1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十六年五月二十六日(土曜日)
午後三時三十一分開会
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本日の会議に付した事件
○日本国有鉄道法の一部を改正する法
律案(衆議院提出)
○鉄道敷設法の一部を改正する法律案
(衆議院提出)
○道路運送法案(内閣提出、衆議院送
付)
○道路運送法施行法案(内閣提出、衆
議院送付)
○道路運送車両法案(内閣提出、衆議
院送付)
○道路運送車両法施行法案(内閣提
出、衆議院送付)
○自動車抵当法案(内閣提出、衆議院
送付)
○自動車抵当法施行法案(内閣提出、
衆議院送付)
○小委員長の報告
○西武鉄道田無駅、関前橋間および武
蔵関、武蔵境両駅間に鉄道敷設の請
願(第三八九号)
○二俣、佐久間両駅間鉄道敷設促進に
関する請願(第一三五一号)
○広島県加計画、布駅間鉄道敷設促進
に関する請願(第一三七八号)
○三明、三井両駅間鉄道敷設促進に関
する請願(第一四〇六号)
○根室標津、斜里両駅間鉄道敷設促進
に関する請願(第一四六三号)
○三重町、延岡両駅間鉄道敷設促進に
関する請願(第一五九七号)
○信越、上越両線連絡鉄道敷設に関す
る請願(第一六三八号)
○小本線延長工事促進に関する請願
(第一六八八号)
○掛川町、御前崎村間鉄道敷設に関す
る請願(第一七三七号)
○宮崎、小林両市間鉄道敷設促進に関
する請願(第一七八四号)
○志布志線鉄道延長に関する請願(第
一七八五号)
○日ノ影、高森両駅間鉄道敷設促進に
関する請願(第一七八六号)
○日向長井、三重町両駅間鉄道敷設促
進等に関する請願(第一七八七号)
○荒海駅、滝の原間鉄道敷設促進に関
する請願(第一九八九号)
○横須賀線を三崎町まで延長の請願
(第二〇一七号)
○四国循環鉄道敷設促進に関する陳情
(第一三五号)
○宇野、高松間貨車航送力増強に関す
る請願(第一三五〇号)
○宇野、高松間貨物航送力増強に関す
る請願(第一九六三号)
○宇野、高松間貨車航送力増強に関す
る陳情(第四一九号)
○岩宿、国定両駅間にデイゼル動車停
留所設置の請願(第一三九〇号)
○六日町、五日町両駅間に停車駅新設
の請願(第一五八一号)
○浜田港に駅新設の請願(第一七一九
号)
○浜田港に駅新設の陳情(第三五〇
号)
○伊集院、上伊集院両駅間に簡易停車
場設置の請願(第一九三四号)
○列車内に放送設備設置の請願(第一
九三八号)
○貨車新造に関する陳情(第三一四
号)
○貨物の増備に関する陳情(第四二九
号)
○宮城県金山、角田両町間の国営バス
路線を亘理町に延長するの請願(第
一四〇七号)
○白河、仙台両駅間鉄道電化促進に関
する請願(第一六〇四号)
○東北線鉄道電化促進に関する請願
(第一六七九号)
○明石、相生両駅間鉄道電化促進に関
する陳情(第三五五号)
○横須賀港改修工事施行に関する請願
(第一六四二号)
○桜島火山観測所設置に関する請願
(第一六六八号)
○釧路市地区鉄道改良計画実施促進に
関する請願(第二〇一五号)
○機帆船燃料油の増配等に関する陳情
(第三三三号)
○日本海水域の機雷に関する陳情(第
三三四号)
○長崎県における離島航路改善の陳情
(第三三九号)
○船川特定港存続に関する陳情(第三
九一号)
○日本海中部外二基地に海上保安庁救
命艇基地設置の陳情(第四一四号)
○苅田港建設費地元負担額軽減に関す
る陳情(第四二三号)
○日本国有鉄道法中一部改正に関する
請願(第九九号)
○日本国有鉄道法中一部改正に関する
陳情(第一〇九号)
○日本国有鉄道法第二十六条改正に関
する陳情(第一三六〇号)
○電気保安法案中一部修正に関する請
願(第一三七七号)
○港湾法中一部改正に関する請願(第
一七六四号)
○浮遊機雷に対する災害補償法制定の
陳情(第三〇九号)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/0
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001・植竹春彦
○委員長(植竹春彦君) 只今より運輸委員会を開会いたします。
先ず日本国有鉄道法の一部を改正する法律案を議題に供します。前回に引続いて質問を続行いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/1
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002・菊川孝夫
○菊川孝夫君 この前もお尋ねいたしたのでございますが、実は提案理由の中に、必ずしも所期の耳的を達しているものとは考えられないのでありまして、こういう字句がありますので、そうなりますると、国会といたしましては、やはり監理委員会が今までその職責を十分に行なつておつたかどうかとふうことを十分に考えなければならんと思うのであります。と申しますのは、監理委員会も二カ年間に亘りまして、とにかく監理委員会としては最善の努力をやつて来た、彼らはそう考えておる、監理委員会のメンバーはそういうふうな自信を持つてやつて来たと思うのであります。ところが今回の御提案によりますると、それが十分目的を達していないということになりますると、法律に背いておつたということになるわけであります。そこから考えまして、こうした、必ずしも所期の目的を達しているものとは考えられない、というような根拠につきまして、いやしくも国会議員といたしまして、そういう結論をお出しになるには、相当な私は具体的な根拠等をもお持ちの上でお出しになつたと、又そうなければならんと思いますので、一応具体的にどういう点が悪かつたのであるか、どういう点においてこの法律に定められたる職責を十分果し得なかつたのであるかというような点について、御調査になつておる点がございましたら、一つこの結論をお出しになる前提として、御調査になつておると思いますので、一つお知らせを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/2
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003・前田正男
○衆議院議員(前田正男君) この問題は過日もお語いたしましたが、立法当時から監理委員会の性格及び国鉄総裁、或いは政府、国会等との関係については非常に疑問の点がありまして、いろいろと又修正意見等もあつたのでありますが、討論においても明瞭の通り、いずれは近い機会に修正いたしたいという希望を述べておる党が相当あつたのでございます。併しながらその後この不明瞭であるという点は何ら解決いたしておりませんのでございまして先ず第一に、運輸大臣自身が中二階的な存在であるというようなことを申しております。又国鉄総裁自身に、この問題につきましていろいろ聞きましたところが、この法律に書いてあります通り、監理委員会のためにいろいろと自分の決心をするときに参考になつたこと、或いはいろいろ諮問をしたとか、いろいろなことを申しておりますけれども、何ら干渉を受けたことはないというようなことを言つておるのでありますが、この法律によりますと、日本国有鉄道法の業務運営と指厚統制する権限と責任を有する以上は、日常に亘つていろいろと指導すべき責任を持つておるのであります。又監理委員会自身は当然指導の権限と責任を持つている以上は、国会に対しましても当然種々報告をいたしまして、又この席上からいろいろと国会にも出て参りまして、実際問題といたしましてはやらなければならないし、又報告も出さなければならないわけでありますが、我々自身が又国鉄のとき呼ぶ場合には、誰を呼ぶかというと大抵総裁を呼んで話を附くというようなことでございまして、全然先ず立法当時からの不備のままが現在まで続いておるということはおわかりの通りであります。又監理委員会の様子につきましては、私前回も申しました通り、調べておりますが、約一週間に一遍程度開いておるのでありまして、それも今年の一月になりましてから、漸くいろいろな、審議機関と、審議をするものと、諮問を受けるものと分けたようなことでありましてやつと審議の材料等も整えたというようなことであり、議決する事項と説明事項とやつと区分するというようなことでありまして、それも日常から十分に指導しなければならないところの責任がありながらやつていない、ということでございます、併しこれは私は監理委員の責めに帰すべき問題でないと思つておるのでありまして、我々立法するときから疑問がありました通り、監理委員というものがこれだけの権限と責任を持つ以上は、当然これに相当の報酬を与えまして、そうして常勤として兼職を禁止するというような建前で行かなければ、本当の監理委員としての資格がないのであります、そこで私たちはこの監理委員会の性格の不明確のままであるという点から、その実績を見まして、現在までのところ一向に明瞭になつておりませんから、この点を見ましてこの際法文上の不備を訂正するということが立法府の責任であるという建前で、実は立案した次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/3
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004・菊川孝夫
○菊川孝夫君 私考えまするのに、成るほど国鉄の運営方式というものが、現在のままで以てよいというふうに断定するのはむずかしいだろうと思います。何らかのこれは改正をしなければならん面があるとは思いますが、併しただ単に立法府におきまして、そのときどきにこれはどうも監理委員会を設けて見たけれどもよくなかつたというので、今度は廃止をする。そうして総裁の監督権を大幅に運輸大臣が持つて見た、さあ運輸大臣に持たして見たが、これでもうまく行かないというので、又一年か二年に改正をするというようなふうにいたしておきましたのでは、私は朝令暮改の譏りを受けるであろうし、且つは日本人が余りにもそのときばつたりのやり方をするという護りも受けるのではないかということを恐れるのであります。従つて一旦設けました以上は、この監理委員会の組織なり運営方式なりが十分でないとするならば、先ずそれに一つメスを入れて見てそれを十分国会として呼んで見て、そうして実情ももつと調査して見まして、悪い点はこれを直して行くという、こういうふうな行き方を先ず考えるのがいいんじやないかと私は考えるのであります。と申しますのは、あの国鉄の組織というのは非常に厖大なものでありまして、なかなか誰がどういうふうに、運輸大臣がこの監督権を持つて見ましたところで、果してすぐに、一年か二年で出金によくなるかということをここで断定することは極めて困難だと思うのでありますが、併し運輸大臣がこのように一応権限を強化いたしますると、非常に国鉄がよくなつて、監理委員を設けておるときよりもよくなるというふうな結論を出すまでには私は相当な資料と、それから今日までの経過、実績等を調査した上でなければ、余りに、やつて見ようじやないかという式では、ちよつとこの大きな機構をいじるに当りましては軽率ではないか、こういうふうに考える次第なんであります。従いましてこの改正案をお出しになるに当りましては、ただ運輸大臣が権限を強化したならばよくなるんだという結論をお出しになつておりますが、ただ運輸大臣の監督権をよくするだけで以て果してこういうふうによくなるということを、私たちはどうしてもその結論に達するまでにはまだそれだけの自信がないわけであります。その自信を持つてお出しになつた以上は、何らかの私は、ここにこういう点がよくなる、こういうふうによくなつて来るのだというような、具体的に一応構想をお持ちになつておるだろうと思うのでありますが、それがありましたら一つ御発表願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/4
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005・前田正男
○衆議院議員(前田正男君) これは先ほど申しました通り、私たちも立法府の者でございますので、朝令暮改的なことはやりたくないのでございますが、この立法当時の経過を見て頂きますとおわかりの通りでありまして、労働関係のために急遽制定されましたのでありまして、修正意見が多数あつたのでございます。衆議院におきましても又正式に修正意見を出されたこともあるようでありますが、ともかくもいろいろ多数修正意見があつたのでございます。特に監理委員会に対しましては不明確であるという結論を得たくらいであるのでありまして、その当時からこれは問題になつておるのであります。そのほか又財政問題或いは会計問題等においてもいろいろ御異論があつたのでございまして、折角立法したものをすぐ直すということは面白くないという御意見でありましたけれども、皆さんすでに御承知の通り、第三国会で成立したものを次の第四国会において修正をしておるのであります。これは異論があつたものを直ちに修正しておりまして、我々の監理委員会の問題も、そのときに直ちに修正したらどうかという意見もあつたのでございますが、もう少しという事情もありまして、もう暫らく待つておりました。それは別に我々構想はあるのでりますが御承知の通りの現在の日本の現状でございます、占領下におきます現状でございますので、もう少しく我々の意見を述べられる時代が来るまでというので暫らく待つておりましたような次第であります。監理委員会の今のやり方を改善されるような方法についていろいろと考えて見たらという意見でございますが、成るほど尤ものようでございますけれども、私はこの法律を不備にしておいてやるというのは甚だ無理じやないか、幾ら監理委員のかたは有能なかたといえども、民間の相当多忙なお仕事を持つておるので、そうして国鉄のこれだけ厖大な機構の、而も業務の運営というものを指導監督する権限と責任を持ち、而も総裁は監理委員会の一特別委員に過ぎないという、こういうようなことをやろうとする法律のやり方自身が私は間違つておるのではないか、それだけのことを、どんな人が参りましてもちよつとこれはむずかしいのでありまして、例えば委員長の鈴木さんは地下鉄の総裁である、而も又国有鉄道の業務運営を指導統制しなければならんというようなことは、とてもこれはできかねるのでございます。やはりこれは相当の報酬を出して、若しこれをやるとすれば相当の報酬を出して、そうして兼職を禁止するという行き方で行つて、初めてこういうものができるのでありまして、その当時の構想として唱えられておりましたTVAの形式は、今そういうような公共企業体の形式になつておるのでございます。併しながらそのとき以外の、TVA以外のアメリカにおきますこういう規模におきましても、或いは日本におきますところのもう一つの専売公社とか、或いは政府出資の銀行筆におきましては、実は今日監理委員会を置かないという方面の公共企業体の形式をとつてやつておるのでございます。即ち国民代表から任命された役員が責任代表に、そうして責任と権限を持つという行き方でやつておるのでございます。私たちはこれを改めるにおきましては、どちらかの方向に持つて行かなければならないということになるわけでございますが、私たちのいろいろと質問いたしましたところにおきましては、折角国有鉄道というものは民間の企業体形式に一歩近付いたという態勢であると思うのであります。又我が国の民情から行きますると、現在までの民間企業の状態から行きますと、この公共企業体としては従来の我が国の民間企業体に近い態勢に一歩を更に前進させるということが却つて能率を上げ、合理化される、そうして独立採算制を全うすべきものじやないかというようなことから、極力、成るべく私鉄の経営並に近い方法にいたしまして、ただ比較的にしましていろいろの大臣の権限がありますから、或いは任免そういつたようなことは、日本における他の公共企業体及びそれに準ずるというふうなところから、政府出資の銀行等に大体準じました範囲において、極力民間の企業体に近いほうに一歩進めるという態勢で実はこういう方向に進んだのであります。併しアメリカのTVAの思想のように一歩……これを監理委員会というものをもつと強力なものにして行こうというような行き方も一つの行き方だと思いますが、私たちはこの機会に折角改正するならば、更に日本の旧来の民間企業体に近い方向に一歩進めて行くようにしたらどうかという方向で改正したような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/5
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006・菊川孝夫
○菊川孝夫君 今提案者の御説明によりますると、第一に専売公社の例をとつているのでありまするが、専売公社とは、その仕事の規模におきまして、国鉄の規模とは大分比較にならんと思うのでありまして、例えばこれはまあ極端な例でありまするが、一例を挙げて見ますと、地方議会の議員と職員の兼職につきましても、実は私たち衆議院のかたがたにお話申上げましたときにも、これはもう専売と国鉄とは比較にならんのであるから、これは当然職員の地方議員兼職についても差が設けられるのは当然だという御発言もございました。そのほかすべて監理委員会を国鉄が持つておつて専売にはないとおつしやいまするが、専売の組織というものは極めて簡単でありまして、国鉄のような複雑なものでは私はないと思うのであります。運輸大臣が仮に国鉄に対する監督権を強化いたしまして、これに目を注ぐといたしましても、なかなか運輸大臣は現在の運輸省一つだけを指導監督をうまくやつて行くことも困難だという、実はそういうようにもう現われている。その確かな証拠を申上げますると、あの人の一番監督権の届くところの海上保安庁におきまして、皆さん新聞で御承知のようなああいう事実が出ているのであります。ましてやその上にまだ国鉄もということになりますと、なおこれは馬腹に及ばない鞭を持つということになるのじやないかと思います。それよりもむしろ監理委員会が悪いとするならば、この監理委員会の強化というほうに一つ構想を持つて行つて見るほうがいいのじやないか。なぜかと申しますと、海上保安庁のあの事実にいたしましても、これはもう底なしだというそのくらいどんどん拡大いたしおります。従つてあれ一つさえも十分監督できるのは困難だということは言えると思うのでありまして、山崎さんのような練達な運輸大臣が、而も清廉潔白を謳われた、我々としても本当に尊敬すべき人物が運輸大臣となつても、運輸省の機構だけを十分に発揮さすのにも困難だという日本の実情であります。ましてや国鉄も一つこれから見て行こうということになると、より困難だと言わざるを得ないと思うのであります。こういう点も考える必要があるのじやないかと思うのでございますが、提案者のほうでどうお考えか、この点についても一つお答え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/6
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007・前田正男
