1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
昭和二十六年五月二十六日(土曜日)
午後二時十二分開会
—————————————
本日の会議に付した事件
○信用金庫法案(衆議院提出)
○信用金庫法施行法案(衆議院提出)
○小委員長の報告
○退職金に対する所得税免除の請願
(第一四五四号)(第一五八八号)
(第一六二九号)(第一六四九号)
○退職金に対する所得税免除の陳情
(第四一一号)
○美容業に対する所得税の適正化の請
願(第一五五三号)
○かばん類の物品税免税点引上げに関
する陳情(第四〇一号)
○織物消費税廃止に伴う業者手持品に
対する損失補償の請願(第一五九一
号)
○織物消費税廃止に伴う業者手持品に
対する損失補償の陳情(第四〇〇
号)
○林業税制改正に関する請願(第一九
四一号)
○水稻単作地帯に対する所得税課税の
適正化の請願(第一八三七号)
○富裕税に関する陳情(第三〇八号)
○塩化ヴイニール製造業に対する法人
税免除の陳情(第三一〇号)
○たばこ小売の利益率引上げに関する
請願(第一九七九号)
○東北地区に開発銀行支所設置の請願
(第一九二六号)
○歯科医師に対する課税適正化等の請
願(第一五三九号)
○九州地方の殖産会社加入者救済に関
する請願(第一五九〇号)
○地方銀行設立に関する陳情(第三六
七号)
○外地引揚者の内地むけ送金支払促進
に関する陳情(第三二三号)
○調査承認要求の件
○継続調査承認要求の件
○有価証券の処分の調整等に関する法
律の廃止に関する法律案(内閣送
付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X04219510526/0
-
001・大矢半次郎
○理事(大矢半次郎君) これより第四十一回の大蔵委員会を開会いたします。信用金庫法案及び信用金庫法施行法案を議題に供します。
……別に御発言もないようですから質疑は尽きたものと認め、直ちに討論に入ることに御異議ございませんですか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X04219510526/1
-
002・大矢半次郎
○理事(大矢半次郎君) 御異議ないものと認めます。
それではこれより討論に入ります。御意見のおありのかたはそれぞれ賛否を明らかにしてお述べを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X04219510526/2
-
003・油井賢太郎
○油井賢太郎君 私はこの信用金庫法案、信用金庫法施行法案と二つ出ておりますが、信用金庫法案のこの内容と施行法案とは関連いたしまして、多少の修正点を認めておるのであります。従いまして信用金庫法はこのままで結構でありますけれども、施行法案におきまして以下のような修正をいたして賛成いたしたいと思うのであります。
その要点といたしましては、第一に、今までの信用協同組合から信用金庫に移る点でありますけれども、信用協同組合の大部分の意見といたしましては、今回制定される新らしい信用金庫に移りたいという念願が相当強いのであります。併しながらこの原案にあります昭和二十七年九月三十日というような期限であつては、相当移るのに期間が短かくて困難を加える組合もあるので、これをもつと長くすべきではないかという点が修正の第一点でありまして、法律施行の日から起算いたしまして二年くらいの経過を認めるべきが至当ではないかという点が第一点であります。更に第二点といたしましては、経過期間の間に都会地におきまして七百万円というような制限が加えられておりますけれども、七百万円というのも、これもせめて五百万円程度に直しまして、更に又三百万円というふうな都会地以外の点の制限がありますけれども、これ又二百万円程度にするのが至当ではないかと思われるのであります。第三点といたしましては、員外預金の関係でありますけれども、原案によりますというと、員外預金は無制限に中小企業等協同組合法によるところの信用協同組合に対して許されておるというふうなことになるのでありますが、これは信用金庫並びに信用協同組合のおのずから性格の相違点もありますと申しますけれども、員外預金を無制限に認めるということは却つて協同組合の根本精神にも悖るものではないか。加入金というようなものも一口僅か五十円でありますから、協同組合の将来の発展、育成というようなことについて組合員の協同を求めるという点からいたしましても、できるだけ組合に加入してもらつて、それを盛り立てるというふうな方針のほうがよくはないかと思うのであります。従いまして協同組合にありましても員外預金でなく、大部分を組合員によるところの預金というものの吸収に努められるように努力し、従つて協同組合に加入方を大いに宣伝し、或いはその実現を期すということが適当ではないかと思われるのであります。さような見地よりいたしまして、何らかのここに制限の措置を講じたいと思いまして、第一点といたしまして国、地方公共団体その他営利を目的としない法人の預金は受入れてもよろしいけれども、こういうものには受入態勢をとるほうがよろしいから、これは例外規定といたして、第二点といたしましては、組合員と生計を一にするところの配偶者その他の親族の預金又は定期積金の受入れということは、これは従前の実績から見ましても員外預金として外すべき問題ではないと、かような見地で以て修正いたしたいと思うのであります。