1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十六年五月九日(水曜日)
午後一時二十五分開会
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本日の会議に付した事件
○高圧ガス取締法案(内閣提出)
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001・廣瀬與兵衞
○理事(廣瀬與兵衞君) それではこれより通産委員会を開会いたします。
今日は高圧ガス取締法案々議題に供します。この法案につきまして協会から参考人のかたがたに来て頂きましてお話を伺うことにいたしました。念のためにお諮りいたして置きますが、本会議が二時からあることになつておりますが、本会議が始まりましたら一時休憩するかもわかりませんが、その点委員長にお委せ願いたいと思います。それでは先ず最初に高圧ガス協会の副会長の横山武一さんに御意見を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014793X02319510509/1
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002・横山武一
○参考人(横山武一君) 高圧ガス協会では先般来この問題につきましていろいろ会合を重ねまして、非常に簡單な要約した意見でありますが、それを委員長のお手許に出して置いたはずでありますが、然るべく御考慮をお願いしたいと思います。
一体この高圧ガス取締法案というのは、旧内務省の警保局で担当しておりまして、内務省が廃止になつてから通産省の科学局がこれを引継いで、今度これを全面的に改めて、新らしくこういう法案ができたことと存じますが、もともとこの法案というものは、一番最初は高圧ガスの容器、ボンベと称するあれを対象にしてやつたことがそもそもの初めでありまして、その後だんだん発達して来ましたところのいろいろな高圧ガス工業に使います機械装置、製法、或いはその方法等にまでその取締の範囲を拡げたのであります。その結果今日では相当に広い範囲にこの取締法案に含まれる工業が出て来まして、小さいのは町のアイス・キャンデーの工場、大きいものは硫安工場のようなものに至るまで含まれておるために、この取締法案は相当に苦心してできたように考えられます。それで具体的にこの法案を実施するに当りましては、この法案に附帯して出ますところの省令によつてこれが非常に左右されると思います。この省令に盛られますところの技術基準と申しますか、その盛り方如何によつては非常にこの工業の発展を阻害する点が多々あるように考えられるのであります。例えばこの法案の三十五條ですかにありますところの毎年の定期検査というようなことがある。高圧工業にもすべてこれを適用するというようなふうに取扱いますと、例えば硫安工業或いはメタノール工場のような所では相当長い間工場をとめなくちやならないという結果になるために非常に生産を阻害されはしないかということを恐れるのであります。ですから実際はいろいろな場合を考えまして、この省令の技術基準は、その結果において最も産業を助長するように、実際面にうまく活用ができるようにその省令の考え方は非常に愼重であるように希望するのであります。
たくさんありますけれども、私の意見を申述べました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014793X02319510509/2
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003・廣瀬與兵衞
○理事(廣瀬與兵衞君) 有難うございました。次は容器倶楽部の会長の森龍郎さんにお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014793X02319510509/3
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004・森龍郎
○参考人(森龍郎君) 只今横山さんからお話がありましたように、高圧ガスの規定というのは容器、ボンベから出発したのでありますか、この容器、ボンベにつきまして、私理事長をやつております。でありますが、この理事長をやつておりました関係上、今度JISのほうの規格、古いJISを改めまして新らしいJISに規格が変つたのでありまするが、これに対しまして非常に容器業界といたしましてはJISの規格を高度のものにするということに重点を置きまして進めて参つたのでありますが、その結果といたしまして、前の規格と現在の規格がどういうふうに変つているかといいますると、前の規格は單に形状的な規格に過ぎなかつたのでありまするが、今度の規格は更に一歩進めまして本質的な規格に訂正したということでありましてその本質的に規格を改正いたしました根本の條件といたしましては、材料規定を設けた。先ず第一に材料規定を設け、そして容器にはかくのごとき材料を使わなければならないという、その規定を設けまして次に熱処理の規定を設けたのであります。