○衆議院議員(前田正男君) お説明御尤もなようなところもございますけれども、私から見ますると専売公社は規模も小さいし、どちらかというと更に一歩民間態勢に近付けてもいいというように思われる所でさえ、監理委員会はないのでございます。そういうような民間態勢に近いと思われるような所でさえ、監理委員会というものなしで運営しているのでございますから、どちらかというと規模の大きい、そしてもう少しく公共企業体としてはやはり中に人を置かなければならない所においては、更に私は廃止すべきじやないかと思うのでございまして、この企業体をやはり本当に独立態勢に近付けて行くということになりますと、やはり従来の民間事業に、創意工夫は十分尊重して、経験を尊重して、一歩でも近付けて行くということは、私はやはり経験を尊重して能率的、合理的にやらなければならんものと考え得るのでございます。なお今監督権限に及んで、運輸大臣として監督権限が及ばないのじやないかというお話御尤もでございますが、私はそれでありますから、特に今回は機構を改革、是正いたしまして、こういう監理委員会がおりましても、これは非常勤務でありますから、監督はできません。結局併し今のところでは、総裁が法文上から行きますと監理委員会の特別委員で監理委員会が責任を負えばいいというような、実は総裁としては代表はする、総理はするけれども、責任は監理委員会で負えばいいというような、こういうあいまいなことになつておりますので、いろいろな問題において責任が不明確であります。こういうようなことでは、今のお話のようないろいろな不祥事件その他も起つて来るのじやないかと思うのでございます。そこでこの国鉄を代表し、そうして総理するところの権限を持つ人が当然責任を持つのが私は本当であると思うのでございまして、そういうように大臣が今後そう目が届かないという意味からいたしましても、この総裁以下の役員に責任と代表権と権限とを与えるのが本当じやないかと思います。この法律によりますと私は従来よりかずつと国家の公共企業体に及ぼすところの範囲は少くなつて参つておると思うのでありまして、当然株主代表としての国会或は政府が役員任命に参加するということは、民間企業体も同様でございます。ただこれは公共企業体でありますし、又運輸事業というものは公共企業体でございまして、他の運輸事業との連関性もありますから、その範囲におきますところの運輸大臣の監督、認許可の権限というものがあるのでございます。これは大体他の私鉄並に及ぼしておるのでございまして非常にそういう方面の範囲も減つて来ておるような次第でございます。従いまして今後は役員が自分の責任におきまして、責任のある範囲においていろいろな点において自分の業務を総理し、そうして代表して行くというようなことになりまして、却つてそういう不祥事件とかそういつたものを起すことが少くなるのじやないかということを期待しているのであります。私たちにおきましてもこの立法に当りましては、国鉄労組の反対理由によりますと桜木町事件に関係のあるようなことが書いてありますが、全然そういうことはございません。桜木町事件に関係する前にこれは関係方面にこの法文を提案して来ておりまして、何ら関係はないのでありまして、関係方面の了解を得次第直ちに提案したものでありますから、何ら関係はありませんけれども併し今回の場合におきましても桜木町事件の本当の責任をどちらがとるかということになりますと、法文上からいい事といろいろ問題はございます。従いましてそういうような不明瞭なことはこの機会に私はよく改めて行くのがいいのじやないかと思いまして、何ら今回の事件とは関係がありませんけれども、併しながらそういう事例もあるのでありますから、今後今の御心配のようないろいろと詰らい不祥事件等の起らないように、代表する人に、業務する人に、権限のある人に責任を持たすというふうな態勢にするというのが企業体の運営においては最も適しておるのではないかと私は思うのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/7
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008・菊川孝夫
○菊川孝夫君 最後にもう一点これは大事な点でありまして、昨日も少し触れたのでありまするが、実は今後日本の政治の運営というものはどうしても政党政治になる。これはもう今更申上げるまでもないことでありまして、提案者のほうでも十分御了解のことだと思います。従つてこの政党が政権を担当した場合に、直ちにあらゆる機関の長、或いは指導権というものをその手に掌握しようとするのは、これは又どこの国でも、どの政党の歴史を見ましても、当然なことでありまして、日本でも何回かそういう歴史は繰返されて参りまして、アメリカにおいてもそのことはやられることでありますが、まだアメリカのほうが政党政治の運営において大分長い豊富な経験を持つておりまするので、その弊害は少いのでありまして、例えば共和党の連中でも事と次第によりましては民主党に大いに協力いたしまして、問題そのものについて相互いに携えてやつているようでありますが、日本はまだ成長過程にあると申しますか、長い間本当の政党政治というものは実際にはなされていなかつたのであります。旧憲法時代には何と言つても自民の一番大事な権利である、又一番大事な問題である交戦権、これは皆軍部が握つておりまして、戦争をやるかやらんかということは皆軍部で握つておりまして、政党は何らこれに関與できないというような型の政党政治であつたわけでありますが、今度は本当の政党政治に生れ変るわけであります。そうなつて参りまして、成るべく政党の争いからこれが深入りするようなことのないように防ぐという面も考えておかなければならんと思うのであります。で、このように改正いたしますると、今は自由党でありますが、いつもそう十年も続くというようなことはないと思うのでありまして、民主党なり、社会党なりが政権を担当したときには、これは当然国鉄総裁に目を付けて、すぐこれで行きますると変え得ることになるが、監理委員会という緩衝地帯がありますると、そう簡単に変えることができないということになることは御承知の通りであります。従つて成るべくこの政党の争いがこういう大きな企業体に及ばないようにしておくということも、私は大事だと思うのであります。今の日本におきましては、その意味におきまして今回の機構改革、先般行われました機構改革をめぐりまして、一部にはこういう噂まで飛んでいるわけであります。管理局の設置を運動したが、この監理委員会という緩衝地帯があつて思うように管理局の設置がなされなかつた。従つてそれを思うように一つするようにするためには、先ず総裁が自由に動けるような方法にせなければならんという意見も大分方々にあるということを聞いておりますが、それと一つ関連があるかどうか。この機構改革につきましては、実は昨年本院におきましても問題になつたときに、我々といたしましては、国会としてもそんなに急激に機構改革をやつたら駄目だから暫らくの間延ばすようにしようじやないか、それで国会からも勧告しようじやないかというような発言をし、我々は決議案までも出したのでありまするが、実はそのときは少数で否決になつたような事情もありますが、そのときにどういう理由ということになつたら、監理委員会があるのだから、その監理委員会が責任を持つてこれを承認したのであるから、これを承認しておこうじやないか、国会はそういうところまで立入るということは、今までの公共企業体の精神からいつて実は面白くないから、立入るのはやめようじやないかというような反対理由が多かつたようであります。それですから、今回緩衝地帯がなくなつてしまうということになると、まともな政党の争いというようなことが、企業体の中に持込まれるという危険性が極めて多い、必ずしもそうなるという断定はできませんが、危険性が多いということは言い得ると思うのであります。そういうふうな点をどういうことで以て防ごうとせられるか。その点について一つ、まあそういうことになつたらよかろうという構想をお持ちになつておるか、それとも何らかの方法でそれは防ぎ得るというお考えがあるかどうか、一つお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/8
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009・前田正男
○衆議院議員(前田正男君) とにかく再建日本の憲法におきましては、民主主義を唱え、議会政治を確立して行く以上は勿論政党政治というものが行われるということは、これは我々国会議員としまして当然認識しておるのであります。併しながら幾ら政党政治が行われましても、私は一体大臣とか内閣に並び得るようなかたは相当良識ある行動をとられ、又少くとも国会議員のかたはものによりましては、勿論政党の争いもありますけれども、主義主張の争いもありますけれども、併しものによりましてはお互いに国会議員として良識ある行動をすると思います。私はこの国鉄というような、国家の大事な機関に対しますところの及ぼす範囲は、今回の改正によりますと、前と違いまして非常に少い範囲になつて参りますが、役員の任免とかその他におきましては、私たちは公正な運用を期せられるものと考えておる次第であります。併しながら若し両勢力の対立というようなことが行われましたような場合がありました場合には、これは又私は一般の民間会社におきましても、株主総会において対立があり、そうして役員の争いというような例もあるのでありまして、勿論国有鉄道は国民のものでありますから、国民の大多数を代表している者のうち、株主を代表している者の中からいろいろなことが行われる可能性も、それは全然ないとは申しませんが、併し私は少くとも国家の公共企業体の役員の任免等は、お互いに良識ある行動によつてそういうことはないようにしたいと思つております。併しながらこれがためには、勿論この法律におきましても、今回の改正においては特に明らかに任期を、各役員おのおのに亘りまして任期を全部設けたのでございます。そうして定員を明らかに設けまして、そうして先ほど申しました通り今までは監理委員、国会の意思を代表する監理委員がすべてに亘つて監督指導の権限を持つておつたのでございますが、責任を持つておつたのでありますが、今回単に役員の任免、大臣の監督権及び予算の範囲というように極く限られた範囲にいたしまして、国鉄に対して監督できるということになつて参りましたので、非常にそういうふうな干渉を受ける機会は少くなつたと思つているのでございます。そういう意味におきまして勿論総裁、副総裁、役員等は、この法律に定められましたところの権限に基きまして、私は十分に任務をやつて行けるものと考えておりまして、政党の力が及びます範囲も非常に少く、今度は減少させましたために、幾らそういう最悪の事態がありましても、総裁、副総裁、役員もこの法律に定められましたところの権限に従つて私は業務を代表し、責任を持つてやつて行けるものと考えております。併し政党政治の建前から行きまして、少くともおのおののかたが皆良識ある行動をとつて頂くということを切に希望している次第であります。
なお管理局の問題に関しましていろいろ御質問がありましたようでありますが、私たちもこのような宣伝、デマが飛んでおりますということには非常迷惑している次第でありまして、これは何ら我々に関係のなかつたことであるのでありまして、参考までにお話申上げますが、昨年の十二月十日に運輸理事会においては要項を検討しておるのであります。それまでの間に私たちは秋頃からすでに今までの監理委員会の業績が面白くない、国鉄の運営が面白くないというようなことで、実はいろいろ研究いたしました結果、衆議院のほうの運輸委員会で各党の理事のかたに要項をいろいろ検討して頂きまして、公明正大にやつておりますので、それを本年の二月五日に成案を出し、三月十五日に私の成果を出しまして、三月の末には関係方面に提出しているというような関係になつておりまして、管理局運動とは何ら関係ないということも、この事実を見て頂けばおわかり下さると思いますが、併しながら若し管理局の問題につきまして、この法律を改正する必要があるということを考えている人がおありとすれば、私はこの機会にその点を明瞭にしておきたいと思います。過日私から御説明申上げました通り、この法律を立法するに当りまして、衆議院において、小澤国務大臣は委員会の質問におきまして明瞭に第五十四条の規定においては、公共企業体がやらない場合には命令することができる権限を持つているということが書いてあるのでありまして、過日も一応朗読させて頂きましたけれども、「監督上」……、ここに「監督上」ということは非常に広義な意味でありまして、例えば新線が日本の経済再建のために、或いは国力の充実のため絶対必要であるにもかかわらず、公共企業体が勝手にやらなかつたというような場合には、やはり第五十四条の規定でこれを命令するような考えであります。ということを明瞭に述べております。その後の運輸関係の当局の人たちの意見を聞きましても、積極命令を出せるというような意見を述べてみるのでございまして、何ら今度の第五十四条の改正によりましては命令権の範囲は一つも拡大されておりません。ただ今までの命令権の範囲が具体的になつただけでありまして、従つて五十四条を改正しようがしまいが、大臣が命令を出そうと思えば幾らでも出せるのでございます。例えば監理委員会がどういうふうなことになりましても、国鉄の監理委員がどういう決議をしておりましようとも、運輸大臣が公共のために必要であると考えた場合には、従来の法律におきましても、第五十四条の規定を運用して命令をすることができるということは、この立法当時の国務大臣も認めております。その後の運輸省の解釈にも書いてあるのであります。今回の改正におきましては、何ら五十四条の命令権の範囲については変更はないのでございまして、かくのごときいろいろのデマ、宣伝を一方的に飛ばしまして、我々に対して非難攻撃を与えているということは私たち国会議員として甚だ残念に思つているのでありまして、我々の国会の審議権というものを冒涜したようなデマ宣伝を飛ばすということは非常に残念に思つているのであります。私たちは少くとも国民から選ばれた国会議員であります。そういうような逆宣伝とかデマに踊らされないように切にお願いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/9
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010・菊川孝夫
○菊川孝夫君 只今の御説明で十分納得行きました。従つてこの法律が通つたから、直ちにこれを通したからして、管理局が設置してもらえるのだというふうなことは絶対ないというふうに確認いたします。これはそういう管理局設置問題等とは全然無関係であるということを御確認願つたと思いますので、次に具体的の条文に入りまして若干御質問申上げたいと思います。
監事は、日本国有鉄道の業務を監査するということになつておりまして、これは株式会社における監査役に相当するものでございます。この監査役に相当するものを内閣が任命するということになつておりますが、あなたの御説明によりますると、実は株主たる国民大衆が、全部の八千万の人間が株主、こういうふうに考えまして、それを代表するものが内閣、即ち政府がこの株主を代表しておるのだ。だからしてその株主総会というものは結局政府に相当するというふうなお考えで以ておられるかどうかという点について一つお尋ねしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/10
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011・前田正男
○衆議院議員(前田正男君) さつき私から明言いたしました通り、この法律に関係ないのでありまして実は運輸大臣の考えと決心にあるということを一つよくお考え願いたいと思います。
次にこの監事の問題でございますが、国民を代表しておりますのは勿論国会でございますけれども、併しながら一監事までを国会に承認を受けるということは非常に手数でありますので、これは内閣が、勿論国会が国民の大多数を代表するということは議会政治の建前から当然でございますので、私は内閣が任命するのがいいと思つております。併しながらこの監事は、この場合特に監査をしなければなりませんので、後のほうに書いてあります通り、これはすでに国民の勢力が変化しましたときに備えまして、任期を成るべく短くいたしておるのでありまして、任期は二年というふうにいたしておるのでございます。その点一つ御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/11
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012・菊川孝夫
○菊川孝夫君 そういたしますと、第二十条で、実は総裁は同じ内閣の任命でございますが、両議院の同意を得て任命することになつております。これと対等の立場から一応監査するという以上は……なければならんと思うのでありますが、一段下げて一方では両議院の同意という、これは一つの大きな、任命されるに当つての条件であります。こういう条件によつて、即ち両議院において同意を得て選ばれた監事が監査をするということは、これは果してこの執行機関とそれから監査機関との建前から考えまして、果してこういうことについて、商法上の規定その他から御検討になつておられるかどうか、一つ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/12
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013・前田正男
○衆議院議員(前田正男君) 私はこの商法上の規定からの検討は存じておりませんけれども、併しながら我々は立法する立場でございまして、特に公共企業体というものは、我々の考えで立法できるものと私は考えておりますが、両方とも内閣が任命することは変りないのでありますが、総裁は御承知の通り国鉄を代表し業務を総理いたしまして、常時この国鉄の、私たち国民の一番大事な鉄道というものを果して、業務を総理し代表して行く今度は責任と権限を持つことになるのでありまして、是非とも私は両議院の同意を得たほうがいいと考えておるのであります。併し任命されるのは、内閣が任命するのでございます。なお両議院の同意を得るということについては、一番初めに御説明申上げましたが、従来監理委員会の推薦を得て総裁が任命されておりましたので、従来の国会の立法の意思も容れまして考えておるのでございます。同時に先ほど来お話がありました通り、政党政治になりましていろいろと又御懸念もあるようでありますが、両院の同意を得てということになりますと、その辺におきましても又常時監査する最高責任者で、最高権限着におきましてはいろいろな点によつて批判も加わることになりまして、公平なる人事が行いやすいのじやないかと、私はこういうふうに考えまして、両院の同意を得てということを特に総裁に入れたのであります。監事は常時業務を代表して執行するわけでありませんので、これは省いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/13
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014・菊川孝夫
