1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十五年七月三十一日(月曜日)
午後二時二十分開議
出席委員
委員長 小金 義照君
理事 阿左美廣治君 理事 中村 幸八君
理事 河野 金昇君 理事 今澄 勇君
江田斗米吉君 小川 平二君
高木吉之助君 福田 一君
南 好雄君 金塚 孝君
武藤運十郎君 田代 文久君
小平 忠君
出席政府委員
通商産業政務次
官 首藤 新八君
通商産業事務官
(資源庁炭政局
長) 中島 征帆君
委員外の出席者
資源庁次長 岡田 秀雄君
通商産業事務官
(通商振興局
経理部長) 石井由太郎君
通商産業事務官
(通商機械局電
気機械課長) 鈴木 平君
通商産業事務官
(資源庁鉱山局
長) 徳永 久次君
鉱工品貿易公団
理事
(物資処理部
長) 吉田秀太郎君
專 門 員 谷崎 明君
專 門 員 大石 主計君
專 門 員 越田 清七君
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七月二十九日
委員風早八十二君辞任につき、その補欠として
渡部義通君が議長の指名で委員に選任された。
同月三十一日
委員加藤鐐造君及び渡部義通君辞任につき、そ
の補欠として武藤運十郎君及び風早八十二君が
議長の指名で委員に選任された。
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本日の会議に付した事件
鉱業法案(内閣提出第一九号)
採石法案(内閣提出第二〇号)
輸出電球の生産割当及び買上契約の不履行問題
に関する件
特別鉱害復旧臨時措置法の施行に関する件
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X01119500731/0
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001・小金義照
○小金委員長 これより通商産業委員会を開会いたします。
ただいまより鉱業法案及び採石法案を議題として審査を進めます。この際両案に関する資料の要求等がありましたら御発言を願います。——別段委員から御発言がありませんが、政府当局から何か資料について御説明がありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X01119500731/1
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002・徳永久次
○徳永説明員 実は鉱業法案及び採石法案に関しまする参考資料をお手元にお配りしてございますが、これは御承知の通りこの両法案を前国会に提出する予定にいたしておりましたので、作成いたしましたのが時間的に若干古くなつておりますので、この休会中にわれわれとしましても十分に新しいデーターを織り込んで仕上げたいと思つておるわけでございます。つきましては項目等につきまして御希望がございましたら、御注意いただきますれば、そういう御要望を織り込みましてりつぱなものを調製いたしまして、お配り申し上げたいと考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X01119500731/2
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003・小金義照
○小金委員長 それでは資料につきましてはこの程度にしておきます。両案につきましてはすでに閉会中継続審査の申入れをいたしておりますから、正式に院議によりまして閉会中審査事件として付託せられましてから、閉会中に継続して審査を進めることにいたしまして、本日はこの程度にとどめておきます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X01119500731/3
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004・小金義照
○小金委員長 この際、輸出電球の生産割当及び買上契約の不履行問題について、武藤運十郎君より発言を求められておりますからこれを許します。武藤運十郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X01119500731/4
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005・武藤運十郎
○武藤(運)委員 これは通産省、前の商工省、それから当時の外局でありました貿易庁、安定本部、鉱工品貿易公団、これら一連の政府機関に関係のあることでございますから、私は、最初はどの省、どの局ということでなくつて、概括的に御質問申し上げますから、最も適当なところから順次御答弁を願いたいと思うのであります。
昭和二十四年のクリスマス用の小型電球につきまして、昭和二十三年の秋から暮にかけて、商工省、貿易庁、安定本部、公団などが、あるいは業者に対して電球の生産の割当をし、それからいろいろ手続きを経まして、公団がこれを買い上げるという契約ができたのであります。その数は二千万個で、その金額は約二億円に上るわけになつております。業者の数は百名に近いのでありますが、このようにしてつくられた電球が遂に買い上げられることができないことになりまして、業者は非常に窮乏に追い込まれておる。メーカーのみならずサプライヤーも困つておる。それからメーカーに資材を売りました材料商も非常に困つておる。これらの関係業者の従業員である労働者諸君も非常に困つておる。こういう状態でありまして、数万、数十万の勤労者が窮況に追い込まれておる実情であります。これに対しまして、業者がしばしば当局に陳情、救済方、解決方をお願いをいたしましたけれども、一向に適当な処置がとられないという実情であります。こういう問題について一体政府はどういう方法をとろうとするのか、またこのまま今まで通り放任をして置こうというのか、順次私はこまかい点にわたつて御意見を伺いますけれども、最初に概括的な政府の意見を承りたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X01119500731/5
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006・石井由太郎
