1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十七年四月十五日(火曜日)
午前十一時二十六分開議
出席委員
委員長 田中不破三君
理事 田中伊三次君 理事 淵上房太郎君
理事 平川 篤雄君 理事 松澤 兼人君
伊藤 郷一君 塩田賀四郎君
西村 久之君 藤井 平治君
本間 俊一君 渡邊 良夫君
三宅 正一君 井之口政雄君
出席政府委員
内閣官房副長官 菅野 義丸君
総理府事務官
(大臣官房審議
室長事務代理) 増子 正宏君
人事院事務官
(事務総局法制
局長) 岡部 四郎君
委員外の出席者
専 門 員 安倍 三郎君
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四月十二日
委員井之口政雄君辞任につき、その補欠として
木村榮君が議長の指名で委員に選任された。
同月十五日
委員木村榮君辞任につき、その補欠として井之
口政雄君が議長の指名で委員に選任された。
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本日の会議に付した事件
公務員等の懲戒免除等に関する法律案(内閣提
出第一五四号)
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001・田中不破三
○田中委員長 これより人事委員会を開会いたします。
ただいまより公務員等の懲戒免除等に関する法律案(内閣提出第一五四号)を議題として質疑に入ります。質疑は通告の順序によりこれを許します。藤井平治君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304548X00919520415/1
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002・藤井平治
○藤井委員 この機会に政府にお尋ねいたしたいのでありまするが、この法律によつて懲戒免除あるいは債務の減免等の恩典にあずかる職員数はどれだけあるか、これを便宜上国家公務員、地方公務員その他の別に概数を知らしてもらいたいのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304548X00919520415/2
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003・菅野義丸
○菅野政府委員 ただいまの御質問につきましては、一応国家公務員につきましては大体概算を調べてあるのでございますが、地方公務員になりますると、これは各地方自治体の権限に属しまするし、また詳細なことはこの法律にも條例によつて定めるというふうになつておりますので、的確な数字はつかむ方法がないのでございます。国家公務員の方で申しますると、一般職だけでございまするが、現在までに免職、停職、減給、戒告、こういうふうな懲戒処分を受けました者の合計は、これは昭和二十五年度の統計でございますが、四千三百十三名ということになつております。これを種類別に申しますると、免職が九百七十五名、停職が二百二十五名、減給が千五百十七名、戒告、これは一時的なものでございまするが、千五百九十六名、合計四千三百十三名ということになつております。
その次に昭和二十六年にどのくらい懲戒処分がなされたかということを、これまた国家公務員の一般職について調べたところを申し上げますると、免職が九百十八名、停職が三百九十二名、減給が千九百二十九名、戒告が二千二百六十六人、合計五千五百五人という数字になつておるのでございます。
先ほども申しました通り、地方公務員につきましては、ちよつと政府の方といたしまして数字がつかめないことを非常に残念に思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304548X00919520415/3
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004・藤井平治
○藤井委員 この法律に基いて懲戒処分なり債務の減免なりを行う場合の基準は、いかなるものを用意されておるか。
第三には、右の処置を行う具体的必要事項は、政令または條例で定めるということであるが、具体的必要事項とは、おおむねいかなるものであるかの御説明を、はつきりしていただきたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304548X00919520415/4
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005・菅野義丸
○菅野政府委員 具体的の問題につきましては、国家公務員につきましては政令、地方公務員につきましては條例で定めるように、この法律の案はできておるのでありますが、そのこまかい点はどういうことをきめるかと申しますると、まず国家公務員あるいは地方公務員というような範囲は、これは非常にはつきりいたしておるのでございますが、法律の案文にもございますように、これは公務員等の懲戒免除でございまして、この公務員以外の資格の点において、法律上非常に嚴重な監督を受けておりまする弁理士であるとか弁護士であるとか、そういうような人たちの範囲をどういうふうにきめるか、または弁償責任の免除あるいは減額というふうなものをどういうふうに定めるか、そういうふうなこまかい点を政令または條例できめたい、かように考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304548X00919520415/5
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006・藤井平治
○藤井委員 次にお尋ねいたしたいのは、第二條の「まだ懲戒の処分を受けていない国家公務員」とあるのは、いかなるものを指すのであるか、これを明確に御説明願いたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304548X00919520415/6
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007・菅野義丸
