1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十三年六月三十日(水曜日)
午前九時四十五分開議
出席委員
委員長 山崎 岩男君
理事 有田 二郎君 理事 中嶋 勝一君
理事 田中 松月君 理事 山崎 道子君
理事 武田 キヨ君
大石 武一君 小笠原八十美君
周東 英雄君 重井 鹿治君
福田 昌子君 松谷天光光君
師岡 榮一君 最上 英子君
野本 品吉君 齋藤 晃君
寺崎 覺君 榊原 亨君
出席國務大臣
厚 生 大 臣 竹田 儀一君
出席政府委員
総理廳事務官 三橋 則雄君
厚生政務次官 喜多楢治郎君
厚生事務官 宮崎 太一君
厚 生 技 官 三木 行治君
厚 生 技 官 濱野規矩雄君
委員外の出席者
参議院議員 小林 勝馬君
專門調査員 川井 章知君
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六月二十九日
あん摩、はり、きゆう、柔道整復等営業法に関
する特例案(参議院提出)(第三号)
健康保險法の一部を改正する法律案(内閣提出、
参議院送付)(第一九七号)
温泉法案(内閣提出、参議院送付)(第一九八
号)
へい獸処理場等に関する法律案(内閣提出、参
議院送付)(第一九九号)
の審査を本委員会に付託された。
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本日の会議に付した事件
恩給法の一部を改正する法律案(内閣提出)(
第一六一号)
興行場法案(内閣提出、参議院送付)(第一八
〇号)
公衆浴場法案(内閣提出、参議院送付)(第一
八一号)
旅館業法案(内閣提出、参議院送付)(第一八
二号)
性病予防法案(内閣提出、参議院送付)(第一
八九号)
理容師法特例案(内閣提出、参議院送付)(第
一九〇号)
國民健康保險法の一部を改正する法律案(内閣
提出、参議院送付)(第一九二号)
あん摩、はり、きゆう、柔道整復等営業法に関
する特例案(参議院提出)(第三号)
健康保險法の一部を改正する法律案(内閣提出、
参議院送付)(第一九七号)
温泉法案(内閣提出、参議院送付)(第一九八
号)
へい獸処理場等に関する法律案(内閣提出、参
議院送付)(第一九九号)
社会保險診療報酬支拂基金法案(内閣送付)(
予閣第二二号)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/0
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001・山崎岩男
○山崎委員長 会議を開きます。
健康保險法の一部を改正する法律案、温泉法案、へい獸処理場等に関する法律案、及び社会保險診療報酬支拂基金法案を一括して議題といたします。審査に先だちまして政府側より提案理由の説明を求めます。喜多政務次官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/1
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002・喜多楢治郎
○喜多政府委員 ただいま議題となりました健康保險法の一部を改正する法律案について、その提案理由を御説明申し上げます。
健康保險法におきましては、從來被保險者の権利義務に関する規定等であつて、法律事項と認められる重要な事項に関して、政令に委任した事項がきわめて多かつたのでありますが、最近の立法の趨勢に鑑みまして、これらの規定を法律に規定いたしまするとともにおおむね次の点に関しましても実体的な改正をはかつた次第であります。
まず被保險者の標準報酬に関しましては、現在は最高五千百円の第十七級まで定めていたのでありますが、最近における賃金の上昇に鑑みまして、さらに十級を追加して、八千百円を最高と改めるようにいたした次第であります。
次に被保險者の資格に関しまして、今般國、都道府縣及び市町村等に使用される公務員についても、健康保險の被保險者とするようにいたしたのであります。しかし、これらの公務員のうち、國家公務員に対しては、法律をもつて組織された共済組合がありますから、この共済組合に対しては、健康保險事業の実質的代行を認むることといたしたのであります。
次に健康保險の保險医及び保險藥剤師は、從來政廳指の強制指定制をとつていたのでありますが、今般これを改正いたしまして、保險医または保險藥剤師となる者の同意を得て、都道府縣知事がこれを指定することとし、指定を受けた場合には、一定期間保險診療上の講習を経て診療を開始することとし、また一旦保險医または保險藥剤師となつた者も、法人の自由意思によつて辞任し得る途を開いているのであります。
次に保險料に関しましては、政府の管掌する健康保險については、千分の四十とし、特別の場合に、主務大臣が健康保險委員会の意見を聽いて、その一割の範囲内で変更し得ることとし、健康保險組合の場合には、千分の三十ないし千分の八十の範囲内で決定して、主務大臣の認可を受けることといたしているのであります。
以上のほか、標準報酬の額の引上げに伴いまして、現金給付の最低保障の額の引上げをはかり、また被扶養者に対する現金給付の額を引上げる等の改正をはかつた次第であります。
次上提案理由を御説明申し上げましたが、何とぞ御審議の上速やかに決定せられるように希望いたします。
次にただいま議題となりました温泉法案につきまして、提案の理由及び要旨を御説明申し上げます。
わが國は、世界に冠たる温泉國でありまして、古來温泉は國民の保養または療養に廣く利用されてまいつたのでありますが、温泉地の発達に伴い、あるいは濫掘の結果、水位が下つて湧出量が減退または枯渇するとか、あるいは温泉に関する権利関係が複雜を極め、各種の紛争を起す等、いろいろの問題が出てまいつたのであります。これらの問題を処理いたしますため、從來都道府縣令をもつて温泉に対する取締りを行つてまいつたのでありますが、新憲法の施行により、昨年末これらの都道府縣令はその効力を失つたのであります。しかしながら、温泉はわが國の天然の資源として、きわめて重要なものでありまして、これを保護するとともに、その利用の適正をはかり、一面國民の保健と療養に資すると同時に、他面その國際的利用による外資の獲得に役立てますことは、國家再建上喫緊の要務と存じますので、この際從來の都道府縣令の内容とするところを基礎とし、これを若干拡充いたしまして、温泉の保護とその利用の適正化に遺憾なきを期するため、この法律案を提出した次第であります。
この法律は、全部で三十箇條でありまして、これを総則、温泉の保護、温泉の利用、諮問及び聽聞並びに罰則の五章にわけて規定しております。
まず総則におきましては、この法律の目的と温泉の定義を規定しているのであります。すなわち法律の目的といたしましては、温泉を保護するとともに、その利用の適正をはかりまして、公共の福祉の増進に寄與することにあることを明らかにし、温泉の定義といたしましては、地中から湧出する水又はガスで一定の温度を有するか、または一定の成分を含有しているものを温泉の称することといたしているのであります。
次に第二章におきましては、温泉源を保護するために必要な事項を規定しているのでありまして、温泉の掘鑿湧出路の増掘、湧出量増加のための動力装置につきまして、都道府縣知事の許可を受けさせることとし、また温泉を枯渇させるような採取とか、他の温泉を侵害するような採取を防止するため、都道府縣知事は温泉を採取する者に対し、採取の制限を命ずることができるようにしております。なおまた温泉を湧出させる以外の目的、たとえば、池、井、溝渠の工事とか、鉱業とかの目的で土地を掘鑿したため、温泉の湧出量、温度または成分に著しい影響を及ぼす場合が考えられますが、かかる場合におきまして、それを放置することが公益上適当でないと認めるときは、都道府縣知事は、その影響を阻止するに必要な措置を命ずることができるようにしております。
第三章におきましては、温泉の利用の適正をはかつて、公共の福祉の増進に寄與せしめるに必要な規定を設けております。すなわち温泉を公共の浴用または飲用に供しようとするときは、都道府縣知事の許可を受けさせるとともに、施設内の見やすい所に温泉の成分、禁忌症、入浴または飲用上の注意を掲示させまして、衞生上有害な温泉を、公共の浴用または飲用に供することのないようにいたしますことはもちろん、その利用を十分合理的にいたしてまいりたいと存じております。また厚生大臣は、必要に應じて施設の整備及び環境の改善に必要な地域を指定し、その地域内の温泉利用施設の整備、その管理方法の改善等を指導いたしまして理想的な温泉郷を建設していくことによりまして、温泉の公共的利用の増進を期しているのであります。その他本章におきましては、所要の報告を徴する規定とか、立入檢査を行う規定等を設けているのであります。
次に第四章におきましては、行政処分を民主的にするため、温泉審議会に対する諮問と公開による聽聞に関して規定しているのであります。すなわち行政廳が土地の掘鑿の許可のように利害関係の複雜な行政処分を行いますときは、関係行政廳の官公吏、関係業者、学識経驗者をもつて組織した審議会に附議いたすこととするとともに、許可の取消しのように、既存の地位を変更し、制限する行政処分を行いますときは、その処分を受ける者に、公開の聽聞において、弁明し、かつ有利な証拠を提出する機会を與えるようにいたしているのであります。
次に第五章は罰則でありまして、最高一年以下の懲役から、最低五千円以下の罰金に至る三段階の規定を設けているのであります。
なお最後に附則におきましては、施行期日と経過規定を設けているのでありますが、施行期日は審議会の設置その他いろいろ準備が要りますので、公布後三十日を経過した日から施行することにいたしております。また経過規定におきましては、從前の法令下における状態は、この法律においても、これをそのまま承認していく建前のもとに規定しているのであります。
以上簡單でございますが、温泉法の提案の理由及び要旨を御説明申し上げた次第であります。何とぞ御審議の上、速やかに可決されんことをお願いいたします。
次にただいま議題になりました、へい獸処理場等に関する法律案につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。從來、へい獸処理場等の衞生取締りは、各都道府縣令によつて行われてきたのでありますが、昭和二十二年法律第七十二号、日本國憲法施行の際現に効力を有する命令の規定の効力等に関する法律の規定によりまして、これらの都道府縣令は、その効力を失うに至り、かつ各都道府縣令による取締りをもつてしては、その取締りの対象、方法等が一定していなかつたため、取締りの徹底と、指導の適正等を十分行うことが困難で、公衆衞生上遺憾の点がありましたので、この際統一的な基準を定めて、これ等の衞生取締りを徹底化するため、この法律案を提出した次第であります。
何とぞ御審議の上、速やかに可決せられんことをお願いする次第であります。
次にただいま上程いたされました社会保險診療報酬支拂基金法案の提案理由について御説明申し上げます。
健康保險、船員保險、國民健康保險及び法律をもつて組織されている共済組合が、その被保險者等の保險医等について診療を受けた報酬として支拂う費用は、從來各保險者または共済組合から直接支拂つていたところでありますが、從來の実績に徴しまして、各保險者等から区々に支拂うことは、ややともすればその支拂遅延と診療担当者の請求の煩雜性によつて、とかく円満な保險診療を阻害していたことは、否めない事実と認められていたのであります。これらの通弊に鑑みまして、今般社会保險診療報酬支拂基金を創設いたしまして、從來の支拂方法を改め、その支拂機関を一元化いたしまして、円満な保險診療の推進に寄與いたしたいと存ずるものであります。すなわち、社会保險診療報酬支拂基金は、公法人として、主たる事務所を東京都に、從たる事務所を各都道府縣に置いて業務を運営するのであります。基金の理事機関として、保險者代表、被保險者代表、保險医代表及び公益の各代表者をもつて理事に充て、また從たる事務所にも同樣な代表者をもつて幹事として、最も民主的な運営に資することとしているのであります。基金の基本金は、百万円といたしまして、そのうち四十万円は政府がこれを醵出することとし、残額は、その他の保險者で醵出することとしているのであります。基金の業務は、各保險者と契約しまして、保險者が診療担当者に対して支拂う診療報酬の支拂いを代行し、またこれら診療報酬請求書の審査をすることであります。このために、基金は、一定の支拂資金として、各保險者から資金の前渡しを受けて、請求のあつた都度、速やかに、かつ診療担当者に一括して支拂いをすることとなるのであります。診療報酬請求書の審査に当りましては、診療担当者及び学識経驗者のうちから專門委員を委嘱いたしまして、適正な審査を行うこととしているのであります。これらの業務の執行に要する経費は、各保險者の診療件数に應じまして事務費を徴收してこれに充てることといたしているのであります。
以上をもつて提案理由について御説明申し上げましたが、何とぞ御審議の上、速やかに御決定あらんことを希望いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/2
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003・山崎岩男
○山崎委員長 次にあん摩、はり、きゆう、柔道整復等営業法に関する特例案を議題といたします。提案者より提案理由の説明を願います。参議院議員小林勝馬君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/3
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004・小林勝馬
○小林参議院厚生委員 ただいま議題となりましたあん摩、はり、きゆう、柔道整復等営業法に関する特例案の提案理由と、この法案の大要について御説明申し上げます。
第一回國会で成立しました、あん摩、はり、きゆう、柔道整復等営業法の施行によりまして、本年一月一日以後、これらの営業をなす者は、新制中学を卒業してから公認の学校または講習所にはいり、そこであんまの場合は二年間、はり、きゆう、柔道整復の場合は四年間修業して、初めて受驗資格を得、その資格試驗に合格した者に対してのみ免許を與えられることになりました。ただ経過措置として同法の附則第十七條におきまして、從來の法令によつて免許を受ける資格のあつた者、すなわち一月一日当時すでに指定の学校または講習所の卒業証明書をもつていた者と、当時までに盲人であんまになる者だけは二年以上の、他の者については四年以上の修業実歴のあつた者で、かつ所定の試驗に合格していた者に限り、六月三十日までに免許鑑札が受けられるように例外が認められたことについては、すでに御承知の通りであります。ところがこの業界の特質とでも言いましようか、この業界には一種の徒弟制度がありまして、所定の二年または四年以上の修業実歴をもちながら独立の手続をとらず、なお師匠のもとで修業を続ける者が非常に多く、学校または講習所の生徒の中にも、すでに何年かの修業をした上ではいつている者が多いのであります。かつ、これらの人々の中には旧制度の義務教育を免除された者が多かつた等の関係から、当時新しい法律によつて自分達の営業の制度が変ることについて一般に予備知識がなく、自分は所定の修業実歴があるから、いつでも試驗を受けさえすれば独立できるものだと安心して、默々と修業を続けていた者が大多数であつたのであります。こういう事情のもとにおいて、新法律は昨年の暮十二月二十日に公布、わずか十日間の猶予期間を経て、今年一月一日から施行されることになりました。その間に全國では旧法令による最後の資格試驗を一斉に施行したのでありますが、右のような事情から新法律の施行さえ知らず、まして最後の試驗のあることをも全然知らずして遂に受驗の機会を失つた者、または知つてはいたが、ただ一回しか行われなかつたために、たまたま病氣等の事故のために受驗できなかつた者、及び準備不足のため、その試驗に合格しなかつた者が全國を通じて、特に田舎においては非常な数に上るのであります。これらの窮状を訴え、いま一度試驗を施行してほしいと懇願する手紙が私の手もとにまいつたものでも千通に近く、また同業の全國連盟には何らかの救済を要望する声が毎日のように絶えないのであります。同じ程度の実力をもちながら、ただ一回の受驗の機会を得たか否かによつて、一方には救われた者があり、他方には遂に生計の道さえ絶たれる者のあることは、公平の原理にももとり、また本人にとつてはまことに氣の毒な限りでもあります。この不公平を是正して、同等の実力がある者には同じ資格を與えるために、あらためて受驗の機会をつくることがこの法案を提出した理由であります。