○石井説明員 クリスマス用電球は、御承知のように需要の季節がございまして、従つてこの輸出につきましても一定の時期に多く輸出契約が締結され輸出しておる現況でございます。従つて輸出に携わります業者——輸出業者、メーカー、こういつた方々は常に非常に不安な状況のもとに生産いたさねばならぬというまことにお気の毒な状況下にあると考えるのでございます。しかしながらこれを政府貿易といたしまして、輸出をとりさばいて参ることにつきましても、需要それ自身か非常に変動性がはげしいのでございまするので、危險を賭することなくしてはできないという状況のもとにある商品でございます。もちろん民間ベースで輸出できまするまでには、すべて政府貿易の形でこれをとりつくろつたのでありますけれども、二十三年八月以降、民間輸出がどんどん行われるようになりましたので、原則といたしましてこのような契約は民間ベースで輸出していただこうという方針をとつて参つておるのでございます。しかしながらただいま御指摘のありましたように、二十三年の暮になりますと、実は二十三年度の輸出の景況が非常によろしいのでございまして、二十三年度四百十万個にしかすぎなかつた輸出が、二十三年度中に六千五百万個を突破するというような景況になりまして、先行き大いに明るい見通しもあつたせいだろうと考えるのでありますが、だんだんに一本レートが設定されようというような気構えもございましたので、生産を継続的にいたしまして、生産費を低減したい。注文が来たからといつて一々手をわけておるようなことではなかなかコストの低減がはかりがたいという点が一点。第二点は、当時ガラスでございますとか、その他のいろいろな資材が割当制のもとにございまして、これが輸出契約ができておりませんと資材の割当ができなくなる。そこでこれらの難点をも矯正したいという御希望から、ぜひ計画生産をやらしてもらえぬかというお話がございました。政府といたしましては、司令部その他に折衝いたしまして、千九百五十八万個の許可の申請をいたしまして、許可を與えたのでございます。輸出の許可はいたしましても、これを政府買上げの方式によるかどうかということにつきましては、愼重に検討いたしたのでございますけれども、先ほど申し上げましたように、ともすれば輸出滯貸となりまして国家の背負い込みとなるという点を深く憂えたのでございますが、業界からは、金融の便宜といつたような問題もありますので、ぜひ政府で買い上げてほしいというお話でございました。但しただいま申し上げましたような懸念もございましたので、政府といたしましては、できるだけ民間自身の手でさばいてもらうように、業者から誓約をしていただいておるのであります。その内容は、できるだけ政府の、貿易庁の手を煩わさず、業者みずから輸出に努める。もし政府で買上げをされましても、その買上品が政府買上げ後三箇月以内に輸出されません場合には、政府の買上価格に諸掛を加えた金額で買いもどすということの申出がございましたので、これらの誓約をいたさせまして、約二億円に上る買上げさしずをいたし、買上計画を提出させたのであります。ところが二十四年の三月になりますと、いよいよ一本レートもできるという気構えになりますし、また当時貿易特別会計の金繰りの事情もありまして、かたがたできるだけ民間ベースの貿易形態に移行させたいというような見地から、一般に計画生産をもつて輸出されておりました物資の輸出品の買上げを中止することといたしたのであります。その條件といたしましては、三月末までに公団に引渡しになつたものはすべて買い上げる。三月末以後に納入される予定のものは買い上げないという二点でございます。従いまして、電球でございましても三月末までに公団に納入になりましたのは、すべてこれを買い上げております。その数量は約四百五十万個、金額にいたしまして千九百五十万円と承知いたしております。三月三十一日までに納入に至りませんでしたものは、すべて解約と相なつたわけでございます。これは政府が無償で解約をいたしますることは、一見非常に酷なように見受けられるのでございますけれども、もともと本契約につきましては、先ほど申し上げましたような約定が明文をもつてされているのであります。すなわち政府買上げ後といえども輸出されませんければ、当然業者が買いもどすという約款がついておるのであります。従いまして無償解約といいますることは、実質的には業界に何ら負担をふやしておらないということに相なるかと考えるのでございます。なお買上げをこのようにいたしたのでございまするが、業界の実情をわれわれどもが聞いております関係では、大部分がみずから自発的に解約を申し出ましたり、民間ベースの輸出に振り向けたりいたしまして、それぞれ処置をつげておると承知いたしております。ただ買上げを行いましたその約四百五十万個、一千九百五十万円につきましては、その後一年間懸命になりまして輸出契約をいたすべく努力したのでございますが、遂に契約が成立しておりません。従いまして、買いもどしを業界に求めなければならぬ立場に立つておるわけでございまして、現にそれを請求いたしつつございます。同時にまた業界からもその買いもどしを履行いたしておる方々もあるような状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X01119500731/6
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007・武藤運十郎
○武藤(運)委員 今石井部長のお話を伺つておりますと、買上契約はしたけれども、そのときに誓約書をとつて誓約させて、そうして買上げをしなくてもよい。自由に業者が売れ、また買上げをしても買いもどさなければならないような約款をつけたというようなことを申しておりますけれども、一体それはいつしたのであるか。この割当の話が出ましたのは、二十三年の九月ごろから話が始まりまして、十二月の一日には商工省からも倉石商工事務官が出席をし、貿易庁からも稲田事務官が出席をいたしまして、東光ビルで割当をいたしております。りつぱに割当をしておる。割当というのは買上げと同じです。
〔委員長退席、多武良委員長代理着席〕
