1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十八年七月二十三日(木曜日)
午前十時四十八分開議
出席委員
委員長 千葉 三郎君
理事 淺香 忠雄君 理事 苫米地英俊君
理事 坊 秀男君 理事 内藤 友明君
理事 佐藤觀次郎君 理事 井上 良二君
理事 島村 一郎君 有田 二郎君
宇都宮徳馬君 大上 司君
大平 正芳君 黒金 泰美君
藤枝 泉介君 宮原幸三郎君
福田 繁芳君 小川 豊明君
木原津與志君 久保田鶴松君
春日 一幸君 平岡忠次郎君
福田 赳夫君
出席政府委員
大蔵政務次官 愛知 揆一君
大蔵事務官
(主計局法規課
長) 白石 正雄君
大蔵事務官
(主税局長) 渡邊喜久造君
大蔵事務官
(管財局長) 阪田 泰二君
委員外の出席者
大蔵事務官
(管財局閉鎖機
関課長) 岩動 道行君
専 門 員 椎木 文也君
専 門 員 黒田 久太君
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七月二十二日
揮発油税軽減に関する請願(大西禎夫君紹介)
(第五〇〇六号)
同(足立篤郎君紹介)(第五〇〇七号)
同(苫米地英俊君紹介)(第五〇〇八号)
同(前田正男君紹介)(第五〇〇九号)
同(岡本忠雄君紹介)(第五〇一〇号)
同(小川平二君紹介)(第五〇一一号)
同(柴田義男君紹介)(第五〇一二号)
同(丹羽喬四郎君紹介)(第五一二一号)
同(山崎岩男君紹介)(第五一二二号)
同(前田榮之助君紹介)(第五一二三号)
同(風見章君紹介)(第五一二四号)
同(中居英太郎君紹介)(第五一五一号)
同(原茂君紹介)(第五一五二号)
同(福田赳夫君紹介)(第五一五三号)
同(中村幸八君紹介)(第五一五四号)
石油関税の減免措置延期に関する請願(大西禎
夫君紹介)(第五〇一三号)
同(岡本忠雄君紹介)(第五〇一四号)
同(足立篤郎君紹介)(第五〇一五号)
同(苫米地英俊君紹介)(第五〇一六号)
同(前田正男君紹介)(第五〇一七号)
同(柴田義男君紹介)(第五〇一八号)
同(小川平二君紹介)(第五〇一九号)
同(丹羽喬四郎君紹介)(第五一二五号)
同(山崎岩男君紹介)(第五一二六号)
同(前田榮之助君紹介)(第五一二七号)
同(福田赳夫君紹介)(第五一二八号)
同(風見章君紹介)(第五一二九号)
同(中居英太郎君紹介)(第五一五五号)
同(原茂君紹介)(第五一五六号)
同(中村幸八君紹介)(第五一五七号)
協同組合に対する法人税免除に関する請願(園
田直君紹介)(第五〇二〇号)
在外資産補償に関する請願(西村久之君紹介)
(第五〇二三号)
石炭手当及び寒冷地手当の所得税免除に関する
請願(苫米地英俊君紹介)(第五一三七号)
現行会計年度を暦年度に改正の請願(苫米地英
俊君紹介)(第五一五八号)
銀行従業員の給与に対する大蔵省の干渉及び統
制の排除に関する請願(矢尾喜三郎君紹介)(
第五一五九号)
水害救援資金の長期貸付に関する請願(多賀谷
真稔君紹介)(第五一六〇号)
旧軍港市転換事業に関する請願(前田榮之助君
外二名紹介)(第五一六一号)
物品税法の一部改正に関する請願(西村直己君
紹介)(第五一六二号)
鉄道車両輸出振興に伴う金融優遇措置に関する
請願(岡田五郎君紹介)(第五一八九号)
鉄道車両輸出振興に伴う特別措置に関する請願
(岡田五郎君紹介)(第五一九〇号)
の審査を本委員会に付託された。
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本日の会議に付した事件
小委員の補欠選任
有価証券取引税法案(内閣提出第二七号)
砂糖消費税法の一部を改正する法律案(内閣提
出第三二号)
富裕税法を廃止する法律案(内閣提出第三三
号)
法人税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
六二号)
所得税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
六三号)
相続税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
六四号)
特別減税国債法案(内閣提出第九八号)
資産再評価法の一部を改正する法律案(内閣提
出第一一〇号)
関税定率法等の一部を改正する等の法律案(内
閣提出第一一六号)
租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣
提出第一四三号)
塩業組合法案(内閣提出第一二号)
信用金庫法の一部を改正する法律案(内閣提出
第一三号)
食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案(
内閣提出第八三号)
国民金融公庫法の一部を改正する法律案(内閣
提出第八四号)
閉鎖機関令の一部を改正する法律案(内閣提出
第九四号)
鉄道債券及び電信電話債券等に係る債務の保証
に関する法律案(内閣提出第九五号)
国家公務員等に対する退職手当の臨時措置に関
する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第
一〇三号)
産業投資特別会計法案(内閣提出第一一三号)
厚生保険特別会計法の一部を改正する法律案(
内閣提出第一一五号)
信用保証協会法案(内閣提出第一二五号)
日本専売公社法の一部を改正する法律案(内閣
提出第一五九号)
日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約
第三条に基く行政協定の実施に伴う国有の財産
の管理に関する法律の一部を改正する法律案(
岡良一君外二十六名提出、衆法第二〇号)
積雪寒冷単作地帯における麦類又は菜種の収穫
に因る農業所得に対する所得税の臨時特例に関
する法律案(竹谷源太郎君外二十四名提出、衆
法第二一号)
国有財産法等の一部を改正する法律案(内閣提
出第四五号)(予)
証券取引法の一部を改正する法律案(内閣提出
第四九号)(予)
証券投資信託法の一部を改正する法律案(内閣
提出第七八号)(予)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/0
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001・千葉三郎
○千葉委員長 これより会議を開きます。
議案の審査に入ります前に、小委員の補欠選任の件についてお諮りいたします。
それは、国有財産に関する小委員会の小委員でありました小西寅松君及び山本正一君が、それぞれ七月の二日及び六月の三十日に本委員を辞任されましたので、その補欠を選任いたしたいと存じまするが、これは先例によつて、委員長において指名することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/1
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002・千葉三郎
○千葉委員長 御異議ないようでありますから、小西寅松君の補欠として大上司君、山本正一君の補欠として山村新治郎君を同小委員に指名いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/2
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003・千葉三郎
○千葉委員長 次に、本日の日程に掲げました有価証券取引税法案外二十五法案を一括議題として質疑を続行いたします。質疑は通告順によつてこれを許します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/3
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004・淺香忠雄
○淺香委員 動議を提出いたします。ただいま議題となりました二十六法案中、有価証券取引税法案、砂糖消費税法の一部を改正する法律案、富裕税法を廃止する法律案、相続税法の一部を改正する法律案、資産再評価法の一部を改正する法律案、事業組合法案及び鉄道債券及び電信電話債券等に係る債務の保証に関する法律案の七法案につきましては、すでに質疑も尽されたと思われますので、この際右七法案につきましては、質疑を打切られんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/4
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005・千葉三郎
○千葉委員長 ただいまの浅香君の動議のごとく決定するに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/5
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006・千葉三郎
○千葉委員長 御異議ないものと認めまして、右七法案につきましては、以上をもつて質疑を打切ることといたします。
これより順次討論採決に入ります。
まず有価証券取引税法案、相続税法の一部を改正する法律案、資産再評価法の一部を改正する法律案、鉄道債券及び電信電話債券等に係る債務の保証に関する法律案の四法案を一括議題として、討論に入ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/6
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007・淺香忠雄
○淺香委員 ただいま議題となりました有価証券取引税法案、相続税法の一部を改正する法律案、資産再評価法の一部を改正する法律案、鉄道債券及び電信電話債券等に係る債務の保証に関する法律案の四法案につきましては、討論を省略して、ただちに採決に入られんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/7
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008・千葉三郎
○千葉委員長 ただいまの浅香君の動議のごとく決定するに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/8
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009・千葉三郎
○千葉委員長 御異議ないようでありますから、右四法案につきましてはいずれも討論を省略して、これよりただちに採決に入ります。
有価証券取引税法案、相続税法の一部を改正する法律案、資産再評価法の一部を改正する法律案、鉄道債券及び電信電話債券等に係る債務の保証に関する法律案の四案を一括して採決いたします。
右四案をいずれも原案の通り可決するに賛成の諸君の御起立を願います。
〔総目貝起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/9
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010・千葉三郎
○千葉委員長 起立総員。よつて右四法案はいずれも原案の通り可決いたしました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/10
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011・千葉三郎
○千葉委員長 次に、砂糖消費税法の一部を改正する法律案及び富裕税法を廃止する法律案の両案を一括して討論に入ります。討論は通告順によつてこれを許します。井上君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/11
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012・井上良二
○井上委員 富裕税法を廃止する法律案及び砂糖消費税法の一部を改正する法律案に対しまして反対をいたします。
