1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十三年六月二十九日(火曜日)
午後七時十五分開議
出席委員
委員長 早稻田柳右エ門君
理事 泉山 三六君 理事 塚田十一郎君
理事 島田 晋作君 理事 中崎 敏君
理事 梅林 時雄君 理事 吉川 久衛君
淺利 三朗君 石原 登君
江崎 真澄君 大上 司君
島村 一郎君 宮幡 靖君
赤松 勇君 川合 彰武君
松尾 トシ君 河井 榮藏君
佐藤觀次郎君 田中織之進君
林 大作君 八百板 正君
志賀健次郎君 小松 勇次君
中曽根康弘君 園田 直君
細川八十八君 井出一太郎君
内藤 友明君 高瀬 傳君
本藤 恒松君 堀江 實藏君
河口 陽一君 本田 英作君
出席政府委員
大藏政務次官 荒木萬壽夫君
大藏事務官 平田敬一郎君
大藏事務官 伊原 隆君
委員外の出席者
專門調査員 氏家 武君
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六月二十九日委員野本品吉君、川崎秀二君、栗田
英男君、藤田榮君及び長野長廣君辞任につき、そ
の補欠として内藤友明君、志賀健次郎君、小松勇
次君、高瀬傳君及び園田直君が議長の指名で委員
に選任された。
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六月二十八日
簡易生命保險事業における戰爭危險に因る死亡
に基く保險金の支拂による損失の補てんに関す
る法律案(内閣提出)(第一九五号)
物資の割当に関する手数料等の徴收に関する法
律案(内閣提出)(第一九六号)
の審査を本委員会に付託された。
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本日の会議に付した事件
軍事公債の利子支拂の特例に関する法律案(内
閣提出)(第八六号)
公認会計士法案(内閣提出)(第一五四号)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204365X05019480629/0
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001・早稻田柳右エ門
○早稻田委員長 会議を開きます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204365X05019480629/1
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002・赤松勇
○赤松(勇)委員 実はこの軍事公債利拂いの問題につきまして、與党側といたしましては連日にわたつて、きわめて誠実な態度で、隠忍自重してまいつたのであります。いわゆる耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍んでやつてまいりました。先日私は、質疑を打切つてただちに討論にはいるという動議を提出いたしましたが、これは委員長が動議提出者に一言も諮ることなく、理事会において決定されましたので、私は恥を忍んで自分の動議を一應撤回いたしまして、質疑打切りの新しい動議を出しまして、討論を持ち越したのであります。これと申しますのも軍事公債利拂の問題に対しましては、各党それぞれの立場もあることをわれわれ十分了承しておりますので、社会党といたしましては、われわれの主張を、がむしやらに強行するのではなく、できるだけ反対党の意見も十分尊重いたしまして、聽くべきものは十分に聽き、そうして主張すべき点は堂々と主張する。いわゆるデモクラシーの原則に立脚いたしまして、あくまでも討論と多数決をもつて行おう。それがために実は相当の時間の余裕を與えてきたわけであります。そうして先に散会いたしました際には、その條件といたしまして、タバコの問題と経済査察廳の法案の採決が終りました直後に、ただちに委員会を再開して討論に移り、討論終結と同時に採決にはいる、こういうことに相なつておつたのでありますが、私どもがここに待つこと一時間、しかもその間財政金融委員会の委員長は、礼を盡して民主自由党を訪れまして、そうして先ほどの約束の履行を請求されたのであります。それにもかかわらず未だ民主自由党の出席がない。しかも民主自由党の委員諸君は、ちらりほらりとこの委員会に顔を出して脱兎のごとく逃げ去つていくのであります。私は、いやしくも天下の政党、天下の公党といたしましてこのような態度に対しましては憤懣を禁じ得ないのであります。すでに会期も明日一日に迫りまして、とにかく予算案に関連する一切の法律案をば、速やかに審議しなければならぬという緊迫した情勢のもとにおきまして、われわれはべんべんとしてこれを待つということはできません。從つて今委員長から、もう五分だけ待つてもらいたいという要求かありましたが、本來ならばこれを断固として一蹴すべきでありますけれども、私がこうして意見を吐いておりますうちに、すでに五分を経過し、民主自由党の塚田委員もお見えになりましたので、この際一切の行懸りを捨てて、ただちに討論にはいつて、堂々討論を展開し、その後ただちに採決にはいられんことの動議を私は提出いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204365X05019480629/2
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003・早稻田柳右エ門
○早稻田委員長 ただいま赤松さんから動議が出ましたが、この場合暫時休憩いたしたいと思います。
午後七時二十三分休憩
