1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十六年九月七日(金曜日)
午前十時二十三分開会
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本日の会議に付した事件
○会社更生法案(内閣送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/0
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001・伊藤修
○委員長(伊藤修君) それではこれより会社更生法案等に関する小委員会を開きます。
昨日に引続きまして、第五章の御説明をお願いいたします。併せて第六章のほうも一つお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/1
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002・野木新一
○説明員(野木新一君) 先ず第五章について御説明いたします。第五章は関係人集会のことを定めた章であります。関係人集会は、債権者、株主等その他の関係人の集会でありまして、更正手続開始後の会社の業務及び財産の管理並びに更生計画案について審理し又は更生計画案について決議する等の権限を有するものであります。本章は、この関係人集会の招集手続、期日及び議決権に関する事項等、関係人集会の通則的な事項を定めておるものであります。
第百六十五條は、関係人集会の期日に一定の者を呼び出すべきこと及び呼び出すべき者の範囲を明らかにしたものであります。議決権を行使することができない者及び第一回の関係人集会について、開始決定に関する書面の送達を受けた者は、特に呼出しをする必要もないので、呼び出さなくてもいいことにいたしております。これは第二項であります。この第二項の前段の議決権を行使することができない更生債権者という点は、これは別の個所に、如何なる場合に議決権を行使することができないかが出て参るのでありますが、こうい更生債権者等は、別に関係人集会に出て参りましても、一番本質的な議決権を行使することができませんので、別に呼び出さなくてもいいということにいたしたわけであります。なお第二項の後段のほうは、第四十七條第二項によりましてすでに一定の書面を送達しておりますので、この書面によつて第一回の関係人集会の期日等が了知されておりますので、改めて特にそのために呼出しをしなくてもいいと、そういうことにいたしておるわけであります。
次に第百六十六條ですが、会社の業務を監督する行政庁、法務総裁及び証券取引委員会には、先日も申上げましたように、更生手続に關與する機会を與える必要がありますので、本條は、これらの行政庁等に対し関係人集会の期日を通知すべきことを定めたものであります。第百六十七條は、関係人集会は、裁判所が指揮することを定めたものでありまして、これは和議法及び破産法の例にならつたものであります。第百六十八條は、関係人集会の期日及び目的の公告を定めたものでありますが、関係人集会の期日は、その期日において議すべき事項と共に、債権者その他の利害関係人に周知させる必要がありますので、これも破産法第百七十七條の規定にならつて本條の規定を設けたものであります。
第百六十九條は、手続の簡易化のために関係人集会並びに更生債権及び更生担保権調査の各期日を併合して行う便宜を與えたものであります。なおここで一言いたしておきたいと思いますのは、この案の立て方といたしまして、別に関係人集会というようなものを設けないでも、事実上関係人が集つて相談して、その結果がまとまればそれでもいいではないかというような考え方もあり得ると思います。アメリカ法はどちらかというと、そういうような考え方に従つておるようでありまするが、我が国の法律といたしましては、すでに長年用い慣れた和議法の手続もありますので、むしろ和議法の手続に準じて、そのやり方を借りてやつたほうが円滑に進行するのではないかという考え方の下に、こういうような関係人集会の期日を設けて、更生手続を進行させることにしたわけであります。
次に第百七十條と第百七十一條でありますが、これらの規定は、更生計画案の決議についての更生債権者、更生担保権者及び株主の議決権につき、これに対する関係人の異議並びに議決権行使の額及び数について定めたものでありまして、この種の考え方は破産法及び和議法にすでにあるものでありまして、その例に準じて定めたものであります。即ち第百七十條の、管財人並びに届出をした更生債権者等は、他の更生債権者等の議決権について異議を述べ得るということに対しまして、第百七十一條におきましては、別に異議がなかつたところの議決権を有する更生債権者等は、その確定した額又は届け出た額、若しくは株式ならばその数に応じて議決権を行使することができるということになりまして、この第百七十一條の規定は、一つの基本的の規定になつておるわけであります。異議のある権利につきましては、第百七十一條第二項で裁判所が議決権を行使させるかどうか、及び如何なる額又は数につき議決権を行使させるかを定めることになつております。これは手続を迅速に運んで行くためには、裁判所にこの程度の決定権を與える必要があるから、このようにしたわけであります。
次に第百七十二條は、収賄その他不当な利益を得る目的で、手続に参加する者を議決から除外して、公正な議決の成立を図るためのものであります。更正手続を不当な利益追求のために利用する行為は、会社の更正そのものを危うくするだけでなく、他の利害関係人の権利に重大な影響を及ぼしますので、裁判所の裁量によりまして、議決権を行使させないことができることにしたものであります。なお第二項は、当該議決権者に釈明の機会を與えたものであります。これはいわゆる悪質な三百的な者のような、真に会社の更正を図るということでなくて、全くその機会を利用して、私腹を肥やそうとして策動する者を防ごうというための規定であります。
第百七十三條は、一定の者に議決権の行使を許さないことにした規定であります。一号の「更生計画によつてその権利に影響を受けない者」というもの典型的なものは、例えばまるまる弁済を受けることになるというような者がその適例であります。二号の「第百六十條の規定により計画から除外することのできる者」と申しますのは、例えば株主について申しますと、会社を仮に清算したといたしましても何ら残余財産の分配を受け得る見込みがない、そういうような者は現実に財産的利害関係を持つ者でありませんので、議決権を行使することができないことにいたしたわけであります。第三号の「第二百四十二号第二項の規定によりその保護が定められている者」については、又後ほど説明することになると存じますが、簡単に申しますと、或る一つの更正計画案につきまして不同意の組のある場合には、その不同意の組の者の権利を保護するために一定の法律に定めた保障をいたしますと、そういう不同意の組は何ら更生計画によつて実質的の不利益を受けないことになりますので、そうなるといたしますれば、別にその更正計画案について発言を許す必要もありませんので、そのような場合には議決権を行使することができない、そういうことにいたしたわけであります。
第百七十四條は、議決権行使の便宜のために代理人による行使を認めたものであります。この規定は何分更生債権者とか株主等は、多数に上る場合もありますし、本人がどうしても出て来なければならないといたしますと、こういうような手段、手続におきましては、手続の円滑な進行を図るのに不適切でありますので、代理人を認めることにいたしたわけであります。
次に第六章に入りますが、第六章は、更正手続開始後の会社の業務及び財産の管理、管財人等の一定の事項についての調査及び報告の義務、審査人の選任、更生計画案の作成から可決に至るまでの手続、及び共益債権等について規定いたしております。
第百七十五條は、管財人の会社の業務及び財産の管理に着手することに関する規定でありますが、管財人は第五十三條の規定によりまして会社の業務及び財産の管理権を有することになりますので、就職の後直ちにこれらの管理に着手しなければならないといたしたものでありまして、破産法第百八十五條にも同趣旨の規定がございます。
第百七十六條及び第百七十八條は、すでに破産法第百九十條及び第百九十一條に同趣旨の規定がありまして、特に説明すべきほどのこともございません。
第百七十八條は、会社の財産の状況を知るのは、爾後の更生手続の進行上必要でありますので、破産法第百八十八條の例に倣つて定めた規定であります。即ち管財人等は更生手続開始後遅滞なく、裁判所書記官等の立会の下に、会社に属する一切の財産の価額を評定しなければならないことにいたしておるわけであります。
第百七十九條も、前條と同様の趣旨から破産法第百八十九條の例に倣つて規定いたしたものであります。
第百八十條と第百八十一條でありますが、第百八十條の各号に掲げる事情は、更生手続の主宰者である裁判所がどうしても了知しておく必要がありますので、管財人は就職後直ちに、これらの事項を遅滞なく調査して裁判所に報告すべきことを定めたものであります。なお、これらの事項は第百九十五條の規定によりまして、第一回の関係人集会に報告されることになつております。
第百八十二條の規定は、更生債権者等の調査に関するものでありまして、前二條と同様の趣旨から、更生債権者、更生担保権者及び株主の権利につきまして管財人等に調査報告させることにいたしたものであります。この調査の結果も、第百九十五條の規定によりまして第一回の関係人集会に報告され、その集会の資料とされるわけであります。
次に第百八十三條でありますが、前五條は、手続開始後最初の段階にしなければならない事項を定めたものでありますが、第百八十三條は、その後におきましても管財人等は、裁判所の定めるところに従いましてその命ずる事項を報告する等の義務があることを規定いたしたものであります。更生計画認可の時における財産目録等を特に要求いたしましたのは、その時の財産状態が更生計画遂行の基礎となるからであります。第百八十四條は、営業用の固定財産の評価に関する規定でありますが、ここに掲げる財産目録に記載する営業用の固定財産の評価並びに更生手続による営業用の固定財産の評価換に当りましては、事実ありのままの評価をしなければなりませんので、商法の営業用の固定財産の評価に関する特則を適用しないことにいたしたものであります。
第百八十五條は、書類の備付けに関する規定でありまして、管財人等によつて今まで述べました規定によつて裁判所に提出された書類を利害関係人の閲覧に供することにするため、これらの書類は裁判所に備えて置かなければならないことにしたものであります。
次に百八十六條は、会社の更生事務の処理に関する規定でありまして、管財人がない場合の更生事務につきましては、会社は、裁判所の監督の下に、これを処理することにいたしまして、なおその際会社は、更生事務の処理につきましては、管財人と同一の注意義務を負うということにしたものであります。この場合には会社は、本来管財人が処理すべき事務である更生事務を処理することになりますので、裁判所の監督に服することとし、その注意義務も管財人と同様とすることにいたしたわけでありますが、注意義務違反の責任は、会社自身のほか、任務を怠つた取締役も負うものといたしました。こういう規定を置きまして、管財人がなくて、会社が更生事務を処理する場合の責任関係を明らかにいたしたわけであります。
次に第百八十七條は、比較的小規模な会社の更生事件につきましては、事情に応じて適当な業務及び財産の管理方法を取ることができるようにいたしたものであります。即ち或る場合には管財人を置いたのをやめ、又置かなかつたのに後に置くことができるというようにいたしまして、実情に適する処置が取り得るような途を開いたわけであります。
第百八十八條は、第百八十七條に関連する規定でありまして、会社の業務及び財産の管理の方法が第百八十七條の規定によつて変更された場合における訴訟手続の中断及び受継について規定したものであります。
第百八十九條は、営業の休止の規定を定めたものであります。元来会社の更生手続は、会社の事業の維持更生を図るものでありますが、その狙いといたしますところは、会社の事業を成るべく休ませないでおいて、何とかそのままに動かしながら更生させて行こうというところに狙いがあるわけでありますが、会社の営業を継続することによつて損失を生ずるような場合等に、それ以上会社の財産状態を悪化させないために営業を休止させる必要がある場合があります。それで本條は、このような理由で営業を休止しようとするときは、会社が勝手にするわけには行かず、裁判所の許可を得なければならんということにいたしたわけであります。尤も営業の休止につきまして監督官庁の許可を要する場合は、その許可をも得なければなりません。
第百九十條は、会社の財産の保管方法等に関する規定でありまして、会社の財産の保管及び金銭の収支に過誤なからしめるために裁判所が必要な定めをすることができることにいたしたのでありまして、破産法にもその例がございます。
第百九十一條は、審査人に関する規定であります。本條は、会社が更生事務を処理する場合、管財人を置くほどでもないが、会社に更生事務の処理を任せることも適当でない場合に、審査人を選任して裁判所の命ずる事項を行わせることができることといたしたのであります。ただ審査人は管財人と違いまして、会社の業務及び財産の管理を行わせることはできないことになつております。
第百九十二條は、審査人に関しまして、調査の権限、資格証明書、裁判所の監督権、解任、数人の審査人の職務執行の方法、注意義務、計算の報告義務及び任務終了の場合の緊急処分につき調査委員及び管財人に関する規定を準用し、なお、発起人等に対する責任追及に関する訴についての当事者適格について定めたものであります。
第百九十三條は、前條第二項の規定により審査人があるときは、発起人等に対する責任追及に関する訴につきましては、審査人が原告又は被告となることになつておりますので、本條は、審査人が置かれた場合等におけるこの一種の訴訟の中断及び受継について定めたものであります。
第百九十四條、本條もちよつと特色のある規定でありますが、本條は、更生事務の処理につきましては、法律知識を必要とすることが多いので、常設の注律顧問を置くことができることにいたしたのであります。法律顧問は、費用の前払及び報酬を受けることができることになつております。これは現在の破産の場合等におきましては、破産管財人は多く弁護士のかたにお願いするのが実情になつておるようでありまするが、この会社更生手続はしばしば申して参りましたように、会社を生かしつつ更生させる手続でありますので、管財人としては相当経済的知識経験、手腕等を要することになりますので、法律家たる弁護士よりも、むしろ経済人のほうが管財人になる場合が多く予想されるわけでありますが、併しながらこの手続自体が非常に複雑なものであり、又いろいろの利害関係が錯綜いたしまして、むつかしい法律問題も生じますので、法律家である弁護士を常設的に法律顧問ということにいたしまして、法律問題の処理に誤りなからしめようというのが、この考え方であります。
次に第百九十五條及び第百九十六條は、第一回の関係人集会のことを定めたものであります。関係人集会は主なものは大体三つあるわけでありまして、その第一回の関係人集会がここに規定してありますが、そのほかに関係人集会は、プランについて意見を徴し、これを審理するための関係人集会がその次の関係人集会でありまして、最後にプランを可決する関係人集会と、大体必要なものは三回になつております。この第一回の関係人集会はその目的といたしまするところは、会社今後の管理の方針を検討するのが目的でありまして、管財人等から会社の業務及び財産に関する経過及び現状、更生債権者、更生担保権者及び株主の氏名及び権利の内容等を報告させました後に、管財人の設置又は選任等について関係人の意見を聞くべきものといたしておるわけであります。この第一回の関係人集会は、昨日も問題になりましたように、更生債権届出の期間がまだ満了しない前に開き得ることになつておりますので、更生手続に非常に利害関係を持ち熱心なものは債権届出を成るべく早くいたして、この関係人集会に出ることになるものと存じますが、届出の遅れているようなものは、これに出席する機会を失うことになるわけであります。併しながらここでは單に会社の業務等の報告等を聞いて、管財人の設置等についての意見を徴するという程度のことでありますので、それ以上権利の得喪の実体に触れるような決議をするわけじやありませんので、私どもの取つた立て方は必ずしも不当ではないと存ずる次第であります。
