1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十九年三月二十五日(木曜日)
午前十時五十分開会
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委員の異動
三月二十三日委員大山郁夫君辞任につ
き、その補欠として堀眞琴君を議長に
おいて指名した。
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出席者は左の通り。
委員長 小酒井義男君
理事
長島 銀藏君
竹下 豐次君
委員
井上 知治君
白波瀬米吉君
井野 碩哉君
矢嶋 三義君
山下 義信君
寺本 広作君
野本 品吉君
衆議院議員
平井 義一君
政府委員
総理府恩給局長 三橋 則雄君
総理府統計局長 森田 優三君
行政管理庁次長 大野木克彦君
行政管理庁統計
基準部長 美濃部亮吉君
事務局側
常任委員会専門
員 杉田正三郎君
常任委員会専門
員 藤田 友作君
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本日の会議に付した事件
○統計法の一部を改正する法律案(内
閣提出)
○恩給法の一部を改正する法律の一部
を改正する法律案(衆議院提出)
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001・小酒井義男
○委員長(小酒井義男君) 只今より内閣委員会を開会いたします。統計法の一部を改正する法律案を議題といたします。前回に引続き質疑を続行いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01119540325/1
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002・美濃部亮吉
○政府委員(美濃部亮吉君) ちよつと御説明いたしましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01119540325/2
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003・小酒井義男
○委員長(小酒井義男君) それでは美濃部統計部長から説明を受けます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01119540325/3
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004・美濃部亮吉
○政府委員(美濃部亮吉君) お手許にお配りいたしました昭和三十年国勢調査要綱(案)総理府統計局といいますその紙は、統計局が各省の意向を勘案いたしまして、統計局の事務当局としての案でございまして、又行政管理庁統計基準部といたしましてもこういう形で三十年のいわゆる簡易なる形の国勢調査を行いたい。こういう形でやれるようにできるだけ努力したいというふうに考えております案でございます。これはこの前の御質問に応じまして政府当局としての簡易なる形の三十年の国勢調査の大体の内容でございまして、その性質は今申しましたように、統計局事務当局案であり、且つ行政管理庁統計基準部もこの形で調査したいということを希望している案でございます。これはほかのことは大した問題はございませんで、問題は四にあると思いますが、調査の事項はそれによりますと、世帯の種別、普通世帯及び準世帯の別、氏名、男女の別、出生の年月日、配偶の関係、職業別、産業別及び従業上の地位別の人口調査でございます。このほかに、これは統計局も御異議ないと思いますが、国籍別がここには載つておりませんけれども、恐らく国籍別は必要であつて国籍別も当然調査することになるだろうと思います。その他の点におきましては、若し御質問がございましたらば、この案を作りました統計局のほうからお答えできると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01119540325/4
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005・矢嶋三義
○矢嶋三義君 只今御説明になりました調査要綱案についてお伺いいたしますが、この綴じてあるのと別に半枚紙の調査項目に対する各省の希望事項というのがございますが、これらを比較対照してみますと、厚生省希望事項にかかる出産力に関する事項、それのみがこちらの調査要綱案にないだけであとは一致していると、こういうふうに了承してよろしいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01119540325/5
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006・美濃部亮吉
○政府委員(美濃部亮吉君) それと今申しました国籍別が落ちておりますけれども、国籍別は経済審議庁と厚生省の要望の中にございますが、これは当然入れていいと思います。それでございますから、これが入りますれば今の御意見の通りで、出産力に関する事項が落ちておるだけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01119540325/6
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007・矢嶋三義
○矢嶋三義君 この労働力状態というようなものですね。これらは労働省方面から或いは厚生省方面から要望がございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01119540325/7
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008・美濃部亮吉
○政府委員(美濃部亮吉君) 労働力関係のはサンプル調査で毎月やつているのでございます。それで国勢調査のほうでやりますのは、それのベンチマークと申しますかチエツクをする材料としてとるだけでございまして、国勢調査のほうにこの前やりました労働力関係の労働力調査として毎月やつておるわけなんであります。それでございますから、ベンチマークとして悉皆調査でとるのは大体十年ごとでいい、というのは労働省も厚生省もその意見に大体賛同しているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01119540325/8
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009・矢嶋三義
○矢嶋三義君 直接この調査要綱案に関しての質問はその程度にして、先日私質問途中で中止いたしましたので引続いて若干質問いたしたいと思いますがよろしうございますか。委員長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01119540325/9
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010・小酒井義男
○委員長(小酒井義男君) どうぞ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01119540325/10
