1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十七年二月十二日(火曜日)
午後一時四十九分開議
出席委員
委員長 中村 純一君
理事 中村 幸八君 理事 山手 滿男君
理事 多武良哲三君
今泉 貞雄君 江田斗米吉君
小金 義照君 澁谷雄太郎君
福田 一君 南 好雄君
村上 勇君 佐伯 宗義君
加藤 鐐造君 風早八十二君
出席国務大臣
通商産業大臣 高橋龍太郎君
出席政府委員
通商産業政務次
官 本間 俊一君
通商産業事務官
(大臣官房長) 永山 時雄君
資源庁長官 始関 伊平君
委員外の出席者
通商産業事務官
(資源庁鉱山局
長) 松田 道夫君
通商産業技官 鼠入 武夫君
專 門 員 谷崎 明君
專 門 員 越田 清七君
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二月九日
中小石油鉱業者救済対策確立に関する請願(平
澤長吉君紹介)(第五七三号)
八戸川にダム建設等の請願(山本利壽君紹介)
(第五八九号)
工業技術庁陶磁器試験所の移転に関する請願(
大石ヨシエ君紹介)(第五九六号)
の審査を本委員会に付託された。
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本日の会議に付した事件
石油及び可燃性天然ガス資源開発法案(内閣提
出第二二号)
旧軍工廠施設拂下げに関する件
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001・中村純一
○中村委員長 これより会議を開きます。
まず旧軍工廠施設拂下げに関する件について質疑の通告がありますのでこれを許します。今泉貞雄君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/1
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002・今泉貞雄
○今泉委員 旧軍工廠の処分に関する政府の方針について通産大臣の御意見をお尋ねいたしたいと思います。この問題は同僚議員によつてすでに再三質問せられたごとく、非常な重要性を有するものであり、これが処置は現下国民全般の重大関心事であろうと思うのであります。従つて政府はこれらの厖大なる施設を最高度に活用する点において万遺憾なきを期すると同時に、いやしくもこの問題について国民に疑惑を抱かしむる余地がないように、あらゆる角度から愼重周到に検討して、何人も納得了承するような、明朗公正なる措置を講じなければならないことは申すまでもないと思うのであります。つきましては、これらの問題につきまして最終決定に至るまでの具体的な順序を、さしつかえない限りにおいて御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/2
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003・永山時雄
○永山政府委員 手続の順序といたしましては、御承知のように、ああした施設は賠償指定になつております。従いまして日本政府の一存ではその処置を決しかねるわけでございます。日本政府が国の経済復興なり、そういう意味で、何らかの方法でこれを活用することが必要だということに認定をいたしました場合には、日本政府から司令部に対して、こういう方法による活用を認めてもらいたいという意味の司令部の許可が必要なのでございます。
なお日本政府の内部といたしましては、いろいろな申請があるのでございますが、これを通産省といたしましては、産業復興の立場からあの施設をどういうように利用し、どういうように活用することが一番その趣旨に合うかという意味で、その判定をいたすわけでございます。御承知の通り、通産大臣の諮問機関として五人の方々に委員を委嘱いたしまして、その御意見を拝聽した上で、通産大臣の責任においてその判定をいたす、ただこれはいかなる用途に使うかという活用の面だけで、さらに拂い下げる場合にはいかなる価格で拂下げをするか、あるいは貸下げをする場合にはいかなる程度の借料をきめるかという問題は、国の財産でありますので、大蔵省の関係であります。従つて大蔵省の立場からそういう問題についての意見が出るわけであります。総じて閣議その他の機関で決定をされまして、先ほど申し上げたような手続で司令部の許可をとるということで、初めて利用の段階に入る、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/3
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004・今泉貞雄
○今泉委員 五人委員会の設置の趣旨につきましては、ただいまのお話でわかりましたが、この五人の委員を選考した事情、さらに今日までの五人委員会の審議の状況、これらの点についてお尋ねいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/4
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005・永山時雄
○永山政府委員 五人委員会の性格は、はつきり申し上げますと、別に公の一つの委員会としての性格ではございませんで、五人の方々が通産大臣の諮問に応じてそれぞれの見解を披瀝されるという、別に委員会としての一つのボデイを持つたものではないのでございまして、一人々々がそれぞれ通産大臣の諮問機関的なフアンクシヨンを持つておるものであります。しかしてこれは別段設置法その他法律に基いたものではございませんで、通産大臣がこの問題について御意見をきめられるのについて、非公式な諮問を受ける立場にあるのでございます。大体あの顔ぶれで御承知のように、世間から納得をされるりつぱな人物を各界からそれぞれ諮問委員にお願いをして、お引受け願つているという状況であります。なお今までの五人委員会の運用の状態は、ただいま問題になつております四日市の工廠及び播磨の工廠の処置の問題、この二つにつきまして、五人の方方にそれぞれ諮問をいたしております。大体播磨、四日市につきましては、それぞれ申請者が相当多数あるのでございますが、その申請者に五人の委員の会合に出席を求めまして、どういう計画で利用するか、それぞれの申請の事情あるいは申請の内容の説明を求めまして、播磨につきましては、鳥近現地に五人の委員の方々が視察をされたようでありますが、まだその説明を聞いた上で、いかなる処置をするかという問題については、別段その段階にまでは達していないのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/5
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006・今泉貞雄
○今泉委員 しからばこれらの軍工廠は拂い下げる考えであるか、あるいはまた貸し付ける考えであるか。またこの拂下げ、あるいは貸付等は特定の一社あるいは二社に指名する考えであるか、あるいは有力なる数社の競争入札にするつもりであるか、これらの競願者を選択する基準について一応お伺いしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/6
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007・永山時雄
○永山政府委員 拂下げにするか、貸下げの形式をとるかという問題でございますが、現状におきましては賠償指定をされておりまする関係から、拂下げ処分はできないのでございます。従つて現在の状態においてこれを利用するということになりますと、貸すというかつこうになろうと思います。将来の問題として拂下げをするかどうかという問題は、先ほど申し上げました通り、主として大蔵省の管轄の問題でございますので、大蔵大臣の方の御意見を主にして、大蔵、通産両省で相談をいたしまして処置するということに考えております。それから一社に拂下げするか、数社に拂下げするか、あるいは拂下げの基準はどうかというような問題につきましては、まだ通産省としては何らの予備観念を持つておらないのでございます。これは先ほど申しました通り、五人の委員の方々の自由な御意見を拝聴いたしました上で通産大臣が決定されるということになるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/7
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008・今泉貞雄
○今泉委員 昨十一日の日本経済新聞に掲載されておつたのでありますが、四日市の旧工廠は、政府の要望する三つの要件、すなわち大資本を有すること、技術の優秀なること、将来の国防生産要求に寄與すること、以上の三條件に該当する点において、いずれの競願会社にも難点があるために、外資導入に関して、政府保障をなす際の便を考えて、特殊会社の案を採用するようにきまつた、こういうことが記事に載つておつたのでありますが、はたしてそれが真実の問題であるかどうか。また播磨や四日市の問題は、すべてこれらの施設を処分する際に、各種の條件に関して、絶対的に卓越した唯一の会社があればともかくも、しからざる限りは、一定條件を具備した有力なる数社の競争入札とするか、あるいはこれらの合同による強力なる新会社の創立というものが、今後のわが国の産業振興に対処する上においても、また国民を納得させるためにも、得策であると私は考えるのでありますが、政府としてはどういうお考えであるか、これらの点を一応お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/8
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009・高橋龍太郎
○高橋国務大臣 その点は私からお答えをいたしますが、昨日でありましたか、あの新聞記事については政府は何にも関知しておりません。なお念のためけさ安本長官に、君の方では何かあれに類する意見があるのかということを聞きましたら、安本の方でも何も関知していない。どこからああいう材料が出たのか不思議に思うということを長官が言つておりました。
それから今の、将来そういうことを考えておるかという御質問でありますが、現在のところでは全然白紙で、今私の方で研究しておるのは、数社の競願社がある。その会社の中でだれが一番適当な資格を持つておるか。それを問題にして研究をいたしておる程度でありまして、それ以上のことは、また必要ができて新しい問題になると思います。とにかくあの新聞の記事には私ども政府では何にも関知していない報道であることをお答えいたしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/9
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010・今泉貞雄
○今泉委員 大臣にお尋ねしますが、播磨工廠が巷間伝えるところによりますと、神戸製鋼と、それから大谷重工が——幾つかの競願社の中で、この両社が最も有力なる候補になつておる。そうしてその中でも神戸製鋼というものがほとんど代表的に非常に有力会社である。こういうようなことが伝えられておるのでありますが、この工廠の活用に関しましては、この大谷重工あるいは神戸製鋼、この両社の計画というものについて通産大臣がどの程度までお聞きになつておるか。あるいはまたこの両社の計画内容等についておさしつかえなかつたならば、ここに御意見を発表していただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/10
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011・高橋龍太郎
○高橋国務大臣 この播磨の問題も七つでございましたか、八つでございましたか、競願社があるのです。それから将来拂下げを受けた場合にどういう計画で生産をするのか、どういう計画を持つているのかということは、各社からそれぞれ書面が出ております。なお委員会で各社の出席を求めてその説明を聞いております。今私ども、あるいは五人委員会でまだどの社が一番適当だということについては何も結論が出ておりません。ある一社に内定をしているというような話はデマにすぎないのであります。ただざつくばらんに私がそれらの書類を見、また競願社の意見を聞きまして、結局神戸、大谷が一番有力であろうと、私は感じております。
それから私は昨年播磨の実際を視察に行つたのでありますが、二、三日前に五人委員の諸君はあちらへ視察に行つたはずで、まだ帰られて私会つておりません。それから五人委員の諸君の意見も結論は出ていない。またおそらく個人的にもどの方面に向つても、そういう意見は発言されていないだろうと思います。というのは、せんだつて集まりましたときに、五人全部の人が出席しておつたのですが、これは世間でいろいえお問題にされているのだから、軽々しくわれわれは結論を出すべきでないと思う。これから視察に行くんだから、十分実際の視察の済むまでは、われわれの意見はお互いの間でも発表しないことにするのが適当だというような話が、その席上で出たのでありますから、ほかへ対しても何も意見は出ていないだろうと思います。また私も聞いておりません。それが現在の実情であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/11
