1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十六年五月十八日(金曜日)
午後一時五十九分開議
出席委員
委員長代理 理事 押谷 富三君
理事 田嶋 好文君 理事 北川 定務君
理事 猪俣 浩三君
鍛冶 良作君 佐瀬 昌三君
花村 四郎君 牧野 寛索君
松木 弘君 武藤 嘉一君
石井 繁丸君 田万 廣文君
上村 進君
出席政府委員
法務政務次官 高木 松吉君
検 事
(法務府法制意
見第四局長) 野木 新一君
委員外の出席者
專 門 員 村 教三君
專 門 員 小木 貞一君
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五月十八日
委員眞鍋勝君辞任につき、その補欠として村上
勇君が議長の指名で委員に選任された。
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本日の会議に付した事件
商法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法
律の整理等に関する法律案(内閣提出第一六五
号)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101005206X02619510518/0
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001・押谷富三
○押谷委員長代理 これより会議を開きます。
ただいま委員長所用のためさしつかえますので、理事の私が委員長の職務を行います。
本日の日程中、まず商法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律案を議題とし、政府より提案理由の説明を聴取いたします。高木政府委員。
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商法の一部を改正する法律の施行
に伴う関係法律の整理等に関する
法律案
商法の一部を改正する法律の施
行に伴う関係法律の整理等に関
する法律第一条 運河法(大正二年法律第十
六号)の一部を次のように改正す
る。
第十一条を次のように改める。第十一条 削除第二条 会社経理応急措置法(昭和
二十一年法律第七号)の一部を次
のように改正する。
第二十三条第二項中「若しくは
第百五十四条又は有限会社法第十
九条第一項」を「又は第百五十四
条」に改め、「又は承諾の決議をし
ようとするとき」を削る。
第三十一条第四号中「若しくは
承諾の決議に賛成」を削る。第三条 会社利益配当等臨時措置法
(昭和二十二年法律第百九十号)の
一部を次のように改正する。
第二条第一項中「(当該事業年度
において取り崩した積立金及び前
事業年度から繰り越した益金は、
これを含まないものとする。)」を
「(商法第二百九十三条ノニの規定
による配当をする場合を除き、当
該事業年度において取り崩した積
立金及び前事業年度から繰り越し
た益金は、これを含まないものと
する。)」に、「第三項」を「第二項」
に改め、同項第二号から第五号ま
でを削り、同項第一号の次に次の
二号を加える。
二 商法第二百八十八条(有限
会社法第四十六条第一項にお
いて準用する場合を含む。)の
規定により利益準備金として
積み立てるべき金額
三 商法第二百八十八条ノニ
(有限会社法第四十六条第一
項において準用する場合を含
む。)の規定により資本準備金
として積み立てるべき金額
第二条第一項第六号中「前四号」を「前号」に改め、同号を同項第四号とし、同項第七号を同項第五号とし、同条第二項を創る。
第三条第二項に次の但書を加える。
但し、商法第二百九十三条ノ
ニの規定による配当をする場合
は、この限りでない。
第六条第二項を次のように改め
る。
前項の規定により当該官吏が
臨検検査する場合には、その身
分を示す証票を携帯し、関係人
にこれを呈示しなければならな
い。
第六条に次の一項を加える。
第一項の規定による報告の徴
取又は臨検検査の権限は、犯罪
捜査のために認められたものと
解してはならない。
附則第三項中「第六号」を「第四
号」に改める。第四条 軌道法(大正十年法律第七
十六号)の一部を次のように改正
する。
第二十一条を次のように改め
る。
第二十一条 削除
第二十六条中「第七条、」及び
「第七条第二項及」を削る。第五条 旧日本占領地域に本店を有
する会社の本邦内にある財産の整
理に関する政令(昭和二十四年政
令第二百九十一号)の一部を次の
ように改正する。
第十七条第一項第二号中「資本
を倍額以上に増加する会社」を「発
行株式の総数と同数以上の新株を
