第198回国会 原子力問題調査特別委員会 第3号
平成三十一年四月二十五日(木曜日)
    午後三時二十四分開議
 出席委員
   委員長 高木  毅君
   理事 伊藤 忠彦君 理事 斎藤 洋明君
   理事 津島  淳君 理事 細田 健一君
   理事 吉野 正芳君 理事 阿部 知子君
   理事 浅野  哲君 理事 富田 茂之君
      井林 辰憲君    泉田 裕彦君
      岩田 和親君    北村 誠吾君
      佐々木 紀君    佐藤 明男君
      齋藤  健君    笹川 博義君
      高木  啓君    谷川 とむ君
      西田 昭二君    野中  厚君
      福山  守君    古田 圭一君
      星野 剛士君    堀井  学君
      松本 剛明君    三原 朝彦君
      宮澤 博行君    宗清 皇一君
      簗  和生君    渡辺 孝一君
      生方 幸夫君    逢坂 誠二君
      菅  直人君    田嶋  要君
      宮川  伸君    牧  義夫君
      佐藤 茂樹君    中野 洋昌君
      藤野 保史君    足立 康史君
      井出 庸生君
    …………………………………
   参考人
   (高浜町長)       野瀬  豊君
   参考人
   (著述・翻訳家)
   (元原子炉設計者)
   (元国会事故調委員)
   (新潟県技術委員会委員) 田中 三彦君
   参考人
   (常葉大学経営学部教授)
   (NPO法人国際環境経済研究所所長)       山本 隆三君
   参考人
   (アドバイザリー・ボード会員)
   (一般社団法人コンセンサス・コーディネーターズ代表理事)         桑子 敏雄君
   衆議院調査局原子力問題調査特別調査室長      関  武志君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月二十五日
 辞任         補欠選任
  泉田 裕彦君     佐藤 明男君
  佐々木 紀君     笹川 博義君
  山際大志郎君     高木  啓君
同日
 辞任         補欠選任
  佐藤 明男君     泉田 裕彦君
  笹川 博義君     佐々木 紀君
  高木  啓君     谷川 とむ君
同日
 辞任         補欠選任
  谷川 とむ君     山際大志郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 原子力問題に関する件(原子力規制行政の在り方)
     ――――◇―――――
○高木委員長 これより会議を開きます。
 原子力問題に関する件、特に原子力規制行政の在り方について調査を進めます。
 本日は、本件調査のため、参考人として、高浜町長野瀬豊君、著述・翻訳家、元原子炉設計者、元国会事故調委員、新潟県技術委員会委員田中三彦君、常葉大学経営学部教授・NPO法人国際環境経済研究所所長山本隆三君、アドバイザリー・ボード会員、一般社団法人コンセンサス・コーディネーターズ代表理事桑子敏雄君、以上四名の方々に御出席をいただいております。
 この際、参考人各位に委員会を代表して一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多用のところ本委員会に御出席を賜りまして、まことにありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見を賜れれば幸いに存じます。どうぞよろしくお願いいたします。
 次に、議事の順序について申し上げます。
 まず、参考人各位からそれぞれ十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。
 なお、念のため申し上げますが、御発言の際はその都度委員長の許可を得ていただくようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、御了承願います。
 それでは、まず野瀬参考人にお願いいたします。
○野瀬参考人 御紹介いただきました高浜町長の野瀬でございます。
 きょうは、こういった機会を与えていただきまして、感謝申し上げたいと思います。
 当委員会は原子力規制のあり方を主に審議されるということですが、立地の首長であるということもありますので、それ以外の、立地の現状も含めて、ちょっとお話をさせていただければと思います。
 お手元の方にちょっと配付資料を、A4の縦型の二ページ物を御用意させていただいておりますが、それに沿ってお話をさせていただきたいと思います。
 まず、立地地域、立地自治体で気になっていることの一つ目が、原子力政策の明確化でございます。
 現在のエネ基には、重要なベースロード電源という位置づけがなされていますが、いわゆる新増設、リプレースについては書き込まれていないということで、このままフェードアウトするのかどうなのかという部分が、立地の今後の地域振興、また産業をどうするのかということと直結しますので、こういった中長期ビジョンを描く上で、次期の見直しのときには、ある程度、進むのかどうするのかということを明確にしていただきたいというのは共通の思いでございます。
 また、政策といいますか、規制の方になるんですが、現在の規制委員会の審査、進んではいるんですが、高浜町においては、一号機から四号機まで全て審査終了で、一応合格ということにはなっております。
 ただ、対策工事等々で、一、二号に関しましては、まだ稼働する状況にはもちろんなっていないわけでございますが、この長期化の中で、これも共通して、再稼働を今かかろうとしている自治体の共通の思いなんですが、四十年あるいは最長で六十年というカウントの仕方の問題が、これほど審査に時間がかかってきますと、それもその中に数えられるわけでございまして、また、図らずも、昨日、規制委員会の方で特重の設置期間の延長を認めないというような決定がなされたという報道がございましたが、そうなってきますと、またこれも長引くということで、実際、四十年といいながら、実際の稼働は四十年もないのではないか、六十年といいながらも、ないのではないかということで、非常にそういった部分の、もう少し現実的な、これはとまっている間は劣化はしないと私は基本的には思っていますので、もう少し現実といいますか、理にかなった、そういった弾力的な期間の見直しをしていただきたいという思いがございます。
 それと、次に、人的なリソースの問題がございます。
 高浜町におきましては、先ほど申し上げましたように、四基とも審査合格ということで、今二基稼働中でございますが、ある程度、中期的にはこういった産業で商売ができるといいますか、ということもあって、地元に若干の明るさは出ておりますが、そうでない地区、立地におきましては、非常に先行きが不透明で、いつまでもこれを待っていてもしようがないということで、やはり人材が流出する。そもそも、今、原子力産業に限らず人手不足でございますので、そこにもってきて、ずっとこういった見通せない位置づけが続きますと、ますます人が確保できなくなるということで、他産業へのシフトが他の立地地域ではもう既に顕在化しているという現状がございます。
 こういったことが原子力政策の中において課題であろうかなと思いますし、先ほど申しましたように、規制の方の、規制委員会の毅然とした姿勢は大事なんですが、毅然とした姿勢イコールかたくなな姿勢というふうにもちょっと感じられるところがありますので、何も安全性をないがしろにしていただくようなことは立地にとっても困るんですが、やはりそこは弾力的な考え方、対応でしていただければなというふうに思っております。
 二点目が、バックエンド対策の課題でございます。
 高浜におきましても、今二基稼働しておりますが、焦眉の急は中間貯蔵施設の問題でございます。
 いわゆる貯蔵プールが、高浜発電所、稼働を続けますと六年ぐらいでいっぱいになると。使用済み燃料を入れるプールがいっぱいになってしまいますと、事実上、そこから燃料を搬出しない限り、発電所をとめざるを得ないという、何ともこれもナンセンスといいますか、硬直したことになってしまいます。いわゆる乾式貯蔵とのハイブリッド化、あるいは中間貯蔵をどこに求めるのかということをもう少し現実的な視点で考えていく必要があろうかなと思っております。
 あくまで個人的な見解でございますが、バックエンドの課題を県外で担っていただく、こういった負担をシェアするという考え方は、基本としてはいいんですが、現実論としてはなかなか難しいかと思いますので、立地の方である程度こういった部分も、つなぎ措置であれ、立地がある程度はやはり担わなくてはならないのかなというような現実的な考え方も持っておりますので、そういった点も踏まえて、余りこだわった考えに終始しているとこれも非常にナンセンスな停止状態を招くというようなことになろうかと思いますので、立地の方の気持ちも、そういった部分は考えているということをちょっとお伝えしたいと思います。
 めくっていただきまして、次は、道路等のインフラ整備の問題でございます。
 原子力災害に備えまして、今、避難道路等の多重化を進めております。高浜におきましては、発電所付近の県道が二本あるんですが、それの新しいトンネルですとか、バイパスですとか、そういったことで非常に改善をされておりますが、町道ですね、幹線でない部分の町道のボトルネック部分も実は結構ございます。こういった部分も、今、町道整備として地方単独事業で行っている路線ももう既にございます。
 ただ、こういった部分の財源を交付金等々でこれまでは進めてきたわけでございますが、次に交付金に関することということでも述べさせていただきますが、交付金の原資である電促税が、やはり、電力需要が少しずつ減っているというような現状もありますし、福島の方の復興に年間五百五十億ほど、当然これは充てなくてはならないということで、向こう三十年ですか、そういった部分を福島の復興にも充てなくてはなりませんので、なかなか新たな財源を確保するのが、どういうふうにするかという部分は今後の課題であろうかと思いますが、この財源についての造成方法、確保の仕方、これは国が主体的に考えていただきたいというふうに思っております。
 やはり、地域の住民の皆さんに理解いただこうと思いますと、こういった道路整備というものが一番心理的に、万が一のときの心理的な不安解消には非常に有効といいますか、皆さんが一番安心される項目でございますので、そういったことをまた先生方には御認識いただければというふうに思います。
 最後、交付金のことでございます。
 これは書きっぷりがちょっと間違っていますので、ここで言い直させていただきますが、先ほど言いました、交付金の原資は電促税でございますが、現状におきまして福島の復興財源の一部としても充てられておるという、全額充てられているわけじゃないんですが、一部として充てられておりますので、大体年間五百五十億程度と聞いておりますので、経産省分のいわゆるエネルギー特会の電促税配分が恐らく二千億程度かと思いますので、四分の一程度はやはり福島の復興に今後も継続的に当然投入されるべきだと思っております。
 しかしながら、廃炉の交付金でありますとか、さまざまな新しい現状を受けた中での交付金、また、当町のように、稼働したところはもちろんまたそういった交付金を受けるわけでございますけれども、こういった交付金の全体の需要と制度の設計が、やはりちょっと変えなくてはならない時期を迎えておるかと思いますし、廃炉交付金なんかは、福井県内でも、高浜町以外は、四つの立地があるわけでございますが、敦賀、おおい、美浜と、全て廃炉決定プラントがございます。こういったところが、向こう十年間の時限措置の交付金で新しい産業をつくりなさいというのも、これもなかなか現実には無理かと思います。こういった部分をもう少し長期で見ていただく必要もあろうかというふうに思っております。
 こういったことを立地自治体としっかり協議をして、立地がある程度安心できるといいますか、そういった解を見出していきたいなと思いますので、ぜひそういった対応をお願いしたいというふうに思っております。
 ただ、こういった交付金の需要が、さまざま廃炉のことも含めて新しい需要が出てきますので、稼働している、ありていに言いますと、高浜町のように当面は稼働している自治体の交付金というのも影響を受けるわけで、そっちを手厚くすれば、当然、稼働している方が手薄になるといいますか、少なくなるわけでございますが、やはりパイは決まっておりますので、そういった中で、例えば、固定資産税、大規模償却資産税が自治体には自主財源として入ります。対策工事等々で資産価値が上がりまして、税額が上がっているわけですが、地方税法でも、これは法律で決まっているのでいかんともしがたいところがあるんですが、アッパーが決まっていまして、計算上はこの金額になっていますので、アッパーを超えた分は都道府県の方に、都道府県が課税をするということで、そういったたてつけになっています。
 これは、国から求めるものではなしに、あくまで事業者が納める税金でございますので、国の負担はないかと思いますので、こういった新しい財政需要が生まれている原子力立地地域自治体においての大規模償却資産税の課税のあり方、そういったことも、なかなか法改正となると大変かと思うんですが、何かしら、法改正ができないのであれば、代替措置といいますか、何かそういった部分を考えていただければ、先ほど申しました道路等も、国の方でなかなか捻出が難しければ、自主財源で対応するということも可能になってくるのかなというふうに思いますので、そういったことも一つ課題としてあるということを御認識いただければというふうに思います。
 以上、大きく四点、立地地域の課題について発言をさせていただきました。
 きのうの規制委員会の判断も、非常に、今、立地においては衝撃といいますか、走っておりますし、やはり規制のあり方というものを、緩くしていただく必要はないんですが、安全にかかわらない部分のことに対する毅然さとかというのは余り必要ではないんじゃないかという気がしますので、安全以外のことは弾力的に考えていただくということが必要かと思いますので、ぜひそのようなことも先生方でまた働きかけをしていただければというふうに思います。
 以上でございます。(拍手)
○高木委員長 ありがとうございました。
 次に、田中参考人にお願いいたします。
○田中参考人 田中と申します。
 特別な時間をいただいて、発言させていただくことを感謝いたします。
 きょうは、お手元にお配りいたしましたものをもとに、私の意見を少し述べさせていただければと思います。
 二ページ目、これは、きょうのお話しさせていただく内容でございます。
 次のページをちょっと。私、今現在、新潟県の通称技術委員会というところでその委員を務めておりますけれども、新潟県で行われている話を中心に、そこから幾つか意見を述べさせていただきたいというふうに存じております。
 三ページ目の話をする前に、済みませんが、次の四ページの方から先に説明させてください。
 新潟県の原子力発電所の安全管理に関する技術委員会、これが通称新潟県技術委員会と言われておりますけれども、そこの中で福島第一原発事故の検証というのが行われています。
 なぜこれが新潟県かという話ですけれども、御承知のように、新潟県には柏崎刈羽原子力発電所という大きな発電所がございまして、その六号機、七号機の再稼働というのが規制委員会の方に申請されております。その関係と再稼働は形式的には直接関係ありませんけれども、新潟は、元の泉田知事さんが、こちらにいらっしゃいますけれども、福島の事故の検証がきちんと済まない限り柏崎刈羽の再稼働は認めるわけにはいかないということをおっしゃっております。その後、米山知事、それから現在の花角知事にかわっておりますけれども、その基本路線というものは、柏崎刈羽原発の再稼働問題に関してはそのまま踏襲されているということでございます。
 それで、つい一年半ぐらい前までは、その検証作業というのは、新潟県の技術委員会の中でのみ行われておったわけです。それが、三ページをちょっと見ていただくと、三つの検証体制というのができて、さらにその上に検証の総括委員会というのがあって、一昨年の秋から昨年の一月にかけてこういう体制が整いました。これは米山前知事のときに決まったものですけれども、それを今度、花角知事もこのまま踏襲するということで、基本的な形は今変わっておりません。
 この三ページ目の一番下の左側に、事故原因というもの、ハードウエアの問題ですけれども、そういう問題をずっと議論していたのが技術委員会でございます。さらに、それに健康と生活の影響、それから安全避難の問題、これを検証する新しいものが一昨年の八月に二つ設置され、それで、さらに、今度、その三つの検証委員会の報告を受けて全体的にその内容を精査していくという検証体制があって、それが検証総括委員会というのができたということです。
