第196回国会 経済産業委員会 第15号
平成三十年五月三十日(水曜日)
    午前十時開議
 出席委員
   委員長 稲津  久君
   理事 城内  実君 理事 平  将明君
   理事 辻  清人君 理事 冨樫 博之君
   理事 松本 洋平君 理事 吉川 貴盛君
   理事 落合 貴之君 理事 浅野  哲君
   理事 富田 茂之君
      穴見 陽一君    石川 昭政君
      上野 宏史君    尾身 朝子君
      大串 正樹君    大見  正君
      岡下 昌平君    勝俣 孝明君
      神山 佐市君    神田  裕君
      木村 哲也君    小寺 裕雄君
      小林 鷹之君    佐々木 紀君
      佐藤ゆかり君    田畑  毅君
      穂坂  泰君    星野 剛士君
      三原 朝彦君    八木 哲也君
      岡本あき子君    高木錬太郎君
      中谷 一馬君    長尾 秀樹君
      松平 浩一君    山崎  誠君
      吉良 州司君    斉木 武志君
      山岡 達丸君    國重  徹君
      田嶋  要君    笠井  亮君
      谷畑  孝君    菊田真紀子君
    …………………………………
   経済産業大臣       世耕 弘成君
   外務副大臣        中根 一幸君
   経済産業副大臣      西銘恒三郎君
   経済産業大臣政務官    大串 正樹君
   政府特別補佐人
   (原子力規制委員会委員長)            更田 豊志君
   政府参考人
   (内閣官房日本経済再生総合事務局次長)      宇野 雅夫君
   政府参考人
   (公正取引委員会事務総局官房総括審議官)     南部 利之君
   政府参考人
   (外務省大臣官房審議官) 川村 博司君
   政府参考人
   (財務省大臣官房審議官) 岸本  浩君
   政府参考人
   (文部科学省生涯学習政策局生涯学習総括官)    塩見みづ枝君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           井上  真君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           小林 洋司君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           成田 裕紀君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房審議官)           中石 斉孝君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房審議官)           木村  聡君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房審議官)           中川  勉君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房審議官)           上田 洋二君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房審議官)           前田 泰宏君
   政府参考人
   (経済産業省経済産業政策局長)          糟谷 敏秀君
   政府参考人
   (経済産業省製造産業局長)            多田 明弘君
   政府参考人
   (資源エネルギー庁長官官房資源エネルギー政策統括調整官)         小澤 典明君
   政府参考人
   (資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長)            高科  淳君
   政府参考人
   (資源エネルギー庁電力・ガス事業部長)      村瀬 佳史君
   政府参考人
   (中小企業庁次長)    吉野 恭司君
   政府参考人
   (中小企業庁経営支援部長)            高島 竜祐君
   経済産業委員会専門員   佐野圭以子君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月三十日
 辞任         補欠選任
  穴見 陽一君     木村 哲也君
  田畑  毅君     小寺 裕雄君
  中谷 一馬君     岡本あき子君
同日
 辞任         補欠選任
  木村 哲也君     穴見 陽一君
  小寺 裕雄君     田畑  毅君
  岡本あき子君     高木錬太郎君
同日
 辞任         補欠選任
  高木錬太郎君     長尾 秀樹君
同日
 辞任         補欠選任
  長尾 秀樹君     中谷 一馬君
同日
 理事松本洋平君同日理事辞任につき、その補欠として吉川貴盛君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
五月二十九日
 特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第四一号)
同月二十八日
 小規模事業者に対する社会保険料負担軽減支援策等に関する請願(塩川鉄也君紹介)(第一二八九号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 理事の辞任及び補欠選任
 政府参考人出頭要求に関する件
 特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第四一号)
 経済産業の基本施策に関する件
 私的独占の禁止及び公正取引に関する件
     ――――◇―――――
○稲津委員長 これより会議を開きます。
 理事辞任の件についてお諮りいたします。
 理事松本洋平君から、理事辞任の申出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○稲津委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 引き続き、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。
 ただいまの理事辞任に伴う補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○稲津委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 それでは、理事に吉川貴盛君を指名いたします。
     ――――◇―――――
○稲津委員長 経済産業の基本施策に関する件並びに私的独占の禁止及び公正取引に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 両件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房日本経済再生総合事務局次長宇野雅夫君、公正取引委員会事務総局官房総括審議官南部利之君、外務省大臣官房審議官川村博司君、財務省大臣官房審議官岸本浩君、文部科学省生涯学習政策局生涯学習総括官塩見みづ枝君、厚生労働省大臣官房審議官井上真君、厚生労働省大臣官房審議官小林洋司君、厚生労働省大臣官房審議官成田裕紀君、経済産業省大臣官房審議官中石斉孝君、経済産業省大臣官房審議官木村聡君、経済産業省大臣官房審議官中川勉君、経済産業省大臣官房審議官上田洋二君、経済産業省大臣官房審議官前田泰宏君、経済産業省経済産業政策局長糟谷敏秀君、経済産業省製造産業局長多田明弘君、資源エネルギー庁長官官房資源エネルギー政策統括調整官小澤典明君、資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長高科淳君、資源エネルギー庁電力・ガス事業部長村瀬佳史君、中小企業庁次長吉野恭司君及び中小企業庁経営支援部長高島竜祐君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○稲津委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○稲津委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。佐藤ゆかり君。
○佐藤(ゆ)委員 おはようございます。自由民主党の佐藤ゆかりでございます。
 世耕大臣、今週の日曜日にお戻りになられましたロシアへの御出張、お疲れさまでございました。
 さて、きょうは一般質疑でございますので、アメリカの最近の輸入制限措置、鉄鋼、アルミ、加えて自動車も出てまいりましたけれども、この問題について、既にこの委員会ではせんだって質問がるる上がっておりましたけれども、時間も経過いたしましたので、その後の経過の確認も含めて質問させていただきたいというふうに思います。
 さて、事実関係を整理いたしますと、まず、三月八日、アメリカのトランプ大統領は、米国通商拡大法第二百三十二条に基づく安全保障上の理由から、鉄鋼とアルミニウムの対米輸入制限措置を決定、そして、三月二十三日から鉄鋼は二五%、アルミは一〇%の関税賦課を適用開始したということでございます。
 対象国は、本来は、WTO協定は、加盟国に対して条件交渉というのは一括で行って、そして、条件というのは一括受諾方式というものを採用しておりますので、基本的に相手国によって異なる条件を出すということはないわけでございますけれども、しかしながら、今般、アメリカの措置では、アメリカは国別に待遇を変えて、そして、韓国については鉄鋼のみ関税を除外、そして、アルゼンチン、ブラジル、オーストラリアは暫定的除外を無期限の延長、そして、カナダ、メキシコ、EUは六月一日まで暫定的除外、要するに、六月一日にその後についての判断が出されるということでありまして、一方、日本については今回は全く除外されないというふうに、国の命運が分かれる結果となったわけでございます。
 各国の反応につきましても、最も早い反応は中国でございまして、四月二日にセーフガード協定上のリバランス措置、いわゆるセーフガードが発令されたときに対抗措置をとってよいということがWTOの協定上認められているわけでございますが、この対抗措置として、中国は、百二十八品目の追加関税措置を開始するということを決定とともに、四月五日にはWTOに提訴もしております。
 そして、おくれて五月十八日、我が国日本も、対抗措置として、日本の場合には、品目のリストの公表なしに、アメリカで輸入制限を受ける日本の関税の負担額と同等の金額を、関税金額のみWTOに通報をしたという形で通報しております。ロシアも金額のみの通報。
 一方で、EUとインド、トルコは、金額の通報に加えて、品目リストもともにWTOに通報をしたということでございます。
 各国の対応もここで分かれたということでございます。
 そこで、確認をさせていただきたいのですが、今般のアメリカの鉄鋼、アルミ、関税引上げにおいて、アメリカが対象にし得る、想定し得る日本の対象品目と関税の被害額について、現時点での政府見解を確認させていただきたいと思います。
○中川政府参考人 お答え申し上げます。
 現在、日本から米国への鉄鋼の輸出額は、二〇一七年ベースで千八百五十五億円、日本から米国へのアルミの輸出額は、二〇一七年ベースで二百五十億円となってございます。
○佐藤(ゆ)委員 アルミ額ではなくて、対象となった関税の額、負担額についてお答えいただけますか。
○中川政府参考人 お答え申し上げます。
 総額で四・四億ドルということになってございます。
○佐藤(ゆ)委員 一応、通告はしておりましたので。
 整理しますと、これは日本円の金額で約五百億円弱の関税の負担額になるということだと理解をいたしております。
 想定される日本の対象品目は、そうすると、今のところ見解がないということで間違いないでしょうか。
○中川政府参考人 御指摘のとおりだと思います。
○佐藤(ゆ)委員 今調査中ということでありますので、今後そういったインディケーションが何らかの形で出てくるものかというふうに思われるわけでありますが、一応、事実確認を先に進めたいと思います。
 今回、当事国によっては、先ほど申しましたように、例えばEUなどは、WTO通報の中で、対抗措置として、この品目についてアメリカの製品に対して関税を引き上げるよという品目リストも公表しているわけでございます。
 一方、日本は金額のみの通報にとどめたわけでございますが、これは、日本政府として、戦略的に何か方針があって、金額にとどめているということなんでしょうか。そのことも含めて、今後の日本政府が予定しているWTOの措置の申立てや手続の、ある意味ターゲットについて、経産省若しくは外務省に確認をしたいと思います。
○中川政府参考人 今回、五月十八日にWTOに対して行いましたものは、今後の対応について検討するということにつきまして、まさに日米関係の貿易上の権利義務関係を調整するための、いわゆるリバランス措置の権利を留保するという趣旨で通報を行ったものでございます。
○佐藤(ゆ)委員 余り明確にはお答えいただいておりませんが、リバランスの権利を留保するということにとどめて、いわゆる踏み込んで品目リストまで出していない何か理由というのは特段あるんでしょうか。
○世耕国務大臣 それは、日米の関係を総合的に判断をしてということであります。
 今回の二百三十二条、鉄鋼、アルミに関しては、我々は、正々堂々と正門からアメリカに対して、こういう措置を日本を除外しないというのはおかしいということを、しっかりとこれは首脳レベルでも閣僚レベルでも正々堂々と訴えていく、そういう方針で対応しているところでございます。
○佐藤(ゆ)委員 大臣、ありがとうございます。
 そうすると、引き続きそういった対話路線で交渉を続けるということも含めてということだと理解をいたすわけであります。
 この対話路線で、実際に日本が対抗措置を実施に移さないという事例は過去にもありまして、二〇〇二年にもアメリカは実際に鉄鋼の輸入制限措置を日本に対して実施をしたわけでありますけれども、二〇〇二年のときにも、日本政府はリバランス措置をWTOには通報はしております。しかしながら、実際にこのリバランス措置、いわゆる対抗措置を実施には移していないということでありまして、通報にとどめているんですね。
 そして、その間にWTOの裁定を待って、結局、裁定では、これはWTO違反だという裁定が出て、アメリカが措置を撤回したという経緯があるわけでございまして、その間の交渉を日本としては大切にしたのであろうというふうに考えるわけでありますが、こうした日本政府の考え方というのは、当時、二〇〇二年の対応の仕方、これで間違いありませんでしょうか。外務副大臣、お願いします。
○中根副大臣 ありがとうございます。
 先ほど佐藤委員が御指摘のとおり、二〇〇二年の米国による鉄鋼製品を対象としたセーフガードの措置につきまして、我が国は、WTOセーフガード協定に基づき、米国の措置と実質的に同価値となるように、対象金額、対象品目、そして関税引上げ率等を定め、関税譲許停止措置について二〇〇二年の五月の十七日にWTO物品理事会へ通報したわけであります。
 その後、同年八月三十日に、米国による広範な製品別除外の決定等を勘案しまして、WTO紛争解決手続の結論が出るまでの間、実際に関税を引き上げないことといたしました。
 その後、先ほどお話がありましたとおり、二〇〇三年十一月の上級委員会の報告を受けて、同年十二月五日に米国は当該セーフガード措置を撤廃したことから、我が国は関税譲許停止に関する政令を廃止したということがございます。
○佐藤(ゆ)委員 二〇〇二年に鉄鋼の問題が起き、そしてまた今回、鉄鋼の輸入制限措置、鉄鋼とアルミですけれども、発令がなされた。そしてさらに、今、自動車についてもアメリカは調査中であるということであります。
 トランプ政権は、これまでのアメリカの政権と少し貿易に対する考え方、立ち位置が違うということはよく報道されているとおりでございまして、そういう意味では、保護主義的なトランプ政権の姿勢については、例えば、最近では、IMFのラガルド専務理事も警告を発しているということもあり、さまざま国際世論からも声が上がっているというのは現実でございます。
 特に、今後、たらればの話をするつもりはありませんが、しかし、私どもは政策として、やはり経済の被害が出る前に、何をなすべきかというシミュレーションはしておかなければいけないという意味できょうは質問させていただきたいんです。
 そうしますと、やはり、自動車分野ですけれども、自動車が今後、輸入制限措置として実際に対日に実現をしてくるとなりますと、これは日本の中小企業、自動車メーカーの下請、孫請を含めて、中小企業に対して相当な経済的影響が波及してくるであろうということは懸念をされるわけでございます。
 そこで、WTOの裁定が出るまでの間、発生し得るこういった多大な経済ダメージを考えれば、仮に、今回、鉄鋼、アルミだけでなくて自動車も決定されれば、これは国内中小企業を通じて、国内の雇用問題のみならず、自動車というのはやはり、部品点数も多く、海外にも日本企業の場合には部品生産のサプライチェーンも持っているわけでありますから、多大な影響が及びかねないわけでございますが、この点、やはり今回、自動車に発令が成るということになれば、このリバランス措置について、実際に実施をするという方向も含めて、大臣、いかがお考えでしょうか。
○世耕国務大臣 まだ、これは調査に入るということを言っているだけであります。
 税率も一部二五%と報道されていますが、税率もまだ、はっきり言ってどういうことになるかも全くわからない状況でありますので、まずは、よくアメリカの動向は注視したいというふうに思います。
 ただ一方で、万が一、仮にも自動車が追加関税の対象になるというようなことになった場合は、これは我が国だけではなくて、自動車というのは世界的に大きな市場があるわけでありますから、この市場に大混乱をもたらすことになるというふうに思っておりまして、これはもう大変、万が一発動された場合は、遺憾なことだというふうに思っております。
 日本の場合、対米のいわゆる自動車の輸出という意味でいくと、四兆五千億円という非常に巨額な輸出を行っております。それに部品などを足すともっとふえるわけでありますけれども、それは非常に影響の大きい分野ですから、我々もいろいろと準備はしておりますけれども、まだアメリカの動向が調査という段階では、我々がどういう対応を考えているかとかそういったことについては、現時点ではコメントは控えさせていただきたいと思います。
○佐藤(ゆ)委員 今、アメリカとは安全保障上のさまざまな関係が展開しているわけでございまして、北朝鮮の問題もあります、日本は実質的にはアメリカの核の傘下の中で守られているというような状況もあります中で、日本としての発言権の問題、これは歴史的にそういうものがあるんだろうと思いますし、さまざまな安保上の問題が経済関係においても影響がないと言えば、それは正しくないというふうに思うわけでございます。
 ただ、こういった問題は、やはりそれは若干切り離して、今の局面ではきちっと、外交安保は外交安保、そして経済は経済ということで切り離して、あるときには毅然とした態度というものが、世界貿易を守る日本だという意味でも、非常に望ましいことではないかなということは私の考えとして申し述べておきたいというふうに思います。
 さて、それで、今回の鉄鋼の話に戻りますけれども、各国で少し差別的扱いがあるということで、韓国の扱いでございます。
 先ほど申しましたように、韓国は関税措置から除外をされております。ただ一方で、数量制限は課されたということで、いわゆるクオータは課されたということでございます。クオータは、近年の韓国の鉄鋼製品の対米の平均輸入量の七〇%を輸入上限に定めたということであります。
 WTOのセーフガード協定では、そもそも関税措置による緊急輸入制限はセーフガードとして認めておりますけれども、しかしながら、数量制限などの関税措置以外の手法というのは原則認めていないわけでありまして、ここで韓国だけクオータをアメリカが差別的措置として導入するというのは、私どもの、いわゆるほかの諸外国の間での公正な貿易環境の確保にとってみれば、いささか有害な手段ではないかなというふうに思われるわけでございます。
 どういうふうに有害かということをちょっと申し述べたいと思いますけれども、韓国で対象となる鉄鋼企業、七〇%までの上限だと言われれば、当然これは数量が減るわけでありますから、韓国企業だって黙って見ているわけではないですね、死活問題になります。ということは、収益の保全措置として、数量は減るけれども、しかしながら、では何をしてくるだろうかというと、アメリカの国内市場において、他国の、日本の製品も含めて、鉄鋼が関税二五%かけられて、国内流通価格は二五%上がるということになれば、その上がった二五%の上積みの範囲内でちょこっとそれよりも価格を、値段を下げれば、韓国製品は外国製品と比べて価格交渉力は持ってくるわけであります。
 ですから、関税はかけられない韓国製品でありますけれども、ほかの関税をかけられた二五%の単価より若干下げるまで便乗値上げをして、そして数量は減るけれども、便乗値上げによる単価引上げによって収益を保全する、若しくは収益増大を図る、こういった行為は、恐らく必ずや韓国企業のリアクションとして出てくるであろうというふうに想定されるわけでございます。
 そうしますと、これは金額ベースで韓国の鉄鋼の対米輸入量というのは壮大なものがありますので、七割上限でもかなりの輸入量になるわけでございますが、そうすると、各国との相対比較において、価格を若干二五%アップより下に下げて価格交渉力を維持しながら、金額シェア、マーケットシェアを拡大させるということは相対的には可能になりまして、これは極めて、諸外国の、戦っている外国の製品からすれば非常に不公正な競争環境を導入するようなアメリカの措置ではないかなというふうに思われるわけであります。
 ですから、こういうところからして、仮にこれが自動車にも、関税引上げの対象となる対象国と関税引上げの除外国と、アメリカがこのように差別的な待遇を導入してくるということに万が一なれば、これは世界の自動車市場で、この国の部品は関税の対象になる、そうしたら、違う関税の対象除外国の製品にサプライチェーンとして回した方が有利ではないかとか、さまざま、海外の部品メーカーにおいても、サプライチェーンの仕入れ供給関係を、構造的に構成が変わってくるような、非常にいびつな競争関係を導入しかねない、このクオータと関税の入りまじった差別待遇になるというふうに私は非常に危惧をするわけであります。
 ですので、外務副大臣にお伺いしたいと思いますが、本来、WTOの協定というのは、全者条件を、一括して同じ条件でみんなでやっていきましょうというのがWTOのすばらしい理念であるわけであります。このアメリカの、あくまでも各国によって個別ディールに持ち込んで、アメリカの思惑を、意思疎通を通したいというような手法、こうしたことによる差別待遇というのは、明らかにこれはWTO違反であるということを、日本としても、世界貿易を、自由で公正な競争環境を維持するという観点に日本が立つならば、厳重にこれはWTOにクレームを出すべきだと思いますが、いかがお考えでしょうか。
○中根副大臣 ありがとうございます。
 ルールに基づく多角的貿易体制を重視する我が国として、いかなる貿易上の措置もWTO協定と整合的であるべきだと考えております。
 米国の鉄鋼及びアルミニウムに関する広範な貿易制限措置は、先ほど委員がおっしゃったように、世界市場を混乱させ、WTOルールに基づく多角的貿易体制にも非常に悪影響を及ぼしかねないものであり、極めて遺憾であります。こうした日本の基本的立場については、安倍総理がトランプ大統領にも申し上げているところでございます。
 我が国としては、輸出自主規制や輸入割当てを含め、いかなる形態の輸入制限についても受け入れるつもりはありません。
 日本の鉄鋼、アルミ製品は、高品質で代替できないものが多く、米国の産業や雇用にも多様な貢献をしております。こうした点を踏まえながら、今後ともしっかりと対応していきたいと思っております。
○佐藤(ゆ)委員 日本は、あくまで自由貿易を擁護する、自由競争、公正なる世界貿易競争環境を擁護する立場で、日本の立ち位置、そして新興諸国への訴え力、こういうものを外交力としてもぜひ維持をしていっていただきたいというふうにお願いを申し上げたいと思います。
 さて、今回、このセーフガードの措置でございますが、実際に、鉄鋼とアルミについても、そういう意味では、今回はやはり、トランプさん、ちょっと逸脱していませんかということで、日本としても対抗措置を導入するべきである、実際実施に移すべきである、関税の引上げでございますけれども、私は個人的にはそういう考え方に立っております。
 仮にですけれども、これもやはり政策論として、実施するしないにかかわらず、こういった仕組みでやっていこうということは、常日ごろ、私たちは、立法府としても、行政の皆様にもお考えいただかなきゃいけないと思いますので、あえて質問の議題に取り上げたいのでございますが、今回、WTOのセーフガード協定で、仮に日本が鉄鋼やアルミに対する対抗措置として実際に関税引上げを、同等レベル、五百億円弱規模の関税引上げを実施に移すということになりますと、対抗措置によって関税の税収は生まれてくるということでございます。
 そこで、財務省に、ちょっと確認だけ、念のためですけれども、皆さんの前で確認をさせていただきたいんですが、こうしたリバランス措置、いわゆる対抗措置の実施によって生まれた関税の税収、これは当然国の歳入に入るわけでございますが、これは一般財源に組み入れられるという理解で、当然、間違いございませんでしょうか。
○岸本政府参考人 お答えいたします。
 御指摘のいわゆるリバランス措置による関税増収分につきましては、他の関税収入と同様でございまして、国庫に入り、一般会計の歳入となるものでございます。
○佐藤(ゆ)委員 当然、一般会計の歳入に入るということでございますが、そこで、世耕大臣にお考えをお伺いしたいんですけれども、当然、リバランス措置のもともとの考え方というのは、輸入制限措置などを受けて関税の負担が強いられる、それに対する補償の措置として対抗措置をしていいよ、認めますよというWTOの考え方がございまして、あくまでこれは補償の措置としてやっていいよと。
 すなわち、例えば自動車なんかで、自動車部品メーカーの中小企業が非常に裾野が広い。これから関税措置で例えば影響をこうむるというような場合になれば、私どもは、必ずや、中小企業対策をどうするかという話を国会でしなければならなくなるわけでございます。そうしたときに、一般的な中小企業対策、雇用対策で、じゃ、雇用を維持してくれれば一〇%戻しますよとか、通常の厚労省の関係の対策でやれば、幅広に中小企業対策で、今回被害を受けない企業まで対象になってしまう。ある意味、財源のばらまきになるわけですね。
 ですから、そういう意味では、この関税で得た、対抗措置で得た関税の税収を、むしろ対象を絞って、これは補償の意味の対抗措置でありますから、被害を受けた中小企業に対象を絞って、業種に対象を絞って、予算措置として、これを中小企業対策に使うとか、そういう形で、少し予算のめり張り、あるいはより効率的にする考え方というのは、世耕大臣、いかがお考えでしょうか。
○世耕国務大臣 制度論としては、今財務省が答弁したとおり、リバランス措置を講じて関税の増収があった場合は、それは一般会計歳入として扱われる。ということは、もうそこから先はお金には色はついていないということになるわけであります。
 制度論としてはそうですけれども、政策論として、日本の産業界が外国政府による一方的な措置によって影響、被害を受けた場合には、当然、産業競争力強化の観点からどういった政策を講じていくかということは、政府としてしっかりと検討をしなければいけない。それこそがまさに、中小企業も含めて、政府の責務だというふうに考えております。
○佐藤(ゆ)委員 この予算が、関税税収が、色のついていないお金でありますから、それこそ中小企業対策から社会保障まで、いろいろな使途があるわけでございますけれども、ぜひ、これがばらまきにならないように、やはり被害を受けた業種にきちっとピンポイントで絞られていくような、そういう予算編成というものも考えるべきではないかと改めて強調させていただきたいと思います。
 最後になりますけれども、少し話題をかえまして、日本とアルゼンチンの通商関係についてお伺いしたいと思います。
 ことしは、日本とアルゼンチンの通商条約締結の百二十周年に当たるわけでありまして、ことしの七月には、いよいよアルゼンチンのパタゴニア地域に限って牛肉と羊が日本に輸入が解禁になる、同時に、日本の和牛も、いよいよアルゼンチンに上陸する、解禁になる、記念すべき年でございます。
 そういう意味で、期待も高まっているわけでございまして、実際、こうした日・アルゼンチン通商の活性化というのは、三年前にアルゼンチンで始まりましたマクリ政権以来、自由貿易が促進されて、日本との関係もようやく活発化してきた状況でございます。
 しかしながら、残念ながら、まだ日本とアルゼンチンは投資協定も締結をしておりません。したがいまして、日本の企業も、アルゼンチンの資源や農産物に大変関心は高いんですけれども、いざ投資判断をするかどうかになると、状況見定めで様子見をしているような、非常に残念な状況があるわけでございます。
 ただ一方で、アルゼンチンの資源を見てみますと、シェールガスの回収可能量は世界第二位、シェールオイルも第四位、リチウムは生産量、埋蔵量ともに世界第三位という非常に資源大国であります。
 特にリチウムについて、これは次世代自動車だとか、あるいはモバイル機器にリチウムイオン電池というのは必要不可欠な部材でございますから、これからリチウムに対する需要というのは、一本調子にまだまだ上がっていくということが言えます。
 アルゼンチンからの日本のリチウム輸入は、日本の全体の輸入の一三%、第二位を占めております。第一位はチリ産の八一%。ですから、要するに、日本がこれからアルゼンチンにどう経済協力できるかというときに、アルゼンチンは、残念ながら、日本にリチウムを持っていくときに、チリを横断して太平洋に出なければいけないという、このインフラ整備の課題がいまだあるわけでございます。
 ただ、チリ産のリチウムが日本の輸入の八一%シェアを占めるというわけでありますから、やはり地域的に、アルゼンチン産と、これはインフラ整備をして持ってくれば、輸送手段としても非常に効率がなお一層高まってくると思われますが、日本の今後のアルゼンチンに対する投資協力、経済協力について、世耕大臣、今後どういうものが考えられるか、お答えをお願いします。
○世耕国務大臣 私も、官房副長官時代を含めて、また経産大臣になってからも、アルゼンチン訪問をしております。特に、現政権は、非常に安定的な環境の中、積極的に今、経済の開放、改革を進めているということで、もともと南米の大国でありますから、この国との関係というのは非常に重要だというふうに思っています。
 委員御指摘のとおり、これから電気自動車の普及が進んでいく中で、リチウムなどの資源確保は非常に重要だというふうに思っていまして、JOGMECでは、開発の出資ですとか、あるいは債務保証といった面で、民間企業の支援を行っているところであります。また、アルゼンチンとの間では、官民ミッションですとかセミナーの派遣を行って、いろいろな連携も進めているところであります。
 また、今御指摘のチリへのルートについても、今アルゼンチン側で検討を行っておりまして、具体的にプランとかが決まってくれば、どうやって日本として関与していくかということもしっかりと考えてまいりたいというふうに思っております。
 また、アルゼンチンは当然農業大国でもあります。私も行ったら、大変、もちろんワインはおいしいですし、牛肉もすごくおいしくて、これは、向こう側はやはり農産品ということに関して期待があるんだろうというふうに思いますが、今後とも、我々の観点からはやはり、資源外交という点でアルゼンチンとの関係強化に努めてまいりたいと思っております。
○佐藤(ゆ)委員 ありがとうございました。
 ぜひアルゼンチンとのパイプ強化を、経産省としてもお進めいただきたいと思います。
 これで私の質疑を終わらせていただきます。
○稲津委員長 次に、石川昭政君。
○石川(昭)委員 おはようございます。自由民主党の石川昭政でございます。
 去る二十五日、世耕大臣は、安倍総理に同行しましてロシアの方に行かれた。そこで二十一回目の首脳会談が行われたということでございます。その中で、日ロ経済協力についてもかなり進展があったというふうに承知をしております。
 私、大臣のツイッターのフォロワーでございまして、大臣のツイッターで、秋田犬のマサルの贈呈をしたときのその場のニュースを拝見しましたし、日本国内でも、ザギトワ選手がだっこして、贈呈を受けて喜んでいる姿が非常に印象的だったわけでございます。こういったニュースが、両国間の友好関係の醸成に大きく貢献してくれるんではないかなというふうに期待をしているところでございます。
 さて、一方、欧米諸国は、ロシアに対しまして、クリミアの併合を非難する形で経済制裁を今実施しているところです。欧米とロシアの緊張関係が続いている中で、ロシアにとって、西側、欧米側、ヨーロッパ側がだめなら、東側の中国や日本に経済的な活路を見出そうというふうに考えるのは自明なことであろうと私は思います。ロシア政府は、報道によりますと、日本からの大型投資案件を期待しているということも言われているところです。
 そこで、大臣にお伺いしますけれども、我が国とロシア両国政府で今進められている日ロの共同経済協力、これは、米国、EUの経済制裁とは別枠というような形で進めているということで考えてよろしいかどうか、その認識をお伺いします。
