1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十八年七月十日(金曜日)
午前十時四十一分開議
出席委員
委員長 千葉 三郎君
理事 淺香 忠雄君 理事 苫米地英俊君
理事 坊 秀男君 理事 内藤 友明君
理事 佐藤觀次郎君 理事 井上 良二君
理事 島村 一郎君
有田 二郎君 宇都宮徳馬君
大上 司君 大平 正芳君
黒金 泰美君 藤枝 泉介君
宮原幸三郎君 福田 繁芳君
本名 武君 木原津與志君
久保田鶴松君 春日 一幸君
平岡忠次郎君 福田 赳夫君
出席政府委員
大蔵政務次官 愛知 揆一君
大蔵事務官
(管財局長) 阪田 泰二君
大蔵事務官
(銀行局長) 河野 通一君
大蔵事務官
(為替局長) 東条 猛猪君
通商産業事務官
(重工業局長) 葦沢 大義君
委員外の出席者
大蔵事務官
(近畿財務局
長) 吉橋 鐸美君
大蔵事務官
(近畿財務局管
財部長) 島村 律君
通商産業事務官
(軽工業局アル
コール第二課
長) 渡辺 五六君
国民金融公庫総
裁 櫛田 光男君
専 門 員 椎木 文也君
専 門 員 黒田 久太君
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七月九日
石油の関税減免措置延期に関する請願(關谷勝
利君紹介)(第三一九六号)
同(松井豊吉君紹介)(第三一九七号)
揮発油税軽減に関する請願(關谷勝利君紹介)
(第三一九八号)
同(松井豊吉君紹介)(第三一九九号)
果実エッセンスに対する物品税撤廃の請願(櫻
内義雄君紹介)(第三二〇〇号)
の審査を本委員会に付託された。
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本日の会議に付した事件
国の所有に属する物品の売払代金の納付に関す
る法律の一部を改正する法律案(参議院提出、
参法第一号)
日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約
第三条に基く行政協定の実施に伴う国有の財産
の管理に関する法律の一部を改正する法律案(
岡良一君外二十六名提出、衆法第二〇号)
地方公共団体の負担金の納付の特例に関する法
律案(内閣提出第一一号)
塩業組合法案(内閣提出第一二号)
信用金庫法の一部を改正する法律案(内閣提出
第一三号)
社寺等に無償で貸し付けてある国有財産の処分
に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提
出第二八号)(参議院送付)
木船再保険特別会計法案(内閣提出第五四号)
食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案(
内閣提出第八三号)
国民金融公庫法の一部を改正する法律案(内閣
提出第八四号)
保険業法等の一部を改正する法律案(内閣提出
第八五号)(参議院送付)
閉鎖機関令の一部を改正する法律案(内閣提出
第九四号)
鉄道債券及び電信電話債券等に係る債務の保証
に関する法律案(内閣提出第九五号)
昭和二十八年度における特定道路整備事業特別
会計の歳出の財源の特例に関する法律案(内閣
提出第九七号)
漁船再保険特別会計における漁船再保険事業に
ついて生じた損失を補てんするための一般会計
からする繰入金に関する法律の一部を改正する
法律案(内閣提出第九九号)
国家公務員等に対する退職手当の臨時措置に関
する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第
一〇三号)
資産再評価法の一部を改正する法律案(内閣提
出第一一〇号)
産業投資特別会計法案(内閣提出第一一三号)
設備輸出為替損失補償法の一部を改正する法律
案(内閣提出第一一四号)
厚生保険特別会計法の一部を改正する法律案(
内閣提出第一一五号)
外国為替資金特別会計法の一部を改正する法律
案(内閣提出第一一七号)
日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案(内
閣提出第一二三号)
相互銀行法の一部を改正する法律案(内閣提出
第一二四号)
信用保証協会法案(内閣提出第一二五号)
印刷局特別会計法等の一部を改正する法律案(
内閣提出第一四二号)
旧令による共済組合等からの年金受給者のため
の特別措置法及び国家公務員共済組合法の一部
を改正する法律案(内閣提出第一五五号)
昭和二十三年六月三十日以前に給付事由の生じ
た国家公務員共済組合法等の規定による年金の
特別措置に関する法律案(内閣提出第一五六
号)
昭和二十七年度における給与の改訂に伴う国家
公務員共済組合法等の規定による年金の額の改
定に関する法律案(内閣提出第一五七号)
日本専売公社法の一部を改正する法律案(内閣
提出第一五九号)
国有財産法等の一部を改正する法律案(内閣提
出第四五号)(予)
証券取引法の一部を改正する法律案(内閣提出
第四九号)(予)
証券投資信託法の一部を改正する法律案(内閣
提出第七八号)(予)
国有財産の管理状況に関する件
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/0
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001・千葉三郎
○千葉委員長 これより会議を開きます。
国の所有に属する物品の売払代金の納付に関する法律の一部を改正する法律案外本日の日程に掲げました法案三十件、及び国有財産の管理状況に関する件を一括議題として質疑を行います。質疑は通告順によつてこれを許します。福田君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/1
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002・井上良二
○井上委員 議事進行について……。先般国有財産の処分に関する件に関連をいたしまして、旧陸軍造兵廠大阪の枚方製造所を小松製作所に払い下げることについての払下げに関する申請手続に対して、本省から許可するに至つた物件処理中、特に管財局長並びに次官、大臣等の決裁を得ておる決裁書類を提出するように私から要求いたしましたが、今日までまだ私の手元までその資料が提出されて参りません。従つて成規の手続によつて、本委員会にその決裁に至るまでの書類を資料として提出願うように御決議を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/2
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003・千葉三郎
○千葉委員長 ただいまの井上君の動議をいかがとりはからいましようか。すなわち井上君の動議は、枚方工廠の払下げに関して、従来大蔵当局のとつた経過、それに関する書類を本委員会の名において提出するよう要求するとの動議であります。その動議のごとく決するに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/3
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004・千葉三郎
○千葉委員長 御異議なしと認め、さようとりはからいます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/4
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005・千葉三郎
○千葉委員長 なお本日は、政府委員として愛知政務次官、河野銀行局長並びに通産省の重工業局長の葦沢大義君、また説明員として国民金融公庫の総裁櫛田君、さらに政府委員として阪田管財局長のほかに説明員として近畿財務局長の吉橋君並びに近畿財務局管財部長の島村君がお見えになつております。福田赳夫君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/5
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006・福田赳夫
○福田(赳)委員 日本輸出入銀行法案については、融資期間を七年くらいに短縮したらどうかという意見も本委員会にあるようであります。それにも若干関係するのでありますが、予算書を見ますと、はなはだ不可解な点が多い。と申しますのは、昨年度におきまして輸出入銀行は二百億円の運用を計画いたしたのでありますが、その金を使わないで持ち越すものが百八十八億、さらに翌年度に繰越すべき金額を考えましても、百六十億円内外は使用未済がある、かようなことになるのであります。従いまして、推察いたしまするに三、四十億円の融資しか昨年はやつておらぬ。それ、本年度になりますと二百四十億円の融資を実行しようという計画になつておるのでありますが、さようなことが一体ただいままでの状況としてできるのかどうか、今の融資の残高は一体どれくらいになつておるのか、まずそれを伺つておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/6
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007・河野通一
○河野(通)政府委員 輸出入銀行の業務は、今御指摘のように二十七年度は大分不振でありました。どうも予算上私どもが計画いたしましたところをはるかに下まわつたような実績でありますことは、今御指摘の通りであります。現在は、便宜上六月末で申し上げますが、五十六億二千万円の残高であります。そして約百六十一億円の余裕金を持つております。これは御承知のように、食糧証券その他の政府証券に運用いたしておるわけであります。こういうふうに、昨年度において輸出入銀行の業務が振いませんでした理由につきましては、いろいろな点から申し上げられると思うのでありますが、やはり何と申しましても国際経済環境の非常に振わなかつた関係から、輸出一般がそうでありましたが、特にプラントにつきましては非常に伸びが悪かつた。プラント輸出につきまして申し上げてみますと、昭和二十六年度におきましては八千七百万ドルであつたのであります。それが二十七年度におきましてはわずか三千五百万ドル、半分以下というような不振な状況になつております。この原因は、先ほど申し上げましたように、世界的な景気の後退といつたようなこと、またスターリング地域その他におきます輸入の制限措置が相当強化されたこと、また、これははなはだ遺憾なことでありますが、国内的原因といたしまして、プラントものの価格が国際的に非常に割高であつたといつた事態、及び各国の輸出競争、特にプラントにつきましての輸出競争が非常にはげしくなつたということがおもなる原因と思うのであります。しからば二十八年度におきましてはどういうことになるかということにつきましては、御質問によりましてまたお答え申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/7
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008・福田赳夫
○福田(赳)委員 ただいまのお話の通り非常に不振である。予算計画と実施計画とを比べてみた場合のケースといたしましては、こういうような事例は未曽有の事例じやないか。ほとんど予算計画の金を使わないような計画になつておると思うのであります。私どもはこの法案を議決するにあたりまして、この二十八年度二百四十億円の融資計画につきましては、一体そんなことができるのかどうか、この点に対してはなはだ疑惑を持つておるのです。この点ひとつ明確なる見通し、はつきりした自信のほどを伺いたい。かように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/8
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009・河野通一
○河野(通)政府委員 二十八年度におきましては、予算上計画いたしております融資計画は、私どもは十分にそれが実現できることを期待していいと考えております。その理由につきましては、いろいろ私から申し上げますよりは、直接プラント輸出を担当しております通産省の政府委員が見えておりますから、そちらの方からお話願いたいと思うのですが、私どもいろいろ打合せしたところによりましては、プラントの輸出については、非常にかたく踏んでも相当程度伸びるであろうということが、いろいろな理由から申し上げられると思うのであります。また今般の法律改正によりまして、海外に対する投資等につきましてその業務が開かれることになりますれば、これらの問題についての引合いも相当程度具体的に出て参るわけであります。従いまして、これらの数字を合せますと、輸出入銀行に対する現在までの引合いの状況及び通産省で立てられておるプラント輸出計画、これらの数字から、ここに予算書に掲げております程度の融資計画というものは、十分に実現が期待できると私どもは考えております。なお詳細は通産省の方から御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/9
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010・葦沢大義
○葦沢政府委員 昭和二十八年度、今年度のプラント輸出の見込みにつきまして御説明を申し上げます。プラント輸出は、大体商約ができますのに相当長期を要します。六箇月ないし長きは二年に及ぶわけであります。その引合い状況は、われわれの調査いたしておるところによりますれば、現在三億七千八百万ドルの引合いがございます。むろんこの引合いが全部商約されるとは考えられないのでありましてれこの引合いの中から、相当可能性があるものはどのくらいだろうかということを一応算定いたしたものが、一億四千六百万ドルになつておるわけでございます。この一億四千六百万ドルがしからば可能性があるかどうかということは、先の問題でありますから、相当むずかしいのでありますが、本年度の四月、五月の輸出状況を見てみますと、四月並びに五月とも機械類の輸出はおのおの一千一百万ドルになつております。この機械類のうち、プラント物とその他の機械類に仕訳をした統計がまだでき上つていないのでありますが、昨年並びに一昨年の状況等から推定いたしますと、大体半々くらいにはなる実績になつておりますので、かりにこれを六百万ドルを一般の機械、五百万ドルをプラント類ということに想定いたしましても、今年間夫千万ドルというものが、現在のままの推移で参りましても、できるのではないかということになるわけであります。この六千万ドルは二百数十億になるわけですが、こういうものが輸銀の対象として、その金融的な支持を受けなければならぬということは想像できるのであります。さらに御承知のように、最近の貿易状況は通商協定の形をもつて行われる傾向が非常に顕著でありまして、すでに通商協定として結ばれましたところは、アルゼンチン、パキスタン、台湾、タイといういようなところでありますが、この通商協定は、御承知のようにこちらからの輸出に対して向うから輸入をするという協定になつておりまして、それのプラント類と想像されるものが一億四百九十万ドルになつております。こういう面から考え合せてみましても、かりにわれわれの計画いたしておりまする一億四千六百万ドルの計画が達成できないにいたしましても、現在輸銀の資金計画というものは、われわれの立場からいたしますれば、むしろ過小ではないかということを憂えるような状況になつておるのであります。なおこのほかに、輸銀法の改正によりまして投資ができる。現在投資の話合いが行われておりますものが大体四十八億円ございます。その他に東南アジア開発と申しますか、経済協力の関係から、すでにゴアの鉄鉱石というものが入つて来ておりますが、機械をこちらから輸出いたしまして、その代金返済として、向うから持つて来る品物のうちから代金を返済して来るような形式のものが、すでに二十八億円の商談となつて進んでおります。これを合せますと七十億円になるわけでありますが、そういつたものもございますので、今年度のプラント類の輸出状況としては、私どもは相当計画の達成が可能であるという見方をしておるわけであります。なお輸銀法の改正によりまして単独融資が行われる、あるいは先ほども説明がありましたが、海外輸出市場は各国とも相当競争が激化いたしておりまして、買手市場になつておることは御案内の通りであります。従いまして、各国の売込み競争という面から、支払い条件も各国とも非常に競争をしております。従いまして五年のものを七年にする、七年のものを十年にするというような延払いの条件を各国が競つておるというような状況でございまして、こういう延払いに応じて参るということになりますと、それだけでも相当な資金能力がいるわけでございます。さらに輸銀法の改正によりまして、設備以外のものについても、輸銀の金融に依存することができるという案が提出されておるわけであります。これに鉄鋼の本年度輸出計画として百二十万トン、昨年は百六十五万トンの輸出になつておりますが、本年度は百上十万トンの輸出計画をいたしておるわけで、ございましてこれを先ほど申し上げました、かりに通商協定をいたしておる国だけとの鉄鋼の輸出という面から見ましても、金額で申しますと、八千五百九十万ドルという計算になつております。こういうものを輸銀の金融対象として参りますならば、御指摘の輸銀の現在の金融余力というものは決して過大であるどころか、むしろ過小になりはせぬかということを憂えておるわけでありますが、しからばこういつたプラント類の輸出にわれわれがなぜ力点を置くかと申しますれば、プラント類は、御承知のように造船とか、車両とか、あるいは電気機械とか、建設機械とかいうような総合工業の形態の上にできる産物でありまして主要工場だけで達成されない。幾多の関連産業、下請産業を持つておるものでありまして、そういうものの輸出によつて、ひとりそれ自身の工業のみならず、広く関連産業を潤す意味において非常に重要であるばかりでなく、またこういうものが輸出されますと、その部品なり附属品なりというものが次年度以降において輸出として可能になつて来るという意味において、普通の商品と非常に趣を異にしておる。しかもわが国の重化学工業の今後の重要性という面から見まして、ぜひこういうものの輸出の確保は必要であるというふうに考えをいたしておるわけであります。こういつた重要性のある問題でありますので、輸銀法の改正等においてこの育成について案が出されておりますのみならず、輸出信用保険法の填補率の引上げ、あるいは設備輸出為替損失補償法の改正によりまして、補償契約の期間の延長をはかるというような考え方も政府部内においてまとまりまして、御提案をいたしておるわけであります。こういう面からも、さらに一層の輸出振興態勢をととのえておるような状況なのでございます。
以上概略御説明申し上げました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/10
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011・福田赳夫
○福田(赳)委員 今お話を承ると、いろいろ計画があるようでありまして、非常にけつこうだと思います。しかしこれはなかなか困難であります。それで、やはり現在余裕金が百六十億ある、その状況がしばらくの間続くのではないかというふうに思うのですが、今承りますと、余裕金を食糧証券に運用しようとしておる。しかし国家の金融機関としても、ほかに国民金融公庫とか、あるいは今度できる中小企業金融公庫とか、また国家金融機関でなくても、相互銀行とか、信用金庫とか、もろもろの中小金融機関があるわけです。百六十億円も余裕金をかかえておる輸出入銀行を見ると、中小企業金融機関というものはほんとうによだれをたらすというような状況ではないかと思う。この百六十億円の金を中小金融機関の系統に預託をしておく、こういうことを考うべきものではないか、かように考えるのですが、その点はどう考えますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/11
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012・河野通一
○河野(通)政府委員 お話の点はよくわかるのでありますが、まず中小金融機関を二つにわけまして、政府金融機関と民間の中小金融機関とにわける必要がある。後者につきましては、法制上いろいろの形から、現在輸出入銀行の余裕金をまわすということは困難であろうと思います。政府金融機関、近く国会を通過いたしましたらできるはずになつております中小企業金融公庫等にそういう種類の資金を一時まわしたらどうかという御意見、一応ごもつともな点もあると思いますが、私どもは、中小企業金融公庫等の運用が、御承知のように非常に長期の資金を供給するという建前になつております。現在の運用方針では、大体需要期間が一年以上のものに融資をするという方針をとつておるのでありますが、そういつた場合におきまして、短期の資金としてこれを預けるということはできない、結局これは寝てしまう金なんです。そういたしますと、かりに将来輸出入銀行の資金が非常に需要が起つて来たという場合におきまして、それを引揚げる場合にどうするか、結局将来の固定した財政資金をそれに投入しなければそれを回収することはできないということになつて、これは将来の財政負担をそこではつきりきめてしまうことになるのであります。私どもは、そういうことはとるべきでないというふうに考えております。なお余裕金があるということでありますが、これは先ほど来申し上げました通り、二十八年度全体としての資金計画として私たちは考えているのであります。この余裕金が未来永劫に続くということではまつたくないと考えております。なお輸出入銀行がこれだけの資金をとにかく持つておるということは、実際問題としてプラントの輸出に対するいろいろな話合いをいたしますための非常に大きな手がかりになる。かりに輸出入銀行に資金が非常に少かつた場合におきましては、話をしようにもしようがない。メーカーなり輸出業者は、プラントの輸出についての話合いをする基礎がないということになる。これらの金があるから、初めてプラントの輸出についての話合いが、それをバツクとして進められて行く。しかも先ほど他の政府委員からもお話がありましたように、プラント輸出については、一件の金額も相当多いから、話合いには相当な時間を要する、しかもいろいろな調査を精密に行うというようなことでありまして、相当時間はかかるけれども、そのためには、話がつけばすぐ金が出るというふうなバツクがなければできないということもございますので、結論的に申しますれば、私どもは、今お話のような御提案は一応考えられることでありますけれども、とりがたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/12
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013・福田赳夫
○福田(赳)委員 ただいまの答弁は、少し食い違つているのではないかと思います。私が伺つているのは、何も長期資金に運用せよということではない。短期といたしましても、あるいは相互銀行、信用金庫等においていろいろ需要があろうかと思う。それらの短期資金の性格として、これをさような銀行に運用することを考えられないか、こういうことなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/13
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014・河野通一
○河野(通)政府委員 その点も先ほどお答え申したつもりでおりますが、民間の中小金融機関に輸出入銀行から余裕金を預託するという方法が実はございません。これは法律を直せばできるじやないかということになりますが、ただいまのところは、そういうふうな考え方をいたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/14
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015・福田赳夫
○福田(赳)委員 先日日本銀行総裁の意見をいろいろ伺つたわけです。その日本銀行総裁の御意見によりますと、相互銀行の今回の改正法案に対する意見として、日本銀行としては大いに協力してはやりますが、政府がこれにいかなる態度をとろうとも、日本銀行としては日本銀行としての行き方もある、かようなきわめてあいまいなるお答えをしておられたわけです。さようなことでは、私はこの制度は——どうしても相互銀行の今回の改正案を生かす上におきましては、日本銀行の集中決済と結びつける必要があるかと思うのでありまするが、監督官庁としての大蔵省は、どういうふうな考えを持つておられますか。日本銀行では、日本銀行は協力はするけれども、大蔵省の行き方と日本銀行の行き方につきましては、おのおの別の行き方もある、かように申されたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/15
