1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十六年三月三十日(金曜日)
午前十時五十一分開議
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議事日程 第三十三号
昭和二十六年三月三十日
午前十時開議
第一 戰歿者遺族戰傷病者及び留守家族対策に関する決議案(千田正君外三十二名発議)(委員会審査省略要求事件)
第二 教育職員免許法の一部を改正する法律案(内閣提出)(委員長報告)
第三 教育職員免許法施行法の一部を改正する法律案(内閣提出)(委員長報告)
第四 宗教法人法案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第五 国立学校設置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第六 市町村立学校職員給與負担法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第七 文化功労者年金法案(内閣提出)(委員長報告)
第八 物品税法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第九 鉱工品貿易公団の損失金補てんのための交付金に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第一〇 復興金融金庫に対する政府出資等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第一一 たばこ專売法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第一二 国税徴收法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第一三 関税定率法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第一四 中小企業等協同組合法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第一五 船員保險法の一部を改正する法律案(衆議院提出)(委員長報告)
第一六 国民健康保險法の一部を改正する法律案(衆議院提出)(委員長報告)
第一七 予防接種法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第一八 診療エツクス線技師法案(谷口弥三郎君外六名発議)(委員長報告)
第一九 漁業法等の一部を改正する法律案(衆議院提出)(委員長報告)
第二〇 恩給法の一部を改正する法律案(衆議院提出)(委員長報告)
第二一 電波監理委員会設置法の一部を改正する法律案(衆議院提出)(委員長報告)
第二二 行政機関職員定員法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第二三 運輸省設置法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第二四 農林漁業資金融通法案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第二五 臨時物資需給調整法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第二六 日本政府在外事務所設置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第二七 世界保健機関憲章を受諾することについて承認を求めるの件(衆議院送付)(委員長報告)
第二八 中小鉱山対策に関する請願(委員長報告)
第二九 中小企業銀行法制定に関する請願(委員長報告)
第三〇 中小企業信用保險法中一部改正に関する請願(委員長報告)
第三一 中小企業等協同組合法中・一部改正に関する請願(委員長報告)
第三二 三重県丹生川村の寒冷積雪地手当に関する請願(委員長報告)
第三三 三重県治田村の寒冷積雪地手当に関する請願(委員長報告)
第三四 三重県中里村の寒冷積雪地手当に関する請願(委員長報告)
第三五 三重県阿下喜町の寒冷積雲地手当に関する請願(委員長報告)
第三六 三重県東藤原村の寒冷積雪地手当に関する請願(委員長報告)
第三七 三重県石榑村の寒冷積雪地手当に関する請願(委員長報告)
第三八 三重県古美村の寒冷積雪地手当に関する請願(委員長報告)
第三九 三重県野登村の寒冷積雪地手当に関する請願(委員長報告)
第四〇 三重県椿村の寒冷積雪地手当に関する請願(委員長報告)
第四一 三重県鞆田村の寒冷積雪地手当に関する請願(委員長報告)
第四二 三重県玉滝村の寒冷積雲地手当に関する請願(委員長報告)
第四三 三重県河波村の寒冷積雪地手当に関する請願(委員長報告)
第四四 三重県関町の寒冷積雪地手当に関する請願(委員長報告)
第四五 三重県菰野町の寒冷積雪地手当に関する請願(委員長報告)
第四六 三重県白川村の寒冷積雪地手当に関する請願(委員長報告)
第四七 三重県加太村の寒冷積雪地手当に関する請願(委員長報告)
第四八 三重県柘植町の寒冷積雲地手当に関する請願(委員長報告)
第四九 三重県名張町の寒冷積雲地手当に関する請願(委員長報告)
第五〇 三重県朝上村の寒冷積雪地手当に関する請願(委員長報告)
第五一 三重県立田村の寒冷積雪地手当に関する請願(委員長報告)
第五二 北海道名寄町の地域給に関する請願(委員長報告)
第五三 電気通信職員訓練所東京第一学園移転に伴う神代村の地域給に関する請願(委員長報告)
第五四 新恩給法制定に関する請願(十四件)(委員長報告)
第五五 広島県大竹町の地域給に関する請願(二件)(委員長報告)
第五六 熊本県山鹿町の地域給に関する請願(委員長報告)
第五七 滋賀県大津市の地域給に関する請願(委員長報告)
第五八 佐賀市の地域給に関する請願(委員長報告)
第五九 兵庫県柏原町の地域給に関する請願(委員長報告)
第六〇 兵庫県上久下村の地域給に関する請願(委員長報告)
第六一 兵庫県成松町の地域給に関する請願(委員長報告)
第六二 兵庫県新井村の地域給に関する請願(委員長報告)
第六三 兵庫県沼貫村の地域給に関する請願(委員長報告)
第六四 兵庫県小川村の地域給に関する請願(委員長報告)
第六五 兵庫県黒井町の地域給に関する請願(委員長報告)
第六六 兵庫県吉見、竹日両村の地域給に関する請願(委員長報告)
第六七 兵庫県和田村の地域給に関する請願(委員長報告)
第六八 兵庫県久下村の地域給に関する請願(委員長報告)
第六九 兵庫県生郷村の地域給に関する請願(委員長報告)
第七〇 高知県後免地区の地域給に関する請願(委員長報告)
第七一 鳥取県の地域給に関する請願(委員長報告)
第七二 北海道天塩町の地域給に関する請願(委員長報告)
第七三 広島県可部町の地域給に関する請願(委員長報告)
第七四 千葉県柏町の地域給に関する請願(委員長報告)
第七五 香川県土庄町の地域給に関する請願(委員長報告)
第七六 香川県宇多津町の地域給に関する請願(委員長報告)
第七七 香川県坂出市の地域給に関する請願(委員長報告)
第七八 兵庫県香住町の地域給に関する請願(委員長報告)
第七九 兵庫県宝塚地区の地域給に関する請願(委員長報告)
第八〇 福岡県久留米市の地域給に関する請願(委員長報告)
第八一 福岡県筑紫郡の地域給に関する請願(委員長報告)
第八二 佐賀県武雄町の地域給に関する請願(委員長報告)
第八三 宮崎県の地域給に関する請願(委員長報告)
第八四 愛知県岩津町の地域給に関する請願(委員長報告)
第八五 神奈川県相模原町の地域給に関する請願(委員長報告)
第八六 三重県一身田町の地域給に関する請願(委員長報告)
第八七 福岡県新宮村の地域給に関する請願(委員長報告)
第八八 兵庫県鳴尾村の地域給に関する請願(委員長報告)
第八九 滋賀県八日市町の地域給に関する請願(委員長報告)
第九〇 山口県内日村の地域給に関する請願(委員長報告)
第九一 岐阜県高山市の地域給に関する請願(委員長報告)
第九二 福岡県宗像郡の地域給に関する請願(委員長報告)
第九三 山梨県石和町の地域給に関する請願(委員長報告)
第九四 宮城県塩釜市浦戸地区の地域給に関する請願(委員長報告)
第九五 愛知県上野町の地域給に関する請願(委員長報告)
第九六 愛知県常滑町の地域給に関する請願(委員長報告)
第九七 千葉市の地域給に関する請願(委員長報告)
第九八 岡山市の地域給に関する請願(委員長報告)
第九九 佐賀県嬉野町の地域給に関する請願(委員長報告)
第一〇〇 北海道留萠市の地域給に関する請願(委員長報告)
第一〇一 香川県丸亀市の地域給に関する請願(委員長報告)
第一〇二 郵政省職員の特別俸給表設定に関する請願(委員長報告)
第一〇三 愛知県田原町の地域給に関する請願(委員長報告)
第一〇四 愛知県福江町の地域給に関する請願(委員長報告)
第一〇五 愛知県二川町の地域給に関する請願(委員長報告)
第一〇六 山口県徳山市の地域給に関する請願(委員長報告)
第一〇七 香川県多度津町の地域給に関する請願(委員長報告)
第一〇八 秋田県の薪炭手当に関する請願(委員長報告)
第一〇九 岡山県瀬戸町の地域給に関する請願(委員長報告)
第一一〇 岐阜県北方町の地域給に関する請願(委員長報告)
第一一一 岐阜県土岐郡の地域給に関する請願(委員長報告)
第一一二 平衡交付金の是正に関する請願(三件)(委員長報告)
第一一三 市財政確立に関する請願(委員長報告)
第一一四 平衡交付金の増額および配分の適正に関する請願(委員長報告)
第一一五 地方公務員法附則第二十項に下水道事業追加の請願(委員長報告)
第一一六 地方自治法中一部改正に関する請願(三件)(委員長報告)
第一一七 平衡交付金等増額に関する請願(委員長報告)
第一一八 福知山市の警察吏員定数増加に関する請願(委員長報告)
第一一九 消防団員の公傷治療費全額国庫負担に関する請願(委員長報告)
第一二〇 自治体警察職員の退職手当支給に関する財源措置等の請願(委員長報告)
第一二一 地方自治法第百二條第五項改正に関する請願(委員長報告)
第一二二 平衡交付金の配分是正に関する請願(二件)(委員長報告)
第一二三 消防署経費国庫支弁に関する請願(委員長報告)
第一二四 平衡交付金の配分に関する請願(委員長報告)
第一二五 地方債の許可制度撤廃に関する請願(委員長報告)
第一二六 自治警察の選挙取締費交付に関する請願(委員長報告)
第一二七 北海道市町村上下水道事業起債に関する請願(委員長報告)
第一二八 消防法中一部改正に関する請願(委員長報告)
第一二九 平衡交付金増額等に関する請願(委員長報告)
第一三〇 地方事業費起債わく拡大筆に関する請願(委員長報告)
第一三一 平衡交付金中の教育費算定基準改定に関する請願(委員長報告)
第一三二 平衡交付金特別交付金増額に関する請願(委員長報告)
第一三三 平衡交付金予算増額等に関する請願(委員長報告)
第一三四 食糧配給公団廃止に伴う主要食糧配給事務費国庫負担の請願(委員長報告)
第一三五 旅館の宿泊に対する遊興飲食税撤廃の請願(委員長報告)
第一三六 平衡交付金増額に関する請願(委員長報告)
第一三七 行政書士法集中一部修正に関する請願(委員長報告)
第一三八 行政書士法制定に関する請願(委員長報告)
第一三九 消防団員に対する公務員災害補償法適用内容を持つ地方公務員法制定の請願(委員長報告)
第一四〇 地方公務員法中一部改正に関する請願(委員長報告)
第一四一 終戦後外地接収船舶の返還に関する請願(委員長報告)
第一四二 仏印戰犯者助命に関する請願(委員長報告)
第一四三 比島戰犯者助命に関する請願(委員長報告)
第一四四 平和促進に関する請願(委員長報告)
第一四五 講和條約に関する請願(委員長報告)
第一四六 青果物共済制度確立に関する請願(委員長報告)
第一四七 蚕糸業の奨励に関する請願(委員長報告)
第一四八 福島原西白河郡の耕地災害復旧に関する請願(委員長報告)
第一四九 国有牧野開放に関する請願(二件)(委員長報告)
第一五〇 国有林野拂下げ促進に関する請願(委員長報告)
第一五一 豊沢川農業水利事業予算増額に関する請願(委員長報告)
第一五二 霞ケ浦、北浦沿岸土地改良事業施行に関する請願(委員長報告)
第一五三 国営山王海農業水利改良事業予算増額に関する請願(委員長報告)
第一五四 胆沢平野土地改良事業を国営事業とするの請願(委員長報告)
第一五五 北上川雫石川沿岸農業水利事業を国営計画地区とするの請願(委員長報告)
第一五六 加賀三湖土地改良事業施行に関する請願(委員長報告)
第一五七 昭和二十六年度農地関係予算の復活に関する請願(委員長報告)
第一五八 開拓開墾事業に対する助成の請願(委員長報告)
第一五九 土地改良事業費国庫補助増額に関する請願(二件)(委員長報告)
第一六〇 農業共済組合連合会事業不足金処理等に関する請願(委員長報告)
第一六一 諌早干拓事業促進に関する請願(委員長報告)
第一六二 土地改良事業の強化に関する請願(委員長報告)
第一六三 養鶏飼料需給調整に関する請願(委員長報告)
第一六四 利別川えん堤工事施行に関する請願(委員長報告)
第一六五 水田うんか駆除用石油に関する請願(委員長報告)
第一六六 高知県池同時内ケ谷、宮ケ原間安居林道改修工事施行に関する請願(委員長報告)
第一六七 農林漁業資金融通法案中一部修正に関する請願(委員長報告)
第一六八 農業災害補償法中一部改正に関する請願(四件)(委員長報告)
第一六九 福島県大笹生村大平開拓道路開さく工事施行に関する請願(委員長報告)
第一七〇 固形肥料の普及に関する請願(委員長報告)
第一七一 植物防疫法中一部改正に関する請願(委員長報告)
第一七二 大豆かすを乳牛飼料として拂下げの請願(委員長報告)
第一七三 秋田営林局管内水林国有林拂下げに関する請願(委員長報告)
第一七四 神奈川県内郷村内国有林拂下げに関する請願(委員長報告)
第一七五 枕崎紅茶試験地を紅茶育種試験地に指定の請願(委員長報告)
第一七六 砂糖輸入および菓子用割当増加に関する請願(委員長報告)
第一七七 マオラン麻事業救済対策に関する請願(委員長報告)
第一七八 開拓農業協同組合等の救済に関する請願(委員長報告)
第一七九 宮崎県飯野町を農村建設計画樹立町に指定の請願(委員長報告)
第一八〇 中小企業等協同組合の危機打開に関する陳情(委員長報告)
第一八一 産業機械設備近代化法制定に関する陳情(委員長報告)
第一八二 関税ならびに貿易一般協定参加促進に関する陳情(委員長報告)
第一八三 岡山県玉野市の地域給に関する陳情(委員長報告)
第一八四 埼玉県の地域給に関する陳情(委員長報告)
第一八五 兵庫県明石市の地域給に関する陳情(委員長報告)
第一八六 広島県呉市の地域給に関する陳情(委員長報告)
第一八七 地方財政の特別措置に関する陳情(委員長報告)
第一八八 平衡交付金増額に関する陳情(三件)(委員長報告)
第一八九 平衡交付金等増額に関する陳情(委員長報告)
第一九〇 平衡交付金増額等に関する陳情(二件)(委員長報告)
第一九一 消防大挙創設に関する陳情(委員長報告)
第一九二 地方財政の強化に関する陳情(委員長報告)
第一九三 平衡交付金の基準額および補正係数に関する陳情(委員長報告)
第一九四 地方起債のわく拡大および地方財政強化に関する陳情(委員長報告)
第一九五 平衡交付金の算定基準改正に関する陳情(委員長報告)
第一九六 平衡交付金算定基準改訂に関する陳情(委員長報告)
第一九七 行政事務再配分の実施等に関する陳情(委員長報告)
第一九八 平衡交付金決定後法令等に基く地方の義務的負担経費に対する財源措置の陳情(委員長報告)
第一九九 行政事務再配分に関する陳情(二件)(委員長報告)
第二〇〇 行政事務配分に関する陳情(委員長報告)
第二〇一 地方財政平衡交付金法中一部改正に関する陳情(委員長報告)
第二〇二 六・三制校舎整備費の起債わく拡張に関する陳情(委員長報告)
第二〇三 地方財政危機打開に関する陳情(委員長報告)
第二〇四 平衡交付金および起債額増額に関する陳情(委員長報告)
第二〇五 地方自治法中一部改正に関する陳情(委員長報告)
第二〇六 映画、演劇の入場税軽減に関する陳情(委員長報告)
第二〇七 狩猟者税軽減に関する陳情(委員長報告)
第二〇八 行政書士法桑中一部修正に関する陳情(委員長報告)
第二〇九 小笠原島住民の帰郷促進に関する陳情(委員長報告)
第二一〇 比島に使節派遣の陳情(委員長報告)
第二一一 在外事業資産返還に関する陳情(委員長報告)
第二一二 台湾糖業返還に関する陳情(委員長報告)
第二一三 牛の流行性感目予防に関する陳情(委員長報告)
第二一四 積雪寒冷單作地帶の振興に関する陳情(委員長報告)
第二一五 農業協同組合の再建整備に関する陳情(委員長報告)
第二一六 水稻秋落防止対策経費国庫助成に関する陳情(委員長報告)
第二一七 農業協同組合再建のため長期低利資金の融通および利子補給に関する陳情(委員長報告)
第二一八 国有牧野開放促進に関する陳情(委員長報告)
第二一九 滞荷生糸処分による売上差益金の処置の陳情(二件)(委員長報告)
第二二〇 早場米奨励金に関する陳情(委員長報告)
第二二一 農地災害復旧費国庫補助増額に関する陳情(委員長報告)
第二二二 農業委員会法案中一部修正に関する陳情(二件)(委員長報告)
第二二三 うさぎ毛皮の産業振興等に関する陳情(委員長報告)
第二二四 宍道湖西岸土地改良事業施行に関する陳情(委員長報告)
第二二五 牧野改良事業費国旗補助に関する陳情(委員長報告)
第二二六 森林法改正に関する陳情(委員長報告)
第二二七 單作地帯農業振興に関する陳情(委員長報告)
第二二八 農業協同組合振興に関する陳情(委員長報告)
第二二九 国有林および不在地主所有山林開放に関する陳情(委員長報告)
第二三〇 低位生産地土じようの改良に関する陳情(委員長報告)
第二三一 七島い作付面積増反に関する陳情(委員長報告)
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/0
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001・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 諸般の報告は朗読を省略いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/1
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002・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) これより本日の会議を開きます。
この際、日程に追加して、国家公安委員会委員の任命に関する件を議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/2
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003・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます去る二十三日内閣総理大臣から、警察法第五條第二項の規定により、小汀利得君を国家公安委員会委員に任命することについて本院の同意を求めて参りました。本件に関し同意を與えることに賛成の諸君の起立を求めます。
〔起立者多数〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/3
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004・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 過半数と認めます。よつて本件は小汀利得君を国家公安委員会委員に任命することについて同意を與えることに決定いたしました
―――――・―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/4
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005・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 次に日程に追加して、外国為替管理委員会委員の任命に関する件を議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/5
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006・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。
去る二十四日内閣総理大臣から、外国為替管理委員会設置法第五條第二項の規定により、奥村竹之助君、杉原雄吉君を外国為替管理委員会委員に任命することについて本院の同意を求めて参りました。本件に関し同意を與えることに賛成の諸君の起立を求めます。
〔起立者多数〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/6
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007・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 過半数と認めます。よつて本件は外国為替管理委員会委員に奥村竹之助君、杉原雄吉君を任命することについて同意を與えるととに決定いたしました。
―――――・―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/7
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008・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 日程第一、戦歿者遺族戰傷病者及び留守家族対策に関する決議案(千田正君外三十二名発議)(委員会審査省略要求事件)を議題といたします。
本決議案につきましては千田正君外三十二名より委員会審査省略の要求が提出されております。発議者要求の通り委員会審査を省略し、直ちに本決議案の審議に入ることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/8
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009・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。よつてこれより発議者に対し趣旨説明の発言を許します。千田正君。
〔千日正君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/9
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010・千田正
○千田正君 只今議題となりました戰歿者遺族戰傷病者及び留守家族対策に関する決議案につきまして、発議者を代表し、その趣旨を説明いたします。
先ず決議案の案文を朗読いたします。
戦歿者遺族戰傷病者及び留守家族対策に関する決議案
去る昭和二十四年五月第五国会において、本院は「未亡人並びに戰歿者遺族の福祉に関する決議」を行い、政府に対して速やかな対策の樹立及びその実施を強く要望したのである。
