1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十三年六月二十六日(土曜日)
午前十時二十九分開会
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本日の会議に付した事件
○へい獸処理場等に関する法律案(内
閣提出)
○温泉法案(内閣提出)
○船員保險法の一部を改正する法律案
(内閣送付)
○國民健康保險法の一部を改正する法
律案(内閣提出)
○健康保險法の一部を改正する法律案
(内閣提出)
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001・塚本重藏
○委員長(塚本重藏君) それではこれより委員会を開会いたします。今日の委員会日程には載つておりませんが、昨日本委員会に新規本付託となりました「へい獸処理場等に関する法律案」、「温泉法案」の両法案を緊急上程することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/1
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002・塚本重藏
○委員長(塚本重藏君) 御異議ないと認めます。先ず両法案につきまして提案の理由の説明を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/2
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003・赤松常子
○政府委員(赤松常子君) 只今議題になりました「へい獸処理場等に関する法律案」につきまして提案の理由を御説明申上げます。
從來へい獸処理場等の衞生取締は各都道府縣令によつて行われて來たのでありますが、昭和二十二年法律第七十二号日本國憲法施行の際現の効力を有する命令の規定の効力に関する法律の規定によりまして、これらの都道府縣令はその効力を失うに至り、且つ各都道府縣令による取締を以てしては取締の対照、方法等が一定していなかつたため、取締の徹底と指導の適正等を十分行うことが困難で公衆衞生上遺憾の点がありましたので、この際統一的な基準を定めて、これらの衞生取締を徹底化するためこの法律案を提案した次第であります。何とぞ御審議の上速かに可決せられんことをお願いする次第でございます。
続いて温泉法案提案の説明を申上げます。我が國は世界に冠たる温泉國でありまして、古來温泉は國民の保養又療養に廣く利用されて参つたのでありますが、温泉地の発達に伴い或いは濫掘の結果、水位が下つて湧出量が減退又は枯渇するとか、或いは温泉に関する権利関係が複雜を極め、各種の紛爭を起す等、いろいろの問題が出て参つたのであります。これらの問題を処理いたしますため從来都道府縣令を以て温泉に対する取締を行なつて参つたのでありますが、新憲法の施行により昨年末これらの府縣令はその効力を失つたのであります。併しながら温泉は我が國の天然の資源として極めて重要なものでありまして、これは保護すると共にその利用の適正を図り、一面國民の保健と療養に資すると同時に、他面その國際的利用による外資の獲得に役立つてますことは國家再建上喫緊の要務と存じますので、この際從來の都道府縣令の内容とするところを基礎とし、これを若干拡充いたしまして、温泉の保護とその利用の適正化に遺憾なきを期するためこの法律案を提出した次第であります。
この法律は全部で三十ケ條でありまして、これを総則、温泉の保護、温泉の利用、諮問及び聽聞並びに罰則の五章に分けて規定しております。先ず総則におきましては、この法律の目的と温泉の定義を規定しておるのであります。即ちこの法律の目的といたしましては、温泉を保護すると共にその利用の適正を図りまして、公共の福祉の増進に寄與することにあることを明らかにし、温泉の定義といたしましては、地中から湧出する水又はガスで一定の温度を有するか又は一定の成分を含有しているものを温泉と称することといたしているのであります。
次に第二章におきましては、温泉源を保護するために必要な事項を規定しているのでありまして、温泉の掘鑿、湧出路の増掘、湧出量増加のための動力裝置につきまして都道府縣知事の許可を受けさせることとし、又温泉を枯渇させるような採取とか、他の温泉を侵害するような採取を防止するため、都道府縣知事に温泉を採取する者に対し採取の制限を命ずることができるようにいたしております。尚又温泉を湧出させる以外の目的、例えば池、井、構渠の工事とか、鉱業とかの目的で土地を掘鑿したため温泉の湧出量、温度又は成分に著しい影響を及ぼす場合が考えられますが、かかる場合におきまして、それを放置することが公益上適当でないと認めるときは、都道府縣知事はその影響を阻止するに必要な措置を命ずることができるようにしております。
第三章におきましては、温泉の利用の過正を図つて公共の福祉の増進に寄與せしめるに必要な規定を設けております。即ち温泉を公共の浴用又は飲用に供しようとするときは、都道府縣知事の許可を受けさせると共に、施設内の見易い所に温泉の成分、禁忌症、入浴又は飲用上の注意を掲示させまして、衞生上有害な温泉を公共の浴用又は飲用に供することのないようにいたしますことは勿論、その利用を十分合理的にいたして参りたいと存じております。又厚生大臣は必要に應じて施設の整備及び環境の改善に必要な地域を指定し、その地域内の温泉の利用施設の整備、その管理方法の改善等を指導いたしまして、理想的な温泉郷を建設して行くことによりまして、温泉の公共的利用の増進を期しているのであります。その他本章におきましては、所要の報告を聽する規定とか、立入檢査を行う規定等を設けておるのであります。
次に第四章におきましては、行政処分を民目的にするため、温泉審議会に対する諮問と公開による聽聞に関し規定しているのであります。即ち行政廳が、土地の掘鑿の許可のように利害関係の複雜な行政処分を行いますときは、関係行政廳の官公吏、関係業者、学識経驗者を以て組織した審議会に付議いたすこととすると共に、許可の取消のように、既存の地位を変更し制限する行政処分を行いますときは、その処分を受ける者に公開の聽聞において弁明し、且つ有利な証拠を提出する機会を與えるようにいたしているのであります。
次に第五章は罰則でありまして、最高一年以下の懲役から最低五千円以下の罰金に至る三階段の規定を設けているのであります。
尚最後に附則におきましては、施行明日と経過規定を設けているのでありますが、施行期日は審議会の設置、その他いろいろ準備が要りますので、公布後三十日を経過した日から施行することにいたしております。又経過規定におきましては、從前の法令下における状態はこの法律においてもこれをそのまま承認して行く建前の下に規定しておるのであります。
以上簡單でございますが、温泉法の提案の理由及び要旨を御説明申上げた次第であます。何とぞ御審議の上、速かに可決されんことをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/3
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004・塚本重藏
○委員長(塚本重藏君) 次に船員保險法の一部を改正する法律案の説明を聞くことに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/4
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005・塚本重藏
○委員長(塚本重藏君) それでは船員保險法の一部を改正する法律案を議題に供します。先ず政府から提案理由の説明を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/5
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006・赤松常子
○政府委員(赤松常子君) 只今議題となりました船員保險法の一部を改正する法律案につきまして提案の理由を御説明いたします。船員保險法は船員労働が陸上の労働と異る特殊な労働態様を有しておりますので、これに対する総合的な唯一の社会保險制度として、船員労働力の確保増進と船員援護を主限といたしまして昭和十四年四月に制定され、その後情勢の変動の即應するため、制度の内容充実について数回に亙つて改正され、今日まで実施運営され來つたのでありますが、新情勢に即應するため、他の社会保險制度と同様に、船員労働者の福祉増進を図るため、今回船員保險法の一部改正を企図いたした次第であります。
以下改正の主眼点につきまして御説明を申上げます。第一に、最近の立法の趨勢に鑑み、船員保險法施行経等、命令に委任されておりました被保險者、被保險者であつた者、その他保險給付を受ける者、又は船舶所有者の権利義務に関する重要事項はすべて法律に規定いたしまして、その権利の保護に万全を期せんとするものであります。第二に、保險給付の内容の充実であります。この点につきましては、新らしい情勢に即應するため、現在の経済情勢及び保險経済と睨み合せまして、所要の改正を加えました。即ち一、船員の家族に対する給付の創設でありまして、被保險者によつて生計を維持する者の疾病、負傷に対しましては、家庭療養費として療養に要した費用の十分の五を支給し、その死亡に対しましては、家庭葬祭料として標準報酬月額の一月分に相当する額を支給すること、二、寡婦年金、鰥夫年金、遺兒年金制度の創設でありまして、六月以上十五年末滿被保險者たる者が職務外の事由に因りまして死亡しましたとき、若しくは傷病によりまして資格喪失後新年以内に死亡したしたとき、又は職務外の事由に困る障害年金受給者でその廃疾の程度が重いものが死亡しましたとき、その配偶者又は子に寡婦年金、鰥夫年金又は遺兒年金を支給すること、三、障害年金受給者でその廃疾の程度が重いときは、扶養者加給金として配偶者又は子一人当り年二千四百円を加給すること、四、この改正法律施行の目前におきまして、職務上の事由に困る遺族年金及び傷害年金の額を五倍した額まで引上げてこれを増額支給すると共に、配偶者又は子のあるときはその配偶者又は子一人当り年二千四百心を加給すること、五、失業保險金の日額を増額すること等の諸点の外、脱退手当金の支給條件を被保險者であつた期間三年以上とし、死亡脱退又は女子たる被保險者が婚姻、分娩のための脱退の場合におきましては從前の通りといたしました。又遺族年金の受給権又はその失権等支給條件につきまして、新らしい民法の精神に即應せしめた次第であります。第三に、保險医制度でありますが、被保險者の医養を担当しますのはいわゆる保險医でありまして、これは從來強制指定制度でありましたのを、このたびはこれを廢止いたしまして、新たに医師の同意を基きまして自由任意指定制度といたしたのであります、第四に、保險料率の改正でありますが、これは現下の情勢におきまして、その負担能力とか保險経済とを勘案いたしまして、暫定的措置としまして、保險料率を引下げたのであります。即ち金部適用を受ける者一一・五%、失業保險金を受けない者九・三%、任意継続被保險者一〇・〇%とといたしたのであります。
以上改正法律案提案の理由と改正の要点につきまして簡單に御説明申上げたのでありますが、何とぞ速かに御審議の上可決あらんことをお願い申上げる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/6
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007・塚本重藏
○委員長(塚本重藏君) ちよつと速記を止めて止めて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/7
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008・塚本重藏
○委員長(塚本重藏君) 速記を始めて。それでは懇談会に入ります。
午前十時四十九分懇談会に移る
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午前十一時十二分懇談会を終る発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/8
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009・塚本重藏
