1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十五年七月二十五日(火曜日)
議事日程 第七号
午後一時開議
第一 漁業法及び水産庁設置法の一部を改正する法律案(第七回国会参議院提出)
第二 日本政府在外事務所設置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
第三 船舶公団の共有持分の処理等に関する法律案(内閣提出)
第四 関税法の一部を改正する法律案(内閣提出)
第五 住宅金融公庫法の一部を改正する法律案(内閣提出)
第六 京都国際文化観光都市建設法案(田中伊三次君外十六名提出)
第七 奈良国際文化観光都市建設法案(東井三代次君外十五名提出)
第八 土地台帳法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
第九 漁業法の一部を改正する法律案(川村善八郎君外五名提出)
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○本日の会議に付した事件
新聞出版用紙割当審議会委員に参議院議員赤木正雄君を、国立遺伝学研究所評議員会評議員に参議院議員野田卯一君を充てる件
失業緊急対策に関する決議案(島田末信君外五
名提出)
日程第一 漁業法及び水産庁設置法の一部を改正する法律案(第七回国会参議院提出)
日程第二 日本政府在外事務所設置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
日程第三 船舶公団の共有持分の処理等に関する法律案(内閣提出)
日程第四 関税法の一部を改正する法律案(内閣提出)
日程第五 住宅金融公庫法の一部を改正する法律案(内閣提出)
日程第六 京都国際文化観光都市建設法案(田中伊三次君外十六名提出)
日程第七 奈良国際文化観光都市建設法案(東井三代次君外十五名提出)
日程第八 土地台帳法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
日程第九 漁業法の一部を改正する法律案(川村善八郎君外五名提出)
災害救助法の一部を改正する法律案(内閣提出)
行政書士法案(地方行政委員長提出)
飲食営業臨時規整法の一部を改正する法律案(根本龍太郎君外十名提出)
午後三時五十一分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100805254X00819500725/0
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001・幣原喜重郎
○議長(幣原喜重郎君) これより会議を開きます。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100805254X00819500725/1
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002・幣原喜重郎
○議長(幣原喜重郎君) お諮りいたします。内閣から、新聞出版用紙割当審議会委員に参議院議員赤木正雄君を、国立遺伝学研究所評議員会評議員に参議院議員野田卯一君を任命するため議決を得たいとの申出がありました。右申出の通り決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100805254X00819500725/2
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003・幣原喜重郎
○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつてその通り決しました。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100805254X00819500725/3
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004・福永健司
○福永健司君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、島田末信君外五名提出、失業緊急対策に関する決議案は、提出岩の要求の通り委員会の審査を省略してこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100805254X00819500725/4
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005・幣原喜重郎
○議長(幣原喜重郎君) 福永君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100805254X00819500725/5
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006・幣原喜重郎
○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
失業緊急対策に関する決議案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。赤松勇君。
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〔赤松勇君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100805254X00819500725/6
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007・赤松勇
○赤松勇君 私は、日本共産党を除く衆議院各派を代表いたしまして、ただいま議題となりました失業緊急対策に関する決議案の趣旨弁明を行わんとするものでございます。決議案の説明にあたりまして、まず決議案の内容をば朗読いたします。
失業緊急対策に関する決議案
最近における失業者数は逐月増加し、失業対策は今や極めて重大な問題となつているといわねばならぬ。しかして、これに対する緊急適切なる措置に欠くるところがあれば、社会不安を深刻化する虞れがある。
本院は、ここに国民生活安定と社会不安一掃のために、緊急失業対策事業の拡充を図ることとし、これがため必要なる経費を、能うる限り速やかに補正追加する等の緊急措置を講ずることを強く政府に対し要望するものである。
右決議する。
私は、ただいま朗読いたしました決議案の提案理由をいささか御説明申し上げまして、諸君の御賛同を得たいと思うのでございます。
現下の失業情勢は、御承知のごとく逐月深刻化せんとしつつある傾向を有しているのでありまして、総理府の統計局の労働力調査によれば、本年四月において、完全失業者は五十万人、あぶれた求職者は四十六万人、一週間三十四時間未満の半失業者は実に想像以上に達しているのであります。また公共職業安定所に職を求める失業者の数も漸次増加しているのでありまして、これはまことに重大なり社会問題であると申さなければなりません。この問題につきましては、その対策において欠くるところがございますならば、国民生活の上に、また治安確保の上にきわめて重大なる事態が生ずることは必至でございまして、その実施につきましては十分なる考慮を拂つて、緊急適切なる措置を講じ、遺憾なきを期することが、現下の社会事情にあつては喫緊の要務であると同時に、これは政府の重大なる責任であると申さなければなりません。(拍手)
しかも、今日この失業問題が、地方財政の関連において、言葉をかえて申しまするならば、今日この失業問題が地方財政をいかに圧迫しておるかということの一つの事実といたしまして、最近五大都市の市長がこぞつて、わが衆議院、本院に対しまして請願書をば出しているのでございます。この請願書は衆議院労働委員会に付託せられておるのでありまして、私はこの請願書の内容を皆さんに御紹介申し上げまして、現下の地方財政がいかにこの失業問題によつて深刻な影響を受けておるかということをば明らかにしたいのでございます。
失業応急事業に関する請願
近時失業者の「職よこせ」運動は全国各地に展開せられ五大都市においてはその傾向特に顕著なものがある。我国における失業問題は單なる景気変動に伴う所謂「摩擦的失業」のそれよりも寧ろ日本経済の構造面的特質に基く過剰人口の存立形態としての潜在失業者の顯在化の問題であり、失業保險制度のみをもつてしては問題解決に十全を期し得ない所以はここに存するものと思われる。
政府におかれては夙にこれに思を致され、年間四十億円の予算を計上して之に対処せられる所であるが、日を追うて累増する失業者の救済のためには、現行失業応急事業の規模は小さきに過ぎ、今や治安の問題にまで発展しつつある本問題処理のために遺憾なしとしない。
この当面の緊急課題の解決のために貴院が不断の努力を傾注されつつあることは感謝に堪えない所であるが、五大都市市長連名による政府宛左記陳情事項の趣旨を御諒察の上更に一層の御高配を賜り度い。
記
一、失業応急事業の規模の拡大
二、労力費及び事務費に対し全額又は少くも八割の国庫補助並びに資材費に対し半額国庫補助
三、失業応急事業費に対する起債認可の緩和
四、事業種目の決定に関し地方公共団体の自主性を認めること並びに女子及び知識層失業者のために夫夫対象に適応する事業種目の採択を認めること
五、技能者、監督者の採用比率を高めること
六、日雇労働者失業保險制度の改正
以上五大都市市長会議の決議により国会法に基き請願する次第である。
昭和二十五年四月二十日
これに署名されておりまする五大市長は、大阪市長近藤博夫君、横浜市長石河京市君、神戸市長原口忠次郎君、古屋市長塚本三君、京都市長高山義三君であります。
以上の請願の内容を見ましても、今日失業問題がきわめて地方におきまして重大な問題化しつつあるということをば御了察になりまして、政府はこれらの請願の趣旨並びに本員がただいま力説強調いたしました諸点につきまして、すみやかにこれが対策を樹立せられんことをば希望するのでございます。
もとより従来失業問題に対しましては、各党ともに重大な関心を寄せられまして、失業者の職業の確保をはかり、その生活の安定を期することにつきましては、きわめて真摯なる努力を続けて来たのでございます。政府においても、本年度は昨年に倍する約九百九十億の予算をもつて公共事業をば大福に実施し、かつ対日援助見返資金の効果的運用に努むる等総合的な対策の展開をはかつておられることは、われわれ十分承知しているのでございます。しかし、これのみでは、当面の失業問題の解決は断じて十分でないと言わなければなりません。(拍手)すなわち公共事業費九百九十億円の大部分は、これはほとんど資材、物件費でありまして、これらの救済人員は延べ百万人、一日平均わずかに二千七百人にすぎないのでございます。見返り資金による雇用増大にいたしましても、その支出が不円滑でございますから、失業対策としては、はなはだ不完全なものである。これらの施策と相まつて当面の対策の万全を期するためには、失業対策費の適切なる運用にまつところきわめて大なるものがなければならないと申さなければならないのでございます。純然たる失業対策事業は、本年度は四十億円の予算をもつて実施されることになつておりますが、すでに第一・四半期においても十億円以上をば支出し、さらに第二・四半期以降においては残額三十億円の大福な繰上げ支出をすることによつて、これが機動的実施をばはかることになつているわけでございますけれども、今後の失業情勢に対処してその万全を期するためには、この程度の失業対策をもつていたしましては、いかんともしがたいということは、何人もこれを認めるところであるのでございます。(拍手)
失業者の就労日数をでき得る限り増大せしめるとともに、今次の日雇い失業保險制度の改正と相まつて失業者保護に最善を盡すことは、現下の喫緊なる要務でございまして、これ本院が本決議案を各派共同で提案いたしまして緊急失業対策に関する遺憾なき確立を期するとともに、政府をして本案の趣旨にのつとり格段の努力をいたすよう要望してやまないゆえんであるのでございます。
