1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十五年三月二十五日(土曜日)
午前十一時九分開議
出席委員
委員長代理理事 神田 博君
理事 小金 義照君 理事 今澄 勇君
理事 有田 喜一君
阿左美廣治君 首藤 新八君
岩川 與助君 江田斗米吉君
門脇勝太郎君 小西 英雄君
高木吉之助君 田中伊三次君
中村 幸八君 福田 一君
加藤 鐐造君 高橋清治郎君
伊藤 憲一君 田代 文久君
出席政府委員
通商産業政務次
官 宮幡 靖君
通商産業事務官
(通商振興局
長) 岡部 邦生君
委員外の出席者
專 門 員 谷崎 明君
專 門 員 大石 主計君
專 門 員 越田 清七君
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三月二十五日
委員橋本龍伍君辞任につき、その補欠として高
木吉之助君が議長の指名で委員に選任された。
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三月二十五日
火薬類取締法案(内閣提出第一二九号)
の審査を本委員会に付託された。
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本日の会議に付した事件
輸出信用保険法案(内閣提出第九一号)
火薬類取締法案(内閣提出第一二九号)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100704793X02519500325/0
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001・神田博
○神田委員長代理 これより通商産業委員会を開会いたします。前金に引続きまして私が委員長の職務を行います。
まず本日の日程を追加いたしまして、本日付託になりました内閣提出の火薬類取締法案を議題として審査に入ります。政府の説明を求めます。宮幡政務次官。
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—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100704793X02519500325/1
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002・宮幡靖
○宮幡政府委員 ただいま議題となりました火薬類取締法案について、その提出理由を御説明いたします。
危険物としての火薬類の取締りは、従来とも銃砲火薬取締法によつて行われて来たものでありまして、長く内務省の所管に属していたのでありますが、終戦後、昭和二十二年に内務省が解体せられるに及び、警察法の施行と同時に、右の法命に基く事務は商工省に移管せられ、通商産業省の発足とともに、これに引継かれることになつたのであります。
この法命の周到綿密な法律構成は、火薬類使用量の飛躍的増加にもかかわらず、よくその災害の発生を防止して来たのでありますが、時運の進展とともに、ようやくその改正の必要性が痛感せられるに至つたのであります。本法令につきましては、すでに大正六年法律第二号、同十一年法律第二号、及び昭和十九年勅令第百十号により、それぞれ部分的改正が加えられて来たのでありますが、全面的改正についての要望は、最近の二、三年にとどまるものでなく、実に昭和八年以来の懸案でありまして、たとえば昭和八年十一月の火薬類法規研究会の設立は、同十四年において改正に対する希望意見を内務大臣に提出しており、最近では、昭和二十三年に火薬類法規改正協議会は、その研究の結果を商工省に提出して、その希望のほどを明らかにしたのであります。通商産業省としましては、これらの情勢にかんがみ、ここに銃砲火薬類取締法の全面的改正を企図し、爾来関係行政庁、学界、業界その他と意見を交換、聴取し、ようやく火薬類取締法案の成文を見るに至つたのであります。
従つてこのたび提出いたします火薬類取締法案は、銃砲火薬類取締法の全面改正の性格を持つものであります。今現行法と比較して、その改正の主要点をあげますと、第一に銃砲の取締りを除いて、火薬類のみの取締りを独立させたこと、第二に新憲法下において新たな法体系の整備をしたこと、第三に行政組織の変改に基く取締り担当機関を明確化したこと、第四に最近の技術的進歩に応ずるように、法内容の刷新をはかつたことの四点に集約することができるのであります。
以下これらの諸点について簡単に御説明申し上げますれば、第一は銃砲取締りとの関係でありますが、銃砲の取締りと火薬類の取締りとは、本来その性質を異にすべきものでありますが、現行法令では警察取締りの共通性のもに、同一法によつて規制して来たのであります。しかし戦後のわが国においては、銃砲の取締りについては、「ポツダム宣言受諾ニ伴ヒ発スル命令ニ関スル件」に基く「兵器、航空機等生産制限ニ関スル件」及び「銃砲等所持禁止令」によつて、それぞれ銃砲の製造及び所持が禁止せられておりますので、現行法の銃砲の取締りに関する部分を除外しても、支障を認められないのであります。もし将来右の管理令との関連において、その必要性を認めるに至りますれば、また別個の観点から限制する方針であります。
第二は新たな法体系の整備ということでありますが、現行法は旧憲法下の立法でありまして、特に勅令及び省令への委任が著しく多く、また行政裁量の余地を広汎に留保しており、かつ不当な行政処分に対する救済も認めていないのでありますが、かかる諸点については、新憲法下において新たな法体系を整備する必要があります。
