1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十六年六月二日(土曜日)
午前十時五十一分開会
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委員の異動
六月二日委員金子洋文君辞任につき、
その補欠として小泉秀吉君を議長にお
いて指名した。
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本日の会議に付した事件
○モーターボート競走法案(衆議院提
出)
○連合委員会開会の件
○理事の補欠選任の件
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001・植竹春彦
○委員長(植竹春彦君) 只今より運輸委員会を開会いたします。
モーターボート競走法案を議題に供します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02919510602/1
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002・鈴木清一
○鈴木清一君 私はその前にちよつとお諮りしたいことがあるのですが、それは御承知の内閣委員会との連合委員会でありまするが、昨晩十二時まで連合委員会を開いておつたのでありまするけれども、運輸委員会から出席いたしました委員といたしましては、まだ質問が済んでおらないのであります。それにもかかわらず、一番最初の申合せというようなことから、内閣委員会は昨日を以て打切るということになつているようなお話でありまするけれども、連合を申込んで何ら発言をすることもできていない状態の下においての連合委員会の打切りということについては、非常に各委員会からも異議がありまして、結果といたしまして、社会党の小笠原君からこういう動議が出た。各委員会から又内閣委員会に連合を申込もうというようなことが動議といたしまして、それが多数で可決いたしたわけであります。従つて私のここで申上げたいのは、内閣委員会もすでに早くからやらなければならない、その前に大体各委員会から又連合を申込むということをやらなければならないのではないか。勿論各委員会の自主性によつて決定さるべきことではありまするけれども、運輸委員会といたしつましては、今申上げましたように、まだ質問通告者が何ら核心に触れた質問もし得ないで、又総理大臣の出席も要求しておるにもかかわらず、総理大臣も来ておらないということで、この重要法案をこのまま内閣委員会に一任するということもでき得ないと思いますので、でき得れば運輸委員会はいま一度この件をお諮りを委員長から願つて頂いて、そうして連合委員会をいま一度開くように運輸委員会としては申込むべきである。こういうことをお諮り下されんことを先ず冒頭に申上げて、一つ動議としてお諮り願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02919510602/2
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003・植竹春彦
○委員長(植竹春彦君) 只今議題に供せられましたモーターボート競走法案を片付けて頂いて、それからすぐに鈴木さんのことをお諮りいたしたいと思いますが、その点は……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02919510602/3
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004・内村清次
○内村清次君 先ほどこれはお互いがお約束したことでありますし、委員長もモーターボートの法案を議題にすると、こういうようなことを御発言にな会会議録つておりますので、鈴木君の提案も重大でありますが、必ずこの問題は私たちも実は言いたいのですが、今お願いをして議決をして頂きたいことですから、そのあとで取上げるということにして頂きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02919510602/4
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005・鈴木清一
○鈴木清一君 公報によりますれば今日十時から運輸委員会が開会され、十一時の採決ということでありました。併し御承知のように一時間の時間的ズレがある、それにもかかわらず十一時になつている。この一時間を委員長が見られたということはこの問題を重要と言えば何ですが、非常に今まで長年月相当問題を残して来ておる問題でありますので、お互いにまだ討論もあるだろう、又質疑もあるだろう、大体一時間を目標としてこの問題を解決しようというお心組みで、十時から開会で十一時に採決ということであつたろうと思う。で一時間という時間があるはずだ。併しながら今委員会が開かれて出された件は一時間たつて十一時になつても何も採決になつていない。それで連合のほうはすぐ始めなければ今日一日ではなかなか上らない思うのです。その前に連合委員会を開くか開かないかという意思を各委員会から通告しなければ向うの態度がはつきりできないと思う。そういう関係から言いますれば、先にこの問題を取上げて決定したあとで、このモーターボートのほうに入りましても、何もそう一日やる仕事ではありませんので、今日中にはできますから、そういう取扱でも差支第二十九号えないのではないか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02919510602/5
