1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
昭和二十五年七月二十一日(金曜日)
午前十時三十一分開会
—————————————
本日の会議に付した事件
○地方税法案(内閣送付)
○地方行政の改革に関する調査の件
(国家警察予備隊の創設及び治安問
題に関する件)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/0
-
001・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) これより地方行政委員会を開会いたします。地方税法案の予備審査を続行いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/1
-
002・西郷吉之助
○西郷吉之助君 政府側にお尋ねしますが、昨日までの連合委員会の席上で、同僚加藤委員から御質問になつた点に関連するのですが、今度の政府提出の地方税法案中、固定資産税につきましては、非常に思いやりのある措置を政府はとつておる。即ち五百二十億円を相当に上廻つたり下廻つたりする場合には、適宜税率を地方財政委員会の規則で調整するようになつておるのであります。前国会以来、今回の地方税はややもすれば標準税率のために取過ぎる虞れがあるということを我々は初め政府にたびたび注意したのですが、こういう点があるのですが、今度の固定資産税については、そういうふうな嚴になつた場合には調節することは私は非常にこういう点はいいと思うのでありますが、これはいいのですが、加藤さんも言われたように、附加価値税については、そういう考慮が拂われていない。そのことに対して附加価値税についてはそういうことをしないということを他の国務大臣ははつきり答弁したのですが、私はその点は解し兼ねる点なんです。たとえ今度の地方税法案にそれがしてないとしても、今後そういうことは……、取過ぎたような場合は国税の場合において始終ある。政府委員の奥野財政課長の答弁だつたと思うが、一、二億はこれは政府の見込も違うでしよう、増減があるでしよう、こういう答弁であつたのですが、今日はインフレの結果、政府も民間も億ということを簡単に考えて、一、二億というようなことを言うが、そういうふうな声が民間にもあるので、政府側の委員諸君もそういうことを簡単に考えて、数億くらいはどうこうということは、私は非常に国民生活が逼迫しておる折から、政府としてこういうことを言うことは非常に怪しからんと思う。殊に徴税の問題は、国税においても地方税においても非常に今日国民の担税力の点が貧弱なんでありますから、今日微力で、五千万円でも、一千万円でも取過ぎるということは嚴に政府の態度としては愼んで貰いたい。そういうふうな考えなんで、附加価値税においても取過ぎるということは実際輿論的になつておる。民間で言うなら一流会社でもそれを非常に懸念して、それが附加価値税に対する反対の恐怖観念にまで発展しておると思う。そういうふうな場合なんですから、そういうふうな問題に対しては、国務大臣初め関係当局は取過ぎないように、又あつた場合にはこうするのだという、固定資産税の場合と同様に、国民に対して非常に思いやりのあるそういう措置を考えるべきだと思う。私も今度の地方税法にそれを織込めというようなことは言いませんが、今後の政府の考慮すべき課題であつて、折角困つておつて納めておるのですから、取過ぎがあつてはいけないと思う。そういう点は簡明率直に政府も考えなければならないと思う。こういう点を大臣が考えないで、偉そうに言つたことは、誠にこういう税を担当する大臣として軽率極まる。公僕としてこういう言明をすべきものではない、そういう点は非常に遺憾に思う。今国務大臣がおられませんから、政務次官初めこういうことを是非考慮して貰いたい。私は今回やれとは言いませんが、国税の場合は非常に多額の取過ぎが御承知の通りある。そういうことでは日本の国民は非常に不安の念に駈られると思うが、そういうことに対して勿論今後十分に考慮するというような考慮があつて然るべきだと思う。新米の大臣かこういうような軽率なことを得々と言うことは非常にいかぬと思う。この点重ねて政府に言いたいと思う。国務大臣かああいうことを言つたからといつて、それに同調しなければならんというそんな馬鹿なことはない。大臣にも誤まりは沢山ある。その点十分に考慮して貰いたい。その点について政務次官から御意見を聞きたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/2
-
003・小野哲
○政府委員(小野哲君) お答え申上げます。西郷さんから非常に穏当な御注意を頂いて感謝を申上げる次第であります。附加価値税の税収見込額について、この点につきましては詳細奥野政府委員から答弁いたしまして御了承願おうと思うのでありますが、税収見込額において多少の違いがあるということは察するに難くないのでありますけれども、政府といたしましては、全体の財政計画に応じた税収見込額を立てております関係上、これが増収を期待するというふうな考えは持つておりませんので、できるだけ見込額に合うような徴税の実績が上ることを期待いたしている次第であります。従いまして今後におきましては、或いは税率の適用につきまして、さような事態が起つたときには斟酌をいたさなければなりませんし、又この税法案において許される範囲においては、金を余計に出すという場合における措置も考えられるかとも思いますので、今後の問題として御趣旨を十分に尊重して過ちのないように指導いたし、又配慮もいたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/3
-
004・西郷吉之助
○西郷吉之助君 この点はよく分りましたが、重ねてお伺いする次の点は、政府のこういうような……、これは單に自治庁に限りませんが、政府の指導というものが不的確な点が多々あつて、前回の地方税法案の審議中に政府の努力が不十分であるという点が相当強く指摘されているが、その点今度の地方税法案につきましては、民間において非常に研究調査いたしている重大な問題なんです。でありまするから、今後は政府もこういうような資料は政府だけが収集して不完全なものを作るより、一流会社初め業者にもそういうふうな参考資料の提出を願い、そうして少くとも完全に近い調査資料を作ることは、私は非常に必要なことではないか。そういうことをして初めて的確なる資料を把握して、又税率税額等を決める上において非常に非難を受けるようなことがないようになると思う。そういう点は個々別々には政府もしておられるということを私は知つておりますが、それをもつと組織的に拡大して、的確なる資料を集めて、そうして研究すると、こういうふうなことがまだ不十分であつて、この点ばらばらには自治庁においてもやつているようですが、常にこういう問題がないときでも、ずつと年間を通じて、今後継続的にそういう資料を集めて、そうして税法を定めた後でも、果して妥当であるかどうかということを……、標準税率というような問題は、非常に私は問題の点が多いので、その今度の政府の提案の税率のそれが、適正なりやどうかということが非常に疑問であり、シヤウプミツシヨンの中にもそういうふうなことを今後の問題として研究するために、二年間の研究期間というものを置いておる。而も前回の標準税率でも非常に申上げたので、改めてここで申上げませんが、税率をどの程度に決めるかということが非常に税額の上にも響いて参りますし、標準税率というものは、余り高く置くべき性質のものではないと思いますので、できるだけ低めて余計に取らぬというようなことが望ましいので、それにはやはり資料の完備ということが大切なのではないか、今度の地方自治庁次長鈴木君初め、もう数名の人を、自治庁でも米国まで派遣して研究して来ておるのですが、随分その他においても、その点資料なんか調べたら、日本の政府の資料は非常に貧弱なものですから、そういう点十分研究されて、完全な資料を集めて、的確なものを把握する、このことは地方税の場合においてはこの点が強く感ぜられます。又例えば地方税は事業税の何倍になるかというふうな表を出した場合も、自治庁と通産省が出した場合は非常に差がある。自治庁から言うと、通産省の計算の根拠に非常に誤りがあるというふうなことであつたが、そういうふうに現に日本政府の機関でありながら、誤つたものを出すということは非常に我々も迷惑をするので、そういうことがないように十分各省とも連絡をして、いい資料をおのおのが持つて研究する。そういうところで取つた資料は俺のところの虎の子だというようなことが過去において大分あつたと思うのです。そういうふうなつまらん考えは止めて、いい資料を取つたら政府から各省間に廻して、お互いに研究するということが望ましいと思う、その点は重ねて政府委員に御意見を申上げて置くより、同時にどういうふうな考え方をお持ちかお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/4
-
005・小野哲
○政府委員(小野哲君) お答えいたします。西郷さんの言われたことは誠に御尤もで、私共拜聽いたしたわけでありますが、資料の作成につきましては、御承知のように各省とも連絡をとり、又各省の資料に基いて作成しておるものもあるのであります。同時に又昨日も村上委員からのお話がございましたので、できるだけ資料の作成につきましては、民間側からも御協力を願いたいということも申上げておるような次第で、只今お話になりましたような趣旨に副うてやつておりますが、今後も一層この点につきましては気を付けて参りたいと思うのであります。尚又資料の整備をいたします方法といたしまして、地方財政平衡交付金によりまして、地方財政の現況を把握しなければならないことになつておりますので、今後はこれに基いて一瞬資料の整備が行い得るのではないかと考えておるような次第でございます。尚その他附則的な点につきまして、奥野君からもお話をいたしたいと思いますので、お聞き取りを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/5
-
006・奧野誠亮
○政府委員(奧野誠亮君) 西郷さんからいろいろ御注意して頂きまして有難うございました。できる限り正しい資料が正確に伝えられますように努力いたしたいと思うのでありまして、先般の国会の際には同じ政府部内でありながら、地方自治庁の提出しておる資料と、通産省、運輸省の提出しておる資料とが、非常に食違いを生じて参りまして、併しながらその後の経過から、地方自治庁から提出しております資料の正確さにつきましては、或る程度御了解頂けるのではないかと思うのであります。術先程の西郷さんのお話を私聞いていたんでありますが、昨日でありましたか、加藤さんにお答えしておりましたところに、一つ尚漏れておつた点があるように思うのであります。と言いますのは、附加価値税の收入が非常に多くなれば、税率を改正したらいいじやないか、これはもとより将来に亘りましては改正することは当然のことでありますが、ただ固定資産税式に徴收した年度に、あとから改正を加える、こういうことは穏当ではないと考えておるのですが、その理由は固定資産税の場合は、本年度は一定税率で、あります。当該市町村といたしまして、それだけの收入を欲してても欲しくなくても、百分の一・七で徴收しなくちやならないわけなのであります。附加価値税の場合でありますと、政府で予定しております数と、実際当の地方団体において相当の余分の收入が得られる場合でありますと、これは標準税率でありますので、当然財政需要に見合つて引下げなければならない。引下げ方には何ら制肘を加える場合は制度上設けておらないのであります。そういう意味において固定資産税の税率におきましては、あとでその年度分につきまして改正を加えるけれども、附加価値税については別段そういう措置は規定しておらないということを御了承願つておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/6
-
007・西郷吉之助
○西郷吉之助君 それでは次の点を伺います。例えば昨日論議された過去の問題から行きたいと思いますが、村上さんの御質問に対する政府の意見を聞いていたのですが、例えば自動車事業につきましては勿論附加価値税がかかつて来るのですが、その普通の工場で言うならば生産機械に当るもの、自動車業は自動車税ですね、自動車に又自動車税がかかつていたのですが、こういうふうな工合に重複して来ることになると、例えば鉱産税の場合には鉱産税があるから附加価値税から除いてあるのですが、そういうふうな点を考えると、そこに政府の理論の一貫性ということについて、何か矛盾しているようなふうに感じたのですが、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/7
-
008・小野哲
○政府委員(小野哲君) 御指摘の通り我々もさように考えておりまるので、実は自動車の例をとつて見ますと、自動車そのものもやはり一つの償却資産として、固定資産税の対象とすべき性質のものであろうと思うのでありますが、御承知のように修理工場等における機械、工具その他の関係もございますので、車輛自体につきましてはこれを固定資産税の対象から切離しまして、この間のり重複を避けるようにいたしたい、かような考慮から出ていることを御了承願いたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/8
-
009・西郷吉之助
○西郷吉之助君 今の御説明で大体分るのですが、他にも或いはそういう点かあるのじやないかということを私は考えるので、そういうふうな点は今後率直に地方財政委員会にいろいろ研究されると思うのですが、次の成るべく早い機会にこういうふうなことを合理的に整理されて、政府の考え方の上に理論的に一貫性を持たせるようにして頂きたい。今後更にそういう点は御研究願いたいと思います。
次の点は、私も前議会にも何回も申して、今回この第八回国会にも加藤君が質疑しておられますが、重ねて念を押して置きたいのは、銀行などというふうな金融業を特例に入れるその理由がいろいろなことがあるのですが、どうもつそれがまちまちのようにお答えによつて聞き取れるのですが、その点は重ねて政務次官からでも、財政課長からでも明らかにして置いて頂きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/9
-
010・小野哲
○政府委員(小野哲君) 銀行業等の金融業に対する附加価値の問題でございますが、これはいろいろと御説明もいたしておるのでございますが、御要求もございましたので、更に財政課長から内容について詳細にお聞取り願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/10
-
011・奧野誠亮
○政府委員(奧野誠亮君) 第一には銀行から金を借りまして、その金を利用して製造業の段階で一つの国民所得を生み出したというふうに考えます。その場合にはその国民所得を製造業の段階で把握するか、或いは銀行業の段階で把握するかということが一つございます。併しながら我々は附加価値税の改正に当りまして、国民所得を捕捉するのは、その国民所得を消費した段階において捕捉しなければ、転嫁の関係が非常に不公平になると考えておるのであります。そこで価値を生み出しました製造業の段階で課税する、言換えれば銀行業に支拂います利子というものを附加価値税の計算において製造業の段階において考慮しない。そういたしますと銀行業の受取ります利子には、すでに附加価値税が課せられておりますので、これを收入金額に取るべきではない、こういうようなことになるのであります。更に言換えれば銀行業の段階においてはもはや附加価値税の課税の客体になるべき附加価値額というものはないんだということになります。併しながら銀行業も事業を行なつております以上は、当該道府県の施設の恩恵にも與つておるわけでありますので、一種の事業の負担する税といたしまして何らかの課税がなされて然るべきではないかというようなことが考えられますので、金融業税とでも申すべきものを設ければよろしいのでありましようけれども、それでは余り複雑になりますので、附加価値税の課税方式に従つた課税方法をとりたい、そういうような意味で附加価値税の中にほうり込んでしまつておるわけであります。
第二点として、それじや附加価値税の課税方式をそのままとれるであろうかどうかということを考えますと、銀行業は沢山の預金を受けまして、又預金者の申入れによりまして適宜に拂戻しをいたしておるわけであります。それじや外の業態と同じように、この預金額を收入金額として課税して行つたらどうであろうかという問題がございますが、これは併し何ら銀行業の段階で国民所得を生み出したものでも何でもございませんので、これは課税すべきものではないというふうに考えられるのであります。同じような問題が保險業についても言えると思うのです。受取つた保険料をそのまま收入金額として課税して行くことが穏当であるかどうかということが問題と思います。御承知のように受取ります保險料の中にはそれを何年間か預りまして、そのまま保険金として還付して行く、言換えれば預金として預かりまして、それ存拂戻金として預金者に拂戻して行くと同じような性質が保険料、保険金の中に相当部分含まれておるのであります。銀行業に対して預金をそのまま收入金額として受取ることが穏当でありませんように、又保険業の上においても保險料の全額を收入金額として算定して行くことは穏当ではないと思います。預金に相当する部分は保険料の收入金から控除しなければならない問題が起きる、こういうふうに非常に複雑な問題が起きて参りまして、仮りに附加価値税の課税方式で課するといたしましても、そこには何らかの特例的な方法を講じなければならないわけであります。そこで大体銀行業の段階において生じたと思われるような国民所得を別途計算いたしまして、それを簡易にそういう売上金額の百分の幾つかに当つておるというようなことで附加価値額に課税するというような方式を採用いたしたのであります。これは負担の不均衡を緩和するという意味とは少し違いますので、税法の建前では一年限りの特例にいたしておりますけれども、更に研究いたしまして、恒久的の何らかの特別の制度を設けなければならないのではなかろうかというような考えを持つておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/11
-
012・西郷吉之助
○西郷吉之助君 それで大体分りました。次に、市町村民税について二、三お伺いしたいのでありますが、今度の頭割りの金額が上つたために非常に困つた結果が出て来るのでありますが、例えば地方の村なんかに行きますと、非常にそういう点は……、従来金があつて最低は五十円くらいは頭割りに取つておる、今度は最低を四百円に上げたために、小さい村なんかでは事実上取れない結果を来すのじやないかというようなことが想像されるのですが、こういうような場合には政府はどういうような考えを持つておられるか、やはりそういうような最低生活者が多いのですから、その点もよく考慮して行かれないと、取る方の側にも非常に困難を来しまして、事実上できないものを課して行くというような結果が起きるのじやないか、そうすると、法の権威の上からも甚だ寒心に堪えないと思います。そういう場合に実際にそういうような收入がないものに対しては何らかの思いやりのある措置をなさるのか、その点を一つどうぞ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/12
-
013・小野哲
○政府委員(小野哲君) 只今御指摘の点は誠に御尤もと思います。均等割の取扱につきましては、当該地方住民の生活の実態を斟酌して運用しなければならないと考えておるのでございまして、例えて申しますると、生活保護法の適用を受けておるような貧困な人達に対しましては、勿論これは課税の対象にいたしておりません。のみならず生活保護法の対象になつておらなくても、当該生活の状況に応じましては地方団体において減免の措置を講じ得る途を開いておりますので、この辺のところは当該地方団体がその議会の議決によつて適正に運用ができるのではないかと考えておる次第で、この地方税法案も今お話になりましたような点を慮りまして規定を設けておるような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/13
-
014・西郷吉之助
○西郷吉之助君 この点は是非そういうふうなことを地方の自治体にも私は徹底して頂きたいと、こう考えます。今お話の中にも出ました生活保護法に基いて援助を受けておる人々、これは小さい村なんかに行つて見ると、そういうふうなものは生活保護法の資金を貰つておる人達は数段上の方に行つてしまうということであつて、一番最低生活者を救うその意味では成功しておるのですが、今度はその上の、すぐ上から相当飛び越えた上の方にその人が行つてしまつて、その間非常に妙な現象を生じて来る、こういうような点がありますので、私は今の市町村民税のことを伺つたのですが、でありますから、單に生活保護法の援助を受けておる人でなくても、そういう人が非常に多いのであつて、それが実際の状態なんですから、そういう点をも併せて考えて頂いて、生活保護法の援助を受けた人以外の者であつても相当困窮しておる人が多いのであつて、そういうふうな場合が全国でも小さい村に行くとありますから、そういう点も併せて、ただ均等割だからどうしても取らなくちやいかんのだ、お前は出さなければ滞納で処分するぞというような非常に、頑固な態度でお臨みにならないように、さつきの点と併せて、そういう点は自治体においても考慮すると思いますけれども、地方自治庁としても、そういう点を積極的に啓蒙と言いますか、指導と言いますか、そういう点を一つやつて頂きたい、かように考えます。
更に昨日これは論議され、先国会で—も論議しましたが、市町村民税の場合に、鉄道、軌道の場合に御承知の通り各地に駅がある。この各駅がやはり事業所とみなされて、おのおの市町村民税がかかつて来るという点なのですが、それが私は非常に妙に感ぜられるので、普通の会社で、東京に本社があつて大阪その他に事務所を持つという場合と、鉄道、軌道の場合は非常に違うのであつて、やはり停車場ごとに市町村民税を拂うという点は私はどうかと思うのです。やはり必要以上にそういうふうなことになると料金の値上というようなことになつて、転嫁される国民の方は自分の足ですから非常に困るので、運賃が上つたから汽車に乗る
のを止めるというわけにも行かないので、殊に地方におきましては、鉄道が大都会におけるバスとか、電車とか、そういう役割をしておる唯一の交通機関ですから、そういう点を考えて、転嫁されて運賃が上ると非常に国民の生活に直接響いて来るので、駅ごとに市町村民税を課するというようなことはどうかと思うのですが、その点をやはり金融業その他の特例と同じような措置もとれるのですから、本社で重点的に取るか、そういうような多少の考慮があつて然るべきだと思いますが、この点も非常に研究を要する、本年すぐにそれをやれというような無理なことは言いませんが、その点も十分考慮されるべき問題ではないか、かように考えますが、この点のお考えを伺つて置きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/14
-
015・小野哲
○政府委員(小野哲君) お答え申上げます。鉄道、軌道その他の事業で、その町村内に二つ以上の事務所を持つておる、或いは事業所を持つておるというふうなものがあることは認められるのでありまするが、これに対して均等割で課する程度並びに範囲の問題だと思います。均等割自体の性質は御説明申上げましたので、御了承願つておるのでありますが、ただこれが当該事業者の負担との関係から、どの程度調整を図り得るかの問題になるのでありまして、この点につきましては、只今御指摘のように、本店で一括してこれを納税するという方法もございまするが、いろいろと研究を加えました結果、その税法案におきましては、二以上の事務所或いは事業所を持つておりますような事業につきましては、その合計額において余りに過重な負担にならないように軽減をする措置を講ずるようにいたしておるのであります。併しお説のように、尚実施後の状況に鑑みまして、地方財政委員会においても研究をいたすようにいたして参りたいと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/15
-
016・西郷吉之助
○西郷吉之助君 尚後にも続きますからこの程度で止めて置きます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/16
-
017・中田吉雄
○中田吉雄君 シヤウプの勧告に基きまして、税の配分が府県と市町村にあつたわけでありますが、特に今回県の有力な財源でありました固定資産税が市町村に委讓されたことと、附加価値税で農業が除かれたという二つの点で、都道府県、特に農山漁村を中心にしたような府県におきましては、非常に財源が枯渇するわけでありますが、そういう際におきまして政府とされましては、この国と市町村の間に挾まつた地方自治体の比重を、どういうふうにお考えになるかということをお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/17
-
018・小野哲
○政府委員(小野哲君) お答え申上げます。中田さんからシヤウプ税制報告書に関連した御質問でございますが、御承知のようにシヤウプ税制報告書を御覧願いまするとお分りになりますように、考え方といたしましては、先ず行政事務は主として市町村においてこれを行うという建前にいたしまして、次に道府県、更に地方においてこれをなし得ないようなものにつきましては、国が行うというふうな考え方で、行政事務の再配分をすべきである。こういう勧告が出ておるのでございます。これにつきましては、別途設置されました地方行政調査委員会議において目下研究をいたしておるので、その結果を待つて、政府といたしましても更に善処をいたすことに相成るのでございますが、これは行政事務の再配分の問題について申上げたのでありますが、それと税制との関係でございますが、今回のシヤウプ税制報告書に基きまして、政府がその趣旨を尊重して今回の地方税法案に織り込んでおります考え方は、やはりこれらの線と関連がございまして、道府県税と市町村民税とを分離すると同時に、道府県における昭和二十五年度の税收額は、大体前年度の税收額を維持して行く程度にして行きたい。市町村に対しましては今回の地方税の増額分をこれに当てる、こういう考え方をいたしておるのであります。只今お話がございましたように、農山漁村を持つておる府県におきましては、その税が分離されました結果、附加価値税、入場税或いは遊興飲食税が都道府県税の主たる税として、市町村税におきましては市町村民税及び固定資産税が大宗となりますので、この間において税收額の上に非常に大きな変動が生ずる慮れがないかということは全く御指摘の通りであります。この点につきましては、今回創設されました地方財政平衡交付金制度の運用によりまして、この間の歳入不足の調整を図つて行くように処置をいたしたい、こういうふうに考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/18