第三に取締り担当機関の明確化の問題でありますが、内務省による警察取締りとしての基礎に立脚している現行法は、内務省の解体、地方自治態勢への移行及び警察制度の変更等のために、その取締り機関は、現在通商産業省、都道府県であり、部分的に運輸省、警察が担当しているのでありますが、これについても細部に関する実際上の取締りの面から、ややもすれば解釈上の疑義を招きやすいのであります。この問題を解決するために、現下の事態に最も適応するごとく、取締り担当機関の権限、所掌事務の範曲を明らかにいたした次第であります。
第四の技術的事項に関しましては、明治以後の火薬業界の進歩は、現行法が当初に予定しなかつた新たな火薬類の製造を見ており、また現行法は火薬類製造所における製造作業上の細部に至るまで、ことごとくこれを省令によつて規制しているのでありますが、現在ではむしろ適切を欠き、不当な拘束と化している面も少くないと思われます。一般的な技術上の基準についても、わが国の建築物の構造、地形等の特殊性から再検討の余地が多いほか、製造作業の責任者たる作業主任者、貯蔵、消費上の取扱い上の責任者たる取扱い主任者の資格、消費に関する技術的基準等について、それぞれ改正または新たに規制する必要があると思われます。
以上のような諸点を考慮しつつ、火薬類について、その製造、販売、貯蔵、運搬、消費その他の取扱いを規制することによつて、火薬類の災害を防止し公共の安全を確保するために、現行銃砲火薬類取締法を全面的に改正する必要があります。右の理由によりまして、ここに火薬類取締法案として提出した次第でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに可決されんことを希望いたす次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100704793X02519500325/2
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003・神田博
○神田委員長代理 これにて政府の説明は終りました。質疑は次会より行うことといたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100704793X02519500325/3
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004・神田博
○神田委員長代理 次に輸出信用保険法令を議題として、審査を進めます。本案に対する質疑は、有田喜一君お一人を留保して打切りになつておりますから、ただいまより有田君の質疑をお許しいたします。有田喜一君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100704793X02519500325/4
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005・有田喜一
○有田(喜)委員 今回提案されております輸出信用保険法案は、第六国会に提案されたものに比しますれば、相当われわれには進歩したように考えられます。その間の政府の御苦心は多といたしますが、ここに若干質問いたしたいと思います。
第一にお伺いしたいことは、保険料率の問題であります。この保険料率は政府の案を見ると、再保険料率は千分の五ということになつておりますが、一般の保険会社がとつている保険料率は、大体どのくらいに想定されているか、まずそれをお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100704793X02519500325/5
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006・岡部邦生
○岡部(邦)政府委員 保険会社の徴収いたします保険料は、大体千分の六ぐらいを予定いたしておりますが、まだ確定しておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100704793X02519500325/6
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007・有田喜一
○有田(喜)委員 大体千分の六というお話でありますが、そういたしますと、たとえば二十五年度における輸出の想定から申しますと、相当な保険料か入ることになりますが、再保険料率が千分の五であつて、そうして一般民間からとるものが千分の六ということになると、その間千分の一のさやがあります。私の考えによりますと、一般の保険会社は、これは単なるトンネルであつて別段の危険もないように思いますが、その差が千分の一ということは、大体私の推定によりますと、たとえば来年度の輸出年額が五億ドルといたしましても、それが全部保険にかかるわけではありませんが、そのうちの四億ドルといたしますと、千四百四十億の保険が必要であつて、その千分の一ということは、すなわち約一億四千万円ぐらいのさやが浮いて来るわけであります。これは保険会社のたくさんなトンネルによるためであつて、多く取過ぎるような感じがいたします。こういうものをもう少し減らすようにお考えになるか、どうかその点に対する政府の御見解を承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100704793X02519500325/7
