1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十九年三月二十三日(火曜日)
議事日程 第二十二号
午後一時開議
第一 恩給法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案(平井義一君外三名提出)
第二 郵便振替貯金法の一部を改正する法律案(内閣提出)
第三 農産物検査法の一部を改正する法律案(内閣提出)
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●本日の会議に付した事件
横路節雄君の議事進行に関する発言
日程第一 恩給法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案(平井義一君外三名提出)
日程第二 郵便振替貯金法の一部を改正する法律案(内閣提出)
日程第三 農産物検査法の一部を改正する法律案(内閣提出)
放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会の承認を求めるの件
中小企業信用保険法の一部を改正する法律案(内閣提出)
輸出保険法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
国際的供給不足物資等の需給調整に関する臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
訴訟費用等臨時措置法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
犯罪者予防更生法の一部を改正する法律案(内閣提出)
午後五時三十一分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101905254X02419540323/0
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001・堤康次郎
○議長(堤康次郎君) これより会議を開きます。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101905254X02419540323/1
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002・堤康次郎
○議長(堤康次郎君) この際御報告申し上げます。鍛冶良作君外一名提出の中曽根康弘君に対する懲罰動議並びに佐藤榮作君外三名提出の佐竹晴記君に対する懲罰動議は、それぞれ先ほど提出者から撤回の申出がありました。右御了承願います。(発言する者多し)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101905254X02419540323/2
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003・堤康次郎
○議長(堤康次郎君) 横路節雄君より議事進行に関する発言を求められております。この際これを許します。横路節雄君。
〔横路節雄君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101905254X02419540323/3
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004・横路節雄
○横路節雄君 私は、ここに、日本社会党を代表いたしまして、議事進行についての発言を求め、中曽根君の懲罰事案取扱いに関し議長に質問せんとするものであります。
この中曽根君懲罰事案の一番の発端は、去る二月二十二日、予算委員会におきまして、中曽根君は次のような発言をせられているのであります。すなわち、名村造船から動いた金の二百五十万円、この点については、私は速記でいま一度明確にいたしたいと思うのであります。「この二つの二百五十万円の性質は、名村造船関係の被疑者より贈賄の意思と、相手方に渡す意思で有田君に渡されたものと、われわれは認定する。」(発言する者あり)そして、ことに中曽根君懲罰事案として自由党の諸君から議長あてに出されました重要なその内容は、この点を読んでみますと、「この中に書いてあるような贈収賄の被疑事実があるとすれば、もしこれが贈収賄になるというのであるならば、その二百五十万円は壷井に行つた。残りの百万円と百万円は、言うのははばかるが、やむを得ない、石井運輸大臣と大野国務大臣に渡つたという重大なる疑惑がある。」(発言する者多し)「私は疑惑と言う。なぜ疑惑と言うか。これは御本人の弁明陳述がないうちは、疑惑と申し上げる。しかしこれは確実なる疑惑であると私は信じておる。なぜかというと、現に収容されておる、金を出した名村関係の被疑者の供述その他で、私はある程度知つておる。」というのであります。(拍手)
私は、いやしくも国会議員といたしまして、この予算委員会におきまして、この名村造船の被疑者の供述によれば、大野国務大臣に百万円が渡つている、石井運輸大臣に百万円が渡つているということは、いやしくも私は国会議員としてはまことに重大な発言であると考えているのであります。(拍手)今日、この造船疑獄は国民全体の国会に対する不信の念を強くしている折柄に、いやしくも当面の責任者である石井運輸大臣、(「そんなこと議事進行と関係があるか」と呼び、その勉発言する者多し)大野国務大臣が、この名村造船から百万円渡つているかというような、こういう……。
〔発言する者多く、議場騒然〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101905254X02419540323/4
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005・堤康次郎
○議長(堤康次郎君) 横路君……(議場騒然、聴取不能)発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101905254X02419540323/5
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006・横路節雄