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006・植竹春彦
○委員長(植竹春彦君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02919510602/6
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007・植竹春彦
○委員君(植竹春彦君) 速記開始。別に質疑もございませんければ、本日の質疑は大体打切るように昨日話合いができておるわけでありますが、なおそれは内輪のお話でありましたので、ここに改めてお諮り申上げたいと存じます。質疑を打切りまして、討論に入りたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02919510602/7
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008・植竹春彦
○委員長(植竹春彦君) 御異議ないと認めてさよう決定いたしました。討論をなさいますときには、あらかじめ賛否を明らかにしてお述べを願いたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02919510602/8
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009・菊川孝夫
○菊川孝夫君 討論に入るについてお伺いしたいのですが、討論は今委員長の御宣告では、賛否を明らかにしてと、こういうお話でございましたが、これにはやはりいろいろ昨日から御質問を申上げておつて、まだ法案そのものにも不備な点があるように思う。こういう点から考えまして、継続審査というような意見が賛否の中に含まれるものであるかどうか、この点を一つお尋ねしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02919510602/9
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010・植竹春彦
○委員長(植竹春彦君) 差支えないと存じます。御意見の中に……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02919510602/10
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011・菊川孝夫
○菊川孝夫君 採決をされるときには、そういう意見が入つたものがあれば、それも考慮して御採決を願える、こういうわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02919510602/11
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012・植竹春彦
○委員長(植竹春彦君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02919510602/12
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013・植竹春彦
○委員長(植竹春彦君) 速記開始。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02919510602/13
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014・岡田信次
○岡田信次君 私は本案に賛成するものであります。本委員会及び地方行政との連合委員会の審議の経過を見ますると、本案に対する非難の要点は、勝舟券を発行することによつて弊害が生ずるということにあつたと考えられるのでありまするが、本法案及びこれが主務官庁たる運輸省の監督指導方針を仔細に検討いたして見ますると、従来の競輪法或いは小型自動車競走法等に対する政府の取締方針に比較いたしまして、格段の改善が加えられておるものと認められるのであります。この種の競技の通弊は、不正腐敗の防止並びに社会風教上に及ぼす悪影響について必要なる法的措置及び監督指導の方策に欠くるところがあつたが故であろう、かように考えるのであります。本法案におきましては、選手或いは審判官の制度、場内秩序の維持に関する指導等、著しく改善されておるばかりでなく、監督指導の省令案につきましても嚴しきに過ぐるくらいの用意がなされているのでありまして、全体を通じまして弊害は極めて少いものとも言えるのであります。一面海上唯一の競技でありますし、又機械そのものが交通動力の先駆をなすガス・タービンの発達に極めて大なる貢献が期待されるものと考えまするので……、なおそのほかこの際希望いたして置きたいことは、提案者からも説明がございましたが、地方公共団体或いは国の收入を社会事業に投資いたしまして、又モーターの性能の向上、品質の改善の助成に使用するというように極力公益性を持たしめるように運用せられんことを希望いたしまして、賛成いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02919510602/14