又第三点といたしましては、今の組合員の家族或いは配偶者等の預金又は定期積金というものを担保といたしまして、これに対する資金の貸付ということも認めるのがよくはないかと、かようなふうに考えるのであります。これらの点を修正いたしますれば、員外預金というものを外すということについてもいろいろの非難がありますけれども、殆んどこれに含まれまして、実績を申上げますというと、只今まで員外部分のパーセントは大体四六%が総額になつておつたわけであります。そのうち組合員の家族貯金というものが、その四六%のうち約五〇・六%というふうになつて、半数以上を占めておるのであります。更に残つた二二%余というもののうちにも将来公共団体であるとか或いは営利を目的としないところの法人の預金というものを受入れられるという先般申上げました趣旨によるところの規定を設けますならば、殆んど員外貯金を受入れないというふうなことについての非難の声はこれによつて緩和されるのではないかと思うのであります。かような見地よりいたしまして、以上三点の修正をいたしますれば、この信用金庫の将来におきまして、政府或いは国家と地方自治団体等の大きな協力によつてこれを伸ばして行くということが可能ではないかと思うのであります。従いまして衆議院の送付されましたところの原案に対して以上のような三点を主といたしまして、我が大蔵委員会におけるところの自由党、国民民主党、緑風会、第一クラブのかたがたと相諮りまして別紙皆さまがたのお手許に上げましたような信用金庫法施行法案に対する修正案を作つた次第であります。原案は速記録に残して頂きたいと思いまして、これは読会を省略いたしますけれども、この修正ということをお入れ下さいまして、満場一致御賛成を願いたいというふうに考えるのであります。
以上修正点を申上げまして賛成するものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X04219510526/3
-
004・木村禧八郎
○木村禧八郎君 只今油井委員が申された修正案に私は賛成いたりします。賛成いたしますが、希望條件が二つあるわけです。その一つはこの信用協同組合が信用金庫に移る場合、修正案によつて信用協同組合が従来よりは預金の受入が制限されるわけですが、この制限されることによつて生ずる弊害については油井委員も指摘されまして、そう実際上には大した弊害はない、こういうお話でございましたが、併しその中には員外預金を制限されることによつて信用金庫より弱体化するという印象を与えて、どうしてもこの信用金庫よりも弱体になつて行く、こういう危険があると思うのです。そういうことに対しましては、十分これを考慮に入れて、そういうことのないようにしなければならんと思います。例えば国、地方公共団体その他営利を目的としない事業の預金を受入れ、これも信用協同組合はやつてよろしい、こういうことになつておりますが、実際において政府が、或いは地方公共団体が資金を流すときに、信用金庫のほうに余計有利に流して信用協同組合のほうには余り流さない、或いは全然流さないというようなことが生じますと、そこに非常な差別的な條件が出て来まして、ますます信用協同組合は弱体化せざるを得ないことになりますので、こういう点については我々十分監視すると共に、政府をしてそういう差別待遇をさせないということが必要だろうと思うのです。それから第二には信用協同組合が信用金庫になりますと、どうしても金融機関的性格を従来よりは強く持つようになりまして、そうして信用協同組合の基本である協同組合主義というものが薄れて行く可能性があると思うのです。そういう場合にどういう弊害を生ずるかと言えば、予想せられる弊害は、零細企業に対する金融はいわゆるコンマーシヤル・べースによるところの金融を以てしては実情、困難なことは周知の通りでありますので、その結果として零細企業に対する金融がおろそかになるようなことがあつてはならない。信用金庫に移ることによつてコンマーシヤル・べースによる金融の性格が強くなり、どうしても中企業、零細企業よりももう少し規模の大きい、又信用程度の大きいほうの金融に重点が置かれる。その結果零細企業に対する金融がおろそかにせられることになつてはならないと思うのであります。中小企業と言われておりますけれども、一番金融に困つておるのはこの零細企業に対する金融でありますので、そういうことにならないように我我又監視し、そういう措置を講じなければならないと思うのですが、そういう希望條件を附しまして修正案に賛成するわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X04219510526/4
-
005・大矢半次郎
○理事(大矢半次郎君) ほかに御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんですか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X04219510526/5
-
006・大矢半次郎
○理事(大矢半次郎君) 御異議ないものと認めまして、それではこれより採決に入ります。
先ず信用金庫法案の採決をいたします。本法案を原案通り可決することに賛成のかたの挙手を願います。
〔総員挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X04219510526/6