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011・矢嶋三義
○矢嶋三義君 先ずお尋ねしますが、この統計行政全般についてこの際幸いですから若干お伺いいたしたいと思うのですが、二十七年の七月に統計委員会が機構改革の一環として廃止されて統計基準部が設けられたのですが、統計委員会が廃止されて統計基準部となつてからの統計行政について、特に不都合というような支障はあつたかどうかですね、統計基準部になつてから実際運営されてからの所感の一端を承わつておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01119540325/11
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012・美濃部亮吉
○政府委員(美濃部亮吉君) 統計委員会から統計基準部に変りましたのは、むしろ統計委員会の運営についていろいろと委員会の形でございますと支障が出て参りまして、どうしても独立の行政官庁がいいということから変りましたので、概括的に申上げますと殆んど何ら支障がないように思われます。と申しますのは、御承知のように、統計基準部は指定統計その他行政的な決定を下すわけでございますが、その行政的な決定を下しますのが委員会組織であつて、その委員会の中に各省の代表者も入つているという形でございますとなかなか決定がしにくくつて、或いは時が遷延したり或いは議論ばかりしていてなかなか結論が出なかつたりというふうなことで非常に不便になりましたもので、一つの独立行政官庁にすることがいいということで、決定を行政管理庁に任すという形になりまして、その点では何ら支障がなく、むしろ従来よりもうまく行つていると言えると思います。ただ統計委員会というもの、そうしてそこに統計に関する最高の学者のかたがたに集まつて頂いて、そうして権威のある決定を下すということは、統計の発達のためには非常にいいのでありまして、それは飽くまで維持して行きたいというので統計審議会を設けまして統計委員会のときと殆んど全く同じメンバーでやつております。そうして大体において統計委員会のときにかけましたような問題は統計審議会にもかけて御意見を伺つて、そうして私としては殆んど今までのところすべてその御意見に従つて動いておるつもりでございまして、それでございますから、統計委員会時代のいいところは今のところそのまま続き、悪いところは除かれたという形でありまして、大体において今のところ何ら支障なくむしろその時代よりもスムーズに運営されていると申上げられると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01119540325/12
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013・矢嶋三義
○矢嶋三義君 その説明一応了承しました。次に承わりたい点は頂いた資料を見ますと国勢調査のあつた関係もありましようが、昭和二十五年に統計職員の定員はマキシマムとなつてその後漸減の傾向をたどつているようです。それで伺いたい点は、このたび統計職員の定員減を幾らやる予定か。それと最近平常時に使つている統計職員の臨時職員の採用はどのくらいになつているか。それが統計職員の全般の率からいつてどのくらいになつているかということと、それからここに今案が出されました昭和三十年の国勢調査要綱、これをこの要綱案に基いて調査されるに当つて臨時職員をどの程度採用される予定か、そういう点を承わりたいと思うのです。私がこれを承わる理由は、一つの統計をとるときには先ずその企画が非常に大事でありましようし、更にこの統計に従事する人の素養、企画に当るかたのそれが極めて大事だと思うのです。極く末端でただこの伝票を扱うというような人は余り素養がなくても臨時職員でもいいと思うのですが、仕事の重要性からそれ以上の仕事に携わる人はよほどやはり統計に関する基礎的な素養を持ち、この数字を見るところの能力というものを持つている人でなければ、ただ機械的に数字をいじつても出て来た統計というものの信憑性というものは薄らぐと思うのです。そういう立場で私はこの統計職員の数と、量と質、この確保というものは極めて重要だと思うのですよ。従つてまあそういう立場からこれはまあ統計職員の教育とか養成あたりにも関連して承わりたいのですが、どの程度の定員減であるか、更に臨時職員という者をどのくらい採用して、その率はどのくらいになつているかということを承わりたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01119540325/13
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014・美濃部亮吉
○政府委員(美濃部亮吉君) 最初に今度の整理の問題でございますが、今のところほかの官庁と全然同じ率で、特別な扱いで特に烈しく削減されるということはございません。それですからほかの官庁と同率である。それで今それが絶対数何名であるかは、私資料を持つておりませんので申上げられません。それから臨時職員の問題でございますが、今の御質問の中心点が統計職員の率及びその数の問題でございますので、極く簡単に現在どういうふうになつておるかを申上げますと、一番問題は実査に従事しております地方の職員の問題だと思います。それでそれは中心になつておりますのは、県庁に駐在しております県の統計課の職員でございます。これは身分は地方公務員でございますが、人件費は全額国庫負担になつておりましてそうして県の中におり、県知事の指揮命令を受けますけれども、国の仕事を国の委託によつてもつぱらやるという性格を備えております。この県庁の統計課におりますこういう職員が現在のところ全国で三千二、三百人だと思います。それからそのほかに農林省関係の昔の作報事務所、今の農林統計事務所に従事しておつて、農林省の農林統計調査の実施に当つておる人たちがおります。これは身分も国家公務員で、農林省の職員になつておりますが、これが一万二千人おります。これはもつぱら農林省の統計事務に当つております。それから厚生省の保健所におります人たちが、厚生省の主として人口動態統計を中心とする統計に従事しておりますが、これは保健所のほかの仕事と一緒になつておりますので、くつきり統計事務だけに従事しておる人数をはつきり申上げることはできないと思います。それから労働省の労働基準部の中にも統計調査に従事いたしておる人たちが若干おります。それで大きい、地方の統計の実査に当ります職員としては、今申上げました県庁の中の統計課の職員三千五百人前後の人たちと、それから農林省の今の一万二千とそれから労働基準部或いは厚生省なんかを合せましてまあ大体一万七、八千人というのが地方に散在しておるとふんでいいと思います。