次に第百九十七條と第百九十八條でありまするが、これらの規定は、更生計画案の作成及び提出について定めたものでありまして、第百九十七條に定める者に対しましては、更生計画案の作成及び提出の義務を認め、第百九十八條に定める者に対しましては、義務ではなくてその権利を認めたものであります。即ち管財人は先ず更生計画案を立案し裁判所に提出する義務者になるわけでありまするが、会社とか、届出をした更生債権者、更生担保権者及び株主は、この計画案を作成する義務はなく、單に自分で特別の意見がある場合には、更生計画案を作成して裁判所に提出することができるということになつておるわけであります。これは成るべく広く良案を求める趣旨で百九十八條の規定を立案したわけでございます。
第百九十九條、これは清算を内容とする計画案について定めたものであります。更生計画案は、本来会社の事業の維持更生を目的とするものでなければなりません。そのような案の成立の困難なことが明らかな会社は、更生の見込みがないものとして、これに対しては手続を開始すべきものでないのでありまするが、実際問題といたしましては、当初は可能と認められても開始後いろいろの事情で、更生が困難となり、單に清算を目的とする案ならば成立可能というような場合の生ずることが予想されるのでありますが、今まで折角進めた手続をやめてしまつて、新たに別の手段を進めることは無駄でありますので、本條は、債権者の一般の利益を害しない限り、裁判所が清算を内容とする計画案の作成を許可することができることといたしたものであります。一見この百九十九條の規定は、会社更生手続と矛盾するような感かありますが、只今説明いたしましたように、手続の経済を考えて、例外的に認めた措置であります。
次に第二百條、第二百一條でありまするが、これは更生計画案審理のための関係人集会でありまして、いわば第二回目の関係人集会とも称すべきものであります。即ち更生計画案の提出があつたときは、裁判所は、その計画案を審理するため、期日を定めて関係人集会を招集し、この関係人集会におきましては、更生計画案の提出者から、計画案について説明を聞き、裁判所は、管財人、審査人、会社並びに届出をした更生債権者、更生担保者及び株主から計画案に対する意見を聞かなければならないことになつております。なお、この機会に一言いたしておきたいことは、更生計画案ができ上りまするには、いろいろの利害関係が輻湊いたしておりますので、なかなか簡単にはまとまりにくいものでありまするが、実際の場合におきましては、この更生債権者とか、更生担保権者とか、株主とか、こういう利害関係を同じくする者同士が集まり合つて一つのグループのようなものを作りまして、お互いに折衝をいたし、利害を調整して、それで大体各方面の意向を探つて、これならば大体可決され得るのではないかというような見込みをつけなければなりません。この表面に現われた手続以外に、この裏面で事実上の折衝というようなことが相当行われ、又手続の円滑な運行のためには、その実際上の折衝が合理的に行われることが必要なわけでございます。
次に第二百二條は、会社の業務を監督する行政庁等に対して更生計画案について意見を述べる機会を與えたものであります。許可、認可等を要する事項を定めた計画案は、本條第二項の規定による行政庁の意見と重要な点で反しておるときは、認可されないことになつております。この規定は第二百四十一條第一項五号におきまして、行政庁の許可等を要する事項を定めた計画につきましては、行政庁の意見と重要な点において反しておる場合吉には、裁判所において更生計画案が認可されないことになつておりまして、こういう仕方で監督行政庁の監督権限と更生手続との調整を図つておるわけであります。
次に第二百三條でありますが、本條は、更生計画案が、会社の使用人に重大な関係を持つものである点を考えまして、その組織する労働組合等の意見を聞かなければならないことといたしたわけであります。
次に第二百四條は、更生計画案の修正に関する規定でありまして、更生計画案の提出者が、提出後みずから更生計画案を修正することを許したものであります。実際の便宜を図つた規定であります。
次に第二百五條は、更生計画案の修正命令に関するものであります。即ち提出された更正計画案が不適法なものであるような場合に、裁判所がその修正を命ずることができることといたしたものであります。これもこの規定がないと、不適法な更生計画案が何かの関係で出て来た場合に、折角ちよつと直せばそれで認可できるものを、こういう規定がないと、今までの手続も全部無駄になるという結果が生ずる場合も考えられますので、この規定を置きまして、手続の無駄を省くことにいたしたわけであります。
第二百六條は、関係人集会の再開の規定であります。計画案審理のための関係人集会の期日後に前條の規定による案の修正があつた場合に、更に関係人の意見を聞く等の必要があるときは、関係人集会を再開することができることといたしたものであります。
第二百七條は、更生計画案の排除に関する規定であります。即ち提出された更生計画案が、結局において認可できないようなものであれば、これについて爾後の手続を進めて見ても無駄でありますので、関係人集会の審理又は決議に付さないことができることにいたしたものであります。
次に第二百八條は、いよいろ最後の段階であります。更生計画案決議のための関係人集会に関する規定であります。本條は、更生計画案決議のための関係人集会の招集及び関係人に対する更生計画案の写し等の送達について定めたものであります。案の写し等を送達するのは、事前に関係人に案の内容を知らせて決議に便ならしめようとする趣旨であります。第三項は、簡易送達の方法を認めたものであります。
第二百九條は、更生のために債務を負担し又は担保を供する者は、更生計画案が認可されますと、その効力を受け、認可決定が確定すると更生債権者等の記載が確定判決と同一の効力を有するものとされ、更生手続終結後は、それに基いて強制執行を受けることになつておりますので、計画案決議のための関係人集会の期日に出頭して、その旨の陳述をすべきものといたしたわけであります。
第二百十條は、更生計画案の変更に関する規定であります。更生計画案は、すでにその審理を終えて、決議のために関係人に送達された後は、その変更を許すべきものではありませんが、更生債権者等に不利な影響を與えない場合は、例外的にその変更を許してもよいので、本條は、そのような異例な場合の計画の変更を認めることにいたした例外的措置であります。
次に第二百十一條は、決議の時期に関する規定であります。一般の更生債権又は更生担保権調査の終了前には、これらの権利の内容、権利者の議決権等が判明しないので、決議をすることができないことにいたしているわけであります。
次に第二百十二條の規定でありますが、本條は決議の方法を定めたものでありまして、更生計画案決議のための関係人集会におきましては、更生債権者、更生担保権者及び株主が各組に分れて決議すべきことを規定いたしております。これらの者は、それぞれ異なつた権利と利害を持つておりますので、これを無差別に取扱うときは、不都合を生ずるからであります。昨日申上げました第百五十九條の規定と関連いたしまして、更生手続における一つの中心的なアイデイアの現われであります。
次に第二百十三條は可決の要件に関する規定であります。本條におきましては、権利者の頭数は考慮しないことにいたしました。各組におきまして法定の額又は数以上の議決権のある者の同意を得られなければ可決されませんが、和議の場合等に比して要件が緩和されておるものと言えます。清算を内容とする計画案について更生担保権者全員の同意を要することにいたしておりますのは、破産手続及び特別清算手続との均衡を考慮したものであります。なおこの條文に表われておりますように、例えば更生債権者につきましては、その議決権の総額の三分の二以上に当る議決権を有する者の同意を得られればいいわけでありますが、更生担保権者につきましてはその四分の三以上に当る議決権を有する者の同意を得なければならないということになつておりまして、更生担保権のほうが更生債権に比してより有力な、或る意味において発言力を有することにさせまして、更生担保権を尊重するという思想をここに表わしておるわけであります。
次に二百十四條でありますが、これは続行期日の指定に関する規定であります。前條の規定によつて決議が成立しなかつたときでも、直ちに決議を不成立に終らせてしまうのは、折角今まで続けて来た手続が全部無駄になつてしまつて、手続の不経済を来たしますので、本條に定める者の同意があれば続行期日を定めて、更に再考の上愼重に決議する機会を與えるべきものといたしたものでありまして、これも破算法等の例に倣つたものであります。
次に二百十五條は可決の時期について定めたものでありまして、本條第一項は、和議法の例に倣つたものであり、第二項は、止むを得ない場合の期間の伸長を認めて融通性を持たせたものであります。若しこの二百十五條に定める期間内に更生計画案が可決にならないときは、更生手続は後の規定によつて廃止されることになります。
第二百十六條、第二百十七條及び第二百十八條は、共益損権に関連した規定であります。共益債権は大つかみに申しますと、破産の場合の財団債権に準じて認めたものであります。共益債権相互の間では、別に順位を認めないことになつております。なお、ここに定めるもののほか、各條におきまして共益債権とするものが別に規定されておるものがあるのに注意いたしたいと思います。
以上で第六章の一応の趣旨の説明を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/2
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003・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 続いて第七章をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/3
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004・野木新一
○説明員(野木新一君) それでは引続きまして、第七章につきまして概略の御説明をいたします。
第七章は、更生計画の必要的及び任意的條項並びに計画の條件に関する原則等について規定いたしております。この章の立案をいたすにつきましては、成るべく当事者にわかりがいいように、いろいろの具体的の場合をも考慮に入れて規定を作つて行こうということになりまして、規定が比較的詳細になつたものでありまして、これを和議法の和議條件のととろの規定等に比べますと、非常に細かく、又別の言葉を以て言いますれば、まあ親切に規定しておるつもりでおります。
第二百十九條でございますが、本條は、更生計画に関する総括的な規定でありまして、第一項は更生計画の必要的條項を定め、第二項は、任意的條項を定めたものであります。即ち第一項におきまして、更生計画には必ず更生債権者、更生担保権者又は株主の権利を変更する條項が入らなければならないことになつております。これはこういう者の権利の変更を来たさなくても、会社が更生できるというような場合には、何も必ずしもこの更生手続をやるまでのことはないではないかという考えから、少くもこういう場合でなければいけないという趣旨から規定いたしたものであります。勿論この二百十九條におきましては、会社の更生に必要ないろいろな事項が更生計画案に書かれることは予想しておるわけでありますが、規定といたしましては、必要的記載事項としては、法理上の文言におきましては最小限度の表現をとつておるわけであります。第二項の任意的條項を定める場合におきましても、重要な事項につきましては、一定の要件を具備すべきものとして、計画の内容を明確ならしめ、併せて計画遂行の場合における他の法令の適用を排除いたしまして、手続が簡単にでき得るような措置を考えておるわけであります。
第二百二十條以下は、第二百十九條のところを更に詳細に順次規定して行つたものでありまするが、第二百二十條は、更生計画の必要的條項に関するものでありまするが、計画による更生債権者等の権利の変更について疑義が生じないように規定を置いたわけであります。即ち更生債権者等の権利を変更するときは、変更されるべき権利を明示し、且つ、変更後の権利の内容を定めなければならないといたしました。なお、この更生計画によつて権利に影響を受けないもの、或いは先ほど申しました第百六十條の規定に基き計画から除外されるものがあるときは、その者の権利を明示しなければならないといたして、計画案がはつきりしないために、後にいろいろの権利の紛争が生ずることがないように、このような規定を設けて更生計画案の内容を明確にさせたわけであります。
次に第二百二十一條でありますが、更生計画によつて債務が負担され又は債務の期限が猶予されることが多いことが予想されるわけでありまするが、本條は、その期限が比較的長期に亘るときは、弁済資金の調達方法を明示し、担保が供されるときは、期限の長期を限定すべきものといたしまして、債務の弁済を確実ならしめる趣旨において設けた規定であります。これも更生計画案が実現可能な、しつかりしたものにしたい、そういう点からこういう規定をはつきり置いたわけであります。
次に第二百二十二條でありまするが、本條は、会社若しくは会社以外のものが更生のために担保を供し、又は会社以外の者が更生のために債務を負担する場合の規定で、権利関係を明確ならしめるためのものであります。
次に第二百二十三條でありますが、更生計画案は、更生債権及び更生担保権の確定手続が大体終了してから作成するのを本則といたしますが、異議のあるものにつきましては、確定していないものもあり得るので、本條は、このような権利がその後確定しても計画の遂行に支障を来たさないように、更生計画において適確な措置を講じておくべきことを定めたものであります。若しこの未確定の更生債権等が非常に大口なものであつて、それがきまらなければ更生計画の立案ができないというような場合には、その確定を待たなければならないわけでありますが、さればといつて比較的小さいものであつて、それについては何かの措置を講じておけば全体としての更生計画の立案、遂行に支障を来たさないというような場合におきましても、その更生債権等が確定しなければ更生計画を立案、決定できないということでは、手続の円滑な進行が得られませんので、このような規定をおきまして、その間の調整を図つたわけであります。
次に第二百二十四條でありますが、本條も必要的條項に関するものでありまするが、共益債権は、前述したように更生債権及び更生担保権に先立つて弁済されるべきものでありまするから、共益債権に関する事項を明らかにしなければ堅実な更生計画を立てることができません。本條は、この意味で共益債権の弁済に関する事項を明らかにすべき旨を定めたものであります。
次に第二百二十五條は、営業又は財産の讓渡等に関する規定であります。本條は、更生計画において会社の営業又は財産の譲渡等を定める場合の要件について規定しております。このような條項を定めた計画が認可された場合の効果につきましては、第二百五十八條にその規定がございます。
次に第二百二十六條は、計画案作成当時会社に属する権利で争いの落着していないものの処理について定めたものでありまして、その処理の方法を明確にすべきことといたしたものであります。第二百二十三條と似たような規定でございます。
次に第二百二十七條は、更生計画において会社の定款の変更について定める場合の規定であります。第二項は、定款の変更により会社が発行する株式の総数を増加する場合には、新株の引受権についても規定すべきことを定めたものであります。定款の変更について定めた計画が認可された場合の効果は、第二百五十九條に規定いたしてありまして、商法の規定の特別になつており、手続が相当簡單になる仕組になつております。
