1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十七年六月十二日(木曜日)
午後一時四十六分開会
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出席者は左の通り。
委員長 山縣 勝見君
理事
岡田 信次君
高田 寛君
小泉 秀吉君
委員
仁田 竹一君
高木 正夫君
小酒井義男君
前之園喜一郎君
衆議院議員 關谷 勝利君
国務大臣
運 輸 大 臣 村上 義一君
政府委員
大蔵政務次官 西村 直己君
運輸大臣官房観
光部長 間嶋大治郎君
運輸省海運局長 岡田 修一君
経済安定本部財
政金融局長 阪田 泰二君
事務局側
常任委員会専門
員 岡本 忠雄君
常任委員会専門
員 古谷 善亮君
法制局側
参 事
(第三部第二課
長) 岡崎 庄盛君
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本日の会議に付した事件
○旅行あつ旋業法案(石村幸作君外六
名発議)
○離島航路整備法案(衆議院提出)
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001・山縣勝見
○委員長(山縣勝見君) それではこれより委員会を開会いたします。前回に引続き旅行あつ旋業法案の質疑を行いたいと思います。御質疑のあるかたは御質疑を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/1
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002・前之園喜一郎
○前之園喜一郎君 私も発議者の一人ですが、この運営について少し当局といろいろ懇談したいと思いますので……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/2
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003・山縣勝見
○委員長(山縣勝見君) 速記をとめて。
午後一時四十七分速記中止
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午後二時三分速記開始発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/3
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004・山縣勝見
○委員長(山縣勝見君) 速記開始。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/4
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005・高田寛
○高田寛君 これはまあ法律の構成の問題でありますから、政府側か或いは法制局のかたにお尋ねしたいのですが、この改正法案の一番最後ですね。最後の「運輸省設置法の一部を次のように改正する。第四條第一項第十四号の十三の次に次の一項を加える。十四の十四旅行あつ旋業を登録すること。」とありますが、これは今度の運輸省設置法改正法案に合せてこの案ができていると思うのですが、まあ現行の運輸省設置法にはこの書き方は合わないわけですね。現在まだ運輸省設置法の改正は成立していない。この国会で成立するか、流れるかわかりません。そうするとこの今度の提出されている案に合せるようにこの條文ができて、それで運輸省設置法の一部をこの旅行あつ旋業法で修正するという形になつているのですが、これではどうも法文の構成上工合が悪いのじやないか。運輸省設置法が成立してからでなければこれは出せないということになりやしないかと思うのですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/5
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006・岡崎庄盛
○法制局参事(岡崎庄盛君) 今御指摘のございましたように、この附則の三項で運輸省設置法を改正するようにいたしておりますのは、現在国会に提出されております一部改正があつて後の條項に基いて変えるように考えておるわけでありますが、実はこの法律の施行は公布の日から起算しまして、九十日を超えない期間内において別に政令で定めるようになつておりまして、運輸省のほうで政令で定められるわけでございますが、大体の見通しといたしましては一月以上まだ公布になりましてもかかりますので、実際この三項が働いて参りまして、運輸省の設置法を改正するのは施行の時ということになりますので、これは公布になりましても相当期日の経つた後に三項が働いて来るということになりますので、一応現在国会に提出されております運輸省設置法の一部改正が先に実施になるであろうという見通しで一応こういうふうに書いたわけでございます。なおこういう例はほかにもございますので、これでもいいのじやないかということで書いたわけでございますが、なお運輸省設置法の一部改正がこの国会で通過しないようになります場合、このまま法律で出しますと非常におかしいことに御指摘の通りなるわけでございます。それでそういう見通しがはつきりしますればここは修正しなければならないということになると思いますが、参議院のほうが先議でございますので、衆議院のほうであとでそういう見通しがこれが通るまでにはつきりしますれば衆議院のほうで直して頂いたらどうかというふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/6
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007・山縣勝見
○委員長(山縣勝見君) その他御質疑ございませんか。別に御質疑ございませんか。別に御質疑がないようでありましたら、これより本案の討論に入りたいと思いまするが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/7
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008・山縣勝見
○委員長(山縣勝見君) 御異議ないと認めます。よつてこれより本案の討論に入ります。御意見のおありのかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/8
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009・高田寛
○高田寛君 私は本案に賛成するものでありますが、まあいろいろこの法案はまだ疑問の点が多いのでありまするが、今まで旅行斡旋業界においていろいろ弊害も多く起つておる。併し旅行斡旋業者というものの実態を政府としても掴んでおらないという点は欠陥であろうと思います。それが登録制度によつてこの法律が実施せられれば一応まあ旅行斡旋業者の実態が掴めるという点はまあこの法律ができる効果であろうと思います。併し一面又実際これの取締に当る場合の料金の取締などにつきましては、なかなか実際問題としてむずかしいと思います。これはいろいろ今までの慣習もありましようし、なかなかこの事業は一律に何%の手数料が適正であるということはなかなか言いにくい。又結局実態に即したように政府がこれを導いて、甚だしく不都合なものはこれを取締るということ以外に行きようがないと思います。又一面こういうような法律が出たためにまじめな業者が別にこの法律によつて一方助成される面は全然ないのに一面取締の関係でいろいろ届出とかいう手数がかかるということは免がれないと思いますが、このような余り一般の業者に徒らに手数のかからないようにということも政府として十分気を付けて頂きたいと思うのであります。これで結論としてまだこの法律にはいろいろ疑問の点もある、欠点と思われる点もあるのでありまするが、一応業態を政府が掴むために登録制度をとる。それで登録制度によつて、又料金の届出制等をとりまして、甚だしく不都合であるというものを、これを取締の対象にするということで一応の利益もあると思うので、私は賛成するつもりであります。ただこれを実施するにつきましてはそういうような一般の業者がいろいろの届出などによつて煩雑な手数を増すようなことが成るべくないように、その点は一つ十分に気を付けて頂きたいということと、いま一つ料金の取締などにつきましても、余り窮屈な取締をしないということを希望したいのであります。一面不当なものは勿論取締らなければならないけれども、一面又このような料金というものが非常に融通性のあるものでありますので、余り窮屈な取締をされると、そのためにこの業界の活動というものが非常に阻害されるという点もあるので、このような点も十分御留意を願いたいという希望を申述べまして、私は賛成するものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/9
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010・山縣勝見
○委員長(山縣勝見君) 他に御発言はございませんか。……別に御意見もないようでありますれば、これより本案め採決に入ることに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/10
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011・山縣勝見
○委員長(山縣勝見君) 御異議ないと認めます。よつてこれより本案の採決に入ります。本案を原案通り可決することに御賛成のかたの御挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/11
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012・山縣勝見
○委員長(山縣勝見君) 全会一致であります。よつて本案は原案通り可決せられました。なお本会議における委員長の口頭報告の内容その他の手続につきましては、慣例によりまして委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/12
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013・山縣勝見
○委員長(山縣勝見君) 御異議ないと認めます。
なお、本案を可とされたかたの御署名を慣例によつて願いたいと思います。
多数意見者署名
岡田 信次 高田 寛
小泉 秀吉 仁田 竹一