 恐らく、その先はわかりませんけれども、この総括委員会の意見を踏まえて、知事が柏崎刈羽の原発の再稼働という問題についての見解を述べるのではないかと思います。それがいつになるかということはわかりませんけれども、もうそう遠くはないだろう、議論もかなり熟しているんじゃないか、これは私の思いですけれども、そういうふうに思います。
 技術委員会で、本体が、親委員会が具体的に事故原因の話をするということはめったにございませんが、その中には課題別ディスカッションという、問題を六つに分解して、それぞれについてコアのメンバーを入れて、それで、そこで東京電力と話をして福島の事故検証をやっているということが、四ページ目の、課題とコアメンバーという、下の方にある表の中で御紹介したとおりなんですが、この六つのうち、行でいくと五つ、海水注入から、下のシビアアクシデント対策まで、ここまでの検証作業というか、東京電力との議論はとりあえず終了しておりまして、今まだ継続しているのが一番上の、地震動による重要機器の影響ということ。地震動による重要機器の影響ってちょっと日本語が違うかなと僕は思って、のの前に、へというのが要って、機器への影響じゃないかというふうに僕は思うけれども、まあ、それはどちらでもいいとして、今、私はそこのコアメンバーとして仕事をさせていただいているということでございます。
 メルトダウン問題という、東京電力がメルトダウンの通報が二カ月もおくれたのは一体どうしてかというのは、マニュアルで書いてあったけれどもそれを見なかった、あるいは従わなかった、見過ごしたとか、いろいろありますけれども、そういう重要な問題が、実は、東京電力がわかったというよりも、この四番目の、メルトダウン等の情報発信の在り方という、ここの課題別ディスカッションの中で、東京電力が五年ぐらいその問題について違う見解をずっと述べ続けていたということがここで明らかになった、そういうようなことがあります。
 全体に、この問題と関係して私が、この問題というか、福島県の検証作業を通して抱いている感想ですけれども、非常に重要な問題がいっぱい取り上げられています。ところが、もうほとんど忘れ去られたような感じで、メディアも余り関心を示さないしという状況にあります。
 それで、何よりも、原子力規制委員会が一切見に来ないということです。傍聴にも来ない。それで、一方では審査をしている、適合審査ということをやっているわけです。その適合審査の前提になるいろいろトラブルが福島であったわけですけれども、そういう問題に関して議論をしていてもその話には一切耳を傾けない。
 ここで大きな問題があって、見解がずれている問題。原子力規制委員会は、事故分析検討会、そういう問題を独自にやっております。ところが、あそこの事故分析検討会というのは、国会事故調の、私はその委員をやりましたけれども、その国会事故調の内容の問題以外に、政府事故調、それから恐らく民間事故調も含めてだと思いますけれども、いろいろな報告があるわけだけれども、それをやるというふうに、たしかそういうことを言っていたはずですけれども、国会事故調だけ対象にして、国会事故調とは違う見解を書いているわけです。
 そういう問題もあって、それと違う話が新潟県の方で進行しているにもかかわらず、もう全て話はそれで決着したというような形なんでしょう。聞きにも、関心も示していただけないのが現状です。この問題は僕は非常に問題が大きいというふうに思っております。それに関しては、また何か御意見がありましたらお話しさせていただければと思います。
 五ページ目です。この五ページ目を見ていただくとおわかりのように、これは新潟県技術委員会が、一号機の、非常に問題があったかなというふうに思われている四階の破損状況を十五分にわたって、被曝するので、みんなで入って見たときの作業で、これは、この絵そのものはどうでもいいんですけれども、こういうのに象徴されるように、この中にいわゆる非常用復水器というものの配管が床の上と天井の上をはっていますけれども、東京電力はこれをこの時点では撤去していないわけですけれども、配管が、状況は見えないんだけれども、何も起きていないということを公に言っているわけです。これはさわることができないのでこれ以上の状況は見えないけれども、このデブリの中に埋もれている配管とか、どういうふうになっているのかとかわからないわけですね。これが今後、廃炉作業の中で撤去されていくわけです。
 そのときに、私は技術委員会でも何度か言っているんですけれども、技術委員会に出てきている東京電力の関係者と、東京電力の廃炉のグループとの間にはどうも意思の疎通がきちんととられていない可能性があって、物証という問題に関すると、どんどんどんどん片づけられてしまう。それで、いろいろな問題があるんじゃないかというふうに思っています。これに関しては、廃炉というのも重要なプロセスであるけれども、事故では、いろいろわからない問題、未解明問題があるわけですから、それを、形が何らかの格好で残っていく必要があると思っています。
 一号機の今現在は、五階の作業がかなりきれいに片づいていくわけだけれども、これは完全に片づけられると困る問題がいっぱいあって、実は、吹き飛んだはずの、まあ細かい話ですけれども、あるものが吹き飛んでいるんじゃないかということを思っているんですけれども、そういうものが今どこにあるかわからないという問題もあります。
 いずれにしても、一号機に限らず、格納容器も含めて、あそこをきれいな更地にしてしまうということがあるんだとすれば、検証しなきゃいけないこと、これは必ずできるような格好に、今はアクセスできないんですけれども、作業の中で確保していただければと思います。
 次ですけれども、今度ちょっと離れまして、六ページです。原子力発電所のシビアアクシデントというのを、住民避難計画の問題ですけれども、これは、国際標準の五層というものが、深層防護の五層というのが、これが具現化されたのが新規制基準だというふうに普通は思っています。
 ところが、その新しくつけ加えられたのは四層、五層ですね、これはシビアアクシデント、これが新規制基準の中で概念化されたはずなんですね、そういうふうに期待しておるんですけれども、七ページを見ていただくとおわかりのように、これが、従来のものと今度新しい新規制基準がどういうふうになったか。膨れて高くなった、そういうことが特徴です。
 この中には層という言葉が一切ございません。僕は何かの間違いかと思って、これは一般の方に示す資料ですけれども、その文書の中に、概要の中に、五層とかいう深層防護の概念というのは全然説明がありません。それで、あるのはこの典型的な絵ですね。緑の部分が昔ですけれども、昔よりもこれを太らせている。要するに規制を厳しくした。それからさらに、黄色い部分を新しくつけ加えた。どこが何層でどこが何だという話は一切ないわけです。それは、思想的には六ページにあるようなそういう格好ででき上がっているはずなんですね。
 ここで問題なことは、IAEAなんかのレポートなんか、そういうものを見るといろいろ書いてあることですけれども、こういう五層とか、まあ、もっと上もあるんですけれども、これは一つ一つが、どれか欠けちゃいけないんです。例えば、四層なしに、ここの部分なしに五層、そういうようなことはない。
 考えると、今これで、五層というのは誰がしているのかということです。これは、次のページ、七ページを見てみるとわかる。避難という言葉がここには入っていません。だから、新規制基準というのは避難の対象にはなっていないということです。これは、形式上なのか、それが実態なのかよくわかりませんけれども。
 それで、八ページに、原子力規制委員会というのは実質的に五層に関与していないんじゃないかということを思っています。それに関して、原子力規制委員会は、赤い文字で書いてあるように、「避難計画は内閣府の原子力防災が担当である」と言っているわけです。それで下を見ると、内閣府は、「現在の法律では、避難計画の策定は国の責務とされていない。」という。これは完全に、国の管理としては、形の上では、ないということです。
 この五層というのは全体で一つというふうに考えなきゃいけない非常に重要な概念だと思うけれども、それをコントロールするところが、実は、形式的かどうかわかりません、実態はどうかわかりませんが、それに深く関与はしない、地方自治体にお任せする、そういう格好だと思います。この問題は非常に大きい問題じゃないかと思います。
 それから、九ページ。調査資料。これは、私、国会事故調をやっていて思うんですけれども、相当な重要な資料が、墓場まで持っていけと言われて、私たちの頭の中に入っていることも含めて、他言無用なんですね。すると、何か、たしか罰金か懲役が科せられる。
 だけれども、新潟県の技術委員会でいろいろ東京電力と話をしているときに、示して、これ、あれを出して見たいな、そういう資料はいっぱいあるんですよ。それが見られない。全部国会図書館の中に入っている。
 これは永久保存ということで、永久に見せちゃいけないということですね。これはもういけなくて、僕は必ず、幾つかの重要文書の仕分とかした上で、これはこういうふうにアクセスするということをぜひ、国会事故調ですから、国会の方で手順をもう一回やって考えていただければと思います。
 特に、保管資料に何があるかという目録さえないんです。ですから、何が入っているかわからないパンドラの箱みたいなもの。あけてびっくり、そういう仕組みということ。それで、あけることも許されない。
 この問題は、できるだけ早くやっていただければと思います。
 以上です。(拍手)
○高木委員長 ありがとうございました。
 次に、山本参考人にお願いいたします。
○山本参考人 大学の教員をしておりますものですから、私は、環境エネルギー政策と環境エネルギー経済学の観点から、少し、規制と原子力発電というものをどう考えるかという話をさせていただきたいと思います。
 お手元にパワーポイントを配らせていただいたんですけれども、これだけでは多分余り何のことかわからないと思いますので、少し詳しくお話しさせていただきます。
 最初に、二ページ目なんですけれども、規制の種類というページがあります。原子力発電に関する規制は社会的規制というふうに一般的には理解されておりますけれども、規制には、実は、経済的規制、こちらの方が多いと思いますけれども、こういうものがあるんですね。
 例えば、鉄道運賃、これは規制されていますね。ただ、グリーン車については規制ではなくて申請制ということです。これは、社会に大きな影響を与えるものは価格規制が行われる。かつて電気料金も規制されていました。総括原価主義というものですね。
 それから、その下に参入規制とかあります。これは、例えば銀行、勝手に誰でも銀行をつくったらえらいことになりますので、銀行をつくるには当然許可が要るということですね。これは経済的規制と呼ばれるものなんですけれども。
 社会的規制、ここには原子力発電も入るんですけれども、社会的規制がなぜ行われるかというと、ここに書いていますように、環境の保全、国民の安全、そういうふうなものを考えると、社会的に規制しなければいけないものがあるということになります。
 三ページをちょっとごらんいただきたいんですけれども、社会的規制が必要な理由というふうに書いてあります。社会的規制というのはなぜ必要なのか。これは、私たちが選択することができない。外部性と経済学で呼んでいますけれども、市場の外にある、市場を通してコントロールできないということなんですけれども、簡単に言うと、第三者が行うことの影響を受けてしまうから。
 例えば、工場から排煙が出ます。それを我々は避けることができません。それで、排煙の影響を受けて健康被害が起こる。それはまずいから、当然、国あるいは地方自治体が排煙に対する規制を、規制値を設ける。あるいは、温暖化問題。これも我々は避けることができない、選択できないので国が規制する、こういうことになります。原子力というのも当然その一つということになりますね。
 それから、規制の中には、もう一つ、下に情報の非対称性ということを書いていますけれども、例えばこれは、我々が車を買うときに、自動車会社はちゃんとつくっているだろうなと思いますけれども、自動車会社は実はつくっていないかもしれない。でも、買う消費者はわかりません。事業者と消費者には情報量に大きな差があるわけですね。したがって、国が自動車会社に対して安全規制というものをつくらなければいけない。それは最近、時々破られているということがわかったりしますけれども、そういうものが規制ですね。
 その次に、四ページに適切な規制基準というふうなものがあります。これが最大の問題です。我々はなぜ規制をつくるのかということなんですね。それは、規制を行うことによって国民の厚生が増すから。これを我々は社会的厚生と呼びますけれども、社会的厚生がふえるから規制をするんですね。規制を行うことによって社会的厚生がふえないのであれば、やっても意味がありません。それは、規制をすることの意味がない、規制をしてはいけないということにもなりかねないですね。
 したがって、例えば原子力発電の場合であれば、原子力発電を規制することによるコスト、それと、国民が受ける社会的厚生をよく考えなければいけないということです。
 私、きょうの新聞なんかの報道を見て、マスメディアの報道に少し疑問を感じるんですけれども、原子力発電の問題については、事業者の収益が減るという形で報道するマスコミが非常に多いわけです。事業者の収益が減るのではなくて、国民が受ける社会的厚生に影響があるんだということを我々は考えなければいけないんです。事業者の収益対規制というマスメディアの捉え方は、かなり間違っているんだろうというふうに思います。
 1に費用と便益と書いてありますけれども、やはり、規制にかかる費用、それと国民が受ける便益、便益というと何かややこしそう、難しそうですけれども、利益ですね、これを比較して、その規制は適切かどうかということを考えなければいけないということが非常に大事です。
 規制を行うとき、今の原子力規制もそうだと思いますけれども、全部のことをあれこれ一遍にできません。優先順位が高いもの、費用対効果が高いものから規制は進めなければいけない。これも規制を行うときの常識だろうというふうに思います。
 それと、関係者の関与と透明性の確保。
 それから、規制は、最初決めたからそれをずっとやっていくということではなくて、状況が変われば、当然規制のあり方も見直さなければいけないということになりますね。これも適切な規制基準の中では求められることだと思います。
 五ページに、これはアメリカの例ですけれども、規制審査の陥りやすい誤謬というふうにあります。
 実は、規制審査を行うときに、やはり間違いが起こる。どういう間違いが起こるのか。これは、統計学で使われるエラー一とかエラー二という間違いの分類があるんですけれども、それを規制審査で利用しているものです。
 これは、最初に、選択する誤謬とあります。間違ったものを選択してしまう。二番目は、選択しない誤謬というのがあるんですね。どちらの間違いが起こるか。これは圧倒的に二の間違いが起こるというふうに米国では言われています。
 例えば、故障するロケットを発射するという間違いは、ほとんどの場合、これは起こらないわけですね。そんなことをやると大問題になります。したがって、こういう間違いが続けて起こるということはない。ところが、問題のないロケットを置いておく、これは非常に慎重に物事を考えるからこういうことが起こるんですけれども、こういう間違いは非常に多いだろうというふうに言われています。
 例えば、その次に薬の問題というのが出ていますけれども、テストが行われていない薬害のある薬を発売させてしまう、許可する。こんなことは普通起こりません。ただ、非常に効能のある薬を発売させないという誤謬は非常に起こり得るというふうに言われています。
 それはなぜかというと、規制を行う立場としては慎重になるから。慎重になり過ぎて、本来国民に社会的厚生をもたらすものを認可しないという誤謬がアメリカでは指摘されています。これは、我々日本でも同じ問題があるのではないかと考えなければいけないことだろうと思います。
 こういうふうに、規制を行うときには、我々は、リスクと便益、その規制がもたらす社会的厚生を比較して考えなければいけないんですけれども、その問題をちょっと残りの時間で考えてみたいというふうに思います。
 その次のページに、原子力発電のリスクと便益というふうに書いてあります。
 リスクというのは、当然、事故のリスクですとか、あるいは、今、積立てを行ってその積立金を運用していますけれども、廃棄物処理の費用が積立金を大幅に超えるというふうなリスクというのもあるかもしれません。
 一方、便益は、ここに書いていますように経済性、これは明らかにあります。原子力発電をなぜ世界で四十カ国も利用しているのかということを我々はよく考えなければいけないです。それは、リスクに比べて便益の方が大きいからということですね。
