1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十八年六月十八日(木曜日)
午後一時四十一分開会
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出席者は左の通り。
委員長 大矢半次郎君
理事
西川甚五郎君
小林 政夫君
松永 義雄君
委員
青柳 秀夫君
藤野 繁雄君
松岡 平市君
土田國太郎君
三木與吉郎君
成瀬 幡治君
堀木 鎌三君
平林 太一君
委員外議員
三浦 辰雄君
政府委員
大蔵政務次官 愛知 揆一君
日本専売公社監
理官 今泉 兼寛君
大蔵省理財局長 石田 正君
大蔵省管財局長 阪田 泰二君
大蔵省銀行局長 河野 通一君
事務局側
常任委員会専門
員 木村常次郎君
常任委員会専門
員 小田 正義君
説明員
大蔵省主計局法
規課長 白石 正雄君
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本日の会議に付した事件
○小額通貨の整理及び支払金の端数計
算に関する法律案(内閣提出)
○社寺等に無償で貸し付けてある国有
財産の処分に関する法律の一部を改
正する法律案(内閣提出)
○地方公共団体の負担金の納付の特例
に関する法律案(内閣送付)
○塩業組合法案(内閣送付)
○信用金庫法の一部を改正する法律案
(内閣送付)
○国の所有に属する物品の売払代金の
納付に関する法律の一部を改正する
法律案(三浦辰雄君外十一名発議)
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001・大矢半次郎
○委員長(大矢半次郎君) これより第四回の大蔵委員会を開会いたします。
小額通貨の整理及び支払金の端数計算に関する法律案、社寺等に無償で貸し付けてある国有財産の処分に関する法律の一部を改正する法律案、両方とも本審査、地方公共団体の負担金の納付の特例に関する法律案、塩業組合法案及び信用金庫法の一部を改正する法律案、あとの三案は予備審査、右五案を一括議題として、政府より提案の理由の説明を聴取いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/1
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002・愛知揆一
○政府委員(愛知揆一君) 只今議題となりました小額通貨の整理及び支払金の端数計算に関する法律案について、その提案の理由を御説明いたします。
本法律案は去る第十五回通常国会に提出し審議未了となりましたので、今回小額通貨の通用期限等に所要の調整を加えて改めて提出いたした次第であります。
最近における取引の実情に鑑みますに、一円未満の補助貨幣、小額紙幣及び日本銀行券は、取引上殆んど利用されていない状態でありますので、これらの小額通貨を整理すると共に、今後一円未満の通貨の発行を停止することとし、更にこれに伴い現金支払の場合における端数金額の計算の基準を定めて取引の円滑化を図る必要があると考えられるのであります。
次にこの法律案の内容につきまして申し述べますと、
一円以下の臨時補助貨幣、一円未満の貨幣、小額紙幣及び日本銀行券は、昭和二十八年十二月三十一日限り通用を禁止し、昭和二十九年一月四日以後昭和二十九年六月三十日までの間に、日本銀行及び郵政官署において他の通貨と引き換えることといたしました。
引換に当つては、小額通貨の合計額に一円未満の端数があるときは、五十銭未満は切り捨て、五十銭以上一円未満は、一円と引き換えることといたしました。
又この措置に伴い、債務の弁済を現金の支払により行う場合、円位未満の端数額の支払上紛争を生ずる虞れがありますので、当事者間の特約がない限り、五十銭未満の端数は切り捨て五十銭以上一円未満の端数は一円として計算することとしたのであります。
更に国又は公社等が収納し又は支払う場合についても、国庫出納金等端数計算法に同様の趣旨の改正を加え、その他補助貨幣損傷等取締法臨時特例等の関係法令の改廃を行うことといたしております。
第二が社寺等に無償で貸し付けてある国有財産の処分に関する法律の一部を改正する法律案でございます。その提案の理由を御説明申上げます。
政府は、昭和二十二年以来、神社、寺院等に無償で貸し付けてあつた国有財産を当該神社、寺院等に対し無償譲渡又は半額売払の処分を行なつて参りました。社寺境内地処分審査会は、二の処分に当り、大蔵大臣の諮問機関として大きな役目を果して来たのでありますが、現在の段階におきましては、その設置の目的を達成したと認められるに至りましたので、この際社寺境内地処分審査会等に関する規定を削除しようとするものであります。
なお、以上の二つの法律案は、第十五回国会に提出し、参議院で可決された後、衆議院で審議中のところ、解散のため不成立となりました法律案と全く同じものでありますことを附加えて申上げておきます。
第三は地方公共団体の負担金の納付の特例に関する法律案、その提案の理由を御説明申上げます。
最近の地方財政の状況に顧みまして、今回、政府は国の行う直轄事業について地方公共団体が法律に基いて負担する負担金については、これを地方債で納付する特例措置を設けることが適当と考えましてこの法律案を提出した次第であります。
即ち国の行う直轄事業について地方公共団体が道路法、河川法、土地改良法及び港湾法等の法律に基いて負担する負担金については、政府は、当分の間、当該地方公共団体の発行する地方債の証券を以て納付させることができることとし、利率、償還方法、収納価格等については政令で定めることとしようとするものであります。而して、本措置は、昭和二十八年度以降の国の行う事業についての地方公共団体の負担金の納付から適用することとしております。
なお、昭和二十七年度以前の負担金でその納付期日までに納付されなかつた負担金については、その納付計画を立てさせまして、その納付の促進を図ることといたしますが、而もなお未納となるものにつきましては、延滞利子を附することができることとして、その滞納の防止を図ろうとした次第であります。
第四は塩業組合法案でございます。
我が国の塩業は、価格の決定、生産、販売等一切の事業活動について塩専売法の規制を受けておりますが、他面農業に類似する塩田採かん作業と化学工業に類似する工場せんごう作業とが併存する特殊な産業形態をとつており、このせんごう施設の建設及び維持管理には、安定した組合組織と多額の資金の蓄積投入を要する現状にあります。かかる塩業の特殊性に鑑み、その経営の合理化によつて塩の生産の維持増進を図ると共に、塩業者の経済的地位の向上に資するため、塩業者が中小企業等協同組合と別個の塩業組合を設立することを認めることといたしました。
この塩業組合の特徴は、第一に、資力のある組合員の出資の余地を拡げて、組合の必要とする資金の獲得を容易にするため、組合員一人当りの出資口数の最高限度を百分の三十五としたことであります。
第二に、議決権及び役員の選挙権の数は、一人一個を原則としますが、定款において出資口数を加味して定めることができることとし、この場合の最高限度を総数の大分の一といたしました。
第三に、相当多額の固定資本がせんごう施設等に投下されており、持分の払戻を直ちに行うことは、事業運営上困難な場合がありますので、かかる場合には、その払戻について条件を附することができるようにいたしました。
第四に、塩業者の協同組織による互助の体制を確立するため、塩業組合連合会を置き、その会員たる者の資格として、組合のみならず、会社及び個人を含ませることとし、又塩業組合中央会を置いて連合会のほか、加入すべき連合会等のない組合、会社及び個人も会員となることができるようにいたしたのでございます。最後が信用金庫法の一部を改正する法律案であります。その提案の理由を説明いたします。
一昨年信用金庫法が制定され、信用協同組合のほかに同じく協同組織による信用金庫の制度が確立され、中小金融の円滑化のため顕者な活動をしております。
信用金庫という名称は、法律を以て信用金庫についてこれを使用することとされており、これ以外のものは信用金庫たることを示すような文字を使用することはできないことになつておりますが、最近資金の融通を業とする者が、金庫という文字をその名称中に用いる例が増加して参つております。これらの者は、預金の受入を行うことはできないのでありますが、金庫という文字をその名称中に用いることによつて、あたかも預金の受入をも行う金融機関であるかのごとき印象を一般公衆に与えているのでありまして、これがため、社会一般に弊害を及ぼす慣れが生じて参つたのであります。よつて預金の受入を行う金融機関と、それ以外の単なる資金の融通を行う者との限界を明らかにすることが、金融秩序の維持を図るために肝要であることと存ぜられますので、資金の融通を業とする者に対し、法律により使用する場合を除くほか、その名称中に金庫という文字を使用することを禁止することが必要となつたのであります。現に金庫という文字を使用しているものにつきましては、本法施行後六カ月間はなお従前の例によることといたしております。
以上が五つの法律案の提案の理由であります。
何とぞ御審議の上、速かに御賛成あらんことをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/2
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003・大矢半次郎
○委員長(大矢半次郎君) 次に、国の所有に属する物品の売払代金の納付に関する法律の一部を改正する法律案(本審査)を議題とし、発議者より提案理由の説明を聴取いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/3
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004・三浦辰雄
○委員外議員(三浦辰雄君) 只今議題となりました国の所有に属する物品の売払代金の納付に関する法律の一部を改正する法律案についてその提案の理由を御説明いたします。
国有林野のいわゆる立木の売払におきましては、それが大量である場合、又は搬出設備のない奥地林のものである場合には、立木の買受人が搬出設備を設け、伐採し、搬出し、売り払いまして、その代金を回収いたしますまでには相当長期間を必要とする実情にあります。そのため以前は、北海道の国有林においては二年以内、その他の国有林においては一年以内の延納の特約ができることになつておりました。ところが、現行の「国の所有に属する物品の売払代金の納付に関する法律」の施行後は、他の一般の物品と同列に最長半年の延納特約を認められるに過ぎないこととなりましたので、前述のような実情からいたしましてその不便が痛感されていたのであります。今般これを改正して、実情に即した取扱ができるようにいたしますために、この法律の一部を改正しまして、国有林野のいわゆる立木売払代金については延納期間の最長を一年に延長いたしたいと存ずるのであります。