高木 正夫 小酒井義男
前之園喜一郎
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/13
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014・山縣勝見
○委員長(山縣勝見君) 次に離島航路整備法案を議題といたします。前回に引続きまして御質疑を願います。ちよつと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/14
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015・山縣勝見
○委員長(山縣勝見君) 速記を始めて。発議者並びに大蔵政務次官がお見えになつておりますから、御質疑があれば御質疑をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/15
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016・小酒井義男
○小酒井義男君 少し前回に引続いてお尋ねしたいと思いますが、この補助を受けている航路の数は三十一ということに資料を頂いてあるわけでありますが、この補助を受けている航路というものは固定したものであるかということなんであります。つまりその後にいろいろな客観的な情勢の変化補助を受ける必要が新らしく出て来るものもあるだろうと思うのでありますが、そういうものはこの補助の対象に追加をされて行くことができるものかどうかという点について一つ伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/16
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017・岡田修一
○政府委員(岡田修一君) 只今の御質問は現在政府でやつりております方針についての御質問かと思いますので、私がお答えいたします。三十一航路というものは二十七年度の予算に予定されている航路でございます。航路の増減につきましては予算要求の際に従来こういう航路をやつておつて、この航路については金が出ておるから、既存航路にはこれだけのものが必要だ、更に追加にこれこれの申請がある、これに対して予算をつけてもらいたいというふうに大蔵省と話合いをしましてそうして最後に、その航路のうちでも緊要なものを何線か追加するというふうな方法で、必要なものは新たに追加するというようにいたしております。従つて二十六年度は二十七航路ありましたが、それは二十七年度において四線ほど追加になつている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/17
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018・小酒井義男
○小酒井義男君 航路補助の申請がなされて来て、やはり基準に基いた査定がなされると思うのですが、その航路の補助の対象になる航路とならない航路とは、やはり申請の書類においてはつきり区別し得るようなことができ得るわけですか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/18
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019・岡田修一
○政府委員(岡田修一君) その申請の場合に、それを利用するその地域の離島の住民の数とか、或いは他に交通機関があるかないかというふうなこと、その他その必要度におきましてやはり軽重の差が相当ありますのでございますから、そのうちの最も必要性の強いもの、かように考えるものだけをやる。中にはそれほど見なくてもいいと思うような航路も相当出て来るわけでございますが、何分大蔵省のほうで、補助予算というものは非常に厳重に縛つておりますので、従つて申請のうちでも最も緊要と考えられるものだけをやるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/19
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020・小酒井義男
○小酒井義男君 次に運輸大臣に一つお尋ねいたしたいのですが、やはり離島航路がなくなることによつて交通機関を奪われるということは、住民にとつてこれは生活のほうに非常に大きな問題になるので、その航路の維持をなし得る助成をして行くということは、当然必要であろうと思うわけであります。そういう場合に、離島であるということと、或いは陸上交通であるということによつて若干の條件が違いますが、陸上交通においても、その交通機関によらなければ他に機関がないというような交通機関があると思うのですが、それがやはり経営ができないというものがある場合には、こうした海上におけるところの交通機関の助成と同じように考えられる必要もできて来ると思うのです。現在陸上交通においてはそういうものがないわけなんですが、運輸大臣としてこの問題に関連して陸上交通機関の助成というようなことについてお考えになつておるかどうかお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/20
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021・村上義一
○国務大臣(村上義一君) 運輸交通事業は、如何なる種類でも公益事業であるのでありまして、必要なる公益事業を維持して行く上におきまして、若しそこに緊要性があるならば、何らかの方法で直接、間接を問わず、又如何なる方途を問わずこれを維持して行くということにして行かんければならんと思うのであります。勿論一つの事業でありますから、このサービスを提供する事業でございますから、サービスの対象たる運賃、料金というものについて考慮を拂う。併しながらその立地條件、或いは客観情勢から、運賃、料金をこの上げることは許されないというような場合に、到底その交通機関を維持して行くことが不可能だというような場合が生じて来ると思うのであります。今陸上の交通機関としまして私鉄につきまして、或いはその他につきましても、これらの点に鑑みて、検討は進めておる次第であります。併しちよつとお断り申して置きたいのですが、今問題になつております離島航路の育成と申しますか、維持のために、或る種の育成をなすという問題は、少し趣きを異にしておると考えておるのであります。離島航路というものは、丁度道路に相当するものだと考えております。県道若しくは国道、離島に対しましては、道路というものはないのであります。自然この離島に住民があります場合、そこに道路をつけるというのは、陸上の場合と同じ意味に考えて行かんならんと思うのであります。離島航路につきましては、陸上の一般の交通機関とはその点につきまして非常に趣きを異にしていると考えておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/21
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022・小酒井義男
○小酒井義男君 次に大蔵省のほうにお伺いたしたいんですが、日本開発銀行法の第一條によりますと、開発銀行の目的というものは、一般の金融機関が行う金融を補完し、又は奨励するということにあるわけなんです。併し本法案による融資は、当初案の通り損失補償制をとつて、一般金融機関にやらせ、この金融が円滑に行かないときは、開発銀行に指定融資をさせるべきではないであろうかという問題、そうして第二には、本法案による融資の見込額は、配付資料によりますと、十年間毎年二億数千万円乃至六億円合計して四十数億円を要するということになつております。この融資は開発銀行をして当らせるということでありますが、今当面して電源開発の問題がありますし、外航船腹の問題にしましても、大体今の貿易を国内船で賄うとすると、百数十万総トンを建造しなければならない、こういう問題が当面あるわけなんです。そういう差当つて生じたときに、多額の融資をしなければならないわけなんでありますが、こういう事情の下で、開発銀行より離島航路船整備資金を果して確保することができるかどうか。それができなければ折角こうした法案が成立してもその価値がないのじやないかと思うのですが、この点について一つ大蔵省の見解を承わりたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/22
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023・西村直己
○政府委員(西村直己君) お答え申上げます。開発銀行は、御存じの通り、漸次資金量は殖やして来て参つております。殊に見返資金、その他旧復金の資金の回収等も資本に繰入れつつある状況であります。今回の開発銀行の一部改正案も、そのことのためにも出ておるわけであります。勿論これにつきましては、石炭なり、いわゆる外航船造船その他のいろいろな資金要求が殺到して参つております。これはまあ国家の必要度の順位によつて、開発銀行独自の審査ではありますけれども、一応政府の施策と相待つて運用して行くということになつておるのであります。問題は離島航路の船舶の整備資金をどう融資して参るかという点につきましては、一部ではこれを直ちに枠を設定したらどうかという御意見もございます。この点につきましても、私どものほうとしましては、その段階まで具体的にきめる段階には至つておりませんけれども、やはりこの離島航路というものの性格、それから今回の立法の趣旨等に鑑みまして、できるだけその御趣旨に副うように努力をしたいと、こういうふうな考えに立つておるわけでございます。なおそれ以外の設備資金といたしましては、漸次金融機関全体としましては、長期信用制度なんかも、今回の国会において立法もいたしまして、整備して行きたい。このほうは政府機関ではございませんが、従来の興銀、勧銀の形の変つたもので整備して考えて参つておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/23
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024・小酒井義男
○小酒井義男君 法案ができればこのほうに実施し得るように、今後努力して行くということで、やはりこの融資の枠というものをきめて行くということは、私は必要だと思うんですが、それはできないことなのかどうか。今の御答弁では、非常に期待が薄いようなふうの印象を與えておりますが、重ねて一つ伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/24
