1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十七年四月二十一日(月曜日)
午後一時五十二分開議
出席委員
委員長 岡村利右衞門君
理事 黒澤富次郎君 理事 滿尾 君亮君
理事 山崎 岩男君
岡田 五郎君 尾崎 末吉君
關谷 勝利君 玉置 信一君
坪内 八郎君 前田 郁君
飯田 義茂君 熊本 虎三君
江崎 一治君
出席政府委員
運輸事務官
(海運局長) 岡田 修一君
委員外の出席者
議 員 小川 平二君
專 門 員 岩村 勝君
專 門 員 堤 正威君
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四月二十一日
委員中野武雄君辞任につき、その補欠として山
本猛夫君が議長の指名で委員に選任された。
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本日の会議に付した事件
木船運送法案(關谷勝利君外三十名提出、衆法
第二九号)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101303830X02219520421/0
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001・岡村利右衞門
○岡村委員長 これより会議を開きます。
木船運送法案を議題とし、これより質疑に入りますが、通産委員小川平二君より委員外発言を求められておりますので、これを許すに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101303830X02219520421/1
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002・岡村利右衞門
○岡村委員長 異議なければ発言を許します。小川君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101303830X02219520421/2
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003・小川平二
○小川平二君 議題となつております木船運送法案に関して、通商産業委員の立場から、特に明らかにいたしておきたい問題がございますので、あるいはすでに同趣旨の質疑が行われたかとも存じまするが、以下二、三の点について簡単にお尋ねをいたします。
その第一点は、いわゆる標準運賃は、実際問題としてどの程度に決定をされる見通しであるか。もちろんこれは航路の性質であるとか、そのほか諸般の條件を考慮に入れて決定をされることでありましようから、画一的には参らないと思いまするが、標準的な例について、この見通しを承らしていただきたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101303830X02219520421/3
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004・關谷勝利
○關谷委員 標準運賃は、法の第十六條に規定いたされておる通りでありまして、運輸大臣のみで決定されるものではなくて、運輸審議会に諮ることになつておるのでありまして、なお覚書によりまして、関係の諸官庁と協議することにいたしております。なおその基本的な理念は、当該運送の特質に従いまして、能率的な経営のもとにおける適正なる原価を償いまして、適正なる利潤を含むものといたしており、航路の特質あるいは復便の方から適正な原価、利潤の算定等を考慮しなければなりませんので、独断的にこれをどうするかという予測はできませんが、かりに若松積みの阪神揚げの石炭を例にとりますと、以上のことを勘案いたして、大体トンあたりが七百五十円から八百円程度のものにおちつくのではなかろうか、こういうふうな見通しを持つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101303830X02219520421/4
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005・小川平二
○小川平二君 第二に、標準運賃は事実上統制運賃ではないのか。もししからずとすれば、当然相当大幅な彈力性が付與されておらなければならないことだと思うのですが、どの程度上下したときに勧告が行われるか、この点についてお尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101303830X02219520421/5
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006・關谷勝利
○關谷委員 木船事業者は、その実態から見まして、運賃同盟を結成いたしまして、不当運賃を防止するというようなことも困難でありまするし、また価格市場に関する知識もきわめて乏しいのでありまして、政府が運賃を公示してそのよるべき基準を明らかにしようとするのが、標準運賃の制度でありまして、統制運賃、確定運賃のように強制力を有するものではないのであります。従いまして御質問のように上下の幅があるのでありますが、それが木船運送事業の健全な発達を阻害するおそれがあると認めるような場合に、勧告をするのでありまして、具体的にどの程度で勧告が行われるかというようなことは、そのときの事情とか、あるいは航路の特質等によつて異なるのでありますけれども、特別の場合を除きまては——いろいろ特別な場合も起ると思うのでありますが、その特別の場合を除きましては、二割ないし三割ぐらいの変動のあるときには、この勧告が発動されるというふうなことはないと考えております。なおこの勧告を行います際には、関係の諸官庁と協議をすることにもいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101303830X02219520421/6
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007・小川平二
○小川平二君 今の御答弁の中に、特別の場合を除きというお言葉がございましたが、どういうふうな場合を予想をいたしておいでになるか、例示願えれば幸いであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101303830X02219520421/7