更に又気密試験の規定を設け、衝撃試験の規定を設けた。こういう工合に前の規格と現在の規格を比較いたしますというと、恐らくその総体的な革新におきましては、今度やつておりまする規格改正におきまして、容器の規格ほど革新的な規格はないと私はさように存じておるのであります。強いて例を求めますれば、要するに熔接棒の規格がこれに類するものである、そのように思つておるのでありまして、容器の規格につきましてはJISの今度の規格が本当に完成的な規格になつておることによりまして、国内は勿論、輸出容器というものも目途にしておるのであります。従つてこの規格が完成いたしました曉におきましては、容器メーカーとしては非常に犠牲が伴うのでありまして、この犠牲を克服いたしまして現在の規格にA口うような容器ができますれば、日本の現在使われております八十万本の容器が非常に正常な容器になるというのであります。これを逐次正常にして行きますためには、現在使つております古い容器の定期検査というものも、これに準じまして正しい、合理的な、技術的な規格にして行かんけりやならないのではないか、さように存じておるのであります。これは今度の容器の規格というものが、全く容器メーカーの犠牲においてこのような理想的な規格になつたのでありますから、現在使用しております容器につきましても、定期検査を技術的に理想的に行うような規格を設ける委員会を作つて頂きたい、これが我々の業界の熱望する点であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014793X02319510509/4
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005・廣瀬與兵衞
○理事(廣瀬與兵衞君) 次に日本冷凍協会の会長の加茂正雄さんにお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014793X02319510509/5
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006・加茂正雄
○参考人(加茂正雄君) この法案が審議されるだろうという予想の下に、冷凍関係の者からの意見をこちらに申達してくれろという御書面が三月二十五日であつたと思います。私のところへ届きましたが、その際にはこの法案そのものを私拝見いたしておりませんでした。法案の内容を全く存じませんから意見を述べることは差控えますという御返事をいたしておいたのであります。ところが昨朝十時半頃に今日この委員会があるから一時にこちらに出て、この法案に対する批判並びに意見を述べろということであつたのであります。ところがまだ私の手許にはこの法案が着いておりません。このお手紙に恐らく案が付いて来ておるのだろうと思いまして、そのことを尋ねて見ましたら、付いていないということでありましたので、先ず以てこの案を拝見することが意見を述べるのには必要だと思うから、至急その案をお届け願いたいということを、やはり速達でこちらに申述べておきましたが、私がこちらに参りますまで手許に届きません。こちらに参りまして今これを頂載しただけでありますので、これについての意見とか或いは批判というようなものを述べる実は資格は只今のところではないわけでありますが、この案ができますまでにいろいろ同業者のほうにも通産省から相談がありましたので、特別委員会を設けてお話をし合つたことはあつたのでありますが、最後の案は全く存じていないようなわけで、恐らくこの案には今の我々の所で作りました委員会で出ました希望とか意見が含まれておることだろうと想像いたしますけれども、到底それを一々調べる時間がありませんでした。従つて只今も一向意見として申述べるべき考えはまとまつていないのであります。
ただこちらの委員でおられますかたがたのお顔触れを伺つて見ますと、私の知つております範囲におきましては、この冷凍の仕事にこれまで関係をされておつたとか、或いはそれを実際に手がけられて経験をお持ちのかたは殆んどおられないようなふうに私には見えるのであります。併しこの案は将来の日本の産業の進歩発展という方面から考えまして非常に大切なことと思われますので、我々業界の者、或いはそれに関係のある者をお招きになつて、その意見を先ず以てお尋ねになるということは非常に結構なことで、引続いてこの愼重さを以て法案の御審議を衷心からお願いをいたす次第でありますが、私の、この案そのものとは全く関係はありませんが、御審議の上に、ころもあつたらよからうかという希望を申しますれば、只今お話しましたように、殆んど冷凍のことを御存じのないかたのお寄り合いでありますから、一応この冷凍機械といろものはどういうものか、それを使つた冷凍事業というものは如何なるものであるかということの実地の見学をみんなでなすつて、同時にこれは高圧ガスのほうの仕事も御存じがあれば結構ですが御存じなければ、それも御覧になりました上で、それでこの解義を進められることが、最も私は望ましいことではないかと考えておるのであります。