-
019・中田吉雄
○中田吉雄君 只今の御説明はよく分るのでありますが、遊興飲食税と入場税、それから附加価値税でまあ農業以外の沢山取れるような六大都市を持つような府県におきましては、十分府県も自治体としての機能が発揮できるわけでありますが、そういうもののないような、やはり農山漁村を中心にした府県におきましては、殆んど府県は地方自治体としての名に値しない、殆んど政府の下請機関、特に平衡交付金によつてその財政の不均衡が是正されるわけでありますが、財政需要と財政收入とのこの査定を嚴重にされまして、その枠からも抑えられますし、実際殆んど自治体としての機能ができぬじやないかと思うのですが、どうでしようか。我々の見ましたところでは、現在大都市を持たない府県、特に県におきましては、入場税、遊興飲食税というようなものは、政府から大体これくらい徴税できるであろうということが予定されたのが大抵未收になつておる。そうしてそれを農業をも含めた事業税の自然増收というような形で大抵カバーいたしまして、若干の自治体独自の仕事をやつておつた、そういうものがもう全然転嫁できないようになつて、而も政府からは財政需要と財政收入をがつちり抑えられてしまい、従つて殆んど丁度地方事務所が県の出店のような形になつちやつて、殆んどできないのじやないかと思うのですが、どうでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/19
-
020・小野哲
○政府委員(小野哲君) お答えいたします。中田さんの言われますことは、誠に具体的に御尤もだと思うのであります。要は一つは考え方の問題であり、今後の地方自治体というものをどういうふうに持つて行くかという根本の問題があるのではないかと思うのでありまして、農山漁村を持つております府県の税收額が、大都市を持つているところとは非常に異つて来るということも、これは御指摘の通りだと思います。で要は先程触れました国と地方団体相互間の行政専務をどういうふうに配分するか、この根本的な考え方をどこに求めるか、只今のところはシヤウプ税制報告書の線に沿うてこれを調整して行く、再検討を加えるということで進んでおるのでございまして、更にこの研究が進んで参りますると、いわゆる負担区分の問題にも触れて参らなければなりませんし、或いは事務の再配分に伴いまして、現在行われているところの国の補助金制度そのものにもやはり基本的な検討を加えて参る必要が起つて来ると思うのであります、いろいろとと考えますると、道府県の今後のあり方というものにつきましては、非常に関心を持たなければなりませんし、その自治体の運営のあり方というものも、行政事務の再配分、その他これと関連する財政上の措置と見合いまして、今後の問題として研究して行かなければならない課題であろうと思うのでありますが、御指摘のように、差当り今回の税制の改革に伴うて生じた歳入の問題につきましては、地方財政平衡交付金の運用に待つてこれを調整して行く、こういう考え方で進んで参りたいと思つておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/20
-
021・中田吉雄
○中田吉雄君 この都道府県に與えられました遊興飲食税、入場税、附加価値税、この三つが主要なものと思うわけでありますが、特に入場税と遊興飲食税は景気変動を最もよく受けまして、そのために府県といたしましても、財政計画を立てるに非常に安定性のない財源ではないかと思うわけでありますが、これにつきまして、各府県別の調定済額と收入額につきまして、先般お願いしておるわけでありますが、それらとの関係から、この税種の安定性と言いますか、大体予定したものが一番取り易いのはどういうものかというような計数的な関係からの御判断でも……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/21
-
022・奧野誠亮
○政府委員(奧野誠亮君) 只今お話のように、こういう税種というものは、景気変動により相当大きな関係を持つだろうと思う。そういう性質を持ちますから、又言いようによつては小さい団体では非常に困ることになりますので、大きい団体の收入にしてというようなことになるだろうと思います。でありますけれども、両方合せまして約三百億近いし、府県税收入の半分近いものでありますけれども、現在の配分で行きますと、府県はやはり平衡交付金に相当依存しなければならんのではないかというような考え方を持つております。平衡交付金に依存することになりましたならば、私の考え方で言いますと、市町村よりは府県に相当多く行つても差支ないのじやないかという考え方をしております。総合的に考えまして、やはり府県の收入の方が多くなるというような考え方をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/22
-
023・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 奥野君に申上げます。この間中田君から要求のあつた税種別の各府県別の徴税額ですね、早く出して頂きたい。この前は直ぐ出たのですが、一つ早く願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/23
-
024・相馬助治
○相馬助治君 連関して一つ。中田委員の質問の中に挾んで一つ連関しておることですが、お聞きしたいと思います。只今中田委員の質問によつて、この地方税法案が通過いたしまするというと、税金を徴收する面からも、又その外のいろいろな面から問題が可なり多いと思うのです。その場合に今の小野政務次官のお話ですと、地方財政自治の財源としたり、いろいろしたいと、こういうふうにおつしやつておられますが、もつと根本的な方向に目を向けられて、府県の再編成或いは市町村の合併、要するに自治体の形を大きくする、そういつた方向に政府では持つて行く用意があるか、私の聞くのは今のような府県、今のような市町村、そして私栃木県ですが、貧弱町村と言われる沢山の町村を持つておる。私の県なんかでは、こういう地方税法案を通されたのでは、てんで成り立たないのが沢山できるのです。これは又県の場合にも、又今中田委員が言われたように、栃木県とか、或いは福島県とかいう県ですと、なかなか六大都市を持つておる府県と違つて困難だと、こういうふうに推定される。従つてこの地方税法案を通すという、強行せんとする政府の意図は、その裏にやがては先程私が申しておるような、府県の行政区画の再編成、そういうものを用意しておられるかどうか、これを連関して一つお聞きして置きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/24
-
025・小野哲
○政府委員(小野哲君) お答えいたします。只今御質問になりました地方団体の配置分合、その他合併の問題でございますが、御参考までに申上げますと、シヤウプ税制報告書の中にも、或いは行政能率の向上を図るために、又は現在の市町村等の行政区画が教育とか、警察、消防、衛生その他の事務を円滑に遂行するために、将来は或いは合併をする必要があるのではないかと考える。こういう意味のことが書かれてあるのであります。この点はすでに御承知のことと存じますが、政府といたしましては、勿論現在の道府県の行政区域が経済上或いは地現的な事情から考えまして、適当であるとは考えられない点もあるのであります。又市町村が自治的な自治運営をやつて行くのに、果して適正な規模の上にあるかどうかということについても、十分検討を加えられるべきものがあるであろうと考えるのであります。併しながら御承知のように、道府県の行政区画につきましても、又市町村の行政区域につきましても、これは長年の伝統の下に培つて参りました地方住民との精神的な繋りにおいて、今日打われておる地方団体の区域でございますので、これに対して政府が強制的に合併を慫慂したりいたしますことは、果して如何なものであろうかということを考えておるわけであります。併しながら現在におきましても、市町村等の合併の問題は、自発的に研究をされておる向きも地方においてあるようであります。適正な規模で地方団体としての或る程度の行政水準を、その規模と内容において維持して行くということは、健全なる自治運営から申しまして望ましいことであると政府は考えております。ただ御質問のように、この地方税法案を提案いたしました政府の考え方として、この際同時に或いはこれと関連して、都道府県その他地方団体の合併等をこれによつて推進して行くという、具体的な方針を政府としては持つておらないわけでありますが、尚その外にも或いは道州制の問題等も巷間論議をいたされておるのでありますけれども、これらの行政区域の問題は適正なる地方団体の行政運営ということを主眼として、行政事務の再配分とも関連が起つて参りますので、本年の一月から設置されました地方行政委員会議において折角調査研究を進めておる途上にあるわけでありますので、この調査立案の結果は法律によつて政府と国会に勧告をすることになつておるような規定もございまして、これに基いて政府としても、その際において十分に研究をいたして施策を講ずる必要がある、かように考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/25
-
026・竹中七郎
○竹中七郎君 私も二、三お伺いいたしたいと思います。先程同僚議員から御質問がありましたのでございますが、県におきまする新税法におきまする收入は非常に不安定である。併し非常に流通性と申しますか、伸縮性がある、こういうところに非常に妙味があると言われておるのでございますが、私この附加価個税の問題につきましてパーセンテージで昨日或いは一昨日来いろいろお話がありましたが、我々の研究の結果におきましては、政府が申されたように、四百十九億よりも以上に取れる、この観点にありますために、昨日来いろいろの協同組合の問題などにおきまして、取れるから、そちらの方のいわゆる公共性のあるものの減税をしてはどうか、こういうふうな問題が起つて参つたのでございます。で私は不安定であるけれども、附加価値税が相当政府の見込額よりも多いから、不安定であつても、これでいいじやないかという観点であるかどうかということであります。私は先程西郷委員から申されました、これはその自治体の考えにおいて、自治体の理解においてその按配をすればいいと申されますが、一般国民の感情、何と申しますか、こういう感じにおいては、さような融通性があるならば、今の四%よりも三%、或いは二・五%にした方が、国民的感情においては非常に感じかいいじやないか。その率に対しまして政府のお考えにおきまして、私は疑義があるのでございますが、絶対にこの四百十九億ということは、昨日来申されておりますが、確実かどうかという問題があるのであります。先国会におきまして、我々の計算におきましても、或いは外の自由党の計算におきましても、六百億以上とれるのであるから、三%或いは我々の民主党におきましては二・五%でいいと申しましたが、その点その後御研究になりましたかどうかということを先ず第一にお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/26
-
027・小野哲
○政府委員(小野哲君) お答えいたします。附加価値税の税收見込額につきましては、いろいろと御意見を拜聽いたしたのであります。政府といたしましては、先の国会において提案をいたしました場合ににおいても、大蔵当局その他関係方面とも十分に連絡をとりまして、これが資料に基いて算定をして参つたのでありますが、御承知のようにシヤウプ税制報告書によりますれば、百分の四乃至百分の六、こういうふうな税率を示されておつたのでありますけれども、先程申しましたように、政府として資料に基いて算定いたしますると、大体現在考えられておりますような百分の四、百分の三等の税率によつてこれを実施いたしました場合においても、尚四百十九億の予定税收額が上げ得るものであるという結論になつたわけでありまして、従つてシヤウプ税制報告書の税率に比較いたしましては、むしろ下廻つた税率で、成るべく実情に合うようなふうに工夫、研究はいたして参つたのであります。只今御指摘のように道府県税としての附加価値税がやや不安定である。言換えれば更に増收の可能性があるのではないか、こういう御懸念は一応御尤もであると思うのでありますが、相当詳細な資料によつりまして一応計算をいたしておりますので、大体余りに大きな開きは出て来ないのではないか。それについては今後の情勢に鑑みまして、更に税率の問題について検討を加えて来る時期も出て来るのではないかと存じまするが、今申しましたような経過を辿つて、この附加価値税に関する税率等をも考えられて参つておりますので、できるだけ御意見を斟酌いたしまして、今後の運用には当りたいと考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/27
-
028・竹中七郎
○竹中七郎君 次の問題でございますが、これも昨日いろいろ出ましたので、或いは重複しますかも分りませんが、市町村民税と道府県税との間の問題につきまして、附加価値税或いは入場税或いは遊興飲食税が府県税である。そのために府県税といたしまして、農村方面の附加価値税がないのでございますから、この問題で非常に農村と府県との繋りができない。併し次官が申されまするのには、税金でその繋りを工面するものではないと申されますが、本当の現場に参りますと、さようではないわけで、私先般三県下に参りました報告書を出しておるのでございますが、これを読んで頂いたことと思いますが、そのいろいろの問題につきまして、何とか農村との繋りの税を府県の方へ貰うように努力して貰いたいというようなお話があつた。これは我々本当に尤もだと思います。その一つの問題といたしましては、電気、ガスの中の電気税、これは農村におきましてもどこにもあるから、これを府県税の方にして頂いて外のものを何とか考えて貰いたい。そして又市町村におきましては、木材の取引税或いは鉱産税というものは、日本の現状におきまして非常に木材のとれる所もありますが、又殆んど何もとれない所もある。こういう問題におきまして、三県下の木材の引取の少い農村におきましては、その引取税をやるために人件費を食われて、何とかこれは返納した方がいいというような問題がございますが、これに対しまして、この休会中においていろいろ陳情が来ておると思いますが、政府におきましては、この問題をお考えになつたことがあるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/28
-
029・小野哲
○政府委員(小野哲君) お答えいたします。先ず第一の電気ガス税の問題で、特に只今は電気税の問題をお取上げになつたのでありますが、電気税を道府県税にすべきか、或いは市町村税にすべきかについては理論上又実際上いろいろ議論があつたのであります。この点につきましては、すでに竹中さん御承知の通りと存じますので、その議論の経過内容等は省略さして頂きたいと思いますが、結論といたしまして、大体において普遍的な税源はこれを市町村に與える。即ち先程も奥野君から申しましたように、市町村の区域と道府県の区域と考えて見ますると、相当広さにおいても違つておりますので、いわば小さい団体が偏在的だ税源を持つということは適当ではないのではないか。従いまして普遍的な税種はこれを市町村に與えることが妥当ではないか。こういうふうな考え方の下に愼重に審議いたしました結果、電気税を市町村に與えることにいたしたのであります。尚御意見のあるところは十分に了承いたす次第でございまするが、さような経過を辿つているということを申上げて置きたいと思います。電気税は普遍的なものでありますので、市町村に與える、偏在的なものにつきましては道府県税、こういう考え方から出ておるということを御承知願いたいと思います。
次に、木材引取税でございますが、この点につきましては只今御指摘のように、木材の生産地その他の関係が必らずしも普遍的でないではないか、こういうお考えでございますが、これは鉱産税においてやはり議論されましたように、その市町村の確定財源として考えます場合に、鉱産税、木材引取税はやはり市町村に與えることがよいのではないか。電気税の問題、木材引取税の問題等は地方自治委員会におきましても相当いろいろと御議論があつたところでありますが、一応税法案に織込みましたところに落着いておる、かように御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/29
-
030・竹中七郎
○竹中七郎君 私もまあいろいろ今の御説明によつて或る程度納得が行くのですが、大体日本の国柄を考えましても、長い国で非常に違つた状態で、一つの決まつた問題において税種を取るということが大体至難である。それを枠内に嵌め込もうというところに日本の政治の非常にむずかしい状態があると私は思う。こういう点に鑑みまして、もう少しこの問題に対して政府の方で御研究になつて頂きたいということを申上げまして、次の問題に移りますが、次に、警察の問題でございますが、警察問題に対しましては、御承知の通り警察、自治体がその人事の交流におきましてもなかなかできない。これは又経済上におきましても非常に困窮する。一つの事件が起りましたときは、どうしても自治体警察では力が足らない。でありますから、国警に援助を受ける、国警に援助を受けますと、その費用は自治体警察が持つ、又教養問題におきましてもさようでありまして、国警の方にお願いすると、その負担は又市町村でやるというわけで、人事交流におきまして、又恩給問題、こういうものがからみましてなかなかできない。自治体におきましては、まあ何と申しますか非常に能率の低い警官になつてしまうというような問題でございますが、この問題は非常に重大な問題でありまして、御返事に非常にお困りになりますが、この問題に対しまして御研究中でありますか、或いは相当進んでおりますか、この点につきましてお伺いしたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/30
-
031・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) この機会に申上げて置きますが、国家警察予備隊、その他治安問題に関しまして、岡崎官房長官、大橋法務総裁と齋藤国家警察本部長官とを呼びました。ところが午前中は官房長官並びに法務総裁は閣議に出ております。まだ終了いたしません。で午後出席すると思います。御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/31
-
032・竹中七郎
○竹中七郎君 では保留します。それからもう一つ徴税問題でございますが、やはりこれにまあちよつと関連したような形でありまして、地方町村におきまして、このたびの固定資産税或いは住民税その他におきまして三倍にもなる、こういうような関係でありまして、これを数ヶ町村、二ヶ町村というものが合同いたしまして徴税組合を作る、そうしてその組合が徴收に対しまする強制権を持ちたいというような考え方のある向が相当あると考えますが、そういう際におきましても政府におきましては、この徴税組合或いは二ヶ町村或いは数ヶ町村の町村が一つの組合を作りまして、その組合長にと申しますか、或る町村長に任せましてやつて頂くために強制権を賦與することができるかどうか、この点につきましてお尋ねしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/32
-
033・小野哲
○政府委員(小野哲君) 只今のお話のように、徴税につきまして二、三の町村が徴税組合を作るような場合が想像されるわけであります。従いましてその場合におきましては、この組合において地方税法に基いた徴税事務を行うことは差支ないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/33
-
034・中田吉雄
○中田吉雄君 遊興飲食税についてお尋ねいたします。各府県に対しまして遊興飲食税を大体割当てられる基準を一つお伺いしたいと思うのであります。それからこの問題に関連してお尋ねしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/34
-
035・小野哲
○政府委員(小野哲君) お答え申上げます。遊興飲食税につきましては、各府県に割当をいたしまして徴收するということはできるだけ避けなければいかんと考えておるのであります。併しながら大体において、その年度における遊興飲食税の徴收見込額がこの程度あるということは必要に応じて知らしてやらなければならないかと考えております。で強制的に割当徴收をやるということは極力避けて参りたい、かような考えを持つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/35
-
036・中田吉雄
○中田吉雄君 その大体の徴收見込額を見込まれる基準を……。何か酒の売上とか、いろいろあると思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/36
-
037・小野哲
○政府委員(小野哲君) 只今は強制割当のような措置は成るべく避けたいということを申上げたのでありますが、遊興飲食税そのものの算定の基礎でございますが、大体所得とか並びに酒の売上高というふうなものが基礎となると思うのでありますけれども、果して酒の売り上高というものが、或いは農村等におきましては報奨物資として酒が流れ込んでいる場合も相当ありますので、必ずしもそれのみに依存するということは適当でないのではないか。従いまして今後はむしろ所得に中心を置きまして算定をする方がよいのではないか、この遊興飲食税の算定の基礎はいろいろ工夫をいたしませんと、非常に不公平になる欠陥もありますので、この辺のところを種々検討をして、所得に基礎を置いたらどうかというふうに考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/37
-
038・中田吉雄
○中田吉雄君 この問題について、先に奥野政府委員は非常に見方によつては彈力性のある財源だと言われたわけでありますが、私は政府から大体徴税見込額とされて割当てられた額が、商工業、官庁が沢山あるようなところは十分徴税見込額は徴税できておると思う。そうでない農山漁村を中心にし、官庁も余りないというようなところでは、相当政府の割当てが下廻つておると思う。そういう点は非常に配付税……、財政收入と財政需要との差額をまあ平衡交付金で出されるわけでありますから、これは非常に問題があると思う。私はそういう点で非常に彈力性は地域によつて違うし、これはさつき申しましたように、各店県別の徴税見込額と実際徴税された比率を計算して見れば、大体そういうことが、相関関係が出るとまあ思うわけです。そういう点につきまして、十分徴税見込については特別な配慮を頂かんと、大体我々の調べたところによりますと、小さい府県、商工業のないようなところにおきましては、とても取れていません。六割か、七割くらいの徴税ではないかと思うわけで、この点は新らしく資料を出して頂きましたら検討したと思うのです。彈力性は非常に中小工業、官庁街の沢山あるというようなところが非常に相関関係があると思うので、大いに財政收入の見積りにつきましては、特別な御考慮をお願いしたいと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/38
-
039・西郷吉之助
○西郷吉之助君 さつき政務次官は質問の要点を取り違えて、遊興飲食税の総額の割当てというようなことに取られたと思いますが、その際の御答弁に、極力避けるというように言われた。従来国税の場合においても大分問題であつた。割当ては一切しないということを、第七国会において大蔵大臣は三回も答弁された。これは極力でなく、絶対しないということにやつて貰わないと困る。それで適正なる税額を当てて、それが不足の場合に、不足したからあとは割当る、こういうようなことは一切しないように、我々はやかましくそれを予算委員会と地方行政委員会で……。極力避けるのじやなく、絶対やらないと言明して頂きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/39
-
040・小野哲
○政府委員(小野哲君) 西郷さんから御注意がありまして、私の言葉が足らなかつたと思いますが、御趣旨の通り取計らう考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/40
-
041・安井謙
○安井謙君 今の遊興飲食税でございますが、やはり率が高いと思う。実際問題としては率が高いために非常に不公平な徴收が行われるということがある。それはそれとしまして、私ちよつと資料のことで一つお伺いしたいのであります。参考計数資料の(2)で、五ページに、昭和二十五年度と昭和二十四年度の予算の増減比較表が出ております。その「経常的経費」の「その地経費」の中で、特に五百四十億殖えておる。給與費の方では逆に減つておるのですが、これは何か特に見込まれるようなあれがあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/41
-
042・奧野誠亮