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午後七時三十一分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204365X05019480629/3
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004・早稻田柳右エ門
○早稻田委員長 再開します。
先ほど赤松委員より軍事公債の利子支拂の特例に関する法律案を議題とし、ただちに討論採決せよという動議が出ておりますが、動議のごとく取計らつて御異議はありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204365X05019480629/4
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005・早稻田柳右エ門
○早稻田委員長 御異議はないようでありますので、さよう計らいます。
軍事公債の利子支拂いの特例に関する法律案を議題として、これより討論に入ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204365X05019480629/5
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006・石原登
○石原(登)委員 私は民主自由党を代表いたしまして、ただいま議題となつております軍事公債の利拂停止法案に対しまして、反対の意見を申し上げたいと思います。
私どもが反対をいたしまする最も大きな理由は、この法律案に國民のほとんど多くの者が反対をいたしておるということを確信をいたしておるからであります。もつとこれを端的に申しますならば、もし本日の委員会においてこの法案が可決されますとするならば、これはきわめて悲しむべき事態だと確信をいたしておるのであります。それはこの法案が——最初世の中にこういう意向が出てまいりましたのは、終戰直後社会党が当時第一回の総選挙におきまして、敗戰後の日本において、すなわち戰後の負担を均等せしめようという一つの公式論的な見方で、きわめて杜撰な考え方から、しかも眞劍にこれが具体的な措置の考慮もなくして、天下に約束されるような結果に相なつたのであります。その後社会党は第二回の総選挙において、さらに党大会の決議において、これを強く主張してまいつております。しかしながらその後の社会党のこの法案に対するところの動きを見てみますと、当初の主張からして非常に変つてきておることは天下周知の事実であります。すなわち当初は軍事公債は元本とも合わせて根本的に打切るのである、これが社会党の主張であつたことは皆さんよく御承知の通りであります。しかしながらその後時勢が動きまして、少くとも虚脱の情勢にありました國民の氣持がおちついてまいりますると、かような法案がきわめて矛盾撞着であり、しかも日本の再建に対しましても非常なる阻碍を來すものである、こういうことが明らかになつてまいつたのであります。その結果今日この法案が出てまいりました姿を見ましても、当初社会党の諸君が主張いたされましたのと比べまして、著しく変貌いたしておることも事実でございます。かように考えてまいりますとき、私どもはこの法案がおそらく國民に観迎されていないということを確信いたしております。
さらにまたこの問題は與党の中核であります民主党と社会党の間の問題でもあり、大藏大臣は本法案を提案する説明におきましても、この法案がきわめて内外に及ぼす影響が重大である。であるからこの影響を最小限度に止めたい、かように言明をいたしております。すなわち及ぼす影響を最小限度に止めるということは、その影響自体が惡いから、最小限度に止めようというのであります。こういうような言葉は、たとえその後大藏大臣がいかように弁明をいたされようとも、この法案を提案いたすときにおいて、すでにやむを得ず、おそらく泣きながら私はこの提案をするような結果になつたと思つておるのであります。すなわちこの法案は芦田内閣ができます際において、三党政策協定の中でも、最も重大、最も協調不可能と見られた問題でありまして、当時の事情を振りかえつてみますと、今日この法案が世上において特に論議の対象となり、注目の的となるような要素が多かつた。当時はこの問題は非常に漠然とした中に、もつとこれを端的に言いますならば、何かごまかしみたいな政策協定に終始しておつたことは諸君よく御承知の通りであります。私はかようなことから考えてみますと、この國民の好まない法案が、何か政治家の感情に禍されまして、当然一緒になるべき民主党と民主自由党が一緒になり得ませんために、民主党と社会党が一つの混血状態になつたために、かような法案が出てきたと確信をいたすのであります。さらにおかしなことは、芦田内閣は芦田内閣の基本政策といたしまして、外資導入を主張しておるのであります。しかしながらかような法案がもし通過いたすとしますならば、これによつて世界に及ぼしますところの影響はきわめて甚大である。こういうような情勢と國内経済体制において、外資の導入をするというのは、私ははなはだ不まじめ千万な話である。かように考えておるのであります。政府がいくら言明いたしましても、みなこの法案に対しましては反対であります。金融界も、経済界も、きわめて遺憾の意を表しておるのであります。近時國会において、あるいは各方面において、ただ数の多数をもつてこれが民主的である、民主主義であるというようなこの観念が横行しておることは残念である。おそらく私はこの法案が衆議院をかりに通過をいたしましても、参議院において当然否決の運命にあるということを私は確信をいたしておるのであります。どうか諸君におかれましても、こういうようなことになりませんように、日本の再建のために、是が非でもこの法案が否決されますように、諸君の深甚なる御考慮をお願いする次第であります。以上民主自由党を代表いたしまして本法案に反対をいたす次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204365X05019480629/6