発行する会社」に、「その設立さ
れ、又は資本を増加する会社(以
下「新会社」という。)の商号、目
的、資本金額及びその発起人の氏
名又は名称」を「新たに設立する会
社又は新株を発行する会社(以下
「新会社」という。)」について商法
第百六十六条第一項第一号から第
四号までに掲げる事項及び発起人
又は取締役の氏名」に、同条第四
項中「株金」を「発行価額」に、同条
第五項中「資本の増加」を「新株の
発行」に改める。
第二十五条の見出し中「資本の
増加」を「新株の発行」に、同条第
三項中「資本の増加」を「新株の発
行」に、「第三百四十八条第二号か
ら第四号まで、第三百五十三条、
第三百五十四条第二項及び第三項
並びに第三百五十五条」を「第二百
八十条ノニ第三号並びに第二百八
十条ノ八」に改める。第六条 建設業法(昭和二十四年法
律第百号)の一部を次のように改
正する。
第六条第三号中「資本金額(出資
総額、株金総額又は出資総額及び
株金総額の合計額をいう。以下同
じ。)」を「資本金額(出資総額を含
む。以下同じ。)」に改める。第七条 公共事業令(昭和二十五年
政令第三百四十三号)の一部を次
のように改正する。
第四十七条第一項中「会社の資
本金額」を「会社の発行する株式の
総数又は額面株式を発行するとき
の一株の金額」に改める。
第四十九条を次のように改め
る。
(会計の整理)
第四十九条 公益事業者は、委員
会規則で定めるところによりそ
の事業年度を定め、且つ、勘定
科目の分類並びに貸借対照表、
損益計算書及びその他の財務計
算に関する諸表の様式によりそ
の会計を整理しなければならな
い。第八条 財閥商号の使用の禁止等に
関する政令(昭和二十五年政令第
七号)の一部を次のように改正す
る。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101005206X02619510518/1
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002・高木松吉
○高木政府委員 ただいま議題になりました、商法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律案につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。
御承知の通り昨年第七回国会において成立いたしました商法の一部を改正する法律によりまして、商法については、株式会社に関する部分を中心とする大改正が加えられたのでありますが、他の法令中には、商法の規定を引用し、あるいはこれを基礎としているものが相当数に上つておりますので、商法の改正に伴い、これらの法令中改正を必要とするものを生じたわけであります。
この商法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律案は、改正を必要とする関係法令中各所管庁において別途改正案を立案するもの以外の法令十四件を一括し、これらについて主として商法の改正に伴う整備のための改正を加えようとするものでありまして、その内容は、授権資本制度及び無額面株式の採用、会社機関の権限の調整等に対応する規定の整理等であります。
何とぞよろしく御審議のほどをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101005206X02619510518/2
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003・押谷富三
○押谷委員長代理 これにて提案理由の説明は終ります。
次に本案の逐条説明を聴取することにいたします。野木政府委員。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101005206X02619510518/3
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004・野木新一
○野木政府委員 それではただいま提案になりました商法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律案につきまして、お手元に配付してありまする逐条説明要旨に基きまして、御説明いたしたいと存じます。
まず第一条の運河法の一部改正であります。運河法第十一条は、昭和二十三年法律第百四十八号商法の一部を改正する法律による改正、すなわち株金分割拂込制度の廃止前の商法第百七十一条第二項に対する例外規定でありますが、同条同項は削除されましたので、この第十一条を削除することにいたしたのであります。