○政府委員(奧野誠亮君) 関連いたしまして、少し余計なことになるかも知れませんけれども、昨日しばしば地方予算が八百六十八億も出ておる、非常に自分達のやつておるところが多いのだから、こんなに要らないじやないかというような意味合の話もありましたので、予算の数字の立て方につきましてお話さして頂きたいと思います。地方予算が八百六十八億殖えることは事実でありますけれども、その中には例えば国が今年公共事業を沢山やる、だから従つてそれを受けまして、地方団体が仕事をやるわけでありますので、自然地方歳出額も膨らむわけでありますが、そこで総額のところで幾ら殖えたかということだけ見ておつたのでは、実際の地方財政の状況を把握することができないわけでありまして、純粋に財源がどれだけ殖えるかということを考えて参らなければならんわけであります。そうしますと、今御指摘になりました資料の三ページの所に、地方財源にどれだけ余裕が出て参るかというような数字を掲げております。その数字の左側には寄附金等を正規財源に振替えた場合の額は百三十七億でありまして、振替えない場合の額が四百三十七億ということになつております。御承知のように昨年ドツジ・ラインを地方財政の面においても強行して行くというふうな考え方もあつただろうと思うのでありますけれども、それが又非常な政治的な問題にもなつたと思いますが、配付税というものを大幅に減額したのであります。その結果昨年度は平年度よりは地方の財政通常が困難だつたろうと思います。その結果昨年は昭和二十二年を基礎にいたしまして、大体従来の経営経費をどれくらい支出しておつただろうかということを考え、その後の物価の高騰の度合を勘案して行きますと、正確な数字を今覚えておりませんけれども、二十二年の経費に対しまして権か三・五倍内外になるのじやないかと思つております。それが地方配付税の削減等から二・四倍ぐらいにしかならないというふうな状態になつたわけであります。そこで寄付金等を正規財源に振替えた場合というのは、どういう計算をするかと言いますと、昭和二十三年の実績を基礎にいたしまして、その後の物価の高騰程度のものがやはり経営経費として支出されるというふうなことを想定いたしたわけであります。即ち二十三年の経費を基礎にいたしまして、その後の物価の状況を三・五倍内外だと思つておりますが、どれだけの財源が経営経費に使われるであろうと、こういう想定をいたしますと、昨年と相当な開きが出て来るわけであります。今申上げました点が安井さんから御指摘になりました数の差の一番大きな点であります。経常的経費に相当のゆとりができる。それが従来は寄附金等のところにしわ寄せされておつた。そのしわ寄せがなくなるのが一番大きいのでありまして、その額というものが三ページの上に掲げております四百三十七億と百三十七億という開きが大体三百億円程度である。かように考えて頂いていいと思うのであります。それが更に五百四十億に殖えて参つておりますのは、その外に生活保護費も相当殖えて参つておりますし、或いは又六三制新教育制度が完全実施の状態になりますので、その後におきまして相当経費その他におきましても今年は繰上つて参つております。それが中心をなしておるわけであります。更にそういたしまして、尚三ページの2のところの国家補助金増加等による地方財源所要額の中の公共事業費の増に伴いまして百二億円、教員定数引上げに伴うもの二十億円、徴税費の増加が六十一億円、恩給の増加で十六億円、その他雑件が十億円、これは地方団体の意思ではございませんで、国の方針なり、或いは今度の地方税制改正なんかに伴いまして当然に地方の支出に増加を来たされるのであります。その結果、尚若干のものを差引きいたしますと、昭和二十二年を基礎にして、物価の上つた程度地方の歳出も増加して行くというふうに見た場合には、むしろ十五億円の財源が不足を来す。寄附金を振替えない場合には二百八十五億円の、昭和二十三年の地方財政にゆとりがあつたかどうかということを考えて参りますと、やはり昭和二十三年におきましても非常に苦しかつただろうと思います。そういう状態になつておりますので、昨日しばしば言われました地方財政の余裕は九百億も殖えるじやないか、こういうような議論は当らないということを御説明いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/42
-
043・安井謙
○安井謙君 そうしますと、五百四十億のうち三百億程度はいわば寄附金で賄われておるものを計上しておるという数字上のやりくりになるのでありますね、そう解釈してよろしいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/43
-
044・奧野誠亮
○政府委員(奧野誠亮君) 大体そういうことでございますが、それらの経費は実際は不足をしておつたのであります。それを予算に載せないで寄附金で賄つておつた。或いは又外の団体の支出に委ねておつたというようなものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/44
-
045・安井謙
○安井謙君 続いて七ページで……、どうも数字で恐縮でございますが、七ページの地方債の欄でございますが、これは普通会計の方で二百四十二億、それから公営企業会計の方で五十七億になつておりますが、それは経営経費は臨時経費を合計したものが出ておるわけですね、ちよつと数半が違うと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/45
-
046・奧野誠亮
○政府委員(奧野誠亮君) 今気が付いたのでありますが、経営経費の欄のところに二百という数字が落ちておるようであります。合計して二百四十二億二千万となつております。普通会計で……それと公営企業の分で五十七億八千万円、合計いたしまして三百億という数字でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/46
-
047・安井謙
○安井謙君 分りました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/47
-
048・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) もう一度はつきり皆さんに分るように……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/48
-
049・奧野誠亮
○政府委員(奧野誠亮君) この普通会計の欄のところに計のところで二百四十二億二千万という数字があります。これと公営企業の地方債の計のところに五十七億八千万とあります。この合計額が地方債の発行額でございます。少し数字に誤植があるようですが、ちよつと数字で彈きまして検討いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/49
-
050・中田吉雄
○中田吉雄君 この資料の(1)の資料の四ページですけれども、災害復旧費の三百五十億です。災害復旧費の昭和二十五年度予算推算額、これが非常に多くなつておるようですが、こんなに要るのでありますか、災害復旧費全額国庫負担十五万円以下は除けてというふうに聞いてますが、随分殖えておるようですが、これはどういう関係でしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/50
-
051・奧野誠亮
○政府委員(奧野誠亮君) 土木災害だけでありますと、こんなにかかりません。併しながら農業災害でありますとか、その他の災害もございまして、その部分は全額国庫負担ではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/51
-
052・中田吉雄
○中田吉雄君 その関係ですか、あれは十五万円ですか、十万円ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/52
-
053・奧野誠亮
○政府委員(奧野誠亮君) 土木関係の災害におきましては、一件当り十五万円米満のものは補助の対象になりません。この分を四十数億円というふうに見ております。それから災害復旧費の国庫負担額の計上額が四百七十億円でありまして大体五百億近くなつておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/53
-
054・中田吉雄
○中田吉雄君 分りました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/54
-
055・安井謙
○安井謙君 それから今の続きで寄附金の欄でありますが、十一ページから十三ページにかけて、結局合計が百八十五億九千四百万円というあの十三ページの合計があります。資料は計数資料の(2)、十三ページ(4)の合計、これは寄附金の合計という意味ですか、従来の……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/55
-
056・奧野誠亮
○政府委員(奧野誠亮君) 昭和二十三年度におけるものの合計です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/56
-
057・安井謙
○安井謙君 そうしますと、三百億程度という、四百億従来あつたというのは、二十三年度は別なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/57
-
058・奧野誠亮
○政府委員(奧野誠亮君) 物価は二十三年と二十四年とは非常に違つておりまして、この額も相当違つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/58
-
059・安井謙
○安井謙君 有難うございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/59
-
060・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 先程中田委員から遊興飲食税のお尋ねがあつたのでありますが、第七国会におきまして、この委員会において検討したときに、遊興飲食業者の言い分は、この遊興飲食税額というものは千六百億円程ある。全国で遊興飲食総額というものは千六百億からある。それで税率を一割にして貰つても百六十億取れるのだから、政府の予定以上の税收がある。だから一割にして貰いたいという陳情に関連しまして、果して政府は日本における現在の遊興飲食総額が千六百億あるかどうか、この点を調査して貰いたいということを希望して置いたのですが、その点はどうなりましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/60
-
061・奧野誠亮
○政府委員(奧野誠亮君) 遊興飲食の総額がどのくらいであるかということを計算するにはいろいろな方法があるだろうと思うのでありますけれども、一応遊興飲食関係からどのくらい国税の所得税を徴收しておるか。言換えればどのくらい所得額があると見ておるか、更に言換えればどのくらい消費額があるか、こういうふうなことが一つの見当になるわけであります。結局把握できないものは税收入として見ることは非常に困難だろうと思うのでありますけれども、それから考えて見ますと、大体二十三年の状況で、現在政府が遊興飲食税を予定しておる税額ぐらいになるのじやないかというふうな見当を立てております。それ以外に千六百億円という数字の根拠を我々どこから把握されておるか分らないのでありますけれども、ちよつと調査に困難を感じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/61
-
062・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 政府の計算によると、逆算でよいから遊興飲食総額というふうなものを、税の対象になるものをどのくらいに見ておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/62
-
063・奧野誠亮
○政府委員(奧野誠亮君) 午後お答えいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/63
-
064・石川清一
○石川清一君 先程の説明の中に、電気、ガス、鉱産税のことについて、これは理論的ではないけれども、止むを得ないというような御返事のように聞きましたが、町村によつては鉱産税、木材引取税で、固定資産税を賦課しなくても十分財源があるというようにも聞いておりますし、固定資産税その他法定税目を全部賦課した場合には、平衡交付金を貰わなくても十分やつて行けるという、余裕が出るという町村があると聞いておるのですが、これを法的に外の方に廻すかどうか、そういうことをお考えになつておるかどうかお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/64
-
065・小野哲
○政府委員(小野哲君) 将来の見込みといたしましては、果して只今御説明になりましたようなことが起るかどうかは、今直ちには推測することは困難であろうと思いますが、併しながら町村によりましては、相当の税收額を確保できるものも起つて来るだろうと思うのであります。その場合において平衡交付金は、これを交付しないでも済むではないか、これも恐らく具体的な問題としては、そういう町村が起つて来るかと存じます。ただ一つの税が非常に増收になるというふうな場合におきましては、やはりその当該町村の財政を賄つて行くために、市町村住民の負担等の関係から考えまして、これが均衡化を図つて行くというために、その市町村が税率その他の点について考慮を加えて行くということはできるではないか。言換えれば市町村住民の負担の軽減の方向にこれを使つて行くということは考え得るのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/65
-
066・石川清一
○石川清一君 只今の御説明によりますと、その町村だけによつてこれを解決して行く。この場合に木材引取税は、その町村であるけれども、従業員或いは工業会社の、或いは鉱山の従業員の、住宅がその隣りの町にありまして、全然この恩恵に浴しないということが町村に起きた場合に、どういうようになつて来るのが伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/66
-
067・小野哲
○政府委員(小野哲君) 只今お話しになりましたような場合も想像されるのでありまして、例えば具体的の例をとりますと、山村にダム施設がある。そのために相当の固定資産税が……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/67
-
068・石川清一
○石川清一君 いや、私のお聞きしておるのは鉱産税と木材引取税のことだけなのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/68
-
069・小野哲
○政府委員(小野哲君) そうですか、全体として一応御説明申上げたら如何かと思つたのでありますが、鉱産税、木材引取税につきましては、これを全体的に隣村の間において調整するということは、この法律にその途が開けておらないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/69
-
070・石川清一
○石川清一君 木材の場合、鉱産物の場合にも、そういう例が北海道にもあるように聞いておるのですが、これを法的に或いは政令等で措置をするお考えがあるかどうかを伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/70
-
071・奧野誠亮
○政府委員(奧野誠亮君) 具体的にどのくらい、どんな程度にあるかということをお教え頂けば仕合せなんですが、我々今考えておりますことは、心配しなければならないような町村はないだろう、こういう見方をしております。例えば北海道で夕張市を例に考えましても、まだやはり不足するだろうというふうな考え方をしておるのでありまして、もとより何にも施設をしなければ格別でありますけれども、大体木材引取で收入のあると思われるようなところは、従来から他に税源のない地域でございます。それからもう一つは、道路施設その他につきまして、相当な財政需要があるのじやないかというふうなことが考えられるのでございます。それから鉱山地帯ですと、御承知のようにやはり労務者が非常に多い。それから更に固定資産税が鉱山地帶が沢山あるということを考えて見ますと、生産資材なんかにおきましては、鉱山なんかはこれは鉱業権といつたようなものとして課税しない扱いをいたします関係上、そう期待する程税收額を見込めないのではないかというふうにも考えられるものであります。反面に労務者が多いと教育施設や或いは衛生施設において相当金を出さなければならないというふうな問題もございますので、早急に措置を講じなければならないような問題じやないのじやないか。平衡交付金がいかなければ、それは非常に結構なことだというふうに思つておりまして、尚、将来税法の実施を見極めた上に必要があるのならそういう措置もとらなければならないようになるかも知れませんが、現在のところではその必要がないのではないか。若し必要があるのならば、現に固定資産税についてとつております措置、或いは従来入場税についてとつておりました措置、そういう措置が考えられるわけですが、又これを今申上げましたような見通しの下に、特にそういう規定を置かないことにしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/71
-
072・石川清一
○石川清一君 只今の結果論から申しますと、固定資産も、鉱産物の鉱石も、木材引取となつておる木材、いわゆる天然的なものですね。こういうものは同じでありまして、そういうようなものに結び付く形で、これは土地も同じであります。その形で国民の生活が成立つておるのだという考えに立つように聞きますが、そういうようにしますと、先程の説明は違つて、理論的に私は同じだという考えが立たない限り、これを同一視することはできないのじやないかと考えておるのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/72
-
073・奧野誠亮
○政府委員(奧野誠亮君) 或いは御質問の趣旨を正確に把握しておらないかも知れませんけれども、むしろ考えによりましては、固定資産税の場合よりも鉱産税、木材引取税とか、流通性的なものこそ一小区域の団体の税源に転嫁をしてしまうことは穏当ではない、こういうことも言えるだろうと思うのであります。併しながら只今申上げましたように、実際問題として收入がむしろ財政需要をオーバーするであろうというような予想のされるような町村が殆んどないのじやないかというふうに考えられますことが固定資産税のような特例を設けなかつた本質であります。併しながら実際税法を適用いたしました結果、御心配になるような事態が出て参りましたならば、現に固定資産税についてとつておりましたような、或いは入場税についてとつておりましたような措置を講じなければならないことになるだろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/73
-
074・石川清一
○石川清一君 それでは今度の改正によつて独立した税目をそれぞれ府県市町村に與えることによつて、相当これに住民が好意を持ちまして、この税が相当今の生活に、国民の消費生活と生産的な生産等に結付いて永続されるというお見通しを今も尚持つておりますか、どうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/74
-
075・奧野誠亮
○政府委員(奧野誠亮君) 恒久的な税制として考えておるわけであります。ただ先程来政務次官からお話になりましたので、私余計なことを言うことは恐縮なんですけれども、たびたびお話があつたのでありますが、税制というものは常に社会経済の実態に即して立案されて行かなければならないと思つております。社会経済状態が変つて参りますれば、おのずから税制もそれにつれて動かして行かなければならないと思うのでありまして、税制が社会経済状態を規制して行くというふうな形はこれは過ちだろうと思うのであります。そういうふうな意味合におきまして、今後府県と市町村との間において、どういうような事務の再配分が行われるかということ、或いは税制をどう将来持つて行くかという問題と非常に関連があると考えております。現在地方税法案は一応市町村を基礎にして自治事務が配分されて行くというような考え方に下に立つて立案されておるというわけでありますけれども、今申上げましたように、現に政府が大掴みなところで予想しておるような恰好と違つた恰好で、道府県、市町村の関係が変つて行く。或いは社会経済状態がもつと大きく変つて行くというような問題がありました場合には、それに即応して税制を変更して行かなければならんということも言えると思います。併し現在のところ一応恒久的な税制として考えておることは先程申上げた通りであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/75
-
076・石川清一
○石川清一君 それでは狙いは、これは地方税の方の場合も、或いはその他行政の場合も同だと思うのですが、徹底的に日本の民主化と人心の安定、経済の急速な復興ということになつておりまして、今度のようにマ書簡によるあの警察隊の増強というようなことも起つて来る。起らなくても人心は安定し、生産は復興するという線が望ましいということは、税制の場合でも確認いたされますかどうか、お伺いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/76
-
077・小野哲
○政府委員(小野哲君) お答え申上げます。只今お話の我が国が文化国家として健全に今後も発達して参るということは、お互いに我々一同望むところでありまして、その線に向つて努力して参らなければならんと思うのであります。私の考えを以ていたしますならば、国内体制が整備して参りますためには、どうしても地方自治の運営が健全に行われるということになる必要があろうかと考えます。この大きな目的の線に沿うべく地方税制の改革をいたしている、かように御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/77
-
078・西郷吉之助
○西郷吉之助君 午前中はこの程度で……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/78
-
079・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 大体午前中はこのくらいにして置きまして、午後一時から再開いたします。
尚、午後は国家警察予備隊その他治安問題につきまして、大橋法務総裁以下から説明を聽取いたします。尚いつそれが参るか交渉中でありますから、その間は地方税法案をやつて頂きまして、地方税法案の一般質問は大体今日中にということに願いたいと思つております。で来週からは逐條的にやつて頂きまして、そのときに又税の一般質問をやつて行く、こういうふうにしたいと思つております。御了承願います。休憩いたします。
午後零時五分休憩
—————・—————
午後一時三十二分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/79
-
080・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) これより委員会を再開いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/80
-
081・石川清一
○石川清一君 農林委員会との合同会議における農林委員の発言御尤もと私は聞きました。改めて私もここで申上げたいと思うのですが、農業協同組合の本質的なものの観方については非常に政府の見解が間違つておると思います。これは一応事業は資本によつて動いておりますけれども、農業協同組合は決して資本が経営を支配しておるのではなくして、農業そのものの実態が資本を度外視しまして、一人の人格の上に立ちまして出資金を幾ら出しておりましても一人の人格と認めておるのでありまして、これは外の事業体と非常に趣きを異にしております。従つてその事業体はどこまでも農民の農業経営という基礎の上に立つて、その延長として事業を行なつておるのでありますから、これは附加価値税を当然免除すべきだと考えております。もう一度どういうようなお考えか、お尋ねをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/81
-
082・荻田保
○政府委員(荻田保君) これは随分抽象論になるかも知れませんが、実は従来の税制に比べましてむしろ今度の税制の方が、今おつしやいましたような趣旨でできておるのでございます。と申しますのは、あらゆる法人自体が何らその担税力があるとかないとか、そういう問題ではなくして個人が集まつたものである、個人がその事業を行う手段だと、こういう建前でできておるわけであります。従いまして法人と申しましようか、いわゆる所得税系統のものにつきましてはそういう趣旨でできておるわけでございますが、これはまあ国税の問題でございますので私がとやかく申すことはないと思います。地方税の方でございますが、地方税の中で問題になりますのは固定資産税と附加価値税だと思いますが、これらにつきましては従いまして個人と全く同じ扱いをしてあるのでありまして、附加価値税におきましても農業に関する協同組合であるからと申しまして、個人の拂つていないものをそのままそのような新らしい課税を受けるのではないのでありまして、やはり農業協同組合が行いましても農業に関するものは個人と同様課税されていない、一般の個人もかかりますような、ここに列記しましたような業体だけに課けておるのでございます。又固定資産税におきましてもやはりこれは事業でごいますから大体その消費的な物件はございませんけれども、一応個人が行なつおります事業と同様の範囲におきまして固定資産税もかかつておるのでございまして、決して農業協同組合だからと申しまして特別の課税をしておるわけではないのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/82
-
083・石川清一
○石川清一君 お尋ねが散発的になりますけれども、市町村民税の場合に平均割の賦課は生活不具者或いは生活保護法の適用を受けておる者は、これは度外視されるようでありますが、国の力が及ばないというよりもむしろその親戚が同じような形で以て扱つておる人があるのでありますが、これに対して平均制をかけないことが適当だと思いますが如何ですか。お尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/83
-
084・荻田保
○政府委員(荻田保君) 一応法律の建前といたしましては、生活保護法によりましてすべてそういう人はカバーされるということになつておりまするから、それだけを法律上の非課税者にしております。仮にそういう者がございまして、特にその町村におきまして、実情をよく知つておりまして免税をしなければ無理だというような人がございましたら、それは市町村がみずからの條例によりまして適当に減免して差支えないものだと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/84
-
085・石川清一
○石川清一君 只今のような場合に当然国から受けなければならんと思いますけれども、国から生活保護を受ける場合には一応予算的にそういうものがありまして、今までの民生委員の中においても調査漏れ、或いはその他の事情がありまして、その親類、近親者が同じような形で見ておるところがあるのでありますが、これは当然この法の中に明示して置くべきが正しいと思いますが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/85
-
086・荻田保
○政府委員(荻田保君) 只今申上げましたように、法的に見まするとまあ例外的な場合になるわけでございます。実際問題としまして必ずしもそういうものがないと申せません。従いましてそういう場合には、それぞれの市町村が條例を以ちまして適宜措置する方がむしろ自主的な地方税制として適当であろうと考えられまして、法には入れてないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/86
