1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十七年三月十二日(水曜日)
午前十一時二十二分開議
出席委員
委員長 松浦 東介君
理事 遠藤 三郎君 理事 河野 謙三君
理事 平野 三郎君 理事 小林 運美君
宇野秀次郎君 小笠原八十美君
越智 茂君 小淵 光平君
坂田 英一君 坂本 實君
中馬 辰猪君 幡谷仙次郎君
原田 雪松君 井之口政雄君
出席政府委員
農林政務次官 野原 正勝君
農林事務官
(大臣官房長) 渡部 任良君
農林事務官
(農政局長) 小倉 武一君
委員外の出席者
専 門 員 難波 理平君
専 門 員 岩隈 博君
専 門 員 藤井 信君
三月六日
委員石井繁丸君辞任につき、その補欠として田
万廣文君が議長の指名で委員に選任された。
同月十二日
委員竹村奈良一君辞任につき、その補欠として
井之口政雄君が議長の指名で委員に選任された。
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三月六日
農林漁業資金融通法の一部を改正する法律案(内閣提出山第五一号)
同月十日
農業改良助長法の一部を改正する法律案(内閣提出第五七号)
同月十一日
閉鎖機関日本蚕糸統制株式会社が積み立てた繭糸価格安定資金の処分に関する法律案(内閣提出第六〇号)
同月三日
官行造林地の一部解約に関する請願(前田郁君紹介)(第一一〇号)
産米価額と仮払金との差額に附する延滞利子の引上げに関する請願外四件(笹山茂太郎君紹介)(第一一七〇号)
部落農業団体の活動促進並びに国庫補助に関する請願外七件(今井耕君紹介)(第一一七一号)
同月七日
農業協同組合再建整備に関する請願(深澤義守君紹介)(第一二〇八号)
部落農業団体の活動促進並びに国庫補助に関する請願外二件(今井耕君紹介)(第一二〇九号)
畜犬競技法制定に関する請願(大石ヨシエ君紹介)(第一二一〇号)
同(田中不破三君紹介)(第一二六三号)
農業関係公共事業費等の増額に関する請願(上林山榮吉君紹介)(第一二六四号)
部落農業団体の活動促進並びに国庫補助に関する請願外四件(今井耕君紹介)(第一二六五号)
同月十日
部落農業団体の活動促進並びに国庫補助に関する請願外一件(今井耕君紹介)(第一三二六号)
同外二件(今井耕君紹介)(第一三八四号)
畜犬競技法制定に関する請願(足立篤郎君紹介)(第一三五四号)
澱粉工業救済に関する請願(本多市郎君外六名紹介)(第一三五五号)
飼料需給調整法制定反対に関する請願(武藤嘉一君紹介)(第一三八三号)
の審査を本委員会に付託された。
同月四日
林野行政機構改革に関する陳情書外一件(第七七三号)
同外十一件(第七七四号)
同月十一日
北海道産てん菜糖の政府買上継続実施に関する陳情書(第八四八号)
昭和二十六年産米価額と仮払金との差額附せられる延滞利子の利率引上げに関する陳情書(第八四九号)
農林省蚕糸局廃止反対に関する陳情書(第八五〇号)
飼料需給調整法案反対に関する陳情書(第八五一号)
農業災害補償法に基く農業共済事業強化策に関する陳情書(第八五二号)
養鶏事業の振興に関する陳情書(第八五三号)
林野行政機構改革に関する陳情書外百二十三件(第八五四号)
を本委員会に送付された。
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本日の会議に付した事件
農林漁業資金融通法の一部を改正する法律案(内閣提出第五一号)
農業改良助長法の一部を改正する法律案(内閣提出第五七号)
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304988X01219520312/0
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001・松浦東介
○松浦委員長 これより農林委員会を開会いたします。
去る三月六日内閣提出、農林漁業資金融通法の一部を改正する法律案、また三月十日同じく内閣提出、農業改良助長法の一部を改正する法律案の両案が本委員会に付託になりました。
これより両案を逐次議題といたし、審査に入ります。
まず農林漁業資金融通法の一部を改正する法律案を議題といたします。
本案の趣旨について政府の説明を求めます。野原政務次官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304988X01219520312/1
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002・野原正勝
○野原政府委員 ただいま上程になりました農林漁業資金融通法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。
御承知の通り農業倉庫は供出制度下においては主要食糧保管の重要使命を果すとともに、自由経済下においては米麦の農業協同組合系統による円滑な集荷配給上欠くべからざる重要施設でありますが、近年における資金、資材の不足のため、新設はもちろん、災害の復旧、老朽化した倉庫の補修さえ容易でなく、そのため収容力の不足を来している状況であります。政府はこの状態をすみやかに改善すべく本年度においても農林漁業資金融通法による低利資金の融通を行つているのでありますが、特に昭和二十七年度においては大いに農業倉庫の新設を行い、この問題の解決をはかるため融資額を大幅に増加する所存であります。
しかるに農業倉庫は一般の営業倉庫と異なり営利を目的とするものでないため、過去においても農業倉庫の建設については多額の国の補助のもとに行われたのでありまして、これが大幅な新設をはかるためには融資額の増加のみでは十分でなく、新設された農業倉庫の経営が借入金利の負担に圧迫され困難を来すことのないよう、貸付金利を特に低利とする措置が必要なのであります。この点に関して現行法においては農業倉庫に対する資金の貸付は年七分を最低としておりますが、右の観点から農業倉庫の新設に対する貸付としてはなお高過ぎると考えられますので、農業倉庫の新設を大幅に行い、この問題の解決をはかろうとする昭和二十七年度においては、特に年四分をもつて貸し付けることが必要と考えられるのであります。