そのときには、今石井部長のお話があつたような約束は何ら話が出ておらない。この割当に従いまして業者は十二月から一月にかけて、大部分においては十二月にほとんど契約の生産をやつておるという立場である。貿易公団との買上契約というものは一月、二月にわたつたものもありますけれども、その一月の末から三月ごろの買上契約というものについてさような誓約書をとつたということでありますけれども、全然誓約書をとらないものもあるのではないか。話は一月末から二月になつて、すでに業者が割当てられた製品を生産し、サプライヤーその他から金融を受けて、ほとんどこの問題に関する仕事というものは完了をしておつた後に、さような誓約というものを突如として押しつけたという形になつているのでありますけれども、その点についてはどうでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X01119500731/7
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008・石井由太郎
○石井説明員 ただいまお話がございましたが、この計画生産の割当というものと、私法上の売買契約との関係につきましては、実は書類その他が残つておりませんので、私明らかにいたしかねますが、公団が買上契約を締結させたものにつきましては、漏れなく誓約書をとつてございます。これは契約締結と同時であると承知いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X01119500731/8
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009・武藤運十郎
○武藤(運)委員 私は政府当局から、さような一片の誓約書によつて責任をのがれようとするような三百的なりくつをここで聞こうとしておるのではございません。そういうふうなことは裁判所で話してもらいましよう。一体政府が、これは商工省も、当時の貿易庁も、安定本部も貿易公団も同じく一連の政府機関であります。従いまして、直接買上げの衝に当り、直接買上契約をするものがだれであろうとも、これは一連の行為として政府がその責任を負わなければならぬ。今の御答弁によりますと、書類がないから、買上契約をするときに一様に全部からとつたように思うというようなお話でございますが、なるほど一月末から二月にわたつたところの、あとでできたところの契約書には、さようなものはございますけれども、その前には話もなければ誓約書もないという実情であります。言いかえますならば、これは政府が独自の見通しに基いて割当をし、それに基いて業者がつくつて、その後において、私は貿易の実情はどうなつたか知らない。どうなつたか知らないが、あるいはまた政府部内における不統一もあると聞いております。そういうふうな官僚のセクショナリズムから、ついにこの買上げが行われなくなつた。あるいは資金課が判こを押さなかつたということがあるそうであります。そういうふうな政府部内の見込み違い、政府の責任における見通しの間違い、それから政府部内の不統一、分散している各機関の不統一、そういう理由から買上げが行われなくなつた。その結果を全部業者に転嫁するという形がここに出て来ているのではないかと思うのであります。これは單なる誓約書によつて、お前たちかつてだというようなことは許されない実情にあるのではないでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X01119500731/9
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010・石井由太郎
○石井説明員 ただいまの御話によりますと、政府が計画生産を押しつけまして、そうしてあとは法律形式的な誓約書や契約書をたてにとつて、契約を履行しておらないというような御意見でございますが、私聞いております限りでは、政府としては、このようなこまかい契約は政府貿易形態に即しないものであるという見解を持つておるのに対しまして、むしろ金融の面、資材割当の面、あるいは生産計画の面といつたようなところから、業界から強い御要望がありまして、余儀なく政府貿易形態というものをとつた。従いまして、そのいわばかわり証といたしまして誓約書状が入つておるのでございまして、政府みずからがその責任と創意によりまして契約いたしたものには、そのようなかわり証はとつていないのであります。この事実に徴しましても、これは私どもといたしましては業界の強い要望によつてそういたしたので、政府が決して一方的に押しつけて、そのしりをぬぐわないというようなことではないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X01119500731/10
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011・武藤運十郎
○武藤(運)委員 公団の方が見えておりましたら、公団の方から今までの経過について弁明を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X01119500731/11
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012・吉田秀太郎
○吉田説明員 このクリスマス電球の計画生産につきましては、今石井経理部長からるる御説明がありました。まつたくその通りでありまして、私がここに何らつけ加える必要も、また事柄もないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X01119500731/12
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013・鈴木平
○鈴木説明員 生産計画をいたしまするに至りましたその間の事情を簡單に御説明申し上げます。先ほど石井部長から御説明申し上げました通り、二十三年になりましてクリスマス電球の輸出が急に多くなりまして、総額六億万円にもなりました。日本品では重要な輸出品であります。しかもこれがたくさんのメーカーでつくられておりますが、その生産期間が非常に限られておりまして、従いまして、業界といたしましては、その生産の繁閑によつて事業の保持あるいは持術の保持になかなか至難を感じておることを十分承知しておる次第であります。従いまして、この間におきまして、われわれといたしましては、なるべく一年を平均化した生産能力で生産を継続いたしまして、輸出の振興をはかりたい、こういう所存で問題を進めて参つた次第であります。十月の二十八日に鈴木商会以下約六十名の判によりまして、商工大臣に対しまして、昨年の輸出は終つたが、その輸出閑散期において生産の穴埋めをしてくれという陳情があつた次第でございます。実情といたしまして、まさにその通りでありますと、私たち調停いたしまして、種々業界の実情について御相談いたしました上に、生産計画三千万個のものにつきまして貿易庁に相談協議いたした次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X01119500731/13
