1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十六年五月二十一日(月曜日)
午前十一時十二分開会
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本日の会議に付した事件
○産業教育法案(衆議院提出)
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001・堀越儀郎
○委員長(堀越儀郎君) それではこれから産業教育法案に関する文部委員会並びに地方行政委員会の連合委員会を開会いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015111X00219510521/1
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002・西郷吉之助
○西郷吉之助君 提案者並びに文部当局に伺いますが、第十八条の「政令で定める基準に達していないものについて」というその内容を詳細に伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015111X00219510521/2
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003・横田重左衞門
○衆議院專門員(横田重左衞門君) 第十八条の只今の御質問は……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015111X00219510521/3
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004・西郷吉之助
○西郷吉之助君 「政令で定める基準に達していない」と書いてありますが、内容はどういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015111X00219510521/4
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005・横田重左衞門
○衆議院專門員(横田重左衞門君) それにつきましては、政令で定めますと申します政令ということは、これから実は定めることになつておるのでございます。現状におきましては職業教育を行なつておるということは名ばかりで、実際はその教育を行う段階にまで行つていない水準のものが非常に多いのでございまして、少くとも職業教育を行うというからにはどこから見ても行えるという状態にまで基準は高めなければいけないと思いまして。そこまで高めようと欲する者に対して補助を与えるというような考えでやつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015111X00219510521/5
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006・西郷吉之助
○西郷吉之助君 これは国の補助金に関係が深い内容を持つておるものでありますが、而もその中心は政令で定める基準が問題であり、その政令ができておらないというふうなことであつて、而も国の補助を考えるということができるのですか。大体実際のことがわかつておつて、而してこういう法案が作れるかも知れないが、「政令で定める基準に達していない」と、そういう政令も何も考えていない、まだきまつておらないもの、而もそれが国の予算に重大なる関係を持つものでありながら、その基礎をなす政令がきまつていない。それではこの条文が全く意味をなさないということになる。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015111X00219510521/6
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007・横田重左衞門
○衆議院專門員(横田重左衞門君) 只今申上げましたのは、これが新らしく制定されます法律について、これから定める政令というものについて、将来の政令の問題でございましたのでそう申上げたのでございますが、現段階においては高等学校の設置基準というものがございまして、現段階においては一応の基準に基いてやつておりますが、この法案が制定されまして実施される曉になりますと、地方の特殊性とか、いろいろな特殊な面をこの法案で取上げておりますので、立地状況その他によつて又基準の要素が変つて来る次第でございまして、大体において現在においては普通教育の水準はできておるのでございます。基準はきまつておるのでございますが、この法案が実施されますと特殊な状況、立地状況その他の問題が新たに出て参りますから、そこでこの審議会において審議して、地方の特殊性その他に応じた基準を作ろうということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015111X00219510521/7
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008・西郷吉之助
○西郷吉之助君 それでは伺いますが、一応二十七年から行われるようなお考えと思うが、例えばこの予算の内容はどういうふうに考えておられますか。金額はどういう程度を予想せられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015111X00219510521/8
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009・横田重左衞門
○衆議院專門員(横田重左衞門君) 大体只今申上げました現段階において、一応の設置基準に基いてそれを基礎として出しました数字から申上げますと、総額において二百億という予算上の計算が出ておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015111X00219510521/9
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010・西郷吉之助
○西郷吉之助君 二十七年だけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015111X00219510521/10
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011・横田重左衞門
○衆議院專門員(横田重左衞門君) いえ二十七年度から実施するのでございますが、その二百億を七年の年次計画でやるので、七年間のトータルが二百億というような数字を出しておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015111X00219510521/11
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012・西郷吉之助
○西郷吉之助君 それは予算関係、大蔵省その他と協議の上なさつたのか、全然そういうふうな財政当局との相談なしに一方的におきめになつた年限であり金額でありますか、その点はどうでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015111X00219510521/12
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013・横田重左衞門
○衆議院專門員(横田重左衞門君) その点につきましては、この法案立案の際にも大蔵省にもこれだけ出るという数字の概要を傳えまして、それから法案に基く計画の一端もお話いたしまして、大蔵省と話合はいたしましたのでございますが、はつきりした数字ということは国会で予算をきめることでございますし、来年度のことでありますので、事務当局もはつきりした予算の約束はできませんということは向うで申しておりました。併し話合はいたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015111X00219510521/13
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014・西郷吉之助
○西郷吉之助君 国会で予算をきめるというが、決定権はありまするが、予算の骨子、根本基礎はこういうふうな法律を考える人が実際に考えて見てやらなければわからんので、予想も付かん金額をただ国会がきめるのじやないので、御承知の通り予算を提案するのですからそれには十分なる内容を持つておられなければ、審査の上に非常な困難を来すと思うので、伺つておるのですが、六・三制の問題も果してこの施設は今日非常に不十分でありますが、この提案者の説明を聞きますと、新教育制度の欠陷である職業教育が非常に低下しておる、そういうふうなことに対する責任はどう考えておりますか、文部当局として。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015111X00219510521/14