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025・西村直己
○政府委員(西村直己君) 実はこの問題は、いわゆる重点産業にも相当関係が資金全体としてはあるわけでございまして、それならどういう形で将来こういつた資金に対して御霊力申上げるか、言葉を変えますれば、これを確保して行くか、問題は枠をこれだけ設けるとはつきり申上げますれば、一番簡単なんでありまするが、その段階までに至つておりませんので、そのほうに挙げて努力したいと、我々考えております。必ずや又これだけの国会の御熱意で、こういう法案ができるということは、より以上大蔵当局としましてはこの予算措置は勿論でありますが、金融措置におきまして、認識を更に一段と深めたい、こういう気持でおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/25
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026・山縣勝見
○委員長(山縣勝見君) その他御質疑ございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/26
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027・小泉秀吉
○小泉秀吉君 私は途中で出て来て、前にどの程度の質疑があつたか存じませんが、或いは重複するようならば、御答弁は結構でございますが、ちよつとお尋ねしたいんですが、この離島航路の整備法の関係資料というもの、これは提案者のほうでお作りになつたのか、政府のほうでお作りになつたのか知らないが、これの二頁の別表のところにですね、利子補給総額というのと、年度別に来ておるのとありますが、この金は本法案がパスすれば大体こういう程度に資金の借入ができて、又その利子の補給ができるというような大体の御見当であるのか、これは一つの予想であつて実際は予算なり、金を貸すほうの関係で、これだけの金がなくてもこの法律さえ一応出ればそれでいいのだというようなお考えなのか、その辺に対するおつもりを一応お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/27
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028・關谷勝利
○衆議院議員(關谷勝利君) これはこういうふうにやつて行きたいという予想なのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/28
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029・小泉秀吉
○小泉秀吉君 大蔵省関係のかたが今日は御出席になつていると思うのですけれども、今の提案者はそういう御答弁のような程度なんですが、事実において運輸省の御関係並びに大蔵省の政府御当局の肚づもりというのは、大体この金のほうの面はどういうことになるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/29
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030・西村直己
○政府委員(西村直己君) 私どものほうといたしましては、御承知の通りこれの助成につきましては、たしか従来は三千万円から三千五百万円くらいでございますかの助成でございました。従来は金融についての利子補給というようなものはない、今回はその立法にお入れになつているわけです。従つて大蔵省といたしましては、この立法が皆さんの御審議によつて成立されます場合におきましては、或る程度これによつて航路補助の助成の基準もできると思います。従来はその三千乃至三千五百万円のものを、三百航路くらいありますか、その航路のうちの三十幾つかの航路にいたしておつたのでありますけれども、先ほど運輸当局のかたの御説明にもありましたように、どちらかというとその基準が抽象的であり、余り具体性もない、言い換えればつかみ金の杉で折衝しておつたのが、漸次基準化されて来る、こういうような形になつておりまして、従つて主計局といたしましては、或る程度客観的に見て止むを得ざるものに対しては、勿論財源の関係もございますが、助成について増加いたさねばならん形になると思います。問題は利子補給ということにつきましては、この條文によりまして、勿論融資は金融機関との折衝或いはそれに対して大蔵省、或いは運輸当局といたしましてもできるだけこの法案の趣旨が達成できるような形で御盡力申上げる、それに対する利子補給というものが勿論具体的に幾らという形は、今後のいろいろ運輸、或いは大蔵当局がこの法案の実行面に当りましたときにお話することもできると思いますが、利子補給におきまして、やはりこれが予算化されて来る、こういう考えでございます。従つて法案ができまして、只今關谷さんからのお話のように予想してありますけれども、これは或る程度政府としてはそういう意味におきましては、額の点は問題になりますけれども、法案によつて利子補給し、助成を強化して行くということは当然義務付けられて行くと、私は考えている次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/30
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031・山縣勝見
○委員長(山縣勝見君) この際ちよつと御参考に申上げておきますが、この本日の案の審議に対して、発議者並びに政府委員の御出席を求めておきましたのですが、只今御出席を得ておりまするのは発議者關谷衆議院議員、それから運輸大臣、海運局長、大蔵大臣は本日所用で出席されません、その代りに西村政務次官が見えております。主計局長は見えるつもりであつたのでありますが、重要な会議があつてその代りということは甚だ語弊がありますけれども、西村政務次官が御出席になつております。なお又安定本部の財政金融局長の阪田君が見えておりますから御質問をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/31
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032・前之園喜一郎
○前之園喜一郎君 大蔵大臣の代りとして政務次官が来られたのは、まあ止むを得ないことでありましようが、主計局長は今朝ほどから来るということで、我々はそれを期待して委員会は待機しているわけです。それを今来る今来ると言つて、そうしてすでに二時間も過ぎてから他に用があつて来ないということは、幾ら何でも私は不都合だと思う。委員会を私は軽視するものじやないかと思うのです。とかくこの大蔵省の官吏というものは、思い上つた態度というものが非常に多いのです。ですからこういうことを我々は黙認することはできないと思う。来ると言つて来ない、他に会議がある、どういう会議であるのか、ここに来られないような止むを得ない用事であるのかどうかということを、十分に一つ委員長のほうで御調査を願つて、そうして一つ次回にお示し願いたいと思います。そうして次回には若し委員会に言うて来ないならば、正式に議長を通じて要求するというような性質の手続をおとり願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/32
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033・山縣勝見
○委員長(山縣勝見君) ちよつと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/33
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034・山縣勝見
○委員長(山縣勝見君) 速記を開始して下さい。御質疑をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/34
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035・前之園喜一郎
○前之園喜一郎君 運輸大臣にお伺いしたいのですが、運輸大臣というよりむしろ国務大臣として御答弁願えればなお幸いであると思います。近来いろいろ議員立法というものが非常に多く出るようになつた。これは国会の傾向としては非常に好ましいことでありまして、むしろこれが国会の本体でなければならんということは、これは申すまでもないわけであります。ところが、この議員立法というものを見てみると、国の財政に影響するものが非常に多い。いわゆる予算を伴うもの、而も非常に巨額の予算を伴う法案というものが非常に多いわけでありますが、こういうような法案が政府との、或いは大蔵当局との財政上の打合せもなく今後ますます盛んに出されるということになりますると、私は結局国の財政が危殆に瀕し、予算の編成も非常に困難になる、従つて又一面国民の負担というものも非常に大きくなつて来るというような結果になつて、国家としても国民としてもこれは相当に考慮しなければならん問題であろうと思うのですが、これらの点について総体的に最も経験の豊かであられる村上運輸大臣、国務大臣からの御意見をお聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/35
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036・村上義一
○国務大臣(村上義一君) 立法を立法府でやつて頂くということは、趣旨として非常に結構なことであると私も思うのであります。ただ御示しのごとく、予算に密接な影響のある法案につきましてはやや趣きを異にすると思うのであります。従つて内閣としましては提案に先立つて十分協議をお願いしたいということを立法府に対してお願いをしておるような次第であります。のみならず立法府自体としても成るべく予算委員会と御協議の上に法律案の提出を願いたいということを申しておるような次第であります。御指摘のごとく、予算に関係のある法律案の提案につきましては、そういう手続をとつて頂くことが立法上の運営を図る上において極めて必要だと思つておるような次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/36
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037・前之園喜一郎
