1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
昭和二十八年六月二十日(土曜日)
午前十時三十二分開議
出席委員
委員長 小島 徹三君
理事 青柳 一郎君 理事 松永 佛骨君
理事 古屋 菊男君 理事 山下 春江君
理事 長谷川 保君 理事 堤 ツルヨ君
越智 茂君 加藤鐐五郎君
助川 良平君 田中 元君
安井 大吉君 萩元たけ子君
杉山元治郎君 亘 四郎君
出席政府委員
厚生政務次官 中山 マサ君
厚生事務官
(社会局長) 安田 巖君
委員外の出席者
厚 生 技 官
(公衆衛生局環
境衛生部長) 楠本 正康君
専 門 員 川井 章知君
専 門 員 引地亮太郎君
専 門 員 山本 正世君
—————————————
六月二十日
理事高橋等君の補欠として青柳一郎君が理事に
当選した。
—————————————
六月十九日
健康保険法の一部を改正する法律案(内閣提出
第五〇号)
厚生年金保険法の一部を改正する法律案(内閣
提出第五一号)
の審査を本委員会に付託された。
—————————————
本日の会議に付した事件
理事互選
と畜場法案(内閣提出第一七号)
民生委員法の一部を改正する法律案(内閣提出
第一九号)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604237X00419530620/0
-
001・小島徹三
○小島委員長 これより会議を開きます。
まず、理事の互選についてお諮りいたします。去る十七日、理事の高橋等君が委員を辞任されましたので、それに伴い、理事の補欠選挙を行いたい存じます。その選任の手続に関しては、委員長より指名することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604237X00419530620/1
-
002・小島徹三
○小島委員長 御異議なしと認めます。青柳一郎君を理事に指名いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604237X00419530620/2
-
003・小島徹三
○小島委員長 次にと畜場法案を議題とし、質疑を続行いたします。長谷川委員。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604237X00419530620/3
-
004・長谷川保
○長谷川(保)委員 この法律は、全体としては非常にいい法律だと思いますが。簡易屠場の問題で、これが部落の周辺に非常にたくさんつくられて、環境改善上非常に困る面が出て来はせぬかというおそれがあるのでありますが、この点について当局はどういうようにお考えになつておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604237X00419530620/4
-
005・楠本正康
○楠本説明員 これは、本法にもありますように、場所を決定いたします場合には、十分に環境衛生上の見地を注意いたしまして、認可するように、第四条第一項の条件に相なつております。従いましてただいま御指摘のような場合は、この第四条に違反することに相なります。従つておそらく認可が得られないのではなかろうかと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604237X00419530620/5
-
006・長谷川保
○長谷川(保)委員 今日まで全国の部落が非常に水準が上つて参りまして、ほぼ一般社会と同水準になつて来たところもずいぶん多く見受けられるのであります。われわれは喜びにたえないのでありますけれども、しかしただいま申しましたように、せつかくここまで水準の上つて参りました部落が、この種屠場が多数できますと、そこにいろいろな意味におきましての悪影響を生ずるおそれがあります。それをこの第四条で一応ある程度セーブできるというようなお話でございます。しかし簡易屠場のつくられます距離等の制限は別にないようでありますが、今申しましたように、簡易屠場が多数できまして、風教上おもしろからざる事情が起りはせぬか、あるいはまた今までのいわゆる差別観念的なものにさらにまた逆行するおそれはないか、そういう点を憂えるのでありますが、当局の御意見を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604237X00419530620/6
-
007・楠本正康
○楠本説明員 御指摘の点は、婉曲におつしやつた点につきましても、よく理解したつもりでございます。これは由来経営が成り立つことが根本原則でありまして、従つて小さな部落等に多数できますれば、昨日も申しましたように、たとい施設費がわずかに五十万円程度とは申せ、経営が成り立たぬことになります。従いましてそういうようなものは、むしろそちらの方面から結局はできないことになるのではなかろうかと存じます。それから一方距離制限につきましては、屠場行政の立場から申しますれば、施設が支障なし、また環境上から申しましても支障ないというようなことになりますならば、あえて距離制限をするというようなことはどうだろうかというふうに考えております。かような点はむしろ実態に即した、現実の正しい指導によつて解決すべきものだ、かように考えてはおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604237X00419530620/7
-
008・長谷川保