○菊川孝夫君 次に第二十条の第二項につきまして、副総裁は、これは内閣が任命するということになつております。これには総裁の意向が全然反映されないことになつております。この条文上から行きましても、これはまあ相談があるかも知れません。実際問題としましてはあるかも知れませんけれども、これは最悪の場合には総裁の意向を無視してでも内閣が副総裁を任命し得るわけであります。なぜ私はさようなことを申上げますかと申しますと、それは高邁なる公共の福祉を増進するという建前に立つてみんなが協力してやつて行けば問題は起きないというのですが、そういうふうにうまく何事でも行きさえすれば問題はないのでありますが、過般の公益事業委員会とそれから日発とのあの見にくい対立を見ましても当然起り得ることなんでありまして、現在の内閣の下におきましても公益委員会と日発との間に、同じようにやはり内閣が任命された委員の間にでも意見が対立することになります。従つて総裁の全然意思を無視して任命されました副総裁、これは総裁を輔佐する重要な職務にあるわけでありますが、これが、全然総裁の意思を考慮されずに任命されました副総裁と総裁との対立というようなことが将来起り得ることも我々は予想しなきやならんと思うのです。現実にあつたのでありますから、全然そういうことは今日までなかつた、内閣の任命されましたあらゆる委員会その他においてもなかつたというのであつたら、我々そういう縣念を持つのではありませんが、そういうことは事実あり得るわけであります。且つそういうことが若し仮にここにあつたとするならば、これはもう……、そうして二人が声明書合戦をやるというようなことになつて御覧なさい、これは大変なことだと思うのであります。そういう点、この第二頁については如何に調整しようとお考えになつておるか一つお伺いしたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/14
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015・前田正男
○衆議院議員(前田正男君) 私は総裁と副総裁が内閣から両方で任命されまして意見が食い違うというようなことは先ずないものと期待しておるのでありますが、併し最悪の場合そういうことがあり得るのじやないか、或いは又理事は、運輸大臣の認可を受けて総裁が任命するということになつておりますが、総裁が任命するにいたしましても、運輸大臣の認可がなければ任命できないということになりますと、運輸大臣が、総裁の意思通りには理事が任命できない、その間にうまくないことがあるのじやないか、こういうふうなことはいろいろと連関して申上げられることでありますが、先ずそういうことは私はないものと考えております。併しながら私は飽くまでこういう法律を作るときに役員の任命、即ちこの国鉄を代表する総裁、双場合によりましては総裁に代つて代表する副総裁、或いは総裁の権限におきまして一部国鉄を代表するところの理事、これは少くとも私は国有鉄道を代表するところの重要な役員でございますから、この人たちにつきましては、少くとも一般商法の、一般民間の株式会社と同じように、この代表されるところの、重役であるところの役員の任命の最後の決定権というものは、少くとも株主総会、或いは又株主代表であるところの国会と、こういつたような国民代表である国会によつて最終的な意思決定はされるべきものであるとこういうふうに考えておるのでありまして、この点につきましては、民間の企業体におきましても絶無であるとは私は決して申しません。社長と副社長と取締役との間は必ず同一系統の同じ仲間ばかりがなつておるとは私は必ずしも申しませんけれども、最終決定権は少くとも国民の側になければならないものであると思います。併し勿論この運用に当りましては、極力総裁の意向を汲んで副総裁その他理事を任命して行きまして、そういうようなことは行れないようになるものという期待を持つておるのでありまして、その点につきましては、立場だけを明瞭に……原則だけは明瞭に打立ててあるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/15
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016・菊川孝夫
○菊川孝夫君 実はそういう御期待をお持ちになつておることを、我々も又それを期待いたしておるのですが、実情は実はなかなかそう行かないのでありまして、国鉄の内部におきましても今度の桜木町事件をめぐつての、あれはまあ新聞記事であるから私はそれをその通りにそのまま真正面から受取つてはおりませんけれども、今日までまあ車両の改善その他においても、いろいろ内部的なうまく行かない点があるのだというようなことも新聞では言つております。併しこれは決してそのままを受取りません。併し私も実は内部におりまして、なかなかその対立というものはそう簡単には解消できないのでありまして、実に深刻なものが実際問題としてある。そのところへ向けて今度は総裁、副総裁並びに理事というようなものに対しての任免権については一々、一方副総裁は内閣が直接任命してしまう、又理事につきましても運輸大臣の認可を受けなければこれもやれないということになつております。そうなりますると、運輸大臣のほうの認可ということは非常に大きなウエイトがかかつて参りまして、なお又総裁と理事との間における対立ということもあり得るわけでありまして、そうでなくても国鉄の内部に、今日の国鉄はそういうことは私はないと思つておりますが、私のおつた時代におきましてはそれは物凄い派閥の争いといいますかがあるわけであります。ごうなつて来ますると、なおこの上層幹部にもそれがどうしても行く危険が、これはもうなければ幸いでありますが、なかなかそう日本人の感情といいますか、理性というものはまだそこまで成長していないのでありまして、マッカーサー元帥も、これはまあ日本人として誠に恥辱だが、まだ十二歳だと言つて、永年占領しておつてその経験に基いて、アメリカへ帰つて見たところがまああれは民主々義の十二歳くらいのボーイであるというように極言しておるわけであります。従つてそういう極言を受けなければならんということが現実の姿であるということを我々ははつきりと認識しなければならんと思います。その意味におきまして、この総裁が理事、副総裁等と違う形式によつて、息のかからずに任命がされるということになりますと、なかなかあなたのお考えのような工合に行かんと思うのでありますが、これもやはり一本の、総裁が息のかかつたようにするというふうに直すというお考えはないかどうか。これは飽くまでもこうしなければならんというように提案者のほうでは考えるかどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/16
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017・前田正男
○衆議院議員(前田正男君) 私はそういうことはないことを期待いたしますけれども、今のお話のようにそういうような例も民間にもありまして、今のお話では国鉄にあつたということでありますが、そういうことになりますと、余計にこれは私の考えでは、やはり公平に任命して行くということが必要になつて参るのでありまして、決して総裁の息のかかつた者によつて役員を猟占するというようなことになりましては、国民の公器を総裁の私有物化するというわけではないが、総裁の勢力のままによつて役員がきめられるという可能性も出て来るのでありまして、それは若しそういうことはないと私は思いますけれども、若しそういう虞れがありまするならば、余計に、少くとも代表をする役員の決定権は、一般の企業体におきますと同様に株主総会である国民、或いは国民を代表する国会、或いはそれに代る内閣等において、最終決定をするほうが公平なる人事が期待でき、又国民の意思を率直に代表したところの役員を任命して行くことができるものであるというふうに考える次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/17
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018・菊川孝夫
○菊川孝夫君 それではまだほかの方もありますが、どうですか、具体的な問題を……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/18
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019・植竹春彦
○委員長(植竹春彦君) 他に御質問ございませんか。………ないようでございますから続行を願いましようか。もう会期も殆んど迫つておりますので、上げるものは上げ、それから進めるものはどんどん進めたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/19
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020・菊川孝夫
○菊川孝夫君 私実はここで、提案の理由の中にも、実は必ずしもその所期の目的を達しているものとは考えられないという一つの断定を下した提案理由がなされておりますので、過般の機構改革の際にも、私たちは総裁、希いは運輸大臣等に対して迫つたときも、これは直接の責任者は監理委員会であるから一つ監理委員を呼んで見ようと、こういう意見が委員会にも多数を占めまして、監理委員を証人としてここへ来てもらつたのであります。で、これが採決をするということになるんであつたならば、監理委員会に純しまして、こういう烙印を押したら、仮に、これが通つたということになると私は思いますので、先日監理委員を一応一つ、期間もありませんけれども、呼んで私は一遍聞かなければならん点が多々あると思うのであります。というのは、法律にきめられておつたことを二カ年間やつていなかつたという結論に近いものが出ることになりますので、監理委員会に対しても国会の責任上それをやらなければならんと思うのであります。なお又こういう機構改革、まあ機構改革と言つては語弊がありますが、国鉄の一番運営の最高責任者の任命方式を変え、且つはその専任も今度は大分変つて来るわけでありますから、その意味におきまして、今日までやつて参りました総裁或いは理事等の立場にあつた連中を呼んで、会日までの監理委員会との間におけるいわゆるうまく行かなかつたかどうかという点についても、私は国会として一応聞いて見るというのはやはり責任ある国会議員としてとるべき態度でなければならんと思うのであります。と申しますのは、幸いにしてこれがうまく行つた場合には、運営がうまく参りました場合には、これは何ら心配はないのでありますが、改正して見たがうまく行かん、又今度は次のやり方を変えるのだというので、それこそ機構いじりといいますか、法則いじりだけを繰返しているというような結果になつたならば、立法府として誠に責任上私は重大な問題だと思います。それからなお従事員側からも私は一つ証人として呼びまして、今日までの監理委員会がうまく行つておらなかつたかどうか。直接仕事をやつておつた連中の代表者も一、二呼んでその証言を求めて、そうして慎重に考えた上で態度を決定するのは、なぜかと申しますと、一旦変えてしまつたやつを又すぐ変えるということもなかなかできない、そうしてそういう軽卒な変え方をやることは、ただ条文上から見ますと単にこれは僅かな条文でありまして大したことはないのでありますが、これは条文に現われたものよりも、その内部の動き方であり、運営が一番大事だと思うのであります。そういう意味からいたしまして、私はこういつた連中を証人として本委員会に出頭を求めまして、そうして十分いろいろの角度から検討して態度を決定するのが参議院としてとらなければならん態度ではなかろうか、さように考えまして質問を打切りまして討論に入るに先立ちまして、これらの証人の喚問をせられんことの動議を提出する次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/20
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021・鈴木清一
○鈴木清一君 今委員長が言われましたこの問題をいま少し論議をこのまま続けて、問題にして論議して上げるというような考えのようでありましたけれども。そういうおつもりであつたのでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/21
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022・植竹春彦
○委員長(植竹春彦君) これは普通の法案と同じような方法を以て審議を願いたいと思いますので、従いまして只今のような菊川委員のごとき御希望がありますれば、これを皆さんにお諮りいたしまして議事を進めて参りたいと思いますが、何分にも会期が切迫しておりまするし、他に重要法案がたくさんありまする今日でありますから、それを御含みの上、この至心進行の方法についてこれからお諮りいたしたいと思います。それで若し鈴木委員におかれまして御異議がなければ、これから今菊川委員からの動議についてお諮りいたしたいと思いますが、如何ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/22
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023・鈴木清一
○鈴木清一君 私はまだそれまで問題は……それ以上に質問して行くことが多分にあるわけです。先ほど委員長からも質問の要請をちよつと聞かれたようでありましたけれども、先ず第一番に私は、菊川君が先ほど質問の中で言われておりました、又最後にも言われました石の上にもいわゆる三年ということがあるにかかわらず、二年の今日、改正されてまだその実績をとやかく批評する段階に至つておらない今日に、機構を又改めて、まあいわゆる考え方によつたら又逆行させるのではなかろうかというような改正の案に対しましては、もそつと慎重であらねばならんということと、又改正をそれほど出される提案者の中においては、少くとも菊川君が先ほど言つたように、今までの監理委員の業績に対しまして十分の批評の対象がなければならないはずである。而もそれを中心にして我々がよく審議いたしまして事実を認めるときにおいて初めてこの問題を本当に我々は審議すべきである、こう考えます。そういう点につきましての、まだ質問といたしましても私は少しく足りないと思いますので、今暫らく質問をさして頂きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/23
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024・植竹春彦
○委員長(植竹春彦君) そうすると鈴木委員の御希望は、質問をもつとしてから、今菊川委員の希望の人たちを呼んだほうがいいというふうな御意見でありましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/24
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025・鈴木清一
○鈴木清一君 私はいま少し質問する前に前提があるのです。というのは、菊川君が先ほど質問いたしまして、求められて前田委員からの御説明で了解されたから、あとの問題に入つたと思うような点があつたのでございますけれども、実際私は事実によると、そうでない。なぜかといえば、昨日の委員会におきましても、御承知のように、なせ監理委員会をどうしても廃止しなければならない理由なるものは、資料としてはつきり出して頂きたいということを言つたのでありまするけれども、それが残念ながら本日御答弁なさるという前田さんのお話でしたが、その御答弁に対しましては菊川君自身がまだ満足しておらないのじやないか。例えば聞いておりました私どもにいたしましても、まだ満足しておらないのであります。でありますので、菊川君が動議を出されたその前に、まだ個々の委員に質問のあるかたがあると思いますから、私はいま少し質問をさして、その後に又菊川君の動議を改めて諮るべきではなかろうか、こう思うのであります。この点を府川君自身がどういうようにお考えになつておられるか、菊川君にちよつとお尋ねして、菊川君が私と同じような考えでおられるか、それとも動議を出されたから、その動議にいわゆる賛成なり不賛成なりを求めると言われるなら別であります、恐らくそうでない……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/25
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026・植竹春彦
○委員長(植竹春彦君) そうすると、これを私から皆さんにお諮りして質問を続行した上で参考人を呼ぶべきか、参考人を呼んでから更に質問を続行すべきかという点を、今お諮りしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/26
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027・菊川孝夫
○菊川孝夫君 鈴木君の今言われました点につきまして、前田さんにお尋ねいたしましたところ、前田さんとしても余り具体的な点をお持ちになつておらないので、抽象論をお述べになつたので、だからして私は、監理委員も、こういうことを言つているが一体君たちはやつていなかつたのかどうか、どういうことを今までやつておいでになつたかというような点、それから会議の開き方その他についてあなた方は事実やれなかつたのか、例えば鈴木清秀さんが地下鉄の総裁と監理委員長を兼ねているが、兼ねてやれなかつたことを実は引受けたのかということも、私は突込んで見たいと思うのであります。とするならば、重大な問題だと思うのであります。この前のときには、全責任負います。私は監理委員長として全責任を負いますと言つておつた。ところが今度、そのときに実は私らの決議案に反対をされた立場にあられる自由党のかたがたから、あんなものはわからない、こう言つたからして私たちのほうとしてはどうしても腑に落ちぬ。あのときに相当見得を切つておりましたので、あの当時の速記録も一遍実は調べてあるのでございますが、鈴木君にいたしましても相当な大見得を切つておつたことは、委員長も御承知になつていると思うのであります。それが半年たつかたたぬうちに、今度ぴしやんとやられてしまつて引込むということになつたのでは大問題だ、議員の前に出て偽証を行なつたと言うことにもならざるを得ないと思うのであります。そういう点も私たちは十分に聞いた上で、そうしてこれについてどうかということを、前田さんに具体的に例を挙げてくれというのも挙げにくいだろう、提案者をいじめにかかつているというふうにとられても悪いと思いましたので、私は監理委員長を呼んで調べたい、こういうふうに申上げるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/27
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028・前田正男
○衆議院議員(前田正男君) 私はいろいろとお話がありましたようでありますが、私自身の持つております具体的な資料というのは、勿論国有鉄道から、監理委員会の運営につきまして内容は頂いております。併しながら私自身が考えておりますことは、監理委員会が今までどれだけ働いて来た、それが国鉄に全然役に立たなかつたということは思つていないのでありまして私自身が、これを立法する当時におきまして監理委員会の性格について静間があつたということは、速記録に明瞭に認めておるのであります。皆さんのお手許に資料として差上げなくても十分であると考えております。文法立にも明確に書いてあるのであります。従いまして私たちは、この立法当時からの矛盾しておりますところのものを直ちに修正するということは、国会議員の任務であります。第四回国会において財政問題の修正をされているという例を見ましても当然のことであると思つておるのでありまして、私たちはそういう具体的の問題しか……監理委員に法律上の無理を強いておりまして、そうしてこれだけの権限と責任を与えてやつているこの経営形態自身が、我々立法の責任の者といたしまして無理ではないかということから修正をいたしたいという考え方でやつておるのでありまして、具体的な例を述べて見たところで、それは私たちの立法当時からの疑問を解決する問題にならんと私たちは考えております。併しそれにつきまして皆さんがこの委員会の審議をされる立場からお聞きになるということは、これは皆さんの自由でございまして、これ又皆様の決定せられることだと思いますが、私自身は監理委員会が役に立たないとか、或いは国鉄の改善のために何にもならなかつたとかということではなくて、この立法当時からの疑問は何ら解決していないし、現在立法当時のことに書いてあります権限及び責任というものは、この無報酬の名誉職のもので行くということは困難じやないかということを明瞭にしているのでありまして、この際もつと責任態勢を明確にする考え方から、国会議員の一員といたしまして、立法上の欠陥を修正いたしたいと思つといたのが主なる原因であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/28