 その便益というのは何かというと、経済性に続いて安全保障、供給の多様化、それから三番目に温暖化対策とあります。
 一つずつ、少し見ていきたいと思うんですけれども、失われた二十年、平均年収推移とあります。私たちの平均年収が一番高かったのは一九九七年、もう二十年以上前です。平均四百六十七万円ありました。一番最新のデータは二〇一七年で、四百三十二万円です。一割近く減ったままです。
 ただ、二〇一三年以降、賃金はずっと上がってきています。これは、ちなみに厚労省のデータではありません、国税庁のデータです。国税庁が税金を取るベースにしているデータですので、間違いはないというふうに思います。これを見ると、アベノミクスに対していろいろな批判はありますけれども、アベノミクスが始まってから、初めて給料は連続して上がっている。九七年に給料が下がり始めて、二年連続して上がったことは一度もないんです。これが失われた二十年間ということなんですね。それが、今ようやく少し解け始めたかな、こういうことなんです。
 ただ、給料が下がった理由というのは、我々はよく考えなきゃいけないんです。その次のページに、産業別労働生産性とあります。これは、一人当たりの付加価値額、どの業種がもうけているかということです。
 付加価値額の高い業種が成長しないと、日本経済は成長しません。この失われた二十年間はなぜ起こったか。実は、稼げる業種の人が減っているんです。稼げる業種というのは何か。電気・ガスというのは特別で、ほんの三十万人ぐらいしか働いていませんからちょっと別としても、製造業、依然一千万人以上の人が働いています。これは、バブル経済が崩壊した直後、我々の給料が一番高かった九〇年代半ばには一千五百万人いたんです。五百万人減っています。こういうふうに、稼げる業種の人が大きく減った。その分ふえたのが、付加価値額が低い介護、医療・福祉、こういう分野の人がふえているんです。これを変えないと、残念ながら経済は成長しないんですけれども、その次に、製造業の電気料金と人件費の推移とあります。
 製造業の電気料金は、原子力発電所が停止することによって大きく上がりました。この経済センサスの対象になっているところだけでも、一兆二千億円電気代の負担がふえています。一兆二千億ってどれぐらいのインパクトか。横に人件費を書いています。この対象になった製造業が払っている人件費は二十八兆円ぐらいなんですよ。一兆二千億ということは、四%の賃上げです。四%の賃上げ相当分が、海外に燃料費として流れている。これは、日本にはもう戻ってきません。我々のもとには全く影響がないということなんですね。マイナスの効果しかないというふうなインパクトがある。製造業が衰退している中で、こういうふうな影響があるというのは非常に大きな問題だろうと思います。
 その下に、米独日韓の電気料金比較をしています。日本の電気料金は、韓国のほぼ二倍ぐらいになっている。これは、韓国が石炭火力で四五%、原子力で三〇%の電気をつくっているというのが非常に大きな理由の一つですね。もちろん、韓国は政府が赤字を補填しているということもありますけれども、これは、産業の競争力には非常に大きな影響を与えているということです。よく考えなければいけません。
 それからその次に、原子力と火力の燃料費とあります。これは、二〇〇九年のデータしかありませんので二〇〇九年度の電力各社の情報をもとに作成していますけれども、原子力の場合は、実は国内に落ちるお金が非常に多いんですね。火力発電の場合は海外に行く燃料費が非常に多いということで、これは、国内経済に与える影響を考えると、非常に大きな差だろうと思います。
 次に、アメリカと日本の電源別発電量とあります。アメリカは、原子力発電をまだ二割使っています。なぜ、エネルギー自給率が九〇%あって、天然ガスも石炭も輸出しているアメリカが原子力発電をしつこくやるのか。いまだに、まだ新規で建設中です。なぜなのか。
 それは、その次のページにありますように、電源多様化の理由とあります。アメリカは、実は何年かに一度大寒波に見舞われます。ことしの初めも大寒波がありました。中西部で北極より寒いというふうな寒波があったんですね。ことしの場合、そういう寒波が来ると、風力発電、太陽光発電、使えませんということなんですね。天然ガス火力とか石炭火力も稼働率が落ちる。そういう中で、稼働率が落ちないのは原子力。これはアメリカのエネルギー省が言っていることなんですけれども、アメリカは数年に一度必ず大寒波とか異常気象に見舞われる、そういうときに原子力発電がなかったらアメリカは停電しますということを、エネルギー省の研究所ははっきりレポートで書いてあります。だから、アメリカは電源を多様化しているということなんですね。
 最後に、温暖化の問題なんですけれども、その下に何かすごい地球の図がありますけれども、この大寒波というのはなぜ起こるのか。実は、これは温暖化です。これはカリフォルニア大学の研究者が発表しているんですけれども、北極の上に暖かい空気がなだれ込むと、北極の上にある極渦という大寒波が押し出される。それが北米におりてくると、北米が大寒波に襲われるということなんですね。それで、非常に大変な異常気象になる。
 したがって、その寒波を防ぐには温暖化を防がなければいけないということなんですけれども、次のページをごらんいただくと、世界の電源、まだ四〇%が二酸化炭素を出す石炭火力です、世界全体では。IEA、国際エネルギー機関は、これを、二〇六〇年にはほとんど全て二酸化炭素を出さない電源にしないと、温暖化は食いとめられないと言っています。この説が正しいかどうかは別にして、そのときに、国際エネルギー機関は、原子力発電の量は今の三倍になる必要がある、世界全体でですね、そういうふうな数字を出しているということです。
 私の説明は以上です。ありがとうございました。(拍手)
○高木委員長 ありがとうございました。
 次に、桑子参考人にお願いいたします。
○桑子参考人 桑子と申します。よろしくお願いいたします。
 本日は、アドバイザリー・ボードのメンバーとして発言させていただきます。
 実は、もう一年半くらい前になりますけれども、一度発言させていただいたことがございました。
 アドバイザリー・ボードというのは、平成二十九年の五月に設置されたものでございまして、有識者による衆議院原子力問題調査特別委員会の助言機関ということになっております。設置目的の方は、衆議院原子力問題調査特別委員会の活動について、専門的見地から助言を得るため設置することとするということでございます。このような会に出席して、意見を述べさせていただくということになっております。
 ただ、前回、最初に発言させていただいたのは平成二十九年、九月だったと思いますけれども衆議院の解散がございます、その直前でございました。三原先生がそのときの委員長でいらっしゃいましたけれども、すぐに解散になってしまいまして、その後、この委員会も開催されないことがずっと続いていたように思います。今回、二回目ということでございます。
 資料の方をごらんいただきますと、私からの説明がそこに述べられております。よろしくお願いします。
 私は、一般社団法人コンセンサス・コーディネーターズの代表として発言させていただきますけれども、この法人は、科学技術振興機構の研究プロジェクトの成果の社会還元、社会実装として、私の研究成果を法人化したものでございます。
 そこにあります、コンセンサスですね、さまざまな社会の問題について、対立、紛争があるような問題について解決をするということについて、その方法をずっと研究してまいりました。社会的合意形成ということとプロジェクトマネジメントというのを統合する方法論ということでございます。
 簡単な自己紹介ということで、いろいろ書かせていただきました。研究者ではございましたけれども、行政機関に呼んでいただいたり、対立、紛争のあった問題、特に公共事業をめぐる行政と住民との対立、その間に立って、第三者として話合いを仲介し、それを解決に導くということを多数やってまいりました。
 例えば、島根県の松江市を流れます大橋川という川があるんですけれども、これは大橋川治水ということで国交省の大事業だったんですが、三十七年間、さまざまな問題でトラブルになっておりまして、対立する多数の人々がきちんと話合いができないまま経過しておりました。国交省に呼んでいただきまして、全体の取りまとめをする仕事をさせていただいて、三年半かかりましたけれども、何とか、大橋川周辺まちづくり基本計画、計画をつくることによってその対立が解消して、今、松江の町は大変発展しております。
 出雲大社の表参道とか、そういうところもやりました。
 それから、自然環境、原子力も環境の問題が大きくかかわっておりますけれども、沖縄県の山原の森という、沖縄本島の一番北の方に国頭村という村があります。そこは、山原の森の保全とそれから林業開発、利活用で、環境省と林野庁、必ずしも調和しない政策を打ち出しておりまして、地元自治体が非常に苦労しておりましたのを、地元自治体の依頼で、これからの時代にふさわしい林業政策、林業管理の計画をつくりまして、今、国頭村は、世界自然遺産登録、それから国立公園ですね、国立公園はもう指定されましたし、世界自然遺産登録も目の前ということになっております。
 そういうことに従事しながら、原子力関係ですけれども、それほど深くかかわっておりませんが、原子力発電環境整備機構、NUMOと言っておりますけれども、特に原子力発電所から出た高レベルの廃棄物の最終処分、これを任務としている機関でございます。そこの研修等あるいは説明会等に参加したことがございまして、それからまた関係者からも意見を求められたこともございましたので、最終処分について少し考えを述べさせていただきたいというふうに思います。
 ただいま申しましたように、この最終処分の問題も、これは原子力発電にかかわる非常に重要な問題で、国家的な問題ではあります。
 ただ、では国の機関がこれを推進しているかというと、必ずしもそうではなくて、NUMOという機関は、経産省や資源エネルギー庁とは別の機関としてやっております。職員は、電力会社からの出向の方たちもかなり加わっております。ということで、この機関とそれから経産省と資源エネルギー庁は、どういう形でその国家的なプロジェクトを進めようとしているのか。
 プロジェクトとして進めるためには、二つ要素があると思うんですね。これを三ページの一番上に書きました。私の意見ですけれども、「高レベル放射線廃棄物処分は、社会的合意形成を通したプロジェクトとして実行されなければならない。」というのが私の意見です。
 この場合の社会的合意形成というのは、国民的な合意形成ということも含まれますけれども、同時に、先ほど高浜町長がおっしゃいましたように、地域の合意形成ということも含んでおります。
 こういう問題は、一般に、総論賛成、各論反対ということで、そういう最終処分場はなければならないということは国民誰もが考えることですね。しかし、それを、ではどこにつくるかという話になりますと、自分の町にはお断りするということで、そういうのをNIMBYと申しますね。ノット・イン・マイ・バック・ヤード、うちの裏庭につくってもらっては困るということで、究極の迷惑施設ということになります。
 ですので、これは、国民全体がこの問題をどういうふうに考えるかという国民的な合意の問題と、それから、実際にその施設をつくろうと思ったときに、その地域がどういうふうに認めるかということになります。これが合意形成の問題ということになります。
 もう一つは、これはプロジェクトですね。廃棄物がたまっていきますと、各原子力発電所に廃棄物がたまってまいります。それを処理できないということになりますと、その問題が続きますと、どこかでタイムリミットが来るわけですね。ですので、これはもう本当にそのタイムリミットを踏まえたプロジェクトとしてデザインしなければいけない。
 プロジェクトというのは、ある時点でスタートがあって、ゴールに導く、ゴールを目指すプロセスですけれども、プロジェクトとしてきちんと管理できることが絶対に必要なわけです。そのために、プロジェクトとして管理するための体制がしっかりできているかということが非常に問題になっております。
 最終処分場のハード面の整備と、それから合意形成のプロセスという二つの複合的なプロジェクトであるということになりますけれども、それぞれについてプロジェクトのマネジメント体制が必要であるということになります。それが明確になって国民に見えるようになっているかということですけれども、必ずしもそういうふうになっていないのではないかというふうに思うわけです。
 それから、プロジェクトのリーダーはリーダーにふさわしい資質を持っているかということですけれども、プロジェクトというのは、プロジェクトを遂行するための知識であるとかスキル、手法、テクニック、こういうものを縦横に駆使しなければなりません。この場合は、原子力にかかわる技術的な、工学的な知識だけではなくて、地域社会であるとか行政、政治システムにかかわる知識とか、いわゆる文系的な知識と理系的な知識の両方を理解して、その両面にわたって指導力を発揮できる人でなければなりません。
 それから、プロジェクトチームということも大事ですね。組織の中に結成されるチーム。ともすれば、私の経験ですけれども、行政機関が遂行するプロジェクトは、担当者が二、三年で異動になりますので、どうしても前任者からの引継ぎを無難にこなすということになってしまいます。そうしますと、ルーチンワーク的な仕事しか進められないということになってまいりますけれども、プロジェクトというのは、そのときそのときで新たな展開をしっかりこなしていかなければならないわけなので、そういうプロジェクトチームというものがしっかりできているかということが大事な問題になります。
 中には、これは聞いた話ですけれども、地域にニンジンをぶら下げれば何とかなるというようなことを思っているような人もいるやに思います。しかし、地域の問題としては、これは多数決で決められるような問題ではないわけですね。そういうふうなやり方を上手にやらないと、地域が非常に深い分裂に陥ってしまって、地域を分断して、深い対立や憎しみを残します。ですから、地域との話合いの仕方とか地域の中での話合いも本当に慎重にやらなければならない。ですけれども、しかし時間も少ないということになってまいります。
 ですので、プロジェクトをいつまでに、かつ、どのように行うかというそのスケジュールがどのようにきちんと管理されているかということが問題になります。こういう形でタイムリミットというものを明確にして、期限はいつなのか、それまでにどういうプロセスを構築すべきなのかということについて考えていかなければならないわけですけれども、またそういうことについての情報がきちんと聞こえてきているようには見えません。
 そのことについても、そういうプロセスについての情報もそうですけれども、情報開示と説明責任というのは一体の関係にあります。説明責任は、アカウンティングに関する開示責任、会計に関する開示責任とも言えます。原子力会計全般にも言えることでございますけれども、特に、高レベル放射性廃棄物処分にかかわる、それをプロジェクトとして進めるときの会計についてきちんと開示され、国民もこれをしっかり認識するということが大切であるというふうに思っております。
 そのほか、プロジェクトを進める、特に、この最も困難なプロジェクトを進めるためにどういうことが必要なのかということを、皆さんで本当にしっかり議論して進めることを、責任を担っている機関はしっかり進めていかなければならないと思いますし、そのことをしっかりチェックしていただくのが国会の先生方であるというふうに思っております。
 以上です。ありがとうございました。(拍手)
○高木委員長 ありがとうございました。
 以上で参考人の意見の開陳は終わりました。
    ―――――――――――――
○高木委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。斎藤洋明君。
○斎藤(洋)委員 自由民主党の斎藤洋明でございます。
 参考人の先生方に質問する機会を頂戴しました。ありがとうございます。参考人の先生方には、お忙しいところ大変ありがとうございます。
 では、限られた時間でございますので、早速質問させていただきたいと思います。
 まず、本日御意見を開陳いただきました中で、最初に野瀬町長様からさまざま御意見をいただきました。その中で、バックエンド対策に関連してお伺いをしたいと思っております。
 我が国は核燃料サイクル政策を採用してまいりました。にもかかわらず、現状、使用済み燃料につきましては中間貯蔵せざるを得ない状況ということで、野瀬町長様がおっしゃったとおり、各発電所の貯蔵容量が限界が見えつつあるという現状だと思っております。
 その中で、この核燃料サイクルをしっかり国が責任を持ってやっていくんだというメッセージを出していくことが非常に大事だと思っておりますが、この点につきまして町長の御見解をお伺いできますでしょうか。