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016・河野通一
○河野(通)政府委員 この点につきましては、一昨日でしたか、一万田さんのお話は私も聞いておりましたが、実際問題として、考え方としては、集中決済なり日銀の取引ということと、相互銀行に為替取引を認めるということとは、必ずしもそのままぴつたり一致をしなければならぬことではないが、これは一致させる方が非常に便利でよろしいという、観点から一万田さんとしても、別にそのことについて反対があるとは私は考えておりません。現在、相互銀行に対して為替取引をどの程度認めて行つたらいいかという基準につきまして、私どもは練つております。これらの問題につきましては、十分日本銀行もその考えのうらはらとなつて、為替の取引を開く基準をやはり向うとしてもつくるべきだと思いますが、これらにつきましては、事実問題としてよく話し合つて、その辺齟齬のないように努力いたすつもりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/16
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017・福田赳夫
○福田(赳)委員 なるべくそういうふうにお願いしたい。この制度の改正と日本銀行の意図するところがぴつたり一致するような方向でやつてもらいたい。同時に、この法案が通過することによつて、実際運用として大蔵当局はどの程度相互銀行を認可するかということになると思うのでありますが、こういう点について、大蔵省は制限的な考え方を持つている。しかしこの問題は、私は無尽会社というものを相互銀行にかえたときにすでにきまつていると思う。いまさら消極的な考え方を持つてもしようがないのではないか。銀行という名称をつけてから、相互銀行は昔の無尽会社ではない。相互銀行としての規模と組織とをだんだん整えて来ている。だから大蔵省当局が心機一転して、最初の相互銀行としての線に沿つて善処すべきではないかと思うが、この点についてはつきりした方針を承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/17
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018・河野通一
○河野(通)政府委員 相互銀行の内国為替取引について、これは稲田さん専門家ですから、御説明申し上げるまでもないのですが、為替取引は大体二つにわけることができる。いろいろなわけ方があるのですが、本支店の為替と他店の為替と二つにわけることができる。いずれも内国為替取引で、そのうちの前者につきましては、私は相当自由に認めてさしつかえないと考えております。後者につきましては、御承知のように高度の能力と技術を要する。これはよくおわかり願えると思います。従いまして、私どもこれを未来永劫に相当きつく制限して行くようなことは考えておりません。だんだん能力ができ、事務に慣熟し、内容もだんだん整つて来、機構もできて来るようになりますれば、逐次相互銀行について、これらの他店為替についても認めて行つてもいいと思いますが、さしあたりの問題としては、これを無制限に認めるわけには行かない。しからばいかなる基準をもつてするかという点でありますが、これは目下研究をいたしておりますが、大体やはり第一の基準は、おそらく資金量だろうと思います。資金量をどの程度に押えるかということが一つ。第二は、その相互銀行なら相互銀行の機構、つまり機構なり陣容が整つているか、つまり総合的な資金計画ができませんと、必ず他店取引をやれば赤と黒とがぴつたり合わないことになる。そういつたふうな機構なり陣容なりが十分整つて、それから他店の為替取引に対する需要というものがどの程度あるかを具体的に見まして、その資金量を基礎にした上に立つて、これらの点が十分に満たされておれば私どもは認めて行きたい。この資金量をどの程度のところでまず線を引くかにつきましては、もうしばらく検討をいたしてみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/18
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019・福田赳夫
○福田(赳)委員 銀行を新設することになると、当初から他店為替をやる。そういうことから考えて、少くとも育成する気持になればこの問題は前進するのですが、ぜひそういう育成という気持でやつてもらいたい。これをひとつ申し上げまして、私の質問を打切ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/19
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020・坊秀男
○坊委員 相互銀行に関連して銀行局長にお伺いいたしたい。ただいま銀行局長の答弁によりますと、他店為替の取扱いにつきましては日本銀行でも大蔵省でも今基準を考えている。その基準の中の大きな問題は資金量の問題であり、口座とか相互銀行の経費の問題、そういうものがございますが、私は、今日この席で、銀行局長に対してその基準をはつきり示せということを申すつもりではございません。大体の見込みといたしまして、この基凖に該当する銀行がはたして幾つあるかということが、この法律の非常に重大なる点であろうと思うのでありますが、今日相互銀行が六十行あるか七十行あるか知りませんが、大体六、七十行の中で、この基準に該当する相互銀行が三つや四つだということになると、相互銀行のうちで非常にいい銀行だけに非常な特権を与え、そうして悪い、悪いというと語弊がありますが、そこまで行かない銀行に対しては、この法律をつくることによつてかえつて非常な苛酷なことになるのでありますが、そこの点について、銀行局長はどういうふうにお考えになつておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/20
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021・河野通一
○河野(通)政府委員 いずれなるべく最近の機会に基準をつくりまして、お示しいたしたいと考えております。ただいまのところ、まだはつきり具体的な結論まで行つておりませんが、少くとも他店の為替についてとりあえず認めるものを、三、四行に限るつもりはございません。どの程度まで広げるかという点については、もうしばらく検討した上でお答えいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/21
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022・坊秀男
○坊委員 ただいまおつしやるところによると、三行や四行に限らない、相当程度に広げるということでありまして、それに対して私は敬意を表するのでありますが、しかしお答えが非常に漠然としておりまして、はつきりとこの大蔵委員会に対して、三つや四つでなく、十とか十五というところまで持つて来ていただくまで、私ども大蔵委員会の責任において、公正なる立場に立ちまして、この法案を採決することを留保したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/22
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023・有田二郎
○有田(二)委員 今の銀行局長のお話を聞いておりますと、非常にいい傾向に銀行局長がかわつて来ている。実はどの党派の委員の方も、中小企業の問題については、超党派で非常な熱意を持つている。従つて相互銀行の問題については、あらかじめ非常な関心を持つている。従つて今度の為替業務について、日本銀行との取引がたつた三、四店よりないというような状態では、われわれが納得できない。従つて中小企業の育成のためには、どうしても本法案を通過さして、相互銀行がやはり一般為替業務ができるという方向にできる限り行かなければならぬと、われわれは考えている。どうか銀行局長も今言われたように、大体の腹案をすみやかにお示し願つて、この法案が一日も早く通過するように、ひとつ銀行局長の御答弁を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/23
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024・河野通一
○河野(通)政府委員 できるだけすみやかに、基準と申すまでは行きませんが、そういつたような大体の考え方を具体的にお示しいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/24
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025・有田二郎
○有田(二)委員 われわれは、法案さえ国会を通せばいいんだ、あとは大蔵省がかつてにやるんだということでは、法案を通したくても通せない。大体この法案が通ればどういう傾向になつて行くかという見通しがわれわれ委員に納得できなければ、この法案を通すわけに行かないので、すみやかに基準の方向をお示し願つて、法案が一日も早く上るように銀行局長に御協力を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/25
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026・井上良二
○井上委員 相互銀行の問題については、いろいろございますけれども、きようはこれを上げるわけに行きませんから、後ほどゆつくりやりたいと思います。
きよう日程で上げようということに理事会の話からなつております設備輸出の問題でございますが、このプラント輸出の問題の中で一番問題になりますのは、五年を十年に延ばしたいということが問題でございまして、五年から十年に延ばした場合、一体どういう設備輸出の予定をしておるのか。十年に延ばさなければならないケ—スは、一体どういうようなケースを今予定されておるのか。そして十年に延ばすということになると、相当多額の金額になるだろうと思いますが、一体日本の産業で、どういう部門がこれを受けるだけの資力を持つておるのかということがここで問題になつて来る。だから十年にしてやらなければそういう大きなものは受けられぬというケ—スに入ります部分は、一体どういうのが今予定されておりますか。そしてその金額は一体どのくらいの予定になつておりますか。そうしてそれを受けようという資本形態は、わが国では一体どういうものが受けられる資格がありますか。そこを説明願います発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/26
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027・東条猛猪
○東条政府委員 御審議をいただいております十年に代金の繰延べ払いの条件が近いというものを、具体的な実例をもつてお答えを申し上げるのが適当かと存ずるのでありますが、これから申し上げます個々のケースは、われわれといたしまして、ただいままでに現実の引合いなり、あるいは商談があつたもの、あるいは現に進行中の実例を申し上げるわけでありますが、先ほど来各政府委員からもお答え申し上げておりますように、このプラント類の輸出の競争はますます今後激化するであろうということが予想されまするので、これから申し上げます実例以外に、今後相当ふえて参るという全般的な傾向にございますことを、前もつて申し上げたいと存じます。
現在までに実際引合いのございましたものは、五年以上をあげれば相当あるのでございますが、御質疑の中心は、十年に相当近いところを申し上げる方が、より御質問の趣旨に合うと思いますので、そういう観点から申し上げます。仕向先、品目、わかつておりますれば、そのおよその金額、可能な限度におきまして支払い条件、こういう順序で申し上げたいと思います。
一つの事例は、ポルトガル領のモザンビクに蒸気機関車を出す話が、これは現に進行中であります。競争の相手方といたしましては、米国、ドイツ等がございます。それでこの場合も、商談の問題でございますから、刻々情勢は動いておるようでありますが、当初アメリカ側からは二十年のオファー、しかしその二十年につきましては、米国の輸出入銀行の意向がややかわつて参りまして、二十年のオファーが最終のオファーとは申し上げかねる段階だそうでありますが、とにかく当初アメリカから二十年のオファーが参つております。ドイツからは十年のオファーが参つております。日本側は現在五年ということに制約されております関係上、ただいまのところは五年以上のオファーはできないわけでございますが、われわれといたしましては、このモザンビクの蒸気機関車は、ぜひとも今回の法律案を早急に御審議御決定願いまして、少くともドイツ側の条件に近いところに持つて行きまして、ぜひともこの商談の成立をみたいものだというように考えております。そういうことでございますので、もちろんこの金額がどれくらいになりますかということは、判断いたしかねるわけでございますが、大体四百万ドル見当の話ではなかろうか、かように考えております。
それから第三は、ユーゴスラビア向けに八年プラントの話が現にございます。これも概算でございますが、金額にいたしまして、大体千四百万ドル見当のものではなかろうか。これは競争相手国としましては、私どもの承知いたしておるところでは、ベルギー、ドイツがございます。少くとも引渡し後七、八年ではないと、ちよつと競争ができかねるというように承知をいたしております。
その次は同様ユーゴスラビア向けの鉱山の設備でございます。これは、先方といたしましては八年を要求して参つております。まだ具体的な競争相手国のオファーの条件等は、われわれのところには入手いたしておりません。金額はまだわかりかねますが、これも相当のものであろうと思つております。
それからインドに碍子工場のプラントの話がございます。これは、やはりアメリカからは一応十年の引合いの条件が参つております。日本といたしましては、やはりこの話を成立いたさせますためには、アメリカの十年に近い程度の条件を出さないと、問題にならないのじやなかろうか。これもまだそう具体的に最終のオファー段階まで来ておりませんので、金額などにつきましても、はつきりしたことをこの席で申し上げる段階に至つておりません。
それからペルーに車両の話がございます。これは承知いたしておりますところでは、フランスが競争相手でありまして、さしあたりフランスは十二年見当の引合いを出すやに承知いたしております。
それから台湾に肥料工場の活がございます。これもまだ台湾側から十年くらいでやつてもらいたいという話がございました程度でありまして、それ以上具体化しておりません。なお台湾につきまして船舶の話がございます。この船舶は、従来回収期限は、われわれとしては比較的短かい期間に回収しなければならぬと考えておりますが、船舶につきましても、台湾はやはり十年程度ということを要望いたしております。
それから先ほど国内のメーカーのお話もありましたが、これは今申し上げましたような、蒸気機関車、あるいは発電プラント、それから鉱山のいろいろな施設、あるいは肥料工場のプラント、船舶、碍子工場というようなことで、大体御想像がりきますようなものが具体的なメーカーとなるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/27
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028・井上良二
○井上委員 わかりました。そこで問題は、競争相手がいずれもドイツ、アメリカ等が中心になつておる。現にドイツ及びアメリカの製品とわが国の製品との海外市場における競争というものは、すでに評価をされて、いかにして日本の輸出品のコストを下げるかということが非常に大きな問題になつておるのであります。そういう品質の向上と価格の引下げという対策が総合的に講ぜられぬ先に、単に年月を引延ばすことによつて競争ができると見ますことは、はなはだ軽率な見方じやないか。いわゆるコスト高の問題から引合わぬということがいろいろな面で言われておる。その価格の引下げについて、必要な具体的な政策がまだ総合的に打立てられていない。そういうことを総合的に打立てて、これなら打勝てるというときに、初めて米英なりドイツ、フランスを相手にして競争ができるのですけれども、現実にドイツの機械と日本の機械を比べ、アメリカの機械と比べて、日本の機械の方が品質において、また価格において、悪くて高いということになれば、これは競争に負けちやう。そういう問題を総合的に考えないで、単に期間だけを延長するということであつたのでは、問題の解決になりません。そういう点について一体どうお考えになつておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/28
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029・葦沢大義
○葦沢政府委員 お答えを申し上げます。御説まことにごもつともなところでありますが、コストの引下げにつきましては、プラント類は、御承知のように何と申しましても鉄鋼関係を素材として使う部分が相当多うございますので、鉄鋼のコストを引下げるということが非常に重要なことになつて、昭和二十六年に出発をいたしまして、三箇年計画で千億円の合理化資金を投入しております。大体今年の秋から明年にかけてこういつた合理化施設が完成をいたして参ると思うのでありますが、それによつて、ものによつて差異はありますが、二、三割のコスト・ダウンを期待いたしておるようなわけであります。また機械工業それ自身においても、合理化の部面が残されております。この部面につきましても、計画を検討いたしまして毎年合理化資金を開銀から出しておるわけでありますが、今年もおよそ十六、七億の合理化資金を出そうというふうな考え方をいたしております。そういつた合理化計画と相まちまして、何と申しましてもさらにその一歩前の原々料の安値の入手ということが非常に重要なわけでありますが、こういつた方面におきましても、最近の石炭の値引き、あるいは銑鉄の値下げというような状況に相なつて参つておりますので、相当なコスト・ダウンを期待できると思います。また御指摘のように、単にこのコストが低いから出るというわけのものでもないのでありまして、結局その機械に相当ななじみがあるということ、またサービスということが、こういうものには特に必要だと存ぜられますので、海外にそういつた機械の宣伝並びにサービスの機関といたしまして重機械相談室、これは仮称でありますが、そういうようなものを設けたい。これは一にメーカーなり、あるいは輸出業者の仕事でございますが、なかなか負担が多うございますので、国家においてこれが補助をいたしたいという考えで、不成立予算において三千万円を計上していただいておつたのでありますが、今回の予算で七千万円を計上いたしておるわけであります。機械類は、御承知のように何と申しましてもコストが安い、いいものであるということが必要ではありまするが、その際、実際にその機械を見ておること、またサービスをよくしてくれるというところに、売れるチャンスというものが多いのだというふうに考えられまして、こういう方面からの効果というものも相当あろうと存じておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/29
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030・春日一幸
○春日委員 ちよつとお伺いをいたします。先日の御答弁によりますと、二十八年度において二百四十億、これが五箇年間に償還されるという計画に基く融資だと言われた。大体この輸出入銀行の融資せんとする限度額は幾らであるか、またこれが十箇年になつた場合のその限度額は幾らであるか、大体政府において予定を立てられておると思うのでありますが、その予定についてひとつお伺いをいたしたい。本年度二百四十億貸しても、来年度、再来年度継続費用をとつておやりにならなければプラント輸出振興の趣旨に沿わないことになりまから、当然継続事業として毎年そういうことはおやりになるでありましよう。従つて五箇年間に償還される場合と、十箇年間に償還される場合とでは、その資金計画はおのずからかわつて参ります。そういう場合において、どういう対策をお立てになつておるか、大体の構想のあらましを伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/30
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031・河野通一
○河野(通)政府委員 この問題はなかなかむずかしい問題でありまして、二十九年度以降におきまする輸出入銀行の資金計画等につきましては、ただいまのところまだこれらについての計画を具体的に持つておりません。私どもといたしましては、今後の推移を見ながら、プラント輸出の振興という重要な問題を促進いたしますために、財政の許す限りにおいて、できるだけ多額のものをこれに注入いたして行くという方向に努力いたしたいと考えております。ただ問題は、資金の返済期限がだんだん長くなつて来るということによつて、同じ輸出金額であつても、返済期限が長くなれば回収が遅れますから、資金としてはそれ自身多くなるということは免れぬと思います。これは単に国内の資金だけでなくして、やはり外貨というものが入つて来るのが遅れるわけでありますから、そういう観点から、外貨との関係を十分ににらみ合せまして、できるならば、返済期限というものはできるだけ短かいように私どもは努力をいたして参らなければならぬ。しかしながら、その努力をいたしましても、どうしてもできないようなもの、そして、返済期限があるいは長くても、やはり日本全体の経済から見たならばこれを輸出した方がいいというものが、この間も具体的な例を申し上げたようにあるわけでありますから、そういつたようなものにつきましては、やはり長い返済期間でやれるような道はぜひとも開いておきたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/31
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032・春日一幸
○春日委員 結局今の御答弁の中にありましたように、一つはそれだけの政府資金がそちらの方面に投入される。同時に外貨獲得のためのせつかくの輸出なのであるけれども、かんじんのドルはなかなか先にならなければ入つて来ないということで、この法律の目的とするところはなかなか果されがたい状況になつて参るわけなのであります。このことを考えてみますとき、さらにこういうことが考えられると思うのであります。日本はこの競争に打勝つために、たとえばアメリカとかドイツとかベルギーとか、そういうところが十年とか十五年とかやつているから、日本はそれに追い着いて行くのだ、そうすれば、それらの国々は日本に比較して経済条件が非常によろしいから、日本との競争に勝つために、日本は十年にしたからさらに十五年にする、そういう場合に、日本はさらにサービス供与のためにおれの方は十五年に延長する、こういうことになつて参りますと、日本の持つ経済力で、アメリカやイギリス、あるいはフランスと対抗できる限度額はおのずからきまつて来ると私は思う。そこでしよせんは競争に勝つことだけのために、今ここで十年に延ばしても、さらに相手国が長期の延長を策して行けば何にもならない。外貨を相手にそれだけ貸し付けた形になる。一方国家資金はそういう輸出事業のみに独占されて、他の面に対する資金計画に事欠いて来る。こういう結果になつて来て、何にも得るところはなくなつてしまう。結局国際貿易を非常に長いタームによつて混乱に陥れる以外に何ら得るところはなくなつて来る。このことは大いに慎重に御考慮を願わなければならぬ問題である。ただいまの御説明によりますと、三箇年計画の一千億によつて、コスト高の問題にいろいろ努力されておるということであります。これは当然必要ではありましようが、その目的を達した場合といえども、これは辛うじて国際価格にようやくわれわれが到達するということだけで、何らプラスの面にはならない。そういうことでありますから、私どもが主張しておることは、今や国家財政が非常に枯渇しておるこの窮乏の状態においてこれは、万般の施策とにらみ合わせてこういう施策も講じてもらわなければならぬ。今御指摘になつたところはわずかに五点か六点でありまして、ごく少数の者のために立法をして、多数の者を犠牲のままにしておくようなこういう法律を推進せしめる必要がどこにあるか。だから私は、この問題についてはなおたくさんの資料も持つておるし、せつかく大阪から財務局長が来ておられるのだから、まだまだ質問したいのでありますが、とにかくわれわれの感覚においては、そういう点はとうてい承認できるものじやない。だから私は、もう少しあとで質問の時間をいただくことにいたしまして、一応質問を後刻に留保いたします。