○長谷川(保)委員 その点はあるいは矛盾する考え方であるかとも思うのでありますが、簡易屠場を設置いたしまする規模、費用等、先日の同僚委員の御質問によつて、大体二十坪、五十万円というようなお話を承りましたが、非常に微妙な点ではあるかと思いますが、むしろその設備費用等をしんしやくし、簡単なもので許可するようにいたしますれば、農村至るところに簡単にできまして、有畜農家のためにするというこの法案の目的が、むしろ至るところで実現される。そうなればいわゆる部落の周囲に密集するというようなことはなくなる。今お話の通りに、そういうようなものは一箇所にありまししも営利的に成り立たない、こういうことになるかと思うのでありますが、設備についてもつと簡易にする御意思はありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604237X00419530620/8
-
009・楠本正康
○楠本説明員 施設を簡易にいたしますればするほど、農村等にもそれだけ普及いたすことは御指摘の通りだと思います。しかしながら、一方簡易にいたしますと、やはり衛生上の危害というようなものも相当考えなければならぬと存じます。従いまして一方では農村の畜産振興というようなことを考えつつ、どの程度まで緩和するか、一方また衛生面を考慮いたしまして、どの程度に押えるかというような点に調和を求めなければならぬのであります。その調和を見出すことはできないのでありまして、この辺で私どもはこの調和を見出しているというふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604237X00419530620/9
-
010・長谷川保
○長谷川(保)委員 今日の農村の実態から見ますと、できればこれは部落ごとぐらいにつくりたいと思います。そういたしますと、私は一箇所五十万円という額は大きいと思うのであります。一村に一箇所ぐらいならば可能でありますが、いわゆる部落単位に持つて行くということになりますと、五十万円ではちよつとむずかしかろうと思います。そういう点、どういうふうにお考えになつておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604237X00419530620/10
-
011・楠本正康
○楠本説明員 これはおつしやるように、使用者側から見ますれば便宜であろうと存じます。これはたびたび申し上げる通りであります。しかし一方、人畜共通の伝染病というようなものもかなり多いのでありまして、また従来の実績に徴しますと、総屠殺数の約三〇パーセントが何らか支障がありまして廃棄処分、あるいは部分廃棄等の処分を受けておるわけであります。従いましてかなり大きな数字が危険にさらされておると考えなければなりません。かようなことを考えますと、やはり衛生上ある程度の規制を守らなければならぬものと考えます。従いまして部落ごとにこれ以上簡単な施設をつくるというようなことは、その点で少し支障を来すのではなかろうかと考えます。また一方、現在私どもは簡易屠殺場の施設として、もちろん例外はありますが、通例といたしまして一日十頭程度の屠殺を考えておるわけであります。まず十頭程度ということになりますれば、どうやら経営の面からも可能であるし、支障なく実施ができるのじやなかろうかというふうな点も考えております。従いましてあまり部落ごとにつくつても、その数字すらにも達しないような場合もあると存じますので、これは経営面からして行き詰まりを来しはしないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604237X00419530620/11
-
012・長谷川保
○長谷川(保)委員 なおわが党といたしましては調査すべき点があるので、質問を留保いたしまして、この程度で終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604237X00419530620/12
-
013・小島徹三
○小島委員長 加藤委員。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604237X00419530620/13
-
014・加藤鐐五郎
○加藤(鐐)委員 私はほかの会合とちようど時間が衝突いたしておりましたので、あるいは済んだかとも思いまするが、今回簡易屠畜場ができましたことは、まことにけつこうでございますが、従来におきましても衛生の見地から見て、それがぐあいよいよ行くかいなかということを心配いたしておる次第でございます。従来の公設の屠場におきましてもはなはだ遺憾な点があつたのでありまするが、この簡易屠場においても同様に検査は厳重にされるのでありますか、どんな手続でやられるのでありますか、それをちよつと伺つてみたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604237X00419530620/14
-
015・楠本正康
○楠本説明員 簡易屠場におきましても一般屠場におきましても、検査の手続あるいは検査事項等はまつたく同様でありまして、簡易屠場と申しましてもやはりさような意味で検査は極力徹底的に行うのであります。また肉類は、その検査の完了いたしました検印がなければこれを販売できませんので、簡易屠場において屠殺されましたものも必ず検印を受けることに相なります。ただこの場合相当な検査員の人数が必要と相なりますが、この点に関しましては、しつかりした民間の団体に勤務しておるような獣医師をも県の職員といたしまして、検査に従事させて行きたい方針でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604237X00419530620/15
-
016・加藤鐐五郎