○野瀬参考人 やはりサイクル政策があっての中間貯蔵、その前段のプロセスですので、サイクルがないともう直接処分ということになってしまいますから、サイクル政策がしっかり動いていくということが前提になろうかと思います。
 それで、御承知のとおり、知事選、今回新しい知事に福井県はかわったわけですが、前知事は、県外に搬出ということで、基本姿勢はそれでずっと貫かれました。しかしながら、現実、なかなか県外に、その立地で手を挙げるところ、また理解いただけるところがないというのが現状の中で、プールだけだんだんいっぱいになっていくという状況です。
 そういった意味では、県外立地を声高に叫んでいても、結果としてそれができなかったら高浜町に残り続けるわけです、いずれにしても。それならもう少し現実的な解を見出した方がいいということで、プールに入れておくよりキャスクに入れた方が安全ですし、そういった安全管理面からも、やはり地元である程度、最終的にはどこか県外が受け入れていただければそれはそれでありがたいんですが、いわゆるサイト内の使用済み燃料の貯蔵、それで次の中間貯蔵の間の、亜中間貯蔵というんですかね、そういったプロセスを一つ設定して、サイト内でのハイブリッド貯蔵みたいな考え方は、いろいろなメディアの御質問にもこれまでも、そういうような考えは一つであろうということで申し上げてきました。
 いずれにしても、一発で解決できるバックエンドの問題は解決できませんが、やはり、一つ一つ具体的な解決方法をそろそろレールに乗せていかないと、先ほども申し上げたように、途中でとまってしまうという何ともお粗末な結果になるのではないかなということで、そういったことも立地地域では真剣に我が事として考えているということでございます。
○斎藤(洋)委員 ありがとうございます。
 中間貯蔵が長期化してしまうことについての懸念と、その間の対応についての御提案をいただいたと理解をしております。
 これに関連しまして、田中三彦先生にお伺いをしたいんですけれども、使用済み燃料を各発電所の敷地内において長期中間貯蔵をせざるを得なくなっているというこの現状を、例えばアメリカではいわゆるワンススルーを前提にやっておるわけですけれども、米国と比べても、日本の場合、長期中間貯蔵ということになりますと、さまざま安全性の観点から問題が起こり得ると考えますけれども、先生、その点につきまして何か御見解ありましたらばお願いできますでしょうか。
○田中参考人 その問題について僕がここできちんとお答えできるだけの知識を持っていないと思うので、ちょっとその問題は、申しわけございませんが、控えさせてください。
○斎藤(洋)委員 失礼いたしました。ありがとうございます。
 冒頭にも申し上げましたけれども、核燃料サイクル政策をしっかり国が責任を持ってやっていくんだと打ち出すことがまず大事だと思っております。現状、六ケ所村に建設中の日本原燃の再処理工場も、東日本の大震災等もありました関係で、施設の完成予定時期は延期を繰り返していますけれども、まず核燃料サイクルをしっかりと機能させる、その上で各立地自治体の御不安を解消するような措置をしっかりとっていくということが必要かと思っております。ありがとうございます。
 次に、柏崎刈羽原発について、何点か参考人の先生方にお尋ねをしたいと思っております。
 また田中先生で恐縮なんですけれども、柏崎刈羽原発の六号機と七号機、現在申請中でありますが、この六号機、七号機、同原発のほかの原子炉と異なりまして、改良型の沸騰水型の原子炉であります。
 改良型の沸騰水型原子炉というのが、技術的に見て、従来型の沸騰水型原子炉と比べて原子炉の型式として安全面でどのような改良がされているのか、そしてそれをどう評価すべきか、先生のお考えをお伺いできますでしょうか。
○田中参考人 お答えします。
 一番の大きな特徴は、改良されたのは小型化したということです、原子炉圧力容器が。それはなぜかというと、外にあった再循環ポンプというのを、インターナルポンプといって、内側におさめたということですね。それと、全般的に、こういうものというのは昔の設計ほど、大分計算のやり方の信頼性とかそういうものをやって、安全性は高まっているということだと思います。
 ただ、インターナルポンプについて言いますと、二〇〇七年に中越沖地震というのが起きていますね、そのときに、新潟県の技術委員会で、本当に後遺症を負わなかったかということで、六、七号については特に、インターナルポンプが外へ出ている部分があるんですが、そこの根っこのところが非常に弱いんですよ、計算すると。それが耐震によく耐えたという感じを僕は持っているけれども、裕度が非常にないです。
 その問題が、当時、何でこんなものが問題がないのかわからないんだけれども、中央のこっちの、当時の原子力安全委員会の方で審査した結果では、原子力安全委員会というか保安院ですけれども、それを問題なしとしているんだけれども、技術委員会の方でいろいろそれを調べますと、残念ながらインターナルポンプというのは、耐震性に関して根っこのところが非常に危なくて余裕がない。それの根拠になるものが、使われた数値が非常にいいかげんなものであったということを指摘をしています。
 今回も、当時の問題はそのまま残っているわけですけれども、規制委員会も、その問題、これから審査すると思いますけれども、そこの部分は、工事計画の認可の問題と絡んで計算の結果が提示されると思うんですけれども、私見を言いますと、原子力規制委員会がオーケーしていくプロセスというものの中で、バックチェックが行われないという問題が非常に重要だと思います。
 バックチェックというのはどういうことかというと、電力会社が出してきた計算書というものはコンピューターで計算されているわけです。ずっと昔に建築の世界でその問題があって、インプットとアウトプットが一貫性のないものを計算で合格させて、大スキャンダルが出たと思います。原子炉の場合、そういうことをしているかどうかはわかりませんけれども。それから、第三者の機関というものがチェックをしないで、それで、もちろん規制委員会も、説明は受けるけれども、その内容が本当なのかどうか別の機関にやってみるということはしていません。その結果を私たちは信じる以外ないわけです。だから、もちましたとか問題ありませんでしたと言われたときに、私なんかはある程度イメージがあるものですから、え、本当なのというふうに思ったりするけれども、それを深く追及することができないシステムになっていて、もう信じる体制、信念だけでそれを信じなきゃいけないという問題があります。
 やはり、クロスチェックというかそういうものをきちんとやる。これは二〇〇七年の中越沖地震のときにはクロスチェックがとりあえず行われています。JNESというところでやってから、電力会社が出したものと合わせて見ている。そういうダブルチェックというかクロスチェックというか、そういうようなシステムをこれからきちんとしていかないと、なかなか計算の結果について、安全性について、六号、七号は、ただ最新だからということで、それで認可されてしまうというようなことは問題がある可能性があります。そういうふうに思っております。
○斎藤(洋)委員 ありがとうございました。
 ほかにも六号機、七号機のことについていろいろお伺いしたかったんですが、ちょっと時間の関係もありまして、山本隆三先生にお尋ねをしたいと思います。
 きょうも大変わかりやすいプレゼンを頂戴したと思っております。
 原子力を含めてエネルギー政策の議論をするときに必ず問題になりますのが、消費者イコール国民の利益と、エネルギー事業者の負担との関係であります。
 どういうことかといいますと、電気料金は回避することが基本的にできないものです。税金も、これまた担税能力のある方は逃げることができないものです。国のエネルギー政策というのを考えるときに、電気料金で消費者に御負担いただくのか、あるいは税金で国民から負担をいただいて何かエネルギー政策を推進していくのかというのは、基本的に中立であります。基本的に中立でありますけれども、税金に比べて電気料金の方が逆進性が強いという意味で、私は、本当に国にとって必要な政策であれば、それは電気料金に転嫁するのではなくて、国がある程度責任を持って推進していくべきだと思っております。
 また、産業競争力と電気料金との関係についてもお話しいただきましたが、この点について御見解をお伺いできればありがたいと思います。
○山本参考人 どうもありがとうございます。
 難しい問題なんですけれども、世界の現状をお話ししますと、税金で負担している国は多くはない。一番近い国は韓国ですね。韓国はすごい国でして、例えば、去年の八月、非常に暑くて冷房の使用がすごくふえたんですね。そうすると、遡及して電気料金を下げました。そんなことができるのか。これは、要は税金で負担するからできるわけですね。それは決して悪いことではないかもしれません、逆進性という意味では。ただ、要は、懐が痛まないとなると、節電の意識が少なくなったり、そういう問題が出てくるのではないかと思います。
 御参考までなんですけれども、ドイツは、再生可能エネルギーを導入したために、今、家庭用電気料金はデンマークに次いで世界二位の高さなんですね。非常に高くなった。でも、産業用の料金も高くなったんですけれども、産業の競争力はあるわけです。どうしてか。実は、ドイツは、エネルギー多消費型産業二千社以上の電気料金を大幅に削減しています。もちろん固定価格買取り制度の負担はありません。それでアメリカ並みの電気料金になっているんですね、その会社だけは。じゃ、その会社が本来負担すべき分はどうしているのか。それは残りの人に回しています。そういうやり方もある。
 要は、電気料金を使って産業政策に生かすことはできるということなんですけれども、ただ、ドイツのようなやり方は多分日本では難しい。これは国民性と呼ばれるものが違うということなのではないかと思います。
○斎藤(洋)委員 ありがとうございます。
 質問する時間がありませんが、FIT価格についてもやはり同様の問題があるのではないか。つまり、もちろん国民的な合意は擬制はされておりますけれども、実際に電気料金のうちFITに係る料金請求というのはかなりの額になっていますので、行き過ぎた再生エネルギーの市場メカニズムを超えた普及というのはちょっと危険性があるというふうに考えております。
 最後に桑子先生にお尋ねをしたいと思いますが、核燃料サイクルのお話を申し上げましたけれども、この最終処分場、最終処分ということについて、いずれ、国としてもちろんしっかり速やかに決断をしなければいけない問題だと思っておりまして、これには国が前面に出る必要があると考えておりますが、済みません、私の時間が来ましたので、一言でお願いできますでしょうか。済みません。
○桑子参考人 先生のおっしゃるように、これは本当に国家的な課題と申しましたけれども、本当に国の課題であるというふうに思っていまして、新しい体制でしっかり遂行する必要があると思います。
○斎藤(洋)委員 ありがとうございました。
 終わります。
○高木委員長 次に、田嶋要君。
○田嶋委員 立憲民主党・無所属フォーラムの田嶋要でございます。
 四人の委員の皆様、ありがとうございます。
 まず最初に、田中さんから資料の中で大変いい御指摘をいただきました。国会事故調の調査資料の公開について。
 これは実は、今アドバイザリー・ボードの委員長をやられておる黒川先生もずっとおっしゃっておられる問題でありまして、私は余り詳細はここは存じ上げなかったんですが、そういう何か根本的なそもそも論が問題になっているんだなということを改めて思ったわけでありますが、これはもう与野党を超えて、これは国会のある意味財産であるわけなので、これを最大限今後生かしていかなければいけないというふうに私は考えております。
 そこで、委員長、これは与野党を超えた問題でありますので、ぜひとも、これは黒川委員長も常に強調されている点でありますから、ぜひ国会図書館から、いろいろな手続はあろうかと思うんですが、これがしっかりと表に出て、世の中の知る権利がちゃんと担保されるようにしていただきたいというふうに思いますが、委員長、いかがですか。
○高木委員長 後日、理事会で協議させていただきたいと思います。
○田嶋委員 それでは、ぜひこれも、せっかくきょう田中さんが資料で言っていただきましたので、頑張っていきたいというふうに思います。
 最初に、野瀬委員の方にお尋ねをしたいというふうに思います。
 先ほど十五分のお話をお伺いしておりまして、先日のテロ対策施設の件の規制庁の御判断でございますが、私がちょっと誤解をしたのかもしれませんが、安全にかかわるものは厳しくやってもらってもいいが、そうでないものに関してはもう少し柔軟にというおっしゃり方でなかったかもしれませんけれども、町長のおっしゃっているのは、このテロ対策施設は安全にかかわるものではないから、もう少し、そんな厳しくやらなくてもいいんじゃないかと、そういうことではないですね。私はきのうの判断は英断だと思っているんですが、きのうの判断は正しくやってくれている、規制庁を評価している、そういう理解でよろしいですか。
○野瀬参考人 特重施設が安全上必要でないという趣旨ではございません。いろいろなオーダーはしっかり守っていく、守ったものをつくっていくということは当たり前ですし、今回のは時間軸の問題かなというふうに思っております。
 特重施設が完成していないと一切だめということではない、猶予期間がもともと設定されているわけですが、実際、地盤が、掘ってみればかなりの岩盤があったとか、敷地内の狭隘性ですとか、いろいろなことで、各プラントごとでやはり工事の工期というものが一律ではないということがあろうかと思います。
 以前、パブコメか何か、規制委員会のパブコメの質問の中にも、必ずしも、その折々で事業者の進捗を聞きながら考えていくというようなお話で、時間的な、時間軸の問題であるのであればある程度対応するようなコメントも以前は出ていたんですが、今回はもう、やはり毅然とした態度が必要だ、それが規制委員会の矜持を見せる、大事だろうみたいな、私からするとちょっと精神論重視みたいな感じがありまして、安全性のことはしっかりやるけれどもたまたま時間がかかってしまうということは、それほどかたくなにならなくてもいいのではないかなという趣旨で申し上げました。
○田嶋委員 かぶせて質問はしないことにいたしますけれども、私とは少し受けとめが違うというふうに思っております。私は大変、今度のを、更田さんによかったということを申し上げたいというふうに思っております。
 それでは、次に、桑子委員にお尋ねをしたいというふうに思います。
 最終処分の話が出ました。これは私も長らくいろいろ研究して、数字もいろいろデータをとって考えるんですが、何か人類史上最大の難問じゃないかと思うぐらい、私は答えがありません。かつて、ロケットで宇宙に飛ばせばいいなんていう意見が国会議員から真面目に出たぐらい、これは私は本当に悩ましいものを始めてしまったなと。それだけの後悔の念みたいな部分があって、しかし、それをいまだに動かしているからいまだにふえているということで、総量規制すらできていない。
 桑子委員は、まさに、コンセンサス、どうやって合意形成をつくっていくかということが御専門ですけれども、私は、先生の資料の中にも極めて難しい問題だということはお認めになられておるんですが、最初、手挙げ方式を、四国で最初挙げたところが反対があって取り下げたということで、今、手挙げ方式じゃないやり方といってやっていますけれども、要は、何かアリバイづくりで時間稼ぎだけしているだけで、結局、さっきの話で、役人は短い時間でどんどん人事がかわっていきますから、結局誰の責任でもないような状況がずっと続いているような状況で、どうせ誰も生きていないやぐらいの感じでやっているような気がするんですよ。
 専門家からごらんになられて、少し何かこういうことを考えたらどうかと。私は、今は認められていませんが、海外との話もやはりしなきゃいけないという気もするんですね。それから、最終処分という概念がある限り、誰も受け入れないと思うんです。例えば、暫定を永遠に続けるしかないと私は思っているんですけれども、委員はどういう何か御助言を今の時点でお持ちですか。お願いします。
○桑子参考人 おっしゃるとおり、この最終処分というのは、人類史上とおっしゃいましたけれども、日本がかつて経験したことのないような、本当に難しいプロジェクトにしなければならないということだと思います。
 私の感想は、プロジェクトであるべきなのにプロジェクトになっていないということが一番懸念材料ということですね。プロジェクト組織、プロジェクトチーム、それからプロジェクトチームメンバーの心意気というんですか、プロジェクトの定義は、目標を達成するための、英語で言いますとエンデバーというんですね、エンデバーという名のスペースシャトルがありましたけれども、本当に、努力、熱意を持った努力によってなし遂げられるもの。