次に法案の大要を御説明いたします。この法案はきわめて簡單でありまして、第一條におきましては、盲人であんまを営む者については二年以上の修業実歴、その他のあんま、はり、きゆうについては四年以上の修業実歴のある者に対して、都道府縣知事は十一月三十日までに旧法令によつて資格試驗を行うことを規定し、第二條でその試驗に合格した者に対しては、十二月三十一日までに免許を與えることができる旨を規定したのであります。第一條にあります「附則第十六條に掲げる法令」とは、あんま、はり、きゆうの営業に関して從來出ておりました内務省令及び厚生省令を指すのであります。この法案がさいわいにして成立しますれば、再試驗を行うことになるのでありますが、受驗試格となる修業実歴の認定については、日本はり、きゆう、マツサージ連盟が適正な統制措置をとつて、証明書の濫発による弊害を防止する予定であります。何とぞ御審議の上御賛成くださるようお願いいたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/4
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005・山崎岩男
○山崎委員長 次に理容師法特例案を議題といたします。審査にはいります前に提案者の提案理由の説明を聽取することにいたします。竹田厚生大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/5
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006・竹田儀一
○竹田國務大臣 ただいま議題となりました理容師法特例案につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。
理容師法が制定せられました結果、同法第二條及び第三條の規定により、学校教育法第四十七條の資格を有しない者、すなわち國民学校高等科卒業以下の者は、都道府縣知事の行う理髪師試驗及び美容師試驗の受驗資格がないこととなつたのでありますが、從前から理容師になる目的で徒弟実習中の者には、特例を設けて二年間を限り、受驗資格を認める必要があり、かつ都道府縣知事の指定した理容師養成施設に現に在学している者に対しましては、卒業後の免許資格を附與する必要があると認められますので、この法律案を提出した次第であります。
何とぞ御審議の上、速やかに可決せられんことをお願いする次第であります。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/6
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007・山崎岩男
○山崎委員長 次に恩給汚の一部を改正する法律案を議題といたします。審査にはいります。質疑はこれを許します。田中君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/7
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008・田中松月
○田中(松)委員 恩給法のことについてはわれわれのところも全國の関係者からいろいろ陳情請願を受けております。それと同じようなことが政府当局にも行つておることと思います。いまさらその内容を説明しなくとも、当局者において十分お考えになつておることと思いますが、今まで実はそうしたいけれども、ただ日本の財政が許さないから、とこういうようなお言葉だけで逃げるわけにはいかないような現実は窮迫した実情になつております。以前からやがて根本的な改正ということにも触れる機会があるから、こういうようなお言葉も言つておりましたし、あるいは國家公務員法との関連においても考えなければならぬ点もあつたからということでありましたが、私どもはそれを信じております。けれども全國の関係者は今日やはり食うか食えないかというどたん場に追いこまれていきますと、当局にそういう御意向があるということは聞いておりましても、やはり不安に追いこまれるのであります。この際今すぐにという事情にはまいりますまいが、そうした人たちが將來に明るい希望をもち得るように、政府当局がそうした方面に対して、実はこういう腹案をもつておるのだ、この程度のことはやろうと考えているのだ、こういうことを聽かせていただいただけでも、暗いどん底にあえいでいる関係者には非常な希望になると思います。そういう点をお含みの上で、全般的な御意見を、この際御開陳願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/8
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009・三橋則雄
○三橋政府委員 恩給の金額が非常に僅少であるから、この金額の現状を改めて、退職金の制度にして、実のあるものにしてもらいたいというような御意見なり、また現在の恩給受給者の窮状につきまして、るる御意見を拜聽しておりまして、政府に善処を求められております。これにつきましては、私たちその都度政府の上司の方と協議いたしまして、その善処を求めてきているのでありまして、今回の國会におきましては、その成案を得まして、実は提出するようにいたしたいと思つて、苦慮いたしておつたのでありますが、いろいろな都合からいたしまして、遂にその運びには至つておらないような次第であります。案といたしましては、いろいろと檢討したものをもつており、事務的にはつくつているのでございますが、財政の面、あるいは関係当局の了解を受けるというようなこともありまして、まだこれを國会におきまして明らかにするまでに至らなかつたことは、まことに残念に思つているところであります。しかし大体の案はできているのでございますから、この次の國会までには何とかしたいというふうに、実は考えているのでございます。
それならば恩給の全額をどういう程度に改善するように考えているかという御質問でありますが、それにつきましては、從來の恩給の金額というのは、退職当時の俸給を基準といたしまして、退職当時に相應するところの生活を営ましめるような金額でなけりばならないと思うのであります。恩給法の規定はそういうような取扱いになつておつたのでありますが、御承知の通りに昭和二十一年の一月に恩給法の臨時特例を制定いたしまして、この恩給法に対するところの制限的な規定を設けました。その結果、現在におきましては、恩給制度は名あつて実なき状態になつているのであります。しかしこの法律はその條文にも明らかなことくに、とりあえずの暫定的な措置としてとられたものであり、当分の間の法律としてつくられたものでありますから、これは速やかに改められなければならないと考えているのであります。ところで先ほどお話のように、國家公務員法もすでに制定せられまして、その中において恩給制度を認められ、恩給制度はどういうものでなければならないかということも明らかになりました。その線に沿つて私たち考えましたところでは、今申し上げましたように、退職当時における俸給を考えまして、それに相應するところの恩給でなければならない。そこでそういう見地から考えまして、今の恩給法の臨時特例を全然廃止してしまうというように考えております。そして現在の恩給受給者の恩給金額につきましては、今度の新給與に從來の給與が切りかえられる際の、少くとも最も低い金額のところの人がもらうところの恩給の金額までは引上げたい、こういうふうに考えているのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/9
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010・田中松月
○田中(松)委員 当局の御苦心のほどはよくわかります。すべてをただいま言明のあつたように、早急に運んでいただくようにお願いしたいのであります。その点で、かつてわが國は恩給亡國というような言葉もあつたくらいで、ともすると、何と申しますか、今日の時代から考えると、やらなくてもいいような方面に、ずいぶん高額の恩給が行つたりしておりましたが、今度の改正にあたりましてはこういう点に対する是正方、たとえば恩給をもらうような年限に達したからといつても、本人に別途の收入がたくさんあるとか、資産をたくさんもつているとか、そういう方面にはある程度の制限を加え、ほんとうにそれなくしては立ち行かないような方面に重点を置く、こういう点に対する御構想をなされているかどうか。それから恩給の額というものは退職時における給與額によつてきまると言われましたが、私どもはこういう物價の変動のひどいときには、いわゆる一定の基準によるスライド制をできるようにしなければならぬじやないかと思いますが、そういう点に対して、あるいはそういうお含みのもとに御意見を述べられたかとも思いますけれども、私の咀嚼が十分でなかつたかと思いまして、あらためてその点に対する御意見を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/10
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011・三橋則雄
○三橋政府委員 ただいまお尋ねの第一の件でありますが、その点につきましては、從來からこの委員会におきまして各委員の方々からたびたび意見が開陳せられたところでございますので、その点を十分に考えまして練つております。從來からこの委員会で各委員から述べられましたところは、若い恩給受給者で、ほかに働く能力がある者については、恩給支給について考えたらどうかというような御意見がありました。この点については十分考えているのであります。この若い者で恩給を受けている者は、從來は陸海軍の軍人に非常に多かつたのでありますが、陸海軍の軍人の恩給が廃止になりました今日におきましては、若い人で恩給を受けている者は檢察官、それから外地、朝鮮、台湾あるいは満州その他におきまして、教職員あるいは檢察官等として勤務したもので、引揚げてきた人が大部分であります。そういうような人々が大部分でありますから、この若い人の恩給につきまして相当の年齡まで恩給をやらない、そのやらない程度を強化するというようなことになりますと、そういう氣の毒な人々の恩給をこの際非常に削減するような結果になるのであります。そういうような点も考えまして、ただいまのところの私たちの案といたしましては、大体四十才くらいまでは全然恩給をやらなくてもいいじやないか。四十才以下で恩給をもらうのはまれでありますから、これは四十未満は恩給をやらなくていいじやないか。五十才以下のものにつきましては、今申しましたような特殊の事情を考えまして、若干の減少、五割程度の減少をする程度に考えたいと思つております。それから恩給を受ける人で恩給外の所得の相当ある人につきましては、その恩給を停止したらどうかという御意見も、たびたびこの委員会で述べられたところであります。ただいま私たちの案として考えておりますところでは、廣く一般の恩給受給者につきまして、一人々々につきまして、恩給外の所得がどれくらいあるかということを調査いたしまして、そうしてその恩給外の所得の金額によりまして、恩給をあるいは安く、あるいはその一部を停止するということが、実際にその年々にできれば結構なのでありますが、多くの、何万という恩給受給者につきまして全部調査を済ませることは、これは税務署を通じてしなければならない関係上、どうしても技術的にできない関係にあるのでありますために、ある一定額の恩給を受ける人につきまして人名を指定いたしまして、全國税務署で調査するのが実際的じやないかと考えます。それはどういう程度の恩給を受ける者を切るかということになりますが、ただいまのところでは將來一万五千円くらいの恩給を受けるような者につきまして、というふうに考えております。一万五千円の恩給というのは、どういうような点になるかと考えますと、ただいまのところ二千九百二十円ベースと考えまして、三級事務官の係長のところでもらう恩給であります。その人たちが相当年数を勤めてやめる場合におきまして、二十年前後勤めて、やめる場合の恩給金額が年額一万五千円くらいになるじやないかと思うのであります。そういうような恩給を受れる人につきまして、今度は恩給外の所得を調べまして、十五万円くらい恩給外の所得があれば、その一部を停止するようにいたしたい、こう考えております。これにつきましてはまたいろいろと御意見もあるかと思いまするから、その程度をどういうふうにしたらいいかということについては、各委員の方々の御意見を実は伺いたいと思つております。
その次の俸給にスライドしてというお話はごもつともでありますが、過去の恩給受給者につきまして、一々現在もらつておる俸給を考えまして、その俸給にスライドして恩給を上げていくことは実際に困難な問題だと思つております。現在の恩給受給者の恩給のように退職当時の俸給と、そういう人達が、現在おつたならば受けるであろう俸給との差が非常についてきて、どうしても放任できないという場合には、考えてやらなければならない。と申しますのは恩給受給者の中におきましては、けがをして倒れておる者とか、あるいは運輸省などの所管で、燈台守で長く勤務しておつて、一生を捧げて職を退いて困つておる者もあるというよいう点を考えますと、ある程度差がついてきた場合には考えてやらなければならないと思いますが、ちよつと俸給が変つたらすぐに恩給を増額してやるというようなことは、当然考えらるべきところではないと考えております。考え方といたしましては、今田中委員の仰せられるように、俸給の上るのに應じてやりたいと考えておりますけれども、実際問題といたしましては、そういうようにいかないのじやないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/11
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012・野本品吉
○野本委員 恩給の支給に関する問題は時代に合うように改訂せらるべきであるということは、たれもが考えておるところでありまして、私どもといたしますと、この國会において、われわれが要望しており、また全國幾十万のかつてのまじめに仕事をやつておつた氣の毒なる生活をしておる人からのあの血の出るような要求に対しまして、必ず政府がこたえるところがあるということをわれわれは確信しておつたのであります。不幸にしてこの國会にその方途が購ぜられなかつたということは、私どもはまことに遺憾に思つておるわけであります。そこで私は厚生大臣にお伺いしたいのでありますが、今少くも厚生行政方面について深い関心をもつております厚生委員会のほとんど全員といつてよい人たちは、この問題の適切、合理的な解決に対しまして、非常な熱意をもつておるのであります。從つてもし財源その他の許す範囲において、この問題を議員が取上げて、これに対する解決の方策を講じようとする場合に、政府特に厚生大臣として積極的にお協力くださる意思があるかどうか。この点明確にお答えしていただきたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/12
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013・竹田儀一
○竹田國務大臣 野本委員からのお尋ねでございますが、事務的な案は相当整備されておるようでありまして、相当閣議でも問題になつておるのであります。事務的に法案の整備ができますならば、積極的に協力いたしまして、貴意に副うようにいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/13
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014・野本品吉
○野本委員 ただいまの非常に御理解ある御答弁に対しまして、私は全國の恩給受給者並びにそれに対して深い関心をもつておる人たちの氣持を忖度いたしまして、それらの人に代つて強く感謝の意を表します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/14
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015・山崎岩男
○山崎委員長 ほかに質疑の方ございませんか。ただいま議題といたしました恩給法の一部を改正する法律案につきましては、質疑は終了しておると存じますので、これを打切りたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/15
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016・山崎岩男
○山崎委員長 御異議がないようでございます。本案は質疑を打切ります。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/16
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017・山崎岩男
○山崎委員長 次に温泉法案を議題にいたしまして、議事に入ります。小笠原委員。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/17
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018・小笠原八十美
○小笠原委員 温泉法について簡單に大臣から答弁を願つておきたいことが三点あります。