○菅野政府委員 お答え申し上げます。公務員等が一定の行為をやりまして、これは明らかに懲戒の処分を受けべきものでありまするが、その行為につきまして事実の調査あるいは証拠等の詳細について取調べ中であつて、いまだ懲戒の処分の決定を見ておらないものでございます。換言すれば、そのまま過せば懲戒処分になる見込みが相当強いものでありますが、手続上まだその処分の決定がなされておらないというようなものは、この法律によつて免除するということになるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304548X00919520415/7
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008・藤井平治
○藤井委員 第一に犯罪もしくは重大過失を犯した者、犯罪もしくは重大過失の不確実な者、すでに任免者において懲戒に値する行為ありと調査中の者、その調査が完了して懲戒処分をすべく手続中の者、今副長官が申された通りのものでありますが、もしその中の二、三、四をさすとすれば、すでに懲戒処分を受けた者は非常に損である。今申しました三、四の者は最も得であるということになりまするが、その点に関しましては政府はいかなるお考えをお持ちになつておるか、その点を御説明願いたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304548X00919520415/8
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009・菅野義丸
○菅野政府委員 御質問の点ごもつともでございまして、ある一定の行為で懲戒処分に値するというような行為がございました場合には、一旦懲戒処分を決定いたしまして、そしてこの法律によつてこれを免除するという手続をした方が、理論的にも正しいと思うのでありまするが、すでに懲戒の処分を受けた者に対しましても、これを免除するということがこの法律の趣旨でございまするので、そういうような煩瑣な手続を省きまして、それでかりに懲戒処分が決定しましても、それを免除するのでございまするから、懲戒処分の決定を待たず、将来に向つて懲戒を免除する、懲戒をしないということをこの法律に書きまして、それによつて過去の行為に対する懲戒の点を消してしまおう、こういう考えでございます。すでに決定した処分に対しても、この免除を行うのでございますから、これはかりにお説のように一旦懲戒の処分を決定いたしましても、この法律の趣旨からいうと、当然それはまた免除になるというようなことがはつきりいたしておりますので、その間の手続を省略いたしまして、この法律を直接適用して懲戒を行わないということにいたしたいと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304548X00919520415/9
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010・藤井平治
○藤井委員 よくわかりましたが、懲戒の減免措置はないのか。たとえば減俸の一部免除等は……。また第四條に弁償責任に基いて債務の減免とあるが、従来の全部免除はどうなるのか。その辺を御説明願いたいのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304548X00919520415/10
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011・菅野義丸
○菅野政府委員 懲戒処分に対しましては、これはずつと過去の例を見ましても、全部全面的に免除するという以外には、減額とか何とかいうことはございません。しかも今までの実例を見ますと、弁償責任につきましても、実は全部免除を行つておつたのが実例でございまして、これを減額するということは、先般提案理由の説明にも申し上げましたように、今回の法律をもつて嚆矢とするのでございます。それはなぜかと申しますと、戦後、予算執行上、公務員の不都合な事例が相当ございまして、政府はこれにつきましては厳重に取締つて、信賞必罰の方針で臨んでいるのでありますが、会計職員は何分にも無過失責任に近い責任を負わされておりまして、情状酌量の余地も少くないのでございますので、——犯罪行為による弁償責任はこれは全然問題外でございまして、これに対して減免ということはいかがかと思いますのでこれを除きまして、大赦の行われる際にはその弁償責任を免除する。あるいは最近は非常に額が多いものもございまして、これを全面的に免除するということはいかがと思われますので、それを減額することもできるようにいたしまして、減免といたしたのでございますが、これは弁償責任の特殊な性質に基くものでございます。懲戒の方はたとい減俸でございましても、これを減額をするというようなことはせず、全面的にこれを免除するという一つの方法にいたした次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304548X00919520415/11
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012・田中不破三
○田中委員長 藤井君、ほかに御質問ありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304548X00919520415/12
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013・藤井平治
○藤井委員 私の質問はこれで打切つておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304548X00919520415/13
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014・田中不破三
○田中委員長 井之口政雄君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304548X00919520415/14
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015・井之口政雄
○井之口委員 今お伺いいたしますと、二十五年度で四千三百十三人、二十六年度で五千五百五人ですか、これらの人たちが免職、停職その他の懲戒に処せられているとのことでありますが、これらのものに対して今適用するとすれば、これは全部に適用されるのでありますか、どうでしようか。そのうちからどういうものが除かれるのか。除かれるものはおりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304548X00919520415/15