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015・辻田力
○政府委員(辻田力君) 六・三制の予算につきましては、先般御承知の通り生徒一人あたり〇・七坪までに引上げるために文部省としては努力しておるのでございますが、なおこれはこれで以て足りるわけでは、ございませんので、生徒の一人当りの坪数もございまして、完全な教育が行われるように努力しておる次第でございます。この際に産業教育法案ができまして、このために相当額の経費が要るということでありますが、これは我々といたしましては、産業教育法の提案される趣旨をよく了解しておるのでございますが、現在の教育の実情を見ますると、普通教育と申しますか義務教育についても欠陷がございますが、特に産業教育方面におきましては非常な立遅れと申しまするか欠陥がございまするので、このために国会の方で産業教育の振興を一層図るべきだということで、この法案を御提出になつたのだと信じておる次第でありまして、従つてこの法律案が成立をいたしましてこのために産業教育振興に非常に役立ち、又補助等につきましても新らしい企画において新らしい補助を認められまするということになりますると、教育界のために非常に有意義であり又非常に喜ばしいことだと思つておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015111X00219510521/15
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016・長野長廣
○衆議院議員(長野長廣君) 今西郷委員から御質問の要点につきまして専門員からお答えしましたが、なお少し補足して申上げておきたいと思います。この予算につきましては、最初この法律そのものが予算の裏付というものが確かになければならない性質の法文になつております。或る意味においては具体的な予算の方針まで織込みたいと、先例の比較的に少い法律案であるので、先ず大蔵大臣に交渉しました結果、大蔵大臣としては大体教育制度の充実を期する意味からその新法でその方面の折衝をしてよろしい、こういう了解を得まして、それから要するに大蔵関係方面その他に了解を進めて行きましたが、最後に関係方面に示す前に大蔵当局に具体的に示した、あとからお手許に差上げたいと思いますが、予算表がございますので、その予算表に基づきましてこの法案ができ上つたものでありますから、具体的な予算表というものと不離一体の形において本法文ができ上つております。それからそれに対しましては大蔵大臣或いは主計局長、その他の事務当局におきましても相当深刻な調査をして参りまして、そうして正式にはこの前の当委員会におきましても主計局長からは相当踏み込んだ責任ある答弁をいたしておりまして、この法案の裏付となる数字につきましては先ず了解を得た上で答弁に当られたものと、こういうふうに我々は解釈いたしておる程度の答弁があつたのであります。さようなわけでありますから、その点についでは大蔵当局としてはもはや別に異議がないものと認めております。
それから次に地方財政委員会関係或いは衆議院地方行政委員会及び自治庁関係につきましても具体的に意見を徴し、且つ特に希望条項等についての了承を求むべく交渉しましたが、心から賛成をしてくれまして勿論異議はないから何分通してくれという、こういう程度の了解を得た次第であります。大体数字についての関係はそういうふうになつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015111X00219510521/16
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017・西郷吉之助
○西郷吉之助君 今御説明を聞きましたが、七カ年で総額二百億、それに関連して地方の公共団体の負担額はどの程度を予想しておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015111X00219510521/17
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018・横田重左衞門
○衆議院專門員(横田重左衞門君) この本法にもございますが、地方の負担ということは殆んどないのでございまして、任意の形で設備充実その他やろうという希望のある地方がございますると、それに対応した予算を国庫から出すというような規定にいたしてございまして、現在今まででも公立の学校は地方で何がしかの県の負担でいろいろとやつておるのでございまして、この法案ができますれば今まで通りやつている上に、今度はこの法案によつて何がしかの補助が参ります。それだけがむしろプラスになるのでございまして、地方にとつては負担はないというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015111X00219510521/18
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019・西郷吉之助
○西郷吉之助君 今の、最後に負担が地方にないと言われるが、それでは今その前に説明されておりますところと非常に矛盾することになりはしないのですか。地方の財政には何らの関係はないということはどうもわからない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015111X00219510521/19
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020・横田重左衞門
○衆議院專門員(横田重左衞門君) 先ほど二百億と申しましたのはその半分が国、ということでございます。あとの百億が地方ということになつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015111X00219510521/20
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021・西郷吉之助
○西郷吉之助君 関係はあるのじやないですか。重大な関係でしよう、その地方が百というのは、地方が半分を負担するということなんですか、どういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015111X00219510521/21
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022・横田重左衞門
○衆議院專門員(横田重左衞門君) 法律にございません、従来の地方の学校行政というものに附随して払われておるお金と申しますか……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015111X00219510521/22
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023・西郷吉之助
○西郷吉之助君 どこが払つているのですか。国ですか、地方ですか。今みたいに訳のわからんような答弁をしてはわからんので、これは質問しておるのですからね、筋道の立つた答弁をして下さい。国だか地方だか今の御説明ではよくわからんのですが、もつとはつきりした答弁をして下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015111X00219510521/23
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024・石井つとむ
○衆議院專門員(石井つとむ君) 補足して私から申上げます。概数二百億ということは最初の御質問のありましたこの十八条にあります基準というものを大体に予想いたしまして、その基準に照らしまして基準となるであろうと思われるものに、予想されたものに照し合せまして、現在のものの不足を充実するためにどうしても二百億ぐらい要るであろう、こういうことを最初に予想を立てまして、それでそのうちそれらは現制度のままでおきますれば、各地方公共団体或いは私立学校の法人自体が何年かの年数をかけて充実して行かれるべきものであります。それを大体この法案の基礎、裏付になつております予算の考え方としましては、大体その半額の百億を国庫で負担をするということを予算にきめました。こういう考え方で最初委員長のお話にありました大蔵大臣との交渉も、総額としては二百億、うち国庫で百億、それを何年かに分けて、一つ考えてもらいたいというお話しでスタートいたしております。従つて現在でもその構想でおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015111X00219510521/24