 ただ、今、科学的特性マップということの説明会をやっておりまして、私も何回か出ましたけれども、説明を聞いていて、そういう本当に国家的な使命を今担っているんだ、そういう熱意を感じないんですよね。やはりそれに携わっている方たちが、本当に日本の国家のために自分たちはこの命をささげるぐらいの熱意を持ってやらなければ達成できない、そういう課題であると私は思っていまして、そういうプロジェクト体制をしっかり構築するにはどうしたらいいかということを私は一応申し上げたいことなんです。
 ただ、技術的にどうすればいいかとか、それはもちろん、原子力の技術的な問題、核燃料リサイクルの問題とか最終処分の技術的な問題もあります。しかし、これは本当に社会的な問題ですから、国家あるいは地域社会の関係者を不幸な状況に陥らせることのないような、そういうやり方をしっかり考える必要があるというふうに思っております。
 ありがとうございます。
○田嶋委員 ありがとうございます。
 かつて、オンカロの責任者、フィンランドから女性の方がお見えになった、そのシンポジウム、新橋の方で聞かせていただいたんですけれども、その方なんかは、やはり同じ方が何十年とずっとそのテーマで担当されて、信頼関係の構築というのがやはりあったということをおっしゃるので、それ一つとっても、二、三年でどんどんどんどん役人が人事でかわっていっているうちはもう解決策は一切見つからないんじゃないかというふうに、私も大変懸念をしているところでございます。また引き続き御指導いただきたいというふうに思います。
 次に、田中委員にお尋ねをしたいと思いますが、田中委員が御発言されております、「私たちは、原発を止めるには日本を変えなければならないと思っています。」という、そういう資料も少し拝見をさせていただきまして、かつていろいろな御経験をされて、福島の第一の四号機の事故に関して、ある意味大変な経験をされて、この中に書かれている話としては、電力会社の姿勢に腹が立って、最後、自分もそういうひずみを、法律を超えた形で直すということに加わってしまったということをおっしゃられておるんです。
 そこで、ちょっと時間の制約がありますので、三点ばかしお尋ねをさせていただきたいんですけれども、一点は、私は、なぜ田中さんのように、ほかの皆さんはそういうふうに腹を立てないのかなというのが逆に不思議でありまして、田中さんは、非常に何か、その中で一人だけそういうことを正直に世の中に言われたということなのかどうか、その辺は何が一番の根本原因だとお感じになっているかということをお尋ねをしたいというふうに思います。
 それから、同じ資料の中で、地震原因説ということをおっしゃっていました。
 今、世の中は、何となくマスコミも津波原因説で事を終わらせようとしているけれども、そうじゃないかもしれないということで、このドキュメントが出されている部分では、現在検証中だということをおっしゃっておられたんですが、現時点では、地震が今回の三・一一の原因ではあったということに関しての解析結果はどのようになったのかということが、もし結論があれば教えてください。
 そして、三点目に、まだ十基あると言われているマーク1型ですね。福島第一と同じマーク1型は、結論的に、地震の多いこの日本では欠陥商品だった、つまり、ドーナツ型の構造をしているあれは欠陥商品だったという結論まで田中さん御自身が至っておられるかどうか。
 その三点、お願いします。
○田中参考人 逆からちょっとお答えして。
 マーク1型のだめなところはいっぱいあります、ここで御披露するわけにいかないんですが。
 ただ、あの当時の設計、一九六〇年代のマーク1型の設計者というのは、もう年をとられて、他界された方が多かったり、発言する人というと、唯一責任を持って言ってくれるのは、ブライデンボーというGEの技術者がいるんですけれども、その方と今コンタクトをとって、やはりレジェンダリーの人なものですから、その人の発言を記録に残したいと思って、その作業を個人的にですけれども今しておるところです。
 それから、津波の問題と地震の問題。私、よく誤解されるんだけれども、津波を無視して地震で全部いっていると言ったことは全然なくて、地震がプロセスにかかわっていないんですよ、今の話では。津波の中に地震がかなり重要な役割を果たした局面があり得るということをずっと言っているわけです。そういう意味で、だから、どっちかではなくて、もちろん津波が非常に大きい背景的なものとしてあるけれども、その中で、地震の問題が関与した可能性が非常に高いのは一号機です。
 それで、この問題はほとんどの方が御存じないんだけれども、そういう問題が新潟県の技術委員会で今東京電力と非常にやっていて、東京電力も、今までの答えに関して少し反省があるのか、一応、またそこのところをきちんとやりたいということで、新しい年度に入って、東京電力。
 それで、それだけちょっと言っておきますと、一号機は、特に目立つことは、津波が到達する前、恐らく三十秒とか一分の前でSBOが起きています。これはほとんど間違いないです。そうすると、どうして津波到達前に一号機は全交流電源喪失に至ったかというこの問題をもう国会事故調のときからずっとやっているけれども、東京電力も含めてきちんと説明ができていない。
 だけれども、東京電力も政府事故調も、報告書を今直していませんけれども、津波が到達した時間を報告書の中で十五時三十五分と書いていますが、それは一・五キロ離れたところの検潮器、波高計を通過した時間です。だから、そこから二分ぐらいかかるんですね。だから、もうそれは大きなずれがあるんですけれども、そういう問題について私たちはずっと国会事故調から言い続けているけれども、なかなかうまくいかないという、今議論のさなかです。
 それから、最初に、どうしておまえだけあれするんだという、爆発するんだみたいなことでしょうけれども、僕はそれはいろいろなところで同じことを言い続けているんですが、私は一九七七年に、設計の現場から、会社をやめて、別の世界、物書きが好きだったものだから、そっちの方を目指したんですね。それから、もうちょっと研究をしたいという気持ちもあって、とりあえず、会社にも恨みもないし、何も恨みもなくて、原発、その当時でいえばいわゆる推進派の中心人物みたいな人間だったんです。その後、スリーマイルまで二回ほど、スリーマイルとチェルノブイリという二つの事故を起こしていくわけ。
 それから、私は物書きに変わっていって、基本的には自然科学の問題だとか温暖化の問題だとか、一生懸命勉強しておりました。それで、そういう中でつき合った人たちが、全然私が住んでいた世界とは違う人たちばかりと会う。その十年間というのは非常に貴重でした。
 その中で、もっと、当時の言葉で言うとホリスティックというんですけれども、全方位的な物の見方とか、私はやはり半分技術屋だったな、それで、もう少し視点を変えてみるともっともっと違う景色が見えてきたという、そのことの中でチェルノブイリが起きた。
 それで、チェルノブイリが起きたときに私がかかわったスキャンダラスな設計実務という問題に関して、もうこれはこういう話を少ししないといけないというふうに、そういうマインドセットが変わっちゃったということが大きいと思います。
 以上です。
○田嶋委員 もう一問ありましたが、終わっちゃいましたね。済みません。
 ありがとうございました。
○高木委員長 次に、浅野哲君。
○浅野委員 国民民主党の浅野哲でございます。
 参考人の皆様、本日は、お忙しい中、ありがとうございました。
 時間も限られておりますので早速質問させていただきたいと思いますけれども、まずは野瀬参考人の方にお伺いをしたいと思います。
 現在、参考人は自治体の首長をされておりますけれども、広域避難計画というのが各自治体、策定をされていると思います。
 私も地元が茨城なもので、広域避難計画を各自治体、策定をしておるんですけれども、いろいろ自治体の話を聞いておりますと、どの程度の計画をつくり込むのか、どの程度のレベルを求めるのかという部分については、自治体ごとに多少異なっている現実があるのではないかというふうに思っております。
 それが、だから間違いだと言うつもりはないんですけれども、互いの市町村の避難計画の具体性が異なることによって、全体として、万が一の場合の円滑な避難を阻害するリスクは当然ながらあると思っているんですけれども、自治体間で計画の具体性に多少の異なりがあるという部分について課題意識をお持ちかどうか、そのあたりの御見解をお伺いできればと思います。
○野瀬参考人 おっしゃるとおり、広域避難計画、各自治体ごとの計画が全体の、全体というか周辺とか近隣の他の自治体と比べて、統一といいますかシンクロしていない部分もあるのかもしません。
 ただ、私、高浜町の町長でございますので、高浜町内の域ですね、町域の中でのオペレーションというのは、やはり基礎自治体が当然考えるべきであろう、主体になって考えるべきであろうと思っていますが、そこから出まして、例えば、高浜町ですと兵庫県の方に広域避難をするんですが、そこからのいわゆるオペレーションにつきましては、やはりうちのコントロール下ではない部分がありますので、やはりここは内閣府が中心になっていただいて調整を図っていただくということになろうかと思います。
 そういった意味では、町内における動きに関して、これに関してはしっかり町の方で積み上げていくということが必要かということで思っていますので、今の御質問にお答えするのであれば、全体の調整も含めて内閣府の方、国の方である程度やっていただく、あるいは県の方でやっていただく、そういうことになろうかと思います。
○浅野委員 ありがとうございました。
 続いて、広域避難計画に地域の住民がどうかかわっていくべきかというところについて桑子参考人の方にお伺いをしたいと思うんですけれども、参考人はこれまで、過去さまざまな、原子力によらず、いろいろな地域の抱えてきた問題を合意形成されてきたということを先ほどお話をされておりましたが、やはり原子力の問題といいますと、やはりさまざまな説明会が地元で行われる際、その前後で、住民の方々からいかに理解をいただくか。それは、賛成も反対も含めて冷静な議論環境を整えるかというところが非常に重要になるんじゃないかというふうに思うんですけれども、住民参加のあり方について先ほどプロジェクトマネジメントの視点から御見解を伺いましたが、この住民参加のあり方について御所見を伺えればというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
○桑子参考人 住民参加ということで、私の資料にも書きましたけれども、私が一番大きな仕事をしたのは島根県の松江市の大橋川という川の改修にかかわる町づくりの問題なんですけれども、そこで、考えられるような形でのあらゆる方法を使って住民の意見を掘り起こして、委員会形式とそれから市民対話集会、それから各地区の行政による説明会、この三つ四つ、いろいろな方法を組み合わせて地域の住民の方々にしっかり説明するという、そういう機会を持ちました。
 最終的には、本当に薄い冊子の、大橋川周辺まちづくり基本計画という計画をつくったんですけれども、そこに至るプロセスを全部、全ての意見をまとめて、資料としてつくってあります。
 島根県の場合は、島根原発があります、とまっていますけれども。川がありまして、海岸にあるんですが、ちょっと川の名前はあれですけれども、宍道湖に直結する川がありまして、恐らく、事故がありますと、その川を上って、宍道湖から中海に拡散していくだろうというふうに思われるんですね。
 そこで、どういうふうに住民に説明するか。もう避難計画をつくられているようですけれども、そのときに担当された防災の担当者の方、小川さんとおっしゃるんですが、その方は大橋川で御一緒した方でありまして、大橋川での住民説明会と住民意見の交換、それからそれを取りまとめる仕事に従事されて、それはとても参考になったと言われております。
 私の印象ですけれども、大橋川はとてもうまくいった例なんですけれども、日本は本当に、沖縄から、南から北まで、いろいろな地域性があります。私がいつも心がけているのは、まず地域の地域性ですね。地域の人々のコミュニケーションのやり方、もちろんそれは伝統的な地域のあり方もありますし、それから、新しい行政システム。特に今、平成の大合併で、地域のコミュニケーション能力が相当落ちていると私は思っているんですね。特に、役所が中央にあって、支所になっています。支所になる前の市町村ですと、その役場がしっかり地域とのコミュニケーションをとれていたんですけれども、合併のために、支所レベルの地域は行政から非常に遠く感じているようになっていますね。
 ですから、そういう伝統的なコミュニケーションのあり方とそれから近年の行政システムの変化等、いろいろな要素を考慮して、その地域地域に最適な説明、住民の参加の仕方を考えていかなければならないと思います。
○浅野委員 ありがとうございました。
 続いてですけれども、山本参考人の方にお伺いをしたいと思うんですが、本日の資料の中で、陥りやすい誤謬という話、非常に、全くそのとおりだなというふうに感じさせていただいたわけですけれども、では、震災後、国内の原子力規制行政のこれまでたどってきた道としては、果たしてこのどちら側だったのか、あるいはどちらでもないのかというところなんですが、誤謬に陥らずに正しい選択をするために、今国内の規制行政が持っている物差しというのがあるとすれば、それは新規制基準というふうに言えるのかもしれないんですけれども、これが百点満点の物差しかどうかはともかくとしても、もしそれが物差しだとするならば、これまでの八年間、日本の規制行政というのは、現時点で正しい判断、正しい答えを選択し続けてきたのだろうかというところなんですが、ここについて参考人がどのようにお感じになっていらっしゃるか、ちょっと御見解を伺えればと思います。
○山本参考人 私は原子力行政の専門家ではないのでお答えは難しいんですけれども、ただ、見ておりまして思うのは、社会的厚生、国民の福祉といったときに、実は、考えられているのは安全、健康、これだけなんではないか。原子力発電がもたらす社会的厚生、便益というものが果たして考えられているのかなというふうに思うことがあります。
 例えば、きのう出ました判断ですけれども、更田委員長も、これはあってもなくても安全性に大きな差はありませんというふうなことをたしかおっしゃっていたと思います。私も、テレビの報道で、あってもなくてもというのは言い過ぎです、おくれても、例えば少しおくれても安全性に大きな影響はないというふうにおっしゃっていたと思うんですね。
 そうであれば、おくれて、仮にそれによって発電所がとまったときに、失われる社会的な厚生はどれだけのものがあるのか。これは、原子力発電所がとまった二〇一一年以降、我々が社会全体でどれだけの損失を抱えたのかということを考えればわかると思うんですね。
 確かにバックアップ設備は必要なんですけれども、設備がないからといって、例えば、今発電所にテロがあった、旅客機がぶつかった、でも、これは放射能が出ないようにとめることは可能なんですね。それを更に安全にするためにバックアップ設備をつくっている。それが例えば一年おくれた、それによって安全性に大きな影響があるということではないと委員長がおっしゃるんであれば、それは社会的厚生を考えなければいけないんじゃないのかなと。
 判断基準の中に、社会的厚生とか国民の福祉ですとか、そういう言葉が余り出てこないというのは私は気になっております。
○浅野委員 どうもありがとうございます。
 では、続いて田中参考人の方にお伺いをさせていただきたいんですが、田中参考人には二点ちょっとお伺いしたいことがございます。
 一点目は、今お話もありました、昨日報道もされましたが、川内発電所に対する規制委員会の対応内容に対して、参考人はどのようにそれを捉えられているのか。妥当だとお思いなのか、それともそうではないのか。それが一点目。
 二点目は、先ほど御自身の御意見開陳のときに途中まで触れられておったんですけれども、規制委員会と検証委員会のコミュニケーションが不十分である、されていないという問題。これは大きな問題だというふうにおっしゃっていたんですが、どのような問題に発展し得るのか、どのような部分に懸念をお感じになられているのか。
 この部分、この二点についてお伺いをしたいと思います。
○田中参考人 規制委員会のきのうの判断は、久しぶりに正しいというふうに僕は思っております。
 結局、原発の安全性というのは、ほとんど全部確率ですよね。確率的な話であって、起こったときには、しまったということになって、そのことの最大の教訓というのは、二〇一一年の事故というのはそういうこと。あんなものは壊れるはずがない、ああいうような爆発的なものは絶対ないというのが、もう皆さん、繰り返し強調されたことです。にもかかわらず、起きるんですね、起きるときは。起きた後、実は確率でしたという話で。
