1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十四年十一月二十二日(火曜
日)
午後二時五分開会
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本日の会議に付した事件
○住宅営団法を廃止する等の法律案
(内閣提出・衆議院送付)
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001・石坂豊一
○委員長(石坂豊一君) 只今より建設委員会を開会いたします。住宅営団法を廃止する等の法律案を議題に供します。速記を止めて下さい。
午後二時六分速記中止
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午後二時二十四分速記開始発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/1
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002・石坂豊一
○委員長(石坂豊一君) それでは速記を始めて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/2
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003・堀込聰夫
○説明員(堀込聰夫君) 大蔵大臣の方から提出しました表の大体の御説明を申上げます。
一番大きい表がございますが、これが住宅営団の閉鎖日現在と、それから先程課長からお話がありました指定業務の解除せられた現在とそれから二十四年八月二十五日現在の貸借対照表を比較した表でございます。左方の方にありますのが資産勘定でありまして、第一欄が閉鎖日現在。第二欄の(B)が指定業務解除日現在。その次の欄の(A)、(B)の増減がその間の増減。その次が八月二十五日(C)の欄でございますが、八月二十五日現在の資産の内容。その次の欄が指定業務解除日から八月二十五日までの資産内容の変化でございます。その次の欄が閉鎖日現在から八月二十五日までの資産の処分がどれだけ進んだかという数字をパーセンテージで現わしたものでございます。その次の欄が八月二十五日に残つた資産は数字上はこういう資産になつておるけれども、これを実際に換価した場合にどれだけのキヤツシユになる見込みになるかという数字でございます。尚閉鎖日現在(A)の欄に三角印がしてございますが、これは帳簿上のみ残つておる資産科目でありまして、実際上は不良資産と申しますが、ないも同じというようなものでございます。それから三番目の「(A)、(B)の増減」の欄に三角印があるのはこれはマイナスを示したものでございます。
次に負債の方に参りまして右側の表でございますが、これもやはり閉鎖日と指定業務解除日現在と二十五年八月二十五日現在とをそれぞれ比較してございます。最後から二番目の欄は負債の弁済をどれだけしたかのパーセンテージを示したものであります。
尚最後の欄にございます要支拂額は今後どれだけ拂わなければならないかという数字でございます。ここには資本金の欄並びに債券発行額の欄を零にしてございます。これはそこの数字を御覧頂けば分るように、資産の方が現在換価見込額が左側の最後の数字にございます七億七千万円でありまして、要支拂額が資本金並びに社債を除きまして六億二千万円でございますので、これに資本金並びに社債を加えますと一億八千万円の赤字になるわけであります。今後清算費用を要しますので、この清算費用を加えますと現状におきましては資本金に対しましては残余財産の分配は見込はありませんし、社債につきましても相当額は大部分は住宅営団自身の能力を以ては弁済困難であろうというような数字になつておるわけであります。貸借対照表はこういうふうになつております。
尚もう一つこういう半分の紙に比較損益計算書というのがありますが、これが閉鎖日の十二月二十三日から指定業務解除日四月一日までの損益計算書と、それから二十二年四月一日の指定業務解除日から昭和二十四年八月二十五日までのそれぞれの期間の損益計算書を数字で現わしたものでございます。そこに出ておりますように、二十二年四月一日現在における損益計算書におきましては二千三百万円の利益でありまして、二十四年八月二十五日を以て終ります。事業年度におきましては、二億二千万円の赤字ということになつているわけでございます。以上で終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/3
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004・堀末治
○堀末治君 今のこの貸借損益計算書のあれから見ても二億二千七百万円損になつているのですね。二億二千七百万円の損になつているこれが賃借対照とどういう関係になりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/4
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005・堀込聰夫
○説明員(堀込聰夫君) そちらの方の四番目の欄に当期損失金というのがございます。これはこれと一致するわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/5
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006・堀末治
○堀末治君 そうしてこの外にまだこれから後大分損が立つわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/6
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007・堀込聰夫
○説明員(堀込聰夫君) それは清算の関係で相当清算費用がまだかかるものですから、その関係の損は当然見なければならんわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/7
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008・堀末治
○堀末治君 これから後要するに清算までにどれくらいの損が立つ予定ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/8
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009・堀込聰夫
○説明員(堀込聰夫君) 今大体大蔵省の主計局の方に出してあります予算では、一億七千万円という予算になつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/9
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010・堀末治
○堀末治君 そうすると四億になるな。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/10
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011・堀込聰夫
○説明員(堀込聰夫君) 現在は一億八千万円、大体一億八千万円くらいの赤字ですから三億五千万円になる。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/11
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012・堀末治
○堀末治君 併し二億二千七百万円になるのじやないか、今のやつは……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/12
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013・堀込聰夫
○説明員(堀込聰夫君) それはその期の損失でございまして、実際の損失は最後の換価額という欄ですね、この期の損失は二億二千七百万円ですけれども最後の欄に換価額という大きい表がございますが、換価額という欄がございます。これは現在残つている資産はこの程度に換価できるという見込みで左側のこれが現在残つている資産を換価すればこれだけになるという見込なんです。一方負債の方は最後の欄の要支拂額それと比較して見れば、これが実際の赤字ということになるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/13