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029・菊川孝夫
○菊川孝夫君 今の前田さんの御発言を聞いておりましても、監理委員会を今度廃止しよう、こういうのでありますが、併し立法当時からいわゆる月給をやらずにおいて、それからほかの仕事を兼ねさせているということを認めておつたというのはどうもいかんということになつて来ると、これは監理委員会無用論とはちよつと違つて参ります。従つて私たちは今度検討する、これは又あなたの言われるようなふうに一つ修正して行くということも考えられるのでありまして、監理委員にもつと月給を払う、又他の職務を兼ねさせない、長く国鉄に勤めておつたり或いは一般の民間においても有識の人で、今いろいろの事情で浪人と申しますか、自由な立場におられるかたもあるわけでありまして、今の現在の監理委員が悪かつたということになれば、そういうような任命の変え方、今度の経過規定その他においてこれを変える……。いう方も検討しなければならんと思います。今のやつは悪かつたから、これを切つてしまうのだというようなことは私は行過ぎではなかろうか。こういう点を検討しなければならぬと思うので、あなたの言われる当時から見ると、立法当時から月給をやらずにおいたということは無理があつたと言うが、この月給をやらんということを、無報酬でなしに正当な報酬を与える、こういうように変えるという行き方もございます。なお監理委員のかたがたといたしましても、この法律によつてこういうふうにきめられているということを承知の上で任命に応じたのだろうと思います。従つて月給をもらえないということも覚悟の上で、併しながら公共の福祉のために一つお尽ししようというような、いわゆる高い公共的精神から受諾して今日までやつて来られた。ところが今度は無用論ということになつて来たのでは、この人はだまつたものではない。今まで月給をやらずにやれやれと言つて、うまく行つておらん、諮問機関的な、監査機関的なことよりやつていないのじやないかということになつたのでは、私は監理委員に対してもお気の毒だと思う。そういう角度から検討する必要があるということを申上げているのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/29
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030・前田正男
○衆議院議員(前田正男君) この提案理由には、やつてないのじやないかと解される、そういうような存在になつている、併し今まで議決された事項もあるということを私は知つております。おおむねそういうふうになつているのであります。なお私たちにおきましても、勿論今のお話の通りにこれを更に強化する、有給制にして兼職を禁止する、常勤にするというような、更に又監理委員の中から総裁を任命するというような行き方について考えて見たらどうかというふうなことも私たちは検討いたしたのであります。併しながら私先ほど申上げました通り、公共企業体の経営方式につきましては、いろいろな方式がございまして、そういう方式でない方式もあるのでありまして、而も我が国におきまする公共企業体とか或いは政府出資の銀行等によりましても、そういう形式をとつていない所が多いのでありまして、私は日本の実情に合いまして、日本の一般の民間業体に近いような方法がいいというので、我々はそちらの方向へ公共企業体の上に更に一歩進めるということにいたしたのでありまして、それは皆さんの御意見でそちらに修正されるのも皆さんの御自由であると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/30
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031・植竹春彦
○委員長(植竹春彦君) 議事の進行について私からお諮りいたしたいと思いますが、如何でしようか。先ず菊川委員の動議ですね、これについてお諮りいたしたいと思いますが、その前に……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/31
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032・高田寛
○高田寛君 そこで議事の進行についてですが、何かいろいろご意見なり御提案が出たのですが、ちよつと休憩されて少し懇談の機会を与えられたほうが整理上いいのではないかと思いますが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/32
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033・植竹春彦
○委員長(植竹春彦君) それではさようにいたしたいと思います。暫時休憩いたします。
午後四時三十四北休憩
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午後四時四十六分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/33
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034・植竹春彦
○委員長(植竹春彦君) それでは会議を再開いたします。先ほどの菊川委員の動議についてお諮りいたします。明後二十八日の午前中に運輸委員会を開会いたしまして、その席上へ国鉄総裁、それから国鉄の監理委員会の委員長又は委員一名、それから国鉄労組の斎藤委員長、万一止むを得ざる事情のため駄目なときには、然るべき国鉄労組の幹部を一名証人として呼ぶことに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/34
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035・植竹春彦
○委員長(植竹春彦君) 御異議ないものと認めましてさように決定いたします。それではこの法案の審議は次回の運輸委員会に譲りまして、他の法案の審議に移りたいと思います。御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/35
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036・植竹春彦
○委員長(植竹春彦君) 御異議ないものと認めます。ちよつと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/36
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037・植竹春彦
○委員長(植竹春彦君) 速記を始めて。鉄道敷設法の一部を改正する法律案を議題に供します。質疑を開始いたします。質疑のおありのかたは御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/37
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038・菊川孝夫
○菊川孝夫君 岡田さんにお尋ねいたしますが、今日まで当委員会にも各方面から鉄道敷設に対する請願が数々寄せられております。多数の請願が出されましたけれども、その実施の運びを見ないということは実は誠に遺憾でありまして、先に前之園喜一郎君の発議によりまして、もつとこれを促進するようにという決議案までも採択されたのでありますが、併し実はこの敷設工事がされないのは、こうした審議会がないからとか、そういう問題ではなくて、実は(「金がないからだ」と呼ぶ者あり)それが一番の根本原因であると私は思つておるのであります。その予算的な措置が何らされない前に持つて来て、この審議会というやつを設けるのが改正第一の要件だと思うのであります。それから目安が少しでも立つて来て、そうしてその上でそれでは公平にどこを先に手を付けるか或いはどういうふうにするかというような問題が話題に上つたときにこそ初めてこれが生きて来るだろうと思うのでありますが、審議会が設けられまして、その段階にまだ私は来ておらないと思うのであります。で、ややもするとこれが又、審議会が設置されまして我々が請願小委員会において取上げたと同じような論議を繰返すに過ぎないのでありまして、現実はそうたやすく進むものでないと、こういうように私は考える次第でありますが、岡田さんにはそういう見通しがあつてこの改正案をお出しになつたのであるかどうか、そういう点について一つお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/38
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039・岡田五郎
○衆議院議員(岡田五郎君) 菊川委員の御質問を承わつておりますと、菊川委員もよく現下における鉄道建設の要望の熾烈なることと、又何とか鉄道建設をやりたいという御気持のほども推察できるのであります。又鉄道が独立採算制をとりまして、金の面において建設が遅々として進まないということにつきましても菊川委員もよく御承知のようでありますが、御承知のように昨年は非常に短かくはございましたが、釜石線の建設もやりました。二十六年度は御承知のように赤穂線、津軽線、窪川線の三線も建設される予定になつておるのでありまして、非常に少いとは言いながら、建設が遅々として行われておるのでございまするが、先ほど菊川委員から御質問に連れましておつしやいましたように、建設の要望は非常に大きいのでございまして、そこでお尋ねのごとく財源を如何にするかという問題が起るのでございますが、私たちも非常に懸念いたしておりますることは、国鉄が公共企業体になりまして独立採算制を建前といたしておるのでありまして、国鉄はややもいたしますると、採算制のみで建設をする、かような傾向になるのでありまして、かような見地からのみ鉄道が建設せられる場合には、鉄道の新線建設、本当に国土の総合開発という高い見地から行きまして、鉄道の新線を建設し、又これを計画すべきものが、ややもすると国鉄の独立採算制というちいちやな枠に縮め込まれまして、百年の大計を誤る虞れがあるのではないか、かようなことから考えまして、この財源関係につきましても、この敷設法の改正案の第四条の第三項にございまするように、
「審議会ハ内閣総理大臣及関係各大臣ニ対シ新線建設ニ関シ建議スルコトヲ得」、こういうことにいたしまして、敷設法の別表の改正、或いは別表の追加、或いは又具体的な面における新線建設の財源等につきまして審議いたしまして、内閣総理大臣は勿論、大蔵大臣或いは運輸大臣に建議いたしまして、政府をして財政的な緊急措置を講ずるよう建議させる意味合いを以ちまして、私は早急に建設審議会を設置すべきものである、かように考えておるような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/39
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040・菊川孝夫
○菊川孝夫君 審議会の委員の構成につきましては、第六条で大体はつきりいたしております。併しここで私考えなければならんことは、国会の常任委員会の委員の指名というものも併せて考えなければならんと思うのであります。と申しますのは、実はアメリカのほうの議会運営を相当我々は取入れて常任委員会制度というものが持たれたと思うのであります。ここに羅列してありますように政務次官、或いは事務次官そのほかのメンバーを見ましても、先ほど実は監理委員会の際にも問題になつたのでありますが、すぐいろいろの審議会を設けるということになりますと関係の事務次官をずつと糾合するのでありますが、この事務次官連中が果して私は專門的或いは高度な立場から一々そういうような勉強をしている余裕があるかどうかということを、岡田さんも実は局長をやつておりまして、局長当覆いろいろの審議会その他の役員をおやりになつたと思うのでありますが、とてもそれはやつておれるものではないのでありまして、実際問題としましてはこれは形式的に流れる嫌いは多分あると思うのであります。そうなつて来ますと、本委員会において今問題になりました監理委員会と同じようなことになる危険が極めて多いと思うのでありますが……。学識経験者、或いは鉄道建設に対しいろいろ経験を有する者ということもございますが、これらの中には、こういう該当者は私は国会の議員の中にもたくさんあり、特に本委員会においてはそのような連中がたくさんあると思う。我々のようなものは別といたしましても、ほかにたくさんおられると思うので、この常任委員会の活用ということにするのが私はすつきりするのじやないか、又責任の所在というようなことになつて来ますと極めて不明確になつて参ります。併し国会議員はそれぞれ責任の所在ははつきりいたしておりますので、これは常任委員会がもつと動くということで以てこの審議会に代るというふうなことができないかどうかという点について御検討になつておられるかどうか。これは法律上そういうことはいけないのか、こういう点について御検討になつたかどうか。それをお伺いしたい点が第一点。第二点は、先ほど問題になりました監理委員会の轍を踏むような危険がないでもないと私は思うのでありますが、この点についてお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/40
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041・岡田五郎
○衆議院議員(岡田五郎君) 第一点の両議院におけるこの運輸常任委員会との関係と、この審議会との関係についての御質問のようでございますが、御承知のように国有鉄道の建設はこの敷設法によらなければならない。この敷設法の別表に定められたものでなければならないということになりまして、別表に追加するそれ自身が立法事項でありまして、議会の協賛を経なければならない、こういうことになつておるのでございます。その協賛を経ました別表中のどの線を選ぶか選ばないかということは、国鉄総裁が建設をしたいということで運輸大臣に認可を申請いたしまして、運輸大臣が行政事項として認可を与えるわけでございます。又先ほど申上げました、別表に新たに追加する場合は議会の協賛を経なければならない。この協賛を経る場合に私は衆議院及び参議院の專門的なこの常任委員会におきまして十分審議いたしまして、別表に追加すべきかすべからざるかということが審議されると、かように考えられるのであります。従いまして私はどこまでもこの運輸常任委員会というものは立法機関としての国会の一構成として、かような面において十分私は参画し、又かような面において尽力すべきである、かように考えるのであります。ただここに衆議院及び参議院より選びました六人及び四人を加えました理由は、衆議院及び参議院議員は国政の審議或いはその他の法律の審議に当りまして、国の高い基本的な政策にもいろいろと参画し、又これの調整に当つておられるという……、何と言いますか、いわゆる識見を持たれた国民の代表であるという意味におきまして私は両院議員を十名ばかり代表とするべきである。かように考えまして、国民の代表、又国家のあらゆる施策に関与しておられる、又あらゆる関係の立法に関与しておられる、かような見地からいたしまして、実は十人を選んだようなわけであります。殊に私は鉄道の建設ということは、大きい日本の最高政策と言いまするか、日本の経済の再建と日本の人口対策、即ち資源の開発と土地の有効利用というような面から行ききまして、大所高所からこの建設に関する事項を審議すべきである。かような意味からいたしまして両院議員を十名入れたようなわけでございます。次に第二点といたしまして、私、立案者といたしましては、監理委員会との比較ということになりますと非常にむずかしいのでありまして、監理委員会の活動状況につきましては各人それぞれ考え方もありましよう、又見方もあるだろうと思いまして、それの比較論を私にさせられるということは非常に私辛いのでありますが、私はこの審議会は十分活躍でき、効果を残すと考えるのであります。と申しますのは、御承知のように過去におきまして鉄道の建設につきましては、敷設法が設定されて以後長年鉄道会議というものがございまして、昭和七年頃は約三十人の鉄道会議の委員がおられまして、鉄道の新線建設につきましていろいろ議論を戦わされまして、鉄道会議は非常な功績を残されておるのであります。又昭和二十一、二年頃にもまだ鉄道会議が存続いたしておりまして、その当時は約四十名のかたがおられました。その三十名又は四十名の鉄道会議委員中にも国会議員のかたが十三人乃至十二人と両院を代表いたしましてと、言つたら言葉に語弊がありますが、両院から出ておりまして、戦時中又戦前におきまして非常な功績を残された。この鉄道会議の実績から見ましても、私はこの審議会は十分なる功績と貢献を国家に残すと信じて疑わないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/41
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042・菊川孝夫
○菊川孝夫君 今岡田さんにお尋ねしましたのは、この審議会の仕事は常任委員会におきましてもできるのじやないか。常任委員会でやるようにするほうがいいのじやないか、私はこういうふうに申上げたのであります。それは法律上から言つても、或いは国会法の建前から言つてもそれはできんかどうか。というのは、私はよく国会法については、まあ読んで検討はいたしておるのでございますが……。それで、わざわざ審議会を設けなくてもこの常任委員会がこの点について本当に活動すればやれるのじやないか。それは立法府であるからして、立法して置けばあとは運営については別段……、こういうふうに岡田さんの今のお話では聞こえたようでありますが、そうじやないと私は思うのであります。実は常任委員会の運営につきましては私はもつと発展的と申しますか、飛躍的な対策をすべきである。というのは、アメリカの、今の新聞に出ておりますプラツドレー参謀本部議長を呼んだり、或いはマッカーサー元帥を呼んで、アメリカの常任委員会が実に大所高所から検討いたしておることから考えましても、又小さい問題もあすこの常任委員会は取上げまして、そうして検討もいたしておりますからして、これをわざわざ設けるということになりますると、折角立法されたものが、而も予算というものは恐らく組まれてこちらに参るんで、国会できめてしまうわけであります。例えばどこの線路を建設するために建設費は幾らかかるのだ、こういうふうにして予算を盛つて参りまするので、それは国会においてきめられて、そのきめる前の案をこしらえるためにあなたはこの審議会を活用しよう、こういうことの構想だと思うのでございます。従いましてこれは常任委員会において十分その使命は果し得るものだ、こういうふうに私は考えるのでありますが、あなたは、そこにどこかつまづきがあると考えておられるのかどうか、その点についてお伺いしたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/42