 それから、田中委員長も言っているように、規制委員会は原発の安全性を保証しているわけではないということは繰り返し言っています。事故が起こらないという話ではないと。最初、新規制基準の案の名前は新安全基準だったんですよ。それが新規制基準に変わったんです。直前まで安全基準でずっといったのが途中で規制に変わったというのは、多分そのことを意味していて、規制基準は安全を保証するものというふうに錯覚を起こされたら困るということだったと思います。
 依然として、そのポテンシャルは下がったかもしれないけれども、起こるときは起こるという、ただそれだけの話だというふうに僕はずっと思っていて、これはいい原発、あれは悪い原発ということがなかなか言えないというのが苦しいところじゃないかなというふうに思っております。
 それから、二番目のコミュニケーション。
 私が言ったのは、結果は同じなんですけれども、廃炉のコミュニケーションと、それから検証をしている、それを同じ東電が担当しているんですが、窓口同士でコミュニケーションがとれていないという問題を申しました。
 それからもう一つ。検証を新潟でやっているにもかかわらず、さっき言ったいろいろ細かい点にかかわる、その問題は、耳を傾けた上でいろいろ判断をしていただきたいことはあるわけだけれども、新潟県でやっていることには全く関心がないと言っていいと思います。だから、新潟県でどういう津波の議論がされているか、かなり細かいことをしているけれども、もう私たちはそれに関心がありませんというような感じで、検証委員会というのはもう実際何もしていない、そういう状態はあります。
 そのことをちょっと申し上げたということです。
○浅野委員 どうもありがとうございました。
 以上で終わります。
○高木委員長 次に、富田茂之君。
○富田委員 公明党の富田茂之でございます。
 四人の参考人の先生方、本当にきょうはありがとうございます。
 高レベル放射性廃棄物最終処分場のお話を桑子先生がしてくださいましたので、ちょっとこれは、私、二〇一三年から、オンカロを始め世界じゅうの施設を全部見てきました。
 オンカロにも行きまして、地元の自治体の首長さんともいろいろなお話をして、何でオンカロができたのかというのをいろいろ聞いてきたんですが、もともと原発が二基あって、三基目も建設中だと。やはり自分のところで出たごみは自分のところで引き受けるべきだというところで誘致したというふうにオンカロの方では言われていて、なぜそんなふうになったのかというのも突き詰めて聞いたんですが、やはり、事業者であるポシヴァ、また、こちらでいうと規制庁だと思うんですが、STUKと、毎年三回きちんとお互いに話し合っていると。そのほかにも、もし何かあったら必ずすぐ連絡が来る、まずいことほどすぐ連絡をよこす。そういった意味で、規制庁に対する信頼も強いし、事業者に対しても物すごく信頼している。住民の皆さんもそれで安心している。
 最初、反対運動があったらしいんですね。ただ、きちんと説明をして、先ほど、多数決で決められる問題じゃないと先生おっしゃったけれども、あるところでは多数決をとらざるを得ないので、多数決をとった後、私の方から、反対していた人たちはどうしたんですかと言ったら、この人たちはチェック機関になったと。ずっと反対するんじゃなくて、できるんだから、もし行政が変なことをしたらということで、チェック機能を反対派の人が果たしていてくれるというふうな話を聞いて、やはりちょっと民主主義が進んでいるなというふうに思ったんですが、なかなか日本では、まだマップの段階だということで。
 ゴアレーベンも、実はビュールも見てきたんですね。ゴアレーベンは、また一旦とまってしまって、政府の方で今委員会をつくって、もう一回議論だみたいなことになっちゃっています。ビュールは、たまたま我々が行ったころにいろいろ公開討論とかやっていて、反対派の人たちにわあっと押さえられたりして大変な目になっていたので、ちょっとやはり動きがとまっているという感じだったんですね。
 でも、オンカロは動き出した。エストハンマルも今度動き出す。エスポ岩盤研究所も見てきまして、スウェーデンはおもしろいなと思ったのは、岩盤研究所をつくっているところじゃないエストハンマルの方で実際のものをやるという、まあ、最後二つが残って、エストハンマルの方が地盤がいいということだったと思うんですが。
 こういったことを考えると、やはり、先ほど先生が言われた、本当にリーダーシップを持って国民的合意と地域的合意をつくっていかなきゃだめだと。
 今、日本に何が一番欠けているんですかね、ほかの国と比べた場合。
○桑子参考人 これは原子力にかかわらず、一般の公共事業、私がかかわりましたのは、ダム建設とか大規模の河川改修とかが大きな問題だったんですけれども、国交省関係が多かったんですね。そのときに、やはり役所に対する住民の信頼ですよね、信頼がとても大事だということで、私が、国土交通大学校でもう十年以上、大体年四回ぐらいこのテーマで講義しているんですけれども、いつも申し上げるのは、先ほども、異動のときに信頼関係を持続するにはどうしたらいいかということについてですけれども、必ずこういうふうにしてくださいと申し上げています。
 それは、一つは、信頼関係の構築というのは、住民の皆さんとその担当者との顔の見える関係での信頼関係の維持ですね。担当者がかわったときに、しばしば、前の担当者はよかったんだけれども、前の所長はよかったんだけれどもなとか言うんですよね。そういうこともあります。
 それからあとは、やはり、後から来た方たちが事業に関する情報、知識をしっかり持つということです。
 それからもう一つは、さっき申し上げましたけれども、事業に対する情熱ですね。やはり、本気でやるということがにじみ出ていないと住民の人たちは信用しないですね。
 つまり、事業に対する熱意と、それから事業に関する知識それから情報のきちんと引継ぎ、それから地域との信頼関係、この三つをしっかりやってくださいというふうに申し上げているんですけれども、日本の行政の、特に国の行政は大体二年でかわってしまうんですよね。そうしますと、プロジェクトの全体を見渡せる人というのはほとんどいないんです。宮崎の海岸事業、二十年プロジェクトなんですけれども、私はもう十年やっていますけれども、国交省の事務所も毎年毎年かわっていますので、十年全体を見ている者はごく少ないです。
 ですので、やはり大事な点は、人がかわるのはしようがないんですけれども、でも、全体を見渡せるようなしっかりした体制なりリーダーなりを置いて、それを見える形で、何をやっているかということがしっかり見える。まあ、NUMOは、一時、大学生を動員して何かやったというのが話題に、あんなことをちょっとでもやったら、もう信頼関係が吹っ飛んでしまうということはちょっと考えればわかるんですよね。中で議論すればわかることができていないというところが私は問題だと思います。
 だから、そういうことをリスクマネジメントできていないような組織でないような組織が責任を持って進めるということがまず第一だと思います。
    〔委員長退席、伊藤(忠)委員長代理着席〕
○富田委員 今、桑子先生の、でも、NUMOで今は進めざるを得ないと思うんですね、NUMOでやり出していますから。手挙げ方式から、マップをつくって理解を得ていくというふうになりました。近藤理事長も副理事長も、一緒に海外視察へ行ったことがあるんですが、大変リーダーシップのある皆さんで。誰かがやはり統括して、NUMOの場合は職員が電力会社から出向で来たり役所から行ったりといろいろなことがあると思いますので、そうすると、やはりトップが本当に今先生おっしゃったように全部わかった上で、住民の皆さんに信頼してもらえるような体制をどうつくっていくかというのが大事だと思うんですね。
 実は、最初に、二〇一三年にオンカロに行く前に、パリでロンゲさんという上院議員とお会いしました。この方はビュールの選出だったんです。議員になって、自分がエネルギー大臣になった後に、ビュールに研究所を誘致した。そうしましたら、それまでずっと連続当選していたのに、選挙に落ちたそうです、下院選挙で。下院選挙で落ちたけれども、日本でいう県議会議員選挙から復活して、今、上院議員で、本当に最終処分場問題に一番見識のある議員さんでした。
 彼の後の下院議員は、ずっとビュールでやるというのを言っているんですけれども、選挙は落ちない、地元の人たちに信頼されたというふうに話してくれて、何が大事ですかと言ったら、政治家の覚悟だと言われたんですね。選挙に落ちてもいい、どこかに持っていかなきゃならないんだからという。
 そこはちょっと、日本でこれからどうしていくかというところだと思うんですけれども、やはり、実際に現場で働くNUMOの人たちと我々政治家がきちんと、やはり最終的には必要なんだということで、国民の皆さんにどこまで話していけるかが大事だと思うんですけれども、政治家としてはどういうふうにしていったらいいと先生は思いますか。
○桑子参考人 ちょっと長い時間ですけれども。政治家の先生方も、やはり市民との話合いの場にぜひ来ていただく。私が進行役を務めているいろいろな話合いの場に、政治家の先生方は来てくださらないんですよね。やはり選挙のときだけじゃなくて、そういう場で、住民の皆さんの意見を聞く本当にいい場ですので、そのときに選挙演説みたいな発言をされても困るんですけれども、ぜひ来ていただいて、政治家として何ができるかというようなことも発言して、その場で政治家の先生方に対する信頼もかち取っていただくのがいいんじゃないかなというふうに思います。
 どうしても、行政的な問題ですよね、先ほどの避難の問題にしても。でも、国民はやはり、行政的な仕組みと議会で決めるということですね、あの大橋川の問題は最終的には議会決定もありました。ですから、議会の関係も進めて合意を得ていくということがありましたので、その点、先生方にもぜひよろしくお願いしたいと思います。
    〔伊藤(忠)委員長代理退席、委員長着席〕
○富田委員 ありがとうございました。
 ちょっと最終処分場問題の前に廃炉の問題があると思うんですが、実は、去年、イリノイ州のザイオン原発の廃炉措置を見てきました。最初は二十年ぐらいのスパンでという話だったのが、ソリューションズという会社の子会社が始めたら、二〇一〇年から八年間、今年度で終わると去年言っていまして、もう建屋だけが残っていて、中のものは全部出してあったんですね。何でそんなのをできたのかなと思ったら、やはりこのソリューションズという会社は、二〇〇五年ぐらいからずっとやっていて、数多くの廃止措置をやってきた、その経験がすごくあるのでという話をされていました。
 先日、日本原電が、日本原子力発電が廃炉専業会社をつくるという報道がぽんと出てきてちょっとびっくりしたんですが、やはりこれは、アメリカのエナジーソリューションズ、ザイオンをやっていた会社からも出資してもらうというような報道になっていまして、実は、このザイオンに日本原電の社員も行っていたんですね。向こうでお会いしました、技術的なところを学ぶということで。
 これからは廃炉専門会社というのが大変大事になってくると思うんですが、どういうふうにその人材を確保していくかという意味で、ちょっとまだまだ、やはり日本でまだ始まったばかりですので、実際に廃炉措置が終わったところはありませんから、どういうふうにアメリカの方からの知恵もかり、また人材を集めてという、どういうふうにやっていったらいいかということを、ちょっと桑子先生以外のお三方に御意見があればお聞きしたいんですが。
 ちょっと野瀬町長にこの点をプラスでお願いしたいんですが、ザイオン原発は、アメリカも最終処分場がありませんので、敷地内に乾式で置いてありました、コンクリート詰めにして。周りを鉄条網で張って、機関銃を持った人がずっと警備しているんですよ。危ないなと思ったんですが、何かあったらどうするんだろう、でも最終処分場がないのでどうしてもこれをやらざるを得ない。先ほど、高浜ではもうあと六年でというふうになったときに、下手したら、下手したらって失礼ですけれども、最終的にどうもなくなると乾式でどこかに置かなきゃならないという可能性もあると思うんですが、その点、町長としてはどういうふうに受けとめていらっしゃるか。
 町長にはその点、あと、お二人の先生には、廃炉技術をどういうふうに導入していくかについてもし御意見があればお伺いしたいと思います。
○野瀬参考人 結構、心の問題の部分がこの原子力のバックエンドは大きいかと思います。やはり放射線、残留している放射線に対するえも知れぬ、何となく不気味感といいますか、そういった部分がやはり根底にあろうかと思いますので、疫学的な観点による放射線の人体に影響を与えるそのクリアランスレベルが国際的な基準に照らし合わせてどうかというところが、日本の場合は相当このハードルが心理的に高くなっているので、やはりそこを、まあ、時間がかかるかと思いますけれども、いろいろな教育的な観点も含めて平準化して、世界標準と同じような形で見ていくということが大事かなというふうに思います。
 あと、おっしゃるように、そういった心理状態の国民で構成されている国ですので、なかなか外に持ち出すということが廃炉の中でも厳しい部分は出てくるかと思います。そういった部分は、これも私の個人的な見解ですけれども、やはりそれを進めるために、一定期間、そういったものがサイトに残るといいますか、それはある程度もう進める上ではやむを得ないことになるのかなというふうに思います。
○田中参考人 廃炉は、日本の場合には、今やっている廃炉というのは全然違う次元の廃炉ですよね。それは事故を起こしてメルトダウンを起こしているから、それの除去という問題は非常に難しいということです。
 そうでない場合は、例えば原子炉というのはふたがあくんですけれども、非常に巨大なボルトでふたが閉まっています。それをちゃんと上げる設備があるんですけれども、そういうものが整っている中での廃炉というのは、それはかなり論理的にはそんなに難しい話ではないと思いますね。
 と思うんですけれども、もう一つ、日本は地震国ですね。例えば五百本とか六百本のものを使用済み燃料プールから下におろすだけで一年かかります。例えば三号のときにそうでしたけれども、その間に、つっている最中に地震が来たらどうするんですかという問題はあったわけです。でも、これも確率の話なんですよね。済むと安全にできたじゃないかというふうに、その誤解があるんですね。それは、危険で成功したという話で、危険な中での、リスクをしょいながらの仕事だったということを考えていかなきゃいけない。だから、いろいろな問題がある。
 あとロボット化とか、いろいろ廃炉には問題があると思うけれども、私は、もう言いたいのは、九〇年に本を書いた中で書いているけれども、結局、私たち設計者も、廃炉はどうやってするんだろうということを全然考えていないんですよ。それから、使用済み燃料プールをどうするかという話も考えていない。その二つを事故を起こしてどうしますかということを、私は本の中で、九〇年の初めに問うていますね。そういうものだったということです。
 全然技術的な解決方法がないままのスタートであり、まだそれが見えていない中での話ということで、ちょっと時間が長くなりますけれども、そんなことを考えております。
○山本参考人 今お話がありましたように、通常の廃炉というのは、いろいろな国でも行われていますし、それほど大きな問題ではない。ただ、日本の大きな問題は、原子力技術を明らかに失いつつある。
 今、世界で原子力発電所をつくれる国は六カ国しかないわけですね。アメリカ、フランス、ソ連、中国、日本、韓国です。中国は、きょう現在、もう十数基一遍につくっています。物すごいですね。ロシアもつくっています。韓国もつくっています。
 アメリカとフランスは、現場力を失いまして、しばらくつくらなかったわけですね。アメリカなんかは三十年間つくらなかった。ボーグル原発をつくり始めたとき、エンジニアがいなかった。どうしたと思いますか。中国から呼びました。仕方ありません。というふうな状況に追い込まれて、それで今、フランスとかアメリカはなかなかつくることができない。工期も工費もふえてしまう。
 日本は今、そういう状況にかなり追い込まれつつある。もうじき世界で原子力発電所をつくれる国は五カ国になるだろうというふうに思わざるを得ない状況にあります。
 したがって、廃炉の前に、我々はやはり、技術立国というのであれば、技術力を維持することを考えなきゃいけないんじゃないかと思います。
○富田委員 ありがとうございました。
○高木委員長 次に、藤野保史君。
○藤野委員 日本共産党の藤野保史です。
 きょうは、参考人の皆様、大変お忙しいところ、貴重な御意見をありがとうございます。
 私は、北陸信越ブロックから国会に送っていただいておりまして、福井県もそこに含まれております。つい先日も高浜の方に伺わせていただきまして、いろいろお話を伺ってまいりました。
 野瀬参考人にお伺いしたいんですが、町長というお立場で、やはり町内にはいろいろな意見もあって、かつ四十年を超えた原発ということでありますので、いろいろあると思うんです。