○委員長(塚本重藏君) 速記を始めて。只今懇談の間におきまして、藤森委員から三つの点について修正、一つの点について政府の所見を聞いた上で意思を決定したいという質疑もあつたわけでありますが、この機会に懇談の間で大体申されましたことを要約して、もう一度御発言願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/9
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010・草葉隆圓
○草葉隆圓君 その前に一應この質疑を打切つて、討論の形に入りになる方がいいのではないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/10
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011・山下義信
○山下義信君 草葉委員の御意見でもありますが、質疑で政府が答弁しなくてはならんことがありますれば、質疑の間にやつて置く方がよいではないかと思いますから、それが濟みましてから、討論に入るように願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/11
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012・塚本重藏
○委員長(塚本重藏君) それでは藤森委員より第四に述べられた質疑を願つて、当局の御答弁をお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/12
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013・藤森眞治
○藤森眞治君 第八條ノ四につきまして、「申出ニ依リ療養ノ給付ヲ担当スル者ヲ定ムベシ」ということは、申出た者の中から又一定数が選択されるような感じがうるので、この点は申出た者全部が担当者になるというふうな方向に向けて行かれるかどうか。又そういうふうな精神でこの法が謳つてあるかということをお尋ねしたいと思います。
それから第八條ノ五に、「都道府縣知事ノ認可ヲ受クベシ」ということがありますが、これはすでに保險者と医療担当者とか協定した上に又認可を受ける必要がないように思われるが、この点は如何でしようか。
それから第八條ノ七、これの協議会の構成が「保險者ヲ代表スル者、被保險者ヲ代表スル者、医療担当者、公益ヲ代表スル者、」この四本建になつておりまするが、これは医療担当者と被保險者と、それから保險者並びに公益を代表する者、この三本建が穏当ではないか、それが最も公平に行われるものではないかという考えを持つておりますが、これに対する政府の御所見を承わりたい。
それから第五十二條ノ三、これの末段におきまして、「臨時委員五人以内ヲ以テ之を組織ス」とありますのを、これは五人以内というと、一人でも濟むような解釋に取れるので、これは五人と定められる御意思はないか。これだけの点を伺つて置きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/13
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014・宮崎太一
○政府委員(宮崎太一君) 第八條ノ四の、医師の申出によりまして療養の給付を担当する者を定めるという規定でありまするが、これは申出がありましたならば、全部のお医者さんを医療担当者にするという考えでありまして、法律の條文にはこういう規定になつておりますが、厚生省令におきまして、申出のあつた者は全部医療担当者にしなければならないという規定を置く予定でございます。
それから第二の八條ノ五でございますが、八條ノ五は、算定成議会で定めました医療報酬の標準額を基準として、組合と医師とが相談をして医療報酬を決めるのでございますけれども、その基準から非常に懸け離れた標準報酬がありましては、その組合の運営のみならず、他の國民健康保險全体の運営において非常に支障がありませんかと、こういうことを憂えまして、現在の段階では知事の認可を受けることにいたしまして、余りの桁外れの医療報酬がないようにいたしたいという規定でございます。
それから八條の一でございますが、医療報酬の算定協議会の構成委員の数でございますが、これは保險者側と被保險者側と医療担当者側と公益代表とが同じ数を以て、そうしてお互いにこの重要な問題を御審議願うというところに意味があるのでございまして、保險者と公益代表とが合せてこの一の力になるという理論的根拠もございませんので、私はやはりこの四本建で行くのが至当であると、こういうように思つておるのでございます。
それから五十二條の三でございますが、これは審査会の規定でございます。審査会は、被保險者と保險者と公人代表と、この三種の代表がおのおの三人ずつ九人で組織することになつておるのでございますが、ただこの審査会にはもう一つの任務がございまして、医療報酬或いは医療担当者のもつれました場合におきまして斡旋をすることになつておるのでございます。その斡旋のために医療担当者側から臨時委員五人を選ぶことになりまして、これが丁度九人に五人で十四人のメンバーになるわけでございます。大体の腹案といたしまして、保險者側三人、被保險者側三人、公益代表のうち一人が医師以外の人で、二人が医師玉は歯科医師で、そうして医療担当者が五人、七対行の数でこのことを決める予定になつておるのでございます。ただ「以内」という文字がございまするのは、この九人のうちに欠員等が生じましたときのことも考えまして、或いは五人が四人になる場合もあろうかという意味で「以内」ということがあるのでございまして、五人が一人になるか二人になるかということは考えておらないのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/14
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015・中山壽彦
○中山壽彦君 私は國民保險が実施されましてから今日まで一ケ年の実績を見まして、いろいろ原因はありましようが、この現在一万有餘の組合が殆んど開店休業をいたしておるという主たる原因は、被保險者の医療というものが組合の経済によつて左右される、國民保險の医療というものは普通自由診療よりも低下しておるという点において、被保險者の不満がある、又医療を担当いたしておりまする者は、その診療費が低價なるために十分な診療をし得ない、こういう意味合から全面的の協力を期し得ないような事情がその間に伏在しておることと存じております。殊に今日までの実績を見ますというと、医療費の支拂というものは非常に遅れております。のみならず全然拂わない組合もあるのでありまして、最近承わりまするというと、或る地方におきましては、八十万円の國民保險の診療費を二十万円に負けて呉れないか、負けるならば支拂うというような申出が最近或る地方にあるのであります。又現在ここにおいでになりまする谷口委員の膝許におきましては、一保險医の診療費が十八万円、これを三万円、六分の一に負けて呉れれば支拂う、こういうような実情があるのでありまして、こういうような事例というものは全國にも相当多何数あるように耳にいたしておるのであります。勿論この保險医の中にも、多数の中には不徳な医者があることも私共は否定はいたしませんので、こういう不徳なる医者につきましては、組合側から的確なる具体的な事情を言つて貰えば、そういう保險医は罷めさせることはでき得るのであります。從つて只今藤森君から修正の御意見が出ましたが……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/15
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016・塚本重藏
○委員長(塚本重藏君) 今は討論じやなく、質疑でございますから……。外に御質疑の方はありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/16
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017・姫井伊介
○姫井伊介君 この改正は非常に大きな改正で、條章の上に相当複雑化して來た点があるわけでございます。これは將來書き方も、いわゆる口語体にし、條章も整理して書き替えられる御意思があるかどうか。このままで放つて置くということは、非常に國民から見て見にくい法律になると思うのであります。その点をお伺いいたします。
それから外の法律で規定してあることと思いますが、この國民健康保險の治療に要する医藥並びにその用具、これは何かこの法律の中に規定されれば、この保險制度の万全を期することの上において非常に便宜だと思います。こういうことに対しては、医藥は特にこういうことにする、例えばその実績によつて医藥を與える、用具もそれを見分わして国民健康保險に重点を置いて、そういうものを配給するといつたような、何か関連條項が入りますると、さつき申しましたように、この制度の目的を達する上において非常に有力なる一要素となると思うのでありますが、この辺如何でございましようか。以上二点をお尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/17
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018・宮崎太一
○政府委員(宮崎太一君) 只今の姫井さんの御質問でございますが、全く仰せの通りでございまして、國民健康保險法の書き方が昔の形でございまして、大改正をやりましたが、それを一部改正の形にいたしましたのであります。これは実は内輪の話を申上げますると、私共の方では今度法律案が五つ出るわけでございまして、そのうち四つ共全部大改正になつておるわけでございます。これを口語体に書き替えて出すということも考えて見たのでございますが、なかなか時間的に間に合いませず、それよりも実質上の改正に力を入れようじやないか、用語は他の適当な機会まで待とうではないかということで、実は相済まんことでございますけれども、從來の法律の一部改正にいたしましたのでございます。私の見通しといたしましては、いずれ社会保障制度という、これは根本的に社会保險全部書き替えの時があると思うのでございます。それが近くありまするならば、その機会に、それが遠い場合におきましては近き機会に、國民健康保險法のみならず、あらゆる保險法を國民によく分り易い形に書き替えたいと思つておるのでございます。健康保險法その他の社会保險の法規を施行いたしまして一番因りますことは、被保險者の各位がなかなか保險の法規が呑み込めないということがございまして、その点は、この古い而も非常に固苦しい概念法学で固めた法律條文が相当影響しておるのじやないかという氣がいたしますので、適当な機会におきまして、國民の耳に、肚に入り易い文字に変えたいということは、姫井委員の御質問の趣旨と私は同感でございます。
それから医藥品、用具等につきまして、この法律の條文で、國民健康保險について、何らかの形において政府がこれを保障するというような文字があればいいのじやないか、こういうお話のように存ずるのでございますが、まだそこまで至つておりません。他の法規にもまだそういうのはございませんが、実際上の扱いといたしまして、社会保險の実績によりまして、重要医藥品の配給を三〇%だけやることにいたしております。この三〇%というのも、厚生省におきまして医務局と保險局が十分檢討いたしました結果、その程度の特別の配給をするということに決まつたわけでございます。今日尚それが続けられておるだけでございまして、法規に医藥品、用具等を國民健康保險に特別に考えるという規定はございません。そういう点につきましては十分研究して見たいと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/18
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019・姫井伊介
○姫井伊介君 今の医藥品等の配給について別に法的根拠はないということは、何によつてそういうように処理されておりますか。例えば三〇%だけは認めるというお話ですが、それは何によつてそういうことが規定されておるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/19