しかるに今日諸情勢はすでに講和の近きを思わせるものがあるにもかかわらず、これら施策の成果については所期せられたところより相へだたること甚だ遠く、国家義務に従事した戦歿者の遺族及び未帰還者留守家族の悲況及び戰傷病のため生活の力を低減喪失した者の惨状が依然として、国民の到底黙し得ない状態に放置せられていることは、文化国家として最も遺憾とするところである。
よつて本院は講和受入態勢の急速整備の要ある状況にかんがみ、ここに決意を新たにし、これら戰歿者の遺族、戦傷病者及び留守家族に対し、新たなる見地から早急に国家補償を確立し断固として実施することを期する。
政府もまた、この国民の強き要望に答え、諸般の施政につき格段の努力を拂うべきである。
右決議する。
只今朗読いたしました通り、現在、文化国家として進むべき我が国にとりまして、重大且つ深刻なる社会問題となつておりまする戰歿者遺族、戰傷病者及び未帰還者留守家族に対し、急速に国家補償を行い、その生活を安らかにして、真の文化国家、平和国民としての講和態勢を整えようというのがこの決議案の骨子であります。
過般の戦争におきまして、この戦争を起し、これを指導し、そのために我が国を悲境のどん底に突き落す役割を演じた人々は論外でありまするけれども、これらの人々のために国民の義務と称して戦場に出され、国のためであると信じて戰つた人々に何の罪がありましようか、悲惨な戰鬪の結果、戰場に湧き或いは倒れて逝つた人たちに何の罪がありましよう。いわんやそれらの人々の家族に如何ほどの一体罪悪があるでありましようか。然るにもかかわらず、終戦以来六年になんなんとする今日、なお且つ戦争による最大の犠牲を強いられ、その生活は脅威せられ、或いは白衣の傷病者は街頭募金等をして最近も社会の問題になつておつたような状態に放置されたままになつているのも皆様御承知の通りであります。事実これらの傷病者に支給されます傷病者恩給は、驚くなかれ、両眼視力を失つた完全なる盲目者に対しては年額僅かに三千二百円、両足切断の歩行不能者は二千八百円、この金額は一カ年に支給されるところの金額であります。戦場で全く自分の責任に帰せられない原因で公務のため傷き病を得た不幸な人々に対して、これが現在我が国が行なつているところの補償であります。一例を申上げまするというと、最近法務府の調査資料によりまするというと、昭和二十四年度におきまして刑務所におけるところの受刑者の生活のために費されるところの国費は一人当り年額四万五千百二十八円ということに相成つております。傷病者中で最高額年に三千二百円を受けておりまするところの両眼失明者の人々に比べて実に十四倍に当つております。誤まれりとはいえ国のためにその義務に従事して傷いた人たよりも、国や社会に迷惑を及ぼしたるところのこうした犯罪者に十四倍も国費をかけねばならぬという矛盾したこの有様は、何という情ない姿でありましようか。これが文化国家平和日本の真の姿なのであります。口に文化を叫び、心に平和を願う国民といたしまして、この実態をこのまま放置して我々は恥としないでありましようか。又戰残者遺族の人々の悲惨なる状況も決してこれに劣るものではありません。現在におきましては、未復員者給與法に規定してありまするところの遺骨引取に要する経費は二千二百円、遺骨埋葬に要しまするところの経費が三千円、計五千二百円の給與のみであります。その慰霊祭すら公には禁止されておるのであります。一家の支柱を失つた大きな悲しみに加えて、世間の冷淡さにはただ憤激の涙のみであります。未帰還者留守家族は、法律に規定された扶養親族のある人のその扶養親族のみが僅かな扶養手当を受けてはおりますが、それ以外は殆んど放置されておるのであります。遺族、留守家族とも大部分はその子弟に六三三の義務教育さえも満足に與えることができ得ない実情でありまして、更に老齢の遺族はその生活さえも支えることができないような悲惨な状況にあるのであります。
以上述べました原因の一つは、敗戰後における連合国よりの覚書に基きまして、終戦前にありましたこれらの遺族傷病者に関する法令の改廃の不十分による点もありましよう。勿論その後に至りましても、一般傷病者その他と一律に取扱う身体障害者福祉法、生活保護法等の制定があるのでありますが、その実施状況は極めて不十分であります。又国会といたしましても、第一回国会以来この問題を最上げまして、殊に去る昭和二十四年第五回国会におきましては、本院において未亡人並びに戰長者遺族に関する決議案が満場一致を以て議決されたことは皆様の御記憶に新たなることと存ずるのであります。併しながら国民の熱情も、国会の努力も、今日までその実を結ぶことができ得なかつたのでありますが、諸般の情勢も変化いたしまして、待望の講和会議に関しても、連合国各国の注視の的となつておる今日におきまして、社会的道義の立場からも、又文化国家として講和会議に臨まんとする立場からも、著しく貧弱なるこの戦争犠牲者に対する施策の面を是正する急務を感じまして、ここに重ねて本案を提出するに至つた次第であります。
各国の状況を見ましても、米国、英国、ソ連等はもとより、すでにこの方面に対しまして特段の施策をなしております。敗戰国として我が国と同様の立場にありまするところの西ドイツにおいてすら、すでに昨年十二月二十日、九十二カ條よりなる戰争犠牲者の扶助に関する法律を、連邦議会各党各派の支援を得まして満場一致にて可決し、これに伴う予算としましても約三十億マルク、邦貨に換算しまして約二千七百億円を計上しまして、戰歿者遺族、戰傷病者等の救済を始めておるのであります。勿論西ドイツと比較して経済的復興の差異はありましても、国家の果すべき社会的道義の点においては何ら劣るものではないということを確信するものであります。或いは政府としましては、連合国よりの覚書とか、或いは予算措置とか、種々の難関を指摘せられるでありましようが、真に国際平和を要望し、人類社会の正しい道義に立脚して、平和日本の姿を以て講和会議に臨まんとする国民の熱意を了知するならば、関係各国に誠意を披瀝して、文化国家の面目を保つためにも、その理解を深めて、よんんば経済的に乏しいといたしましても、この不幸なる犠牲者のために万難を克服して速かにその施策を実行すべきであると確信するものであります。(拍手)以上縷々所信を申述べましたが、過去六カ年、敗戰の痛苦と懺悔の生活のうちから一点光明の講和の栄光のささんとするとき、八千万国民の悲しい願いでありますこの戦争の犠牲者に対する施策具現のために、平和日本、道義の国民代表たる諸君、何とぞ正しい御理解の下に満場一致の御賛同をお願いしまして、私の趣旨弁明に代える次第であります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/10
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011・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより本決議案の採決をいたします。本決議案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/11
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012・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて本決議案は全会一致を以て可決せられました。(拍手)只今の決議に対し厚生大臣より発言を求められました。黒川厚生大臣。
〔国務大臣黒川武雄君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/12
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013・黒川武雄
○国務大臣(黒川武雄君) 第五国会におきまして、衆参両院におかれましては未亡人並びに戰歿者遺族の福祉に関する決議がなされ、政府といたしましては決議の御趣旨に副うよう実現に努力いたして参りましたが、何分終戦直後のことでもあり、問題は軍人に関することであるが故に、特別の保護をする、特別の待遇をするということは当時の諸情勢からしていたしかねたのでありまして、生活に困難をしておる人につきましては、軍人の遺族たると否とを問わず、すべて生活保護法で平等に処置して参つたのであります。本日更に参議院におかれまして、戰歿者遺族、戰傷病者及び留守家族対策に関する決議案が決議いたされました。政府といたしましては決議案の趣旨を十分了承いたしました。
右お答えいたします。(「しつかり頼みます」と呼ぶ者あり)
―――――・―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/13
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014・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) この際、日程第二、教育職員免許法の一部を改正する法律案、日程第三、教育職員免許法施行法の一部を改正する法律案(いずれも内閣提出)、日程第四、宗教法人法案、日程第五、国立学校設置法の一部を改正する法律案、日程第六、市町村立学校職員給與負担法の一部を改正する法律案、(いずれも内閣提出、衆議院送付)、日程第七、文化功労者年金法案(内閣提出)、以上六案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/14
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015・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。文部委員長堀越儀郎君。
〔堀越儀郎君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/15
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016・堀越儀郎
○堀越儀郎君 只今議題となりました教育職員免許法の一部を改正する法律案に関する文部委員会の審議の経過及び結果を御報告申上げます。
政府提案の理由は、学校職員の免許制度を現下の教育界の実情に応ぜしむると共に、免許法上の不均衡を排除するにあるというのであります。本法の骨子とするところは、第一に、私立の中学校及び高等学校における宗教教育の振興を図るために、私立学校にのみ有効な宗教の教科についての免許状制度を新たに設けたこと。第二に、当分の間特例的措置として、教職に関する專門科目の単位のうち若干の單位を教科に関する専門科目について修得し得る途を開いたこと。第三に、臨時免許状の有効期間を地方の実情に応じて二年とすることができるという特例を設けたことであります。
本法案審議に当り、木村、矢嶋、高田、荒木、若木、高橋の各委員の質疑により明瞭となつた政府の所見の主なる点を申上げますると、地方の実情により臨時免許状の有効期間を延ばすことが必要であるが、二年以上長くすることは教員の向上心をなくする虞れがあるし、新卒業生の就職配置にも支障を来たす慮れがあること。宗教の免許状を私立学校のみについて有効としたのは、公立学校には憲法の條章等との関連から教科を置いていないが、私立学校では宗教の教科を置くことができるということりになつておる関係からであること。宗教科目に関する教員の養成方法としては、国立一、私立十七、私立短期大学八の学校に講座が設けられておること。盲ろう学校の教員に一級免許状を授與する場合、新たに大單位課程の修得を必要といたすこととしたのは、他との均衡及び特殊教育の振興上止むを得ない措置であり、又この種の教員の補充については東京教育大学その他で施設を講じたいるから必ずしも困難ではないということ等の諸点であります。
かくて討論に入り、荒木委員ほか五名の修正案の提出があり、荒木委員よりその提案の理由及び内容につき説明がありました。即ち政府の提出案によると、臨時免許状の有効期間を特定の場合には二年延長できることにしてあるが、土地の状況によつては教員の補充が甚だ困難であるから、この原則に対して更に、特別の事情がある都道府県で政令で定めるものにあつては、これを三年に延長することができるということを追加するというのであります。これに対して木村委員から、年限延長により研修の熱意を阻害させないこと、特別の地域及び事情に限りこれを行うよう政府は指導助言すべきことの希望を付して賛成され、矢嶋委員から、盲ろう学校教員の一級免許状取得の條件は負担過重であり、教員補充上支障を来たす慮れがあるから、政府は十分善処すると共に、認定講習の期間、場所、経費等について周到な措置をすべきことの要望を付して賛成意見が述べられ、かくて採決の結果、委員会は全員一致を以て本法案を修正議決いたすことに決定いたしました。
以上御報告申上げます。
次に教育職員免許法施行法の一部を改正する法律案であります。
これに対する文部委員会の審議の経過並びにその結果を御報告申上げます。政府提案の理由とするところは、先に申上げました教育職員免許法の一部を改正する法律案の提案理由と同様でありまして、本法案の骨子とするところは、第一は、上級免許状授與に関する特例として定められた同法第七條の規定の有効期間を更に五カ年間延長すること。第二は、僻陬地の校長の供給を容易にするため、教員の二級普通免許状所有者でも、十年以上の教職経験があれば校長仮免許状を受けられるようにすること。第三は、商船高等学校の教員免許状に関する規定を整備すること。第四は、旧免許状の所有者に対する新免許状の交付に関する省令の規定を法律に移すことの三点であります。
本委員会としては、愼重審議を重ねた後、討論に入りまして、荒木委員ほか五名の修正案が提出されて、荒木委員より提案の趣旨が述べられました。その骨子とするところは、教育の実際経験と実情より勘案して、第一は、旧国民学校令による国民学校専科教員免許状を有する者で、五年以上中学校の教員として勤務成績良好な者に対しては、中学校の二級普通免許状を授與することができるという政府の原案に対して、五年以上の勤務は必ずしも中学校に限定せず、小学校に勤務した者をも加えることにし、又中学校の教員の二級免許状授與に限定せず、小学校教員の二級免許状をも授與してもよいことにすることにあるのであります。第二は、旧国民学校令による国民学校初等科教員免許状を有する者で、五年以上小学校教員として勤務成績良好な者には、小学校教員の二級普通免許状を授興することができることにした政府原案に対して、小学校に限らず、幼稚園に勤務した者をも加えることにし、又小学校の教員の二級免許状に限らず、幼稚園の教員の二級免許状をも授與してもよいことにすること。以上の二点であります。これに対しまして木村委員より、これによつて小学校及び中学校教員の二級免許状を得た者は、小学校、中学校、いずれにても教職につくことは勿論できるのであるが、小学校と中学校とは教科担任につき各特色を有するから、成るべくそれに適応した担任をすることにより教育効果を挙げるよう、教員の配置を各教育委員会において処置せられるよう政府は助言せられたき旨の要望を付して賛成されました。
かくて採決の結果、委員会は全会一致を以て原案を修正議決いたすことに決定いたしました。
以上御報告申上げます。
次に宗教法人法案につきまして文部委員会における審議の経過並びに結果について御報告申上げます。本法案は十章八十九カ條及び附則二十八カ條からなる相当大部のものでございまして、終戰後ポツダム勅令としての宗教法人令によりまして久しく規正されて参りました我が国宗教団体に関しまして、ここに初めて民主的立法の原則に立つて法律制定の措置が講ぜられることとなつた次第であります。
この法律案の主たる目的といたしますところは、宗教団体に法人格を與え、財産権の主体性を明らかにし、これに免税その他の措置を通じまして、宗教法人として自由で且つ自主的な活動をいたすための物的基礎を獲得させようとする点にあります。宗教につきましては、御承知の通り憲法第二十條におきまして、信教自由、政教分離の基本原則が確立いたしておるわけであります。従つて宗教法人に関する本法案におきましても、当然これらの原則が留意されておりますと共に、他方、本法案は宗教団体に対して、その本質的使命に基き、自己の責任と公共性とを配慮すべきことを求めております。要するに本法案は、宗教法人の「自由と自主性」並びに「責任と公共性」という二つの要請を骨子として構成されておるわけであります。
次に本法案の内容の概略を申上げますると、先ず第一章は宗教団体の概念について規定いたしております第二章は、宗教団体が所轄庁によつてその定款とも申すべき規則の認証を受け、宗教法人として設立される手続を、第三章は、かくして設立されました宗教法人の管理、第四章は規則の変更手続、第五章、合併、第六章、解散、第七章、登記、第八章、文部大臣の諮問機関としての宗教法人審議会の組織運営等という順序に従つておるのであります。
次に、本法案は従来の宗教法人令に比較いたしましておよそ次の三点につき著しい改正を行なつておるのであります。第一には、宗教法人の設立が従来準則主義、登記主義によつておりますのに対して、新たに法人の設立には規則の認証を先ず受けねばならぬことといたしております。第二には、宗教法人の管理運営面において著しく民主化を図り、例えば責任役員を明確にすると共に、宗教法人の重要な事柄については、あらかじめ信者等に周知させるため公告制を設ける等の方法をとろうといたしております。第三には、新らしく宗教法人にも合併の制度を認めた点であります。
本委員会は、法案の非常な重要性に鑑みまして愼重な審議を重ね、且つ三月二十三日には特に宗教界及び学識経験者の中から参考人六名のかたの出席を求め、法案に対する意見を聴取いたしたのであります。委員会においては、主として梅原、高橋、大谷等の各委員から広汎な御質疑がありましたが、詳細は会議録に譲ることにいたします。
討論におきましては、梅原委員は、本法案のごとく宗教自由の原則に完全に立脚した法律の実施に当つては、国民の宗教的教養の向上が先決問題であり、それがためには、広く大学において宗教科を設ける等、種々の教育的施策が必要なること、これを力説せられると同時に、更に法務総裁に対しては、宗教法人の解散命令に関する規定の運用において明快適切なるべきを要望され、法案に対する賛成意見の開陳があり、矢嶋委員は、宗教法人の責任と公共性を強調され、邪教等の取締について法の適正な運用を要望して原案に賛意を表され、高橋委員は、第一條、法の目的、第三嫌、境内建物及び境内地の定義、第八十四條へ宗教上の特性及び慣習の尊重、第八十五條乃至第八十六條、法の解釈規定等について、その解釈及びその精神の普及が各官庁及び下部機構にまで統一徹底すべきことを要望して、法案を賛意を表されました。
次いで採決に入りまして、全会一致、本法案を可決いたしました。以上宗教法人法案に対する御報告を申上げます。
次に国立学校設置法の一部を改正する法律案、この法案につきまして文部委員会における審議の経過並びに結果につきまして御報告を申上げます。
本法案の骨子は、第一に、従来国立学校に包括されてはいましたが生徒の募集を停止中の三年制の専門学校や師範学校或いは青年師範学校の旧制諸学校百六十四校を昭和二十五年度限り廃止いたすこと、第二は、国立大学の新設或いは学部の新設及び名称の変更、第三には、勤労青年の進学要望に応えて夜間授業の国土短期大学を若干新設いたすこと、その他、大学附置の研究所の新設及び合併、国立大学の学都附属の学校その他の教育施設の整備、及び国立学校の職員の定員改正等の諸点に置かれております。
御承知の通り、現在我が国には七十余の多数に上る国立大学が設けられていますので、これらの運営方向或いは又如何にして設備、教授陣容の充実を図るべきかなどについて現在問題が山積いたしております。本法案の審議に際しまして、これらの点に関する政府当局の方針並びに見解について多数の委員から質疑が行われました。又多くの学校が廃止されますについては、それらの学校の職員の身分的措置が如何に取計られるかが問題となつたのであります。
かくて質疑を終了いたし、討論に入りましたが、先ず荒木委員から、本法案の附則第二項は、本法案の改正規定によつて、「廃止された学校の職員は、別に辞令を発せられないときは、昭和二十六年三月三十一日限り職員の身分を失うものとする。」と規定しているが、これは制度の改廃による犠牲を教職員のみに負担させるものであり、甚だ不当である、従つて本條項を削除する修正を必要と考えるのであるが、この條項に関する文部大臣の所見如何との質問に対し、文部大臣から、これらの職員に対しては大学当局と共と極力就職の斡旋及び退職金等についての特別の処遇を講ずる等、温かい気持を以て失職者を生じないよう善処いたしたいと思うとの言明がありました。よつて同委員は、この言明に信頼して、この條項に関する修正案の提出を差控える旨、及び本法案に賛成する旨の発言があり、続いて矢嶋委員、若木委員からも、本案に対して同趣旨の賛成意見が述べられました。かくて採決の結果、全員一致を以て原案の通り可決いたしました。以上御報告申上げます。次に布町村立学校職員給與負担法の一部を改正する法律案、この法律案の文部委員会における審議の経過及びその結果を御報告申上げます。
市町村立学校職員の給與に関して、関係法令の改正等に伴い当然改正を要する点が生じたのみならず、退隠料及び公務災害補償の負担区分、小中学校の教員定数等につき解決を要する問題を生じたので、政府は法律案を提出されたわけであります。
本案の骨子とするところは、第一に、年末手当、寒冷地手当及び石炭手当が都道府県の負担であることを明らかにすると共に、新たに退職年金及び退職一時金並びに公務災害補償を都道府県の負担としたこと、第二に、高等学校の定時制課程のうちに夜間の課程が含まれることを明らかにしたこと、第三に、都道府県が給與を負担する職員の定数は都道府県の條例で定めることとし、教育委員会が設置されている市町村の場合、その教育委員会は都道府県の教育委員会と協議して、この範囲内において自己の職員定数を定めることとしたこと、第四に、都道府県の負担する給與にいては都道府県の條例で定めることとし、その議案の作成及び提出については教育委員会法第六十一條の規定の例によること、第五に、義務教育費国庫負担法を廃止することの諸点であります。
委員会における矢嶋、成瀬、高田の各委員の質疑に対する政府の答弁によつて明らかになりました主なる点は、おおむね次のごときものであります。傭人の給與及び定員の制定については、傭人が学校の維持管理に当るものであり、且つ地方の実情に即して雇入れることとすることが適当であり、又給與の負担は必らずしも負担に堪えない程度のものではないから、従来通りこれを市町村の負担といたしたこと、又、日直、宿直は将来超過勤務制度として取扱うよう地方に助言すると共に、それに必要な財源措置についても配慮すること、更に又国の恩給制度の改正に伴い、地方教育公務員の恩給も国家公務員の恩給の中に将来包括されるよう努力したいということ、学校医に対する公務災害補償につきましては、具体的事実が発生した場合、教育公務員に準じて配慮するよう善処したいということ、或いは又現在高等学校が五大都市等で市内に県立及び市立のものが並立している所は、地方公共団体の事務再配分の全般的考慮の下に、これを市の管理に移すか否かを十分検討し、適当な処置をすること、幼稚園の教員の給與の都道府県負担及び公務災害補償については、幼稚園制度の十分な検討の結果を待つて適当なる措置を講ずること等であります。