一つは厚生省で温泉法をつくられるということに相なりまするというと、やはり衞生方面に重点をおかなければならぬことはもちろんであります。從來温泉の弊害というものは、温泉は慰安的な温泉と治療関係の温泉、療養を重点としておる方面とあつたのであります。その温泉の効力の分析算に対しましては、今までは温泉業者自体に任しておつたようでありまして、今度もまたその法文を見ますると、浴場を開設するものは、おのおの分析をして、そうして医事関係の効力なんかを加えて、認可を受けるというようなことになつておるのであります。これは厚生省の方で積極的に温泉の医事効力に対して分析をして、この温泉はどういう病氣に効力があるというようなことをおやりにならなければ、今度厚生省で温泉法を取扱つたことに対して矛盾するような感がいたすのであります。その点の用意あるかどうかということを伺いたいのであります。
それから第二点は、ただいま法案の御説明によりますと、この温泉関係の施設は外貨の獲得ということもあります。それは多分に観光施設とよほど関連のあることに重点を置いておられるだらうと思いますが、いかに外客云々という目的のもとにいたしましても、やはり温泉に対する施設が伴わなければ、外貨の獲得ということはできないことはもちろんでありますが、一体厚生省の方には外客誘致なんということについて、施設の関係で予算関係とにらみ合せて本年はどういうことをなさるか。あるいは將來はどういうことをするか、補助関係によるか、政府の方で外客誘致に対する施設関係に大きな方針でもお立てになつているかというようなことを伺わないと、これは観光施設と相まつて温泉の外客誘致に対する方針などは、われわれはただ法案の説明だけ聽いては何ら見えないのでありますがゆえに、この点を伺つておきたいのであります。
第三点は一般の衞生関係の浴場でありますが、これらも温泉は山岳地帶に多分にあるのでありまして、その湧出量も相当むだになつている点がたくさんあります。そういう山岳地帶の温泉のむだになつていることを利用する都市がたくさんあるのであります。それが五十キロくらいの所まで引張つても何ら温度に対する影響のない研究ができているということを承つておるのであります。この燃料不足のとき、また一般浴場の衞生に今日困難を來しております場合に、そういう方面にそれらの施設をなさることになりましたならば、この燃料関係の緩和や衞生方面の施設に対して、温泉地帶附近の都市はそれによつて救われることが多いと思うのであります。そういうこともお考えになつているかどうか。以上三点を伺いたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/18
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019・竹田儀一
○竹田國務大臣 小笠原委員の御質問は三点であつたと思います。
第一点はこうして厚生省が温泉法を出す以上、温泉の質に対して分析を積極的にやつたらどうか、こういう御意見のように承つたのであります。仰せごもつともでございますが、温泉は何分近い所にある温泉は別でありますが、全國に散布しております遠方の温泉を東京へもつてまいりますことは、その泉質等に変化を來すことが多いそうでありまして、その地方々々の府縣廳に衞生試驗所がありまして、その府縣の衞生試驗所において分析をいたすようにいたしておるのであります。厚生省といたしましては、直接積極的に温泉に出張いたしまして、その現場で分析をいたしますということも、考えれば考えられないことはないのでありまして、多分そういうふうにしたらよいじやないかという御意見であらうと思いますが、これはよく研究をいたしまして、かく温泉法ができまして、厚生省が直接温泉方面の利用、厚生、保護というような面にタツチいたします。以上、そこまで乘り出してやるのがほんとうかとも思うのであります。今日ただいまそういたしますと御返事申し上げるのがほんとうかもしれませんけれども、事務当局ともよく相談いたしまして、なるべく御趣旨の線に沿いましてそういうふうに取計らいたいと思つております。
第二の御質問は外客誘致等に関して積極的にどういうことを考えておるか、こういう意味の御質問であつたように思うのであります。閣議等においても外客誘致等についていろいろ議論のあつたことは事実でございます。さりながら、小笠原委員御承知の通り、今日財源につきまして非常な苦心をいたしておりますときに、今ただちに外客誘致について拙速を貴んでかれこれと各省において割拠的にいろいろなことをやりますよりもさらに内閣直属のもとに観光審議委員会を設けて、総合的な大きな対策をつくることが必要じやないか、こういうようなことに一應閣議で決定をいたしたのであります。さような話合の結果、内閣直属の観光審議委員会というものを設けまして、そうして外客誘致に対して、内閣直属の一つの事務当局を設けまして外客誘致のことを取扱いますか、あるいは各省にまたがつてそういう仕事をいたしますか、あるいは厚生省がそういう仕事をいたしますか、まだ決定しておらぬのでありまして、白紙の状態で観光審議委員会の決定にまつということになつておるのでありますが、厚生省といたしましては、観光審議委員会の審議が進みますならば、われわれといたしましては、十四條に「温泉の公共的利改善に必要な地域を指定することができる。」こういう條文もありまして、われわれとしましては、一つの温泉郷というものを指定いたしたいと思つております。なお十五條にありますが、温泉利用施設の管理者に対して、温泉利用施設——これは療養所とかホテルとかいうようなもの、またその管理方法の改善というようなことにつきましては、泉医というようなものも設けましたり、保養地帶というようなものも設けたりすることを考えておるのであります。観光審議委員会の審議が進みます場合におきましては、厚生省といたしましては相当突込んだ建議をいたしまして、外客誘致の面において温泉をかにして利用するかということにつきましては、相当極的な意見を提供いたしたいと考えておる次第であります。
なお第三の、山岳地帶に相当温泉があつて、その温泉を引湯いたしまして、今日のこうした木材も足りないで各浴場が困つておるときに、その温泉を利用いたしまして、各浴場に提供したらよいではないかという御意見のように拜聽いたしたのであります。仰せはごもつともと思います。ただ残念なことには、今日温泉の引湯をいたしまする資材、これはあるいは温泉の質によつては、その管が木材でないともたない、硫黄泉のようなものもあると思います。この引湯をいたします資材の面におきまして、今日ただいま御意見のようにいたしますことができるかどいかということについては、多少研究を要すると思うのであります。しかしながら、今日本材等も不足しておりまして、浴場が非常に足りない、湯賃が非常に高い、國民の保健衞生の上におきまして非常な支障を生じております場合に、小笠原委員の御意見は非常に傾聽に値すべき御意見であると思いますので、その資材の面とにらみ合せまして、でき得る限り貴意に副うように何とか研究いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/19
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020・小笠原八十美
○小笠原委員 第一点の問題、いかにも政府の方では全國の数多くの温泉を分析研究するということは困難でありましようが、これまで縣に依頼して分析した結果が、どこの温泉へ行つても、皮膚病にもきけば、胃腸病にもきく、全部に効果があるようなものばかり宣傳しておる。ああいうことではあまり温泉としての権威がなさ過ぎる。そこでほんとうに分析して信用のあるような程度にしなければならぬ、厚生省でこの案を出し、今度この法律によつて衞生方面の取締りを厚生省がしようということで出発した以上は、その点だけは重点を置いて、やはり権威ある分析、調査をして、國民に安心せしめることが一番必要だと思つてお尋ねしたのであります。
それから第二の問題は、いかにも外客誘致ということは、今日の財政上政府が積極的にできないというようなことはわれわれよくわかります。しからば民間でこれに対するところの施設をしよう、こういうことに出た場合にはいかにするか。この法案を出す以上は、復興院とかそういう方面との連絡があつて、そういうものに対しては優先的に許可する方針であるとか何とかいう用意があつてしかるべきじやないかというふうに考えられるのでお尋ねしたようなわけであります。この点も、近いうちに観光審議会の問題になるでありましようが、かえつて審議会とかそういうものができて、一年も二年もかかつたりしておつては問題にならぬから、こういう方案を出す以上は、何か民間の方の希望があつてそれだけの施設ができるということでありますならば、それを積極的に許可する方針であるとか何とかなければ、温泉法というものを國民がもらつても何ら効果がない、ただ取締られるだけの法律であつては、國民の方が積極的に國家再建に対して協力しようとしたことがむだということに相なるのじやないか。こういうふうに思われる。
それから第三の、一般國民衞生から見て、むだになつておる温泉をひつぱつてくるということは、そう資材なんかは困難じやない。たとえば赤松の丸太にしても、これに使うくらいのものは、わずかなものがあればできるのでありますが、それと今の燃料の木材の数量を比較したならば問題にならぬ。ただ政府の方でやるという熱意さえあれば、各所にたくさんでき得るものでありますので、特にこれは御研究を願いたいのでありまして、温泉法を出し、温泉の利用をするということになれば、この点に重点を置かなければならぬと私は考えておるのであります。事務当局も、大臣の政治的の方面も、これはとくと考えなければならぬ大きな問題だと考えるのであります。御参考までに申し上げて私の質問を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/20
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021・竹田儀一
○竹田國務大臣 第一の点はごもつともであると思います。これはひとつ何とか研究いたしまして、小笠原委員の仰せの通り、どこの温泉へ行つても胃腸にきく、どこの温泉に行つても脚氣にきくということでは、少しく不見識であると思います。厚生省がかく温泉法に乘り出しました以上、必ず何とか早速御意見の線に沿つて実行するように考えてみたいと思います。
第二の問題でありますが、その大網は観光審議会できまるのでありますけれども、ただいまの厚生省の立場としましてもは、民間の希望者があれば、それを私が許可をいたしまして、どしどしやつていただくようにしたいと思つております。これは箱根の國立公園の一部でありますが、御料地の中へも相当のホテルの建設を希望しております。それは神奈川縣知事とも相談をいたしまして、許可いたしたいという方針で進んでおります。なお外資の導入につきましても各方面から私に話があります。そういう話も非常にいい話だと思いますから、これをよく調べぬといけませんので調べておりますが、よく筋の通つたものはただちに外資の導入によつて観光施設の温泉地帶における処理を進めたいと思います。
それから第三の問題はよくわかりました。資材も簡單で済むところはどしどしそういうふうな方面に進みたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/21
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022・山崎岩男
○山崎委員長 それではこれにて一應休憩にはいりまして、午後一時より再開いたします。
午前十時四十一分休憩
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午後一時四十五分開議
〔以下筆記〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/22
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023・田中松月
○田中委員長代理 これより休憩前に引続いて再開いたします。有田二郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/23
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024・有田二郎
○有田委員 性病予防法案の中「性病は、梅毒、りん病、軟性下かん及びそけいりんぱ肉芽しゆ症をいう。」とありますが、第五性病はこの中に含まれていないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/24
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025・濱野規矩雄
○濱野政府委員 第五性病はあるのではございますが、あまりに珍らしい病氣で、まだ日本には見つからない。とりあえず今日本にあります梅毒、りん病、軟性下かん、そけいりんぱ肉芽しゆ、この四つとしたので、將來日本に來るようになつたら追加しようと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/25
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026・有田二郎
○有田委員 第六條の終りの方に「文書をもつて、患者の居住の場所を管轄する保健所長を経て、必要な事項を都道府縣知事に届け出なければならない。」というのがありますが、この書式は大体どういうような方法でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/26
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027・濱野規矩雄
○濱野政府委員 書式は一應きまつておりまス。何なら後ほどお手許に差上げましよう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/27
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028・有田二郎
○有田委員 第八條は先般福田委員から質問世ありましたが、婚姻をしようとする者は、診断書を交換するようにつとめなければならない。 第九條に「妊娠した者は、性病にかかつているかどうかについて、医師の健康診断を受けるようにつとめなければならない。」とあります。これは大体福田委員の質問の場合に政府委員の答弁を承りましたが、もう一つ私は納得できない点がある。これはもちろん強制的ではないと思うが、こういうことをお書きになつたのは、將來何年か後にはこれを強制的にもつていこうという予備のつもりで、お書きになつたものでございますか。その点を承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/28
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029・濱野規矩雄
○濱野政府委員 先般福田委員からお尋ねの時に、現状においては、この辺で將來段々性病予防の思想が普及徹底し、そういう時代が來るとお答え申し上げたのですが、今度第九條は参議院において「受けるようにつとめなければならない。」というのを「受けなければならない。」と修正になりました。しかし先般福田委員に申し上げましたように設備万端いろいろな困難がありまして、將來はそうなつて然るべきと思います。罰則をつけるかつけないかは、まだもう少し時日を見なければお答えできませんが、もう少し実行して世の中の移り行きを見たいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/29
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030・有田二郎
○有田委員 第六條の中に「病毒をうつしたと認められる者」という項があるが、この「認められる」という点において、私は多分に人権を蹂躪される可能性を認めるのであります。どういうような範囲においてやるか、この「認められる」ということのために、多数の者が迷惑するか、あるいは人権を侵害するようなことが起らないかを虞れるが、この点についての答弁を承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/30
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031・濱野規矩雄
○濱野政府委員 お尋ねの第十條、第十一條十二條あたりは、たしかに人権蹂躪の疑いをもたれる法律で、大体これを施行いたす上につきましても非常に注意しなければなりません。第十條は第六條におきまして医者が患者を診る時に、患者からたれだれにもらつた、ないしはたれだれに移したらしい、こういう患者の申出によりまして、その人が心配なら手紙をもつて数回にわたつて問合せる。そうして、その人が氣持ちよく來て、私はどこどこの医者にかかつておるからといつてくれればそれで事済むのでありまして、そういうふうにできるだけ人権の問題が起らぬように行きたいと、こう存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/31
