1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十九年四月十三日(火曜日)
午前十時十一分開会
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出席者は左の通り
委員長 川村 松助君
理事
剱木 亨弘君
加賀山之雄君
荒木正三郎君
相馬 助治君
委員
雨森 常夫君
木村 守江君
田中 啓一君
高橋 衛君
中川 幸平君
吉田 萬次君
杉山 昌作君
高橋 道男君
岡 三郎君
高田なほ子君
永井純一郎君
石川 清一君
長谷部ひろ君
須藤 五郎君
野本 品吉君
委員外議員 安部キミ子君
国務大臣
文 部 大 臣 大達 茂雄君
政府委員
文部政務次官 福井 勇君
文部省初等中等
教育局長 緒方 信一君
事務局側
常任委員会専門
員 竹内 敏夫君
常任委員会専門
員 工楽 英司君
証人
岩手県一関小学
校教頭 横山 庚夫君
岩手県一関小学
校P・T・A運
営委員 橋本 種仁君
高知県立山田高
等学校長 生永 利正君
高知県立山田高
等学校P・T・
A会長 三木 秀雄君
北海道根室中標
津町長 横田 俊夫君
北海道教職員組
合副委員長 星野 健三君
北海道武佐中学
校P・T・A副
会長 清原庄太郎君
元山口県教職員
組合委員長現山
口市大殿中学校
教諭 綿津 四郎君
山口県教育委員
会教育長 野村 幸祐君
岩国市愛宕小学
校P・T・A会
長 藤岡 武雄君
岩国市教育委員
会委員 丸茂 忍君
山口県安下庄町
教育委員会教育
長 原田 弌雄君
山口県安下庄町
小学校P・T・
A副会長 山本 保夫君
山口県安下庄高
等学校P・T・
A副会長 村上 義晴君
山口県安下庄小
学校長 安本 薫君
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本日の会議に付した事件
○義務教育諸学校における教育の政治
的中立の確保に関する法律案(内閣
提出、衆議院送付)
○教育公務員特例法の一部を改正する
法律案(内閣提出、衆議院送付)
(右二件に関し証人の証言あり)
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/0
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001・川村松助
○委員長(川村松助君) 只今から文部委員会を開会いたします。昨日に引続き義務教育諸学校における教育の政治的中立の確保に関する法律案及び教育公務員特例法の一部を改正する法律案の両法案について証人各位から証言を求めます。文部委員一同を代表いたしまして一言本日御出席の証人の各位に御挨拶を申上げます。目下当文部委員会におきましては義務教育諸学校における教育の政治的中立の確保に関する法律案及び教育公務員特例法の一部を改正する法律案の両法案を審査中でございますが、この法律案に関連して文部省当局が当委員会に提出した資料、偏向教育の事例につきまして、その信憑性に関し証人を喚問してその証言を聴取いたすことに決定し、本日各位の御出頭をお願いいたしましたところ、御多忙中遠路わざわざ御出頭下され、厚く御礼申上げます。
只今から証言をお聞きまするのでございますが、議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律により、証人各位に宣誓をお願いいたすことになつております。宣誓に入ります前に証人各位に御注意を申上げます。若し虚偽の証言を陳述したときは、議論における証人の宣誓及び証言等に関する法律第六条によりまして「三ヶ月以上十年以下の懲役に処する。」罰則があり、又正当の理由なく宣誓若しくは証言を拒んだときは、同法第七条によりまして一年以下の禁錮又は一万円以下の罰金に処せられることになつております。この点御注意申上げておきます。但し民事訴訟法第二百八十条(第三号の場合を除く。)及び第二百八十一条(第二項第一号及び第三号の場合を除く。)の規定に該当する場合に限り、宣誓又は証言若しくは書類の提出を拒むこともできます。これも合せて御注意申上げておきます。念のためにこの民事訴訟法第二百八十条の該当部分を朗読いたします。
第二百八十条証一、肖カ証人又ハ左三掲クル者ノ刑事上ノ訴追又ハ処罰ヲ招ク虞アル事項、二関スルトキハ証人ハ証言ヲ拒ムコトヲ得証言カ此等ザノ者ノ恥辱二帰スヘキ事項ニ関スルトキ亦同シ
一 証人ノ配偶者、四親等内ノ血族若ハ三親等内ノ姻族又ハ証人ト此等ノ親族関係アリタル者
二 証人ノ後見人父ハ証人ノ後見ヲ受クル者
次に民事訴訟法第二百八十一条の該当部分を朗読いたします。
第三百八十一条 左ノ場合ニ於テハ証人ハ証言ヲ拒ムコトヲ得
二 医師、歯科医師、薬剤師、薬種商、産娩、弁護士、弁理士、弁護人、公証人、宗教又ハ祷祀ノ職ニ在ル者又ハ此等ノ職ニ在リタル者カ職務上知リタル事実二シテ黙秘スヘキモノニ付訊問ヲ受クルトキ
前項ノ記定ハ証人カ黙秘ノ義務ヲ免セラレタル場合ニハ之ヲ適用セス
以上であります。宣誓の順序はお手許に配付してあります証人名簿の順にお願いいたします。総員起立を願います。
〔総員起立、証人は次のように宣誓を行なつた〕
宣誓書
良心に従つて真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。
証人 横山 庚夫
宣誓書
良心に従つて真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。
証人 橋本 種仁
宣誓書
良心に従つて真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。
証人 生永 利正
宣誓書
良心に従つて真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。
証人 三木 秀雄発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/1
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002・川村松助
○委員長(川村松助君) 御着席願います。
証言の内容については、証人各位には、参議院議長からすでに送付してあります証人の出頭を求める通知と、それに添付した件、即ち文部省から提出した資料、偏向教育の事例につき御証言を願います。
本日は多数証人の御出頭をお願いいたしておりますので、時間の関係もあり、証言時間は大体お一人八分以内で御証言願います。
なお各委員に申上げますが、証人のかたに対する御質疑は、各事例毎の証人各位の証言が全部終りましてからあとで、お手許に配付しております時間の範囲内においてお願いいたします。それでは横山恩夫君から御証言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/2
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003・横山庚夫
○証人(横山庚夫君) 証言に当りまして私の身分を申上げます。
私は岩手県一関市社一関小学校教頭の横山庚夫であります。前歴を簡単に申上げますが、私は教職の経験を三十六年持つております。現在年令は四十六歳、昭和三年より終戦の翌年の昭和二十一年百二月まで、連続十八年間一関小学校に勤務し、その後地の二つの小学校に亘つて学校長を五ヶ年、昭和二十六年より現有校に教頭として勤務しております。
証言を申上げます。このたび文部省から提出になりました偏向教育の事例は次のように出ておるわけであります。岩手県一関市一関小学校においては、同校卒業式行事打合せ職員会議の席上、一教員が君が代斉唱に反対し、我々は天皇のためになるような人間を造るために教育に携つているのではない。一体君が代を歌わせるなどといつてどんな人間像を求めて教育しているか、そんなことを言うものはすでに教育者たる資格がないものであると強硬に反対意見を述べたと、こうあります。
このことにつきまして、当時の職員会議の状況を申上げます。今から約一年前のことでありますが、職員会議は昨年の二月二十六日木曜日の午後三時に開会されまして、午後の五時に閉会しております。その職員会議の協議事項を申上げますと、要点だけ申上げますが、一番初めに三月の行事について、三番は交換授業について、三番は卒業生、終了生の成績の判定会について、四番目は学校給食について、五番目は新年度を迎えての養護学級対策について、六番目は卒業式、終業式に関して、七番は冬期間使用した暖房用具の始末について、次に八番でありますが、懲戒の在り方について、九番目は雛祭りのこと、十番目は連絡事項でありますが、学校長から給食費納入の督促について、工具部から校舎保存のこと、教室の修理のこと、衛生関係用具のこと等の連絡事項があつて、当日職員会議が終了したわけであります。
問題の卒業式式次第がどのように行われたかということについて申上げます。この卒業式の式次第は先ほど申上げましたように、協議事項の中ほどにあるわけでありますが、校務分掌の生活部という部から卒業式の式次第に入れる、いわゆる卒業式当日に歌う歌をどうしたらいいか、そうしてその案としまして四つの歌が出たわけであります。一つは螢の光、次は仰げば尊しの歌、それから三番目は君が代、四つには校歌、結局提案になつたのは四つの歌ということになります。それでその歌のことについての審議の経過を要点をつまんで申上げますと、学校の行事としての卒業式であるが、何がいいのであるか、卒業式にふさわしい歌を選びたいものである、そういうのでありますが、仰げば尊しの歌、螢の光は昔から歌つて来ている。で、この二つの歌については、全員承認されて通つたのでありますが、次に、君が代と校歌の歌について二つとも歌うか、或いはどちらにするかということであつたのでありますが、その際に、結局校歌を歌うというふうに決定になつたのでありますが、そのことについては、卒業式は学校における卒業生の最後の式である。子供たちに立派な式として印象的にいつまでも残るようなものにしたい。それから歌の組合せのことから、螢の光、仰げば尊し、それから校歌、この三つの次の組合せが非常に適当である。それから全体のまとまりとしても、この三つの歌がよろしい、校歌は常に歌つておる、練習の度合もできておるので特別に練習するというような必要がない。そういうことで校歌を歌つたほうがよろしい、そういうことになりまして決定したわけであります。この職員会議に学校の最高の責任者である校長がおりましたことは、その通りでありまして、校長先生の意見も十分述べられてこのようになつたはずであります。問題の、文部省で出しておる強い発言ということについては、全然事実がないのであります。私は当日司会者として卒業式に関することだけでなしに、会議全般に亘つて司会をしたのでありますので、責任を以てその点を強調できます。
この偏向教育ということでありますが、実は私たちは、一年も前のことであり、四日の東京新聞に発表になつて、偏向教育の事例として一関小学校という名前が出ておるのを知つて、本当に驚いたわけであります。何が偏向教育であるのか、思い当ることがなかつたわけでありますが、当日各新聞の記者のかたぞれがおいでになつて、一体偏向教育と思われるようなことがあつたのかないのか、そういういろいろのお尋ねがあつたのでありますが、学校長も私たちもそういうことについて思い当る点がない。一体新聞に載つていることがどういう内容を指しているのであるかわからない。そういう答弁をしおつたわけであります。たまたま当日の午後に朝日新聞社のほうから、実はこういうことであるというようなことを知つて、そういうことが問題になつているのかというようことで、いろいろと調査をして見たわけでありますが、市の教育委員会のほうにお尋ねしても、文部省のほうからそういう調査というようなことがなかつた。県の教育出張所の副所長さんのほうをお尋ねしても、そういうことがなかつた。電話を以て県の教育長さんのほうにお尋ねしたけれども、そうい調査方の依頼がなかつた。そういうわけでありまして、私たちは本当にこのことにつて、ただ驚いたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/3
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004・川村松助
○委員長(川村松助君) 時間が過ぎましたから、あとは質疑で。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/4
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005・横山庚夫
○証人(横山庚夫君) いろいろ申上げたいことがありますが、先ほども申上げましたように、事実がないというようなことを申上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/5
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006・川村松助
○委員長(川村松助君) 次に橋本種仁君にお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/6
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007・橋本種仁
○証人(橋本種仁君) このたび当文部委員会の御指名によりまして、偏向教育の事例として取上げられました一関小学校の君が代事件の証人として出席いたしましたが、ここに出て皆さんの御質疑にお答えすればいいだけと簡単に考えておりまして、何も準備しておりませんでしたので、昨夜私の記憶を辿つて思い出したことを、事実そのままを申上げます。至つて杜撰なのでありますが、その点御了承を給わりたいと思います。
先ず私の職業とPTAの役名を申上げますと、私は岩手県立磐井病院耳鼻咽喉科長として勤務しております。PTAのほうは執行機関であります運営委員会一員として、又第四学年、第三学年及び地区PTAの会一長をさして頂いております。本日は御指名によりまして、個人として私の知つていることをお話申します。
この文部省の事例として取上げられました君が代事件の事例は、すでに皆様資料により御存じのことと存じますが、このことは地元の私たちが一三月四日の新聞におきまして初めて知りまして。而もその内容がどういうものか全然わかりませんで、五日になりまして、某新聞社のほうからこの内容を知らして頂きまして、それで、こういうことに類するようなことが、こういうことが今まで全然見聞したこともございませんで、全く寝耳に水で、まるで原子爆弾の洗礼でも受けたような感じを受けました。よつて六日早朝、PTA会長の招集によりまして、午前九時から運営委員会を開きまして討議し、その席上で、これは職員会議の内容で、職員会議は三階の普通教室で行われまして、学校の先生方以外のかたは誰も参加しておらないはずですので、私たちPTAの運営委員は全然わかりませんので、校長先生並びに横山先生にその席に出て頂きまして事情をお尋ねいたしましたが、その後委員の間で、この件に関しまして、又このほか何か偏向教育になるような何ものかがあつたかどうかについて、或いは昨年の卒業式の当日、この式に参列いたしました父兄の中から、この君が代を歌わなかつたかという問題に関しまして、何らかの意見でも出たかどうかということに関しましてお話合いをし、その卒業式に出たかたも大分ありましたが、そのかたがたも誰もそういうことは知らない。又それで、なお併し、私たちPTAとして調査できる範囲内は限定されておりますが、それでもなお今後調査をして見ようということにしまして、先ず町の父兄たちが非常に動揺しておる。子供たちに重大なる影響を与える。それで父兄に先ず安心させたほうがいいだろうという考えから、一関で発行している三新聞に、父兄の皆様へということで、偏向教育に関するようなことは何もないという広告を委員会名でいたしました。
次に三月八日の夜七時より、PTAの審議機関であります審議委員会を開催いたしまして、運営委員会のとつた措置を説明し、偏向教育として取上げられた事例がどこから出たものであるかについて、PTAとして市教育委員会にも問い合せても、そちらでもわからない。県教育委員会のほうに問い合せても、わからないということにお聞きしたので、その結果を報告いたし、この件を審議いたしましたが、全員ともいずれも事実無根を発言し、而もこれは学校に関する重大なる問題であるから、すぐ臨時総会を開催すべきであるとの決定をみまして、十日の日の夜、臨時総会を開くことと決定しました。
ところが十日の日に、衆議院の文部委員の調査団のかたが参られまして、市教育委員会でいろいろ御調査になられました結果、やはりこういう一関に関する限り、そういう偏向教育とはどういうことかわかりませんが、調査団のかたがたはそういうことは何もない至つて朗らかなものであるというようなお話でお帰りになられました。
その夜臨時総会を開きまして、再びこの問題を検討いたしましたが、全員事実無根として、直ちに文部大臣にこの資料を取消して頂くよう、次のような抗議文を参会者の父兄側から三名の起草委員が選ばれまして作成し、そのうち二名の起草委員が、これを持参して、十二日の衆議院の文部委員会終了後、その席上において文部大臣に手交いたしたとのことでございます。
又その十日の夜、帰京される調査団のかたがたに対しましては、私ほか二名が総会の席上から指名せられまして、すぐ駅頭に参り、総会の決議により、事実無根であることを申上げた次第でございます。大臣宛の抗議文の内容は、ここに書いてこれだけは持つて来たのですが、時間の都合であとでお読みします。
又十五日の日に、上京して抗議しました代表たちの報告会で審議委員会と運営委員会の合同委員会の下に報告されましたが、その節調査団も、一関に関しては事実無根であるということを、はつきり証暮して下さつたそうですが、ただ一議員のかたが、この抗議文は一週間前に作成されたらしいという話を聞いたというお話をされたそうですが、十日の一週間前というと、三月四日になります。三月四日といいますと、私たちが漸く新聞でこの件を承知いたしただけでありまして、何らそれに対してどういう問題であるかもわらずに、ただ皆で心配しただけの話でございましたので、そういう事実は全然ありません。このことと、而も抗議文は当夜、先ほど挙げました三名によつて作成されたものでありますことを、改めて私個人としても強調いたす次第であります。
なお一関小学校は、八十年の輝やかしい歴史を持つておりまして、この間に二度も人から後ろ指を指されるようなことは、一回もやつておりません。而も我々は昭和二十二年、二十三年の大水害で、あれほどの破損を受けました学校を、水害で備品の一切を流された学校を復興するために、我々PTA全員ば先生と一体になつて頑張つて設備をしました。それに対しましてこういう汚点をつけられましたことは、非常に残念に存ずる次第であります。
なお只今抗議文の内容を申上げます。
抗議文
一関小学校PTAは、結成以来子供たちの幸福のため父母教師一体となつて教育を推進して参りました。この間昭和二十二年二十三年の大水害による学校教育全般の損失については、特にPTA独自の立場からその復旧と改善に努力し、その成果については万人の認めるところであります。
然るに今回図らずも文部省において作成した偏向教育資料の事例の中に一関小学校が挙げられているということについては全く寝耳に水の出来事であります。
学校当局が事実無根と発表し、又一関市教育委員会も偏向教育の事実なしと報告し、加えて本日来関の衆議院文部委員の調査団も一関小学校事件については事実は認められないと口を揃えて明確に断言しております。従つて我々はこの事実無根を信ずるものでありますが、更にこれらの証言を待つまでもなく、常に学校と不離一体の関係に立つて進んで来たPTAとして独自の立場から、各級機関において調査検討をした結果、このような文部資料は断然否定すべきであるとの結論に達しております。
このことが新聞紙上に発表されるや、父兄の動揺は勿論のこと、それにもまして憂慮されるものは教職員一同が不安と動揺の中に日々を過ごし、やがてこのことが我々の子弟教育の上に大きな影響を与えるということであります。
我々は事の重大性に鑑み、本日臨時総会を開き、その総意に基きここに子供の幸福をひたすら念願する余り、あえて文部省の偏向教育の資料事例中、一関小学校の件については絶対に承認することができないことを決議し、右資料の撤回とその発表を要求いたすものであります。
昭和二十九年三月十日
一関小学校PTA臨時総会
こういう抗議文を文部大臣に差上げてあります。
私の証言は先ずこれで終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/7
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008・川村松助
○委員長(川村松助君) これを以て岩手県一関小学校関係の証人のほうの証言は終りました。
各委員のほうで御質疑のおありのかたは質疑願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/8
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009・高田なほ子
○高田なほ子君 只今お二人の証人によつて全くこのことは事実無根であるということが完全に立証されたわけであります。私は一関市に最近参りましたが、たび重なる洪水後の復興について教職員並びにPTAのかたがたが誠に涙ぐましい御努力をされている。そうして又教育者なり、PTAのかたぞれのことも十分に把握しておりますので、只今の御証言については特段に疑義を以て御質問申上げる内容ではございませんが、ただ一点お伺いしたいことは、この文部省が出しました資料は偏向教育の事例という資料でありますが、仮にこのことそれを百歩下つて認めたにしても、教員が一つの問題に対して強硬な反対意見を吐くということは、何らこれは偏向教育の事例と関係のないことであります。教員が一つのことに対していろいろの意見を言うことは当然あり得べきことであつて、私はこういう意見を用いないような教員こそは、いろいろの場合にも意見を言えないような教員こそは誠に無為無策なものであるという観点を持つものであります。
そこで教頭先生にお伺いしたいのですが、こういうことが事例として挙げられて参りますと、先生方が意見を言わなくなつて来るんじやないかと思う。反対意見を述べたことが、これはないことであるけれども、教員が意見を述べたということが一々へ様の前に出されたり、甚しきにいたつては国として問題になるようなことに発展して来た事例に一関市が挙げられて来ると、先生方はこれによつて私は非常に萎縮するんじやないかと思います。先生方はそういうことについて憂えを持つておられるんじやないか。又は学校並びにPTAとしては教員がものを言わなくなつてしまうんじやないか、というような点についてはどういうようなお措置をおとりになつていらつしやいますか、お伺いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/9
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010・横山庚夫
○証人(横山庚夫君) 偏向教育の事例が発表になつた直後、このことについての職員会議を二度ばかり開き、その後学年も終了に近くなりますので、二、三度会議を開き、新年度を迎えていろいろの計画体制の確立のために種種の会議を持つたのでありますが、非常に先生の意欲というものが、教育に対する熱情を欠くような結果になつているのではないかというような点が窺われます。これは非常に現場として重要なことでありまして、学校長とも種種心配し、相談をしているのでありますが、何とかして一日でも早くこの点を明らかにして、明朗な気持で新年度に取付きたいということから、差当つてこの事例の事実無根というようなことを知つて頂きたい、そういうようなことになつているわけであります。要点は外れたかも知れませんけれども。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/10
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011・高田なほ子
○高田なほ子君 その点について若しPTAのほうでも御意見があれば。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/11
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012・橋本種仁
○証人(橋本種仁君) PTAとしましては、この問題で先生がたが非常に萎縮され、子供の教育に重大なる影響を来たすのじやないかという心配の下に、而もこの総会の席上、先ほど申上げました三月十日の席上で、参会しました父兄全員が、こういうことは実際ないのだから、先生がたは是非こんなことを気にかけないで子供の教育のために邁進してもらいたい、大きな気持で自由に発言して下さい、そういうふうに申上げた次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/12
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013・高田なほ子
○高田なほ子君 誠に私は有難い思いがいたします。君が代を歌うなどということは何ら強制的なものでも何でもないのでありますので、こういう問題が中心になつて先生がたが暗い気持になられたということについて私も共に憂える一人であります。
第三点にお伺いしたいことは、この文部省の資料の中で問題になるのは職員会議の、これは事例はないのですけれども、職員会議の席上のことが出ておるのですね。この職員会議の席上ということになつて参りますと、これは教員だけが参加しておる会議でありますから、その会議録か何かがあつて、それが外へでも出されておるようなことがあるのではないかという私は心配をするのです。なぜかと言うと、文部大臣はこの資料の出場所を言わないのです。どういう方法で調査したかということを言わない。そこで念のために伺いたいのですが、職員会議の会議録なんかの処理はどういうふうにしていらつしやいますか、学校側の御意見を間かせて頂きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/13
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014・横山庚夫
○証人(横山庚夫君) 職員、会議録の記録者がきまつておりまして、それを私が責任を持つて保管しておるわけでありますが、その整理したものを学校長にお見せして御印を頂いておるというようなことで、会議録がほかのほうに洩れたというようなことはないわけであります。今日も持つて来ておりますが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/14
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015・高田なほ子
○高田なほ子君 有難うございます。結構です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/15
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016・木村守江
○木村守江君 いろいろ御証言を頂きまして有難く拝聴いたしましたが、以下数点につきまして横山先生にお伺いいたします。
あなたの学校で卒業式に君が代を歌わなかつたということは事実でございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/16
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017・横山庚夫
○証人(横山庚夫君) そうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/17
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018・木村守江
○木村守江君 私から今更申上げるまでもなく卒業式というのは新入学式と同じように生徒にとつては一生一代の大きなお祝い日だろうと考えておりますが、あなたはどう考えますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/18
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019・横山庚夫
○証人(横山庚夫君) 一生一代の大きなお祝いだということは私も同感であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/19
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020・木村守江
○木村守江君 只今あなたがお答えになつたように私も卒業式はこれは児童、生徒にとつては一生一代の大きなお祝い日であると考えております。そうしてあなたは一体君が代というものが日本の国歌であるということを承知しておりますか。(「国歌であると規定してない」「国歌だよ」「国歌でないとも規定していない、国歌であるとも国歌でないということも規定してないから国歌だよ」「国歌と規定しておるか」「雑談をおやめ願います」と呼ぶ者あり)お答えを願います、簡単ですから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/20
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021・横山庚夫
○証人(横山庚夫君) 国歌であるというように思つておるか、思われておらないかということでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/21
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022・木村守江
○木村守江君 そうです。簡単に。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/22
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023・横山庚夫
○証人(横山庚夫君) 君が代につきましては私は現在の憲法下の国の状態からしてふさわしくないのではないかというふうに思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/23
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024・木村守江
○木村守江君 わかりました。あなたの思想がわかりました。私はちよつとあなたに申上げますが、日本はポツダム宣言によつて占領中は国歌である君が代、国旗である日の丸を掲載してはいけない、併し独立後においては日本の国歌であり、日本の国旗であるものを掲揚して差支えないことになつたのはこれは独立の象徴です。而も文部大臣が祝日には国歌を斉唱し国旗を掲揚することが望ましいという通達を出したことを知つておりますか。(「それは個人の意見だよ」「個人じやない」「見解の相違だ」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/24
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025・横山庚夫
○証人(横山庚夫君) 昭和二十五年の十月の十七日に出ていることを知つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/25
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026・木村守江
○木村守江君 あなたは知つておりますが、それをどういうふうに考えております。(「命令じやないよ」と呼ぶ者あり)先ほど言つたようにいわゆる君が代は現在の日本の状態にはふさわしくない、新憲法下にはふさわしくないからやらないのだというように考えておりますか。簡単に。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/26
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027・横山庚夫
○証人(横山庚夫君) 新憲法下の現在はふさわしくないと前に申上げましたが、さらばといいまして別の国歌はないわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/27
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028・木村守江
○木村守江君 それでどうなんです。簡単に。(「もつと紳士的に聞きなさい」「高圧的だよ」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/28
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029・横山庚夫
○証人(横山庚夫君) 国歌があるということ……、ほかにないものですから……、(「学校の先生は気が弱いのだから静かに聞いてあげなさいよ」と呼ぶ者あり)国歌にふさわしくないと思つつておりますから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/29
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030・木村守江
○木村守江君 わかりました。
それではあなたにお伺いしますが、日教組の中に共産党のグループがあります。その大きな闘争方針として(「共産党は合法政党だよ」と呼ぶ者あり)君が代、日の丸というものを否定する闘争方針がありますがそれを知つておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/30
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031・横山庚夫
○証人(横山庚夫君) そういうことは私は存じておりません。全く知らないのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/31
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032・木村守江
○木村守江君 ちよつと橋本さんにお願いしますが、子供の最も意義あるお祝い日に、而も文部省通達としてそういう日には君が代を歌わせることが好ましいというような文部省の通達、いわゆる教育の一つの指導方針だと思うのです。そういうことがあるのに、而も共産党の日教組のグループが国歌、いわゆる君が代を否定しているというような方針を掲げているときに、そういうようなあなたの学校での、取扱い方は好ましい方法と考えますか。(「何を言つてるんだ」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/32
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033・橋本種仁
○証人(橋本種仁君) 今の問題、私ははつきりわかりませんが、第一点は君が代を歌わせていいかどうかということをお聞きになつたのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/33
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034・木村守江
○木村守江君 いや、それはPTAであなたは学校に関係して……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/34
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035・橋本種仁
○証人(橋本種仁君) 君が代は一月一日の四方拝の日に私の小学校で歌つております。子供たちにも教えております。その歴然たる証拠は中学校の入学式にはつきりと歌つております。若し教えていなければ歌えないはずだと思いますが、ぎれいに歌つております。「ただ卒業式に歌わなかつたというのは、これはPTAとして私発言申上げますが、いつの式も長いものですから、式辞などが多くあつて時間がかかります。そのために子供のうちに卒倒するものが多くなつて参ります。これは医者の立場としてこういう式の在り方は駄目だ、時間を短かくしろ、そのために式辞も二人か三人にしろ、君が代とか何とかということでなしに歌も短かくしてくれということを発言しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/35
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036・木村守江
○木村守江君 今橋本君のお話を聞きますしと、これは学校の生徒は君が代を知つているから一月の四方拝でもやるのだ、入学式でもやつているのだということを言つておりますが、小林信一という日教組の関係のある衆議院議員、この人の報告掛には、これは一関の校長先生の話で、君が代は子供が熟練していない、そのために卒業式には歌わないのだという証言をいたしております。あなたは君が代は子供が熟練していないから歌わないのだというようなことで、それでいいと考えるか、簡単に言えばいいんです、どうぞ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/36
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037・橋本種仁
○証人(橋本種仁君) もう一回……。ちよつと意味が掴めないのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/37
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038・木村守江
○木村守江君 小林信一という日教組に関係のある衆議院議員が一関小学校に実地調査に参りまして、そのときに校長先生の言として、君が代を歌わなかつたのは子供たちが君が代を熟練していないので歌わなかつたのだと言つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/38
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039・橋本種仁
○証人(橋本種仁君) それは熟練……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/39
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040・木村守江
○木村守江君 それがいいか悪いか言
つて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/40
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041・橋本種仁
○証人(橋本種仁君) いいか悪いかといつて、これは前から言わなければ返答できません。それは君が代そのものに熟達していないということもあり得るでしようが、先ほど申しました通り、式があまり長くなるということで学校のほうで歌をやめたために君が代を省いただけで、それ以外に何も他意がないわけです。そういうふうに取上げていいか悪いか、これは私はお答えできません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/41
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042・木村守江
○木村守江君 これはあなたに理由を聞いておるのではありません。それは校長先生が理由を述べている。それをあなたはいいと考えますか、悪いと考えますか、あなたの考えを聞いているのです。わからなければいいですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/42
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043・橋本種仁
○証人(橋本種仁君) 答えろといつて、人の考えまで私は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/43
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044・木村守江
○木村守江君 いずれにしても君が代は児童があまりよく知つていない。それから君が代は新憲法下においては歌わせることがあまりふさわしいと思わないというのが一関の学校の指導方針の一つの現われである、こう認めても差支えありませんね。そう認めます。(傍聴席より発言する者あり、「傍聴人、黙つてろ」、再び傍聴席より発言する者あり、「委員長、退場を」「何だ、何だ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/44
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045・川村松助
○委員長(川村松助君) 御静粛に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/45
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046・木村守江
○木村守江君 ちよつとお聞きしますが、これは先ほど卒業式の式次第をきめる場合に職員会議を開きましたね。そのときに職員会議で君が代をやるかやらないかということについて議論したということをあなたが先ほど申されました。その先ほど申されました議論の中に君が代はやめようというのは、今校長先生の証言のように、熟練していないから、或いはあなたが先ほど言つたように……(「それ一つの理由でやめたのじやない、読みなさい、速記録を」と呼ぶ者あり)黙つてろ。(「何が黙つてろか、間違つているから注意してやつているんだ」と呼ぶ者あり)私が……そういうふうに卒業式に学校の印象を与えるために校歌をやろう、君が代はやめようということを言つた人もあるでしよう、併しそのほかにあなたがここで申しましたように新らしい憲法下においては君が代はふさわしくないような感じがするというようなことを申されました人がありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/46
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047・横山庚夫
○証人(横山庚夫君) この事例に現われておるようなことに近い発言をされた人がありますかということですが、近いとか遠いとかいうことでありますが、これ私どういうことを話になつておるかわからないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/47
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048・相馬助治
○相馬助治君 私は議事進行上委員長に協力する意味で次のことを申さして頂きたいと思います。それは今の質問を受けて証人は答弁に窮しておる、それは高橋委員が取り上げた衆議院の速記録のピツクアツプが意識的でないと思いますけれども、極く一部に限られておるために、その真意を把握することに苦しんで横山君は答弁に困つていると思う。そのことだけを私は私の会派の持時間を潰されても結構です。私は議事進行上そのことに触れて発言を許してもらいたいのです。木村委員の質問を補足さしてもらいたい。よろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/48
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049・川村松助
○委員長(川村松助君) 木村君差支えありませんね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/49
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050・木村守江
○木村守江君 私の時間は保留しておりますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/50
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051・川村松助
○委員長(川村松助君) ええ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/51
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052・相馬助治
○相馬助治君 第一コバヤシシンと申しておりますが、それは間違いで小林信一君であります。無所属の衆議院議員、言うておりますことは君が代はまだ余り熟練していないという言葉はありますが、それは唐突に出て来ておるのではなくて、読みまする。「校長さんの言うところには歌は何を歌うか、校歌を歌おう、それから「仰げば尊し」を歌おう、「ほたるの光」も歌おう、「君が代」はどうしようか、「君が代」はまだあまり子供が熟練していないし、ほかにたくさん歌があるんだから、よそうじやないか、というような話合いはあつた、こういうのが事実らしいのでございます。」そうしてずつと来て校長が「その間の事情を職員等に聞きただしたところ、そういう論議は全然なかつた」、いわゆるこれは偏向教育に上げている論議は全然なかつた、こういうふうにその日の事実については話合つているのでございます。それからずつと述べて「一関小学校というのは一ノ関に八つある学校の中で一番いい学校で、」云々と述べて、この学校においてはさようなことはあり得ないということを陳述しておる中の一つの言葉であるのであつて、一つその点を木村さんも十分補足されて質問をやられるように特にお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/52
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053・木村守江
○木村守江君 ちよつと関連して、これは相馬君が今申しましたが、この職員会議で校長がちやんといるのですから、その人がそう発言しておるのですから、ほかの人があとからそうでないと、問題が起つてからそうでないということをきめたとも考えられるのです。このことを私の言うことが、いわゆる相馬君の言うように、これは関連しているから何ら関係のないということは言えないのではないか。特に横山証人はこれは校歌は熟練しているが、君が代は熟練していないという証言をしております。暫く私保留します。(「答弁の要なし」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/53
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054・永井純一郎
○永井純一郎君 私は横山先生に簡単にお尋ねをしたいのですが、今木村君から君が代の御質問がありましたが、これは実際はそうあなたは心配をしてお答えになる私は必要ないと思います。これは私どもの考えでは、君が代が国歌であるかないかということに、常識として、我が国のすべての国民が新らしい憲法ができましてから、今迷つておるというのが常識的に言つて普通だと考える。特にあの歌詞が具合が悪いところがやはりあるわけであります。これは文部省は前の天野さんが文部大臣のときにもそういうことは認めておられまするし、又今の文部大臣の大連さんも、そういつたような意味のことを答えられておると思います。そこでこの君が代を歌わなかつたじやないかということを頭から質問して、それが如何にも偏向しているかのような印象を与えようとしておられるのではないと思いますが、そういうふうに受取れるのであつて、これはどこの学校も君が代をどういうふうにしようか、同じ学校でも歌つたり歌わなかつたり、ときによつてやつておるというのが、実情だと思う。これは一番偏向でない私は証拠だと思うのです。迷つておる恰好だと思うのです。ただ文部省がこれを歌うようにしたらどうかということを通牒をいたしておると思いますが、文部省が通牒したからといつて、直ちにそれに従うべきであるというような、又印象を与えようと、盛んに木村君はしておられますが、これは又誤りである。文部省は何らそういう権限はないのは御承知の通りです。これは教育委員会が受取ろうが受取るまいが、PTAなどとよく御相談になりながらやつていかれるという今の横山先生の御答弁になつている態度というものが一番いい態度であるように私は考える。そこで私がお伺いしたいのは、国歌というものがはつきりしておらないので、これを卒業式のときに取上げなかつた、取上げにくかつた、取上げたいとしても時間その他の関係もあるし、ついそういう意味で省いて来たということをPTAの橋本さんもおつしやつておりますが、気持はそういうことだろうと思うのです。その点をお伺いしたいと思うわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/54
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055・横山庚夫
○証人(横山庚夫君) その通りであります。特に職員会議の際に君が代の本質とか、そういつたような、これはこういう歌調はこうで、歌曲はこうで、明治大正の君が代で、新憲法下にあつてこうで、というようなことは、そういう話は一つも出ないのですから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/55
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056・吉田萬次
○吉田萬次君 橋本さんにお伺いしますが、橋本さんは先ほど君が代を唱うという時間を省くということで、ほかのものに非常に長時間かかるから、君が代を省くといようにおつしやつたので……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/56
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057・橋本種仁
○証人(橋本種仁君) そういうことを言いません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/57
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058・吉田萬次
○吉田萬次君 そうおつしやつたと私は……これは速記録を見ればわかりますが、そうおつしやつたと私は思います。君が代は非常に長く時間がかかると解釈してよろしうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/58
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059・橋本種仁
○証人(橋本種仁君) これはその、君が代を歌う時間が長いからというのではなくて、先ほど申上げましたが、式全体が祝辞などで長いから、祝辞も縮めろ、歌のほうも成るべく少くしてくれ、そうして生徒たちの体を疲らせないことを私は医者としての立場から学校に申上げたのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/59
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060・吉田萬次
○吉田萬次君 私も医者ですけれども、君が代を唱うのにそれほどの時間がかかるとは考えません。これはこれでよろしい。横山さんにちよつとお伺いいたしますが、文部大臣の通牒がありまして以来、今年あなたは君が代を歌わせましたか、歌わせませんでしたか、それだけ。今年の式に歌わせましたかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/60
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061・横山庚夫
○証人(横山庚夫君) 今年の式と言いますと……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/61
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062・吉田萬次
○吉田萬次君 卒業式です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/62
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063・横山庚夫
○証人(横山庚夫君) 卒業式には歌つておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/63
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064・吉田萬次
○吉田萬次君 歌つておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/64
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065・横山庚夫
○証人(横山庚夫君) 歌つておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/65
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066・吉田萬次
○吉田萬次君 それで結構です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/66
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067・荒木正三郎
○荒木正三郎君 私は二人の証人によつて文部省の出している資料が間違いであるということをはつきりいたしましたので、これ以上お尋ねする必要はないと思われるのでありますが、ただ念のために申上げたいと思うのですが、先ほどの質問を聞いていると、君が代は歌わなければならないものだ、これを歌わなかつたら偏向しているのだというふうな考えにとれるようなふうな質問の仕方であつて、私は非常に心外に思つております。文部省が通牒を出したということでありますが、この通牒自体についても私は問題にすべき点があると思います。(「その通り」と呼ぶ者あり)今日何人といえども式日に際しても、或いは卒業式においても、この歌を歌わなければならないと言い得る人はないはずであります。これは学校の先生がおきめになつて差支えない問題である。それ以上のことは法律でも規定はしておらない。然るにもかかわらずそういうふうな、国歌であつて歌わなければならないというふうな問い方に対しては私は非常に心外に患いますので、これを附加えておきます。そこで今日の証言で事足りるのは、私はこのことが事実であつても、これが教育基本法にいう一党一派に偏した教育とは思いません。これはお尋ねするまでもないはつきりしていることですから、お尋ねしません。ただここで、はつきり念のためにお尋ねしておきたいのは、君が代を歌わなかつた、そのことについて我々は天皇のためになるようなへ間を造るために教育に携つているのではない、これもその通りなんですが、そういう論議はされなかつたか、されたかということだけですよ。私は先ほどされないということを証言なさつたので、それで十分であると思いますが、そのよう事実はないのか、念のためにお尋をしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/67
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068・横山庚夫
○証人(横山庚夫君) 先ほども申上げましたが、そのような話は行われなかつた、そういう話をした先生がないということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/68
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069・荒木正三郎
○荒木正三郎君 私は私の考えとしては、文部省がこういう事例を偏向教育として挙げた自体の責任は重大であると思います。あなたがたが先ほど要望されたように、この責任は飽くまで追及いたします。そのことを証人にお伝えして、私は質問をやめます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/69
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070・須藤五郎
○須藤五郎君 君が代を歌つたか歌わなかつたかということで問題が起つておりますので、私はこの際各委員の話に附加えてこの席上で明らかにしておきたいと思うことは、これは私は曾つての文部委員会において大達文相と私はこの問題で質疑をしたことがあります。そして私は主権在民の憲法下において君が代が望ましいものかどうかということを質問したのに対しまして、文部大臣ははつきり答弁しているのです。今日の憲法に照らして好ましからざる言葉があるということをはつきり言つているのです。それは君が代という言葉が好ましくないということです。ここに文部大臣がいらつしやいますが、これはちやんと委員会の記録に残つておるのですから明らかでありますが、憲法上好ましくないという言葉があるということをおつしやつている。そこで私は憲法上好ましくない言葉がある君が代を歌うことは好ましいということはどういうことか、と言つて質問したことに対しまして、君が代を歌わすことは愛国心を涵養することになるから好ましいのだ、という御答弁だつたのです。そこであなたの言う愛国心というのはどういうことですかというので、愛国心が問題に入ろうとしたときに、ほかの委員からいろいろ御質問があつて、その問題はそのまま尻切れとんぼになつておりますが、ちやんと文部大臣自身が憲法に照らして好ましくない、不適当な言葉があるということを、ちやんと不適当という言葉を使われたのですが、そこにそういう言葉があるのです。憲法を我々は最も尊重しなければならないときに、憲法に照らして不適当な言葉のある歌を文部省が歌うことを望ましいというような指令を出すことは、私は大きな問題があると思つている。そういう歌を学校の先生が歌おうと歌うまいと、私は歌う人に歌つちやいかんという、そこまで私は強くこの際主張しなくても、歌わなかつたからいけないとかなんとかいうことは、これはおかしいと思います。こんなことは不問に付すべきことで、なんら問題にすべきことでないと私は思います。ですから、この君が代を歌わなかつたことが偏向教育だとかいう馬鹿げたことはこの席上で論議する価値のないことだと思うので、この問題は偏向教育でないという断定の下に一応打切つたらどうかと思います。(「冗談言うな」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/70
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071・相馬助治
○相馬助治君 私は今須藤君が言つたことの前段のことは私の関することでありませんけれど、併し今の須藤君の言葉に対して不特定の発言があつて、冗談云々とありますが、これは委員長において明快にされて頂きたい。私は少なくともここで問題にしておりますことは、文部省が偏向教育の事例として挙げたこの事実の信憑性を我々は証人のかたにお尋ねして、その当否をここで決しているわけでございますが、その当否の受取り方は委員によつてはこれはいろいろ違つて来る、これは常識だと思います。そこで併し問題は、この証人喚問が本件に関して目途としたことだけは達せられたと思います。従いまして少なくとも本件に対しては、もうこれに派生した君が代を歌う歌わないという議論は別としても、この目的に合つた答えは出ていると思うのであつて、この件はこれを以て打切り、次の事例に移られんことを希望いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/71
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072・剱木亨弘
○剱木亨弘君 私は高田さんの意見にも又今の相馬さんの意見にも相当共鳴する点があるのでございますが、ただ私どもはこれが偏向教育になるかならんかという問題は、このあとに我々が論議をすればいい問題であつて、今日におきましてはこの事実があつたかなかつたかということを私どもは証人についてお尋ねすればいいと思います。(「常識だよ」「劔木さんともあろう人か」と呼ぶ者あり)そこで私は今証人の発言を聞いておりますと、ここに書いているような事実があつた、若しくはこれに類似する事実があつたという場合においてはこの通りであるということで、自分の学校には偏向教育があると言われると予想されて、この事実を否定されていると、私は一応考えております。その教員会議におきまする論議の過程におきまして、この事実があつたかないかは、これは横山さんなり、教員のかたが知つておられるだけであつて、これをないと断定されても、又あると断定されても、これは教員のかた以外には何も存じないわけでございます。従つてそれがない、あるということは恐らくこれは水掛論であると思います。(「それはおかしい」と呼ぶ者あり)そこで私は先ほどこの三月の八日に会議を開いてこの問題についていろいろやられたということのように聞いたのでありますが、その前後におきまして、日にちははつきり申上げませんが、前後におきまして、教頭のあなたが司会されて、教職員をお集めになつて、この問題については将来その内容については言わないということを教員間において申合せた事実がございますかどうかどうか、その点だけ承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/72
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073・横山庚夫
○証人(横山庚夫君) そういう申合せた事実というのはありません。職員が四十七人おりますから信用ができませんでしたら……(「一人々々に聞け」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/73
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074・剱木亨弘
○剱木亨弘君 詳しく申しますと、私も或る程度の資料を持つているつもりでございます。これについてこの会議の席上におきまして事件の内容についてお話合いになつて、このことが外部に対しては言わないということの申合せをしているというような事実は完全になかつたと、あなたははつきり申すことができるのですか。(「それは国警の資料じやないか」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/74
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075・横山庚夫
○証人(横山庚夫君) 外部に発表しないことというような申合せはしておりませんから、しておらないと申上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/75
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076・剱木亨弘
○剱木亨弘君 このことは私も実ははつきりした、ここで、私としては相当な正確性を持つていると思いますけれども、はつきりした事実を明確にする、今、現段階に立至つておりません。併しあなたがこれは三月の八日の前後におきましてこのことを会議の席上でお話合いになつたという事実はなかつたという証言だけは明確にもう一回言つて下さい。そしてこの事実をはつきりいたしましたときには、その事実については一つ責任を持つて頂くことをお願いします。(「当り前だよ」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/76
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077・横山庚夫
○証人(横山庚夫君) 何遍ものお尋ねでありますが、そういうことはありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/77
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078・岡三郎
○岡三郎君 大体主要点はこの資料の中にあるわけでありまして、今剱木委員が言つたように、若しもそのようなことがあつたらあなたのほうから正々堂々と、あるかないかわからんようなことを言つて証人に質すということは、これは私はやはり証人を馬鹿にしているというふうにもとられるのです。で、私はその範囲内において若しも嘘を言つていたなら証人は宣誓をしているのだから、その通りにあなたが言えばいいので、何とかかんとかわからんことを質問して時間をとられることはいけないと思う。そこでここではつきり私のほうからもう一遍お伺いしますが、つまりいろいろな問題があつたようなないような、こういうふうな状態でこういう偏向教育の事例というものが文部省という権威ある筋から出されて来ているというところに本文部委員会の問題があつて、わざわざ証人のかたを遠くからお呼びするという次第に相なつたわけであります。その根本的な責任は文部大臣にあるわけですが、文部大臣はこの出所及び調査方法を言わない。我々はその点について更に我々が望むところは、今までの各事例については自由党のかたぞれその他から反対証人をお呼びになつているけれども、この一関の問題については反対証人がないわけです。こういう点について私は本当は反対証人に会つたならば、反対証人に大きく質問して行きたいと思うけれども、あなたのほうで反対証人がないわけです。(「なくてもいい」と呼ぶ者あり)そういう点で、なくてもいいと言うけれども、これはこの事柄自体はこれは事実無根のことであるというふうに私はとれるというふうにも思つているわけです。そういう点で私はこれ以上この問題について言う必要はないと思う。あつたならば堂々とあとの文部委員会でおやりになつたらよろしい。私も大いにこの一関の問題については文部大臣の責任を追及すると共に、劔木さんのあの言葉については大いに追及するつもりなんです。だからこの問題についてはこれ以上私は質問はいたしません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/78
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079・須藤五郎
○須藤五郎君 もう一点私は伺つておきますが、昨日の委員会におきましても岐阜の恵那郡の問題などは全く事実無根のことで、煙もない所へ煙を立たせているような状態なんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/79
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080・川村松助
○委員長(川村松助君) この問題について発言して下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/80
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081・須藤五郎
○須藤五郎君 この問題に関連があるからするのです。今日もこれは全然煙が立たんところに殊更煙を立たしているような点が見えるのですが、私はこういう方法は大体国警関係か又自由党のフラクと言いますか、(笑声)自由党側からの資料によつて判断をしていらつしやるのだろうと思うのですが、皆さんのほうに国警なり何か警察関係から何か問い合せのようなものがなされた形跡があるかないのか、ちよつと伺つておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/81
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082・横山庚夫
○証人(横山庚夫君) 市の警察と国警が市内にあるのですが、そういうことはございません。問い合せのようなことはない、学校の範囲においては。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/82
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083・須藤五郎
○須藤五郎君 PTAのほうにも何か警察官からこういうことが、調査があつたというようなことは父兄の中でも聞いていらつしやいませんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/83
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084・橋本種仁
○証人(橋本種仁君) 私個人は勿論のことほかのかたがたにもお聞きしましたけれども、どこからもそういう調査を受けた覚えはないと申しておりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/84
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085・須藤五郎
○須藤五郎君 そうすると、何らそういう事実もなんにもない所にこういう煙が立つて来るのは、実に故意に自由党フラクシヨンによつてでつち上げられたような感じがして仕方がないのでございます。皆さんはこの問題をどういうふうに考えていらつしやいますか、こういうことが問題にされるということによつて、実に不可思議なことだと思うのですが、どういう意図を以てされたと考えていらつしやいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/85
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086・橋本種仁
○証人(橋本種仁君) ここでこういうことを申すのはおかしいと思うが、私は純正中立の立場でありまして、むしろみんなからは自由党色を帯びていると言われる私です。そのことは、はつきり申上げます。併しどこからもそういうことを言われたこともない、こういうことに対して一切、只今、先ほど申上げましたような証言の通りなんにもございません。実に私のほうから文部大臣にお聞きしたいと思います。この件に関しましてはどこから出たか、それを是非明らかにするようにということをこの間抗議文を持つて上つたのですが、文部大臣からその返答を得られないで、うちのほうの委員が帰つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/86
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087・石川清一
○石川清一君 遅くなりまして、証人の公述は聞かれなかつたのですが、質問を通じ、答弁を通じて感じた点を一応お尋ねしておきますが、一関の学校の卒業式の行事の打合せ会の職員会議のことが問題でありますが、こういうことは終戦後幾回か毎年卒業式の場合に論議が、或いは相談が行われたかどうか、こういう点が一点であります。
次は特に講和条約ができまして、いわゆる日本の独立後において、いわゆる独立国家の国民の一人として卒業生を送り出す場合に、特に改まつてそういう国の独立をしたという上に立つて行事を行うのに論議されたことがあるかどうか、この二点を横山さんにお尋ねをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/87
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088・横山庚夫
○証人(横山庚夫君) 式の度毎に君が代というようなことについて論議したことがあるかどうかというようなことですが、昭和二十五年の十月に文部大臣談話として来たこの精神によりまして、今度の式日には、式というような形式をもちまして、その式日の意味というようなものの目的を達するかどうか、これはそのほかのふさわしい運動会であるとか或いは学芸会であるとか、そういうようなものを行事の中に入れて今度の式日をお祝いするか、というようなことによりまして、いろいろ違うわけでございます。で、考が代を歌うときもありますれば歌わないときもあるというようなのが事実上なんです、私のほうから言うと。
それから第二点のほうですが、先はどどなたでしたかお尋ねがありましたが、独立国民としてのお祝いの式であるからというようなお尋ねがあつたのですが、特に君が代を歌わなければならないとか、そういうことではありませんで、繰返すようですれども、子供の卒業式としてふさわしい式にしたいからというので螢の光、仰げば尊し、その歌のほかに校歌といつたようなものを組合せて三つ歌うという工合にきめたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/88
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089・加賀山之雄
○加賀山之雄君 さつきから伺つていると君が代の論議が大変出ているのですが、私はここで別にその君が代の可否を論じてもしようがないと思うので、ただ横山先生にお聞きしたいのは、卒業式というものは、やはり学校の非常に大事な行事であると同時に、国家的行事とも見ていいものだと思うわけでございます。そこで独立国として私どもこの国旗とか、国歌というようなものは、やはり非常に大切な意義があると思うのでありまして、先ほどから出ておりますように、文部省の、文部大臣からの通達もある。又国民的感情として、そういう大事なときに、私どもも小さいときから卒業式には必ず君が代を歌つて過して来た、こういうあれがあるからかも知れませんが、君が代を歌わない。歌う国歌があるわけですが、まあないというようなことで、これが又子供に余り親しみがないということで歌われないというようなことに対して、何か淋しいような感じをお持ちにならないかどうか。横山先生にちよつとその気持をお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/89
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090・横山庚夫
○証人(横山庚夫君) 歌われないということについて、君が代を歌わないというようなことについての気持というわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/90
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091・加賀山之雄
○加賀山之雄君 何か物足りなさとか、淋しいというような気持は全然ないか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/91
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092・横山庚夫
○証人(横山庚夫君) 特別にそういうような感情はないわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/92
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093・加賀山之雄