かくて討論に入り、高田委員からは、幼稚園の教員の給與も都道府県の負担とするよう政府は十分考慮せられると共に、その公務による災害に対する補償につき遺憾なきを期することの要望を付して賛成意見が述べられ、矢嶋委員よりは、日直及び宿直を超過勤務とすると共に、その財源につき措置すること、退職年金、退職一時金については速かにこれを制度化すること、公務災害補償につき市町村負担となつている分については特別平衡交付金の交付等の方法によりこれが実施の全きを期すること、地方教育委員会の設置範囲については根本的に検討すること等の要望を付して賛成の旨が述べられました。かくて採決の結果、全員一致、原案を可決すべきものと決定いたしました。
以上御報告申上げます。
最後に文化功労者年金法案につきまして文部委員会における審議の経過並びに結果の概略を御報告申上げます。
本法案は、我が国文化の発達に関して、特に功績顯著なかたに対し年金を授與して、これを顯彰いたそうとする趣旨のものでありまして、終戦以来、徒らに文化国家の建設が名目的に唱えられて参りましたことを考えますると誠に意義ある立法措置と申さねばなりません。現在文化の興隆発達に貢献されたかたがたを顯彰する国家的制度といたしましては、文化勲章、学士院恩賜賞、学士院賞等がございますが、これらは或いは精神的優遇であり、或いは特殊研究に対する一時金的のものでございまして、広く文化功労者に年金を支給し、その功に酬いようとする本法案は、ここに文化功労者の新らしい顯彰制度を確立いたそうとするものと認めねばなりません。本法案によりますると、終身支給いたす年金額は五十万円であり、そのような文化功労者の決定は、文部省に置かれる文化功労者選考審査会が選考したかたのうちから文部大臣が決定いたすこととなつております。
委員会の審議におきましては、本法の文化功労者と文化勲章を受けた者とはどのような関係にあるのか。第一回の文化功労者数はおよそ何人を予定しているか。文化功労者年金は功績顯彰のほか養老年金的意味をも持つものであるかどうか。このいわゆる文化とは何を意味するか。又選考審査会の委員十名は如何にしてこれを選ぶか。何故にこの年金について免税措置がとられていないのであるか等の諸点につきまして、各委員から熱心な御質疑がありましたが、その詳細及びこれに対する政府当局の御答弁は会議録に譲りたいと思います。
討論に入りまして、山本委員ほか四名の発議された修正案が提出され、山本委員から趣旨の弁明がありました。修正の第一点は、原案第一條が「学術、芸術その他文化の発達に関し」云云と規定いたしますものを、単純に「文化の向上発達に関し」云々と改め、「文化」の内容についての例示的字句を除き、文化の観念を成るべく広く解釈できるようにいたそうとするものであり、第二点は、選考委員の任期二年を一年に改め、毎年全員が交替することによつて、選考の清新公正を期そうといたすものであります。引続き梅原、岩間、加納、成瀬、矢嶋の各委員から修正案に賛成する旨、又修正点を除く原案については種々の希望條項を付して賛成の意見を述べられましたが、これらの部分につきましても速記録に讓りたいと思います。かくて採決の結果、委員会は全会一致を以て原案を修正議決いたしました。
以上御報告申上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/16
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017・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
先ず教育職員免許法の一部を改正する法律案及び教育職員免許法施行法の一部を改正する法律案、以上両案全部を問題に供します。委員長の報告は修正議決報告でございます。委員長報告の通り修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/17
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018・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて両案は全会一致を以て委員会修正通り議決せられました。
―――――・―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/18
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019・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 次に、宗教法人法案及び国立学校設置法の一部を改正する法律案、以上両案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔起立者多数)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/19
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020・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 過半数と認めます。よつて両案は、可決せられました。
―――――・―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/20
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021・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 次に市町村立学校職員給與負担法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/21
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022・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一政を以て可決せられました。
―――――・―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/22
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023・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 次に文化功労者年金法案全部を問題に供します。委員長の報告は修正議決報告でございます。委員長報告の通り修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/23
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024・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一政を以て委員会修正通り議決せられました。
―――――・―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/24
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025・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) この際、日程第八、物品税法の一部を改正する法律案、日程第九、鉱工品貿易公団の損失金補てんのための交付金に関する法律案、日程第十、復興金融金庫に対する政府出資等に関する法律の一部を改正する法律案、日程第十一、たばこ専売法の一部を改正する法律案、日程第十二、国税徴収法の一部を改正する法律案、日程第十三、関税定率法の一部を改正する法律案、(いずれも内閣提出、衆議院送付)、以上六案を一括して議題とすること御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/25
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026・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。大蔵委員長小串清一君。
〔小串清一君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/26
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027・小串清一
○小串清一君 只今議題となりました物品税法の一部を改正する法律案の大蔵委員会における審議の経過並びに結果についで御報告申上げます。
このたびの改正の主要点を申上げますと、その第一はサツカリン又はヅルチンを原料とする錠剤甘味料につきましては、現在原料段階で課税しておるのでありますが、納税資金調達等を考慮いたしまして、今後は製品段階で課税することといたしたことであります。その第二は、物品税の取締を容易にし、脱税の絶滅を期するため、製造場から移出される際のまま小売店舗で陳列販売されるような物品のうち、特に必要なものにつきましては、移出の際、物品税証紙又は物品税表示証の貼付を命じ得ることといたしたことであります。本案につきましては委員諸君から熱心な質疑があり、これに対し政府から懇切な答弁がありましたが、その詳細は速記録によつて御了承願います。かくて質疑を終了し、討論採決の結果、全会一致を以て可決すべきものと決定いたした次第であります。
次は鉱工品貿易公団の損失金補てんのための交付金に関する法律案の委員会における審議の経過並びに結果について御報告申上げます。
先ず本案の内容について申上げます。鉱工品貿易公団は昭和二十六年一月三十一日に解散し、昭和二十六年度中にその清算が結了する予定でありますが、その損失金は目下のところ昭和二十六度年清算経費四千四百九十八万二千円、商品売買差損十四億九千一百五十七万七千円、被害未収金五千五百二十四万六千円、売掛金回収不能金九千八百二十七万二千円、合計十六億九千七万七千円と予想されるのであります。この損失金の補てん財源として、同額を限り昭和二十六年度において政府一般会計から同公団に交付いたそうとするものであります。
本案の審議に当りましては、鉱工品貿易公団の経理内容及び商品売買差損の内訳、売掛金回収不能の実情、被害未収金の内訳及びその処理状況、保有及び保管物資在庫内訳及びその処理方法等について詳細なる質疑がなされたのでありますが、それらの内容は速記録によつて御了承を願います。かくて質疑を終了し、討論に入り、松永義雄委員より反対、油井賢太郎委員より賛成の意見がそれぞれ述べられ、採決の結果、多数を以て原案通り可決すべきものと決定いたしました次第であります。
次に復興金融金庫に対する政府出資等に関する法律の一部を改正する法律案の委員会における審議の経過並びに結果について御報告申上げます
先ず本改正法律案の主なる点を申上げますと、第一点は、復興金融金庫の国庫納付金は収益勘定からのものと資本勘定からのものとの二本建となつておりまして、その債権を保全するための費用につきましては従来収益勘定で経理されていたのでありますが、この費用のうち、本来債務者の負担すべきものは債権保全費用立替金として資本勘定で経理するのが適当でありますので、今回これを資本勘定からの国庫納付金の計算に算入することといたそうとする点であります。第二点は、復興金融金庫が引受けた農林債券の償還金につきましては、従来その国庫納付に関する規定が設けられていなかつたのでありますが、これを昭和二十六年度において国庫に納付せしめ、その納付額に相当する金額の減資を行おうとする点であります。第三点は、復興金融公庫が融通した資金で代物弁済として公社債を受け入れることにより回収したものがあります場合には、その公社債の当該年度における償還金に相当する金額を国庫に納付せしめようとする点であります。第四点は、昭和二十五年度分の国庫納付金につきまして、その納付のための支出予算額がその納付すべき額に対して不足いたします場合には、その不足額を昭和二十六年度において納付せしめることとしようとする点であります。本案審議の詳細なる経過は速記録によつて御承知を願いたいと存じます。かくて質疑を終了し、討論採決の結果、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定をいたした次第であります。
次は、たばこ専売法の一部を改正する法律案についての大蔵委員会における審議の経過並びに結果について御報告申上げます。
本案の主要点を申上げますと、その第一点は、農薬用たばこに関する特例を設けたことであります。即ち農薬用葉たばこは日本専売公社においてその収納を行わないこととすると共に、この措置に関連してその取締に関する規定を整備いたしたのであります。その第二点は、製造たばこに対する災害補償の規定を整備したことであります。即ち製造たばこの小売人は、一定数量の製造たばこを常備しなければならないことになつておりますが、その手持製造たばこが公社の責に帰すべき事由又は不可抗力によつて、品質の悪変、包装の汚染等、販売に不適当となつた場合には、現行法では引換制度によつて救済することとなつておりますが、今回更に天災によつて滅失した場合には、その滅失した製造たばこの二分の一程度までは補償をすることができるということにいたしたのであります。その第三は、たばこ専売法違反事件の取締の必要上、新たに包装の製造又は営業の目的を持つた所持、譲渡し及び譲受けについて公社の許可を要することといたしたことであります。本案の審議に当りましては、委員諸君から種種熱心な質疑が行われまして、これに対し政府からも詳細懇切な答弁がありましたが、それらの詳細は速記録を御覧になつて御承知願いたいと存じます。かくて質疑を終了し、討論採決の結果、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定をいたした次第であります。
次は国税徴收法の一部を改正する法律案の委員会における審議の経過並びに結果について御報告申上げます。
本案は、最近における滞納の発生及びその処理の状況に鑑み、納税者に特別の事情がある場合における国税の徴収及び滞納処分につき、その合理化を図ろうとするものであります。その概要を申上げますと、第一は、分納及び徴収猶予の制度を新たに設けたことであります。即ち納税者が災害、盗難、疾病、廃業等により、又は申告期限から一年以上たつて、更正、決定を受けたことにより、その税金を一時に納付できない場合には、その申請によつて一年以内の分納又は徴収の猶予を認めることといたしたのであります。なお昭和二十四年分以前の所得税、相続税、物品税及び増加所得税、財産税等の旧税については、徴収酒予をなし得る場合の條件を若干緩和すると共に、猶予期間を二年以内とするなどの措置がとられております。第二は滞納処分の猶予制度を新設したことであります。即ち滞納処分の執行により滞納者の事業の継続を著しく阻害する虞れがあり、且つその処分を一時猶予して置くことが徴税上有利であると認められるときには、二年以内において適宜その処分の執行を猶予することといたしたのであります。第三は滞納処分の停止の制度を設けたことであります。即ち滞納者が無財産の場合、著しく生活窮迫に陷る慮れがある場合、又は所在不明の場合には、三年間滞納処分の執行を停止することができることといたしたのであります。以上その概要を申上げたのでありますが、このほかに国税と地方税との徴収の順位を同一とし、督促手数料を徴收しないこととし、差押物件の範囲を拡張すると共に、昭和二十四年以前の加算税及び延滞金につき軽減の途を開き、その他所要の規定を整備いたしております。
本案の審議に当りましては、委員各位と政府委員との間に種々質疑応答が行われましたが、それらの詳細は速記録によつて御了承願いたいと存じます。質疑を終了いたしまして、討論採決の結果、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定した次第であります。
次は関税定率法の一部を改正する法律案の大蔵委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。
本案は、戰後激変した我が国の経済事情に対処し、且つ関税及び貿易に関する一般協定及び国際貿易機関等の国際的関税率引下げの傾向に即応するために、関税率の全面的改正及び規定を整備しようとするものであります。改正案の主なる点を申上げますと、その一つは、戦後我が国の通貨価値が著しく下落したために、従量税率が殆んど無税に等しい状態になつておりますので、これを是正し、従価税率に統一しようとすることであり、その二は、従価一〇〇%の贅沢品関税を廃止し、課税品目を整理する等不合理な関税体系を是正し、且つ税率を引下げで、従価税率最高五〇%から最低五%の間において重要産業の維持育成、輸出加工貿易の保護振興を図るために、輸入原材料等は無税又は低率とし、完成品等は高率とすると共に、民生安定のために実用品及び生活必需品等は低率とし、賛沢品等は高率とするなどの妥当なる税率に改正しようとすることであります。その三は、我が国農村の特殊性を考慮いたしまして、輸入主要食糧に対しては適当な関税率を設けるが、国民生活安定の絶対的要請の見地から、海外の市価が高騰する場合は、国内における凶作等の場合と同様に関税を免除できることにしようとするものであります。その他、課税価格の算定基準を明確にすると共に、不当廉売品の関税については国際慣行に合致するように規定を整備しようとすることであります。
次に、本案は衆議院において修正されて送付されたのでありますが、その修正点を申上げますと、政府原案では無税となつておりますアンチモニーについては一割の課税をすることとし、南西諸島の生産品に対しては政令で規定する原産地証明書を添付するものの関税は当分の間免除することとし、更に、とうもろこし、大豆、落花生、原油、重油及び租油、石油コークス、航空機及びその部分品、(これは原動力機は除きます)船舶、内燃機関のうち航空機用のもの等については、昭和二十七年三月三十一日までの輸入については免税とし、原油、重油及び粗油以外の炭化水素油についてはそれぞれ税率を一割引下げ、人造藍を除く建染染料については、昭和二十七年三月三十一日までの輸入について一割五分の税率を適用することとした点であります。
さて委員会の審議に当りましては、各委員より熱心なる質疑があり、政府委員より懇切丁寧な説明があつたのでありますが、これらの詳細は速記録によつて御承知頂きたいと思います。只今私の申上げましたうちの建染染料については一割五分の税率を適用すると申しましたが、これは二割五分の税率になつて、一割五分を削除したのは、皆さんのお手許にある関税の改正表を御一覧願いたいと思います。
かくて質疑を終了し、討論に入りましたところ、大矢半次郎委員上り、こうりやん」は重要な飼料であり、大部分輸入品であるが、海外市価が高騰している折柄、無税としても国内産業の圧迫にはならないから、昭和二十七年三月三十一日まで無税とすべきである。菜種及びからし菜の種につきましては、食用油の原料であり、国内増産を図るため関税によつて保護する必要はあるのでありますが、歳入価格が国内価格を甚だしく上廻つている現在では、関税を課することは国民生活に重大な影響を與えるから、昭和二十七年三月三十一日まで無税とすべきである。人造藍を除く建染染料については、国産化完成途上にある建染染料工業保護のために、昭和二十七年三月三十一日まで一割五分課税することとなつている暫定的規定を削除し、本年四月一日から二割五分課税すべきであるとの修正意見が述べられ、次に杉山昌作委員より、我が国産業の設備更新と近代化の急速な要請に応ずるために、新式又は高性能の産業機械類で、我が国において製作が困難であり、且つ我が国経済の自立達成に資する産業の用に供するもので、政令で定めるものについては、昭和二十七年三月三十一日まで免税とすると共に、他に転用した場合の処置等、規定を整備すべきであるとの修正意見が述べられました。更に油井賢太郎委員からは、この両修正案に賛成する。吉田法晴委員からは、修正についてはいろいろ意見はあるが不満ながら賛成をするとの発言がありました。
かくて討論を終り、大失半次郎委員及び杉山昌作委員の修正案は、採決の結果、それぞれ全会一致を以て可決せられました。次に修正個所を除く衆議院修正原案について採決の結果、全会一致を以て可決すべきものと決定し、本案を修正議決いたした次第であります。
以上御報告申上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/27
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028・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 国税徴収法の一部を改正する法律案に対し討論の通告がございます。発言を許します。岩間正男君。
〔岩間正男君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/28
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029・岩間正男
○岩間正男君 日本共産党は只今議題となりました国税徴収法の一部を改正する法律案に反対するものであります。予算の討論でもしばしば指摘したところでありますが、吉田内閣は国際帝国主義者の手先となり、日本をアジア侵略戦争の作戦基地とし、(「何を言つておる」と呼ぶ者あり)再軍備と産業の軍事化を強行しようとしておるのであります。これに要する莫大な費用は言うまでもなく、労働者、農漁民、中小企業者等のふところからこれは苛酷に取立てられることになるのであります。その結果は水増し所得申告の押付けと苛酷な更正決定であり、これを聞かなければ白書武装警官をまで動員しての差押公売処分があるのであります。今や吉田内閣のこのような重税政策に対しましては怨嗟の声が巷に満ち満ちており、人民はみずからの生存権を守るために果敢に立上つているのであります。それだからこそ減税減税と宣伝して来たのでありますが、昭和二十六年度の予算では、さすがに厚顔無恥な政府も気がひけたと見えまして、いつの間にか、あの自由党本部前の「一千億減税」の大看板は夜中にこつそり下されてしまつた。(拍手、笑声)こういう事実が起つております。それと引換えに出されたのがこの国税徴收法の一部改正法案であります。この法案は、外見は如何にも重税に喘ぐ国民に対して、政府の慈善心とか親心というようなものを見せびらかすようにしています。だが、そのうしろには慈善心とか親心とはおよそ縁遠い悪辣な強奪者の顔が控えているのであります。どんな見せかけのおめかしをしようとも、その徴税額において何らの変更がなされない限り、こうした媚態からは、却つて醜女、いわゆる醜い女が厚化粧をしたような、ふんぷんとした臭気が臭つて来るのである。
