1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十三年三月二十五日(木曜日)
午前十一時五分開會
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本日の會議に付した事件
○證券取引法を改正する法律案
(内閣送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214365X01219480325/0
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001・黒田英雄
○委員長(黒田英雄君) これより委員會を開會いたします。本日は豫備審査のため本委員會に付されておりまする證券取引法を改正する法律案を先ず議題にいたしまして、政府から提案理由の説明を聽くことにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214365X01219480325/1
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002・阪田純雄
○政府委員(阪田純雄君) 豫備審査のため、本委員會に供託されました證券取引法改正法律案につきまして、提案の理由を御説明致します。昨年三月公布せられました證券取引法は證券取引委員會に關する規定のみ施行せられておるのでありますが、今般米國の證券法及び證券取引所に範を取り、證券業者及び證券取引所の免許制度に代える登録制度を採用する等證券取引法を徹底的に民主化すると共に、當初政令又は省令を以つて定めることを豫定していた事項中、主要なるものを法律に織り込む等、同法を全面的に改正いたしますため、ここに本法律案を提案することとなつた次第であります。
今回の改正の主なる點は、證券取引委員會の權限を強化いたしまして、これを行政官僚としたこと、有價證券の發行に關する届出制度に改正を加えましたこと、證券業者及び證券取引所の免許制度に代える登録制度といたしましたこと、新たに證券業者協會に關する規定を設けましたこと、證券取引所における有價證券の賣買取引に關する規定に改訂を加えましたこと等であります。以下改正の主要なる事項につきまして、逐次その大要を御説明いたしたいと存じます。
先ずその第一は、證券取引委員會の權限の強化に關するものであります。現在證券取引法の主務大臣は大藏大臣でありまして、證券取引委員會は證券取引法の施行に關する重要事項を独自の立場から調査審議する特別の機關として設けられておるのでありまするが、今回その性格及び權限に改正を加えまして、證券取引委員會を大藏大臣の所轄に属する行政官僚とし、證券取引法の施行に關する職權を全国的に且つ独立的に行なうこととしたのでありまして、委員會にはこの法律の施行に關して公益又は投資者保護のため、必要且つ適當な規則を制定する權限をも付與することにいたしますと共に、委員會の下部の機構といたしまして、その事務を擔當する事務局を設けることといたしましたのであります。
次にその第二は、有價證券の募集又は賣買しの届出に關する規定の改正であります。有價證券の届出制度は有價證券の發行に際して、その詳細且つ正確な資料を政府に提出させ、投資家に判断の資料を與え、容易且つ安全に證券投資ができるようにする制度でありまするが、この届出制度に關する規定の改正の主なるものを申上げますると、第一に、届出を要する有價證券の範囲につきましては、現在額面總額二十萬圓を超える株式又は社債の發行は、すべて政府に届け出ることになつておりますのを、今囘の改正に置きましては、募集又は賣買額面總額が五百萬圓以下のもので、その公衆に提供される範囲が限定されておりますことにより、届出が公益又は投資者保護の為必要でないと見とめられるものにつきましては、一定の條件の下に届出を要しないことと、いたしました。
第二に、届出の時期につきましては、現在は發行の際すべて届出を要することとなつておりますが、これを改め發行に際しまして、公衆に對して募集する者又は賣買そうとする者は、届出書が提出せられ、又その効力を生じていなければならないことに改めたのであります。第三に、届出義務者の範囲につきまして、現在届出義務者は取締役又は發起人の全員となつておりますのを、新たに發行者を届出義務者に加えることといたしました。その他届出募集又は賣買をなし得る時期を原則として延長し、届出書類の審査に愼重を期しますと共に、その時期について弾力性を持たしたこと、届出に關して民事責任を負うべき者の範囲を擴張いたしまして、届出書類の正確を期しますと共に、その責任を免除される場合を詳細に規定致しましたこと、有價證券の募集又は賣買に際しましては、必ず目論見書を作成させることとし、且つその使用の時期その他について制限規定を設けました。これに違反した場合においては損害賠償の責に任ぜしめることといたしたこと等がその主なるものであります。
その第三は、證券業者に關する規定の改正であります。改正の第一は、免許制度を廃止いたしまして、一定の要件を充足した者は證券取引委員會に登録することによつて營業を開始し得る登録制度に改めまして、營業の自由なる機會を與えた點であります。
第二に、銀行、信託會社その他の金融機關に顧客の注文を受けて、その計算において行なう場合又は投資の目的を以つて行なう場合等、特定の場合を除き證券業を營むことができないものといたしまして、證券業者の地位の確立を圖りました。