このほかに今度調査員と申すのがあつて、これは本当の最後の末端の手足となつて調査に当る人たちでございます。殊にこの三十三年の国勢調査の最末端は調査員が当るわけでございますが、これは今お話のように臨時職員と申しますよりは、つまりその仕事だけの一時雇のものでありますが、併しこれは現在のところ大体こういう調査があれば、調査員として働く人たちはほぼきまつておりまして、それが一方においてはいいし一方においては悪いので、悪くいえば統計ずれがしていて、一番悪い場合になりますともうわかつているもので、面倒くさいから廻らないで、自分の家の机に坐つて皆書いてしまうというような例がないでもないのでありますけれども、又逆に言うならば相当の経験を積んでいる人たちであります。そういう人たちは臨特職員とは申せないのですが、国の職員ではございませんで、ただの雇と申しますか労務者みたいな関係になつております。この三十三年の国勢調査にはそれでそういう調査員はこの前の大きい国勢調査には三十四万人使つたわけでございます。それでこの簡易な調査でどのくらい減されるかはわかりませんけれども、これはとにかく全部の世帯に当らなければならないものでありますからそんなに調査員は減されない、まあ三十万前後という程度であろうかと思います。それでありますからそういう形の調査員をのけますれば、臨時職員というものは統計においては殆んどないといつて差支えないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01119540325/14
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015・矢嶋三義
○矢嶋三義君 それで大体わかつたんですが、私本法律案の五年を十年に改めるというのは先日来説明を聞いて大体御尤もだと了承できることなんですよ。併しこれが統計軽視の一端になつては困るという危惧の念を持つているわけです。先ほどから御説明があつた中でも、例えば農林統計に関する職員の整理などは今度の行政整理では最も狙われたところで率も私は高くなつているんではないかと思いますのでお伺いしたわけですが、あなたの御説明では全く同様扱いになつているという御説明でございましたが、実際農林省関係の統計というものは圧縮されつつあるんじやないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01119540325/15
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016・美濃部亮吉
○政府委員(美濃部亮吉君) 一時、と申しますか、終戦直後よりはだんだん圧縮されております。それは私は当然だと思うんであります。と申しますのはあの頃は食糧が非常に窮屈でございまして、あらゆる農産物に供出があつて、そうしてそういう行政措置を講ずるために非常に正確な統計が要つたわけであります。そこで普通の状態ではそれほどの正確性が必要のない以上に農林関係の統計については正確度を必要といたしましたもので、農林統計におきましてはほかの統計にはないような非常な、なんと申しますか、特殊の技術を使い、非常に金がかかり、非常に人数がかかる調査方法を用いているわけなんであります。それはこういうふうな国勢調査は主としてその調査される人の報告に基くわけなんですが、それでは本当の報告をしない場合が多いので、農林統計は、殊に米その他の主食の統計は農林省の地方の人たちが行きまして、そうして米を買つてその粒をかぞえるというふうな方法を講じますので、そういう方法をいたしますと非常な金と非常な人数がかかります。現在でもなお農林省関係の統計は全統計予算の六〇%以上を取つているという状態になつておりますけれども、こういう状態は供出が、と申しますか、統製だんだんゆるんで来ればそれに応じて正確度も多少緩和してもいいということ信じて、だんだん縮小して来るのはむしろ合理的な傾向であるといつても差支えないと思います。併しそれが行政措置とアンバランスになると非常に悪いのでその点は種々気をつけておりますけれども、現在のところはそれほど激しい行政措置に不便を感ずるというほどまでには縮小されていないというふうに思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01119540325/16
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017・矢嶋三義
○矢嶋三義君 それはまあこの法律案審議の主題から若干外れるので、まあ一般論としてそのくらい伺つておきますが、先ほどお伺いしました統計職員の養成についてお答え願いたいと思うのですが、今何ですか、我が国では総理府にある統計職員養成所というのが実務に携わる統計職員の養成の最高機関でありますかどうか。それと果してこの統計職員養成所というところに立派な資質の人が採用されつつあるかどうかということを承わりたいのです。というのは先ほど申上げましたように簡易な統計をやつても十五億くらいかかる。十年ごとに本格的なものをやつて三十億かかる。相当の国費も要するし、その支出を要する国費以上にやはり出て来た結果というものが役立つ立派なものが出て来なくちやならない。それにはどうしても統計職員に立派な資質に富んだかたを確保するということが大事で、再教育もそうでありますし、職員養成所の充実ということは非常に私は大事だと思いますので承わつておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01119540325/17
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018・美濃部亮吉
○政府委員(美濃部亮吉君) 統計局でやつております職員養成所の詳しいことは森田局長から御答弁があると思いますが、まあ統計に従事しております人たちの最高の教育機関はこの養成所であるといつて差支えないと思います。そうしてだんだんに隆盛になつて参りまして、現在では卒業した人たちが合計八百人に及んでおります。これは地方の人たちとそれから中央の人たちと、まあ全体とすれば約半分々々くらいかと思われますが、ここでは半年に及び統計の専門的な技術、学問を授けておりますので、こういう施設はほかにはまるで日本にはございません。併しそれだけではございませんで、半年暇をかけてここに通うというのはなかなか大変なのでそのほかに短期講習というのをやつております。これは私たちが最初に考えましたのは指定統計というふうな重要な統計調査には一定の資格がある人でなければ従事できないというふうにしよう。そのためにその資格を与える講習会を各地で催さなければならない。一定の規格をきめてそういうことからその資格を得るためには一定の時間の勉強及び講義を聞かなければならないというふうにきめまして、そうして各地方で毎年講習会を開いております。それで恐らく今では全県一年に一度はそういう講習会を開いておりますのでそこで資格が賦与されます。又相当統計的教養を備えた人たおがどんどん出ているわけであヒます。併しまだそれだけでは不十分でございまして、何とかもう少し再教育の手段をしつかりやりたいとは思つておりますので、そういうふうにして再教育は相当力を入れてやつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01119540325/18
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019・矢嶋三義
