第197回国会 厚生労働委員会 第2号
平成三十年十一月十四日(水曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 冨岡  勉君
   理事 大串 正樹君 理事 小泉進次郎君
   理事 後藤 茂之君 理事 田畑 裕明君
   理事 橋本  岳君 理事 西村智奈美君
   理事 大西 健介君 理事 高木美智代君
      安藤 高夫君    上杉謙太郎君
      上野 宏史君    大岡 敏孝君
      大隈 和英君    木村 哲也君
      木村 弥生君    国光あやの君
      小林 鷹之君    後藤田正純君
      高村 正大君    佐藤 明男君
      塩崎 恭久君    繁本  護君
      新谷 正義君    田村 憲久君
      高橋ひなこ君    谷川 とむ君
      丹羽 秀樹君    福山  守君
      船橋 利実君    穂坂  泰君
      堀内 詔子君    三ッ林裕巳君
      山田 美樹君    渡辺 孝一君
      阿部 知子君    池田 真紀君
      尾辻かな子君    初鹿 明博君
      道下 大樹君    吉田 統彦君
      稲富 修二君    岡本 充功君
      白石 洋一君    山井 和則君
      桝屋 敬悟君    鰐淵 洋子君
      高橋千鶴子君    串田 誠一君
      柿沢 未途君
    …………………………………
   厚生労働大臣       根本  匠君
   財務副大臣       うえの賢一郎君
   厚生労働副大臣      大口 善徳君
   厚生労働副大臣      高階恵美子君
   法務大臣政務官      門山 宏哲君
   厚生労働大臣政務官    上野 宏史君
   厚生労働大臣政務官    新谷 正義君
   政府参考人
   (内閣官房内閣人事局人事政策統括官)       長屋  聡君
   政府参考人
   (人事院事務総局人材局審議官)          嶋田 博子君
   政府参考人
   (内閣府大臣官房審議官) 米澤  健君
   政府参考人
   (法務省大臣官房政策立案総括審議官)       金子  修君
   政府参考人
   (法務省大臣官房審議官) 佐々木聖子君
   政府参考人
   (財務省大臣官房審議官) 小野平八郎君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房総括審議官)         土生 栄二君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房年金管理審議官)       高橋 俊之君
   政府参考人
   (厚生労働省医政局長)  吉田  学君
   政府参考人
   (厚生労働省健康局長)  宇都宮 啓君
   政府参考人
   (厚生労働省医薬・生活衛生局長)         宮本 真司君
   政府参考人
   (厚生労働省労働基準局長)            坂口  卓君
   政府参考人
   (厚生労働省職業安定局長)            土屋 喜久君
   政府参考人
   (厚生労働省雇用環境・均等局長)         小林 洋司君
   政府参考人
   (厚生労働省子ども家庭局長)           浜谷 浩樹君
   政府参考人
   (厚生労働省社会・援護局長)           谷内  繁君
   政府参考人
   (厚生労働省老健局長)  大島 一博君
   政府参考人
   (厚生労働省保険局長)  樽見 英樹君
   政府参考人
   (厚生労働省年金局長)  木下 賢志君
   政府参考人
   (厚生労働省人材開発統括官)           吉本 明子君
   政府参考人
   (厚生労働省政策統括官) 藤澤 勝博君
   政府参考人
   (厚生労働省政策統括官) 大西 康之君
   厚生労働委員会専門員   中村  実君
    ―――――――――――――
委員の異動
十一月十三日
 辞任         補欠選任
  串田 誠一君     森  夏枝君
同日
 辞任         補欠選任
  森  夏枝君     串田 誠一君
同月十四日
 辞任         補欠選任
  木村 哲也君     穂坂  泰君
  田村 憲久君     福山  守君
  谷川 とむ君     上杉謙太郎君
  池田 真紀君     道下 大樹君
同日
 辞任         補欠選任
  上杉謙太郎君     高村 正大君
  福山  守君     田村 憲久君
  穂坂  泰君     木村 哲也君
  道下 大樹君     池田 真紀君
同日
 辞任         補欠選任
  高村 正大君     谷川 とむ君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 厚生労働関係の基本施策に関する件
     ――――◇―――――
○冨岡委員長 これより会議を開きます。
 厚生労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣人事局人事政策統括官長屋聡君、人事院事務総局人材局審議官嶋田博子君、内閣府大臣官房審議官米澤健君、法務省大臣官房政策立案総括審議官金子修君、大臣官房審議官佐々木聖子君、財務省大臣官房審議官小野平八郎君、厚生労働省大臣官房総括審議官土生栄二君、大臣官房年金管理審議官高橋俊之君、医政局長吉田学君、健康局長宇都宮啓君、医薬・生活衛生局長宮本真司君、労働基準局長坂口卓君、職業安定局長土屋喜久君、雇用環境・均等局長小林洋司君、子ども家庭局長浜谷浩樹君、社会・援護局長谷内繁君、老健局長大島一博君、保険局長樽見英樹君、年金局長木下賢志君、人材開発統括官吉本明子君、政策統括官藤澤勝博君、政策統括官大西康之君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○冨岡委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
○冨岡委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。小林鷹之君。
○小林(鷹)委員 おはようございます。自由民主党の小林鷹之です。
 まず、臨時国会最初の委員会質疑で機会を与えていただいたことに心から感謝を申し上げます。
 本日は、大臣所信で触れられました外国人労働者の受入れと、健康、医療データの利活用基盤の構築、この二点について伺いたいと思います。
 まず、きのうから審議入りした入管法の改正案についてです。
 私自身、現在、人手不足が厳しくなる中で、その対応が喫緊の課題であることは理解しますが、永住や家族帯同が認められる特定技能二号の創設については慎重であるべきとの意見を含めまして、厳し目の意見を自民党内の議論でも述べてまいりました。最終的には党内でこの法案が条件付で了承されたことを踏まえた上で、既に党内で申し上げた意見以外の点につきまして、本日は質問をさせていただきます。
 一義的には法務委員会で審議される話ですが、厚労委員会の所管である労働政策を中心に伺います。
 まず、大臣所信の中で、外国人受入れにつきまして、適切な社会保険の適用を促進するとあります。
 この外国人労働者による公的医療保険の利用に関しまして、政府が適用の厳格化、とりわけ日本における在留、居住要件を盛り込むための健康保険法の改正案を次期通常国会に提出するという報道があります。この報道内容が事実だとすると、一歩前進だとは思いますが、もともとが余りに緩い制度であったことも事実だと思います。
 厳格な適用というのであれば、例えば、入国直後に高額療養費制度などを利用する蓋然性が高い方については、こうした情報を在留資格の付与に当たっての判断材料とすべきだと思います。今回の改正では健康診断書の提出が義務づけられていないとのことですけれども、制度に対する国民の信頼をしっかりと確保していく観点からも、義務化を検討していただきたい。
 こうした点を含めまして、次期通常国会への健康保険法改正案提出についての大臣の考え方をお聞かせください。
○根本国務大臣 委員お話しのとおり、在留外国人の増加が見込まれる中で、公的医療保険の信頼を確保するためにも、医療保険の適正な利用を確保すること、私はこれは重要な問題、課題だと認識しています。
 今お話にありましたが、海外に居住する被扶養者の認定方法の厳格化、実はこれは本年三月からやっております。具体的には、認定方法を公的書類などによる認定に統一化する。例えば、身分関係は婚姻証明書、出生証明書などをやる、生計維持関係も収入証明書をしっかりと見る。
 そして、厚生労働省と法務省が連携して、不適正事案、これを市町村から入国管理局に通知する仕組みの導入。例えば、留学生であるにもかかわらず通学している様子がない、在留資格の本来の活動を行っていない、こういう判断をされるものは市町村から入国管理局に通知する仕組みの導入という対策を、これまでやってきております。
 今の後段のお話ですが、健保法を改正するかどうかということではなくて、これはまだ方針を決めていませんから、ただ、今お話しのようなさまざまな課題、自民党の中でもいろいろ議論されておりますから、外国人の医療保険の適正な利用、これに向けた対応について、現在、自民党のワーキンググループにおいて議論されているところでありますから、その議論なども踏まえながら、厚生労働省において対応を検討していきたいと思っております。
○小林(鷹)委員 ぜひ、与党とも連携しながら、政府としても踏み込んだ検討をお願いしたいと思います。
 次に、技能実習制度について伺います。
 政府からは、技能実習生として入国した外国人は特定技能一号へ移行できることになると聞いています。
 しかし、資料一にあるんですけれども、技能実習制度の目的は母国への技能などの移転を通じた国際協力の推進とされているので、一号への移行を認めてしまうと、本来の技能実習の立法目的を逸脱することになりかねないと思います。
 しかも、ここに技能実習法第三条二項を書かせていただいているんですけれども、「技能実習は、労働力の需給の調整の手段として行われてはならない。」と明確に規定されているんですね。
 だとすると、技能実習生が新たな在留資格を取得したい場合には、実習修了後は一度帰国をしていただいて、一定期間、例えば一年以上の母国の滞在及び母国に対する何らかの貢献を義務づけるべきだと思います。そうでないのであれば、いわゆるこの技能実習法の改正が必要だと思いますけれども、見解を伺います。
○佐々木政府参考人 今回の受入れ制度は、深刻な人手不足に対応するため、真に必要な分野に着目し、現行の専門的、技術的分野における受入れを拡充するものです。具体的には、国内人材の確保等の取組をしてもなお人手不足が解消されない分野に限り、一定の専門性、技能を有する外国人材を在留資格「特定技能」によって受け入れることとしています。
 他方、今委員御指摘のように、技能実習制度は、開発途上国等への技能等の移転を図ることを目的とする制度です。このように、今回の受入れ制度は、技能実習制度とは趣旨、目的が異なっており、在留資格も全く別のものでございます。
 この点ですが、技能実習生が技能実習二号修了後、直ちに帰国するか、技能実習三号の資格で在留するか、特定技能一号の資格で在留するか、これは我が国で在留する目的に照らした御本人の自由な選択に委ねられています。
 その上で、技能実習二号を修了した後に特定技能一号の資格で在留することを選択した方については、本人の帰国は、特定技能の資格を取得するための法律要件とはしていません。
 しかしながら、在留資格「特定技能」による就労目的の在留の後には、技能実習制度等で培った技術、技能、知識を御本国に持ち帰り、その後、本国で必要な技能移転を行っていただくことになるので、技能実習制度の趣旨と矛盾するものではないと考えております。
○小林(鷹)委員 今のような回答であれば、技能実習法が形骸化しかねないと思いますので、法的整合性を担保するためにも、技能実習法の改正を含めて再考を促したいと思います。
 次に、入国が認められる外国人労働者は、就労が入国条件であるはずです。そうした中で、転職も可能であると理解していますが、そこで伺いたいんですけれども、一旦退職をして次の就職先を見つけるまでの期間の在留資格はどうなるんでしょうか。働いていないにもかかわらず、引き続き特定技能一号という位置づけなんでしょうか。
 また、その後、失業保険の給付期間を経過してもなお仕事が見つからない方の場合、そのまま在留を続けるとすると、恐らく生活保護の対象になるか、不法就労に走らざるを得ないと考えられます。雇用期間満了の場合のみならず、満了前であっても、こうした場合については帰国していただく規定が必要かと思いますけれども、見解を伺いたく存じます。
○佐々木政府参考人 特定技能一号の外国人が雇用先を退職した場合であっても、在留資格について即座に変更しない限り変わることはなく、引き続き特定技能一号に該当する活動を行うために求職活動をすることができます。
 今回、求職活動の期間につきましては、今回の受入れ制度が人手不足分野における受入れであり、長期にわたる求職は余り想定されないとも考えられます。
 もっとも、退職から三カ月を超えた場合は、在留資格の取消し手続の対象ともなりますことから、求職活動の状況あるいは再就職の見込み等も踏まえて、個別に判断することになります。
 例えば、退職後、再就職先が見つからないまま、特定技能一号の在留資格にかかわる活動を行っていないと認められる場合には、入国審査官又は入国警備官による事実の調査を行うほか、対象となっている外国人からあらかじめ意見を聴取するなどした上で、在留資格の取消しの可否を判断することになります。その上で、在留資格の取消しがなされた場合は出国しなければならないこととなります。
 もとより、必要な手続をとらずに稼働するような場合には、いわゆる不法就労、資格外活動によって、退去強制手続がとられる場合があります。
○小林(鷹)委員 きのうの本会議においても、総理からは、在留管理については的確な管理を徹底していく、そういう御答弁がありましたので、ぜひ厳格な対応を求めたいと思います。
 また、政府は、今回の外国人材受入れの分野を、先ほどもありましたけれども、繰り返し、生産性の向上と、日本人労働者の確保をしてもなお人材が不足する分野としています。そこで、政府として日本人労働者の確保についてどれだけのことをされているのか、確認させていただきたいと思います。
 確かに、最近では高齢者や女性の方の就労者数がふえてきた。ただ一方で、ニートを含む若年の無業者数が二〇一七年で七十一万人いるというデータがあります。こうした方々が職につくための施策は打たれているのか。また、そうだとすると、どれくらいの方が仕事についたのかを含め、その政策の評価を教えていただきたいと思います。
 そして、今後、IoTやAIの普及によって生産性が向上することも考えられます。既に企業によっては人員削減が発表されているケースもありますが、こうした方々の仕事を奪うことにはならないのか、見解をお聞かせください。
○吉本政府参考人 お答え申し上げます。
 お尋ねのございました十五歳から三十四歳の若年無業者、いわゆるニートの数につきましては、通常政府で使用しております総務省労働力調査のデータによりますと、直近の平成二十九年で五十四万人に上っているところでございます。五年前の平成二十四年との比較では九万人の減少ということになっておりますが、これら若者の職業的な自立の促進は、引き続き重要な課題だというふうに考えております。
 このため、厚生労働省では、これら無業の若者を支援する拠点といたしまして、地域若者サポートステーションを全国百七十五カ所に設置をいたしまして、キャリアコンサルタントによるキャリア相談、また、社会人として必要な基礎知識、コミュニケーションスキル等に係る訓練、また、働く上で第一歩を踏み出すための職場体験、そうしたさまざまなメニューを用意いたしまして、きめ細かく支援を行っているところでございます。
 こうした取組を通じまして、本事業創設の平成十八年度からの累計でございますが、約十二万五千人の若者が進路決定をいたしまして、無業状態から脱却をしているところでございます。
 直近の平成二十九年度には、約一万人が進路決定をし、そのうち九千人が就職という形でございますが、若年無業者の減に一定の寄与をしているというふうに考えております。
 今後とも、無業の方々が抱える課題は複雑困難なものがございますので、引き続き、きめ細かな支援を通じて就職実現に努めていきたいというふうに考えております。
○佐々木政府参考人 ただいま御指摘いただきましたように、今回の受入れは、生産性向上や国内人材確保のための取組を行ってもなお、当該分野の存続、発展のために外国人の受入れが必要な分野に限って行うことが大前提となっています。
 加えまして、受入れ分野を所管する業所管省庁が人手不足状況を継続的に把握し、今御指摘のAIなど、科学技術の発展の活用を含む生産性の向上や国内人材確保の取組の状況、人手不足の状況を適切に判断した上で、臨機に受入れの停止措置をとることとしておりまして、制度上、日本人の雇用に影響を与えないように十分配慮しております。
○小林(鷹)委員 まずは日本人労働者の確保を優先していただきたいと思います。また、若年の、若者の無業者数を放置すると、本人にとっても日本社会全体にとっても大きな損失になりますので、ぜひ政府一体となって、この若者の無業者対策をお願いしたいと思います。
 そして、この人手不足は喫緊の課題ではありますけれども、移民受入れに寛容であったドイツが政策転換を図り始めていることなどにも鑑みて、慎重かつ丁寧にお願いしたいと思います。
 そして、これまでの議論の中で、具体的な制度設計をめぐって、さまざまな論点が既に提示されていますが、本件は、こうした政策論議以前の問題として、長い歴史と伝統の中で形成されてきた我が国の国柄にかかわる問題だと私は捉えています。
 これから先、中長期的な我が国のあるべき国家像をどのように考えるのか、この根本的な点について、私たち政治家がしっかりと向き合う必要があるんだと思います。この点について、根本大臣の政治家としてのお考えを最後に伺いたく存じます。
○根本国務大臣 今までの話も含めてお答えしたいと思います。
 今、この六年間、アベノミクスの推進によって、成長から分配への経済の好循環、これが着実に回りつつある。そして、その中で、有効求人倍率も四十五年ぶりの高さになりました。一方で、少子高齢化の影響によって、労働力となり得る生産年齢人口は毎年減少してきています。現下の人手不足の状況は深刻な問題だと実感しています。
 これからの、全体の社会保障制度改革のあり方については、今、人口構造の推移を見ると、二〇二五年以降、今までの高齢者の急増から現役世代の急減に局面が変化しておりますので、二〇四〇年ごろを見据えて、新たな人口急減という局面における課題への対応が必要だと思います。
 こうした観点から、我々として、高齢者を始めとした多様な就労、社会参加の促進をする。現役世代の人口が急減する中で、社会の活力維持向上を図るための健康寿命を延ばしていく。一方で、労働力の制約が強まる中での医療・介護サービスの確保などの検討を着実に進めていきたいと思っています。
 ただ、一方で、今般、生産性向上や国内人材確保のための取組を行ってもなお人材を確保することが困難な分野において、一定の専門性、技能を有し、即戦力となる外国人を受け入れることとしたものと承知しています。これは、現行の専門的、技術的分野における外国人材の受入れ制度を拡充したものであって、従来の基本方針を変更するものではありません。
 こういう中で、我が国で働いて生活する外国人について、社会の一員として受け入れていくという視点に立って、その生活環境を確保していくことが重要となると思います。
 今、政府で、外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策の検討を行っておりますが、厚生労働省としても、労働環境の整備を始め、外国人との共生社会の実現に向けた環境整備にしっかりと取り組んでいきたいと思います。
○小林(鷹)委員 ありがとうございます。
 福沢諭吉は「学問のすすめ」の中で、明治初期に外国人学者に頼らざるを得ない状況について、こんなふうに述べているんですね。他国の物を頼って自国の用を足すのは永久に続けるべきことではもちろんない、外に頼らずに、自分たちで満たすにはどうしたらよいのか。いろいろと考えさせられる言葉です。
 時間がないので、次のテーマに移ります。
 大臣所信に、健康、医療に関するデータ利活用基盤の構築を軸に、データヘルス改革を戦略的、一体的に推進していくとございます。この点を中心に質問いたします。
 経産省の試算によれば、ヘルスケア関連市場は、二〇二五年には三十三兆円規模に成長すると予想されています。まさしく成長戦略の重要な分野の一つだと思います。
 また、今後、企業の成長や国力の強化にはデータとAIの活用が必須であって、そのためにもデジタル化が重要です。この点については、現在、米中が群を抜いていて、日本がかなりのおくれをとっているのが実情です。
 ただし、現時点において我が国から、いわゆるGAFAやBAT、こうしたものは出ていないですけれども、今すぐにでもヘルスケア産業におけるデジタル化を強力に推進すれば、日本は世界をリードできると思いますし、さらにはヘルスケア分野にとどまらず、新たな産業を生み出す可能性があると私は強く信じています。
 こうした環境のもとで、個人の健康、医療データを集積、統合し、それをデジタル技術やAIによって解析をして利活用する、すなわち、データヘルスケアを推進することで、早期予防を可能にし、健康管理や医薬品開発の効率化、迅速化を実現し、ヘルスケア産業全体の生産性向上や技術革新を促すことが可能になります。同時に、医療費の抑制を通じて財政健全化にも貢献すると思います。
 こうした認識のもとで、私自身が必要だと思うのは、資料二にあるようなデータプラットフォームの構築です。これは出典を書いておらずに申しわけありませんでした。これは現時点で私個人が考えてつくっているものなんですけれども、あくまでイメージ案でありますが、我が国として、こうしたデータプラットフォームを構築することを目指しているのか、未来投資戦略の内容に沿って質問させていただきます。
 ちょっともう時間が来ているので、資料三、これは未来投資戦略の抜粋ですけれども、1に書いてあるように、マイナンバーを活用して、平成三十二年度にはマイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにするとあります。これは近々、関連の議員立法も提出されるかもしれないと聞いていますが、かねてから私も、マイナンバーによって個人の健康や医療に関する全ての情報を一括管理できるようにすることが望ましいと考えていたので、必要な法改正を含めて、ぜひ進めてほしいと思うんです。
 そして、私としては、更に一歩踏み込んで、マイナンバーカードを健康保険証として併用できるようにするんじゃなくて、健康保険証そのものをマイナンバーカードに置きかえてしまう方が、情報管理としてはシンプルで望ましいと思います。質問レクの際に、中長期的には、行く行くはそういう方向でというふうにもちょっと聞いたので、ここは質問を割愛します。
 この資料三の2に、個人の健診・診療・投薬情報が医療機関の間で共有できる全国的な保健医療情報ネットワークについても、平成三十二年度から本格稼働を目指すとされています。でも、現状は課題山積なんですね。
 例えば、医療機関によって健診の項目やフォーマットが統一されていない、健診、診断の結果がデータ化されず紙ベースのままのところも多い、PDFで保存されていてデータとしての活用ができない、病院のシステム自体が古くてネットに接続すらできない、こうした課題がある中で、デジタル化にはほど遠い状況だと思います。
 こうした中で、政府が平成三十二年度から本格稼働を目指す全国的な保健医療情報ネットワークというのは、全ての病院、全ての健診機関、全ての健保、薬局などを包含するものなのか、その規模感と実現可能性について教えてください。
○吉田政府参考人 お答えいたします。
 私どもが今掲げております全国的な保健医療情報ネットワークにつきましては、本年の三月以来、有識者の方々にお集まりをいただいた検討会において、今委員御指摘のいただきましたような課題に加えて、データを連携する際の技術的な課題あるいは患者さんの同意のルールなど、運用面での課題などの議論を重ねておりまして、それを踏まえて、この十月末より、課題解決に向けた実証事業も並行して走らせております。
 その上で、このネットワークにつきましては、二〇二〇年度の本格稼働を目指しておりますけれども、私ども、今の検討あるいは準備状況を踏まえますと、二〇二〇年度の本格稼働当初には希望する医療機関に御参加をいただいて発足するという見込みでございますけれども、将来的には全ての医療機関に御参加をいただいて、医療情報の連携による質の高い医療を提供するための基盤を目指したいというふうに思っております。
 その意味では、諸課題あるいは実証事業を通じての把握されました課題について、関係の方々との議論あるいは御理解をいただきながら、サービスの向上あるいは制度面の整備を含めて引き続きの検討を進め、サービス、ネットワークの改善を図っていく予定でございます。
○小林(鷹)委員 デジタル化はいっときも早く進めなければ日本はデータ後進国になってしまいますし、それは結局、医療後進国になることを意味すると思っていますので、できる限りの努力をお願いしたいと思います。
 大隈委員から三分、時間をいただきましたので、ありがとうございます。
 また、今おっしゃったネットワークと、厚労省において現在進められているデータヘルス改革、あるいはCIN、MID―NET、こうしたいろいろなデータベースがありますけれども、こうした関係とか連携というのが、何度説明を聞いてもよくわからない。短期の目標はわかるんですよ。個々のデータベースや相互の連携を図っていくとか、そうわかるんですけれども、政府が目標としているデータネットワークの最終形がどういうものなのかがわかりにくい気がしますので、これは別の機会で構いませんので、ぜひ全体像のわかりやすい絵をお示しいただくようお願い申し上げます。
 そして資料三の4に、パーソナル・ヘルス・レコードについては、マイナポータルを通じて、三十二年度から本人へのデータ提供を目指すとされていますが、そもそも、健診データやカルテなどの個人に関する情報は、法律によって事業者が管理又は保存することとされているので、健保組合や健診機関によっては、紙ベースで提供することはしても、デジタルデータとしては個人に渡さないところもあると聞いています。したがいまして、個人に関する健康、医療データが分散しているのが現状なんです。
 しかし、こうしたデータは個人に関する情報ですから、本人が自由に利活用できるように、デジタルデータとして個人に集約できるような、又は個人が自在にアクセスできるような仕組みにすべきだと思います。なぜなら、本人が自分の健康情報をデータで見られるようになることで、健康管理を意識するようになって、結果としての病気の予防に資することになると思います。
 そのためには、現在、法令やガイドラインにおいても、こうした個人に関する健康、医療データの所有権がどこにあるのかが明確になっていない現状を変える必要があると思います。
 本人が自分の受けた健診データを取得する、あるいはアクセスできるように、個人の健康、医療データは当該個人のものであると政府が指針でしっかりと明確にすべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○吉田政府参考人 お答えいたします。
 一般に、情報は物ではございませんので、従来、政府の中においては、所有権は存在しないものと考えるというふうに整理をしているというふうに承知をしてございます。
 一方で、今委員御指摘のように、個人に関する情報、個人情報保護法により、保護と活用に関する基本的ルールに基づいて、本人からの情報開示が求められることができるということになってございますので、本人はこの規定に基づき、みずからに関する情報を入手できる仕組みというたてつけであると思います。
 その上で、委員御指摘のような、健康、医療に関するデータを本人が集約して利活用できるということにつきましては、私ども、今、マイナポータルを通じて、個人単位で特定健診、乳幼児健診あるいは薬剤情報などを閲覧できる仕組みを、今引用いただきました未来投資戦略などにおいて、PHRとして政府は検討しておりますけれども、その先につきましては、引き続き、私どもとしても、着実にいろいろな御議論を踏まえながら検討して進めてまいりたいと思っております。
○小林(鷹)委員 もうこれで質疑は終えますけれども、資料三の5に載せていただいていますけれども、現在、いろいろな機関が保有している膨大なデータベースを、これから単にクラウド上に集めて、希望する事業者らがそれにアクセスできるようになるだけでもかなりの進歩だとは思いますけれども、更に進んで、マイナンバーなどの番号で、健診データや疾患レジストリーや、あるいは電子カルテなどの、それぞれのデータベースを全てつなげたデータを取得できるようになれば、予防医療の産業化が可能になりますし、また、我が国の創薬イノベーション力は格段に上がっていくと思います。医療先進国として世界を、できるようになると思いますので、ぜひ政府としても頑張っていただきたいと思います。
 終わります。
○冨岡委員長 次に、大隈和英君。
○大隈委員 自由民主党の大隈和英でございます。
 今国会から厚生労働委員会に帰ってまいりまして、本当に委員の先生方、お力をいただきまして、きょう質問の機会をいただきましたことを厚く御礼申し上げます。
 さて、質問に先立ちまして、ことしは大変災害の多い一年でございました。私の地元、大阪高槻市も、六月の大阪北部地震のちょうど震源地になりまして、また、九月には台風二十一号も、これも同じぐらい大きな被害に見舞われました。その際には、地元にいち早く、総理を始め加藤前厚生労働大臣、お見舞いと御視察に来ていただきまして、国、厚生労働省からの迅速な御支援へ一言御礼申し上げたいと思います。
 さて、その点では、ことしの全国で続いた大きな災害には、災害時の医療、介護の面に対して、貴重な課題を啓示したんだと思います。
 その点で、私どもの大阪北部地震では、朝の七時五十八分に、地元を震源地にして震度六弱という大きな地震に見舞われまして、ちょうど朝の通勤通学のラッシュ時でしたので、大変な混乱に見舞われました。それ以降は、公共交通機関、電車、バスというものがとまる中で、特筆すべきは、交通機関が麻痺する中で、医療、介護の施設の働く医療者、介護者が、自分の家を被災しながら、あるいは余震の心配を顧みずに、電車がとまっても、歩いてでもはってでも職場に集まってくる、続々と集まってくるということがございました。
 これはもう責任感の強い日本人のことですから、どの職種でも、どの職場でも、全国で見られた光景だとは思いますが、高槻市の医師会が事後調査をしていただきますと、発災当日が、何と病院で一〇〇%、診療所で八九・八%が休診せずに診療をしていただいたということが判明しております。そして、患者さんがなかなか来れないというような場合には避難所まで巡回していただいたというような事例がございまして、大変ありがたいことだったというふうに一言特筆したいと思います。
 今回の災害時の診療でも問題になりましたのは、ライフラインの途絶、障害によるものでして、停電時の予備電源が思いのほか稼働しなかったということが大きな病院でもありましたし、それから、ガスがとまってしまって、病院のあるいは診療所の滅菌業務ができない、あるいは三度三度患者さんが食べられる食事が調理できなかった、あるいはエレベーターがとまりまして、患者さんの移動はもちろんですけれども、病院全体に食事を配膳されるのも、重たい大きなカートを持って動くわけですから、これができずに、諦めて簡単なお弁当を配ったというような事例もございました。
 あるいは、屋上には大体貯水タンク、冷房ですとか飲料用ですとか、さまざまな貯水タンクがございますが、タンクも耐震はできているんですけれども、連結部のところに一番負担がかかってしまうものですから、連結部が破損して、屋上から滝のように水が病棟に降ってきたというような事例がございました。
 そういうようなさまざまな影響がありましたが、これは、全電力が喪失した北海道胆振東部地震でも、あるいは七月の豪雨被害でも、中四国でも、同じような、共通することだと思います。
 一方では、迅速な給水車の配備によって透析治療が当日から可能になった。あるいは、ガスがとまったんですが、都市ガスからLPガスに変換する機器を緊急にガス会社が配備してくださって、予定どおり業務をすることができた。あるいは電源車の配備、そのようなことによって予定手術ができるようになった。そのような、さまざまな今までの数々の私たちが経験してきた災害が、その経験を生かして今回確実に活用されて前に進んでいるなということを実感しております。
 根本厚労大臣は、御地元が福島県ということで、また復興大臣も御経験をなされたことから、震災に関しまして、復旧復興には大きな御経験と思いを持っておられると思います。その見地から、災害時の医療、介護の提供体制の支援のあり方、必要性や、また、早急な復旧の必要性について御意見をお聞かせいただければと思います。
○根本国務大臣 災害の多い我が国において、災害対応あるいはその後の復興支援を行っていくこと、重要な課題だと認識しています。
 委員のお話にもありましたように、私は東日本大震災を地元で体験しました。ちょうどあの時代は私も不覚をとっていたものですから、地元におりました。そして、すぐに郡山市の防災対策アドバイザーを頼まれて、私は災害対策本部に毎日行って、さまざま、特に水道の早期復旧、ライフライン、非常に大事だったし、医療や介護や看護、本当に医療関係者の皆様には献身的な御努力を賜りました。その意味で、この問題がいかに大切か、実感をしております。
 そして、復興大臣になってからは、むしろ復興加速ということで、やはり医療や介護、これが非常に重要なテーマでしたから、この医療や介護体制の復興、これにも魂を据えて取り組んでまいりました。
 今委員のお話にもありましたように、阪神大震災も我々は体験しました。そこで、その後の災害に対応するためにマニュアルを整備してきた。そして、東日本大震災でも新たな課題も出てきましたから、それもきちんとこれからのマニュアルに付加して、ですから、例えばプッシュ型支援というのもどんどん導入してきている。その意味では、災害対応、さまざまな施策、強化されてきていると私は思います。
 ことしに入ってからも、地震や台風、豪雨など、たび重なる災害がありました。医療機関などにおいても断水や停電などの問題が生じて、一刻も早い復旧が求められました。
 一連の災害では、国は、医療機関や介護施設の被災状況を迅速に把握し、例えば本省が直接電話でやりとりする、そしてそれを関係省庁に、関係する機関に伝える。給水や電源車の派遣など、必要な支援は待ったなしで進めてきてまいりました。
 また、一刻も早い復旧復興のため、一連の災害で被災した医療施設等に対する財政的な支援も重要と考えております。
 これからも、私の復興大臣としての経験も生かしながら、災害に強い医療・介護提供体制の構築に努力してまいりたいと思います。
○大隈委員 ありがとうございました。御経験をもとにした貴重な意見を開陳していただけたと思います。
 また、医療施設や介護施設の復旧費用の補助、その件に関して少しお尋ねをしたいと思っております。
 公的医療機関や夜間救急、あるいは在宅当番や僻地医療などの政策医療実施機関、あるいは院内保育所や看護師の宿舎まで含めて、いろいろ条件はございますが、激甚災害以外では二分の一の補助、激甚災害では三分の二の補助がございます。
 一方、介護施設等では、老人ホームやグループホームなどは、国が二分の一、都道府県が四分の一、そして自己負担が四分の一となっておりますが、老健施設や訪問看護ステーションになりますと、これは補助が国の三分の一しかなくて、自己負担が三分の二というふうになっておりまして、なかなか、経営母体が小さいところ、体力的に厳しい施設が少なくないものですから、そういう点では、今回も復旧は厳しいという意見を聞いております。
 特に、六月に地震がありまして、九月に台風と大きな被害が立て続けにあった中で、修繕費がちょうど倍になったとか、二回繰り返した。あるいは、大学病院なんかは、小泉先生にも御視察いただいたんですけれども、修繕費が一億円、今回かかったと。一億円だと、半分自前でやっているわけですから、五千万円。そこに、修繕費には当然消費税が八%かかっているわけですけれども、医療収入として、病院側の収入としての、今度、インカムの方には患者さんの診療費からは消費税をいただけない、いわゆる控除対象外消費税の問題が、ここでも発生しております。
 患者さんや高齢者、あるいは障害者など、いわゆる災害弱者が集まっている医療・介護施設の迅速な復旧というのは、災害対策と地域の復興の私は最初の鍵になるんだと思います。そういう点で、今後、大型化する、あるいは頻発する災害を鑑みて、さらなる補助の増額や柔軟な運用をお願いできればというふうに思っております。
 これらの点を踏まえまして、医療・介護施設の復旧支援の強化について、同じく、ことし七月の西日本豪雨災害を御経験された新谷大臣政務官から、力強い激励のメッセージと御見解をいただけたらと思います。
○新谷大臣政務官 大隈委員におかれましては、私の地元でも大きな被害が発生をしました七月豪雨、これに関しまして質問をいただきましたこと、まずもって御礼を申し上げます。
 私の地元でも、やはりさまざまな施設が被害に遭っておりまして、介護施設の中には、土砂、岩石が流れ込んで、ほとんど施設が使えなくなる、そういったところもございました。県全体におきましても、医療・介護施設において、これは重大な、甚大な被害が発生をしたところでございます。
 被災地における医療・介護施設は地域の重要インフラであることもございまして、やはり一刻も早い復旧が被災地の復興につながる、そのように痛感をした次第でございます。
 平成三十年の七月豪雨を含めまして、一連の医療・介護施設の被害に関しましては、都道府県や地方厚生局を通じて各施設の状況を聞き取り、その上で、今般、平成三十年の補正予算につきまして、災害復旧事業として必要な額を計上した次第でございます。