-
007・大矢半次郎
○理事(大矢半次郎君) 全会一致と認めます。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。
次に信用金庫法施行法案の採決をいたします。先ず討論中にありました四会派の修正案を議題に供します。四会派提出の修正案に賛成のかたの挙手を願います。
〔総員挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X04219510526/7
-
008・大矢半次郎
○理事(大矢半次郎君) 全会一致と認めます。よつて本修正案は可決いたされました。
次に只今採決いたしました修正案にかかる部分を除いて、衆議院送付の原案全部を問題に供します。修正部分を除いた原案に賛成のかたの挙手を願います。
〔総員挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X04219510526/8
-
009・大矢半次郎
○理事(大矢半次郎君) 全会一致と認めます。よつて信用金庫法施行法案は全会一致を以て修正可決いたされました。
なお本会議における委員長の口頭報告の内容については本院規則第百四條により、あらかじめ御承認を願うことに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X04219510526/9
-
010・大矢半次郎
○理事(大矢半次郎君) 御異議ないと認めます。
それから委員長が議院に提出する報告書に附する多数意見者の御署名をお願いいたします。
多数意見者署名
松永 義雄 森 八三一
木村禧八郎 佐多 忠隆
油井賢太郎 木内 四郎
清澤 俊英 黒田 英雄
九鬼紋十郎 岡崎 真一
小林 政夫 杉山 昌作
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X04219510526/10
-
011・大矢半次郎
○理事(大矢半次郎君) 次に請願及び陳情に関する小委員長の報告を議題に供します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X04219510526/11
-
012・杉山昌作
○杉山昌作君 請願及び陳情に関する小委員会におきまする審議の経過及び結果を御報告申上げます。
去る二十四日第四回分小委員会を開きまして、紹介議員から趣旨の説明を聴取し、更に政府の見解を質す等慎重に審議をいたしたのでありますが、その結果は次の通りであります。請願第千四百五十四号、第千五百八十八号、第千六百二十九号、第千六百四十九号、陳情第四百十一号はいずれも退職金は退職者の将来の生活に対する唯一の保障であつて、臨時余剰のものとして費消すべき所得ではないから、これに対して所得税を免除せられたいとの趣旨であります。請願第千五百五十三号は、美容業者の所得の本質は勤労の対価として給与所得と同様のものであるから税法上勤労所得者と同一又はこれに準じた取扱を受けられるように法的措置を講じられたいとの趣旨であります。陳情第四百一号はかばん類の物品税の免税点を物価騰貴の現状から現行の三千円から倍額程度に引上げられたいとの趣旨であります。請願第千五百九十一号、陳情第四百号は織物消費税の廃止によつて織物の販売業者は致命的な損害を受けておるから、廃止税相当額の補償を速かに実現せられたいとの趣旨であります。請願第千九百四十一号は、林業に対する課税は極めて重税となつておるにかかわらず税法の運用にも不適正な点があるから、林業経営の特異性を考慮して速かな改正をせられたいとの趣旨であります。請願第千八百三十七号は栃木県塩谷郡北高根澤村は供出米の事前割当の増加に伴い不当に重税を課せられ、又畑地に対する所得税も他に比して重税であるから、今後は実情精査の上課税の適正化を図られたいとの趣旨であります。陳情第三百八号は、富裕税の課税に当つては、(一)営業権の評価、(二)取引相場のない株式の評価等を再検討の上公正なる運営を期せられたいとの趣旨であります。陳情第三百十号は、塩化ヴイニール製造工業の実態に鑑みて、その体制の確立するまでは、これが育成の見地から法人税法第六條によつて免税せられたいとの趣旨であります。請願第千九百七十九号は、たばこ小売業の手数料は一般商品の小売利益率に比して極めて低いから、これを一割程度に引上げられたいとの趣旨であります。請願第千九百二十六号は、東北地方の開発を促進するため、開発銀行の支店を東北地区に設置せられたいとの趣旨であります。
以上の各件はいずれも政府において十分研究の上その実現に努力すべきであると認めて採択いたしました。