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043・岡田五郎
○衆議院議員(岡田五郎君) 御承知のようにこの審議会は運輸大臣の諮問機関でございまして、運輸大臣が、行政権の発動としていたしまする国鉄総裁からの建設線の認可を与える場合に、果して広く衆智を集めた結果、国鉄総歳から推薦して来た建設線の認可を与えて然るべきやということを第一項において諮問いたすわけであります。それから国鉄総裁から言つて来ないが、国鉄の財政状況その他からしても何……。か或る程度の予算が捻出できるかも知れんというようなことで、五十四条の命令に基きまして運輸大臣が高い国際的見地からして国鉄総裁に建設を命令する。こういうような場合に、又広く衆智を集められる運輸審議会の意見か徴しましてやろうと、こういうことで、それから第三項で運輸大臣、或いは内閣総理大臣、或いは関係大臣がいろいろと行政事務を進めます、鉄道建設に関する行政事務を進めまする材料にこの審議会がいろいろと事前に審議、討論いたしまして、そうしてその材料に基きまして関係大臣に建議する。まあこういうことでどこまでも行政権の私はこれが諮問機関である。常任委員会は何と言いましても立法機関としての国会内部の機関であります。或いは行政の調査権の発動に基きまして、或いは行政所管各大臣に対しまして或いは指示又は勧告、或いは決議に基きましていろいろとアドバイスできるかも知れませんが、どこまでも私は常任委員会は国会の機関としてとどまるほうがいいのではないかと、かように私は考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/43
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044・菊川孝夫
○菊川孝夫君 運輸大臣の諮問機関としてでありますが、責任ある内閣の責任制から考えまして、実は運輸大臣が責任を以てやるわけでありますが、その祭にちよつと自信がないと申しますか、ちよつとこれはどちらに選んだほうがいいかというときにまあ諮問をするわけでありますが、そういうのはむしろ法律にきめて置きまして、このようにコンクリートにして置いてからこういうものがあるとどうしても小舅的な存在になることは多いと思うのでありまして運輸大臣がその必要に応じましてその都度委嘱しましても別にこれは給料を払うわけでもございませんし、まあこんなものをきめて置かなくてもそのときになつて各方面の権威を集めまして、今日の場合にはこういうふうな構想で以て諮問したほうがいいだろうというときに、直ちに運輸大臣が必要に応じてその予算の許す範囲でこういう会議を招集して、そうして各方面の意見を聞く、こういうような構想で行つたほうがむしろ今後の運営上却つていいんじやないか、或いはこれだつたらこれだけの人間を呼ばなければならんということになつております。これ以上呼べないということになつております。併しその都度運輸大臣が呼んでやる。それと申しますのは、審議会がなければ不公正ないわゆる敷設法が運営されるという御心配の上に立つて立案されておるというなら別問題でありますが、運輸大臣の先ほどの実は国有鉄道法の一部改正の際と若干食い違いがそこに来ると思いますので、大臣が責任を以てやるという上におきましては、こんなコンクリートというものは実は法律できめて置いてやるよりも、そんなことをするよりももつと運輸大臣を信頼いたしまして、そうして運輸大臣がその必要の都度、もつとほかにも呼ぼうと思えば呼べる。その範囲に基いてもつと権威者だけを呼ぼう、或いは又一部の権威者だけを、例えば学者だけを呼んで聞こう、経済人だけを呼んで聞こうというように自由にやれるようにいたして置いたほうがむしろよいんじやないか。その都度必要に応じて運輸大臣がやれるというふうにしたほうが、私はむしろ、常置的なこういう委員会を設けて置きますと、何かと又委員という名刺がものをいわせるという危険が今日まで事実あつたわけでありまして、それは全然そんなことはなかつたということは岡田さんも言われないだろうと思います。その点から言つて運輸大臣が自由に諮問ができるような方法にして、もつと法律の中へ入れるにいたしましも、簡単に入れて置いてできると、運輸大臣が必要においてできるというふうにして置いたほうがいいというように考えるのでありますが、この点について長い間国鉄の幹部としてお務めになつた岡田さんの見解と多少食い違うんでありますが、この点についてあなたの御見解を一つお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/44
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045・岡田五郎
○衆議院議員(岡田五郎君) 実は菊川さんも御承知だろうと思いますが、この鉄道の新線建設につきまして運輸大臣が認可を与える場合には、現在の運輸省設置法において存置されておりまする運輸審議会に付議しなければならないということになつておるのであります。現在運輸審議会が御承知の釜石線にいたしましても、或いは赤穂線にいたしましても、或いは窪川線にいたしましても、国鉄総裁の認可申請に対しまして運輸審議会が審査いたしまして、運輸大臣に答申したような手続をとつておるわけであります。この民間を代表した六人の、次官を入れまして七人の運輸審議会の、この審議諮問事項から特別にわざわざ取上げまして、鉄道の建設だけにつきまして建設審議会を設けましたゆえんも、成るほど運輸大臣の行政権の範囲内ではございまするが、高い国策的な見地からいたしまして、最も公正に最も合理的に、政党会派に囚われないで、大所高所から鉄道の建設の路線の決定、或いは財源の関係、或いは路線計画の策定というものを決すべきであると、かようか見地からいたしまして、運輸大臣の諮問機関としてわざわざ建設審議会をこしらえた趣旨も提案理由の説明のときに申上げた通りであります。先ほど菊川さんの言われるように、或いは具体的な命令が出て来た場合に、諮問をする場合もあるし、しない場合もあるということでは私は本当に果して公正に、果して合理的に果して日本の国の最高政策から、あらゆる角度からこの建設線が審議されるかどうかということにつきまして今後も、これも意見の相違に終るかも知れませんが、私は非常に瞬間祝するのであります。必ず私は衆智を集めてこの衆智を代表する意味におきまして、この二十七人の高い識見と高い経験、又その豊富なる学識を持たれた人たち二十七人のお集まりのかたのところに諮つて、公明正大にこれを議論することが建設線の重要性から鑑みまして私は最も必要なことではないか。殊に最近のように建設鉄道の新線建設の要望が全国各地至らざる所なきがごとく請願が出ておるのであります。この線を、どこをやるかというところは本当に高い見地から私は検討すべきであると、かように考えるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/45
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046・菊川孝夫
○菊川孝夫君 実は本国会においても審議会というのは逐次整理をして行こうという方向に向つておることは岡田議員も十分御了解のところだろうと思います。そのときにわざわざこれを加えようということは、実は今の進み方と変つているように思う次第でありますが、この点について一つお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/46
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047・岡田五郎
○衆議院議員(岡田五郎君) 御承知のように鉄道の建設ということは、日本の経済の再建と人口問題解決のためには私は一番重要な問題であると考えるのであります。成るほどほかのほうの審議会も整理されておりまするが、整理さるにはいろいろ御事情もございましようが、私は現在の日本の経済再建、又人口問題の解決、土地の有効需要というような面からいたしますると、私は鉄道の建設ほど重要なものはないと、かように痛感するのであります。さような意味合いを以ちまして、実は運輸審議会の審議事項から切離しまして、わざわざ運輸省に更に鉄道建設審議会を設置いたしたわけであります。この点につきましては関係方面もいろいろ御議論もございましたが、十分この日本の現在の国情からいたしましての鉄芝建設の緊要性と重要性ということを十分御認識を得まして、実は御了解を得たようなわけでございます。なおこの法案提出に至りました経過と言いますか、この法案の提案者につきまして一応御参考のために御報告申上げたいと思うのでありまするが、衆議院におきましては共産党を除きまして各党派有力なかたが殆んど全部提案者になつて頂きまして、実は共産党を除きまして生党派一致して御賛成を得たような次第でございましてこの状態を見ましても各党派のいろいろな事情を離れまして、鉄道建設の、日本の現在の国情からいたしまして緊急にして如何に重要であるかということを御認識を頂いたわけであり、さようなるが故に提案者になつて頂いておるのであると私は考えまして、私は実は各党派の提案者を代表いたしましてここで御説明をいたしていることを御了解願いたいのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/47
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048・菊川孝夫
○菊川孝夫君 じやあ、私もう少しお尋ねしますが、今岡田さん、各党派の代表としてとおつしやられましたが、成るほど結構なことだと思うのでありますが、私は余り屋上屋のこの審議会を、もう戦後まさに審議会氾濫時代を現出しておつたときに、このようなものを余計こしらえるよりももつと必要なときには自由に運輸大臣が諮問できるようにして置いて、運輸大臣を信頼する、内閣の責任制をはつきりするという立場からいたしまして自由にやられる、こういうものがあるということになるとどうしてもこれにはかけなければならんと思うのであります。仮にそれではここで意見が食い違うというようなことになつた場合におきましては、それは多数決によつてきめればよいとおつしやるかも知れませんけれども、そういう場合には別な角度から一つ委員を委嘱して検討するということもできると思うのですが、これによりますとそういうことはできません。従つて国会のほうにおきましては非常にこれはいいだろうというような、或いは請願の採択等もあり、それから国の議決等もございます。ところがこの審議会だけが意見か食い違つてしまつて諮問されたというような場合も、或いは運輸大臣の考え方とこの諮問機関の食い違いができたというような場合には、これであつたならばほかにもう一遍検討するということはできにくいと思うのでありますが、そういうような点から考えましてあえてこれを設けて置くということは名誉職をこしらえるという嫌いが多分にあるという見地から、私は強くあなたにしつこいくらい御質問申上げておるのでありますが、この改正の要点というのは、要はこの審議会の問題だけでございますから申上げる次第でありますが、さて次には何か審議会を設けるということになりますると相当予算的な措置がやはり要るだろうと思います。人件費等もやはりそれに伴つてそれだけ殖やして頂かなければならん点があると思うのでありますが、そういう点につきましては御配慮になつているかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/48
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049・岡田五郎
○衆議院議員(岡田五郎君) この予算的措置につきましては、実は二十六年度の運輸省関係の予算で、而も運輸審議会の調査費といたしましては千百万円ばかり予算が組んであるのであります。そのうちからこの鉄道建設審議会用といたしまして約百十万円見当でございまするか、目の流用することに大体いたしまして、運輸大臣と大蔵大臣の大体御協議は終了いたしたような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/49
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050・植竹春彦
○委員長(植竹春彦君) 他に御質問ありませんでしようか。大体この辺で御質問が終了になりますれば、討論に入り採決までやつて頂こうと思うのですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/50
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051・鈴木清一
○鈴木清一君 ちよつと質問申上げたいのですが、大体菊川君の質問で尽きている点があると思つておりますけれども、私の申上げたいのは、先ほど岡田さんの御説明の中でいわゆる独立採算のために特に審議会によつて先議採択するというようなことを言われておつたようですが、ちよつとおかしく感じますのは、いずれこの委員会の議題にもなるかと思いますが、払下げ問題についてやはり何かあなたがたのほうの委員のかたがたが何が提案されておるようでありますが、そういたしますると私はむしろ新線を今殊更に設けてやつて行かなければならない、国家的見地から見る場合は個所もあるだろうと思いますけれども、併しそれよりもむしろ現在の線路に重点を置いてこれより強化しなければならないのじやないかと思いつつある中で、払下げの問題が出ている、そういたしますると片方は払下げをするのだ、片方は建設をするのだというふうなこと、そのために殊更に審議会を設けなければならないということが、同じ政府を支持する政党の中から両方出られておるということにちよつと実は疑問を持つておつたわけですが、この点についてはどういうお考えを持つておられるかということを、先ず第一点としてお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/51
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052・岡田五郎
○衆議院議員(岡田五郎君) お話になりました法案は、多分戦時中買収した鉄道の払下げに関する法律案であろうと考えるのでありますが、この法律案につきましては別に提案者から払下げの理由につきまして詳細に御説明される機会があると存じますので、私か品その問題につきましての説明はいたしかねまするが、ただ私はいろいろと衆議院におきましても説明を承つつておりまするが、要するに現在国有鉄道として経営しているものを公益に合致する限りにおいて地方の交通を利便にし、又国及び地方の財政に寄与する限りにおいて払下げをするという第一条の目的があるようでございます。これは現在国有鉄道としてある線路を、経営形態を私鉄と言いまするか、私人に任せるということでありまして、今御審議を頂いておりまするのは新たに鉄道線路を敷くという問題でございます。私が先ほど申上げますように、日本の資源開発及び日本の人口の対策からする土地の有効需要、こういうような面がありまして、新らしい線路をこしらえよう、こういう意味合いでございまするので、おのずから私は問題が違うのではないかと、かように考える次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/52
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053・鈴木清一
○鈴木清一君 区分けの仕方の御説明はわかるのです。ですけれども私のお尋ねしたいのは事新らしくいわゆる審議委員会なるものを設けてそうしなければいけないということよりも、現在の鉄道に対しまする運用上についてむしろこれを強化するなり、或いは施設荒廃に対しまする措置をするなりのような委員会というものを設けられた後の又事新らしい発展のために設けられるというならば解釈ができるのですが、そうした点についてはいささかも触れておらないし、又そうしたことは今までも出されたことがないのにかかわらず、殊更にここにおいて審議委員会なるものを設けて、新らしいことを作るために設ける。例えば具体的に今新らしく作らなければならないということができて、それを中心にして始めて行くということであるならば大体わかるのでありますけれども、そうしたものができないのにかかわらずまだそうした議論もないのにかかわらず殊更に委員会を設けて行かなければならないかということは先ほど菊川君が言われたように、政府では審議会なんというものは成るべく削除しようというような方針をかねて発表されておるにもかかわらず設けて行くほど必要性があるかないかということを私お聞きしておるのです。それと同時にその中で、国鉄の中で独立採算制を本当に考えられる場合に、戦時中に政府が買収した現在の線路を払下げなければならない、本当に国家が経営するところの公企業体のものであるとしたならば、特に独立採算制を唱えられるならば本来の鉄道法の改正というものも出て来ないかも知れないだろうし、コーポレーシヨンをなおより以上強化するという点が現われて来べきであるにもかかわらずそうした点が一つも現われて来ない。逆にこれを逆行するような結果が現われておるのでありまするから本当に、真に鉄道を思われて、又公共企業性を思われてこういう問題が出て来るのだというふうに解釈がなかなか我々につかないのです。この点をお尋ねしたわけなんでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/53
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054・岡田五郎
○衆議院議員(岡田五郎君) 私は先ほど菊川委員からいろいろとお話がありましたように鉄道出身でもございます、又国会議員といたしまして国鉄の公共企業体の発達ということを希つて止まない一人でございます。ただ発達の形式はどういう形式をとるかということにつきましては又いろいろと皆さんがたと意見の一致する点もありますし、又一致いたさん点もあると思うのでありまするが、一面又日本の国土を思う一人でございます。何といいましても国全体の経済の再建と、このあり余つた、溢れた人口の対策というような見地からすれば、できるだけ広く土地を有効に利用できるようにすることも又私は大きな国家的な問題ではないかと、かようなことから見まして鉄道の建設の緊急性と重要性を強く認識いたしておる一人でございます。ところが一方御承知のように国鉄は独立採算制をとつております。一方新線は大抵不採算制で、採算がとれるような線は今年度認められました津軽線とか赤穂線だとか、一キロそこそこの窪川線というような極く限られた線にとどまると考えられます。かような見地から見まして、而も提案理由にも御説明申上げましたように財源の不足からいたしまして、現に工事中止をさせられておる区間が六百キロ近くもあるというような現状なのであります。独立採算制で而も工事を途中にして止められてあるような線区につきまして、できるだけ財源の措置につきまして国家的にいろいろと内閣及び関係大臣において措置を講ずるように、かような有力な審議会の権威に基きまして政府を動かし、又政府をして財政的な措置を講じさせる、かようなことが私は最も必要であつて、この鉄道の行き方のみに任せる、又運輸大臣の行政手腕のみにといつちや言葉が悪いのでありまするが、依存しておつたのではこの緊急にして重要な建設線が強力に進められないことを非常に懸念いたす次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/54