○横路節雄君(続) 私は国会を通して明らかにすべきであると考えているのであります。従いまして、自由党といたしましても、当然この中曽根君のこの発言は重要視せられまして、二月の二十三日衆議院の事務局に対して懲罰の取扱いをしたことは当然であると考えているのであります。(拍手)そして、二月の二十六日これを議院運営委員会にかけられ、三月の二十日に至りまして、本二十三日、いかなる法案にも先議して、この中曽根君の懲罰については本会議において自由党の諸君より提案の趣旨弁明があることになつていたのであります。(拍手)この点は、自由党の諸君の決定は、この本会議を通してこの疑惑を国民の前に明らかにする当然の措置であると私は考えておるのであります。(拍手)
しかも、この点に関しましては、二月の二十六日、わが党の勝間田清一氏より吉田総理大臣に対する質問の中でこの点に触れまして、大野国務大臣並びに石井運輸大臣にこの点を質問いたしております。これの答弁として、石井国務大臣は「中曽根発言につきましては、私は議員の名誉のために、国会の権威のために、国会がしかるべく行動してくれることを期待して待つておるのであります。」と述べているのであります。(拍手)私は、石井国務大臣としては、国会議員として、当面の責任者である運輸大臣として、この言はまさに正しいと考えておるのであります。しかしてまた、この点に関しまして、勝間田清一氏は、大野国務大臣に、この二月二十二日の中曽根君の発言について重ねて質問をいたしましたところ、大野国務大臣はかようにお答えをいたしているのであります。「荒唐無稽な言を弄して議員の名誉を傷つけるとは何事であるか。しかし、私は天地神明に誓つて、さようなことはない」というのであります。そして、しかも、この点については、いわゆる国会議員として名誉毀損の訴えをしなければならないという決意を訴えていることは当然であると考えているのであります。(拍手)
しかし、私どもは、この中曽根君の懲罰事案についての今日までの取扱いにつきまして三月の二十日に決定されて、本日、取扱いの結果によつては、当然国会の、国民の不信の念を一掃されるものとかたく信じておりましたのにかかわらず、かような取扱いでは、国民の疑惑はいまだ晴れないと考えているのであります。(拍手)私は、この際、石井国務大臣にいたしましても、大野国務大臣にいたしましても、中曽根君から、この計画造船の割当に関して名村造船から百万円ずつ、名村造船被疑者の供述によれば渡つておるというような発言に関しては、いかなることがあつても本国会を通して明らかにしなければ——国民の受ける印象は、大野国務大臣、石井運輸大臣が受取つているかのような印象を与えることに対して、まさに私は国民の前に国会としてなすべきことではないかと考えているのであります。従いまして、私は、今日この重要な国民の不信の前に立たされている国会といたしましても、この際石井運輸大臣、大野国務大臣は、当然本件に関してこの本会議場を通して国民の前に明らかにされなければならないのに、その機会を与えないとは、はなはだ遺憾にたえないと思うのであります。(拍手)
しかも、皆さん、私は、この点につきましては、緒方副総理といたしましても、吉田総理といたしましても、この関係閣僚の中からもしも造船汚職に関して関係のある者が出るならば総辞職をするかのような言を吐いておられますけれども、まさに、この取扱いを不問に付したということは、それをお認めになられて、吉田内閣は総辞職をなすという前提であろうと思うのであります。(拍手)
私は、中曽根君のこの予算委員会の中における発言の重要性は、名村造船の被疑者の供述によれば、と、こう発言をされ、さらに具体的な実例をあげてここに出される決意を述べられておることは、われわれひとしく承知しておるところであります。なぜ一体自由党の諸君は、改進党の中曽根君に発言の機会を与えて、この石井運輸大臣に対する百万円の件、大野国務大臣に対する百万円の件を明らかにされないのでございましようか。はなはだもつて自由党の諸君の今回の扱いはわれわれ奇々怪々にたえないので、あります。(拍手)
最後に、私は議長にお尋ねいたしたい点は、本日議院運営委員会におきまして本会議における中曽根君懲罰に関しての取扱いをきめておきながら、先ほど議長は理事会を開いて、一方的に了解をしてくれとは、将来の議院運営委員会に対してどういう態度をとられるのか、私は将来の国会の運営上非常な汚点を残したと言うべきであると考えているのであります。(拍手)私は、この際、堤議長におかれましても、この造船汚職に対し、国会みずからの手によつて、どろ沼のようなこの足を洗い、みずからをきれいにするためにも、本件についての取扱いについて、かかる議院運営委員会の理事会に一方的にかけるということでなしに、なぜ正式の委員会におかけになつて国民の前に堂々と明らかにぜられなかつたか、まことに遺憾にたえないのであります。(拍手)私は、中曽根君懲罰に関して、ことに重要な、大野国務大臣に百万円が渡つている、(拍手)石井運輸大臣に百万円が渡つているという、(拍手)この重大な点を明らかにされないままに取消された自由党の態度に対して、議長としては当然本国会で明らかにされる責任があると考えるのであります。
以上、私は、日本社会党を代表いたしまして、中曽根君懲罰事案に関する取扱いについて議長に質問をいたした次第でございます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101905254X02419540323/6
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007・堤康次郎
○議長(堤康次郎君) 先刻御報告申し上げました通り、懲罰動議は提出者から撤回されましたので、動議がなくなつてしまいましたから、その旨申し上げた次第であります。議長は撤回を拒否する権能がありませんから、いたしかたがありません。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101905254X02419540323/7
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008・堤康次郎
○議長(堤康次郎君) 日程第一、恩給法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。内閣委員長稻村順三君。