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008・關谷勝利
○關谷委員 大体運賃市況等が非常に上つておりますし、それを割ります場合は、さらにその運賃を押えるというふうな場合がないでもなかろうか。そういうふうな場合にはそれがぎりぎり一ぱいのものであるというような際に、あるいは一割とか二割とかいうふうなことを、これを割引をするというふうな幅をつくるということになりますと、非常に無理な場合があるというふうなことも予想せられますので、そういうふうなことを考えまして、普通の場合大体先ほど申し上げましたように、現在の状況で申しますと、若阪間でも七百五十円ないし八百円で、三割ないし三割の幅はこれは勧告を行うことはないにいたしましても、これが非常な物価の値上りその他等におきまして、七百五十円あるいは八百円というものがぎりぎりというふうな状態が、いろいろの経済情勢等で起りました場合に、その上でなお一割ないし二割というふうなことになりますと、非常に無理が当る。こういうふうな場合には勧告をすることがあるかもわからないというようなことを考えておりますので、大体現在のような場合でありますれば、二割ないし三割というふうなことで勧告を発することはない、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101303830X02219520421/8
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009・小川平二
○小川平二君 第三に、政府が取引の過程においてこれに干渉をし、関與をして、運賃を是正する措置を行う、こういうことが起り得るのかどうか、この点について伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101303830X02219520421/9
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010・關谷勝利
○關谷委員 不当運賃を防止いたしますために、木船運送業者に勧告をいたしますのは、その取引が木船運送事業の健全な発達を阻害するおそれがあると認めたときに行うのでありまして、取引の過程にあたつて関與するものではありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101303830X02219520421/10
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011・小川平二
○小川平二君 最後に標準木船運賃を設定する場合、それから取引の是正等の勧告をする場合、いずれの場合にも関係官庁と協議するのだという御答弁でありましたが、このことに関しては法律案に規定がないようであります。これについては関係官庁とたとえば覚書を交換をするというふうな措置をおとりになるのであるかどうか、この点をお尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101303830X02219520421/11
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012・關谷勝利
○關谷委員 関係の諸官庁と覚書を交換をいたしまして、協議をいたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101303830X02219520421/12
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013・小川平二
○小川平二君 けつこうであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101303830X02219520421/13
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014・岡村利右衞門
○岡村委員長 江崎一治君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101303830X02219520421/14
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015・江崎一治
○江崎(一)委員 本法案の適用は主として機帆船がその目標になつておるのですが、現在日本におけるところの機帆船の営業者は、大体資本金はどれくらいの程度なのですか。その内訳はどういうふうになつておるか、その点わかつておりましたら詳しく御報告を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101303830X02219520421/15
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016・關谷勝利
○關谷委員 資本金と申しますと、これはちよつとはつきりしたことはわかりませんが、大体現在ありますのが一万九千五百隻で、大体七十一万総トン、積トンにいたしまして百三十万トン程度のものでありますので、これを資本金がどれくらいかかつておるかというようなことは、大体現在新造いたしまして相当完全なものにいたしますと、トン当りが六、七万円ということになりますが、現在におきましては老朽船が多いような状態でありまして、非常に運賃市況その他で虐待をせられておりますし、従来は政府の保護というようなことを加えておりませんので、改造修理等が十分行われておりませんので、十分わかりかねますが、大体トン当り評価をいたしますれば、二万円か三万円というところにおちつくのではないかと思いますので、大体七十一万総トンに対しまするそのくらいの程度、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101303830X02219520421/16
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017・江崎一治