○矢嶋三義君 そこで私伺いたいのでありますが、それは結局、先般もちよつと話が出ましたがね、折角こういう役所があつて相当の国費をかけて統計業務をやるとすれば、やはりこれの利用ですね。こういう点についてもう少し工夫をして頂きたいと思うのですがね。それ以上に私非常に遺憾に思うことは、あなたがたもその数が少くて十分教育ができんと思いますが、統計が今の日本では悪用されている面が非常に多いのじやないかと思います。まあ統計に関する水準が一般に低いから、あの団体を、或いはあの個人を一つ自分の説に説得してやろうという場合ですね。こちらはこういう結論というものを持つておつてその結論に合うような統計をデツチ上げるわけですね。そうしてそれで一般の国民あたりに呼びかけている。ところが、統計に対する知識が低いから、余り信憑できないでたらめに近いような統計を作つて数字をふつかけて行くとそれに説得されてしまうというような場合は随分あると思うのですね。正しい統計が有効に使われるというよりもそういうふうに悪用されている場合のほうが随分多い、これは相当大事な問題だと思うのです。それと統計局或いは統計基準部とこういう所にとじこもつて専門的に或いは学問的にそういうことに専念されておると、一般人から非常に遊離した学術的な方面につつ込んでしまうと思うのです、そのまま一般にこう厚い冊子で公表される、こういう形では、極く一部の人以外は見ようともしないし、利用しようともしない。これをそういう専門的な立場からは専門的な立場として、又一方思い切つた通俗的な立場は、それとしてやつても、専門的な者から見ると非常に誤差が大きいとかいう場合は、そんなものを政府の権威あるお役所で発表するのはどうかと思うという批判を受ける程度くらい通俗的に、一般国民の視覚、更に聴覚に訴えるという方法で訴えて行く方法はないものか。そうしてそれを正しい立場から国民に認識してもらい、利用してもらつて、やはり国民生活の向上、国力の充実という一翼を統計というものは担うような方向に私はまだ努力すべき点があるのじやないか。それは結局統計業務に携わるとか、実務に携わつておる責任者、こういうかたがたの人の問題だと思うのですがね。そういう点について更に私は努力して頂きたい点をこの際特に要望しておきたいと思います。それらの問題については結局まあ統計審議会の諮問事項になつておるかどうか知りませんが、統計審議会でもそういうところにやはり頭をつつ込んでおると思いますが、随分最近こういう審議会の類のものができておるわけですが、統計審議会も聞いてみますと毎月一回開くようになつていますが、実際そういうふうにやつておられるかどうかですね。それと審議会の委員の出席率はどうかということと、この法律案は提案理由によると統計審議会の答申を待つたんだというように書かれておるのですが、どの程度審議されたか。この統計審議会ということについてお答え願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01119540325/19
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020・美濃部亮吉
○政府委員(美濃部亮吉君) 先ほどの前の御意見は私も全く同感でございまして、大内先生が統計委員会の委員長をしておられました頃から、統計の発表は一つにまとめて、規格を一つにして、そうしてアメリカやイギリスのように、どこか或る一定の箇所に行つたならば、非常に安い値段であらゆる統計書が手に入る。そうしてその規格も統一するというふうなことで行きたい、そうして統計の利用を図るというのが大内先生の最後の理想でありましたし、私も何とかしてそこまで持つて行きたいと思つておりますけれども、これが又一番むずかしいことで、なかなか思うようには参りませんけれども、だんだん改善されて行つておると思いますし、又今後もなおこの点にこれからは特に努力を集中して行きたいと思つております。それから統計審議会は出席率は非常にいいのです。来られませんときには各省の代表者は大体において代理者を出しますし、それから第三者委員である学者の先生方は一人、二人は欠席がございますが、出席も大体よくそろつております。それから一月一回というのはルーズに流れて開かなくなつては困るという懸念から、法律で必ず一回開かなければならないときめられておりまして、そうして私たちも必ず開いております。それから議論も大体において統計という一つの興味を持つた人たちが集まつておるせいでございましようか非常に活発でございまして、私は審議会としては最も有効に且つ活発に運営されておるものの一つであると思います。それからこの国勢調査も勿論かけまして、そうして皆さん忌憚のない御意見を伺つて、どのくらいかかりましたか二時間ばかりも議論して、そうして適当だと思うという答申を頂いたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01119540325/20
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021・矢嶋三義
○矢嶋三義君 それでは続いて伺うのですが、五年を十年に改めて、簡易な方法の国勢調査を行うということを答申するについては、簡易な方法で国勢調査をどの程度にやるかということはかなり議論されたと思う。その際こういう意見は出なかつたか。それから又どういうわけでそれを入れないかということを伺いたいのですがね。結局調査要綱案が出ておる。大体まあ了承できるわけなんですが、住宅の問題ですね、これは終戦直後に比較して、現在それに劣らない程度にやはり国民の住宅の種別というものは私は激増していると思うのです。従つてこのたびの簡易の調査に、住宅の種別調査ですね、こういうものを入れるような意見はなかつたか。或いはこれは一年ごとにやられているので入れなかつたかなあとも考えているのですが、この住宅関係はどうなつておるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01119540325/21
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022・美濃部亮吉
○政府委員(美濃部亮吉君) このセンサスだけ取上げてやつたのでございます。それでございますから住宅は住宅センサスとして重要でございますから別個に取扱うということになつておりまして、これにつけますのは非常に簡素な形でございまして、昨年やつたのは非常に詳しい住宅だけのセンサスをやつております。それでありますからこれにはつけないで、若しやるとすれば、住宅センサスは住宅センサスとして別な形で三年なり五年なり後にやろうということで問題にならなかつたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01119540325/22
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023・矢嶋三義
○矢嶋三義君 英国あたりも耐乏生活というものを政府のほうでかなり国民に要請して参つて来ておるようですが、そもそもああいう国の、ドイツでもそうですが、戦後における住宅政策というものは相当強力なものだということは私は読物で見ておるわけなんですが、我が国における住宅政策は戦後政府において相当の努力はされたのでありますけれども、そういう点と比較して極めて微弱なもので、終戦後十年になんなんとするのに住宅問題というのは御承知の通りだと思うのですね。従つてこの住宅政策の基礎的な政策確立のために必要な資料としてのこういう調査というものは、私は年々やつてもやり過ぎない今では必要な調査事項じやないかと思つておるのでありますが、その立場から伺つたのですが、昨年やられて次は三年後というふうなお考ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01119540325/23