-
087・石川清一
○石川清一君 只今の市町村民税でございますが、この中では税務署の取りました所得税が非常にその町村内において適正を欠いておるという場合、そのときは税務署の徴收が非常に苛斂誅求であるというので、生活を無視するような、生産を阻害するような形に收奪的に行われたという場合には、これは町村長が税務署から拂戻しといいますか、そういうような形は取らないけれども、額が少かつた場合、或いは故意に申告を行なつたというような四つの條項を設けて、いわゆる国税が少なかつた場合には、独自の見解をとつて徴收ができるというようにしてありますが、こういうような建方の場合は、同じように少い場合には多く取ることができるが、多いところは対等な立場で国税庁、税務署から拂戻し、或いは清算を仕直しするというような当然組むべきだと思いますが、これはどういうようにお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/87
-
088・荻田保
○政府委員(荻田保君) 税務署の査定が不当に高いという場合は、これは法律上の問題でございますが、一応納税者の税務署に対するいろいろの救済の手段がございますので、それで盡されて行くと考えます。従いましてそれを取りまして市町村民税の基礎に使つて差支えないものだと考えます。ただ極めてその町村におきまする税務署の査定が不均等でありまして、取過ぎたり取足りなかつたりいたします場合がありますが、こういう場合には他の條文にありまするように地方財政委員会の許可を受けまして、全部市町村で独自の見解でやり直すことができるような途が開かれております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/88
-
089・石川清一
○石川清一君 これは、何も好んで市町村がこういうことを設けなくても、当然国が大蔵大臣の責任において適正な課税を行うべきであるに拘わらず、そういうようなときだけこういうような條文を作つたということは、国民の大多数は脱税をする、或いは虚僞の申告をするという前提の下にこの條文を作つたと考えられますが、その真意を承わりたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/89
-
090・荻田保
○政府委員(荻田保君) 故意に脱税をするというようなことを頭に置きまして書いたわけではないのでありまして、何と申しましても税務署の方は、町村等に行きますと数ヶ町村に、むしろ十数ヶ町村、数十ヶ町村にというと日も届きませんので、むしろ市町村内部におきましては殆んどその人の所得が全部分るというような村もあるわけでありまして、そちらの方から見まして確かに洩れておる、どうしても納得ができないというようなものにつましては、独自の見解で所得を計算してそれを課税標準に使うことができるようにしたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/90
-
091・石川清一
○石川清一君 それは国税庁は税務署を通じて完全な妥当な徴收が行われないけれども、町村長がやればそれができるんだという考えに立つておられますか。お伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/91
-
092・荻田保
○政府委員(荻田保君) 必ずしもこの税務署の査定が悪くて市町村の方ができるということを申しておるのじやなくて、そういう場合がありまするときにはこの條文によりまして是正した方が、より適正な課税ができるという見解に立つておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/92
-
093・石川清一
○石川清一君 それはこういうような場合には、市町村自体が所得税法に盛込みまして、その盛込まれておる範囲内において、條例で殊に町村がこの均衡を取れるようにして置くことが法の建前上正しいと思いますが、ただこういうような弱い面だけいわゆる收奪的な面だけをはつきり表に出して、そうでないものだけは常に町村に廻すということは私は妥当でないと思いますが、これらについて伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/93
-
094・荻田保
○政府委員(荻田保君) お説のように税務署が安くする方はこれは市町村限りでやつて差支えないのでありますが、ただこの殖やす方につきましてはこれは……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/94
-
095・石川清一
○石川清一君 国税を安くする方です、国税が多かつた場合取戻す方です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/95
-
096・荻田保
○政府委員(荻田保君) 国税が高過ぎると思われました場合に、市町村が独自にこれを減免する、これは市町村がやつてできないことはないと思います。併しながら逆に国税が安いからこれを多く市町村が取りたいという場合には、これは個人の権利を逆に侵害することになりますので、法律の根拠を要しますので、この方には特に明確な法律の規定を置いたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/96
-
097・中田吉雄
○中田吉雄君 この附加価値税につきまして事業場が二県以上にまたがる場合がありますね。これまで事業税の場合には主たる事務所のあるところが受益が多くて、支店のあるところが非常に不利なような傾向があつたと思うのですが、今度の規定で全然その弊害が除けますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/97
-
098・荻田保
○政府委員(荻田保君) この規定によりまして御承知のようにいわゆる申告納税のことになつておりまするから、先ず第一にはその当該納税義務者自身が分割して出して来るわけであります。そういたしましてそれに不服がありまする場合には、その個人も勿論府県側でも地元の本店所在地の知事に異議の申立をすることができまするが、その場合にはすべて地方財政委員会の指示に基いて行われなきやならんということになつております。これは非常に我々地方財政委員会にとりまして大きな仕事だと思いまするが、これにつきまして十分盡力いたします限りにおきまして、今までのように本店所在地の知事の権限が非常に強くて、法律上はともかくとして支店所在地の府県の方が損をするというようなことは大いに是正されるものだと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/98
-
099・中田吉雄
○中田吉雄君 鳥取県なんかには、本店が鳥取県に所在するというのはこれまで一つもなかつた。これは非常に不利だつたのですが、あれは本店のある知事が各県に割当てて、そして儲かるときに何か内閣総理大臣に訴えるようなことがあつたのですが、そういう規定を実際適用しておつたことがありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/99
-
100・荻田保
○政府委員(荻田保君) 今まで全然ございませんでした。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/100
-
101・中田吉雄
○中田吉雄君 ないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/101
-
102・西郷吉之助
○西郷吉之助君 今日は総括的質問を大体行われる予定だと、大臣の御出席は……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/102
-
103・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 今GHQへ参りまして追つつけ出ると思います。……西郷君質問ございませんか。……ちよつと速記止めて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/103
-
104・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) それじや速記を始めて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/104
-
105・安井謙
○安井謙君 午前中の質問に関連しておるのでございますが平衡交付金の問題なんでございます。これは今六割方大体総花的に配られておる。今後あとの残りをだけ適当に配分されるのか。今までの御破算にしてもう一回……。今までもすでに配付されたものは又取返してでも適当に情勢に応じて配付なさるおつもりでございますか。
同時にこの平衡交付金の交付については、何か具体的に、主要大都市には余り出さないとか、何とかといつたような根本的な心構えのようなものをお持ちなんでございますか。ちよつとお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/105
-
106・荻田保
○政府委員(荻田保君) 今まで三回交付いたしました。これはすべて概算交付でございますから、正式に本年度の決定総額が決まりましてそうして清算することになります。従いましてすでに概算交付いたしました額より今年度の総額が少い場合には、その超過額だけは取戻すことになつております。
それからこの交付金を受けるのにつきまして、大都市には行かないようにするということを決めてその下にやつておるというようなことはございません。ただ仕組といたしまして、御承知のように財政需要額から税收入額を差引いた残額をすべて補填するという考え方になつております。大都市方面におきましては恐らくとれます地方税額が相当多いと思われまするので、おのずからそういうところには平衡交付金の額が少くなるだろうという予想は立てております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/106
-
107・安井謙
○安井謙君 それから新聞関係でございますが、昨日も予算委員会の部屋で質問があつたようですが、今年は事業税で第一種に入つておるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/107
-
108・荻田保
○政府委員(荻田保君) 現在の事業税には新聞に対しましても事業税をとることになつております。今度一年間行わんといたしまする事業税にも勿論入つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/108
-
109・安井謙
○安井謙君 これはあの第一種で百分の十二という率でとるわけでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/109
-
110・荻田保
○政府委員(荻田保君) その通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/110
-
111・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) ちよつと速記を止めて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/111
-
112・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 速記を続けて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/112
-
113・安井謙
○安井謙君 そうしますとあの新聞関係は今度の附加価値税は第三種になるわけですね。そうしますと今度の暫定的な場合の事業税では第一種の方の扱いをする……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/113
-
114・荻田保
○政府委員(荻田保君) そのようにしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/114
-
115・安井謙
○安井謙君 これは第一種の扱いにするということはできないのですか、暫定的に。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/115
-
116・荻田保
○政府委員(荻田保君) これは過去の事業税を今年もそのまま継続する、ただ税率だけ下げるという程度に考えておりますので、大体もとの形でやりたいと思つております。従いまして新聞事業につきましても、一種と二種とのやりとりは今回はいたさないようにしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/116
-
117・安井謙
○安井謙君 新聞業というのは独立の販売業も会合まれると解釈してよろしいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/117
-
118・荻田保
○政府委員(荻田保君) 大体そう考えております。つまり新聞の印刷、発行をする業、それを販売する業、それに広告を取次ぐ業、それからもう一つはそれにニユースと申しますか、通信をする仕事、時事通信、同盟通信ですかああいうもの、そういう四つのものを含めたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/118
-
119・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 外に御質問ございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/119
-
120・西郷吉之助
○西郷吉之助君 ちよつと事務局長にお伺いしますが、事業税を年内にやつて来年から附加価値税を実行いたしますが、その場合に両者は法的に性格が違うのですが、例えば事業税で赤字のために納めなかつた、併し一月から附加価値税が課せられる、そうするとその一月から始まつて今度は僅かに三ケ月ですが、その附加価値税額を納める額は、実際に納税する額は一年分を納めるのですか、その点をお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/120
-
121・荻田保
○政府委員(荻田保君) ちよつと……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/121
-
122・西郷吉之助
○西郷吉之助君 附加価値税を納める場合、事業税ではかからなかつたものでも附加価値税については納めますね。そうすると年度末に納める額は、附加価値税というのは三ヶ月ですね、そうすると納める額はどういうことになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/122
-
123・荻田保
○政府委員(荻田保君) 法人のことでございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/123
-
124・西郷吉之助
○西郷吉之助君 そうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/124
-
125・荻田保
○政府委員(荻田保君) 法人は事業年度で納めることに事業税も附加価値税もなつておりますが、今年の十二月三十一日までに事業年度が終りますとその期につきましてはこれはもう事業税でございます。来年の一月一日以後におきまして事業年度の終るときに附加価値税を納めることになりますが、その場合に一月一日を間に挾みまして事業年度があります場合には、前の分は事業税として、あとの分は附加価値税として両者納めることになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/125
-
126・西郷吉之助
○西郷吉之助君 そうしますと今大体私の質問したのは、純益がなかつた場合には附加価値税だけがかかつて来るのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/126
-
127・荻田保
○政府委員(荻田保君) そういう場合には、その事業年度全体を通じまして、附加価値税の計算と事業税の計算を両方いたしまして、そうしてそれを一月一日を前後する期間におきまして按分することになります。従いまして事業税としては赤字の場合これは零になります。従つて一月から先の附加価値税に相当するものだけを納めることになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/127
-
128・西郷吉之助
○西郷吉之助君 そうすると附加価値税額はその三月についての金額ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/128
-
129・荻田保
○政府委員(荻田保君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/129
-
130・西郷吉之助
○西郷吉之助君 その点もう一つ、今前段に説明された、事業税を納めた場合はさつきあなたの言われたように一月を境として、一月前は事業税であとは附加価値税、こういうことになるのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/130
-
131・荻田保
○政府委員(荻田保君) はあ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/131
-
132・中田吉雄
○中田吉雄君 今度の地方財政法ですが、寄附を強制的に取ることができぬようになつておりますが、新制大学はどこの大抵府県でも年次計画でやつて、経常費については国費で持つが臨時費については府県で持つようになつて、非常にこれは地方財政を圧迫しておる。例えば鳥取県などでは昨年は二千五百万円の寄附をやつておる、殆んど入場税に匹敵するだけのものが大学の寄附に行つておる。これは今五ヶ年計画です。昨年一年ですつかりこれで弱つておるのですが、ところが旧の帝国大学、東京や京都などの拡張施設に対しては住民は何らそういう地方負担をやらずに国費でやつておる。たださえ国家の恩恵を受けることの少い地方にできる国立大学については、こういう財政法の規定にも拘わらずどうしてもやらなければならんということになるのですが、何とか自治庁の方としてもそういう方面から来る地方財政の圧迫を緩和するような一つ運動をお願いしたいのですが、どういうふうにこれについてお考えになつておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/132
-
133・荻田保
○政府委員(荻田保君) 実はその点誠に御尤もでありまして、地方団体が住民に強制的に寄附をざしてはいけないということを地方財政法に入れますと同様に、国が地方団体に対して寄附金を出さすというようなことは、この際一つ十分に愼んで参りたいということを考えまして、政府部内一致してそのような方針を取りたいというので、目下各省と相談しまして一応閣議決定みたいなものを作つて、自粛をするというような方法を取りたいと我々としては考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/133
-
134・中田吉雄
○中田吉雄君 只今で大体政府の御意向は分つたのですが、昨年の第一年度の臨時費を地方で負担して、第二年目に入るのですが、今年もやはりあるでしようか。大体なしでやれるというような財政措置が取れるでしようか、どうでしようか、その辺のお見通しを。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/134
-
135・荻田保
○政府委員(荻田保君) まあこれは去年辺りそういう話がありましたときから我々としましては、法の建前としてはそういう寄附金を出すこと、勿論出すように国の方から勧奬すること、これはいけませんが、地方団体側として出すこと自体も法の精神から見て面白くないということを申しておつたのであるまするが、いろいろな事情から地方から自発的にというような形でお出しになつて、漸く国立大学が置けるというようなことになつたのだと思います。それでその年次割があるようでございまするが、それにつきまして国としましては恐らく寄附金を止めて今年からは国費を直接注ぎ込んでやつて行くというふうにはなつていないと思いますので、まあその寄附のお約束が残つておるわけになります。従いまして先程も申上げましたように、政府が地方団体に寄附金を押しつけることを自粛しようという申合せの中には、過去にやりました分も止めにしたいということも我々としては言い出しておるような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/135
-
136・西郷吉之助
○西郷吉之助君 事務局長に伺いたいのですが、地方財政委員会はすでに発足しておるのですが、私は財政委員長に就任挨拶の際にもいろいろ伺つたところが、まだ何も研究しておらぬから勘弁して呉れということでしたが、その後何ら報告がありませんけれども、現に従来から財政委員会において十分検討すべき地方税法並びに平衡交付金法なんかも施行されておるのですが、今年度におきましては、地方税にこういうものが変則的な状態にあるので平衡交付金総額の一千五十億で果して十分かどうか。そういうふうな問題も多分に地方税法案にあるのですが、発足した地方財政委員会におきましてはこういう問題についてすでに研究しておられるのか、或いは何も研究しておられないのか、簡略でいいから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/136
-
137・荻田保
○政府委員(荻田保君) 地方財政委員会の一番大きな目的は平衡交付金法の問題でございますので、これは成立早々この点を研究しております。一番問題になりまするものは、本年度の各団体に対しまする交付金総額を決定することでありまして、これにはいろいろ細かい單位費用であるとか、補正係数であるとか、そういうものを決めなければなりません。それにつきまして研究しておりまするがこれは如何にもむずかしい問題でありまして、理論的だけでは参りませず、実情を全部調べなければできない問題でありまするので大体の方針を決めましてそれに基きましてこれから地方団体につきましてそれぞれ厖大なる調査をいたしたいと考えておるのであります。
ここで一つ申上げておきたいことは、実は平衡交付金では本年度の額は八月三一日までに決定する、こういうふうになつておつたのでありまするが、地方税法の成立が予定通り行かなかつた、それから尚いろいろ今申しましたように研究しなければならない問題があるというようなことから、大体現在地方財政委員会で到達しました結論としましては、八月三十一日までには無理であるからこれを相当延ばしまして、来年の一月、或いはできれば十二月中、恐らく一月になると思いますが、そのときに本決定をしたい。併しそれでは地方の財政のめどをつけるためには、又或いは現金にも困りまするから、この際仮の案を八月までに決めてしまう、そうしてもう一回それに基きまして概算交付、この概算交付はこれまで三回行いましたような、單に二十四年度の数字に按分するというのではなくて、大体平衡交付金の本則に従つて財政需要及び財政收入を計算して決める、そうしておいて正確な数字が出てから一月に本当の決定をしてその際清算すると、こういうようなやり方をいたしたい、こう考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/137
-
138・西郷吉之助
○西郷吉之助君 今の御説明でよく分つたのでありますが、御承知の通り今年度の地方債におきましても、恐らく地方公共団体の申込金額というものは厖大なものであつて、現在の三百七十億では到底賄い切れない現状にあると私は思うのでありますが、政府の一部においても五十億を増額するということが新聞なんかでも拜見したりするが、そういう考えがどつかにあるようなんだがそれが決定いたしませんが、今後地方財政委員会がそういうことを決定する役目ですが、地方財政委員会において必要があるならば積極的に政府とそれを交渉するのが建前であつて、従来のごとく地方自治庁長官に委して置くべきものではないと思いますが、そういうふうな点、もうすでに地方債の問題は非常に今の決定を八月一ぱいにはできないということは、要するに需要額が非常に大きいからどれを切つてどれを活かすかに苦労しておられると思うが、今年度のごときは地方債が廃案になつたためにそういう点に依るべきものも多分にあると思うので、必要があれば増額をして早く決定して政府に折衝するとかいうことが緊急を要する問題だと思うのですが、そういう点財政委員会の諸公が地方債の増額の点なんかどういう見通しを持つておられるのか、どういう考えか伺いたいのであります。
今の平衡交付金はこれ又地方財政委員会において総額を見積るわけですが、もう政府の方においては二十六年度の予算編成方針も概略を立てておるようだが、そうするならば財政委員会はそれに遅れることなく、国家財政の資料も集めて来年度の平衡交付金の総額見積りを早く準備しないと、一方的に国家財政の方が決つて遅れ馳せに地方財政委員会の方が二十六年度の平衡交付金を見積つておつたのでは、なかなか要求が通らないと思うので、この前の地方財政委員会の法案の際にも私は申上げたのですが、決定権は国家にあるので甚だ不本意なんですが、こういう国家財政との睨み合せによつて金額も決るのですから、全体の二十六年度の予算総額の徴收を早く用意されて、平衡交付金の総額の見積りを早く見通しをつけないと、二十六年度予算編成の上に又削られるような憂目を見るようになりはせんかとそれを心配するが、財政委員会の諸公はまだ就任早早であつて極めて不慣れの方が大部分だと思うのですが、であるから特に事務局長がそういう点を努力されないと、うやむやになつて地方公共団体にとつては何らのプラスをしないということになつてはいかんと思うので、そういう点も併せて伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/138
-
139・荻田保
○政府委員(荻田保君) 先ず前者の地方債の問題でありまするが、これは地方財政委員会ができます前からお説のように、五十億増額するということを自治庁で考えておるのであります。これは政府部内においても又議がまとまつておつたのであります。地方財政委員会ができましても直ちにこの点を引継ぎまして、やはり最小限度五十億ぐらい出さなければならないというので、関係方面にむしろ重点がございますので折衝中でございます。ただ実情といたしましては、地方税法が成立してこれの全体の基礎がはつきりいたしませんと先方は返事をしないというような格好になつておりますので、地方税法案の推移とも睨み合せまして強く交渉をして行きたいと考えております。