○江崎(一)委員 この機帆船が国内航路の大体七五%くらいを占めておるということになりますと、この機帆船の海運賃というものは非常に重要なものだと思います。これはある程度保護をして行かなければならぬでしようし、またべらぼうな運賃を独占的にきめ、そうして業者を困らすということになつても、ゆゆしい問題が起ると思うのです。そこで私が先ほどお伺いしたのは、全体の資本ということと、もう一つ各企業者がどれくらいのスケールでやつておるのか、そういうことについてお伺いいたしたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101303830X02219520421/17
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018・關谷勝利
○關谷委員 大体平均いたしましても、この所有者がどのくらいになりますか、隻数にいたしまして一万九千五百隻でありますが、大体一万四、五千人というものが船主であろうと思います。平均いたしますと、大体一ぱい船主がそのほとんどを占めておるのでありまして、家族が全部乗り込んでおるというような零細なのが多いのでございまして、持つております人は三ばい、五はい持つているような人もありますが、大体において一ぱい船主が多い。その他の者が持つておりましても最大四、五はい程度というところで、非常に零細なものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101303830X02219520421/18
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019・江崎一治
○江崎(一)委員 この機帆船の運送料が最近非常に安くなつて来たということをよく聞くのですが、大体現在の相場でペイするのか、それとも赤字を出しているのか、その点データがありましたら御報告願いたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101303830X02219520421/19
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020・關谷勝利
○關谷委員 大体現在あります隻数でありますと、機帆船というものは、新しい間は荷主あたりも比較的運賃のよい品物を積ますというふうなことで、修繕をやりましたりあるいは新造の当時には、運航の回数も多く、荷主がたくさんつくというようなことで大体ペイするのでありますが、老朽船等になりますと、荷主があまり好まないというような関係から、現在におきましては赤字を出しております船の方が多い、こういうふうに考えております。現在石炭関係等におきましては、大体現在の運賃で適正な運賃利潤を含むという程度になつておる、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101303830X02219520421/20
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021・江崎一治
○江崎(一)委員 時事通信の報ずるところによりますと、若松、大阪間の基準運賃は七百五十円、大体こういうことにしようとしておるそうでありますけれども、国鉄がこの機帆船の各船主と協定した運賃が四百八十円程度だと報じておりますが、この四百八十円という運賃では機帆船は赤字が出るのですかどうですか、その点を伺つておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101303830X02219520421/21
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022・關谷勝利
○關谷委員 四百八十円というふうな運賃になりますと、それでは適正な利潤というものも含まれておりませんし、なお船体の償却費その他ほとんど全部が、家族連れで乗り込んでおりまするために、給料というふうなものをやはりあまり見積つてないというふうなことでようやくやつて行く。わかりやすく言いますと、自分の船を自分で食つているというような状態でつないでおつて、何ら收入がないというようなことでは困るから、やむを得ないので動く、こういうふうな状態で、赤字を出しておることは間違いないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101303830X02219520421/22
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023・江崎一治
○江崎(一)委員 自由党はもつぱら自由経済というものを主張しておられるのだと思いますが、關谷さんあたりが提案者になつてこういう運賃の統制をやろうと言われるのは一体どういうわけか。自由党の方針と逆のことを主張せられるように考えるのですが、その御見解はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101303830X02219520421/23
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024・關谷勝利
○關谷委員 決してこれは統制をするというのではないのでありまして、統制運賃でもなければ確定運賃でもないのでありますし、ただこれが弱小企業でありますし、ことにほとんど全部が家族連れで乗り込んでおる。そのためにいろいろ荷主と折摩るというふうな機会もなくいたしまして、これが非常に圧迫を受けておるというようなことで、自由党が掲げておりますところの中小企業対策の一環として行うのでありまして、決してこれは統制というふうには考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101303830X02219520421/24
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025・江崎一治
○江崎(一)委員 そうしますと若松、大阪間の基準運賃は、大体どれくらいの幅を持たせようと思つておられるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101303830X02219520421/25
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026・關谷勝利