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007・中崎敏
○中崎委員 私は日本社会党を代表いたしまして、本法案に賛成せんとするものであります。
軍事公債は軍需補償とともに戰爭によるところの擬制資本の最たるものであります。わが社会党といたしましては、この二つの擬制資本を終戰後速やかに解決することによつて、日本経済の再建の上にきれいさつぱりとした新しいスタートができるという考え方から、つとにこれを主張してまいつたわけであります。当時自由党といたしましては、これらの擬制資本の打切りというものが、財界に大きな影響をもたらすということから、極力反対をしておつたわけでございますけれども、その後國際情勢の変化によりまして、遂に自由党の内閣において、その年末の主張をここに覆して、この軍需補償を打切りしたわけであります。われわれの考えといたしましては、軍需補償を打切ります以上は、当然この軍事公債をも打切るべきであると主張してまいつたわけでありますが、当時その政権の担当の地位になかつたというような関係から、わが党の主張が取入れられなかつた。これが今日大きながんをなしておるわけであります。このときにおきまして、戰時公債を打切りしておつたならば、当然に大きな問題を残さないで、解決を見ておつたと信じておるわけであります。しかしてその後経済界の情勢の変化によりまして、今ただちにこの軍事公債を打切りするということが、適当であるかどうかということについては、いささか考慮の余地もありますので、わが社会党といたしましては、とりあえずこの軍事公債の利息の支拂を一箇年間停止すべきことを提唱してまいつたわけであります。今回の芦田内閣におきまして、このわが社会党の主張を容れまして、ここにこの軍事公債の利拂の一箇年間延期が考えられるに至つたわけであります。そもそも三党政策協定の中におきましても、わが社会党は軍事公債の利息を一箇年間打切りするという案であつたわけであります。ところで民主党の考え方といたしましては、必ずしもこの考え方と同じようなわけでありませんので、ここに内閣ができまして以後、両党の完全なる意見の妥結によりまして、軍事公債の利息の支拂を一箇年間延期するということになつたわけであります。これに反対する論者は、あるいはこの処置によりまして、國際信用を害するということを言つております。ところでこれに対しましては、政府側においても、まずその國際信用が害せられたかどうかということを証明するところの材料として、日本の外貨公債がロンドン市場において、何らこの打切り声明によつて價額の下落を來さなかつたという事実、さらにまたその後におきまして、日本が外資導入の上において得るところの便益が、この打切りによつて阻害されるのではないかという懸念も一掃されまして、現在アメリカにおいても予定の方針通り、日本に対するクレジツトを供與するという事態もここに現われているわけであります。さらに政府といたしましても、外國に対するところの國債については、何らこの打切りによつて影響を及ぼすものでないという声明を発する等のことによりまして、何ら國際的信用の上に影響をもたらしていないという現実が明らかになつているのであります。さらにまた今年間におきまして、約十五億円の利息の支拂が延期されることになるわけでありますが、反対論者の言うところによりますと、現在の予算に比較して、わずか十五億程度のものは問題にならぬではないかということを言うておりますけれども、現在の日本の財政経済の実情から考えてみますと、この十五億といえども決してこれをおろそかに考うべきものではありませんで、これによつて得ましたところの十五億の財源というものは、あるいは戰災復興のために、さらにまた六・三教育制のために、あるいはまた戰災によつて住宅を失つた人々のために、ここにこの財源を支出するということが実現されてまいつたようなわけであります。この十五億というものも以上のような面において、現下の財政の上において、非常に大きな寄與をしているという現実を忘れてはならないということを考えるのであります。われわれはさらにこの一箇年間この十五億の利息を延期することによりまして、金融資本家に対してはそれだけの金が使えないというところの、いわゆる金融的に不便を感ずる点があるわけでありますが、政府はこの点に対しましては、必要な面に対しては一つのビジネスとして、これに該当するところの資金を融通することについて考慮を拂うということを考えているわけでありますし、さらにまたわれわれが考えますのは、打切りを反対する論者は、金融資本家を不必要に擁護するというような考えがあるのではないかとさえ考えられるわけでありまして、何ら経済的に、政府の言から言つても圧迫を受けない、惡影響を及ぼさないという現実があるならば、その十五億円を今年の必要な方面に使うというところに、偉大なる財政的貢献をなすということを考えてみるならば、本法案に反対する何らの理由がないのではないかと考えるわけであります。むしろ金融資本家の主張するところは、これによつてさらに戰時公債を打切りされるのではないか、さらにまた次の年度においては軍事公債の利拂が打切りされるのではないかというような、將來に対する不安があるにすぎないのでありまして、現実の問題として、すなわち今回の措置においては何ら金融資本家に対するところの惡影響がない。さらにまた財界に対する惡影響もないと固く信じているわけであります。