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016・菅野義丸
○菅野政府委員 ただいま申し上げましたのは、御参考に二十五年と二十六年の分だけを申し上げたのでございますが、もちろんこの両年の分に対しましては、全面的に適用されるわけでございます。そのほかに、それ以前のものでございましても、過去の懲戒免除というようなことでもつて消されておりまする者以外、つまり残つております者に対しては、今回の法律に基きまして、広く一般的に懲戒処分の免除を行いたい、かように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304548X00919520415/16
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017・井之口政雄
○井之口委員 たとえば二十五年度、二十六年度で免職になつている人たちは、九百七十五名と九百十八名というようなただいまの報告でありましたが、これは免職になつてもうやめてしまつていたならば、この法は適用されなくなるのじやないですか。やめてしまつている人たちも、これによつて復職して来るのでしようか、どうでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304548X00919520415/17
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018・菅野義丸
○菅野政府委員 この点につきましては、免職、免官されております者につきましては、懲戒の免除ということがございましても、これは将来に向つてその懲戒を免除するということになりまするので、復職は行われないということになるのでございまして、これは実質的には適用がありましても、一旦免官になりました事実は、これは影響されない次第でございまして、この点につきましては、実質的に申しますると適用がないと同じようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304548X00919520415/18
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019・井之口政雄
○井之口委員 これはもう全然不可能なんですか。今のはちよつとはつきりしなかつたようでありますが、一ぺん免職の手続を経てはつきり言渡しがあつたとすれば、もうそういう人たちに対しては全然ないのか、その点もう少しはつきり伺いたい。
それと、たとえば政府としては免職の通知が出してあるけれども、人事院にまだ提訴しているとかなんとかという人にとつては、これはどういう適用を受けるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304548X00919520415/19
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020・菅野義丸
○菅野政府委員 ただいまお答え申し上げるのがちよつと欠けておりましたのですが、免職をされた者に対しては、復職という事実はこれは行わないのでございまするが、ただこの法律によりましてその懲戒処分免除を行いますると、資格の回復ということがございます。たとえば公務員法で、一旦免職された者は二年間は公務員になることはできないというような規定もございまするが、そういう点につきましては、これは資格を回復いたしまして、すぐにでも公務員になれるという資格を得るのでございます。なお一旦免職の処分がきまりまして、それを人事院に提訴しまして、それがいまだ確定しておらないというような、つまり係属中の処分につきましては、一応この法律でもつて、一般的にほかの人たちには懲戒の免除ということが行われましても、その手続はこれに影響されないで、どんどん進めて参りまして、その出た結果によりまして、またこの法律の適用があるか、あるいは必要がないかというようなことになると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304548X00919520415/20
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021・井之口政雄
○井之口委員 今のことは、なかなか理解しにくいのでありますが、たとえば人事院に提訴しておつて、この法律が発動するといたしましたときに、まだ提訴中である、しかるに提訴が決定したものに対して——後に決定したものに対して前に発動したこの法律が適用されるのでありますか。たとえば人事院へ提訴の結果、いやそれはもういかぬ。馘首だということになつているのに、そういうものがきまつてからでもこの法律によつて復職ができるというふうになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304548X00919520415/21
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022・増子正宏
○増子政府委員 ただいまのケースでございますが、この法律に基きます政令が出まして、一定の時期以前の行為について、懲戒の免除が行われるということになりました場合に、今の場合、ある公務員が免職になつておつた、その免職になつておつた公務員につきまして、特定の日からあとはその免官が免除になりますので、将来に向つては懲戒がなかつたと同じことになりますが、過去において免官になつたという事実は残つているわけでございます。しかもその免官になつた処分について本人が不服であつて、人事院に審査の請求をしているという手続は、依然として続行されるわけであります。それでその審査の結果、その免官処分が違法なものであつたという人事院の決定がありますれば、人事院としてはその免官の処分を取消せということをやるわけであります。その結果免官が取消されるということになりますと、もう最初からその人は免官がなかつたということになると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304548X00919520415/22
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023・井之口政雄