第二点の来年度の平衡交付金の総額の見積りにつきましては、全くおつしやつた通りでございまして、地方財政委員会の最も大きな使命と考えておりますので、すでにこの点につきましても各方面の資料を集めまして、今月中に要求を内閣に出すことになつておりますので、それまでには的確な資料に基きまして、地方の必要といたします額を十分に要求いたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/139
-
140・相馬助治
○相馬助治君 平衡交付金のことで一つお聞きしたいのですが、法的に見て平衡交付金というものは担保になりますか。具体的にいうと、町長が国から来る平衡交付金を担保にして金を借りるということが銀行で行われた場合には、法的にこれは可能であるかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/140
-
141・荻田保
○政府委員(荻田保君) この点はひとり平衡交付金だけではなく、いわゆる公共財産につきましては、強制執行とか交付金について担保の設定ということはできませんから法律的には無理だと思います。ただ精神的とでも申しますか、実際問題といたしまして、これの来るのを目当にこれが来るから金を貸して貰いたいということは言えると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/141
-
142・相馬助治
○相馬助治君 それが実際にこういう事例があるのです。私は先般大震災を受けた今市の町民ですが、これが政府から低利資金をお借りいたしましたところが、御承知のように低利資金が勧業銀行に一旦下りて勧業銀行から今市に向つて貸出が行われた。その際に現実に平衡交付金が担保になつておるのです。こういう場合にそれは町会の議決を経てそれを担保にして借りたと了承しておるのですが、将来問題となつて銀行が強制執行等をかけて参つたときにはこれは違法であるか。道義的には勿論これは責任を負つて抑わなければならないのですが、法的に強制執行をかけて来たときに違法であるか違法でないか、こういう具体的な問題が私の町に起きておる。私は今の説明を諒とするのですが、この平衡交付金をそういう銀行であるとか或いはひよつとすると個人に担保にして町長あたりが金を借りて、これで強制執行をかけられたということになつては、恐らく政府の意図するところと逆行するわけで、そういう観点から今申した今市の事例に対してそういう契約が第一違法であるかどうかということを一つお聞きしたいと思います。
それからそういう契約を現にしてしまつたのであるから、その後に法的な強制執行等を受けた場合には如何なることに相成るか。この二点について御指導を願つて置きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/142
-
143・荻田保
○政府委員(荻田保君) 実際の例をよく承知しておりませんので的確なお答えを申すわけに行きませんが、ただ預金部の低利資金を勧業銀行を通じて借りていると申されましたが、今公共団体に対しますものは直接貸になつておりますから、勧業銀行から借りたという点がちよつと分らないのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/143
-
144・相馬助治
○相馬助治君 復興資金ですよ、震災を受けて復興低利資金というやつ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/144
-
145・荻田保
○政府委員(荻田保君) 恐らくそれは公共団体というのは今市町じやなくて外に何か団体があるのじやないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/145
-
146・相馬助治
○相馬助治君 町当局へ貸出すのですが、結局は一人々々の町民に貸出をやることになる。国から銀行へ利率九分で下げて銀行から一割九分六厘で今市町民に貸付けるということになつているようです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/146
-
147・荻田保
○政府委員(荻田保君) それでございましたら恐らく法律的には今市町という自治団体が債務者ではなくて各個人が……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/147
-
148・相馬助治
○相馬助治君 そうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/148
-
149・荻田保
○政府委員(荻田保君) それでございますと尚更そういう町の金を担保に入れるというような契約は法律上成立たないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/149
-
150・相馬助治
○相馬助治君 そのことは、それで分りました。
次に私お尋ねしたいことは、どうもこの遊興税や入場税というものは考えによると非常にとりずらいとも考えますが、増え方によると責任額をぶつつけてとりやすいとも言える。ところがこれに反して固定資産税などというものは非常にとりずらいと私は考える。刑もこの弱体な市町村の今の能力で、こういう固定資産を評価し得る能力があるかどうかということが先ず第一点。
それからあなたはよく御承知だと思いまするが、日本人は得てして地方税というものは税金だと思つてはいない。これはもう成るべく打つちやらかして置いて金廻りがよくなつて来たら拂うのだという、いい悪いじやなく、そういう観念があるのです。そうして今度は逆に赤い羽根の寄附でも、それからPTAの寄附でも、任意寄附がまるで税金であると心得ているというような、そういう矛盾が逆の面から来ているのです。従つてこれらを結論いたしまして、この住民税や固定資産税というものがこのままで行つてあなたは完全にという言葉がいけなかつたら、今まで程度に地方の財政が運行して行くだけの徴税が可能であるという御見解でしようか。極めて困難であるという御見解ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/150
-
151・荻田保
○政府委員(荻田保君) 全くこの地方税に関する住民の観念という現実の問題は、おつしやいましたようなことが非常に多いのじやないかと思います。まあこのシヤウプ勧告を基本といたしました地方税改正は、シヤウプ勧告の趣旨自体が地方自治を強化するということでありますから、そういうことについても改正を、加えなければならないということを言いたいのだと思います。それにはそれといたしまして、現実の問題といたしまして現在見積つております固定資産税、及び市町村民税の徴收の歩合でございますが、これは率直に申しまして、一番初めの年におきましては新らしい固定資産税は従来の地租家屋税に比べて、或いは市町村民税は従来の市町村民税に比べて、或る程度徴税率が落ちるのじやないかと考えております。お手許に差上げました見積額の基礎数字はその点を見込んだ上で出しております。当初におきましてはそのようでございまするが、今申しましたようにこの税制が運用されるにつきまして、地方自治の観念が国民の間に涵養されまするならば、必ず理想的な徴税成績を上げるものだ、又それを上げなければ日本の地方自治というようなことは成立たないということを強く確信しているものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/151
-
152・相馬助治
○相馬助治君 今の答弁の意味はよく分りました。そこでそういう現実に照して政府は将来この平衡交付金を増額して行つて、いろいろな面でバランスのとり易いように平衡交付金を逐次総額の上において増加して行くという政策をとられるかどうかということが一つ。
それから現に政府は如何にうまいことを地方税法案の提案理由で説明しても、市町村や知事に聞いて見ますと成る程地方税の財源は貰つたが、てんでこれは不渡手形を貰つたようなものだ、こういうことを現実に申しておる。それから現在の地方の徴税機構というものをこの際大幅に拡充しなければならないという現実が来るわけです。そこでそういう現実に照してどういう措置を考えておいでですか。それはどういう形で徴税機構を拡充するのだという指導的指令を用意しておるかどうかということが一つ。
それからもう一つ。さつき言つたように地方民が地方税に対する誤つた観念を是正するために、啓蒙的な何らかの画期的な用意があるかどうか。この三つをお尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/152
-
153・荻田保
○政府委員(荻田保君) 先ず第一の平衡交付金の将来の問題でございまするが、理想的には平衡交付金は地方財源を完全に調整できる、でこぼこを直す、この限度に止むべきであつて、それ以上のものはやはり地方団体みずから取りますところの税によるべきであると考えております。従いまして今後ただ税がとりにくいから平衡交付金は余計にするのだというようなことは、我々としては考えておりません。
それから第二の徴税機構の整備につきましては、これはすでにシヤウプ勧告の発表以来このようなことが予想されまするので、而もこの徴税機構の整備は一朝一夕にできるものではなくて、吏員の養成に時日を要しまするので、当時から各地方団体に勧告をしておるのでありまして、この点税法が通過いたしまするならば更に強く勧告いたしたいと思つております。
それから第三に住民に対しまする趣旨徹底の問題でありまするが、この点も機会あるごとに地方団体に申しておるのであります。地方税でございまするから我々中央政府がみずからこれをどうする、こうするということは余り言えないのでございまして、地方団体がやらなければならんのでありまするが、それの基礎になりますようなことはいろいろと機会ある度ごとに申しまして、その方面に力を盡すようによく指導しておるつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/153
-
154・西郷吉之助
○西郷吉之助君 財政委員会に伺いまするが、地方税廃案後の臨時措置として短期融資を地方にしたわけですが、これが利息の取扱方法は非常に地方で注目しておるわけですが、政府もいろいろ考えておると思うのですが、地方財政委員会のほうとしてはどういうことを申しておられるのか。又それが方法等も決つておるなら決つておる範囲内で処置、方法を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/154
-
155・荻田保
○政府委員(荻田保君) その地方税法不成立に伴いまする短期融資の利子、これが地方団体の負担になつてしまわないように、必ず国においてこれを補填するということは当初から我々としましてははつきりしておるのでありまして、この点各位においても了承を得ておるのです。ただ具体的方法につきましてはこれをどうするか、こうするかということは未だ決つていないのであります。一番簡單なのは平衡交付金、それよりももつと簡單なのは利子に相当するものを直接国から補給金として出すということも一番簡単明瞭でございますが、次には平衡交付金の額を出す、殖やすということでございますが、これはいずれにしましても、国の補正予算を要する問題でありまするが、まだ補正予算の段階に至つておりませんので、そのようなことも決定していないのでありまするが、最近大体こういう見通しを立てております。これは預金部の利子が現在九分程度でありますが、これが少し高い、少しどころか相当高い、これを最近の預金部の状況によりますると余裕も出たのでこれを相当引下げることができる、七分程度にでも引下げることができるというような見通しもついておるようであります。従いましてこれによりまして利子を下げまするが、その場合二十五年度借入だけではなく、過去において非常に高い利子で借りてあつた既往の負債の利子を下げるということにいたしますれば、これによりまして相当地方の計画には裕りが出てくることでありまするから、そういうものと差引する。勿論そういたしますと個々の団体につきまして必ずしもマツチいたしませんから、そういう場合には平衡交付金の中の特別平衡交付金において調整する、こういうようなことが、今最可能性がある案でないかと思つて研究をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/155
-
156・西郷吉之助
○西郷吉之助君 大体その総額は政府側は十億程度と見ておるようですが大体そんなものか。又今の簡單な方法といろいろ言われましたが、一番簡單なのは預金部のほうで無利息にすることですね。これが一番簡單なことで元を切ればいいのですが、そういうことをすると預金部資金の運用上法律違反になるのかどうか。法律違反にならないならばいろいろ形式上の考え方より元を無利息にするのが一番簡單でありますが、その点の解釈は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/156
-
157・荻田保
○政府委員(荻田保君) 大体第二四半期までの金を考えまして十億円余りあるだろうと思つております。併しその十億円も本年度現実に融通する金によつて十億円になるのでありますが、例年におきましてもやはり年度初めは金が足りなくて預金部資金を借りておる。従つて普通の年でも相当に利子負担をするというようなことも考えられますので、その差額だけが地方税の不成立に伴う本当の負担ということになつておりますので、それを目当てにしてもよいのではないかということが考えられます。
それから次の預金部資金利子そのものを無利息にするという点でありますが、これは法律的に今どうなつておるかということはちよつと私承知いなしておりませんが、考え方としましては預金部は一つの政府の独立採算制を主義といたしまする資金でございますから、これ自体がこういう場合の利子を負担してしまうということはむずかしい問題だと思います。やはりその額は一般会計において負担する必要があるのではないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/157
-
158・西郷吉之助
○西郷吉之助君 その点なんですが、こういう性質上無利息にするのはまずいというお話ですが、例えば災害等の場合に国税を軽減するとか免除するというようなことがあるのであつて、そういう精神からいうならばこれは応急資金として政府の施策の一環として臨時的な措置として貸出されたものであるから、独立採算制であつても国税さえ免除することがあり得るのでありますから、そういう点は私は何もこういう場合でも預金部が利息を稼がなければならんのだという、根本原則はそうですが、こういう場合の取扱方法として何ら非難するものでなく、地方公共団体に対してはそれでなくても平衡交付金のごときものを與えるというような制度さえ出ておるのでありますから、同等の意味において私はそういう場合において、無利息にしても独立採算制の根拠を覆えすのではなくて、税の減免を同様な性質、平衡交付金の性質から言えば、こういうことを考えても然るべきと思いますが、やはり無利息というようなことはいかんというような御見解か。その点を再度伺つて置きます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/158
-
159・荻田保
○政府委員(荻田保君) この点はむしろ大蔵省の問題だと思いますが、私の考えを申上げますれば、勿論無利息にするというのも一つの考えと思いますが、それを若し無利息にいたしますときちきち一杯に経理をいたしておるのでございますから、それだけ外のところの貸付に対する利子を引上げなければならん。ところが預金部資金は相当大半地方団体に貸しておりますので、先程申上げました七分に下げるものが、七分五厘までしか下がらんというようなことになりますと、又地方団体の負担になつて来ることでありますから、どうしてもその差だけは一般会計から負担するという問題になつて来ると思います。そういうことができればこれは簡單明瞭にする意味において無利息ということも一つの方法と思いますが、いずれにいたしましてもこの点年度内に適当な方法を考えまして決してこれが地方団体の背負込みに終つてしまうというようなことのないようにいたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/159
-
160・堀末治
○堀末治君 関連いたした問題ですからお尋ねいたしますが、今の利子補給の問題ですが、この間秋田県に参りましたら預金部資金以外に銀行あたりから借出しておるのがあるのです。こんなのはどんなになさるおつもりですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/160
-
161・荻田保
○政府委員(荻田保君) これはやはりその理由が、地方税不成立に伴つてどうしても止むを得ず命を借りた、預金部では借りられなかつたので、外から借りた場合にはこれはやはり預金部資金と同じに扱わなければならんと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/161
-
162・堀末治
○堀末治君 金利が違つておつたならばどうなりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/162
-
163・荻田保
○政府委員(荻田保君) あまり詳しく考えておりませんが、大体普通の金利によりまして、そうぴつたり何円何銭というようなことも考えておりませんが、大体の見当を付けましてそれによつて上げるより仕方がないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/163
-
164・堀末治
○堀末治君 もう一つお尋ねいたしますが、今大凡利子は十億だろうというようなお話だつたのですが、この間私は町村長会長の大会に行つたところが、そのときの挨拶の中に七億だということを言つておりました。そうすると大分開きが起ります。多く見積つて貰うのは結構ですが、併し七億の金を処理するか、十億の金を処理するかということになれば、やはりそれは大分大きい差があるから政府でもやりにくい形になるだろうと思いますが、実際町村長会長の会議では七億だということをはつきり言つておつたのですが、あまり差が大きいので不思議に思つておりますが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/164
-
165・荻田保
○政府委員(荻田保君) ちよつとその点はつきりいたしませんが、恐らく七億と申上げましたのは第一四半期に貸出した分だけが七億で、更に第二四半期において或る程度出しますから、それをプラスすると十億ぐらい超すのではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/165
-
166・堀末治
○堀末治君 そのときの説明ではそうではないので、今すでに五億借りてこれから後の分を借りるのを見込んで七億になる、こういう挨拶でしたがね。分らなければ結構です。
次にもう一つお尋ねいたします。それはこの間秋田県に参つたのでありますが、報告の中にもよく入れて置きましたが、ああいう東北、北海道のような單作地帯ですと税の収入が下期にのみずれるのです。上期は要するに皆資金を農業関係に投ずるものですから殆んど金が集まらない。さようなことで第一に希望されたことは、要するに税の徴収時期を法律でぴつたりと決めないで、その土地の状況に応じて取立てるようにして貰われないか、この一点如何ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/166
-
167・荻田保
○政府委員(荻田保君) 地方税法は大体そのようになつております。徴収期を法律で決めておりますがすべて但書がついておりまして、特別の衷情で変えていいということになつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/167
-
168・堀末治
○堀末治君 そうですが、それからもう一つ。そういうようなことで單作地帯の関係で一切がまあ税収がずれて来るものですから、そこで税収のないときには交付金を繰上げて拂つて貰いたい、こういう意見がある。殊にただ單に行政費くらいならば結構ですけれども、それによつていろいろな工事をしている関係はもう十月、十一月になれば雪が来てしまつて実際仕事ができないのであるから、成るべく公共事業費のようなものも、ああいうような東北、北海道のような單作地帯にはその事情を勘案して繰上げて早く呉れないかということを熱烈に希望しておりましたが、この点如何ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/168
-
169・荻田保
○政府委員(荻田保君) この交付金の交付を繰上げるという問題でありますが、御説御尤もであると思います。只今のところは別にそういう取扱いはしておりませんが十分考慮いたしたいと思います。
それから臨時費につきましては、これは恐らく交付金が財源でなくして起債とか国庫補助金であろうと思います。これにつきましては公共事業費の補助金等は東北地方につきましては特に考慮しているようでありまして、外の地域に比べまして第一四半期或いは第二四半期に交付金を多くして、それから我々の方の所管しております起債等につき度してもこれは成るべく早く、年度初に査定いたしたいという考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/169
-
170・竹中七郎
○竹中七郎君 財政委員の荻田さんに申上げておきますが、私達もこの間地方に行きましていろいろな調査をして参りました。この問題を調査報告として出しておりますから、これは今いろいろ堀さんも言われたのも入つておりますが、それを勘案して一つ御協力願いたい、こういうことを先に先ずお願いしたい。
次に我々国民民主党におきましては、これはたびたび申上げるのでございますが、附加価値税及び固定資産税それから住民税、この問題に対しまして、我々の方におきましては、相当余裕があると見ている。或る地域におきまして我々は調査したところにおきましては、市町村民税におきましても政府のお考えになるように、約二倍乃至二倍半、それに対しまして昨年の所得税の一二%でも大丈夫だ、こういうことが現実には出ておる。そういうときにおきまして、政府の方におきましてはこの三税並びにその他の九税ですか、十税でありますか、この問題に対しましてどれくらいのパーセンテージが取れないというお見込におきましてやつておられるか。或いは二割か三割か、この点はその後第七国会と八国会におきまして、財政委員会におきまして御勉強になつておるかどうか、この点をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/170
-
171・荻田保
○政府委員(荻田保君) 前国会以来或いは民間からの税の収入見込額が我々の見積つたのが少な過ぎる、実際もつと取れるのじやないかという御議論が非常に多いのでございますが、これは率直に申上げまして我々といたしましては、大体この程度取ることの方がむしろ苦労するのじやないかと思います。先程相馬さんのおつしやいましたように、差当り非常に徴収成績というような点も懸念されますし、それから又それはそれといたしましても、この現実の課税標準というものがそう多くあるものではないと考えております。そこで大きな各税三つについて申上げますと、附加価値税でありますが、これの見積りは大体国税で採りました事業所得、給與所得というようなものを基礎にしております。これを法律が総収入金額から特定金額を差引くというやり方になつておりますので、こういう計算をするのは少し合わないのでありますが、結局同じになりますが、分配所得の面をつかまえて、国税自体のつかみ方、これを基礎にしているのでございますから、この点はそう取れ過ぎるというようなことはなく、本年度は施行いたしませんが、むしろ来年度になりましても当初におきましては、法人分などが相当ずれて来る関係上なかなかこの額を取ること自体の方がむずかしいのじやないかという感じがいたします。
次の固定資産税でありますが、これにつきましては、一応そういうことも考えられましたので今度の一・七五を一・七にしたわけであります。尚それでも取れ過ぎれば一月になつてこれを調整するという措置も考えられまするが、この見込自体は我々といたしましては、大体もうこれでぎりぎり一杯じやないかと考えております。この分は土地家屋が大部分でありまして、これについては殆んど議論の余地はなく明瞭で一つ一つの額が分つておるのでありますからこれで大体間違いないと思いますが、償却資産の問題でありますが、これは本当に正直に申しますと、全然どうにもしようがないのでありまして、これはやつて見なければ分らんということでありまするが、ただ現在国税の方の資産再評価が進行しております。その状況を見ますとなかなかその納税者の見積り再評価というものがそう積極的じやなく消極的のようでありますので、これを客観的価格があるから率一杯に見て取るのだということを申します方が却つて納税者に対して無理じやないか。やはり収益状況等を見た価格で以て見なければいけないので、そうなりますと大体この程度のものでそう過大な見積りじやないかとも……、正直に申しますとこの点は本当にやつて見なければ分らない気がしております。
それから市町村民税の方は、これはむしろ実は少し甘すぎる、甘いと申しますか多過ぎる見込でございまして、この基礎に使つております所得税の額は国税で我々が二十四年度に調整いたしまして決定いたしました所得額そのものを持つているのであります。ところが国税においてすらこれは相当二割程度の徴収ができない分があるので、それを全然無視して査定額そのものをつかまえてそれに一八%というものをかけておるのでありまして、これはむしろ今から大体この額はまあ相当努力しなければ、周税以上の努力をしなければ取れないということが分つておる程度でありまして、決してこういう見積りがそう多過ぎるということにはならないんじやないかと我々はこの点正直に申しますと掛引じやなくて本当にそう思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/171
-