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012・今泉貞雄
○今泉委員 ただいまのお話のように、五人委員会から何らの結論も出ていない。しかしながら大体今の大臣のお言葉の中に神戸と大谷がその七社の中で最も有力である、かようなお言葉があつたのでありますが、五人委員会の方方から何らの結論も出ておらないにもかかわらず、われわれがかようなことを申し上げるのはどうかと思うのでありますが、その二社の中で、現在播磨工廠の設備の最も目標となつているところの大型の五千トン・プレスと同じようなプレスを自分の工場に設備しておつて、それを終戰以来全然放棄して稼働していない、こういうような実情があるということを聞いておるのでございます。将来の発展の計画上この工廠の中に特に必要であるというような大型の施設と同一の施設を持つておつて、それらのものを稼働しておらない、こういうような点から考えてみましたときに、私としましては、これらの未稼働の、しかも日本の産業にとつて必要であるところのこの厖大な大型のプレスを自分のところに施設の一部として持つておりながら、これを活用しておらないという一例は——播磨の工廠にある大型のプレスをさらにまた必要とするというその考え方にわれわれとしても非常な疑問を有するものでありまして、かかる観点を十分に御考慮に入れていただきまして、国全体としてこれを合理的に活用する、そういう意向のもとにこの問題を解決せらるるように要望いたしまして、私の質問を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/12
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013・中村純一
○中村委員長 本件に関して他に御発言はございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/13
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014・山手滿男
○山手委員 この問題については、私はこの委員会でも再三大臣初め皆さんにお聞きをしておりまするので、もうくどくどとは申し上げませんが、先般ああいう新聞記事も出ましたし、いろいろ話も伝わつておるように思いますので、私は実際にあの施設を見ておりまする一人として、大臣は非常に良心的に、まじめに御答弁になつておりまして、非常にいいと思います。しかしいろいろな動きもあるし、かつあれだけ大きなものが野ざらしになつておるし、しかもそれが非常に重要なものでありますので、私はこういう問題は、ぜひとも早急に裁断をお下しになつた方が、ある意味ではむしろ問題を解決して行く方法ではないかと思います。日米経済協力の問題や将来日本の進んで行く道などは、大体において方向はきまつて来つつあるのでありますから、その大きな線に沿うて、ぜひとも通産省が賢明なる裁断をお下しになることを要望したいのでありますが、特に四日市の海軍燃料廠に関して具体的に審議に入るのは、播磨の方の処分が決定をしたあとになるのかどうか、大体その時期その他について大臣からもう一ぺん伺つておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/14
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015・高橋龍太郎
○高橋国務大臣 ああいう遊休施設を一日も早く活用すべきでないかという御意見は私も同感であります。ところで四日市の方はなかなか複雑しておりまして、そういう点は播磨の方が簡單でありますが、四日市の施設には仮使用許可をしておる、そうして稼働しておる面があるのであります。そういうことも非常に複雑でありまして、それと、戰災にあつて、だれが拂下げを受けるにしても元の通りに復活しただけではいけないのだろうと思います。今委員会の方針は、播磨の方を先にきめて、それから四日市の方へ移すということはきめておりません。そういうきめた方針からではないのですが、現在は主として播磨の方をやつております。一応四日市の方の競願者の書類また競願者全体の意見の聴取は済みましたが、今ちよつとここで申し述べるのは適当ではないかと思いますが、ある研究、ある聴取を四日市についてする必要を委員会でも認めております。それが外部の事情で二月の二十日前後でないとその実行ができぬ事情がありますので、実はそれを待つておるというのが現状であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/15
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016・風早八十二
○風早委員 四日市の問題に入ります前に、旧陸海軍の工廠がたくさんあるのでありまして、その中にはすでにGHQが使用中のものもたくさんあるわけでございます。それらの使用の資格及び今後そういうものが全体としてどういう措置になるのか——これはすでにいろいろ質疑応答があつたかもしれません。あつたらたいへん失礼でありますが、今後の権利関係というか、あるいは所有関係というか、あるいはまた占有関係というか、そういう点についてはつきりした方針を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/16
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017・本間俊一
○本間政府委員 お答え申し上げます。日本政府といたしましては、原則として日本政府の方に返還を希望するという立場で、御承知のように行政協定がただいま進行中でございますので、まだ最後の結論には達していないと承知いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/17
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018・風早八十二
○風早委員 それだけではあまりわからなさ過ぎるのですが、原則としては日本へ返還を希望するという大体の見通しだということですが、今まで使つておつた場合に、それが実際にいろいろ利益にもされておつたと思いますが、そういうものはどう処理されるのか。それは今までやつていた事実上の関係として、この際は今後の問題だけを問題にするのか、そういう点をもう少しこの際明確にしておかれる必要がある。それから賠償は役務賠償ということになつて、大体これらの工廠がそのまま賠償物件として取上げられて行くことはむろんないと思いますが、しかし引続いて同様にこれを管理するというような、あるいは利用するというような工廠も相当出て来るのか。出て来るとすればどういつた種類のものであるか。それらをもう少し、今交渉中といえども大体の輪郭を話していただかないとちよつとわからないのでありますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/18
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019・本間俊一
○本間政府委員 御承知のようにただいま岡崎さんが中心になりまして、交渉いたしておりまして、まだ私どもの方にその結果につきまして御連絡がないわけでありますから、御質疑に対しまして明確なお答えをする段階になつておらないのでございます。私どもの感じから申しますると、御承知のように賠償の指定にはなつておりますけれども、施設は持つて行かないということに條約できまつておるのでございますから、その点はその通りに相なるものと確信いたしておるような次第であります。その他の施設を今後どうするかというような問題は、やはり日米の間で話合いをいたしまして決定されるものというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/19
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020・風早八十二
○風早委員 あまりこれをお尋ねしても、どうも要領の得られる御返答は期待できないように考えられますのでやめます。しかしながら岡崎国務大臣が今交渉しておるという場合に、一つも通産省に連絡がないというのは、通産当局とされても問題じやなかろうか。やはり日本の産業の政策の根幹を握らなければならない通産当局とされては、積極的な通産省としての御見解があるはずだと思うのでありまして、それをお聞きしたいと思つたのでありますが、今まだそこまで條件が行つておらないようでありますから、それ以上お聞きしないことにします。
そこで四日市の旧海軍燃料廠の再開問題であります。この拂下げをめぐつて各資本家がいろいろ争奪をやつておるということは、確かに大きな問題であります。またそのどれへきまるかということも問題でありましようが、われわれのまた別の観点からすると、それがどこへころぼうが、そういうことが問題じやないのであつて、それ以前に、四日市の燃料廠の再開というものが、今後の日本の経済に対して一体どういう問題を持つのかという点、これこそが実は問題じやなかろうかと思う。これは特に石油の問題でありますから、そういう意味で今後の日本の石油の政策というものの重点が一体どこに置かれるのか。かりに四日市が再会されれば、それだけでも今日の日本の生産能力の半分はここで持つというような大きなものでありますから、この再開はそういう意味でも実質上今非常に大きな影響を持つものであります。これが今後日本の石油の生産というものの方向を一つ與えるものではないかと思うのでありますが、そういう点をお尋ねしたいわけであります。それをもう少し具体的に明確にするために、今その問題をお尋ねするについて、二十七年度の石油——これはあらゆる油種についてお述べを願いたいのですが、あらゆる油種について推定される需要額、またこれに対する日本の供給能力、こういうものはどういうことになつておるか、これをまず具体的にお話願えれば幸いだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/20
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021・中村純一
○中村委員長 ちよつと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/21
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022・風早八十二
○風早委員 実はこの賠償に関連する問題をお聞きしたいのですが、それははつきりお答え願えないわけでしよう。ですからもう少し他の観点からこれを聞いてみようと思つたのですが、幸いにきようは石油の問題が後に出ますから、その際に讓るとしましよう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/22
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023・中村純一
○中村委員長 他に御発言はございませんか。——御発言がなければ本件に関する質疑はこれをもつて打切ります。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/23
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024・中村純一
○中村委員長 次に石油及び可燃性天然ガス資源開発法案を議題として質疑に入ります。質疑の通告がありますからこれを許します。中村幸八君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/24
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025・中村幸八