 また、災害査定業務や提出資料、これらなどの事務手続の簡素化にも取り組んでいるところでございます。被災した施設の一日も早い復旧支援を受けられるように、これに取り組んでいる次第でございます。
 こうした政策を通じまして、私も、みずからの経験も踏まえて、被災自治体と緊密に連携を図りながら、一日も早い施設の復旧を全力で支援してまいりたい、そのように考えております。
 ありがとうございます。
○大隈委員 二番目のテーマに移らせていただきたいと思います。
 今、風疹が流行しているということは、いろいろな報道で委員の皆様も御存じだと思います。関東と愛知県を中心に広まっておりまして、ことしになりまして累計で千八百八十四名、この一週間で百九十二名がふえているというペースでございます。
 先月、驚くことに、これも報道で、アメリカの疾病対策センター、いわゆるCDCが十月二十二日付で、予防接種や過去の感染歴のない、風疹の感染歴のない妊婦さんは日本に渡航をしないように勧告したというニュースがございました。
 CDCのホームページを見ますと、勧告は三段階の中間のレベルツーということでして、これはエボラ出血熱のときもレベルツーだったと思いますので、軽い話ではないぞというふうに考えております。
 風疹は、症状や経過は重篤ではないんですけれども、免疫能のない妊婦さんが感染してしまいますと、生まれてくるお子さんに重たい障害を残してしまいます。いわゆる先天性風疹症候群、CRSと略しますが、大きな問題となっています。
 まず、厚生労働大臣には所見でも触れていただきました。世界でトップクラスの医療制度を誇る我が国で、世界からお客さんを迎える五輪を前にして、アメリカからレベルツーの勧告を出されているというこの現実をどのように認識しておられるか、大口副大臣にお尋ねしたいと思います。
○大口副大臣 大隈委員から御指摘ありましたように、十月の二十二日付で米国疾病予防管理センター、CDCが発出した注意喚起、これは勧告でございますが、レベルツーということでありますが、米国民に対し、日本で風疹が流行しているため、予防接種を受けていない等、風疹に対する免疫がない妊婦は日本への渡航を控えるよう勧めているものでございます。
 前回、二〇一三年、平成二十五年、注意喚起が発出された時点では患者発生数が約一万人を超えており、今回は比較的早期に発出されていると考えています。我々といたしましても、迅速に対応すべきと認識しているところでございます。
 また、現在、国内の風疹の新規患者数は、毎週百五十から二百例程度で推移しております。二〇一三年のように大規模な流行につながるかは動向を注視する必要があるが、妊娠中の女性が感染すると、子供は目や耳等の障害を含む先天性風疹症候群、CRSが生じる可能性があります。まずはそれを防ぐことが重要であると考えております。
 このため、厚労省におきまして、風疹に対する免疫を確認する抗体検査を受けやすくするよう補助を行っており、特に患者数の多い東京、千葉、神奈川、埼玉、愛知で、妊娠を希望する女性に、あるいはその周辺の同居家族を含めて、受けていただくように呼びかけを行っております。
 十月二日に、これは健康局の課長から通知を全国に出させていただいておりますし、また、五の都県にも出しておるわけであります。そして、職域に対しても、これは対策を講ずるようにということで、労働基準監督局の課長通知ということで、都道府県の労働局の労働基準部長宛てに通知を出しているところでございます。
 その上で、風疹に対する抗体価が低いことがわかった方が適切に予防接種を受けられるよう、体制の整備を行っているところであります。二〇二〇年を視野に入れて、しっかりやっていきたいと思います。
○大隈委員 時間が迫ってまいりました。
 この風疹も、本当に、今副大臣の方からお話しいただいたとおりで、皆さん、やらなきゃいけないこと、やるべきことはわかっておられるんだと思います。ただ、なかなかそれが風疹の排除まで至っていないというのは、二〇一三年の大流行のときから余り進んでいないのかもしれません。
 そういう点で、先日、自民党も、小泉厚生労働部会長を中心に、患者さんの御家族の会、風疹をなくそう会、ハンド・イン・ハンドの皆さんと面会をする機会がございましたが、本当にお母さんとしては、つらい、切なる思いというものを聞かせていただきました。
 私たちが一つ気をつけなきゃいけないのは、ワクチンで風疹は予防することができるということと、もう一つは、大体三割弱は、一五%―三〇%は無症状のままで、自分がなったことも気づかないまま治ってしまうものですから、言葉は悪いですけれども、自分がなっちゃって、被害者が加害者になっちゃうということもあるわけですよね。そういう点では、しっかりと風疹の抗体検査をする、免疫の力がなければワクチンを受けるということを徹底していくべきだと思います。
 WHOも厚生労働省も、二〇二〇年までに排除を目標としておられますが、WHOの方では、オーストラリア、マカオ、ブルネイというように、順調に今排除が進んでおりますが、日本には、調べてみますと、抗体検査は無料でやっているけれどもワクチンは助成がないとか、両方とも助成していないというようなところがまだあるんですね。この地域差もなくしていかなきゃいけません。
 日本も、世界的イベントのホスト国にふさわしい対策として、二〇二〇年までに、官民、産学官も全て、オール・ジャパンで力を合わせて風疹の排除を達成するんだというぐらいの力強いメッセージを国内外にいただければと思います。
 その点で、根本厚労相にメッセージをいただきまして質問を終わらせていただきたいと思いますが、よろしくお願いいたします。
○根本国務大臣 もう既に委員からお話がありましたが、厚生労働省では、先天性風疹症候群を防ぐ観点から、全国の都道府県などに対して、妊娠を希望する女性などを対象とした抗体検査の補助事業を行っております。
 現在、三十代から五十代の男性の患者数が多いわけですが、その要因として、風疹に対する抗体価が低い、免疫が弱いことなどが考えられます。このため、厚生労働省では、こうした抗体価が低い方が多い世代も含めるように、抗体検査の補助の対象を拡充し、自治体を支援することを検討しております。
 さらに、まさに二〇二〇年度のお話もありました。今後、効率的、効果的に抗体検査や予防接種ができる全国的な体制を構築し、抗体価の低い方を減らしていくことが重要と考えております。
 さらなる対策について、風疹の感染状況や抗体検査の実施状況、ワクチンの需給状況を踏まえながら、引き続き、しっかりと検討してまいりたいと思います。
○冨岡委員長 時間が来ておりますので。
○大隈委員 ありがとうございました。以上で終わります。
○冨岡委員長 次に、繁本護君。
○繁本委員 自由民主党の繁本護でございます。
 きょう、私からは、働き方改革と関連して入管法の改正案について、そして健康寿命の延伸につきまして歯科医療の充実について、質問を順次させてもらいます。質問の機会に心から感謝を申し上げる次第であります。
 さて、入管法の改正案が昨日の衆議院の本会議で審議入りをいたしました。新たな特定技能外国人の受入れ、そしてその資格、我が国の労働政策に大きな影響があるものですから、大臣に順次所見をお伺いしたいと思います。
 さて、通常国会で成立した働き方改革関連法案は、施行日が来年の四月一日。今回の入管法改正案についても同じであります。
 働き方改革が実現すれば、先ほど大臣の答弁にもありました、働きやすい環境ができる、一億総活躍だ、そして、時間外労働時間が減った分は生産性で補う生産性革命だという議論を我々はずっとやってきたんですね。
 一方、現在、例えば建設業の事例を見ましたら、目の前にオリンピックの需要がある、これがすごく伸びてくる。したがって、建設業も工夫しています、国交省も工夫しています。技能実習生、これを修了した方を対象に、外国人建設就労者受入事業というものも先駆的に始めているわけであります。
 これらの一連の話と外国人を受け入れるという話は密接にかかわりがあって、労働政策の進め方として、まずもって働き方改革がどれほど進んで成果を上げていくか、中小企業者対策、小規模事業者対策、生産性革命がどれだけ進んでいくのかという成果をまず見きわめて、それでもなお必要となる深刻な人材不足は何であって、それをどう補うのか、ここで入管法の改正という議論に入っていくことが、そもそも政策の進め方としては国民にとってわかりやすいのではないかと思うんです。
 施行日が同じであります入管法の改正と働き方改革法案を同時に走らす、なぜこのタイミングで国会に出してくるのか。そして、では、通常国会で働き方改革を議論したときには人手不足は織り込み済みだったのか。この二つの法案についてどう整合性があるのか。わかりやすく国民に大臣から御説明いただきたいと思います。
○根本国務大臣 まず、委員の御指摘の働き方改革関連法、これはもう委員既に御承知のとおりですが、時間外労働の上限規制や多様で柔軟な働き方の実現などにより、働く方々がそれぞれの事情に応じ多様な働き方を選択できる社会の実現を目指しております。人材確保や生産性向上につながるものと考えています。非常にこれは大事だと思います。
 一方で、今回の新たな外国人材の受入れは、生産性向上や国内人材確保のための取組を行ってもなお外国人材の受入れが必要となる分野に限って、一定の専門性、技能を有する外国人を受け入れるものであります。
 新たな受入れ制度については、現下の深刻な人手不足が我が国の経済社会基盤の持続可能性を阻害する可能性があるとの問題意識から、可能な限り早急に制度を実施すべく、来年四月一日の施行を目指しているものと承知をしております。
 人材不足が深刻な分野においては、外国人材の受入れ後も、生産性向上、国内人材確保の取組は引き続き重要なものと考えられますので、このような分野において働き方改革がしっかりと取り組まれるよう、関係省庁とも連携しながら適切に対応していきたいと考えています。
○繁本委員 働き方改革の成果が見える前に、先んじて外国人の受入れをやっていかないといけないという必要性と、その規模、業種などについてはわかりやすい説明と慎重な検討をお願いしたいと思います。
 さて、人手不足が解消された局面での外国人労働者の扱いでありますけれども、きのう衆議院の本会議で総理の答弁を聞いておりましたら、来年四月一日から五年間、向こう五年間の受入れの規模をこれから検討していくということなんですね。
 五年もあれば、世界経済あるいは日本経済というのは、あっという間に想定しなかったような出来事も起きるわけです。実際、我々はリーマン・ショックを経験しました。あのとき厚生労働省は、一気に悪化した雇用情勢を受けて離職を余儀なくされた、そして帰国を決意した日系外国人の皆さんに対して帰国支援金を支給したことがあります。
 日本国の都合で、日本の労働市場の都合で、外国人には貴重な人材として来ていただく。そして、逆に、技術革新だとかあるいは景気が回復する、人口が動態していくということで需給が改善することもあるわけですね。この五年というタームの中で労働需給が変化して逆に人が余った場合に、来ていただいた貴重な人材である外国人への対応をしっかり、日本国としてはわかりやすく明確にしておくことが大事かと思いますが、大臣のお考えをよろしくお願いします。
○根本国務大臣 新たな受入れ制度においては、受け入れられた分野において必要とされる人材が確保されたと認めるときは、外国人材の新規の入国を一時的に停止することができる仕組みが設けられております。
 この受入れ停止の仕組みは、国内雇用への影響の観点から必要なものと考えておりますが、外国人の新規入国を一時的に停止する場合であっても、法務省において、既に在留している外国人の在留を直ちに打ち切り、帰国させるといった対応は想定していないものと承知をしています。
 仮に、新たな在留資格の外国人材が離職を余儀なくされるような場合があれば、受入れ機関や登録支援機関が転職支援を行う方向で検討されていると承知しておりますが、ハローワークにおいても、これら機関と連携し、できる限り速やかな再就職に向けた支援に取り組んでいきたいと思います。
○繁本委員 御答弁ありがとうございました。
 今回、外国人の人材を受け入れざるを得なくなった今の状況と、これまでの、やはり人口政策だとかあるいは少子化対策ということは密接に関係のあるものだと思います。
 今回の入管法の改正は、あくまで恒久法としての提出なんですね。先ほど来御説明あるような、急場しのぎといいますか、緊急避難措置として、本当に必要な部分だけを諸外国から来ていただこうというようなことで臨時特措法でもないんですよ。
 これから先の日本の将来像を考えたときに、未来永劫、特定技能一号、二号の貴重な外国人材に頼るような国づくりを目指すのか、あるいは、将来の人口政策、少子化対策をしっかりやって、僕たちが先祖からあるいは先人から受け継いできた社会は自分たちの手でしっかりと賄っていくんだという国づくりを目指すのかでは、大きく違うと思うんですよ。この点を厚労大臣からぜひお聞かせいただきたいと思うんです。
 大臣は、団塊ジュニアが高齢者となる将来を見据えて、省内に本部を設置されました。実は、私も団塊ジュニアの一人なんです。ぜひ、この点を大臣から御答弁お願いします。
○根本国務大臣 委員もお話がありましたが、要は、少子高齢化、労働力人口減少の壁に立ち向かって日本の活力を維持していく、このためには、高齢者も若者も、男性も女性も、障害者や障害や難病のある方も、誰もが活躍できる社会を実現していく、これが重要だと思います。
 このため、長時間労働の是正などを柱とする働き方改革関連法、これを成立させて、この着実な施行とあわせて、人生百年時代の到来を見据えながら、元気で意欲あふれる高齢者の皆さんが活躍できる環境整備などに取り組むこととしています。
 また、御指摘の少子化の進展、これについては、我が国の社会経済の根幹を揺るがしかねない危機的な状況にあるものと認識しています。
 少子化の要因は、子育ての負担感、孤立感や、若者の経済的不安定さ、あるいは長時間労働、仕事と子育ての両立の難しさなどのさまざまな要因が絡み合っており、こういう要因を一つ一つ取り除いていくことが重要であると思います。
 幼児教育無償化による経済的負担の軽減や、妊娠から子育て期の各段階の不安を解消するための支援など、総合的子育て支援と働き方改革、これを両輪で進めて、一人でも多くの方の結婚や出産の希望がかなえられる社会の実現に向けて取り組んでいきたいと思います。
○繁本委員 大臣、御答弁ありがとうございます。
 やはり、将来的には、少子化対策をしっかりやって、大臣御答弁のあったとおり、若い方々の結婚と出産と子育て、この夢が一つでもかなう、この政策がうまく成功すれば、労働力の面においても随分貢献できる政策であるかと思います。団塊ジュニアの一人として、この点、大臣、御期待を申し上げ、感謝を申し上げたいと思います。
 さて、外国人材に関連する最後の質問でありますけれども、先ほど小林委員の質問の中にもありました若年無業者の数は、総務省の労働力調査を見ると、平成二十九年で五十四万人。いわゆるニートと言われる方々であります。
 やはり、小林委員の御指摘のとおり、私も、外国人材に頼る、そういった状況よりも、我々日本国に住む日本人がしっかりと働いて、汗を流してこの社会を支えていくんだという国づくりが大事かと思います。
 日本人労働者の活用、もう既に大臣から御答弁ありましたけれども、ぜひ、日本人全体に、これは、大臣、政治家として、よし、元気いっぱい働いて、我々のふるさとと国づくり、頑張っていこうじゃないかという気概を奮い立たせていただくようなメッセージを、きょうのこの委員会に限らず、大臣在任中にどんどん発信していただきたいと思いますけれども、この点について大臣のお言葉をお願いいたします。
○根本国務大臣 先ほども申し上げましたが、我が国は、急激な少子高齢化が進む中で、今までは、二〇二五年以前は高齢者の急増の時代でした。これからは現役世代の急減に直面してまいります。
 このため、働き方改革関連法の施行を通じて、長時間労働を是正して、子育てや介護を抱える方の活躍を進めるとともに、非正規雇用で働く方の処遇改善を図っていきたいと思います。
 さらに、今お話がありましたように、国民誰もがより長く元気に活躍できるように、私を本部長とする、二〇四〇年を展望した社会保障・働き方改革本部を省内に設置しました。
 具体的には、二点申し上げたいと思いますが、高齢者の雇用機会のさらなる拡大に向けた取組、そして就職氷河期世代の就職支援、自立支援などの多様な就労、社会参加に向けた環境整備。それと同時に、就労や社会参加の前提となる健康寿命を延ばしていく。さらに、医療、介護、第四次産業革命ですから、生産性の向上も図っていくという形で進めていきたいと思います。
 これらを通じて、我が国にいらっしゃる全ての方がより一層意欲を持って活躍できる社会を目指していきたいと思います。
○繁本委員 大臣、御答弁ありがとうございました。
 時間が迫っておりますので、次の質問に移りたいと思います。
 健康寿命の延伸に関連して、歯科医療のことであります。
 昨年の十月の総選挙で、我々は、八%から一〇%に上がる消費税の使い方については、三党合意をやったときのルールを変えて、借金の返済よりもむしろ子育て、少子化、そこに光と予算を当てていこうということで、選挙で国民の信託をいただいて、今、政権そして与党として活動させていただいているわけであります。
 これまでの医療、介護あるいは年金、そのサービスや量的なものも含めて、決して社会保障の質を落とすことなく、一方で子育て世代への財源を確保する、その両方を一緒にやっていくためには、やはり社会保障予算の抑制あるいは制度改革が必要になってくるかと思います。
 ただ、ことしも今年度予算で三十三兆円の社会保障費が組まれていますけれども、制度改正による努力、これは絶対大事で、進めていかなくてはなりませんが、やはり、大臣の所信にもありましたとおり、一人一人が健康をみずから大事にして医療費そのものを抑制していく、予防も頑張っていく、こういった観点から社会保障費を抑えていかなくちゃいけない。私は、その取組の中で最も大事なのが歯科医療あるいは口腔ケアの充実だというふうに思っております。
 ことしの骨太の方針も、二年連続で歯科医療の充実について記述をしていただきました。特にことしは、医科歯科連携という表現も使っていただいて、一歩も二歩も踏み込んだ方針を骨太として出していただいたと思っております。
 医師会あるいは歯科医師の先生、歯科衛生士さん含めて歯科医療人全体で、既にもう八〇二〇運動というのが有名であります、八十歳になったときにみずからの歯を二十本保とう、これが全身の健康につながるということがとても大事、これは国民運動としてこれからもやっていかなくてはなりません。そのための歯科健診ですとか、あるいは口腔ケアもすごく大事であります。歯周病菌と認知症の関連であるとか、あるいは口腔ケアと運動機能の関連であるとか、痴呆症との関連とか、もうエビデンスは統計学的に相当出ているのが現状であります。
 自分の歯で物を食べて、そしゃくして栄養を取り込んでいくという最も人間らしい機能を生涯にわたって、子供のうちからお年寄りになるまで維持していくことが、結果として一人一人の健康と幸せにつながって、医療費の削減、介護費の削減につながるんだということが大事なんですが、先般、大臣の所信の中でこの歯科医療のことが触れられなかったものですから、ぜひここで大臣から、歯科医療の大切さ、これからやるぜという意気込みをお聞かせいただきたいと思います。
○根本国務大臣 私も歯科医療は非常に大事だと思っております。
 私が厚生政務次官のころだったと思います。口腔ケアと全身の健康は非常に密接な関係にあるんだ、そういう調査もやっていた時代、やり始めた時代だったと思います。あのとき聞いたのは、寝たきりの高齢者が入れ歯をしたら突然立ち上がったんだ、こういう話も聞きました。
 委員がおっしゃるとおり、近年、高齢者に対する口腔ケアが誤嚥性肺炎の発症予防になる、あるいは、入れ歯の治療によって栄養状態が改善するなど報告されておりまして、口腔の健康は全身の健康にもつながるものとして、健康寿命の延伸にとっては極めて重要であると認識しております。
 これまでも、歯科疾患の予防や早期発見、早期治療を進めるための各年代に必要な歯科健診や歯科保健指導を実施する、歯科疾患だけではなく全身疾患がある患者に対する医師と連携した歯科医療の提供、要介護者に対する口腔管理の実施などを通じて、歯科保健診療の充実を図ってきたところであります。
 経済財政運営と改革の基本方針、骨太方針の中でも、歯科保健医療の充実が盛り込まれておりますので、引き続き、生涯を通じた歯科保健医療の充実に向けてしっかりと取り組んでいきたいと思います。
○繁本委員 政務官時代からの取組も御紹介いただいて、これからその充実に向けた御答弁、本当に感謝を申し上げたいと思います。
 大臣、オノマトペという言葉がありまして、物を食べるときにレタスをしゃきしゃき食べるとか、こういう食べるときの歯応えだとかを言葉で表現する民族は世界の中でも日本人だけで、珍しいことなんですよね。このオノマトペを意識しながらよくかんで食べるだけで、私は二週間で実は二キロ痩せたんですけれども、肥満にもいいということで、極めて実践的で、日々、我々一人一人ができる国民運動なんですよ。これをぜひ広げていく必要があると思います。
 そして、その先に我々が守るべきものは、きょう、社会保障予算の抑制だとかそういうことを申し上げましたけれども、やはり安心していつでも良質な医療サービスや介護サービスを受けることのできる国民皆保険制度を守るということにもつながるわけですね。この厚生労働委員会でも、そのことについて私もこれまで触れてまいりましたけれども、国民皆保険制度を守り抜くためにも、今、医療費のうち歯科医療に投入しているのは数%、六、七%だと思います、この予算の増額も含めて、今後とも歯科医療の充実に向けてよろしくお願いを申し上げまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
○冨岡委員長 次に、高木美智代君。
○高木(美)委員 公明党の高木美智代でございます。
 まずは、根本大臣、そして副大臣、政務官の皆様、御就任おめでとうございます。
 私も、四百二十余日間、副大臣として厚生労働委員会の委員の皆様に御指導、御協力を賜り、また、厚労省の皆様に支えていただきまして、感謝をさせていただいている次第でございます。攻守場を変えるという言葉がございますが、本日は、実はこの席に立たせていただきますのは八年ぶりのことでございまして、少し緊張いたしております。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 まず、今国会で既に、大阪北部地震を始め災害に対応するための補正予算が全会一致で成立をしております。今後の防災、減災への取組の重要性は増すばかりというのは共通した認識と思っております。
 我が党は、今後、防災、減災を政治の主流にしていくということを目指しております。
 総理は、十月十五日の臨時閣議におきまして、国民的関心事となっている防災、減災、国土強靱化のための緊急対策を更にしっかりと講じてまいりますと御発言されております。
 これまでの災害を見ましても、水道施設、そして病院の給水、電源の確保、また福祉施設等の整備が急務でありまして、緊急対策に盛り込んでいく準備が必要と考えております。
 その取組状況と、大臣の意気込みをまずお伺いしたいと思います。
○根本国務大臣 委員おっしゃるように、防災、減災への取組、これは重要性を増すばかりだと思います。
 ことし、各地で災害が発生し、国民生活に多大な影響を及ぼす事態を招きました。例えば、西日本を中心とした豪雨の際は、浄水場が被災し長期にわたる断水が生じ、また、北海道胆振東部地震の際には、道全域での停電によって配水のためのポンプが停止し断水が発生したり、病院が自家発電設備の燃料補給等を受ける必要が生じました。
 このため、現在、水道施設の土砂災害などへの対応状況や、水道管路の耐震化状況、災害拠点病院などにおける給水設備や自家発電設備の整備状況などについて緊急点検を実施しております。
 今後、点検結果などを踏まえて、政府全体の緊急対策をまとめることとしておりまして、厚生労働省としても、委員のお話のように、防災、減災、国土強靱化のための取組をしっかりと進めていきたいと思います。
○高木(美)委員 改めて、私もこの夏は、断水の御家庭はあと何戸何戸という、それを毎日毎日確認する日々であったことを今思い浮かべております。
 さらに、高齢者、障害者、また妊産婦の方など、特別な配慮が必要な要援護者のための福祉避難所が少ないと聞いております。また、先般もそのような報道があったところです。高齢化により対象者が増加をしているという中にありまして、福祉避難所の指定や整備は急務であると考えております。
 現状と、指定促進に向けての見解を伺います。
○米澤政府参考人 お答え申し上げます。
 現時点で内閣府が把握しております指定避難所の箇所数は約六万九千カ所でございますが、そのうち福祉避難所につきましては約八千カ所となってございます。
 内閣府が市町村向けに公表しております福祉避難所の確保・運営ガイドラインにおきましては、福祉避難所の対象となる方の概数や現況等を踏まえまして福祉避難所の指定目標を設定するように、市町村に対してお願いをしているところでございます。
 なお、要配慮者の方の中には、例えば、一般の避難所に滞在したいという方もいらっしゃいますので、指定の考え方は市町村によってさまざまであるというふうに存じますが、少なくとも、福祉避難所として指定されている箇所が一割であることを踏まえますと、まだ指定促進が必要であるというふうに認識してございます。
 いずれにいたしましても、内閣府といたしましては、市町村に対しまして、支援を必要としている要配慮者の方々が支援を受けられるよう、ガイドラインの周知に努めるとともに、防災基本計画等に基づきまして、引き続き、福祉避難所の指定促進に努めてまいりたいと考えてございます。
○高木(美)委員 本来は、指定避難所イコール福祉避難機能を持つという福祉避難所の整備が急務であると思っております。また、このことにつきましては、昨日もさまざまお話を伺いましたが、もう少し、これは促進をする必要があると思いますので、また今後取り組ませていただきまして、改めて質問をさせていただきたいと思います。
 審議官、どうぞ、これで終わりですので、御退席くださって結構です。ありがとうございます。
 実は公明党で、この春から夏にかけまして、百万人訪問・調査運動というのを展開してまいりました。地方議員一人一人が、利用される、例えば介護、医療、そして子育て支援、中小企業など、こうした当事者の方たちの話を聞きながらまとめてきた運動でございますけれども、特に介護の分野につきましては、介護従事者の処遇改善、また認知症対策を求める声が大変多かったというのが結果でございます。
 また、私は、そうしたことも踏まえまして、この半年間、東京の区や市、約十五カ所になりますが、そこで介護事業者の方たちと、毎回三十人から五十人くらい、ずっと懇談を続けてまいりました。そこで受ける御要望の第一は、極めて深刻な人材不足への対応を求めるものでした。
 特に、全国平均の有効求人倍率、これは八月のデータですが、三・九七、そしてまた、東京におきましては六・九七という数字なんですが、実感としては、もう皆様、九を超えているという実感を語っていらっしゃいます。こうした中で、この処遇改善について、やはり期待の声は大きなものがあります。
 昨年十二月に閣議決定された新しい経済政策パッケージ、その中には、「他の介護職員などの処遇改善にこの処遇改善の収入を充てることができるよう柔軟な運用を認めることを前提に、」この前提の文章が案では後ろになっていたのを、それを前に持ってきたというのが、実は前大臣の判断でございまして、そこで、「介護サービス事業所における勤続年数十年以上の介護福祉士について月額平均八万円相当の処遇改善を行うことを算定根拠に、公費一千億円程度を投じ、処遇改善を行う。」このようにあるわけです。
 しかし、現場では、十年勤続八万円、この情報が走って、他の職種も処遇改善の対象になるということが余り知られていないという実感でした。また、十年以上でなければだめなのかとか、八万円が基準なのかとか、また、他の事務員にどの程度支給できるのかとか、さまざまな声があったところです。
 この処遇改善について、現在の検討状況、また議論の方向性について伺いたいと思います。
○大島政府参考人 社会保障審議会介護給付費分科会というのがございまして、そちらで今、新しい経済政策パッケージで定められました処遇改善の内容を具体化するための検討を九月から行っているところでございます。
 今この分科会でどういう議論が行われているかということでございますが、一つは、まずは、経験、技能のある介護職員に重点化しつつ、介護職員全般の処遇改善を行っていくということを基本としていくということを確認しております。
 その上で、事業所内での配分に際しては、その趣旨を損なわない範囲で、他の職種も一定程度処遇改善を行うこととしてはどうか、あるいは、経験、技能がある介護職員に重点化といいますが、その範囲につきまして、必ずしも勤続十年以上の介護福祉士に限定するのではなく、そこを基本としつつ、一定程度柔軟に運用できることとしてはどうかといった議論が行われておりまして、当然、介護職員全般にも効果が及び得るものであり、今回は他の職種にも効果が及び得るという形での議論が今行われておりまして、今後更にこの議論を重ねまして、具体的な案を年内をめどに取りまとめていきたいと考えております。
○高木(美)委員 恐らく、介護ということですので、当然、こうした介護職員、特にヘルパーさんとか、また介護福祉士であるとか、そういう方たちがいる事業所というのが限定になるかと思いますけれども、そのほかのところにも、次の介護報酬の改定であるとか何らかの形でこうした処遇改善の効果が同様に及ぶことができるように、強く要望をさせていただきたいと思います。
 あわせて、今お話がありましたように、できるだけ重点化しつつ他の職種にもというお話ですが、事業所においては、やはりそこの配分方法をある程度柔軟に渡してほしいという強い要望もあります。ここが、きっちりこの数字じゃなければいけない、そういうふうに厳しく線引きをしていくのか。それとも、もう少し、今まで事業所で努力をしてきた配分方法についての、また、今までお渡ししてきた支給額についての現状、これまでの努力、そうしたものを勘案しながら、ある程度柔軟に進めていただきますことを要望したいと思います。
 老健局長、以上ですので、どうぞ、ありがとうございます。済みません、ちょっともう一問だけ大臣にありますので、お聞きいただければと思います。
 また、あわせて、事務負担の軽減につきましても強い要望があります。これは生産性向上にも資する重要な点だと思っております。
 業務上、各種届出など膨大な書類の作成が求められている。また、事業所における記録文書もある。その事務負担の軽減を求める声も多くあります。こうした申請書類が煩雑なために加算を受けないという事業所も、実は少なからずあるということも認識をいたしました。書類の簡素化であるとか、またそのためのデジタル化であるとか、介護分野の生産性向上を全力で応援をし、促進する必要があると考えております。
 特に、標準化につきましても進めていく必要があると思っておりまして、これはデジタル化が進めばそれも可能になると思いますが、例えば、一つの事業所がさまざまな自治体にまたがって事業を展開する場合、こちらの書類とこちらの自治体に出す書類と、全部ばらばらである、こういうところにつきましても国の標準化ということを進める必要があろうかと思います。
 デジタル化というところに、そうしたことも含めて検討を急いでいただきたいと思いますが、大口副大臣の答弁を求めます。
○大口副大臣 高木美智代委員にお答えをさせていただきます。
 介護分野においては、介護労働力の制約が強まる中で、高齢化の進展に伴うサービスの量的な拡大を図る必要があり、介護現場の業務の効率化と生産性の向上は喫緊の課題であることはもう御指摘のとおりでございます。
 まず、書類の簡素化につきましては、行政が事業所に求める文書及び事業所が独自に作成する文書を含め、文書半減を目指した取組を進めているところでございます。
 今年度は、第一弾の取組として、本年十月より、事業所指定申請の関係書類の簡素化を実施しております。さらに、第二弾といたしまして、介護報酬請求や指導監査の関係書類の簡素化に向けて検討を開始しておりまして、来年度早々にでも、早い段階にしっかりやっていきたい、こう思っております。
 ICT化につきましては、経済産業省の補助金であるIT導入補助金がございます。これを介護事業者も積極的に活用していただくべく、経済産業省と連携して、介護事業団体への説明や自治体への周知を図っているところでございます。
 今、三次の、三期の数字を見てみますと、採択件数が三万四千二百六十七なんですが、社会保険、社会福祉、介護のところは千二百三十一件ということで、建設や製造や、あるいは卸、小売と比べますと件数が少ないということでございますので、しっかりこれも力を入れていきたいと思います。
 さらに、今年度から、新たな取組として、先駆的な介護事業者における取組を踏まえて、介護現場の生産性の向上の指針となる生産性向上ガイドラインの作成を行っているところであり、今後、これを活用して好事例の横展開を図ってまいりたいと思います。
 十一月の二日に私も都内の特養を見させていただきまして、骨伝導型のインカムを使って、またセンサーも、見守りセンサー、あるいは、コミュニケーションロボットを介す方法をやられているということで、こういう取組をしっかり推進してまいりたいと思います。
 以上です。
○高木(美)委員 やはり、なかなか中小・小規模事業者に届かないという状況があります。特に、ICT化につきましては、それができればもっと小規模な事業所が楽になるのに、そういうところも目の当たりにしてきましたが、そうしたシステムについて勉強する時間もない、見に行く時間もない、そこに派遣する人もいない、そういう苦しい中で展開をされているという事業所も多くあります。そうした中小・小規模事業者に対してぜひとも目配りをしていただきながら、ここがボトムアップしていきませんと、こうしたシステムの統一等につきましても進まないと思っておりますので、更に抜本的な対策を講じていただくように強く求めたいと思います。
 局長、どうぞ。大島局長、ありがとうございました。
 次に、児童虐待対策と思いましたが、ちょっと時間がなくなりましたので、一問、済みません、これはまた次回にさせていただきまして、障害者雇用の問題に移らせていただきたいと思います。
 障害者雇用数の不適切計上問題につきましては、私もこの十数年、障害者政策にずっと携わってまいりまして、地域で普通に暮らせる共生社会の実現に向けて懸命に働いてきたつもりでございます。むしろ、議員立法をさまざまつくり、そしてまた閣法を成立させ、その数は恐らく二十本近くになるというふうに思っております。
 その中で、最も範を示すべき国や地方自治体のこのお粗末な現状を目の当たりにいたしまして、怒り心頭といいますか、本当にあきれて、愕然とする思いというのが私の率直な実感でございます。
 そこで、公明党は、この問題に対応するために、八月三十日、桝屋議員を本部長としまして、行政機関等における障がい者雇用対策本部を設置いたしまして、障害者団体六団体、また、障害者の就労支援に取り組む四団体と意見交換を重ね、さらに、知的障害者の正規雇用などに取り組む静岡県庁を視察し、そうした精力的な議論も重ねまして緊急提言を取りまとめ、十月十七日、関係府省連絡会議議長である根本大臣に申入れをさせていただきました。政府がまとめた基本方針には、その多くが盛り込まれたところでございます。
 そこで、まず大臣にお伺いしたいと思います。
 この検証委員会の報告書、私もつぶさに読ませていただきました。厚生労働省に対して、例えば、厚生労働省側の国の行政機関の実態についての関心の低さ、制度改正等を踏まえた障害者の範囲や確認方法等につき周知するに当たっての不手際、それに加えて、各機関側の障害者雇用に係る意識の低さ、ルールの理解の欠如、ずさんな対応が相まって、このような大規模な不適切計上が長年にわたって継続するに至ったものと言わざるを得ない、こうしたたび重なる厳しい指摘がなされております。私も、副大臣を経験させていただいた一人といたしまして、自身の責任も痛感しながら読んだわけでございます。
 この報告書に関する大臣の率直な受けとめを伺いたいと思います。
○根本国務大臣 委員お話しのように、公明党の皆様から、委員を中心に、貴重な緊急提言をいただきました。我々、それも踏まえて基本方針に反映させていただいたところでもあります。
 今の御質問ですが、国の行政機関における障害者雇用に関する今般の事案については、第三者の検討委員会を立ち上げ、しっかりと検証していただきました。検証委員会は、福岡高検の検事長も務められた松井委員長をトップに、弁護士等の有識者から構成され、第三者の立場から専門的な知見で検証をいただきました。
 報告書において、厚生労働省、職業安定局の問題と各行政機関側の問題とが相まって、大規模な不適切計上が長年にわたって継続するに至ったものと言わざるを得ないと指摘されたことは、まことに遺憾であります。
 特に、厚生労働省の問題として、委員のお話にもありましたが、国の行政機関における障害者雇用の実態に対する関心の低さが根本的な問題としてあり、民間事業主に対する指導に重点が置かれ、国の行政機関で適切に対象障害者が雇用されているかの実態把握の努力をしなかったこと、制度改正等を踏まえた障害者の範囲や確認方法などについての周知などに不手際があったことなどの指摘については、重く受けとめております。
 制度所管省として、国における障害者雇用の促進にしっかりとした役割が果たせるよう、法の理念に立ち返り、公的部門における障害者雇用に関する基本方針に沿って、不適切計上の再発防止に努めることはもとより、組織全体として障害者雇用を推進するという意識を徹底し、取組を強化してまいりたいと思います。
○高木(美)委員 今大臣から御指摘がありましたとおり、そうしたことを踏まえて、十月二十三日に基本方針が関係閣僚会議で決定されたわけです。その実行に向けまして、何点か明らかにさせていただきたいと思います。
 初めに、再発防止に向けまして、我が党の提言でも、厚生労働省が中心となって政府全体の取組として実施される必要があり、政府全体の体制づくりが必要としております。また、検証委員会の報告書でも、これは抜粋になりますが、適切な障害者雇用に向けての取組のための国の行政機関における障害者雇用の実態把握と指導、環境の整備など各般の対策を求めております。
