第197回国会 農林水産委員会 第11号
平成三十年十二月五日(水曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 武藤 容治君
   理事 伊東 良孝君 理事 小島 敏文君
   理事 齋藤  健君 理事 野中  厚君
   理事 細田 健一君 理事 亀井亜紀子君
   理事 近藤 和也君 理事 稲津  久君
      池田 道孝君    泉田 裕彦君
      稲田 朋美君    今枝宗一郎君
      上杉謙太郎君    加藤 寛治君
      金子 俊平君    木原  稔君
      木村 次郎君    小寺 裕雄君
      斎藤 洋明君    坂本 哲志君
      西田 昭二君    福山  守君
      藤井比早之君    藤原  崇君
      古川  康君    本田 太郎君
      宮路 拓馬君    山本  拓君
      石川 香織君    神谷  裕君
      佐々木隆博君    長谷川嘉一君
      堀越 啓仁君    関 健一郎君
      緑川 貴士君    濱村  進君
      大串 博志君    金子 恵美君
      田村 貴昭君    森  夏枝君
    …………………………………
   農林水産大臣       吉川 貴盛君
   農林水産副大臣      小里 泰弘君
   内閣府大臣政務官     長尾  敬君
   農林水産大臣政務官    濱村  進君
   環境大臣政務官      勝俣 孝明君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房総括審議官)         光吉  一君
   政府参考人
   (農林水産省消費・安全局長)           池田 一樹君
   政府参考人
   (農林水産省食料産業局長)            新井ゆたか君
   政府参考人
   (農林水産省生産局長)  枝元 真徹君
   政府参考人
   (農林水産省経営局長)  大澤  誠君
   政府参考人
   (農林水産省政策統括官) 天羽  隆君
   政府参考人
   (林野庁長官)      牧元 幸司君
   政府参考人
   (水産庁長官)      長谷 成人君
   政府参考人
   (国土交通省水管理・国土保全局次長)       林  俊行君
   政府参考人
   (環境省大臣官房審議官) 上田 康治君
   政府参考人
   (環境省大臣官房審議官) 鳥居 敏男君
   政府参考人
   (環境省大臣官房審議官) 松澤  裕君
   農林水産委員会専門員   室井 純子君
    ―――――――――――――
委員の異動
十二月五日
 辞任         補欠選任
  木村 次郎君     本田 太郎君
同日
 辞任         補欠選任
  本田 太郎君     木村 次郎君
    ―――――――――――――
十一月三十日
 主要農作物種子法にかわる公共品種を守る新しい法律をつくることに関する請願(大河原雅子君紹介)(第一七四号)
 同(佐々木隆博君紹介)(第二〇五号)
 同(後藤祐一君紹介)(第二二九号)
 同(亀井亜紀子君紹介)(第二五六号)
十二月四日
 主要農作物種子法にかわる公共品種を守る新しい法律をつくることに関する請願(吉川元君紹介)(第三八八号)
 同(田村貴昭君紹介)(第五〇六号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 農林水産関係の基本施策に関する件
     ――――◇―――――
○武藤委員長 これより会議を開きます。
 農林水産関係の基本施策に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、政府参考人として農林水産省大臣官房総括審議官光吉一君、消費・安全局長池田一樹君、食料産業局長新井ゆたか君、生産局長枝元真徹君、経営局長大澤誠君、政策統括官天羽隆君、林野庁長官牧元幸司君、水産庁長官長谷成人君、国土交通省水管理・国土保全局次長林俊行君、環境省大臣官房審議官上田康治君、大臣官房審議官鳥居敏男君及び大臣官房審議官松澤裕君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○武藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○武藤委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。藤井比早之君。
○藤井委員 質問の機会をいただきまして、本当にありがとうございます。
 それでは、まず、水産業の発展についてお伺いさせていただきたいと思います。
 世界の水産需要は増大しております。世界の漁業、養殖業を合わせた生産量は、この三十年間で約二倍、倍増をしております。増加要因は養殖業の急拡大で、全体の五割を占めるようになりました。一方、我が国では、養殖業は全体の二割にすぎません。これからは、魚を、魚介類をとればよいということではなくて、魚介類を育てていく、また魚介類が育つ環境をつくっていくということが何よりも大切なのではないかというふうに考えております。
 そこで、資料をお配りさせていただいておりますけれども、兵庫県の資料をもとに、栄養塩の減少というものをお配りさせていただいているところでございます。
 瀬戸内海では、イカナゴの資源管理など、さまざまな資源管理に取り組んでいただいているところでございますけれども、これはむしろ、海域の貧栄養化による資源の減少が深刻化している、栄養塩の減少、貧栄養化こそが漁獲高の減少に影響を与えているのではないかというものでございます。海がきれいになり過ぎているということです。きれいな海と豊かな海とは違う。
 そこで、豊かな海を取り戻すということで、平成二十七年に議員立法で瀬戸内海環境保全特別措置法の一部を改正する法律を成立させていただいたというところでございます。この法律の附則第二項では、「瀬戸内海における栄養塩類の減少、偏在等の実態の調査、それが水産資源に与える影響に関する研究その他の瀬戸内海における栄養塩類の適切な管理に関する調査及び研究に努めるものとし、その成果を踏まえ、この法律の施行後五年を目途として、瀬戸内海における栄養塩類の管理の在り方について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずる」とありますけれども、こういった条文につきまして、現状における取組状況がどうなっているのかをお伺いしたいと思います。
 また、豊かな海づくり、栄養塩類循環バランス向上のために、下水処理場の窒素排出量の増加運転、季節別運転管理、栄養塩類の偏在を緩和するための海底耕うん、ダム等の放水、ため池のかい掘り等、具体的な方策についてお伺いさせていただきたいと思います。
○上田政府参考人 お答えいたします。
 前回の瀬戸内法改正附則において、瀬戸内海における栄養塩類の管理のあり方について検討を加えることとされたことから、環境省においては、まずは瀬戸内海の海洋環境の変化や実態を把握するため、平成二十七年から二十九年にかけて、底質、底生生物調査や藻場、干潟の分布調査を実施したところでございます。
 今年度は、昨年度までの現地調査で新たに得られたデータや、経年的な水質の調査データを踏まえ、水環境等の現状や長期的な変化傾向について総合的に解析、評価を進めるとともに、水産資源の変動については魚種によりさまざまな要因が指摘されているため、種の生息場や生活等を考慮しつつ、減少要因の一つとして栄養塩類との関係が指摘されている種に着目し、関係府県や関係省庁等の研究機関の調査結果等も参考に、栄養塩類との関係について分析、評価を進めているところでございます。
 これらの解析、評価結果を踏まえ、中央環境審議会において御議論をいただきつつ、平成三十一年度を目途として、きれいで豊かな海の確保に向けた方策のあり方、これを取りまとめていきたいと考えておるところでございます。
○林政府参考人 お答えをいたします。
 下水処理場の季節別運転管理、あるいはダム等からの放水についてお尋ねがありました。
 ノリ等々の成長期であります冬場に下水処理場からの処理水の栄養塩濃度を上げます季節別運転管理につきましては、水質環境基準の達成、維持や放流先の周辺水質への大きな影響が想定されないことを前提に、国土交通省といたしましても、技術的支援を実施してまいったところでございます。
 季節別運転管理につきましては、近年、地域の要請に応じまして、兵庫県等、瀬戸内海各地の処理場で広まりつつありまして、兵庫県内では、平成二十五年度時点では二処理場のみの実施だったところが、現在は神戸市垂水処理場を始めといたしまして、九つの処理場で実施をされております。
 また、ダムからの放流につきましては、利水者等との調整など制約条件はありますが、例えば岡山県の苫田ダム等におきましては、これまでも、地元の知事さんからの要請によりまして、利水容量を活用した放流の実施を検討いたしまして、関係利水者の了解を得た上で、可能な範囲で対応してきたところでございます。
 国土交通省といたしましては、豊かな海づくりの観点から、今後も引き続き、関係機関と連携を図りながら下水処理場におけます季節別運転管理の支援に取り組みますとともに、ダムからの放流につきましても、利水関係者の了解を得ながら、必要に応じて、その都度ダムからの放流の実施を検討してまいりたいと思っております。
○長谷政府参考人 水産庁におきましては、平成二十五年度から瀬戸内海において水産研究・教育機構等が実施しております、施肥や海底耕うんを行うことによりノリやワカメ漁場に栄養塩を供給する技術の実証試験に対して助成を行ってきております。
 また、兵庫県では、ため池の維持管理と海域への栄養分の補給を目的として、農業者と漁業者が協力して、池にたまった腐葉土を海に流下させるかい掘りの取組が行われており、このような取組に多面的機能支払交付金等を活用することが可能となっております。
 農林水産省といたしましては、これらの方策を推進し、関係省庁と連携をとりながら取り組んでまいります。
○藤井委員 ありがとうございます。
 田んぼや畑は耕して肥料を与えるというように、海にも肥料を与え耕すということが必要なのではないか。下水道の窒素排出量増加、ダム等の放水、ため池のかい掘り等は栄養塩という肥料を与える行為、海底耕うんは耕す行為に例えられるとも考えております。
 かつては、赤潮の発生など、瀬戸内海では富栄養化が問題となってまいりました。下水道は、まさに高度処理を進めて、これまで水質改善に御貢献いただいたというところでございます。どちらかというと、窒素排出量増加というのは下水道処理の原点からは外れるようでございますけれども、先ほど御答弁いただいたように、豊かな海を取り戻すために、冬場における季節別運転管理というのを試行していただいておるというところでございます。先ほど、二から九にふえた、また垂水処理場という答弁もありましたけれども、ここは養殖場とは目と鼻の先ということでございますので、特にノリ養殖への好影響、また、冬場にこういった栄養塩類を排出していただくことで、春の風物詩であるイカナゴに好影響を与えていただけるものと御期待を申し上げるところでございます。
 ため池の底にたまった泥を海に流すかい掘り、これは、池の水質等と貯水量を保つという目的があるわけでございますけれども、窒素や燐などを豊富に含んだ泥水を海に流すという意味では、一石二鳥の効果を生み出すのではないか。現在も、淡路や東播磨などで、農業、漁業関係者が一体となって行っていただいておるところでございます。ことし八月には、淡路東浦ため池・里海交流保全協議会さんが第二回インフラメンテナンス大賞の農林水産大臣賞を受賞されました。
 ダム等の放水も協議により可能と。先ほど、岡山県知事の要請によって行っているところがあるという答弁をいただいたところでございますけれども、窒素や燐などを海に流すというものでは、同様に一石二鳥の効果を発揮されるものではないかと考えております。また、新たに流さずとも、栄養塩類の偏在を是正する海底耕うんにも効果があるものと期待されるところでございます。