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055・鈴木清一
○鈴木清一君 そういたしまするとこれはどうなんですか。この行政機関の中で、いわゆる国鉄の中へこういう委員会を特に設けまして、コーポレーシヨンの中に設けましてこれをやるとしますならば、この審議会を上手に利用すれば済むことであつて、殊更に大臣が諮問して、それでその諮問する機関としてこの機関を作るということよりも、本当に国鉄のコーポレーシヨンのあり方としてお考えなさるのならばむしろ国鉄の中にこうした機関を設けるということが本当ではなかろうか。但し行政機関でなければ立法府の者が入れないから、行政権を持つところの政府でなければ立法府の者も大体参画できないからと言えば別でありまするけれども、それよりもむしろこうした委員会のできますることは先ほど菊川君も指摘をしておりましたように、とかくこうした委員会というものは悪く利用され勝ちである、そうして又政治的に非常に動かされやすいものであります。こうした悪例が今までに幾度か残つておりまするので、私どもといたしましては、できれば、いわゆる行政、政府直属の機関でなくして、むしろコーポレーシヨンの中に審議会に直属するがごときものとして作られたほうが本当ではなかろうかと思うのでありまするが、そういう点につきましてはどうお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/55
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056・岡田五郎
○衆議院議員(岡田五郎君) 鈴木さんの御質問はかような審議会又は諮問機関的なものを国鉄公社内、国鉄企業体内に置いたらどうかという御質問のようでございますが、私は鉄道の建設というものはこう言つちやあ甚だ言葉が間違つておるかも知れませんが、一国有鉄道的な考え方で新線建設を考えるべきではない、強く言えば又言葉が間違つておるかも知れませんが、一運輸省的な考え方で鉄道の新線建設を考えるべきではない、もつと大きな立場、国土総合開発的な見地からいたしまして、あらゆる角度からいたしまして具体的な線又建設計画というものを検討すべきであると、かように私は考えておるような次第であります。いわば日本国有鉄道的だとか、或いは運輸省的だというような行き方は、若し間違つておれば訂正してよろしうございますが、私の言わんとするところは、もつと高い国土総合開発的な見地から鉄道の建設を考えるべきであり、又鉄道の建設はかようにして緊急であり、重大であるような次第であります。それから先ほど立法機関的なものがここに入つていないじやないかというようなお話のようでもございましたが、御承知のように十人の衆議院議員或いは参議院議員がお入りになつているわけでございます。これは立法機関的な意味を代表して言う意味ではございませんで、先ほど菊川委員の御質問にもお答えしましたように、日本の基本的な国策、或いはあらゆる立法の立案に参画審議せられまして、人格高潔にして而も識見の非常に高い国民の代表としての国会議員さんを委員中に入れることがこの建設線の重要性から考えまして、私は当然である、かように考えておるのであります。それから先ほど菊川さんからもお話がありましたようでありまするが、これを利用して一つの勢力扶植の材料になりはせんかという御懸念が多分にあるようであります。又過去においてはそういう例があつたかも知れません。私寡聞にしてそういう例は余りお聞きいたしておりませんが、実は立案者といたしましてはこれらの衆議院議員のかたがたにいたしましても、又民間層或いは各回代表のかたがたにいたしましても、人格高潔にして識見豊富なるかたが選ばれると固く信じて疑わないのであります。殊に又万が一かようなことがあつては国民にとつては言葉が悪うございますが、申訳ない、而も一党一派に偏してはならない、かような意味合いから以ちまして、特別に第五条に記載いたしましたように本邦の経済の発達及び文化向上に資することを目標といたしまして、公正且つ合理的に審議決定すべしという文句を実は挿入いたしたようなわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/56
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057・菊川孝夫
○菊川孝夫君 最後にでは一言お尋ねいたしますが、今後日本の人口の状態等から考えまして、失業問題ということは当然これは一番大事な問題だと思います。でこの鉄道建設もやはり勿論この失業者を吸収するという見地からもやはり検討されなければならんと思うのであります。これは将来の日本の失業問題は、やはり何と言つてもこういつた国土の開発、総合的な国土の開発の面に相当日本の失業者を吸収しなければならんと思います。にもかかわらず、この審議会の委員のうちに特に各省の次官を一応入れてありまするが、労働省の次官、労働省の事務次官を入れていないのはどうしてか。又第六の運輸業その他の業者を、いわゆるこれは資本家的な、資本家側の人が多いと思います。これはどうしてもそこがやはり失業問題というものを切離しては考えられない。その意味から言つて労働界の代表というものも入れて新らしい新鮮味を持たす。従来の鉄道会議よりも新鮮味を持たす必要があるというふうに私は考えますが、これをなぜ入れなかつたか、この点について岡田さんに御答弁をお願いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/57
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058・岡田五郎
○衆議院議員(岡田五郎君) 菊川さんの御質問御尤もでございまするが、成るほど労働省次官を入れる、又二面教育関係も、文化の向上というような方面から行きますと、文部省関係の次官はどうかとい全うな、いろいろ入れますと相当現在あります各省の次官も皆入れちまえということになつてしまうのでございまして、かような面から行きますと、人数が四十人になつて来たり、五十人になつて来ますということで、又これは余りたくさんお集まりになると、却つて討論される勢いが少くなつて来る、却つて中くらいのところが一番活発に議論ができ、討論ができるのじやないかということで、私たちは大体二十七人、三十人以下というところを目標にいたしたような次第でありまして、又労働関係、その他の関係も御尤もでございまするが、経済安定本部副長官が大体経済各般のいわゆる企画庁として、いわゆる労働関係、その他につきましても関係しておられるということで、実は経済安定本部の副長官を実は入れまして労働省関係、文部省関係、その他の関係は実は省いたようなわけであります。次に勤労者階級を入れたらどうかというお話でございまするが、それは御尤もなお説でございます、又列車でございまするので旅客という面を代表する意味におきましての、いわゆる汽車を利用いたしまする利用者側を代表する者を入れたらどうかというような考え方も又起り得ると考えるのでございまするが、そこでまあかように第六号に明示いたしておりますように、業種は五種類しかございませんで、その等というところでその定員は六人ということにしてありまして一人余裕があるわけで、ございまして、この余裕の一人を勤労者階級を代表して運輸大臣がお選びになつて両院の同意を得られますか、或いは旅客側、列車利用者を代表するという意味において一人お選びになつて同意を求められますか、運輸大臣の賢明なる判断に一任をいたしたようなわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/58
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059・菊川孝夫
○菊川孝夫君 運輸業、鉱工業、商業、農林その他の業のものはわざわざこれにちやんと法律できめて置く。ところがあとは賢明なる御判断に任せるというのはどういう意味か私はどうしても納得できないのでありますが、これも当然労働界の代表というふうにしてこれを入れたほうがむしろ却つていいのじやないか、こういうふうに考えるのでありますが、賢明なる御判断によつてというあなたの御説明からいたしまして、そういうふうにされることを立案者として期待しているという意味に解釈してよろしうございますか、どうでしようか発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/59
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060・岡田五郎
○衆議院議員(岡田五郎君) 私はこの第六号は業種を指定いたしておりますが、何も階級的に……と言つちや言葉が悪いのでありますが、片方は資本家を代表するのだ、労働者階級は代表を出さ率のじやない、かというように、階級的にこれを考えると非常にしかつめらしくなると思うのでありまして、実は日本の産業、又は日本の旅客というような層を代表し、又国民を如何に代表するかという、こういうところにこの第六号を選び、又かような意味合いにおきましても一、二の衆議院議員なり参議院議員でこの委員になられるかたもございますので、そういう面からも、いわゆる資本家代表だとか、或いは労働者代表という色彩と言いますか、色合は十分出し得るのではないか、かように考えまして、私としては成るべくこの第六号は資本家階級だとか、労働者階級だとかというように解釈いたしたくないのでありまして、従いまして先ほど申上げましたように即ち一人と、こういう一人を選定されるに当りまして運輸大臣が各般の顔触れを御見になりましておきめになることを御期待申上げておるような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/60
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061・植竹春彦
○委員長(植竹春彦君) 他に御質疑もなければ討論に入ることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/61
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062・植竹春彦
○委員長(植竹春彦君) それじや御異議ないものと認めまして討論に入ります。御意見のおありのかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/62
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063・菊川孝夫
○菊川孝夫君 私は本案に対しましては希望を附しまして賛成の意見を申述べたいと思います。と申しますのは、只今政府におかれましても審議会はでき得る限り廃止をしようという方向に向つて、これによつて使つておるところの経費は節約しようという方向に向つておる際なんであります。こういう際に当りましてこの問題だけを、審議会を殖やすということにつきましては私はどうかと思うのでありますが、併し国鉄の建設の重要性に鑑みまして、この審議会を設けられるという立案者の御趣旨もわからないわけではないのでありますが、ややともしますると、この審は会は一つの名誉城的な存在になり勝ちなのでありまして、今日まで幾多その辛い経験を嘗めて参りまして、そのために国費が濫費されておつたという嫌いなきにしもあらずであつたのでありますが、国鉄は長い間建設を中止いたしておりまして、速かに建設してもらいたいという国民の要望も又熾烈なものがございますので、それに応えるためにそれも最も国民生活に重要なる路線から、且つは日本の全般の復興のために重要なる路線から国土開発のために、総合的な見地から、どこからどういうふうな手段で以て着手するかという意見を国民的な規模の上から作り上げるという意味を以て各方面の権威者を集めるということも又意義がないわけではないと考えまして、本案に賛成する次第でありますが、願わくばこの法律が通過しました暁におきまして、真にこの委員会の職責を果し得る人々を選ぶにつきまして、再びこれは何をやつておつたかわからない、或いは事件漁りに終始しておつた、こういうような非難を受けることのないように運輸大臣が十分に、本法を改正せられました趣旨を認識されまして、本法の運用に対しまして万金を期せられるよう特に強く要望いたしまして、本案に賛成するものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/63
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064・植竹春彦
○委員長(植竹春彦君) 他に御意見がなければこれより採決に入ります。本法案の原案を可決することに御賛成のかたは御起立をお願いいたします。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/64
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065・植竹春彦
○委員長(植竹春彦君) 全会一致であります。よつて本案は可決することに決定いたしました。
なお委員長報告その他の事務手続は慣例により委員長に一任を願います。多数意見者の御署名をお願いいたします。
多数意見者署名
岡田 信次 高田 寛
仁田 竹一 内村 清次
菊川 孝夫 小酒井義男
高木 正夫 前田 穰
村上 義一 鈴木 清一
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/65
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066・植竹春彦
○委員長(植竹春彦君) それではちよつと速記を止めて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/66
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067・植竹春彦
○委員長(植竹春彦君) 速記を始めて下さい。
それでは道路運送法案並びに施行法案、自動車抵当法案、その施行法案、道路運送車両法案、その施行法案、以上六法案を一括議題に供します。この問題について質疑を続行いたします。特に御質疑がございませんければ、只今伊藤法務委員会理事、岡本地方行政委員長から発言を求めておられまするが、許可することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/67
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068・植竹春彦
○委員長(植竹春彦君) じや御異議ないものと認めます。法務委員会理事伊藤修君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/68
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069・伊藤修
○委員外議員(伊藤修君) 会期も非常に切迫いたしております。貴重な時間でありまするから、簡単に私の発言の趣旨を申上げます。
運輸委員会及び法務委員会の連合委員会における質疑の結果、次の六点について、自動車抵当法案及び道路運送車両法案の二法案中、それぞれ修正したいという希望を申上げて置きたいと思います。
第一点といたしまして、抵当権者保護のため、抵当権の効力として、一種の追及権につき規定を設けること、それは抵当権の追及力について、それらのものが、第三者に引渡された後も、抵当権の効力が及ぶ旨の規定を設ける必要があると思うのであります。第二点といたしまして、道路運送車両法第十五条第一項第一号中の自動車の用途廃止の規定はその表現を自動車の効用喪失の字句に改める必要があると思うのであります。第三点は抵当法第十七条中に車両法第十五条第一項第一号の適用あることにすること、これは先に申上げました車両法の十五条の第一頁第一号を左の趣旨に改める関係上、この抵当法の第十七条の適用を受けるように修正いたしたいと、かように考えております。第四点は抵当権の実行に関するすべての事項を施行細則の規則に委任することなく、本法中に少くとも原則的規定を設ける必要があると思うのであります。
第五点といたしまして、抵当権者に損害を加うる目的で目的物を滅失し、毀損し又は変質する等抵当権の実行を困難ならしめる行為につき罰則を設ける必要があると思うのであります。第六点といたしまして、抵当権制度を設けて第三者の権利保護を図りたいと思うのであります。
以上の点に関する理由は前二回の連合委員会において述べた通りであつて、自動車抵当制度の特質から特に寸法上考慮を加える必要があると確信する次第であります。併し右の法案については会期切迫しておる際のことでありますから、抵当権制度については経済界の金融促進の事情も考慮し、第二点第三点、第四点については政府委員の連合委員会における答弁の趣旨については、私としては了解が未だできないのであります。併しこの点を今日私から委員会の各位に強くお訴えして、本国会において修正するということになりますれば、相当の手数もかかることでありますし、或いは不可能であるかとも考えられます。併し我々といたしましては、少くともかような画期的な法律を作る場合におきましては、先にも申上げましたごとく、少くとも私たちの努力によつて完璧を期したい、かように考えておる次第であります。でありますから、国会といたしましてはその意味において、この際完璧を期すべく法律を作ることを期待いたす次第でありますけれども、何分にも会期切迫しておりますから、この点に対しても各位において御考慮を賜わりまして、少くともこの法律を実施した暁、その経験をも加えまして、可及的速かに機会あるときに、次の機会においてこれらの点を修正して頂くように、私は委員各位におかせられましてそういうような御配慮を賜わるということをお願いをいたしたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/69
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070・植竹春彦
○委員長(植竹春彦君) 岡本地方行政委員長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/70
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071・岡本愛祐