以上が本法案の提案理由の大要でございますが、この改正案につきましては前回、十五国会で本院の可決を経て衆議院に送り、衆議院の大蔵委民会におきましても可決せられましたが、併しながら本会議に間に合いませんでした。そういう関係からここに又提案をする次第で、ございましてどうか慎重御審議の上速かに御可決あられますようにお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/4
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005・大矢半次郎
○委員長(大矢半次郎君) それではこれから国の所有に属する物品の売払代金の納付に関する法律の一部を改正する法律案につきまして質疑を願います。ちよつと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/5
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006・大矢半次郎
○委員長(大矢半次郎君) 速記を始めて下さい。別に御発言もないようでありますが、質疑は終了したものと認めて、御異議ありませんですか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/6
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007・大矢半次郎
○委員長(大矢半次郎君) では質疑は終了いたしました。
次に、小額通貨の整理及び支払金の端数計算に関する法律案について内容の説明を聴取いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/7
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008・石田正
○政府委員(石田正君) この法案の提案の理由につきましては、先刻御説明申上げた通りでございますが、以下条文の内容につきまして補足的に御説明いた忙したいと存じます。
第一条でありますが、これは法律制定の目的を明らかにいたしたものでございまして、主眼と見られまするところは、最近における取引の実情に即応いたしまして、すでに発行した一円未満の通貨を整理し、今後一円未満の額面の通貨を発行しないということにしようということでございます。なお回収通貨に一円の臨時補助通貨が加わつてございますが、これは補助貨幣損傷等取締法臨時特例によりまして鋳つぶしが認められておりまして、通貨の信用維持上も、又今後一円以上の通貨を発行して行く上からもかような事態を成るべく速かに改めることが必要であると認めまして加えた次第でございます。その次に、一円未満の通貨の整理をいたしまするに伴いまして、現金支払におきまするところの支払金の端数計算の基準を定めることにいたしたのでございます。
第二条でございますが、それは整理の対象となる小額通貨の内容を明らかに規定したのでございまして、小額補助貨幣、これは貨幣法の規定によつて発行されましたのでございます。これは第一号に該当いたしますものが十六種類、新貨条例等によりまして発行せられまして第二号に該当するものが十八種類、臨時通貨法において発行されまして第三号に該当するものが二十種類、合計いたしまして五十四種類が形式的に残つているわけでございます。次に第二項の小額紙幣は、五十銭のが一種あるだけでございます。特に「昭和二十八年十二月三十一日において班に通用するもの」と書きましたのは、これは小額紙幣整理法というのが昭和二十三年に出ておりまてし、五十銭、二十銭、十銭の三種の小額紙幣につきまして現に通用を禁止されております。そこでそれを除こうという意味でこういう表現を用いたわけでございます。第三項の小額日本銀行券につきましては、十銭が二棟、五銭が二棟、合計四種類ございます。要するに全体といたしましてれ整理の対象となりまするところの小額通貨は五十九種類に相成るわけでございます。
第三条は、本法の中核でありまするところの小額通貨の通用禁止を引換に関する規定でございまして、通用禁止規定につきましては、本法の施行後或る程度の猶予期間を置く必要がありまするので、本年一ぱい通用をいたしまして、来年の一月一日から通用を禁止するということにいたしたのでございます。なお第二項は、小額通貨の引換の根拠規定でございます。
第四条は、引換請求に関する規定でございまして、原則的に引換期間は第一項におきまして六カ月間と定めているようでありますが、ただ引揚者が持つて参りますところのものとか、或いは刑事裁判の証拠品として押収されて留置されているものとか、警察官署等で拾得物、又は埋蔵物として保管されておるものというようなものは例外を認めなければならんかと思いまして、その例外的な規定を作つたわけであります。なお「通用を禁止したる貨幣紙幣の引換に関する件」というものがございますが、これによりますると、貸幣や紙幣は通用を禁止いたしましてから五年間に引換を行うことになつておるのでございます。今回の場合におきましてはそういう長い期間をおきまするのは如何かと思いまして、六カ月というふうなことにいたしたいと存じまするので、その関係でこれを排除しようということを第三項で明らかにしておるわけでございます。なお第一項の但書は、五十銭未満の端数額について引換を請求することができないということになつておりますが、この実際的な扱いにつきましては、後ほど御説明申上げます第六条に規定があるわけでありまして、五十銭以上の端数額につきまして一回限りこれを一円と引換えることにいたしたのでございます。
第五条は、これは引換事務を扱う機関といたしまして日本銀行を用い、郵政官署が日本銀行に代つてその事務を代行する。かような規定にいたしておるのであります。引換の窓口は日本銀行の本支店、国庫事務の代理店及び郵便局等を合計いたしますると、約一万五千くらいに上る見当でございます。
第六条は、少額通貨の引換を行う場合におきまして、その合計額に一円未満の端数がありました場合の実際の処理を規定しておるのでございます。一円未満の端数金額につきましては国庫出納金等端数計算法によりまして、五十銭以上は切上げて五十銭未満は切捨てるという例もありますので、その処理方法を勘案いたしまして五十銭以上のものにつきましては一回限りこれを一円と引換ることにいたした次第でございます。
第七条は、第六条の規定により、小額通貨引換の結果、日本銀行が引換に際しまして、切上げた額の合計額に相当する損失をこうむることになりまするので、政府はこれを補填する必要がありますのでこういう規定をおいたわけでございます。
それから第八条は、これは報告に関する規定でございまするので、説明を省略させて頂きます。第九条でございますが、これは小額通貨の未回収残高の歳入繰入れに関する規定でございます。小額紙幣につきましては、大蔵大臣が定める金額を歳入納付額から差引きますし、それから小額日本銀行券につきましては、政令で定める金額を差引きまして、歳入として繰入れるということにいたしたのでございます。この差引をいたしましたのは、先ほどもちよつと御説明いたしましたが、引揚者の持ち帰り金等のこともありますので、そのほうのゆとりを取つておる、かような意味でございます。
それから第十条でございますが、これは一円未満の通貨は当分の間発行しないということを規定いたしておるのでございます。
第十一条は小額通貨の整理に伴いまして支払金の一円未満の端数の支払を現金で行う場合の規定を定めまして、特約がない場合には第六条及び国庫出納金等端数計算法の例に倣いまして、四十九銭は切捨てる、五十銭は切上げる、こういう原則をここに規定いたした次第であります。なお国及び公社等につきましては国庫出納金等端数計算法によりましてすでに規制されておりまするので、その重複を法文的に避けるという意味でこういう規定を設けておる次第でございます。
大体本文はその通りでございまして、附則は以上のことに伴いまして所要の改正をいたしたのであります。
それでは説明はこれだけにさして頂きまして、御質問がありましたら、あとお答えさせて頂きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/8
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009・大矢半次郎
○委員長(大矢半次郎君) 本案に対する質疑はあと廻しにいたしまして、先ほどの国の所有に属する物品の売払代金の納付に関する法律の一部を改正する法律案につきまして討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。……別に御発言もないようでありますが、討論は終局したものと認めて御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/9
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010・大矢半次郎
○委員長(大矢半次郎君) 御異議ないものと認めます。
それではこれより採決に入ります。国の所有に属する物品の売払代金の納付に関する法律の一部を改正する法律案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/10
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011・大矢半次郎
○委員長(大矢半次郎君) 全会一致であります。よつて本法案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。
なお本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四条により、本委員会における質疑、討論、表決の要旨を報告するごとにして御承認を願うことに御異議ありませんですか。
〔「異議なし」と呼ぶ者なり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/11
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012・大矢半次郎
○委員長(大矢半次郎君) 御異議ないと認めます。
それから本院規則第七十二条により委員長が議院に提出する報告書に付する多数意見者の御署名を願います。
多数意見者署名
三木與吉郎 松岡 中市
成瀬 幡治 土田國太郎
西川甚五郎 藤野 繁雄
青柳 秀夫 松永 義雄
平林太一発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/12