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024・美濃部亮吉
○政府委員(美濃部亮吉君) 年々三年なり五年なりきまつておりませんけれども、そのときに悉皆の調査をいたしまして、その後住宅がどういうふうにできて行くかということは、指定統計の中の住宅の建設に関する動態統計がございまして、それがどういうふうに、どこまでどのくらいできていたかということは全然それはブランクではなくて、毎月の数字がずつと出て行くわけなんです。それですから十分つかながるわけなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01119540325/24
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025・矢嶋三義
○矢嶋三義君 それで大体対策を立てるに必要な資料は整うというわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01119540325/25
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026・美濃部亮吉
○政府委員(美濃部亮吉君) 大体殆んど整うと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01119540325/26
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027・矢嶋三義
○矢嶋三義君 それではその点了承できました。続いてやはり内容の件になりますが、先ほどの説明では厚生省人口問題として出産力に関する事項を簡易な調査対象として取上げてほしいという要望があるということを書面で拝見したのですが、一方こちらの統計局から出された要綱案にはそれがないわけですが、厚生省からそういう要望があれば統計局としてはこれを取上げて調査対象にしよう、再検討しようというようなお気持でもあられるのか。それとも検討した結果そういう必要はないというような結論に達しておられるのか。その点承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01119540325/27
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028・森田優三
○政府委員(森田優三君) お答え申し上げます。出産力につきましては、二十五年の国勢調査におきまして、女の人が何人過去において子供を産んだかということを調べたのであります。これは過去において産んだ子供の数が何人あるかということでありまして、こういうことになりますると、そうたびたび調べましても著しい変化があるわけのものではないのでありまして、毎年の出産力はかなり激しく動きましても、女の人が過去において産んでいる子供の数というのはそう著しく変化するものではございませんので、こういうことは十年ごとに調べましてもよろしいかと思いましてそういうふうに処置をいたしたわけであります。併しながら若しどうしても必要であるというのでございますれば、国勢調査の調査項目といたしませんでも、例えばサンプル調査で労働力調査の特殊調査事項として適宜加える途もございまして必ずしも全面調査をいたしませんでも、一部分の抜取調査でかなり正確な資料を調べる途もございますので、そういう見解を持ちまして一応削除いたしたわけであります。併しながらこれもまだ、なお今後関係省との折衝によりまして最後案を決定いたしたいと思つておりますので、さよう御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01119540325/28
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029・矢嶋三義
○矢嶋三義君 その点についてでありますが、まああなたがたのところ、統計専門家として考えておられた場合に、今御説明があつたような見解が成り立つでございましようが、又所管省である厚生省としては、実際行政の面から必要だというような結論を持たれたんだろうと思います。で、これを調査対象に入れる入れないによつて、そういう予算面にも響くことはありませんし、当該所管省と十分更に協議されて、やはり調査対象に入れたほうがよろしいというような厚生省の説明が、皆さんがたに納得できるような場合には、是非とも調査対象に入れるより更に御協議願いたいということを要望いたしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01119540325/29
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030・森田優三
○政府委員(森田優三君) 御説の通り十分検討いたしまして、この案はなお各省とまだ正式の折衝をいたしておりませんので十分折衝を遂げまして、お互いに納得し合つた上で最後案を決定いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01119540325/30
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031・小酒井義男
○委員長(小酒井義男君) ほかに御質問ございませんか……。ほかに御発言もございませんようですが、質疑は終つたものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01119540325/31
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032・小酒井義男
○委員長(小酒井義男君) 御異議ないと認めます。それではこれより討論に入ります。御意見のおありのかたはそれぞれ賛否を明らかにしてお述べ願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01119540325/32
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033・矢嶋三義
○矢嶋三義君 私は、只今議題となつております統計法の一部を改正する法律案に賛成の意を表するものでございます。賛成の理由は、本法律案は、統計審議会の答申を得たものであり、国際規格の点からも何ら支障がないという専門家の結論が得られておりまするので本法案に賛成いたします。但し特に要望いたしておきたい点は、五年を十年に改めた結果として五年目に当る明年度、簡易の方法により国勢調査を行うものとするというようになつているわけでありますが、この簡易な方法による国勢調査の内容につきましては、一応の要綱案が提出されておりますが、今後も各省と十分の連絡をとられまして、もつと能率的に効果ある簡易な国勢調査が行われるよう、更に具体的な対策を立てられることを特に要望しますと同時に、これは全般的な問題でありますが、多額の経費をかけて統計がとられました上におきましては、この統計の行政上におきましても、更に一般国民としての利用という立場において、更に具体的に対策を立てられることを特に要望いたしまして、私の本案に対する賛成の討論を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01119540325/33