以上のような見地から、私は今回の措置がきわめて適切なものであるということを申し上げまして、社会党を代表して本案に賛成の意見を表明するものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204365X05019480629/7
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008・堀江實藏
○堀江委員 きわめて簡單にこの法案に絶対反対する理由を申し述べたいと思います。
今賛成意見と反対意見を拜聽したわけでありますが、どちらも私としては当つていない。この法案そのものはすこぶる畸形兒である。社会党は擬制資本であるがゆえに打切るということを、こうした三党政策協定によつてごまかして、そういう案に落着いたということについては、大きな抗議を申し込まざるを得ないのであります。この結果、この十五億円の公債償還期を延期するということは、支拂を保証するということであつて、十五億円の赤字公債を発行したと同じ結果を招來するのであります。また三千九百九十三億の厖大な予算に対して、わずか十五億円くらいのことで、こんな大きな政治問題化する必要があるか。打切るならばはつきり打切るがよろしい。残すなら残してもよろしい。それは今の政治の力関係である、しかしながら残した場合、これを延期しない場合と、今回の措置とどつちがいいかということを考えた場合に、今回の措置の方がなお一層惡いと私ははつきり信ずる。十五億のインフレを阻止するために、健全財政を主張しているところの当局が、あるいは社会党が、赤字公債に匹敵するようなこうした案に賛成するということについては、非常にその本心を疑わざるを得ないのであります。もつと勇敢であつたならば、擬制資本であつたならば、いさぎよく打切つたがいい。打切りもせず、へびの生殺しというか、非常に畸型兒的なこうしたごま化しの措置に対しては、断固反対するものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204365X05019480629/8
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009・早稻田柳右エ門
○早稻田委員長 梅林君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204365X05019480629/9
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010・梅林時雄
○梅林委員 私はただいま政府から提案されておりまするところの軍事公債の利子支拂の特例に関する法律案に対しまして、民主党を代表して賛成の意を表するものであります。軍事公債の特殊性及び國家財政の現況に鑑みまして、同時に過般芦田内閣が成立の際、日本社会党、國民協同党並びにわが民主党の間におきまして協定いたされました、いわゆる三党政策協定の政治的道義に從つて、本年七月一日から向う一箇年間に限つて、支拂期日の到來する利子に限り、これを元本償還期まで支拂を延期するということを前提として、私は賛成の意を表するのであります。
本案に関しましては、すでに内閣成立後、軍事公債利子支拂処置懇談会というものが設けられまして、これが賛否両論については、いわゆる経済的な面においては論じ盡されておるところであります。特に外資受入態勢整備の必要であるところの今日、内外諸般の実情よりいたしまして、本案に対するこのたびの処置につきましては、必ずしも時宜に適したものではないという議論も多々あるのであります。しかしながら前述申し上げましたごとく、三党政策協定の信義と、わが國財政の現況に照らし、当面急を要するところの均衡財政の確立に資するとともに、本案成立によつて生じたる財政的余裕は、政府より提案理由の説明のございましたごとく、政府におかれましては、これを災害対策、あるいは教育費その他救済資金等重要面に充てられまして、本処置の國民経済及び國際信用に及ぼす影響を最小限度に止められるため、今回の処置の対象といたしましては、嚴に軍事公債に限ることはもちろんのこと、向う一箇年に限り、この特例を特別の処置といたしまして、銀行その他金融機関はもとより、農業諸團体等に対しましても、万全の方途を講ぜられ、政府の企画せられるところのいわゆる健全財政の建前といたしましても、あるいは外資導入、あるいは國際信用維持に対しましても、万全の方途を講ぜられんことを、政府に特に希望いたしまして、賛成の意を表明するものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204365X05019480629/10
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011・早稻田柳右エ門
○早稻田委員長 本藤君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204365X05019480629/11
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012・本藤恒松
○本藤委員 ただいま提案になつておる軍事公債の利子支拂の特例に関する法律案に対しまして、社会革新党を代表いたしまして、反対の意を表する次第であります。