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015・菊川孝夫
○菊川孝夫君 私は本法案に対しまして反対するものでございます。と申しますのは、これはその競技自体が多少他の競馬、競輪等と比べまして弊害があるないというような問題を除外視いたしまして、只今国内におきまして射倖行為を伴いますところの地方競馬並びに競輪につきましては、国民の心ある者の非常な批判の対象となつておることを我々は忘れてはならないと思うのであります。従いまして、この種競技を今後どしどし殖やす方向をとるべきであるか、現在のものを成るべく可及的速かに少くして行くべきか。少くして行くようにすべきであろう。そして現在行なつておる競技もその内容を粛正して、真に国民生活に潤いを持たせるという程度に私はすべきでなかろうかと思うのであります。これが重要な問題だと思うのでありまして、特に競輪法が制定されましたときには、日本のインフレーシヨンを処理しなければいけないというのが最も重要なる課題でございまして、大衆の持つておる金を、射倖心を利用して、射倖心を煽つて、国民の持つておる金を一つ吸収しようというのも大きな一つの狙いであつて、その集めた金で以つて公共事業を大いにやろうという一石二鳥の狙いであつたと思うのでありますが、今や大衆の持つておりまする札束というものは逐次減少しまして、むしろもう生活にも追われるというような状態でありますが、人間の弱点といたしまして、射倖心を追うという心理状態というものは、これはどうしても拭い去ることはできないのであります。この際に、こういつた競技を国がどしどしと認めて行くということになりますると、すでに農林委員会におきましてはドツグ・レース、これの法案が上程されております。なお又ボート・レースの法案並びにドッグ・レースが仮に国会を通過するといたしましたならば、引続きまして鬪牛法案、牛を喧嘩させて国民に射倖心を煽ろうという計画もなされているということを聞いております。又鬪法案と申しまして、鷄に喧嘩をさせてこれに賭けをさそうという法案も出すということを一部の有志の間においては用意されているということを聞いております。なお又小型の自動車の競走をやらせて、これにも車券を賭けて射倖心を利用しよう。いずれもその唱えるところの主張というものは、決して射倖心を煽ろうというようなことは毛頭ございません、公共の福祉に寄與するのだ、美辞麗句を並べておりまして、私は本法案を攻撃するものではございませんが、出発点におきましてはいい出発をいたしましたものも、実際さあ運営に当りますると、その競走会、連合会等は、何と言つても売上の増大ということに第一の目標を置きまして、極めて大々的な宣伝を行いまして、国民をこれに吸収しようとする。観客を吸収しようとします。吸収した暁におきましては、これは病みつきと申しまして、一旦これに深入りをいたしますると、なかなか拭い去れない。勝りたならば、いわゆる儲かつたならば又行きたい、負けたならば仇討をしたい、こういう心理状態になりまして、病みつきになつて、このために、競輪のために幾多健全なる家庭が破壊せられたという実例も巷に溢れておるわけであります。なお試みに競輪場等を一応視察いたしましたときに、そこに集まつておる人たちが、日曜でもない、休日でもないというのに、工場を休み会社を休んで、これに熱狂しておるところの、特に青年層の多いことに対しましては、寒心に堪えないのであります。而も国会議員がこういつたものをどしどしとこしらえようというようなことを、議員立法で以てやつて行こうということになりましたならば、これに対しましての国民の批判というものは、議員立法というのはどうせこういつた法案ばかりをこしらえるのだというような私は批判の目が向いて来ることを、決して恐れるものではありませんけれども、この点だけは我我は十分に反省をしなければならんと思うのであります。
以上の諸点から考えまして、冒頭に申上げましたように、この種の競技は一ついろいろの情勢を睨み合せて慎重に検討されなければならん、かように考える次第なのであります。なお又法そのものにつきましてもいろいろ弊害の起る点は除去したと言われておりまするけれども、先ず第一に私はここではつきりと申上げておいて、将来若しもこの種の会におきまして不正が起りました場合、本案が仮に通過いたしました曉におきまして、不正、不祥事件等が起りました場合には、断乎としてこの点を追及しなければならない、かように考えまするが故に、特に起るような不正、或いは起りそうな点を指摘いたしまして、この際はつきり速記録に残して置きたいと思うのであります。その第一点は第四条の競走会でございますが、この競走会につきましては、昨年の質疑応答の際にも私はこの種の競走会はすべて飽くまでも、公益法人たるその真の使命を果すようにするために、発起人たるものは県内において広く同好の士或いは有志を募る意味において、公募をすべきであるという主張をいたしましたが、これに対してもあいまいでありまして、どうも公募ではなしに一部の有志の間において作られて、それが幾つか競合をいたしまするような場合には、中にはその認可をめぐりまして問題を発生する一つの問題点をそこに孕んでおります。