○井之口委員 そうすると、これは結局なかなかそういう人たちの復職には役に立たぬようであります。そこで今二十五年度と二十六年度のこの免職者について、内容に立ち至つてちよつと考えてみたいと思うのですが、特別の犯罪を犯さず、ただこれが組合運動に専念したとか、あるいは上官に対して少々ぐらいつるし上げをやつたとか、あるいはその他レツド・パージと普通称せられているもので免職になつた人たちは、一体何人ぐらいこの中におりますか、そういう人たちは、全然これの恩典には浴さないものでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304548X00919520415/23
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024・増子正宏
○増子政府委員 先ほど申しました懲戒処分を受けた数と申しますのは、明らかに国家公務員法の懲戒に関する規定の適用があつて、懲戒処分になつたものでございます。ですから、ほかの事由による免職その他についての数字は含んでおりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304548X00919520415/24
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025・井之口政雄
○井之口委員 そういう普通いわれている、今私が申しましたようなのは含んではいないにいたしましても、そういう人たちがいるということは事実である。この事実に対しては、これは適用されるものでありますか、適用されないものでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304548X00919520415/25
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026・増子正宏
○増子政府委員 実質的な理由のいかんによつては、区別いたしておりません。従つて先ほど申し上げましたように、国家公務員法の懲戒処分を受けた者ということに限つているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304548X00919520415/26
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027・井之口政雄
○井之口委員 その場合は、たとい原因が何であろうとも、一律に懲戒処分を受けた人間に対しては、全般的に適用されるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304548X00919520415/27
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028・増子正宏
○増子政府委員 そうでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304548X00919520415/28
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029・井之口政雄
○井之口委員 それではもう一つお尋ねいたしますが、慶弔の際にこれが発動するということになつておりますが、その例といたしまして、たとえば労働者階級にとつて非常にめでたい日であり、そうしてみなが同一に喜び迎えなければならないようなメーデーというふうなものがあるのですが、そういうふうな場合にもひとつこれを適用して、みんなが喜びにひたるというふうに、とりわけ労働者的な立場からいろいろな運動をやつたために、懲戒を受けているような人たちにとつては、そういう場合に解放されるのが一番いいと思うのですが、そういうふうな場合でも喜びのときとしてこれが適用されるのですかどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304548X00919520415/29
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030・菅野義丸
○菅野政府委員 今議題になつておりまする法律は、第一條の目的にもございますように、大赦とか一般的の復権が恩赦法によつて行われる場合における懲戒の免除とか、弁償責任の債務の減免でございまして、これはあくまでも恩赦法に基く大赦あるいは一般的復権を行います場合から考えますると同一の取扱いにしたい、こういうふうに考えております。従いまして、かりに大赦とか一般の復権というものに伴わない懲戒の免除とか、あるいは債務の減免というものがあり得るといたしましても、これは別の法律をつくらなければ、この法律では適用にならない、こういうことになるわけでございます。それから恩赦法に基く大赦、特赦というようなものは、別に法律によつて行うのでございまして、今までの実例から申しますると国家的の慶弔事に行つておるやに記憶いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304548X00919520415/30
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031・井之口政雄
○井之口委員 今度平和條約が発効になることで、これを記念べきすときを迎えるために、こういうものも役立つというふうな御説明でございますが、つまり平和條約が締結されて、国民はみんな悲しんでいるわけであります。そういう意味でこれは弔意を表するためにこうした適用が行われるのでしようか、どうでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304548X00919520415/31
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032・菅野義丸
○菅野政府委員 平和條約は国会におきましても、大多数によりましてこれは御承認を得ております。政府がそれに基く批准の手続をやつたのでございまして、要するに国民の代表としての国会の意思がはつきりきまつておりまするので、政府はこれに対して弔意を表するという気持はございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304548X00919520415/32
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033・井之口政雄