○委員外議員(岡本愛祐君) 私は地引行政委員会の全員を代表いたしまして、本委員会の皆さんがたにお願いに上つたのでございます。それは、昨日地方行政委員会におきまして、会議を開きまして、要望書を全会一致で議決いたしました。そうして私から運輸委員長のお手許まで要望豊を差出しました。その趣旨は、挙げて二回に亘りまして当運輸委員会と地方行政委員会と連合委員会を開いて頂きまして、道路運送法につきまして共同の審議をお願いをいたしたのでございます。そのときに各委員から開陳いたしましたように、この道路売込法案の内容が、新憲法に基きまして地方自治を充実し、拡大し確立いたしまするために、シヤウプ博士等が見えまして地方税その他の税に当りまして勧告を出され、それに附随いたしまして地方自治の再配分を是非ともしなければならん。それにけ成るべく一般国民の手近なところを地方公共団体にやらせなければならんという勧告が出たことは皆さん御承知の通りであります。又その事務の再配分をいたしますために地方行政調査参員会議というものが総理府の外局としてできまして、そうしてその再配分を研究をいたしまして、そうして内閣及び国会に出して参りました。その調査委員会議の勧告のこの道路運送法案との一連の道路運送車両事業に関する勧告の内容と、この道路運送法案その他の法案の内容が非常に違つておるのであります。つまり従来の道路運送法の内容と殆んど同じでありまして、折角の勧告が全然顧みられていないというような結果なのであります。それで連合委員会にも議長である神戸氏が参わまして、甚だこの法案は遺憾であると。いうことを委員会でも表明をいたしております。そういうような次第でございますから、皆さんがたに慎重御審議をお願いいたしまして、是非ともこの勧告の線に成るべく沿つたようにこの法案を直して頂きたい、そして地方自治の内容が豊富になりますように、又延いてそれが国民の幸福になりますように、どうぞお願いをいたしたいと思ういます。それで詳しくはこの要望書に掲げてございますから、一応朗読いたします。
要望書
道路運送法案において、主務大臣、陸運局長及び都道府県知事の権限とされている一項は、現行道路運送法とほぼ同様であつて、行政事務の再配分に関する地方行政調査委員会議の勧告は毫も顧みる所がないように思われる。地方行政委員会は、各政事務の対象となる事業の地域性、道路行政、地方産業及び住民の利害等の関係並びに国と地方公共団体相互の事務の再分配の趣旨等の見地より、この際現在主務大臣の権限とされている事項を大幅に地方公共団体に移譲するのが適当と考える。よつて貴委員会におかれては、概ね次の諸点について、法案の修正その他適当の措置をとられるよう特段の御配慮を煩わしたい。
記
一、自動車運送本業については、二以上の都府県にわたるものを除き、その免許及び監査の権限を都道府県に移譲すること。
二、自動車及び自動車道事業の免許及び監督についても、二以上の都道府県にわたるものを除き、都道府県に移譲するごと。
三、自動車運送取扱専業の登録及び監督並びに当家用自動車の規制に関する事務は、都道府県の事務とすること。
四、旅客軽車輌運送事業に関する事務は市町村、貨物軽車輌運送事業に関する事務は都道府県の事務とすること。
(市町村長及び都道府県知事に対する機関委任の制度を廃止すること。)
昭和二十六年五月二十五日
地方行政委員長 岡本 愛祐
運輸委員長植竹春彦殿
以上であります。要するに成るべくいわゆる神戸委員会の勧告の線に沿つてこの法案の修正をお願いいたしたい、それをお願いに上つたのでございます。どうか私どもの委員会から特に強くこの要望を皆様がたにお伝えをしてくれということを申しております。どうかそういう意味におきまして是非ともこの法案の再検討、慎重なる御審議をお願いいたしたい、それをお願いに上りました。どうぞよろしくお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/71
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072・植竹春彦
○委員長(植竹春彦君) この際御報告申上げますが、この六つの法律案は本日衆議院を通過して本院に送付せられました。よつて他に御質疑もなければ、これより討論に入ることに御異議はございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/72
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073・小酒井義男
○小酒井義男君 私は討論に入る前に、只今の地方行政委員会からの要望を当委員会としてはどういうふうに扱つて行くかということについて委員長、お考えがありましたら一つ挙わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/73
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074・植竹春彦
○委員長(植竹春彦君) 委員長といたしましては、討論に際しまして只今の御両名の委員外発言に対しまして皆様の御意見を承わつて善処したい、かく考えましたが、又討論に入るに先立ちまして如何ように措置するかということをお諮りいたしますことにいたしましても差支えない、こう考えます。他の委員会におきまする例に基きまして、この討論におきまして織込んで頂くというふうな考えでございましたが、今申上げましたように別の取扱をすることに一向差支えないと存じますが、それではそういう小酒井さんからの御質問もございましたにつきまして、一応改めて討論に入る前にお諮りいたします。只今のこの法務委員会並びに地方自治行政委員会からの発言に対しまして、どういう措置をとりますか、御意見を承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/74
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075・高田寛
○高田寛君 私は今委員長が言われたような方向で結構だと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/75
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076・植竹春彦
○委員長(植竹春彦君) 他に御意見ございませんか。……高田委員の御発言に御異議なければさように取計らいたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/76
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077・鈴木清一
○鈴木清一君 どうなんですか。速記をつけて、……今小酒井君の心配するのは、御承知のように岡本委員長の発言の前提は、いわゆる地方行政委員会全員の要望ということになつていますね。そうすると委員会、委員会の問題でなくて、各党から提出されての要望だと思う。そういう声も酌み取らなくちやならない。我々の委員会が又こうしたことを他にやる場合にでも、そういう結果に行くのですから、でありますから、私はこの場合懇談会にして頂いて、そうして御意見をお互いに言つた後での結果をして……議事録に載せないような方法がいいのじやないか、こう思いますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/77
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078・植竹春彦
○委員長(植竹春彦君) それではちよつと速記をとめて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/78
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079・植竹春彦
○委員長(植竹春彦君) 速記を始めて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/79
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080・菊川孝夫
○菊川孝夫君 私は只今寄せられました地方行政委員長岡本愛祐君からの要望書に対しましては、勿論神戸委員会から政府に勧告せられておる行政事務の再配分につきましては私たちもよく存じており、且つ今検討しておるところであります。政府においても又あの勧告書を十分検討しておると思います。併しながら何分にも画期的な再配分になりますので、今日これは運輸行政だけを再配分するというのではなくて、全般的な再配分計画に基いてなされなければならないと思うのであります。その意味におきまして私は遺憾ながらこの要望書に賛成はできないのであります。併しながらいずれは大所高所から検討せらるべき問題であると存じまするが、今日まで我々は質問の過程におきまして、或いはこの点についても十分政府当局の意見も聴取してございますので、それぞれ信念が持たれておると思いますので、高田委員の提案の通りに討論の過程におきましてそれを述べ、これを集約して委員長報告として、この岡本委員長に対する回答ということは、本会議の委員長報告が回答になる、こういうことにお取計らいせられることに賛成するものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/80
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081・植竹春彦
○委員長(植竹春彦君) 只今の高田、菊川両委員の御意見に御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/81
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082・植竹春彦
○委員長(植竹春彦君) 御異議ないと認め、さように決定いたしました。
それではこれより討論に入ることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/82
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083・植竹春彦
○委員長(植竹春彦君) 御異議ないものと認めます。それでは討論に入ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/83
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084・菊川孝夫
○菊川孝夫君 私は道路運送関係六法案に対しまして賛成する次第であります。併しながらこの六法案はいずれも関連を持つておるものでありまするが、地方行政委員会からの要望書が参つており、且つ法務委員の委員外発言としても抵当法については幾多の疑義を残しておるということを指摘されておるということは、我々は見逃してはならないと思います。併しながら現在自動車事業は飛躍的な発展段階に参つておりますので、これに対処した新らしい感覚に基いた時代的道路運送行政というものは速かに確立されなければならないと思うのであります。その意味におきまして今日まである政令法律等を一応総合的な見地から再編せられまして、この道路運送法並びに道路運送車両法案を提案され、且つ自動車運送事業の復興期にありまして、自動車運送事業者の金融の途を開くために新たに動産である自動車に抵当権を持たせるというような画期的な法案が提案されました。これはいずれもこの新らしい交通事情に対処せんとする運輸当局の積極的な意欲は見受けられまして喜ばしい次第だと思います。併しながら本法の中には質問の際にも繰返して申述べましたように、免許、許可、認可、認定等の官僚的な行政の色彩を帯びるという面が多々あることも又事実であります。従つてこの起用を一歩誤りますると、自動車事業そのものを混乱させるのみならず、延いては国民の福祉にも重大なる影響を与えると思います。且つはこのこれらの法律を運用するに当りまして或いは利権屋、或いは政党の勢力というものも介入する危険が極めて多いと思うのであります。併しながらこうした諸勢力の介入を飽くまでも毅然として排除して本法の目的に示されておりまするように公共の福祉を増進するという建前から正しい法律の運用をされることが最も重要なことであると確信するものであります。併しながら運輸省におきましても現に海上保安庁の不正事件が暴露されつつあるのでありまして、同じ屋根の下においてこういう事実があるときに再び万一自動車行政に対しましてこういう事実が起きたとしましたならば運輸省は海においても陸においても重大なる過誤を犯すという結果になりまして、国民から指弾の的になることを忘れてはならないと思うのであります。願わくば本法運用の最高の責に任ぜられまする運輸大臣は今日までに起つた過ちを一つの重大な反省として考えられましてそうして再びこういう事故を起すことのないようにせられんことを強く要望いたしまして、私は本法案に賛成する次第なんであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/84
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085・小酒井義男
○小酒井義男君 私も只今上程をせられておりますところの、道路関係の六法案に賛成をするものでありますが、賛成をするについて一つだけ希望を申上げて書きたいと思います。従来この種の委員会につきましては運輸道路運送審議会の委員の問題でありまするが、とかく非難を受けるような問題が多いわけであります。従つて本法案の審議の過程におきましても委員の数を殖やしたらどうかというような意見が出ておつたのです。併し私は委員の数を殖やしてもそうした結果を完全に除去するということにはならない。たとえ委員は一人であつても公益の理念に透徹した公正な人が選ばれれば、その任務というものは果し得るというふうに私は考えておるのであります。従いまして、この委員の任命に当つて、関係向きにおいて特段の注意を払つて頂いて、そうして先ず関係官庁の官吏であつた人で、退職後経過年数が短い人とか、或いは当該区域内で事業を運営しておることによつて、そうした委員の任務を遂行するのにとかく疑義が持たれるというような委員は、これを極力任命を避けるというような方法をとつて、そうして本法の精神を十分達成でき得るような方法を、今後施行の上において実現を図つて頂きたい。かように希望を申上げて賛成意見としたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/85
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086・岡田信次
○岡田信次君 私もこの道路運送関係の六法案に賛成いたすものであります。今日の道路運送の状況に鑑みまして、道路運送事業の適正な運営、及び公正な競争を確保する、そうして道路運送の秩序を確立して、道路運送の総合的発達を図るということは、極めて緊要であるのであります。かように考えるのであります。なお自動車運送の進歩発達と申しますか、これは誠に著しいものでございまするし、又先ほど地方行政委員会並びに法務委員会より希望の意見もございましたので、これの実施に当りまして今後、自動車の今後の発達、並びに両委員会の意見等をも十分参酌せられまして運用せられんことを希望いたしまして私は本案の、原案に賛成いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/86
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087・高木正夫
○高木正夫君 私もこの六法案に対しましては、賛成の意を表します。旧法はすでに三年を経過いたしまして、その間におきまして自動車が非常な発達をし参りましたので、いろいろ不備な点が旧法にはあつたと思うのであります。今回これを根本的に改正をいたしまして特に車両保安という点並びに金融上まで引つくるめて改正をせられた点は、非常に喜ばしいと存ずる次第であります。ただ自動車の事業の区分につきましては、これは自動車行政は非常にむずかしいものでありまして、従来あれこれとやられておつたようでありますが、今回とられた区分の問題が、私の理想を言わしめれば、更に道路が発達して参ります際には、もう一度考えなければならん時期が来るのかとも考えるわけでありますが、今のところ大体これで実情に応ずるのじやないかというように考えておるのであります。それから次に定額制並びに現払いの問題でありますが、これも画期的の英断であろうと思うのであります。我が国の経済情勢並びに社会情勢から考えましていささかまだ早いのじやないかという感もするのでありますが、併しこれだけの理想を思い切つて立てましてこれに馴致するように国民を指導して、業者を指導して行くということも、又政府のとるべき英断ではないかと考えるのであります。この点もいろいろの難点がありましようが、押し切つてこれをやつて頂くことだけは……賛成の意を表する次第であります。なお車両法案におきまして保安設備を十分にして頂くということも、これも最も望ましいことであるのであります。従来は運送方面のことだけが大分統制をせられておりましたが、保安についてはいささかまだ欠くるところがあつたように思いまするが、今回はそれを改正された点は、非常に結構なことと考えます。最後に抵当の問題であります。これは先ほど法理上の問題があつたようでありますが、この点については相当慎重な将来お考えを願わなければならん場合があるかも知れませんが、これによつて生ずるところの金融上の援助、利便ということが非常な大きな効果をもたらすものであると思うのでありまして、この点も誠に結構であると思うのであります。以上要点につきましていずれも私の賛成するところであります。
最後に、この法案につきましては、いつも法律が改正になりますると、業者がとかくの反対をするものでありますが、これにつきましては、業者の殆んど全部が賛意を表し、つまり輿論に応えているという意味におきましても、私は賛成の意を表したいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/87
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088・植竹春彦
○委員長(植竹春彦君) 他に御意見もなければ、これより採決に入ります。お諮りいたしますが、この六つの法案を一括して採決いたしますことに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/88
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089・植竹春彦
○委員長(植竹春彦君) では御異議ないものと認めましてさように取計らいます。
この六法案を原案通り可決することに御賛成のかたは御挙手をお願いいたします。
〔総員挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/89
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090・植竹春彦
○委員長(植竹春彦君) 全会一致であります。よつて本案は可決と決定いたしました。
なお委員長の報告と事後の手続は、委員長に御一任願いまして、多数意見者の御署名を願います。
多数意見者署名
岡田 信次 高田 寛
仁田 竹一 内村 清次
菊川 孝夫 小酒井義男
高木 正夫 前田 穰
村上 義一 鈴木 清一
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/90
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091・植竹春彦
○委員長(植竹春彦君) 次に請願、陳情に関しまする小委員長の報告を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/91