次に第二百二十八條は、取締役等の変更に関する規定であります。即ち会社の取締役、監査役の選任、又はその方法等のことを更生計画において定める場合の規定であります。この第四項におきまして任期を一年といたしましたのは、会社の取締役、監査役等の役員はそれぞれ本来ならば株主総会等によつて選任せらるべきものでありますが、これはそういう会社の正規の機関ではなく、更生計画という非常事態において選任せられたものでありますので、成るべく常態に早く復帰せしめ、商法の規定に乗るようにしたほうがいいという趣旨の下におきまして、こういう方法によつて異例的に選任せられた役員の任期を余りに長くするのは好ましくないので、一年といたしたわけであります。この点につきましては、或いはそういう非常事態を切拔けるためには或る特殊の人を信頼する必要があるので、更生計画においてこの人ならば大丈夫として、その人を取締役として会社の経営を委ねることにしたならば、むしろ任期は長くするほうがいいではないかという考え方も予想されるわけでありまするが、本案におきましてはその考えは採用いたしておりません。なお第二百二十八條の條項を定めた場合の効果につきましては第二百六十條において商法の規定の特例を設けて手続の簡素化を図つております。
次は第二百二十九條でありますが、本條は、会社の資本の減少のことを更生計画において定めようとするときの要件について定めております。この場合の効果は、やはり後に出て来ます第二百六十一條に規定いたしております。
次に第二百一十條は、新株の発行に関する規定であります。本條は、会社の新株発行のことを更生計画において定めるときの要件について規定いたしました。第一項は、更生債権者、更生担保権者又は株主に対して、元の債権、株式等の代りに新株を割当てる場合であります。第二項は、これらのものに従前の権利に追加して新たに払込又は現物出資をさせて、新株の割当をする場合であります。第三項は、それ以外の場合、即ち普通の第三者から新株を募集するというような場合について定めたものであります。而してこれらの場合の効果につきましては、後に出る第二百六十二條、第二百六十三條におきまして、商法の規定の特例を定め、手続の簡素化を図つておるわけであります。
第二百三十一條は、会社の社債発行のことを更生計画において定めるときの要件について規定したものであります。前條と同様更生債権者等に新たに払込みをさせ、又はさせないで社債を発行する場合を含んでおります。社債発行について定めた場合の効果は、第二百六十四條及び第二百六十五條において商法等の規定の特例を定めております。
次に第二百三十二條は、更生計画において、吸収合併について定める場合の要件を規定しております。吸収合併について定めた場合の効果は、第二百六十六條に規定しております。
次に第二百三十三條は、更生計画において新設合併について定める場合の要件を規定しております。計画において、新設合併について定めた場合の効果は、第二百六十六條に定めております。
次に第二百三十四條は、更生計画において新会社の設立について定めをするときの要件を定めております。第一項は、更生債権者、更生担保権者又は株主に対し、もとの債権、株式等の代りに新らしい株式を與え、これらの株主のみで新会社を設立する場合の要件であり、第二項は、それ以外の方法によつて新会社を設立する場合の要件であります。あとの場合には、更生債権者、更生担保権者及び株主に対し、新たに払込若しくは現物出資をさせ、又はさせないで、その株式の一部を引受けさせる場合を含んでおります。なお、更生計画においては新会社の取締役及び監査役の選任についても定めるべきものとし、又社債の発行等についても併せて定めることができることにいたしております。計画において新会社設立について定めた場合の効果は、第二百六十七條及び第二百六十八條に特例が定められておりまして、手続が非常に簡素化されております。
第二百三十五條は、更生計画において会社の解散の定めをしようとするときの要件を定めております。計画によつて新会社を設立する場合でも、会社即ち旧会社は解散せず、新会社と共に存続するものとすることができます。旧会社の解散について定めた場合の効果は、第二百六十九條に定めております。以上が更生計画において予想せられるところのいろいろの場合を挙げて、その規定すべきことを明確にいたしたわけでありますが、一見非常に複雑になつておるように見えますが、この案を立てるところの狙いは、むしろいろいろの場合につきまして、このように具体的にその措置を規定しておけば当事者にとつてはこのどれとどれとを結び付けて更生計画を立てるというようなことを考える場合に、大体の目安が立つてよいのではないかということが一つと、更にいま一つは、こういうようにはつきりと要件を規定して置きますれば、あとの手続の簡素化、即ち商法等の規定の特例を設ける、即ち或る場合に商法の規定を排除して、段階を飛ばして手続を進め得るというような手続の簡素化を図る前提要件となりますので、このように一々詳細に規定を設けてみたのであります。勿論更生計画においてこのすべてを用いなければならないというわけではありませんので、具体的場合に応じましてその適切なものを選んで行けばよいわけであります。
次に第二百三十六條、これは條件に一定の差等を設けなければならないということを規定したものでありまして、非常に思想的には重要な規定でございます。更生手続に参加する権利者の権利にはその性質に差異があり、この差異を無視するときは不当な権利の侵害を生ずることになります。本條は、権利の性質に応じて必ず計画の件に公正衡平な差等を設けなければならない旨を規定いたしまして、実質的な平等を考えたわけであります。この順位を無視した計画、例えば株主の権利を債権者の権利よりも有利に取扱うような計画は不適法でありまして、たとえ関係人集会におきまして、可決されても裁判所はこれを認可することができないわけであります。第二項は、罰金、科料等の請求権及び租税等の請求権は、別の性質を有するものでありますので、第一項の規定の適用がないことにいたして、これは又別個の見地から取扱うということを明らかにいたしたものであります。
次に第二百三十七條は、平等の原則を定めたものでありまして、更生手続は、各権利者が公正衡平に満足を得ることを本旨とすることに鑑みまして、本條は、同じ性質の権利者に対する條件は原則として平等でなければならない旨を定めたものであります。併し形式的な平等は必ずしも実質的な衡平をもたらすものではありませんので、但書におきまして少額債権等について或る程度の例外を認めることにいたし、実情に即し得るようにいたしたわけであります。
次に第二百三十八條は、取締役等の選任等に関する規定であります。即ち取締役及び監査役の選任等に関する計画の定めが衡平で、更生債権者、更生担保権者及び株主の一般の利益に合致するものでなければならない旨を定めたものであります。それは取締役、監査役等の人選は、更生債権者等の利害に関するところが大でありますので、一部の策謀家の画策があつたりすることがないように、こういう規定を設けているわけであります。
次に第二百三十九條は、特定の更生債権者等に対する、厚生計画の定めによらない特別の利益の供與の効力について定めたものでありまりまして、和議の以上で第七章の説明を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/4
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005・伊藤修
○委員長(伊藤修君) ではこの程度に一時から再開したいと思います。
午前十一時五十一分休憩
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午後一時二十七分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/5
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006・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 午前に引続いて委員会を開会いたします。
これより午前に引続きまして質疑に入ります。六十二條と六十三條の関係ですが、仮にここに更生手続開始以前に担保を会社に提供しておつた者があつた。そうして会社が債権者としてある場合にその債務は完済された。それで会社はただ手続きを怠つおつて、その所有権が会社に残つておるというような合は六十三條によつて取戻すことができないことになるのですか。六十二條によるというと取戻す権利に影響を及ぼさないと、こう言つておるし、六十三條によると、「担保の目的でしたことを理由としてその財産を取り戻すことができない。」というのですが、今のような場合はどうなるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/6
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007・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) 取戻せません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/7
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008・伊藤修
○委員長(伊藤修君) その担保を会社に提供しておる者が、すでに債務をもう完済されておつて、たまたま手続のなされていなかつたというだけで六十二條の適用はないのですか。いわゆる実質的な会社の財産に属していないことは明らかなんですね、説明によれば……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/8
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009・野木新一
○説明員(野木新一君) この六十三條の規定は、破産法から借りて来たものでありますが、このような規定があります趣旨は、いわゆる売渡担保という場合におきましては、当事者の内部の間におきましては、或いは所有権がどつちにあるかというような問題もありますが、外部の関係におきましては、即ち第三者の側から見た場合におきましては、財産が会社に譲渡されておつたという形になつておりますので、第三者を保護するという趣旨におきまして、外部的関係に着眼して、内部的所有権のことには力を置きませんで、この取戻権を認めないことにいたしたわけであります。従いまして仮に担保をされおる債務が弁済されるといたしましても、その関係から見まして、なお会社に占有があり、或いは登記もしておるというような場合には、やはり六十三條の規定の適用を受けるものと存ずる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/9
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010・伊藤修
○委員長(伊藤修君) そうすると、六十二條の場合はどういう場合を想像するのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/10
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011・野木新一
○説明員(野木新一君) 六十二條の場合は、例えば一番極端な場合は、何かの間違いに基きまして、偶然会社の財産みたいな恰好になつていたというようなもの、或いは使用貸借等によつて会社が借りたというようなもの、即ち所有権ははつきり会社以外の者に、内外共にはつきりしておるような場合が考えられるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/11
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012・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 会社に占有が移つておつて、現に会社がそれを使用しておる場合は、不動産の場合は別として、動産の場合は第三者の面から考えれば、これは会社のものであるというように見ることが当然でありますが、そういう場合においては六十三條において、立法措置から言えば、その現実を以て第三者の保護のために六十三條の適用がやはりあるんじやないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/12
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013・野木新一
○説明員(野木新一君) 例えば使用貸借の場合は、使用貸借関係がはつきりしておりますれば外部からわかるわけでありますが、ただ六十三條に規定しておるいわゆる売渡担保の場合におきましては、当事者の内部関係においては所有権を留保するというような場合、或いは担保の目的だけで所有権を相手に移すというようなことにあらかじめなりますが、外部との関係におきましては飽くまで財産を譲渡した、所有権が会社に移つておるという関係になりますので、單なる使用貸借というような場合と全く外面も異なつておると考えるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/13
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014・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 不動産の場合は問題はないと思いますけれども、動産の場合についてはいわゆる委託の品物もありましようし、使用貸借もありましようし、一時貸借の場合もありましようし、現に会社が占有しておるというものに対しては、六十二條の適用があるように御説明があつたのでありますが、それと六十三條の区別は困難ではないのでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/14
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015・野木新一
○説明員(野木新一君) 多少言葉が足りなかつたかとも存ぜられますが、現に会社の占有しておる物すべてについて六十三條の適用があるのではありませんでして、担保の目的で会社に財産を譲渡した、そういう場合だけでありまして、而もその金は返したけれども、まだ担保の目的で譲渡したというような外部関係がなお残つておるというような場合には、六十二條の適用はなくて六十三條で行くのであるという趣旨でありまして、その場合におきましては全く法律関係が変つてしまいまして、借金は返してしまつた、担保も一旦返した。併し以後は借りておくのだというような関係になりますれば、これは六十二條のほうに行くものと考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/15
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016・伊藤修
○委員長(伊藤修君) そうすると、動産を現実に占有しておつても、その法律関係が担保によつてそれを占有するに至るという場合だけであつて、その他の場合は六十二條によつて賄えると、こういうわけでございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/16
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017・野木新一
○説明員(野木新一君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/17
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018・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 六十四條の場合において、売主が損害をこうむることがあり得るのでありますが、その損害をこうむつた場合については百三條の適用があるものと考えられますが、そうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/18