〔稻村順三君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101905254X02419540323/8
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009・稻村順三
○稻村順三君 ただいま議題となりました恩給法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案について、内閣委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
第十六国会において恩給法が改正された際に、公務員の在職年に対する加算制度は原則として全廃され、ただ、改正恩給法の施行当時現に在職する公務員の在職年の計算については、本年三月末まで従来の規定により加算されることとなりましたが、蒸気機関車乗務員等のごとく不健康かつ危険な業務に従事する職員は、通常の業務に従事する職員に比べて永年勤続することがほとんど不可能であるばかりでなく、多くは短命に終つている実情にかんがみ、日本国有鉄道、日本専売及び日本電信電話の各公社においては、これらの実情に即する措置を講ずるため、目下公共企業体等共済組合法案をせつかく検討中でありますので、いわゆる不健康業務に従事する職員の在職年の取扱いについては、これにかわるべき制度の決定を見るまで、移行期間をさらに一年延長し、もつて移行による空間を補うための措置をいたそうとするのが本案の要旨であります。
本案は、内閣委員会における自由、改進及び両社会四派の共同提出にかかるものでありまして、三月十六日当委員会に付託され、十八日政府の意見を聞き、日本国有鉄道の関係職員を参考人として出席を求め、その意見を徴するなど、慎重に審査を行い、討論省略、採決の結果、全会一致をもつて原案の通り可決いたしました。
以上御報告申し上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101905254X02419540323/9
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010・堤康次郎
○議長(堤康次郎君) 採決いたしまし。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101905254X02419540323/10
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011・堤康次郎
○議長(堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101905254X02419540323/11
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012・堤康次郎
○議長(堤康次郎君) 日程第二、郵便振替貯金法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。郵政委員長田中織之進君。
〔田中織之進君登壇]発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101905254X02419540323/12
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013・田中織之進
○田中織之進君 ただいま上程となりました郵便振替貯金法の一部を改正する法律案につきまして、郵政委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
本法律案は、郵便振替貯金に関し事業収支の均衡をはかるためにその料金の引上げを行うとともに、利用者の利便を増進するために新たに電話による通知の取扱い制度を設けようとして政府より提出せられたものであります。
すなわち、郵便振替貯金事業の経営は、各種の取扱い料金及び資金運用部から受ける利子をおもな収入としてこれをまかなうわけでありますが、現行料金は、郵便為替のみならず、他の各種の送金制度の料金に比べてもきわめて低いものであるため、必要経費をまかなうに足りず、他の業務の収入に依存している状態等にかんがみ、郵便振替貯金事業の自主的経営を可能ならしめる限度において、料金相互の均衡等を考慮に入れた上、それぞれの調整をはかろうとするものであります。
次に、電話による通知の取扱い開始でありますが、電信払込み、電信振替及び電信現金払いなどの取扱いにおきましては、郵便局と口座所管庁との間には電報のみが利用され、従来電話で通知する方が経費も安くまた処理が早いときでもこれを利用する道がなかつたのを改正いたしまして、新たにその道を開くとともに、これに伴う所要の規定を設けようとしておるのであります。また、これに関連し、小切手払いにおきまして、口座所管庁と小切手の支払いの提示を受けた郵便局との間に、口座の現在高の有無を電話で照会する方法があるのでありますが、加入者の利便のため、その取扱局を相当広範囲に拡張することとして、電話による照会の場合の実費を新たに徴収し得ることに改めようとしておるのであります。
本法案は、去る二月二十四日当委員会に付託以来、その内容について種々検討を加え、事業採算の見地から約四億円の赤字補償のため料金引上げを行おうとする趣旨は一応了承するとしても、この種料金の引上げが一般大衆に与える心理的影響を考慮するときは、結局政府の低物価政策に矛盾するおそれはないか、今回の料金値上率は六割強に当り、あまりにも大幅過ぎはしないか、業務量の増加、振替貯金の残に対し、大蔵省資金運用部より繰入れる利子を引上げることによつて赤字をカバーする方法はないか等、諸点に関しまして、政府との間に詳細な質疑応答が重ねられたのでありますが、これらの詳細は会議録によつて御了承願いたいと思います。