○中村(幸)委員 石油及び可燃性天然ガスは燃料としてまた動力源として、さらにまた各種化学工業の原料といたしまして、きわめて重要なものであることは言をまたないのでありまして、しかも国内産出の石油の量は全需要量の一割にも満たないような現状でありますので、石油及び可燃性天然ガスに対しましては、国家としても極力手厚い保護を加えまするとともに、その採掘にあたりましては、能率的にかつ合理的に開発して行かなければならないことはむしろ当然であると考えるのであります。幸い今回政府におきまして現行の石油資源開発法を廃止いたしまして、新たに石油及び可燃性天然ガス資源開発法というものを制定いたしまして、企業に対する助成と、さらにまた油層技術学に基くところの油層エネルギー浪費防止掘採方法を定めることになりましたことは、その根本の趣旨におきましてはまことにけつこうなことでありまして、何ら異議をさしはさむべき筋合いのものではないと思うのでありますが、わが国の油田はその規模におきましても、またその量におきましても欧米の油田とは比較にならぬほど貧弱なものでありまして、彼此まつたく同一にこれを考えることは多少そこに無理があるのではないかとも思われまするし、わが国におきまして採掘方法を法制のもとに置くことは今回が初めての試みでもありまするし、また営利と理想という一見矛盾したような事柄を調節して行かなければならないというような点から考えますると、この法案の取扱いにつきましてはよくよく愼重を期せられたいとまずもつて御希望を申し上げる次第であります。以上の見地に立ちまして私は以下数点について御質問をいたしてみたいと存じます。
まず現行の石油資源開発法でありまするが、提案理由の説明にもありましたごとく、この法律は昭和十三年に制定せられ、軍事目的のための強行増産を主眼とした戰時立法でありまして、今日の事態より見まするならば、きわめて不適当な規定が多いのであります。しかも技術的に見ましても合理的開発ということを無視し、むしろ合理的開発を阻害する面も多分にあるのであります。終戰後六年の今日までこれをこのままに放置して一向手をつけなかつた、改正しなかつたという理由はどこにあるか。また現在かような不適当な法律ではありますが施行されております以上、これを運用面で適当に調節して来られたのではないかと思うのでありますが、これが一体どのように運用されておりましたか、この点から質問に入りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/25
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026・始関伊平
○始関政府委員 ただいま御質問がありましたように、石油資源開発法は戰時中の立法でありまして、現状におきましてははなはだ不適当な点が多かつたのであります。私どもといたしましては昭和二十五年三月に帝国石油株式会社法を廃止いたしたので、そのとき以来新しい法案の調査審議に着手いたしまして、今回ようやく御審議を願うことになつた次第でございます。ただいま御指摘がありましたように、古い、実情に合わない法律をそのまま適用しておつたのではございません。たとえば昭和二十五年五月には旧石油資源開発法の運用の円滑を期しますために、改正案の施行されるまでの措置として省令の一部改正を行つた事実もあります。不適当な点を実情に合わせますように運用面において努力して参つた次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/26
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027・中村幸八
○中村(幸)委員 次にお尋ねいたしますが、法案の第一條に「石油及び可燃性天然ガス資源を合理的に開発することによつて公共の福祉の増進に寄與するため、」云々とありますが、このことは石油に限らず銅でありましても石炭でありましても、鉄でありましてもみな同じではないかと思うのであります。しかるにひとり石油及び可燃性天然ガスについてのみその掘採方法につきまして嚴重な制限をつけまして、これに違反するものは懲役あるいは罰金刑を科するというようなことにいたしますことは、これは行き過ぎではないかと思います。公共の福祉という美名のもとに憲法により與えられた企業の自由を剥奪するところの違憲の法律ではないかという議論も行われておるのでありますが、この点に関する政府のお考えを承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/27
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028・始関伊平
○始関政府委員 ただいまお話のありましたように、およそ鉱業権によりまして国から権利を與えられております鉱業権者は、石炭あるいは金属資源等対象が異なりましても、公共の福祉の増進に寄與いたしますようにその権利を行使して参らなければならないことは御説の通りであります。まつたくその通りでございますが、石油につきまして特別に今回の法案により必要な助成をいたしますと同時に、採掘方法等につきまして他の石炭等にない制限を加えまするのは、それは石油並びに天然ガスが流体鉱物であるという特殊の事情によるのでありまして、技術的な問題でございますが、これは油層の中にございますエネルギーの活用によつてのみ採掘を見るのでございまして、それらの点を十分に注意をいたしませんと、地下資源でありしかも日本におきましては特に貴重であります石油や天然ガスが永久に地下に残り、それを取出すことができなくなるという特殊事情があります。流体鉱物としての特殊性からしまして今回の法案が立案されていることをお答え申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/28
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029・中村幸八
○中村(幸)委員 石油は銅や石炭その他と何らかわりがないというお答えもあります。しかるにかかわらず石油は特に重大な鉱物であるから、そのエネルギーを有効に利用する古いう必要から、この法案を設けたという御趣旨の御説明がありましたが、もちろん合理的な開発をする、貴重な地下エネルギーを浪費しないように極力これを有効に利用して採掘することはもちろんけつこうなことでありますが、むちやくちやに掘る、いわゆる濫掘することが営利の面から見ましても決して有利でないことは明らかでありますので、企業者自身にまかせておいてもいいではないか、あえて法律で規制しなくても適当に企業者は自分自身の手で合理的に開発して行くのではないかという説をなす者もあるのでありますが、この点はいかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/29
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030・始関伊平
○始関政府委員 ただいまお話の点でございますが、コンサヴエーシヨンの見地に立つて鉱業権者が経営をいたして参ります関係から、実際の問題といたしましては投機的な経営をはかる、あるいは一時的に濫掘に陷る弊が実際上ないでもございません。そういうことでは資源の有効な開発を不可能にいたしますのみならず、企業といたしましても長期的な経営上の利益を失うことになりますので、その結果としては資源の多大な損失を来すことがあるのであります。
なおつけ加えてもう一つ申し上げたいことは、先ほども申し上げましたように、石油と可燃性天然ガスとが流体鉱物である関係から、一つの企業のみが合理的に開発いたしましても、それと隣接する関係になります他の企業が協調しないというようなことがございますと、合理的開発という目的を達することができないのでございまして、ただいまのお話はごもつともな点もあると思いますが、長期的にかつ確実に合理的に開発を行うためには企業の自由意思にゆだねるのみでは不十分でございまして、法律により適当な規制と指導とを加えることが適当であると考えている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/30
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031・中村幸八
○中村(幸)委員 ただいまの御答弁によりますと、企業者自身にまかせておいた場合に、あるいは投機的の理由等によつて濫掘するおそれがある。あるいはまた隣接鉱区がある場合に、当該鉱業権者はまじめにやつておつても隣の鉱区でどんどんやられては困るという御説明でありまして、ごもつともと思うのであります。しかし従来わが国におきましてそういつたコンサヴエーシヨン・システムによる技術管理を怠り、あるいは合理的な技術管理をしなかつたためにどのぐらいの損失を来しているか、具体的に実例がわかつておりましたらお示し願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/31
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032・始関伊平
○始関政府委員 具体的な実例といたしましては、昨年の四月以降における帝国石油の例がございまして、これは当初会社が予定いたしておりました産油量より若干よけいに出て参りました。これがコンサヴエーシヨンの趣旨から不都合であるということで問題になつた例がございます。問題は主として日本の最大かつ一番有望な鉱区でございます秋田の山瀬油田の問題でございますが、その後政府といたしましても権威者を集めた委員会に諮問いたしまして、どの程度にコンサヴエーシヨンを実施すべきかという勧告を帝石にいたしまして、帝石といたしましては、その勧告の趣旨に基きましてただいま実施をいたしておるような次第でございます。その間、四月からコンサヴエーシヨンを実行するようになりますまでの間どの程度の具体的な損失があつたかという問題でございますが、幸いコンサヴエーシヨンを実施するようになりました時期が比較的早かつた、あまりおそきに失しなかつたというような点からいたしまして、油層に対しましてそれほど大きい影響を與えないうちにコンサヴエーシヨンが実施せられたというふうに存じております。幸いに根本的なと申しますか、あるいは致命的なと申しますか、そう大した影響を與えないうちにコンサヴエーシヨンが実施されるようになつたというふうに存じておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/32
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033・中村幸八
○中村(幸)委員 この法案に規定いたしておりますコンサヴエーシヨン・システムを実施する場合におきまして、長い目で見た場合はともかく、一時的にはあるいは減産となり、あるいはまたいろいろと必要な施設を実施しなければならない、こういうことからいたしまして、企業者の経費の負担が増大する、そういうことも考えられるのでありまするが、その場合、企業の存立を危殆に陷れるような心配はないかどうか、特に資力の薄弱な中小企業者に対しまして、不当にこれを圧迫するようになるおそれはないか、この点をお尋ねいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/33
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034・始関伊平
○始関政府委員 それは先ほどの御質問のときに申し上げればよかつたかと思うのでありますが、コンサヴエーシヨンの観念によりますと、今日までのところ、同量の石油をとりますために、ただいまございます井戸の五分の一程度の井戸の数で十分であつたと考えられるような事態もございますので、一時的に若干の減産になりましても、投資面におきましてこれを償い得る余地が非常に大きいと存じております。なお実際の例といたしまして、帝国石油といたしましては、ただいまコンサヴエーシヨンを無視いたしますれば、一日千二百キロ以上の生産をなし得るはずと思いますが、コンサヴエーシヨンを実施いたしておりまする関係上、千百の生産は九百キロ内外だと存じております。その場合におきまし、会社の経営面におきまして、特に重大な支障を来すという事実はないようでございます。それから問題は中小企業者でございますが、法律の規定によりまして、ここにございますいろいろな規制の條項を適用いたす場合においては、油層を指定いたしまして、そうしていたされました油層についていろいろの規制を加えて参るということに相なつておりまするので、中小業者につきましては、運用しただいま御指摘のございましたような点につきまして、十分の調整を加えるように配慮して参りたいと存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/34
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035・中村幸八
○中村(幸)委員 次に第六條に、通産大臣は、油層を指定してガス油比を定めることができるとなつておりますが、合理的な開発をするためにはどの程度のガス油比が一番よいかということにつきましては、今日まではつきりした定説はないのじやないかというようなこともいわれておるのであります。また第五條の坑井間隔の問題についても同様であります。もし学説あるいは経験者の、そこにはつきりした認定が下しかねるということでありますならば、あまり理想に走つて安全率を無視するということは、企業に対して大きな犠牲を拂わせる結果になりまして、角をためて牛を殺すというおそれもありますので、ガス油比の指定あるいは坑井間隔の決定にあたりましては、先ほども申し上げましたように、よほど愼重に願わなければならないと思うのであります。わが国といたしましては最初の試みでもありますので、さしあたつてはガス油比あるいは坑井間隔というようなものは相当幅を持たせて甘くきめた方がむしろよいのではないか、かように考えるのでありますが、政府のお考えを承りたいと思います。