○前之園喜一郎君 従来相当の数の議員立法というものが出ているわけです。そうして両院を通過して法律になつておるものもあるようでありますが、これらの法律案を私どもも審議しておるわけでありますけれども、こういうものに要する費用というものを拾い上げて見ると、到底今の国の財政では賄い切れるものではないのではないかという感じもするわけでありますが、最も大きいもの何千億円もかかるような法律案もあるでしようし、或いは何百億という金を要するような法案も通つておるわけでありますが、これに対して、これは新聞のことですからよく真相はわかりませんけれども、吉田総理大臣が、こういうような議員立法というものはとかく宣伝に利用される、従つて国民の疑惑を受ける虞れもある、だから成るべくこれは考えなければならんという趣旨のことを閣議であるかどこかで言われた。又野田建設大臣が旅行先で議員の立法はいけないというようなことを言つて大分問題になつたというものもあるのですが、現在までに通過しておりまする議員立法でいわゆる予算を伴うもの、大方のものは予算を伴うものでありましようが、政府と予算その他の点について十分なる連絡協調を保たれて提案になつておるものがどのくらいありましようか。若しおわかりであればお教えを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/37
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038・村上義一
○国務大臣(村上義一君) 御指摘の通り、予算に関係のある法律案の提出につきましては、それが立法府のほうで発案せられるという場合には、すべて政府と連絡をとつて頂くことに相成つておるのであります。今日までの提案せられた法律案、幾つになりますか、数は今記憶いたしておりませんけれども、すべて政府と連絡がとれておるのであります。この点御了承を願つておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/38
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039・前之園喜一郎
○前之園喜一郎君 そうすると、今まで通つた議員立法の法律で予算を伴うものは、その予算を支出するという了解ができているということに了承してよろしうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/39
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040・村上義一
○国務大臣(村上義一君) そういうことに御了承下さつて差支えありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/40
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041・前之園喜一郎
○前之園喜一郎君 次に運輸大臣所管の問題について二、三お尋ねしたいと思うのですが、最近運輸省関係のものについても非常に議員立法というものが多いようであります。この前通過しました道路交通事業抵当法或いは又ここに出ておる離島航路整備法案、更に今後出るのではないかという予想をされるところの私軌道の整備法のごとき、こういうものを見てみますると、私どもどうも非常に腑に落ちないものが多いのであります。例えばこの前陸運議員連盟の会でこれを提案するはずだという御意図の下に御説明を願つた私軌道の整備法案、これらを見てみますると、運輸大臣は御承知であろうと思うのですが、こういうことが書いてある。その一條の中に先ず私軌道で損をしたなら補助をする、建設するときは補助をする、災害があつたら補助をする、借金をしたら全額政府が補償する、こういうような法案を出そうとして我々に御相談になつておる、まだ提案にはなりませんが。そういうような法案もある。又ここに出ておりまするこの法案も只今非常に問題になつておるようですが、例えば私ども指摘いたしておりまする点といたしまして、離島航路の面、そうして安全な発達を遂げるということについては、異論はない。ただ併しながら多くの航路を持つておる、例えば一つの会社が五つなり十なり持つている場合に、その多くは非常に儲かつている、黒字を出しておる、たまたま一線か二線か損をしている、総体的に見ますと利益を挙げているにもかかわらず、損をしているものだけに補助をしなければ航路はやれないとか何とかいう問題が眼前に横たわつているという事情を見ても、非常に私ども不満に思うわけです。先ほど運輸大臣が申された通り、これは陸運にしても、海運にしても、公共事業なんであります。たまたま多くの線を持つておつて、一線損をするからこれを直ちにやめるとか何とかいつて一般公衆の迷惑も考えないというようなことでは、果して公共事業をやり得る資格があるのかどうかということを我々は考えるわけであります。将来この法案が若し通過すれば、この法案自体はそう大したものではありませんが、併し今申上げたような私軌道の整備法案だとか、或いは又ハスにしても、その通りであります。たくさんの路線を持つておつて、たまたま一、二線が損する線があればその線を援助してもらいたいということになればこれは理窟としては成立つものだと思う。これは陸と海の相違はあつても。成立つのではないか。そういう議論も前からあるわけでありますが、こういうような点についてはやはり運輸省としても根本的のお考えがあろうと私は思うわけであります。で、こういうような整備法案、或いは助成法案というようなものに対する運輸大臣の基本的のお考えをお聞かせ願いたい、こういうわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/41
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042・村上義一
○国務大臣(村上義一君) この離島航路を育成して維持改善を図つて行くということにつきましては、前刻一応申上げましたように、交通事業としての性質以外にいわゆる道路に代るものだという性質がありますので、その見地に立つて考えなければならんものだと思うのであります。それでこの点は一般的に交通事業を如何にして行くかという問題と意味が若干異なつていると私は考えております。で、一般交通事業につきまして御指摘になりましたような施設の整備というような見地からの補助を考えていやせんかというような意味に拝聽いたしましたが、今私としましても、私鉄につきましても団体、企業体によつて千差万別であります。併し私鉄につきましても設備が非常に荒廃いたしておる、又自然サービスが非常に悪い、沿線の国民が最小限度の要請をしてもそれが受入れられない設備その他の実情である、而もその会社は経営難のために資金をみずから調達せんとしても得られないというような方面も若干見受けるのでありまして、これらを如何にして公衆の要望に、而も最小限度の要望に応える、要望を満たし得るような施設をし、サービスを提供しできるように仕向けるということについては、かねてより種々考慮いたしているのでありまして、これらについてもいろいろ今検討を進めている次第であります。なお海運につきましても、御承知の通り二十四年以来エイド資金を融資いたしまして、半面民間市中の金融を慫慂して日本の商船隊復活の実現に努力して参つたのでありますが、御承知のごとく、エイド資金ももはや少く相成りまして、二十八年度以降はただその金利及び年々の償却というだけに相成りまして今後他の方法を講じなければ所要の目標とする輸出入物資五〇%を日本の商船隊で運ぶという必要性を満たすことが困難であると考えられるのであります。従いまして船舶建造等につきましても種々今検討を進めている次第であります。又一方、少しこれは趣きを異にいたしまするが、国民が所有しておりまする国有鉄道につきましても、戰時中から非常に荒廃しました設備が今なお復旧せずにうつちやられている部分が金額に見積つて千八百七十億に達しているのであります。恐らくこのままで十年も進んだならば運輸大臣は国有鉄道の或る線に対しましては運輸が危險であるから営業の停止を命じなければならんということも起りかねないと憂慮いたしている次第であります。又一方におきましていろいろ新線の建設でありますとか、或いは電化でありますとか、国民の要望は極めて熾烈なものがあることは御承知の通りであります。自然国有鉄道の運営ということにつきましても格段なる方途を今講ぜんければならんと考えている次第であります。あらゆる交通機関の整備につきまして種々憂慮をし、検討をいたしているような次第であります。私鉄の整備につきましても、その一環として考えつつあるような次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/42
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043・前之園喜一郎
○前之園喜一郎君 陸運と海運との相違についての大臣のお考えはよくわかります。そこで具体的の問題としてお聞きしたいのでありますが、先ほど例をとつて申上げましたように、ここにまあ十の航路を持つている。そういう航路を持つている会社があるかどうか知りませんが、十の航路を持つているのに、二つ赤字を出した、その他のものは黒字を出して総体的には黒字になつているというような場合に、赤字のものだけに対して補助をするという考え方について運輸大臣はどういうお考えでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/43
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044・村上義一
○国務大臣(村上義一君) 前刻御質問に対して申し残しまして、重ねて御手数をかけて誠に相済みませんが、この離島航路につきましては、航路の維持ということが問題なのでありまして従いまして会社を補助するという意味であつてはならないと思うのであります。御指摘になりましたように、会社が数個の離島航路を持つているという場合でありましても、そのうちの一つが維持できて行けない、その会社の自力ではその航路を維持して行けないという場合には、その航路に対して補助をして行かなければならん、性質上そういうことになると思うのであります。なおお言葉尻を忖度して申上げることは誠に恐縮でありますが、三つの航路を経営していて、二つは非常に儲かるというような場合にどうかというようにお話を債つたのでありまするが、今こういう離島航路は大体道路という観念が半分含まれておるのであります。従いましてこの離島航路に対する輸送料と申しますか、運賃と申しますか、これはもう極めて低率なものになつておりまして、自然離島航路で黒字が多く出るというような所は殆んどないというでもいいのじやないかと思つておるのであります。又非常に黒字の出るようなことであればその料金はどうしても下げる、低減せしめるということが望ましいのであつて、全く航路経営ということは、もともと公益事業ではありまするが、特に道路の意味を多く含んでおるのでありまして、一層その料金は低廉たるべきものであると考えておるのであります。自然数航路を一つの企業体が経営しておりましても、非常に黒字が多額に上るというようなことがあつてはならないと考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/44