十五分許されておるようでありますから、もう少し私時間を頂戴して申述べたいのでありますが、冷凍の仕事は御存じのかたがありましようけれども、ただ冷、低い温度を作るというのが目的なのでありまして、ただこれは物を蒸発させればいいわけであります。皆さんアルコールか何か頭におつけになつて、暫らく立つておれば、蒸発しますからそれで涼しくなる、だから極めて簡單なわけです。何でも蒸発しやすいものをそこへ持つて来て蒸発させればそこで冷は得られるわけですが、これを工業化して経営するといつた面から考えますとどれだけか値打ちのある液体を持つて来てそれが室中に飛散してしまうということでは、到底収支引合うということにはなりませんから、それで今日の冷凍の仕事は、冷を作るために蒸発させたところの液体を回収をして、そうして幾度も繰返して使うというやり方をしておるのであります。この冷を作るために蒸発させた液体を回収して元のものに戻すという仕事が即ち冷凍機械のやる仕事なんであります。従つて回収したガスの圧力のほうから考えますと、冷を作るために蒸発させる品物のことを冷媒と唱えておりますが、冷媒の性質によつて高い圧力を要するものもあれば、低い圧力でいいものもあるのであります。十四、五年前までは炭酸ガスを使つたことがあります。これは相当に高い圧力まで圧縮する必要があるのでありますが、そのほかにおいてはアンモニアだとか、亜硫酸ガス、近頃はフレオンというようなものも使つております。メチル・クロライドというようなものも使つております。これなどは決して圧力の高いものではありません。むしろ低圧であります。殊に水を蒸発させてそれで冷を作るというやり方もありまするので、これは高圧どころではない、真空であります。それを利用しておる、従つてこの高圧ガス取締というものの法案の適用を、冷凍事業を経営しておる工場に適用されて然るべきものであるかどうかということすら疑われる場合が多多あるのでありまして、今日の傾向では高圧のガスは使わぬほらが多くなりつつあるのであります。その実情を皆さんに御了知願いました上でこの法案の御審議を願うということがよほど大切だろうと思うのであります。
更にこの冷凍の適用の方面から申しますと、決して食料の冷凍とか、或いは建物の冷房ということばかりではないのでありまして、今日においては輸血に使います血を冷凍しますとか、その赤血球、白血球の被膜がすつかりとれてしまつて、A型とか、O型とか、B型とかいうような型は、すつかりその被膜がとれてしまうために取り除かれてしまつて、それで冷凍したものをブドウ糖なり、水なりに溶かして使えば、如何なる型の血の人にもこれは注射をすると言いますか、輸血して差支えないというようなところにもなつております。近頃の医薬の製造におきましても、スフなどの製造におきましても、更に絹物の方面から言いますと、繭なども只今煮殺して糸を解舒するということをやつておりますが、むしろこれは凍死をさせまして、凍らせて蛹を殺してから糸の解舒をやるということのほうが、生糸の艶から言いましても、又その強さから言つても、織り上げましたところの織物のいわゆる絹鳴りということを申しますが、その点から言つても遥かに優れておるということがわかつておるのであります。殊に最近の例を見ますと、まだ実用にはなつておりませんが、アメリカにおいてはフロリダで以て螢光体、フリユーオレツセソトの品物に、フロリダの比較的温度の高い所で、日光を吸收させまして、そうしてそれを冷凍するというと、光つておつたやつがすつかり色が消えてしまう。それを実験の方面から言いますというと、飛行機で以てニューヨークに運びまして、それで夕方この冷えたやつを常温に戻す。そうすると部屋の中に晝間と同じようにすつかり日光が照り輝いておるというようなこともあるのであります。更に近頃の発電方面で非常に大切だとされておりますダムの築造におきましても、この冷凍は非常に大切なのであります。御存じの通りあのダムを作つておりますコンクリートが固まるときに熱が出て来ます。で、これを早く取去るということにいたしませんと、コンクリートの柔らかいうちに、堰き止めた水の圧力によつてそれが変型をする虞れが著しくあるのであります。有名なコロンビア河を堰き止めたボルダー・ダム、或いはフーバー・ダムと申しますか、これには実はアンモニアを凝縮させたものを蒸発させて冷を作る。その管が十八マイルばかりもあの中に入つて、そのままでコンクリートのダムができ上つておるというようなわけでありますが、適用の方面が非常に広く、且つ我々の日常の生活から、将来の産業の上にも少なからぬ影響を持つておりまするので、これの発達方面に少なからぬ関係を持つております。法案の御審議には、かような適用の広い仕事であるということもお考えの上で、愼重の上にも愼重を加えて頂くということを私特にとの席においてお願いをいたしたいのであります。