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034・小酒井義男
○委員長(小酒井義男君) ほかに御意見ございませんか……。ほかに御意見ないようでありますが、討論は終結したものと認めて御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01119540325/34
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035・小酒井義男
○委員長(小酒井義男君) 御異議ないと認めます。それではこれより統計法の一部を改正する法律案について採決をいたします。本案を原案通り可決することに賛成のかたの挙手をお願いいたします。
[賛成者挙手]発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01119540325/35
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036・小酒井義男
○委員長(小酒井義男君) 全会一致本案は原案通り可決すべきものと決定をいたしました。
なお本会議におきますところの委員長の口頭報告の内容は、あらかじめ多数意見者の承認を経なければならないことになつておりますが、本案の内容、委員会における質疑応答の要旨並びに結果を報告することにして御承認を願うことに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01119540325/36
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037・小酒井義男
○委員長(小酒井義男君) 御異議ないと認めます。本院規則によりまして、委員長の院議に報告する報告書には多数意見者の署名を附することになつておりますので、本案を可とされたかたは順次御署名をお願いいたします。
多数意見者署名
矢嶋 三義 白波瀬米吉
井野 碩哉 野本 品吉
長島 銀藏 竹下 豐次
寺本 広作 井上 知治発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01119540325/37
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038・小酒井義男
○委員長(小酒井義男君) 次に恩給法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。御質疑のおありのかたは質疑をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01119540325/38
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039・矢嶋三義
○矢嶋三義君 これは随分懇談会で各派の委員さんが協議されたことで格別質問もないかと思いますが、私一、二お伺いしたいと思うのですがよろしうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01119540325/39
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040・小酒井義男
○委員長(小酒井義男君) どうぞ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01119540325/40
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041・矢嶋三義
○矢嶋三義君 提案者にお伺いいたしますが、法案中にある八カ月とあるのを一年八カ月と読替えるものとすると、こういうようになつておりますが、私は将来のことを心配しているわけですが、将来はいかようにされるつもりでございましようか。それらの点について政府側と何らかの話合がつかれておられるかどうか、それらの見通しにつきましてお伺いしておきたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01119540325/41
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042・平井義一
○衆議院議員(平井義一君) 御承知のごとく昨年の八月一日から恩給法が改正になつたわけでありまして、政府は原案といたしましては加算は認めない、こういうことに相成つたわけでございまして、従つて政府のほうは今度の改正はなかなかやりかねるというところで実は議員提案になつたわけでありまして、従つて今度どうするかという問題は国有鉄道におきまして、或いは専売、或いは電信電話、この各公社におきましては公共企業体等共済組合法というものを目下研究をいたしておりまして、来年の三月三十一日までにはこの成案をみるであろう。その間一年間一つ延期してくれんか、こういう意味合で大体一年間延期すれば恐らく各公社のこれに処すべき法案が成立する、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01119540325/42
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043・矢嶋三義
○矢嶋三義君 もう一点伺いたい点は、政府は現在においては必ずしもこの法律案に賛成していないという点でございますが、加算制度そのものにも問題があるでございましようし、更に予算との関係もお考えになつているかと思いますが、私はこの法律案を公共企業体等共済組合法が成立するまでの一つの暫定的な措置としてこのたび成立さしても、すでに衆議院で可決されて参議院で現在審議中の来年度の予算に対しては殆んど私は影響がないと、こういうふうに出考えておるのでありますが、提案者のほうでは予算との関係をどうお考えになつておられますか、念のために伺つておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01119540325/43
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044・平井義一
○衆議院議員(平井義一君) これは各公社は公社自身で共済組合法というのを作るのでありまして政府の予算とは大して関係がない。こう考えておりますし、然らば予算はどうなるかと申上げますと、これは二十九年度一カ年延ばしたのでありますから、二十九年度に退職する人には適用されます。二十九年度にやめない人には適用されない、やめる人が仮に出て来る。或いは死ぬ人が出て来る、この振合を考えますと大して予算には影響がないのではないか。こう実は考えて政府とも交渉しましたし、政府にも納得させたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01119540325/44