〔「採決々々」と呼び、その他発言する者多し〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/32
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033・千葉三郎
○千葉委員長 暫時休憩いたします。
午前十一時四十分休憩
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午前十一時四十二分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/33
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034・千葉三郎
○千葉委員長 再開いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/34
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035・淺香忠雄
○淺香委員 動議を提出いたします。ただいま議題となつております三十一法案中、国の所有に属する物品の売払代金の納付に関する法律の一部を改正する法律案、地方公共団体の負担金の納付の特例に関する法律案、社寺等に無償で貸し付けてある国有財産の処分に関する法律の一部を改正する法律案、木船再保険特別会計法案、保険業法等の一部を改正する法律案、昭和二十八年度における特定道路整備事業特別会計の歳出の財源の特例に関する法律案、漁船再保険特別会計における漁船再保険事業について生じた損失を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律の一部を改正する法律案、設備輸出為替損失補償法の一部を改正する法律案、日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案、印刷局特別会計法等の一部を改正する法律案の十法案につきましては、質疑も大体尽されたと思いますので、以上をもつて質疑を打切り、討論を省略して、ただちに採決に入られんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/35
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036・千葉三郎
○千葉委員長 ただいまの淺香君の動議のごとく決定するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/36
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037・千葉三郎
○千葉委員長 異議ないものと認めまして、国の所有に属する物品の売払代金の納付に関する法律の一部を改正する法律案、地方公共団体の負担金の納付の特例に関する法律案、社寺等に無償で貸し付けてある国有財産の処分に関する法律の一部を改正する法律案、木船再保険特別会計法案、保険業法等の一部を改正する法律案、昭和二十八年度における特定道路整備事業特別会計の歳出の財源の特例に関する法律案、漁船再保険特別会計における漁船再保険事業について生じた損失を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律の一部を改正する法律案、設備輸出為替損失補償法の一部を改正する法律案、日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案、印刷局特別会計法等の一部を改正する法律案の十法案につきましては、以上をもつて質疑を打切り、討論を省略して、これよりただちに採決に入ります。
まず国の所有に属する物品の売払代金の納付に関する法律の一部を改正する法律案より採決をいたします。本案を原案の通り可決するに賛成の諸君の御起立を願います。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/37
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038・千葉三郎
○千葉委員長 起立多数。よつて本案は原案の通り可決いたしました。
次に、地方公共団体の負担金の納付の特例に関する法律案、社寺等に無償で貸し付けてある国有財産の処分に関する法律の一部を改正する法律案、木船再保険特別会計法案、保険業法等の一部を改正する法律案、昭和二十八年度における特定道路整備事業特別会計の歳出の財源の特例に関する法律案、漁船再保険特別会計における漁船再保険事業について生じた損失を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律の一部を改正する法律案、印刷局特別会計法等の一部を改正する法律案の七法案を一括議題として採決いたします。右七法案をいずれも原案の通り可決するに賛成の諸君の起立を願います。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/38
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039・千葉三郎
○千葉委員長 起立総員。よつて右七法案はいずれも原案の通り可決いたしました。
最後に、設備輸出為替損失補償法の一部を改正する法律案及び日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案の両案を一括議題として採決いたします。右両案をいずれも原案の通り可決するに賛成の諸君の起立を願います。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/39
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040・千葉三郎
○千葉委員長 起立多数。よつて右両案はいずれも原案の通り可決いたしました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/40
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041・千葉三郎
○千葉委員長 次に、国有財産の管理状況に関する件を議題として質疑を続行いたします。福田繁芳君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/41
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042・福田繁芳
○福田(繁)委員 私はただいま議題になつております、先日来審議中の陸軍造兵廠枚方製作所に関連する質問を、これから数点いたしたいと思うのであります。
その質問要項に入る前提として申し上げたいのでありますが、この問題は、御承知の通り過日来当委員会においてとかくの社会的な風評もありますので、事いやしくも国有財産でありますから、慎重に調査いたして、もし一そういうところにとかくの風評の事実がありまするならば、これをあくまで追究して責任の所在を明るくして、これに対する根本対策を打立てなければならぬ。幸いにして調査の結果さようなことがなくて、正しく認識ができ得るということになれば非常にけつこうだ、こういうような意味合いにかんがみまして、先日の理事会の結果、この問題の衝に当りましたところの近畿財務局長並びに管財部長の御両氏をお招きいたして、その当時のことをつぶさに事実に基いてこれからお答え願いたい、かように思うわけであります。そこで私は委員長にちよつとお願いいたしておきたいのでありまするが、この問題は、同僚諸君から相当御質問があるかのごとくに承りますので、私は至つて簡単に数点を御質問いたします。勢い私の質問いたしておりまする項目に関連するようなことがありました場合には、私は至つて簡単に終えまするから、一応御遠慮願いまして、私の全体の質問が終りましてから発言をお許しなさつて、繰返し御質問してもらいたい。これがこの問題を正しく把握し、能率的に解決づける得策である、こういうふうに考えておりますから、強く要望いたしておきます。
そこで私はまず近畿財政局長並びに管財部長、いずれかにお答え願いたいのでありまするが、第一段階といたしまして、大阪陸軍造兵廠枚方製作所を旧陸軍省より引受けたるときの全貌と申しまするか、それと引受けたときの各項目に対する台帳価格をこの際承つておきたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/42
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043・吉橋鐸美
○吉橋説明員 近畿財務局が終戦後引受けました枚方の製造所の全体の財産をお答え申し上げます。土地が三十五万二千一百八十二坪、これの台帳価格が五百六十六万九千七百七十六円、立木竹は、金額だけ申し上げますが、二千五百四十円、建物六万二千八百二十一坪、価格が九百八十一万三千三百四十四円、工作物は、煙突その他いろいろございまするが、数量は申し上げません。価格三百五十七万六千九百五十七円、機械器具八千九百十二台、三千六百三十六万七千六百五十八円、合計いたしまして金額は五千五百四十三万三百七十六円、こういうふうになつております。
枚方製造所は、大体四つの地区にわかれておりまして、今度の小松製作所の売払いの対象になつておりますのはそのうちの二つの地区であります。一つは中宮地区、一つは甲斐田地区、こういうふうになつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/43
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044・福田繁芳
○福田(繁)委員 ただいまので枚方製作所の全貌と同時に、その中において小松製作所に払い下げせんとするところの二地区のことがわかつたのでありまするが、まず結果から聞くようでありまするが、この甲斐田地区と中宮地区の両方の台帳価格がわかつておりますれば、一応お示しを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/44
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045・吉橋鐸美
○吉橋説明員 御説明申し上げます。まず甲斐田地区の方から申し上げます。甲斐田地区の土地は、十二万一千四百九十六坪、台帳価格百九十五万六千八十八円、建物一万二千九百四十九坪、価格二百七十五万五千七十四円、工作物価格二百九十万二千七百八円、機械器具四百六十六台、価格三百六十二万六百四十七円、これの台帳価格合計が千百二十三万四千五百十九円。
次に中宮地区について申し上げます。土地が、七万七千九百九十四坪、台帳価格が百二十五万五千七百十一円、建物一万七千五百二坪、価格二百六万四千四百六十五円、工作物千三百九十二万三千六百二十五円、機械器具九百四十一台、七百五万九千二百九円、中宮地区の合計台帳価格が二千四百三十万三千十一円、かようになつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/45
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046・福田繁芳
○福田(繁)委員 ただいまの御答弁で、小松製作所に払い下げせんとするところの甲斐田地区と中宮地区の物件の台帳価格はほぼわかりました。そこで問題になりまする払下げ申請人でありまする小松製作所と近畿財務局との、事の起りから今日までの推移をこの際伺つておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/46
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047・吉橋鐸美
○吉橋説明員 御説明申し上げます。枚方工廠は終戦後賠償指定になつておりましたが、それが昨年の講和発効と同時に解除になりました。解除間もなく本省の方から、旧軍工廠の一括転用の方針について、枚方の工廠は一括転用方針で行くのだという御指示がございました。そうこうしている間に、小松製作所の方から、枚方工廠の四つの地区のうちの一つ甲斐田地区について、重車両の製造のための売払いが願いたい、こういう申入れがございました。口頭の申入れで、その後いろいろ話を聞き、われわれの方といたしましても、下調査を四月、五月にわたつていたしておりましたが、六月に正式に書類をもつて甲斐田地区の売払い申請が提出せられました。それに対して売払いのためのいろいろな調査、特に評価その他をいたしまして、十月に調査を終つて、甲斐田地区については本省に一件書類を申達いたしました。
次に中宮地区につきましては、各種砲弾の弾体の搾出その他の加工をするという目的で売払い申請が十月に出ました。十二月までにいろいろな調査を終りまして、十二月にやはり本省に申達いたしました。その間九月二十五日と記憶しておりますが、中宮地区につきましては立入りの許可をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/47
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048・福田繁芳
○福田(繁)委員 ただいまの経緯を伺つておりますると、小松製作所の方が、重車両製造の目的において甲斐田地区を初めに申請しておる、中宮地区は、砲弾製造のために二、三箇月遅れて申請しておる、こういうお話でありまするが、われわれが先般実地調査に参つたところが、小松製作所が先に申請して重車両の製造をいたしたいと言つておつたところの甲斐田地区には、今なお立入りが許可にもなつていない。あとから砲弾製造の目的で申請した中宮地区は、立入りがもうすでに数一箇月前からお許しになられてそしてどんどん工場のある部分が操業しておる。早く申請したものが今なお未解決というか、その主まであつて、あとからやつた方が許されておるのだが、何かその点理由があつたのでありますか。御存じならばお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/48
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049・吉橋鐸美
○吉橋説明員 御説明申し上げます。甲斐田地区の方が先に申請がありましたのですが、それに引続いて小松製作所の方が、在日米軍のJPAの方から砲弾の発注を受けまして、それらの納期の関係で至急仕事をやらなくてはならない。しかし甲斐田地区の方では、これに適した機械その他の設備がない、中宮地区でなければそれができない、至急中宮地区の方での仕事をやらなくてはならないという会社の方の強い要望がございました。その要望をいれて先に手続をとりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/49
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050・福田繁芳
○福田(繁)委員 さすれば、これは小松製作所が受注並びに納期の関係上、後者である中宮地区の方の立入り許可を一刻もすみやかにと要請したのでお許しになつた、こう解釈してよろしうございますか。——さすれば伺いますが、こういつた国有財産を、小松製作所の方から口頭、あるいは日をおいて書類をもつて両地区の払下げ申請をしたのでありますが、これに対して近畿財務局が、先ほどの経緯によりますと、そこまでお許しなすつたのでありまするが、これはどういう法規に基いて処理されたか、処理された法規の根拠を伺つておきたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/50
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051・吉橋鐸美
○吉橋説明員 御説明申し上げます。売払い全体のことについてまず御説明申し上げますが、売払い全体といたしましては、財政法の九条、それから国有財産法の二十条、それから予算決算及び会計令の九十六条の二十号、特にこの予算決算及び会計令の二十号によりまして、産業の保護奨励のために必要な物件の売払い貸付、これを適用いたしたわけでございます。手続につきましては、国有財産法の施行令の十五条によりまして仕事を進めました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/51
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052・福田繁芳
○福田(繁)委員 そこで参考に伺つておきたいのでありますが、この法規の根拠に基いてあなたの方で処理なさつていられるのでありますが、これに対して小松製作所以外の競願者がなかつたか、あるいはその当時の競願者がなかつたならば、小松製作所が申請して来る前後に払下げの意思表示をする企業団体がなかつたかということを伺つておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/52
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053・吉橋鐸美
○吉橋説明員 御説明申し上げます。売払いを正式に申請して参りましたのは、甲斐田地区については六月、中宮地区については八月、その当時競願の申請をしておるものは一件もございませんでした。それよりずつと前、いつごろか私的確な記憶はありませんが、極東鉄器株式会社という名前の会社から売払いを受けたいというような口頭の話があつたらしいのでありますが、その会社は、売払いを受けたならば会社を設立するという話であつて、結局会社もできず、その話も立消えになつた。従つて申請当時には全然競願者はございませんでした。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/53
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054・福田繁芳
○福田(繁)委員 大体今までの経緯は、一応私は了承いたしましよう。
そこで次に続いて伺いたいのでありまするが、この払下げの、払下げせんとする物件に対する価格の内定は、近畿財務局においておきめになつたものか、あるいはまた払下げ申請人が大体希望金額として指示して参つたものか、あるいは両者が相談されておきめなすつたものか、その方法を一応伺つておきたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/54
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055・吉橋鐸美
○吉橋説明員 価格の評価につきましては、財務局の方で一定の評価手続によりまして一応の評価をして、それを本省の方へ送付して、承認を受けた後にきめることになつておるわけでございます。業者の方から、この値段でというような意思表示はありませんでした。もちろん財務局の方で、一定の評価手続によつて評価をしたものに対して、個々の問題につきましては、業者との間に高い安いというような折衝は、売払いの関係上当然ございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/55
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056・福田繁芳
○福田(繁)委員 さすれば、そこで向いたいのでありまするが、まず順序として土地の価格評価でありますが、これは一体どういう方法で、何に基いて御算定されたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/56
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057・吉橋鐸美
○吉橋説明員 土地の評定につきましては、まず甲斐田地区と中宮地区と二つにわけて評定をいたしましたが、いずれの場合におきましても、調査当時の昭和二十七年度の課税標準価格をもとにいたし、富裕税の評価額あるいは固定資産の評価額、そういうものを調査いたしまして、なお付近の売買の実例とか、精通者の意見等も徴しまして、そうして適正なと思われる価格で評価をいたしたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/57
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058・福田繁芳
○福田(繁)委員 なお参考に伺つておきたいのでありまするが、その次に問題の建物でありまするが、建物は、われわれ調査まるところによりますると、鉄骨と木造と二種類があり、なかんずく木造には、まだ相当耐用年限のあるものもあり、もうすでに崩壊しておるものもある。かようにわかれておるんだが、この建物の評価価格を出す時分に、これまたどういう算定基準に基いてやつたかということを伺つておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/58
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059・吉橋鐸美
○吉橋説明員 御説明申し上げます。建物につきましては、鉄筋の建物、鉄骨の建物、木造の建物、いずれにおきましても、それを新しくつくつたならば幾らかかるかという、まず複成価格を算定いたします。その複成価格の算定方法につきましては、本省からこういう計算方法によれという指示のありましたものをもとにして算定いたします。その複成価格から鉄骨、あるいは鉄筋、木造、それぞれの経過年数に基いた償却を見まして、そうしてなおそれに被害でも受けておれば、被害、あるいは非常に利用価値でも落ちておるものでもあれば利用価値の減、そういうものを見込みまして、残存の価格を評価額として評価をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/59
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060・福田繁芳
○福田(繁)委員 その次に、評価に関してもう一点でありますが、機械に関してはどういう基準で評価されておるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/60
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061・吉橋鐸美
○吉橋説明員 機械につきましては、第一にワーク・シートとわれわれは呼んでおりますが、これは昭和二十三年にGHQの方のサゼスチョンによりまして、軍の工廠の持つている機械の評価を全部いたしました。これには民間の専門家の方も入られまして評価をしたわけでございます。その評価額をもとにしまして、大蔵省から指示のあります一定の倍数をそれにかけ、そうしてもとになる価格を出したわけであります。それに上つて非常にアンバランスな価格がもし出て来るというような場合につきましては、あるいは勧業銀行の調査部の発行いたしております工作機械の調査基準表に一定の指示の倍数をかけるとか、あるいは物価庁の告示に統制価格のあつた当時でございますが、その告示に一定の倍数をかけるとか、あるいはそれにもよれないような場合には、資材計算をいたしましてその一機械なら機械の資材を全部ばらして分析します。その資材によつて、資材価格をかけて一定の評価をする、こういう方法によつて評価をいたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/61
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062・福田繁芳
○福田(繁)委員 そこでそれに関連したことを一点伺いたいのでありますが、この賠償指定国有機械に対して、一般中小企業関係者に対して、払下げとか、あるいは交換機械をやつておられるのでありまして、先般も同僚春日委員からこれが問題になつたわけなんですが、通産省の方は比較的安いのでありますが、こういう場合に大蔵省関係は非常に高い。中小企業者が交換なり払下げ機械を求めておるのだけれども、大蔵省関係は価格が非常に高いというので、なかなか手に入らぬで困つておるということが問題になり、またわれわれも耳にしておるのですが、先般調査に行つたときに、数点の機械を番号に基いて払下げ代金と対象してみましたところが、もつともその数点というものがアンバランスになつていた関係かもわかりませんが、案外われわれが見たところよりも約一、二割方安い、しかも一面、そういつた中小企業者が払下げなり交換してもらうといつた場合の差益金というものが、非常に高くなつておる、こういうようなことを目撃して参つたわけなのでありますが、あなたたちが日常そういつた点に関連して、そういう事実をお考えになつたことがあるかないかということを、この際伺つておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/62