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014・堀末治
○堀末治君 六億二千万円ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/14
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015・堀込聰夫
○説明員(堀込聰夫君) ですけれども先程の御説明で申上げましたように六億二千万円には資本金と社債を実は零にして計算してありますものですから、それを加えなければ本当の赤字は出ないことになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/15
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016・堀末治
○堀末治君 それはざつと一億五千万円出て來るな。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/16
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017・堀込聰夫
○説明員(堀込聰夫君) 一億八千万円であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/17
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018・堀末治
○堀末治君 六億二千万円ですね。こちらが七億七千六百万円だから、それから六億二千万円引かなければならん。そうすると一億五千万円ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/18
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019・堀込聰夫
○説明員(堀込聰夫君) それに対して社債が二億三千五百万円であります。それから資本金が一億でございますから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/19
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020・堀末治
○堀末治君 これだけは今言つた二億三千五百万円ある。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/20
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021・堀込聰夫
○説明員(堀込聰夫君) そうであります。そうすると本当の赤字は……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/21
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022・堀末治
○堀末治君 一億五千万円、これに二億二千七百万円加えなければならん。そうでしよう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/22
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023・堀込聰夫
○説明員(堀込聰夫君) 六億二千万円に三億三千五百万円加えて貰えばいい、資本金と社債を合せますと、三億三千五百万円ですから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/23
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024・堀末治
○堀末治君 それを加えますと、九億五千五百万円になりますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/24
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025・堀込聰夫
○説明員(堀込聰夫君) そうです、支拂を要するものがですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/25
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026・堀末治
○堀末治君 それが九億五千五百万円ですから、それに比較しますと一億八千万円のマイナスになる。それに持つていつて予め立つている損が二億二千七百万円……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/26
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027・堀込聰夫
○説明員(堀込聰夫君) それは計算に入れないで考えてよろしいわけです。換価額という欄がありますが、これは現在残つておる本当の正味の資産をキヤツシユにすればこれだけあるというわけです。これはキヤツシユのものと考えていいわけです。一万はそれだけ支払うものがあるから差額が赤になる、それが一億八千万円になる。現在の正味資産をキヤツシユに直した場合と、それから売買金額を比較しました場合に。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/27
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028・堀末治
○堀末治君 換価額は七億七千一百万円でしよう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/28
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029・堀込聰夫
○説明員(堀込聰夫君) 現在の資産を現金に換えますと七億七千一百万円です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/29
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030・堀末治
○堀末治君 この外に整理の費用が要るわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/30
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031・堀込聰夫
○説明員(堀込聰夫君) 清算の費用が要る。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/31
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032・堀末治
○堀末治君 凡そどのくらいかかる。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/32
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033・堀込聰夫
○説明員(堀込聰夫君) 一億七千万円。これは予想ですから資産が早く処分できればもつと少くて済むわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/33
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034・堀末治
○堀末治君 いつまで済まそうというわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/34
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035・堀込聰夫
○説明員(堀込聰夫君) それは大体法案に出してありますのは、昭和二十六年の三月末までですけれども、実際はそれ以上に早くなれば。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/35
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036・堀末治
○堀末治君 来年の三月。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/36
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037・堀込聰夫