〔委員長退席、多武良委員長代理着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/35
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036・始関伊平
○始関政府委員 ただいま御指摘の点もたいへんごもつともな点でございまして、今回の法律の運用がむずかしい、あるいは帝石のコンサヴエーシヨンが遅れたということも、一、二ただいま御指摘のような事情があつたからだというふうに存じている次第であります。それで帝石の場合におきましては、秋田において、御承知のように大体ガス油化一八七というようなものを定めてこれを基準にしてやつて参つておるのでございますが、これを決定いたすにつきましては、大体わが国におきまして最高の権威者と目される方々にお願いをして、委員会の組織によりましてやつて参りたいというふうに存じております。なおただいまお話がございましたように、若干のゆとりを持たすというようなことも、この委員会において考えてくれることと存じております。坑井間隔につきましても同様に考えて参りたいと思つておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/36
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037・中村幸八
○中村(幸)委員 次に第十條には、通産大臣は、ガス油比が大であり、または坑井から多量の端水が出るようになつたため石油の完全な開発に支障を来すおそれがあると認めるときにおきましては、その採取を制限しまたは中止すべきことを命ずることができるとありますが、これは企業にとつてまことに重大な問題であります。従つていきなり命令をするということよりも、まず最初にはとにかく勧告し、その勧告があつても一向それを聞かぬというときに初めて命令するというようにしたらよいかと思いますが、この点に関してはどういうお考えを持つておるか、承りたいのであります。実は漏れ承るところによると、これが最初は勧告ということであつたが、いつの間にか最後案では命令になつておつた、こういうことも聞いておるのでありますが、その間のいきさつを承りたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/37
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038・始関伊平
○始関政府委員 これは特にガス抽比が過大になりまして、それを放置いたしますと油層全般を破壊するような重大な支障を来す場合がまれにあるわけでありまして、現に昨年の夏から秋にかけまして、八橋の四十四号井において、ここにございますような例がございまして、井戸の口の一時的な閉鎖を勧告いたしたことがございます。従つてガス油比が大であると申しましても、特にひどい場合に適用があるのだということを申し上げましてお答えといたしたいと存ずるのでありますが、最初勧告であつたのがその後命令になつたという件につきましては、私よく存じておりませんのでお答えいたしかねます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/38
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039・中村幸八
○中村(幸)委員 ガス油比が特に著しく大きくなつて非常な損害を及ぼすおそれがあるときだけこの命令を出すのだ、こういうお答えでありますが、しかし法律に命令をすることができるというようにはつきり書いてありますと、業者の企業心を非常に萎縮させるおそれがありはしないかと考えるのであります。おそらく政府においても、命令を突きつける前に、実際問題としてはとりあえず勧告をする、あるいはその勧告に応じなかつた場合に初めて命令することになるのではないかとは思いまするが、法文があまりにきついと、企業者の企業意欲を喪失せしめることになるおそれもありはしないかと考えるのでありまして、この点につきましては、なおわれわれにおいても十分検討いたしたいと思いますから、ここでは重ねて御答弁は要求いたしません。次に温泉を掘る目的でボーリングをいたしたところが、石油やガスが出て来たということもあり得るのでありますが、この場合、石油やガスを鉱業権者にあらざる温泉業者が採取すれば、鉱業法の違反になるのでありますが、温泉だけをとつて、ガスはぷうぷう逃がしてしまうというような場合に、これを取締る方法がないではないかと思うのであります。この場合におきまして、鉱業法の違反になるかどうかということよりも、むしろこの貴重な地下エネルギーをむだに逃がしてしまつて、油層を破壊することの方がわれわれは非常に関心を持つております。そういうように、温泉業者が温泉を掘るためにボーリングをした場合、石油あるいはガスが出て来た、このガスを逃がしてしまい、温泉だけをとるということは、温泉業者としては一応それでいいかもしれませんが、油層を破壊されてしまうと、日本の貴重な国富を損ずるという観点から、油層保護の観点から、その場合、通産大臣に届出さして仕上げ工事をさせるというようなことも必要ではないかと思うのでありますが、この点についてお答え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/39
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040・始関伊平
○始関政府委員 ただいま御指摘のございましたような問題は、実は私ども気がつかなかつたわけではございませんので、一応論議をいたしたわけでありますが、御指摘のような場合におきましては、鉱業法の適用も一応ないような関係になつてにおるという点からいたしまして、そこまで考えることは若干行き過ぎではなかろうかというような点と、また御指摘のような場合があるにいたしましても、めつたにない場合でございますので、そういう場合まで考えることは、この際一応控えておいてもさしつかえないのではなかろうかというような考え方をいたしたのでございますが、そういう問題が残つておることはただいま御指摘の通りかと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/40
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041・中村幸八
○中村(幸)委員 めつたにないというお話でありますが、かつて秋田県の発盛鉱山という金属鉱山におきまして、ボーリングをしたところが石油が出て来た。そこでさつそく石油の鉱区を設定したということを聞いておるのでありますが、事例は一向ないではないと思うのであります。また石油についてはそうざらにはないかもしれませんが、天然ガスについては、今後天然ガスの開発が進むに従つて、そういう事例も相当起り得るのではなかろうかと思うのであります。従つてその点につきましても、政府としては十分対策をお考え願いたいと存ずるのであります。
次に、石油及び可燃性天然ガス資源開発審議会の件であります。この委員及び専門委員は学識経験者の中から資源庁長官が任命する、こういう規定になつておりますが、この審議会は企業の自由を制限し、あるいは企業に経済上の負担を課するという重要事項についての諮問機関でありますので、その人選には十分注意をせられまして、業界の代表者を加える、あるいは具体的の問題にわたつては、当該企業者が一番よくその間の事情を知つており、いろいろのデータを持つておるのでありますから、決定にあたつては、当該業者を審議会に招いて、その意見を十分尊重して決定をすることが望ましいと思うのでありまするが、この点についてはいかにお考えでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/41
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042・始関伊平
○始関政府委員 資源開発審議会の構成並びにその運用につきまして、ただいま御意見がございましたが、委員の人選といたしましては、一応二十七條に規定してございますように、業者の代表は入れないという建前でございますが、運用につきましては、当該業者から資料の提出を求め、また十分説明を聞くというふうにして、ただいま御指摘のございましたような点に十分注意をいたしてやつて参りたいと存じておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/42
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043・中村幸八
○中村(幸)委員 次に、現行の石油資源開発法の第九條を見ますと、政府が採油の制限または増加に関し必要な命令を発して、これによつて生じた損害は補償するということが書いてございます。あの乱暴な戰時立法でさえも損害を補償するとしてありますのに、国民の権利財産を尊重する今日の法制のもとにおいて、補償するという規定がないのは、どういうわけでありますか、その点をお尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/43
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044・始関伊平
○始関政府委員 現行の石油資源開発法の指導精神と申しますか、これは先ほど中村さんがおつしやいましたように、軍事目的からいたしまして、場合によりましては、企業の本質的な利益を無視いたしましても増産を強行するという趣旨に出たものと思うのでありますが、今回の新法案におきましては、一時的には会社の不利益なような観を呈することがございましても、恒久的には経営体の長い利益に合致するというような、根本思想の違いがございますので、それによりまして、ただいま御指摘のような点の違いも説明ができるし、それでいいのであるというふうに考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/44
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045・中村幸八
○中村(幸)委員 一応はお説のごとく、企業者自身の利益にもなるのだからいいじやないかということも考えられるのでありますけれども、もし誤つて採油の制限をすべからざる場合に、採油の制限を命じた、あるいは必要以上の制限を命じた、こういうようなことも考えられるのでございますけれども、重ねて御意見を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/45
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046・始関伊平
○始関政府委員 先ほど申し上げましたように、審議会の構成並びに運営に注意いたしまして、ただいまお話のございましたような失態はいたさないつもりでございますが、万一そういう事態がございますれば、国家賠償に関する一般の原則によりまして、被害者である経営体から政府に対して要求ができる筋合いかというふうに考えておる次第であります。
〔多武良委員長代理退席、委員長着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/46
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047・中村幸八
○中村(幸)委員 ただいまのお答えで了承いたしました。次は補助金の問題でありますが、従来石油及び可燃性天然ガスに補助金を交付してどの程度のきき目があつたか、補助金を交付することによりまして発見された油田、あるいはガス田はどこであるか、お示しを願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/47
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048・始関伊平
○始関政府委員 大体石油などにつきましては、試掘井十五本に対しまして一本ぐらいの割合で当つておるような状況であります。従いまして危険率が非常に大きいので、政府が半額程度補助をするということは、いろいろな意味におきまして石油の試掘、石油の開発の促進に寄與いたしておると存ずるのであります。
その当つた例といたしましてはいろいろございますが、係の者から御説明いたしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/48