 こういった栄養塩類と漁獲高につきましては、やはり科学的な評価、分析というのが必要だというふうに考えております。二十七年の改正法は施行後五年ということでございますので、これから三十一年度を目途ということで御答弁いただきましたけれども、こういった科学的分析も含めまして、各分野にわたる取組によって豊かな海が戻るよう、お願いを申し上げるところでございます。
 さて、平成二十九年四月二十八日に閣議決定された新たな水産基本計画、今回の漁業法改正は、資源管理を充実させて持続可能性を高め、漁業の成長産業化を進めるものというふうに理解をしております。科学的、効果的な評価方法、管理方法とする新たな資源管理システムを構築するということは非常に大きな一歩でございます。
 ただ、資源管理ということになれば、減船や休漁措置といったものも必要になると考えられます。実際にイカナゴでも解禁日の設定、終了日の設定という資源管理を行っていただいているところでございます。減船、休漁措置の円滑な実施、資源管理、漁場改善に取り組む漁業者を対象とした収入安定対策の機能強化や法制化についてお伺いさせていただきたいと思います。
 また、水産業の成長産業化のための予算確保の必要性、燃油等の価格高騰対策についてお伺いさせていただきます。
○吉川国務大臣 藤井委員から御指摘をいただきましたとおり、水産政策の改革を推進していくためには、その後押しのための対策の充実が極めて大切だと考えております。
 こうした観点から、平成三十一年度の水産関係予算においては、今御指摘も幾つかいただきましたけれども、新たな資源管理措置への移行に伴う減船、休漁措置を円滑に実施するための支援、さらには漁船漁業構造改革、沿岸漁業の競争力強化、そして生産から消費に至るバリューチェーンの構築といった漁業の成長産業化に向けた重点的な支援、さらにまた、漁業経営の安定を図る漁業収入安定対策事業や漁業経営セーフティーネット構築事業などにしっかり取り組むことが重要と認識をいたしております。
 さらに、漁業の収入安定対策につきましては、新しい資源管理システムの導入に当たりまして、漁業者の経営安定を図るための法制化等の検討もしていかなければならないと存じております。
 年末の決定に向けまして、必要な予算が確保できるように、全力で対応してまいりたいと存じます。
○藤井委員 吉川大臣、ありがとうございます。
 先ほど、法制化という話もありました。また、予算確保、年末にかけまして、どうか政府を挙げてよろしくお願い申し上げたいと思います。
 科学的な根拠に基づき資源を評価する、その評価に基づき漁獲高を適切に管理していく。そのためには、そもそも、資源調査、評価を推進する情報収集体制の拡充整備が不可欠と考えますけれども、こちらの整備についてお伺いさせていただきます。
○長谷政府参考人 漁業の成長産業化に向けましては、基礎となる資源の維持、回復が必須でございます。今回の水産改革におきましては、科学的に適切な資源管理目標を設定し、その目標の達成を目指した資源管理を行うこととしております。
 このため、資源管理目標の設定に必要な幼魚や親の資源量を精度高く推定するため、調査船調査や海洋観測を充実させたいと考えております。
 さらに、資源評価の基礎となる市場の水揚げ情報や漁船の操業情報等につきましては、ICTの活用により効率的かつ迅速に収集できる技術の開発を目指すこととしております。
 これらの施策を通じまして、国立研究開発法人水産研究・教育機構と都道府県の研究機関の協力のもと、漁業の成長産業化に資する資源評価の充実に努めてまいりたいと考えております。
○藤井委員 ありがとうございます。
 資源管理のためには、そもそも、データを科学的に分析するというのが必要でございます。先ほど都道府県という話もございましたけれども、こういった自治体の予算確保も含めて、しっかりとした予算確保、体制整備をお願い申し上げたいと思います。
 また、資源管理という点では、我が国だけが資源管理を一生懸命やっていても仕方がないわけでございまして、やはり、外国漁船と競合する中で、資源管理としての外国漁船の取締り体制をどう強化していくか。また、国際的な資源管理の取組を強化していくということが大切だと考えております。
 また、あわせまして、密漁、ナマコとか、反社会的勢力がいわば密漁等でもうけているという話もございますので、そういった取締り体制の強化をお伺いさせていただきます。
○長谷政府参考人 水産資源の管理につきましては、水産改革を進める中でその取組を強化することとしておりますけれども、我が国漁業者が漁獲する資源は外国漁船も漁獲するものが多いことから、国内における資源管理の効果が損なわれないよう、国際的な資源管理にも積極的に取り組む必要がございます。
 同様の観点から、我が国排他的経済水域における外国漁船による違法操業に対しても厳正に対応する必要があり、水産庁では、本年一月、水産庁長官を本部長とする漁業取締本部を設置し、一元的な指揮命令系統を整備するとともに、取締り船の建造を進めるなど、取締り体制の強化を図ってきております。
 また、沿岸域での密漁については、今国会にお諮りしております漁業法の改正案の中に大幅な罰則強化を盛り込んでおりますけれども、その抑止効果を最大限生かすためにも、漁業者と連携しつつ、都道府県、海上保安庁、警察等の関係機関と密接に連携し、取締りの強化を行うなど、総合的な対策を推進してまいりたいと考えております。
○藤井委員 先ほど、違法操業に対する取締り体制の強化というのを御答弁いただきました。しっかりと体制を強化していただくことを要望させていただきたいと思います。
 また、密漁に関しましては、今回の漁業法改正で大幅な罰則強化が行われたということでございます。確かに罰則は強化されましたけれども、罰則だけでは阻止できないかもしれないというところもございますので、警察や海上保安庁、関係機関としっかりと連携をして取締りを強化していただきたい、このことを切にお願い申し上げたいと思います。
 先ほど、今国会で議論されている漁業法ということになりましたけれども、一応、確認のための御質問をさせていただきたいと思っております。
 今回の改正の漁業法におきましては、漁業権を付与する者の決定に当たっては、既存の漁業権者が漁場を適切かつ有効に活用している場合は、その者に免許するものと規定されております。この適切かつ有効というのは、これから技術的助言なりの形で出していただくという答弁もいただいておるところでございますけれども、現場の漁協さんの心配の声も上がっております。瀬戸内海では新規の漁場はなかなか考えがたいと。航路とかもありまして、新たにつくるというのはなかなか難しいということでございますので、そういった海域、それぞれの現場を踏まえた、地域の実情に応じた運用というのが必要となってくると思っております。
 また、法律の第七十二条には団体漁業権と規定されておりますけれども、これは共同漁業権と言葉が違うというような指摘もあるんですけれども、これは同じだというふうに考えてよろしいか、念のためお伺いさせていただきます。
○長谷政府参考人 適切かつ有効に活用している場合とは、漁場の環境に適合するように資源管理や養殖生産を行い、将来にわたり持続的に漁業生産力を高めるように漁場を活用している状況と考えております。
 具体的には、漁場利用や資源管理に係るルールを遵守した操業が行われている場合はもちろんのことでございますが、漁場の一部が利用されていない場合であっても、例えば、漁場の潮通しをよくする目的ですとか輪番で漁場を使用するため利用している場合など、それから、資源管理のために漁業活動を制限している場合、あるいは、漁船の修繕や病気やけがなどで出漁できていない場合など合理的な理由があるものについては、適切かつ有効な利用をしている状況に当てはまると考えております。
 実際には、個々の事案ごとに、地域の漁業に精通する都道府県が実態に即して判断することとなります。その際、委員御指摘のとおり、地域の実情に応じた運用とすべきと考えますけれども、一方で、都道府県によって判断の基準が大きく異なることがないようにする観点も必要であると考えておりますので、法案成立後、都道府県の実務担当者からも更に意見を伺った上で、国が技術的助言を定め、適切かつ有効の考え方を示していく考えでございます。
 なお、委員御指摘の第七十二条の団体漁業権につきましては、その内容たる漁業をみずから営まない漁業協同組合又は漁業協同組合連合会が免許を受ける区画漁業権と共同漁業権を指すものでございますが、その上で、今般の改正案において、共同漁業権の内容は従来と変更はございません。
○藤井委員 ありがとうございます。
 現場、地域の実情に応じて技術的助言を作成していただくという答弁でございました。やはり何よりも漁業は現場が大事でございますので、よくよく現場の実情に応じた制度設計をよろしくお願い申し上げたいと思います。
 今回の水産改革は、水産業の成長産業化を進めるものとして期待しております。世界の生産量はこの三十年間で倍増しているといっても、実は、養殖業を除く漁獲量はふえているわけではなく横ばいというような状況でございますので、やはり養殖業の成長というのを期待するところでございます。この養殖業も、実は、海面養殖業だけでなく、内水面養殖業の伸びが顕著であるというのが世界の情勢でございますので、こうした内水面の養殖業振興も含めまして、水産業の成長産業化を切にお願い申し上げるところでございます。
 次に、話題はかわりまして、ことしは、平成三十年七月豪雨であったり、台風二十号、二十一号、二十四号であったり、北海道胆振東部地震であったり、さまざまな災害が発生した年でございます。特にこのたびは台風二十一号で大阪府を中心に農業用ハウスがやられたというようなところで、非常に手厚い国からの支援措置が決定したところでもございます。二十四号も同様でございます。
 しかしながら、神戸の西部を中心とした特定地域におきましては、台風二十号こそが、非常に甚大な被害をこうむっておるというところでございまして、こちらへの支援、台風二十号による農業用ハウス、農業用機械等の再建、修繕、被災した施設の撤去を含むこういったものへの国、地方自治体一体となった支援内容についてお伺いさせていただきます。
 特に被災農家にとりましては、台風二十号、二十一号、それぞれの支援内容について兵庫県内においては差異は生じないと理解してよいか、お伺いさせていただきます。
○大澤政府参考人 お答えいたします。
 兵庫県におきます台風二十一号の農業用ハウスの被害につきましては、被災農業者向け経営体育成支援事業を発動いたしまして、国が十分の五の補助、県、市町が十分の二・五の補助を行いまして、合わせて十分の七・五、すなわち四分の三の支援を行う見込みとなっております。
 また、台風二十号の農業用ハウスの被害につきましては、通常の経営体育成支援事業を活用いたしまして、国が十分の三の補助、県、市町が十分の四・五の補助を行い、合わせて台風二十一号と同様に四分の三、すなわち十分の七・五の支援を行う見込みとなっております。
○藤井委員 ありがとうございます。
 先ほど答弁いただいたように、二十一号も二十号も、国からの支援は五割と三割という違いはあれども、これは兵庫県さんや市町に御協力を賜って十分の七・五がいわば支援していただける。非常にありがたいことだと思っております。
 また、こちらにつきましては、実は、支援がそもそもあるのかどうか、実際は今までこういったものに対する支援はなかった、共済に入っていないといけないということもあって、そういう支援は行われないんじゃないかということで諦めておられる農家さんが大勢いらっしゃるというふうに伺っておるところでございます。こういった支援内容の現場での周知というのが非常に大切だと思っております。
 また、実は、大量に被害を受けましたので、資材不足が起こっているということでございます。その資材不足対策。そしてまた、年度内に再建、修繕等ができなかった場合に、繰り越した場合にも支援措置が得られるのかどうか、お伺いさせていただきます。
○枝元政府参考人 お答え申し上げます。
 台風、豪雨、地震などによりまして、農業用ハウスの倒壊ですとか農業用機械の損壊等が発生いたしまして、被災農業者向けの対策が発動された際には、農政局やテレビ会議等を通じまして都道府県の担当者等にきめ細かく説明を行うとともに、必要に応じて現地の説明会を開催してきているところでございます。また、農業者にも直接情報が届くように、フェイスブックなどを通じまして支援策の発信もしているところでございます。