なお又この競走会の監督権についてでありまするが、別に民法によつて公益法人として主務大臣の監督を受けるだけでありまして、何ら特別の監督権を行使することができないことになつております。併しながらこの種の競走会並びに連合会はどうしても普通の公益法人よりもいろいろ問題を起す危險が多いのでありますからして、主務大臣の強硬なやはり或る程度の監督権、指令権というものを法律において明確にして置かなければならないと思うのであります。それがなされておらないことは、将来問題が起つた場合に、どうしてこれを監督するかという点についても疑点があると思うのであります。なお又この施行の細目につきまして重要な問題の起りそうな点につきまして御説明を求めましたところ、いずれも第二十六条の必要な事項は運輸省令で定めるのである。すべて省令で定めるのだと言つて、提案者のほうでは説明しておられまするけれども、問題の起るような虞れのある法律を制定するに当りましては、成るべく問題の起らないように国民の権利義務等を制約するような法律は、すべてこれは省令に任すべきでなくて、法律によつて規定しなければならんと思うのでありますが、そのことがなされておらないのはこの法案の一つの不備だと思うのであります。以上の点から考えまして、一つは国民の風教上の問題、引続いて起るであろうところの国会に対する国民の批判の点、第三点は弊害を十分に従来よりも改めて、ないようにするということを言つておられまするけれども、これを法律によつて制約するような規定が設けておらない点から考えまして、隆盛に向えば向うだけ、私は再び競輪の轍を踏む危険が極めて多いことを断言せざるを得ないのであります。今から予言せざるを得ないと思うのであります。私のこの予言、断言が幸いにして杞憂に終りましたならば幸甚でございまするけれども、恐らく最初出発した当時は発起人その他の本当に良心的な活動によりまして、その被害は少いのでありまするけれども、月日を経るに従つてその基礎が固まつて、即ち資金、基金等が蓄積されるに従いましてこれをめぐつての醜い争いが繰返されることは、従来この種公益法人の辿つて来た宿命的なコースであることを私たちは忘れてはいけないと思うのであります。以上のような点からいたしまして十分再検討しなければならん。従つて急いでこの国会においてこれを決定すべきではなくて、国家全般といたしましてこの種競技を今後どうするかという大乘的な見地からいたしまして、参議院としてはこの種の法案に対処しなければならんと思うのであります。そういう点からいたしまして遺憾ながらこの法案に対しましては私は反対するものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02919510602/15
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016・鈴木清一
○鈴木清一君 私も冒頭にこの法案に対しまして労農党を代表いたしまして反対を申上げます。
いろいろ反対の理由につきましては菊川君のほうからも我々と同じ考え方の上に立つて意見を多分に述べられておりましたので、別な観点から二、三反対の理由を申上げて置きたいと思います。先ず政府の当路者なり又国会議員諸氏が、何か機会あるごとに口にいたしまする、社会の人たちに対しまして口にいたしまする言葉といたしましては、よく道義廃頽ということを盛んに叫ばれるのです。例えば過日運輸大臣にいたしましても、今回の法案が成立してみずから監督の任に立たれるという大臣すら道義廃頽という言葉につきましては、とかく強く叫ばれておつたようであります。又我々委員の中でもそうしたことをときどき口にされる人があるようでありますが、併しながらこの道義廃頽を言うだけでなくして、根本的にどこからこういう欠陥が出て来るかということについていろいろ話になつたこともないし、これに対しまする対策というものの決意を示されたこともない。そのでき得ない根拠というものは少くともこういう法案が議員立法として出して来られるということ自体において、すでにそうしたことを、原因を本当に追及するだけの確信のない人たちが余りにも多いことです。而もそれが政府委員や国会議員の中に多分におられるという点について、私は遺憾に堪えないのです。例えば先ほど菊川君が申上げましたように競馬、競輪の射倖行為に対して非常に道義的な犯罪が起きておる、それにもかかわらずいつも現象問題を取上げてこの根本問題について責任を持つたことを言われた人たちがないのであります。そういう意味から行きますれば、先ず第一番に道義廃頽の原因を、より以上国会議員が議員提出として立法しなければならんかということを考えますときに、むしろ私は国会の権威を失墜するということを考えなければならんと思うのであります。先ずこれを立法するための理由付けといたしまして地方財源云々と盛んに叫ばれるようでありますが、本当の海事普及の真の目的を以てこれを立法なされるならば、むしろその前になぜ発案者が海事普及のためにこうした人たちの意見から来るのだと言われておつた、そうしたその言葉を本当に、真にお考えになるならばむしろ発案者の人々、又議員の我々といたしましては、海事普及のために予算委員会を通じて国会に請求する、要求するということを先ず第一の我々の任務としてしなければならん。然るにもかかわらずこうしたことは一言も皆さんの言葉から出ておらなかつた。それにもかかわらずその人たちの意見によるところの予算によつて海事普及をしようというお考えから出されたということであるならば、私はこれは非常に問題だと思う。又地方財政の点につきましても残念でございますが、昨日もお尋ねいたしましたように地方公共団体がこうしたことをやりたいが、どうかというようなことは一言も言つて来ていない。