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032・有田二郎
○有田委員 第十一條、第十二條は濱野政府委員の言われたように、人権蹂躙のおそれがあるので、ただいまわが党の代議士会でも今度の新刑法の中で犯人と思われる者を尋問する時において、沈默の権利を認めておるのでありまして、今度の委員会で採択になりました新刑法の中に、君は沈默する権利をもつているということを先に犯人に言い渡すのだそうです。從つて犯人が沈默を守るために犯罪が分らないということについて、代議士会においては非常な問題になつているので、今度の刑法がそういう点にまで及んであることを考え合わせると、今後の性病予防法の上において、人権蹂躙のおそれが十分にある。たとえばこの法律において罰金刑が三千円というのがついているが、三十二條の「左の各号の一に該当する者は、これを三千円以下の罰金に処する。」という項からこの十條の欄を取つてはどうか、一應法案はこのまま認めておいて、罰則だけは一定期間おいて、後日また第三國会なり第四國会に罰則を附するとしても、今日これをただちに——自分はたれから病氣をもらつたか判然しない場合も出てくると思う。さようなことで非常に混乱を來たしはしないか、かように思われるが、政府のこの点についての答弁のごとく、「病毒をうつしたと認められる」という一方的なことによつて基本的人権が侵されるということは、司法委員会を昨日通りました今度の新刑法の趣旨から見ても、私は大分ほど遠いように思うが、御所見を承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/32
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033・濱野規矩雄
○濱野政府委員 有田委員のお説はまつたく仰せの通りでありまして、私達もこの点につきましては非常に注意をいたしておりますが、大体第十條を置きまして第二十五條を加えまして、もし本人が違法であると思えば拒むことができることにしてある。またもう少し前の法律でわざわざうそのことを言いまして、その人が非常に迷惑することがあれば、これまたそういうことができないような法律を作りまして、同時に係の人が書面その他をもちまして、どこまでもそういう問題の起らぬように、この法律施行の上におきましては特に愼重にいたすという意味において、封緘はがきによりましてこれをやると云うことにして、どこまでも御迷惑をかけないようにきめてあります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/33
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034・有田二郎
○有田委員 第十一條の中に「賣いん常習の疑の著しい者に対して、性病にかかつているかどうかについて医師の健康診断を受くべきことを命じ、又は該当吏員に健康診断をさせることができる。」とありますが、先般娘さんを摘発して、こういうような事件があつて、自殺したことは政府から先般お話があつた通りであります。これまた私は新憲法の精神から言つてよほど注意しなければならぬ。かように考える、この点もやはり三十二條の罰金三千円以上と云う條文に該当するわけであります。特に今度賣春等処罰法案と云うのが國会に上程されてまいりまして、これと併せ考えまして、賣いん常習の疑の者に対しては、往々にして若い警察官等が、おもしろ半分にやるような場合も考えられるわけであります。こういつた漠たるもので、人権蹂躙のおそれなしとは考えられないのであるが、御所見を承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/34
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035・濱野規矩雄
○濱野政府委員 ただいまの御指摘の通りでありまして、特に第十一條、第十二條らおきましても、賣いんの常習と申しますのは、第六條におきましてあの人からもらつてきた、あの人からもらつたと、いろいろもらつた人が変りまして、たくさんの人の口から賣いんをしているという歴たるものを特にあげているので、またそれが一番傳染性として一番あぶない。この法律はその性病を治すのでありまして、性病の人を連れてきて治療するので、そういう証拠があるものを特にこう申します。第十條は要するに大体が普通の申込でありまして、うつして者、うつされた者、十一條は特にそういう賣いん常習者に対して法律を設けたのであります。從つてその取扱は十條、十一條でありますが、ここで言うのは第六條において幾人もの人が、あの女性からもらつたというその女性に対しては、第十條によつていろいろやるのであります。そうすればその人はやはり賣いん常習者だ、こういうかつこうをとるのであります。この問題は非常にデリケートの問題で、そういう問題が起らぬように特に注意していきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/35
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036・有田二郎
○有田委員 第十二條の中に「都道府縣知事は、性病のまん延が著しい場合において、その治療及び予防のため、性病にかかつていると認めるに足りる正当な理由のある者に対し、省令の定めるところにより」と云う省令の問題でありますが、これもやはり人権を蹂躙する場合が非常に多いので、今までのように公娼というようなものがある場合には、その檢査の対象がはつきりしておりますが、今日はそういう者が無くなつているし、そういう者が法律によつて嚴重に禁じられるというような時代になりつつあつて、第三者のそういつた人の性病を檢査することは、男の場合もそうでありますが、特に、女子の場合においては、よけいにいろいろな問題が惹起されるのではないかと思う。かように考えられるので、女子についても十分に考慮してもらいたいと思うのであります。政府としてどういう御所見でありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/36
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037・濱野規矩雄
○濱野政府委員 十二條の「性病のまん延著しき場合」と申しますのは、よく例に出すのでありますが、お風呂屋あたりで大変傳染する。先般別府の温泉で相当の数が出ました。またお手許に差上げました資料の中に、福岡縣の鉱山町で、共同浴場から相当数の性病が眼を潰したこともあります。また甲府の温泉浴場でそういう例があります。さような場合を十二條の「性病のまん延著しき場合」と申します。從つてこれはもう一層非常に人権蹂躙やいろいろの問題がそこにありますので特に厚生大臣の認可を得まして、こういうふうにしていきたいのでありまして、その対象はこうだというその許可を得て、愼重にやりたいと考えております。もつとも私どもといたしましてはそういう問題が起つた時には、現場の方々が卒先してやつていただくことを特にお願いいたしたい、どうしても徹底的に治すということが目的であります。この十二條はただいままでの経驗からすれば、年に一遍か二遍か地方に起るもので、所轄保健所長卒先して自分から進んで治療されることを望みます。しかしながらそういう場合も考えて特に十二條を加えてあります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/37
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038・有田二郎
○有田委員 第十六條第三項は「厚生大臣の承認を受け、一定の期間を限り」というい言葉がありますが、その一定期間とは政府としてはどの程度でありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/38
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039・濱野規矩雄
○濱野政府委員 普通一箇年、要するに四月から翌年三月三十一日までの会計年度といたしてあります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/39
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040・有田二郎
○有田委員 第十九條「國庫は、第一七條各号及び前條の費用に対しては、政令の定めるところにより、その二分の一を負担する。」第二十條の「國庫は、都道府縣の性病の治療及び予防に関する知識の普及のために支出する費用に対して、政令の定めるところにより予算の範囲内においてその二分の一以内を補助する」という項がありますがこの法案がかりに通過して九月一日から施行するという場合におきまして、予算の面はどういうことになつておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/40
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041・濱野規矩雄
○濱野政府委員 この第十九條の政令の定めるところによるというのは、御承知の通り若干の收入とか寄附金を指すもので、残りの費用に対して二分の一を補助する。第二十條の性病の知識の普及に対しては予算の範囲内において二分の一、これをもつて縣の方で予算をこしらえて、縣の財政とにらみ合わせてその上で二分の一差上げる。この予算が全部通ると一億五千万円今年は見込んでいるが、先般も申し上げた通り、今年の一月から性病治療については毎月千万円づつ、一月から三月までに三千万円予算を頂戴してこれと同じことを施行している。同時に代用とか官公立の診断所長に対しても心配なくやつていけると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/41
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042・有田二郎
○有田委員 この法案が通りましたらその後におきまして追加予算を一億五千万円出すというのですか。それとも現状の予算が通過すると一億五千万円が包含されていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/42
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043・濱野規矩雄
○濱野政府委員 追加予算をお願いするつもりでおります。先般申しました若干の治療費は、現在の予算の中に入つているのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/43
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044・有田二郎
○有田委員 大体どの程度入つておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/44
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045・濱野規矩雄
○濱野政府委員 大体九千万円ばかり入つております。本年三月以来の若干の実績をにらみ合わせて減らしてありまして、二十條の方だけ追加予算であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/45
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046・有田二郎
○有田委員 第二十二條に「都道府縣知事は、この法律を施行するため心要があると認めるときは、当該吏員をて、患者又は性病にかかつていると疑うに足りるし正当な理由のある者の住所若しくは居所又はその従業する場所に立ち入り、心要な調査又は質問をさせることができる。」とあるが「患者又は性病にかかつていると疑う」というのは何をもつて判断されるか、この点を聽きたいと思う。さらにその項に「立入り」という言葉があるが、この点について御説明を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/46
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047・濱野規矩雄
○濱野政府委員 第十條、第十一條、第十二條、第十五條でありますが、これは強制治療、そういう者に対するもので「性病にかかつている疑」というのは、先ほど申しましたように、あの人からもらつてきたと、再三再四かようなことがあつた場合、そういう人たちがほんとうに治療しているか、いないか、前もつて郵便その他で十分連絡をとり、どうしても中に入る時には、いろいろ聞いて性病者のおる所の現場を把握するということが目的で、それを特に法律に盛られたのであります。
〔田中(松)委員長代理退席、委員長着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/47
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048・有田二郎
○有田委員 第二十三條に「その身分を証明する証票を携帶し」というのがありますが、写眞の入つた証票にしていただきたいと思う。そうでないと偽の証票を持つた者が出て、いろいろの事態が起る。この点について……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/48
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049・濱野規矩雄
○濱野政府委員 私たちの原案では写眞を入れないつもりでおつたのでありますが、たいへんいい御指示なので写眞を入れるように縣に指示いたします。同時に本人の身分証明には、二十五條にありますようにもし君たち違法であると思うならば警察へ届けろということを書いたものを一緒につけまして、そうして身分証明書を示して両方間違いでないようにしていきたいと思います。写眞をはらせるようにいたしましよう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/49
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050・有田二郎
○有田委員 第二十七條の第二項「賣いんのあつ施、勧誘又はその場所の提供をした者が、その賣いんをする者につき、その者が傳染の虞がある性病にかかつていることを、過失によつて知らなかつたときも、また同様」三年以下の懲役又は二万円以下の罰金となつているが、全然知らない者まで処分するということはわれわれの知つている範囲内では刑法にないと思うか、法律は変つておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/50
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051・濱野規矩雄
○濱野政府委員 今おつしやつたのは二十七條……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/51
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052・有田二郎
○有田委員 二十七條です、二十八條の中には「性病にかかつている者が、性交、授乳その他病毒を感染させる虞が著しい行為をしたときは、これを一年以下の懲役又に五千円以下の罰金に処する。」とある。全然知らなかつた者を処分するような例は、新刑法の中にないと思うが、この点についてどういう考えをもつておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/52
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053・濱野規矩雄
○濱野政府委員 丁度二十七條に出ております賣いんのあつ旋とか勧誘とかその場所を提供するというような、早く云へば賣いん常習者であるが、こういう人は、自分で身体を護つてもらわなければならない。現在は私たちが強制診断しておりますが、これをやめてそういうことではなく、自分たちで身体を護る、從つて勇氣をもつてなすことがはつきりしています。そういう方が病氣の問題を解決することを私たちは望んでおりますが、過失によつて起らなかつたということは重大な過失でありまして、起らなかつたと言つても知らなかつたでは困るから、花柳病まん延を防ぐ意味から、特に書き加えたものであります。さよう御了承を……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/53
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054・有田二郎