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025・西郷吉之助
○西郷吉之助君 今の御説明で地方は半額の百億を負担することがはつきりしておるのですね。そうしますと、国の負担は七カ年と区切られて、地方の財政は七カ年であとの百億を負担し得るという根拠はどこから成り立つておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015111X00219510521/25
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026・石井つとむ
○衆議院專門員(石井つとむ君) そこのところをもう少し御説明申上げます。各学校の現状を御存じの方は大抵すぐおわかり頂けることと思いますが、各府県などの当局者は何としてでもやらなければ、教育らしい教育ができないという非常に惨めな学校が全国に漲つておる次第であります。各府県或いは私立学校当局者というものは四苦八苦の非常に苦労をして、現在でもそれを一日も早くと努力を続けておられるのであります。従つて放つておきますると学校らしい学校、教育らしい教育をできるようにするために私どもの概算で申しますると、どうしても二百億をこれらの当事者がみずから苦労をせられなければならない現制度になつておるのでありまして、その中でこの法案が幸い通過いたしますれば、当事者が仮に案を作つて来られれば各府県から参りまするとつまりこのものが充実できる。大体それに匹敵したものが国庫の方でお手伝いができるからスピードが倍になりまして、半分の年数で充実ができるようになる。こういうふうな考え方をとつた次第であります。従つて地方の負担が勿論零じやございませんが、この法律が成り立たないといたしますれば御自分で全部解決して行かなければならない、当然やらなければならんもの、それを半分ぐらいのところを国庫で手伝つて行く、こういう考えであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015111X00219510521/26
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027・西郷吉之助
○西郷吉之助君 そうするとこの法案による二百億の補助に対して一般の六・三制なんかの教育のバランスは、それとはどういうふうになるのですか、文部当局に。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015111X00219510521/27
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028・辻田力
○政府委員(辻田力君) 文部省といたしましては先ほど申上げましたように義務教育の充実を第一に考えておりますが、併し産業教育が非常に遅れておりますので、新らしく六・三制の建物も建築するというようなものに加えて、新らしくこういうふうな補助金が加えられるということは非常に望ましいことである、有難いことだと思つている次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015111X00219510521/28
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029・西郷吉之助
○西郷吉之助君 先ほどの説明者に伺いますが、これはもう放つておいても地方でやらなくちやならんものだ、それを国が半分でも負担してやるから非常にいいじやないか、速度を速めるじやないかというお話ですが、そういうようなことは幼稚な書生論であつて、地方の財政は御承知の通り非常に困窮しているが、現内閣においては二十六年度についてはどうしたか。平衡交付金を百九億も削り、地方の起債を百五十億削つている。であるから地方の財政は殆んどやれない。従つて今日この議会でも地方自治体の警察の一部を廃止し得る法律を目下審議しております。学校教育も勿論地方でやらなくちやならんが、地方の財政ではそういうことができない段階にある。そういう段階であるのにこの半分の百億は地方の負担になる、だからこういうことを提案されるあなた方は地方の財政をよく知つておられるかどうかを聞いているのです。あなたの方は百億国が補助するからスピードが速まるからいいじやないか、放つておけば遅れるのだ、そういう幼稚なことを思われるのは地方の財政がよくわかつていないので、現内閣はどうしたのか、教育の必要だということはわかつているが、平衡交付金や地方の起債も削つています。であるからこういう法案を考える上には地方の財政をよく考えて頂きたい。簡單に百億負担ができるというような、そういうような基礎資料のないことでは困るので、であるから最初からこの基準を聞いているのです。政令で定める基準というのは一体どういうことであるのか。この内容を今きめておかないで二百億とか地方に百億を国から出してやればスピードが増すじやないかというようなことは幼稚な考えです。地方の財政の困窮状態がよくわかつていない。困窮状態であつてさえ政府は二十六年度で百九億の平衡交付金を削つています。さように地方の予算が苦しいからこういうふうにして七カ年で区切つてやつてみても果してうまく行くかどうか疑問です。ですから最も根本をなすこの基準はどうなつているか、この基準がきまることによつて予算の大体金額が立つかも知れないが、その基準もきめないで、そうして基準をも審査を受けなければはつきりこれがわからんじやないか。であるから聞いているのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015111X00219510521/29
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030・石井つとむ
○衆議院專門員(石井つとむ君) この十八条で申します基準というのはやはり專門的な相当な経験者、権威者が寄つて最後の判定を決定されるべきものと思いますので、私どもは中央審議会の議を経て政令で定めるということで最後の決定をそれに待つておりますけれども、実際上におきましては先刻ちよつと申上げましたように随分ひどいのがあるのであります。従つて何といいましても仮に機械の学科を持つているとすればモーターの一つや二つはなくちやならないというような面から行きましても、殆んどそれすらないという学校が非常に多いのです。そういう点で大体のいわゆる常識判断、若干学校教育などをいたし或いはそれに関係しておつた者から見ますれば、大体の見当というようなものは実はつくのでございます。文部省でもその頭で調べておられる材料がございますので、それを基礎にして最小限二百億はつぎ込まなければ、どうしてもこれは成立たないという予想を立つた次第でございます。なお地方財政の窮迫状態ということは私ども一応勿論知つておるつもりでございますけれども、專門でございませんから、今のお話の通り私どもの方の感じが鈍い節が多々あるだろうと思います。併し地方財政が詰つているから、この面においては非常に弱い状況であるのだからこれを充実しなければならない。地方の財政状況が詰つておるだけに国庫からお手伝いをしなければならない。こういうふうな考え方を持つております。なお地方のほうで或る程度やるつもりになられたところがある、十万円なら十万円、百万円なら言万円というものを用意せられた場合に、それと睨合せましてそうしてなお特別に具体的の府県の全体の財政力というものと睨合せまして、必ずしも一律でなく場合によつてはそれと同額に或いは同額以上に、或いは比較的に全国的に見て力の多い府県であると見た場合には、特に同額よりも少く行くこともあり得るでしよう。それらの問題はやはり中央審議会で全般を睨合せてやる。地方財政の窮迫を少しでもお手伝いする、そうして全体のこの産業教育面の弱さを補充する、こういう気持で作つた次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015111X00219510521/30
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031・西郷吉之助