この両法案に対して反対します理由は、政府は、今回の税制改革を通じて、税の負担の軽減と負担の均衡をはかるということを前提に申しておりますが、今回の税制改革の全般を通じて見まして、私どもは決してそうとは受取れません。そのことは、いずれ所得税法、あるいは法人税法等の改正案と関連いたしまして明らかにする予定でありますが、わが国の租税が大衆課税となつていることは、政府みずからこれを否定することはでき得ないと思うのであります。われわれは、税額が高いということを指摘して非難をするものではありません。問題は、それがいかに公正に扱われるかということにありますから、税高の問題を私どもは非難するのではなく、問題は現行税制の負担が公平であるかどうかということ、それをあらゆる税目について検討をいたしましたときに、現在政府の徴税というものが、大衆収奪の性格を露骨に表わしておるということであります。それは、たとえば所得税の徴収によります階級分布におきましても、月額二万五千円以下の収入の者が総額の八〇%を占めておるということ、あるいは法人税の資本金五百万円以下の中小法人の負担が、われわれの推定では、少くとも五百億円に上つておるということ、さらに間接税でありますところの酒税、あるいは砂糖消費税、またはその他の税を検討いたしましても、いずれも大きな大衆負担になつておることは否定できません。さらに、これに専売納付金の約八割が大衆負担であると推定をいたしますとき、本年税収の約七千億のうち、大衆負担の占めますものは五千五百億から六千億になるではないかとわれわれは推定をいたしておるのであります、かくのごとく、大衆負担の重税が非常に露骨にかけられておるというこの事実を、私どもは追究せざるを得ません。そういうことから考えて、かつて税の公正な負担を建前として、またそういう大衆負担に重税が課せられておるということからして、できるだけ税の負担の均衡という社会政策的な、あるいは階級的な対立を緩和するという一つの考え方から、シヤウプの勧告もあつたのでありましようけれども、富裕税というものがここに取上げられたことは、これは明確でございます。政府は、富裕税の捕捉か困難であるという理由、また今回高額所得者に対して所得税の税率を若干引上げたという理由で、年間二十億に上つておりますこの富裕税を廃止する、こういうことは何としても私ども納得が行きません。そもそもこの富裕税は、昭和二十五年、当時の吉田内閣か税制の一大改革を実施するに際し、シヤウプの勧告に基いて新設したものであつて、同法案の提案にあたつて、当時の池田大蔵大臣は、今回の税制改革は、恒久的かつ安定した税制の確立を目ざしたものであり、一旦改正された税制は、今後相当な期間を持続せしりる前提のものとして立案をしたということを説明をしております。この富裕税が実施されてわずか三年を出ずして今日これが廃止されるということについては、政府当局の言う恒久的税制というものがいかにごまかしであり、そのときどきの都合によつて、いつでも時の施政者の都合のいい方向に目まぐるしくかわつて行くということは、これは税制全般の上から考えて決して好ましいやり方ではありません。そういう見地からも、また一般国民に与えますいろいろな影響からも、富裕税を廃止するということについては断じて賛成はできません。また捕捉が困難であるということは理由になりません。問題は、富裕税を完全に徴収する意思があるかないかということにかかつておるのでありまして、この点に対しては、徴税に対する拙劣さをみずから暴露するものであつて、捕捉困難ということは、理由にはならないとわれわれは考えるのであります。政府は他にいろいろな新規事業に必要な財源を要求されておる。またたとえば、現に人事院から公務員の給与ベースの改訂勧告、あるいはまた恩給法その他の新規要求等、新しい財源を必要とする歳出項目が非業に大きくふえて来ておつて、これに充当する財源が非常に困難だということから、これらの新規要求をことごとく切り捨てようという考え方に立つておる。そういうときに、二十億とまとまつた富裕税という財源を単なる捕捉困難であるという理由だけで廃止するというようなことは、われわれは断じて承認でき得ません。そういう見地からも、私はこの富裕税の存置を強く主張いたしたいと考えるのであります。
次に、砂糖消費税の問題でござい虫ずが、この砂糖消費税は、主として現行税額の二割方値上げを実施せんといたしておるのでありますが、たびたび本委員会で私が申し上げましたように、砂糖がわが国の食生活の構成から、これはまさに米麦に匹敵する主食化して、今日国民の生活費の大きな要素になつておりますので、この事実をわれわれは見のがすわけには参りません。そういう見地に立ちますときに、砂糖の消費税を二割方上げるということは、それだけ勤労者の家庭に大きな負担になりますし、またそのことが、物価賃金の引上げの要素にもまた一つの力を加えて行くことになります。そういうことから、金額は六十億ぐらいのものであつたにしても、それが及ぼすところの家庭への影響と、これがまた一方富裕税を廃止し、一方は砂糖消費税を値上げする、こういう階級的な見えすいた税制の改革に対して大衆がいかに峻烈な批判を下すかということについて、われわれ税制を扱う者としては、この問題はもつと慎重に検討すべきでありまして、単に砂糖消費税が戦前よりも低いといつて、戦前の課税率をもつて論じますならば、何ゆえに他の一切の減税に対しても戦前の税率をもつてしないのか、現実に所得税には戦前年間千二百円の所得の者は免税点が設定されておつた。今日戦前の千二百円は、物価に比例いたしますれば、少くとも三十数万円の金額に相当すると思います。そういうことは知らぬ顔でほおかぶりしておいて、自分の都合のよいことは戦前の比率を引例して来るというのは、もつてのほかであります。そういう点から考えてみてもわれわれは砂糖消費税の及ぼすところの影響というものを考え、かつ他の税制との均衡を考え、またこれが国民に及ぼしますところの悪影響を考えて、断じて値上げに賛成するわけには参りません。
以上をもつてこの両案に対する反対の討論を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/12
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013・千葉三郎
○千葉委員長 次に黒金君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/13
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014・黒金泰美
○黒金委員 ただいま井上委員からいろいろ反対の御意見がありまして、中に非常に傾聴すべき点が多いのでありまして、これに反対することは、はなはだ残念でありますが、私どもこの原案に賛成いたします者の一人として、賛成の意見を申し述べたいと思います。
大体におきまして、今回の税制の改正案は全般にわたる一連のものでありまして、この二つのものだけをつかまえまして賛否をきめること自体がいかがかと思うのでありますが、簡単にこの二葉につきましての賛成の理由を申し述べたいと思います。
第一の富裕税でありますが、この富裕税の問題につきましては、実施後的三年を経まして、この間の実施状況にかんがみまするに、現実の問題といたしましては、どういたしましても捕捉が十分に行かない。従いまして、この資産課税というものが強権的に、現われております財産に対する課税に流れがちであつて、収益がなくて単に財産を持つているという者に対しましての相当の重圧になつております。今井上委員がおつしやいましたように、これは把握しないのが悪いのだということでありますが、この税金のために非常な経費をかけて、非常な労力をもつていたしますならば、確かに仰せになるように、十分な把握もできるかもしれませんが、やはり税収というものにつきましては、この税を徴税いたしますための経費を十分に考えて、できます限りは、安い徴税費をもつて能率をあげることが必要であろうと思うのであります。従いまして、このような資産課税というものが今の段階におきまして適当であるかどうかという点につきましては、私どもかねてから相当に疑問を持つておりましたところで、今回高額所得者に対する所得税の引上げによつてこの税金をなくするということは、まことに事宜を得たものと考えて賛成いたす次第であります。
次に、砂糖消費税につきましても、税金は確かに安いのがよろしい。これはだれしも反対いたすところでありませんが、ただ安いのはいけませんので、ほかの品目にかかる消費税、そういうものとの権衡をも十分に考え合せまして、そしてあるべきところにおちつかせるのが最もよろしいことと思うのであります。従いまして、今回の改正につきましては、物品税をの他の課税を勘案いたし、またがつての税負担とも十分ににらみ合せまして、この程度ならばやむを得ないものではないか、かように考えます理由をもちまして、これに賛成をいたす次第でございます。
なお今回本年度の予算も衆議院の議決を経ましたときにおきまして、いろいろ税金の収入にあまりに大きな変化を来しますことは、予算成立の上から申しましても、はなはだ残念なところでありますので、何とかそういうことのないようにして参りたい、こういうような意味も考え合せまして、私どもは井上先生の御意見に対して、はなはだ残念でありますが承服いたしがたく、この原案に賛成いたすような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/14
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015・千葉三郎
○千葉委員長 次に佐藤觀次郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/15
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016・佐藤觀次郎
○佐藤(觀)委員 税の問題は、今国民の一番重要な関心事でありまして、国民がいかに税のために苦しんでいるかということは、大蔵当局といえどもよく知つていると思います。ところがはからずも、皮肉にも今度法律をかえまして、富裕税のような高額所得者の課税を全然廃止してわざわざ大衆にかかる砂糖の消費税を過重に負担させるということは、まことにもつて一部の特権階級だけを助けるだけであつて、大衆のためにこれは非常に迷惑だと思うのであります。先ほど黒金委員から、この税法については関連してというお話もありましたが、むろん今度の法案につきましては関連はありますけれども、少くとも富裕税というものは前回シヤウプが来たときに、これが非常にいい法律であるというので、金科玉条のように、新聞にもうたい、またあの税法を設けるときに、富裕税をうんととるからということで、実は所得税の最高五割五分に下げたわけであります。ところがわずか三年もたたないうちに、徴税がしにくいということのために、一部の高額所得者のために富裕税を廃止するということは、まことに階級的に見ましても、これはわれわれ不満な条件であります。そこにもつて来て、今度大衆が何も知らないということで砂糖消費税を増徴するために莫大な費用をかけるということは、先ほど井上委員が言いましたように、われわれは絶対反対をするものであります。砂糖は、現在一部の者の奢侈的なものでなく、すでに大衆の生活必需品になつている今日において、その課税を上げるということは、まことに大衆課税をますくふやすということにおいて、われわれはこれに反対をするのであります。はなはだ遺憾ではございますけれども、この富裕税の廃止といい、砂糖消費税の増徴といい、まことにわれわれ社会党にとつては、反対をしなければならぬ皮肉な対象でありまして、われわれは、遺憾ながらこの両法案には絶対反対をするものであります。
以上をもつて討論にかえます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/16
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017・千葉三郎
○千葉委員長 以上をもつて討論は終結いたしました。
これより右両案を一括して採決いたします。右両案をいずれも原案の通り可決するに賛成の諸君の御起立を願います。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/17
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018・千葉三郎
○千葉委員長 起立多数。よつて右両法案はいずれも原案の通り可決いたしました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/18