○説明員(堀込聰夫君) 再来年になります。二十六年の三月ですから、その前に済めばもつと費用は少くて済む。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/37
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038・堀末治
○堀末治君 これをあとで詳しく見れば仕事の状況がよく分るですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/38
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039・石坂豊一
○委員長(石坂豊一君) 如何ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/39
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040・堀末治
○堀末治君 結構です。要するに再来年の通常国会でこの赤字の尻拭いが出て来るわけだね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/40
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041・岩崎正三郎
○岩崎正三郎君 結局これは一万八千戸、この住宅を適当に処分すれば相当赤字はなくなるというわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/41
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042・堀込聰夫
○説明員(堀込聰夫君) そういうわけでなくて、現在ある住宅を相当な適正な方法で換価してそれだけの赤字になるというわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/42
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043・岩崎正三郎
○岩崎正三郎君 それを仮に競売して、時価並に適当にできればその赤字はどうなるです、減るわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/43
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044・神代護忠
○説明員(神代護忠君) 今の御質問にお答えいたしますが、先程来御説明申上げましたように、住宅営団のあと残つておる建物を競売にして高く売つたらば、この赤字がなくなるではないかということは、御尢もなことでございますが、併し先程御説明申上げましたように、果してこれらの住宅を競売にして高く売つた方がいいか。これは一応ただ清算という面からだけ申上げますと、成程それもいいかとも思いますが、併し競売に売つたら果して高く売れるかということは先ず問題でございます。御承知のように、只今これらの住宅は全部人が入つておるわけでございますから、これを競売にした場合に果して高く売れるか。評価の点から申しましても、御承知のように現在人の入つておる住宅を評価した場合には、決してその評価は、我々が考えて一般に人が入つていない住宅を買うと同じような評価は到底出て来ないのでありまして、競売にしたからといつて必らずしも高くは売れない。それでは競売にした場合に如何なる社会的な影響があるか。これは或る意味では非常に大きな社会的影響があるのではないかと思います。そこでどうしてもこれは競売にしても、利益もそう上らないし、徒らに社会的不安を惹起するだけでありますので、先程お話し申上げましたように競売ということは極力これを避けてね地方公共団体に対してこの買取方を慫慂いたしまして、飽くまで社会不安を起さないように、尚且つ住宅の処分を幾らかでも有利にし得るようにという方針で今後も行きたいと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/44
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045・岩崎正三郎
○岩崎正三郎君 そうすると、とにかくそれだけの家屋を整理委員会が、その家屋がなくなるまでまあ整理しているわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/45
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046・神代護忠
○説明員(神代護忠君) 住宅営団の処分は只今閉鎖機関整理委員会というのが、これは專らこの事務的な管掌をいたしておるわけでありまして、処分が完了するまでは閉鎖機関整理委員会の管轄の下にあるわけであります。但しこれが将来うまく地方公共団体にでも処分できれば、その契約が成り立つた時に閉鎖機関整理委員会の手から離れて、その買受先の方に行くわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/46
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047・岩崎正三郎
○岩崎正三郎君 今のところ現状においてはあなた方のお考えの希望とは甚だ遠い現状ですね。公共団体が買上げるなんてことはちよつと考えられないことでしよう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/47
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048・神代護忠
○説明員(神代護忠君) 私の方といたしましては、鋭意地方公共団体と交渉いたしておりまして、只今までのところでは、その最も大部分を占めております東京の残りの住宅というものに対しましては、東京都と閉鎖機関整理委員会と、並びに大蔵省、建設省との間に種々折衝いたしました結果、東京都においてこれを買受ける段階にまで至つておりますので、若しこれがうまく契約が成り立ちますれば、或いは神奈川その他の地区においてもそういつたような方針で公共団体が引受けて呉れるのではないかと予想しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/48
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049・岩崎正三郎
○岩崎正三郎君 成る程勿論公共団体にそれだけ金がなかろうから、政府から融資として買わせるというようなことになるんでしようかな。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/49
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050・神代護忠
○説明員(神代護忠君) 地方公共団体に買わせる場合に一番むずかしい問題は、只今御指摘になりましたように、公共団体の財政状況が非常によくございませんので、若しも財政状況を緩和するような方法を講じて貰えば或いは何とか行くのではないか。そこで東京都の場合におきましては、東京都が都債を発行するような運びを付けまして、今のところでは地方債を発行いたしまして、これによつて買受けるというような段階に参つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/50
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051・岩崎正三郎
○岩崎正三郎君 結局赤字が出たのを何で補填しようというのですか、一般会計から入れるというわけなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/51
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052・神代護忠