かくて、委員会は去る十七日質疑を終了、十九日討論に入つたのでありますが、その際、日本社会党を代表して山花委員より、値上率が高率であるため低物価政策上問題はあるが、一般郵便料金の値上げと異なり、影響の範囲が限定されており、企業の独立採算の建前からやむを得ないものと認める、改進党を代表して大高委員より、低物価政策の見地から官業料金引上げには原則として反対であるが、企業会計の健全性確保と、さらに、すでに衆議院を通過した二十九年度予算に値上げを織り込んでいる点等から原案に賛成する、日本社会党を代表して吉田委員より、現行料金により赤字が出ることは、業務量増加等企業努力が足りないうらみがあり、さらに低物価政策にもとるおそれがあるが、企業採算上やむを得ないものと認める旨、それぞれ原案に賛成の意見が述べられ、続いて吉田委員よりは、郵便振替貯金業務の利用の現況にかんがみ、処理日数の短縮をはかる等、極力サービスの改善に努めるとともに、周知宣伝にカをいたして利用の増加をはかるよう、企業会計の改善のため格段の努力を払うことという附帯決議案を提出せられたのであります。続いて、自由党を代表して小林委員より、この送金方法は非常に便利なもので、この程度の料金引上げは妥当である旨述べられて、原案に賛成せられました。
次いで、原案を採決の結果、全会一致をもつて原案の通り可決すべきものと議決、次いで吉田委員提出の附帯決議案を上程、その賛否を諮りましたところ、これまた全会一致をもつて可決を見た次第であります。
以上をもつて報告といたします。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101905254X02419540323/13
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014・堤康次郎
○議長(堤康次郎君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101905254X02419540323/14
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015・堤康次郎
○議長(堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101905254X02419540323/15
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016・堤康次郎
○議長(堤康次郎君) 日程第三、農産物検査法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。農林委員会理事福田喜東君。
〔福田喜東君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101905254X02419540323/16
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017・福田喜東
○福田喜東君 ただいま議題と相なりました、内閣提出、農産物検査法の一部を改正する法律案につき、農林委員会におきまする審議の経過並びに結果の概要を御報告いたします。
現行農産物検査法は、農産物の公正かつ円滑な取引と、その品質の改善を助長し、あわせて農家経済の発展と農産物消費の合理化に資する目的をもちまして、去る第十国会において成立を見たものであります。爾来三回にわたり一部改正を行い、もつて本法運用の適正化をはかつて来たのでありますが、政府は今般さらに検査手数料の納付を容易にし、受検者の利便に資するため、従来検査手数料は収入印紙をもつて納付いたしておりましたのを、新たに農林大臣が発行する特定の農産物検査印紙をもつてかえますとともに、これによりあわせて手数料収入の確保、取引の公正等をも期することとし、このため関係法令に所要の改正を施す目的をもちまして、ここに本法案を提出されたのであります。
本法案は、去る二月二十三日委員会付託となり、三月三日政府より提案理由の説明を聴取の上審議に付しました。
この審議におきまして、自由党福田委員、社会党足鹿、芳賀両委員、同川俣委員の各委員から活発な御発言がありました。すなわち、政府側との質疑を通じまして、農産物検査印紙の売りさばきは主として農業協同組合に行わせること、その売りさばき手数料は売渡し月額の百分の三とすること、またこの検査印紙を捺印の上検査済み品の包装に封緘することによつて不正行為の間接的防止になること等が明らかにせられました。また、農林物資規格法と本法との関係、穀物検定協会の性格及びその業務内容等にも言及されたのでありますが、詳細は会議録に譲りたいと存じます。
次いで、十九日をもちまして質疑を終了いたしましたので、討論を省略、採決を行いましたところ、全会一致をもちまして政府原案の通り可決すべきものと議決いたしました。
次いで、芳賀委員より附帯決議を付したいとの動議が提出せられました。
附帯決議は次の通りであります。朗読いたします。
一、農産物検査印紙の売捌手数料は、省令案によれば、その売渡月額の百分の三とあるも、農業協同組合等の取扱上の負担を考慮し、収入印紙の売捌手数料との均衡を失せざるよう、その最高率を引上げること。
二、穀物検定協会の構成、検定員の職務権限等について、必要に応じ法的措置を講ずると共に、所要経費の額及び支払方法等について、政府より実費の直接払いを行う等、これを明確ならしむるよう再検討を加えること。
採決の結果、これまた全員の賛成をもつて可決された次第であります。
以上御報告申し上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101905254X02419540323/17
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018・堤康次郎
○議長(堤康次郎君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101905254X02419540323/18
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019・堤康次郎
○議長(堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101905254X02419540323/19
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020・荒舩清十郎