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019・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) この売主が六十四條によつて物品を取戻す権利を持つておりますので、大体において損害をこうむることは少いと考えるのでありますが、なお百三條の規定の適用を妨げませんので、こちらの要件に該当するような場合には、管財人のほうから契約の解除、そうして百四條によりまして相手方は損害があれば賠償を請求する、こういう趣旨であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/19
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020・伊藤修
○委員長(伊藤修君) この契約解除取戻しによつて生じたところの、例えば保険であるとか移送料であるとか、手数料だとかによつて生じたところの損害というものは百三條の適用であり、そうして百四條の適用によつてこれが権利を保護される、こういうように解釈してよろしいのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/20
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021・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) 百三條は管財人のほうに対しまして特に解除権を認めたもの、その解除によつて売主のほうに損害がありますれば、百四條によつて只今申されたような損害も請求できるという趣旨であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/21
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022・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 六十六條は物品の取戻権者が返還請求権喪失の場合に限るのでしようか。どうでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/22
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023・野木新一
○説明員(野木新一君) 例えば会社が売渡担保として取得しておつた財産を……売渡担保では工合惡いわけですが、他の者から借りて持つていた財産を第三者に売つてしまつたというような場合におきまして、会社はその代金の支払を請求する権利を取得するわけでありますが、本来の取戻権者は会社に対してその代金の支払請求権を自分のほうに寄越す、そういうことにいたしまして、実際に物を取戻す代りに、会社がほしいままに売払つた代金の請求権を取得することができる、そういつた趣旨の規定であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/23
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024・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 本来取得権があるというような場合ですが、そうするとその品物に対して所有権が第三者に移つて行かないのじやないでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/24
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025・野木新一
○説明員(野木新一君) 御説のように移る場合と移らない場合があると思いますが、例えば倒産等のような場合には移る場合もありまして、一番典型的の場合はそのような場合を考えているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/25
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026・伊藤修
○委員長(伊藤修君) そうすると本質的に法律上その所有権が移る場合も、移らぬ場合も含むのですか。或いは喪失した場合だけが予想されておるのでしようか、どちらでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/26
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027・野木新一
○説明員(野木新一君) 六十六條といたしましては、その両方を含む趣旨に考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/27
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028・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 両方含む……、つまり法理的にそれがここに解釈が出て来るのでしようかね。そうすると反対給付の請求権というものは本質は何ですか。給付の請求権ですか、或いは求償権になるのですか。單独行為によつて債務を生ぜしむるということになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/28
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029・野木新一
○説明員(野木新一君) これは一番典型的な場合といたしましては、会社が物を売つた場合に代金請求権を会社が取得するわけでありますが、その代金請求権の移転を請求することができるというような場合が一番はつきりしておるものと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/29
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030・伊藤修
○委員長(伊藤修君) その場合はよろしいとしても、本来権利が第三者に移転しないという場合も含むとおつしやるのですか。そういう場合に、この反対給付の請求権というものは、いわゆる給付の請求権ということが言えるかどうか。或いはそれによつて、單独行為によつて権利関係が初めて創設される……或いは求償権ということが言えるのですかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/30
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031・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) 所有権は、会社が第三者に移転いたしません場合には、取戻権者が直接第三者から物件返還の請求をする。物件の返還の請求をするということができます場合には、そういうことも勿論その手段を取つておるわけでありますが、そういうふうな手段を取りませんでも、所有権としては第三者にはまだ移つてない、併しながら会社と第三者の間には売買契約が現実にできておるわけであります。無効でも何でもないわけでありますから、その契約を援用いたしまして、その契約を認め、売買代金請求権だけをこちらにもらうというふうなことで、事足りるという場合には、その第六十六條でも行けるというふうに考えて差支えないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/31
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032・伊藤修
○委員長(伊藤修君) そうすると、本来の権利が喪失しない場合においては便宜規定になるのですか。或いは法律的にそういうふうに出るという解釈ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/32
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033・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) 法律的に便宜認めたものであると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/33
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034・伊藤修
○委員長(伊藤修君) そうすると、現在債権者としては第三者に直接この取戻請求権を行使することもできるが、又先の会社と第三者との間になされた取引行為を認めて、その反対給付をすることもできる。いずれかの一方を選択し得るのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/34
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035・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) そういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/35
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036・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 六十九條では更生債権又は更生担保権に関するもので異議のないものについてはどうなるのでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/36
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037・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) 更生債権又は更生担保権に関する訴訟で異議のないもの、こういう趣旨なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/37
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038・伊藤修
○委員長(伊藤修君) そうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/38
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039・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) それは事実上この更生担保権として任期の期日におきまして争いがなくて確定した場合のことでありますので、実体上その訴訟の目的は達せられたわけでありますから、これは事実上受継ぎをしなくてもすでに目的を達して訴訟が終了するというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/39
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040・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 訴訟を終了しておれば問題はありませんが、現に訴訟中であるという場合においては、中断とか中止とかにならないということになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/40
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041・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) これは中断、形式的には中断中のものはずつと続くわけでありますが、当事者が目的を達した以上は、これは取下げとかいうことで訴訟が終了するというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/41
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042・伊藤修
○委員長(伊藤修君) そうすると、将来当事者においてそれは適当に処理されるというふうなお考えの下にこちらにも、百四十九條と照合してどちらにも入らんことになるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/42
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043・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) さようでございます。委員長(伊藤修君)七十一條ですね、専属管轄がある場合もこれは含むのでしようかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/43
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044・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) 第四項の規定に該当しない限り専属管轄のものも含むわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/44
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045・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 訴訟法の特例になるのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/45
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046・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) さようでございます。これは更生手続を円満に遂行するために、各裁判所でばらばらに訴訟を遂行しておつたのでは非常に不便ではないかということで、特に認めた規定であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/46
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047・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 七十二條ですが、これは商法の規定を大体入れておるようでありますが、商法三百八十六條の第五号、第六号というものはここで入れなくてもいいという理由があるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/47
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048・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) 三百八十六條第五号は「取締役又ハ監査役ノ解任」の処分でございますが、更生手続が開始いたしますと財産関係の管理権は管財人に移ります。併しながら会社の人格そのものについては、更生手続が開始されても影響を受けないという建前を取つておりまして、取締役、監査役等の選任、解任等につきましても、これは外部的な力によりまして更生手続が開始したからという理由で、解任するということは適当でないという考えから認めないことにいたしたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/48