○有田委員 ことは議論をしても盡きないことでありますが、ほんとうに知らなかつた者は私は問題にならないと思う。過失という言葉が入つているが、どう云う解釈をされるか、過失によつて知らなかつた、本人は知つていても知らなかつたというのすおのずから別だが、全然知らなかつた者まで懲役三年、罰金二万円以下というのは、私は單に花柳病蔓延を防ぐという精神ば非常にいいが、しかも私はこの点はかりにこれを通すとしても、前項と同じように三年以下の懲役、二万円以下の罰金は重きに過ぎると思うが、御所見を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/54
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055・濱野規矩雄
○濱野政府委員 有田委員の仰せの通りでありまして、ほんとうにいろいろの事情によりまして知らなかつた人に対しては、調べられた上に罰せられなかつたということがたびたび起りましよう。分つておりながら知らなかつた。というのを防ぐだけで、この点御了承願いたいと思います。いろいろな事情が分つてくれば、本人は知らないと言い張ることがないようにしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/55
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056・有田二郎
○有田委員 これは各党とよく相談して結論を與えたいと思うが、この條項は基本的人権を侵害するものと思う。しかも、その処分が、知つていた者と同じように三年以下、二万円以下の罰金で前項と同様に扱つている。この点はいずれ各党とよく相談して結論を得たいと思う。いずれまた質問もありますが明日に譲りまして、本日の私の質問を終りたいと思います。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/56
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057・山崎岩男
○山崎委員長 次に興行場法案—公衆浴場法案、旅館業法案、理容師法特例案、國民健康保險法の一部を改正する法律案、温泉法案、あん摩・はり・きゆう・柔道整復等営業法に関する特例案を議題といたしまして審査に入ります。質疑を許します。山崎委員。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/57
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058・山崎道子
○山崎(道)委員 これはどれから入つてもよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/58
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059・山崎岩男
○山崎委員長 よろしいです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/59
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060・山崎道子
○山崎(道)委員 私は國民健康保險法の一部改正法律案に対しまして簡單に御質問いたしたいと存じます。いろいろと御伺いしたい点はあるのでございますが、時間の関係が許されないことを非常に遺憾に存じます。まず法案の中でちよつと伺つておきたいことは、いろいろと進歩的になつてきていることは私非常に結構と思いますが、とかくこれが官僚的に、ただ形式に流れないよう、この点國民健康保險審査会であるとか、あるいは社会保險診療報酬算定協議会というようなものを、眞に民主町に運営されることを心から希望しておる者でございます。これからこの國民健康保險法を施行してまいりますにあたりまして、とかくの批判の点がございましたので、日に日に衰微してきていることは事実でございます。これを今回改正して、再出発といつてもいいくらいの状態にある國民健康保險法を十二分に生かしてまいりますためには、ほんとうにこの運営を親心をもつてやつていただかなければできないのではないかと、かように考えておるのでございます。これを運営するものは非常に大切なる役目を引受けておると私は考えております。この仕事に從事する保健婦の待遇でございますが、現状で政府当局者は定れりと思つておりますか、今後この問題について相当改正して地位の向上をお考えになつていただけるか、この点について最初にお伺いしたいのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/60
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061・宮崎太一
○宮崎政府委員 ただいま山崎委員より御質問がございましたが、國民健康保險の民主化につきましては、お説の通り十分官僚式にならぬように心がけてまいりたいと思います。保健婦の待遇につきましては、本年の予算におきましては、二千九百二十円ベースをもつて組んでおります。これが三千七百円になればそれにかえてもらうつもりで準備しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/61
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062・山崎道子
○山崎(道)委員 それから保健婦の給與問題については、政府から補助が出るはずでございますが、これはどうなつておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/62
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063・宮崎太一
○宮崎政府委員 政府からは俸給旅費の三分の一を補助しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/63
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064・山崎道子
○山崎(道)委員 これは保健婦のものであるというふうに指示しておいでになつておりますが、私のところへいろいろ保健婦から陳情が來ておりまして、政府の補助金がほとんど事務の費用に充てられたり、赤字補填に充てられたりして、保健婦さんの手に渡つておらないそうでございます。これに対してどういう方法で支給しておるか、これは運営の面において監査の面はどのようにしておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/64
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065・宮崎太一
○宮崎政府委員 從來の問題といいますと、昨年の予算におきましては千八百円ベースで組んでおりまして三分の一、六百円を補助しております。そういう場合におきまして組合が三分の二であります千二百円を出して、これに対して國があとの六百円を加えて千八百円にする、こういう工合に指示しております。ところが中には今山崎さんの耳に達したように、千八百円出すべきところを千百円くらいしか出さないで、そうして六百円を政府からもらつておりながら、事務費の方に迴されるというような所があるかも知れません。そういう点につきましては表面監督しておりますが、まだ手ぬかりの点があつたと思います。本改正後におきましては、嚴重に監督して御趣旨に副うようにいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/65
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066・山崎道子
○山崎(道)委員 とかく末端に働く者が酬いられないのが今の世の中でございます。保健婦等もこのために現在まだ百二十円の所もございます。お話にならない状態でございます。私はこのために保健婦が続々職を離れて、他方に参りますと運営上非常な危機に面しておる所もたくさんございます。具体的な場所を示せと言われますれば、私お示ししてもいいくらいでございますので、どうぞ今後も監督の面におきまして十分に注意されんことを心から希望いたしておきます。第八條の中に「保險者は被保險者の疾病又は負傷に関しては療養の給付、分娩に関しては助産の給付、死亡に関しては葬祭の給付をなす。但し、特別の事由ある保險者は助産の給付又は葬祭の給付をなさざることを得」とございますが、特別の事由とはどういうことでございますか、お伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/66
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067・宮崎太一
○宮崎政府委員 第八條の二の問題と思いますが、原則はこういうように疾病負傷に対しては、療養の給付、分娩に関しては助産の給付、死亡に関しては葬祭の給付、こういうことになつているのでございますが、組合の財政の都合によりましては、助産の給付、葬祭の給付につきましては任意でもいいということでございまして、療養、傷病についての方を優先的に考えまして、財政がどうしても許さない場合には、今申し上げました但書の條項についてやらぬでも宜しいということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/67
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068・山崎道子
○山崎(道)委員 それではそういう給付のできない組合では、こうしたものを掲げないことに指示なさつておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/68
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069・宮崎太一
○宮崎政府委員 最初組合で規約を作つて知事の認可を受け、その際になるべく全部やることに努めているのでございますが、なかなか村の都合等によりましてできない場合は、規約を承認する場合がございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/69
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070・山崎道子
○山崎(道)委員 私は近く社会保障法が制定されることを期待しておりますので、いろいろ不満の点や不備な点も見出すが、社会保障法の実現を期するということを條件といたしましてこの法案に賛成いたしたいと存じますと同時に、いま一つ温泉法とからみ合うことになるのでございますが、これは國民の健康保險法と申します以上は、疾病から予防へ行きたいと思います。ところが從來温泉というものが、一部特権階級のために存するように思い勝ちでございます。さきほどの御質問の中に、観光政策としての温泉に対する政府の心構への御質問がございましたが、これも私一應御質問がございましたが、これも私一應御もつともと存じます、しかし私は新憲法下におきまして、日本も勤労國家として生きていく。つまり國民はすべて勤労の権利を有し義務を負う、この精神に則つて日本の再建をいたそうといたしております今日、できますれば温泉を大衆のもの、國民の温泉として拡げていきたいと存じます。つまり温泉は決して贅沢な場所でなく、ここに行きまして病後の療養をいたしますと同時に、健康の泉となるぼき場所にしたい。つまり私の申しますのは、この國民健康法に次ぐ法規として施行にあたりましては、やはりこの組合の事業の一部として温泉施設を利用することのできるように、つまりデンマークのごとく、働く農民自身が週末旅行にはそうした所へ行つて、家族こぞつて藥しい日を送ることができる。これによつて今までの働くことの苦労を忘れ、明日の労働力を回復するという施設としての温泉がほしいと存じております。つまりこつちの健康保險法の中に、私はこういうことを希望するのでございますが、こうしたことに対しての御用意があるや否や、將來厚生省といたしましては、温泉はこの法律でやることについて、一部分お考え直しを願うように私は考えているのでございます。從いまして今日どの程度に行われているか、それに対してどういう考えであるかということを私はお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/70
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071・宮崎太一
○宮崎政府委員 ただいま山崎委員から國民健康保險法に関連して御質問がございましたが、健康保險法と併せて答弁いたします。國民健康保險法におきましては、山崎さんが仰せになりました温泉療養につきましては、その程度は少いが、今日におきましては石川縣と長野縣、群馬縣におきまして温泉の療養をいたしております。殊に石川縣の片山津温泉は、この温泉を患者の治療に利用したいと云うことを目下研究しておりまして、健康保險におきましてはつとに山崎委員のお考のようなことを考えまして、十年ほど前から温泉の保養所を設けまして、それには病人というよりも病氣の癒つた人、あるいは虚弱なる人のために保養所を設けておりまして、政府の管掌する府縣におきましては二十六箇所、組合の管掌する府縣におきましては六十箇所、本年二月末現在におきまして政府の管掌する府縣におきましては四千九百八十八件、組合の管掌する府縣におきましては一万五千人の方々が、この温合の療養所を利用いたしておるのでございまして、殊に箱根の湯元におきましては十箇所もございまして、労働者の人達が嬉々としてこれを利用しておるのでございます。おついでがございましたらごらんを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/71
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072・山崎道子
○山崎(道)委員 たいへん結構なお話を伺いましたが、まだ労働者の数から見れば、微々たるものと思います。それで私は是非病後の者や一部の者でなく、國民全般の上に拡げてまいりたいのが念願でございます。靜岡縣長岡温泉で湯の家がでぎまして、これは養老院でございまして、養老院といえば非常に暗いかげがついてまわつておりましたが、これをこの後明るい、殊にこうした社会制度の下においては、老いてからみじめな人が沢山出てまいりますが、國民は安心して老後を養えるような施設がほしいと考えておりまして、現在長岡温泉の一部には湯の家を拵えて二十人ばかりの養老さんを入れております。これは非常に結果が宜しく、私はこうした面から考えて、黙々と働いている労働者、農民、殊に農家の諸君が、供出でも終つたならばほつと一と息、親子夫婦連れで一週間保養に行くことができたならば、何の夢もない現在の世の中に、それだけ明るく人心を導いていくということを考えまして、この際特にお願いした次第でございます。さきほど申しましたように、今日非常に繁雜に、やれ社会何とかだとか、國民保險法だとか、健康保險法だとか、船員保險、失業保險とたくさんございますので、私たち自身憶えるのに忙しいくらいでございます。どうぞ一日も早くこれが社会保障制度としてお心に含められることを、心から希望いたして私の質問を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/72
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073・野本品吉
○野本委員 きわめて簡單に二三質問いたします。第一の点は公衆浴場に関する問題であります。私どもの考えるに入浴ということは日本人の生活の上におきまして、きわめて大切なことでありまして、私どもは入浴することによりまして一日の疲労を回復し、また慰安を求め、翌日の再生産力がこれによつて生まれるのでありまして、生産の増強という点から考えても、きわめて大事なことであります。從つて浴場というものが各都市におきまして適当に配置され、それが立派に運営されるということは、國民生活の上におきましてきわめて重大なことと思います。そこで浴場経営の問題について考えますと、最近の状態におきまして一番経営上困難するのは、私どもの見聞する限りにおきましては、電力あるいはその他薪炭燃料の問題でございます。浴場の経営上一番の問題は燃料でありまして、從來どのように取扱われているか、また今後それに対してどういうふうにお考えになつているか、この点をお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/73
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074・三木行治