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013・大矢半次郎
○委員長(大矢半次郎君) 次に、小額通貨の整理及び支払金の端数計算に関する法律案につきまして質疑を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/13
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014・平林太一
○平林太一君 現在どのくらい総額なつておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/14
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015・石田正
○政府委員(石田正君) 大体五十九種類で現在十一億八千万円くらいに上るものが残つているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/15
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016・平林太一
○平林太一君 そうすると最高の紙幣は何円ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/16
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017・石田正
○政府委員(石田正君) これは二条の三号にございます額面価格の一円のものが一つあるわけでございましてこれ以外はみんな五十銭とか十銭という小額のものばかりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/17
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018・平林太一
○平林太一君 その取換えに当つてはどういう措置をやりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/18
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019・石田正
○政府委員(石田正君) こういう小額通貨をお持ちの方は、日本銀行の本支店なり代理店がたくさんございます。それから郵政官署がございますが、郵便局等に行つて、そういう小額通貨を持つて参りますと、一円紙幣以上の紳幣によつて交換が行われる、これが中際でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/19
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020・平林太一
○平林太一君 一円紙幣があるから、そうするとその該当するだけのそういう交換に不便を……、何か交換する当事者が交換するに当つて手持の紙幣、そういうことに不便が出て来ると思うが、そういう点はどう……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/20
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021・石田正
○政府委員(石田正君) これはそのまま持つて使つて頂きますれば不便でございますから、やはりこれは整理しなければならんと思いますので、もよりの郵便局においで願いまして、そうして換えて頂きたい、かように思つております。どこの郵便局でもよろしうございます。日本銀行の代理店でございます銀行がそこにございますればそこでも結構でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/21
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022・平林太一
○平林太一君 それは交換に当つて一円紙幣がなくなるということであるから、そうすると最低の紙幣は十円になりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/22
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023・石田正
○政府委員(石田正君) 例えば五十銭紙幣を二枚持つて郵便局へおいで願いましてお換えになる場合には一円紙幣一枚もらうことになるのでございます。従つてその最低は一円ということになると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/23
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024・平林太一
○平林太一君 そうすると最低が一円、大体一円以下で、一円に達しないと交換ができないわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/24
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025・石田正
○政府委員(石田正君) これは五十銭に足りないような場合は交換いたしませんけれども、全部集めて五十五銭しがなかつたという場合には一回限り一円で取替えることにいたしたいという規定になつておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/25
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026・平林太一
○平林太一君 一回だけで、それは極めて少いと思うのですが、五十五銭の場合は一回だけ一円くれるわけですか、それは大変いいことです。そうすると期間はどういうことになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/26
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027・石田正
○政府委員(石田正君) 来年から来年の初め六カ月ということになつておりますが、併し三カ日は休みますので、一月四日から六月三十日まで、その期間に換えて頂きたい。かような規定になつておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/27
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028・平林太一
○平林太一君 よろしゆうございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/28
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029・青柳秀夫
○青柳秀夫君 結局残る紙幣というのはどういう紙幣だけになるのでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/29
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030・石田正
○政府委員(石田正君) 大体日本銀行券だけが残る、一円の日本銀行券、それから十円、五十円、百円、五百円、千円だけが残るということになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/30
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031・松岡平市
○松岡平市君 一人一回限り一円にする、一人が一回ということはどういうことで識別されるか。どうもこういうことを、郵便局で同一人が二度来たということを避けるために非常にやかましいことを言つてはんこを捺させるというようなことをなさらずに、一人一回ということの識別はどういう方法をおとりになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/31
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032・石田正
○政府委員(石田正君) これは大体がこの規定によりまして利得をしようとしましても五十銭以上儲けられないわけでございますね。先ほど平林委員からもお話がありましたが、そうもよりの郵便局でありましても手数のかかることでもありますから、国民の常識といたしまして、そうそう何回も分けてやるということは大体ないだろうと思つておるわけでございます。ただ余りそういうことが目立つた場合には郵便局にどうぞこういうものはまとめて一回にして頂きたいというふうなことが言えるあれを残しておいたほうがいいのではないかと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/32
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033・松岡平市
○松岡平市君 そうすると今言うように、この規定というものは、何遍も五十五銭ずつ持つて来る者をとめるときの口実の規定であつて、これを実際するために何かむずかしい手続をするということは考えておられないのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/33
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034・石田正
○政府委員(石田正君) そういうむずかしいことは考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/34
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035・平林太一
○平林太一君 そうするとこれは今非常にくだけたお話でわかりますが、それは十一億数千万円というお話ですが、大体現在一円以下の紙幣というものは殆んど無価値のような状態になつておるということは一般観念ともなつておるのでございますが、恐らくこれが回収されるのは極めて見込としては何%とかいうような僅小なものが想像されるわけですが、その場合その残つたものに対する性格、取扱というものはどういうふうにお考えになつておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/35
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036・石田正