○世耕国務大臣 アメリカやEUの対ロシア制裁をめぐる動向については、特にこの四月にアメリカが追加制裁措置も行っているわけでありまして、そういった中で、当然、我が国企業にも影響が出てくるということで、強い関心を持ってフォローをしております。
 もちろん、我々はやはりG7の連帯は乱さない、ここは非常に重要なわけであります。しかし一方で、日本にとっては、アメリカやヨーロッパが抱えていないロシアとの平和条約問題という大変大きな固有の課題もあるわけであります。
 そして、その関連で我々はロシア経済分野協力というのを今進めているわけでありまして、いずれにしても、この経済分野協力については、G7の連帯は乱さないという大前提、それを踏まえながら、一方でロシアとの関係をしっかり進めることによって我が国の国益を達成する、この考え方で臨んでいきたいというふうに思っておりますし、現在進行中のプロジェクトは全てその考えに基づいて行われているところでございます。
○石川(昭)委員 ありがとうございます。
 まさにG7との連帯も非常に私も気がかりで重要な点だと思いますので、そこをまず最初に確認をさせていただきました。
 我が国とロシアでの経済協力は、今ツートラックで進んでいるというふうに理解をしております。一つは、先ほど大臣もおっしゃった、広範な経済協力と北方四島における共同経済活動ということでございます。
 お聞きしたいのは、イチゴの栽培、あるいはウニの養殖事業、それからツアーの開発等、五つの分野の事業を前に進めましょうという合意がこれからなされるようでございます。一方で、その事業者にとっては、収益性がなければ容易に進出することができないのではないかと思います。
 今、北方四島の住民は一・六万人でございまして、労働力の確保であるとかマーケット、そういった採算性、将来性ある事業になるのかどうか、このあたりの展望をお伺いします。
○世耕国務大臣 それは、これから北方四島における共同経済活動の具体的内容が決まっていく中で詰まっていく問題なんだろうというふうに思います。
 私が主に担当している八項目の協力プランと、そして北方四島における共同経済活動の一番大きな違いは、やはり四島における共同経済活動に関しては我が国の法的立場を害することがあってはいけないということで、その点について、詳細は控えますけれども、いろいろな形で、特に外務省事務方を中心に今鋭意交渉が行われているんだというふうに思っています。
 今回の首脳会談では、ビジネスミッションを派遣する、それも、何となくばっと行って視察するのではなくて、本当に具体的に案件を担当することになる人たちがビジネスミッションとして現地に入る、プロジェクトの具体化に向けた新たな段階の作業に今本格的に乗り出すことになっているわけであります。
 そういう意味で、そういったビジネスミッションの派遣などの中で採算性とかいったことについて検討が行われていくのではないかというふうに思っています。
○石川(昭)委員 ありがとうございます。
 そういったビジネスミッションを派遣する中で、やはり重要なのは、どちらの法律に基づいてこういった経済活動が行われるか、いわゆる主権の問題が大きな壁になるというふうに承知をしております。
 現時点では、まだ方向性あるいは合意したものはないかと思いますけれども、本来、この共同経済活動に、どういう立場で法律を適用する、どうあるべきかですね、これについて今の考えをお聞かせいただきたいと思います。
○川村政府参考人 お答え申し上げます。
 共同経済活動は、双方の法的立場を害することなく実施される必要がございます。
 先般、五月二十六日の日ロ首脳会談におきまして、プロジェクトを実現するための法的な枠組みをどうするか、そういった話についても言及がございました。ただ、ロシア側との関係もございますし、また、現時点で我が国の手のうちを明かすことにもなりますので、我が国での検討状況も含め、現時点で詳細をお答えすることは差し控えたいというふうに考えております。
 ただ、いずれにせよ、長門での合意に基づき、日ロ双方の法的立場を害さないというのを大前提に、プロジェクトの実現に向けて鋭意取り組んでまいりたいと考えております。
○石川(昭)委員 この法的立場を害さないという、非常に難しい交渉になるかと思いますけれども、これがいわゆる北方四島の日本への返還にどうつなげていくかというのにも直接リンクする話になってきております。
 我が国の悲願であります北方領土の返還に今回の経済共同活動をどのように結びつけていくかという全体的な方向性、方針、これについてお伺いします。
○川村政府参考人 お答え申し上げます。
 二〇一六年十二月の日ロ首脳会談におきまして、安倍総理とプーチン大統領は、平和条約問題を解決するみずからの真摯な決意、これを表明するとともに、北方四島において双方の法的立場を害することのない形で共同経済活動を実施するための交渉を開始することで合意をいたしました。
 共同経済活動の実現に向けた取組を通じまして、日ロがともに北方四島の未来像を描き、その中から双方が受入れ可能な解決策を見出していくという未来志向の発想、これによりまして、北方領土問題の解決、そして平和条約の締結にたどり着くことができるというふうに考えております。
 政府といたしましては、北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結するという基本方針に基づき、引き続きロシア側との交渉に粘り強く取り組んでいく考えでございます。
○石川(昭)委員 大変難しい交渉になっていくだろうと思っております。世耕大臣も大変難しい立場で交渉を続けていただいていると、もちろん我々も承知をしておりますし、応援もしていきたいと思っているところでございます。
 やはり、冒頭申し上げた秋田犬というのは、調べますと、非常におとなしくて、従順で、忠誠心に厚い、そういうところがロシア人にとって非常に人気だというふうにも言われているわけでございますけれども、この交渉に関しては、もし追い込まれて、差し込まれたときには、かみつくような勢いで、ぜひ世耕大臣にも交渉に当たっていただきたいと思います。
 それについてのもし意見がありましたら、お願いします。
○世耕国務大臣 やはり、外交というのは押したり引いたりがあるというふうに思っています。
 秋田犬については、これはもともと秋田県知事がプーチン大統領にプレゼントして、そしてプーチン大統領がそれをすごくかわいがって、秋田犬が決して優しいとは、私も子供のころ飼っていたことがあるんですが、なかなか強い、自信満々の犬だと。だから、逆にキャンキャンほえないというところがあるんだろうというふうに思いますけれども、そういったところから、犬を通じて日ロの心理的な友好関係が進んでいくというのはいいことだと思います。
 私の一番の仕事は、やはり八項目の協力プラン。これが、もちろん、日本人ももちろんですが、ロシア国民にとって裨益するんだということをしっかりロシア国民に理解をしてもらう。これはよく誤解されるんですが、お金だけ取られるんじゃないかとか、いろいろなことを言われます。ロシアはODA対象国ではありませんから、お金を上げることはできません。今回、八項目の協力プランというのは、基本的に民間プロジェクトです。ロシア側もいろいろな形で出資とか参画という形でお金も出していますし、日本側が、日本企業が参画する場合も、かなり受注とかそういった形での参画ということになるわけです。
 八項目の協力プランは、普通ですとエネルギーが先頭に来るんです、規模からいうと。だけれども、あえて健康、医療、そして都市環境の整備というのを一番、二番に持ってきている。これは、このことによって、日ロが協力をすればロシア人の生活がすごくよくなるんだということをしっかりロシア国民に訴えかけていくことが重要だと思っています。
 プーチン大統領が、この間、大統領選が終わった後に、一種、施政方針演説みたいなことをやりました。この項目がまた見事に我々の提案している八項目の協力プランとぴたっと合う。だから、この辺は非常に、日ロの協力関係というのは、今いいモードに入っているんだろうというふうに思う。
 私は、ここの分野をもっともっと進めることによって、平和条約締結へ向けての日ロ国民の大きな心理的土台を築いていくことが極めて重要だというふうに考えています。
○石川(昭)委員 ありがとうございます。
 これまでにない取組、民間プロジェクトを主体にして、相手側にも投資を求めながら、日本が、一方的ではなく、相手の事業体と一緒になって行うという、これは今までと違ったやり方だと思いますし、そういったやり方を通じて日ロ両国の関係がより良好に転んでいくように、ぜひここは我々も後押しをしていきたいと思っております。
 次に、先ほど佐藤委員からも詳しく、質疑に立たれておりましたけれども、米国による輸入自動車の追加関税の問題について、やはり国民の皆様も大変心配をしているところでございますので、私も触れさせていただきたいと思います。
 米国の通商拡大法二百三十二条の、国家安全保障上の脅威を理由として追加関税を検討しているということが公表されたところでございます。
 そもそも、我が国と米国において、いかなる国家安全保障上の脅威が存在するのかと素朴に疑問として思うわけですけれども、これについて、現時点の見解をお伺いします。
○中川政府参考人 お答え申し上げます。
 二百三十二条に基づく調査というのは、まさに開始されたばかりでございまして、米国側の詳細な考え方等については明らかになっておりませんけれども、日本といたしましては、同盟国である日本からの自動車及び自動車部品の輸出が米国の安全保障に悪影響を及ぼすといったことはない、むしろ、日本の自動車メーカーは、米国内で非常に良質な雇用を生んでおりまして、米国経済に多大な貢献をしているというのが日本の認識でございます。
○石川(昭)委員 まさにそのとおりなんですね。総理も、国会の答弁で、日本の自動車メーカーは米国で良質な雇用を生んでおり、今後の動きを注視するとも答弁をしております。
 そこで、先ほどの質問にも関連しますけれども、我が国の自動車メーカーが受ける影響、それとともに日本経済が受ける影響というのは、これは甚だ甚大だと私は予想しているところでございますが、先ほどの世耕大臣の答弁の中で、まだ追加関税の数値も決まっていない中で、なかなか試算ができないということでございますけれども、現時点で何か出せる数字がありましたら、お伺いします。
○上田政府参考人 お答え申し上げます。
 日本の自動車産業は、製造業の雇用の約一割に当たる約八十六万人を雇用し、製造業の出荷額の約二割に当たる約五十七兆円を出荷するなど、日本経済を支える主要産業でございます。
 また、国内で約九百七十万台の自動車を生産しておりまして、その約二割に当たる約百七十五万台を米国に輸出をしており、米国は、日本の自動車産業にとって非常に重要な市場であります。
 米国側の具体的な措置内容というのが決まっていないため、仮定の話についてお答えするということは差し控えさせていただきますが、日本企業への影響を含めまして、今後とも動向をよく注視をしていきたいというぐあいに思っております。
○石川(昭)委員 なかなか数字は出せないということですけれども、トランプさんが今までおっしゃっていたことを総合すると、米国内での雇用をふやしたい、そのために、日本企業も含めて、国内の工場への設備投資を行って雇用をふやしてほしい、こういうことになるわけですね。
 それをやりますと、対米投資が黒字化すると貿易収支が基本的に赤字化するわけでございますので、経済的にはプラマイ・ゼロになって、余り意味のないことをおっしゃっているわけでございます。
 したがいまして、こういったことを首脳会談あるいは経済閣僚会議のときに、ぜひそういった観点でもお話しいただきたいと思いますけれども、今後どのような形で米国政府に働きかけを行うおつもりなのか、お伺いします。
○世耕国務大臣 これは、鉄鋼、アルミに関してもそうだったように、正々堂々と、正面からきちっと日本の主張をぶつけていく、このことが非常に重要だ。駆け引きとか取引はしない。あくまでも全ての措置はWTO整合的であるべきであるということをきちっと訴えかけていきたいというふうに思いますし、こういうことをやることが、最終的にはアメリカ経済あるいはアメリカ国民にとってもプラスにはならないということも、しっかりお話をしていきたいというふうに思います。
 私は、きょう、この委員会、全部終わった後、夜、パリへ出発しまして、OECD閣僚会合に参加してまいります。その合間に、日米EU貿易大臣会合がもう既に設定をされております。車に関してはEUもアメリカに多く輸出をしているわけでありますので、EUともよく連携をしながら、アメリカに対してしっかりと申すべきことは申してきたいというふうに思っております。
○石川(昭)委員 ありがとうございます。
 万が一、仮に追加関税が決まった場合のこともある程度頭に置かなければならないと私たちは思うわけでございますけれども、これについての、今、現時点での政府のお考えがありましたらお伺いします。
○世耕国務大臣 もちろんいろいろと考えてはおりますけれども、それを今言うと、また手のうちを見せる、あるいは相手を刺激することになりますので、控えさせていただきたいと思います。
○石川(昭)委員 先ほどの秋田犬ではないですけれども、やるときはやるぞという勢いで、ぜひ世耕大臣に頑張っていただきたいと思います。
 さて、次に、電力の安定供給の課題についてお伺いします。
 皆さん、思い起こしていただきます。一月から二月の首都圏における記録的寒波において、東京電力の管内の電力需給はまさに綱渡り状況だったということでございます。
 その当時の電力の需給状況、具体的には、予備率、あるいはディマンドレスポンスの発動、電力の融通、不足インバランスの発生等、このあたりをどのように分析をされているか。あわせまして、停電の回避のためにどのように対処したのか、そして、今回の逼迫した状況の主な原因は何なのか、これをあわせてお伺いします。
○村瀬政府参考人 お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、本年一月下旬から二月上旬にかけまして、東電管内の予備率が大きく低下をした日が七日間ございました。その間、他エリアからの融通を六日間受けたといったような状況が発生いたしました。
 その背景には、まず、三十年に一度程度の厳しい寒波がございまして、事前の想定を上回る需要が発生したこと、次に、火力発電所等のトラブルにより約二百七十万キロワット程度が停止をしていたというような状態であったこと、加えまして、一月二十二日の大雪によりまして太陽光パネルの上で解け残ったために、この影響によって一日当たり最大約三千七百万キロワットアワーの出力の予測誤差が発生したことなどの要因がございました。委員御指摘のとおり、太陽光の予測誤差が予備率低下の主要因の一つであった、このように認識してございます。
 そのような中で、安定供給を確保すべく、東京電力は、契約に基づく大口需要家の電力利用の抑制、いわゆるディマンドレスポンスというものを発動いたしまして、これはディマンドレスポンスを七日間発動いたしました。
 また、電力広域的運営推進機関の指示に基づく他の電力会社からの広域融通、これも最大で約二百六十万キロワット等を行いますことによりまして、いずれの日においても安定供給に最低限必要とされる予備率三%を確保した、このような状況でございました。
○石川(昭)委員 一月二十四日水曜日、この日も大変な寒い日であったわけですけれども、前日時点で予備率が一・〇、三%はもう前日予想では切っていたわけですね。
 これについていろいろ、ディマンドレスポンスや他電力からの融通を受けて何とか乗り切ったわけですけれども、私、これを分析するということが非常に大事だと思いまして、先ほど、太陽光の発電が予定どおり行われなかったであるとか、そういう教訓や課題をぜひ生かすべきだと思っています。
 二〇二〇年を目途に開設する予定の需給調整市場の制度設計にどのように反映させるか、これについて、今のお考えをお伺いします。
○村瀬政府参考人 お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、本件を今後の電力運用に生かしていくというのは重要な点だと考えてございまして、この事案につきましては、国の審議会、総合資源エネルギー調査会の審議会におきましても、原因分析等の審議をいただきまして、その発生要因を分析したところ、今後の課題ということで、三点。まず第一に、調整力の調達、運用方法の改善、第二に、インバランスの発生の抑制、第三に、発電事業者や小売事業者に対する需給逼迫状況の周知といった検討を進めることが重要である、このような御指摘をいただいたところでございます。
 今御指摘いただきました、二〇二〇年度を目途に創設される需給調整市場におきましても、再生可能エネルギーの予測誤差に対応する調整力を含めまして、広域で調達できる仕組みを整える方向で検討を進めているところでございます。
 今回の事案の課題の検討結果も踏まえまして、再生可能エネルギーの導入が進む中におきましても、送配電事業者が効率的に調整力を確保できるよう、需給調整市場の制度設計にも適切に反映させてまいりたい、このように考えてございます。
○石川(昭)委員 今の御説明の中で、インバランスが発生しても適切に対応できるようにということでございますけれども、これはそんなに話は単純ではございませんで、特に首都圏では、太陽光が一千万キロワット入っているわけですね。これだけ大量に入ってきますと、予測がなかなか難しいですね。
 先ほど私申し上げましたけれども、前日の予備率の予測が一・〇とか、いろいろ書いていますけれども、実際の予備率は、やはり乖離がどうしても出てしまうわけですね。ここをどう抑制していくのかというのが今後の大きな課題になってきますし、料金をインバランスの発生に伴って高くすればいいというだけではなくて、ここをしっかり検討テーマとして入れていただきたい。
 すなわち、太陽光発電による大量のインバランス、不足が発生をした結果、三十分の同時同量の原則が崩れて、供給力確保の義務が果たされなかったのではないかという観点が私は非常に重要だと思っておりますので、これについての検討を深く進めていただきたいと思います。これは御要望でございます。
 次に、太陽光に関連して、改正FIT法後、電子申請やそのもろもろの手続をJPEAというところが一括しているところでございますけれども、今そのJPEAに申請をしてもなかなか、電話もつながらないということで、太陽光の設備業者が非常に対応に苦慮しているということでございます。私もその苦情を聞いておりますけれども、それでホームページを拝見しました。それによりますと、ID、パスワード、これに関する問合せは十週間かかります、それから、ファクスの問合せは一週間、そして、太陽光施設の申請そのものについては、どれぐらいで申請、認可されるということは示されず、順番に審査中としか書いていないわけですね。
 果たして、予見性がない中でこういう業務を続けていく、そもそもこの事務局体制に不備があるのではないかと思っておりますけれども、JPEA代行申請センターの運営体制は一体どうなっているのか、お伺いします。
○高科政府参考人 お答え申し上げます。
 五十キロワット未満の太陽光発電設備のFIT申請につきましては、申請数が膨大でありますため、JPEA、太陽光発電協会でございますけれども、JPEA代行申請センターに代行申請業務を委託しまして、代行申請センターとしての事前審査を行わせているところでございます。
 二〇一七年度のJPEA代行申請センターにおける審査につきましては、改正FIT法の施行に伴いまして、その認定基準の改正がありました。それによりまして、電力会社との接続契約や土地の確保状況などの確認すべき書類が増加いたしました。その結果、年度当初より審査に遅延が生じていたため、昨年十一月に審査員を五十名から九十名に増員いたしまして体制強化を図ったところでございます。
 ただ、それでも、遅延の状況につきましては、FIT審査の標準処理期間を大体一、二カ月としておりますのに対しまして、現状では三から六カ月程度となっているところでございます。
 また、年度末には、当初の想定を超えまして、申請不備の数や申請期限直前の申請が増加いたしました。具体的には、年度末の申請期限時点の案件数で申し上げますと、二〇一六年度に九万六千三百五十六件だったものが二〇一七年度は十六万八千六百二十一件とおよそ一・七五倍に増加いたしました。その結果、二〇一七年度の審査が年度内に終了しない事態となったために、申請期限までに申請があった案件につきましては、二〇一八年度に認定されても二〇一七年度価格を適用するという経過措置を講じたところでございます。
 それから、JPEA代行申請センターのコールセンターでございますけれども、こちらには現在二十名のオペレーターがいますけれども、制度や個別案件に対する多くのお問合せをいただいておりまして、つながりにくくなっている状況でございます。
 これに対しましては、昨年八月より、システムに関するメールでの問合せフォームを開設したり、ファクスでの問合せに応じるなどの措置を講じて今改善を図ってきているところでございます。
○石川(昭)委員 審査体制を五十名から九十名にふやす、コールセンターも二十名、これで十六万八千六百二十一件をどうさばいていくのか。とてもとても私はこれは年度内というのは無理だと思いますし、こういう体制をずっと続けていくのが果たしていいのかどうか。そもそも、委託先でありますJPEA代行申請センターは太陽光発電協会の下につくられた団体のようなもの、機関のようですけれども、こういうやり方は、そもそも太陽光発電協会にその資格というか能力があったかどうかというのは私は非常に疑問であります。
 さらに、委託金額を一旦決めておいて、更に足りなくなったからその都度その都度税金を投入しながら人員を増強していくというやり方が、果たして適当なのかどうかということも一つ論点だと思いますし、本来、これはFIT業務にかかわるものですから、FIT価格、FITの固定価格の中でそういった費用というのは出すのが本筋ではないかなと私自身は思っております。
 これについても、要望ですけれども、しっかり説明責任を果たすような形でお願いしたいと思いますが、もし御回答あったらお願いします。
○高科政府参考人 お答え申し上げます。
 今の状況に鑑みまして、まずは、代行申請センターの体制強化を図ることがやはりまず必要不可欠だと考えておりまして、そのため、一つには、審査の遅延を解消するために審査員を大幅に増員すべく、ことしの六月から昼夜の二交代シフトを導入する予定でございます。これによりまして、一日当たりの審査数の増加を図りたいと思っております。それから、コールセンターにつきましても、オペレーターの大幅な増員による抜本的な改善を今検討しているところでございます。
 いずれにしましても、このセンターの今後の円滑な運営に向けて最大限努力してまいりたいと思っております。
○石川(昭)委員 済みません。それでは、最後に急いで質問いたします。
 クリアランス対象物のフリーリリースについてお伺いいたします。
 今後、国民の理解を深めながらフリーリリース、すなわち、廃炉に伴って出されるクリアランスされた金属のリサイクル利用が進められていくところでございますけれども、これはやはり関係省庁、とりわけ資源エネルギー庁が旗を振ってやっていただかないと関係業界あるいは関係省庁もついてこないという状態に今なっております。
 ぜひ、この安全性をPRするため、世耕経産大臣にも何らかの御協力をお願いしたいところでございますけれども、今後のスケジュール等ありましたら、最後にお伺いして、終わります。
○村瀬政府参考人 お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、クリアランス制度の定着は非常に重要だと考えてございまして、国民に対する積極的な情報の提供や理解の促進を通じた取組が大事だと考えてございます。
 具体的に、これまで実証事業、国も一歩前に出て取組を進めてまいりましたけれども、現在、この実証事業の成果を踏まえまして、引取り手となる事業者ですとか国民の皆様への理解活動、広報のあり方を含めて、具体的な今後の取組について電力事業者や関係省庁とも議論を始めているところでございます。現在、その中で、電力事業者が、クリアランス対象物の発生見通しなど、今後の検討に必要な実態把握を進めております。
 これらの結果も踏まえながら、将来のフリーリリースの実現に向けまして、電気事業者や関係省庁等の関係者ともよく連携をしつつ、資源エネルギー庁としても主体的に取り組んでまいりたい、このように考えてございます。
○石川(昭)委員 以上で終わります。ありがとうございました。
○稲津委員長 次に、落合貴之君。
○落合委員 立憲民主党の落合貴之でございます。
 本日は一般質疑ですので、重要な問題を幾つか取り上げていきたいと思います。まず、中小企業政策について伺えればと思います。
 最近、私のところに何件か声が寄せられています。これは、中小企業に対する税ですとか社会保障の滞納に関して、何か最近督促が厳しいんだということでございます。最終的には、通帳ですとか売り掛け債権を突然取り押さえられてしまって、収入があるのに支払いができなくなって、そこでもう商売が行き詰まってしまうという事例についてでございます。
 これを差し押さえられちゃいますと、給料も払えないですし、取引先にも支払いできないので、いきなり倒産もしてしまうということもあり得るわけでございまして、国がもう少し、税、社会保険料を納める率を高めていくということはいいことなんですけれども、これは、中小企業政策を考える上でも、こういうところ、配慮も必要なのではないかという声もあるわけでございます。
 これが、私のところに集まってくる声が特殊なのかどうか、若しくは一般的に広がっているのかどうか、これを調べたのですけれども、まず税の滞納額を調べてみますと、九八年がピークでして、ここからいろいろと督促の仕方等も変えまして、ずっと下がってきていて、今はバブルのときよりも滞納額が少ないという状況です。これは、この九八年から二十年間の間にリーマン・ショックもあって、震災もあって、消費税も上げて、こういう中小企業にとって厳しい状況があったにもかかわらず、税の滞納額は一回も上がっていない、ずうっと右肩下がりで下がってきているわけでございます。
 社会保険料、厚生年金の保険料ですとかも調べてみますと、今はもう九八・九%が納めていますということで、徴収するという意味での数字は、かなりよくなってきているわけでございます。
 ただ、年々、この二十年を見てみましても、社会保険料は上がっていますし、あと消費税も上がっています。例えば、税は一年に一回納めるわけですから、消費税率五%と一〇%だと倍も額が違うわけでございまして、これは、一括で支払いする短期の債務がふえているのと同じことでありまして、運転資金等を考えても、年々、こういった資金に対して中小企業政策として目を向けていく必要性は出てきているのではないかと思います。
 それで、国会図書館に、こういうことで倒産してしまうですとかそういう記事はあるのかと、過去三年分調べてもらいましても、よく見てみると主要紙も取り上げているぐらい、問題としてはぼちぼち出てきている問題なわけでございます。
 中小企業庁は中小企業政策を担って、資金繰りのサポート等もしてきたわけですが、政府の、中小企業庁の政策ではなくて政府全体の政策として徴収を厳しくして、しかも金額も上がってきている中で、広義の意味での運転資金を考える上で、こういった広義の意味での運転資金のサポートに目を配っていく必要があるのではないかと思うんですが、大臣はいかがでしょうか。
○世耕国務大臣 収納率が、社会保険も含めて、税も含めてずっと上がっている、特にここ五年上がっているというのは、これはやはりアベノミクスの効果が中小企業にも行き渡っているのかなというふうにも感じるわけであります。
 国税、地方税の徴収については、これは基本的には国税庁、自治体の考え方にあるんだろうというふうに思いますけれども、当然、払う意思はある、だけれども、資金繰り上なかなか難しいという人に対しては、これは私の、済みません、きょうは政府参考人を呼んでもらっていませんから、あくまでもちょっと政治家としての感覚で申し上げますけれども、やはり柔軟に対応すべきだというふうに思います。
 何としてでも払いたいんだけれども、今払えないという人に関しては、分割で納めるとか、いろいろな方法をやはり柔軟に対応すべきだと思いますし、また、そういうときのために地域金融機関もあるわけですし、あるいは、商工会議所、商工会もいろいろな相談に乗るということも非常に重要だというふうに思っております。
○落合委員 きょう、政府の参考人をお呼びしなかったのは、私が既に中小企業庁を呼んでいろいろヒアリングをしました、その中で、こういったことに今まで注意を払ってきていなかったとはっきり言いましたので、これはもう大臣が認識していただいて、新しい中小企業の仕事として認識するべきだと思いましたので、これを取り上げさせていただきました。
 それから、アベノミクスの成果も確かにあるかもしれないですけれども、徴収率のアップの仕方は、二十年間、ずっと一定に上がってきています。なので、政権交代も関係ない、景気の変動も関係ない。ずっと一貫して上がってきていますので、これは国税庁もしっかりと工夫をして、いろいろな施策を打ってきたんだと思います。
 なので、国税庁は国税庁で頑張っていただいて、社会保険庁も頑張っていただいて、ただ、時代の変化に合わせて、税率の変化に合わせて、やはり中小企業政策も変わっていく必要があると思いますので、ぜひここに大臣も注目していただいて、指示をしていただければと思います。いかがですか。
○世耕国務大臣 やはり、税が課税されているということは、それは利益が上がっているということだと思いますし、消費税というのは、基本的には、お客さんから預かったものをそのまま納税をするということになるわけであります。
 問題は、やはり、経営者の資金繰りのスキルというか、そういう問題だと思います。私も、NTT時代、経理課長を二年ほどやっていましたけれども、やはり資金繰りが企業経営では一番のポイントなんですね、黒字倒産という言葉があるぐらいですから。そういった、やはり中小企業・小規模事業者の経営者がきちっとした計画的な資金繰りをやれるように、しっかりとサポートをしていく。そして、本当に緊急事態のようなことが起こって、本当に資金繰りに詰まった、将来払える見込みはあるんだけれども、今資金繰りに詰まっているということに関しては、いろいろな手法でサポートしていくということは重要だろうというふうに思っております。
○落合委員 ぜひこれは、大臣のおっしゃるように重要なポイントだということは指摘をさせていただきたいと思います。
 それでは、クールジャパン機構について取り上げさせていただきます。
 これは官民ファンドでありまして、今回の法改正に当たっても、ファンド・オブ・ファンドを革新機構がつくっていけるようにするんだと。その具体例としても、答弁の中で、クールジャパン機構の名前を、大臣もいろいろな官民ファンドの中で挙げて答弁をされたこともございました。
 このクールジャパン機構、いろいろと記事も見てみますと指摘がされているわけですが、大臣は、この機構はこのままでいいとお思いか、また、この機構の存在意義等、大臣の所感を伺えればと思います。
○世耕国務大臣 クールジャパン機構は、民間がなかなか投資ができない、ためらうようなハイリスクな案件への投資を目的として、平成二十五年十一月に設立をされました。これまで、食・サービス、あるいはメディア・コンテンツ、ライフスタイル関連を中心に、二十八件、五百七十億円の支援決定を行ってきたところであります。
 一方で、投資事業が立ち上げ間もないことも理由だとは思いますけれども、機構は十分な収益を上げていないなど、外部からの御指摘もいただいているところであります。ただ一方で、時間がたつにつれ、少しずつ軌道に乗り始めている案件もふえてきておりまして、収益を上げている案件も生まれつつあるところであります。
 これまで、クールジャパン機構の収益性向上に向けては、業務フローの見直しによる支援決定のプロセスの迅速化、これはいろいろな方から言われています、非常に意思決定が遅いということを。その間に、コンテンツですから、どんどんどんどん次のところへ行ってしまって間に合わなくなるとか。あるいは、キャッシュフロー改善に向けたポートフォリオの明確化ですとか、投資機関としてのガバナンス改革、機構の体制見直しといったことに取り組んでいるところであります。
 私自身も、このクールジャパン機構については、官房副長官時代から、どういうふうにやっていったらいいんだろうかということを非常に悩んでいます。官民ファンドですから、国のお金を預かっているんだから、損は出しちゃいけない。しかし、一方で、特にコンテンツ分野、クールジャパン分野というのは、ある程度、韓流ブームがそうだったように、コンテンツは赤字で流しながら、最終的にファッションとか食で取り返していくような、そういうビジネスモデルもあり得るわけです。
 そうすると、クールジャパンというのは、基本的には、赤字覚悟でも日本のコンテンツを安く海外へ出していくという、まさに官民ファンドとしての、民間ができない機能というのもあり得るのではないか。だけれども、一方で、じゃ、赤字でいいのかというと、全体としてはやはり一定のプラマイ・ゼロ以上にはなっていなければ、これは国のお金を預かる機構としてどうなんだという面もあろうかというふうに思っていまして、これは少し、よく考えながら方向性を整理していきたいというふうに思っています。
 そこで、機構が戦略的な投資を行える体制整備を更に進めたいと思いますし、機構全体や、あるいは個別事業のモニタリング体制をしっかりと確立をしていくことによって、政策的意義が達成されるように取り組んでいかなければいけないと思っております。
○落合委員 全部の投資が黒字になるというのは、民間のファンドでもそれは難しいことですので、無理なことだとは思います。ただ、投資案件個別ではなくて全体の収益が赤字でもいいという方針を出してしまえば、これはファンドじゃなくて補助金と同じことになってしまいますので、ここはしっかりとけじめをつけていただければと思います。