○三木政府委員 公衆浴場の問題につきまして、これが國民生活になくてはならぬものだという点については、まつたく御同感でございます。それにつきまして私どもといたしましては、御指摘になりました燃料の問題が一番重要な問題であるので、石炭、電氣等燃料配給の面についても努力いたしておりますが、これをもつて十分なりとは言い得ないので、いろいろ相当努力しておるのであります。まず数字でもつて御説明申し上げますと、二十二年十一月、三万二千二百五十トン、これは石炭についてであります。十二月、一万七千三百トン、二十三年一月、一万万九千五百トン、二月一万四千六百トン、三月には一万三千百トンというような石炭の特配をいたしているのでありまして、電氣につきましても特別配給、あるいは深夜の配電ということも分けてもらつて、それぞれ配給しております。御存知のような電力事情で一定の電力を供給するわけにも参りませんので、その都度分けてもらつて配給している、こういう事情でありまして、主として西日本には石炭、東日本にて電氣を余計に配るというような方針でやつておるのでございます。なお、附け加えて申し上げますが、かまの能率という問題も燃料の消費に関係するので、鉄板等ももらつて能率をよくすることにも努力している次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/74
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075・野本品吉
○野本委員 いろいろ苦心されておることが分つて私どもとしては敬意を表したいと思います。なお、今後も予想される熱源、燃料の問題が相当困難であろうと思いますので、さきほど申し上げました大衆の間の公衆浴場の経営上、燃料に対してはこれが支障を起すことのないように、最善の御配慮を希望いたしましてこの点に関する質問を終ります。
次にもう一つ伺いたいのは、第四條の規定を盛ますと「傳染性の疾患の者と認められ、または他の入浴者の入浴に支障を與えるおそれのある精神病者と認められる者に対しては、その入浴を拒まなければならない」という規定があります。そこで泥酔している者であるとか、あるいは浴場における不穏なる言動をするような者については、この規定では取締られないように考えるが、どうでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/75
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076・三木行治
○三木政府委員 御指摘になりましたことく、第四條におきましては粗暴な言動があつた者、泥酔者は入浴せしむることを取締ることができないことになつております。それは軽犯罪法によりましてそれらの念定がございますので、そちらに醸りました次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/76
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077・野本品吉
○野本委員 次にこれは去年の冬でございましたが、東京に現われました一つの現象といたしまして、入浴料の値上げ問題に関連して、全市の浴場経営者が一齊に休業いたしたことがございます。私はあの時にこれはきわめて苦苦しいことと思つておつたのでありますが、ああいうような休業に対する当局の御見解と申しますか、どうでありますか。この点今後もかかる場合が起つたときどうしますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/77
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078・三木行治
○三木政府委員 御指摘になりましたような事件は、まことに遺憾な点でございまして、私どもといたしましては、公衆衛生の目的から重要なものと考えておるわけであります。この法律案におきましても、公衆衛生上の措置ということが非常に重要な問題で、そのためにいろいろな規定もある次第でございまして、もしも東京都内における、あるいはその他の都市における浴場全般にわたつて、休業する場合においては公衆衛生上に與える弊害は非常に甚大でございます。從いましてさような場合は十分に公衆浴場組合の幹部と協議を遂げて、かようなことのないようにいたしたいと存じます。さような場合に罰則を規定しないのは、公衆浴場は営業として経営しておるので、社会の通念といたしまして、自ら商賣をやめるということを頑張ることは、常識としてあり得ないのでありますから、主として指導上の問題としてやつていきたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/78
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079・野本品吉
○野本委員 公衆浴場の経営者に対して、浴場の公益性あるいは公衆の福祉に深い関係のあることにつきまして、ただいま御答弁のありましたように、行政指導の面において浴場経営者と話し合いまして、かかる問題の再び発生することのないように、十分の御指導を希望いたします。
最後にもう一つお伺いしたいのは、温泉に関することでありますが、さきほどちよつとこの点に触れた質問があつたようでありますが、温泉をめぐつての権益にからまりまして、各種の紛爭が起り、いろいろめんどうな問題があるのも事実であります。それから温泉の特性といつたものが、明確に入浴者に理解されていないのも事実であろうと思う。そこで私が伺いたいのは、この温泉地帶にどの程度の温泉の源があるか、またどういう性質をもつて、どういうものに適当であるかということについての、温泉に対する総合的な、科学的な研究を進めていく必要があろうかと思います。これらについてのお考えを重ねてお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/79
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080・三木行治
○三木政府委員 御指摘になりました各種の紛爭の原因としては、温泉源、それを明確ならしめ、かつ、その出てくる温泉を分析して、その藥事的の規格を明かにする必要があるという御意見には賛成であります。わが國におきましては、御存じのように何しろ稀な温泉地帶でありまして、到る処に湧き出ているような次第で、これに対する研究機関も不十分であるというわけで、すべての温泉について科学のメスを加えることが困難でありますが、しかしながら地質学会あるいはこれらの総合的の仕事をやつている温泉協会では、すでにそういう研究を始め、今日もやつているわけで、そういう方面と十分連絡して温泉経営の問題、地下に埋藏せられている温泉源の問題について、十分研究していきたい。それを行政の上に運用していきたいと考えております。なお、それらの温泉の性質の問題、藥事的作用については、これまたこのたびの法律におきましても考えているのでありまして、許可にあたりましてはそれらの温泉を科学的に分析する。それはあるいは地方の側でやるということを規定しているので、そこで十分分析して、どういう性能があるかということを明かにしたいと思います。なお、午前の委員会でも御指摘があつたのでありますが、万病にきくがごときことは適当でないという御意見で、私もまつたくさように存ずるので、わが國においても温泉治療学というものが、各地の大学の附属施設で研究するというわけで各地にできております。かようなわけでありまして温泉地質学も相当進歩して、從來地中から湧いて出ます温かい水がきくのであるといつたような時代ではない。そのきき目を顯微鏡下に見ることもできるという研究もたくさんできている。そういう研究の上に立ちまして、その藥事的な使命を明かにし、從來のごとく鷺が傷いた脚を洗つていたから癒るであろうというようなことのない、文化的な、科学的な温泉の藥事作用、かような方面にもつていつて國民生活の上に結びつけていきたいと考うている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/80
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081・山崎岩男
○山崎委員長 次に斎藤昇君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/81
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082・齋藤晃
○齋藤委員 私はこの温泉法についてお聽きしたいが、ただいま野本委員から質問がありました通り、日本は非常に温泉源に富んでいる。この温泉の利用についてもいろいろあると思うので、今後とも温泉利用についてぜひ科学的な方面を考えていきたいと要望しますが、それと同時に温泉を保護するという意味において、日本が温泉をもつているのは、これはやはり活火山という火山脈によるのでありまして、そういう立場から、私の地方へ参りますれば炭鉱地帶において温泉が多量に湧出する。温泉を掘る意志ではなかつたが、温泉が多量に湧出する。しかし炭鉱のためにかつて温泉掘鑿権をもつておる人も、全然温泉を利用することができない。そこで炭鉱も重大なる増産の中心でありますけれども、しかしまた温泉が公衆のためにも、あるいは療養のためにも必須であるにかかわらず、すべてが犠牲にされる。私どもの地方は常盤炭鉱地方でありますが、温泉業者と炭鉱業者はいろいろな紛爭が、永年にわたつてあるので、私どもはこの問題につきまして、温泉法が作られて温泉が完全に保護されるということでありましたならば、このように國家の政策においては重大なる面には立つているが、しかし温泉を保護する見地から見て、今後温泉を掘る意思がなくして温泉が湧き出した。しかしそれは温泉の権利をもつている人が全然利用できない立場になつている。こういう時において、いかなる処置をとるか、今後重大なる問題として、政府の所見を聽きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/82
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083・三木行治
○三木政府委員 ただいま御指摘になりました問題は、掘る意思がなくて温泉が出たという場合において、政府の措置はどうかというのでありませうが、たとえば電柱を立てる時に、図らずも温泉が出たという場合、もつと一般的に申すと、たちえば炭鉱等の問題においては、この炭鉱を掘り続けることが公益としていいか、それともそれをやめて温泉を湧出せしめた方が、公益上有益であるかという観点に立つて処理していく。こういう考えでありまして、たとえば炭鉱の場合におきましては商工局長と縣知事が協議する、こういう風にやつていきたい。いずれを重しとするかについて、最も適切にやつていきたいと考えている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/83
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084・齋藤晃
○齋藤委員 もちろんそういう場合においては、いろいろ縣並に商工省との協議がありませう。もしも炭鉱内に湧き出した場合に、さきに温泉の権利をもつていた者に対して、その方面に仕向けるという立場の時に、炭鉱は何らそれに應じない。しかし実際の湧出量は相当にあるということで紛爭が起る場合もある。いわゆる炭鉱のために犠牲になるか、あるいは両方とも利用できるという場合もあるが、それがお互にただ権利のみを考えましたならば、全然そういう方面に考慮を拂わない。そういう場合においての措置をお考え願いたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/84
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085・三木行治
○三木政府委員 御指摘になりましたような両立しうる場合においては、これは雷者の協議によつて両方の利益が完うすればこれに越したことはないのでありまして、非常に結構だと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/85
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086・齋藤晃
○齋藤委員 なお、この炭鉱を保護する立場から言いまして、これらの問題は国際的に重大な権利で、温泉の生命に関するものでありまして、どうかこうしたことは今後ともひとつ御檢討を願いたい。單に温泉を利用するだけでなく、それ以外の重大なる問題を起すことも往々あるから、今後とも御檢討を願しまして、そうして温泉が利用されるようにしたい。永い間にわたる温泉が、その町村の生命を断つことも考えられますので、これをよく檢討してみなければ、一概に優劣は決せられないと考える。なお聽きたい点は、第七條におきまして、もしも温泉を掘鑿した場合に、間泉が湧き出なかつた。そうしてその場合は原状回復を命ずることができるということになつているが、もし完全な回復がされないで相当に土地が荒廃したという場合に対して、補償の制度はないか、これをお聽きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/86
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087・三木行治
○三木政府委員 お伺いしますが補償と申しますのは、都道府縣が補償するのですか。それとも十分に原状回復ができなかつたから申し訳ないというのでその秀が補償するという意味ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/87
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088・齋藤晃
○齋藤委員 都道府縣知事が原状の回復を命じても原状の回復をしない。その土地が荒廃したという時に、補償の制度を一應考えたかどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/88
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089・三木行治
○三木政府委員 その場合は私法上の規定によつてこれを行うつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/89
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090・齋藤晃
○齋藤委員 最後に温泉審議会の件であります。この温泉審議会のことはさきに質問があつたかもしれませんが、温泉審議会の内容機構につきまして、一應お聽きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/90
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091・三木行治
○三木政府委員 温泉審議会第二十條にあるようには中央及び地方におきまして、厚生大臣が第十條の規定によつて承認を與え、または重要なる問題について審議するということになつているので、これの構成メンバーは中央温泉審議会又は都道府縣温泉審議会とし委員及び臨時委員は、行政廳の官吏または吏員、温泉に関する事業に從事するもの、及び学識経驗ある者の中から、中央におきましては厚生大臣の申し出により内閣において命じ、都道府縣にあつては、都道府縣知事がこれを命ずるということになつているのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/91
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092・齋藤晃
○齋藤委員 温泉審議会が今後できまして、温泉に関する学識経驗者によつて温泉の利用、温泉のいろいろの度題について審議されることは、特殊な人人のみでなく、温泉が一般に開放されて、一般の温泉として審議されるということを希望します。さきほども言われましたが、温泉が特殊な権利者のみに奪われる。たとえばさきに掘鑿権をもつている者が権利を主張するために、新らしい温泉の場所において実際に利用したいと思いましても、利用できない、設備があつても利用されない、こういう事も考えられます。温泉が大衆のために開放されて、十分に日本において、無限の温泉が利用されることは日本の特権であるから、特に御考慮を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/92
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093・山崎岩男
○山崎委員長 武田委員。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/93
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094・武田キヨ