以上をもつて決議案の趣旨弁明にかえる次第でございます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100805254X00819500725/7
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008・幣原喜重郎
○議長(幣原喜重郎君) 討論の通告があります。順次これを許します。柄澤登志子君。
〔柄澤登志子君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100805254X00819500725/8
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009・柄澤登志子
○柄澤登志子君 私は、ただいま上程されました失業緊急対策に関する決議案に、日本共産党を代表いたしまして反対するものでございます。
まず第一に、日本共産党は、この決議案が野党の名をもつて出ることになつておりましたものが、急に全会一致をもつて出さなければならないくらい失業問題が緊急な事態に立至つているということを認めざるを得なかつたろうと思うのであります。しかしながら失業問題は、今の吉田内閣の手によりまして、いかなる状態に置かれているかと申しますれば、この失業者の職を求むるところの闘争は、吉田内閣によりまして、警官の泥ぐつと、こん棒で弾圧せられているのであります。(拍手)
吉田首相は、この失業問題に対しまして、見返り資金と貿易の対策によつて失業者をなくするということを声明されたのでありますが、現実には、この政策によつて、見返り資金導入の産業は、むしろ逆に失業者が出、貿易は失敗いたしまして、日本の平和産業は壞滅し、そのために失業者が逆に増大しているのであります。現在の政府の方針は、特に今日共産党がこの問題に対して反対の意を表明せざるを得ないのは、最近になりましてから、戰時中のかつての勤労動員署の性格に職業安定所がかわりつつあるという問題を指摘せざるを得ないのであります。(拍手)
その具体的な例を申し上げますれば、七月十三日に、東京都では、事業庁の課長会議を開きまして、そうして四月、五月、六月の第一・四半期の予算が余つておりましても、これは絶対に流用はしないということを言つております。さらにマル進関係の要員は、いつでも出せるような動員の強制配置の態勢をととのえなければならないということを言つております。なお希望者がない場合には、本人が希望してもしなくても番号順で強制的に配置し、応じなければ手帳を取上げ、その後において一般の配置に応ずるということを、この課長会議において打合せしておるのであります。二十四日、林労働局長は、全部の土建の労働組合の代表を集めまして、十七万の新規登録を受けるために、今まであぶれをなくしていたところの東京都におきまして輪番制を実施するということを厳重に申し渡しているのであります。このことは一体何を意味するかということであります。
さらに私どもが指摘しなければならないのは、第七国会ですでに明らかになつておりましたところの職業安定法違反を当局が最近ではしておるということであります。すなわち沖繩要員、船舶要員の緊急募集ということが、ふしぎに職業安定所で公然と五反田において行われているのであります。しかも、その生命の危險に対するところの手当その他は今日明らかにできないということすら言われているのであります。(拍手)これは明らかにいわゆる対韓作戰軍に協力するということと、占領政策に協力する、占領軍に協力するという根本方針とをはき違えたところの吉田内閣の間違いにその根拠があるということを指摘せざるを得ないのであります。(拍手)それが二十六日から一齊に施行されておりますところの、職業安定所に、完全に働かしてもらいたいという、あの労働者の血の出るような要求に対しまして、一千名近い警官が動員され、放送車が三台で、しかもこん棒をもつてなぐる、ける、女の人は髪を振りまわされて、けが人すらも出ているというような弾圧が現に行われているのであります。(拍手)
日本共産党は、失業の問題に対しまして、政府の責任におきまして完全に就労させなければならないということは、党としての最も熱心な要求であることは、これは申し上げまるでもないのでありますが、こういう事態に際しまして、実に残念なことには、全面講和、厳正中立を叫んでおりました野党が全会一致で当然出せる決議案が、單独講和、なしくずし講和の自由党を含むところの全会一致で、きよう、このような形で出て来たということは、これはまつたく欺瞞にほかならないものであります……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100805254X00819500725/9
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010・幣原喜重郎
○議長(幣原喜重郎君) 柄澤君、申合せの時間でありますから簡單に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100805254X00819500725/10
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011・柄澤登志子
○柄澤登志子君(続) これに対しまして、日本の平和産業を復興し、さらにあの荒れ果てた山、荒れ果てた川、千六百億円もまだ行われておらないところの建設災害の費用を即時に組みまして、平和な日本の再建のためにこそ日本の失業者は動員されるべく政府に要望するものであります。弾圧を即時にやめ——今の政府のこの單独講和、戰争への協力の方向に対します政府のある限り、日本共産党はこれに対して反対せざるを得ないのであります。肉弾に供せられる、労働強化される、失業者の弾圧に対して断固反対の意を表明し、共産党の反対の趣旨を述べる次第であります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100805254X00819500725/11
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012・幣原喜重郎
○議長(幣原喜重郎君) 島田末信君。
〔島田末信君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100805254X00819500725/12
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013・島田末信
○島田末信君 ただいま議題となりました失業緊急対策決議案に対しまして、私は自由党を代表して賛成の意見を述べるものであります。
現下の社会事情より推して、失業対策がいかに重要性を帯びているかは、先ほど赤松君よりも、決議案の趣旨弁明中十分明らかにせられた通りであつて、今後における失業対策の成否は、国民生活の安定上、社会不安の増大に影響があるばかりでなく、わが国治安の確保上ゆゆしき結果を招来すべき重大性を有しておることは、今さら申し上げるまでもないのであります。わが自由党におきましては、失業問題に関しては従来異常なる関心を持つて、常に政府を鞭撻しつつ真摯なる努力を続けて参つたことは御承知の通りであります。
由来わが国の実情は、狭猛なる領土過剰人口を擁して、極度の欠乏経済を克服しつつ、経済、産業の安定復興に必死の努力を続けておる現状において、完全雇用への実現はなお前途遼遠であるばかりでなく、終戰以来インフレ経済に寄食し来つた、厳密なる意味での潜在失業者も、インフレ終息とともに、わが国経済が正常なる姿に立ち返るに従つて、その相当部分は顯在失業者の仲間入りをすべき傾向を有しておるとともに、他面、産業の合理化に伴う人員の整理等も失業増大のまぬがれがたき現象であつて、今日失業者の増大を最小限度に食いとめて、積極的には雇用量をより大ならしむべき諸般の対策を確立し、消極的には失業者自体の最低生活をともかくも保障して社会不安を最大限度に除去するためには、われわれは一層の苦心と努力とを必要とするのであります。
ことに一部の不健全分子は、企業の順調なる成育を阻害して、あるいは経営を困難ならしめ、あるいは企業を倒壞せしめることによつて一面失業群を増大せしめるとともに、他面、不健全分子自体が失業の対象となつていたことも、おおいがたき事実であります。(拍手)従つて失業対策は、わが国の置かれたる特殊事情より、やむを得ずして失職せる善良なる国民にいかに対処すべきかという問題と、不健全分子が当然脱落するであろうこれらの失業群をいかに処理すべきかという問題と、おのずから別箇の立場において施策の万全を期すべきだと信ずるのであります。(拍手)
政府においても、本年度は公共事業畳約一千億円を計上して大幅なる失業者の吸収を実施し、さらに対日援助見返資金の失業対策的運用に効果あらしめるとともに、特に最近の実情に呼応して、緊急失業対策事業費本年度分四十億円のうち、第二・四半期以降の残額三十億円に対しては大幅なる繰上げ支出を断行して、逐月漸増の傾向を有する失業者の雇用量増大をはかるとともに、さらに本国会においては、失業保險法の一部を改正して、日雇い労働者の失業に関し、あるいは受給資格要件を緩和し、あるいは失業保險の待機日数を有利ならしめるなど政府の苦心ある努力に対しましては、大いにこれを了とすべきであります。
しかしながら、現下の失業事情は、今一層政府の全力を傾注してこれが対策に当るべき必要を痛感するのであります。たとえば日雇い労働の求職事情を眺めてみましても、現在輪番制実施のやむなきために、生活権はなお安定すべき域には至つていないのであります。すなわち、この現状こそは、いわゆる不健全分子に好餌を與えて、あるいはあぶれをなくせよとか、あるいは出つらをよこせとか、職安闘争に名をかる不穏行動への余地を残す結果となつておるのでありますから、政府はよろしく財政的能力とにらみ合せて抜本塞源的措置を講ずべきであります。
最近経済安定本部が発表した二十五、六年度の経済の見通しにおきましても、失業者はある程度増加するであろうことを率直に認めておるようでありますが、かくのごとく当然失業者の増大を予想さるべきわが国の実情に処して、これを未然に防止するかいなかは、一に政治力と国力のしからしむるところでありまして、失業対策の根幹をなすものは、実に積極的には雇用量の増大でなければなりません。たとい完全雇用は前途遼遠のいばらの道でありましても、われわれは、この目標に向つて着々とわが国の産業を興隆せしむるとともに、その補助政策としては、失業救済事業の適宜なる処置をもつて失業者を最大限に吸収すべきであります。さらに社会保障制度の拠充確立をはかつて憲法の示す国民生活保障の実をあげることも、失業対策として重要なる一半でなければなりません。政府はすみやかにこれが対策とその実行のために、最善の努力をなすべきであります。
本決議案はまことに時宜に適したるものとして、わが自由党は、本案の趣旨実現方を政府に強く要望いたしまして、本決議案に対し心からなる賛成の意見を述べるものであります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100805254X00819500725/13
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014・幣原喜重郎
○議長(幣原喜重郎君) これにて討論は終局いたしました。
採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100805254X00819500725/14
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015・幣原喜重郎
○議長(幣原喜重郎君) 起立多数。よつて本案は可決いたしました。(拍手)
この際労働大臣から発言を求められております。これを許します。保利労働大臣。
〔国務大臣保利茂君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100805254X00819500725/15
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016・保利茂