○説明員(神代護忠君) その赤字をどうするかという問題でございますが、これは閉鎖機関の特殊清算方式につきましては、閉鎖機関令その他の債務弁済の省令といつたようなものがございまして、一応の順位に従つて債務弁済をして行くということになつております。その弁済の順位というのは先ず第一に公租公課を拂いまして、その次に職員の退職金その他の請求権、それからその前に担保附債権は勿論入つております。それから後に一般債権が入つて来るわけでありまして、若し住宅営団の清算が非常に惡く行つた場合には、この一般債権も打切らなくてはならなくなるような事態も起るわけでありますが、一応閉鎖関整理委員会並びに我々の見通していたしましては、一般債権はどうやら一〇〇%還るのではないかと、これは只今でも一応そういう見通しをつけております。ただ問題になりますのは先程数字のときに御説明申上げました二億三千万円余の営団債の返済でございますが、この営団債の返済は御承知のように住宅営団法に基きまして住宅営団の債券は元本の償還並びに利息の支拂については保証をいたすことになつております。而もこの保証條項は戰時補償特別措置法の施行規則におけましてそのまま存続することになつておりますので、この二億三千余万円の営団債に対する政府補償というものは、これはやらなくてはならん段階にあるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/52
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053・堀末治
○堀末治君 この換価額の内容を一つこれで説明して呉れませんか。貸付金が四月一日の分が百八十九万六千何ぼありますね、それを評価して換価額が五万円かになつておるのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/53
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054・神代護忠
○説明員(神代護忠君) 只今の御質問についての御説明はこちらに閉鎖機関整理委員会の住宅営団関係の整理担当官が参つておりますので、そちらの方から詳しく御説明いたすことにいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/54
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055・溝口敏麿
○説明員(溝口敏麿君) 閉鎖機関整理委員会常務委員の溝口でございます。只今御質問の換価の見通しでございますが、一番上の貸付金は昭和二十四年八月二十五日現在五万円ございまして、これが残高でございます。この五万円は全額回收入見込のつもりでございます。そこで換価額として五万円同じ金額を挙げております。それから仮拂、未収入と各金額が二十四年八月二十五日現在と、それから換価額の残とを見合わせまして、只今の見通しで以てこのくらいの回収はできる、或いは資産につきましてはこれくらいの値段でこれくらいまでには売れるというような見込み額を換価して出してあるわけでございます。結局この八月二十五日現在と換価額との開きもございまするし、或いは損になるか得になりますか、こういう関係でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/55
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056・堀末治
○堀末治君 仮拂金並びに未收入金でしたね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/56
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057・溝口敏麿
○説明員(溝口敏麿君) こういうものは貸倒れがございますし、それから回收のできないものがありますのでこのくらい大丈夫取れるという見込みで以て換価額を出しておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/57
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058・堀末治
○堀末治君 仮拂金というのは主として何ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/58
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059・俵惠一郎
○説明員(俵惠一郎君) ちよつと私から補足的な御説明を申上げます。この資産の一部で一番問題になりますのは、今御指摘の仮拂金、貸付金、未收入金、それから営業用不動産、その次の業務用不動産、分譲住宅並びに在庫資材だろうと思いますが、仮拂金と申しますのは大体当時の前渡金、それがなかなか回收がむずかしいのは、業者が途中で仕掛けた住宅を止めたり打切つたりしたものがございますので、反対債権を持つておりまして、支給資材の清算とか、いわゆる当時の打切りによる損害賠償等ができませんために、この仮拂の清算が非常に遅れております。それから未收入金の方は、家賃收入と分譲益金の收入でございまして、これは閉鎖後も実施しません関係上、家賃等も相当滞納がございますが、閉鎖機関から余りよく聞いておらないのであります。
それからその次の一番問題になつておりますのは営業用不動産でございますが、これは大体先程御説明があつたと思いますが、売ります場合には大蔵省並びに建設省、それから不動産の鑑定としての勧業銀行等の御協力を得まして、処分促進委員会というものを二十二年十一月までに作りまして、それの査定に基きまして鉄筋のアパートにつきましては三千円から六千六百円まで、それから同潤会が建てました二十年経過しておりますところの建物につきましては坪当り八百円、それから十六年度型につきましては坪当り千六百円、十七年度型が千四百八十円、十八年度型が一千百円、十九年の応工型と申しますのは八百円、二十年度の応急簡易型が六百円、二十一年度にやや本格的に建てましたのが坪当り千五百円、その他の移築が坪当り八百円、こういう中央における促進委員会の評価に基きましてこれを各地方に又各県別に大蔵省の勧業銀行の支店とそれから建設省の出張所、それに営団の清算担当者が加わりまして、地方の小委員会というものを設けましてこの基準から二割前後の上下を一々見まして査定替をいたしまして、それに基いて売つておりますので、この営業用不動産が大体あとで閉鎖整理をいたしました結果、土地を含めまして八億八千万円になつておるのでございますが、それを実際処分いたします場合には即金で一時拂のものには一割を引いておりますし、公共団体等につきましてはまとまりますために割引きをいたしておりますので、現在ではこれが約一億八千万円が切れまして七億ぐらいの売上げになろうという見込を立てております。それから在庫資材の点でありますがこれは閉鎖時二億一千二百万円ございまして、尚八九%処分いたしておりますが、これについては六千万円の黒字になつております。これは公定価格等も数次に亙つて改訂がございましたのを六千万円に売るということはちよつと意外にお考えになるかと思うのでありますが、これは在庫資材のうち一般費材並びに駅止場から先にございます木材で直ぐ使いますもの等は、約一億円を閉鎖後に建設省の方でお引取を願いまして、それはその当時の公定価格で以て出したのでありますが、実はあと約九千万円は木材に相成つておりますが、その木材が営団の資産に入りました経路は、御承知かと存じますが、終戰直後に二十年度事業といたしまして、先程換価額の問題がございましたが、三十万戸の復興対策としての応急簡易住宅を建てました時に、約これに要します木材が七百五十万石と見込まれたのでございますが、その当時この木材の輸送が非常に困難でございましたので、日本から枠で約二百万石を頂戴したのでありますが、実はこの中に現在残つております凡そ百万石の木材を含んでおつたのでございます。これは戰時中の山止場から奥に入りました伐倒材が大部分でございまして、これを伐り出すためには橋を架けて家を造らなければ出て参りませんので、換価が非常に遅れておりまして、終戰後営団の存続中もこれを運び出すことが困難な状態のままで閉鎖になりましたので、これを処分することが非常に困難でございまして、それに加えまして東北地方並びに紀州に水害を受けたりいたしましたし、又閉鎖後の燃料等の事情で木材も相当盗難に遭つたこともございまして、二億円のうちの約半数が主要木材を非常に含んでおつたために資材としての処分益が出ないという状態になつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/59
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060・堀末治
○堀末治君 ちよつとお尋ねいたしますが、今の在庫資材は一千二百万円の換価になるわけですか。この数字で見ると。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/60
