1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
昭和二十三年六月十八日(金曜日)
七時十四分開議
————◇—————
議事日程 第六十二号
昭和二十三年六月十八日(金曜日)
午後一時開議
第一 国有財産法案
第二 減額社債に対する措置等に関する法律案(内閣提出)
第三 旧軍用財産の貸付及び譲渡の特例等に関する法律案(内閣提出)
第四 保険募集の取締に関する法律案(内閣提出)
第五 地方自治法第五十六第四項の規定に基き、財務局及び税務署の増設に関し承認を求めるの件
━━━━━━━━━━━━━発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100205254X06619480618/0
-
001・松岡駒吉
○議長(松岡駒吉君) これより会議を開きます。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100205254X06619480618/1
-
002・松岡駒吉
○議長(松岡駒吉君) 日程第一、国有財産法案、日程第二、減額社債に対する措置等に関する法律案、日程第三、旧軍用財産の貸付及び譲渡の特例等関する法律案、日程第四、保険募集の取締に関する法律案、右四案は同一の委員会に付託された議案でありますから、一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。財政及び金融委員会理事梅林時雄君。
発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100205254X06619480618/2
-
003・梅林時雄
○梅林時雄君 ただいま議題となりました各法案につきまして、財政及び金融委員会における審議の経過並びに結果について概略御報告申し上げます。
まず、所有財産法案について申し上げます。
国有財産法案については、新憲法施行に伴い、昨年五月とりあえず所要の部分的改正を行つたのでありましたが、なお国有財産に関する法制を整備する必要が認められましたので、本案が提出された次第であります。
まず第一章には総則的親定を定めておるのでありまして、国有財産の管理及び処分について根本法規を定めておるのであります。
次に第二章におきましては、国有財産の管理及び処分の期間を明らかにするとともに大蔵大臣は国有財産事務の全般にわたつてこれを総轄することができるように規定されておるのであります。
なお第三章おきましては、まず大蔵大臣の総轄権についてでありまして、国有財産の運用を効率的にするとともに、その適正をはかるために設けられたものであります。なお、大蔵大臣に対する各省各廳の長からの協議事項を整備して国有財産管理の万全を期するとともに、さらに国有財産調整審議会を設けることに相なつておるのであります。しかしてこれは、この網整的処置に関する諮問機関として設置せられておるのであります。
次に、最後に第四章において国有財産の台帳に関する事項を親定いたしまして、国有財産の増減並びに現在額、見込現在額及び無償貸付に関する国会報告事項を規定いたし、国有財産の変動及び現状を常に明確にするとともに、国有財産の管理及び処分について政府の責任を明らかにいたしておるのであります。
本案は、去る六月二日本委員会に付託せられたのでありまして、十五日提案理由の説明を聴き、十七日質疑に入りましたが、別に質疑もなく、同日討論を省略いたしまして採決いたしましたところ、全会一致をもつで原案通り可決いたした次第であります。
次に、減額社債に対する措置等に関する法律案について御説明申し上げます。
企業再建整備法の特別経理会社が、整備計画の認可を受けて、特別損失の一部を債権者に負担せしめ、いわゆる新旧債権の打切りを行う場合には、その、結果といたしまして社債も減額されることになつておるのであります。また認可を受けた誠意計画におきましての変更を定めました場合には、決定整備計画の定めるところに従つて、これら社債の條件が変更されることになり、さらに過渡経済力集中排除法の指定会社が、社債権者に対して債券及び登録済証の提出を求めて、記載事項に所要の修正を加えた上これを返還し、また登録機関は社債登録簿の記載事項を修正する等の処置を構ずる必要があるのでありまして、特別経理会社と過渡経済力集中排除法の指定会社が第二会社を設立して、その有する債券を第二会社に出資または譲渡する場合にこれを民法の一般規定によりまと煩雑ありますので、手続を簡略化する必要があり、ここに本案が提出された次第であります。
本案につきましては、去る十五日政府より説明を聴取し、十七日、日本社会党川合委員長より簡単な質疑がありましたが、討論を省略いたしまして採決に入りましたところ、全会一致をもつて可決いたしたのであります。
次に、級軍用財産の貸付及び譲渡の特例等に関する法律案について申し上げます。