○政府委員(石田正君) まあ引揚げとか、その他の異例な場合を除きまして、普通の場合で申上げますると、本年一ぱいは使えるわけでございます。通貨としての価値があるわけでございます。来年の一月四日から大月三十日までの間に一円紙幣以上のものに換えるわけでございます。換えたものは使えます。換えなかつた場合にどうするかということになりますと、これは通貨ではございませんので、一つの紙として残る、かような形になると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/36
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037・平林太一
○平林太一君 それに対して結局十一億数千万円の数字が出ておりますが、紙として残して交換されない場合には、そのまま国としては、すでに通貨としてそれはそれぞれ使われておつた、いわゆる貨幣である。それが道義的に、無効になつたということでそのままで済まされることが考えられるわけですか、それはどういうふうにお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/37
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038・石田正
○政府委員(石田正君) これはここに規定がございますが、そういう残額ができましたときには、これは一般会計の歳入に取りまして、そうして一般の歳出の財源として使おう、かような考えを持つわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/38
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039・平林太一
○平林太一君 それは従来もそういう前例はありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/39
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040・石田正
○政府委員(石田正君) 大体従来の前例に従つておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/40
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041・平林太一
○平林太一君 極めて最近の実例としてどういうようなものが挙げられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/41
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042・石田正
○政府委員(石田正君) 昭和二十三年に日本銀行の出しておりますところの、靖国神社の絵のついた五十銭札がございましたが、あれは二十三年に同様な整理をやつたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/42
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043・平林太一
○平林太一君 その際の、当時の状況はどういうふうな実情を示しておりますか、発行額に対して回収されたものは、それから残つたものですね、それはおわかりですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/43
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044・石田正
○政府委員(石田正君) 今的確な資料を持つておりませんので、記憶で申しますので、間違つておりましたら訂正さして頂きますが、大体七割くらい回収されたかと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/44
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045・平林太一
○平林太一君 その際の、正確でなくてよろしいが、七割といいますが、全体の数字は、大体どれくらいのものが七割となりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/45
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046・石田正
○政府委員(石田正君) 今正確な数字がございませんので、あとで取調べましてお目にかけます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/46
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047・平林太一
○平林太一君 ではそういうことで一応了承いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/47
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048・土田國太郎
○土田國太郎君 ちよつと伺いますが、この整理を一円というところに置いたのはどういうお考えの下に置かれたのか、私は今の経済界から見て、余り一円というのは低過ぎると思うのです。もう少し汽車賃やあらゆるものの価格のきめ方から行きましても、今は五円というようなものが常識になつているようですが、一円ということに一応置いた根拠、お考えはどういうところから来ておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/48
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049・石田正
○政府委員(石田正君) 大体この考え方は、一円の補助貨幣が一つ入つておりまするので、多少ややこしくなつておりますが、大筋の考え方は、銭以下の通貨をやめようということを狙いにしておるわけであります。一円は補助貨幣といたしまして、今名目額よりは実質価値のほうが高くて、鋳つぶされているものがあるわけでございますが、それを前に議員立法によりまして、そういうものは罰則を適用しないということがあります。それでこの際そういう状態のそのものだけについて載せなければならんものがあるのですから一円が入つておるけれども、併しこれは一円の問題を取扱つているのじやなくて、そのたつた一つある一円の補動貨幣のことを問題にしているわけでございます。大体の考え方というのは銭の通貨はなくそう、円になりますと大問題でありますので、そこまではする考えはないわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/49
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050・藤野繁雄
○藤野繁雄君 さつきからお話を聞いていると、現在今度の法律の対象になるのは十一億八千万円ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/50
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051・石田正
○政府委員(石田正君) そうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/51
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052・藤野繁雄
○藤野繁雄君 それなら十一億八千万円でさつき種類から言えば五十九種類とおつしやつたが、五十九種類別に内訳すればどういうような数字になりますか。若しそれがわからなかつたら、あとで資料として出して頂きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/52
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053・石田正
○政府委員(石田正君) これは五十九種類でなく、大体一円の補助貨幣とか、五十銭とかそういうもので申上げますると、大体一円の補助貨幣では現在流通しておりますのが三億六百九十余万円、五十銭につきましては政府紙幣、紙のものと硬貨のものがございますが、紙のものが一億八千八百余万円、それから硬貨のものが二億四千九百余万円、だから両方合計いたしますと、四億三千七百余万円という数字になつております。それから十銭は政府の補助貨幣が一億五千七百余万円、それから日銀券のほうが八千四百余万円、これを合せまして二億四千百余万円ということになつております。それから五銭が、これは政府の補助貨幣のほうは四千八百余万円、それから日銀券のほうが一千七百余万円、合計いたしまして六千六百余万円、それから一銭の補助貨幣が四千二百三十余万円、その他補助貨幣が九千百万余円でございます。それで大体十一億八千余万円と、かような数字になつておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/53
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054・松岡平市
○松岡平市君 只今聞きますと、銭というものはこの法律が施行された後はなくなるわけですね。そうしますと、日本の通貨に関する限りは、通貨の称号は円一つになる。今までは銭があり、曽ては厘があつたわけです。将来におきまして、大蔵当局は日本の通貨の称号としては円だけでやつて行くというお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/54
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055・石田正
○政府委員(石田正君) 将来の貨幣制度をどういうふうに持つて行くかというのは、これは大問題だと思います。その点につきましては、更に慎重に考慮しなければならないと思つております。今回の措置は、現在銭の単位を使うものが通貨としての役を果さないような事情に相成つております。而も金融機関その他におきましては、やはりそういう単位がありますので、そういうものを前提にして帳簿を作つたりしております。計算もしなければならない。非能率的な点が多いものですから、これを廃止しようと、こういうふうに考えておるわけであります。結果から申しますと、円一本という形になりますので、さてそれじやあ将来の通貨制度をどういうふうに持つて行くか、貨幣制度をどういうふうに持つて行くかということは、これは慎重に今後考えなければならないと、こういうふうに思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/55