○加賀山之雄君 次に、これはほかの学校だから、御存じないかも知れませんが、一関の他の学校におきましては、卒業式なんかでやはり君が代が歌われておらないようでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/93
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094・横山庚夫
○証人(横山庚夫君) 小学校が八校と、それから中学校が三校、計十三校ありますが、三分の一ぐらい歌つておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/94
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095・加賀山之雄
○加賀山之雄君 三分の一は歌つていない……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/95
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096・横山庚夫
○証人(横山庚夫君) はあ、その程度のところは歌つてないようであります、今年。去年まで歌つておりましたが、まあ今年から歌わないというような学校も、まああるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/96
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097・加賀山之雄
○加賀山之雄君 それから先ほどから横山さん、橋本さん、お二人の御証言で、私もこの真相を決して疑うのじやありません。お二人は、はつきりと否定しておられて、而もそれが何と申しますか、無理やりに作つたというようには私全然伺つておりませんが、こういうことが出て来るということは、先ほどちよつと須藤同僚委員からもお話がありましたが、昔から火のないところには煙は立たんと言いますが、何か横山さんなり、橋本さんなり、こういうことが言われるに至つた、まあ確たる事由は勿論おわかりにならんと思いますが、殊に、多少でもこういうことでこういうことになつたのじやないかと思われるという節に思い当ることはございませんか。橋本さんからでも、どちらからでも。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/97
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098・橋本種仁
○証人(橋本種仁君) 私たちには全然そういうことが考えも及ばないことで、何もないものと思つています。全然そういうことは聞いたこともありません。先ほども申上げました通り、卒業生の父兄の間にでも、参列した父兄の間にでもそういう声があつたのかと思つて、まあ参列したかたぞれ、そのほかのかたがたにお聞きしてみたのですが、誰もそういうこともおつしやらずに、今日の式は揃つて簡単でよかつたと、こういうふうに、(笑声)学校の式は簡単にやつてもらうことが望ましいという、父兄側のむしろ要望があつたということだけで、そういう話は何も聞いておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/98
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099・加賀山之雄
○加賀山之雄君 横山さんのほうは如何ですか、今の問題で。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/99
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100・横山庚夫
○証人(横山庚夫君) どういうふうで、というようなことですが、私も実は不思議なわけで、思い当ることはないと申上げるよりしようがないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/100
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101・加賀山之雄
○加賀山之雄君 次に先ほどのあれで、これが出てから非常に先生がたの中に、教育に対する熱情とか、或いは不安が起きて困つているというお話があつたように伺つたのでありますが、具体的に言えばどういうようなことがこの文部省の事例を御覧になつて驚かれて起きたか。それについて、これは簡単でよろしいのですが、一、二の例がございましたら、お聞かせ願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/101
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102・横山庚夫
○証人(横山庚夫君) まあ、例でありますが、職員会議の際のときの発言のようなものが少いということですね。それからまあ正式の会議でありませんけども、毎朝十五分くらいの程度で職員朝会といつたようなものを開いていますが、そういつたようなときにも余りお話が出ない、まあ、事務的なようなことでありますと出ますけれども、それからちよこちよこと職員室で……、方言を申上げてすみませんが、職員室で先生がたのお話をお聞きしてみますと、余り余計なことは言わないほうがいい。それからまあ教室などでも、超過勤務してまでいろいろな仕事をやつて、まあそれで行過ぎだとか、或いはどうだとかいうようなことになると、結局まあ子供が損するのですけれども、自分たちの身にふりかかつて来る。そういつたようなことは出ています。そういうようなお話などは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/102
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103・加賀山之雄
○加賀山之雄君 どうも有難うございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/103
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104・横山庚夫
○証人(横山庚夫君) 大変なことだと思います。(笑声)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/104
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105・川村松助
○委員長(川村松助君) ほかに一関小学校に関して御質疑ございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/105
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106・木村守江
○木村守江君 ちよつと最後にお尋ねしておきますが、横山先生の話を聞いておりますと、この事例のようなことはない。併し横山先生の考え方は、先ほど来数回開きまして了承できましたが、あなたの学校に菅原哲郎という人、おりますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/106
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107・横山庚夫
○証人(横山庚夫君) はあ、おります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/107
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108・木村守江
○木村守江君 ちよつとお聞きしたいのですが、そのかたはどういうような発言をなさいましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/108
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109・横山庚夫
○証人(横山庚夫君) その先生がどういう発言をされたかというようなことを記憶しておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/109
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110・木村守江
○木村守江君 それではよろしうございます。あなたは言えないでしようからね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/110
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111・川村松助
○委員長(川村松助君) これを以て岩手県一関小学校関係は終りたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/111
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112・川村松助
○委員長(川村松助君) 御異議がないと認めます。岩手県一関小学校関係は終了いたしました。
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/112
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113・川村松助
○委員長(川村松助君) 高知県山田高等学校関係に入ります。先ず生永利正君から御証言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/113
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114・野本品吉
○野本品吉君 委員長、議事進行について……。この委員会は証人を通して事実があるかないかということを、極めて謙虚に、冷静にお聞きすることを以て目的としておる委員会であります。従つてその証人からいろいろとお伺いすることをできるだけ細かくするようにするために、私はこの委員会においては委員相互、お互いといたしまして、必要でないと認められるような意見の発表は慎んで、その時間を、証人を通して事実の真否を究明するほうに廻すように、委員長においてお考え頂きたい。(「賛成々々」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/114
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115・川村松助
○委員長(川村松助君) 至極同感でありまして、皆さんの御良識に期待を持つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/115
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116・生永利正
○証人(生永利正君) 私が山田高等学校長の生永利正であります。経歴は昭和三年に大東文化学院を出まして、高知市立の商業学校、高知市立の女学校、高知県の教諭を経まして高知県立佐川高等学校長を昭和二十四年の九月一日から昭和二十七年の三月三十一日まで勤務いたしました。昭和二十七年の四月一日から現在まで山田高等学校長を勤めております。文部省の提出せられました偏向教育の事例によりますと、私の学校の夜間部二年生が云々というのがあります。夜間部二年と言いますと夜間部、定時制の夜間を作りましてから二年生が昭和二十八年に初めてできました。それで私は昭和二十八年の出来事であるとおつしやるのであろうと、そう考えまして証言をいたします。夜間部二年生が校内に「アカハタ」を配り、山田平和委員会準備会の結成を企図しているが、昼間部社会科担当一教員はこれを積極的に援助しているというのでありますが、私が着任以来生徒からも、教員からも、PTA会員からも、教育委員会からも、その他如何なる人からもこういうことが行われておるということを開いたことがありません。又私の目で見たこともありません。文部省の発表で初めて知つて驚いたわけであります。そこで早速全生徒、全職員を調査いたしましたが、いずれもその事実を認めることができません。又噂があつたということも知つた者がありません。私は昭和二十七年、八年と山田町の社会教育委員と公民館運営委員を百委嘱せられておりまして、この会は毎月一回若しくは二、三回ありますが、その席上でもどなたからもこういうことがあつておるという噂話も承わつたことがありません。外部に向いましては新聞社関係、これにお尋ねいたしましたが、新聞社のほうも三月三日の夜、朝日新聞の本社から支局へ偏向教育の事例として山田高等学校事件として出ておるということが入つたが、その事件は県内で誰も知つたものはない。ほうぼう走り廻つて聞いたけどわからんというので、高知新聞社の記者は私のもとへ来て何かあつたのですか、私どもも知らんがとこういう話でしたから、私もそういうことは今まで全然聞いたことがないからわからん、その事件の内容がわからない。こう申しましたら、高知新聞社から東京のほうへ電話をしまして、夜の十二時になつて、内容が、今の二年生が校内に云々ということであるということがわかつたと言つて、朝、私どものほうへ言つて来て下さつたようなわけでして、高知新聞大毎の支局、朝日の支局、読売、いずれもこの事件があつたというようなことは初耳であると言つておりまして、それでそのときには記事になりませんでした。(笑声)ただ事件があつたというだけで、東京から電話で聞くまでは記事もよう書かなかつたわけであります。
生徒の不良化を防止することにつきまして、警察の方と密接な連絡をとつて指導して行つたほうがよいと考えまして、地元の国警のほうとはよく連絡をとつて生徒の不良化防止、善導に力を尽しておりますが、その効果は相当上つております。そういう関係で警察の方とも非常にお心やすいので、警察に何かこういうことをお聞きになつたことがありますかと言つてお尋ねしましたら、そんなことはあなたの学校で一切聞いたことがないが、何かありましたかと逆に聞かれまして面喰つたようなわけであります。地方教育委員会でお尋ねしても、そんなことは聞いたことはないとこう言います。PTA後援会、この後援会と申しますのは、私の学校の創立の折に財的な非常な川援助をして下さつて、創立後十四年間後援会の会長をし、又校医をも兼ねて下さつて、お家が学校の近くにありますものですから、殆んど朝晩顔を合せて、学校のことは自分が学校を生んだのだから育てて行かなければならんというので、一人の生徒がちよつと女の子と遊びに行つておつたというようなことまでも御注意をして下さるような方でありますが、その方も全然知らないと言つて、ここで後ほど読み上げますが、声明書をお作りになつて私に持たされたわけであります。
県の教育委員会につきまして調査いたしましたが、県の教育委員会は指導課におきましても、教務課におきましても、いずれもうそいう噂は聞いたことがないと申します。それでいろいろ私は頼みまして調査してもらいましたが、どこからもそういう事実があつたということを聞かしてくれる所はありません。これを以て文部省の提出しました資料は虚偽のものであると申上げるほかに私は申上げようがありません。
私がただ、これだけ申上げましても、それは自分を庇うために言つておるのではないかと言われますかも知れませんが、私は天地神明に誓つて偽りは申しません。知らんことは知らんと申すほか言いようがありません。それで私が何も品を添えたものでもなく、教員が口添えしたものでもありませんが、この定時制の生徒、即ち私のほうでは、私の県では文部省の示されました通り昼間授業をしておりますものは全日制生徒と言つております。夜間の授業をしておりますものはこれは定時制課程でありまして定時制と言つて、昼間部とか夜間部とかいうような名称は使つておりません。それでこの出所が昼間部とか夜間部とかいうようなことが書いてあることから見ましてどうも私の学校の、高知県の全体の学校の状態というものを余り知らないところから資料が出たのじやないかというようにも考えます。定時制の生徒の出しました宣言文はこれは時間がありませんようでございますから……、定時制に関係のあります教員の宣言で絶対そういうことはないというのであります。定時制の生徒はここに宣言書によつて出ております。生徒全員連署して来ております。それで「私らは現在まで共産主義の宣伝活動を行なつたことがない、私らは共産党の機関紙を配布したことはない、私らは教員より共産主義教育を受け或いは共産主義宣伝活動を要求せられたことはない、右確証する。」、私は自分の生徒、自分の教員を信じなくてどこを信じましよう。私は絶対にこれを信じます。(「その通りその通り」と呼ぶ者あり)そうしまして今申しました後援会長、この方の声明書も「絶対にそういうことはない、地元において偏向教育の噂すら聞いたことはない、後援会長として事実無根であることを証明し、文部省が学校を侮辱し純心な学徒を傷付けたことに抗議し、その撤回を要望するものである。」と結んでおります。(「その通り」と呼ぶ者あり)
なお、全目制の、私のほうの、いわゆる昼間部と出ております、社会科の教員は池本文雄、岡崎実、浅井政範、西願寺守、佐藤良毅であります。このうちの一人がどなたでありますか、資料が出ておれば姓名も挙つておるにずと思います。それ以外にはおりませんから、池元文雄、岡崎実、浅井政範、西願寺守、佐藤良毅であります。そうしまして学校長といたしましても、これは衆議院の文部委員会のはうへは出して頂いたはずと思いますが、私としましては、これに対して詳しい声明書を出しております。これは全部委員長さんのほうにお廻ししたいと思いますから、あとで委員さんの方々は私の申上げました点の足らないところを、これで見て頂きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/116
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117・川村松助
○委員長(川村松助君) 次に三木秀雄君から御証言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/117
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118・三木秀雄
○証人(三木秀雄君) 私高知県立山田高等学校PTA会長三木英雄であります。
あらかじめ経歴を簡単に申上げます。私は昭和四年以来純然たる警察官であります。朝鮮に終戦までおりました。朝鮮で約三年間田舎の署長を務めておりました。終戦後帰りまして、三十年の十二月から高知県の警部補を振り出しに現在まで、現在国警の警部であります。現在の扱つております仕事は、国警県本部の警邏交通課の課長補佐として、勤めております。PTAの関係では、昭和二十四年から山田中学校のPTAの副会長を務めました。或いは高等学校の関係では二十五年の春から一年間山田高等学校のPTAの副会長、二十六年から現在まで会長を務めております。
今回偏向教育の資料として文部省から取上げられました問題であります。高知県立山田高等学校においては、夜間部三年生生徒は、学内に赤ハタを配布し、山田平和委員会準備会の結成を企図しているが、昼間部社会科担任一教員は、これを積極的に援助している。こういう前文になつております。先ほど校長先生からもお話がありましたように、夜間部の二年生は昨年の四月以来初めてできたものであります。私もその後におけるところの事案である、こう解釈いたしまして、而もここでは、この文面から申しますると、赤ハタを配布し、何々を企図しているが、これを教員が援助していると、こうなつておるのでありまして、明らかに現在の事実であるというふうに私は解釈いたしております。で、結論から申しますると、この文面に書いてある通りの内容は、私は全然承知いたしておりません。これにつきまして三月の十日頃であつたかと思いますが、三月の始めに新聞に発表せられまして、三月十日頃だつたと思います。ここにおられます校長先生が私のところに来られまして、非常にこれは我々として迷惑しておる。こういうような全然事実無根である事柄を取上げられることは、学校として非常に迷惑である。子供の就職口その他についても非常な悪影響を来たすから、一つPTAの会のほうで以て声明書のごときものを出してもらいたいというので、私のところに相談があつたのであります。で、私つらつら考えてみまするのに、成るほど現在このような事実はないので、これに対して我々今回会としても何とか考えて見なくちやならないとこう考えておつた矢先であります。然らば私がこれを一人知らないといつて簡単に片付けるわけにも行かないのであります。従つて一応役員会のごときものを持つてみよう。そうして調査の結果明らかでないとするならば、そのときの処置をするということで以て、三月の十六日に役員会を開いたのであります。で事前に一応通知書に対しましては、こうこういう事実について一応研究」して結果を持つて来てくれという、こういうようなお願いを私しまして、学校からその通知を出してもらつた。そうして十六日に資料を持ち寄つて打合せの結果は、やはりかような事実は認められない、こういう結論になつたのであります。で、そのときに一応決議文を作りまして、そうして、かような事実はないからその取消しを要望するものである。こういう声明書を作つて出したわけであります。そういたしまして、更にその後今月の八日の日にPTAの総会を開いたのであります。丁度この日は新入生の入学式でもありますし、相当多数、三百数十名の父兄が集まつたその席上、私といたしましては、すでに委員会で以て調査をいたしたあとでありまして、一応その状況を説明したに過ぎなかつたのでありまするが、緊急動議が出まして、総会の名において、更に再確認をして、そうして声明書のごとき、或いは要求書のごときものをもう一回出してくれ、こういう要求がありました。で、直ちにそれを総会に諮つたのであります。別に誰もこれに対して意見を述べるものもありません。そのまま満場一致で以て、事実さような事実は全くないという事柄を議決いたしました。その結果は決議文といたしましてこちらに持つて来ております。
大体この問題が発生いたしました現在までの状況はさような状況でありまして、ここに打ち出されておりまするところの事柄につきましては、私事実絶対ないかどうかはわかりませんが、私は全然存じていない問題であります。
以上であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/118
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119・川村松助
○委員長(川村松助君) これを以て高知県立高等学校関係の証人の方の証言は終りました。各委員の方で、御質疑のある方は御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/119
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120・須藤五郎
○須藤五郎君 これはますます奇々怪怪、全く文部省作成の怪文書のような感じがして参つたんでありますが、これは驚き入つて、国警の警部さんまでこの事実を認めないというような、PTAの総会が全部否認して決議文を作りていらつしやるというような……。こういうことがどつから私は生れ出たりか、実に不思議なんです。そこで校長先生なり、三木さんにお尋ねしておきたいのは、こういうことがどういう経路からこんなことが起つて来たかという参考にいたしたいので、私たちが聞いております点は、直接この問題と関係のない点もあるかもわかりませんか、あなたの県下における状態をちよつと伺つておきたいのです。高知県の古川郡というのですか、そこにおきましては、或る学校においては、夜間出しぬけに警察官が入り込み、宿直の教師を起して職員室の机の引出しなどを調べた。それから郡教員組合の組合長をやつている校長に対して、地教委から、組合長をやめよ。さもなければ校長を辞職せよというような不当な圧迫があつたというようなこと。それから又犯罪捜査に名をかりて、警察官が教師の指紋をとつたという事実があるかどうか。それから高岡郡では青少年の不良化防止に名を借りて教師の思想調査を行なつたということ、それから全県下的に、世界改造などの総合雑誌などを読んでいる者を、書店その他を通じて調べたという事実、高等学校の弁論大会が進歩的な内容を有するという見解から、教師及び学生間の関係、いろいろな関係を探ろうとして学生に不当な尋問を行なつたというようなこと、このような直接的な圧迫の裏面においては、国民の祝日には日の丸を掲げよと地教委から通知をしたということ、これは安芸郡と吾川郡、それから幡多郡では生徒全体によるボーイ・スカウトの結成を教育長は半強制的にやらせようとしたということ、全県下に赤い羽、白い羽を半強制的に制当て、これに従わない者にはいろいろの面から圧迫を加えた、それから好戦的、非民主的映画に半強制的に入場させたというようなこと、地方ボスたちは地教委を通じて植民地教育を押しつけているくな面でやつているというようなことを私たちは耳にしているのですが、このうち一つでもそういうことが皆さんに感じられたことがあつたかどうかということを伺つておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/120
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121・生永利正
○証人(生永利正君) 大分お尋ねの点が多くございまして、メモしておりましたが、ちよつと逃しましたので又あとでお願いしたいと思います。が、この夜間宿直室へ云々、これは私のほうは高等学校でございまして、小、中学校とは余り関係がありませんということと、御承知の通り高知県は非常に人口は少いが、面積が広うございまして、吾川郡と私の郡とは非常に開きが多うございまして、新聞記事か何かで知つたのであります。そうでございませんと十分に事情が承知できないような……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/121
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122・須藤五郎
○須藤五郎君 あなたの郡には。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/122
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123・生永利正
○証人(生永利正君) 私の郡にはありませんから、それで吾川郡云々ということは、これは私は警察官が夜学校に出し抜けに行つた、どうこうということは耳にいたしておりません、存じません。それから組合長に云々ということ、これも地教委のほうでどういうことがありましたか、これも実は私存じておりません。それから教師の指紋を取つた云々という件でありますが、このほうも私はあつたとも、なかつたとも申上げられません。私は存じ上げておりません。それから高岡郡で児童を通じて思想調査云々ということは、話にはそういうふうなことがあつたというようなことを聞きましたが、これは単なる噂話でありますから、その真否のほどは私は調べもいたしませんし、存じません。それから書店云々とかいうこと、これは存じません。それから高等学校の弁論大会のあとで云々というようなことも、どうもこれは私承知いたしておりません。それから日の丸を掲げよというようなことは、ほかでこれは確かに地教委で言つたということは聞いておるように耳へ残つておるように感じます。どこであつたか、どうもはつきりしませんけれども、そういうような状態であります。それから幡多郡のほうへ行きまして、幡多は、これは私の所から三十里以上離れておりまして、どうもここらのことはボーイ・スカウトの件もわかりかねます。それから先は何でございましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/123
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124・須藤五郎
○須藤五郎君 赤い羽、白い羽の運動を半強制的にやらしておる事実があるかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/124
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125・生永利正
○証人(生永利正君) これは近頃はどうでしよう。ずつと前には小学校、中学校の生徒を通じて、強制かどうかはどうも直接私はタッチしませんから存じませんが、いろいろおつしやつたことはありました。そういうことはありましたが、今はどうかもわかりません。それからあとは……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/125
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126・須藤五郎
○須藤五郎君 映画ですね。好戦的な非民主的な映画を奨めて見せたというようなことは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/126
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127・生永利正
○証人(生永利正君) これは若しあれば小、中学校のほうではないでしようか。どうも小、中学校のほうは私わかりかねます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/127
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128・須藤五郎
○須藤五郎君 伺つておりますと、警察官も調べたような形跡がないというんですが、これはそうしますと、皆さんお一人に伺いたいんですが、これはどういうことからこんな事実無根のことが捏造されて中央に報告されたか、どういう経路を辿つたものであるというふうに皆さんはお考えになりますか。どうでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/128
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129・生永利正
○証人(生永利正君) これは私もほうぼうで尋ねてみましたし、自分も考えてみましたが、思い当るようなこともありませんし、脇へ尋ねましても、どうもこういう方面から出たんだろうということはわかりません。実はそれをわからせたいと思いますけれども、それでこれは文部省のほうから是非私どもがその出所を明らかにして、これはいよいよあるものでありますればあるなりに処置を受けますが、ないものでしたらどうかこれを早く、あのビキニ環礁で原爆の放射能を受けたまぐろと、土佐沖でとれたまぐろを一緒にしないようにして頂きたいと思います。(笑声)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/129
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130・須藤五郎
○須藤五郎君 私たちもこの事実を何とかして明らかにしたいと思うんです。ところが文部省はその出所を絶対に言わないと言つております。文部大臣は黙秘権を使つているわけです。そこでこうやつて皆さんにお出でを願つて、何とか出所を突きつめることができないかと思つているんですが、皆さんは全然こんなことは知らん、事実無根のことである、どういうような経路を辿つて行つたかわからんというようなことになると、ますますもう文部省作成の作文の怪文書になつてしまうわけですが、この点で私たち皆さんに御協力をお願いいたしたいと思つているわけでありますが、今の御答弁によりますと、これはこれ以上何ら質問申上げる事項もなくなつたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/130
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131・高田なほ子
○高田なほ子君 一点お伺いいたします。誠に文部大臣が責任を持たれて出されました本件は、お二人の御証言によつて全く事実無根、誠に私はお気の毒とも何とも申上げようがないのであります。もう寝耳に水で大騒動を起された、このことだけでもお気の毒と申上げるよりは、もう何とも言葉のない思いをしておる。そこで教育長の問題でありますが、県教育長はこの問題に対しまして心を随分傷められておるように思うわけでありますが、何か積極的に本問題に対して態度なり何なり御表明になつておられるのではないかと思いますが、どうぞこの点をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/131
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132・生永利正
○証人(生永利正君) 教育長も全然これは庁内においても耳にしたことがないというのでありまして、早速文部省へお尋ねの照会をしたはずでございますが、何回か督促をせられましたけれども、文部省からは何の御返事もないといつて、私が出張の許可を取りに行きました折にも、庁員に、もう文部省から御返事があつておりはせんかと言つて聞いておつたようなわけであります。教育長としましては、事実ないことはないとして早く取消して生徒をして安心さしてやらなければいかん。忽ち今年度の卒業生なんか就職に関係して来ております。そういう点で非常に焦慮しております。これはこの席から申上げてはどうかと思いますけれども、何とか教育委員会へもそれなりの文部省から何か御指示、御説明をして頂かんと、これは始末がつかぬ問題だと、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/132
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133・高田なほ子
○高田なほ子君 この問題を重視された教育長が笠岡をしたのに対して何らの返事がない。誠にこれこそ文部省の怠慢だ。この問題は本委員会でも後の問題として私は責任を持つて残さして噴きたいと思う。
第二点にお伺いいたしたいことは、須崎の高校の先生からもお手紙がございまして、赤い教育だなどということを言われたので、早速生徒の就職問題に影が及んで来た。これは誠に由々しい問題だ。文部大臣が笑いながら聞いておられる問題じやない。そこで、本問題のために、こういう事件を出されたために、生徒に及ぼした影響、又このために先生方は非常な御迷惑を受けられ、その行動や言論にもかなり束縛されるような、無言の圧迫を受けられるだろうということは、これも先ほどの一関でも明らかなことでありますが、どうぞこういう問題がありましたならば、御遠慮なく我々に問題を投げかけて項きたい。どうぞ校長さんからお答え頂きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/133
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134・生永利正
○証人(生永利正君) 須崎の高校のことにつきましては、私、学校が違いますものですから、詳しいことは存じませんが、県内におきましては須崎高校におきまして、こういう事例があるとは誰も思つておらないということを皆言つております。あすこも非常な迷惑をしております。私の学校同様に、就職の先へ行きまして、或いはあんたの学校にはこういうことがあつたというのじやないかというようなことで、そこの学校から行つた生徒だけは、そんなことは絶対ありませんと言つても、履歴書を別にのけられるというようなことを見て来て、父兄が涙を流して、もう今後就職できないじやないか、こういうようなことを言つておりました。須崎のことにつきましては余り詳しいことを私存じませんが、ないということだけは教育長も申しておりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/134
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135・高田なほ子
○高田なほ子君 子供に対する影響ですね、あなたのほうの生徒さんに対する……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/135
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136・生永利正
○証人(生永利正君) 生徒は、定時制の生徒は直ちにこれは代表を上京さしてそして解決するまで学校を休むというような話が出ましたから、私はそれはとんでもない話である、同盟休校だというようなことをこんなことですべきじやない。道をあけるところは道をあける筋があるから、君らは勉強に専念すればいい、こう申しましたら、まあ私の学校のある地域は非常に地域柄がいいところでして、県内でも恐らく一番地域柄がいいと言われております。生徒が純真でございますから、私がそう申しましたら、そんなら道があくまで、私どもは何もしませんが、この宣言書は文部省及び教育長のほうに出してくれ、それから全日制の生徒は、これは定時制のみの問題ではない、山田高等学校というものの問題であるというので、この間生徒会を開きまして、生徒会で声明書を作りまして、そして今お廻し願つておりますものの中にあると思いますが、非常に生徒もこの件では憤慨しております。中には私の許へ涙を流して来た生徒さえあります。そういうような状態にあります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/136
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137・高橋衛
○高橋衛君 二、三点お尋ねいたします。生永校長は二十七年の四月一日にこの学校の校長として就任されたのですか。そうでございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/137
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138・生永利正
○証人(生永利正君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/138
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139・高橋衛
○高橋衛君 それで先ほどのお話の中に、あなたの学校の教諭に西願寺守という先生があるというお話でございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/139
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140・生永利正
○証人(生永利正君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/140
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141・高橋衛
○高橋衛君 その先生の経歴なり物の考え方ということについて生永校長として見られたところを御説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/141
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142・生永利正
○証人(生永利正君) 西願寺守さんは元東亜同文書院に入つておられまして、愛知大学ですか、戦後になりまして愛知大学を卒業いたしまして警察官になつておられました。それから警察官をおやめになつて私どもの学校に奉職せられました。
物のの考え方は、私どもから見ましたら、今の若い先生方としては非常にしつかりしておられる、こういうふうに考えます。それであの先生は愛知大学長さんの懇望によりまして、今年から愛知大学の生徒監の要員ですか。それから名古屋分校の分校主任というので愛知大学のほうへ転出をなさいました。それで、この人の考え方につきましては、私どもは今申されますような偏向というようなことに関係するような物の考え方の人でないと承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/142
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143・高橋衛
○高橋衛君 私はこれがいいとか悪いとかいう問題でなしに、善悪の批判は別にして事実だけをお聞きしますから御承知願います。昭和二十七年のこと、高等学校の教諭の人たちが数人で以てマルクス・レーニン主義、資本論というものを課題として学校でプリントをお作りになつて討論しておつたという事実を校長として御存じでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/143
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144・生永利正
○証人(生永利正君) 私は全然承知しておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/144
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145・高橋衛
○高橋衛君 昭和二十七年の六月三十四日に一生徒が「真実を知ろう」というビラを学内で撒いた。その内容は相当矯激なものでありますが、その事実を知つておるかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/145
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146・生永利正
○証人(生永利正君) そういう事実は全然知りません。生徒からも、教員からも、誰からもそういうことを、この間の調査の折も聞いておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/146
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147・高橋衛
○高橋衛君 山田町の弘報委員会というのがありますが、山田町の弘報委員会というのは、恐らくこれは半ば官報的な機関ではないかと私は存じます。この山田町弘報委員会の出しておるところの山田弘報というのを御存じでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/147
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148・生永利正
○証人(生永利正君) 山田弘報は、私どものところへ廻して下さるときもあれば、廻して下さらんときもあります。出ておることは承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/148
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149・高橋衛
○高橋衛君 昭和二十七年のこの発行の日は一九五二年七月三十日の日付の半ば官報的な山田町弘報委員会の発行するところの山田弘報に論説として載つておるものに、「学園の赤旗を排す」という記事が載つておるのであります。これを少し面倒でありますが、必要でありますので読上げてみます。全文は非常に長くなりますから要点だけ読上げます。「近頃学校の教師のなかで過激な革命思想をもつた所謂赤が増えたと世間では取沙汰されている。学問は自由ごある。マルクスを学ぶもレーニンを崇拝しようが教師自身は勝手であつても、その思想と中心を保つことのできない若い学徒に移し植えるのは教師の使命を逸脱するものと言わざるを得ない。この赤の先生が近い処の高校に居つて、頻りに排外敵対思想を鼓吹して社会講座を賑わして居ると開く。それが事実でないことを望むものではあるが、その高校の生徒の編集する学校新聞の論説に、成程とうなづける記事があつたことは事実である。子弟教育に聊か関心を持つものは学園内での「赤旗」は見たくないのである。」こういう記事が論説として而も半官的な弘報委員会の出しているところの弘報に載つているのでありますが、この只今の論説をお読みになつて、生永校長はどう感ぜられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/149
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150・生永利正
○証人(生永利正君) その論説今承わりますのが初めてでありますが、その一時分は私は着任して間もない頃と思いますが、(「ごまかすな」「何をごまかすというのだ、失礼じやないか」と呼ぶ者あり)私のほうへその弘報を廻わして下さらなかつたと思います。それは私は読んでおりませんが、その弘報に害いてあることは山田高校に近いところの高校と言いますが、山田高校でしようか、近いところの高校というと、町内の高校というのではなくて、近いところと言いますと……。(「町内にはないというじやないか」「何を言うのだ」と呼ぶ者あり。その他発言する者多し)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/150
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151・川村松助
○委員長(川村松助君) 静粛に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/151
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152・生永利正
○証人(生永利正君) それは私は断定できません。私のところにそれがあるかないかということは断定できません。そうしてそれを私は私の学校の者であるとは思いません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/152
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153・高橋衛
○高橋衛君 三木さんにお伺いいたしますが、三木さんの先ほどの証言をお聞きいたしておりましたが、この文部省の事例は文筆から見て、現在の事実と見ているという前提の下にすべてお答えになつておられます。最初に従つて現在はないと、少くとも最近においてこういう事実はないというふうにお考えになつているものと考えられますが、昭和三十七年当時においては、そういうふうな点についてどうい思うにお考えになつたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/153
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154・三木秀雄
○証人(三木秀雄君) この取上げられましたところの文面は現在の事実であるというふうに私解釈して申上げたことには間違いありません。そうしてその次の二十七年頃はどうかと言われるわけでありますが、先ほど事例に取上げられましたところの山田弘報新聞、あの論説が出ました当時、むしろこの以前だと思いまするが、あれに似たような噂さが一部あつたことは存じております。ただ併し、これは単にその噂さと申しまするのが、もう少し具体的に申しますると、父兄の人たちの間で最近何と申しますか、左傾的な、子供の考え方が左翼的な考え方になつて困るというような噂を聞いたことがあるのでありまして、それでこれが学校の教え力がどうか、どうであろうかといつたようなことは聞いたことはありまするが、併し具体的にそれがどういうふうな事例があつてこういうふうな結果になるんだということについては全然私は伺つたことはありません。従つて私自身といたしましても当時更に突込んだところの調査をいたしたこともありません。従つてどういうふうな教育をしておられたものか、さような点につきまして私は具体的に申上げる資料を持ち合しておりません。ただ一部にさような噂があることは事実であります。
〔須藤五郎君発言の許可を求む〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/154
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155・川村松助
○委員長(川村松助君) 今高橋君すましましよう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/155
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156・高橋衛
○高橋衛君 生永校長にお伺いいたしますが、あなたの山田町の地区においても一般の社会の人のものの考え方が漸次変つて参つておると私は考えておるのであります。従つて昭和二十七年に御着任になつた当時と現在とあなたの感じとしてどういうふうな変遷の過程を辿つておるかということを簡単にお尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/156
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157・生永利正
○証人(生永利正君) 山田地区の状態は限りませんが、高知県は他より少し遅れて行きますが、二十七年よりは今は次第に社会の秩序もよくなつて、ものの考え方も穏健にという言葉で言いましたら悪いでしようか、まあそういう言葉が或いは当てはまるのじやないかと思いますが、そういうふうになりつつあるように考えます。これは高知県全体として、山田のみではないと思います。
それから学校の内部のことにつきましては、私が着任しましたときは、前校長が或る事情のために退職しまして、空席になつておつたあとへ参りましたものですから、その当時は生徒、職員の勤務状態その他も満点であるというふうには考えませんでしたが、これは勤務状態でありまして、ものの考え方というのではありませんが、近頃はそういう点は非常によくなつておるのじやないかと自分は思いますけれども、その点はPTAの会長さんがおられますから、脇から見られたところを、私が自分で言うよりかもつと客観性があるのだろうと思います。
〔須藤五郎君「議事進行について」と述ぶ〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/157
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158・高橋衛
○高橋衛君 こういうふうな事例が発表されますると、学校長又は地元のPTA会長としては非常に困つたというふうにお考えになるのは当然であると思います。又生永校長のそういうふうな非常にしつかりとした又穏健な立場において教育を進めて来られておるのにかかわらず、それがこういうふうな評価をされるということは生永校長として非常に心外であろうと私は思うのであります。併しながら又父兄も又同じような感じを持つのはこれは又当然であろうと思うのであります。併しながら二十七年、一昨年におけるところの事実と今日における事実との側には相当相違があつて然るべきであります。今日の事実においてないということと、會つてそういうことがなかつたかあつたかということは別であろうと思うのでありますが、その点について簡単にもう一度お答え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/158
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159・生永利正
○証人(生永利正君) 先ほど申上げましたのは三年生にという点から考えまして、二十八年度であろうと言つて証言いたしましたが、二十七年度においても先ほど申しましたようにそういう弘報新聞を私は順いておりませず、又誰からも、そういう噂が仮にあつたにしましても、私着任早々に御注意を誰からも受けておりません。非常に学校にいろいろの要件が、前校長が中途でやめたものですから、ありましてそういうことの処理に没頭しなければならなかつたから、脇から遠慮して私に言つて下さらなかつたかもわかりませんが、私は一切その辺注意を受けておりませんし、自分も気が付いておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/159
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160・須藤五郎
○須藤五郎君 私はこの山田高校の問題が本日取上げられたこと自体については……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/160
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161・川村松助
○委員長(川村松助君) 議事進行についての発言でしたが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/161
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162・須藤五郎
○須藤五郎君 議事進行に関連して……。(「関連なんかあるか」と呼ぶ者あり)私は、高等学校の政治活動ということは、この法案の対象になつていないのです。今日の段階におきましては小学校、中学校の問題が今日の二法案の対象になつていて、この高等学校は対象になつていない……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/162
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163・川村松助
○委員長(川村松助君) 須藤君それは議題になつています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/163
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164・須藤五郎
○須藤五郎君 待つて下さい。それでこれはどうも高等学校のほうが、理事会でどういうふうないきさつで取上げられたか存じませんが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/164
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165・川村松助
○委員長(川村松助君) とにかく現段階ではなつているのです。議題になつているのです。(「議事進行でないよ」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/165
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166・須藤五郎
○須藤五郎君 いや、今度の二法案の対象に高等学校も入つているのですか。教員の政治活動制限の……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/166
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167・川村松助
○委員長(川村松助君) 今度の何には入つております。今回の皆さんの承認を得たのには入つております、発言を停止します。議事進行じやありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/167
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168・須藤五郎
○須藤五郎君 そこで今議事進行で私は発言を……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/168
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169・川村松助
○委員長(川村松助君) いや、議事進行というけれども、内容は議事進行じやない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/169
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170・須藤五郎
○須藤五郎君 私は前は議事進行で発言を求めた。今は委員長と言つて発言を求めたのですから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/170
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171・川村松助
○委員長(川村松助君) 議事進行というのですからあなたに発言を許したのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/171
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172・須藤五郎
○須藤五郎君 それではまだ発言時間があるからあとで発言をしましよう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/172
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173・川村松助
○委員長(川村松助君) それは結構です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/173
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174・高橋衛
○高橋衛君 三木さんにもう一言お伺い申上げますが、先ほどの御発言は非常に慎重な御発言のようでございます。又冒頭証言におきましても、事実の有無は別として、自分は存知しておらないという証言をしておられるのであります。あなたもPTAの会長として、とにかく子弟が世間から変な目で以て見られるということには重大な関心を持つておると私は考えるのであります。従つて、PTAの会長として、全体がそういうような希望を持ち、又そういうような決議をすることに至るということも又当然だろうかと思うのであります。併しながら、たとえ警邏交通という全然別の系統であるとは言いながら、国警にいられるならば、或る程度事実についての勘というものはお働きになるのではないかという感じもいたすのであります。過去の事実として考えた場合に、それが或る程度噂はあつたというお話でありますが、その噂の信憑性については、どの程度に評価をしておるかということについて御発言を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/174
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175・三木秀雄
○証人(三木秀雄君) 只今の御質問は、私大体こちらへ参りましたのはPTAの会長として呼ばれて参つたのでありまして、警察官の肩書で私は呼ばれておりませんので、(「その通り」と呼ぶ者あり)警察官としての感じを申されよと申されましても私申上げかねます。ただ、PTAの会長といたしまして申上げ得られますことは何でも申上げます。だから私は飽くまでも警察官としての言葉ではありません。現在これから申上げますことは、会長として私申上げておることであります。間違いないように特にお願いを申上げます。私当時そういうような話を聞きまして、誠に面白くない言葉であるということは勿論よく感じたのであります。併しながら、当時の実情を、世間の噂、かれこれ全部をずつと通観して考えてみますると本当に学校のあの当時の状況が学校の将来にかかわるところの非常に大きな重大問題であるというほどの感じは私は受けたことはないのであります。ただ、一部の父兄が非常に心配をしておるという点だけでありまして、更にこれがもう少し大きな問題であつたとするならば、当時ときどき会合もありましたし、必ずいろいろなPTAの会合の場合に、これが問題として取り上げられるはずであつたと考えられますですが、それほどにもなかつたようにも思います。それからこの問題につきまして、私は会長の立場にはありましたけれども、本当の責任者は校長にあり、或いは教育委員会というようなものもありますしいたしまするから、又私は先ほど御質問の中にありましたように、警察の肩書を持つておるというような関係から、自分がかような問題について更に突き進んで動くということによつて、一方警察官であるが故にさような動きがありはせんかととられる慮れがないでもありません。そういうことも多少は考えたわけであります。従つて、より以上私は詳しい調査もいたしておりません。大体の状況は以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/175
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176・高橋衛
○高橋衛君 今の御答弁によりますと、それほど大きな問題として考えるほどのことではないという感じであつたということと、いま一つは、警察に身分を持つておるから、自分の動きが若しも変な眼を持つて見られるということは困るから差控えておいたと、こういうふうに承知してよろしうございますね。それでよろしうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/176
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177・三木秀雄
○証人(三木秀雄君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/177
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178・高橋衛
○高橋衛君 それから生永校長にもう一点お聞きいたしたいのでありますが、あなたは先ほど、校長であると同時に、山田町の社会教育委員や、公民館の委員を兼ねておられる。従つて、始終町のいろいろな会合に出て話を聞いておるというお話でありますが、あなたはそういうふうな町のあなたの関係しておられる方面に非常に緊密な、最も密接な関係があると思われる。にもかかわらず、こういうふうなものについて全然お読みになつておらん、全然お知りにならんということは如何にも不思議な感じがするのでありまするが、この委員になられたのはいつでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/178
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179・生永利正
○証人(生永利正君) 委員になりましたのは三十七年の十月頃であつたと思います。二十七年の十月頃であつたかと思います。公民館を建てますため計画の委員が要るというので、前校長が委員でありましたけれども、私は前校長がやめてから空位になつてそのままで、依嘱せられましたのは二十七年の十月頃であつたと思います。
それからこれに関しまして是非申上げたいことは、私はその弘報は初めてでありますけれども、その記事が本当に私の学校でそういう憂うべき状態があるとしましたら、その後ずつと続けて私が公民館運営委員或いは社会教育委員会の委員として出ておりますから、その弘報の関係の人や或いはその他の人からこういうようなことがあるがというようなお話を承わりそうなものですが、それが一切誰からもお話がないということは、私は余り町民も大して問題にしておらなかつた問題じやないかとも思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/179
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180・吉田萬次
○吉田萬次君 生永さんにちよつとお尋ねいたしますが、私は愛知県であります。従つて愛知大学というものはよく知つております。愛知大学がどんな学校であり、生徒がどんな気分を持つておるか、又先生がどんな教育をしておるかということはよく知つておりますが、普通の常識で判断すると違う学校であります。従つて、その学校を出てあなたのところに来たという西願寺という教諭は、あなたは信頼しておられるか知れませんけれども、その人が今あなたのほうから離れて、そうして再び名古屋に帰つたということは、その人が自発的に辞職をしたものか、或いはあなたのほうから何か諭旨退職というような形式を以て(笑声)付されたか、その辞職の点を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/180
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181・生永利正
○証人(生永利正君) お答え申します。これは全然私は本人から話があるまで何にも知りませんでした。而もこの問題が起りますずつと前に、愛知大学のほうから話があつて、話がきまつておつたものでありまして、全然こういうような問題があるからやめて行つたがよかろうというようなことを言つたものではありませず、時期がそれよりかずつと前のことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/181
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182・須藤五郎
○須藤五郎君 子供としてですね。高等学校の生徒ともなれば思想問題に関心を持つのは当然で、若しも高等学校にまで思想問題に関して関心を持たない……(「質問したらどうだよ」と呼ぶ者あり)質問だよ。聞いてもらいたい。思想問題に対して関心を持たないような子供こそ私は困つたものだと思うのです、実は……。それで私は又家庭におきましても私は不幸にして今学校に行つている子供はありませんが、若しも高等学校や中学校に行つている子供があるならば、私は社会主義教育を家庭において施すだろうと思います。その場合に……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/182
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183・川村松助
○委員長(川村松助君) 須藤君、質問のほうを、本題に入つて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/183
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184・須藤五郎
○須藤五郎君 ……家庭においてそういう教育を受けた生徒が学校においてどういう行動をとろうと、そのすべてを学校の責任として(「わかつたわかつた」と呼ぶ者あり)学校の先生が受けなければならんものかどうかという点について、その高等学校の校長先生、又三木さんはどういうふうに考えますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/184
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185・川村松助
○委員長(川村松助君) 須藤君、それは先生方に御質問する枠がきまつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/185
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186・須藤五郎
○須藤五郎君 ですから、家庭教育と学校教育との関係を私は開いておるのですよ。(「駄目だよ」「聞くことないだろう」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/186
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187・川村松助
○委員長(川村松助君) それは証人にお尋ねする課題と違います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/187
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188・須藤五郎
○須藤五郎君 家庭教育の関係を聞いておかないと、学校の先生が責められるのは気の毒ですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/188
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189・生永利正
○証人(生永利正君) これは折角のお尋でございますが、私どもの証言はここに示されました事実があつたかなかつたかということでございまして、教育上の意見は又後日改めてお話も承わりますが、その点御了承を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/189
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190・高田なほ子
○高田なほ子君 只今高橋さんからの御質問で山田弘報が読まれ、「赤の先生が近い処の高校に居つて頻りに排外敵対思想」云々と、こういうことを読み上げらて、その一部分を聞くと、あたかもその山田高校がこれに関係のあるような印象を受けないとも限りませんから、本問題について、山田高校が絶対に関係ないということについて、もう一度御証言を願いたいと思います。これについて……。(「それは言えない。わからないから言えない、そんなことは」「黙つているんだよ」と呼ぶ者あり)質問まずかつたかな、じやもう一度質問いたします。このことと、今読み上げましたことと、この偏向事例とくつ付いているような印象を受けているが、これについて絶対にあなたの先ほどの御証言が間違いがないということを再度確認してもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/190
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191・生永利正
○証人(生永利正君) 私の先ほど申上げましたことに間違いはありません。その記事と委員会から証言を求らましたこととは違うと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/191
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192・高田なほ子
○高田なほ子君 もう一つ、先ほど愛知大の問題について御発言が他の委員からございましたが、これは非常に私は問題だと思う。本委員会として愛知大学が誠に異なつた教育を行なつているということは、今後愛知大学の学生にも及ぼす影が甚だしく尽大だと思う。(「取消し」「取消し」と呼ぶ者あり)どうぞこの発言は取消しをお願いしたいと思います。委員長においてお諮り下さい。(「必要なし」「動議々々」「動議賛成」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/192
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193・川村松助
○委員長(川村松助君) 只今の高田君の言葉も先に吉田君が言うた言葉と少し違うようですよ。吉田君は普通常識を持つてすれば多少違つておると言いましたし、高田君の言葉はもう少しそれが強く表現されておりますよ。若し強いて何するならば速記録を見てからにしましよう。(「賛成」「委員長」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/193
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194・高田なほ子
○高田なほ子君 よろしいです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/194
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195・高橋衛
○高橋衛君 三木さんにもう一つお伺いいたします。こういう事実があつたかなかつたかということについては、三木さんも非常に御返答しにくいようでありますが、とにかくこれらの判断をする一つの基礎資料といたしまして、この山田地区においては教育の環境と申しますか、社会環境はどんな状況であるか。例えばそこには共産党の活動が相当職烈であるか、フラク活動が相当激しいかどうか、そういうふうなことについて、これは警察官としてお聞きするのは或いは無理かも知れませんが、PTAの会長として卒直にお述べを願いたいと思います。(「大いに盛んだと答えてもらいたい」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/195
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196・川村松助
○委員長(川村松助君) お答えになれなければ無理に答えんでもいいです……。無理に答える必要はない。……無理にお答えなさることはないと思います。(「答えない問は時間に入れないで下さい」「大自由党がけちけちしなさんな」と呼ぶ者あり、笑声)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/196
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197・三木秀雄
○証人(三木秀雄君) 共産党の勢力は私は余り知りませんですが、地方の環境と申しますか、一応わかります。これは非常に保守勢力の強いところでありますが、(笑声)先ず従来の例を申上げますと、通常如何なる選挙におきましても、普通の場合共産党並びに社会党まで合わせましても、保守党の先ず一割に足りない実情でございます。(「藪蛇だ」と呼ぶ者あり、笑声)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/197
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198・高橋衛
○高橋衛君 これも三木さんに、あなたの判断をお聞きいたしたいのでありますが、保守勢力の非常に強いところで、そうして而も学内においてそういうふうな或る程度偏向的な言いますか、仮にそういうふうな事例があつたとすれば、それは社会科の社会環境から来るところの影響によるものであるか、それとも教育自体の内容から来る影響であるか、そのいずれであるかというあなたの御判断をお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/198
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199・三木秀雄
○証人(三木秀雄君) 私遺憾ながら事実を調査いたしておりませんので、どういうところから、こういう影響があるか存じません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/199
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200・永井純一郎