それにもかかわらず何も法を作つて、言つて来ないのにやるというような、こういう欺瞞的な法案を作つて、こういう法案をどこまでも成立させようとする態度こそおかしいと思う。地方財政がそれほど言われておるならば、すでに競輪、競馬というものをやつておるが、なおこれについてはこれでは足らないならモーターボートを作り、ドツグ・レースを作り、そうして地方財政を潤おしてくれということを地方から上つて来なければならない。それにもかかわらずこのことは上つて来ておらないのに、なぜこれを取上げて議員立法としてやらなければならないかということをお考えになつて当然だと思う。それから私は法の不備の点につきましては先ず法案第四条について菊川君が申されましたので、その具体的レース内容について私は一言遺憾の点を申上げたいと思うのは、競輪、競馬と違つて、これは非常に政令においても気を付けるし、又監督も十分するというようなことを言われておるようでありますけれども、競輪や競馬は御承知のように、競馬の場合は人為的にはなかなかこれは不在行為を行えるものではない、レースの上で。というのは観衆が見てもわかるレースであるからであります。競輪の場合においてはそれは尚更然りであります。それから例えば競輪の選手が途中で不正なレースをやろうといたしましても、それは観衆にすぐ見えるところであり、と同時にその人の一挙手一投足というものは、そこに金を賭けた人たちの心理から行きまして、これは十分に監視しておるはずでありまして、なかなかできるものではない。それにもかかわらずすでにオート・レースのごとき、その弊を示しておりますように機械の問題は決して他人にはわからない。レースをスタートしまして万全なスタートをしておるにもかかわらず、途中において機械が故障すれば、それは絶対的な勝車であると認定されておるものでも、途中においてレースを放棄せざるを得ないような状態が起きて来る。その原因が機械にある限りは、機械のどこが悪かつたよかつたということは絶対にできない。そして又御承知のようにあのモーターである限りにおいては、少くとも機械のどこかをちよつといじるなり、足で一つ蹴つても、例えばキヤブレター一つ足で蹴つても、又マグネットを蹴つても、いつでも機械の故障はできるはずである。そうした点から考えますと、モーターボート・レースにおいて然り。過日私どもも見せて頂いて……、モーター・レースのあの状況におきましてもちよつとした所を我我がわからない、素人には全然わからない所において、このレースは幾らでも不正にしようとすれば不正にするすることが明らかにできる。それは機械がいわゆる駄目になつたのだからレースを投げたと言つたら、これに対する抗議というものは他人にはでき得ないはずである。この機械の整備をする人間に対してどれだけの責任を負わすのであるかと申しますれば、御承知のようにこの法案の中に、何らこの機械を整備する人間に対するいわゆる罰則においてこれを取上げているということがない。普通あるとすればもつと輝くしてあるべきであるにかかわらず何らこれをしていない。レースの内容において。従つて私の申上げたいのは、レースそのものを、競輪、競馬に比べまして、より以上人為的に悪質な不正が、ちよつとはたから見てどうすることもでき得ない点において悪質なレースができるということを私は指摘したいのであります。そういつたことを質問の内容の中において十分お尋ねするつもりでありましたが、時間がないためにできませんでした。残念ながらそうしたことに私はむしろ今までの射倖行為を伴うところの各競技よりも、より一層私は悪質な行為ができるのじやないかということも懸念されます。いろいろ反対の理由も他にございまするが、私は内容的には今申上げましたところを最大の原因とし、大きな意味におきましては御承知のように射倖行為を、国会議員がむしろこれを立法して出すようであつたならば、先ず法律の形態というものをもつと民主的な、そうして進歩的な法律形態をとつたところの法律を立法して頂きたい。それと同時に、こうした射倖行為に対しまする問題、この道義廃頽を口に……本法案を提出し、この法案に賛成されたかたは、今後道義廃頽ということの原因を若しあなたがたが、言われたとすれば、先ずその原因から先に言つて、道義廃頽という言葉に対して私は責任を持つてもらいたいということを、あえて申上げて私の反対の理由といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02919510602/16
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017・松浦定義
○松浦定義君 私は本競走法案に対しまして第一クラブを代表して反対をするものであります。