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020・宮崎太一
○政府委員(宮崎太一君) 通牒でございます。通牒を出す根拠は、配給の際におきまして、配給というのが、これが医師がどれだけ医藥品が要るかということをいろいろ相談をいたしまして、配給することになるわけでございます。その相談をしまず一つの根拠として、社会保險におきましてこれだけの藥が使用されるという実績を調ベまして、配給の際の各医師の数量を決めるというときにそれを加味するというので、次官通牒が出て、そうなつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/20
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021・姫井伊介
○姫井伊介君 その数量を決めるのに、何かの協議会か何かをお持ちになるのでしようね。協議会というか、何かお持ちにならなければこれは決められない。それはどうされておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/21
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022・宮崎太一
○政府委員(宮崎太一君) 地方廳にそういう協議会がございまして、衞生課に協議会がありまして決めておるのでございますが、私も実はその方は担当しておりませんので確たることは申上げられないのでございますが、私の方が医務局の方へお願いいたしまして、配給の際におきまして三〇%実績を考慮して貰うということで現にそれを実施しておるわけでございます。そのやり方につきまして、私もここで詳しいことをはつきり申上げられないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/22
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023・姫井伊介
○姫井伊介君 今その係官の方は來ておられませんね。お分りになつておる方はありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/23
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024・宮崎太一
○政府委員(宮崎太一君) 來ておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/24
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025・藤森眞治
○藤森眞治君 この改正法案が実施されました暁に、これは中山委員も触れられましたが、沢山の國民健康保險の不拂が残つております。これは一應解決されるおつもりですか。或いはまだこのまま放任されるおつもりですか。その点に関する政府の説明を承わりたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/25
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026・宮崎太一
○政府委員(宮崎太一君) 只今の御質問でございますが、私の方針といたしましては、この未拂の金額が約一億というようなことに計算されておるのでございますが、その一億を二通りに分けまして、一つの現に動いておる組合が未拂である場合であります。これは今後この法律を出すことによりまして、組合を強化して、そうして保險料を高め又組合或いは組合の組織、基盤が強くなりますから、そこで財政的に過徒の未拂を捻出したいと、こういうつもりでおります。現に本年度の予算編成に当りまして、各府縣に対しまして、組合においとはこの未拂については過年度支出として予算に計上するように通牒をいたしております。大体の府縣におきまして、この未拂に対する金額を予算に上げておるわけでございます。それからもう一つは現に休んでおる組合であります。休止してしまつておる組合の保險料をどうするかという問題であります。医療費をどうするかという問題であります。これにつきましては、私共といたしましては、この法律改正の機会に各府縣当局が十分力を入れて、國民健康保險を再開させる、再開をさせる際におきまして、過去の未拂を何とか片附ける具体的方針を立てて再開させる、過去の未拂といいましても、実は今日から考えて見れば大した金ではないのであります。全國的に見ますと一億と言われますが、仮にこれを一億といたしまして各組合に割りましたところで、一万組合があるわけでありますから一万円に過ぎないのであります。それで而も一、二年前に止めました組合にとつて見ますと、これは大した金ではないわけでございます。勿論只今仰せになりました多額のところもございますけれども、大体平均するとそういうことになるのでございまして、これをこの組合再開の際におきまして一つ解決して再開する、そういう熱意なくしては再開しても成績が挙らんだろうという意味におきまして、そういうつもりでおりますから再開もできない、そうして焦げ付いておるというものにつきましては、縣当局の方で町村当局にも話をいたしまして、具体的にこれを返済する方法を講ずる。最後はこれは訴訟より外にないのでございますけれども、法律上は相当問題がございますが、行政的な措置によりましてこの問題は何とか解決する。そうしてこの機会において過去の國民健康保險に対する汚名を一掃する、こういう考えでおる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/26
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027・藤森眞治
○藤森眞治君 今の御説明で一應分りましたが、只今休止状態にあつて、そうして医療費の未拂の組合には奨励して又再起を図るというお話でございますが、大体先だつても申上げましたが、國民保險の最初において半強制的に設立さしたということに今日の大きな原因があるのでございます。丁度今未拂があるから、それを奨励して再起をさせるということは、又その轍を繰返すということになるのじやございませんか、その点如何ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/27
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028・宮崎太一
○政府委員(宮崎太一君) 私の申しましたのは、未拂があるから再開させるというのじやなくして、未拂を解決するくらいの熱意のあるところでなければ再開しても効果が挙らない、だからして再開させる氣分を起しまして、そうして未拂を解決するという一つの熱意を示すくらいの、何と申しますか、組合と申しますか、町村と申しますかが國民健康保險を理解し、そうしてこれによつてその村内或いは都内の医療費の問題を解決したいという熱意を示す。そういうところにそれをやらせる、こういう意味でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/28
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029・藤森眞治
○藤森眞治君 それでは現在組合の力がない、そうして支拂も十分にうまく行かない、又熱意も起らんと、こういうところはそのまま放任して未拂のまま放つて置こうというお考えなんでございますか。一應そういうふうに取つてよろしうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/29
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030・宮崎太一
○政府委員(宮崎太一君) 先程申しましたのは、私休止をしておる組合を二段に考え、再開させる能力があつて、再開する熱意のあるところはそういう措置をとる。それ以外につきましては、根本的に法律的に申しますと訴訟より外にないのでありますけれども、府縣当局が町村当局とよく話をいたしまして、具体的に解決ができるように行政措置を講じて貰うつもりである。事実縣によりましては或いは町村会が決議をいたしまして、そうして未拂のために予算支出をしておるところもあるのでございます。いろいろな点があろうと思いますが、そういう点につきまして、放つて置くのでなしに、何らかの措置をこの機会に講ずる、こういう二段構えで参りたいということを考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/30
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031・草葉隆圓
○草葉隆圓君 最後に、姫井委員の御質問の中にありましたことは、これは大変今後の國民保險の動きに重大なものと思いますが、結局医藥品を相当十分といかんまでも或る程度配給してやるという方法が確立されないで、それで現在医藥品等配給統制規則というのを中心に、その他の医薬品の関係規則によつてそれぞれやられておると思います。或いは開業医或いは病院おのおのそういうふうにしてやられておると思いまするが、今度連合会というものに対して外の医療機関より幾分か優先的に医療品の配給をやられる計画をお持ちになつておるかどうか。それが十分でないと……一つの今までの組合の進展しない欠陷を是正する意味においてそれが大事じやないか、かように思うのであります。医藥品はおのおのその統制規則によつて府縣に來て、それが府縣からおのおの又関係者の方へ、病院なり或いは医師などの方へ流れて行く。それで國民健康保險は連合体で一本に貰つて、その貰う場合において相当優先的に貰う割当の方法をお考えになつておるかどうか、こういう意味でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/31
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032・宮崎太一
○政府委員(宮崎太一君) 只今の草葉さんの民意見でございますが、今は組合で貰つておるわけでありますが、連合会で貰うということにつきましては私もよく研究して見たいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/32
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033・草葉隆圓
○草葉隆圓君 では十分御研究になつて……この問題は、先のお話のように解決すると大分経営が十分円滑に行くということを考えるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/33
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034・中山壽彦
○中山壽彦君 今の医藥品の配給のことでございますが、医薬品の量というものが終戰後は非常に減つておる。各医療担当者が申込んだ量というものがそれだけ得られないのであります。先年末保險を担当する医師に対しては、その診療の多い少いによつて多少の優先配給をするということを先刻局長からお話になつわけなんであります。そこでこの配給ということが非常に困難なことでありまして、被保險者のみにその少い医藥品の量を沢山出すということになりますと、自由診療の面において非常に薬品が不足するという結果をもたらすということになります。その双方の振合をどういうふうにするかということに非常に難点があると私は思います。請求量さえ得られるならば、これは何でもないわけであります、総量が少いのでありますから、保險診療の方に多く出せば、今度自由診療の方が非常に少くなるという結果をもたらしますので、この双方の配給量をどうするかということが、実際の面において、各府縣の衞生課でやつておられる仕事が非常に困難のように聞いておるのでありますから、だから量さえあれば保險診療の方に要るだけのものをずつとやるということになれば簡單でありますが、全量が少いのだからなかなかそういうように行きかねる。保險診療のみに重きを置けば、一般自由診療の人が不服をいう、こういうことになると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/34