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019・千葉三郎
○千葉委員長 次に、塩業組合法案を議題といたしまして討論採決に入りたいと存じますが、本案につきましては、大平正芳君より修正案が提出されておりますので、この際提案者より修正案の趣旨弁明を求めます。修正案提出者大平君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/19
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020・大平正芳
○大平委員 それでは、まず修正案文を朗読いたします。
塩業組合法案に対する修正案
塩業組合法案の一部を次のように修正する。
第八条第一項中第三号を第四号とし、以下一号ずつ繰り下げ、第二号の次に次の一号を加える。
三 組合員の貯金の受入
第八条第四項から第六項までのうち「第一項第八号」を「第一項第九号」に改める。
第二十五条第七項中『、同法第二百四十七条第一項中「第三百四十三条」とあるのは「塩業組合法第五十六条」と』削る。
第六十条第四項中「第八条第一項第六号若しくは第七号」を「第八条第一項第七号若しくは第八号」に改める。
第七十二条に次の一項を加える。
3 公社は、第八条第一項第三号の事業を行う組合の業務又は会計の状況につき、毎年一回を常例として検査をしなければならない。
第七十四条中「若しくは第七十二条第二項一を「、第七十二条第二項若しくは第三項」に改める。
第七十七条中「第七十二条第二項」の下に「若しくは第三項」を加える。
昨二十六日の本委員会において、大体修正案の趣旨は御説明申し上げたのでありますが、要約するに、国内塩の需給計画を円滑に、かつ有効に推進して参りますためには、そのにない手であります塩業者自体の経済的地位が向上され、お互いに協力してこの重要な計画を推進して参らなければならないことが前提になるわけで、ございまして、今回塩業組合法が政府から提案に相なつておりますが、その中でわれわれが注目しなければならないのは、虚業組合は、その組合員に対して事業資金の貸付ができるということになつております。そして一方におきまして、組合自体がその預金を受入れることができないことになつているわけであります。いわば当事者組合員は、各自自発的にその組合に加入して、その組合に事業的な運命を傾けて彼らの経済的地位を向上する、いわば自治的な団体でありまして、これにどういう能力を付与するかという問題は、いわば、福祉立法的な性格があろうと思いますので、政府の方におきまして特別に理由のない限り、こういつた能力を制限すべきものではない、こう考えます。かつまたそういつた重要な国内の需給計画を推進して参る上におきまして、塩業者の経済的地位を向上する一助ともなろうと思いますので、本法案に欠けております組合員の預金の受入れの能力を付与させようというのが今度の修正案の提案理由であります。どうぞ御審議の上、御賛成いただくようにお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/20
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021・千葉三郎
○千葉委員長 修正案の趣旨弁明は終りました。これより原案並びに修正案を一括議題として討論に入ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/21
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022・淺香忠雄
○淺香委員 動議を提出いたします。ただいま議題となりました塩業組合法案につきましては、原案並びに修正案ともに討論を省略して、ただちに採決に入られんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/22
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023・千葉三郎
○千葉委員長 ただいまの浅香君の動議のごとく決定するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/23
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024・千葉三郎
○千葉委員長 御異議ないものと認めまして、塩業組合法案につきましては、原案及び修正案ともに討論を省略して、ただちに採決に入ります。
まず大平君提案の修正案より採決いたします。本修正案に賛成の諸君の御起立を願います。
〔総員貝起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/24
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025・千葉三郎
○千葉委員長 起立総員。よつて本修正案は大平君提案のごとく可決いたしました。
次に、本修正案の修正部分を除いた原案につきまして採決いたします。これに賛成の諸君の御起立を願います。
〔総員起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/25
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026・千葉三郎
○千葉委員長 起立総員。よつて本案は修正議決されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/26
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027・千葉三郎
○千葉委員長 次に、本日の日程にかけました二十六法案中ただいま議了いたしました七法案を除いて、残りの十九法案を一括議題として質疑を続行いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/27
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028・井上良二
○井上委員 閉鎖機関令の一部を改正する法案について質問をいたしますが、この法案によります社債の弁済と財産の分配を行わんとする残余の今清算中の二百四十四機関のうちで、どれどれがこれに該当するかということ。それから指定解除を行わんとするという場合に該当する機関はどれどれだ、その二つを明らかにしてもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/28
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029・阪田泰二
○阪田政府委員 ただいま御説のように、現在閉鎖機関として清算の途中にあります機関は二百四十四ありますが、この中で、今までの規定によりまして解除の処置ができるものもありましたが、今回の規定によりまして、在外活動関係の出先機関等は、新しく一定の措置をしました上で、解除とか社債の弁済か、いろいろそういう措置ができることに相なりました。そこで具体的に、今回の規定で残つております機関のうちどれが解除を認められ、どれが社債の弁済、残余財産の分配処分をなすことができるようになるのか、あるいは第二会社の設立が認められるかということにつきましては、いろいろと検討いたしておりますが、やはりそれぞれその機関の実情並びに今後の情勢による点がありまして、ただいまどの機関がどれに当るかということは、ここで決定的に申し上げかねる次第でありますから、御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/29
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030・井上良二
○井上委員 今後の閉鎖機関の清算過程において、社債の弁済、あるいはまた財産の分配等を行つたり、指定解除をするということは、今後検討してみないとわからぬ。こういう御答弁であります。まだ検討してみないから、そういうものに該当する機関が出るのやら出ぬのやらわからぬというのに、どういうわけでそういう法案を先から準備しなければならぬのです。そういうことが実際現実に起り得て、これこれはこういう新しい形でこうした方がいいという具体的な事実が出た場合に、初めてそれに必要な法的処置を講じて行くということをやるべきであつて、最初からそういうことを予定する機関さえまだ今日はつきりしていないのに、何がゆえにそういうことを予定して、こういう法律をつくらなければならぬかということについて伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/30
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031・阪田泰二
○阪田政府委員 先ほどお答え申し上げましたのは、現在確定的なことは申し上げることができない、こういう意味におきましてお答え申し上げましたわけでありまして、もちろんこういう法案の改正をいたしまするにつきましては、そういうものが当然出て来ることを予定いたしておるわけであります。現在の清算中の閉鎖機関の株主等から、われわれの方の閉鎖機関の会社を解除にしてほしい、あるいはこういう法律案を出してもらえれば新会社を設立したいというような話もいろいろと聞いております。またその中には、大体その御意向に従いまして、解除とか、その他の措置が可能なように見込まれるものもございます。この法案を改正するにつきましては、もちろんこの新しい規定が適用される場合があるというような見込みをもつてやつておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/31
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032・井上良二
○井上委員 私はあなたの頭というか、政府の頭を疑うのです。といいますのは、これら閉鎖機関は、戦争に協力した機関として閉鎖を命ぜられておるのです。現実にそういうことです。そういうことを前提にわれわれは物を考えます場合に、そういうことについての責任の追究という意味で、ポツダム政令で閉鎖を命ぜられておるわけです。従つてそういう精神から考えますならば、閉鎖機関としての清算を完了するということを、あくまで行政官庁としてはその立場で職務を執行すべきであつて、まだ清算もはつきりきまつていない、しかも清算の過程において、かつての戦争に協力した会社の株主が集まつて新会社を創立したい、あるいは財産の分配を要求している。ことにあなた方が応じるというのは一体どういうことなんです。現に戦争に協力した責任者として、財閥の首脳者はそれぞれその責任を追究され、財閥は解体され、独禁法、集中排除法が制定され、さらに政界、財界、官界においては追放が行われ、一部の者は戦争犯罪人として処罰され、死刑になつた者もあるのです。そういう大きな国の犠牲が一方において行われているときに今日大分日時がたつたから、ここらでいいかげん解除してもいいだろうという、そういう甘い考え方であなた方はお考えになつておりますか。そうでなければ、そういう解除をしたり、財産を分配したり、社債を償還したりという考え方は起つて来ないはずです。その点はどうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/32
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033・阪田泰二
○阪田政府委員 ただいまお尋ねの点でありますが、閉鎖機関令のこういう制度が当初できましたときには、お説のような趣旨でできましたことは間違いのないことだと思います。それでそういうような趣旨から閉鎖機関に指定されまして、今日まで清算を続けて参りました。終了したものも多数あるわけでありますが現在の情勢におきまして、清算のまだ終了していないというものの中には、いろいろのものがあると思いますけれども、ただいまお示しのありました社債弁済、あるいは残余財産の分配、これは清算の事務といたしまして、閉鎖機関令の趣旨で当然やらなければならない仕事であります。いろいろのひつかかりがありまして、それが今まで認められなかつたというようなものにつきましても、今回本旨に返つて、それができるようにする、清算を終了させるというのが今回の改正の趣旨でございます。それから解除等を認める場合もございますが、これにつきましては、大体清算事務の見通しもつきまして、こういう特殊清算の方式によらないで解除をいたしまして、一般の清算の方式によらせて支障がないと認められるようなものにつきまして、これは解除をいたすわけであります。