○關谷委員 先ほど通産委員会の代表者の質問にお答えいたしました通りでありまして、大体一トン当りが七百五十円から八百円程度で、これを上下することが大体二割ないし三割、こういうふうなところでやつて行きたい、こういうふうに思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101303830X02219520421/26
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027・江崎一治
○江崎(一)委員 この回漕業者は登録することになつておりますけれども、大体最高額二十万円というこの登録のための供託金は、相当大きな業者の重荷になると思いますが、その一ぱい船主などの経済状態にかんがみて、この供託金の額をどう考えておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101303830X02219520421/27
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028・關谷勝利
○關谷委員 これは運航業者と回漕業者と混同しておられると思うのでありますが、一ぱい船主が二十万円積むのではないのでありまして、これは回漕業を営みます者が最大限二十万円というものを積み立てるのでございまして、回漕業をいたします者は、これだけの負担は決して過重なものではない、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101303830X02219520421/28
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029・岡村利右衞門
○岡村委員長 熊本君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101303830X02219520421/29
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030・熊本虎三
○熊本委員 この法案について少しお聞きをしたいと思いますが、一つはこの理由説明の中に「木船は通常機帆船と称せられ、燒玉機関を装備する」ということが書いてありますが、一方要綱の方には、機関のない、單にろかいで運転するというようなことが書いてあります。これはどつちがほんとうなのか。私しろうとだからよくわかりませんが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101303830X02219520421/30
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031・關谷勝利
○關谷委員 熊本さん、法律をもう一度読んでいただきたいのでありますが、大体木船というものはほとんど大部分が燒玉エンジンを備えた木船であるというふうに、機帆船が主体だというので、ろかいのみをもつて運転するものを除くと書いてあります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101303830X02219520421/31
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032・熊本虎三
○熊本委員 次にお聞きしたいことは、回漕業者に大体関係があるという説明でございますが、回漕業者の荷扱い以外の直接船主であり業者であるものが、荷を扱つているものがありはしないかと思うのですが、そういうものはないかどうか。もしありとすれば、数の比例等を知らせていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101303830X02219520421/32
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033・關谷勝利
○關谷委員 ちよつと御質問がはつきりわかりませんが、いわゆる回漕業と運航業と、船主であり回漕業を営んでおるものがあるか。こういうふうなお尋ねと思いますが、そういうふうな業態のものはたくさんあります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101303830X02219520421/33
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034・熊本虎三
○熊本委員 次に伺いたいのは、この案件が通過することによりましで、一つには、趣旨はそうなつておらぬと思いますけれども、将来やはり一つの規制される面が多いので、弱小企業が有力企業に圧迫されるというようなおそれがありはしないか。と申しますことは、すべてこういうものに一つの規正を與えようとする最初の目的は非常にりつぱでございますが、そのことのために受ける弱小企業者の圧迫のために、これらが将来併呑されるか、しからずんば隷属化するかというような事例は幾つもあるわけでありまして、この案件によりましては、さようなことの弊害はないかどうか。その点をちよつと伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101303830X02219520421/34
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035・關谷勝利
○關谷委員 この法律はもともと中小企業が圧迫をせられておつて、このまま放任しておきますと壊滅状態になるというふうなことから、これを保護救済いたします目的のためにこの法がつくられておるのでありまして、将来これが規正せられるために、弱小企業であるがゆえに圧迫を加えられて隷属化し、併呑せられる、こういう心配はないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101303830X02219520421/35
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036・熊本虎三