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063・吉橋鐸美
○吉橋説明員 御説明申し上げます。中小企業向けの交換機械の交換価格が高過ぎるという御非難は、近畿地方におきましても、あるいは陳情書により、あるいは口頭により、あるいは新聞等で承知しております。われわれが今度評価いたしました機械の評価と中小企業向けの評価におきまして、特別にかわつたやり方をして、小松なら小松に対して特に安く評価したとか、高い基準によつてやつたとか、そういうような特別な取扱いはございません。通産省関係に比べて、大蔵省の評価の方が高いという御非難がありました。そうしてはたしてどうだらうかという計算も試案としてやつてもみたことがありますが、一部高いような場合もあり、計算のやり方が違いますので、どちらがどうということは、個々の機械について言わなければ、ちよつとわかりかねるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/63
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064・福田繁芳
○福田(繁)委員 この問題は、いずれ後刻同僚委員から御質問があると思うから、私は省略いたします。
そこで最後に問題となつて来ますのは、ああした払下げをせんとしておる地区に対して、立入りを許しておりますために起つて来るところの管理の問題です。事いやしくも国家国民の財産でありますから、全知全能力を集中して、何らの欠陥を残さないだけの管理をやられるということは当然でありますが、私らが調査に参つてみますと、実にその管理たるや、なつていない。ことに聞くところによると、最近芳ばしからざるところの、ものを中心にしての問題が対内的に起つておるということも耳にしたのでありますが、こういつたことはお耳に入つてないかどうか、もし入つておるとするならば、その真相をこの際聞かしてもらいたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/64
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065・吉橋鐸美
○吉橋説明員 現在枚方には財務局の出張所を置いて、その地区の管理をいたしております。職員約三十名ぐらいのうち、警備その他に当るいわゆる監視というものは十四名ほどございます。実際に現場に当つて巡回をいたしましたり、あるいは門に立つたりする人員は、六名二箇班の十二名、これが当つておるわけでございます。終戦後大蔵省にこの財産を引継ぎました当時には、五百名程度の人員がそこにおつて警備に当つておつたと承知しておるわけでございますが、いろいろな関係で、財産の処分ももちろん一部あるわけでございますが、人員と経費の節減の関係から、現在は先ほど申し上げましたような状態で、従つて警備につきましては、万全を期するよう努力をいたしておりますけれども、人と経費の関係で、これでもう申分ない、絶対自信があるのだというところまでは行かない場合もあるわけでございます。ただいま御指摘のありました小松製作所に立入りを許しておる区域から物を持ち出したという例はないか、こういう御質問でございますが、あの場所に立入りを許しました際に、官の許しを得ずにかつてに建物その他を補修してはいけないというふうに、きつく言うてあるのでありますが、それを官の許しを得ずに電話線の補修をいたして、そうしてとりはずした電話線を外へ持ち出したという事実がございます。昨年の十二月に補修をいたしました。今年の三月までの間に、二回にわたつて電話ケーブル線約八トンと私のところへ業者の方から言つて来ております。それを持ち出した、こういうことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/65
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066・福田繁芳
○福田(繁)委員 そこで伺いたいのでありますが、財務局長にと質疑をいたしましたこの数点は、財務局長は申請書を本省に送達するに伴うて、こういつた詳細な点を本省の方に御申告になりましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/66
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067・吉橋鐸美
○吉橋説明員 書類につきましては、詳細な調査書類をつくりまして、そうして本省の方へ申達しております。ただし、ただいまの持出しの件につきましては、詳細なというところまではまだ行つておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/67
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068・福田繁芳
○福田(繁)委員 そこで今度は管財局長に伺いたいのでありますが、とかくの問題になりました枚方製作所の問題の経緯は、今の質疑のような状態であり、また調査に参つたものも、その方の主観によつて違いましようが、私は大体議員生活に入るまでは、こういつた事業に携わつておりました関係上、大体これは了承することができる、ただ非常に残念に存じますのは、この問題が巷間伝えられるような妙な話があつたので、この委員会が取上げてあなたに御質疑いたしたときに、あなたが財務局長方面からの、この問題に関連する資料を入手されておつたとするならば、もう少しつまびらかに、同時に誠意のある御答弁ができたのじやないか、それができたならば、何をかもつてこの問題が、こういつたように世間の疑惑を起すような物議をかもさぬで済んだのにということを、われわれは遺憾に存ずるのであります。三権分立の建前、われわれ立法府におるものが、行政権にあるいは干渉するとか、侵犯するという考えは毛頭持つておりませんけれども、こういつた、事いやしくも国有財産が国会で問題になつて、その答弁にわれわれが了承することができなければ、好むと好まらざるにかかわらず、こういつた関係に入つて行かなければいかぬことになる、この点は国有財産として今なお整理せんとし、今後整理しなければいけないものが相当多数あるに違いないのであります。もちろん御多用であることはわかるけれども、こういつた問題は、後顧の憂いのないように、十分御調査願いたいということを強く要望しておきます。
そこで今度は大臣のかわりに政務次官がいらつしやるのですから、政務次官に単刀直入に申し上げますが、この問題はこうやつて過日来日を重ねること六、七回、調査団を派遣すること四、五人、あまつさえ一昨日、小笠原大蔵大臣の最後の答弁のごときは、実に私たち委員として、そういつた意味合いでこの処置に困つておるのでありますが、大蔵政務次官として、一体これに対してどういう御対策と、どういうお考え。なおまたわざわざ財務局を招致して、私が質問したのに対して答えた、その答弁から受けた感じを率直にお聞かせ願つて、そうしてその根本対策を御披瀝願いたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/68
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069・愛知揆一
○愛知政府委員 ただいまの福田さんのお話は、まことにごもつともでございます。私どももこの事件につきまして、数回にわたつて当委員会で、貴重な時間をお割きいただいたことについては、まことに恐縮に存じます。ただ世間の非常な問題になりましたので、従来大蔵省として、あるいは財務局としてやつておりましたことに、万々間違いはないという私は確信は持つておるのでありますが、しかしこれだけの問題になりましたので、一昨日大蔵大臣が申し上げましたように、あらためていま一度この処置が適当であつたかどうかという点について、省議を開いて検討をして、その結論が、おそらく再確認をするということになるのではないかとも思いますが、念には念を入れてはつきりした態度を決定いたしたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
なお本件のみならず、他にも先般の虎ノ門公園の事件もございますし、そのほかにもいろいろ話題になつておるものもございますので、一昨日大蔵大臣から申し上げました通り、現在懸案になつております国有財産の処分の問題については、一括して国会のひまを見まして、大蔵省としても全省をあげて管財局、あるいは財務局の考えておりますことを再検討いたしたい、こう考えておるわけでございます。一昨日の大蔵大臣の答弁は、そういう趣旨で申し上げたのであると思いますし、また従来やりましたことについても、自分も具体的に判をついて、書類を念査するというところまでは行かなかつたものでありますから、大蔵大臣としての判断を正確にやりたいということで、ああいうふうな御答弁を申し上げたわけでございますので、その間の事情は御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/69
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070・福田繁芳
○福田(繁)委員 この枚方製作所に関して、近目再び省議を開いて、結果を出す、あるいは再確認になるといつたようなお話でありましたが、再確認になるならぬはわれわれの関知をしたことでありませんので、それはどうなりましようともけつこうでございますから、今後再びかような結果を起さないように、十分御注意を願いたいと思うのであります。ことに繰返すようでありますが、出先機関と上大臣との中間の連絡、横の連絡を密にするための政務次官のお役柄であるとも考えられるのであります。どうぞこれを一つの試金石とされて、今後この委員会において、率直にいえば泰山鳴動してねずみ一匹も出ないというような問題を、再びこの国会において取上げるすきを与えないように、慎重に御注意願いたいということを私は率直に申し上げておいて、改進党としての、私としてのこの質問は打切つておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/70
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071・千葉三郎
○千葉委員長 午後二時まで休憩いたします。
午後零時二十七分休憩
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午後二時二十一分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/71
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072・千葉三郎
○千葉委員長 休憩前に引締き会議を開きます。
本日の日程に掲げました三十一法案中、午前中審議を結了いたしました十法案を除いた二十一法案、及び国有財産の管理状況に関する件を一括議題として質疑を続行いたします。
なおただいま出席中の政府委員は、愛知政務次官、阪田管財局長、説明員といたしまして吉橋近畿財務局長、島村近畿管財部長、並びに説明員といたしまして、通産省軽工業局アルコール第二課長の渡辺五六君が出席しております。質疑は通告順によつてこれを許します。井上君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/72
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073・井上良二
○井上委員 この国有財産払下げに関連して、先ほど福田さんから御質問になりました点に関連をし、多少重複するところもありますけれども、質疑をいたしたいと思います。
第一に伺いたいのは、一昨日も確かめましたが、旧陸軍造兵廠枚方製造所の中宮地区及び甲斐田地区を、小松製作所に払下げることを予定いたしましてれそのうち甲斐田地区は、六月二十三日に大蔵省としては払下げを許可することに決定した。この許可をめぐりまして、大臣決裁を受けたか受けないかということで、いろいろ問題がございましたが、先ほど証拠書類の提出を求めてみましたところ、その証拠書類によりますと、この払下げ物件は、やはり六月二十三日に売払い指令書というものが発せられております。そうしますと、この売払い指令書というものは、ただ大蔵省の手元に持つておりますのか。先般大臣の御答弁によりますと、さらに問題になつた以上は、慎重に内容についても検討したい。また国会の審議の経過もあわせて考えたい。こういう御答弁でありましたので、従つてこの売渡し物件は一時保留の形に実質はなると思いますが、そうなりますと、この売払い指令書は現在どういうことになつていますか。すでに相手方に売渡しを通達いたしましたか、それともまだ大蔵省の手元にその書類は保留しておりますか、それをまず明らかに次官からしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/73
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074・愛知揆一
○愛知政府委員 一昨日大蔵大臣が答弁をいたしましたことに関連いたしますので、私から最初にお答えいたしたいと思います。これは午前中にも福田さんの御質問にお答えいたしました通り、さらに慎重に大蔵省としては検討をするということに決定になりましたので、ただちに、実行についてはさしとめの指令をいたしました。そのさしとめの指令をいたしました時期は、一昨日よりもつと前でございまして、本件について私の記憶では、これも小笠原大臣と御同様に率直に申し上げるのでありますが、新聞に出ました六月二十三日に、大臣としては決裁をした覚えはないということで、そのときにさらに慎重に検討した方がよかろうということで、実行のさしとめを指令いたしましたから、相手方に通告はいたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/74
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075・井上良二
○井上委員 それからこの払下げのことに関連して、大蔵事務当局としての事務手続の問題でございますが、大蔵省のこういうものの払下げの事務手続は、省議にかけさえすれば、あとはもう大臣決裁を得なくても、局長または事務次官等で決裁ができるというような内規がありますか。たとえば金額にすれば何ぼくらいのものは局長決裁で済ます、またそれから以下のものは地方の財務局長で済ます、それ以上のものは本省の許可を要する、あるいはまた一定金額以上になると省議に諮り、大臣の決裁を要する、こういう何か払下げについての事務的な決裁を得るまでの内規といいますか、そういうものがありますか。これを伺いますのは、たとえばわずかなものを払下げるのに、一々大臣が決裁するということは、実際煩雑証ありましようし、また一々そういうものを省議にかけるということは、なかなか困難でありましよう。それは出先の機関を信頼されて処分されることもありましよう。ただ相当大きな物件になつて、しかもそれが非常な影響のある問題ということになつて来ますと、一応これは大臣の決裁を要するということの方が妥当でないかと思います。と申しますのは、さきに申しましたこの払下げに必要な書類を見ますと、大臣の判がついてありません。舟山次官だけの判がついてあつて、大臣の判は事実上ついてないということが明らかになりました。しかし私は、今日それをどうこうとは申しませんが、大臣の判をつかなくても、こういう大きなものを払下げる場合にさしつかえがないという内規がありますならば、それを後ほど示していただきたい。ただいますぐどうこうとは申しません。
次の問題に入りまして伺いますが、この枚方製造所を小松製作所に払下げることを予定して、中宮地区については正式に売買契約の締結まで相当の日時を要するので、本省の了解を求めて、一億二千万円の担保を徴して立入りを許可した、こういうことになつております。そこで問題は、この一億二千万円の担保の問題であります。一体この一億二千万円は立入りに対する担保であるか、それとも売買予定によります保証金といいましようか、そういうものであるか。それとも売買締結までの機械を貸し与えました場合の機械、工作物、建物等の損害補償金であるか、どういう性質のものであるか、これを明確にしていただきたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/75
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076・愛知揆一
○愛知政府委員 前段につきまして、私からとりあえずお答えをいたしておきます。国有財産の売払いにつきまして明文の規定がございますのは、昭和二十四年十二月二十六日大蔵省訓令特第七号というのがございますが、これの第十条の第一号におきまして、財務局長は予定価格二千万円を越えるものについては、大蔵大臣の承認を受けなければならない、これが明文の規定でございます。そうして二千万円以上のものにつきましては、この規定によつて本省に稟議されるわけでありますが、その稟議をされたもののうち、大臣から規定をもつて明瞭に部下に委任をしておるものはないのでございます。これは一昨日以来問題になつておりますように、慣行として扱つておりまして、大体一億円以上ぐらいのものは上司のさしずを仰ぐのが従来の慣行になつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/76
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077・井上良二
○井上委員 今のあとの方をひとつ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/77
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078・阪田泰二
○阪田政府委員 ただいまの保証金といいますか、立入りに当りまして会社から提供した金額の意味の問題ですが、これは大体立入りさせますと、その立入りさせました関係におきまして、いろいろな債権が発生をすることがありますので、そういうようなものの収入を確保する、かような意味が第一段にあるわけであります。なおそのほかに、将来これは売買契約を締結いたすという話が進んでおるものがありまして、そういう話を促進するといつたような意味合いもあるかと思います。売買契約はまだ成立していないわけでありますから、契約保証金とか、そういう意味は持つていないわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/78
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079・井上良二
○井上委員 そうすると、この一億二千万円というのは、立入りによつて国有財産が損傷を受け、また紛失その他のことがあつてはいかぬからという現有国有財産を管理する責任において、第三者を立入らせた場合の損害補償金というように理解してさしつかえありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/79
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080・阪田泰二
○阪田政府委員 ただいまお尋ねのありましたような損害補償金というようなものも、もちろん入つておるわけであります。そのほかいろいろな場合も考えまして、万全を期してこういうものを確保して行こうという努力はいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/80
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081・井上良二
○井上委員 そのほかいろいろな場合というのは、私が一番聞きたいのは、これが売渡しの場合の保証金を意味するかしないか、つまりあなたに売りますが、値段のとりきめをしても、一体何ぼ保証金を入れますかというのが、普通の民間で売買の話ができました場合にやることですから、そういう保証金を意味しておるかいないかということを確かめておるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/81
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082・阪田泰二
○阪田政府委員 先ほども御説明申し上げましたように、売買契約はまだ締結いたしておらないわけでありますから、契約の保証金といつたような意味は持つていないわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/82
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083・井上良二
○井上委員 これは立入り保証金とわれわれは了解をいたしました。そうしますと、その前にちよつと伺つておきたいのは、私どもに資料として出されておる近畿財務局からの国有財産立入り作業許可について、それから旧大阪陸軍造兵廠枚方製造所について、これはいずれもここに記載してある内容については、政府として責任の持てるものでありますか。これをまずはつきり確かめておかなければならぬのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/83
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084・吉橋鐸美
○吉橋説明員 大蔵委員の方々が御調査にいらつしやるということで、急遽必要と思われる参考資料をとりまとめたのであります。急いで作業はやつたと思いますが、これは正しい資料だ、さように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/84
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085・井上良二
○井上委員 ただいまの立入り保証金は、小松が作業計画に基いて作業を実施するにあたつて、工場の整備その他に必要があつて緊急に立入りをせなければならぬ、立ち入らせた場合は、国有財産の損傷、紛失等に重大な支障があつてはならぬということからこの保証金が出されておる、こういうことでございます。ところが小松製作所が本年の二月の株主総会において提出いたしておりますこの会社の事業計画並びに報告書によりますならば、枚方地区の払下げを約九億円と概算し、十年年賦の第一回即納金一億八千万円のうち、八千万円を第一回分として内払いをする、この内払いをするということで承認を株主総会において得ておるのです。そうして同時に、それらの物件は抵当権が設定されておるのですが、抵当権は設定をした覚えはありませんか。そうしてその株主総会において報告をし、承認を求めました一億八千万円のうち、八千万円を内払いとするという株主総会での議題は、あなたの方には何ら報告はございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/85
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086・吉橋鐸美
○吉橋説明員 ただいま、小松製作所の本年二月の決算報告書に一億八千万円の金額が掲げてある、そのうち八千万円を売払い代金の内払いとするのだというようなことが書いてある、また売払い予定物件に対して担保権が設定してある、こういうことがあるのだが知つておるか、こういう御質問でございますが、全然存じておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/86
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087・井上良二