○武田委員 たびたびですが、公衆浴場の問題について簡單に質問いたします。公衆浴場は公衆衞生の立場から、これはできるだけ完全なものとしての設置について法案が定められたのでございませうが、それにつきまして消極的な保健衞生の立場からはここに認められますけれども、現在の措置で浴場が、たとえばここにありますように、傳染性の疾病にかかつている場合には入浴をこばまなければならないのでございます。しかしそれが認められないような場合、たとえば花柳病のようなときに、それを認めることができないで入浴させました場合に、これが傳染するおそれが、しばしばあると聞いております。そういうことについてお考えを承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/94
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095・三木行治
○三木政府委員 御指摘になりましたことは從來まれにはございます。この法律案におきましては、いわゆる朝場内における公衆衞生上の措置として、浴場の温度を下げないような措置をする。さような点に努力をしてまいつておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/95
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096・武田キヨ
○武田委員 そういたしますと、ただそれだけで積極的な措置を講ぜられておりませんのですか、この法案の性質として……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/96
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097・三木行治
○三木政府委員 性病等の場合については、性病予防法というものがございますが、それらの特別法によつて、処理していく次第です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/97
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098・武田キヨ
○武田委員 私は実はこの間、ある國民学校の兒童が集團で旅行をした時に、ある温泉に参りまして、多くの者が淋病にかかつたという事を聞いたのですが、そういう場合には、やはりこれはもちろん第四條に該当しないと見ていいのでございますか。こういうことは現在の状態に置いたならば、しばしば起りはしないですか。あるいは花柳街近くの浴場等では、こあいう恐れがままありはしませんか。これをこのまま差し置いて差支えありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/98
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099・三木行治
○三木政府委員 業態者の入浴等につきましては特別の考慮を拂う次第でございまして、この公衆浴場は一般の場合でございます。さよう御了解を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/99
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100・武田キヨ
○武田委員 この第二條にあります浴場の設場の場所という制限は、どんなふうにお考えになつておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/100
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101・三木行治
○三木政府委員 公衆衞生上の見地から、公衆浴場の設置の場所または構造設備を考えまして許可するので、設置の場所については、当然公衆衞生の立場から、一方に偏在して一方に一つもないということは不適当でございますから、そういう面からいわゆる適正適地という面についても充分注意していきたい。かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/101
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102・武田キヨ
○武田委員 もう少し立ちいりまして、適正配置については距離等の制限はお考えになりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/102
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103・三木行治
○三木政府委員 從來の地方命令におきましては、距離が百二十間以上というような規定がございますが、これはいわゆる公衆衞生の見地からいろいろなこともあるから、現地の実情によつて考えていきたい。かように存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/103
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104・武田キヨ
○武田委員 この公衆浴場をこの法律の下に行われます場合に、公衆衞生の立場から言いますと消極的なものだという感じがいたします。殊に今のように一般家庭においては家庭内で入浴することができず、赤ん坊を連れていつてそのまま家庭につれて帰るのですから、何とかそこに簡單な、目や口等を消毒するような設備をするとか、あるいは法律として規定はできなくとも、施行令の中には消毒藥というようなものを施設の中に入れるようにいたしたい。現在日本の浴場は世界にも少いような状態であるが、浴槽の中にどの程度の病菌があるか、はたしてこれが傳染の恐れがないものかということについて、今までに調査ができておりましたならば、ある程度安心して浴場に行けるかどうか承りたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/104
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105・三木行治
○三木政府委員 御指摘になりました小兒等にたいする特殊な設備については便法がありまして、たとえば子供用の浴槽を設けるということは、地方の條例で設けることができる。なお、浴槽がどの程度汚れているか、これは多少の資料を持ち合わせておりますが、全國的にやつた資料は持ち合わせておりませんので、いずれそろいましたらお目にかけたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/105
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106・武田キヨ
○武田委員 私は完全な公衆衞生の立場から、日本の浴場がすべての施設において安心して皆が使用できますように、最善の努力を拂われることを希望して質疑を打切ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/106
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107・山崎道子
○山崎(道)委員 私は理容師法の特例につきまして、ごく簡單に質問させていただきます。昨年この理容師法案が上程されました時は、非常に時間がありませんで大急ぎで審議いたしましたために、政府が今度親心をもつて出されました。この点において重大な手落ちのあつたことを私たちも認めております。どうかして小学校卒業の子供が、現に徒弟として修業している者を、何とかする方法をと思つて心配しておりました時、これによつて昭和二十五年まで試驗することのできる資格を認めようというこの特例に対しましては、私は全面的に賛成するものでございます。但し、この際政府当局にお願いしたいことは、私がこの法案の審議に当りました時には、各政党の意見が一致しまして、これを代表して私一人が質問したのでございます。ところがその後この理容師法の施行細則発表が非常におくれたためか、理容師の方からいろいろ非難を受けてまいりました。特に私が迷惑を感じましたことは、靜岡縣あるいは茨城縣、栃木縣等々の、ほとんど全國的な理容師の意見だつたということでございましたが、山崎道子が議会で反対しているから床屋の試驗が——施行細則が発表されないということで議会へ訪問を受けましたり、講演に出かけた地方で、三十人、五十人もの理容師の訪問を受け、非常に迷惑でした。それについてどういうわけで施行細則が遅れたかということを、三木局長の責任ある答弁をお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/107
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108・三木行治
○三木政府委員 理容師法の省令がおくれましたため、山崎議員からたいへんなおしかりを受けまして恐縮に存じます。実はこの省令が遅れましたのは、学校教育法第四十六條の資格の認定に関して、他省との間に思わぬ障害が生じ、それがために時日がかかつたために、二月になつて省令の公布ができたという次第で、この事務が遲れたことは一に私の責任で、まことに申訳ないと思います。況んや山崎議員がこれを邪魔したとかいうことは毛頭ないのでございまして、公布が遲れたために山崎議員に御迷惑をかけたことは、まことに意外なことで、私の衷心遺憾とするところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/108
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109・山崎道子
○山崎(道)委員 ただいま局長の言葉がございましたので私は了承いたしますが、今後こういうことのないように、他省との問題ということは、いつの委員会でも私が申し上げますように、省と末との間に割拠的な、繩張的なものが残つている。これがいろいろな面で邪魔になつていのるのでございまして、今後そういうことのないように努めて努力を願いたいと存じます。なお、重ねて今回議員提出の理容師法の改正案審議にあたりましても、先日愛知縣の理容師から、また山崎が邪魔しているから今後の法案が出ないのだということで、私よほど床屋さんににらまれているようでございます。しかし私が議員提出の法案に対して意見のあつたことは事実でございます。これは改正法によりますと、二十五年六月まで、それで一切試驗制度を廃止して、学校一本でいく。試驗制度の弊害を主張しての提案であつたのでございます。私ももともと理想といたしましては学校の一本であることが理想ではございますけれども、現在全國的に見まして、理容師学校がほとんど整備されていないこの時、資材の少い日本におきまして、はたして二年間で理容師学校が全國的に遺憾なくできるであろうかどうか。不備なる学校で、学校教育だけをもつて理容師になれるということになると、理容師にならんとするものは、あるいは郷土を離れて学校所在地に寄宿しなければなりません。一箇月に数千円のお金を出して学ぶことが可能でありませうか。おそらく月々数千円の金を出しても理容師にさせるだけの余裕ある家庭は少いと存じまして、この学校の年限を延ばすこと、そして当分の間は試驗制度と二本で行くことが理想である。こういうようなことを主張していたが、幸にして昭和二十八年度まで二本建てということに法案が改正になつたのでございます。ところがこの法案は通過いたしましたが、これを実際面において運営するのは、厚生省であるという、こうした建前から私お伺いしたいのですが、五年間の中に極力これが整備をしていただく。そうして学校に行くことの困難な徒弟のために、完備した学校において責任ある通信教育ということをお考えいただきまして、貧しい家庭の人にも理容師になることの出来る途を講じていただきたい、かように考えているのでございますが、当局におかれましては通信教育ということに対しては、どういうふうに考えておいでですか。この点を念のためにお伺いしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/109
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110・三木行治
○三木政府委員 ただいま御指示の通信教育については、私ども非常に同感でございまして、ぜひともさような制度をつくつていただきたい。殊に学校一本槍の法律でありますので、そのように伺つて努力すると同時に、学校に入れない者のために、やはり通信教育というものもぜひとも考慮いたしまして、國会なりわれわれの方なりから、この法律案に追加していただく機会が來ることを、衷心から望んでいる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/110
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111・山崎道子
○山崎(道)委員 私が理容師組合に向つて一昨年の理容師法の時にもこの点を質問いたしたのでございますが、床屋さんは理髪師、理容師という名前になつて、法律の面において理容師法と相成つているが、今度の学校教育者の問題に対しても、いろいろ意見が分れているようでございます。私は法律がかように一本槍になつている以上は、ぜひ円満にこの組合が発展して、少くとも女性がいつまでも弱い立場に置かれて、一部の人々の言うことによつて多くの人々が困ることのないように、お互が協力して益々業界が発展してくれるように希望しているものでございます。政府当局におきましても今後そういう方面に指導されるようにお願いして私の質問を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/111
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112・山崎岩男
○山崎委員長 ただいま議題になつております諸案につきまして総括的な緊急質問を求められておりますので、これを許します。有田二郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/112
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113・有田二郎
○有田委員 民主自由党を代表いたしまして、この際政府に質問警告を発したいと思います。それは六月二十六日に樂事法案、民主委員法案、さらに厚生年金保險法の一部を改正する法律案、厚生省官制の一部改正法案の四案が委員会を通過する。さらにまた一昨二十八日におきましては予防接種法案、医師法案、歯科医師法案、歯科衞生士法案、保健婦助産婦看護婦法案、船員保險法一部改正法案というような法案が委員会において可決になつて、本会議にかけ、これにさらにまた今日におきましては興行場法案、公衆浴場法案、旅館業法案、理容師法特例案、國民健康保健法の一部改正法案、温泉法案、あん摩、はり、きゆう柔道整復等営業法に関する法律案というのを本日の委員会において可決して、そうして本会議に移すことになつているが、まつたく與党の各委員も常に質問の中に申しておられる通りに、政府の法案を上程される態度におきまして、私どもはまつたく不満を感ずるものでございます。しかも会期切迫いたしまして、聞くところによりますと本日終了いたしまする予定の國会が、五日間與党則では延ばしたい希望であるようでございますが、とにかく会期切迫の際、かくも多数の法案を一時に出すという政府のやり方には、與党側の各議員も不満であると共に、野党の私ども民主自由党といたしましては、まつたく不満の意を表するものであります。しかもこれを修正いたしますと、やはりいろいろな関係からわれわれは十分な審議もできないし、十分な修正もできない状態に置かれている。私どもはこの点においてまことに遺憾に思う。しかも本日可決になる予定の興行場法案とか、公衆浴場法案、旅館業法案、理容師法特例案、あるいは國民健康保險法の一部改正案、温泉法案、あん摩、はり、きゆう柔道整復等営業法に関する特例案は、明七月一日から行われるかもしれない緊急なる法案であります。その緊急な法案を会期切迫した今日において全部通さなけばならぬ。そうでないと國民大衆が困る。しかも私たちに十分な審議もさせないというような状態に置かれているのは、非常に私達遺憾に思うがこの点につきましては與党側の民主党としても、社会党としても、國協党としても、おそらく御同感のことであろうと思います。從つて第一國会におきまして可決になりましたこの理容師法並びにあん摩、はり、きゆう問題にしましても、再びこれを補充しなければならぬような欠陥が出てくるように思うのであります。從つて第二國会におきまして今まで可決になりあるいは本日可決になる、またその後に可決になる法案につきましても、いろいろと欠陥があることであろうと思うのですが、その責任はわれわれ委員の責任ではなくしてまつたく政府当局の責任である、かように私は考えるものであります。從つて第三國会におきましてこれらの法律の修正を私どもやります場合に、政府としてはその責任を十分御痛感になつて御協力あるべきであると私は存ずるのであります。しかも今度の一昨日通りました看護婦助産婦保健婦法案、医師法案、医療法案などにつきましても、これまた相当不平がある。これについては十分なる審議を遂げていきたい、かように考えているのでありまして、これについて政府の御答弁を承りたい。さらに本日の質問も、浴場法案についても、旅館業法案についても、まだいろいろ質問する事項がたくさんあるのであります。特に野党といたしまして、われわれ民主自由党といたしまして、やらなければならぬものがあるわけでありますが、明日から施行したい、施行しなければ國民が困るというような状態に置かれている以上いたし方ないのであります。先刻も浴場の燃料問題で野本委員からお話がありましたが、三木政府委員の説明では私は納得しかねる。野本委員は政府の説明が十分であつたような意味において感謝いたしているのでありますが、私の知る範囲においては、まつたく浴場の燃料につきましては私は政府の無能を衝きたいと考えているのであります。そういつたような状態においてこれらのことも質問することが出來ない。さらにまた旅館業法の第七條の「営業の施設に立ち入り」というような問題につきましては、私どもは当然これは修正しなければなりません、特に営業方面の問題については当該吏員が営業の施設に立入るといつたような、いわゆる基本的人権を侵害するがごときは嚴に愼まなければならない、かように考えておるのです。これもこれを修正することによつて第二國会を通過することができないというような諸般の事情を併せ考えまして、わが民主自由党としましては、はなはだ遺憾であるけれども、これをもつて質疑を打切るということに決したのでありますが、私ども野党としての立場においても、このたくさんの法案を一時に可決し、一時に本会議に上程していくということは、厚生委員の中の民主党自体として一番責任を痛感しておることと思う。政府当局としては十分この点を熟考して、この案について誤りなきよう、かつまた第三國会における修正等についても、國会においてすでにあなた方が採択してくださつたのじやないかという意味合でなく、政府の責任において、会期切迫しておる時に法案を一度に出したそのために、十分なる審議ができないで、りつぱな法律案ができなかつたのは政府の責任であるということを、十分肝に銘じていただきたい、かように考えるものであります。政府の御意見を承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/113