○国務大臣(保利茂君) ただいまの御決議に対しまして、政府の所信を申し述べたいと存じます。政府といたしましては、御決議の御趣旨に沿いまして、さらに一段の努力を傾ける所存でございます。(拍手)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100805254X00819500725/16
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017・幣原喜重郎
○議長(幣原喜重郎君) 日程第一、漁業法及び水産庁設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。水産委員会理事川端佳夫君。
〔川端佳夫君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100805254X00819500725/17
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018・川端佳夫
○川端佳夫君 ただいま議題となりました漁業法及び水産庁設置法の一部を改正する法律案につきまして、水産委員会における審議の経過並びにその結果を御報告いたします。
まず本法律案の趣旨を申し上げます。有明海は瀬戸内海に次ぐ漁業権の複雑した海でありまして、その海区の漁業を調整するために、瀬戸内海と同様に常置の有明海連合海区漁業調整委員会並びに有明海漁業調整事務局を置いて、この海区の漁業調整を円滑にし、漁業生産の増強をはかろうとするものであります。
以上がこの法案の大要でありまして、その内容といたしましては、漁業法の第八十二條、第百九條、第百十條、第百十一條を改正いたしまして、有明海に有明海連合海区漁業調整委員会を設置し、その委員は、有明海に設置された各関係海区漁業調整委員会の委員が県ごとに互選した者各一名と、学識経験者の中から主務大臣が任命した者二名、都合六名をもつて組織し、また有明海の区域は、長崎県口之津町瀬詰崎から熊本県湯島村中央三角点を経て三角町柴尾山西南に至る直線及び陸岸によつて囲まれた海面であります。
次に水産庁設置法の一部改正でありますが、これは有明海連合海区漁業調整委員会を加えることと、有明海漁業調整事務局を設置し、その事務局の所在地を大牟田市とすることになつているのであります。
以上の法律案は、第七国会において参議院から提出され、本院において閉会中継続審査をいたした議案であります。すなわち、第七国会の四月二十一日に本水産委員会に付託となつたものでありまして、本委員会におきましては、その重要性にかんがみ、小委員会を設けて愼重審議をいたして参つたのでありますが、同会期中においては十分な審議をするに至らなかつたため閉会中も審査を継続し、今期国会において再び本委員会に付託されたので、愼重に愼重を重ね審議いたしました結果、本法律案中に、紀伊水道を瀬戸内海より分離し、独立した海区を設定するために、次のような内容を盛り込んだ修正を加えた次第であります。
すなわち、その理由を申し上げますと、紀伊水道を瀬戸内海より分離して独自の漁業調整をすることにいたしたのであります。紀伊水道は事実上相当の外洋性をも帯びた海面でありまして、その漁業の方法におきましても、瀬戸内海はいろいろと異なつた点が指摘されるばかりでなく、魚族繁殖上重要なる海域でありますので、紀伊水道を瀬戸内海より分離いたしまして、魚族の繁殖保護の万全を期するとともに、漁業改革の趣旨達成に効果あらしめんというのであります。瀬戸内海は古くから入会関係が複雑でありますが、紀伊水道においては、かような複雑性はなく、この海域における漁業の適正指導と相まつて、海洋の特異性等の利便から所期の魚族繁殖保護を全うし、ひいては瀬戸内海の漁業資源枯渇防止に役立つものであるがため、これを瀬戸内海より分離することが適当と認められたのであります。
その内容は、瀬戸内海より和歌山県紀伊日の御岬燈台から徳島県伊島及び前島を経て蒲生田御岬に至る直線と、和歌山県田倉崎から兵庫県淡路島生石崎に至る直線と、それに徳島県大磯崎から兵庫県淡路島潮崎に至る直線と、陸岸に囲まれたる海面を分離し、紀伊水道連合海区漁業調査委員会をこの区域内に設置し、各県ごとに互選した者二人と学識経験者と二人で、都合八人で組織されているのであります。
次に水産庁設置法の一部改正につきましては、神戸市にある瀬戸内海漁業調整事務局を瀬戸内海、紀伊水道漁業調整事務局として改めることにしたのであります。以上が、その修正した内容であります。本水産委員会は、有明海を紀伊水道の件につきましては第七国会より調査し、前述の通り愼重審査をいたしました次第であります。かくて七月二十二日。本委員会において、修正案について討論を省略して採決いたしましたところ、多数をもつて本案の通り可決すべきものと決定した次第であります。本委員会における審議の詳細につきましては会議録によつて御承知を願うことといたしまして、右御報告を終ります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100805254X00819500725/18
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019・幣原喜重郎
○議長(幣原喜重郎君) 討論の通告があります。これを許します。井之口政雄君。
〔井之口政雄君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100805254X00819500725/19
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020・井之口政雄
○井之口政雄君 この法案に対しまして、日本共産党を代表して反対いたします。
ただいまの委員長の報告の中に、討論を省略したということが述べられておりましたが、まつたくその通りで、ほとんど全委員の要求があつたにかかわらず、討論をむりやりに打切り、討論をさせなかつたのであります。従つて、共産党の意見を委員会において十分に述べることもできなければ、さらに自由党、民主党、社会党等の中からも、これに対する反対意見が強かつたにかかわらず、これらをも一切この委員会の上に反映せしめないで、急速に、ほとんど弾圧的な状態で、委員会を通過させてしまつたのであります。
なぜ、こういうことまでして、この法案を通過させなければならなかつたか。これには、いわれ因縁がある。これには事情がある。この法案は、内容が、重要な部分が二つにわかれております。一つは九州の有明海に連合海区を設定しようという案、いま一つは瀬戸内海海区から紀伊水道を別にして、そうしてここに一つ海区を設定しようというこの二つの案が、これに含まれているわけであります。前者、有明海の方面のものは、これは参議院においても賛成を得る性質のものであり、かつ衆議院においても大体これは賛成を得る性質のものである。しかるに、これと抱き合せて、そうして、ちようど何かマヨネーズをかけてしまつて、食べやすいようなかつこうにして、いつの間にかうまくごまかして、この紀伊水道の問題までも通過させようとした陰謀の法案である。だから、これに対して自由党でも反対が出て来るのは当然である。(拍手)
またある人たちは、この法案は單なる地方問題であるかのごとく説いております。なるほど地方的の問題である。しかしまた、同時にこれは全国的な問題であります。絶えず零細漁民の立場に立つて真に日本の漁業を育成しようとする共産党の態度は、終始一貫この問題に対して反対の態度をとつて来た。紀伊水道の問題に対して、去る五回国会においても、われわれは反対の態度をとつて来たのであります。そのとき社会党は、これを自由討議にし、これに賛成する人もおれば、反対する人もおるというふうな、あいまいな態度でありましたが、共産党は終始一貫これに反対し続けて来ております。
何がゆえにしかるか。——何がゆえにしかるか。今日瀬戸内海海区というものは、ここにおいては瀬戸内海の魚族の保護のためにさまざまの制限、漁業に対するいろいろな保護規定がある。この保護規定が、今日においては紀伊水道にも適用されておる。しかるに、この保護規定をのがれるために紀伊水道だけを分離して、そうしてこの紀伊水道だけにおいて、この地びき漁業資本家の横暴なるところの濫獲を許そうというのが、そもそもこの法案の骨子なんだ。(拍手)共産党がこういうものに反対するのは当然である。もしこれをやられたならば、和歌山県あるいは徳島県、あるいはこの紀伊水道を囲む諸県におけるところの地びき業者資本家は、夏は外海においてお魚をとる、冬は波が荒くなると中へ入つて来て、みな根こそぎ魚をさらつてしまつて、一寸くらいの稚魚に至るまでもみなとつてしまう。こうなると、瀬戸内海五十万の漁民の生命は一体どうなる。生活はどうなる。(拍手)もし、ほんとうに良心のある方がおいでになるならば、これはいずれの党派の政党であつても、これに反対せざるを得ない性質のものなんだ。それを、前の国会においては急速に、まるで知らないうちにこれを通過させてしまつて、地方の各漁業協同組合の方々は、これを聞いて急遽東京にはせ参じて、こういう法案が通されたならば瀬戸内海全漁民の死命に関するというので一大反対が起り、地方の各新聞の投書欄は、毎日毎日この問題をもつて埋められておるという状態である。これをわれわれはよく考えなければならぬ。
なるほど一部の議員の方においては、この紀伊水道が、これから瀬戸内海区よりはずされてしまつたならば、その他の県におけるところの地びき業者がこの近海において自由に漁業できないというふうな事情のために反対される方もいるでありましよう。しかし、その意図はいかんにしろ、とにかくこの紀伊水道におけるところの魚族を自由に育成して、魚が大きくなつてから内海に入つて来る、これはこの沿岸漁民四十万の希望するところでありまするからして、ほんとうの良心のある方は、この法案に反対していただきたい。もしこれに賛成するような方がおられましたならば、この問題は、これがきつかけとなつて、全国にこういう事情が起つて来る。全国に起つて来て、そうして日本近海の魚族は濫獲された結果、われわれは海国民として一体どこに栄養価を求めることができるでありましようか。よくこの点も考えていただきとうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100805254X00819500725/20
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021・幣原喜重郎
○議長(幣原喜重郎君) 井之口君、申合せの時間が参りましたから、結論をつけてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100805254X00819500725/21
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022・井之口政雄
○井之口政雄君(続) 申合せの時間が切迫したそうでありますから——とにかくこれは、瀬戸内海の四十万漁民の問題だけではなくして、日本全国の零細漁民の問題であり、かつさきの国会においては、この海の資源の枯渇を防止するという法案さえも出そうとして来たのでございます。こういう点も十分に考えるならば、こここそ最も皆さん方の正しい投票をもつて、そうしてこの法案に反対して、日本の漁民の方々を安堵せしめていただきたいと思う次第であります。
これをもつて私の反対意見といたします。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100805254X00819500725/22
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023・幣原喜重郎
○議長(幣原喜重郎君) これにて討論は終局いたしました。
これより採決に入ります。この採決は記名投票をもつて行います。本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参せられんことを望みます。閉鎖。
氏名点呼を命じます。
〔参事氏名を点呼〕
〔各員投票〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100805254X00819500725/23