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049・鼠入武夫
○鼠入説明員 ちよつと例を申し上げますと、昭和二十五年におきましては東京のガス田、昭和二十四年におきましては秋田県の八橋油田の八層、九層昭和二十三年には秋田県の加治油田、昭和二十一年が山形の楢橋油田、昭和十九年が新発田油田、石名坂油田、昭和十六年八森油田、昭和十三年小滝油田、昭和九年八橋油田、昭和三年桂坂油田。大体新しく発見いたしました油田でありまして現在稼行している油田は以上のようなものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/49
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050・中村幸八
○中村(幸)委員 今補助金を交付することによりまして、たくさんあちこちで新しく油田が発見された、ガス田が見つかつておる、こういうことでございますが、しかしそれは、そういう補助金を交付しようというような井戸は大体において発見の可能性が非常に濃厚なところへ交付しておつたのではないかと思うのであります。従つて政府がそういう自慢するほどのものではないのではないかと思うのでありまして、今後一層補助金の交付ということについては力を入れていただきたいと思うものでございます。
そこで今回新しく二次採取法を実施する者に補助金を交付することになるようでありますが、二次採取法というのはどういう方法でありますか。これに補助金を交付する理由はどうであるか。それからまた従来は機械購入に対しても助成金を交付しておつたようでありますが、これは今日はどうなりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/50
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051・始関伊平
○始関政府委員 二次採取法の問題でございますが、私のしろうとといたしまして了解いたしておりますことで不十分でありますれば、また別に御説明いたさせますが、石油が出て参りますためには地下に天然ガス並びに水の両方が必要でございますので、二次採取法と申しますのは、一ペン出ましたガスをもう一ペン油層の中に送り返しまして、その圧力によりまして、うつちやつておけば出て来ない石油をもう一ぺん上に押し出す。ガスを押し込める場合と、水を入れる場合と両方ありますが、大体二次採取法とはそのように理解いたしておる次第であります。
これにつきまして補助金を出します趣旨は、二次採取法と申しますのは新しい技術でありまして、実際やりましてもうまく行かない場合もある。つまり危険があるという点に主たる理由があると存じている次第でございます。機械につきましての補助金は、現在では補助いたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/51
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052・中村幸八
○中村(幸)委員 それはどういうわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/52
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053・始関伊平
○始関政府委員 機械につきまして従来補助金を出しましたのは、大体專用の機械でございまして、ほかには使えないものにつきまして先ほど申し上げましたような趣旨での危險率を考えて出したようでございますが、今回の場合におきましては、二次採取法といえども大体汎用の機械が多いようでございます。さような点からついたしまして、機械についての補助金は出さないというふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/53
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054・中村幸八
○中村(幸)委員 二十七年度の各種補助金はどのくらい計上してありますか、二十六年度と比較してお示しを願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/54
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055・始関伊平
○始関政府委員 二十六年度におきましては石油並びに天然ガスにつきましての地質調査並びに試掘奨励の補助金が一億一千万円であつたのでありますが、二十七年度におきましては合計して四千四百万円、その内訳は地質調査の補助が一千八百万円、試掘奨励費が二千二百万円、二次採取の補助金が四百万円、合計四千四百万円ということに相なつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/55
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056・中村幸八
○中村(幸)委員 これはたいへんおかしなことと思うのでありまして、政府においては今回資源開発法の改正までいたして石油の保護助長をしよう、こういう際に、二十六年度には補助金が一億一千万円あつたが、二十七年度は四千四百万円しか計上しない。大体三分の一程度に減額されておる。これはゆゆしき問題であると思うのでありますが、しかし政府においても何かお考えがあることと思いますので、その点を一応伺つておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/56
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057・始関伊平
○始関政府委員 ただいま御指摘がございましたように、昨年度に比べまして非常に顕著な減少をいたしておるのでございますが、その主たる理由は日本の最大の石油会社でございます帝国石油が昨年以来だんだん増産いたしましたのと、もう一つは外国の石油の価格の高騰に伴いまして單価も上つて参つたというような事情によりまして、業績が好転いたして参りましたので、帝石につきましては、さしあたり本年度といたしましては奨励金の必要がないのではなかろうかという考え方からいたしまして、かように大幅な補助金の額の減少に相一なつた次第でございます。従いまして帝石を除きました爾余の中小の採油会社につきましての補助金は従前とほぼ同様の額に相なる次第でございます。その点御了承を願いたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/57
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058・中村幸八
○中村(幸)委員 帝石におきましては昨年來非常に増産しておる、また外国の石油の価格も上つておつて、何とかやつて行ける、それで帝石には今回補助金を出さない、こういうお話でありますが、先ほどの御説明のごとく、大体十五本掘つてようやく一本しか当らないというようなこの探鉱については危険率が非常に多いのであります。しかもどこの会社でも探鉱費というものが六割、七割かかつておるというようなことを聞いておるのでありまして、いかに帝国石油株式会社が最近の業績はいいとはいいながら、はたしてそれで帝石が今後石油の増産に力が入るかどうかということを非常に憂えるのでありますが、いま一度お答えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/58
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059・始関伊平
○始関政府委員 帝国石油に対して今後永久に試掘の奨励費を出さないということを決定いたしたのではございませんで、本年度につきましては、大体帝国石油の計画といたしましては、総経費のほぼ二割二分に当ります約六億を探鉱費として計上いたすことになつておるのでありますが、二十七年度の見通しといたしましては、その程度のものは政府の助成がございませんでも、出して行けるであろうというように考えておる次第であります。情勢の変化いかんによりましては考え直して参らなければならないかと存じておりますが、一応、ただいま申し上げたように、考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/59
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060・中村幸八
○中村(幸)委員 帝石の問題はそのくらいにして、中小石油業者に対しましては二十六年度と三十七年度は大した違いはないというお答えでありますが、私どもはもつともつと補助金は増額してもらわなければならぬと思うのであります。その点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/60
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061・始関伊平
○始関政府委員 地下資源に対する探鉱の助成金につきましては、多々益々弁ずる次第と存じておりますが、予算の一般的な関係、特に本年度といたしまして新規に増加いたしますいろいろな経費の関係かと存じますが、希望に沿えなかつたことは、私どもの微力のいたすところでありまして、遺憾に存じておる次第でございますが、中小業者に四千万円程度の補助金を出すということで、従前に比べまして悪くない程度で本年度やつて参りたいと存じておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/61
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062・中村幸八
○中村(幸)委員 第十四條には「費用の一部を補助金として交付することができる。」と書いてありますが、従来はどのくらいの割合で補助金を交付しておりましたか、承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/62
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063・始関伊平
○始関政府委員 従来は大体五〇%を補助いたしておつたのでありますが、本年度はこの基準を改正いたしまして、七五%まで出し得るということにいたしたいと存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/63
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064・中村幸八
○中村(幸)委員 補助金は先ほどの御説明だと、四千四百万円ということになりますが、そうすると二十七年度の納付金は、予想しておるところはどのくらいになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/64
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065・始関伊平
○始関政府委員 補助金を出しまして、当りますと、金を返すということになつておるのでありますが、その点についてのお尋ねでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/65
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066・中村幸八
○中村(幸)委員 そうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/66
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067・始関伊平
○始関政府委員 従前出しましたものについて二十七年度に国庫に入つて来るとわれわれの予想いたしておりまするものは、大体二千万円でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/67
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068・中村幸八
○中村(幸)委員 その二千万円というのは、二十六年度以前の補助金の井戸から、成功して入つて来た納付金と承知いたしまするが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/68
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069・始関伊平
○始関政府委員 さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/69
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070・中村幸八