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061・俵惠一郎
○説明員(俵惠一郎君) 片方の損益計算書の報告を御覧下さいますと現在千九百万円残つておるわけであります。在庫資材が八月二十五日現在一千九百九十九万円、これは不足材でございますし、又先程申しました水害等を受けたものがこのバランス・シートの方で落してございませんので、それを見込んでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/61
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062・堀末治
○堀末治君 それから営業用不動産、これは一億一千三百万円になるわけですね。これは殖えるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/62
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063・溝口敏麿
○説明員(溝口敏麿君) ちよつと御説明いたします。これは換価と申します額でございますが昭和二十年八月二十五日千五百万円になつておりますが、結局最後にはこのくらいの金になる收支の関係も見ておりますので……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/63
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064・堀末治
○堀末治君 あなたの説明は違いますよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/64
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065・細川嘉六
○細川嘉六君 二、三質問したいのですが、比較益損計算書の中の給料の項目で、昭和二十二年四月一日から二十四年九月二十五日の間に二億三千六百余万円が支出されておりまするが、これの明細はどうなつておるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/65
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066・俵惠一郎
○説明員(俵惠一郎君) 住宅営団が閉鎖されました二十一年の十二月には職員が労務者を加えまして五千三百六十三人おりましたのであります。それが今年の十月末のでで三百四十六人に減つております。完全閉鎖によりました二十二年の四月一日が千四百八十二人でございます。それで現在までに三百四十六人でございますから、千百四十人ばかりを三、四十ケ月には月平均三十人ぐらいずつで減員いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/66
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067・細川嘉六
○細川嘉六君 この支出は一人平均いくらぐらいに支出されておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/67
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068・俵惠一郎
○説明員(俵惠一郎君) それは閉鎖時並びにその後の給料表を持つて参つておりませんが、すべてを閉鎖と同時に閉鎖機関整理委員会の職員になりましたので、それらの本部の方のベースと同じに給与の改善がございますと、やはりそれに沿つて上げて頂いておりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/68
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069・溝口敏麿
○説明員(溝口敏麿君) お答え申上げます。只今の給与は政府の六千三百七円ベースを基準にいたしまして、大蔵省で以て査定されました金額でございますが、委員会におきましては、今申上げました基準によりまして算定された平均額が、一万四千九十二円でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/69
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070・細川嘉六
○細川嘉六君 これは実際に確実に手渡されたものでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/70
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071・俵惠一郎
○説明員(俵惠一郎君) さようでございます。但し只今申上げましたように平均額でございます。総平均が一万四千九十二円でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/71
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072・細川嘉六
○細川嘉六君 旅費の項目についてお伺いしますが、同じ期間に二千五百七十三万円余が支出されておりますが、それは幾人の人がどういうことのために使われたのであるか、その点はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/72
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073・俵惠一郎
○説明員(俵惠一郎君) 先程申上げました完全閉鎖になりました時の千四百八十二人が、現在三百四十六人になりますために順々に毎月人員を減らしておりますが、御承知のように住宅営団の処分住宅は別途にございますが、青森県の端から鹿兒島県の果までございまして、個々に清算事務所と申しますものを仙台、名古屋、大阪、高松、広島、福岡に持つておりまして、それの枝葉になります出張所を各県に持つております。それが全部各県にそれらの人員が散らばつておりまして、処分住宅、賃貸住宅の六万三千余戸を、住宅営団の住宅は、実は初めは売るために建てられなかつたものでありまするから、中には八軒長屋等ございまして、これを坪数に直しますと大体十坪平均といたしまして六万三千余戸は六十四万坪でございますが、これに要しまする敷地は大体三十坪平均といたしまして二百万坪でございます。一部貸地がございますが、この整理のできておらない建物を各県別に処分いたしまするので、而もこれを住宅会社その他の業者に委せずに、この職員が個々に折衝をいたしまして、そうして実測分割等については引揚者を使いまして、今日まで所有権を移転するという情勢に持つて参りまするために、その間各清算事務所と中央との往復並びに各清算事務所とその枝葉になります各県との往復等の旅費を使用いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/73
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074・細川嘉六
○細川嘉六君 今二つの点についてお伺いしましたが、ここに総括的な統計数字を出されておるが、それの明細については知らないのであるからこの数字が適当であるかどうかについて、彼是の判断はできないわけでありますし、今ここにそれをはつきりさせようといつても困難でありまするからただこれだけお伺いしたことに止めて置きますが、更に営団住宅は相当荒れているということを承わつておりますが、これは全然修繕せずにやつて來たためにこうなつたのですか。或いは修繕する金がなかつたがためにこうなつたのか、どつちであるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/74
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075・小林正一郎
○説明員(小林正一郎君) 私小林でございますが、只今の点にお答え申上げますが、ちよつと速記を一つ停止して頂きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/75
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076・石坂豊一
○委員長(石坂豊一君) 速記を止めて……。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/76