 私は、この中でも、大臣へのお申入れの際にも申し上げさせていただきましたが、指導というこの検証委員会の報告書の言葉に注目をいたしました。指導監督という、厚労省に権限がなければ、また司令塔としてのそうしたものがなければ、各府省の取組についても単なる報告を受けるだけ、それぞれが公表するだけということでは、その中身もチェックすることはできないと思っております。
 そこで、この基本方針の中に、「障害者の任免状況に関するチェック機能の強化について、引き続き、法的整備を視野に入れた検討を行う」とあります。厚労省としてどのように法的整備について検討をしているのか、具体的な検討状況について伺います。
○土屋政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘のございました基本方針におきましては、今般の事態の検証を踏まえた再発防止策といたしまして、厚生労働省は、各府省から通報される任免状況に関して、各府省が保存する通報対象となる障害者の名簿や手帳の写しなどの関係書類について必要な調査を行い、通報対象となる障害者の範囲やその確認方法などの実務が適切に実施されているかを確認するとまず書いてございまして、その上で、厚生労働大臣による国の行政機関などにおける障害者の任免状況に関するチェック機能の強化について、引き続き、法的整備を視野に入れた検討を行うというふうに記載をしているところでございます。
 こういった基本方針の内容を踏まえまして、今御指摘のあった必要な法的整備について、今後、労働政策審議会の障害者雇用分科会において検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
○高木(美)委員 それは、法律としては障害者雇用促進法になるんでしょうか。
○土屋政府参考人 法的整備を行う対象というのは、今御指摘のとおり、障害者雇用促進法が念頭に置かれることになるというふうに思っております。
○高木(美)委員 次に、我が党の提言の中でも、採用計画について、数合わせの拙速な対応は厳に慎み、各府省ごとに不足数などの実態が大きくなっていることから、本年度中に早急に取り組むべき項目、また明年十二月までに取り組むべき項目、さらに中長期的項目と整理して取組を進めるべきとあります。
 就労支援に取り組んできた多くの関係者からは、環境整備は一朝一夕にはできません、人数が多い省庁については少なくとも三年、できれば五年くらいかけて進めるべき人数ではないか、定着を丁寧に進めてもらいたい、採用したはいいけれども、その後離職をせざるを得ないというのは双方にとって不幸です、こうした多くの声をいただいております。
 具体的にどのように進めるのか、大臣に伺います。
○根本国務大臣 今般、多くの府省における対象障害者の不適切な計上により、法定雇用率を達成していないことが明らかとなり、国民や民間事業主の不信を招く事態となっていることから、できるだけ速やかに法定雇用率の達成に向けて取り組む必要があると考えております。
 障害者雇用促進法においては、法定雇用率を達成していない公的機関は、年内の達成が難しい場合には法定雇用率の達成に向けた障害者採用計画をつくらなければならないとされており、その計画期間は、関係法令により、一年とされております。
 厚生労働省としては、各府省の採用計画が着実に進捗するよう、基本方針に基づいて、障害者雇用に精通したアドバイザーを選任し、各府省が専門的な助言を受けることができる体制の整備を図るとともに、ハローワークにおける積極的な職業紹介などによって各府省の取組を最大限支援してまいりたいと思います。
 約四千人の障害者を平成三十一年末までに採用すること、これは容易なことではありませんし、相当な困難を伴う面もありますが、まずは関係法令に沿って取組を開始し、進捗状況や課題について関係閣僚会議などでフォローアップしながら、政府一体となって取り組んでいきたいと思います。
 その上で、なお法定雇用率を達成できない府省がある場合には、その要因や課題を検証した上で、具体的な取組を再検討し、新たな採用計画を策定して進めてまいりたいと思います。
○高木(美)委員 丁寧にしっかりと進めていただきたいと思います。そのためには、やはり、各府省それぞれにおいて、業務内容、どういう仕事を障害者に託していくのか、当然、障害の特性に応じた考え方も必要だと思います。また、職場での環境整備、全く今まで障害者に触れ合ったこともないようなそういう職員のもとに、公務員のもとに障害者が入るということに対して、これをどのように考えていくのか、そうした環境整備、接し方も含めて考える必要があると思います。また、相談体制、また定着支援体制など、こうした整備が急務と思います。そのために、例えば、それぞれの各府省において担当者を定めていく、またその方に研修をきちんと受けていただく、そうした整備も必要かと思います。
 各府省ともに、総合的な支援体制を今後どのように進めていくのか、今後の取組について伺いたいと思います。
○土屋政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘の点につきましては、基本方針におきまして、厚生労働省としての各府省に対する支援として、先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、専門のアドバイザーを選任して、障害者が活躍できる業務の選定であるとか、働きやすい職場環境づくり、あるいは障害特性に応じた雇用管理などにつきまして助言を申し上げる体制を整備することのほか、障害者雇用の基礎知識やノウハウにつきまして、各種マニュアル、ガイドブック、あるいは障害者雇用セミナーという場を通じてさまざま提供するとともに、やはり、御指摘にありましたように、人事担当者や、障害者の方々と一緒に働く同僚とか上司の障害に対する理解を進めていくことが何より重要だと考えておりますので、こういったことを進めるためのセミナー、講習会などの開催もやって各省の取組を支援していくことを考えているところでございます。
 また、基本方針において、各府省の体制づくりという意味におきましては、障害者雇用の推進に関する実務責任者を人事担当部局の職員の中から選任をしていただくとか、関係部局の職員で構成する障害者雇用推進チームを設置する、あるいは障害者の方が働く部署の人事担当者から相談に応じられるような外部人材の委嘱などを行うとともに、働く障害者の方向けの相談窓口を設置するなどの体制整備について記載をしているところでございまして、こういった各府省の取組を進めていくための必要な支援も私どもからしっかりと申し上げたいというふうに考えているところでございます。
○高木(美)委員 ありがとうございました。
 ぜひとも、大臣始め皆様には、こうした雇用の現場をしっかりと見ていただきまして、その積み重ねの中から実感のある、また現場に沿った支援をしていただきますようお願いを申し上げまして、終わります。
 ありがとうございました。
○冨岡委員長 次に、阿部知子君。
○阿部委員 立憲民主党の阿部知子です。
 本日は、初めて厚生労働大臣である根本大臣に御質問をさせていただきますが、根本大臣にあっては、第二次安倍政権では復興担当をなさっておられて、特に福島の御出身でもございますし、もう七年以上になります東京電力福島第一原発事故後、福島でいろいろな形で仕事をされている方々、特にそうした皆さんの労働安全行政、労働者保護という観点でぜひ陣頭指揮をとっていただきたいと思いまして、御質問をさせていただきます。
 まず一問目でございますが、今、国会は、新たな外国人の在留資格、特定技能一号と称するんでしょうか、そういうものを導入するということで、昨日、本会議もございましたが、そもそも、その前提として、現在、技能実習制度という形で技能実習をしておられる方の存在があって、その方々の遇され方がどうであるかという問題も大きいと思います。
 私が一点目でお伺いしたいのは、既に大臣も御存じのことと思いますが、本年三月六日の日経新聞の報道をきっかけに、技能実習生が福島で除染作業に従事しておったということが発覚をいたしまして、果たして技能実習で除染というのはやるような仕事なんだろうか。祖国に帰ってそれを祖国で役立てると申しましても、除染という放射能の散逸した状態を集めて処理するなどは、そうそうその母国、祖国で必要とされる業務でもないでしょうし。
 この技能実習生に除染作業を行わせたということ、実は、これが発覚いたしましたのは新聞記事ですが、もともとは、このベトナムから来られた技能実習生が、自分の言われた作業の現場に行ったけれども、何か知らない器械がピッピピッピ鳴っていて、線量計だと思いますね、何のところだろう、どんな作業をするんだろうという不安を社長に訴えたけれども、日本人もやっているんだから大丈夫だということでありましたが、どうしても不安だったこの実習生が支援団体のところに駆け込んで、そこから労組、労働組合に相談があってということで発覚をしております。
 一問目、法務省に伺いますが、そもそもは、技能実習につきましては、受入れ事業者とそれから実習生の双方のいろいろな問題を調整するために監理団体があると思うんですけれども、なぜこの実習生の場合は、監理団体というものが機能しておらなかったのか。普通は、疑問があったり不安を覚えれば監理団体に行くべく監理団体がつくられているのだと思いますが、なぜ監理団体ではなく外に助けを求めたと考えられるんでしょうか。御答弁をお願いします。
○門山大臣政務官 お答えいたします。
 監理団体は、技能実習生からの相談に適切に応じることがもちろん想定されております。その意味で、仮に技能実習生が監理団体に必要な相談ができず、他団体に相談しなければならないような状況が発生しているようであれば、それは問題であり、また、まことに遺憾でございます。
 そのような問題に対応するべく、昨年十一月から施行された新しい技能実習制度におきましては、新たに設立された外国人技能実習機構を通じて、相談窓口の整備を始めとするさまざまな技能実習生に対する支援策を進めてきております。
 引き続き、これらの取組を通じて技能実習制度の適正な運用に努めてまいります。
○阿部委員 確かに、昨年の十一月、法改正がされて外国人技能実習管理機構はできましたが、監理団体は現在でもあるわけです。
 ちょっと話はそれますが、たくさんの失踪者が出ている問題も、私は同じところにあると思うんです。まず、監理団体というものが十分機能しているのかをこの一つの事案から点検していただきたいです。これは、具体的に誰とわかっていて、どこが監理団体かというのも、もう新聞報道されましたから、わかっておるわけです。
 抽象的に屋上屋を重ねるのではなくて、現状起きていることから、外国から来られてこの国で技能実習している、でも言葉も通じない、怖いと思ったときに、どこにどうやって行けたのかという一つの例になりますので、きょう御答弁は御用意ないと思いますが、実際に検証していただきたい。非常に重要なことだと思います。
 御答弁、どうですか。検証していただけますか、具体的にこの事案に即して。
○金子政府参考人 御指摘のような事案が発生してしまったということで、そこに何か制度的な問題があったのではないかという検証を当然しなきゃいけないと思っています。
 一部ですが、そのような反省の上で、外国人技能実習機構等を創設して、そこを通じたいろいろな相談の窓口をつくったり、あるいは監理団体への指導等も考えて進めているところでございます。
 また、今後、今御提案申し上げている出入国在留管理庁の創設がお認めいただけましたら、またそこの強化された体制を通じまして監理団体への指導をきちんとしてまいりたいというふうに思います。
○阿部委員 これからにして抽象的にしてはだめなんですよ、実際起きたんだから。この事案に即して調べて、一つからわかってくることっていっぱいあると思うんです。
 どうでしょう、政務官、この事案について可能な限り調べていただけませんか。政治の答えをお願いします。官僚は官僚で答えたでしょう。でも、政治の答えを聞いています。
○門山大臣政務官 貴重な御指摘、どうもありがとうございます。
 我々としましても、こういう遺憾な事例が生じているということは真摯に受けとめ、これからどのように対応できるか、しっかりと検討してまいりたい、そのように考えております。
○阿部委員 やや抽象的でしたけれども、個別の事案にというところ、大臣もお聞きいただけたかと思いますので、これは単に法務省だけの問題ではなくて、やはり労働の、そして、つかせてはいけない労働実習をさせたということで、厚生労働省にも深くかかわっておりますので、心にとめて実施していただきたい。
 あわせて、私が今、なぜ監理団体にこのベトナム人の方が自分の不安を訴えなかったんだろうということを指摘しましたが、同時に、厚生労働省資料によれば、実は、技能実習生の受入れ機関、四万七千五百あり、そのうちの五千九百六十六機関がさまざまな基準法令違反で指導監督を受けておりますが、そのうち何と七〇・八%に当たる四千二百二十六機関が労働基準関係法令違反なんです。法令違反は数あれど、七割が労働基準関連法案、労働関連法案の違反なんですね。
 私は、この技能実習制度においてもそうですが、法務省、監理団体というところへ任せっきりにしないで、やはり厚生労働省が、労働実態なんですから、もっときちんと関与すべきだと思います。例えば労働基準監督署だってそういう役割を担わなきゃいけないかもしれません。
 今、私は大ぐくりに申しましたが、このような実態が厚労省にも把握されていない。技能実習制度で除染をやっていた、あるいは、これから後に質疑にあるでしょうが、長時間労働とかいろいろあります、そういうこと。やはり技能実習制度も、厚生労働省が、外国人の就労の実態の管理なんだと、就労とは言いませんが、実習と言いますが、その点で認識していただけるかどうか、根本大臣にお願いします。
○根本国務大臣 委員の御紹介にもありましたが、労働基準監督署においては、平成二十九年の一年間において、外国人技能実習生を雇用する事業者、約四万八千の実習実施者がありますが、その四万八千の実習実施者のうち五千九百六十六事業者に対して監督指導を実施し、その結果、今お話にありましたが、七〇・八%に当たる四千二百二十六事業場で労働基準関係法令違反が認められました。
 技能実習生が日本で安心して働くことができる環境の確保、これは重要な課題であると認識しております。労働基準監督署による監督指導などにより実習実施者への重点的な指導を行って、そして、外国人技能実習機構などとも連携しながら、技能実習生の適正な労働条件と安全衛生の確保に向けてしっかりと取り組んでいきたいと思います。
○阿部委員 これだけの労働関連法制違反があるって、異常です。こんな、いろいろな職種がありますが、こういうことはないわけで、しっかりと今の大臣の御答弁を生かしていただきたい。
 そして、それはこれから始まると言われる外国人の新たな在留資格においても同様です。祖国を離れて、語学のなかなか通じない中、自分の労働者としての権利がどう担保されているかが本当に、サポートする、もっと強力な厚生労働省側のサポートが必要と思います。
 続いて、除染に戻らせていただきますが、こうした不適切な除染という実態は果たしてこのベトナム人の留学生だけだったんだろうかということで、その後、法務省の入国管理局が調査を行わせて、それとあわせて技能実習管理機構も調査を行うところとなりましたが、とりあえず、前々からの法務省の入国管理局が調査を行わせて、四社だったというふうに発表をされております。
 千十八社を対象に調査した結果、四社であるということですが、そもそも、実は一体どれくらいの会社が、あるいはどれくらいの人々が除染にかかわっているのかという、その全体像が全く私は見えていないと思います。
 ここを厚生労働省に伺いますが、厚生労働省が所管する除染電離則、除染にかかわるときは電離則という法律がありますが、そこで一体どのくらいの会社が、どのくらいの人々がこの除染という業務に、日本人も含めてです、かかわっているのかということについて、厚生労働大臣、御答弁お願いします。
○根本国務大臣 委員お話のありましたように、除染等作業を行う事業者が講ずべき措置などについて除染電離則が定められておりますので、その除染電離則に基づく届出を集計いたしました。
 その結果、平成二十九年度に福島県内で除染等作業を行う会社の数は延べ約四百社、労働者の数は延べ約三万人でありました。
○阿部委員 労働者の数を伺っても、大変な数だと思います。そして、今回の調査で、そういう労働者や会社についてきちんと調査がなされたろうか。除染に、技能実習生にまた戻らせていただきますが、を使っていないだろうかという調査は、極めて不十分だと思います。
 実は、この発覚した事案は、岩手の盛岡に技能実習の受入れの会社があって、実際の除染をしたのは郡山でありました。
 私がこの調査の実際を伺ったところによると、その会社が例えば重点汚染区域とかいろいろ放射能の高い区域にあるところを対象にやっていて、盛岡の会社のケース、このケースは法務省の調査では浮かんでこないのではないでしょうか。これはイエス・オア・ノーでお願いします。
○金子政府参考人 お答えいたします。
 出入国管理局が行った調査対象は、除染特別地域等に所在する建設関係職種を取り扱う受入れ企業等でございます。
 御指摘のケースは、当該企業は、御承知のとおり、除染特別地域等の外にありましたことから、基本的には調査の対象外でございます。
 ただ、我々の調査の対象はこれにとどまることなく、個別に入国管理局に寄せられた除染作業への従事に係る情報をもとに、除染特別地域等の外に所在する受入れ企業に対しても調査を行っておりまして、御指摘の企業もその調査対象として含められているということでございます。
○阿部委員 もう明確なんです。そこに所在地、所在が届出がないと、この調査からは漏れているんです。あとは新聞記事とか寄せられた情報で、これで果たして全体像かどうかということを私は問題にしています。
 根本大臣がおっしゃったように四百社あって、そこの配下の作業者、それは延べか実数かちょっとわかりませんが、そこに技能実習生がいなかったのかという調査にはなっていないんですよ。本社が違うところ、社が違うところにあれば、ここには、基本、浮かんでこないんです。あとは新聞記事になるか情報が寄せられるか。そういうのを調査とは言わないんです。
 全体像を把握すべきだと思いますから、これも根本大臣にお願いいたします。除染作業は非常にやはり、放射線被曝の問題もあって、私は、厳重に、労働者、もちろん実習生にやらせちゃいけない、守られなければならない。この調査の不十分性について、法務省とよく私は意見を詰めていただきたい。今の彼の答弁では、彼らの調査からはこのケースは浮かんでこない。たまたま新聞でわかったというだけでありますから、きょうは、その点、根本大臣の御所見を伺います。
○根本国務大臣 法務省とよく連携をして、対応させていただきたいと思います。
○阿部委員 ありがとうございます。
 最後に、この件に関係いたしまして根本大臣にお願いしたいですが、実は、この除染問題は、こうした実習生が直面したさまざまな問題の氷山の一角だと思います。
 JITCO等々の白書によれば、二〇一五年だけでも労働災害は千五百一件、そして死亡事故の発生が、二〇一四年、三十四件、二〇一五年、三十件、二〇一六年、二十八件。本当に膨大な数が、三年で九十二名が命を落としています。これはJITCOの調査ですから、実際に聞き取ったりしているものだと思います。
 このたびの官邸主導での新たな在留資格云々の前に、この技能実習生自体に起こっている労働法令違反や労働安全違反、あるいは人権違反、こういう事案について、きちんと厚生労働省が調査する、把握する、その覚悟を大臣にお伺いいたします。
○根本国務大臣 適切に把握をして、監督署を通じて指導していきたいと思います。
○阿部委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。私は、きょう、もう一例取り上げなきゃいけないので、急がせていただきます。
 これは、技能実習制度ではなくて、東京電力福島第一原発で働く労働者の長時間労働の問題であります。
 これも新聞記事にも出ましたが、二〇一八年の十一月五日の東京新聞報道等にもございますが、実は、二〇一七年の十月二十六日木曜日に、東京電力の福島第一原発内で、いわきオールという車両点検会社の職員である猪狩さん五十七歳が倒れて、搬送されて、亡くなりました。この方は、亡くなる前の六カ月にわたって、百時間を超す時間外勤務をしておられた。
 なぜそうなってしまったのかが、大臣のお手元に、つくられた資料を見ていただきたいんですけれども、これは大臣は御存じだと思うのですが、この猪狩さんは、会社に出社して、福一までの移動、国道六号で行きます。これが大変混んでいたり、渋滞で、四時半に出社して六時に福一に着く。福一に着いてから、いろいろな、マスクをしたりタイベックをしたりすることもあるし、そういうことをしてから作業現場に入る。で、作業が終わってから、また会社に戻って、そこでいろいろなチェックをして終わる。
 そういたしますと、労働時間、総労働時間と時間外労働時間という形で、時間外と分けてございますが、平均いたしますと、時間外が百二十二時間。これは最後の、亡くなられる前の一カ月であります。百二十二時間。でも、六カ月にわたって百時間以上がずっと続いている。
 どうして長時間労働にならざるを得ないかというと、社に行って、そこから健康状態をチェックして、そこから今度は国道を移動して福一に行く。これはもう、汚染区域ですからやむを得ないことですが、この移動時間ゆえに長時間労働が強いられているという実態があると思います。
 大臣には、ぜひ、この猪狩さんのは一例ですが、多くのあそこで働いてくださる皆さんがそういう形でやっていると思いますので、この実態の把握、お願いをしたいと思います、この事案を端緒に。
○根本国務大臣 労働時間については、労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン、このガイドラインにおいて、労働時間とは、使用者の指揮命令下に置かれている時間のことをいい、使用者の明示又は黙示の指示により労働者が業務に従事する時間であるとしております。
 その上で、移動時間についても、使用者が業務に従事するために必要な移動を命じ、そして、その時間の自由利用が労働者に保障されていないと認められる場合には労働時間に該当するものであります。
 福島労働局においては、東電福島第一原発で廃炉作業を行う事業者に対する集団指導などにおいて、このような労働時間の考え方などについて周知を行っているところであります。さらに、監督指導時においても事業者が適正な労働時間の把握を行っているかどうかを確認し、適正な対応を行うよう指導等を実施してまいりたいと思います。
○阿部委員 今大臣がおっしゃったように、労働者は出社してからが労働時間なわけです。出社して現場まで移動していく。これを会社側は、このケースは未払い賃金なんです。恐らく同じようなことが起こる。作業したのは福一だから、会社に来てからこの間は移動、ここを今大臣がおっしゃったように労働時間と、だって命令下に動いているわけですから、労働時間とみなしてきちんと支払われ、きちんと労働時間管理がされるよう、大臣にはぜひ、事業者の実態調査、そして周知徹底をお願いしたいと思いますが、いかがでしょう。
○根本国務大臣 各事業場において、労働時間適正把握ガイドラインに基づく適正な労働時間の把握が行われるよう、厚生労働省ホームページへの掲載、あるいはパンフレットの作成及び配布、使用者団体などへの傘下企業などへの周知について要請などを行っております。
○阿部委員 根本大臣のリーダーシップに強く期待して、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございます。
○冨岡委員長 次に、初鹿明博君。
○初鹿委員 おはようございます。立憲民主党の初鹿明博です。
 根本大臣、御就任おめでとうございます。初めて根本大臣に御質問させていただきますので、どうぞよろしくお願いします。また、新しい副大臣、政務官の皆様も、これから、厚生労働委員会、よろしくお願いいたします。
 それでは、大臣に質問いたしますが、お手元に資料をお配りさせていただいておりますが、大臣、このシャブ山シャブ子を御存じでしたか。
    〔委員長退席、橋本委員長代理着席〕
○根本国務大臣 知っています。
○初鹿委員 御存じでしたか。この数日間、ネットで非常に話題になっているんですけれども、人気ドラマの「相棒」というドラマに出てきた登場人物で、刑事さんをいきなり後ろからハンマーで殴りつけて殺す、そういう犯人なんですね。ネットでは、この演じた女優さんの鬼気迫るような演技がすごいということで称賛の声が広がっているということなんです。
 この演技自体は確かに私もすばらしいというかすごいなと、実物のふだんの姿を見たらおきれいな方なので、すごく変わっていたし、すばらしいなとは思うんですが、この描写の仕方が果たしていいのかなというのを非常に疑問に思ったんです。
 実は私、生ではないんです、リアルではないんですが、日曜日、たまたま早く帰宅をして、家でちょっとiPadを使って原稿を打っている横で、女房と子供が「相棒」の録画したのを見ていたんですよ。下の娘が悲鳴みたいなすごい声を出していたので、何かなと思ってテレビを見たら、ちょうどハンマーで、頭に振り落とすシーンを私見て、そこからずっと見ていたんですが、正直、何これという感じだったんですね。何かやばいなと。
 これは本当に、薬物依存の方々への偏見というんですか、差別を助長してしまうんじゃないか、こんな人、普通いませんよと私は率直に思ったんですが、でも、そういう知識のない方だとこういうものなのかなと思ってしまうんじゃないかというふうに、私は非常に危惧を持ったんですね。
 そうしたら、私だけじゃなかったんですよ。お手元にこのブログを、表紙一枚お配りしておりますが、これは松本俊彦先生という精神科の先生で、御存じだと思いますけれども、国立の精神・神経医療研究センターで薬物依存症治療センターのセンター長をされているという、まさに薬物依存症の専門家の方なんです。
 少し、どういうことが書いてあるか紹介させていただきます。ちょっと長いんですが、読み上げさせていただきますので聞いてください。
 私はリアルタイムでこの番組を見ていたわけではありません。番組終了直後、複数の医療関係者から、あのシーン、やばいよという連絡を受け、映像を確認しました。括弧つきで、これは薬物依存症者じゃなくて、ただのゾンビじゃないか、それが率直な感想でした。登場時間はわずか一分余りでしたが、放送直後からネットでは、マジ怖かった、怖過ぎて物語に集中できなくなったという感想が書き込まれ、ちょっとした騒ぎになっていました。次第に、覚醒剤依存症者を見事に演じた女優の江藤あやさんを称賛する声が数多く上がり、シャブ山シャブ子という言葉は、ツイッターのトレンドワードに入るほど広がりました。私は頭を抱えました。私は二十年余り薬物依存症の治療にかかわってきましたが、率直に言って、あんな覚醒剤依存症患者はいません。危険ドラッグやある種の幻覚薬を一緒に使用した場合、あるいは他の精神障害を合併する複雑なケースならいざ知らず、少なくとも覚醒剤だけの影響でああいった状態を呈するのはまれです。
 そして、ちょっと省略をしますが、このような偏見に満ちたイメージを人々に植え付けた結果、国内各地では、依存症リハビリ施設建設の反対運動が起きています。何しろ、その施設に集まってくるのは、人間をやめた人たち、ゾンビのような人たちなのですから、地域住民が反対するのは当たり前です。
 シャブ山シャブ子は、これはその前で啓発キャンペーンのことをちょっと批判をしているんですが、我が国の啓発キャンペーンがつくり出した不適切な薬物依存症者のイメージとぴったり当てはまったのでしょう。それだけに私は、今後、シャブ山シャブ子という名前が、女性の薬物依存症者をやゆする言葉として流布されることを危惧しています。こうした私の主張に対して、たかがテレビドラマの話なんだから、そこまで目くじらを立てなくてもとお思いになる方もいるでしょう。想像してほしいのです。あのドラマで凶行に及んだ女性が薬物依存症ではなく、別の精神障害に罹患しているという設定だったらどうだったでしょうか。恐らく、障害者差別を助長するヘイト表現という批判が当事者やその周辺から一気に噴出したはずです。ところが、薬物依存症者だとなぜか許されてしまう。私はそこに憤りを覚えるのです。薬物依存症もまた、他の精神障害と同様、精神保健福祉法や国際的な診断分類にも明記されたれっきとした精神障害であるにもかかわらず、我が国では依然として犯罪とする見方が優勢なのでしょう。そうした我が国の捉え方は時代おくれです。既に諸外国では、薬物問題を犯罪としてではなく健康問題と捉えることが主流になっています。
 こういうことを松本先生はおっしゃっております。
 このほかにも、同じく精神科医の斎藤環先生も、ツイッターで、「相棒」のシャブ山シャブ子がトレンド入り、こんな露骨なヘイト表現に批判が一つもないのにびっくり、今どき他の精神障害でこれをやったらさすがに炎上するだろう、皆が嫌いな依存症者ならヘイトやっても大丈夫ってこと、三十年おくれの認識がそこそこ受けて、テレビ業界ガラパゴスでよかったね、そういう皮肉まじりで批判をしております。
 そこで、大臣にお願いなんですけれども、大臣、厚生労働大臣ですから、当然、依存症対策を所管をしている大臣でありますから、やはりこういう差別や偏見が広がっていくということは、大臣も危惧をしていることだというふうに思います。ぜひ、テレビ業界、放送事業者に対して、こういう表現は慎むように要請していただけないですかね。
 確かに、表現の自由というものはあります。しかし、表現の自由も他人の権利を奪っての自由というのは存在しないはずです。自由主義の国家においては、人の権利を侵害しない上での自由が認められているわけでありますから、こういう依存症の方々が将来、社会に復帰をする上でも、こういう差別が助長されると回復や復帰が困難な状況になってしまうわけでありますから、ぜひ、テレビ業界に対してしっかり、こういう描写は慎むべきだということを要請していただきたいんですが、いかがでしょうか。
○根本国務大臣 今委員からお話がありましたように、薬物依存症は薬物をやめたくてもやめられない状態になる病気でありますが、適切な治療や支援により回復することが可能であります。
 このような薬物依存症については、国民に対する正しい知識や理解の普及を通じて、薬物依存症のある方を適切な治療や支援につなげること、また、社会からの偏見をなくしていくこと、これが私も重要だと思います。
 このため、関係府省から構成される薬物乱用対策推進会議、ここにおいて、本年八月に、薬物依存症に関する正しい理解の促進を盛り込んだ第五次薬物乱用防止五カ年戦略を策定いたしました。
 厚生労働省においては、この五カ年戦略に基づいて依存症に関するリーフレットの作成や普及啓発イベントの開催など普及啓発に努め、依存症の正しい知識や理解の普及をしっかり進めてまいりたいと思います。
 今、ドラマの御紹介がありました。私も松本医師の話も聞いて、なるほどなと思いましたが、今、個々のドラマ内容のコメントは差し控えますが、今後とも、とにかく大事なのは薬物依存症に関する正しい理解の普及ですから、しっかりとした普及啓発に努めていきたいと思います。
    〔橋本委員長代理退席、委員長着席〕
○初鹿委員 個々のドラマに対する評価はしづらいというのはわかるんですけれども、ぜひ、所管は総務大臣だと思いますから、総務大臣とも相談して、やはり間違ったそういう知識を広めるような、印象を広めるようなことがないように、しっかり要請していただくようにお願いをいたします。お願いします。
 じゃ、次の質問に移ります。
 資料を一枚めくっていただきたいと思いますが、こちらに、日本原水爆被害者団体協議会、被団協の皆さんと当時の総理大臣、麻生太郎内閣総理大臣との確認書を添付をいたしておりますが、当然、根本大臣はこの確認書の存在、知っておりますよね。知っておりましたよね。
○根本国務大臣 知っております。
○初鹿委員 これは二〇〇九年に交わされたもので、九年たっているわけであります。この確認書では何が書いてあるかというと、特に一番重要なところは四番目からだと思いますが、厚生労働大臣と被団協、原告団、弁護団は、定期協議の場を設け、今後、訴訟の場で争う必要のないよう、この定期協議の場を通じて解決を図る、五、原告団はこれをもって集団訴訟を終結させる、こういう確認書なんですよ。ところが、いまだに訴訟が続いているという現実を大臣は御存じですよね。
 一枚めくっていただきたいんですけれども、この後、認定のあり方は変更はされてはいるんですけれども、結局、それでは救われない方々が多くいて、結局、ノーモア・ヒバクシャ訴訟ということで訴訟が続いております。こちらを見ていただきたいんですけれども、多くが原告勝訴なんですよ、七割近く原告勝訴。その前の集団訴訟からいくと、九割近くがこの被爆者の訴訟では原告が勝っているんです。
 行政訴訟は、皆さんも御存じのとおり、大体九割方、行政方が勝つものですよ。これとアスベストぐらいですね、原告が勝ち続けているのは。ここまで負け続けてもなお裁判を続けるのかということは、私は非常に疑問なんです。
 そして、定期協議といって毎年一回顔を合わせているそうです。ことしも十二月に予定されているそうですが、どういうふうにされているんですかと聞くと、被爆者の団体の方から、被団協の方々から被爆体験などのお話をして、そして今度は厚生労働省の方からいつもと同じ回答を繰り返されると。協議といいながら、一方的な、一方通行なやりとりにしかなっていないということなんです。
 協議というのはどういうことかというと、辞書で調べると、集まって話合いをすることと書いてあるわけですよ。話合いになっていないんですよ。こんなセレモニーみたいなことはもうやめた方がいいと思うんですよ。
 大臣、これまで行ってきたことを協議だと言えると思いますか。
○根本国務大臣 基本的なことからお話をしたいと思いますが、この原爆症認定については、先生お話があったように、二〇〇九年に日本原水爆被爆者団体協議会との間で交わされた確認書を踏まえて、幅広い分野の専門家や被団協の方々に御参画いただき、認定制度の在り方に関する検討会を開催いたしました。その検討結果に基づいて、被災者救済の立場に立って、新しい審査方針の見直しを平成二十五年に行っており、それに基づいて認定審査を行っています。
 原爆認定に関する訴訟については、できる限り救済するという観点に立って、それぞれの判決内容を十分に検討し、新しい審査の方針に適合していないと判断されるもの以外は控訴せずに判断を受け入れております。
 こういう経緯でやってまいりました。
○初鹿委員 今までの経緯を説明しただけで、定期協議が本当に協議と言えるかということに答えていただいていないんですけれども。
 被災者の救済の立場に立ってとおっしゃいましたけれども、立場に立っていないから裁判が続いているわけですよね。
 それで、一番直近だと、十一月二十八日に東京高裁でまた、原告勝訴の判決、出ているんですが、この山本さん、全国の原告団の団長も務めているわけですけれども、この表の十三番の東京地裁の一人なんですよ。これは原告六名が全員勝訴しているんですが、国は、一名だけ、山本さんだけ控訴しているんですよ。原告団長だから控訴した、そういううがった見方も、まあそういう意図はなかったかもしれませんが、しないわけではないわけです。
 山本さんは、ほかの疾病で既に原爆症の認定を受けているわけです。本人が金銭的なメリットがあるから訴訟をやっているわけじゃなくて、自分と同じような被害に遭っている、被爆をしている、そういう方々でもこの今の認定制度だと対象から外れてしまう、それがやはり納得できない、仲間を守っていきたい、そういう思いで裁判を続けている人ですよ。もう今、かなり体もぐあいも悪くなってきて、大変な状況なのに裁判を続けている。この気持ちをぜひ、大臣、受けとめてもらいたいんです。
 根本大臣は福島出身ですよね。二十年後、三十年後、もしかしたら、福島の原発の事故の被曝者の方々も同じようなことが起こるかもしれません。そういうこともぜひ考えていただいて、ことしの定期協議の際は、きちんと解決に向けた結論を出していただきたいと思います。
 もう一枚見ていただくと、今、原告団や弁護団からは、認定基準に関する当面の要求というものを出させていただいているわけです。この当面の要求というのは、これまでの判決で、最初の申請では認められなかったけれども判決によって認められているような疾病を中心に対象に加えてくれという、至極真っ当な要求なんですよ。
 ぜひ、ことしの十二月の定期協議で当面の要求をまずは認めて、本当に抜本的な解決に向かうようにしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○根本国務大臣 委員のお話のように、被団協などから平成三十年三月に、新しい審査の方針の改定を求める、一連の高裁判決を踏まえた原爆症認定基準に関する当面の要求が示されているということは承知しております。
 まず、原爆症の認定ですが、行政における原爆症の認定には申請者の間での公平な判断が求められる一方で、裁判では訴訟当事者の事情に基づいた個別の判断が行われるという考え方の違いがあるんだろうと思います。また、行政認定の際に確認できなかった行動や症例が裁判で新たに認められることも少なからずあり、行政と司法で違った結果となることもあると考えております。
 国の敗訴事案については、それぞれの判決内容を十分に検討して、新しい審査の方針に適合しないと判断せざるを得ないもの以外は、控訴、上告せずに受け入れることとしております。
 一方で、被害者の方々が高齢化している現状を踏まえ、今後とも、現行の認定基準に基づいて、迅速かつ丁寧な審査を行っていきたいと思います。
○初鹿委員 行政の認定だと判明しなくて、訴訟で新たなことが判明して、それで認定することがあるみたいな答弁をしましたけれども、それでいいんですか。行政はきちんと認定のときに判断していない、調べていないということを認めちゃっているようなことじゃないですか。私は、ちょっと今の答弁はいかがなものかなと思いますよ。
 それで、今大臣もおっしゃいましたけれども、高齢化しているんですよ。毎年毎年、亡くなっている方も多くいるんです。みんな時間がないんですよ。予算のことを考えているのかもしれませんけれども、毎年亡くなって減っていっているわけですから、そして、新たに認めたとしても、それを埋めるほどふえるほどの数にはならないと思うので、ぜひ当面の要求を受け入れていただきたいんですよ。