この一年間延期ということは、実にこの一年がいかなるふうに変轉するかという不安の念を國民は抱いているので、將來経済上また思想上、いろいろな関係におきまして、われわれとしてはいかぬと思うのであります。もしこれを打切らなければならぬという意見が國民のうちにあつたならば、終戰後ただちに元本を打切つて明瞭にいたすべきであるが、その当時から今日までこれを打切らず何もしないで、今になつてわずか一年間ということでもつてやる。一年後いかになるか意見はいろいろありますが、國民とすればこの一年間ということは非常に迷わされるのでありますから、今日の日本の再建において、もつと信念のある、明瞭な、不安のない一つの行き方としては、一年後はどうなるかということも明瞭にして、これを延期するならよい。しかしながらただ不安の中に政治的にこれを解決したようなことをされることを、われわれは反対いたすのであります。
はなはだ簡單でありますが、私は以上申し上げたことで反対の意を表するものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204365X05019480629/12
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013・早稻田柳右エ門
○早稻田委員長 河口君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204365X05019480629/13
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014・河口陽一
○河口委員 私は日本農民党を代表いたしまして、本案に対し反対をいたすものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204365X05019480629/14
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015・早稻田柳右エ門
○早稻田委員長 ほかに御発言はありませんか。——御発言はないようでありますから採決いたします。
本案に御賛成の諸君の御起立を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204365X05019480629/15
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016・早稻田柳右エ門
○早稻田委員長 賛成者多数。よつて本案は原案の通り可決確定されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204365X05019480629/16
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017・早稻田柳右エ門
○早稻田委員長 続いて公認会計士法案を議題といたします。本案に対し発言の通告がありますので、これを許します。宮幡靖君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204365X05019480629/17
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018・宮幡靖
○宮幡委員 それでは委員長の申出によりまして、簡單に申し上げます。去る金曜日の委員会におきまして、各党共同提案の形におきまして、修正意見を申し述べておきましたが、その後本法案を立案するに至りました経過及び客観的情勢を勘案いたしますと、その修正点について一、二訂正を要するやに感ぜられるところができましたので、この際修正の一部を撤回させていただきまして、あらためてこれに相應いたします補足的修正をいたさせていただきたいと思います。
修正案のうち撤回いたしたいと存じますのは、第五十七條及び第六十三條の修正をいたしました箇所を全部撤回いたしまして、あらためて第五十七條第一項中「二年」とあるを「三年」に、同條第二項中「五年」とあるを「三年」に改め、第六十三條中「昭和二十五年」とあるを「昭和二十六年」に改めるように、変更いたしたいと存じます。
この修正に至りました原因につきましては、われわれ敗戰國民といたしまして、この席においてその実情を申し述べるに忍びないような次第でございまして、あえてその辺は差控えておきまするが、この際にこの再修正を余儀なくせられました事情につきましては、公認会計士法案が成立いたしました場合に、運営の面において十分補充していただかなかつたならば、外資導入、商権の民主化、日本の企業の再建等のために、その筋から慫慂を受けましてでき上りまする高水準の公認会計士の使命の達成が、はなはだ困難になると考えられますので、僭越でございますが、大藏当局に対しまして、この際一、二の希望を申し述べさせていただきます。
まず第一に、本法案がさいわいにいたしまして修正案の通り可決確定いたしました場合に、その運営の全部は、会計士管理委員会に託されるわけでありまして、もとより会計士管理委員会は、大藏大臣の任命せられた以上は、独自の立場においてその機能を発揮してまいるものではございまするが、重要な点はその人選にございます。この人選にあたりましては、大藏当局におきましてきわめて公正な立場に立つて、各業界を通じ、各産業経済の事情を勘案せられまして、一方に偏し、あるいは学術に重きをおくというような誤つた観念にのみはしらないようにしていただきたいことを、特にお願いするものであります。
さらに試驗の方法におきましては、この再修正に対しまする客観的情勢から、特別試驗なるものの内容はあくまでも実務的のものでありまして、理論学科を課せないということを明らかにせられております。よつて特別試驗の方法、内容につきましては、会計士管理委員会で制定せられまするところの会計士管理規則、会計士の規則におきまして、これを明らかにし、実務によるいわゆる能力の試驗を行うものであることを明確にせられたいことを、この際お願いいたしておきます。同時に修正の意見陳述中でございますが、この点につきましては、念のためぜひとも大藏当局の御答弁を頂戴いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204365X05019480629/18