 あわせて、資材不足等の対応につきましては、資材・販売メーカーに対しまして、円滑な資材供給や施工業者の確保に向けた協力要請を行うとともに、産地に対しましては、各メーカーの最新の資材供給状況ですとか今後の供給の見通し、また、早期復旧の参考となる全国のハウス施工業者のリスト、生産者がハウスの自力施工を行う場合の技術マニュアルの提供など、現場の声を踏まえまして、きめ細かい対応を行っているところでございます。
 これを踏まえまして、例えば、御地元の兵庫県におかれましても、生産者団体によるハウスの自力施工に係る現地研修会も実施されたというふうに承知をしてございます。
 また、年度内に再建等が完了しない場合には、繰越制度を活用して事業の実施期間を延長することも可能でございますので、この点も含めまして、自治体や農業団体と連携を密にして、さらなる周知を図ってまいりたいと存じます。
○藤井委員 ありがとうございます。
 やはり現場での周知徹底というのが非常に大切だと思っておりますので、農家さんが諦めずに、こういった支援があるんだったら更に頑張るぞというような形で、周知をよろしくお願い申し上げたいと思います。
 また、復旧だけでなくて、そもそも、こういった被害が生じるということでございますので、農業用ハウスの補強や防風ネットの設置等、災害予防のための対策の強化、これに対する支援を伺います。
 また、そもそも、共済の加入状況が、大阪は一六%、兵庫が三〇と、実際被害が起こると思っていなかったというのが問題で、本当は共済に加入してもらわないといけないということだと思いますので、こちらの加入促進についてもお伺いさせていただきます。
○枝元政府参考人 今後の災害予防の部分について、まず私から御説明いたします。
 九月の二十一日に開催されました重要インフラの緊急点検に関する関係閣僚会議における総理の御指示を踏まえまして、農林水産省におきましては、農業用ハウスについてもたび重なる豪雨、台風による被害があったことを踏まえまして、緊急点検を実施いたしました。
 その結果、被災していないハウスであっても、老朽化等により対策が必要なハウスの存在が判明したため、今後の災害に備えるべく、農業用ハウスにつきまして、都道府県が被害防止計画を策定した上で、補強や防風ネットの設置等の対策を実施することとしております。
 農林水産省といたしましては、年内に取りまとめられる緊急対策を三年間で集中的に実施するために、平成三十年度第二次補正予算も活用しながら、災害に対して強靱な農山漁村をつくり上げてまいりたいと存じます。
○藤井委員 今、緊急点検という話もございました。また、共済加入促進もよろしくお願い申し上げたいと思います。
 そこで、緊急点検なんですけれども、特に平成三十年七月豪雨被害でため池の被害が多く見られた。ため池の緊急点検と農家負担なしの緊急改修など、農業用ため池の防災・減災対策の抜本的強化についてお伺いさせていただきます。
○小里副大臣 全国のため池の緊急点検につきましては、七月下旬から八月末にかけまして、下流の家屋等に被害を与えるおそれのある八万八千カ所で実施をいたしまして、応急措置が必要と判断された千五百四十カ所について貯水位の低下などを徹底しますとともに、災害復旧事業や補助事業などを活用して、必要な対策を進めているところであります。
 また、ため池に係る今後の防災・減災対策につきましては、十一月に国が示した新たな選定基準に基づきまして、対策を優先的に進める防災重点ため池を都道府県において再選定をしたところでありまして、その上で、全ての防災重点ため池で、ため池マップや緊急連絡体制、すなわち管理者とか市町村とか警察とか消防による連絡体制及び浸水想定区域図の整備等を速やかに行うとともに、決壊した場合の影響度の大きな防災重点ため池から、ハザードマップの作成、ため池の耐震化や統廃合等を推進していくということにしております。
 また、農家負担なしのため池耐震対策につきましては、平成八年度にこれを実施できる事業制度を創設しますとともに、昨年の土地改良法の改正におきまして、農業者の申請、同意、費用負担によらず、国又は地方公共団体が事業実施ができる制度を設けたところでありまして、引き続き、必要な制度の拡充や予算の確保に努めてまいりたいと思います。
○藤井委員 時間となりましたので終わりますけれども、ぜひとも予算確保をよろしくお願い申し上げます。
 ありがとうございました。
○武藤委員長 次に、長谷川嘉一君。
○長谷川委員 おはようございます。立憲民主党の長谷川嘉一でございます。
 漁業法に続いて二回目の質問となりますが、農水委員となってまだ日が浅く、知識不足も非常にあって、質問内容には若干のそごがあったりする可能性がありますが、ぜひ御寛容に御理解いただき、御答弁をお願い申し上げたいと思います。
 最初にですが、近年の農林水産政策については、農林水産業、地域活力創造に向けた政策改革のグランドデザインとして平成二十五年十二月に取りまとめられ、毎年のように改定を繰り返していると承知しております。農林水産業・地域の活力創造プランに基づき、農林水産業全般にわたる改革を着実に実行されていることと思われます。
 本日は、そのプランの中で政策の展開方向として記載されているもののうち、最近、報道等でも目につくもの、さらに、私の地元、これは群馬県でございますが、で有権者の方たちが不安を感じているものについて、五点、質問を用意させていただきましたので、よろしくお願いいたします。
 まず、第一点目でございます。
 まず最初に、農協改革についてお伺いいたします。
 先日、私の地元のJAの方と話をした際でありましたけれども、この農協改革について、その趣旨、目的、具体的に何をすればよいのかなど、農協改革が十分伝わっていない、理解されていないということが感じられました。
 そこで、農協改革集中推進期間の期限が来年五月に迫る中で、農協自体に改革が伝わっていないということはないとは思いますが、もしそういったことであるとすれば大変ゆゆしき事態ではないかと私自身は感じました。
 農林水産省は、これまでどのようにこれについて周知徹底を図ってこられたのかをお伺いいたします。
○小里副大臣 農協改革の趣旨は、農協が農業者による自主的な協同組織であるとの原点に立ち戻りまして、自己改革により農産物の有利販売、生産資材の有利調達等を行いまして、農業所得の向上に全力で取り組んでいく、これが基本であると認識をしております。
 農林水産省としましては、自己改革を促す立場から、各地の農協の優良事例を公表して、いわゆる横展開を図っていく、また、改革の取組状況に関するアンケート調査を実施、公表して、農協自身の自己評価、農業者の農協に対する評価を見える化いたしまして、さらにまた、国の職員が農協に直接出向いて、農協の自己改革目標の達成状況、農業者への説明状況などに関する対話を実施しているところであります。
 農協改革集中期間は来年五月末までであります。現在進行中の改革について現時点で評価を申し上げることは時期尚早と考えておりますが、農林水産省としましては、引き続き自己改革を促してまいりたいと存じます。
○長谷川委員 農協に直接出向いて調査をなさる、またアンケート等もおやりになっているというふうに思いますが、農業者、組合員自体のこの改革についての評価についてはどのようになっているか、もしあればお示しをいただきたいと思います。
○大澤政府参考人 先ほど副大臣からもお話ありましたとおり、農協改革集中期間、この集中期間、どのように農協が計画を立てて、どこにピークを持っていったり、どこまでで成果を出そうと思うかというのは、あくまで自己改革でございますので、農協の自主性を尊重しながら見ていかなきゃいけないというふうに思っております。
 ですので、現在進行中の改革について現時点で評価を行っているということはございませんけれども、例えばの例でございますと、農協のアンケートの結果でありますと、具体的に取組が開始されたという回答は、農協に聞いたり、農協の関係者に聞いたり、農業者に直接聞いたりしておりますけれども、三年間やっておりますけれども、それぞれの数字は上がっております。
 ただ、農協の思っている自己評価に比べて、農業者の評価については若干下であるとか、そういうようなものをお見せしながら、農協自身がどういうふうに今度やっていこうかということをまず促しているというのが、我々の今やっているところでございます。
○長谷川委員 農業者の評価はなかなか、評価が出るまでには時間がかかると思います。ただ、農協自体の自己改革に委ねられるという部分で、できるだけ組合員のために資材を安く提供する、また、組合員がもうかる農業を指導するという二つの柱ではないかと思いますが、そういう指導について、農協に対する評価というものが、平成二十八年度では、評価するという組合員の方が約二〇%、その後、直近でいくと平成三十年度だと思いますが、倍増して四〇%にまで増しているということは、やはり私は、これは評価に値する部分ではないかと思いますが、まだまだ、いろいろな、逆な意見も聞いている部分も多くございます。
 本当に主力で、農家を事業としてやっているところは、農協には頼らないよ、ほかで資材を調達した方が一割以上も安いよといまだに言って、農協離れがまだ改善されていないところもありますので、この農協の改革については、見直しの時期を迎えておりますので、ぜひしっかりとしたものにまた仕上げていただくように要望させていただきまして、次の質問に移らせていただきます。
 食料自給率についてでございます。
 これについては大臣も所信の中で触れられておりますが、ことし八月に、平成二十九年度の食料自給率が概算値として公表されております。それによると、昨年に続き、カロリーベースで三八%にとどまっている。正確に言うと三七・六%、四捨五入すれば間違いない数字でありますけれども、となっている。だんだんこれが減り続けているということは想像できる部分であります。政府は二〇二五年に四五%の目標を定めておりますが、今の状況からすると減り続ける、あるいは横ばいが続いているということであると、四〇%に高めるにはほど遠い状況ではないかと言わざるを得ません。
 食料自給率三八%というのは、諸外国と比較しても非常に低い水準ではないかと思います。輸入品の増加によって自給率が下がっている状況があり、また、TPP11の年末発効が想定され、日・EU・EPAの条約が今国会で既に提出されて、参議院に回っております。また、政府側が日米物品交渉と呼んでいる日米の二国間交渉も開始されるなど、今後更に輸入品が増加することが想定されます。そうすれば、この自給率達成についてはますます厳しくなってくるのではないかと危惧をしているところであります。
 先般、吉川大臣の所信の中で、食料自給率を向上させ、食料安全保障の確保を図る、大変力強いお言葉を賜りました。今後の食料自給率について、その目標達成について、どのように取組が進んでいくのか、大臣の御所信をお伺いできればと思います。
○吉川国務大臣 長谷川委員から今御指摘をいただきましたように、二十九年度におきましてはカロリーベースで三八%、生産額ベースでは六五%、目標は四五%と七三%ということになっております。こういった目標に向けてしっかりと対応していくことが大切であろうかと思っておりまするけれども、我が国において、平成十一年に制定された食料・農業・農村基本法におきまして、国内農業生産の増大と輸入及び備蓄を適正に組み合わせることによりまして食料の安定供給を図るということが基本理念として掲げられたところでもございます。
 この基本理念を実現するために、食料・農業・農村基本計画に食料自給率目標を掲げておりまして、その達成に向けましては、国内外での国産農産物の消費拡大や食育の推進ですとか、また、消費者ニーズに対応した麦、大豆の生産拡大ですとか、飼料用米の推進ですとか、さらに、付加価値の高い農産物の生産や販売、輸出の促進などということも必要であろうかと思いますし、その上で、優良農地の確保ですとか、担い手の育成の推進といった各般の施策を総合的かつ計画的に更に講じていかなければならないと存じておりまして、引き続き、この自給率目標の達成に向けて努力を重ねてまいりたいと存じます。
○長谷川委員 どうもありがとうございました。
 農水省からこの間いただいた資料で、「知ってる?日本の食料事情 日本の食料自給率・食料自給力と食料安全保障」というものが平成二十九年九月に一般向けに出されておりまして、この中にも明確にその目標値がうたわれております。
 ただ、これについてのグラフを改めて調べてみると、お手元に配付をさせていただきました、四ページにわたる資料、大変恐縮ですけれども、その資料一の方のグラフをちょっと見ていただきたいと思います。