○荒舩清十郎君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、放送法第三十七条第二項の規定に基き国会の承認を求めるの件を議題となし、この際委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101905254X02419540323/20
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021・堤康次郎
○議長(堤康次郎君) 荒船君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101905254X02419540323/21
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022・堤康次郎
○議長(堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会の承認を求めるの件を議題といたします。委員長の報告を求めます。電気通信委員長成田知巳君。
〔成田知巳君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101905254X02419540323/22
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023・成田知巳
○成田知巳君 放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会の承認を求めるの件に関し、電気通信委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
本議案は、日本放送協会の昭和二十九年度収支予算、事業計画及び資金計画につきまして国会の承認を求めるものであります。
議案の内容につき大要を御説明申し上げますと、日本放送協会の昭和二十九年度予算総額は収入支出おのおの前年度の約二六%増しの百十二億四千五百万円余でありまして、そのうち事業収入、事業支出を対照いたしますと、ラジオ関係では六億三千七百万円余の収入超過となり、その大部分が建設費等の資本支出にまわされ、テレビジヨン関係では五億五千万円の支出超過となり、これは放送債券、長期借入金等の資本収入でまかなわれることになるのでありまして、ラジオ関係とテレビジヨン関係とは、その経理を厳に区別することになつております。
申すまでもなく、日本放送協会の事業収入は、民間放送が広告料によるのと異なりまして、その大部分は受信料収入であります。しこうして、これは御承知の通り、放送法第三十七条第四項の規定により、国会が毎事業年度の収支予算を承認することによつて受信料の月額がきまるのであります。昭和二十九年の受信料収入につきましては、受信料額を、ラジオでは従前の月額五十円、三箇月百五十円を、月額六十七円、三箇月二百円に改訂し、テレビジヨンでは従前の月額二百円を三百円に改訂せんとするものであります。
事業支出につきましては、増額のおもなるものを見ますと、まず職員の基準賃金でありますが、これは、職員の学歴構成上、国家公務員の現行ベース一万五千四百八十三円と直接比較はできませんが、月額平均二十八年度の一万五千八百四十七円を約一六%引上げて一万八千三百八十二円とする場合の増加経費が計上されております。その他には、放送時間の増加及び内容の充実によるラジオ番組費約七〇%の増加、電話専用料金の値上げ等に伴う通信施設費約五八%の増加があります。
次に、事業計画といたしましては、ラジオ関係においては、特に教育及び産業放送、地域的社会生活に直結する放送並びに文化の向上を目的とする芸術的及び教養的放送の充実をはかるとともに、受信機の修理、雑音障害の防止等相談業務の充実によるサービスの向上をはかることに重点を置き、テレビジヨン関係におきましては、東京、大阪及び名古屋の既設設備の整備改善並びに広島、福岡及び仙台の建設及び今後建設するもののための調査を行うことを計画しております。
本件に関する委員会の審議の詳細は会議録によつて御承知願うことといたしまして、ここでは特に論議の中心となつた数点について申し添えるにとどめたいと存じます。
すなわち、論議の第一は、ラジオ受信料の改訂額決定に至るまでの経緯に関するものであります。これにつきまして、当初、日本放送協会においては、予定の事業計画遂行の必要をはかつて月額七十五円案を立てたのでありますが、低物価政策の堅持を要する現下の情勢にかんがみ、これを七十円として、さらに六十七円に改めるに至つたというのであります。この間におきまして、あるいは郵政当局の内意を伺い、あるいはその示唆を受ける等、折衝、往復のため荏苒時日を費し、そのため議案の国会提出の遅延を来した事情もほぼ明らかにせられたのであります。
その二は、日本放送協会の収支予算等に対する国会の修正権の有無に関する疑義でありまして、放送法第三十七条の規定の解釈をめぐつて委員会で詳細論議せられたのであります。本問題については、政府側は修正権なしという見解を表明したのでありますが、現行法の解釈としても、むしろ反対に解釈されるべきであるとの意見が強く、この問題は修正権を行使するかしないかという国会自体の意思によつて決定されるべきであるという結論に到達いたしたのであります。
その三は、今回の受信料改訂による増収と、職員の給与、設備の建設等に要する経費との関係についてでありますが、協会側の見込みとしては、結局受信料収入をもつてしては、職員給与の面は前に述べた賃金計上額の範囲にとどまり、設備関係においては若干の補修、取替えの程度にとどまるのであつて、職員の能率向上による増収及び節減経費の一部をもつてする特別の手当支給の可能性は予想されるが、新局の設置、既設局の増力、二重放送化等の計画は、たとい経営の合理化、経費の節減に努めても一切繰延べのほかないとするのでありましたが、これに対しては、公共放送の全国的普及をはかるべき協会の使命にかんがみ、はなはだ遺憾であり、経費の支出を重点化する等予算内操作によつて善処すべきである旨を強く要望せられたのであります。