○加藤(鐐)委員 普通の屠場におきましても、機構、検査の手続はただいまお話の通りでございますが、またいろいろの検査の手続を今ちよつと読んでみますと、患部を切るところのメスは違つたメスを使わなければならぬとか、いろいろなこと規定してありますが、実はそれが完全に行われておらないというのが実情でありまして、れは検査を厳重にされることであろうと思います。またしなければならぬと思いますが、簡易屠場ができますと、そういう検査ということが完全にできるでありましようか。その辺のところ——するとおつしやることは申すまでもないのでありますが、手が及びますかどうかということをもう一言伺つておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604237X00419530620/16
-
017・楠本正康
○楠本説明員 これはおつしやるように、私どもといたしましては検査すると申し上げるほかございませんが、検査に従事いたします人間は、ただいま申し上げましたように相当な増員を考えなければならぬと思います。また多数の簡易屠場の施設の指導監督というようなものには十分県当局がこれに当らなければならぬものと考えます。また簡易屠場におきましては大動物、たとえば牛とか馬とかいう大動物は扱わぬことに相なつております。と申しますのは、大動物はえてして人畜共通の疾病が多くありますので、かようなものを扱わずに、もつぱら豚あるいはやぎというような小動物を対象として考えておるわけであります。この点から申しましても、私どもはこの程度であるならば衛生上の危害は起るまいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604237X00419530620/17
-
018・加藤鐐五郎
○加藤(鐐)委員 ただいまの御答弁きわめて安易な答弁でありまするが、実際一々あげなくても、御承知の通り幾多の伝染病、幾多の恐るべき病毒を持つている家畜があるのであります。それが公設の屠場でありますと、そういうものを実際上屠殺できることになるのであります。しかるに簡易屠場になりますと、検査員も少いし、そこにいろいろの情実も生じます。そういうものを屠殺し、そして判を押すということはあり得べきことなのでございまして、私がもうこれ以上かれこれ言う必要はありません。厳重に衛生的の見地で、ただ利便をはかるということが主でなくして、利便をはかると同時にそういう病毒の蔓延、不良なる食肉を一般の人らの販売の用に供せぬ、こういう検査を私は厳重にしていただきたい、これに遺憾なきを期していただきたい、こう思うのであります。何か御答弁があればそれだけ承つておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604237X00419530620/18
-
019・楠本正康
○楠本説明員 ただいま御指摘のように、この屠殺経営という業態はきわめて複雑な業態でありますことは、私自身もよく承知をいたしております。今後はできるだけ屠畜検査員をしばしば交代するとか、あるいはその監督を厳重にするとかいうようなことをいたしまして、一層屠畜検査の正しいやり方を確保して参りたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604237X00419530620/19
-
020・加藤鐐五郎
○加藤(鐐)委員 私はそれを強く希望いたしておきます。これで私の質問を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604237X00419530620/20
-
021・小島徹三
○小島委員長 他に本案について御質疑ございませんか——他に御質疑もないようでありまするから、次に移ります。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604237X00419530620/21
-
022・小島徹三
○小島委員長 次に民生委員法の一部を改正する法律案を議題とし、質議を続行いたします。堤委員。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604237X00419530620/22
-
023・堤ツルヨ
○堤(ツ)委員 社会局長に少しお尋ねいたしますが、今年もまたわれわれの手元に婦人民生委員大会の案内が来ておるわけでございます。聞くところによりますれば、婦人民生委員の数がだんだん減りつつあるということでありますが、二十五、二十六年あたりの婦人民生委員のトータルがございましたらお知らせ願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604237X00419530620/23
-
024・安田巖
○安田政府委員 お答え申し上げます。昭和二十七年の八月一日の調べで十一万三千八百三十九人の民生委員のうちで、御婦人の方が二万一千五百三十人でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604237X00419530620/24
-
025・堤ツルヨ
○堤(ツ)委員 私は前からの減りぐあいをずつと知りたいのですけれども、そこのところをもう一度——わからなければあとでもよろしいが、ちよつと質問を進めて行きましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604237X00419530620/25
-
026・安田巖
○安田政府委員 それではひとつあとで……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604237X00419530620/26
-
027・堤ツルヨ