 これは農水省の資料でありますけれども、「食料自給力指標は低下傾向で推移」というふうになっております。また、供給熱量、カロリーベースにおいても、三八%が、更に下を向いている矢印が気になるところでもあります。
 これと対比して、またその下のグラフを見ていただけるとありがたいんですが、諸外国の例を見させていただきました。アメリカ、それからヨーロッパの先進諸国においての自給率と我が国の自給率に大きな乖離が、乖離といいますか格差があるのが大変気になるところでありますし、これを参考にすれば四五%以上の自給率の目標というのは当然の結果ではないかというふうに思っておりますが、このグラフをごらんになっていただいた御感想、お考えをお聞かせいただければと思います。
○光吉政府参考人 お答えいたします。
 このグラフは、自給力指標と、あと熱量ベースでの自給率についてのグラフかと思います。
 委員御指摘のように、このグラフを見ますと、自給率、頑張っていかなきゃいけないという状態でございますが、これは、人口が減少したりあるいは少子高齢化が進んでいく中で食生活が大きく変化しているという状況がございます。
 特に、主食である、自給率の高い米でございます、これについての消費が毎年減退するという事実がございます。これに対応して、いかに消費者の方に喜んでいただけるものを供給していくか、これが非常に重要だと思っております。
 自給力に関しましては、ここにも、グラフにございますけれども、特に自給力の場合には、農地面積の減少というものが非常に大きい要因かと思っております。
 いずれにいたしましても、先ほど大臣からお話ございましたように、各般の取組を行って自給率の向上等に取り組んでまいりたいと考えております。
○長谷川委員 今の御答弁については、ちょっと釈然としないものが残ります。人口減少、耕地面積等々は織り込み済みの部分でありますから、それをどのようにして反転させるかということについてのお考えをお聞かせいただければ大変ありがたかったと思いますが、残念ながら、それはお聞かせいただくことができませんでした。
 また、大臣がおっしゃっていた食料の安全保障という観点で見ると、この裏ページにスイスの事例が出ております、これは新聞記事でありますけれども。スイスにおいては、国民投票ということで本年の九月下旬に行ったものでありますが、食料安全保障を憲法にまで明記をする、これに賛成、反対を問うたところ、賛成が七八・七%というふうな結果でありました。ちょっと細かくて本当に申しわけないんですが、三段目にそれが書かれております。
 また、スイスというふうな状況を見ると、内陸で、食料増産基地であるドイツやあるいはイタリアやフランス、農業大国でありますけれども、これを抱えて容易に食料が輸入できる国の立地であります。反面、日本の場合は、食料安全保障という観点からいくと、周りが海。国際緊張が高まったり、あるいは世界の食の需給のバランスが崩れたりした場合には、我が国の国民は大変厳しい状況に追い込まれるのではないかというふうに思うんですね。
 これについての御所見を再度お伺いいたします。
○光吉政府参考人 お答え申し上げます。
 委員御指摘のように、スイスにおきまして二〇一七年に憲法が改正され、食料安全保障の観点から、農業生産基盤の確保ですとかあるいは市場志向型の農業などの条件整備を行う、そういう旨の規定が置かれたものと承知しております。
 このスイスの例にございますように、食料の安定供給を将来にわたって確保していくということは、国民に対する国家の基本的な責務でございます。どの国においても、農業あるいは食料消費の実情や課題に応じて必要な施策が講じられているという状況でございます。
 これを踏まえまして、先ほど大臣からお話ございましたが、平成十一年の食料・農業・農村基本法が制定されまして、これに基づいて、食料自給率の向上等に今後とも取り組んでまいりたいと考えております。
○長谷川委員 スイスの場合は、一ページ目の表にまた戻りますけれども、食料自給率が五〇%を超えております。しかも、輸入しやすい立地にある。反面、我が国においては、平成十一年から四〇%台でずっと推移し、平成十七年度以降は減少傾向で現在に至っているということで、この率からしてもスイスよりも大変条件が悪い、あらゆる面で。だから、食の安全保障という部分では極めてゆゆしき状況にあるというふうに私は考えます。
 それについて、これは平成二十七年の四月の参議院の農水委員会だと思いますが、副大臣の御答弁がありましたので、ちょっと書き写しをさせていただきました。その当時の副大臣の御答弁によりますと、世界の食料の需給及び貿易が不安定な需要を有している中で、食料の安全供給を将来にわたって確保していくことは国民に対する国家の最も基本的な責務でございます、各種施策を総合的かつ計画的に講じていきたいというふうに述べられている。
 これについて、どのように行われてきたか、もう一度御答弁をお願いします。
○光吉政府参考人 お答えいたします。
 委員御紹介ありましたような観点、これにつきましては、先ほど申し上げたように、食料の安定供給、これを将来にわたって確保していくことが国家の責務であるというふうに考えております。
 これに基づきますこれまでの取組でございますけれども、先ほど来申し上げているような基本計画を定めまして、各般の施策、具体的には、国産農作物の消費拡大ですとか食育の推進、あるいは、先ほどお米の話を申し上げましたけれども、消費者ニーズに対応いたしました麦、大豆の生産拡大、飼料用米の推進、あるいは優良農地の確保、担い手の育成、こういったことに取り組んできているところでございます。
○長谷川委員 今私が申し上げた内容はそのレベルの話ではなくて、副大臣としての所信がちゃんと正式な委員会で示されている。国家として、政府としてどのように取り組んできたかをお聞きしたかった。これについては次に移らせていただきます。
 この食料自給率四五%という部分が決められた背景にはさまざまな議論があったというふうに、記録を見てわかりました。特にこれは、私が手にしているものは、平成二十七年の四月十五日の農林水産委員会、当委員会での質問内容で、ここにいらっしゃる佐々木委員が述べられている内容で、この中で、自給率についてということで質問を、御指摘をされております。
 基本的には五割以上を国内で賄うことを目指すことが適当、こういうふうに書いてあるんですとおっしゃっています。にもかかわらず、今回、四五%に下げたわけです、この一連の基本法の趣旨や第一次の計画のときに書いてあった五割以上を国内で賄うことを目指すことが適当という言葉からすると、どうしてそういう変化をしたのかということについて説明を求めたいと思いますと。
 私も、今でも同じ気持ちが湧いてまいります。
 これに対して林国務大臣の御答弁では、御指摘のありました平成十二年度及び十七年度の基本計画でございますが、十年より先の将来の姿ということで、基本的には、食料として国民に供給される熱量の五割以上を国内生産で賄うことを目指すことが適当とされておりますと、ちゃんと述べられている。
 それについて、佐々木委員の次の、二回目の御指摘については、新計画の特徴は、実現可能性という言葉があちこちに出てくるんですが、そこがある意味特徴なのかなというふうにも思うんですがと、これは理解が少し難しいかもしれませんけれども、これはもともと四五%も掲げていたんですね、これもなかなか届かなかった、五〇%に届かなかったということもおっしゃったかもしれませんけれども、四五%にも届いていない。
 ですから、言葉は悪いですけれども、単なる絵に描いた餅として、五〇%、四五%は余り差はないじゃないですか、四五%と決めた決意と覚悟を教えてくれという御質問だと私は思うんです。
 この辺についての御見解をお聞かせいただければお願いしたいと思います。
○光吉政府参考人 お答えいたします。
 食料自給率の目標についてのお尋ねでございます。
 御指摘のように、平成二十七年、基本計画におきましては、平成三十七年度に四五%にするという目標を掲げております。
 なかなか、先ほど申し上げたような米の消費の減退などにいかに対応していくかという難しい問題に直面しながら、この自給率目標を達成すべく努力をしているわけでございますが、できるだけ着実にこれに邁進していけるようにということで、四五%という数字を掲げたところでございます。
○長谷川委員 意味不明な御答弁でありましたけれども、時間が参りました。
 ただ、食料安保という観点からすれば、この問題は、まさに国家的なレベルで話し合って結論を出し、結論が出たら、それにきちっと向いて努力をしていく、努力じゃなくて実現させていく、このことを切に要望いたしまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○武藤委員長 次に、緑川貴士君。
○緑川委員 皆さん、お疲れさまでございます。国民民主党・無所属クラブの緑川貴士と申します。
 今回も時間をいただきまして、ありがとうございます。
 私からは、一般の主食用米と区別されるくず米の流通と、それに絡む法律、制度の現状について質疑をいたします。
 まず、早速ですが、皆さん、お配りしている資料一の写真1をごらんください。
 この1のお米は、形や大きさが整った粒、整粒であります。これらは、コンバインで収穫をして、その米を選別する際にふるいにかけるときに、ふるいの上に残った一定の大きさの粒のうち、胴が割れていたり白く粉っぽかったり、あるいは病気になっていたり、形がおかしい粒、あるいは小石などの異物を除いたものであります。
 あわせて、資料の三枚目もごらんいただきたいと思いますが、農家が米を出荷する際に、農産物検査法に定める登録検査機関によって検査されます。その後、農協や集荷販売業者に出荷され、その検査証明に基づいて、こうした整粒を含む割合が、例えば七割以上であれば一等米とするなど、等級を格付して、それに加えて、都道府県別の産地と品種、また何年産の米なのかを記載する、こうした規格を設けた取引で卸や小売業者に渡り、その後、精米されて消費者に販売されるというわけです。
 つまり、検査された米は、消費者の手元に届くまでその情報を失わないまま届けられるというのが、検査された場合の流れであります。
 一方で、皆さん、また写真の2です、検査されていないものの一例がこちらのお米です。整粒でないものとして取り除かれる、先ほど紹介したようなもの、また、ふるいの下に落ちた粒の小さい、ふるい下米などと呼ばれます、こうしたものがありますが、ここでお尋ねをいたします。
 これらを含めた全ての米の直近の年間生産量を教えていただきたいと思います。あわせて、その全生産量のうち、検査がされていない未検査米の数量とその流通量はそれぞれどれくらいでしょうか。お答えいただければと思います。
○天羽政府参考人 お答え申し上げます。
 直近の米の生産量ないし検査数量などについてのお尋ねがございました。
 データがございます平成二十九年産の主食用米の生産量、約七百三十一万トンでございます。このうち、農産物検査を受けた農産物検査数量は四百五十七万トンということになっておりまして、差引きすると未検査米は二百七十三万トンということになります。
 未検査米のうち、例年、農家が自分で食べて、若しくは農家の家族に無償で送るといったようなものが百五十万トン程度ございます。そういうことでございますので、実際に市場に流通するいわゆる未検査米の数量は百数十万トンであるというふうに推計してございます。
○緑川委員 百万トン以上ということで、自家消費以外の未検査米が相当数流通している。そもそも、農産物検査を受けても規格外になるのはわかっていますので、検査をそもそも受けない米であります。
 くず米を含めたこの未検査米、相当数生産されているという御答弁をいただきました。このうち、そうした規格外になってしまうようなくず米が流通している量、市場ベースで流通している量は年間で六十万トン以上とも言われております。
 粒の大きさによって、くず米の用途は変わります。例えば、また、皆さん、資料の二枚目にありますように、大き目のくず米、小さいくず米というのがありますが、大きいくず米の場合は主食用米にブレンドされたり、そのほかの小さいものは煎餅やみそ、ビールなど、加工食品用の原料として流通することになります。
 こうした原料については、くず米業者が農家から安く引き取ったものが割高で販売されるという実態があります。利益率が大きいこと自体に議論がありますが、くず米の六十万トン以上の流通量のうち、実に三十万から四十万トンが主食用米にまぜられていると言われています。