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008・岡部邦生
○岡部(邦)政府委員 保険会社の行います業務はお説のように大体トンネルでございますが、しかしながらやはり保険契約の締結は、いろいろと事務費がかかります。われわれは現在では、やはり千分の一ぐらいの費用は、むしろ少な過ぎるのではないかという程度に考えております。それから御参考までに申し上げますと、大体今の計画では輸出計画を来年度六億ドルと考えまして、それに対しまして約三分の一がこの保険に入るというようなつもりで計算いたしますと、保険料収入は二億七千万円ばかりになるわけです。その比率で行きますと、大体三千万円足らずのものが保険会社の収入になるというように御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100704793X02519500325/8
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009・有田喜一
○有田(喜)委員 輸出額の三分の一ぐらいの保険というお見込みのようですが、もう少しかけるのではなかろうかと思うのでありますが、せつかくこういう制度ができた以上は、相当保険に入るように、また入りやすいように向けるのが私は至当だと思います。私は大体三分の二ぐらいは入るだろう、そこで六億ドルのうち三分の二、すなわち四億ドル、こう見当をつけて、それを基礎にして計算しますと、四億ドルを三百六十円で換算にいたしますと、一千四百四十億円であります。そのうちの千分の一というもがすなわちそのさやになる。そうすると一億四千万円、事務費はかかるでしようが、そう大してかかるとは考えられない。振興局長は逆に少な過ぎるとおつしやつたが、私は全然反対で、多う過ぎる。これはひとつ十分考えてもらわなければならぬ。やはり振興局長は、この千分の一のさやは少な過ぎるとお考えになつておるか、それをもう一ぺん伺わせてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100704793X02519500325/9
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010・岡部邦生
○岡部(邦)政府委員 事務費のうちで一番かかりますのは、損害の査定の問題であります。これは荷物の処分の問題と関連いたしまして、相当困難な手続きが伴います。実際にやつて見ませんとわかりませんが、今の予想では、非常に事務費がかかるというように承知しておるわけであります。それともう一つは、今の御説のように、三分の二も加入するような場合を予想いたしますならば、むしろ再保険料を値引きいたしまして、現在の保険料率を下げて行くようにいたしたい。大体三分の一加入してとんとんになるような予想を立てておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100704793X02519500325/10
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011・有田喜一
○有田(喜)委員 そのさやがあまり私は多う過ぎると思いますから、再保険料率を下げることもいいでしようが、いわゆる保険料——再保険料を下げるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100704793X02519500325/11
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012・岡部邦生
○岡部(邦)政府委員 さようです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100704793X02519500325/12
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013・有田喜一
○有田(喜)委員 それではますますさやが多くなるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100704793X02519500325/13
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014・岡部邦生
○岡部(邦)政府委員 いや、千分の五を千分の四といたします。その比率で減らして行きます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100704793X02519500325/14
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015・有田喜一
○有田(喜)委員 私はやはり、千分の一ということはさやが大き過ぎると思います。ひとつ政府はできるだけ保険料率を下げるように、いわゆる事務費の負担を少からしむる。これがすなわち輸出の面にも、わずかながらも相当響きますので、輸出振興という意味におきまして、保険料率をできるだけ少からしめるように、そのさやを少くするように御努力を願いたいと思います。