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014・武藤運十郎
○武藤(運)委員 そこで、それでは少しこまかいところを伺いますが、昭和二十三年の十二月一日に東光ビルで貿易庁から稻田事務官が出席いたし、倉石事務官からいろいろ説明があつて、割当をして、価格は八〇%、納期は二月二十八日、大体においてこういうふうな割当をしたことはありますか、ありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X01119500731/14
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015・鈴木平
○鈴木説明員 先ほど申し上げましたことによりまして、生産計画をやるという、その状況について説明をしたことは事実でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X01119500731/15
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016・武藤運十郎
○武藤(運)委員 状況についてというのはどういう趣旨ですか。状況の報告だけですか。それとも各業者を指定して、どのメーカーに対してはどういう種類のものを何箇というような明細な生産指示をいたしておるはずでありますけれども、そういう事実はありませんか。それを生産についての状況報告と申すのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X01119500731/16
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017・鈴木平
○鈴木説明員 業界からの輸出申請の申込みに従いまして、それに対しては当時の輸出状況からいたしまして政府の方で輸出を押える、輸出申請者を整理することをいたしませんで、詳細にメーカー別に、個別に生産の数字を相談いたしたはずでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X01119500731/17
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018・武藤運十郎
○武藤(運)委員 いや、相談ではない。相談というのはどういうのですか。話合いをしただけですか。あなたの方から印刷物か何かで従来割当をしたような形と同じ形でやつておるのではないですか。間違いのない、責任のある答弁を求める。事をあいまいにしないで、具体的に言つてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X01119500731/18
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019・鈴木平
○鈴木説明員 メーカー別の数字をそこで決定したはずでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X01119500731/19
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020・武藤運十郎
○武藤(運)委員 そうしますと、このようなメーカー別に数字を決定して、生産の指示をするということは、商工省が独自の立場でやるのか、その前にあらかじめ関係当局に、商工省なり貿易庁なりから話をしまして、輸出許可についての了解を求めた上でするのか、あるいは指示をした後に求めることになるのか、その点を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X01119500731/20
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021・石井由太郎
○石井説明員 ただいまのは、業界の申請をとりまとめまして、関係方面と折衝して、その輸出の数量の大きさについて、大き過ぎるというようなものにつきましては、勧告的な意味で、忠告的な意味で圧縮した事実はございます。しかしそれ以外のものは、すべて業界の申請通りという、先ほどおつしやつた御趣旨の通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X01119500731/21
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022・武藤運十郎
○武藤(運)委員 輸出許可について、司令部の方の了解があつたのか、なかつたのかということを私は伺つているのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X01119500731/22
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023・石井由太郎
○石井説明員 司令部の了解はあつたように聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X01119500731/23
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024・武藤運十郎
○武藤(運)委員 そうすると、それに基いて個別の割当をしたわけでありますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X01119500731/24