第三に、證券業者の純財産額に關しまして、政府がその最低額を指定するという制度を改めまして、證券業者の負債總額について一定の限度を定めることといたしました。即證券業者の負債總額のその營業用純資本額に對する比率は、二十倍の限度内において證券取引委員會が定める率を超えてはならないことにいたしまして、この面から證券業者の支拂能力又は財産經理の状況が常に良好な状態を保つように監督することといたしました。
第四に、證券業者の營業保證金について、その額を法律で定めることとし、且つ支店その他の營業所につきましても、營業保證金を供託させることに改め、その金額は本店については十萬圓、支店その他の營業所については營業所毎に五万圓といたしました。
第五に、證券業者が有價證券の賣買その他の取引をなす場合においては、顧客に對して一定の額以上の信用を供與してはならないということにいたしました。即ち現在の委託證據金の制度を擴張いたしまして、證券業者が有價證券の取引をなす場合においては、當該取引に係る有價證券の時價の四割五分以上の代金、證擔金又は手付金等を受取らなければ、取引をすることができないこととしたのであります。右の率は大藏大臣が金融市場並びに證券市場の状況その他一般經濟界の情勢に即應するように、證券取引委員會の意見に基いてさだめることとしたのでありまして、證券取引の健全性を保持し、過當投機の防止に質すると共に、金融の調整にも質することができるものと存ずる次第であります。
以上申上げました事項の外新たに有價證券の割賦賣買についての取締規定、顧客から委託を受け、又はその計算において自己の占有する證券の質入、又は貸付の制限に關する規定、有價證券の引受人になつた證券業者が當該有價證券を賣却する場合の信用供與に關する制度規定、及び證券業者の使用する外務員の取締に關する規定等を設けました。證券業者に關する規定の改正の主なるものは以上の通りでありまするが、證券業者の登録制度に伴い、業者の數は相當増加するものと見込まれておりまするが、證券業者に負荷せられました證券民主化の責任の重大性に鑑みまして、その自由且つ活發な活動を期待いたしますると共に、常に十分の監督を行ないまして、證券業者の資質、信用の向上を圖りたいと存ずる次第であります。
その第四は、證券業者協會に關する規定であります。證券業者が有價證券の取引の公正と投資者の保護とを目的として、證券業者協會を組織した場合におきましては、證券取引委員會に登録する制度を新たに設けました。即ち協會の民主的にして自治的な活動により、證券業者の不當な利得行為を防止いたしまして、取引の信義則を助長いたしますと共に、いわゆる場外市場における取引の公正を圖り、投資者の保護に質することを期待するものであります。尚證券業協會は共同目的を以て連合會を組織した場合におきましても、これを證券取引委員會に登録し得ることといたしました。
その第五は、證券取引所に關する規定の改正であります。先ず證券取引所の設立につきましても、證券業者の場合と同じように免許制度を登録制度に改め、登録は要件充足主義と致しまして、これと共に現在全國を數地區に分け、各地區についれ一つの取引所に限りこれを設立し得ることになつておりました。今囘この地區制度を撤廢することにいたしました。從つて今後全國に相當數の證券取引所が設立されるものと豫想されるのでありまするが、民主的な組織により自由且つ活撥な活動を助長する一方、その經濟界全般に及ぼす影響に鑑みまして、その監督には遺憾なきを期する所存であります。
次に取引所の會員の純財産額の最低額及びに會員信認金の額は現在政府が指定することになつておりますのを、自主的に定款を以て定めることに改めました。
次に取引所における有價證券の上場につきましては、現在は證券取引所から政府に届け出た後十日を經た日からこれをなし得ることになつておりまするが、今囘これを改めまして、當該有價證券の發行者の申請に基いて證券取引所の登録された銘柄のものに限り、これを上場することができるものとし、上場については、發行者の意思を尊重することといたいたのであります。尤もこれには特定の場合に限り發行者の申請を待たずして上場し得る規定、並びにこの法律施行の日から六ヶ月限り、右の手續を經たないで上場し得る經過規定党の例外があります。
次に會員のなす賣買のその他の取引について、暇装賣買、馴合賣買、相場操縦、過當投機の取締等の規定を設けますると共に、證券取引委員會が空賣又は逆指値注文を制限し得る規定を設けまして、有價證券市場における取引の公正を期することといたした次第であります。
その第六としては、以上申述べましたものの外、會社の役員又は主要株主が當該株式の賣付け後六ヶ月以内の買付付した場合におきまして、その利益を會社に提供せしめる規定並びにこれらのものの空賣の制度に關する規定を設けまして、役員又は主要株主がその職務又は地位により取得した秘密を不當に利用することを防止することといたしました。
最後に罰則につきましては、今般證券取引法を徹底的に自治的性格のものに改正します反面、罰則全般に瓦り整備強化をしまして、この法律の施行について遺憾なきを期することといたしました。以上を以ちまして證券取引法改正法律案について、その大要を御説明いたした次第であります。