○熊本委員 すべて統制規正の場合においてはそうしたようなことのない、おおむね同一企業、産業というような業種による保護、援助の目的をもつて事はやちれるのでございますけれども、しかしその運用を一歩誤りますことは事例がこれを示しておるわけでございまして、その面について私どもから考えますと、相当将来企業の進行状況あるいは企業の大小の関係、それから資力の強弱の関係、これらは経済の推移に従つて必ずそういうものがないという保証はつかぬのじやないか、私はかように考えるわけでございまして、時間その他でよく調べておりませんので、内容を審議してその結論を得なければならないと思いますが、提案者の方にそういうことについて御説明がつけば幸いだと思つているわけです。くどいようですけれども、そういう面がなくて、大小にかかわらず相互的な援助ということによつて、何ら将来にさような不安がなければ幸いだと思いますが、念のためいま一度聞いておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101303830X02219520421/36
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037・關谷勝利
○關谷委員 木船というものが現在非常に圧迫を受けておりますので、これを救済するために、保護をいたしますために設ける立法でありますので、決してこれがありまするために将来この事業が圧迫をせられ、あるいは併呑せられる、こういうようなことはさらにないのでありまして、この法案につきましては、全国の機帆船業界がこぞつてこれを希望して、皆様方のお手元へも、ぜひこれを通過させてもらいたいというような陳情が出ておると思うのでありますが、決して将来にこの零細企業を圧迫して併呑し、あるいは隷属化する、こういうような心配はさらにない立法になつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101303830X02219520421/37
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038・熊本虎三
○熊本委員 それから保証制度の問題でございますが、この保証供託の問題に関しまして、大体主たる営業所十万、支部三万というようなことに相なつておるようでありますけれども、実際問題としてもしさような杞憂がありとしますれば、一隻のものによる荷扱いは、あるいは百万、百五十万というような価格になるのではないかと思うのでありまして、この供託による金額でこういうものが大体完全に運用できるかどうか、あるいは信用度合いがこういつたもので大体満足されるかどうか、こういうことについてお尋ねしてみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101303830X02219520421/38
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039・關谷勝利
○關谷委員 一隻がものによりますと百万、百五十万という話は、これは積荷の価格の問題であろうと思いますが、積荷によりましては、その荷物に対しまして積荷保險がついておるのでありまして、もし事故がありましても、それで大体まかない得ることになつておるのであります。運賃は若松、阪神あたりにいたしましても、二百トン積みでも大体十二、三万という程度のものでありまして、ことにそういうような運賃等を出します大きな企業といいますのは、鉄鋼とか肥料とか石炭というようなことでありますので、おそらく不拂いというようなことはないのでありますが、念のためにもしそういうような場合が起きた場合ということで、十万ないし二十万というものを供託させる、こういうふうなことにいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101303830X02219520421/39
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040・熊本虎三
○熊本委員 これは回漕業者の問題だと思いますが、船主ですね。直接船主はこれとどういう関連に置かれるか、御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101303830X02219520421/40
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041・關谷勝利
○關谷委員 船主は大体運航業者になつておるのでありまして、供託をする方ではないのであります。一ぱい船主がほとんどでありますので、それが乗り込んで運航をしておるのであります。それが陸上に住んでおりませんために集荷をすることができませんので、回漕問屋によつておる、こういうことになつておりますので、船主が供託をするというような場合はほとんどない、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101303830X02219520421/41
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042・江崎一治
○江崎(一)委員 もう一つお伺いしておきたいのですが、内航の鋼鉄船の船賃と機帆船の比較は、今どういうふうな率になつておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101303830X02219520421/42
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043・關谷勝利
○關谷委員 政府委員の方から御答弁申し上げますが、船賃のみでありますると、鋼鉄船の方が安いわけでありまして、いろいろ荷役賃金というような関係でほぼつり合いがとれる、こういうふうな関係になつております。なお政府委員の方から答弁いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101303830X02219520421/43
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044・岡田修一
○岡田(修)政府委員 若松、阪神間の石炭運賃でありますが、木船は大体六百五、六十円程度が現在の相場であります。これに対しまして小型汽船は五百九十円、大型汽船が五百七十円程度でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101303830X02219520421/44
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045・江崎一治