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045・矢嶋三義
○矢嶋三義君 了承いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01119540325/45
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046・野本品吉
○野本品吉君 只今のお話を聞きますと公共企業体等に関する共済組合の年金制度というものが、来年の三月までに何とか目鼻がつくということが主なる理由だということになりますと、私ども少し考え方が違つて来るのでありますが、若し公共企業体関係のものだけが片が付けばその他にはもう残る問題はないというお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01119540325/46
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047・平井義一
○衆議院議員(平井義一君) 実は衆議院のほうでも機関車乗務員だけに適用するか、或いは不健康業務に携わる全部の人に適用するかということは非常に問題になりましたが、これは全部に適用する、こういうふうに実はなつておるわけであります。法律第百五十五号の改正前の恩給法第三十八条の四ということが皆人つておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01119540325/47
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048・竹下豐次
○竹下豐次君 政府のほうで改正案を出す意思がないということはこの際だけのことで、将来はそういう考えは毛頭ないとそこまではつきり言つておられるのですか。我々委員会では現在人事委員会で立案されました際に、できるだけ不健康業務については従来の例のようにやはり残してもらいたい、又それができるのじやないかという期待の下に六カ月の制限を八カ月に伸ばして三月三十一日まで、四月一日からは新らしい法律によつて従来の通り継続して行くだろうという期待の下にやつたわけです。この間大臣はここで考えておられないということを言つておられましたが、あなたのほうではやはりこの際だけという考えで政府はお答えになつたのですか、それともやはり今後ともこの加算は全部削るのだというお答えだつたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01119540325/48
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049・平井義一
○衆議院議員(平井義一君) 大体が軍人恩給が復活いたしまして軍人の加算をやるわけです。それに伴つて全部の加算も打切るということでそうして審議をして政府としては大体その意思のようでありましたが、新らしく恩給法が恐らくできますならば政府としても多少考慮する。私どももそう思つておりますし、又政府としてもこのままで行つてはならん。こういうふうに考えておりますし、私は政府でありませんけれども必ず政府は考えるべきだというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01119540325/49
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050・竹下豐次
○竹下豐次君 その点は衆議院のあり方にいたしましても私などもそう思うのです。併しこの間のこの席における大臣の答弁は将来考えるというところまではおつしやらなかつたのです。それは考えられないということになれば我々としては又考え方も違わして行く必要かあるかも知れな、この際にですね。こういうふうに思うので、ただあなた方のお考えということでなくして政府はどう説明されたかという御記憶があつたらそれを承りたい。若しそれが何でしたら政府からこの際直接伺つてもいいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01119540325/50
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051・平井義一
○衆議院議員(平井義一君) 政府といたしましては、この加算ということをやれば新らしく又加算をしてくれといういろいろな問題が出て来る。そこで政府としては一応そういうことはもうやらん、併しながら新らしい恩給法でも出て来ると、これは必要だということになれば私は考えなければならんし、今ここでそれを認めるということになれば或いは新規の加算の必要がふえるということで、大臣は恐らく私らの委員会でも大体やらんと言つておりますが、はらの中では余計ふえるからやらんのであつて本当に納得が行けば絶対やらんというのじやないというふうに受取つているわけです。詳しいことは恩給局長がおりますからお聞き願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01119540325/51
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052・竹下豐次
○竹下豐次君 私は大臣から直接承りたいと思つておつたのでありますけれども、大臣お差支えあつたのかどうかおいでになりませんのでやむを得ません。三橋局長からでも政府の態度を一つ承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01119540325/52
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053・三橋則雄
○政府委員(三橋則雄君) 政府の態度につきましては、先般大臣ここに御出席になりまして答弁された通りに私は承知いたしておるところでございます。今の竹下委員からの御質問は、今はともかくとして将来はどうかという御質問のように受取りましたのですが、将来のことにつきましては具体的に大臣からも、又官房長官からも加算を将来つけるようにしろということなどにつきましてははつきりした指示を受けておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01119540325/53
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054・竹下豐次
○竹下豐次君 それだから大臣に来てもらわなければ困ると私は言うのですよ、いつでも。それでは甚だ困るのですがね。その政府の意思がわからないままに我々はこの問題をきめなければならないということになつて行くのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01119540325/54
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055・矢嶋三義
○矢嶋三義君 議事進行について。竹下委員のほうから大臣の出席を仰いで政府の意向を正式に承わらないと、これを審議するに支障があるという御発言もあるようでございますから、採決は大臣の出席を仰いで質問をした後にすることにして、提案者に対するところの質疑は本日を以て打切ることにして、採決の予定を変更して後日に延ばしたら如何かとこう考えますのでお諮り願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01119540325/55