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049・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 商法三百八十六條の第六号の場合「発起人、取締役又ハ監査役ノ責任ノ免除ノ禁止」これは……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/49
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050・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) この「発起人、取締役又ハ監査役ノ責任ノ免除ノ禁止」、これは第五十四條の規定によりまして第七号の権利の放棄ということに該当すると考えますので、これは裁判所の許可がなければできないことになつておりますから、そういう面からコントロールされるものと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/50
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051・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 取締役の責任追及に関する訴訟が提起されておる場合に、査定との関係はどうなるのですか。査定は既判力を持つて来るのですか。現に取締役の責任追及訴訟が起されておる場合において、査定ということがある場合においてそれとの関係ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/51
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052・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) 会社が取締役に対して賛任追及の訴を提起しておる際に、更生手続を開始したという場合には、その訴は会社財産関係の訴訟として中断される。そうしてこれによりまして略式手続による査定の手続、これを取りまして責任の追及をいたしてもよろしい、こちらのほうは好ましいと思いますが、併し非常に訴訟が進行しておるという場合には、これは受継の規定でそれを受継いたして、それを遂行してもよろしいという……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/52
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053・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 査定というものは一体どういう形式でされるのですか。或いは数字だけを羅列するという形式を取るということが予想されますが、その効果は既判力を持つのですから、判決処分のごとく書かれるのですか、査定の形式です……。どういうことが予想されるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/53
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054・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) この査定の裁判の制度は、商法の制度に倣つたことは、先ほど御指摘の通りであります。そしてこの査定の現実の裁判というものはまだ例がないのじやないかと想像いたしておるわけでございます。ここの規定の趣旨として考えて頂きたいのは損害賠償請求権の存在を確定するということがわかればいい。給付の義務を認める形式でなくて、損害賠償請求権があるということを確定する形式でいいというように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/54
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055・伊藤修
○委員長(伊藤修君) そうすると、実質的には損害賠償の給付が確定し得るような形式を取ればいいと、こうおつしやるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/55
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056・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/56
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057・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 第七十一條及び第七十五條ですね。更生裁判所という文字が出ておるが、一体裁判所法に言うところの裁判所のほかにこういう更生裁判所というものができるのですか。それともこれは現に係属しておるという裁判所を指すものですか。そういうものですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/57
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058・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) これは破産法におきましても破産裁判所という言葉を使つております。その意味は破産事件の管轄裁判所という意味だろうと考えております。この法律もその先例に従つたわけで、更生事件の管轄裁判所という趣旨であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/58
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059・伊藤修
○委員長(伊藤修君) そうすると、この読み方はこの更生事件の管轄裁判所と、こういうふうに読むのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/59
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060・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/60
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061・伊藤修
○委員長(伊藤修君) そうすると、この更生事件の管轄裁判所はみずからなした査定、いわゆる判決に類似するような効果を持つところの査定に対して異議がある場合において、それをその異議の訴を受けて又これを審理、判決するということは裁判制度の上において、ちよつと不合理のように考えられるのですが、この点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/61
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062・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) この査定の裁判は略式の手続でありまして、異議のない場合に初めて確定判定としての執行力を持つというのでございますので、いわゆる前審の裁判というふうなものではございません。従いまして査定の裁判をした裁判所と、その異議の訴の裁判所とは同一の裁判所であつて一も差支えがないじやないかというふう一に考える次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/62
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063・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 覆審とか続審とか、こういう観念は出て来なとのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/63
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064・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) 正式の審級とは認めないという考えに立つておりますので、覆審とか続審とかという観念が普通言われますが、これは正式の審級の場合のことを指すのが普通であると思いますが、そういう観念にはぴつたりと当てはまらない。これはそこまでに至らない。略式の、正式の審級じやない裁判の段階であるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/64
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065・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 次に七十二條の申立人でありますが、この申立人の範囲は三十九條との権衡上利害関係人とするほうがいいように考えられるのですが、この点はどうでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/65
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066・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) 七十二條の場合は、更生手続開始後、従前の会社の理事者に対する責任の追及をするという処分でございまして、これにつきまして申立人を非常に広くいたしますと、相当場合によつて濫用するものがございますといたしますれば手続が遅延する。こちらの査定の手続後更に異議の訴を起すというふうなことになりますと、相当厄介なことになるということが考えられるのでございますので、成るべく申立人の範囲を狭めよう、そうして手続の迅速を図ろうという趣旨で、こういうふうに定めたものでございます。三十九條のほうは、これはまだ手続開始前のことでございまして、その保全処分の必要の有無、こういうことにつきましての審理、これはまあ比較的簡単な手続であるというふうにも考えられますので、これは相当広く認めてもそれほどの弊害はないんじやないかという考え方から、こういうふうにいたしたものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/66
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067・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 更生手続促進を重点にされて申立人の範囲を縮小されたというのですが、たまたまそういう人はないでしようけれども、管財人なり或いは審査人なりが頑迷であつて、債権者が幾らいつてもやつてくれないというような場合におきましては、みずからやり得る途を開いたほうが却つて適当じやないかと思われるのですが、往々にして管財人がなかなかやつてくれぬことがあるのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/67
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068・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) そういうふうな場合には管財人の責任を問う、或いは解任の手続をとるというふうな処置もございましようが、更に直接的には裁判所の職権を促すということにして、目的を達し得るのではないかというふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/68
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069・伊藤修
○委員長(伊藤修君) これは先ほどの問題と関連しますが、七十五條によつて「査定の裁判に不服がある者は、決定の送達を受けた日から一月の不変期間内に、異議の訴を提起することができる。」と、こうあるのですが、これは上級審に持つて行くほうが適当じやないでしようか。先ほどの御説明もありましたが、結局みずからなした査定とはいえ、一つの簡易な略式手続ではありましようが、一つの裁判でありますから、その裁判に対して不服のある者は、やはり民訴の本則に従つて上級審に持つて行き、適正な判決を求めるというほうが妥当じやないでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/69
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070・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) 御意見のような立て方もできないことはないと存ずるのでありますが、そういうふうにいたしますと、査定の裁判は略式の手続でありまして、通常の裁判手続とは、大分当事者の権利の立場から考えるとやはりお粗末といえる手続でありますので、当事者の審級の利益というものは奪われてしまう、一つ審級が少くなるというふうなことにもなると考えるのであります。この査定の請求と申しますものは、これは更生裁判所が会社の事情に精通しておるということから、そういう裁判所のした略式の裁判に当事者が服する場合が多いのではなかろうか。そういうような場合にには通常の手続によらなくても片付く場合が多くはないかということから設けた制度でありまして、これの裁判に対して更に不服の申立をする場合に、上級裁判所へ持つて行くということにいたしますれば、これはやはり略式の手続ではいけないという、要求といいますか、反対の考え方ができるであろう。そういうところからやはり原審の、原審といいますか、更生裁判所にその訴をされるというふうにいたしたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/70
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071・伊藤修
○委員長(伊藤修君) この異議の訴の内容はいろいろありましようが、それによつてこの査定、現に査定された内容を減らすことも、或いは殖やすこともあり得ると思いますが、減らすことの場合は多く問題はないと思いますが、殖やすというようなこともできるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/71
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072・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) これは不服の申立をする者が管財人であるというふうな場合に、管財人が原審の査定が、原審と申しますか、査定の裁判における裁判された金額が少いというふうなことで、不服の申立をして、異議の訴がなされたという場合には、これは増額することができると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/72
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073・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 八十二條に「否認権は、訴又は否認の請求によつて、」と、こうあるのですが、二つを取つておるのですが、これは否認だけの一本に立てることは何か不都合があるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/73