○井之口委員 公務員の方々で、たとえばからだが悪くて入院なんかしていらつしやる方が、たくさんあるわけであります。そういうものがもう時期が来るとか、あるいはその人のからだがまだ十分に回復もしていないのに、いろいろな難くせをつけられて、療養所を追い出されるというふうな実例をしばしば見るのでありますが、こうした人々にむしろこの法が発動する場合に、ずつと引き続いて入院するところの恩典を与えるとか、あるいはまたその年限を延ばしてやつて、そして十分に療養させるというふうに法案が適用されるようにする意思はないのですか、またはあるとすれば、そういうふうに改正するような候文が、この中に入れられてほしいと思うのですが、どんなものでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304548X00919520415/33
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034・菅野義丸
○菅野政府委員 この法律はあくまで懲戒処分を受けた者に適用するのでございまして、ただいまの御質問のようなただ病気であるとか、あるいは事故のために休んでおるというような人は、懲戒でも何でもないのでございまして、そういうたとえば病気のために公務の執行ができないというような人に対しましては、別に法律によつて休職という制度もございまして、それによつて療養いたしておる次第でございます。特に懲戒処分をそこまで援用して適用するというような気持は毛頭ございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304548X00919520415/34
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035・井之口政雄
○井之口委員 そうするとこれは悪いことをやつて、たとえば犯罪上のいろいろなことをやつたり何かして、そうしてほんとうにまだ十分に悔悟の精神も見えないような人には、大分恩典を与えることになるけれども、まじめに働いている人たちには、何か積極的なそういう人たちに加えられていたところの従来の不当な待遇を取除いてやる。たとえばメーデーのような喜びの場合にこれを適用するとか、あるいは今非常に困つているとか、からだの悪いような人たちにも、もつと積極的な保護をこの際与えるというふうな積極的意義は、これには何も盛つていないように思われるのであります。そうしてほんとうに法律でまた懲罰を受けている人間は、これから除外されるのでありましようか。それとも弁償義務を免除されたり何かするのでありましようか、どうでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304548X00919520415/35
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036・菅野義丸
○菅野政府委員 この法律に基きます懲戒の免除等のことは、あくまで大赦とかあるいは一般的の復権が行われまして、一般の犯罪者に対しましても罪の減免あるいは権利の回復というようなことを行う場合に、それに伴いまして、その振合い上から考えまして、公務員等の懲戒処分の免除等を行いたい、こうこう趣旨でございます。従いまして積極面において、それではそういう国家的の慶弔事があつた場合に、何か公務員に特別な恩典でも与えたらどうかというような御意見のように伺いましたのですが、これは一般国民に対しまして、そういうような制度でもあります場合には、あるいは公務員もこれにまた均霑するということも考えられるのでございますが、目下のところにおきましては、一般国民に対しても大赦あるいは復権というような消極面について規定されておりまするので、公務員もこれにならつて懲戒の免除等を、この法律によつてやりたい、かように考えておる次第でございます。なお犯罪行為に基く弁償責任の免除につきましては、この法律の適用にならない点でございまして、これはあくまで懲戒処分としてのものと、それから出納官吏等の賠償の責任に基く債務の減免、こういうことになつておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304548X00919520415/36
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037・井之口政雄
○井之口委員 つまりいまだ懲戒処分に該当するような事項が、未発覚にあるような人がおりまして、たとえばそれが調査中のものであるとか何とかいうふうな場合に、調査中のものもあるし、あるいは全然未発覚の場合もあるでしよう。そういうものが後になつて発覚するとかいう場合には、行つている行為はすでにこの法が出る前にあつたわけでありますが、後になつて発覚された場合に、これが適用されるのか、あるいは調査中のものであつたならばその調査を、途中でこれを発動して打切つてしまうのか、この点どんなお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304548X00919520415/37
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038・菅野義丸
○菅野政府委員 これは主としてこまかい点をきめる具体的な政令の問題になるのでございますが、政府の考えておりまするところを申し上げますると、一定の時期以前に行われた行為に対する処分、あるいは処分が決定しておらないものにつきましては、その行為そのものについて懲戒を行わないことができるという第二條の規定によりまして、かりにそのときにはわかつておらない、あとで発覚いたしたといたしましても、その行為の行われたのが、その政令できめた日以前のものでございますならば、この法律の適用によりまして、懲戒を行わないことができるということによつて、懲戒をしないつもりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304548X00919520415/38
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039・田中不破三
○田中委員長 ほかに御質問ございませんか——本日はこの程度にとどめ、次会は十七日木曜日午前十時半より開会することといたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後零時一分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304548X00919520415/39
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