つづめて申しますれば、こういう仕事であるから、少しでもこの事業の将来の発展、改良というようなことに障害になるような点のないような法案を作り上げて頂くということをどうしても希望せざるを得ない次第なんであります。まだ申述べれば相当に申述べるべきことはあると思いますが、委員会は今日限りではないという委員長の、お話でございましたから、若し機会がありましたならば、重ねて申述べさせて頂き、今日はこれで失礼をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014793X02319510509/6
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007・廣瀬與兵衞
○理事(廣瀬與兵衞君) 有難うございました。加茂さんのお話によりまして、冷凍協会に対する連絡が不十分であつたことは、事務局の手落でございまして、遺憾の至りでございますが、当委員会もまだ審議を重ねますので、その期間御意見がありましたら又御意見の開陳の機会をお願いしたい、こう存じますので、何分よろしくお願いいたします。次は会社代表として日本理化工業株式会社の常務取締役の長谷川辰兄さんにお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014793X02319510509/7
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008・長谷川辰兄
○参考人(長谷川辰兄君) 酸素業者を代表いたしまして、簡單に意見を申述べます。
酸素業者は全国に約百五十社ございますのでありますが、そのすべてが高圧ガス協会のメンバーになつておりまして、従いまして業者の意見は高圧ガス協会の見意に十分盛られております。従いまして先刻横山副会長からガス協会としてのお話がございました。これに蛇足を加える必要はございませんので省略いたさして頂きます。
ただ二つだけ附加えて申上げたいことは、法案を御覧になりますとおわかりになります通り、実際の手続問題といたしましては、通産省令で定める、或いは通産省令で定める技術的基準によつてきめるといつたふうな部分が非常に多いのでありまして、従つて業者の実情に即するか否かということは、この施行細則が如何ようにきまりますかということに一にかかつておるわけなのであります。これにつきましては、冬業界からそれぞれ意見が出ておりますのであります。従いましてその施行細則さえ実情に印したものができますれば、我々といたしましてはこの法案に特に異議を差挾むという部分は余りないのでございます。
第二の点は、法案の第六十七條にございます高圧ガス保安審議会の問題であります。これは私どもが見ますれば、この法律のこれがむしろ山でありまして、この委員会の構成或いは運営というものが実際の業界心事情に通したように運ばれますならば、我々が危惧しておりますいろいろの問題はすべて解消いたしまして、うまくこの法律というものが実施されて行くのではないか、かように考えますので、この審議会というものがうまく構成、運営されて行きますように特に御考慮をお願いできますれば、それ以上特に申上げることはないと考えております。簡單でございますが私の意見を申上げました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014793X02319510509/8
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009・廣瀬與兵衞
○理事(廣瀬與兵衞君) 次に東海硫安工業株式会社社長の織田研一さんにお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014793X02319510509/9
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010・織田研一
○参考人(織田研一君) 硫安工業を代表しまして意見を申述べたいと思います。
元来従来の圧縮ガス及び液化ガス取締法というものは、先ほど高圧ガス協会の副会長の横山氏が申述べましたごとく、これは従来主として容器を取締の対象としておつたわけであります。ところが今回の高圧ガス取締法は、従来の容器に加えまして工場の設備も取締の対象とした点が、これが非常な特質と私は思うのであります。外国あたりの例を見ましても、容器に対する取締法規というものは相当シヴイアのものがあるのでありますが、私の聞いておる範囲では、工場の設備に対しましては全く業者の自主的に任しておるのであります。この点が今回の法の特異とするところであります。それで今回の法規を見ますと、容器、工場設備、それに種々なる企業を一つの物差の中に入つておるという点は、これは非常に御苦心のあつた点じやないかと私は思うのでありますが、御苦心があつただけに実際にこれを運用する場合におきましては、相当の問題があるのじやないかと私は思うのであります。特に硫安業会としまして大きな関心を持つております点は、第三十五條の、毎年一回定期的検査を行う、この点が非常に重大な点でありまして、これを技術的に見ますと、我々の硫安工業というものは、御承知のごとく無機化学としましては最高度の水準にある工業でありまして、機械、化学、電気というようなものの結集によつてでき上つた工業でありまして、従つて工程も非常に多いのでありまして、その工程の間には何らクツシヨンがありません。