で、これを法案について見ますと、先ず第一に、納税者が事業上の損失を受けたり、一カ年以上たつてからの更正決定で一どきに納税ができないというような場合には、一年以内の分納とか或いは徴税猶予を認めることにしておるのであります。併しこれは明らかにアメリカのテイツクラー・システムの輸入であります。先ずあらかじめ納税者の責任において納税の計画書を作らせて置いて、若しそれに違反した場合には即座に差押処分に付そうというやり方であります。つまりこれは差押の責任の一切を納税者に転嫁しようとしているところの悪辣な政府の魂胆と言わなければならないであります。第二には、差押によつて事業の継続が不可能となり、税金が取れなくなつたことを税務署長が認めた場合には、二年以内の期限で滞納処分を猶予するとか、又納税者の生活が困窮する場合には三年以内に限つて差押の処分を停止するということがきめられておるのでありますが、これも併しその資力が回復しました場合には即座にその効力はなくなりまして、差押公売が強化されることになつておるのであります。これでは納税者はいつまで経つても税金の脅威に付きまとわれて、おどおど暮さなければならない。そうして幾ら働いても右から左へその結果は素通りになつてしまうのです。これでは事業の再建に対しまして熱意を失うどころか、毎日の生活すら不断の不安にさらされるということになるのであります。実際上こういうような法案はあつてなきに等しいところのやり方と言わなければならないのです。これは單なるペーパープランに過ぎない。第三に、差押の禁止物件の範囲はこれを拡大しておるのでありますが、その中には親類に贈つたり或いは売つたりした財産も含まれることになるのであります。こういうことになりますと、盆、暮の贈り物をやるとか、或いは娘の嫁入り道具も安心して持たしてやることができない。こういうような結果が起るのであります。第四には、この改正案なるものを見ますというと、滞納処分中には第三者が立入りすることを禁止しております。これは今まで不当な、苛酷な滞納処分に対しましては、近所隣りの人が非常にこれに同情し、その不当な行動に対しまして、或いは税務署に対して抗議をするというようなことがなされたのでありますが、今度はそういうような第三者の立入を禁止し、それに対しましては、罰則を以てこれを抑圧する、こういうことはやつておる。従つてこういうことをやりますと、税務署はますますこれによつて一方的に、あの苛酷な、まるで悪代官のようなやり方を独断的に推し進めることができる。こういうことになるのであります。
以上述べましたように、このような法案の改正によりまして、目下重税の桎梏の下に悶え苦しんでいるところの人民に対しまして、このような法案の持つておる性格というものは、まるでこれはおいしい酒と言つて実はメチールを與えるようなものである。うつかりこれを飲むと目が潰れて、それで政府のしかけた罠にそつくりそのまま落ち込んでしまう、こういうことになります。而も木国税徴収法の改正というやつは、今度は地方税法にも当然これは適用されて来るのでありますから、その影響するところは非常に広汎になり、又深刻と言わねばならないのであります。こうしまして本年度は減税どころか、国税、地方税を合せまして約六千五百億余の血税が国民のふところから搾り取られることになつているのでありますが、大体これらの使い方はどうかと言いますと、これらの税金の七〇%以上が、先にも述べましたように、日本の軍事基地化と再軍備協力体制強化のために出費されているのであります。現に只今又問題になつておりますところの、この日程第九の鉱工品貿易公団の損失金補てんのための交付金に関する法律案、この法律案は何とか言いますと、こはれ簡單に言いますと、つまりこれはこの前、問題になりました早船が女を連れて逃げたと、これは新聞で騒がれた問題でありますが、八千万円の公団の金を使つたあのつまみ食い、これらの尻拭いとか、それから政府のいわゆる盲貿易によつて大変な損失が起つた、これらの損失を、いわゆる、このようにして弾圧的に徴収した税金を以ちまして今度の予算におきましては十六億も補填をすると、こういうやり方をすることになるのである。このようにこの税金は使われたのでありまして、戰争とかこのような不合理なものに税金が使われるということはこれは大きな問題でありまして、こういうものに対して、我々が苦しい生活の中からこういうような、まるで搾り取るようなやり方対して、そうして更にこの結果が戦争を強化するような方向に対して、(「わかつたわかつた」と呼ぶ者あり)我々自身がこの義務を負うべきかどうか。これは考えて見ればすでに明らかなことであります(「ごまかしだ」と呼ぶ者あり)
政府が若し本当に納税者のためを思つてやるというのであつたならば、こうした見え透いた小手先のわざに努力するよりも、六千五百億に上るこの税額を大削減すること、これこそが根本的な施策でなければならない。ところが、こういう問題のほうは一向頬被りをして、ごまかして置いて、そうして徴税法改正の名に隠れて実はますます人民のふところを搾り上げると、こういうようなやり方といものは、全く本末顛倒も甚だしいと言わなければならないのであります。(「そうだ」と呼ぶ者あり)日本共産党はこのようなごまかし的法案に対しては断乎として反対しなければならない。そうして根本的な大衆課税の撤廃のために闘うものであります。(拍手、「共産党のごまかし誰も信用しないぞ、いい加減にやめろ」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/29
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030・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) これにて討論の通告者の発言は終了いたしました。討論は終局したものと認めます。
これより採決をいたします。
先ず物品税法の一部を改正する法律案、復興金融金庫に対する政府出資等に関する法律の一部を改正する法律案及び国税徴収法の一部を改正する法律案、以上三案全部を問題に供します。三案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔起立者多数〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/30
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031・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 過半数と認めます。よつて三案は可決せられました。
―――――・―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/31
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032・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 次に鉱工品貿易公団の損失金補てんのための交付金に関する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔起立者多数〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/32
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033・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 過半数と認めます。
〔「少数」「只今の採決に異議あり」「多数として宣告済みだ」「記名投票」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/33
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034・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 只令の採決は、議長は多数と認めました。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/34
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035・原虎一
○原虎一君 採決に対する異議があります。記名投票されんことを要求いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/35
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036・岩間正男
○岩間正男君 只今の動議に賛成します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/36
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037・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 記名投票の要求がございましたが、(「異議あり」と呼ぶ者あり)出席者総数の五分の一の賛成者を要します。(発言する者多し)
〔起立者少数〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/37
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038・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 少数と認めます。(「採決の仕方が違うぞ」「採決しておらない」「議長横暴」と呼ぶ者あり)よつて本案は可決せられました。
―――――・―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/38
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039・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 次にたばこ専売注の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔「定足数下足」と呼ぶ者あり〕
〔起立者多数〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/39
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040・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。
議事の都合により暫時休憩いたします。
午後零時十七分休憩
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午後一時五十九分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/40
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041・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 休憩前に引続き、これより会議を開きます。
関税定率法の一部を改正する法律案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。委員長の報告は修正議決報告でございます。委員長報告の通り修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/41
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042・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て委員会修正通り議決せられました。
―――――・―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/42
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043・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 日程第十四、中小企業等協同組合法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。先ず委員長の報告を求めます。通商産業委員長深川榮左エ門君。
〔深川榮左エ門君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/43
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044・深川榮左エ門
○深川榮左エ門君 只今議題となりました中小企業等協同組合法の一部を改正する法律案につき、通商産業委員会における審議の経過と結果につきまして御報告申上げます。
御承知の通りに中小企業等協同組合法は第五国会にて制定せられたものでありますが、商法中特に株式会社の規定を若干準用いたしております。然るに商法の一部が改正せられて本年七月一日より施行せられる予定になつておりますので、先ず右に伴つて本協同組合法の改正が必要となりました。同時に又本組合法の施行後二年近くの経験に徴しまして同法自体に若干改正を加える必要に迫られましたので、特に組合運営の円滑化を図る目的で、両者を併せてここに改正法案の提出を見るに至りました。
そこで先ず商法改正に伴う改正につきましてその要点を申上げますと、第一点として、理事会の制度を設けたこと、即ち組合の業務執行の決定は理事会が行うことにしたのであります。同時に、現行のように各理事が組合を代表する制度を改めて、特に組合を代表する理事を選定すべきことにいたしました。第二点として新たに理事の責任に関する規定を設けたこと、即ち理事がその任務を怠つた場合にのみ組合に対する責任を追及されることになつております。第三点として、監事の権限を会計監査に限定したこと、第四点として、業務監査的な機能が一般組合員に移るため、結局、組合員に対して代表訴訟及び業務執行の差止請求権が認められたこと。
次に協同組合法自体についての改正中で主な点を申上げますと、第一点として、定款の認証は行政庁が行うことに改められたこと、即ち従来は組合制度に知識経験が十分でない公証人が認証していましたが、現状に照して、行政庁が認証すれば、組合の実態を常に把握できまして、その堅実な発表に役立つものとされております。第二点として、行政庁は、組合の業務又は会計が法令又は定款に違反し、或いは組合の運営が著しく不当と認められるときは、組合員の申出がなくても検査できるようにしたこと、なお、その違反に対しても罰則を設けるものといたしました。以上が本改正法案の要点であります。
本委員会におきましては、各種協同組合の実情並びに意見をも徴して愼重審議し、同時に協同組合が当面している具体的な育成策、特に金融並びに租税対策などに関しても政府当局に質疑を行い、且つ督励いたしました。かくて質疑を終り、討論に入りましたが、特に民主党境野委員より、本改正案ではまだ組合制度の円滑な運営を期するには不十分な点があるので、次の機会で改正するよう要望するとの発言があつて、賛成意見が述べられました。採決の結果、本改正法案は全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。
右御報告申上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/44
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045・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔起立者多数〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/45
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046・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。
―――――・―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/46
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047・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) この際、日程第十五、船員保険法の一部を改正する法律案、日程第十六、国民健康保険法の一部を改正する法律案、(いずれも衆議院提出)、日程第十七、予防接種法の一部を改正する法律案、(内閣提出、衆議院送付)、日程第十八、診療エックス線技師法案、(谷口弥三郎君外六名発議)、以上四葉を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/47
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048・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 御異議ないものと認めます。先ず委員長の報告を求めます。厚生委員長河崎ナツ君。
〔河崎ナツ君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/48
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049・河崎ナツ
○河崎ナツ君 只今上程されました船員保険法の一部を改正する法律案外三案につきまして、厚生委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。
先ず船員保険法の一部を改正する法律案について申上げます。
本案は衆議院提出の法案でありまして、その主眼とするところは養老年金支給額の増額を図ろうとすることであります。即ち現行法によりますと、養老年金の額の計算の基礎となる平均標準報酬月額は被保険者であつた期間の全期間の平均標準報酬月額となつておりますが、これにより計算した養老年金の額は、他の年金給付たる寡婦年金、鰥夫年金及び遺兒年金と比較いたしまして甚だしく不均衡を生ずることとなりますので、養老年金の額を適正な額とするために、その計算の基礎となる平均標準報酬月額を昭和二十一年四月一日以後の被保険者であつた期間の平均標準月額に改め、この場合において養老年金の額が二万四千円を超えるときは、これを二万四千円に抑えることといたしてあります。その他、厚生年金保険法の関係條文との調整をいたしてあるのであります。以上が本法案の改正の主眼点でございます。
厚生委員会におきましては、本案の審議に当りまして種々質疑応答がございましたが、その一二について申上げますと、上條委員から、船員は危險な職務に従事するにかかわらず、その養老年金の額を二万四千円で抑えるのは余りに低過ぎると思うがどうか。又養老年金額の計算の基礎となる平均標準報酬月額のとり方について、社会保険審議会から厚生大臣の諮問に応じてした答申によると、昭和二十二年十二月一日以後の期間を基礎とすることになつているが、これを昭和二十一年四月一日以後の期間を基礎とすることにしたのは不当ではないかという趣旨の質疑に対しまして、提案者並びに厚生省事務当局から、養老年金の額を二万四千円で抑えたのは、現在の保険給付の実状及び保険料率等との見合いの上、この程度が適当と考えたからである。又平均標準報酬月額について昭和二十二年十二月一日以後の期間を基礎とすることにしますと、養老年金の額が著しく高額となり、さりとて戦時中の平均標準報酬を基礎とするのは余りに低額に失しますので、この際、戦後初めて標準報酬を改訂したところの昭和二十一年四月一日以後の被保険者であつた期間の平均標準報酬月額とした次第であるとの答弁でございました。その他詳細は速記録によつて御了承を願います。
かくて質疑を終り、討論に移りましてから、上條委員より、本法成立後適当な時期に次の趣旨により本法を改正することを要望して本案に賛成する旨述べられました。即ち一、養老年金の額の計算の基礎となる平均標準報酬月額は昭和二十二年十二月一日以後の被保険者であつた期間の平均標準報酬月額とする。二、養老年金の額を最高二万四千円に制限しないことの二点であります。他の委員もこれに同調されましたので、右の事項を要望することにいたしまして、採決の結果、本案は全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。
次に国民健康保険法の一部を改正する法律案について申上げます。
本案も衆議院提出の法案でありまして、御承知の通り、国民健康保険法は昭和十三年に実施されて以来、急速に普及発達いたし、今や社会保障制度の一環として、ますますその重要性を加え、現在保険者数五千百、被保險者数二千五百万人に達しておりますが、今回更に国民健康保険の運営を適正且つ合理的ならしめるため所要の改正をいたさんとするものであります。改正案の要点の第一は、国民健康保険の診療報酬を適正ならしめるため、これを審査する機関として、社会保険診療報酬支拂基金のほかに、都道府県に一又は二以上の国民健康保険診療報酬審査委員会を設置することとし、なお保険者の自己審査及び都道府県を区域とする連合会に対し審査の委託をなし得る規定を設けようとするのであります。第二点は、特別の事由のある市においては、その市の一部の区域において公営で国民健康保険を行い得る途を開こうとすることであります。第三点は、一部負担金を療養担当者の窓口で支拂い得ることとし、又特別の事由のある者には一部負担金を減免する等の措置を講じ得ることといたしてあります。第四点は、今回地方税法の改正により、国民健康保険の行う市町村は、保險料に代えて国民健康保険税を課し得ることとなりますので、これと関連して保険料に関する規定を整理しようとすることであります。以上がこの改正案の要点であります。
厚生委員会におきましては、診療報酬点数の問題、審査機構の問題、一部負担金の窓口拂の問題その他に関し、熱心な質疑応答が交されましたが、その詳細は速記録によつて御承知願いたいと存じます。かくて討論省略の上、採決いたしました結果、本案は全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります
次に予防接種法の一部を改正する法律案について御報告申上げます
先ず本法案の提出理由は、予防接種法は昭和二十三年第二国会において制定されまして、今日まで伝染病予防対策上重要な役割を果して来たのでありますが、現行法におきましては、定期の予防接種は必らず市町村長の行うものを受けなければならないことになつていたのであります。これは、当時としては新らしい制度であり、予防接種を確実に行うため市町村長の行うものだけに限定し、体系の複雑化を避けたのでありますが、今日、予防接種の普及に伴いまして、市町村長のみにとどまらず、一般医師の接種をも法律上有効なものと認めるよう改正して、国民の便宜を図ることといたしたのであります。
以上が本法案の概要でありまして、厚生委員会におきましては、予防接種を一層普及徹底するために改正されました本法案は極めて適切なる立法と認めまして、質疑並びに討論を省略いたしまして、本本案の採決に入り、原案通り全会一致を以て可決すべきものと決定いたした次第であります。
次に診療エツクス線技師法案について御報告申上げます。
この法案は本院谷口議員ほか六名による議員提出法案であります。先ず提案理由について簡單に申上げます。診療エツクス線の業務に従事する者の資格を定めて、その資質の向上を図ると共に、その業務が適正に運用されるよう規律する必要があるためであります。