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025・石井由太郎
○石井説明員 個別の割当と申しまするよりも、業界からの申請で、頭の出ている、不適当と思われるものを切つて、そうして輸出申請をできるだけ取入れた計画をして来た、こういうことになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X01119500731/25
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026・武藤運十郎
○武藤(運)委員 いやもつとつつ込んで申し上げますと、IEの一○〇ということでやるのは、もう政府の買上げのわくの問題なんでしよう。ですから業者の申請のうちの多過ぎるものは、頭を切つたというようなものではなくて、これは政府で買上げるという建前で割当をするのではないですか。これはひとり輸出電球に限るのではなくて、いろいろな雑貨についても同じだと思いますが、そういう手続ではないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X01119500731/26
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027・石井由太郎
○石井説明員 政府の名において輸出することを予定いたしたものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X01119500731/27
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028・武藤運十郎
○武藤(運)委員 それに基いて業者は、当時統制になつておつた資材を、安定本部からわくをもらつて受取るわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X01119500731/28
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029・石井由太郎
○石井説明員 その通りです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X01119500731/29
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030・武藤運十郎
○武藤(運)委員 これによつて業者か製造に着手をいたしまして、メーカーとサプライヤーが売買契約をする。それからサプライヤーからGHQに対してIEの一○○なら一○○という書式で、輸出許可申請書というものを提出することになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X01119500731/30
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031・石井由太郎
○石井説明員 その通りであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X01119500731/31
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032・武藤運十郎
○武藤(運)委員 それが許可ということになつて貿易庁へ参りまして、貿易庁からこれが公団に交付される、公団から蒐荷指図書というものが出るという順序になるのですか。そうしてまたこれはそのような経過を経たものであるかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X01119500731/32
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033・石井由太郎
○石井説明員 貿易庁から公団に対しまして、蒐荷指図書が出ておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X01119500731/33
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034・武藤運十郎
○武藤(運)委員 その蒐荷指図書が出まして、公団とサプライヤーとの間に売買契約ができるわけでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X01119500731/34
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035・石井由太郎
○石井説明員 その通りであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X01119500731/35
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036・武藤運十郎
○武藤(運)委員 公団からもひとつ御返事をもらいましよう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X01119500731/36
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037・吉田秀太郎
○吉田説明員 その通りであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X01119500731/37
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038・武藤運十郎
○武藤(運)委員 そうしますと、ここで伺いたいのですが、一体いつ売買契約書を公団と業者との間につくつたのでありますか。またつくるのでありますか。
〔多武良委員長代理退席、委員長着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X01119500731/38
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039・石井由太郎