○永井純一郎君 私は校長先生と三木さんに一言だけちよつと聞いておきたいと思うのです。それは今高橋君から御披露がありました、この山田弘報という新聞のようなものですが、これをいろいろ私が今聞いておつた感じでは、恐らく特定の政党に関係している人が弘報を執筆しているのじやないかという感じを受けました。これは村では非常に多いことがあります。私自身もそれに類するようなもので赤だときめつけられることはしばしばでございます。(「君は赤だからね」「失礼なことを言いなさんな」と呼ぶ者あり)田舎では特に社会科の先生というと、もうすぐそのこと自身で赤いというような、非常に低い判断をいたしておる。山田弘報をどういう人が出しているのか、そのことを私お伺いしたいと思います。先ほどの三木さんのお話では、殆んど選挙のときでも自由党の金城湯池のようなところである、こういうお話でありましたが、この山田弘報をどういう人が編集をして、単なる噂をそういうふうに書いたものと思いますが、どういう人がやつたか、この点だけ一つ参行までに……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/200
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201・生永利正
○証人(生永利正君) 私は政党のことには余り頭を突込んでおりませんから、どういう程度に言つておりますかどうかは存じませんが、その当時ですと、今の編集の意図とは編集の意図が迷いますが、窪田寿美さんという方が編集をしておつたと思いますが、山田町は大体町会議員の方ですが、町会議員の力は大体多くは保守政党と申しますか、そういうほうの人であるように承知しております。私どもがおつき合いしておる人皆そういう方でございますが、それ以上のことはその方……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/201
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202・永井純一郎
○永井純一郎君 それで結構ですよ、わかりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/202
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203・岡三郎
○岡三郎君 大体証人の方にいろいろ御質問することについて多岐に亘つているわけですが、この文部省の偏向事例の中に載つている事柄ですね、事柄については、これは明瞭に夜間部の二年生で「アカハタ」を、配つて、それを昼間部の先生が支援しているという事例なんですが、こういうふうに明確に出ているということはどこか根拠がないかと、その点について我々も考えていたわけですが、証言によつてまあそういう事実はないということになつたわけです。それでそれを何とかこう余りにはつきりないというと、工合が悪い方々が弘報を持つて来て、こういうことが書いてあるということでいろいろと論議されているのですが、本委員会は、そういうふうな揣間憶測とか或いはその他の自分たちの勝手に聞き込んだことで、この学校に、不名誉な判定をつけようというふうなことは私はまずいと思うのですが、正々堂々と、私はこれから聞きますからお答え願いたいと思う。
第一点はこの文部省の偏向事例に載つている山田高校の問題については、文章をずつと読んだと思うのですが、これは正しいか、正しくないか。この点についてもう一遍聞きます。校長さんに。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/203
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204・生永利正
○証人(生永利正君) 正しくありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/204
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205・岡三郎
○岡三郎君 はい。全面的に否定されますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/205
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206・生永利正
○証人(生永利正君) 全面的に否定します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/206
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207・岡三郎
○岡三郎君 三木さんにお伺いいたしますが、この事例に載つている事柄ですね、ほかのことを抜きにしますよ、この文部省の偏向事例として載つて」るこの事柄について正しい点があるかどうか、これをお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/207
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208・三木秀雄
○証人(三木秀雄君) 私は自分の知つている範囲内におきましては、正しいものとは認められません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/208
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209・岡三郎
○岡三郎君 はい、わかりました。それでいろいろとこの質問をすることについてですね、更に追及すると、私の知つていることについてはということを又追及して行けば、これはきりがないことなんです。私は以上の点については質問いたしませんが、ただ問題は先ほど高田さんが言つたように、吉田さんの言葉の中で愛知大学の問題が出出たわけですが、大学というのはいろい出ろとあるわけですよ。そういうわけでやはりこの愛知大学は常識から見ると変だとまあ言われて、それは御勝手で出しようが、併し少くとも文部委員会において事案に何にも関係ないことで私は物議をかもすようなこと、お言葉を一つやめてもらいたいと思う。(発言する者多し)私はまだ質問があるのです。お静かにお聞き下さい。そこで自由党の強い地盤で革新陣営が束になつてかかつても二割しか取れないというのはさこそと思うのですが、そのような地盤の中であればこそ、このような根も葉ないことが私は出たというふうにも思うのです。(「そうだよ」と呼ぶ者あり)そういう点についての御感想を一つ。聞いてもなかなか言えないと思うのですが、まあ赤い、黒いの判定という問題については、ここで私たちが言う必要がないですが、それ以上言つてもしようがないからやめます。(笑声、「先生が首になるからね」と呼ぶ者あり。)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/209
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210・相馬助治
○相馬助治君 いろいろ発言に枝葉が出て問題が分れたようですけれども、この委員会が両人の御出頭をお願いして尋ねようとすることは、ほぼ目的を到達したと思うのですが、それで先ほどの吉田委員の御発言に関して高田委員の動議は成立して、それに対して川村委員長が速記録を調査の上取計らう旨が宣言されておりまするから、これも吉田委員が自発的に取消さない限りにおいては、どうなるかは、その処置がどうなるかはこれは今後の問題であつて、午後の日程もあることですから、ほぼここでその証言が我々の目的に合つているこの段階において、午前の部はこれを以て打切られるように私は希望いたします。(「賛成」「異議なし」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/210
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211・川村松助
○委員長(川村松助君) 只今相馬君からの……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/211
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212・相馬助治
○相馬助治君 ちよつと今の議事進行について石川さんから発言が求められておるようですから、石川さんの発言並びにこの答弁が完了したときを以て自動的に委員長は打切られるように希望いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/212
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213・石川清一
○石川清一君 簡単にお尋ねいたしますが、この条文の中だけに限定いたしますが、山田平和委員会準備会というのが結成を企図しておると書いてありますが、今日この結成が進みつつあるかどうか、或いは結成されておるかどうか、これが一点、三木さんにお尋ねをします。
山田校長先生には、就任をされましてから夜間部及び昼間部の担当教員で異動があつたかなかつたか。あつたとしたら何人異動があつたか。その点をお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/213
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214・三木秀雄
○証人(三木秀雄君) 平和委員会準備会の結成を企図しておつたという事実、並びにこれがまだ継続してあるかどうかということの御質問であつたようですが、元来かようなものがあつたかどうか私存じておりませんですから、全然より以上お答えございませんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/214
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215・生永利正
○証人(生永利正君) 今のお尋ねでございますが、私の学校、山田高等学校と申しますのは、全日制と定時制が本校にありまして、美良布という所に分校がありますが、その間の教員の異動でございましようか。それとも他校へ転出の件でございましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/215
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216・石川清一
○石川清一君 山田高等学校内から他校であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/216
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217・生永利正
○証人(生永利正君) 他校へ転出いたしましたものは、定時制の担任者でございますね。……定時制の担任者では、そのまま転出しましたのは、定時制から一名もないように思いますが。(「はつきり記憶がなければはつきり記憶がないと言えばよい」と呼ぶ者あり)定時制からそのまま外部へ行きましたものは、記憶がありませんがないように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/217
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218・川村松助
○委員長(川村松助君) これを以て高知県立山田高等学校関係の証人の方の証言を終了したものとして御異議ありませんか。
〔「異議なしと呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/218
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219・川村松助
○委員長(川村松助君) 御異議がないと認めます。一応休憩いたします。再開の時間を二時といたします。
午後零時五十八分休憩
―――――・―――――
午後二時十一分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/219
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220・川村松助
○委員長(川村松助君) 休憩前に引続き委員会を再開いたします。
ちよつとお諮りいたしますが、本日午後に出頭予定の偏向教育の事例中北海道武佐中学関係の証人杉原春夫君は急病のために出頭ができない旨申出があります。事情止むを得ないものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/220
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221・川村松助
○委員長(川村松助君) 御異議ないと認めまして、さよう決定いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/221
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222・相馬助治
○相馬助治君 勿論異議ありと言つても仕方がないのでありますが、併し急病というだけでその事態を詳細に知らないのですが、あとで診断書を要求するなり何なりをして、委員長において納得の行くように処置をして頂くことをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/222
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223・川村松助
○委員長(川村松助君) 了承いたしました。
文部委員一同を代表して御出席の証人各位に一言御挨拶を申上げます。目下当文部委員会におきまして、義務教育諸学校における教育の政治的中立の確保に関する法律案及び教育公務員特例法の一部を改正する法律案の両法案を審議中でございますが、この法律案に関連して、文部省当局が当委員会に提出した資料、「偏向教育の事例」につきまして、その信憑性に関し証人を喚問してその証言を聴取いたすことに決定し、本日各位の御出頭をお願いいたしたところ、御多忙のところ遠路をわざわざ御出頭下されまして厚く御礼を申上げます。
只今から証言をお聞きするのでありますが、議院における証人の宣誓及び証言党に関する法律によりまして、証人各位に宣誓をお願いいたすことになつております。宣誓に入ります前に証人にお注意申上げます。若し虚偽の証言を陳述したときには、議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律第六条によりまして三カ月以上十年以下の懲役に処する罰則があり、又正当の理由なく宣誓若しくは証言を拒んだときは同法第七条によりまして一年以下の禁錮又は一万円以下の罰金に処せられることになつておりますから、この点御注意申上げておきます。但し、民事訴訟法第二百八十条(第三号の場合を除く。)及び第三百八十一条(第一号及び第三号の場合を除く。)の規定に該当する場合に限り、宣誓又は証言若しくは書類の提出を拒むことができます。これも併せて御注意申上げておきます。念のために先ず民事訴訟法第二百八十条の該当部分を朗読いたします。
第二百八十条 証言カ証人又ハ左ニ掲クル者ノ刑事上ノ訴追又ハ処罰ヲ招ク虞アル事項ニ関スルトキハ証人ハ証言ヲ拒ムコトヲ得証言カ此等ノ者ノ恥辱二帰スヘキ事項ニ関スルトキ亦同シ
一 証人ノ配偶者、四親等内ノ血族若ハ三親等内ノ姻族又ハ証人ト此等ノ親族関係アリタル者
二 証人ノ後見又ハ証人ノ後尾ヲ受クル者
次に民事訴訟法第二百八十一条の該当部分を朗読いたします。
第二百八十一条 左ノ場合二於テハ証人ハ証言ヲ拒ムコトヲ得
二 医師、歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁理士、弁護
人、公証人、宗教又ハ祷祀ノ職ニ在ル者又ハ此等ノ職ニ在リタル者カ職務上知リタル事実ニシテ黙秘スヘキモノニ付訊問ヲ受クルトキ
前項ノ規定ハ証人カ黙秘ノ義務ヲ免セラレタル場合ニハ之ノ適用セス
以上であります。宣誓の順序はお手許に配付してあります証人名簿の順にお願いいたします。総員御起立を願います。
〔総員起立、証人は次のように宣誓を行なつた〕
宣誓書
良心に従つて真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。
証人横田俊夫
宣誓書
良心に従つて真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。
証人 星野 健三
宣誓書
良心に従つて真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。
証人 清原庄太郎
良心に従つて真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。
証人 綿津 四郎
宣誓書
良心に従つて真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。
証人 野村 幸祐
宣誓書
良心に従つて真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。
証人 藤岡 武雄
宣誓書
良心に従つて真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。
証人 丸茂 忍
宣誓書
良心に従つて真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。
証人 原田 大雄
宣誓書
良心に従つて真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。
証人 山本 保夫
宣誓書
良心に従つて真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。
証人 村上 義晴
宣誓書
良心に従つて真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。
証人 安本 薫発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/223
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224・川村松助
○委員著(川村松助君) ご着席願います。
証言の内容については、証人各位には参議院議長からすでに送付してあります証人の出頭を求むる通知と、それに添付した件、即ち文部省から提出した資料「偏向教育の事例」につき御託言をお願いいたします。本日は多数証人の御出頭をお願いいたしておりますので、時間の関係もあり、証言の時間は大体お一人八分以内に御証言を願います。
なお各委員に申上げますが、証人のかたに対する御質疑は各事例ごとの証人各位の証言が全部終りましてから後にお手許に配付してあります時間の範囲内においてお願いいたします。横田俊夫君から御証言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/224
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225・横田俊夫
○証人(横田俊夫君) 参議院議長さんから証言を求められておる事項に対しまして証言をいたします。偏向教育の内容でございますが、ここに証言を求められておりますことは、一項から四項までございます。以下順を追つて申上げます。
第一項、「アカハタを生徒及び一般人にまで配布した。」これは「平和と独立」の誤りと思われますが「平和と独立」を生徒に回覧し、或いは一般人に配布したことは数人の証人もおります。なお中標津町公平委員会もこれを確認いたしまして、公平委員会の判定書にも明瞭にこれが載つております。
第二項、これは四つの部分からなつておると思いますが、そのうちの第一、共産党でなければ味方にならないと述べたこと、こうした意味のことを言つておることは常時部落民から私聞いておりましたが、教室でも共産党が一審いいと育つたことは事実であります。
第二、野坂、徳田が真に日本を救う人物であるにもかかわらず追放されている意味がわからない。このことにつきましては日本救済の唯一の人物は徳田球一であるというようなことを教室で話したことは数人の生徒が証言をいたしております。
第三、父兄が共産党である子供に対しましては、父兄は共産党員で立派なものであると賞揚し、とありますが、これにつきましては小森という生徒に対し、お前の父親は共産党員で立派なものだが、お前は駄目だとどなつたという実例がございます。父親に対して恥かしくないかといつてどなつたということを数人の生徒が証言しております。但し小森という人が共産党員であるかどうかにつきましては私、存じません。
第四、反対に父兄が町会議員の共産党の子供に対しては、反動分子と誹謗したという事実でございますが、当時は町会議員ではございませんが、ここに出席しておりますところの証人清原氏の子供に対しまして、反動分子と呼び或いは小狸と侮辱したことは明瞭であります。この子供は遂にその学校にいたたまらないで岩見沢市の豊中学校へ転校したという事実がございます。
第三項、数学、英語などの授業時間中、朝鮮の休戦会談が停滞しているのは米国が日本に基地を作るためにわざと長引かせているためだと述べております。これも生徒が証言しておりますし、中標津町公平委員会においてもはつきりと確認いたしまして、判定書に載つております。
第四項、札幌の白鳥警部暗殺事件について白鳥警部が殺されるのは当り前だと公言した。これは白鳥警部の殺されるのは当り前だ、殺されても誰一人同情する者がいなかつたということを杉原、伊藤の両氏が放課後教室で話したことは数人の証人がおり、なお中標津町公平委員会もこれをはつきりと確認いたしまして、判定書にもこの旨が記載されてございます。
以上いずれも私は地方教委からの報告に基きましてここに御証言を申上げる次第であります。終り。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/225
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226・川村松助
○委員長(川村松助君) 次に星野健三君に御証言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/226
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227・星野健三
○証人(星野健三君) 私はこの武佐中学の問題につきましては途中から出ましたが、公平委員会の本人たちの代理人となつて出席いたしておりましたので、私の知り得た範囲で証言いたしたいと思います。
最初にここに出ております事例を述べる前に、このことは非常に内容が複雑でございますので、それらに関連することを若干申上げないと皆さんが十分に御納得行かれないのじやないかと、かように思いますので、大変申訳ないと思いますが、その点を少し申述べさせて頂きます。
この杉原春夫並びに伊藤信は二十七年の八月十五日に地方公務員法の第二十八条の第一項の第三号、つまり分限免職を受けたわけでございます。この第三号はその職に適格性を欠く、こういう内容の法文でございますので第二十九条によるところの懲戒免職処分ではございません。それから父の春吉は、これは校長でございますが、これは八月十五日に懲職処分になりました。この事件が中心となりまして非常に心労の結果頭に来まして休職処分になりまして二十八年の二月十四日まで休職で、その後同様に二十八年の三月十四日まで休職で、その後同様に二十八条の適用で免職処分になつております。それから杉原春夫は当時東北帝大の航空工学科を出た者であり、校長の春吉は山形師範を卒業後、中等教員の検定試験の理科に合格いたしております。校長は二十二年の八月に新学制が発足いたしまして、中学校長として赴任したのでありますが、当時の状態から見まして小中学校は併置されておりまして、まあこれは私話に聞いたのでありますから申上げるわけでありますが、校長は二人要らないのじやないかと、こういう話があつたりいたしまして、そのうちに新校舎ができまして、それが二つに分かれたわけでありますが、併し長い間の習慣からと申しましようか、この武佐部落の教育センターという、学校の事実上の最高位者は誰か、或いは職員間の和合、これは併置校の問題から出て来ていることでありますが、それから学校管理の問題、或いは諸行事の調整、そういうようなことについて非常に問題があつた。それは運動会等も依然として現在も小中学校共同で行われておるような状態でございます。この春夫は二十五年に教員としてここへ就職いたしました。
次に申上げなければならないのは、この部落の状態でございますが、一つ述べなければならないことは、部落のいわゆる有志というかたの所に印鑑が預けられてあつて、まあ一切処理されているということ、これは私どものほうの記録にもございます。それから有力者というものが、非常にいろいろなところに力強い点が出て参りまして、当時戦争中から残つておりました部落会と申しますか、隣組と申しますか、そういうものがまあ現在も存在しておりまして、そうしてまあこの武佐という所は開墾地でありましたので、開墾地の貸付であるとか或いは立木の払下、そういうようなもので道庁、支庁などに顔の利く人が非常に力があつた。こういう中で先ほど申上げましたような教育の高い而も町で勉強したかたが、こういう部落に来ていろいろな問題でPTAの運営或いは部落諸君のつきあい、そういうもので入り乱れた感情的な問題からずつと尾を引いていたということは、いろいろな記録を調べてみ、又部落の人たちの投書等を見ましてもはつきりいたしておりまして、私もこららに手許に持つて来ておりますが、こういうようなことを申上げると又部落の人たちにいじめられるから暫くの聞出さないでくれないか、こういうようなことを書いて来ている文書もございますが、そういうわけでございましたので、いろいろな点からこの中学校側の教員たちが部落とうまく行かないので、部落側としては追出しにかかつていたというようなことは、私がいろいろ話を聞いて考えられました。時たま二十七年の四月二十三日に、ここにもありますが、政令三百二十五号違反で捜査を受けました。それを問題にいたしまして部落大会が四月の二十六日に開かれました。この部落大会は一軒の家から一人の人が集まつてそうしていろいろな相談をしたわけですが、最後に、この教員たちは信任できない、こういうことになつたのですが、そのきめられた状態が非常に問題でなかつたか。それは第一は同一筆跡の委任状が相当あつた。これは公平委員会でも認めております。ただその時には使わなかつたということも言つておりますが、こういうような状態或いは婦人の発言はどなりつけられてとめられた、それから一カ所に集つて相談して)(〇をつけた。こういうような状態の中で非常にこの民主的なやり方でない中で、この教師たちの信任、不信任ということを最後にきめたようでありまして、結局信任できないということにきまつたわけでございます。そういう状態で非常にこの部落から追いつめられていたという中で北海道の教育委員会はどういう態度をとつたかと申しますと、これは甚だ俗つぽい言葉でございますが、いわゆる勘定根性丸出しと申しましようか、この問題の解決は免職処分をするより方法がない、こういう態度によつてこの問題の処理に当つた。これは私が勝手に申上げるのでありません。同年の六月二十七日に教育委員会の教育長名を以て道議会に報告されました文書中に次のことがあります。「事態を早期に解決するためには杉原伊藤を退職又は休職させねばならないと思われ、その根拠にする資料を更に整備する要ありと認められた」こういうことを言つておりまして、このあと八月十五日に処分されておるわけでございます。こういうようなことを考えて参りますと、先ほど述べましたような中から考えても、とにかく難とのいろいろな対立、そしてそこに発生された問題を中心として、これは処分をしなければならない、こういう恰好になつて来たのだろう。
なお偏向教育が行われていたかどうかという問題の本論に入るわけでございますが、これは道の教育委員会が処分されました中に、教育基本法の第八条の第二項に該当するものごあると断定できない、こういう工合になつております。なお二十六年の六月二十七日、先ほど申上げました教育長名の道議会に報告された文書中の、武佐事件の概要と処理について」という中に、学校教育、校舎の管理状況は比較的よいほうで、一方に偏した政治教育をしたという確たる事実も見られることなく、事務局長から口頭において注意を与え、当日まで、これは先ほど申上げた四月二十二日でございますが、何ら異常はなかつた。なお公平委員会の審理中にもありましたが、根室市の教育委員会の事務局の指導主事をしております土屋と申されるかたが証人として立たれて、この武佐は大体教科書を中心にしてやつていたという証言をいたしております。これは私が申述べるのでなくて、教育委員会自体が、偏向教育をしていたからこの三人を処分したのではないということを私が申上げたいので、書類によつておること、はその処分理由によつておることを申上げたわけでございますが、只今時間の制限を言われましたので、この畑正志という人は、ここには中心になつてやつたとありますが、これは学校として税金の督促令状を、これは役場の駐在員でありますが、督促令状を学校として常にやつていた問題のあるかたでありまして、これも後ほど皆さんから御質問があれば、私はこの件については詳細に申上げたいと思いますので、以上偏向教育としてこの武佐中学が上げられておりますけれども、教育委員会の処分内容から見ても、これは偏向教育ということを断定するということはできないということを証言いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/227
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228・川村松助
○委員長(川村松助君) 次に清原庄太郎君に御証言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/228
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229・清原庄太郎
○証人(清原庄太郎君) 私は北海道中標津町武佐中学校に関し証人としてお招きを受けましたので、北海道の際はての国、根室からはるぞれ上京したものでございます。証言すべき事項を示されておりますのでこれに従いまして順次申上げたいと存じます。
事件の概要でございます。この件につきまして申上げますと、昭和三十七年の四月警察の手入れが学校にございまして、この事柄が部落に知れ渡りましたので、部落といたしましては、この一大事件の起りますずつと以前のことでございますが、たしか杉原春夫先生が教頭としてこの武佐中学に就任された頃からだと思つております。学校生徒から、又部落内の一部の評判からして、何となく中立を欠く教育をなされているのではないかと父兄の間には不安を持つようになつたと思つております。シベリアからの引揚者でございますが、これは共産党の教育を十分に身につけて、日本に帰つたらお前は共産党員として教育をやれと言われて来たと自称する人がおりました。この人と春夫先生は余り遠くもございませんでしたので、いつか往き来をされるようになつて、それが非常に頻繁に、行けばときの移るのを忘れるくらいに語り合つて、その家の人たちは迷惑するということを、その共産党員だと自称する人の母から他人に語つたことを聞いております。たまたま警察の手入がありましたので、部落民の驚きは一方でございませんでした。部落民が非常に不安状態にありますところに、伊藤信子先生は共同聴取を利用いたしまして、武佐中学の事件の真相を部落の皆様にお知らせすると申しまして、暴漢、無頼漢が三十名大挙して教育の殿堂を踏みにじろうとしたから、我々教員は学校と生徒を守るために、飽くまでも闘い、暴漢を一歩も校内に踏み入れさせず撃退したと放送しましたので、部落民の不安と先生に対する不信は大変でありました。そこで部落代表などが事の真相を調査し、部落民に事態を報告し、私どもは部落民の意思に基きまして関係当局に陳情の運びになつたのでございます。
次に偏向教育の内容とございますが、当時発刊禁止となつておつたかと思いますところの共産党の機関紙と聞いております「平和と独立」を生徒に教室で回覧をさせ、又読んで聞かせたこともあると聞いております。又一般部落民にも配付した事実もございます。この件は中標津公平委員会でも確認されているはずでございます。
次に野坂、徳田の件でございます。彼らは真の平和愛好者であり、日本を救う立派な人物であるに追放されていることは戦争を早めることであり、平和の招来を妨げるものだと生徒に話したということも聞いております。このほか、私どもは共産党であるか否かは知りませんけれども、伊藤信子先生が、小森という生徒に対しまして、お前の父さんは立派な共産党員であつて、お前は共産党が嫌いだというが父さんは立派な党員だと褒められたが子供は迷惑がつたという話を生徒などから聞いております。
反対に父兄が町議会議員の反共産党の子供とありますが、私の子供のことでないかと思われます。当時、私は町議会の議員ではございませんでした。二十六年のPTA役員の改選のときに、私に、学校の先生側から会長に是非とも就任をしてくれという強い要請がありましたが、固く私はお断りいたしましてから、私の子供に対して何かとつらく当られたのではないかと思うことがたびたびのように考えられたのでございます。
次に数学と英語の授業の点でございますが、英語は殆んど教えられていなかつたようでございます。高校就学の生徒は一様に英語は教わつていなかつたので、英語には全く閉口だと難儀をしたのを聞いております。
なお朝鮮の休戦問題でございますが、休戦会談が停頓しているのは、米国が日本に基地を作るためにわざわざ長引かせているのだ、米国が手を引けばソ連はいつでも平和を好んでいるのだからと、いうことを生徒に話をされたことを聞いております。
白鳥警部暗殺事件でございますが、これも授業中のことと聞いております。白鳥警部のような人間は殺されるのが当り前で、殺されたからといつて誰一人同情するものがないのだと言われたと聞いております。以上で私の求められました証言は終りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/229
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230・川村松助
○委員長(川村松助君) これを以て北海道武佐中学関係の証人のかたの証言は終りました。各委員のかたで御質疑のおありのかたは御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/230
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231・須藤五郎
○須藤五郎君 星野先生に、この畑正志という人の人物なり、その当時の社会的な動きなりに関しまして、もう少し詳しく伺いたいと思います。併せて政党関係もありましたらお知らせ下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/231
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232・星野健三
○証人(星野健三君) 畑正志というかたは、私どもの調査したこと並びに公平委員会の本人の証言その他によりまして私が客観的に申上げるわけでございますがこのかたは中標津町の武佐駐在員でこの娘さんは武佐中学で教員をしていたようであります。問題が起きましたのは先ほども申上げましたように、徴税令書については、これは証言のときの言葉でありますが、学校を通してやつてはさつぱり税金は集らないから、私が学校を通してやつたのは、これは督促令状だけだ。こういう工合に明言されておりますが、これを公平委員会の判定では、昭和二十五年の七月頃から二十六年の八月と言つておりますが、私どもは暮頃までと見ておりますが、相当数に亘つて子供を通してこのことをやつたわけでございます。ところが、これが二十六年の暮になりまして、どういう拍子でありますか、先生がたはこれは内容を全然知らないでやつていたわけでありますが、子供たちがその中のものを見て、こう言つて騒いでいたそうであります。又こんなものが来た、おやじのやつ払わないからこんないやなものが来るんだというので、授業を前にしててんやわんやになつていたそうでございます。そこでこれは大変だというので先生は心配しまして、そういうことが私どもとして甚だ片手落ちのことをしていて、今後そういうようなことを絶対にさせないから一つこれは押えてくれ、こういう恰好でその場でいろいろ教えさとしたのでございます。ところがこの教育委員会の免職処分の理由にこれを相当に発展させまして、そういう金は支払わなくてもいいとか何とかいつた、言わないということを理由にして反税闘争をしたという工合に処分理由になつておりますが、実情は只今申上げましたように決してそういう扱いをしたものではない。これは私どもとしても甚だまずいやり方でありまして、こういうことがたとえ今まで習慣であつたとしてもやはり正常な学校教育が一つの角度から侵されているのではないか。こういう工合に判断するわけでございますが、この問題があつて以後やはりこれが一つの感情問題と申しますか、しこりとなつてこの免職処分、私が先ほど申上げましたような一つのことをきつかけとして、偏向教育をしたとか或いは赤い教育をしたとか、こういう工合に発展して行つたのではないか、かように考えております。なおこの政党の所属関係でございますが、これは私承知いたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/232
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233・須藤五郎
○須藤五郎君 畑君と杉原君との間に何か特別な個人的な関係があつたかどうかということを一点。それから政令三百三十五号違反ということは、これは偏向教育と何ら関係ないことと思うのであります。当時アメリカが日本を占領した、その占領政策との斗いの過程において起つて来た問題でありますが、あなたはこの政令三百二十五号違反と偏向教育との関連があるというふうに考えられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/233
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234・星野健三
○証人(星野健三君) 私先ほどちよつと失念いたして申訳ないことをいたしましたが、この問題を起した学級は女のほうの伊藤信というほうの先生です。これは訂正いたしておきます。全部という工合にとられるとちよつとまずいと思います。
それから特別関係があつたかどうかということにつきましては、これはそういうような問題のときから何か話があつたのじやないかと思うのですが、個人的にどういうような関係があつたかどうかということについては私は承知いたしておりません。
それから三百二十五号違反の容疑、これは先ほども申し上げましたが、四月の二十二日の問題で、捜査を朝、午前七時三十分頃だと思います。記録によりますと、捜査を受けたようであります、このことについては私どもはこれは本人自身の問題であつて、偏向教育そのものについては何ら関係がない、教育委員会もこの問題で偏向教育をしたということではなくて捜査を受けた後反省の色もなくとか何とかいう、そういうようなあいまいな言葉でありますが、これについても私どもは異議があるのですが、そういう言葉で、教育委員会自体もそういう工合に見ているようであります。
なおこれに附加えて申上げておきたいことは、この捜査を受けました結果、二十七年の十月の十六日に釧路地方検察庁で不起訴処分となつておりますので、これはあの政令も、配布の目的をもつて所持しているというのでなければこれは罪なしということになるのだという工合に聞いておりました……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/234
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235・須藤五郎
○須藤五郎君 私の質問した要点だけをおつしやつて頂きたい。この偏向教育の内容としていろいろの例を清原さんなど挙げていらつしやいますが、今日本人が出席しておりませんので甚だ遺憾だと思うのです。本人がおれば私はいろいろ質したい点があるのですが、本人がいないのでそれらを質すことができませんが、この中には常識的に私たちの立場で当然だと思うことと、それからこんなことはまさか言うまいと思うことと二通りあろわけなんです。そうしてどうも先ほど清原氏の話を聞いていると、共産党を何か特別のとんでもない人たちの集まりのように考えている先入観をもつて、この杉原君たちの行動を議したのではないかというふうに私たちは考えられるような言葉があつたと思うのですが、私自身も共産党員です。今日共産党は日本の合法政党の立派な大政党として存在し、私自身も国会に席をもつておつて、決して危険なものでも何でもない、本当に日本の将来を考えて斗つているのは共産党だ、これは各党ともお互いに自負心をもつていると思う。私たちはやはりそういうふうに考えている。ですから若し杉原さんがこれは共産党員か何か知りませんが、若しあなたの言うように共産党員であるならば、このくらいに考えるのは当然だと思うのです。何も偏つた考えでも何でもない。自由党のかたは自由党は国民の味方だというふうに考えているし、又今の総理たちは日本を救うものだというふうに自由党の諸君は考えているだろう。私たちとしては徳田、野坂が真に日本を救う人物だというふうに考えている。こういうことは一向何ら差支えないことで、どうも皆さんはこういうことを言うと何か特別の人間であるかのごとく解釈されて、特にこういうことを問題にしていらつしやるように私には受取れるのですが、本人がいませんので甚だその点遺憾だと思うのですが、先ほど暴漢無頼漢が学校云々というような発言をされましたが、そういう発言を清原さん、する根拠があつたのですか。暴力を振つたとか何とか実例があつたのですか、どういう立場から暴漢無頼漢云々というような言葉を使われたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/235
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236・清原庄太郎
○証人(清原庄太郎君) それはどういう考えで言われたか私どもにはわかりません。それは伊藤信子先生ももう杉原春夫先生も警察と認めた後にも生徒の前で暴漢、無頼漢、売国奴、面を上げろということを言われたということを言われました。それに共同して伊藤先生もこれはどんどんそれを言われたのでございますので、どういう意味で言われたか私どもにはわかりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/236
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237・須藤五郎
○須藤五郎君 私が誤解しておりました。わかりました。伊藤君や杉原君は警察官たちに対して暴漢、無頼漢が学校を占拠しようとするからというようなことを言つたわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/237
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238・清原庄太郎
○証人(清原庄太郎君) そうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/238
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239・須藤五郎
○須藤五郎君 これは本人がいないので真偽を確かめることができなくなりましたからこれは保留しましよう。
それから「平和と独立」を一般に配付したということをあなた今おつしやいましたが、これは評判を開かれたのですか、あなた自身がその配付を御覧になつたのですか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/239
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240・清原庄太郎
○証人(清原庄太郎君) それは直接に部落の家庭を廻つてこれを御覧なさいと言つて渡して行かれたところ何軒もございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/240
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241・須藤五郎
○須藤五郎君 何軒もあるとおつしやるのはあなたが、自身がその現場なりそのものを御覧になつたのですか、どうですか。はつきり答えて下さいよ、清原さん。人の評判だけじやないですよ、あなたを実際にそれを見たかということを質問しておるのですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/241
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242・清原庄太郎
○証人(清原庄太郎君) 私は実際に渡されて行つたということを見ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/242
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243・須藤五郎
○須藤五郎君 何という人に渡したのを見たのですか。誰が何という人に対して渡したのを見たのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/243
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244・清原庄太郎
○証人(清原庄太郎君) これは中司さん、石橋金作さんほかあるということを聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/244
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245・須藤五郎
○須藤五郎君 他から聞いておるのじやいけないので。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/245
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246・清原庄太郎
○証人(清原庄太郎君) 石橋さんのところで置いて行つたことを知つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/246
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247・須藤五郎
○須藤五郎君 誰が置いて行つたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/247
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248・清原庄太郎
○証人(清原庄太郎君) それは杉原春夫先生であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/248
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249・須藤五郎
○須藤五郎君 もう一点お尋ねしたいのですがね。これはものを判断をする参考に聞いておきたいのですが、どうでしようか。朝鮮の休戦の会談が停頓しておるのは米国が日本に基地を作るためだと述べておるということが問題になつておりますが、あなたはどういうふうに考えていらつしやいますか、このことに関して……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/249
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250・清原庄太郎
○証人(清原庄太郎君) 私は基地を作るためだとかためでないとかいうことは存じておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/250
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251・須藤五郎
○須藤五郎君 あなたは何も存じない立場でありながら人が言つたことを批判することが、これを非難する立場にあるととれるでしようか、どうでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/251
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252・清原庄太郎
○証人(清原庄太郎君) いい悪いということを私は申上げておるのではありません。(「その通り」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/252
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253・須藤五郎
○須藤五郎君 いやこれを偏向教育だというふうにどうしてそれは解釈できるのでしよう。(「事実を言つておるのだ」と呼ぶ者あり)いや偏向教育だという認定をしていらつしやるから私は尋ねるのですが、どこが偏向教育なんでしよう。(「そういう質問はいかんよ、人がやるときは悪いと言つて自分がやつているじやないか」と呼ぶ者あり)よろしうございます。これはよろしうございます。それじや私は本人が来たら本人に突込んで、この点私が非常識だと思うことを実際に本人がやつたかということを私は尋ねたいと思いますが、本人がおりませんから私は質問をこれで保留しておきましよう。又あとでいたしましよう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/253
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254・川村松助
○委員長(川村松助君) ほかに御質疑ございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/254
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255・木村守江
○木村守江君 ちよつと横田さんにお尋ねいたしますが、先ほど来星野君の答弁を聞いておりますと非常に表現しにくいような恰好でいろいろ核心に触れないで偏向教育でないというようなことを言つておられますが、あなたはあの今の星野君の話を聞きましてもなお中標津の教育は偏向教育であるとお認めになられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/255
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256・横田俊夫
○証人(横田俊夫君) 先ほども私申上げました通り、先ほど私の申上げたことは教育委員会からの報告によつて申上げたことで、若しこれが、まあ事実でしよう、公平委員会も判定をしておるのですから事実でしよう。これが事実であれば明瞭な偏向教育であると私は考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/256
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257・木村守江
○木村守江君 もう一つお尋ねいたしますが、この中標津の只今まで申されましたような教育をしておつたならば、非常な大きな問題であると考えまするが、この問題について何らか文部省あたりから調査に参つたことがありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/257
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258・横田俊夫
○証人(横田俊夫君) 別段文部省からの調査ということはございませんでした。但しこの問題につきましては私の町では先生がたがまだ住宅を空けませんので住宅を新しく二戸造つたり、その他一戸か二戸買収をいたしまして、或いは公平委員会の記録等もことごとく速記者がおりませんのでテープレコードでとつておるというような関係で、非常に金がかかつておるわけです。ですからこれは当然道教委が解釈をして、地方教委に廻つて来たもので、本来道人事委員会でやらなければならないものを私どもがやつたんで、この金については当然国或いは道が見てくれなければならないだろうというので、或る程度のことを何とか道を通じて金を或る程度みてくれ、私どもの町は非常に財政が貧弱でございますので、何とか金をみて頂きたいということを道を通じて自治庁に申出たことがございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/258
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259・木村守江
○木村守江君 今の横田さんの話ですと大変金が要つたという話ですが、大体どれくらいかかりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/259
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260・横田俊夫
○証人(横田俊夫君) ちよつとここでははつきりいたしませんが、住宅関係だけでも百数十万円ですから、二百万円以上と思いますが、はつきりいたしません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/260
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261・木村守江
○木村守江君 こういうような問題のために金が二百万円内外かかるということでは、こういうことのないような方法にしなければいけないと思うのですが、どういう方法がいいと考えるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/261
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262・横田俊夫
○証人(横田俊夫君) ちよつとここでどういうふうなことがいいかというようなことは私にはわかりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/262
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263・木村守江
○木村守江君 ああそうですが、よろしうございます。
それではちよつと清原さんにお尋ねしますが、何かその共産党にくみしないというようなことで、生徒児童に暴行を加えた。而も殆んど人事不省になるような程度に暴行を加えたというような話があるようですが、それは本当でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/263
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264・清原庄太郎
○証人(清原庄太郎君) お答えいたします。共産党でないために暴行を加えたなどというような事実はないと思います。ではありますが、学校内のことについて先生と生徒との口争いをいたしました結果、星喜八という子供は杉原春夫先生に叩かれたという事実がございます。
それは中標津公平委員会のあれにも出ておりますが、生徒の言い分では十数回も叩かれた。そして伊藤先生、校長先生がとめられるのも聞かずして、杉原春夫先生が叩かれたということも聞いております。
で丁度その当日でございました。私外出先から帰つて参ります途中、その星喜八に道で会いまして、そうしてその星喜八が非常に平素と変つた顔をしておりますので、どうしたんだろうかと思いましたが、私どもは星喜八の所とは相当距離が離れておる所ではございますし、どうしたんだということは聞きませんでしたが、家に帰りまして、星喜八がどうしたのか随分顔をはらして行つたがどうしたんだと言いました。ところが私の子供が学校へ行つておりましたので、その事の次第を話しましたので知つたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/264
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265・木村守江
○木村守江君 ちよつと星野健三君にお尋ね申上げますが、先ほどいろいろ非常に表現しにくいような文部省の資料とは殆んど縁の遠いようなお話を拝聴いたしましたが、ちよつとお伺いいたしますが、あなたは現在北教組の副委員長をなさつておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/265
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266・星野健三
○証人(星野健三君) そうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/266
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267・木村守江
○木村守江君 それからまともに聞きにくい話ですが、あなたのほうに関係のある教育情報によりますと、あなたは選挙違反に問われたことがありますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/267
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268・星野健三
○証人(星野健三君) この問題はここで証言することは偏向教育をしたかどうかということの証言で来ていることで、それについてはお答えをする必要はないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/268
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269・木村守江
○木村守江君 それはあなたが答える必要がないというのはいいのですが、あなたは曾つて選挙違反で逮捕拘禁された、日教組から教員の資金を三十四万八千八百円もらつておりますね。(「必要がないと言つているじやないか」と呼ぶ者あり)なくはないでしよう、あるでしよう。
それからちよつとお尋ねいたしますが、只今あなたを除く横田さんと清原さんとがいろいろ証言をされましたが、そういうような状態にあるということは大体想像できると思うのです。あなたはその点にはちつとも触れておりませんが、そういう状態であつても偏向教育ではないと、ちつとも教育上差支えないものだということを考えられますか。むしろ私たちはこの教育は共産党教育といつてもいいのではないかというように考えられますが、どうでしよう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/269
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270・星野健三
○証人(星野健三君) 先ほど時間がなくて私申上げられなかつたので、道教育委員会の処分した理由でこれを偏向教育という工合に断定していない、専門家が見た立場で判定をそういう工合にしていないということを申上げたのですが、ここでどういうお考えで赤いとか或いは共産党と言われているか。二人の証人のかたの考えていることを私よく存じませんけれども、併しこの部落で行われていたことで、政府をおかみと称してこれに反対するものは赤である、こういうようなことを言つているという記録もこれは投書でございますが、そういうようなことを考えてみた場合に、私もこれはその点はよく承知しておりませんので、共産党というか或いは共産主義というものはどういうものかということはよく承知しておりませんので何とも言えませんが、ここに書かれてあります偏向教育の内容でいろいろ御証言になつたこと或いはここに書かれてあることにつきましては、私どものほうとしましていろいろ本人にも当り或いは記録によりまして調査いたしました結果、この問題等についてはお互いに言つた、言わない、こういうような水かけ論になつておりまして、正直に申上げましてなかなかはつきりしないのです。そして先ほど御証言にもありましたが、子供をなぐつたということを星喜八という名前で出しました。若しもその子供をなぐつたというのであれば、これは学校教育法にも違反する重大な問題なので、これはやはり事実かどうかということは確かにしなければならない。(「簡単に」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/270
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271・木村守江
○木村守江君 先ほどいろいろ二人が証言いたしましたが、例えば「平和と独立」というようなものを学校内で配付するということでも何ら差支えないと考えますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/271
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272・星野健三
○証人(星野健三君) これは簡単に申上げたいのですが、私の承知しておる事実をちよつと申上げますとこの「平和と独立」を四月の二十四日に政令三百二十号違反で問われたときに、どういうものですかということを生徒に聞かれたので見せた。これは公平委員会でも日にちが大体三十四日頃くらいというふうになつております。そのほかは全然触れておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/272
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273・木村守江
○木村守江君 私はこの北海道新聞で武佐事件処理理由の判定、この文を読んでおります。それから今御両人の御証言を見ております。そういう点から考えまして、あなたは偏向教育と認めないか、あなたの考えを聞いております。(「考えなんか言う必要はない」と呼ぶ者あり)認めるか認めないか、そういう場合を言えばいいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/273
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274・星野健三
○証人(星野健三君) 私が先ほどから申上げておりますように、教育委員会もそう言つているように、事実としてはつきりしないということを申上げているわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/274
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275・木村守江
○木村守江君 先ほど横田証人からの証言を聞きましても、これは教育委員会も認めており、而もこの武佐事件の処分の理由の判定文にも明文化されております。それを認めないということは、ちよつと私はあなたは認めないという以外に方法はないだろうというふうに判定いたしますが、よろしうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/275
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276・星野健三
○証人(星野健三君) この判定書は全部が全部私は正しい或いは間違つているということは言えないと思いますけれども、併しこういう重要な判定書の中に間違いがあるということはやはり問題だと思います。その箇所を指摘いたしまして御返答に代えたいと思いますが、中頃に中標津町郊外の中央劇場へ前進座が来たときに授業を一単元だけ云々、こういうことになつておりますが、当時問題になつたときに中央劇場はない、こういうはつきりした事実がこういうものに出ているということについてはやはりいろんな点で疑問じやないか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/276
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277・木村守江
○木村守江君 あなたはあなたの言うことを非常に責任を持つて先ほどの証言の通りに陳述すると思いますが、残念ながら、私はこの武佐事件の処理理由判定書というものを……あなたの言葉通りを信ぜざるを得ません。それはなぜかと申上げますと、あなたは先ほど北海道の武佐という部落は非常に寒村で而も開拓地である。大学を出た人がそこに参つたためにその部落とは融和ができないいうようなずつと長い、ずつと前からのしこりが勃発してかような状態になつただろうというようなお話を申されましたが、何ですか、杉原春夫君が赴任されたのは昭和二十五年である、この問題が起つたのは三十七年であるということから聞きましても、ずつと前からしこりがあつて、そうして勃発したものであるというようなふうには考えられませんが、あなたはどういうふうにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/277
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278・星野健三
○証人(星野健三君) これはあとで必要があれば読んでもいいのですが、先ほど申上げましたようにずつと小・中学校合同の運動会をしておりまして、毎年これが行われていたわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/278
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279・木村守江
○木村守江君 そういうこととは関係ないのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/279
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280・星野健三
○証人(星野健三君) いや関係はあります。そういうなかでやはりいろいろ問題点があつてしこりがずつと残つていたわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/280
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281・木村守江
○木村守江君 どうも今運動会がどうとかと言いますけれども、そういうことは関係はないので、それはずつと前から部落民との感情がたまつておつて、それが勃発したというのですから、少くともずつと前からの事態で、三年か四年か前からこれは努力に努力をしたが、どうしてもその地方で感情的な融和ができなかつたというように常識としては考えられますが、あなたの答弁では我々はあなたの言うことを信用することはできません。(「信用できないなら質問する必要はない」と呼ぶ者あり)
それからちよつと申上げますが、あなたのほうではこの三人の処分に対しまして、北教組という名前を扱つておりませんが、北教組の代表的な人物を以て係争いたしておりますこのいわゆる武佐の偏向した教育と我々は認めますが、それから公平委員会も認めておりますが、この偏向した教育と北教組と何か関係がありますか。(「信用できない者は答える必要はないよ」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/281
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282・星野健三
○証人(星野健三君) 関係があるかというのですが、これは何もそういう点から私どもが取上げたのではなくて、道教委が先ほど申上げましたように免職をするということを一方的に教員のほうに責任をなすりつけて行くようなことが、記録によつてもはつきりしているのですが、こういうような処分が行われているということ、それから私どもがいろいろ調べても十分これの免職に価いする理由が、いろいろな角度から見ても納得ができない、そういうことを考えてみた場合に、組合はやはり組合員みんなの生活権、特に免職ということは生活権を根本的にとられることでありますので、そういうような重要な問題を一方的に免職をするというようなことは納得できないし、こういうようなあいまいなものをそのまま放置しておくことについては、今後ケースが通うとしてもそういうようなことが頻発する虞れも多分にある、こういうので取上げたわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/282
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283・木村守江
○木村守江君 私は、少くともこの武佐中学の教育はこれは非常な偏向した而も共産党的な教育である、そういうものに対してあなたがたが、これはいわゆる生命をかけても五十万教師の力にかけても反対すると断言しております。そういうことから考えますと、この武佐中学の共産党的な教育といわゆる教員組合とが密接な関係があるというように断定せざるを得ないのですがどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/283
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284・星野健三
○証人(星野健三君) 前提が違つておりますのでお答えもちよつとあれかと思うのですが、先ほど私どもが取上げる理由を申上げましたように、これがこのまま放置されておいて我々の生活権というものが非常に問題になる、それから理由もはつきりしない。こういう点から取上げましたので、偏向教育を助ける助けない、そういうことで取上げているのじやないわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/284
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285・木村守江
○木村守江君 伊藤信という人の判事の前での中立てによりますと、これはテープ・レコーダーにあるそうですが、教員住宅を立退かないのは北教組の指令によると申しておりますが、こういうことは北教組で本当にやつておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/285
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286・星野健三
○証人(星野健三君) その事実はございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/286
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287・木村守江
○木村守江君 そうすると伊藤信の陳述は虚偽の陳述であると申上げてもよろしうございますね。そういうような虚偽の陳述を判事の前で言うような人を、そういうような教育をする人を北教組が身をもつてかばわなくちやならないというところに、この武佐中学の教育と北教組とのこれは欠くべかざる関係があると見られても差支えないと思うのですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/287
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288・星野健三
○証人(星野健三君) 虚偽の陳述かどうか文書にしてそういうことを話したわけでないので、或いは話の中にそういう工合に本人が受取つたとすれば、それは誤解ということもあり得るわけでありますので、必ずしも虚偽の陳述になる、ならないの判定はできないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/288
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289・木村守江
○木村守江君 それから北教組はこの三人の問題について、救援資金を出しているというような話を聞いておりますが、少くとも救援資金を出すということには、これは教員組合の指導方針に尽力した人が職を失つたような場合救援資金を困つた場合には出すというのが原則のように聞いておりますが、如何でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/289
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290・星野健三
○証人(星野健三君) 何か次の質問の伏線のようでありますが(笑声)これについては私どもはこの問題はいろいろな角度からどうしてもあいまいな態度で過すわけには行かない。こういうような考えから、みんなの御意見を拝聴して若干の救援資金というものを私どもの組合のほうから出しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/290
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291・木村守江
○木村守江君 この問題は、私が聞こうとするところは、あなたは今何か引き出すのだろうと言われましたが、救援資金で思い出したのですが、これはここにおります岡君が曾て坂田君と討論の際に、中共から日教組に七十四万幾らかの金が来たというような話がありまして、来た事実を肯定しておりましたが、そのことにつきまして北教組の代議員会でこの金はおれのほうに来たのだ、北教組に来たのだ、或いは片一方のほうでは三人の名前から、いやそうではない、それは三人に救援資金として中共から来たのだというような激烈な討論をしたことがあるという事実を知つておりますが、如何でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/291
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292・星野健三
○証人(星野健三君) いつ頃の代議員会のときかそれを御指摘願わないとちよつとその点申上げられません。(「あつたかないか言えばいいのだ」と呼ぶ者あり)それから金は私どもの本部会計では扱つておりませんので、その件につきましても私は全然わかりません。(「その点について問題があるのだ」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/292
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293・木村守江
○木村守江君 これは日教組の情宣部から発行した日教組の速報があります。この速報の中に相当詳しくこの金の問題が書いてあります。あなたは北教組の代議員会でそういうふうな討論をして、これは日教組に来たのだ、いわゆる三人に来たのじやないといつて討論をしたが、そのあとから岡君の発言等があつて非常に日教組に不利益になつたときに、これはいかんといつて自分のはうで引込めて、それは杉原のほうに来たのだというようなことになつているように、ちやんとここに書いてあります。これは日教組の情宣部で出した情報です。(「何だかわからない」と呼ぶ者あり)それをどう考えますか、あなたは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/293