それから新会社の設立を認める場合でありますが、これにつきまして、いろいろただいまのような御意見がおありになつたことと思いますが、新会社を設立いたすにつきましては、これは旧閉鎖機関の残りました財産を基礎といたしまして、これを今日の国民経済に最も役立つように活用して行こうというのが新会社設立の趣旨でありますから、生れます新しい会社は、昔の閉鎖機関の使命とか、閉鎖機関の性格というものとは全然別個のものができるわけであります。それで新しい会社につきましては、大蔵大臣が新しい会社の設立の計画案を認可することになつておりますが、今回の改正案にもございますように、認可するにあたりましては、計画が法律の規定に違反していない、また公正で公平で遂行可能なものである、そういつたような点を十分検討いたしまして、新しい会社ができることを認めることになつております。そういうような意味におきまして、御趣旨のような、旧閉鎖機関のそういう性格が復活するというようなことは、この法律の改正にあたりましても、全然考えておらないわけでございますから、御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/33
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034・井上良二
○井上委員 どの機関を清算過程において指定を解除したり、あるいはその機関の内地財産の分配をいたしたり、その内地財産をもつて新会社の設立を認めたりするか、そういうことは、これからの作業によつて明らかになる、こういうことでこの法律が通りますならば、そういう方向で清算事務はなるほどどんどん進むかもわかりません。従つて、ここへ残りましたところの清算未了の清算機関と、今日まで閉鎖令によつて清算事務が完了して完財に閉鎖されたものとの差別は一体どうしますか。国内に保有されておる財産を中心にして新会社を創立すれば、その新会社の創立によつて非常な利益が上り得るということで、株主総会の決定によつて、大蔵大臣の認可を得て新会社を設立する。ところが今まで閉鎖機関令によつて閉鎖されたもの、清算事務が完了したもの、これらの株主は泣くに泣かれぬのである。その命令のもとに解散を余儀なくされておる。現実にわれわれの知つておるところにおいても、清算事務には相当大きな犠牲が払われて来ておる、それらのすでに清算事務が完了した、大きな犠牲をこうむつたところの、かつての出資者及び株主というものと、これから優遇しようとする株主との待遇上の差別は、一体どう解決するのですか、一体そういう不公平な政治がありますか。それを伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/34
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035・阪田泰二
○阪田政府委員 ただいまお尋ねの点でありますが、今回の法律によりまして、新会社を設立しようというようなものは、これは残余財産があるもの、いろいろ清算いたしました上で、株主にも分配し得る資産があるようなものにもちろん限られるわけでありまして、それらのものが基礎になつて新会社ができるわけであります。既応におきましてこの閉鎖機関令が実施されて、その趣旨に従つて清算を終了いたしましたものにつきましては、それぞれの清算の状況に応じて、社債等にも支払いをいたし、また可能な範囲において、株主にも残余財産を分配いたしまして清算が終了いたしておるわけであります。なかなか今回のような改正の制度ができないために、さようなことになつておるのでありますが、その辺は事態の変化に伴う関係でありまして、すでに清算の済んだものにつきましては、これをどうするかということは、それぞれ適正な分配を受けて終了いたしておるわけでありまするから、今この問題を取上げて、現在残つておる資産を何とか活用できる方途があるものを押えておくというようなことは、する必要はないのじやないかというふうに考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/35
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036・井上良二
○井上委員 特にここに問題になりますのは、この在外活動関係閉鎖機関ですが、これらのものは、一体どのくらい今日まで清算事務を完了しておるか。それから、これからまだ清算事務を続けて、今お話のような、この法案に規定してありますような新しい保護規定というか、あるいは更生規定というか、そういうものに該当する機関はどれどれですか。今資料として出ております在外活動関係閉鎖機関特殊清算事務取扱の蒙疆銀行から以下五十六に至るこの機関ですか、それともまだ他にありますか、それを一応伺いたいことと、もしこのナンバー一から五十六に至るこれらの在外活動の閉鎖機関が、今お話のように、今後の清算過程において、国内財産を中心にして新会社の設立、あるいは資産の分配を認められるということになりますと、これは国内の各種閉鎖機関がすでに閉鎖機関令によつて清算をされ、その財産を二束三文に処分されて、泣きの涙でその清算事務を承認せなければならなかつたというこの旧出資者、株主との関係が非常に問題がある。戦争中軍の命令で、あるいは軍事動員のためにやむにやまれず強制的につくられた国内の多くの統制会社等のものは、これはまたいろいろの考え方によつて、多少政治的に考慮する必要がありますけれども、この在外機関というのは、これはまつたく軍の直接の作戦行動に協力した機関であつて、このものが今お話のようなことで許されるということになりましたならば、これは国内の閉鎖機関に指定されて、財産が二束三文に処分されたというものとの比較の上において、非常な不平等が起り、感情的にも許すことができ得ない問題が起つて来ると思う。そこで、これらの機関はこれに入つてないのか、この法律が適用されないのか、これを明らかにしてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/36
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037・阪田泰二
○阪田政府委員 今回の法律によりまして、在外活動閉鎖機関中でも、第二会社の設立その他の措置が可能になるものが出て参るわけでありまするが、具体的にどの会社がそういうことができるかということにつきましては、これは先ほども申し上げましたように、確定的なことを申し上げるわけに行かないわけであります。ことにこれは非常に微妙な問題でありまするし、関係者にあまり誤つた印象を与えるというようなことも慎まなければならないと思いますので、どの機関がどうかということは、ちよつと申し上げかねるわけであります。ただ一般的に申しまして、在外活動閉鎖機関でありましても、国内の清算事務、この国内の債権、債務の清算の仕事としては大体非常にこまかいもの、あるいは相手のわからないもの、取立てにくいもの等が残つているものがありますが、大体におきまして、ほとんど大部分の仕事は終了しているわけであります。それに対しまして、今後もなお終了する見込みのもの、支払いの見込みのもの等も予想いたしまして、——清算費も今後ある程度はかかるわけでありますが、そういうようなものを予想いたしまして、なお残る資産がある、財産がある、しかもかなりまとまつた資産があるというようなものが結局まず対象に上るということになると思います。在外活動閉鎖機関中には、国内資産が全然今残らない、債務の弁済に不足であるというものもかなりあるわけでありますが、そういうものは、初めから対象にはならないと思います。大体の考え方としてはそういうふうに思つております。国内資産がありましても、それがすべて今度のいろいろな措置を認められるとは限りませんで、まずそういうものがなければ対象にはならないというふうに考えます。
それから国内関係で、清算の済んだものが、その資産を二束三文に処分されたというようなお話でありますが、これは、閉鎖機関に指定されましてただちに清算の仕事をやつて参りましたので、その間物価の変動等もございますし、早い時期に資産を処分して清算いたしました分は、どうももつと待つておれば値上りしたのではないかというようなことはあるかもしれませんが、そのときどきの清算の仕事といたしましては、適正な時価で処分するということでやつて参りましたので、お話のような不公平な措置ということは、考えられないというふうに私どもは思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/37
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038・井上良二
○井上委員 私は、早く清算事務が完了したものについての評価が非常に安いとか、また今度おそくやればそれが非常に高く評価されたとかいうようなことを聞いているのではない。私の言うておりますのは、こういう在外の閉鎖機関というものは、軍の作戦行動に協力した有力な機関であります。これらの機関が今日清算されずに残つておつて、そうしてこれらの株主から新会社、第二会社を設立したいという要求がありますならば、この指定を解除し、あるいはまたその財産、社債等を償遠分配するというがごときは、早く清算されたものと比べて不公平ではないか、感情的にも、早く清算されたものとしては承認できない感情が起りはせぬかという政治の不公平を追究しているのです。また現実にあなたの方では、この閉鎖機関の清算についての承認を大臣が与えることになつておりますが、個々の閉鎖機関の清算事務の跡を検討してみて、正当な清算事務が行われたとはつきり責任を持つてあなたは答えられますか。今管財局長をしておりますあなたとしては、はつきりと、今までやつた閉鎖機関の閉鎖事務があやまちはないと断言はできますまい。われわれは、個々の閉鎖機関の清算事務の内容についても、はなはだいかがわしい清算のやり方をしておるということを聞いておる。まただれが見ても相当りつぱな本店、支店というものが、非常に安く清算されておるということもわれわれは聞いておる。そういうことからしまして、私どもは、早く清算にかかつたものはえらい損をし、今までぐずぐず言つて、ひつぱつて来たものはこの恩典に浴する、これでは公平な、正しい民主的な政治とは言えませんから、その点を一体どう調整するかということです。それともあなた方の方で、この私の質問が不当である、また私が今聞いておりまする、各清算事務の完了しました清算事務内容に不当はないということなら、われわれは清算事務の結果報告書の提出を求めて、それの具体的な審査を私どもはしてみなければ、あなたとはつきりとここに結論はつきません。しかしそこまで待つておつたら、この法案はなかなか今議会では通りませんから、そこまで私は追究して行こうとは思いませんけれども、そういう非常に当時作戦用兵に大きな貢献をし、最も閉鎖機関第一級として指定されなければならぬこれらの機関が、今日まで残されて、これらのものが助かるということについては、国内における軍の圧力によつて統制機関をつくり、そのために閉鎖を指定されて一切の仕事がとまつて、財産がことごとく処分されたというこれらの人々の感情をどう一体われわれは直すかということにおいて、この法律を簡単に私どもはイエスと言うわけには参りません。それらの点に対して、明確に政府は、それらのものに対しては救償するなら救償する、もしそういう不平があるなら救償するということにならなければ、早くさばかれたものがえらい損をして、おそくまでぐずぐずしておつたものがえらい得をしたということでは、——税金と一緒で、早く納めた者が損をして、ぐずぐず言うておる者には新しい法律ができて、今度はえらい得をするということになつたら始末がつかぬ。ですから、そこのところをもつと明確に、国民が納得するように御答弁を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/38