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056・竹下豐次
○竹下豐次君 政府のほうで将来の問題はなお考えておる、御意思に副うようなふうに努力するとかいうような御説明でもあるとこの議案を審議するにも又スムースにやれる可能性が私はあると思うのです。併しどうもさつぱりその話合ができないようでは、我々はこの際議員立法として復活するという案を立てるということも一つの方法ですね、一年延ばすとかいうことではなくして、それには予算の関係もありますから軽々にできることではありませんけれども、考えようによつてはそういうことも考えられるわけです。そこはもう少し政府のほうではつきり何とか言つてもらわないと取扱に非常に私は困ると思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01119540325/56
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057・平井義一
○衆議院議員(平井義一君) 今の御意見で提案者としての意見を申上げますが政府といたしましては加算制度はやめるということで昨年も来たし現在もそう言うでしよう、恐らく呼ばれても。そこでまあ参議院でこれは八カ月延ばしたと、三月三十一日までやれということで以降期間を八カ月延期した。併しその八カ月だけではあとに対処する方法もできない、或いは組織もできない、まあ公社が言うものでありますから更に以降一年期間を延長しよう、併しこれを政府提案でやつてぐれんかということを我々しばしば言つたけれども、政府としては昨年の原案通り加算制度というものは認めないという一本で来たわけで、私どもは何とかして一年延ばしてその延ばす間に他の救済する組合法なり或いは公社でそれに代るべきものを作るまで延ばしたい、こういうことで実は我々政府与党にいたしましても非常にこれは議論がありました。漸く実は納得をさせて政府が反対すると賛成するにかかわらず各党満場一致でこれは通そうじやないかということで実は衆議院は通したまででございまして、大臣を呼ばれても政府は将来は考えますと、ただ政府としては加算制度は認めないという方針ということは私は繰返すと思います。それだから今日議員提案ということになつたわけでございますから、その点を一つ御了承を願いまして速かに採決をお願いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01119540325/57
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058・矢嶋三義
○矢嶋三義君 私は議事進行についての提案をお話申上げているのでお諮り願いたいと思いますが、竹下委員のほうで不満足でも大臣が欠席のままでここで採決してもよろしい、こういうふうにお譲り願えれば私は直ちに採決しても差支えないと思うのです。まあ本日までの経過をいろいろ考えた場合に竹下委員さえお譲り願えればそれでもいいと思います。併し竹下委員のほうで政府の意向をもうちよつと確めなければどうもその採決に入れないという切なる要望があると大臣の出席を待つてやらざるを得ないと思う。まあこれは竹下委員の態度如何にかかつていると思うが、議事進行をお諮り願いたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01119540325/58
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059・竹下豐次
○竹下豐次君 私大臣がどういうお差支えがあるのか今日出て来られなかつたですね。私としては今日までたびたびここで言いにくいことも言つているのでありますが、事務当局だけで問題を抑えられておつては甚だ恩給法の問題を取扱うのに困る、大臣に来てもらう必要があるということを私は委員長にたびたび申上げておるわけでございます。で今日お見えになりませんのは病気かなんかどうしても差支えがあつて来られないというならばやむを得ませんが、ただお出でにならないで局長が代つてお出でになつても今日はできないと私は思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01119540325/59
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060・小酒井義男
○委員長(小酒井義男君) 只今竹下委員から御意見がありましたが、私も大臣の出席をされたところで一応確認をした上でというお話は承つておきますから、それでは本案の採決は大臣の出席を求めた節にこれを行うということにして一応今日の質疑をこの程度で打切つて、若し午後から出られるということでしたならば午後に一つ議題にして頂く、こういうことにしたらどうかと思いますが、若しそれが午後不可能でしたならば次の議題にする、こういうことに取扱つて行つたらと思いますが如何でございましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01119540325/60
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061・竹下豐次
○竹下豐次君 私は大臣にこの問題は理解してもらう必要があると思う。今日までの経過を見まして恩給法の問題については少くとも今まで主管大臣は冷胆でよくないのです、実際に。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01119540325/61
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062・矢嶋三義
○矢嶋三義君 この法律案の賛否に関する本委員会の考え方というものは大体固まつていると思う、で只今竹下委員から主張されている点は御尤もだと思うのですね。すでにこの前の大臣の答弁では余り研究されていないような答弁もありましたし、大臣が出席しないで大事な法案の審議を進めるとか、採決をやるとかいうようなことは委員会の運営についても悪例を残しますので、私は竹下委員の御発言御尤だと思いますので、特に竹下委員も要望されていますから、委員長のさつきお諮りになつた方法で議事を進られんことに賛成いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01119540325/62
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063・小酒井義男
○委員長(小酒井義男君) それでは休憩中に政府のほうに連絡をとることにいたしまして暫時休憩をいたします。
午御零時六分休憩
〔休憩後開会に至らなかつた。〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101914889X01119540325/63
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