次に第二条の会社経理応急措置法の一部改正、同法第二十三条の改正でありますが、本条第二項は、目下国会において審議中の有限会社法の一部を改正する法律案による同法第十九条持分譲渡の制限の改正に伴い改正を要する規定でありますが、有限会社で特別経理会社として残つているものは、現在ありませんので、この際本項中有限会社関係部分を削除することにいたしたわけであります。
第三十一条の第四号の改正は、第二十三条第二項の改正に伴う罰則の整理であります。
次に会社利益配当等臨時措置法の一部改正でありますが、同法第二条の第一項の改正は、次の二点であります。すなわち第一に改正商法で新たに認められた株式による配当、改正商法第二百九十三条の二は、配当すべき利益が社内に留保されることとなり、この法律の所期する会社経理の健全性を害するおそれがありませんので、この配当をする場合に限つて、例外として当該事業年度においてとりくずした積立金、または前事業年度から繰越した益金を本条の総益金中に算入することを認めたことであります。
第二には株式会社の準備金に関する規定の改正に伴いまして、第一項各号の規定を整理したことであります。
同条第二項は、法人税の引当金の計算上、法人税算出の基礎として所得からプレミアム益、合併益、減資益等を控除することとしていますが、これを控除しない方が会社の経理上堅実であること、及び法人の資本に対する課税は、すでに二十三年法律第百七号により廃止されていることの二つの理由で、本条第二項を削除することといたしました。
次に第三条の改正でありますが、株式による配当は、前述いたしました通り、会社資本蓄積となりまして、会社の債権者の一般担保を害するおそれがありませんので、本条第二項の制限の例外を認めたわけであります。
第六条に一項を加えましたのは、最近の立法例にならいまして、本条第一項に規定する臨検検査の場合の証票携帯の義務等を明らかに規定したものであります。
次に附則の改正は、第二条第一項の改正に伴う規定の整理であります。
次に軌道法の一部改正でありますが、第二十一条の改正は、運河法第十一条の改正と同趣旨で、株金分割拂込制度の廃止に伴う規定の整理であります。
第二十六条の改正は、地方鉄道法第七条の改正、この法律案の第十三条にありますが、それに伴う規定の整理であります。
次に旧日本占領地域に本店を有する会社の本邦内にある財産の整理に関する政令の一部改正、第十七条及び第二十五条の改正でありますが、株式会社につき授権資本及び無額面株の制度が採用されたことに伴う規定の整理でありまして、「資本の増加」は「新株の発行に、」「株金の拂込」は「発行価額の拂込」に改めたのであります。
次に建設業法の一部改正でありますが、第六条授権資本制度の採用及び株式合資会社制度の廃止に伴う規定の整理であります。
次に公共事業令の一部改正でありますが、第四十七条は改正商法による授権資本制度のもとにおきましては、公共事業会社の資本金額の変更につき、公益事業委員会の認可を要件とすることは、適当でありませんので、資本金額の変更にかえて、会社の発行する株式の総数または額面株式を発行するときの一株の金額の変更を認可事項といたしました。
第四十九条は公共事業会社の会計整理に関する本条の規定の整理であります。
次に財閥商号の使用の禁止等に関する政令の一部改正でありますが、これは商法第五十八条(会社の解散命令)の改正及びこれに伴う非訟事件手続法の改正に伴う規定の整理であります。
次に資産再評価法の一部改正でありますが、軌道法、地方鉄道法及び鉄道抵当法の改正、この法律案第四条、第十三条及び第十四条でありますが、それによりまして、これらの法律の定める社債発行限度の制限の特例を廃止することに伴う規定の整理であります。
次に私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部改正でありますが、第十一条及び第十四条、いずれも授権資本制度の採用に伴う規定の整理でございます。
次に商品取引所法の一部改正であります。現行商品取引所法は、取引所の発起人、理事長、理事、監事もしくは清算人または取引所の設立もしくは総会等について、商法の規定を相当準用しておりますが、今回の商法の改正は、これらの規定、すなわち株式会社の機関の権限、株主の権利等に関する規定に重要な変更を加えておりまする結果、商品取引所法を準用することが適当でなくなつたものもありますので、これらの規定を整理しました。大体の方針といたしましては、取引所の機関については、取引所の性格にかんがみ現行法通りとし、取引所の会員の権利については、改正商法にならつたわけであります。
第十二条の改正は、訴えについての担保提供義務に関する現行商法第二百四十九条及び裁判所の裁量棄却に関する同法第二百五十一条が削除せられたことに伴いまして、本条第七項の準用規定からこれらの規定を削りました。その他は形式的な規定の整理にすぎません。