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035・山下義信
○山下義信君 本案の質疑はこの程度で打切られまして、討論に移られんことを希望いたします。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/35
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036・塚本重藏
○委員長(塚本重藏君) 大分質疑が終末に近付いたようでありますが、もう一つ、今の施行期日の点について、七月一日から実施せられることができるかどうか、多少期日を延ばす必要がありはせんか、この点を……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/36
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037・宮崎太一
○政府委員(宮崎太一君) 施行期日につきましては、七月一日といたしました意味は、前の法律が七月一日から施行になつておりましたので、滿十年という意味において七月一日といたしたのであります。私共といたしましては、御審議が許されるならば七月一日から施行を願いたいと思つております。それから七月一日から施行いたしましても、施行上において何ら差支ございません。実は先般も、國会の御承認を得られるならば七月一日からこの改正法案を実施いたしたいから、各府縣で十分の準備をするようにということで、民生部長会議も開きまして、一日この問題につきまして打合せをいたしましたような次第でございますので、七月一日施行の御承認を頂きましても、施行上においては差支ないということを申上げて置きます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/37
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038・塚本重藏
○委員長(塚本重藏君) 社会保險診療報酬算定協議会で、診療報酬額の標準額の基準を決定せられるのでありますが、その場合において政府は從來の基準よりは高めて行かなければならんと思いますが、そういうことについての御方針を伺つて置きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/38
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039・宮崎太一
○政府委員(宮崎太一君) 診療報酬につきましては、從來は点数計算で、今日におきましては標準が一点單價六円ということで、六円五十錢、六円というような段階で全國に決つておるわけでございます。國民健康保險はそれを大体標準にいたしまして、それよりも低目で大体決つておるのでございます。それで私共といたしましては、政府は近く物價改訂を行われる予定でありまするし、現にいろいろな物價も上げております。それで近く算定協議会を開きまして、今日の物價に即應するような医療報酬を決めたいと思つております。それからもう一つは、医務局と公衆保健局と私の局と三局で、医療の経濟についての現状調査をいたしたのであります。その調査がもうでき上りつつあるのであります。それをも参考にいたしまして、今日よりは基準の正確な科学的なものを基にいたしまして、勿論今日の物價に合うように報酬を決定したいと、こういうふうに思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/39
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040・塚本重藏
○委員長(塚本重藏君) もう一つ、この國民健康保險は飽くまでも保險の妙味を発揮して行かなければならんことは言うまでもない。從つて建前は被保險者がこの経費のすべてを負担するというのが建前でなくてはならないのであるが、政府は國民保健の建前からこれを助長発展さして行くためには、どうしても或る程度の國庫の助成というものが必要である。從來國民健康保險組合からは國庫の補助金を増額して呉れという要求が頻りに起つているわけでありますが、こういうふうに新らしい改正によつて、國民健康保險の建直しをやるにいたしましても、尚当分の間は相当額の國庫の補助というものがなくてはならないと思う。これは從來よりは増額してやらなければ、この改正の目的を達することができないのではないかとも考えられるが、その点について政府は補助額を將來増額して行く意思はありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/40
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041・宮崎太一
○政府委員(宮崎太一君) 私共といたしましては、その今を考えておるのでございますが、國家財政等の都合もございますので、今後の十分努力いたしたいと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/41
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042・塚本重藏
○委員長(塚本重藏君) 外に御質疑はありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/42
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043・草葉隆圓
○草葉隆圓君 大体現在はどういう具体的な考え方でお進みになつておりますか。それを一つ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/43
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044・宮崎太一
○政府委員(宮崎太一君) 只今のところといたしましては、國民健康保險の事務費につきましては、私共といたしましては全額國庫負担の希望をいたしておるのでございますけれども、國家財政の都合で、事務員の俸給、給料等につきましては二分の一の補助になつております。それから保健婦の俸給、給料等につきましては三分の一の補助になつておるのでございます。それから直営診療所の建築施設等につきましては三分の一の補助金が出ておるのでございます。その他連合会の補助或いは本省の經費等がありますので、只今二十三年度として考へられておりまするのは五億七千七万円の補助金になつておるわけでございます。私共といたしましては、保險給付についての補助金よりも事業費についての補助金を増額いたしたい、こういうつもりでおるのでございますが、先程申上げましたような状態で、なかなか実現を見ない次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/44
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045・井上なつゑ
○井上なつゑ君 只今政府委員の方の御説明を承つておりまして、保健婦に三分の一の國庫の補助があるとおつしやつておられましたが、どうも事務費の中に織込まれておるようでありますが、事務費の中に織込まれておりますために、その保健婦が非常な難儀をいたしております。ややともいたしますと、この保健婦の費用を他に流用される虞れがたびたびございます。現に今日あたりもそういうことを言つております者がございます。どうかこれを事務費の中から切離して、保健婦も療養の給付の一つとみなして頂いて、何か法文の上にはつきりと、他に流用されることのないように現わして頂きたいと思うのでございますが、その点を一つ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/45
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046・宮崎太一
○政府委員(宮崎太一君) 先程申しましたのにちよつさ誤解があると思いますが、療養の給付はないのであります。事務費の中に入つておりますから補助があるのであります。私共も保健婦は二分の一にして貰いたいと言うのでございますが、現在は三分の一でございます。療養給付の中に入れますと補助がなくなる。保健婦の給料その他について組合がどういうことをしておるかという監督の問題でございますが、これは今後私共も十分氣を付けたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/46
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047・中平常太郎
○中平常太郎君 今、局長の御話でございましたが、政府の負担が今日五億七千万円ということでありましたが、開店休業の今日、この五億七千万円をどういうふうに支出されておりますか。開店休業のところまでやつておられる筈はないと思いますが、その点を一つ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/47
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048・宮崎太一
○政府委員(宮崎太一君) 開店休業のところには出しておりません。今のところ一万の町村の中で、約七割だけについて私共は補助を考えておりまして、あとの三割につきましては補助を計上しておりません、実際交付するに当りまして、今年から各府縣廳が実地に当りまして府縣廳で実際に計画を立てて交付するという方針にいたしておりまして、開店休業のところは昨年の半ば以後からは出さないことにいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/48
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049・中平常太郎
○中平常太郎君 只今聞きますと、七割は出しておられるようですが、開店休業が七割以上あるような場合です。それでは機能を発揮しない。ただ予防衞生程度やつておるようなとこへもきちんと事務費を規定通りおやりになつているのでありますが、私は七割ぐらいまで、これが実際励行されておるならば結構だと思うのでありますけれども、事実は一割ぐらいしかない。のみなら、一割も或る程度相当カモフラージしておる点があります。実質的にはいかがわしいものも入つているのが相当見受けられるのでありますが、とにかく七割まで補助を出されるということになりますと、相当内容の不健全なものにもお出しになつているのですね、そう見てよろしいですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/49
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050・宮崎太一
○政府委員(宮崎太一君) 只今仰せになりましたが、中平さんのお話の七割健全で三割不健全或いは三割健全で七割不健全という、これは物の見方でございまして、組合がよく動いているところはどなたが御覽になつても申分ないと思いますが、一部分しか動いていない場合に、動いていると見るのか休んでいると見るのか、先程中山先生のお話になつたように、殆んど全部という見方も私はできると思うのであります。でありますが、補助を出しますときには、動いている点をよく見まして、動いているのを助長いたしまして成るべく完全に動くようにいたしたいという意味がございますので、七割と見ましたのは、七割が百%動いているという意味でございません。七割の中で動いている歩合によりましても考えておるわけでございます。それから保健施設だけで動いているというものにつきましては、保健施設だけの補助をいたしておるのでございまして、その他の事務費は出しておりません。そういう点につきまして、本省が從來地方の隅々まで目の届かない点があつたのじやないかという気がしたので、本年度からは、私共といたしましては縣々に割当てまして、地方廳が実際に目を光らして補助金を出すようにいたしたい、こういう考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/50