 そうした、検査がされていないさまざまな米が混合されても、市場では、複数原料米、国産一〇〇%などという表示が現行の制度で可能です。パッケージに更に特選とかこだわりなどと銘打ったブランド米が店頭に並んだときに、安いくず米が入っているという表示は当然ありませんし、消費者がくず米入りを見分けることができないわけです。
 一等米になるように農家自身がわざわざ調製したのに、そこから出てくるくず米がブレンドされて、結局主食用に回っている。しかも、そうした格安のブレンド米が出回ることで、全体の米価を引き下げることにもつながっています。
 吉川大臣、こうした現状をどのようにごらんになるでしょうか。
○吉川国務大臣 米につきましては、その品質に応じて、主食用米や加工原材料など幅広い用途に使用されていると承知をいたしております。
 産地においてふるいで選別が行われ、ふるい下となった、いわゆる、今委員からも御指摘をいただいておりますくず米につきましては、ユーザーにより求められる品質や価格などに応じて、主に加工原材料や一部主食用として取引が行われていると承知もいたしております。
 米の流通につきましては、現在、特に規制を行っているわけではございませんので、ユーザーの多様な需要に応じて売買され流通すること自体は問題となるものではないと思っておりまするけれども、しかしながら、消費者の方々に偽りというようなことは私は大いに問題があるなと、そういうふうにも感じますので、今後、しっかりとまたそういった点については対応する必要があるのかなと、今、質問をいただきながら感じ入ったところです。
○緑川委員 そういう、本来取り除いたはずのくず米がまた主食用米に戻っているという。三十万から四十万トンですよ。主食用と言いましたが、三十万から四十万トンといえば、全生産量の主食用のうちの五%前後になります。これが転用されているわけですから。これが米余りを助長していることにもつながっているわけですね。
 ただでさえ、近年は産地間の競争が激しくなっています。収穫した米をかける選別機のふるいの網目が更に大きくなっています。いいお米に仕上げようということで、網目の幅は地域によって異なっていますけれども、今、網目の幅は一・九ミリという基準が標準になってきているということです。ふるいの網目が大きくなるということは、それだけくず米がまた更に多くなるということにもなります。
 生産調整が廃止されて、ただでさえ、本来の主食用米の需給を逼迫させて価格を安定させていかなければならないのに、この産地間競争の過熱によって更にふえると見込まれるくず米が複数原料米などと表示されて流通が続くことは、主食用米の需給を余計に緩ませる、その価格水準を引き下げてしまう根源になりませんか。お答えいただければと思います。
○天羽政府参考人 お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、お米の出荷、販売に当たって、各産地において、いわゆる品質をアピールする等の観点から、網目を、農林省の統計部では一・七ミリ以上を原則としながらも、各産地において実際に使われているふるいの網目の大きさを見ながら作柄を発表しているところでございます。それぞれ一・八ミリから二・〇ミリ程度のふるいで選別が行われて、ふるいの上のものを主食用とする一方で、ふるいの下のものについて、ふるいの上の主食用米と比べて相対的に割安な価格で、主食用のほか、加工原材料として販売されるという現状がございます。
 先生御指摘の、価格がどうなるかということでございますけれども、そこについての役所としてのルールというのはございませんで、産地から仕入れた玄米なり精米をどのように販売をするか、どのような表示をつけてどのような価格で販売するか、それはそれぞれの卸さんなり小売さんの判断に任されているというのが現状でございます。
○緑川委員 でも、そうやって、格安の米に対して、例えばディスカウントストアで売り出して安く売っていたら、結局米価は下がりますよ。一等米で販売をして所得を上げたいと願う、そして、そういう制度に基づいて正直に生産している生産者にとって、これは皮肉な現状ですよ。くず米入りの主食用米の肝心の情報が、更に言えば、これが消費者に届いていないことも問題です。
 ここで、また、皆さん、資料の一枚目、写真の3をごらんいただきたいと思いますが、くず米を詰めた紙袋なんですけれども、これは一度使用された袋を再利用しています。これは農水省も指示をしている、認めているところで、古い情報をバツ印で消してあります。あるいは、写真4のように、こまち、これは米の粒の厚さを示していると思いますが、一・八五下とチョークで書き込むケースもあり、いずれにしても、これらのくず米を集荷業者が十数軒の農家からかき集めて、トラックいっぱいにまとめて載せてしまえば、生産者それぞれの名前がもはや、誰から集荷したのかわからなくなってしまう、のっぺらぼうの米袋、米になります。
 一方で、それに対する法律はどうかといいますと、米トレーサビリティー法というものがありますが、米の取引記録などを作成、保存すること、また産地情報の伝達をこれは義務づけているものですが、それによって、米又は米加工品に問題が発生したときに、その流通ルートを速やかに特定することを目的としている法律なんですけれども、先ほど紹介しました集荷の過程で、出どころの違うくず米が幾つもまじってしまう取引実態がある中で、記録の書かれた伝票、そして現物をそれぞれ突き合わせても、もはや一致させることはできません。どうやってこれはトレースできるんでしょうか。流通ルートを特定できるんでしょうか。伺います。
○池田政府参考人 お答えいたします。
 米トレーサビリティー法でございますが、米穀事業者、これは生産者から小売業者、外食業者等、米穀を扱う幅広い事業者の方々でございますが、その間における産地情報の伝達を義務づける、それとともに、米穀等の取引の記録を義務づけるということで、それぞれの米穀事業者の記録をたどっていって、流通ルートの解明を図ることを可能としてございます。
 したがいまして、例えばその精米段階からさかのぼりまして、出荷元でございますが、これは複数の生産者の特定までは可能でございます。同法の目的でございます、食品としての安全性を欠くものの流通を防止するという観点からは、これは支障はないものではないかというふうに考えてございます。
○緑川委員 いや、法の目的はもうわかっているんですよ。取引記録からどうやって特定をすることができるのか。途中で伝票と現物がもはやわからなくなってしまう、その米だとわからなくなってしまう中でどうやって特定するかという具体的な方法をお聞きしております。
 流通ルートを特定できないということは、これはもう法の根幹にかかわることでありまして、これは問題ですよ。ざる法にしかなりません。少なくとも、現行の米トレーサビリティー法では取引記録の作成、保存を義務づけていても、こういうケースではトレースの効力はもうゼロに等しいのではないでしょうか。
 おまけに、食品表示法というものがあります。JAS法では、堂々とくず米を混入させたような主食用米を複数原料米と表示ができてしまう、合法的に可能であるというのが現在の制度です。確かに、JAS法では、検査されていない米の品種や生産した年を情報として表示するのは禁止している。だからこそ、そのかわりに、複数原料米、国産というような表示になっているわけですけれども、それがかえって現場を、消費者を混乱させている。問題が起きても流通ルートの特定が実質的にできないのに、JAS法がこうした表示を可能としていることが、消費者に一種の安心感さえ与えてしまっているような側面があるというふうに思います。
 さらに、問題は、こうしたくず米、検査されていない米を、直接消費者に販売するのではなくて業務用として販売するのであれば、米の品種あるいはその米の生産した年を表示することが可能になってしまっています。つまり、業者を介することができれば、消費者に秋田県産あきたこまちと、最終的には消費者に表示することができるようになるんですが、消費者への直接の販売であれば、一方で消費者には国産としか表示できません。同じもの、同じ米なのに二重の基準がJAS法で認められていることは不合理ではないでしょうか。
○池田政府参考人 未検査米への品種、産年の表示のお尋ねでございました。
 これにつきましては、消費者庁が食品表示法に基づいて定める食品表示基準において規定されてございまして、一般消費者向けの袋詰め米穀では禁止されている一方、業務用米では可能とされているというところでございます。
 この理由についてお尋ねですが、これにつきましては、平成二十五年六月十四日、参議院の消費者問題に関する特別委員会がございまして、当時の消費者担当大臣から、一般消費者向けの袋詰め米穀では、精米の品質が品種、産年により大きく異なることから、品種などが精米を選択する際の決定的な事項であり確実性が求められているのに対し、おにぎりなどの加工品については、品種、産年に加えまして、精米の炊飯方法、味つけなど、品質に与える影響は多様であり、品種、産年の与える影響は相対的に低いためというふうに答弁されているというふうに承知しております。
○緑川委員 結局、それは消費者をやはりばかにしているような気がしてなりません。業者を介しさえすれば、検査されていないくず米の情報を自由に、仮に、業者を介すれば表示できるのであれば、産地を虚偽表示したりとか古い米を新米として表示することも、事実上可能になってしまいます。
 一方で、たとえ情報が真実であっても、消費者への直接販売であれば、品種名を表示して消費者に販売したことで、JAS法違反に問われるケースが、実際、毎年のように発生しています。
 くず米が主食用米として相当数流通している現状の中で、主食用米のマーケットから完全に今除外するのは、はっきり言って難しいです。でも、そうした中で、消費者に確実な情報を伝え、こうした不合理を解消していくためには、やはり私は米トレサ法の取引記録、そして情報伝達を、実効性を高めていくことしか道はないというふうに思います。
 米トレサ法の前につくられた牛肉トレーサビリティー法は、それぞれの牛に個体識別番号が付与されています。牛の耳につけられたタグで表示していますが、生肉になってもこの識別番号が表示されているわけです。流通ルートをさかのぼることができる。これは、米トレサ法に比べると相当実効性のある仕組みであります。
 この牛肉トレサ法のように、米トレサ法にも、例えば生産記録の識別コードを導入するべきであるというふうに思いますし、現在のこの産地情報だけの伝達に加えて、その米の品種、そして、つくられた産年の情報の伝達も義務化するように米トレサ法を見直すべきだというふうに考えますが、いかがでしょうか。
○池田政府参考人 お答えいたします。
 牛トレーサビリティー法でございますが、これは牛一頭ごとにつけられました個体識別番号が消費者まで伝達されるという仕組みとなってございます。
 他方、今お話がございました識別コードでございますが、米穀につきましては、粒々でございますので、牛のように個体識別を行うということはそもそも困難であろうと思います。また、生産者や包装にこういったコードを付す、こういったことをした場合でございましても、消費者への販売段階でブレンドされていくということも多いという品目の特性があります。
 したがいまして、生産段階で牛トレーサビリティー制度における個体識別番号のような効果は見込めないのではないかというふうに考えてございます。
 また、品種や産年の証明でございますが、これは農産物検査の枠組みにおきまして現に行ってございます。これに加えまして、米トレーサビリティー法においても伝達を義務化するということは必要ないのではないかと考えてございます。
○緑川委員 いや、今のこのくず米の流通実態をやはり野放しにするような、それもしようがないというような御答弁にしか伺えません。
 私は、済みません、通告していたので、大臣から、最後、一言いただけますでしょうか。
○吉川国務大臣 今、消費・安全局長から、このトレーサビリティーにつきまして答弁をさせていただきました。
 なかなか難しい点というものもございまするけれども、先ほど私が申し上げましたように、消費者の皆さんに偽りの販売のような形になるということは、これは絶対避けなければならないことでありますので、どういった方策ができるのか、これからも検討していきたいと思います。