第十八条の改正、発起人の責任の免除、追及等につきまして改正商法にならつたものであります。
第四十四条の改正、授権資本制度の採用及び株式合資会社制度の廃止に伴う規定の整理であります。
第五十六条の改正、改正商法が株式会社について取締役会制度を採用した結果、業務執行の決定方法に関する改正商法の規定を準用することが適当でなくなりましたので、本条第三項を改正して、現行法第六十五条において準用しておる現行商法第二百六十条と同旨の規定を置きました。監事の権限については、第五十六条の二として一括規定し、本条中から削つたので、見出しを改めたわけであります。
第五十六条の二の新設、株式会社の監査役の権限が変更されましたが、商品取引所の監事についてはこれにならうことが適当でないので、本条を新設して現行法通りの監事の権限を一括規定いたしました。
第六十条の二の新設、理事長及び理事の責任原因につきまして、改正商法の取締役の責任の規定を準用することは適当でないので、現行法第六十五条において準用している現行商法第二百六十六条にならつた規定を本条に新設いたしました。
第六十五条の改正、理事長、理事及び監事について準用すべき商法の規定を整理いたしました。すなわちこれらのものの責任の免除、追及等については、改正商法の規定を準用し、その権限等については準用を廃止して、第五十六条第三項、第五十六条の二等に規定することといたしました。
第六十九条の改正、改正商法は監査役の総会の議事録への署名義務を廃止しましたが、取引所の監事の権限は現行法通りとしましたので、本条第五項に議事録への署名義務を規定し、改正商法の規定準用の不備を補いました。
第七十一条の改正、総会について準用すべき商法の規定の整理であります。すなわち、取締役等の責任免除に関する現行商法第二百四十五条、訴え提起についての担保提供義務に関する同法第二百四十九条及び裁判所の裁量棄却に関する同法第二百五十一条の規定の改正に伴い、これらの規定を準用規定から創りました。その他は形式的な規定の整理にすぎません。
第七十六条の改正、取引所の計算について準用すべき商法の規定の整理をいたしたものであります。
第百一条の改正、理事長等に関する規定の整理と同様に、清算人に関する規定を整理いたしたものであります。
次に船舶法の一部改正でありますが、第一条の改正は、株式合資会社及び現行商法施行前設立された合資会社の廃止に伴う規定の整理であります。
次に地方鉄道法の一部改正、第五条運河法第十一条の改正、この法律案第一条にありますが、それと同旨でありまして、株金分割拂込み制度の廃止に伴う規定の整理であります。
第七条、本条は株金分割拂込み制度の廃止に伴い整理を要する規定でありますが、地方鉄道会社の社債の額につき、商法の制限以上にきびしい制限を課することは実質的理由に乏しく、他の公益事業との均衡からも本条の制限を廃止することが適当であると考えられるので、この際この規定を削除することといたしたわけであります。
次に鉄道抵当法の一部改正、第五条、株金分割拂込み制度の廃止に伴い規定を整理するとともに、改正商法による取締役会の権限の増大にかんがみ、抵当権の設定変更に株主総会の特剔抉議を要する旨の規定を創り、監督官庁の認可を要するにとどめることにいたしました。
第六条、地方鉄道法第七条の改正、この法律案第十三条と同旨でありまして、鉄道財産を抵当とする債務の額の制限を廃止したものであります。
次に附則第一項は、この法律の施行期日を商法の一部を改正する法律施行の日と同日といたしました。
第二項、会社利益配当等臨時措置法の改正、この法律案第三条に伴う経過規定であります。
第三項、株式合資会社及び現行商法施行前に設立した合資会社に関する経過規定であります。
第四項罰則に関する経過規定であります。
以上で逐条説明を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101005206X02619510518/4
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005・押谷富三
○押谷委員長代理 これにて逐条説明は終りました。この際暫時休憩いたします。
午後二時十八分休憩
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〔休憩後は開会に至らなかつた〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101005206X02619510518/5
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