内容のおもなる点を申し上げますと、第一條おいて、旧軍用財産中水道施設及び臨港施設は、これを公共団体に無償で貸し付けることといたしたことであります。第二條には、旧軍用財産は、公共団体において病院等医療施設の用に供するときは、その経営が営利を目的とし、あるいは利益をあげる場合を除いては、この法律施行の日から三年以内に限り、当該公共団体または当該学校経営者に対して、時価の二割以内の減額した対価で売り払うことができることとしたのであります。第三條においては、旧軍用財産及び物納財産は、譲渡時における従前よりの使用者に対して、売払代金または交換差金の延納の特約を認めることとしたのであります。第四條は、従来から国有財産として都道府県の用に供していた財産については、地方自治法施行に伴つて、従来の通り公用財産としておることはできなくなつたのでありますが、これをただちに、これらの地方公共団体に対して有償で貸しつけることは適当でないと考えられるので、この法律施行の日から五年以内に限り、これを無償で当該都道府県に貸しつけるものしたのであります。第五條は、地方公共団体から無償で国の学校の用に供せられれた財産は、国がその用に供しない場合においては、当該地方公共団体に無償で返還することとしたのであります。
本案については、十五日政府よりの説明を聴取し、十七日質疑に入り、日本社会党川合君より、本案の適用されるものの範囲について簡単な質問のあつた後、討論省略、全会一致をもつて原案の通り可決いたしました。
次に保険募集の取締に関する法律案について御説明申し上げます。
生命保険事業においては、新契約獲得及び収入保険料増大に格段の努力をいたし、その成積はきわめて顕著でありその結果として、現在まで各社とも健全経営を維持してきたのでありますが、その反面、何でも契約をとりさえすればよいものだというような気持から、とかく募集が紊乱して、保険契約者保護の見地からも、また保険の信用保持の見地からいつても、放置できない状態に立ち至つておりますので、ここに本案が提出された次第であります。
本案の要旨は、大要次の通りであります。第一、生命保険募集人、損害保険代理店及び募集を行う保険会社の役員、使用人は、大蔵省に備えられた登録簿に登録することを要するとともに、登録手数料を徴すること。第二、保険会社の役員、使用人または登録された生命保険募集人もしくは損害保険代理店でないものの募集は禁止されること。第三、保険会社は、生命保険募集人または損害保険代理店が保険契約の募集について保険契約者に加えた損害を賠償すること。第四に、募集用の文書図面に記載する事項について制限をなすとともに、募集行為について必要な規制を加え、一般大衆が保険に対する知識の乏しいことを奇貨として不特義な行為をなすこと等の絶滅を期しております。第五に、損害保険代理店が、その主たる目的として自己または自己の使用者のため保険契約を募集することを禁止いたしました。第六に、大蔵大臣の生命保険募集人及び損害保険代理店に対する検査の権限その他必要な監督の権限を規定するとともに、所要の罰則設けたのであります。以上が本案の要旨であります。
これについては、去る十五日提案理由の説明を聞き、十七日質疑に入りましたが、別に問題もなく、同日討論を省略し採決に入り、全会一致をもつて原案通り可決いたした次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100205254X06619480618/3
-
004・松岡駒吉
○議長(松岡駒吉君) 四案を一括して採決をいたします。四実の委員長報告はいずれも可決であります。四案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100205254X06619480618/4
-
005・松岡駒吉
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて四案は委員長報告の通り可決いたしました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100205254X06619480618/5
-
006・笹口晃
○笹口晃君 残余の日程は延期し、明十九日定刻より本会議を開くこととし、本日はこれにて散会されんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100205254X06619480618/6
-
007・松岡駒吉
○議長(松岡駒吉君) 笹口君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100205254X06619480618/7
-
008・松岡駒吉
○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて動議のごとく決しました。
本日はこれにて散会いたします。
午後七時二十四分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100205254X06619480618/8
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。