 これは、官僚の皆さんの答弁を読まれたからそういう答弁だと思いますが、官僚の皆さんでは決断できませんよ。福島から出ている大臣だからこそ、私はできる決断だと思いますので、ぜひ次の定期協議まで考えていただきたいということをお願いをさせていただきます。
 では、次の質問に移ります。
 先ほど大隈議員からもありましたけれども、私からも風疹の予防接種の問題を取り上げさせていただきます。
 風疹だけじゃなくて、通常国会では私、はしかのことも取り上げたんですが、はしかにしても風疹にしても、両方MRワクチンで防げるのに、二年に一回とかそういうペースで流行をしている。これはやはり厚労省、怠慢だと言われても仕方がないと思いますよ。だって、ワクチンを打たなければいけない対象の年齢の方がわかっていて、それで、打たせればいいのに、それをずっとやらないで、毎年のように繰り返されているわけです。
 先ほど、質問や答弁の中でも、抗体検査を無料で行うということをおっしゃっていますけれども、抗体検査しても、これは抗体はつかないんですよ。接種しなきゃいけないんですよ。抗体検査をするのに一日休んで、検査の結果を聞きに行くのにもう一日休んで、ワクチン接種するのにもう一回。三日間、働き盛りの人たち、休めませんよ。だったら、定期接種にして、いち早く打つということをまず検討していただきたいんです。いかがですか。
○根本国務大臣 抗体検査などを経ずに予防接種を進めるべきだというお話がありました、特に患者数の多い三十代から五十代に対して。
 三十代から五十代の男性の抗体保有率、これは七九・八%であります。約八割の方は、予防接種を受けなくても、感染予防に十分な免疫を保有していると考えられます。このため、まずは抗体検査を行って、そして効率的、効果的な予防接種が実施できる体制を構築して、抗体価の低い方を減らしていくことが重要と考えています。
○初鹿委員 そんなことをずっと言ってきて、毎年のように、はやっているんじゃないですか。だから、もうそういう何か後手後手に回ることをやめて、全員打ちますと言った方が早いですよ。
 小泉部会長も、この問題、非常に熱心に取り組んでいただいているようで、経団連に行かれたんですね。経済団体が協力してくれるということでありますから。
 ぜひ、通常国会で私が提案したことを実現してください。何を提案したかというと、雇用保険の二事業を使って、企業で接種費用を補助をする、そういう制度をつくった企業に対して雇用保険から全額補助をするという仕組みをつくれば、企業も、自分の社員、心配ですよね。一人かかって、例えば生産ラインがあるようなところで全員かかっちゃったら、工場はとまっちゃいますから、そうならないように打とうというところが出てくるんじゃないかと思います。
 それに加えて、例えば、医務室とかがあるところだったら、そこに医師に来てもらって接種をする、そういう集団接種をやろうというところに対する実施費用の補助だとか、そういうことをぜひ入れていただきたい。
 抗体を保有している人にこだわるんだったら、ぜひ、健康診断、一年に一回やる、事業所がやらなければならない健康診断のメニューに、一年でいいんですよ、これは一回やればわかるわけですから、一年だけ抗体検査を必須にして、その費用をきちんと出すようにすればいいじゃないですか。
 この三点、要望しますけれども、いかがですか。
○根本国務大臣 三十代から五十代の男性の患者数が多いと、今、風疹、指摘されておりますので、事業者側の協力を得ながら取組を進めることが必要だと考えています。
 厚生労働省としては、都道府県労働局などを通じて、事業者に対し、従業員が抗体検査や予防接種のために医療機関などの受診を希望した場合には配慮すること、これを周知して、協力を求めております。
 今後の対策として、効率的、効果的に抗体検査や予防接種が実施できる体制を構築して、抗体価の低い方を減らしていくことが重要だと考えています。
 さらなる対策について、事業者側との連携の方策も含めて、風疹の感染状況や抗体検査の実施状況、ワクチンの需給状況などを踏まえて、引き続き検討してまいりたいと思います。
 なお、議員御指摘の、雇用保険二事業、事業主に対して助成を行う雇用保険二事業、これを活用したらどうかという御指摘ですが、雇用保険二事業というのは、事業主の保険料のみを財源に、失業の予防や雇用機会の増大などに資する事業のうち、事業主の共同連帯により負担することが適切なものに限定して実施している、こういう性格のものですから、これを財源にワクチンの接種補助をすることは、制度のたてつけからいくと難しいと思います。
○初鹿委員 いや、小泉部会長は、経団連も協力してくれると言っているんですよね。事業主の理解は得られると思いますよ。事業主の拠出金で、事業主の理解も得られるんだったら、やればいいじゃないですか。
 これは、雇用を守るとかそういうことにもつながると思いますよ。これで、仮に病気になったりして、重篤化したり、例えば奥さんがかかって、子供が障害を持って生まれて、それで会社をやめなきゃならなくなるとか、そういうことになったときのことを考えれば、長い目で見れば事業主のためにもなるんだから、ぜひ考えていただきたいと思います。
 それと、抗体をちゃんと調べないで打ってしまうとMRワクチンが不足するんじゃないか、そういう危惧もあると思いますが、それでしたら、まずは、やはり定期接種にして、これだけの人が打つんだよということを示して、その上でワクチンの増産をお願いをする必要があるんだと思います。今だと、抗体検査だけだと、一体どれぐらいの人が打つかわからないから、増産しようがないわけです。ぜひ、その増産もメーカーにお願いをしたい。
 それで、もしそれでも足らないんだったら、二〇二〇年までに間に合わせなきゃいけないと思うんですよね、オリンピックがあるわけですから。これは最後の緊急手段かもしれませんが、二〇二〇年までに間に合わせられないということにならないように、場合によっては海外のMMRワクチンを、新型インフルエンザのワクチンで緊急輸入したときのように国が買い取って緊急輸入して、大人にだけそれを打つということも検討したらどうかなというふうに思います。
 大臣、「遥かなる甲子園」という映画を知っていますか。これは一九九〇年に三浦友和さんと田中美佐子さんが主演している映画なんですが、沖縄でオリンピックの年に風疹が大流行したんです、一九六四年、翌年の六五年。そこで、先ほどもお話がありましたが、先天性風疹症候群の子供さんがたくさん生まれて、その子供たち、耳が聞こえなかったために、聾学校をつくったんです。その聾学校の生徒たちが甲子園を目指す、そういう映画なんですよ。これは一九六四年、オリンピックの年ですよ。
 もう一回、日本でオリンピックが、東京オリンピックがあるときに風疹をはやらせるんですか。そういうわけにいかないですよね。ぜひ、その決意で、はやらせないという決意で取組をしていただきたいです。
 質問は、この増産をお願いをする、もし間に合わない、二〇年に間に合わないんだったら緊急輸入も検討してくださいということにお答えください。
○根本国務大臣 とにかく、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックがありますから、風疹対策についてはしっかり取り組んでいきたいと思います。
 現在、先天性風疹症候群を防ぐために、妊娠を希望する女性などに対して抗体検査を受けていただくことなどを周知するとともに、適切に予防接種を受けられるよう、患者数の多い東京、千葉、神奈川など五都県の医療機関に対するワクチンの供給をふやしているところであります。そして、ワクチンの在庫量などの情報は卸売販売業者から定期的に五都県に報告することなどをお願いしております。
 現在はワクチンについては不足などの大きな混乱が生じているとは承知しておりませんが、さらなる対策に向けて、風疹の感染状況や抗体検査の実施状況、ワクチンの需給状況などを踏まえながら検討を進めております。その中では、御指摘のように、まずは既存の国内ワクチンを増産することを優先したいと考えています。
 緊急輸入との御提案をいただきましたが、今、製造販売会社と交渉を進めている中で、一定量の増産が可能であるということを確認しております。
○初鹿委員 じゃ、もう時間が来たので終わりますけれども、増産をするにも時間がかかりますので、二〇年に間に合わないなんということがないように、ぜひしっかり取り組んでいただきますようにお願いをして、質問を終わります。
○冨岡委員長 次に、吉田統彦君。
○吉田委員 立憲民主党の吉田統彦でございます。
 大臣、御就任おめでとうございます。
 きょうは、主に大臣所信で大臣がおっしゃったことに関して御質問させていただきたいと思います。
 まず、医師の働き方改革をおっしゃいましたね、大臣。その中で、ある大学病院の旧第一外科の医局に対して、病院から実際の勤務の状況の調査がなされました。
 ちなみに、この病院は、時間外手当は三十時間までしかつきません。
 それで、若手の医師は、軒並み二百時間以上の時間外労働をしていることがわかりました。それに加えて、代診ですよね、アルバイト、外の病院にアルバイトに行く。そして、研究というのも大学には課されるわけですが、そういったものをしている。
 こういった状況を、大臣、まずどう思われますか。
○根本国務大臣 私も、そういう状況があるということは聞いております。
 医師の働き方改革については、一人一人の医師が家庭と両立し健康に働き続けられること、あわせて、医療の質や医療安全を保ちながら、医師に求められる高い水準の技術習得や地域医療への影響にも配慮した形で検討を進めていく必要があると思っております。
 今、医師の働き方に関する検討会において、勤務医の時間外労働規制の具体的なあり方や労働時間の短縮などについて、関係者の御意見を伺いながら議論を行っているところであります。
○吉田委員 大臣、そうなんですけれども、現場は全然、現場の声は伝わっていないし、相当早くに準備しないと、医療崩壊がまた起こっちゃいますよ。
 例えば、タスクシフティング、タスクシェアリングをやると加藤前大臣もおっしゃっていましたよね。ただ、実際に、公的病院、そして公立病院、旧国立病院、旧国立大学と、国とか政府にその組織が近づけば近づくほど、逆に医師に課される仕事はふえています。もう委員長も御存じですよね。実際、例えば、一つ一つの病名づけだとか、学会とか急診に行くときに予約を変更するとか、あと保険会社に提出する書類の記載、こういったものを、こういった公、国に近い組織の病院になればなるほど医師本人がしているんです、大臣。
 例えば、多忙な医師がたまりかねて、ほかの医療従事者にタスクシフティングしてくれとかタスクシェアリングを申し出ても、現場は、そんな話、役所から我々のところにおりてきていませんよと、タスクシフティング、タスクシェアリングを断られる状況が頻発しているのが、大臣、現場なんですよ。
 さて、大臣、じゃ、こういう状況をどうされますか。
○根本国務大臣 私も、そういう状況があるということは聞いております。
 今、タスクシフティングのお話がありました。医師の働き方については、医師の健康を守りつつ、必要な医療ニーズに対応した医療提供体制を維持することができる働き方の実現を目指して、医師の働き方改革に関する検討会を立ち上げ、来年三月をめどとする取りまとめに向けて、時間外労働規制のあり方や具体的な勤務環境改善策の検討を行っているところであります。
 本検討会においては、本年二月に中間的な論点整理、そして医師の労働時間短縮に向けた緊急的な取組、これを取りまとめました。
 現在、医師が行っている業務のうち、委員のお話のあったタスクシフティングですが、他の職種に分担可能なものに関しては、できる限りタスクシフトを進めるべきであり、この緊急的な取組においては、検査手順の説明や入院の説明、診断書などの代行入力等について、原則医師以外の職種により分担して実施することで、医師の負担を軽減することとしております。
 また、診療報酬においても、医療従事者の負担軽減や働き方改革を推進する観点から、平成三十年度改定において、医師のカルテ入力や診断書作成などの業務を補助する職員を配置することに対する評価の引上げなどの対応を行いました。
 厚生労働省としては、医師の過酷な勤務実態を解消するため、タスクシフトに関する先行する取組について医療機関へ周知し、各医療機関における速やかな実行を促すとともに、医師の働き方改革に関する検討会において、さらなるタスクシフトについて、引き続き議論していきたいと思います。
○吉田委員 最後のところだけお話しいただければよかったかなと、大臣、思います。ちょっと繰り返しのところもありました。
 だから、大臣、ただ、私が言っているのは、そういっても現場におりてきていないと言っているんです。そこなんですよ。だから、どうすればいいかということを大臣に問うているわけであって、大臣が今るるおっしゃったことは、もう私、とっくに承知しておりますし、当然それはわかっています。ただ、その中で、現場におりていないと医師が言われている現状に対して、だから、通知が不徹底なんじゃないかとか、そういったことを政府はお考えになるべきだと当然思いますよ。
 だから、そういう思いでやられるんだったら、その思いをしっかりと、少なくとも、大臣、もう一回言いますけれども、ちょっと名前はあえて挙げませんけれども、国に近い医療機関ほどそういう状況があるんです。一番最初に通知して徹底させなければいけないような医療機関において周知がなされていないという事実を、大臣は重く受けとめていただかなければならないから、こういう質問をしているんです。
 ということで、大臣、長くはお答えいただきたくないんですが、こういった状況を私がるる説明する中で、どうしますか、それをはっきりと答えてほしいんです。これはちゃんとレクで言ってあるんだから。
○根本国務大臣 しっかりと、決めたことは周知して取り組んでもらうということが大事だと思います。
 厚生労働省による好事例の積極的な情報発信や医療機関への財政的支援、医療勤務環境改善支援センターによる相談支援などの充実を、これからもしっかりと行っていきたいと思います。
○吉田委員 委員会の場で大臣にそうやっておっしゃっていただいたので、今後そういう声を私が耳にすることはなくなるんじゃないかと期待をして、次の質問に移ります。
 じゃ、大臣、緊急手術等というのもあるわけです。委員の中にもドクターがいらっしゃいます。そういったときに、医師は現段階でその対応に関して制限はありませんよね、まだ働き方という面で。ただ、それを支える医療従事者の方というのは来年の四月からですよね。さきの通常国会で成立した労働関連法制の適用になるわけですよね、大臣。来年の四月以降、この労働関連法制によって医療従事者、医師以外の医療従事者が縛られることによって、本当に緊急手術に対応できるのかどうか。
 また、臓器移植も同様です。大臣、医師は夜中であろうがドナーのもとに駆けつけますね。そして、レシピエントに最良の移植をしようと思って、全身全霊、力を注ぎます。しかし、それを支える医療従事者やコーディネーターの方はどうでしょうか。もちろん、彼らだって思いは一緒ですよ。最良の移植をしたい、実現したい、そういう思いでやるんです。
 こういった事例に関して、大臣は、繰り返しになりますが、所信表明で医師の働き方改革に関して言及をされていますが、何かしら既に具体的な準備をしているんですか。これは四月からですから、検討会を待ちましょうとか、そういう答弁じゃ困るんです。四月からちゃんと、緊急手術や臓器移植、そういったものに今までどおり、同じクオリティー、より高いクオリティーでちゃんと適応できるような具体的な準備に関して、大臣、お聞かせください。
○根本国務大臣 今まさに、医師の働き方改革の中で、時間外労働の上限規制の内容、具体的な内容、これについては今検討中であります。
○吉田委員 それは、大臣、医師だから。僕今、医療従事者、医師の周りのことを言っているんです。全然違う答弁だから、お願いします。
○根本国務大臣 済みません、聞き違えて。医師以外の医療職、医療従事者ですよね、先生お話しになったのは。
 まず、時間外労働時間の上限規制については、来年四月より医師以外の医療職についても適用されるので、各医療機関において適切な対応をお願いしたいと考えています。そのためには、医療従事者の労働時間の短縮などの勤務環境の改善が重要であると考えています。
 具体的には、適切な労務管理や業務の効率化などに取り組む医療機関に対する総合的、専門的な支援を行う医療勤務環境改善支援センターの整備、そして、平成三十年度診療報酬改定における看護補助者の配置に係る入院基本料の引上げなどの支援策を講じております。
 また、平成三十一年度の概算要求においては、勤務環境改善を推進するための事業、この予算を新たに要求しております。タスク・シフティング等勤務環境改善推進事業や、あるいは看護業務効率化先進事例収集・周知事業など、新たに要求をしております。
○吉田委員 大臣、今言っているのは逆なんですよ。今の答弁じゃ全く話が通じないですよ、大臣。
 だから、大臣、環境改善をやってしまうと人が足りなくなるでしょうということを言っているんです。夜中とかに緊急の対応をしなきゃいけないわけですよ。今はそれが、医療従事者が、例えば自己犠牲等々でやっているところを、大臣が今おっしゃったように、環境整備やおのおのの働き方、働きやすくする、労働時間を短縮すると逆に困るから、それに対して何をしている、準備をしているのかという質問を僕はしているんです。大臣、全然違う話です。
 じゃ、そういう環境改善をするんだったら、おのおのの労働時間が短くなりますよね。じゃ、シフトを組むんですか。シフトを組むんだったら、人をふやさなきゃいけませんよね。人をふやすんだったら、病院に診療報酬を大幅に上げるとか、そういう対応をするということですか。
 大臣、全然違う答弁をしていますから、これはちょっとまずいですよ。
○根本国務大臣 今、全体の医師の働き方改革について精力的に検討しておりますので、その全体の対応の中で対応していきたいと思いますし、例えば、平成三十年度診療報酬改定における看護補助者の配置に係る入院基本料等への加算の引上げなどもやっておりますので、先ほどの医療従事者へのタスクシフティングも含めて、これは先生おっしゃるように各般の視点で取り組まなければいけないと考えておりますので、そこは全体のさまざまな課題がありますから、そこは総合的に検討していきたいと思います。
○吉田委員 大臣はちょっとあれですね、きのうのを、皆さん、事務方も悪いと思うんですけれども。
 だから、大臣、これは間に合わないということを言っているんです。四月から変わっちゃうから、そんな悠長なことを言っていると間に合わなくなって、緊急手術もできなくなるし、臓器移植もできなくなるし、困るから、今すぐ準備や具体的な案を出しておかないと間に合いませんよということが質問の趣旨なんです。
 だから、総合的に勘案していただくのは当然です。大臣としてそれはやっていただかなきゃいけないんですが、もっと具体的に明示できるものがないと、医療の現場は、委員長もドクターですけれども、相当な混乱や、また医師に相応の、相当な負担がかかっちゃうということを言っているんです。
 ここはよく話しておいてください。大臣のお言葉を欲しいと言っていたけれども、全然、ちゃんと役所の方から話がなっていないんじゃないですか。僕はこれをきのう何回も説明したと思いますけれども。
 まあいいです、今度、またちょっと、大臣、同じ質問をしますから、お答えをちゃんと下さい。今度、必ずしっかりとしたお答えをいただけるということで、きょうは次の質問に移ります。時間がもったいないですから。
 次に、大臣、こういう話もあるんです。
 特に東京がそうなんですけれども、公的な病院、公立病院、旧国立病院、旧国立大学のいわゆるそういった病院の中で、いわゆる路線価の高い一等地に立地している病院というのは、官舎を有する病院というのがあるんですね。そういった官舎に、時として、ほとんど事務方が居住していて、医師、特に外科、産婦人科、小児科、救急など、そういう救急対応が必要な診療科の医師が希望しても居住できない。また、近隣物件は値段が高過ぎて居住できなくて、遠くに居住せざるを得ない。そういった状況がしばしばあるんですよ、これは現場の意見で。これをいかにお考えになるか。
 勤務医に、近くの家族向けの二LDK、三十万ぐらいする物件に住めとか、そういったことを言うのも酷だし、緊急対応の必要のある医師を優先的にそういった公的、公に近いような病院で、官舎があるところに関しては特に優先的に居住させるように指導されるようなおつもりはないですか。こういったことも改善してあげないと、医師の働き方改革は成り立ちませんよ。お願いします。
○根本国務大臣 独立行政法人国立病院機構、これにおいては、宿舎管理規程において、交代制勤務などの医療従事者などが宿舎に入居できることとなっております。そして、運用上、医師については、希望があれば優先して入居させていると聞いております。
○吉田委員 随分前、民主党政権のときにもこの話をちょっとしたんですけれども、大臣、ただ、大分変わりましたけれども、まだそういう状況じゃないですよ。名前はちょっと言いませんけれども、もう全部事務方が占拠しちゃって、医者が全然入れないというところが実際は多かった。今もまだ、完全に改善されたとはなかなか、現場の声を聞くと聞こえないですよ。
 その規程をもっと厳格に運用して、医師全員というわけじゃないですよ。本当に緊急対応があって、しっかりと対応しなきゃいけない医師。だって、外科とかなんて、本当にこれはしょっちゅう病院へ行くわけですから、それは、手術をする医師が早く着くことというのは患者にとってもいいことなんですから、そういったことをやはりしっかり考えて、そういう運用規則があるのであれば、しっかり徹底されているか調査をしていただくとか、そういったことをなさった方がいいんじゃないかなと思います。
 アメリカなんかでもそうですよ。忙しい診療科の医師は優先的に近い駐車場があてがわれますし、やはりそれをちゃんとやらないと。大臣、せっかくそういう規則があるならやってください。
 では、次の質問に行きます。(発言する者あり)ありがとうございます。私の尊敬する丹羽先生からお声をいただきましたけれども。
 産科医療補償制度に関して、ちょっとお話をさせてください。
 加藤前大臣は、力強く改革を進めていくと、お約束を私に委員会の場でいただいていました。本年三月は、必要に応じて制度見直しを行う姿勢を示されました。また、六月にも、専門家への意見聴取や、脳性麻痺児の保護者に対するアンケート調査を行うと御答弁をいただいています。そのような情報収集の進捗はいかがでしょうか。
 例えば、支給額を三千万からふやすだとか、未熟児も対象に加えるだとか、保険会社の収益にただ資する部分が非常に多いという指摘も私させていただきました。そういった分も適正に減らして、補償制度自体を強化する等、進んでいますでしょうか、大臣。
○根本国務大臣 産科医療に係る紛争の早期解決や、事故原因の分析を通じた産科医療の質の向上を目的として、平成二十一年一月から日本医療機能評価機構において産科医療補償制度を運営しております。これは先生御案内のとおりだと思います。
 産科医療補償制度については、補償対象者の基準は適切か、現在の補償金額の水準と支払い方法が適切か、多額の余剰金が発生していることについてどう考えるか、事務費が適切に使用されているかという課題があると思っております。
 現在、御指摘の論点も含めて、制度の現状分析と問題点の抽出を適切に進めるために、補償金額が脳性麻痺児の看護、介護の実態に照らして十分かどうかなどの検証のためのアンケート調査、あるいは脳性麻痺児数や分娩時の状況などの調査を実施し、実情を把握しているところであります。
 このような調査を踏まえて、課題に対する対応を検討していきたいと思います。
○吉田委員 大臣、ぜひしっかりと、これは本当に、必要な制度ですけれども、残念ながら問題が多い制度でもあります、現行は。しっかりと、大臣、調査をしていただいて、より適正なものにしていただくよう努力してください。
 さて、時間がなくなってまいりましたので、大臣がおっしゃった不妊治療に関してちょっと質問をさせてください。
 晩婚化していますね、大臣、だんだんと日本全体。そういった中で、政府は、平成二十八年の四月一日から、妻の年齢が四十三歳以上の症例に対しての不妊治療における体外受精、顕微授精の助成を打ち切りましたね。打ち切りました。
 不妊に気づいたときに、既にかなりおくれてしまっているだとか、若しくは助成が受けられないなどということがないように、例えば、上記の四十三歳以上の女性の状況などを鑑みて、早期受診を促すだとか、若しくは妊娠しやすい年齢や加齢に伴うさまざまなリスクなどをやはりしっかりと啓発していかないといけないと思います。
 かつては、不妊というのは二年ぐらい子供ができないことでやっていましたが、今は一年ですが、それも今の時代だと、かなり早期に理解をしていただいた方がいいと考えますが、大臣、そういった啓発活動を含めて、政策を何か政府はなさっていますか。
○根本国務大臣 厚生労働省としても、子供を持ちたいと願う夫婦の希望に応えることは重要であると思っています。不妊に悩む方への支援を推進していく必要があると考えています。
 このため、不妊治療の経済的負担の軽減を図る観点から、高額な治療費がかかる体外受精や顕微授精について、平成十六年度からその費用の一部を助成しております。
 この助成については、平成二十五年度の有識者検討会での御議論を踏まえ、利用状況とともに、医学的知見に基づいて、より安全、安心な妊娠、出産に資する観点から、平成二十八年度より助成対象を四十三歳未満としております。
○吉田委員 大臣、全然違うお答えをされていますよ。
 せっかく大臣は不妊治療のことを大臣所信でおっしゃったし、きのうちゃんと私、レクで懇切丁寧に申し上げておいたんだから。
 全然違うところを読まれたでしょう、今。わかりますよ、それは。
○根本国務大臣 御指摘のとおり、必要な方が助成を受けられるように、制度内容などの周知啓発は重要ですから、これまで、制度の周知を図るためのポスターやリーフレットの作成、不妊専門相談センターにおける相談や情報提供などを行ってきたところであります。
 引き続き、全国会議で自治体における周知を依頼するなど、子供を持ちたいと願う夫婦への支援に資する取組を推進していきたいと思います。
○吉田委員 四十三歳で打ち切るという話も、検討会で有識者の方が、やはり妊娠可能性が下がるということで打ち切るということではあるんですが、完全にゼロというのは、委員長もどうお考えになるかわかりませんが、酷だなとは思いますよね。
 確かに、四十三歳を過ぎると下がるんですよ。体外受精をやっても妊娠できる可能性というのは下がる。だから、そういったことを全て鑑みて四十三歳未満というふうにしたんですが、そこもやはり完全にゼロというのは、確率はあるわけですから、五十歳になっても妊娠する方はいるし、いろいろあるので、完全にゼロというよりも、何らかのほかの形での救済も含めた、やはりそういったこともやっていただきたいと思います。
 ちょっと時間が来ているので、最後に一問、続きは次回やりますが、例えば、不妊専門クリニックで、当初保険適用になる部分の検査とか処置は、保険で患者さんに提供したいとやはり思っているんですよ、患者負担を減らすために。当然そう思いますよね。しかし、そうすると、たまに支払基金とかそういうところから、あなたの医療機関は全員に不妊症の病名がついていますよね、おかしくないですかとか言われるようなことがしばしばあるらしいんですよ。
 本来、不妊専門のクリニックなので、全員不妊症なのは当然ですよね、大臣。でも、そういった場合にそういう指導を受けると、やはり医療機関は、説明したり対応するのがもう面倒くさくなって、全受診者の全ての検査や処置を自費にしちゃったりすることが往々にしてあるんですね。それは誰が困るかというと、不妊治療を受けている患者さんですよね、全部自費になると。本来ここまでは保険でできるというところが全部自費になっちゃう。
 そういった状況を大臣としてはいかがお考えになって、どのような御指導をされるおつもりがあるのか、大臣からいただきたいと思います。
○根本国務大臣 不妊に関する診療報酬請求について、審査状況についてですが、不妊症が病名として記載されているレセプト約十七万八千枚のうち、査定された枚数が約二千枚、これは査定率約一・一%。この査定率については、不妊症以外の病名について査定されている部分も含んでおりますので、一般には比較できませんが、レセプト全体の査定率約一・〇%と比較して、顕著に高い査定率とはなっていないと認識しております。
 ただ、実態について、支払基金などにもよく聞いて、調べてみたいと思います。
○吉田委員 時間が参りましたので終わりますが、大臣、不妊治療も、やはりどこまで保険適用にするのかということも、今後多分、取組を進めると所信でおっしゃったので、保険診療の範囲に関しても議論はきっとされるでしょうし、そしてまた、こういった、本来保険でできるところは適正に保険でやってあげるということも患者さんにとってはすごく大きいんですよ、大臣。だから、今おっしゃっていただいたように、ちょっと現場の声もしっかり聞いていただいて、しっかりとした御判断をこれからしていただきたいと切に願いまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○冨岡委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時七分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時一分開議
○冨岡委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。尾辻かな子君。
○尾辻委員 立憲民主党・市民クラブの尾辻かな子です。
 まずは、大臣、副大臣、政務官の皆様、就任おめでとうございます。厚生労働委員会でまたしっかり議論をさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 では、私の方から早速質問に入らせていただきたいと思いますが、まず最初に、大臣にお話をお聞かせいただければと思います。新潮45という雑誌八月号で、自民党の杉田水脈衆議院議員の発言について、この受けとめをお聞きしたいと思っております。
 例えば、LGBTのカップルのために税金を使うことに賛同が得られるものでしょうか、彼ら彼女らは子供をつくらない、つまり生産性がないのです、そこに税金を投入することが果たしていいのかどうか。
 もちろん、前後の文脈もあるかと思います。社会保障政策を担うこの厚生労働委員会において、そして厚生労働大臣において、このような発言についてどう受けとめておられるのか、大臣の御所見をまずお伺いしたいと思います。
    〔委員長退席、橋本委員長代理着席〕
○根本国務大臣 性的指向、性自認に対する不当な差別、偏見、私は、これはあってはならないと思います。多様性が確保され、全ての人々がお互いの人権を尊重し、支え合う共生社会を実現していく、これが私は重要だと思っております。
 厚生労働省としては、性的指向、性自認に関する職場での理解促進、働きやすい職場環境づくり、セクシュアルマイノリティーについての相談も含め、生活上の悩みに対する寄り添い型の相談、支援などにしっかり取り組んでいきたいと思います。
 そして、お尋ねの件ですが、私は政府の立場ですから、政治家個人の見解についてはコメントすることは差し控えたいと思いますが、私自身はそのような見解は持っておらず、性的指向、性自認に対する不当な差別や偏見のない社会づくりが重要だと思います。
○尾辻委員 この寄稿を受けて、読んだ当事者がどうなったかというと、例えば、御飯が食べられなくなった、眠れなくなった、涙がとまらなくなった、こういった実害が本当に出ました。そして、私が聞いた話では、トランスジェンダーの方で精神疾患をお持ちの方が、私は生産性がないという遺書を残してお亡くなりになった、こういう話も私は、これは伝聞ですが、聞いております。
 政治家の発言は非常に重たいものがあるんだ。そして、この社会で差別を受ける集団にいる者というのは、生きるだけで精いっぱいなんです。そのことをしっかりと政治家の皆さんはわかっていただかなければいけないと思っています。
 この社会で排除される、でも自己否定しないで何とか生きようとしている人たちに対してこのような発言が二度とないようにしなければいけませんし、厚生労働省の皆さんとしては、これは優生思想にもつながる話であります。役に立たない人は生きている意味がないんだ、子供を産まない人は生きていかなくてもいいんだ、そういう発言にもつながりかねない思想ですので、相模原事件もありました、しっかりと政府として対応や、そのときには発言をしていただきたいということをお願い申し上げたいと思います。
 それでは、入管法、そして技能実習生についてお話を伺っていきたいと思いますけれども、きのうから入管法の審議が衆議院で始まりました。本会議での質疑を聞いておりますと、いかに管理をしていくのかということに非常に重点がありまして、いかに外国の方々とともに生きていくのか、支援をしていくのか、そういう視点が、どうも私は欠けているように感じます。
 最近聞こえてくる議論の一つとして、国民健康保険について、外国籍の方々、外国人の方々があたかも不正受給をしているかのような報道やテレビ番組が非常に最近見聞きされていますので、まずここについて事実関係を聞いていきたいと思います。
 七月の十一日の委員会で質問させていただいた続きになるんですけれども、皆様のお手元の資料一ページ目をごらんください。
 昨年三月に、厚生労働省が約千五百万件の外国人の年間レセプト全数調査、全てを調査いたしました。国保資格取得から六カ月以内に八十万円以上の高額な治療を受けたものがあったのかということですけれども、この約千五百万件、千四百八十九万七千百三十四件の総レセプトの中で、六カ月以内に八十万円以上の高額な治療を受けたものは、〇・〇一%の千五百九十七件だというふうにここには書かれております。
 さらに、ここにいろいろありますけれども、この千五百九十七件の中で不正だとしっかりと言えるものはあったのかどうか、まずそこをお聞かせください。
○樽見政府参考人 お答え申し上げます。
 外国人の国民健康保険の利用については、入国目的を偽って在留資格を取得して高額な医療を受けているという不適正事案があるという一部報道があったことから、先生おっしゃいますとおり、昨年三月に、全市町村の一年分の国民健康保険のレセプトを対象として調査を行ったというところでございます。
 その結果、在留資格の不正等の不適正事案はほとんど確認されなかったものの、その可能性が残る事案もわずかながら存在していたということでございます。在留資格が経営・管理というような在留資格であるにもかかわらず、給与所得の申告がある事例が二件確認されたということでございます。また、既に出国しておって具体的な確認がとれなかったというものが四件あるということでございます。
 国籍による差別というようなことはあってはならないというふうに考えておりますが、被保険者の支え合いで成り立っている国民健康保険でございますので、その信頼を確保するという観点から、適正かつ厳格な資格管理というものについては必要というふうに考えているところでございます。
○尾辻委員 先ほど言われた二名は、不正な在留資格による給付である可能性が残ると書かれているだけなんですね。
 不正であると認定できたものはあったのかなかったのか、この部分、お答えください。
○樽見政府参考人 そこは確認ができておりません。
○尾辻委員 つまり、全数調査をして不正受給だと言い切れるものはなかったんです。根拠がなかった。
 なのに、次にされたことというのは、一枚おめくりいただいて、今度は、このような形で自治体に、「在留外国人の国民健康保険適用の不適正事案に関する通知制度の試行的運用について」ということで、窓口で今度調べなさいよということを、文書を発出されたわけです。
 この文書を発出された根拠はどこにあるんですか。
○樽見政府参考人 国民健康保険で本人に聞き取りを行って法務省に情報を通知するということの法的根拠という御趣旨だと思います。
 国民健康保険法におきまして、市町村は、被保険者の資格等に関して必要があると認めるときは、被保険者に対して聞き取りを行うことができるというふうになっています。また、出入国管理及び難民認定法におきまして、これは法務省でございますけれども、法務省は、関係行政機関に対し、出入国管理に関する事務の遂行に関して、必要な協力を求めることができるというふうになっているところでございます。
 こうしたことを踏まえて新たな取組を行っているということでございます。
○尾辻委員 不適正事例のこういうことを調べるための根拠事例はあったんですか。
○樽見政府参考人 先ほどお答え申し上げましたように、全体の調査をした結果として、わずかでございますけれども、不適正の可能性がある事案があるということでございますので、まさに、先ほど申し上げましたが、国民健康保険の信頼を確保するという観点から、きっちりとした対応を期したいというふうに考えたということでございます。
○尾辻委員 不正な事案を、疑いが残るだけで確認できなかった。にもかかわらず、なぜこのような調査をしているんですか。全くとして政策の整合性がとれていないですよね。実際に実例があって、その実例を防ぐためにこういうことをやりますということであれば、これは一応事実があるわけですけれども、事実が確認されなかったのにこれをやるということについて、本当にこれで正当性があるとお考えなんでしょうか。
○樽見政府参考人 昨年の時点でこの調査をするというところで、いろんな報道等でも、不適正利用があるんではないかということで、そういう懸念というものが一定程度国民の間にあるということだと思います。そういう中で、適正かつ厳格な資格管理を行っていくということについては必要なことだというふうに思っております。
○尾辻委員 事実を示していただきたいと思うんですね。そういう不正の事案があるという事実を示していただいて政策をやっていただきたいと思うんですけれども、済みません、事実を今度、委員会の理事会の方に提出していただけないでしょうか、委員長。
○橋本委員長代理 後刻、理事会でお諮りをいたします。
○尾辻委員 じゃ、実際、窓口に行って、外国籍の方がいらっしゃって、自分は国民健康保険で、六カ月以内で、限度額認定証が欲しいんだと来ました。そうしたら、国保の窓口職員は、在留カードを見せてくださいという、提出というか、そういうのは権限はあるんですか。これは任意で求めるものですか。強制力はあるんですか。