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051・中平常太郎
○中平常太郎君 只今の問題でありますが、將來社会保障の制度が完備いたしましたなれば、少くとも一千億以上の予算を置かなければ社会保障は到底できないのでありますが、その卵といたしまして社会保障の性質含んでいるもののうち、一番大きなものは健康保險と國民健康保險組合でございます。然るに日本の財政が許さんとはいいながら、僅かに五億七千万円で手綱を取つて行くことに運用よろしきを得ようとするところに大きな欠陷が私はあると思うのです。これは医者の方に対する待遇なども、十分にあれば最も機能を発揮するに相違ない。ただ今日のごとく五億七千万円を日本中に振撒くなれば、これは二階から眼藥のような恰好になりまして、日本の國の文化が、それを犠牲的に社会保障の前提として十分に認めるくらいに文化が進んでおればよろしいけれども、今のように利己主義で而も道徳は廢頽し、或いは又保險料を負担している者も拂わないし、拂わないでも誰も取りに來ないし、そういう状態である場合に、政府がこれを有効的に推進せしめようとするなれば、五億やそこらの金でやろうとするのが間違つておる、こう私は見ている。だから、これが今日まで碌に機能を発揮しなかつたのは、政府も不熱心であるが、実際いろいろな原因が伏在しているわけであります。だから今日七割まで五億七千万円をお使いなつておるのも無理からぬ点があると思うのであります。とても完全なものばかりに出すことはできない。助長する性質も含まれておりますから或る程度止むを得ないのでありますけれども、とにかく健康保險組合を有効的にやろうとするなれば、我々國会におきましてももつと予算を取ることに努力しなければならないが、政府も亦勇敢にもつと強くこれに対する補助を取るところの覚悟をお持ちにならんと、遠慮ばかりしてしまつて、何か被告扱いにされて漸く補助をお取りになるようなことではいけないと思うのです。本腰で掛かつて貰わんと……社会保障のこれは前提になるのです。もつと本腰掛けて大藏省へも何かお当りにならなければならないと思います。とにかく今聞いたのでは五億七千万円の状態は分りました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/51
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052・塚本重藏
○委員長(塚本重藏君) どうでしよう、まだ質疑がありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/52
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053・河崎ナツ
○河崎ナツ君 先程保健婦のことが出ておりました。この健康保險の運営の上に直接関係はそうないかと思うのですが、非常にここに働いている保健婦の問題で大きな問題がございますので、この際それに與つております方の御意見を伺つて置きたいと思いますが、よろしうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/53
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054・塚本重藏
○委員長(塚本重藏君) 質疑の程度ならよろしうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/54
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055・河崎ナツ
○河崎ナツ君 質疑でございます。保健婦の俸給は事務費の方に見込んだ形になつているということでございますけれども、そこに属しております保健婦は全國にございますが、全國の保健所の数は少い、保健所の数より保健婦が多いのであります。その保健婦は保健所で仕事をいたしておりますが、今実際仕事をしております上のいろいろな保健婦としての指導がございますが、その指導もやはりこの保健所からされていることに聞いておりますが、如何でありますか、そのことを伺いましたら次のことを申上げたいと思います。それはどちらでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/55
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056・塚本重藏
○委員長(塚本重藏君) 山下さんからも質問があつて、將來のことまで保健所のことについて答弁があつたわけであります。(「議事進行」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/56
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057・河崎ナツ
○河崎ナツ君 それぢや又別に……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/57
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058・塚本重藏
○委員長(塚本重藏君) この程度で質疑を打切ることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/58
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059・塚本重藏
○委員長(塚本重藏君) 御異議ないと認めます。それでは直ちに國民健康保險法の一部を改正する法律案の討論に入ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/59
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060・藤森眞治
○藤森眞治君 私はこの一部改正法律案が出まして、國民健康保險が一歩進むことにつきましては非常に結構なことだと思つて賛成しておりまするが、併しこの全体を通して概念的に考えて見ましたときに、まだ足らないと思われる点であるのでございまして、併しこれを今急に望むということは或いは少し過ぎたることかとも思われますし、つきましてはこの法律の中で一、二修正を加えて置きたい、修正したいと思う点がありますので、修正の動議を出したいと思います。修正の箇所を申上げますが、第一といたしまして第八條ノ五、第八條ノ五に「都道府縣知事ノ認可ヲ受クベシ「ということがありますが、それを「認可」でなくして届出事項としたいというのであります。その理由は、私はこの健康保險始まつて以來、末端において健康保險の実務をとつて來ておりまするが、この経驗からいたしましても、こういう医療担当者と被保健者とが円滿に協定できる一定の診療方針を定めた上に、尚都道府縣知事の認可という形式をとつて、都道府縣知事に介在さすというのは、これはますます弊害多くして多くして益がない、まあ当事者である医療相当者、それから被保險者、これが双方の協定によつて円滿にいつも行くような自主的の進み方をこそ奨励されるべきものじやないか、こういうふうに考えるのでありますので、「認可ヲ受クベシ」ということを届出事項にしたい、こういうことを考えます。
それこから第二点は、第八條ノ七で、社会保健診療報酬算定協議会、これが「保健者ヲ代表スル者、被保險者ヲ代表スル者、医師又ハ歯科医師ヲ代表スル者竝ニ公益ヲ代表スル者ニ就キ厚生大臣各同数ヲ委嘱ス」、これにつきまして私は被保險者、医療担当者、それと保險者並びに公益を代表する者、この三者同数ということに修正したいと思うのであります。今日まで社会保險の運営がうまく行つておらないということの一面には、被保險者も滿足しておらない、医療担当者も滿足しておらない、どちらも滿足しておらないところに大きな原因があるのでありまして、被保險者と医療担当者というもの、これが最も大きな根本である、勿論保險者がこれに入らなければなりませんが、これに公益法人が被保險者或いは医療担当者と同じ人数を以て入るということは、先程局長からもお話がありましたが、これは私から考へると幾らか詭弁じやないかということまで考えられますので、この点当事者である被保險者と医療担当者、それと同数のいわゆる第三者的の立場の保險者と公益付表ということの三本建てにしたい、この二点を修正したい、こういう意見であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/60
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061・中山壽彦
○中山壽彦君 只今藤森委員から第八條ノ五、第八條ノ七についての修正の御動議が出ました。私はこの修正御意見には全然同意を表する者であります。先刻もちよつと申述べましたが、社会保險の診療というものは健康保險と國民保險とを問わず、すべて被保險者の希望をできることなら全面的に容れてやらなければならんと思うのでありまして、從つてこの診療報酬算定協議会の責務というものは非常に重大であると思うのであります。從來診療報酬算定協議会なるものは政令によつて執行をいたしておつたのありまして、これは厚生大臣に答申をするという形になつておりましたものが、今回法文化することに相成つたものであります。今日までの算定協議会には、私中央の算定協議会にも亦地方の算定協議会にも委員の一人として出席いたしましたが、その実績を見ますというと、医療担当者というものが一つになり、他の三者が一つとなり、いつも一対三の比例で行つておるのであります。被保險者の眞の声というものは私はまだ通つていない、こういうような氣持が始終いたしておるのであります。又医療担当者は数においていつも一、三の比例でありますから、医療担当者の声というものはまだ徹底をしないという嫌いがあるのであります。今後におきましてもやはりこの傾向は從來通りのような経過を辿つて行くものと私は思つておりますので、この際被保險者の意見というものを十分尊重しますると同時に、医療担当者の声も相当重きを置いて行かなければならん、この意味から被保險者と診療担当者の数を同樣にして頂いて、そうしてあとは保險者と公益を代表するものの両者を一つにして入れる、こういう藤森君の説に同意を表するものであります。そういたしませんというと、今までの実績を見ますと、被保險者の声というものはとかくいたしますと、保險者によつて代表せられる、公益を代表する者は保險者の説に同調をする、これが今日まで算定協議会の僞らない経過であります。從つてこの際医者が心からこの社会保險に協力をしてスムースに進行させるためには、医療を担当する者の声も或るべく多く聞いてやろう、こういうお氣持になつて頂きたいと思うので、今申上げたように御修正を願いたい、而してかようにしてまでも尚保險医にして医療を担当する者で不徳の行爲をする者があるならば、これは十分取締を願う、又新医師会の使命から申しましても、こういう者には適当な制裁を加える、こういうことが必要でありまして、この方法によつて行きたい。
次に第八條ノ五でありますが、この「認可」を届出にするということも、私は今日の時勢から申しますというと、認可というようなことは余りに面白くない、やはりこの届出にするということの方が妥当ではなかろうか、又この届出に変えまして、先刻局長が、診療報酬算定協議会で決めた標準報酬を逸脱したことになりはしないかという虞があるようにお話になりましたが、今日までの実績によりましても、この標準報酬を超えて行くということは私は決してないと、こういうふうに考えておりますので、これは一つ届出に願いたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/61
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062・姫井伊介