172・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 荻田君にお尋ねいたしますが、第七国会におきまして緑風会が修正案を出したということは御承知の通りであります。その修正案は附加価値税を一年延期する、その税収の減に対して現行の事業税及び特別所得税は二十五年度は徴収することにする、併しそれでは取れ過ぎるから、附加価値税を課することができない建前になつておる農業、林業その他主として自家労力を用いて行う畜産、水産業等が政令の規定するもの、こういうものは二十五年度事業税を取らない、まあここらは今度の第八国会におきまして政府が修正案を出されたそれと同様であります。政府は尚税率を下げておられる、事業税も下げておられる、これもまあ結構だ。
ところがこの固定資産税におきまして緑風会においては二十五年度は土地、家屋に対しては賃貸価格を標準として、その九百倍というものをその土地、家屋の価格だと仮に決めてそれに百分の一・七をかけられている。これでは賃貸価格というものが甚だ曖昧なものであるからそれを九百倍するというようなことは非常に不公平になり勝ちである。それで二十六年度においては評価委員を選んで各市町村において、土地家屋においてその本当の価を計算してそれに百分の一・七五をかける。で三十五年度にそういうふうにして出た税と、二十六年度において仮に決めた税と、非常に二十五年度の方が多かつたという場合にはその取り過ぎたものは返さなければならん、こういうふうなのであります。それが今度政府のじやそうできてない。多少は考慮はしてあるけれどもそうしなかつた。併し今度二十六年度の土地、家屋については九百倍にして納付せしめたものが正式に価格を決定して、過不足を還付するというようなこういう措置を取つておられたが、なぜ二十五年度にこれをやらないのか。二十六年度には緑風会と同じような案を採用して置きながら、二十五年度の土地、家屋に対してはやらなかつたか。この点が昨日も連合委員会において、楠見君が盛んに質問した点でありますが、これは政府委員から、それは賃貸価格というものが二十四年度に引続いてやつておるものであるから、二十五年度はそれでいいのだというのだが、それじや二十六年度でも同じやないか。こういうふうに我々は考えておるのですが、その説明に甚だ物足らんのですが、その点を先ず一点伺つて置きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/172
-
173・荻田保
○政府委員(荻田保君) 非常に御説御尤もでありまして、実は我々もそういうことを考えたのでありまするが、そのような今年度の税収入に更に狂いを起すというようなことは、最小限度の範囲に止める方がよいというような示唆もありまして、一番問題になりますこの償却資産分だけについて認めたわけであります。二十六年度は何故土地、家屋についてはそうしたかと申しますと、それはむしろ二十六年度は土地、家屋についても、本当のそれが賃貸価格にとられない現実の時価を許価するのが建前になつたのでありまするが、ただそれが時間的に間に合わないので、十月、十一月になりますので、それから取つておるのでは却つて徴収期が重なるので、仮に前二回に従来の賃貸価格に対するその倍数の率を以て納めるというようなことを、これはまあ新らしい問題ですが單に徴税の便法として取り入れたような次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/173
-
174・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) その点がどうもよくそういうふうに説明されるのですが、それが分らない。その事情は私は諒としますがその点が徹底してない。
それから緑風会の案においては先程竹中君の御質問について御説明がありたように、償却資産というものに対する価がなかなか出にくい、だから緑風会の方としてはその課税も一年延期したらどうか、こういう案を出したのですが、附加価値税と固定資産税中の償却資産に対する課税は一年延期するということにしたらどうか。併し政府はまあ不完全なやり方ではあるけれども一応仮法定額から納付をせしめてそうして価格の正式に決定した後に過不足分を清算する、こういうふうに考えておられる。で、これはどういうわけで附加価値税と同じように一年延期できないのか、その理由を私も大体分つておるつもりですが、政府の説明を一応聽いて置きたい。償却資産についてなぜ一年延期ができないのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/174
-
175・荻田保
○政府委員(荻田保君) これは全体の税の仕組の問題だと思いますが、御承知のように財産課税を強化するというような面におきまして、この新らしい固定資産税ができたわけでございまして、このうち償却資産だけ脱けてしまいますことはどうしても税全体の仕組から面白くないと考えられるわけであります。殊にそれによつて穴の開きます分をどこかに持つて行きますると、更に又それでその税全体の仕組の不均衡さが大きくなるというようなことから、どうしても今年償却資産の課税を行う。併し今年は仮の納税というような意味にしておいて来年清算するという措置さえ講ずれば、やつてできないことはないという見通しの下に、償却資産は延期せずに本年度行なつたような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/175
-
176・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) それから緑風会はもう一つ。いずれ皆様に逐條審議願いますときに出て参るのでありますが、自転車税とか荷車税、これは年額二百円とか八百円とかいう極く些細な税である。ところがこれに違反すると三年以下の懲役、二十万円以下の罰金を課するということになつております。これは以下とあるからいいようなものではおるけれども、二十万円までは罰金が取れる。三年までは懲役が課せられるという法律の規定で如何にも酷である。そういう明らかなミステイクをそのまま残して置くのはいけない。だから懲役、体刑はやめて貰う、そうしてせいぜい三万円以下の罰金にして貰う、こういうように修正をしようとしたのです。これがなぜ又目をつぶつてしまつてやらないのか、こんなことは当然やつていいのではないかと思うのがやられない。その理由を聽いておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/176
-
177・荻田保
○政府委員(荻田保君) 只今の修正案は我々としましても全く同感なのでございまして、実は今度提案いたします前にそういうことを盛り込んだ案を考えたのでありますが、関係方面の意見としましては、いじり出すときりがないから一応全部そのままで出す。そうしてただ施行時期が遅れるというような関係で納期をずらす。それから固定資産税の中の償却資産の決定を仮決定にする。それから附加価値税を一年延期する。尚その外に税収入が多過ぎると思われる最も顕著な固定資産税の課率を一・七に下げる、最小限度に止めると。こういうようなことでそれ以上何としても了解を得られませんので止むを得ずこうやつて出したわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/177
-
178・相馬助治
○相馬助治君 今の委員長の質問ですね。それは前の国会の委員会の討論にも緑風会の代表によつてちやんと述べられて速記にまで出ているのです。それでここだけの話でそういうふうにおつしやつたんでしようが、これを一ついじり出すとがらがらするというのでは、税率とかその面の問題の場合にも許せないのですが、その場合は言わないとして、少くとも体刑、それから二十万円以下の罰金というようなのは、緑風会の代表が人を馬鹿にしているという表現の討論をしているのです。同感です。こういうものを盛らない、直さない原案を出して、そうして通してくれと言うてもいささか聞えませぬと言わざるを得ないので、あなたにこんなことを言うても仕方がないが、委員長が言うたから私は尻馬に乗るようですが、これは私総括的なときにやるつもりですが、これはとくと考えておいて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/178
-
179・石川清一
○石川清一君 税制の確立については、第一番に担税者、納税者の協力というものがなければなりませんし、税務行政、行政官吏の民主化ということ、適正な運営というこの三つのことが考えられるのでありますが、前の所得税法が痛烈にこの三つの面を暴露しまして、こういうような輿論が起き、ああいうような改正が行われたと思うのであります。今度の地方税の改正に当つても、今度の反対という大きな民衆の声の中にはこういう分が非常に多く盛られておりますし、只今の説明を聞きましてもやはりそういうことがうなづけるので、国税庁の官吏も自治庁の官吏も私は同じだと思う。それで今までの考えから見ましても、税を高くして客体を少くして取る、そこに大きな刑罰を備え、後ろの方に権力を持つておるということが今までの日本の官僚の行き方からすれば非常に楽だ。全部の課税の客体を押えるということは非常に困難なんですが、これはどこまでも課率を引き下げて、客体の全部を掴むという方向に持つて行かなければならんという声が今度の修正の案に現われておるのであります。ここで考えさせられることは、今までの国民感情から行けば大体国税の官吏が将校級で、地方税の官吏が下士官級で、町村の官吏が大体まあ兵隊級で、兵隊級に何ほ條例を作つてどうせいと言つたつてこれはもう支配力がないので、どこまでも全部の客体を押える。そのためには税率をできるだけ引き下げて全部の客体を押えるという方向に持つて行かなければいけないので、町村長さんも恐らくそれを認めておりますし、この際自治庁の役人の皆さんはこういうような肚を決めまして、こういうふうにやつたら実はいいんだという修正案を出して頂くのが日本の税制の民主化だと思うのですが、荻田さんどうですか。(「同感だね」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/179
-
180・荻田保
○政府委員(荻田保君) 私も御意見には全く同感です。そのつもりで努力いたしておるのでございますが、今回はこの程度しかできなかつたのでありまして、御不満のところは将来に期したいと思います。全くその方向は同感でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/180
-
181・竹中七郎
○竹中七郎君 先程の附加価値税の問題でありますが、この度附加価値税が一年延期になりまして、事業税が六百億ぐらい取れるから、相当軽減して取れるということだが、私は大体附加価値税と事業税とは殆んどパーパーぐらいだと考えている。そこで先程の問題が起つたのですが、この問題に対しまして、事業税がどういうわけで六百億取れるから、今度のようなパーセンテージを下げたか、その理由を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/181
-
182・荻田保
○政府委員(荻田保君) この事業税は御承知のように前年度の事業所得、これを課税標準にしております。二十五年度は従いまして二十四年の事業所得でございます。これは相当殖えている。而もこれは国税において査定済みの額でございますから、その基礎数には殆んどこれからどうなるかということを推定するということはないのであります。すでに過去に出た数字でございますから、客観的に相当正確である。それに対しまして従来の十五%という率をかけますと、七百を超す、相当滞納率を見積りましても七百億を超す、こういう数字になるわけであります。従いましてそれを基礎にしまして四百二十億という程度に下げますと、大体十二%程度になるという結論が出たわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/182
-
183・竹中七郎
○竹中七郎君 附加価値税と事業税とはどれくらい違うのですか。その問題……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/183
-
184・荻田保
○政府委員(荻田保君) これはその総業税は前年度二十四年度のものを使いますが、附加価値税におきましては結局二十五年度としますれば、二十五年度のものを使わなければならん。その間に或る程度の差がある。それからもう一つは利益だけじやなくて給與額が含まれますから、これは非常に大きな額になる。総額において多い少いという比較はむづかしいと思います。個々の事業主体、納税者につきまして考えますと、これは非常に違うわけでございますか、全般的に見ますれば、やはり相当減る。つまり従来の率を以て事業税を取るのと、新らしい四%の率を以て附加価値税を取るのとでは相当減るわけでございます。ただ大きな会社、殊に現在帳簿上利益の上つていないような会社、人を沢山使つておる会社、こういうところは相当殖えるのでありまして、この例を以ちまして全体を推しますと、まあ非常に殖えるように思われるのでありますが、従来の事業税を大部分負担しておりました中小企業者、これはもう殆んど軒並に相当減税になつております。従いまして、この程度の課率を以ちまして大体四百二十億が附加価値税でも事業税でも取れるというような見通しを立てておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/184
-
185・竹中七郎
○竹中七郎君 何と申しますか、附加価値税の基本の問題につきまして、前国会にもいろいろ出た問題でありますが、自治庁と安本との調査の結果が、相当五千億以上違つておつた、そうして安本の計算によると、どうしても六百億以上取れるとこういうところの問題があつたのでございますが、その後その点を御研究になつて、この二十五年度では減つて来る、二十四年度ならばそれくらいだと、こういうことで又再び同じようなものをお出しになつたと思うんですが、それは……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/185
-
186・荻田保
○政府委員(荻田保君) その点は二十五年度と二十六年度の数字が違うからという意味でありませんので、まあ飽くまで我々の方の計算が正しかつたと考えておるのであります。安本の資料は、統計的に国民所得というものを見れば、それは或る程度あるだろうと思いますか、実際課税の対象として把握できるものは、国税におきましても大体その数字を使つておるのであります。先程国税が将校で府県税は下士官なりというお話がございましたが、適切な御表現だと思いますが、何と申しましても地方では足りないのでありますから、国税で把握できる以上のものを県が把握できるとは考えません。やはり国税で把握した程度を基本にしてぎりぎり一杯のところはそれを基礎にするよりいたし方ないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/186
-
187・中田吉雄
○中田吉雄君 ちよつとお尋ねしますが、この案というものは、関係方面の係官から書いて貰つて飜訳したんですか、憲法なんかは大体あちらからとまあ我々よく聞いたんですが、殆んどそういうふうになつておるんですか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/187
-
188・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) ちよつと速記を止めて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/188
-
189・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 速記を始めて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/189
-
190・石川清一
○石川清一君 平衡交付金制度は、大体附加価値税とやはり並行して考えられたものでないかと思うんですが、今の政府の原案によりますと、今年まあ事業税によつてこれを代えるという説明ですが、事業税が大体一八%取るというように、全部取つておるような印象を與えておるようですが、資料によりましたら、大体標準だけを取つておる、附加税に七・五取つておるのが十六府県もあるようなんですが、この場合に、この現実というものを平衡交付金の中で勘案をするお考があるかどうか承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/190
-
191・荻田保
○政府委員(荻田保君) この事業税の現在の率が大体一八%といいますのは、普通税七・五%、市町村附加税七・五%、合計一五%、それに対しまして都市計画税というものがございます。これは制限が三%でございます。これを入れまして一八%、こういうことになつております。で、平衡交付金には飽くまで新らしくできまする一二%、この率を以ちまして、その団体が何パーセントの税率で取りましようとも、平衡交付金の計算には一二%を以て標準財政力と見るわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/191
-
192・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) これは岡野国務大臣がいずれ出られますから、そのときに聞いた方がいいんですが、事務当局としての事務的の問題として今聞いて置きたいのですが、それは自由党のこれは公約といいますか、方針といいますか、二十六年度は全国の減税ということを叫んでおられます。あそこの事務所にも大きい旗が掲げてある。その内訳は七百億は国税で減らす、三百億は地方税で減らす、まあこういうふうなことに聞いているのです。そうすると折角住民税を二倍半に上げたり、固定資産税を三倍に上げたり、四百億の財源を地方公共団体に與えておる。地方税をそれだけ多くしたのですが、来年又それを三百億減らすのだつたら何かナンセンスみたいな気がする。これは第七国会、第八国会に亘つて皆さんが苦心して大法案を審議しているんですが、そのときにこれをやられると、どうも私共に分らない、何か事務的にそういうことが可能なわけですか、それを一つ聞いて置きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/192
-
193・荻田保
○政府委員(荻田保君) 委員長のおつしやいましたように、我々事務的に見まして、全く不思議に思つております。政治的にどういう申出があるのかと期待しているんでありますが、地方財政といたしましては、来年三百億をこのままの財源、このままの形で減税するだけの余地は到底ないと思います。従いまして三百億仮に減税するのでございましたら、三百億は平衡交付金を増額するとか、そういう穴埋めがあればともかくといたしまして、ちよつとこのまま三百億を減税するということは事務的には考えられないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/193
-
194・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) どうもその点私共分らないのですが、一応聞いて置いたのですが、これは国務大臣に一つお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/194
-
195・石川清一
○石川清一君 先程お尋ねしたのは、七・五の府県と百分の十一とつている府県があるわけです。それはその府県の財政事情にもよると思いますが、この昭和二十二年度のこういう事実を私は附加価値税が実施されないとしたら、本年度においてこういうような実情を勘案するか、こういうお尋ねをしたわけなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/195
-
196・荻田保
○政府委員(荻田保君) 平衡交付金の配分の基準には、現実にその団体が如何なる課率で税を取つているかということはこれは全然考慮しないわけです。全部標準率、新らしいのでは百分の十二、これで以て計算するわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/196
-
197・竹中七郎
○竹中七郎君 自転車税とか事業税を、年度初めに登録したときに取つて、あとで買つたときに、購買したときには取らないようになつていますが、あれは我々が調査いたしたときにおきましては、買つたときにやはり何といいますか、番号札を、許可証をとる。そのときにあとのまあ六月なら六月から来年までと、こういうふうに取りたい、こういうことを言つておりますが、そういうことはまあ一つの法案を直すというともう目茶苦茶になるのでやれないと思いますが、この点は御考慮になつておりますかどうか。お伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/197
-
198・荻田保
○政府委員(荻田保君) これはお説の通り、この前の参議院におきましても御意見がございましたので、考えたのでありまするが、先程のような理由で一応入れなかつたのでありまするが、この点は必ずしもその方がいいと我々も思いませんが、小さい税でもございますから、一回限りにしましてあとはもう月割課税というようなことはしない方がいいのではないか、ただ新らしく買つたときに、番号札を貰うときに納めないでやる、その年度だけはそういう点はございますけれども、その点は小さな税金でございますから、考えないでもいいのではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/198
-
199・竹中七郎
○竹中七郎君 今の問題も、自転車税はなかなか小さい町ではいい税ですから、この税をあなた方のように国の会計をやると小さいものに思つているかも知れないが、なかなか税金を出す方でも……、それからこの度の均等割の市町村民税でも四百円というような問題がありますが、あの問題も実際に最低は二百円くらいでいい、実際は……。これは先程西郷さんが言われましたが、生活保護法に引つかかつておる人とその上の人との間は、生活保護法にかかつておれば何にも出さんでもいい、その上の人は何でも出さなければならん。この問題が一番深刻です。そういう問題がありますから、あなた方の方で四百円、六百円、八百円と簡單にやられるが、実際に現実にとる面におきまして非常に困つた問題であると思う。こういう問題もこの財政委員会におきまして、相当お考えになつて頂かんというと、それならば下げてしまえばいい、地方自治の権限でやればいいと思いますけれども、なかなかやれるものではない。これは国で法律を企画せられました人々がもう少し民情を査察せられませんと、非常にあとの問題が困りますから、これは勧告の程度で一つお願いしたい、かように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/199
-
200・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 尚荻田君にお伺いして置きますが、昨日連合委員会において村上運輸委員から政府当局に質問があつた。それは私鉄の課税について地方自治庁の調査をした資料に誤りがある、それは通行税においても、通行税の廃止というものは税制改年による私鉄事業の負担減と見るべきものではない。それに負担減となつておる。それから現行事業税についても、現行事業税として私鉄が負担しておる金額、利益課税として八千六百万円に過ぎないのに自治庁の方の計算は六億になつておる。これは電気関係においても固定資産税においでも大変な見積り誤りがある。これは甚だ困る。殊に又シヤウプ博士が来られて、そうして自治庁の調査されたこういうものを根拠にしていろいろ考えられると、私鉄に対する圧迫というものは非常に甚しくなる。これは何回もそういう誤りを直して呉れということを私鉄の経営者の方から、又運輸省の方から地方自治庁の方に申し込んでおるに拘わらず、依然として地方自治庁の方が正しいということを頑張られて直して貰えない。これは甚だ不当だということを縷縷陳情せられておつた、それに対して政府当局の方では、それは飽くまで地方自治庁の方が正しいのだというふうに陳弁しておられましたが、これは公平に考えまして我々もどうもその点は割切れないのですが、どういうふうにこれは見ておられるか、もう一度お尋ねして置きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/200
-
201・荻田保
○政府委員(荻田保君) これは一番初めお出しになりました通行税を税の負担に見るかどうかという問題でございますが、これは附加価値税もやはり我我は消費者に転嫁する税だと考えております限りは、通行税もやはり消費者が負担しておる。併し軌道会社も納めておるという点につきましては同じ税だと考えております。附加価値税の計算をする上においては通行税、取引高税も勿論計算に入れて然るべきだと考えております。それから事業税の見積りを私ちよつと正式の書面を見ておりませんで、どういう根拠で言つておられるかはつきりいたしませんが、事業税につきましては去年税法が変りまして、純益に対する課税じやなくて総収入金額に対する課税で、現行法が変つております。従つてその額から申しますと、ここに出て米たような額が出て来る、それとつまり改正直前の税制と直後の税制と比較するのを至当と考えますので、それを比較しておるわけでございます、
それから電気関係ですが、これはどういう意味か分りませんが、これは殆んど税率に何ら変りはないのでございますから、仮に電気料金が上つたから税の負担が上るとか、こう申しますと、この物価の変動を全部入れなければ計算にならんわけであります。こういうことで計算しなければならないと思います。ちよつと気になりますのは法人税の新らしい改正の額が零になるわけであります。こういうことをしますと純益の挙らんような会社の経営をやるものはないわけで、法人税が零ということはないという議論もあると思いますが、これは一応このままの経営状況を見まして、法人税を計算いたしますと、例の再評価によりまする償却額が非常に多くなりまして、全部赤字になりますので、法人税は零という計算になるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/201
-
202・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 速記を止めて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/202
-
203・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 速記を始めて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/203
-
204・石川清一