 あと、クールジャパンの定義自体もしっかりとやらないと政策の効果は上がりませんので、たとえ収益が上がったとしても、ちょっとずれているところに投資をしていては政策の効果が上がりませんので、そこも重要なポイントであると思います。
 調べてみますと、安倍内閣ができたばかりのころに、日本再興戦略で、まずクールジャパンというもの自体がどんと持ち上がってきたわけですが、このクールジャパン自体は大変意義があって安倍内閣の看板政策だという認識で、それはよろしいですね。
○世耕国務大臣 看板政策かどうかは別にして、クールジャパンという言葉自体はずっと前から言われていましたし、その前はクール・ブリタニカというのもあって、いろいろ文化を海外へを推し進めることによって経済全体にプラスになるという考え方だというふうに思っています。安倍政権にとっては重要な政策の一つだというふうに思っております。
○落合委員 重要政策の中で、国民のお金も使って投資をして、クールジャパン機構のようなところが実際に国民のお金も使っていくということで、これは経産省としても本腰を入れていかないといけない問題なんだと思います。
 一つ指摘をさせていただきたいんですが、クールジャパンの予算って、どれぐらい、どうやってついてきたのかなということで、平成二十四年度から、総務省にもついていますし、外務省にもついていますし、経産省にもついていますし、経産省の事業は四つですかね、全体で十三事業がついているんですが、十三の事業で、五年間で当初予算についた事業というのは一個しかなくて、あとは全部補正予算、経産省の事業も全部補正予算なんですね。
 これは、看板政策の割には全部補正でやっていて、本腰を入れているというか、本気でやっているというか、国民の税金を本気で投入して進めている政策だとは、この予算のつけ方からしたら見えないんですが、これは少なくとも、大臣、何で経産省のこの四つも、全部補正なんでしょうか。
○世耕国務大臣 それは、いろいろな財政事情もあろうかと思いますし、当然、補正予算というのは、経済対策が決まって、その経済対策に合わせる形、その経済対策を実現する形で補正予算が編成されるわけでありますから、そういう意味で、経済対策の一環として、このクールジャパンというのが入って予算がついているということが実態ではないかというふうに思います。
○落合委員 この予算のつけ方だけで判断すると、私は、本腰を入れているとは、この予算書だけでは思えないので、ぜひここも、補正予算で経済対策をするからとりあえずクールジャパンなんだということにはならないように、ぜひ大臣も、しっかり税金の使い道も監視をしていただければと思います。
 それでは、原発等、エネルギー基本計画について取り上げさせていただきます。
 エネルギー基本計画、ことしが改定ということで、五月十六日に審議会に案が出されました。パブリックコメントを今後経まして、そして、近々閣議決定がされる予定でございます。
 政府の方針としては、原発は可能な限り低減させるということは、たびたび、もう安倍内閣の歴代の経産大臣がおっしゃってきました。そういった中で、具体的にどうやって低減をさせるという施策を打っているのか。それについて御説明をいただければと思います。
○世耕国務大臣 これは、改定前の、現行のエネルギー基本計画の中に明示もされているわけですけれども、こういう表現になっています。「原発依存度については、省エネルギー・再生可能エネルギーの導入や火力発電所の効率化などにより、可能な限り低減させる。」というふうになっています。
 これを更に具体的な方策として申し上げると、例えば省エネについては、LED照明について、現在四割程度の普及率を一〇〇%にしていく、あるいは、家庭用の高効率給湯器については、今三割弱程度の普及率、これを九割程度に引き上げるなどによって、二〇三〇年に向けて、エネルギー消費効率について、オイルショック後に匹敵する三五%の改善を目指すということになっています。
 また、再エネについては、これは国民の負担を抑制するという点は注意しておかなければいけませんが、国民負担を抑制しながら最大限の導入を進めていくことが政府の基本方針でありまして、昨年四月に施行した改正FIT法の適切な運用によって、コスト効率的に導入をしていくということ、それだけではなくて、系統制約の克服ですとか調整力の確保など総合的な施策を講じてやっていく、こういうことによって、原発の依存度を震災前の三割から大幅に減らして、二〇から二二%を達成していくということになろうかと思います。
○落合委員 今大臣は、震災前の三割から二割まで低減させていくんだと。これは、政府のいろいろな文書を見てもそういう説明の仕方をしているわけでございます。
 その二〇から二二%というものを打ち出したのは三年前のエネルギー基本計画で、エネルギーミックスも附属して示したものでございました。そのときは、原発事故から四年後でしたので、それでもいいかなと思うんですが、それから三年たって、まだ原発の発電比率というのは二%ぐらいしかない。そういう中で二割にするというのは、これは、可能な限り低減させるのではなくて十倍にするということなんですが、これを、もうあれから三年たっているのに、同じ言葉で説明してもいいんですかね。
 私は、これは可能な限り低減ではないと思うんですが、いかがですか。
○世耕国務大臣 エネルギーミックスというのは、原発が何基動くからこれという形で決めたわけではないんですね。いわゆる積み上げでつくったわけではありません。日本がエネルギーを安定的に供給していくスリーEプラスSを実現するためにきちっと達成していかなければいけないいろいろな要因を組み合わせて、バランスを考えて最終的につくっているわけなんです。
 一番大きいのは、やはり自給率をおおむね二五%まで改善をするということ、自給率の問題。二つ目はコストの問題でして、電力コストを策定当時のものよりも引き下げるということ。震災後、かなり上がっておりますから、それをしっかり引き下げる。そして、三つ目はやはりCO2。これを、欧米に遜色のないCO2の削減目標を掲げる。
 この三つを達成するためにどうすればいいかということを検討。この三つのパラメーターを、例えば風力をたくさん入れたらCO2は減りますが、やはりコストは上がるという面があります。火力をたくさん入れると、コストは下がりますけれども自給率も下がるという問題点が出てきます。
 実は、今三つ申し上げた問題点を全て解決できるのは原発ということになるわけですけれども、そういったことを考えながら、そして一方で徹底した省エネを進めていく、そして可能な限り原発依存度を下げていく、再生可能エネルギーも可能な限りふやしていくということを考えた上でできたのが、これは原発だけではなくて、ほかの電源についても何%という比率ができたわけであります。
 その所与の条件は三年前とは変わっていない、だから今回も、今、素案の中では変えないということになっているんだろうと思います。
○落合委員 その説明ですと、今の状況から考えても、可能な限り低減という言葉は、この日本語はそぐわないと私は思います。
 それから、新設、リプレースが、しなくても二割いくんだというような御答弁もいただきました。その中身を教えてくださいということで、後日、役所の方から出していただきました。稼働率八割、四十年未満の炉全て再稼働で一七%、四十年超も全て運転延長で二八%、そういう数字なわけですけれども、これは、かなり頑張って再稼働しないと達成できないということであると思います。
 そもそも、稼働率八割というのは、資料一につけさせていただきましたが、三年前のエネルギー基本計画で発電コストを打ち出したとき、発電コストというのは、設備稼働率を上げると発電コストが下がっていくわけですけれども、このとき、原子力は火力と同じ設備稼働率七割でいけるんだというような説明でした。
 この設備稼働率七割も無理なんじゃないですかという質問を私はしました。なぜなら、今でも、恐らく計算すると設備稼働率は一割を切っていると思います。七割でも難しいのに、八割稼働しなきゃいけないと。八割だと、石炭火力とかLNGのモデルケースよりも稼働率を上げるということになってしまうんです。
 原発は、ある一定期間回したら、その後とめて、点検もしなきゃいけない。安全性に配慮すると政府も言っている。火力よりか原子力の方が点検の箇所の数も多いわけです。それなのに、政府の方針の、火力よりも原子力の方が稼働率を上げている、それから、四十年未満の炉も全部再稼働となると、福島第二も四十年未満に入るんですが、そういうものも機械的に計算に入れているわけでございます。
 これは、かなり前のめりというか、背伸びし過ぎだと思うんですが、可能な限り低減すると言っていて、でも実際に中身を見てみるとかなり背伸びをしている。可能な限り低減という国民への説明が、ちょっと言葉と中身が違うと思うんですが、大臣、いかがですか。
○世耕国務大臣 もう一度申し上げますが、原発の依存度二〇から二二というのは、どの原発を再稼働させるとかそういう考えでできてきた数字ではありませんし、逆に、この二〇―二二を達成するために無理にでも再稼働するということもありません。これは、あくまでも安全最優先でやっていく。
 先ほど申し上げたようなパラメーター、価格を下げる、自給率を上げる、CO2を減らすというパラメーターのバランスの中で、二〇から二二というのが出てきた。ただ、その二〇から二二が全く現実離れした数字ではいけませんから、これが本当に可能なのかどうかというのを、ある意味逆算をしたわけですね。そうした場合に、四十年たっていない原発を全て再稼働させて稼働率八割であれば一七%、六十年まで延長するものも含めれば二八%ということで、二〇から二二はその間のレンジに入っているということで、一定のフィージビリティーがあるという、これが我々の説明なわけであります。
 稼働率八割が無理かどうか、私はそうは思いません。アメリカでは、一九七九年のスリーマイルアイランド原発事故の反省も踏まえて、事業者が集まって、安全性、信頼性の向上を目的とした組織を設立しました。この枠組みのもと、現場における良好な取組事例を共有したり、改善点を相互に指摘し合うという活動を続けることによって、大きなトラブルの発生件数が十分の一に減少して、一九八〇年代には五五%だった稼働率が二〇〇〇年代には九〇%まで向上しているという実例も、海外にはあります。
 今、新規制基準に関するチェックは非常に厳しくなっていて、電力各社も原発については非常に精度の高いメンテナンスも行っているというふうに思っております。そういう意味では、私は、現在七〇%で想定しているものを八〇%に引き上げるということは十分可能だというふうに思っています。
 ただ、いずれにしても、安全に関しては規制委員会でしっかり判断をしていただく必要があると思っています。
○落合委員 大臣は、大臣自身は前のめりではないかもしれませんが、実際に大臣の下で働いている方々の何割かは、私は前のめりだと思っているんです。
 例えば、いっぱいあるんですけれども、きょうちょうどこの資料を配ったので、この資料だけの中でも、もうちょっと追加して説明しますと、これはもう三年前から指摘していますが、資料一の発電コストも、原子力だけが上限値を書いていないわけです。下限値しか書いていない。原子力だけ上限値が書いていないのに、大臣の答弁では、最安ですと、答弁書が書かれているわけです。これは、理論的に、最安ですとは言えないわけでございます。
 それから二ページ目。これはエネルギーミックスそのものなんですが、よく見てみると、二〇三〇年度、原子力は二二から二〇と書いてあるんですよ。大臣、二〇から二二というふうに大臣は答弁しているんですけれども、書類には二二から二〇と書いてあって、二二という数字が前に来ているんです。二枚目のエネルギーミックスです。
 これは、つまり、可能な限り少なく原発は、再エネは可能な限り多くというんだったら、再エネを二四から二二と書くべきで、それなのに、原子力は二二から二〇%、大きい方が前に来ていて、再エネは二二から二四という書き方をしているんです。細かいところで、なるべく原発がどんどん進んでいくようにという書き方を実際にしているんですよ。だから、私は、組織の人たちが何を考えているかをしっかり把握してエネルギー行政をしていただきたいと思うわけでございます。
 それから、時間が限られてきましたが、もう一点、大臣に指摘をさせてもらいたいと思います。
 原発政策、国民の理解が必要だということで、その見解を伺いたいんですが、その前に、私が指摘したいことを先に指摘をさせていただきます。
 資源エネルギー庁のホームページに、資源エネルギー庁がお答えします、原発についてよくある質問ということで、国民に対して、原発についての疑問を説明しています。
 この中身を一部引用させていただきますと、原発が必要な理由として、もし、ある日突然、電気がとまってしまったらどうなるでしょう、電気で動く医療機器によって命を支えている人、信号のある交差点で横断歩道を渡ろうとしている子供たち、雪の降る寒い夜に暖房をつけているおじいさんやおばあさん、電気がとまってしまうことによって起こりかねない命のリスクは、想像しただけでも、私たちの日常の中に存在していますと。
 だから、電気がとまっているリスクを許容するのは難しい、だから原発が必要なんですという説明をホームページで国民に対してしているんですが、近年、大規模に停電した、我々も経験したのは、原発がとまったから、今読んだようなことが起こったことがあるんです。
 これは、原発事故、さきの事故に対して、経産省の人たちは責任をとらないんですかと私が何回も大臣に質問しても、責任をとるということよりもこれからの政策に反映するべきだと言って、大臣はお答えしていたわけですけれども、電気がとまったらこんなことが起こるというのは、今まで起こったのは、原発がとまったときだけなんですよ、最近は。
 そういう、原発がとまったことによって起こってしまったことを棚上げにして、その出来事を、原発がないと電気が安定供給されなくて、原発が必要なんだという説明に使っている。これは私は、国民に対する説明としては不適切だと思いますので、質疑時間が終了してしまいましたので、この続きはまた取り上げさせていただきます。
 ぜひ、どういう説明を資源エネルギー庁のホームページでしているかも確認していただければと思いますので、よろしくお願いします。
 ありがとうございました。
○稲津委員長 次に、松平浩一君。
○松平委員 こんにちは。立憲民主党の松平浩一です。きょうもよろしくお願いします。
 きょうは、フリーランスと新卒一括採用というものについて御質問させていただきたいと思います。
 御存じのように、フリーランスは、企業に雇用されるのではなく、個人として仕事を引き受けるという働き方、こちらが今非常にふえているというふうに思っています。ランサーズという会社が行ったフリーランス実態調査二〇一八年、こちらを見ると、フリーランスの人口は、副業も含めてですけれども、千百十九万人というふうに書かれております。これは、人口に占める割合は一七%、経済規模は何と推計二十兆円を超えるというふうにされています。
 実際に、今後も含めて活用を考えている企業というのがどの程度なのか、経産省さんの方で把握されている数字があれば教えていただきたいと思います。数字だけで結構です。
○糟谷政府参考人 平成二十八年に企業に対してアンケートを行った結果の数字でございます。
 まず、フリーランス人材を活用していると回答した企業は一八・九%、今は活用していないけれども今後の活用を検討していると回答した企業は三三・五%、合わせると五二・四%であります。
○松平委員 ありがとうございます。
 もう既に活用しているという企業が約二割で、今後活用したいというのが三三・五%と、非常に高い数字であることがわかります。実際に活用を検討している企業が活用を始めれば、どんどんふえていくということになると思います。
 もう一点、アップワーク・グローバル・インクというアメリカの会社によると、アメリカでは、一億六千万人の労働者のうち、既に五千七百三十万人がフリーランス化している、二〇二七年には何と過半数を超えるということのようなんです。というわけで、日本もどんどんふえていくのかなと。
 ここで、ふえていく理由で考えられるのは、独立開業の敷居が大幅に下がったというのがあると思います。クラウドやビデオチャットを活用してのテレワーク、リモートワーク、これが簡単にできるようになりました。開業しようとして、事務所はコワーキングスペースで借りよう、面倒な手続はネットを見ればいろいろなサービスがあります、仕事は、業務委託サービス紹介のクラウドソーシングがあり、人材紹介のプラットホームがあり、簡単に探せるというふうになっています。
 当然、企業側の事情も大きいと思います。企業からすると、専門性を持った人材は欲しいけれども、フルタイムで雇用して報酬を出すだけの余裕がない、将来の経済状況の不安からなかなか正規雇用ができないという事情ですね。あと、雇用したくても、労働者不足でできないという事情もあると思います。それから何といっても、技術革新のスピードが非常に上がっていて、専門人材は外部に多いという事情もあると思います。
 さらに言うと、あと、個人の側ですね、働き方の多様化。結婚や出産で会社を退職したが再び働きたい、定年後も仕事を続けたいという人は多いと思います。身につけた知識や専門性をいろいろなところで生かしたい人、こういう人も多くなっていると思います。
 こういう背景を踏まえてフリーランスが増加している、その現状についてどう思われますでしょうか。
○大串大臣政務官 人生百年時代におきましては、働き手のニーズや価値観に応じて、時間や場所にとらわれない、多様で柔軟な働き方を実現すること、それによって働き手一人一人の能力を最大限に引き出すことがますます重要になってくると考えております。
 フリーランスにつきましては、経産省において、一昨年から昨年にかけて、有識者による「雇用関係によらない働き方」に関する研究会を開催いたしまして、実態の把握と課題の整理を行ったところであります。時間や場所の制約を受けることなく、一人一人の働くニーズに即した大事な選択肢の一つとして位置づけております。
 引き続き、厚労省などの関係省庁と連携いたしまして、労働者の健康確保等にも留意しながら、フリーランス等の雇用関係によらない働き方など、多様で柔軟な働き方の環境整備に取り組んでまいりたいと考えております。
○松平委員 ありがとうございます。経産省さんの認識、理解いたしました。
 そういった一方で、フリーランスに関しては、人数として最近ふえてきた働き方ですので、現状として働く環境が必ずしも整っているのかな、そういうことが言えるのかどうかというところがあると思います。
 今おっしゃった中の文脈でもあると思うんですが、働き方改革実行計画、安倍内閣でこちらを策定されておりまして、柔軟な働き方がしやすい環境整備の一環として、雇用契約によらない働き方を支援し、法的保護の必要性を検討するというふうにされております。
 こちらは私も同感でして、セーフティーネットの観点からは、けがや病気をしたり、収入が途絶えたりしたとき、労災保険や雇用保険の対象ではない。会社員が加入する健康保険は、けがや病気で働けなくなったときの傷病手当金や産前産後の出産手当金というものがありますけれども、フリーランスにはこういったものがありません。
 現在の、こういう現状の法的保護の必要性の検討状況、特にセーフティーネットを中心に、どうなっているか教えていただければと思います。
○成田政府参考人 いわゆるフリーランスなどの雇用類似の働き方につきましては、ただいま御指摘いただきましたとおり、働き方改革実行計画に基づきまして、法的保護の必要性を含めて中長期的に検討していくこととされているところでございます。
 このため、厚生労働省では、雇用類似の働き方に関する検討会において、その実態等の把握、分析、課題整理に着手し、本年三月に報告書を取りまとめたところであり、この中で、御指摘をいただいたセーフティーネットに関する課題も指摘されているところでございます。
 検討会で把握した実態等を踏まえ、引き続き、雇用類似の働き方に関する保護等のあり方について検討してまいりたいと考えております。
○松平委員 ありがとうございます。
 もちろん、フリーランスの方は、会社に雇用されず、自由な働き方を自分で選んでいるという側面もあるとは思うんです。
 ただ、冒頭申し上げたように、今後、こういった働き方がいや応なしにふえてくるということが間違いない、かなり多くなってくるという現状がありますので、あと、もう一つの観点として、病気やけがであるとか、子育て、介護、老いといったものは働き方に関係なく誰しもが背負う、そういう、セーフティーネットですね、働き方に中立であるべきという考え方もできるのではないかなと思います。
 したがって、制度設計、こちらは非常に難しいとは思うんですが、この点の対応がやはり必要であるということは、私からもちょっと意見として申し述べたいというふうに思っています。
 それで、ちょっと、フリーランスの人材育成についても質問させていただこうと思ったんですが、時間との関係で後回しにさせていただきまして、フリーランスと企業との取引関係についてお聞きしたいと思います。
 フリーランス、基本は個人ということで、企業対個人というので、必ずしも対等と言えるか、もしかしたら弱い立場にあることの方が多いんじゃないかということだと思います。ただ、企業によるフリーランスの悪用ということにつながりかねないので、そういったフリーランスの環境整備というのは、フリーランスが活躍していく前提でもあると言えると思います。この点についてどう考えているか、お聞かせください。
○南部政府参考人 お答えいたします。
 公正取引委員会におきましては、使用者の人材獲得競争等に関する独占禁止法の適用の必要性なり妥当性を理論的な観点から検討いたすために、有識者から成りますところの人材と競争政策に関する検討会というものを設置いたしまして、検討結果を報告書として取りまとめて、平成三十年、本年二月十五日に公表させていただいたところでございます。
 同報告書におきましては、優越的地位にある発注者が、発注者と比べて情報量も少なくて交渉力が弱いというフリーランスのような方々に対して、過大な秘密保持義務を課すとか、合理的に必要な範囲を超えたような専属義務を課すとか、あるいは役務提供に伴う成果物の利用等を合理的な理由なく制限するなどなどによりまして、フリーランス等に不当な不利益を与えることが独禁法上問題になり得るという考え方などを示したところでございます。
○松平委員 今いろいろおっしゃっていただきましたが、フリーランスの成果物の利用という点に関しては、結構制限を課している企業も多いと思いますので、こういう指針みたいな、ガイドライン的な、報告書ですか、つくっていただいたのは非常にありがたいことなのかなと思います。
 やはり、独禁法の適用というと、大企業同士の話かなというふうに思ってしまう人も多いと思いますので、フリーランスの方にも独禁法適用はあるんだよということで、ぜひとも、よく下請法の適用に関して周知なされていますけれども、そういったことで、その周知活動ということも積極的に行っていただければなというふうに思います。
 ここで、独禁法の問題が出てまいりましたので、新卒一括採用、こちらに絡めて質問させていただきたいと思います。
 私も、世耕大臣、去年のNHKのインタビューなどで、新卒一括採用に対して見直す時期に来ているのではないかみたいな形で御意見をおっしゃっていること、また、この委員会でもたびたびその問題について言及なさっていること、存じ上げております。
 私、この新卒一括採用に関して、その観点にプラスして、今回、独禁法の観点でもお聞きしたいというふうに思っています。
 先ほど、公正取引委員会の方に、人材と競争政策に関する検討会報告書についてちょっとお話しいただいたんですけれども、まず、この報告書の一部分について確認させていただければと思います。
 報告書第五の一の部分に、複数の使用者が共同して役務提供者との取引条件を決めることは、主として、当該行為により人材獲得市場における競争が制限されるかどうかという観点から問題となり得ると、これは一つ目の話、言っていると思います。
 それで、もう一つ、五の一のその次のところで、「本来人材獲得市場において決定されるべき取引条件を共同して人為的に決定することは、競争を制限することを目的としたものであり、競争に及ぼす悪影響が極めて大きく、原則として違法である。」と。これは二つ目の部分なんですけれども、これはちょっと間違いないかどうか確認させていただければと思います。
○南部政府参考人 お答えいたします。
 先ほど述べました、平成三十年二月十五日公表の人材と競争政策に関する検討会報告書におきましては、共同行為に対する独占禁止法の適用の基本的な考え方として、先生御指摘の記載がございます。
○松平委員 ありがとうございます。ちょっと今確認させていただきました。
 それで、ちょっとお配りした資料の方を見ていただきたいんですが、資料一、これは経団連が出している採用選考に関する指針というものなんです。これが、例えば三の部分、採用選考活動については、例えば、広報活動であれば卒業・修了年度に入る直前の三月一日以降、選考活動については卒業・修了年度の六月一日以降より早期に行うことは厳に慎むと。四の方で、採用内定日の遵守とありまして、正式な内定日は、卒業・修了年度の十月一日以降とするというふうに書かれているんですね。こういった指針が出されているんです。
 そこで、今確認させていただいた基準でいうと、この経団連の指針、まず前提として、複数の使用者、企業が共同して決めることということで、先ほどの一つ目の部分、独禁法の適用があるというふうに私は理解します。そして、先ほど申し上げた二つ目の部分、原則として、この指針は、本来人材獲得市場において決定されるべき取引条件、内定を出す日、採用開始日というものを共同して人為的に決定するとしているということで、その基準から考えると、単純に考えると、独禁法に、この指針、反して違法なんじゃないかなというふうになると思うんですが、いかがでしょうか。
○南部政府参考人 お答えいたします。
 個別の事案に対する独占禁止法の適用につきましては、恐縮ですけれどもお答えを差し控えたいところでございますけれども、先ほど申し上げた人材と競争政策に関する検討会報告書において、本来人材獲得市場において決定されるべき取引条件を共同して人為的に決定することは原則として違法であるとした上で、その違法性の判断に際しましては、その行為の態様によって競争を制限する効果以外の効果が期待できる場合もあり、当該共同行為によってもたらされる競争促進効果の有無、社会公共目的の有無、さらには手段の相当性の有無等々もあわせて総合的に考慮した上で判断するということになろうかと存じます。
○松平委員 どうもありがとうございます。
 私もそのとおりだと思います。もうちょっと個別具体的に、行為の態様であるとかそういった部分を見ていく必要はあると思います。
 ただ、その報告書にも書いてありますように、原則として違法なんです、ただし、その行為の態様によっては云々ということで、原則違法、で、例外という形なんですよね。つまり、原則違法で、例外というのは抑制的であるべきだと思うんですね。
 では、今回の指針というのが抑制的な例外と言えるのかどうかということで、私、判例を当たってみました。資料の裏、二というところで、これは判例がもう最高裁も出ています。見ていると、結論を言うと、例外については相当抑制的でした。
 もうちょっと具体的に言うと、これは何が問題かというと、今回の指針というのは、独禁法で禁止されている不当な取引制限に該当するかどうかという問題なんですね。不当な取引制限に該当すると独禁法違反ですよということになります。そして、例外として、独禁法の二条六項が掲げる、公共の利益に反してという要件に当たるかが問題となっているんです。公共の利益に反しなければ独禁法違反ではないんですけれども、だから、公共の利益に反するかどうかというのが、今回の指針で公共の利益の該当性を検討するということは重要なんですが、判例は、公共の利益に該当するかどうか、公共の利益に反しないとはなかなか言わないんです。言っていないんです。相当厳しく見ているんです。
 まず、この石油カルテル事件、最高裁判決が出ていまして、こちらを読みますと、本件のような共同行為までするのでなければ、本件のような共同行為というのはここで言うこの指針ですね、本件のような共同行為までするのでなければ被告会社らの企業維持ができず、あるいは著しく困難になり、ひいて我が国における石油製品の安定かつ低廉な供給確保に著しい支障を生ずるような事情があった云々と、これが公共の利益に反するものであることは明らかである、そういうふうに言っているんですね。
 これは、今回の指針で、これとパラレルに考えると、指針の目的は、これを読むと、学業への専念なんですよ、一言で言うと。だから、今の最高裁判決にちょっと当てはめて考えると、本件の共同行為までするのでなければ、この指針を出さなければ、学業に専念することができず、あるいは著しく困難になり、ひいては我が国における学生の学業専念に著しい支障を生ずるような事情がある、そこまで言えなければ公共の利益に反しないと言えないと言っていると考えられるんですね。
 もう一つ見てみましょう、もう一つ、これは下の部分です。日本遊戯銃協同組合事件という事件があります。こちらも、基本的に最高裁判決ですので、前に出ているのを引用して当てはめています。本件妨害行為は、自由競争経済秩序の維持という独禁法の保護法益を犠牲にしてまで、消費者及びその周辺社会の安全という法益を守るために必要不可欠なやむを得ない措置としてされたものであるとは到底認められないから、前記独禁法の究極の目的に実質的に反しない例外的な場合であるとは認められず、ひいては公共の利益に反しないものとは言えない、こういうふうに言っているんですね。
 これは、今回でいうとこの指針、今回の経団連の指針が、これに当てはめて言うと、この指針が、自由競争経済秩序の維持という独禁法の保護法益を犠牲にしてまで、大学生の学業への専念という法益を守るために必要不可欠なやむを得ない措置として出されたものと言えるかというふうな形になってくるんです。
 実際、この経団連の指針、守っていない企業も多いと思いますので、普通に考えると、この経団連の指針が必要不可欠なやむを得ない措置とまで言えないんじゃないかなと思うんです。
 ちょっとまとめると、判例で、この要件、非常に厳しいということがわかったので、この要件の厳しさからすると、この指針は公共の利益に反していないとは言えない。だから、判例に照らすと、独禁法に違反する違法なものとされてしまう可能性が非常に高いというふうに思うんです。
 この指針について、公正取引委員会さんに独禁法の観点から御意見を頂戴したいんですが、いかがでしょうか。
○南部政府参考人 お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、公共の利益についての判例の解釈が非常に厳しいというのは、そのとおりでございます。
 また、繰り返しで恐縮ですけれども、一般的な観点、一般論としてしか申し上げにくいところでありますけれども、そういった指針のようなものにつきましては、先ほども申し上げたように、当該共同行為によってもたらされるところの競争促進効果の有無、社会公共目的の有無、あるいは手段の相当性の有無といった点をあわせて、これが不当な取引制限に該当するのかどうかという判断、さらに、仮に不当な取引制限に該当するとしても、公共の利益に反するのかどうかという判断、こういった判断を踏まえて最終的な結論が出されるということになろうかと思います。
 いずれにしても、公正取引委員会としましては、仮に独占禁止法に違反するような疑いのある事実があるということであれば厳正に対処してまいりたいという所存でございます。
○松平委員 わかりました。
 この場では一般論としてしか申し上げにくいということは理解いたしましたので、ただ最後に、もし仮にそういったことがあれば厳正に対処するというふうにおっしゃっていただきましたので、そこの部分は期待して、ちょっと次に行かせていただきたいと思います。
 次にといっても、まだこの指針に関して続くんですが、実際、この経団連の指針、経団連が加盟企業に実施したアンケート調査によると、指針自体は残すけれども広報活動や選考活動の開始時期の規定は削除すべきという回答を企業が四二・一%している。要するに、これは強制されるのは困るという回答なんですけれども。あと、回答として、指針を廃止し自由な採用活動を認めるべきだが九%あり、指針を廃止して政府がルールを定めるべきだという回答が七・九%あります。これら回答を合計すると、経団連の定める就職時期の縛りへの反対派というのが六割近くになるんですね。
 それでいて、経済同友会の方では、新卒・既卒ワンプール、通年採用というものを提言されていまして、実質、新卒一括採用に反対しているというふうに言えると思います。
 また、新経済連盟は、新卒一括エントリーは弊害の方が大きいと、もうはっきりおっしゃられています。
 企業としても、ファーストリテイリング、楽天、ソフトバンク、ヤフー、ディー・エヌ・エーなど、新卒一括採用をとっていない会社もふえてきています。
 安倍首相を議長とする人生百年時代構想会議も、新卒一括採用だけでない企業の人材採用の多元化というものがテーマの一つに掲げられております。
 やはり、そんな中、この経団連の指針、いまだに新卒一括採用を前提としてこういった内容を事実上強制しているのは、ちょっと時代おくれなんではないかなというふうに感じています。経団連がこういう指針を出すということは、やはり新卒一括採用が一般的なんだ、常識なんだという風潮を社会にもしかしたら与えることにもなってしまうかもしれません。安倍首相を議長とする先ほどの人生百年時代構想会議にありましたけれども、通年採用を促進したいのであれば、経団連がこういったものを出すのを黙認してはいけないのではないかなというふうに思うんです。
 この指針に対して、世耕大臣、御意見を聞きたいのですが、いかがでしょうか。
○世耕国務大臣 独禁法上の解釈は、もうこれは公取の話ですから申し上げませんけれども、やはり、学業に専念をさせるという趣旨で経団連はこういう指針を出しているんだろうというふうに思います。