○緑川委員 偽りのない政策をぜひお願いしたいというふうに思います。
 この時代の変化に着実に対応できるような法制の見直しを強く求めて、質問を終わります。
○武藤委員長 次に、大串博志君。
○大串(博)委員 おはようございます。無所属の会の大串でございます。
 まず、経済連携関係から質疑させていただきたいと思います。
 まず、日米貿易協議に関して、先般来、私も再三にわたって、TPPが全体的な最大限であるという言葉に対して、各品目ごとにこれを守られるのが妥当だし、それが私たちの理解だというふうに申し上げておったんですけれども、大臣からはなかなか、個別品目に関してはこれからの交渉ですからということで、TPPレベルを守るという言葉は出てこない。非常に心配です。
 そうこうする中で、先般の報道にもありましたけれども、日米貿易協議に関して、米国の米の団体が、いわゆる米の対米枠七万トン、これに対して、七万トンじゃだめなんだ、自分たち米国の米団体としては十五万トンなんだと。これはもともと、この米団体がずっと言ってきた数字です。改めて十五万トンなんだということを公にし、これは、今ずっと、USTRがいわゆるステークホルダーから意見を聞き集める、そういう段階なんですね。これはTPPのときもこういうことをやりました。そういう段階で、改めて、米国の米団体が十五万トンの対日枠にしてくれということを強く言ってきているんですね。この団体はもともと二国間協議をやるべしと言ってきた団体。二国間協議に果たしてなっているわけです。
 米、重要五品目のうちの一つですよ。農産品に、どれが大事でどれが大事でないというのはありません。しかしながら、重要五品目として位置づけられている米に関して、こうやって、個別具体的にアメリカの団体がTPPを上回る要望をしてこようと、もうしてきているということに関して、大臣、ぜひきちっと決意を述べていただきたいんですけれども。米に関して、対日枠七万トン、これを超える日米貿易協議での譲歩はないということは、はっきりこの場で申し上げていただきたいと思います。
○吉川国務大臣 御指摘の米につきましては、これはTPP以外の過去の全ての経済連携協定において、関税削減、撤廃などからの除外とされているところでございます。
 このような過去の経済連携協定の内容に鑑みれば、米についてTPPを上回る譲許を行うことは到底考えられませんというのが私の認識でございます。
○大串(博)委員 到底考えられないということを答弁されました。ぜひ、その結果を出していただきたいというふうに思います。農家の皆さん、本当にこの辺は、各個別品目に関して、どうなるだろうと注目していますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 もう一つ、TPP11に関して。十二月になりました。TPP11の発効までもう一カ月を切った、十二月三十日です。いよいよ発効します。発効する中で、私たちがこれまでずっと着目してきたいわゆる見直し規定、アメリカが参加をすることがないということがはっきりした段階で見直しをするんだということになってきたし、日本政府としては、これはもうずっと言い続けてきているんだからそうだというふうに言われてきました。セーフガード、アメリカが入らない中で、非常に枠の大きい形になってしまっている。牛肉、乳製品、どうなるんだろうか、セーフガードが発効しないじゃないかという声は、畜産農家の皆さんの間で心配の声として非常に大きいです。
 私は、発効まであと一カ月を切った段階において、かつ、アメリカとの関係では日米協議を一月からやろうとしている、TPPが発効する見通しというのはないというふうにもう認定せざるを得ないんじゃないか、そうすると、見直しをするというところに至らざるを得ないんじゃないかというふうに思いますが、TPP11、見直しの議論を日本から主導して、やりましょうという時期に来ているんじゃないでしょうか。いかがでしょうか。
○長尾大臣政務官 お答えいたします。
 TPP11協定の第六条では、米国を含めたTPP12協定が発効する見込みがなくなった場合には締約国の要請に基づき協定の見直しを行う旨、規定してございます。
 九月の日米共同声明では、米国との間で日米物品貿易協定、TAGを開始することに合意しただけでありまして、米国との具体的な交渉はこれからでございます。現時点では、TPPワイド枠の取扱い等、個別の事項については何ら決まっておりません。
 したがって、現在、我が国としては、TPP11協定第六条の見直しが可能となる、米国を含むTPP12協定が発効する見込みがなくなった場合に当たるとは考えておりません。
 いずれにしても、さまざまな面で農林漁業関係者の皆様の懸念がないように対応をしていきたいと考えております。
○大串(博)委員 TPP12が発効する見込みがなくなった状況ではないということでしたけれども、では、TPP12が発効する見込みがあるということでしょうから、発効する見込みがあるという根拠を聞かせてください。
○長尾大臣政務官 お答えいたします。
 TPP11協定第六条におきましては、TPP12協定が「効力を生ずる見込みがない場合」とございます。これについては、これまでの政府答弁のとおり、米国の通商政策の動向を踏まえて判断をすることになります。
 なお、多くの方々が懸念をされていらっしゃるのは、いわゆるTPPワイド枠等の扱いと承知しております。このため、米国の通商政策の結果、TPPの外で同じような関税割当て枠が発生をして、現在の割当て枠を超えるようなことになる等の懸念が現実のものとなる可能性が高いと判断される場合におきましては、TPP11協定第六条の要請を行うことになると考えております。
○大串(博)委員 長尾さん、私が聞いたのは、TPP12が発効する見込みがあると考えていらっしゃるんだったら、その根拠を一つでも言ってくださいということなんです。何か具体的にありますか。
○長尾大臣政務官 お答えいたします。
 九月の日米共同声明では、米国との間で日米物品貿易交渉、TAGを開始することに合意しただけでございます。繰り返しになりますが、米国との具体的な交渉はこれからでございます。現時点で、TPPワイド枠の扱い等、個別の事項については何も決まっておりません。
 その上で、TPP11第六条を具体的にどのような場合に我が国として発動するかということにつきましては、今後の日米間の交渉にも影響を与えることから、詳細は控えさせていただきたいと思います。
 いずれにせよ、さまざまな面で、農業、漁業者に懸念がないように対応をしてまいりたいと思っております。
○大串(博)委員 発効するという見込みがあるという証拠なんてないんですよ。ないにもかかわらず、たなざらしにするというのは、私は日本の畜産農家をリスクにさらす以外の何物でもないと思いますよ。そんな状況で、私は農水省が許しているということはあってはいけないと思う。私は、農水大臣には、この点、厳しく政府の中でも見直しを急ぐよう言っていっていただきたいと思います。
 その上で、次の質問でありますけれども、農地中間管理事業の五年後見直しの話です。
 五年前に中間管理機構の法案、当時、私、農水の野党筆頭の仕事をしていて、皆さんと一緒に議論に大変コミットさせていただきました。
 当時の私たち側からの主張としては、中間管理事業がうまくいくとすると、これは、中核的な地域の人に着目して、そういう方がいらっしゃって初めて成り立つのではないでしょうか、どこかから企業がぽんと入ってくれば集約が進みうまくいくというような話ではないでしょうと言って、人・農地プランが極めて大事であって、私たちは、当時、人・農地プランを法制化すべしということも言ったんですよ。
 法制化すべしということに関しては、なかなか抵抗感が強かった。規制改革推進会議ですかね、よくわかりません、どこかから圧力がかかったのかわかりませんけれども、人に着目するということに関して極めて抵抗感が強く、やはり企業が入りたいということなのかなというふうに推測しましたけれども。
 そこで、私たちは、法制化ということではなくて、法案の修正を求めました。法案を修正して、人・農地プランの考え方をしっかり埋め込んでくださいねという法案修正案をつけた上で、かつ附帯決議案もつけた上で、最終的には賛成し、かつ、五年後見直しのときには、これはもう、もしうまくいかなかったら事業をやめるくらいのつもりで見直してくださいねということを言ったのが五年前だったんです。
 今回、いろんな報道を見ていますと、五年後見直しについて、この間、取りまとめられました。人・農地プランを重要視するという。これは一体、当時とは一体どうなったんだろうと。当時、あれだけ、人・農地プランに関して、私たちとしては重視されないような雰囲気であったものが、人・農地プランを重視する、実質化するという方向になってきている。もし規制改革推進会議が言うとおりにやってきたのが間違いだったなというふうに考え直されて、そうじゃなくて、やはり人に着目してやっていかなきゃならないなと正しく考え方を変えられたのであればいいことだなというふうに私は思いますけれども、どういった経緯でこの人・農地プランの実質化になったんでしょうか、お答えください、大臣。
○吉川国務大臣 農地中間管理事業が開始された平成二十六年以降担い手への農地の集積は上昇に転じておりますが、平成二十九年度は集積率が五五・二%まで上昇をしたものの、その伸びは近年鈍っていると言わざるを得ないと思います。
 この主な原因といたしまして、農地の集積、集約化の機運が以前からあった平場の水田地帯での事業の活用が一巡をしたこと、今後は新たに地域の話合いから始めなければならない地域で事業を進める必要が出てきたものと存じております。
 このために、今回の五年後見直しにおきましては、地域の徹底した話合いにより担い手への農地の集積さらには集約化を加速化させる観点から、地域の農地利用の将来構想としての人・農地プランに着目をしておりまして、その実質化を図ることといたしたものでございます。
 大串委員御指摘のこの人・農地プランにしっかりと着目をして、今申し上げましたけれども、その実質化をしっかりと図ってまいりたいと存じております。
○大串(博)委員 私は、この案の内容自体もさることながら、農水省自体あるいは政府自体が考えている考え方の根本が変わったということが農業者に伝わることが大事だと思っているんです。すなわち、五年前に議論したときに私たちが非常に感じたように、人に着目した集約化ではなくて、外から企業のような人たちが入ってくればそれも集約化、むしろそれに集約化の力を与えていきたいというような、私たちに言わせると外からの力に頼るみたいな、市場原理に頼るみたいな、そういった雰囲気が非常にあったんです。それは規制改革推進会議の方からも如実にそういうふうな雰囲気を私たちは感じました。
 そういうことではなくて、やはり農業というのは違うんだ、経済合理性、市場原理だけじゃないんだ、そうじゃなくて、やはり人、地域、これがあって初めて農業というのは成り立つし、その中で集約化というのも進められていくものなんだというふうに、農水省として基本的な考え方を変えたんだということを明らかに言っていただくことが、私は事がうまく進む大きなよすがではないかなと思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
○吉川国務大臣 四年間、事業を実際にやってまいりまして、地域の話合いの重要性が更に認識されるようになったと私は承知をいたしておりまして、その方向で今回の見直しになったという認識でございます。
○大串(博)委員 市場原理主義あるいは経済合理性重視のみだけではうまくいかないなということを、じわりと政府、農水省が認識してくれているとすると、私は望ましい方向、あるべき方向への転換だなというふうに思います。
 こういった流れからいうと、今の農政全般に、私たちが感じた経済合理性、市場主義みたいなものをやはり是正していただきたい。私たちは戸別所得補償制度というものを提案し、法律もつくって出しています。これも、農業は経済合理性だけじゃないんだ、やはり地域、人があってからこその農業なんだという考え方に基づくものでございます。人・農地プランに関して重視するというところまでたどり着いてもらったのはよしとして、次は、ぜひ戸別所得補償制度のよさにもたどり着いていただきたいなということを申し上げて、質疑を終わらせていただきます。
 終わります。
○武藤委員長 次に、田村貴昭君。
