1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十六年三月二十九日(木曜日)
午前十一時七分開会
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委員の異動
三月二十八日委員川村松助君辞任につ
き、その補欠として大谷瑩潤君を議長
において指名した。
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本日の会議に付した事件
○国家公務員災害補償法案(内閣提
出)
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001・木下源吾
○委員長(木下源吾君) それでは委員会を開きます。
本日は国家公務員災害補償法案、国家公務員等に対する退職手当の臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案、国家公務員の給與問題に関する調査でありますが、先ず国家公務員災害補償法案について質疑をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014548X01219510329/1
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002・森崎隆
○森崎隆君 随分方々でお聞きしたいところがありまするが、余り時間がないようでありますから一部だけお聞きしておきたいと思います。
第一條の一般職と特別職の関係の問題はこの前にも他の各委員からお話がありましたので重ねて質問することは省略いたします。是非とも一つ早急に、これは一本化でなくても並行して双方に一つのバランスのある法律に早く揃えて出して頂くようにこれは努力して頂きたいと思います。第二條の五でございまするが、「第二十一條の補装具の支給並びに第三十二條の福祉施設の設置及び運営について調査し、報告を求め、及び総合調整を行うこと。」この補装具の支給並びに福祉施設の設置及び運営について調査云々というのがありますが、この支給運営は一体具体的に誰がするのか。若しこれが一つの機関がはつきりと作られまして、そこから適当に認定してこれを支給し、又運営して行くようになるといたしますれば話がわかりますが、この点は一体どんなようなおつもりでありましようか。先ずその点をお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014548X01219510329/2
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003・慶徳庄意
○政府委員(慶徳庄意君) 補装具の支給と福祉施設の設置及び運営につきましては、実施機関において原則としてやつて頂くという考えをとつております。ただその場合に補装具の支給と一口に言いましてもいろいろの場合が予想されまするので、例えば傷害を受けまして不幸にして両足が切断されたというような方に対しましては義足を與える、或いは又義眼を必要とする場合等いろいろあるのでありますが、余り各庁において不均衡の問題が起りまするというとこれは又別の意味において芳しくない点が起つて参りますので、人事院規則におきまして基本的な事項については統一の保持を図つて行きたいというふうに考えております。それから福祉施設の問題につきましても大体例えば温泉保養をするとかというような点につきましても、その基本的事項につきましては人事院規則におきまして統一保持の見地において作つて行きたい。それの実施面につきましては、総合調整の運営といたしまして、より公正な、合理的な運営を図るように努力いたしたいというふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014548X01219510329/3
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004・千葉信
○千葉信君 質問の中間で大変恐縮ですが、その前に人事院当局にお考えを承わつておく必要があると思いますので若干時間をお借りいたします。
数次に亘る人事委員会の打合会の席上でも、大体この法案に対する審議上の希望條件としては、この法案が適正なものであるかどうかということを検討する以前に、いろいろと各階層から意見も出されておりまするし、又全体の意向としては相当この法案については、例えば恩給法との関係であるとか、或いは又災害補償の補償額の問題が、結局は公務員の現在の非常に落ち込んでいる給與の問題というものも随分関連を持つて考える必要があるという点などから、いろいろこの法案の審議については相当準備して、時間の点からいつても相当な余裕を得て立派な法案を作る必要がある。特に衆議院の意向を聞いてみますると、若し参議院でこのままの法案が回付されておることがあれば、自分の方としては或る程度これに対する修正を考えなければならない。できれば参議院の方でこの法案に対する修正をやるならば十分やつて、それから廻してもらうということを希望するという空気もかなり濃厚なようです。ところがこの法案の審議に対しては、特に與党のほうから早急にこの法案を審議終了する必要があるということについて、何回も意見の開陳はございましたし、私どももその希望は諒といたしまするけれども、この法案を提出した、勿論それは勧告をしたのでございまするけれども、その勧告に当られた人事院当局の考えというものは、そつくりそのままこの法律の原案となつているという状態からいいますと、少くともこの法案に対してもつと人事院当局としては熱意を持つ必要があるのではないか。参議院の人事委員会に関する限り、昨年の給與法の審議に際しましても特に森崎委員から発言を求められて、人事院総裁に対して非常に法案の審議に対して不熱心である、一度も出席しなかつたじやないかということについて鋭い追及があつたようです。ところがその後この法案の提出後におきましても、三人も人事官がおられながら木委員がわざわざ出席を要請された場合以外は殆んど顏を見せておられない。そしてひとり慶徳次長だけが常に矢面に立つて熱心に出ておられるけれども、併しこれは人事院全体の立場からいうと人事官としては相当この問題に対して熱意ある態度をとつてもらわなければならないのじやないか。特に先ほど申上げたように、この法案に関連する問題としては公務員の現在の給與の問題もありますし、その他いろいろと関連する事項がありまして、私どもとしてはやはり人事官の出席を見てその上で法案を審議するということが一番妥当な状態じやないかと思うのですが、そういう点について一体人事院としては何故次長だけが殆んど出席されて人事官は出席されないのか。それほど人事院はお忙しいのかどうか。その点についてのあらかじめの御答弁を先ず承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014548X01219510329/4