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045・前之園喜一郎
○前之園喜一郎君 只今運輸大臣の御答弁で、実際上はまあそう黒字を出しておるものはあるまいという御想像の御答弁であるように承わつたのであります。そこで我々それらの点について十分な検討を加える必要がある。船のことは私も素人であります。どの会社がどういうふうに儲けておるとか、損をしておるというようなことは結局政府のお出しになる資料によつて検討するほかはない、而も我々出された資料というものが正確に把握されておるかどうかというところまで立入つて考えなければならんわけなんであります。ここにいわゆる補助航路の資料を頂いておりますが、要するにこれらも先方が出されたものをそれぞれ検討されてやつただけで果して実際にここに出された資料が正確であり。又御印刷になつたものが誤りないかどうかということもまあ疑問を持たざるを得ないような感じもするわけです。一つ一つの営業会社、実にこれには共通な費用というようなものがあるわけです。乗客の手当であるとか、事務員の給料であるとか、或いは設備費であるとか、共通の面も相当にあるので、これらに対する数字の出し方というものが果して正しいのかどうかというような点、詳しく我々検討しなければはつきりしたものは掴めないわけであります。そこでまあ非常に御無理なことをお願いして……黒字を出しておる航路に関しても資料を御提出願いたい、こういうことで只今審議を重ねておるような次第でありますが、そこで仮に私どもの考えまするように、具体的に総体的に考えて黒字が非常にあるというようなものに対して、赤字だけの補助をしてやるということは非常に我々の感情から言つて面白くないのではないか。そうしてこれは一般的に御承知のように今日の中小企業とも考え合せて見なければならんのでありますが、一般の中小企業などのごときものはこれは全く行詰りの状態である、立行かないものも非常に多い。こういうような点も考え合せて見まするときに、やや儲かる会社に、たまたま一航路又は二航路損をしたから国家補助をして行かなければならんというようなことは、国全体の産業の建前から言つてもどういうものであろうか、こういうようなことを考えておるわけであります。ただ併し只今大臣の御答弁のように非常に黒字というものが少いものであるかどうかということは資料によつて検討して、更にそれと只今の大臣の御答弁と合せて研究することにいたしますが、特に費用の関係のののにしてもいろいろ私は出るであろうかと思うのであります。先ほど申上げましたが、私鉄軌道の補助問題、或いはバスのごとき問題も出るかも知れません。こういう問題に対して運輸省としては根本的なものをお持ちになつていなければ非常に困るのであります。而もこれは議員立法として出る。あなたがお抑えになることはできない。国会議員の権能としてこれをやるのですから協議してもよし、協議しなくてもいいというようなものであります。出すことは穏当でありましようが、完全な自由意思によつて出せるのであります。こういうものに対して根本的に一つお考えを願いたいと思います。これの問題は又研究いたしまして重ねてお尋ねする機会があるかも知れませんから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/45
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046・小酒井義男
○小酒井義男君 安本のほうから出ておられるようですから、先ほどの御質問に繰返すことになるわけでありますが、一つお聞きしておきたいと思いまりす。先ほど私質問申して大蔵政務次官のほうからは御回答願つたのでありますが、差当り電源開発であるとか、外航船の建造というような相当巨額を要する重要な案件があるわけでございますが、こういう情勢の中でこの離島航路整備法によりまして大体十年間四十数億円という金融の必要が出て来るわけであります。これを安本のほうとして実行し得る、裏付け得ることに対してお見通しを持つておられるかどうかということをお聞きしたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/46
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047・阪田泰二
○政府委員(阪田泰二君) 只今お尋ねの件でありますが、先ほど大蔵政務次官からお答えされました通り、大体安本といたしましても今後における産業資金の需給見込、いろいろまあそういうことは検討いたしているわけであります。御指摘の通り電力関係、或いは造船関係等におきましては、依然としてなかなかまだ将来資金需要が相当あるというふうに見られるわけであります。そのまあ具体的な問題になつております離島航路の船舶の建造資金でありますが、それにつきましては今回国会のほうでかような趣旨で、離島航路に対していろいろ航路補助の制度を整備する、或いは利子の補給を新たにやる。こういつたような形がはつきりきまつて参りますれば自然と金融の面におきましても非常にめどがはつきりいたす。先ほどお話に出ておつたようでありますが、どういうふうな枠を設けて、開発銀行なり或いは見返資金から直接出す、そういうようなことではつきりここに現われているような額を毎年度出す、そういうようなことには、先ほど御説明ございました通りまあやりかねると思うのでありますが、実際問題としては国会においてこういうようなものがきまつて参りますれば、我々のほうも資金の金融の途も非常に工合よくなる、そういうふうに考えている次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/47
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048・小酒井義男
○小酒井義男君 それから次官に先ほどの質問で、少し答弁が私理解できない点が残つているので重ねて御質問するのですが、それは第一に申上げました日本開発銀行法の目的と本法との関係なんです。本法の当初の案である損失補償制という問題についてはいろいろ議論があると思いますが、開発銀行の建前から言つた場合には、一般金融機関に融資をさせて、それを、金融を奨励して行くというような建前になつているわけなんですが、その金融の方法について、当初案とこうして途中で変更された案との関連においてどういうふうにお考えになつているか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/48
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049・西村直己
○政府委員(西村直己君) こういつた離島航路を先ほど運輸大臣からお話がありました衆議院でもたびたびこの点御論議がありましたように、離島航路の性格から行きますと他の私企業とは大分性格が違う、言い換えれば公益事業の中で而も一種の道路に準ずるような性格であります。然もこれは資金の回転としては非常にかなり困難があるという趣旨から行きますとやはり開発銀行法の第一條に書いてある目的の性格が多分に入つて行くべきものだと私どもはそう考えておりますが、これらの若し金融を付けるといたしますればやはりそういつたところから資金源を或る程度探して参らなければならない。ただ先ほど来お話がありますように十年間に四十億を確実に確保し得るやという問題になりますと、長い間の資金計画、又一面電源初め各種の重点産業の資金計画とも合せまして行かなければならん。併し又一面におきましてこの法案の御趣旨、それだけ御熱意を持つてこういう航路を確保する、その住民の生命線でございますからそれに対しての重要度というものは、当然又その認識が特に挙つて参りました。こういうふうに私どもは考えております。具体的にそれじやすぐ枠を設定したらどうかという御意見も私どもは拝聽いたしておりますが、それらにつきましてはなお私どもに検討の余地だけを與えて頂きたい、こういう考え方であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/49
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050・小酒井義男
○小酒井義男君 やはりこうした離島航路整備に必要とするような金融は一般銀行ではなしに、開発銀行が直接これを取扱つて行くべき性質のものだというふうにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/50
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051・西村直己
○政府委員(西村直己君) 基本は勿論そうでございます。勿論開発銀行を使います場合でも或る場合には市中の他の協調融資とかいろいろな問題も起つて参ります場合もあろうと思いますけれども、他のどつちかというといわゆる企業ベースに乗りにくいものであつて而も国としても土地の国民と申しまか、住民にとつて極めて重要度の高いものであります。生命線に近いものでございます。そこいらにおける重要度というものを認めて参らなければならん、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/51
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052・小酒井義男
○小酒井義男君 そうすると非常にこの法案の趣旨にある十年間に四十数億というものを開発銀行一本に頼つて行くということについてなかなか困難な問題が残されているというふうに私ども思うわけなんですが、やはりこれ以外に方法はないわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/52