○堤(ツ)委員 私は局長にお尋ねしたいのでございますが、民生委員のあり方につきまして、いろいろ申し上げたいことはたくさんございますけれども、私はかねがね民生委員というものは、少くとも半数以上は婦人でなければならないということを主張して参つたのでございます。それでこいねがわくは政府当局におかれても、おひつの中、そうしてボロまで注意してもらわなければならない民生委員は、婦人民生委員をできるだけふやすように努力していただきたいということを、かねがねお願いして参つたのでございますが、それに対して政府はいかなる積極的な手を打つて来られたか。近時減つて来ておるという傾向にあるこれについて、どういう見解を持つておられるか、トータルをお示し願つても、これは減つて来ておると思いますが、それについてまずそのお考えをお聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604237X00419530620/27
-
028・安田巖
○安田政府委員 婦人の民生委員の方がたくさん出られますことは、私どもたいへんけつこうなことと思つておるのでございまして、仰せのように、こまかいことにも心が行き届くというようなこともございましようし、また保護を受ける方が、未亡人世帯等も多うございまして、そういう方がまた婦人民生委員さんのところには行きやすいというようなこともございましようから、私ども実は賛成なのでございます。今の厚生省の政務次官がちようど御婦人の方でございますので、政務次官からもぜひ婦人民生委員をふやすようにしろというお話があるわけであります。ただ規則か何かに書きまして、婦人民生委員は半分でなければならぬとか、あるいはどういう割合でなければいかぬとかいうようなことは、男女平等の原則に反するようなことになつてもいけませんので、この点はそういう指導はできぬのじやないか。いろいろそういう要望がありながら、実際問題としてはこれは二割くらいでございますけれども、やはり一方から申しますと、婦人の方はそれぞれ家庭を持つておられて忙しいものでございますから、男の方と違つて、要望はしながら、実際にさて出すとなるとむずかしいような事情があるのじやないか、こういうふうに推察いたしております。私はそれほど減つてはいないと思つておりますけれども、いずれ調べましてまた御報告申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604237X00419530620/28
-
029・堤ツルヨ
○堤(ツ)委員 外国の例を見ましても、婦人民生委員というのは、日本の数に比べて比較にならないほど多いのでございます。地方の生活要保護の対象者、それからあらゆる方々の意見を承りましても、全国至るところに婦人民生委員をふやしてほしいという声は非常に多いのでございます。でありますのに、ただいまの婦人民生委員の推薦委員会というものは、とかく男子の方方中心でございまして、実際民生委員の保護のもとにある人々の声が相通じない、従つておよそ民生委員というものは、宙に浮いたものであり、また実情に即しないものであるというところの声が多いのでございます。たとえば一つの町に例をとつて見ますれば、疎開して来て何ら郷土の事情に、その町の特殊事情に詳しくない人が、顔でもつて民生委員になつたり、おおよそ貧乏とは縁遠いところの素封家の御主人やおばあさんが民生委員の大部分を占めて、顔と肩書をかせいでおるというような始末でございまして、貧乏人の子供などは、見ても汚らわしいというような民生委員があまりにも多いということは、私は政府に反省を求めなければならないと思うのでございます。従つてどうか婦人民生委員を積極的にふやす手をお考えいただきたい。もちろん私は中山厚生政務次官とは数日前から婦人民生委員のことについては語り合つておりますが、私が安田局長に申し上げておるのは、厚生政務次官に中山マサさんがなつてからの御処置をお尋ねしておるのではない。過去数年叫び続けて来た婦人民生委員についてどういう処置をとつて来られたかということをお尋ねしたい。おそらく政府は積極的な手を打つておられないと私は思う。民生委員は全部がボスのような存在であり、また実情にそぐわない人ばかりであるとは申しませんが、あまりにも非難されておる民生委員の数が多いということは、民生委員の制度があつても、その実をあげ得ないという結果に終つておる。はなはだしきに至つては、大阪のある母子寮に、やかましくいわれて母子世帯を入れたところ、それは民生委員の第二号であつたというような実例もある。母子福祉資金の貸付などもいろいろと私たちは案じましたが、民生委員をかさに着て、弱い、生活苦にあえぐところの母子世帯を脅迫するというような民生委員があるということは、文化国家としてまことにふさわしからざることでありまして、私は政府に慎重に胸に手を当てて反省してもらわなければならぬと思う。私は過去六年議会で厚生委員をやつて参りましたが、全国の民生委員大会が年ごとに開かれるたびに、その都度政府に非常に反省を求めて参つたのでございますが、政府においては何ら積極的な手を打たれない。しかも民生委員法の一部改正法をお出しになつても、枝葉末節であつて、私は本旨に少しも触れてもらえないということを残念に思います。この民生委員法の一部改正の法案の審議にあたつて、私は強くこれを要望し、今局長のお答えになるように、民生委員はその半数なり七五%が婦人でなければならないというようなことを明記いたしますと、もちろん男子の基本的人権を侵すということになりますが、そういうことは絶対ないと思いますから、通達なり、また局長などのお考えでしかるべき手が打てるのじやないか。また地方とももう一度民生委員会制度については懇談されまして、一大改革を加えてもらわなければ、ほんとうにこの零細な人たちの家庭を救うということはできないと思う、嘆かわしい実例がたくさんございますけれども、これを申し上げておりますと、時間がかかり過ぎますから、私はものわかりのよい安田局長に、この切々たる婦人の真情を訴えて、これは国民の声であり、要保護者の声であり、未亡人母子世帯の声であり、恵まれない子供たちの声であるということを御反省になつて、ぜひ何とかしていただきたい。しかるべき手をお打ちになつたならば、責任をもつてこの委員会で御発表願いたいということを申し上げて、私の質問を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604237X00419530620/29