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019・荒木萬壽夫
○荒木政府委員 ただいま宮幡委員の御指摘になりました二つの点につきまして、私からお答えを申し上げます。
第一点は会計士管理委員会の委員は公正なる人を選んでほしいという御希望であると存じます。会計士管理委員会というものが、この法律によつてもちまする重大なる責任に鑑みまして、その委員の人選がある一方に偏することなく、きわめて公正なる選任を要することはお説の通りであると存じます。
第二点は特別公認会計士試驗についてでございますが、特別公認会計士試驗の方法その他につきましては、御審議いただきましたこの新しい法律によつて生れますところの会計士管理委員会が当るわけでございますが、当局としましては、会計実務に関する実地試驗を主として行わるべきであるということは、特別公認会計士試驗の制度を設けました趣旨に顧みましても、当然であると考えておる次第でございます。
以上簡單ながらお答えを申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204365X05019480629/19
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020・早稻田柳右エ門
○早稻田委員長 原案並びに修正意見に対して討論いたします。梅林時雄君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204365X05019480629/20
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021・梅林時雄
○梅林委員 ただいま議題の法案に対しましては、宮幡君の修正意見に從いまして、討論を省略され、ただちに採決に入られんことを希望いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204365X05019480629/21
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022・早稻田柳右エ門
○早稻田委員長 梅林君の動議のごとく計らいまして御異議ありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204365X05019480629/22
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023・早稻田柳右エ門
○早稻田委員長 御異議なしと認めます。よつて採決いたします。
まず宮幡靖君提出の各派共同提案になる修正案より採決を行います。修正案は御承知の通り昨日一枚配付してあり、本日さらにその修正の分を配付せられたものであります。右修正案に御賛成の諸君の御起立を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204365X05019480629/23
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024・早稻田柳右エ門
○早稻田委員長 起立総員。よつて右修正案は、宮幡君提案のごとく決定いたしました。
次に右修正案の修正部分を除いた原案に御賛成の諸君の御起立を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204365X05019480629/24
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025・早稻田柳右エ門
○早稻田委員長 起立総員。よつて本案は修正議決せられました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204365X05019480629/25
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026・早稻田柳右エ門
○早稻田委員長 先般お諮りいたしました食管法についての参議院修正の件でありますが、これは皆さんにお諮りいたしましたところ賛否両論があり、大藏当局からはさらに提案することのできるようなお話がありましたが、その後事情を聽きますと、技術上それはできないということがはつきりいたしましたので、この場合参議院修正通り、本委員会においても承認するということについて御了承をいただきたいと存じますが、御異議ありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204365X05019480629/26
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027・早稻田柳右エ門
○早稻田委員長 御異議なしと認めまして、さよう取計らいます。
本日はこれをもつて散会いたします。
午後八時三分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100204365X05019480629/27
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