○中村(幸)委員 そうすると今度二十七年度で四千四百万円の補助金を交付して、それが成功して、将来どのくらい納付金が入つて来る見込みかどうか。その点を承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/70
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071・始関伊平
○始関政府委員 これはやつてみませんと、当るか当らないか、明確にわからないのでございますが、四千四百万円の中で、地質調査補助費の千八百万円を除きました二千六百万円程度のものを最高の限度というふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/71
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072・中村幸八
○中村(幸)委員 補助金を與えて、探鉱して、それによつて発見された油層より採油する場合、百分の三以内の納付金を国庫に納めなければならないのでありますが、その百分の三というのは、利益の百分の三ではないようでありまして、油層から採油した全体の価格の百分の三でありますが、相当重い負担となることと思うのであります。全額の補助ならともかく、一部の補助——先ほど御説明のごとく、従来は五〇%の補助を将来は七五%で行くということでありまするが、そうすると二五%というものは企業者自身が負担するわけであります。企業者自身の犠牲において探鉱して、成功したというのに、非常に重い納付金を課せられるということは酷ではないかというふうにも考えられるのであります。従いまして、できますれば、この納付金の額は交付された補助金の範囲内にお願いしたい、かように考えるのでありまして、またできれば、全額補助の形で補助金を交付していただきたいと思うのであります。石油のような重要な資源は国家におきましてもいかなる犠牲を拂つても、どしどし補助金を交付いたしまして、新しい油田の発見に努めなければならないと思うのでありますが、先ほどの御説明によると、探鉱に対する補助金の額が二千六百万円、それから成功して納付される納付金も同額の二千六百万円程度を予想しておるということでありまするが、国家が少しも損をしないで探鉱を奨励するというようなけちな考えでなく、国家が犠牲を拂つても、奨励して、どしどし補助金を交付していただかなければならぬ、かように考えるのであります。この点に対する政府のお考えをお漏らし願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/72
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073・始関伊平
○始関政府委員 先ほど、二十七年度におきまして交付いたしました探鉱奨励金が、当りました場合に、政府に返つて参ります金の限度を申し上げたのでありますが、これはそのうちの一本が当るという前提に立つておるわけでありまして、それで当りません場合は、ゼロになるわけでございます。政府の補助と、それから当つた場合にどの程度返してもらうかという点につきましては、いろいろ御見解もあろうかと思うのでございますが、先ほど申しましたように、探鉱というものは企業経営から見て非常に大きい負担でございます。それだけに一本でも当りますとそれから受ける利益は非常に大きいわけでございまして、それを独占させるのはよろしくないのではないかというような点と、もう一つは政府から助成を受けて探鉱している井戸の数が相当たくさんあるわけでございますが、その間に一種のプール計算と申しますか、あるいは保険と申しますか、そういつたことが行われているというふうな考え方の趣旨により、この法案にあるようにいろいろな附帶條件がございまして、企業意図は当つたけれども、一本の生産力が非常に少いとか、あるいは利益がないというような場合においては控除の規定があるのでございますが、最高としてはただいまお話のございましたような程度の返還金を考えている次第でございます。これは補助金をもらう者が承諾をいたすわけでございまして、その間に任意の契約のような要素もあるわけでございます。国家財政の現状その他からいたしまして、一応やむを得ないのではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/73
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074・中村幸八
○中村(幸)委員 利益の上らない場合には納付させないというお話でありましたが、それは補助金を交付した井戸の属する油層のみの計算で利益が上らない、こういう意味に私は解釈するのでありまして、その会社としては赤字であるという場合も、当該の油層から出て来るものが利益があればどんどん納付しなければならぬということであると、その会社としては非常につらい立場に追い込まれるおそれがあるのじやないか、かように考えるのであります。
次に十九條を見ますと、納付金の納付義務者は補助金の交付を受けた鉱業権者とその承継人に限られておるのでありまして、隣鉱区の鉱業権者は同じ油層からいくら採油しても納付金を納めなくてもいいことになつております。これではせつかく苦心さんたんして油層を発見した功労者である鉱業権者に非常に酷であり、不公平ではないかと思うのでありまして、隣鉱区の鉱業権者にも納付金を納めさせるのが適当ではないか、かようにも一応考えらるのでありますが、この点はいかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/74
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075・始関伊平
○始関政府委員 一種の正義観と申しますか、ただいまお話のような点もございますが、法律論的に申して補助金を受けない者に補助金を返せというわけにも参りかねますので、ただいまお話のような不合理と申しますか、不都合な点もあるように存じますけれども、法律的な観点におきましてその点はどうもやむを得ないのではないかと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/75
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076・中村幸八
○中村(幸)委員 法律的に見て、補助金をもらわない者に納付金を納めさせるのはどうもおかしい、従つて無理があるがやむを得ないという御答弁でありますが、何も努力しない隣鉱区の鉱業権者がどしどし採油して、相当利益が上る。しかるにせつかく一生懸命になつて努力した発見着たる鉱業権者は非常に重い納付金を課せられるというのは、あまりにも不公平な処置ではないかと思うのであります。この点やむを得ないことといたしますならば、そこに先ほどの納付金の程度が問題になるわけであります。そういう気の毒な鉱業権者でありますから、鉱業権者から納付金を納めさせる額はできるだけ低くしていただきたい、できれば補助金の範囲内にとどめていただきたい。百分の三以内とありますから、運用によつても十分補助金の範囲内で納付させることもできると思うのであります。この点について政務次官からひとつお答えを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/76
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077・本間俊一
○本間政府委員 今までの実績から申しますと、百分の一程度を納めてもらつておるのでありまして、御指摘の点も十分考慮いたしまして実情に即応したように運用して参りたい、かように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/77
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078・中村幸八
○中村(幸)委員 ただいまの政務次官のお答え、たいへん満足したのでありますが、でき得るだけ納付金の額ば低くしていただいて、いやしくも国家が損をしないで、手をこまねいていて探鉱させるというようなことでなく、ほかの銅も石炭もその他の重要な資源につきましては、納付金なんという制度はなく、どしどし国家の犠牲において補助をしておるのでありますから、ひとり重要な石油についてのみ納付金を課するということは、はなはだ矛盾していると考えますので、この点は十分御考慮願いたいと思います。
最後にもう一点だけお伺いいたしたいのでありますが、原油の関税の問題であります。昨年の通常国会におきまして、船賃の高騰等の関係もありまして、一年間は無税にしておくということになつたのでありますが、最近の運賃の状況あるいは外国の原油価格の問題というような点からついたしまして、通産省としてはこの原油の関税の問題をどういうふうに取扱うか。いま一年このままにしておいた方がいいと思うのでありますが、あるいはこの際は関税をかけた方がいいとお思いになりますか、この際一応政府のお考えを承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/78
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079・本間俊一
○本間政府委員 御承知のように関税の問題は改更期に来ておりますので、ただいま安本並びに大蔵省の方と話合いをいたしておるような段階でありまして、最終的にはまだきまつておらないというふうに御承知願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/79
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080・中村幸八
○中村(幸)委員 私の質問はこれで終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/80
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081・中村純一
○中村委員長 風早八十二君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/81
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082・風早八十二
○風早委員 この法案は一体何を意図して立案されたのかという点でまだどうもはつきりしないところがありますので、二、三御質問してみたいと思います。濫掘を防いで油層を保護するということは、抽象的には非常にけつこうなことであり、過去においてずいぶん濫掘でひどい目にあつたということがありましたので、これは非常に大事なことと思いますが、今も同僚、中村幸八委員からいろいろ御質問もありましたように、まず第一にその結果中小の石油資本の側からして一体これがどういうことになるか、これは全般として補助金があると言われますけれども、今もいろいろ応答がありましたように、この補助の内容については非常に問題があるわけで、結局返さなければならないというような反対給付があるわけであります。しかも昨年度よりも半減以上に大幅に削減されている、こういうことがあるわけであります。それよりも何よりも、機械については補助がないということになりますと、結局中小資本としては指をくわえておらなければならないことになるのが必定だと思うのであります。そういう点についての補償、つまり実際この問題は金のことになりますが、その金の補償ということはどういうことになるのか、また結局それで倒産したという場合に、これに対する補償はどういうふうになるのか。こういうふうな点についていろいろ応答があつたわけでありますが、私としては納得行かないわけでありまして、もう一度この点を御回答願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/82
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083・本間俊一
○本間政府委員 お答えをいたします。御承知でもあろうと思いますが、石油及び天然ガスは流体鉱物でありまして、その特殊性を十分勘案いたしまして、実際企業をいたします方で合理的な計画を実行されることが、その企業自体のためにも実はいいわけなのであります。従つて私どもといたしましては、決して中小業者に余分な負担をかけるというようには考えておらないような状態でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/83
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084・風早八十二