○西郷吉之助君 この十八条にはその他に「予算の範囲内において」と特に断わつてあるのですが、殊更に予算の範囲内でと書いておられるので、非常にこの点がどういう意味かとも思われるのですが、今のお話で地方の学校教育施設その他は非常に六・三制の問題でも貧弱であつてあつて、我々はであるから政府に対して平衡交付金や地方の起債を削つてはならんという結論を出して言つておるが政府は頑として聞かない。そういう現状であつて六・三制でも非常にまだ完成しておらない。その上にこの提案者の説明にも急速に職業教育が低下しておる、それが新教育制度の欠陷であると言つておられるのだが、文部当局は今までどうしてこういうことをしておつたかと思うのです。そうであるから急速にこれを復興するならば百億円を補助することは結構だが、こういうふうないろいろな單独法がたくさん出まして、三分の一とか二分の一とかどんどん地方の財政上の負担が殖えるのです。それが積り積つて非常に地方の財政は圧迫をこうむるのです。そういうふうなことから我我は心配をするので、これは文部省の怠慢でそういう職業教育が低下しておつてこれを急速になさなければならんならば、この二百億程度を全額国庫負担にすればはつきりする。それをいろいろの法案によつて三分の一とか二分の一とかどんどん地方の財政上に加えて行く、従つて地方の財政はさらでだに困難でありますから非常に迷惑で、勝手に法律を作つて半分とか、三分の一とかが殖えて行く法案が多い。それが地方の財政上の一つの癌です。そういうことを見逃しているからこういう結果になるのです。文部大臣が出席されましたから、新教育制度の欠陷で職業教育が急速に低下しているというそういうようなことについて大臣はどう考えているか、お聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015111X00219510521/31
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032・天野貞祐
○国務大臣(天野貞祐君) これは一体教育刷新委員会できめたときには今の高等学校というのは決してすべて大学に進むというようなものでなくて、農業高等学校とか、商業高等学校とかいうのを作つてそうしてそこで十分そういう職業的な教育をしようというふうにきめたのですけれども、併しその後一般的な高等学校というような勢いが強くてそちらにいわば偏して、職業教育の方が手薄になつたという、そういう実情なんです。これは初めきめたときにはそうきめたのじやないのですけれどもいろいろの点で急にこういう変化を来たしたものですから、そういう点に欠点が生じたということはこれはもう当局として誠に行き届かなかつたことなんです。だからそこを補うという意味でこういう法律案が出て来たというのも、又文部当局の方に十分そちらに手が足りなかつたということに原因するということを私も承認するものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015111X00219510521/32
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033・岡本愛祐
○岡本愛祐君 文部大臣の只今の御答弁、私どもも高等学校が一般の高等学校に偏して、実業の高等学校というものが設けられない方針になつたことをその当時から非常にいけないと思つておりました。私どもの郷里におきましてもそういうことがありましたので、これはいけないというのでいろいろ主張いたしまして遂に水産高等学校を作り上げたのでありますがその点は文部大臣、これもどうなさつて行かれるか、高等学校の一般に偏しておるのをどういうふうにしてお直しになつて行かれるか、その点を伺つておきたいと思います。
それからもう一つ一衆議院の文部委員長の提案理由の中では、戰前には青年学校、それ以前には実業補修学校があつて、働きつつ学ぶ体制がとられておつたが新制度においては十分そういうことを考えておられない。それで一カ年に百万の多数を占めるこれらの者が職業的には殆んど丸腰のままで社会に出されて、而も卒業後二年間は労働基準法に制約されて正規の就職が不可能なんです。これらの徒為徒食のままで巷に氾濫しておる、こういう状況が今日の社会悪の温床になつておる、こういう重大な提案理由が出ておるのであります。このことを承認なさるのであるか。私ども警察のことを所管いたしております地方行政委員でありますがこれは容易ならんことで、これはこのまま放つて置かれたら、この実業教育法というものですかこういうものが出てもこの欠陷は是正されない。それをどうなさるおつもりであるか、この提案理由はよほど殊に私どもの立場からは重大視しなければならない。こういうことについて根本的にどう考えておられるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015111X00219510521/33
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034・天野貞祐
○国務大臣(天野貞祐君) 第一の点につきましては、教育刷新委員会のきめた趣意に現在やつておることが副うておらないから、だからそれに副われるようにして行きたいと思う。ただこういう点が新制度の非常な特色だと思います。それがたとえ商業高等学校でも工業高等学校でも従来のそういう実業学校というものはいわば袋小路に学生を入れてしまつて先に出ることができない。ところが今度の場合によれば実業高等学校というものはいつでも上の学校に進める、こういうふうに途が開かれておるだからそういうふうに課目が組まれておる、だからそういうことで私どもはやろうと思うが、併しそれが早く行かないためにこういう補足的な設備をする、こういう案が出て来たのであります。併し私どもはこの案そのまま、そういう補足的になるならば差支ないことで、できれば結構なことだと自分はそういう点から思うわけです。
それから第二の点につきましては、そういう中学を出て高等学校に行けないという者に対しては、一方においては私は育英資金を増額して、今までは全体の生徒の二%でしたけれどもこれを本年度は三%にしましたがこれを五%くらいにしたいと思う。そういう途を一方においてとると同時に、他方においては定時制の高等学校、青年学校というような設備で以て、学校に行けない子供に対する教育をしようと現に努めておるわけであります。だけれどもそれで十分かというと現在必ずしも十分とは言えませんから、そういう点をひどく心配すればこの法律案の提案のようになるのじやないかと思う次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015111X00219510521/34
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035・岡本愛祐
○岡本愛祐君 この法律案は拝見いたしますと、強制するのではない、地方の県や又市町村の設置している高等学校や中学校で、こういう実業教育の振興のために設備をしたりなんかすればそれに補助をやる、こういうふうに了解ができたのでありますが、そこで実業教育費国庫補助法というものが従来あつて、実業教育に対しては国庫から補助しているのであります。これは今度規則で廃止されることになると思うのですが、それとこの補助の関係とどういうふうになりますかそれを説明して置いて頂きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015111X00219510521/35
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036・石井つとむ
○衆議院專門員(石井つとむ君) 従来の実業教育国庫補助法というものは内容が御承知の通り非常に大まかになつておりまして、アツプいたしておりますし、それからこの時代の変遷などにも照し合せてみまするときに若干じつくりしないものがございますので、時代に即しましてそうしてできるだけ補助の対象などもはつきりするというようなことで、なお民主的な措置をできるだけとろうということで、この法案を提案することになつたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015111X00219510521/36
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037・岡本愛祐
○岡本愛祐君 そうするとこういうことはありませんか。今まで実業教育費国庫補助法によつで補助をせられておつたものが、この法律が出るにつれて補助法が廃止せられることによつて、従来より損をするという部面は出て来ませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015111X00219510521/37
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038・石井つとむ
○衆議院專門員(石井つとむ君) 御承知の通りもう予算というものがだんだんなくなつてしまいまして、たしか前年度までで零同様になつたはずでございまして、損をする所は一つもないはずでございます。できるだけそれをもり立てたいという気持ですべてやりますので今までよりもそういう点は殖えることと信じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015111X00219510521/38