○田村(貴)委員 日本共産党の田村貴昭です。
 除草剤2・4・5Tの埋設問題について質問をします。
 ベトナム戦争で米軍が使用した枯れ葉剤の成分2・4・5Tが、日本の全国の山林等に埋められています。2・4・5Tは、日本において、一九七一年に使用中止になるまで、除草剤として広く使われてきました。林野庁は、同年十一月五日、2・4・5Tを地中に埋設するよう、全国の営林局長に通知しました。
 資料をお配りしています。二枚目に一覧表があります。林野庁の資料によれば、2・4・5T除草剤は、五十四カ所で地中に埋設されました。うち、民地だった八カ所は撤去されましたが、現在に至るも、全国四十六カ所に埋設されています。その量は、撤去分を差し引いて、液体状乳剤が千四百四十五・五リットル、固形状粒剤が二万四千六百八十六キログラムとされています。
 繰り返しの説明は要りません。林野庁、間違いありませんか。
○牧元政府参考人 お答えを申し上げます。
 現時点における埋設箇所は四十六カ所でございまして、埋設量につきましては、御指摘のとおり、乳剤については一千四百四十五・五リットル、粒剤につきましては二万四千六百八十六キログラムでございます。
○田村(貴)委員 2・4・5Tは、合成過程でダイオキシンを生成します。ベトナム戦争では、猛毒ダイオキシンによって二重胎児、奇形、無脳症などの出産異常を引き起こしたことは記憶に新しいところであります。
 環境省にお伺いいたします。
 このような埋設2・4・5Tをダイオキシンを出さずに処理するためには、無害化するためには、どういうやり方があるんでしょうか。
○松澤政府参考人 2・4・5T剤及びそれに含有されるダイオキシン類につきましては、千百度前後の高温で焼却する方式、あるいは千三百度前後で溶融をする方式、こういった方法によって分解することができると、専門家に確認をさせていただいております。
○田村(貴)委員 今のやり方でいうと、溶融で無害化していくやり方があると。そういう施設が国内にあるというふうにも伺っております。
 全国四十六カ所に埋設されている2・4・5Tは、七一年の林野庁長官通知で指示されているように、コンクリートで固められ埋設されているんでしょうか。写真など、それを証明するものはありますか。
○牧元政府参考人 お答えを申し上げます。
 2・4・5T除草剤につきましては、御指摘ございましたように、基本的にはセメント等と混合した形でコンクリート塊として埋設したところでございますけれども、一部につきましては、コンクリートの容器に密閉するなどの形で埋設しているものもあるところでございます。
 埋設方法につきましては、写真等は撮っていないところでございますけれども、昭和五十九年時点で埋設に携わった職員等に聞き取り調査を実施をいたしまして確認をしたところでございます。
○田村(貴)委員 さあ、どういう形状で入っているかがわからないんですよね。実際にはずさんな埋設が行われていました。愛媛県宇和島市、当時津島町でしょうか、ここの山では、缶に入った枯れ葉剤をビニール袋で包んだだけで放置されていたためにダイオキシンが大量に流出し、大問題となりました。これは一九八四年のことであります。
 先日、佐賀県の吉野ケ里町の埋設地に行ってまいりました。福岡と佐賀の県境近くの国有林であります。九州自然歩道の坂本峠付近の山の上にあるんですけれども、市街地から車ですぐに行けるところにあります。
 資料の一ページ、写真をお配りしています。
 どこでも、この2・4・5Tの埋設地には、このような看板があるわけです。これはちょっとびっくりしますね。この囲いの中には2・4・5T剤を埋没してありますので囲いの中の立入りや土砂等の採取をしないでください、この表示、驚きました。ここに猛毒がありますよと教えてやっているようなものじゃないですか。
 掘って取り出されたら、これはどうするんですか、林野庁。
○牧元政府参考人 お答え申し上げます。
 この2・4・5Tの除草剤につきましては、御指摘ございましたように、昭和四十六年に埋設をしたところでございます。その後、これも御指摘ございましたように、昭和五十九年でございますけれども、専門家による検討会を設置いたしまして、その後も、平成元年、六年、十一年と継続して埋設処理に関する検討を行った結果といたしまして、検討委員会の最終判断でございますけれども、埋設箇所におきまして、周辺部の土壌調査の結果、埋設除草剤に含まれているダイオキシンが地域住民生活へ及ぼす影響がないということが確認されますとともに、埋設箇所の立入り及び土壌攪乱行為の禁止措置等を引き続き実施をして、適切に保全していくことというような報告がなされたところでございます。
 このことを受けまして、農林水産省といたしましては、現在、埋設箇所におきまして、御指摘ございましたように、周囲を柵等で囲みまして、立入禁止の標識を設置しております。また、年二回の定期的な点検、また、豪雨のときなどにつきましては臨時点検を行うということによりまして、適切な保全管理に努めているところでございます。
 したがいまして、現在のところでは、地中で安定した状態のまま保全管理しているということが適切であると考えているところでございます。
○田村(貴)委員 いや、私が聞いたのは、これをとって、掘って持っていったらどうするのかと聞いているんですよ。これは、フェンスがあるでしょう。これは、人の背丈の高さもないですよ。簡単に中に入れますよ。
 そして、七一年当時のコンクリート塊で埋めるのは、数メートルも掘っているんじゃないですよ、一メートルぐらいでしょう。だから、簡単に、とろうと思ったら、これはとれるんですよ。これはどうするんですか、とられたら。
○牧元政府参考人 この吉野ケ里の地区につきましては、コンクリートの塊がどういう形状で埋められているかといいますと、これは、二メートル四方かつ高さも二メートルという、非常に大きなコンクリートの塊の状態で埋められているものでございまして、今御指摘のような形で簡単に持ち去るということはできないものと承知をしております。
○田村(貴)委員 その形状を、写真もないわけですよ、実際に見たというその記録もないわけなんですよ。今に伝わるものがないんですよ。だから、周辺住民の人も自治体も心配しているんです。
 資料の三枚目、ごらんいただきたいと思います。
 福岡市、今は市になりましたけれども、那珂川町、福岡地区と春日那珂川水道企業団が要望書を毎年林野庁に提出していますよね。水道水源に近いところから、「重大な関心を抱いている」というふうに表記されています。
 そして、ここが大事なところですよ。「数十年に一度発生すると言われている記録的な豪雨が全国各地で多発している状況であり、当該埋設箇所におきましても今後、想定外の事象が発生することが予想されます。」「水源汚染に対する不安を払拭するために、埋設物の安全対策の徹底や、埋設除草剤の移設又は無害化処理していただくことを要望いたします。」と書いてあるわけですよ。
 自治体が抜本的な解決を要請しているではありませんか。何で四十年間こういう状況を放置しているんですか。
○牧元政府参考人 お答え申し上げます。
 仮にこの埋設処理をいたしました2・4・5T除草剤を掘削して処理をしようとした場合には、コンクリートの破損等によりまして、2・4・5Tあるいはダイオキシンが飛散をするというリスクがあるところでございます。
 そのようなリスクを考えますと、現時点におきましては、地中で安定した状態のまま保全管理することが適切であると考えているところでございます。
○田村(貴)委員 今、私が読み上げたでしょう。未曽有の災害が起こっておるんですよ。熊本地震で地割れが起こった、山崩れがあった。吉川大臣、北海道の厚真の山もすごかったですよね。想定外の災害が起こって、山崩れとか地割れとかこういう現象が起こったときに、コンクリートは壊れるじゃないですか。そういうことを聞いているんですよ。だから、今日の時点に立ってこれは解決しなければいけない問題なんですよ。
 先ほど林野庁は、半年に一遍調査とか言われましたね。しかし、福岡県知事が県議会で答弁しているんですけれども、月二回点検を行っている。心配だから月二回に変わっているんでしょう。もうちょっと事態を深刻に受けとめた方がいいんじゃないですか。
 小里副大臣、資料の写真をごらんいただきたいんですけれども。一枚目であります。この一番大きな看板は、副大臣の地元の鹿児島県湧水町の写真でございます。ここは、幅七メートルから八メートル、長さが二百五十メートルから三百メートルのエリアの中のどこかに埋設しているということなんですよ。非常に曖昧な埋設であります。
 そして、鹿児島県全体では、小里副大臣、この表にもありますように、五つの自治体に六カ所、しかも、自然遺産の屋久島には三千八百二十五キログラムが埋められているということです。九州はとりわけ多くて、九州の議員の皆さん、物すごく多いんです、十九カ所埋設されています。
 副大臣、私、行ってみて大変心配になりました。どう受けとめておられるでしょうか。災害リスク一つとっても、この先、このままの状態ではよくないというふうに考えますけれども、副大臣、いかがでしょうか。
○小里副大臣 埋設状況につきましては、改めて今認識をしたところでございます。
 一方で、説明にありましたとおり、この検討委員会の見解に基づきまして、周辺を柵等で囲んで標識を立てる、あるいは年二回の定期的な点検、豪雨時等の臨時点検を行うなど、保全管理に努めているところであります。
 また、御指摘をいただいて環境省が答えましたように、高温焼却などによる方法はあるということでありますけれども、ただ、その前にどうしても掘り起こさないといけないわけであります。この掘削にリスクがあるということでありまして、そういった中で、安定した状態のまま保全管理することが適切であると現段階での考えに至っているわけであります。
○田村(貴)委員 私は安全でないと思いますので、ぜひ今からしっかり検討して対応を進めていただきたいと思います。
 環境省勝俣政務官においでいただいております。
 先ほど私が説明しました佐賀の吉野ケ里の埋設地は、九州自然歩道沿いにあるわけであります。この自然歩道というのは、環境省が計画、整備して広く国民に利用を呼びかけているところであります。自然保護に対する理解を深める場で環境への影響が懸念されているわけであります。
 環境省の直接の管轄でないかもわかりませんが、これは農水省と一緒に、今後、調査とそれから対策に当たっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○勝俣大臣政務官 御質問のありました吉野ケ里の埋設地につきましては、基本的に、埋設箇所の土地所有者であります農水省が調査、対策に当たるものと認識をしております。
 また、先生御指摘の九州自然歩道の環境影響という観点でございますが、この歩道は環境省で路線計画を策定しておりますが、一般的に、国立公園を除く区間については、整備とその後の維持管理を各県等が実施しているところでございます。
 今般御指摘の埋設地近辺の区間につきましては、基本的には佐賀県となっております。このため、九州自然歩道の環境影響の対応につきましては、佐賀県において適切に対処されているものと考えております。
○田村(貴)委員 私、きょうで議論は終わらせたくなくて、また今後もこのことはしっかりと追及していきたいと思っていますけれども。
 一ページ、右上の写真をごらんいただきたいと思います。フェンスの中の、ササの葉とかあるんですけれども、ここの埋設地で茂っている木と隣の木の生育の度合いが違うんですよね。この問題を研究されている方がいみじくもおっしゃっているんですけれども、埋設地の木々の成長がとまっている、あるいは枯れている、こういった状況にあるわけなんです。見て、ごらんのとおりであります。
 地震や大雨による地割れ、崖崩れ、これは後を絶たないわけです。今日的な問題なんですよ。ダイオキシンを発生させないための技術と処理方法もあるということであります。災害から猛毒物質を漏出させないためにも、やはり抜本的な対策が必要になってくると思います。
 最後、吉川大臣、お話を聞いていただきました。いかがでしょうか。
○吉川国務大臣 さまざまな御指摘を頂戴いたしました。安全性の確保の観点に立ちまして、技術の進展も注視しながら、環境省とも引き続き相談をしながら、適切な管理を図ってまいらなければならないと存じます。
○田村(貴)委員 時間が参りました。まずは、どういう形状で埋設されているのかを確認し、そして安全性を更に確認し、そして無害化処理を今日的な方法で行うことを強く求めて、質問を終わります。