財閥の解體、私的独占の禁止、過度の經濟力の排除等、經濟民主化が實施の段階に入り、且つ企業並びに金融機關の再建整備の進行に伴う資金需要が急激に増加するものと認められまする最近の情勢に顧みまして、證券取引法の改正整備により有價證券取引の公正その流通の圓滑を圖り、證券の民主化に資することは重大なる義務であるものと存じます。政府といたしましてはこの法律案が一日も速やかに、成立することを希望する次第であります。何とぞ速やかに御審議の上御賛成あらんことを切望いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214365X01219480325/2
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003・黒田英雄
○委員長(黒田英雄君) この法案につきまして、御質疑のおありの方は、御質疑得を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214365X01219480325/3
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004・山田佐一
○山田佐一君 これで取引所というものはお凡そ全國にどのくらいできるおつもりですか、これは届出されすれば直きに許すのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214365X01219480325/4
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005・阪田純雄
○政府委員(阪田純雄君) 只今提案理由で申上げましたように、取引所につきましては、從來は免許制度であつたわけであります。今般の改正法律案につきましては、その免許制度を改めまして、登録制度に切替えたわけでありまして、取引所を設立しようとします場合は、證券業者が一定の書類によりまして、證券取引委員會に登録の申請をすることに相成るのです。從いたまして、その登録の場合におきましては、法律に明定してありまする要件に背反しない、つまりその要件を充足しております場合は登録されることに相成ります、從いまして從來と違いまして、相當數の取引所が全國にできる。こういうことに相成ると存ずるのでありますが、一方におきまして取引所の設立いたしますためには、やはり有價證券の流通或いはその地方における賣買というものが相當程度に發達しておりませんならば、取引所を假りに設立いたしましても、何らの實用がない。こういうことに相成りますると、取引所自身がやり得ない。こういう状況にあります。と同時に、反面におきましては、證券業者に對しまする問題につきましても、登録制度でありまして、相當數の證券業者ができるわけでありまするが、その商いにつきましは純資産の最低額の制限と關係というものがありますし、同時にそれらに對しまする監督につきましても、この法律には特に明文を置きまして、單に中央においてのみならず、財務局をして監督せしめ、財務局をしてこの事務の一部を實施せしめる、こういつた規定を置いております。理論上から言いますならば、幾つもできるということに相成りますが、實際問題といたしまして、やたらに取引上が濫設される、こういうことはもとより適當ではありませんし、同時にそういうことに相成らんように方策を講じたい。こう考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214365X01219480325/5
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006・山田佐一
○山田佐一君 引續きもう一編、假定的ですけれども、結局現在ある取引所は六大都市ぐらいですね。こうなりましたならば、各縣一個ぐらいずつはできますから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214365X01219480325/6
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007・阪田純雄
○政府委員(阪田純雄君) その點につきましては、只今申上げましたように、有價證券の所在並びにその流通、こういう問題がありますので、それが相當程度ありまする所には取引所ができて参りまするが、御承知のやうに有價證券につきましても、證券民主化その他の一連の施策によりまして、相當程度普及されてはおりまするが、併し縣といいましても、所によりましては、有價證券業者それ自體が非常に閑散だ、こういう所もあります。その點につきましては、各縣毎に一つに相成ることにはならんと私は考えております発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214365X01219480325/7
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008・山田佐一
○山田佐一君 各縣一つというのは、均一には行かんでしよう。現物問屋というのが各縣に今日すでにある。有價證券の現物問屋かあるということになつて参りますと、それ相當の所に一つずつくらい作つた方が、却つて弊害が少ないのでないかと思う。この法律が出てからの今後の問題ですが、一般は取引所というものが今の六大都市くらいよりできんものだという觀念を持つておりますが、この法令が出ますと、私は愛知縣ですが、愛知縣にも二つや三つできるような氣がする。各縣どころでない。愛知縣のごときは二つ三つできてもいような氣しますが、どんなお見込みですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214365X01219480325/8