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039・岡本愛祐
○岡本愛祐君 文部当局からも……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015111X00219510521/39
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040・辻田力
○政府委員(辻田力君) 只今石井專門員からお話がありましたが、二十五年度におきましては実業教育費国庫補助法自身はありますがその裏付けます予算が零でありますから、その関係から言いますと今後新らしく補助法的なものができまして、それによりまして地方に行くということになりますとプラスになると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015111X00219510521/40
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041・岡本愛祐
○岡本愛祐君 なぜ実業教育が今まで不振であつたか、こういう重大な結果になつて来ているかというのに、事業教育費国庫補助法という法律がありながら予算をとられなかつたのですか、それを伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015111X00219510521/41
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042・辻田力
○政府委員(辻田力君) この法律案を裏付けます予算をなぜとられなかつたかということでありますが、これはだんだん補助金が少くなつて来たこと、その目標は明瞭を欠いたために従つてそれを平衡交付金に織入れてやつた方がいいのじやないかというふうなことであつたように私聞いております。そのとき私丁度その局におりませんでしたが、従つて平衡交付金の中に織込むというような名目で削られたように聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015111X00219510521/42
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043・岡本愛祐
○岡本愛祐君 地方財政委員会側に、この問題についてどういういきさつであつたのかそれを伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015111X00219510521/43
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044・奧野誠亮
○政府委員(奧野誠亮君) 実業教育費国庫補助法に基く補助金の関係は従来どうであつたかちよつと覚えておりません。平衡交付金に入れられたということもちよつと記憶しておりませんので調査いたしましてからお答えしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015111X00219510521/44
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045・岡本愛祐
○岡本愛祐君 実業教育が不振であつて、こういう社会悪の温床というような感を呈するまでに中学校の実際がなつてしまつたというような重大な事柄につきまして文部省の方でそういう実業教育の国庫補助法という法律がありながら手をよう打たなかつたというようなことはとんでもないことだつたと私は思うのでありまして、過去のことは仕方がないですがもつと本気になつて努力をして頂きたいと思うのであります。
それからもう一つ伺つておきたいのですが、この審議会が今度できるのですが地方産業教育審議会、これはこのくらいの程度ならばこんなものを作らなくてもよさそうなものですが、中央並びに地方産業教育審議会、殊に地方のほうはこれは必要がないんじやないか。教育委員会があるところは教育委員会がやつたらいいんじやないかというような気がするのですが、その点はどういうわけでこういう別のものを作らなければならないのか、それを伺つておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015111X00219510521/45
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046・横田重左衞門
○衆議院專門員(横田重左衞門君) この点につきましては、従来とかく国だけが一本の中心の線になりまして、画一的な方向になり勝ちであつた教育上の欠陷もいろいろ私ども承知いたしておりますので、この際地方の特殊性というものをできるだけ尊重して教育の面に生かして行きたいということが一つの考えの根本でありまして、そういう意味で地方の審議会を設けまして、地方の特殊性は地方から出て来た教育者の中から教育計画を立てて頂くということに基いてやつて行きたいというふうに考えまして地方審議会を設けましたのでございます。
それから教育委員会でやつたらいいんじやないかというようなお話でございましたが、この法案のうちには実は私立学校も含めてございますので、私立学校は教育委員会の所管に属しておりませんので、勢い教育委員会は公立だけということになつておりますが、私立学校も勘案しなければならないということで、ここにこういつた意味合の地方審議会を作つたのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015111X00219510521/46
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047・岡本愛祐
○岡本愛祐君 私立学校があるためにその又委員会を作らなきやならんと、これはえらい迷惑な話で、これは作れば地方がこれだけたくさん経費がかかるわけですからそれは何とか便法がありそうなもので、私立学校があるがために教育委員会には所管させられない、新たな又同様なものを作らなきやならんということになるのは、甚だこれはまあ地方としては迷惑だろうと私は思うのであります。
それから補助ですが大体二百億のうち百億は国から補助する、半額補助するというようなおつもりでありますが、これはいつも文部省の補助というのは、六・三制で見ますごとく半額なんて言いながら半額よりずつと内輪で五分の一くらいになるのであります。この点が地方では非常に困るのですね。そういう点に文部省として自信がありますかどうか。この産業教育費の国庫負担補助法なんかの例を見ましてもとても力が弱いことで、二百億なんということを言つておられるがその百八十億までは地方が負担しなきやならんじやないかという気がするのですが、これはどうですかそれを伺つておきたいと思います。やれますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015111X00219510521/47
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048・辻田力
○政府委員(辻田力君) できるだけ努力いたしたいと思います。(笑声「いつでもそうだ。」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015111X00219510521/48
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049・岡本愛祐
○岡本愛祐君 それだから困る。この際地方自治庁のほうのこれに対する意見を伺つておきたいと思います。先ほど衆議院側の説明では、この法案が衆議院で審議をされております時に、地方自治庁並びに地方財政委員会側からの意見を十分聞いたというお話がありましたがどういうふうになつているんですか。これに対してどういうふうに考えておられるのか。それを伺つておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015111X00219510521/49
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050・小野哲
○政府委員(小野哲君) 私から一応お答えいたしますが、産業教育法案につきましては地方自治庁においても検討を加えて参つておりますので、地方自治庁奥野財政課長からこの内容についてお話を申上げる方が適当かと思いますのでお聽取りを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015111X00219510521/50