問題の第四は、放送番組の編集の自由、特にその政治的公平の問題をめぐるものであります。これにつきましては、塚田郵政大臣の大阪における記者会見の発言内容、MSA協定についての街頭録音における小瀧外務政務次官の一方的登場、放送討論会における録音の編成がえ放送等の最近における具体的事例が指摘され、郵政当局並びに協会当事者との間に質疑応答が重ねられたのであります。その結果といたしまして、放送番組が聴取大衆に及ぼす影響力の大なるにかんがみ、時の政治権力による干渉圧迫は、放送法に規定された放送番組編集の自由の原則から、その明示たると黙示たるとを問わず、一切これを排除しなければならないことが強調せられたのであります。
かくして、委員会は本日質疑を打切り、ただちに討論に入つたのでありますが、討論に際し、自由党を代表して橋本登美三郎君、改進党を代表して小泉純也君、日本社会党を代表して原茂君及び日本社会党を代表して松井政吉君より強い希望条件が付せられ、それぞれ本議案に承認を与うるに賛成の意見が述べられたのであります。
委員会は、次いで採決の結果、全会一致をもつて本議案はこれに承認を与うべきものと議決した次第であります。
なお、委員会は、委員橋本登美三郎君の動議により、本件審議の過程における論議の動向に照し、この際政府及び日本放送協会の注意を喚起する必要があると認めまして、次のごとく全会一致をもつて附帯決議を行つたのであります。
附帯決議
政府並びに日本放送協会当局は、左の各項に掲げる事項の達成に努むべきである。
一、放送法第四十四条に規定する番組編集の基準により、政治的公平を堅持すること。
二、放送法第七条の趣旨に則り、全国普及並びに難聴地域の解消のため、置局、増力、教養放送の拡充に努めること。
三、経営合理化、経費の節減を図り、老朽設備の補修改善及び従業員の待遇向上に努めること。
四、生活保護法による被保護者に対し、受信料免除の措置を行うこと。
五、恩給法による不具廃疾者(特別項症より第七項症迄)に対し、受信料半額免除の処置を講ずること。
以上でございます。
これをもつて御報告を終ります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101905254X02419540323/23
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024・堤康次郎
○議長(堤康次郎君) 採決いたします。本件を委員長報告の通り承認するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり]発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101905254X02419540323/24
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025・堤康次郎
○議長(堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて本件は委員長報告の通り承認するに決しました。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101905254X02419540323/25
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026・荒舩清十郎
○荒舩清十郎君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、内閣提出、中小企業信用保険法の一部を改正する法律案、輸出保険法の一部を改正する法律案、国際的供給物資等の需給調整に関する臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案、右三案を一括議題となし、この際委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101905254X02419540323/26
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027・堤康次郎
○議長(堤康次郎君) 荒船君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101905254X02419540323/27
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028・堤康次郎
○議長(堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
中小企業信用保険法の一部を改正する法律案、輸出保険法の一部を改正する法律案、国際的供給不足物資等の需給調整に関する臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案、右三案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。通商産業委員長大西禎夫君。
〔大西禎夫君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101905254X02419540323/28
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029・大西禎夫
○大西禎夫君 ただいま議題と相なりました中小企業信用保険法の一部を改正する法律案外二件について、当通商産業委員会における審議の経過並びに結果を概略御報告申し上げます。
まず最初に、中小企業信用保険法の一部を改正する法律案について申し上げます。
本法は、中小企業者に対する事業資金の融通を円滑にするため、中小企業者に対する貸付及び中小企業者の債務の保証につき政府が保険を行い、これによつて中小企業の振興をはかることを目的といたしまして、昭和二十五年十二月に発足をいたし、今日までに二回にわたつて一部改正を行い、もつて本法の目的達成に努めておるのであります。
その間、本制度の利用状況を見ますると、付保実績は累計いたしまして四万二千六百件、三百三十六億円の利用を見、制度の普及改善とともに、その利用は逐次上昇の一途をたどり、中小企業の金融難打開に貢献して参つたものであります。しかしながら、現下の経済及び財政金融情勢のもとにおいて、中小企業金融の前途はいよいよ困難の度を加えることが予想されまするので、ここに本制度の改善及び対象業種の拡充を行う必要が生じて参つたのであります。