○姫井伊介君 私は今の修正案には賛同しかねるのであります。第八條ノ五の認可の点でありまするが、これは政府よりの答弁もありましたし、尚届出することが理想ではあります。その域まで到達しなければならないのが当然でありますが、併し從來の実績から考えまして、一躍届出主義の理想に進むことは現段階の程度におきましては妥当でないのではないか。その点からいたしまして私は從來の実績と將來の理想とを睨み合して、今暫くは認可ということでやつて行くことが妥当であると、かように信ずるのであります。
第八條ノ七の協議会の構成内容でありますが、申すまでもなく保險者は即ちこの医療制統の経営の代表者なんであります。被保險者と医療担当者は申すまでもありません。この点からいたしまして第三者にも同数を持たせなければ、公平な立場に立つてその意見を表現することが数において均衡を欠くものではなかろうか、その意味におきまして、即ち経営代表者と被保險者代表と医療担当者の代表と公益代表とをおのおの同数に置くことが、これ亦現段階におきまして適正なる措置だと信ずるが故に原案に賛成するものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/62
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063・山下義信
○山下義信君 私は只今の姫井君の意見に賛成でございまして、修正案には遺憾ながら反対せざるを得ません。この國民健康保險を強制的に施行するということは実は大問題でありまして、これにつきましては非常に世間でも論議がされておる。すでは現在の欠陷をどういうふうに改善するか、現在の欠陷の改善すらもできないで、飛躍的にこうすることは相当の問題になつておる。今日でもその根本的な改善につきまして尚質疑應答が足らざるような印象を私共受けた、が、併し、ともかくとして、こういうふうにやつて行こうという根本方針を、ここで是認をいたしまするならば、それに関連いたしまして運用上この原案のような行き方をやらざるを得ない、私はこう考えるのでございます。すでに任意的にやるのではなくして、強制的にこの健康保險を推進して行こうということになりますれば、國家の力で十分に監督もいたさなければなりません。公的な性格を非常に帶びて参らなければならんのでありまして、從つて運用の面におきましても、ただ当事者のみだけにこれを自治的に委せるというこの方式とは聊か方式が違うのではないか、言い換えたならば、多分に國営的方向に進むべきものであるということが、大体の根本になつておる観点からいたしましても、原案全体が十分ではございませんが、只今修正動議の出ました観点につきましては、私は原案を至当とする者でございまして、遺憾ながら修正案に反対いたします者でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/63
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064・谷口弥三郎
○谷口弥三郎君 大体におきまして、今度の國民健康保險の改正によつて我々がかねがね思つていたところが可なり改善されたと思つて喜んであるのでございますが、只今藤森委員が修正意見を出されたことに対しては、私は全面的に賛成する者でございます。何故かと申しますというと、例えば第八條ノ七のごとき、算定会という、私もその算定会にも出ますし、末端の診療もいたします人間でございますが、今までこの算定におきまして三対一とかいうふうな関係で、どうも医師側の希望が容れられませんで、從つてそれは被保險者も実は喜んでおらんのでございますが、或いは差別待遇とかいうものはやはりここが基点であつて、そのためにいつも診療費が余りにも低過ぎるために差別待遇みたいな声が現われているのです。少くともこれにはやはり被保險者とそれから担当者と、それに中立的の方との三本建てにして、そして二対一という割合でやつて行ければ必ずこの点も改正されはせんかと思う。これは全然この部分のみが改正されずにおるのでございますから、是非これは修正意見に同調を願いたいと思います。
又八條ノ五にいたしましても、今の段々民主主義の進んで來ておる今日、而もこの認可制度でありますというと、折角拵えた案も、数ケ月を要して今の認可がされんというような実情でありますので、これはどうしても屆出にすべきものであると思います。
尚もう一つ、私は先刻質問にも出たようでございましたが、第五十二條ノ三における「臨時委員五人以内」、この「以内」は是非除けてしますべきものである。即ち局長からもお話があつたように、十四人のうち十一名を取りたいというのであれば、わざわざ「以内」をこのまま置いておく必要はないだろうと思いますので、この「以内」も一緒に修正をして頂きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/64
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065・中平常太郎
○中平常太郎君 只今藤森委員から二ケ所の修正の動議が出ておりますが、私は遺憾ながら賛成し難いのであります。その理由といたしましては、今日まで國民健康保險組合の機能が十分発揮しないゆえんのものは、條文によるという結果と私は思わんのであります。これは標準報酬が、同じく社会保險でありながら國民健康保險組合の標準報酬に達していないというのが重大な原因をなしておるのでありまして、その基礎を健康保險組合の標準報酬に同調せしめるという政府の方針であるなれば、これは決して非難の理由はないと思うのであります。それから医者に対する今の御心配は御尤もと思つておるのでありますから、これは將來十分その報酬がやはり報いられるようなところに、医師の待遇に対しては十分なる考慮を拂わなければなりませんが、この法案といたしましては公平な法案であるべきと思うのであります。即ち基準の基礎といたしましても上下があるのでありますから、第八條ノ五におきましては、その上下が……通例であるなれば知事はそう一週間も経たないうちに許可する筈であります。万一谷口委員の言われたように六ケ月も放つて置くというようなことがあつたら、放つて置かず、保險医の方も、その催促するのが緩い、又放つて置く方の地方長官も間違つておる、そういうことは即ち綱紀の廢頽ということから出発しておるのであつて、これは目的は別であります。そういう方面はどこまでも責めて行く途があり、又肅正する途があるのでありますから、やはり適当なる標準が決定されるならば、知事は一週間待たん中に、或いは一ケ月も経たん中に許可するのが当然でございます。即ち民主的に決定したものに対して届出でもよろしいが、尚且つ全國の標準を逸脱してはいないかというような問題につきまして、地方の或る特殊の事情によつて制約されているような標準報酬で出た場合に、これは監督官廳の立場がそこに認められるのは当然だと思います。
第八條ノ七は、保險者というのはいわゆる経営者でありまして、四本建となつておりますけれどもが、本当は三本建と同じ意味になるのであります。例えて見れば、被保險者を右の取り、医療関係者を左の取つて、そうして公益を代表する者が前におる、こう三本建で、そうして経営者がこちらにおる、こういうふうな建前になりますから、経営者はこの三者の議論を聞いて、そうしてその向うところに向つて進む立場にあるのが経営者でございますので、四本建と言いますけれども、そのうち実際に活躍する性質のものは、経営者を除いて、経営者が今後が運営をする立場における参考の資料を得るために、又この算定を決定するためにも、この三者の多数決が必要となつて來るのでございますので、万一これが被保險者と医者とだけになりましたなれば、これは対蹠的であつて爭いは止まない、そうすると、それを裁く者は保險者であるということになりますと、保險者の又意向がどう傾くにいたしましても、これは自己の考えで傾くわけになりますから、やはり公益を代表する者があつて、三者の多数決がこの経営者の肚を決める要素になるものと私は思いますからして、やはりこの際原案の方がよかろうと、こういう考えでおりますので、遺憾ながら敬愛する藤森君の修正案ではありまするけれどもが、僕はこれに対しましてはこの原案を支持するものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/65
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066・草葉隆圓
○草葉隆圓君 藤森委員から八條ノ五と八條ノ七と修正……八第ノ五は「認可」を届出にする、私はこの認可を届出にすることは賛成であります。実は從來の國民健康保險は大して実績が挙らん、むしろこういう実績の上らないような國民健康保險であつたら、或いは根本的に潰すか、或いは組織をし変えるかというような現在重大なる轉換期に來ておるんじやないか。その最も大きい一つの原因は、これはいろいろありましようが、料金の問題、いわゆる被保險者とそれから医療給付をなす医者との関係、そこにおける保險料の問題、これが成績を挙げ得ない一つの大きな原因となつていやしないか。地方によつてはもうちつと保險料を上げてもいいからといつてその処置をとろすといたしますと、從來は中央で統制をしておつて、一点幾らという統制の下に、全國を幾つかに分けておりますけれども、殆んど大した違いなしに、都会であろうとも、農村であろうとも、大体その標準によつて、その規定によつてやられておる。これは私は一つの大きな欠陷じやないか。從つて今度根本的にその國民健康保險をやり直そうとする場合においては、その医療の基本診療報酬算定というものにいたしましても、その基本によつたものに從つて、或いは山村、或いは漁村、或いは都会というものはおのおのそこで料金を決めてもいいじやないか、そこで料金を決めてあるが、その料金よりも一点六円を一点三円にする場合があつてもいいじやないか。その三円にする場合において、その医療を担当する医療者が少々不足であつても……これを段々聞きますると、これはそうする場合において少数の医者を多数の被保險者が圧迫する場合があるから、この承認ということを、許可ということを、知事の権限に持たせなければいかんという答弁でありましたが、むしろ私はそういう権限を知事に持たせんでも、その組合において相談して、少々そういう場合があつてもそれはむしろ妥当ではないか。どうしてもそれがいけないという場合には、保險医というものを罷められたらいいのですから、そういう方法がないか。そこで私はむしろその地方において、組合において決つたことだつたらわざわざそれを知事の認可という方法を採る必要はない、届出で結構だ、むしろそういうことをするにおいてこそ國民健康保險の進歩というものがありはしないか。
それから第八條ノ七は私は四つの建前が正当だと思います。四つの建前が正当でありまするが、法文上ここで「各同数ヲ」ということを書いて置くことが、実際の場合においていろいろ支障を來すような事態があるとするなら、その「各同数ヲ」という四字を削除したらいいのである、こういう意見であります。
谷口委員の先の五十二條ノ三は「以内」を削る場合には却つて私は不合理の生ずる場合がある。五人を依囑しておつて、病氣で死なれたときには、直ぐそれを補充をしないとこの條文に合わないことになる。從つてむしろこれは「以内」というのを入れて置く方がいいのじやないか、かように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/66
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067・塚本重藏
○委員長(塚本重藏君) 外に御発言ありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/67
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068・小杉イ子
○小杉イ子君 私は外の方の面から申します。医は仁術と昔から今に至るまで言われておりますが……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/68
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069・塚本重藏
○委員長(塚本重藏君) ちよつと小杉委員、今討論ですから、賛成反対の御意見だけお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/69