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056・藤野繁雄
○藤野繁雄君 さつきの問題に関連しますが、第一条によると、一円以下の臨時補助貨幣、こういうふうになつておるから、将来においてはこの一円以下を取扱わないということになれば、
一円紙幣とか或いは一円に関するところの貨幣はなくなつてしまうことになるのでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/56
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057・石田正
○政府委員(石田正君) 今のお話は十条の点だと思いますが、将来発行となれば、十条のところによりまして、一円以下の額面価格を有するものは発行しないというようになつておりまして、二条のところと違つておるわけでありますが、二条の場合は先ほど申しました通りに、ただ一円の補助貨幣がございまして、その点を併せ考えるということになつておりますから、それを含めておりますが、十条のところにおきましては、一円未満の額面価格を有する貨幣及び紙幣は発行しないということでありまして、やはり一円札は残るわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/57
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058・藤野繁雄
○藤野繁雄君 僕はそこがちよつとわからないのですが、第一条では一円以下の臨時補助貨幣はなくなるけれど、一円という数字を現わすところの貨幣は残しておくと、こういう意味でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/58
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059・石田正
○政府委員(石田正君) これは二条と、それからして十条とを併せて御覧願いますと、私が申しましたような結果になるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/59
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060・平林太一
○平林太一君 これは、詳細は了承いたしましたが、要するに貨幣の回収、発行ということに非常に関連するので、法規的にこの取扱いをせられることが極めて、肝要と相成つて参りますが、只今のお話では、日銀或いは金融関係の銀行、郵便局、そういうお話がありましたが、大体これを周知せしめるということは非常にこれは転々にいたしては相成らん、紙幣の対象が小額であるからということとは別個の問題で考えなければならないと思いますが、それを周知徹底せしめるということに関しては、どういうふうなお考えを持つておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/60
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061・石田正
○政府委員(石田正君) 新聞その他によりまして、これは周知徹底いたしますように努力いたすつもりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/61
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062・平林太一
○平林太一君 極めて抽象的でありますが、新聞その他によるというふうなこと、これは甚だ政府当局者の態度としては取らざるものがあると思います。が、もつと責任的にこの考えを、取扱う方法を何か規定的にお考えになることが必要ではないかと思いますが、新聞その他のものによつて知らせるということで、そういうことで済まされる問題ではこれはない。いわゆる紙幣の価値に対して、殊に一円以下と称するが、これに対する感覚というものは非常に大事なことで、地方に参りますと、中央で考えているようなこととは非常に違う。五十銭という札は地方に参りますと、やはり今日でも非常に大切にして、五十銭というその貨幣に対する観念を大切に考えておる。だからそういうふうな知らない間に効力を失つてしまつたということに僅かでもなるということは非常に考えなければならんと思いますが、そういうことに対して何かもう少し具体的にお考えになつておるか。どういう方法でやるかということを、今のお話以上に何かお考えになつておるかということを伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/62
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063・石田正
○政府委員(石田正君) これは先ほど申しましたような工合に、相当多くの時間を使いまして連続的にやるわけでございますが、これは持つて来た場合には取換えるが、持つて来ないものは放つたらかしておこうということは毛頭ございませんので、実際に即しまして、できるだけ日本銀行、郵便局等を通じましても、そういうことが徹底されるようにいたしたいと、かように思つておる次第ございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/63
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064・平林太一
○平林太一君 非常に御意思はよく諒といたしますが、それで日本銀行、郵便局によく指示して、そういう周知の徹底方をいたすというのでありますが、従来の慣例からいたしますというと、これはやはり一つの役所の性格を持つておりまして、そういうふうなことを何か一統の規定を以ていたしませんと、これらの取扱いに関しての場所においてうまく行かないということが非常に危惧されるわけであります。でありますから、何か今の郵便局、日本銀行というそういうものに対しましては、何か規定的なものを設けてそうしていやでもそれをしなければ、周知徹底せしめないというような怠慢な、そういう粗漏なことがあつた場合に対して、何らかそれに対して掣肘をするという……掣肘というと甚だ何か誇大でありますけれども、何かそういうような観念でこれは取扱つて、その周知方に対する方法、これはもう、一度これが施行されることに対しましては、いたさなければならないとかように思うのでありますが、そういうことは全然只今お考えになつておりませんか。その点伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/64
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065・石田正
○政府委員(石田正君) この実施に当りましては、お話もありますような工合に周知徹底方につきましては努力いたさなければならんと思つております。これは我々大蔵省といたしましても、大蔵省の出先機関等は実際の扱いをいたましせんけれども、こういうふうになつておるのだというような意味におきまして、よく周知徹底するように、いろいろな機会を通じましてやりますということ、それから又はかの広く全国的になつておりますような機関につきましても、そういうことについて御協力を願うというような措置を講じたい、こういうように思つておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/65
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066・平林太一
○平林太一君 只今のお話で、よく理財局長の御趣旨は私了承いたしましたが、これは一つ実際にそれが行われるためにも極めて必要でありますが、いずれこれが施行せられて、そうしてその失効に相成りまする回収期間を遡つて、相当期間に余裕を持たせまして、相当前に一応現在までに回収せられた総額に対する報告を当委員会にせられることを、それを要請しておきます。それはいわゆるこれは全部回収されなければならないのでありますから、そのときに改めてその状況によりまして、それぞれ緩急よろしきを得た措置をいたしたい、かように思いますので、その点理財局長から一応御答弁を求めておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/66
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067・石田正
○政府委員(石田正君) 回収の結果につきまして、当委員会に御報告いたしますことは、我々といたしましてもいたしたいと思つております。それからなお、現在におきましても、毎月郵便局その他におきまして、実際小額紙幣が入つて来ております場合に、それを皆回収いたしまして、そうして何と申しますか、こういう措置を実際は細切れに、すでに実行いたしておる次第でありますが、そういうようにお話がありましたような点につきましては、今後十分我々としては配慮して参りたいと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/67
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068・平林太一
○平林太一君 そういう点、只今回収の結果と、こういうお話でありますが、これは理財局長もそういうお話でありますから、できれば委員会に数回に亘つて中間の報告をこちらへいたされたい。中間の報告によつてそのときの状況を勘案して、回収の状況が十一億八千万円に対して非常に進捗していないような場合には、これはそれぞれの処置を講ずべき周知の不十分ということに相成ると思うのでありますから、そういう点一つお考えを願いたい。私が申上げるのは、今申します通り、中央における貨幣価値と地方における貨幣価値は非常にこれは格段の差がありますので、殊にこの小額貨幣の所持者というものは中央に少く、地方に非常に多いということが考慮されるのでありますが、そういう点に十分に責任を持つてこれに対する成果を挙げられるように希望いたしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/68
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069・藤野繁雄
○藤野繁雄君 さつきお願いしました十一億八千万円の内訳は理財局長から御説明をお願いしましたが、更に資料として五十九種類の金額別の金額を御提出をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/69