-
030・小島徹三
○小島委員長 長谷川委員。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604237X00419530620/30
-
031・長谷川保
○長谷川(保)委員 今日民生委員の多くの方々の中に、非常な犠牲を払つて国民の基本的人権を守るために積極的に涙ぐましいほどのよい活動をしておられる方々があることは、お互いよく承知のことでありまして、この事柄に対しましては、私ども感謝にたえないのであります。しかし数から申しますと、これは残念ながらそう多数の方々ではないと思います。そうしてこれと逆に、残念ながら今日民生委員という最も民主的でなければならない職を利用いたしまして、あるいは選挙のために、あるいはその他の利益のために、これを悪用する向きがあることを否定するわけに参りません。これはきわめて残念なことでありますが、ことにこれが都市に至りますに従つて、そういう悪弊が順次出て来ております。極論をする人々は、むしろ民生委員はない方がいい。そして新しい理念を十分教育された専門のケース・ワーカーを、十分にその身分等を保障いたしまして、これにかえるべきだという方々もあるのであります。私もそういう方々の議論に対しまして、確かに傾聴しなければならないものが実情としてあると思う。今回の一部改正法案におきまして、この重点は民生委員推薦会の組織を改めることにあるのでありますが、この組織を改めるところの内容を見ますと、私はそういう民生委員の方方、ほんとうに民主的な活動をしていただくための方々を選びますのに、この推薦会に選ばれまする方々の性格というものは、これでは不十分だと思うのであります。これにもしたとえば労働組合あるいは農民組合というような、民主的な団体からも二人ずつ出て来ていただくというようなことにいたしますれば、その点は相当是正できるのではないかと私は思うのでありますが、この推薦会の委員に、そういうような団体からなお二人ずつ出てもらうというようなことにする御意思はありませんか、当局の御意見を承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604237X00419530620/31
-
032・安田巖
○安田政府委員 民生委員の人選というのが、この制度の一番大事な点でございますから、長谷川委員のお話のように、人選には特に気をつけたい、それが今度の改正案の一つのねらいであるわけであります。従来の案とお比べを願いますと、ただいまいろいろ御指摘になりましたような問題を根絶するわけには参りませんけれども、幾分でもよくしたいという点が、これに現われているということをおくみとり願えるのではないかと思うのであります。お話のあつたように、選挙等に利用するというようなことは、極力避けなければなりませんので、いろいろ政治的な色彩のつきやすいような者は、できるだけこの中から省いて行く。なおまたある一部の傾向を代表する人だけが推薦会の中で多数を占めるということも、これまた困つたことでありますので、その点につきましても適当な比例を保つようにということが、改正案の中に出ておるわけであります。いろいろ考えまして、私どもといたしましては、そういう労働組合とか農民組合とかいうのは、入れない方がいいのではないかというようなつもりでかようにいたしたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604237X00419530620/32
-
033・長谷川保
○長谷川(保)委員 私は今推薦をして参りまする団体と申しますか、そういう方々の性格一から七までのところを見ますと、どうしてもこれではボスが出て来るおそれがあると思うのであります。そういうものに力強く抵抗し、是正して参りますのは、やはり都市では労働組合だと思います。この際ぜひ労働組合をここに入れるべきだと思う。これを落しまして、こういう傾向の人たちだけを入れて参りますと、その弊害は除去できないと思う。この点について厚生省はもつと考えるべきだと思うのでありますが、労働組合から出してはいけないというような御意見をお持ちなんですか、お持ちでありますればその理由を承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604237X00419530620/33
-
034・安田巖
○安田政府委員 ここに書いてございますのは、先ほどちよつと申しましたけれども、こういう傾向とかああいう傾向とかいう、傾向のない者をというような選び方を実はしたつもりでありまして、別に労働組合、農民組合がいけないということについての理由を言えというほどのことはございませんけれども、まあこのあたりが一番現在の情勢から適当じやないか、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604237X00419530620/34
-
035・小島徹三
○小島委員長 他に本案についての御質疑はございませんか。——他に本案についての質疑もないようでありますから、本案の質疑は終了したものと認めるに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604237X00419530620/35
-
036・小島徹三
○小島委員長 御異議がないようでございますから、本案の質疑は終了したものと認めます。