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024・幣原喜重郎
○議長(幣原喜重郎君) 投票漏れはありませんか。——投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開匣。開鎖。
投票を計算いたさせます。
〔参事投票を計算〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100805254X00819500725/24
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025・幣原喜重郎
○議長(幣原喜重郎君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。
〔事務総長朗読〕
投票総数 二百五十四
可とする者(白票) 百三十五
〔拍手〕
否とする者(青票) 百十九
〔拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100805254X00819500725/25
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026・幣原喜重郎
○議長(幣原喜重郎君) 右の結果、漁業法及び水産庁設置法の一部を改正する法律案は委員長の報告の通り修正議決いたしました。
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〔参照〕
漁業法及び水産庁設置法の一部を改正する法律案を委員長の報告の通り決するを可とする議員の氏名
阿左美廣治君 足立 篤郎君
安部 俊吾君 青木 正君
青柳 一郎君 淺利 三朗君
麻生太賀吉君 井手 光治君
井上 知治君 伊藤 郷一君
飯塚 定輔君 生田 和平君
池見 茂隆君 石田 博英君
石原 圓吉君 石原 登君
今泉 貞雄君 今村 忠助君
宇野秀次郎君 小川原政信君
小高 熹郎君 尾関 義一君
大石 武一君 大泉 寛三君
大和田義榮君 岡延右エ門君
岡野 清豪君 鍛冶 良作君
柏原 義則君 甲木 保君
川村善八郎君 川本 末治君
菅家 喜六君 菊池 義郎君
北川 定務君 久野 忠治君
倉石 忠雄君 黒澤富次郎君
小坂善太郎君 小玉 治行君
佐久間 徹君 佐藤 榮作君
佐藤 重遠君 佐藤 親弘君
坂田 英一君 坂田 道太君
篠田 弘作君 島村 一郎君
鈴木 善幸君 關内 正一君
田口長治郎君 田嶋 好文君
田中 元君 田中不破三君
田渕 光一君 高木吉之助君
高木 松吉君 高間 松吉君
玉置 信一君 圖司 安正君
塚原 俊郎君 土倉 宗明君
圓谷 光衞君 坪内 八郎君
寺本 齋君 飛嶋 繁君
内藤 隆君 中村 清君
中村 幸八君 永田 節君
西村 直己君 根本龍太郎君
野原 正勝君 畠山 鶴吉君
原田 雪松君 平井 義一君
平澤 長吉君 福田 喜東君
福永 健司君 藤枝 泉介君
本間 俊一君 眞鍋 勝君
前尾繁三郎君 増田甲子七君
益谷 秀次君 松井 豊吉君
松木 弘君 松田 鐵藏君
松野 頼三君 三池 信君
三浦寅之助君 水田三喜男君
南好 雄君 村上 清治君
守島 伍郎君 森 幸太郎君
森 曉君 山口喜久一郎君
山口 好一君 山崎 猛君
吉武 恵市君 渡邊 良夫君
亘 四郎君 荒木萬壽夫君
井出一太郎君 今井 耕君
大森 玉木君 岡田 勢一君
金子與重郎君 金塚 孝君
吉川 久衛君 小松 勇次君
坂口 主税君 笹森 順造君
笹山茂太郎君 椎熊 三郎君
清藤 唯七君 園田 直君
竹山祐太郎君 床次 徳二君
中島 茂喜君 長谷川四郎君
畠山 重勇君 早川 崇君
林 好次君 原 彪君
藤田 義光君 増田 連也君
三木 武夫君 吉田 安君
中村 寅太君 衞藤 速君
大石ヨシエ君 佐竹 晴記君
浦口 鉄男君
否とする議員の氏名
逢澤 寛君 淺香 忠雄君
稻田 直道君 岩川 與助君
宇田 恒君 遠藤 三郎君
小笠原八十美君 小川 平二君
小淵 光平君 尾崎 末吉君
大上 司君 大澤嘉平治君
大西 禎夫君 大村 清一君
岡田 五郎君 岡西 明貞君
岡村利右衞門君 加藤隆太郎君
風間 啓吉君 片岡伊三郎君
門脇勝太郎君 川西 清君
河原伊三郎君 北澤 直吉君
金原 舜二君 小平 久雄君
小西 寅松君 小西 英雄君
河野 謙三君 近藤 鶴代君
佐々木盛雄君 塩田賀四郎君
島田 末信君 白井 佐吉君
鈴木 明良君 千賀 康治君
田中 重彌君 高木 章君
玉置 實君 中馬 辰猪君
東井三代次君 奈良 治二君
中山 マサ君 仲内 憲治君
永井 要造君 西村 久之君
橋本 龍伍君 原 健三郎君
平野 三郎君 福永 一臣君
船越 弘君 堀川 恭平君
前田 郁君 三宅 則義君
滿尾 君亮君 宮原幸三郎君
八木 一郎君 山本 久雄君
吉田吉太郎君 若林 義孝君
天野 久君 有田 喜一君
石田 一松君 小川 半次君
小野 孝君 木下 榮君
小林 運美君 小林 信一君
平川 篤雄君 福田 繁芳君
松本 瀧藏君 森山 欽司君
山手 滿男君 青野 武一君
淺沼稻次郎君 猪俣 浩三君
今澄 勇君 受田 新吉君
岡 良一君 勝間田清一君
上林與市郎君 佐竹 新市君
坂本 泰良君 鈴木 義男君
田万 廣文君 堤 ツルヨ君
戸叶 里子君 中崎 敏君
成田 知巳君 西村 榮一君
福田 昌子君 前田榮之助君
松井 政吉君 松岡 駒吉君
松澤 兼人君 三宅 正一君
水谷長三郎君 門司 亮君
米窪 滿亮君 井之口政雄君
池田 峯雄君 上村 進君
柄澤登志子君 川上 貫一君
今野 武雄君 田代 文久君
高田 富之君 竹村奈良一君
土橋 一吉君 梨木作次郎君
林 百郎君 深澤 義守君
米原 昶君 渡部 義通君
飯田 義茂君 石野 久男君
黒田 寿男君 中原 健次君
松谷天光光君
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100805254X00819500725/26
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027・幣原喜重郎
○議長(幣原喜重郎君) 日程第二、日本政府在外事務所設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。外務委員長守島伍郎君。
〔守島伍郎君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100805254X00819500725/27
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028・守島伍郎
○守島伍郎君 ただいま議題と相なりました法案につき、外務委員会における審議の経過及び結果を御報告申し上げます。
本法案は、七月十五日、内閣から衆議院に提出され、本委員会に付託されました。よつて、七月二十一日及び二十二日の二回にわたり委員会を開き、審議をいたしたのであります。
政府側の説明によりますれば、さきに第七国会において日本政府在外事務所設置法が成立しまして、アメリカ合衆国内五箇所に在外事務所が設置されたのであります。しかるに、最近総司令部の好意によつて、アメリカ以外の数箇国に在外事務所設置の話合いが進捗し、近く実現する見通しを得るに至つたのであります。よつて同法に必要な改正を加え、設置箇所を規定するとともに、職員の給與に関し、設置箇所の物価水準を考慮して適当なる規定を設くる必要を生ずるのであります。しかるに、在外事務所設置の話合いが国会閉会中に成立した場合には、現行設置法では、在外事務所を設置することは予算の範囲内で政令で定めることができるのでありますが、職員の給與は、設置法に定める額では不適当であり得ることが予想されるのであります。このような場合には、法律の範囲内で、給與の額を所在国の事情に適応させ得るように措置しておく必要がある次第であります。よつて、今回の改正の内容を申しますれば、政令によつて設置される在外事務所については、在勤手当及び住居手当の支給年額を、当分の間、設置法に掲げられておる手当額の九割から十一割までの額の範囲内において外務大臣がこれを定めることにしたのであります。外務大臣がこれを定めるにあたりましては、その在外事務所の所在国の通貨の対米為替及びその所在地の物価水準を基礎とするというのであります。また、すでに設置されておる在米五事務所についての手当の額は、この改正案によつて何ら変更のあるわけではございません。以上が提案理由の説明でありました。
次いで委員側から質疑が行われ、政府側から、目下在外事務所設置の話合いが進捗しておる国はフランス、スエーデン、ブラジル、パキスタン及びインドの五箇国であること等の答弁があり、続いて討論に入りましたが、賛成意見といたしましては、在外事務所職員の給與は決して十分ではないが、予算の関係上今回はやむを得ないと思う、しかしながら、これら職員の活動に遺憾なきを期するためには、将来手当の増額等につき政府の一段の努力を要望する趣旨が述べられ、また反対意見としては、在外事務所設置は、講和條約なき今日、一種のなしくずし講和であり、特殊国に一辺倒となり、ひいては戰争を誘発するおそれもあるとの意見が述べられました。しかして、討論終了の後採決の結果、本委員会は多数をもつて本法案を可決いたした次第であります。
右御報告申し上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100805254X00819500725/28
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029・幣原喜重郎
○議長(幣原喜重郎君) 討論の通告があります。これを許します。渡部義通君。
〔渡部義通君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100805254X00819500725/29
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030・渡部義通
○渡部義通君 日本共産党は、本法案に反対であります。
今日独立の存在をまつたく認められていない日本が、特定の帝国主義国家の利益と一致する場合にのみ、見かけだけの自主性が與えられるかのような扱いをされておる。そういう立場からいろいろな條約を結び、また結ぼうとしておるのでありますが、このような措置は、明らかにポツダム宣言の精神と原則とに反して強行されておる、いわゆるなしくずし講和にすぎないのであつて、在外事務所設置法は、その最も端的な現われの一つであります。このことは、外交自主権の一部を認めるかのごとき欺瞞的な仕方で、実はいま日本を支配している特定国への日本の従属性を一層強化して行こうという外国の意図に奉仕するものであります。だからこそ’本年の四月、本法案が初めて提出されたとき以来、日本共産党は強くこれに反対して参りました。
今回の法案は、これまでアメリカにだけ設けられていた在外事務所を、さらにインド、パキスタン、ブラジル、フランス、スエーデンなどにも拡張設置しようとするものであります。周知のように、これらの諸国は、アメリカ独占資本に従属するか、あるいはその強度な影響のもとにある国々であります。もし日本の貿易の真の利益を考え、日本の将来を正しくはかるならば、日本は世界帝国主義の勢力圏にだけ接近すべきではない。日本の地理的な、歴史的な諸條件から見て、特に世界史の必然の帰趨というものを見通すならば、中国やソ同盟との貿易と友好とを考えるべきであります。
現にアメリカに五箇所の在外事務所が設けられましてすでに三箇月になりますが、政府の外務委員会での説明を見ましても、たとえばその職員が大いに歓待を受けたとか、あるいは日本の財界、経済界の事情の調査を依頼されたとかいつたようなことだけであつて、設置による具体的な成果が日本のためにあげられているわけではありません。この事実は、ゆえないことではありません。日本が今日のように植民地的支配を受けております限り、在外事務所なるものが、日本の実質的な利益と国民経済の発展のために活動するということよりは、特定国の言いなりに、特定国の政治的、経済的な目的と要求のために、あるいはその範囲内でのみその活動を許されるのであります。現に日本にとつて不必要なものの輸入、日本にとつて必要なものの輸出を余儀なくされているという事実、価格にあつては、輸入はきわめて高く、輸出はあまりにも安いというようなことを強制されておる事実、これらの事実をわれわれは反省してみる必要があるのであります。