○樽見政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほど申し上げましたとおり、国民健康保険法において、被保険者に対して聞き取りを行うことができるという規定はございますけれども、任意で協力をいただくものでございます。
○尾辻委員 わかりました。任意だということですね。
 これは、ことし一年間運用ということでやっておられるかと思うんですけれども、実際に自治体の窓口から通知というのはあったのか。さらに、その通知を入管の方で、地方入国管理局の方で調べて在留取消処分に至った例はあるのかということについてお伺いいたします。
○佐々木政府参考人 お答えいたします。
 本制度開始よりこれまで、市町村から地方入国管理局へ通知を受けているのは数件でございまして、現時点で、調査等を終了したもののうち、在留資格の取消しを決定するに至った事案はありません。
○尾辻委員 結局、これは誰のために、何のためにやっているのかということですよね。まるで外国の方々が不正に国民健康保険をやっていて、窓口でもこうして取り締まるんだというようなことで、言えば萎縮効果しか生んでいないと思うんですよね。
 本来、日本に住む人であれば国民健康保険に入れるわけですから、それを、このような形で何がやりたいのか、正直わかりません。そして、今回、入管法で更にたくさんの方を受け入れるというのに、こういうことにどうして力を入れているのか、事実がないことをなぜやっているのか、本当によくわからないんですね。
 ちなみに、私、地元は大阪ですけれども、実は大阪市は、もう既に国民健康保険の窓口業務というのは委託になっているんです。派遣の会社がやっているんですね。ということは、一年ごとに派遣の会社、もし委託事業が変われば派遣の会社もかわり、もちろん人もかわるわけです。このような派遣職員の方が入国管理の専門知識を持っているんですか。
 国民健康保険の方々も、この入国の人が、この人、例えばここの三ページにあるような、留学生であるにもかかわらず通学している様子がない、これはどうやってわかるんですか。会社員であるにもかかわらず通勤している様子がない、これは窓口でどうやってわかるんですか。
 こういった入管に関しての専門知識をお持ちであるのか。そして、こういうのをどうやってわかるんですかね。教えてください。
    〔橋本委員長代理退席、委員長着席〕
○樽見政府参考人 こうしたいわば窓口での状況ということについて、自治体の職員に、一定の不自然なところがあるかどうか、それで、不自然なところがあるとすれば、それの周辺のことを調べるというようなことをやっていただくということでございますけれども、そこの知識といいますか、具体的にどういうふうにやるかということについては、その地域の実情、自治体の実情ということもあろうと思います、具体的にまた相談いただければ相談に応じていきたいというふうに考えております。
○尾辻委員 だから、こういうわからないものを、判断の基準で、自治体職員にこういうことをさせるのはおかしいと思うんですよ。
 ちなみに、ちょっと、技能実習生の場合、こういうことを把握しているかどうかなんですけれども、健康保険に加入している、被用者保険に入らなきゃいけない人、加入状況はどれぐらいですか。
○高橋政府参考人 健康保険あるいは厚生年金保険、被用者保険でございますけれども、制度の対象者が日本人であるか外国人であるかに特段差異は設けておりませんで、したがいまして、技能実習制度におきまして、健康保険、厚生年金保険に加入すべきであるのに加入していないような人数、こういったもの、あるいは加入している方の人数、こういった方の人数につきましては把握していないということでございます。
 いずれにいたしましても、年金事務所におきまして、外国人就労者を多く含む事業所も含めまして、未加入の方がいないように、事業所に対する調査、こういうものをしっかり行いまして、適用促進を図っているところでございます。
○尾辻委員 実態が、事実がない不正受給はこんなに調べて、今現実に働いておられる技能実習生の方々が本来は入れる健康保険に入っているのか入っていないのか、どれぐらいの人が入っているのか、この実態調査すらしていないというのはどういうことなんでしょうか。一体何を、誰を大事にしているのかということについて、事実を把握するべきだと思いますけれども、いかがですか。
○高橋政府参考人 健康保険、厚生年金保険、日本人、外国人にかかわらず、事業所に雇用されて条件を満たしている方につきましては必ず適用すべきもの、法律に基づいて適用すべきものでございます。
 したがいまして、日本人、外国人問わず、未加入の従業員が多いと想定されるような事業所も含めまして、適正な届出が行われているかどうかの調査をしっかり行いまして、内外というか、とにかかわらず、適用促進を図ってまいりたいと考えてございます。
○尾辻委員 しっかり働いておられる方々が本来入れる健康保険に入れていないことの方が重要な問題だと思いますよ。ですから、これはしっかり把握してください。
 大臣にちょっとお聞きしたいんですけれども、今聞いてきましたけれども、はっきりと、今回、入管法もありますから、国民健康保険から外国の方を排除するつもりはないということを明言していただきたいと思いますし、もうこの調査は今回で打ち切っていただきたいと思います。この辺、大臣の御所見を伺いたいと思います。
○根本国務大臣 今までもやりとりがありました。
 外国人の国民健康保険の利用については、昨年三月に調査を行った結果、不適正事案はほぼ確認されなかったものの、その可能性が残る事例もごくわずかながら存在していたという記述があります。このため、もう既に、市町村から入国管理局に通知する取組を新たに行うこととしましたが、要は、国籍によって差別することになってはいけないことはもちろんであります。そして、引き続き、国民健康保険の適正な利用に向けた対応についてしっかりと検討して、進めてまいりたいと思います。
○尾辻委員 今、報道で聞く限りでいくと、国民健康保険の加入の扶養状況について、ちょっとまた、海外に住んでいらっしゃる方々は変えようなんという話も聞こえてきております。
 これも事実だけ申し上げると、今、四十兆円の医療費の負担のうち、海外で医療を受けた医療費の払戻しは、日本人の請求分も含めて二十七億円です。つまり、四十兆円の〇・〇六%。この〇・〇六%の話が、じゃ、一体これで、医療費を圧迫するとかいう話になるんでしょうか。こういったちゃんと数字に基づいて議論していただくことをこれからもお願いを申し上げたいと思います。
 ちょっと時間も少なくなってきました。技能実習、少しだけ。
 大臣、お聞きしたいんですけれども、技能実習生の方から直接、大臣はお話を聞かれたことはあるでしょうか。
○根本国務大臣 まだありません。
○尾辻委員 私たち、野党ヒアリングで今回、技能実習生の方のお話をたくさん聞かせていただいております。残業代が何百万円も未払いだとか、そして、一時間の残業代三百円とか、パワーハラスメントがある、いじめがある、強制帰国がある、長時間労働、さまざま過酷な現実があります。
 これが、今度、特定技能一号と接続されることになるわけですから、今の劣悪なこの技能実習生の現状を、大臣、一度お聞きになるべきだと思いますけれども、そのようなお心づもりがあるでしょうか。
○根本国務大臣 正確に言えば、私も、技能実習生、私の地元にもおられるので、たしか聞いた記憶はあります。聞いた記憶はあります。
○尾辻委員 大臣、今、話が逆になっているんです。聞いていませんというのと記憶がありますというのは違うんですけれども、今後、これから聞かれますか。
○根本国務大臣 改めて聞いたことはないということで、私も地元でさまざまな活動をしておりますから、そういう方に接したことはあるとお答えを申し上げました。(尾辻委員「今後」と呼ぶ)まあそれは、さまざまな政策をつくる上においてはいろいろな形があります。その技能実習生の実態をどう見るか、あるいはどんな御意見があるか、それは私はさまざまな形があると思います。
○尾辻委員 お話を聞くつもりはあるかどうかをお聞きしておりますし、安倍総理、きのうの本会議では、大臣が聞くようなお話をされていましたけれども、どういうことなんでしょうか。
○根本国務大臣 さまざまな形で状況は把握できますから、それは、私はいろんな対応、やり方があると思います。
○尾辻委員 ぜひともお聞きになった方がいいと思います。自分たちの政策が現場でどうなっているのか、それがないと、政策というのは本当に有効なものにならないと思います。
 あと一つだけ聞きたいと思います。
 今回、入管法で、変わることによって何がどうなるのかということ、特定技能一号、二号ということですけれども、年金はどのようになるんでしょうか。外国人の方も含めて国民年金に加入する、そして国民年金保険料を納めることが義務化されていますけれども、この辺を教えてください。
○木下政府参考人 お答えいたします。
 今回の特定技能に係る公的年金制度の適用の関係でございますけれども、まず、公的年金制度におきましては、対象者が日本人であるかどうか、あるいは外国人であるかどうかを問わず同等に適用することとしておりますので、新たな受入れ制度によって日本に来られる外国の方々にも公的年金制度が適用されて、年金受給に当たっての条件も日本と全く同等と考えております。
○尾辻委員 脱退一時金はどうなるんでしょうかね。今、三年間しか脱退一時金はないですよね。でも、これから、特定技能になったら五年、十年ここで働かれるわけですよね。それでも三年しか脱退一時金はないということになるんでしょうか。
○木下政府参考人 これまで、日本に在留する外国人の多くの方々は非常に滞在期間が短くございまして、受給資格を満たす前に帰国することが多かったため、こうした外国人に対しまして、特有の事情を踏まえて、例外的に帰国時に請求できる脱退一時金制度が設けられております。
 こうした中で、先生御承知のように、従来二十五年とされていた老齢年金の受給資格期間が、昨年八月から十年に短縮をされました。したがいまして、受給資格を満たすためのハードルが非常に下がったわけでございますけれども、これによって、これまでよりも長い間日本に在留をして年金保険料を納めることができる外国人が増加するというのは、この新たな在留資格によって創出される可能性がございます。
 こうしたことから、まずは、こうした外国人の方々にも年金の受給権を満たしている方には年金を受給していくことが必要であるというふうに思いますけれども、その一方で、やはり、比較的短期間で帰国をして年金受給権に結びつかない外国人の方から、引き続き脱退一時金を支給してほしいという希望も、恐らく想定し得るものだと考えております。
 いずれにしても、日本に在留されている限りは、日本人であろうと外国人であろうと同じように公的年金制度による保障を及ぼしていくという大原則に立ちつつ、新たな在留資格で在留する方につきまして、脱退一時金制度のあり方も含めて、これからの年金制度改革論議の中で、実態も踏まえつつ検討を行っていきたいと思っております。
○尾辻委員 四月から入管法は新しくなるのに、まだ年金制度がどうなるか決まっていない、これから検討する、こういうことで本当にいいんでしょうか。私たちは、合同審査、法務委員会だけではだめだということを申し上げています。こういったこと、まだまだ問題は山積みですから、ぜひ合同審査をしていただくことをお願い申し上げまして、私の質問としたいと思います。
 ありがとうございました。
○冨岡委員長 次に、池田真紀君。
○池田(真)委員 立憲民主党の池田真紀です。どうぞよろしくお願いいたします。
 早速質問に入らせていただきます。質問といいますか、質問の前に、この間に、閉会中に新聞でも流れておりました障害者雇用の水増し問題について、改めてお伺いをしたいというふうに思っています。
 今、資料にも、一ページ、いろんな新聞の方で十一月十三日に報道があったものなんですが、この問題に対して閉会中にも審査を行わなかったです。そして、検討結果といいますか、野党の方では合同ヒアリング等で内容をいろいろお伺いしましたけれども、納得いくものでは全くありません。そういう中で、今回、処分しないというものだけがこのような報道がなされたわけですが、このことに関して、改めて大臣の方にお伺いをしたいと思います。どういうふうなお考えを持っていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
○根本国務大臣 障害のある方の雇用や活躍の場の拡大を民間に率先して進めていくべき国の行政機関の多くで、法定雇用率が達成されない状況が長年にわたって継続していたこと、これは極めて遺憾であります。深く反省するとともに、改めておわびを申し上げます。
 今般の国の障害者雇用をめぐる一連の事態については、公的部門における障害者雇用に関する関係閣僚会議のあった十月二十三日に、私から事務次官と職業安定局長に対し、注意、指導を行いました。具体的には、組織として二度とこのような事態が生じないよう再発防止にしっかりと取り組むこと、障害のある方の雇用の推進に全力で取り組むよう徹底を指示したところであります。
 さらに、全部局の幹部を集め、今般の事態を深く反省し、再発防止に取り組むことはもとより、みずから障害者を雇用する役所として、障害のある方々が働きがいを感じられ、持てる力を最大限に発揮できるよう、しっかりと取り組むよう訓示を行ったところであります。
 このような注意、指導などは、組織全体として重く受けとめるべきものであり、障害のある方の雇用の推進に全力で取り組んでまいりたいと思います。
○池田(真)委員 今大臣がおっしゃったのは、所信の挨拶のときにも大臣がおっしゃっているそのままの言葉だなというふうに思っておりますが、その所信の挨拶でも、私は一つ問題だと思っているんですよ。
 それは、法定雇用率を満たしていない状況であったというふうにおっしゃっていますが、これ自体が問題じゃないですか。満たしていないんじゃなくて、満たしているように改ざんしていたんでしょう。水増ししていたんじゃないですか。こういう文書の改ざんと言われても仕方のないようなことをしゃあしゃあと言うということ自体に、何ら改善をしていこうという心意気を全く感じないわけです。民間の方に指導していくと。
 もっと言えば、二〇一四年でありますけれども、当時、独立行政法人の労働者健康福祉機構の場合の水増しは、三人の方を処分されておりますし、あと刑事告発をされている。にもかかわらず今回全く何もしていないというのは、これは国民に誠意は全く伝わらないというふうに思います。
 この問題については、中身、また改めて委員会の中で精査をして質問させていただきたいというふうに思います。まずはそのことを冒頭に申し上げさせていただきました。
 あわせて、集中審議をお願いしたいと思います。委員長、お願いします。
○冨岡委員長 はい。一応、理事会で議題といたします。
○池田(真)委員 ありがとうございます。よろしくお願いします。
 そうしたら、じゃ、次の質問に入らせていただきますが、昨日、通告のときにはちょっと順序が、先に生活保護ということで御質問の方を言わせていただきましたが、ちょっと資料の関係で社会保険の方を先にさせていただきます。ちょっと御了承いただきたいと思います。
 医療保険、社会保険、公的年金について、外国人、今いらっしゃる外国人、技能実習生だけにかかわらずの問題でございますが、社会保険に関して、資料の二ページ、三ページ、四ページと、やはり多くの皆さんが社会保障の問題を不安に抱いていらっしゃいますね。
 ここは厚生労働委員会でございますから、ぜひ、ここの年金、医療、社会保険について、今現在、現行の制度の適用で結構ですので、一度お願いします、お答えいただきたいと思います、参考人さん。
○高橋政府参考人 私から、年金ですとか政府管掌健康保険、協会けんぽにつきまして中心に、御説明を申し上げます。
 年金や健康保険、外国人であろうと日本人であろうと同等に適用する、こういう仕組みでございまして、したがいまして、外国人の適用状況、こういうことでございますと、そういう数字があるわけではありませんけれども、適用要件を満たした人につきましてしっかりと適用する、事業所についての事業所調査をする、また、国民年金や地域保険である国保などにつきましては市町村の窓口を通じて行う、また、そこのところを国と市町村の連携を行っていく、そういうことでしっかりと対応しているところでございます。
○池田(真)委員 健康保険加入状況について、外国人の方、技能実習生の健康保険の加入状況は九二・七%、非常に高い状況で、これは平成二十九年度における調査でございますが、あと、こちらの方の日系外国人労働者についての健康保険の加入状況は、社保が四五・二%で、国保が一九%、一一・九%が全くいずれも加入していないという調査結果もありますが、でも、この数字も、私は改めてちゃんと調査をすべきだというふうに思っています。と申しますのも、非常にいろいろな現場で、医療が受けられないというような方が多くいらっしゃいますので、ぜひもう一度、改めて調査をしていただきたいと思います。
 そして、こちらの方の不安に対して、今、この新聞でも、今後どうなるんだろうというような、社会保険をやっていきます、社会保障をやっていきますといいながらも、詳細がまだ検討もされていないし、どのぐらいの見込みか、どのぐらいの予算か、どういう取決めをするのかといったことも全く議論がなされていません。
 ということで、まずは、現在、現状の実態調査を行って、さらに、どういう懸念があるのかとか、どういう可能性があるのか、どうすべきだといったものを、もう少し厚労省として意見を述べていただきたいというふうに思います。大臣、いかがでしょうか。これから拡大する見込みがありますので、取り組んでいただきたいと思います。
○根本国務大臣 我が国の医療、年金などの社会保険制度、これは、外国人の方々も適切に適用していくことが重要だと考えております。
 厚生労働省としては、このような考え方に立って、適切な労働条件、安全衛生の確保などの雇用管理の改善や、あるいは外国人材の方々への社会保険の適切な適用、医療機関における外国人患者受入れに関する環境整備などを進めることによって、来ていただいた外国人材がその有する能力を有効に発揮できる環境を整備していくことが必要となると考えております。
○池田(真)委員 本当に整備をお願いしたいと思います。
 それで、資料の方の5番は、ここに、外国人被保険者データということでありますが、やはり日本人が、まず加入者がどんどん減っている、そういう中で、外国人の方は微増みたいなところだったり同じというところであるんですが、全体で見ると割合はふえています。
 ただ一方で、新宿区を見ますと、六ページになりますけれども、外国人、とりわけ二十代の留学生が非常に高い割合で加入をされているということでありますから、また日本の中で日本人の加入状況はどうなのかということもあわせて比較をしながら、総合的な政策判断をしていただきたい、そして、厚労委員会で議論していただきたいというふうに思います。
 もう一つ、参考なんですが、配付資料の7番、これは介護保険の一号被保険者です。これは認定をしたり利用したりではなく、あくまでも被保険者の数ということではありますが、これは軒並みふえていますよね。
 十年ぐらい前になりますが、私も現場の方で、介護の事業所の関係ですが、調整をする際に、中国の利用者さん、中国系の外国人の介護を利用したいという方については、中国の方がいらっしゃる事業所につないだりというようなことをやっておりましたので、もう既にその当時から、さまざまな現場で外国人の方々が労働者としてこの日本の中で働いていらっしゃるということもあわせてお伝えをしたい。そして、利用者としてもいらっしゃるということもお伝えしたいと思います。
 そして、ここまでは一つなんですが、新聞報道の方、もう一つ、ちょっともう一度戻って、教えていただきたいんですけれども、こちら四ページになります。政府・自民党は健康保険の利用、加入要件を厳しくする方針だ、海外に住む親族の加入を制限する、一九年にも健康保険法改正案を国会に提出するというふうにあります。どの辺まで決まっているのか教えてください。
○樽見政府参考人 被用者保険の適用ということについて、在外被扶養者の問題がここに、御指摘のところに書いてあるわけでございますけれども、在外被扶養者の適正な認定の観点から、ことしの三月に、海外に居住する被扶養者の方の認定方法というものについて、原則として公的書類を出してくださいという形で認定する方法に統一というものを図ったところでございます。
 在外被扶養者の問題について、今後、外国人労働者の増加が見込まれるという中で、自民党からも、医療保険の適正な利用に向け、運用の強化や法改正を含めた制度的な対応の強化を図ることといった指摘をいただいているところでございますし、こうした各般の御議論、与党の議論といったものを踏まえまして、厚生労働省において対応を検討していくということとしている、そういう状況でございます。
○池田(真)委員 厳しくするというのは、具体的にどういうことですか。
○樽見政府参考人 三月にやったことについて申し上げますと、これまで、保険者ごとに、被扶養者認定、特に在外の被扶養者認定について、どういう書類で親族関係とか扶養の関係とかということを確認するかということについて必ずしも明確なルールがなかったので、そういうものについて、公的書類によって認定するという形で統一をするということで、これは厳格化ということだと思います。
 これから先のことにつきまして、加入要件を厳しくする方針だと今御指摘の新聞記事に書いてございますけれども、私どもとしては、各般の御議論を踏まえ、与党の議論を踏まえ、被用者保険における対応を検討するということでございまして、何か具体的なことを要件にするということを方針として固めているということではございません。
○池田(真)委員 まだ具体的ではないということですので、後々議論をさせていただきたいというふうに思っております。
 昨日の本会議の中で、公明党の浜地議員さんの質問に対しての総理の回答、答弁でも、あくまでも、労働力とか労働者だけではなくて、外国人の方の働き、そして学び、生活することを、受け入れる側の中で、共生社会の実現に万全を期してまいるという話をされていますから、そういう意味でのきちっとした支援ということに私は受けとめております。
 それと、最後になります。時間がもう過ぎてしまいますが、最後の質問なんですが、先ほどの年金とかにも若干絡んでまいりますので、ちょっと在席していただきたいんですけれども、生活保護の問題です。
 先ほどの、最後のセーフティーネットになりますから、さまざまな医療等受けられなかった場合といったときに、要件はもちろん決まっておりますけれども、生活保護の中で、要件、該当する外国人の方々がいらっしゃるわけです。その問題を抜きにはできないと思います。先ほど、LGBTの差別発言もありましたけれども、このようなことも生まれては絶対いけないと思いますので、きちっと今国会でも議論しなければいけないというふうに思っています。
 まず、その中で、今、外国人の方の生活保護の問題で、今後の法改正というか、今国会で今議論されている入管法の改正によって何か変更点等、検討されていることがあれば教えてください。なければないで結構です。
○谷内政府参考人 お答えいたします。
 外国人の生活保護につきましては、日本人と同様に日本国内での活動の制限を受けない永住者、定住者などの在留資格を有して、適法に日本に滞在する外国人の方につきましては、行政措置として、生活保護法に準じた保護の対象としております。
 今般創設予定の新たな在留資格は、それとは違いまして、その活動が一定の業種の範囲内の就労に限定されるものでございますので、この場合は、これまでの就労目的の在留資格を有する外国人と同様、生活保護法に準じた保護の対象とはしませんので、特段何か変更するというものではございません。
○池田(真)委員 今の現状ということでありましたけれども、該当しないから問題ないんだということではないと思うんですね。今回、新たな外国人を受け入れていくということですよね。その人たちの社会保障制度をどうするんですか、どういうルールを決めていくんですかということの中で、年金担当、医療担当、そして生活保護というところの現場から、きちっと、人権的にどうなのか、生存権としてはどうなのかということを真剣に考えなければいけないことだと思います。今該当しないから問題ないんだという話ではないということを申し上げたいと思います。
 今検討されている入管法の中で、家族の帯同を認めないというようなことも一つ、もう一度議論し直さなければいけないかと思いますが、一つ、事例ではありますけれども、つい先日でございますが、もともと他国の、どこの国とは申しませんが、他国のところでお子さんがいらっしゃるお母さんが就労で入国をされていました。そして、とある事情で生活保護を受給という形にはなりましたが、その方は母子であります。
 日本人とのお子さんがいらっしゃるということで日本でおりましたけれども、そういう中で、一緒に暮らしたいということで、母国に置いてきたといいますか、もともといたお子さんを、観光等の短期のビザでこちらに来られたという中で、学校はこの事情を非常によく理解をしていただいて、義務教育ではないんですが、その兄弟と同じ学校に通わせていただけました、編入許可をいただいて。ただ、生活保護は要件に該当しなかったので、生活保護はその子供さんについては該当はしなかった。でも、三カ月でやはり入管への手続、在留資格の変更の調整をする支援者がいなかったということもあって、このお子さん一人は母国の方に帰すというようなことになってしまったんですが、この国、本当にそれでいいのかなということをもう一度ちゃんと整理しなければいけないと思います。
 外国人の労働力をおかりして、この日本の御都合で、人口減少だ、あるいはオリンピックまでの間だということで、人手不足を補おうと一定層の外国人の方々を呼び寄せて、それで家族を分断していくというようなことが本当にいいのかということをもう一度議論をしなければいけないというふうに思います。
 例えば、今、生活保護の問題でいいましても、平成二十八年度、こちらの方をごらんいただければと思うんですが、最後のページの八ページになりますが、これは厚労省からいただいた数字なんですけれども、飛び飛びになっているのは理由がありまして、一番、昭和五十六年のところは難民条約のとき、そして二〇〇八年はリーマン・ショック、その後は東日本大震災、そしてあと、直近というところで、その前後の方々の推移といったものが変化がどうかなというところで前後をつけておりますが、そう大幅に変わっていないんですね、そこの部分の前後については。いろいろなことが起きたときでございますけれども。でも、全体として外国人の方はふえていらっしゃるわけであります。
 これは、当然、全体像がふえているわけですからそういうことにはなりますので、この生活保護、最後のセーフティーネットの中でも非常に前回でも議論になりましたが、この生活保護についても、現実的に、今、運用の場面ではなく、権利としてどうなのかということを改めてこの委員会でも議論させていただきたいというふうに思います。
 前回、昭和五十六年では、法務委員会と外務委員会と社会労働委員会、今の厚労委員会だと思いますが、三つの連合審査会という形で議論を丁寧にしています。今回、大幅にいろいろ物事が変わっていく中で、短期間で、厚労省は知りませんよというわけにはいかないというふうに思います。
 また、外国人の受入れのところで、大臣所信の挨拶のところの中で、生活保護については生活困窮者及び生活保護法の改正についてのみだけでした。こんなに生活保護という保護行政、公的扶助が語られなかったということは、本当に初めてではないかというふうに思います。
 そして、介護の現場についても語られていなかったです。新たな外国人の受入れについてという挨拶の中の文言の中にも全く、厚労の分野で扱っていく介護現場、ここについてどういう人材の受入れを、どういう法整備をしていくのかということも全く触れられていなかったです。
 今国会についてこの辺に触れられなかった部分について、大臣のお考えをお聞かせください。
○根本国務大臣 その点についてはしっかり対応していきたいと思います。
○池田(真)委員 合同審査を受けてくださるということですか。
 求めたいと思います、委員長。委員長に求めたい、とりあえず。
○冨岡委員長 理事会で議論していただきましょう。大臣が答弁するようなあれじゃないからね。いいですか。
○池田(真)委員 はい、いいです。
 すごく短かったんですけれども、しっかり取り組むということだったので、この後に期待をしております。しっかり時間をとって、この委員会を運営していただきたいと思います。委員長にもお願いを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
○冨岡委員長 次に、大西健介君。
○大西(健)委員 国民民主党の大西健介です。根本大臣、よろしくお願い申し上げます。
 質問に入る前に、先ほど初鹿委員から風疹のワクチンの話がありました。
 実は、私は今、党の国民運動局長というのをやっておりますが、国民民主党では、党本部のホールで、先日、集団接種を行いました。議員、それから秘書、また党の職員の皆さんに風疹の予防接種、抗体がないと思われる方はぜひ受けてくださいということで行いまして、議員でいうと玉木代表を始め多くの議員が受けましたし、また秘書会にも間接的な支援、それから職員については福利厚生の中で支援を行いました。
 ぜひ、我々もみずから取り組むことによって世の中に広く風疹の予防接種を呼びかけていきたいというふうに思っておりますので、冒頭御紹介をさせていただきたいというふうに思います。
 次に、外国人労働の、新たな外国人労働者の受入れの問題について私も聞いていきたいんですけれども、入管難民法の改正案は法務委員会で審議をされますけれども、先ほど来出ているように、日本人の労働者に与える影響、あるいは帯同する家族の医療保険や年金の問題、この厚生労働委員会にも非常に密接にかかわるテーマでありますので、先ほども連合審査という話がありましたけれども、過去、調べると、二国会にわたって六回連合審査を法務委員会と厚生労働委員会でやった例もあります。
 ぜひ連合審査もやっていただきたいと思いますし、連合審査だけではなくて、この厚生労働委員会でしっかり時間をとっていただいて、きょう出ているようなさまざまなテーマについて大臣とのやりとりをする時間もしっかり確保していただきたいということを冒頭、委員長にお願いをしておきたいというふうに思います。
 まず、資料の一枚目、これも繰り返しいろいろな委員が触れられている問題でありますけれども、厚生労働省がことしの六月に、昨年の技能実習生の受入先企業で違法な残業をさせるなど労働法令違反が過去最多の四千二百二十六カ所で見つかったということを発表しています。また、ここにも書いてありますけれども、労基署が法令違反の疑いがあると指導監督に入ったうち約七割に実際に違反があった。非常に多くの違反が技能実習で起きている。
 そこで、大臣にお聞きをしたいと思うんですけれども、今回できる新たな制度、これができれば法令違反は確実に減ると言えますか。どうでしょうか。端的にお答えをいただきたいと思います。
○根本国務大臣 そこは、しっかりと労働基準監督署において監督し、指導していくということだと思います。
○大西(健)委員 私が聞いているのは、新しい制度が出たら、法令違反は減るか減らないか。何で減ると自信を持って言えないんでしょうか。減るか減らないか、どちらかでお答えいただきたいと思います。
○根本国務大臣 そこは、やはり私は行政においてしっかりと指導監督していくということだと思います。
○大西(健)委員 しっかり指導監督したら、減らすことができるんじゃないんですか。減らないのに、むしろふえるという話だったらば、そんな制度はつくっちゃだめだと思うんですけれども、何で減ると言えないんでしょうか。もう一度。
○根本国務大臣 私がしっかりと指導監督すると申し上げたのは、労働基準監督署において、外国人労働者の法定労働条件の確保について、これまでも事業場に監督指導を行い、そして、そのときに必ず、外国人労働者の有無を把握するとともに、労働条件や安全衛生の確保が図られているか確認し、法違反が認められた場合には、是正を図るよう指導を行っております。
 ハローワークにおいても、事業主が講ずべき措置を定めた指針に基づいて、外国人材の雇用管理の改善に向けた助言や指導などを行っているところであります。
 こうした取組に加えて、厚生労働省では、新たな在留資格によって受け入れる外国人材の適正な労働条件の確保を図るため、新たに創設される出入国在留管理庁と相互通報制度、こういうものの運用など緊密な連携を図ることにしております。
 安心して働ける環境の確保に向けて、しっかりと対応していきたいと思います。
○大西(健)委員 大臣、今、何か長い答弁をされましたけれども、しっかり監督しますというのは当たり前のことですよね。
 今私が配っている資料を見たら、これはずっとふえているんですよ、今の状況では。でも、新しい制度をつくって、そして今言われたように、指導監督をしっかりやれば、減るんですよね。減らないんですか。
 今、指導監督に入ったところの七割に法令違反が見つかっているんですよ。日本人の労働者だけがいるところでは、普通の事業場ではこんなことはないと思うんですけれども、これだけ高率に、高い率で、高い確率で法令違反が行われているという現実があって、これからもしっかり監督しますというのは、それは当たり前のことなんです。
 今度新しい制度ができたら、減るんですか減らないんですか。どっちなんですか。
○根本国務大臣 先ほども申し上げましたが、今までやってきた取組に加えて、新たに創設される出入国在留管理庁と相互通報制度もやりますから、緊密な連携を図ることによって減るように努力していきたいと思います。
○大西(健)委員 減るように努力するという言葉が出ましたけれども、減らないと私はおかしいと思うんですよね。
 るる皆さんがおっしゃっているように、現状の技能実習制度では年間七千人の方が失踪していると。その理由として、法務省なんかは、よりよい条件を求めてと言っているけれども、現にこれだけの法令違反があるわけですよ。長時間労働であったり、パワハラであったり、セクハラであったり、いじめであったり、あるいは労働安全がしっかり守られていないとか、そういう中で逃げ出しているという現実があるわけですから、そこをしっかりきれいにしなきゃいけないんじゃないか。
 まさに、技能実習制度がきれいにならない中で、技能実習の延長のような形での特定一号、特定二号というのをつくるのでは、私は、この制度はうまくいかないんじゃないか。
 私は、基本的には、人口減少の中で外国人労働力を入れることを拡大することには個人的には賛成ですけれども、やるからには、ちゃんとした制度を整えていかなきゃいけない。やって、まだ法令違反がふえますよという話では、労働法令を所管する大臣としては減るように努力しますとおっしゃったけれども、私は、減らしてもらわないとこれは困るというふうに思いますので、重ねてそのことは申し上げておきたいというふうに思います。
 もう一つ、今、外国人労働者というのは、我が国にはたくさんの方々が働いています。皆さんも、日ごろ、夜中のコンビニでレジを打っている留学生の方を最近ではよく見るようになったというふうに思いますし、私の地元は自動車産業が盛んな地域ですけれども、多くの日系ブラジル人の方であったりとか、技能実習生の方々が働かれています。そういう人たち抜きに、自動車産業も、農業も、そしてコンビニも成り立たないというのが現実になってきているというふうに思います。
 その中で、私の地元では、リーマン・ショックのとき、日系ブラジル人を中心とする日系人の方々が多く職を失って帰国をされました。
 先ほどもちらっと話が出ていましたけれども、そのときには、厚生労働省が事業主体になって、厚生労働省が平成二十一年度に帰国支援事業というのをやったんですね。再就職を断念して帰国を決意した者に対して、当分の間、同様の身分に基づく在留資格による再入国を認めないということを条件にして、本人一人当たり三十万円、扶養家族の方は一人当たり二十万円の帰国支援費を税金で支援する、こういうことをやりました。
 そのときに帰国支援事業で母国に帰った日系人は二万一千六百七十五人に上ります。このときに再入国禁止条件というのをつけたんですね。そのことについていろいろな議論があったんですけれども、そのときに、何でこれは再入国禁止条件をつけるんだということを聞いたら、当時の厚労省はこういうふうに説明しています。
 帰国は自費でというのが当然の話、支援金を受けてまで帰るのであれば、一時的な帰国ではなく、将来も日本で再就職しないことが条件、日本の景気が上向いたらまた来日するというのでは国費を使う上で困る、こういうふうに厚労省は説明していたんです。
 ところが、その数年後、平成二十五年ですけれども、今度また景気が回復してきた、また人が足りなくなってきたから、その再入国禁止条件をつけてお金を渡して帰ってもらった人であっても、一年以上の雇用契約があれば再入国できるといって、また緩和したんですよ。
 これを見ていると、そういう批判が実際にあったわけですけれども、人手が必要なときは呼び込んでおいて、要らなくなれば手切れ金を渡して帰ってくれ、こんなことでいいのか、こういう批判があったんです。
 リーマン・ショックのような経済不況が起きることというのは、またこれからもあり得ることだというふうに思います。そういうことが、同じようなことが起きたときに、厚労省が平成二十一年度に行ったように、お金を渡して、手切れ金を渡して帰れ、こういうことをまたするんでしょうか。大臣、いかがでしょうか。
○根本国務大臣 そういうことは考えておりません。
○大西(健)委員 私は、今言ったように、必要なときだけ来てくれと言って、そして要らなくなったら手切れ金を渡して帰せというのは、ちょっとやはり、これから正面から外国人労働力の受入れを拡大しようという考え方とあわせて考えると、これは違うんじゃないかと思うんです。
 その中で、先ほど言ったように、この事業を使って二万一千六百七十五人の方が一回帰られました。でも、帰らなかった人もいっぱいいたんです。私の地元にも、帰らなかった人はいっぱいいた。それは何でかというと、子供が日本で生まれたとか、家のローンが残っているとか、帰りたくても実際には帰国できない人というのも多くいたんですね。
 ただ、今大臣は、もう帰ってもらうということはやりませんと言われたけれども、一方で、先ほどの御答弁、どなたかの委員の御答弁にあったように、現在検討されている新しい特定一号、特定二号の方々は、これは生活保護の対象にならないんですよ。