次に本法案の内容について概要を申上げます。先ず第一に、エツクス線の照射は、これに関する十分な知識と熟達した技術とを有する者によつて行われなければ、人体に恐るべき障害を起させる危険の大きいものでありますので、かような危害を防止いたしますために、エツクス線を人体に照射する業務は免許を受けた者でなければ行うことができないことと、その免許は一定の国家試験に合格した者に対してでなければ與えられないこととなつております。なお、その受験資格といたしまして、高等学校卒業の後、更に二年間エツクス線に関する知識技能の修習を終えたことを必要とすることに規定いたしております。これに関連して、現在業務に従事している者及び過去において三年間の業務経歴を有する者に対しましては届出制をとつた上、暫定的に五年間を限つてその業務の継続を認め、その間に届出者に対する試験を行うことによつて新制度へ移行させるよういたしております。
次に、その業務のあり方につきましては、医師の行う診療行為と極めて密接な関連を持つている点から、医師のみが行い得る診断の分野にまで入ることがないよう、診療の補助者としての性格を明確にいたしております。即ちエツクス線照射を行うには、必ず医師又は歯科医師の具体的な指示を受けなければならないこととし、又その業務に従事する場所を原則として病院又は診療所内に限ることとして、その業務が常に医師の監督下に行われるように規定いたしております。又エツクス線照射に関する指示を與えた医師又は歯科医師の署名を受けさせることにしているのであります。
以上が本法案の大要であります。
本法案は七各の厚生委員の発議でまありして、従来より十分研究いたしておりましたので、厚生委員会においては質疑並びに討論を省略して本法案の採決に入りましたが、原案の通り全会一致を以て可決すべきものと決定いたした次第であります。
以上御報告申上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/49
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050・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。先ず船員保険法の一部を改正する法律案及び予防接種法の一部を改正する法律案、以上両案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/50
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051・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて両案は全会一致を以て可決せられました。
―――――・―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/51
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052・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 次に国民健康保險法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔起立者多数〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/52
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053・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。
―――――・―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/53
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054・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 次に診療エツクス線技師法案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/54
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055・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。
―――――・―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/55
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056・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 日程第十九、漁業法等の一部を改正する法律案(衆議院提出)を議題といたします。
先ず委員長の報告を求めます。水産委員長木下辰雄君。
〔木下辰雄君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/56
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057・木下辰雄
○木下辰雄君 只今議題となりました漁業法等の一部を改正する法律案について、委員会における審議の経過並びにその結果について御報告いたします。
本案は衆議院提出の法律案であります。提案の理由及びその内容を簡単に申上げます。昨年三月十四日に施行せられました新漁業法においては、漁民による漁業秩序を再建し、従来の漁業権を全部再編成することになつておりますが、許可漁業についても漁業の民主化という見地から再検討を加えることとなつておりまして、このいわゆる漁業制度の根本的改革ともいうべきものが現在着々実行されつつあるのであります。然るにこの一カ年間に行なつた実績によりまして、この制度改革を一層円滑に実施するために法の改正を要する点が多少あるのであります。その第一点は、瀬戸内海における「ます」網漁業は現行法においては定置漁業に該当するものが多いのでありますが、その大部分が漁民の輪番制によつて経営せられている実情にありますので、この理想的な経営方法を生かすために全部共同漁業権のうちに組入れることとしたのであります。改正の第二点は、入漁権はすべて協同組合又はその連合会でなければ取得することができないことに改めたのであります。これは入漁権の対象となる漁業権は、協同組合のみが所有することができるところの共同漁業権と一部の区画漁業権に限定されております関係から、入漁権も同様に協同組合及びその連合会に限つたわけであります。第三点は、小型底曳網漁業の関係でございますが、この漁業は以東底曳網漁業とは取扱が違いまして、取締規則によつて知事の許可に委ねられております。ところで、この小型底曳は戦時戦後を通じて我が国の食糧危機の緩和に貢献いたしました漁業でありましたが、沿岸至る所で操業され、無許可艦が三万隻にも達しておる状況でありまして、沿岸漁業の秩序維持に大なる支障を果たしておるのであります。今回この漁業の処理についての方針を確立し、制度改革を更に強力に推進する法的根拠を規定したことであります。第四点よ、漁業法の規定によりますと、知事が漁業調整につき処分を行う場合には海区漁業調整委員会の意見を聞かねばならぬこととなつておりますが、委員会が解散されるとか、委員に欠員を生じて委員会が成立し得ない場合で補欠選挙に間に合わないような場合には、委員会の意見を聞かずして知事が措置できるようにいたしたことであります。第五点は、内水面漁場管理委員会の委員も海区漁業調整委員会の委員と同様に都道府県の議会議員の兼職を禁じたことであります。
以上が漁業法関係の主なる改正点でありますが、漁業法施行法関係といたしましては次の二点を改正せんとするのであります。第一点は、旧漁業法に基く漁業権の消滅時期を、政令によりまして一括地区ごと、漁業権ことに指定することになつておりますが、現行法によつて現在樹立されております漁場計画の進行状況を考えますと、画一的に権利の消滅時期を指定することはいささか困難の模様であります。従つてこの際、漁場計画の作成により密接な地位にある知事をして指定の事務を行わせることが適切であると考え、かように改正したのであります。第二点は漁業権の補償事務開始の時期でありますが、現行規定によりますと、漁業権が消滅した後に手続を始めるようになつておりますが、漁業権の補償は沿岸漁業の協同化のため生産資金に活用される希望が多く、又かくすることが制度改革をして有終の美を完うさせるゆえんでもありますので、できる限り早く補償額を確定し、漁業権証券交付の時期を繰上げることが望ましいのであります。如上の意味から権利消滅前にも補償計画の手続を開始し得るように措置したわけであります。
以上が本法案提出の理由及び内容の概略であります。然るに衆議院においては、改正の第三点として申上げました小型機船底曳網漁業に関する件、即ち改正法案の第六十六條の二全部を削除し、又改正の第四点として申上げました海区漁業調整委員会の委員の欠員を生じておる場合における知事の処分権を定めるという第百四條の二等を削除し、これらに附随する條文の修正を行なつて本院に送付されたのでありつます、委員会におきましては、この修正案について十分に質疑応答を重ね、填重審議いたしたのでありますが、その詳細は速記録によつて御承知を願いたいと存じます。かくて質疑を終了して、討論採決の結果、修正案通り全会一致を以て可決すべきものと決定いたした次第であります。
以上御報告いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/57
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058・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔起立者多数〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/58
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059・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。
―――――・―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/59
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060・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) この際、日程第二十、恩給法の一部を改正する法律案、日程第二十一、電波監理委員会設置法の一部を改正する法律案、(いずれも衆議院提出)、日程第二十二、行政機関職員定員法の一部を改正する法律案、日程第二十三、運輸省設置法等の一部を改正する法律案、(いずれも内閣提出、衆議院送付)、以上四葉を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/60
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061・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。内閣委員長河井彌八君。
〔河井彌八君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/61
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062・河井彌八
○河井彌八君 只今上程せられました法律案四件、これらの内閣委員会における審査の結果並びに結果を御報告申上げます。
恩給法の一部を改正する法律案、この法律案は衆議院の発案にかかるものでありまして、内閣委員会におきましては、委員会を開くこと二回、昨日全会一致を以て可決すべきものと議決いたしたのであります。
国家公務員の俸給、給與の額が、先に給與法令の改正に伴いまして増額せられたのであります。これに伴いまして恩給年額を改定すると共に、恩給の多額所得による普通恩給の一部停止の基準となる金額の水準をば、普通恩給金額の増加と経済事情の推移に鑑みまして、これを引上げる必要があります。もう一つ恩給法と恩給法臨時特例の規定の統合整備を行い、又、公務員制度等の改正に伴いまして恩給法に所要の改正を加えるというのがこの案を提出いたしました理由であります。
本案の改正の要点を簡単に説明申上げますれば、その第一点は、現行給與法令が適用される前の俸給を基礎として計算されている恩給年額の増額改定に関するものであります。昭和二十六年一月一日から国家公務員の給與が引上げられました結果、今年の一月一日以後に退職した恩給金額は、それより前、即ち一月一日前に退職した公務員の恩給金額よりも高くなつておるのであります。この不均衡を調整いたしますために、現行給與法令適用前、即ち昨年の十二月三十一日以前に退職した公務員の恩給につきまして、その恩給金額計算の基礎となつている俸給年額に対応する現行給與法令に基く俸給をば推定いたしまして、その推定された俸給に相当する金額を基礎といたしました場合の恩給年額にこれを改定いたしまして、本年一月一日分から増額改定された恩給を支給して、恩給支給の水準を統一調整いたそうとするのであります。第二点はいわゆる多額所得者の普通恩給の一部停止に関する規定の改正であります。現行の恩給法臨時特例によりますと、普通恩給年額三万円以上で、恩給外の所得年額二十万円を超える者につきまして、普通恩給年額と恩給外の所得年額の合算額に応じまして、普通恩給の一部を停止することになつておるのでありまするが、この法律案によりまして、現行給與法金適用前の俸給を基礎として計算されている普通恩給の年額が増額改定されることになりますることと、最近の経済等の諸般の情勢の推移に鑑みまして、この基準金額の水準を引上げ、普通恩給年額五万円以上で、恩給外の所得年額二十五万円を越える者につきまして、現行法のような割合で普通恩給の一部停止を行うこととなつておるのであります。その第三点は、恩給法臨時特例を廃止いたしまして恩給法の規定を整備するための改正であります。恩給制度に関しましては、恩給法とは別に、昭和二十三年に恩給法臨時特例が制定せられまして、暫定的の措置が講ぜられてあるのでありますが、公務員に関する給與制度等の確立を見るに至りました今日におきましては、増加恩給年額その他恩給金額の計算等に関する恩給法の規定は、現行法のままでは存在の意義を失うに至つたので、これらの規定をぱこれに代る恩給法臨時特例の規定と置き換える趣意を以て、恩給法の規定を整備いたしまして、恩給法臨時特例はこれを廃止することといたしたのであります。
大体以上がこの法律案の改正の主な点であります。このほかに、なお、諸制度の改革に伴いまして、例えば教育職員、待遇職員又は公務員に準ずべき者等に関する不要となつた規定の削除、整理、或いは国家公務員制度の改革に伴うところの恩給法上の公務員たる文官の意義に関する所要の註釈的の改正、或いは又皇宮警察職員の職名の変更及び看守部長設置規定の改正に伴う警察監獄職員の定義に関する字句の修正等のような簡單な改正が加えられておるのであります。そうして、この改正法律案は本年の四月一日から施行せられることになつておるのであります。
委員会におきましては熱心な質疑応答が重ねられたのでありまして、その結果明らかになつた主な点を申上げます。その一つは、公務員の給與水準が本年一月から上りましたのに応じて恩給年額も増加することになるのでありまするが、これに要する昭和二十六年度の予算増加額は十五億八百九十二万七千円ということになつております。従いまして、恩給総額は七十一億七千三百九十六万八千円となるのであります。当局の読明によりますれば、この改定恩給は改正法律の規定によつて本年一月分から支給せられるのでありまして、本年七月の支給期には全部この増額せられた恩給が受給者に支拂われることとなるという見込であるのであります。その二は、改正法律案による改定恩給の増加率は、俸給の低い公務員には少くて、俸給の高い公務員には高くなつておるのであります。例えば、最低の者は二割一分の増加率であるのに最高の者は五割七分となつておるが、その理由如何という質問に対しまして、これは現行給與法規がかくのごとく上下の差が著しくなつておるがためであつて、恩給額は仮定俸給の額を標準とするものであるから、かくのごとき結果となるのである。これは、恩給法の建前上これが最も公平であるという答弁であったのであります。その三ほ、将来、公務員の給與が増額せられたときには、今回の改正のごとくに、給與の増額に応じて早急に恩給額も改定せられるように立法措置を講ずるように政府が努力するということであります。その四は、新恩給制度は、過般来朝せられましたマイヤース氏の勧告に基きまして、人事院の手において只今立法準備中であるということが明らかになつたのであります。
このようにいたしまして討論に入ったのであります。梅津委員から、近い将来に新恩給法が立案せられるということであるが、新恩給法ば公平の原則によって立案せられることを特に人事院に対して要望するという意見を述べまして、本案に賛成したのであります。委員会は、この改正法律案が今日全国二十万三千人の恩給受給者の切実なる要望に応えるものであって、極めて適切なる改正であるということを認めまして、採決に入りましたところ、全会一致を以て可決すべきものと議決いたしたのであります。
次に電波監理委員会設置法の一部を改正する法律案の審査の経過並びに結果を御報告申上げます。
この法律案は、やはり衆議院の発案によるものであります。内閣委員会においてほこれを審査するために二回委員会を開きまして、又電気通信委員会と連合委員会を一回開いたのであります。昨日全会一致を以て可決すべきものと議決いたしました。この法律案の提案の理由とするところは、電波監理委員会の委員長及び委員に対しては、その職務及び服務の状況に鑑み、恩給法を適用する必要があるというのであります。この法律案の内容を申上げますと共に、委員会において明らかになつた点を御報告いたします。電波監理委員会は昨年の六月一日に総理府の外局として設置せられたものであります。その委員長及び委員は、その資格及び任命の方法、兼職禁止、退職後の就職制限等につきまして、電波監理委員会設置法によつて明らかに規定せられておるのみならず、更にこの法律によりまして、国家公務員法に定める服務の根本基準、職務に專念する義務、政治的行為の制限等の規定の準用を受けておるのであります。次に委員長及び委員の服務の状況を見まするのに、事実上常勤の状態であるのみならず、委員会の所掌事務の性質から現在極めて繁忙の状態にあるのであります。この繁忙の状態は将来に亘つても継続するものと予想せられるのであります。そのように、この委員長及び委員は、その職務の性質と服務の状況とが一般公務員と絡段の差異がないのであるにもかかわりませず、現行の法制上におきましては、恩給法上の官吏であることが明らかでないために恩給を受ける権利がないということになつております。この法律案はかような不合理を除きまして、電波監理委員会の委員長及び委員に対して適正妥当なる所遇を與える趣旨を以ちまして、この設置法の一部に改正を加えまして、委員長及び委員をば恩給法第二十條に規定する文官とする旨を規定せんとするものであります。この改正法律は電波監理委員会が設置せられました昨年の六月一日から適用するということになつておるのであります。
内閣委員会におきましては、電波監理委員会の委員長及び委員の性質等から見まして、これを恩給法第二十條に規定する文官とすることが妥当であると認めまして、討論を省略いたしまして、全会一致を以て可決すべきものと議決いたしたのであります。
次に行政機関職員定員法の一部を改正する法律案について御報告を申上げます。
この法案につきましては委員会を開くこと予備審査と共に三回であります。昨日全会一致を以て可決すべきものと議決いたしました。この案の提案の理由及び法律案の内容について簡單に申上げます。
本案は昭和二十六年度予算の内容に即して、行政機関の職員の定員を改正せんとするものであります。即ち一方におきましては、経済統制の解除等によるところの事務の減少乃至廃上に伴つて定員を縮減すると共に、他方におきましては、電気通信、海上保安、主要食糧配給及び失業保險等の業務、国立医療機関、国立学校及び矯正保護機関の運営等について必要な増員を行いまして、行政機関全般の定員について適当なる配分を行おうとするものであります。この改正点の主なるものは四つあるのであります。
第一には、総定員数におきまして八十七万五千八百三十三人であつたものが八十八万七千二百七十七人となりまして、差引一万千四百四十四人の増加となるのであります。その主要な増減の内訳を申上げますと、先ず定員減の主なものといたしましては、経済統制関係が三千八百九十六人、農林統計調査関係が千四百八十人、国税徴收関係が五百人、電波監理業務関係が五百十九人、及び引揚援護業務関係が三百三十二人等であります。又定員増の主なものといたしましては、電信電話施設の拡充によるものが一万四百三十一人、海上保安関係二千三百三十四人、食糧配給公団廃止に伴い食糧配給事務の増加によるもの千七百三十五人、失業保險業務関係千五百四十三人、国立結核療養所の職員千三百四十四人、密貿易の坂締関係が千一人、国立学校関係の職員七百五十三人、並びに監獄及び少年院の職員七百三人等、これが定員増となつておるのであります。
第二に電気通信省の本省の定員及び税関の特派吏の定員につきましては、特に必要がある場台には政令を以てこれを増加することができるということになつておつたのでありますが、今後はこの便宜的措置をやめまして、他の一般行政機関の定員の場合と同様に行政機関職員定員法で規定することに改めたのであります。なお附加えて申しておきますが、税関の特派官吏につきましては二百人以内という限度があつたのであります。
第三には、終戰処理事業費、特殊財産処理附帶事務費等の支弁にかかる職員につきましては、その数を現行の二千四百七十六人から三千五十五人に増加いたしましたが、これは主として航空庁の航空保安施設の維持運営に従事する職員の定員をここに振替えたからであります。
第四に、定員減少に伴う措置といたしまして、先ず一律に三ヵ月の猶予期間を設けて、六月三十日までは新定員を超える員数の職員をば定員のほかに置くことができるということにいたしました。更に統制経済の解除の関係等で、比較的多数の減員が行われます農林省、通商産業省、運輸省及び経済安定本部につきましては、九月三十日までの間は新定員を超える員数の職員を定員外に置くことを認めることといたしまして、事実上その整理をば九月末日まで延期する措置をとつておるのであります。これが改正法案の主要な点でありまするが、この改正法は昭和二十穴年四月一日から施行せられることはなつております。
内閣委員会におきまして本案の審査の結果明らかになりました点を簡單に申上げます。総定員の数におきまして一万一千四百四十四人増加となつておるのであるが、この中には定員法の改正によらずして政令を以てすでに増加している職員数が電気通信省の本省において二千百九十九人、税関の特派官吏の数二百人が含まれておるのでありまするから、今回の定員法の改正によつて実際に増加する定員の数は九千四十五人でありまして、大体一%の増加割合であるということであります。政府においては、国民の輿論に副うためにも行政機構を合理的に且つでき得る限り簡素化するという方針で進んだ結果、一般の行政機関においては却つて減少しているけれども、特定の行政機関においては定員増の必要が出て来たので価全体としては只今申した約九千人の増加となつておるという説明であります。而してこの特定の行政機関の定員増加は真に必要止むを得ざる増員であることを説明したのであります。更に又この改正については、大蔵省で沼和=十六年度予算の編成において査定いたしました行政機関の職員の定員をば行政管理庁において慎重に検討いたしました結果、個々の行政機関の定員については配分において若干変更を加えたけれども、その他におきましては大体において適当と認めたのであるから、総数においては大蔵省の査定通り定員法に取入れたという設明でありました。