次に、本改正案の要点を申し上げます。第一に、保険契約者たる中小企業者の定義を改正し、新たに消費生活協同組合及び同連合会を加える。第二に、指定法人を相手方とする保証保険において、指定法人が付保し得る債務の保証を手形の割引にも適用できるようにし、保険の領域を拡大しております。第三に、指定法人が、中小企業者中、資本金五十万円以下の会社、従業員五人以下の会社または個人、その他これに準ずる組合等、特に小規模の企業者の金融機関に対して負超する債務の保証を付保する場合に、保証した債務の額が小企業者一人につき合計十万円、またその小企業者が中小企業等協同組合であるときは合計三十万円を越えかいものに限り、保険填補率を普通保険の六〇%に対し八〇%に引上げることをいたしてあるのであります。
本改正案は、二月十六日当委員会に付託せられたのであります。越えて二、月十九日提案の理由を政府委員より聴取し、三月十九日質疑に入つたので嵐ります。
次に、輸出保険法の一部を改正する法律案について、提案の趣旨及び内容を申し上げます。
本法案は、昭和二十五年に制定し、本制度を設けて以来今日まで数次の改正を経て、現在五種類の保険を包含する制度に発展し、その利用状況も漸次活発になつて来ておりますが、最近におけるわが国国際収支の推移にかんがみ、今後なお一段と輸出を振興することが必要となつて参つた次第であります。以上の要旨に基いて、新たに、輸出者が委託販売輸出を行うことによつて受ける損失を填補する保険を創設することといたしたのであります。これは、本邦商品を海外市場に積み出して海外の受託者にその販売を委託する、わゆる委託販売輸出契約に基いて貨物を輸出した場合に、予期の通りに貨物が販売せられないために輸出者が受ける損失を填補する保険制度であります。
本改正案は、二月二十三日予備審査として本委員会に付託せられ、越えて二月二十七日政府より提案理由を聴取し、その後三月十九日質疑に入つたのであります。
次に、国際的供給不足物資等の需給調整に関する臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案の要旨を申し上げます。
国際的供給不足物資の需給は昨年来一般的に緩和の傾向をたどつておりますが、ニツケル及びモリブデンについては、カナダ及びアメリカ等の主要生産国が依然として輸出の調整を行つておりますので、これらの物資について引続き需給を調整することが国民経済の健全な発展をはかる見地より見て必要であると認められますので、本年三月末日までと定められております現行法の有効期限をさらに一箇年延長するとともに、需給の均衡がとれるに至つたコバルト、タングステン及び白金等については附表中より削除したのであります。
本法律案は、二月二十六日通商産業委員会に付託されましたので、三月三日政府委員より提案理由を聴取いたしました。本法律案の質疑は三月十九日及び三月二十三日の両日行]われました。
以上三件の質疑の内容については会議録を御参照願います。
以上三件はおのおの三月二十三日質疑を終了し、討論を省略して採決いたしましたところ、以上三件はおのおの全会一致をもつて可決した次第であります。
右御報告申し上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101905254X02419540323/29
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030・堤康次郎
○議長(堤康次郎君) 三案を一括して採決いたします。三案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101905254X02419540323/30
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031・堤康次郎
○議長(堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて三案は委員長報告の通り可決いたしました。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101905254X02419540323/31
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032・荒舩清十郎
○荒舩清十郎君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、内閣提出、訴訟費用等臨時措置法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案、犯罪者予防更生法の一部を改正する法律案、右両案を一括議題となし、この際委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101905254X02419540323/32
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033・堤康次郎
○議長(堤康次郎君) 荒船君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり]発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101905254X02419540323/33
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034・堤康次郎
○議長(堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
訴訟費用等臨時措置法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案、犯罪者予防更生法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。法務委員長小林かなえ君。
〔小林かなえ君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101905254X02419540323/34
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035・小林鋳