次に討論に入ります。青柳一郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604237X00419530620/36
-
037・青柳一郎
○青柳委員 私は自由党を代表いたしまして、この民生委員法の一部を改正する法律案について賛意を表したいと思うのでございます。
思い出せば昭和二十五年、画期的な生活保護法が日本に打立てられ、その内容を見ますに、世界にも誇るべき非常に完備したりつぱなものであつたのであります。ただその中で一点非常にぐあいが悪く、われわれは何とかしてこれを修正しようと努力したのが、ここに出ております生活保護法の第二十二条、すなわち民生委員が活動する場合には、実施機関が民生委員に協力を求めた場合に限るという点でございました。当時はあたかも連合軍司令部の占領行政下にありまして、われわれの意図はついに実現するを得なかつたのでありますが、今回ここにみごとに実現するに至つたことは、十二万民生委員の喜びはもとより、民生委員のこの社会福祉に対する熱情は、今後ますます増嵩せらるることを期待するものでございます。さらにそれのみではございません。この法案を見ますのに、あるいは民生委員推薦会の組織を改めて、その委員を広く社会福祉全般の代表者の中から委嘱することができるようになりました点、さらにまた民生委員協議会は、福祉事務所その他の関係行政機関との連絡に当ることを明定せられ、さらにまた市町村社会福祉関係団体の組織に加わることを得るというふうな、非常に民生委員にとりまして画期的なる規定をつくられましたことは、私ども大いに賛意を表する次第でございます。ここに初めて、占領下にあつて屈辱感を与えられ、さらに民生委員の従来から持つております体験を大いに活用せんとしてそれを阻止せられておりました制度が、ここに打破せられ、民生委員の要望する制度が打立てられて、民生委員の活動に大いなる活力を与えることに相なりました点は、両手をあげて賛意を表する次第であります。
ここに私は自由党を代表いたしまして、賛成の意を表する次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604237X00419530620/37
-
038・小島徹三
○小島委員長 山下春江君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604237X00419530620/38
-
039・山下春江
○山下(春)委員 私は改進党を代表いたしまして、本案に若干の希望を付しまして賛成するものでございます。
今回改正されました第八条の、民生委員の選出の方法につきましては、従来よりも非常によく改められたことに対しては、私も喜んでおる者の一人ではありますが、先ほど政府委員からのお話で、どうも婦人を何割、男子を何割ということは法律としては規定できない、さようでございましようけれども、こういうふうな非常に民主的な機関によつて選出されましても、実情は女子が非常に少い、特にこの間の改選におきましては、先ほども同僚委員から強く御指摘のありましたように、私の県などでは婦人が皆無というようなまことに奇妙な選挙を行いましたことに対して、非常な不満を持つておるのであります。実際に要保護世帯あるいは未亡人世帯などは、前に婦人の民生委員に非常によく働いた人があるために、今は委員ではございませんけれども、すべての問題を前委員のところに相談に行くというような実情がそこにもここにもあるのでございます。法律に規定することはおかしいと言えばおかしいかもしれませんが、少くとも半分半分くらいならば規定してもあまりおかしくないのではなかろうかと思うのであります。民生委員の行います事業は、大体婦人を対象にする場合の方が率からいつて非常に多いのでございます。今日まで行われて来ました民生委員の業績は非常にわれわれの感謝する面もございましたが、目に余るようなまことに悪徳漢の方が数が多かつたような感じもいたすのであります。そういう点からこれを将来運営して行かれます政府当局の方では、その点を十分に御勘案願いまして——何と申しましても対象が女でございます、民生委員ということは一つの武器のような点が、ありましたことはお耳に入つておると思いますが、こういう弊害が将来起りませんように十分な御勘考をお願いし、希望いたしまして、本案に賛成をいたすものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604237X00419530620/39
-
040・小島徹三
○小島委員長 長谷川保君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604237X00419530620/40
-
041・長谷川保
○長谷川(保)委員 私は日本社会党を代表いたしまして、本法案に対しまして希望を付しまして賛意を表せんとするものであります。
民生委員推薦会の組織につきましては、先ほど申し述べましたように、私はこの組織だけでは真のよき民生委員を得ることはなお不十分だと思います。民生委員こそは社会保障制度のいわば第一線に活躍していただきまして、そして真の基本人権の保護のために、民生の安定のために活躍していただかなければならない、最も理想的な人物を得なければならない非常に重要なものであると思います。そういう意味におきまして、適当な機会におきまして、社会の民主化のために最も大きな推進力となります労働組合、農民組合等から、この推薦会の組織に加はり得るようなふうに、政府当局におきましても考慮せられ、改正せらるるように希望いたしまして、本法案に賛成するものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604237X00419530620/41
