1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
昭和二十二年十二月五日(金曜日)
午前十一時二分開議
出席委員
委員長 小野 孝君
理事 田中 松月君 理事 山崎 道子君
理事 有田 二郎君 理事 大瀧亀代司君
太田 典禮君 中原 健次君
福田 昌子君 松谷天光光君
園田 直君 最上 英子君
降旗 徳弥君 近藤 鶴代君
榊原 亨君 村上 清治君
河野 金昇君
出席國務大臣
厚 生 大 臣 一松 定吉君
出席政府委員
厚生政務次官 金光 義邦君
厚生事務官 宮崎 太一君
厚 生 技 官 三木 行治君
厚 生 技 官 東 龍太郎君
委員外の出席者
議 員 庄司 一郎君
議 員 岡村利右衞門君
厚生事務官 久下 勝治君
厚生事務官 高田 浩是君
厚生事務官 木田 鐵郎君
厚生事務官 松崎 芳君
厚生事務官 高部 益男君
農 林 技 官 守田 英雄君
專門調査員 川井 章知君
―――――――――――――
十二月三日
あん摩、はり、きゆう、柔道整復等營業法案(
内閣提出)(第一三六號)
十二月四日
船員保險法の一部を改正する法律案(内閣提
出)(第一三四號)
十二月五日
矢田村所在國立藥草試驗場拂下の請願(松本眞
一君紹介)(第一三四七號)
國立療養所入院費患者負擔反對の請願(松谷天
光光君紹介)(第一三五四號)
鍼灸醫法制定に關する請願(河野金昇君紹介)
(第一三六二號)
遺家族援護に關する請願(齋藤晃君紹介)(第
一三六三號)
盲人に鍼灸業繼續許可の請願(齋藤晃君紹介)
(第一三八四號)
國立富山病院復興に關する請願(矢後嘉藏君外
二名紹介)(第一四〇七號)
中等學校教員の恩給増額の請願(松原一彦君紹
介)(第一四〇八號)
生活協同組合法制定の請願(門司亮君紹介)(
第一四二二號)
中等學校教員の恩給増額の請願(志賀健次郎君
外二名紹介)(第一四三八號)
恩給増額に關する請願(松本七郎君外一名紹
介)(第一四五九號)
生活協同組合法制定の請願(中原健次君紹介)
(第一四六三號)
國立療養所入院費患者負擔反對の請願(松谷天
光光君紹介)(第一四七三號)
戰爭犠牲者の援護に關する請願(豊澤豊雄君紹
介)(第一四九三號)
成年男女の身體檢査實施の請願(豊澤豊雄君紹
介)(第一四九四號)
療術師の權益確保に關する請願(加藤シヅエ君
紹介)(第一五〇九號)
引揚者の援護強化に關する請願(成田知巳君紹
介)(第一五二一號)
生活協同組合法制定反對の請願(有田二郎君外
八名紹介)(第一五二四號)
の審査を本委員會に付託された。
十二月四日
生活協同組合法案に關する陳情書
(第六〇八號)
生活協同組合法制定促進に關する陳情書
(第六一三號)
引揚者援護に關する陳情書
(第六二六號)
盲人鍼灸業等存續に關する陳情書外一件
(第六三二號)
生活協同組合法案反對に關する陳情書
(第六三三號)
國民健康保險制度の刷新強化竝びに國庫補助増
額に關する陳情書
(第六四八號)
臨時建築制限規則緩和に關する陳情書
(第六五三號)
生活保護法による扶助金金額國庫負擔に關する
陳情書
(第六六九號)
東北地方の水害罹災者救濟に關する陳情書
(第六七三號)
海外引揚者の家屋建設費補助に關する陳情書外
一件
(第六七七號)
海外引揚者援助に關する陳情書
(第六七九號)
住宅開放竝びに生業資金に關する陳情書
(
第六八三號)
生活協同組合法案反對の陳情書外一件
(第六
九四號)
水害罹災農家救濟に關する陳情書
(第七〇二號)
盲人の鍼灸業禁止反對の陳情書
(第七一四號)
を本委員會に送付された。
―――――――――――――
本日の會議に付した事件
食品衞生法案(内閣提出)(第一三二號)
醫藥部外品等取締法案(内閣提出、參議院送
付)(第一三三號)
船員保險法の一部を改正する法律案(内閣提
出)(第一三四號)
あん摩、はり、きゆう、柔道整復等營業法案(
内閣提出)(第一三六號)
一 老齡元軍人に恩給復活の請願(矢野庄太郎
君紹介)(第二號)
二 妊産婦に砂糖特配の請願(庄司一郎君紹
介)(第二八號)
三 妊産婦に味噌特配の請願(川越博君外一名
紹介)(第四〇號)
四 南方からの引揚齒科醫に開業許可の請願(
本田英作君紹介)(第二四五號)
五 國立療養所入院費患者負擔反對の請願(山
崎道子君紹介)(第二五四號)
六 柔道整復術取締規則の一部改正に關する請
願、(福田昌子君紹介)(第三〇六號)
七 青年禁酒法制定反對の請願外三件(細川八
十八君紹介)(第三七一號)
八 青年禁酒法制定の請願(相馬助治君紹介)
(第三八四號)
九 同(坂東幸太郎君紹介)(第三八五號)
一〇 青年禁酒法制定反對の請願(中野寅吉君紹
介)(第四〇七號)
一一 住宅營團經營住宅買上の請願(佐々木更三
君紹介)(第四七五號)
一二 結核豫防ワクチンB・O・G注射中止等の
請願(稻村順三君紹介)(第四八二號)
一三 青年禁酒法制定反對の請願(木下榮君外一
名紹介)(第五一〇號)
一四 同(岡田勢一君外一名紹介)(第五一一
號)一五 同(的場金右衞門君外一名紹介)(第五一
二號)
一六 同(酒井俊雄君紹介)(第五一三號)
一七 同(川野芳滿君外一名紹介)(第五一四
號)
一八 同(飯田義茂君外一名紹介)(第五一五
號)
一九 五大都市における結核療養所を市營に復元
の請願(門司亮君紹介)(第五二二號)
二〇 結婚問題の指導その他に關する請願(山下
春江君外二十六名紹介)(第六一一號)
二一 産兒制限に關する請願(加藤シヅエ君紹
介)(第六九一號)
二二 生活協同組合法案反對の請願外二件(佐々
木盛雄君紹介)(第七三四號)
二三 産兒制限に關する請願(武田キヨ君外二名
紹介)(第七七六號)
二四 石塚地方病院存置の請願(飯村泉君紹介)
(第八二九號)
二五 恩給増額に關する請願(古賀喜太郎君紹
介)(第八三〇號)
二六 鍼灸醫法制定に關する請願(淺沼稻次郎君
外二名紹介)(第八三七號)
二七 少年保護事業團體に對する委託補給費増額
の請願(磯崎貞序君紹介)(第八五五號)
二八 國立療養所入院費患者負擔反對の請願(竹
谷源太郎君紹介)(第八七二號)
二九 國立療養所高山莊の修理完成促進の請願(
岡村利右衞門君外一名紹介)(第八九八
號)
三〇 國立遺傳學研究所設置の請願(西山冨佐太
君紹介)(第九〇一號)
三一 生活協同組合法制定の請願(野溝勝君紹
介)(第九一八號)
三二 和歌山縣下朝熊部落の人權保障に關する請
願(田中松月君外二名紹介)(第九二八
號)
三三 大阪療養所を貝塚市に拂下の請願(平島良
一君外二名紹介)(第九四〇號)
三四 國立療養所入院費患者負擔反對の請願外三
件(庄司一郎君外一名紹介)(第九六〇
號)
三五 引揚者の住宅問題に關する請願(坂口主税
君外五名紹介)(第九七一號)
三六 國立療養所入院費患者負擔反對の請願(田
中松月君外三名紹介(第九九九號)
三七 治療師制度の改善に關する請願(岡田春夫
君紹介)(第一〇〇二號)
三八 國立療養所入院費患者負擔反對の請願(庄
司一郎君紹介)(第一〇三三號)
三九 中等學校教員の恩給増額の請願(志賀健次
郎君紹介)(第一〇六七號)
四〇 盲人に鍼灸業繼續許可の請願(山崎猛君紹
介)(第一〇七一號)
四一 恩給増額に關する請願(増田甲子七君紹
介)(第一〇七六號)
四二 恩給増額に關する請願(唐木田藤五郎君紹
介)(第一〇九四號)
四三 北海道民に燃料費補助の請願(坂東幸太郎
君紹介)(第一一〇三號)
四四 巡査の恩給増額に關する請願(志賀健次郎
君紹介)(第一一二六號)
四五 舊樺太廳假免許齒科醫師に内地開業許可の
請願(並木芳雄君紹介)(第一一三三號)
四六 伊勢崎市の庶民住宅建築費國庫補助その他
に關する請願(鈴木強平君外三名紹介)(
第一一三四號)
四七 竹田町綜合運動場設置費國庫補助の請願(
金光義邦君外六名紹介)(第一一四〇號)
四八 恩給増額に關する請願(志賀健次郎君紹
介)(第一一四三號)
四九 生活協同組合法案反對の請願(庄司一郎君
紹介)(第一一五九號)
五〇 國立療養所入院費患者負擔反對の請願(村
上清治君紹介)(第一一七八號)
五一 鍼灸マツサージ師法制定に關する請願(小
野孝君紹介)(第一一八一號)
五二 盲人に鍼灸業繼續許可の請願(佐々木秀世
君外三名紹介)(第一一八五號)
五三 驅蟲劑サントニン輸入の請願(福田昌子君
紹介)(第一二一七號)
五四 鍼灸マツサージ師法制定に關する請願(齋
藤晃君紹介)(第一二四一號)
五五 盲人に鍼灸業繼續許可の請願(森直次君紹
介)(第一二四三號)
五六 巡査の恩給増額に關する請願(志賀健次郎
君紹介)(第一二七七號)
五七 新潟縣中央病院及び柿崎病院を中頸城病院
に返還の請願(荊木一久君紹介)(第一二
七九號)
五八 引揚者の援護強化に關する請願(根本龍太
郎君紹介)(第一二九〇號)
五九 同(根本龍太郎君紹介)(第一二九六號)
六〇 引揚者の住宅建設の請願(根本龍太郎君紹
介)(第一二九八號)
六一 生活保護法による扶助金を全額國庫擔負の
請願(根本龍太郎君紹介)(第一三〇三
號)
六二 盲人に鍼灸業繼續許可の請願(生越三郎君
外一名紹介)(第一三〇四號)
六三 生活協同組合法制定の請願外十六件(中原
健次君紹介)(第一三〇六號)
六四 療術師の權益確保に關する請願(板東幸太
郎君外三十一名紹介)(第一三一一號)
六五 青森市に國立綜合病院設置の請願(山崎岩
男君紹介)(第一三一二號)
六六 生活協同組合法制定の請願外一件(中原健
次君紹介)(第一三一三號)
六七 盲人に鍼灸業繼續許可の請願(船田亭二君
紹介)(第一三二六號)
六八 同(小野孝君外一名紹介)(第一三二七
號)
一 兒童福祉増進に關する法令制度の陳情書
(第一號)
二 生活保護法による保護費の増額竝びに全額
國庫負擔に關する陳情書
(第二號)
三 現行社會保險制度の改善に關する陳情書
(第
三九號)
四 生活保護費の全額國庫負擔に關する陳情書
(第一三〇
號)
五 鍼灸醫法制定に關する陳情書
(第
一三五號)
六 住居法制定に關する陳情書
(第一四七號)
七 引揚者の住宅難緩和對策に關する陳情書
(第一九三號)
八 社會保險行政一元化に關する陳情書
(第一九七號)
九 海外引揚者の住宅難緩和に關する陳情書
(第二三二號)
一〇 宇多野療養所市營還元に關する陳情書
(第二三五號)
一一 生活協同組合法制定促進に關する陳情書外
一件
(第二四一號)
一二 伊東市に都結核療養所設置反對の陳情書
(第二五九號)
一三 消費組合法(生活協同組合法)制定促進の
陳情書
(第二七六
號)
一四 精神病院法の一部改正に關する陳情書
(第二八九
號)
一五 秋田縣水害に對する救濟に關する陳情書外
二百五十七件
(第三一一號)
一六 生活協同組合案に關する陳情書
(第三一九號)
一七 秋田縣水害に對する救濟の陳情書外三百三
十五件
(第三二八號)
一八 生活協同組合法實施反對に關する陳情書
(第三六一
號)
一九 生活協同組合法案に關する陳情書
(第三七
〇號)
二〇 生活保護法による生活困窮者救濟に關する
陳情書(第三
九六號)
二一 丸山隧道爆發による被害者救助に關する陳
情書(第四二六
號)
二二 生活協同組合法制定反對の陳情書外四十六
件
(第四四〇號)
二三 少年保護事業援助に關する陳情書
(
第四五七號)
二四 海外引揚者の住宅難緩和に關する陳情書
(第四八〇號)
二五 生活協同組合法案に關する陳情書
(第四八
五號)
二六 生活協同組合法制定反對の陳情書
(第四九四
號)
二七 國立療養所患者の生活擁護に關する陳情書
(第五〇二號)
二八 國立療養所栗生樂生園獄死事件に關する陳
情書
(第五〇三號)
二九 生活協同組合法制定促進に關する陳情書
(第五〇五號)
三〇 生活協同組合法案の提案撤囘に關する陳情
書(第
五〇九號)
三一 生活保護法による保護費の全額國庫負擔に
關する陳情書
(第五三〇號)
三二 治療師に對し試驗制實施その他に關する陳
情書
(第五三九號)
三三 建築物利用に關する陳情書
(第五四一號)
三四 井戸完備に關する陳情書
(第五五七號)
三五 巡囘醫療に關する陳情書
(第五五八號)
三六 公衆浴場に關する陳情書
(第五六〇號)
三七 耐乏生活實踐に關する陳情書
(第五六一號)
三八 生活協同組合法制定促進に關する陳情書
(第五八四號)
三九 住宅建設に關する陳情書
(第五九
二號)
四〇 盲人鍼灸業存續に關する陳情書
(第五九七號)
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/0
-
001・小野孝
○小野委員長 これより會議を開きます。
議事にはいるに先だちまして、專門調査員を御紹介申し上げます。前に本委員會において諸君の御了承を得て發令することになつておりました專門調査員川井章知君は、その後資格審査に手間どり、發令が遲れましたが、先般發令され、今日ここに見えておりますので御紹介申し上げます。
先般も申し上げましたように、川井章知君は東京の出身で、大正十四年東京帝大法學部を出て、その後官界に主として在住せられ、本年靜岡縣知事を退任された方であります。なお川井專門調査員から御挨拶のため發言を求められておりますから、これを許します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/1
-
002・川井章知
○川井專門調査員 ただいま御紹介をいただきました川井でございます。本日からこの委員會に勤めさしていただくことになりました。はなはだ淺學菲才でございまして、この調査員の大任を果し得るかどうか、まことに懸念にたえませんが、私といたしまして、できる限りのことをいたしたいと思います。よろしくお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/2
-
003・小野孝
○小野委員長 これより議事にはいります。本日の日程に書いてございませんが、船員保險法の一部を改正する法律案が本委員會に付託せられましたので、これを日程に繰入れて審議することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/3
-
004・小野孝
○小野委員長 御異議なしと認めまして、さよう決します。まず船員保險法の一部を改正する法律案及びあん摩、はり、きゆう、柔道整復等營業法案の二法律案につきまして政府より提案理由の説明を求めます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/4
-
005・金光義邦
○金光政府委員 ただいま議題となりましたあん摩、はり、きゆう、柔道整復等營業法案について、その提案の理由を説明いたします。あんま、はり、きゆう、柔道整復及び醫業類以行為に關する現行の法規でありますところの、明治四十四年内務省令第十號按摩術營業取締規則、明治四十四年内務省令第十一號鍼術灸術營業取締規則、昭和二十一年厚生省令第四十七號柔道整復術營業取締規則、昭和二十一年厚生省令第二十八號按摩術營業取締規則、鍼灸術營業取締規則及び柔道整復術營業取締規則の特例に關する省令、及び昭和二十二年厚生省令第十一號醫業類似行為ををなすことを業とする者の取締に關する省令は、何れも昭和二十二年法律第七十二號日本國憲法施行の際現に效力を有する命令の規定の效力等に關する法律第一條の規定によつて、本年十二月末日限りその效力を失いますので、右省令に代えて、あんま、はり、きゆう、柔道整復等の營業に關する法律を制定する必要があるのであります。これがこの法律案を提出する理由であります。以下この法律案の内容の大略を申し上げますと。
まづ第一にこれらの施術を業として行おうとする者は、必ず都道府縣知事の免許を受けなければならないこととし、かつ免許は公認の學校または養成施設を卒業した上、都道府縣知事の行う試驗に合格した者でなければ與えられないこととしております。これはいやしくも人體の疾病、健康に關する業務は、一定の學術技能を修めた者でなければこれを行い得ないものとすることが、保健衞生上絶對に必要であるからでありまして、從來とも同樣の免許制度をとつてまいつたのでありますが、この際免許を受ける資格の程度を從來よるも相當引上げまして、これらの者の素質の向上をはかることといたしたのであります。
第二に免許は一定の缺格條件に該當する者に對しては、これを與えないことといたしております。すなわち精神病にかかつている者には免許を與えないこととし、また傳染性疾患にかかつている者もしくは業務に關し、犯罪もしくは不正の行為があつた者等であつて、業務を行うに適しない者に對しては、同樣に免許を與えないこととして、直接間設に施術の内容及びこれらの者の素質の向上をはかつております。
第三に業務に關する規定としまして、これらの者は、外科手術、藥品の投與指示等の行為をしてはならないことを規定し、また、あんま師及び柔道整復師について一定の業務上の制限を付しております。また業務に關する廣告についても一定の制限を付しております。なお都道府縣知事は衞生上の必要に基いて、業務に關する必要な指示をなし、または施術者から必要な報告を提出させ、その他當該吏員に施術所の檢査をさせる等の措置をなし得ることとし、その業務の監督指導に遺憾なきを期しております。
第四にあんま、はり、きゆう等と異なり從來中央の法令においては、それ自體として正式に取上げられることなく、あるいは國民醫療法により取締りあるいは都道府縣令に基いて届出制度等により、適宜取ずりを行つておりましたいわゆる醫業類似行為ないし療術行為は、醫療衞生上種々の弊害も考えられますのみならず、在置の根據も乏しいと考へられますので、今後新規には一切認められないこととし、これを業として行うことはできないことといたしたのであります。
第五に關係業者、醫師、學識經驗者からなる諮問委員會を中央、地方に設けまして、學校養成施設の認定、その他業務上の指導監督につきまして、これを民主的に運營し、その適切妥當を期するため、重要な事項を調査審議させることといたしております。
以上が本案の骨子でありますが、なお從來これらの業務を行つておりました者の既得權とでも申すべきものを保護する等のための經過的措置としまして、從來の規則によつて免許を得た者についてはそのままこれを認め、また免許を得る資格のあつた者、または外地においてこれらの業務を行つていた者であつて、内地に引揚げた者等の免許に對しては、それぞれ一定の例外措置をなすこととしております。なお從來一定期間以上いわゆる醫業類似行為を業としていた者であつて、本法施行後必要な届出をした者は、本法施行後も一定期間内はその業務を行い得ることとし、これに對しては業務及び廣告の制限並びに衞生上の指示檢査等の監督指導、その他業務の停止禁止等の處置をなし得ることとしております。何とぞ御審議の上、可決せられるよう希望いたします。
次にただいま議題となりました船員保險法中改正法律案の提案理由を御説明申し上げます。
本改正法律案の趣旨は、船員保險法の改正によりまして、すなわち船員保險制度の中において、船員に對する失業保險ないし失業手當金制度を創設實施せんとする點にあるのでありまして、その目的が、船員が失業いたしました場合に、失業保險金または失業手當金を支給いたしまして、その生活の安定をはかるとともに、その運營にあたりまして、職業紹介機關と密接な連絡を保持することにより、失業船員に對しまして能う限り就職の機會を與えようとする點にありますことは、さきに本國會の御審議を經ました陸上勞働者に對する失業保險法及び失業手當法の目的とまつたく同樣であります。これを失業保險法、失業手當法から引き離しまして、本改正法律案により、船員保險制度の中に織り込んで實施いたしますのは、船員が海上勞務者として陸上勞働者と異なる特殊な勞働事情を有しており、船員保險制度は、かかる事情のもとにあり船員に對する總合的な、唯一の保險制度として從來實施運營され來つている點に鑑み、むしろその中に失業保險、失業手當の制度をも織り込むことの方が便宜ではないかと考えたからであります。
改正案の内容すなわち制度の内容につきましては、できるだけ陸上勞働者に對する失業保險ないし失業手當制度の内容に準じて立案いたしました。その概要を申し上げますと、
一、まず失業保險制度につきましては、(一)受給の要件といたしましては、改正法實施後六箇月以上船員保險の被保險者すなわち船員であつたこと及び離職後定期的に船員職業紹介または公共職業安定所に出頭して失業の認定を受けること。(二)支給日數は離職後一年の受給期間中において通算して百八十日。(三)支給日額は標準報酬日額の百分の八十ないし百分の四十の範圍内で定めた低額所得者には高率の、高額所得者には低率の額。(四)支給の方法は原則として一週間に一囘あて船員職業紹介所、公共職業安定所または都道府縣廳において支給することといたしました。(五)なお受給者が船員職業紹介所または公共職業安定所が紹介した適當な職につくことを、正常の理由なく拒んだ場合は、支給の制限をなし得ることとして、本制度が單なる失業救濟に終らざるよう留意いたしました。(六)次に本事業運營に要する費用につきましては、被保險者たる船員及び船員を使用する船舶所有者は、それぞれ毎月標準報酬月額の千分の十一に相當する保險料を負擔するとともに、國庫においては保險給付に要する費用の三分の一及び事務費を負擔することといたしました。なお本改正案におきましては、失業保險のみならず、船員保險全體の保險料を掲げました。
二、第二に失業手當制度につきましては、(一)受給の要件といたしましては、改正法實施後昭和二十三年四月三十日までに離職し、離職當時引續き六箇月以上船員であつたこと、及び離職後定期的に船員職業紹介所または公共職業安定所に出頭して、失業の認定を受けること。(二)支給日數は離職後一の受給期間中において通算して百二十日。(三)支給日額は標準報酬日額の百分の七十五ないし百分の三十五の範圍内で定めた低額所得者には高率の、高額所得者には低率の額、(四)支給の方法は失業保險金の場合と同樣、原則として一週間に一囘ずつ船袋職業紹介所、公共職業安定所または都道府縣廳において支給することといたしました。(五)また受給者が、職業紹介機關が紹介した適當な職につくことを正當の理由なく拒んだ場合には、失業保險金の場合と同樣の理由で失業手當金を支給しないことといたしました。(六)次に失業手當金支給に關する出費につきましては、國庫において全額負擔することといたしました。
三、以上申し上げましたほか、失業保險ないし失業手當制度實施に必要な船舶所有者または被保險者もしくは保險給付を受ける者に對する負擔規定、必要な罰則の改正等をいたしました。
以上改正法律案の大要を御説明申し上げたのでありますが、何とぞ御審議の上可決あらんことを御願い申し上げる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/5
-
006・小野孝
○小野委員長 ただいま提案理由の説明のありました船員保險法の一部を改正する法律案、あん摩、はり、きゆう、柔道整復等營業法案、この二つの法案のほかに、前會の委員會で提案理由の説明のありました食品衞生法案及び醫藥部外品等取締法案、この四件を議題といたしまして、審議を進めたいと思います。
それではこの通告者がちよつとお見えにまりませんから、その前に福田昌子さんから緊急質問が出ておりますので、これを許します。福田昌子さん。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/6
-
007・福田昌子
○福田(昌)委員 ただいま提案理由の御説明がありましたあん摩、はり、きゆう、柔道整復等營業法案に關する質問をいたしまする前に、ひとつ緊急質問を申し上げたいと思います。
醫療團の解散に關する質問でございます。本年の一月下旬であつたかと思うのでありますが、この醫療團の解散に關しますところの要綱がきまりまして以來、約十一箇月經つておりまするが、醫療團の現状を見ますると、ハツピイエンドに片づいた解決を認められつつおる病院というものは、ほとんどない現状でありまして、一般の醫療團の病院と申しますのは、その營業の主體がどこにあるかということに對しまして、非常に迷つておるのであります。そのために從業員というものは、だんだんやめていつておる現状にあります。從いまして病院の運營というものも非常におろそかになり、從つて患者に對しまするところの醫療措置というものも、非常にないがしろになつておるというのが今日の現状であります。醫療團を解體すると一口に言つておりながら、その經營の主體——病院に勤めており、病院の經營方針というものをきめないで、ただ漫然とした解體方針をとるということは、今日の醫療行政に對しまして、非常なる缺陷であります。そういう意味におきまして、私はまず第一番に、政府がこの醫療團の解體にあたつて、その經營の主體をどこにおかれておるかということに對しまして、御答辯願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/7
-
008・東龍太郎
○東政府委員 醫療團の解散が閣議の決定になりましてから、今日まで約一年に近い日子を經たことは仰せの通りであります。この間解散のことが決定いたしますと同時に、いろいろな意味で動揺もあり、不安もあつたことも事實であります。その點については醫療團の解散が事實となるまでの間も、また解散の法律が國會を通過いたしまして、解散が現實の問題となりました今日においても、その經營の主體は醫療團が解散の有無にかかわらず、醫療團本來の使命のために萬全の策を講ずるのが當然のことと存じます。從つて厚生省といたしましては、醫療團に對していわゆる監督の地位にありますものとして、今お話にありましたような公共醫療機關としての使命の達成に重大なる悪い影響のあることの起らないように、でき得る限り指導はいたしてきたのであります。從つて醫療團の一般病院の將來の經營主體が決定いたしますまで、そうしてその方に經營の主體が移りますまでは、依然として解散法人である醫療團がその責に任ずるものであります。しかしながら一方すでに醫療團の清算管理委員會も、委員の任命手續中でありまして、きわめて近日中にその第一囘の管理委員會を開きまして、移譲の根本方針を決定いたします。そうして新しい經營主體への移譲が決定いたしますれば、その財産の終局的處理の行われます以前においても、なるべく速やかに新しい經營體にその經營を醫療團から移しまして、新しいスタートをきることによつて、そこに多少なりともゆるみのありましたものに對しては、その起死囘生の實をあげたい、さように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/8
-
009・福田昌子
○福田(昌)委員 ただいまの御説明によりまして、一應經營の上のことは納得されたのでありますが、事實上におきまして、たとえば醫療團そのものが今日なお經營の主體であると申されましても、醫療團當局におきましては、もうすでに、解散するものであるから、これに對して積極的な行為というものを全然もつていないのでありまして、非常に無責任な態度をとるのであります。從つてその病院に勤めております人々は、今後の醫療團の病院の前途に對しまして寄りどころがない現状であります。醫療團當局にそれを申し上げても、厚生省の指示がなければ自分らの方ではどうすることもできない、厚生省に申し上げますと、それは醫療團自身が主團であるから醫療團できめてくれ、こういうのが、今日の現状であります。いろいろな方面にわたつてそれぞれ多くの悩みをもつておるのが、今日の醫療團の各病院であります。殊に大阪のある病院の一例を申し上げますと、これは上六病院の例でありますが、去る八月までは、この病院を今までの經營通りに、その經營の主體を移したとしても、その經營状態に對して、またその從業員に對して何らの不安を與えなくて、このまま醫療行為が續けられるようにするということを、大阪府の府廳は責任をとつておりながら、つい十一月の上旬になりまして、まつたく突發的に、命令的に、すぐやめてくれ、早く今月中に退職の意思を明らかにした者には職退資金を渡すけれども、そうでない者には退職資金も渡さないから、皆さんも退職資金を早くもらつてやめた方がいい。だから早くやめてくれ、こういうようなまつたく彈壓的な命令がきて、非常にその從業員一同は歎いているのであります。戰爭中ば澂用的に驅り立てて、その醫療團という病院を構成しながら、戰後の今日においては、まるですり切れたぞうりのごとく、自分の生活權も顧みられることなくして捨てられるということに對して、非常な不滿をもつているのであります。それに對してもその醫療團當局も、また大阪府廳も非常に冷淡でありまして、これに對する積極的な措置を何ら講じていないというのが、今日の上六病院に對する措置なのであります。私はこういうような病院がほかにもたくさん例があると思うのであります。そういう意味におきまして、この醫療團の解散にあたりましては、一應病院の經勞をその地方廳に委ねるといのが、最も賢明な策ではないかと考えるのであります。地方廳にその經勞を委ねるとなりますと、それに對する豫算というものが一番に問題になると思うのでございますが、それらに關しまして當局はいかなるお考えをおもちでいらつしやいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/9