○江崎(一)委員 機帆船の燃料は重油でありますが、この重油の価格が相当大きな影響を及ぼすと思うのです。政府は石油の統制撤廃という政治的な手を打つたのですが、これによつて実際機帆船業者が入手する重油の価格はどうなつておるか、その点をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101303830X02219520421/45
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046・關谷勝利
○關谷委員 従来統制のありました際でも、何といいますか、統制以外のものもほとんど統制価格と同じ程度で入手し得られるような状態になりましたので、統制を廃止したのでありますが、現実の価格の面はちよつと私記憶がありませんので、いずれ後ほど調べてお答え申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101303830X02219520421/46
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047・岡田修一
○岡田(修)政府委員 たしか重油は一万二千円程度でございます。また統制廃止は七月以降でございますが、統制廃止後この価格がどの程度変動するか、今のところちよつと予測がつきません。上るという見通しもありますし、また供給が自由になるから下るだろうという意見の人もあります、はつきりいたしません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101303830X02219520421/47
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048・岡村利右衞門
○岡村委員長 他に質疑はございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101303830X02219520421/48
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049・熊本虎三
○熊本委員 いま一つ、承ることを忘れておりましたが、たとえば標準価格をきめるということになつておりますが、その標準価格の決定については、どういう機関できめられるかということ、それから回漕問屋の標準価格をきめて、船主みずから船と労力をもつて実際にその仕事をする方の賃金といいますか、こういうものについては、どういうような形でこれをきめようとされるかということを尋ねておきたい。このことは、現在におきましても、すべてとは考えられませんが、たとえば東京、横浜間における回漕問屋の一隻運賃、たとえば二千四、五百円もとつておるというような場合に、船主に対して四、五百円のものより拂つておらぬというような実情があるやに聞くわけでございます。従つて回漕問屋が一般顧客に対してきめます標準賃金と、回漕業者が船主に渡します標準的な支拂いとを、どういう機関できめるかということについて、何か御説明を願つておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101303830X02219520421/49
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050・關谷勝利
○關谷委員 今お話のありましたような標準運賃の決定といいますのは、もちろん運輸大臣が運輸審議会に諮りますし、運輸審議会は公聴会を開き、なおその答申案に基いて関係官庁と運輸大臣が相談をする、こういうふうなことになるのでありまして、乗り込んでいる船主にどういうように拂うかといいますが、それがいわゆる標準運賃なのでありまして、今の二千五百円受取つておりながら、五百円しか渡さない、そういうふうな回漕業者が不当な暴利をむさぼつて、船主を弾圧するというふうなことを排除するのがこの法律の目的であります。なお回漕業といいますのは、海運界の常識といたしまして、積荷の場合が一割以内、揚げ荷の場合が五分以内というのが通例になつておりますので、標準運賃の決定の際に、そういうようなものも自然きまつて来る、こういうことになりますので、御説のあつたような不当な事態が解消するということになつて参ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101303830X02219520421/50
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051・熊本虎三
○熊本委員 次に回漕業者から船主に支拂うところの運賃等について、ややともすれば手形支拂いというようなこと、支拂いの遅延というようなこと等が、弱小企業者たる船主に対する非常な圧迫となつておるようでございますが、これらの問題についても、この案で何か規制し、整理するというようなことが考えられているかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101303830X02219520421/51
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052・關谷勝利
○關谷委員 大体貨物自動車営業のように、現金で支拂わなければならないというふうな規定その他を設けますると、非常に運航業者が助かるのでありますが、そういうふうなところまでは、この法律では規定をいたしておらないのであります。ただそういうふうで支拂いをすみやかにしないといいますか、そういうふうな場合に、回漕業者が積み立てておりますところの保証金、それに対してその債権を主張し得る、こういうふうな程度にいたしておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101303830X02219520421/52
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053・岡村利右衞門
○岡村委員長 本案に対する審査は本日はこの程度とし、これにて散会いたします。
午後二時二十八分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101303830X02219520421/53
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