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005・慶徳庄意
○政府委員(慶徳庄意君) 大変お叱りのお言葉を頂いて恐縮でございますが、意識的に殊更に人事官が出席を怠つておるというようなつもりは実は毫末もございませんで、御承知のごとく災害補償の関係とか思給法との関係、或いは共済組合との関係、社会保険との関係、更に又社会保障制度との関係、広くいえば国家公務員の生活保障制度全般に極めて重大な関係を持つ法案でございまして、率直に申上げますと、この種の制度及び内容というようなものは相当特殊的な部門に入つておるわけでございます。従いましてこの特殊的な部門について、甚だ申訳ないのでありますが、専門的知識を必要といたしますので、むしろその道について相当経験を持つておりまする、僭越でありますが、私をして率直な答弁をさせたほうがよりよろしいのではなかろうかというような人事官の親心から、実は出席しておらないような状態でございまして、勿論事務的な問題につきましては率直にお答え申上げたいと思いますが、只今御質問のような基本的な問題につきましては、いつでも人事官が出席をいたしまして御答弁申上げるように勿論いたしたいと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014548X01219510329/5
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006・千葉信
○千葉信君 只今慶徳次長から御答弁がありましたように、非常にこの法案は専門的な知識を要する法案であるということは、これは又私は了解いたしますし、更に又この専門上のことに関しては慶徳次長を措いては他に右に出る者がないということは私も十分最初から了解しておりますけれども、何としましてもそういう専門的なこの法律案独自の問題についての御質問を申上げることに関連してどうしても一般的な問題というのが必然的に関連を持つて来る。これはまあ今慶徳次長から一般的な問題については直ちに人事官が出席して算する用意をおさおさ怠つておらないという御答弁でございましたが、私ども逐條質問等に入る前に、やはりこの法律案に対しては相当一般的な問題について究明し或いは質問した上で了解したのちでなければ、この法案の審議に入れないというような部分がかなりあるのじやないか。私はその点を十分痛感しておるわけです。従つてできれば只今慶徳次長からお話がありましたように、一般的な問題について先ずあらかじめ質問するのでなければどうも私としては質問に入りにくい事項がたくさんございますので、できるだけ早急にそのお手配を先ず人事院当局からお願いしたいと思いますが、すぐその手続がおできになられますかどうか、その点をお答え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014548X01219510329/6
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007・慶徳庄意
○政府委員(慶徳庄意君) 甚だ僭越でありますが私も政府委員として出席いたしております。勿論人事官と比較いたしますれば一給與局次長でありますので、俗にいう貫録につきましては極めて貧弱でございまするが、政府委員でありまする以上はやはり政府側を代表いたしまして答弁すべき責任があると考えます。願くば政府委員たる私に対しまして御質問を願いまして私の答弁でわからない点、或いは又大所高所より見てどうしても人事官の答弁を必要とするような点がございましたならば、勿論人事官に御出席願いたいと存じまするが、相願わくばそういうようなふうに特に御考慮を願いますれば大変幸いと存ずる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014548X01219510329/7
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008・千葉信
○千葉信君 どうも慶徳次長は私の申上げておることをやや曲解しておられる形があるようでございますが、私の申上げておることは率直に言えば、例えば災害補償法等にいたしましても、基本的には平均給與という—ものが必然的に、現在の給與の状態から言うと非常に上廻つた形において結論が出ざるを得ない。従つてそういう点に関しては現在の公務員諸君の待遇とか或いは給與というものは、この問題に附随されて当然問題になつて来るのではないか。そういう問題になりますと政府委員として如何に立派に資格條件を具備しておられる慶徳次長といえども、やはり権限外に亘らざるを得ないような答弁も必要になつて来るのではないか。或いはそういう角度から人事院に対して注文をつけたわけでございます。慶徳次長の資格或いは力量、或いは答弁の内容等に不安を感じておるとか軽廟しておるというような点は毛頭ございませんから、その点については曲解なさらずに率直にそういう点について私の希望を人事官は容れて、この法案を審議する建前をとつて頂きたい、こういうふうに申上げておるわけでございます。その点如何ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014548X01219510329/8
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009・木下源吾
○委員長(木下源吾君) 人事官の出席を今してもらうように要求しますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014548X01219510329/9
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010・千葉信
○千葉信君 今私が質問するときにはそういうような條件が揃つておつたほうがいいと思いますから、そのように……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014548X01219510329/10
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011・木下源吾
○委員長(木下源吾君) それでは千葉君の御希望の何はそういう手配をいたします。採決のために休憩をいたします。
午後十一時二十四分休憩
〔休憩後開会に至らず〕
出席者は左の通り。
委員長 木下 源吾君
理事
加藤 武徳君
伊藤 保平君
千葉 信君
委員
大谷 瑩潤君
重盛 壽彦君
森崎 隆君
紅露 みつ君
政府委員
人事院事務総局
給與局次長 慶徳 庄意君
事務局側
常任委員会專門
員 川島 孝彦君
常任委員会專門
員 熊埜御堂定君発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014548X01219510329/11
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