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051・奧野誠亮
○政府委員(奧野誠亮君) 産業教育振興のために国も積極的な援助をされますことは誠に結構なことだと考えておるわけであります。で、この法案は奨励ということを建前にいたしておりまして、地方団体がこれこれのことを必ずしなければならないというような方針をとつておりませんし、形式的にはこれがために地方財政を極度に圧迫するという問題は起らないように考えるのであります。併しながら国が或る程度の基準を定めました場合には、仮にそれが奨励的なものでありましても、地方団体と住民との関係におきまして、どうしても無理をしましてもその基準に達するようにやりくり算段をしなければならないような状態に追込まれるだろうと思うのであります。それで一体どの程度の地方が財政負担をするのかということになつて参りますとこの法律案では明らかでないのであります。先ほど来いろいろ議論がありましたように政令で基準を定めることになつておるわけでございます。で、その政令が現在の国民経済或いは国民負担の状況と照し合せまして無理のないところで作られるのでありましたら、もとより地方財政には混乱を生じませんし又そのような角度で政令が設けられるのであろうというふうに我々は期待をいたしておるわけでございます。で、專ら負担は政令の定め方によるわけでございますけれども、立案者のお考えによりますと七カ年で二百億円というふうに予想されておるわけでありまして、そのうち国が百億円を負担するというお話のようでございます。国が百億円を補助金として出します場合には国民負担として二百億円要るんだということ、更に又国民負担として二百億円が可能だから国から百億円を奨励的な意味で特定の地方団体へ出そうと、こういうふうな計画の下に行われるだろうと考えるのであります。で、理論的に考えました場合には国が補助金として或る程度のものを出します場合には、経費の全額が幾らであるか、それが国民経済において受入れられる額であるかどうかということを判断して私は出されるであろうと考えるのであります。で、二百億円金が要るものであるならばそれを負担しますものは究極のところ国民であります。従いましてそれを国から百億円出し地方団体から百億円出す。国から百億円出すからどこかで百億円が生み出されて来るだろうというような安易な考え方で、ここに百億円の補助金を決定はされないだろうと私は期待いたすのであります。たまたま従来の国と地方の財源の割振り方が理論通りに行つておりませんので遺憾なことでございますが、将来におきまして我が国の政治の自由性を回復されまするならば、国と地方公共団体との間の財源の割振りの問題を私は最終的には国会において審議され決定されるであろうと期待するものでございます。国権の最高機関として国会において総合的に判断して国の百億円の支出も決定されまして、その間においては地方におきましてその程度の負担が可能であると言わざるを得ないであろうと思いますし、合理的に国と地方との財源の割振りが行われるであろうと考えるのであります。
第二に今岡本さんからも問題になつておりましたような地方における審議機関の問題でございます。これは我々は政府部内におききていろいろ負担が立案されます際に、地方におきまして常に各省に対しまして要望いたしておるのでありますけれども、責任のない諮問機関はなるたけ作らないようにしてもらいたい、殊に若しどうしても作るという場合にはその法律には必置機関にしないで、作ることができるという建前をとつてもらいたいといつたふうなことを申上げて参つておるわけでございます。
第三に非常に小さい意見でございますけれどもこの委員会の定数は条例で定めることになつておりまして、その条例案は教育委員会法の六十一条の例によることとなつておりまして、原案は教育委員会が作るということになつております。で、現在知事と教育委員会との間におきましてややもすれば対立的な気運を釀し出しております際に、非常に小さい問題につきまして殊更に原案は教育委員会で作るんだということを法律的に明示されますことは、如何なるものであろうかというふうな気持を持つておるのでありまして、殊に先ほど專門員のかたからお話がありましたように、教育委員会は私立学校に関しますることは所管いたしていないのでありまして、その事項は知事直接の所管になつておるわけであります。そういたしますと、殊更教育委員会が原案を作るのだということは、知事の所管に関する部分につきましてまで教育委員会が原案を出すのだというふうにお書きになることでございまして、この点は非常に小さい問題でありますけれどもよく御検討を願つた方がいいのではなかろうかというふうに思つております。率直に現在地方自治庁、地方財政委員会として考えております点を申上げた次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015111X00219510521/51
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052・長野長廣
○衆議院議員(長野長廣君) 只今岡本委員長からいろいろ有力な御意見並びに御質問がございました。私からも少し補足してお答えいたします。実業教育国庫補助の問題につきましては、実は昨年、二十六年度の予算編成の際に私も大蔵省当局へ理解をさせるために参つた一人でございまして、文部当局からも連絡がありましたので特にこの実業教育国庫補助問題について力説をいたしました。その当時文部省からは、幾らかの要求がしてありましたが殆んどその五分の一ぐらいに削られまして何でも二千万円そこそこであつたと思います。そこで私は当時の事務次官と面会をいたしまして、これでは到底実業教育を実行することはできない、私も実は今日は実業教育国庫補助金の復活についてお話に参つたけれども、僕かに二千万円を全国にばら撒いたところでこれはむしろ兒戯に類する、より以上これは滑稽になりはせんかと思う、であるから一体あなたはこの日本の実業教育振興についてどういうお考えを持つておられるかと、こういうことを聞きましたところが、当時の事務次官は全く自分はこれではいかんと思う、むしろ日本の今後の教育改革の点においてはいろいろある、特にこの実業教育の振興ということは思い切つてやらなければいかん事柄であると思う、ついては長野さん、一つ来年度はこれについてもう少し思い切つた案をお作りになつたらどうですか、私は実はてこでも慫慂せられたのであります。より以上私も一千万円の復活なんていうことには言葉を挾まずして、そのまま帰つて来たようなわけでございます。これが実業教育法令はあるけれども、特に産業教育振興に関する法令を作ることの必要なることを私は痛感した次第であります。
それから次に従来の文部省の出しておる補助金がややともすれば予約通り、或いはそういつた感じを与えられておつた通りに実現しないという御心配のあることは、これも過去の実例から見て御尤ものふしもあると思います。然るにこの問題につきましては御承知の通り議員提案でありまして、特に立法府が非常な力を加えてこれを実現するに至らんとしておる次第でございますから、いよいよこれが実施をせられる段になりましたならば我々としましても又何とか参議院関係の各関係委員会或いは議員各位に特に一つ監視をして頂きまして、我々において議員の職能を全うする意味においても、一つ過去のややもすれば予定通りの予算の出なかつたことのないよう一つ御協力を願いたいものであると思います。
それから次に中央産業教育並びに地方産業教育の審議会の問題でございまするが、私どもの考えとしましては、どうも従来産業教育ということは地方の産業経済教育或いは勤労者の生活文化各方面に亘りましてややもすれば乖離しまして、縁遠いものになつてしまうという傾向がありまして、現に学校名は秘しますけれども或る高等学校のごときは、地方の非常な進歩した而もこれは東京のような進歩した産業を基礎にしておる実業高等学校、これらのごときは殆んどその地方で現在使つておる機械その他の設備を全然有せないのであります。そうして私どもが視察に参りました際には当業者の中から特に一、二台の機械を貸して貰いましてそれを実験に使つております。それからなおお調べ頂きましたならば恐らく全国の代表的な工業地帯等におきまして、その工業地帯の一般工業者のやつておる仕事と学校の実習と比べて見ましたならば私の調べたところでは殆んどその八割までは全然持つておらんような、甚だしきは三十八年なんて学校創立の際にこしらえた機械がそのままであります、織物機械も何にもない。これがどうも学校当局の意見を聞きましても一致するところであります。こういう状況では到底学校が職能を果し得ざるのみならず生徒は不安に陷り、父兄も又落胆するとこういう状況なのであります。