○小林鋳君 ただいま議題となりました訴訟費用等臨時措置法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案及び犯罪者予防更生法の一部を改正する法律案の二案につきまして、提案の要旨及び委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
まず、訴訟費用等臨時措置法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案の要旨を申し上げます。
御承知のように、執行吏は一般公務員と同様に恩給を受けることになつており、その年額は執行吏の手数料に対する国庫補助基準額、すなわち執行吏が一年間に収入した手数料がその額に達しないときに、国庫からその不足額を補給して、これを俸給額とみなし算出することになつております。この国庫補助額は一万二千八百二十円ベースによる十万八千円となつておるのであります。これを俸給額とみなして算出した恩給年額が支給される必要があります。今回、昭和二十七年十月三十一日以前に生じた執行吏の恩給についても一般公務員の例にならわんとするものであります。
委員会におきましては、昭和二十七年十月三十一日以前にさかのぼつて新給与ベースで計算するのはいかなる理由であるかとの質問がありました。これに対し、政府より、当時物価が上つたが、国の財政事情がこれに伴わず、遅れていたのであるとの答弁がありました。また、執行吏の恩給を一般公務員の恩給法体系に入れてはいかんとの質問がありました。これに対し、政府より、執行吏の執務については執行吏事務規則をつくり、その運営の改善をはかつており、恩給についても調査中である旨の答弁がありました。
かくて、三月二十三日質疑を終了し、討論省略の上採決いたしました結果、全会一致をもつて政府原案通り可決した次第でございます。
次に、犯罪者予防更生法の一部を改正する法律案について申し上げます。
本案は、御承知のごとく、平和条約第十一条による被拘禁者、すなわち戦犯服役者の釈放等に関する事務の完全な処理を目的とするものであります。すなわち、戦争犯罪者の拘禁の赦免、減刑及び仮出所について、法務大臣の所轄のもとに、中央更生保護審査会が、本人の申請、親族、知人等の願出または刑務所長の申出に基き、外国に対し勧告することとなつております。今回改正の理由は、現在巣鴨において七百八十余人が残留し、これらの関係国である米、英、蘭、濠の四箇国は、政治的な全面釈放については多大の難色を示し、個別的、司法的に処理する意向を有しておりますので、わが国においても、これに即応して、各種の資料を追加し、中央更生保護審査会の調査審理の事務はいよいよ複雑なものとなつて参りますので、この際審査会委員を二名増員して五名とし、一人で一国を担当して、一日も早く国民の要望する巣鴨における戦犯服役者の解決に万遺憾なからしめようとするものでございます。
委員会におきましては、中央更生保護審査会委員の増員だけでなく、民間の団体が相手国に行く場合に、戦犯釈放に協力するよう依頼すべきではないかとの質問がございました。これに対して、政府より、米、英、蘭、濠の諸国に赴任する大使はもとより、相手国に行く民間渡航者についても協力を求めておるとの答弁でございました。また、地方更生保護審査会委員のうちには、保護観察をもつて確定判決の効力を左右するがごときことを言うものがありますが、これはきわめて不当ではないかという質問に対し、政府より、かかる誤解はまことに心外であつて、保護観察が確定判決の効力を左右するがごとき効力はないとの答弁がありました。
かくて、三月二十三日質疑終了、討論を省略し、採決いたしましたところ、全会一致をもつて政府原案通り可決した次第であります。
右御報告申し上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101905254X02419540323/35
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036・堤康次郎
○議長(堤康次郎君) 両案を一括して採決いたします。両案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101905254X02419540323/36
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037・堤康次郎
○議長(堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて両案は委員長報告の通り可決いたしました。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101905254X02419540323/37
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038・荒舩清十郎
○荒舩清十郎君 この際暫時休憩せられんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101905254X02419540323/38
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039・堤康次郎
○議長(堤康次郎君) 荒船君の動議に御異議ありませんか。
円異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101905254X02419540323/39
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040・堤康次郎
○議長(堤康次郎君) 御異議なしと認めます。
この際暫時休憩いたします。
午後六時二十七分休憩
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〔休憩後は会議を開くに至らなかつた〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101905254X02419540323/40
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