○石井説明員 蒐荷指図書に基きまして、公団が業者と値段その施すべての点について商議が済んだ後でございます。多くは蒐荷指図書の到着したときと考えてよろしいかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X01119500731/39
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040・武藤運十郎
○武藤(運)委員 その間の期間はどのくらいありましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X01119500731/40
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041・石井由太郎
○石井説明員 個別的でございまして、こまかいことはここに契約書がございますが、十八日に指図書が出ましたものが十日に契約になつておるという程度のものだと思います。それはいろいろな例ですから、一々ここでは御返事ができません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X01119500731/41
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042・武藤運十郎
○武藤(運)委員 そうしますと、生産指示、つまり割当があつてから、そういう手続を経るのでありますけれども、業者は割当があれば製造に着手するであろうと思うのであります。ことに先ほどお話がありましたように、技術の保存とか、閑散期を利用して仕事をするとかいうような趣旨に基いておるのでありますから、おそらく業者というものは、割当があればすぐこれで買上げをしてもらえるものというわけで、仕事に着手をすると思うのでありますけれども、今の手続があつて公団と売買契約ができるというのは、大分後になると思うのでありますが、一体その契約というのは、割当をしたときにするのか、それとも蒐荷指図書が出たあとで売買契約をするときにやつたものであるか、この点を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X01119500731/42
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043・石井由太郎
○石井説明員 ただいまのお話につきまして、先ほどちよつとお触れになつたのでありますが、官庁の中にもいろいろと意見の不一致があつたり、あるいはセクシヨナリズムがあつたというお話がありましたが、これは全体として輸出はもちろん振興いたしたい、しかしながら、国の損をできるだけ少なからしめるという要求も同時にあるわけでございまして、そのような話合いの中から、政府貿易の形式をふみ、あるいは資材の割当の便宜を得る。金融その他についての便宜の措置をつけるというようなことでありますから、われわれといたしましては、当然政府が契約するとともに、かわり証文として誓約書をとつておかないことには、自分たちの職責は盡せないわけでありますから、これは当時かわり証文として契約成立と同時にとつているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X01119500731/43
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044・武藤運十郎
○武藤(運)委員 そうしますと、割当のときではないのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X01119500731/44
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045・石井由太郎
○石井説明員 一般的な状況といたしまして、本件については、かわり証文がとられるということは、もちろん業界も承知しておつたと思いますけれども、かわり証文のとられているのは、契約の成立したときでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X01119500731/45
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046・武藤運十郎
○武藤(運)委員 直接契約の衝に当られました公団のお話を伺いましよう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X01119500731/46
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047・吉田秀太郎
○吉田説明員 まつたくその通りであります。今経理部長の言われた通りで、寸分間違いはありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X01119500731/47
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048・武藤運十郎
○武藤(運)委員 なるべく国の損を少くしようという趣旨は、私も決して反対をするものではありません。しかし民間業者に対しまして、買上げを前提として割当をし、製造を命じておきまして、その後になりまして、どういう実情であるか知りませんが、買上げができなくなつたというような場合におきましては、その責任は当然政府で負うべきものでありまして国損を少くするという理由で、政府部内における買上げ不可能になつた理由を業者に転嫁するというようなことは、業者を殺して国損を少くするという結果になるのではないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X01119500731/48
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049・石井由太郎