-
010・東龍太郎
○東政府委員 醫療團當局の解散處置に對する熱意の缺除等についてのお話がございましたが、厚生省といたしましては、要するになるべく早くこの醫療團の病院の新しい行き先を決定して、速やかにそれに經營を移すということを實現いたすことが、當面の問題の解決の唯一の途だと存じております。今一應地方廳にその經營を移管してというお話もございましたが、豫算等の面についてすぐさま陳方應がそれを引受けられるかどうか、いろいろ疑義もございます。しかしながら全體の處理方針が都道府縣その他大都市において引受けてもらうことが本筋になつておりますので、すでに數箇の府縣とはその話合いもいたしておりますし、まだその評價等の點について後局的な約束は成立つておりませんが、しかしながらそれ以前において、すでに經營を府縣あるいは市等に移讓してもらいたいという申出もございます。さようなものについては速やかにその措置をとりたい。そのことも最近開かれます清算管理委員會において決定をしていただいて、その處置をとりたいと思つております。なお豫算等の措置についてのことでもありますが、地方財政決してゆたかでないことも存じておりますので、醫療團の病院を引受けますについては、そのための起債等の便宜が得られるように、内務省とも折衝中でありまして、ほぼその見透しがついておる次第でございます。なるべく早く新しい經營體にその經營を移管いたしまして、醫療業務に支障のないようにいたしたい。その方向に向つて私どもは最も力を注いておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/10
-
011・福田昌子
○福田(昌)委員 醫療團の病院の經營の前途、またその經營の移讓というものに對して、大體政府の方針はどれだけの線をおもちなんでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/11
-
012・東龍太郎
○東政府委員 厚生省といたしまして、醫療團の將來の病院の經營に對してもつておりまする考えといいますか、その方針は、醫療制度審議會において決行を見ましたその線に沿つてまいつております。すなわち、結核設施のことは申し上げません。一般病院につきましてはいろいろな種類のものがございますが、純粹に醫療團の所有になつております病院につきましては、それが公共的な醫療機關として存置を必要とし、また存置し得る状態にありますものは、これを一括して都道府縣もしくは大都市に新しく經營を委ねる。萬一それらの府縣等が財政的もしくはプロフエツシヨナルの能力において、病院經營の能力において、公共醫療機關としてそれを存續し得ないということが明らかな府縣につきましては、これを國において一應經營をしていく。この二つの道を考えまして折衝をいたしておりますが、ただいままで折衝をいたしました府縣におきましては、いずれもこれを縣に委讓して、すなわち縣營として一括經營することを希望いたしておりますので、おそらく大部分のものはさような形で都府縣、あるいは大都市等にその經營が移るものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/12
-
013・福田昌子
○福田(昌)委員 次に醫療團の病院に勤めておられる醫者及び看護婦の方々の待遇に關する質問でございまするが、國立の病院に比べましても、非常に醫療團の病院は今日におきましては待遇が悪いのであります。またその看護婦などに對しまするところの食糧事情も、非常に他の病院と比べましてその状態が悪く、農業會あたりの病院に比しますると、まるで待遇條件は三分の一であり、また給食のカロリーの非常に低いのであります。これらの待遇に對しまして政府はどういうお考えでいらつしやいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/13
-
014・東龍太郎
○東政府委員 ただいままで醫療團における一般病院につきましては、政府の方といたしましては直接に補助等の措置は何も講じておりません。これは醫療團設立當初からの方針でありまして、結核療養所につきましては國庫の補助金が出ておりますが、一般病院につきましては醫療團の一般病院全部を一つのプールとして醫療團において經營いたしておりますので、その財政状態の變動によつて、いろいろと待遇等の上にも難點があつたということは承知いたしておりますが、厚生省といたしましては、それに向つては直接には何かの措置を講じておりません。ただしかしながらいろいろな經濟面において、あるいは融資とか金融の面について、醫療團の方からあるいは職員組合等の方かの希望があり、懇請があり、陳情がありました場合に、厚生省といたしましてできます限りの援助をいたしておりますが、直接には何らかの補助をいたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/14
-
015・福田昌子
○福田(昌)委員 醫療團の病院と申しますのは、これは今日の現状からみますると、できました場所が非常に邊鄙なところに建つておる病院が多いという關係もあり、黒字を出しておる病院がわりに少いのでありまして、赤字の病院が非常に多い現情であるだろうと思います。そういう病院を何らの國庫補助なくして經營を任せてやるということになりますと、それはその從業員の待遇が悪いのも當然でありまして、もし政府がこういうことをすでにお氣づきでありますならば、私が申し上げま前に、從業員に對しまするところの待遇というものをまず第一に取上げて、何らかの措置を御考慮あるべきではないかと私は思います。今日のこの從業員は、まつたく非常な苦境にあるのでありまして、そのために從業員はどんどんやめていつております。ですから人數の上からいきましても、約三分の一の從業員はすでにやめております。從いまして病院の運營は半ば麻痺状態に立至つておるわけでありますから、もし日本の今日の醫療行政に對して、最も關心をもち、向上をはかろうというお考えがございましたならば、こういう病院に勤めておる人たちをやめることなく、安んじて病院に勤務し、今日の自分らの業務を完全に果すことができるだけの待遇をしてやるようにしなければならないと思います。そういう意味におきまして、醫療團に勤めておる人に約一年間にもわたつて、非常に不安な氣持を起させることがないように、もう少し速やかにこの醫療團の解散にあたるところの措置を即刻に、緊急におきめになつていただきたいと思います。それと同時に國庫の補助に關しまして、もつと大幅の關心をこれに對しておもちいただきたい、かように私は希望するものであります。なお醫療團の解體にあたりまして、これを他に委讓しまする場合のいろいろな機具、建物に對するところの見積りというものは、何を見當にしてなさるのでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/15
-
016・東龍太郎
○東政府委員 醫療團の病院を委讓いたしまする場合の評價基準のことに對するお尋ねと思いますが、醫療團がそれらを醫療團の財産といたしましたときの、いわゆる帳簿價格が明確にわかつておるはずであります。それをもとにしまするが、帳簿價格をもつて見積るという考えはないのでありまして、昭和何年何月にこれこれの價値のあつたものだということはわかつておりますので、それからの經過年數、あるいはまた醫療團がそれを自分の財産といたしまして以後、そのものに對して加えましたいろいろな修繕その他財産の増がありましようし、あるいはまたいろいろな災害等によりまして財産としての價値の減耗もございましよう。それらのものを個々について考慮いたしました上で、適當な評價基準を求めたい。全體といたしましては醫療團は解散にあたりまして決して利益を見積る必要はないのであります。がしかしながらまたその財産の處理によつて醫療團が破産に陷るということは、これは絶對にあつてはならないことでありまして、破産に陷りません節圍内において、なるべく高くない價格をもつてこれを讓り渡したい。さように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/16
-
017・小野孝
○小野委員長 よろしゆうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/17
-
018・福田昌子
○福田(昌)委員 もう一つ、すみません。先ほどの御説明では第一でき得べくんば地方廳にその經營を委ねたいというような御説明がございまして、もし地方廳がそれを受入れるだけの財源がなければいたし方がない、こういうような御説明でございましたが、ただいたし方がないという御説明だけでなくして、これに對して政府としては何か積極的なお考えをおもちでないでございましようか。たとえば低利資金の貸付とか、あるいは病院をそのまま、一廳それに類したような何らか積極的なお考えではないでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/18
-
019・東龍太郎
○東政府委員 地方廳がそれを引受けられないからといつて、どうしてもいい。言いかえればどこかなるべく高いところへ叩き賣つてしまおうというようなことは決して考えておりませんで、その病院があくまでも公共的な醫療機關として在立いたすべきものであるととたしますれば、地方廳がかりに新しい經營者としてそれなりに得ないという場合においては、その個々の問題につきまして十分考慮いたします。たとえば場合によりましては、それを一時國において引受けますとか、あるいはまたその他の方法を考えますとか、いずれにしても公共醫療機關としての機能が消失しないような最善の方法を考えたいと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/19
-
020・福田昌子
○福田(昌)委員 私といたしましては最後に次の三つの點を希望いたしたいと思うのでございます。醫療團の解體と對しまして政府側が非常に遲々としてその態度をおきめにならないということに對して非常な不滿をもつておりまするから、可及的速やかにこの醫療團の解體に對する病院の措置というものを積極的にきめていただきたい。それに對しまして私の考えといたしましては、その經營の主體を、それから先のことは問わず、一應は地方廳に委ねるという方針をとつていただきたい。あるいはそこに勤めておりますところの醫師、看護婦その他の一般從業員に對しますところの待遇を、少くとも世間並の待遇をしていただくように、待遇改善に關する國庫補助というものをお考えいただきたい。さらに私は、今日ありますところの醫療團の病院そのものがつぶれることがないように、今後やめる病院がないように、それを防止する策をとつていただきたい。そうして今日あるところの病院そのものを、今後も經營できるような状態にしていただいて、日本の醫療行政に對しましては、こういつたような病院が十分に働き得るような措置をとつていただきたい。この三つの點を希望いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/20
-
021・小野孝
○小野委員長 有田二郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/21
-
022・有田二郎
○有田委員 本日議題になつておりまする醫藥部外品等取締法案につきまして、衞生綿が漏れておりまするが、この衞生綿は婦人にとりまして重大なる問題であります。この問題につきまして、當局はどういうお考えでありますか、伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/22
-
023・東龍太郎
○東政府委員 衞生綿が醫藥部品に漏れておるということでございますが、これにつきましては、衞生綿と脱脂綿と規格がわかれるわけでありますが、藥事業によりまして、脱脂綿と衞生綿という上下に二つの規格というふうなものにでもいたしまして、醫藥部外品としてではなく、藥事法による取締りによりまして、この衞生綿を處理してゆきたい、さように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/23
-
024・小野孝
○小野委員長 田中松月君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/24
-
025・田中松月
○田中(松)委員 法案も今朝いただいたばかりで、まだ十分吟味いたしておりませんので、あるいは的はずれなお尋ねをするかもしれませんが、その點御了承願います。このあんま、はり、きゆう、柔道整復術その他の一連の案件につきましては、法案を審議する上に、ただ單に醫學上の問題についていろいろ研鑚する以外に、大きな社會問題として考慮を拂わなければならない案件でございまして、この點については、政府當局も、あるいは委員長初め各厚生委員の皆さんも、あらゆる方面からいろいろの陳情請願を受けておられることでございましようが、大きな社會問題になつたことで、延いてはその間にいろいろの揣摩憶測というようなものもありまして、場合によつては厚生委員會全體の名譽に關するような妙なデマも飛んだこともございまして、私ども迷惑しておる點もございます。こういう點につきましては、この際はつきり世間の疑惑を解くようにしておきたいと思うのであります。お斷り申し上げておきますが、私はまつたく醫學の問題については素人でございまして、私が今お尋ね申し上げることは、いわゆるその道の研究をされた方々から見られると、あるいは矛盾いたことを申し上げるかも知れないし、あるいは醫學上の問題に對してまつたく何らの知識もないような點が指摘されるようなことが多いと思いますけれども、私どもは、ただ單にこれを醫學上の問題としてでなしに、關連した大きな社會問題として考えたいのでございますから、そういう點も含んでお尋ねをしたいので、當局といたしはいてもそのお含みで御答辨をお願いしたいと思うのでございます。
まず試驗制度についてでありますが、この試驗制度につきまして、法案をちよつと今目を通しただけでありますから、あるいはあとでよく調べてみると納得がいくかもわかりませんが、試驗制度にするというのでありますが、その試驗の制度について、たとえば昔から、あんま、はり、きゆう、というようなものは、何もそういう法案はなくても、世間的にみますと、目の悪い人たちの專業のようなぐあいに見られておりました。現に全國の盲唖學校では例外なくあんま、はり、きゆう、というようなことを教えておるようでありますし、ほとんど目の悪い人たちはあんま、はり、きゆう、というような職で生活を立てておいでになる方々が大部分である。もし試験制度によりまして、そういう人たちが試験に通らないというようなことで失職するというようなことがあつては、これはたいへんなことになると思うのです。もちろん人髓生命に關することでありますから、職業のために危險なことをやらせるということは考えなければなりませんけれども、私ども今日までの常識から考えてみますと、それほど、はり、きゆう、というようなことが弊害があるようには考えられません。醫學上からいたしますと、これは何も醫學上の根據がない、科學的な根據がないという御指摘をされておるようでありますけれども、この點につきましても、たとえば、もう全國どこへ行つても醫者のない村はない、そうしていつでも治療を受けたい、醫者にかかりたいときにはすぐに醫者にかかれるというような状態になつたときには、また別個に考えなければなりませんけれども、今日におきましては、全國に醫者のいない村も相當にありますし、また、實際醫者にかかりたいと思いましても、遠方であつたり、あるいは、そばにありましても相當高額の治療費を要するために、ついしきいが高くなるというようなこともありますし、そういう場合に、このはり、きゆう、というようなものは、昔からごく手近かに、しかも治療費の方から申しますと、たれでもが負擔できるような輕い料金で治療を受けられる。そうして、その結果しいたしましても、場合によるとお醫者で治らなかつたことがそういう方面で治るとか、日本の氣候風土の關係で特に多い神經痛というようなものは、むしろこつちの方がいいというようなぐあいで、非常に民間の方ではなつかしまれておる治療法でございます。そういう治療法を長い間私どもが受けた感じからいたしましては、いい方にはいろいろな結果であつても、特にそれが悪かつたというようなことはあまり聞いておらぬのであります。そうすると、そういう民間になつかしまれており、しかも社會問題として考えると、全國何萬の目の悪い人たちに職を與えておる、これが試險制度によつて將来ぴしやつと押えつけられることになると、治療を受ける民間の方も困るし、それによつて職をもつておいでになつた盲人の方も由々しい問題になつてくる。そこで今度課せられる試驗というものが、もちろん百人が百人通るような試驗にするということも考えものでございますけれども、眼の悪い人であつても、勉強しさえすれば當然百人のうち九十人までは通るというような試驗でございましようか、それとも百人受けても二十人か三十人、よほどのものでなければ通らないというような高度の試驗になるのでございましようか、その點お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/25
-
026・東龍太郎
○東政府委員 ただいまの御質問の趣旨は、私どもにおきましても十分愼重に考えてまいつたのでございます。本國會にかような法案を提案いたして審議をお願いいたしておりますそのいきさつにつきましては、すでに一應委員會の席でも申し上げたと存じますので、時間の關係上割愛させていただきますが、要するにこの法案のねらいといたしておりますところは、人の疾病、健康等に重大な關係のある術を施す業についてのものでありますので、それに相當の學術技能を要することは、申すまでもありません。從來も試驗の制度でやつておりましたが、從來の試驗制度よりはその全體の程度が上りますことは事實であります。しかしながらただいまお尋ねになりましたように、よほどの技能確實な持主でなければ突破できないという、文字通りの難關を設けようというのではないのでありまして、むしろねらいは試驗を受けるまでに至る素養と教養を高めようというところにあるのでございます。從つてこのいわゆる中學校な基礎教育を受けましたのちに、あんまについては二年、鍼灸については四年というその特別の技能に對する學術と技術の修練を經まして、試驗を受けるのでありますが、從つてこれら正規の修業をせられた人々にとりましては、當然その試驗に及第し得る程度のものと考えております。すなわち試驗そのものによつて、いわゆる狹き門を築くつもりではないのでありまして、廣き門でありますが、その門がただいまよりはやや高きところにあるということを趣旨といたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/26
-
027・田中松月
○田中(松)委員 次に第四條、第五條の主として柔道整復術のことに關連してでありますが、第四條によりますると、外科手術を行つたり、藥品を與えたりしてはいけないということになつておりますが、脱臼したとか骨が折れたという場合に、俗にいう骨接ぎの仕事をすることは、ちよつと考えてみると、外科手術のような氣がしますが、そうしてその上にこうやくでも張つてやるということまで第四條によると禁止せられることになると、その骨接師の仕事そのものを否定したようなかつこうになつてしまいますが、一應この法案では柔道整復等も認めることになつておる、そうして内容としては外科手術を行つてはならない、藥品を投與していけぬというのでございますから、こうやくも張つてはならないかつこうになりましようが、そうするとどうも整復、いわゆる骨接ぎの仕事はなくなつてしまうような氣がいたします。もちろん文字通りの解釋をいたしますと、柔道整復というのであります、から、腹を整える、さういうような意味かもしれませんが、世間一般では骨接ぎと解釋しておりますが、骨接ぎといたしますとこれは骨の折れたところを接いでこうやくを張るというようなこと、これを許さなければ、全くそれを許さぬかつこうになりますが、その次の第五條では、骨折の患部の手術をしてはならない、但し柔道整復師が應急の手當をする場合はこの限りではない、こういうことになつておりますが、そうしますと、今申し上げまするどの程度をやつてよいのか、どの程度がいけないのか、そうしてまた根本的にいいますと、全く骨接ぎそのものを否定すねようにも見受けられますが、この點について御説明をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/27
-
028・東龍太郎
○東政府委員 第四條、第五條についての御質問がございましたが、決して接骨の施術をできないようにするとは考えておりません。なおこの法案は大體において現行の營業取締規則がそのまま經繼されることを骨子といたしておりますので、ただいままで柔道整復として行われておりましたものは、ほぼ全部行われておりましたものは、ほぼ全部行われるわけでありますが、ただいまの外科手術の問題でありますが、これはなるほど脱臼を直すこともあるいは應急的に骨折部に手當をすることも外科的手術には相違ございませんが、ここに申しております外科手術と申しますのは、いわゆる血を見るような手術、看血的な手術という言葉も使われておりますが、外科醫者がメスをもつてするような手術を申しておるのでありまして、つまり醫者のやることを接骨師がやることはよろしくない、藥を投與して治療させますこともこれは醫業として醫師にのみ許されておる行為の範圍でありますので、お醫者さん以外にやることでないということでございます。從つて應急の場合には即坐に今の接骨師に必要な手當ができることになつておりますが、醫師の同意を得た上であれば脱臼あるいは骨折等の患部にも手術はできることになつております。すなわち外科手術は、決して簡単に行われますような、そういう手當をも含めておるというのではございません。純然たる觀血的外科手術という意味でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/28
-
029・田中松月
○田中(松)委員 第十九條、いわゆる第一條に掲げる以外の醫療類似行為の點についてでありますが、これにつきまして、これも専門的なことはわかりませんが、胸部疾患の場合、あるいは關節炎、骨折の場合、レントゲンで寫眞をとりますが、あのレントゲンというのは、私どもは簡単に考えて、すぐに胸をみてくれ、あるいは子供が骨折して場合には、一番に寫眞をとつてもらおうというようなぐあいで、重實がつてお願いしておりましたが、最近ある方面の話を聞きますると、あのレントゲンというものは非常に影響力の多い、いわゆる今日世界の大問題になつておる原子爆彈のあれに類するような光線とあまり變らぬような光線だそうですが、それほど大きな影響力をもつておる放射線の操作を行う人たちが、今のところでは何でも器用な者であつたら、まつたく何らそういう問題に對して講習も、あるいは正規の教育も受けていないような者でも、白い上つぱりを着ると、すぐにハンドルをまわしてジャーとかけるというようなかつこうになつておることを聞いて、私はびつくりしたのでございますが、そういうものこそ相當嚴重なる、高度の試驗制度にして、この人に扱わしたらまつたく危驗はないというぐあいに、吟味しなければならぬように私ども素人で考えるのですが、現行におきましてはそれほど大きな仕事をしておる人が、器用な者がだれでもハンドルをまわすというようなかつこうになつておるということを聞きまするが、この點について一體どうなつておりまするか、私ども素人の考えでは、そういうものこそ高度の試驗制度をやつて、相當の放射線技師とか何とかいうような肩書のある、信頼のできる者にのみ限つてやらすベきことじやないかと思いますが、この點についてお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/29
-
030・東龍太郎
○東政府委員 X線そのものの人體に對する危驗性につきましては仰せの通りでございますが、現在放射線の技術者が働いておりますのは、すべて醫師の監督のもと、醫師の指導のもと、醫師がいわゆる處方を出して、その醫師の處方に基いて行うというのでありますから、その技術者それ自身の獨自の見解によつて危險を冒させるような施術はしていないはずであります。すべて醫師が放射線を照射いたしますことについての監督と指導の責任をもつておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/30
-
031・田中松月
○田中(松)委員 御説の通りであつたら私はこういうお尋ねはいたしませんが、私もう肉身の者だけでもすでに數人の者が數十囘にわたつてレントゲン寫眞をとつておりますが、今おつしやるところを聞くと、醫者が監督をするように言われるけれども、もちろん表面監督することにはなつておりましようが、レントゲンの寫眞をとる部屋にはお醫者はおいでたことはまつたく一遍もございません。皆その技術者が數十囘だけがみんな例外であつて、そのほかの場合は全部堪能なるお醫者さんが監督をしておるのだつたら何でございますが、實際にそういうことにはなつておらぬのでございます。それで私は今申し上げるようなことをお尋ねせずにおれなかつたので、それを聽いてからというものは、もうちよつとレントゲンにかかるということは恐ろしゆうなつて、足踏みしておるようなかつこうでございますが、それはいわゆるこういうぐあいにやれというような程度の、前に教えてもろうておけば、その通りやりさえすれば危險はないものでございましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/31
-
032・東龍太郎
○東政府委員 今のお言葉によりますと、レントゲン寫眞をとる囘數が多かつたように思いますが、これなどにつきましては、技術そのものとしてはきわめて簡單なものでありまして、一定の方式と規格によりまして簡單に、危險なくX光線の寫眞をとることができるのであります。ただしかしながらただいまのように數十囘というようなお話もございましたが、その囘數につきましては、あまりにたび重なれば、そこに危險のあることば明らかであります。その點につきましては醫師が十分に注意もし、監督もいたしておるはずであります。しかし寫眞をとりますその事柄につきましては、一定の技術を習得しておりますならば、決して危險なく操作ができるものと信じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/32
-
033・田中松月