 ただ、私は、この新卒一括採用については、これはいつも物議を醸すんですが、余りもう続けるべきではないというふうに思っております。やはり今、日本経済、産業界が抱えるいろいろな問題点の原点がここにあるんじゃないかと思っています。
 例えば、ベンチャー企業が全然出てこないとか、あるいは、大手企業も空前の利益を上げながら、それを結局キャッシュで積み上げていくだけで、なかなか積極的な投資や研究開発を行わないといったことですとか、あるいは、会社に長くいた方が、長年いた方が評価されるというのが更に延びて、長時間働いた方が評価されるというのが過労死につながっているとか、この一番の原点は私はこの新卒一括採用にあるというふうに思っています。
 これは、経済界にこういう話をしますと、いやいや、一括採用の方が、先ほどの学業の面もあれば、企業にとっても採用のコストを下げたり一斉に多数の人間を比較できるなどのメリットがあるという返事が返ってくるんですが、一方で、今現実に、一年以内に離職する人って一割なんですね、新卒採用で。あるいは、三年以内に離職となると、もう三割が離職をするわけでありまして、私は、企業にとっても新卒一括採用のメリットというのは大分なくなってきているのではないかなというふうに思うわけです。
 かくいう私も、尾身朝子さんと同期で、新卒一括採用でNTTに就職した人間でありますけれども、やはりもう、今、見直すべき時期で、いろいろな経済産業上の問題を解決していくに当たっては、新卒採用の見直しというのも非常に重要な改革すべきポイントではないかというふうに考えています。
○松平委員 どうもありがとうございます。
 私も全く同感でありまして、学業への専念というやはり反論はあると思うんですが、今回、民法改正で成年年齢も引き下げられましたし、もう本当に、教育機関は高校までで、大学は学問探求の機関ということで、学問をやりたい学生は学問しますし、起業したい学生は大概の人が起業していますし、今も多くの学生がインターンしていますと。
 だから、企業の側が、やはり、団体で共同して指針を出して、学業専念云々と言うのはどうなのかなという印象は本当に持っています、私も。
 そこで、今大臣がおっしゃられた、ベンチャー企業が出てこないという点に関しても、私、ある記事、これを御紹介させていただきたいんですけれども、MITのマイケル・クスマノ教授のインタビューです。
 マイクロソフトなどIT企業の経営戦略の分析で知られる教授なんですけれども、日本では原則的に全ての学生が雇用されるが、学生が就職先を選ぶ機会は人生で一回きりだ、これでは学生は就職に当たってリスクをとって冒険しにくい。MITでは卒業生のおよそ二割がスタートアップ企業に就職する。スタートアップ企業の三分の二は五年後に存在しないので、たくさんの学生が失敗する。しかし、そうした学生をマイクロソフトやシスコなど有力IT企業は採用する。どこの大学の卒業生かを問うのではなく、本人の能力や経験を評価して雇うからだと。こういうインタビューもありました。
 こういった社会の実現のため、新卒一括採用じゃなく、通年採用への後押し、ぜひともお願いしたいと思います。
 私の質問はこれにて終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
○稲津委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時七分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時開議
○稲津委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。中谷一馬君。
○中谷(一)委員 立憲民主党の中谷一馬でございます。本日もどうぞよろしくお願い申し上げます。
 私からは、まず初めに、テクノロジーの発展と企業、労働者を取り巻く環境の変化についてということで質問をさせていただきます。
 デロイトトーマツグループの実施調査によれば、日本の経営陣幹部は、高齢化や働き方改革を背景に、会社と従業員との関係が、契約による一時的、臨時的な雇用に変わる方向であるということを見ており、調査対象国で最も多い八五%がそう考えていると回答をされました。また、七五%以上が、ロボットなどの自律的なテクノロジーが人にかわる未来を予測をしております。
 その一方で、人材採用、育成については他のテーマの後回しにされ、日本人の経営幹部の中で、この一年間で頻繁に議論をしたテーマの一つだと答えた人は何と二%にとどまりました。非常に低水準でありました。また、最新テクノロジーの活用については、専ら従業員の効率性の向上での関心が向けられており、自分たちの組織として高い能力があると回答をした方が七八%に上りましたが、技術主導型の変化が組織構造と従業員に及ぼす影響について、計画し対処できると考えている経営幹部はわずか三%でありました。
 こうした議論を見ておりますと、テクノロジーで業務の効率化をしたいと思っているけれども、労働力の変化に注目した本質的な議論は尽くされていないということが浮き彫りになった、こんな調査だったのかなということを思っております。
 その中で、テクノロジーの進化は、本来、労働の効率化につながり、その結果、生産性を大きく向上させることで、人々の生活を豊かにし、よりよい未来を切り開くためにあるものであると私は信じております。しかしながら、現在のように、経営者、労働者ともにビジョンが描き切れていない状況では、双方にミスリードが起こり、イギリスの産業革命時代に起こってしまった、機械の浸透が仕事を奪うのではないかとおそれを抱いた労働者が機械などを破壊した、機械の打ち壊し運動のような悲しい歴史を繰り返すことになるのではないかと大変危惧をいたしております。
 だからこそ、テクノロジーの進化による職の変化に対応した人材の育成や職業訓練、その時代に対応した労働市場の開拓と適切な人材配置、そして、効率化によって生まれた余剰時間を給与や休暇という形で労働者に還元をするという本来あるべき姿を、政府がしっかりと志向を提言し、経営者、株主など、民間企業の経営陣、マネジメント層への意識の改革を促すことで、よりよい方向に時代の歩を進めていかなければならないと私は考えております。
 こうした観点から、政府としてはこのような状況に対応した施策が求められていると思いますが、こうした状況について、政府としては今後どのような施策を講じていこうと考えておられるのか、大臣のまず御所見を伺いたいと思います。
○世耕国務大臣 まさに、AI時代においては、産業構造の転換に伴って、働き手に求められるスキルが劇的に変化しますし、逆に、そういった働き手を使う経営者にも、今までとは違う能力とか経営のスタイルというのが求められていくというふうに思っています。
 今委員御指摘の点については、私は、政府の働き方改革の議論の中でどちらかというとちょっと孤立しがちではありましたけれども、やはりそういう人事のあり方改革とかを進めていくということが非常に重要だということをずっと訴えかけてまいりました。
 特に重要なのが、これだけどんどんどんどん必要とされるスキルが変化する時代ですから、いわゆる、何年会社にいたから偉いとか、何時間働いたから頑張っているとか、もうそういう時代では完全になくなってきまして、まずやらなければいけないのが、ジョブディスクリプション、職務内容の明確化ですね。あなたにはこういう仕事を期待をしている、それに対する達成度がこれぐらいだったから、あなたの評価はこうです、それが給料にこう反映されます、そういう人事体系に変わっていかなければいけないというふうに思っています。
 また、人材育成についても、日本企業というのは社内に非常に大きな育成プログラムとか研修施設を持っているわけですけれども、これからはそれだけでは足りない。一旦、会社をやめるなり休職するなりして、外へ出て最新の技術とかを勉強して、もう一度戻ってきて会社に参加をするというような、外での学びというのも非常に重要になってくるのではないかというふうに思っています。
 そしてまた、もう全部一から十まで自分の会社で育てるのは無理ですから、中途採用はもちろんのこと、フリーランスですとかあるいは兼業、副業で、必要なスキルで助けてもらうというようなことも考えていかなければいけないのではないかというふうに思っています。
 こういうところがまだ日本企業が十分に対応できていないという問題意識は私も強く持っておりまして、経産省では、昨年十一月に私も出席して、人材力に着目した研究会を開始をいたしました。そして、ことし三月に報告書をまとめたところであります。
 私自身、経営戦略としての働き方改革が重要だと考えておりまして、さまざまな場で企業経営者の方々に対して、その重要性について発信をしてきたところであります。少しずつ企業経営者にもこういう考えが共有され始めておりまして、新たな時代の働き方と人材育成について、経営幹部が働き手と前向きに議論を進めていくことを期待したいというふうに思います。
○中谷(一)委員 御答弁をいただきました。
 主に労働者サイドの、スキルをどうしていくかという話であったりとか、また、人事上のジョブディスクリプト、これをどうしていくのかという話をいただきました。
 私自身、企業の経営者や管理職である方というのは、労働者を含めた一人一人のリーダーであるということをやはり自覚を持っていただきたいと思っています。なので、この人材採用や育成についても、やはりそういった幹部の方々がまずしっかり考えていただくということが私は非常に重要なんじゃないかなと思っているんです。
 その中で、そもそも日本の労働生産性、これが上がっていかないのは、労働者が怠け者で能力が低いからなのかといえば、そんなことはありません。端的に言えば、日本の労働者はまずまず優秀ですが、経営者や管理職サイド、この方々の人材がさほど評価をされていないという現実があるかと思います。
 これは、客観的に実はデータがありまして、現役世代の例えば読解力や数的思考力などをはかるためにOECDが二〇一一年から一二年に行った国際成人力調査、これによれば、平均点は日本がトップでありました。最新の例えばデータでいいますと、世界経済フォーラム、通称ダボス会議の人的資本ランキングで、日本の労働者は二〇一六年で世界第四位、二〇一七年で世界第十七位でありました。
 こうしたことを見ても、日本人労働者の潜在能力は低いわけではなくて、基本的に真面目に働いてまずまずの評価をいただいているのに、なぜ生産性が上がらないのか。
 そして、その原因として挙げられる代表的な事象としては、まず第一に、ICTの活用などデジタル化のおくれ、第二に、労働者の低賃金と非効率な長時間労働、先ほど大臣からもそうした答弁をいただきました、第三に、物やサービスの低価格競争といった付加価値の向上の失敗など、こうしたことが言われるわけでありますが、これらを見ると、主に経営者や管理職サイドの判断が問われる事項が要因として挙げられるもの、これが考えられるわけであります。
 その中で、国際経営開発研究所、略称IMDのワールド・タレント・ランキング二〇一七というのがあるんですけれども、これによると、日本の人材への評価が六十三カ国中、海外経験のある上級管理職は最下位の六十三位、有能な上級管理職ランキングは第五十八位、そしてマネジメント教育をできているかどうかについては五十三位となっており、世界的に見ても、日本の経営者や管理職に対する評価は全般的に今厳しいものがあるのかなということを思っております。
 そこで伺いますが、こうした状況について、これらの結果について、政府としてはどのように受けとめられているのか、大臣の御所見を伺いたいと思います。
○世耕国務大臣 どう受けとめているかと言われても、この数字を見ると、子供のころは優秀だけれども、会社に就職して、若手のうちもまだまあまあ優秀だけれども、経営層になると全然だめになるという。一体何なんだろうか。よく、日本の経営者はサラリーマンのなれの果てなんという悪口を言う人もいますけれども、そういったところが数字に出ているのかなというふうには思います。
 これこそ、私、先ほども申し上げましたけれども、新卒一括採用でともかく一つの会社にずっと勤め続けることが最も立派なことなんだという価値観がもう限界に来ている。これは、経営者と言われる人でも、会社で四十年勤めたからようやく取締役になるとかそういうのではなくて、能力、スキルがしっかりと評価をされて、そして、それは必ずしも同じ会社の中ではなくて、別の会社でまた能力を発揮をしていくというような、やはりそういう社会の価値観を変えていくということが改めて重要なのではないかな。
 私は、NTTは十三年でやめましたけれども、同じ組織に二十年、三十年、四十年いると、やはりだんだんちょっとマンネリ化してくるというか、そういうところもあるんじゃないか。そういう結果が、会社に長くいる経営層ほど国際的には評価が低いという感じになっているのかなと思っています。
○中谷(一)委員 大臣のおっしゃったとおりだと思うんですね。現実的にそういった評価をされてしまっているんだろうということが客観的に数値からも残念ながら見えるわけでありまして、こうしたことをやはり日本国としては改善をしていって、日本の経済を発展をさせていかなければならないということを思っているんです。
 そうした中で、アメリカでは、経営を科学として、MBAのコースなどを通じて教育する仕組みが整備をされております。最近では、世界に先駆けて、AIやビッグデータなどを使った新しいビジネスモデル、これを追求をして、製造業だけじゃなくてサービス業や、データサイエンスによる、感覚的な判断をなくした科学的な経営戦略を学ぶ環境を提供して、経営者や管理職のレベルアップを図っているとのことです。
 その中で、政府も、労働者の学び直しに力を入れたリカレント教育、これをやられていて、それ自体は私も非常に重要なことだと思っているんですけれども、やはりそれ以上に必要なのは経営者や管理職への再教育じゃないかなということを思っております。
 こうした観点から、生産性を向上させるためには、将来の日本企業をつくるアントレプレナー教育や中小企業経営者に向けた経営者の教育支援をもっと充実させた方がいいんじゃないか、経営人材の強化を図ることが必要なんじゃないかと考えるんですが、大臣の御所見を伺います。
○世耕国務大臣 私も、経営人材の強化というのは非常に重要だと思っています。
 私の妻は、二年前、選挙に落ちまして、去年から早稲田のビジネススクールへ通っていて、勉強している内容を見ると、なかなかおもしろいですね。私も、できれば政治家を休職してこういう勉強をちょっと何年かやるとまたパワーアップするのにななんてことを感じたりもしますけれども、やはり経営層の勉強、リーダーとしての勉強というのは非常に重要だと思います。特に、今、コーポレートガバナンスが言われている時代に、やはり厳しい目を持った社外取締役とか機関投資家の評価にたえ得る経営人材をしっかりと育てていくということも重要だと思います。
 これは、国がやるというよりは、やはり民間企業自身の課題として、あるいは経営者を目指す個人のテーマとして、やはり自分に磨きをかけるということが一番重要なんだろうというふうに思っています。
 経産省としては、やれることはなかなか限られていますけれども、例えば、今、女性の経営者を三割と言っているんですが、それはいきなりは無理なので、経営者の予備軍を育てようということで、女性リーダー育成研修を、例えばハーバード・ビジネススクールから講師に来てもらったりとか、そういうこともやらせていただいておりますし、あと、全国九カ所に設置されている中小企業大学校、ここを活用して、中小企業の経営者ですとか管理職向けに企業経営に関する研修事業を実施をする。さらに、交通の利便性の高い場所にサテライト教室を置いて、ウエブで研修できるような仕組みなんというのもつくっておりますが、いずれにしても、経営層の教育というのも極めて重要だということについては同感であります。
○中谷(一)委員 御答弁いただきました。
 私も実は、最近、デジタルハリウッドの大学院に通い直したんです。いつも、公務を終えてから、夜の九時ぐらいから、週二、三行っているんですけれども、やはり、一億二千六百万国民の百兆円の予算の国富を上げていく委員会で質問するに当たって、しっかりこういった感覚を僕自身も身につけて世耕大臣に議論を挑ませていただきたいな、そんな思いで私も今まさに学び直しをさせていただいているんですけれども。
 やはり、こういった幹部人材やまさにこういうマネジメントをする側の教育というのは私は非常に重要なことだと思っておりまして、先ほど御答弁でもいただきました中小企業大学校、こうした取組も一定効果があるんだろうなということを思っております。
 いろいろな改善がなされて、地域事業者向けのアクセスの改善だったりとか、高度実践プログラムの導入とか、そういったことが言われているんですけれども、そもそも論で伺っていきたいんですけれども、この中小企業大学校では、そもそもどういう人材をつくって、社会にどういうインパクトを与えていきたいと考えているのか。制度における目指すべき成果、指標、KPIなどがあれば、それらを交えながら詳細に御説明をいただければと思います。
○高島政府参考人 お答えをいたします。
 中小企業大学校についてでございます。
 中小企業大学校は、主要ブロックごとに全国九カ所に設置をされておりまして、中小企業・小規模事業者の経営者向けの研修、あるいは後継者などを対象にした人材育成を行ってきているところでございます。また、中小企業の支援を担当する方に対する研修というのも行っているところでございまして、研修分野といたしましては、経営戦略でありますとか、あるいはもう少し部門的といいますか、販売力、営業力の強化、生産管理、財務管理、工場管理、経営管理、そういったようなさまざまな研修科目を設けまして、中小企業・小規模事業者の経営の向上全般に役立つようにという趣旨で設置をされております。
 KPIについてでございますけれども、中小企業大学校での研修の効果を測定いたしますのに、受講者の方の給与であるとか、その企業の売上げが上がったかどうかというようなことは、最終的な目的ではあると思いますけれども、研修の効果が短期的、直接的に売上げとかに結びつくかというと、それは必ずしもそうでもないだろうということで、受講生に対して満足度調査などを行いまして、その満足度の結果、役立ったかどうかというようなことをKPIとして分析して、講座内容や提供方法についての改善を図ってきているところでございます。
○中谷(一)委員 今御答弁をいただきました。
 私はやはり、どういう人材をしっかりつくって、その結果をどう出していくのか、それが社会にどうインパクトを与えるのか、これをもうちょっと具体的に想定して、こういった事業はやった方がいいと思うんですね。
 例えば、アフターフォローでしっかりアンケートなんかを行って、受講者の企業が、その後、それはロングスパンでも構わないと思うんです、どうなっていったのか。その会社に勤める方々の給与水準にどういう変化があったのか。例えば、その企業自体、売上げがどう変化をしていったのかとか、こういったことがやはり見えるような事業にしていく必要が私はあるんじゃないかなということを思うんですけれども、政府の見解としてはいかがでしょうか。御所感を伺います。
○高島政府参考人 お答えをいたします。
 中小企業大学校における受講生の満足度調査では、派遣目的とその達成度、受講生が習得したと思われる能力などについては、これまでもアンケート調査をとりまして確認をいたしているところでございます。
 例えば、調査研究ゼミナールといったような授業がございますけれども、その中で調査研究をした研究テーマを、自分の会社に帰ってから、実際にそのテーマを自分の会社に応用してやってみましたかとか、その結果効果がありましたかというようなことは、アンケート調査をとって把握をしてきているところでございます。
 いずれにいたしましても、研修内容を不断に改良していくということは当然必要でございまして、そのために、今の御指摘も踏まえまして、よりよい研修の提供のために、フォローアップについては不断に考えてまいりたいというふうに思います。
○中谷(一)委員 少し、ちょっと答弁がずれたかなと思っているんですけれども、内容の見直しは、プログラムを変えていくとか、そういうことはしっかりもちろんやってほしいと思っているんですけれども、それ以上に、授業をやった成果がどういう形で社会に反映されたのか、これを要するに見えるようにもっとしっかりしてほしいということを私からはお伺いさせていただきました。
 これ以上やっても平行線だと思いますので、私はそういう要望だけまずしっかりさせていただきますので、こちらの方、大臣そして経済産業省の皆様、ぜひお受けとめいただきますようによろしくお願い申し上げます。
 次に、男女共同参画の、特に女性の活躍について、先ほど来大臣も触れられておりましたが、私からもお伺いをさせていただきたいと思うんですけれども、女性の労働参加率が向上している先進国は、全体的に生産性も高まっているという傾向があります。それで、男性と女性が同一労働をしている国ほど生産性は高いということが確認をされており、相関関係が七七%と分析をする識者もいらっしゃいます。
 そうした中で、日本の女性は世界的に見てどれほど活躍をしているかといえば、残念ながら、世界経済フォーラムの二〇一七年の報告書によれば、経済分野における男女格差の指数が、日本の順位は百四十四カ国中百十四位という大変低水準でありました。
 先月、四月十二日、世界経済フォーラム第四次産業革命センターの会長を務められているセールスフォース・ドットコムの会長兼CEOであるマーク・ベニオフ氏が国会に来訪されました。
 そのときに、私もダボスの議連に入っているものですから、発言、意見交換をさせていただいたんですけれども、そのときに彼が言っていたのは、女性の活躍の指数が百十四位ということで非常に低い水準にありますよと。先日、新経済連盟での基調講演を行ったときに、楽天の三木谷氏であったりとか、そうそうたるメンバーと登壇をしたんですけれども、四十一名中三十九名が男性でありましたという、そういった事実を引用をしながら、これでは新経済ではなく古い経済だと日本の現状を酷評をされました。
 こうした現状に代表されるように、日本での女性活躍は残念ながら進んでいないことが浮き彫りになっているわけでありますが、まず日本社会において女性が活躍できる環境整備が必要であり、特にロールモデルになり得るようなマネジメント層の人材育成は急務であると考えますが、いかがでしょうか。大臣の所見を伺います。
○世耕国務大臣 その新経連のフォーラムは、実は私も登壇する予定だったんですが、残念ながら国会で出られなかったんですけれども。
 今おっしゃるように、これからの経営はダイバーシティー、いろいろな価値観を取り入れることがやはりその企業の成長力につながっていく、また国の成長力につながっていくということだというふうに思いますし、新たなイノベーションを生み出そうというときに、やはりいろいろな考え方の人が集まっている経営層の方がそういったものに対応しやすいというふうに考えておりますので、そういう意味では、女性の経営への参画というのは非常に重要で、女性役員をふやしていくということも非常に重要だと思っています。
 安倍政権になってからかなりふやしたんですけれども、政権ができる前の平成二十四年は、女性の役員比率というのは一・六%だったのが、直近は三・七%まで、倍以上にはふやしておりますけれども、平成三十二年一〇%という大きな目標を掲げているんですが、ちょっとそこにはまだまだ遠いのかなというふうに思っています。
 やはり、先ほども申し上げましたけれども、予備軍がいないということだと思いますね。なかなか、いきなり役員というのは難しい。今、三・何%とふえていると言いましたが、内訳を見ると、例えば、監査役に女性公認会計士を入れたり、女性弁護士を入れたりというところでちょっとふやしているというような傾向もややありという感じだと思いますし、今、女性で社外取締役というと、この間もある有名女性経営者に聞いたら、人生で今一番もてている、いろいろなところから社外取締役の声がかかるんだということをおっしゃっていましたが、ちょっとまだ水増し的なところもあろうかと思っています。
 やはり、本質的に女性経営者をふやしていくためには、その予備軍、経産省もようやく新卒採用の中で三〇%を女性の比率が超えてきましたけれども、採用の段階から始めて、そして管理職への登用も含めて、女性の育成をちょっと長い目でやることが非常に重要なんだろうと思います。
 そういう意味で、我々も、その育成に協力、支援をしようということで、先ほど申し上げた女性のリーダー育成研修というのもやりましたし、あるいは、女性同士のリーダーとしての自覚を持ってもらうために、ウーマンズ・イニシアチブ・フォー・リーダーシップ、WILという組織を立ち上げて、将来のリーダー候補となる女性に対して、経営者に必要な知見の習得ですとか、あるいは、やはり人的ネットワークも、お互い助け合えたりとか経験を教え合えたりというのも非常に重要だというふうに思っています。
 もう一つ、経営層という意味では、やはり女性の起業家も重要だというふうに思っています。これも、結局、女性が起業をするということについて、やはり経営知識ですとか人的ネットワークが不足をしているということが課題だというふうに思っています。
 この間も、起業家として成功した女性と懇談をしていたときにすごく言われたのは、やはり自分の経験を、若い、これから起業を目指す女性に伝えてあげたいと、こういうお金の出し手には気をつけた方がいいとかですね。やはり女性ならではのいろいろな経験があるようですから、そういったことを女性起業家支援ネットワークというような形で構築をして、きめ細やかにこのノウハウを伝えていくということも重要かなというふうに思っていますし、政策金融公庫による融資など、やはり女性の起業を資金面で支援することも重要だというふうに考えております。
○中谷(一)委員 御答弁いただきました。
 今の政権になってから経営層の参画の数字自体は回復をされている傾向にあるよ、ただ、潜在的にそれをやりたい人が少ないから非常に大変だという、そんな趣旨の答弁だったのかなと思ったんですけれども。
 おっしゃるとおり、やはり、客観的に、総合的に見ると、世界経済フォーラムの百十四位という数値にあらわれているように、私たちの改善率よりも他の国が改善をしているのか、私たちの順位自体は下がってしまっているわけですね。なので、これを定量的にやはり、私は、改善をしていけるような抜本的な取組がもっとしっかり必要なんじゃないかなということを思っています。
 それで、女性の経営者の方がおっしゃった、後世の人にそういう自分の経験を伝えていきたい、こういったことも非常に重要だと思いますし、やはり、女性が労働市場に参画をしていって、もっと、何というか、ロールモデルになれるような人がどんどんどんどん出てくるということが、私も、それの改善につながるんじゃないかなということを思っているんです。
 今は、残念ながら、女性の参加率が上がっても、日本だと生産性を低下させる要因になるという結果があるということも言われていて、要するに、これは、男性と比べたときに、海外のように収入面での待遇改善がされていないからそういう傾向になっているよということが言われておりますので、私は、こうした状況を鑑みると、同一労働同一賃金と、やはり男女共同参画、特に、女性が活躍できる労働環境を定量的な結果が結びつく形で推進することが求められているんだということを思っています。
 また、ライフ・ワーク・バランス、これの推進を図る観点からも、短時間勤務やテレワーク、先ほどの議論でもありました、フリーランスだったりとかクラウドソーシングなどの多様な働き方の整備であったりとか、あとは、病児保育の普及や、企業主導型の保育事業を推進することや、保育の受皿確保、そして、産前産後の休業、育児休業、介護休業明けの職場復帰の担保となるキャリア形成や、生活する賃金に影響が出ない人事制度に加えて、幹部候補生の女性を育てるキャリアアップ制度を推進する企業、こうしたところの働き方や休み方の労働関係を改善しようとする、そういった取組を行う企業にこそしっかりとインセンティブを与えて、生産性の向上を図るべきであると考えているんですが、いかがでしょうか。大臣の所見を伺います。
○世耕国務大臣 全くおっしゃるとおりだと思います。
 特に、もう今はテクノロジーが進歩していて、いろいろな働き方ができるわけであります。育児となるとどうしても育児休職となりますが、やはり、休職すると、この技術変化の激しい時代に、なかなか復帰した後のキャッチアップがしんどい。これを、例えば、育児しながらテレワークというのを組み合わせたら、私も月に一回、テレワークをやっていますけれども、何の問題もありませんね。逆に、役所でやるよりもちょっと集中ができて、目の前にいる人の表情とかにごまかされないので、きちっと書類で、読み込んで対応できるのでいいなと思っているんですが、テレワークで例えば育児中の勤務ができるようにするとか、そういう企業の取組をやはり推奨していくことは非常に重要だと思っています。
 幾つか経産省はやっているんですが、一つは、女性を始め多様な人材の能力を最大限発揮させることによって成果を上げている企業を表彰する仕組み、新・ダイバーシティ経営企業百選というのをやらせていただいております。
 さらに、その中で、中長期的な視点からダイバーシティー経営を推進している企業を、百選プライムというので更にたたえるということもやっています。ただ、これは経産省が表彰しているだけなので、一銭にもならないわけでありますけれども。
 もう一つは、やはり、企業の経営に直結する取組ということで、特に投資家に対して、女性の活躍推進を行う企業を紹介する、なでしこ銘柄というのを選定、公表をして、企業の女性活躍推進の取組の浸透を図っているところであります。
 今はもうESG投資というのがかなり盛んになってきました。ESGのSはソーシャルでありますから、やはり、女性の活躍を推進していないと投資家の資金もなかなか呼び込みにくいという時代がこれからやってくるというふうに思います。
 企業経営者には、ぜひその辺も自覚をしていただいて、テレワークなどによる柔軟な勤務場所とか勤務時間、早期の復職支援ですとか、自発的なキャリア構築の推進、こういったことで、女性が働きやすい労働環境の整備を推進していきたいと思っています。
○中谷(一)委員 ぜひ、そうした環境の整備を進めていただければと思います。
 最後に、端的に伺います。
 この前の省エネ法のときの話で聞きそびれた部分がありましたので、一問伺わせていただきたいんです。
 これからは、例えばタイムズのような事業者から、個人間のカーシェアリングを行うようなシェアリングエコノミーの進展というのは今後どんどんどんどん進んでくると思うんですけれども、そうした展望を交えた議論がされていないように感じるんですが、省エネを推進するに当たって、こうしたシェアリングエコノミー等の進展に与える影響、これに対する政府の取組、これをどうしていこうと考えられているのか、お答えください。
○世耕国務大臣 まず現状では、現行の省エネ法では、このシェアリングエコノミーを仲介するプラットホーム事業者については捕捉されていないというのが現状であります。
 シェアリングエコノミーというのは、例えば車にしても、個人の持っている車を寄せ集めてみんなでシェアをするということになるので、なかなか、今の状況では省エネ法でちょっとぴたっとはまらないということであります。
 ただ、このシェアリングエコノミーもこれからまた時々刻々どんどん業態が変化してくると思いますので、そういった中で、やはりプラットホーム事業者に対して省エネ努力を求めた方がいい、求める必要が生じた場合には、規制のあり方も検討していく必要が将来的にはあるんだろうと思っています。
○中谷(一)委員 それでは質問を終わります。ありがとうございました。
○稲津委員長 次に、田嶋要君。
○田嶋委員 田嶋要でございます。
 今の世耕大臣のテレワークの話を聞いていて、私も、iPadでテレビ会議をやると、目の前に人がいるよりもむしろ効率が上がるような感じも、印象を持ちまして、何か同感だなと聞いておりました。
 最初に大臣にちょっとお尋ねしますけれども、大臣、これから出張に行かれますよね、そうですよね。出張の準備で忙しいから、なるべくあしたは答弁させないようにしてくれという指示をしたんですか。
○世耕国務大臣 そんなことはしておりません。誠心誠意お答えしているつもりでございます。
○田嶋委員 まさか大臣がとは思っておりますけれども、だけれども、部下はしているんですよ、そういうことを。私のところにも電話があったし、私以外の、どちらかというと当選期数の少ない人のところには相当プレッシャーがかかったみたいなんですけれども。いや、大臣、これはそんたく政治というんじゃないんですか。大臣はそんなことを思っていなくても、いやあ、週末も出張で大変だから、大臣のちょっと体力も考えたら、あしたはプレッシャーをかけないようにしよう、こういうことなんですよ。何かしゃべりたいですか。
 いや、もう一つの私は可能性があるなと思ったんですよ。大臣のことを気遣うんじゃなくて、大臣の体は一つだから、みんなが順番に御進講しなきゃいけない。あすからの出張のことを説明する。そうすると、きょうのレクの時間がなかなかとれないから、結果的に皆さん方のワーク・ライフ・バランスの観点からおっしゃっているのだとしたら、少し私も考えなきゃいけない部分もあるのかなと思うんですけれども、その辺はどうですかね。
○世耕国務大臣 私、気軽に答弁しているように見えるんですけれども、通告いただくとやはり一問に数十分かけて勉強していまして、本当に、夜、きょうも私五時に起きて勉強しています、自宅で。これは職員に迷惑をかけないように、それこそテレワークで、自宅で経産省のサーバーにアクセスをして、答弁書を見て、自分で勉強して、わからないところだけ朝来て担当とやるということをやっています。