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053・西村直己
○政府委員(西村直己君) やや事柄が少し専門的になりまして申訳ないと思いますが、私どもの考えでは現在政府出資のこういつた面に向く機関としては開発銀行というものがある。併し開発銀行なんかも資金量には何と申しましても限度が、それから一方において莫大な資金の需要を要する軍事度の産業がございます。そこいらをかね合せて参りますれば必ずや、勿論これはあらゆる面から重要度のあるものが開発銀行に殺到して参ります、併しながら私どもこの法案を御提案し、又こうして国会で御論議を頂き、御答弁申上げる間におきまして單に一人の政務次官の思い付きで御答弁申上げているのではございません、財務局とも主計局とも十分打合せましてこうした損失補償でなく、利子補給の限度におきまして、而もなお航路整備のための金融措置につきましては何らかの形でそういう重要度を増して参らなければならん。ただそれを例えば開発だけ、或いは四十億必ず確保する、こういうふうなぎりぎりのものでここではつきり説明しろとおつしやられますと何と申しましても事柄が産業或いは資金こういう面がかなり弾力性を持つたものになります、なつて行かなければ又ならん問題ですから、そこでその点をぎりぎり結着の線まで私どもは御答弁申上げる段階にはない、併し十分その認識を持ち検討さして頂きたいと、こういう考えであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/53
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054・小酒井義男
○小酒井義男君 大体そうしますと各種の金融と睨み合せてやはり今後将来考えて行く場合には相当この必要とする金額を賄い得るには年数の上においては十年ということではむずかしい状態があり得ると、かように理解していいわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/54
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055・西村直己
○政府委員(西村直己君) 勿論十年という一つの仮定を置きますが、仮にいい場合を想像しますれば年間が短くなるということもあり得るわけです。問題は国の力の問題であります。開発銀行というのは政府全額出資でございますからそこに資金源その他の資金繰りというものが非常に豊かになつて参りますればこれは又なりますし、それから国の国力と申しますか、国の経済とおの互いの消長の関係をかみ合せて行かなければなりませんし、又一方他の国策的に取上げております重点産業との関連性もあろうと思います。併し他の一般産業よりは、或いは一般の問題よりはこの法案によつて又私どもこの国会の御論議を通じて責任を持つて重要度をいうものを加えて参りたいと、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/55
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056・小泉秀吉
○小泉秀吉君 政府委員に二、三お伺いしたいのですが、本法案の修正以前の補助を修正では削つてありますので、従つてこの船舶の建造又は改造のための資金というのはただ補給金はなくなつて、それで利子の補給だけというのが修正のあれなんですが、政府の御意見としてはこの修正案であつてもないよりはましだからこれでいいというのですか、修正じや困るからやはり原案通りのほうがいいのだというのか、その点政府の御意向を先ずお伺いしたいのです。先刻の運輸大臣のお話ですと、大体こういう法案が議員提出になる時分には政府のほうでも話合いがついて、そうして大体出ておるのだというようなお話もありましたから、それで私は提案者を無視するわけじやないのですけれども、あえて政府の御見解を伺つておるわけなんですが、ただ当局の海運局長でよろしうございますから政府委員としての御見解を伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/56
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057・西村直己
○政府委員(西村直己君) お答え申上げます。大蔵省のほうの政務次官の立場から御説明申上げますが、実は先ほど運輸大臣の申されましたようにこの議員立法につきましては御趣旨等につきましては事前に政府に十分御連絡もあり、又或る程度予算関係でございますから大蔵当局とも折衝がありました。なお事柄は国会の立法権、審議権の問題でございますので、国会の、これは経緯を申上げますと衆議院におきましては予算委員会とそれから運輸委員会の職員と各位といろいろ御折衝があつたようでございます。その間に私どもとしましても将来の財政負担、或いは金融機関の金繰り等の関係等、又他産業との関係等も考えましてできますれば大蔵当局といたしましては大臣初め私どもがこの修正案で行つて頂けると非常に予算措置と併せまして確信が持てる、こういう考えでおるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/57
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058・小泉秀吉
○小泉秀吉君 非常に明快なような御答弁のようだが、先刻伺つたのと今のと総合して伺うとそれほどはつきりしているのならば利子を四分補給するということに対して少くともここ一、二ヵ年に対しては大蔵当局はどのくらいの金を貸すのだということの御見込も立つているし、それに対する利子はどのくらい出せるのだというようなことがきまつていなければ先刻のお話と今のお話との食い違いがあるようで私にははつきりしないのですが、ただ漫然この法律が通ればそのときの事情で貸せる金があつたらば、或いは貸せる人があつたらその補給はでき次第出すのだというようなことだと、今のお話と非常に違うような感じがするのですが、その辺に対して素人わかりのするようなお話を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/58
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059・西村直己
○政府委員(西村直己君) 御答弁申上げます。実は金利の利率四分、それからその額とか、そういう点につきましては勿論今後この法案の成立した上で、大蔵当局の財政負担、これは只今補正予算を組むかどうか、これもまだ政府といたしましては方針がきまつておりませんが、仮にそういつたような事態が起つて来る場合というものも考えまして、それらの状況の進行に従つて御相談もして参りたい、こういう考え方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/59
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060・小泉秀吉
○小泉秀吉君 そうしますと、法律が通ることは結構だが、場合によつては一文も利子の補給はできないことがあり得るのだ、そういう法律を今作つておけと、こういうようにとれるのだが、表現が非常にまずいけれども、そういうふうに了解していいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/60
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061・西村直己
○政府委員(西村直己君) 一文もそういうことを想像しない、こういう意味ではございませんで、勿論これは事柄が財政負担になる面でございますから、財政の状況と勘案して、この法案を勿論趣旨を通し、この法案が立派に動くようにはして参りたい、こういう考えではおるわけであります。ただ今のところ具体的にそれではどのくらいの利子額を財政負担にし、そうしてそれに伴う金融額はどのくらいだという、それをかなり具体化した段階までは行つていない、こういう状況になつておることは事実であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/61
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062・小泉秀吉
○小泉秀吉君 関係資料は、恐らくこれは運輸当局が御関係になつていると思うのですけれども、関係資料でいう利子の補給、二十七年度というようなことなんだが、これは二十七年度、二十八年度くらいの金はこの法律が通れば大体運輸当局の御関係では計上されるおつもりであるのか。もう一つは新造並びに改造ですか、そういうようなものに対してこの参考資料を全部見ると、随分改造も新造もしなければならない航路がたくさんあるように思うし、又そうだろうと私も思うのですが、差当りどういう航路のどこの所有のものを大体改造或いは新造してやるつもりだというような御腹案があるのか、或いは離島航路に従事しておる会社は、この法律ができると皆がわんさわんさとおれのところはこういう調子だから改造をしてくれというようなことがあなたがたのほうへたくさん希望があつて、それを今度は又選択するというような順序になるのか。少し行き過ぎた御質問でありますけれども、その辺に対するお見通となり御腹案を運輸当局にお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/62
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063・岡田修一
○政府委員(岡田修一君) この予算額を立てまするときに会社名、航路名等を予定と言いますか、希望をとつて立てておるわけでございますが、最初損失補償等の規定が実現される場合の希望者をとつたわけでございます。従いましてこの法案が修正になりますると、この金額よりは多少少くなつて来るという考えを持つております。これによつて非常に多数の者が殺到するかどうかということはちよつと今のところ考えられませんが、この利子補給制度でございますると、自分で金を調達しなければならない。仮に開銀から出されるにしましても、開銀は協調融資でございますから、残りの半分は市中銀行、或いは長期信用銀行に頼らなければならない。そういうような制約もございまして、真に止むを得ざるもの、ぎりぎりのものだけが出て来る。かように考えておりましてこれによつて非常に多数のものが一時に殺到して捌くに困る、不幸にして予定しておりまする金額よりも遥かに多くなるというようなことはあり得ないのではないか、かように考えます。併しこの法案が通ることによりまして、今まで新造をしたくてもなかなか資金の調達が得られなかつたというものが、こういう法案のバツクによつて、而も政府が利子まで補給してくれるというこの力の入れ方によつて、融資の途が大きく開かれるということは、私ども固く信じておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/63