-
042・小島徹三
○小島委員長 亘四郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604237X00419530620/42
-
043・亘四郎
○亘委員 私は自由党を代表いたしまして本改正案に賛意を表するものでございます。
前回本民生委員法の一部を改正いたしました際に、民生委員を補助的機関から協力機関にするということで、民生委員の地位の向上をはかつたのでございましたが、その結果といたしまして、協力機関の一員となつた民生委員の地位は向上されたかもしれませんけれども、その実際の活動におきまして、むしろかつて積極的であつたものが非常に消極的にならざるを得なかつた結果と相なつたのでありまして、この点まことに憂慮いたしたことがそのまま実現いたしまして、私どもは非常に遺憾に思つておつたのでありますが、今回政府におかれましてそうした点を考えられまして、そこに再び改正案を出されまして、それらの不合理な点を除かれまして、民生委員が心から協力いたしまして、積極的に活動のできるような組織にまた改むることは、まことに時宜を得た措置だと考えるわけであります。しかしながらいかに法案が改正されましても、要するにその運営の衝に当る民生委員の方々がりつぱな方々でなければならないことは申すまでもないのでありまして、そういうりつぱな民生委員の方を選ぶために、ここに推薦会の組織をさらに拡充強化されて、そうしてりつぱな民生委員の選出を期待されるような処置をとられたことも、非常に賢明なことだと私は考えるのであります。こうした改正がなされることによりまして、日本の社会福祉事業が一段とりつぱに発達され得ることに相なるのでございまして、この点非常に喜ばしい次第であります。いろいろ他の委員の方から希望的なる条件も出ておりまするが、政府におかれましてはこうした御意見を十分考慮いたされまして、この法案の運営に万全を期して、所期の目的を達せられることを希望いたしまして、私の賛成討論を終る次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604237X00419530620/43
-
044・小島徹三
○小島委員長 堤君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604237X00419530620/44
-
045・堤ツルヨ
○堤(ツ)委員 私は日本社会党を代表いたしまして、民生委員法の一部を改正する法律案に賛成するものでございますが、政府に二、三要求をいたしておきたいと思います。
民生委員制度なるものにつきましては今日なお幾多の欠陥がございまして、福祉事務所との関係もあり、政府当局におかれましてはこれら盲点につきましては十分お心得のことと存ずるのでございます。今回の改正まことにけつこうでございますけれど、はたしてこの一部の改正をもつて民生委員制度の完璧を期し得るかどうかは、はなはだ疑問でございます。ことに私がただいま質疑を申し上げました通り、地方に参りますれば、その市町村の素封家であるとか、一向生活苦と縁遠いような方々だとか、また疎開して来て地方の事情にうとい方々などが顔と肩書をかせいでいる。しかも長谷川委員から御指摘がありました通り、一たび選挙となれば、これが地方選挙、総選挙といわず、非常に悪用されまして目に余るものをたくさん見せつけられて来たのでございます。どうかこういう欠点を十分御認識になつて、私が強調いたしますところの婦人民生委員、何箇年かの計画によつて民生委員は半数以上を婦人に占めさせるというところの積極的な御計画を願いたいということを、切に要望したいものでございます。
なお推薦委員会の制度につきまして、今までの推薦委員会というものが、非常に非難ごうごうたるものでありましたので、やや改正を加えられますけれども、しかしもつと民間団体というものの立場がこの中に取入れられてしかるべきではないか。御存じの通り地域婦人団体、それから青年団などもこのごろでは民主的な活発な活動を進めて参りまして、民生委員制度に対する鋭い批判も持つておるようでございます。婦人団体、未亡人団体、その他あらゆる民主団体が、この民生委員の中に大いに協力されることが最も望ましいと私は存ずるのでございます。私たちはもつともつと民生委員制度につきましては、政府に要望いたしまして改正いたしたい点がございますけれども、今回のところは各党歩調をそろえて御賛成のようでございますから、しぶしぶながら賛成をしておくわけでございます。決して今までの制度のあり方に対しまして満足しておるものでございませんということを御認識願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604237X00419530620/45
-
046・小島徹三
○小島委員長 以上で討論は終局いたしました。採決に入ります。本案を原案の通り可決することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604237X00419530620/46
-
047・小島徹三
○小島委員長 御異議なしと認めます。よつて本案は原案の通り可決いたされました。
なお本案に関する委員会の報告書の作成に関しましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604237X00419530620/47
-
048・小島徹三
○小島委員長 御異議なしと認めそのように決します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604237X00419530620/48
-
049・小島徹三