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074・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) この訴の方法と、否認の請求の方法と、二つを認めました趣旨は、先ほどの査定の裁判を認めました趣旨と同様でありまして、通常の訴のほかに否認の請求という略式な否認の方法、否認権行使の手続を認めたものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/74
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075・伊藤修
○委員長(伊藤修君) それはわかりますが、訴ということを特段に入れなくてもいいんじやないでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/75
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076・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) 否認の請求ということだけをここに書いておきますと、通常の訴では否認権の行使はできないのではないかという疑を生じますので、明記したわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/76
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077・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 若し管財人が否認権を有しないようなときに、管財人がその場合債権者に否認権を行使させるという考え方はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/77
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078・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) 管財人のない場合には、更生債権者又は東生担保権者が否認権の行使をするというふうな建前になつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/78
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079・伊藤修
○委員長(伊藤修君) それはわかつておりますが、管財人である場合においても、管財人が行使しないというようなときに、債権者をして否認権を行使させるという考え方はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/79
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080・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) そういう場合に管財人のほかに更生債権者等にも、殊に否認権の行使を許すということになりますと、これを濫用と申しますか、大した理由がなくて否認の訴を出すということで、手続が遅延されるということを恐れるわけであります。この手続におきまして、遅延の理由として考えられるものの最も大きなものの一つは否認権の行使ではないかと恐れているわけです。破産手続におきましても、否認権の行使のために手続が数年も遅延しておるという事例が非常に少くないと聞いておりますが、そういう弊害を矯める意味からも、これは管財人がある場合には管財人に限りその行使を認めるというのが適当じやないかと考える次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/80
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081・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 次に九十三條と六十八條との関係ですが、九十三條は六十八條を排除するという意味ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/81
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082・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) そういう趣旨でございます。ただ更生債権者の提起した訴訟というふうな場合、これは形式的には、少くとも会社が当事者にはなつていないと思います。で、これをどういうふうに解釈いたしますか、考え方によつては会社の財産関係の訴訟じやないという見方もできるかと思いますが、併しながら又これは広い意味で、会社の財産関係の訴訟であるという考え方も成立つと思います。有力なる学説は、そういう場合も会社の財産関係の訴訟に含むというふうになつていると承知しております。そういう建前をとりますと、九十三條は六十八條の例外だということになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/82
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083・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 特に詐害行為取消請求権に関する訴だけをここで取上げるということは、これは必要があるのですか、どういう理由から来ているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/83
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084・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) これは詐害行為及び破産の否認の訴、これは更生手続における否認の請求乃至否認の訴と、本質上同質のものであります。それでこの更生手続が始つた場合には、むしろ従前の詐害行為等の訴訟はそのまま中止せしめ、否認の請求の手続によつてその目的を達するほうが適当ではないかということから、ここに中止をいたしたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/84
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085・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 九十八條の管財人の代理人でありますが、これは公務員ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/85
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086・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) 公務員ではないと解しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/86
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087・伊藤修
○委員長(伊藤修君) そうすると、公務員でないというと、管財人は公務員でしよう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/87
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088・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) 管財人も、刑法の第七條に言われる公務員ではないというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/88
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089・伊藤修
○委員長(伊藤修君) そうすると、管財人が犯罪を犯した場合においては、刑法の公務員としての涜職罪は成立しないわけでございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/89
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090・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) さようでございます。別にこの法律において涜職の規定をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/90
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091・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 九十九條に「管財人の任務が終了した場合」というふうにありますが、「終了」ということはいつを指すのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/91
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092・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) これは管財人が解任された場合、そのときとそれから手続の終了、即ち更生手続の終結廃止等の場合、その決定のあつた場合というふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/92
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093・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 百三十條の第四項の労働協約というのはどういう範囲を指すのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/93
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094・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) これは労働組合法の第三章の労働協約と同じ工合に考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/94
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095・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 労働組合法の何章ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/95
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096・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) 第三章です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/96
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097・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 大体今日はないと思いますけれども、よくまだ地方のほうへ参りますと、地方組合の場合において、労働組合の理事者が労働組合法、労働基準法の規定を理解してないために、こういう形式を整えぬ場合もあるでしよう。併しその内容は即労働協約と見らるるものを作つているのですね。話合いなり何なりで……。そういう場合をも含むのですか、含まないのですか。いわゆる労働組合法に言うこれだけの形式を整えないものは労働協約とはみなされない、こういう考え方ですか。広く労使間においてなされたところの労働協約はすべてこれを取り入れるという考え方ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/97
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098・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) 先ほどの説明は或いは少し言葉が不足だつたかも知れませんですが、厳密には労働組合法に定めるような形式的な要件を備えなくても、実体上労働協約の性質を持つているものは本條にいわゆる労働協約に該当するというふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/98
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099・伊藤修
○委員長(伊藤修君) そうすると、広く解釈して頂けるのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/99
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100・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/100
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101・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 更生計画で労働協約を排除するとか、或いは変更するということはできるのでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/101
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102・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) 労働協約はその更生計画によりまして実質的に変更な受けることはございます。これは労働協約といえどもそれに、計画に従わざるを得ない。労働協約に反するような更生計画、労働協約の條項に反するような更生計画も有効である。そうして計画のほうは優先するということを考えておるわけでありますが、労働協約そのものは計画によつてそのまま破棄されるというふうなことはできない、こういうことになつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/102
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103・伊藤修
○委員長(伊藤修君) そうすると労働協約というものは、こういうような更生手続の開始の場合においては一方的にその内容が変更できるということになると、労働組合法の持つところの精神というものは、この法律によつて蹂躙されるという結果を生ずるのですが、その点は果して妥当でしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/103