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009・阪田純雄
○政府委員(阪田純雄君) 理論的に申上げますると、只今も申し上げましたように必要なところにはどこでも置けることに相成ります。一つ縣内におきましても、その實際上の必要があり、そうしてできました場合にそれが適正に運營されると、こういうことに相成りまするならば、理論的に申しまするならば、各縣に幾つもの取引所を置いてもいい、こういうふうに相成ります。實際問題としまして、それがどういうふうに動くかということは、おのずから別の問題であります。やはり取引所をお考えなりまするということに相成りましても、それが投資家の保護になり、或いは有價證券業者自體がそれで立つて行く、或いは取引所の必要もある、こういうことに相成りませんと、理論的には澤山できるが、必ずしもさようにはならん、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214365X01219480325/9
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010・星一
○星一君 今まで證券賣買所とか言われるものが各小さな町にありましね。證券を賣買する賣買所、そういうものがあつたように思いましたが、あれは今度どういうことになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214365X01219480325/10
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011・阪田純雄
○政府委員(阪田純雄君) 只今お話の證券の賣買所と申しますのは、いわゆる有價證券業者、こういうふうに考えます。現在の有價證券業者に付きましては、有價證券業取締法に基きまして、免許營業になつておりまして、政府の免許を受けまして、有價證券の賣買をやつておるわけであります。それは新法が出ました場合におきましては、新法によりまする營業者といたしまして、その仕事を存續できる、こういうことにあいなります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214365X01219480325/11
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012・星一
○星一君 山田委員からも質疑されたように、この明文によつて行くと「國民經濟の適切な運營及び投資者の保護に資するため」とありますから、私は日本に證券取引所が二百や三百あつてもいいのじやないかと思います。日本には銀行は、僅か七十ぐらいしかありません。併し支店があります。アメリカでは銀行というものは一萬五、六千以上あります。恐らくは、小さいのを合わせると二萬以上あります。日本には、銀行はたつた七十くらいしかない。ただ支店だけがあるのでございますから、そこでこの銀行の少ない日本においては、こういう證券取引所を各地方に澤山作ることが、私はこの國民經濟の適切なる運營及び投資者の保護なんということについて、いいことじやなかろうかと思います。その點はどのようなものでございましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214365X01219480325/12
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013・阪田純雄
○政府委員(阪田純雄君) 證券業者につきましては、只今申上げましたように、從來政府の免許營業になつておおります。全國にその數は約五百五十社ばかりでございます。現在新たに有價證券業者になりまする申請が相當提出されておりまして、當局といたしましては、新法の改正法律案の精神に鑑みまして、でき得る限りスムースにこれを許すことにいたしたいと思います。結構であると考えますることは、證券民主化その他の關係によりまして、地方におきまする相當信用のありまする方方が有價證券業に進出されて参つたことは、その申請書に顕著に現れておる次第でございます。取引所につきましては、有價證券の關係は、從來は全國に八ヶ所あつた次第でございます。現在におきましては、取引所と稱するものがないということは、御承知に通りであります。先程申上げましたように、理論的には、取引所と申しますものは登録要件充足主義によりまして相當設けられて参ります。お話のありました通り、この第一條の「國民經濟の適切な運営及び投資者の保護に質する為、有價證券の発行及び賣買その他の取引を公正ならしめ且つ、有價證券の流通を圓滑ならしめることを目的とする。」有價證券に付きましては、もとより流通性ということが重要なポイントであります。取引所の設置につきましては、登録主義によりまして、必要でありまする所にこれが設けられて行く、こういう筋合いに相成るもとの思います。ただそれが非常に鑑設されました場合には、お互いの取引所、或いはそれを構成いたしまする有價證券業者がやつて行けない。こういうような事態が起こり、その結果無理なる營業をする。こういうことに相成りますると、逆に國民經濟の適切な運營にマイナスになる。こういうやうなことも考えられます。但し、法律の建前としましては、有價證券業者が登録によりまして要件を充足いたしました以上は、これを證券取引委員會に登録いたしまして取引所が設立し得ると、こういうことに相成つておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214365X01219480325/13