○小島委員長 次に輸入大豆の検疫の問題について、山下委員より発言を求められておりますからこれを許可いたします。山下君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604237X00419530620/49
-
050・山下春江
○山下(春)委員 本問題は、五月の十四日に三重県の四日市市に入港いたしましたハーライグトン号が積んで来たアメリカの大豆五百八トンでありますが、この大豆の中に毒あさがおの種が混つておりましたことが、名古屋検疫所から六月十三日長野県の上水内郡神郷村東浜油脂会社に通知があつたのであります。当時新聞にもこれが大きく報道されておりましたが、この油脂会社に入りました大豆は二百七十トンでございますが、そのうちすでに二百トンが食料油に加工されて東京方面に大半出荷しているというのであります。食品衛生の見地からきわめて重大でありますが、この毒あさがおは相当人間に悪影響を及ぼすもののように聞いておりますが、このことについて御回答を求めたいのであります。本委員会に出すわけではありませんが、正式な質問書を提出して回答をいただくのには、非常に日時を要するので、こと重大であり、ことにすでに製品が国民の食用に供されておる今日でございますので、本席をお借りいたしまして質問をいたします。
第一点は、輸入大豆の検疫は、どういう機関によりどういう時期に行われておるか。
第二点は、毒物の混入があることの通知が、入荷してからあまり長い期間——約一箇月間かかつております。これはどうした理由であるか。
第三点は、毒あさがおの毒性と除毒処理の対策についてであります。
第四点は、五百八トンの配付先と荷受人における本物件の処理状況を知りたいのであります。
第五点は、食料油に加工され出荷しているものをどう処理するか。
この五点につきまして、突然でございますから、あるいは詳しい資料がないかと思いますが、おわかりになつた点だけを御回答願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604237X00419530620/50
-
051・楠本正康
○楠本説明員 輸入食糧はその港において、荷上げをされますと同時に検査をいたします。場合によりますと抜き取り検査でありますために、この該当に漏れるものもございます。しかしたまたまただいま御指摘の大豆につきましては、抜き取り検査に運よく該当いたしまして検査がいたされたわけであります。この大豆は港に駐在しております食品衛生監視員がこれを抜き取りまして、概略の検査をし、さらにこれを国立衛生試験所に持つて参りまして、こまかい検査をいたしました。その結果ただいま御指摘の毒物の入つておることが明らかになつたわけでありますが、これは当初食品衛生監視員、が、港におきまして抜き取り検査をいたしましたときに、これはあやしいなと思つて、すでに注意を促してございます。ただ国立衛生試験所等で検査を完了いたしますのに一箇月余りかがりましたので、正式な文書その他の手続は一箇月後になつたわけであります。しかしそれまで品物は押えておつたわけであります。
次に毒物の処理につきましては、たたちにこれを選別いたしまして、危険なるものは廃棄するとか、あるいは食用油としてもさしつかえないもの、つまり食用油としたならば使えるというものは食用油にまわし、あるいは食用油にならぬようなものは他の工業用油にするというような処置をとりまして、この跡始末を完了したわけであります。従いましてただいま御指摘のように、現在都内に入つておりますものは、おそらく選別の結果食用油にしてよろしいということによつて処理されたものと思つております。しかしそのような場合には、工業用材料にせよという指令をいたしましたものも、隠れて往々食用油等にまわる危険性なしといたしません。この点はただちに詳細調べまして、あらためて御返事を申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604237X00419530620/51
-
052・山下春江
○山下(春)委員 なおこの質問書は書類をもつて提出しておきますから、これに対して詳細な御回答をいただきたいと思いますが、ただいま政府委員のお答えの通り、もし工業用油にすべきものを食用油にすることがあればたいへんなことだと思いますので、なお精細に御調査願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604237X00419530620/52
-
053・古屋菊男
○古屋(菊)委員 当局に御質問いたしますが、今の毒あさがおというのはどういう種類でございますか。あるいは朝鮮あさがおの種類でしようか、それともそのほかのアメリカにある毒あさがおの種類でしようか。もし朝鮮あさがおとすればベラドンナ属の毒物が入つておるから、ごく少量でも非常に毒物だと思いますが、いかがでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604237X00419530620/53
-
054・楠本正康
○楠本説明員 この事件の材料のあさがおは、朝鮮あさがおではなく普通のあさがおであります。従つてその害毒は下痢作用でありまして、生命に危険を及ぼすというほどのものではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604237X00419530620/54
-
055・小島徹三
○小島委員長 本日はこれをもつて散会いたします。次会は公報をもつて御通知いたします。
午前十一時三十分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604237X00419530620/55
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。