○石川清一君 政府の給與ベースの関係の面においては寒冷地手当というものが特別に支給されておるのに、今度の平衡交付金、一般平衡交付金、特別平衡交付金の中でもそういうような関係で起きて来るところの経費の増嵩或いは消耗費等が認められておるというように聞かされておるのですが、土地、家屋の資産の評価の場合でも同じようなことが言えると思うのですが、そのことについて評価上の課率、倍数について変更するお考えを持つておるかどうかお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/204
-
205・荻田保
○政府委員(荻田保君) それはまあ家屋などは建築費というものがございまするから、建築費がかかる以上全国同じ率になつていると思います。ただ土地などにつきましては、宅地は別といたしまして、農地につきましてはおのずから収益力から還元されることになつております。そうしますと、収益力は総収入から経費を引いたものになりますから、その経費の中には、寒冷地であるが故に余計かかつておる経費というものは差引かれる。それから収入の方でも寒冷地であつて収入が少ければ少いのでありますから、おのずから安い評価額が出て来ると思います。今の賃貸価格はその点も考慮されておると思いますが、まだ十分ではないと思いますが、本格的な評価をしますれば寒冷地の土地の評価は或る程度違つて来ると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/205
-
206・石川清一
○石川清一君 只今の御説明によりますと、土地の賃貸価格或いは家屋の賃貸価格は相当勘案しておるように言われておりますが、これは確か昭和十五年頃に改正されたと思うのですが、その頃の生活費或いは生活というものを考えずに来たその当時の考えの上に立つておるので、これは当然そういうものは将来とも考慮さるべきであつて今度の評価の中に、或いは課率の中に織り込むことが日本の民主的な政治のあり方として正しいと思う。そのことについて意見を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/206
-
207・荻田保
○政府委員(荻田保君) 今申上げましたように、只今付いております賃貸価格にはお説のように余り含まれていない。本当の時価を評価する場合には今度の新らしい制度では考慮するようになるということを申上げて置きます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/207
-
208・高橋進太郎
○高橋進太郎君 今のに関連してですが、家屋の場合それは寒冷地であろうと余り関係ないのだというのですが、問題はむしろ寒冷地帯における家屋の状態がどうしても冬期間が長いから農家としても非常に規模が大きいとか、ある意味から言えば全国的に見て相当広い無駄と言うか、非常に広い農家の作りになつておるわけです。それからそういう寒冷期間が多いから従つて材料費、その他も相当それを貯蔵するところの倉庫であるとか物置とかいうようなそういうものが余計に多くある。そういうような特殊事情というものを考えて頂けるかどうかという意味で私お聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/208
-
209・荻田保
○政府委員(荻田保君) その点たびたび寒冷地帯のお方の御意見を承つておるのでありますが、まあ現在のこの制度としますれば、そのようなことまでこの税の中に入れるということは考えていないのでありまして、ただこの経費の面に具体的に現われて来る。それからこの市町村民税の基礎になりまする所得、この所得自体が寒冷地なるが故の経費が余計要るというために所得が減る。この程度しか考えていない。同じものを寒冷地なるが故にするというところまで考えておりませんが、恐らくこの関係方面の方には御尤もなことだと思われますので、将来継続して研究したいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/209
-
210・高橋進太郎
○高橋進太郎君 この法律ではそういうことは想定し、考えていないけれども、そういう特殊事情は十分分るから、将来なりにまあ考えたいとこういう意味ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/210
-
211・荻田保
○政府委員(荻田保君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/211
-
212・石川清一
○石川清一君 只今の答弁は所得税の中に見込まれておるというようなお話でありましたけれども、決して所得税の中では見込まれておりません。農業所得にしましてもその他の所得にしましても若干はあります。殊に農業所得におきましても夏期間において行われるのであつて、冬の寒冷地地帯においては全部生活でございますので、家屋の面においては大体生活というものが中心になつて考えられますので、当然この中で考慮さるべきだ、只今の御説から言いましても私は妥当と考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/212
-
213・荻田保
○政府委員(荻田保君) 言葉が足りなかつたのでありますが、要するにこの生産面という面から見まして経費が割高にかかるということがあつて、これは税に考慮されておりますが、併し消費生活の面において余計金が要るからということはまだこの税法では固定資産税とか、所得税、従つて市町村民税を通じて考えておりませんので、これは将来研究いたしたいということを申上げた次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/213
-
214・高橋進太郎
○高橋進太郎君 資料を一つお願いしたいのですが、或いは非常にむずかしいと思いますが、各府県で若し全部揃わなければ或る二、三の県でもいいのですが、府県のこの歳出というか、財源の面から見まして教育費であるとか、或いは法令に基く費用ですね。例えば生活保護法の規定に基いて当然一割負担しなくてはならないというような一種の義務的な費用、及び純事務的にどうしても負担せざるを得ないというような費用、或いは中央からの補助金があつてそれの埋め草と申しますか、いわゆる三分の二補助するからあとの三分の一は府県費で負担するというようなそういう費用、そういうものを差つ引いて一旦府県ならば府県においてその府県独自の考えで自由になし得る自由財源と言いますか、自由支出と申しますか、そういうような仕分けをした若しお調べがありますれば、御提出を願いたいとこう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/214
-
215・荻田保
○政府委員(荻田保君) 調べて見まして、ございましたら至急提出したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/215
-
216・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) それでは只今の資料の提出をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/216
-
217・中田吉雄
○中田吉雄君 資料のことにつきまして随分前からお願いしておるのでありますが、何んとか善処する善処するで、いろいろお尋ねしようとする基礎資料にしようと思つてお願いしておるのですが、随分我々あちらの自治庁に行つて見ると、いい資料があるようですけれども、そういう只今お願い下さつたようなものと併せて至急お願いしたいのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/217
-
218・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 中田君に申上げますが、事務的には二、三遍も督促してもまだ出ません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/218
-
219・石川清一
○石川清一君 私のお願いしますのは極く簡單な資料でおります。免税点が事業税の場合、四千八百円になつておりますが、これを特例で下廻ることができるようになつておりますが、それを府県別にその免税点通りにしておるか、その実情の数字をお願いして、このくらい簡單なものはないのですが、まだ提出がないわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/219
-
220・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) これも連絡して至急取ることにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/220
-
221・高橋進太郎
○高橋進太郎君 先程荻田さんにお願いしたのは、ちよつと要求した趣旨を申上げて置いた方がいいと思いますが、要するに、最近の委員会においても府県は非常に楽じやないから、或いは県の予算は外形的に殖えておるのじやないかという議論が非常に多いのです。併し実際これを内容的に見ますと、そういつたような法令なり事務的に出さなければならん費用がもう非常に嵩高であつて、外形上は殖えておつても、本当に府県が身のある歳出が独自でなし得るというものは幅が非常に少いと思います。そういうものを数字的に知りたいわけでありますから、これは是非一つお作り頂きたいと、と思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/221
-
222・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) それでは岡野国務大臣はまだ参りませんから、一時地方税法案の審議を中止いたしまして、大橋法務総裁並びに岡崎官房長官が参りますが、先程から齋藤長官の代りに溝淵国家地方警察本部次長が見えておりますので、治安問題について御審議願いたいと思います。中田委員に申上げますが、国家地方警察本部長官は管区本部長の会議に出ておりますから、今来れないそうであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/222
-
223・中田吉雄
○中田吉雄君 治安問題に入りますまでに、選挙の取締についてちよつと御許し願いたいと思うのですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/223
-
224・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) どうぞ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/224
-
225・中田吉雄
○中田吉雄君 我々ずつと敗戰以来行われました選挙ごとの取締方針を、いろいろ選挙に関係あるものですから、自分が当事者でないときにもずつと見て来ておつたのですが、今回行われた選挙程検察庁、国警、自治体警察が自由党内閣の意を受けて非常に中立性という点からいろいろ問題になるような取締、検察方針を取つておると思いますが、そういうことについてどういうふうにお考えでありましようか、お伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/225
-
226・溝淵増巳
○説明員(溝淵増巳君) 只今警察の取締が偏つた選挙取締をしておるじやないかというお言葉でありましたが、私共の方としましてはそういう考えは毛頭ありません。極力嚴正公平、これは文字通りそういうつもりでやつておるつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/226
-
227・中田吉雄
○中田吉雄君 そういう抽象的なお話ではなかなか納得できんのですが、例えば我々同僚で当選しておる議員なんかは、選挙事務所で味噌汁一杯飲んでおつたために国警で逮捕して長く留置して置く。そうして一方金権候補の方では一県について数百万円の選挙費用を使つて当然県民から見たら、これが検挙なり、捜査されねばならんのに、そういうものについては不問に附しておる。それにも拘わらず組織から出た候補についてはそういう些末な形式的な問題でもしておるというので、非常に警察に対する住民の信頼がいろいろ問題にされておる点が多いのです。そういうふうになかなか下の方には目が届かんと思うのですが、一つそういうことのないように巖に、時の内閣であるから寛であり、野党に対しては形式的な違反に対しても極めて苛酷であるというようなことのないように一つお願いしたいと思うのですが、我々は例を挙げて幾らでも説明ができるのですが、時間がありませんので申上げませんけれども、そういう希望を申上げて置きます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/227
-
228・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 最近の治安状況について国警本部の方で見ておられるところを御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/228
-
229・溝淵増巳
○説明員(溝淵増巳君) 最近の治安状況と申しますと、先ず大きな事件は五月三十日の宮城前における進駐軍に対する暴行事件から始まると思います。あの事件に際しまして、警視庁が相当数を出しておりましたが、多数に対しての警備力その他の点から検挙が多少遅れまして、進駐軍の方で検挙したというようなことに相成りまして、進駐軍当局の方から相当なお叱りを受けたようでありますが、その後警視庁は六月二日でありましたか、都内の集会並びにデモ行進を禁止いたしたのであります。それから五日になりまして、五日まで禁止いたしておりましたが、五日から更に無期限で禁止するということに相成りました。更にその後日にちは忘れましたが、全国の自治体警察についても警視庁と同じような措置をとるようにという指示がありました。これは警視庁を通じまして全国に連絡いたしたのであります。その後又更に国敬の管内においても、自治体警察の管内でも全部禁止するということになりますれば、国警の管内にもその影響が来るであろうから、同一歩調をとつた方がいいであろうということに相成りまして、国警としても同調したわけであります。国警の管内は何と申しましても田舎、地方でございますので、大した事故もなかつたのであります。これらの一連の措置に対しまして、マツカーサー指令官に対する質問公開状というものが各所に現われまして、それが勅令三百十一号に該当するという結論になりまして、全国で相当数の検挙をいたしたのであります。その後御承知のように共産党幹部の追放、「アカハタ」幹部の追放、「アカハタ」の禁止というような措置がとられまして、私共その措置に応じまして取締等をやつておるわけであります。更に最近に至りまして、御承知のように全学連から出ておると思われる軍事基地の地図が頒布されておりまして、一斉に捜索いたしましたことも御承知の通りでございます。
御承知のように朝鮮における戰争が起つた後の動向につきましては、この事件に対しての直接の問題というものは未だ大した問題は起つておりませんが、ただ最も心配されております九州地方におきまして空襲警報が出たとか何とかいうことがありましたが、本日も管区本部部長の会議で聞いて見まするのに、人心は極めて平静でありまして、そうした飛行機が来たとかいうような事実は知らない。こういうような報告でございます。むしろ対馬の方などは密貿易がなくなりまして却つて淋しくなつている、このようなことも聞いておりますが、大体におきまして平靜のように存じまするが、併しながら一面におきまして、最近におきまして新聞紙で御承知の通り、秋田県の三関における列車の顛覆事件、それから岐阜県における発電所の水路の妨害によりまして溢水事件がございました。この事件につきましては、三関の方は恐らく故意にやつたものであろうというように断定いたしまして折角捜索いたしております。岐阜県の事件につきましては過失でああるというように言つておりますのですが、只今果して過失なりや否や調査をいたしているわけでございます。尚こういう事件がぽつりぽつり現われますことは、人心に與える不安も大きいのでございますので、極力いろいろ産業に対する或いは列車妨害に対する警備を嚴重にいたしたいと存じまして、折角努力いたしておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/229
-
230・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 岡崎官房長官、大橋法務総裁が御出席になりましたので、国家警察予備隊の創設、その他の治安関係について御審議を願いたいと思います。先ず大橋法務総裁にお尋ねいたしますが、先に第七回の継続審議の機会に大橋法務総裁の出席を求めまして、マツカーサー元帥の書簡による国家警察予備隊の創設に関する事項につきましてお尋ねをしました。そのときに各委員の御質問に対しまして、大橋法務総裁からまだその構想なんかもまとまらないというお話でございました。ところが最近の新聞では政府においてその構成その他の構想もまとまつで、今関係筋の方と交渉しつつある。その内容も新聞紙上に報ぜられるというような状況になつております。第八国会における本委員会におきまして、先ずこの点の御説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/230
-
231・大橋武夫
○国務大臣(大橋武夫君) 国家警察予備隊の創設につきましては、先般当委員会におきまして御説明を申上げたのでございます。その後私共は関係筋当局と密接な連絡をとつて、これが具体化に努力をいたして参つたのでありますが、現在までのところでは、その後実質的な構想につきましては、殆んど何ら具体化する程度にまで参つておりません。実は日本側においてこの具体化の衝に当るべき責任者を至急選定して、その者と関係筋当局とが協同して具体化に当ろう、こういうことに相成りまして、只今政府といたしましては、将来創設の暁におきましては、この警察予備隊の運営にも参画するという心持を以ちまして、今日この準備活動に当るべき人を選定いたした程度でございます。そういう次第でございまして、この機構或いは又活動範囲等、或いは組織といつたような点につきましては、今後この者が関係筋と折衝を続けながら具体化して行くということに相成るわけでございまして、只今これ以上申上げる段階に至つておらない次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/231
-
232・西郷吉之助
○西郷吉之助君 只今法務総裁から説明という程度に行かない話を伺つたのですか、前回の委員会におきましても調査中一点張りで、私は非常にそれを追及したのですが、そこで、質疑応答の形においていろいろ話されたと思うのです。今のお話でも誠にその場合と同じで、なぜそれでは新聞にはそれがいろいろ報道されて、段々詳しい内容が報道されまして、例えば八月から募集するのだというような内容まで出ていることは御承知の通りと思います。そういうようなことであつて、御承知のごとく只今国会も開会中なんです。そういうふうな問題は非常に重要な問題でありまするから、でき得べくんば政府としては国会にそれを諮るべきである。然るにそんな御説明のように一歩も進んでいないとか何とかということを言われるけれども、新聞の報道が漸時体制を整えて、段々詳しい説明も加えておる。そういう際に一番最初に知るべき国会が知らないで、外が知つておるというふうなことでは甚だその運営の方針が誤つておるのではないか。法務総裁はそういうふうなことを進んで国会議員に説明されるべきものであつて、そういうふうな單なる成るべくものを言わんというような態度は私は非常にいかんものだと思う。そういうふうなことはこの前も申上げたのですから、できるだけこういうふうな関係委員会においては細かい説明を誠意を以て積極的にして頂きたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/232
-
233・大橋武夫
○国務大臣(大橋武夫君) 只今西郷さんからお叱りを受けたわけでありますが、政府といたしましては或る程度の構想がある。これをこの当委員会において知らぬ存ぜぬ、或いは申上げる時期でないと言つて、ひたすら隠しておるかのごとき想定の下に只今のお話があつたのではないかと存ずるのでございまするが、私共は誠意を以ちまして皆様に御相談するのは当然のことと心得ておりまするが、ただ今日の段階におきましては先程来申上げました通り、遺憾ながらこの構想を作り上げて行くために関係当局と折衝に当るべき人を選定いたしておる。そうしてともかくまだ具体的な交渉を先方と始めておらないという段階にあるということを御了承願いたいと存じます。尚新聞紙におきまするいろいろな報道について只今御指摘がございましたが、これは如何なるところからかような記事が出ましたか、その出所につきましては私共は関知いたしておりません。特に八月いついつから募集すると、こういうことでありましたが、こういうことにつきましても今後の折衝によつて決まるべきものでありまして、只今何ら定まつたものといつてはないということを御承知願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/233
-
234・西郷吉之助
○西郷吉之助君 只今分つたような分らんような御説明を聞きましたが、何も隠しておるというのでなくて、法務総裁が御存じの範囲内においては我々に誠意を以て説明をして頂きたいという熱意を私は申上げるのであつて、例えて申しますならば、只今人選中であるという、その人選中ということについてあなたは人選中ということだけで名前も言われませんが、新聞紙でも発表しておるではありませんか。只今例を言えば新聞で誰々と人物と写真が出ておる。で、積極的にその意味でも人選中でも誰々というように名前が出ておるのに、そういうような極めて味もそつけもない御答弁ではなく、できるだけ構想中であり人選中であると言うが、私は政府のそういうことを担当しておる者が全然そういうことを知らないでやつているわけがないと思う。常識上考えましても、そういう警察の問題につきましても前の国務大臣の樋貝さんでも成るべくそういうことは聞いて呉れるなというようなこと一点張りで、成るべくそういうことを遠慮しておつたのですが、こういう際に更にそういう態度を政府がとられることは甚だ遺憾至極であります。もつと親切に我々にこういう構想なら構想、こういうことを希望しておるなら希望しておるというくらいのことは……、ただ人選中で、その者が折衝するので、政府は知りませんというような無責任なものではないと私は思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/234
-
235・中田吉雄
○中田吉雄君 次のような点について総裁にお尋ねいたしたいと思うのですが、予備隊を作れというマツカーサーの指令があつたから、占領下だからその指令に従わざるを得んからやるというふうにとれるのですが、客観的に日本の国内情勢からいたしまして二十万という殆んど常備軍にも等しい、平和時代の常備軍より遥かに上廻るような数を置かねばならん程日本の国内の客観情勢が、治安がなかなか維持できないような事態に急迫しておると見られますか、そういう点についてお尋ねいたしたいと思うのであります。
それから関係筋といろいろ具体化の問題についてお打合せのようでありますが、その打合せにつきまして、これができるだけマツカーサー元帥の意向が摩擦なく国内に活かされて行くというために、国民の代表である国会の意見を聞いて、どういうような形態で置かれたら一番その趣旨によく副うかというような意見を各派から求めまして、そういうような意見を以て関係筋と当られまして、そうして関係筋の意向が誤りなく国内に活かされる、こういうような手順をやるお考えはありませんでしようか。我々から見ますると、却つてこのことが反米思想というようなことに行つてはマツカーサー元帥の善政に対しても十分報いるものでないというように考えるのですが、この二点についてどのようにお考えでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/235
-
236・大橋武夫
○国務大臣(大橋武夫君) 警察予備隊の創設につきましては、マツカーサー元帥の命令によつて創設するのであるのは勿論でございますが、併し今日の国内における治安上の必要から申しまして、これは極めて適切なる措置であると考えております。又これが実施につきまて、将来各党各派のいろいろな御意見をお伺いいたし、これによつて構想を作つて行く上に参考とするかどうかという御質問でございましたが、この点につきましては、今後の実情によつてどちらかにいたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/236
-
237・中田吉雄
○中田吉雄君 こういう問題は党派によつて徒らに政争の具にすることはよくないと思うのでありまして、一旦あれだけ関係筋と折衝をされまして、具体的にそれが実施されましたならば、なかなか改めるということが実際困難なわけでありますから、幸い国会も開会中でありますし、十分そういう意見を懇談裡にでもいい聞かれまして、私はやられました方がマツカーサー元帥の趣旨を過ちなく活かし得るものであるということを希望いたす次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/237
-
238・大橋武夫
○国務大臣(大橋武夫君) 御趣旨のあるところはよく了承いたしました。将来特にさような点について考えて見たいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/238
-
239・西郷吉之助
○西郷吉之助君 具体的な説明がないのですけれども、もう一つ御質問したいと思います。名の示すごとく、今回は国家警察予備隊とかいう、仮称でしようが、そういう名前になつておるのですが、現にこの問題を離れまして、警察制度の問題は国家警察、自治体警察の二本建てで行くのがいいのか悪いのか、こういうような実際の問題に本委員会は始終関心を持つておるわけであります。その点いろいろな点から不満足な警察制度で今日来ておるわけです。そこに新たはそういうようなものを国家警察と別個にやられれば、ここに三本建ての警察の基盤ができまして、ますます複雑怪奇になる、殊にこの前も法務総裁が質疑にお答えになつたのは、各方面に管区本部を設けまして、ブロツク的に予備隊を置くというふうなお話であつたと思うのであります。そういうようなことになつて来ますと、現在国家警察の機構としてそういうことがあるのですが、その上に更にそういうふうなものを置かれてやるのか。そういうものは非常に有事の場合の活動が目的であろうと思うのでありますが、平常はどういうことを任務とするのか。こういうことを法務総裁は今の段階の下でどう考えられておるか。そういうことをお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/239