○井上委員 それではもう少し伺いますが、その抵当権設定の問題は、株主総会では問題になつておりません。後ほどの火災保険その他のときに問題になつて来ますから、そのときに申し上げることにして、問題は株主総会に、枚方のものはすでに買うことにきまつた、そして十箇年年賦の払込金の一時金として八千万円払わなければならぬ、こういうことの承認を求めて来ておる。これは各株主に送つて来ております報告書において明確であります。これはひとつお調べを願いたい。そうしないと、小松がうそを言つたことになりますから、これは商法違反が起つて参ります。それはあなたは知らぬということですから、これは売渡しの保証金でないということが明確になつて来ました。
その次に確かめておきたいのは、この中宮地区に対する一億二千万円の担保をとつて小松に立入りを許して、売買契約成立までに、仕事は急ぐというので作業開始を許した。作業を許すことによつて当然土地、建物、機械、工作物類等が小松に貸されたことになつており、そしてその賃借料をとつておる。この場合の賃貸契約は結んでおりますか。それを伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/87
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088・吉橋鐸美
○吉橋説明員 これは立入り許可の法律上の性質をどう解釈するかということになるわけでございますが、民法上のいわゆる賃貸借契約は結んでおりません。国有財産法の第二十六条でございましたか、国有財産法におけるいわゆる貸付と、その貸付以外の方法によつて使用または収益をさせる場合には、前何条の貸付の規定を準用する、この規定に基きまして貸付料——われわれは弁償金という名前を使つておりますけれども、実質上は貸付料と同じものをとつておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/88
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089・井上良二
○井上委員 立入りを許すという問題と、それから実際機械を使つたら、それだけ国有財産は消耗するわけであります。しかも売買契約が成立すればいいけれども、値段の問題だから、成立をするとは断定できません。現実にその機械を使わそうとする場合は、当然成規の手続がいりますならば、売買契約が成立するまでの暫定期間にいたしましても、国有財産を預かる責任者としては、賃貸契約を結ぶのが正式な行き方ではないかと私は考えます。これは解釈の相違で、またこの立入り契約といいますか、そういうものと性質が多少異なると私は理解しておるわけでありまして、これも、第一賃貸契約ができてないのに機械を使わしておるということは、国有財産を預かる者としては行き過ぎの行き方でないかと言われても、あえて抗議ができぬことではないかと私は思います。と申しますのは、そういうずさんなやり方によつてすべてこれが行われておるからであつて、従つてこの賃貸料、あなたの方で言われる弁償金も、これを正当な弁償金とあなたはお考えになつておりますか、どうですか。それを伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/89
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090・吉橋鐸美
○吉橋説明員 貸付契約をせずに機械その他を使用させておるのはいけないではないかという第一点でございますが、売買契約をできるだけ早くやる、従つてそれまでの暫定措置として、しかも工場作業をやる上におきましては、荒れ果てた工場でございますから、機械の調整その他いろいろな準備作業もいるわけであります。従いまして、正式な貸付契約をやるほどの長い期間にわたつて貸付をして売買をしないというような状態は起きないであろう、かように考えまして、国有財産法二十六条による立入りの許可という手続をとつたわけであります。それからそれによつて生ずる損害につきましては、立入り許可の条件としまして、おそらくごらんになつたことだと思いますが、ずいぶんこまかい点までいろいろな制限をつけております。そうしていかなる場合でも国に損害の起きないような条件を付したつもりでございます。それから使用料、あるいは弁償金という名前も使つておりますが、立入り許可中に使用したものに対する使用料につきましては、一応本年の三月末までの使用料を徴収いたしております。これは一定の計算基礎に基きまして、正しい徴収をしたと私は考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/90
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091・井上良二
○井上委員 この小松に使わしております立入り区域内の土地、建物、機械器具、工作物件、こういうものが私どものいただいておりますこの地図のついた資料のすぐ上にございますが、この資料によると四百七十六台となつております。貸付料は機械において三百十四万三千五百六十七円となつております。土地は三万四千九百七十四坪、建物は一万一千坪、これの貸付料が二百四十五万千五百三十円となつております。ところがこの売払いの予定物件の中宮地区の機械は、九百四十一台となつておりまして、建物は一万二千九百四十九坪、土地は十二万一千四百四十六、こうなつております。そうすると売渡し予定物件は、中宮地区においての機械類は九百四十一台であつて、実際賃貸料をもらつたのは四百七十六台というが、あとの機械はどうなつたか、あとの土地建物は使つてないのかということを伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/91
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092・吉橋鐸美
○吉橋説明員 お答え申し上げます。ただいまの御疑問はごもつともだと存じます。第一に土地でございまするが、七万何千坪のうち、三万四千坪について使用料を徴収しております。建物におきましても、一万一千坪だけについて、機械器具は千四百台のうち四百七十六台、こういうふうにそれぞれの売払い予定の数量よりは、徴収しました数量の方が少くなつております。これは小松製作所の方の仕事の準備状況の関係で、売払い予定物件を全部一時に使用を始めたわけではございません。整理ができ、仕事を始めるに従つて機械台数をだんだんにふやして行く。建物においてもさようでございまして、三月以後、四月になつてから使い出した建物もございます。土地につきましては、実際に使つております建物の周辺の道路なんかにつきましても、使用歩合合を出して算定をいたしたのでございます。こうした点は、現地に出張所がございますので、出張所長が現地において調査して、その報告に基いて使用料を算定いたした次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/92
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093・井上良二
○井上委員 現在小松製作所には千五百名の従業員が入つております。私ども現地を見まして、実際機械を使つている以外の作業員というものはほとんど目につきません。しかも小松に貸し付けました各工場の機械は全部稼働いたしております。この現実から考えてみまして、そこに非常に大きな開きがあるように私どもは考えられます。そしてまた、あなたの方が立入り禁止の対象の物件としてここへ出しておりますこの中にも、中宮地区に工作器具、機械器具千六台と出ております。千六台は、小松が立ち入つていらつしてさしつかえないという機械であります。しかも料金をとつたものは四百七十六台。同じあなたのところで出したものにこういう大きな誤差があります。さらに、さきに申しました小松製作所が二月二十二日の株主総会で報告したところによると、機械器具が八百七十六台、その他機械装置二百十八台、累計して千九十四台ということであります。これはここに株主総会の切抜きを持つて来ておりますから、いいかげんなことを申しておるのではありません。使用料をとつておる台数を相当内輪に見積つておるということは、一つは作業員が千五百人働いておるという事実と、あなた方の立入り作業条件として物件標示をしました機械千六台と、株主総会で報告しておる機械台数の累計から割出しまして、これが半分にも足らぬという台数ではないと私どもはにらんでおります。時間の関係で、あなた方の貸し付けておるものを一々確実に対照することは困難でありますが、さればといつて今日ただちに一台々々現実に押えてみましても、きよう調査に行けば、職工さえ使わせておかねば、これはまだ国有で、貸してないということはすぐ言い得られる。というのは、すでに使わせておる機械の番号は油でもつてほとんどわからないような実態になつておる。この事実から見ても、この貸付台数の現実ははなはだもつてぼかされておるということを、私どもはここに発見せざるを得ないのであります。同時に、あなたはこの貸付代金がきわめて妥当な価格ではじき出されたようなことを申しておりますけれども、中宮地区で払下げ価格五億四千九百万円と査定をしておるが、かりにこれを一箇月に割つてみると四百五十万円であります。昨年の十月から今年の三月三十一日までの五箇月間で、これらの物件から政府に納めた金は五百五十九万円であります。一箇月百十二万円見当になる。売渡し代金から逆算して月当りの金額を出しますれば、現実に四百五十万円からになるものであります。それを五分の一に当る代金をとつておいて、これが妥当な価格というのは、どこからそういうことが言えるのですか。売渡し価格を逆算して月割にしても、五百万近い金になるのじやないですか。それを現実には百万円余りしかもらつていないのでしよう。この工場が稼働しておる現場をあなたは御存じでありましようが、あすこは一日に何ぼの水揚げをしておるのですか。あの工場で一箇月何ぼの利益を上げておるのですか。これもまた小松が株主総会で報告をし、世上伝えられておる注文によつて逆算して来ると、少くとも半期において六千万から七千万の利益を上げる工場といわれておるんですよ。そうしたら月に一千万の利益は上る。一千万の利益を上げる施設を、たつた百万円で貸しておるというこの事実をあなたは何とお考えになるか。その貸付料がきわめて低額に失するし、貸し付けておる土地、建物、台数というものが、きわめて不確実な根拠に立つておるということを私は断定しても決してあやまちではないと思う。私はあらゆる資料を検討して自信を持つて言うておる。これらの点はさらにあなたお帰りになつて、枚方所長との間で十分御検討願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/93
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094・吉橋鐸美
○吉橋説明員 ただいま使用台数が非常に少く見積つてあるではないか、それが千何台とかいうお話がありましたが、それはちよつと私記憶がございません。台数は先ほど御説明申し上げました通りでございまして、払下げ総台数千四百台から見ますと少いようでござりまするが、これは昨年の九月に立入りを許しましてから、すぐその機械を使い出すわけではございませんで、仕事がだんだん進むに従つて、順次稼動に入つて来ておるわけでございます。それが三十一日までにおいてどうなつておるかという台数を計算しておるわけでございます。また小松製作所が非常に利益を上げておるが、それに対する使用料の五百万円は少いじやないか、かような御質問でござりますが、小松製作所の利益関係はちよつと私よく記憶しておりません。いずれにいたしましても、ただいま御指摘がありましたので、私帰りましてからさらに出張所長に命じまして、実はもうすでにきよう電話もしましたが、さらに調査しまして、もし御指摘のような点がありましたら、ただちに修正をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/94
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095・井上良二
○井上委員 そうすると、あなたの方の資料をもう少し整備する必要があります。あなたは、なるほど仕事を始めたときにはそんなによけい機械を使つてないとおつしやる。建物もそう多く使つてないということからの立論であろうと思うが、この小松製作所が二月に株主総会で報告しましたのは、十月三十日現在こういう台数をおれの方は動かしておるのじや、動かしていないのじや、そういうことを言うておるのです。すでに小松の方では、たとえばもつとこまかく申しますと、稼動機械は十月三十日現在百四十六台、休止機械は七百三十台、計八百七十六台という数が、はつきり株主総会の報告書に出ておるのです。だからすでにこの機械は小松に貸したことになつておる。でなければ、こんな数字が小松から出て来るはずがない。この数字が、このあなたの方で出してくれたやつも違うし、この方の数字も全部違うからおかしいのですよ。これがちやんと合うておれば、私は何ら疑惑を持つ節はありません。そこは、あなた方現場において、この数字がどうなつておるかよく合せてもらいたい。
それからもう一つ、この点に関連して伺いますけれども、この調定が、私のいただきました資料によると、土地建物は調定の日が七月一日になつておる。使用期間は御説のように十月一日から三月三十一日となつておる。機械器具は三月三十一日になつておるのに、土地建物だけは七月に調定をしておる。そうして代金は機械器具は四月の二十四日に受取りながら、土地建物は七月四日に受取つておる。これはどういうことです。
それからいま一つは、三月三十一日まで貸しておるものを、一体その後の賃貸料はどうきめたか。今日までどういう契約にしておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/95
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096・吉橋鐸美
○吉橋説明員 土地建物につきましては、七月の一日に調定をして、機械器具については三月三十一日じやないが、こういう御指摘でございますが、この点は、内部の事務手続のことを申しましてたいへん恐縮でござりまするけれども、土地建物、機械器具、それぞれ管財部の課が違つておるわけでございます。そこの課の仕事の進みぐあいで、たくさんの調定をやるのに遣われまして、事務の遅れておるところは遅くなつてしまうのであります。それで機械器具は第三課でやつておりますが、これは三月末で調定をやつて金を入れてくれました。土地建物については、遅れまして七月に入つてたいへん恐縮に存じております。それから今後のやつはどうするのだというお話でございますが、売払い契約が締結になるまでのやつは、算定をいたしまして使用料を徴収いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/96
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097・井上良二
○井上委員 その場合の使用料というものは、一本こういう安い使用料で貸すつもりですか、それとも改訂をするつもりですか。なかなかこの問題はそう簡単に売渡しに至るまでは行きません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/97
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098・吉橋鐸美
○吉橋説明員 今後における使用料をどういうふうな額でやるのか、こういう御質問でございますが、これは使用料を算定する倍率が大蔵省の方から示されて参ります。その倍率に変更があれば変更になつて参ります。また使用台数、使用建物が増加すれば多くなつて参ります。二十八年度は倍率が上つたように聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/98
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099・井上良二
○井上委員 それに関連しまして、あなた方のやつておる仕事というものは、この物件をお前に貸す、お前使うておれ、そのうちに適当な代金をおれの方ではじき出してきめるわ、そういうことでございましようか。物を貸す場合は、これ一箇月なんぼで貸す、あるいは何箇月でなんぼ金を納めるのだ、こういうことは、貸す前に実はきめらるべきものじやないかと思うのですが、あなたのお役所の方は、そんなことはめんどくさくてやらぬのですか、どうなんです、そこは……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/99
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100・吉橋鐸美
○吉橋説明員 貸付料をとるだけでも、私の局でやつておるのは、月に徴収するのが五万件くらいございます。これを一々計算しまして、そのうちの相当部分、半分以上は滞納になつておると思います。督促状を一回書かせるだけでも悲鳴をあげておる、その中でこの仕事をやつて行くのでありまして、理想から言うならば、今井上委員のおつしやる通りに、初めにちやんときめて、そしてきちつと先にとつていればいいんじやないか、それが一番安全でございますけれども、仕事の関係で、あとになつたり遅れたりしておるのは遺憾に思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/100
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101・千葉三郎
○千葉委員長 井上君、大分同種の質問があるのですが、なるべく縮めていただきたいと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/101
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102・井上良二
○井上委員 委員長に申し上げますが、これは国有財産の払下げに関する疑惑を解いているのですから、私得心をしない限りは一応……。もうあと少しですから、できるだけ不必要な言葉を避けまして、要点だけを質疑をして、能率的にやつて行きますから、御了承を願いたいと思います。
次に伺つておきたいのは、現実にこの小松の株主総会において、累計して千九十四台という機械及び機械装置をはつきり小松の、借り受けたといいますか、予定物件といいますか、そういうことの数字が出ております以上は、どうこの問題を処理するか、これも一応よくお考えを願つて対策を講じられますとともに、中宮地区内の売渡し予定物件の中に、土地四万三千六百二十坪、建坪五千九百二坪、これらのものを売る予定になり、現在実際使つていない機械というものが、どうしてもここにありますから、この問題を一体どう処理するかということが一つと、それからこの土地の方を売ることについて、この土地の上に国有財産がそのまま建つておる、その国有財産の中に機械がそのまま置いてある。工具が乱雑に放置してある、こういうことになつて来ると、わしのもんや、お前のもんやということの区別がはつきりしなくなつて来ます。だから残存の土地、建物及び、機械もすみやかに小松に買収をしてもらうか、それともいらぬというものならば、機械、器具はただちに他の場所に移転をする。そうして千五百人のところへたつた四人や五人で朝晩でおつたのでは一体どんなことができますか、そういう事実から考えて、すみやかにこの国有財産の管理という問題を、もつと徹底する必要があろうと思う。そういうことについて一体どう考えておりますか、それについて具体的に聞きますが、残存建物及び機械等について、小松はもういらぬというのか、買うというのか。十年もの年賦でやるのやから、あと少々ぐらいのものがあつても、買うてもらうだけの政治力を発揮してやつたらいいものを、ことさら残してもろうて、そうして向うさんの御都合のいいことばかりをはかつておる形勢がないとは言えませんぞ。それからそういう点について、もつとわれわれあなた方の財産ですから、自分の財産のつもりで処理をせぬとえらいことになつてしまいますぞ。この点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/102
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103・吉橋鐸美
○吉橋説明員 ただいまの、国有の建物が売払いを予定しておる土地の上にあつて、非常に区分が不明瞭である。この点御指摘の通りでありまして、売払い予定区域の中に使用を許しておるのと、国の機械その他がまだ入つておる建物と混在しておる点は、好ましい状態ではないと思います。当時国の機械がまだたくさんございまして、その入れる場所がほかにもございませなかつたために、やむを得ずとりました処置でございます。これはできるだけ早くこれをあけまして、あけたところは、小松製作所の方でも買受けの希望を持つております。早くその区分をはつきりするようにいたしたいと思つております。それからその他の物件で、たとえば機械の標示の不明瞭なもの、あるいはスクラップの切れ端みたいなもので、国有のものと小松のものとの区分が不明瞭なものがある、こういう御指摘が前に現地でありましたのですが、そういうものも、私すでに上京の前にきびしく指令いたしました。財務局の方からも人をやつて、出張所の者と一緒になつて整備作業を現在やつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/103
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104・井上良二
○井上委員 次に、土地、建物、機械類等の評価に関する問題でございますが、先ほど福田さんから御質問がございまして、大体福田さんは、この評価についてあまり大きな意見を持たないようでございますが、私ども変に思いますのは、現実に工場が稼働できるようになつております工場敷地を、周囲の田畑の原野のままの評価と同一にこれを評価するという根拠はどこにありますか、それを伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/104
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105・吉橋鐸美
○吉橋説明員 枚方の土地の評価につきましては、田畑と同じに評価したのではないか、理由はどうだという御指摘でございますが、双方とも附近の宅地の賃貸等級をとりまして、これに固定資産税なり、富裕税なりの評価基準の倍率をかけ、それをもとにして算定いたしております。もし田畑の賃貸等級をとりまする場合には、さらに低いものが出ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/105
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106・井上良二
○井上委員 あなた方は、それで一応通る答弁だろうということでやつておるかしらんが、現実に職工が入れば機械がすぐ動く状態になつておる土地ですよ。田畑から整地をして、すぐ民間の住宅を建てるのと違う。あれだけ大きな重量工作物を動かさなければならぬ工場にまでつくり上げるための整地費及び施設費というものを考えずに、その付近の民間の住宅を建てる宅地と同じようにあれを見積るというのは、どういうわけですか。そんなむちやな話があるもんやない。あれだけの大きな整地をするのにどれだけの整地費がかかりますか。あそこ全体を貴いているあのコンクリートの道は、あれを今日やろうとすれば何ぼの金がかかると思いますか。そういう点は全然考慮されずに、ただ付近が安いによつてこれにならつた、安い方にならう必要はない。相手は値段をつけておりはせぬのだから、こつちの言う通り買うと言うておるのだから、こつちが不当な価格を押しつけたらそれはいけませんけれども、常識のある価格でやればいいのである。それを、公共団体その他に払い下げる場合は、これはまた相手が公共団体ですから、特殊の考慮を必要とする場合があるのであります。しかし一民間事業会社、しかも小松製作のやり方というものは、最初はブルトーザーをつくるとか、開発機械をつくるということで運動しよつたが、一たび許可が出れば、たまの注文を受けて砲弾をつくておるじやないか。やり方がこういう実にけしからぬやり方をやつておる。実際のところは、そういうものにうまくひつかかつておるわけだ。それだから、そういう点を私どもは見た場合、しかも現実にこの工場が相当もうかつておるという事実から考えて、この評価は妥当ならずとわれわれは思つておる。また建物及び機械の評価にいたしましても建築年数は何ぼになつておる。一番遅く建てたのは昭和二十年に建てているのですけれども、十八年から二十年の増設中に終戦になつたのですから、ものすごく大きなクレーンが施設されている建物でしよう。クレーンの入る建物と、そこらのビルデイングの鉄骨と、鉄骨の意味が違う。それをそれらのビルディングの建築のように思つて、ああいう安い評価をやられたら、実際したまつたものじやない。だからここは、あなた方の方の算定が非常にあやまつておるとは申しませんが、そういう時代的な感覚をもつと織り込むべきである。今日これだけのものを建てるとして、時価何ぼででき上るものかということを、一応建築屋に見積らして見て、それから耐用年数なり、あるいは使用年数をはじき出して来れば、大体の見当がつくと思う。一ぺん使つた古い建物だから、半値に値切つておけばいい、そういう簡単な考え方でやられたらたいへんなことだ。自分の財産ですよ。機械においても、それと同じようなことが言えると思います。時間がないからあまり詳しく触れませんが、機械類については、われわれとしては疑問のの点がたくさんございます。これは一台々々に評価しませんと、十把一からげにこれが高いとか、安いとかいうことは申されません。従つて、この問題は専門家によらなければほんとうのことは言えないと私は考えております。ただここで特に大蔵当局に御考慮願つておきたい点は、この売渡し物件をともかく十年年賦にしておるということは、何としても私ども納得できない。相手の小松製作所の作業計画、営業内容というものを見ました場合、この会社はほとんど他に大きな金融を求めずに、まつたくお互いに内輪同士といいますか、——の関係において増資を断行して、資本の利益率は六割以上についておるのですよ。六割以上にもついておる利益をあげておる会社に十年年賦でやるということになつてごらんなさい。これは私は一昨日も大臣に申し上げたが、この工場で百五十五ミリの迫撃砲と百十一ミリの迫撃砲と八十一ミリのたまをつくることによつて、昭和二十九年の上半期には、半期間に六千万円から八千万円の利益をあげるということがいわれておるのです。一年に一億円からの利益をあの工場であげるということになります。そうすれば、数年を出ずしてあの工場はただになつてしまいます。そういう有利な条件に立つておる会社に対して、十年もの年賦にしてやるという理由は一体どこにありますか。これは何としてももう一ぺん思い直してもらわなければなりません。その点を私は特にあなた方に申し上げておきたい。