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114・喜多楢治郎
○喜多政府委員 ただいま有田委員の御意見まことに御もつともでございます。厚生省といたしまして会期切迫いたし、多数の重要なる法案を提出いたしまして、委員各位の御審議を賜わつておりますことを、深く感謝いたしておる次第であります。厚生省といたしましても成るべく早く提出したいというふうに考えていたのでございますが、いろいろの事情のために遅延いたしましたことは、惡しからず御了承願いたいと思うのであります。その際における審議に対しまして十分の時間も與えられなかつた関係上、これが修正等を第三國会において委員によつて審議をされることについて、厚生省としてはやぶさかでありませんので、どうか第三國会においてもこの法案を御審議くださることに異存なきことを表明いたします。第二に立入り調査の問題に対しまして有田委員より、これは基本的人権を蹂躪するおそれがあるのじやないかということに対しましては、これも同感で御もつともと存じておる次第でございます。しかしながら本法案通過によりまして厚生省といたしまして、この面に対しては都道府縣に十分徹底するよう指示をして、行政面に対して遺憾なきように努力を拂うようにしたいと存じておりますから、よろしく御了承をお願いする次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/114
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115・山崎岩男
○山崎委員長 外に質問する方はありませんか、榊原亨君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/115
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116・榊原亨
○榊原(亨)委員 時間がありませんのでごく簡単に二点について御質問申し上げたいと存じます。健康保險法の一部を改正する法案中、第四十三條の六、四十三條の七の社会保險診療査定委員会のことでありますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/116
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117・山崎岩男
○山崎委員長 榊原委員に申し上げますが、それはただいま議題としておりませんのでこの次に願います。
ただいま議題となりました、興行場法案、公衆浴場法案、旅館業法案、理容師法特例案、國民健康保險法の一部改正法律案、温泉法案及びあん摩、はり、きゆう、柔道整復等営業法に関する特例案につきましては質疑も終了しておりますので、一括してこれらの質疑を打切りたいと存じますが御異議ございませんか。
〔「異議なしと」呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/117
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118・山崎岩男
○山崎委員長 御異議がなければさよう決定いたします。
次にただいま議題といたして質疑を打切りました興行場法案、公衆浴場法案、旅館業法案、理容師法特例案、國民健康康險法の一部を軽正する法律案、温泉法案及びあん摩、はり、きゆう、柔道整復等営業法に関する特例案、以上の各案を一括して討論に入ります。有田二郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/118
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119・有田二郎
○有田委員 民主自由党を代表いたしまして賛成の意を表するものであります。しかしながらこの運営の方法につきまして、興行場法案、公衆浴場法案、旅館業法案、温泉法案というようなものにつきましては、出先の官廳をして、厚生省は十分この法律の運営について留意していただきたい。敗戰後日本が民主的にはなりましたけれども、まだ日本の出先官僚におきましては、戰時中あるいは戰前と同じような官尊民卑、あるいは官僚的な面が多分にあるのでありまして、これらの取締の面におきましても、大衆の幸福、國民の仕合を念願として、その運営におきまして万遺憾のないようにしていただきたい。私はかように考えるのであります。民主自由党といたしましてはこれらの法案は、先刻緊急質問で申し上げました通りにいずれも不満足である。不満足でありますけれども、第三國会において十分に愼重審議いたしまして、立派な法律に変更していきたいということを條件といたしまして、ここに賛成の意を表するのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/119
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120・山崎岩男
○山崎委員長 それでは本日議題といたしました中の興行場法案、公衆浴場法案、旅館業法案、理容師法特例案、國民健康保險法の一部を改正する法律案、温泉法案及びあん摩、はり、きゆう、柔道整復等営業法に関する特例案の採決に入ります。各議案を原案通り可決いたすことに御賛成の諸君の御起立を願います。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/120
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121・山崎岩男
○山崎委員長 起立総員。よつて本案はいずれも原案通り可決いたした。
なお議長に提出いたします報告書の作成に関しましては、委員長に一任していただきたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/121
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122・山崎岩男
○山崎委員長 御異議がなければさよう取計らいます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/122
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123・山崎岩男
○山崎委員長 それでは次に松谷委員が質疑を求めておりますのでこれを許します。松谷天光光君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/123
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124・松谷天光光
○松谷委員 私は厚生大臣に直接お尋ねをいたしたいと考えておりましたが大臣の都合が惡いので政務次官にお聽取りいただきまして、次回に大臣の責任ある御答弁を、ぜひ大臣御本人の口から伺わせていただきたいと思います。
私は肢体不自由者の特設厚生寮の問題について大臣にお伺いしたいのでございます。私ども少くとも厚生委員を担当しております全員あるいはまた全議員は、戰爭犠牲により、あるいはまた日本が再建途上にある生産犠牲者としての肢体不自由者の更生の問題につきましては、全力をあげて完全なる更生を実現していただくべく、できる限り國家の力を注いでいかねばならないと希望いたし、念願いたし、努力いたしておる現状であると信ずるのでございます。今回たまたま耳にいたしたことは、石川縣江沼郡山中町の國立山中病院内に起つておる問題でございます。この國立山中病院は、整形外科を主体といたしましての総合病院として完全なる発展を見よう、殊にここは特に肢体不自由者の家としての一の理想郷をつくつていきたいと、中におる患者さんはもちろんのこと、町の方々始め当篤におかれましても、これを実現するために、今まであらゆる犠牲と努力を拂われたように私ども信じておるのでございますが、ここに患者さんたちが主体になられまして、あるいはまた病院当局が主体になられまして、いろいろ努力の結果、肢体不自由者の家として特設厚生寮の設立予定が大体進んでまいりまして、その経費の獲得も調い、あるいはまたその指定などもほとんど近く決定を見ることになつておつたのでございます。ところが実はその土地の問題で、この國立病院の一角の中に四千七百七十五坪という空地がございまして、ここにこの肢体不自由者の特設厚生寮を築きたいという念願で進んでおつたのでございますが、いよいよ着手せんとする矢先におきまして、町の方からの要求によりまして、新制中学をその場所に建てたいという運動が起りまして、これが土地譲渡に対して交渉が現在行われておるのでございます。しかし、大体この土地を新制中学の敷地として許可するであろうというような方面に向いつつあるという状態であるとの陳情があつたのでございます、で、これを伺いまして私といたしまして非常に遺憾にたえないのでありまして、今日私どもベツド数が二万九千あつたのを二万四千までに減らされておるという状態であつて、まことに残念で、何とかして手を打ちたいとしておる矢先に、またここで一つ明るい希望が見えて喜んでおるその患者さんたちを前にして、今その夢が裏切られようとしている。しかもいろいろと事情を調査してみますと、それは病院の一角である。私ども素人の常識で考えて見ましても、殊に結核患者等をも含めておるその病院の一角に、これから成長していこうとする子供たちをその中に收容する形になつておりのでございますが、それは健康上及び予防の点から言いましても、私たち衞生的に考えても、どうも満足できないような状態と思わざるを売ないのであります。で、いろいろと調べて見ましたところが、同じ町の中にも、その附近に八千坪から成るところの中学校を建てられるであろうと予測される所がございます。それを檢討して見たところが、病院内に含まれておる予定地は、科学的に計算して一日に二十分だけ太陽の光線が余計に当るということから、これはどうしても新制中学にという御主張があると伺つておるのでございます。太陽の光線が二十分長くさすのと、あるいはまたそうした菌をもつておるところの患者に接しさせるのと、一体これは專門的、科学的に考えていただいても、特に今日は予防局長がおりますので伺えますれば伺いたい。私どもが考えますと、二十分位の差異に及ばない弊害があると思います。これは逆に考えて見ました場合に、十分離れた八千坪に特設寮を考えてみると、やはり肢体不自由の患者さんたちは、身近にある病院の一角に施設が存在するということは、どれだけ大きな力であるかということも考えられますと思うのであります。それからまた御当局の御心配をいただいて計画を立てておられ、そうして一の総合病院を建設していただけるようにもできておるのでございますから、あえてこの場合にその垣を越えて、そうしてそこに学校を建てる必要はなかろうと私ども考えざるを得ないのでございます。しかもまた学校を建てまして場合に、子供の運動場のために、どうしても病院の方にまで入つていかなければならぬとか、あるいはまた線路を越して向側に運動場を持つて行かなければならないというような、まことは危險な、不便な状態にまで行く問題ではないかと思わざるを得ないのでございます。特にこの問題が起つておる土地が、残念ながら厚生大臣の御出身の地であるということを承つておりますが、私はかねてから厚生大臣の人物を信じておりますし、その大臣を私は信頼いたしておりますので、大臣が一つの政治的な考えをもつて、その御許可を特になさろうとするのでは絶対にないと私は信じておるのでございます。私はこういう問題が一つの政治的な手段のためになされておることは断じてない、そうでないと前提しながら、そうではないかという、その土地に起つておる一つの風聞に対しては、実は打消しながら、またそういうことがあつてはならないと主張せざるを得ないのでございます。また町に起つておる風聞によりますと、——これは非常に細かい具体的な問題になるのですが、大臣がおやめになる時に、この土地を讓つて新制中学にしていくのであろうという声さえもあがつておる矢先、私は厚生大臣の御人格を信頼する一人として、ぜひそういう事実のないように、またそういうことは一日も早く除去してまいりたい、まいらねばならぬと信ずるものでございます。大体この処理は大臣の腹一つでおきまりになるらしいということを伺つたのでございますが、厚生当局とされて、関係の係官その他の方々は、これをどういうふうにお考えになつておるか、あるいはまた大臣のお考えで、この問題についてはどう御処理のお考えでおるか、はつきりした大臣のお考えを、次の機会にぜひ伺わせていただきたいと思うのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/124
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125・喜多楢治郎
○喜多政府委員 ただいま松谷委員の御説であります、戰爭犠牲者の中の傷病者、特に肢体の不自由者につきましては、あらゆる角度よりこれが対処に全力を盡しておる次第であります。二十二年度におきましては予算五千万円を計上し、目下府縣十二箇所に建設中ございます。ちようどその中の一つに、ただいまお話の山中の病院問題があるのであろうと存じておる次第であります。この山中病院問題につきましては、私の聞いておる範囲は、特設の厚生寮の敷地の問題に対しまして、町民の意見はただいまでは半々のようであると洩れ承つておるのであります。厚生省としてはもちろん病院の敷地といたしたいのでございますが、六・三制の問題もありまして、教育面もまた緊喫重要な問題であると考えております。現地において一日も早く解決されんことを希つておるのであります。ただいま松谷委員の御説は十分拜承いたしましたので、私より大臣にこれを詳しく傳えまして、詳細は重ねて調査いたしまして御満足の行くように取計らつていきたい、かように考えております。とにもかくにもお説全体を大臣に報告申し上げ、近く大臣よりこれが解決並びに回答を事前に願うようにいたしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/125
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126・松谷天光光
○松谷委員 どうぞひとつよろしく願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/126
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127・山崎岩男
○山崎委員長 本日はこれをもつて散会いたします。次回は公報をもつてお知らせいたします。
午後三時四十二分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204237X02019480630/127
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