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294・星野健三
○証人(星野健三君) それは全然そういうことは反対のように私は考えているのです。そういうことはないと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/294
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295・岡三郎
○岡三郎君 この問題は質問時間に入れないで頂きたい。(「そんなことはない」と呼ぶ者あり)ただ木村発言に関係するのだ、君が嘘を言つているから私は言うのだ。私はテープ・レコーダーを持つておりますが、私はこれについては、このように言つたことをここではつきり言う。要するに中共から何がしかの金が来たというのは、国民救援会に来た、準備会に来ているのだ。国民救援会に来ているのを、日教組のほうと相談して分けてもらうということについては、そういうものをどう分けるかということについては日教組は関知しない、これは私が明白に言つているわけです。日教組に来たのではなくして国民救援会に来たのだ。これははつきり私が育つたことを本人がここで言うのです。(「その通りその通り」と呼ぶ者あり)その点をいつまでも、君の悪い癖なんだよ、人が言わないことをいい加減に言つて、そうしていつも人をごまかそうとしている。(「何言つているのだ」と呼ぶ者あり)私が言つているのは、日教組でなくて国民救援会に来たのだ、はつきり言う。君はそんな馬鹿なことを言つてどうするのだ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/295
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296・木村守江
○木村守江君 只今岡君から発言がありましたが、お互い同士の発言をしないという野本さんのお話があつて、私は言わないと思つたのですが、(「じや言うな」と呼ぶ者あり)ちよつと申上げますが、岡君の発言は中共から金が来たことは事実だ……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/296
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297・岡三郎
○岡三郎君 来たよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/297
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298・木村守江
○木村守江君 併しその分け方について日教組と何とか相談をしてもらいたいというので……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/298
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299・岡三郎
○岡三郎君 そうだよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/299
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300・木村守江
○木村守江君 私はそこに関係があると思つていいと思う。(「何が関係がある」「関係のないものを相談しない」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/300
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301・岡三郎
○岡三郎君 おかしい言い掛りをつけるね、人がそつちのほうへ相談して行きたいという、そういう人のすることについて、何か関係があるかないかということは暴言だよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/301
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302・木村守江
○木村守江君 暴言じやない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/302
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303・岡三郎
○岡三郎君 向うから来たことについて、私がちやんとそのように答えている。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/303
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304・川村松助
○委員長(川村松助君) 岡君と木村君の発言はこの辺で打切らせます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/304
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305・岡三郎
○岡三郎君 これはもう同じことを……嘘を本当のように言つているのだ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/305
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306・川村松助
○委員長(川村松助君) 岡君と木村君の討論は打切ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/306
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307・岡三郎
○岡三郎君 今の問題について、この問題はこれ以上触れませんけれども、もう一ぺんはつきりしますが……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/307
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308・川村松助
○委員長(川村松助君) もうたくさんです、わかりましたから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/308
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309・岡三郎
○岡三郎君 同じことばかり言うから、もう言わんということを言つて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/309
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310・川村松助
○委員長(川村松助君) もうあとはストップ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/310
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311・岡三郎
○岡三郎君 嘘を言うから……(「どつちが嘘つきだ」と呼ぶ者あり)文部委員の権威のために嘘を言うな。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/311
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312・川村松助
○委員長(川村松助君) ほかに御質疑はありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/312
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313・荒木正三郎
○荒木正三郎君 私は清原さんに少しお尋ねをいたします。
先ほど清原さんは部落民の会合をやつて、そうして三人の先生についていろいろ相談をした結果、先生としては信任できない、こういう結論が出た、こういうお話でございましたが、これは政令三百二十五号違反で容疑を受けてそうして警察官の捜査を受けたとか、こういう理由でそういう結論が出たのかどうか明らかにして頂きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/313
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314・清原庄太郎
○証人(清原庄太郎君) お答えいたします。それは部落の間で中立を欠く教育をなされているんじやないだろうかというような不安を持つておりました。ところへ何事か知りませんが警察が学校に手入れをしたということを部落民が聞いたわけでございます。どういうことだろうかということを部落の人々が不安状態に駆られておりますところへ伊藤先生が共同聴取を利用しまして申しましたことは、先ほど申上げました通りのことを申されたわけでございます。それで部落の人がたが非常にどちらがどうだかわからない。実際に先生の言われる通り、教育の殿堂を暴漢、無頼漢が土足で踏みにじるようなやり方をしたのだ。それは一体どういうことでやられたのだろうというようなことで、皆が非常にそれに対して不審を抱きましたので、部落のうちの農事会というものがございます、農業者でございますから。農事会の代事な人がたがこれはこのままでおいたら部落はただ徒らに騒ぐようなことがあつてはいけないからというので、調査をしました結果を部落に伝えますために集会をやつたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/314
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315・荒木正三郎
○荒木正三郎君 貴重な時間ですから質問に答えて頂きたいと思うのです。部落の会合をしてその結果これらの先生は信任することができない。こういうことになつたのは、これらの先生が政令三百二十五号違反で捜査を受けたということが一番大きな理由になつておるのですかということを聞いておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/315
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316・清原庄太郎
○証人(清原庄太郎君) それは警察の手入をされるというような、つまり清廉潔白でないところからそういう疑いを受けられた、こういうことだと思います。そういう疑いを受けられるような先生がたでありましたら、部落のものは信用して子供をお預けし、教育をして頂くことができないという皆の気持がまとまつたものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/316
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317・荒木正三郎
○荒木正三郎君 それで部落の人たちがこれらの先生を信任することができないという理由が明らかになつたわけでございます。
そこで次にお尋ねをいたしますが、政令三百二十五号の違反ということとそれから学校教育とはどういう関係があるとお考えになりますか。その点をお聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/317
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318・清原庄太郎
○証人(清原庄太郎君) 私は単に疑われることだけによつて部落民が信用できる、でき得ないということを言つたものだとは思いません。伊藤先生が警察は警察だと言われたら、それは部落民は納得したと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/318
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319・荒木正三郎
○荒木正三郎君 結構です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/319
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320・清原庄太郎
○証人(清原庄太郎君) あくまでも暴漢、無頼漢だというような……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/320
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321・荒木正三郎
○荒木正三郎君 結構です。結構です。それではこの三人の先生は同様に部落の人たちは適当な先生でないと、こういうふうに結論が出たのですか。或いはその間にどれどれの先生は工合が悪いというふうに出たのですか。その点お聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/321
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322・清原庄太郎
○証人(清原庄太郎君) 私はあなたの御質問に対してお答えしようといたしましたら最後まで答えないうちによいというて非常に……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/322
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323・荒木正三郎
○荒木正三郎君 いや私がわかつたからもうよろしいと言つたのです。ですから質問に答えて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/323
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324・清原庄太郎
○証人(清原庄太郎君) それは三人の先生がたを信頼することができないということになつたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/324
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325・荒木正三郎
○荒木正三郎君 そうすると校長先生の杉原先生に対しても前々から非常な疑惑を持つておられたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/325
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326・清原庄太郎
○証人(清原庄太郎君) 校長先生にも同様に疑いを持つておつたと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/326
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327・荒木正三郎
○荒木正三郎君 あなたはやはり疑いを持つておられましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/327
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328・清原庄太郎
○証人(清原庄太郎君) 私は校長先生にはやはり疑いを持つておつた一人でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/328
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329・荒木正三郎
○荒木正三郎君 それではお尋ねをいたしますが、ここに偏向教育の事例としていろいろなことが書いてございます。これはどの先生がこういうことをせられたのか一つ御説明を頂きたいと思うのです。ここには偏向教育の内容として一番から四番まで出ております。このうちで校長先生がおやりになつたことはどれどれか、それを一つ御説明を頂きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/329
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330・清原庄太郎
○証人(清原庄太郎君) 校長先生がどれどれをやられたかお答え願いたいという御質問でございますが、校長先生がどの分、どの先生がどの分というようなことを私ここで申上げかねます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/330
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331・荒木正三郎
○荒木正三郎君 大体あなたは考え違いをしておられます。この質問には答えなくてはならんと私は思います。従つてですね、あなたはこういう事実があるということをはつきり認められたのでありますから、先ほども、而もこの目で見たという事例もあるのです。そうして校長先生も偏向教育をしておられる、こういうふうにあなたはお考えになつております。そうすればですね、而もこうして事例が挙げてあるのですから、校長先生はこのうちのどれどれをおやりになつたか。若し御存じなければ知りませんと答えるべきです。それを答えられませんということになると、あなたは重大な問題を私は起すことになると思いますので、十分考えてこれは言つてもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/331
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332・清原庄太郎
○証人(清原庄太郎君) 考えてお答えいたします。私が校長先生を疑つておつたと申上げましたことは、校長先生が偏向教育で疑つておつたという、校長先生が偏向教育をされたということで疑つておつたのではありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/332
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333・荒木正三郎
○荒木正三郎君 そうすると何でお疑いになつておられましたかお聞かせを願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/333
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334・清原庄太郎
○証人(清原庄太郎君) お答えいたします。校長先生は昨日話されましたことと今日話されましたことと非常にとんでもない話をされることがたくさんにございました。でありまするから人格的に私は疑つておつたのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/334
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335・荒木正三郎
○荒木正三郎君 それでよはどはつきりして参りました。そうすると清原さんは、校長さんは教育者として或いは一個の人間としてその人格に対して疑いを持つておつた。そうしてその校長さんが偏向教育をされるという疑いは持つていなかつた、こういうことでございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/335
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336・清原庄太郎
○証人(清原庄太郎君) お答えいたします。私は校長先生が偏向教育をされたということは言いきれません。わかりません。校長先生を人格的に疑つておりましたことは、昨日言われたことと今旦言われることと違うようなことはたくさんございましたし、又非常に不思議極まる行いがたくさんあつたことを知つております。それで疑つておつたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/336
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337・荒木正三郎
○荒木正三郎君 そうすると、文部省の出した資料によりますと、この三人はいずれも偏向教育をした、こういうふうに事例としては載つておるわけなんです。そういたしますと、あなたは校長さんの分だけはその通りには認めがたいと、こういうことになると思うのですが、そのようでよろしうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/337
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338・清原庄太郎
○証人(清原庄太郎君) それはその人の見方によると思いますので、私は校長先生は偏向教育の先生であつたとは、私ははつきり言い切ることはできません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/338
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339・荒木正三郎
○荒木正三郎君 それでは第一番の「アカハタ」ということは訂正されまして、平和と独立というパンフレットを生徒及び一般人にまで配布した、これは自分の目で見て知つているということでございましたが、これはどの先生がおやりになつたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/339
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340・清原庄太郎
○証人(清原庄太郎君) 杉原春夫先生が修学旅行の勧誘に歩かれたときに持つて歩かれたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/340
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341・荒木正三郎
○荒木正三郎君 そのほか私は詳しく尋ねることを避けまして、二番、三番、四番の問題も、いずれもこれは杉原春夫先生がこういうことをせられたというふうにあなたは考えておられますか、或いは伊東信子さんも一緒にこれはやられたのだというふうにお考えになつておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/341
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342・清原庄太郎
○証人(清原庄太郎君) それは伊東信子先生と春夫先生は絶えず行動を一緒にされておつたように思われるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/342
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343・荒木正三郎
○荒木正三郎君 絶えず行動を共にしておられたから、これは両方で協同をしてこういうことをやつておられた、こういうふうにお考えになつておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/343
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344・清原庄太郎
○証人(清原庄太郎君) そのように思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/344
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345・荒木正三郎
○荒木正三郎君 時間の関係もありますから、私の質問はここで一応保留しておきます発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/345
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346・相馬助治
○相馬助治君 私は二、三点横田さんと清原さんにお尋ねしたいと思つておりますが、ここで問題になつておりまするものは、偏向教育がなされた、こういうことでございまして、誰々がどういう党活動をしたかということは問題でないのでございます。即ちこの主君が一政党の考え方を教育という立場を通じてやつたのか、やらなかつたのかというところが、我々としてははつきり知りたいところなんでございます。従つて福田さんにお尋ねいたしますが、二の「共産党でなければ」云々から「意味がわからないとのべ、」というのは、教室或いは学校のどこの場かで言うたのですか、それとも村人の集りごと等で申した言葉ですか、いずれですか、横田さんにお尋ねしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/346
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347・横田俊夫
○証人(横田俊夫君) お答えいたします。私先ほど冒頭に申上げました通り、部落の人から常時間いておるという程度であります。これは教室でやつたと聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/347
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348・相馬助治
○相馬助治君 教室でそのようなことを申したと……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/348
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349・横田俊夫
○証人(横田俊夫君) その通りです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/349
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350・相馬助治
○相馬助治君 さようでございますか、清原さん、今の点はさようでございますか、今の点は横田さんのおつしやる通りですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/350
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351・清原庄太郎
○証人(清原庄太郎君) そのように聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/351
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352・相馬助治
○相馬助治君 横田さんと違つて清原さんの場合は御父兄でいらつしやいますから、子供さんを通じてそういうことをお聞きでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/352
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353・清原庄太郎
○証人(清原庄太郎君) はい、子供からも、よその子供からも聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/353
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354・相馬助治
○相馬助治君 わかりました。で、こういう言葉は唐突に出るのではなくて、やはりいろいろな前からの言葉の続きで出たのであろうと思いまするが、それらの点については、はつきりとわからないわけですか。横田さんに……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/354
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355・横田俊夫
○証人(横田俊夫君) 前後の続き等はわかりませんが、本人のふだん言つておることから、恐らくここに書いておる通り共産党が一番いい、或いは共産党でなければならんと言つたと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/355
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356・相馬助治
○相馬助治君 次に『「父兄は共産党員で立派なものだ。」と賞揚し、』と、こうありますけれども、誰かさんの発言を開きますと、お前のお父さんは共産党員でなかなかしつかりしおるが、お前は駄目じやないかというんですが、そうなると話は大分違つて来る。あとのほうにウエイトがあつて、お前は駄目だという例としてお前の親父は偉いと、こう言うたので、この文句とはちよつと文句が違うのでなくて内容が違つて来るのですが、そのいずれでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/356
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357・横田俊夫
○証人(横田俊夫君) これは生徒に常時共産党が一番いいんだということを言つておりますから、お前の親父は立派なものだと、併しお前は駄目なんだ、こういう意味で言つたと思います。生徒を叱責する意味においてお父さんを引合に出したと、私はかように判断します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/357
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358・相馬助治
○相馬助治君 わかりました。この三は数学、英語と書いてありますからはつきりしておりますが、四番目の場合、白鳥警部問題についてかようなことを放言したというのは、これ又教室でですか、清原さん。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/358
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359・清原庄太郎
○証人(清原庄太郎君) それは授業の時間に教室で話されたということを聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/359
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360・相馬助治
○相馬助治君 わかりました。そこで私不思議に思いますことは、この杉原氏なり、伊東氏なりが、長い間子供に物を教えたと思うのです。ここでは不幸にして四つか五つかの発言が出ておりまして、これを見た限りにおいては、これはなかなか変つたことを言うている先生です。これは明らかだと思うのです。そこで私は村人が、この先生方に対する、この騒ぎになる前の評判を聞きたい。こういうおかしなことも言うが、こういう点では非常に偉いとか、こういう点では非常に進歩的な立派な教育をやつているというような、何か杉原春夫君についてよいことを一つ、あつたらば、清原さんに御証言願いたい。こういう点は感心な男だというような……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/360
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361・清原庄太郎
○証人(清原庄太郎君) この点がいいところだというように感心するところはなかつたように思います。(笑声)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/361
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362・相馬助治
○相馬助治君 わかりました。そこで私はやはり不思議に思いますのは、あとで聞いたことですが、この杉原校長は気がおかしくなつたということ、これは考えてみると非常に責任を感じて、或る意味では私はこれは非常にお気の毒な、そうして又何と言いますか、教育者としての明らかに良識と良心とを持つていたと思われる節もあるんですが、こういう点に関して校長の評判と申しますか、総括的な人物評と申しますか、横田さんから何か参考になることがあつたらお開きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/362
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363・横田俊夫
○証人(横田俊夫君) 個人のこれは名誉に関することですから私申上げたくないのですが、実はこの先生は樺太の落合中学にいるときに、すでに二回発狂しているということを、私は確かな証人を知つておるのです。ですから変な物の言い方をすれば精神、何と言いますか、薄弱者と言いますか、分裂症と言いますか、そういう人を間違つて校長にしてしまつたのだと、ですから校長になつた当時も部落へ行つて喧嘩して殴られたり、それから現にこれは私も目撃しておりますが、樺太から帰つて来て預金を封鎖されたとき、拓銀の支店長に向つて、おれの貯金を返せと言つて短刀を突きつけた。そういう非常識な行動が前々からあつたわけです。ですからそういうところからいつて、本当に私申上げにくいのですか、これは採用を誤まつたというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/363
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364・相馬助治
○相馬助治君 わかりました。これは聞けば聞くほど不思議な物語りで、(笑声)実は政令違反でこの人の職を免ずべきでなくて、これは教育委員会の諸君がいないのでどうにもなりませんけれども、これは任命権者なりが別個な問題が又あると思うのですが、それには深く私は触れようといたしませんか、そこで横田さんにお尋ねしたいことは、杉原氏は意識的に偏向教育を行りというような積極的意思は持つていなかつたものと、校長の場合ですが、かように了解してよろしうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/364
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365・横田俊夫
○証人(横田俊夫君) 私は杉原春吉さんの場合はそういうことをはつきりした証拠を持つておりません。ただ自分の部下がこれだけのことをやつておることを知らないわけはないと思います。それを容認しておつたという点において、それからもう一つ、生徒が君か代などを歌うということは非常に好ましくないなどと言つておつたということを、これは噂話ですが、真相はちよつとわかりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/365
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366・相馬助治
○相馬助治君 最後に清原さんに御答弁願いたいと思います。というのは、今日あなたから非常に重要ないろいろな証言が同僚荒木君と、取り交されましたあとで、実は偏向教育のものですから、どういうところに尺度をおいて偏向ということを測るかということが問題なので、ここでお尋ねするのですが、清原さんは何か政党に関係をなさつていらつしやつておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/366
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367・清原庄太郎
○証人(清原庄太郎君) 私政党に関係なとはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/367
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368・相馬助治
○相馬助治君 わかりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/368
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369・川村松助
○委員長(川村松助君) ほかに御質問ございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/369
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370・加賀山之雄
○加賀山之雄君 星野さんに伺いたいのですが、先ほどこれらの事実が横田さんや清原さんのお話で、これは従来のずつと調べて来ました事例から見て、一番はつきりしているように私は伺つたのですが、星野さんのお話によると、これは事実がまだはつきりしてないという前提で、これを偏向と認めるかどうかということに対して遂に御回答がなかつたのですが、勿論事実でなければ問題ないのですが、万一こういうことが本当にあつたということが確かならはこういうことを前提として、あなたはこれを確実にこういうことがあれば大変に偏向であるというふうに考えられるのかどうか、同様の教員諸君のことであり、非常に言いにくいかも知れませんが、その点はつきりと私は御意見を承わつておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/370
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371・星野健三
○証人(星野健三君) この点につきましては、先ほど私が申上げましたように、本人に聞きましても、言つた、言わない。それから野坂、徳田の件は、私が公平委員会に出ておる間は、或いは記録にも一回もこの点は出ておりません、野坂、徳田ということは……。それからあとのことが、これは先ほど言つた通り明確になつておらない。そこで御質問の趣旨で、若しそれが言われたとしたならば、どうか、こういうご質問ですが、例えば朝鮮の休戦会談云々というようなことについては、私はこれはやはり客観的な情勢がはつきりしていないという前提に立つた場合にはどうかということは考えられますが、果して偏向教育かどうかということは、先ほど申上げたように、言つた、言わないということもありますので、これはなかなか私としては問題むずかしい、ただ内容としてこれが言つた言わないということが未だにはつきりしておらないということを考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/371
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372・加賀山之雄
○加賀山之雄君 それではあなたは、飽くまでもこういうことがはつきりしていても、これを偏向教育とは言えないという御意見だと承わつてよろしうございますな。それは一体あなた独自の御意見か、それとも北教組としての御意見ですか、その辺を承わりたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/372
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373・星野健三
○証人(星野健三君) これは私個人の考えでありますが、先ほど言つたように、私が偏向教育であるかどうかと言うのではなくて、こういうものが果して言うということが妥当かどうかというところに問題がある。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/373
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374・川村松助
○委員長(川村松助君) ほかに御質疑はございませんか。御質疑がなければ北海道武佐中学に関する御質疑は終了したものと認めて御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/374
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375・川村松助
○委員長(川村松助君) 御異議ないと認めます。
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/375
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376・川村松助
○委員長(川村松助君) それでは綿津四郎君から御証言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/376
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377・綿津四郎
○証人(綿津四郎君) 私に求められています証言は、いわゆる赤い日記として世間喧伝をされました、この事例に挙げてあります山口日記が、教育の中立性を侵し、偏向教育の事例として挙げられておることに関係してでございますが、実はこの日記につきまして、若干の点に最初触れませんと、これが偏向教育に該当しないということの証言になりませんので、お許しを願いたいと思います。
第一は、この日記は私どもが昭和二十四年、まだ終戦の混乱の収まらない、みんな生活に追われて、子供たちの学習資材とかいうものに手の廻りかねたときに、新らしい教育の方針がある子供の個性を重んじて、その生活の指導を十分にして行くという意味から、日記帳を我々教師の良心に立つて編集し始めたのが出発でございます。それから五年間、この日記を今日まで、ここにございますように、十数冊続けて来ておるわけであります。決して日教組の指令によつたとか、指示によつたとか、或いは他の団体の援助、指導、そういうものによつて作つておるものではございません。昭和二十七年からは、私どもは現場の教師の中から、先ず委員を、候補を上げてもらいまして、委員会を作り、更にその委員会で計画を立てたものの中から執筆者をきめまして分担をし、それを委員会にかけて、持ち寄つて決定をするという手順を踏んで来ておるわけであります。
そこで二番目に、この日記は教材として使用されておるかどうかという問題でございますが、この日記帳が手に渡る経過を先に申上げましたほうがよいと思いますが、最初は民間の会社がこの出版をしておりましたが、途中で潰れましたので、後にできました学校生活協同組合があとを引受けて、これを商品として販売をしておるわけであります。従つて編集がきまり、見本が出来上りますと、これを各学校にお流しいたしまして、こういうものができましたが、希望者はいついつまでに申込んで下さいという申込をとるわけであります。先生方は、他の参考書や問題集や教材と同じように、子供の希望を募つて、欲しいという希望者をまとめて申込む、或いは直接買いに来るという形をとつております。そうして問題になりましたこの日記は、二十九万六千名の小中学校児童の中で大まかに申上げまして約一万冊足らず、三%程度であります。これを教材として冬休帳、或いは夏休帳のごとく一学級或いは一学校が全部使用するというものではございません。五十人の中で七人、或いは一つの学年が百数十名いる中で、十何名というような希望する者が使うのであります。従つてほかの者が、他の博文館もありましようし、市販のいろいろな日記を使う子もおるし、ノートに書く子もあるし、ザラ紙をとじたものに書く子もいるわけであります。今のにちよつと附加えますと、従つてこれはいわゆる教育委員会法に言われている、或いは学校教育法に言われている教材とは私どもは考えておりません。指導の方法は、現在のように教科書を教えることさえも一生懸命にやらないと、三月末には上らないという状況の下で、五十名、六十名の子供を抱えた教師は、これを特別に教えるとか、教授するとかいうような事柄が不可能でもございますし、又やるべき性質でもございません。特に弾劾記事などを一斉に教えるというようなことはやつておりません。実は一週間一遍出すとか、月に二回定期に検閲をして、書かれているのを見て上げるとか、ただ問題を持つた子供で、日紀文を通してこの子供の言えない点を教師が握つて指導をするというような場合には、どの日記にかかわらず、行われる教育作業であります。この日記を、この問題の日記帳を使用したということによつて、そのような状態の中で、児童は実害を受けて、生意気になつたとか、或いは考え方が偏つたというような報告は現在のところ受けておりません。又耳にもしておりません。
そこでこの事例の中に二行目にございます「県下各学校において使用された」という部分は、実は県下の若干の学校の児童生徒が使用したというふうに御表現下されば妥当であるというふうに考えます。
そこで、それならばなぜこの問題が県の教育委員会から通牒が出、文部省から通牒が出たかと言いますと、両方の理由を総合いたしますと、二点に集約できると思います。第一点は発達段階に即していない。第二点は国際理解の上から妥当でない。誤解を受ける点があるということでございます。
そこでまあ時間がございませんので省略いたしますが、いろいろといざこざが起つたわけでございます。ところが偏向教育という角度から見ますならば、発達段階に即さないことが即ち偏向教育であるという事柄は言えないと思います。つまり理解しにくいから偏向教育であるとは言えないと思います。問題になるのは二番目の国際理解に妨げがあるから云々という点が御指摘の、明らかに政治的偏向が見られるというところに当るのではないかと思います。そこで政治的偏向があるかどうかという問題でございますが、これは七人の執筆者が集まりまして、社会科、理科、国語、図工なんというふうに、子供の教科の生活にマッチしたように横に欄をとりまして、次に五月一日からずつと八月三十一日までにとりまして、ここのところは国語的なものを入れたほうがいい、ここのところはここでは絵を書かせたほうがいいだろう。ここのところは星の話がいいだろうというような仕組みに参りましたので、個々の分類してございます六項目のような角度で整理をして、意識的に政治的な或る考え方を注入しようというような考えも持つておりませんでしたし、作業も行なつておりませんので、こう整理されて見ますというと、成るほどこれだけを拾い上げて、四十七の中から九つをこのような題目の下に整理するならば、これはいろいろ御指摘になるような御懸念がおありになるということもわかります。そこで私どもといたしましては、この一々については実は時間がございませんので申上げにくうございますが、広島大学の教授である文学博士の今堀教授が特にこの日記が問題になりましたので、学問的な立場から、文部省が検定をされました中教出版の中学生の社会科と、それから教育図書出版株式会社の「人間と環境」という主に大学の教授、先生たち十数名が書いておられるものの中で、これと符合するものをお拾いになりまして分析された資料がございます。それを見ますというと、この日記の表現の題目について、その日記より以上のつつ込んだ表現や同じ考え方を持つているものがたくさんあるのでございまして、私がこう思う、ああ患うというよりも、現に文部省が検定をなさつて、単に自由に使えるものでなく、教えねばならない教科書の中に、こういうものがあるということをお考え頂くならば、私どもが意図した点が、極めてスペースの少いところへ執筆者が集約をいたしましたために、意図を十分に伝え得ず、或いは誤解を招きやすい点を残しておるという点は、今後改善を加えたいと思いますし、又現に加えてその次その次と発行をしております。その実物については問題はございません。
なお、最後に私どもはこの問題が山口県では岩国市以外では、各教育委員会とも、これは教師の責任と、校長の良識と、そうして我々が子供に対して与えるものについての詳細な注意と言いますか、そういうものによつて救えるものであり、改善できるものであるという点から、大して問題になつていないということを附加えて頂きたいと思います。
結論的に私は編集の責任者といたしまして、表現上いろいろな手ぬかりや幼稚な点がある点はわかりますけれども、この問題が偏向教育の大きな要素として法案の根拠になるということについては、甚だ残念に思い、遺憾に思つているものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/377
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378・川村松助
○委員長(川村松助君) 次に野村幸祐君に御証言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/378
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379・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) 山口日記は山口県教職員組合の編集になりまして、山口県学校生活協同組合によりまして発行され、教員組合の厚生部の手を経て各学校から注文をとり送付されたものであります。学校に届き、生徒の手に渡り、父兄の問題にされるようになりましたのは、早いところで昨年の五月十日前後であつたであろうと思われます。この日記に問題があるということが五月中下旬からぽつぽつ私どもの耳に入つて来るようになつたのであります。その後、教育庁内の関係者の手によりまして慎重研究検討いたしました結果、これは非常に重大な、重要な問題を含んでいることを確認いたしましたので、六月四日附の通牒を私の名前で発しまして、地教委に対し所見を質したのであります。この通牒の中で、日記の問題につきましては、弾劾記事の取扱いが、第一にその表現内容共に児童生徒の発達段階に即応しない点、第二に国際理解の立場より見まして望ましくないとして、各地方教委ではそれぞれ学校長に伝えて適当に措置するように助言指導いたしたのであります。これに対し編集者である県教組とその後しばしば日記問題について話合いをしたのでありますが、次のような問答があつたのであります。
先ず日記については、教組としてはすみずみまでよく考慮しましたかという私どもの問に対しましては、今日の段階としては、子供たちに与えたものは、生活指導上からも社会改造の上からも日常生活の環境の上からも勘案して妥当なりと判断したというふうに答えられた。又山口県の教職員組合の代表としてこれを全面的に容認されますか、修正をする考えはありませんかという問に対しましては、現在の教科書などとの有機的関連においてソ連などの記事を入れたものであるというふうに答えられた。更に又それでは全部正しいと思つておられるかという問に対しましては、そうである、全部正しいと信じているというふうに答えられたのであります。
他方その間における各方面の世論について申上げますならば、先ず六月四日に発しました通牒に第一に応じて来られたのは、六月六日、総評は県教委に対しまして抗議書を提出し、態度の是正を申入れられました。更に六月十四日には、日教組大会において山口県教組からの平和教育弾圧に抗議し、不当措置の撤回要求の緊急提案を可決しておられるようであります。更に同月十九日、山口県市町村教育委員会協議会理事会から、日記は考慮を要し、望ましくないと、県教委に厳重指導監視かたの要望がございました。更に同月二十日、山口県小学校長大会におきまして、教組のありかたについて反省を要望する決議が行われておるのであります。六月二十二日には、山口県町村長教育会議が開かれまして、日記問題を道徳教育上由々しい問題として取上げておるようであります。六月二十六日には、山口県中学校教会の理事会から、県教組のありかたについて反省かたを申入れられておるのであります。その同日の中学校長会議の幹事会の決議によりまして、それによりますと、日記帳は一方に偏向しているので適切でない、県下中学校の一部において、これを不用意に採用したことに対しては校長会としても責任を感じているが、編集者としても反省をしてもらいたい、今後日記帳その他の編集は細密周到な用意を以て当ることという意味のことを申出ておりますが、県教組はこれを拒絶したと聞いておるのであります。又山口県教育会も声明を発しまして、日記の内容は発達段階に適応しない、教育心理学的配慮に欠けていること。二番として如何に弁解するといえども、反米親ソ的であつて、中立性を欠くものであること。第三番にその推進しつつある平和主義教育は、平和教育の美名に隠れて、一方に偏した社会思想を吹込み、一部過激な分子の隠謀に味方するものではあるまいかというような点を強調しておられるのであります。小学校或いは地方教委協議会、PTAなど各方面からも、この日記の不当であることを難じたのでありますが、組合自体の中におきましても、県教組の組合員の中におきましても、例えば或る大きな教組支部の組合員の声明の中にも、この日記にありますメーデーの記事を取上げて、皇居前広場の流血の事件を謳歌し、これがロシア革命のごとく拡大成就することを希求しておる心持を秘めておる云々と述べられておることは、組合員自体の中にもこうした危惧を感じておるという事実を証明するのではないかと考えられるのであります。勿論他方日教組その他先ほど申しました労組方面より抗議のあつたことも事実であります。
重ねて申上げますが、日教組は調査団を派遣せられ、或いは宇治山田大会の名において抗議文を出され、又他府県の県教組からも同様な抗議が行われました。私の通牒の撤回を要求せられたのであります。県教組はこうした日記に対する世論が沸騰しまするや、日記帳は教材ではない、これに対して県教委や地教委が干渉することは適当でないというふうに論旨を変更されたのでありますが、これが生徒児童の指導に用いられ、又用いられようとしたことは明白でありまして、議論の余地はないと思うのおります。そもそもこの日記がこれほどの憂慮を県民父兄に与えましたことは、従来の県教組に対する不安がその背景をなしていたことは否めないのでありまして、二十八年三月の一斉賜暇闘争、七月の一斉早退闘争といつたような実力行使、これはいろいろの意味で中止はされましたが、或いは又日教組の全国教育研究大会における、県教組の教育研究大会におけるスローガン、又はその研究の方法等に対しまして多大の憂慮を抱いておつたのであります。九月以降の日記におきましても、その表現内容については転換の跡が見られるのでありますが、その意図するところは、「生活指導のために日記を採用しよう」という見出しで書かれた一文の中に、先の五月より八月まで、問題になりましたこの五月から八月まで使用の県教組編集の小中学生日記に対する弾圧は、平和独立のために戦争をやめろ、軍事基地をなくせ、全国各地に澎湃として高まりつつある民族の叫びに怯えた戦争屋に繋がるボス勢力の焦りを示したものにほかならない、日記帳を改訂するしないの問題をこじらせることによつて、農地接収問題から眼をそらさせて教科書の国定化の基盤を固めようとした戦争勢力のたくらみをはつきりと見極めようではないか、本当に平和を求める大衆こそより賢明である、より粘り強い、それは内灘に結集せられた民族の怒りが立証しておる、内灘に見られるような高まりがもう数カ所もできたら、吉田内閣は潰れてしまうであろうとは報道機関の一致した見解のようである、我々は日記帖回収の暴挙が児童、生徒にもたらした影響を詳細に検討しなければならない、各組合員は職場会議において十分これを検討し、より多数採用されるよう手配されたい、採用部数が伸ぶることによつて初めて正しい教育を守る我々の闘いは具体化されると思うというふうに、教組の情報には述べられておる、その中にも伺うことができると思うのであります。
又この日記の部数が一万余に過ぎず、更にこれを実際に使用して指導したものが少数であつたということを以て実害が少なかつたということも言われておりますが、教育のことは申すまでもなく、直ちにその実利、実害が明瞭に現われるものではありません。又そのためにこそ教育の中立性を守るために、県教委、地教委が多大な困難や圧迫を排除して、その措置を遂行したのであります。この自記に対する県教委のとつた措置は県教育長として当然なさなければならない責任を果したものでありまして、適切だつたと現在も信じております。このことは先般本委員会の文部委員の方々の現地視察のときにも、そうしたお話のあつたことを承知しておるのであります。時間がありませんから、以上で終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/379
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380・川村松助
○委員長(川村松助君) 次に藤岡武雄君に御許証言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/380
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381・藤岡武雄
○証人(藤岡武雄君) 私はこの問題につきまして、大体二つのことを委員の方々に申上げたいと思うのであります。その一つは偏向教育が実際に行われたか否かということ、もう一つはこの問題がなぜ岩国においてかくも大きくなつたかというこの二点であります。
第一点の偏向教育が行われたかどうかということにつきましては、私ども重大な関心を持つておつたのでありまするが、実際、結論を先に申上げますならば、偏向教育は私の知り得る範囲内では行われなかつたということをはつきり申上げたいのであります。それは第一に、この日記の配布の部数が非常に少かつた。これは当時の君国市の中小学校児童生徒が約一万二千百二十二名あつたのでございますが、その日記の使用されたのは七百数十冊、従つて約六%であります。現在私の小学校におきましても、約七百名の児童のうち三十六冊でございます。従つて部数が非常に少いということと、教師の方方がこれを教材として使用しなかつた、又欄外の記事については指導しなかつたということでございます。これは私も注意をしておつたのでございまするが、私が本院に証人として呼ばれるということが新聞に出ましたところが、各小学校、中学校の校長の方々が、自分の学校においては大体日記はどのくらい使用されておつた、が実際教材として欄外記事については使用しないし、偏向教育は我が校においては行われなかつたということをはつきり、こういうような証明書を作つて、そうして私に是非証言をしてもらいたいということでございますので、この各校長先生の証明書は印刷をいたしまして皆様にお配りいたします。この中の部数とそれから人員は、三月末、或いは時期を同じくしないために人員が多少ずれたり、卒業生を加えなかつたりして、多少違う点があることは御了承願いたいと思つております。
それから私どもは、この問題が起きましたので、直ちに私の小学校におきましては、PTAの臨時の総会を開きまして、この問題について十分父兄の意見を聞いたのでございます。その結果、この日記につきましてはいろいろな意見が出ました。結論といたしましては、この日記につきましては、どうかと思う点はある。併しながらその使用している状況或いは先生のお気持その他を十分聞きました上で、この日記の処置は学校当局に一任して、教育上遺憾なきを期してもらいたいということにしたのでございます。私は当時子供数名につきまして、この日記の欄外の記事が如何に子供に認識されているか、又この日記の欄外の記事がどういう反響を及ぼしているかということについて、機会ある毎に調査をして見たのでございますが、私が憂慮したような事態は一つもなかつたということを申上げたいのでございます。
それから次に、私は第三点であるなぜこの岩国でひどく問題になつたか、これは山口県下に約一万部も出ている日記が、岩国市におきまして七百数十冊使用されたにもかかわらず、なぜ岩国におきましては、これが徹底して問題になり、最後には回収を強行されたというような結果になつたかということでございます。この点を私ども父兄の立場から観察をいたしますならば、次のごときものではないかと私が考えるのでございます。それは第一瀞に教育委員会というものとこの教職員組合というものが非常に感情的に対立しておつたのではないかということが考えられます。そのためにこの問題は教育的に十分解決すべき問題が、かくのごとき大きな問題になつたのではないかと考えられるのであります。これは私が知ります範囲では、昔のことはよく存じませんが、昨年三月の頃におきまして、教育委員会におきまして約五名の先生がたをお呼びになつていろいろお聞きになつたということがあつたのでございますが、これを教職員組合のほうでは教員に対する思想調査であるというようにおとりになつて、これに対し厳重な抗議をされた、又教育委員会におきましては、単に聞いただけであつて思想調査ではないのである。にもかかわらず、かくのごとき抗議をするのは適当でないというような意見をさるる委員もございました。そういうような対立があるし、更に又この委員会に対して政治的な何か圧力があつたのではないかと考えるのでございます。それはどういうことかと申しますと、これは岩国市におきまして、相当政治的な有力者と申しますと、元市会議長であり現在は市の消防長であり、曾つては県会議員にも立候補されたようなかたが、文書を以て市議会に対して先生方を厳重に処分するように申込まれたということでございます。市議会におきましては、教育委員会に対してその処置を委した、教育委員会におきましては、如何に処置したらいいかということを非常に考えているというようなことであつたのでございます。たま多くそのあとにこの日記の問題が起りまして、委員会としては徹底してこの問題を、私の考えではこれを以て教職員組合というものを、少しやつつけたいというようなお考えがあつたのではないかと思われるのでございます。それはこの日記の回収でございますが、先ほど申上げましたように、私どもの総会におきましては、子供の教育のために先生方の善処を望んで、その善処を待つておつたのでありますが、のちにおきましては、これは教育委員会において回収をされたのであります。にもかかわらず、私どもは教育委員会においてこの日記が回収されたものと思つておつたのでありますが、本年の三月に参議院の調査団がお見えになつた際に、岩国市の教育長は、教育委員会では回収しておらない、又回収に関しては関知しないということを言つておられます。私は新聞でそのことを知りまして、衆議院の調査団がお見えになつたときに、その実情を聞いたのでありますが、これも同様の答えをしておられます。私は教育委員会が回収されたにもかかわらず、かくのごとく教育長が言われなければならんというようなことはなぜであるかということを、非常に疑問に思つているのであります。
時間がなくなりましたので結論を申上げます。偏向教育は岩国市におきましては、以上のような事由で、なかつたということをはつきり申上げたいのでございます。これが児童に及ぼしました影響を考えるのに、現に私の長男はずつと小学校の一年の頃から日記をつけておつたのでありますが、この問題が起きましてからのちは非常に憂慮いたしまして、そうして日記が回収をされますと、それ以来日記をつけるのをやめたのでございます。私はこうした行為は、本当は教育のために何とかならんかということを非常に考えるものでございます。今回この日記が、偏向教育が行われたという理由によつて、この教育二法案の提案の理由になつたということは、私ども父兄といたしましても非常に遺憾に思つている次第でございます。
これで終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/381
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382・川村松助
○委員長(川村松助君) 次に丸茂忍君に御証言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/382
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383・丸茂忍
○証人(丸茂忍君) 丸茂でございます。
この日記問題につきまして証言を求められましたので、私といたしましては一応概略この経過を申上げて見たいと思います。それが如何にこの日記についての教育方針がそこに現われているかということが看取できるのではあるまいかと思うのでございます。
この問題は昨年の六月一日に教育委員の一人より、市内の一父兄から、この日記の欄外記事が妥当であるかどうかということを質問されたかどうか、と教育長に尋ねたことが根本でございます。その翌日に丁度定例委員会を開いておりまして、そのあとにこの日記が提出されて、委員全員がそれぞれ慎重なるところの愉討を加えたわけでございますが、そのときにおきましての委員の意見は、一応この日記は妥当でない、こういう一致をみたのでございますけれども、このためには各学校の校長及びPTAの正副会長の意見を聴取し、且つ指導助言の立場にあられるところの県教委の見解を質した上で、市教委としては決定線を出そうということになりました。
当日早速この日記が如何に岩国市において使われておるかということを調査いたしたのでございます。これは概略でございますけれども、一応あとの参考のために私申上げておきたいと思います。市内の小学校が十校、中学校が五校あるのでございますが、そのうちでこの日記を使用しておりますのが小学校で七、中学校で二でございます。そうして数は中学校において三十冊小学校において七百三十六冊、こういう数が一応出たのでございます。そこでこれを生徒数に比例いたしますると、中学校においては約一%でございます。ところが使用しておりませんところの学校のうちには、校長なり或いは教頭がこの日記を検討した上で、これは不当であるという意見で使用させなかつたのも含んでおるのでございまして、使用学校から言いますならば約二%弱に当るのでございます。小学校の方面は総人員から言いますと、約一八%強でございますが、これも一八%強と言いますのは、この日記は四年生以上を対象としておりまするので、四年生以上の児童数に比例したわけでございます。これが約一八%でございますが、使用しておりますところの小学校の児童数、これも四年生以上の率でございますけれども、二三%に当つておるわけでございます。
そこで先ほどの決定の線によりまして、直ちにそれぞれ助言を求めたわけでございますけれども、これに対しまして、六月四日、県教委からも電話で、これは不適当だという回答がございました。川口市内の小中学校長が集会いたしましたが、その席には十五のうち柱島二校の校長がおられなかつたのでございますが、その意見によりますと、これは行き過ぎであると、そのときに校長の意見が一致いたしたのでございます。応じく同日PTAの正副会長の意見を求めましたところが、それによりますと、その中には教員から選ばれたところの副会長もおられるわけでございます。これも柱島というところのPTAの正副会長を除いては、殆んど全員が出席されたわけでございますけれども、それでその意見によりますと、これを使用するということについては、こうくたる非難が起きたわけでございます。そうしてその決定といたしましては、本日記は児童生徒に使用させるには不適当である、本日記は速かに回収すること、回収方法は各PTAと学校と協議して行うこと、これが回収の費用は委員会で考慮してもらいたい、こういう決定を得たわけでございます。
そこで直ちに委員会としては、委員会の意見発表を行うべきでございますけれども、折角PTAの正副会長の意見が出ておりますので、その結果を見守つたほうが、このことを穏便に、穏やかに円満に解決するのにいいのではないかという意向で決定線を出すことを控えておつたわけであります。爾後この日記につきましては、たびたび会合も開かれました。それに対しまして、教組の方面から非常にやかましく抗議も出ておりました。なかなか折角のPTAの正副会長の御決定がありましたけれども、それが履行されなかつた、実行でき得なかつたという事情があるのでございます。
日にちを重ねまして、最後に二十四日に委員と校長の会合を開きまして、そこで申合せで学校としてはこの日記によつて指導しない、学校はこの日記を、学校としては回収しないけれども、併し、委員会のお願い事項という文字を使つておりますけれども、それについては善処する、こういう決定でございます。このお願い事項と言いますのは、この趣旨は市教委はこの日記によつて指導されるということは不適当であるという決定線を出したのであるから、これに対しましては代償を支払うべきものと思う。それでこれにそれができ得るようにして頂きたいという意味でございます。この代償という意味は誤解を招くと思いますので、一応御説明申上げますが、これはこの日記の代価を払うという意味でなく、日記をつけるということ自体は非常に必要だと思うのでございますが、代りの日記を子供に与えて頂きたい。その代りの日記の代価を補償するという意味でございます。一応申上げておきます。こうして一応委員会と学校側の意見が、校長との意見が一致したのでございますけれども、その後なお日記によつて指導されておるというのもあつたわけでございました。委員会といたしましては非常にこれは遺憾に思つておつたのでございますけれども、爾後日を重ねまして、七百六十六冊のうち、六百八十一冊に対しましては、先ほども申上げましたところの代償を支払うということができて、一応落着の形になつたわけでございます。
この岩国市におきまするところの日記問題に対する輿論につきましては、私先ず第一にこれを考えた。それはなぜPTAの正副会長が集つて決定線を出しながら、それがなかなかできなかつたかという点でございます。これにつきましては、岩国市におきますところの教師すら、自分らもこの日記には不当だと思うのだけれども、教組の指示があるから止むを得ず我々が頑張るのだという言葉を言つておられる先生もあつたわけでございます。これに関連いたしまして、我々委員会に対しまして、日教組或いは県教組、県労組、他の県教組からたびたび抗議或いは電報等が来たのでございます。殊に私たちが最も遺憾と思いましたのは、これに政党の抗議が来ておるのでございます。その政党は必要ならばあとで申上げますけれども、政党の名前を以て我我に圧力を加えられておるということは我々が非常に遺憾に思つた点でございます。時間もあとないそうでございますので、概略それだけ申上げて……。そこで市の委員会としてなぜこれを教材資料として使われておると見たかーこれは先ほどの証言によりますと殆んど使われていないということでございますけれども、この点を一つ申上げておきたい。
第一は、同年の三月の六日におきまして、教組の主催だつたと思うのでありますけれども、研究大会があつたのでございます。そのときに日記或いは作文によつて、それを資料として指導するということを育つておられる。それから日記の表紙の裏側に、毎日の記事を見て、よく読んで、意義ある毎日を送りましよう、欄外記事をよく読んで、ということがあるという点、更にこれは中和剤としてこの日記が丁度いいのだ、教科書に対する中和剤としていいのだということを言うて来られた人がある。而も先生方はこの日記について、一週間或いは十日ごとに持つて来さして、そしてこれに批評を加え、或いは極印をしておられる。こういう点等を検討いたしまして、これが明らかに教材資料として使われておるものだということを認定いたしたわけでございます。
一応これで私の証言を終りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/383
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384・荒木正三郎
○荒木正三郎君 議事進行について、私は只今の証人の証言に対しまして、委員外発言をすることをお諮りの上、認めて頂きたいと存じます。勿論この委員外発言に必要な時間は各会派に割当られました時間においていたしたいと存じますので、よろしくお諮りを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/384
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385・川村松助
○委員長(川村松助君) 只今荒木君から発言されました件につきまして了承することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/385
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386・川村松助
○委員長(川村松助君) 御異議ないものとして了承することに決定いたします。
これを以て山口日記関係の証人のかたの証言は終りました。各委員のかたで御質疑のおありのかたは発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/386
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387・安部キミ子
○委員外議員(安部キミ子君) 私は今日このように発言するということを考えておりませんでしたが、先ほどの四人のかたの証言を聞きまして、この問題をもつとはつきりさすために、昨年の四月まで山口県で県の教育委員をいたしておりました関係上、山口県の教育の在り方、動向乃至は県の政治的分野というものが如何になつているかということを御了承頂きますことが、この問題を正しく理解する上に必要である、こう考えまして、大変我がままをさせて頂く次第でございますので、よろしく御了承下さい。