次にお伺いしたいのでありますが、これは相当政府においてもお考えになり、また関係方面等によつて行き詰まつておる問題だと思いますが、今日日本の貿易業者というものは、御承知の通りいわゆる財閥の解体によつて中小貿易業者、いわゆる弱体貿易業者ばかりになつております。これは西ドイツなんかと非常に事情を異にしております。つきましては、このような状態のもとにおきましては、なかなか輸出振興がむずかしいのではないか。もちろん輸出振興については他にいろいろ困難な面もありますが、しかし今の業者の力が弱いということも輸出の伸びない原因だと思います。つきましては、一つの輸出組合といいますか、一つの組合を考える必要がないか。この点は、御承知の通りアメリカなんかも大いにやつておるわけでありますから、何も日本だけにおいてあるいは独占禁止、あるいは公正取引というようなことでこれが押えられる理由は、私はないと思う。政府もこの点は御苦心なさつておるとは存じますけれども、これに対して政府はいかにお考えになつておるか、またおさしつかえなければ、関係方面との折衝がどういうところまで運んでおるか、その辺の事情を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100704793X02519500325/15
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016・宮幡靖
○宮幡政府委員 事務的のこまかいことは振興局長からお答えいたしますが、輸出組合の問題につきましては、昨年来政府といたしましてもその必要性を十分痛感いたしまして、関係方面のそれぞれの機関と折衝を続けて参つたわけでありまして、今後もその線で進んで参りたいと希望いたしておりますが、最近の状況から申しますと、急速にこの実現の可能性がございませんので、この際政府の意図として、はつきりさような構想を持つておるのだということを申し上げることを、差控えておいた方が適切であろう、かように考えておりますが、熱意は十分持つておりまして、輸出振興の方策として、欠くべからざるものだという信念は失わないわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100704793X02519500325/16
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017・有田喜一
○有田(喜)委員 この問題は相当デリケートな問題と思いますが、政府も努力をされておるようでありますけれども、しか上今御答弁を承りますと相当行き詰まつており、またどうしてもやろうというような熱意もあまりないようであります。これらの点は、われわれまた国会として独自な考え方で進みたいと思います。それ以上は、この問題は論じません。
最後にお伺いしたいのでありますが、今回の輸出信用保険法によりますと、第三条においていわゆる保険事故といいますか、填補する場合の事故が列挙されておりますが、どうもこれを見ますると、イギリスの例なんかに比べまして、まだ範囲が少いように思う。配付された資料によりましても、イギリスの輸出信用保証制度は相当リスクの限界が広いようであります。たとえばバイヤーが破産したときとか、あるいはバイヤーが支払い期日後十二箇月以内に決済できないというようなこと、あるいは航路変更によつて手形期日が超過したとき、その他相当今回の法案よりも広いのですが、私はできるだけわが国の輸出信用保険としても、さようなリスクの場合を広範囲にすることが必要だと思う。せつかく法案をつくる以上は、できるだけこれは広範囲にしたい。これに対する政府の御所見を承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100704793X02519500325/17
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018・宮幡靖
○宮幡政府委員 御指摘のような保険のリスクを加えたいという意見は、政府といたしましても有田委員の仰せとまつたく同感であります。これを加えて参りたいという希望のもとに交渉をいたして参つたのでありますが、何分にも、御承知のようにまだ海外の状況が十分わかつておらない、従つて英国式の信用保険制度を、そのままに生で持つて来るということはなかなか困難であろう、一面におきましては全面的にかような問題までカバーいたしますと、とかく戦後まだ貿易業者の国内的な発展過程、あるいはその実務の上からながめますと、どうも不確実な取引をかえつて慫慂するようなことになり、事故を増大せしめるというきらいもありますので、一応確実な契約が行われるといことを、消極的にこの法案によつて確保して参りたい、かような気持もありまして関係向きの御意見も承りまして、これらの二点を削除いたしたわけでございますが、政府といたしましてはその二つを保険のリスクの中に加えることができますような海外情報を得られますような施設をやることが、まず適切でありますので、これと相並行的に、御指摘のような点が法案の中に追加せられることは、気持として決してこれを拒むものではございません。しかし、本日御審議を願つております現段階におきましては、政府の提案の中に盛り込むまでに熟さなかつた、かような状況にあります。