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064・山縣勝見
○委員長(山縣勝見君) ちよつとお諮りいたしますが、経済安定本部の阪田局長が若しも御質問がなければ他に用件があるので退席したいというお申出でございます。若しも御質疑があれば在席するということでございますが、如何でしようか。御質問ございませんか、阪田君に対して……。若しもないようでしたら阪田君は退席してよろしうございますか。それじや……御質疑をどうぞ続けて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/64
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065・小泉秀吉
○小泉秀吉君 大分様子がはつきりしたように思います。そうしますと、利子補給は、この法律がパスしても、結局新造或いは改造の希望者が出て来て、その希望金額に応じた利子補給というようなものがおよそ出て来なければ、今の段階では予算の問題にまで行かないから、法律ができたあと政府の財政状態を睨み合とて、非常に多数になればその中からエレクトすることがあるが、多数でなければ極めて少数の金になるから、大体何とか賄えるであろう。それをまあ漸次経続して、年度割でやつて行くというようなお考えであると了承していいのでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/65
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066・岡田修一
○政府委員(岡田修一君) その通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/66
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067・高木正夫
○高木正夫君 前回も航路に対して補助するのか、会社に対して補助するものかという問題がありまして、私は前之園君と意見が違つて、航路に対して補給すべきものだという考えを持つておることを申述べたのでありますが、それが丁度今日は運輸大臣の御答弁と一致しておるわけであります。当然そうあるべきだと私は固く信じております。ところでどの航路に対して補助すべきかというこの問題が一番重点だろうと思うのであります。現在やつておる会社が赤字だから、その会社に補給する、補助をするということだけでは少しもの足りんと思うのであります。もつと客観的の何か標準がないものであるか、その辺がぼやつとして……私もいい考えが出ないのですが、現在やつておる会社に補給するということであれば、その会社の経営者の能力ということにも関係して来るだろうと思います。そこの点がもう少しはつきりした何か標準があるのかどうかということを一つお尋ねしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/67
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068・岡田修一
○政府委員(岡田修一君) 補助航路を選定いたします場合、先ほど御答弁申上げました通り、申請のありました航路の中から特に必要なものを選んでおるわけでございますが、その地理的な條件といたしましては、その航路以外に交通手段がない、或いは他に交通手段があつても非常な不便である、海上で行くと、二、三時間で行けるのが陸上で行くと十数時間もかかるというような場所、こういうふうな所、それから当該航路が郵便物を輸送しておる、或いは生活必需物資の輸送をやつておるというふうなことが、まあ端的に言いますと、丁度陸上の国道若しくは県道に等しいような機能を持つておるというようなものであつて、そうして而も今日配りましたような精細な資料をとりまして会社が最も妥当な経営をしてもなお赤字が出る、かように認められるものに対して補助を出しておる次第であります。赤字を出しておる航路と言いますと相当ございますが、併し余りにも微細で、特に国が見る必要はないというふうなところは当然省く、かように考えましてさような航路のうちの重要なものを現在やつておるという状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/68
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069・高木正夫
○高木正夫君 その経営のうまく行つておるかどうかの判定はどこでなさるわけでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/69
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070・岡田修一
○政府委員(岡田修一君) 本日お配りしたかと思いまするが、かような航路補助損益見込計算書或いは補助航路損益計算書によりまして、先ず第一にその航路に配船しておることがその航路の需要に適当であるかどうかというような面から、その船が年間走ります場合にどれだけの経費が要るか、その経費のうちでも船員費が幾らであるとか、燃料代が幾らであるとか、船員費が果してその地方の船員の給料から見て高いか、安いかというふうなことから、或いはその燃料代にしても果してそこで使つた燃料代が他に比して安いかどうかというようなことも、或いはその償却の面をどういうふうに見るかというようなことを詳細に検討してまあ一隻々々の船に当つて検討してやつておるわけでございますが、実はこの次に資料を御説明するときにその点を御説明したいと考えておつたのですが、或いは御説明が必要でございますればいたしてもよろしうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/70
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071・高木正夫
○高木正夫君 もう一つ離島航路の補助というものは、先ほどお話もありましたように、まあ道路に代るのだということでありますが、それは言い換えれば、その航路がなくなれば島民の生活を非常に窮地に陷れるということもあろうかと思うのであります。而も更に進んで参りますと、先ほど他の委員からお話がありました通り、陸上の交通関係とのバランスの問題が起つて来るであろうと思うのであります。具体的に見て甚だ差支える点もあるかも知れませんが、例えば宇和島と別府の航路のごとき、これはまあ特殊の事情があろうと思うのであります。或いは鉄道も当然敷設すべきものをしないで、鉄道がやるべきものをしないでやつておるという点があるのかも知れませんが、あの程度の問題になつて参りますと、先ほど小酒井先生から言われた通り、陸上のバスの問題でもそういう問題が起つて来るのじやないかと思います。これは具体的に何か事情があるのかどうか、若しあつたとして了解いたしまするといたしましても、これから後のものに対しても相当慎重に、これはそういう方面の航路については慎重にお扱いを願いたい、こういうふうに考えておる次第でございます。今の宇和島、別府航路について一応御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/71
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072・岡田修一
○政府委員(岡田修一君) 宇和島、別府航路につきましては、あの航路の存続がその地方のまあ住民並びに産業に非常に重大な関係がある。今御指摘にありましたように、省営であの航路を経営しろという運動が非常に熾烈であつたほどこの航路の必要性が強かつたのであります。あれを省営航路としてやるかどうかということについて、まあ非常に議論があり、且つ疑問がありましたので、その航路の重要性と、それを強化する必要性に鑑みまして、他の政府のとり得る方策として、その航路に航路補助を交付して来たというのが実情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/72
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073・山縣勝見
○委員長(山縣勝見君) ちよつとお諮りをいたしますが、皆さん御質疑がなおいろいろおありと思いますが、運輸大臣、只今他の所用で、質疑の有無を尋ねてもらいたいという要求がありましたが、運輸大臣に対する御質疑ございますか、……ありませんか。……それでは運輸大臣は退席されてよろしうございますか。……それではどうぞ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/73
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074・高木正夫
○高木正夫君 今の御説明ではもう一つ、ちよつと納得行かんと思うのでありますが、この法案で「船舶以外の交通機関によることが著しく不便である地点間」とあるので、これに当るのだろうと思うのでありますが、この程度のところであると、まあほかにも大分あるだろうと思うのであります。その他の例を挙げて見ますると、相手方が皆小さい島で、そうしてそれがなければその島民の生活を脅やかす、こういうことになるだろうと思うのでありますが、この問題は一方は四国であり、一方は九州である、そうして別府に行くのには、松山まで行けばいいので、多少の不便はあると思うが、著しく不便であるかどうか。そういうことになるとほかの航路もたくさんありまするし、又陸上で言えば先ほど小酒井先生が言われた通り、例えばハス事業なんかでも山間に随分あると思うのであります。そういうところも補助せねばならん、こういうことになつて来るのじやなかろうか、こういうふうに私は思う。もう少しこれについて納得の行くような御説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/74
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075・岡田修一