請願第千五百三十九号は、現在歯科医師はその収入の九〇%が健康保険法、国民健康保険法、生活保護法に基く診療にかかるものであるが、その診療報酬の支払は四カ月も遅延する状況であつて、医療資材の高騰と相待つて困窮しているから、必要経費又は基礎控除について考慮されたきこと、社会保険診療報酬に対しては課税を撤廃されたきこと等の措置を図られたいとの趣旨であり、個々の要求の実現は不適当ではあるが、適正化を図ることは必要と認められますので採択いたしました。請願第千五百九十号は、貸金業等の取締に関する法律によつて、殖産会社は見做無尽として旧殖産会社を存続させる措置がとられたのであるが、九州財務局が行政措置を誤つたため、全九州殖産会社整理組合連合会参加の各殖産会社は、預金者に多大な迷惑と損失を与えているので、これらの救済のため特別な措置を講ぜられたいとの趣旨であり、政府はこれら殖産会社の整理促進のために新会社の育成強化等同情的措置をとるべきであると認めて採択いたしました。陳情第三百六十七号は、長野県飯田市及び下伊那郡の産業不振は、金融機関が独占企業であり、中小企業金融が梗塞されているためであるから、信和銀行の設立認可を実現せられたいとの趣旨であり、特定の銀行ではなくて地方銀行を設立するという趣旨は適切なものと認められますので採択いたしました。陳情第三百二十三号は、終戦後在外法人が現地銀行を経由して内地へ送つた金が受取れないために、送金者は生活に困窮しているから、在外公館等借入金返還の例に倣つて、外地引揚者の内地向け送金の支払を促進されたいとの趣旨であり、送金の時期、方法等が不明確でありますので、政府において実情を調査し、できるだけ趣旨に副う措置を講ずべきであると認めて採択いたしました。
右御報告いたします。
〔理事大矢半次郎君退席、理事情澤俊英君委員長席に着く〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X04219510526/12
-
013・清澤俊英
○理事(清澤俊英君) 只今御報告のありました請願及び陳情については、小委員長の御報告の通り決議することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X04219510526/13
-
014・清澤俊英
○理事(清澤俊英君) 御異議ないと認めまして採択いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X04219510526/14
-
015・清澤俊英
○理事(清澤俊英君) それから金融政策並びに制度に関する調査承認要求並びに継続調査承認要求について御承認を願いたいと思います。
金融政策並びに制度に関する調査承認要求書
一、事件の名称 金融政策並びに制度に関する調査。
一、調査の目的 講和を目睫に控えて、我が国金融政策並びに制度の基本的あり方につき検討を行う。
一、利益 我が国金融体制の自主的確立に資し得る。
一、方法 各方面の関係者、学識経験者より意見及び説明を聴取し、資料の収集に当るのほか、必要に応じて実施調査を行う。
一、期間 今期国会開会中。
右本委員会の決議を経て、参議院規則第三十四條第二項により要求する。
次には継続調査要求書
一、調査事件 金融政策並びに制度に関する調査。
一、理由 本調査はその対象が広汎に亘り、その内容の重要なるに鑑み、愼重なる調査を必要とするのみならず、その性質上相当長期を要するのであるが、本委員会は今期国会の会期末に当り、調査の承認を得た関係上、閉会中においても継続して調査を行いたい。
右本委員会の決議を経て、本院規則第五十三條により要求する。
只今の調査要求に対しまして、同時に継続調査に対して御異議ありませんですか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X04219510526/15
-
016・清澤俊英
○理事(清澤俊英君) 異議なければ決定します。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X04219510526/16
-
017・清澤俊英
○理事(清澤俊英君) それでは有価証券の処分の調整等に関する法律の廃止に関する法律案、これを政府委員から御説明を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X04219510526/17
-
018・小林英三
○説明員(小林英三君) それでは只今議題となりました有価証券の処分の調整等に関する法律の廃止に関する法律案につきまして提案の理由を御説明申上げます。
有価証券の処分の調整等に関する法律は、政府が財産税等により改納した有価証券、持株会社整理委員会が持株会社及び財閥家族から讓り受けた有価証券、閉鎖機関整理委員会が管理する閉鎖機関の所有する有価証券等についてその処分を円滑且つ公正ならしめるために、有価証券市場の状況に応じて、その処分の時期、価額、数量等に所要の調整を加えると共に、証券民主化の見地から広く国民の間にこれらの有価証券の分散を図ることを目的として制定されたものであります。これらの有価証券は、現在までに大部分の処分が完了し、殊に、持株会社整理委員会は、近くその保有有価証券全部の処分を終つて解散する予定となりましたので、この法律の目的は、ほぼ達成されたものと認め、ここに同法を廃止し、同法に基いて設置された証券処理調整協議会を解散しようとするものであります。
協議会の解散の日は、この法律公布の日から三カ月を超えない期間丙において政令で定める日といたしておりますが、目下のところ、大体本年六月三十日頃となる見込であります。又、解散及び清算に必要な手続規定は、別に政令で定めることといたしますが、協議会解散の日からその清算の完了に至るまでの期間においては、清算事務の処理に必要な経費を支弁するため、その昭和二十六年度予算を引き続き執行できることとすると共に、協議員からの必要経費の徴收、未済事務の処理については、同協議会は、解散前と変らないこととしております。