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039・阪田泰二
○阪田政府委員 ただいまお尋ねの点でありますが、大体清算の終了いたしました国内関係の閉鎖機関は、早く安く処分をされて、在外活動関係で今まで延びておりましたものは、処分をぐずぐず延ばして来たようにお考えのようですけれども、それは事実と多少違いまして、閉鎖機関がいろいろ指定されたときは、時期が違います。お説の在外活動機関は、まつ先に指定されたものが多い。指定されましたらただちに清算しまして、資産の換価可能なもの、処分できるもの、これらはどんどん処分して参つておるわけでございます。それで、そういうようなものが処分できまして、国内関係の資産、負債の整理が片づきますれば、清算の結了ということになるわけであります。在外活動閉鎖機関は、そのほかに国外関係のひつかかつております問題がありましたので、清算が少し延びて来ておる。そのような関係でありまして、資産の処分、これはおもに不動産、有形の資産の処分になると思いますが、これらの処分につきましては、どちらを早くやり、どちらかをぐずぐず延ばして物価が上るまで待つておつたといつた関係はないわけであります。持にそれによつて不当に、不公平な扱いをしたというようなことはございません。それで、この資産処分その他の仕事につきまして、適正に行つておるかどうかというお話でございますが、これは、従前は在外閉鎖機関整理委員会がやつておりまして、昨年の四月から特殊清算人を任命いたしまして、いずれも大蔵大臣の監督のもとにやつておるわけであります。資産の処分等につきましては、原則として一般に競争入札、あるいはせり売りというような方法をとるようにいたしておりまするし、評価等につきましても、いろいろ専門家の第三者の評価をとつてやつております。特別の非常にむずかしい問題につきましては、それぞれ具体的な措置につきまして、大蔵大臣の承認を得た上で処置をいたすというようなことになつておるわけでありまして、私どもといたしましては、お説のような、今回のこの関係の清算の過程におきまして、不当な措置があつたというふうには考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/39
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040・井上良二
○井上委員 もう一点伺いますが、この資料として出しておりますこれらの閉鎖機関の、あなた方が現在清算過程において、社債の弁済、財産の分配ということをやろうとする、そうしてまたこれらの財産を土台にして、株主総会で第二会社をつくるということを許可する、それと同時に、閉鎖機関の指定は取消すということになりましようが、そうなりますと、これらの財産願は現在一体どのくらいになつておりますか、それを伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/40
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041・阪田泰二
○阪田政府委員 ただいまの資産の額がどうなつておるかというお話ですが。どういう数字を御要求になるのかちよ、とわかりませんが、この前資料として差上げましたように、換価すべき資産の総額、これに対しまして換価した資産が大体八四・九%というような進捗状況になつております。残つたものが、現在これから換価しなければならない資産という数字になつておるわけであります。御質問によりまして、具体的な数字はまとめて出したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/41
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042・井上良二
○井上委員 問題は、やはりその数字が非常に重要になつて参ります。といいますのは、これら新しくできます新会社は、またこの指定を解除するという行為に対しては、独禁法の適用を除外するという規定があります。そうなつて来ますと、これら資産の現在高、そしてこの新しく設立されようとする会社の業務は、一体何をやろうとするかということによつてかわつて参ります。だから、一応資産内容を明確にされることが心要であり、また新しく指定を解除しようとする——これとこれの機関は解除してさしつかえがないと清算関係においても言われるという、およその心構えを本委員会で、政府当局としては明確にされるべきであります。そういう下構えもなしに、将来そういうことが予想されるかもわからぬという抽象的な答弁でもつて本案を規定するがごときは、あまりにも閉鎖機関令という法律を無視した取扱い方であつて、閉鎖機関令を廃止するというなら別ですが、閉鎖機関令は置いて、そうして清算事務の過程においてそういう新しい措置を講じようという場合には、当然これらの中で、これとこれは指定を除していい、またこれらのものは社債の償還や財産の分配を行つてもいい、こういうような、およそのあなた方事務当局としての腹構えが特殊清算人との間に打合せをされて、そうしてそれがおよそわれわれにも理解されるような説明がされて、初めてこの法案が生きて使われることになり得るのです。何ら、ういう具体的な腹構えもなしに、ただこういう法律をつくつておいたら将来都合がいいということは、きまつておるのであります。またそれによるところの株主は非常に喜びましよう。しかしわれわれとして一は、かつて閉鎖機関令によつて閉鎖をされたものとの関係、またこれらの指定を受けたものの本質というものを考えたときに、この配られました資料の中では、当然指定を解除していい団体、会社というものがあろうと思いますが、同時にまた指定を解除することが非常に社会的におもしろくないというやつもありますから、あなた方の方で、大体国内ではこれこて、対外的活動をやつておつたものはこれこれという、およその腹構えを特殊清算人との間に打合せをされて、それからこの法案の審議の結末をつけて行くようにしていただかぬと、これは簡単に頭のみ込みにイエスというわけにはちよつと参らぬ問題じやないかと私は考えます。あなたの御意見はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/42
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043・阪田泰二
○阪田政府委員 ただいまお尋ねの私的独占の禁止関係でありますが、これは、今回の新しい法律改正によりましてできまする措置のうちで、新会社ができて、新会社の株式を取得した場合に独禁法にひつかかる、こういう場合の措置について規定してあるわけでありますが、そういう場合に、ただちに独禁法に従つて株式を処分するというようなことになりますると不都合がありますので、二箇月の猶予期間が認めてあるわけであります。そのような規定でありますから、具体的に新会社設立ということが認められます場合に、その会社について、大体二箇月内にこれにひつかかる分を措置して行けばよいということでありますので、お説のような御心配のことは、大体起らないのじやないかと私ども考えております。
この法律の改正につきまして、内容が特殊清算入との間に相談ができておるだろうというようなお話もありましたが、これはやはりいろいろとやりたい、この規定によりまして手続をしたいと言つておる会社はございますが、しかしどれを認めるかというようなことは、やはりそれぞれの具体的の計画、それから今後の事情を考えないときめかねますので、現在大体の状況でこれとこれは認めるのだというようなことは、別段決定もいたしておりませんし、相談いたしておることもございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/43
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044・佐藤觀次郎
○佐藤(觀)委員 この閉鎖機関令というものはいつまで保存される意思であるか、その点の管財局長の考え方をお知らせ願いた。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/44
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045・阪田泰二
○阪田政府委員 閉鎖機関令をいつまで置いておくか、これにつきましては、もちろんこの閉鎖機関関係のこの法律に基く清算事務が終了するまで置いておく必要があるかと思います。大体現在の状況といたしましては、御承知のように二百四十四の閉鎖機関が残つておるのでありますが、特別の在外活動関係の閉鎖機関で、多少まだ在外関係におきまして問題が残るものがあると思いますが、そのほか交易営団というような非常に多数の債権、債務がありまして、整理のむずかしいのがございます。それ以外のものにつきましては、大体今年度内に何らかの形において閉鎖機関としての特殊清算の仕事は済むと思います。従つてこの閉鎖機関令をいつまで置いておくかと申されますと、ちよつと御返答に困るわけでありますが、実質的には、大部分の閉鎖機関令の適用による仕事は、本年度一ぱいには終了するというふうに私どもは見込んでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/45
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046・佐藤觀次郎
○佐藤(觀)委員 この法律によつて、具体的にどんな会社が復活するのか、大きなものだけでいいですから、一々表をあげないでいいから、どんなふうで、どんな会社が復活するのか伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/46
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047・阪田泰二
○阪田政府委員 先ほど来いろいろ申し上げておりますように、具体的には申し上げかねるわけでありますが、要するに国内資産を、かなり新会社設立の基礎となる程度に残し得るというようなもの、株主からも新会社をつくりたいという希望が出ているもの、こういうものについて詮議することになるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/47
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048・佐藤觀次郎
○佐藤(觀)委員 それでは、具体的にこういうような会社がこうなるということを説明できないですか。こういう法律だけをつくつて、こういうものはこれには在るというのでなくて、こうなるというような具体的なことがなければ、われわれ納得できないのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/48
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049・阪田泰二
○阪田政府委員 どうもこれこれということは申し上げかねるわけでありますが、具体的には希望を申し出ている会社がございます。たとえば石油配給株式会社、日本飼料株式会社、これらのところが、株主の方から、できれば新会社をつくりたい、そういうような申込みが来ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/49
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050・佐藤觀次郎
○佐藤(觀)委員 この閉鎖機関令と独禁法との関係はどういうことになりますか。あらかたのことでいいですから、御説明を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/50
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051・岩動道行