内閣委員会において質疑はいろいろあつたのでありますが、主な点を申上げますると、行政機関職員の定員は今後においても増加することは必至であると思うけれども、このような傾向に対してば政府は如何なる態度を以て臨むつもりであるかという質問があつたのであります。これに対する政府の答弁は、行政簡素化の線に沿つてできるだけ不要な人員を削減することは今後においても一貫した政府のとる方針である。併し情勢によつて真に必要止むを得ない部面においては増員することも止むを得ないだろうという考えであると申述べたのであります。更に農林省の統計調査事務所の定員の減少について質疑が行われたのであります。統計調査事乱務所の定員を二千名近くも減少させるのは甚だ遺憾なことである。このように縮減した理由は何であるかということ、又統計調査の事務は人手不足であつて、事務の運営の上に困難を来たしているのが現状であるから、定員を増加すべきでみるにもかかわらず却つて減少せしめたのは遺憾である。それ故に事務はますく過重となり、超過勤務の必要が更に加わつて来ると思うが、これに対して手当等をも政府は考えておるかどうかという質問があつたのであります。これに対する政府の答弁は、主食供出に関する事前割当が事後割当に変つたこと、更には「いも」類、雑穀等二十二品目の統制が廃止せられたこと等のために事務量は減少するであろうから、その定員を縮減したのである。而してこの程度の定員減であれば何ち支障は起らないものであると信ずるという説明があつたのであります。
大体以上のような質疑応答がありまして討論に入りましたところが、梅津委員から、統計調査事務所の定員が減少しているのは統計調査事務に対する政府の認識が極めて不十分であるにほかならぬ。他の点については政府原案をほぼ了解したのであるが、この一点については甚だ遺憾に思う。ついては将来この点について万全の措置をとつて、調査統計事務の遂行の上において的確を期することができるように強く要望しまして本案に賛成する旨の討論がなされたのであります。かようにいたしまして、愼重審議の結果、採決いたしましたところが、本法案は全会一致を以て可決すべきものと議決した次第であります。
最後に運輸省設置法等の一部を改正する法律案について御報告いたします。
この法律案につきまして、委員会は四回開会いたしまして、昨日全会一致を以て可決すべきものと議決したのであります。本法案の要点は、運輸省に置かれてあります運輸審議会に、審議会の行う事務に協力せしめるために審理官制度を設けて、運輸省内の職員から運輸行政に経験の深い者六名を選びまして審理官を補職いたして、審議会において必要と認める各種の公聽会を主宰せしめ、その結果を審議会に報告せしめることにいたしたのであります。元来運輸審議会の性質は、鉄道及び軌道、或いは道路運送事業、定期航路事業等の免許、運賃の認可その他運輸行政の根幹とも申すべき重要な事項について運輸大臣の意思決定に参画する大切な機関でありまするが、現在七名の委員がこれに当つておりまして、何らの補助機関を持たないということは甚だ遺憾なことでありまして、殊にその審理する案件はいずれも公共の福祉に直接重大な関係がありまするので、審議会の結論はすべて公聽会に諮つて審理をするということにいたしまして、成るべく多くの公聽会を開催するためには補助機関として審理官制度を設ける必要があるということであります。又特に重要と認められる案件につきましては、運輸審議会みずからが公聽会を開き、或いはその指名する委員が公聽会を主宰するということもできるのであります。それで、この審理官が主宰していたしました公聽会において知ることができた事実は、これを報告書に作りまして運輸審議会に提出し、運輸審議会はこの報告書を利害関係人に提示して、利害関係人は、若し報告書に誤まりがあると認めたときにはその提示を受けた日から十五日以内にその誤まりのあることを申立てることができる。そうして、運輸審議会はその申立を審査して、報告書に誤まりがあつて運輸審議会の決定に影響を及ぼす虞れのあることを認められたときには、更に公聽会を開かなければならないというような丁重な規定があるのであります。改正の第二の点は、関係法令の制定改廃に伴いまして運輸省設置法等に所要の改正を加えるのであります。現に廃止となつているところの船舶公団、期間よう船料審議会に関する規定、これを削除する。或いは国際観光ホテル整備法、通訳案内業法、船舶航運会法等の制定に伴いまして條文の整理をすることであります。この改正は公布の日から施行することとなつております。
委員会におきましては、その審査の要点は主として審議会の性格及び組織について集中せられたのであります。その審議会の性格に関しましては、これは運輸大臣の意思決定に参加する機関である。大臣から言えぱこれは諮問機関である。運輸省設置法の六條において、諮問事項として十二号に亘つて列挙してある重要事項がありますが、これは今ここで申上げません。すべてこれらの事項は審議会に諮問いたし、大臣はその決定を尊重して措置すべきものであるということが定めてあるのであります。審議会は諮問に対して公聽会を開きまして、公正な立場において決定をなし、これによつて答申をすると、大臣はその審議会の答申を尊重しなければならないが、これに拘束されるかどうかと言えば、これに拘束されない。併し答申はどこまでも尊重する。これに服従すべしという義務を持つているものではないということが明らかになつたのであります。然らば大臣は審議会の答申を採用しなかつた例があるかと言えぱ、そういう実例はない。然らば何が故にかかる強い性格を持つところの審議会を必要とするのであるか。これに対し対して、運輸事業の公益性から考えて、大臣の行政措置の公正を期するためにこれが必要である。それがために審議会を作つて、有力な官吏の経験のある人或いは知識経験に富んでいるところの民間人を以てこれを組織するのだという説明でありました。そこで審議会の性格に関しまして一般的に申しますると、諮問ということについていろいろな規定の定め方があります。即ち單に諮問するのみの規定の審議会もあり、又諮問しなければならないという審議会もある。更にその上に審議会の決定をば尊重しなければならないというような規定のあるものもあるのであります。たくさんの審議会がありますが、そのおのおのについて調べて見ますると、大体只今申したような三様の種類がある。この運輸審議会は勿論一番強力のものであります。そうすると他の審議会につきましては軽くてどうでもよいというような疑いもあるのでありまして、それは甚だ面白くない。従つて近く審議会につきまして政府は十分な検討を加えて、法律を以てこれを規定するというときが来ているから、その場合においてこれをよく調整することが必要であるという委員の意見に対しまして、政府は十分調査しで適当に調整しようということを言明いたしたのであります。
次に審議会の委員の構成でありますが、これは元の官吏であるとか資本家代表というようなものが主であつて、弁護士会会長をしている人が一人ある、それで七名でできておるが、なぜに労働階級の代表を加えないかという質問がありました。これに対しまして、委員の選任は官界であるとか資本家であるとか労働者、そういうものを代表としてこれを選定するのではない。要するに識見経歴等豊富な人を採るのであつて、この資格を備えている者であるならば労働界出身の人であるからと言つてこれを除外するものではないということを明らかにいたしたのであります。これに対しましてカニエ委員から、労働者側の適格者を選任すべしということを強調したのであります。それから第四におきまして、審理官六名の選定の範囲、その方法、又その審理官の力が審議会の意見を左右する弊はないかというような質問等があつたのであります。
かようにいたしまして大体質疑応答を終りまして、審議会及び審理官の性格は明らかになりましたので、討論に入りましたところが、梅津委員から、運輸審議会が国家行政組織法上の審議会としての性絡から見て極めて重要なものであつて、大臣の意思決定に参画するものである。従つてこの法律の規定は若干疑問の点はあるけれども、併し政府の一方的独断的な決定を避けることができるという建前から本案に賛成するという意見を陳述いたしたのであります。採決の結果、全会一致を以て可決すべきものと議決いたした次第であります。(拍手)
右御報告いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/62
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063・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
先ず恩給法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/63
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064・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。
―――――・―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/64
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065・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 次に電波監理委員会設置法の一部を改正する法律案、行政機関職員定員法の一部を改正する法律案及び運輸省設置法等の一部を改正する法律案、以上三案全部を問題に供します。三案に贊成の諸君の起立を求めます。
〔起立者多数〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/65
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066・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 過半数と認めます。よつて三案は可決せられました。
―――――・―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/66
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067・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 参事に報告いたさせます。
〔海保参事朗読〕
―――――・―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/67
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068・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 只今報告いたしました農薬取締法の一部を改正する法律案(内閣提出)をこの際日程に追加し、日程第二十四、農林漁業資金融通法案(内閣提出、衆議院送付)と一括して議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/68
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069・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。農林委員長羽生三七君。
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〔羽生三七君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/69
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070・羽生三七
○羽生三七君 只今議題となりました農林漁業資金融通法案の農林委員会における審査の経過及び結果を御報告申上げます。
この法律案の趣旨は、政府において、一般会計及び米国対日援助見返資金特別会計からの繰入金並びに資金運用部からの借入金によつて得た貸金を、農林漁業の生産力の維持増進を図るため農林漁業者に対し長期且つ低利を以て貸付けんとするものでありまして、政府原案の内容の主な点は、第一は貸付の対象でありまして、これは農業、林業、漁業、又ば塩業を営む者、又はこれらの者の組織する法人に対して、田及び畑並びに園地及び牧野を含めた農地の改良造成及び復旧、造林、林道の開発及び復旧、塩田の改良造成及び復旧、農林漁業者の共同利用施設の造成復旧及び取得等に必要な資金を貸付けることになつておるのであります。第二は貸付の條件でありまして、これは融貸の対象となる事業の種類によつて区々でありますが、利率は年最高一割五厘から最低四分の範囲内で政令で具体的に定めることになっており、償還期限は最長二十年から最短十年、据置期間は一年乃至五年の範囲内で主務大臣である農林大臣及び大蔵大臣がこれを定め、又貸付金の償還は割賦償還の方法によることになつております。なお貸付を行う場合は、原則として担保を提供させなければならないことになつており、担保としては物的及び人的両方面から考慮されております。第三は、貸付の業務でありまして、貸付の決定は主務大臣が行うのでありますが、申込の受理、審査、貸付、回收等の業務は農林中央金庫その他主務大臣が指定する市中銀行等の金融機関に委託して行うことになつておりまして、而してその場合、受託者の受託業務に関する準則を省令で定めなければならないことになつております。
かような政府原案に対して、衆議院において、貸付の対象について畜産業及び養蚕業を追加し、農地とあるを農地又は牧野に改め、漁港の修築又は復旧に必要な貸付貸金の据置期間を三ヵ年に延長し、林道及び塩田関係の資金の利率を引下げ、塩田関係資金の償還期限及び据置期間を延長し、農林中央金庫の業務規定に資金の貸付に基く国の権利につき債務の保証をすることができることとする修正を加えて、本院に送付せられたのであります。
農林委員会におきましては、水産委員会と連合委員会を設けて審査を行い、先ず政府当局に対する質疑に入つたのでありまして、その二三についてこれが要領を御紹介いたしますと、政府は昭和二十七年度において一般会計から二十億円、米国対日援助見返資金特別会計から四十億円の繰入金を予定し、これら七十億円の資本と同額の資金を貸金運用部からの借入金に期待しているのでありまして、これが速かなる決定に対して更に努力を続けたいと述べられ、又貸付金の種類のうち、農林漁業者の共同利用に供する施設としては、小水力発電施設、北海道における魚田施設、農業倉庫、製氷冷凍施設、酪農協同処理施設、稚蚕共同飼育施設、塩せんごう施設等を予是はしているが、併しいろいろな経緯によつて、現段階においては小水力発電施設及び北海道魚田開発以外の共同施設に対する融資は不可能である。併し今後において費金の増加と待つて、これら施設に対しても融費ができるよう努力したいと答えられ、又業務を委託すべき金融機関として都道府県信用農業協同組合連合会を指定することについては、信連は農林中央金庫系統機関の一環として補助的機関とみなすとの意向であり、又今後、資金源として米国対日援助見返貸金特別会計からの繰入が困難になつた場合は、その分は一般会計から繰入れることに考えていると述ぺられ、農林漁業の育成発達を期するためには、これら産業の現況においては先ず以て補助政策がとられなければならないのであるが、今回融資施設が施行せられることとなれば、金融政策に籍口して補助政策が軽視抑制せられるような結果を来たすことがないかとの質問に対し、事業分量を増大し、その実施を促進するためには、補助政策と共に金融政策が必要であるとの答弁があり、又水産業に対する融費の拡充改善について強い主張がありました。
特に衆議院の修正によつて林道及び塩田関係の資金の利率が引下げられる結果は、質金源に重大な影響を及ぼすことになるのでありまして、この点について愼重な関心が拂われたのであります。即ち政府今回の計画は、差当り前に述べましたように、一般会計からの繰入金二十億円、米国対日援助見返資金特別会計からの繰入金四十億円、計六十億円を資本とし、これは無論無利子でありまして、このほか、この六十億円と同額の費金を資金運用部から年利六分を以て借入れることとなし、これら合計百二十億円をあらかじめ定めた資金計画に従つて融通し、本特別会計の收支を合せているのであります。ところが衆議院の修正のように、一部分でも利傘が引下げられることになれば、本特別会計の收支上利子を伴う資金運用部からの借入金を減らさなければならないことになるのでありまして、農林当局の推算によれば、初年度六十億円の予定は四十五億円ぐらいに減らさなければならないであろうとのことであります。而もこの六十億円が農林漁業者からの需給の盛んな共同施設関係のものに引当てられてあるのでありまして、かかる性質の資金が減額せられることは重大と言わなければならないのであります。勿論どの項目についても貸付利率が引下げられることは誰しも望ましいことでありまして、衆議院の修正はその趣旨において異論はないのでありますが、併し利率引下げの結果、資金運用部からの借入金が減ることは、さらでだに資金が不十分であるところでありますから直ちに承服しがたいのでありまして、この点に対し政府の所信が質されたところ、政府においてもこれを認め、適当な対策の工夫実施に努力したい皆の答弁があり、その他いろいろな事項について質疑が行われたのでありますが、これが詳細は会議録に譲ることをお許し頂きたいのであります。
かくして質疑を打切り、討論に入り、赤澤委員から農林漁業資金の旺盛な需要に対処して今後ますます資金を造成し、差当つては衆議院の修正によつて起る資金運用部借入金の減額防止に対し政府の努力を要望して賛成せられ、池田委員から、融資手続を簡素迅速にし、且つ手数料を適正にして資金コストの低減を要望して賛成せられ、江田委員は、国における利子補給の途を開き、且つ融資が一部有力者に片寄ることなく、広く重要に応ぜられるよう政府の善処方を要望して賛成せられ、三浦委員は森林資源培養のため伐木調整に必要な融費の実現を要望してこれ又賛成せられ、かくして討論を打切り、探決の結果、全会一致を以て衆議院送付案通り可決せられました。右御報告申上げます。
次に只今議題となりました農薬取締法の一部を改正する法律案の農林委員会における審査の経過並びに結果を御報告申上げます。
本改正法律案は、現行農薬取締法施行後の経験と事情の変化とに鑑み、現行法に大要次のような改正を加えんとするものでありまして、その第一は、低品位農薬の出現を防止すると共に、優良農薬を選択使用するの便益に資するため、新たに農薬の公定規格制度を設けること。第二は、農薬の有効成分又は効果について虚僞の宣伝をなし或いは誤解を生ずる虞れのある名称の使用を禁止すること。第三は、従来農薬の登録、防除業者の監督及び登録農薬の取締等に関して、議決機関として設けられていた農業資材審議会を改めて、公定規格の設定、変更及び廃止並びに農薬の検出方法の決定及び変更に関する事項についての諮問機関とすること。その他二三行政措置に関する規定の整備を図らんとするものでありまして、委員会におきましては、政府当局との間に農薬の需給の現況及び今後の見通し並びにこれが確保及び廉価供給対策、農薬検査機関の拡充、農業資材審議会の性絡改変の可否等について質疑が交され、詳細に逐條審議が行われたのでありまして、これが詳細は会議録に讓ることといたしたいのであります。
かくして質疑を終り、討論に入り、特に発言もなく、採決に入り、全会一致を以て原案通り可決せられました。
右御報告いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/70
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071・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
先ず農薬取締法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/71
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072・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。
―――――・―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/72
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073・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 次に農林漁業資金融通法案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔起立者多数〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/73
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074・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。
―――――・―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/74
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075・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 日程第二十五、臨時物資需給調整法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
先ず委員長の報告を求めます。経済安定委員長佐々木良作君。
〔佐々木良作君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/75
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076・佐々木良作
○佐々木良作君 只今議題となりました臨時物賢需給調整法の一部を改正する法律案について、経済安定委員会における審議の経過並びに結果について御報告申上げます。
同法案は、政府の提案理由によりますと、最近における内外の経済情勢の推移に対処するためにその一部を改正せんとするものでありますが、その主要な改正点は次の三点でありまして、おのおの次のごとき理由が申述べられているのであります。第一は、同法の右効期間を一年間延長するということであります。最近まで多くの物資について逐次統制緩和を実施して参ったのであるが、現在なお同法に基いて、生産資材二十五品目、消費物資八項目の配給統制が残存しており、政府としても極力これが統制を解除して行く方針であるが、これらの物資のうちには今にわかに統制の廃止を行うことの困難なものも相当ある状況であること、のみならず、変転する世界経済の推移から見て、今後の物資の需給の事情にかなりの変化が生ずることも予想されるので、かかる内外経済情勢の推移に対処して経済安定確保に遺憾なきを期するため、同法をなお一ヵ年延長することが妥当であるというのであります。第二に物資需給調整審議会を設置することであります。これは臨時物資需給調整法運用の従来の経験に鑑みまして、本法の運用に当つて広く民間の学識経験者の意見を求める必要が痛感されるので、経済安定本部の諮問機関として物費需給調整審議会を設置し、同法の民主的運営に資したいというのであります。それから第三に、同法に基く主務大臣の権限を縮小することであります。即ち産業の振興回復に伴つて不必要になつた主務大臣の命令権限の範囲をこの際可及的に縮小して、同法の円滑な運用を図りたいというのが理由であります。