最後に、これは大阪の管財部長に伺うのですが、あなたは昨年の八月から九月ごろに、前の管財局長でありました内田さんと、この問題について打合せたことがありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/106
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107・阪田泰二
○阪田政府委員 先ほど国有財産を十箇年年賦で売るということにつきまして御質問がありました。その点について一応御説明申し上げたいと思います。この国有財産を十箇年年賦で売るということにつきましては、実は従前は五年が最高でございました。それが昨年各方面からいろいろ要望もございまして、国有財産特別措置法第十一条第二項の規定によりまして、特別な場合には十年以内の延納ができることに改正いたした次第であります。それでこういうふうに改めました趣旨は、この法律の第一条にもありますように、旧軍関係財産等の国有財産の処分、これを促進して行くということが一つ、それによりまして公共の利益、民生の安定、あるいは産業の振興に有効適切に寄与して行く、こういうことが理由になつておるわけであります。それで十箇年年賦に延納を認められる種目がいろいろありますが、十一条の一項の一号に「重要産業に属する事業を営む者に譲渡するとき。」この場合には十箇年年賦でやられることになつておるわけであります。そのような規定を適用いたしまして、この法律の趣旨に従つて延納を認めておるわけであります。なおただいま会社の利益をいろいろあけてお尋ねがあつたわけでありますが、会社の利益につきましては、私どもあまり詳細なことは存じないわけであります。大体国有財産の評価、ことに今回の払い下げの評価をいたします場合におきましては、御存じのように個々の財産につきまして詳細な評価をいたして行く、それを積み上げて総体の評価を出す、これがやり方でございます。それでただいまおつしやいましたような利益が幾らあるはずだ、だからそれから還元して行けば財産価値が出るはずだ、こういう考え方も確かにあるわけでありますが、それはこの国有財産を売る場合のような、完全な事業体を一括して譲渡するという場合では、ございませんので、国から譲渡を受けましたもの以外に、自分でいろいろと相当巨額の金を投じて附加設備をしなければならない。さらに運転資金も必要でのる。あるいはこういうものを動かして行くということになると、技術とかいろいろ問題もあるでしよう。そういうものがいろいろ一体となつて事業収益が上つて行くものでありまして、なお事業の性質と収益の安定性等いろいろ考えなければならないと思いますが、そういう要素が合さつて初めて一定の利益が出て来るのでありますので、国から売る財産だけについて、どれだけの収益をそれにつけて還元して財産価格を出すか、こういうことになりますと非常にむずかしい。事実不可能なような問題となります。いろいろ御趣旨のようなこともありますかもしれませんが、われわれといたしましては、従来の方法によつて、個々の財産の評価を正確に、厳密にやる、これを積み上げてやるということが一番公正妥当で、しかも世間から見ましても納得いただける方法ではないか、かように考えていたしておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/107
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108・島村律
○島村説明員 ただいまお尋ねのありました前管財局長の内田さんと、私が昨年の八月か九月ごろに会つたことがあるかというお尋ねでございますが、ただいまの記憶といたしましては、会つたことはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/108
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109・吉橋鐸美
○吉橋説明員 ただいま宅地のことで、整地費のお話がございましたが、これは宅地の等級の三十一級、あるいは三十二級をとつておりますので、田畑の賃貸等級をとれば整地費ということが問題になりますが、宅地をとつておりますので、整地費は問題にならないと思います。それからちよつと御参考までに申し上げておきますが、先ほどの売払いの評価のお話のときに、道路なんかはコンクリートが打つてあるじやないか、こういうやつをというお話がありましたが、ああいうコンクリートも全部中に入れて評価しておりますから、御承知置きを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/109
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110・井上良二
○井上委員 これは政務次官に聞けばわかると思いますが、前の管財局長の内田常雄さんという人は、いつまで管財局長をしておりましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/110
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111・愛知揆一
○愛知政府委員 前管財局長内田常雄君が退任いたしましたのは、昨年一月中でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/111
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112・井上良二
○井上委員 もう一つ伺いますが、前の四国財務局長の水橋とかいう方がおつたはずですが、その人は現在どこえおいでになつておるか御存じありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/112
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113・愛知揆一
○愛知政府委員 昨年の暮れに退任いたしまして、現在小松製作所の嘱託になつておるそうであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/113
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114・井上良二
○井上委員 これから先私が聞こうとする問題は、事個人の問題になつて参りますので、本委員会においてこれらの問題を究明するにあたりましては、相当証言等を必要とすることになつて参りますので、私としては、いずれこれは行政監察委員会の議題として取上げられることになつておるそうでありますから、そちらの方で適当に証人喚問をされることと存じますが、私の方に来ておりますいろいろな情報や資料によりますと、この前の管財局長が、山梨県から衆議院議員候補者として立候補するにあたつて、この小松製作所の払下げが非常に大きな役割を演じておるというはつきりした投書が来ております。これがまたいいかげんな名前ならいいですけれども、具体的に名前をあげてはなはだ失礼かとも存じますが、この内田氏が立候補するにあたつて、大蔵省管財局総務課長小林さんという人と、それから今御答弁を願いました島村さんと、それから牧野大蔵省管財局国有財産第二課長、こういう人がお集まりになつて、いろいろ御相談をなされて条件を出されたという、条件の内容も全部私の方でわかつております。しかしそれは事個人の問題に関連をして来ますから、内容にわたりまして、架空的な、仮設的な論拠に立つて論議をするということは、はなはだその真意を失いますから、いずれこれらの方々は行政監察委員会に出ていただきまして、そちらの方で事態の内容を明確にするようにいたしてもらわなければならぬと思います。なおこれは先般春日君からのお話も、ございまして、大蔵省に長いことおりました人が、またその直接利害関係を持つております局課長が、当該の利害関係のあるものに転職、就職するということは非常な弊害があるということで、先般横浜における相互銀行等の事件をあげて御答弁をいただいておつたそうですが、この四国財務局長をやつておりました水橋さんが一月にやめられて、小松の重役候補として入られたということは、もつばらのうわさであります。こういうことは、この払下げに非常に大きな効果的条件を与えておるではないかという疑いを持たれるのであります。こういうことは、はなはだどうもわれわれは残念でなりません。先般春日君に対する答弁において、そういうことはできるだけせぬ方がいい、またしない方針であるという御答弁があつた後に、再びこんなことを私申し上げることははなはだ残念であります。といいますのは、この事件が昨年の十二月に省議にかけられております。省議にかけたらすぐその次には決済と行くものが、爾来半年間ここに昼寝をしておつたというのはどういうことか。お役所の仕事というものは、ずいぶんのんきなもんやと一方では思われるし、一方では、何かそこにそうせにやならぬ特別な理由があれば別だけれども、そうでないならば、早く許可するものはしたらいいじやないか。先般私が管財局長に質問をいたしましたときに、甲斐田地区は十二月、中宮地区は一月に売渡しを決定したという仮説的な答弁をされましたが、あれが本筋ではなかつたかと思つたが、よく調べてみると、まだ書類は手元にあつたというわけで、省議にかけて済んだものをいつまでも抱いておるというようなことが、いろいろなうわさを生み、疑惑を生んで行くのでありまして、これらのことについて、政務次官は大臣の代理としてどうお考になるか。もう少し筋道を明らかにする必要があるのじやないですか。そうして、これらのことにこの払下げは何ら関係がないとはつきり断言できるやいなや。これは後ほど行政監察委員会で証言を求めることになりましようが、ぜひその点は明確にしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/114
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115・愛知揆一
○愛知政府委員 まず、昨年の夏ころから大体きまつておつたらしいのに、今までほうりつぱなしだつたではないかという点からお答えいたしますが、本件につきましては、昨年の夏、関係各省その他とも打合せの上で、当時省議においても議題になつたのでございます。その当時大蔵省としての根本的な方針はきめまして、爾後事務当局において評価等の具体的な手続を進めて来たものでございます。すなわちこの困難な売払い物件の評価につきましては、国有財産払下げに関する詳細な評価基準もございまして、それに基いて具体的にやつて参るのでございます。また現地側の財務局で評価をいたしましたものを、さらに本省に稟議がありましたもので、また本省の手において全部初めから一応別個のやり直しをやつてみて、そして慎重に打合せをしておりましたので、非常に時間がかかつたのであつて、この点については慎重過ぎたと言えるかもしれないと思うのございます。
それから先ほどいろいろ具体的な人の名前をおあげになりまして、お話がありましたが、こういう委員会の席上で、特に具体的の名前をお出しになつたということになりますとわれわれとしてもこれははつきりいたさなければならないと思うのであります。私といたしましては、絶対にさような疑いはないと信じております。
なお先般の横浜の相互銀行に対する人の問題と、ただいま御指摘の水橋君の場合とは多少私は違うのではないかと思うのでありまして、この人は、朝鮮総督出身の人でございますが、長年役人をやつて、引揚げ後大蔵省でお世話をして就職をしておられたわけでありますが、非常に長い役人の御経験でもあり、後進に道を破るために退職せられまして、その後水橋個人と会社側との話合いで小松製作所の方に就職されたものでございますし、また水橋君が最後に在職いたしました所も四国でございまして、そういう点からして私は本件とこれを結びつけて考えてはいただきたくないと考えるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/115
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116・井上良二
○井上委員 いろいろわかりました。そこで最後に伺いますが、これは一つの仮定でございますけれども、仮定には答えられぬと言えば別ですが、あなたのさいぜんからの答弁を聞いていると、いろいろ再検討した結果、再確認することになりはせぬかというような一つの予測的な御答弁が、ございました。われわれは、これはいろいろの人の意見を聞き、いろいろな方面の調査に基きまして、現実に時価評価は安いとにんらでおりますが、この甲斐田地区をお示しのように三億九千三百万円で小松に売り渡そうと評価いたしておりますが、もし万一これより高く買うというものが現われた場合に、一体政府は売りますか。それともそれは困ると言いますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/116
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117・愛知揆一
○愛知政府委員 これは井上さんがおつしやいましたように、仮定の問題でございますから、その場合はどうするかということを予測的なことを申し上げるのはいかがかと思いますが、私としての主観から申しますれば、これは既定の方針が正しいと私は信じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/117
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118・淺香忠雄
○淺香委員 今井上委員から各種の質問の中の最後に、疑惑を持たれる人物についての質問がありましたが、これに関連して、私も二、三質問さしていただきたいと思うのでありますが、今度の事件によつて調査団が派遣されるということに決定いたしましたそれに一日先だつて、今質問されました井上氏が大阪に行かれて、そうしてそれらの新聞には井上氏の談として、真実かどうかわかりませんけれども、新聞にとにかく載つておりますのは、読売には、池田元蔵相喚問か、大阪日日には、陰に自由党の大物という見出しがあり、なお産業経済には、ぼくが現地調査の動議を出し、自由党員の出そろう前に電撃的に可決してしまつたので、山口喜久一郎氏や河合良成氏が走りまわつたりしていたから、私は不敏にしてそういうことを事実は知りませんが、相当の多くの犠牲が出るであろうとうわさされている、こういつたような記事が載つていたのでありますが、それにつきまして、さらに、この問題によつて政界に痛撃を与えるであろう、いずれも相当な見出しでありますが、この事実問題につきましては、まず今日御出席の政務次官なり、あるいは担当の阪田局長、あるいは本日お出まし願つたところの近畿財務部長なり関係者の皆さん方に伺うのでありますが、第一番に池田元大蔵大臣が、皆さん方の方にこの問題について話のあつたことがあるか。また人を介してこの問題について話があつたかどうかということについて、最切に伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/118
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119・愛知揆一
○愛知政府委員 まず私からお答えいたしますが、私は日に何べんも池田氏と会つておりますが、さようなことは直接聞いたことは絶対にございません。人を介しても全然ございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/119
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120・阪田泰二
○阪田政府委員 私も池田前々大蔵大臣からその問題につきましてお話を承つたことはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/120
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121・吉橋鐸美
○吉橋説明員 この問題につきまして、いかなる方面からも便宜を与えてくれ、あるいは評価を安くしてくれというようなことの依頼は、受けたことは一回もございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/121
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122・島村律
○島村説明員 この問題につきまして、池田前蔵相その他の方々から、依頼を受けたことはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/122
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123・淺香忠雄
○淺香委員 今池田元大蔵大臣のこの問題についての話があつたが、人を介してそういう話があつたかどうかについて質問いたしましたところが、今日御出席願つている関係者の方々は、断じてさようなことがない、また人を介してもそういつた話はないと、きつぱりお答えになりましたが、さらにここに実は山口喜久一郎氏も堂々と写真が載つているのでありますし、同時にまたもう一ぺん伺いたいことは、ここにごらんの通り私の写真まで出ているのであります。従いまして、私個人のことをここで言うのは非常にどうかと思うのでありますが、これにやはり写真まで載つている問題でありますので、自分自身のことも、この際に伺つておきたいのでありますが、同じ写真の載つておりますところの山口氏、あるいは不肖淺香がこの問題について、大蔵省に出向きまして皆さん方に話をした、あるいは近畿財務部長等にこういつた話があつたかどうかということにつきまして、もしもの忘れがあつたということがあつてはいけませんから、私はさようなことはやつた覚えはありませんが、念のためにこの際はつきりとお伺いしておきたいと思うのでありますが、それぞれの御答弁を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/123
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124・愛知揆一
○愛知政府委員 私は、ただいまのお尋ねの淺香さんに、さようなお話を伺つたことは絶対にございませんことを、はつきり申し上げます。また山口喜久一郎氏についても、同断でございます。はつきりお答えいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/124
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125・阪田泰二
○阪田政府委員 私はこの問題につきまして、あるいはその他の問題につきましても、山口さんにお目にかかつたことはありません。それから淺香さんには、もちろんこの委員会その他国会におきましていろいろお目にかかつたことはございますが、この問題についていろいろな陳情と申しますか、そういうようなことを受けたことは一度もございません。正確に申し上げますと、淺香さんに前に一度お目にかかつたことがございまして、香里の問題で地元の方を代表してお話に見えたことは記憶いたしておりますが、それ以外には全然お目にかかつたことも今までございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/125
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126・吉橋鐸美
○吉橋説明員 私も山口さん、あるいは淺香さんに、この問題について依頼を受けたことはただ一回もございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/126
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127・島村律
○島村説明員 私は、山口さんにお目にかかつたことはございません。それから淺香さんにこの問題について陳情を受けたことはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/127
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128・井上良二
○井上委員 今淺香さんから、何か私が大阪に先に帰つてそれでいかにもこの問題に政界の多くが関係していることを、私が喋つたように言われますことは、はなはだ残念です。私は全然さようなことを申した覚えはありません。山口君の問題につきましては、山口君みずから私に、この問題に関連をして面会を申し込んで参りまして、そこで私としまして山口君に会いましたところ、山口君が、実はあれを払い下げることについて、有力な人々といろいろ相談をして、話をまとめておるところへ小松製作所が来て横取りをしたんだ、こういう話を私にしておつたので、そこで私が先般から、他に何か競願者はなかつたかということを聞いておるのはそこでありまして、そういうわけで、はつきり山口君自身私に申しておりますから、この点は明確にいたしておきます。なお池田氏の問題が今出ましたが、池田氏のことについて私は全然、どうしたこうしたということは、私内容も知りませんし、そんなことを、知らぬものを私の口から言えるはずもございませんから、そういうことは全然言うた覚えはありません。なお淺香さん個人の問題については、全然私はさようなことを申した覚えはありません。そういう誤解のないようにしていただきませんと、はなはだわれわれとしては迷惑をいたしますから、この際釈明をいたしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/128
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129・福田繁芳
○福田(繁)委員 私が発言しようと思つたことは、もう先ほど済んだわけなんですが、今井上委員からのお話で、偶然何か競願があるらしいような誤解を受けるような御発言であつたので、さすれば私の午前中の質問に関連しまするから、あらためて伺いたいと思うのでありまするが、全然これは競願者はなかつた。同時に、ただ小松製作所がまずもつて申請する前に、口頭で極東鉄器とかいうのが希望意見表示をされた。しかしながら、この極東鉄器というのは、これがもし払下げでき得るものならば、——それから資金工作をやるとかなんとか、全然架空な前提の言葉で払下げの意思表示をした、こういうように聞いておつたのですが、その架空の前提に立つ極東鉄器に山口喜久一郎君がおつたというように私は耳にしておるのですが、局長はさようなことは御存じございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/129