○岩動説明員 現在閉鎖機関の持つておりますいろいろな株式と独禁法との関係におきましては、現在独禁法の禁止規定は全部除外されております。従いまして、独禁法に触れるような株の所有関係も現在においては承認されていることになつております。今度新しくこの法律によりまして会社ができました場合に、その会社と競争関係のある会社の株式を取得するというような独禁法と抵触の問題が起つて参ります。しかし、これも現行法におきましては、一応許される建前になつております。しかしながら、それは今後の会社の立場上おもしろくない、やはり独禁法の原則に従つてやつて行くべきものである。一般の会社と同じ立場において事業をやつて行くべきものである、かように考えまして、先ほど管財局長から申し上げましたように、現在の法令におきましては、独禁法に触れてもなおそういう関係を許されておりますのを、ここにおきましては、二箇月だけはその関係を許す、しかし二箇月たつたならば、その関係を払つて、独禁法に抵触しないようた活動をやるべきであるというような規定にこれを直したいという案になつているのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/51
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052・佐藤觀次郎
○佐藤(觀)委員 朝鮮銀行とか台湾銀行とかいうものは、こういうような対象にならぬのですか、どういうようになつておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/52
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053・岩動道行
○岩動説明員 先ほどから申し上げておりますように、朝鮮銀行、台湾銀行等におきましては、相当大きな在外資産、あるいは在外債務というものを持つております。その算定の方法いかんによつては、この法律を適用いたします場合に、国内に残余財産が残るかどうかという大きな問題が控えております。もしそこにある程度のまとまつた国内資産が残る、この法律の規定によりますところの残余財産の留保分を残しても、なおかつそういうものがある程度残るという場合には、一応そういう申立てをするという権限は残されているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/53
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054・佐藤觀次郎
○佐藤(觀)委員 そうすると、この法律が出れば、朝鮮銀行、台湾銀行は復活できる可能性はあるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/54
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055・岩動道行
○岩動説明員 それは、法律上はそういう可能性はあるわけでございますが、ただ朝鮮銀行、あるいは台湾銀行という銀行の形において復活するということは考えられないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/55
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056・佐藤觀次郎
○佐藤(觀)委員 戦争に破れてから、閉鎖機関令によつていろいろ犠牲になつておる点もありますけれども、先ほど井上君が言われましたように、国家が非常な犠牲をいろいろな方面にかけております。そこでこういう今までの閉鎖機関の中に、いろいろ国民が関連して言つておることもわかりますけれども、われわれがこの法律案を審議いたします場合に、具体的にこういうものがこうであるというような説明を聞かないと、ただこういう——まだわからぬけれども、ここに法律ができたら、たけのこが出て来るように、われもわれもと頭を出すのではないかというような考え方では、われわれ納得できない点があるわけであります。だから、その点をわれわれにもわかりやすく、こういう法律ができれば、こういう会社が助かつて、こういう会社が消えるのだというような具体的な説明が在と、ちよつとわれわれ納得できないのですが、その点、一つざつくばらんに、こういうふうに復活するということをひとつ政府当局からお話を願わないと、われわれはこの法案を審議するにも奥歯に物がはさまつておるような気がしてしようがないのですが、そういう点をもつと具体的にしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/56
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057・阪田泰二
○阪田政府委員 ただいまの点につきましては、先ほど来いろいろ申し上げましたように、これから申出のありますのを待ちまして、具体的な検討をいたしまして、なお今後の情勢の変化ということもあると思いますので、その上で決定いたしたいと思つております。今あまり仮定の上に立つていろいろ申し上げますことは、関係者も多いことでありますし、誤解を与えてあまり感心しないと思います。ただ今のお話のような、解除するとか、あるいは第二会社をつくるというよなことが非常に問題になり得るという意味で申し上げますと、現在国内関係の清算におきまして朝鮮銀行、あるいは期鮮殖産銀行、台湾銀行、非常に大きなものはこの三つでありますが、こういうようなものにつきましては、かなり多額の資産が国内清算関係においては浅つております。これを基礎にいたしまして、今度の法律で新会社を設立するとか、あるいはその他の方法で処置をするということが可能になるかどうか、これはこれから検討する問題になると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/57
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058・佐藤觀次郎
○佐藤(觀)委員 どうも私らの考え方と違うのですが、仮定の上に立つて法律をつくられるということは、どうもわれわれとしては納得できないので、今まであなた方の方でこういう事情が起きておる。台湾銀行、朝鮮銀行、その他殖産銀行の問題、こういう具体的な問題が起つておるから、これを助けるために、こういう閉鎖機関の新しいあれをつくるというならわかります。これが出て来るか出て来ないかわからないが、こういう法律をつくつておこうということは、何か裏に影がひそんでおるように思われるのですが、あなた方の方にそういうことはありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/58
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059・阪田泰二
○阪田政府委員 この点につきましては、この法律を今度出しました趣旨を御説明申し上げたときにも、一度申し上げたつもりですが、要するに閉鎖機関令を改正いたしまして、今後こういう在外活動閉鎖機関というような全然措置をとめられておりました機関につきましても、今後解除するとか、残余財産の分配をするとか、あるいは新会社をつくる、こういうような道を開いておこう、こういうような趣旨からつくりましたわけであります。そこで、この在外活動閉鎖機関については、平和条約に基く特別とりきめというような問題が控えておるわけでありますから、そういうような問題を前提として、今後の情勢、見通し等にかかる点が非常に多い微妙な点があるわけでありますので、現在ただちにこの法律でどちらとどちらが確定的に復活できるとか、解除できる、こういうことはちよつとはつきり申し上げかねるわけであります。ただこの法案を出しますについては、もちろん御審議の御手数だけわずらわして、少しも適用がない、こういうことは考えておらないのでありまして、十分こういう規定も活用し得る見通しになつて来ましたので、こういう案を出しましたわけであります。具体的にどれとどれがどうだというふうにはつきりとお答え申し上げて御満足が得られないのは、はなはだ恐縮ですけれども、さような事情でありますので、御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/59
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060・佐藤觀次郎
○佐藤(觀)委員 政府がそういうような、何か出しておけばそのうちにひつかかるだろう、こういうようなあいまいな態度ならば、先ほど言われたように、閉鎖機関の清算が年内に大体済むという見通しであるならば、清算をしてしまつた後に出しても何も齟齬はない、こういうように考えますが、なぜそれほど急いでこれを出さなければならぬか、こういうようなことを御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/60
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061・阪田泰二
○阪田政府委員 先ほど、大部分につきましては年度内に清算が済むだろうと申し上げましたわけでありますが、これは大体今回の法律の改正をまたずに、現在の制度で清算を続行して行きまして、解除とか、あるいは残余財産の分配というところまで行き得るであろう、こういうものについて申しましたわけであります。今回新しく規定を改正しまして、こういうことができるようにしようというものにつきましては、これは主として在外活動閉鎖機関でありますが、今までの規定におきましては、そういう措置をとることができなかつたものであります。こういうものも、先ほど来申し上げましたように、何とかこういう道を開きますれま、この新法に基く措置をとることも可能になるような情勢であろうという見通しのもとに、今回の改正案を出したわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/61
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062・井上良二
○井上委員 前に佐藤君から同じようなことを聞いたのですが、問題は解除される、財産を分配される予定の会社は、これからの清算過程においてきめるのだ、そうなると、こういうことなんです。そこまであなた方が一歩踏み切つてやるという前提であるなら、いつそのこと閉鎖令と廃止したらいい、私に言わせれば、そういうややこしいことをきめておくと、何とかこの法律によつて助けてもらおうと考えて、そしていろいろな利権運動が起つて来ますよ。利権運動をあんた方が巻き起すならそれでいいわな、現実にこの法律によつて第二会社が設立され、またうまくやれば閉鎖機関の指定から解除され、財産の分配にもあづかることができるこういうことになつたら、われもわれもとあんたのところに来ますよ。それははつきりしている。そして運動の上手な者が指定の解除を早くされ、財産の分配にあづかることができ得ることになるのや、事実そうなつて来る。だからそういう利権を伴い、また政治的な運動の余地を残すような変な法律はこの際やめて、そこまであんた方が踏み切ろうというのなら、もう講和条約も発効されて二年にもなつて、これが追放を意味する閉鎖令ということなら、日本の法律によつて——これはマツカーサーの方から来たに違いないのだから、いつそのことやめてしまう。閉鎖令は廃止、こういうことに行けば問題はない、廃止できないという理由はどこにあります、それを逆に聞いてみましよう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/62
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063・阪田泰二