私が県の教育委員になりましたのは昭和二十五年の十一月でございました。勿論、私は教組の出身でもありませんし、又、仕事の関係上、保育園と私立の学校を経営しております関係上、非常にフリーな立場で委員となつたのでございますが、委員会に入つてみまして先ず驚きましたことは、昭和二十五年のたしか十一月二十五日の、私が最初の委員としての場であつたと思いますが、その空気をみまして実は驚いた次第でございます。こんなふうに申しますと、私、山口県の教育界に対して大変恥かしいと思いますが、事実を事実として私が感じましたことを申しますといたしますれば丁度そのとき県の教組のほうから陳情があつた次第でございます。それで陳情さしてくれ、聞いてもらいたいというこの申出に対して、今日の証人になつておられます野村教育長も御存じでございますが、委員会の空気が大変険悪でございました。と申しますのは、教組から二人の委員のかたが出ておられて、そのあとの五人は全部自由党系のかた乃至は自由党から出ておられる教育委員のかたでございまして、従いまして、教育委員会の空気というものがはつきり政治的な力関係においてなされることが多かつたのでございます。そうしてこの委員会というものが運営されて行きます上において、教組というものを非常に敵視している。極言すれば敵視しているというふうな印象を私は受けたものでございますから、そのようなことでは教育行政は立派にできないのじやないでしようか。たとえ教組が無理な要求をし、陳情をして来ましたと言つても、一応のことは聞いて、そうして、そのことの処理については皆さんがお諮り下さいまして、是とか非とか結論を出されればいいことであるのに、初めから教組の陳情を受入れないということは、大変悪いことじやないですか。私はこのような教育委員会とは思わなかつたものですから、自分の感情のまま申したのでございます。このことは野村さんも当時御承知でございますし、又、委員会の速記録にも載つておりますので、皆さんに知つて頂く次第でございます。さような関係でございまして、山口県という所は概して自由党が強いのでございます。山口県の出身の代議士乃至は大臣も数々出ておられるような事情でありまして、自由党でなければ人間でないというふうなことを私はしばしば言われたものでございますので、そういう中でこの問題がいろいろな形で政治の闘いの道具に、この二法案なり、又この日記帳が取上げられていたということを、私は非常に残念に思つているのでございます。こうして東京へ出ておりますので山口県がその後どのようになつているかということを……、昨年の丁度八月に山口県へ帰りまして、岩国まで来ましたら、岩国の教育長が、一昨日文部大臣が山口県へ来られたという話でございます。何の用で来られましたかと申しましたら、日記帳の問題を調査しに来られた、そうしていろいろこういうお話を聞きました。で、そうですか、それはまあ大変に御苦労でございますねと、こういうふうに申しまして、その後いろいろお話を聞きましたところ、大達文部大臣はいろいろ教育長との打合せもなさつたし、それから文部大臣の意思を小沢県知事にお伝えになつた由も承つております。ところが文部大臣はこの問題を、今、二法案などという形になつておりますが、そういう意図をそのときはつきりとお示しになつて、なんとか県へ措置してもらいたいというふうなことをおつしやつたということに対して、山口県の知事は、たとえこの日記帳が教育の中立性を欠くというあなたの御判断を諒としましても、又、行過ぎがあつたということを私どもとして認めましても、これは山口県自体の問題でありますので、あなたからそのような御指導を受けるということは不当でありましよう、いわゆる教育委員会法に反することでありますので、ということを言われたということを承わつております。私はこのことを聞きまして、さすが山口県の県民が選挙した県知事の言だと思いまして、大変嬉しくも思いましたし、又、真に地方分権確立という委員会法の趣旨に全く合致しているものだというふうに私は考えているのでございます。ところがその後いろいろな情報によりますと、やはり問題は県教育委員会と県の教職員組合との感情の対立ということが根本になつているように思うのであります。又、地方の教育委員のメンバーを見ましても大多数が自由党であります。本当に自由党が強いのでありますから、ですから私はこのような人たちが、その立場で、この教材が中立を欠いているとか欠いていないとかいうことを判断することは、非常にあぶないことであつて、これから皆さまがいろいろ御審議なさいます上に、この日記帳というものの動機なり、又御承知のように山口県では、私はこれは威張る意味ではありませんが、吉田松陰先生を出しております。吉田松陰先生は今で申せば神さまに祀られておりますが、松陰先生が今日生きておられるといたしましたならば、恐らく教育の中立性を侵しておられると思うのであります。それであればこそ松陰先生は、「かくすればかくなるものと知りながらやむにやまれぬ大和魂」と、本当に良心的に教育を、松陰先生は教育者でありますと同時に政治家でもありますが、そのようにしてせられたのでありますので、私はこのようなことを考えまして、山口県にはふさわしい日記帳であるということを私は心から信じ、日本の将来を考えて、私はこの問題を、中立性を欠くとか何とかいう批判の座に上せることは、私は日本人としては恥かしいことだというふうに考えております。
最後に私は野村教育長に御所見をお尋ねするのですが、あなたは先ほどの御発言で、私は恐らく山口県の教育行政においては指導監督の立場にあられる責任者であるというふうに考えております。それが今あなたの御意見だと、まるで自己否定のように、あなたのそういう監督の下にあるところの先生方がこのようなことをしたということに対して、敵の立場をとつておられる。このことは私は非常におかしなことじやないかと思いまして、意外に思いましたので、私は今日、今こういうふうに無理な発言を求めた次第でございますが、野村幸祐さんはどのように考えておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/387
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388・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) 安部さんのお尋ねにお答えいたします。先生方を敵視しておるかどうかということであつたと思います。敵視はいたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/388
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389・安部キミ子
○委員外議員(安部キミ子君) それではこれを以て終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/389
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390・須藤五郎
○須藤五郎君 少い時間で質疑をしなければなりませんので、煙間のほうも要領よくやりますが、答弁のほうも簡単に明確に答えて頂きたい。
先ず最初、野村県教育長に対して私は五点の質問をいたしたいと思う。
一点は、山口日記帳問題を県教育委員会に諮る前に文部省に報告、指示を求めたのは、どういう理由によつてそういうことをしたのか。又はそういうことは正しい方法であるかということ。
第二点は、「改造」の三月号によりますと、あなたは佐藤榮作君と非常に関係が深いというふうなことが出ておりますが、あなたの政党関係はどうであるかということ。
第三点は、あなたが昨年夏アメリカへ行くときに、渡米費百十万円の三分の一、五十三万二千円を懸費から出してもらつて、残余の不足分は餞別として教育関係者から寄附を募つたらしい。その寄附を割当の形をとりまして、そのために地教委や学校では非常に揉めたことがあるという。その割当は百円から二百五十円を世話人を作つて割当てて徴収した。即ちあなたが教育委員長としての職責にありながらこうしたことをしたということは、半強制的な匂いがするのでありますが、こういうことをやつたということに対してあなたの所見を質したい。
第四点は、県議会であなたは辞職を要求されているという話でありますが、その事実はどうか。即ち三月三日に県教育委員会に辞表をあなたは提出しているようでありますが、その後それはどういうふうになつているかということ。
第五点は、このアメリカへ行くときに、男女共学のモデル写真をアメリカに持つて行く必要上、日頃男女別に教育をしておるところの防府というのですか、高校生徒を、そのときだけ男女共学にして、写真を撮つて持つて行つたということが言われておりますが、何の目的を以てこういう無理をしたかという点。
それから丸茂さんにお尋ねしますが、私は昨年の夏、岩国に調査に参りまして、そのとき、あなたと市長さんの意見では、この岩国でこの日記帳が問題になつたのは、偏向教育の立場で問題になつたものではなくして、岩国にはアメリカの軍事基地があつて、そうして岩国市長とあなたが、親米家らしく、アメリカの基地があるということは非常にいいことだというように判断している。そうしてその上にアメリカを誹謗したような記事が欄外にあるから、この親米的な立場を阻害する、国際的な親善関係を阻害するから、これを問題にしたのであつて、文部省がこれを偏向教育の事例として取上げたのは自分たちは意外だつたというこを私たちに言つておる。即ち国際親善の立場からこれを取上げたのだということを、そのとき市長さんとあなたは言つたが、それは今もなおそういうふうに考えておるかということ、それからあなたはその当時、市長さんはパンパン組合の顧問であり、そうしてあなたは基地設営の土建組合の顧問弁護士をしていらつしやつたと聞いておりますが、今日もその職責を持つておられますか。この二点。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/390
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391・川村松助
○委員長(川村松助君) 須藤君、証人に証言を求める件と大分違うようですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/391
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392・須藤五郎
○須藤五郎君 これは大分関係があります。私が今後質問を続けて行く上において非常に関係があるのです。(「答弁の要なし」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/392
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393・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) 私が参りましたのは山口日記に関して証言しに参つたのでありますが、事が私の一身上に関しておることでありますので、この際はつきりと申上げておきます。
先ず第一点、この山口日記に関する教育長通牒を出すときに、県教委に諮る前に文部省に意見を求めたが、それはどうであつたのか、又その後どうしたのかというお尋ねであつたと思います。勿論これは私のなすべき専決事項としてやりました。たしか通牒を出したのが六月四日でありますが、その後、全国都道府県教育正長会議が東京で開かれましたのが、たしか六月の八日、九日であつたと思います。このときに持つて参りまして文部省の意見を尋ねました。そうして、その後十七日であつたと思いまするが、教育委員の打合せ協議会がありましたときに、出席の委員のかた全会一致でこの私の専決事項通牒に対して承認をされました。今日までもそれが問題になつたことはございません。
第二点、「改造」三月号を見たことはございませんが、佐藤幹事長、榮作氏のことと思いますが、前からよく知つおります。そのほかにもいろいろのかたを知つております。社会党の代議士にも兄弟のようにして親しくしておる人があります。政党関係はどうだということでありますが、何らの政党に属しておりません。
第三番目、渡米費について、餞別として割当寄附したという、こういう事実ありやなしやというお尋ねのであつたと思うのでありますが、ためにするところの人たちのデマによつて割当寄附を取つたというふうなことをしばしば新聞その他に書かれております。極めて迷惑であります。はつきり申します。私は寄附を割当てたことはございません。
第四点、県議会において辞職を勧告されたということの事実ありやなしや、而して二月二日に辞表とおつしやいましたか、進退伺いを提出したことがありやなしやというお尋ねであつたと思いますが、私は半年間、昨年の七月の下旬から本年一月の末まで約半年問渡米いたしておりました。ところが図らずもその不在中発覚いたしましたのが私の庁内の保健体育の不祥事件でございます。(「横領事件だ」と呼ぶ者あり)このことに関しまして急遽帰りまして、保健体育の不祥事件について部下監督の責を感じまして進退伺いを出しております。而うして県議会におきまして社会党から四つの動議が出ました。そのうちの一つの中に、私に対しまして、今はつきり記憶いたしませんが、教育委員会は野村の進退については、私、進退伺いを出しておりますから、十分考えるようにという意味でありましたが、これは社会党数名のかた以外の否決に相成りました。その後そのままになりました。従つてこの進退伺いにつきましては三月の末日却下と相成りました。県委員会から却下となりました。
第五点、渡米について男女のモデル写真を云々と申しまするが、これはまあ大した問題ではないと思いまするが、日米交歓のこともありまして、写真をとつて参つたことは事実であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/393
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394・須藤五郎
○須藤五郎君 共学でない学校を殊更共学のようにしたことに無理がある。その点……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/394
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395・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) その点、私ははつきり存じません、撮りませんから。私自身は撮りません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/395
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396・須藤五郎
○須藤五郎君 君の命令で撮らしたのだろう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/396
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397・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) 存じません。はつきり申上げます。以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/397
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398・丸茂忍
○証人(丸茂忍君) 私、只今の私に対する御質問が本日のなにに直接関係があるのか多少疑問の点があるのでございますけれども、一応お答えいたします。須藤先生のおつしやる通りに、昨年おいでになつたときにお会いいたしました、そのときに、併し多少先生は勘違いしておられないかと私は思つております。私は丁度そのときには木村先生もおられたと思いますけれども、私は基地があることをよいと言つたことは覚えはありません。私が親米的立場にあると言うたことはないと思います。私はこういうことは言つたと思います。基地があるということは独立国として望ましいことではないかも分らない、けれども現在の条約の下におきましては止むを得ないかも分らんということだけは申したかも分りませんけれども、これが結構なこととは、私、言つた覚えはございません。なお偏向とは意外、こういうことを言われた、私が言つたように言われましたけれども、私はそうは言つてはおらんと思います。岩国市におきましては、すでにこの日記問題、教組の方々の……ちようどあのときに、岩国におきまする書記長も出ておられましたが、この日記に表現が誤まつておるということは認めておつたようでございます。そういう状況でありまして、すでに岩国市におきましては、おいでになりました当時には、先ほど申しました代償の支払いが、すでに六百八十一冊につきましては代償支払いが済んでおる。先ずこの日記問題は岩国におきましては解決がついた形になつておるんだ。それを又調査においでになつたのが意外だということは言つたと思います。これを偏向だとかどうとか言うような意見を私は申しておらないつもりでございます。なお顧問弁護士であつたか、これは必要であるかどうか分らないのですけれども、なお現在顧問かどうかというお話でございます、私この顧問という意味がよく分らないのでございます。顧問にもいろいろ或と思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/398
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399・須藤五郎
○須藤五郎君 なければないと言つて下すつたら済むのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/399
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400・丸茂忍
○証人(丸茂忍君) 私は、いわゆる顧問と言われるには、それに手当をもらつておるのを言われるのだと思つておりますけれども、私は土建業者の顧問弁護士をしておりません、その意味において……
(「時間だ」「まだ十一分ある」と呼ぶ者あり、その他発言する者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/400
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401・川村松助
○委員長(川村松助君) 時間もなんですが、野本さんが発言を求めておられますから、野本君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/401
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402・野本品吉
○野本品吉君 私は先ほど来の証言を承わつておりまして、外部からの不当な支配から教育を護るための教育委員会法の精神からいいまして、どうしても聞いておきたいことがあるわけです。それが一つ。藤岡さんの御証言の中に、この問題について外部から政治的圧力が加えられたかのごとき感があると言われております。もう一つは丸茂さんから、政党から抗議の電報その他が来ておるという、このことは教育の中立性を護るという立場から言いますと、極めて重大な問題であると思いますので、お二人のかたからこの点について簡単に簡明にお答え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/402
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403・藤岡武雄
○証人(藤岡武雄君) お答え申上げます。先ほど申上げました外部からの政治的圧力があつたのではないかと申上げたのは、これは委員会に三人の教職員が喚ばれて話を聞かれた。それが三月、私の記憶によれば三月でございます。それからこの先生方を厳重に処分をするように有力な政治家のかたが申込まれたのが四月だと思います。それからこの自記の問題が起きまして、はつきりしたのは、六月でございますから、この日記の問題に関してからあと、政治的な百圧力が起きたという意味ではないのであります。そういうように圧力があつて両者の対立が激化しておつたということを申上げたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/403
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404・丸茂忍
○証人(丸茂忍君) ちよつとお尋ねしますが、私のほうの外部的の圧力の点なんでしようか。政党からの何なんでしようか。それは一九五三年六月二十日付になつておりますけれども、日本社会党の左派小野田市支部から抗議文が来ております。都合によりますればここで全文を読んでも差支えありませんが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/404
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405・野本品吉
○野本品吉君 藤岡さんにお伺いいたしますが、私は名前なんか聞こうと思いません。ただ教育の問題につきまして有力な政治家からどういう意味においてかの働きかけがあつたということを、具体的にあなたは確認されておるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/405
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406・藤岡武雄
○証人(藤岡武雄君) お答え申上げます。この件は、岩国市議会の議員の一人、それから教育委員会の委員の一人から私が聞いたのでございまして、それ以外は確認をしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/406
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407・野本品吉
○野本品吉君 もう一点お伺いいたします。それは綿津さんにお願いしたほうがいいか知りませんが、現在山口県におきまして、この問題の発生後、第二組合が結成されつつあるということを聞いておりますが、事実でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/407
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408・綿津四郎
○証人(綿津四郎君) 事実でございまして、今結成されております。四月一日から業務を始めております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/408
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409・野本品吉
○野本品吉君 今まで非常に固く結ばれておりました教員組合の中に第二組合ができるというようなことは、容易なことではないと思うのでありますが、その第二組合を結成しておる、又した動機と申しますか、これに参加しておる人たちの考え方は、あなた方はどういうふうにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/409
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410・綿津四郎
○証人(綿津四郎君) 申上げます。この問題が起りましたのは、昨年の年度初めからでございまして、私が委員長になりましてから間もなく、五月三十一日に大会をやりました時分までは全部揃つて一丸となつていたのですが、丁度この日記の問題に関連があるかどうかは未だにはつきりいたしませんけれども、丁度五月も過ぎましてから、小中学校の校長会のほうから、職能の立場から、学校長であるという職能の立場から、一定のわらじを履くことは望ましくないので、組合員でなくつて、外から組合の運動に協力したいと、こういう正式の表明がありまして、動きが始まつたわけであります。
なおもう一つの、理由をはつきり言えるかどうかは確認をいたしませんが、その発展の過程におきましては、日記帳の問題に対する私どもの考え方と言いますか、そういうものに対する批判もあつたことは事実でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/410
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411・野本品吉
○野本品吉君 そうしますと、第二組合の結成というものは、この日記に対する批判を契機として結成されたものであるというふうに考えることが間違つておりますか、そうでありますか、その点についての御見解を……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/411
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412・綿津四郎
○証人(綿津四郎君) 今申上げましたように、第二組合結成の動機が、乃至は理由が日記問題にあるとは断定できないと思います。申上げたような過程で、そういう事柄も要素の一つになるような議論はありましたけれども、直接それがその通りだというふうには理解いたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/412
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413・野本品吉
○野本品吉君 わかりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/413
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414・長谷部ひろ
○長谷部ひろ君 私、こんなことを申上げて本当はいやなんですけれども、昨年丁度夏でございましたが、須藤先生と木村先生と御一緒に、軍事基地の周辺における教育の実態調査にお伺いを申しましたときに、たまたま山口県の岩国にお伺いをしたのです。そこで皆さん方ともお目にかかりまして、親しくお話を申上げましたときに、私が感じたことは、非常に新米感情の強いところだということを思つたのでございます。そこでおつしやいましたかたは私覚えておりませんけれども、基地ができてから非常に町が賑やかになつて、よくなつた。それから学校にピアノを寄附してもらつたこともよかつた。それから運動会のときに、いろいろな賞品をあちらの人から頂いたということも嬉しかつた。それから又英語の会話が非常にうまくなつたということで、とても基地ができたことを誇りに思い、お喜びになつていらつしやるというふうに私は感じたのでございます。そこで、たまたまこういう山口県の日記帳が大きく取上げられましたことも、そういつたようなことから端を発しているというふうに私はどう考えても思うのでございますが、丸茂さん如何でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/414
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415・丸茂忍
○証人(丸茂忍君) 只今の御質問の、基地があることによつて利益になる面もあるということは誰かが申したと思います。つまりそれで弄んでおるものがある。利益があるという意味でなくして、喜んでいるものもあるということは聞いたと思います。誰だつたかははつきりいたしておりませんけれども……。それから親米的であるからこの問題が起きたのじやないかという御質問でございましたが、岩国市におきましては、これを望むと望まざるとにかかわらず、ああして基地がある以上は、それに殊更に問題を構えるということは、むしろ望ましくないことだという気が皆あると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/415
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416・須藤五郎
○須藤五郎君 これはですね、この問題と直接関係がないとおつしやりながら答弁されましたが、昨年渡米費に対して、野村さんは一文も寄附金は取つていないというふうな先ほどの強い御発言でしたが、確かに一銭の寄附金ももらつていないということが、重ねておつしやることができるか。それからなぜ文部省に先に報告して、県の教育委員会に先に出さなかつたかという理由を私はお尋ねしたいと思うのですが、それに対してもう一遍お尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/416
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417・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) お答え申上げます。第一点の渡米寄附について、割当をしたかどうかというお話でございましたが、寄附は一文ももらつておりません餞別は頂きました。私にも友だちその他があります。第二点、文部省にどうして聞いたかという、このことは先ほど申上げた通りであります。もう一度繰返しましようか。以上。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/417
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418・永井純一郎
○永井純一郎君 私は野村さんに少しお伺いしたいのですが、野村さんは教育の専門家のかただと思いますので、お伺いしたいと思います。それは一つは、まあ私が見ると、これは日記は別にそう偏向というふうには私は考えないわけですが、そこでお伺いいたしたいのは、学校で生徒が先生に、自衛隊というようなものは軍隊なのかどうなのかというように、私にも子供がおりますので聞かれるのですが、聞かれるのですが、そういう場合にどういうふうに答えて行けばいいというふうに、あなたはお考えになつておられるか、お伺いしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/418
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419・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) 自衛隊ということは、どこに、日誌にありますか。私はわかりませんが、この日誌の中にあるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/419
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420・永井純一郎
○永井純一郎君 いやただの保安隊、自衛隊……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/420
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421・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) お尋ねもはつきりいたしませんので……、どうしたらいいのか、自衛隊というものをどう取扱うかとおつしやるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/421
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422・永井純一郎
○永井純一郎君 あなたが教育の指導に当る責任者だという建前で私はお伺いしている。ですから思つた通りを簡単にお答えになれば結構です。例えば保安隊だとか、自衛隊だとかいうものがあるのです。これは子供が全部知つております。これは軍隊ですか、軍隊でないのですか、こういう質問を盛んにするのです。そのとき先生はどういうふうに教えたらいいか、偏向しないようなために教えるにはどういうふうに教えたらいいのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/422
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423・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) 私はこれはお答えするのはどうかと思いますが、この日記帳そのものを全体として、一貫した一つのものとしてこれが望ましくないと、こういう判定を下して通牒を出したわけでありまして、自衛隊云々というものは、その当時から十分、私のほうにも所管係長もあります。研究をして、私も又その当時からおよそ一年近くなりますが、十分検討を慎重にいたしまして、あの通牒を出したわけでありまして、今具体的にこの自衛隊をどう取扱うかは、相手の子供の発達段階もありましよう。又その自衛隊そのものがどういうところに出て来るかということについて、一々私ははつきりこうしたところで申上げるのはどうかと思います。他の問題にいたしましても、全体として考えて……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/423
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424・永井純一郎
○永井純一郎君 私は教育というものは、まあ素人なんですが、聞くところによれば、現実の現在の政治というものよりも上にあると言いますか、もつと高いところのものだと思うのです。次の時代を作つて行くものだと思う。そこであなたが言われるようないろいろな事情を考えることは一応私は要らないと思うのですね。子供に教える場合は正しい立場に立つて判断をして、保安隊とか、自衛隊とかいうものが、あれは軍隊なのかどうなのかという疑問は当然持つのです。そのときにあなたは、いろいろな周囲の、あなたの周囲のことを考えて、先生が子供に教える、或いは答えるという必要はないのじやないかと思うのですが、その点どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/424
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425・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) 子供が聞きました場合に、その子供に対しまして、と言いますのは、教育は具体的に相手を考えてやらなければなりませんので、子供の発達段階に応じた適当な教え方をしたらいいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/425
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426・永井純一郎
○永井純一郎君 あなたのお答えはどうも誰かに憚かりながら答えておられるような感じがするのです。例えばこの一つの問題は、この事例でみますと、日本の憲法は戦争というものについてどういうことをきめておるのですかというようなことが、教室の場で質問があつたら、どういうふうに先生はお教えになりましよう。どうでしよう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/426
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427・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) 現在の憲法は戦争放棄をいたしております。従つてそれについては、今憲法にきめてありますることを、相手の程度に応じてわかるように教えるべきだと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/427
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428・永井純一郎
○永井純一郎君 それから言えば、当然保安隊だとか、自衛隊という問題の笠間が出た場合には、答えることは私はやつぱり一つしかないと思うのです。それが例えばどこの政党の支持をしておる者であり、或いはどこの政党に反対をしておつても、教育としては一つじやないですか、教えることは……。それをお聞きしたいのですが、事例そのものじやないのです。(発言する者多し)黙つていなさい。それをお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/428
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429・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) 軍隊は今持つておりませんはずであります。従つて軍隊がいいかどうかと言われた場合には、軍隊はない、こう言うべきものだと考えます。(「了解々々」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/429
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430・永井純一郎
○永井純一郎君 若しあなたがそういうことを教室で言つたならば、それはあなたの今の答えは偏向になりませんか、どこかの政党の……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/430
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431・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) ならんと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/431
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432・永井純一郎
○永井純一郎君 なぜなりませんか。(「ならないよ」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/432
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433・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) 現在の憲法は、先ほど申しました通りでありますから、私はそう考えるのです。それは私は見解の相違だと思います。(「重大な発言だよ」「ここはよく聞きなさいよ」「君ら押し詰められるとぎやあぎやあ騒ぎ出す」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/433
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434・永井純一郎
○永井純一郎君 逆に憲法から言つて、軍備をしてはならんのだということを教えておる。軍備には反対をするほうがいいのですと、こう教えることも偏向じやありませんね、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/434
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435・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) 先ほども申上げましたように、教育は相手がありまして、今のところ御存じのように軍隊を持つべきでない。憲法は軍隊を認めておりません。ところが軍隊を持たなければならんという論もないではございません、国民の中には……。そういうふうなものは、相手によりましてこういう論もある、こういう論もある、現在の憲法ではこうなんだというふうに、相手によつていろいろ説くべきであろうと私は考える。(「何を言つている」と呼ぶ者あり、笑声)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/435
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436・永井純一郎
○永井純一郎君 教育委員会の教育長さんとして私はお伺いしているのです。それでそういつたようなふうに我我質疑応答をしておりますと、この一の再軍備反対、二の講和条約の問題、三の軍事基地反対、中共との貿易の問題等々、(「中味の問題だよ」と呼ぶ者あり)それは中味もありますが、いずれともあなたの言つていることが偏向だというと、やつぱり偏向になつちまう。逆の立場だといつても、それが偏向だと言えば偏向になるのですが、(「そんなことはない」と呼ぶ者あり)そういう、あなたがおつしやるそういう或いは周囲を考えてやつておると、本当の偏向になつてしまうと思うのですよ。そこで私が最後にもう一つどうしても聞きたいのは、例えば再軍備の問題でも、偏向の問題でも、憲法から誉つて、軍備をすることはいけないのですということをはつきり教えることは、私はちつとも教育者としては偏向でないと思うのですがね。その点をあなたの考えを、教育長さんとしてお伺いしたいと思います。はつきりして頂きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/436
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437・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) 現物を見ておりませんので、はつきりいたしませんが、先ほど私再軍備については申上げた通りでありまして、これは次のような内容を含んでいると、こういうふうになつております。(「教育長ともあろう者が、現物を見なきや駄目だよ、話にならないよ」と呼ぶ者あり)で、私の判断は、全体を通して例えばあの中で記憶のはつきりございますのは、例えば「ソ連とはどんな国か」、或いは「気の毒な朝鮮」だとか、或いは「再軍備と戸じまり」とか、或いは「死んだ海」とか、そういうふうなものは一応はつきり今記憶に残つておりますが、その一連のものとして、この日記は子供に使わすことは望ましくない。望ましくないことはよくないことである。悪いことであるという意味のことを、二つの理由を挙げて決断を下したわけであります。以上であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/437
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438・永井純一郎
○永井純一郎君 これはですね、先ほど綿津さんが言われましたように、これが一カ所に一連にくつ付けて書いてあるのじやないのですね。これは先ほどのお話のように、いろいろな対象の問題もあるし、いろいろな問題がずつとあつてですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/438
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439・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) 何頁でございましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/439
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440・永井純一郎
○永井純一郎君 適当に社会課の問題として見ると、こうなるわけですね。そして今申上げるように、あなたの言うように、一連の関係が或いは偏向しているようにわざわざ見ようと思えば見れるのです。ところが再軍備の教え方一つについても、あなたがすでに偏向したようなことをすでに言つてしまうということもあるのですね。これは実際そこでそういつたようなことにかかわらず、日本の平和憲法から言つて、日本のは軍隊を持つてはいけないので、特に憲法を守る義務が日本の教職員には課せられておるのです。そこで私はそう教えてしまうことは、少しも偏向ではないと、こう教育者としてはあるべきものなんで、あなたのように、周囲のことを考えてその点ははつきり言えないような御答弁なんですが、どうですか、はつきり言わんほうがいいのですか。(「質問がなつていないからだよ」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/440
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441・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) 何頁でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/441
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442・永井純一郎
○永井純一郎君 これは大体見出しを問題にしている。書いてある私は見出しを言つているのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/442
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443・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) 何頁ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/443
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444・永井純一郎
○永井純一郎君 そんなことを育つているのじやないのです。事例そのものの内容じやないのです。中に出ている考え方だ。文部省が報告している事例について私は言つているのですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/444
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445・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) ああ、わかりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/445
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446・永井純一郎
○永井純一郎君 教育者の立場として答えて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/446
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447・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) ここにございましたから……。「再軍備反対の声が強いのはなぜか」と、ここのところですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/447
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448・永井純一郎
○永井純一郎君 そうですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/448
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449・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) このことは先ほど申上げましたように、ここに、そうですね、六つばかりですか、再軍備について議論の代表的なものが六つばかり挙つている。「学級の問題にしてどれが正しいかを考えましよう」、こういう見出しでありますが、これは小学校の生徒にはやはりこの問題は相当むずかし過ぎるのではないか、四年、五年、六年。(「そうだ」と呼ぶ者あり)そういうふうに扱つております。(「大人はわからない」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/449
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450・永井純一郎
○永井純一郎君 そういうことを教えないのがいいのか、或いは平和が正しいということを教えるのがいいのか、どつちがいいのか、どつちだというのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/450
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451・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) だから私は先ほど申した通り、再軍備は今日本の憲法では禁止しております、軍備撤廃だから……。そのことはすでに申した通りでありまして……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/451
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452・永井純一郎
○永井純一郎君 教えていいのですね、どんどん……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/452
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453・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) それは当然のことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/453
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454・永井純一郎
○永井純一郎君 ああ、わかりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/454
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455・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) ところが、それが偏つたところの一連のものになるから……。(「自分が偏つているのだよ」「ああいうことを言つているから駄目なんだ」「何のことを言つているのだよ」「自己の判断で言つちやいけない」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/455
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456・相馬助治
○相馬助治君 議論の焦点がお互いに外れているから質問と答弁がしつくりしないようですけれども、私この際野村さんに明快に承わりたい三点ほどがあります。先ず第一に、山口教育委員会教育長として、あなたはこの山口日記を、心身の発達に適応していない、並びに国際理解の上から望ましくないという判定を下したということについては、私は頭からこれに反対するものではありません。併しこのことは直ちに以て偏向教育であるということにはならないと思うのであつて、先ほどの証言は、この日記に対しては心身の発達に適応していない、而も国際理解の上から望ましくないという観点からの証言でございましたが、本委員会が問題としておりまするのは、この山口日記は偏向しているかどうかであります。で、これについて明快なる判断をしているのが文部省です。即ち偏向教育の代表的なるものとしてこれを挙げているから、これを本委員会は偏向教育として見るか、見ないかを、あなた方の御証言を聞いて然る後判断をすることになつているのでありまするから、以下お尋ねします。
教育長として、教育基本法八条に違反する程度の偏向とこの日記を目されまするか、どうですか。野村さんにお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/456
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457・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) 基本法第八条に違反するかどうか、こういうお尋ねであつたと思うのでありますが、あの日記は行過ぎであつたことは、一部の人人を除いて大多数の人がこれを認めておると私は存じます。(「噂を聞いておるのじやない」と呼ぶ者あり)今申上げましたように行過ぎが認められておりますことは、或いは先に述べました中にも、校長会とか、或いは教育会、PTA又は教員組合の声明の中にも窺えますように、特定の政党の支持の疑いなしとしない。このことは日記問題に対する日教組の抗議書の中にもこういうことがあります……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/457
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458・相馬助治
○相馬助治君 ちよつと待つて下さい。野村さん御存じないと思うのですが、実はこの委員会が長い時間に亘つてはいけないので各党派に時間が割当つている。従つてあなたの答弁も私の持時間に含まれているので、そこを了解して……、私はあなたと見解を等しくしている。即ち国際理解の上から望ましくない、私もこういうふうに一方側の事例だけを並べるというと、これは誤解を受けるという点では大体考えておる。ところが問題は教育基本法八条は「法律に定める学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治活動をしてはならない。」とあるのです。この条文の規定するところから見て、そしてこの山口日記は偏向しておるかどうか、こういうことを私はお尋ねしておる。これはPTA会長さんに尋ねておるのじやなくて、教育長さんなるが故に法的解釈を尋ねておるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/458
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459・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) お答え申します。大変むずかしいことになるかと思いますが、これは私個人の証人の野村として、個人としてお答えいたします。一口で言えというふうなお話でありますが、これは八条二項に触れる虞れがないとは言えないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/459
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460・相馬助治
○相馬助治君 教育長さんに尋ねますが、然らば具体的に私はそれを一、二の例を引いてお答え願いたいと思うのです。若干の時間を費すことは我慢します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/460
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461・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) これは時間を頂いたのでありますが、先ずこういつたことも一つの参考になるのじやないか。この問題に対する日教組の抗議書の中に、「全国教育新報の八月一日号に、平和日記に(即ち山口日記でありますが)たまたま或る政党の主張と一致したことが書いてあるといつて直ちにこれが教育の中立性を侵すと断定することは」云々、こういうふうにありますが、それがたまたまであるかどうかは別としまして、或る政党の主張と一致したことが書いてあることは認められているように私は思うのでありますが、ただこのことはお含みを願いたい。通牒は先ほど申上げた通りでありまして、我々はこれを慎重に研究し……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/461
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462・相馬助治
○相馬助治君 通牒を批判してはいないのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/462
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463・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) ええ、あのときに私はよく考えました。考えましたけれども、さようなむずかしい問題を取上げる必要はない。こう考えまして、ああいう通牒を出したわけであります。強いてお尋ねになりますれば以上申上げましたようなことをお答えせざるを得ない……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/463
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464・相馬助治
○相馬助治君 どうも御答弁がお苦しいようなので次の問題に移つて、又出戻つてお尋ねするとしますが、私がお尋ねしていることは今の答弁の中にも現われて来ましたのですが、或る主張が或る政党の主張と一致しているという場合に、その主張を教育の場において教えていいか悪いかということになると、今国会で問題になつている三法案が成立した後においては、これは問題だと思います。現実に教育者が今日守るべきものは何であるかと申しますれば、憲法であり、教育基本法であろうと思うのであります。憲法は明らかに再軍備を禁止しているのであります。そういう観点からいたしますると、この山口日記が偶然に或る政党の主張と一致しているか、一致していないかということに問題の焦点があるのではなくて、この教育が今日よつて立つべきところの根拠をなしている憲法並びに教育基本法の八条に違反しているかどうかが問題なのであります。あなたは恐らく先ほどそちらで以てお聞きになつたと思うのですが、前の証言なんか聞いてみますると、前の或る事例のごときは明らかにこれは行き過ぎであり、偏向教育と認めざるを得ないような証言も我々は聞いているのであります。ところが山口日記の場合には、言葉を繰返しますように、心理的な考慮が足らないとか、或いは編集上どうも一方的に結果的には偏つてしまつたというような批判は暫らくおいて、この問題を偏向教育の事例とあなたは見ますか、山口日記を偏向していると見ますか、あなたは……。総括的に簡単にこれは一つお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/464
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465・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) 先ほど冒頭の陳述の中にも申上げたと思うのでありますが、一方に偏しているところの記事と……、やはり偏向していると私は考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/465
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466・相馬助治
○相馬助治君 それは内容的に盛られているものが悪いというのですか、分量の考慮が足らないので偏向しているというのか、どつちです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/466
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467・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) 勿論内容のことを考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/467
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468・相馬助治
○相馬助治君 内容のことを申しておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/468
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469・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) 考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/469
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470・相馬助治
○相馬助治君 然らば私はその内容に再び戻らなくてはならないのですが、教育基本法八条に抵触しているような内容はどれですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/470
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471・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) 一々むずかしいと考えますので……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/471
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472・相馬助治
○相馬助治君 一年間に亘つて慎重に検討されたのですから、大体覚えていらつしやると思いますが、私は知つておりますが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/472
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473・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) あちらこちら見ませんとわかりませんですが、例えば「再軍備と戸じまり」……(「勉強していないんだ」、「そんな教育長はない」、「あれが教育長なんて恥かしいよ」と呼ぶ者あり)いや、私は証言を慎重にいたしているつもりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/473
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474・相馬助治
○相馬助治君 それはよろしいです、よろしいです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/474
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475・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) 簡単に軽率にはしたくありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/475
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476・相馬助治
○相馬助治君 同感です。さもありなん。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/476
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477・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) 例えば「再軍備と戸じまり」というのは国際理解の立場からもよくございませんが、これも先ほど私は「なしとせず」という言葉を使いましたが、いわば匂いがしないということもないと思います。そこでそれを見ましても一つの匂いがすると考えます。それからそのほかにもこれは一々どうそう、こうそうという御答弁をすることは私はないと実は考えておりますが、あちらこちらを見ますと、ソ連とはどんな国か、これの中にも何頁でしたか、ちよつと……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/477
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478・相馬助治
○相馬助治君 まあよろしいでしよう。「再軍備と戸じまり」、それはそのまま一文が出て来るとこれは誤解を受けます。私もこれはどうも少しどうかなあと思うのです。それで私は君に一つ質問を申上げたい。あなたの見解を明快にせられたいと思うのですが、岩国で日記帳の回収をやつた。これについてはいろいろ強あろう思うのですが、一旦先生が配つたものを無理に児童から取上げるということは、これは教育的に相当考慮を要すべき問題である。この際望ましいことではない。殊にソ連のほうばかりほめてしまつて、これはまずいというのだつたら、それはプリントして今度はアメリカもいい国だという刷物でもやつて、そうしてバランスをとるということも私は可能だと思う。そこで私はお伺いしたいが、教育上の影響を考慮して岩国における日記回収は妥当なる措置とあなたは思いますか。それとも、相当これは考慮しなくちやならないと思いますか、如何ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/478
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479・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) お答え申上げます。回収したがいいか、或いはその他の方法によつてよいかは、それぞれの地域社会、或いは学校、具体的に言うと更に学級、それは先生と子供の間、それぞれが違うところの取扱いがあつて然るべきではないかと考えます。従つて回収したことが必ずすべて悪いとか、よいとかいうふうなことは簡単には即断ができません。従つて私はそれぞれの地方教委に対して適当な措置をおとりなさい、こういうことを助言いたしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/479
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480・相馬助治
○相馬助治君 教委の処置がその地域社会の上に立つべきことが当然であり、野村さんが適当な処置をしろという通牒を発したことも本員はよく了解しております。問題は、岩国においては教育委員会が中心となつて回収を決定した、こういうこと、或る学校が不特定にやつたのではなくて、系統的に教育委員会が音頭をとつてその地区における回収を決定し、而も賠償までやつておる。そういう措置が果して教育的には、論は分れるであろうけれども、教育的には一体どのようなこれは影響を及ぼしたかということをあなたは十分御承知であつたと思うのであつて、それは今から眺めて妥当であつたとお考えになるか、ややどうも強制に過ぎたというふうな考えがされるか、これらの点を伺つておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/480
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481・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) 先ほど申上げましたように、それをどうするのが最もその教室、その子供にいいかということは、そこでそれぞれの立場でお考えになるべきことであると私は考えます。例えば紙を貼らすにいたしましても、墨を塗るにいたしましても、或いは又回収いたしますにつきましても、相手の程度もありましようし、又先生方がどういうふうに受けて子供なり父兄の納得を得て、これは紙を貼るよりもむしろ回収したほうがよいということが教育的に見ていい影響を及ぼすのであるとすればですね、私は一々この岩国市の学校なり或いは学級というものを十分存じません。従つて回収したのは皆悪い、使用させたのは皆よいといつたようなことは簡単には私は申上げられない。それはむしろ市の教育委員会のほうにもいろいろな考えがあつたことでしよう。そちらのほうに又実情についてはお尋ね頂きたいと私は考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/481
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482・相馬助治
○相馬助治君 最後に私は二点だけ伺つて御質問をやめますが、第一点は、こういうふうに文部省の偏向事例として報告されて問題になつていることについては、恐らく当該教育委員会の教育長としても、あなたもその意味で迷惑をこうむつておると思うのです。本委員会に証人として喚問されることも迷惑と考えていらつしやると思うのですが、ここで問題になりますることは、動機論からいたしまして、一体この場合中学生日記が偏向していたと仮仮定して、その場合においてもこれが山口県教員組合の組織的な、計画的場な偏向、政治的な偏向をあえて強行して、或る一党一派のために利せんとする魂胆に基いて出たものと了解されますか。それとも結果的にはまずかつたが、動機としてはさような悪辣なものは感ぜられないと判断をされますか、どうかということが第一点。
それから第二点は、文部省が今日あらゆる意味で山口日記を取上げており、文部大臣も又閣議終了後の記者会見において、山口日記のごときものの現実にあることを見るときには、断固として法的な方法を以て教職員の政治的偏向に対抗しなければならないという意味の発言がなされておるのでありまして、こういう意味合において山口県日記が取上げられたことに対するあなたの立場上からする責任感をどのように考えており、且つ又文部省の見解を如何ように判断されておるか。逆に申しますれば、文部省がかようなるものをかように取上げて偏向教育の事例とすることは当然であるとするならば、あなたは教育長としてのみずからの責任、自分の当該県下においてかようなる事件が起きたことに対するみずからの責任をどうするか。又文部省の見解が、又文部省の取上げ方が、故意に事を拡大する、故意に基くものと判断するという御証言ならば、あとの責任は追及いたさないのでありまするが、それらのことを持時間がないので重ねて一つ二つの問題について御証言を賜わりたいと思います。残念ながら私の持時間が終了したので、一つ懇切丁寧にお答えが願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/482
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483・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) 第一点は、教組が特定の政党というものと一緒になつて、これは言葉が少し過ぎるかも知れませんが、そういう意図の下に日誌を編集したと思うかどうかという、こういうお尋ねだつたかと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/483
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484・相馬助治
○相馬助治君 そうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/484
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485・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) これは私にはわかりません。先ほど申上げましたように、つまり全体の日記(「時間々々」と呼ぶ者あり)及びその他のいろいろのもの、私は単に日記だけを問題にして通牒は一応考えました。併しながら日誌の前後に出ておりますいろいろの県教組関係のものを考えまして、先ほどのように私は一応御回答申上げた。それでそれが内面的にどうであるかということは私どもは想像は一応できますが、実際は私にはわかりません。わかりませんから、お答えができません。
第二点の文部省の見解についてはどう思うかというお話であります。文部省には文部省の見解がありましようし、私には私なりの見解がございます。従つて文部省がなされたことまで私はとやかく申上げることはできん。但しこのことだけは個人として申上げる。私はこの日記についてはよくない、中性を欠くという考えであります。これは先ほど申上げた通りでございます。従つてこの日誌について、いわゆる山口日誌というものについて、文部省が偏向の材料として挙げられることも又我々同じ思いではないか、こういうふうにお答えをすることはできると考えます。以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/485
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486・荒木正三郎
○荒木正三郎君 野村教育長にお尋ねをいたしますが、野村教育長は山口県教育行政の極めて重い責任の地位に立つておられるかたでありまして、先ほどの質疑の中にございましたが、県教組とは非常に前々から対立しているというふうなお話がございましたが、県の教育一般を振興し、改善して行くためには、教員組合とも十分話合をして、そうして改善をして行くということは、私は望ましいことであると考えておりますが、野村さんは如何ような見解を持つておられるのでありますか、どうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/486
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487・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) 県教組と県教委が前々から対立をいたしておると私はこの場で申したことはないと考えます。安部議員からさような話はございました。これについてもいろいろと見解は私は異にするものを持たんではございません。そこでお互いに同じ高嶺の月を見ようとする二つのものが、まあこのお言葉はございませんが、そういう意味の県教委と県教組とお互いに話合をして手を繋いで行つたらどうかという意見についてお前はどうであるかというお尋ねであつたと思いますが、全く同感であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/487
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488・荒木正三郎
○荒木正三郎君 それでこの日記の問題が世間に出たときに、県教組のほうから教育委員会に会見を申込んだということを聞いております。そうしていろいろ自分の意見も述べ、又教育委員会の意見も聞きたいと、こういう申入をしたということを聞いておりますが、そのときには会見をお断わりになつたように聞いておるのですが、そういう事実があるかどうか。事実であればどういう理由であつたのかお話を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/488
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489・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) お答え申上げます。先ほどの冒頭の証言でも申しましたように、六月の四日付で通牒を発しました。そのたしか一日か、二日前か、はつきりした日にちは覚えありませんが、通牒を出します前に、私のほうではこの日誌につきましては……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/489
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490・荒木正三郎
○荒木正三郎君 答弁だけにして頂きたいと思う。申入れがあつたかどうか、なければないでよろしい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/490
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491・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) 答弁いたします前に、私のほうから申入をいたしました。これはお尋ねについては若干違うかも知れませんが、関係ございませんが、私のほうから指導課長をして、指導課長から県教組の事務局に申入をいたしました。ところが何かの都合で来れない、こういう御返事でございました。その後記録を見ますれば、ありますが、たしか六日か七日……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/491
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492・荒木正三郎
○荒木正三郎君 日はよろしい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/492