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077・石坂豊一
○委員長(石坂豊一君) それでは速記を始めて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/77
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078・細川嘉六
○細川嘉六君 それではお聞きしますが、収入の分に分譲地住宅とかいろいろ収入がありますね。これらの収入は何の方面にお使いになつたものであるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/78
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079・俵惠一郎
○説明員(俵惠一郎君) 分譲住宅の方の収入は営団には一番長いのが十九ケ年四ケ月の分讓のものがございまして、これは同潤会以来のものでございます。これは昔のままの約束通りで分讓收入に出ておりまして、逐次これを繰上げて償還するようにしておりますが、原価に入るわけであります。営団の一番収入といたしましては家賃でございますが、先程委員長が話しましたように、六万三千戸の家賃は平均四十円でございますので、これは売れない前にも年額三千万円程度でございます。それが支出の面から見ますると本年度の家屋税が大体一戸当り賃貸価格百円程度と思いますが、百円としますと六倍でございますので、一戸当り六百円の家屋税がかかりますので、六万三千戸では約四千万円の家屋税がかかつております。その外に火災保險の支出がございますので、今の三千万円の家賃は公定価格を上げましても、大体終戰後のものもございますので、大体において一杯にしましても二倍半ぐらいしかしらんと思いますが、それで以て現在の家屋税、地租、火災保險料等を拂いますれば、公定価格をたとえ上げましても手一杯になるような実状でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/79
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080・細川嘉六
○細川嘉六君 先程のお話で営団が建てた家屋のうち残つているのは一万八千余戸ですが、これについては現に今人が住んでおつて、その人は実際はどちらかというと行き場のない零細居住者見てよろしいと思いますが、この人達が従来住んでおつた居住権というものはどうなるでしよう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/80
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081・伊東五郎
○政府委員(伊東五郎君) 住宅営団の性格から言いましても社会政策的な意味が多分にありますので、これは特に居住権の保護については特別な注意をしてやろうと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/81
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082・細川嘉六
○細川嘉六君 居住権の保護というと具体的にどういうことをお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/82
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083・伊東五郎
○政府委員(伊東五郎君) 先程もちよつと大蔵省から御説明ありましたように、本来ならば競売にしましても何かかんか処分する筈のものでございますが、そういうことはやらない。今現に入つている人を優先してその人に或るべく安い価格で売る、こういう方針で行くつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/83
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084・細川嘉六
○細川嘉六君 先程もちよつと申しましたが、住んでよるのは相当自分で修繕もしたり、いろいろの設備もしている筈でありますが、こういうために出した費用というものはどういうように定められるか、売るという場合にこれは居住者と相談してその実費を調べてそれでお決めになるのか、価格の決定はどうなるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/84
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085・俵惠一郎
○説明員(俵惠一郎君) 修繕問題は修繕が止まりましてから非常に大問題でございますが、閉鎖機関と雖も国内法基いて借家人が事前に修繕の要求をいたしまして、これに応じられない場合には家賃とこれを相殺するという正式の手続をいたしました以上は、実質上家賃の徴收聽が止まると思いますが、現に売残りの住宅についてそういう事例がございますが、ただ売買代金の場合に話が進みまして、処分代金とこれを相殺し得るかどうかという御質問と思いますが、これは先程申しましたように、中央で決まりました基準を地方に流して、地方の委員会で査定をいたした値段が現在決つておりますので、これを多数の家屋につきまして一々その後の要修理の状況とかその他を勘案して、一々決めるということも非常に困難がございますし、又前にすでに買つた人との比率もございますので、現在では売買代金で借家人の修繕した部分を引くということはいたしておりません。それで傷んだ工合によりまして値段を下げるということは、すでに前の地方の委員会のときに家の傷み工合で査定をしておりますが、更にその後の要修理分を代金から引くということは現場に混乱が起ると思いますので、代金から差引くということはいたさないつもりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/85
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086・細川嘉六
○細川嘉六君 それは別としまして、私の聽きたいのは修繕費を出しておるがそれは査定によつて幾らの代金であるか、それを決めるにはどうして決めておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/86
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087・俵惠一郎
○説明員(俵惠一郎君) 向うが修繕費を掛けましたものの決め方でございますか。それは実はこちらでは正式に修繕を止めておりますのでこれを認めることはいたしませんから家賃を相殺しますことも止むを得ない措置でございますが、向うでこれだけ掛つたというものを将来何ケ年の家賃と相殺することを認めるということは、修繕を止めておる建前上いたしておりませんが、これは丁度いたちごつこのようなものでございまして、こちらでは修繕はできない、それで向うではそれでは困るから自分の方で修繕をするから家賃と相殺するか、家賃と相殺は困る、という状態で続いておるわけでございまして、これが当時者間に将来話がつきましてこれを本人に買つて貰いますときには、やはり今の建前は、滞納になつております家賃も相殺して家を処分する建前になつております。ただこれを公共団体その他に売ります場合には、御指摘のように借家人がやつた修繕費がどうなるかということでございますが、これは東京都の今度の例にとりましても、又他の各府県の従来の例にとりましても、こちらの経験に基いて認めた修繕費でございませんので、現状のまま譲渡するという建前でございますので、その修繕費の部分を買おうという代金から相殺的に差引いて、その金額を認めて売るということはいたさないのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/87
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088・細川嘉六
○細川嘉六君 修繕費のために金をかけた、そのかけただけは全くこれは認められないで終るという次第になるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/88
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089・俵惠一郎