 私は、二〇一七年に、高浜の、高浜原発から更に奥の方の、半島の更に奥の音海地区というところに伺っていろいろお話を聞いてきたんですが、その音海地区というのは、二〇一六年に地区として決議を上げられて、もともと賛成といいますか、もちろんずっと推進、賛成の地区だったんですけれども、延長という部分については、さすがにそれはということで、地区で意見書を上げられております。私、伺ったときにそれをいただいたんですが、ちょっと御紹介をさせていただきたいと思います。
 県知事宛てでして、
  福井県知事 西川一誠殿
    高浜原発の運転延長に反対する意見書
  本年六月、高浜原発一、二号機は、運転期間を六十年まで延長することを決定したと聞いている。
  しかしながら、音海区民は、行政や関西電力から何ら詳細な説明を受けていない。
  原発が建設された当時四十年程度と聞いていた原発の寿命を六十年まで延長するという重要な決定が、地元を軽視する形で進められたことに驚きと怒りを禁じ得ない。
  音海区では、少子高齢化と若者の区外流出とが相まって一段と過疎化が進んでいる状況にあるが、そもそも、原発の地元地域は、原発とともに発展し、栄え、安全安心な場所であるべきはずなのに、福島の原発事故以降、原発の安全性に対する国民からの信頼は著しく低下し、更に老朽原発の延命がなされることで、原発に対する負のイメージが増幅され、ますます原発の地元地域に人が寄り付かず、ひいては音海区の衰退が加速することが予想される。
  最近では、高浜原発の安全対策工事に伴って発生する土砂の運搬トラックが朝から晩まで行き交い、立ちのぼる粉塵や騒音、交通渋滞等で音海区民は迷惑を被るばかりである。
  音海区民は、過去から原発との共生の道を選び、国策へ最大限協力してきた。そのような中で、原発を受け入れてきた地元の中の地元である音海区が衰退していくことなどあってはならず、音海区民にとって何ら意義を見出せない高浜原発一、二号機の運転延長に強く反対するものである。
  平成二十八年十二月十八日
                 音海区
という文書であります。
 こうした意見書、地元紙や全国紙でも大きく報じられたんですが、こうしたいろいろな意見がやはりありまして、町長としてはやはりそうした意見も、さまざまな意見を踏まえながらの御決断だと思うんですが、老朽原発、高浜の皆さんは、ずっと協力してきたけれども、四十年を超えることについては区民全体としてやはり反対だという声なんですが、老朽原発の運転延長という点について、立地自治体の長として、どのような悩みといいますか、お考えといいますか、そういうものがおありか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○野瀬参考人 今、うちの町の音海区、発電所のまだ先にありまして、避難するときは発電所の前を通って避難するという特殊な地域です。そこの総意といいますか、地区としてそういった文書を、私も、持ってきて、当時いただきました。
 それで、確かに立地中の立地でございますので、なかなか思うように発展がしていないという部分のジレンマ等、そういったものが根底にあろうかと思いますし、それは、音海を含めた発電所のある地区を内浦地区というんですが、そこに対する、非常に中山間地域で道路整備にも相当困難を要する地区なんですが、おくればせながら、先ほど申しましたように、音海区の新トンネルをせんだって開通しましたし、また、他の地区においても今新たなトンネルが、貫通式までは終わりまして、開通も年度内には開通するということで、この地区に、道路だけで、県道、町道の総額でここ三、四年で大体百五十億ぐらい投入しています。
 そういった意味では、おくればせながらですが、人口わずか八百人程度の地区ですけれども、やはりそれなりのきちっとしたケアは必要だということでやっています。
 あとは、意見書といいますか、反対のあれなんですが、その後、行政として、その地区と協議の場を継続的に持っています、昨年度から。それで、ではどういったことが課題なのか、安全に対する不安であったり、いろいろなことを拾い上げて、それに対する、また事業者も一緒になってその対応に当たっています。
 しかし、それが総意かといいますと、実は、ちょっと多くは申せませんが、やや独断専行的にばっと走られた部分もありまして、今、組織が逆に音海区の中で分断しています。
 そういった意味では、音海区全体が一糸乱れずその思いではなかったというのが、図らずも、いろいろな皆さんとの協議をして問題解決を図っていこうという過程の中でちょっと見えてきたという部分もありまして、いずれにしても、それは音海区の事情なんですが、しっかりそこら辺はケアしていくということは、常に思っておりますし、今も続けております。
○藤野委員 続いて田中参考人にお伺いしたいんですが、新潟県の事故検証委員会ということでありまして、おっしゃられたように、他県と違って、新潟における原発再稼働問題というのは、東京電力、あの事故を起こした同じ東京電力が柏崎刈羽を動かそうとしているという点が大きいという御指摘をいただきました。
 なるほどなと思ったんですが、いわゆる事故の原因究明という点で、まだ未解明の部分が多いという指摘を先ほどいただいたんですけれども、御著書の中で、特に一号機については謎が多い、一号機のステーションブラックアウトは本当に津波襲来によるものか、一号機の原子炉建屋水素爆発は本当に五階だけで起きているのか、なぜ一号機の場合だけ、SR弁、逃し安全弁が作動するたびに発生する地鳴りのような大きな振動音を耳にした運転員、作業員が一人もいないのかなど、場合によっては巨大地震に起因する設備や機器の損壊問題に発展する可能性がある未解明問題がいまだに議論の俎上にあるという指摘をされております。
 今回、配付資料、いただいたものの五ページでは、一号機の四階の写真があるわけですが、この一号機では、いわゆる未解明部分でいいますとどういった問題があるのか、もう少し詳しく教えていただければと思います。
○田中参考人 「科学」という、岩波が出している月刊誌がありますので、今、真っ最中、それを細かく記述しておりますので、必要でしたら、後でそれをお送りします。
 簡単に言いますと、一号機の四階が非常に激しく損傷しているわけです。それは、五階で爆発した水素の爆風が、大物搬入口という五メートル、五メートルぐらいの大きな鉄板があるんですけれども、そのふたがあいていたから爆風が入ってきてぶっ壊したんだというのが東京電力の正式見解です、今でも。だけれども、実は、ふたは、運転中、閉まっているんです。だから、そんな爆風がそこから入ってくるわけないんです。それで、その鉄板五メートルのものを捜してくれと言ったら、どこへ行ったかわからないという。
 私たちは、四階でやはりどこかの水素漏れが来ていて、原子炉と直接つながっているのが、御存じのように、非常用復水器という配管です。それは原子炉の発生した水素がそのまま入ってきます。そういうようなことで、爆発したんじゃないのかというのは四階でも爆発したのではないかという疑いをいろいろやっているわけですが、その結果は、オブザーバーとして入ってきた産総研、産業技術総合研究所の爆発の専門家をオブザーバーとして、視察の結果をお見せして見解を求めたら、四階での水素爆発が起きている可能性は高いということを、私見ですけれども、個人の意見としてそういうふうに述べられています。もしそうであれば、話は全然変わってくるということです。
 その他、あと、津波の問題については、完全に間違えているのは、検潮器の置かれている一・五キロのところを、それを敷地の到着時間としてSBOと結合させているけれども、それは無理があるということです。だから、別なことが起きた可能性が高いという話です。そういうようなことを言っている。
○藤野委員 引き続き田中参考人にお伺いしたいんですが、参考人は原子炉の専門家ということで、先ほどもありましたけれども、一Fの四号機の原子炉の詳細設計、圧力容器の詳細設計にもかかわられたということで、そうした原子炉の専門家という御立場から、いわゆる四十年を超えるような期間、運転をしていくということについて、電力会社などからは、いわゆるとまっている期間なんかは除いて、もっと長くという主張もあるんですが、いわゆる原子炉の専門家からして、どのようにその点についてはお考えになるでしょう。
○田中参考人 短くお話しすると、原発の場合には、脆化という、放射能による脆化、鉄が非常にもろくなっていくということがあります。私たちが設計したころは、それによって四十年以上は多分使えないでしょうというようなことを前提に設計をしていくわけですね。それは、特に、関西電力とか九州電力が使っている加圧水型において非常に激しいということです。
 当時の製鉄の質と現在の製鉄の質が違うということ、それから、溶接線の数が今は非常に少なくなっているけれども、当時は、縦横に、ミカン割りとかいろいろなやり方をするんですけれども、そういう溶接線の構造物としては非常に条件が悪い。その中での脆化という問題があるということです。
 御存じかもしれませんが、中に、どのぐらい老朽化したか、経年変化を起こしたかということで、それを、テストピースがあって、時々調べているわけですけれども、それも炉によって違うといろいろあるけれども、当時からの概念でいうと、それはあり得ないことです。今でもその問題については、やはり脆化の問題は非常に気になることですから、そう簡単に四十年延長というのは僕はできないだろうと。
 当時の設計の前提に戻ってそれをちゃんと忠実に守るということが、特に、古い原発については、技術もなかった、製鉄のあれもなかった、それから質もよくなかった、それから計算も大したことなかった、そういうことを考えると、そういうことを全部忘れてそれをやるのは僕はよくないというふうに思っております。
○藤野委員 ちょっと時間もあれになってきたんですが、桑子参考人にお伺いしたいんです。
 前回といいますか、二〇一七年六月十二日にアドバイザリー・ボードとして当委員会に御意見いただいたときに、要するに、当委員会としてやるべき国会事故調の七つの提言を更にブレークダウンしていただいて、例えば原子力行政についてのプロジェクトチームをつくったり、あるいは、きょうも御指摘あったような、いわゆるプロジェクトを設計し、それをやっていくのを国会としてもやるべきだという御指摘をいただいたんですけれども、それから三年近くたちまして、参考人から見て、当委員会として、やはり、きょう御提案いただいたものも含めて、どういう役割をもっと果たしてほしいと思っていらっしゃるか、ちょっと叱咤激励も含めて御意見いただければと思います。
○桑子参考人 前回私が発言しました直後に衆議院の解散がありまして、委員会をつくり直すということになりまして、それは新しい国会が召集された後すぐ始まるのかなと思いましたが、なかなか始まりませんでした。
 こういう機会は、本当に私にとっても貴重な機会ですし、先生方にとっても大切な機会だろうと思いますので、ぜひ定期的に議論の場を設置していただいて、先ほどのオンカロ等の海外のことも御存じの先生方もいらっしゃいますので、そういうことで、勉強させていただく機会、私どもが提案できることをお話しできる機会をつくっていただければと思います。
○藤野委員 山本参考人にはちょっとお聞きする時間がありませんで、大変失礼いたしました。
 いただいた御意見は今後に生かしたいと思っております。
 質問を終わります。ありがとうございました。
○高木委員長 次に、足立康史君。
○足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。
 きょうは、参考人の先生方、ありがとうございます。
 私からは、きのう話題になっているテロ対策施設の話もさせていただきたいと思いますし、それから最終処分の話もさせていただきたいと思っています。
 ちょっと各論に入る前に、四人の参考人の皆様に、いずれの問題も、やはり私は、維新の会というのは野党でありまして、与党をほかの野党のような批判の仕方は余りしないで、対案を示したりということでやってきていますが、正直、この原子力政策については、自公政権問題あり、こう思っています。何が問題あるかというと、やはり政治意思が弱過ぎるということですね。
 今回のテロ対策施設の件も、いや、これは規制の問題だということで、若干官房長官も経産大臣も平静を装っている。もともと、再稼働について、エネルギー基本計画に枠組みを示した上で規制委員会に丸投げをする、そういう姿勢自体に若干私は問題を感じています。
 最終処分についても、例えば、私ども維新の会というのは六年前に結党したんですけれども、相当、結党のときに代表をしておりました橋下徹さんという人がいまして、彼は、二回目の総選挙、すなわち前々回の総選挙の前に私たち衆議院議員に、当時代表ですから、とにかく次の公認には条件がある、公認してほしいんだったら自分の選挙区に最終処分場を誘致すると言え、こういうことをおっしゃいまして、みんなで羽交い締めにして黙らせた経緯が、黙っていただいた経緯があるわけでありますが、とにかく政治意思の問題だと。よく経産省がどうとかいいますけれども、結局、政治ですから。
 自公政権の政治意思についてちょっと、批判的コメントをぜひいただければと思います。
○野瀬参考人 実は、足立先生の今の思い、共感するものが大変ございまして、いろいろな原子力問題、立地の判断とか立地の御理解とかという感じで、その政治意思の弱さというのを正直私も感じております。
 原子力行政がいいのか悪いのか、イエスかノーかという問題の以前に、そこをやはりしっかりしていただくということが大事かと思っています。
 私は、原子力を仮にやめるんならやめてもいいんじゃないかと、ある時期ちょっと開き直って思ったときがあります。そのときは石炭火力主体にこの国はやっていけば電気料金の上昇も抑えられるし、そのかわり、もうパリ協定なんか知ったこっちゃないという腹のくくりをすれば、それはそれであっぱれというようなところがありましたので、やはり、進めるからにはしっかりした政治意思を持っていただきたいなというふうに思います。
 私たちは、国策が決まらないとアクションを起こせませんので、ぜひそういうふうな政治の力を期待したいと思います。
○高木委員長 皆さんに聞くんですか。
○足立委員 皆さんにお願いしたいですが、俺は専門家じゃないから知らないという方は結構です、それは。もしあれば。
○田中参考人 僕は、政治的に原発がとまるというふうに思いますので、自民党、公明党さんがやっている政策にはがっかりしているということです。だから、もっとバランスのいい選挙結果が出るといいなと思うんだけれども、圧勝してしまうということになると原発はとまらないという非常に寂しい気持ちを抱いているということです。とめてくれたら応援したいぐらいです。
○山本参考人 政治と原子力のかかわりでは、最近、イギリスのビジネス・エネルギー・産業戦略相、大臣が国会で述べたことを読んで、なるほどと思ったんですけれども、彼は国会で日立の凍結問題について説明しているんですけれども、その中で、私の家の裏庭につくってもらっていいということを言っているんですね。
 もちろん国民性の違いはあります。日本の場合、世論調査をやると、朝日新聞とか毎日新聞によると、半分以上反対というふうに言われています。ただ、日本の場合も、実は原発反対というのは六十代が一番多くて、二十代では三分の二が賛成なんですね。年齢が上がるに従って反対がふえていきます。見事にふえていきます。六十代がピークで、七十代になるとまた反対の人が少しふえる。
 世論調査に答えるのは、NHKの世論調査室によると、NHKの世論調査の回答者の半分は六十歳以上です。二十歳代は三%しかいないそうです。これはNHKの世論調査室が岩波で出している本にはっきり書いてあります。ということは、日本の世論調査は高齢者の意見に引っ張られているんですね。ただ、選挙に行くのは高齢者です。政治家の皆さんは世論調査をやはり気にせざるを得ない。
 でも、日本全体としてはどうなのか。実は、年齢別に世論調査を分析しますと、今、再稼働賛成は国民の半分を実は超えています。若い人が賛成が多いからということなんですね。
 ですから、政治の方は、確かに選挙も大事、世論調査も大事なんですけれども、さっきから言っていますけれども、何が社会的厚生をふやすのかという立場で考えてほしいなというふうに思います。
○桑子参考人 先生方、議会の議員の先生方ですので、議会というのは、議論して、議論をしっかり積み重ねて全体として議決をする、その責任を負っていただくということですよね。
 行政の方は、そういう議論は必ずしも見えてこなくても、しっかりそのシステムの中できちんとやればいいわけですけれども、それのチェックをしたり、あるいは社会の方向性を示したりしていただくのが議会の役割ですので、原子力問題をめぐっても、国会なりそのほかの議会でしっかり十分な議論をしていただいて、それが国民に見えるようにしていただくというのが私の願いです。
○足立委員 ありがとうございます。