 だから、そういう意味で、出張を目前にして少しでも睡眠時間をとってほしいという職員の思いには心から感謝を申し上げたいというふうに思いますし、当然、きのうの夜私がやらなきゃいけないことは、答弁勉強に加えて、きょうからの出張、これは非常に、ライトハイザー通商代表も来ます、EUのマルムストローム欧州委員と、これはどうやって車の問題について連携関係をつくっていくかとか、いろいろそれも勉強しなきゃいけなかったものですから、そういった点を総合的に職員が配慮してくれたんだろうと思いますが、私は、通告があれば一生懸命勉強して、きちっとこういう形でお答えをさせていただいているところでございます。
○田嶋委員 私が政務官をやっていたときだって準備はしますよ、やはり。だから、それは、ましてや大臣ですから。大臣はそれがこなせるから大臣をやっているわけなので、そこは体力も大変だと思いますよ、二泊四日の海外とかね。(世耕国務大臣「一泊四日」と呼ぶ)一泊四日、もっと大変だね。大変だとは思うけれども、そこは、だからその準備のために質問の数を減らしてくれというのは、ちょっとこれは、私もびっくりしましたよ、そこまで言うかと。気をつけていただきたいというふうに思います。
 それでは質問に移りますが、きょうは規制委員長にお越しいただきまして、ありがとうございます。
 それで、経産大臣には私は、それを配慮してじゃないですよ、結果として余り多く聞かないことになるんですが、原子力委員会、次が今国会あるかどうかもわかりませんので、この間の続きの質問で、幾つか御検討ということをいただきましたので、その定点観測ということで、確認の質問をさせていただきたいと思います。
 前回、この黒川委員長の御著書を示しまして、これを読んだことはございますかと更田委員長にお尋ねしたところ、手にはとったことがあるけれども読んだことはないと、正直な御答弁でございました。手にはとったけれども、読むほどの魅力は感じなかったのかなという感じもいたしますが、あれから二週間、三週間たちました。私がそれを指摘しましたけれども、更田委員長、読んでいただけましたでしょうか。
○更田政府特別補佐人 お答えいたします。
 まだ読んでおりません。
○田嶋委員 先週は、与党の平理事もこの御著書を読まれておりました。これは、別にこれだけがということではもちろんありませんけれども、何度も申しますけれども、やはり私たちは、三・一一原発事故は風化させてはいけないし、国民の先頭に立って、この問題は現在もいろいろ続いている問題が多々ございます。安全神話に二度と舞い戻ってはいけないということで、やはり、こういった特別な立場で、国会事故調委員長という立場でやられた方でございますので、ひょっとしたら、委員長の立場からすると煙たい存在かもしれませんよ。しかし、これはしっかりと、ぜひとも、これだけじゃありませんけれども、お忙しいとは思いますが、御一読をお勧めしたいというふうに思います。
 世耕大臣はいかがですか。
○世耕国務大臣 私は、その本は読んでいませんけれども、国会事故調、政府事故調の報告書、あるいはそのベースとなっている議事録などについては、官房副長官時代にきちっと目は通させていただいているつもりでございます。
○田嶋委員 ありがとうございます。
 大臣所信の中でも、福島の復興は最重要課題だというふうに言っていただいております。着実な廃炉、そうしたことも言及をされておりますので、やはりこれは経産省全体にとっても大変重要だということを改めて確認をさせていただきたいと思います。
 それでは更田委員長にお尋ねしますが、いろいろな規制庁のお仕事の中で、外部の方々との会議がたくさんあるということを私も知らしていただきました。安全審査の会合は年に二百回程度、あるいはそれ以外に二千回ほどの会議が行われるということでございますが、こうした原発に関するヒアリングのうち、原発事業者とのヒアリングというのはどのぐらいあるものなのか、あるいは、そのヒアリングの性格による類型化というのができるのかどうか、委員長のまず御答弁をお願いします。
○更田政府特別補佐人 お答えします。
 まず、事実関係でございますけれども、二千回という数字は原子力発電所の審査にかかわる内容についての回数でございまして、これは、規制庁の事務方が先生の方に御説明したときに挙げた数字だというふうに聞いております。
 これ以外に、原子力発電所以外の審査、核燃料サイクル施設ですとか、そういったものの審査に係るもののヒアリングが年間に五百回程度、そして、それ以外に、審査に係るもの以外、非常に多数を占めますのは、福島第一原子力発電所の廃炉工程にかかわるようなヒアリングでありますけれども、これが、今、九カ月に関して集計したところ三千件ありましたので、恐らくですけれども、年間四千件程度。合わせますと、ヒアリングと称するものは年間六千回から七千回程度行っております。
 特に、お尋ねの発電所の審査に係る二千回というのは、これは当該原子炉設置者との間で行うものでありますので、設置者というのは電力会社になります。
 これらのヒアリングは、設置変更許可に係る地震や津波といった自然現象であるとか、プラントの設計に関するものについて、さまざまなものがございます。そういった意味で、重要度に応じて、内容に応じてこれらを類型化するというのは大変に難しいというふうに考えております。
 いずれにしましても、御指摘にありますように、透明性の確保というのは非常に重要であると考えておりますので、引き続き、可能な限りの対応ができるかどうか、とにかく検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
○田嶋委員 私が受けた説明は、安全審査というのは二百回ぐらいだということで、それ以外の何千回というのは審査の前段階のファクトチェックがメーンだと聞いておりますが、そういうことですよね。
○更田政府特別補佐人 お答えいたします。
 原子力発電所にまず絞らせていただきまして、原子力発電所の審査に関して、いわゆる公開で行っております審査会合というのが二百回、そしてその前段のファクトチェックが二千回ということであります。
○田嶋委員 そこは間違っていなかったわけですが。この審査は公開というのは当然のことでございまして、配付資料の一、二、三に、ちょっと原子力規制委員会のホームページも見てみました。
 一番大事なのは審査ということで、審査に関しては動画像も流し、議事録もきっちりとっていただいておるというわけでございますが、この資料一を見ていただくと、「被規制者等との面談記録」というのが、さまざまなカテゴリーがあるわけでございます。
 次のページを見ていただくと、最初の資料の二とつけたところが次の資料でございますが、そのさまざまな会合の中で、「事故・施設故障等に関するもの」というのがこの二で書いてある資料でございますね。
 その中で一番直近、五月二十八日ですから、つい最近ですね、つい最近行われたものが三という資料になりまして、ここに東京電力福島第一原発の現状等に関する情報連絡会、こういうことでございます。これは当然中身ですから委員長もよく御存じだと思いますが、この三ですね。会議がわずか八分でございまして、そして、これはそれこそさっきのテレビ会議でやっているという。
 そんなことで、必ずしも六本木の場所に毎回来て何千回とやっているわけではない、そういうことでよろしゅうございますか。
○更田政府特別補佐人 お答えいたします。
 ヒアリングもさまざまな形態がございます。ここに挙げているものが代表的なものとはちょっと読みにくいところはありますけれども、東京電力が、そもそも東京電力内での、社内での連絡をしているものに関して、情報をつかむために規制庁の職員が参加するという形をとっているものもございます。
 このようにテレビ会議システムが使われているものに関して、テレビ会議での参加が可能なものについてはこういった形態のものもございます。
○田嶋委員 たくさんあるのはよくわかりましたし、いろいろな種類がある。テレビ会議でやっているんだったら、そもそも記録はやはりとりやすいですよね。テレビ会議でやっているわけですから、実際ITを使って。
 私が前回申し上げたとおり、数が膨大ではあるものの、世界の注目があるこの原子力規制庁の振る舞い、独立性、透明性、やはり、それを担保する上で、百点ということはないわけでありますから、今の審査にかかわる二百回だけでは私は不十分だということを前回も申し上げたわけでございますが、前回は技術的に無理だということをおっしゃっていましたが、私はそうは思っていないわけでありますが、委員長、改めて、技術的な解決手段、考えていただけましたか。
○更田政府特別補佐人 お答えいたします。
 先生再三御指摘のように、原子力の規制に当たって透明性の確保が重要であることは私どもも十分に認識しておりまして、規制に係る情報の開示に努めているところであります。
 その上で、なかなか簡単にクリアできるものではない旨申し上げているのは、ヒアリングの内容の中では、特に、例えば具体的に申し上げますと、建物のドアがいつあいていて、いつ閉まっていて、あるいは出入り口がどこにあってというような具体的な内容に関して、これは悪意ある第三者にとっては、具体的に言いますとテロリスト等々を考えたときには、セキュリティーに関する情報であります。原子力施設のテロリズムに対する脆弱性を持たせないためには、どの部分がセキュリティーにかかわる情報か、どの部分が公開できる情報かという、より分けが極めて多岐にわたります。
 そういった意味で、まず、録画をしておいて、今度はセキュリティー情報に係るかどうかということを一つ一つチェックをして、その上で公開という、このようなことを考えると技術的に非常に難しいと考えておりまして、セキュリティーの強化という面と、それから透明性を高めるというところを両立させるのは極めて難しい問題であるというふうに認識をしております。
○田嶋委員 とすると、その二百回の安全審査に関しては、そういう問題は起きないということですか。
○更田政府特別補佐人 お答えいたします。
 二百回の審査会合につきましては、事前にヒアリングの席で、これはセキュリティー上オープンにできない情報かどうかということを確認した上で行っております。
 それでもなお、やはり審査会合で、ごくまれにではありますけれども、この情報の開示は難しいのではないかといったものが出てくることもあります。
 ですから、これは百点はなかなかないものでありますけれども、セキュリティー強化に万全を期しながら、かつ透明性を高めるというのは、問題があるという点では審査会合もヒアリングも同じであります。
○田嶋委員 そういう意味では、ゼロ、一議論にはせずに、今は二百回分は公開をきちんとしているけれども、私は、更にそれを広げていけるように、どこまで広げていけるか、まさに敵に塩を送るようなことではいけないわけなので、そこを配慮しながら、どこまでより大きな情報公開が、透明性の担保ができるかということを更に委員長には責任を持って検討していただきたいというふうに思います。
 次の質問でございますが、もう一つは資料でございますが、これも前回、マスキング箇所という問題、よく役所から出てくる黒塗り、白塗りの話でございますが、委員長から、必要最小限でなければならない、このように同じ考えであるということは確認させていただきました。
 その上で、アメリカやフランスなどでも、この配付資料の五でございますけれども、文書の公開ということは、日本の場合には、この真ん中辺でございますが、一から四のような場合は不開示だということが一般論としては書いてある。特にこの三企業秘密又は知的財産に関わる情報は開示しなくてもいいということでありますが、やはり、悪魔は細部に宿るということで、同じ一般論であっても、日本は真っ黒、アメリカ、フランスは少ししか黒くはしないということが僕は十分あり得ると思いますので、そこを虚心坦懐に委員長には確認をしていただきたい。
 そのような検査、そのようなことをどのようにこれから行っていき、最小限の不開示ということになるか、御検討の状況をお伝えください。
○更田政府特別補佐人 お答えをいたします。
 透明性の確保と、それから悪意ある第三者に塩を送らないという、これを両立させるという意味で、情報の非開示に係るものというのは非常に機微な部分であろうと思っております。
 また、テロリストに有利な情報を与えない、あるいは核不拡散上の情報を開示しないという点は重要でありますけれども、まさに御質問にありましたように、商業機密に名をかりていたずらに非公開の部分を広げるというのはあってはならないことだと思っておりますし、私も、審査に参加をしていた上で何回か、これがなぜ公開できないんだというような問いかけをして、検討してもらった結果、結果的に公開できたというような例もございます。
 ですので、今後とも、私たちの意識は、公開すべきものはきちんと公開するということは、意識を高めていくことは重要だと思っております。
 それで、お尋ねのマスキング部分の国際比較でありますけれども、これは、調査を進めようとしておりますけれども、結果的に、これはまず相手がありますので、相手の同意、詳細な調査に進もうとしますと、例えば米国、例えばフランスといったものに特定したときに、その比較を行おうとしますと、米国規制当局、それからフランスの規制当局の協力が必要になりますので、まずはこれの、まだ実際に問いかけているわけではありませんけれども、調査方法を、どういったやり方が可能かどうか、あるいは、依頼をするのであればどういう依頼の仕方が可能であろうかというような検討は進めているところでございます。
○田嶋委員 この国会ではこれが多分最後になりますが、ぜひ検討を前へ進めていただきたいと思います。
 黒川さんのこの本のタイトルの「規制の虜」というのは、意味は御存じだと思いますけれども、規制する側が規制される側のとりこになるということですね。要するに、力関係が逆転して、どっちが力が上かわからないということでありますから、規制される側がこれは出せないんですと言う言葉をそのまま真に受けて、世界からずれたようなことが行われないように、ぜひともしっかりとした国際比較もしながら、前へ進めていただきたいと思います。
 次の質問でございますが、もう一つ大事な点は、ノーリターンルールであります。これも大変国民が心配をしている癒着の関係ですね。なれ合い、癒着が起きないかということでありますが、これに関しても、前回、検討していただくということになりましたが、改めまして、企業との関係、それから、経済産業省の、推進側に戻る、戻らないの議論でございますが、全数チェック、たかだか千人、二千人の話だと思いますけれども、これは行うめどは立ちましたでしょうか。
○更田政府特別補佐人 お答えいたします。
 まず、二点に分けてお答えをさせていただきたいと思います。
 一点目は、いわゆるノーリターンルール、これは原子力規制委員会設置法附則の第六条第二項で定められているものですが、このノーリターンルールについては、毎年全数チェックを行っておりまして、これまでルールに抵触するような配置は行われていない。今後とも関係省庁と協力して同ルールを履行していく所存であります。
 一方、産業界との関係というのは、これは同じ法律の附則第六条第三項の再就職規制にかかわるものというふうに理解をしておりますけれども、再就職規制につきましては、職員への継続的な周知に加えて、国家公務員法の再就職規制の枠組みに基づき確認を行い、これまで特段の問題は生じていないと承知をしております。
○田嶋委員 ちょっとそれだけでは、本当に全部大丈夫かというところはやはり疑念があると思いますね。
 このお配りしている資料六の第六条の三でございますが、執行の公正さに対する国民の疑念又は不信を招くような再就職は規制するというふうに書いてあるわけでありますので、再三申し上げますけれども、これは一人一人確認できる問題です。何十万人とか何百万人の話を言っているわけじゃありませんので、皆さん方の、委員長のところで、かつて働かれた方がどういうところにその後行かれているか、直接推進のところに行っていない場合でも、よく一呼吸置いてから行く、こういうことがありがちでありますから、委員長、ぜひそこのところも、言われたとおりで、それで信じないで、チェックをしっかりと行っていくということを今後も継続してお願いしたいと思います。小澤さんもひとつよろしくお願いいたします。いいですね。
 それから、次の質問をさせていただきますが、九・一一のアメリカは、その後に原発に関して、テロ対策いわゆるB5bというのをNRCの命令で出しました。このB5bというのは一体どういうものなのかということと、黒川先生も御著書の中でおっしゃっておるのは、その重要性が三・一一で日本が起きる前に二度も伝えられているのに日本はそれをちゃんと真剣に聞いて実装するということを怠った、それがあの大事故につながった可能性があるという御指摘もあるわけですが、委員長、そこの経緯を教えてください。
○更田政府特別補佐人 お答えをいたします。
 少し旧組織時代のことも含めて経緯を申し上げますが、旧規制当局であります旧原子力安全・保安院は、米国よりB5bに関する情報の提供を受けまして、二〇〇九年三月、原子力安全・保安部会において、今後航空機衝突を念頭に置いた対応につき調査検討を行うことを公表しましたが、米国からB5bに関する詳細な情報を入手できず、独自に技術的検討を行っておりまして、福島第一原子力発電所事故の時点では検討が継続していたものと承知をしております。
 東京電力福島第一原子力発電所事故の発生後、原子力規制委員会が策定しました新規制基準におきましては、これはB5bの内容そのものはいまだに公開できるものではありませんが、このB5b、テロに対する備えについては新規制基準の中でこれをカバーするように新規制基準を定めております。
 新規制基準への適合性に当たりましては、一例ですけれども、意図的な航空機衝突などに関する評価も含めて行っておりまして、申請がありましたプラントから順次審査を行って、その適合性を確認しているところでございます。
○田嶋委員 九・一一から三・一一は十年、間があるわけですよね。だから私は、その十年間の間に十分それは対策をとり得たのではないのかなというふうに思いますし、詳細情報が得られなかったというのは本当に事実ですかね。私はいろいろ話しているけれども、そこは本当にそうなのかという声はありますよ。委員長はどこまでそれは御自分で確認されているのかわかりませんが、本当に情報はとれなかったのかという点は少し疑問が残るところでございますが、一点質問させていただきます。
 この資料の七ですね、ここに新規制基準ということで載せてありますけれども、今おっしゃったような意図的な航空機衝突への対応というのが新たに盛り込まれたというのは了解をしております。
 ただ、新規制基準というのは、これは再稼働をして動かす場合のときの適用でございますね。アメリカにおいては、このNRCのB5bは、動いていない原発には適用はされていないんでしょうか。
○更田政府特別補佐人 お答えいたします。
 まず、情報がとれたか、とれなかったかという点に関しては、当時の規制当局にとりに行く姿勢があったかどうかというのは私は承知をしておりませんので、これは、このような情報というのは、やはり、私どもが情報をとりに行こうとする意思を持っていなければおのずと情報が入ってこないところがありますので、原子力規制委員会が東京電力福島第一原子力発電所事故の教訓として大事なものの一つとして、みずから他国のグッドプラクティスに学ぶべく情報をとりに行く。情報をとりに行けば、恐らくB5bのような情報も、その細部に至るまで提供を受けられたものと理解をしております。
 その上で、停止中の原発に対するB5bの適用が米国でどう行われているかですが、これは今の時点で私はお答えを持っておりません。
○田嶋委員 きのう、事務方からはちゃんと紙で回答をいただきまして、停止中のものもB5bの適用を受けていますという紙が来ましたよ、委員長。そうしないと私の次の質問につながりにくいんですけれども、いや、だから、アメリカは、動いているものだけじゃなくて、停止中のものもテロ対策は同じ基準でやっているということなんですよ。
 で、次の私の質問は、日本は新規制基準にこれが入りましたということは、新規制基準がまだそこまで至っていない、つまり、動かそうという意思のない日本のまだ数十カ所ある原発に関しては、このテロ対策が不十分なんじゃないんですかというのが私の次の質問です。
○更田政府特別補佐人 済みません。ちょっと停止中の定義を取り違えたところがありますけれども、直接的な御質問にお答えしますと、現在停止中の原子力発電所、これは日本の置かれている特殊な事情もありますけれども、使用済み燃料が長期間冷却されていることなどを考えますと、運転中の原子炉に比べてはるかにリスクは低いと考えておりまして、現時点で追加の対応を求める必要はないものというふうに考えております。
○田嶋委員 もう時間ですが、温度がだんだん下がってくるのは事実ですけれども、しかし、だからといって、水の冷却をやめて、もうドライキャスクでいいんだということにはならないからこそ、今でも冷やし続けているわけですよね。同じような事情は、アメリカでも一緒だと思いますよ。それはやはり、ちょっと私は今の委員長の御答弁では不十分だと思います。
 アメリカは全ての原発にB5bを適用しているんです。日本は動いた六基にしか適用されていない、なぜならば、新規制基準でチェックされたのはその動いている六基だけだから。残りは不十分だ。安全性が、テロ対策に対して十分に、アメリカ並みには行われていない。すなわち、世界一厳しい基準にはなっていないということだというふうに思います。
 もう時間ですか。では、最後の一問よろしいですか。だめですか。いいですか。
 では最後に、世耕さん、一言も話さないのも残念ですのでお伺いしますけれども、ちょっと原子力と違いますが、RE一〇〇に関してお尋ねします。
 リニューアブルエナジー一〇〇、これは、外務省と環境省は加盟できるように前向きに考えるという答弁を国際社会に向かって発表されているようでございますが、前回は事前の通告がないので答弁しないとおっしゃいました。今回は事前の通告をいたしましたので、国際社会に向かって、経済産業大臣としてアピールをお願いいたします。
○世耕国務大臣 まずRE一〇〇、これは民間が取り組むことについては歓迎だということであります。
 また、経産省としても、再エネ導入を進める、あるいは蓄電とか水素の開発で、再エネを自立した主力電源にすることによって、今RE一〇〇をやろうと思ったら、やはり少々買ってこられる企業じゃないとだめなわけですけれども、できるだけ多くの企業が参加できる地合いをつくっていく、これがまず経産省の最も重要な任務だと思っています。
 その上で、外務、環境も表明しているんだから、経産も前向きに検討しようじゃないかということで、けさ検討をしたら、これ、RE一〇〇ジョイニングクライテリアというのがありまして、以下の一つ又は二つの点に合致することで影響力があるとみなせる企業であることとなっていまして、世界的又は国民的に認識され信頼されているブランド、これはMETIはもしかしたら当てはまるかもわかりませんし、主要な多国籍企業であること、フォーチュンワンサウザンド又は同等ということですから、これはちょっと経産省は当てはまらない。相当の電力調達量実績、これが一億キロワットアワー以上。経産省は大体、今多くても九百万キロワットアワーですから、十分の一にも届かないということでありますし、そもそも、これはカンパニーになっているので、これが当てはまるのかどうかということも含めて、よく検討をさせていただきたいというふうに思います。
○田嶋委員 まあ、姿勢ですね、問われているのは。いつも前向き、外務省、環境省。いつも後ろ向きな経産省。この構図が余りにもはっきりすると、せっかくの世耕さんの活躍も何か台なしですよ、これは本当に。(世耕国務大臣「カンパニー」と呼ぶ)構わない。(世耕国務大臣「カンパニーです」と呼ぶ)ああ、カンパニー。
 いずれにしても、世耕さん、最後に一言。RE一〇〇は日本の競争力に大きな影響をこれから与えると思います。アップルは、そういう会社からしか調達しないといって、日本のイビデンの例は御存じだと思いますが、ぜひともそのことを軽んじないようにして政策を進めていただきたいと思います。
 以上です。ありがとうございました。
○稲津委員長 次に、山岡達丸君。
○山岡委員 御質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 世耕大臣は、先週はロシアの方に行かれて、また、あす以降も御出張される……(世耕国務大臣「きょう、今晩」と呼ぶ)きょう、今晩行かれるということであります。(発言する者あり)本当に、外交、今、行き過ぎではないかという筆頭理事からのお話もございましたけれども、本当にそうした御努力をされている中で、国会の中でもこうして真摯に御答弁いただくことに心から敬意を表させていただきながら、質問に入らさせていただきます。きょうは一般質疑、四十分いただいております。
 その海外に行かれた最新のお話について、まずちょっとお伺いしたいと思いますけれども、大臣は、五月二十六日になりますでしょうか、日ロの首脳会談、ここに、首脳会談ですから当然総理と大統領なわけでありますけれども、御同席された、同席というか、一緒に行かれたということでございました。
 大臣は、経済産業大臣であるとともに、ロシアの経済分野の協力担当大臣ということも任命されているということでありますけれども、この協力担当大臣というのは、いわゆる北方領土の問題は別にして、ロシア全体と日本全体とのさまざまな経済協力、こうしたことを行うというのがミッションであるということを聞いております。
 八項目にわたる協力プランというのが二〇一六年の五月、ソチでの首脳会談の場で安倍総理とプーチン大統領の中で初めて世間に披露されたわけでありますけれども、中を見ますと、健康のことであったり、医療、リハビリのことであったり、渋滞対策とかインフラ整備、人的交流、生産性向上、中小企業の協力とか先端技術協力、エネルギーということで、このほかにもあるんですけれども、非常に多岐にわたることでありまして、リリース上は日本とロシアの強みを生かすのだというような発表をされているということであります。
 北方領土の問題も絡むので、こうしますと外務大臣とかがいらっしゃれば御答弁を求めるところでありますけれども、あくまでもこの北方領土の問題ということは全く別にして、こうした純粋な経済協力、その中で今回ちょっと御質問させていただきたいと思っております。
 今回の首脳会談にどうも外務大臣は御一緒に行かれなかったようでございまして、世耕さんが御一緒に行かれたということになりますと、北方領土のことはおいておいても、この経済プランについて非常に何か進展があるといいますか、そうした期待をするといいますか、そうした受けとめをさせていただくような外形的な動きでもございましたが、まず大臣に伺いますけれども、この日ロの八つの経済プランの成果、あるいは進展、そして、あわせて意義も含めて、大臣、御見解がありましたら、状況を伺わさせていただければと思います。
○世耕国務大臣 二十六日、安倍総理とプーチン大統領の会談に私も同席しました。これは三パーツに分かれていて、前半七十分は少人数で、お互い同席するのは四人ずつという形でやって、その後、安倍総理とプーチン大統領、通訳だけ交えて二人っきり、これが三十五分、その後、少し参加者を拡大して、お互いのビジネスマンも参加をして四十五分、ワーキングディナーという形で行われました。
 外務省は、しっかり、外務大臣は来ていませんけれども、これはちゃんと分担をしてということでありまして、外務省からは当然、森外務審議官が参加していますし、また谷内国家安全保障局長が、これは安保の立場から参加、私は経済分野協力で、私も同席を少人数からさせていただきました。
 何で私が同席するかというと、もちろんこの経済協力プランというのが、経済分野協力というのが非常に重要だということもありますし、プーチン大統領のPはプロジェクトのPと言われていて、物すごく細かいプロジェクトに詳しくて、この八項目の協力プランもプーチン大統領は非常に頭に入っていて、次々、あれがどうなっている、こうなっているとなりますので、そういう意味で、少し私も同席をしてサポートをする必要があるというふうに思って、今回、私も同行して、総理のサポートをさせていただいたところであります。
 今回の首脳会談では、特に、医療や都市開発、エネルギーなど、着実に成果が上がっているということを首脳間でしっかりと確認をし、歓迎をしてもらったということが非常に重要だと思っています。
 これは八項目の協力プランと言われていますけれども、プロジェクトとしては、今、百三十件を超える民間プロジェクトが生み出されたという状況であります。そのうち半分以上で、契約ですとか、あるいはもうパイロットプロジェクトが動き始めているという形で、単なる覚書ではなくて、具体的なアクションも始まっているところであります。
 ロシアは、ここへ来て、やはり労働生産性の向上とデジタルへの対応ということも非常に重視をし始めていますので、今回、私とカウンターパートのオレシュキン大臣との間では、労働生産性とデジタルに関しても協力の覚書の署名をして、この八項目の協力プランの裾野を更に広げたところであります。
 私にとって非常にやはり印象的だったのは、八項目の協力プランもかれこれ二年やっておりますけれども、非常に大きかったのは、プーチン大統領が選挙に勝たれて、その後の施政方針演説のような非常に重要な演説の中で、ざっと経済、社会について述べられたところは、ほぼこの八項目の協力プランと順番も含めて一致をしているというところでありまして、そういう意味で、やはりロシア側に非常に突き刺さっているのかなというふうに思っているわけであります。
 このプロジェクトをもっとしっかりと実行していくことによって、ロシア国民の間に、日本と協力することによって自分たちの生活が向上するという感覚を持ってもらって、そして、その先には平和条約締結、これは私の担当ではありませんけれども、そこへつながっていってほしいと切に願っているところであります。
○山岡委員 ありがとうございます。
 非常に、状況も含めて、詳細も伺わさせていただきましたけれども、プーチン大統領が非常にプロジェクト一つ一つに強い関心を持っているという受けとめをされておられて、この後質問でも触れようかと思っていたんですけれども、おっしゃっていただいたとおり、三月一日、事実上の選挙公約に当たる議会教書演説というんでしょうか、十八日に選挙がございましてプーチン大統領は圧倒的な得票で勝ったわけでありますけれども、この選挙公約の中に、私も読まさせていただきましたけれども、まさに国民の平均寿命を延ばすのだとか、あるいは、都市開発、インフラ整備の拡充、渋滞を緩和するのだとか。
 これは、本当におっしゃるとおり、まさに日本が二年前にお示しされた八つの経済プランを、大臣の受けとめとしては非常に突き刺さっているのだというお話をいただきましたが、私は、言葉を少しかえて言いますと、非常に日本を当てにしているような受けとめを感じました。
 それで、大統領の演説の中で、社会政策とか住宅政策とか、生活に密着することがかなり事細かに述べられるというのは、過去、これは外務省と話をした中で伺ったんですけれども、非常に珍しいといいますか、手厚いということで、非常に影響力を今この日本の経済プランが持っているということは強く感じるわけであります。
 ただ、そこで、非常に心配なことも一つございまして、大臣は経済協力担当大臣でありますけれども、経済分野として行かれているわけであります。いみじくも、北海道も大きくかかわる、先ほど大臣は平和条約の締結に向けたお話も触れていただきましたけれども、そこはそことして、あくまでも、やはり、これは日本にとって経済的なメリットがあるものであってほしいということを強く思うわけであります。
 私は、五、六年前だったと思いますけれども、択捉島にちょっとビザなしで行かさせていただいたときに、択捉の町は、公共事業を含めて道路の整備とかで非常に盛り上がっていたわけですけれども、建物と建物の間に網が張ってあって、その向こうに古ぼけた発電機がありまして、もう使われていないわけです。網が張ってありますから、入れない。人の角度には見えないところで、これは日本が援助してくれたものですみたいな、誰も見ないようなほこりをかぶった看板が立っている。
 つまり、過去、ロシアに対して、ソ連の時代もあるんですけれども、人道支援をやった中で、日本は当時は、それは、ロシア国民、ソ連の国民との信頼醸成なのだということでやったわけでありますけれども、今、事ここに至っては、もう町は違うことで盛り上がって、非常に見向きもされないという環境になっているということを目にして、非常に感じるものがございました。
 そして、ロシアのプーチンさんの、そういう意味では、公約にも掲げているということになれば、これは私の立場として申し上げますけれども、日本が一生懸命協力したことが、プーチン大統領の成果であって、日本としての協力があったからこそのことだよということがどこまで浸透するのかということは、いささか心配な部分がございました。
 ですので、信頼醸成というのは信頼醸成で大切なんですけれども、ぜひ、大臣に、改めて質問させていただいて、伺いたいんですけれども、これは、援助ではなくて、日本としても投資的な価値、意味があるものなんだ、そして、北海道からも、立地的な問題と特別なやはり課題を抱えている国でありますから、経済団体あるいは道庁もみんな連なって行っていますけれども、これはやはり、日本国民にとっても、あるいは日本の企業にとっても、そうしたメリットがあるものなんだという視点でどのように考えていただけるのか。
 一言で言えば、いいとこ取りをされないような、そういうような心配に対して大臣はどのようにお考えか、そのことをちょっと伺わさせてください。
○世耕国務大臣 私の肩書を慎重に読んでいただきたいんですけれども、私は、経済協力担当大臣じゃないんです、ロシア経済分野協力担当大臣。
 これは、経済協力とした段階で、日本の政府のODAに近いことになってしまいますから、私の肩書はあくまでも経済分野協力担当大臣という形にさせていただいて、いわゆる外務省の経済協力とは違うということを明確にさせていただいています。