一つの人体のごとく有機的に全体の工程が繋がつて動かされておる、こういう工業でありまして、この中には低圧の仕事もございます、ガスの発生の仕事もありますし、今の取締法の対象になる高圧の仕事もあるわけであります。その高圧の仕事の部分に対しまして検査の基準、つまり技術の水準というものの策定が非常に困難なのであります。一例を申上げますると、水素と窒素の二つのガスからアンモニアを合成します圧力が、これは方法によつて違うのでありまするが、二百気圧から千気圧というような高い圧力で作業をいたします設備のごときは、これをいわゆる現在考えられておりまするような、單に水で圧力の試験をするというだけの方法ではむしろ害がある、益がないというふうな考え方もあるのでありまして、この技術の水準の策定が非常に困難であるということと、これは一例を申上げたのでありますが、そういるような技術の一定の結論を得ないものが相当あるのであります。
それからもう一つは、先ほど申上げましたように、全工程が有機的に動いております関係上、定期的に検査をするということになりますと、大体我々の考え方で行きましても、一ケ月くらい工場をとめてしまうようなことが起るわけでありまして、そういうことになりますと、硫安の生産も約一割くらい減るというような事態も起るのじやないか、こういうことを我々は懸念しておるわけであります。然らばどういう方法によつて検査をやつておつたかと申しますと、従来は工場の自衛上、企業の防衛又は工場の安全という面からいたしまして、工場が故障によつて一部とまるというときには全体がとまります。そういうチヤンスをつかまえて、それで検査を実際にやつておつたのが従来までの実情であります。従いまして今申上げましたように、硫安工業というものが、比較的技術も高度に発達して、技術陣容も相当持つております。又企業の防衛という面から行きましても、当然従来やつておりますことでありますし、我々は今回の取締法の運営におきましては、省令によりまして今申上げましたような硫安工業の発展、運営に対するトラブルになるようなことのないように、省令によりましてそういう点を防いで頂くようにして頂きたい、こう思うのであります。
それからなお第二に申上げたいことは、先ほど加茂さんからお話のありました審議会の問題であります。この取締法が運用になりますと、根本が、技術が根本になつて参るのであります。その技術をやはり基にして取締をして行くということになりますと、やはり実際に仕事をしておりまする事業関係の岩が審議会にできるだけ意見を申述べ、又そこで意見のまとまりましたものが実際に実行に移されるというふうなことを加味されて、この法案ができ上ることを我々としては切望する次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014793X02319510509/10
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011・廣瀬與兵衞
○理事(廣瀬與兵衞君) 有難うございました。それでは本会議が始まりましたから一時休憩いたしまして、それから又続行いたします。休憩いたします。
午後二時二分休憩
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午後二時五十七分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014793X02319510509/11
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012・廣瀬與兵衞
○理事(廣瀬與兵衞君) これより休憩前に引続いて通産委員会を開きます。
参考人として学識経験者、東京大学名誉教授大島義清先生にお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014793X02319510509/12
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013・大島義清
○参考人(大島義清君) 私は現行法規の施行に曾つて当つたことがあります。その経験からいたしまして、今度の法規の改正と現行法規とを比較して見ますと非常な大きな進歩をしておるところがあります。その最も大きな点は、高圧ガス保安審議会の制度であります。この制度の法用如何によつて今度の改正法規が当局の要求せられるようになるか、或いは又單に監督行政の昔の状態に潰えるかどうかということの分れ道だろうと思つております。従つて高圧ガス保安審議会の構成であるとか、その運営であるとか、或いは又その権限であるとかいうものについては、十分にこの委員会において御審議下さいまして、成るべくこの法案が單なる監督行政に終らぬように、どこまでも通産省の持つておる法案として産業の助長をするということを頭に入れて行けるようにして頂きたいと思います。私の申上げる意見はそれだけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014793X02319510509/13