次に、この法律案の審議に当っては、その重要性に鑑みまして、証人として日産協の産業部長仲矢虎夫君、全中協副委員長中島英信君、專修大学教授小林義雄君の三君の意見を徴したのであります。詳細は速記録に譲りますが、ただこの発言のうちで、今度の改正の中心をなしまするところの審議会設置の問題につきまして、従来の官僚統制の弊を避けるため民間の意見を反映させることを目的としておる点は全く賛成であるが、ここに反映される、つまり審議会に反映される意見が国民の全般のそれでない危險があること、及び実際は意見を聞いても、政府のほうで従来の同様な制度の運用の仕方から見てこれを本当に取上げるということは少いのではないか。それでは却つて僞善的な制度となる虞れがあるので、むしろ、これは、やめたほうがよいという意見さえあつたことをちよつと附加えて置きます。なお本案に対し通産委員長より、特に審議会の委員に広く学識経験者を入れ、その任免については主要経済団体の意見を徴し、以てその運営に民間の要望を強く反映するようにという、経済安定委員会の審議中に、経済安定委員会宛に強い要望がありましたことを附加えます。
この法案に対しまして、審議の過程におきまして熱心な各委員から質疑がありましたが、その主なるものを整理して見ますと次のようになります。第一に、統制存続の理由はどこにあるかという点。それから更に世界各国は統制を実施し、これを強化しつつあるというにかかわらず、日本は統制を外しつつあるのは、物資需給の見通しが確実視された結果であるのか、或いはその他の原因にあるのかというようなこと。現在実施中の各種物資の配給統制は引続きまだ行うお考えであるかどうか。更に統制の存続は軍需生産を増強するのではないか。或るいは又いわゆる日米経済協力体制との関係はどういうことか。更に事業者団体法及び独禁法の改正の見通しと本案との関係。それから改正は物資の統制を主としておるけれども、価絡統制のほうはどうであるかというような点。それから統制品目及び方式の改廃は国民生活に多大の影響を及ぼすものであるから、この際これを原則的に国会の承認を受けることにする考えはないか。なお、物資需給調整審議会につきましては、その構想、それから諮問機関ではナンセンス、つまり効果がないのではないか。或いは又委員に対しまして、中小企業者、農業者、消費者等、各階層の代表者を参加せる必要があるのではないかという点。それから更に最後には、罰則が他の法律との関係において権衡を失するものがありはしないかというような質疑があつたわけであります。
これに対しまして一々答弁があつたわけでありますが、詳細は省略さして頂きますが、一二だけ附加えて置きますと、政府は今後も需給の緩和した物資についてほ極力統制を解除して行く方針である。ただ、今直ちに統制解除を困難とする物資も相当あり、又世界情勢の推移から見て、国際的に割当を行われるような物資等については最小限度の統制は止むを得ない事情にあるということ。又政府はこの統制によつて軍需生産を増強させようというものではなく、又日米経済協力という問題については何ら関知しない。專ら生産の増強、輸入の促進等によつて必需物費の需給を緩和して、国民生活の安定確保を図ろうとする意図以外には何もないという点。審議会につきましては、自主統制方式採用が困難な事情があるので、その設置を図つたのであり、運営につきましては審議会の意見を十分に尊重するつもりである。又その人選に当つては本委員会におきましていろいろ希望その他が述べられましたことを十分に取入れたいというような答弁があつたわけであります。その他は省略いたします。
討論に入りましたところ、共産党兼岩委員から反対、それから緑風会の藤野委員から二三希望意見を付して賛成、自由党の中川委員から賛成の意見の開陳がありまして、多数を以て原案の通り可決すべきものと決定した次第であります。
御報告を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/76
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077・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 本案に対し討論の通告がございます。発言を許します。兼岩傳一君。
〔兼岩傳一君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/77
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078・兼岩傳一
○兼岩傳一君 私は日本共産党を代表して、この一部改正に反対の意を表明するものであります。
物調法の有効期間を一年延期して統制し確保しようとするところの供給の特に不足する物資とは何であるか。国民大衆のための生活必需品であるのか。それとも戰争に必要な軍需品であるのか。これがこの法律案に対して最も根本的な問題と考えまして、私は委員会で質問いたしたのであります。これに対して周東安本長官は答えて曰く、日本では軍需品は製造いたしておりません、又生活必需品の統制をやる考えはございませんと答弁いたされました。私はここで軍需品を製造しておらぬという周東安本長官の答弁が如何に欺瞞であるかを明らかにするために、大蔵省の監修いたしております財政経済月報によつて、一月十四日現在の特需の中から二三拾つて見ましよう。鉄條網及びこれに必要な鉄柱一千五百万ドル、ロケツト弾部品百三十八万ドル、鋼鉄製並びに木製の兵舎七百六十万ドル、軍用自動車千七百万ドル、兵器の修理加工二千五百二十五万ドル、ごれらのすべてが特需であります。この特需、朝鮮作戰のための軍事資材の売上げは今や二億四千万ドルに達し、日本の関連産業は小春日和のような、はかない活況を呈したことは御承知の通りであります。(「そうだそうだ」と呼ぶ者あり)併しながらこの小春日和のような活況のために如何に大きな影響を與えたか。先ず外為委員会の外貨予算の運用に自主性がないということ、国際物価が騰貴したということ、船舶の不足などのために輸入が不振となりまして需給のバランスが崩れ、欠乏インフレとなつて、現に物調法の統制下にありますところの銑鉄、ニツケル、苛性ソーダその他の闇物価が暴騰いたしたのであります。加うるに、無謀な中日貿易の禁止によりまして、例えぱ中国から買えば一トン十ニドルの鉄鉱石を二十五ドル、十一ドルで買える粘結炭をアメリカから二十八ドル、八ドルで買える塩をアメリカから二十三ドル、こういう不経済な軍工業費材の輸入のためから来る値上り、これらが両々相待ちまして、人民大衆の生活に欠くことのできない味噌、醤油、石鹸、紙、衣料品などに至るまで、じりじりと値上りを示し、そうでなくても苦しんでおる人民大衆の生活を圧迫したことは、どなたも御承知の通りであります。物調法の一ヵ年の延期が、このような事態を收拾して、国民生活の安定、労働者に対する実質賃金の維持向上に役立つと、こういう改善をするというならば話もわかるのでありますが。政府の意図しておるところは至くこれと正反対であります。又正反対であるのみか、吉田内閣の政策ではこれは不可能なことであります。ここに自主性を失つた日本の悲劇があります。今、政府は国民と国会を欺いて、ひそかに日本経済を――――――――の軍備拡張経済の下請とし、日本を―――――の兵器厰にするためのいわゆる(「何を言う」と呼ぶ者あり)日米経済協力体制を着々進めております。(「違うよ」「聞いて置け」と呼ぶ者あり)これにつきましては、予算委員会で我が党の岩間議員が、吉田総理、関係閣僚に対してあらゆる角度から質問したのでありますが、知らぬ存ぜぬの一点張りで(「共産党のことは知らないよ」「共産党のことじやない」と呼ぶ者あり)国民と国会を欺くこと、これより甚だしいことはないのであります。(「その通りだ」「要点だけ簡單にやれ」と呼ぶ者あり、拍手)現にアメリカは国家安全保障会議において日本の軍需生産の下請のために必要な原材料を供給するということを決定している。又この統制の延期はそれに必要な国際的な軍需資材の割当を受けるためであるということは、通産省を初めとする経済官吏団が国際原料割当会議に臨むためにすでに出発したということで明瞭であります。(「そうだそうだ」と呼ぶ者あり)ドツジ・ラインの名の下に、平和産業と中小企業、人民大衆の生活を破綻させて来た吉田自由党内閣は、今や以上述べました関係で生活必需品の暴騰と人民の生活の困窮を来たしましたけれども、それには見向きもしないで、軍需生産に必要な物資について、曾つて我我の経驗した官僚統制どころか、祖国を焦土とするような大戰争準備のために、外国のために、最悪の統制をやろうとしているのであります。(「ソヴイエトの最善の対策か」と呼ぶ者あり、笑声)一昨年の総選挙で自由党は、官僚統制に対する国民の強い反感を利用して、自由経済というスローガンで大勝利をされた。(「併し今度負けるぞ」と呼ぶ者あり)今や国民は自由党のいわゆる自由経済が何ものであるかということを十分に知つたのであります。(「そうだそうだ」「はつきりわかつた」「天下周知だ」「よくわかる」「共産党の宣伝」と呼ぶ者あり)たとえ政府がこの法律の第一條で、統制の範囲を非常に圧縮するために、「供給の特に不足する物資」というような字句に改正をして見たり、そうして自由経済はどこまでも守りますぞというゼスチユアをいたしましても、又最悪の官僚統制、日本的でない官僚統制に進むにもかかわらず、注律第二條で新らしく審議会というロボツト的な諮問機関を作つて見せても、民主的であり且つ自主的であるなぞと強弁いたしましても、(「その通り」と呼ぶ者あり)今や来たるべき地方選挙において冷嚴な国民の審判を避けることは絶対に不可能であるということは、近き将来の事実が証明するであろうことを断じて、私の反対討論を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/78
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079・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) これにて討論の逋告者の発言は終了いたしました。討論は終局したものと認めます。これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔起立者多数〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/79
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080・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。
―――――・―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/80
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081・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) この際、日程第二十六、日本政府在外事務所設置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)、日程第二十七、世界保健機関憲章を受諾することについて承認を求めるの件(衆議院送付)を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/81
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082・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。外務委員長櫻内辰郎君。
―――――・―――――
〔櫻内辰郎君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/82
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083・櫻内辰郎
○櫻内辰郎君 只今議題となりました日本政府在外事務所設置法の一部を改正する法律案につき、外務委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。
日本政府在外事務所は、貿易の振興及び在留邦人に関する事務を処理するため、昭和二十五年法律第百五号、日本政府在外事務所設置法に基き、先ず米国の五カ所に設置され、その後、同設置法第二條により、政令を、以てスウエーデン、仏国その他の国に設置されたのでありますが、今般、又ビルマ国ラングーンにも設置することがビルマ国に承認されることになりましたので、政府はこの機会に該設置法の一部を改正せんとするものであります。改正の要点は二つございます。第一は、従来政令によつて増置したものを一括第二條第一項に追加して、すべてを法律の中に明らかにしたこと、第二は在外事務所職員の在勤手当及び居住手当の改正であります。即ち第九條別表に定めた額は米国在勤者に対するものでありますが、その他の国に駐在する者に対しては、所在地の物価水準等を基準とし、別表の九割から十一割までの額の範囲内で支給することとした点であります。以上が本法案の内容であります。本委員会は三月二十八日委員会を開き、愼重審議の結果、本案は全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。
以上御報告申上げます。
次に世界保健機関憲章を受諾することについて承認を求めるの件につき、外務委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。
国際保健機関は、すペての人民を最高の健康水準に到達させるという理想を掲げ、保健衛生の分野において国際的協力に努力しておるもので、国際連合の專門機関の一つでありますが、この機関の基本文書たる世界保健機関憲章は、昭和二十一年七月二十二日作成され、同二十三年四月七日効力を生じ、現在の加盟国は六十三ヵ国に達しておるのであります。政府側の説明によりますと、この機関に加盟するとなれば、我が国は保健事項に関して完全に責任を持つことになるので、国際交誼上好ましいことであり、又疾病災害の予防、医学知識の交換向上等、種々利益するところが多いのであります。こうした見地から、政府は、本年二月世界保健機関憲章の当事国になることについて手続中のところ、本年五月七日ジユネーブで開催の第四回世界保健機関総会に我が国の加盟申請が議題として上程されることになり、出席国過半数の承認によつて、我が国は加盟国となり得る状態にあるので、その場合は世界保健機関憲章を受諾したい。よつてこの案件について国会の承認を求めるというのが本案の趣旨であります。
本委員会は三月二十八日委員会を開き、政府の説明を聴取し、次いで討論を経て採決を行いましたところ、全会一致を以て本件は承認を與うべきものと決定いたした次第であります。
以上御報告申上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/83
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084・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
先ず日本政府在外事務所設置法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔起立者多数〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/84
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085・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。
―――――・―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/85
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086・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 次に世界保健機関憲章を受諾することについて承認を求めるの件を問題に供します。委員長報告の通り本件に承認を與えることに賛成の諸君の起立を乗めます。
〔起立者多数〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/86
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087・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 過半数と認めます。よって本件は承認を與えることに決定いたしました。
―――――・―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/87
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088・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) この際、日程の順序を変更して、日程第二十八より第三十一までの請願及び日程第百八十より第百八十二までの陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/88
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089・佐藤尚武
○議長(佐藤尚武君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。通商産業委員長深川榮左工門君。
〔深川榮左エ門君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/89
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090・深川榮左エ門
○深川榮左エ門君 只今議題となりました請願四件及び陳情三件について、通商産業委員会における審議の結果を御報告いたします。
請願第六百六十四号、中小鉱山対策に関する請願は、金属鉱山の振興を図るためには国内鉱石の増産によらなければならないが、大鉱山の合理化に並行して中小鉱山の開発育成をなすことが必要でありますから、その開発育成に関して種々の具体策を講じ、中小鉱山対策を実施せられたいという請願であります。次に、順序は飛びますが、陳情第五十号、中小企業等協同組合の危機打開に関する陳情は、中小企業協同組合が全般的経営不振な実情にあり、組台の危機さえ伝えられておるから、中小企業振興の基盤をなす中小企業等協同組合の拡充強化を図るような措置を講ぜられたいとの趣旨であります。陳情第百八十号、関税ならびに貿易一般協定参加促進に関する陳情は、我が国繊維製品の南阿向け輸出品に対する関税の引上げ措置に関する問題に関連して、我が国輸出振興のために関税並びに貿易一般協定加入促進の措置を講ぜられたいとの趣旨であります。
〔議長退席、副議長着席〕
本委員会におきましては、政府関係者の意見をも徴して愼重審議の結果、以上の請願一件及び陳情二件は、いずれもその願意をおおむね妥当と認め、これらを採択し、議院の会議に付し、且つ内閣に送付を要すべきものと決定いたした次第であります。
次に請願第千七十二号、中小企業銀行法制定に関する請願は、中小企業金融り円滑を図るために中小企業専門の金融機関の設置が必要であるから、中小企業銀行法を制定せられたいという趣旨であり、請願第千七十三号、中小企業借用保險法中一部改正に関する請願は、本法施行以来の実情は、一般金融機関の積極的な協力が得られないので、その運営に当つて所期の目的が達成されるよう改正せられたいという趣旨であります。請願第千二百三十七号、中小企業協同組合法中一部改正に関する請願は、組合法によつて配当が年六分に制限されているための出資者が少く、今後の出資募集に障害となつているので、信用組合の出資配当制限を緩和するよう本法を改正せられたいという趣旨であります。陳情第百二十九号、産業機械設備近代化法制定に関する陳情は、産業の合理化を実現する方途として同法を速かに制定せられたいというのであります。
以上の請願三件、陳情一件は、いずれも法律制定に関するもので、愼重に審議いたしました結果、願意はおおむね妥当なるものと認め、これを採択し、議院の会議に付し、且つ将来の立法について愼重なる考慮を加えると共に、内閣にも送付を要すべきものと決定いたした次第であります。
以上簡單に御報告申上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/90
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091・三木治朗
○副議長(三木治朗君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は、委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/91
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092・三木治朗
○副議長(三木治朗君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。
―――――・―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/92
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093・三木治朗
○副議長(三木治朗君) この際、日程の順序を変更して、日程第三十二より第百十一までの請願及び日程第百八十三より第百八十六までの陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/93
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094・三木治朗
○副議長(三木治朗君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。人事委員長木下源吾君。
―――――・―――――
〔木下源吾君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/94
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095・木下源吾
○木下源吾君 只今議題となりました請願九十四件、陳情四件につきまして、人事委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。