○説明員(俵惠一郎君) その点につきましては、住宅営団の多数は先程申しました中央で決められた価格というものが、先程申上げましたように時価から見ますと非常に安くなつておりますので、今までの交渉経過等を見ますると、その自分でかけられた修繕費をその価格から引くということにしませんでも、大体の話はついているのが通例でございまして、まあ自分がそれだけに、どこの帰属になるかということが決まらないうちに、非常に莫大な修繕費をかけたという例は、そう余計ございませんので、やはり必要不可欠な雨漏りを直しますとか、そこらのものを直すという程度でございますので、価格にそう響くだけの大修繕をしてないのが実状だろうと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/89
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090・細川嘉六
○細川嘉六君 この先程おつしやつた中で一万八千余に余るものが残つておるわけですね。これを地方公共団体に売渡して処分するようなお話だつたが、それが私にはよく分らないのですが、もう少しよく説明して下さい。どういう條件でおやりになるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/90
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091・溝口敏麿
○説明員(溝口敏麿君) これを公共団体に売りましたのは、只今まで東京都が一つでございますが、これはまだ契約は完結しておりませんが、在る姿のまま東京都内にございます売残りの状態を一括して取つて頂くと、これだけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/91
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092・細川嘉六
○細川嘉六君 こういう住宅に入つておる人達は実際行き場がなくて困つておる人が大部分なのでございますが、地方団体に譲り渡すということ、そうしてそういう名目で多くの場合事業者の儲け仕事になつてしまつて居住に困つておるものが更に困るというようなことが心配されるのでありますが、その点はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/92
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093・神代護忠
○説明員(神代護忠君) 先程御説明申上げましたように、地方公共団体に取つて貰うという趣旨が、住宅営団が整理の初めにおいて、これは非常に社会政策的な意味を持つておるので、その資産を一般競売に付するということがあまりに不当であるし、從つてこれを先ず居住者に優先的に売ろうと、更にどうしてもこれが売れない場合に、放つて置けば住宅営団の清算はいつまでも終了しない。そうすればそれは清算費用ばかり嵩んで、住宅営団の債務の弁済もできなくなると、そういつたジレンマから考え出されたのが地方公共団体で、地方公共団体である以上、その公共性に基いてこの住宅営団から譲り受けた財産を、やはり同一方針の下に経営なり処分なりして貰いたいということは当然我々の予期いたしておるところでありまして、地方公共団体に譲ります以上、そういう点は十分将来とも注意して貰いたいと考えております。勿論それは閉鎖機関自体の清算そのものから行きますと、果してそこまで地方公共団体を縛り得るかどうか、基本的には疑問でありますが、住宅政策の見地から申しましても、当然建設省はその立場において、それらのことは十分考慮して貰えることだと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/93
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094・細川嘉六
○細川嘉六君 何だか不安な話ですね。実際今残つておる連中というものは、行き場がなくて、そこに辿りついておるような状態であるが、これを買取るについても金がないというのが現状でありますが、そういうものが、個々の住宅がややともすると事業者の儲け仕事になるような方式でそれらの住宅が処分されるというような話で、それについては何かもつと居住者のために社会政策的な利益を保障するような施策があなた方の方にないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/94
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095・伊東五郎
○政府委員(伊東五郎君) これは企業者の儲け仕事になつては困るのであつて、これはそうでないように一つ大蔵省とも話合いまして、特に居住者の犠性において企業者の儲けになるということはないようにいたしたいと思つております。居住者の利益といいますか、居住者の方面については借家法もございますし、又それまで行かなくても大体公平に見たり、いろいろ今まで社会政策的な見地から考えまして、この分譲価格というものを決めておるわけです。まあそういう価格で買取ることをして下さる程度の方には、無理に立退きなんということは起きないように、実際問題としてそういう監督をして行きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/95
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096・細川嘉六
○細川嘉六君 後に残つた住宅というものは、相当私共の見たところでは荒れておる状態のものが大部分であつて、そうして入つておる者も行き場がなくて困つておるという実情であるから、ここでこれらの人のために、これらの住宅については国でもつて費用を出して修繕もして、貸住宅として持つて行くという経営はできないものですか。そういう方までお考えになれないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/96
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097・伊東五郎
○政府委員(伊東五郎君) 先程ちつと大蔵省の方から話がありましたように、まあできれば国が引受けて賃貸しもし経営も焼けて行くということも一応考えてみたわけですが、この住宅営団に入つておる人達だけに相当多額の国の支出をやるということが財政上困難であるということで、まあ第二段の処置として居住者に、又今回公共団体に引受けて貰うと、こういうことになつたのであつて、いろいろ研究の途上におきましては国の引受けも考えてみたのですが、財政上不可能なんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/97
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098・細川嘉六
○細川嘉六君 私は、国としては戰災の後を受けて住宅問題というものは非常に大きな問題になつて来ておる際に、今扱われて来た住宅の残つたものを今申上げましたような国の責任で経営して行く。そうして家のない者に家を与えて行くということは單に一部の人の利益でなく、戰災を受けた戰後の国の全体の住宅問題を解決する一つの基盤でないかと思うのですが、それらについてもつと積極的に考えるべきものじやないかという意見なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/98
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099・伊東五郎
○政府委員(伊東五郎君) お話は只今住宅営団の経営、住宅問題だけでなくなるわけでして、国が貸家の経営をやるかどうか、こういう問題になるわけであります。建設省としましてはこの住宅問題の非常に大切なことはよく承知しておりますし、いろいろ努力しておりますが、その方法としては貸家の経営は公共団体にやらせる、そして財政の許す限り高率の多額の国庫の補助を出す、こういう方針でおります。国が直接貸家を貸付けるという方法はとつておりません。従つてこの住宅営団が経営するものについて国が引受けて経営するということは如何かと思います。やはり公共団体に拂下げまして、これは公共団体が貸家として経営を続けていつてもよいわけですが、割合に安い価格でできている家ですから、できればむしろ入つておる人にお譲りする、そういう方法が適当じやないかと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/99