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014・廣瀬與兵衞
○理事(廣瀬與兵衞君) 以上を以ちまして参考人各位の意見開陳は一応終りました。重ねて補足説明のあるかたは御発言を頂きたいと思います。又委員のかたで御質問のおありのかたは御質問をお願いいたしとうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014793X02319510509/14
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015・加茂正雄
○参考人(加茂正雄君) 先刻私申述べました冷凍事業を実際に行なつております所に対しての見学と申しますか、そちらを御覧下さるような機会ができますかどうかということを伺つておきたい思います。若しそれがかないますことならば我々において十分それに対する用意をし、御案内をいたすように計らいたいと思いますから、その点だけを一つお知らせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014793X02319510509/15
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016・廣瀬與兵衞
○理事(廣瀬與兵衞君) その点は委員長で善処いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014793X02319510509/16
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017・加茂正雄
○参考人(加茂正雄君) 初めてのかたでございますならば相当面目く感じられるところがあるだろうと私は信じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014793X02319510509/17
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018・栗山良夫
○栗山良夫君 実は今日参考人からいろいろと御意見を伺つたのですけれども、その中で一番重要な点は、審議会の運営に注意して頂きたいということが一番中心であり、もう一つは省令或いはその他省令を基にしましたところの技術運営の面が中心であるという、このつが中心に述べられたわけでありますが、実は只今もらつておる御意見ではそういうようなものです。然らば省令の内容はどういう工合に具体的にいたしたらよろしいとか、或いは審議会の運営というものをどういうふうにやつたほうがいいかという御意見までは伺つていないのですが、まだこの法律案を審議いたすのはこれからなわけでありますから、できればそういうような更に突込んだところまでも御意見を頂けるような方法を委員長に一つ考えて頂きたいと、こう思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014793X02319510509/18
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019・廣瀬與兵衞
○理事(廣瀬與兵衞君) ちよつと速記をやめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014793X02319510509/19
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020・廣瀬與兵衞
○理事(廣瀬與兵衞君) 速記を始めて。参考人に対してほかに何か御質問ございませんか。ございませんければ明日又一時に政府に対する質問をいたしたいと、こう思つております。それじや今日はこれで通産委員会を散会いたしまして明日午後一時から又開会いたします。
午後三時六分散会
出席者は左の通り。
理事
廣瀬與兵衞君
古池 信三君
栗山 良夫君
委員
小野 義夫君
上原 正吉君
重宗 雄三君
下條 恭兵君
椿 繁夫君
山川 良一君
駒井 藤平君
西田 隆男君
政府委員
通商産業省通商
科学局長 長村 貞一君
事務局側
常任委員会専門
員 山本友太郎君
常任委員会専門
員 小田橋貞壽君
参考人
高圧ガス協会副
会長 横山 武一君
容器倶楽部会長 森 龍郎君
日本冷凍協会会
長 加茂 正雄君
日本理化工業株
式会社常務取締
役 長谷川辰兄君
東海硫安工業株
式会社社長 織田 研一君
東京大学名誉教
授 大島 義清君発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101014793X02319510509/20
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