、抜本的な見直しをしていかないとこの問題は解決しないということを最後に言わせていただきまして、質問を終わらせていただきます。
     ――――◇―――――
○冨岡委員長 次に、内閣提出、文部科学省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 趣旨の説明を聴取いたします。林文部科学大臣。
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 文部科学省設置法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
○林国務大臣 このたび政府から提出いたしました文部科学省設置法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 近年、少子高齢化やグローバル化の進展など、社会の状況が著しく変化する中で、観光や町づくり、国際交流等の幅広い関連分野との連携を視野に入れた総合的な文化政策の展開がより一層求められております。
 こうした中、昨年六月に成立した文化芸術基本法においては、文化政策と関連分野における施策との有機的な連携を図るための規定等が盛り込まれるとともに、文化に関する施策を総合的に推進するため、政府において、文化庁の機能の拡充等について検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずることが規定されたところであります。
 この法律案は、当該規定に基づき、文化庁の機能強化を図り、文化に関する施策を総合的に推進するために必要な体制の整備を行うものであります。
 次に、この法律案の内容の概要について御説明申し上げます。
 第一に、文部科学省及び文化庁の任務について、現行の文部科学省設置法においては「文化の振興」と規定されているところを、より広く「文化に関する施策の総合的な推進」等と改め、文化庁が中核となって我が国の文化行政を総合的に推進していく体制を整備することとしております。
 第二に、芸術教育に関する事務を文部科学省本省から文化庁に移管し、学校教育における人材育成からトップレベルの芸術家の育成まで、一体的な施策の展開を図ることとしております。
 第三に、博物館に関する事務について、現行では、博物館制度全体は文部科学省本省が所管し、文化庁は美術館や歴史博物館といった一部の類型の博物館のみを所管しておりますが、これらを一括して文化庁の所管とすることにより、博物館行政のさらなる振興等を図ることとしております。
 このほか、所要の規定の整備を行うこととしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、十分御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
○冨岡委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後三時三十三分散会