○石井説明員 ただいまのお話のございました、十二月の初めに東光ビルで業界と話合いをした内容が、どれだけの拘束力を持ち、どのような法律的性質を持つているものかということに帰する問題かと思うのであります。しかしながら、輸出の許可というのは、これは命令ではございませんで、この範囲までは輸出をしてもよろしいのだということでございます。その範囲につきましては、民間ベースでやることもあり、政府ペースでやるものもあるのでありますが、政府がそれにつきまして買上げの責任を持つということは、買上げ契約そのもので規定されるのでございますから、これは買上げ契約で国損を少くすべきだというのは、業界に対して非常に不信、不徳をいたしたということには相ならぬと思うのであります。ことに本件に関しましては、業界それ自身も、何ゆえ政府の国損を少くしなければならぬかということは、十分了得いた上ておつたことと私は承知いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X01119500731/49
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050・武藤運十郎
○武藤(運)委員 なるほど、そうしますと、割当をして業者が、これを信用して買上げられるものということでつくりまして、いろいろな金融関係その他で最後のところまで来ておるというような場合においても、もう買上げることをしなくなつた、あるいは誓約書を入れなければ、買上げないのだということでもいいわけでありますか。買上げ以外には責任がないというのですか。
〔委員長退席、中村委員長代理着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X01119500731/50
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051・石井由太郎
○石井説明員 二月に、あるいは年を越しましてから、突如としてこのような話を持ち出したのであれば、これはまさにお説の通りだと思うのでございますけれども、本件は、あるいは割当を行い、一○一番の申請をする当時から、政府貿易形態を不適当とする、政府はいわば名義貸しだけであるということは、業界それ自身が十分了得しておつたところでございますから、決してただいまの仰せのようなことではないと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X01119500731/51
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052・武藤運十郎
○武藤(運)委員 根本的な問題でありまするが、こういう場合における輸出ができるかできないかという見通しは、これはどこでやるのでございましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X01119500731/52
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053・鈴木平
○鈴木説明員 通産省、当時の商工省の電気機械課と安定本部と協議いたしまして、輸出計画を立てたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X01119500731/53
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054・武藤運十郎
○武藤(運)委員 そうしますと、輸出の見通し等については、業者にはわからないのであつて政府が立てるということになるのでありますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X01119500731/54
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055・鈴木平
○鈴木説明員 輸出計画につきましては、私たちの手もとにある資料だけでは、十分その時期なり情勢なりの判断がむずかしい点もございますので、業界の有識者の情勢の報告も受けまして、なおその生産計画につきましては、当時二十二年の後半期になりまして輸出が増大をいたしました関係から、能力が月に一千万箇程度に相なつたわけでございます。すでにそうなつておりましたので、月に一千万箇くらいの計画生産をしてほしいというのが業界の要望であつたのでございます。従つて三月を経過いたしますと、三千万箇になるのでございますが、当時の貿易庁の資金等の関係から、二千万箇と査定をいたした次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X01119500731/55
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056・武藤運十郎
○武藤(運)委員 買上げをしないことは、輸出ができなくなつたからであるか。輸出はできたのだけれども、商工省並びに関係官庁の中におけるいろいろな事情で、買上げをしなかつたのか。公団ではずいぶんいらないものを買上げておるのですが、それはどうでしよう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X01119500731/56
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057・石井由太郎
○石井説明員 本件の輸出につきましては、かわり証を読上げれば一番よろしゆうございますが、政府貿易の形態をとるけれども、業界それ自身自主的に輸出をいたすようにいたしますということでありまして、できる限り政府の、貿易庁の手を煩わさないという趣意でございましたから、われわれといたしましては、業界がどんどん輸出をいたしておるものと考えまして、買いもどし等の要求のあることを期待しておつたのでございます。事実どんどん買いもどしされまして、輸出に向けられたものも相当あるわけでございます。従いまして、官庁間におけるいざこざと申しますか、事務の連絡不円滑等のために輸出ができなくなつたということはないと思うのでございます。つけ加えて申し上げますれば、われわれが輸出計画生産と称しておりますのは、千九百五十万箇でございましたが、二千三百二十万五千箇というものが二十四年中に輸出されておるわけでございまして、ただいま一—三の大体の見通しは立つたかとのことでございましたが、一—三の見通しといたしましては過大であつたと思うのでありますけれども、年度それ自身といたしましては、この数字は別にもてあました見通しではなかつたと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X01119500731/57