〔議長退席、副議長着席〕
われわれがこの法案に反対しておるのは、單に経済的な理由によるだけではない。もしこの法案が実施されるならば、日本は世界勢力の一方的な陣営、具体的に言うならば帝国主義的な陣営とだけ、さらに一層深い関係に立ち入らざるを得ないのである。しかも、日本が欲するといなとにかかわらず、巨大帝国主義の手先として、このような陣営にくみすることにならざるを得ないのであります。それはみずから進んで自主権を放棄し、国際的対立の激化の中に飛び込んで、やがては世界戰争への突入の素地をつくることになることは必然であります。
日本共産党は、以上のような理由から本法案に絶対に反対であるし、在外事務所設置法そのものをただちに廃止することを要求し、世界平和に貢献することを期するものであります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100805254X00819500725/30
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031・岩本信行
○副議長(岩本信行君) これにて討論は終局いたしました。
採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100805254X00819500725/31
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032・岩本信行
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100805254X00819500725/32
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033・岩本信行
○副議長(岩本信行君) 日程第三、船舶公団の共有持分の処理等に関する法律案、日程第四、関税法の一部を改正する法律案、右両案は同一の委員会に付託された議案でありますから、一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。大蔵委員長夏堀源三郎君。
[夏堀源三郎君登壇]発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100805254X00819500725/33
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034・夏堀源三郎
○夏堀源三郎君 ただいま議題となりました船舶公団の共有持分の処理等に関する法律案及び関税法の一部を改正する法律案につき、大蔵委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
まず船舶公団の共有持分の処理等に関する法律案について申し上げます。
船舶公団は本年九月三十日までに清算を結了しなければならないことになつておりますが、船舶公団が他の船舶所有者と共有する船舶についての公団の持分の処分は、現在の海運界の現状では、船舶所有者がこれをただちに買い取ることは困難でありますので、相当長期間にわたることが予想されるのであります。従いましてこの法案は、船舶公団の他の船舶所有者と共有する船舶公団の持分を国に引継ぐことにより船舶公団の清算を短期に結了させるとともに、これに伴いまして船舶公団の復興金融金庫に対する債務の弁済並びに国の復興金融金庫及び船舶公団に対する出資の減少について特別の措置を講ずることとしておるのであります。
この法案は、七月十七日、本委員会に付託され、同十九日、政府委員より提案理由の説明を聽取し、四日間にわたつて各委員より、本法案提出の根本理由、引継ぎ債権債務の内容、引継ぎ共有持分の処理方法、共有持分に対する金利、引継ぎ後の運営機構等について質疑が行われ、それぞれ政府委員より答弁がありましたが、詳細の点は速記録に譲ることにいたします。
次いで質疑を打切り、討論採決に入りましたところ、竹村委員は共産党を代表して反対の意を表せられ、奥村委員は自由党を代表して賛成の意を表せられ、宮腰委員は国民民主党を代表して、希望條件を付して賛成の意を表せられ、田中委員は社会党を代表して賛成の旨討論せられました。次いで採決いたしましたところ、起立多数をもつて原案通り可決いたしました。
次に関税法の一部を改正する法律案につきまして御報告申し上げます。
この法案の内容の要点は次の二点であります。その第一点は、税関職員がその職務を行うにあたつて武器を携帯することができる規定を設け、最近特に凶悪化しつつある密貿易の取締りの徹底をはかろうとするものであります。その第二点は、私設の保税地域等に対する税関官吏の常時派出に関する従来の規定を整備するとともに、その定員については、派出職員の特質にかんがみまして、これを定員外といたそうとするものであります。
この法案は、七月二十日、本委員会に付託せられ、同二十一日、政府委員上り提案理由の説明を聽取し、同日及び翌二十二日の二日間にわたつて質疑を行つたのでありますが、その詳細につきましては速記録に譲ることにいたします。
次いで質疑を打切り、討論採決に入りましたところ、竹村委員は共産党を代表して反対の意を表せられ、奥村委員は自由党を代表して賛成の意を表せられ、田中委員は社会党を代表して改正の第二点については賛成、改正の第一点については反対の意を表せられ、宮腰委員は国民民主党を代表して、希望條件を付して賛成の意を表せられました。次いで採決をいたしましたところ、起立多数をもつて原案通り可決いたしました。
以上御報告申し上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100805254X00819500725/34
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035・岩本信行
○副議長(岩本信行君) 討論の通告があります。これを許します。高田富之君。
[高田富之君登壇]発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100805254X00819500725/35
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036・高田富之
○高田富之君 ただいま上程になりました船舶公団の共有持分の処理等に関する法律案並びに関税法の一部を改正する法律案の両案に、日本共産党は反対でありますが、関税法の一部を改正する法律案につきまして、簡單に反対の理由を申し述べたいと思うのであります。
これは密貿易を防止するという理由のもとに税関職員の武装を許そうとするものでありますが、この密貿易によつて起る真因につきましては、政府当局にもただしたのでありますが、わが国の貿易が政治的にきわめて不自然な制約を受けておる結果、近隣の諸国、諸島との間に、経済の必然的な法則に基いて密貿易が起るということを、政府当局においでも認めておるのであります。しかるに、この根本の原因につきましては、かえつてこれを激成する政策を政府当局はとりながら、その結果現われた密貿易に対しましては、武装をもつてこれを彈圧することによつてこれが根絶をはかり得るかのごとく考えておる。まことに本末転倒であり、この理由をそのまま、私どもま、うのみにするわけには行かないのであります。
第一、官吏が武装するというようなことは、民主国家におきましては許すべからざることでありまして、最近のように官吏が非常に腐敗堕落しておるときに武装するということになりますと、はなはだこれは危險であります。たとえば、先般第五晴彦丸事件というのが新聞紙上にも出ましたけれども、密貿易の本拠が海上保安隊の中にあつたというようなことまで暴露されておるような次第であります。なおこの官吏武装問題は、現在政府が国会の外におきまして着手しておる警察保安隊の大増強、新設、あるいは海上保安隊の大増強等と一連の再武装計画の一環と見るべきものであつて、先般も本院におきまして、鉄道公安官の武装を許す法律案がわが党の反対にもかかわらず通過しております。
このように、民主国家、平和国家の看板を掲げながら、その実は再武装の方向に血道をあげておる。まことにこの税関吏員の武装も、このような一連の政策の中の一つでありまして、軽視することはできないのであります。おそらく現在の政府のもとにおきましては、あるいは税務吏員の武装を考えたり、あるいは地方自治体の徴税吏員の武装を考えたりするということも考えられるのでありまして、まことに物騒しごくであります。最近は、警察官の持つておるピストルのために被害が起つたというようなこともひんぴんと伝えられておるのでありまして、もしどうしてもこういうことがやりたいならば、国民の全部に防彈チヨツキぐらい配給しておかなければ、とても物騒でたまらない。
おそらくこのようなことをやる根本の理由の一つといたしましては、ごく最近になりまして軍需輸送が非常に活発になり、労働強化が行われましてあるいは輸送に従事する労働者、荷役に従事する労働者諸君が、賃金の値上げ、労働強化反対、あるいは平和を守れというような要求をいたしまして、輸送、荷役などの拒否闘争をやつておりますが、これに対する彈圧の心組みも、おそらくあるのではないかと考えられるのであります。
私どもは、この密貿易を根絶するために、近隣諸国及び諸地域との友好平和関係を回復するための全面講和運動をやつておる。このことによつてのみこれは根絶でき、貿易を今よりも一層、十倍も百倍も公然と拡大できるのであります。従つて、このように、りくつにもならないりくつをこじつけまして、そうして反革命のための武装勢力を一人でもよけいつくろうと思つて汲々としておる、このような法案に対しましては、ポツダム宣言の精神並びに憲法の精神に基きまして断固反対せざるを得ないのであります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100805254X00819500725/36
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037・岩本信行
○副議長(岩本信行君) これにて討論は終局いたしました。
まず日程第三につき採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100805254X00819500725/37
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038・岩本信行
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
次に日程第四につき採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100805254X00819500725/38
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039・岩本信行
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100805254X00819500725/39
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040・岩本信行
○副議長(岩本信行君) 日程第五、住宅金融公庫法の一部を改正する法律案、日程第六、京都国際文化観光都市建設法案、日程第七、奈良国際文化観光都市建設法案、右三案は同一の委員会に付託された議案でありますから、一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。建設委員長藥師神岩太郎君。
[藥師神岩太郎君登壇]発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100805254X00819500725/40