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070・石田正
○政府委員(石田正君) これは五十九種類ございまして、中には明治の初めの、明治三年ぐらいのものが実はあるのでございまして、そういうものを一括整理するというと、法律的には五十九種類になる。併し大きなものがそうたくさんあるわけではないのでありまして、従いまして明治の銭以下の通貨まで入つておるので、現在高は恐らく大したものではないと思つておりますが、五十九種類の品種について数字を出すということは非常にむづかしいのでございましてその点御了承を願いたいと思うのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/70
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071・藤野繁雄
○藤野繁雄君 五十九種類あつて十一億八千万円ということであれば、詳細にわからなかつたらば、大体どれにどのくらいだという見当でよろしいのでございますから、資料としてお出しを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/71
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072・石田正
○政府委員(石田正君) わかるものにつきましては、お求めのようにいたしたいと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/72
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073・成瀬幡治
○成瀬幡治君 この前ですね、こういうものを換えられたとき、あのときはとうとう紙屑になつてしまつたから無駄になつてしまうということがあつた、そういう十一億何ぼあるうち何パーセントくらい大体貨幣回収ができないものだと考えておられますか。この前たびたびこういうことをやられた、そういうものの例に倣つてどのくらいと予想されますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/73
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074・石田正
○政府委員(石田正君) どうもこれは前例があることは申しましたけれども、そう頻繁にやつたものでございませんので、過去の前例から推してこのくらいであろうという推測をいたしますことは、これは何と申しますか、めどをつけることが困難な性質のものではないかと思うのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/74
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075・成瀬幡治
○成瀬幡治君 そうすると、この前やられた昭和二十三年のときはどのくらい……、あのときはこうだと思つておられた金があるわけですが、それにどのくらい回収せられたかという、そういう資料はありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/75
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076・石田正
○政府委員(石田正君) ちよつと速記をとめてお願いしたいのですが、発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/76
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077・大矢半次郎
○委員長(大矢半次郎君) 速記とめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/77
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078・大矢半次郎
○委員長(大矢半次郎君) 速記を始めて下さい。
他に御発言もないようでありますが、質疑は終了したものと認めて御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/78
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079・大矢半次郎
○委員長(大矢半次郎君) 御異議ないものと認めます。
それではこれより討論に入ります。御意見のあるかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。……別に御発言もないようでありますが、討論は終局したものと認めて御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/79
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080・大矢半次郎
○委員長(大矢半次郎君) 御異議ないものと認めます。
それではこれより採決に入ります。
小額通貨の整理及び支払金の端数計算に関する法律案を原案通り可決することに賛成のかたの御挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/80
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081・大矢半次郎
○委員長(大矢半次郎君) 全会一致であります。よつて本案は原案通り可決すべきものと決定いたしました。
なお、諸般の手続は前例により委員長に御一任願いたいと思います。
それから多数意見者の御署名を願います。
多数意見者署名
三木與吉郎 松岡 平市
成瀬 幡治 土田國太郎
西川甚五郎 藤野 繁雄
青柳 秀夫 松永 義雄
平林太一発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/81
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082・大矢半次郎
○委員長(大矢半次郎君) 次に、社寺等に無償で貸し付けてある国有財産の処分に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、内容の説明を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/82
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083・阪田泰二
○政府委員(阪田泰二君) それではこの法律案につきまして御説明申上げたいと思います。
この法律案は、社等等に無償で貸し付けてある国有財産の処分に関する法律、この法律の条文の中で、いろいろと主務大臣が処分をいたしますときに、社寺境内地処分審査会に諮問いたしました上で処分いたすことにきまつておりますが、その審査会に関する規定を削除いたそうと、こういう趣旨のものでございます。この社寺境内地処分審査会は、機構の関係から申しますると、大蔵省設置法によりまして大蔵省の附属機関になつておりまして、規定がありましたわけであります。その存続期間は昭和二十七年十二月三十一日、昨年末までということに設置法のほうで相成つておりまして、すでに現在は存続していないわけであります。ただこの社寺等に無償で貸し付けてある国有財産の処分に関する法律、この法律のほうでは依然としてその審査会に諮問するという規定が残つておりましたので、今回このほうの規定を削除いたそうと、こういうわけであります。社手境内地処分に関する法律につきましては、御承知のことと思いますが、従来社寺に社寺の国有境内地として国から無償貸付けを受けておりました土地につきまして、これを無償譲与或いは半額の値段で売払いができる、こういう規定でありますが、この規定に基いて社寺等から売払いの申請が出ました件数が八万二千七百五十四件でございましたわけでありますが、今日までにその審査をすべてこの審査会に諮問した上で終了いたしておりまして、現在未処理のものといたしましては、僅かにこの処分を不服として訴願を提出いたしましたものが二件残つておるだけの状態になつております。そういうような意味におきまして、もはやこの審査会を改めて復活して仕事をやるという必要もないと思われますので、この際この規定を削除しよう、こういう趣旨でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/83
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084・大矢半次郎
○委員長(大矢半次郎君) 質疑を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/84
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085・平林太一
○平林太一君 只今管財局長の社寺境内地処分審査会、これを削除するについて従来の数字をお挙げになりましたが、只今二件だけ未処理になつておるということでありますが、その二件というのはどういうのか、これを伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/85
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086・阪田泰二
○政府委員(阪田泰二君) この二件はいずれも一度大蔵大臣がこの審査会に諮問した上で決定いたしたのでありますが、それに対して改めて訴願が出て来たわけでありまして、その訴願に対する審査がまだ済んでいないのであります。その二件というのは、靖国神社とそれから芝の増上寺、この二つであります。これも本体になりまする大部分の財産につきましてはすでに処分が済みまして、それで落着いたしておるわけでございますが、極く一部につきまして問題の点がありまして、訴願になつておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/86
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087・平林太一
○平林太一君 只今の二件の御報告は了承いたしました。そこで関連をいたしまして、管財局長にお尋ねをいたしたいのでありますが、昨年来非常に問題になつておりまする富士山頂に対する訴願、或いは払下げ、こういうことの問題が出ておりますが、これに対する大要を承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/87
