1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十七年五月三十一日(土曜日)
午前十一時七分開議
出席委員
委員長 川村善八郎君
理事 小高 熹郎君 理事 田口長治郎君
理事 永田 節君 理事 佐竹 新市君
川端 佳夫君 久野 忠治君
鈴木 善幸君 冨永格五郎君
平井 義一君 松田 鐵藏君
水野彦治郎君 田中織之進君
出席政府委員
大蔵事務官
(主計局長) 河野 一之君
水産庁長官 鹽見友之助君
委員外の出席者
農林事務次官
(水産庁漁政部
漁政課長) 家治 清一君
專 門 員 杉浦 保吉君
專 門 員 徳久 三種君
五月二十八日
委員久野忠治君及び小玉治行君辞任につき、そ
の補欠として田中萬逸君及び龍野喜一郎君が議
長の指名で委員に選任された。
同月二十九日
委員田中萬逸君及び井之口政雄君辞任につき、
その補欠として久野忠治君及び今野武雄君が議
長の指名で委員に選任された。
同月三十一日
委員今野武雄君及び佐々木更三君辞任につき、
その補欠として木村榮君及び田中織之進君が議
長の指名で委員に選任された。
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五月二十七日
北海道区水産研究所室蘭試験地施設拡
充費増額等の請願(篠田弘作君紹介)(第三二
五六号)
の審査を本委員会に付託された。
同月二十九日
浅藻漁港修築工事促進に関する陳情書
(第二〇
五二号)
を本委員会に送付された。
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本日の会議に付した事件
連合審査会開会要求に関する件
日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約
に薙ぎ駐留する合衆国軍隊に水面を使用させる
ための漁船の業制限等に関する法律案(内閣提
出第二〇五号)
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304562X03919520531/0
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001・川村善八郎
○川村委員長 これより水産委員会を開きます。
日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約に基き駐留する合衆国軍隊に水面を使用させるための漁船の操業制限等に関する法律案を議題といたします。本案は漁業制度に関する小委員会の審査に付した議案でありますので、この際まず漁業制度に関する小委員長の報告を求めます。田口長治郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304562X03919520531/1
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002・田口長治郎
○田口委員 ただいま議題となりました日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約に基き駐留する合衆国軍隊に水面を使用させるための漁船の操業制限等に関する法律案につきまして、小委員会の審議の結果に基いて簡單に御報告申し上げたいと思うのであります。
本法律案は合衆国軍隊に提供いたしますところの水面内で、許可漁業及び自由漁業等が損害をこうむりますその補償を法制化したものでございまして、きわめて適切なる事項と考えるのであります。ただ内容につきましていろいろ小委員会として検討いたしました結果、この種の損失をいろいろ想定してみますと、直接被害と間接被害、この二つがある次第でございますが、本法案に盛られております内容は、直接被害の分のみでございまして、間接被害については何ら触れていない。しかし間接被害につきましても、相当大きな損失を来すような地方及び事項が多々あるのでありまして、この間接被害の分をいかにするかということが小委員会の審議の中心になつた次第でございますが、この問題につきましては、結局行政協定第十八條による新しい法律を制定し、そうしてそれの予算の裏づけをする。またどうせ法律の制定は遅れますから、法律制定以前における被害も、これに遡及をする、こういうことができますれば、われわれ小委員会としては本法案を通過させてもよい、こういうような結論に到達いたしたのでございますが、この点について政府当局といたしましてはいかようにお考えになつておりますか。さような法律制定及び予算の裏づけ、さらに損失に対する遡及、こういう問題についてお考えになつておる点を一応御説明を承りまして、そうしてその御説明によつてわれわれ委員会といたしましては本案を了承する、こういうような結論になつた次第でございますから、以上の点について政府当局の御意見を一度お伺いいたしたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304562X03919520531/2
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003・川村善八郎
○川村委員長 本日政府委員といたしましては大蔵省主計局長河野一之君、説明員として水産庁漁政課長家治清一君が出席されております。
まず本案の質疑に入ります前に、一応大蔵省主計局長河野君の御説明をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304562X03919520531/3
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004・河野一之
○河野(一)政府委員 田口さんのお尋ねはまことにごもつともなことでございまして、間接的な損害についても、補償その他の措置をせよとおつしやるのはまつたくその通りでございます。実はこの法律を出しますにつきまして行政協定の第二十五條つまり日本が提供する施設及び区域についての補償の問題を主として考えておつたのでございます。御指摘の点につきましては、行政協定第十八條の問題でございまして、この第十八條におきましてはまず二つ問題点があるのでございます。一つは十八條の三項におきまして、「公務執行中の合衆国軍隊の構成員若しくは被用者の作為若しくは不作為」以下書いてあるのですが、この作為または不作為というのが違法行為のみを言うのかあるいは適法行為を含むのかどうかという問題が、一つの問題点でございます。それで御説明のような場食いろいろ漁業以外にもございまして、たとえば飛行機が落ちたといつた場合に、これが適法行為であるか、あるいは過失であるか、現在漁場についてあります間接的な損害については、そういう点がなかなか困難でございます。従いましてこういうようないわゆる適法行為についての損害も十八條の問題にしようというふうにわれわれは考えます。