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041・藥師神岩太郎
○藥師神岩太郎君 ただいま議題となりました住宅金融公庫法の一部を改正する法律案に関し、建設委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
まず政府の議案提出の理由及び法案の内容を御説明申し上げます。
住宅金融公庫の役職員は、公庫法第十六條の規定により、国家公務員として、国家公務員法の適用を受け、服務、給與その他すべて他の国家公務員と同様に取扱われておるにもかかわらず、恩給法のみが適用されず、はなはだ不均衡のうらみを免れなかつたのであります。しかして公庫の役職員の中には、現に恩給法上の公務員から、転任により出向を命ぜられた者が少くないのでありますが、これらの者は恩給法上の権利を失うことになり、公庫の人事運営の上にきわめて困難な状態を生じているのであります。従いまして、住宅金融公庫成立の際において、恩給法上の公務員または公務員とみなされて恩給法の適用を受けている者が引続いて公庫の役職員に転任した場合には、これらの者に恩給法を準用して恩給を支給できるように措置せんとするものであります。
次に住宅金融公庫の共済組合につきましては、公庫法第三十九條により国家公務員共済組合法が適用され、單独の共済組合を結成できる建前になつておりますが、公庫の役職員はわずか百五十名の少数であり、單独の組合では組合員の掛金を相当高率にしなければ收支が償えず、これでは共済組合本来の目的に沿いがたい結果となりますので、公庫の役職員を建設省共済組合に加入し得るように措置せんとするものであります。
本法案は、去る七月十九日、本委員会に付託され、委員会は、ただちに政府当局より提案理由の説明を聽取いたしました後、引続き熱心なる質疑応答を行つたのであります。
質疑の第一点は、恩給法の適用を受けていた者が公庫に入つた場合にのみ恩給法の適用が認められるが、新規に公庫へ採用された者に対してその恩惠が與えられないとは、その間に不均衡を生ずるおそれがないかという点であります。これに対しては、根本的な問題は近く予想される恩給法改正の際に考慮することとし、日本国有鉄道、日本專売公社等の前例に準じて、少くとも今まで恩給法の適用を受けていた者だけでもその権利を継承せしめんとする措置であり、また恩給法の適用を受けない者が退職した場合には共済組合より退職金が支給されるために、事実上恩給を受ける者との間にさほど大きな懸隔を生じないはずであるという答弁でありました。
質疑の第二点は、かかる改正は元来恩給法そのものを改正すべきであるのに特に公庫法の改正によつた理由いかんという点であります。これに対しては、本来は恩給法の改正をまつべきであるが、本改正を早急に行うことが、人事の交流を円滑にして人材を集めるためにも必要な措置であり、日本国有鉄道法や日本專売公社法の前例もあるので、便宜上とりあえず公庫法の改正をお願いしたものであるとの答弁でありました。かくて討論に入り、日本共産党を代表して砂間一良君より恩給法の適用を受け得る者と得ざる者との問に不公平を生ずる点等より反対の意見が述べられ、次に自由党、国民民主党、農民協同党の三党を代表して田中角榮君より賛成意見が述べられ、また日本社会党を代表して前田榮之助君より、恩給法の改正を促進されたき旨の希望意見を付して賛成の意見が開陳せられました。
次いで採決に入り、多数をもつて本法案は原案通り可決と決しました。
次に、ただいま議題となつております、田中伊三次君外十六名提案の京都国際文化観光都市建設法案、並びに東井三代次君外十五名提案の奈良国際文化観光都市建設法案につきまして、建設委員会における審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。
両法案は七月二十一日同時に提出され、しかもその内容においてまつたく同一のものでありますので、本委員会におきましては、両法案を一括して審査をいたした次第でございます。
まず京都国際文化観光都市建設法でございますが、本法案の要旨といたしまするところは、京都市が、明媚な風光と、わが国の歴史、文化等を正しく理解するために欠くことのできない多くの文化財を保有し、世界において歴史的、文化的、美術的に重要な地位を有することにかんがみまして、これら文化観光資源の維持、開発、あるいはこれに伴う文化観光施設を整備し、同市を国際観光都市として建設せんとするのであります。しかして、その建設計画並びに事業については都市計画法を適用するとともに、国際文化観光都市としての性格にかんがみて特に文化観光保存地区あるいは緑地地域の指定をなすことができることとし、事業の執行は京都市長がこれに当ることとなつております。さらに本事業に対する特別の助成として、普通財産の讓與の規定、あるいは国、関係地方公共団体の援助の規定があります。なお本法案は、憲法第九十五條により京都市の住民投票に付するものとしてあります。
本委員会におきましては、七月二十二日、提案者より提案の理由を聽取いたし、引続き質疑を行つたのであります。
次に質疑応答の主要なるものについて申し上げますと、第一に、文化観光保存地区の規定は、現在都市計画法による風致地区、文化財保護法による環境保全地域の規定があるから、これで十分ではないかという質疑に対しては、文化観光資源あるいは文化観光施設を保存するには、都市計画法、文化財保護法のみにては十分でなく、この規定によつてその完璧を期したい旨の答弁でございました。
第二に、観光施設は特定外国人に対するサービスに終始し、勤労大衆がこれを利用し得ないことになるのではないかという質疑に対しては、特定外国人に限られることはない、さらに観光施設も国民大衆を対象とする健全なものより先行したい旨の答弁でございました。
第三に、かかる国際観光都市建設に関する特別法は、これらを総括する一般法として立法すべきであると思うが、その準備なきやという質疑に対して、建設省当局より、国際観光都市建設法なるものについては現在考えていないが、都市計画法の改正にあたつては観光に関する規定を挿入する予定であるとの答弁でありました。
次に奈良国際文化観光都市建設法案について御報告申し上げます。本法案は、ただいまその要旨を説明いたしました京都国際文化観光都市建設法案と、その内容においてまつたく同一であり、従つて質疑応答の内容もほとんど同一でありますので、重複を避けるため、法案の要旨並びに質疑応答につきましては省略いたすことといたします。
以上二法律案は、七月二十二日質疑を終了し、討論を省略して、ただちに採決に入りましたところ、多数をもつて両法律案は原案通り可決いたした次第でございます。
以上、簡單に御報告を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100805254X00819500725/41
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042・岩本信行
○副議長(岩本信行君) 討論の通告があります。これを許します。池田峯雄君。
〔池田峯雄君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100805254X00819500725/42
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043・池田峯雄
○池田峯雄君 私は、日本共産党を代表いたしまして、ただいま上程された三つの法案につき反対の要旨を述べたいと思います。
第一に住宅金融公庫法の一部を改正する法律でありますが、これは大蔵省等から公庫に転出した高級官僚を特別に擁護するためにつくられた法律でありまして、勤労者の立場から、わが党は反対であります。
次に京都、奈良の国際文化観光都市建設法案でありますが、これにつきましても日本共産党は反対であります。京都と奈良が、歴史的にまた文化的に重要な地位を占めるものであるということは、これは論をまちません。従つて、これらの文化価値を注意深く永久に保存する必要があるということは、また論をまたないのであります。問題は、われわれの祖先が残したこれらの遺産を正しく継承し保存することができるものは一体だれかということなのであります。法隆寺の壁画も燒いたではないか。金閣寺も燒いてしまつたではないか。工芸家や美術家、歴史家、その他好学の徒が、これら千金の遺産を正しく継承しようとしても、かけがえのない古美術や古文書が、にわか成金の倉庫の中で紙虫に食われて死蔵されておつたり、火災にあつたり、散逸したり、あるいはだれ知らぬ間に海外に流れてしまつたりしておるということは、どう考えるべきでございましようか。現実に、この資本主義社会においては、古文化が守られておるどころか破壞されておるのである。そうして、とうとうと氾濫しておるのは植民地的なエロ、グロ文化だけなのである。今の社会にとつては、いかに芸術的な高い値打ちのあるものでも、金持の玩弄物か、せいぜい金もうけの手段でしかないのである。金もうけのためならば、富士山のてつぺんにストリツプ劇場をつくるくらい朝飯前にやつてのけるという、そういう勇気を持ち合せたものがたくさんおる。それが今の支配階級の根性なのである。
この法案も、奈良と京都、その古代文化の価値を食い物にして、一部のものが金もうけをやろうという、みにくい意図から出したものであるということは明々白々なのであります。この法案に文化の名を冠すること自体が、文化に対するゆゆしき冒涜であるといわなければならないと思う。京都、奈良の古文化を、まじめに、丁寧に後代に保存しようというならば、まず日本人の立場でものを考えなければいかぬ。日本の文化人や働く人々が靜かに奈良や京都で遊び、先人の文化的道産を心行くまで攝取し、これを土台にして、より高い日本の民族文化を向上せしめるために役立たせることができるような、そういう都市建設を考えなければならないのであります。(拍手)これは、ただ民族の独立を心から考え、働く階級の立場に立つ者のみができ得るのであります。
この法案や計画案は、まるで奈良や京都の古代文化を外国人の見せものにすることではないか。外国人のための観光ホテル、ゴルフ場、野球場、ダンスホール、キヤバレー、劇場、外国人の自動車が走るためのドライブ・ウエー、駐車場、さらに飛行場までつくる。あるいはまた国際賭博場をつくるというのだ。これでは、まるであのモナコやバリ島と何が違いましようか。こんな政治だから、子供までが口紅をつけたり、タバコを吸つたり、ばくちをやつたりするようになるのだ。すでに別府や熱海や伊東を国際観光温泉文化都市にした。今また京都と奈良にエキゾチツクな、あくどい化粧をして、古代文化を金もうけのえさにしようとする。これでは、この祖国はいよいよもつて植民地になるだけではないか。しかも公園や道路やゴルフ場をつくるために、貧しい働く人たちは土地を奪われ、家をこわされ、住みなれた土地から立ちのかされるような、かわいそうな人たちが必ず出て来るのである。しかも、これらの資金はいかなる名義で調達されるにもせよ、すべて人民の膏血である。一部の特権階級の利益のために、ますます多額の負担が勤労大衆に負担されることになるのである。
今や、戰災都市を初め全国の住宅問題は依然として解決されておらない。河川の氾濫も年ごとに増加している。これに対して、政府の対策はきわめて怠慢である。これこそ第一番に考えなければならないことである。しかるに、かかる日本人のためではない、少くとも日本の働く階級の勤労大衆のためではない植民地的都市計画をやるというのは、言語道断であるといわなければならないのであります。わが党は、かような立場から、この法案に絶対に反対するものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100805254X00819500725/43
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044・岩本信行
○副議長(岩本信行君) これにて討論は終局いたしました。
三案を一括して採決いたします。三案の委員長の報告はいずれも可決であります。三案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100805254X00819500725/44