○田中(松)委員 これも第十九條等に關連する醫療類似行為のことでございます。もちろん最初におことわり申し上げた通り、私は醫學上の知識は何らない者でございますが、實際の經驗の上から、たとえば電波を身體に通ずる、それによつてあるいは齒痛であるとか、乳腺炎であるとか、胃痙攣であるとか、特に今日世間でもてあましておるような慢性の淋病であるとか、淋毒性の關節炎であるとか、第四性病とかいうような、もちろんお醫者の力で治らぬことはございますまいが、治療費なんとかとにらみ合せまして、今日多くの人にはもうちよつと絶望的な病氣とも言われるようなものが、ごく安い料金でもつて、事實上ほんとうに治るというような民間における醫療類似行為というものがいくらもあるようでございます。もちろん科學的には根據がない。醫學上から見たら危險だと言われても、それをやつて多くの人たちが治るというような、社會的に見て非常によいようなことであつたなら、私どもはこういうものは殘しておきたい、こういうぐあいに考えておりますが、提案理由の説明のときにもございましたので、今日はこういう點について深くお尋ねをし、審議をする機會はありませんので、後日こういう問題については、私どもは厚生委員會獨自の立場からひとつ考えてみたいと考えておりますが、それにつきまして今まであんま、はり、きゆう治、柔道整復術というものは省令で認められておつたが、そのほかのものは省令で認めないのですから、省令で認めてないものには免許制もあるはずがないのですが、そうすると第十九條の「醫業類似行為を業としている者であつて、この法律施行の日から三箇月以内に省令の定める事項につき都道府縣知事の届け出た者は」傳々とございますが、この點どういうぐあいになつておりましようか。省令にないのだから免許制もないはず、免許制でなかつたならば、今まで日陰でやつておつたような者でも届け出るならいいというかつこうになるのでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/33
-
034・久下勝次
○久下説明員 私からお答え申し上げます。醫業類似行為については、從來大部分が都道府縣において、それぞれ都道府縣令を制定公布しておりました。それによつて、届出によつてその業をやることが認められておつたのであります。なおこれを本年の七月の初めに一括して省令に根據を置き得るようにいたしまして、それぞれの府縣令は簡單なる厚生省令に基いて出されておるという形式を整えまして、今日に至つておるのであります。さような法律的な關係もございまして、この問題は單なる事實上の行為として行われておるというのではございませんので、今申し上げましたような形式において、法律的にも認められて、やつておる。こういうふうに考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/34
-
035・田中松月
○田中(松)委員 醫師法と齒科醫師法というものは、素人目で見ますと、どつちも國家試驗によつて、ああいう法律でできておるのでございますから、これこそ一緒にしてもよさそうなものでありますが、あれもやはり醫師法と齒科醫師法と別個になつております。あの肇法から行きますと、この際、あんま、はり、きゆう、柔道整復というものはそれぞれ別個の法律として獨立さすべきではないか。これが一緒でいいなら、醫師法と齒科醫師法も一緒でいいのではないか。こういう氣がいたしまするが、この點については今日は深く私ども審議をいたしません。當局の御意見だけ承つておいて、次の國會においてでも、根本的に厚生委員會獨自の立場から研究していきたいと思いますが、今はこの問題を別々にされないか一本の方がいいか、その點について御意見を承りたいのでございます。
それからこれは委員長にひとつお願いがありますが、實は最初に申しました通り、あんま、はり、きゆう、柔道整復の問題が非常に社會問題として大きく取上げられました關係で、いろいろ妙なデマが飛んだりして、委員長氣がついておいでにならないかしりませんが、私は委員長の名前の出ておる新聞、私の名前の出ておる新聞なんかを突きつけられて、詰問を受けたことがございます。何かあんま、はり、きゆう、柔道整復というものが今度全面的に禁止されるのではないか、それを何とかして通してやりたいから、そうするためには運動資金が要るから、金を持つてこいということで、各方面でそういうぐあいに運動資金と稱して金を集めた。もちろんこういう場合に、業者の方々が陳情されるという場合に費用が要ります。だからそういう費用を業者の人たちが醵出し合うということは、何ら違法ではございませんし、當然あり得べきことであつて、そんなことについては私ども何とも申し上げるのではありませんが、少くともこの法案を通すにあたつて、政府當局あるいは衆參兩議員、特に厚生委員を何とかしなければならぬというようなうわさでも飛んでおつたとするならば、これは厚生委員會、國會全體に對する權威の問題でございますから、この際まつたくわれわれはいろいろ陳情、請願は受けたけれども、物的にそういうことを要求したこともなく、またもつてこられたのを受けたこともないということを、何かの機會にはつきり委員長からしておいていただきたい。もう一つは、大分請願もしてみたけれども、一向われわれが考えるほど議員は努力してくれなかつた、こういうことも流布されたようでございますが、實はよそは知りませんけれども、この厚生委員會においては、陳情、請願を受けた各委員は、みな同じようにこの問題について寄り寄り協議をいたしますし、相談をいたしまして、特に委員長を通じては某方面には再々努力を願つた。こういうぐあいに表にわれわれは、こうした、ああしたという宣傳こそしなかつたけれども、事實われわれでできる限りのことはいたしました。これはなにも頼まれたからしたのではございません。われわれはこうすることが當然だという建前からやつた。そういうことが表に現われないために、あるいは金の問題と絡んでみたり、あるいは議員としての職責をサボつたのじやないかというようなうわさが飛んだりいたしまして、非常に迷惑を感じたこともございますので、これは委員長において、しかるべき機會に明らかにしておいていただきたいと思います。以上をもつて私の質問を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/35
-
036・東龍太郎
○東政府委員 ただいまの最後の方の問題でありますが、不幸にして私自身も某地におきまして、業者の代表の方方から、さような風説がある、それで政府を動かすために多大の努力が拂われておつて、その中には物質的な面もある、というふうなことまで聞いたことがございますが、その席上でも私は色をなして實は返答したのでありますが、今囘のこの法案制定に至りますまでの經過は、もはや繰返しては申し上げませんが、まことに困難な道であつたのであります。從つて私どもといたしましては、この問題が社會全般に與える重大性を考えまして、われわれとして能う限り愼重に、しがしながらでき得る限り各方面への影響を考慮して行動してまいつたつもりでありまして、その間いろいろな忌わしいうわさを立てられたような事柄は、當然ではありますが、絶對にいたしておりません。少くとも私どもは公務員といたしましての責任と自覺のもとに、そうして私自身といたしましては、みずからの學問に對する誠意と、學者としての良心に恥じるような行動は絶對にいたしておりません。またその話の節には國會關係の方々にまで御迷惑を及ぼすようなうわさも聞きましたが、それに對しましても私は強く私の考えを申しまして、絶對にさようなことはないと否定はいたしました。ただいま田中委員のお話のようなうわさは、たとえうわさとしても、さようなことが立つたことはまとに遺憾でございますし、また參衆兩議員の方々に對しては非常に御迷惑であつたことと存じます。もしさようなうわさが厚生省當局、私どもの言動の中から産み出されたものといたしましたならばまことに不徳のいたすところであります。しかしながら厚生省の私どもといたしましては、いかなる方面から、またいかなる方向から觀察批判をいただきましても、一片のやましいところもないことだけをこの席で申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/36
-
037・小野孝
○小野委員長 ちよつと速記を止めてください。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/37
-
038・小野孝
○小野委員長 速記を始めてください。太田典禮君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/38
-
039・太田典禮
○太田委員 あんま、はり、きゆう、柔道整復術は、明治四十四年の取締規則には甲種と乙種とがございましたが、今度これが一本になつておるのは、おそらく水準を上げようという意圖だと思います。しかしさいぜん田中さんの質問もありましたように、盲人の中には課程を受けてもなかなか免状がとりにくいような人ができるというようなこともあろうと思いますし、何とかあんまだけでもいいから乙種をおいて、簡易な試驗もやるということができないであろうか。ちよつとそれをお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/39
-
040・東龍太郎
○東政府委員 仰せの通り從來甲乙二種がございます。今度の法にそれを一樣に扱つておりますのは、お話の通り資質の向上という點にあるのであります。しかしながらあんまにつきましては他のはり、きゆうよりも實地の修業年限と申しますか、これが二年ということにいたしておりますので、はり、きゆうよりはやや簡易と申しますか、教育を受けやすいように、そうしてまたなるべく早く生業につけますようにという考慮を拂つたつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/40
-
041・太田典禮
○太田委員 第七條の廣告の規定でございますが、「その技能、施術方法又は經歴に關する廣告をしてはならない」とありますが、今まで鍼きゆう醫院というような文字がしばしば見受けられたのですが、醫師とまぎらわしいような名稱をここに禁止するようにしていただきたいと思いますが、いかがでございましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/41
-
042・東龍太郎
○東政府委員 この法案にも明らかにありますように、これらの業を行います方々はそれぞれあんま師、はり師、きゆう師、柔道整復師というようになつておりまして、醫師とはそこに畫然たる區別があるのであります。從つて醫という字を、その業あるいは業者の名稱の中に加えることは絶對に不可で、よろしくないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/42
-
043・太田典禮
○太田委員 第八條でございますが、今までに免許をもつておる者は再教育をするようにしたらどうかということが、閣議のときに載つておつたということであります。これには載つておりませんが、それでもそのまま三十年まではやらない方針ですか。やつた方がいいじやないかと思うのでありますが、いかがでございましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/43
-
044・東龍太郎
○東政府委員 仰せの通りでありまして、既得權者と申しますか、すでに業界にある方々におきましても、その資質を向上させることは絶對必要條件と考えられます。殊に新しく業界へ現われてくる將來の方々は、この法律が規定いたしておりますような、より高い教養と教育のもとに進出してくるのでありまして、それらの方々と同じ立場に立つて業を行われますためには、年輩から言いましても、同等あるいはそれ以上の教養と素養と訓練がなくてはならないと思うのであります。從つてその意味におきまして、再教育をすることはぜひとも行われなければならぬし、また當然それをやられるだけの熱意が既得權者の中にあると私は信じております。それにつきまして、それらの再教育を厚生省が行うというふうなことも一つの考えとしては檢討いたしました。しかし結局相當の數に上るそれらの業界の方々を、厚生省の手におきまして再教育をうるということは、事寛上不可能であります。むしろこれは外から強いて與えるものでなく、業者それ自身の自覺によりまして、自發的にいわゆる下から盛り上る力と熱意によつて、十分なる再教育を行われるようにお奬めして、指導いたしたい。さような催し、計畫については厚生省としてできる限りの援助をいたし、またいわゆる指導もいたす。さような心組はもつておりますが、直接厚生省からする、あるいはせよと命ずるということをしないというだけでありまして、事實上それが行われることを期待しておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/44
-
045・太田典禮
○太田委員 もう少しそれを何とかできないものか、できるだけひとつ、命令でやるということも無理かと思いますが、その趣旨の徹底するようにお願いします。
次には十九條の醫業類似行為を昭和三十年十二月まで既得權を認められる。それからは許可しないというならば、それは有害であるから許可しないのか有效でないから許可しないのか。もし有害であるならば、既得權をもなぜ認めるか、そこに何かの試驗とかいう方法でもとらないと、はなはだ矛盾するように思うのでありますが、いかがでありましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/45
-
046・久下勝次
○久下説明員 ただいまの第一の御質問でございますが、第八條に都道府縣知事が心要な指示をなすことができるという規定がございます。補習教育の必要のある場合に、なおそれが自發的に實施させない場合には、この規定の發動によりまして、御趣旨の目的を達し得るものと考えております。
第十九條についてのお尋ねでございますが、まずその根本である十二條において將來に向つてこれを一律に禁止し、現在やつておる者について當分の間既得權の存置をいたしたのであります。その趣旨は、實は從來これらの醫療が實際問題として、先ほど申しましたような性質において認められておる理由は、少くとも害はないという程度のものだけが認められておるのでありまして、ただその害がないという事柄の判斷でございますが、從來の考え方は、そういう療術行為を身體に行いますこと、それ自身によつて、害が生じないという意味合において認められておるのであります。積極的な治療效果というものについては、必ずしも嚴密に判斷されておらないのであります。從いましてこれがいたずらに萬病にいいとか、あるいは相當な數多い疾病效果があらかどうかということについては、過去においては檢討をされておらないのでございます。從いまして同時にまたいわゆる醫業類以行為というものは、そういう面から見て、醫學の素養のない人々が廣告をしておるようなことに對して、萬全の效果があるかどうかということについては、むしろこれは多くの場合否定をしなければならぬではないかと思つておるのであります。そういう意味合において、これを一般の者が信用してかかつておることについて、病氣が治らない場合が起るという、消極的な害がないとも言えない場合があるのであります。それらの問題を考慮いたしまして、一面においては十二條においてこれを行うことができないという規定を設けますとともに、從來の既得檢を一定の期間認めておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/46
-
047・太田典禮
○太田委員 特に醫業類以行為に中で一番近ごろはやつておりますものは指壓療法であります。指壓が非常にきくと言つて、陳情にこられて閉口いたしました。指壓というものは私受けたことがないので知らないのですが、何囘もおすそうですが、反復やればあんま術にあたるのではないかと思いますが、それならあんまの免許をとつていなければ指壓を許さぬということにしたらいいと思いますが、その點についてお尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/47
-
048・久下勝次
○久下説明員 大體私どもといたしましては、御趣旨のように考えておるのでありますが、なお將來の問題といたしましては、現在の取扱いでは指壓療法は醫業類似行為といたしまして扱つております。しかもなお將來にわたつて八年間この業態の繼續が認められておりますので、その間におきましてあんまと違つた獨自の効果があるということが科學的に制定をされ、これが世の中に認められるように相なりますれば、また法律の改正等によりまして別途の措置が講ぜられましようし、今お話のように、あんまの免許を受けることによつてこの方面に進出するということも可能だと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/48
-
049・太田典禮
○太田委員 この醫業類似行為は、さいぜんの御答辨によりますと、あまり害はないということですが、われわれが實際に經驗したことによりますと、ずいぶん診斷をつけまして、診斷をつけてはいかぬのですが、これは胃癌ですとかこれは何ですとかいう診斷をすることが、はり、きゆうの方にもあつたと思いますが、これに對しては嚴重に取締りを願いたい。そうすると罰則が安すぎるから、これをもう少し高くしてもらいたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/49
-
050・久下勝次
○久下説明員 大體お話の通り私どもも考えておるのであります。先ほど私が害がないと申し上げました反面のことを、消極的な害という言葉で申し上げたのはそのお話の趣旨でございます。それから罰則が輕いじやないかというお話ですが、これは何囘でも加重できますから、その邊は實際の運用によりましてその目的を達することができると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/50
-
051・大瀧亀代司
○大瀧委員 私はこの法案を十分讀んでおらぬのでありますが、大體田中君が意を畫してくださつたように思いますから、第二條についてちよつとお尋ねいたしたいのであります。第二條に學校または養成施設を卒業した者であつて、その試驗を受けなければならぬ、こういう規定があるのでありますが、「學校又は養成施設」というものはどの税定のものを許可するのか、これはあんまとか、はり、きゆうというものは、御承知の通り多く目の悪い方ですが、それを遠く離れた一定の場所にのみ寄せてこれを教育する、こういうようなことよりも、むしろ家におつて師匠について十分に習うということが、あんまの養成に一番よい機關だと私は考えておるのであります。それで試驗についてもこれは學科と技術の試驗と二つあるだろうと思いますが、むしろあんまの試驗は學科が主でないじやないか、これは衞生生理、その他さまざまな病理學も習うということが書いてありますけれども、これよりもあんまの今までやつてきた過去の關係から見ましても、そうした學理よりも技術的にもつと考えなければならぬじやないか、こういう點から見まして養成施設というものは各個のその許可を得た家が養成施設なんだということになりますれば、何にも文句がないことでありますけれども、學校と同じような養成施設であつて、郡に一箇所、あるいは縣に何箇所ということでは、實際に不可能な結果に終るのではないか、こういうことを憂うるので、その點について養成施設というものはいかなるものであるか、學校と養成施設というのはいかなるものであるか、またどういうことをそこでなさしめるのか、むしろ今のように各個のあんま免許者に對して、養成施設としての規則を何か設けて任せたらどうかということを考えましたので、養成施設に對して何らかのお考えがありましたならば承りたい。
もう一つはただいま申されました試驗というのは、いかなる程度の試驗をなすのであるかということであります。あんまは先ほど申し上げた通りに技術の問題であつて、頭や肩の凝りを解きほごすということは、病理、衞生その他の學問を、非常に丹念にお醫者のように習つていなければできないというものではないと私は思います。そういうことで、この試驗にあたつては學科試驗はどの程度のものをやるか、技術の試驗はどの程度であるか、そういうことを十分に承りたいのであります。先ほど田中君のお話では、なるたけ從來の程度のもので、それより少し高いくらいだというようなお話があつたのでありますが、この程度で學科を主とせずに、技術を主とするかどうかということについても承りたいと思うのであります。
次に學科と養成施設を卒業した者でなければ、試驗を受けることができないという點でございます。それはあんまや何かはとにかく目が非常に悪いので、學校とかなんとかいうことは、なかなか容易がない。こういうことから考えましたならばこの學校、養成施設の卒業というようなことは度外視して、試驗にさえ通ればいいじやないか、試驗を通らせるということだけにするということが、身體竝びにその生活の面から考えましても、特に二箇年間あるいは柔道整復術においては四年間というものを、學校とかそうした所に通つていなければならぬということは、實際むずかしいことだ、こういう意味において、きわめて機會均等の立場からみますならば、試驗さえ通ればいいじやないかと私は考えますので、この學校養成施設ということは抜きにして、試驗一本にしたらどうか、こういうふうにも考えるのであります。この二條においては、この三點だけを一應承りたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/51
-
052・東龍太郎
○東政府委員 ただいまの御質問の第一點であります。「學校又は養成施設」とはいかなるものであるかということであります。そしてまたこれはいわゆる徒弟のような形で十分やれるではないかというお話でありますが、なるほど過去の歴史につきましては仰せの通りであつたでありましよう。ただ今度のこの法案の全體の構成と申しますか、その考え方が過去の歴史についての再檢討というふうなところに、その出發點をおいているのでありまして、なるほどもむ技術それ自身は、今のような徒弟制度で十分なことが得られるかもしれないのでありますが、この法案にありますあんま、はり、きゆう、柔道整復術等を含めて、これを一つの醫療補助の仕事として、これに十分な科學性をもたせる。そしてこのものの地位を高めるということが一つのねらいになつておりますが、そのためには單なる徒弟制度におきましては、十分なる基礎教育ということに缺くるところがある。そこで正規の正道を歩んで、學校もしくは養成施設、從つてこれは徒弟制度ではなく、一定の設備と教員とを完備しているところのものにおいて、十分なる基礎教育を與え、かつ實地の修練をさせようというのが、ねらいでございます。
それから試験はどの程度かというお話がございましたが、先ほども申し上げました通り、これらの學校教育を經ました者につきましては、十分に合格し得るものであるベきだと考えております。この試験とはいかなるものであるかということは、この法案の中のたしか十三條にもございますが、各都道府縣においても、適當な委員會のようなものが設けられ、その實際の教養、學識經驗ある者、醫師等からなる委員會ができまして、その委員會において適當なる試験委員が設けられ、また適當なる試問の内容が決定せられるのであります。それに對して中央においても委員會がありまして、全體の規格、基準等は指示することになつておりますが、決して落すことを目的とするようなむずかしい試験であるという意味ではないのでありまして、むしろ學校教育を受けさせ、十分な教養をつけさせるということを主眼にいたしておるわけでございます。さような意味でありますので、從つて第三の試驗一本にしたらいいではないかということに對するお答えにもなるのであつて、教育によつてその素質竝びに資質を向上せしめることを主眼にしておるのでありますので、從つて試驗のみによつてこれらの者を許すということは考えていないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/52
-
053・大瀧亀代司
○大瀧委員 ただいま養成施設竝びに學校によつて從來の地位を向上させると言われだが、それは試驗でも同じと思う。また科學的な基礎を與えて効果を大ならしめる。こういうことであるのだが、今のあんまの施設より以上に効果の大なるということをどこに求めるか、はつきりわかつていない。私はあんまの現在の施術は、進歩しても、やはり今のようなものじやないかと考えておるので、さらにその必要がないのである。徒弟が最もいいのだと考えますが、今後あんまの施術において効果を大ならしめることができるということを、あなた方の科學的、專門的な立場から考えておるとするならば、どういう効果を大ならしめるかということを承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/53
-
054・東龍太郎
○東政府委員 あんまについても、これは本來はきゆうと同じように、やはり經穴とか經絡というものを指さして、それを機械的にもむ。そうして治療の効果を得ようとする。それが從來のあんまであるし思います。今までのようなやり方で、いかにこれに教育を與えても、それ以上効果のあるものにはならぬだろうというお考えのようでありますが、これは私どもと多少考えが違つている點でございます。なるほど技術そのものについては、今まででもりつぱなあんまさんがあるので、比較的十分な教育を受けていない者でも、そういうりつぱな者があるということは事實として否定できない。しかしまたそれらの方々がもしより以上の科學的な教育を受けられたならば、もつとりつぱなあんまさんになられたかもしれんということも考えられるのでありまして、私としてはそのことによつて、今までよりもりつぱなあんまさんが出てくると思います。また半面は、かりに相當りつぱなあんまであつても、誤つて無理をせられたことがないとは期せられないのでありまして、かような消極的な方面についても教養の上ることがいい結果をもたらす、そういうことを期待いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/54
-
055・大瀧亀代司
○大瀧委員 そういうようなことは一應御もつともであるが、しからばただ養成施設を卒業した者のみが試驗を受けられるのだということでなくしても、學問的な關係からだけがもし問題となるならば、徒弟制度であつても、りつぱに勉強ができて試驗を受けたら、それでいいではないか。野口英世博士のごときは、ほとんど試驗ばかりで行つておる。若いときに醫師の試驗を受けて開業され、それでどんどん進んで行つた。それでもああいう世界的に有名な博士になられた。かような意味において、私はどこまでも機會を均等に與える趣旨においても、純然たる試驗制度こそ、ほんとうに國民の個人の人權を尊重するゆえでもある。かような考え方からして、學校養成施設のみならず、およそ試驗を受けた者は何人でもいいのだということでなければならぬと思うのであります。ただいまの東政府委員の答辯から見ますと、養成施設は必ずしも必要ではない。だれども學問をして、その技術の方は試驗さえ通れは差支えないと考えるのでありますが、かような意味において、學校、養成施設を卒業した者ということを削られた方が、きわめて民主的であり非常に必要なことではないかと思うのでありますが、その點どうでしようか。實際において養成施設とか、學校とか、そういつた一定の限られた場所に二年も何年もはいらなければならぬということはどうかと思う。普通一般の人間と同じように考えてはいかぬ。眼が悪くてとぼとぼしながら、一定の場所に通うことは容易なことではない。のみならずそこに行けなかつたならば、そこに下宿して、そこに學費というものがなければできないのであつて、一般の生活の面においてたえがたい。かようなことから見て、結果において同じであるというならば、そういうことを抜きにして、眼の悪い者があんまとして生活できるような方途を講ずべきであると考えるのでありますが、その點についてどうお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/55