以上がこの法案を提出した趣旨であります。何とぞ慎重に御審査の上すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304988X01219520312/2
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003・松浦東介
○松浦委員長 次に農業改良助長法の一部を改正する法律案を議題といたします。
本案の趣旨について政府の説明を求めます。野原政務次官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304988X01219520312/3
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004・野原正勝
○野原政府委員 ただいま提案になりました農業改良助長法の一部を改正する法律案の提案の理由を御説明申し上げます。
農業生産の増大及び農民生活の改善をはかるために農業に関する試験研究の促進とその成果の的確の普及とを目的といたしまして、農業改良助長法が施行されましてから、すでに三年以上経過いたしました。その間の事情の概要を申し上げますと、試験研究の分野におきましては、農事、畜産等試験場の整備統合が実施され、逐次農家の実態に即した試験研究の成果を上げつつありまして、また普及事業の分野におきましては、この制度が幸いに農家の希望に合致いたしましたので、普及職員の充実と相まつて、次第に農家の信頼も加わつて参つているのであります。食糧自給力の向上をはかりますことが、いよいよ急務と考えられます現在におきましては、この目的を達しますため、農家が生産と生活について科学技術をできる限り取入れますことが根本かと存ぜられます。従つて政府といたしましても、試験研究と普及とにつきましては、今後とも一段と努力をいたす考えでございますが、これに関しまして、この法律をこれまで運用いたして参りました経験から、この際若干の改正をいたしたいと存ずるものであります。
今回改正いたそうとする主要な規定は四つございます。第一は、第二条の試験研究機関に対する助成基準についてでありまして、現在第三項において資金の交付を受ける試験研究機関の数が、いずれの年度においても七十五を越えてはならないことになつておりますが、最近急増いたしました新制大学等における有用な試験研究にいたしましても、進んで適切な助成をいたしたいと考えますので、第三区項及びそれに関連する第四項を削除いたしまして、資金の交付を受ける試験研究機関の数及び助成額の割合に関する制限をはずすものであります。
第二は農林省の試験研究機関が、積極的に都道府県農業試験場を指導援助する旨の規定を第三条の三として新たに置くものであります。もともと農林省の試験研究機関、たとえば西ヶ原の農業技術研究所にいたしましても、東北、関東、東山等の地域農業試験場にいたしましても、都道府県農業試験場と密接な関係を持ちまして、事実上これを指導援助いたしておりますが、従来明文を欠いて、法律上両者の関係が不明確でありましたので、これを新たに明文といたしまして、両者の関係を一層緊密にいたそうとするものであります。
第三は、農業改良普及事業の範囲を拡大する第十四条の規定であります。従来農業改良普及事業といたしましては、専門技術員及び普及員が巡回指導、出版物の配付及び展示等の手段によりまして、農家を指導いたすこととされておりましたが、この事業を有効に実施いたしますために、普及員養成及び研修や農業及び生活の改善に関する農村青少年団体の幹部の養成等を実質的には普及事業の一部といたしまして実施して参つたのでありまして、また二十七年度からは営農試験地の制度も実施いたすわけであります。かようなわけで農業改良普及事業の内容について、実質と形式とが合致するよう従来の規定の範囲を拡大いたすことが、今後の施策を行う上に必要であると考える次第であります。
第四は、農業改良普及事業のかなめというべき専門技術員及び改良普及員の身分及び任務に関して、第十四条の二として新たに明文を置くものであります。従来の法律におきましては、この両者を一括して単に専門指導員と称して、その任務につきましては規定はございません。従つて優秀な人材を登用いたすだけの職階制を確立いたすのに困難を感じておりまするので、この際両者の身分及び任務を明文といたしまして、その活動の促進を一層はかろうといたすものであります。
改正の要点は以上のようであります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304988X01219520312/4
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005・松浦東介
○松浦委員長 ただいま政府より趣旨の説明がありました両案につきましては、次会より質疑を行うことにいたします。なお昨日、内閣提出、閉鎖機関日本蚕糸統制株式会社が積み立てた繭糸価格安定資金の処分に関する法律案が本委員会に付託になつております。本案も次会より審査に入る予定であります。御了承願います。
本日はこれをもつて散会、次会は明十三日午前十時より開会いたします。
午前十一時三十二分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101304988X01219520312/5
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