先ずその理由といたしまする点につきまして以下申上げまするが、この法律の趣旨といたしまして挙げられておりまするところの、前段に掲げられておりますモーターボートの性能の向上、或いは品質の改善、更にモーターボートに関する事業の振興、併せて海事思想の普及宣伝、観光事業に資する点等につきましては私は一応了解はできるのでありまするが、後段におきまするところの「地方財政の改善を図るために」行うと断定いたしたる点につきましては、過日の連合委員会におきまして地方財政委員会の説明では、地方財政に特別に寄與されるものということは考えられないとのことと、更に本法案に不賛成の意思表示をされておる点だと断定せざるを得ないのであります。更に現在社会的に非難の対象となつておりまする競馬、競輪、特に競輪の場合におきましては、非難の点は最大限に除去してあるとのことでありまするが、これらの原因となる勝舟券の発売を行うこと自体が残存する限り、その点の発生は阻止でき得ないと考えるのであります。真に目的といたしまするところを遺憾なく発揮いたしまするといたしまするならば、世上悪評のありまする射倖行為を削除した立派な法律とさるべきであると存ずるのであります。更に本法案の通過を契機といたしまして次々と上程されんといたしております射倖行為の伴うこの種法案は、その数が少なくないと考えられますし、特に諸外国におきましてすらこの種の行為は行われていないと申されている事実からいたしまして、この点について社会的問題として大きくあとへ残ると思うのであります。かような本法案に対しましては反対するものであります。特に我が国の現状よりいたしまして、この種競技の発達を図るのは、我が国の大衆生活の安定と必ずしも一致するものではないということは、先ほど菊川委員も御指摘されておるところでありまして、必ずしもこれらの法案は近く迎えんといたしておりまする講和後において、国民の輿論の上に立つて決定さるべきものと信ずるものであります。現状におきまして我が国においては適当なる法案を認められないのでありまして、私はこの点につきましては反対をいたしたいのであります。
最後に一言申上げまするならば、こうした法案が、例えば党が一致して賛否を明らかにするというようなことにつきましも、私はいろいろ疑義があるのであります。御承知の通りに私の第一クラブにおきましては、あらゆる階層の諸氏がおられまするし、特に全国議員といたしまして、全国の大衆の代表としてそれらの意見を持つておられる人が多いのであります。それらのかたがたが口を揃えて反対せられおるところから見まして、必ずしもこれを今直ちに実施しなければならない。そのような切迫した法案であるというふうにも考えていないのであります。この点を一応よく、賛成の諸君のおかたの御考慮を煩しまして、先ほど菊川委員もお話になりましたように、大衆の輿論の上に立つて、この種の法案を今後立派なものとして作るべく最大の御努力をされることを特に私は附言いたしまして、以上申上げました諸点から反対をするものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02919510602/17
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018・植竹春彦
○委員長(植竹春彦君) 他に御討論のかたはありませんか、じやここで暫時休憩いたしたいと思います。
午前十一時二十九分休憩
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午前十一時三十四分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02919510602/18
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019・植竹春彦
○委員長(植竹春彦君) それでは議事を再開いたします。
別に討論の御発言もなけば、これより本案の採決に入りたいと思いますが、御異議ございませんか。
「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02919510602/19
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020・植竹春彦
○委員長(植竹春彦君) それでは採決に入ります。本案を原案通り可決することに賛成のかたの挙手をお願いいたします。
〔挙手者多数〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02919510602/20
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021・植竹春彦
○委員長(植竹春彦君) 多数と認めます。よつて本案は多数を以て可決いたされました。
爾後の手続は委員長に御一任を願います。多数意見者の御署名をお願いいたします。
多数意見者署名
岡田 信次 高田 寛
仁田 竹一 山縣 勝見
前田 穰 村上 義一
前之園喜一郎
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02919510602/21
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022・植竹春彦