-
056・一松定吉
○一松國務大臣 私、今途中から參りまして、大瀧委員の前半の質問をよく了承していないのでありますが、御質問の要旨は第二條の規定に關連しての御質問のようでありました。この點について私の所見を申し上げて、御了解を得たいのであります。從來のあんまというものは目明きあんまもあれば、盲あんまもありまして、このあんまに對する世人の觀察というものは、これらの人の地位とか、職業とかいうものに對して、あまりにこれを尊重していないような傾きのあつたことは事實でございます。でございますから、できるならば保健衞生の片棒を擔う立場にある人で、その仕事が非常に大切な仕事であるということと同時に、それらの人々の資質を向上し、人格の修養にも努めて、これらの人々の地位を引上げてやることも必要であるし、またあんまの施術を受ける人の立場からすれば、安心して施術を受けるという安心感をもつ必要性から考えて、それらの人の地位を向上し、知識の發展をはかるということについては、おそらく大瀧委員においても反對はないと思います。ただ問題は、いわゆるあんまの先生のところに二年、三年弟子入りして、先生から直接あんまをする方法を受け、もしくは話を聽いて、そして試驗を受けるということは必ずしも悪いのではないのでありまして、ちようどそれは昔の寺子屋で、一人の先生について寺子の人々が教育を受けて世の中に出て、非常に優秀な人が出た。それならば寺子屋を存置しておいてよいじやないか。小學校というものをこしらえぬでもよいじやないかという意味と同じで、寺子屋から出た人でりつぱな人があつたことも事實であります。今あなたがおつしやつた野口先生が、ほとんど獨學で世界的なりつぱな人になつたという特別な人はあります。しかしながらそういういようなただ弟子ということ、先生ということよりも、一層これらの人に對して地位の向上をはかり、學術も相當にこれらの人に注ぎ込んでやる。世人からも尊敬を受けるようになる。あんまをしてもらう人からも、この人のあんまならば安心してあんまを受けることができるという安心感をもつて施術を受けるという、いわゆる受ける方も、受けさせる方も、そういうような地位の向上をはかつてやることは必要なことだと私は思う。た弟子入りをして、その家に二年、三年奉公して、手助けをしたいということだけで、もちろん試驗を受ければ及第するでしよう。その議論はちようど獨學で高文の試驗を受けて及第する者があるから、公立學校の特別の專門的な教育は要らぬじやないかという議論と同じではないかと思う。養成できるならばいわゆるそういうような學校もしくは養成施設において、解剖學、生理學、病理學、衞生學というものを修めさせて、この試驗を受けさせることの方が、今私の申し上げるような趣旨にかなうべきものであろう。私どもの方ではそういうことを考えて、特に學校及び養成施設ということによつて、これらの人の地位を向上させ、技術を世人から信用を受けるようにしようということにいたしたのであります。そういう點においてひとつ御了承願いたいと思うのであります。ただあんまがよぼよぼして學校にいくことができぬじやないかということは、私の知つておるところによりますと、一本の杖を頼りにして二里も三里も歩いていくことができるのです。この立法についてはぜひ御了承の上御贊成を願いたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/56
-
057・福田昌子
○福田(昌)委員 簡單にちよつと質問申し上げます。この法案は十數萬のこれらの業者の生活權に關する問題でありまするし、また一般的に言いましたならば、治療を受けるところの一般の大衆、殊に病人に對する問題でありますがゆえに、愼重に考慮しなければならぬ問題だろうと私は思うのであります。そういう意味におきまして、この第二條の學校の修養施設における教科目の中の學課のことが書いてございますが、解剖學とか、生理學とか、病理學、こういつたものはどの程度、たとえば中等學校程度か、專門學校程度か、どの程度のこういつた學問を授けるものであるか。また私の希望といたしましては、この解剖學、生理學、病理學又び衞生學のほかに、さらに徴候學というものを加えなければならないのではないかと思うのであります。こういつた業者の方々が、目が悪いとか、腸が悪いとか、あるいは神經痛だとかいうような診斷を簡單に與えております。何ら徴候學というものを學んでないこういつた業者が、簡單に診斷を與えるということは、非常な誤りのもとをなすものでありまして、これにつきまして、ほんとうに施術をしなければならない時期を誤つて、病氣をますます悪化させるという例もありますがゆえに、この課目の中には、必ず徴候學を入れていただきたいとかように私は考えるのであります。
第一條にもどりますけれども、あん摩という下に「マツサージを含む」ということを書いてございますが、これは御承知でいらつしやいますように、あんまとマツサージというものは、これはおのずから差異があるものでありまして、「マツサージ」と入れることに關しまして、私といたしましては、これはむしろあべこべであつて、マツサージの下に「あん摩」と入れるべきものではないかと思うのであります。マツサージこそ今日の醫學的な見地から見ましたならば、多少ともあんまよりは科學的のものであろうと私は考えるのであります。このあんまの項目の中にマツサージというものを入れ得るならば、この項目の中にはさらにまた指壓療法というようなものも入れ得るのではないかということも私は考えるのであります。これに對してましても、當局の考えをお聽きいたしたい。さらに第一條に關することでありますが、あんまとマツサージとがあるいは指壓療法に似たものにカイロプラクテイツクという療法がありますが、これはたしかアメリカからきたものかと思いまするが、これの對して、アメリカではこのカイロプラクテイツク療法はどの程度において取扱われているものであろうかということに關しましても、一應御説明を願いたいと思います。
それから第五條でありますが、この「あん摩師及び柔道整復師は、醫司の同意を得た場合の外」云々ということが書いてありますが、私はこの條文におきまして、あんま師という字句を挿入する必要はないと思うのであります。あんま師がこういうような治療をしてならないのは當然でありまして、またあんま師としてはすでに出過ぎた行為であると思いまするがゆえに、あんまということを特別規定する必要はないのではないか、さらにまたあんま師及び柔道整復師というものを竝置いたしますと、いかにもあんまというものと柔道整復師というものとが同等の形に取扱われがちに思われるのでありまして、その修業年限においても、修業課程においても非常に差があるものを、同一に取扱うことは非常に弊害を伴うものではないか、かように考えるのであります。まずこの三點に關しまして御答辯を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/57
-
058・東龍太郎
○東政府委員 第一の徴候學の點でありますが、私どもの考えておりまする中に解剖學、生理學、病理學及び衞生學というものがはいつておりますが、これは私ども醫學を專攻する者が現實考えるようなさようなむずかしい意味の病理學とは考えていないのでありまして、病理學ということの中に當然徴候學というようなものの内容等も含まれてくる。いわゆる病理解剖學というものではないのでありまして、廣い意味の病理學というつもりでおります。從つて簡單なる徴候學、こういうものも病理學という範圍内において十分教授し得べきものであると考えております。」
それから程度につきましては現在の中等程度の生理衞生などよりはやや高い程度を考えております。醫學專門のような專門の學校とまではいきませんが、ややそれに類するものと御了承願います。
第五條のあんま師及び柔道整復等の問題でありますが、これは「脱臼又は骨折の患部に施術をしてはならない。ということがありますが、何も脱臼をあんまが直すという意味ではないのであります。すでに脱臼をしてそれが整復せられておる患部でありましても、そこに多少のあんま術を必要とする場合には、あんま術といえどもやはりその患部に施術をすることがあるから、柔道整復師と竝べて入れたわけであります。第一條の「あん摩(マツサージ)」の問題でありますが、これにつきましては、元來この法案全般が現在あります規則の代りとなるための法律をというのが最初の目的でありました。從つて現行のものを根本的にかえる必要は少しのであります。それからまた一方あんまという方が廣くと申しますが、一般的であるという、それだけのことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/58
-
059・小野孝
○小野委員長 以上をもちまして暫時休憩いたします。
午後一時十二分休憩
————◇—————
午後二時二十五分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/59
-
060・小野孝
○小野委員長 午前に引續いて會議を開きます。福田昌子さん。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/60
-
061・福田昌子
○福田(昌)委員 第一條でございますが、柔道整復師という名前になつておりますが、世間ではこういうように呼んでいる人はまずないのでありまして、いわゆる骨接ぎ屋さんというような名前で呼んでいるのでありますが、接骨師に類したような、もつと簡單な名前にかえていただく方が大衆的であり、使用價値があるのではないかと思いますが、これに關してお伺いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/61
-
062・一松定吉
○一松國務大臣 接骨師というようにかえることにつきましては、別に政府として反對はいたしませんが、ただ今まで柔道整復師という名前を使つておりますのは、柔道整復師というものはこういう仕事をするんだということを世間が廣く知つておられるだろうと思つて、以前取締規則にそういう名前を使つておりましたから、それを使つたのでありまして、委員會におきまして、それは穏當でないから接骨師というようにかえろというような御修正のことでありますれば、強いて政府は反對いたしません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/62
-
063・福田昌子
○福田(昌)委員 委員會にお諮りいただきまして、できましたら御訂正願いたいと思います。
それから第十九條ございます。昭和三十年十二月一日までというふうに期限をお切りになりました。將來八箇年ということは非常に期間が長過ぎるのでございますが、昭和三十年というのは何を基準にしておきめになつたのでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/63
-
064・東龍太郎
○東政府委員 十九條の昭和三十年十二月までという年限については、これだけの年限がなくてはならないというふうには考えません。大體短かい方がいいとお考えになる方もありましようし、これでも短かいとお考えになる方もございましようが、これだけの年限をおきましたのは、その間に推移をみるというような餘裕をおきましたことと、諸種の療治行為と申しましても、厚生省において現在資料をもつておりますものだけでも四百二十何種類があるのでありまして、かようなものの中には自然消滅するものもありましようし、また當然淘汰されるベきものもあります。また中には將來はり、きゆうと同じような地位に取上げらるベきものもあると思うのでありまして、私どもとしては、この問題に對しては、大體明治政府の時代において西洋醫と漢法醫、この兩者に對して當時の政府がとりました態度、すなわち一應漢法醫というものを抹殺いたしました。しかしらがら今日においても漢法區の中のあるものはりつぱに生業を續けております。またそれが漸次科學的根據を得て取入れられようとしておるのであります。さような意味におきまして、よきものはますます科學的な根據を得て將來の途がありましようし、しからざるものについては、積極的に害ありと認めたものは、これを強力に抹殺いたします。しからざるものは自然消滅をまつという意味において相當の時をかす、そういう意味で、この昭和三十年十二月までという區切りのいいところをとつたというものがおもな理由であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/64
-
065・福田昌子
○福田(昌)委員 第十八條の終りから二行目のところでございますが、内地以外の土地でこういつた業を營んだ引揚者に對する規定があります。その履歴を審査してそれぞれその免許を與えると書いてございますが、その履歴を審査いたします規定は何によつておいたのでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/65
-
066・久下勝次
○久下説明員 私からお答え申し上げます。履歴に對する審査ということを特に書きましたのは、いろいろ土地によつて免許の實質に差異がございまして、一律に扱うことができないためにかような規定を設けておるのであります。これは從來厚生省令によつて、終戰後の外地引揚者についてこういう特例を設けて、その方針で取扱つておりますので、そのままこの法案に取入れたのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/66
-
067・榊原亨
○榊原(亨)委員 あん摩、はり、きゆう、柔道整復等營業法案について御質問申し上げたいと思うのでございます。第二條に「解剖學、生理學、病理學及び衞生學を含むものとし、」ということが書いてございますが、こういう學問ももちろんあんま、マツサージその他の方々には必要であることは當然でございますが、そのほかに最も必要なことは、大體疾病の概念竝びにいかにこれを治療するかという概念が一番必要なことでございます。これをたとえて申しますと、盲腸炎の患者が過つてはり師のところへまいります。そしてこれが盲腸炎だか何だかわからない。また盲腸炎はどうしたらいいか、いつの時期にどうしたらいいかということがわからずに、盲めつぽうにこれをもむとか、はりをするとかいうようなことが、現在におけるところの弊害の最も大なるものでございまして、大體の病氣の微候はこうだ、またこれを治療するのは、こういうふうに治療するのだ。そこまでははり、きゆうがやつていい。それ以上はこれを體者に渡すべきものだというふうな概念を、はつきりつかましておきませんと、解剖學、衞生學、病理學といううなものを學ばしておきましても、實際上にはその弊害が多いのじやないか。こういうふうに私は思うのでございますが、どうしてそういうものが、この學問の中にはいつてないのでございましようか。これが一つ。もう一つは病理學というふうなものにいたしましても、盲の方に顕微鏡を見せるわけにはいかないのでございますが、どの程度の學問をおさせになるのでございましようか。具體的なことについて承りたいと思うのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/67
-
068・東龍太郎
○東政府委員 ただいまの御質問ま第一點。これは私も醫學の専門家として、榊原委員の御説はきわめてよくわかります。まさにその通りであると存じます。にもかかわらず解剖學、生理學、病理學及び衞生學等の名前をあげましたのは、實はこの法律の中にありますいわゆる基礎醫學のこれだけのものは、教科の中に含まれてなくてはいけない。すなわち基礎醫學的の知識も、この程度の範團のものは援けるべきであるという、例と言つては語弊があるかもしれませんが、この程度のものは少くともというつもりであげた名前でありまして、ただいまお話になりましたような、一種の醫學概論とでも言うべきもの、あるいは治療學總論とでも言うべきものに屬しますものは、當然これは教科目の中に入れるべきものと存じます。強いて言えば病理學というものを廣い意味に解しまして、その中に含めて、その中の範疇にはいるべきものとも考えております。なおどういう程度のことまでを教えるかという具體的のというお話でありましたが、この中には當然多數の盲人を含めておるのでありますから、視覺によらなければできないようなものは、盲人に對しては不可能を強いることになります。從つて視覺以外の五官の感覺によつて取入れられる範團のものに限られるものがあることは申すまでもございません。これにつきましてはここに解剖學、生理學、病理學というふうな學問の名前をあげてありますと、私どもただちに醫學生の教わります専門學科としてのものを考えるのでありますが、もちろんそれが本則ではありますが、しかしながらこれを習得いたします人が、醫師になるのではなく、醫療の補助者としての一つの業務に携るという點を考えますならば、その學なるものが、相當廣いと申しますか、そういうように解せられます。といつて中等學校でやります生理衞生という程度のものではないので、それよりやや高度のものと存ずるのであります。從つて教科の内容につきましては相當くふうを要することと存じます。現在行われておりますこれらの専門程度の教科書、参考書が、そのままこういうふうな教育に適切でありとは考えられません。あらためてこれはこの特殊の教育に對する教科内容として新しく詮議さるべきものと存じております。これらの點につきましては、この法文にもございます委員會が諮問に對する審議をいたすことと存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/68
-
069・榊原亨
○榊原(亨)委員 その次は第四條、五條の問題でございまするが、午前中の田中さんの御質疑によりまして、外科手術というものは看血的手術であるというふうに御解釋になつておるのでありますが、藥品を投與することができないといたしますると、たとえば整復をいたしました後にイヒチオールを塗りますとか、あるいはその他の罨法の藥を塗りますこともできないことになりますが、かかる簡單なことは整復術をいたしましたあとの處置として許さなければならぬのじやないか。この點が法文上はつきりしておりませんが、いかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/69
-
070・東龍太郎
○東政府委員 今の藥品の投與の問題でありますが、ここに、藥品を投與し云々というのは、醫師が患者に對して藥品を投與するような、そういうやり方、つまり處方箋を出すというような意味の投與のことであるのでありまして、患者にイヒチオールを塗るとか、あるいは必要な藥品を塗る、あるいはこういうような賣藥をつけるということを教える、そういう意味のことを禁じる意思はないのであります。接骨師として當然許された範圍内において行うべきものについてのものは、それをも禁じるというつもりはないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/70
-
071・榊原亨
○榊原(亨)委員 第七條に廣告のことについて書いてございます。その技術、施術方法、履歴を廣告することができないと書いてありますが、現在接骨醫その他の法が廣告しておいでになることは事實でございます。病名を羅列いたしまして、中にはほんとうに學術的に見て、そういうものは治る道理がないというようなものが廣告してあるのでございますが、なぜここにそういうふうな病名を羅列することができないということが書いてないのでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/71
-
072・東龍太郎
○東政府委員 それはやはり技能、技術ということと施術方法、その兩者いずれか、もしくはその兩方にかかる問題で不當なるものは當然行い得ないと解釋いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/72
-
073・榊原亨
○榊原(亨)委員 第十八條の、先ほど福田さんがお話になりました、履歴を審査ということがございますが、實際上海外からの引揚者の方々の履歴というものを審査することができない場合がある。殊に當面の問題として、朝鮮から引揚げて來られた現地開業の醫者が、試験には及第したけれども、朝鮮に實際上開業していたかどうかということが證明されない、上野の圖書館に行きましても、官報が皆焼けてしまつてわからない、そのために現在試驗には實際上及第しておるのでありますが、醫師としての免状がもらえない、非常に哀れな方の實情を私は知つておるのでありますが、この場合にその履歴を審査していうようなことがございましても、海外から引揚げて來られたこういう哀れな人たちが、かつてどういう履歴かということを證據立てることができない場合においては、どんな處置をもつて審査なさいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/73
-
074・久下勝次
○久下説明員 ただいまの問題は、先ほどの御質問に關連がございますので、私からお答え申し上げます。履歴の審査について、今醫師の例を引かれて御説明でございました。私どもといたしましては、公式な免許を與えます場合に、ただ単に本人の書いた履歴書あるいは本人の陳述だけでこれを信用することはできないのでありまして、できるだけ第三者の、しかも地方廳においてこれならという信頼のできる人人の證明書でももつて來ていただくというようなことで、實際の取扱いをいたしておるのであります。御質問にございました醫師の場合におきましても、そういう資料の整いました方々には差上げるようにいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/74
-
075・榊原亨
○榊原(亨)委員 次にいわゆる醫業類似行為の點でございます。お囘しを受けました問答と書いてある書類の中の第三枚目のはじめに、醫業には廣義の意味と狹い意味との二つの解釋がある。醫業とは云々ということが書いてございますが、この醫業につきましては、今までの議論がございました、これを定義いたします上においては、非常にむづかしいことでありまして、たとえば専門家でございます山崎さんなどの意見を聽きましても、なかなかむずかしいのでございます。ここに書いてある意味におきまして、今後厚生省は醫業というものをこういうふうに解釋なされ、定義をしていらつしやるのでございましようか。その點を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/75
-
076・東龍太郎
○東政府委員 ただいま榊原委員のお話になりました問答のプリントは、別に正式の資料という意味でお目にかけるほどのものではないのでありまして、私どもが局内におきまして、いろいろの問題を設定して、お互いに問答、研究をいたしました、その成績と申しますか、一應の結論のメモとでも御了解願いたいのでありますが、しかし今仰せになりました醫業の定義の問題については、これは實にいろいろの説があり、考える方がありまして、むずかしい問題で、いろいろ論じておりますと、醫者の行うことが醫業であり、醫業を行えるのが醫者であるという循環論に歸著するのでありまして、この中の議論 やはりその傾向がないでもないのであります。しかしここに醫業ということと醫行為ということとをわけて考える必要がありのではないかということが、この考え方の根本であります。いやしくも人體の疾病、あるいは疾病とまでいかなくても、體の調子の悪いのに對して、何らかの方法をもつてその状態を緩和し、もしくは病を輕くするというふうな手段は、これを行う人のいかんかかわらず、その方法のいかなる種類にかかわらず、これを一つの醫行為、つまり醫する行為というふうに解釋できると思うのであります。そういたしますと、はりとかきゆうとかあんまとかいうものが、そういうふうな人體的な、今申したような状態に應用せられて、そしてそれが輕くなる場合には、これはだれが行いましても一つの醫行為であるという見方はできると私は思います。家庭において子供が親の肩をもみますことも、これも醫行為と考えられるのであります。しかしながらこれは醫師が當然行うべき、また醫師によつてのみ行われるべきいわゆる醫療行為であるところの醫業とはもちろん異つておるのでありまして、つまりそういう考え方で、醫業というものに行為が二つあると申しますよりも、醫行為というものは非常に廣汎なものであるが、その中で特に醫業と稱せらるべき醫行為の範圍がある。すなわち醫學というそのためにする教育を受け、修練を經た者によつて行わるべきものである。そしてまたその者のみが行い得るところに健康保持、疾病の治療、それに向けられるところの働きが醫業というものである。從つて醫業という定義が、すでに醫者によつてのみ行われる、また醫者の行うべきというのでありますから、醫業は醫師が行うべきものであり、醫師が醫業を行う、そういう循環した言い現わし方になつてくるのだろうと思います。そういうふうな醫業以外に、今のような醫業行為として認められるもの、そのもののみを行うというような業、術を、この法律に規定してあるようなものとして認めよう、そういう議論の結果を示したわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/76
-
077・榊原亨
○榊原(亨)委員 なかなか混み入つたお説でありますが、事實の問題といたしまして、第十九條にございますような醫業類似行為というものは何であるかということを定義する必要から、今の内容が出てくるのでございますが、この醫業類似為というものを判斷いたしますのには、この解釋に從つてなさるのでございますか、それをはつきり承つておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/77
-
078・東龍太郎
○東政府委員 醫業類似行為あるいは療術行為等いろいろ表現がございますが、ここでは醫業類似行為と在來の表現を使つております。ただその醫業と申しますのは、今申しましたような醫師の行う醫業であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/78
-
079・榊原亨
○榊原(亨)委員 次にこの醫業類似行為の中におきまして、電氣療法を行つている方々があるのであります。御承知のようにあんま、マツサージにおきましても、電氣の療法を許してありません。今まで試驗を受けられたあのマツサージの方さえも電氣を使うことを許してないと私は記憶しておるのでありますが、それにもかかわらず、醫業類似行為の中に電氣を使つて治療をされるようなものがあるのでありますが、これは第十九條の最後の方の衞生上特に害あると認めるということによつて、これをお取締りになるおつもりでありますかどうか。またそのままでお許しになるおつもりでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/79
-
080・一松定吉