○政府委員(岡田修一君) 御指摘の通り宇和島、別府航路につきましてはここに言つておりまする離島航路とは大分性格が違うかと存じます。実は離島航路補助という概念は、今度の法律で出て来たわけでございますが、これまでにおける、と言いますか、現在までにおきまする宇和島、別府航路につきましては、先ほど申しました関係地方の住民の便益、産業、こういう面に至大の関係がある航路がなくなるということは、九州と四国の連絡に非常な不便を與えるという意味からいたしまして、これに便益を與えておる次第でございますが、お説の通り離島航路なるものを厳格に何すると、この航路に対する補助というものがやや困難性を帶びて来るわけでございまするけれども、若しこの航路がなくなりました場合の九州と四国の間の不便の程度を考えて頂きますること、これも準離島航路という解釈の中に押込めて頂けないであろうか、かように私ども考えておる次第でありまして実はこの航路補助の法律が出される前のものでございまするし、又その必要性から言いましてもあえて他の離島航路に劣らないのではないか、かように考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/75
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076・高木正夫
○高木正夫君 大体納得したことにいたしておきますが、これで宇和島、別府間の補助をやめようとは私は言わないのであります。すでにやつていることでありますから、ただこれから後この法律が通つた場合に、これに類するようなものが出て来ないように一つ取扱を厳重にして頂きたい。それだけ申上げて質疑をやめます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/76
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077・山縣勝見
○委員長(山縣勝見君) その他御質疑はございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/77
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078・岡田信次
○岡田信次君 海上運送法二十條による補助のうち、離島航路の補助というのはどのくらいあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/78
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079・岡田修一
○政府委員(岡田修一君) 二十六年度におきましては航路数が二十六航路、三千二百万円。二十七年度にそれが三十一航路、三千五百万円になつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/79
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080・岡田信次
○岡田信次君 ちよつと聞き漏らしたのでありますが、二十條による補助のうち、今の数字が離島航路の補助の数字でありますか、全体に対する割合と言うか…。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/80
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081・岡田修一
○政府委員(岡田修一君) 先ほど御指摘のありました宇和島、別府航路が離島航路でないという御解釈ならばこれだけを除くわけでありますが、私どもはすべてが離島航路と、かように考えている次第であります。離島航路以外は補助金を出しておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/81
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082・岡田信次
○岡田信次君 そうすると、特にこの離島航路整備法というものを作らなければならないというのはどういうわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/82
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083・關谷勝利
○衆議院議員(關谷勝利君) 大体私たちが最初にこの離島航路の法案を準備いたしまする場合には、最初の案といたしましては建造補助、改造補助、施設に対する補助、なお損失補償というようなことも一緒にしてそういうことも皆考えておりましてそうして海上運送法の中にあります航路補助を含めますと、すべて離島航路に対しまする全般のものがこれに含まれる、そうして一本化に整備したいというふうに考えてこの中に入れましたのが、おいおい削られましてこういうことになつたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/83
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084・岡田信次
○岡田信次君 そうすると、その点はいいといたしまして、その離島航路整備法が施行されますというと、海上運送法の二十條による補助はなくなるわけですね。ところが今お話によると殆んど離島航路だと言うから余り実害はないようでありますが、さつきのお話の宇和島航路は離島航路としなければなくなつてしまうわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/84
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085・岡田修一
○政府委員(岡田修一君) この補助に関する法律の規定でございまするが、法律の規定がなくても予算で認められるならば予算が負担と言いますか、予算で認められれば国と会社との契約によつて補助が出せるわけであります。ただ法律で規定されてありまするとその根拠がはつきりするというので、戦後すべてこういう補助関係のものについては法律を制定するという例になつておりますのですが、必ずしもこの海上運送法から補助の規定を省いて、而も宇和島、別府航路が離島航路に入らないという解釈をとられても、補助は出し得ないというものではないと考えております。併し離島航路という解釈の中へ十分入り得るように解釈できるものであろう、かように私ども考えておりますので、宇和島、別府航路につきましては、離島航路整備法の対象としてきたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/85
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086・岡田信次
○岡田信次君 第二條に離島航路の定義がありますね。これを見ると宇和島、別府というのは、九州と四国は両方とも離島と考えられないが、そうでないとこの解釈は無理ですね。だから私は離島航路という名前をとらないで、むしろ二十條に、海上運送法二十條にありますような言葉でやつたほうがいいのじやないか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/86
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087・岡田修一
○政府委員(岡田修一君) ちよつと提案者から御説明されるべきことで、私が言うのは出過ぎかと存じますけれども、私から補足的に説明さして頂きますると、この中に船舶以外の交通機関によることが著しく不便である地点を連絡する航路という、こういうことがございます。若し宇和島、別府航路が廃止になるということになりますと、両地間を交通する人は遥か遠くを廻つて行かなければならない、非常に大きな時間的或いは経済的な不利益をこうむる、かように考えられます。従いましてこの條項に該当し得るものと、かように解されると考えるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/87
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088・山縣勝見
○委員長(山縣勝見君) その他御質疑ございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/88
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089・小泉秀吉
○小泉秀吉君 一つだけ伺いますが、元の原案十七條ですね。十七條に府県の條項があるのですけれども、全部削つてありますると損失補償がなくなつたから、府県の問題は自然に消えたのでしようけれども、利子の補給というようなものは極めてわずかなことだから、府県にまで言及しなくてもいいというような御趣旨なのか、何かはかにまだ理由があつて府県の問題を削除したのかこの点に対してちよつとどなたからでもいいからお話を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/89
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090・關谷勝利
○衆議院議員(關谷勝利君) 利子補給になりますと、極めて些細な金高でありまして、そのために府県を統制するというようなことは非常に不合理である、かように考えて削除いたした次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/90
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091・山縣勝見
○委員長(山縣勝見君) 御質疑がなければ、本案の質疑は次回に続行することにして、本日はこの程度で打切りたいと思いますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/91
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092・山縣勝見
○委員長(山縣勝見君) それではさようにいたします。委員会はこの程度で本日は散会をいたします。
午後三時四十九分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101313830X02919520612/92
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