それから第二に間接的損害については、同様な法令が日本にあることが必要なのであります。つまり第十八條の三項のAに「日本国の被用者の行動から生ずる請求に関する日本国の法令に従つて審査し、且つ、解決し、又は裁判する。」つまり御指摘のような場合でありますと、海上保安庁等の行動作業について無過失の補償をするという法律があることが必要でありまして、そういうような法律ができました場合におきましては、御指摘のような損害は日本とアメリカ合衆国とにおいて共同負担するという建前に相なるのでございます。その場合この負担の割合については目下いろいろ交渉をいたしておるのでありますが、大西洋條約等におきましては二十五対七十五というような例があるようであります。そういうような交渉を目下いたしております。そういう観点からいたしまして、現在御提案申し上げておりまする法律案につきまして、十八條の関係を入れるということになりますと、そこに補償というものを日本政府の單独の負担でやるように解せられるおそれがありますので、早急の機会におきましてその辺の交渉を駐留軍当局とまとめまして、できるだけ早い機会にこの関係の法律案を御提案申し上げて、御審議を仰ぎたいと考えております。もちろんこの損害につきましては、そうなりました場合におきましては、過去にさかのぼつて適用する、もしそれが可能でない場合においては、何らか見舞金を支給するとか、そういうことによつて事態を調整して参りたいと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304562X03919520531/4
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005・田口長治郎
○田口委員 小委員会といたしましては間接被害だついての点だけが問題になつていたのでございまして、ただいま河野主計局長からの御説明によりまして、その点がはつきりと裏づけをされました以上、本案は原案通りに可決すべきものと決定することに決議しておつた次第でございますから、以上小委員会の報告を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304562X03919520531/5
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006・川村善八郎
○川村委員長 他に御質疑はありませんか——御質疑がないようでありますから次に本案に対して討論をする段階でありますが、別に討論の御通告もありませんので、これを省略してただちに採決をいたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304562X03919520531/6
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007・川村善八郎
○川村委員長 御異議なしと認めます。ただちに採決いたします。
本案に賛成の諸君の御起立を願います。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304562X03919520531/7
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008・川村善八郎
○川村委員長 起立多数、よつて本案は原案通り可決いたしました。
なお本案に対する委員会の報告書の作成につきましては、前例により委員長に御一任を願いたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304562X03919520531/8
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009・川村善八郎
○川村委員長 御異議なしと認めそのように決します。
暫時休憩いたします。
午前十一時十九分休憩
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午後零時二十八分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304562X03919520531/9
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010・川村善八郎
○川村委員長 休憩前に引続き会議を開きます。
この際お諮りいたします。去る二十七日、北太平洋の公海漁業に関する国際條約及び北太平洋の公海漁業に関する国際條約附属議定書の締結について承認を求めるの件が外務委員会に付託になりました。本條約は、今後わが国の北洋漁業の発展に多大の影響を有するものであり、本委員会といたしましても、昨年十一月の日、米、加三国漁業会議においてこの草案起草のときより最も重大な関心を寄せていたものであります。つきましては、各委員よりの強い御要望もありますので、この際本件について外務委員会に連合審査会の開会を申し入れたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304562X03919520531/10
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011・川村善八郎
○川村委員長 御異議なしと認め、そのように決定いたします。
なお開会日時につきましては、両委員長協議の上決定し、後日公報をもつてお知らせいたします。
本日はこの程度にとどめ、次会は公報をもつてお知らせいたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後零時三十一分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304562X03919520531/11
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