それから航路変更というような問題につきましては、これは事例の乏しいことでありまして、あえてこれを一項目追加するという必要もなかろう、かようなことからも考え——一体そういう問題につきましては、一般の物上保険と申しますか、さような方面で、カバーできる面が非常に多くて、取引上の危険を担保するという面から見ましても、さような事故はきわめて例が少い、こういうことから、その条項は前国会に提案いたしました法律の中にはありましたが、今度はこれを削除いたしたような次第であります。実際の面におきまして、これを削除しましても、これがために、輸出業者の危険をカバーする点において遺憾はないであろう、かような見通しでおるわけであります。なお保険事故の第四号に「前各号に掲げるものの外、本邦外において生じた事由であつて、輸出契約の当事者の責に帰することができないもの。」というような一般的な書き方があります。この運用については弾力をもちまして、十分に輸出業者の利益を保護するというふうに、運用上はいたしたい方針でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100704793X02519500325/18
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019・有田喜一
○有田(喜)委員 今日の盲貿易の状況をこのままほうつておいては、日本の貿易は振興しません。少くとも一歩一歩とこれを前進せしめなければなりません。明るい貿易にしなければなりません。つきましては、先ほど私が指摘しましたようなことは、どうしてもこの際これを拡大して行く必要があると私は痛感するのであります。
それから航路変更の問題は、これは御承知の通り最近の国際情勢からいいますと、いついかなることが起るかもしれない、また各地において相当の紛乱のごときが起つておるわけであります。これは今日の段階では大したことはないように思いますけれども、われわれが考えますと、相当かような条項を働かさなければならぬときが出て来ることも想像される。第三条の四号の解釈によつて、当然これが入るというならば、ともかくといたしましてできるだけ法律として明記することが必要と考えるがゆえに、航路変更による手形期日の超過ということも、私は必要であると思います。またバイヤーが破産したときとか、あるいは支払い期日が遅れたときとか、いろいろありましようが、私はこの際同僚議員とも諮つて、これらの問題を再検討して、国会において適当な修正をお願いしたいという気持でおりますが、さような場合には政府はもちろん御異議はなかろうかと思いますが、政府の見解を重ねてお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100704793X02519500325/19
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020・宮幡靖
○宮幡政府委員 まことに御熱意あるお言葉で、むしろ政府当局の足らざるところを恐縮に感ずるような次第でございます。もちろん本法案につきましての国会の御意見は、最高限度において尊重いたしたいということは、政府としまして十分心構えとして持つているわけであります。
それで、この際お願いいたしたいのでありますが、御承知の通り前国会に法案を提出いたしまして、補正予算で五億の基金を持つているのであります。ところが法案が未熟のために審議未了に終りまして、予算だけ成立いたしております。これは現在の財政法、会計法の処理から参りますと、今度のこの法案が二十四年度内、すなわち三月三十一日の時間切れまでの間に、有効に成立いたさなかつた場合には、予算が不用額となりまして消滅いたしまして、二十五年度に繰越すことができないことになります。いろいろな御意見は最高限度に尊重いたす心構えでありますが、ぜひともそれらの御手配もすみやかにお願いいたしまして、三月三十一日までにはぜひ両院を通過、成立するようお運びを願いたい。かつてでございますが、この際お願いいたしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100704793X02519500325/20
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021・有田喜一
○有田(喜)委員 ただいまの予算の件も了知いたしまして、それらの点もあわせて考慮いたしまして、同僚議員とも諮つて適当な措置を講じたいと思います。
なおもう一点、最後の点でございますが、いわゆる審議会の規定がございますが、この審議会の委員の構成が九人以内ということになつております。これを今のところでは大体どういうようにお考えになつておりますか。これは「関係各庁の職員及び貿易又は保険に関し学識経験ある者……」ということになつておりますが、その構成内容をどういうようにお考えになつておりますか、承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100704793X02519500325/21
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022・岡部邦生
○岡部(邦)政府委員 審議会の委員につきましては、役所の方面から、通産省二名、大蔵省二名、業界からは、保険界から二名、貿易界から二名、及び学識経験者の方といたしまして金融界から一名、それだけで編成いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100704793X02519500325/22
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023・有田喜一