○委員長(植竹春彦君) 次に先ほど鈴木委員から御発言の、内閣委員会との連合委員会を要求するの件、これを御相談いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02919510602/22
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023・内村清次
○内村清次君 昨日の連合委員会の際に委員長も御出席なさつておつたはずであります。又他の委員のかたもおられたように見受けるわけでありますが、先ず連合委員会の状態はあのようでありまして、御承知のごとく、質問のかたがたもたくさん残つております。それはそれといたしまして、当委員会に、おきましては、運輸大臣と約束もいたしておりまするし、当発今回の北海道開発法の一部改正案の中には、この機構の問題につきましても運輸省所管の問題がある。或いは又十三条の項目におきましても、直轄工事その他の問題につきまして海運及び陸運の問題が重大な内容を含めて法律として制定されてあるわけでありまするが、この問題につきましては、運輸委員会におきましてはすでに決定した問題でありまして、連合審査を申込むということは決定された問題であります。そういう未解決なことにつきましては、是非一つこの国会におきまして各大臣の所信を聞いて置かなくてはならない立場にあるのでありまするからして、是非とも再度連合委員会を設けてもらうように強力に一つ委員長から折衝して頂くことが第一点。若しそれができなかつた場合におきましては、この参議院規則によりまして、代表者、即ち委員会の発言を必ず実行して頂くということをここで決定して頂きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02919510602/23
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024・植竹春彦
○委員長(植竹春彦君) この件につきまして、どうぞ他に御意見がありましたらお述べ願いたいと思います。如何いたしましようか。この連合委員会参加の件でありますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02919510602/24
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025・菊川孝夫
○菊川孝夫君 これは強制すべきことではなくして、内閣委員会で御決定願うのでありますが、実は連合委員会に参加すべく当委員会からも内村君が代表的に御質問申上げるというわけで、昨日も出たのでありますが、遂にその発言の時間がございませんでした。従いまして運輸委員会としては連合審査に参加いたしましたが、何ら発言の機会がございませんでしたので、是非もう一遍連合委員会を開催せられるように要求したしたいと思うのであります。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02919510602/25
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026・植竹春彦
○委員長(植竹春彦君) 他に御意見ありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02919510602/26
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027・村上義一
○村上義一君 ちよつとお伺いいたしたいのですが、昨日夜半まで連合委員会が継続されたのであつて、而もこの委員会を代表して出席された委員は遂に発言の機会がなかつたというお話であります。恐らく他の委員会から出席している人が多くの時間を要したためだと思うのであります。併し一面聞くところによりますと、昨日夜半で連合委員会は打切るということになつておつたやに伺うのですが、併し詳細の打合せの事項は承知しないので、どういう内容でお取りきめになつておつたのか、一応御説明願いたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02919510602/27
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028・植竹春彦
○委員長(植竹春彦君) 昨日の連合委員会におきましては、河井委員長において、連合委員会は昨日を以て打切りとするという内閣委員会の決定であるから、本日は時間切れにてこれを以て終了するという、言葉は多少違うかも知れませんが、大体においてそういう意味の言葉を以て、本日の午前零時に連合委員会が終了いたしましたので、若しも連合委員会を開催するとならば、本日改めて申込まなければならない事情になつております。なお河井委員長はその際に、もう会期もあと一日に切迫した際であるから、内閣委員会自身独自の審査時間も是非必要と考えるから、本日つまり六月二日は内閣委員会のほうに全部審議の時間を與えられむことを希望する、希望でありましたか主張でありましたか、そこははつきりいたしませんが、強く望む旨の発言が併せてあつたのであります。それだけを参加の運輸委員長といたしまして御報告申上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02919510602/28