○阪田政府委員 閉鎖機関令をいつそ廃止したらどうかというお尋ねですが、これは現在指定されて、まだ清算過程中にあります。閉鎖機関は、この規定を根拠法規といたしまして特殊清算の手続をいたしておるわけであります。これを廃止いたしますると、根拠法規がなくなりますので、これにかわる、また特殊清算か何か清算の規定を入れなければならぬ、従いまして現在の規定をできるだけ実情に合うように改正して、現在のものをできるだけ早く修正して行く、これが一番能率的なやり方であろうと思います。それから利権運動とかいろいろお話がございましたが、実情を申しますと、閉鎖機関が二百四十四ございますが、数からいいますと、大部分のものは破産状態といつたような関係でありまして、出資者も株主も分配を受けることができない、こういうものでございまして、利権運動等が起る余地はまつたくございません。それで、先ほどからお話に上つておりますような、かなり多額の残余財産が残るものにつきまして、この財産をどういうふうに活用したら一番日本経済のためになるよう活用されるか、こういうことを見まして、大蔵大臣といたしましても、計画の承認等をいたすわけでありますから、利権運動が起るというような御心配の余地はまずないものと私どもは考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/63
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064・佐藤觀次郎
○佐藤(觀)委員 管財局長にちよつとお尋ねしますが、この法律ができれば、今閉鎖管理をやめずにこれをやつておけば、二日四十四の中で、悪いのが多いけれども、助かるのがある、この法律によつてどうにか息をつなげるのがあるという考えでお出しになるのですか。この点をはつきり願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/64
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065・阪田泰二
○阪田政府委員 お尋ねの趣旨がちよつとはつきりとりかねるのですが、現在二百四十四の機関が、この規定によりまして清算をやつておりますが、すでに清算の過程は大部分終了いたしておるわけであります。現在もう残余財産は残らない、あるいは借金も払えないというような状態で、ほとんど確定したような状態にあるものも多数ございます。それからある程度資産が残る、それが預金とか短期証券とかの形態で組み立てられて残つておる、こういうような形になつておるものもあります。その他わずかな債権、債務、資産等で、処分、回収等がむずかしく、複雑な関係で残つておるというふうなものもある、そういうような状態になつております。かような状態でありますから、現在の規定で、現在までの特殊清算の方法で片のつくものは片をつけて行く、それから新しいこういう道を開いて、これによつて措置できるものは措置をして行く、こういうようなことで、その規定を存置したままこれを活用してやつて行くことが一番能率的で、この閉鎖機関の仕事を早く終了させる道ではないか、かような意味で御説明申し上げたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/65
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066・福田繁芳
○福田(繁)委員 閉鎖令を廃止すれば一番いいのだが、これは目下この法案の前提で清算しておるから、廃止するわけに行かぬという点はよくわかるのでありますが、また一面、かわつた立場で私は率直に聞いてみたいのであります。講和会議が成立しまして、独立国家になつておる今日、国内の財界、あるいは事業界、そうかと思うと非常にお気の毒な、選挙のときにはおそらく社会党に投票されるに間違いないところの引揚者の方、あるいは外地に長らくおつて在外資産を置いて帰つて来た方、こういつた方からこの法案を一刻も早く通してくれという陳情をわれわれは受けておるのであります。そこで私は、逆に尋ねてみたいのでありますが、もしこの法案を会期に間に合わすことができなくて、今国会に成立しなかつた場合に、国内の産業再建、あるいは国外貿易関係、あるいは先ほど申したところの在外資産を置いてある方、あるいは引揚げて帰つて来た方、こういう方に対してどういうところの目睫の問題が持ち上るかということを、具体的にちよつとお話願えば非常に明快な判断が、おそらく諸君もつくと思うのです。これを一点伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/66
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067・阪田泰二
○阪田政府委員 お尋ねの点でありますが、御趣旨のように、今回の改正案が成立いたしませんと、この第十九条け規定によりまして、いわゆる在外活動閉鎖機関、外地の皆様方の一番関係の深い機関でありますが、これに関しましては、社債の弁済、残余財産の処分ができない。もちろん新会社の設立等もできないわけであります。現在国内清算関係では、機関によりまして、かなり巨額な残余財産が残るような見込みがありますが、そういうようなものも活用できませんで、そのまま銀行預金等の形で置いておくというほかしかたがない。こういう事態になるわけでありますけれども、今回の改正によつて、そういうようなものにつきましても、何とか新しい方面に活用して行くような方途を開きたいというのが、今回の改正の趣旨でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/67
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068・福田繁芳
○福田(繁)委員 そこで私は、今度は委員長に希望を申し上げたいのでありますが、この法案に対しては、過般来苫米地氏から非常に詳細な質疑応答を繰返されておるのであります。ただ問題はこの運営にある。勢いそういう点において多分に考慮せなければいけませんけれども、どうしましてもこの法案は、この会期中に両院を通してやらぬことには、非常に失望を感ずるところの零細な人がおる。これは社会党の諸君もうなずけると思う。こういつた諸君は、おそらく選挙のときには、ことごとく改進党、自由党には行きはせぬ、社会党に入る。そういう点もあるのだから、これは一刻も早く一応通すように委員長は特別の助力をしてもらいたい。これは希望として申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/68
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069・千葉三郎
○千葉委員長 春日君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/69
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070・春日一幸
○春日委員 ちよつとタイトルをかえまして伺います。先般南満洲鉄道株式会社の本柱の社屋をアメリカ合衆国政府へ売り渡されておる問題について、報告書の資料の提出を求めまして、ここにこれをいただいたのでありますが、これについてお伺いをしたいことは、少くとも満鉄ビルは、だれが見ても、時価三十億を越えるものだといわれております。私が指摘をいたしたいことは、現在霞関にも官庁ビルが建てられており、おそらくこの費用も何十億を要するものであろうと思います。さらには、また東京都内において緊急に建設を必要しなければならないものに、大蔵省の庁舎の問題等もあるであろうと思うのであります。所詮これらのものは、後日幾多の財政資金によつて建設されなければならないでありましようのに、満鉄ビルのような、そういう用途に転用可能なビルを、外国政府に、しかも十分の一くらいの安い価格で売り渡す。こういうようなことは、私は不当に国民に損失をしいる結果になつておると思うのであるが、一体これはどういういきさつでアメリカ政府に売り渡したものであるか。なおこのビルを使用しようと考えておつた官庁も幾多あるであろうが、アメリカのような大金持の国に、こんな十分の一という安い価格で売り払うということについては、私は政府として相当の理由がなければならぬと思うのでありますが、一体どういうわけでこれをアメリカ政府に売り渡したのか。またアメリカ政府が売つてくれという交渉と相前後して、他の事業家なり、あるいは他の機関なりから、この満鉄ビルを活用したいというような申出が閉鎖機関の管理者に対して行われなかつたものかどうか。この売渡しをめぐる前後の事情等について、一ぺんつまびらかにお話を承りたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/70
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071・阪田泰二
○阪田政府委員 この満鉄ビルの処分の問題につきましては、先般資料として詳細御提出申し上げておきましたのですが、この満鉄ビルにつきましては、閉鎖機関の南満洲鉄道株式会社の資産でありますので、閉鎖機関の整理としてその処分を急いだわけであります。ところが、何分あれだけ大きなまとまつた資産でありますので、処分が非常に困難でありまして、いろいろ処分の手続は閉鎖機関整理委員会当時にあつたのでありますが、見てみますと、前後六回にわたりまして、公入札の手続をいたしております。ところがあるいは応募者がなし、あるいは入札者がありましても、こちらで評価いたしました最低価格に非常に遠い安い入札しかなかつたわけであります。それで満鉄の方の清算は急ぎますし、措置に非常に困つておつたわけでありますが、たまたま米国大使館の方から、あの建物をほしいという話がありましたので、いろいろと交渉の結果、大使館の方にこれを処分するということに決定したということでございます。なおその間におきまして、入札を数回やりましたし、なお他に希望者等も、ある時期におきましては出て参つておつたこともあるようでございますが、ちようど米国大使館に移りますときには、そのようなことで競願者等もなく、先方との交渉によりまして売却いたしました。なお値段につきましても、先ほど法外に安い値段のような御主張でございましたが、いろいろと専門の機関等にも、各方面に鑑定を委嘱して、そういうようなものも採用いたしまして、この処分いたしましたときとしては、適正な価格で譲渡ができたものと私どもは考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/71
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072・春日一幸
○春日委員 これは考えてみてもわかりますように、あの大東京の都心にあるものでありまして、敷地が千百坪になつております。それからきわめて堅牢なビルディング、鉄筋コンクリートでありまして、この延坪数が三千五百坪といわれております。これを今建設しようとすれば、そんな二億や三億でこの建設はできるはずはない、現在霞関で官庁ビルが建てられておりますけれども、これは別途調べておりますが、これはまた相当の建築費が実際かかつておるわけなんであります。現在いろいろな官庁ビルも必要であろうし、学校の校舎の建築も必要であろうし、こういうものは、だれが考えても、常識的に十億や二十億では建てられない、こういうものをみすみすそんな二億何千万円というような安い価格で処分をされるということは、国民の一人として断じて納得できる筋ではございません。あなたは、今までのこれが公入札のいきさつを言つておられますが、一体どういうような規模と条件をもつて公入札に付せられたものであるか、それをひとつ参考のために伺つておきたいのであります。
なお私のきわめて遺憾といたしていることは、現在こういう安い値段でこんな大きなビルディングをよく売れたものと思う。片一方において他に大きな費用をかげながら、政府の支出によつて同様のビルディングの建設が行われている。私はこういうようなビルデイングをやはり満鉄の清算を急ぐならば、引続き政府がこれを買つて、そうして国の資産としてこれを確保しながら、私はそういうような国外への放出を防ぐだけの誠意ある処理が必要であつたと思うのでありますが、あなたは、競争入札にしたがたれも応募者がなかつたとか、予定価格に達しなかつたから遂にアメリカに売つたのだ、こういうお話でありましたが、それでは、今までの競争入札は前後何回にわたつて、どういうふうに行われ、しかも最高入札の価格は幾らであつたかお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/72
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073・阪田泰二