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092・岡田信次
○岡田信次君 請願及び陳情に関する小委員会における審査の経過を御報告申上げます。
請願第三百八十九号西武鉄道田無駅、関前橋間および武蔵関、武蔵境両駅間に鉄道敷設の請願、請願の要旨は西武鉄道株式会社が申請している武蔵野線田無町駅、関前橋間四キロ六分及び村山線武蔵関駅、中央線武蔵境駅間四キロ八分の鉄道は、当地方開発並びに沿線住民の通学と帝都復興用の砂利輸送に不可欠のものであるから、本鉄道の敷設を促進せられたいというのであります。請願第千三百五十一号二俣、佐久同両駅間鉄道敷設促進に関する請願、請願の要旨は、静岡県二俣町より佐久間村に至る鉄道は戦争のため実現を見ず現在に至つているが、本線は表裏日本を結ぶ最短路線であり、且つ沿線には豊富な林、鉱産物があるのでこれが開発上にも重大な支障を来しているから、速かに鉄道を敷設せられたいというのであります。請願第千三百七十八号広島県加計画、布駅間鉄道敷設促進に関する請願、請願の要旨は、広島県本郷線鉄道敷設工事中、加計画、布駅間は昭和十二年以来工事が中止のままになつているが、すでに基盤工事も完了しているから、沿線地方の産業開発のため、鉄道敷設を速かに実現せられたいというのであります。請願第千四百六号三明、三井両駅間鉄道敷設促進に関する請願、請願の要旨は、能登羽咋より三井に至る外浦沿線の鉄道は情勢の変動によつて実現していないが、沿線には鉱、農、林、水産資源に富み、且つ、沿岸一帯は風光明びな観先の景勝地でもあるから、速かに能登線三明、三井間の鉄道敷設を実施せられたいというのであります。請願第千四百六十三号根室標津、斜里両駅間鉄道敷設促進に関する請願、請願の要旨は、根北線は、根室標津駅と北見斜里駅間を結ぶ線であつて、戦争のため工事が中止されたまま今日に及んでいろが、沿線には無尽蔵の林産資源と地下資源があり、国家再建のためにも一日もゆるがせにできないものであるから、速かに本線の全通を促進せられたいというのであります。請願第千五百九十七号三重町、延岡両駅間鉄道敷設促進に関する請願、請願の要旨は、豊肥線三重町、日豊線北川両駅を結ぶ路線は、門司、鹿児島方面への時間短縮となり、更に沿線地帯に埋蔵する各種資源の開発を促すことにもなるから、本鉄道の敷設を促進せられたいというのであります。
請願第千六百三十八号信越、上越両線連絡鉄道敷設に関する請願、請願の要旨は、信越線帆江津駅より中頚城郡を横断して、東頚城郡松代村、中魚沼郡吉田村、千手町、十日町を経て南角沼郡六日町又は塩沢町において、上越線に連絡する鉄道を八敷設して、沿線一帯の豊富な資源を開発すると共に関東と北陸を結ぶ線路を短縮されたいというのであります。清瀬第千六百八十八号小本線延長工事促進に関する請願、請願の要旨は国鉄山田線茂市駅より分岐する小本線は、宇津野駅まで開通しているが、同駅以遠大川村大渡、落合岩泉町を経て小本港に至る区間は、工事が中止されて現在に至つているが、この沿線一帯の地上、地下資源が徒らに死蔵されているから、本線の延長工事を促進せられたいというのであります。請願第千七百三十七号掛川町、御前崎村間鉄道敷設に関する請願、請願の要旨は、静岡県掛同時より御前崎漁に通ずる線に対しては、先に国営自動車を運行するよう請願していたが、帰近は産物の輸送と住民の交通が激増して来たから、自動車では輸送難を解決することが至難と思はれるので、この区間に鉄道の敷設を実現せられたいというのであります。請願第千七百八十四号宮崎、小林両市間鉄道敷設促進に関する請願、請願の要旨は宮崎市と小林市を結ぶ重要路線である宮林線には、現在国営バスが運転されているが、旅客、物資共に極めて多く、この間に鉄道を敷設することは、沿線の豊富な農林産物資輸送の増大と住民の受ける恩沢のみにとどまらず又宮崎県の政治、経済、文化、産業の進展に寄與するところが大きいから、速かに鉄道敷設の実現を期せられたいというのであります。請願第千七百八十五号志布志線鉄道延長に関する請願、請願の要旨は、国鉄志布志線の延長工事は今なお実施されないため、宮崎県南部一市十一箇町村は県の中央から孤立状態にあり、交通は勿論、南九州総合開発実施上の一大障害となつている。なお同地方は豊富な森林資源に恵まれ、一方油津港を初め多数の商漁港が点在しているが、県中央との連絡及び輸送はトラックによるほかない実情であるから、産業振興、県政進展の見地からも敷設工事を速かに着工せられたいというのであります。請願第十七百八十六号日の影、高森両駅間鉄建敷設促進に関する請願、請願の要旨は、日豊線延岡より分岐する日の影線は、日の影を起点としてしるため、本線路の使命を十分に発揮できない実情にあるから、沿線の豊富な鉱物資源及び林産資源を開発し、地方産業の振興と文化の向上を図るため、日の影、高森間の鉄道敷設を速かに実現せられたいというのであります。請願第千七百八十七号日向長井、三重町両駅間鉄道敷設促進等に関する請願、請願の要旨は、現在の日豊線市棚、重岡間は、トンネルと急こう配が多いのに反し、日豊線日向長井、と豊肥線三重町を結ぶ線は、こう配が緩かな上に、距離的にも時間的にも相当短縮され、更に林産物の宝庫と言われる沿線地区開発に寄與するところが極めて大きいから、これを速かに実現すると共に、これを機会に輸送力増大のため日豊線を電化せられたいというのであります。請願第千九百八十九号荒海駅、滝の原間鉄道敷設促進に関する請願、請願の要旨は、国鉄今津線の延長工事中、荒海駅、滝の原間の鉄道敷設は、奥会津の森林及び地下資源の開発上緊急を要するものであるが、予定工事の三分の一を終了したまま中止になつているから、之が敷設工事を速かに実現せられたいというのであります。請願第二千十七号横須賀線を三崎まで延長の請願、請願の要旨は、三浦半島の三崎港を中心として半島各地で産出する水産物及び農産物の輸送機関はトラックのみであり、又年間三百万に達する観光客の輸送も国鉄線が延長されないと解決できない現状であるから、速かに横須賀線を三崎まで延長せられたいというのであります。陳情第三百十五号四国循環鉄道敷設促進に関する陳情、陳情の要旨は、四国循環鉄道は、徳島県牟岐より高知県東海岸を経て安芸町に至る間と、愛媛県吉野生より高知県窪川町に至る間及び愛媛県宇和岳より宿毛、中村を経て窪川町に至る問の鉄道敷設によつて完成するから、国家再建の重要なる役割を来す四国の総合開発促進のために、本鉄道の速かなる全通を実現せられたいというのであります。
以上の請願十五件、陳情一件はいずれも鉄道の敷設に関するものでありまして小委員会におきましては、経済の発達、文化の向上及び民生の安定のためいずれも願意を妥当と認めました。
請願第千三百五十号、同第千九百六十三号、陳情第四百十九号宇野、高松円貨車航送力増強に関する請願、陳情、請願及び陳情の要旨は、高知県等は農、林、鉱工専の各種産物を大量に生産移出しているが、消費地直送の貨車を輸送する宇野、高松間の貨車航送力が不十分であるので、本州向貨物の滞貨は激増の一途を辿つているから、四国地区の産業の振興増産を図るため宇野、高松間に大型貨車航送船を配置せられたいというのであります。小委員会におきましては審議の結果、願意を妥当と認めました。
請願第千三百九十号岩宿、国定両駅間にデイゼル動車停留所設置の請願、請願の要旨は、両毛線相生、高崎間の交通緩和策として、デイゼル動車が運転されているが、岩宿、国定六、八キロの間に停留所がないため、この間の住民が非常に困つているから停留所を設置せられたいというのであります。小委員会におきましては審議の結果願意を妥当と認めました。請願第千五百八十一号六日町、五日町両駅間に停車場新設の請願、請願の要旨は、新潟県五十沢村、城内村、大巻村は、農林産物等の搬出駅である六日町駅、五日町駅まで四キロ乃至十五キロあり、部落民の不便損失は甚大であるから、六日町駅、五日町駅の中間にある大巻村地内に停車駅を新設し、交通の便を図られたい、なお降雪期間中は、鉄道除雪人夫のため二日町(庄の又鉄橋附近)に除雪人夫専用の昇降場を設置せられたいというのであります。小委員会におきましては、審議の結果願意を妥当と認めました願第千七百十九号、陳情第三百五十号浜田港に駅新設の請願及び陳情、請願及び陳情の要旨は、浜田商港は、山陰地方においては境港を凌ぐ良港であるが、西浜田駅からの臨港線が非常業線であるため貨物運賃は打切り計算となり、非常に割高であり、貨物の誘致にも支障を来たしているから当港に駅を設置し、運賃通算制を実施せられたいというのであります。小委員会におきましては審議の結果、実情を考慮し、願意を妥当と認めました。請願第千九百三十四号伊集院、上伊集院両駅間に簡易停車場設置の請願、請願の要旨は、鹿児島県上伊集院村地内にある国鉄鹿児島線の上伊集院駅は、村の東北端に位置するため、村の中央部にある村政の各機関や人口の密集する所と離れており、鹿児島および伊集院町方面への通勤通学に極めて不便であるから、伊集院、上伊集院両駅の中間に乗降客のみを取扱う簡易停車場を設置せられたいというのであります。小委員会におきましては、審議の結果地方の実状を考慮し願意を妥当と認めました。請願第千九百三十八号列車内に放送設置の請願、請願の要旨は、最近の鉄道は諸種の改善によつて、著しく快適になつたが、車内放送がないので夜間及び長途の旅行者等に不便が多いから、旅行者の便を計り、速かに列車内に放送の設備を設置せられたいというのであります。小委員会におきましては審議の結果願意を妥当と認めました。陳情第三百十四号、同第四百二十九号貨車新造に関する陳情、陳情の要旨は、特需物資の移動及び一般経済界の活況に伴う各種商品の激しい流動以来、駅頭在貨の量は著しく増加し、加えて貨物輸送距離が次第に延長の傾向にあるため、最近における貨車不足が問題となつているから、輸送力増強のため貨車新造について格段の考慮を払われたいというのであります。小委員会におきましては、審議の結果、現下の貨車事情等より見て願意を妥当と認めました。請願第千四百七号宮城県金山、角田両町間の国営バス路線を亘理町に延長するの請願、請願の要旨は、藤尾、東根両村は、養蚕村として県下随一とされているが、交通不便で八キロ乃至六キロ出なければ、交通機関の恩恵に浴することができない現状であるから、近く運行される金山より小斎、枝野を経て角田町に、至る路線を金山町より小斎、枝野、藤尾、東根を経て亘理町に達するよう延長せられたいというのであります。小委員会におきましては、審議の結果願意を妥当と認めました。請願第千六百四号白河、仙台両駅間鉄道電化促進に関する請願、請願の要旨は、東北地方の一大幹線である東北木中の白河、仙台両駅間は、急こう配地点が多く、輸送上非常な支障を来たし、当地方の復旧に重大な障害となつているから、当地方の豊富な電力を活用で速かに本区間の電化を図られたい、いうのであります。請願第千六百七十九号東北本線鉄道電化促進に関する請願請願の要旨は、国鉄幹線である市北線の電化は、沿線住民の多年の熱望であるばかりでなく、累年激増する輸送量の唯一の解決策でもあるから、本の電化を促進せられたいというの芸あります。陳情第三百五十五号明石、相生両駅間鉄道電化促進に関する陳情、陳情の要旨は、明石、相生両駅間の鉄道電化は、沿線市町村民の待望ているところであり、近時京阪神方面への定期通勤者もますます増加して、朝夕のラッシュ・アワーの混雑は精神的、肉体的の疲労ばかりでなく、危陥を感ずる状態であるから、速かに明石、相生両駅間の電化を図られたいというのであります。以上三件はいずれも鉄道の電化に関するものでありまして、小委員会におきましては審議の結果、輸送力の増強、地方の民生向上を図るためにも願意を妥当と認めました。請願第十六百四十二号横須賀港改修工事施行に関する請願、横須賀港は昭和二十三年開港の指定を受けて商港として十二分に活用しているが、最近世界情勢の変転に伴つて横浜入港船舶が当港へ回航せられるものも相当あり、港湾施設不十分なためにこれが受入れ不能の場合多く、速かに第二岸壁を築造せられると共に上屋、物外場等諸施設を設置せられたいというのであります。政府においても昭和二十三年度以来一万屯級岸壁の造を推進し、今年、度を以て一応完成する予定であり、大型岸壁築造については横浜港の港情と比校検討中で向上履物揚場についてもその趣旨に副うよう努力するとのことでありまして、願意は妥当であると認めました。請願第千六百六十八号、桜島火山観測所設置に関する請願、火山変動の予知による災害防止と民心の安定を講ずるために桜島に火山観測所を設置せられたいというのであります。政府当局でも財政の許す限り早期に実施するとのことであります。願意は妥当であると認めました。請願第二千十五号釧路地区鉄道改良実施促進に関する請願、請願の要旨は釧路市地区の鉄道改良計画は、昭和二十一年度より数度の実施調査に基き改良工事の必要性を認められたのであるが、その後諸種の実情のため今日まで延期せられているが、現状は一日も遷延を許さないものがあるから、速かに実施促進を図られたいというのであります。小委員会におきましては、審議の結果地方の実情を考慮して願意を妥当と認めました。陳情第三百三十三号、機帆船燃料油の増配に関する陳情、弱少企業である機帆船に対して燃料油の増配と石炭輸送の全面的許可等の実現を図られたいとの陳情であります。政府当局では四月一日以降石油行政管理権の日本政府に対する委譲、並びに二十六年度石油及重油輸入の増加に対する見通しがつき、四月分は一万竏に増量し、五月以降についても逐次その重要量に近い割当を行う予定で、従つて石炭輸送の制限は四月以降全面的に廃止することになつているとのことであります。願意は妥当であると認めました。陳情第三百三十九号、長崎県における離島航路改善の陳情、長崎県は全国屈指の海岸線と幾多の離島を擁している特殊な地理的悪条件下にあるため経済振興並びに民生安定の点からして離島航路改善に特別に考慮せられたいというのであります。願意は妥当であると認めました。陳情第三百九十一号、船川港存続に関する陳情、運輸省の整理方針によつて船川特定港が廃止される由であるが当港は秋田県に於ける産業経済上の重要港であるから特定港として存続せられたいというのであります。政府当局の方針としては何港を特定港から除外するかということは未だ決定する段階に至つていない。従つて当港についても特定港から除外するかどうかは未定であるということであります。願意は妥当であると認めました。陳情第四百十四号日本海中部外二基地に海上保安庁救命艇基地設置の陳情。北海道の沿岸海域は気象、海況の急変著しく海難発生は全国の約二十パーセントを示しており、本道には救難船基地十ヶ所設置されているが、日本海中部、オホツク海東部、太平洋東部には救難所の設備がないため、これら基地に対し救命艇基地を設置せられたいというのであります。願意は妥当であると認めました。情請第四百二十三号。苅田港建設費地元負担額軽減に関する陳情、本港は港湾法により重要港に指定され、瀬戸内海に面する唯一の築豊炭積出港として目下拡張工事が続けられているが、建設費の五十。パーセント地元負担を軽減せられたいとの陳情であります。現行港湾法の改正を必要とし願意は妥当と認めました。
以上請願二十八件陳情十三件は、審議の結果、いずれも議院の会議に付し、内閣に送付するを妥当と認めました。次に請願第九十九号、陳情第百九号日本国有鉄道法中一部改正に関する請願及陳情、請願第二二六〇号日本国有鉄道法第二十六条改正に関する請願、以上の三件はいずれも国鉄職員の地方議会の議員兼職に関するものでありまして、請願の陳情の要旨は現行法の第二十六条を改正して地方議会の議員兼職を認めてほしいというのであります。小委員会におきましては、審議の結果願意を妥当と認めました。請願第千三百七十七号電気保安法案中一部修正に関する請願、請願の憂旨は、鉄軌道事業における電気施設は、運転の安全、保安の確保・輸送の円滑迅速を目的としているものであるから、運輸省がこれを所管し、その指導監督に当り、許認可の審議、施設の検査を行うことは当然であるから、鉄軌道業者の便宜並びに事務の簡素合理化を図るため、地方鉄道並びに軌道事業の電気施設に関しては、運輸省所管に一元化するよう、電気保安法の一部を修正せられたいというのであります。小委員会におきましては、審議の結果願意を妥当と認めました。請願第千七百六十四号、港湾法中一部改正に関する請願、旧軍港市の平和産業港湾都市転換については、先に旧軍港市転換法が制定され、国が積極的に援助されることになつている。然るにこのために最も必要とされている港湾工事が、昨年五月施行の港湾法によつて、その費用の五割を地元負担と規定されているため、転換事業に大きな支障を与えているから、港湾工事の費用は従来通り全額国庫負担とするよう港湾法を改正せられたいとの請願であります。横須賀、舞鶴、呉、佐世保等の旧軍港の港湾工事費は従来全額国庫において負担して来場たのでありますが、昨年五月港湾、法の制定に伴い、これらの四港は重要港湾に選定されたのでありますが、その工事に要する費用については五罰又は五割以上を地元で負担することが定められましたことは、未だ旧軍港市転換事業の完了していないこれらの都市の負担に堪え得ないもの考えられますので、従前通り国が負担するように現行港湾法を早急に改正する必要があり、願意は妥当であると認めました。陳情第三百九号、浮遊機雷、に対する災害補償法制定の陳情、陳情第三百三十四号日本海水域の機雷に関する陳情、右はいずれも日本海水域における浮遊機雷による災害防止、災害補償制度並びに機雷による船舶保険の確立の陳情であります。政府においてはレーダー、ヘリコプター等利用による科学的捜索法を研究中とのことで願意は妥当であると認めました。以上請願四件、陳情三件は審議の結果、いずれも議院の会議に付するを要し、内閣に送付するを要しないものと決定いたしました。
以上御報告いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/92
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093・植竹春彦
○委員長(植竹春彦君) 速記を止めて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/93
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094・植竹春彦
○委員長(植竹春彦君) 速記を始めて。小委員長の報告に御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/94
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095・植竹春彦
○委員長(植竹春彦君) 御異議ないものと認めます。
それでは本日はこれにて散会いたします。
午後六時二十九分散会
出席者は左の通り。
委員長 植竹 春彦君
理事
岡田 信次君
高田 寛君
委員
仁田 竹一君
内村 清次君
菊川 孝夫君
小酒井義男君
高木 正夫君
前田 穰君
村上 義一君
鈴木 清一君
委員外議員
伊藤 修君
地方行政委員長 岡本 愛祐君
衆議院議員
岡田 五郎君
前田 正男君
政府委員
運輸省港湾局長 石川 昭正君
運輸省鉄道監督
局国有鉄道部長 黒田 静男君
運輸省自動車局
整備部長 佐竹 達二君
運輸省自動車局
総務課長 斎藤 博君
事務局側
常任委員会專門
員 岡本 忠雄君
常任委員会專門
員 古谷 善亮君発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02519510526/95
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