-
240・大橋武夫
○国務大臣(大橋武夫君) 国家地方警察、自治体警察二本建てになつておるということに関連いたしまして、警察においていろいろの研究すべき問題があるということは、私も全く同感でございます。この点につきましては、今後の機会におきましてもできるだけ皆様と御一緒に研究をして行きたいと、かように考えております。又その二本建てになつておる警察の現在の組織の外に新らしくこの予備隊ができて来る、ここで一層警察の機構、組織というものが複雑さを増して来るということは明らかでございまするか、これを如何に調整すべきであるか。又特に予備隊が平常においては如何なる任務を與えらるべきであるかということは極めてこの予備隊につきまして根本的な重要な性格であると言わなければならん点でございまするが、実はこの点すらも只今明確になつていないような状況であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/240
-
241・竹中七郎
○竹中七郎君 西郷さんの御質問に関連した質問でありますが、自治体警察と国家警察の間におきまして問題になることは、これは大臣各位は御承知のことと思いますが、現在の自治警察におきましては非常に規模が小さい。それで経費の点におきましても、又一度犯罪が起つたときにおきましてもその收拾に困る。そして国家警察の方々に御依頼しなければならん。或いは教養の点におきましても、又人事交流の点におきましても、恩給の問題、給與の問題でありましても非常に困窮しておる。この問題をどうしても解決しなければ、現在の警察制度がうまく行かない。それに又予備隊ができて参りましても、それをどこの面にやるかという問題になりますと、ますます西郷さんが言われました通り、非常に怪奇なものになるのじやないかと思いますので、私はこれを今直きに御返事願うことはなかなかむずかしいのでありますが、この自治体警察と国家警察との間を、何とか人員におきまして或いは三万だとか五万というようにしなければ、自治体自身が参つてしまうのじやないか。そういうことを考えるのでありますが、この点につきまして法務総裁からお答えを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/241
-
242・大橋武夫
○国務大臣(大橋武夫君) 自治体警察の現状につきましては、いろいろな批判が世間に行われておりまして、又これらの一部につきましては私も同感に存ずる点が多々あるのでございまして、これらの問題を如何に処理すべきであるか、或いは制度として全く改正すべきものであるかどうか。或いは今日の制度の運用を更に検討して、或る程度は運用によつて解決し得るかどうかというような点につきましても、今後十分に研究をいたして参りたいと存ずるのでありまして、無論これが研究につきましては、皆様方の絶大なる御協力に待たなければならん、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/242
-
243・竹中七郎
○竹中七郎君 最後にちよつとお願いして置きますが、この予備隊ができますときに、あなたの方ではつきりした線をお出しになることが一番警察制度の改革にいい時期である。かように考えますので、特に御考慮になりまして、最善の方策を立てて頂きたい。こういうことをお願いいたして置きます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/243
-
244・大橋武夫
○国務大臣(大橋武夫君) よく了承いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/244
-
245・石川清一
○石川清一君 私も今度上京する前に警察署長さんにお会いをいたしましたところが、北海道でありますが、美深の事件或いはその他の兇悪なる事件の捜査に当つても、警察力の弱体、非常に今日の国家警察の弱体並びに地方自治警察との連繋が完全に行つていない。こういう点でいろいろ指摘を受けまして、この点今度の国会で十分論議されるようにというようなお話がありました。私自身も又そのように感じておるわけであります。昨今町村の中におきましては、自治警察というものが非常に増嵩いたしますので、町村制を新たに受ける場合には自治警察を返上いたしまして、村から町に変えたい。すでに自治警察を持つておる町村でも国家警察に返上したいというような財政面のあることを先ずお考え願いましてこのことが実際日本の警察制度の民主化でありまして、こういうことは十分事実を国会に報告をされて討議をした上で、多くの国民の声を聞き入れまして、新たに予備隊を置く上にそういうような観点を十分織り込んだ方策を立てることが、真に将来不動の日本の警察制度を作るゆえんだと、こういうように私は考えておるのでありまして今日西郷委員の申されましたように、もう少し今までの過程の御説明を願えば、よりよき警察制度ができるのではないか、かように私は思つております。又現在のまま進んで行きました場合には、先程中田委員から今度の選挙の問題についてお話がありましたが、現在の参議院の選挙におきまして、全国区八十余万円、地方区五十何万円、これは地方によつて違いますが、このような金額を以てして普通の選挙はでき得ないということは新聞の論じておるところで、それぞれ認めておるところであります。ただ單にこれが手続の上で、或いは書類の上でそういう点が、完全でないような措置がとられるならば、それで問題なしというような考え方でなくて、むしろ現在の警察制度の中から実態をはつきり出されまして、それぞれ国会の討議にかけられて、新らしく実質的に生活に合致するような方法を現実の中から、強い警察力といいますか、治安の正しい運営の上から、国家権力の保持の上から打ち出されるという考えを持たれることが日本の民主化の第一であると考えておるのでありまして、更に今度の予備隊の編成にいたしましても、国民の非常に関心を持つております点は、再び軍国主義的な発展をして行かないということと、もう一つは失業救済的な意味で最も杞憂していることは共産主義者が入つて来ないか。こういうような二つの一画を非常に国民は心配し警戒をいたしておるのでありまして、こういうようなことも国民的な立場、国の将来を完全に国民の手によつて治安を保持するという建前で、国会中にそれぞれできる範囲で勇敢に発表されて、論議をされることが、国会の意向を聞くことが真にアメリカの占領政策に完全に協力することになると私は信じております。従つて脱皮をされて、できるだけいろいろな事情を発表されるように私はお願い申上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/245
-
246・大橋武夫
○国務大臣(大橋武夫君) 誠に御尤もなお話でございまするが、実はこの問題の構想をまとめて行く上から申しますると、ひとり日本側だけの意見で決るものではなく、治安の性質上、関係方面との共同的な研究過程を通じて具体化いたしまするものでございますから、只今私共の側といたしましては、お示しすべき構想の案と申しますか、さようなものは持ち合せていないわけであります。併しながらこれは国家の極めて重要な問題でありますし、又国民諸君の最も大きな関心の的となつておる事件でありますことは、只今のお説の通りでございまして、あらゆる機会に皆様方のこの問題に対しまする御意見、或いは御構想をお洩し頂きますることは、私共といたしましても極めて幸せである、かように存じておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/246
-
247・西郷吉之助
○西郷吉之助君 この予備隊の問題はお聞きの通りのことで、意見を開きたいと法務総裁は言うけれども、自分からだけ何も示さないで意見だけ聞くという極めて一方的な話では問題にならないので、一向に進みようがないのですが、官房長官も来ておることですから、この点官房長官から意見を聞くなりして、何とかそこの辺を委員長として、いわゆる知らぬ存ぜぬ、お前の意見だけ聞くというのじや話にならんと思うので、委員長によつてその辺を考慮して頂きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/247
-
248・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 新聞紙上で見ますると、この度マツカーサー元帥から勧奨せられた国家警察予備隊というものは、総理府の外局を設けてこれを所管する、それが岡崎官房長官が責任者となる、こういうようなことを報道しておつたのですが、これも與太記事であつて事実じやないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/248
-
249・岡崎勝男
○政府委員(岡崎勝男君) この問題については大橋法務総裁からいろいろ申しまして、非常に言えない点が多くて苦しいのですが、実情はあの通りなのであります。それでこの記事を私も見まして驚きました。よく読んで見ると総理大臣の下に置くというのだから、担当大臣ができるまでは岡崎がその仕事をするのだろうと、そういう中味は書いてある。それがただ大きく出ただけなのであります。それから例えば或る新聞に何歳から何歳までを募集するというのが出ておる。これも同じことで、常識的に見て推察して働けるのは何歳から何歳ぐらいだろうというようなことから出たらしいのであります。我々の方から洩したということは一つもないと思います。従つて中には常識的のことですから当つているものもあるかも知れません。あとで成案ができたとき比べて見たら当つているという点があり得ると思いまするけれども、今のところは常識を以て判断してこうなるだろうと言つて書いたものとしか私は思わない。それで恐らく中には随分違つたことも出て来るだろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/249
-
250・西郷吉之助
○西郷吉之助君 官房長官に質問するのですが、官房長官は長く外交官をやつておられたのですから、極めて進歩的な思想をお持ちだと思うのですが、こういうふうな今のお話で、非常に関係筋との関係や何かの点でデリケートな点があることは我々もよく分るのです。でありますから、今国会は開会中であるから国会にお諮りになるのか、御自分でなされるのか、こういうふうな点もありますし、極く大雑把などういうふうな目的で置くのだとか、そういうふうなことが問題になつている以上、国民に秘密にする必要もないと思うので、何も言わなければ却つて疑心暗鬼で誤解を招く点が多いのですから、言つていい範囲は述べた方が私は誠に民主的でいいと思うのですが、そういうふうなこれは何のために作るかも分らない。而も今官房長官が言われた通り随分詳しく発表されておるのですが、我々もこの通り知らぬ存ぜぬでああいうふうに出て来ると、読む方の国民一般の方からあれを又あの通り解釈するわけである、出た以上は随分誤解を招くと思うのです。発表に当つて我々は全部をここでお聞きしたいと言うのではない。極めて発表なさつても構わんくらいの大きな枠はお示し願えるのじやないかと思うのです。その点は如何でしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/250
-
251・岡崎勝男
○政府委員(岡崎勝男君) 実はこの問題は政府側と関係筋との間の何と申しますか、非常に緊密な共同作業で案を作つておるのです。ところが関係筋側の意見も無論ありまするし、我々の方の意見もありまして、なかなか成案ができないで今日に来ておるわけなのです。法務総裁の御説明の通りであります。そこで発表の問題につきましても関係筋ともいろいろ打合せたのであります。現に新聞紙を指摘しまして、こういう誤解の記事もあるから或る程度決まることがあれば、或いは決まりそうだと思うことがあれば今にも許そうじやないかという話もしたことがあるのでありますが、現在の状態では一番問題になりますのは、無論大した装備はないのでありますけれども、装備の点も一つの大きな問題なのであります。これは御承知のように、我々は今武器を持たない建前になつておる、従つて如何なる装備であろうともこれは関係筋の容認がなければ持てないわけです。又容認があつても作ることがこちらではできないのでありまして、向うから供給を受けなければできないわけであります。ところが一方には朝鮮の問題等が起つておりまして、関係筋はこういうことに関係すると、非常に今機密の漏洩ということでもないのでしようが、非常に細心の注意を拂つておるという現状でありますものですから、もう少う案の内容が決まるまでは海のものとも山のものとも分らんうちに言うことは差控えようじやないかという話になつて、できるだけ成案を急ごう、こういうところへ来て今やりつつあるわけでありますから、さよう一つ御了承願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/251
-
252・中田吉雄
○中田吉雄君 官房長官に、お尋ねより希望ということになりますが、いろいろな関係があつて只今いろいろ各位から質問されるのですが、お洩らしになりませんので、こういう点について希望を申上げたいと思うわけです。それは占領政策と内政との調整といいますか、敗戦以来満五ケ年間に亘つていろいろ関係筋の善導によつて日本がまあここまで再建ができたわけでありますが、併しアメリカのような考えを持つて、そしてよく調査されたと言いながら、十分実情に通じないために、悪意ではない、善意ではあるが、必ずしも占領政策が適当でなかつた点がいろいろあると思うわけでありまして、例えば先に問題になりましたように、自治体警察と国家警察のような問題、アメリカのようなところでありましたら自治体警察も十分発展する、そして使命を十分担い得る可能性があつたわけでありましようが、そういうようなことを日本の状態に杓子定規によつて行なつた。そして我々が相当信ずべき筋から仄聞しましても、この制度は改めなくてはいけないが、一応やつたから、面子があるから、なかなか何らか警察制度を根本的に変える際まで改革を留保する、或いは最近問題になつております教員の資格認定を関係筋からの指示によつてやつて、三十七府県の日教組の諸君がゼネストを以てこれに対抗して、いろいろその示唆に対して抵抗している。或いは麦の超過供出のようなちつぽけな問題にまで倍率をどうするとか。こういうような場合について、この日本の政府側の意向が十分に伝えられずに、善意ではあるが余り適切でなかつたというような問題が相当多いと思うわけであります。そういう点につきまして自由党内閣とされましては、日本の憲政史にも稀な程、二百八十数名の極めて強力な内閣を組織しておられるわけでありますから、特に武器を持つ、或る意味では軍隊の代用のような警察のできるということは実に大きな問題だと思うわけであります。十分に輿論の赴くところを訴えて頂きまして、関係筋を誤ちなからしめると言つては大きいわけでありますが、そういう点是非善処して頂きたいと思うわけであります。それからいろいろ関係筋と折衝されまして、なかなかこの国会中には具体的な問題について十分予算的措置ができないと思うわけでありますが、新聞紙上ではただ国債償還費をもつてこれに充当するということになつておるのですが、そうしますると財政法のあれは何條ですか、三十條ですか、あれにはあの財政法も関係筋が書いて呉れて飜訳して日本が実際にやつたわけですが、あれによりますと、かれこれ予算の流用をするわけに行かない。その場合には国会にかけてやらなければならないわけですが、ポツダム政令はすべてに優先するわけでありますが、こういうことも成るべく関係筋との関係はありましようが国会にかけてやつた方がいいと思うわけでありますが、臨時国会でも召集されてその時でもやられる御意向でありますか。或いは新聞紙上に報道されておるようにポツダム政令ですか、あれによつてやられる御意向ですか、その辺お伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/252
-
253・岡崎勝男
○政府委員(岡崎勝男君) 只今いろいろ御意見を伺いましてこれは御尤もだと思います。併しまあ私見を申上げて恐縮ですが、政府として考えておりますのも、私もそう思つておりますが、今の二本建の警察は私自身としては根本的には正しいものだと思う。つまり地方自治というものを與えて財政も向うに相当與えるという根本精神に則とればやはり地方に警察を置くという趣旨はいい。その細目が、うまく連絡ができなかつたり或いは財政の負担力のないところに無理やりに警察を置くようになつたりするので困難な点があると思うのでありますが、こういう点はこれは話合いで、了解すれば訂正するのにやぶさかではないと私は確信しております。従来もいろいろありましたけれども、徐々に訂正しておる部分が随分あると思う。従いまして今後もできるだけあの精神、マツカーサー元帥の手紙の精神を生かす意味で努力はいたします。また仮に一遍警察につきましてもこの制度ができたと仮定いたしましても、その後各方面の意見を聞きまして、又これを訂正することも無論可能だと思つております。
尚最後の政令云々の問題につきましては只今ちよつとお答えをいたしかねる立場にありますので、この点は御了承を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/253
-
254・堀末治
○堀末治君 只今の問題ですが、いろいろ先程から答弁を承つて見ますと、まだ公式の席上で発表できないような苦しいお立場があるようにお察しいたすのでございますが、できることならば、成るべく近いうちに若しも公開できなければ、せめて秘密会でも開いて、何程なりとも私共の納得の行くようなお話をして頂きたい、こういうことを希望いたして置きます。今西郷さんも申しました通り、大体国会も三十一日ということになつておるのです。私共この委員会は殊に大切な地方税法案を抱えておるわけでありまして、月曜日あたりから本格的に逐條審議に入るということになればなかなかそんな方面を落着いて聞いておる暇もないので、成るべく私共の方からお願い申上げませんでも、あなたの方から進んで一つ僅かな期間ですから、お話下さるようにお取計らいを願いたい、かように希望いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/254
-
255・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 只今堀君から発言がございましたが、そういうことで、今日はこの程度にして置きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/255
-
256・堀末治
○堀末治君 ちよつともう一つ……実はここに新聞を持つて来ておりますのですが、昨夜の夕刊、これに「徳田氏はなぜ捕らないか」ということが東京新聞に出ているのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/256
-
257・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) ちよつとお待ち下さい。今の問題を片付けてからいたします。岡崎官房長官は御職掌柄渉外関係をいろいろ御折衝されるのでありますが、警察問題について今御意見の一部の開陳がありましたが、私共この地方行政委員会におきましては、我が国の治安の確立ということは最も重要なことの一つであるというので、今まで審議に審議を重ねて来たのであります。まあ大体皆さんの御意見、いろいろそこにニユアンスがありますけれども、帰着しましたところは、自治体警察、今中田君からも御発言がありましたが、というものは主義においてはよかろう。つまり日本の民正化というものがすつかりでき上つた、民主化の社会の完成した後の制度としてはいいであろう。併しまだ民主化の過程にある我が国といたしまして、小さな五万以下ぐらいの町で自治体警察をやることは非常に無理である。それは今御指摘のありました財政面ということはもとよりでありますけれども、その外に民主化のでき上つていないそういう小さな都市でありますと、そこに腐敗というものが起つて来る。それがもう殆んど近頃は外の問題に圧倒されて出ませんけれども、腐敗の事実が日々の新聞に報道されるような状況になつている。それでこれはどうしても考え方を変えなければならん。而もそこらの小さな町においては、三万ぐらいの町ならば五十人、六十人ぐらいの警察員がいるでありましようが、それは二番制になつていて、二十人か三十五人ぐらいしか片番がいない。事が起つた場合には何の役にも立たない。外から応援を求めなければ自治体が自分の力で治安を維持するとか言つて見たところでナンセンスである。それで国警、又は外の自治体から応援を求める、而も常に五十人の人々を抱えて置く必要は毫もない。何も用がないから……併しそういうふうないやなことが起り勝ちである。とにかく日本の今の過程においてはそういう賛沢はしていられないということであります。そうしてどうしても弱小自治体警察は再検討の要に追られている。だから、自体警察はいいのだということを一概に言われますけれども、それはすつかり民主化の完成した後の制度としてはいいのだけれども、今の制度としては大いに考えなければならん、こういうふうに私は考えます。これは私の意見が大いに入つております。外の委員も又違う意見があるかも知れませんが、そういうふうに考えておりますので、御参考までに申上げて置きます。
では岡崎官房長官に御退席願つてよろしゆうございますか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/257
-
258・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) それではどうぞ……法務総裁にお残り願いまして、今の堀君の御質問にお答え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/258
-
259・堀末治
○堀末治君 実はすでに御承知だと思いますが、昨晩の東京新聞に、「徳田氏はなぜ捕らないか」というので、「局長、警視級も暗躍する「青葉会」というのでずつと出ておる。最後に警視庁島田捜査二課長談として、「この会のメンバーの具体的な名前や任務についてはまだはつきりは判明していない、ただ、こうした組織があることだけは調査ずみだ、具体的にわかり次第善処する考えでいることはもちろんだ」というのが出ておるのでありますが、これについて丁度好い機会ですから、法務総裁からこの記事についてはつきりすることができれば大変幸いだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/259
-
260・大橋武夫
○国務大臣(大橋武夫君) 実は私この記事は甚だ迂濶でありまして、私只今初めて見たような次第でありまして、この件につきましてはいずれ十分調査いたしました後にお答えいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/260
-
261・堀末治
○堀末治君 成るべくさつきの問題と一緒に併せまして、近いうちに一つお答え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/261
-
262・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 附け加えますけれども、これは官庁に共産党の秘密組織がある、で、青葉会というものが各官庁において組織されておる。これによりますと、農林省、通産省、大蔵省、安本の各省に且つておつて、構成メンバーは農林省の局長が一名、課長級が七各、通産省の局長が一名、課長が六名、大蔵省の課長級が二名、安本の課長級が四名、こういうふうになります。而も検察庁、特審局、警視庁、国警もある、検察庁は三名ある、特審局に三名ある、で、これと地方警察に警視が一名、それから都の本部に警部が二名、警視庁の警部三名がこのメンバーになつておる。で、これは重要なメンバーであつて、その外積極的に援助しておる二つの官庁のグループがある、こういうふうに具体的に局長が一名とか、課長が何名ということを載せておるので、これは全然デマの記事でもなかろうと思うのでありまして、これはよく御調査を願つて、犯人の隠匿の新任務を課せられておる、そういうふうにも書いてありますから次の機会に御答弁願いたい。もう一つ、やはり東京新聞の七月二十日の新聞であります。それに、日立の争議の背後関係といたしまして、「約二ケ月間に亘
つてさながら革命前夜のような騒動に終始した日立ストは、労資の歩み寄りでようやく終末を告げる状態になつたが、争議の性格は共産党の呼号する権力闘争、地域人民闘争の色彩から一歩進んで、人民解放地区闘争という戦術が隠されていたと捜査に当つた水戸地検ではその本質を暴露している、日共が地理的に狙つている人民解放地区は全国で数ケ所あるという情報をすでに入手している最高検では重大な関心を持つてあらゆる暴力事件について注視しているが、特に日立ストを通じて表面に現われた数々の事実は検挙されたスト首謀者の黙祕権行使という裏付け捜査の困難さにも拘わらず状況判断において絶対的に確信を持たせると言つておる」、とこういうふうに書いております。この点も併せて御調査をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/262
-
263・大橋武夫
○国務大臣(大橋武夫君) 承知しました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/263
-
264・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) 法務総裁にこの際何か外に御質問ございませんか。——それでは岡野国務大臣はGHQから帰つて来ませんので、今日はこれで散会いたしましようか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/264
-
265・岡本愛祐
○委員長(岡本愛祐君) それでは今日はこれで散会をいたします。
午後四時二十五分散会
出席者は左の通り。
委員長 岡本 愛祐君
理事
堀 末治君
岩木 哲夫君
委員
石村 幸作君
安井 謙君
高橋進太郎君
相馬 助治君
中田 吉雄君
西郷吉之助君
竹中 七郎君
石川 清一君
国務大臣
法 務 総 裁 大橋 武夫君
政府委員
内閣官房長官 岡崎 勝男君
地方自治政務次
官 小野 哲君
地方自治庁財政
課長 奧野 誠亮君
地方財政委員会
事務課長 荻田 保君
説明員
国家地方警察本
部次長 溝淵 増巳君発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/100814720X00619500721/265
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。