 地方議会と国会は違いますので、国会はまさに政治意思をつくる場でありますので、私たちは、これはいろいろな、最終処分の問題、あるいは今回のテロ対策施設の問題等を奇貨、契機に、やはり政治意思を結集していくという努力をしていきたいと思っています。
 時間も限られていますので、まず、ちょっと皆様にバランスよく御質問できないかもしれませんが、野瀬町長に、先ほど野瀬町長がおっしゃった、いや、もうどうせだったら石炭、まあ、どっちか決めてくれというような御発言は、私はもう全くそのとおりだと思っていて、それこそ政治だというふうに思っています。だから、もう野瀬町長に経産大臣をやっていただきたいぐらいですよね。
 ただ、その野瀬町長にちょっと確認は、先ほど毅然さという話がありました。ここで毅然にやるのかよということですが、ただ、今まさに、先ほど御発言をいただいたように、産業界も行政も政治もちょっと不十分なところがあるわけですから、一番今そのボールを幅寄せされてきた規制委員長がちょっと蹴飛ばすというのは、私は、それでみんながしゃきっとするなら、まだこの停止命令が出るまで、一番最初に停止命令が出るのは恐らく川内原発の来年の三月ということだと承知をしていますので、この一年、本気でこれをみんなで考える、考えるというか、考えてちゃんとアクションをとるという、これは活を入れるという意味ではありかなと、ちょっと前向きに私は捉えたいなと思っているんですが。
 きょう、町長からはちょっと違うんじゃないという感じですが、ちょっと私の申し上げたような趣旨からいえば、いかがでしょうか。
○野瀬参考人 確かに、まだ時間もありますので、規制委員会の中でもまだいろいろ審議といいますか議論を重ねていただいて、最終的にまた別の解があるのなら、それはそれでいいのかなと思います。
 活を入れるという部分の意図があったのであれば、それはそれで事業者にまたぴしっとしてもらうとか、いい意味での規制ということで、それは好意的には捉えたいんですが、何せきのうのきょうなものですから、ちょっと気持ちの整理がやはりそっちに傾いていますのでということでございます。
○足立委員 ありがとうございます。
 まさに、きのう更田委員長がおっしゃったことはもうとんでもないことで、とんでもないというのは別にネガティブばかりではないんですが、しかし、本当に言ったことをやっちゃえば、日本の原子力政策は大変なことになります。
 やはり、私は、とにかく初当選以来、原子力、原発については、ちゃんとやれるんだったらやったらいいけれども、ちゃんとできないんだったらもうやめるしかないという立場でずっと発言をしてきていますので、これは、先ほど申し上げたように、これを奇貨として、しっかりとこの一年、私も国会で暴れていきたい、こう思っています。
 最後、もう時間がありませんが、最終処分について。
 きょう、桑子先生いろいろおっしゃって、科学的特性マップ云々というのもまさに熱意を感じない、まあ、この委員会も余り熱意を感じないかもしれませんが。まさにこの科学的特性マップの現場というのはそうだと私も思います。
 やはり、最終処分の話をしっかり進めていこうと思えば、手続法をつくって、最終処分場が決まらないんだったら停止と。それこそテロ対策施設じゃなくて、最終処分場をこの日本の民主主義がしっかりと決め切れないのであれば、それは無理だ、原子力は。
 そういう、例えば、あるじゃないですか、都市計画、いろいろな手続法が。例えば、沖縄の米軍基地の問題は、安倍政権は、いろいろ障害があっても根性を入れてやっているわけですね。でも、最終処分場は腰が入っていないわけです。
 私は、やはり最終処分場についてももっとしっかりとした法律をつくって、法律がないんですよ、ちゃんとした法律が。ここまでに最終処分場の合意形成ができなければ原発がとまるというような、まさにテロ対策施設に係る炉規法のような、最終処分場に係る何かそういう停止法というか、要るんじゃないかと思いますが、どうですか。
○桑子参考人 テロは、本当に起きるかどうかわからない。ただ、東アジアの政治情勢で確率がゼロではないということで、そういうリスクマネジメントの観点からそういう判断だと思いますが、最終処分は、これは一〇〇%必ず来るんですね。いつ来るかということがとても大事だと思います。
 耐用年数、四十年から六十年という話がありますけれども、新規着工がない限り、今着工しても、六十年耐用年数だったら、六十五年後にはもう日本じゅう全ての原発が廃炉プロセスに入るわけですよね。そのときに、一体、廃棄される廃棄物の燃料をどうするのかということも含めて、今先生おっしゃったような国の方針というのをきちんと示すべきだというふうに思います。
○足立委員 時間が来ますが、野瀬町長、あと一つだけ。
 今あったように、私は、最終処分はやはり合意形成すべきだと思う。しかし、十万年の合意形成ができるかと。やはり高速炉等で有毒性を軽減させて、数百年にまで持って、まあ、それが技術的にできる、できないという議論はあるかもしれませんが、やはり今の十万年に係る合意形成ってちょっと難しいな、やはり高速炉が要るんじゃないか、こう思いますが、いかがですか。
○野瀬参考人 やはり解毒化といいますか、高速炉をつくって再処理をしていけば百年オーダーの半減期になりますので、そうすれば何となく先が見えた感がありますので、やはりそういったことにチャレンジしていくことは必要かと思います。
○足立委員 時間が来ましたので終わります。ありがとうございました。
○高木委員長 次に、井出庸生君。
○井出委員 井出庸生と申します。地元長野県です。きょうはよろしくお願いいたします。
 最初に田中参考人に、お話しありました国会事故調の収集された資料のことについて伺いたいのですが、これは、現在の外務大臣が二〇一三年三月に書かれたブログによりますと、国会事故調が調査のために収集した六十箱、この資料が、事故調の解散に伴って国会図書館の方で管理をしている、事故調の解散の前にその資料の今後の取扱いが決まらず、国会議員ですらその資料を閲覧することができない状態であると。
 ブログを見ますと、国会の方では当時の各党代表が非公式な議論をされているようなんですが、事故調の委員の中ですとか、事故調の委員の皆さんと国会の各党の代表ですとか、そうした場面で、この資料の取扱いについて当時議論があったのか、あればどのようなことがあったのか、ちょっと覚えている範囲で教えてください。
○田中参考人 そのこと自体も秘密なのかもしれないですけれども、私の記憶は、最後の、二〇一二年の七月の六日か五日に報告書を国会に提出しておりますけれども、その多分前後だったと思います。そのときに、事故調の委員が集まって、あと事務方の方も来ていたと思いますけれども、委員の中でどうするかという話をしたということで、そのときに国会議員の方々とお話をしたということは、それに関して、そういう話は、プロセスはなかったと思っています。
○井出委員 その報告書を出される直前の委員の皆さんと事務方とのやりとりというもの、少し、どの程度お話しいただけるのかわからないんですが、お話しいただける範囲で、何かヒントでもいただければと思いますが。
○田中参考人 その場に国会図書館の方だとか事務方の方はいたけれども、議論には加わっていないと思います。あくまでも十人の委員で議論したということです。
 それで、一つは目録をつくるかということが僕には印象があるんですけれども、目録をつくること自体、情報の開示に当たるというのが当時の何人かの先生方の意見だったと思います。
 だから、全く、六十箱なら六十箱にして、そこに何が入っているかもつくらないで、そのまま。それで、やるんだったら、どうしてもそれは国会事故調をつくった法律、国会事故調法ですね、その中の縛りでこうなっているんだから、今度それをあけるのも国会側だよという、そういうふうな御発言がたしか黒川委員長からあったと思います。
○井出委員 田嶋先生も少し委員長にお話をされていましたが、この河野外務大臣のブログによりますと、やはり、当時、議運、それから事故調とのカウンターパートであった両院合同協議会の幹事ですかね、そのあたりで議論をされているようでして、恐らく、今お話あったようなことを解決していくとなると、現在はやはり議院運営委員会にお願いをしなければいけないのかなと。
 ただ、特に、我々の委員会は個別の法案の審議も原則行いませんので、ただ、全体の委員会を見ますと、そうしたことを議運に申入れをすることができるとするのであれば当委員会かなと思いますので、少し頭の隅に置いておいていただければというふうに思います。
 そうしましたら、次に桑子先生にお話を伺います。
 先ほど少しお話がございましたが、アドバイザリー・ボードとして、きょう二度目、いらっしゃると。
 私、この国会からこの委員会に参加をさせていただきまして、アドバイザリー・ボードの皆さんの活動にも大変これから御期待をしたいな、御助言をいただきたいなと思っておるんですが、アドバイザリー・ボードの皆さんは我々の助言機関ということになっておりまして、その助言というものをどのように受けとめられて、今まで、回数が少ないというお話もありましたが、例えば、こんなことができた、本当はもう少しこういうことをできるんじゃないかと思っているけれどもこうだとか、その辺、アドバイザリー・ボードの活動に対して、少し自由に御意見をいただければと思います。
○桑子参考人 先ほど申しましたように、アドバイザリー・ボード、黒川先生の御依頼でメンバーに私もなりました。
 国会事故調のお話も伺いまして、関係の委員の先生方の大変な御努力の成果もありまして報告書が出たと。ただ、その報告書についてのその後がないということで、これは何とかしなければいけないということを努力された結果、このアドバイザリー・ボードの設置ということが決まったというふうに聞いております。
 ただ、今回のように、意見を述べさせていただきますけれども、何か意見を述べてくださいということで、きょう参っているわけですね。
 本来ならば、先生方から、こういうことについてはどうですか、アドバイザリー・ボードはどう思いますかというような御質問があって、私たちもそれぞれ専門が違ったりします、ただ、メンバーはとてもすばらしい方たちでありますので、そういう先生方とも議論しながら、深く深く掘り下げてお答えできるような仕組みになっていれば本当にいいんじゃないかなというふうに思っておりますので、回数のことも含めて、御検討いただければと思います。
○井出委員 前の委員の先生方に対するお答えも含めますと、少し、やはり回数については、従前以上にという思いがあられるのかなというふうに思います。
 アドバイザリー・ボードの皆さんは私どもに助言をしてくださる。ただ、残念ながら、現状として、時折国会に、きょうのように来ていただいてお話をされる。それは、この委員会の、例えばきょうの参考人質疑、ほかの委員会でも参考人質疑でありますし、私は、アドバイザリー・ボードというのであれば、もう少し我々が参考人以上に頻繁に御協力をいただかなければいけないなという思いがあるんです。
 実は、このアドバイザリー・ボードの皆さんと我々との当初の仕組みの中において、勉強会、委員会に来るだけでなく勉強会というような仕組みもあり、それからまた、アドバイザリー・ボードの先生方の御依頼があれば、委員会を通じて、国会図書館ですとかそういったものも御活用いただける、そういう仕組みを設立当初はつくったんですが、まだ勉強会はないと承知しておりますし、国会図書館とかもちょっと御活用いただいているのか、当初の制度設計とそれに対しての現状ということを、先生のお立場からも少しお話しいただければと思います。
○桑子参考人 今御指摘ございましたように、アドバイザリー・ボードの設置ということで、文書があります。ここにも、勉強会に出席し、意見陳述や委員からの質疑に対する応答を行うということもありますし、それから、国会図書館等への依頼が必要な場合においては、こちらの委員会から依頼を行っていただけるということでございますので、そういう機会、ぜひ設けていただければ、アドバイザリー・ボードの方でもいろいろ勉強会とかを検討できると思います。よろしくお願いいたします。
○井出委員 もう一つ、これはもう本当に肩の力を抜いて御答弁をいただきたいんですが、お支払いの問題というものがございまして、これは参考人の先生方と同じで、来ていただいたときの日当ですとか交通費ですとか、そういうものをお支払いしているというように聞いているんですが、言うなれば、多少手弁当的な、来ていただく際に当たっての御準備ですとか、それにかけた時間ですとか、そういうところはかなりボランティア的に御協力をいただいているのではないかと。
 私、これは先生方に限らないんですけれども、あらゆるもののよい仕組み、ボランティア的な仕組みというものは、立ち上げ当初、熱意のある皆さんにそういうことをお願いしたときは、その皆さんの熱意によって続くと思うんです。ただ、それが長続きをするには、やはりそこのところも忌憚なく言っていただいた方がいいと思うんですね。
 回数をふやす、それに対する我々への助言への何か準備、作業がふえる、そうであれば、そういうことを言っていただいた方が、この仕組みが長く続くと思いますし、より充実すると思いますが、その点についても、もう好きなように言っていただければと思います。
○桑子参考人 大変ありがたいお話だと思いますけれども、きょうのように好きな意見を述べてくださいということであれば、もう本当に、きょうのような、きょういただくような報酬で全然問題なくてボランティア的にできるんですけれども、例えば、勉強会でこういうことについて検討してください、報告書なり何かプロジェクト的なものをお任せいただくことであれば、私、法人組織でそういうふうに、例えば委員会に出るときはほとんどボランティア的にやっていますけれども、責任を背負って何か町づくりをやるときには、それなりの、そういう仕組みで報酬をいただいています。
 ですので、やるべき仕事に応じた内容を考えていただければ本当にありがたいと思います。
 ありがとうございます。
○井出委員 もう一点、具体的に伺いたいのですが、アドバイザリー・ボードの先生方は、こちらに来ていただくときに来ていただいてお話しいただいたことはあると思うんですけれども、何か先生方同士だけで集まって、こういうことをやってみたいねとか、アドバイザリー・ボードに選ばれたけれどもどうしようかとか、そんなようなことをお話しになったことというのは今までございますか。
○桑子参考人 アドバイザリー・ボードの設置当時、何回か集まって意見交換をしたことはありますけれども、その後、いつ呼ばれるんだろうねという感じでわかりませんでしたので、そういう機会は少なくなっております。
 ですので、そういう機会もできれば設けて、私たちの勉強の理解、問題の理解も深められればと思います。
○井出委員 最後に、少し大きな話を伺いたいんですが、今、プロジェクトをお任せいただければというようなお話も少しありました。ただ、設立当初の国会側の議論を見ますと、アドバイザリー・ボードというのは諮問機関ではなくて助言機関である、それはどうしてかというと、諮問機関という形にして諮問をすると答申をいただかなければいけない、それをこの委員会でどのように処理できるものなのかというのは多分御議論があったんじゃないのかなと思うんです。ただ、この委員会で何か一つの話題に取り組んで、報告書を出すですとか、一つ一つの課題に何か合意を見出していく、そのためにもっと密にお手伝いをいただくことは可能だと思っております。
 私は、この委員会の議事録を拝見しておりまして、大変さまざまな見地から先生方が、参考人や規制委員長に、それからまた東電にお話をして、その時々のチェックですとか、言うべきことを言っているな、言ってくださってきているなとこの委員会を評価する一方で、規制当局の監視をしていく、法案や、大臣を呼ばず、その分、弾力的にと。ただ、まだできてそんなに、ほかの委員会のような伝統はないわけですが、私としては、そういう一つ何か目的を持って取り組んでいくというような形もあってもいいんじゃないかなと、まだスタートして数年という段階ですから。
 その点、この委員会に思う先生の御期待というものを最後に少し伺っておきたいと思います。
○桑子参考人 まさに今先生おっしゃったように、この委員会とアドバイザリー・ボードの役割というか、これを議論しながら一体何を目指すのかということも含めて、一度勉強会を開催していくような運びになれば、そこでもいろいろな議論ができるのではないかと思います。
○井出委員 時間になりましたので、委員長、勉強会というお話がございましたが、終わりたいと思います。
 本当にきょうはありがとうございました。
○高木委員長 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。
 参考人各位におかれましては、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました。(拍手)
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後六時十三分散会