○武藤委員長 次に、森夏枝君。
○森(夏)委員 日本維新の会の森夏枝です。
 本日も質問させていただきます。よろしくお願いいたします。
 昨日、東日本大震災復興特別委員会で、心の復興、心のケアや特定復興再生拠点区域での除染作業、また、復興五輪に関しての質疑をさせていただきましたが、農水関係について質疑ができませんでしたので、本日、質問させていただきます。よろしくお願いいたします。
 水産加工業の復旧復興について伺います。
 震災から七年八カ月がたち、被災した漁港の陸揚げ機能については、一部完了を含めると全ての漁港でその機能が回復しており、水揚げ量も約七割まで回復をしているとのことです。
 一方で、水産加工施設は約九割で業務が再開されたものの、平成三十年三月に公表された水産加工業者における東日本大震災からの復興アンケートの調査結果によると、青森、岩手、宮城、福島、茨城の五県全体で、震災直前の水準以上に売上げが回復した水産加工業者は二〇%、売上げが八割以上に回復した水産加工業者は四五%となっており、売上げの回復がおくれているとのことです。
 町のにぎわいや生活を再建するためには、住宅再建とあわせて、農林水産業のなりわいとしての再生に更に力を入れる必要があると思いますが、どのようにお考えでしょうか。
○長谷政府参考人 被災地の水産加工業の現況について御紹介いただきましたけれども、水産加工業におきましては、全国的には人材の確保が課題でございます。特に東北の被災地においては、これが大きな問題となっているところでございます。
 平成三十年三月公表の復興状況アンケート調査では、青森、岩手、宮城、福島、茨城の五県の水産加工業者のうち、人材の確保を復興における問題点として挙げた者が最も多かったところでございます。
 こういった状況を踏まえまして、復興地域におきましては、ロボットやAI等の省力化のための技術や、効率的な生産体制の導入への支援に当たって、機器整備に対する助成率をより高くしてきたところでございます。
 このほか、外国人技能実習制度の適切な運用や新たな外国人材受入れ制度の活用の検討も含めまして、今後とも復興地域における人材確保対策を適切に進めてまいりたいと考えております。
○森(夏)委員 ありがとうございます。
 人材確保が課題であるとのことです。これは東北の、東日本大震災だけではなく、各地の被災地で人材確保というのは大変な問題となっておりますので、しっかりお願いしたいと思っております。
 福島県では、販路の確保、風評被害がこのアンケート調査で最も多く挙げられていたと思います。この調査結果に掲載されている自由回答ヒアリング調査の事例の一例ですが、福島県の事業者は、試験操業で水揚げされた魚介類を各市場へ出荷しますが市場での売価が安く大変厳しい状況です、また、震災前は得意先の市場に相当数の出荷をしていたが六年以上のブランクは大きく、別の業者にシェアを奪われ回復が困難と回答をしております。
 福島県は、他県と異なり、いまだに試験操業中で、本格的な操業を目指し、頑張っておられます。この頑張りが無駄にならないように、政府として、福島県の農林水産物の販路回復や風評払拭のために、現在具体的にどのような対策をされているのでしょうか。また、今後更にどのように力を入れていくのか、教えてください。
○長谷政府参考人 福島県産水産物の販路回復、風評払拭対策について御説明いたします。
 各県や業界団体と連携いたしましてモニタリング調査を実施いたしまして、その調査結果をホームページなどで提供をしております。また、展示商談会やイベントの機会を活用いたしまして、放射能と魚についての説明会も実施しております。また、福島県水産物競争力強化支援事業によりまして、東京、埼玉、宮城のイオン八店舗におきまして、福島県産水産物を福島鮮魚便として常設で販売し、専門の販売スタッフが安全、安心とおいしさをPRするなど、支援を行っているところでございます。
 今後とも、復興庁を始め、関係省庁、自治体とも連携しながら、福島県の漁業風評被害の払拭に取り組んでまいりたいと考えております。
○森(夏)委員 ありがとうございます。
 福島の風評被害払拭、また販路回復に向け、しっかり取組をよろしくお願いいたします。
 復興・創生期間も残り二年四カ月となりました。水産加工業は被災地の基幹産業です。復興・創生期間内に水産加工業の再生を行う必要があると考えますが、大臣の水産加工業の再生に向けた御決意をお願いいたします。
○吉川国務大臣 森議員御指摘のとおり、水産加工業は被災地域の基幹産業の一つでもございまして、例えば、宮城県におきましては、食品製造業の製造品出荷額に占める水産加工業の割合というのは三八%でございまして、全国の三倍となっております。
 被災地域には課題も依然としてございまするけれども、一方、統一ブランドを創設したり、共同で輸出に取り組んでおられたり、厳しい状況を打開していこうという力強い動きもございます。
 私も地域の基幹産業を担当する大臣でありますので、そういう覚悟の上で、この十年間の復興期間の総仕上げに向けて、被災地の力強い動きを更に推し進められますように、水産加工業の復興にも取り組む考えでもございます。
 つい先日、福島県の内堀知事が、私のところをお訪ねいただきました。これから香港というところにも出向いて、福島の水産関係はもちろんのこと、いろいろな農水産物の売り込みにみずから奔走をするという決意を述べられておりましたので、私どもも、しっかりと被災地域の皆さんに寄り添いながら、努力をさせていただきたいなと思っております。
○森(夏)委員 ありがとうございます。
 大臣からの力強いお言葉、ありがとうございます。被災地の皆様に寄り添って、今後もお願いいたしたいと思います。
 先日伺わせていただきました水産業振興・漁村活性化推進大会で、皆様がお話しされておりました。本格的な復興は道半ば、水産物資源は世界の需要もあります。将来を見据えた復興、豊かで活力のある水産加工業の復旧復興を願っております。より一層、水産加工業への御支援をお願いして、次の質問に移ります。
 山腹崩壊の早期復旧に向けた対策について伺います。
 十一月二十六日に災害対策特別委員会の委員派遣で、北海道胆振東部地震による被害状況調査に行かせていただきました。現場に行かなければわからないことが多く、改めて、足を運ぶことの大切さを実感いたしました。
 地震が起きた六秒後に山腹崩壊が起きた。一瞬だったとお聞きしました。そして、山腹崩壊は全国どこで起きてもおかしくないものであると説明を受けました。
 厚真町の山腹崩壊現場は大変な状況でした。復旧作業には危険も伴いますので、復旧には時間がかかると感じました。
 北海道胆振東部地震による山腹崩壊の被害状況と今後の対策について教えてください。
○濱村大臣政務官 お答えいたします。
 農林水産省といたしましては、地震により発生した林地の崩壊等に対しまして、二次被害が懸念されるような緊急的な対応が必要な箇所につきましては、災害復旧予算である災害関連緊急治山事業等により早期復旧を図ることとしております。
 また、この緊急対策に加えまして、極めて大きな面積の森林が被害を受けたことに鑑みまして、中長期的な取組といたしましては、被災森林の再生に向けて、治山施設の設置や航空緑化等によりまして計画的な復旧を図っていく必要があると考えております。
 引き続き、実施主体であります北海道庁等また関係機関との連携を密にしつつ、災害復旧事業の早期実施はもとより、今後の計画的な治山対策の実施に向けて必要な予算の確保に努めてまいりたいと思っております。
○森(夏)委員 ありがとうございます。
 緊急に対策が必要なところには急いでやっていただいているということですが、視察先の意見交換会の中で、被害に遭った森林をもとに戻すまでに二百年かかると言われていた言葉が心に残っております。
 そして、山腹崩壊を復旧させるには時間がかかることは理解しておりますが、まず土砂を取り除いてほしいとの要望がありました。土砂をそのままにしておくと、泥水が流れ、むかわ町のシシャモや苫小牧のホッキガイにも影響が出てしまう、できるだけ早く対応してほしいとの切実なお声もお聞きしてまいりました。水産業への二次被害、大きな影響が出る前に早期の対応をお願いしたいと思っております。
 次に、十二月三日に関西国際空港の国際線出国審査後のエリアにオープンした農産物の販売店について質問をさせていただきます。
 出国審査後に検疫済みの品を受け取り、その場で食べることも持ち帰ることもできる仕組みは、国内初の取組で、すばらしい試みだと思っております。現在はまだ八品目九銘柄となっておりますが、このような取組を多品目、ほかの地域にも広げていくべきかと考えますが、今後農林水産省としてこのような取組を展開しやすくするためにどのような後押しが可能でしょうか、教えてください。
○新井政府参考人 お答え申し上げます。
 委員御指摘の取組は、大手旅行代理店が全国各地の農園や農協と連携をいたしまして、農林水産省の今年度の予算の補助を受けて実施をしているものでございます。現在、関西国際空港の店舗では、検疫済みのリンゴ、ミカン、イチゴ、メロンなどが販売されているというふうに承知をしております。今後、この取組は、中部国際空港それから那覇空港でも実施の予定でございます。
 ここで販売された青果物自体は税関申告されない手荷物となるため、貿易統計上の輸出額には含まれません。しかしながら、同社の運営するECサイト、海外のECサイトと連携をしておりまして、本国に戻った後での購入も可能ということになることから、輸出拡大にも寄与するものということで評価をしているところでございます。
 今後も、事業者が知恵を絞って行う販路の拡大や輸出の促進を支援してまいりまして、農林水産物、食品の輸出拡大に結びつけていきたいというふうに考えております。
○森(夏)委員 ありがとうございます。今後他の空港にも広がるということで、期待をしております。
 輸出促進のためには植物検疫体制の整備が必要と考えますが、現在行っていることがあれば教えてください。
○池田政府参考人 お答えします。
 農産物の輸出拡大に向けましては、植物検疫の利便性の向上のために、輸出先国の検疫条件などの情報の提供、主要空港での輸出検疫カウンターの設置、卸売市場あるいは産地などにおける輸出検疫の実施を行っているところでございます。
 また、輸出を志向する産地が輸出先国の検疫条件に的確に対応できるよう、病害虫の防除体系や栽培体系等に関する助言、携帯品の持ち出しに係る検査の円滑化などに努めているところでございます。
 引き続き、こうした取組を通じまして、輸出産地の後押しを積極的に行ってまいりたいと考えております。
○森(夏)委員 ありがとうございます。
 今回の取組のようなものに対して、農林水産省として、輸出に意欲的に取り組んでいる、又は今後取り組もうとしている生産者に対する支援策があれば、最後に教えてください。
○小里副大臣 農林水産省では、輸出に意欲ある生産者を支援するために、ことし八月末に農林水産物・食品輸出プロジェクト、GFPを立ち上げまして、無料でプロジェクトに参加登録できるサイトを開設をいたしました。これまでに六百件以上の登録がありまして、御地元の京都府でも十八件の登録がございます。
 GFPに登録しますと、農林水産省、ジェトロ等が無料で行う輸出診断、アドバイス、農林水産省と協力する百以上の輸出商社が海外需要に基づいて発信する商品リクエスト情報の提供、輸出商社への輸出したい商品の情報提供、輸出に向けた産地づくりの計画策定等の支援、登録メンバー同士の交流イベントへの参加等の支援を受けることができます。
 こうした支援を通じまして、生産者の夢を一つでも多く実現をしてまいりたいと思います。
○森(夏)委員 ありがとうございます。
 生産者の思いに応える支援を今後もお願いしたいと思います。今回の取組は、広域のやる気のある農家に資するものと考えております。ぜひ、輸出マーケットに出すための生産体制をしっかりお願いしたいと思います。
 ただ、今後、対面式で、安心、安全、そして品質も選ばれたものが販売をされると思いますが、トラブルもつきものかと思います。ぜひ、消費者庁とも連携をし、輸出促進につながる新たな試みを成功させていただきたく思います。
 以上で終わります。ありがとうございました。
○武藤委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午前十一時七分散会