○一松國務大臣 醫療類似行為はただいま東局長から申し上げました通りでありますが、この類似行為の中で、今まで各府縣々々々でそういうような業をとにかく認めておつたというようなことを、今ただちに禁じてはならぬからというので、三十年十二月三十一日までということに期限を切りまして、その間にほんとうに科學的に研究して、これは醫療行為として取入れるべきものであるか、あるいは弊害があるものであるがゆえに、これは禁壓すべきものであるかということは、それらの各仕事々々の進歩發展に任せるというような趣旨で、これは規定したのでありますが、今あなたのいわゆる可視線とかいう電氣療法、これは私の經檢するところによると、ある場合においては非常に效果のあつたことも私は認めておる、またやり方によつては非常に弊害のあつたことも承知しております。でございますから、そういう弊害のあるものが存續するということは、保健衞生上おもしろくないというようなものは、もちろんこれは禁じなければならぬ。そうでなくて、從來やつておるものであつて、多少效果があり、もしくは效果ありと信ずべきそれらの手術を行い、もしくは受けておる者があるとすれば、お前がこういうものをやるために弊害があつて困ると言つて、ただちに一概に彈壓することもできないと思います。これは個々別々の事實の發生に伴つてこれを檢討して、これらの行政措置をすることが正しいのである、かように實は考えておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/80
-
081・榊原亨
○榊原(亨)委員 厚生大臣が醫學の方に素人でいらつしやいますから、私の質問申し上げた點にはずれておるのであります。これは醫務局長なんかよく御承知でありますが、たとえば高壓高周波その他の電氣療法、こういうものは非常に危險であると私は思つておるのでありますが、それを八年間の餘裕がある間にそのままにしておおきになるつもりであるか、あんま、マツサージの方に電氣療法を許してないにかかわらず、そういう素人の方にそういうものを許しておくかどうか、その點を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/81
-
082・東龍太郎
○東政府委員 ただいまお話の電氣療法のうち、いわゆる高周波でありますとか、あるいはまた紫外線であるとか、そういうふうなものが生物學的作用の強いものであることは申すまでもございません。從つてそれが人體にただちに危害を及ぼすようなおそれのありますものは、ただいままでには許されていないはずであります。現在さような名前を揚げております療法といたしましても、そのものが人體にただちに危害を與えるおそれなしということの前提のもとに許されておるものが現存いたしておるのだと思いますので、そういう意味におきまして現存いたしておるものは、現状におきましてはただちに人體に危害あるものとしてこれを禁止する必要のないものである、そういう解釋をいたしておるのであります。しかしながらもしもその中に、ただいまのような意味で危害のあるものは、これはもちろん禁止いたします。でありますから言葉を強く申しますれば、現在行われております高周波あるいはまた紫外線というようなものは、かりに特にそれらにいい力があるといたしましても、それらの威力を生體内に發揮し得る程度には用いられていない、言いかえれば效果なきものとも考えられるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/82
-
083・榊原亨
○榊原(亨)委員 次に柔道整復術の方方におきまして、レントゲンをもつておいでになりまして、使用しておいでの方があるのであります。午前中も田中さんからレントゲンのお話がございましたが、こういうふうなものはどんなふうにお取計らいをなさるおつもりでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/83
-
084・東龍太郎
○東政府委員 レントゲンは普通の人が自由自在に使うということは許されていないものであります。從つて柔道整復の方々がそれを自由に使われるということは、私どもの考えの外にあるのでありまして、さようなことがあつてよろしいとは考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/84
-
085・榊原亨
○榊原(亨)委員 次にこういうふうな法律によりまして、あんま、はり、きゆう、あるいは柔道整復術というようなものが許されることになるのでありますが、その場合におきまして、これを社會保險の給付の對象とするおつもりでございましようか、あるいはまたこういうものは社會保險と別になるというようなお考えでありましようか、その點を承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/85
-
086・宮崎太一
○宮崎政府委員 現在社會保險におきましては、柔道整復術については契約を結んでやつておりますが、あとはいたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/86
-
087・榊原亨
○榊原(亨)委員 今後はどうなさるおつもりでありましようか。もう一つ附け加えてお尋ねいたしたいのは、柔道整復術にいたしましても、そこに被保險者が參りまして保險證を出しましても、實際上はもうできないのだというふうなことで治療代を別にとる、その治療代が相當高い治療代をとつておられるという實情がございますので、こういうものを民間の簡易療法としてお認めになる以上は、保險證をもつていつてもそれでやれる、あるいは簡單に、ポケツト・マネーを出さなくてもやれるというふうにしていただきたいと思うのでございます。殊にその場合に、そういうものをそれらの方が拒否するという場合に、これはやつてもらつては困る、醫師に對する罰則がありますように、こういうものをあまねく民間の療法にひとしいようなものにして、高い金をとらずに治療を受れられるという方法を講じていただきたいと私は思うのでありますが、そういう御意思がございますかどうかということを承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/87
-
088・宮崎太一
○宮崎政府委員 鍼灸、あんまにつきましては現在もやつておりませんが、將來につきましては今のところ考えておりません。それから柔道整復術の方は、被保險者の證明をもつていつても、それによつてやつてくれないで、ポケツト・マネーを出してやるというようなことでありますとすれば、柔道整復術師に對しましてその成立の契約をいたしておる意味がございませんので、そういうことのないように、ただいま榊原委員のおつしやつたような方法で、契約した通りにうまくいくように今後督勵いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/88
-
089・榊原亨
○榊原(亨)委員 そういたしますと、あんま、はり、きゆうに對するところの治療費というものに、一つのわくと申しますか、標準をお定めくださる意見がございますか。それともとり放題とつてよろしいというふうなお考えでございましようか、これは國民療法として非常に重大な問題でございますので、社會保險においてこれを扱わぬことになれば、ある一定の治療費を安價にして、たれでもかかれるようにする必要があると思うのでありますが、その點はどうお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/89
-
090・東龍太郎
○東政府委員 料金の問題につきましては、それを法律的にと申しますか、定めるというところまで、實は私どもの方では研究は進んでおりません。ただ行政指導ということによりまして、適當な料金のわく内に落ちるようにいたしたいと存じます。なおこれは私の考えでありますが、さいわいにこの法案が通りました暁には、中央地方にこのことに關する委員會ができて、その委員會のおもなる目的は、さような業務上のことにまで及ぶのではないと思いますが、しかしながら當然諮問機關として、適正料金の問題なども、その地方々々、あるいは中央においてそういうものを設定すべく審議する機會があるものと存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/90
-
091・榊原亨
○榊原(亨)委員 次にこの法案がやかましく論議されましてから、醫療類似行為をしておられる業者の中には、ここに新しい宗教をおつくりになりまして、その宗教によつて、この醫療類似行為をしようとしておいでになる方が現にあるのであります。新しい宗教をつくつて、御本尊さまを置いて、そうしておさい錢でやられるのかどうか知りませんが、その場合にこれらの法律の適用の範圍外にそれが置かれるということがあるのでございますが、その點はどんなふうにしてお取締りになるおつもりでございますか。それとも宗教は信仰の自由ということによつて放任なさるおつもりでございますか。その點をお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/91
-
092・一松定吉
○一松國務大臣 宗教に名をかりて保健衞生に反するような行動をすると、やはりこれは厚生省の所管ですから、弊害があれば厚生省はその見地から取締ります。宗教の範圍外と認めなければならぬ。そういうことをして治療するということになれば……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/92
-
093・榊原亨
○榊原(亨)委員 お言葉を返えして失禮でございますが、たとえば護符を飲ませるというような場合に、これは取締ることができないのではないかと私は思います。治療をいたします場合に、治療代をとつて、そういう行為をやればひつかかるけれども、信仰としておさい錢でやる場合には、これは法律上ひつかからぬのではないかという疑問がございますが、私は法律家でありませんので、一松厚生大臣はよく御存じでありましようから、どういうふうに御解釋になりますか、今の解釋でよろしいのでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/93
-
094・一松定吉
○一松國務大臣 宗教のうちに淫祠邪教というのがあります。淫祠邪教がそういうようなことを言つて人心を惑わすということは、明らかに法の取締りを受けねばならぬ。警察犯處罰令等にも規定しておる。しかもこれを飲めば病氣が始ると言つて飲ませるということがあれば、それがいわゆる保健衞生に差支えがあるということになれば、もちろんこちらで取締らねばなりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/94
-
095・榊原亨
○榊原(亨)委員 次に現に盲唖學校とかいうところに就學中の方、殊に來年三月なら三月に御卒業になるというふうな方に對しては、この法律を適用して試驗を受けるということになるのでございましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/95
-
096・一松定吉
○一松國務大臣 そういうものはこの法律の原則からいけば、ちやんと法律に規定してある條件を具備しなければ資格を與えないのであります。しかしながら來年の四月はもう卒業する、ところが效力のあるのは三月までだ、ただ一箇月で資格を得るか得ないかというような境であるときにはどうすればいいか、これは政治的に解決をしなければならぬ。そういうことは當路者と厚生省との間において、適宜よく話合いの上で萬遺漏なきを期する、こういう考えをもつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/96
-
097・榊原亨
○榊原(亨)委員 大體これで私はあんま、マツサージの法案はわかつたのでありますが、先ほど福田さんが御發言になりました接骨師というものに名前を變えてもいい、修正しても可能だというふうなお話がございましたが、技術的に修正なさるのでございますか、委員長のおはからいを伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/97
-
098・小野孝
○小野委員長 速記を止めてください。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/98
-
099・小野孝
○小野委員長 速記を始めてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/99
-
100・榊原亨
○榊原(亨)委員 次に醫藥部外品等取締法案について承りたいのでありますが、部外品の中で「皮膚の組織の變更又は體臭の防止」云々という事柄がありますが、その御説明の中で、たとえば皮膚の表面にできるにきび、ほくろ等を除去する醫藥品のごときものとあるのであります。自然に生理的ににきび、ほくろはできると聞いておりますが、にきび、ほくろは生理的にできる現象か、あるいは疾病か、この點をはつきり承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/100
-
101・東龍太郎
○東政府委員 にきびが生理的であるとは醫學常識では申せないと思います。ほくろの方は、ほくろと言つておりますものの中にもいろいろありましようが、元來のほくろでありますならば、これは生理的なものと考えていいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/101
-
102・榊原亨
○榊原(亨)委員 そういたしますと、にきびが疾病であればこれを直す藥というものは醫藥部外品として上げることができるのでございましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/102
-
103・久下勝次
○久下説明員 ただいま醫務局長からお答えいたした通りでございます。にきびの程度のものは醫藥部外品として取締つて差支えないという考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/103
-
104・榊原亨
○榊原(亨)委員 それから化粧品の類を届出制としていたのでありますが、この化粧品の中に相當不良品がございますために、ほとんど不治に等しいような皮膚炎を起しましたり、皮膚の病氣を起しましたり、いろいろ有害なことが起つておることは新聞紙その他で散見するところであります。そういうものを取締るためにはやはり他の場合と同じように許可制をとることはいかがなものでありましようか。化粧品について届出制とした理由を讀みますると、敷が多いから届出制にするのだというだけでございまして、許可制であつてはならないという理由がはつきりしておらないのでありますが、この點の御説明をお願いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/104
-
105・久下勝次
○久下説明員 化粧品を届出制といたしまして、許可制といたしませんでした理由は、御指摘のように、第一は化粧品の種類が多く、またこれに關する業者も多いということがおもな理由でございますが、そのほかにも化粧品の製造につきましては現在商工省において主として扱つております。これを本法案によりまして厚生大臣が取締りをいたしますのは、第一條に書いてございますように、衞生上の見地からする取締りということでございます。從いましてその意味で衞生上の取締りをする上に厚生省の衞生關係の視野に入れますために、製造の届出でをさせることにいたしておるのであります。御指摘の不良品の取締りにつきましては、第六條、第七條、第八條、第九條にございます本法案の規定によりまして十分取締りの目的を達したいと考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/105
-
106・榊原亨
○榊原(亨)委員 次に小分業を製造業者の中にお入れになつた理由として、ここに出ておりますものははつきりしないのでありますが、その理由をお知らせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/106
-
107・久下勝次
○久下説明員 小分業を特に加えましたのは、この種のものにつきましては、小分という仕事が多年一つの業態として成立つておりますものが實際にございますので、その面からここに小分を入れましたのと、小分によりましてその内容の變るおそれも考えられますので、さような意味合から小分を製造所と同樣に扱いまして、取締りの視野の中に入れることにしたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/107
-
108・榊原亨
○榊原(亨)委員 御承知のようにガラスの容器が今非常に逼迫しておるときでありすので、一つのまとまつたものを小賣業者のところに送つて、そこでこれを容れ物をもつてきた者にわけるというようなことによつて大衆は非常に便利になるのでありますが、それを殊に製造業者にだけ小分業をやつて、店頭においてこれをわけることを許さないということはどうかと思いますが、その點はいかがでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/108
-
109・久下勝次
○久下説明員 製造業についてだけ小分業という意味ではございませんで、製造業という言葉の中へ小分業を含めるという意味でございます。從いまして今御指摘のようなものでも、小分をして販賣をするということでありますれば、その小分をする仕事そのものがここに言う小分になるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/109
-
110・榊原亨
○榊原(亨)委員 そうすると化粧品店の簡單な小さい商業者は化粧品をわけて賣ることはできないことになりますが、いかがでございましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/110
-
111・久下勝次
○久下説明員 そういうものは小分業者として許可を受けることになります。化粧品でありますれば許可ではありませんで届出であります。醫藥部外品でありますれば、そういう場合には許可を受けなければならぬことになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/111
-
112・榊原亨
○榊原(亨)委員 そうすると簡單な町の化粧品店が小分業の許可を受る場合には、簡單にお許し願えるでありましようか。それとも非常にむづかしいのでありましようか。要點は現在容器がないことと、化粧品は婦人の生活必需品にも等しいものである。從つてできるだけ安く婦人の方々にわけることが必要なのでありまして、いつでも、どの店でも届出によつてやれるというなら結構なのでありますが、めんどうな手續を要するということになると、これはむずかしいと思います。この點お聽きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/112
-
113・久下勝次
○久下説明員 第三條第二項にはつきりしておりますように、化粧品につきましては單なる届出によつてできることになつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/113
-
114・榊原亨
○榊原(亨)委員 食品衞生法案について質問いたしたいと存ずるのであります。第五章に檢査という條項がございますが、食品のすべてについて一つ一つ檢査するということは、これは非常な手數になつてくるのでございますが、この點は實際の運營上どんなふうなお考えをもつていらしやいますか、お聽かせ願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/114
-
115・三木行治
○三木政府委員 本法律案第一四條の檢査、特に御指摘の場合は製品檢査であると存じますが、その實際の製品檢査はどの限度においてやるのであるかという御質問であります。この法律案が成立いたしまして實施いたしますにあたりましては、一つの方針といたしまして、なるべく急激なる變化を避けていきたい、かように當局としては考えておるのであります。この檢査につきましても、これはこの法律案に最初に現われたものでおりますので、さしあたりましては、現在やつておりますところの人工甘味、ズルチン、サツカリンであります。及びこれは法制的に規定はないのでございますが、事業上やつておりますところの色素劑について檢査をやつていきたい。こう考えておるのでありまして、爾後その範圍を擴張する必要がございますれば、この法律案に定めてございますところの食品衞生委員會の議を經て、愼重にきめていきたい、かように考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/115
-
116・榊原亨
○榊原(亨)委員 第二十八條に、食品のいろいろな間違いから死亡いたしました場合に、解剖にするということが出ておるのでありますが、この點に對しまして、具體的にどの程度のものまで原因が判明しない場合に、やるというのでありますか。どういうふうなお考えでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/116
-
117・三木行治
○三木政府委員 第二十八條に「食品、添加物、器具又は容器包装に起因し、又は起因すると疑われる疾病で死亡した者の死體を遺族の同意を得て解剖に附することができる。」また都道府縣知事は「その死體を解剖しなければ原因が判明せず、その結果公衆衞生に重大な危害を及ぼす處があると認めるときは、遺族の同意を得ないでも、これを通知した上で、その死體を解剖に付することができる。」という規定がございます。私どもといたしましては、死體解剖をやらなければこの法律案の第一條に書いてございます、本法律案の目的を達成することが非常に困難である。かように考えておるのでありまして、まず原因を知ることによりまして、ただちにそれに對する豫防治療等の對策を講ずることができる一つの例をあげてみますと、原子爆彈糖というのがございますが、これが大阪で發賣せられたのでありますけれども、大阪においては逐にこれが原子爆彈糖に由來するものであるということがわからなかつた。その當時は肝臟炎であるというような名前で葬られておつたのでありますが、これが東京におきまして、一家庭から二人のそういう肝臟炎の患者が出たということで、死因調査會による監察醫の解剖の結果これが判明いたし、これに對する適切な對策をただちに實施することができた。さらにまたこれが原因を知ることによりまして將來の對策を立てることができる。たとえば直江津におきまする昨年の中毒でありますが、そのときには八百名の中毒患者で六十名の死亡者が出たのであります。しかしそういう場合はプトマイン中毒だということに相なりまして、その死因を遂にはつきりすることができなかつたのでありますが、これが明らかに相なりましたならば、十分に公衆衞生上必要なる措置を講ずることができると思うのであります。またこの原因を知ることによりまして、治療方法を發見することができると思うのであります。エチレングリコールという藥品がございますが、それは腦血管に結晶—クリスタルでありますが、それができるということによりまして重篤なる中毒症状を起すことがわかり、またその對策ができたのであります。從いまして私どもといたしましては、ぜひとも本法の目的達成のために死體解剖をやつていきたい、かように考えておる次第でありまして、具體的にいかなな場合に死體解剖をやるかということにつきましては、個々の場合について具體的に考えてみないとわからないと思うのでありますが、その死因が明らかであり、そうしてその對策が明らかであり、治療及び豫防及び公衆衞生上必要なる措置が適切にでき得るというような場合におきましては、この法律案によりますところの解剖は必要ない、かように考えておるのであります。ただ問題となりますのは、これらの解剖を行うにあたりまして、國民感情と申しますか、そういう點におきましてやや難點があると思うのでありますが、しかしこれにつきましては、この法律案に規定してございますように、禮意を失わないように十分の注意をいたすことにも相なつております。また解剖の例を見ましても、大學その他の醫育機關の解剖については申すまでもございませんが、司法解剖というものもございます。さらに死因調査令によるところの解剖、これは御承知のように東京及び五大都市及び福岡におきましては、死因が不明なる場合にはこれを解剖をする監察醫制度というものもございまして、現にやつておるのでございます。そういう次第でもございますので、かくのごとき前例もございますし、この法律案の目的を達成いたしますためにも、ぜひともやつていきたい、かように考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/117
-
118・小野孝
○小野委員長 政府側に申し上げますが、審議を急いでおる委員長の氣持を察してくださいまして、答辯はなるべく御簡潔にお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/118
-
119・榊原亨
○榊原(亨)委員 次に船員保險法についてちよつと質問をさしていただきたいと思うのであります。第五十二條の二の第一項第一號に「紹介セラレタル職業又ハ補導ヲ受クベキコトヲ指示セラレタル職業ガ其ノ者ノ能力ニ照シ不適當ト認メラルルトキ」とありますが、この「不適當ト認メラルル」という標準はどういうことを標準として不適當と認めるか。技術上の問題はどんなふうにお考えになつておりますか、承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/119
-
120・宮崎太一
○宮崎政府委員 「紹介セラレタル職業又ハ補導ヲ受クベキコトヲ指示セラレタル職業ガ其ノ者ノ能力ニ照シ不適當ト認メラルルトキ」と申しますのは、たとえばお醫者樣に旋盤工の仕事をしろという、これは極端な例でありますが、そういう紹介をされますということは不適當だと思いますが、そういう極端なことはないにいたしましても、その人の職業の能力と紹介の種類とが非常に合わないものでありますならば、これはいけないということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/120
-
121・榊原亨
○榊原(亨)委員 イギリスの失業保險の例に照らしてみましても、たとえば失業者が結核になつた、そして職業補導所においてはこの職業に就けと申しましても、まだ體がえらくてできないというふうなことで、そこに非常にトラブんが起つておるのでありますが、この場合にそういうものを能力のあるかないかということを御判定になるには、實際運營上どういうようになさるおつもりでございますか、それを承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/121
-
122・宮崎太一
○宮崎政府委員 ただいまのお尋ねの點などがはなはだむずかしいところだと思います。結核と申しましても結核患者の病症の程度にもよりますし、職業と申しても職業の種類にもよりまして、はなはだ制斷に困る場合があろうと存じます。そこでこういうようなことの判定をいたしますために一つの基準が必要であると思います。その基準は厚生大臣が船員保險委員會の意見を聽きましてきめることになつております。その基準によりまして大體妥當なる判斷をつけるように、行政廳としてやるつもりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/122
-
123・榊原亨
○榊原(亨)委員 終りました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/123
-
124・小野孝
○小野委員長 松谷天光光さん。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/124
-
125・松谷天光光
○松谷委員 私はあん摩、はり、きゆう柔道整復等營業法案につきまして四つばかり伺いたいと思います。すでに各委員から質問を盡されておりますので、重複を避けて簡單にいたしたいと思います。