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100・細川嘉六
○細川嘉六君 国が直接やらなくても公共団体を通してなり、国の責任において住宅を建設して行くということですがね、私共の申したいのは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/100
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101・伊東五郎
○政府委員(伊東五郎君) それは現在やつておりまして、相当の国庫補助を毎年出してやつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/101
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102・石坂豊一
○委員長(石坂豊一君) 只今までの皆様の御発言によりまして、本案は簡單な法案でありますが、法案自体については質疑もないかと思いまするから、これで質疑を打切り法案の決定をしたいと思います。御異存ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/102
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103・石坂豊一
○委員長(石坂豊一君) それでは質疑を打切つたことといたしまして、直ちに討論に入ります。……別に御意見もないようでありますから、採決いたします。本案、住宅営団を廃止する等の法律案は衆議院送付の原案通り可決することに決定して、よろしうございますか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/103
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104・石坂豊一
○委員長(石坂豊一君) それでは本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。
向委員長の口頭報告は御一任願います。賛成者の御署名を願います。
多数意見者署名
島津 忠彦 岩崎正三郎
島田 千壽 堀 末治
水久保甚作 赤木 正雄
安部 定 細川 嘉六発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/104
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105・堀末治
○堀末治君 本案に関係のない問題ですが、丁度よい機会ですし、住宅局長もおられることですから伺います。昨日の新聞に出た問題です。恐らく建設省の方も御覧になつたことと思いますが、この前我々皆で見に行きました半蔵門アパートの賃上問題です。これは大分揉めたようですが、この御説明願えませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/105
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106・伊東五郎
○政府委員(伊東五郎君) まだ詳しいことを聞いておりませんが、可なり事実と違つておるようであります。詳しく調べておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/106
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107・堀末治
○堀末治君 何だか知らないが千五百円、千百円、千円、九百円という部屋代を三千七百円まで値上げできる認可があつたからというので、十三日一斉に取敢ず五百円上げた、こういうことが出ておる。同時に居住者の言葉として、値上の理由としては建設省から値上げしろと言つて来たからだと会社側は言うのだがということを言つておる。こういうことが新聞に出ておる。そうするとこの通りだというと大分厄介な問題だと思います。社会問題になると思います。若しお分りでなければこの次までにお調べ願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/107
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108・伊東五郎
○政府委員(伊東五郎君) その程度のことは分つておりますが……。三千七百円というのは地代家賃統制令で計算しますとそれくらいになるということでして、これは国庫補助を出した建物でないから、地代家賃統制令の適用をしてもよいわけであります。そこまで上げてよいわけでありますが、併しこれは申込を募集するときに、そういう高い家賃でなく、もつと安い家賃で入れるからということで一口四百円で募集したわけです。それをできて間もないうちに地代家賃統制令の率で値上げすることは不適当だと思います。我々は、新聞に出ておるように、上げるべきだ、上げてよろしいといつたようなことを言つたということは一回もないし、これはよく調べまして無理のない解決をしたいと思つております。両方の意見をよく聞いて解決したいと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/108
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109・堀末治
○堀末治君 千五百円を五百円上げるとすると三割以上の値上げですね、而も暮を目がけて。これは入つておる者は堪りませんよ。建設省としては干渉するわけにはいかないかも知れんが、事実を調べてお話願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/109
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110・石坂豊一
○委員長(石坂豊一君) それでは本法案の取扱は只今御署名願つたことで処理いたします。ちよつと速記を止めて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/110
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111・石坂豊一
○委員長(石坂豊一君) 速記を始めて……。それから委員長報告のときに細川君の御意見を説明に加えることにいたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/111
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112・石坂豊一
○委員長(石坂豊一君) それから今度は予算説明を求めるということになつておりますので、安本の高野局長と政務次官とお見えになつておりますからこれから建設省の明年度の予算についての説明を求めることにいたします。そうして本案については別に、速記も大分急いでおるようですから省略いたしますからどうぞ御了承願います。
午後三時四十一分速記中止
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午後四時二十四分速記開始発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/112
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113・石坂豊一
○委員長(石坂豊一君) 速記を始めて下さい。それではこれで散会いたします。
午後四時二十五分散会
出席者は左の通り。
委員長 石坂 豊一君
理事
仲子 隆君
島津 忠彦君
委員
岩崎正三郎君
島田 千壽君
堀 末治君
水久保甚作君
赤木 正雄君
安部 定君
細川 嘉六君
政府委員
建設政務次官 鈴木 仙八君
建設事務官
(住宅局長) 伊東 五郎君
説明員
経済安定本部
(建設交通局
長) 高野 與作君
大蔵事務官
(管財局閉鎖機
関課長) 神代 護忠君
大蔵事務官
(管財局閉鎖機
関課) 堀込 聰夫君
閉鎖機関整理委
員長 小林正一郎君
閉鎖機関整理委
員会常務委員 溝口 敏麿君
建設事務官
(住宅局庶務課
長) 美馬 郁夫君
住宅営団清算担
当者 俵 惠一郎君発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100614149X00419491122/113
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