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493・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) 申入がございまして、会つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/493
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494・荒木正三郎
○荒木正三郎君 この点綿津さんにお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/494
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495・綿津四郎
○証人(綿津四郎君) 事務局とは日にちは記憶いたしませんが、日記問題が発生以後会つたことはございますが、教育委員会はしばしば申入れましたけれども、一回も我々の中入を受けてこの問題を公開で討議しておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/495
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496・荒木正三郎
○荒木正三郎君 このことは野村委員長もお認めになりますか、教育委員会は一回も会見しないということについてお認めになりますか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/496
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497・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) 私は先ほど申上げましたように、七月の半ば、七月の十日であつたと記憶しておりますが、山口から米国へ出ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/497
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498・荒木正三郎
○荒木正三郎君 御存じない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/498
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499・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) そこで記録を見なければはつきりお答えはできませんが、不在だつたかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/499
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500・荒木正三郎
○荒木正三郎君 それではあなたは山口県の教育が今日まで正常に行われて来たというふうに判断をしておられますかどうか、その点をお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/500
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501・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) お答えを申上げます、正常であるか、このお尋ねはどういう具体的な内容を持つたものであるかということについては私は次のように感じます。つまりここで今日問題になりました偏向教育ならざる正常な教育が行われているかどうか、こういう意味であろうかと思いますが、如何でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/501
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502・荒木正三郎
○荒木正三郎君 私は山口県の小学校とか、中学校とか、高等学校の教育が正常に行われているかということを聞いているんです。山口県日記について聞いているのじやありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/502
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503・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) 見方により、又見解によりまして、それが正常であるというふうに見られもいたしましようし、又そうでない場合もあると考えます。具体的に旧しますれば、神様ばかりの世界じやございませんから、正常でない場合もあろうかと思います。(「まじめに答弁しなさい、」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/503
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504・荒木正三郎
○荒木正三郎君 あなたは県の教育行政に携わつている人なんですから、県下の教育事情については何人よりも最もよく知つている人だと思うのです。ですから私はお伺いしているのです。山口県の教育は非常に曲つた方向へ行つているのか、或いは正常な教育が行われているのか、この判断があなたになくては教育行政は私はやれないと思うから、私は聞いているのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/504
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505・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) 先ほど申しましたように、余ほど厳密な意味において正常であるかどうかというふうなことについては、いろいろ問題もございますが、甚だしく曲つた教育が行われているかどうかというお尋ねが今あつたようでありますから、さような甚だしく曲つたことはございません。正常なところの教育が、日記問題といつたようなものもございましたけれども、県民多数の世論というふうなものも手伝つていましたので、先般の調査にお越しになりましてもお答え申しましたように、大体において正常に行われているものであろうと私は考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/505
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506・荒木正三郎
○荒木正三郎君 私は常識的な考えで、どう判断しているかという意味を尋ねているのであります。若しこれは正常でないということになれば、これは非常に重大であると思うのですが、あなたも大体正常に行つているということであれば、私は更にこれを深めようとは思いません。とにかくあなたは県の教育行政の責任者です。私はどこへもこの責任を転嫁することのできない人だと思うのです。それで今度の日記問題につきましても、私はこの問題が起つたときに、(「市教委じやないんだよ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)この日記については十分な……。変なことを言うんだつたらね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/506
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507・川村松助
○委員長(川村松助君) 静粛に願います。静粛に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/507
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508・荒木正三郎
○荒木正三郎君 山口県日記は私は十分検討されたことだと思います。そこで少なくとも教育委員会内で、教育委員会の事務局で検討する場合、少なくとも教育基本法第八条に抵触しているかどうかということが先ず検討されなければならんと思うのです。これを主観によつて偏向しているだろう、していないだろう、こういう判断をすることはまちまちな結論が出ると思う。どうしてもこれは教育基本法第八条に違反しているかどうかということが検討されなければならんと思うのです。そういう観点から検討されたのかどうか、この点をお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/508
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509・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) お答えを申上げます。先ほど相馬議員から……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/509
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510・荒木正三郎
○荒木正三郎君 結論だけ………。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/510
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511・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) 検討いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/511
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512・荒木正三郎
○荒木正三郎君 検討された結果、これに違反しているという判断に達したか、どういう判断に達したか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/512
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513・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) 委員会といたしましては、少なくとも私といたしましては、それについては先ほど申しました通りで、大変にむずかしい問題である。併しながら匂いがなきにしも非ずということを先ほど申上げたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/513
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514・荒木正三郎
○荒木正三郎君 それでは匂いがあると、こういう結論に達した、こういうことなんですか、おつしやつて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/514
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515・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) そうでありますので、今申しましたように二つの理由で以て検討いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/515
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516・荒木正三郎
○荒木正三郎君 そうすると、教育基本法第八条に違反しているかどうかははつきりわからない、ただそういう匂いがある、こういう結論に達した、こういうことなんですね。それでは時間の関係もありますので私の質問はこれで終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/516
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517・田中啓一
○田中啓一君 私は綿津さんにお尋ねいたしたいと思いますが、先般御地へ出ました際に、旦記帳の編集方針というものを見せて頂きました。そのときに頂きましたかと思うのでありますが、県教組の情報として出した、今日印刷物にそれもやはり日記帳の編集方針について書いてございますので、その点を先ずお伺いしたいのでございますが、先ほど御証言を伺いますと、山口県では二十四年からこの日記をお出しになつているというお話でございましたが、この編集方針は二十四年から昨年まで変つてはおりませんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/517
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518・綿津四郎
○証人(綿津四郎君) この編集方針をなしましたのは、先ほどお答え申上げたと思いますが、昭和二十七年度から委員の出し方などを変えた際にこういうやり方で始めましたので、方針としてこのようにはつきりいたしましたのは、大きい版になつてからの、二十七年になつてからでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/518
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519・田中啓一
○田中啓一君 この中にいろいろ私は細かく申しますと問題になる点もあると思いますが、時間がございませんから、この二つの平和と独立のための自主的教育に資する、こういうことが入りましたのは二十七年でございますか、二十八年でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/519
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520・綿津四郎
○証人(綿津四郎君) これは二十七年であると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/520
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521・田中啓一
○田中啓一君 私はこの平和と独立というのは、確かに日教組の定期大会等の御決定の中にもあるやに承知をしておるのであります。而もこれは二十七年でございますか、高知の大会でありますか、或いはその場所はよくわかりませんが何でもその頃に、大会におきまして、原案は平和と生産となつておりましたものを、非常に御論議の上でこれが平和と独立となつた、かように実は聞いておるのでありますが、さようなことは御承知ございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/521
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522・綿津四郎
○証人(綿津四郎君) ちよつと今お話の県教大会のこと、それから定期大会などであつたことはそれはございますが、御質問はそれがこの日記の編集方針に入つたということとどういう関係があるかということでございましようか。日教組の集会で平和と独立という問題がいろいろな議会に議論されたことはございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/522
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523・田中啓一
○田中啓一君 そこでお伺いしたいんですが、平和と独立というのを、これを先ず平たく考えますれば誰も問題がない。恐らく日本国民一人も異論はない。ところがこの内容につきましては、日教組の内部においても非常に御論議があり、且つ又政治面におきましては激しい争いの種になつておることは御承知でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/523
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524・綿津四郎
○証人(綿津四郎君) 承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/524
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525・田中啓一
○田中啓一君 そこでその激しい争いの種と申しますのは、平和勢力とは何を指すか、まあソ連圏を指すという論と、そうも行くまいということと私はあると承知しております。又独立につきましては、我が国が結びました平和条約、又日米安全保障条約等が偏面的なもので、これでは独立にならないから全面講和をやれ、こういうことに繋がつておる、かような点で激しい争いになり、遂に社会党は二つに分裂をいたし、(笑声)平和勢力論では、現に左派社会党の中にも争われておる、日教組の中でも非常にお争いになりました。又あなたのお属しになつております山口県の県教組の中におきましても、これらの問題を、一つの意見が合わない元として、組合が分れたか、分れかかつておるか、さような状態であると私は承知しておりますが、これらのことは御承知でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/525
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526・綿津四郎
○証人(綿津四郎君) 初めのほうは、つまり激しい国民的な論争が行われているということを知つておるかということでございますね。そういう渦の中にあるということを承知しておるかということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/526
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527・田中啓一
○田中啓一君 政治的な論争が行われておりますかということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/527
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528・綿津四郎
○証人(綿津四郎君) そういうことを承知しておるかということでございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/528
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529・田中啓一
○田中啓一君 そうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/529
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530・綿津四郎
○証人(綿津四郎君) 承知しております。それから二番目の私のところの組合の分裂につきましては、先ほど申上げましたように、出発は校長さんの職能の問題でございまして、あといろいろなことがございましたので、御質問の点につきましては、その通りだとは中しかねます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/530
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531・田中啓一
○田中啓一君 そこで申上げたいのは、そのような政治論争になつておるものが、この日記を拝見をいたしますると、私がここで例を申すまでもなく、その通りに欄外記事に出ておる、一方をいいように判断せざるを得ないような書き振りを示して、あなたはどちらをとりますか。こういう書き方になつておつて、それ以上の知識を持つておらない生徒が、あの欄外記事に指導されるままに判断するより私は仕方がないであろう、こう私は考えざるを得ないのであります。つまり政治論争の片方の面だけを出しておられる、この点は認められますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/531
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532・綿津四郎
○証人(綿津四郎君) これはちよつと時間がかかりますけれども、お許しを頂きたいと思いますが、大事な問題ですから……。私どもは先ほど時間がなくて申上げかねましたが、どの政党の主張であるとか、どこからの指示とかということではございませんで、平和教育の具体的計画というものを、この前にもおいで頂きました際に差上げましたが、それに則りまして、本当に素直な、日本人としての素直な念願に立つて考えて来たわけでありまして、政治論争が激しければ激しいだけ、それはよその論争ではなくて、私たちの身の廻りに響いて来、取りまいており、逃れることのできない問題なのでございます。(「そうだ」と呼ぶ者あり)我我はそれを政治的に、意図的に云々するということではございません。その証拠は、同じ時期に編集をいたしましたあの冬休みの友、夏休み帳というものは私どものほうで並行して作つておりますが、そのようなものについてはこのような問題は起つておりません。ただこれによつて起りましたのは、六月二十五日とか、七月何日という日にちのリズムが、そういう関心を持つ問題があつたからそういうことが多く頭を出したということが一点と、もう一つは、御懸念頂いて御指摘がありましたが、先ほど申上げました教科書の中にも、五の巻に、国が条約で如何に独立しても、外国の資本の支配を受けておるならば決して独立国とは言えないというような表現を使つて、検定を通過した教科書がこういう言葉を使つて、独立という問題については皆の大事な問題であるというふうな材料があるわけです。そういう点を私どもは先ほど申上げましたように、舌足らずの点や、足らん点はあつたけれども、はつきりここへ出しておる、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/532
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533・田中啓一
○田中啓一君 だんだんお話を伺つたのでありますが、この日記を生活指導のために採用しよう、こういうことを県教組は傘下の組合員に呼びかけた、これは先ほど教育長の読上げたあの情報であります。これを見ると、その前段には、県教組が何を主張しておられるかということが極めて明瞭であります。こういう主張に対して弾圧をしておるのだ、こういうことが書いてあるわけです。而してこの日記が一冊でも余計に採用されることが我々の闘いを具体化されるゆえんである、こう結んでおられる。つまりこれであなた闘つておられる。闘つておられるものを日記に現わして、一冊でも余計採用させよう、こういうことを組合にお奨めになつている。これで以て政治の争いを教室へ持込んでないとどうして言われますか。お認めになりますか、お認めになりませんか、はつきり御答弁を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/533
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534・綿津四郎
○証人(綿津四郎君) お認めになるかならないかの前に、今御指摘の点につきまして、これは事情があるのであり一まして、先般もあなたには申上げたのでございますが、改めて申さして頂きますと、私どもはこの日記に対して抗議したのは、先ほど抜かしましたけれども、内容の一々についての討論をするということではなくて、曾つて占領直後、あのこんな薄つぺらな、色もない小学校の子供たらの教科書の中から、占領軍の命令によつて、ここはいけないから鋏で切れ、ここは墨を塗れ、この本は焼けということをやられた苦しい体験が教師にはあるのです。ところが今度は同じ日本人同士でありながら、それを取上げろ、或いは抹殺しろという、このやり方に対して、私たちはどこに教育的な中立があるのかという抗議をしたわけです。ところがそれが聞き入れられませんでしたので、現場では教師たちは非常に恐れまして、もう次の日記からはいい、悪いではなくて、危いものには触れない、採用しないという空気が、残念ですがだんだん出て来たのです。それを勇気を出してもう少し物事を冷静に見て、これでくじけてはいけないのだ、私たちはどこまでも正しいことは主張しよう、間違つた点は直し、そして真理の追究をすることが任務なんだということのために、組合員に対して日記を採用して行くというそのことが、私たちを鼓舞し、私たちの考えている事柄をわかつて頂ける仕事だ、あれを全部皆使わなくなつちやつたら、それこそ羹に懲りて膾を吹くという、誠に教師としては情ない姿になるのだということを表現をしたのでありますが、中の言葉使いに非常にいろいろ誤解のあつた点は先般も申上げましたが、改めて行きたいと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/534
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535・田中啓一
○田中啓一君 問題は一遍児童に買わして使用さした日記の扱い方について抗議をしておるのだ、こういうお話であります。成るほど扱い方の抗議でも一面はありましよう。併し言うておられることは、飽くまでもその主張を貫こう、扱い方のことは何もこれには書いてありません。のみならず、私はそういうことをおつしやるからもう一つ申上げたい。それは日教組の第三十中央委員会の経過報告であります。或いはこれは綿津さんはおいでになつておらなかつたかも知れません。併し県から御報告があつたから、かような経過報告が載つたのであろうと私は思います。中央本部では山口教組へ激励文書を送り、地元教委に抗議した。その結果当局は懇願して来たので、一冊の回収も行われず、平和教育が推進されて行つた。更にここが私は特に言いたい。この際特筆すべきは、山口県の教組が文化工作隊を編成して、農漁村まで入り込み、子供や村人を染めて紙芝居、幻燈、広島のスチール展等守行なつて、国民運動への礎石を作つたのである、こういう意気込みでやつておられる。これは私は子供の教育だと思うのです。教育というものはあらゆる場所でやると書いてある。学校だけではない、学校の先生が子供を教育すればいつでも教育である。でありますかすからこの意気込みは誠に強いもので、なかなか以て方法論だけでは私はなさそうに思う。ただ折角子供が使つているのを墨を塗つたり切つたり、或いは又使うな、代りのやつを使えということは、こんなことは誠に苦しいので、何とか方法がないかということなら私は話のしようもあつただろうと、誠に残念に思います。でありますから、私は先般山口へ行つたときも、あの岩国の当該校長に対して、あなたは、回収はしないで、今後は使用しないことにした、こう言うので、この点は教育委員会も校長も意見一致でありまして、意見ではありませんが、この事実に対する見方の一致でありまして、特に私は回収という、取上げるということに対する教育的の価値と、又ただもうこれは使うなよというのとは相当価値が違うだろう。誠に私はいい措置をされた、こう実は思つて、その点に対する教育的価値の違うことを判断をしておやりになりましたかと言つたら、何のことかちつともわからん御答弁で、そういうようなことは一向考えておられんのじやないかと思つたのですが、今綿津さんの説明を開きますと、その点だとおつしやるけれども、私は騎虎の勢でそれはどこまでもやるんだ、こう判断せざるを得ないのでありますが、この点はまあ御答弁というよりは御感想をお願いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/535
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536・綿津四郎
○証人(綿津四郎君) 感想を申上げます。
御指摘になりました点の文化工作隊のことでございますが、これはどの点をつまりおほめを頂いたのか、それともこの方法論ではなくて、この工作隊の背後には何かがあるという意味か存じませんが、私はこの工作隊のやりましたのは、(「子供を教育をしている」と呼ぶ者あり)夏休みに紙芝居とか映画、広島のスチールとか、音楽の上手な人がおりますので、それを連れまして、大体平素私どもがいろいろ行つてその地域の先生方に接することのできない先生方とその地域で共に語り、又行つたときにその地区の子供さんには集つて頂いて、紙芝居を見せ歌を歌つて聞かせる、こういう運動をやつたわけでございます。従つてこれは教育とおつしやればまさに校外の教育の一番のものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/536
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537・田中啓一
○田中啓一君 そこでもう綿津さんの答弁はいいのでありますが、今私が申しましたその結果、当局は、というのは、いずれ県か岩国の教育委員会或いはその他の教育委員会かも存じませんが、このことであろうと存じますが、嘆願をして来たので一冊の回収も行われずに平和教育が推進されて行つた、こうございますが、一体県の教育委員会や或いは岩国の教育委員会は嘆願をされたことがございますか、御両君から別々に御証言を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/537
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538・丸茂忍
○証人(丸茂忍君) この件につきましては、岩国市教委としてのあり方についてちよつと説明さして頂かんと意味がわかりにくいのじやないかと思います。その前に相馬先生もおつしやいましたが、或いは藤岡証人も言われましたが、これは岩国市教委の問題だと思うので一応言いたいのでございますが、市教委として、回収を命じたり、或いは中心となつて回収をいたしたことはございません。この前おいでになつたときにこの点は言われたと思いますが、今日そういうお言葉がありましたので特にお願いしておきたいと思います。
岩国市といたしましては、この日記問題につきましては、初め簡単には申上げましたが、初めから回収ということは一切言うておりません。哀訴嘆願をしたと品われることはむしろ不審に思うのでございます。併し苦し言われれば、或いは最後に校長と話合いの結果のことを言われるんじやあるまいかという気がいたすのでございます。併しこれは岩国市教育委員会のあり方といたしまして、でき得る限り先生方との軋轢を避けまして、穏便に円満裡にこの日記の問題を解決いたしたいと思いますのが、これが終始一貫した変らざる趣旨でございます。
そこであの最後に申しました六月二十四日のような中合せをいたしたのでございます。これは代償につきましても、我々は代価を払つたのではないということを先ほど申上げたと思います。代替品の補償をした、こう申上げておりますが、そういうことに校長先生方の御尽力をお願いいたしたのでございます。校長先生に成るべく円満にそういうふうにやつて頂きたいということを言つております。それ以上に哀訴嘆願ということはありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/538
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539・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) 市教委のほうでされることで、私のほうはさようなことはありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/539
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540・加賀山之雄
○加賀山之雄君 大変長くなつて恐縮ですが、綿津さんにお伺いしたいのですが、この山口県の日記が最初から非常に問題になつているのですが、この記事が大体「朝日年鑑」とか、はつきりとしたものから転載されたものでというお話でありましたが、伺えば一部字句を付加しておられるようなところがあるそうでありますが、例えばソ連とはどんな国かというところで、二カ所ばかり特に付け加えられているそうでありますが、それは確かなことでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/540
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541・綿津四郎
○証人(綿津四郎君) それは確かであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/541
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542・加賀山之雄
○加賀山之雄君 編集者はこれをどういう目的を以て特に付加されたものであるか、それらの点について御存じなら……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/542
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543・綿津四郎
○証人(綿津四郎君) これは実は先ほど申上げましたように、現場から七人の委員が出まして執筆を分担いたしまして、あとそれを持ち寄つて検討したことでございますので、この部分は執筆した人にあと伺つたのでございますが、これは中学校の社会科の先生なんでございます。その人と話合つたのですが、ここのところでこれを付加いたしましたというのは、実は中学校の教科書は、私は全部を知りませんけれども、その先生は、相当この資本主義社会と社会主義社会の記事につきましては教科書の中に突つ込んだ表現がしてあるのでございまして、それらを参考にこの先生が自分が付加した、こういうことを言つておりました。だから程度も中学校の社会科の教科書の程度のものとして付加した、こういうことを言つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/543
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544・加賀山之雄
○加賀山之雄君 これは小学生日記ではなかつたのですか。小学生日記に、先ほど段階によるというお話がありましたが、こういう非常にむずかしい判断を子供に要求しているわけですね。これは非常に無理だとは思いませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/544
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545・綿津四郎
○証人(綿津四郎君) これは御指摘の通りでございますが、小学校は四年生、五年生、六年生を基準に作るということに方針をきめておりますが、使われている実情は、主として六年生が多いのでございます。五年、六年が多うございます。それから子供が小学校から中学校へずつと続けて行く子供もおりますので、今までのこの日記も全部同じ記事はできるだけ載せないようにしているわけでございます。だから殆んど同じ記事は載つておらないわけでございますが、そういうところから編集の技術上やや無理だという点はありますけれども、小学校と中学校には非常にダブつた材料がございます。従つて中学校の生徒にとつては適当であつても、小学校の生徒にとつては難解である、程度が高過ぎるというものも含まれていることは事実でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/545
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546・加賀山之雄
○加賀山之雄君 先ほどからお話を承わつておりますと、どなたかの御証言に、全部これはいいのだ、正しいのだということで、「初めは県教組のほうは非常に強く突張られておつたように伺つたのであります。その後これを変えられた、或いは回収するということになつたということになりますと、途中でその正しいという考えを捨てられたのか、これは行過ぎであつた、或いは一方的に偏つている面があつたということを認められたのかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/546
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547・綿津四郎
○証人(綿津四郎君) その点につきましては、途中から変えたということについては私どもよく解せがねます。何を変えたかというふうなことはわかりませんが、どれを指しておつしやるのかわかりませんが、最初私どもが問題にして抗議しました際には、私どもは一昨年来県の教育委員会に対して、平和教育ということが今問題になつているが、県の教育委員会は平和教育ということに対してどのような方針と見解をお持ちになるかを示して頂きたい、それを伺いたいということを再三交渉したのでございますが、それは遂にまだ私どもに明確には示されておりません。一部指導要領のようなものによつてこれで競えというようなことを言われておりますが、従つて私どもがこれを問題にして行きました際にも、どういう点からどういう尺度からこれが偏している、不適当であるというふうにおつしやるかを、そういうものとの関連において聞きたいということが第一であつたわけです。それ以後私どもは決してこれが偏しているから改めるというようなことは申しておりません。
ただ日記の編集につきましては、ずつと初めから使つた教師と父兄、これは一種の商品でございますから、それに対する価値判断とか批判というものは絶えずあるわけです。それがいけなければ使い手が少くなりますから、そういう批判を素直に聞いて来ておりますので、そういう点についての批判はこのたび特にたくさん来ました。従つてそういう点については、これからどこから突つかれても誤解のないようなものにして行きたいというのが現在の状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/547
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548・加賀山之雄
○加賀山之雄君 これは商品でありますからという言葉はちよつと驚くのですが、教材でなくても、正式の教材でなくても、とにかく子供の脳裡に強く影響を事えるというようなものについては、今の商品であるというようなお言葉は、教育に携わつておられる方としては私は非常に怪訝に思う。先ほど父兄のPTAの方からも、これが取上げられた、回収されたということは非常に子供もさびしい、PTAの方としても非常にさびしいような気持で陳述しておつたと私は伺つたのですが、私は何と言つても、これは私の見解ですが、確かに行き過ぎがあり、一方に偏つているように理解いたします。で、併しあなたは今のお話によると、これは偏していると思わない、行き過ぎもない、かように言つておられるのですが、あなたはこのあとで日教組の小林委員長と会われたことがありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/548
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549・綿津四郎
○証人(綿津四郎君) 会いました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/549
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550・加賀山之雄
○加賀山之雄君 そのとき一体どういうお話をされたか。私が伺うところによると、県教組もこれは行き過ぎがあつたということを認めて、その後非常に反省というかが行われ、又先ほど職能的なものだと言われましたが、組合が、第二組合ができて、先ほど校長先生だけだと言われたが、たしか五千人くらいの第二組合ができたというように伺つたのでありますが、これらの点についてもこれと関係があつて反省が行われているのじやないかというように私は推察したのですが、それらの点についてのお答えをお願いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/550
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551・綿津四郎
○証人(綿津四郎君) 小林委員長とはお話をいたしました。これはこの問題が起りましてからいろいろ日教組のほうとのそういう機会もあつたわけでございますが、現在まで貫いておりますのは、先ほど別な証人の方からおつしやいましたように、一貫してこのものが特定の意図のものに偏しているということについては当らない。但し先ほども私からも申上げましたように、一つ一つのものの或る部分に誤解を与えるというような点のまずいところ、生なところ、そういう点があることについては改めなければならない、こういうことについてはお話合いをして参りました。
それから第二点の、第二組合がこれを契機に生まれた。その反省を、日教組が、県教組が日記問題について反省をしないから第三組合ができて、ああいうものを作らない、それとは考えの違う組合を作つたのだということを、今日まで私どもは聞いておりません。ただ過程においてそのような事柄が議論されたことはありますけれども、そういうふうなことが大きな理由であつたというようには聞いておりません。二番目には、今五千名とおつしやいましたが、現在第三組合は、三月三十一日現在で登録いたしておりますのは二千百数十名というふうに記憶しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/551
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552・高田なほ子
○高田なほ子君 日記が出されましてから非常にまだ日が浅いわけでありますから、この問いろいろの論議が出るということは私は当然であつて、初めから完璧を期せられるべき問題じやないと思います。ただ問題は、この日記を編纂する考え方というものが誤つているか、誤つていないかというところが私は問題だろうと思う。誤つておらないものにまわりからいろいろな力を加えて、偏向であるという確定的な烙印を捺すことによつて芽がつまれるということは考えなければならないと思う。こういう前提に立つて野村さんに御質問を申上げたいと思う。
野村さんは、先ほど荒木委員の質問に対して、この日記は教育基本法違反のにおいがある、従つて偏向である、こういう結論を出された。誠にこのことは憂うべき発言であつて、あなたのにおいで偏向であるとかないとかいう判断をされることは、全く教育を冒どくしていると私は考えられます。においによつて判断をされるという根拠を示して頂きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/552
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553・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) お答え申上げます。先ほど私は答えましたように、実にこの問題はむずかしい問題である。併し強いて言われれば、先ほど申上げたようににおいがする虞れなしといないと、こう申しましたが、輿論の中にて、(「本当の輿論だ」と呼ぶ者あり)結局これは見解の相違であると言わざるを得ないと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/553
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554・高田なほ子
○高田なほ子君 少くとも教育の方針が見解の相違であるという、そういう感覚で片付けられる性格ではないと思う。教育は明らかに憲法の精神によつて行われ、而も実際には教育基本法、この方針の下に行われなければならない。あなたは只今の御答弁は私の質問とやや違つたような意味に取れますが、もう一度簡単に御説明を頂きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/554
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555・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) 八条に反するかどうかということにつきまして、或る者は反しないという人もありましようし、或る者は反するとはつきり言い切る人もありましようし、或る者は又疑わしいけれども、さような懸念があるというふうな、いろいろな考えがあるだろうと思う。私の個人の意見を聞かれましたが故に、私は自分の良心に基いてはつきりと申したつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/555
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556・高田なほ子
○高田なほ子君 然らばあなたの新教育に対する方針、その方針を簡潔にお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/556
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557・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) 勿論国できめられますところの憲法を初めとして、基本法或いは学校教育法、その他教育法規というものを根幹として、山口県の実情に即した教育を行うべきものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/557
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558・高田なほ子
○高田なほ子君 私はあなたの御答弁を了といたします。併しながら、あなたは教育者の悩みというものを御存じでしようか。教育者は戦前国の方針によつて自己の意思を発表する自由を許されず、戦後再び新らしい教育方針に則つて教育者としての人間的な改造が強要された。はつきりそうです。即ち教科の内容の変化、軍国主義或いは超国家、主義的イデオロギーを払拭する。或いは教授そのものの内容、教科書の変化、続いて教育者の精神的な検査をやつて、これを追放し、適格であるかないかということまで我々は試験をさせられたんで、この間における教育者の悩みというものは並大抵のものじやなかつたんです。そうして新憲法、平和な憲法、その憲法の精神に副つてまつしぐらに教育を貫くために、一人一人が実に悩みました、苦しみました。そうして真実平和な日本でなければならない、世界平和のために資する子供を育てなければならないという観点に立つて、まつしぐらにこの道を行く教育者のこの悩みをあなたは御理解になることができないでしようか、お伺いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/558
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559・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) お答え申上げます。私も戦前並びに戦後、小学校から大学まで関係しておる教員のはしくれであります。教師の持つところの楽しみも苦しみも一応わきまえておるつもりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/559
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560・高田なほ子
○高田なほ子君 然らば新らしい教育は、現実のもの、現実に処してです。その物事を解決するに足る能力を与えることが教育であるとするならば、現実の問題に即してあらゆるものを或る程度に従つてこれを教師が与えて、子供に判断する能力を事えて行くということは、新らしい教育のこれはスタイルです。私はこれは正しいスタイルだと思う。而も教育が、憲法の精神に副つて与えられたこのスタイルは、はしなくも欄外という記事になつて出て来ておる。私はこれが全部、誠に子供の生長に匹敵して正しいと、こういう結論を下すのではございません。やつぱり子供の精神的な発達の段階にはやや不足な点があるということは認めますが、方針が間違つておる、即ち偏向的な方針を持つておるという即断を下すには若干私は異議があるのです。あなたのその新らしい教育のスタイルというものと、この欄外記事の取扱いというものはどういうふうにお考えになつておるか、一つ御意見を聞かして頂きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/560
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561・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) まだやわらかな、純真な、いわば白紙のような子供に対しまして、それに或る一方に偏した考え方を注入をいたしまして教えまして、そしてさような考えを、思想的に偏つたところのその素地を作つて行くということは、私は教育上好ましくないと考えます。この欄外記事については、先ほど申上げましたような措置をとつたのであります。今日でもまだそれが適切であつたと私は信じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/561
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562・高田なほ子
○高田なほ子君 再軍備反対、或いはその他ここに掲げられてある問題は、これは政治問題じやない、日本の国民の義務として、最高の法規である憲法を守らなければならないという義務の上に立つた問題である。それを政治偏向、政治問題だという見方をすることそれ自体が偏狭である。偏向なんです。そういう偏向なお考えを以て、直ちにこれを偏向であると律せられるということは、私は非常に子供のためにも不幸であると思う。これは見解の相違ということでお逃げになるかも知れませんが、私は綿津さんがこういう悩みの上に立つてこれを編纂されたものだということを、どうぞもう一言ここではつきりとおつしやつて頂きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/562
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563・綿津四郎
○証人(綿津四郎君) いろいろ私どもは仕事をして参りますと、その過程におきまして障害はたくさんございます。けれども私どもはその障害を、今御指摘のように何の力によつて打破して行くかと言いますと、ただ子供の仕合せを守り抜いて行こうという、再び教え子を戦場に送らないというこの考え方に立つて子供たちを(「そうでなくちやいけないんです」と呼ぶ者あり)守つて行くという、その悩みを突き抜けるということが、今本当に困難にぶち当り、それが困難であればあるだけそういう点が大きく出て参りますが、今御指摘の点につきましては、絶えず私どもは日記に限らずいろんな面でそういう苦しみにぶつかりながら何とか進んで行つているというのが現状でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/563
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564・岡三郎
○岡三郎君 時間がないので簡潔に野村教育長にお尋ねいたします。先ほど相馬委員その他から、本日誌の内容と教育基本法との関連でお尋ねがあつたわけであります。今高田委員からもにおいの問題があつたわけですが、そのにおいがするというのはソヴィエト的なにおいがするということでしようが、それはあなたの主観だと思うのですが、如何ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/564
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565・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) そうおつしやれば、その通りでございます。私の意見であります。聞かれましたところの私の回答でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/565
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566・岡三郎
○岡三郎君 それから先ほどの御説明によると、その後教育委員会において公開討議をしておらないというふうに聞いたんですが、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/566
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567・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) 先ほども申した通り、私は相当長い留守をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/567
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568・岡三郎
○岡三郎君 わかりました。そこで私はその問題について、私自体も少しソヴィエト的な傾向の記事が多いのではないかと思つている一人であります。一人ですが、この内容について、一つ一つのことは問題ではなくつて、全体を通覧してそういうにおいがする。つまりあなたの主観で、今後仮に教育の二法案が通つた場合に、当該教師は首になり、仮に若しこのような内容のことを第三者が言つた場合に、それは教唆扇動という言葉で牢屋に入れられるということになると、その基準というものは明瞭にやつぱりして行かなければならんと思う。あなたは教育の専門家だから、その基準というものをもう少しお尋ねいたしまするが、この文部省の偏向事例の一、二、三、四、五、六とあります、この六つの記事であなたが一番においがするということ、或いはそうでないということ、それを一一教育基本法に照しておつしやつて頂きたいと思う。においだけで私は証人の言葉は受取ることができない。(「明瞭明瞭」と呼ぶ者あり)さんまのにおいか、りんごのにおいかわからない形でやられては困ると思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/568
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569・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) においが問題になつたようでありますが、一口で申上げれば、八条二項に触れる虞れなしとしないということを先ほど申上げておる。言葉を換えて言えば、においということにもなる……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/569
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570・岡三郎
○岡三郎君 虞れなしとしないということは、どういう点ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/570
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571・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) 極めてむずかしい表現でありますが、虞れなしとしない、虞れも若干あるという、その通りであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/571
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572・岡三郎
○岡三郎君 その虞れのある点はどこですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/572
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573・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) 先ほど現物につきましてお答えを申した一例でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/573
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574・岡三郎
○岡三郎君 私はなぜその点を明確にしてもらいたいかということをもう一遍申上げますが、教育基本法に明確に載つている条項ですね。それが一党一派に偏している、或いは特定の政党を支持し、反対するということの内容は非常にむずかしいものだと思う。そういう点で今後このような問題から教師が非常に不安を抱く、教育について特に国際理解等の問題は取上げられんのじやないかと私は心配する者の一人であります。そういう点で、一つずつは言えないけれども、全体を通して云々と言えば、この六つの事例のうちで三つぐらいではどうですか、そのにおいは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/574
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575・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) お答え申します。先ほどもお答えの中に申したと思うのでありますが、「ソ連とはどんな国か」、「再軍備と戸じまり」、それから「気の毒な朝鮮」、これらは当ると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/575
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576・岡三郎
○岡三郎君 そうするというと、仮にダレス氏が日本に来たときにこの戸締りということを言つた。そういうことを学校で子供に教えた場合に、ソヴィエトが攻めて来るので日本は再軍備しなければならない、仮にそういうような話をした場合に、それは第八条に触れますか、触れる虞れがありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/576
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577・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) 私は「再軍備と戸じまり」の中でソ連をどろぼうと言つておる、このことも余りよくないと考えます、国際理解の上から。又アメリカをどろぼうと言つたこともよくないと考えます。だからダレス氏がこの通りを言つたときにはどうするか……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/577
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578・岡三郎
○岡三郎君 それを子供を通して言つた場合に、偏向教育じやなくて基本法に触れる虞れがあるかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/578
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579・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) 私はその教育者そのもののいろいろな問題を考えなければならんので、もう教育者は言いたいことも言えない、そんなことであつてはならないと、こう私は考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/579
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580・岡三郎
○岡三郎君 それは重要なんですよ。要するにあなたの言葉は今まで聞いてみると、それぞれの場でいろいろと違つて来る。これはあなたの主観なんです。つまり或る教師が或る場所、いつどこで誰がという問題になるわけです。つまり場所々々によつて言うことが判定されるということは、それは随分主観が入つて来るものだと私は思うわけです。その場合に、行政の中心であるところの教育長がその都度その都度そのときのことによつて考えるという程度の問題で首になつたり、或いは懲役に行くということになつたら、私は大変なことだと思う。それで私はもうちよつと具体的に聞きますと、その戸締り論の中でどろぼうと言つたことがいけない、ソ連をどろぼうと言つたことがいけなければ、アメリカをどろぼうと言つたこともいけない、こういうことをおつしやつておるわけですが、それがどういうふうに偏向に関係しておるのですか。教育基本法にどういうふうに関係しておるのか、その点を説明してもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/580
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581・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) 今私がどちらをどろぼうと言うのもよくないと申したのは、国際理解の立場から考えてよくない、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/581
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582・岡三郎
○岡三郎君 それは偏向ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/582
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583・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) 偏向というのは、先ほど申上げましたように、この中に見えておりますところの一つずつの問題のいろいろのものを一連のものとして、具体的に一つ一つの問題があります……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/583
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584・岡三郎
○岡三郎君 質問に答えてもらいたい。つまり私の言つておるのは、どろぼうという言葉があなたはどうもけしからん、ソ連をどろぼうと言い、アメリカをどろぼうと言うことは、これは国際理解の点から云々とお答えになつておる。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/584
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585・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/585
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586・岡三郎
○岡三郎君 つまりこれは教育の偏向という問題ではなくして、国際理解上においてこういう取扱はよくないという問題になると思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/586
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587・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) そうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/587
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588・岡三郎
○岡三郎君 そうでしよう。その点を明確にしてもらわないと、あなたのは何か印象づけて、特に教唆扇動というような文句は印象的な問題が非常に多いと私は思う。そういう点でもう少し具体的にお伺いいたしますが、先ほどの「気の毒な朝鮮」の中においていろいろ問題がありまするけれども、ソ連の問題についても書いてあります。少し謳歌しておるかわかりませんが、仮にアメリカの状態を謳歌した記事がこの程度に出て来た場合にはそれは偏向になりますか、私は具体的に聞きたいと思う。これは具体的に聞かなければならん。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/588
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589・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) それがアメリカでありましようとも、イギリスでありましようとも、又ドイツでありましようとも、どこかの特定の国に一方に偏しておるところの記事を集めて、或いはほめるばかり、或いはくさすばかりであるならば、それはよくないと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/589
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590・岡三郎
○岡三郎君 それでは絶えず我々はいいところと悪いところを同一時間に言わなければならんという拘束を私は受けると思う。つまり或る時間においてその国のいいことをずつと説明するということがなぜいけないのか、その点を私はお伺いしたいと思う。或る時間においてアメリカならアメリカのいい点、中国なら中国のいい点、こういつた点を説明して、いいですか、行くということが時間的の関連において、例えばここに一つの事例が出て来た、次においてアメリカの事例をこの日誌が取上げて行つた場合に、今度はそういつたものを相関関係から「考えて、あなたはどういうふうにこういうことを判断されるのか、この点を聞きたいと思う。つまりこの次にアメリカの事項が又うんと載つた、そうしたらそれも又偏向だと言つてこれは日誌を取上げますか、それを私は伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/590
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591・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) 先ほどの私の答えで一応済んだと私は思いますが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/591
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592・岡三郎
○岡三郎君 済んでおらん。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/592
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593・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) どの国でありましようとも、それがよほど偏向した、そうして何らかの愚図があるというふうなことでありまするならば、これはいけない。ただ時間的にいいのも悪いのも混ぜ御飯のようにしなければならないとは私は考えてはおりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/593
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594・岡三郎
○岡三郎君 わかりました。私は最後に申上げますが、基本法の第八条の条章というものは、これは教育上におけるところの基本点なんです。憲法と同じようですが、特にこの教育基本法は教育における基本点なんです。その基本点の解釈をあなたがにおいがするとかいう主観において云々されるということは、誠に私は遺憾のことだと思う。従いまして、基本法に則つて、こういう記事はいけないのだと言うならば、それに基いて明確に教育長としての立場で部下の教員なり、県下の教員なり、或いは部下の教育委員会の事務局なりに明確にやはり指摘して行くことが、将来のそういう過ちを繰返さないことに私はなると思う。(「そうだ、そうだ。」と呼ぶ者あり)そのように明確に非難を指摘して行かないで、においがあるとか虞れがあるとかという育葉で、今後又、このような問題が仮に起つて来た場合には、あなたの職務の怠慢になりますよ。そういう点で私はあなたに伺いますが、そういう点について具体的に教育基本法の第八条に触れる触れない、そういう点を明確にすべきであると思うのですが、その点如何ですか。(「声は大きいけれども中身はない」「黙つていなさい」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/594
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595・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) お答えいたします。教育基本法に反するか反しないか、その八条に触れるか触れないかという、その線を引くということは極めて困難と私は考えます。その点先ほど御意見のありましたことと同感であります。線の引き方をどういうふうにすべきであるかということは、大変これはむずかしい問題であると私は考えます。(「いい加減なことを言うな」と呼ぶ者あり)従つて先ほど申上げましたように虞れなしとしないと言つたような感じを持つているのであります。(「了解、了解」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/595
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596・岡三郎
○岡三郎君 もう一つ伺いますが、私はそれでこう思つているわけです。この「気の毒な朝鮮」の中において、この文章は北鮮は南鮮へ、南鮮は北鮮へ攻めて来た、私はこの点はおかしいと思つているわけなんです。私は(「君の考えだ」と呼ぶ者あり)南から北に攻めたとか、北から南に攻めたとかいことは私にはわからないわけです。そういうふうな点について私はこの点は疑問がある。(「日記の通りだよ。」と呼ぶ者あり)日記の通りであるかもわからんけれども、私自体はこういう考えである。そういうふうに具体的に指摘して、教育委員会は指摘して行かなければ、山口県の教育に対して、国際理解を教える場合に、一体どこまで教えているのだか、どういうことをやつているのだか私はわからんと思う。他人のやつたことを非難する場合にはやはり具体的に指摘して、その問題について後顧の憂いがないように指導するのが、私は教育の責任者である教育長の仕事だと思うわけです。お答えを聞く必要はない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/596
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597・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) それにつきましては、(「答弁の必要ない」と呼ぶ者あり)そうですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/597
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598・高橋衛
○高橋衛君 藤岡さんに三点お伺いいたします。先ほどのお答えではあなたは……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/598
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599・川村松助
○委員長(川村松助君) 静粛に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/599
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600・高橋衛
○高橋衛君 偏向教育が行われているかどうかという問題について、困つた事態が起りはしないかと懸念をされて、そうしていろいろ調べてみたその結果、先ほどお答えになつたようなふうに或いは指導しなかつた、或いは欄外の指導はしなかつたというようなことを以てそういうような事実なしというような判断をしておられるのであります。そこで困つた事態が起りはしないかと懸念しているということを言つておられますが、その困つた事態というのは、どういうことを意味しておりますか。
それからいま一つ、欄外の指導をしなかつたということで安心されたということでありますが、欄外の指導をしなかつた、したならばどうなつたかという点について二点だけお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/600
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601・藤岡武雄
○証人(藤岡武雄君) お答えを申上げます。これは当時私がこの日記を初めて教育委員会から示されたときに、非常に偏向しておるのではないかと感じましたの百でその直後は非常に困つた、これが日記がどのくらい使用されておるのか、又どこの学校でどういう実情にありますのか、よくわかりませんので、そういうように思つたのでございますが、その後よく私が調査いたしました結果、そういう虞れがないということを私自身が感じたわけでございま
それから若しこの欄外記事が教育されたならば果して偏向であるかどうかこいう御質問でございますが、これはこの欄外記事の指摘されましたようなことだけを取上げまして、そうして全児童に、全部の児童にこの日記を渡しまして、そうして全児童に対してこの欄外記事の指導をいたしましたならば、そういうことをいたしましたならば、私もこれは非常に適当でないことになると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/601
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602・高橋衛
○高橋衛君 欄外の指導をしたならば適当でないという判断をしておられる、それでよろしゆうございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/602