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088・阪田泰二
○政府委員(阪田泰二君) この富士山の八合目以上の土地、これは約百二十二万六千坪というのでございますが、これは従前社寺の境内地として富士宮市にある富士山本宮浅間神社、これに無償で貸付けておつたのでありますが、その神社からこの法律に基きまして譲与の申請が期限内に提出されておつたものであります。これに対してこの審査会に諮問をいたしました上で、神社の申請は百二十二万六千坪全部に対する申請であつたわけでありますが、そのうち奥宮神社の社殿の敷地その他社寺のために必要と認められる土地の十七カ所を選びまして、約四万九千九百五十二坪でありますが、これだけを譲与する決定が、この審査会に諮問した上でなされた。これに対して神社側からこれを不服として更に残りの全部を譲与の申請通り許可してもらいたい、こういう訴願が出て参つた。その訴願に対しまして、更にこの審査会を開きまして、昨年末に諮問いたしましたわけでありますが、審査会のほうの諮問に対する答申があつたわけであります。その答申の趣旨は、富士山頂の八合目以上の訴願の目的の土地につきましては、公用或いは公益上必要のある土地を除いてこれを本宮浅間神社に譲与することが適当である。そこでどういうものが公用或いは公益上必要のある土地として国に留保しておくべき土地であるか、こういうことは十分実情についてよく調べて、実情に即して決定してもらいたい、こういうような諮問に対する答申があつたわけであります。それで審査会としてはその答申を通すことによつて仕事は済んだわけでありますが、大蔵大臣としてはその答申を受けて決定をすべき段階にあるわけでありますが、それにつきましては、御承知のようないろいろの問題がここにございまして、この社寺境内地処分法の精神によつて、或いは又この審査会の答申の趣旨を十分尊重してやらなければならないと思うのでありますが、一方から言いますと、やはり富士山は文化の関係、観光の問題、或いは学術研究、いろいろそういうような関係から非常に特殊性を持つておりますので、いろいろそういうような関係、世論の関係等も考慮いたしました上で慎重にきめなければならない、こういうことで只今検討中でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/88
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089・平林太一
○平林太一君 只今大要の御説明を承わりましたのでありますが、後段における管財局長のお話のように、なお一層一つ慎重を期せらるべき問題である。すでに審査会等の答申というようなことに対しては、これを尊重するということはそれでよいと思いますが、この審査会もこれは終戦後の特に占領軍の政策、いろいろそういうようなことでできたと私は了承いたすのでありますが、これは速かに削除しなければならん。従つて審査会の答申というものも、そういう性格の上から今日においては取扱わなければならないのでありますから、更にこれにこだわる必要はないということを私から申上げますが、今管財局長のお話の通り、富士山の存在というものは、これは社寺の境内地というようなことに考えることは、三才の童子が考えても常識上境内地というようなものには考えられないものであるのでありまして、富士山はフジヤマ日本と称して国際的にも日本の象徴として連想するように富士山を外国人皆これを連想しており、又日本においても富士山というものはいわゆる教育の根本になる面から見ましても、富士山は日本の象徴である。天皇が国民の象徴で、国の象徴は富士山である。こういうふうに、これは民主的に極めて富士山の存在が強くなつて、国家的な色が強くなつて参つたのでありますから、これをどういう理由がありましても、一神社に無償でその申請に応ずる、或いは僅少なる額によつて譲渡するということも、これはさような措置に出ずべき問題ではない。そういう性質のものではない。国有地として法律によつて申請をして来たので先方は当然でありますが、その申請したことによつてそれをいわゆる取捨撰択するのが大蔵省の当事者としての役目でありますから、そういう申請のありますことは、一応法律によつて来たのであるが、それを承認することも又却下することも、それが仕事でありますから、これは性質上払下げをするとか、境内地として無償で下付するというような性質のものでは断じてない。でありますから、この問題に対しましては、なおこの上とも慎重を期して、結論としてはこれは当然国の所有として、そうして殊更に今日に及んで一神社に無償で払下げるということは、国の扱う国有財産中における富士山に対しましては、特にそのことが他に類例を見ないのでありますから、その点を十分に管財局長は御了承になりまして、この取扱いに対して、適正を期せられるようということを申上げておきます。それに対して特に何か御意見があれば、この際一つ承わつておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/89
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090・阪田泰二
○政府委員(阪田泰二君) お話の点につきましては、先ほど申上げた通りでありまして、この法律の精神も十分尊重して適法な処分をするということも考えなければなりませんが、世論の動向、その他いろいろ広い見地からの考え方も十分に考慮に入れて慎重に事を運ばなければならない、こういうふうに存じている次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/90
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091・成瀬幡治
○成瀬幡治君 この答申はいつできているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/91
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092・阪田泰二
○政府委員(阪田泰二君) 昨年の十二月二十三日にこの審査会で決定しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/92
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093・成瀬幡治
○成瀬幡治君 これは私は大蔵大臣にやはり質したいと思いますから、どうも約半年になんなんとするわけで、すから、これは一つ採決する前に大蔵大臣の意見を聞きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/93
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094・大矢半次郎
○委員長(大矢半次郎君) さよう取計らいます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/94
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095・藤野繁雄
○藤野繁雄君 今お話を聞いてみると、まだ未処理の件が二件あるという話でありますが、この審査会がなくなつたといたしますならば、未処理の二件はどういうような方法で処理せられる考えであるか、それを承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/95
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096・阪田泰二
○政府委員(阪田泰二君) この改正法律案におきまして、審査会に関する規定が削除されますと、これは本来大蔵大臣の権限に嘱する事項でありますから、大蔵大臣が諮問の手続を経ないで訴願に対して裁決ができる、こういうことに相成ると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/96
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097・藤野繁雄
○藤野繁雄君 そうするというと、従来は審査会を経てやつた。今後は大蔵大臣の所管であるから大蔵大臣が独断で処理することができる。併し残つているところのものは特に重大な問題であるからこそ残つているということであつたらば、自分の所管だからといつて独断でやるということは、却つてその処分が不公平になるというようなことになりはしないか、こういう心配をするのでありますが、そういうふうな心配はないように公平に処分ができるのでございましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/97
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098・阪田泰二
○政府委員(阪田泰二君) この残つておりまする二件は先ほど申上げましたように、靖国神社、増上寺、いずれも大部分のものは処理が済みまして、極く一部のものにつきまして、具体的に言いますと、例えばその土地につきまして、他のものがまあ勝手に家を立てておつたとか、いろいろそういつた種類の問題でありまして、最後的に決定を下すのが遅れておつた、そういうような関係のものであります。この二件だけのために特にわざわざ審査会を残すという必要もないだろう、こう考えたわけでございます。勿論その訴願の裁決を大蔵大臣がするに当りましては、審査会に諮問はいたしませんが、更に慎重に公正な決定をいたすようにしたい、こう考えている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/98
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099・大矢半次郎
○委員長(大矢半次郎君) 次に、信用金庫法の一部を改正する法律案について、内容の説明を聴取いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/99
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100・河野通一