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070・小杉イ子
○小杉イ子君 原案に賛成する者でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/70
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071・河崎ナツ
○河崎ナツ君 私も第八條ノ五と七、それから五十二條ですが、原案に賛成する者であります。理由は申しません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/71
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072・山下義信
○山下義信君 討論終始の動議を提出いたします。尚只今修正案の御提出は、藤森委員の修正案と草葉委員の修正案とは違つておるようでありまするから、御採決あらんことを希望いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/72
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073・藤森眞治
○藤森眞治君 先程の草葉委員からの御発言の「各同数」という文字を取るということ、これは私は前の修正意見を出しておりますが、今草葉委員の御意見を伺つて、私はこれに同調したいと思います。そうして同数にするということで、それで運営の上で人数を非常に公平に取扱つて行く、いわゆる私が言つておる三本建で行けるようであれば、ここの所はそういうふうに直つてもいい、こういう考え方であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/73
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074・河崎ナツ
○河崎ナツ君 三本建ではないでしよう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/74
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075・藤森眞治
○藤森眞治君 そうではないが、そういうふうにすれば、これは……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/75
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076・山下義信
○山下義信君 採決願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/76
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077・塚本重藏
○委員長(塚本重藏君) 山下委員さんの討論終結の動議が出ました。討論を終結することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/77
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078・塚本重藏
○委員長(塚本重藏君) 討論は終結いたしました。これより採決に入りたいのでありますが、ちつと速記を止めて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/78
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079・塚本重藏
○委員長(塚本重藏君) 速記を始めて。これより國民健康保險法の一部改正する法律案の採決をいたします。先ず藤森委員提出の第八條ノ五の「都道府縣知事ノ認可ヲ受クベシ」というのを「都道府縣知事ニ届出ズベシ」と修正すること、並びに第八條ノ七の委員選定について「各同数」という文字を削除したい。こういう修正動議が提出せられております。この修正に賛成の方の御起立を願います。
〔起立者少数〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/79
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080・塚本重藏
○委員長(塚本重藏君) 少数であります。
次に五十二條ノ三、「臨時委員五人以内」とあるのを「以内」という文字を削除するという谷口委員の修正に御同意の方の御起立を願います。
〔起立者少数〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/80
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081・塚本重藏
○委員長(塚本重藏君) 少数であります。從いまして提出せられました各修正意見は否決になりました。
政府提出の原案に賛成の方の御起立を願います。
〔起立者多数〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/81
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082・塚本重藏
○委員長(塚本重藏君) 多数であります。多数を以ちまして政府原案を可決することに決定いたしました。尚本会議における委員長の口頭報告の内容は本院規則第百四條によつて、予め多数意見者の承認を経なければならんことになつておりますが、これは委員長において本法案の内容、本委員会における質疑應答の要旨、討論の要旨及び評決の結果を報告することとして御承認願うことに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/82
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083・塚本重藏
○委員長(塚本重藏君) 御異議ないものと認めます。尚本院規則第七十二條によりまして、委員長が議院に提出する報告書に要する多数意見者の署名を附することになつておりますから、本案を可とせられた方は順次御署名をお願いたします。
〔多数意見者署名〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/83
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084・草葉隆圓
○草葉隆圓君 医療制度に関する各種の法案が出ております機会に、これを審議する重要なる問題となるので、厚生大臣に三点についてこの機会に伺つて置きたい。それは第一に、五月六日でございましたが、すでに医療制度審議会において、日本の医療制度というものについては相当詳細な答申等も出たようでございますが、今回本院に付託されておりますもの、或いは事前審議をされております問題におきましても、或いは医療法、藥事法その他十指に余る医療制度に関する重要法案が出ております。これらを檢討して見ますと、今後の日本の國民の福祉を増進するため厚生省の持つ使命は最も大きく、且つ端的なものとして医療制度の改善に資するものが誠に大きいと存じます。大きいと同時に、日本の医療制度というものについて部分的には一つの法案として現われておりますし、これを総合的な面から考えると、結局この物價高においてよい治療を受け、安い治療費でやつて貰いたいというのが根本であります。ところが現在の法案を見ますと、法律案として部分的には成立しておりますが、一環をなしていない。済生会或いは赤十字社或いは種々の医療機関というものが部分的に籠城しておるような恰好になつております。又國が直接いたしております國立の医療機関にいたしましても、相当体系的にこれを匡正整理しなければならんと思います。法案の精神に見えるような総合的な組織というものが政府において作られないと、部分的には完成した法律でありましても十分の効果が挙らんのではないかと思う。
それから第二の点におきましては、いろいろな法律が出ておりますが、殆んどこれは一方的の法律が多くて、このために地方財政は隨分困りはしないか、それらの場合二分の一の補助になつておるが、これは地方財政委員会等と十分御連絡の方に、地方の財政と睨み合せて厚生省のこの医療行政というものをお考えになつて貰いたい。
それから第三の問題といたしましては、結局國民の医療に対する十分なる方法を達し得るということは、それに從事する人達が國民医療制度に対する十分な認識と自覚を以て行くということであろうと存じますが、これが十分な方法が講ぜられておらないのじやないか。殊に國が直接やつておられるような施設においても私共はその感を深くする場合があります。國立医療機関としての十分な自覚を與えることに対して、政府はどういうような方法をとつて指導と相手方に対する滿足とを與えておられるか。こういうことをこの機会に一つ伺つて置きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/84
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085・竹田儀一
○國務大臣(竹田儀一君) 草葉さんから只今御質問になりました三点は、御承知の通りに今度は相当沢山な医療関係の法律案を提出いたしまして御審議を煩しておるのでありますが、部分的であり総合的でないのではないかというふうな御意見のように拜承いたしたのであります。よい治療をできるだけ安くできるようにいたすようにいたすことは、厚生省といたしまして最も望むところでありまして、これが実現に向つて進めますことは憲法二十五條の精神にも副うことと存じております。何を申しましても、今日は終戰後厚生衞生方面のことが画期的に関係方面等の激励と示唆によつて進んでおる過渡的の時代でありまして、幾分出ておりまする法律案におきましても、機構、制度全般におきましても、草葉君御指摘のように部分々々的になつておりまして、総合的に纒まつて調整されておらんどはないかという憾みがありますことは御指摘の通りであると思います。これは結局近く社会保障制度が最早や関係方面から何らかの示唆がすでに來ておると聞いております。私らの方面へは未だ御提示に相成つておりませんけれども、その社会保障制度に対する何らかの示唆が來まするならば、それと睨み合わせまして、全体的な纒つたこういう程度でよい治療を安く國民全体に向つてやる得るという一つの基準ができるのじやないかと存じておるのであります。どうも全体的な社会保障制度に対する……日本の財政と睨み合せてこういう程度までの社会保障制度を実施し得るという基準が決まりません今日において、草葉さん御指摘のように、いろいろな部分的な法律が出まして、総合的に一貫した纒まつた体系を取つておらないというようなことを御指摘なさつたことは私らも感じておるのでありますが、誠に今の場合といたしましては止むを得ざる事情にあるかと思うのであります。先程申しましたように、社会保障制度に対する示唆が参りました、これで日本の國民を変化的な健康的な國民として、文化的な面は別といたしまして、健康的に育て上げることができるんだという一つの基準が決まりますならば、仰せの通り一つ根本的な一貫した総合的な施策を施したいと、かように考えておる次第であります。誠に今日といたしまして、御指摘のような点につきまして十分なる方針の決まつておりませんことは誠に残念に思いますが、もう少し御猶予を賜われば非常に仕合せと思います。