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104・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) これは無條件に労働協約に違反できるという趣旨ではございませんので、例えば会社が清算手続に入つた場合には、労働協約の或る條項はこれは自然働かないということになる。で、その協約に反する、形式的に反することもなし得るということが認められると思いますが、それと同じように、会社が更生手続に入つて、事態が非常に変更した。そうして会社の状態としてはもはや労働協約の或る條項はおのずから効力がなくなつておるというふうに考えられる部分が生ずるというふうに考えられます。そうしてそういう條項を飽くまでも固守するというのは、むしろ権利の濫用に属するというふうなことが考えられる場合もあると思いますが、そういうふうな限度でこれを変更し得というふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/104
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105・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 私のお尋ねしたいことは、一方的にそれができるかということです。いわゆる会社を代表するところの管財人、若しくは審査人において労務者側の代表者と労働協約の変更を協議する。その結果変更するということならいいのですけれども、そうじやなくてただ更生計画という資本家側の一方的行為によつて、これが破棄され、或いは内容の変更もされる。これは事実上労働協約が実行されない面が経理上からもあり得ることもあるでしよう、又それが運用し得ないという面もありましようが、それは自然現象であつて、それをなお且つやれということは、それは或いは権利の濫用ということも起るでしようが、そうじやなくて、会社の更生計画というものにこれを取入れて、そうして更生計画遂行の上において従来の労働協約というものを改訂する必要に迫られた。こういう場合においてそれを一方的になし得るかどうか、こういう点ですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/105
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106・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) そういう場合には勿論一方的になし得るということは考えておりません。効力を失つたというふうに見られる部分については、これは場合によつてそれに反する定めもなし得るが、併しそれ以外の部分、及びそういう部分にいたしましても労使双方の協議によつて労働協約を改訂するという建前で進むのが、常道であるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/106
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107・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 常道はいいのですよ。常道を取つてくれればいいけれども、要するに管財人が法律知識がなく、若しくは法律知識の誤解によつて、それは一方的にできるのだという考えの下になされるかどうかということがあるのです。常道を辿つて下さる、常識から考えればそれは結構ですが、そうでない場合を想像して……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/107
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108・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) そういう効力が変更されるという以外の部分については、飽くまでも拘束されまして、変更については労働組合の同意が要るということに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/108
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109・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 更生計画によつて労働協約を変更しようとする場合においては、飽くまで協議によつてこれを決定せられる、同意のない場合においてはそれを更生計画に織込むことはできない。こういうふうに解釈してよろしいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/109
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110・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/110
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111・伊藤修
○委員長(伊藤修君) ただあなたの御答弁はそうだけれども、実際問題としてこれは大きな問題ですが、これは手当せんでいいでしようかな。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/111
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112・野木新一
○説明員(野木新一君) これは大分議論したところですが、なおいま一度はつきりあとで申述べます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/112
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113・伊藤修
○委員長(伊藤修君) それから基本法を、こういう特別法によつてどんどんあいまい模糊に陥れるということは、ちよつと我々としても考えなくちやならんところですがね……。百六條に関連してですが、この契約解除によつて質権はどうなるのですか。債権となるのでしよか、どうでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/113
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114・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) 質権変還請求権、これは更生債権になつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/114
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115・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 雇用契約などに基ずくものは本條の適用があるのですか。要するに本條は継続的契約、例えば賃貸借に基ずく雇用契約の場合も適用があるかどうか。若し雇用契約も入るとするならば、労働基準法との関係はどうなるのかということをお伺いしたいのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/115
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116・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) 百六條には雇用契約は含まない、字句上からも含まないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/116
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117・伊藤修
○委員長(伊藤修君) そうすると、継続的の契約、例えば賃貸借のような場合は含むのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/117
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118・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) 継続的の賃貸借の場合は含んでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/118
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119・伊藤修
○委員長(伊藤修君) そうすると、雇用契約なんかはどこで賄うのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/119
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120・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) 雇用契約は、将来の部分につきまして百三條の適用があると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/120
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121・伊藤修
○委員長(伊藤修君) そうすると、百三條で雇用契約に関するあれは処理されるとすれば、労働基準法との関係は、これは原則的に労働基準法を基本にして処理されるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/121
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122・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/122
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123・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 百八條に「数人が各自全部の履行をする義務を負う場合において、その全員又はそのうちの数人について更生手続が開始されたときは、債権者は、更生手続開始当時有する債権の金額につき各更生手続において更生債権者としてその権利を行うことができる。」、こうありますが、この数人といううちには一人の場合も含むのですか、必ず数人を要するという考え方ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/123
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124・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) これは数人以内という意味と考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/124
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125・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 一人の場合は含まないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/125
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126・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) 含みません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/126
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127・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 百十條に「数人若しくは一人」と書いてあるのですが、これとの区別は。やはりこういう必要があるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/127
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128・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) 百八條の場合には、これは数カ所にといいますか、数人に更生手続が開始された場合、各手続に対する債権の届出の金額、これが全額でもよろしいという意味でございます。百十條のほうは、これは求償権の関係でありまして、数人について更生手続が開始された、その数人同士の間の求償権の関係で後ざいますので、これは一人の場合も意味があると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/128
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129・伊藤修
○委員長(伊藤修君) ちよつと戻りますが、九十四條の管財人について、人材選択の点から範囲が本法では狭いように感ずるのですが、これをぐつと広くする考えはないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/129
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130・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) これを広くすると申しますと、利害関係のない者という制限を撤去する御趣旨でございますが、その点でございますと、これはやはり管財人はその職責上公正な立場になければならない。一方の利益を図り、一部の人の利益を図つて、全体の利益を害するということがあつてはいけないという要請が非常に大であると考えますので、これは利害関係のない者という要件は非常に重要な要件ではないかと考えております。これはアメリカの前例におきましても、更生手続の前身に、衡平法上の管理の制度がありまして、この制度では利害関係のある者、例えば大口債権者などが管理に当るというふうな制度になつておつたようであります。そのほかアメリカの実情と申しますか、今までの更生手続の実績におきましては、利害関係のある者が管理に当つていたという例があつたそうでありますが、これらの例はいずれも弊害が多くて、どうしてもいけないということで、最近の立法におきまして特に利害関係のない者という要件を挿入して、現在ではそういう法律の下に運営をしている、そのことが非常にうまく行つているというように聞いております。業務の運営という点から見れば、利害関係のある人のほうが便利であるという場合が多いかと思いますが、その要請と、利害関係の有無の要請と、どつちが重いかという考慮から決定さるべき問題であると思いますが、やはり利害関係のない者という要件は必要ではないかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/130