第一に第三條、第三項に出ております後半の部であります。「第一條に規定する業務を行うに適しない者、」こうございますが、この適しないという中に盲人を當局は意味しておられるかどうかということを率直に伺いたいと思います。そしてまたその適しない者という判斷を、いかなる點にお置きになるかということを伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/125
-
126・一松定吉
○一松國務大臣 それはこの三に書いてある通りのことをよく讀んでいただくとすぐにわかります。第一條に規定する業務に關し犯罪又は不正の行為があつた者であつて、第一條に規定する業務を行うに適しない者で犯罪又は不正の行為のない盲などはもちろんできるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/126
-
127・松谷天光光
○松谷委員 今のような解釋にするということが決定しておれば安心してこれを讀むことができると思います。
それから先ほど榊原委員からも出ておりましたが、二條の第三項に羅列されてあります學問、解剖學なり病理學なり生理學という、この條文だけを見ておりますと、どうもまたいわゆる盲人に對してはこれを除外するという現實が出て來はしないかというおそれが出てまいりますので、先ほどの東局長からの説明によりますと、委員會がこの程度を決定するということで安心をいたしました、どうかその點を次の法案改正の場合のおいて、もう少しここのところが讀んですぐ安心感を受けられるような點に改正していただくことを希望いたします。
次はやはり第二條の第一項でございます。これは先ほど大瀧委員からも出ておりましたが、從來その數において相當多くを占めておつた盲人の方が、この一つの資格を今後取得されるということになつたときに、一つの學校なりあるいは養成施設に通學することは相當困難な問題であろうと思います。これに對して當局は通信教授の意思があるかないかということをお尋ねいたしたいと思います。なお先ほどの東局長のお話によりますと、解剖學なり病理學も、中學校の生理衞生を少し上まわつた程度のものにしたいというお答えがございましたが、これからいたしますと、これは通信教授でもその資格は獲得できるやに承るのでございますが、この點いかがでございましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/127
-
128・東龍太郎
○東政府委員 ただいまのお尋ねの第二條の養成施設あるいは學校に通わずに、通信教授をもつて資格がとれるのではないかという質問に對しましては、目下私どもの方では通信教授のことは考えておりません。それから學科の科目につきましては、これによつて盲人がその教育を受ける機會を失うようなものではなかろうかという御懸念のようでありますが、すでに現在の盲人教育機關におきましてもこれらの教科目を相當の程度りつぱにこなしております。この教科目があるがために盲人が不當のハンデイキヤツプを受けるというようなことは毛頭考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/128
-
129・松谷天光光
○松谷委員 現在通信教授に對してはお考えになつておらぬということでありますが、これは全委員においてもう一度御檢討願いたいと希望いたします。
なお同じ條文におきまして、學校あるいは養成施設に通學するという場合において、あんまは二年、きゆう及び柔道整復は四年、こういう非常に長い年限を要することになつておりますが、この學校修業にあたつて、國家は特に盲人あるいはその他の弱い立場にある方々に對しての、學校通學に對する國庫扶助等の意思はおありになりませんか、伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/129
-
130・東龍太郎
○東政府委員 その問題は直接には文部省の所管と存じますが、すでに當方としては文部當局の方とも緊密な連絡をとつておりまして、その方向にも話を進めております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/130
-
131・松谷天光光
○松谷委員 次は第十八條の後半でございますが、引揚者の方々に對しての期限が昭和二十三年十二月三十一日となつておりますが、ただいまの引揚げの現状からまいりますと、昭和二十四年の十月をもつて大體終了されるというかねての發表を伺つたように記憶いたしておりますが、そういたしますと、この二十三年の十二月三十一日で打切りますと、それ以後の引揚げの方はこの規則に漏れるという心配が出てまいりますが、この二十三年と規定なすつた根據を伺いたいと思います。そしてまたその漏れる方々に對してはどういう措置をとられるかということを伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/131
-
132・東龍太郎
○東政府委員 この二十三年十二月三十一日というのは動かし得ない、いわゆるデツドラインを示したものではないのでありまして、さしあたりまず來年度においては相當の引揚げの完了を見こんでおりますので、それが二十四年度に延び、あるいはそれ以後に延びましても、そのときには然るべくこれは延長いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/132
-
133・松谷天光光
○松谷委員 それではどうかその引揚げの時日とかみ合せまして、むしろこの期限は決定していただきたいと希望いたします。終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/133
-
134・小野孝
○小野委員長 午前中田中君から發言のありましたことに關連して一松厚生大臣より發言を求められておりますから、この際これを許します。一松厚生大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/134
-
135・一松定吉
○一松國務大臣 田中委員の御發言の詳細は承知しておりませんが、ごく概略のことは、はり、きゆうあんまのこの法案の提案に關し、もしくは資格の付與に關して、業者の間に運動費を集めて、その運動費を厚生省もしくは民主黨の黨費に寄附するようにしなければならぬとかいうことで、しきりにそういうことが行われておるといううわさを實は耳にしておつたのでありますが、アカハタという志賀義雄君の主宰しております新聞紙の表面にも、そういう記載のあつたことを私見て驚いたのです。私の見たアカハタの記載によりますと、鍼灸に關する業者のある人が、一松厚生大臣に對してこれを運動したところが、厚生大臣は、民主黨に千五百萬圓を寄附せよというようなことを言うたというようなことを、大阪の業者の會議においてこれが取上げられ、大阪の業者は非常に憤慨して、そういう運動をしないとかいう決議をしたとかいう記載があつたので驚いたのであります。私は業者に對してさようなことを言うたこともなければ、考えたこともなく、常に私の所にいろいろなことで運動にまいります人には、そういう運動をすることによつて金を集めて、そうして君方の仲間に迷惑をかけるようなことがあつてはいけない、聞けば、いろいろな運動にくるときに、運動費と稱して業者から金を集めて東京に來て、そうして宿屋に泊つてぜいたくをして、あるいは歸りに熱海に寄つて豪遊を試みるとかいうようなことで、そうして運動費と稱して業者から金を集めるというような悪い習慣のあることを聞いておるから、さようなことがあつては相ならぬからというので、常に私は諭しておるという立場にあります。いわんや今までこのあんま、はり、きゆう、柔道整復術等の業務の改廢もしくは法案の制定とかいうことに關して、業者からさような話を聞いたこともなければ、そういうことも實は耳にしたこともなかつた。しかしながらそういううわさを後に聞きましたから、私は鍼灸の方に關係のある参議院の小林議員に面會しまして、それらのことを確かめたところが、小林参議院議員は、そういうことは絶對にありません。ただ今までの一年の會費十圓であつたのを百圓に上げました、そのことをあるいは誤解したのかもしれませんがと、こういう話がありましたから、十圓を百圓に何のために上げたのかと聽いたところが、これらの人々の業務の向上發展をはかるがためには、再教育等をする費用も要りましようから、そういうことを豫期して、會費十圓を百圓に値上げしたのであります。こういうことであつたから、私は、そういうようなことの費用を集めるというのは、この際よくないじやないか、そういうことは君しない方がよろしいぞというくらいに、私はそのやつたことを難詰したような立場にあるのでありまして、實に私も不都合なアカハタの記事だと思つておりまして、實は志賀義雄君が編集人でありますから、これを名譽毀損の詰訴をしようとまで思つておつたのでありますが、一松が千五百萬圓を民主黨に寄附せよなどということそれ自體が常識に反する事柄でありますから、むしろこれは笑殺した方がよかろうということで、今そのままにしておるような次第であります。また大阪方面の鍼灸に關する人がわざわざ私に面會しまして、實はおわびのまいりました、ああいうようなことがアカハタに出ておつて、非常にわれわれは憤慨しましたので、アカハタに對しては、絶對そういう事實はないといつて取消しを要求しておるような次第でありますから、どうかひとつ御立腹していただかないようにということを、わざわざ陳情にきたといつて私に面會に來た人もあつたのであります。私は實は笑つた、そういうようなことがあろうともちろん自分は考えていないが、アカハタがときどきそういうようなことをいつて、現内閣の閣僚にきずをつけるとか、あるいは世の中の治安を紊すような記事があることははなはでにがにがしいことだと言うて、實は笑い話をしたという事實があります。厚生省に寄附せよというようなことがあつたとかいうことは絶對にありませんから、この法案を審議せられます皆樣の御熱心なる御審議に對して、こういうような忌わしいうわさがあるということに對して、議その當局の大臣といたしまして、これらのことを明らかにして、この委員會を通じて國民の皆樣の御了解を得て、民主黨、厚生省竝びにこれら關係の各委員諸君が、そういうような汚ない行動のために何ら汚されておることのないということだけを、明らかにしておきたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/135
-
136・小野孝
○小野委員長 以上をもちまして質疑を終了いたしました。
ただいま議題に供されております食品衞生法案、醫藥部外品等取締法案、あん摩、はり、きゆう、柔道整復等營業法案、船員保險法の一部を改正する法律案、以上四案を一括して討論にはいります。田中松月君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/136
-
137・田中松月
○田中(松)委員 食品衞生法案、あん摩、はり、きゆう、柔道整復等營業法案につきましては、もつと私どもは愼重に檢討したいのでございますが、これは會期も切迫しておる今日やむを得ませんので、次の國會に根本的な審議をするということを保留いたしまして、日本社會黨、民主黨、國民協同黨を代表いたしまして、一括贊成をいたすものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/137
-
138・小野孝
○小野委員長 大瀧亀代司君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/138
-
139・大瀧亀代司
○大瀧委員 ただいま本日ほんとうににわかに配られたこの法案に對して、十分に審議を盡し得なかつたように思うのであります。殊に榊原君と私たちの質問に對しても、十二分にまだ納得いかぬものが多々あるのでありますから、ただいま田中君のおつしやる通り、來る議會において必ずこうした點を明らかにして改正せられることを條件といたしまして、贊成の意を表します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/139
-
140・小野孝
○小野委員長 以上をもちまして討論は終局いたしました。
採決いたします。ただいま議題となりました食品衞生法案、醫藥部外品等取締法案、あん摩、はり、きゆう、柔道整復等營業法案、船員保險法の一部を改正する法律案、以下四條を一括して採決いたします。四條とも原案の通り可決することに御贊成の方の御起立を願います。
〔總員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/140
-
141・小野孝
○小野委員長 起立總員。よつて四法律案は原案の通り可決せられました。
なおお諮りいたしますが、これらの案について、議長に報告いたすことにつきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/141
-
142・小野孝
○小野委員長 御異議なしと認めまして、さように取計らいます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/142
-
143・小野孝
○小野委員長 これより請願及び陳情の審査にはいります。請願及び陳情書は數が非常に多いので、趣旨を同じくするものはできるだけこれをまとめて審査してまいるように取計らつていきたいと思います。請願日程第一、老齢元軍人に恩給復活の請願、矢野庄太郎君紹介、文書番號第二號、それから第二五、恩給増額に關する請願、古賀喜太郎君紹介、文書番號第八三〇號、日程第四八、恩給増額に關する請願、志賀健太郎君紹介、文書番號第一一四三號、日程第三九、中學校教員の恩給増額の請願、志賀健太郎君紹介、文書番號第一〇六七號、日程第四一、恩給増額に關する請願、増田甲子七君紹介、文書番號第一〇七六號、日程第四二、恩給増額に關する請願、唐木田藤五郎君紹介、文書番號第一〇九四號、目程第四四、巡査の恩給舞額に關する請願、志賀健太郎君紹介、文書番號第一一二六號、日程第五六、巡査恩給増額に關する請願、志賀健太郎君紹介第一二七七號以上を一括して議題といたします。紹介議員の御説明を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/143
-
144・田中松月
○田中(松)委員 紹介議員缺席のため、私から代つて説明いたします。老齢元軍人竝びにその遣族は、現在の物價高のため極度の生活苦に悩みつつある實情は、今さら説明申し上げるまでもなく、關係當局、各委員の皆さん十分御了察の通りでございます。どうぞ、こうした人たちの生活の一助にもなるために恩給を復活せられるようお願いしたいのであります。
なお普通恩給または扶助料を受けておる者でありましても、數年來の物價高のため極度の生活苦に悩んでおる實情、これまた關係當局竝びに議員の皆樣すでに御了承の通りでございます。より以上の説明を申し上げることをこの際差控えます。どうぞ恩給を適當に増額されるようにお計らい願いたいと思うのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/144
-
145・小野孝
○小野委員長 この恩給復括または増額に關する請願につきましては、さきに恩給法一部改正法律案の審議の際に併せて審査いたしたのでございますから、それと同趣旨のようでございますから、これにつきましては別に政府の意見を求めることなしに審査を終了したものといたしたいと存じます。御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/145
-
146・小野孝
○小野委員長 さように決します。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/146
-
147・小野孝
○小野委員長 日程第二、妊産婦に砂糖特配の請願、庄司一郎君紹介、第二八號、日程第三、妊産婦に味噌特配の請願、川越博君外一名紹介、第四〇號、慰上を一括して議題に供します。紹介議員の説明を求めます。庄司一郎君、発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/147
-
148・庄司一郎
○庄司一郎君 日程第二の請願は、妊産婦に砂糖を特に配給してほしいというのでありまして、この請願は、宮城懸柴田郡大河原町の婦人協議會より提出された請願でございまして、この婦人協議會は、さきには、新憲法下において男女同權平等の趣旨に即應しておバコも婦人に配給せよという請願を出し、その次には縫絲の配給の増額を請願し、今囘はただいま議題になつておりまする砂糖を妊産婦に特配してほしいという請願をしておりますが、近來外國より砂糖の輸入も近いようでございますから、一般の國民にももとより多少にかかわらずお砂糖の配給はあると思いますが、特に妊産婦の場合は、妊娠の苦悩、あるいは産みの苦しみ、そうして赤ん坊を育つていくお母さん方に、單に調味料としての砂糖の特配という意味だけじやなく、精神的に母を敬愛するという國家的の意味において、また妊産婦に生理的、肉體的に榮養を與えるという大きな見地から、特に政府におかれては妊産婦に對して砂糖の特配をお願い申し上げたいというのが趣旨であります。
第二の、みその特配も同樣でありまして、みその自家製造をやつている農民諸君は別問題でございますけれども、全部おみそを營團を通じて配給を受けておる家庭からいいますならば、特に妊産婦は、俗にいう肥立ちまで、健康體になるまで、みそ汁を豊かに與えてその健康體を速やかに復括させてあげて、丈夫な母性として赤ん坊にゆたかなるお乳を與えることができ得るような健康體の母性をつくるために、砂糖やおみその増配が絶對必要である。こういう母性尊重の意味からの全國的な大きな意義のある請願であると思うであります。何とぞ御採擇をお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/148
-
149・小野孝
○小野委員長 本件に對しまして政府の御意見を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/149
-
150・守田英雄
○守田説明員 砂糖の係りが來まして御説明申し上げることになつておりましたけれども、あいにく今日不在でありますので、私が代りまして最近の事情を御説明申し上げたいし思います。國内におきます砂糖の生産數量は、昭和二十一年に十三萬八千ピクル、それから本年の計畫としまして二十五萬ピクルを計畫いたしておるのであります。この砂糖の用途につきましては、一應牛乳添加用としてまして一年間にどうしても配給しなければならぬのが十六萬四千ピクル必要になつておりまして、このほかに練粉乳に出す砂糖、あるいは育兒食糧、あるいは育兒菓子、醫藥等の方面にも砂糖をどうしても配給しなければなりません状況にありますので、國内糖をもつてしては、ただいまお話のありました妊産婦に砂糖を供給することは困難であるという見透しをもつております。そこで、輸入糖につきましては、これは一應關係方面の了解を得なければならぬと思いますので、關係方面の了解を得た上において判斷をしたいと考えております。
なお、次にお話のみそにつきましては、これも原料でありますだいずとか、あるいは副原料であります米麥が、主要食糧の事情によりまして、みその生産と配給を確保するだけの生産が容易に行われない。從つてわれわれとしましては、輸入の原料を求めまして、できるだけ多くの生産をしまして配給を確保したい、こう考えて關係方面に懇請をしておるのであります。そこで、現在みそが全國に自家用を除いてどの程度持ち合わせておるかということを、數字的に御説明申し上げますと、これは資料が多少古いかもしれませんが、十月の末日で、全國のみその製造業者のもつておりまするみそが約六百八十萬貫ばかりあります。このみそはただちにみそとして配給のでき得る形態のみそであります。そのほかに、仕込みましてみそに熟成していないもので七百五十五萬、合計して千四百三十萬餘にみそを熟成、未熟成で持つておりますけれども、一箇月のみその配給する數量が、最底限五百六十萬貫程度を必要とするのであります。從つて、みそは仕込みまして最底限三箇月程度の熟成期間を必要とするために、ただいまお話のありました妊産婦の方にみそを配給するというところまで、なかなか手が伸びかねるのでありまして、われわれとしましては、今後の輸入の原料のいかんによりましてこれも考慮をしていきたいと考えておるのであります。なおここで紹介議員の方にお伺い申し上げたいのは、妊産婦の數が全國で大體どのくらいかということを承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/150
-
151・小野孝
○小野委員長 それは役所同士で調べればわかることですから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/151
-
152・庄司一郎
○庄司一郎君 妊産婦の一箇月の統計あるいは一箇年の統計は不幸にして私は承知しておりません。しかしながら、赤ん坊の生れる數は一日二十四時間の約二千六百人であることは數年前において聞いたことがございます。なお、説明員であろうと、政府委員であろうと、議員に妊産婦の數がどのくらいあるかということをお尋ねになるということは、たいへん議員の深く廣い知識を、あなたがお知りにならないゆえに承知したいという學究的な意味においては、あなたの發言を尊敬いたします。しかしながら、もし議員がそういうことを承知しておりません場合には、これは議員に對して政府の委員やあるいは説明員が質問權があるないというような國會法上の議論じやありませんで、たいへんこれは、將來の國會の會議のあり方、あるいは委員會のあり方について、あなたは新機軸を開かれたたいへんお偉い方であるということをここに附加えて御答辯申し上げておきます。ただいまお尋ねの妊産婦の數がどのくらいであるかということは庄司は淺學菲才にして存じておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/152
-
153・小野孝
○小野委員長 そのことは、先ほど申しましたように、政はは當然政府當局に質すべきであつて、紹介議員に質すべきではないと思います。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/153
-
154・小野孝
○小野委員長 日程第四、南方からの引揚齒科醫に開業許可の請願、本田英作君紹介、第二四五號。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/154
-
155・田中松月
○田中(松)委員 本請願の要旨は、海峡植民地齒科醫師法により、シンガポール齒科局に登録し、現地開業何十年、日本人齒科醫として認められていた引揚齒科醫に對して、厚生省に開業資格許可を願い出ましたところ、聽き容れられず、齒科醫師國家試驗豫備試驗受驗の資格のみを與えられました。しかし現在の立場では受驗準備の餘力もなく、新進若手と伍して書成績を收めることは不可能でございます。ついては、長い臨床の手腕と現地法的登録免状と海外で得た信用とを取上げて、こうした者が開業されるよう許可されたいというのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/155
-
156・小野孝
○小野委員長 政府の御意見を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/156
-
157・東龍太郎
○東政府委員 ただいまの請願にありましたのは、數ある中の一例と存じます。この南方特にシンガポール等現地に在住しておりました齒科醫師からのそういうふうな請願は私どもも承知しておりますが、その個人につきまして少くともただいままでいろいろと調べまして結果では、ただちに開業許可を與えることのできない状態でありまして、その中にもありました通り、外地における免許をもつておる者として、つまり外國における免許をもつておる者として、國家試驗豫備試驗からいつていただくという途よりほかに、厚生省としましては解決の方途を見出し得ないものでございます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/157
-
158・小野孝
○小野委員長 日程第五、國立療養所入院費患者負擔反對の請願、山崎道子君紹介、第二四五號、日程第二八、國立療養所入院費患者負擔反對の請願、竹谷源太郎君紹介、第八七二號、日程第五〇、國立療養所入院費患者負擔反對の請願村上請治君紹介、第一一七八號、日程第四三、國利療養所入院費患者負擔反對の請願外三件、庄司一郎君外一名紹介、第九六〇號、日程第三六、國立療養所入院費患者負擔反對の請願、田中松月君外三名紹介、第九九九號、日程第三八、國立療養所入院費患者負擔反對の請願、庄司一郎君紹介、第一〇三三號。
陳情、日程第二七、國立療養所患者の生活擁護に關する陳情、文書番號五〇二號、以上を一括議題といたします。紹介議員の説明を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/158
-
159・山崎道子
○山崎(道)委員 本請願の要旨は、國立療養所の入所規定の改正による入所費の有料問題は、收入が全然なく、しかも長期の療養生活をする入院患者に對しまして大きな打撃と動搖を與えております。患者の大多數はその日にも療養生活をやめようとしており、また事實退院をしておる者も出ておるのでございます。もし、そうなれば社會全般に結核の蔓延というおそろしいこととなるのございまして、ついては從來のように入院費をぜひ國家で補償されたいというのが請願の趣意でございます。殊に厚生省當局におかれましては、豫防の方もたいへんやかましく言つております今日、こういうことで結核が蔓延をするということを御考慮願いまして、どうぞ御採用を願いたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/159
-
160・小野孝
○小野委員長 政府の御意見を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/160
-
161・東龍太郎
○東政府委員 この問題につきましては、當委員會におきましても數囘にわたりましていろいろと伺つたのでありまして、その都度厚生省としてとつております處置竝びにとらんとする善處方等について御説明申上げ、ある程度は御了解を得た點もあると存ずるのでありますが、今請願にありますような結果になりますことは私どもとして不本意でもあり、またこれは非常に懸念すべきことと存じます。從つて入院費の負擔にたえないがために療養を中止し、もしくは不必要に早期に退院するということの起りませんように、經濟的の面においては負擔力を十分考慮をいたしまして、減免の規定を應用する、あるいはまた生活保護法を十分に適切に活用するように、できる限りの指導をいたしております。ただ實例において未だその厚生省の意思が徹底していないという批評を受けておりますが、これにつきましては、一々の事例について、そういうふうな御注意のありますところには、特に重ねて指導をいたしておりますので、ただいまのところ入所規定を根本的に變えるということはむずかしいと存じますが、運用におきまして今まで無料であつたものが突如として大きな負擔を受けるというようなことの絶無であるように處理いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/161
-
162・小野孝