 私も、ロシアへ行くよとかとツイッターをやると、必ずコメントの中に、金だけ持っていくのかとか、この売国奴とか書かれて、すごく傷ついて、眠れぬ夜を過ごすんですけれども、それは、でも、間違った感覚でありまして、ロシアはODA対象国ではありません。これは立派な先進国の一つであります。そういう中で、ODA対象ではないので、ロシアに何かお金を上げるということは、これはあり得ないわけであります。
 今回の八項目の協力プランの中で動いているものは、基本的には全部、民間のプロジェクトであります。一部、公的金融機関が絡んでということはありますけれども、基本的には、民間企業が日ロ、ウイン・ウインの立場でやっているわけであります。
 例えば、ボロネジという地方都市で、今、交通の信号システムを日本が全部引き受けてやるということになっています。もうパイロットプロジェクトをやったら、その対象区間は、やはり渋滞にすごい悩んでいた町なんですけれども、三割渋滞が減ったということで、大変な好評なんですが、当然もう、現地のマスコミでは、これは日本企業がやってくれているということが書いてありました。
 また、逆に、日本企業にとっても、信号システムの販売、これはボロネジ市からちゃんとお金はもらうわけでありまして、そういう意味では、きちっとビジネスベースで進ませていただいているということで、いわゆる一方的にお金を取られるなんということは絶対にないということは明言をしておきたいと思います。
 ほかにも、今、具体化しているのは、例えば、日本の製薬メーカーがつくった結核薬をロシアの製薬メーカーにライセンスをして販売をするなんというのも、ロシアは結核が非常に多いですから、健康寿命を延ばすという意味で非常に注目を浴びておりますし、ウラジオストクには日本のローコスト住宅メーカーのモデルハウスが建っていまして、もう既に販売がスタートをしております。
 このように、日本のビジネスがどんどんどんどん入っていって、もう日本企業の看板がしっかりかかっているわけですから、それは、ロシア人は必ず、ああ、日ロの協力の結果、日本の企業がこうやって来てくれて、こういうことをやってくれているんだなということを感じてくれると思いますし、折に触れて、総理が訪問をされて、そして私も訪問をして、しっかり日ロの経済分野協力をロシアのマスコミに、国民にアピールするということも非常に重要だというふうに考えています。
○山岡委員 ありがとうございます。
 重ねて大臣にお伺いしたいんですけれども、非常にアピールもしていただくんだ、具体的なインフラも含めて、そうした日本からの企業の参入があるんだということでありますけれども、非常に立地的なことでいいますと、北海道はエリア的に近い。北海道も、かなり期待をして入ってはいます。
 非常に限定されたエリアの話で恐縮なんですけれども、北海道の企業とか北海道の特性の中で、ロシアとの経済分野の協力の中で、非常にメリットがある、価値があるということがあるとすれば、大臣はどのような視点があるとお考えでしょうか。
○世耕国務大臣 まず、何よりも、ロシアとのおつき合いは非常に、古くから深い地域であります、北海道は。そういう意味では土地カンがある。既にもう、北海道の病院が極東のロシアの病院をサポートしているという例も出てきております。
 あともう一つは、やはり、寒冷地の農業をやっておられるということであります。北海道は、大変寒冷地で農業の条件が厳しい、にもかかわらず非常にすばらしい農産物をつくり出している。このノウハウがきちっと、今、シベリアで食料を生産するというのが、ロシアにとっては、特に生鮮、野菜とかそういったものをつくるというのは非常に喫緊の課題でありまして、こういったところに北海道の経験とか技術が役に立つのではないかというふうに思っています。
 それプラス、あと、北方領土における共同経済活動。これは北方領土だけでは無理なんです。やはり北海道側に拠点が要るわけでありまして、そういう意味では、根室が、北方領土における、北方四島における共同経済活動の大きな基地になっていくというふうに考えております。
○山岡委員 ありがとうございます。
 そういう意味で、大臣のお言葉で、非常に日本に、特に経済的にも含めてメリットがあるものだという御明言もいただいたところでありますので、引き続き、そうした視点もきちんと大事にしていただきながら、このことについてはまた、外交問題も絡むことでありますけれども、経済分野の担当大臣としてのお力を発揮されることを御期待申し上げさせていただきます。
 あわせて、通商でちょっとお伺いしたいんですけれども、ちょっと国はかわって米国のことなんですけれども、つい最近、五月二十三日、米国のトランプ大統領が、これまで鉄鋼、アルミニウムに関しての関税が非常に問題になっていたわけでありますけれども、自動車本体への関税をというような発言があったということもありまして、午前中の質疑でも取り上げられていたことなんですけれども、経産省にちょっとまずお伺いするんですけれども、事実関係としてどういう実態だというふうに把握されているか、伺います。
○中川政府参考人 お答え申し上げます。
 五月二十三日でございますが、トランプ大統領がロス商務長官に対しまして、トラック、自動車部品を含む自動車の輸入について、通商拡大法二百三十二条に基づく調査の開始を検討するよう指示を行いました。この指示を踏まえて、米国商務省は、同日でございますけれども、二百三十二条に基づく調査を開始したという発表をしてございます。
 この調査は、対象といたしまして、商務省の発表によりますと、SUV、バン、ライトトラック、自動車部品を含む自動車ということとされておりますが、実は、それ以上の詳細についてはまだ未定でございます。こういった分野について、今後、米国の国家安全保障への影響について調査が行われるものと承知しております。
○山岡委員 今経産省から、発表されている以上の詳細はまだまだわからない部分が多くあるということはお話がありましたけれども、ただ、少なくとも、鉄鋼、アルミニウムの例でいえば安全保障上の問題があるのだということと、同じ手続の調査に入って、自動車本体についてもそうした関税の方向に考えを持っていくのではないかという懸念が今非常に広がっているところであります。これは、一説には、同じ二五%程度組むのではないかとか、さまざまな情報が飛び交っているわけであります。
 大臣に後ほどちょっとお伺いしますけれども、きょうは大串政務官もいらっしゃっていますけれども、自動車あるいは関税をめぐるこの動きについて、まず、政務官として、どのようにお考えで、どのように今対応されていくという基本的な考え方でしょうか。
○大串大臣政務官 自動車及び自動車部品の輸入に関する、通商拡大法第二百三十二条に基づく調査につきましては、具体的な措置が決定されたわけではありません。現時点において、予断を持ってコメントすることは差し控えたいと思います。
 仮に広範な貿易制限措置が発動されるとすれば、世界市場を混乱させ、WTOルールに基づく多角的貿易体制にも悪影響を及ぼしかねないものであり、極めて遺憾だと感じております。
 ルールに基づく多角的貿易体制を重視する我が国としては、いかなる貿易上の措置もWTO協定と整合的であるべきと考えております。
 また、日本の自動車メーカーは、米国内でも良質な雇用を生み、米国経済に多大な貢献をしているところであります。こういった日本の立場については、アメリカ側の関係者に対してしっかりと伝えてまいりたいというふうに考えております。
○山岡委員 ありがとうございます。
 本当に、世界に混乱をもたらすものであって、発動されたら遺憾であるというお話でございました。大臣も同趣旨の御発言を午前中されていたものと理解しております。
 本当に、米国の中でも、この行為に対しては批判はあるやに聞いております。報道ベースではありますけれども、トランプ大統領と同じ共和党の中にも、こうした、安全保障の理由で関税を課す権限を議会は大統領から取り戻すべきじゃないかとか、あるいは、米国自身の購入者に課税することになるんじゃないかとか、そうした声が議会の中でも上がっているということを、今、報道ベースではありますけれども、出ているというところであります。
 ちょっと、鉄鋼、アルミニウムのことについてもきょうは経産省にも伺いたいんですけれども、二五%の関税がかけられて非常に大きな問題になっているわけでありますけれども、ただ、最近、六月の下旬ぐらいをめどに、一部こうした適用を除外するのではないかという観測も出ているというような話もございましたが、経産省は、この鉄鋼、アルミニウムをめぐる話について、今、事実関係をどのように把握されていらっしゃいますでしょうか。
○多田政府参考人 お答え申し上げます。
 先生のお尋ね、いわゆる鉄鋼の輸入制限に関します製品別除外、これの状況についてということと理解をしております。
 米国の通商拡大法二百三十二条に基づく鉄鋼製品に対します追加関税に対しましては、日本の関連では、延べ八十六社による二千六百五十二件の製品別除外申請がアメリカの商務省に受理されておりまして、その数量でいきますと合計六百七十五万トンとなってございます。
 この六百七十五万トンという数字でございますが、原産国別の申請数量で見ますと、ブラジル、日本、ロシアの順になっておりまして、これら三カ国で全体の七七・二%を占めている状況でございます。
 その中でも、申請者の数あるいは申請の件数では日本が最も多いということでございまして、我が国からの鉄鋼の輸出が高付加価値品でございまして代替性が低い、このようにアメリカ国内でのユーザーが認識しているということによるのではないかと考えてございます。
 今、六月下旬というお話もございましたけれども、この申請に基づきましてアメリカの政府が実際に除外を認めるか否かは、申請を受け付けてから通常九十日以内に決定されることとなっておりまして、七月上旬以降に順次結果が判明することとなると理解をしております。
 引き続き、実態の丁寧な把握に努めていきたいと考えております。
○山岡委員 ありがとうございます。
 私は六月下旬という観測だったんですけれども、今、お話では、七月上旬ごろにはまた新たな決定があるのではないかというお話でございました。
 国内の議会もそうですし、こうした具体的な動きを見ても、やはりこういう関税をかけるという事案が、アメリカ国内に非常に大きな影響が出ているということで、具体的なそうした動きも出ているということでありますけれども、一方で、大統領は新たに自動車をそこに、関税をかける方に加えようというような動きを見せている。
 先ほどのお話にもありましたけれども、大臣御自身も午前中の御答弁でも、世界は大混乱して、実施されたらそれは遺憾であるというお話でありますけれども、実施されたら遺憾というよりも、実施してはいかぬというその姿勢こそが大事なんじゃないか。
 あわせて、トランプ大統領は、これは私の見立てではありますけれども、世界の混乱よりも自国の保護貿易への関心が非常に高いような印象も受けまして、どうか、世界のためにいかぬのではなくて、米国、アメリカにとってこれは非常にいかぬことになるよというアプローチが大切なんだろうということを強く思うわけであります。
 北海道も自動車工場というのがありまして、非常に関係者、鉄鋼の工場も当然あるわけでありますけれども、本当に不安を持って見ておりまして、大臣、次から次にめぐってくる、さまざまなこうした、米国に対して、大臣からもどういうふうに対応されていくか、この姿勢を伺わさせていただきます。
○世耕国務大臣 まだ、今、調査に入ったという段階でありますから、税率も含めてまだ何も見えておりませんので、今、予断を持ってアメリカの措置に関してコメントは控えさせていただきたいと思いますが、いずれにしても、いかなる貿易上の措置も、しっかりWTOのルールに整合的でなくてはならないというのが、これが日本の絶対にぶれない基本的な立場であります。
 鉄鋼に関しても、我々は、ですから、WTO違反のような約束は絶対にできないということで、正面から堂々ときちっとアメリカに申し入れて、今日まで対応をしてきているわけであります。
 自動車についても、今晩からパリに行って、現地で、ライトハイザー通商代表、マルムストロームEU欧州委員と私で、三者で三極貿易大臣会合をやります。その場でも、EUと連携をしながら、WTO整合的な措置じゃなきゃいけないということをアメリカ側にしっかりと伝えていきたいというふうに思っております。
○山岡委員 本当に、大臣の力強い姿勢を持って、国内の企業も気持ちを一緒にこの問題に取り組んでいかなきゃいけないという方向になっていこうかと思いますので、ぜひ、今お話しいただいたように、力強い姿勢で臨んでいただきたいと思います。
 残りの時間で、きょうは、企業、産業のことで恐縮なんですけれども、今回は航空機産業について、少しお話をかえて伺いたいと思います。
 まず、航空機産業の全般のことでありますけれども、経済産業省にきょうは来ていただいていますので、航空機という分野の現在の世界的情勢と今後の市場、こうしたことも含めた可能性といいますか、そのことについてまずお話を聞かせてください。
○多田政府参考人 お答え申し上げます。
 世界の民間航空機市場でございますけれども、アジア太平洋地域を中心といたしまして年率五%で増加いたします旅客の需要、これを背景にいたしまして、今後二十年間の累計で約五・五兆ドルの需要が見込まれる、こういった試算がございます。付加価値の高い成長産業であると承知をいたしております。
 これまで、日本の民間航空機産業は、主に機体やエンジンの国際共同開発への参画を通じまして、過去十年間で約〇・六兆円から約一・二兆円と倍増してきております。そのほかにも、現在は、日本初の国産ジェット旅客機である三菱リージョナルジェットの開発も行われているところでございます。そのほかにも、近年では、自動車産業などの他分野で培った技術あるいはノウハウを活用して航空機産業に新規参入する事例も見られているところでございます。
 私ども経済産業省といたしましては、世界的な市場拡大の見込みや日本の技術力、さらには幅広い産業におけるポテンシャルなども踏まえまして、引き続き、日本の航空機産業の発展に向け、しっかりと支援していきたいと思っております。
○山岡委員 ありがとうございます。
 お話にもありましたけれども、年率五%の需要拡大も、五・五兆ドル、万ではなくて五・五兆ドルという非常に大きなボリュームを持って、これから期待ができる市場なんだというお話もございました。
 日本の国内の動きについてもお話がございましたけれども、私がここで今回取り上げさせていただきたいのは、この航空機産業については、四月十日に経済産業委員会で、当時、生産性特別措置法等、もう成立ということでありますけれども、の議論の中で、北海道の室蘭市という場所は、さまざま大臣にはお心配りをしていただいている地域でありますけれども、この地域が、地域未来投資促進法に基づいて計画をつくり、あるいは新しくできた生産性特別措置法に基づいて計画をつくって、航空機産業に市を挙げて取り組んでいこうという動きがある、このことについて大臣はどうお考えかということを伺ったときに、当時大臣は、JXTGを含めて、室蘭市は非常に厳しい中にあっても、付加価値があって成長性のある航空機産業に需要を取り込んでいこう、そうした姿勢がすばらしい、そしてまた、経済産業省としての、法律をつくって後押しをするという考え方に、まさにその考え方に合致するんだという、非常にそうした趣旨のありがたい、大変励まされる御答弁をいただきました。
 この大臣の考え方がある中で、北海道において、経済産業省にまた伺うんですけれども、この北海道室蘭市などの取組を含めて、どのような支援といいますか、どのような対応を経産省として今考えているのか、あるいはこれから考えていくのか、そのことについてお伺いします。
○多田政府参考人 お答え申し上げます。
 北海道を始めといたしまして、地域におけます航空機産業の支援、これをするために、私ども経済産業省といたしましては、地域未来投資促進法でございますとかあるいは生産性向上特別措置法におけます税制優遇措置などを通じまして、地域における航空機産業の中核となる企業というものを集中的に支援していきたいと考えております。
 お尋ねの北海道でございますけれども、具体的に、室蘭市が、こうした国の支援措置を活用して航空機産業の需要を取り込むべく、地域未来投資促進法における基本計画、これを策定したほか、地域企業による航空機産業特有の品質管理に係ります認証の取得、これを支援する予定というふうに伺っております。また、室蘭市におかれましては、生産性向上特別措置法に基づく導入促進基本計画も策定予定と伺っております。
 私ども当省といたしましては、これらに加えまして、今年度、室蘭市に限らず、北海道全域を対象といたしまして、品質管理に係る認証取得支援のための専門家の派遣でございますとか、あるいは展示会への出展の支援、こういった支援を行う予定にいたしております。
 いずれにいたしましても、私ども経済産業省といたしまして、北海道における航空機分野への挑戦というものにつきまして、自治体あるいは地域団体の方々と一体となって支援をしてまいりたいと思っております。
○山岡委員 ありがとうございます。
 私は、北海道室蘭市という表現も使わせていただきましたが、北海道室蘭市のことを受けて、北海道全体に対し、これは、経産省として支援していくのだと。特にその認証のことも含めて、これは室蘭市も取り組んでいることでありますけれども、手厚くやっていくのだというお話もいただきました。
 特に、JISの9100という航空機産業のマネジメント規格というのは、まさに参入の各企業の入り口になるものだということも聞いておりまして、現場にお話を伺うと、これはこれで、新しいことを習得するというのは非常に苦労もしているようでありまして、これから課題もいろいろ見えてくるかもしれませんが、現段階は各企業が取り組んでいるという状況でもありますので、これは、しっかり後押ししながら、手厚くまた対応していただきたいという思いでございますけれども、今、北海道全体でというお話もございましたけれども、とりわけ室蘭市はそういう方向で取り組んでいるわけであります。
 いわゆる重点的に支援する候補ということもまた経産省は考えておられるようでありますが、日本製鋼所とか、具体的に企業としても取り組んでいるわけであります。今、数々関連企業はありますけれども、経産省として、何か明示的に、この企業とこの企業と、含めて重点支援候補として考えているんだというお話があったら、ぜひ伺わさせてください。
○多田政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほど、中核となる企業を集中的に支援していくというふうに御答弁申し上げましたけれども、今年度、私どもといたしまして、北海道におきまして、専門家の派遣でありますとか、展示会への出展支援ということを考えておりますけれども、現時点では具体的な支援先は決定はいたしておりません。
 他方で、北海道におきましては、北海道経済産業局あるいは北海道庁、室蘭市といった行政に加えまして、大学でございますとか、あるいは新規参入意欲の高いと伺っております株式会社キメラ、株式会社永澤機械、株式会社日本製鋼所室蘭製作所を始めとする企業などによりまして、北海道航空ビジネス検討会、これは仮称と聞いていますが、そうしたものの設置が検討されていると伺っております。
 こうした取組に参画する企業も含めまして、とにかく意欲のある企業というものを選定して、国の支援措置を御活用いただきたいと考えております。
○山岡委員 ありがとうございます。
 非常に、今挙げていただいた企業は意欲があるわけでありまして、そうした枠組みをつくっているわけでありますけれども、そこも含めて、意欲あるところには全体としてきちんとした支援、これは、経産省としてもマッチングしてほしいし、やっていくんだという姿勢を言っていただいたことに心から感謝を申し上げます。
 本当に非常に勇気づけられる話でありますけれども、今、世界情勢でいうと、これは大臣にお伺いすることでありますけれども、百五十席以上の大型の飛行機というのは、事実上、世界では、ボーイング社、エアバス社という二社がほぼ独占しているという状況でもあるようであります。
 その中で、日本では、さっき経済産業省からの御答弁にもございましたけれども、MRJという三菱航空機を筆頭に、完成機を国内で、完成した機体をつくるのだという動きもあるわけでございます。ただ、二〇一三年めどということでありましたけれども、五度の延期で、今、二〇二〇年というのが目指されているということでありますけれども、紆余曲折はあっても、非常に魅力ある市場の中の大きなプロジェクトであるということを理解しているところであります。
 あわせて、国内で完成された機体をつくるということと、国内の航空機のパーツをつくっていくということを、もちろんこれは日本国内向けだけの製品ではないんですけれども、やはり、より日本国のものを多く使った国産の飛行機をつくって、これから世界に飛ばしていくというビジョンは、私個人としては非常にロマンがあるものだと思っております。
 大臣は、そうしたことも含めて、この航空機産業の後押し、支援も含めて、これからの取組、御意欲といいますか、そのことについて、ぜひ、御見解を伺います。
○世耕国務大臣 日本には、今、航空機の部品の産業がたくさん立地しているわけでありますけれども、これは非常に付加価値が高い成長産業だというふうに思っていますし、しかも、全くミスが許されない、高品質で正確なものをつくらなきゃいけないという意味で、ものづくり日本の本当の力が発揮できる分野だというふうに思っていまして、この航空機産業の成長を地域経済の活性化につなげることが極めて重要だと思っています。
 もちろん、完成機もつくりたいというふうに思っています。日本が取りまとめる完成機であります三菱のリージョナルジェットが今開発中です。いろいろ苦心していますよね。これはやはり、YS11以来全然つくってこなかったということで、やはり、一旦技術が断絶するとこういうことになるのか、原発もしっかり続けていかなければいけないという思いも持っているわけでありますけれども、将来的には、こうした国産航空機の部品をより多く国内で担う観点からも、地域の航空機産業の競争力強化は非常に重要だと思っています。
 今、各地で航空機産業のクラスターのようなものができつつあります。北海道もそうでしょう、長野県の飯田市あたりもそうですし、各地方地方にちょっと隠れた、航空機の部品をつくっている産業がいろいろあるわけでありまして、経産省としては、地域における航空機産業の中核となる企業を集中的に支援をしたいと思っていまして、地域未来投資促進法ですとか生産性向上特別措置法による税制優遇措置などを通じて、地域企業の競争力を強化していきたいと思いますし、また、昨年十二月には、全国航空機クラスター・ネットワークというのを創設をいたしました。各地域の航空機産業のクラスターをつなぐことによって、航空機産業への参入ですとか国内外からの受注獲得をしっかりと支援をしてまいりたいと思っております。
○山岡委員 ありがとうございます。
 大臣にも、さまざまお話もございましたけれども、支援をしていくんだということを含めて、強いお話もいただきました。
 航空機産業は引き続き地域としても取り組んでいきますので、これはまたいろいろ課題があれば、ここでいろいろ見解も伺いたいと思いますけれども、ぜひまた引き続き力強く御支援いただければと思います。
 残りの時間で、最後、また産業のことで、ちょっと製紙業界といいますか、紙のことについて、これも伺いたいと思います。
 北海道苫小牧という場所、私も活動しているエリアなんですけれども、これは北海道の南側の太平洋沿いでありますけれども、山と海に挟まれたエリアでありまして、川が多く流れている中で、木材も水も大変多量に手に入るという中で、紙をつくることが非常に適性な土地だったということで、昔から非常にそういう産業が盛んに行われた場所でもありまして、今でも市の中核の産業でもあります。
 そうした中で、五月二十八日ですからつい最近でありますけれども、苫小牧市の中にある日本製紙という会社が、勇払工場というのがあるんですけれども、この数年のうちに勇払工場の紙生産を停止するということを発表されました。
 企業の産業転換はこれからも全国的にはあることだと思っておりますし、この間、JXTGのさまざまなことも大臣にいろいろ、温かいお言葉も含めていただいたわけでありますけれども、ただ、本当に基幹産業と考えていた苫小牧としては、まだ、この発表がされたばかりですから、全容は見えているわけではありませんけれども、ただ、やはり大きな不安といいますか、今後どういうふうにこれが転換していくのかということについて、今不安は広がっているということは、地元紙にも大きく取り上げられているところでございます。
 この製紙業界ということ、もう時間も限られていますので、大臣にこれはお伺いしようかと思うんですけれども、製紙業界ということの先行き、この考え方もぜひ、経済産業省にもここは質問通告させていただいているので、そのこともあわせて、個別の話で恐縮なんですけれども、苫小牧市における日本製紙の事業転換、このことについて大臣がどのように認識されているか、お伺いさせてください。
○世耕国務大臣 やはり、製紙業界は今、構造的な問題に直面していると思います。特にデジタル化推進、私の経産省でもペーパーレスをどんどん推進をしてきていますし、私自身も最近、新聞は紙で読まないですね、もう完全にタブレットで読んでしまうという状況で、そういうことがどんどん広がっていくと、やはり紙の需要というのが減っていく。これは十年間で三割減少している。かなり構造的な問題に直面しているんだろう。
 それに対応するために、日本製紙が、二〇一九年から二〇二〇年にかけて、苫小牧にある勇払事業所を含む三カ所の生産設備を停止する計画を公表したということなわけであります。
 一方で、勇払事業所においてはケミカル事業を継続していくということ、そして、新たにバイオマス発電事業を始めとする新規事業を展開する拠点としての検討を進めるというふうに聞いております。
 こういうふうに生産体制を縮小するというようなときには、まずやはり、ずっとお世話になってきた地元の経済とか雇用への影響を少しでも緩和するようにするというのは、これはもう企業の社会的責務だというふうに考えております。
 経済産業省としても、企業の検討状況を注視をして、必要があれば適切に対応してまいりたいと思います。
○山岡委員 ありがとうございます。
 お世話になった地元に対してきちんと取り組むのが企業の社会的な責務だというお話とともに、経済産業省としても必要なことは対応していくんだというお話もいただきました。
 本当に、時間ももう終了なんですけれども、大臣には、これまで、北海道のこのものづくりのエリアに対して、北海道に限らずなのかもしれませんけれども、ものづくりのこれまで歴史を紡いできたところに対して非常に温かく心を寄せていただいているということを理解させていただいて、このことは本当に感謝申し上げます。
 ただ、本当に、これは、これからどうしていくかということが、まさにこの問題を地域として乗り越えていく中で、全国同じように起こっていく問題にも同じように乗り越えていく一つのモデルとして、我々の地域も頑張っていかなきゃいけないと思っております。
 JXTGの話は、これはもう質問はしませんけれども、非常に、経産省の皆様にも、わざわざ本省から現地に足を運んでいただいて、いろいろ取り組んでいただいたり、御相談に乗っていただいたり、このことも本当にありがたい限りでありますけれども、今、JXTGが何かを考えるんだというお話のまま、これはタイムスケジュールはいつまでなんだということはなかなか明示できなくても、やはり地域住民は、一日も早い発表がないと、設備がとまってしまったら、老朽化が進んでどうにも手が打てなくなるんじゃないかとか、いろいろな心配が起こっているというのも現実として起こっていることでもあります。
 ぜひ、こうしたこともお伝えをさせていただきながら、本当に、産業転換、そして新たな地域の特性を利用した産業の発展と後押しについては、また皆様のお知恵をかりながら、私も質問を引き続きさせていただければと思いますので、きょうは時間も来ましたので、ここで質問を終了させていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
○稲津委員長 この際、暫時休憩いたします。
    午後二時四十二分休憩
     ――――◇―――――
    午後三時五十二分開議
○稲津委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。浅野哲君。
○浅野委員 国民民主党の浅野哲です。
 本日は、質疑の時間をいただきまして、ありがとうございます。
 また、本日、この前段で党首討論が入った関係で、再スタートのトップバッターということで、気を入れ直して質疑に臨ませていただきたいと思いますが、ちょっと冒頭一つだけ、大臣の方にお聞かせいただきたいことがございます。
 先ほど、党首討論、大臣もすぐ近くでごらんになっていたかと思います。国民民主党の玉木代表の方から安倍総裁に対して、今まさに起こっております日米の貿易の問題、鉄鋼、アルミに関する輸入制限や、今、自動車に関連した関税の引上げも視野に入れた動きが見られる中で、こういった動き、アメリカ側から事前の通告があったのかという質問が玉木代表の方から安倍総裁の方にございました。先ほどのやりとりの内容では、あったかなかったか、その部分については明確な答弁をいただけなかったというふうに理解をしておりますが、改めて大臣の方から、認識をされている範囲で、この点について御答弁をいただければと思います。
○世耕国務大臣 先ほどの玉木代表との党首討論については、まさに、日ロ、日米の首脳間のやりとりについて議論が行われたということで、党首討論にふさわしい議論だったのではないかなというふうに思っています。
 ただ、大変申しわけないんですけれども、やはり、逆に、首脳間の議論、これは、日ロもそうでした、日米についてもそうであります。首脳間で事前に通告があったのかどうかというのは、これはまさに交渉の細部にわたることでありまして、なかなかそこは総理もお答えになれなかったんだろう。私だって、首脳同士で何をやっているかというのはわからない部分もあるわけでございますから、その点は御理解をいただきながら、総理としては、お答えできる範囲で誠心誠意お答えしたんではないかというふうに思っています。
○浅野委員 ありがとうございます。
 外交交渉、戦略上の問題もあり、安倍総裁も、あの場所では、戦略上の観点から明確にお答えできないというふうにおっしゃっておられました。我々も、外交戦略上の情報のある一定の制限、この必要性を全て否定するものではありません。ただ、これからこの日米、日ロ間の貿易問題、その結果が出てくるのは、まさに国民生活、産業活動であります。ですから、外交戦略上の必要に応じた情報のコントロール、その必要性も認めつつ、ぜひ、国民、産業の現場に対する適時適切な情報の提供、これを改めて申し上げさせていただいて、質問に入らせていただきます。
 本日は、まさに今、日米間で起こっております鉄鋼、アルミに関連した電力多消費産業について、冒頭取り上げさせていただきたいと思います。
 まず、本日お配りしてある資料の一枚目をごらんいただきますと、近年の国内電力料金の推移というのが記載をされております。家庭用と産業用を別々に記載をしておりますが、どちらも、ここ数年、特に二〇一一年以降、平均化すれば上昇傾向にあるという状況にございます。
 また、その次の、裏面を見ていただきたいんですけれども、これは、エネルギーコストの外国との比較になります。アメリカ、ドイツ、韓国、中国と比較をしたものでありますけれども、経済産業省の調査結果であります。この調査結果によれば、二〇一六年における我が国の大口電力料金を一とした場合に、アメリカは〇・三六、韓国は〇・三一、中国は〇・六二という水準だそうであります。電力多消費産業にとって、まさに国際競争上の大きなハンディとなっているのではないかという見方もできるわけであります。
 またさらに、こういった現在の状況が産業現場にどのような影響を与えているのかというのを図の三の方に整理をしてございます。
 これは、電力多消費産業における電力使用額、事業所数、従業者数の変化というものを、二〇一一年と二〇一五年、若しくは二〇一二年と二〇一六年でそれぞれ比較をしたものになってございますが、例えば、製鋼・製鋼圧延業という産業分野を見ますと、生産額全体に占める電力使用額の比率が、この比較期間の間で一・九%増加をしたということであります。また、事業所数に関しては、この間、一六・九%減少、また従業者数も八・九%減少しているという状況だそうであります。
 また、その下の方に書いてございます亜鉛第一次製錬・精製業という産業分野では、電力使用額が二・九%ふえた結果、事業所数は三七・五%減、従業者数は二二・八%減、同じく、まさにこれはアルミの分野でありますが、アルミニウム・同合金プレス製品製造業という分野ですと、電力使用額が一・六%増加、事業所数は一九%減少、従業者数が一七・八%減少、これが今の電力多消費産業の現場の実態であります。
 これは、必ずしもエネルギーコストの増加が、そのまま事業所数の減少であったり、従業者数の減少に直結するわけではありません。その間には、恐らく経営上のさまざまな要因が絡んでいると思われますけれども、ただ事実として、こういった事実があるということでございます。
 これからしますと、この電気料金の上昇というのが、電力多消費産業にある一定程度の打撃を与えている可能性というのがこのデータからは示唆されるものでありますが、こういうデータをごらんいただいた上で、電力多消費産業の現状に対する今の政府の認識、そして今後の見通しといったものをまずは答弁をいただきたいと思います。
○世耕国務大臣 電力多消費産業の中には、鉄鋼、非鉄金属製錬、金属加工を始めさまざまな業種があるわけでありますが、例えば代表的な普通鋼電炉業について申し上げますと、これはアベノミクスの影響もあると思いますが、非常に需要が旺盛でありまして、それを受けて生産数量は非常に堅調である、しかし一方で、人件費や今御指摘の電気代を始め多くのコストアップ要因を抱えておりまして、企業の業績にはややばらつきが出ているというのが実情だというふうに思っています。