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603・藤岡武雄
○証人(藤岡武雄君) これを全児童に与えて、そしてこれだけを欄外記事というのは、あの日記帳をずつと……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/603
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604・高橋衛
○高橋衛君 簡単でいいです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/604
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605・藤岡武雄
○証人(藤岡武雄君) これだけ全児童に対して教育を、あの程度の児童に教育をしたならば、そういう結果を生ずる慮れがあるかも知れない、かように存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/605
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606・高橋衛
○高橋衛君 相当多数の児童のうち厘か七百名程度のものであれば問題はない、全部の児童にやつたならば非常に問題である、そういうようにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/606
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607・藤岡武雄
○証人(藤岡武雄君) 一万数千のうち七百数十冊であり、且つ教える先生の御意見を承わつて、そういう慮れがないということを感じたのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/607
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608・高橋衛
○高橋衛君 それであなたのお考えははつきりいたしましたので、その点についてはお伺いしません。
先ほど野本さんの質問に対しまして、非常に重要な点でありますので明らかにしておきたいと思うのでありますが、政党からの圧力が四月頃あつて、その後にこの問題が起つた、その一つの具体的な事例として、市会議員の一人と教育委員の一人からそのことを聞いたというお話でありますが、その市会議員なり教育委員はどういうふうな傾向の一人でありますか、傾向というとおかしいが、具体的に名前を言つて下さればいいと思います。それからその時期を、あなたが聞かれた時期を、又どこで聞かれたかということをはつきりさせて頂きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/608
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609・藤岡武雄
○証人(藤岡武雄君) お答えいたします。先はど申上げたのは、政党からの圧力があつたということを申上げておりません。これは政治的な有力者からの圧力があつたのではないかと思うということを申上げたのでございます。(笑声)
それから私の聞いた市会議員とそれから教育委員の名前を言えというお話でございますが、これは申上げてもいいのでございますが……、申上げますが、これは岩岡市会議員の正木議員と岩国の教育委員の藤重委員でございます。そして次はその場所でございましたか、何かそのほかにお問いがあつたと思いますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/609
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610・高橋衛
○高橋衛君 時間、場所。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/610
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611・藤岡武雄
○証人(藤岡武雄君) 時期、場所でございますが、これは月日を正確に覚えぬのでございますが、今の教育委員のかたから開きましたことは、この日記の問題の起る前でございますので、多か昨年の五月の初め頃ではなかつたかと思います。それから他のもう一人のかたは、これも月日を私ははつきり覚えておりませんが、それより遅かつたと、かように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/611
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612・高橋衛
○高橋衛君 丸茂さんは教育委員をやつておられるのでございますが、その教育委員からあなたがその話を、これは教育の専門の問題でございますので、当然教育委員会の中で問題になるべきはずの問題であると私は考えますが、従つてPTAの関係の、勿論教育に関係しておありでございますが、藤岡さんがお話になるよりも、それより早くその問題の心配があれば討議するというのは当然であろうと思いますが、その何というのですか、人からあなたがどういうふうな意味の話を聞かれたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/612
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613・丸茂忍
○証人(丸茂忍君) 私は先ほどから言われる政治的有力者から圧力があつたのではないかと思われるような事例があつたということ自体が私はわからないのでございます。事実私としてはそういうこの五月初め頃というお話でございますけれども、全然聞いたことがございません。政治的有力者と、これは誰を指すのかわかりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/613
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614・高橋衛
○高橋衛君 今名前を言われたでしよう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/614
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615・丸茂忍
○証人(丸茂忍君) 藤重さんから私はそういう話を聞いたことは全然ございません。私当時委員長をしておりましたけれども全然ございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/615
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616・石川清一
○石川清一君 野村さんにお尋ねしますが、この問題を取上げるに当りまして、文部省に対して御相談をしたと承わりましたが、いわゆる助言指導という面からそういう点をとられたと思いますが、それは一回でございますが、その後連絡或いは相談というようなことがございましたか。或いは渡米の留守中にそういうようなことがあつて報告を受けたかどうか、この点お伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/616
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617・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) お答え申します。たしか六月の八日九日頃であつたと思います。意見を求めました。文部省の専門的な助言指導という意味で意見を求めました。その後たしか六月の下旬であつたと記憶いたしておりますが、私は期成同盟会の幹事長をいたしておりますが、その会合がありましたときに上りまして、その意見がまだ出ませんが頂きたい、こういうわけで来たことはございます。で私の不在中におきましては連絡したことがあると聞いております。以上であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/617
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618・石川清一
○石川清一君 次にお尋ねしますのは、先ほどの供述の中で、校長会或いはその他の会においてこの偏向教育の事例として挙げられた山口県の日記が非常に教育上面白くない、悪い影響を及ぼすというような御意見がたくさんあつたように思いますが、こういうような事柄を詳細文部省に御報告をいたしましたか、或いは連絡したことがございますか、お尋ねをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/618
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619・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) 私の渡米以前にしたことはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/619
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620・石川清一
○石川清一君 次は事例に関する問題でありますが、国際理解の立場に立つてということは、一面小学校の児童が非常にそういう理解が薄いという一点と、もう一点はこういう点がございますが、いわゆる今日国会で多数決を以て講和条約並びに安保条約がきめられております。それは国会の、国民の意思でありまして、そういう上に立つて国際理解をしまして一方に偏しておると、こういうような点を含んで先ほど述べられましたか、或いはそれは単に小学校の児童だけの国際理解であると、こういう点をお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/620
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621・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) 国会が作られました法律は国民の意思であると一応考えております。従つて現在において国法に示されておるものは一応守らなければならんと考えております。以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/621
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622・石川清一
○石川清一君 特に今度の日記が起きましてから、国際理解に対して今日政府の考えておる国際理解について、山口県教育委員会に何か文書なり或いは口頭でも大臣からお聞きになつたことがございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/622
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623・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) お聞きしたことはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/623
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624・石川清一
○石川清一君 先ほどにおいがするという点につきまして大分論議をされて、それぞれ究明されておりませんでしたが、先ほど野村さんのおつしやいました小学生が心身共にまだ未成熟であつて、非常にこういうものを理解しがたいということは、これはもう事実でありますから、問題を別にしまして、私今の政府の考えている、政府の、国の決定しておる国際理解の上に立つてこの事例が偏向であるという断定をお下しになる勇気がありますかどうか、お伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/624
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625・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) 基本法第八条についてこれを照して見た場合の私の感じは、意見は先ほど申述べた通りであります。私はこの山口県日記というものが、先ほど申したような意味で、一方に偏しておると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/625
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626・石川清一
○石川清一君 先ほど相馬委員の質問に答えた中に、この偏向教育の事例として挙げられた山口県のこの日記は量ではないと、量的に問題にするよりも質的であるという点が明らかにされておりましたが、その質と申しますと、やはり明らかな事例が出まして、その一つのことと、一つの事例と次の事例が関連を持つて、二つのものを、一つのものでは偏向教育とはならない、併し二つのものが含まされれば、これは完全に偏向教育であるというようなことが教育委員会の検討の中で、或いは事務担当者の検討の中で、そういうように三つ、三つという事例を組合せて偏向の教育なりと、こういうような結論が出され、それが少数で敗れたとか、或いはどうとかというような具体的なことは起きませんでしたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/626
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627・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) 先ほどの相馬先生のお答えに苦し私の言葉が足りませんでしたら、この際附加えて申上げます。質だけではございません。量も勿論ございます。いろいろなものがこう出ております。一連のものが出ております。ですから質と量というような両方の判断をしておるわけでございまして、教育委員会で表決をとつて、その数がどうであつたかというようなお尋ねがあつたようでございますが、先ほど申上げましたように、私の通牒に対しては全員一致で認められたのでございます。以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/627
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628・石川清一
○石川清一君 次は綿津さんにお尋ねをしますが、現在野村さんが私の質問に答えましたが、この私の質問に対して何か御意見がございますか、ございませんか。これをお尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/628
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629・綿津四郎
○証人(綿津四郎君) 私は先ほどから申上げますように、すなおな教師の良心に立つて子供たちの仕合せを願うという立場から、国際理解の問題につきましては、従来とかくありがちであつた思想的な偏見とか、民族間の偏見とか、国家間の偏見というようなものを除いて行かなければなりません。そういうようなことを念願をしておりますし考えておりますので、その点につきましては、私は先ほどからも結論的に申上げましたように、この文について検定教科書と照し合せてみても、ひどくこれが偏向教育の重大な事例として取扱われるのは納得が行かないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/629
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630・石川清一
○石川清一君 今の前に申上げました国際理解の上に立つてお尋ねいたしますが、先ほどの答弁、お答えの中で、戦場に、子供を戦争にやらないという点に特にお力をお入れになつたようでありますが、戦争を起した原因と言いますか、特に戦争を起さない、起す原因が非常にたくさんあると思いますが、そういう一歩進んで起こさないという責任に立つて情勢分析したりするようなことを今日までお考えになり、検討されたことがございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/630
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631・綿津四郎
○証人(綿津四郎君) 具体的にいつどこでどういうということはございませんが、私どもが仕事をいたします場合に、今のような事柄についてはしよつちゆう問題にもぶつかりますし、考えて参つたこともございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/631
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632・石川清一
○石川清一君 教育基本法の第八条は、先ほど綿津さんのお話になられました戦争に、戦場に子供をやらない、こういう表現に集約されるようなものと結着いておると、こういうように端的に表わし得るお考えになつておるかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/632
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633・綿津四郎
○証人(綿津四郎君) 特定の政党の政策とか信条とかスローガンというものに関係いたして参りますと、今日では全く綱の目のようなといいますか、各政党が各問題についていろいろな信条、立場、宣言、それを持つていらつしやいますので、この網の中で私どもが暮しておりますので、どれにも触れてはならないということになりますと、これがいけないと思うのです。とてもやれないと思うのです。そこで私どもがそれを切抜けて行くと申しますか、正しくやつて行く途はどこまでも武力によつて物事の解決をしようとする行き方、戦争の原因にはいろいろございましようが、とにかくそういう考え方ではものの解決はできないのだと、又すべきでないのだという点を基本的につかまえて行くならば、そういう点は判断できて来るのじやないかと、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/633
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634・野本品吉
○野本品吉君 先ほど野村さんに対する質問の中で、私は大事な点だと思いますので一点お伺いしておきたいと思います。この問題につきまして文部省の意見を求めたということでありますが、山口県教育委員会の意思決定の上において、文部省の意見が重要な要素であつたかどうかということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/634
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635・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) 御存じのように今の時代は文部省も又県も独立しておる一つの行政機関でございます。県の教育に関しまして、これは学校教育の中に御存じの限りにおいては最高の行政機関であります。従つて文部省に指揮命令を心げる必要はないと私は考えます。この問題に関しましては、併しながら私は私として私の補助機関も使いまして、どちらにも偏しないつもりで判断を一応下しまして、通牒も出したのでございます。併しこの考え方が正しいか正しくないかということにつきましては、又他のへの意見を参考に聞くということも必要であろうと私は考えます。従つて主管の局長である初中局長さんにそのことの意見を二冊の日誌と、私の名前の通牒とを示して憂見を聞いたのでございます。参考のためであります。以上。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/635
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636・野本品吉
○野本品吉君 この点特に私はお伺いいたしておりますのは、教育委員会の正しいあり方に対してですね、野村さん等が本当に地域のへたちの信託に応え、教育を行うために県は県とし、市は市として教育委員の見識において、又その責任において、この問題の処理に当つておつたのであつたかということをはつきりお伺いすれば、できればそれでよろしい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/636
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637・野村幸祐
○証人(野村幸祐君) 県は県として、県教委が人権、自主的に申したものであり、考えるべきであると考えます。私も県民の本当のよき教育というものを考えて判断をし、先ほど申上げましたように参考意見を附く……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/637
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638・川村松助
○委員長(川村松助君) 証人のかたに御質議はございませんか……これを以て山口日記関係を終つたものとして御異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/638
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639・川村松助
○委員長(川村松助君) 御異議がないと認めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/639
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640・川村松助
○委員長(川村松助君) それでは山口県安下庄町小中学校の件に入ります。それでは原田大雄君からの御証言をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/640
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641・相馬助治
○相馬助治君 議事進行、原田氏の証言の前に、内容はお願いなのですが、動議の形で一つ。又特段委員長の御考慮を願いたいことがございます。実は山口日記について、事の重大性に鑑みて、熱意のあまり私どもの会派並びに他の二、三の会派は、持ち時間をことごとく使い果したのであります。従いまして、安下庄の証人のかたから御証言を得て、これに対する質疑の時間がないのでございまして、この際公正なる委員長におかれましては、是非とも我々の立場を了とされて、内容的に申しますと、一件分ぐらいの時間をお認め願いたい。従いまして時間的な配慮は委員長に一任したいと思いまするが、各委員にお諮りを願いたいと思いまして、私動議を提出いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/641
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642・田中啓一
○田中啓一君 相馬君の動議に賛成でございますが、その代り一件分ぐらいの時間は厳格にお使いを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/642
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643・村上義晴
○証人(村上義晴君) 証言に入ります前にちよつとお尋ねしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/643
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644・川村松助
○委員長(川村松助君) ちよつとお待ち下さい。只今の動議を……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/644
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645・村上義晴
○証人(村上義晴君) その前に関連があるのですが、実はですね、それは私は一昨日の午後四時に招電に接して、急遽来たのです。招電に接してから出発するまでに二時間の時間しかなかつた。そして何のことやらさつぱりわからん。急遽来まして身体は疲れております。そうして証人の控室に行くとき、受付けに行くときには電報によつて証人控室に案内してもらいました。そうしてそこで待つているうちにここに入場する時間が迫つて参りました。入場の直前にこの出頭を求める通知を頂きました。これをまだ私は読んでおりません。そしてなお非常に身体は疲れております。山口県からはるばる出て来まして、何のことやらわかりません。私が希望したり志願をしてここに証人として来たのではありません。この委員会の招集に応じて参つたのであります。そうしてすでに、これはいやしいことを申述べるようですが、夕飯の時ももう過ぎております。こういうようなことで、この遠方から来た証人をこういうふうに扱うのが私はこの国権の最高機関であるところの委員会のやり方かどうかということを考えますときに、納得の行かない点があるのであります。そこにおきまして、本日の安下庄問題につきましては、明日に延期して頂きたいということを皆様にお諮りして頂きたいと思います。(「賛成」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/645
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646・川村松助
○委員長(川村松助君) ちよつと速記をとめて下さい。
(速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/646
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647・川村松助
○委員長(川村松助君) それでは速記をつけて。
それではお諮りいたします。只今相馬君から理由を付して出されました動議の趣旨に御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/647
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648・川村松助
○委員長(川村松助君) それでは相馬君の動議に基きまして、適当に時間を振り当てて続行いたすことにいたします。なおだんだんの事情もありますので、でき得る限り質疑応答共に、簡明的確にして時間を極度に切り詰めて頂くことをお願いいたします。
それで持ち時間は、午前の半分ぐらいにしますか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/648
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649・川村松助
○委員長(川村松助君) 御異議ないようでありますから、さよう決定いたします。
それでは原田大雄君から御証言をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/649
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650・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) 私は相当ひどい吃音でありますので、いろいろ話に聞き苦しいところがあるかと存じますが、どうぞ御了承願いたいと存じます。
先ず証言に当つて一つ冒頭に一言したいことがあります。今こちらに来ておられる校長先生も皆親友であります。それから又小さな田舎の町が、今こういうふうな問題で、もうこれが非常にいろいろ問題になりますというと、町村合併などに大変これが響いて来て障害になるのであります。実は余り本当のことを言いたくないのでありますが、併しここは国会でありますから、非常に私言いにくいことをここで申上げたいと思います。正直なところをそのまま申上げます。
大体小学校の教員が政治活動が多いとか、或いはストをやつておるとかいうような町民の非難は、今現校長が就任せられたときからずつとあつたのでございます。丁度私が教育長になつた昨年四月頃にも、三松という一つの部落からは、どうも小学校の校長や教員はストをやる。或いは思想的に大変偏向しておるというふうな理由で、校長排斥のために、生徒を登校させないような相談を今しておるという情報を或る町会議員から受けたこともございます。私はこれに対して、今それは何とか私が処置するから、今部落民をそういうふうに騒がさないようにしてくれと育つたことがございます。大体こういうことについて私はたびたび校長さんといろいろ話合つたのであります。ところが校長さんは、これは或る一部の「ボス」がすることであるというふうな考えで、これはなかなか顧みられなかつたのであります。そうしておりますと、昨年の六月になりまして、あの有名な日記帳の問題が起つたのでございます。これは郡内の学校で、これを丁度使用しておつたのは、安下庄の中小学校が、この二つであつただけであります。而うして中学の校長は、どうもそれをよく検討しておらないで使用しておつたので、どうもそれは相済まなかつたと、何とか善処するというような回答があつたのであります。ところが小県校の校長さんは、大体この教科書が向米一辺倒であるが故に、これを使用さすということは悪くはないのだというふうに申され、又PTAのほうの役員会においても、こういうような日記帳問題について、校長はこれを使うことは決して悪くはないというようにいろいろ話をされたのであります。それから残る役員が、そういうようなものは使つてもらいたくないというように話されるというと、先生のうちの成る人が、一体この日記帳は何が悪いのだというふうに企つてかかられたという話も聞いております。大体教育委員会においては、この日誌に対して三回ほど委員会を開きまして、そうして教育の中立性の趣旨に鑑みて、一方に偏したような感を与えるところのこのものは、今後とも)これを、今後ともこれに対して適当な措置を講ずるように、適当な措置を講ぜられたいというような通牒を、これを教育委員会の者が全会一致でこれを決議しまして、そうして、これを通牒いたしました。然るに学校では、これは教材としては使用しないのだというような理由を以て、ずつとその後もこれに対して何らの措置もとられていないように思つております。日記帳の問題がだんだんこれがやかましくなつて参りますと、一般地域社会における学校に対する非難が大変強くなつて参つたのであります。
そういうようなわけで委員会は、それでは一般町民の輿論を大体調査したいというので、八月でございますが、一般輿論を調査いたしましたところが、どうも学校が偏向であるというような数が、約半数ばかりの数字が出ております。その中には大変いろいろ目分の子供の将来を考えて、非常に切々たる情をこめたところのものや、或いは赤校長を追放しろというような非常なひどいものもございました。今こういうように輿論が非常にごうごうとしているときに、今回のいろいろな問題になつたところのビラが貼られたのであります。そうして、このビラに対するところの反響が非常に大きかつたので、十月の末でございましたが、教育委員会と町議会の文教委員会の懇談会を開きました。そうしてこういうふうに、ビラ事件とか、或いは世論についていろいろ検討行なつたのでありますが、大体その結果は、いよいよ三月になつたら、小学校に対してはどうしても粛正の一つ大手術をしなければならんのじやないかというふうな意見が多数であつたのでございます。大体事態がこういうふうに重大であつたものでありますから、それで私は県の教育庁のほうに参りまして、そうしていろいろの助言を受けたのでありますが、それは確かに日にちは十一月の五日と思います。が、その県に参つたときに、例のビラの写しのあれを参考として持つて行つてから、そのままあそこにおいてあつたように記憶いたします。
大体そういうふうな事態でありましたが、不在の二月の末に、いよいよ三学期におけるところの人事異動の方針を決定いたしました。このときこの小学校の教育は正常でないという理由で、今後は一つ校長さんに転任を求めるということにしたのであります。そこで私は、それから校長先生を転任さすところの先をいろいろ探したのでありますが、ところが県下においては、どうも私の力では到頭その受入れ先を作ることができませんでした。一方このPTAのほうで、今度は留任運動が起りました。いろいろそうして紛糾を続けて来たので、これは一番最初に申上げましたように、町村合併に対して非常に悪い影響を与えるという関係から、町長と議長とが仲裁に入りました。そうしてこの仲裁に入つたところの町長や議長が、というのは、学校側が非常にこういうことについて(「時間です」と呼ぶ者あり)反省をしているのだというようなことになつたので……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/650
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651・川村松助
○委員長(川村松助君) 原田さん、大体この程度で一回お休みになりまして、あと又質疑でお願いしたいと思います。時間が過ぎて来ましたから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/651
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652・須藤五郎
○須藤五郎君 議事進行に関して。私は原田さんに、今委員長は原田さんの発言を途中でおとめになりましたけれども、原田さんはお気の毒にああいう状態ですから、私は十分ほかのかたよりも時間をたくさん上げて、やはり陳述をさせて上げたほうがいいと思うのです。それと同時に、私たちが原田さんに対して質問をします場合に、ああいう状態で、質問をしてもこれはとても正規の時間の三倍ぐらい時間がないと、答弁が十分頂けないということを御配慮願つて、この問題を解決したいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/652
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653・川村松助
○委員長(川村松助君) ちよつと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/653
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654・川村松助
○委員長(川村松助君) 速記を始めて。
山本保夫君にお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/654
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655・山本保夫
○証人(山本保夫君) 時間が大変問題になつておりますので、簡単に申上げて見たいと存じます。
この貼紙の件につきまして証言を求められたのでありまするが、確かに十月十四日にこの貼紙はなされた。併しながらこの貼紙にどれだけ町民の関心があつたでありましようか。私たちの目から見ましてはこれは誠に関心は薄かつたということを先ず申上げたい。この野口さんというお方は、よく個人でこういう貼紙をされることがあるのです。で、それもありましようが、まあともかくもこの貼紙に足を止める人は余り私は見受けませんでした。なお私はこの野口さんはよく知つております。これがこういう問題になりましたのは、私は実は野口さんに会つたのであります。そうして野口さんの御心境を聞きました。聞きましたところが野口さんの言われるのに、これは実は教育長からも、実はその裏付けになるものを相当附いたのだと、それから又その後において教育長から、君、もつとやらんかというようなお話があつたんだが、馬鹿なことを言うな、僕は教育長のお先棒をかつぐんじやない。教育長としては純粋な気持で教育をやつてもらいたいということを自分は言つたのだと、こういうことを私はお聞きしました。私は、ここに博いてありまする私のはPTA副会長とただなつておりますが、私は小学校のPTA副会長であります。それから野口安一さんが元助役と書いてありますが、少くとも私は今まで野口さんが助役らしい噂も聞いたことがないのであります。まあこういうようことで別に関心は持たれなかつたということを私は申上げたいと思います。
それからそういうようなわけでありまするので、PTAとしても再三その間開かれましたけれども、併しこの問題について、貼紙の問題について別に討議したこともない。ところが突如として三月十日前後におきまして、ラジオでは放送されるし、新聞では書き立てられるしというので、実は非常にびつくりしました。町民挙つてびつくりしただろうと私は思うのでございます。そして衆議院の調査団が君国においでになつた。そのときはまあいろいろ御報告もいたしましたので御承知だろうと思います。そのときも安下庄の町長さん、小中学校のPTAさん、岡田という教育委員さん、どなたも、いや別に偏向しているとは認めないという証明を出しておられることも御承知だろうと思うのです。なお高等学校の校長も、実は進学して来る安下庄の子供が何らほかの子供と変つたことがないということを言つておられます。その後県会にも取上げられた話も聞きましたが、そういうようなわけで、町会にもずつと最近になりまして、この説明をたまたま求めた。私も実は議席を持つているのでございますが、その折に遂に教育長は姿は見せられませんでした。そのとき町選出の教育、これは委員長でございますが、委員長が曰く、いや、実はこの貼紙について何ら教育委員会として調査じたことはないんだ。それから輿論調査も、まあ原田氏は持つていたということをあとで問いたが、若しこの輿論調査にしても、実際にこれが偏向しているとか、偏向してないとかというふうに結論付けるところのような様式じやあなかつたので、これはなかなかそれで町会辺りにも発表できなかつたのだ、こういうことを言つておられた。そうして最後に、これはまあ教育長が出したということは聞いたが、我々は別に相談はなかつたのだが、教育長が出したということは聞いたのじやが、併し議員から、教育長が出したことはいいと思うか、悪いと思うかという質問をしたところが、いや、それは教育長が出したことはともかくとして、これが県の段階において、国の段階まで持つて行かれたということが実はおかしいんだと思う、そういうことを教育委員長は育つております。たまたま年度末に入りまして、教育長が正常でないという理由で校長の転任を勧告して参りました。そこでPTAはその理由を尋ねたのであります。なぜ正常でないかということを尋ねたところが、結局その正常でないというところの裏書ができなかつた。そうしてそれじや一つ、こういう正常でないというようなことによつて転任の勧告をされておられるが、これは一つ訂正してもらいたいということを申入れたのであります。そういたしましたところ、それじや引つ込めるということで、実は簡単にこれは撤回されたのであります。
大体まあ以上簡単に申上げましたが、かくのようなことくでありまして、私たちは町村合併だとか、或いは政治とかいう問題で教育はないと思います。(「そうだ」と呼ぶ者あり)切実に以上のような貼紙については格別反響はないのであります。むしろあたかも安下庄に偏向したような教育が行われたような印象を与える、広く全国的に与えたという痛手、これは何物にも替えられないのです。(「つまらんことを言うな」と呼ぶ者あり)内海ののどかな町にはぐくむ軽度な国民、そうして大成を夢見る子供たちの行手に期待とそうして機会を与えて頂くことを私は念願しておるのです。
大体簡単に私の報告といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/655
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656・川村松助
○委員長(川村松助君) 次に、村上義晴君に御証言をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/656
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657・村上義晴
○証人(村上義晴君) 先ず証言に入ります前に、この証人の名簿があります。この中に活字の違うておる点がありますから御訂正を願います。
私の公職の肩書が安下庄高校PTA会長となつておりますが、これは副会長の誤りであります。
それからもう一つ証言の前に了解を求めておきたいのは、今、山本証人から申しました野口安一君は助役の噂すらないということでありますが、あれは親類に野口鎮夫という助役がおるので、そうした印刷の間違いでそういうふうに出たものと思います。それではこうした野口安一君が第一に証言に喚問されておつたということを只今承つたのでありますが、そのあとに、ちよつと言いますと、身代りのような状態で私が喚問された、こういうことでありますが、高校のPTAの会長が、副会長がなせこれに関係があるかということに関連いたしますので、一応これは自慢をするのでなく、このあなた方の前で自慢してもこれは始らんのでありますが、一応私の経歴を申上げてみたいと思います。
それは昭十二年以来町会議員として、或いはいろいろな町内のあらゆる各種団体の公職を、歴任して来ました。そうして昭和二十二年に小学校教育後援会長、続いて初代のPTAの会長を勤めて来たのであります。子供が進学するに従いまして、現在高等学校のPTA副会長をいたしております。かような経歴でありまするが故に、町政に関する問題とか、事教育に関する問題とかいうようなことにつきましては、よく町民多数のかたからお話を承わる機会が多いのでございます。これがそもそも私がこの安下庄のビラ問題に多少のまあ何といいますか、知識を得たということなんでございます。そこでよく覚えませんが、昭和三十四年頃に先生はストをやるのでいけないというような声をよく聞き、中にはそれは日教組が社会党だからそれでストをやるのだろうとか、先生方は赤だとか、いや桃色だとか、左派だ、右派だ、いや共産党だなどの声を聞くようになつたのであります。この町民の学校に対する非難の声は二十五年、六年、七年と次第に大きくなつて来たのであります。そうして或る時私は商用で学校に行つたのであります。そして校長先生にお会いできたのであります。そのとき私は先生に、どうも校長先生、学校やあなたの非難が多いようですなと申しましたところ、校長先生が申されるには、私もよく聞くのですが、例えば「君が代」を歌わさないという問題ですが、これは村上さん、あなたや私が子供の時から終戦まであれを歌つたときは感激を持つて歌つたものですが、あの「君が代」の歌詞は今の時代には合わないので、子供が感激を持つて歌わないでしよう。感激を持つて歌わない歌を歌わせても意義がないと思いますが、どうですかと申されたのであります。そこで私も聞けば成るほどそうかなという感じもしたので商用で行つていることではあるし、私も別に主観を申述べなかつたのであります。それから昨年あの有名な岩国の日記問題が起り、時を同じくして安下庄でも日記帳が問題になつたということを聞いております。その当時或るPTAの役員が申しますには、PTAの会合でこの問題を取上げたが、先生方はあの日記帳のどこが悪いのかといつて一つ一つ反論されるので、父兄のほうは素人だし、先生は研究して玄人だから、議論をすればこちらでは答弁ができない併しこれではなんとなしにいかん、一方的だ、余りにも反米親ソ的だし、どうも純真無垢な子供たちに一方的に教えられたのではどうもならん。それで僕らの意見は通らんから僕は役員会の通知があつてもその後行かんのだということを言つておりました。その人に先日もお会いしたときに、あれからどうなつたかというと、やはり会合には出席しないということを言つておりました。で、このことを私は一部の教育委員や町民の二、三の者にも話してみましたが、大体同じようなことを言つておりました。
その当時野口安一君の楓文が町内数カ所に貼られ、その反響は余りにも大きかつたのであります。これは先ほどの山本証人の証言と食い違いますが、山本証人は私の友人でありまして、至つて正面なかたであります。私も嘘を申上げません。それに何故にこの証言が食い違うかということであります。それは即ちここで友人を御紹介申上げますが、山本君は現在町会議員をしておられますが、これはこの野口君のどうが貼られたのは町内の目抜きの場所に数カ所貼られたのであります。山本君のお宅は、安下庄は御承知の鳥でありますから、海抜何百尺か、何百メートルかの高山がある、そのために町がこう傾斜をしているのであります。で、一筋町であります。この山本君の宅へ行きまするのには約一里の坂道、車も自転車も何も行けないような爪先上りのような坂道を行く。早くても四十分か一時間はかかる、こういうような所におすまいしておられるので、この反響があつたかなかつたかということがおわかりにならないということが御正直であるということを私は考えます。私は幸いにして町中に住んでおります。(笑声)小商売をいたしております。それでこの反響は余りにも大きかつた。私の聞きました範囲内では、あのビラを非難する者は一人もありませんでした。ただ一人銭湯で私に、野口安一君は君は友人らしいが、あれはどういう人かねといつて聞かれたかたがあります。それは特に噂に上つておりますところの小学校のそうしたとかくの噂のある先生であります。この人が一人言われただけで、一般町民はあのビラを非難する者はありませんでした。当時町会議員で、現町会副議長をしておられる宮本孫一という人の店へ立寄りましたところが、その宮本君の向い側にこのビラが貼つてあります。消防倉の板の所に貼つてある。これを読みましたところ、二、三の者がそこで雑談をしておりましたが、この時に宮本君が申しまするには、村上君、今度の野口君のビラは大した反響があつたのう、見紛え、この向う側へ貼つてあるのを見て、字の見える人は殆んどが立止まつて見るじやないか、そうして僕の家にも立寄つて話すこともあり、立読みしつつ噂する者もあるのも聞いているが、悪いという者は一人もおらんぞ、僕ら、私たちが言わんとして言えないこと、私どもは子供を先生に預けておるという弱身があるために言いたいこともよう言わないが、野口君はようやつてくれた、最近の学校は目に余るものがある、これでなければならん、こういう人がおつてくれなきやいかんということを異口同音に育つておる、村上君僕もそう思う、君はどう思うか、こういう話だつた。宮本君は、非常にいいこつちやのう村上君、こういうことを言われました。私も又同感の意を表したのであります。ところが町内では、これは必ず学校側が何か問題にするぞ、或いは教育委員会が取上げて問題にするか、必ず大問題が起るぞと噂されておりましたが、その後何日かしてこのビラは誰が剥いだともなく剥ぎ破られてなくなつたのであります。日がたつに従いまして噂は消えて行つたのであります。ところが約六カ月後の、この頃ですね、になりまして、国会の調査団が来県されるというような新聞記事が出、或いは学年突の人事異動が近付いて参りますと、再びこのビラ問題が町内の話題となつて来ました。丁度この当時野口君は病中にありましたので見舞に私は行きました。調査団の来県することも知らないので、私は本人が昂奮して発熱しない程度に、(笑声)この新聞記事を読んで聞かしたのであります。その時野口君が言うのには、僕の所には調査団から何も育つて来ない、一回の呼出しもないし何もない、衆議院、参議院共に木何のこともない、それは先日までないのです。それで、僕が逃げ隠れしているようなことを書くのはなんぼ新聞記事でも余りじやないか。若し出頭を命ぜられても病気で動けないが、文書でもお答えをするものを、又病床尋問してくれればいいものを、現地へ来もせずに、現地から何十里離れた君国や山口で調査して本当の空気がわかるかというようなことを、言つておりました。そこで人事問題が近付き、調査団が来県するようになると、PTAの重要な役員、この重要な役員と申します。のは、ここにおられます山本、PTAの副会長山本証人であります。受持の先生が野口君の宅へ来られまして、あのビラのことを取消してくれとは言わんが、単なる噂によつて書いたのだろう、そういうことにしてくれと言わんばかりに哀願的なことを言われた。(笑声)僕はこれが納得が行かない。学校やPTAのこの動きは不不可解だ、このような意味のことを野口君は申しております。これは今日も変らず申しております。大体野口君がこのビラを貼るまでに、それ以前に役場の町長室へ丁度来合わされましたここにおられます安本校長先生に対して、野口君から、町内からの非難の声に対して善処するように申したのでありますが、その後学校側は何らの対策も講ぜず、原田教育長や教育委員、助役等にも話しましたが、その点を広く呼びかけて、町内の弘報へ掲載すべく投秘したのでありますが、余白がないという理由で掲載をしなかつた。ところが余白は俳句や川柳その他をとればあつたのであります。それで野口君が慣慨しまして、これは弘報委員に先生が数人まじつておるから掲載せんのだ。ここで止むを得ず野口君は町内数ケ所へこのビラを貼つたので、突然何もないのに野口君がビラを貼つたのではございません。以前そういうようなことがあつて、然る後にやむにやまれず貼つたのであります。それでこれはこういう問題が大きくなつて来たと附くのでありますが、隣り部落の父兄から附きましたが、先年部落の父兄懇談会で父兄から校長先生に対しまして、近頃親に孝行ということを教えないそうだが、教えてもらいたいと思います。先生は、今の時代では君に忠とか、親に孝行とかは教えられぬのだと強く言われたので、父兄は何も言わなかつたが、この部落の人々は質問した本人でなしに、他の出席した部落の父兄たちはよく私に言いますが、時代が何であろうと、何が何であろうと、親に孝行をすることを教えぬような学校では困るというようなことをよく耳にいたします。又昨年の九州水害のときの新聞を、或るインテリであります。教育家であります、違う学校の……。この先生の御夫婦がいわゆる新聞記事を読んで、わしらが九州のあすこにおつたときの所じやが、誰はどうしておろうか、気の毒なこつちやということを話しておりましたところが、その家の子供さんが、それは気の毒なことはない、それは政治が悪いのだ、こういうことを言つたということであります。
そこまでしか私はこの原稿がまとめてありませんが、つまりそういうことで、そういうような頑ぜない子供に……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/657
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658・川村松助
○委員長(川村松助君) 大体時間が来ましたから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/658
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659・村上義晴
○証人(村上義晴君) そういうことでそういう頑ぜない子供にそういうような政治やなんかがわかる道理がないのに、これはいかんということを言つておりました。又今度来るとき自動車に乗るときに、或る有志が私を見送つてくれまして、まあしつかり行つてやつてくれと言つて、ここにその文書も、いわゆる参考資料もくれておりますが時間がないから読みません。必要があれば読上げます。
それからこれも出発直前に聞いたのでありますが、小学校の八十周年の記念式典におきまして「君が代」を歌わずに、緑の山河とかいう日教組の歌を歌わせた、これではいかんのじやということを育つておりました。又一人の人はこういうことを言つております。小学校の教員室には日教組の倫理綱領なるものが貼つてある。我々は一般労働者と変らない、特殊な職業ではない、この労働者の誇を堅持するように何とかかんとか書いてあるということでありましたが、私は二、三日前に商用で学校に行きまして教員室を見ましたら、その綱領は未だに貼つてあります。併し私は近眼なるが故に詳しいことは知りませんが、それは日教組の倫理綱領を調べたらわかります。
そういうことで町内の非難というものは相当高まつておるということを申上げまして、私の証言を大体に終りますが、まだ申上げたいことはありますが、あとは御質問に応じて知れる範囲内のことをお答えいたします。以上であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/659
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660・川村松助
○委員長(川村松助君) 次に、安本薫君にお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/660
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661・安本薫
○証人(安本薫君) このたび野口さんの貼られたどうが偏向教育の資料として文部省から取上げられたということに対しまして、全く寝耳に水の感がいたす者が殆んどの町民ではないかと思つております。誠に唖然としておるわけでありますが、私どももこの日記が、出ましたとき、職員会議で一応反駁の声明を出したらどうだろうかという意見も出たのでありますけれども、殆んどがその必要なく、こういうことになりまして、黙殺いたしたわけであります。それからPTAの委員会も数回開かれましたけれども、何らこれは問題になりませんでした。なおその直後教育長さんの所に行きまして、えらいものが出ましたねと言いましたら、ああ又例によつてあんなものが出た、問題になるようなものじやないというような意味のお言葉でありました。そういうような工合でありましたので、殆んど等閑に付せられて忘れられておつた感がするのであります。それが三月の初めに至りまして突如として新聞、ラジオによつて報ぜられたということにおきまして、特に又驚いたのは、丁度たまたま私の転勤問題についていろいろ取沙汰されおりまして、その際によく学校の事情を知つておる人たちは一様に又不可解な気持がしたようでありました。という意味は、二月の末であります。三月から、お話がありましたように、私に対して転勤の内命といいますか、そういうものが教育長さんから告げられたのであります。その理由を伺いますと、小学校の教育は正常でない、こういう意味でありました。そこでPTAの委員会が早速持たれて、いろいろ論議が交され、直ちに教育委員のかた、教育長さん、こういうかた棄てもらつていろいろとその事情を伺つたのであります。ところが教育委員のかた或いは委員長さんのお話を承わりますというと、別に正常な教育でないからというお言葉はありませんでした。そうして又教育長さん、そのほか教育委員のかたがたにいろいろとお話を伺つて、特に正常でないというところはどういうところにあるのかといろいろ伺つたのでありますけれども、何ら委員のかたたちが納得できるような、勿論私どもも聞きましたのですけれども、話がありませんでして、そうして最後に一つ、我々には納得が行かないから、こうした委員会の結論とすれば一つ善処して頂きたいと要望されましたところ、委員長さんから善処しようと、こういうような言葉がありました。それから後には今のいろいろとこの問題があちこちにも取沙汰されまして、そして結局そうした学校の実情に詳しいかたがたは、この偏向教育であるということについて非常な不可思議な感を持つたようであります。勿論、田舎のことでありますので、封建性の強いことはいずこも同じでありますが、そういう所におきまして、新らしい憲法に副い、教育基本法に副うた教育を行おうということになれば、いろいろの障害が起こりますし、又我々のすることについて、万人が万人納得してくれるということも望めないと思います。特にもう最初から曲解して考える人もおりましようし、或いは誤解して考える人もありましよう。即ちためにするところの説をなす者もありましよう。或いはそれにつられて雷同するようなこともあるかと思います。とにかくそういうような学校に対する非難をされる人の実態を聞きますというと、大抵子供を持たない人か、或いは子供を持つても余り学校へ来て見られない人、こういう人が多いように思います。特にこのビラをお書きになつた野口さんは、子供が今年六年生でありますけれども、未だ子供が学校に上つてただの一回学校に来て参観されたことがないということを…、された記憶がないということを、一年生以来の担任の先生から聞いておるわけであります。こういうような様子でありまして、私たちはいろいろと学校が納得の行かない教育をしておるというような、そうしたそれではどういう実例があるのかと聞きますというと、その実例が大抵もとをたぐつてみますというと、何でもないようなことから出ておるのであります。例えば校長さんが、社会党を勉強しなさいというようなことを言うた、けしからんという噂がありましたので、どんなことだろうか思つて、いろいろ職員間で話合いましたところ、それは全校朝会のときに、マイクを通じて話をしたこと、その中に、こういうことは社会科で出て来るから、社会科の勉強をしなさいと育つたことがもとであつたというようなことを聞きまして、誠に唖然としたわけであります(「まあそんなことやろう」と呼ぶ者あり)まあ私たちも、詰らないながらも、新らしい教育を憲法の精神に従い、教育基本法の精神に従おうと努めておる者でありますし、そうして又毎月一回はPTAの委員会も開いて、いろいろ懇談もしますし、そうしてまあ参観日も月に一回は実施しておるわけであります。で、まあこういうようにいたしまして、およその傾向はわかります。恐らく学校に近付いて来る人たちは、私たちが偏向教育をやつておらないということは信じて下さるだろうと思つておるのであります。
なお又事実ビラにあるような、一方に偏した思想を植付けんとする教正者が本町におるということは、当の責任者であるところの教育長からも私は聞いたことがありません。又さつきもお話があつたように、中学校の校長さんが、小学校から来たところの子供たちが片寄つた教育を受けておらないと証明しておられるし、高等学校の校長さんは、小学校、中学校を経て進学するところの子供が、他町村から来るところの子供たちと決して変つておらない、こういうように証明して下さつております。
まあそういうようなうちに、私の転勤の勧告の問題は、その後いろいろとPPTAのかたたちも、教育を、学校の実情を検討され、そうしてそれがたくさんの人に了解されて、そして教育委員会にも了解されて、そして遂に私への転勤の勧告も撤回されたわけであります。でありますから、そこにおいて私たちのやつておるところの教育というものは正常であるということが確認されたと私は信じておるわけであります。こういうようなわけでありますので、このビラがこうして国会に出され、全国的なこりした注視の的になつたということについては非常に迷惑を感じておりまして、少くともこの実情を検討して頂いて、この事例は偏向教育の事例から取下げて頂きたいと要望するものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/661
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662・川村松助
○委員長(川村松助君) これを以て山口県安下庄町小中学校関係の証人のかたの証言は終りました。各委員のほうで御質疑のおありのかたは御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/662
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663・荒木正三郎
○荒木正三郎君 只今四人のかたから証言をお聞きいたしましたが、今度ほど全く正反対と申しますか、異なつた証言を聞いたことは私はないくらいに強く感じておりまして、非常に不思議に堪えないわけであります。そこで私は二、三の点についてお聞きいたしますが、先ず教育長さんにお尋ねをいたしますが、私の手許には安下庄の町長さんの所見書というものを頂いております。時間の関係もございますが、「昨年当町の一町民が教育問題について、一部教員が児童に一方的に偏向した界共的な政治教育を施しているように推察して、これを批判したどビラを街頭に掲出した事例があり、町教育長がこの事件に関して副申した趣でありますが、小職の知る限りにおいては大多数の町民がこれを是認しているとは見受けられず尚学校側においてもPTAの要望に応えて中正な教育を行うよう留意していると承つて居りますので、教育上牒りはないものと思料致します。右所見を申述べます。」こういうのですが、先ほどのような話で町全体がそういう疑念を持つているかいように証言なされておりますが、そうであれば町長も当然そういうことについては相当な御見解があると思うんですが、この町長は何か政党に所属しておられる町長ですか、先ず伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/663
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664・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) これは今党籍があるかどうかは存じませんが、背は社会党のほうで相当の有力な人でありました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/664
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665・荒木正三郎
○荒木正三郎君 そうするとこの町長自体の目が曲つておるとでもおつしやるのでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/665
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666・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) 決してそう言つておるのではありません。さつき私が申しましたように、小さな町のことでございますから、まあそれの偏向があるというふうなことを証明するということが都合が悪いという点が相当あるんじやないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/666
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667・荒木正三郎
○荒木正三郎君 そういう想像をお話して頂こうとは思つておりません。この町長は現在社会党所属のかたですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/667
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668・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) そこははつきり存じません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/668
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669・荒木正三郎
○荒木正三郎君 そこでなお私は教育委員のかたの教育も手許に持つております。又今日は副会長さんが見えておりますが、安下庄の育友会の会長さんの証言を見ましても「昭和二十八年十月十四日付で掲示公表された野口安一氏の康田下庄小中校教育に対する批評の記事は事実としてあり得ないことを証明する。」こういうものであります。そうすると、PTAの会長さんも、ここに見えておる副会長さんも、或いは町長さんも大体否定されておる。併しあなたがたのお話を聞くととてつもないようなお話なんです。非常に食い違つておる。どれが本当か、私には判断がつかない。それで先ほど教育長さんは輿論調査をしたとおつしやいましたが、どういう輿論調査をせられたか、その点を一つ御説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/669
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670・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) 輿論調査と申しましても、これは現在各新聞社がやつておるような輿論調査というものはできません。というのは、人口一万ぐらいの町であります。その中で、先ず有識階級というような人でなければなかなか調査書を出しても帰つて来ません。大体町における公職に就いておる者、大体町会議員から民生委員とか、農業委員とか、学校のほうの先生、その次はPTAの役員というような人々に手紙を出した。数にしましては三百六十ばかりと思いました。回答が来たのが百五十でございます。これは全然書いたものがわからんようにして、封筒と両方やりまして、その中に入れて、全然誰が書いたかわからないようにして送つたわけであります。その中に相当私どものほうとしては正確な資料になるものがあると思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/670
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671・荒木正三郎
○荒木正三郎君 その場合に山本さんもその輿論調査の何に接せられましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/671
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672・山本保夫
○証人(山本保夫君) お答えいたします。私は接しておりません。(「どういうわけだ」「一方的だ」と呼ぶ者あり)ちよつと間違つたかも知れませんが、輿論調査の対象になつたかとおつしやるのですか。輿論調査の結果を見せてもらつたかとおつしやるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/672
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673・荒木正三郎
○荒木正三郎君 対象になつたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/673
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674・山本保夫
○証人(山本保夫君) 対象にはなりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/674
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675・荒木正三郎
○荒木正三郎君 これは、私が山口県へ参りましたときに新聞で見ました。文部省がこの資料を提出したということを見ました。そうして山口県のどなたであるか知りませんが、こういうこがあるのを知つておるかと、言つたら、それは知らない、あすこは学校と父兄の一部と前からごたごたしておつたと、こういう話を聞いておつたのですが、それはどこまで真実性があるか知りませんが、どうも只今の証言を聞いておるとですね。何かそういう政治的なものか何か知りませんが、非常に教育が食い違つておるということは、何だか平素から対立的なものがあつて、そうして誇張されておるじやないかということを非常に私は恐れるわけであります。そこで、先ほど野口氏が、ああいうビラを貼つた、それを教育長がもつとやれと、こういうふうに激励するようにおつしやつたということが山本さんの証言の中にあつたのですが、あなたはそういうことを言われたかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/675
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676・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) これは大体山本君の全然間違いだと思います。これはさつき村上君が話をしたのにも出ておりますが、私がそれをますますやれというようなことを言つた事実はございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/676
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677・荒木正三郎
○荒木正三郎君 あなたは野口さんとは懇意の間柄ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/677
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678・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) 懇意と言いますか、普通でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/678
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679・荒木正三郎
○荒木正三郎君 それで校長さんの名前は忘れましたが、校長さんの転任を図ろうとお考えになつて、そうしてその内示をせられた、併しこの場合あなたは今日は非常に偏つておるというふうな証言をなさつておるのですが、その転任の場合になぜPTAの役員のかたや教育委員のお集まりの中でそういう事実を挙げることができなかつたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/679
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680・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) ちよつとここで申上げますが、大体学校の今のやり方というものについては、私どもは非常に大きな疑問を持つておるわけでございます。と言いますのは、今何か私どもが人事の異動をやろうといたしますと、もうここですぐ学校のほうがPTAのほうへ非常に食い込んで行きまして、これが先生とそのPTAのほうの役員の生徒の子供を使つてそしてそのほうへどんどん食い込んで行つてからそれに非常に働きかけると言うてPTAのほうから盛んに運動が起つて来る。それで校長の問題にしてもこの間或る夜PTAの席に突然呼ばれまして、これは本来私どもは……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/680
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681・荒木正三郎
○荒木正三郎君 なぜ説明できなかつたかということを言つているのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/681
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682・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) それはまるで吊し上げのような態度で来るものですから、それから一言々々挙足をとりまして……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/682
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683・荒木正三郎
○荒木正三郎君 それでは私は開きます。そこでは言えなかつたとしてもここでは十分言えますから、一つ転任さそうとしたときに偏向教育をやつておる、或いは正常な教育をやつておらん、そういう事実をここでは十分言えますから、一つ一々挙げてちよつと説明して下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/683
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684・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) これは私どものほうは裁判所に提出するような証拠のような正確なものは持つておりません。けれどもいろいろな方面において、或いは世論の調査とか、或いは父兄から聞くとか、そういうふうなことについて我々は非常に注意をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/684
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685・荒木正三郎
○荒木正三郎君 そうすると、あなたは人の噂だけで転任させようとか、或いは人の噂だけでそうだと、こういうふうに断定しておられるのか。あなたは教育長ですから学校へ行つて授業を視察することもできるし、いろいろ学校の教育運営方針を聞くこともできると思うのですが、そういうことはなされないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/685
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686・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) 勿論学校へ参ります。学校へ参つていろいろ話合いをしております。そういうふうなことからいろいろな情勢とか……情勢じやないい、そういうふうなものを総合して我々は考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/686
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687・荒木正三郎
○荒木正三郎君 私も教育に経験があつて、それは父兄の噂だけで教員を転任さす、こういうことは私は避けなければならんと思います。あなたがやはり偏向しておるとお考えになるのには、単なる噂だけでなしに、どういう事実があつたかということは相当やはり見ておられなければならんと思います。ですから、あなたが見ておられることでよろしい、それだけをここで列挙して下さい。ここでは何ら圧迫も何もいたしません。自由におつしやつて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/687
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688・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) 偏向しておる事実はさつき村上証人からいろいろ話されましたが、そういうふうないろいろの生徒の口を通じて家庭にもいろいろのことを伝えられております。そのうちには子供のことですからまあ随分間違つたこともありましようが、併しそういうふうなことをたくさんあちらこちらで……それから例えば子供が、そういうふうなことを全然知るべきでないような子供がそういうふうなことを開いて来る、そういうような種々な噂を総合いたしますと相当我々の推理力によつて一つのあれが出て来ると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/688