なお、有価証券の処分の調整等に関する法律が廃止された際に、政府又は閉鎖機関整理委員会には、処分未済の有価証券が若干残る見込でありますが、これにつきましては、同法廃止後も、同法の制定された趣旨に従つて今後ともその処分を促進して行く方針には変りないのであります。
何とぞ御審議の上速かに御賛成下さるようお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X04219510526/18
-
019・清澤俊英
○理事(清澤俊英君) 只今の御説明に対して御質疑がありましたらお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X04219510526/19
-
020・木村禧八郎
○木村禧八郎君 一つ資料をお願いしたい。これまで政府が財産税等により収納した有価証券、持株会社整理委員会が持株会社及び財閥家族から讓り受けた有価証券、それから閉鎖機関整理委員会が管理する閉鎖機関の所有する有価証券、こういうものの処分の経過、これは計数的におわかりだと思うのですが、それからこの証券民主化の見地から広く国民の間に有価証券の分散を図ることを目的とした、こういうふうになつておるのでありますが、それがどの程度にこういう有価証券は国民の間に広く分散されたかどうか、特に最近では一億円以上の会社ですか、指定会社となりましたですね、報告を出すという義務がある。あれに基いて何株以上の株主はどれだけ、その金額はどれだけ、こういうものを年次別に最初から成るべく最近まで、それに基いて変化を見たいのです。そういう数字も欲しいわけです。そういう資料を一つお願いしたいと思うのです。それを御提出願えますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X04219510526/20
-
021・小林英三
○説明員(小林英三君) 只今の御質問の概略については、手許に資料がございますので説明申上げたいと思います。が、なお更にこれに不十分な点については改めて資料として提出いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X04219510526/21
-
022・九鬼紋十郎
○九鬼紋十郎君 ついでに、今残つている有価証券は大部分は、これは処理したというふうに書いてありますが、相当残つておるような気がするのですが、残つている分についても資料を出して頂きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X04219510526/22
-
023・小林英三
○説明員(小林英三君) 承知いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X04219510526/23
-
024・佐多忠隆
○佐多忠隆君 一応資料をもらつてから、説明するということにしようではないですか。どうせ数字の説明になりますから、資料をもらつてやらなければ、言い放しでは頭に入らないのです。それから今御説明になつた解散及び清算に必要な手続規定、これは政令で定めるということになつておるのですが、できておるのですか。できていたらこれも一つ提出して頂きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X04219510526/24
-
025・小林英三
○説明員(小林英三君) 只今の御質問でございますが、まだ成案としての確定したものはできておりませんが、まあ大体腹案程度しかできておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X04219510526/25
-
026・木村禧八郎
○木村禧八郎君 関連して、この株式処分の内容についてはでき得る限り詳細な資料が欲しいのです。どういうふうに処分したか、でき得る限り詳細な資料を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X04219510526/26
-
027・小林英三
○説明員(小林英三君) 只今委員のほうからも要求になりました資料につきましては、市場で売つたようなもので、現在それが、相手先がどういうふうになつているかということについては、或いはわからない点があるかもわかりません。なお銘柄についても、時間の許す範囲において詳しく作成して提出いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X04219510526/27
-
028・清澤俊英
○理事(清澤俊英君) ほかにありませんか。なければ三時から合同委員会がありますので、これにて委員会を閉じます。
午後二時四十八分散会
出席者は左の通り。
理事
大矢半次郎君
清澤 俊英君
杉山 昌作君
木内 四郎君
委員
岡崎 真一君
黒田 英雄君
九鬼紋十郎君
佐多 忠隆君
松永 義雄君
小林 政夫君
油井賢太郎君
森 八三一君
木村禧八郎君
事務局側
常任委員会專門
員 木村常次郎君
常任委員会專門
員 小田 正義君
説明員
大蔵省管財局総
務課長 小林 英三君発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014629X04219510526/28
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。