 具体的には、電炉による粗鋼の二〇一七年度の生産高は、二千五百五十九万トンで、対前年比七・二%のプラス、かなり大幅に伸びているわけであります。しかし、一方で、企業の業績として見ますと、普通鋼電炉メーカーの主要十三社の中で、二〇一八年三月期の経常利益については、増益になったのが五社、減益が五社、赤字が三社という、やや厳し目の状況になっているというふうに思っております。
 各社からは、主原料である鉄スクラップ価格の上昇のほか、その他の原材料費ですとかあるいは電気料金など、多くのコスト高要因が存在すると聞いております。特に電炉メーカーは、電気代が東日本大震災以降非常に上がっておりますので、私の地元でも、不本意な廃業に追い込まれたというような会社も複数ありました。
 一方、そういう中で、五月二十八日に、大飯原発三号機、四号機の再稼働に伴って、関西電力が電気料金値下げの届出を行ってまいりました。この電気料金の値下げが実現をすれば、関西エリアだけではなくて、ほかのエリアにも波及効果が出て、普通鋼電炉メーカーの経営にとっては大きなプラスの影響があるというふうに思っています。例えば、売上高に占める電気料金の割合が一〇%、そして営業利益率が二%の普通鋼電炉メーカーを想定しますと、機械的に計算をすると、今回の関西電力の値下げは営業利益が約三割ふえるインパクトがあるというふうに考えているところであります。
 いずれにしても、素材産業は製造業全体を支える基幹産業でありまして、経産省としては、しっかりと、この上がった分の価格がしっかり転嫁できるように、適正な取引の実現を図っていくことも必要だというふうに思っております。
○浅野委員 ありがとうございます。
 今、電気料金の値下げというところにも言及をしていただきましたが、図四の方をちょっとごらんいただきたいと思います。
 こちらは、先ほどの表を別の視点から整理したものなんですが、電力多消費産業における電力使用額の増加率と就業者数の増減率の相関をとったものなんですね。これを見てみますと、電力多消費産業においては、電力使用額がふえた産業ほど従業者数が減少しているという、先ほども少し触れさせていただきましたが、統計的にもこういう傾向がはっきりと出ているのではないかというふうに考えております。
 こういった現状を踏まえると、電力使用額あるいは電力消費量をいかに抑制をしていけるかというのがこれから大きなポイントになっていくというふうに思うんですけれども、今まさに大臣がおっしゃっていた電気料金の値下げというのも有力な対策の一つだと思いますが、私からはもう一つ提案をさせていただきたいと思います。
 電力多消費産業が、今後も、国内操業、こういう雇用の安定、安定した操業を維持するためには、電力にかかわる大幅なコスト負担増加を軽減するための施策というのが必要になってくるのではないかと考えております。一つの選択肢としては、先ほどおっしゃっていたような電気料金の値下げがあると思います。また、もう一つの選択肢としては、省エネ設備投資に対する支援の拡充強化、こういった方法もあるのではないかというふうに考えておりますが、改めて、こういった支援の必要性、また支援のあり方について、政府の現段階での考えを伺います。
○高科政府参考人 お答え申し上げます。
 電力多消費産業におきましては、大臣からもありましたけれども、やはり電気料金がコスト上昇の一因となっておりまして、そういう意味で、経済産業省といたしましても適切な対策を講じていく必要があると考えてございます。
 御指摘の、電力多消費産業におきますエネルギーコストの低減にも資する省エネ投資の促進のために、いわゆる省エネ補助金ですとか、あるいは省エネ投資促進税制等の措置を講じているところでございまして、こうした措置を通じましてエネルギーコストの低減ができるように対策を講じてまいりたいと考えております。
○浅野委員 ありがとうございます。
 一部支援は既に行われているということでありますけれども、今、これまでデータを示しながら言わせていただいたとおり、ここ数年のトレンドとしては、電力料金がこれまでは増加傾向にある中で、電力多消費産業の現場の皆様がさまざまな経営努力をされた結果、今かなり厳しい状況に置かれているということでございます。これまでの延長線上の施策のみならず、さらなる意欲的な支援策の検討についても引き続きお願いをさせていただきたいと思います。
 また、支援策の一つとして今既に行われているものの中にFIT賦課金の減免措置というものがあります。
 図の五をまずは見ていただきたいと思います。
 これは、近年のFIT賦課金の推移と今後の見通しをグラフで示したものになります。二〇一二年から年々、FIT賦課金というのは増加しておりまして、二〇三〇年度には総額三・七兆から四兆円に達するという見通しが持たれている状況でございます。
 これは、一般の御家庭であったり、あるいは産業の現場、それぞれが負担をしているものでありますが、当然ながら、電気を多量に消費するこうした電力多消費産業は、それ相当の負担をしているわけであります。
 そういったことを受けて、今、FIT賦課金の減免措置というのが既に行われているわけですけれども、実はこの減免措置は、最近、平成二十八年の五月に改正をされまして、電力使用量をより少なくするという改善をし続けなければ減免措置の減免率が下がってしまうというような形に変更がされました。
 ただ、多消費産業の皆さんの声を聞いていると、必ずしも事業者の責任ではない部分でどうしても消費電力がふえてしまっているという現実もあるそうでございます。
 例えば、稼働率が低下して、どうしても単位生産高当たりにかける電力量が上がってしまう、一製品当たり、どうしても効率が下がって、エネルギー消費量が上がってしまったり、あるいは、頻繁な製造品種の変更によって、そのために、やはり一度とめたり、あるいは少し手間を加えて製造しますので、どうしても単位生産高当たりのエネルギー消費量がふえてしまう、これは必ずしも産業現場の皆さんの責任ではないのではないかという声をいただいております。
 こういった部分で、FITの賦課金制度あるいは減免措置も含めた今後のあり方の見直しの必要性やそのあり方そのものについて、今後の見通しを政府にお伺いをしたいと思います。
○高科政府参考人 お答え申し上げます。
 まず、今後の見込みなんですけれども、今御指摘ありましたが、エネルギーミックスにおきましては、固定価格買取り制度によります買取り費用総額が二〇三〇年度に三・七から四兆円ということですけれども、それを単純計算した場合に、国民負担であります賦課金総額は大体三・一兆円程度と見込んでいるところでございます。
 国民負担であります賦課金、全体の再エネコストの低減、国民負担の抑制、そういったことは非常に重要だと考えておりまして、そういう中で、FITにおきましては、中長期の価格目標の設定ですとか、その目標に向けたトップランナー方式による太陽光発電や風力の価格低減、あるいは競争を通じてコスト低減を図る入札制度の活用、あるいは低コスト化に向けた研究開発などを総合的に進めているところでございます。
 それから、賦課金減免制度でございますけれども、電力多消費事業者に対します賦課金減免制度におきましては、御指摘ありましたけれども、その改正FIT法におきまして、国際競争力維持強化の制度の趣旨を徹底いたしまして、製造業等の国際競争にさらされている事業者のみ最大減免率を八割とするとともに、省エネ取組状況に応じた減免率を設定するということにしてございます。この結果といたしまして、現在、二〇一八年度におきましては、千七十の事業者に御活用いただいているというところでございます。
 こうした取組を進めまして、再エネの最大導入を図りながら、国民負担もしっかりと抑制するということに努めてまいりたいと考えております。
○浅野委員 ありがとうございます。
 このFIT制度に関しては、本当に、これから再生可能エネルギーのさらなる普及を控える中で、国民負担が増大の一途をたどっております。今の制度がある程度の成果を上げているということも事実だとは思いますけれども、これから青天井でどこまでも伸びていいわけでもないと思いますので、これも継続的な改善の検討をお願いしたいと思います。
 それでは、続いて、テーマをかえまして、第四次産業革命における国内経済の好循環に向けた課題について質疑をさせていただきたいと思います。
 それを議論するに当たっては、まず、本日お配りした資料の図の六をごらんいただきたいと思いますが、こちらは、ちょっと聞きなれない言葉ではあるかもしれませんが、単位労働コストの推移というのを日本とアメリカや中国などの諸外国と比較したものであります。
 この単位労働コストというのは、ざっくり言いますと、平均賃金掛ける従業者数を国内総生産で割った数値でありまして、言いかえれば、国内である一定の生産高を上げるために必要な労働コストのことを示しています。これが下がれば、生産するために必要なコストが低いということで、コスト競争力があるというふうに理解できるんだと思いますけれども、これを見ていただくと、日本というのは、二〇〇〇年から近年にかけてゆっくりゆっくりとコストが下がっている状況にあります。それに対して、意外だったんですが、中国が物すごい勢いで単位労働コストが上がっている、アメリカやドイツなどはほぼ横ばいが続いている、こういう現状があります。
 二〇一四年の段階では大体どの国も同じような水準だということでありますが、これを日本の産業の競争力という視点から見たときにどのように認識をすればいいのか、まずはこのグラフについて政府の認識を伺いたいと思います。
○多田政府参考人 お答え申し上げます。
 委員御指摘の、二〇一六年版ものづくり白書で分析に用いております単位労働コストでございますけれども、今御紹介がございましたように、この平均賃金掛ける就業者数、私ども名目雇用者報酬と申しておりますが、これを、国内総生産、すなわちGDPで割って算出したものでございます。この白書の中では、生産拠点としての日本の事業環境という文脈の中で分析用に用いまして各国の比較をしたものでございます。
 当該白書の中におきましては、欧米、新興国における単位労働コストが、このグラフにございますように、二〇〇〇年以降上昇傾向にあるけれども、一方で、日本は二〇一〇年ころまでに下落した後に、製造業における名目賃金の上昇などによりまして横ばいとなっていること、その結果、近年では、この単位労働コストにつきまして、新興国が日本を上回っており、事業環境の観点から見れば、日本の製造業のコスト競争力が改善しているといったことなどを分析しております。
 なお、日本が二〇〇〇年からずっと下がってきていることの背景には、各国比較をする際には購買力平価レートによるドル換算というものをしていることの影響もあるかと思ってございます。
 以上です。
○浅野委員 ありがとうございます。
 私は、ここで重要なのは、やはり、中国やアメリカ、そのほか外国と比べても、今、日本の労働コストがもはや決して高くはない水準に達しているという、この事実が最も重要なんだと思っております。
 これから第四次産業革命の時代を迎えるに当たっては、これを更に生産性を向上させていくことで海外に勝っていく、それが大きな方向性だと理解をしておるんですけれども、それによって企業の収益力を高めて、それが最終的には、賃金の押し上げ圧力になり、国民の所得がふえて、国内経済も好循環になる、こんなストーリーを描いているのではないかというふうに思っております。
 ただ、しかし、きょう私が指摘させていただきたいのは、最近では、生産性が高まれば企業は労働者の賃金をふやす、このロジックというのが必ずしも通用しなくなってきているんじゃないか、そういうお話をさせていただきたいと思います。
 これは、イギリスの経済誌の「エコノミスト」でも論じられていた内容ですので、それをちょっと紹介したいと思いますが、そもそも、グローバル経済のもとでは、新興国や途上国も含めた熾烈な国際競争を繰り広げていることによる賃金の押し下げ圧力というのが日本には当然ながらあるわけでありまして、こういった中で活動している日本の企業というのは、やはりどうしてもその賃金を抑制しようという姿勢が出てきてしまいます。
 こういう状況で、何とか企業の生産性を高めて、賃金も上げられるような環境をつくっていこうということで、今取り組もうとしているわけでありますけれども、こうした、テクノロジーが進化をして生産性が高まるほど、実際には、雇用する側は、利益をふやすために労働者を減らす、いわゆる省人化をするという選択肢も見えてくるわけであります。まして、経営状況が苦しい事業者の場合は、その選択肢を選ぶ可能性はより高まるというふうに思っています。
 一方で、労働者にも生活がありますから、失業すると、大抵別の仕事を探し始めます。求職者の数がふえれば賃金は停滞若しくは低下をする。これは市場原理ですので、そうなると予想されています。
 これを実際にちょっと調べてデータとしてお示ししたのが図の八になります。一番最後のものになるんですけれども、これは、二〇一二年から一七年の間、有効求人数の増減とそれに伴う賃金の増減というのの相関をとったものであります。
 これを見ると、有効求人数が二〇一二年の三月を一〇〇とした場合に、二〇一七年三月に、一四〇ですとか一六〇、二〇〇あたりまでいっている業態もありますけれども、全体としては、有効求人数がふえればそれに応じて賃金も上がっているという傾向が見てとれると思います。
 このように、はっきりと、雇用が賃金にどういう影響を与えるかというのは、もう既にデータであらわれているわけであります。つまり、生産性の向上が雇用を生めばいいんですけれども、それが産業現場の省人化という方向に働いてしまいますと、国内の賃金水準の低下要因となる場合があるということをここでは申し上げたいと思います。
 つまり、日本において、国内経済の好循環を達成するためにはやはり生産性の向上が必要なんですけれども、生産性の向上をすれば、すなわち賃金が必ず上がるわけではなくて、その生産性の向上と賃金の上昇の間には必ず雇用の創出というものがなければいけないということであります。間違っても、省人化という方にかじを切ってはいけない。これをきょうは申し上げたい。これが重要なポイントでございます。
 そこで提案をさせていただきたいと思いますが、これから、第四次産業革命時代におけるIT技術の利活用、そして人材や設備投資の促進を進めていく国の方針でありますが、産業現場の省人化ではなくて、国内雇用の維持あるいは創出という方向に力が働くように、ぜひ、例えばコネクテッド・インダストリーズの重点五分野、あると思いますけれども、ああいう分野で取り組まれる施策においては、雇用の創出数などといったものをKPIに置いて取り組んでいただきたいというふうに思っております。
 これに関する政府の考えをお聞かせいただきたいと思います。
○世耕国務大臣 全くおっしゃるとおりでありまして、生産性革命を進めて、その結果として雇用が減っているようでは、元も子もないというふうに思っています。
 一方で、これから第四次産業革命などが進んでいく、生産性革命が進んでいく中で、今まで人がやっていた仕事をAIとかが代替していくというケースはいろいろ出てくるんだろうと思いますが、その分、その人材をしっかりとリカレント教育を行って、AI、ビッグデータの世界になってくれば、必ず、例えばデータサイエンティストというような職種も必要になってくる、AIを使いこなして新たなビジネスを生み出していくということも必要になってくるので、そういったことに、きっちり新たなスキルを身につけられるような、これは会社の取組も重要ですし、社会全体の取組も重要だというふうに思っています。
 そういう意味で、我々は、第四次産業革命に対応するスキルを身につけるための人材育成ですとか、あるいは多様なニーズを持った方が、自分の希望で兼業や副業、フリーランスといった柔軟な働き方が選べるようにできるなどを促進をして、生産性の向上と賃金、雇用の拡大のこの二兎をしっかりと追って、得ていきたいというふうに考えているわけでございます。
○浅野委員 ありがとうございます。
 ちょっと時間がなくなってしまいましたので、最後の質問に移りたいと思います。
 最後の質問は、またちょっと毛色を変えまして、来年に控えております元号の改定に向けた産業の準備についてであります。
 産業界においては、いろいろな今情報化が進んでおりまして、元号改定に対していろいろな準備を進められているところであります。
 ただ、元号がまだ公開されておりません。
 昭和から平成にかわるときは、前日に、昭和の最後の日に、一月七日だったでしょうか、公表されたということであります。ただ、今はこれだけ情報化が進んで、いろいろなものがシステム上でつながっている世の中ですので、しっかりとそれを対応させる準備期間も必要だと思っております。
 しかしながら、五月十七日に行われた関係省庁の連絡会議では、作業上の便宜として、新元号の公表日を改元の一カ月前と想定するという方針が決まったそうであります。
 これが十分な期間をとっているかどうか、これはさておき、産業界の対応作業の円滑化あるいはトラブル抑制に向けて、経済産業省としての考え方を最後に伺って、終わりたいと思います。
○前田政府参考人 お答え申し上げます。
 今御指摘のとおり、五月十七日に連絡会議が開かれました。
 その中では、おっしゃったように、新元号の公表時期を改元の一カ月前と想定をして、作業上の便宜として準備を進めるということになっておりますが、その中で、各府省庁の情報システムにおいては、改元日に間に合わせることを基本としますけれども、仮に間に合わないことが想定される場合には、システム間でやりとりする和暦情報を新元号へ切りかえる時期等の調整や、あるいは新旧元号のどちらでもやりとりできるようにするため調整を行うとなっておりまして、また、各府省庁は、所管の法人や業界等に対して、政府において新元号の公表時期を一カ月前と想定して準備作業を進めることについて情報提供するとともに、法人等においてもこれを踏まえた適切な対応を行うように要請するとしております。
 私ども経済産業省は、情報システムあるいはソフトウエア産業を所管しております。その苦労はよくわかっているつもりでございますので、できる限り緊密に連絡をとり合いながら、万全を期していきたいというふうに思っております。
 以上です。
○浅野委員 これで終わりますが、やはり産業の現場で働いている皆様の立場に立って、ぜひ経産省としてもリーダーシップを発揮していただきたいということを最後に申し上げて、質問を終わります。
 ありがとうございました。
○稲津委員長 次に、笠井亮君。
○笠井委員 日本共産党の笠井亮です。
 世耕大臣に冒頭伺います。
 日本の原発の平均稼働率でありますけれども、二〇一一年の東京電力福島第一原発事故直前と、それから、今からの直近を比べて、それぞれ何割というふうになっているでしょうか。
○世耕国務大臣 電力事業者の公開データによりますと、震災前の二〇一〇年度は原発五十四基が稼働しておりまして、その平均稼働率は六七・三%でありました。
 震災後の二〇一六年度は三基のみが稼働しておりまして、その平均稼働率は七七・二%であります。(笠井委員「七七」と呼ぶ)七七・二%。三基稼働していて、その稼働している三基の稼働率が七七・二%ということであります。
○笠井委員 稼働している三基では、ちょっとそれは違うんじゃないですか。二〇一〇年は全体の中での平均稼働率でしょう。今でいうと四十何基のはずですね、四十三基かな、そのうちの稼働率ですから、そんなにならないですね。
○世耕国務大臣 二〇一〇年は稼働しているのが五十四基ですから、その五十四基の平均稼働率が六七・三。二〇一六年度は三基しか稼働していませんが、その三基の平均稼働率が七七・二%。稼働しているものの稼働率をはからないと意味がないと思います。
○笠井委員 ここに資料がありますけれども、これは出されている資料ですね、ありますよ。
 二〇一六年は、これは本当に、一桁ですよ。だって、全体四十三基ある中での稼働率ですから。そこはちょっと、数字、変なことを言ったらだめですよ。(世耕国務大臣「それは」と呼ぶ)いやいや、それはだめですよ、大臣。だって、そんなに動いていないですよ、稼働率でいったら。三百六十五日の中で動いている原発の平均稼働率ですから、だめです、そんなことは。ちゃんとはっきりそれを言ってください。
 経産省、だって、ちゃんとそれは言っているはずですよ。ちゃんとレクでもそのことを言っているはずですからね、一桁に対して。だめですよ、ごまかしたりするのは。
○村瀬政府参考人 お答え申し上げます。
 稼働率では、通常、稼働することができる状態になっているものがどのぐらい動いているかということでございますので、先ほど大臣が御答弁されたとおりでございます。
○笠井委員 ほとんど動いていないわけですよ。では、原発がある中で動いているのは何%ですか。そこを言ってください、稼働率。そんなこと、だめですよ。こんなところでひっかかっていたら、全然エネルギー基本計画も何もないですよ、本当に。だめですよ。
○世耕国務大臣 全く、余り意味のある数字ではないと思いますけれども、では、あえて稼働していない原発も足したら、当然、四十三基の原発が、今、廃炉が決まっていない、廃炉を決めていないもの四十三基が存在しておりますので、それも入れた稼働率というのは余り意味はありませんが、平均稼働率は五%ということになります。
○笠井委員 リアルに見なきゃだめなんです。
 政府の第五次エネルギー基本計画の案が言う、事業者の自主的な安全性向上の取組というのは、前回やりとりもしましたけれども、全体を八割稼働するという話があって、それを前提に、全ての原発稼働だ、それから運転延長だという話、前提だという話をされたわけでしょう、大臣。そういう中で、安全性向上の取組というのは、現在一桁台の稼働率を八〇%にするための体制をつくって再稼働を進めるということで、この間、大臣自身が答弁したわけですよ。
 しかし、これまでも、事業者の自主的な取組を言いながら、事故やトラブルが相次いできたというのは現実であります。そして、実際に、四十三基のうちわずか五%という話になるわけです。
 そこで、原子力規制委員会、お越しいただいていると思うんですが、規制委員会は、二〇一七年十二月に、東京電力の柏崎刈羽原発六、七号機を新規制基準適合として、そして設置変更を許可いたしました。ところが、半年もたたないうちに、空調ダクトに腐食、穴が発見をされて、東電に是正要求をすることになりました。新潟県民は、とりわけ怒りと不安でいっぱいであります。
 中国電力の島根原発二号機で二〇一六年に巨大な腐食穴が見つかったことを受けて、各社が中央制御室の空調ダクトを調査した結果、全国の七原発十二機で腐食や穴が見つかったもので、柏崎刈羽原発では三、四、六、七号機、更に二号機でも発見されたということであります。
 そこで、更田委員長に伺います。
 新規制基準適合とした柏崎刈羽七号機でも腐食による穴があったのは大問題だと思うんです。しかし、規制庁は、柏崎刈羽を含めていずれの施設においても被曝条件を下回っているので、事業者による点検結果報告というのは妥当と判断しているという立場であります。
 東京電力はダクトの外観や性能を定期的に点検しているというが、なぜ発見できなかったのか、どのように見ていらっしゃるでしょうか。
○更田政府特別補佐人 お答えいたします。
 東京電力は、この中央制御室換気空調系ダクトにつきまして、みずからが定める保全計画に基づいて、全体の外観検査を行うこととしています。
 今回の、その発見できなかった一つの原因としましては、この外観点検というのは、ダクトというのは、結露を防ぐために保温材で巻かれておりますけれども、この外観点検は、保温材を取り外すのではなくて、保温材の上から見るという形になっていたということ、それから、内部を見るという形にはなっておりませんでしたので、この外観点検によって、腐食を確認できなかったというふうに考えております。
○笠井委員 配管の腐食や穴を放置して事故が起こったら、中央制御室に放射性物質が流入してきて、運転員が避難を余儀なくされる。結果、原発は全ての制御を失うという大変な事態にもつながるという問題であります。
 そこで、更に伺いますが、この七号機に設置変更許可を出した審査書はどのようになっているんですか。腐食や穴について確認をしていたのかどうか。
○更田政府特別補佐人 お答えいたします。
 許可を与えた設置変更ですが、設置変更許可というのは、原子炉等規制法に基づきまして、設備の基本設計が要求される機能を満たすものであるかどうかをあらかじめ確認するものでありまして、その審査は、設備の現状が設計と異なる状態にあるかどうかを確認するためのものではございません。
○笠井委員 中央制御室の空調配管に穴がないという設計ですね、今おっしゃった設計と、その設計どおりに設置されていることを書面で、要するに、確認して許可をしたにすぎないということでありまして、腐食、穴については確認はしていないということであります。
 しかし、更田委員長に伺いますが、実際には穴があいていたと。穴があいていないという審査の前提が崩れているわけですから、やはりそういう点では国民の安全、安心、命にかかわる問題、事故を起こしちゃならないという点でいうと、こういう現実に直面して、即七号機の設置変更の許可を取り消すというのがやはり筋じゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○更田政府特別補佐人 お答えいたします。
 規制は基本設計を見るもの、それからその基本設計、いわゆる設計方針ですね、これについて確認する段階と、その基本設計に沿って具体的な実際の工事が行われているかどうかを見る工事計画の確認がございます。またさらには、ソフト面も含めまして、どういった手順でその原子力施設を運用するのかというのは保安規定で確認しております。
 この三つについて、柏崎刈羽の六、七号機については、この三つのステップのうちの一段階目、基本設計に係る部分について許可を与えた段階にありまして、今後その設備がきちんと設計方針どおりに工事されるかどうかは工事計画認可、これはまだ認可をしておりません。また、保安規定についても認可をしておりません。
 さらに、御質問に直接お答えするとしますと、こういった腐食孔がダクトにあるかどうかについては、むしろ検査の方の持ち分でありまして、許認可を超えて、さらに実際の運用になりますと、今度は事業者が、みずからの責任で行っている検査がきちんと行われているかどうかというのを検査の中で見ていくことになります。
○笠井委員 最後は使用前検査もあるんだという話ですが、東京電力による定期の自主点検でトラブルを発見できずに見逃した理由もまだわかっていないわけですね。
 いまだに規制庁は、そういう中で、東電による点検結果報告は妥当と判断と言う。配管に穴があいていない前提で許可したのに、発見されたら、後でいわば実際動かすまでに修復されたら問題ないとの姿勢でありますけれども、やはり安全性向上を事業者任せにした結果がこれだということだと思うんです、大臣。
 そこで、東電の場合、今に始まったことじゃないですね。二〇〇二年のトラブル隠し事件で福島第一と第二、柏崎刈羽原発の一九八〇年代後半から九〇年代の自主点検記録に部品のひび割れを隠すなどの改ざんが二十九件もあったと。記憶に新しいところであります。
 その結果、東電の全原発十七基の停止、当時の社長、社長経験者五名が引責辞任するという事態となりました。
 そして、再発防止策として東京電力は四つの約束を発表しましたけれども、その後も福島第一の六号機のデータ改ざん、柏崎刈羽の一号機で定期検査の不正の常態化、中越地震があって、そのときの六号機使用済み核燃料プールからの放射性物質の流出、そして、二〇一一年の福島第一原発事故でのメルトダウンの隠蔽などを繰り返しているのが東京電力であります。
 一昨日、私、佐渡を訪れてまいりました。私は祖父母とも佐渡の出身なものですから、ルーツなんですけれども、柏崎刈羽原発から一番海岸に近いところで五十キロという対岸にある、そして海に囲まれた島でありますから、一たび原発事故が起きれば逃げ場がない。
 そして、佐渡は米がおいしい、本当に自慢の米です。そして魚もうまい。それからトキが、絶滅という話になりましたけれども、これが寸前のところで、絶滅状態で中国からのあれもあって、また戻ってきて、そして自然に巣立っていくということで、行った日にちょうど、またことし巣立ちということがありました。それから、あそこは自然環境がいいところで、観光もというので、トレッキングが今すごく人気がありまして、割と低い山なんですけれども、そこで、低い山だから余り登山の事故もないところで、花がすごくやはりきれいな花が咲くので、中高年の方、関西や九州からも来られると。観光でもある。
 しかし、そこで一たび原発事故が柏崎刈羽で起きれば、まさに逃げ場もない。そして全てが本当に台なしということになるということで、全てが成り立たなくなってしまうという状況で、本当に不安を感じていらっしゃる。そこに、またも今回、自主点検が不十分ということで腐食、穴があったということであります。
 東電のたび重なるトラブルに、とりわけ新潟県民の怒りと不信、不安は頂点に達しているわけですが、世耕大臣、それでも、自主的な安全性向上の取組という事業者任せ、ある意味、それでいいのか。いかがでしょうか。
○世耕国務大臣 今お話を伺って、私は佐渡は行ったことがないので、行ってみたいなと思ったわけでございますが。
 原子力事業者は、機器や設備の点検など、みずからが行う安全確保の取組ルールを保安規定として定めているところであります。この保安規定の内容の審査や認可、そして事業者が保安規定を遵守しているかどうかの確認は、原子炉等規制法に基づいて、原子力規制委員会が行っているものと承知をしております。
 今回のトラブルについても、規制委員会の指導のもと、事業者がしっかりと再発防止に取り組んでいくことが重要だと考えております。なお、具体的な機器の点検のあり方については、経産省から重複的に指導、指示を行うことは、これは行政の混乱を生じさせるおそれがありますので、適切ではないと思っています。
 また、東電を含む原子力事業者においては、安全規則を充足するだけにとどまらず、さらなる自発的な取組を重ねて、不断に安全性を高めていくことが求められていると考えます。
 経産省としても、東電を始め、原子力事業者に対して、原子力規制委員会の指導にしっかり従うのはもちろんのこと、安全性の向上に向けた取組をみずから積極的に進めていくよう指導してまいりたいと考えます。
○笠井委員 事業者の自主的な安全性向上というのが肝心だというお話でありましたけれども、しかし、東京電力は何度もトラブル、事故を繰り返している。だから、国民、新潟県民は怒っているわけであります。それでも稼働率を八〇%に上げるなどというのは、安全性を二の次にして再稼働ありきという姿勢そのものだと言わなければなりません。そんな基本計画を国民は断じて認めないと強く言っておきたいと思います。
 そこで、次の問題ですが、政府の第五次エネルギー基本計画の案には、国内での原発再稼働とともに、海外への原発輸出を推進するという中身が盛り込まれております。
 そこで、大臣に伺います。
 日立製作所は、五月二十八日に臨時取締役会を開いて、英国での原子力発電所の建設計画を継続することを決めました。総事業費三兆円超のうち二兆円を英国政府が融資する案を日立に示したことで、収益確保のめどが立ったからだとされております。
 現地の住民団体、イギリスですが、ウィルファB原発に反対する人々、PAWBの代表の方々が来日中でありまして、福島第一原発の事故で悲惨な状況が続いているのに原発の輸出はあり得ない、放射性廃棄物問題の解決策がない中進めるのは無責任ということで、経産省に中止を要請している事実があるわけであります。
 この問題について、私、二月六日の予算委員会、そして三月三十日の当委員会でただしてまいりましたが、世耕大臣、本日の報道では、日立と日英両国政府が、計画が予定どおり進まなかった場合のリスク対策費の拠出を検討していると言われております。今、どのような協議を日本政府もかかわってやっているのか、現時点でもなお日立の原発輸出計画を支援するおつもりなのか、政府の見解を伺います。
○世耕国務大臣 今御指摘の案件については、これは個別の企業の判断にかかわることになりますので、経産省としてのコメントは控えさせていただきたいと思います。
 なお、英国における原発建設計画については、これまで関係者の間でさまざまな議論は行われておりますけれども、現時点で、日本政府の政策的支援も含めて具体的に何らかの決定をされた事実はありません。
○笠井委員 前回のときにも、外交上のやりとりでお答えは控えるということも含めて、そういうことを言われた。また同じような答弁でありますが。
 日立の中西会長は、あす五月三十一日に日本経団連の総会で会長に就任するわけでありますけれども、原発輸出について政府がコミットしないとできない、それが日英政府と我々の共通理解とまで言っているわけであります。日本政府は関与して、英国とも交渉してきたはずであります。国民と国会に秘密にするなど許されない、そんなことを前提にした計画というのはきっぱり中止されるべきだと強く申し上げておきます。
 問題はそれだけではありません。秘密主義はインドへの原発輸出も同様であります。
 二〇一七年七月の日印原子力協定発効、その後、私も外務委員会でこの審議に加わりましたが、その後、九月に発表された日印共同声明の二十五パラグラフにある原子力分野の二国間協力を強化するための作業部会、これを根拠にして、三月二十六日に第一回日印原子力作業部会がインドのムンバイで開催されました。
 経産省に伺いますが、日本側からは経産省、外務省のほか産業関係者が出席しておりますけれども、どの企業、どの組織から何名参加したか、具体的にお答えください。
○村瀬政府参考人 お答え申し上げます。
 日・インド間の原子力協力に関する第一回作業部会におきましては、日本側の産業関係者として、計十九名が出席してございます。