 じゃ、リーマン・ショック級の大きな経済不況が起きて、帰ってもらうこともやりません、生活保護も受けられません、職も失いました、そういう人が、ボリュームはわかりませんけれども、何万人、何十万人と日本じゅうにあふれるということが起こる可能性があるんですけれども、それは大丈夫なんでしょうか、大臣。
○根本国務大臣 今回の新たな外国人受入れ制度、これについては、あくまでも、生産性の向上や国内人材の確保の取組を行ってもなお、当該分野の発展、存続のために必要と認められる場合において外国人材の受入れを行うもの、これが今回の制度であります。
 また、受け入れた分野において必要とされる人材が確保されたと認めるときは、外国人材の新規受入れを一時的に停止することができるという仕組みが設けられております。
 このような仕組みで、今、リーマン・ショック級というお話がありましたが、このような仕組みのもとで、なお外国人材が本人の責めによらずに失業した場合には、受入れ企業や登録支援機関が転職支援を行う方向で検討されていると承知しております。ハローワークにおいても、これらの機関と連携して、そういう場合にはできる限り速やかな再就職支援に取り組んでいきたいと思います。
○大西(健)委員 新規受入れをしないことはわかりますよ。ただ、さっきも言ったように、セーフティーネット、いわゆる生活保護の対象にもなりません。そして、在留期間が残っている場合には、直ちにそれを打ち切るようなことはしないような旨の答弁を先ほど法務省の方がされていました。
 もちろん再就職の支援活動はやるんでしょうけれども、リーマン・ショック級の不況だったら、日本人でもなかなか再就職できないですよ。日本人でも就職できない。そういう状況の中で、生活保護も受けられない、帰すということもやりません、そして職も失いました、在留期間が残っている、そういう人が、わかりませんけれども、何万人、何十万人と日本じゅうにあふれて大丈夫なんですかということを聞いているんですけれども。
○根本国務大臣 今回の新しくつくる制度においては、就労を目的とする在留資格で入国する、この入国した外国人が失業したまま再就職することなく三カ月以上在留し続けた場合には、在留資格に応じた活動、要は就労を行っていないとして在留資格の取消し事由に該当し得るものと考えられますが、入管当局が実際に在留資格を取り消すかどうかについては、当該活動を行っていないことについての正当な理由があるかなどを踏まえて個別に判断されると承知をしております。
○大西(健)委員 多分そうなんですけれども、そうなると、例えば特定二号で、本来更新が認められればずっといられるだろうと思って日本に生活の基盤をつくってしまった人、子供も、日本で生まれて、日本語の教育しか受けていないけれども、再就職がうまくいかなかったら、三カ月以上うまくいかなかったら、在留資格が取り消されて、帰れと言われるんですよ、お子さんも日本で生まれたのに。そういうことが起こり得るということですよね。それがどれぐらいのボリュームで起こり得るのかも、私はそれにもよると思いますけれども、何万人みたいな話になってくると、これはやはり大きな問題になるんじゃないかなというふうに思います。
 そういうまだまだ詰まっていないところが私はたくさんあると思いますので、やはり、これからもこういう時間をとっていただいて、しっかり議論をしていきたい。きょうは、外国人労働問題についてはこの程度にとどめたいと思います。
 私どもは、未来先取り政党と玉木代表が申し上げているように、時代を先取りして積極的に提案もしていきたいというふうに思っています。
 例えば、今の、今後、外国人労働者がふえてくるということになると、銀行口座の開設に時間とか手間がかかるために、なかなかすぐに、来てすぐに外国人の方が銀行口座を持てない。では給料の振り込みはどうするんだというときに、デジタルマネーによる給与支払い、こういうニーズが出てくるんじゃないか。
 実際に、アメリカでは、銀行口座を持たない移民を中心に、ペイロールカードと呼ばれるカードで給料を受け取る人が今でも約一千二百万人いるというふうに言われています。他方で、労働基準法は非常にこういうことを想定していないので、給与は原則現金払いですよということになっているんですね。
 もちろん、労働者がちゃんと選択できるようにしなきゃいけない。うちの会社は全部デジタルマネーで払いますからと言って選択できないというのは、それは困るし、それから、ちゃんと給与が引き出せるような給与の保全、これもしっかり図っていかなきゃいけませんけれども、給与のデジタル払いを解禁すること、政府が今、キャッシュレス社会を推進するみたいなことを言っているので、それも、このことをやれば後押しにも私はなると思うんです。
 当初は難色を示していた厚生労働省も、給与のデジタルマネー払いの規制見直しの方針を固めたというふうに聞いているんですけれども、デジタルマネーによる給与支払いの解禁の方針と具体的な検討のスケジュールについて、大臣から御答弁をいただければと思います。
○根本国務大臣 確かに、アメリカなどの欧米に比べますと、日本は銀行口座が非常に充実した国ですから、今までは、賃金の支払い方法として、現状で認められている銀行口座など以外に、資金移動業者が開設する口座への支払いを可能とすることについて、これは今、国家戦略特区会議での提案等も踏まえて、導入の可否について検討しております。フィンテックもどんどん進んでおりますから、こういうニーズが出てくるんだと思います。
 今、委員からのお話もありましたが、厚生労働省としては、資金の確実な保全がなされるか、換金性があるかなど、賃金を受け取る労働者の立場から、その保護に留意する必要があると考えておりまして、引き続き、金融庁や関係団体と十分に協議しながら検討していきたいと思います。
 なお、スケジュールについては、現時点では未定であります。
○大西(健)委員 私の手元に、日経新聞の十月二十五日という記事ですけれども、ここでは、一九年に労政審で審議に着手し、同年中にも労働基準法の省令を改正する方針だと書かれていますけれども、このスケジュールは、じゃ、正しくないというか、誤報、まだそこまでは詰まっていないということでしょうか。
○根本国務大臣 具体的なスケジュールについては、現段階ではまだ決まっておりません。
○大西(健)委員 キャッシュレス社会を推進する、それから外国人労働者がふえていくということでいえば、私は、これはぜひ早く検討していただきたいというふうにお願いをしておきたいと思います。
 次に、医療保険についてお聞きをしたいと思います。
 二〇〇一年に出版された大臣の著書、石原伸晃さんや塩崎元大臣との共著の中で、大臣は、豊かな高齢者には応分の負担を求めるというふうに書かれています。私も基本的な考え方は賛同します。同じ考え方です。
 現在でも、例えば、現役並み所得のある高齢者は、現役世代と同じ三割の医療費の窓口負担をお願いしています。
 仮に、現役並みの所得の基準を見直して、その対象を拡大するとします。実は、現役世代の負担がその場合にはふえるんです。私、これってちょっとおかしいなと。要は、高齢者の方々で、より負担できる方に負担してもらおうというのは、現役世代の負担を軽減するためにやるんだと思うんですけれども、これをやると現役世代の負担が重くなるんです。
 何でそんなことが起こるかというんですけれども、それは、資料の一ページ目の裏を見ていただきたいんですけれども、これは後期高齢者医療費の公費負担の財源構成。原則は、公費が五〇%で、現役世代の支援金が四〇%で、保険料が一〇%、これが原則なんです。
 ところが、真ん中のこの帯を見ていただくと、現役並みの所得がある人の財源構成は、この斜線の部分、本来公費が入るべきところ、この四千億がすぽっと抜け落ちるんです。
 ですから、それをならすと、一番下の帯のように、現役世代の負担が四〇%から四二%にふえる、こういう結果になってしまうんです。
 四千億穴埋めしろとはなかなかちょっと言えないと思いますけれども、でも、例えば、現役並み所得の基準を見直して、今、七%、全体の七%の現役並み所得の人を、八%ぐらいちょっと三割負担をお願いしましょうと、一%ふやしたとします。そうすると、健保連の試算だと五百億円現役世代の負担がふえるんですよ。でも、それは私、やはりおかしいと思うんですよ。
 大臣がさきに言われたように、豊かな高齢者に応分の負担をお願いしましょう、私も賛成です。それは何のためにやるかといったら、現役世代の負担を軽減するためなのであって、例えば、七%を八%、もう一%多くの高齢者の方々に三割負担をお願いするんだったら、現役世代の負担が五百億ふえるなんて、こういうのはおかしいと思うんですけれども、これはそういうことであってはならないと思いますけれども、大臣、どうお考えでしょうか。
○根本国務大臣 後期高齢者の医療給付費については、先生今御紹介ありましたように、原則として、公費五〇パー、後期高齢者支援金四〇パー、後期高齢者自身の保険料一〇%で賄っております。
 一方で、今お話しのとおり、現役並み所得区分の被保険者の医療給付費については、公費負担の対象としておらず、後期高齢者支援金九〇%、後期高齢者自身の保険料一〇%で賄われている、これは事実であります。
 私も過去においてこの議論にも確かに参加しておりましたが、これは実は、後期高齢者医療制度施行前の老人保健制度、この老人保健制度について、後期高齢者医療制度というのを施行したわけですが、制度の持続可能性確保のために公費負担割合を三割から五割に引き上げた、三割から五割に引き上げた際に、限られた公費の重点化を図る必要があったので、一定以上の所得を有して、現役世代と同じ給付率である方については公費負担を行わないということとされておりました。これを踏まえて、後期高齢者医療制度においても同じ仕組みとしたものであります。
 こうしたことから、現役並み所得区分の被保険者の医療給付費については公費負担の対象としておりませんが、財政状況が大変厳しい中での公費の投入は限界があるということについて御理解を賜りたいと思います。
○大西(健)委員 私は仕組みを聞いているんじゃないし、財政が厳しいからというのは理解しているんです。だから、四千億を埋めよと言っているんじゃないんです。
 でも、高所得の人により負担してもらいましょうとやるのは何のためかといったら、現役世代の負担を軽減するためなのに、七%の対象を八%にふやしたら現役世代の負担が五百億ふえますって、これは不合理でしょうということを言っているんです。
 だから、ぜひそこは、過去はこうだったというのは今お聞きしましたけれども、私はこれはおかしいと思いますから、ぜひ変えていただきたいというふうに思います。
 ちょっと時間がないので最後のテーマになってしまうかもしれませんが、いわゆる就活ルールの見直しについて聞きたいというふうに思います。
 十月九日ですけれども、経団連は、大手企業の採用面接の解禁日などを定めた指針を二〇二一年春入社の学生から廃止をするということを決定しました。
 ところが、政府は、資料の次のページですけれども、にあるように、関係省庁連絡会議というのをつくって、そして、現在の大学二年生については現行の就活ルールを維持すると。それは私もいいと思うんです。急なルール変更だと学生も混乱するので、今の大学二年生はちょっと、既に、まあ今のルールでいきましょうというのはいいと思います。
 ただ、これを見ると、今のところ政府は、今後もルールの変更は考えていない、こういうことなんですね。これはちょっと、私、理解に苦しむんです。経団連がもうやりませんと言っているんですよね。現在でも外資系企業とかベンチャー企業というのはこの経団連の指針を守っていないわけです。枠外にある。
 例えば、外資と経団連加盟の大手企業の両方を志望しているような学生にとっては、外資は早目からもう就活がスタートしているし、大手企業は後ろになるわけですから、かえって就活期間が長くなっているんですよ。学生の負担が重くなっている。また、ベンチャーとか外資は守っていませんから、例えば、言い方はあれですけれども、我が国の優秀な人材が外資にとられちゃっているんですよ。こういうことをこのまま続けていていいのか。
 経団連が自主的にやっていますよということだったらいいんですけれども、経団連がもうやめますと言っているのを国主導で維持するということが本当に必要なのか、これについて大臣の率直な御意見を聞かせていただきたいと思います。
○根本国務大臣 委員お話しのとおり、これまでの大学生の就活ルールの指針を定めてきた経団連から、要は、経団連としては指針を策定しない方針が決定されました。
 これに対して、今お話ありましたように、大学、中小企業などの関係者から、就職採用活動への目安がなくなることによる混乱、負担の増や学業への悪影響などの不安が示されて、経団連からも、ルールの必要性自体には一定の理解が示されました。
 これらの関係者から、政府による早急な対応の期待が示されたことなども踏まえて、内閣官房において就活ルールに関する連絡会議が開催されて、厚生労働省も参画した上で、二〇二〇年度卒業予定者、現行二年生の就職採用活動の日程等について、現行指針と同様の日程を維持する方針が取りまとめられました。
 現行一年生以降の就活ルールなどについては、来年度の連絡会議で改めて検討することとしております。その際には、関係省庁が連携して、採用選考の手続の影響などについても必要な実態把握に努めた上で、今後の就活ルールの検討を進めていきたいと考えております。
○大西(健)委員 今後についてはまた検討するとは言っているけれども、当面変更する可能性は高くないとここに書いてあるんですね。でも、私は、今言ったように、これは違うんじゃないかと。
 よく例えば中小企業の話とか出てくるんですよ。大企業がどんどんどんどん青田買いで前に前に倒していくんじゃないかということを言う人がいるんですけれども、これは企業にとっても、余り早くやり過ぎても、じゃ、大学二年生で内定を出しても、そのまま大学四年生までつなぎとめておくことなんかできないですよ。気が変わるかもしれない。あるいは、その後不況が来て、内定を出したけれども、それを全部雇わなきゃいけないといったら困っちゃうということにもなるかもしれない。だから、そんなに、どんどんどんどん前倒しになるなんてことは私は起きないというふうに思います。
 以前も、結局、例えば十二月に解禁になって、一月、二月は学校の試験があるから、春休み、三月ぐらいに面接になって四月に内定が出るみたいな、こういう時期があったんですよ。そういうのがリーズナブルじゃないかということを言う人もいます。
 あるいは、中小企業の方も、大企業の就職活動が終わってくれないと学生が今度中小企業の方に向いてくれないと。だから、そういう意味では、別に中小企業が困るということも私はないと思うんです。
 私は最後に申し上げたいのは、期間も確かに全く意味がないとは言いませんけれども、学生の勉強の妨げとか負担になっているのは、むしろ、期間の問題じゃなくて、初期選考に使われるエントリーシートというのを何時間もかけて何枚も書いて、非常に労力を無駄にしている。あるいは、地方の学生にとっては非常に負担が重いですけれども、面接とか説明会に、リアルな面接や説明会にわざわざ来なきゃいけない、これの方がよっぽど学生の負担が重い。
 ですから、私の友人でこういうことを専門にやっている人間がいるんですけれども、聞くと、期間が全く意味がないとは言わないけれども、期間より問題は手法だと。学生の勉強の妨げやあるいは負担になっているのは、期間の問題じゃなくて手法の問題、エントリーシートの話や、リアルな面接であったりとかリアルな説明会、こういうことを変えていくことがもっと重要なのではないかということを言っていましたので、このことは、時間が来ましたので意見として申し述べさせていただいて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
○冨岡委員長 次に、岡本充功君。
○岡本(充)委員 国民民主党の岡本でございます。
 きょうは、厚生労働委員会での質問の機会をいただきました。
 まずは、根本大臣、御就任おめでとうございます。いろいろな政策課題がある厚生労働行政でありますけれども、大臣の力量が発揮されることを大いに期待したいと思います。
 その上で、大臣の所信をお伺いをしたわけでありますが、そもそも大臣のお考えとして、日本の社会保障制度、どうあるべきだというふうにお考えなのかということをお聞きをしたいと思います。
 先ほどから議論になっています医療保険制度もしかりでありますけれども、社会保障制度は、我が国の社会保障制度って今どうでしょう。負担も重いけれどもサービスもいい、高負担で高福祉なのか、いやいや、サービスはよくない、ちょっと低いけれども、まあ、保険料や負担が少ないからこんなものかな、こういう話なのか。
 大臣の認識としては、我が国の今現状はどういう負担でどういう福祉ができているか、そして、あるべき姿はどういう方向だというふうにお考えなのか、お答えいただきたいと思います。
○根本国務大臣 国民皆年金、皆保険を根幹とする我が国の社会保障制度、一九六一年に、あの時代にこの制度をつくったということは、私は本当によくつくったなと思います。これが、この社会保障制度が、今日の世界一の長寿と生活の安定をもたらすことにつながったと考えています。高度経済成長期のある意味で手前でつくったわけですから、これが世界に冠たる社会保障制度だと私は思います。
 この社会保障制度は、現在、少子高齢化などの影響によってさまざまな課題に直面しております。大事なのは、自助、共助、公助、これを適切に組み合わせる、そして、弱い立場の人にはしっかりと援助の手を差し伸べる、こういうことを旨として、中福祉の社会保障を構築することが必要だと考えております。
 中福祉・中負担、いろいろな考え方がありますが、今、我が国の国民負担率、これは現在約四〇%で、六〇%前後のフランス、スウェーデン、あるいは五〇%前後のドイツ、イギリスと比べれば低いんですが、約三〇%のアメリカと比べて高い水準にあって、中福祉で中負担にいくかいかないかぐらいの水準かなと思います。
 一方で、財政赤字を含めた潜在的な国民負担率で見ると五〇%に近くて、実際には中負担に近い規模になっているとも考えられると思います。
○岡本(充)委員 そういう意味で、ちょっと、大臣は資料を読まれながらお答えになられましたけれども、やはりどういう姿があるべきなのかということでいうと、今言った、今の現状はこうだけれども、これから先どういうふうにあるべきだというのは、大臣のお考えをぜひ聞きたいです。
 この国の社会保障は、今お話しになられましたが、いろいろな国と比較したら、確かに高いところもあるし、安いところもあるでしょう。それからサービスも、高い国もあれば低い国もある。中の下ぐらいじゃないかみたいなことを言われますが、これからどうあるべきなのか、それはどう思われますか。
○根本国務大臣 日本の社会保障制度の考えについては先ほど述べたとおりであります。
 ただ、これからということで考えると、これからの人口構造の推移、今までは、二〇二五年までは、高齢者がずっと急増していた時代でしたが、これからは現役世代の急減に局面が変化しますから、一方で、近年、高齢者は若返りが見られて、就業率も上昇するなど、要は、高齢者像も大きく変わってきているなと思います。
 大事なのは、こうした局面の変化を踏まえて、これからの社会保障制度改革、単なる社会保障システムの改善にとどまるのではなくて、システム自体の改革を進めていくことが必要だと思います。
 その意味で、国民誰もがより長く元気に活躍できるように、社会保障全般にわたる改革を着実に進めていくために、私を本部長とする二〇四〇年を展望した社会保障・働き方改革本部を省内に設置いたしました。重点は三つぐらい考えておりますが、高齢者を始めとした多様な就労、社会参加の環境整備、そして、就労や社会参加の前提となる健康寿命を延ばす、労働力の制約が強まる中での医療・福祉サービスの改革、どんどん医療・介護分野でもイノベーションの成果をもたらしていく、こういう取組を進めるとともに、引き続き取り組む政策課題としては、これまで進めてきた給付と負担の見直しなどによる社会保障の持続可能性の確保、この検討を行っていきたいと思います。
 やはりこれから大事なのは、子供から若者、子育て世代、現役世代、高齢者まで全ての世代が安心できる社会保障制度へと改革を進めていきたいと思います。
○岡本(充)委員 改革の決意は言われたんですけれども、方向性として、やはりもっとサービスを充実していくのか、サービスは絞った上で少しでも保険料を抑えていくのか、そういう方向性をお答えいただきたいということであったんですけれども、なかなか御答弁が難しいんでしょう、お話しいただけませんが、私は、やはりその議論をせずして改革の方向性は決まらないと思いますよ。だから、それをやはりまずやらなきゃいけない、そう思います。
 さて、二〇〇九年の臓器移植法の改正がありました。大臣も御記憶だと思いますけれども。あれから十年がたとうとする中で、臓器移植の現状、特に十五歳未満の移植、こういったところ、特に子供ですね、移植がなかなか難しいという状況。それから、本人の意思が示されて移植が進む、若しくは家族の同意、いろいろな方法ができるA案になりましたけれども、現状で、このままでいいのかという問題意識をお持ちじゃないかと思いますが、大臣のお考えはどのようなものとなっているのか、十年たつ中、お聞きをしたいと思います。
○根本国務大臣 二〇〇九年の臓器移植法の改正、岡本委員と一緒にD案を提案させていただいて、あのときにさまざま議論をさせていただいた。今、それを思い出しております。
 岡本委員ありましたように、我々のD案は、提供の意思が不明な成人からの臓器提供は、そこはやはり行き過ぎじゃないかと思いましたが、結果的にはA案、臓器提供に関する本人の意思が不明の場合には、家族の同意が得られれば臓器提供が可能となった。それから、我々の案も、十五歳未満の者の臓器提供、これは可能にしようということで、臓器移植法が改正されました。
 私も、あのときは非常に議論が盛り上がって、これから、ぜひ新たな改正法のもとで臓器移植が促進されるということを期待しておりました。
 ただ、法改正後の臓器移植の現状を見ますと、十八歳未満の子供のドナーからの臓器提供、これについては、ここ数年微増傾向にありますが、全体として件数は必ずしも多くはないという認識をしております。国民理解のさらなる推進と、医療機関が円滑に移植を実施できる体制の整備が重要だと思います。
 現在、臓器提供意思表示カードの配布や中学生向けのパンフレットの作成、配布、教員向けのセミナーなどの普及啓発を進めております。
 また、脳死判定の模擬実習などの臓器摘出シミュレーションの実施や研修会の実施などを通じて、医療機関における臓器移植の体制の整備を進めております。
 今後、移植経験者やドナー家族を学校の授業に派遣し、経験談を語っていく新たな取組や、臓器提供事例が多い施設が経験の浅い施設と連携して円滑に移植を行う体制整備を実施すべく、平成三十一年度概算要求に新たな関連予算を盛り込みました。
 加えて、特に小児からの臓器提供を更に進めるため、平成三十年から、小児特有の課題の抽出とその解決方法についての研究を進めております。
 これからも、小児患者への移植を含む国内での臓器移植が円滑に推進されるよう、委員ともども、一緒に頑張っていきたいと思います。
○岡本(充)委員 十年たつ中、ニーズに追いついていませんよ。それで、正直言って、なかなか追いつくのは難しいです。ただ、やはりこのままでいいのかという思いを私は持つし、もっと積極的に厚労省が調査研究をした上で、普及啓発の話はされましたけれども、引っ張っていく必要があるんじゃないか。そういう意味で、ぜひ、この今の現状、調査研究して、検討していただきたいと思います。
 そういう意味で、大臣、御決意、やっていただけるかどうか、そこだけでもお答えいただけますか。
○根本国務大臣 私も、今後の取組について、今申し上げました。これからもしっかりと、例えば、小児からの臓器提供を更に進めるために、小児特有の課題の抽出とその解決方法についての研究を進めておりますので、これからもしっかりと取り組んでいきたいと思います。
○岡本(充)委員 これからもと、これまでのペースではだめですよということを言っているわけですよ。大臣、お願いしますよ。
 だから、これはしっかりやっていただきたいと思いますから、また御報告いただけますかね、大丈夫ですか。はい。そう言っていただきました。
 それでは、続いて、ちょっと個別の話です。まず一つは医療保険について。
 医療保険、なかなか、本当に難しいですよ。後期高齢者の窓口負担とそれから保険料の話、先ほど国費がどうかというのを大西議員も指摘をされましたけれども。
 骨太方針二〇一八では後期高齢者の窓口負担の見直しを検討課題に掲げていますが、団塊世代が後期高齢者に達し始める二〇二二年までに検討する旨にとどまっていますが、これでいいのか。もっと早く検討しなければ、これは遅きに失するのではないか。検討が二二年までだったら、実施するのは先ですから。二二年までには実施するぐらいのスピード感がなきゃいけないんじゃないかと思うんですけれども、どうですか。
○根本国務大臣 後期高齢者の窓口負担のあり方については、世代間の公平性や制度の持続可能性の観点から検討すべき課題だと思います。そして、高齢者の負担に関する重要なテーマでもあると思います。
 したがって、生活状況を始めとする高齢者を取り巻く環境、高齢者医療費の動向や特性、現在の制度の状況などを踏まえて、きめ細かな検討を行う必要があると考えています。これまでも、後期高齢者に対しては、所得の低い方の自己負担の上限を低く設定するなど、きめ細かい配慮を行っているところであります。
 今後、窓口負担のあり方を検討していくに当たっても、医療保険制度の持続可能性の観点を踏まえつつ、高齢者の方々の生活や負担へのきめ細かな配慮を行いながら、必要な方に必要なサービスが提供されるように、引き続き、社会保障制度審議会医療保険部会において丁寧に検討していきたいと思います。
○岡本(充)委員 私が聞いているのは、より早期に結論を得る必要性があるのではないかということについて。そこに端的に答えてください。より早くなきゃ間に合わないんじゃないですかと言っているんです。
○根本国務大臣 今お答えしたとおり、後期高齢者の窓口負担のあり方については、世代間の公平性や制度の持続性確保、この観点から検討すべき課題であるとともに、高齢者の負担に関する重要なテーマでもあります。したがって、高齢者を取り巻く環境、あるいは高齢者医療費の動向や特性、現在の制度の状況などを踏まえて、きめ細かな検討を行う必要があると考えておりまして、社会保障制度審議会医療保険部会などにおいて丁寧に検討を進めてまいりたいと思います。
○岡本(充)委員 丁寧に検討している間に健康保険制度自体がもう取り返しのつかない傷を負う可能性がありますよ、これは。丁寧にやっていて、気づいたら時間切れでしたという話になりかねない。
 そこで、ちょっと聞きたいです。被用者健保の中で組合健保、これは前回も、ちょっと前も聞いたんですけれども、極めて独自の取組をして、頑張ってみえると思います。
 この健康保険組合の加入者が全て協会けんぽに移行して、移行後も一人当たりの医療費が変わらず、協会けんぽの国庫補助率も一六・四%を維持した場合、一体国費としてどのくらいの金額が必要になるのかについて計算をしていただいて、御報告を求めたいと思いますが、お願いできますか。
○樽見政府参考人 仮に健康保険組合制度を廃止するということだと、御指摘でございますが、今、一定の前提をいただきましたので、それに基づいて計算をするということは、計算自体はできると思いますが、同時に、制度自体はそれなりに健全に運営しているということでございますので、いわば健康保険組合の財政状況について国民の方々に誤解が生じないように留意をしながら、どういうようなお示し方ができるのかということを考えないといけないと思いますけれども、検討させていただきまして、検討結果について御報告申し上げます。
○岡本(充)委員 一定の仮定を置かなければそれはしようがないわけですから、ぜひ計算をしていただきたいと思いますし、可能であれば、国保組合についてもぜひ検討していただきたい。国保組合についても計算していただきたいと思います。
 さて、外国人労働者の話にちょっと今度は移るんですけれども、外国人労働者、いろいろ課題があるなと思っています。
 現行の確認をしたいんです。きょうは法務省にも来ていただきましたけれども、お配りをしておりますペーパーの中で皆様方にお示しをしておりますように、そもそも、さまざまな就労資格で働けるんですが、私がきょうちょっとテーマとして挙げたい一つ目、永住許可を受けている者が、その許可が失われる場合、どういうことがあり得るのか。
 ありていに言って、一ページ目にありますように、不法行為をしたときだとか新居住地の届出をしなかった、九十日以内に、こういう話でありますが、日本に住んでいないこと、若しくは納税していないことが、永住許可が失われる場合には当たらない。今、現状そうなっていますね。
○門山大臣政務官 はい。永住許可に際しては入管法上、要件はありますけれども、他方、永住許可を受けた後に居住要件や納税要件を満たさないことをもって直ちに永住許可が取り消される仕組みにはなっておりません。
○岡本(充)委員 それで、他国と比較した場合、こうした居住要件や納税要件を両方とも課していない国、OECD加盟国でほかにどこがありますか。
○門山大臣政務官 諸外国における永住資格の取得要件や取消し事由等の詳細を網羅的に把握しているわけではございません。特に、各国のガイドラインや運用基準等を詳細に把握することは容易でないことは御理解いただきたいと思います。
 また、永住の制度というのは、そもそも、永住資格の取得、取消し及び永住者に対する在留管理等が一体となって構成されているものでございます。取得要件や取消し事由に掲げられた要素を単純に比較するということはなかなか制度上困難ではありますけれども、その上で、把握している限りにおいては、韓国についてはそのような要件はありませんが、その余の国については現状ではお答えをちょっとしかねるところでございます。
○岡本(充)委員 例えば、アメリカは要件が必要でしょう。
○門山大臣政務官 済みません、ちょっと今、手元に把握しておりません。申しわけございません。
○岡本(充)委員 昨日、通告をこれもしているんですよ。ちょっとどういうことですか。ちょっと、きちっと答弁してください。きのう通告していますよ。OECD加盟国、全部調べてくれと。
○佐々木政府参考人 お答えいたします。
 居住要件とそれから納税要件ということでお問いがあったものと思います。
 それで、私ども、イギリスとカナダの例を調べてみましたが、イギリスにつきましては、法律上の検索をいたしましたところ、納税要件については記載をされておりませんけれども、居住要件については、永住者が継続して二年を超えて国外に居住した場合、原則として、所持している永住許可は無効となるという記載を確認をいたしました。
 それから、カナダにつきましては、カナダ国外で、居住義務を遵守しなかったという最終決定が下されたとき、これが喪失をするということを確認をいたしました。
 このようなものについて、日本は今持っていないということでございます。
○岡本(充)委員 日本の場合は、再入国許可を五年間とって、そして海外でももう一年延長できますから、六年間連続して日本にいなくても、そして、日本に帰ってきて短期滞在して、そこで再入国許可だけとれば、また六年これを延長し続けることができる。これは事実ですよね。
○佐々木政府参考人 今の私どもの取扱いではおっしゃるとおりです。
○岡本(充)委員 きょう政務に来てもらったのは、本当にこれでいいのかと。
 これまでの永住許可のあり方は、極めて少なかった、数万人しか年間認めてこなかった日本において、これから先、ふえる可能性があるわけです。そんな中で、どういうときに永住許可が失われるのかということについて、もう一回見直す必要がある。これは法律事項じゃなくて政省令ですよ。見直しをしていただけませんか。どうですか。政務に答えてもらいたい。
○門山大臣政務官 永住許可のあり方、これは取消しも含めてでございますけれども、これについては、委員の御指摘も踏まえ、今後しっかり検討してまいりたいと思います。
○岡本(充)委員 さて、もう一つは就労について。期待していますからお願いしますね。就労についてです。
 お示しをしていますように、じゃ、働いている時間、留学生なんかは週二十八時間働ける。学生ですから雇用保険に入らなくていい、でも夜間学生は入らなきゃいけない。雇用保険の被保険者証を見ると、在留カードはこんな形になっていて、二ページ目にあるように、アルファベットです。そこから片仮名にどう起こすかで、例えばマイケルと読むのか、ミハイルと読むのか、ミッチェルと読むのか、読み方によって片仮名表記はいろいろです。そうすると、同一人物だと確認できないんじゃないかと思っています。
 この点について、同じ人物が複数の施設で働いている場合に確認できる仕組みになっていないということを確認したいと思います。
○土屋政府参考人 お答え申し上げます。
 私ども、外国人の雇用状況報告というものを、外国人の方を労働者として雇った場合には届け出ていただくという義務を設けておりまして、雇用保険の手続で資格取得をするときには、同じ一つの様式の中で、その資格取得と雇用状況の届出をしていただくということになっております。
 この様式の中には、きょう資料でお配りもいただいているようですが、外国人の届出のところについては、被保険者の氏名をローマ字で記載する形にしてございまして、このローマ字の記載が同一で、かつ生年月日が同一である人について届出があった場合には、システム上もエラーメッセージが出るようになっておりますが、今お話があったように、在留カードから見て、ローマ字で出しておりますので、在留カードの上のをそのまま転記していただいて、突合すれば、ダブっているということがわかるという仕組みでございます。
○岡本(充)委員 それは、大文字、小文字でもきちっと区別できるようになっていますか。
○土屋政府参考人 アルファベット大文字で記入してくださいというふうになっておりますので、大文字、小文字の別をつけない形で記入するという様式になっております。
○岡本(充)委員 持ち時間がちょっと終わりましたので、これは極めて重要な話なのでまた今後やらせていただきますけれども、これは国民健康保険でもしかりだと思います。在留カードを持っていたら、在留カードを持って住所をどこかに持っていたら、国民健康保険に入れるんですね、入れる。それで、三カ月以上住むつもりですと言っていれば。入れたときに、本当に健康保険証の表記とこの人が同一人物なのか、複数出ていないのか、こういうことが確認できる仕組みになっているのか。
 ぜひ大臣、きょう時間がありませんから確認をとる時間がありませんでしたけれども、しっかりチェックしてもらって、一人の人物が複数にカウントされるようなことがないのか。年金記録のとき、そうでしたね。大文字だから、小文字だからとか、変な話、名前の突合をしてみたら、ちょっとした差でわからなくなっていた、こういう話がありました。
 そういうことになっているのかいないのか、きちっと調査をしてもらいたい。最後にそれだけ、調査をきちっとかけていただきたいと思います。大臣に御答弁いただいて、終わります。
○根本国務大臣 チェックさせます。
○岡本(充)委員 では、終わります。
○冨岡委員長 次に、山井和則君。
○山井委員 三十分間、質問をさせていただきます。この臨時国会の最大のテーマである外国人労働者あるいは移民の受入れ拡大について、法務省と根本大臣に質問をさせていただきたいと思います。
 まず最初に、私の基本的な認識を言いますと、今回、外国人労働者を受入れを拡大する前に、今の技能実習生がどのような状況に置かれているのか。国連からは、これは奴隷労働じゃないかという批判すら出ております、人権侵害という批判も出ております。その現状を認識してどう改善するかを抜きにして、拡大の議論というのはよくないと思っております。もちろん、人手不足ですから、外国人労働者の拡大は私は必要だと思っておりますが、それはしっかりと、日本人と同等の人間らしい暮らし、労働条件を確保することが前提であるというふうに思っております。
 私も二年間、以前スウェーデンという国に留学しておりまして、八百数十万人のうち百万人以上が政治難民や移民でありまして、私も一緒に、イラク、クルド、ソマリア、アフガニスタン、カンボジアの難民、移民の方と寮生活もしましたし、二年間、スウェーデン語の語学学校で、そういう方々と一緒に勉強させていただきました。ですから、多民族の共生社会というものを私は推進すべきであると思っておりますが、やはりプラス面、マイナス面、正直言いまして両方あります。
 何よりも、しっかりと人を大切にする政策を進めて、来てくださる外国人労働者が日本を好きになっていただく、そういうことが大前提、そう考えたときに、今回の法案というのは時期尚早で、この国会での成立というのはあり得ないというふうに考えます。
 きょうは、中国の技能実習生の方がお三方、傍聴にも来られておられます。三人とも、労働災害、大きなけがを技能実習でされた方であります。後ほど具体的な話もさせていただきたいと思いますが、まず、配付資料を見ていただけますか。
 連日、多くの技能実習生の方々のお話を私たちは直接聞かせていただいております。この一ページ目の記事にありますように、私もショックを受けましたけれども、建設を学ぼうと思って日本に来た、そうしたら、知らない間に福島で除染作業をさせられて非常に危険な仕事だった、こういうことがあるんですね。これは完全に人権侵害です。ひどい、余りにもひどい。
 さらに、この女性の方々、残業代三百円。そして具体的な資料は、この配付資料の十七ページ、十八ページに、ヒアリングした内容を書いてあります。一カ月休みなし、朝八時から夜中二時まで働かされる。一カ月休みなし、体を壊して病院に行きたいと言っても行かせてもらえない。残業代不払いが、この資料にあるように、一人の方々、三百万、四百万、五百万、それを払ってくれと労働組合や弁護士を通じて言っても全く払ってくれない。
 日本人にこういう仕打ちをするなんてことは、普通は私は考えられないと思います。残念ながら、これはもう外国人差別と言わざるを得ないんじゃないか。こういう状況、私は与野党を超えて、一旦、技能実習生がどういう状況に置かれているか、私も正直言って知らないことが多々ありました、知らねばというふうに思っております。