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130・吉橋鐸美
○吉橋説明員 これは私が近畿の財務局長になる前の話でございまして、また聞きの話ですから確かなことは存じません。賠償の指定解除になる前に、極東鉄器という会社が、山口さんもその設立関係の一人だつたというふうに伺つておりますが、それが賠償の指定解除の申請を出すというので、もし解除になつたならば、会社を設立しようということで、手続をやり始められた。ところがそのままになつてしまつて、昨年の四月に賠償解除になつて、小松が申請書を出しました六月の時分には全然何もなかつた。しかもこれは売払い申請でなしに、一時使用の申請をしようということだつたように記憶いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/130
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131・福田繁芳
○福田(繁)委員 もう一問伺つておきたいのでありますが、この枚方の工場は、今日の段階と違つて、昨年の五、六月には、——私は同業関係の一人として伺うのでありますが、むしろあなたの財務局では持ちあぐんでおつたんでしよう。私はそういうふうに聞いておる。あれだけの大きなまとまつたものに対して、払下げをだれかが申請してくれないかしら、だれかがとつてくれないかしら、建物はどんどんいたんで来る、機械は赤さびになつて来る、スクラップにしなければならぬ、だれかが一まとめにこれをとつてくれぬかしらということを、あなたの方が非常に希望して、持ちあぐんでおつたということを聞いておる。これは私議員としてでなくて、工場経営者として、同業者として質問するのですが、そういうことは事実ございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/131
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132・吉橋鐸美
○吉橋説明員 ただいま福田さんからお話のありましたように、枚方の工廠だけでなしに、香里なども同様なのでございますが、午前中にも御説明申し上げましたように、当時五百人もおつたのが、十何人であれだけの管理をして行かなくちやならぬ、しかも一ぺん殿風が参りますと、屋根はふつ飛んでしまう、木造建物は倒れてしまう、窓ガラスは割れてしまう、ところがそれを修復する経費も、もう処分するからというのでないわけであります。少い人間で、しかも少いも少いの度を越したくらい少い人間で、あれだけのものを維持保全してしかも修理経費はない、こういう状態でございますから、日が経てば経つほど財産はどんどん価値が下つて参ります。それを早く処分するのが国として利益だ、かようには考えまするが、なかなかあれだけのものを一括して買い受けるという人は、そうたくさんあるわけではございません。特に枚方の工廠が砲弾のようなものをつくるところでございましたために、機械その他が一般向きいたしません。従つてなかなか買手がつかないわけでございます。ただいま福田先生からのお話のあつた通りの事情で、もてあましておつたような状態でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/132
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133・千葉三郎
○千葉委員長 苫米地英俊君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/133
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134・苫米地英俊
○苫米地委員 私質問しようと思つていろいろ書いて参りましたが、前の福田委員、井上委員の質問で大部分尽してしまいましたので、こまかい点について少しくお伺いしたいと思います。
先ほど問題になつておりました電話のケ—ブルを売り払つた、しかもその貸渡しの条件の中には、それが禁止されてある。イロハの二という項目に、禁止した条項が出ておりまして、事前に許可を得なければならないということになつておりますが、事前に許可を得なかつたということは、せんだつて調査の場合に知りました。そのために始末書をとつたということも聞いております。しかし事後にとつた許可と実際に出した数量とが合わないということが問題になつたのであります。先ほどの御説明にもそのことがなかつたのでありますが、数量は確かに合つておつたのでありましようか、合わなかつたのでありましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/134
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135・吉橋鐸美
○吉橋説明員 電話のケーブル線持出しの御質問でございますが、業者の方からは八メートル何がしの持出しをした、こういう届が参りました。財務局の方の台帳にはメートルで出ておる、何インチのものが何メートルと出ておる、従つてぴたつとそれで合つておるが、八トンが何メートルかはわかりません。今調査をいたしておりまするが、おそらく八トンよりはもう少し多いのじやないかと思つております。従いまして、これの補償請求をいたしますにつきましては、われわれの方の台帳に基いて、あるべきところにないものは全部補償請求をすることにして、目下手続を進めております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/135
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136・苫米地英俊
○苫米地委員 その点はわかりましたが、払下げについては、本省の方に協議をして、許可をすることになつておりますが、立入り禁止についても同様でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/136
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137・吉橋鐸美
○吉橋説明員 売払いについては、本省の許可がいると思います。正式な貸付契約をやりまして、相当な期間貸付をやります場合には、一定限度以上というので、承認がいることになつております。しかし立入りの許可は、ほんとうの短期間ということを予想しておりますので、正式な承認を受けよという訓令は受けておりません。しかし事異例に属する大きな問題でございますので、事前に本省の方の了解を得て、立入りを許したわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/137
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138・苫米地英俊
○苫米地委員 先日、井上委員から大臣に対して、一切を白紙に返してやりもどしたらどうかという御質問がありましたが、これに対して大臣は、明確な答弁は与えておらなかつたのであります。そこで私の知りたいのは、これは今後白紙に返して、評価をやり直して契約を結んだ方が、国家のために利益であるか、もしくは現在計画されている価格で売り渡した方が、国家のために利益であるか、どちらの方が利益であるかということを伺いたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/138
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139・愛知揆一
○愛知政府委員 この点は、本日午前中の委員会において、福田さんのお尋ねに対してお答えいたしました点と関連をいたすわけでございますが、大蔵省としては、大蔵大臣が過日申し上げました通り、自分としては決裁を具体的にしていなかつたということを前提にして、慎重にもう一度省議において検討をしてみる、こういう態度でございます。これに何らかわりはございません。しかしながら、先ほども申し上げたのでありますが、予測的なことばかり申し上げるのもいかがかと思いますが、私の意見といたしましては、ただいま苫米地先生からお尋ねの通り、現在においては、やはり小松製作所に払下げをしてしかるべきものであつて、そうすることが、大局的に見て国家のためになるものである、かように私は信じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/139
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140・苫米地英俊
○苫米地委員 それはよくわかつておりますが、評価をやりかえることが国家のためであるか、過去にすでにきまつておるもので払下げをする方が国家のために利益か、どちらが有利かということをお尋ねしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/140
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141・吉橋鐸美
○吉橋説明員 ただいまの点について、技術的な面だけについて、ちよつと説明申し上げたいと思います。この評価をやるにつきまして、大体一つの課で八名、まず二十名ぐらいの人間が二箇月半みつちりかかるわけでございます。そうしてようやく案ができるわけでございます。従いまして、その間にはいろいろな変動があるわけで、これをもう一ぺんずつと評価をやり直すということは、相当技術的にいつても困難だという点だけを申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/141
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142・苫米地英俊
○苫米地委員 そこで問題はこまかくなつて来ますけれども、あるものは評価をし直せば高くなるだろうし、あるものは評価をし直せば安くなるだろう、その総計においてどつちの方の可能性が多いか、こういうことを伺つておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/142
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143・吉橋鐸美
○吉橋説明員 計算してみないとわからないのでありますが、機械その他の償却の部面を見ますと、たとえば土地の値上りと、償却期間が経過しますと、それの償却をよけいすることになりますが、それと比較しますと、どちらが高くなるのか、安くなるのか、それは償却の方が多くなるのじやないかというような気がいたします。現実に当つてみないと、はつきりしたことはわかりませんけれども……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/143
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144・苫米地英俊
○苫米地委員 この問題の現地調査に出かけたり、今非常に紛糾しておるのは、これは払下げにからんで、政治的にいろいろのスキヤンダルがあつたのじやないかという疑惑を持たれておるような印象を受けておるのであります。先ほど井上委員は、非常に迷惑だとおつしやつたので、そうではないだろうかと思いますが、新聞には確実に、つばめで一足先に下阪して、駅長室でこういうふうに語つたと、二、三の新聞に書いてあるのです。その中に、池田元蔵相も喚問されるだろうというようなことも一号活字で書いてある。そこで私は委員長にお伺いしたいのですが、こも喚問をするという申請が委員長にあつたかどうか、もしくは理事会できめたかどうか、これを聞きたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/144
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145・千葉三郎
○千葉委員長 お答えします。いまだそういうような御相談を受けたことはございません。
なおこの際、委員長から御了解を願いたいことがございます。先ほど井上委員の発言中にもございましたように、午前中同君から要求された、本委員会において決議いたしました大阪陸軍造兵廠枚方製造所払下げに関する決裁書類の提出要求に関しましては、その後大蔵当局から同書類を提出いたしまして、委員各位に回覧いたし、その目的は達せられたと思いますので、あらためて委員会の決議に基く同書類の提出要求はいたしませんから、この点御了承を願いたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/145
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146・佐藤觀次郎
○佐藤(觀)委員 いろいろ御質問もありましたし、私も調査委員の一人として参りましたので、できるだけ簡単な質問をいたします。これはひとり枚方のみの問題でなく、日本全体の財務局の問題でありますので、そういう具体的な問題が出ましたから、質問いたしますが、管財局長は就任以来、地方のこういうような国有財産を見学されたことがあるかどうかということをお伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/146
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147・阪田泰二
○阪田政府委員 これは全部見ることはちよつと困難であります。枚方程度の重要な施設は一応見て参つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/147
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148・佐藤觀次郎
○佐藤(觀)委員 見て来られただけでは責任がとれないので、われわれも一日見ましたが、あの枚方の造兵廠におけるところの姿は、まことに悲惨なものでございまして、われわれもかつて主計をやつておつたので知つておりますが、わずか十三人でああいうものを見ておる。しかも井上委員が言われましたように、何百人の職工が入つておる同じところで、平気でこういうことが行われたというところに、この疑惑が出て来ると思うのであります。こういう点について、ただ視察に行つたということでなくして、あれでいいと思われるかどうかということを管財局長にお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/148
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149・阪田泰二
○阪田政府委員 この軍用財産の管理につきましては、御承知のように、枚方その他非常に広大な地域であつて、かなりに荒廃しておるというような状況のところが大部分でありまして、その管理には非常に努力を要するという状態でございます。私昨年八月に管財局長になりまして、それ以来このような重要施設を見て参りましたのですが、大体におきまして、いずれのところもお話のような非常な手不足をかこつておるというようなわけで、その話は十分に聞いて参りました。それで私といたしましても、人間の点、あるいは経費の点、これはできるだけ確保をいたしたい、それから全体としての人員の配置、これは広大なところでありまして、管理に楽なところ、むずかしいところ、事故の多いところ、いろいろございます。それから経費につきましても、やはりこれは乏しい経費でありまして、払い方などというものはできるだけ節して行くというか、いろいろ使い方があると思います。その辺のところも十分考慮いたしまして、なお予算人員等につきましても、できるだけのことはいたしたいということで努力して参つたのであります。何分ああいうような状況でありまして、努力の至らぬところであろうと思いますが、その辺につきましては、非常に遺憾であるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/149
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150・佐藤觀次郎
○佐藤(觀)委員 私たちはそういうような考えならば、あれぐらいな莫大な財産でありますので、いくら主計局が文句を言いましても、みすみす国の財産を消耗して行く関係上、当然予算を請求してでもやはりこれを管理するのが当然だと思うのであります。特にあそこに働いておる十何人という人は、昼夜交代してやつておられるそうでありまして、まことに気の毒な面もあり、しかも今評価されると、二十億とか、あるいは三十億とかいわれておりますが、そのような重要な国有財産を持つておるので、打捨てるのはあまりに痛ましいという感じがしたのであります。そういう点で、われわれ機械のことはわかりませんが、土地の評価につきましても、いろいろ意見があります。値段が安過ぎはしないか。少くとも枚方の市役所のような公共団体に払い下げられるならばよいけれども、片方は軍需工業なので、自分の会社だけもうけようとするところの個人会社であるということにわれわれは重点を置くのであります。しかも河合良成という人がどういう人であるか、小松製作所は一体どういう会社であるかということを考えるならば、いろいろな疑惑が起るのは当然であります。こういうような場合において管財局長は、そういうことを社会的な通念として考えて行かれたかどうか、この点についてのお考えを承ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/150
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151・阪田泰二
○阪田政府委員 ただいま土地の評価等についてお話がありましたが、これは先ほど来近畿財務局長等からいろいろ御説明申し上げましたように、私どもといたしましては、十分慎重にいろいろな資料を総合して適切にいたしたつもりであります。払下げを受ける相手方の会社についていろいろお話がありましたが、このいきさつは、先ほどちよつと申し上げましたが、重要産業に供するものというような考え方で、私どもはこの処理をいたしておるわけであります。そういうことにつきましては、私ども自分で検討するばかりではなく、関係のある通産省等の意見も徴しまして、この施設、用途、条件等から見まして、この際小松製作所に払い下げることが一番施設を活用することにもなるであろうという意見も、通産省の方から承つておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/151
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152・佐藤觀次郎
○佐藤(觀)委員 先日ちよつと伺いましたが、同じ枚方市の旧香里火薬廠などでありますが、そういう面も、地元の公共団体から非常に払下げを願いたいというような話もございました。そういう点について、私は直接の関係はございませんが、土地の発展上こういうものを公共団体に払い下げる意思があるかどうかということが、第一点の質問であります。
さらにたまたまわれわれが枚方の問題が出て調査したら、こういう結果が出たわけでありますが、そのほかに、こういうような同じような運命にあるいろいろな国有財産があることを心配するのでありますが、そういう点について管財局長はどういうお考えを持つておられますか。この二点を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/152
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153・阪田泰二
○阪田政府委員 これは私どもの関係の施設、その条件、現状等からいつていろいろなものがありますが、やはりその現状に即して、これに対する需要の程度もいろいろ考えまして、一番適切にこれを活用して行く、広い国家的な見地から考えて行くことがその基本であろうと私は考えております。それで、ただいまお尋ねのような、土地を軍需会社に売るのだということではありませんで、その採算の状態、あるいはこれを利用しようとする公共団体の計画その他いろいろ勘案いたしまして、それが適当である、国のために一番よいということであれば、当然そういうようなことも考慮されるのであります。実際問題といたしまして、その関係の跡地を公共団体のいろいろな施設に使うということで、払下げ、あるいは譲与するという事例はあるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/153
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154・佐藤觀次郎
○佐藤(觀)委員 最後に愛知政務次官にお尋ねしたいのです。先ほど井上委員から、水橋財務局長の話がありましたが、役所におられる人が民間会社に行かれる場合に、ややもすると、自分の地位を利用して払下げをやつたり、あるいは検査をやるような場合がときどき見受けられます。今度の選挙におきましても、官吏の人がそういうことの疑惑を受けるようなことがたくさんございまして、特に大蔵省の関係の人は、国の財産などに関係がありますので、そういう点の疑惑が非常に起るわけであります。こういうことに関し、大蔵省はそういうような人事について、一体将来どういうお考えを持つておられるのか。大臣の代理として、ひとつ御答弁願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/154
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155・愛知揆一
○愛知政府委員 先般も申しましたように、たとえば銀行の権威筋に当つているような人が、その検査の対象になつているようなところに入ることは望ましくないことだと思います。この前春日委員から御指摘がありましたような点については、今後厳重にこれはやらないようにいたしたいと思つております。
それから水橋君の場合などは、条件や環境がそれとは違うと思います。今選挙等の関係、その他で御指摘になりましたが、これは国家公務員法、あるいはそのほかの法令に準拠して、法律の命ずるところが十分行えるように今後ともやつて行きたいと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/155
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156・春日一幸
○春日委員 関連して。私はちよつと愛知政務次官にお伺いをしたいのであります。ただいま苫米地さんの御質問、それから福田さんに対する御答弁の中で、これに対して疑惑がない、やがて省議を開くことがあつたとしても、評価に変更はあるまいし、大蔵省の既定方針に変更はあるまい、こういう御答弁がなされました。このことは私は非常に重大であろうと思います。私は、愛知さんとは攻防の立場は異にしておるけれども、温厚で誠実な人を得て、いささか満足をいたしておるのであります。先般いろいろな事象をあげて、そうしてこれが国民の疑惑の的になつておるのだから、大臣はこれに対していかにするかという長時間にわたる井上さんの質問が行われました。大臣はこれに対して、いろいろな点ごもつともと思われるので、あらためて省議を開いて委員会の趣旨に沿い、なお井上君の希望にも沿うように明確に善処したいという御答弁がなされております。従いまして、このことは一応白紙の立場においてあらゆる用度から慎重な検討が加えられている、そういう方向に大蔵省の方針は進みつつあるとわれわれは期待をいたしております。しかるに女房役であるあなたが、大臣の方針と全然違う。今までやつて来たことは一つも間違いないと言い、省議を開かない、あるいは大臣と意見の調整も行わないで、そういう独断的な意見の開陳をされるということは、私は非常に遺憾だと思います。あなたが大蔵省を統裁する責任者といたしまして、部下を信任されることがかくも厚いということは、これは私は非常にごりつばなことだと思います。しかしながらあなたも人間であり、部下も人間である。あなたのその考え方に反して、もし部下の中からあなたの期待に反した人が出て来たらば、あなたは何とされるか。少くとも井上さんが無理難題を吹きかけておるわけではない、それぞれ国民の声を代表して、大蔵省にその責任を明らかにされるように、また疑問の点を明快にされるように質問をしておるのであります。現に大蔵省のある官僚の中には、某前国税庁長官のごときは、あなたの信任がそんなに厚かつたにもかかわらず、何十万円という金を収賄して、すでに起訴されておるではないか。そういう人たちもあなたの部下の中にはある、あなたはそういうことが表面化するまで御存じなかつたはずなのです。従つて本件をめぐつてどのような間違いが、人間である限りにおいてあるかないかということはわからない。省議を開いて再検討すると大臣が言つておるのに、あなたが、その必要があるかないかは別として、私はそういうことはないと思うから、既定方針通りでさしつかえないと思うという、そういう答弁をされるということは、先般来の貴重な井上さんの質問に対しまして冒涜を加えるものだと思う、私はあなたに対して非常に遺憾だと思います。少くとも大臣が数日前に明確にされておることは、やはり白紙にもどつて検討をし、しかも国民の疑惑をあらゆる角度から解くことのために、大蔵省は善処すると言つているのですから、その方針で進まれるのが当然ではありませんか。またそういう過程を踏むことなくして、一方的にあなたがそういう意思の表明をされるということは、われわれ委員会といたしまして承服することができません。従いまして、今苫米地委員並びに福田氏に対する御答弁が、私の誤解であればいけないが、大臣の御答弁とあなたの答弁の間には食い違いがあろうと考えますから、この点についてもう一度明確な御答弁を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/156