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058・武藤運十郎
○武藤(運)委員 さらにお伺いしたいのですが、今まで当局の弁明を聞いておりますと、政府が責任を負う必要がないという唯一のよりどころは、買いもどしをするという誓約をとつてあるのだということに帰着するようでありますけれども、かりに百歩讓つて、買いもどしの約款というものが有効であるとしても、それが割当当時にされたのではなくて、いろいろ手続を経た後に、ただ單に売買契約の契約書をつくる際に入れたものだということになるならば、その前における政府の責任というものは残るでありましようし、最初の割当の当時からそういう意味の誓約をしたのであるなら、百歩讓つて誓約書が有効だとすれば、あるいは政府の責任がないということになるかもしれないのでありますけれども、それによつて政府は責任を負うというのか、負わないというのでありますか。それはどうでしようか。
〔中村委員長代理退席、委員長着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X01119500731/58
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059・石井由太郎
○石井説明員 先ほどもちよつと申し上げたと思うのでありますが、本件を政府契約にいたしましたいきさつ、割当のいきさつ等から、買いもどしの條件を持ち出しましたのは、決してあとになつていたしたのではないのでございまして、十二月の初めごろ、本件が計画生産、割当等の問題をめぐつてもめておつた時代から——いわゆるもめておると申しましようか、問題になつておる当時から、すでに約款づきということを業界か了得しておつたのでございますから、この誓約書は十分有効でありまして、このまま直接に政府が買上げる義務があるというようなことには相ならぬと考えるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X01119500731/59
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060・武藤運十郎
○武藤(運)委員 念を押しておきますが、それならば、かりに百歩讓つて、その誓約が前ではなくてあとだつたということになれば、責任を負うのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X01119500731/60
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061・石井由太郎
○石井説明員 ちよつとこれはお尋ねしなければなりませんが、あとであつたと申しますのは、初めの話合いのときには全然そういうような問題がなく、あとになつて持ち出された問題であるとするならば、責任がある、こういう御質問でありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X01119500731/61
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062・武藤運十郎
○武藤(運)委員 その通りであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X01119500731/62
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063・石井由太郎
○石井説明員 業界が全然何らの考えがないのに、突如としてそういう申出をされたのだ、そうしてそれが契約それ自身の成立に非常に影響を及ぼすのだということになりますれば、これはどういうような形式に相なるかわかりませんが、両当事者のあるいは過失であるとか錯誤であるとかいう問題を論じなければならぬと思いますが、政府の責任は起ると思います。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X01119500731/63
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064・小金義照
○小金委員長 次に、特別鉱害復旧臨時措置法の施行に関する件を議題として、調査を進めます。この際お諮りいたします。本件に関する調査につきましては、十分に委員及び政府委員の御意見を承るために、一般傍聽人の退場を求め、秘密懇談会として議事を進めたいと存じます。このようにとりはからうことに御異議はございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X01119500731/64
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065・小金義照
○小金委員長 御異議ないものと認めます。よつて本委員会は、ただいまより秘密懇談会といたします。傍聽人の退場を求めます。
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〔午後三時十分祕密会に入る〕
〔午後四時九分祕密会を終る〕
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X01119500731/65
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066・小金義照
○小金委員長 これにて祕密懇談会を終ります。本日をもつて今会期の議事は全部終了するのでありますが、なお申出中の閉会中審査事件が正式に院議によりまして、付託になりました際には、それぞれ所管の小委員会において閉会中の審査を進められんことを望みます。
本日はこれにて散会いたします。
午後四時十分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100804793X01119500731/66
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