 一面の、この記事に出ている方々の中にも、余りにも仕事がきつくて自殺未遂を図られた方もおられます。
 次のページ、二ページ目、繰り返しますけれども、残業代が三百円、一カ月の休みが一日、毎日八時から十二時まで、十一時まで、夜中二時まで働かされる。こういうことを今回拡大して、新しい特定技能一号にして、本当にこれはいいんでしょうか。
 例えば、この二ページのヒアリングに来られたカンボジアや中国の方々は、三百万、四百万円の残業代を払ってほしい、日本が好きで、日本政府を信じてきたのに、どうしてこんな仕打ちをするんですかということを非常に嘆いておられました。
 次のページ、三ページ目、お願いします。三ページ目の写真に男性の方がおられますけれども、この男性の方はカンボジアの方で、段ボール工場で仕事をしていて、指を三本切断する大けがを負ってしまった。大けがですよ、指三本。雇用主からは、仕事ができないんだったら帰れ、帰国しろと言われた。治療を受けさせてくれ、あんまりだというふうになって、訴えておられました。つまり、労働災害に関しても余りにも無責任。
 次のページ、お願いします。四ページあるいは五ページ目ですね。それで、五ページ目のこの記事にもありますように、私たちはこういう技能実習生の現状を知る中で、こういう非人間的な扱いを放置したまま固定化、拡大化したら国際問題になる、あるいは日本社会が崩れるんじゃないか。これは外国人かわいそうねという話じゃありませんよ。最低賃金割れ、残業させ放題、残業代も払わない、けがをしてもほったらかし、こんなことを許したら、私、日本の国の品格が問われると思います。
 法務省にお伺いしたいと思います。
 きょうの十二時に、今後の見込み数が発表になりました。例えば、五年後までに二十六万人から三十四万人。今後、技能一号なりに入られる方の何割ぐらいが技能実習から移行すると見込んでおられますか。
○佐々木政府参考人 お答えいたします。
 今回お示しをいたしました見込み数でございますけれども、各業種ごとに業所管庁が、それぞれの業種の特性に応じた見込み数の計算をしております。
 その中で、技能実習職種がある業種につきましては、それぞれ実際に技能実習を入れていらっしゃる方々からのヒアリングなどを通じて、どのくらいの方が移行される御希望があるかということを聞き取った上で算出したものと理解をしています。
 その中で、業種によっては三、四割、今いらっしゃる技能実習生のうちの三、四割と言っている業種もありますし、七割ぐらいと置いている業種もあります。そういう計算式で算出したものでございます。
○山井委員 あえてお聞きします。平均何割ぐらいですか。三、四割の業種や七割ぐらいというのもあったけれども、平均すると何割ぐらいと理解したらいいですか。
○佐々木政府参考人 ちょっと今手元にはございません。
○山井委員 重要なことは、三、四割、あるいは業種によっては七割、技能実習から移行するということは、今の技能実習制度が人権侵害で腐っていたら、それがそのまま移行するんですから、大変なことになるということなんです。だから、私たちは、今、技能実習制度って、どうなっているのと。まさにきょうもお越しをいただき、連日、実際の声をお聞きしております。
 それで、次の六ページを見てください。先週金曜日、一つの裁判の判決が出ました。六ページ、この中国人の女性ですね。この方が、セクハラと残業代未払い、それで訴えておられた、三年前から。ここの資料にありますように、朝八時から深夜まで作業が連日行われた、この残業代が払われていなかった。さらに、セクハラも受けたということであります。しかし、セクハラについては認定されなかった。目撃証言が十分でないというような理由だと聞いております。
 ここ、何を言いたいのか。この実習の女性は、「セクハラは辛くて、耐えられませんでした。監理団体に訴えたけれども、対応してくれませんでした。農家と監理団体に責任を取ってもらいたい。日本の司法は公正だと信じています」。しかし、認定をされませんでした。結局、ここに書いてありますね、「セクハラが次第にエスカレート」。六ページ、農家経営者から体をさわられるなどのセクハラを受けるようになった。
 次のページ、七ページ、実習生ネット通信、この事件について書いてあります。右上にありますように、毎晩遅くまで仕事をしたから、この右上の写真、指がぼろぼろになった。ぼろぼろになりながらも、残業代は三百円。おまけに、その残業代も払われなかった。そして、この左下に書いてありますように、受入先から胸やお尻をさわられる、父親が何とかを露出して歩き回る等、セクハラの被害に日常的にさらされた。やはり、これは本当に、百万円近い借金を背負ってこられているから、逃げようと思っても逃げられない。
 これはもちろん日本人でも大問題ですよ。もちろん、被害に遭った人たちだけから、私たちもヒアリングを受けたり弁護士さんに聞いていますから、残念ながらひどいケースが多いです。しかし、一つ、これが現実なんです。
 次のページ、九ページ。
 これも余り読み上げたくないんですけれども、水戸であったセクハラと残業代未払いの事件、下の方を読み上げさせていただきます。雇用している方が、Aさんに対し、きれいだとか結婚してくれと言い、日常的にAさんの肩や尻をさわってくるようになった。シャワーを浴びているAさんに、シャワー室の外から一緒にシャワーを浴びたいと言ったり、勝手に部屋に入ってきたこともあった。
 こういうふうな、ただ、繰り返し言っておきます、これは裁判では認定をされませんでした。女性の方の言い分であります。
 それで、次の八ページを見てください。
 例えば、どういうことが技能実習の現場で起こっているか。赤線を引きました、八ページ。八ページの右。
 ある地域では、農家の許可がない状況において無断で自転車に乗ることを禁止する、他の研修生あるいは農家の家に滞在することを禁止する、大勢で集まり是非を論じること、無断で研修生間の争いを解決することを禁止する、地区をまたいで行動することを禁止する、仕事又は外出時は赤色の帽子をかぶらなければならない。
 次のページ、お願いをします。十一ページですね。
 例えば、十一ページにあった事件では、四年前の事件です。福井の二十二歳の中国人の研修生が、異性、男性の家に泊まった、何回か泊まった。それによって強制帰国ということで、空港に連れていかれて、これがそのときの写真です。何とか、支援団体が、強制帰国だけはやめさせてくれということで必死になってとめて、強制帰国は免れた。この後、相手の男性の方と結婚して、今は幸せに暮らしておられる。
 でも、異性の家に泊まったからといって強制帰国される。これって許されるんですか、そういうことって。大人ですよ。注意を受けるとかはあるけれども、強制帰国はやはり、そこまでできるものですか。
 さらに、いろいろなことをしないために、次の十四ページ、お願いします。十四ページの左のところ。兵庫県の事件では、失踪しないようにパスポートを取り上げる、パスポートを取り上げて逃げられないようにしている。そういうケースすらあるんですね。
 労基法違反で残業代も払われない、そして、逃げられないようにパスポートを取り上げられたり、あるいは異性の家に泊まったら強制帰国させられる。
 根本厚労大臣、これは、法案が法務省だとか厚労省だとかは関係なく、日本人、外国人関係なく、人間らしい労働条件を確保しないと、日本を好きになって帰っていただかないとだめなんです。こういう技能実習制度の現状、根本大臣、いかが思われますか。
○根本国務大臣 委員おっしゃるように、海外から来られた方、やはり日本との共生社会をきちんとつくっていく、外国人の受入れ環境の整備をきちんと進める、これが私も大事だと思います。
 今、さまざまな委員からの御指摘がありました。技能実習制度のもとで、一部の監理団体あるいは受入れ企業において、実習生に対して、最低賃金を下回る報酬や、残業代未払い、長時間労働などの労働基準法違反、こういう労働関係法令違反や旅券の取上げなどの人権侵害行為といったさまざまな問題、今先生の御指摘のように、さまざまな問題が見られるという指摘を受けていたことから、制度を見直して、昨年十一月に技能実習法を制定して、新たに施行しております。
 この技能実習法に基づいて、監理団体の許可制や技能実習計画の認定制の導入、技能実習生への人権侵害の禁止規定や、人権侵害を行った監理団体や実習実施者に対する罰則規定の整備、技能実習生からの相談受け付け体制の整備、外国人技能実習機構による、監理団体や実習実施者による、実地検査の実施などにより、制度の適正化を図っているところであります。
 そして、労働基準監督署においても……(山井委員「短くしてください、ちょっと質問時間がないので」と呼ぶ)はい。労働基準監督署においても、四万八千の実習実施者に対し、重点的に指導監督を行っているところであり、違反があれば是正を図らせております。さらに、たび重なる指導にもかかわらず是正しないなど悪質な場合には、書類送検を行うなど厳正に対処しておりますし、これからも厳正に対処していきたいと思います。
○山井委員 残念ながら、それは机上の空論で、全く改善、十分にされていないんですよ。理屈はわかるんです。実態は悲惨なんですよ、これは。その結果、七千人もの方が失踪をされているわけです。失踪というより、これは緊急避難と言えるかもしれません。
 きょうお越しになられている三人の方、簡単に御説明させていただきます。
 後ろの方から順番に、Aさんは、レタス農家で作業中に車にひかれて足を負傷、そして入院をされました。しかし、その入院をされて治療する間、給料も払われない。
 そして、Bさんも、建設の解体現場で十二メートルの高いところから落下して背骨を二本折った。この方も、支援団体とか弁護士さんが相談に乗るまでは、労災も受けられず、十分な休業後の補償もなかった。そして、安全ベルトはなし。
 もうお一方は、カキの養殖。カキの養殖を、いかだというものの上に乗って、こうやって針で突くわけですよ。それで、こうやって揺れているわけですから、その針が目に入ってしまった。それで片目がもう失明寸前で、光しか見えなくなってしまっている。こういう技能実習生が大けがをされたのは、この方一人じゃなくて、ほかにもそういうけがをしたり、最悪、同じ職場の人で、船から落ちて亡くなってしまった方も技能実習生でおられるというんですよ。
 今、事前にお話をお聞きしました。お三人の方々は、自分たちも日本が好きで来たんだから大切に扱ってほしい、日本人と同等に扱ってほしい、そして、けがをしたらちゃんと治療を受けさせてほしい、治療を受けるだけじゃなくて、貧しくて生活にも困っているんだから、その間の給料を払ってほしい。これは当たり前じゃないですか、人間として。これはやはりひどいですよ。ひど過ぎる。
 だから、物には順序があって、この状況を改善した上で広げようというんだったらいいですよ。これは本当に人権問題ですよ。国連からも奴隷制度じゃないかと言われたりもしているんです。
 そこで、根本大臣、ぜひ一度、きょうもお越しになっておられますが、こういう本当に劣悪な処遇を受けておられる技能実習生御本人と会って、直接話を聞いていただけませんか。
○根本国務大臣 技能実習生にかかわるさまざまな問題、課題、私も、把握の仕方はさまざまあると思います。さまざまな取組の中で、さまざまな状況を勘案しながら、対応すべきものをきちんと対応していくということで臨んでいきたいと思います。
○山井委員 だから、きょうも来られていますが、こういう本当に劣悪な処遇で大変な苦労をされている方々に会って、直接、お話を聞いていただけませんかというお願いです。お答えください。
○根本国務大臣 さまざまな課題、問題、いろいろなやり方、把握の仕方があると思います。その中で、私も、この具体的な問題、課題は何か、そういうことを踏まえて、制度が適正なものになるよう、そして制度がしっかりと運用できるように取り組んでいきたいと思います。
○山井委員 根本大臣、じゃ、会わないということですか。どういうことですか。はっきり答えてください。わかりません、どういう意味かが。
○根本国務大臣 さまざまな把握の仕方があるということだと思います。
○山井委員 私、これは与党、野党と言っているんじゃないんですよ。これは国際問題になりますよ。人権問題になりますよ。こういう状況を放置して拡大するなんて、とんでもありませんよ。これは余りにもひどいじゃないですか。
 私も偉そうに言えるわけじゃないですけれども、私も最近本当に勉強しているぐらいですよ。ただ、今拡大しようとするから、根本大臣に言っているんです。
 では、法務省にお聞きしたいと思います。
 きょう、これが出てきましたね。じゃ、これ、例えば、初年度介護五千人となっています。ということは、初年度は五千一人になったら、もう締切りというふうに理解していいですか。それとも、これは見込みであって、いや、気がついたら六千人とか五千五百人でもいいですよということなんですか。どっちなんですか。
○佐々木政府参考人 お答えいたします。
 きょうお示しした数につきましては、今時点で、各業所管庁が、その業種における外国人材の受入れの見込み数を示したものでございます。正式な形では、分野別運用方針ができましたときに数として盛り込まれるものでございます。
 この数でございますけれども、制度の趣旨に沿って、それぞれの業の特性や人手不足の状況等を踏まえながら業所管省庁が推計したものでございますので、この数字を超えて外国人材を受け入れるということにはなりませんので、その意味で、向こう五年間の受入れ数の上限となると考えてございまして、この五年後の数字が上限として扱われると考えております。
○山井委員 ということは、質問に答えてください、初年度の介護は、五千一人になるということはないということですね。五千人の段階でぴたっと、それが十月であろうが九月であろうがストップするということですね、上限ということは。
○佐々木政府参考人 お答えいたします。
 今の時点での見込みだということを申し上げた上で、五年後の数値を上限として扱うということでございますので、この二列目にある数値を五年間の中で受け入れることが可能になると考えているものでございます。
○山井委員 ということは、一年目は五千人を超える可能性はあるということでいいですか。
○佐々木政府参考人 今申し上げました考えですと、あります。
○山井委員 ということは、あえてわかりやすく介護で言いますが、介護は五年後、六万人を超えることは絶対ないですか。介護現場は、かなり人手、深刻ですよ。もっともっとという声が絶対出てきます。でも、六万人という人数を絶対超えないという理解でよろしいですか。
○佐々木政府参考人 先ほども申しましたように、最終的には、分野別運用方針が確定したところで決まる数値でございますけれども、今の時点で各業所管庁がさまざまな観点から推計した数値でございますので、例えば、大きな経済的な変化等がない限り、この五年後の数値、分野別運用方針で確定した数値を上限として扱ってまいります。
○山井委員 ということは、人手不足が深刻化した、経済状況が変化したと言えば、七万人になる可能性もゼロではないということですか。
○佐々木政府参考人 今申し上げましたように、非常に大きな経済事象の変化があったということの場合には変わり得る、上にも下にも変わり得ると考えておりますけれども、当面、繰り返しになりますが、分野別運用方針で示される見込み数を上限として使うというものでございます。
○山井委員 ということは、絶対上限でない、変動し得るから本当の上限ではないというふうに理解をいたします。
 それで、ここにありますように、実は、この七千人失踪と言われていますけれども、実際は緊急避難なのではないかと思っております。ここに、失踪動機について、低賃金、契約賃金以下、最賃以下というのがありますけれども、なぜか、この取りまとめでは、より高い賃金を求めてというふうに変わっているんですね。
 より高い賃金を求めてというのは、ぜいたくなような気がするんですけれども、なぜこれを変えたんですか。質問項目にないじゃないですか、より高い賃金のためなんて。今言ったように、低賃金で苦しんでいるわけですよ。これは、なぜこれを変えたんですか。
○佐々木政府参考人 この取りまとめを行いましたときに、低賃金を理由に失踪するということは、すなわち、より高い賃金を求めて失踪したものと考えられましたことから、一般的にわかりやすい表現であると考え、このような表現ぶりでまとめたものです。
 他方で、今委員御指摘のように、低賃金を失踪動機として挙げている方の中には、契約賃金以下あるいは最低賃金以下の賃金であることを理由に失踪をしている技能実習生もありまして、そのような境遇にあられた技能実習生も含めて、皆さん、より高い賃金を求めて失踪したと印象づけるような表現は必ずしも妥当ではないという御指摘もいただいておりまして、今後、より適切な表現ぶりを用いるよう検討してまいります。
○山井委員 勝手に表現を変えちゃだめじゃないですか。捏造ですよ、これは。印象が全然違いますよ。これは、もともと低賃金によりということで修正すべきじゃないですか。いかがですか。
○佐々木政府参考人 今お示しいただいたその資料の今後の扱いも含めて、検討いたします。
○山井委員 ぜひ修正してください。これは捏造です。改ざんです。印象が全く違います。
 それで、このことに関して、ここに、契約時と仕事内容が違うかとか、日給が幾らとか、いろいろ重要な情報があります。プライバシーの部分を隠して結構ですから、実態、どういう状況で技能実習生が働いているのか、暮らしているのか、ぜひともこれを早急に、二千八百枚、出していただきたいと思います。
 そのことと、個票を二千八百枚出していただきたいということと、そもそも、これは去年既に終わっている調査ですから、これについての集約した、まとめのアンケート結果というのがあるのかどうか、その二つをお答えください。
○佐々木政府参考人 まず、お求めをいただきました、この個票、聴取票につきましてですけれども、これは失踪した技能実習生から任意に聴取した情報でありまして、これが開示されることになれば、今後の調査等への協力が得られなくなる可能性があり、今後の調査業務に与える影響があると考えております。
 加えて、聴取票の記載内容は個人に関する情報そのものであり、これを開示すれば個人の特定につながり、また、技能実習生のみならず、受入れ機関や送出機関の個人情報も含まれておりますので、このような方々のプライバシーの観点からも問題がありまして、調査票そのものの開示には応じられないということを御理解いただきたいと思います。
 もう一つお尋ねの、この調査の結果をまとめたものをお示しするということにつきましては、ただいま精査をしておりますので、鋭意検討中ということでございます。
○山井委員 時間が終わりましたので締めくくらせていただきますが、ぜひ、今おっしゃった、この取りまとめた資料、精査中、出す予定だということですから、この委員会に出してください。
 さらに、これは深刻な問題ですよ。国際的に奴隷労働じゃないかと言われているんですよ。人種差別国家なんということが国際的に日本が見られたら、これは本当に日本の大変な汚名になります。その意味では、どういう現状にあるのか、与党も知らない、法務省も知らない、野党も知らない、そんな状況で拡大できるはずありませんから、この二千八百枚の個票も、ぜひこの委員会に出していただきたい。これは法務省だけの問題じゃないんですよ、労働条件の問題ですから。
 そして、最後に、ぜひともこのことに関して集中審議、そして入管法に関して連合審査、これを早急にやってください。ぜひともそのことを強く委員長に申し上げて、質問を終わります。
 いかがですか、委員長。
○冨岡委員長 理事会で諮らせていただきます。
○山井委員 ありがとうございました。
○冨岡委員長 次に、高橋千鶴子君。
○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
 冒頭、今まで、きょうは外国人技能実習生並びに新たな外国人材の受入れについて議論がありました。非常に深刻な問題であり、今、山井委員がお話をされたように、人手不足対策どころか、日本に誰も外国人が来なくなっちゃう、そのくらいの重大な問題であります。
 技能実習生そのものは厚労省が所管をしておりましたし、働くことに関しては、どうやっても厚労省の所管であります。ですから、法務の問題だからということではなくて、本委員会できちんとした集中審議を行うこと、また、連合審査を求めることを私の方からもお願いしたいと思います。委員長、お願いします。
○冨岡委員長 はい。(高橋(千)委員「委員長、はいじゃないですよ」と呼ぶ)何度も言われていますので、諮るということは前提で質問してください。
○高橋(千)委員 では、きょうの議題に入ります。
 根本大臣には、厚労大臣としては初めての質問でありますが、早速、残念な事案について質問しなければなりません。
 きょう、大臣に対しては事務的なことは聞きませんので、御自身の言葉でお答えくださることを強く望みたいと思います。
 きょうは、国の行政機関における障害者雇用水増し問題について質問します。
 同法は、一九六〇年、身体障害者雇用促進法として制定され、この間、改正を重ねてきました。成立当初から法定雇用率を定め、採用計画を作成することは、国と地方公共団体に義務として課せられておりました。民間の雇用主は努力義務だったはずです。
 また、障害者権利条約第二十七条「労働及び雇用」においては、「締約国は、障害者が他の者との平等を基礎として労働についての権利を有することを認める。」とあり、とりわけ公務部門において、これは(g)になっておりますが、「公的部門において障害者を雇用すること。」と強調されていると思います。
 こうした障害者雇用促進法の成り立ち、権利条約に照らしても、今回の水増し問題は重大な違反である。その認識はあるでしょうか。
○根本国務大臣 委員おっしゃるとおり、障害者雇用促進法、これは、創設当初から公務は義務でした。おっしゃるとおりであります。
 その意味で、今回、国の行政機関の多くで障害者の不適切な計上により法定雇用率を達成していない状況にあったこと、この状況については、障害者雇用率、制度を所管する立場から大変重く受けとめております。
 今後、公務部門における障害者雇用に関する関係閣僚会議で決定された基本方針、この基本方針に基づいて、再発防止はもとより、法定雇用率の速やかな達成、障害のある方の活躍の場の拡大に向けて、しっかり取り組んでいきたいと思います。
 総理からも、各大臣に対し、障害のある方の雇用を不断に推進していくため、全力で取り組むよう指示がなされたところであります。
 厚生労働省としては、制度を所管する立場から、先頭に立って障害者雇用を推進していきたいと考えています。
○高橋(千)委員 今の答弁、さまざま言いたいことはあるんですが、続けていきたいと思います。まず大臣は、先頭に立って進めていきたいと答弁がございました。
 それで、資料の一枚目を見ていただきたいと思うんです。障害者雇用水増し二〇〇〇年から、三十三人関与、厚労省所管独法、これは二〇一四年十二月十八日付の日経新聞です。全国の労災病院などを運営する厚労省所管の独法、労働者健康福祉機構が、遅くとも二〇〇〇年ごろから障害者雇用率を水増し、虚偽報告していた問題であります。
 これは虚偽そのものなんですね。分母となる常用雇用労働者数、これを実際より少ない数を報告する一方で、分子となる常用雇用障害者数については実際よりも多い数を報告するということで、要するに、率を上げて雇用率を達成する虚偽の報告を毎年やっていたと。大変驚く中身なんですけれども、第三者委員会が調査を行って、記事の最後のところにあるように、障害者雇用促進法違反の疑いで告発状を出しているわけです。当時総務部長だった同省幹部らが実は更迭をされているわけです。
 障害者雇用状況報告について虚偽の報告をした者は三十万円以下の罰金刑に処せられると。これが雇用促進法に書いてありまして、これにのっとって罰金もあったと思います。
 これは、余りにもあからさまな虚偽であった、データ捏造であった。それをわかっていて、ちょっとうまくないんじゃないですか、どうしますかと。そういう心配をする人もいたけれども、それをずっと、担当者がかわっても黙認されてきたと。非常にあきれる、驚く話なんです。
 でも、それはわずか四年前。この事件の教訓がなぜ生かされなかったのか。
 そして、今回は、では、罰金とかは法律に、そもそも対象にならないかもしれないけれども、そういうことではなくて、虚偽報告そのものに当たらないんでしょうか。ぜひお願いします。
○土生政府参考人 御説明いたします。
 先生御指摘の、平成二十六年の独立行政法人の事案でございますけれども、御紹介ございましたとおり、所属の各施設から独法本部に報告がございました。職員総数、いわば雇用率で申しますと分母に当たるわけでございますけれども、それから、あわせまして分子に当たります障害者数、これを参考としながらも、独法本部におきまして、職員総数の数字を小さくする、あわせまして障害者数の数字を大きくする、そういった数字の操作によるということでございまして、これはまさに虚偽報告事案であったということで承知をいたしております。
 他方、今回の、国の行政機関におけます不適切な計上事案でございますけれども、検証委員会におきまして、今般の事案が発生した原因につきまして、調査、検証が行われたところでございます。
 そうした調査、検証の過程におきまして、各行政機関におきましては、検証委員会の調査への対応を職務として命ぜられている中で、可能な限り、過去の担当者や記録にさかのぼって実態把握を行っていただいたわけでございます。
 そうした上で、なお行政機関からは、意図的に不適切な対応を行った例は把握していない、そういった回答がなされまして、検証委員会の報告書にその旨が記載をされているということでございます。
 御指摘の点につきましては、十月二十二日、これは検証委員会が関係府省連絡会議に報告書を報告したときでございますけれども、松井委員長が記者会見を行っておられまして、先生御指摘の点につきましては、平成二十六年の独法虚偽報告が発覚したことから、今回の調査におきましても、この事案と同様のケースが各行政機関において行われているかどうかという点についても調査を行ったということでございますけれども、こうしたものは見つからなかったという御発言をされているということでございまして、その点についても検証が行われたということで、承知をいたしております。
○高橋(千)委員 検証委員会の報告と、この二〇一四年の報告書、どっちも読みました。大分違いますよね。検証委員会は、失礼ですけれども、二週間。これは二カ月かけて調べています。さかのぼれるだけ過去にさかのぼって調べております。
 ですから、さっき、分母と分子をふやしたのと減らしたのと言ったんですけれども、桁が、四千人もですからね、最大で四千人もサバを読んでいた。実際に常用として雇っていた職員を、これは、いわゆる嘱託の職員だったんですけれども、常用じゃないというふうに数えて公に公表しているわけですよね。それを計算の率に入れていた、そういうことなんですけれども。
 これをどのように評価をしていたかというのを資料の最後につけておりますけれども、最後のページを見ていただきたいと思うんです。これは構造的な問題だとはっきり言っています。やはり、お役所がやった事象に対して、構造的な問題じゃないか、組織的な問題じゃないかと私たちはよく指摘するんですが、それをなかなか認めることがこれまでありませんでした。しかし、ここはさすがにちゃんとやっている。
 アンダーラインを読みます。「組織内で長期間にわたり構造的に行われてきたということである。」「事情を知った決裁ライン上の者全員」、括弧のところ、重要です。「厚生労働省からの出向者を含む。」さらに、「その中には障害者雇用促進法の所管課課長を務めた者もいる。」これは、指導する側の立場の人が総務部長として出向していて、口をつぐんでいたわけですよね、その重大さというのは。「さらに報告を受けた理事までが、少なくとも十年以上異動による交代を繰り返しつつも虚偽報告を行うことを是認してきたのである。」下の方を読みます。「出向者にとっては、機構業務の是正を行うことよりも、機構及び過去の出向者さらには厚生労働省に傷がつかないようにすることが重要となっていたからではないかと考えられる。」
 ここまで厳しい調査を行って、今お話があったように、同様の件がないかと検証したと言うけれども、それにふさわしい第三者的な検証だったと言えるんでしょうか。それをやらずに、違法性がないと決めつけることが本当にできるんでしょうか。もう一回お願いします。
○土生政府参考人 御説明させていただきます。
 今回の検証委員会でございますけれども、大規模な不適切計上が国の行政機関としてなされることになった原因を明らかにするという検証の目的を達成するため、三十三の国の行政機関に対しまして、まず書面による調査を行ったわけでございます。これは、今回、平成二十九年の再点検により減少となりました通報対象職員、全数三千七百名分の調査を行ったところでございます。
 また、各行政機関の人事担当部局に対する調査、さらに、書面調査に加えまして、全ての調査対象機関にヒアリング調査、これは延べ七日間、合計約三十五時間、複数の委員により行っていただいたわけでございます。
 さらに、直接情報を収集するための専用窓口を設置するなど、可能な限りの実態把握を行っていただいた上で、さまざまな分析を重ねて検証結果をまとめていただいたということでございますので、私どもとしては、十分に検証委員会としてその役割を果たしていただいたものと考えております。
○高橋(千)委員 私は、今回の問題も、構造的な問題であり、組織的な隠蔽だと考えます。
 なぜなら、検証委員会による各省庁三十三機関の調査結果と、厚労省に提出された各省庁の採用計画が、極めてどの省庁も似ている表現、共通性があるからです。ひな形があるとしか思えません。
 まず、そう思わないかどうかを聞きたいんですね。どういう人を障害者にカウントするかという手法や、なぜ水増し報告することに至ったのかという理由について、各省庁に共通性があると思います。それをそう思わないかどうか、またそれはなぜと思うか、伺いたいと思います。大臣にも後でお答えを。
○土生政府参考人 検証委員会の報告書について御説明申し上げたいと思います。
 検証委員会の報告書におきましては、厚生労働省、これは職業安定局所管の問題でございますけれども、そうした問題と各行政機関側の問題が相まって、大規模な不適切計上が長年にわたって継続するに至ったと言わざるを得ないとの指摘がなされているところでございます。
 その不適切な計上の方法でございますけれども、特異性が見られるものとしましては、例えば身体障害のうち視覚障害あるいは精神障害といった特定の障害種別を多数計上したもの、これは一定省庁の該当があるわけでございます。また、一つの省庁しか該当がなかったものとしましては、うつ病等の精神疾患等の者を身体障害者として計上したもの、あるいは退職した職員を長年にわたり漫然と多数計上したもの、雇用率算定の除外職員を多数計上したものといった、さまざまな方法があったものと承知をいたしております。
 他方で、各行政機関側に共通する今般の事案の基本的な構図といたしましては、組織として障害者雇用に対する意識が低く、ガバナンスが著しく欠如している中で、担当者が法定雇用率を達成させようとする余り、恣意的に解釈された基準により、例えば既存職員の中から対象障害者を選定する等の、不適切な実務慣行を継続させてきたといった心証を強く形成するに至ったということが明記をされているということでございます。
○根本国務大臣 今、政府委員から答弁させました。
 検証委員会の検証によって、今般の事案の基本的な構図が各行政機関に共通である、基本的な構図がということが一方にありますが、不適切計上の方法、これについてはさまざまであることが明らかになっていると思います。
 各行政機関は、検証委員会の調査への対応を職務として命じられている中で対応しており、厚生労働省も、検証委員会の事務局として、検証委員会の指示に従って適切に対応したものと思います。
○高橋(千)委員 まず、誤解のないように言っておきますけれども、やはり一番責任があるのは厚労省ですからね。やはりチェックができなかったということが一番問題だと思うので、検証委員会を責めているわけではないんです。だけれども、これを構造的なものだとやはり見なければ、本当に反省をしなければいけないんだということなんです。
 それで資料の2、その前に、さっき三千七百名の調査をしたとおっしゃいました。でも、三千七百名だけれども、類型化できるのは今言ったような三つ、四つなんですよ。そのくらい集約されているんです。後で説明をします。
 それで、検証委員会の概要ペーパーは資料の二枚目にあるんですけれども、右の肩の方、右を見ていただきたいんですけれども、「例」と書いているところがありますね。計上方法に対しての正しい理解の欠如と。「身体障害者は「原則として」障害者手帳により確認することとされているが、例外を厚労省に確認することなく解釈」と。これ、幾つもの省庁が書きぶりまで同じなんです。
 内閣府のを読みます、同じなので。内閣府が書いているのはこうです。平成二十九年五月通知において記載のある「原則として」の例外に当たる場合として、例外に当たる場合が示されていないことから、幅広くいずれに該当するか判断してよいと思ったと。「原則として」と記載されていたことから、手帳の確認自体が必須であるとは認識していなかった。
 おかしくないですか。なぜ、原則とあるのに、例外を幅広くとるんですか。おかしいし、書いてないなら聞けばいいんです。ガイドラインは周知していません、ちゃんと読んでいません、厚労省からちゃんと説明を受けていませんといいながら、細かい通知の「原則として」、その部分だけは見逃していない。おかしくないですか。
○土生政府参考人 検証委員会の報告書につきまして御説明をさせていただきます。
 報告書の中で、事実関係をまず申し上げますと、身体障害者の範囲につきましては、厚生労働省職業安定局から、平成十六年から平成二十九年まで毎年、障害者任免状況の通知依頼の通知がなされているということでございます。その中で、今先生から御指摘のございました、「「身体障害者」とは、原則として身体障害者福祉法に規定する身体障害者手帳の等級が一級から六級に該当する者とし、」という記載があるわけでございます。
 この「原則として」の例外に当たる場合が明確でなく、多くの国の行政機関において、法別表への該当性の判断について、本来の方法に沿わない運用になったということの一因だということで、検証委員会での報告は指摘をされているということでございます。
 このことにつきまして、報告書におきましては、必ずしもその内容が明確であるとは言いがたい通報依頼通知が十四年間、毎年発出され続けたということにつきましては、障害者の範囲や確認方法等について周知するに当たっての不手際という御指摘をいただいているところでございます。
 他方、各行政機関の対応につきましても、報告書におきまして、「原則として」の記載を根拠に、身体障害者の範囲を、手帳等以外の資料によっても確認することが許されていると理解できるはずもなく、仮に不明な点があるのであれば、制度所管省庁である厚生労働省職業安定局に問い合わせるなどして適切に対応すべきであったという厳しい御指摘をいただいているということでございます。
○高橋(千)委員 だから、さっき言ったでしょう、検証委員会を責めているんじゃないんだと。
 できるはずもなくと厳しい指摘があったからいいんだではなくて、何でみんなが同じ書きぶりなんですかと言っているんです。何でみんなが同じ、細かい通知の中のこの「原則として」だけに注目しているのか、各省庁が言いわけとして書いているのかと。それは検証委員会が教えたとでも言うんですか。厚労省が教えたんじゃないんですか。ひな形があるんじゃないですか。そう疑わざるを得ないですよ。
 お答え、ありますか。
○土生政府参考人 御説明いたします。
 今回の検証委員会、これは関係府省連絡会議のもとに設置をされたものでございまして、私ども厚生労働省と内閣官房で事務局を行ったものでございます。
 私ども事務局といたしましては、忠実に検証委員会の御指示に従って事務を行ったところでございまして、先生御指摘のようなことは全くなかったということは御報告させていただきたいと思います。
○高橋(千)委員 この部分は、更に今度集中審議をやって検証していただきたい、ちゃんと調べていただきたいと厚労省にお願いしたいと思います。
 大臣にぜひ感想を後で伺いたいと思うんですが、資料の3を見ていただきたいんです。これは、不適切計上の多いところからのトップテンです。第一位は国税庁、千百三名。第二位は国土交通省、六百二十九名。森友コンビということではありますけれども。
 これは、個別に中身を全部読みました。そうすると、例えば、国交省は六百二十九人の水増しなんだけれども、さかのぼること十年前の障害者リストを後で追加して、足りないから計上したんです。そのために、十年前なので、八十一名が在籍していなかった。しかも、そのうち亡くなった方が三名も入っていた。そのことすらも気づかないで出していた。単なる数合わせとしか言えません。
 それから、農水省、五位に入っておりますけれども、視覚障害が百六十名、七三%です。調査書ではこう書いてあります。「平成二十九年度に対象障害者と判断した十一名のうち、七名が視覚障害者であるが、いずれも、人事担当者の周囲にいる者のうち、眼鏡、しぐさ等から視力が悪そうな者から裸眼視力を聴取し、計上していた。」
 これは、制度を知らないとかの問題じゃないですよね。明らかに足りない人を見つけてやっている。総務省に至っては、九八%がそうやって裸眼視力の人を計上しているんです。
 今、成人で眼鏡やコンタクトをしている人の割合がどのくらいいるかという民間の調査を何種類か見ましたが、七割から八割なんですよ。そういうのでカウントされていたら、本当の障害者は誰も雇っていないに等しいじゃありませんか。そのくらいの事態なんです。どれだけの意味を持っているのかというのをちゃんと見なきゃいけないんです。
 うつ病などを内部障害として多数計上、これは概要にもありますが、財務省は、うつ状態になって病気休暇に入ると、医師の診断書を人事当局としても入手するので、うつであることが確認できれば、そこは計上する余地があるだろうと。おかしくないですか。障害者の雇用を進めようと言っているのに、職場で働いてうつになって休んだらカウントしていますと。
 経産省は、産業医から指摘をされて、四十五時間以上残業させるなと指摘された。働き過ぎて過労になって、それで障害者雇用率にカウントされている。全く違うでしょう。雇用率を満たしていなければ、周りを見回して眼鏡の人をこっそりカウントしたり、糖尿病やぜんそくやうつ病も、これもみんな内部障害者にされたりとか、これはルールを知らないといった以前の問題です。結局は、障害があっても働きたいという人たちの雇用の機会を奪っていることにもなります。