○風早委員 それはその通りなんです。しかしこれは官庁の整理のような場合でも同様ですが、官庁にいろいろむだもあるということは、全般を見て、ないとは言えないと思います。だから整理ということもあると思います。しかし今勤めているその官庁の従業者を首切るというわけには行かないのです。やはりその始末をしなければならぬ、ちやんとあと片づけをしなければならない。これに対して責任があるわけであります。同様に、なるほど言われることは合理化という意味で、大きな面から見まして必要なことでありますが、そのために一方中小を犠牲にしてはばからないというに至つては、これまた非常な片手落ちではないかと思うのであります。そういう点から、もう少し確とした、責任という点から、全部補助も何もしないというならば別問題でありますが、一方では補助をとにもかくにもやる。そうなりますと、やはりやろうということになるわけであります。探鉱もやり、あるいは実際に採掘もやるということになるわけです。しかしながら事実機械は買えない、こういうふうなことなんです。補助だけでやれる仕事ではないのでありまして、やはりそれにつけ加えて資金がいるわけでありますが、そういう点で、何らめんどうが見られてないということは非常な片手落ちではなかろうか、またそのために当面の生産というものがこれではたしてふえるのか減るのか、こういう点ははなはだ疑問であると思うのですが、そういう点はどうでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/84
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085・本間俊一
○本間政府委員 この法案が成立をいたしまして実施をいたしますのは、新しく探鉱いたしまして、発見をいたしました場合に適用せられるわけでありますから、現在やつております鉱区に封じましては、ただちにこれをそのまま適用するということではないわけでありまして、今すぐこの法律の影響が中小の業者に深刻に及ぶというふうには考えないわけでございます。健つて当面の生産量につきましても、二の法案から直接の影響はない、こういうふうに私どもは考えている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/85
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086・風早八十二
○風早委員 その点でもう一点だけ。中小資本でやはり良鉱を探し当てているものもあるわけでありまして、ただ問題はいろいろ仕上工事を行つたあとでなければ、こういうことになつておりますために事実やりたくもやれない。そういうことに対しては、どういう実際の補償あるいは奨励があるのか。そういうものはないわけでありまして、やはりこれは資本の強弱にまかせることになつておるわけです。従つてこの結果、帝石なり、ごく一、二の大石油資本のみが残ることになりまして、あとはひどい目にあうということになるのか、そういう点を聞いておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/86
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087・本間俊一
○本間政府委員 御指摘もあつたのでありますが、帝石は本年度の成績が非常によかつたものでありますから、とりあえず二十七年度は一番大きな帝石に対しましては補助をせなくてもよかろう、こういうふうに考えておるわけでありまして、そのほかの中小の業者が直接に影響を持つて参りまするのは実際の市価でありますとか、あるいは原油を買上げ、また売りまする値段というようなことがむしろその業者の非常に大きなケースになるのでございまして、従つて新しい、いい油田を探したいという場合に、政府の方ではその一番費用のかかります調査及び探鉱の方にできるだけの補助をしたい、こういうふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/87
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088・風早八十二
○風早委員 帝石などはと言つてはなんですが、帝石などは何割もの利潤率を上げ——これはもちろん朝鮮動乱以後のことでありますけれども、そうして何割もの配当をやつておる。こういうところはもちろん四千万円の半分、二千万円程度の補助金なんかは実は問題ではない。あなたの言われる通りもつと大きな、つまりコスト高の問題があるわけです。それは私はあとにまわしておいて、とにかくこの際問題を明らかにしたいというのは、その中小の資本に対する補償というものがないということは、どうもこれで明らかでないかと思うのであります。どこを探してもこれはないわけです。また先ほど四千万円のうち二千万円までは、少くもこれは中小にと言われますけれども、それすら実はどこでその補償が與えられておるのかわからないわけです。そのわずかばかりの四千万円のものも、実際にやれるもの、つまり仕上げ工事を行つたものでなければやれないということであれば、やれるものにこれが流れることは事実仕事をして行かなければならない関係上当然のことであると思う。そうなりますと、あとに残されたものはいよいよそのギヤツプがひどくなつて、倒れてしまうということにならざるを得ないので、これはやはり法案——法案というよりも、立法の一つの大きな欠陥として私は指摘したいと思うのです。その点で、実際予算上もうどうしてもこれ以上は国家資金が出ないのだというのであれば、その点もはつきりしてもらいたい。またそれならば金融措置について、具体的にはどういうことを中小の資本について考えておられるか。それをもう少し聞かないことには、半分は少くも出すと言われても、その中小がどういう中小であるかということもわからない。つまり中小といえども、これはやはり技術の問題もありますから、企業の創意くふうというものを誇つておるものもあるわけですが、そういうものもみなつぶされてしまう、そがれてしまうということになるから、そういう点を伺つておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/88
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089・始関伊平
○始関政府委員 四千四百万円の中で大体四千万円見当が中小の製油業者に出るわけであります。それから金融措置というお話でございますが、そういう問題もございますで、先ほど申し上げましたように、探鉱の補助率を七五%まで引上げたいというふうに考えておる次第でございます。それ以外の一般の金融的な措置等については中小の業者から原油を買い取る精製業者などの原油代金の支拂いを促進させるという方法もあわせて行政の問題としてやつて参りたいというふうに存じておる次第でございます。それから補助金の交付と仕上げ工事という問題は直接関係がございませんので、その点御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/89
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090・風早八十二
○風早委員 その問題は、やはり機械に対する補助がないということから来ておる。実際問題として今のお答えでは、私のお尋ねした点に対してのお答えにはならない。私はどうも納得が行かないわけですが、きようは時間の制限もあるので、次の問題に一応移ります。次に大きな会社、帝石にしても、ここにも請願書が出ておるようなわけで、やはりいろいろ問題は持つておられるわけです。これは原油関税に対する意見というものも出ておりまして、せつかく盛り育てようとされている大きな会社も、実際はそういう矛盾を持つておる。そのほかまた罰則などもありまし、いろいろ安全率も高くなつておるということもありますけれども、結局問題はやはり関税の問題、こういう点で、結局高くつくものを買わされて、製品は安くたたかれるという関係は、やはりこの石油業者の——これは何も今度の探鉱問題だけではありませんが、全体として資本の効率上、障害になつておる点が多々あるわけであります。こういう点、たとえば関税の点などについてはどういうお考えであり、またどういう見通しを持つておるか、これをはつきりさせていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/90
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091・始関伊平
○始関政府委員 関税問題についてお答え申し上げます前に、機械の補助金の問題でございますが、これは二次採取の問題に関連して先ほど申し上げたのでございますが、中小油井業者、中小製油業者に対する試掘の助成の場合におきましては、大体試掘は鑿井の専門の業者を下請に使います関係上、その下請に拂う全体の経費を目途としてその七割五分のところまで助成しようというのでありまして、機械についての補助金があるとかないとかいうことは、試掘の助成の問題については関係がないということを申し上げておきたいと思うのであります。関税の問題につきましては、先ほど政務次官がお答え申し上げた通りでございまして、国内産原液につきましては一割まで税金をかける、但し目下の状況では、国際的な原油相場は高い、なおフレートも高いので、さしあたり一年間は関税をかける必要はなかろう、こういうふうに昨年の国会でおきめ願つたわけでございます。ただいまそういう状況に根本的な変化があるかないか、また関税をかけるといたしますと、一般の消費者方面にも相当影響がございますので、いろいろ勘案いたしまして、ただいま検討中であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/91
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092・風早八十二
○風早委員 先ほど四日市の燃料廠の拂下げの問題に関連して一応出しておいた問題ですが、二十七年度の石油の需給関係を油種別に一応お述べ願いたいと思います。今後の日本の石油生産の方面を明確に示してもらいたい、その一つの資料として……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/92
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093・本間俊一
○本間政府委員 二十七年度は大体どのくらいの有効需要があるかということは、ただいま安本と相談をいたしまして試算いたしているわけでございますが、二十六年度の分がほぼわかつておりまするが、三十六年度の分につきまして油種別にあとでお答いたします。二十七年度の方はその消費量に対しまして多少有効需要が上まわるであ生産が非常に低いものでありますから、需給の関係では、ただいま鉱山局長から申し上げましたように、外貨の関係でありますとか、国際的な油の需給の関係でありますとかいうようなものに影響されますことはやむを得ないかと思うのでございますが、製油業者にいたしましても、日本海に面しました国産の原油を処理いたしておりますところには外資が入つておらないわけでございますから、政府といたしましては国産の原油を採油いたしております業者の保護という問題につきましては、別の観点からできる限りの保護をして行きたい、こういうふうに考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/93
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094・風早八十二
○風早委員 そうしますと、別の観点と言われるのは、大ざつぱに言いましていわゆる日米経済協力の線とはまた別の、日本国の立場からこれだけは日本の大事な資源であるから、この際保護のために非常に手を盡さなければならぬ、こういうお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/94
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095・本間俊一
○本間政府委員 採油業者の生産をいたしております原油の買上げ価格その他の点から、できるだけ健全な発達をいたすように配慮いたしたい、こういう意味でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/95
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096・風早八十二