そこで先ず私どもとしては地方の高等学校につきましてはその地方の産業界の代表者も加わつてもらい、又これに事実携わつておる勤労階級からも代表者に加わつてもらい、産業教育に関係した特にこの方面に関心を持つておる人の中からも加わつてもらつて、そして我が国の地方産業教育は如何にあるべきかということをここに策定をしまして、これに基いて予算その他あらゆるこの産業教育に関する要素を一つ検討し、これと睨合せて運営させるような必要があるのではないか、こう考えた次第でございます。いわば簡單に申しますと、地方の産業、経済、文化等々と実業教育がかけ離れる虞れを先ず根本においてこれを一つなくすると、そして基礎付けられたものがいわゆるそこへ作り上げられましたならば、産業経済その他万般の変遷に伴つてその学校が職能をよりよく果し得るように周囲からもこれを援助してもらうということも必要であります。かたがた達識の士がこれに参画しておられるということが産業教育の遅れをとらない根本の要素であると考えまして、こういう委員会を作ることに計画したのであります。委員長の御意見のように方々で実はそういう意見が出ましたが、こういうものはもう大体においてはなくして行きたいというような希望も出ました。併しこの実情特にこの産業教育の性質から申述べました結果、それならばよかろう、成るほどそういうことならば一つ置いておきなさい、今まではこういう了解を得て来た次第でございますので、どうぞ一つこの辺をお汲みとりを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015111X00219510521/52
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053・西郷吉之助
○西郷吉之助君 十八条で先刻いろいろ政府側の説明がありましたが、少くとも地方に負担をかける以上は国の負担、地方の負担は政令で定めるといういわゆる弱いものでなく、国の責任をはつきりして負担率というかそれはこの法律によつて明確にして置くべきではないか。今まであつた廃止の補助法案、この法律であつても十分なことができなかつた、文部省の無力なんですから、これが今回折角補助するということなんですから、政令ではどうも安心してこの法案を審議することができないので、地方に迷惑をかける慮れがあるのでこのところをはつきりこの法律のうちに明記すべきではないか。文部省の過去の実績等からしてそうする必要があるのではなかろうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015111X00219510521/53
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054・長野長廣
○衆議院議員(長野長廣君) 私も全く同感でありまして、実はそのために十八条の明文の中に二分の一という数字を書入れてあります。ところがこういうことになりますと一体この法律全体がもうこれは予算法律みたいなものである、こういう法律は実は認めんことになつておるというのが大蔵当局の話でありました。ところが幸いにこれはやつてもよろしいという順序で来ましたが、特に二分の一という数字を入れることは、これは将来いろいろの面において不都合を生じて来る、特に最近における法律案の作定についてはこういう数字だけは絶対に入れてはいかんことになつておる、だからこれをのけなさい、こういう嚴重な要求を受けました。併し私どもは更にこれをそれぞれの面にいて力説しまして、これがなければいかん、現に私も代議士になる前に文部省におつたときの例もありまして、或る種の教育奨励金が地方へ廻つた場合に他に流用されるという事例もありましたから、そういう事例も述べまして極力努めましたけれども、併しこの二分の一とか三分の二とかいうようなそういう数字を書入れるということは絶対にいけないというので、ここで止むを得ずそれでは仕方がないがこれこれの数字について認めてもらいたいということで、先日も大蔵当局がここで言明されましたように、大体大蔵当局としては或る程度まで安心のできるような答弁を頂いたのであります。
ただ問題は今後における監督でありますが、これはどうか一つ文部当局だけでなく、先ほども申上げましたように立法機関としてもできる限りこれには注意をいたしまして、そういうこれまでのような悪い傾向に陷らないように特に努力して頂く点で何とか一つ御了承頂きたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015111X00219510521/54
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055・西郷吉之助
○西郷吉之助君 今、長野文部委員長のお話ですね、よく御苦衷はわかるんですが、長野さん御承知の通り今日までは実業教育費国庫補助法という法律があつたが実績はもう殆んど今までないような、更に大蔵省のお話でしたが、御承知の通り地方の財政には二十四年度に配付税の制度があつたんです。平衡交付金の総額は三千三点幾らとコンマ以下二桁まできめた法律があつたんですが、大蔵大臣たる池田君がそれを勝手に法律を破つて半分に切つて六百六十数億にしたことがあるのです。そういうふうなことがありまするから、今日補助法を廃してこの法案を出されるのはいいが、最も肝心な負担率をここにきめておきませんと、大蔵省はそう申しまするがそれをそのまま我々がとりますと全くゼロになることがあります。それはもう実際なんです。というのはもう予算において国の財政上というその言葉一つで法律できまつておることでも半減した例があるのです。又今年の平衡交付金を御覧になつても、地方の財政は非常に困つておるが地方において起債が百八十五億、平衡交付金において百九億に削つた現状なんですから、そういうふうな今長野委員長のお話はよくわかりますが、長野委員長が考えておられるほどはつきり責任を負わんのですね大蔵大臣は。ですから法律を廃しておいて今度はこの法案を出したが且つその率がきまつていないと、実際の予算編成のときにはいろいろの問題が出て来ますから勝手に削られてしまうんです、これはもう御承知の通りなんです。だから我々地方財政に関係のある者としては、法律できめてある配付税でも半分も切るくらいだから、こういうふうな文句で言つておけば全く大蔵省のわなにかかつたようなもので、司令部と交渉してこうきめたと言われればそれきりでどうにもならない。そういうことを文部省は多年に亘つて知つておりながら、又こういうふうな弱腰でこれをこれでいいというようなことを若し文部当局考えたならば非常な誤りじやないかと思う。天野大臣も短期間であるが大臣御就任以来文部予算のなかなか取りにくいことは経験済みなんです。長野委員長の御苦衷はわかりますが、更に今度は予算に組まなければそれきりで全額地方負担になるというような慮れが多分にあるのです。私は教育関係の費用が非常に重大であり必要であるということはよくわかつておるんですが、もう現政府の本年の予算を見ても必要な経費を多額に削つています。教書関係のものでも多額に削つています。年末手当の支給は五十八億を五十億創つた、そういうふうな現状にある。ですから私はこういうふうなことでああそうですかというわけにいかんと思う。重ねて長野さんの御意見を承りたいと同時に文部当局のこれに対する考え方をちよつと伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015111X00219510521/55
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056・長野長廣
○衆議院議員(長野長廣君) 只今の御発言については全くの過去の実情に基いた御意見でありまして何らこれに反対もしません。むしろ私は先ほど申上げたように自分が文部行政に携つた昔からの経験から見て非常に困難であると思います。ところがそこはもう西郷さんも御承知の通り、なかなか今これを法案提出するまでにいろいろ喚問がありまして、実は殆んど最後まで載つておりましたけれども、必ずしも大蔵大臣や文部当局の意見だけではありません。そこにいろいろ申しがたい事情がありまして、これだけはこの中に数字を入れることはできないというところへ参つたわけでございまして、これはもう私どもの微力であるかも知れませんが、どうも聞いてみると必ずしもそれだけじやないわけでございます。数字を割込むというのは絶対にいけないというのは必ずしも大蔵当局の意見だけではないのでありまして、そこは実はこの法案の重大性から見まして御了承頂きまして、これが実現につきましては一つ今までのような弊に陥らないように、実は先日もここに主計局長が来て言明したこともありますし、又これは恐らく財政当局の常識だと思います、とても横紙を破つて過去の言質を葬むるというようなことは全然ないということを我々は確信している次第でございます。まあ一つここは御了承を頂きよろしくお察しを願いまして、後の実現については御協力をお願いする、こういうふうにお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015111X00219510521/56