○有田(喜)委員 そういたしますと、民間が五人で官庁側が四人ということになります。大臣が会長をやつておりますから、これがボートに加わるかどうか別問題でありますが、ともかく大臣も政府側ですから、そうすると五対五というわけですから、ややもするとこの審議会は官庁の言いなりになるというきらいがあるわけです。ことに通産省の委員会は、先般の電気に関する——これは官制上の委員会ではなかつたようでありますが、全然答申を無視したような行き方だつた。この法律の運用から見ますと、第七条において単なる諮問機関として審議会がつくられておりますが、今までの通産省の行き方から行くと、諮問機関は、ただ聞くだけ、あとは政府のかつて、こういう運用をされる懸念が非常にあります。これを諮問機関より少し強くいたしまして、少くとも審議会の議を経なければならぬ、いわゆる議決機関としてやられることが必要ではないかと思うのです。政府の見解はいかんと言えば、政府は原案を出されておるから、これは諮問機関でよろしいとおつしやるかもしれないが、そういうように考えて、単なる諮問のしつぱなしで進むということではいけない。少くとも議を経なくてはならないという程度まで上げる必要があるのではないかと私は思うのですが、政府はそういう点に対して賛成されるかどうか、一応御所見だけ承つておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100704793X02519500325/23
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024・宮幡靖
○宮幡政府委員 ちよつと速記をとめてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100704793X02519500325/24
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025・神田博
○神田委員長代理 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100704793X02519500325/25
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026・神田博
○神田委員長代理 速記を始めて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100704793X02519500325/26
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027・有田喜一
○有田(喜)委員 その理由はどういう理由で通らなかつたのですか、そこをお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100704793X02519500325/27
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028・宮幡靖
○宮幡政府委員 関係向きの方向は、この審議会に限らず、すべてそういう思想を持つております。その行政庁の責任者が全般の責任を持たないといけないという考え方から、審議会等の性格を順次——今度通産省の設置法の一部を改正する問題につきましても、従来の審議会についても、さようなアドバイスがあるようなわけでありまして、あまり根拠が深いものではありませんが、そういう見方をしております。その結果、あるいは見方によりますと、通産大臣が専決するであろうというきらいも出て参りますが、しかし今度は救済的な手続として、聴問とか、不服の申立てという点において救済せられる面もある。しかしこういうことをやつておつては、実情に間に合わないという意見も、私どもはこれを否定して考えるものではありませんが、状況はさような状況であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100704793X02519500325/28
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029・有田喜一
○有田(喜)委員 この問題はこれ以上お伺いしても、政府も御答弁にお困りになるようです。またこれはわれわれとして特別に考えてしかるべき問題だと思います。なおお聞きしたいこともありますが、われわれとして修正案を考えたいと思いますから、そのときにまた最後の質問をすることにいたしまして、本日は一応この程度で、私の質問を打切つておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100704793X02519500325/29
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030・神田博
○神田委員長代理 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。本案の討論採決は、次会に行うことといたします。
本日はこの程度にとどめまして、残余の日程は次会に延期いたします。次会は、来る三十日午前十一時より開会いたします。
これにて散会いたします。
午前十一時四十二分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100704793X02519500325/30
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