○風早委員 時間が来ましたから質問は留保してきようは打切りたいと思いますが、やはり政府の考えの中に——これはしいてそれを切り離そうとされるのかどうか知りませんが、あるいはまたそうでなくして、実際日米経済協力の大きな背後の力というものをまつたく度外視しておられるのか、その点がはつきりわからないのです。しかしいずれにしても、それはどう考えられようが、客観的には今日日本のあらゆる生産が非常に軍需生産の方へ集中せられようとしている。その証拠には、産業資金の出どころというものは、これは昨日あたりの予算の公聴会なんかでも、財界の代表たちの口を通じてみても、本年度においては明らかに産業資金というものも、少くもその中に出て来る国家資金に関する限りは、これはずつと方向が出ておる。そういう中でやはり具体的な法案を考えないと、これはいくら切り離そうといつたつて通用しないことになると思います。そういう点をひとつ十分に関連させ、一貫して明日は御回答願いたいと思います。ことに日本の石油生産がこうやつていろいろ増強されておりましても、国内の需要を満たすための——国内の需要といつても、その中には米軍あるいは日本のいわゆる予備隊等の需要も当然含まれております。そういうものを除いて、つまり国内の平和的な経済発展にこの石油の需要がどれくらいの部分を占めておるか。農村においても全然石油がないという所がたくさんあるわけです。それから石油発動機を使つておつた小さい汽船についてもやはり足りない。こういうふうに、どんどん石油をつくつてもどこへ一体それが行つてしまうのか、これは国民としては非常にふしぎなことだと思う。もちろんこれは消えてしまうわけです。揮発油となればなお考えやすいのでありまして、これは消えてしまうのです。そういつたようなことでは、一、二の独占会社、実は外国資本でありますけれども、これは莫大な利潤と配当を得ておるかもしらぬけれども、どうも日本の国内平和生産という立場からいうと非常な問題があると思うのでありまして、特にその大きな一つとして石油というものがあるわけであります。ですから石油の問題をこういう大きな方向——これがもし誤つておれば、もはやいくらその中で何を試みようとしてもなかなかむずかしいのです。真にこの法案を生かすためには、つまり日本の油層を保護し、合理的に石油生産をやるためには、どういうことが前提條件として必要であるかということをひとつそこから突き出していただきたいということを希望いたしまして、明日にさらに詳しい質疑を留保したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/96
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097・中村純一
○中村委員長 他に御質疑はございませんか——他に御質疑がなければ本日はこの程度にいたし、次会は明日午後一時より開会いたします。本日はこれにて散会いたします。
午後四時十分散会ろうという見解のもとに、ただいま試算をいたしているような次第でございます。二十六年度の油種別の消費量につきましては、事務当局から答弁をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/97
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098・松田道夫
○松田説明員 揮発油が百十三万六千、桐油が十六万六千、軽油が五十九万三千、重油が三百五十六万八千、潤滑油、これはいろいろなものがありますが、ひつくるめまして三十九万、グリースが三万六千、パラフィンが一万四千、アスファルトが十五万、單位はキロでございます。合計いたしまして五百四万三千、大体そういう数字になつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/98
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099・風早八十二
○風早委員 供給はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/99
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100・松田道夫
○松田説明員 百の單位は省略して申し上げます。供給は揮発油が九十七万七千、桐油が十三万二千、軽油が四十八万七千、重油が二百十九万九千、潤滑油が三十四万四千、グリースが一万五千、パラフィンが九千、アスファルトが十一万一千、合計四百二十七万七千でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/100
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101・風早八十二
○風早委員 これも昨年度の需給関係なので、まだはつきりしたことはわからないかもしれませんが、たとえば揮発油は相当に不足している。それから重油はもちろん不足しておるわけです。その他もみないずれも足りないわけですが、この足りない原因は、やはりもつぱら輸入の問題にあると思うのですが、そういう点で今後の輸入の見通し、またその場合にどいう点を、たとえば重油の輸入が一番問題だろうと思いますが、需給関係からいつて、重油の輸入の問題と、それから揮発油について、この不足分を、これは四日市の燃料廠の再開というようなことなんかとも関連して、国内生産でこれをまかなおうとするのか、あるいはその点どういうふうなことになつておるか、それらの関係を二十七年度の見通しとして、日本の石油生産の方向を示す意味でお話を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/101
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102・松田道夫
○松田説明員 お答えいたします。二十七年度の分につきましては、先ほど政務次官が申し上げました通り、有効需要を幾らに算定するか、これは、先ほど安本と通産省というお話がございましたが、補足させていただきますと、運輸省、さらに農林省の船の関係がございます。その辺の需要の見通しを今作業中でございますので、はつきりきまつた数字が出ておりません。これに対しまして、供給をどうするかという問題でございますが、一つには外貨の面、一つには国内の配給統制の面、この二点にわかれるかと思いますけれども、外貨の面につきましては、申し上げるまでもなく二十七年度いつぱいの外貨というものが組んでおりませんので、さしあたり一—三ないし四—六、七—九あたりの数字を組みましたが、なお十分ではございませんので、これの増加を実はお願いしておる状態でございます。従つて外貨が幾らにきまるかということによつて、入つて来る量というものも、おのずからきまつて来ようかと存じます。それからもしそういうことでございまして、不足分が出ますれば、統制は続けられなければならぬということにもなりましようし、その量が統制をはずしてもいいという段階になりましようが、その辺はまだ有効需要の関係、外貨の関係、そから先ほどもちよつと御指摘がございましたが、世界の油の需給状況のきゆうくつぐあい、その辺もにらまなければなりませんので、はつきりした数字的な見通し、統廃問題、この辺はまだきめかねておる状態でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/102
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103・風早八十二
○風早委員 この中で特に問題になるのはやはり揮発油でありますが、百十三万六千キロリットルというと相当の量であります。これの用途別の分類をひとつ述べていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/103
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104・松田道夫
○松田説明員 申し上げるまでもなく、大部分は自動車用でございますが、工業用にもまわつておりますし、申訳ございませんが、ただいま実は表を用意して来ておりませんので、後ほどお答えさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/104
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105・風早八十二
○風早委員 それでは後ほどひとつ明確にしていただくことにつきまして、最後に、こうやつて非常に生産増強をやらなければならないというのでありますが、一体日本の石油資本のおそらく大半といつていいと思うのですが、大会社はいずれも外賓によつてほとんど独占的に握られておるというような状況の垂で、われわれが一番憂えることは、都合のいいときには極端な濫掘もあえて辞さない。また都合が悪くなると合理化するというような名目で、一時とにかく特定の資本だけに集中してそれを生かして、あとはもうどうなつてもよろしい。また都合がよくなれば、というのは国際情勢等でどこかで動乱が起り、飛行機や戦車のガソリンがうんといるようになつて参りますと、またどんどんとやり出す。これは日本のわずかばかりの油田に対しても濫掘が行われるわけであります。たとえば二十三年から二十四年にかけてだと思いましたが、帝石の労働組合から名前はちよつと忘れましたけれども、秋田市の南の方に日本で最良の油田があるわけですが、そこは前から軍が持つていて、とうとうその当時に至るまで使わないであつたわけです。あれを掘ればたちまち帝石の赤字も解消し、われわれの賃金も支拂われるということを会社に対して強く要求しておつたのでありますが、そのときは一向それを取上げなかつた。ところが帝石にスタンダード・オイルが入つたとたんに、今度はめちやめちやな濫掘を始めて、地下油層がひどい状態、すなわち通称アミーバーができたという状態になつたわけですが、結局そういうふうに大資本も大賢本ですが、それをまた大半握つているところの外資というものが、自分の都合次第でときによつてはもうめちやめちやな増産をする。また都合が悪くなればこれを抑える。こういう背後の手がある限りにおいては、これはなかなか額面通り合理化と言つてみたところで、そういうわけには参らないだろうと思うのです。そういう点で一体日本の石油生産というものを今後日本の国民経済にとつて有利に発展させるという方向をとつておられるのか、あるいはまたただなすにまかせて、結局外資の独占状態のもとで情勢に流されて行くというようなことであるのか、その点はやはり政府に確信がない限りは、これはいくらそういう條件の中において、このようないわゆる合理化なるものをやつてみても、大きくうしろへ操作されてしまつて、そのときはそのときの情勢次第ということになつたのでは、たまらないと思うのですが、そういう点で政府はどの程度まで見通しと確信を持つておられるか、それは大臣が帰られましたようですから、次官にお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/105
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106・本間俊一
○本間政府委員 お答えいたします。原油の関係で精油業者には御指摘のように外資と提携をいたしているものがございますが、採油業者には外資の関係はないのであります。従つて採油業者に無理な濫掘を外資の関係からさせるというようなことにならないものと私どもは考えておるような次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/106
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107・風早八十二
○風早委員 それは政務次官としては、はなはだどうも不見識な話ではないかと私思うのです。それはどの商品でも同じことで、市場の問題が第一だと思うのです。ですから結局精製業者というものが握ることになるわけです。その都合次第で探鉱も必要になります。また採掘も必要になるわけです。常にそれに支配されておるわけです。そのかんじんの精製業者が、実は外資の独占的な状態のもとにある、こういうことから私は問題にしておるわけです。ですからこれはもう当然そういう大きな背後の手で左右されることになりますから、そういう点で、今ここではこの法案は一応探鉱及び採掘だけの問題だと言われますけれども、この問題を最も善意に解釈して、正しく合理化をやろうという立場からいいましても、そういう障害物が背後にあるということをはつきり認識しておかなければならぬと思う。しかもそういう点であなたは通産政務次官として、日本の石油生産の向うべき方向、こういうような意味において、当然それは前提として考えられなければならないことだと思うので伺つておるわけです。もう一度その点について……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/107
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108・本間俊一
○本間政府委員 御承知のように油の発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304793X00719520212/108
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