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057・天野貞祐
○国務大臣(天野貞祐君) 私もこれは非常にむずかしいのではないかという懸念を持つているのであります。ですから西郷さんの御心配は私もこれは心配に堪えないのでございます。けれども長野委員長もこの点については十分お互い協力してやろうということでございますから、私はできるだけこれをやるというお答えをするよりいたし方ございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015111X00219510521/57
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058・岡本愛祐
○岡本愛祐君 私どもも実業教育の振興ということについては現在もつともつとやつて頂かなければいけないと考えているものであります。併し地方行政の立場に立ちますと、こういういい趣旨の議員立法がだんだんできて来るんですがそのしわ寄せが地方財政の方へ大部分来てしまう。今日参議院の本会議にかかつた利根川総合開発なんかも十年間に二千四百億の予算でやり上げる、地方も半分或いは三分の一負担しなければならないんですが、これはもう大変なことであります。それから当文部委員会にかかりました教科書の無料配布の問題、又教育公務員の特例法によりまして長期療養の問題、皆非常に趣旨は結構なんです。そのしわ寄せは皆地方財政に来てしまう。この問題はこの法案についてもそれを心配するものでありますから我々連合委員会を申込んだわけでありますが、最後にちよつと伺つておきたいんですが、今度この法律が通りますと大蔵省と文部省乃至地方財政委員会と交渉しておりますと、これは平衡交付金へ入れているのだ、いないのだという問題が起つて来やしないかと思うんです。私はこれは平衡交付金の外ではつきりやつて貰いたい、又平衡交付金に入つているんだ、いないんだという問題か起ると非常に困りますから平衡交付金の中に入れないこと。それから十八条一項と二項とどういう関係になつているんですか、どうしてこういうふうに一項と二項と書き並べているのか、その関係。それから二項の方の第三号の「産業教育に従事する教員及び指導者の現職教育に必要な経費」こうありますが、人件費の方はどうなるのか、そういう増員をすれば高等学校ならば都道府県の費用でしようが、これは全額都道府県が負担しなくても半額は国の方で補助するという意味か。又中学校でこういうものを設けますれば、それは今は中学校の教員も県の方が負担しておつてくれますが、それも県が負担して県の方が半額国庫からもらうのかどうか、それはどうなのか、そういうことを意味してないのかどうか。それから四の「その他産業教育の奨励のために特に必要と認められる経費」、これは教科書なんかのことも含んでおるのか、教科書を中学校で配布しますときに半額は国庫から来るのかどうか。この法案は設備施設の不十分なところを十分にするとか、それから教員の不足を不足がないようにするとか、それから教科書なんか足らないならば教科書をやるということが非常に重きをなしていると思うのですが、その点はつきりして置きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015111X00219510521/58
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059・石井つとむ
○衆議院專門員(石井つとむ君) 只今お尋ねのございました教員の人件費などは含むか含まないかという問題につきましては、お手許の十九条の所をちよつと御覧頂きますと末尾から二行目の所に「運営に要する経費」、運営という文字を入れております。ほかの方は全般的にすでに御承知の通りいわゆる施設、設備費というものに大部分重きを置いておりますが、この条においては特に「施設又は設備」のほかに運営という文字を入れましたのは、人件費或いは学生生徒のいわゆる生徒費、学生費というもの、実験に要する経費など、そういうものをも含めたつもりでおります。この条項は御覧頂けばわかります通り丁度満十五歳で中学校の義務教育を終えまして、そしてずつと上の方へ正規の教育を受けかねるという者の概数として百万以上おりますのが満十八歳までの三カ年、これが累積いたしておりますこれらの人々に対しての産業教育というのに大いに重点を置かなければならない。そこには先ほどもお話がございました通り、中学その他において相当な設備もし又人を要する次第でございますから、特にこれは運営という文字を入れまして、予算では例外的な大幅の国庫補助をいたした次第であります。この点は財政当局でも相当この法案について最初は実は困るというお話があつたほどでございまして、それからだんだん折衝し説明しまして納得して頂いたのでありますから、そこらの人件費は国庫からやはり予定いたしております。大体の予定の予算がもらえれば出し得るはずであります。それから第十八条二項の第四号のところに「その他産業教育の奨励のために特に必要と認められる経費」、それの中に教科書などが入つておるかというお話がございました。これは教科書の問題は最初の方の六条に教科書としましては大きい問題が実は山積いたしておりますので、これを今回同時に片付けるにはいとまがなさ過ぎたからこういう大きい問題の所在だけを示したのであります。或いはこの問題を根本解決するに時間を要しますれば、教科書などの問題も只今のお話の十八条二項の第四号に考えて出して行くこともあり得ると思いますが、教科書は根本的には今の第六条で以て引続いて解決をお互いに努力しなければならないことと思つておる次第でございます。それから十八条の一項と二項との関係でございますが、十八条の第一項の方の問題は、全国的に先ず必要な基本になるところのものを一定の基準に従つて一律の標準で行こう、こういう考え方になつております。それから第二項の方は何と申しまするか、特異性と申しますか、重点主義と申しますか、前の基準の上に必要と認めたものを、基準にかかわらず重点的に或いはローカルの特色を尊重して出して行く、こういう考え方になつております。それから平衡交付金の中へ入れるつもりかどうかという問題でございますが、この問題は一番大きな問題でございますから、最初から委員長が大蔵大臣とお話になりますときから平衡交付金とは全然別途のものという建前でお話をいたしております。なお私どもが主計局長その他とお話をいたしましたときも、なおあと申上げていいかどうか知りませんが、関係方面へ行きましても特に平衡交付金と切離してこういうことをやることは如何かと質問が出ました。それについての説明も十分向うで申上げて了承を頂いたのでございます。初めからしまいまでこれは平衡交付金の別の問題として参つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015111X00219510521/59
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060・堀越儀郎
○委員長(堀越儀郎君) 他に御発言ございませんか……。それではお諮りいたしまするが、本法案に対する文部・地方行政の連合委員会はこれで打切つてよろしうございますか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015111X00219510521/60
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061・堀越儀郎
○委員長(堀越儀郎君) それではこれにて連合委員会は閉じることにいたします。
午後零時二十七分散会
出席者は左の通り。
文部委員
委員長 堀越 儀郎君
理事
加納 金助君
成瀬 幡治君
若木 勝藏君
木内キヤウ君
委員
木村 守江君
高田なほ子君
波多野 鼎君
梅原 眞隆君
高良 とみ君
高橋 道男君
矢嶋 三義君
岩間 正男君
地方行政委員
委員長 岡本 愛祐君
委員
石村 幸作君
高橋進太郎君
安井 謙君
小笠原二三男君
相馬 助治君
中田 吉雄君
西郷吉之助君
衆議院議員
文部委員長 長野 長廣君
国務大臣
文 部 大 臣 天野 貞祐君
政府委員
地方自治政務次
官 小野 哲君
地方自治局財政
課長 奧野 誠亮君
文部省初等中等
教育局長 辻田 力君
事務局側
常任委員会專門
員 石丸 敬次君
常任委員会專門
員 竹内 敏夫君
常任委員会專門
員 武井 群嗣君
衆議院事務局側
常任委員会專門
員 石井つとむ君
常任委員会專門
員 横田重左衞門君発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015111X00219510521/61
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