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029・菊川孝夫
○菊川孝夫君 只今の委員長のお話にちよつと補足して御説明申上げまして、皆さんの御了解を得たいと思うのでありますが、それは河井委員長の御発言は、成るほど委員長が今言われましたように、成るべく今日一日は内閣委員会の審査にとりたい、こういう話でありましたが、併しこれも内閣委員会を開いて見て、その結果でなければ連合委員会をもう少しやるかやらんかということの決定はできない、今の決定はそうであるということから考えまして、本日お願いいたしました場合には、特に当委員会から出ました者が発言の機会を與えられておらないという事実からいたしましても、多少その中に……今日はまあ遅くまで会議を開かれると思いますので、その間に少し時間をもらいまして、その間に一つ発言さしてもらうという機会を與えて……合同審査に與えて頂くと、こういう行き方も無理な要求では私はないと思うのであります。その意味からいたしまして、第一段といたしましては連合審査会を一つお願いをする、それから若しそれが時間的に非常に内閣委員会として困難であるならば、代表者もきまつておりまするし、すでに質問の準備もいたしておりまするので、委員外発言という形で以て、運輸委員会を代表して委員外発言、これは第二段として、若しいかなければそういう処置をお願いする。こういうふうに一つ言つて頂くのが最も穏当ではなかろうか、かように考えるのでありますが、如何ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02919510602/29
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030・植竹春彦
○委員長(植竹春彦君) 只今の菊川委員の御発言は、前半は補足的御報告であり、後半は御希望でありましたが、前半の補足的御報告は正にその通りでありました。それを認めます。後半の御希望に対しましては、鈴木委員の御希望と同じ御希望と承わりますが、これを如何いたしましようか。ちよつと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02919510602/30
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031・植竹春彦
○委員長(植竹春彦君) 速記開始。只今の連合委員会申込みの件は、委員長におきまして申込の交渉に内閣委員会へ行つて参りたいと存じます。なお連合委員会開催の承諾が得られなかつた場合には、内閣委員以外の発言、委員外発言として内村委員が内閣委員会に出席して発言したき旨、強く懇請して参りたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02919510602/31
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032・植竹春彦
○委員長(植竹春彦君) 御異議ないと認めまして、さよう取計らいます。
ちよつと速記をとめて。
〔速記中止〕
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02919510602/32
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033・植竹春彦
○委員長(植竹春彦君) 速記開始。次に金子委員が辞任いたされまして、小泉秀吉議員が運輸委員になられましたことを御報告申上げます。
更に理事一名欠員のところ、これを互選いたしたいと存じます。互選は如何なる方法を用いましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02919510602/33
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034・内村清次
○内村清次君 委員長一任。
〔「賛成」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02919510602/34
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035・植竹春彦
○委員長(植竹春彦君) それでは御一任下すつたものと認めまして、委員長は小泉秀吉君を理事に指名いたします。
それでは本日はこれにて散会いたします。
午前十一時五十八分散会
出席者は左の通り。
委員長 植竹 春彦君
理事
岡田 信次君
小泉 秀吉君
高田 寛君
委員
仁田 竹一君
山縣 勝見君
内村 清次君
菊川 孝夫君
小酒井義男君
前田 穰君
村上 義一君
前之園喜一郎君
松浦 定義君
鈴木 清一君
政府委員
運輸省船舶局長 甘利 昂一君
事務局側
常任委員会專門
員 岡本 忠雄君
常任委員会專門
員 古谷 善亮君発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101013830X02919510602/35
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