先ず請願第千三百五十八号は郵政省職員の特別俸給表設定に関する請願でありまして、郵政省の性絡は他の一般官庁と異なり行政事務担当者は全くなく、すべての職員は、郵便業務、貯金業務及び保險業務に従事し、ために他官庁に比し役附職員も少く、又同一職種の職務に終身従事している者が相当多数に上つているため、俸給の頭打ちによつて事業の能率促進に重大な悪影響をもたらしているから、郵政事業の特質に適応した相当幅の広い特別俸給表を設定せられたいとの要旨であります。これに関しましては、前回御報告申上げました電通省職員の要望とも揆を同じくするものと思われ、職階制度による給與準則が制定せられ、その矛肩が除去されるまで、積極的な考慮を必要とする意味において妥当であると思われる。
次に新恩給法制定に関する請願十四件についてでありますが、これは請願第千百四十九号、千百六十一号、千百六十二号、千二百三十二号、千二百三十三号、千三百十一号、千三百三十五号、千三百四十号、千三百五十七号、千三百八十号、千三百八十五号、千三百九十二号、千四百三号及び千四百二十三号でございまして、その主なる趣旨とするところは、五十万にも達する恩給受給者の生活を擁護すると共に、現職公務員をしてその職務に專念せしめるため、先になされたロバート・マイヤーズ氏の勧告に沿い、国家公務員法の精神に基き、その規定にふさわしい民主的な新恩給法を速かに制定せられたいとの請願であり、その趣旨は妥当であり、政府をして努力せしめる要ありと思われる。
以上の請願十五件は、それぞれの意味において、これを議院の会議に付し、内閣に送付すべきものと決定いたしました。
次に寒冷地手当に関する請願二十件についてでありますが、これらは請願第千百二十七号から千百四十六号までのものであり、それぞれ三重県内における丹生川村、治田村、中里村、阿下喜町、東藤原村、石榑村、古美村、野登村、椿村、鞆田村、玉瀧村、阿波村、関町、菰野町、白川村、加太村、柘植町、名張町、朝上村、立田村からでありまして、これらの地方は鈴鹿山脈の山麓にあり、冬期五ヵ月間を通じて日照少く、積雪も四五十センチにも及ぶ寒冷の地であるから、実情勘案の上、寒冷地手当の支給地として指定せられたいとの要望であります。
次に請願第千四百十一号は秋田県の薪炭手当に関する件でございますが、秋田県の気温は青森県と殆んど変らず、採暖様式は北海道と同じくストーブによつており、これに要する燃料は北海道の石炭に対し秋田県は薪と木炭を用いている等、生活上に及ぼす自然的條件の影響は北海逋や青森と同じであるから、石炭手当に相当する薪炭手当を支給せられたいとの要請であります。これら寒冷地手当及び薪炭手当に関する請願は、それぞれ妥当なる点が見受けられるものでもあり、政府をして十分研究せしめる必要があると認めまして、これを議院の会議に付し、内閣に送るすべきものと決定いたしました。
次に地域給に関しての請願五十八件、陳情四件でございますが、これら数多くの請願陳情は、それぞれの市町村における物価の実務その他の特殊事情から、現行支給割合を引上げ又は維持し、又は新たに指定されたいとの要望をその主なる内容とするものであり、全国的な広範囲に亘り非常に熱心に提出せられている実情であります。本委員会におきましては、地域区分に関する法律の立案又は審議に当り、でき得る限り正確な結論を導くための一環としても、これらの請願陳情の趣旨要望を重んじ、深く検討すると共に、愼重な審議を行なつているものであります。
さて今回御報告申上げる地域給に関する請願を都道府県別にして順次申上げますと、先ず請願第千百四十七号、千百七十七号及び千三百五十二号は、それぞれ北海道における名寄町、天塩町、留萠市からのものであります。請願第千三百七号は東北における宮城県塩釜市浦戸地区からのものであります。次に関東地方からの請願でありますが、請願第千百七十九号、千百四十八号、千二百二十三号及び千三百三十三号は、千葉県柏町及び神奈川県相模原町と東京都の神代村並びに千葉市からのものであります。次に中部地方からでありますが、請願第千二百九号、千三百二十三号、千三百二十四号、千三百六十三号、千三百六十四号、千三百六十五号は、それぞれ愛知県内における岩津町、上野町、常滑町、田原町、頑江町、二川町からの請願であります。次に請願第千三百号、千四百十三号、千四百十四号は、それぞれ、岐阜県内における高山市、北方町、土岐郡からのものであり、請願第千三百六号は山梨県の石和町からでございます。次に近畿地方からの請願でありますが、請願第千百六十四号から千百七十四号まで及び千百八十三号、千百八十四号、千二百四十三号は、兵庫県内におけるそれぞれ粕原町、土久下町、成松町、新井村、沼貫村、小川村、黒井町、吉見、竹田両村、和田村、久下村、生郷村及び香住町、宝塚地区、鳴尾村からのものであります。次に請願第千百六十号及び千二百九十二号は滋賀県の大津市と八日市町からのものであり、請願第千二百四十一号は三重県の一身田町からでございます。次に中国地方からは八件ございまして、請願第千百五十二号及び千百七十八号、千四百三十四号は広島県のそれぞれ大竹町、(これは二件ございます)可部町からであり、請願第千二百九十九号、千三百六十九号、千三百三十四号及び千四百十二号は、それぞれ山口県の内日村及び徳山市と岡山県の岡山市と瀬戸町からのものでございます。又請願第千百七十六号は鳥取県の全地域に関するものであります。次に四国地方からは、請願第千百八十号から千百八十二号まで及び千三百五十六号、千三百八十四号の香川県内におけるそれぞれ土床町、宇多津町、坂田市、丸亀市、多度津町と、請願第千百七十五号の高知県後免地区であります。次に九州地方からの請願でございますが、請願第千百六十三号、千二百七号及び千三百四十二号は、佐賀県内のそれぞれ佐賀市及び武雄町、嬉野町からであり、請願第千二百五号、千二百六号、千二百四十二号、千三百一号は、福岡県内の久留米市及び筑紫郡と新宮村、宗像郡からでございます。請願第千二百八号は宮崎県の全地域に関するものであります。
以上が今回における地域給に関する請願でございますが、このほかに地域給に関する陳情が四件ございまして、陳情第二百四十三号、二百六十号、二百七十二号、二百八十六号は、それぞれ岡山県の玉野市と、埼玉県の全地域に関するもの及び兵庫県の明石市、広島県の呉市からのものであります。
これらの請願陳情は、深く検討すればするほどそれぞれその趣旨要望に妥当なる点が見受けられるものでもあり、本委員会におきましては、前回御報告申上げました地域給に関する請願陳情と同様に取扱うべきであり、今後なおこれらの地方からの資料その他の提出を要望すると共に、深く検討して、これに関する法律の立案審議に当り、でき得る限り正確な結論を以て当該地方の要望や十分考慮しつつ再検討することが妥当であるとする意味において、その願意を探択すべきものと認め、又速かに政府をして十分研究の上、所要の措置をとらしめる必要があるものと認めまして、これを議院の会議に付し、内閣に送付することを要するものと決定いたしました次第であります。
以上御報告申上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/95
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096・三木治朗
○副議長(三木治朗君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は、委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/96
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097・三木治朗
○副議長(三木治朗君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。
―――――・―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/97
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098・三木治朗
○副議長(三木治朗君) この際、日程の順序を憂更して、日程第百十二より第百四十までの請願及び日程第百八十七より第二百八までの陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/98
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099・三木治朗
○副議長(三木治朗君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。地方行政委員会理事堀末治君。
―――――・―――――
〔堀末治君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/99
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100・堀末治
○堀末治君 只今議題となりました請願及び陳情について、地方行政委員会における審査の経過並びに結果を御報告いたします。
本委員会においては、前回報告した請願陳情の審査に引続き、三月二十六日及び三月二十八日に委員会を開きまして、同日までに付託されました請願陳情を、地方財政、地方行政及び警察消防の三つに分類して、順次審査を行いました。
先ず地方財政関係から申上げますと、請願第四十七号並びに陳情第一号、第三十号、第二百三十五号は、現下の地方財政は甚だしく窮乏しているから、これが確立強化の措置を講ぜられたいというのであります。請願第二十六号、第七十九号、第三百三十八号、第三百五十二号、第三百五十三号及び千十八号は、地方財政平衡交付金の配分が公正妥当でないから是正されたいというのであり、請願第四十八号、第百十三号、第七百八十号、第五百五十四号、第六百八十三号及び第千三百九十一号並びに陳情第十二号、第十九号、第二十号、第百十七号、第二百六十七号及び第二百八十号は、いずれも平衡交付金の増額を願うものであり、請願第六百二十一号並びに陳情第四十六号、第六十七号、第九十九号及び第百八十四号は、平衡交付金の算定基準には実情に副わぬものがあるから改正を加えられたいというのであり、又陳情第百二十二号は、平衡交付金決定後、法令等に基く地方の義務的負担が多くなつているから、その財源措置を望むというのであります。請願第五百五十九号並びに陳情第六十六号、第二百五十九号は、地方事業費の起債の枠の拡大を望み、陳情第二百十八号は六三制校舍整備費の起債の枠を拡張されたいというのであり、請願第三百五十五号は地方債の許可制を廃止されたいというのであります。又請願第三百七十号は北海道の市町村の水道事業の全額起債及び国庫補助を承認されたいというわけであり、同第千二百九十号は、食糧配給公団の廃止に伴う主要食糧配給事務費の国庫負担分が少いから、これを増額されたいというのであります。次に請願第千三百二十五号は旅館の宿泊に対する遊興飮食税の廃止を、陳情第二百八十七号は映画劇入場税の軽減を、同第二百八十八号は狩猟者税の軽減を願うものであります。委員会におきましては政府当局と質疑応答を重ね、愼重審議いたしました結果、いずれも願意妥当と認めまして、これを議院の会議に付し、内開に送付すべきものと決定いたしました。
次に地方行政関係について申上げます。請願第八十四号は、地方公務員法附則第二十項に下水道事業を追加して、上水道事業と同等の取扱をして欲しいというのであります。請願第八十八号、第四百二十号並びに陳情第二百六十六号は地方自治法にある監査委員制度の改善強化を願うものであり、請願第三百三十三号は地方議会議員の議案提出権を臨時会に対しても除外なく認められたいというのであり、請願第三百五十七号は地方議会の常任委員会は議会の閉会中にも活動し得るように法律を改正せられたいというのであります。次に陳情第百十九号は、行政事務の再配分、地方自治確立、治安の確保、国土開発、食糧自給、社会保障制度の確立等の実施を請うものであり、陳情第百二十四号、第百二十八号及び第百七十一号は行政事務の再配分を実行されたいというのであります。本委員会におきましては、政府当局と質疑応答を置ね、愼重審議いたしました結果、いずれも願意を妥当と認めまして、これを議院の会議に付し、内閣に送付すべきものと決定いたしました。
次に請願第五百六十六号は、地方公務員法第三十六條第二項を改めて、都道府県立高等学校教職員の政治的行為の制限をその学校の所在する市、区若しくは郡にされたいといろのであります。請願第百五十五号及び陳情第八十二号は、行政書士の業務を他の法律又は都道府県の條例規則において制限し得るように認められたいというのであり、請願第二百三十一号は、代書人を行政書士として、その資格、業務等に関する統一法を制定されたいというのでありますが、以上行政書士関係三件は、先に制定公布を見ました行政書士法中に大体その趣旨が取入れられております。
委員会におきましては、いずれも願意妥当と認め、これを議院の会議に付し、内閣に送付するを要しないものと決定いたしました。
最後に警察及び消防関係について申上げます。請願第百四十三号は、現行警察法の規定には一二実情に副わない点が見られ、不都合であるから、これらの点を改めると共に、警察法第四十六條により自治体警察吏員の定員九万五千人の配分を調整すべき法律を速かに制定せられ、福知山市警察吏員の定員を最小限度七十五名に増員せられたいという趣旨であり、請願第三百三十一号は、自治体警察職員の退職手当中、国、府県在職期間に相当する分は、昭和二十五年度以降においても国又は府県より支給されるように財源措置を講ずると共に、自治体警察吏員の退隠料受給資格年限を全国的に統一されたいとの要望であり、請願第三百五十九号は自治体警察の選挙取締費の国庫負担を要望するものでありまして、いずれも願意おおむね妥当なりと認め、これを議院の会議に付し、内閣に送付するを要するものと決定いたしました。
請願第三百三十号は、消防団員をして後顧の憂いなく任務に挺身せしめるために、その公傷の場合の治療費はこれを全額国庫負担にされたいとの要望であり、請願第三百四十九号は、現下の国際情勢等に鑑み、消防署未設置都市に対して設置を促すと共に、消防施設の充実を図り、これらの経費に対して国庫支弁の方法を講ぜられたいとの要望であり、請願第四百二十五号は、現行消防法第十七條を改正して、学校、工場等のほか、舟庫の所有者、管理者又は占有者は、政令の定めるところにより、国家消防庁の検定に合格した火災報告器、消火器その他を設備しなければならないことに規定されたいとの趣旨であり、陳情第二十二号は、消防の重要性に鑑み、速かに消防大学を設置されたいとの要望でありまして、以上四件の消防関係の請願陳情は、いずれも願意おおむね妥当なりと認められますので、これを議院の会議に付し、内閣に送付を要するものと決定いたしました。
最後に、請願第三百六十号は、消防団員に対し公務員災害補償法の適用される内容を持つ地方公務員法を速かに提案成立せしめられたいとの要望でありますが、本請願の趣旨は、最近の消防組織法一部改正によって実現されましたので、委員会におきましては、これを議院の会議に付し、内閣に送付を要しないものと決定いたしました。
以上御報告申上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/100
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101・三木治朗
○副議長(三木治朗君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は委員長報告の通り採択し、日程第百三十七より第百四十までの請願及び日程第二百八の陳情のほかは内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/101
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102・三木治朗
○副議長(三木治朗君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採択し、日程第百三十七より第百四十までの請願及び日程第二百八の陳情のほかは内閣に送付することに決定いたしました。
―――――・―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/102
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103・三木治朗
○副議長(三木治朗君) この際、日程の順序を変更して、日程第百四十一より第百四十五までの請願及び日程第二百九より第二百十二までの陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/103
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104・三木治朗
○副議長(三木治朗君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。外務委員長櫻内辰郎君。
―――――・―――――
〔櫻内辰郎君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/104
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105・櫻内辰郎
○櫻内辰郎君 只為議題となりました請願並びに陳情につきまして、外務委員会の審議の結果を御報告申上げます。
請願第千百八十九号は、終戦後外地において連合国に接收せられた日本船舶の返還を請願したものであり、請願第千三百十四号、第千三百十五号は、前者ほ仏印、後者は比島において戰犯者として死刑の判決を受けている者の助命を懇請したものであります。請願第千三百二十七号は平和促進に関するものであり、請願第千三百三十六号は講和條約に当って国民的要望をば連合国に伝えて欲しいとの請願であります。
次に陳情でありますが、第二百五十一号は、小笠原全島民の帰郷が速かに行われるよう適切な措置を講ぜられたいとの陳情で、第二百六十三号は請願第千三百十五号と同様、比島戰犯者助命に関する陳情であります。第二百六十四号、第二百六十五号は在外事業資産の返還について善処せられたいとの陳情であり、後者は特に含湾における製糖事業をば原所有者に返還せられるよう力添えをせられたいとの趣旨であります。
本委員会は以上各件につき、政府側の意見も聽取した上、審議を行なつた結果、いずれも願意を尤もと認めてこれを採択し、議院の会議に付し、且つ内閣に送付すべきものと全会一致を以て決定した次第であります。
以上御報告申上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/105
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106・三木治朗
○副議長(三木治朗君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたましす。これらの請願及び陳情は委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/106
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107・三木治朗
○副議長(三木治朗君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。
―――――・―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/107
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108・三木治朗
○副議長(三木治朗君) この際、日程第百四十六より第百七十九までの請願及び日程第二百十三より第二百三十一までの陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ声あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/108
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109・三木治朗
○副議長(三木治朗君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。農林委員会理事西山亀七君。
―――――・―――――
〔西山龜七君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/109
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110・西山龜七
○西山龜七君 只今議題となりました農林委員会に付託の請願及び陳情につきまして、農林委員会における審査の経過並びに結果について御報告申上げます。
去る三月十七までに農林委員会に付託されました請願及び陳情は、請願五十七件、陳情三十八件、合計九十五件でありまして、その内容を大別いたしますと、農林金融関係十一、農林建設計画関係一、植物防疫関係四、農業委員会関係六、農業災害補償制度関係六、積雲寒冷單作地帶対策関係六、農業協同組合関係五、肥料関係一、特種農作物関係二、土地改良、農業水利、開拓、干拓、災害復旧、地目変換等農地関係二十三、農業改良関係一、生活必需食料品関係三、早場米獎励金及び麦類の銘柄制度設定等、食糧政策関係三、家畜用薬剤、飼料及び牧野等、畜産関係九、蚕糸関係三、国有林の拂下及び国有牧野の開放関係八、森林法の改正その他林野関係三でありまして、その詳細は文書表について御承知を願いたいのであります。
委員会におきましては愼重審議の結果、只今議題となりました請願三十九件、陳情二十一件、合計六十件は、いずれも国土の保全、農林業の発達及び民生の安定等のため緊要な事項でありますので、採択いたしまして、内閣に送付し、速かにその実現を期する必要があると決定した次第でございます。
右御報告を申しげます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/110
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111・三木治朗
○副議長(三木治朗君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は、委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/111
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112・三木治朗
○副議長(三木治朗君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。
次会は明日午前十時より開会いたします。議事日程は決定次第公報を以て御通知いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後四時二十二分散会
―――――・―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101015254X03419510330/112
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