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131・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 今の御説明の趣旨から伺いますと、結局はやはり整理ということが主眼に置かれて、会社を運営して行くということが第二義的に考えられているというところから来ていると思いますが、アメリカあたりの国民水準から行けばそういう人がうじやうじやいると思いますが、併し日本では国民の知識水準というものがそこまで行つていない。だから特殊の事業、或いは一般事業でも、これを経営しようというのには、やはりそこに何らかの特殊な知識を要するのではないでしようか。そうすると多くの場合は結局利害関係を持つているということになるのですね。取引関係にあるとか、或いは鋼材を仮に製造する会社である場合には、鋼材に関する取引のあるところの人がやはりふさわしい適格者ということになのではないでしようか。そういう者を選ぼうとすると、取引関係があるとか、何らかの利害関係がある。又日本の実情からいつても、親会社が子会社を救済するとか、或いは子会社同志でこれを救済し合うとか、いわゆる利害関係ある者においてのみ更生させるという熱意が強いのではないでしようか。更生するということを第二義に置いて整理の公平というところに主眼を置くことは破産法と同じ結果を招来するということになるのではないでしようか。必ずしも利害関係ある者が不公平を来たすということはない。若し不公平があれば法によつて適当にこれを制約できると思いますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/131
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132・野木新一
○説明員(野木新一君) 実は管財人を如何なる人から選ぶかということは、この更生手続の成否について非常に勘どころとなるものでありまして、実際に当りましては最も議論されたところの一点であります。ただ私どもは実際に当りまして考えましたのは、只今位野木参事官から申されましたが、アメリカにおけるいわゆる更生手続の発達の歴史を概略調べてみますと、初めは大口債権者といつたような最も利害関係を持つた者が、いわゆる更生手続を支配しておつたようでありますが、それは一面非常に都合がよいところがあるとともに、他面又非常に不公正な点か生じて非常に弊害が多かつたようでありまして、それで新らしい立法におきましては、管財人はやはり利害関係のない者から選ぶという点が法制改革の一つの大きな目安になつておつて、それが最近において実現せられたような事情であることがわかつたわけであります。それで一方はそういうような立法のアメリカの発達における経過を参照いたしました。勿論アメリカと我が国におきましては、経済規模その他いろいろな点で異なりますので、直ちにこれを参考にすることはできないという点もありますが、併し理念的の点はやはりそれを貫いたほうがよいのじやないかという考え方から、原則はそういたしました。併しながら今仰せになりましたような実際の見地も又大いに考えなければなりませんので、特に我が国におきましてはこの種会社更生手続を担当するような管財人が必ずしもまだ多くないだろう、そうして見ると多少利害関係ある者を使わなければうまく行かない場合もあるのではないかということが十分考えられますので、この但書を置きましてどうしてもそういう場合が必要な場合には数人の管財人を選任することにして、その一人の人にそういうことを選ぶことができるというふうにいたしまして、実情との調整を図つたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/132
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133・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 御趣旨はよくわかりましたが、一体日本の今日の現状から考えまして、この管財人というものが従来の破産管財人とか、和議による管財人というものとは非常に性質を異にする。他面において事業的能力を持つている人でなければ到底できない。そういうことに至りますと、結局現状から考えますれば、弁護士であるとか、或いは経理士、或いは公認会計士とか、信託会社とかいうようなものが想像されますが、もつと考えればいわゆる従来財閥にあつて追放解除されたいわゆる非職の人、この程度しか考えられないのであります。現に大会社を経営している人は、こういうボロ会社の経理を担当して、裁判所からああだ、こうだと言われるようなものに日にちを費す馬鹿はいない。ですからこれは辞退するにきまつています。これは普通の会社を経営するより倍、三倍の苦難の途を歩かなくちやならない。茨の道を拓いて、その会社と生死を共にするだけの思いがなかつたら更生手続の目的は達しませんですよ。そういう事業的熱意を持つ人を求めようとするならば、結局今日の財界から考えれば、追放解除の非職にあるというような人を考えるよりほかない。これとても蓼々たるものです。そう無暗やたらに従来の大物がこういう管財人を引受けようとは考えられないのです。すると結局は、公認会計士とか、弁護士とか、いわゆる一方的に偏した、いわゆる法律上には明るいし、経理には明るい人であつても、事業経営能力はえてしてこういう者は不得手であります。そういうものから、結局は制約された範囲内において選ばなくちやならないということになつて来ると、如何に法文が立派に組立てられても、このポイントは管財人の能力如何です。この法律を活かす、活かさんは結局管財人の人物如何によるのです。その管財人においてかように制約されるということになりますれば、それは法律が余りに神経質にですよ、それは角を矯めて牛を殺すというような結果になりはしないかと思います。利害関係があればそれを裁判所が適当と認めれば、これを許すということのほうが、まあ私は今日の日本の情勢下においてふさわしいのじやないかと思うのですね。その人の行動によつていろいろ弊害を仮に生ずるというようなことがありといたしますれば、それは他の適当の法規の制定によつてこれは賄えると思います。アメリカは過去の沿革から、今お話のように、伺つてもアメリカにおいてすら過去においてそういうことをやつた。日本も今日アメリカの過去のその時代……、アメリカと日本とは御承知の通り二十年も三十年もズレがあるのです。アメリカの過去の時代が日本の今日なんですから、それを完備したアメリカの時代に直ちに不完備な日本の経済状態を当てはめて行こうというところに無理があるのじやないかと思うのですね。いわゆる理想主義になつて、実態に副わない。今日日本の国内法規がいろいろ改正されておつても、アメリカでは適当かも知れんが、日本では不適当な法律が随分ある。恐らく独立後においてこれは改廃されることと思いますが、その現実の悩みに日本人は苦しんでおるのにかかわらず、なお今日やはりアメリカの模範を取つて、その現想の下に今日日本の法律を立てるということはどうでしようか。だからただここに但書で以てそのギヤツプを調節しようという親心は結構ですが、これだけでは私は完全じやないと思うのです。むしろもつと広くこれを取つて、それで裁判所にその選択を委ねるほうが、この法律を活かす根本になるのじやないかと思うのですが、余り神経質になり過ぎていやしないか。あなたたちのお考え方がいわゆる整理ということが主眼であつて、事業経営ということが第二義に置かれたということがここに今現われているのじやないか。そうするとこの法律が死物になつてしまうのですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/133
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134・野木新一
○説明員(野木新一君) この会社整理等のことに非常に御練達の委員長が、実際の我が国における経験に基いた御意見のほどは、非常に傾聴いたした次第であります。誠に仰せのように管財人がこの更生手続の成否を決するものとも見受けるものでありますので、管財人にできるだけその人を得るようにするのが、まあ法律の努むべきところとは存ずる次第であります。私どもといたしましても、立案に際しましては、一体日本では果してどういう人が管財人になるだろうかということを立案の途中、雑談的に話合つたことがありますが、この案をしている当時は、いわゆる財界の世話人というような人は全部追放になつておりまして、そういう人は解除になつたならばともかく、当時は解除にならないときでありましたので、ちよつと当てにするわけにはいかん。そうなるとこれに当るような人はなかなか少いようではないかというような心配が非常にあつたわけでありました。併しいろいろ話した中にも、先ほど委員長が仰せられたと同じような範囲の人が話題に出たわけであります。それでやはり場合によつては元の会社の重役を使つてもいいんじやないか、又それは駄目だとしても取引に関係のある同業者のような者も使えるようにしたらどうか、そうしなければとてもうまく行かないのではないかというような議論も立案の過程におきましてはいろいろな人から主張されたこともありまして、その議論は正に委員長が指摘せられたと同じ方向の議論だと回想いたすわけであります。併しながら結局私どもの取りました態度は、先ほど申上げましたようにやはり手続が全般的に公正に行われることが必要であるという点を重視いたしまして、今言つたような点は但書の運用によつて調整して行きたい。そうしてこの手続が日本に漸次植え付いて行くに従いまして、この管財人という仕事に適した人もだんだん出て来るだろう。そういうことを期待いたしまして、而もこの管財人につきましては、破産管財人の場合などと異なりまして、十分報酬等も與えるようにいたしまして、その報酬の規定等も整備いたし、相当立派な人が安んじてこの職務に当り得るように、立案におきましても配慮いたしたつもりであります。併しいずれにせよ御指摘の点はいろいろ議論もあり得るところでありますから、慎重御審議のほどをお願い申上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/134
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135・伊藤修
○委員長(伊藤修君) まあ現在日本の警察法の上においても、いろいろな関係からして公安委員というものを選定する範囲が非常に狭まつて来ておる。従つて日本全国の公安委員長が無力化しておるという現状に照しましても、余り心配して範囲を狭くするというと、結局人材を得られない。公安委員のごときは坊主か教員か、そういうようなふうに何ら関係のない人が選ばれざるを得ない。このようなことになつて来るというと、法の目的が結局その点において失われてしまうという虜れがあると思いますが、この場合もやはりそういう点は我々としてもつと考えなければならんと思われるのです。これはまあ後日に譲りしますが、現在の日本の財界から考えても、相当パニツクが来るようにも考えられるし、日本の企業界においてもこの法律の恩惠を受ける会社が相当数出ると考えられます。そういう場合において我々はもう一つこの点は考えて見たいと思います。この管財人が数人置かれるということは予想されておるのですが、この管財人が数人ある場合において、やはり代表取締役というような意味においても、管財人の数人の中の一人が代表権を持つという行き方のほうが、実際会社を運営する上においてやはりこれも便利じやないかと思うのです。数人が常に協同して事業をなさなければならんということになると、それだけ会社の行動に敏活を欠くのじやないかと思うのですが、この点も実情に即していないと思われるのですが、代表をおくという考え方はないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/135
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136・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) この点につきましては、御指摘のような考え方も十分できるわけでありますが、この法案におきまして採りました立場は、管財人の職務執行というものは、多数決できめて執行すべきような種類のものではない。若し数人の管財人があれば、その全管財人の同意、一致を以てやるべきものである。お互いに信頼して、初めはその中に反対意見の者があつても、結局においては一致した行動を取るべきものであるというふうに考えて、多数決のやり方を採らなかつたのであります。それから管財人は数人ということになつておりますが、これは商法の取締役会というような場合と違いまして、数人といえども極力少数ということを考えております。二人というような場合には、勿論これは多数決ということは意味をなさない。少数で協同してやるという場合は、これは多数決というやり方は、特に管財人のような職務の場合には適当でないのであるというような考えでやつたのであります。これは破産法の破産管財人の場合と同様でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/136
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137・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 代表を置く意思はないわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/137
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138・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) この規定で十分賄い得るものというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/138
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139・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 実際事業運営の上においては、やはり数人が会議してやるということは、その事業の運営ということが捗らないのです。これは日々相当煩雑な仕事であるから、やはり代表制度を取つてやることが……、勿論他の管財人をオミツトする意味じやない。そういう行き方のほうが事業運営という面が大部分の仕事である以上は、代表制度を置いたほうが便利ではないかと思います。その目的を達する上においてもそのほうが有効ではないかと思います。この規定で、私の見落しかも知れませんが、破産管財人の場合のように辞任の規定がないのですが、これは辞任を許さないのですか、管財人は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/139
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140・位野木益雄
○説明員(位野木益雄君) 辞任の規定はございませんが、選任ということがあります以上、当然辞任ということもできるという考え方で、特に規定は置かなかつたのであります。破産法においては、正当の事由がなければ辞任することができないというような制限的の規定を置いてあります。そういうふうな必要があります場合には特に置いてもいいが、そういう必要がなければ置く必要はないのじやないかと考えまして、置かなかつた次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/140
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141・伊藤修
○委員長(伊藤修君) 他に何か……。では本日はこの程度にいたしまして、明日午前十時から開会いたします。本日はこれにて散会いたします。
午後三時十五分散会
出席者は左の通り。
委員長 伊藤 修君
委員
山田 佐一君
齋 武雄君
岡部 常君
事務局側
常任委員会專門
員 長谷川 宏君
常任委員会專門
員 西村 高兄君
説明員
法務府法制意見
第四局長 野木 新一君
法務府法制意見
第四局参事官 位野木益雄君発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101115217X00319510907/141
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