○阪田政府委員 ただいまの評価の点でありますが、いろいろと専門の機関等にも委嘱して、それを総合して評価をきめたわけであります。ただいま御指摘の、新しい今日建てるときの価格というようなものも、もちろんいろいろ参考にはしているのであります。ただこの建物は、新しい建物ではあのませんので、昭和十一年に建設いたしまして、十六年くらい経過いたしておりまして、そのような関係で、償却等も新造価格に比べる場合には見込む必要があるわけであります。いろいろあの建物の構造その他も考えまして、償却等も見込んでこの値段を出してあるということでございます。それで官庁関係の建物等を新築いたす関係もありますから、あの建物を使つたらいいじやないかというお話がありますが、これは、もちろん閉鎖機関の所有の建物でありますから、政府で使うにいたしましても、やはり政府の予算で支出してとの建物を取得しなければならないわけであります。これは、当時こういうものを取得して官庁の建物に充てよう、こういうようなことにならなかつたわけでありまして、この点は、ただ留保しておけば、政府が使えるという建物ではございませんから、その点については御了承を願いたいと思うのであります。
それからこの公入札をやりました経過でありますが、これは先ほど申し上げましたように、前後六回やりましたわけですが、最初は昭和二十三年三月、その次に十一月、それから二十四年の二月、同じく六月、六月には二回やつております。それから十二月にやりました。それで入札の結果でありますが、最初にやりましたときには、五千五十五万円の入札者が一人ありました。それから二度目のときには、入札者がありません。それから三度目のときは、千五百万円の入札者が一人ありました。それから四度目のときには、入札者がありません。五回目のときには、三千八十万円の入札者が一人ありました。六回目のときには、入札者がございません。大体そういうようなことで、いろいろ新聞に広告するとか、十分に各方面に周知をさせまして入札をやりましたわけでありますが、結果としてはさようなことに相なつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/73
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074・春日一幸
○春日委員 私は、どう考えても今の点は、コンクリートの建築費というものは、いくら安く見ても、粗悪なものでも坪七万円ぐらいにいわれておると思います。三千五百坪ならば二十何億ということになりましようし、それに土地の千三百坪を加えてみますと、これは相当大きな金額になる資産であります。こういうものを外国へ出し、そういうものを処分する場合におきましては、これは当然もう少し国内の需要等を勘案しつつ処分さるべきだと思います。でありますから、これはいろいろ今までお進めになつた手続の経緯等もありますので、なおひとつ私どもの方で検討してみたいと思うのでありますが、そこで私は、委員長を通じて資料の提出を願いたいことは、今あそこの霞関に建てられております官庁ビル、これの坪数並びにこれに要するところの建築費、そういうものをひとつ御提出をいただきまして、それやこれやを比べ合せて、これが不当に安い価格で処分されたものであるか、あるいはそれとも適正な価格できわめて合理的に処分されたものであるか、この点を私ども判断いたしたいと思うのでありますので、後日でもけつこうでありますから、その資料をあわせて御提出をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/74
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075・阪田泰二
○阪田政府委員 ちよつと申し上げておきますが、この処分価格につきましては、大体土地が単価三万六千円、これは借地権が上にある土地だということで、借地権引きの価格、建物は坪当り単価七万一千八百円になつております。その辺ちよつと何か誤解があるようですから、申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/75
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076・千葉三郎
○千葉委員長 春日君、別に御質問ございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/76
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077・春日一幸
○春日委員 けつこうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/77
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078・久保田鶴松
○久保田(鶴)委員 最後に私聞いておきたいのですが、いろいろ質問されたことに対して、あなたの答弁を聞いておりますと、現在局長は仮定の上に立つて、今出しておる法律はあまり必要はない——具体的にこの法案に対してお答えになつていない。われわれはその点納得が行かない。それで、この法案を今国会中にぜひ通さなければならないようにあなたは考えていらつしやるかどうか、われわれは考えていらつしやるように思わない、さつぱりつかみどころがない、だからその点もう一ぺん私はただしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/78
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079・阪田泰二
○阪田政府委員 先ほど来いろいろ申し上げましたのは、ただいまこの規定によりまして、具体的にどの機関が新会社の設立を認められる、こういうことを申し上げることはちよつと差控えたい、かようなことを申し上げたのでありまして、この新しい法令の規定が制定されましても、適用がないということは決して申し上げておりません。この規定が通りますれば、これを活用して、指定の解除でありますとか、新会社の設立を情勢に応じてどしどし認めて行きたいというふうに思つておるのであります。ぜひともこの法案は、この国会で通していただきたいというふうにお願い申し上げておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/79
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080・久保田鶴松
○久保田(鶴)委員 それなら、いろいろ質問されておるのに対して、あなたはもつとわれわれにわかるようにお答えいただきたい、さつぱりわからぬじやないか。私はそういう意味合いにおいて、きようは時間がございませんから、これ以上お伺いしませんが、次にこの法案を審議するにあたりまして、資料を出してもらうこと等の春日君からの御意見もございましたが、私はこれをもつとわれわれにわかるように、資料等もひとつ具体的に出してもらつて審議しなければならない、かように思うのであります。そういうことをお願いいたしておきます。それは出してもらえますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/80
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081・春日一幸
○春日委員 今ちよつと別の資料が参りましたが、これによると、今そこに建てております霞関の官庁ビルは、二十一億円の総予算で進められておるよしでありまして、それの坪数が大体一万坪、三千五百坪といたしますと三分の一でありますが、それにしても七億円、こういうことに逆算してなるでありましよう。私が今時価二十億を越える金額と申し上げました金額は、これは世評まちまちでありましようけれども、少くとも二億九千万円よりははるかに高い価値を持つであろうということは、世人が巷でうわさをいたしておるところの金額であります。現実に政府は官庁ビルを建てるために、別途二十一億という厖大な支出をいたしておる。これはすべて国民の血税によるものでありますが、片方にこういう二十一億というような金で一万坪の部屋をつくろうとしておるならば、少くともここに五億円という金を出せばその三分の一、少くとも三千五百坪というオフィスを確保することができる。従いまして、ここにもみすくみすアメリカこれを売ることによつて四億円近い損失を生じしめておる。私はこういうような閉鎖機関にしろ、国有財産の処分にしろ、いろいろ国の建設計画等とにらみ合せて、活用できるものは十二分に活用することによつて、こういうむだな支出を省くための誠実な努力があつていいと思います。一万坪を越えるところの建物でありますから、いろいろ独自の計画等もありましようけれども、満鉄ビルと霞関の間は至近距離であります。少くともこういうように別に新しく建設をいたしておるならば、そういうような支出をできるだけ押えて、安いものを手に入れることによつてそれがむしろ生きた方面に活用できる、こういうような努力が払われていいと思います。それは一つは株主を保護する建前でもあり、同時にまた国民の新しい出血を防ぐ道でもあると考えますので、満鉄ビルの処分については、私は非常に遺憾の意を表しまして、後日さらにまた綿密な資料に基いて質問をいたすことにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/81
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082・久保田鶴松
○久保田(鶴)委員 さつき私が言つておりました資料の件ですが、それはあなたがここに具体的に言うことができない、ここに申し上げることは困りますと言つておられたような点を、われわれにわかりやすくお示し願いたい。それをわれわれが見た上において、これを審議しなければならぬ、それはどうか、それを私は尋ねておる。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/82
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083・千葉三郎
○千葉委員長 久保田委員に申し上げますけれども、今の資料ははつきりわからないというのですが、もう一ぺんおつしやつていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/83
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084・久保田鶴松
○久保田(鶴)委員 さつきからあなたがたがそこで、われわれにはつきり申し上げることができないと申されて、見ておられて、必要のない範囲だけをわれわれに——台湾銀行とか朝鮮銀行とか、ほかのことを申されまして、それ以上申しておられない。だから、もつと具体的に、この法律をつくることによつて会社がこれこれこうなるのだというように、そこで隠れて見ておられるような点をわれわれに明らかにしてもらつて、それを見て、その上でこれを審議しなければならぬ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/84
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085・淺香忠雄
○淺香委員 今久保田さんの言われたこともごもつともな点がありまして、質問に対するお答えも、失礼ながらいささかまずい点も見受けられますが、幸い昼から国有財産その他の問題で懇談会も開かれますので、ひとつ当局にも出てもらつて、今のような御質問に対するところの資料をできるだけ用意して、そうして懇談会の席上において御説明を願つたら非常にけつこうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101604629X02819530723/85
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086・千葉三郎
○千葉委員長 午後二時より、国有財産の管理状況に関する件につきまして、小委員会を開くことになつております。
本委員会はこの程度で散会いたします。
午後零時三十七分散会
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