 大臣、改めて率直な感想を聞きたいです。この際、本当に真剣な検証を行うべきだと思いますが。
○根本国務大臣 検証委員会の報告の中でも、先生おっしゃられたように、基本中の基本の確認不足、法令の勝手な解釈、長年引き継がれてきたものとの言いわけが許されるはずもなく、まことにずさんな事務処理、障害者の雇用促進に向けての真摯な努力がなされてきたかにつき甚だ疑問を抱かざるを得ないと、大変厳しい指摘がなされております。これは私もそう思います。
○高橋(千)委員 さっきから言っているように、厳しいか厳しくないかの話じゃないんですよ。これ、やはりさっきも言ったように、独法の機構に厚労省の担当課長が出向して総務部長をやっていて黙認していた、そういう経過を持っているんですよ、厚労省は。それもたった四年前ですよ。そういう立場に立って、厚労省自身が、じゃ、何でこれをずっと見逃してきたのかという立場に立たなきゃいけないということを言っているんです。そのことをきちんと第三者から見てもらうべきだと。
 検証会議の報告書が出された直後に、公務部門における障害者雇用に関する関係府省連絡会議の基本方針が出ています。何で報告書と基本方針が、ばっとすぐ出るんだろう。拙速な気がします。基本方針、なるべく早く出したいという気持ちもよくわかります。だけれども、そのために各省庁が出した採用計画を見ると合点がいきますけれども、しごとサポーター養成講座とか、障害者雇用キーパーソン養成講座とか雇用セミナーなど、基本方針に書かれた、例えば、例えばとこれをコピペしている、各省庁が。本気でやろうと思っているかどうかわかりません。そういうことをやはり指摘しなければならないと思います。
 それで、時間がなくなってきました。十二月三日から募集が始まります。人事院の統一試験がどのようなものか。さっき言ったように、ずっと受けていたんだけれども、機会に恵まれなかった、落ち続けてきた人たちもいると思います。本当にそういう人たちに応えたい。あるいは、点字受験とか音声PCとか、特性に応じた配慮がなされるべきだと思います。そういうことも含めて、どのようにやられるのかということを教えていただきたいのと、募集人員は常勤を何人とするのか、教えてください。
○嶋田政府参考人 お答えいたします。
 御質問の統一試験につきましては、今回、障害者採用に向けた任用面での対応としまして、通常の競争試験に加えまして、新たに選考採用の枠組みを活用することとしておりまして、その一つとして、人事院が能力検証等の一部を統一的に行うものでございます。
 人事院が行いますこの障害者選考試験の内容でございますが、第一次選考の筆記試験といたしまして、高卒程度の基礎能力試験及び作文試験を行うものでございます。その後、第二次選考としまして、各府省の採用予定機関におきまして、それぞれ個別の面接等を行うものとしております。
 この障害者選考試験は、常勤職員として採用するためのものでございまして、募集人員につきましては、現在、各府省の採用予定数を集計しておりまして、集計結果はまとまり次第公表する予定でございます。
 また、御質問のございました試験時の配慮につきましては、申込時に、配慮を必要とするものがございましたら記入をしてほしいということにしておりまして、現場でできる限りの対応をしてまいりたい、このように考えております。
○高橋(千)委員 一言で終わります。
 先ほど高木委員も指摘をされたと思うんですが、採用に当たって、何年もかかって水増ししてきたものを二年で取り戻そうとすれば、必ずそれでひずみが起きて、また大量の離職者が出たりします。本当に障害者が働きやすい職場をつくるためにも、そこは丁寧な対応が必要だということで、また続けての機会をいただきたいと思います。
 終わります。
○冨岡委員長 次に、串田誠一君。
○串田委員 日本維新の会の串田誠一でございます。
 昨日、本会議で入管法の質疑もさせていただきまして、私、法務委員会も、ちょっと人数の少ない政党なものですから兼ねておりまして、つい先ほども理事懇でこの受入れの人数の説明などを受けてきたわけでございます。
 労働人口が非常に少ないという、人手不足を解消しなければ非常に困るという産業がある、これを何とかしなければいけないというのは私も賛成なんですが、一方で、国内の日本人の雇用の、労働環境の悪化を招いてはいけないというのも間違いないと思います。
 先ほど説明を受けたんですけれども、十四業種のうち労働人口が足りないところを外国人で補うという説明の中で、まだ十分な説明が法務委員会でも行われていなくて、宿題になっているというような、そんな状況なんですけれども、一般的に説明を受けましたのは、五年後に人材が少ない、足りないという部分を、五年後の状況で外国人で埋めるときの数字の出し方の説明を受けました。
 通常、計算をしていくと、今の足りない分を、五年後は例えば介護だと三十万人になりますよという中で、それをいろいろな、生産性を向上させる、そして国内人材を活用していく、これによって足りない分を補う、なおかつ足りない分について外国人がそこの分を補う、こういう考え方だそうなんですね。
 問題なのは、生産性を向上させるということを前提にして計算式が行われていくわけです。例えば介護の場合には、五年後は三十万人必要だけれども五、六万人で済むような計算式が数字で出されていますけれども、それを生産性向上と国内人材で補うということなんでしょうが、これの、生産性向上をどうして行うのかという説明は一切ないんですね。国内人材も、それで補うというけれども、どういうような国内人材が補われていくのかという説明もないんです。
 何が問題かといいますと、その引き算を外国人が補っていくという考え方をとれば、本来であれば、生産性の向上も一生懸命やらなければいけない、国内人材も一生懸命活用しなければ今の労働不足は補えないという状況であるんだけれども、外国人を採用してそこを埋めるということになると、生産性の向上もそれほど努力しないで済むわけです。国内人材もそれほど努力しないで済むわけです。なぜなら、外国人で補うことができるからなんです。
 そうすると、せっかくの生産性の向上、ピンチはチャンスですよね、ある意味で。というか、逆に言えば、そこまで差し迫っているような状況であるならば、知恵を出して、努力をしてそこを埋めるというふうにしていくはずなのに、安易にそれを外国人によって埋めて、その努力というものを非常に軽くしてしまうんじゃないか。国内人材に関しても、一生懸命活用するというような、例えば女性のM字曲線を解消するとか、高齢者を活用するとか、先ほど障害者もありましたけれども、いろいろと仕事場に出ていってもらいたいというその努力が非常に軽視されてしまうんじゃないかというのは私は危惧しているんですよ。その点、大臣はいかがお考えでしょうか。
○根本国務大臣 国内の人手不足にどう対応するか。今、一億総活躍で、高齢者の皆さん、あるいは女性の皆さん、要は、働きたいと思う方が、どんどんみずからの能力を開発して、そして磨いて、活躍してもらおう、基本的にそういう政策をとってきております。現に、高齢者の皆さんや女性の皆さんの就業率が高まっている。
 そして、大事なのは、やはり国内の高齢者の皆さんや女性の皆さんや、要は、介護で働きたいと思われる方にどんどん働いていただく。
 そのためには、例えば処遇改善、これはこれまで合計五万七千円の処遇改善をやってまいりました。二〇一九年十月より、新しい経済政策パッケージでさらなる処遇改善を実施したいと思っております。あるいは、介護分野へのアクティブシニア、元気な方などの参入を促すための入門的研修の普及などによる多様な人材の活用。さらに、ICTや介護ロボット、今新しい技術がニーズがありますから、どんどん技術開発が進んでいる、この生産性向上の推進。そして、こういう生産性の向上を推進する中で、業務負担の軽減や職場環境の改善などによって働きやすい環境を整備していきたい。さらに、介護に関する魅力を発信していきたい。
 要は、国内の介護人材確保対策にしっかり取り組んでいって、なお足らざる部分がありますので、それが今回の海外の人材の受入れで需要と供給で全て充足されるということではないとは思いますが、海外からの人材もしっかり受け入れて、そして、この介護の分野が、誰もが安心して介護が受けられるようにしていきたいと思います。
○串田委員 今大臣に説明していただいた、まさにそういうふうになってくれればいいなというふうに本当に思うんですが、現実にそういうふうに進行していけるかどうかということなんですね。
 一つは、今回の説明の中で、ちょっと先ほど、きょう出された表、別の委員から出されていますけれども、私はきのう通告をしたので書類をつくっていなくてきょういただいたんですが、そこの中で、需要、見込みのところの表があるんですけれども、要するに、生産性を向上してこれだけ人が減りますよ、国内の人材を活用してこれだけ人が減りますよ、一般的にいくと人手不足はこれだけなんだけれども、それを引き算するとこれだけが減りますよという計算式なんですが、その部分を外国人で補えるということになるそうなんです。
 これは何を言いたいかというと、外国人に今度の技能の一号になってもらうときには、要するに、技能実習から一号になられる方と、試験によってなられる方がいるんですが、どうもこの技能実習と試験を両方利用すれば足りない分をすぐ補えるような、そういう制度設計みたいになっているんですね。
 要するに、外国人の充足が限られていれば、生産性向上も一生懸命やるでしょう、国内人材も一生懸命やるでしょう、だって、足りないんですから。ところが、幾ら足りなくても、幾らでも外国人が補っていくような制度設計なんですよ。
 だから、今言った大臣のお話というのは理想的だとは思いますよ。だけれども、それが本当にそうなるのかどうか。生産性を向上するというのもコストもかかる、国内人材を活用するというのもコストもかかる。安易な外国人の雇用ということで済ませてしまうということを、どうやってそうならないと言い切れるのか。その担保がこの制度の中に含まれているのかどうか、大臣としてはどのようにお考えでしょうか。
○根本国務大臣 先ほども申し上げましたが、先ほど申し上げましたように処遇改善、もう五万七千円やっていますけれども、さらなる処遇改善を実施する、あるいはアクティブシニアの参入を促していく、あるいは生産性向上を推進していく。やはり、こういうあらゆる対策を講じて、そして、しっかりと、国内の人材が介護分野に行っていただくように、これは我々全力を挙げて取り組んでいきたいと思っております。
○串田委員 大いに期待はしたいと思います。ただ、しつこくここまで言いましたのは、日本の女性のM字曲線も一向に解消しているとは私も思えないし、クオータ制というのは諸外国であるけれども、日本の官僚組織なんかは一番女性の進出がおくれていると言われています。
 そういう中で、やりますやりますというのは本当に期待したいんだけれども、現実に今のこの現状というのはそうなっていないんじゃないかというのがやはり危惧するところでありますので、こういう制度というものを、これは賛成するか反対するかというのは各党あると思うんですが、外国人の、何らかの形で今の技能実習制度というのを改善しなければいけないというのは私も思っているので、その導入に当たっては、国内のそういう整備というものがしっかりできるような担保制度みたいなものもやはり入れていかなければいけないのではないかなというふうに思っております。
 その一つが二〇一三年の労働契約法なんですね。ことしは二〇一八年。二〇一八年問題というふうに言われているわけなんですが、この二〇一三年の労働契約法というのは、どういう趣旨で成立をし、なぜ、二〇一八年、ことしが二〇一八年問題と言われているのでしょうか。
○坂口政府参考人 お答え申し上げます。
 今委員の方から御紹介いただきました、二〇一三年に労働契約法を改正して導入されたいわゆる無期転換ルールというものでございますけれども、これは、有期契約が繰り返し更新されて通算五年を超えたときに、労働者の申込みにより、無期転換、無期労働契約に転換できるというルールでございます。
 いわば、無期転換に向けて契約が移行しやすくなるということでございまして、今委員の方からも御紹介がありましたとおり、施行されましたのが二〇一三年、平成二十五年の四月一日施行ということで、先ほど御説明しましたとおり、通算五年を超えたときということになりますので、いわば、この本格的な無期転換の申込みが始まってくることが想定されるのが本年四月からということで、二〇一八年ということが言われているということでございます。
○串田委員 まさに、ことし、その二〇一八年問題が訪れて、各企業は、今まで非常に都合よく更新を続けてきた、有期雇用を繰り返し繰り返し行って弾力的な採用を、要するに、その負担は全部労働者に負わせていたというふうに言っても過言ではないんじゃないかなと思います。そういったような意味で、労働者の地位を高めるという意味では、五年経過後、今度は有期から無期にしない限りは更新は認めないというような、要するに、企業にとっては差し迫った決断をしなければいけないのがことしから始まっている状況なんですね。
 今、労働不足ということであるならば、企業としては、やめてもらいたくない、だから、採用を続けるのであるならば有期を雇用にしなければならない、そういう意味では、二〇一三年の労働契約法がまさに開花する年なんですよ。
 その年に今回のような外国人の雇用をそこに入れることによって、企業としては労働不足というものを解消できてしまう。要するに、有期雇用を無期にしなければいけないような決断を、外国人で補っていくことができてしまう。そういうふうに私は危惧をしているんですけれども、これは当たらないんでしょうか。
○坂口政府参考人 お答え申し上げます。
 今委員御指摘にありましたような、本格的にことしから申込みが始まっていることも想定される状況については、今現在、調査を独立行政法人の方で実施をしているということで承知しております。
 先ほど御答弁申し上げましたように、これは労働契約法十八条に基づきまして、有期契約が繰り返し更新されて通算五年を超えたときは労働者の申込みによって無期転換にできるルールということでございますので、制度的には、法令的にそういったことが担保されているということでございます。
 そういった中で、そういう状況に置かれたときには、その申込みによっての無期転換への、転換ということが図られるべきものということでございますが、いろいろ、そういったことにならないようにというような、その趣旨にそぐわないような行動ということについては、やはり私どもとしても問題があるということもございますので、そういった点も含めまして、円滑に運用がされるように、私どもとしましては周知、広報ということをしっかり行ってまいりたいと考えております。
○串田委員 今の説明の中でもう一点ちょっと確認したいんですが、今の説明ですと、労働者は有期から無期に申請することができるかのような説明なんですが、それは、雇用を更新、要するに、五年を経て、経過させている状況のときには労働者は無期に申請できるのであって、有期の期間が過ぎてしまったときに更新をしないというのは、雇用主の方は自由にできるのではないんですか。
○坂口政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほど申し上げましたように、労働者の側につきましては、通算五年を超えて契約更新をした労働者の方が、その契約の期間中に無期転換の申込みをしなかったというときには、次の更新の以降でも労働者の方は申込みが可能ということでございますけれども、使用者の側につきましては、この労働者の申込みによって、無期転換ということが申込みをされた後の次の更新の時点で転換がされるということでございます。
○串田委員 そうじゃなくて、有期の期間が過ぎた時点で契約期間は切れるんじゃないんですか。それを過ぎて雇用を続けているときには、労働者の側は無期の申請をすることができるんじゃないんですかと聞いているんです。
 有期期間が過ぎても、ずっと続けて雇用を続けられるんですか。
○坂口政府参考人 先ほど、二つ前にお答えしたのがちょっとわかりにくかったと思いますけれども、今委員からありましたように、一旦有期の契約が切れてしまうということになれば、これは転換はできないということでございますので、先ほど私がちょっと舌足らずで申しわけございませんでしたけれども、一般論として、無期転換ルールを意図的に避けるような目的で雇いどめをするということは、契約法の趣旨に照らして望ましいことではないということでございますので、そういった点も含めて、私どもとしては今周知をしているということを申し上げたということでございます。
○串田委員 何度も言い合ってもしようがないんですが、望ましくないというのと、法律的にできるというのはこれは別の話であって、有期期間が過ぎてしまっても労働者はそのままいられるかというと、いられないんですよ、使用者にもうそれで雇いどめをしますと言われれば。それを更新をしている状況の中では無期に転換する申請ができるということなので。
 何を言いたいかというと、二〇一三年から五年がどんどんどんどん経過していく中では、企業は、有期雇用の従業員がそのまま使用してもらう場合には無期にしなければならないわけです。ところが、今、労働不足ですから、企業はそうせざるを得ない状況の中で、外国人が入れば、いや、やめていただいて結構ですよとならないんですかということなんです。
 二〇一三年に、労働不足も考慮しながら、企業としては無期にするかしないかを決断しなければいけないという二〇一三年の法律をつくったのに、せっかくそういうチャンスなのに、外国人を入れることによって、もうやめて結構ですよと言われることがふえるんじゃないですかと聞いているんですが、その危惧はないんでしょうか。
○坂口政府参考人 繰り返しになりますけれども、この無期転換ルールについてということでいえば、そういった意図的に避けるということで雇いどめをするということは望ましくないということでございますので、そういった点からいくと、今回のものが直接的にそういった雇用に影響するかどうかということは、それは、そういった点は言えないのではないかと思っております。
○串田委員 事前に、ではどんなような状況で、その無期転換とかというものの統計はどうなっているんでしょうかと聞いたら、統計は今調べているというお話でした。それはまさに二〇一八年の、ことしだからなんですね。
 私は、そういう二〇一三年につくった法律がちゃんと執行されてうまくいっているのかどうかということをやはり確認してからこういう外国人の問題というものも取り扱っても遅くはなかったのではないかなと。やはり、日本人の雇用状況が改善できているかどうかということの、法律をつくったんですから、その法律がしっかりと効力が出ているのかどうかという確認もしないままに、労働不足だということで外国人を入れるというのは、私は、この臨時国会という非常に短い中では、ちょっと早まっているんじゃないかなという意識があるんですけれども。
 介護職が先ほどちょっと出ましたが、この介護職の離職率がどの程度であるのかというのは、他の産業との間で比較した統計というのはあるんでしょうか。
○谷内政府参考人 お答えいたします。
 今議員から、介護職についての離職率についてお尋ねがございました。
 平成二十九年度の介護労働実態調査によりますと、介護職員の離職率、これは一年間の離職者数を九月三十日時点の介護職員数で割り返したものでございますけれども、一六・二%となっておりまして、経年的に見ますと、平成二十二年度が一七・八%でございましたので、だんだん経年的にも下がっておりますけれども、全産業では平成二十九年度で一四・九%でございますので、若干高い数字となっております。
○串田委員 よく介護職というのは離職率が高いというような話の中で、その離職率も、いろいろと聞いてみると、同じグループの中で異動するとどうかとか、いろいろなものがあるみたいなことも聞いているんですが、ただ、ほかの産業と比べるとかなり高いというのもあるみたいですし、今回の外国人の、不足の部分も十四業種の中では一番多いようになっているんですが、どうしてこの離職率が多いのか。
 昨日の本会議でも、安倍総理は非常に賃金も上げているんだというような話もありましたが、現実に離職率が高いというのは、やはり何か理由があるんだと思うんですけれども、そこの要するに原因を突きとめないと、いつまでたっても変わらないんじゃないかなと思うんですが、それについては分析はされているんでしょうか。
○谷内政府参考人 お答えいたします。
 介護職員、先ほど申し上げましたように、他産業と比べますと離職率が若干高い傾向になっておりまして、過去にも、どういった理由でやめられたかというようなアンケートをとっております。正確な数字はありませんけれども、よく言われますのは、給与が低いからではないかといったようなことが言われるんですけれども、そういったアンケートを見ますと、それよりはむしろ、職場の人間関係がなかなかうまくいかないとか、あとは経営者の経営理念に賛同できないとか、そういった方がやめられている。アンケートでは、そういったことでやめているという方がかなり上位を占めているといったようなデータは出ております。
○串田委員 本当にそうであれば、かなり、もう少し別の形から就職というものを変えなければいけないというふうには思うんですけれども。
 介護職が一番五年後に労働不足になるというのは、やはりそれは高齢化していくということが一つあると思うんですが、一方で、この介護職、十四業種の中で、生産性向上と、あとは国内人材の活性化、これによってかなり減縮されるんだというような形で今回業種の発表があるんですが、介護職の中で生産性向上と国内人材の活用というのは、具体的にはどんなことが考えられると思いますか。ここまで人数を減らして発表しているんですけれども、ちょっと私としても思いつかないんですが。
○谷内政府参考人 お答えいたします。
 介護職について、まず、生産性の向上ですけれども、厚生労働省におきましては、二〇四〇年に向けてさまざまな試算を行った際に、今後、生産年齢人口がかなり減少する中で、なかなか労働者を確保することが難しいのではないかということの問題意識から、やはり福祉分野、医療・介護分野におきます生産性向上を図っていかなきゃいけないといったようなことを試算の中で盛り込ませていただいておりまして、例えば、先ほど大臣から答弁がありましたように、ICTや介護ロボット等を活用して、できるだけ職員配置を今より少ない人数で何とかできないか、そういった工夫で例えば生産性向上が図れないかといったようなことが考えられます。
 さらには、国内人材の確保でございますけれども、特に介護分野におきましては、例えば、先ほど大臣から答弁ありましたように、かなり元気な高齢者又は子育ての終わられた女性の方、さらには、今まで介護福祉士の資格を取られたんですけれども介護の仕事に定着されておられない方、そういった方をターゲットにして、何とかそういった方で国内人材についても確保していきたいというふうに考えております。
○串田委員 健康保険についてちょっと。
 入管法も今問題になっておりますので、国民の皆さんも大変心配されている部分だと思うんですが、外国人に対する健康保険と年金というものの原則的な適用というのはどのようになっていますでしょうか。
○樽見政府参考人 外国人との関係で原則というふうに申しますと、制度の対象者が日本人であるか外国人であるかということでの差は設けておりません。被用者保険であれば被用者であるかどうかということでありますし、国民健康保険は住所があるかどうかということで適用しております。
○串田委員 外国人が、今回の入管法の二号ですと家族を帯同することができるということなんですが、いろいろな家族がいると思うんですけれども、例えば、既に病気にかかっている場合に、入国をしたとき、日本の健康保険というのは適用があるんでしょうか。
○樽見政府参考人 日本の国民皆保険ということで、これは、今申し上げたように、健康保険は雇用関係、国民健康保険は住所ということを基礎として適用しておりまして、適用要件を満たす方であれば医療保険を適用する。これは、日本人も外国人も、病気があるからといって医療保険を適用しないという仕組みにはなっておりません。
○串田委員 全く危惧なのかもしれません。ただ、いろいろな制度というのは、後になって濫用とか悪用とか、よくニュースになると思うんですね。
 そういう意味では、家族が何人いるかわかりませんけれども、その家族が非常に重い病気にかかっていたとしても、一人が労働者として日本に入るときに家族を帯同して入ると、いきなり外国人の家族が日本の健康保険の適用になるということになって、これを利用していくというようなことがないような、そういうことでなくて、濫用というようなことがないような形であれば、もちろんそれは区別をつける必要はないとは思いますけれども、よくそういうような形で、保険に適用されるがためにこの制度を利用するというようなこともあってはならないと思いますので、そういうようなことをしっかりと見きわめていくというようなことは、どんなところでそれはできるのか。
 発見してから、やはりこんな濫用があったということで大騒ぎになる前に、そういうことがないような形の仕組みというのは今回考えられているんでしょうか。
○樽見政府参考人 適用すべき方には医療保険を適用していくというのが、申し上げたとおりの原則でございます。
 ただ、きょうの議論の中でも、前にもありましたけれども、例えば一種の不正といいますか、在留資格がないのに来るとか、不適正な加入あるいは不適正な利用というようなことがあるとすれば、公的医療保険の信頼を確保する上で防がなければいけないことだというふうに思っております。これは、今回の入管法改正という以前からある問題でございますし、制度の運用をきっちりやらなければ、制度に対する国民の信頼がつなぎとめられないという問題だというふうに思います。
 今後、外国人の労働者の増加が見込まれるという中で、今、医療保険の適正な利用ということに向けていろいろ御指摘も賜っております。与党の御意見なんかも踏まえて検討していくというふうにしているところでございます。
○串田委員 ずっと話をさせていただきましたが、介護の件に関しましても、いろいろな、生産性向上や国内人材の育成というようなことで、大幅に減らすんだという前提の中で提案されていますけれども、それが果たしてできない場合に、結局は非常にざるな感じで外国人が入ってしまうんじゃないか、そういう危惧もありますので、そこら辺の部分、きっちりと議論していきたいと思います。
 ありがとうございました。
○冨岡委員長 次に、柿沢未途君。
○柿沢委員 柿沢未途でございます。
 党派に所属していない私に十五分間の質疑時間を分けていただきました。委員長始め、理事会メンバーの皆さん、そして時間を割いていただいた野党理事の皆さん、御配慮に御礼を申し上げたいというふうに思います。
 お聞きしたい案件は山ほどあるんですけれども、限られた時間であります。この秋の臨時国会の間にどうしても提起しておかなければいけない問題について、的を一つに絞って御質問させていただきたいと思います。何かといいますと、医療機関における控除対象外消費税の問題です。
 皆さん御存じのとおりだと思いますけれども、医療機関における社会保険診療は非課税となっていますので、医療機関は、医薬品や材料を購入したり、医療機器を始め設備投資したり、あるいは清掃委託などの委託料、そのたびに消費税を支払っている、一方で、患者から消費税を受け取ることができないわけです。課税の事業者であれば、受け取った税額から支払った税額を差し引いて納付する仕入れ税額控除をして、その差額を納付するということになるわけですけれども、医療機関は、仕入れにかかった消費税を控除できないわけです。朝日新聞の記事を資料で配付しておきましたので、お読みをいただければというふうに思います。
 このままでは医療機関が消費税を丸かぶりするということになってしまいますので、診療報酬でカバーするということで、初診料や再診料に、要は色をつけたりしてその分を上乗せしている、こういうことになってきたわけです。
 厚労省は、これまで、二〇一四年度の消費税八%に引上げによる控除対象外消費税について、ばらつきは見られたものの、マクロではおおむね補填されているというふうに説明してきたわけです。おおむね補填されていると。
 ところが、二枚目の資料をごらんいただきますと、見てください。ことしになって平成二十八年度、二〇一六年度のデータに基づいて再調査、再計算したところ、ごらんのとおりですよ。大幅な補填不足になっていることが明らかになったわけです。病院全体でも八五%、つまり一五%の補填不足ですが、特定機能病院、これは六一・七%、丸をつけておきましたけれども、四割も、いわば損税が生じている。
 おおむね一〇〇%だとこれまで言っていたのが、全然違って、四〇%もマイナスでした、こういうことを認めたわけです。これはとんでもない話だと思います。大丈夫ですよ、大丈夫ですよと言っていたのが、全然大丈夫じゃなかったわけですから。
 それが一体、額にして幾らになるのかというのが裏面の資料であります。
 これは、千葉大学医学部附属病院の山本修一院長がお示しになられた、全国の国立大学病院における消費税補填不足額の試算であります。
 見てくださいよ、これ。平成二十七年度、右端の数字ですけれども、北海道大学、三億一千四百万円、これを皮切りに、これは千葉大の病院長ですから線が引いてありますけれども、千葉大は四億七千四百万円、東大病院で五億二千五百万円、京都大学で十二億五千六百万円、大阪大学で七億九千百万円、三重大学八億九千万円、山梨、香川、大分など、そう大きい方でもない国立大学病院でも、七億円を超える差額の損税が生じてしまっています。全部合わせると、下に書いてありますけれども、百九十五億円。四十二病院ですから、大体平均五億円の損税ですよ、五億円の損税。
 特定機能病院というのは、病床四百床以上、十以上の診療科、こういう病院ですから、民間立、医療法人立の病院でも、世の中で大病院と言われる病院は同じような規模の病院なわけですね。つまり、このデータに基づけば、日本じゅうの大きな病院という病院が、同じように、七億円とか十二億円とかいう、病院経営の収支に重大な影響をこうむっている状況であるわけです。
 厚生労働省の計算の誤りでこのような状態がずっと続いてきたわけですけれども、これについて厚労省はどう考えているんでしょうか。大臣に質問通告させていただいていますので、御答弁お願いします。
○根本国務大臣 先生御案内のように、なるほど、社会保険診療で非課税とされていますから、ですから、消費税負担については、消費税相当額を診療報酬に上乗せする形で補填してきました。
 ただ、委員御指摘のように、二〇一四年度の補填状況調査は、これは誤りがあったことを御報告しました。これはまことに遺憾であって、今後このようなことが起こらないようにしていきたいと思います。
 そして、今、資料もお配りになられましたが、二〇一六年度の補填状況調査の結果も公表いたしましたが、全体の補填不足と医療機関種別ごとの補填率のばらつきが生じている、これは委員御指摘のとおりであります。
 現在、来年十月の消費税引上げに向けて中医協において議論しているところですが、なぜこういう形になったのかと補填状況の要因を分析して、より適切な補填に向けた配分方法の具体策について、しっかりと検討していきたいと思います。
○柿沢委員 これからはこういうことがないようにしますみたいな御答弁をされましたけれども、これは民間企業だったらそんなことでは許されない話だと思うんですよ。
 厚労省の、言うなれば計算ミスにより、補填されていると説明されていたのが補填されていなくて、それで何億円というオーダーで病院収支に直撃を食らわせていたわけですね。これは、普通でいえば、事後的に賠償請求をできる、こういうことではないかと思いますし、実際に厚労省はそうした責任を負っていると思いますけれども、今まで、特定機能病院始め、大病院始め医療機関がこうむってきたこの消費税の損税の部分、補填不足の部分についてきちっと対応していただかなきゃいけないと思いますけれども、どのようにお考えでしょうか。これも大臣に通告しています。
○根本国務大臣 診療報酬による補填については、全体の補填不足、そして医療機関種別ごとの補填率のばらつきが生じておりました。この要因については、医療機関などの課税経費率が変化している、また、上乗せを行った診療報酬項目の算定回数、これが見込みと異なっていたことなどが考えられます。
 来年の改定に当たっては、直近の実績データを用いることによって、医療機関の種類ごとの消費税負担に見合う補填となるよう、現在、中央社会保険医療協議会において議論をしています。
 これらの取組によって、二〇一四年の消費税改定の際に引き上げた部分も含めて、将来に向けて補填状況が是正される配点としたいと考えております。
○柿沢委員 この期に及んで、診療報酬の差配で何とかするんですみたいな御答弁をされているんですけれども、そんなことでこれからも続けていくのか。一〇%になるわけですよ。もっともっとこのゆがみというのは大きくなってしまうというふうに思うんです。
 厚労省自身も、税制改正要望の中に、医療に係る消費税の税制等のあり方については、医療関係者、保険者等の意見、また、高額な設備投資にかかる負担が大きいとの指摘も踏まえ、この税制上の問題の抜本的な解決に向けて、個別の医療機関の補填の過不足について新たな措置を講ずるということを要望しておられるわけですよ。
 これは朝日新聞にも出ていますけれども、例えば、輸出に関しては消費税を課さないということで、仕入れ税額控除分については差額を還付する、こういう制度があります。
 カナダでは、PSBリベートという形で、この医療機関の消費税の過不足に対して、還付に類する、そういう制度を設けて、実際に還付をしています。
 今回、医師会始め、歯科医師会、薬剤師会、四病協連名で、申請に基づいて過不足を補填する、こういう新しい制度を設けてくれ、こういう提言が出ているというふうに思いますけれども、これについて厚労省はどのように受けとめているか。これも大臣にお伺いしたいと思います。
○根本国務大臣 委員のお話のように、今回の消費税引上げへの対応について、日本医師会を始めとする医療関係団体、これは、診療報酬への補填を維持した上で、個別の医療機関ごとに補填の過不足に対応する新たな税制上の仕組みの創設を要望しております。
 厚生労働省としては、平成三十一年度税制改正要望で、税制上の問題の抜本的な解決に向けた新たな措置を税制改正要望に盛り込んでおります。引き続き、関係者の議論の状況などを踏まえつつ、診療報酬による対応を含め、与党とも相談しながら検討していきたいと思っております。
○柿沢委員 いやいや、そうじゃ私はだめだと思うんですよ。つまり、診療報酬の初診料だ、再診料だ、いじくって帳尻を合わすというやり方では、どんどんゆがみが広がるばかりだと思うんです。
 現実に、この補填状況の把握のペーパーを見れば、特定機能病院は六一・七%ですけれども、精神科病院は一二九%、つまり補填過剰になっているんですね。これは、一般診療所で個人経営のところも、これにつけていませんけれども、大体三割補填過剰になっているんです。
 こういう形で、診療報酬でいじくってやると、結局、損税の問題が出る一方で、益税の問題も出てしまうんです。これはもう本当に私は不合理だと思うし、税制の問題ですから、抜本的解決ということであれば、税制の問題として解決をしなければいけないと思います。
 そうした御発言も財務省の当局者の方から多少聞こえてきているところですが、財務省、税制改正、今年度末に向けてどういう対応をするつもりなのか、状況をお聞かせください。
○うえの副大臣 お答えいたします。
 医療に係る消費税の問題につきましては、今委員御指摘があったような課題も含め、医療関係者の皆様からその解決に向けた取組を要望されている、そのことは十分承知をしております。財務省としても、関係者との間で真摯に議論を重ねているところであります。
 これまでの与党税制改正大綱におきましても、実態の正確な把握を行いつつ、医療保険制度における手当てのあり方の検討等とあわせて、平成三十一年度税制改正に際し、抜本的な解決に向けて総合的に検討し、結論を得るとされたところでもございますので、こうした与党の御議論も踏まえつつ、引き続き検討してまいりたいと考えています。
○柿沢委員 計算間違いで間違っていました、御迷惑をおかけしました、この診療報酬のまた対応で、一〇%への対応もいたします、これはもう許されないと思いますし、私は益税の問題も大きいと思っていまして、税制でこういうことを億単位で生じさせているというのは全く許容できないと思うんです。
 そういう意味で、財務省、税制の問題ですから、何か、聞いておりますみたいなお話ですけれども、皆さんが当事者だという意識を持って取り組んでいただきたいというふうに思うんですけれども、現状どうするつもりなのか、もう一度、今の段階で言えることを言ってください。
○うえの副大臣 関係者の皆さんとも今真摯に、厚労省を含め、議論をさせていただいております。
 先ほども申し上げましたが、与党税制改正大綱の中にもしっかりと位置づけをされておりますので、与党での議論もしっかりと注視をさせていただく中で、我々としてもしっかり議論を進めていきたいと思います。
○柿沢委員 時間がなくなりましたので、最後に申し上げますが、介護にも全く同じ問題があります。消費税と全く関係ない報酬体系の財布をいじくって帳尻を合わせるやり方は不合理だし、また、収支補填の的確性も欠いています。こういうやり方は見直すべきで、私は、課税、非課税の議論に踏み込むべきだと個人的には思いますが、いずれにしても、待ったなしで消費税一〇%は来るわけですから、しっかり対応してもらわなければ本当に潰れるような医療機関が生じかねないということを申し上げて、質問を終わります。
 ありがとうございました。
     ――――◇―――――
○冨岡委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 厚生労働関係の基本施策に関する件、特に障害者雇用について調査のため、来る二十一日水曜日午前九時三十分、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○冨岡委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 次回は、来る二十一日水曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時三十七分散会