 具体的に申し上げますと、まず、一般社団法人原子力産業協会から三名、日立GEニュークリア・エナジーから二名、IHIから二名、三菱重工業から二名、東芝エネルギーシステムズから一名、東芝JSWパワーシステムズから一名、森・濱田松本法律事務所から一名、立教大学から一名、マーシュブローカージャパンから一名、JBICから三名、NEXIから一名、さらに通訳一名の、計十九名となってございます。
○笠井委員 原発業界の総元締めの原子力産業協会、原発メーカーの日立GEニュークリア・エナジー、三菱重工業、東芝エネルギーシステムズがそろって、さらに政府系のJBIC、NEXI、日本貿易保険という顔ぶれであります。日立による英国への原発輸出計画への政府支援の枠組みとプレーヤーは同じだと、まさにそういうふうに今伺いました。
 では、経産省に伺いますが、この第一回の日印原子力作業部会では何が具体的に話し合われたのか、議論の内容と結果について説明をしてください。
○村瀬政府参考人 お答え申し上げます。
 第一回の作業部会におきましては、原子力の平和的利用における二国間の協力強化に向けた議論が行われました。具体的には、将来原子力協力の可能性のある分野、また、インドの原子力賠償法、日本の公的信用制度及びEDFやウェスチングハウスと日本企業の協力について議論が行われました。
 これ以上の議論の詳細につきましては、インド政府との信頼関係が損なわれるおそれ等がございますため、外交上の内容になりますので、お答えを控えさせていただきます。
○笠井委員 議題は言ったけれども、具体的な詳細は、何が話し合われたかとか肝心なことは答弁されない。民間もかかわっておきながら、国民には秘密の交渉など許されないと思います。
 この間、我が党は、一連の経過、やはりこれは国民にとって大事だということで、作業部会の内容に関する文書、日本側からの出席を決定した文書、日本側の出席者を決定した文書などの提出を求めてまいりました。経済産業省も外務省もはぐらかした答えに終始をしまして、やっと外務省が作業部会への出張の決裁文書を出しましたけれども、その文書については経産省からまだ出ていません。
 そして、肝心な問題で伺っていきたいんですが、作業部会の内容に関する報告については、ことし三月二十九日、ちょうど二カ月前から再三の要求をやった結果、ようやく昨日になって、外務省、経産省が、外交公電の形式の記録があるということを認めて、提出をしてまいりました。
 これがその提出された経産省からのものでありますけれども、「平成三十年五月二日 外務大臣殿 日印原子力協力(第一回作業部会の概要) インド発 本省着 平松賢司大使」ということで、「第一八四二号 秘 三月二十六日、ムンバイのインド原子力庁において、日・インド間の原子力協力に関する第一回作業部会が開催されたところ、概要及び配付資料は別添のとおり。」、こういう形で出されております。
 ところが、中を見ますと、肝心の、今言われた議題はここに読み上げたところですが、議論の概要、この中身は真っ黒です。またこれはよくある点ですけれども、真っ黒です。
 真っ黒の中で、黒いページが、黒塗りが五ページ半、こういう形でなっていて、全くわからないということであります。真っ黒に塗られている、議論の中身。何が話し合われたのかは完全な黒、ブラックボックスになっています。
 これはやはり、経産省、何がここに書かれているか、明らかにすべきじゃないですか。
○村瀬政府参考人 公電につきましては、提出を外務省とあわせてさせていただいておりますけれども、詳細な内容につきましては、外交上の内容になりますので、インド政府との信頼関係が損なわれるおそれ、また、我が国の交渉上の不利益をこうむるおそれがございますため、公表を控えさせていただいているところでございます。
○笠井委員 こうやって黒塗りで隠蔽するというのは、この間の政府のやり方の、安倍政権の常套手段でありますけれども。
 原発には、黒塗りだけじゃなくて白抜きというのがある、これが特徴だと言われてまいりました。経産省からのものと外務省からのもの、両方来たので、僕は同じものが出たのかと思ったら微妙に違うんですね。それで、黒く塗ってあるので共通しているところはあるんですけれども、外務省から来たものの中で、総番号とかが書いてあって、その後、黒塗りになっているような部分があるんですけれども、経産省のところはそこがまるっと白く、何もないんですよ、同じ部分が。そういうところがあって、幾つかそういう箇所があります。
 中身の上でも、全く黒塗りというところがあるわけですけれども、経産省は全部一ページ黒く塗っているんですけれども、ここは全部じゃなくて、その下にこういう形になっていて、経産省の方はこの部分が白くなっちゃっているんですよ。だから、何か書いてあるはずなんだけれども、何も書いていないことになっちゃっている。
 こんなことをやられているということになりますと、やはり白抜きというのは、ある意味、隠すのではなくて改ざんであります。今、財務省がやって問題になっています。あるものをないことにして、見えないステルスにするというのはもっと悪質だと思うんですね。
 分量の問題じゃありません。果ては、最後のページでありますけれども、これはどっちも共通していますが、全部、マル秘の秘と書いてあるんですけれども、外務省の報道発表のプレスリリースまでマル秘にしているんですよ、これは、どっちも。何でこんなことをしなきゃいけないのかということであります。とにかく秘密主義。
 経産省に、では具体的に、さっき幾つか議題の中身だけ言われましたけれども、伺っていきます。
 議題の中には、さっき言われた官民協議の中身として三つの項目があって、いずれも日本国民にとって重大なものでありますけれども、先ほど言われた第一項目の中で、「インド原子力賠償法に関する議論(インド総合保険公社からのプレゼンを含む)」では何を話し合ったんですか、では。製造者責任の問題などについて協議したんじゃないですか。
○村瀬政府参考人 大変恐縮ですけれども、繰り返しになりますけれども、議論の内容の詳細につきましては、外交上の内容になりますので、インド政府との信頼関係が損なわれるおそれ等がございますため、お答えは控えさせていただきたいと思います。
○笠井委員 この第二項目、ここにある中でも第二項目で議題に書いてありますが、第二項目でいいますと、「日本の公的信用」と書いてあります。ジャパニーズ・クレジット・タームズと書いてありますけれども、まさにこれは何を話し合ったのか。日本の原発輸出をめぐって、JBIC、NEXIがここに参加していますけれども、その役割とか、あるいは、問題になっている、政府保証に係る問題について協議したんじゃないんですか。
○村瀬政府参考人 繰り返しになりますけれども、関係者が参加をいたしまして、インドの原子力賠償法、日本の公的信用制度等についての説明は行いましたけれども、議論の内容の詳細についてはお答えを控えさせていただきたいと思います。
○笠井委員 これも話さないと。
 では、第三項目についてでありますけれども、「EDF、ウェスチングハウスのプロジェクトへの日本企業の参画」というのがあります。ディスカッション・オン・コラボレーション・オブ・ジャパニーズ・カンパニーズ・ウイズ・EDF・アンド・ウェスチングハウスと書いてありますけれども、では、この問題というのは、まさにこの項目でいうと、なかなか進展しないインドのジャイタプールとかあるいはコバダの原発建設に日本企業がかわって参画する、なかなかフランスもそれからウェスチングハウスも大変なことになっておるわけですから、そういう点では、かわって日本が入っていきますよということを話したんじゃないんですか。
○村瀬政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、EDFやウェスチングハウスと日本企業の協力について議論があったのは事実でございますけれども、その詳細につきましてはお答えを差し控えさせていただきたいと思います。
○笠井委員 これは、いずれも日本国民にとって、本当に重大な関心があるだけじゃなくて、かかわりがあります、影響が出てくる問題。しかも、インドのやはり国民にとったって重大な問題でありますけれども、全て、とにかく外交上の理由とかというようなことで答えを控えると。秘密裏に進める。そして、黒塗りだけじゃなくて白抜きしている。こんな形で進められているというのが実態ではないかというふうに思います。
 全く説明になっていないと思います。何を聞いても、インド政府との信頼関係が損なわれるおそれ等があって明らかにできないと言うばかりの答弁。政府、経産省と。
 世耕大臣、インドとの信頼関係を盾にとって言われるわけですけれども、では、日本国民との信頼関係は損なわれてもいいのか、こういう問題だと思うんですよ。大体、やはり、公的機関が出張をする、マンデートを受けて、出張に関しての決裁を受けて、そして、行ってきたら、ちゃんと、帰ってきたら、帰ってきましたよという報告をして、そして、中身はこうでした、誰と会って、どんな話をしましたとやりますよね。そういうのを本当に明らかにしていくというのは、これは本当に、行政の透明性からしたって当然のことだし、主人公は国民ですから、やらなきゃいけないと思うんです。
 例えば、今度の加計問題だって、愛媛県の文書、これは、参議院が与野党一致して、国政調査権に基づいて、資料を出してくださいということをやりました。そして、中村知事のもとで愛媛県が、そういう依頼があり、督促をいただいたので、県庁を挙げて調査したので、下記文書を提出いたしますということで、あの官邸への出張をした記録について、ここに、旅行命令から始まってずっとあって、そして、帰ってきたら、復命書で、ちゃんと幹部の判こを押して確認して、柳瀬さんとも会ったと書いてあって、それで、ここには、新しい獣医大学の考えはいいねという首相の発言があったということです。これは出ているわけですよね。こうやって中身が全部明らかになる。
 今、安倍政権による改ざん、隠蔽、捏造など、うそとごまかしが大問題になっていますけれども、経産省によると、白抜きと黒塗りは、まさに財務省による決裁文書や交渉記録の改ざんと防衛省の日報隠蔽の複合版ともいうべきことなのではないか。まさに脱落させているページもあるんじゃないか。
 こんな発想で、白抜きで、あの福島の第一原発の事故もなかったことにしようとしているんじゃないか、こういう問題であります。東電の福島第一原発事故を起こした日本から原発輸出をするなどという大問題について、インド政府との間でどんな協議をしているのか。日本国民と国会への報告は必要ないとでも言うんですか。大臣、いかがですか。ちゃんと報告すべきじゃないですか。
○世耕国務大臣 今御提示されている文書は、私もちょっと、詳しくは見ていませんから何ともコメントはしようがありませんが、そういう形でお渡しをしているということは、少なくとも、文書はきちっと残って、保管をされているということだと思います。
 外交上の理由があるときはお見せできないというのは、これは情報公開法でも認められているわけであります。まさにインドと交渉している、相手との信頼関係にかかわることだということは御理解をいただきたいというふうに思います。
 そもそも、この作業部会の設置そのものは、日印首脳会談で昨年九月に合意をされて設置をされ、そして、それに基づいて開催をされているものであります。
 現時点で、日本が主体となってインドに原発を建てるとか輸出をするというような計画はないと承知をしておりますけれども、日印原子力協定に基づいて、インドから求めがあった場合、インドの事情や意向を踏まえて、安全性の高い原子力技術を提供することは可能だと考えています。
 両国の関係者による議論を通じて、どういう協力を行うか、今後、その内容が具体化されていくものと考えております。
○笠井委員 国民との信頼関係が一番です。そういう点では委員長にお願いしたいんですが、ぜひ、この第一回日印原子力作業部会の結果の報告について、当委員会に提出するように理事会で協議をお願いしたいと思います。
○稲津委員長 理事会にて協議いたします。
○笠井委員 時間になりましたので、終わりますが、英国のケースと同様に、インドへの原発輸出に向けた秘密交渉など許されない。そして、国民に隠して秘密にしなければいけないような原発輸出などあってはならない。しかも、相手のインドという場合について言えば、核保有国です。NPTにもCTBTにも入っていない。そういう点では、原発輸出をきっぱり中止すべきだ。七年前のあの事故、日本と世界のどこでも二度と繰り返させてはならないということで、原発輸出を推進する政府のエネルギー基本計画、これを、この点でも福島県民も日本国民も断じて認めない、このことを申し上げて、質問を終わります。
○稲津委員長 次に、谷畑孝君。
○谷畑委員 世耕大臣、本当に御苦労さまでございます。
 私は、昭和二十二年、おぎゃあと生まれて、ベビーブームと言われて、今七十一ですけれども、ずっと自分を振り返ってみましたら、僕らのときは、高度経済成長というのか、すごい勢いで日本経済が世界にのし上がって、もう世界のトップあるいは二位という、そういう時代をずっと経験しました。もちろん、その間には少しの経済はマイナスがあったりいろいろありましたけれども、基本的には経済成長の中で暮らせたのかな、そう思います。
 同時に、私も長い間、厚生労働にかかわり、今でもその行政にかかわるわけですけれども、そういう経済成長と同時に、この日本の社会福祉制度というのも、これもやはり年金だとか医療だとか、とりわけ日本は、皆保険制度というものをつくり上げて、本当に長寿社会を迎えてもそれなりに安心できる社会になっているんじゃないか。しかし、なお油断せずに年金だとか社会保障制度をしっかりしていかなきゃならぬ、そのように実は思っています。
 そこで、このようにして、基本的には経済成長、こう成長でずっと来ておるわけでありますけれども、最近の経済情勢、特に大臣にお聞きしたいし、また、この間実質マイナス〇・二%ということで、二年三カ月ぶりに日本もマイナス成長になった、こういうような報告も聞いております。
 そういうことで、今回のそういうマイナス成長となった要因、しかも、これが一過性なのか、今後とも日本の経済はずっと継続して発展するのか、そこらの点の大臣の所見をお聞きします。
○世耕国務大臣 ことしの一―三月期の実質GDPの一次速報ということになりますが、前期比で年率ベースでマイナス〇・六%、これは九四半期ぶりのマイナス成長ということになりました。主な要因は、住宅投資が少し減っている、在庫がマイナスに寄与したというふうに承知をしております。
 今回のマイナス成長は、やはり八四半期もずっとプラスが続いた後ということもあります。また、これは、二〇一八年の一―三月期ですから、二〇一七年度の最後ということになるわけですが、二〇一七年度を通して見れば、成長率は、実質で前年度比一・五%、名目でも前年度比一・六%と、三年度連続で名目、実質ともにプラス成長となっているわけであります。今、雇用とか所得環境の改善はしっかり続いておりますので、景気は緩やかに回復をしているという政府の認識に変わりはありません。
 今後どうなるのかということについては、ことしの春の春闘、これは非常に年収ベースでしっかり賃上げをしてもらったわけですから、雇用・所得環境というのは引き続き改善が続いていて、これがいよいよ個人消費の持ち直しにつながってくる。また、企業も空前の好決算が続いています。企業収益の改善を背景として、また、今回、設備投資をふやすためのいろいろな政策も入れておりますので、設備投資の増加。この個人消費と設備投資という民需を中心とした景気回復が見込まれるのではないかというふうに思っております。
 経産省としては、あくまでも、この経済の好循環を更に確実にしていくというために、生産性革命と人づくり革命の実現に向けて、引き続き努力を続けてまいりたいと思います。
○谷畑委員 ぜひひとつ頑張っていただいて、やはり、景気がずっと継続しているというのが一番居心地がいいし、我々も、じいちゃん、ばあちゃんになって、孫にもいい顔ができる、こういうふうに思いますので、大臣、ぜひひとつしっかりと旗を振っていただきたいな、そう思います。
 次に、信用保証制度についてお聞きします。
 私も、二十代後半にこうして政治家として国会に送っていただくようになっていくきっかけが、なるわけですけれども、私の大阪はやはり中小企業の町ということで、政治事務所にかかわって初めての仕事が金融機関。中小企業が、お金を借りたい、運転資金が足らぬと。私も大学を出たてで、信用保証協会ということも知らぬし、その言葉自身、非常にもう、そこは、知らぬというふりもできませんし、物すごいプロやというような顔でそういうお話を聞きながら、後で一生懸命に社会保障制度とか金融機関とか勉強して、それのお手伝いをさせていただいたことをきのうのように思い出すわけでございます。
 さて、それで、次に、中小企業が非常に大事にするのは、信用保証制度というのか、お金を借りるのはその信用保証制度というのが一番中小企業にとってみて保証を与えてくれる、こういうことであります。
 そこでお聞きします。
 昨年六月に成立した中小企業信用保証法の改正は、どのような背景のもとで、またどのような改正がされたのか、その概要について改めてお聞きをいたします。
○吉野政府参考人 お答えいたします。
 中小企業向けの信用保証の制度でございますけれども、中小企業の資金繰りを支える重要な制度でございまして、中小企業の多様な資金需要に一層対応できるものとしていくことが重要でございますけれども、金融機関の方が過度にこの制度に依存することとなりますと、事業性評価融資や、その後の期中管理、経営支援への動機が失われるという面もございます。
 こうした問題意識から、中小企業政策審議会におきまして議論を進めまして、一昨年末に見直しのパッケージが取りまとめられまして、そのうち法的な手当てが必要なものに関しまして、昨年の通常国会におきまして中小企業信用保険法等の改正をいただいたところでございます。
 具体的な中身でございますけれども、中小企業の多様な資金に対応するためということで、まず、大規模な経済危機等に備えたセーフティーネット保証というのを新たにつくりました。それから、創業者、小規模事業者向けやそれから事業承継時の支援措置、これの拡充も行われたということでございます。
 一方で、保証協会と金融機関の間の規律を確保しながら中小企業への経営支援を促すための措置としまして、保証協会の業務に経営支援を法律上明記するとともに、保証協会と金融機関が連携する旨を規定しまして、適切なリスク分担を進めることとされました。
 昨今、金融機関の経営環境は厳しさを増してきておりますけれども、真摯に事業に取り組む金融機関の多くの方々は、経営者と真剣に向き合って事業性評価を進めていく、地域の中小企業の経営支援を行うことが、金融機関にとってもみずからが存続する道であるとお考えだと思います。
 こうした金融機関の取組を日本全体で実現していくために、金融庁の方でも、金融機関に対して担保保証に過度に依存しない事業性評価、これを促しておられると思いますけれども、今回のこの保証の見直しはこうした金融庁の取組とも表裏一体をなすものでございまして、引き続き金融庁とも連携をしながら、中小企業への金融支援を促すことによりまして、地域経済ひいては日本経済全体の活性化につながるように対応してまいりたいと思っております。
○谷畑委員 先ほども言いましたように、やはり、中小企業が日本の国を支えているということ、これはもう誰しもが認識しているところであります。その中小企業にとって命となるのが、金融機関、お金を借りられることができること、それが、これは産業省にとってみて、非常に中小企業を育成するという意味では大きな柱だ、そういうように実は思っているわけであります。
 そこで、今度の改正は、比較的大規模なものでありますし、現場で実際に制度を活用する中小企業や金融機関に対して与える影響も大きいのではないかと推察されます。実際、事業者の中には、金融機関を通して初めて知ったという人もいます。政府としては、これまで十分な周知徹底を行い、現場の隅々まで制度改正の周知が行われる、そのように更に頑張っていただきたいと思います。くどいようですけれども、もう一度だけ、周知徹底をするという決意をちょっと語っていただきたいと思います。
○吉野政府参考人 お答えいたします。
 御指摘のとおり、今回の制度見直しは十年ぶりの大きな改正でございます。まず、法施行までの間、昨年の法案成立からこの四月一日まで一年間期間をとりまして、相当程度集中的に広報してきております。三十三万枚チラシをつくって配りますですとか、何といいましても、末端の金融機関の方々が承知くださらなければならないということもございまして、私どもからは金融機関の全国団体ですとか、それから個々の保証協会からは金融機関でございますとか、そうした周知をこれまで徹底的にやってきたところでもございます。
 引き続き、更にこの取組を進めまして、御指摘のとおり、中小企業の方々に、特に新たな制度をしっかり使っていただくように努めてまいりたいと思っております。
○谷畑委員 ありがとうございました。
 中小企業の経営改善のためには、信用保証協会と金融機関との連携、これが欠かせない、私が先ほど言いましたように、そこに私はあると思います。
 そこでまた、お伺いをいたします。
 信用保証協会と金融機関が連携をして適切なリスク分担を行うという、いわゆる協調融資は、その運用のあり方が最も重要と考えます。今般の改正の最も重要な部分の一つであり、附帯決議の一項目にもあるとおり、両者の連携強化に向けてどのように取り組んでいくのか、また、どのような点に課題があるのか。特に、どういうものが今後課題があるか、そこだけちょっとお伺いします。
○吉野政府参考人 お答えいたします。
 まず、その課題という点につきましては、現状、全国各地の金融機関につきまして、中小企業への経営支援の状況を伺いますと、対応にはかなりのばらつきがあるというところでございまして、この点をできる限り正していかなきゃならない、それが課題の認識でございます。
 今回の信用補完制度の見直しでは、信用保証のつかない、いわゆるプロパー融資とこの保証つきの融資とのバランスを、リスク分担をどう進めていくかということが課題になったわけでございますけれども、金融機関にとりましては、保証によってカバーされていない、いわゆるプロパー融資があれば、それがみずからの損失につながらないように適切な期中管理をやり、それから経営支援を行うこと、こういうことへの動機が強く働くこと、すなわちプロパー融資が中小企業に対する支援姿勢に直結するという実態に着目をして見直しを進めてきたものでございます。
 こうしたそのリスク分担を進めていくために、この保証協会法の改正でございますとか、それから、保証協会向けの監督指針の改定もいたしております。このうち、新たに保証をつけるに当たりましては、金融機関がしっかりとプロパー融資を進めているのか、それから、業況、事業性の理解を進めているのか、今後につきましてもそうした支援を進めていくのかといったところをしっかり確認しながら保証をつけていただく、こういうところをその指針に書き、見てまいりますし、このうち、その個々の保証協会、それから保証協会がかかわります金融機関が実際にそのような対応をしているのかどうか、この行動を見える化もして、しっかりとモニタリングをしていく、こういう取組を進めていきたいと考えております。
○谷畑委員 ありがとうございました。
 信用保証協会は、四十七都道府県あるいは四市、横浜、川崎、名古屋、岐阜に所在しています。各地域の実情に通じた公的機関である全国五十一の信用保証協会には、各地域特有の課題、ニーズに対応した保証メニューの開発等により、地方創生に関する重要な主役として引き続き活躍していただきたい、このように強く思うところであります。
 そこで、もう一度お聞きします。各地域の信用保証協会が行っている地方創生に資する取組として、特に効果を上げていると政府が評価している事例があれば紹介をしていただき、また、今後、更にそのような好事例をふやしていくために政府としてどのように取り組んでいくのか、再度お聞きいたします。
○吉野政府参考人 お答えいたします。
 各地の保証協会でございますが、地域によって産業構造、金融慣行が異なる中で、自治体等と協力しながら、地域の特色を踏まえた独自の制度を設けるといった地方創生に資する取組を行ってきていただいています。
 保証協会が特に地方創生に貢献している事例を申し上げますと、まず一つ目に、瀬戸内地域の複数県におきまして、新たな観光需要の創造を図る事業を後押しする七つの保証協会が共同で保証制度を創設されているですとか、それから、愛知県のケースなんですが、国家戦略特区を活用し、ワイナリー、レストランなどを営むブドウ農家が行うブドウ栽培といった商工業とともに農業ビジネスを実施する場合の保証制度の創設がございます。それから、鳥取県におきましては、地域活性化に資する企業への投資を目的とした成長ファンドへの保証協会の出資といった事例が見られるところでございます。
 こうした事例を全国でふやしていけるように、このすぐれた好事例、これをしっかり集めまして、各地の保証協会がこれまで以上に地方創生に貢献できるように努めていきたいと思っております。
○谷畑委員 今回の制度の見直しは、中小企業の経営改善、そして、事業転換を一層促していくことが非常に重要だと思っております。
 不況業種を対象としたセーフティーネット保証五号の保証割合が一〇〇%から八〇%に変更されました。しかし、そうなると、金融機関にはリスク負担が生じることになり、今まで以上に融資に慎重になると考えられます。
 そこで、お伺いをいたします。中小企業の経営改善や事業転換等の促進を図りつつ、貸し渋り等により資金繰りに支障が生じないようにすることも非常に重要だと思っておりますので、再度、しつこいようですけれども、お聞きをいたします。
○吉野政府参考人 お答えいたします。
 この信用保証制度、繰り返しになりますが、多様な中小企業のニーズに応えて、円滑化に資するように運用していくことは大事でございますけれども、金融機関の過度の依存となりますと副作用もあるということで見直しを進めてまいったものでございます。
 今回の保証制度の見直しの中では、金融機関と保証協会との適切なリスク分担を進めていくためということで、先ほど御指摘のございました構造不況業種に対応したセーフティーネット保証五号につきましては、金融機関がより前面に立って支援を行うことで、事業者の経営改善や事業転換等が促されるように、保証割合を一〇〇パーから八〇%にしたところでございます。
 御指摘のとおり、その結果として貸し渋りなどの問題が生ずるおそれがある、そういう声もございますので、これに対しましては、まず、小口向けの保証、一〇〇%保証の限度額を千二百五十万円から二千万円に拡充をしたということもございます。それから、保証協会と中小企業支援機関の連携によりまして事業者の相談体制の強化をすること、それから、万が一に備えてということでありますが、日本政策金融公庫による丁寧な相談対応の実施といったことも用意をしております。それから、それらに加えてでありますが、仮にメーンバンクが十分な融資を行えない場合には、保証協会がいわゆる駆け込み寺となりまして、他の金融機関を紹介するといった取組、これも進めていこうとしております。
 こうしたことによりまして、中小企業の資金繰りに大きな影響が生じないように対応してまいりたいと思っております。
○谷畑委員 今般の改正では、創業支援の拡充も図られており、創業関連保証の限度額が一千万円から二千万円に引き上げられました。
 政府は、開業率を米英レベルの一〇%台にすることを目標としておるということを承知しておりますが、現在、我が国の開業率は国際的に見て低い水準にとどまっています。これは、起業に無関心な人の割合が高いことが一因です。一方で、起業に関心を持った人が実際に起業に至る割合は高いとされております。したがって、いかに起業への関心を高めていくことが、我が国の開業率を高めていく上で重要な視点になります。
 先般審議された産業競争力強化法改正案でも、創業の普及率、啓発の取組を追加する改正が盛り込まれるなど、創業に関心を持つ者が少ないという課題を解消するための取組が進められていると思います。
 そこで、我が国の開業率のさらなる向上に向けた政府の取組方針、また、その中で創業関連保証の限度額が引き上げられた意義について、政府の見解をお聞きいたします。
○吉野政府参考人 お答えいたします。
 創業が促進されますと、雇用の拡大に加えまして、国全体の生産性の向上にも寄与すると考えられます。このため、開業率を高めていくことは重要と考えておりまして、経済産業省では創業支援に力を入れて取り組んできているところでございます。
 一般的に、創業者の方々は、手元資金、信用力に乏しい上に、過去の財務データなどがないために、金融機関は、事業リスクを判定できず、融資をちゅうちょし、十分な資金を調達できないのが実情となっております。また、仮にある程度の資金を調達して事業を創業したとしましても、事業が軌道に乗り、安定的な収入が得られるようになる前に運転資金が枯渇する、いわゆる死の谷で断念することも多いということで、創業においては信用保証制度は重要な役割を担っていると考えております。
 このため、昨年の中小企業信用保険法の改正によりまして、創業者が手元資金なしで保証を受けられ、その多くが死の谷を越えて事業が継続できるように、一〇〇%保証の限度額を一千万円から二千万円に拡充をしたところでございます。
 また、経産省では、信用保証のほかにも、補助金や税制面の優遇などの資金面での支援や支援体制の整備などの創業支援を行っているところでございますが、これらに加えまして、先ほど御指摘のございました今般の産業競争力強化法の改正によりまして、市町村や、それから民間事業者が行う創業に関する啓発普及の取組を支援していくこととしております。
 こうした施策をしっかりと実施していくことを通じて、創業の促進と開業率の引上げを引き続き目指して取り組んでまいりたいと思っております。
○谷畑委員 もう時間が来ましたので、ちょっと最後に。
 信用保証制度というのは、これはやはり、中小企業にとってみたら、公的機関でありますので、しかも、中小企業のためにつくられた制度でありますから、非常に使い勝手がいいし、使いやすい、また命綱になると思うわけです。どうしてもそれに外れてしまって、民間の形から借りて、後でその企業が倒産していくという、そういう姿もたくさん見ていくわけであります。
 あと二分しかありませんので、もう一度、信用保証制度の利用実績、さらに、今後とも更にそれを使ってもらえる、こういう形をどういうようにして組織を挙げて旗を振っておられるかということをお聞きして、終わります。
○吉野政府参考人 お答えいたします。
 中小企業の信用保険制度は、ふだんからの資金繰りを支える重要な制度ということでございますけれども、大きな流れで申しますと、おのずと、景気の悪い時期、それから経済ショックが生じた時期、こういう時期には保証残高が相当ふえる、それから、景気がよくなってくるとそれが減ってくる。最近の例で申しますと、リーマン・ショックの後には三十六兆円ぐらいまでの保証残高になっておりましたものが、最近では二十二兆円ぐらいまで減ってきているということでございます。
 これはいいことなのでございますけれども、いずれにせよ、そうした危機に備え、それから創業の時期、それから事業承継といった特別な資金繰りが必要な時期、こういう時期に対しては、その多様なニーズに対してしっかりと応えていけるような信用保証として運用していくと同時に、制度そのものがしっかりと使っていただけるような周知にも努めてまいりたいと思っております。
○谷畑委員 以上をもって終わります。ありがとうございました。
     ――――◇―――――
○稲津委員長 次に、内閣提出、特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより趣旨の説明を聴取いたします。世耕経済産業大臣。
    ―――――――――――――
 特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
○世耕国務大臣 特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 これまで、我が国では、オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書に基づく義務を履行するため、特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律を制定し、特定フロンの製造の規制等の措置を講ずることにより、オゾン層破壊効果のない代替フロン、すなわちハイドロフルオロカーボンへの転換を図ってまいりました。
 しかしながら、平成二十八年十月、その代替フロンについても、地球温暖化に影響を与えることに鑑み、規制対象とすること等を内容とする、モントリオール議定書の改正が採択されました。
 これに対応するため、今般、本法律案を提出した次第であります。
 次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。
 第一に、製造等の規制の対象物質に、特定物質に代替する物質であって地球温暖化に深刻な影響をもたらすものとして政令で定めるものを追加します。この政令で定める特定物質代替物質として、議定書に基づき、ハイドロフルオロカーボンを定めることとします。
 第二に、経済産業大臣及び環境大臣が、議定書に基づき我が国が遵守すべき特定物質代替物質の生産量及び消費量の限度を定めて公表することとします。
 第三に、特定物質代替物質を製造しようとする者は、経済産業大臣の許可を受けなければならないこととし、また、特定物質代替物質を輸入しようとする者は、外国為替及び外国貿易法の規定に基づく輸入の承認を受けなければならないこととする等の措置を講じます。
 以上が本法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようよろしくお願い申し上げます。
○稲津委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 次回は、来る六月六日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時二十二分散会