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014・星一
○星一君 私はこの證券取引所というものを、國内的のものと國際的のものと二つにされて行くものと思います。全く國内的のものと、國際的に外國人の注文も賣買もできるということに、二つに分かれると思いますが、その國際的のものは、東京なり大阪なりという所へ黙つていても集中すると思う。その外の國内的のものは、小さくしてちやんと經濟的に立つて行くものならば、私はもう二百も三百も作ることがよいことじやないかと思うのです。それと、むしろ今は證券賣買所というものがなくなつて、そうしてこの證券取引所になつて、國民經濟の適正なる運營、それから貢献をなすと思いますが、これがいわゆる民主化の經濟になると思ひますから、どうも澤山許す方がよいじやないかと思ひますが、どうでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214365X01219480325/14
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015・阪田純雄
○政府委員(阪田純雄君) 從來におきましても取引所が御承知のようにあつたわけでありまするが、この取引所の成立いたしますることは、國民の證券に關しまする知識が相當程度發達いたしておりますることと、それと同時にこれを扱いまする有價證券業者がありますることと、こういうことが必要でありますると同時に、更に遡つて参りまするところの經濟の實體そのものが十分しつかりいたしておる。言葉を換えて申しまするならば、産業關係その他の諸會社が地方に相當ありまして、いわゆる地方株、こういうものも相當出て参ります。もとより中央的な株はある。こういうことが必要であるわけであります。從いまして大阪、東京というところの取引所を考えて参りますると、これはやはり中央株が主體になつて参る。併し地方産業が相當振興されまして、そうしてそれらに關しまする會社の株券或いは社債券といつたものが、地方におきましても相當流通される、こういうことに相成りますと、すでに地方におきまして、中央株ばかりでなく、その地方に非常に縁故のあります株式につきまして、一般投資者もこれを持ち、有價證券業者も扱い、そうしてそれらを上場いたしますところの地方的な取引所、こういうものもできるわけであります。勿論その取引所におきましても扱う次第でありますが、要するに、取引所が地方の各地におきまして、どういうふうになつて参るかと申します點は、單に有價證券それ自體だけの問題でありませんで、その本をなします日本の産業經濟の進展、或いは一般の方々の有價證券に對する認識、有價證券業者のいろいろの扱い、こういうようなことが綜合されまして、できるべきときには必然的に取引所というものができる。又それにつきましては申上げましたように今度の改正法律案におきましては、免許制度を、要件を充足いたしましたものついて登録することに相成つたことと存ずる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214365X01219480325/15
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016・黒田英雄
○委員長(黒田英雄君) 今日はこの程度にして、これは非常に廣汎なものでありますから、一應政府提案の説明を聞きましたが、十分御研究願つて、明日委員會を開いて質疑を續行いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214365X01219480325/16
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017・松嶋喜作
○松嶋喜作君 それでは質問は明日に保留いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214365X01219480325/17
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018・黒田英雄
○委員長(黒田英雄君) 所得税の方もありますが、参議院の方で今審議をやつておるそうですから、これも明日にいたしたいと思いますから、本日はこの程度で委員會を散會いたしたいと思います。
午前十一時四十四分散會
出席者は左の通り。
委員長 黒田 英雄君
理事
森下 政一君
伊藤 保平君
委員
玉屋 喜章君
西川甚五郎君
松嶋 喜作君
山田 佐一君
深川タマヱ君
星 一君
石川 準吉君
小林米三郎君
小宮山常吉君
渡邊 甚吉君
中西 功君
川上 嘉君
政府委員
大藏事務官
(證券局設立
準備委員長) 阪田 純雄君発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100214365X01219480325/18
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