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157・愛知揆一
○愛知政府委員 今春日さんからのお話は、私ごもつともだと思うのでありまして、先ほどから申し上げておりますところが多少足りなかつたり、行き過ぎたりしておると思いますから、この際はつきりさせていただきたいと思います。第一に、これは先ほども申し上げたつもりでありますが、一昨日の小笠原大蔵大臣から申し上げました通りの方針で私もやつております。従つて、省議を開いて、大臣の言葉の表現のごとく、国民各位が納得のできるような結論を出したいと考えておる、そういうことで、そういう限りにおいては、白紙に返つて省議をやり直すということでございます。これからは釈明になりますが、私は、さつきも前提として率直に申し上げると申したのでありますが、今お前の個人的の意見はどうかと言われたならば、私は、あるいは結論として再確認ということになるかもしれませんというようなことを言いましたのは、いささか言い過ぎでありましたから、この点は取消します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/157
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158・春日一幸
○春日委員 よく了解いたしました。さすがに愛知さんであります。
次は、閉鎖機関の財産処分に関係いたしましてお伺いをするのでありますが、満鉄ビルの処分に関する問題であります。この閉鎖機関は、閉鎖機関令によりましてそれぞれ運営されておると思うのでありますが、聞くところによりますと、虎ノ門の時価三十億を越えるところのあの満鉄ビルが、某商社に払下げが行われておるとのことでございますが、これはいかなる法令に基いて処分をされたか。それから処分をされた先、処分をされた金額、そういうものの経過並びにてんまつについて、ひとつ御答弁を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/158
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159・千葉三郎
○千葉委員長 これは資料要求とは違いますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/159
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160・春日一幸
○春日委員 それでは関連で、また後に御質問いたしますが、しかし簡単でありますから、ひとつ資料の御提出を願うことにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/160
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161・大上司
○大上委員 いろいろと各委員からそれぞれ御質問になり、これに対しての回答で大体了承したのですが、まず委員長に二、三お尋ねしたいと思います。それは、従来私たち立法府といたしましてかかる問題を扱う場合には——本日の午前の理事会においても内藤委員から、すなわち何か国有財産法の改正とか、その他に資するものがあればよいがというお話がありましたが、これはもつともなことだと思います。今日まで本委員会において審議されるということは、何か委員長としては新しく立法しなければならないという点がおありなのかどうか。
それからこの委員会の運営について二、三お伺いしたいのでありますが、まず第一に、この問題はいろいろな面から見ると、私の個人の考えでは、国会のこの常任委員会としてややふに落ちない点がある。なぜならば、もちろんこの決定についての行政上の処分は現在過程中だし、これについては決算委員会があるのだが、この問題を国税の面において——再三新聞紙上で、いわゆる国税が高くて自殺なんかしておる、ところがそういうことを本委員会で取上げた実例がありません。そこで意図がどこにあるか、委員長からまずお考えを承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/161
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162・千葉三郎
○千葉委員長 お答えします。実は今日は二十一法案を一括議題に供しておるわけです。国有財産はその一つであります。従つて十分皆さんで御検討願いまして、その結論が、委員会として国有財産に対する現在の制度をかえた方がよろしいという結論になつたときには、あらためて御相談して、そういうふうに進みたいと思いますが、現在は二十一法案中の一部分を審議しておる最中であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/162
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163・大上司
○大上委員 よくわかりました。もちろん、これは全般的な国有財産の基本線に入つて来ることは十分了解しておりますが、この委員会には、各国会ごとに六十種に余る法案がかかる。もちろんどれ一つとつてみても軽重はないが、相当審議期間がかかつて、しかも国会の議員団を派遣しなければならないというところまで慎重審議をする必要があつたかなかつたかということを、お尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/163
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164・千葉三郎
○千葉委員長 この大阪の造兵廠の問題は、すでに問題になつておりますから、ある程度国民の納得の行くまで掘り下げて考えないと、かえつて将来に疑惑を生じてはいけない。そういう意味におきまして、もう少し審議した方がよかろうと委員長は考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/164
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165・大上司
○大上委員 よくわかりました。
次に、政府当局にお尋ねいたします。いろいろなお答えからよくわかるのですが、問題は現在行政処分の進行中なりと私は認めております。これが一番重要な問題だと思うのですが、大蔵大臣がお見えになりまして、この委員会等のいろいろな要求をいれるといいますか、さらに検討するということになりますると、これは行政と立法の混同じやないかと私は思うのです。政府当局はどのような解釈をなされますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/165
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166・愛知揆一
○愛知政府委員 これは、むずかしく申しますとなかなかむずかしい問題だと私は考えるのであります。あるいは行政権に対する侵犯というようなことになり得る可能性のある問題だと思います。しかしながら、ただいま委員長からお言葉がありましたように、やはりわれわれといたしましても、新聞紙上でも問題になり、また事実無根とは思いますけれども、いろいろの問題が提起されておりますので、このままこの処分を進めることはかえつていかがかと思うので、そういう気持から大蔵大臣としても、大蔵委員会の御意向がさようであるならば、さらに慎重に検討して、省議もやり直しをいたしますと申し上げたのでありまして、本件については、そういう態度で私は進みたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/166
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167・大上司
○大上委員 よくわかりました。さすれば、日本の行政府において、たとえば通産、農林とか、各種の行政を担任しております。そのようにこの大蔵省の関係法案について、特に大蔵委員会が事ごとにこういうふうに重大に考えて慎重審議を進めた場合に、あなたの方の行政処分がもはや進んでいるものについても、そのような態度をおとりになるか、あるいはまた、いわゆる行政処分が進んでおらないものについても、——たとえば税の問題もあるでしよう、その他いろいろな問題があると思う、その折には同じような態度に出られますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/167
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168・愛知揆一
○愛知政府委員 今回の場合は、ほとんどその最終決定の一歩手前でこういう状態になりましたから、私どもといたしましても、委員会の御意向をくんで慎重に考え直すということにいたしました。もし処分が確定しておりましたならば、そこまでは行かなかつたかと思います。それから税制その他についても、個々の問題があつた場合に一々意見を聞くかという仰せでございますが、これは、ひとつわれわれの方も、しつかり責任を持つておしかりを受けないようなことをやりまして、りつぱに行政の責任を果して、不当なる御注意やおしかりを委員会から受けないようにしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/168
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169・大上司
○大上委員 わかりました。
次に、お尋ねしますが、まずこれの今日までの書類といいますか、先般井上委員から要求になりましたものを今日そばから見せてもらいましたが、あれだけの作業をなさるについては、相当の人件費を食つていると思う。それが今日慎重審議をせなければならぬというような不手ぎわなことでは、ちよつと困ると思う。そこでこれに要した実働人員数をお知らせ願いたい。
〔「国会の審議権をみずから放棄するようなものじやないか」「そんなことがあるか、黙つて聞け」「答弁の必要なし」と呼び、その他発言する者多し〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/169
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170・吉橋鐸美
○吉橋説明員 これはちつと計算しておりませんので、御答弁申し上げられませんが、大体二十名が二、三箇月、かように考えております。(「少な過ぎるぞ」と呼ぶ者あり)もちろん、それは実際にその仕事に直接タツチしたものだけのことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/170
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171・大上司
○大上委員 そこで、いわゆる本問題の核心に入りたいと思います。まず第一にこの経過、あれは進駐軍が接収しておつたと私は聞き及んでいる。そこで国有財産として引継いだ経過は大体了承しておりますが、この一点だけを精密に聞かせてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/171
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172・吉橋鐸美
○吉橋説明員 これは進駐軍の方が接収しておつたのではなくて、賠償の指定になつておりました。それが四月二十八日以降解除になつて、普通の財産になつたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/172
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173・大上司
○大上委員 よくわかりました。
そこで次にお尋ねしたいと思いますが、まず第一に、さいぜん淺香君が申しておられましたいわゆる新聞の問題です。そこには、まず自由党の委員がそろうまでに動議を出して、これを電撃的に可決したと、こう言つている。運悪く私が大蔵委員にかわつて来たのはほんのこの間で、それを知らないのですが、もしもそういう事実がありと仮定すれば——これはないとすれば、まつたく新聞の誤報なんですが、誤報であるならば、その取材の証人喚問というか、一応伺つておかないと、これは非常に大きな問題じやないかと私は思う。そこでその事実があつたかないかをお尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/173
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174・千葉三郎
○千葉委員長 そういう事実はありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/174
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175・大上司
○大上委員 さすれば、最後にお尋ねしたいと思いますが、私は委員長として、この新聞記者を参考人として呼んでいただきたい、このように希望するのです。希望ですが、お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/175
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176・千葉三郎
○千葉委員長 お答えいたします。参考人として呼ぶことには、全員の同意がいりますから、皆さんの同意がないものはできません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/176
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177・大上司
○大上委員 理事会でその問題をお取上げ願うことをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/177
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178・千葉三郎
○千葉委員長 よろしゆうございます。了承いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/178
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179・井上良二
○井上委員 ただいまの御答弁で、愛知さんは非常に重大な発言をされておりますから、これは委員会といたしまして明確にしておかなければいけません。と申しますのは、ただいま大上さんからの御質問中、本件が行政執行権と国会の審議権との上に非常な混同をさしておるような御答弁がございました。われわれは、行政執行権の内容に立ち入つてとやかく問題にしておるわけではありません。少くとも私が最初伺いましたところ、これこれにもうすでに払下げの許可をこの価格で決定をした、また決定するということが明らかになりましたから、その価格は安いじやないかということを私どもは言うており、行政執行の結果に対しての批判をしておるのであつて、執行権に対してわれわれは文句を言つておるのではありません。このところは明らかにしておいてもらいませんと、——われわれは政府の執行した跡について、正当にやられておるか、やられていないかということを見て行けばいいのでありますから、初めから言うております通り、財政法第九条の規定にきめてあります適正なる価格云々ということについて私は発言をするということを、最初から申しておるのであつて、私が何か執行権に立ち入つて妨害をしておるような印象を与える発言は、はなはだ迷惑をいたしますから、この点は政府当局のお考えをはつきりお示し願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/179
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180・愛知揆一
○愛知政府委員 これも私の申し上げ方が足らなかつたかもしれませんが、私の申しましたのは、法律論としてむずかしく考えればむずかしい問題で、あるいは行政権の侵犯というような議論になり得る問題であるかもしれないというふうに申し上げたのでありまして、本件についての態度は、先ほど申し上げました通りで、ただいま御指摘のようなことは私は考えておりませんから、こちらからもはつきりさしておいていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/180
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181・千葉三郎
○千葉委員長 宮原君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/181
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182・宮原幸三郎
○宮原委員 近畿財務局長にお尋ねいたします。中宮地区が去年の九月中旬立入り許可に相なつておる。それは弾丸の受注の業務で、火急を要することになつたということでありますが、それは引続き受注を受けているのですか。それが今日に至るまでなお引続き立入りを許可しなければならぬ事情であるとは——どうもそういう口実でそうやつたものでないか。もしそうであれば、受注が一段落ついたら中止すべきではなかつたか。またそれについて、貸付料的なものがどのくらい取立てができておるのか。そういう点についてお尋ねしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/182
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183・吉橋鐸美
○吉橋説明員 御説明申し上げます。ただいまの中宮地区への立入りは、昨年の九月二十五日でございますが、そのときには、立入りを許しましてから売買契約の締結まで、こんなに長くかかるとは予想しておりませんでした。従いまして、こんなになる前に売買契約が締結されると考えておつたわけであります。それが延び延びになつて今日に至つておるわけでありまして、仕事の方は準備作業を終つて、それでもまだ売買の話がつきませんので、引続いて注文が来まして、仕事をやつておるわけであります。その後注文は引続いて来ておるようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/183
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184・宮原幸三郎
○宮原委員 どうも、その辺は私ども了解はいたしかねるのですが、次の点を一点お伺いして、私の質問を終りたいと存じます。ただいまの売払いの価格が適正であるかどうか、こういう点が了解すれば、この問題は国民もむろん疑惑を解くだろうし、国会の中で行政監察委員会にかけるとかかけないとかいう問題も解消するわけです。この点がなかなか重大な点でありますが、いろいろ評価基準について、政務次官を初めとし、政府側の御答弁は一応了承するのですが、その評価の方法について、財務当局だけで評価せられるのは——むろん責任は大蔵省財務局御当局が責任をもつてこまかい点をおやりになると思いますが、参考のために伺いたいが、われわれが了解しておりますところによれば、他の国有財産の売払いについては、民間の意見を、専門家の意見を相当しんしやくなさるのが通常のように伺つております。たとえばこの場合に信託会社、または銀行、勧業銀行とかいうような方面の権威ある評価を参考にせられたか、その参考にせられた評価というものは、結局大蔵省の内部のこまかい規定によつて算出せられました評価との間に、どういう差異がありましたかというような点、それから大阪の財務局で御決定になりました評価額と本省の評価額との間において別に差はなかつたのであるか、こういう点について、ちよつとお伺いしてみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/184
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185・吉橋鐸美
○吉橋説明員 評価について、ほかの権威者の意見を聞いたかという御質問であつたようでございますが、たとえば土地などにつきましては、あるいは市の土木課へ行つて係員を通じて意見を聞くとか、あるいは勧銀のいろいろな調べを資料にするとか、また物価指数なども参考にいたしまして、大体の評価基準の方は本省の方から示されますけれども、それのみによつて機械的に評価をするのではありません。その他の資料も全部、でき得る限り参考にして、財政法九条の適正な価格発見に努力したつもりでございます。それから大蔵省の調査した評価と財務局の評価とどうなつておるかというお話でございますが、これは大蔵省の方から承認のあつたものもありますし、まだないのもございます。あつたものについても、契約を進めることをちよつと待て、こういつて来ておられますので、決定的なことはまだここではわかりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/185
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186・大上司
○大上委員 最後に委員長にお願いいたします。質問ではございません。本問題は、それぞれ相当長く慎重審議をしておられる、そこでただいま福田委員から動議が出るということで、どのような動議が出るか知りませんが、理事会で一応——私理事ではございませんが、非常に興味がある。そこで理事会でひとついろいろと運営法について意見を聞いてもらいたい、これだけお話しておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/186
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187・福田繁芳
○福田(繁)委員 動議を提出いたします。この枚方製作所の問題に対して、近畿財務局の諸君から聞くところはもう大体尽したと思うから、問題は現地の管理が重大問題であるから、近畿財務局から出張した両君を一刻も早く任地に帰らせて、十分監督に留意させ、同時にきよう一日のこの委員会において論議された点を十分検討されて、関連資料を一刻も早く委員長の手元まで提出される用意をしてもらうということにして、本日は散会されんことをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/187
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188・千葉三郎
○千葉委員長 福田君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/188
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189・千葉三郎
○千葉委員長 御異議ないようでありますから、さよう決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後四時五十一分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X01919530710/189
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