○小野委員長 日程第六、柔道整復術取締規則の一部改正に關する請願、福田昌子君紹介、第三〇六號、日程第二六、鍼灸醫法制定に關する請願、淺沼稻次郎君外二名紹介、第八三七號、日程第五一、鍼灸マツサージ師法制定に關する請願、小野孝君紹介、第一一八一號、日程第五二、盲人に鍼灸業繼續許可の請願、佐々木秀世君外三名紹介、第一一八五號、日程第五四、鍼灸マツサージ師法制定に關する請願、齋藤晃君紹介、第一二四一號、日程第五五、盲人に鍼灸業繼續許可の請願、森直次君紹介、第一二四三號、日程第六二、盲人に鍼灸業繼續許可の請願、生越三郎君外一名紹介、第一三〇四號、日程第三七、治療師制度の改善に關する請願、岡田春夫君紹介、第一〇〇二號、日程第四〇、盲人に鍼灸業繼續許可の請願、山崎猛君紹介、第一〇七一號、日程第六四、療術師の權益確保に關する請願、坂東幸太郎君外三十一名紹介、第一三一一號日程第六七、盲人に鍼灸業繼續許可の請願、船田享二君紹介、第一三二六號、日程第六八、同小野孝君外一名紹介、第一三二七號
陳情日程第五、鍼灸醫法制定に關する陳情書、第一三五號、日程第三二、治療師に對する試驗制實施その他に關する陳情書、第五三九號、日程第四〇、盲人鍼灸業在續に關する陳情書、第五九七號、右一括議題といたします。この際おはかりいたしますが、これらの請願及び陳情につきましては先ほど審議いたしました、あん摩、はり、きゆう、柔道整復等營業法案の可決によりまして、本國會に關する限りこれらの請願、陳情はこれを審査する必要がなくなつたものと思いますので、これを審査いたさないことにしたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/162
-
163・小野孝
○小野委員長 御異議なしと認めましてさように決します。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/163
-
164・小野孝
○小野委員長 日程第七、青年禁酒法制定反對の請願外三件、細川八十八君紹介、第三七一號、日程第八、青年禁酒法制定の請願、相馬助治君紹介、第三八四號、日程第九、同坂東幸太郎君紹介、第三八五號、日程第一〇、青年禁酒法制定反對の請願、中野寅吉君紹介、第四〇七號、日程第一三號、青年禁酒法制定反對の請願、木下榮君外一名紹介、第五一〇號、日程第一四、同岡田勢一君外一名紹介、第五一一號、日程第一五、同、的場金右衞門君外一名紹介、第五一二號、日程第一六、同酒井俊雄君紹介、第五一三號、日程第一七、同川野芳滿君外一名紹介、第五一四號、日程第一八、同飯田義茂君外一名紹介、第五一五號、
以上を一括して議題に供します。禁酒法制定の請願と制定反對の請願がありますので、兩方の趣旨をお述べ願いたいと思います。田中松月さん。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/164
-
165・田中松月
○田中(松)委員 紹介者缺席のため私から代つて説明いたします。まず青年禁酒法制定の請願の方から説明いたします。身心發育の途中にある青少年を酒の害毒から守り、飲酒の悪癖を未前に防ぐことは新日本將來の進展上きわめて緊要の施策であります。さきに未成年者飲酒禁止法の制定されたこともまつたくこの趣旨にほかならないが前古未曽有の難局に立つている現下においては、さらにこれを擴大して、二十歳以上二十五歳未滿の青年を酒害より護り、もつて民族の優生を期することが一層緊要であると思います。この趣旨から速やかに青年禁酒法を制定されたいとお願いする次第であります。
次に青年禁酒法制定反對のお願いであります。酒は人類天賦の嗜好的飲料でありまして、わが國では冠婚葬祭等一切の儀禮に用いられ、適度の飲用は人體の榮養上にも、精神慰安のためにも、また生産力擴充にも多大の效果があります。しかるに二十五歳までの青年を限り、國法をもつてこれを禁することはかえつて他の一般青年との區別が困難で、その取締りが不可能であるばかりでなく、いきおい前途ある青年を刑餘の人とし、あるいは現下の食糧及び物資の増産に邁進する人の精神的慰安のためにも、このような法律を制定することは國家の將來に害毒をなすものであると思います。どうぞ同法案を否決されるようお願いしたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/165
-
166・小野孝
○小野委員長 本請願はいずれも事立法に關しまするので、政府に特別の御意見がない限り、あえて政府の御意見を求めようといたしませんが、いかがでございましようか。——それでは説明を求めないことにいたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/166
-
167・小野孝
○小野委員長 日程第一一、住宅營團經營住宅買上の請願、佐々木更三君紹介、第四七五號。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/167
-
168・田中松月
○田中(松)委員 さきに住宅營團は關係方面より解散を命ぜられたので、その所有する經營住宅を他に賣却しようとしている。ついては、一、政府は宮城縣下二千五百戸の住宅營團經營住宅を買い上げること、二、買上げ住宅は政府の直轄經營とするか地方公共團體に委託經營せしめること、三、勤勞庶民階級の生活費を基準とする適正家賃を設定されたいというのである。以上お願いを申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/168
-
169・小野孝
○小野委員長 政府の意見を求めます。——それではこの審査は後に延ばしたいと思います。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/169
-
170・小野孝
○小野委員長 日程第一二、結核豫防ワクチンB・D・G注射中止等の請願、稻村順三君紹介、第四八二號。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/170
-
171・田中松月
○田中(松)委員 牛型結核生菌ワクチン、いはゆるB・C・G注射は危檢なくして效果あることを科學的に立證することを得る時期まで中止せしめられたい、また結核豫防對策改善意見については、公述人として請願人に陳述する機會を與えられたいというのである。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/171
-
172・小野孝
○小野委員長 政府の意見を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/172
-
173・東龍太郎
○東政府委員 B・C・Gの注射につきましては、すでにその有效性が學問的に立證せられておると存じまするので、請願にありますように、すでにそれは危檢なく、有效なる豫防ができるという時期と考えまして、むしろ政府におきましては、この注射が廣く行われるようにいたしたいという考えでおります。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/173
-
174・小野孝
○小野委員長 日程第一九は、紹介議員の方より申出がありまして、問題解決のために請願取下げの手續中であるということでありますので、これを審査いたしません。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/174
-
175・小野孝
○小野委員長 日程第二〇、結婚問題の指導その他に關する請願、山下春江君外二十六名紹介、第六一一號。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/175
-
176・田中松月
○田中(松)委員 終戰以來の思想的混亂、國民道徳の頽廢竝びに經濟事情により婚期を過ごした男女、夫の戰病死により再婚を希望する未亡人、人口比率上過剩の女子、あるいは風紀を紊す青少年の保護、救濟は平和な道義國家建設の上にきわめて重要である。ついては未婚青年男女に成人教育の普及、戰争に原因する晩婚者等の結婚を助成するための結婚助成法の制定、妊娠調節の指導相談所の設置及び勤勞者に結婚手當の支給制度等を設けられたいというのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/176
-
177・小野孝
○小野委員長 政府の意見を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/177
-
178・三木行治
○三木政府委員 戰争のため婚期を逸した男女や、あるいは戰争未亡人の問題等、結婚の問題はまことに重要でありますが、政府といたしましては、まず國民生活安定の諸方策を急ぎますとともに、正しい結婚の指導に努力をいたしたいと考えておるのでありまして、ただいまのところ助成法は考えておりません。また妊娠調節につきましては、人體に無害な妊娠調節は國民の良識に委せて、有害注意物の取締りを行つていきたい所存であります。特に指導所の設置は、ただいまのところ考えておりません。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/178
-
179・小野孝
○小野委員長 日程第二一、産兒制限に關する請願、加藤シヅエ君紹介、第六九一號、日程第二三、産兒制限に關する請願、武田キヨ君外二名紹介、第七七六號、右一括して議題に供します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/179
-
180・田中松月
○田中(松)委員 わが國の人口過剩は、新憲法の企圖する平和的文化國家の建設に對する重大なる障害であり、人口の増加を抑制することは、對内的にも對外的にも必要なことであります。ついてはその目的完遂のため、一、不妊手術及び妊婦中絶の不當な制限の撤廃、二、有害避妊取締規則の改正、三、産兒制具に關する國民の自由確保、四、官公立病院及び保健所等により科學的産兒制限の指導、五、廣義の産兒制限のため健康保險及び國民健康保險の利用、六、國際産兒制限運動との連絡等をはかること、こうした點をぜひ實現するようお願いいたしたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/180
-
181・小野孝
○小野委員長 政府當局の意見を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/181
-
182・三木行治
○三木政府委員 産兒制限につきましては、政府といたしましては今日醫學的な立場に立ついわゆる妊婦中絶等につきましては、これを許しておりますけれども、人體に有害な方法につきましてはこれを禁止していきたい所在でありまして、速やかに國民經濟の安定と産業復興によつて、人口包容力を増加いたしまして、これらの諸問題に對處していきたいと考えております。ただいま御請願の有害避妊器具取締規則あるいは産免制限に關する國民の自由確保等につきましては、人口問題研究所等の研究の結果とも合わせて、十分に研究を遂げていきたいと考えております。なお國際産兒制限運動との連絡等につきましては、ただいまのところ考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/182
-
183・小野孝
○小野委員長 日病第二二、生活協同組合法案反對の請願外二件、佐々木盛雄君紹介、第七三四號。日程第三一、生活協同組合法制定の請願、野溝勝郡紹介、第九一八號。日程第四九、生活協同組合法案反對の請願、庄司一郎君紹介、第一一五九號。日程第六三、生活協同組合法制定の請願外十六件、中原健次君紹介、第一三〇六號。日程第六六、生活協同組合法制定の請願外一件、中原健次君紹介、第一三一三號。
陳情、日程第一一、生活協同組合法制定促進に關する陳情書外一件、第二四一號。日程第一三、消費組合本(生活協同組合法)制定促進の陳情書、第二七六號、日程第一六、生活協同組合法案に關する陳情書、第三一九號。日程第一八、生活協同組合法實施反對に關する陳情書、第三六一號。日程第一九、生活協同組合法案に關する陳情書、第三七〇號。日程第二二、生活協同組合法制定反對の陳情書外四十六件、第四四〇號、日程第二五、生活協同組合法案に關する陳情書、第四八五號。日程第二六、生活協同組合法制定反對の陳情書、第四九四號。日程第二九、生活協同組合法制定促進に關する陳情書、第五〇五號。日程第三〇、生活協同組合法案の提出撤囘に關する陳情書、第五〇九號。日程第三八、生活協同組合法制定促進に關する陳情書、第五八號。以上一括議題に供します。田中君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/183
-
184・田中松月
○田中(松)委員 まず反對の方から御説明いたします。生活協同組合の設立は一、新たに資金設備の投下を必要とし、現在の資材資金の實情よりして國民經濟上不利益である。二、これによる配給は機構的となり、國民健康文化的生活の趣旨に反する。三、既存の商工業者の發展を阻害する。四、組合に對する税金免除は既存商工業者に對し不均衡である。五、統制に對する緩和規定は配給機構を混亂し、やみの助成となる。六、ある特定の政治意圖に利用されやすい。七、組合の行う金融事業は消費者に危險負擔を與え、やみ金融の助長となる。八、組合の製造加工業は新たに遊休設備を加えることになる等の理由から同法案に反對をお願いするのであります。
次に生活協同組合法制定のお願い。戰爭による最大の犠牲者たる勤勞消費大衆を正しい國家の恩惠に浴させるため、生活協同組合法案が近く國會に提出されようとしているとき、中小商業者は團結してこの法案の法律化に反對しようかとしている、ついては高邁なる政治理念の庇護により、生活協同組合法案の速やかなり國會提出と法律化の貫徹に絶大の考慮を拂われるようお願いしたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/184
-
185・小野孝
○小野委員長 本請願及び陳情も、立法に關することでありますから、特別の御意見がなければ、政府の御意見は承らないことにしますが、よろしゆうございますか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/185
-
186・小野孝
○小野委員長 それではさようにいたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/186
-
187・小野孝
○小野委員長 日程第二四、石塚地方病院存置の請願、飯村泉君紹介、第八二九號。日程第五七、新潟縣中央病院及び柿崎病院を中頚城病院に返還の請願、荊木一久君紹介、第一二七九號。日程第三三、大阪療養所を貝塚市に拂下の請願、平島良一君外二名紹介、第九四〇號。日程第六五、青森市に國立總合病院設置の請願、山崎岩男君紹介、建一三一二號。
陳情、日程第一〇、宇野療養所市營還元に關する陳情書、第二三五號。日程第一二、伊東市に都結核療養所設置反對の陳情書、第二五九號。以上を一括して議題に供します。なお本件は一應類例を異にするものではありませけれども、個々の問題もあるようでございますから、政府の御意見は日々についてお伺いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/187
-
188・田中松月
○田中(松)委員 日本醫療團解散に伴い、當地にある石塚地方病院處分については、本病院を公的醫療機關として存續し、長く社會公共の福祉施設として國營又は地方公營の醫療施設としていただきたいのであります。その他の請願、陳情は、ほとんど同趣旨のものでございますから、請願の表題の通り希望がかなえられるよう善處方をお願いする次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/188
-
189・小野孝
○小野委員長 政府の意見を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/189
-
190・東龍太郎
○東政府委員 ただいま議題となりましたもののうちで、請願第二四と第五七とはその趣旨において同樣の請願と存じます。これらはいづれも直接厚生省當局といたしましてはその請願の趣旨を伺つておりますので、十分それを參酌いたしましてその處理に當りたいと存じております。
請願第九四〇號の大阪療養所を貝塚市に拂下げの請願につきましては、一應この請願の筋は厚生省といたしましてはお受けすることができない由を貝塚市當局にも申し上げました。その結果といたしまして大阪療養所に隣接いたしております舊醫療團からまいりました千石莊の療養所の未完成の建物をもつてこの貝塚市の希望する施設に充て得るということに相なりまして、目下その方面の折衝中であると存じます。
陳情の第二三五號宇多野療養所市營還元に關する陳情につきましては、すでにこれは京都市との間に話合のつきましたこともありますので、從つてこの陳情は提出者より撤囘せられるような意思であるということを聽いております。
陳情二五九號、伊東市に都結核療養所設置反對の陳情、これもすでに東京都と、伊東市との間において問題の解決しておることと承知いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/190
-
191・小野孝
○小野委員長 日程第二七、少年保護事業團體に對する委託補給費増額の請願、磯崎貞序君紹介、第八五五號。松崎説明員。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/191
-
192・松崎芳
○松崎説明員 少年保護事業團體と申しますのは、現在は司法省の所管でありまして、その委託費の増額につきましては、いろいろ御陳情されておるやに聞いております。現在參議院の方で御審査をされております最高法務廳設置法案におきましては、私設の少年保護事業團體は、近い將來において全面的に廢止になり、その間に若干厚生大臣と司法大臣が協議して、その所管に當るということが規定されておりまして、あの法案が通りますれば厚生省といたしましても合理的な少年保護事業團體の運營に努力いたしたいと思つております。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/192
-
193・小野孝
○小野委員長 日程第二九、國立療養所高山莊の修理完成促進の請願、岡村利右衞門君外一名紹介、第八九八號。紹介議員の説明を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/193
-
194・岡村利右衞門
○岡村利右衞門君 飛彈地方は嚴寒と積雪の氣象的條件による屋内生活のために、結核の蔓延を來しておるのであります。さらに山國特有の食生活竝びに温暖地以上に忙しい農繁期における過激勞働が、高原特有の強烈なる紫外線下に行われるため、結核が非常に蔓延しておるのであります。しかるに結核療養の施設のあり高山莊は未だ完成しておらないのであります。しかもさきに計畫された岐阜縣立療養所の開設を望まれない今日、現存の高山莊を修理完成して、優秀なる國立療養所とされんことを希望しておる次第でございます。この療養所は高山の市内から約一丁ほど離れたところにございまして北アルプルを一望のうちに眺める高臺にございまして、非常に景勝の地にあるのでございます。そして病舎は建築されたのでありますけれども、嚴寒のために瓦を全部壊されまして、今立ち腐れのようになりつつあるのでございますので、至急屋根瓦だけを修理していただきたいということが最も望ましいことでございまして、そしてできれば完備をできるだけ早くしていただきたいということが請願の趣旨でございます。どうか皆樣の御贊同を得まして、一日も早く完成したいものと存ずる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/194
-
195・小野孝
○小野委員長 政府當局の意見を求めます。東政府委員。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/195
-
196・東龍太郎
○東政府委員 ただいまの請願の高山莊については、本年の四月一日から醫療團營をば國營に移されまして、その運營を國において行つておる施設でございます。その施設の未完成の點、竝びに現在の砂損の程度につきましては、厚生省におきましても十分調査をいたしまして承知いたしております。從つてそれの營膳の必要性は重々承知いたしております。ただ非常に經費がかさむという見積りに相なつておりますので、一度に全部の御希望をかなえるということはただいまのところ困難であります。しかしながら最も必要な部分から逐次これを修復いたしまして、また完成をなるべく早くするように努めたいと存じております。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/196
-
197・小野孝
○小野委員長 日程第三〇、國立遺傳學研究所設置の請願、西山冨佐太君紹介、文書表第九〇一號、田中君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/197
-
198・田中松月
○田中(松)委員 本請願の要旨は、遺傳學は食糧問題及び人口問題の解決竝びに文化國家再建に密接な關係を有しております。ところがわが國の遺傳學は生物學、農學、醫學界各方面の學者の協力により、比較的高度の水準にありまするが、その研究施設はきわめて貧弱であり、このような施設では今後いかに努力をいたしましてもこれ以上の進歩は望めません。殊に應用的研究に至りましては、大規模の總合研究によつて初めて達せられるものであります。ついては速やかに國立遺傳學研究所を設置していただきたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/198
-
199・小野孝
○小野委員長 本件に關しましては都合により審査を延期いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/199
-
200・小野孝
○小野委員長 日程第三二、和歌山縣下朝熊部落の人權保障に關する請願、田中松月君外二名紹介、第九二八號。田中松月君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/200
-
201・田中松月
○田中(松)委員 本請願はあり事情によりまして、一應請願者から撤囘といたしたい申出でございますから、さようお取計らいを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/201
-
202・小野孝
○小野委員長 それでは撤囘いたすことにいたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/202
-
203・小野孝
○小野委員長 日程第三五は都合により審査を延期いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/203
-
204・小野孝
○小野委員長 日程第四三、北海道民に燃料費補助の請願、坂東幸太郎君紹介、文書表第一一〇三號。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/204
-
205・田中松月
○田中(松)委員 北海道における燃料は食糧と同等の線にあり重要必需品であります。一年の半分を雪に埋もれ、零下三十度の酷寒の中に生活する北海道民の燃料費は、生活費の半ばを費し、家族の榮養、乳幼兒の發育にも事缺く困窮状態に陥つております。ついては北海道住民のため、燃料費の補助をされたいというのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/205
-
206・小野孝
○小野委員長 政府の意見を求めます。高田説明員。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/206
-
207・高田浩是
○高田説明員 ただいまの請願の御趣旨の、全般的に北海道民に對して燃料費を補助するということは、私どもの所管ではございませんが、生活困窮者に出しまする生活扶助金の點につきましては、私どもの所管といたしまして、本年の二月時分でございましたか、すでにその措置をいたしております。先般石炭の料金が上りましてので、それに伴いまして現在では十一月から四月まで半年間でありますが、燃料は二トン半配給ということに計畫がなつておりますが、それに要しまする經費三千五百圓餘りを、日額にいたしますと十九圓三十五錢ということになりますが、それを普通の生活扶助費費以外に附加して給與してもよろしい、かような取扱いになつております。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/207
-
208・小野孝
○小野委員長 日程第四五、舊樺太廳假免許齒科醫師に内地開業許可の請願、並木芳雄紹介、文書表第一一三三號。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/208
-
209・田中松月
○田中(松)委員 舊樺太廳假免許齒科醫師は、大正年代から渡航開業してきた内務省免許の齒科醫師と技術的に何ら違いはありません。ただ資格がないため内地での開業は許可されず、極度の生活苦に惱んでおります。ついては前記齒科醫師に内地開業を許可されるようお願いしたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/209
-
210・小野孝
○小野委員長 政府委員の意見を求めます。東政府委員。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/210
-
211・東龍太郎
○東政府委員 ただいまの請願の中にありました舊樺太廳の假免許齒科醫師につきましては、その技術方面におきましては厚生省において調査いたしましたところでは、必ずしも技術が請願にあるがごとき優良なものとは認めがたいのでありますが、しかしながらこの問題につきましてはすでに參議院の方の海外同胞引揚促進委員會におきましても同樣の趣旨の要望があります。現状におきましてはこれらの人々に開業の免許を與える途はまつたくないのであります。この點につきまして新らたにこれらの人にそれらの途を開きますということは、一應私どもといたしましては力の及ぶところではないのでございます。しかしながらそれらの人々の窮境を十分了承いたしておりますので、適當な機を見まして今一度新しい途を開き得るや否やということの打診竝びにその努力をいたすつもりではおります。しかしながらそれに對して十分なる成算をもち得ない状況であることを申し上げておきたいと思います。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/211
-
212・小野孝
○小野委員長 日程第四六及び日程第四七は、都合により審査を延期いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/212
-
213・小野孝
○小野委員長 日程第五三、驅蟲劑サントニン輸入の請願、福田昌子君紹介、文書表第一二一七號、紹介議員の説明を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/213
-
214・福田昌子
○福田(昌)委員 今日蛔蟲その他の寄生蟲に侵かされている患者が非常に増加していることはたれしも認めるところでありまして、戰前においてもわが國は外國に比べて非常に寄生蟲の患者が多かつたわけでありますが、終戰後の今日におきましては日々その患者が増加している現状であります。ところが驅蟲劑というものは非常に貧困な状態でありまして、その驅蟲劑のうちでも最もよくきくと稱せられますところのサントニンに關しましては、國内のストツク品もすでに使い果したというような現状であるそうでありまして、このサントニンを何らかの方法によつて國内に増加するということは、最も必要な状態ではないかと思うのであります。そういう意味におきまして、このサントニンを輸入あるいはまた國内において生産、あるいはその他の方法によりまして、國内で使用できるところのサントニンを増加することに對しまして、御當局の御配慮を願いたい。こういうのがこの請願の趣旨でございます。