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045・岩本信行
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて三案とも委員長報告の通り可決いたしました。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100805254X00819500725/45
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046・岩本信行
○副議長(岩本信行君) 日程第八、土地台帳法等の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。法務委員長安部俊吾君。
〔安部俊吾君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100805254X00819500725/46
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047・安部俊吾
○安部俊吾君 ただいま議題と相なりました土地台帳法等の一部を改正する法律案につき、法務委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
御承知のように、今回税制改革の一環といたしまして地方税法の改正が行われようといたしておりますが、これによりますと、地租及び家屋税は市町村がこれを徴収することとなるのであります。その結果、土地、家屋の賃貸価格の登録をする必要がなくなり、従つて税務署において台帳事務をつかさどる理由も消滅することとなりましたので、土地台帳及び家屋台帳の事務は、これと最も関係の深い不動産登記の事務をつかさどる登記所に移管とし、あわせて台帳事務と登記事務との間に、ある程度の手続上の簡素化をはかろうとするのが、本案の提出理由及びその内容の要旨であります。
さて当法務委員会におきましては、本案を審議するにあたりまして、土地、家屋の台帳制度と登記制度の総合調整について質問いたしましたところ、政府としては、これが実現のため目下研究中であるとの答弁がありました。また本法施行に関する予算的措置について政府の意向をただしましたところ、本年度においては法務府の登記諸費をもつてまかない、不足額については別途考慮する旨の答弁を得ましたので、これを了承いたしました。
かくて愼重審議の結果、土地台帳法、家屋台帳法及び不動産登記法に対する今回の一部改正は、地方税法の改正に伴う適当な措置と認め、討論を省略し、七月二十四日、全会一致をもつて原案通り可決すべきものと議決した次第であります。
右御報告申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100805254X00819500725/47
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048・岩本信行
○副賞長(岩本信行君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100805254X00819500725/48
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049・岩本信行
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100805254X00819500725/49
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050・岩本信行
○副議長(岩本信行君) 日程第九、漁業法の一部を改正する法律案を議題といたします。
委員長の報告を求めます。水産委員川上善八郎君。
〔川付善八郎君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100805254X00819500725/50
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051・川村善八郎
○川村善八郎君 ただいま議題となりました漁業法の一部を改正する法律案につきまして、水産委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
まず提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。北海道における漁業の実態は、内地と異なり、漁業資源が豊富であり、かつその生産性が非常に高く、重要であるばかりでなく、将来の発展性が期待される最も重要なところであります。その上に、漁業の種類及びその数、あるいは共同漁業並びに定置漁業、その他漁業権の数においても非常に多く、複雑多岐でありますので、特に北海道の海区におきましては、当初は市町村單位ということであつたのが、海区が広くなり、また将来支庁單位に漁業調整を維持するには海区漁業調整委員の定数を増加する必要が認められるわけであります。すなわち、漁業法第八十五條第三項第一号の委員の定数七人を、北海道の海区漁業調整委員会におきましては、前に述べました特殊性にかんがみまして十一人に増加しようとするのであります。
本法案は、七月二十四日水産委員会に付託され、審査の結果、原案通り可決されたのでありますが、不備の点が見出されたので、本日、本委員会において本案を再議に付し、愼重審議の上、討論を省略して採決したところ、全会一致で修正議決した次第であります。なお本委員会の審議の詳細につきましては会議録によつて御承知を願いたいと存じます。
以上をもつて御報告を終ります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100805254X00819500725/51
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052・岩本信行
○副議長(岩本信行君) 採決いたします。本案の委員長の報告は修正であります。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100805254X00819500725/52
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053・岩本信行
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り決しました。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100805254X00819500725/53
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054・福永健司
○福永健司君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわちこの際、内閣提出、災害救助法の一部を改正する法律案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100805254X00819500725/54
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055・岩本信行
○副議長(岩本信行君) 福永君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100805254X00819500725/55
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056・岩本信行
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
災害救助法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。厚生委員長寺島隆太郎君。
〔寺島隆太郎君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100805254X00819500725/56
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057・寺島隆太郎
○寺島隆太郎君 ただいま議題となりました災害救助法の一部を改正する法律案に対しまして、厚生委員会における審議の経過並びに結果について簡單に御報告申し上げます。
すなわち現行災害救助法第三十六條の規定によりますれば、各都道府県が前年度の標準賦課率で算定いたしました三收益税、すなわち地租、家屋税並びに事業税の総額の五分の一以上の金額が災害救助のために支弁せられましたる場合に初めて国庫負担が行われる建前になつておるのでございます。しかしながら、本法制定以後の急激なる社会経済情勢の変遷は、標準賦課率に向つて数回の引上げを行わざるを得ない結果、各都道府県におきまする三收益税は、実に立法当初の五十八倍という膨脹をいたしておるのでありますが、その反面、災害救助費の増加率はわずかに三倍にすぎないという跛行状態を呈しました結果、本法運用の上に重大なる支障として今日指摘せられるに至つておるのであります。かかる本法が持つ不合理を克服いたしますために、本制度の急速なる改正はつとに要望せられておつたのでございますか、あたかも本国会におきまして地方税法案が提案せられました結果、従来の三收益税そのものをもちまして国庫負担算出の基礎となすこと自体不可能に陷りました。よつてこの際末法第三十六條に対して所要の改正を行わんとすることが政府提案の趣旨とするところであります。すなわち、従来の算出方式にかわりまして、新たに地方税法案が標準税率として定めておりましたところのものを基礎といたしまして、各都道府県の普通税收入見込額を基礎とする方法を採用いたしまして、しかもその金額の百分の一を越える金額が災害救助に向つて投下せられまする場合にすなわち国庫の助成がなされるというふうに改正をいたしておる次第でございます。本改正案が厚生委員会に上程いたされましたのは張る十九日でありますが、黒川厚生大臣より提案の理由説明を聽取いたしまして、引続き二十二日の委員会におきまして、本案並びに本案運用上関連いたします数個の重大なる点につきまして、政府との間に熱心なる質疑が展開せられましたが、この質疑を打切りまして、さらに本日開会いたされました厚生委員会におきまして、その討論を省略し、ただちに採決に入りましたが、満場一致をもつて原案を可決いたすべきものと決定いたした次第であります。本案の詳細につきましては速記録にこれを譲ることといたし、簡單ながら以上をもつて御報告にかえる次第であります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100805254X00819500725/57
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058・岩本信行
○副議長(岩本信行君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100805254X00819500725/58
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059・岩本信行
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100805254X00819500725/59
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060・福永健司
○福永健司君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、地方行政委員長提出、行政書士法案は、委員会の審査を省略してこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100805254X00819500725/60