○政府委員(河野通一君) 今議題になつております信用金庫法の一部を改正する法律案について御説明申上げますが、この法律案は内容は非常に簡単なものでございます。提案理由の説明において申上げましたものに尽きるのでありますが、現在御承知のように貸金を業といたしておりますものが相当数多くある。これらの中で金庫という名称を開いておりまするものが全国で約五十くらいあると思います。ただこれは支店等を全国的に非常に多数に持つておりまするので一支店の数まで入れますと、相当に多数のものが金庫という看板を出しております。而も一般の公衆は信用金庫等預金を預かる正規の金融機関と、これらの貸金業者、つまり預金を預かれない単に資金を貸す場合の業者、これらが金庫という名前を使つておりますると、これとの間に区別がなかなかつきにくい、そういつたことから各方面に弊害の生ずる虞れも「相当出て参つております。従いまして、金融秩序を維持いたしますためにも、これらのまぎらわしい名称を使うことによつて、いわゆる預金等を受入れることのできる正規の金融機関と限界をあいまいにするということはこの際非常に適当でないと判断せられますので、信用金庫法を改正いたしまして、信用金庫でないものは金庫という名称を使つてはいけないというふうなことにいたしたいと考えているものであります。条文は極く簡単でありますが、現在の信用金庫法の第六条の第二項には「この法律によつて設立された金庫以外の者は、その名称中に信用金庫又は信用金庫連合会であることを示すような文字を用いることができない。」こういうのが現在の現行法であります。信州金庫或いは信用金庫連合会であることを示すような文字と、これは非常に持つて廻つたような言い方でありますが、具体的に申上げますと、いわゆる信用金庫という名称は少くとも用いられない。それじや信用金庫であることを示す文字というのは、例えば金庫と単に使つた場合にはこの規定に反するかどうかという点が非常にあいまいでありますので、この条文を改めまして、信用金庫という言葉だけでなく、単に金庫という字をも使つてはならない、こういうことにいたしたいと存ずるのであります。なおこの法律案が通過いたしまして施行されました暁におきましては、現在金庫という名称を使つておりまする貸金業者等の名称を直ちに変えさせるということも実情に即さない点もありますので、施行後六カ月間の猶予期間を置いて、その間に適当なる措置をとる余裕を残したのであります。冒頭に申上げましたように、極く内容は簡単な法律でありますので、御説明はこの程度でとどめたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/100
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101・大矢半次郎
○委員長(大矢半次郎君) 次に、地方公共団体の負担金の納付の特例に関する法律案につきまして、内容の説明を聴取いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/101
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102・白石正雄
○説明員(白石正雄君) 地方公共団体の負担金の納付の特例に関する法律案につきまして内容の御説明を申上げます。
国が直轄で行いまする事業につきましては、現在河川法、道路法その他の法律によりまして、関係の地方公共団体から分担金を納付することに相成つておるわけでございますが、これらの分担金の納付状況が残念ながら現在までのところ余り面白くないのであります。昭和二十八年の五月現在におきまして、未納付の分が、二十四年度頃の分も含めまして百十億程度に達しておるわけであります。これは速かに納付せしめるように努めなければならないのでありますが、地方財政の状況も御承知の通りでありまして、至急整理するというのもなかなか困難ではなかろうかと考えられまするので、これらのものにつきまして、今後発生すべき負担金につきましては、これを地方債を以て納付せしめるということができることにいたしまして、確実にきまつたところによつて納付することができるようにいたそうという趣旨で、本法律案を提出した次第であります。
なお、その場合におきまする地方債の償還期限、或いは利率というようなものにつきましては、十分検討の上政令によつてこれを規定いたしたいというように考えております。政令の内容といたしましては、未だ確定はしていないのでありまするが、これは一方におきまして、普通の地方債の発行条件というようなものを考慮すると共に、又他面におきまして、本措置が普通の地方債でなくして、国に納めしめるべき分担金の一つの納付方法としてとるものであるという特異性をも考えてその条件を定めなければならんのではなかろうかというように考えておるわけであります。従いまして、その期間等につきましては、普通の地方債は例えば十五年というような相当長期に相成つておるわけでありまするが、この措置はそのような長期なものには到底考えられないわけであります。現実には毎年納付すべきものを若干延期をしておかれるというような措置でありますから、長く認めても五年程度のものに相成るのではなかろうかというように考えているわけであります。なお本措置は、附則のほうで規定しておりまするように、二十八年度以後に国が直轄して行う事業についての負担金の納付から適用するというように相成つておりまするので、先ほど申上げました現在まで納付すべきもので、なお未納付になつておりまする百十億程度のものにつきましては、本措置は適用がないわけであります。これらにつきましては、成るべく速かに納付せしむべきものでありますけれども、これはなかなか困難であろうと思いまするので、政令でこれも成るべく速かな時期に納付せしめるように規定すると同時に、二十八年度以降の分との権衡を考慮いたしまして、一定の利息をとるというような方法によつてその納付を促進せしめる、かような措置をとることが適当であろうと考えまして、第二項を規定した次第であります。
以上がこの法律案の内容でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/102
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103・大矢半次郎
○委員長(大矢半次郎君) 次に、塩業組合法案について、その内容の説明を聴取いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/103
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104・今泉兼寛
○政府委員(今泉兼寛君) 御承知の通り我が国は天候、気象条件が製塩の施設に極めて恵まれておりません関係上、国内の塩の需要は食糧塩が約百万トン、工業塩が同じく約百万トン、大体二百万トン年間に必要である、それに対しまして国内で自給できまする塩は大体五十万トン足らず、四分の一足らず、こういう状況でございます。あとの百五十万トン内外は毎年これを海外から輸入しているこういう状況でございましてどうしてもこの自給度をもつともつと高めて行く必要がございます。それには国内塩のコストの節減を図つて行くことが極めて大事なことでございまして、それには小規模な、現在やつておりまする平釜式製塩をやめまして、組合組織による大規模な真空式な合同製塩に切換えることが必要であるのでございます。この場合に組合は通常の共同事業のほかに、大規模な煎熬施設を経営する必要があるのでございまして、組合の運営には相当多額の資金の調達を必要とする、これがために比較的資力のございまする組合員の出資によりまして、自己資金を豊富にし、且つ塩業に熱意を持ち、企業合理化のために多額の出資を行う者の組合運営の発言力を更に高めて行く、これが必要であろうと考えるのでございます。従つて現在の中小企業等協同組合法によつては、今申上げたような所期の要求を充たすことが不十分である、それがために今度新たにこの塩業協同組合法を制定いたしまして、今申上げたような目的を達成したい、これが本法案を提出した第一の眼目でございまして、現在の中小企業等協同組合法と、今度御提案いたしました塩業組合法との違いはどういう点にあるかという点を申上げまして、御説明に代えたいと思います。
先ず第一点は、組合員一人当りの出資口数の最高限の規定でございます。これは第十条に規定しているのでございますが、現在中小企業等協同組合法では、一人当り出資口数の最高限は百分の二十五という規定になつております。それを今度の組合法におきましては百分の三十五まで引上げまして、個人で出資し得る率を百分の十だけ高めております。
それから第二点は、議決権及び選挙権の数でございますが、これは出資口数を加味いたしまして定めることができることといたしまして、この場合において組合員一人の有する議決権又は選挙権の最高限度は総数の六分の一というふうにしたわけでございます。中小企業等協同組合法においては一人一票、こういうことになつております。
それから第三点は、組合脱退者の持ち分の払戻しの問題でございますが、これは組合の事業の運営を著しく混乱させる虞れがある場合には、その払戻しに関しまして一定の条件を付けることができるという規定を置いた次第でございます。
それから第四点は、中小企業等協同組合法においては総代会という制度があるのでございますが、塩業組合法においてはこの総代会の制度はやめまして、総会を以てこれをすべて執行する、こういうことにいたした次第でございます。
それから第五点は、塩業組合連合会を置きまして、これは中央に一個置くわけでございますが、その会員たる者の資格といたしましては、地区の組合のみならず、会社、或る場合には個人をもその組合員にすることができる、こういう規定を置いた次第でございます。
あと若干の問題につきまして、現在の中小企業等協同組合法と違つた点がございまして、詳細な規定はいたしておりますが、条文の割合には手続その他の規定が大部分でございまして、大きな相違は今申上げたような点に尽きると思います。
なお詳細につきましては、御質問を待つてお答え申上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/104
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105・大矢半次郎
○委員長(大矢半次郎君) ちよつと速記をやめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/105
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106・大矢半次郎
○委員長(大矢半次郎君) それじや速記を始めて下さい。
本日はこれを以て散会いたします。
午後三時二十六分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101614629X00419530618/106
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