つきましてはこれに關連いたしまして、今日の驅蟲劑の國内生産の状況またその前途はどういうお見込みであるかということに對しまして、御當局の御説明を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/214
-
215・小野孝
○小野委員長 政府の意向を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/215
-
216・東龍太郎
○東政府委員 驅蟲藥の不足している状態は私どもいたしましてまことに寒心に堪えないことであります。仰せの通りサントニンは國内における生産量がきわめて低いのでありまして、現在はおそらく年産數百キログラム、すなわちもしサントニンのみをもつて全國にわたる驅蟲の實をあげるために必要だと思われる量の十分の一程度のものではないかと存じます。と申しましてこのサントニンの原料である植物を數倍に殖やすということは、とうてい近い將來には望み得ないにであります。從つて殘されたる途は、これを輸入に求めるよりほかいたし方ございません。それですでに輸入の懇請もいたしているのでありまして、約一トン半、一千五百キログラムの輸入申請をいたしております。また來年度におきましては、國内のサントニン生産を本年度よりもやや上まわる豫定でありまして、八百キログラムと見込んでおります。なおしかしながらこれだけでは驅蟲劑としては量において不十分であります。そこでこれ以外のもの、たとえばキシールレゾルシンを約二十トンぐらい見積りまして、これは國内においても三トンくらいの生産は見込めると思うのであります。從つて十七トンを輸入に仰ぎ、また古くから用いられます海人草及びその製劑でもありますマクニン、これらを確保いたしますために、これはほとんど全部三百七十五トンという數字をあげまして、これを沖繩、臺灣方面から確保いたしたい。さような計畫をもつておるのであります。いずれにいたしましても、最も有効と思われますサントニンを豐富にもつことが一番いい方法と存じますが、原植物の生産が地球上におきましてもごく限極せられておりますために、十分なる輸入を得られませんのはまことに残念であります。ただしかしながら私が最近承知いたしましたところでは、サントニンの合成がアメリカにおいて完成いたしまして、すでにその方法は公示せられております。從つて近い將來において、合成サントニンが相當量アメリカにおいて生産せられる見込みは十分にもち得るのでありまして、これが實現せられました曉には、もはやサントニン原植物の入手難に悩む必要は解消いたしまして、われわれの期待いたすような豐富なサントニンの提供が、日本國内においても得られるという望みをもつておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/216
-
217・福田昌子
○福田(昌)委員 サントニンの合成品というのは、いつごろから實用化されるのでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/217
-
218・東龍太郎
○東政府委員 わが國においてこれが實用に供せられます時期につきましては、實はまつたく今のところ見當がわかつておりません。ただ合成の成功と、それが生産過程に移されておるということを聞いたのみでありますが、なおその見透しにつきましては、關係方面へ私から照會いたしまして、十分の知識を得たいと存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/218
-
219・福田昌子
○福田(昌)委員 おおぐるま草、みぶよもぎから驅蟲劑をとるということを先般お聽きしたのでありますが、業者の一部の聲を聽きますと、みぶよもぎからとります驅蟲劑に特許を與えて、他の會社の製造を許さないということを聽いたのであります。もしそういうことが行われておるといたしましたならば、驅蟲劑の缺乏しております今日、御當局の處置といたしましてはどうかと考えられるものでございますが、これに對する御意見を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/219
-
220・東龍太郎
○東政府委員 私が承知いたしております限り、そしてまた最近私が京都にあります日本新藥というわが國において唯一と申してもいいサントニンの製造工場を参觀いたしてまいりましたところでは、サントニンの製造が特許であることは私承知いたしておりません。ただみぶよもぎの栽培地が大部分北海道でありまして、その原植物を多量に生産することが非常に困難であります。原植物さえありますれば、その製造工程な比較的簡單であります。これは決して特許などになるような生産工程とは考えておりませんので、原植物さえあればほかの會社でもやれると思われます。ただ現在のところではほかの會社が手をつけるほどの原植物の生産がありません。日本新藥一社でもむしろ能力の方があまつて、原料が足りないという状況のように承知いたしております。なお日本新藥が原料の關係上主工場を北海道へ移して、原植物の原産地に近いところで處理しようという計畫をいま著々實行に移しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/220
-
221・福田昌子
○福田(昌)委員 驅蟲劑についていろいろ努力せられておりますことはまことにありがたいと思いますが、ヘキシール・レゾルシンの十七トンとか、サントニンの一・五トンは、確實にはいるという見當がおありになるにでございましようか。それともう一つ、向う何箇月經ちましたならば、驅蟲對策のもつと積極的な成績があげられるかという見透しについて、御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/221
-
222・東龍太郎
○東政府委員 ただいま申し上げました輸入を懇請いたしております數量は、總司令部との打合せ濟みの數量でございまして、これだけは輸入することを約せられておるものであります。ただその時期につきましてはつきりした見透しがつかないことは遺憾でありますが、サントニンなどはすでに少量ずつではありますが輸入せられつつある状況であります。ある程度以上の數量を確保し得ましたならば、計畫的にしかも相當の廣地域にわたつて驅蟲の實をあげようこれは豫防局の計畫でありますが、豫防局長はさような意向をもつておることを先般來承知いたしております。一應の計畫は立てられたのでありますが、ただそのときに日本におけるサントニンその他の驅蟲劑の數量が、あまりにも少なかつたので、一應計畫せられた驅蟲の方策を中止せざるを得なかつたように承知いたしております。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/222
-
223・小野孝
○小野委員長 日程第五八、引揚者の援護強化に關する請願、根本龍太郎君紹介、第一二九〇號、日程第五九、引揚者の援護強化に關する請願、根本龍太郎君紹介、第一二九六號、右一括して議題に供します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/223
-
224・田中松月
○田中(松)委員 この問題につきましては、いまさら説明申し上げるまでもなく、關係當局竝びに厚生委員の皆樣も十分御認識のことであり、なお現に積極的にこの請願が通るように御努力くだされておる折柄でありますから、この際説明は省略いたします。どうぞ本請願が十分にかなえられるよう、より以上の御努力をお願いする次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/224
-
225・小野孝
○小野委員長 政府當局の所見を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/225
-
226・木田鐵郎
○木田説明員 引揚の現状は最近シベリヤ、ソ連關係なら引揚げてまいります者が、多くなりましたために、一層困窮の度を増しているような次第であります。そのために政府といたしましては、引揚一時援護金の増加、あるいは支給衣料品の増加、あるいは電報料を無料にするとか、理髪料を無料にするとか、援護の強化をいたしておるほかに、十一月、十二月、年末に際しまして、相當多額の生業資金も出すことになりました。なおこれでも十分でないので、生業資金につきましては、勞働省あるいは商工省、住宅關係につきましては復興院等に十分連絡いたしまして、援護の萬全を期するように努力している次第であります。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/226
-
227・小野孝
○小野委員長 日程第六〇は都合により延期いたします。日程第六一、生活保護法による扶助金を全額國庫負擔の請願、根本龍太郎君紹介、第一三〇三號、陳情日程第二、生活保護法による保護費の増額竝びに全額國庫負擔に關する陳情書、第二號、日程第四、生活保護費の全額國庫負擔に關する陳情書、第一三〇號、日程第二〇、生活保護法による生活困窮者救濟に關する陳情書、第三九六號、日程第三一、生活保護法による保護費の全額國庫負擔に關する陳情書、第五三〇號、右一括して議題といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/227
-
228・田中松月
○田中(松)委員 生活保護法による扶助金の一割が町村負擔になつておるので、この法による援護はしごく消極的であります。目下町村は學制改革等のため、その經費は増加の一途をたどつております。ついては該扶助金を全額國庫負擔とされて、十分に生活保護法が活用されるようお願いしたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/228
-
229・小野孝
○小野委員長 政府の意見を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/229
-
230・高田浩是
○高田説明員 町村財政が非常に逼迫しておりまして、生活保護法の一割を負擔することについて相當な苦痛を伴つておるということは、厚生省といたしましてもよく承知いたしております。しかしながら事柄を考えてみますると、町村の住民の中で、その日の生活に困つておる事を救濟するということは、町村といたしましても地方自治團體として本來の責務をもつておる、かように存じますので、これに要する費用の一部を負擔するということは當然のことだと存ずるのであります。なおその一部と申しましても、今日におきましては、その一割という負擔區分といたしましては最も少い負擔區分になつておりますので、現状のままでいくことが妥當であると私どもは考えております。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/230
-
231・小野孝
○小野委員長 陳情の日程第一、兒童福祉増進に關する法令制度の陳情書、第一號、專門調査員朗讀を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/231
-
232・川井章知
○川井專門調査員 現在兒童生活の貧困を保護する法令はあるが、その内容は消極的で、かつ總合的施策がないため、その効果はあがらない。現下の情勢は兒童保護問題の解決が最も急を要するときであり、これに對して積極的に福祉を増進する法令の制定が望ましいというのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/232
-
233・小野孝
○小野委員長 これに對して政府の意見を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/233
-
234・松崎芳
○松崎説明員 政府は兒童福祉増進のために、先般國會を通過いたしました兒童福祉法を制定いたしまして、暗い面のみならず明るい面の兒童の保健衞生、その他兒童厚生施設というようなものにつきましても、將來法に基きます行政措置を行つていきたいと存じております。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/234
-
235・小野孝
○小野委員長 日程第三、現行社會保險制定の改善に關する陳情書、日程第八、社會保險行政一元化に關する陳情書、右一括して議題に供します。陳情書の趣旨を朗讀願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/235
-
236・川井章知
○川井專門調査員 國民生活の窮乏に對處するため、現行社會保險制度の改善方策の即時實施、現行國民醫療法の改正、竝びに社會保險の積立金は直營診療所その他被保險者の福利厚生施設及びその遺族の生活安定のために融資されたいというのが一つであります。
次に第八、現行の健康保險その他の社會保險制度につき、昭和二十二年九月一日より實施豫定の政府案によれば、これらの所管官廳は、厚生省、勞働省、運輸省等の各省にわたり、從つてその取扱機關も各地方行政廳に分立設置されることになつているが、これは各種保險行政の關連性を無視したものであり、いたずらに諸經費を膨脹せしめて、國家財政の負擔を加重し、かつ事務の煩雜を招き、また地方公共團體より保險行政事項の相當量を中央機構のもとに集中することとなるから、國民の利益擁護と地方分權の確立のため、國民に接する地方取扱機關の一元化を要望するという趣旨であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/236
-
237・小野孝
○小野委員長 政府の意見を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/237
-
238・東龍太郎
○東政府委員 現行社會保險についてもいろいろの問題があることは事實であります。また請願の中にありますものについても、急速にその處理をいたさなければならない問題もあると存じますが、いずれにしても目下審議中であります社會保證制度、これが一定の結論に達しまして社會保證法というふうな形に現われます場合には、ただいまの請願の趣旨の大部分はそれによつて解決し得るものと存じております。從つて社會保證制度が一日も早く實現いたしますように、政府といたしましては努力をするのが最もよき方法と存じております。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/238
-
239・小野孝
○小野委員長 日程第六、住居法制定に關する陳情書、第一四七號、川井專門調査員。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/239
-
240・川井章知
○川井專門調査員 借家借地人が、不徳なる所在者のため住居の安定を得ないのは公知の事實であるから、住居法を速やかに制定實施せられたいというのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/240
-
241・小野孝
○小野委員長 所管は司法省のようでございますが、立法に關する問題でもありますので、政府の説明は省略することにいたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/241
-
242・小野孝
○小野委員長 日程第七及び第九は都合により延期いたします。
日程第一四維精神病院法の一部改正に關する陳情書、第二八九號、川井專門調査員。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/242
-
243・川井章知
○川井專門調査員 精神病院法第二條及び同施行規則第四條によつて地方長宮の權限をもつて入院せしめ得る精神病者の診斷は、必ずしも專門醫によるものと限らないが、これは支障があるからこれが診斷は必ず精神科專門醫に限定されるよう改正されたいという趣旨であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/243
-
244・小野孝
○小野委員長 政府の意見を求めます。高部説明員。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/244
-
245・高部益男
○高部説明員 説明いたします。大正八年八月二十日の内務省發衞一七一九號の精神病院法の施行に關する通知がありまして、その趣旨はできるだけ精神科の專門醫の診斷を求めなさいということになつております。ところが精神科の專門醫というものは、全國に數が割合に少いのでありまして、それを立法化してぜひ精神科專門醫の診斷を受けなければならないということになりますと、かえつて一般の民衆の方々の非常な不便を來すというのが現況であります。それでこの問題は將來もつと精神科專門醫というものが殖える時期を待ちまして改正すれば可能ではないかというふうに考えて、ただいまのところはこの法の運營によりまして適當に解決さるべきと思います。附け加えますが、この陳情書のように行政官廳から不當な取扱いを受けたというふうな方の場合には、當然訴願の途が開けておりまして、それによつて必ず精神科の專門醫の診定を受けられるようになつております。國民がこの法の改正をしなければ非常な困却を來すということはまずないと政府の方は考えておる次第であります。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/245
-
246・小野孝
○小野委員長 日程第一五、秋田縣水害に對する救濟に關する陳情書外二百五十七件、第三一一號、日程第十七、秋田縣水害に對する救濟の陳情外三百三十五件、第三二八號、右一括して議題といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/246
-
247・川井章知
○川井專門調査員 三一一號は、さる七月下旬東北地方を襲つた豪雨で秋田野下被害は特に著しく、家屋は流失し田畠は荒廢し復舊工事は客易ではないから、國において十分救濟の策を講ぜられたいというのであります。三二八號は右と同樣であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/247
-
248・小野孝
○小野委員長 政府の意見を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/248
-
249・高田浩是
○高田説明員 災害復舊に關しましては厚生省の所管ではありませんが、應急救助につきましては、秋田縣の水害は非常にひどうございましたので、約三千三百萬圓を國庫補助いたしまして、その應急救助に遺憾のないような措置を講じておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/249
-
250・小野孝
○小野委員長 日程第二一、丸山隊道爆發による被害者救助に關する陳情、第四二六號。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/250
-
251・川井章知
○川井專門調査員 昭和二十年十一月十二日福岡縣田川郡添田町大字落合二又丸山隊道爆發事件による被害者救濟施策はきわめて徴温的にして、羅災者の窮状は見るに忍びぬものがあり、このまま放置するは由々しき社會問題を誘發するおそれがある、ついてはこれが救濟施策を速やかに實施されたいという趣旨であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/251
-
252・小野孝
○小野委員長 政府當局の説明を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/252
-
253・高田浩是
○高田説明員 實情をよく調べまして善處いたしたいと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/253
-
254・小野孝
○小野委員長 日程第二三、少年保護事業援助に關する陳情、第四五七號。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/254
-
255・川井章知
○川井專門調査員 終戰後青少年の犯罪増加に伴い、政府の民間少年保護團體に收容保護を委託する犯罪少年竝びに虞犯少年の數は著しく増加しているが、これら團體は近時の經濟事情に禍されて、衰亡の一途をたどり、現状のままでは閉鎖のやむなきに立ち至ること明らかである。ついては、速やかに委託補給費の大幅増額と施設費の特別助成等措置を講ぜられたいという趣旨であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/255
-
256・小野孝
○小野委員長 政府の意見を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/256
-
257・松崎芳
○松崎説明員 私設の少年保護事業につきましては、設備費につきましては、新憲法の解釋上補助できないということになつております。一人一日あたりの生活費の依託費につきましては、現在主として生活保護法によつて委託費を支出しております。少年教護院におきましては、少年教護法が現在施行されておりますので、生活保護法とは別個に少年教護院に對しては支出しております。少年教護院は國立及び都道府縣立が大部分でありますので、その事務費を含めてやつておりますので、一人あたり單價は生活保護法よりも若干上まわつております。しかしこれは事務費を含めておりますので、若干は、上まわつているという結果になつております。大幅引上げにつきましては、將來とも財政當局との折衝にまつということになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/257
-
258・小野孝
○小野委員長 日程第二四は都合により延期いたします。日程第二八、國立療養所栗生樂生園嶽死事件に關する陳情、第五〇三號。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/258
-
259・川井章知
○川井專門調査員 國立療養所栗生樂生園の嶽死事件の眞相が同園患者一同の名において公表されたが、長年月にわたりかかる慘虐行為が隱密に付されていたことは、遺憾にたえぬ次第である。ついては本件に關し正義人道のため、峻嚴かつ公正な調査と裁判の行われるよう要望するという趣旨であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/259
-
260・小野孝
○小野委員長 本件についてはすでに本委員會から調査員を派遣して調査した次第でもありますので、この際一應聽きおく程度にいたしたいと思います。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/260
-
261・小野孝
○小野委員長 日程第三三、建築物利用に關する陳情、第五四一號、日程第三四、井戸完備に關する陳情、第五五七號、日程第三五、巡囘醫療に關する陳情書、第五五八號、日程第三六、公衆浴場に關する陳情書、第五六〇號、日程第三七、耐乏生活實踐に關する陳情書、第五六一號、右一括して議題といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/261
-
262・川井章知
○川井專門調査員 五四一號は、神社佛閣その他宏大なる家屋はその所有の如何によらず、内部の整理をして、住宅に困る者に利用せしめこれに應じない場合は、徹底的に處罰し、又所有者借家權者の住居坪數は一人二坪半以内に、新借家人は一人一坪に限定して住居の確保をはかられたいというのであります。
次に五五七號は、現在飲料用水として用いられている井戸にして、施設不完備で不衞生と認められるものは、警察又は町村役場で改良を命じまたは改良修理を代行して、その費用は設備者又は利用者に負擔せしめるようにして、完備をはかられたいというのであります。
五五八號は、この頃千葉醫大で治療班を組織して農漁村に巡囘診療したとのことであるが、學業の餘暇その他を利用して醫師不足の箇所に隨時巡囘されるようにはかられたいというのが趣旨であります。
次に五六〇號は、公衆浴場にして日を定めて特定の會社等と契約して、社員等に入浴させて一般の入浴を禁じているところがあるが、これは資本家の獨占とも見られ、民主主義に反するからこのようなことのないように要望するというのが趣旨であります。
五六一號は、現政府は國民に對して耐乏生活を實踐して、それぞれの業務に專念するよう督勵している、これが實踐は何人も承知しているところである、ついては生命維持に特に必要でない酒類の如きは上下一樣に廢止して、國民生活の向上に特に努力をはかるよう善處されたいというのが趣旨であります。以上。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/262
-
263・小野孝
○小野委員長 政府當局の意見を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/263
-
264・東龍太郎
○東政府委員 第五五七號についてでありますが、これはすでに傳染病豫防法第十九條第七項によりまして請願の趣旨のことはやり得ることになつておりますが、結局これは住民の方々の協力がありませんでは實際には行われませんので、請願のような方々が中心となつてこういうものの改革運動を起していただきたいという考えであります。
それから第五五八號つきましては、これはひとり千葉醫大のみならず、全國の各醫育機關において、大部分のものがさようなことを行つております。このことは學生がその餘暇を活用するということにも、またそれが將來の醫育を完成いたします上にもきわめて有益なことでありますので、厚生省といたしましても、かような計畫竝びに實施に對しては、地方衞生部等を通じまして極力應援をいたす方針をとつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/264
-
265・三木行治
○三木政府委員 第三六號につきまして、はなはだしい入浴難の折柄にもかかわらず、特定の會社に浴場を獨占せしめて、市民の入浴を謝絶するということは、公衆浴場の本旨に反して適當でないと考えられます。從つて當局といたしましては、速やかに當該地方廳に通牒いたしまして、善處いたしたいと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/265
-
266・小野孝
○小野委員長 ただいま一括議題といたしましたうち、二程第三三の建築物利用に關する陳情につきましては、一時延期することにいたします。同じく日程第三七號の耐乏生活實踐に關する陳情につきましては、片山内閣總理大臣がおひまがあれば御意見を伺うことにいたしますが、そのおひまがなければ本委員會だけで適宜處理することにいたしたいと思います。日程第三九は都合により延期いたします。
本日はこれをもつて散會いたします。
午後五時三十一分散會発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100104237X03719471205/266
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。