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061・岩本信行
○副議長(岩本信行君) 福永君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100805254X00819500725/61
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062・岩本信行
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
行政書士法案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。地方行政委員会理事川本末治君。
〔川本末治君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100805254X00819500725/62
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063・川本末治
○川本末治君 ただいま議題となりました行政書士法案につきまして、地方行政委員会における起草の経過並びに提案の理由及び要旨について御報告申し上げます。
御承知のごとく行政書士は、代書人の名称のもとに、従来長く内務省令代書人規則の規律を受けていたのでありますが、終戰後、右規則の失効してより以来、都道府県の中には、條例を設けて各地方的に行政書士業を規律するものが多く現われて参りました。しかし、今日なおいまだ條例の制定もいたさない地方も相当多数存在するのでありまして、関係業者の不安と、一般公衆の不利不便ははなはだしいものがあるのであります。そこで、この際法律をもつて行政書士に関する諸般の事項を明定し、もつて右の不安、不便を除却せんとするのでありますが、このことは、また他面には書類を受理する官公署の執務能率の向上にも裨益するところが甚大であることは明らかであります。
次にこの法律案の内容を申し上げますと、この法律案は本文二十三條及び附則十項から成立つておりまして、行政書士業の意義、行政書士となるための資格、試験、登録、事務所、報酬、業者の義務、行政書士会、同連合会に関する事項、罰則、その他もぐり業者取締りに関する事項等にわたつて必要なる規定を設けているのであります。まず行政書士となる資格としましては、知事が毎年少くも一回施行する行政書士試験に合格したものであることを原則的の資格要件といたし、この試験を受けるには、あるいは学校教育法による高等学校卒業者たること、あるいは国、地方公共団体の公務員として三年以上行政事務を担当したこと、あるいは知事がこれらに相当する知識と能力を有すると認めるものたることを要件といたしております。ただ例外として、この法律施行の際現に引続き一年以上行政書士の業務を行つているもので、かつて行政書士業務を行つた年数を通算して三年以上になる者は、特に試験をまたずして、この法律による行政書士とみなしておるのであります。なお本法施行の際現に行政書士業を行つている者は、本法施行後一年を限り、行政書士の名称を用いて業務を行い得ることにいたしております。ただ本法施行の日から二月以内に登録を受けないと業務を行い得ないものと規定しております。
行政書士は、他人の依頼を受け、官公署に提出する書類、その他権利義務または事実証明に関する書類を作成することを業とするので、多分に公益的性格がありますから、未成年者、禁治産者、準禁治産者、禁錮以上の刑に処せられた者で、その執行を終り、または執行を受けることがなくなつてから二年を経過しない者、公務員で懲戒免職の処分を受け、当該処分の日から二年を経過しない者、登録取消しの処分を受け、その処分の日から二年を経過しない者は行政書士になり得ないという、いわゆる欠格條項を設けております。
また行政書士となるには都道府県に備えつける行政書士名簿に氏名、生年月日、事務所等、條例所定の事項を登録せしめることとし、また登録を受けた都道府県内において事務所を設ける義務を規定し、なおその事務所は一箇所と限定し、ただ知事の認可を受けた場合に限り出張所を設け得ることといたしております。
また行政書士は、正当なる事由がある場合でなければ依頼を拒絶し得ず、また業務上知り得た秘密を他に漏洩してはならないことを明らかにいたし、なお報酬は知事の定めるところによることとしているのであります。
次に行政書士について知事は必要があると認めたときは、当該吏員に行政書士の事務所に立ち入り、帳簿及び関係書類を検査させることができるようにいたしておるのであります。但し、この立入り検査の権限は犯罪捜査のために認められたものでないことは注意しておく必要があります。
また行政書士が、この法律またはこれに基く條例、規則その他知事の処分に違反したとき、または重大な非行があつたときは、知事は公開による聴聞を行つた後、一年以内の業務の停止または登録の取消しを行い得ることに規定しております。また、もぐり業者に対する取締りを行うことにして、一面には一般大衆が不測の損害を受けないようにいたし、また他面には登録業者一般の利益保護をはかつているのであります。
なお最後に、この法律の実施のための手続その他その執行に関し必要な規定は総理府令で定めるものとし、本法の実施は本年九月一日としておることであります。
なお本法律案は、第七回国会において、地方行政委員長の私案として一応の成案を得たのでありますが、都合によりその成案の決定を見るに至らず、閉会中も継続してその起草に努力いたしたのであります。しかし第八回臨時会に入りまして、七月十九日及び昨二十四日協議を重ね、本日、本委員会の成案を決定し、これを委員会提出の法律案とすることに決定した次第であります。
以上、御説明及び御報告を申し上げます。何とぞ慎重御審議の上すみやかに可決せられんことをお願いする次第であります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100805254X00819500725/63
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064・岩本信行
○副議長(岩本信行君) 採決いたします。本案を可決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100805254X00819500725/64
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065・岩本信行
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて本案は可決いたしました。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100805254X00819500725/65
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066・福永健司
○福永健司君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、根本龍太郎君外十名提出、飲食営業臨時規整法の一部を改正する法律案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100805254X00819500725/66
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067・岩本信行
○副議長(岩本信行君) 福永君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100805254X00819500725/67
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068・岩本信行
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
飲食営業臨時規整法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。経済安定委員長圖司安正君。
〔圖司安正君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100805254X00819500725/68
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069・圖司安正
○圖司安正君 ただいま議題となりました飲食営業臨時規整法の一部を改正する法律案について、委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
本案は、飲食営業臨時規整法中「めん類の購入券」とあるのを「主務大臣の指定する購入券」に改め、新たにパン類外食券食堂を認めることとし、「パン類外食券食堂又はめん類外食券食堂を営む者は、外食券又は主務大臣の指定する購入券と引換でなければ、食事を提供してはならない。」ということに改正せんとするもであります。
御承知のごとく前国会におきましては、本法の一部を改正して、めん類外食券食堂を認め、外食者の便益をはかつたのでありますが、今回はさらにパン類外食券食堂なる営業を認めて、一般外食者のために便益を増加しようとしたのであります。しかもこれは、わが国のごとく麦類を好まず、配給辞退が相当あり、米食偏重の状況にありましては、いかに食糧事情が好転いたしましても、米のみをもつて主食の全部をまかなうことが、とうていできない以上は、麦類の粉食併用が絶対に必要でありまして、それには、消費者がその好むところに従つて、めん類でもパン類でも自由に選択して手軽に食べられる、この制度は最も好ましいものと申さねばならないのであります。また従来は、めん類もパン類も、その購入券は各都道府県が発行いたしておりまして、同一都道府県内に通用するのみであり、旅行者、あるいは他府県より運動し外食する者等には、はなはだ不便であつたのでありますが、これを今回改正して、主務大臣の指定する購入券として、めん類もパン類も含めて全国共通の購入券に統一し、国民はどこへ行つても不便のないようにしようというのであります。
本案については、去る七月二十一日、提案理由の説明を聽取して審議に入りましたが、質疑の中心となりましたのは、パン類外食券食堂を認める場合には喫茶店との関係がどうなるかということでありました。すなわち喫茶店においても、同じく主務大臣の指定する購入券でパン類の提供が認められるかどうかということであります。これに対しまして政府は、遊興的なもの及び社交的なものを除き、簡易なる喫茶店に対しては、本法第三條第三項の但書により特別の事情のある場合として、パン類外食券食堂の兼業を許可する方針であるとの答弁がありました。
かくて質疑を本日終了いたしまして、討論を省略し採決に入りましたが、全会一致原案通り可決いたしました。
右御報告申し上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100805254X00819500725/69
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070・岩本信行
○副議長(岩本信行君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100805254X00819500725/70
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071・岩本信行
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
これにて議事日程は議了いたしました。本日はこれにて散会いたします。
午後五時五十五分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100805254X00819500725/71
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