尚ほ一方的な医療方法であつて、地方財政に対する睨み合わせが足らんじやないか、地方財政に対してもう少し関心を持つて地方財政の枯渇しておる今日、もう少し地方財政全般に亙る樣相を眺めて、そうしてこういう法律を施行したらいいではないかという御意見であります。これも御尤もな御意見であります。私厚生大臣になる前に地方財政委員長をいたしておりましたので、地方財政が如何に枯渇をし、如何に破綻に瀕しておるかということをよく存じておるのであります。この意味におきまして、今度の医療法におきましても、医療機関の補助につきまして、公的医療機関に対しましては二分の一を國庫で補助し得るということにいたしまして、そうして地方財政の苦しいところを助けまして、そうして公的医療機関を完備せしめまして、地方財政の困つておるところを助けたいと思いますのでありますが、閣議におきまして大藏当局では財政的見地からいたしましてどうしても了承して呉れなかつたのです。非常に大藏大臣と話を続けまして、数回……五回、七回に亙つて話をしまして結果、プリンシプルは今度の閣議で認めたのでありますが、二分の一の補助ということが、國庫財政の見地からいたしましてどうしても大藏省として了承しなかつたのであります。それで今度いずれ御審議を煩すと思いますが、医療法には公的医療機関にはプリシンプルとして國家は相互な補助をするということだけを認めまして、二分の一ということを決めることのできなかつたことは残念でありますけれども、先ずこれだけの條文を挿入しただけども、私共としては一歩進歩したように感じておるのであとます。草葉さん御承知であると思いますが、アメリカ方面は学校がすべて私学が多いのでありまして、國庫の補助というものは殆んどないと聞いております。日本はその逆でありまして、学校教育方面は相当國庫が補助いたしまして、病院とか衞生方面に対しましては國庫の補助が足らない。アメリカとあべこべになつておるということは私共といたしまして非常に遺憾に存じておるのであります。國民全体と申しますか、政府と申しますか、すべて衞生方面に対する從來の無関心であつた悪弊が今日のこつておるのである。閣議では相当この問題を強調いたしましたのでありますが、先程申しましたように、公的医療機関に対する二分の一補助を閣議決定し得なかつたことを誠に殘念に思いますが、せめて方針だけでもその中へ織込むことのできたことを先ず喜びといたしておるのであります。こうして置きますれば、方針だけ條文の中に入れて置きますれば、この次は我々厚生省といたしまして大藏省と折衝いたしまして、何とか二分の一補助というこを條文の中へ決めるように努力いたしまして、草葉さんの御心配になりますような衞生方面の施策が地方財政の負担にならざるよう國家においてできるだけそういう方面において補助といたしたい、手助けをいたしたいと考えるのであります。
第三の点は少しく聞き漏らしましたが、國立医療機関に対する認識等が足らんじないかという御意見であつたと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/85
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086・草葉隆圓
○草葉隆圓君 働いておる人達の指導ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/86
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087・竹田儀一
○國務大臣(竹田儀一君) これは今もここに來ますまで國立病院におられる患者同盟からいろんな陳情を聞いておつたのでありますが、その陳情の中にもそういうことの御趣旨の点があつたのであります。國立医療機関に働いておる人は、これは開業医と違いまして、何と申しますか、余程犠牲的精神を以ちまして、そうして全体的な國民医療に対する献身的な氣持でやつて呉れなければならんと思うのであります。そのことが実行できませんと、つい先程聞いておつたようないろんな陳情が現われて來るのであろうと思います。先般姫路へ参りましたときも、大阪へ参りましたときも、草葉君御指摘になつたような陳情を聞きまして、いろいろな示唆を受けることがあつたのでありますが、帰りまして直ちにそれぞれの調査をいたしましたけれども、実質的には左程の間違いはなかつたと思います。ただ國立医療機関に働いておる方々の、献身的に本当に親心を以て働くというような精神的面におきましては少しく欠けておるのでないか、かように思うのであります。こういう面につきましては、私共といたしまして御指摘の線に副いまして、どき得る限りひとつ親心を以て、そうしてこういう財政的に苦しいときでありますから、現実に直ぐ食糧、榮養等の支給品目等について特別の措置ができなくても、心からなる親切なる看護その他の治療に当ることができるよう指導いしたいと思います。これだけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/87
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088・草葉隆圓
○草葉隆圓君 ちよつと時間が過ぎておりまして甚だ恐縮ですが、実は昨日地方制度の方で、現在の地方税或いは地方財政という問題で証人を呼んでいろいろ聞きました中に、厚生省が一番困るという、それはもういろいろな意味において、これはどうしてもせんならんという圧迫を受ける、そうしてそれを地方廳に持つて來られて、紐附きで……極く僅かの紐附きで持つて來られる、あとは全部地方廳でやらんならんということが多い、それもよいでしよう。それもよいでしようが、結局これは誰が幸福するかというと縣民が幸福することになるのであります。それはやはり地方廳としてみると、財源も枯渇しておるのだから、本当に自発的にやらんならんことでも無理があると十分に行かない。結局この厚生行政というものについて財政的な無理が余りあつちや、やはりもう僅かなことだけしかできないのじやないか。それは実績が拠らないから……今後國家もいろいろ財政的な無理がありましようが、実際の指導については、府縣市町村等に精神的な面をもうちつと入れて、そうしてできるだけの財源をやつて頂くようにお願いしたい。
それから第二の國立医療機関の從事者関係におきましては、私は大変不十分だと思う。その不十分の一つは、やはり待遇とかそういうものをもう少し考えてやつて頂いて、そうしてその上にできるだけの十分さを持たせるという方法をとつて行かんならんのじやないか、それがもうどこへ参りましても、最近はむろそのことを先に言われて、又これが医療的な仕事をしておる人達の主張かと思われるような主張を、相当激越した方法で発表される。それは止むを得ない部面もありましようが、先ず生活の安定という線に成るべく近いような方法を一つ厚生省でとつて頂いて、その上にもう少し十分に精神的な面を持たせてやつて頂かないと、國立医療機関としての使命は私は達成し得ないのじやないか。今後この点を特にお願い申上げたいつもりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/88
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089・竹田儀一
○國務大臣(竹田儀一君) 承知しました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/89
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090・塚本重藏
○委員長(塚本重藏君) それでは午後二時まで休憩いたします。
午後零時五十四分休憩
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午後二時二分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/90
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091・塚本重藏
○委員長(塚本重藏君) では只今より再開いたします。健康保險法の一部を改正する法律案を議題に供します。御質疑のある方はどうぞ。……速記を止ゆて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/91
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092・塚本重藏
○委員長(塚本重藏君) 速記を始めて。御質疑も終了したようですから、これから討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。……御発言もないようですから、直ちに採決に入ります。健康保險法の一部を改正する法律案を原案通り可決することに賛成の方は起立を願います。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/92
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093・塚本重藏
○委員長(塚本重藏君) 全会一致と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決すべきものと決定いたしました。
次に本院規則第百四條による諸般の手続は、委員長に御一任願うことにして御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/93
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094・塚本重藏
○委員長(塚本重藏君) 御異議ないと認めます。それから本院規則第七十二條の規定によりまして、本案を可とされた方は順次御署名を願います。
〔多数意見者署名〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/94
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095・塚本重藏
○委員長(塚本重藏君) 署名漏れはございませんか。……署名漏れはないと認めます。
次にへい獸処理場等に関する法律案を議題に供します。速記を止めて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/95
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096・塚本重藏
○委員長(塚本重藏君) 速記を始めて、御質疑もないようでありますから、これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明かにしてお述べを願います。御発言はございませんか。……討論も別にないようですから、直ちに採決に入りますへい獸処理場等に関する法律案を原案通り可決することに賛成の方は起立を願います。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/96
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097・塚本重藏
○委員長(塚本重藏君) 全会一致と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決すべきものと決定いたしました。
次に本院規則第百四條によります諸般の手続は、委員長に御一任願うことにして御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/97
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098・塚本重藏
○委員長(塚本重藏君) 御異議ないと認めます。次に本院規則第七十二條によりまして、本案を可とされた方は順次御署名を願います。
〔多数意見者署名〕
次に温泉法案について御質疑のある方はお述べを願います。速記を止めて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/98
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099・塚本重藏
○委員長(塚本重藏君) 速記を始めて。本日はこれにて散会いたします。
午後三時十一分散会
出席者は左の通り
委員長 塚本 重藏君
理事
今泉 政喜君
谷口弥三郎君
宮城タマヨ君
委員
内村 清次君
河崎 ナツ君
中平常太郎君
三木 治朗君
草葉 隆圓君
中山 壽彦君
木内キヤウ君
小林 勝馬君
藤森 眞治君
井上なつゑ君
小杉 イ子君
姫井 伊介君
山下 義信君
國務大臣
厚 生 大 臣 竹田 儀一君
厚生政務次官 赤松 常子君
厚生事務官
(保險局長) 宮崎 太一君発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214237X01719480626/99
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