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689・荒木正三郎
○荒木正三郎君 村上さんに聞くべきことはあとで開きますが、先ず私はあなたに聞いているわけです。それで子供がいろいろ言うている、どんなことを言うているか知りませんが、あなたはそれだけしか握つておられないで、こういう断定をしたと証言をしておられるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/689
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690・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) そうではございません。そのほか、あなたがそうおつしやれば一々挙げますが、例えば校長が教育委員会の命令に従わなかつたことも数度ございます。作つた規則に従わなかつたこともございます。或いは教員の異動というふうな場合に、校長の、これは正確なことになるかどうかわかりませんが、これは自分が直接児たわけではございませんが、(「あいまいだよ、それじや」と呼ぶ者あり)教員の異動の場合に父兄のはうにいろいろ言うて、教育委員会のほうに運動せいというふうに言われて盛んに運動起されていろいろやられる、そういうところは正常でないということは私どもは言えると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/690
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691・荒木正三郎
○荒木正三郎君 教育委員会の命令に従わないどういうことがあつたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/691
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692・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) これは例えば、実例でございますが、校長の専決事項として物を買うような場合、この金額が一万円以下となつておりますけれども、その上のものを買つた。その場合に全然相談がなかつたとかいうふうな場合もございますし……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/692
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693・荒木正三郎
○荒木正三郎君 それは教育委員会は一万円以上のものを買う場合には教育委員会の承認を要すというような命令を出したのかどうか知りませんが、そのことは別といたしまして、私が今まで聞いているのは、校長を転任させようとした、それは偏向教育をしているからだ、それじや偏向教育の一つの事例を挙げてもらいたいと言つたら、一万円以上のものを黙つて買つた、これが偏向教育になるというのであれば……どうかと思うのですが、どうですかな。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/693
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694・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) 偏向教育とは聞かないので、いろいろな転任の理由があるかとお言いになつたのだと思つて私は言つたのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/694
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695・荒木正三郎
○荒木正三郎君 私は偏向教育の問題について今質疑をいたしております。従つて偏向教育としてその場は非常に言いにくかつたということであつたから、今は何ぼ言つてもよろしいと言つているのですから、偏向教育の事実を、事実をですよ、ここでおつしやつて下さい、こう言つているのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/695
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696・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) ですから偏向教育の事実としては、これが偏向教育としてあなた方がお考えになるかどうかわかりませんが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/696
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697・荒木正三郎
○荒木正三郎君 それは結構です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/697
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698・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) 或いは君が代を式日に歌わなかつたとか、それからそのほかに……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/698
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699・荒木正三郎
○荒木正三郎君 それから……それだけですか。(「山口日記があるじやないか」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/699
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700・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) 日記を使つたこと、あの日記について、あれは決して悪いのじやないのだと言うて盛んに言われたようなこと、これは勿論断然動かすことのできない我々の委員会で非常な資料になつたわけでございますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/700
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701・荒木正三郎
○荒木正三郎君 それから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/701
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702・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) それから、これは確実な証拠というものは得られないけれども、父兄のほうに感ずる、子供の口を伝わつて家に伝わる父兄の不安……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/702
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703・荒木正三郎
○荒木正三郎君 そうすると、君が代を式日に歌つていない、これは私は偏向教育だと思つておりませんが、それと日記について悪いとは思つていなかつた、これだけで校長を転任させようとしたのですか、あなたは……。どうですか、校長の転任問題はもつと前の問題じやないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/703
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704・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) 私が言つたつて……私だけじやありません。これは委員会が決定したのです。(「委員会が決定したのだ。しようがないじやないか」「うるさいぞ」「国会委員会を支配するようなことを育つちやいけない」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/704
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705・荒木正三郎
○荒木正三郎君 私は教育長が転任問題については責任があると思いますよ。それであなたは先ほど理由は言えなかつたとおつしやつたから、ここでは言えますから言つて下さいと、これだけじやないですか。何もないじやないですか。それから日記の問題は昨年の六月ですか、七月に起つて、転任問題はそれ以前じやないのですか、教育長さん。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/705
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706・川村松助
○委員長(川村松助君) 時間が無駄になるから雑音を出さんで下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/706
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707・荒木正三郎
○荒木正三郎君 教育長さん、転任問題は日記以前じやないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/707
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708・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) 以前じやございません。転任問題はこの三月です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/708
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709・川村松助
○委員長(川村松助君) 荒木君時間が迫りました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/709
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710・荒木正三郎
○荒木正三郎君 それじや又……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/710
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711・相馬助治
○相馬助治君 PTAのかたは暫らくおくとして、校長と教育長の証言が全く食い違つておる。一方が是とすれば一方は虚言を弄しておると見るほかないので、この点を明快ならしめなければならんと思うのです。
原田教育長さんに尋ねます。ビラが貼つてあつたということは証明いたしておりますが、ビラの内容を真実と認めますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/711
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712・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) ビラの内容に書いてあることは正確な証拠は持たないけれども、ああいうことはあるだろうというくらいに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/712
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713・相馬助治
○相馬助治君 真実であろうと思うのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/713
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714・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) ええ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/714
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715・相馬助治
○相馬助治君 それではお尋ねいたします。ビラの中心は、「うちの子供は学校で」、だからこれは問題なんです。「学校で一方に偏した政治や思想方面(容共的)のことを先生から聞いて帰り」とありますが、こういうようなことを言つている先生があると思料をされますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/715
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716・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) 或いはしないかという懸念を持つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/716
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717・相馬助治
○相馬助治君 いや、これはPTAのかたでないので、あなたは教員の思想調査が可能です。校長を膝下に呼んでものを尋ねるあなたは権限を持つております。従つてこの点については、あるかも知れないではなくて、あるとお考えか、ないとお考えか、これを尋ねておる。どちらですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/717
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718・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) 校長さんに聞きましたら、校長さんはそういうことはないとおつしやるのです。それで校長さんの言は信じなければならんけれども、一方どうもそういうことを聞くと、あるのじやないかなあという懸念を持つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/718
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719・相馬助治
○相馬助治君 校長をそれでは問題とせずに、なぜ直接、ありと思料される児童と関係する当該受持教師を呼んで調べなかつたのですか。あなたは権限を持つているのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/719
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720・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) 受持教師を呼んでから、そういうことを話したこともございますけれども、それは必ず否定いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/720
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721・相馬助治
○相馬助治君 そうすると、これが事実であるということは、どうも具体的にはつかめないが、主観的にどうもあるだろう、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/721
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722・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) そういうふうに申上げました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/722
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723・相馬助治
○相馬助治君 それは私は教育長さんの言葉とはどうしても思えませんよ。それは仮にこういう教育がなされていたら、そういう校長なり職員をそのまま放置することは、あなたの置かれておる行政委員会の教育長としての立場から、これはおかしいですよ。従つてこのことについては、あなたの指導並びに、これら思料されたものに対する調査、これらが妥当であるとお考えですか。あなたの今までのやり口……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/723
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724・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) 全部が妥当であるとも思いませんけれども、まだ教育長になつて一年でございますし、それから地方教育委員会は教育長一人で、あとは教育委員でありますが、やつているので、本当のことを申しますると、恥しい次第でございますけれども、まだ十分いろいろなことを確かめるところまで行つておらないのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/724
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725・相馬助治
○相馬助治君 私は教育の仕事は、校長はすべからく部下職員を信じ、たものがあるならば泣いて篤しよくを切るの勇気がなくちやならんが、信じて行かなくちやならん。教育長は又自分が管下の校長なり職員に対しては愛情といわば一言にして言うならば親心を持つて行くべきであろうと思うのです。そうして又その上に立つては教育基本法の規定によつて断乎たる処分をしなければならん。これが真実だと思うならば、なぜ校長なりその教員を首を切るなり、或いは調査するなりやらなかつたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/725
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726・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) 首を切ることを極めて何かしやすいようにおつしやいますけれども……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/726
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727・相馬助治
○相馬助治君 私の言うことを曲解している真実であると思うというから私は聞いている。私は首切れというのではなく、土台は親心でやらなくちやならん、併し不幸にして自分の管棒下にそういうものがあつたならば、行政的処分をすべきではないかということを聞いている。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/727
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728・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) 真実ではないかと思うということは、実際の証拠というものを、正確な裁判所に出せるような証拠がつかめないからそういうのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/728
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729・相馬助治
○相馬助治君 常識的に今日の裁判は証拠裁判です。これは裁判ではありませんけれども、具体的なことはつかめない場合には、公的な証言においては真実であると思うなどということは言えないので、どうも真実であると思うけれども、さように追及をされて来るとないというしかないと、こういうのが普通ですが、私の今言つたことを承認しますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/729
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730・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) と申しますと……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/730
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731・相馬助治
○相馬助治君 真実だと自分は思うけれども、そう突込まれれば真実でないと思いますか、やはり真実だとおつしやいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/731
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732・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) そのくらいの、あなたが今おつしやつたくらいのところですね……。こうだということを押切ることは言えません。証拠がないのでございますから、こうだと押切ることは言えません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/732
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733・相馬助治
○相馬助治君 証拠がなくても真実であるということを押切れないということは、真実であるのと、真実でないとの真中の答を許さなかつた場合にはどちらですか。(「無理だよ」と呼ぶ者あり)無理じやないのです。あなたは教育委員会の委員長なんです。私はこれは村上さんや山本さんに聞いているのではない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/733
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734・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) 世間ではそういうふうに二つにはつきり割切れるものじやないと思います。(「その通り」「教育長ですよ、あなたは」と呼ぶ者あり)教育長でも……。(「いい加減なことを言つちやいけませんよ、世間が信用しませんよ」「でたらめなことを言わないで下さい」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/734
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735・相馬助治
○相馬助治君 教育長は疑いがあつたならば、徹底的に調べる、徹底的に調べて、そうして結果が出なかつたときには残念ながらこれを白と判定することが当然だと思うのです。(「その通り」と呼ぶ者あり)併しこういうことで鏡にやく問答をしても時間を空費するばかりですが、どうもあなたのおつしやることではそういう偏向教育の事例なんというふうには我々にはどうしても考えられないのでありますが……次にあなたがさつき述べた例えば一万円問題、日記の問題、君が代の問題、これらのことが一つの事例として挙つておりまするが、これらを総合して、校長の転任をあなたが図ろうとしたのですか、それとも教育委員会が決定したというのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/735
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736・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) 教育委員会が決定したのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/736
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737・相馬助治
○相馬助治君 教育委員会が決定したと申しまするが、私も教育には素人ではないのです。今の現行教育委員会法によれば転任案の原案は教育長が作つて、そうして教育委員会にその妥当を審議に委せるというような仕方になつておりますが、あなたは教育委員会の何人かが作成した校長の転任案を逆に押付けられて、そうしてそれを事務局において作成して議題に供したのですか。その点の関係を述べて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/737
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738・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) そうではありません。これは私のところのような小さいところでは、これは教育委員が大体集まつて、そうしていろいろな相談の上で大体きめて、そうして教育長が案を作るというようなのが実際問題になつております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/738
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739・相馬助治
○相馬助治君 そうすると、その案を作つた責任者はあなたでしよう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/739
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740・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) まあ責任者は法的に言えば私だと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/740
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741・相馬助治
○相馬助治君 私は法的なことを論争しているわけです。法的にはあなたですね。……あなたですね。委員長、答弁を求めて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/741
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742・川村松助
○委員長(川村松助君) 原田証人。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/742
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743・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) 推薦権はございますが、転任のときのなにはよう存じておらない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/743
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744・相馬助治
○相馬助治君 教育委員会法をよく読んで下さい。そういう原案は教育長が作成するのです。校長が何がゆえに転任されるのかというこの身分上の変動について、文書の回答を要求されたときには、あなたは文書を以てこれを回答しなくちやならないということを知つていますか。知つていますか、知りませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/744
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745・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) よく存じておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/745
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746・相馬助治
○相馬助治君 いやはや何とも、これ以上は仕方がないのでどうも(須藤五郎君「もつと勉強して下さい」と述ぶ)止むを得ませんから質問を保留して一旦打切ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/746
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747・長谷部ひろ
○長谷部ひろ君 お腹が空いていらつした上にお疲れになつていらつしやる村上さんに御質問して誠に相済みませんけれども、封建性の根強いその土地の中で、新らしい教育に対する理解というものが非常にできにくいと思うのですけれども、村上さんどうお思いになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/747
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748・村上義晴
○証人(村上義晴君) お説の通りだと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/748
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749・長谷部ひろ
○長谷部ひろ君 それじやちよつとお伺いいたしますけれども、私もよくほかへ参りましてね、今の子供たちは親孝行ということを知らないと、よくこういうのです。併しながら学校でこれは教えておりますが、あなたそれをどうお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/749
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750・村上義晴
○証人(村上義晴君) 孝行の問題を、学校で孝行するように教えておるが、どう思うかとおつしやるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/750
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751・長谷部ひろ
○長谷部ひろ君 はい。簡単に、時間がもうないのですから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/751
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752・村上義晴
○証人(村上義晴君) それは私子供がありませんので小学校に出ておりませんが、町内の輿論はですね、親に孝を教えてないというふうに言うております。そうしてそれは原部落の懇談会において、一父兄といいますが、これは網本亀古という漁民でございます。零細な漁民、この人がそのことを質問したのに対して、安本校長先生からそういう御答弁があつた、ということは私冒頭に述べた通りであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/752
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753・長谷部ひろ
○長谷部ひろ君 それはですね、社会科のはうで中学校で教えております。この実際を通して子供が理解するように教えております。昔の教育のように親孝行とはこういうことだとは教えておりませんけれども、社会科のほうで確かに教えておるのが新らしい教育でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/753
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754・須藤五郎
○須藤五郎君 原田さんにお尋ねします。文部省の資料にあなたの署名捺印のある野口さんの件が挙げられておりますが、あなたが証明したことは事実ですか。簡単に言つて下さい。事実なら事実と……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/754
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755・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) これは証明といつたつて……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/755
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756・須藤五郎
○須藤五郎君 あなたが証明の捺印をしている、印を押していらつしやるんですがね。それが事実かどうか。事実なら事実と言つて喜トさい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/756
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757・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) 快念寺の前に貼つてあつたという、あれに判を押したということは事実でしよう。はつきり覚えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/757
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758・須藤五郎
○須藤五郎君 そんな馬鹿なことじや困る。事実でしよう、そんなあいまいな答弁じやなしに、事実なら事実とはつきり言つて下さい。事実ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/758
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759・田中啓一
○田中啓一君 待つて下さい。須藤さんの質問の趣旨が原田さんに通らんのだ。私が補充的に質問いたしますから、前例があつたら御了承願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/759
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760・川村松助
○委員長(川村松助君) 田中君、田中君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/760
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761・須藤五郎
○須藤五郎君 私がもつとわかりやすく説明しますから、待つて下さいよ。文部省から私のほうに出した資料の中に、あなたが野口さんのあのビラが貼られたということに対してですね、ここに判が押してあるのです。ここにちやんと書いてありますがね。なおこのような声明書が実際掲示されていたことを、町教育長は左のように証明している。右声明書が本町快念寺前に掲示してあつたことを認めます。という証明書をあなたが書いて、そうして判を押しておるのが本当か、こういうことなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/761
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762・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) これはですね、あれを写したときに、快念寺の前のところに貼つてあつたということを書いておけと書記に命じて判を押したように私は思うのですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/762
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763・須藤五郎
○須藤五郎君 まあ、その程度ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/763
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764・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) はあ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/764
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765・須藤五郎
○須藤五郎君 それではですね。誰がこのことを、署名捺印せい、ということは誰からの要求でそうされたのですか。あなたがそういうふうに書記に命じて証明の捺印をしたわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/765
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766・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) 私が書記に命じてですね、あれを筆記さしたときに、あれを貼つてあつたということを何しておけと言つたのだと思います。私よくそういうことをやりますから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/766
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767・須藤五郎
○須藤五郎君 それじや、これは何のためにそういう証明書を書いて、判を押したのか。後日これがどういうことに使われるか知つていたのか。その点を。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/767
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768・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) それが使われるとかいうようなことは知つておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/768
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769・須藤五郎
○須藤五郎君 それじや何の目的でそういうことをしたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/769
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770・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) 私今申しましたように、あそこに貼つておつたということを写して来たのに、それを貼つてあつたということを証明をつけておけというから言つたのだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/770
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771・須藤五郎
○須藤五郎君 あなたは先ほどから、一番最初の陳述のときに、あなたは町の平和を希つておる。町のいろいろないざこざをここでぶちまけるのは非常に心苦しいが、ということを前提にしていろいろ話をしていらつしやいましたが、先ほどから聞いておりますと、それは野口さんがいないからまだ真相はわかりませんが、教育長が野口さんにもつとやらんかと言つて野口さんをけしかけたり、又単にこう思われるというようなあなたは状態でものを確認しないでですね、そうして校長の転任を命じたり、いろいろなことを処理しようとしていらつしやるが、これはあなたのその平和を希望しておるが、という言葉と非常に私は食い違つて、私たち聞いていて殊更町政を錯乱さそうと、そういうふうな意図を持つてやられておるように私たちには聞きとれるのですが、この点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/771
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772・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) それはあなたがそういうふうにお聞きになるのだ。私はさつきも申しましたように、あのことについて野口君にしつかりやれと言つたこともございません、さつき申上げたように。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/772
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773・須藤五郎
○須藤五郎君 併し単にあなたが主観的に何ら偏向の、教育の偏向事例もはつきりわからんくせに、そのとき独断で自分がこういうふうに感じられるというふうなことで、そういう問題の起るようなことをあなた自身がやつておると思うのですが、これはあなたが町政を、町の平和を願うという気持と非常に反した行動ではないかと思うのですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/773
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774・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) 私にはあなたのおつしやることがようわからんので、どうも何だか統一が……。(「それだ、それだ」「それがいい」と呼ぶ者あり)今のところ実際の何がわからんのですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/774
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775・須藤五郎
○須藤五郎君 そういう、私のこういう質問がわからないような状態で教育行政をやられるからとんでもない問題が起こつて来ると私は思います。(「共産党の言うことはわからんよ」と呼ぶ者あり)
そこで山本さんにお尋ねしますが、野口さんという人はどんな人かという
こと、これが一点。それからPTAでこの問題をどういうふうに取扱われたかということが一点。それから三点は野口さんという人はPTAの会員かどうか。野口さんはPTAで問題にされたことがあるかどうかという三点を山本さんにお尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/775
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776・山本保夫
○証人(山本保夫君) お答えいたします。これは今お尋ねのは野口さんがどういう人かということでございますね。これは誠に私個人を中傷することになるので、こういう席では申上げにくいのでございますが、併しながらよくこれは知つた男でもありますし、忍びないのでありますが、申上げます。このかたは先も申上げました、証書のときに申上げましたように、ちよこちよここういうビラを貼られます。それからその職業というようなものも、まあ町の駐在員というものがあるのですが、それはまあ役場の吏員でも何でもないのです。まあ報告したり連絡したりするというような仕事なんですが、そういう仕事をした。それはもう吏員ではありませんから、これはほんの僅かな手当しか出しておらん。職業が何であるかよくわからんのです。でありますが、まあちよこちよこ町内会などにもおいでになつて、罵声を飛ばしてやじつたりされるというようなところで一つ御想像願いたいと思います。PTAはさつきからも教育長からお話がありましたのですが、私たちとしては、教育は純粋に考えて行かなければならんと思うのです。従つて清潔でないということになれば、その裏付けというものが具体的に出て来なくちやPTAとして納得行かないのです。そこで原田教育長がさつき吊し上げを食わしたという話がありました。私たちPTAは決してそんな気持ではない。教育を思い、子供を思うからこそ清浄である。どこが清浄でないのでしようかということをお開きしたので、御婦人かたは涙を流しながら叫ばれた。そで結局その裏付けがないものですから、それでは撤回してくれ、こういうふうに申しましたところ、これは人事異動も撤回されたのでありまするから、清浄でないということに私たちは受取らざるを得んのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/776
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777・須藤五郎
○須藤五郎君 わかりました。野口さんはPTAの会員ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/777
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778・山本保夫
○証人(山本保夫君) 野口さんはさつきも校長から証言がありましたように、PTAの会員であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/778
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779・須藤五郎
○須藤五郎君 それでPTAの中でこの問題を野口さんは問題にされたことがありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/779
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780・山本保夫
○証人(山本保夫君) 全然ありません。今校長のお話のように、PTAの会員ではありながら、PTAでは大体……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/780
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781・須藤五郎
○須藤五郎君 それでいいです。それでもう一度原田さんに念を押して尋ねておきますが、あなたがこの貼つたビラに対して証明書を書かして判を押しておいたということは、後日どういう問題が起るか、どういうことを予測して何の目的を以てこういうことをされたのか。その点もう一度はつきり伺つておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/781
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782・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) それはいろいろそういうふうなことは、後日の書類にとつておくというのは、我々のやつていることでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/782
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783・須藤五郎
○須藤五郎君 ただ漠然とですか。何か意図があつた、後日こういうことが問題になるというようなことをあなたは予測なすつたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/783
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784・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) それはあるかも知れませんし、ないかも知れません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/784
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785・須藤五郎
○須藤五郎君 何だかえたいのわからん返事ですが、どういう目的を以てやられたかということを私は尋ねているわけなんですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/785
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786・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) それはそういうふうな書類は、あとあとの参考にもなりましようし、いろいろのためにとつておかなければならんと思つてとつておいたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/786
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787・須藤五郎
○須藤五郎君 ただ、それじやあなたの処置が非常にまずかつたために、今日こういうふうに大きな問題になつていることに関しまして、あなたは責任を感じていらつしやいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/787
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788・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) 私は、私の処置が悪かつたとは実は思つておりません。と申しますのは、私は、それは参考資料として、ただ原に相談に行くときに持つて行つただけでありまして、これがこういうふうな問題になろうとは決して思わなかつた。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/788
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789・川村松助
○委員長(川村松助君) 須藤君時間が切れました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/789
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790・永井純一郎
○永井純一郎君 今のに補足して教育長さんにお伺いしたいのですが、このビラを貼つた野口さんというかたは一定の職業も持たないような、いわば事件屋のような人だと思うのです。その人が貼つたビラをなぜ教育長さんのような責任のあるかたがこれに証明をしたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/790
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791・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) 私は野口君をそんな男とは思いません。そのビラに対する反響が相当大きかつたということを重視しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/791
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792・永井純一郎
○永井純一郎君 それでは野口さんがどういう人だか私もよくわからないが職業が一定でなくて、まあぶらぶらしている人であることには違いないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/792
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793・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) 職業は、引揚げて来てですね、畑がどのくらいあるのか知りませんけれども、畑を作つたり、或いは部落の駐在員なんかをしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/793
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794・永井純一郎
○永井純一郎君 あなたの今の証言はどうもはつきりいたしませんが、これに証明をあなたがみずからして、そうしてなんかあとで人事異動でもあるときにこれを持出そうというつもりはあなたになかつたんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/794
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795・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) それは全然ないということも言えないと思います。そういう資料を集めておくことは、我々としては非常に必要なことだと私は信じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/795
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796・永井純一郎
○永井純一郎君 あなたの教育を聞いて私はいろいろなものをだんだん証拠固めして行つて、あなたが非常に感情的になつておられる相手の校長先生を転任させるためにあなたはこれをやつおつた、こういうことをいろいろ証拠固めをして重ねて行こうとしておつた、ということを全然否定はなさらないということでよろしうございますな。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/796
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797・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) そういうことではございません。感情は一つもございません。感情的にとおつしやいますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/797
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798・永井純一郎
○永井純一郎君 感情的でないかあるかは別といたしまして、順次こういう証拠を成るべく集めて行つて人事の異動に使おうと思つておつたことはあなたはさつき否定をなさらなかつたんですが、それに違いはないですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/798
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799・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) その証明をとつたときには、そういういつこれを利用しようとかいうような意図は一つも持つておりません。ただ将来に対してそういうふうなものはやはり参考として、教育行政をやつておれば集めておくことは必要だと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/799
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800・永井純一郎
○永井純一郎君 もう一つお伺いいたしますが、今でもあなたは校長先生を転任させたいと、こう思つておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/800
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801・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) 今でも転任せられたほうがいいんじやないかと思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/801
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802・永井純一郎
○永井純一郎君 先ほどからの証言を聞いておりますと、確たる証拠もないのに、ただあなたは感情じやないと言われましたが、それはただ感情であなたはそう思つているのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/802
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803・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) 感情ではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/803
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804・永井純一郎
○永井純一郎君 あなたの証言は非常に食い違いますね。あなたは感情でない、それじや何か確たる証拠がない以上は、これは転任させることができないんですよ、教育長は、それであるのにそれはない、併しながら順次々々証拠固めをして行つて、順次に使うかも知れん、併し今後又人事異動をしようという意図もなお捨てておらん、こういえば、あなたの証言では、常日頃よほど仲でも悪くて、感情で大切な教育の人事をやろうとしておられる、こう私は受取らざるを得ないんですが、若しそうでなければ、それはこうこういうわけで感情ではないんだということがはつきりお答えできますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/804
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805・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) 私は安本校長とは普から非常に親しくもありますし、又私が教育長になるまでは、私は社会党の党籍は持つておりませんけれども、安下庄では、あれは社会党だと言われているほどの何であつたのであります。これは池田代議士に聞かれたらわかると思います。従つてそういうふうな点では、これは一つも感情的でも何でもございません。更にもうちよつと申上げたいのは、今度の異動ということを取りやめたのは、そういうふうな転任について不正常という理由をつけたことを撤回したのでありまして、もう従来の教育が不正常であつたということは、教育委員会はこれは決して撤回しておりません。これははつきり私がこちらへ上京する前日の委員会においてそれを再確認しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/805
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806・川村松助
○委員長(川村松助君) 永井君、時間が切れました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/806
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807・永井純一郎
○永井純一郎君 もう一点だけ。教育委員会は不正常なものでないという証明をしているのですよ。そうするとあなたは何も人事異動に使うこともできなければ異動をする理由が何らないのです。それをなお今後とも異動をさせようと言われておるのは、あなたは非常に偏狭な自分の感情に違わないと思うのですが、その点あなたは嘘の証言ではないのでしようかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/807
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808・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) それから先ほど転任を中止したというのは、校長さんが相当に反省をしておられる。従来君が代等は全然卒業式でも歌われなかつたけれども今年からは歌われることになつた。それで我々はそれに期待しているのでありまして、今転任をさせようとかいう考えはないのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/808
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809・石川清一
○石川清一君 原田さんにお尋ねいたしますが、父兄或いは児童から仮に君が代を歌わせなかつたとか、或いは親に孝行せいということを言わなかつた、しなくてもいいということを言うた、そういういろいろなうわさがあつてそれを耳にされましてから、特定の先生、或いは校長先生にそういうようなことがあつたかどうかということを尋ねて、そういうことがなかつたと拒否されたことがありますか、ありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/809
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810・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) そういうことを拒否されたことはございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/810
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811・石川清一
○石川清一君 あるのですか。それではお尋ねしますが、二百六十という調査書を出しまして百五十という返事が来た、その中には特定の事例を挙げ、特定の教師、先生の名前の名指しがあつて、そして来たものについて更にその教師或いは校長先生に尋ねて、そういうことがあつた、なかつたという返事をされたことがありますか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/811
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812・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) 実はそれはやつておりません。この今ここにこの事例を持つておりますけれども、実はこれは今これを一般に発表したりすると、非常に重大な世論が沸騰するというので、これは発表しないことにいたしました。これはただ我々教育委員だけが見たわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/812
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813・石川清一
○石川清一君 それでは調査の結果はそういうことがなかつたけれども、一般のうわさから、或いはそういう父兄や児童の口、或いはその他を通じて耳に入つた偏向教育のことについて、校長先生或いは教師にしたということはあるのでございますね。尋ねて拒否されたことがあるんですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/813
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814・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) ございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/814
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815・石川清一
○石川清一君 それじや今度は山下さんにお尋ねしますが、特別の調査を受取つた結果は知らないけれども、受取つたと言われておりますが、御返事を出しましたか、出しませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/815
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816・山本保夫
○証人(山本保夫君) 私は出しました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/816
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817・石川清一
○石川清一君 更にお尋ねいたしますが、それは何か特定の答えを求めているようでありましたか、ありませんでしたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/817
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818・山本保夫
○証人(山本保夫君) 私も実はもう日にちがたつて覚えがないのでありますが、教育長がどうも集約してこれがいいとか悪いとかいう線は出せないと言つております。私もさようであつたように覚えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/818
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819・石川清一
○石川清一君 村上さんにお尋をしますが、いろいろな事例お聞きになつているようでありますが、そういう事例が単にうわさでなくて、校長先生、或いはその他の教師にそういう事例をあなたがお尋ねをして、そういうことは言わなかつたとか、なかつたという御返事をもらつたことがありますか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/819
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820・村上義晴
○証人(村上義晴君) それは私はなんら現在公職にないので、小学校に関する公職にないので、そういう必要もないし、又忙がしいのでお会する機会がないので、何も承わつておりませんが、地方の平和のためにはこういう問題があればいずれは少し夏になければ閑になるから、先生にお会いしていろいろ御意見を承わろうと思つておりましたが、未だに承わつてはおりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/820
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821・石川清一
○石川清一君 原田さんにお尋ねしますが、偏向教育の事例があつたなかつたという点について、単に教育長ばかりでなしに、あつたなかつたという、そういつたことをしたしないという校長先生或いは教師との論争、この問題が起つてから町のうわさに上つたことがありますかありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/821
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822・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) それは偏向教育が……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/822
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823・石川清一
○石川清一君 もう一遍。こういう事例があつたと言うて、校長先生或いはその他の教師にお尋ねしたところが、そういうことはないと、或いはなかつたというようなことが、町のうわさが耳に入つたことがありますか、ありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/823
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824・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) こういうことがなかつたということを校長先生が言われたということがうわさにですか……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/824
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825・石川清一
○石川清一君 そういうような問題になつたことがあんたの、耳に入つたかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/825
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826・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) どうもはつきりわからんのですが、そういうことがなかつた……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/826
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827・石川清一
○石川清一君 こういうことです。問題は偏向教育の事例があつたなかつたということは水掛論になりやすいので、ほかの人は、父兄が子供を通じてそういうことはしたと、こういうことを聞いたと、ところが校長先生や教師のほうはそういうことはないと、こういうようなことが町民父兄の間で起きて、あんたの耳に入つたかどうか、こういうことです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/827
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828・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) そういうことは耳に入つておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/828
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829・野本品吉
○野本品吉君 時間がありませんから極めて簡単にお伺いします。
最初原田さんにお伺いいたしますが、最初の陳述の際に、町村合併が円滑に行かないとか何とかおつしやいましたが、この問題と町村の合併の問題とはどういうのでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/829
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830・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) これはどうもこういうふうなことが問題になると、田舎ではもうすぐあそこは赤いというようなことを青い出すのでございます。そういうふうな赤い所とどうも一緒になるのはいやだというような極めて微妙なところがあります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/830
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831・野本品吉
○野本品吉君 村上さんにお伺いします。これはあなたの町の様子をほじるようで大変失礼ですが、公平にあなたがお考えになつて、安下庄の町政は円滑に運営されているとお思いですか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/831
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832・村上義晴
○証人(村上義晴君) 円満に行つていると存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/832
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833・野本品吉
○野本品吉君 それでは安本さんにお伺いいたします。委員会と学校との関係は従来どんな状態だつたでしようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/833
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834・安本薫
○証人(安本薫君) まあ、私どもが思うような状態にはなつておらないように思つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/834
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835・野本品吉
○野本品吉君 そこでもう一つ安本さんにお伺いいたしますが、どうも私が先ほど来耳を傾けて皆さんのお話を伺つておりますと、教育の問題、教員の問題が町政の上における争いの渦中にまき込まれているのではないかという印象が強く出ているのです。如何なものですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/835
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836・安本薫
○証人(安本薫君) 私はそのようには思つておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/836
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837・田中啓一
○田中啓一君 先ず村上さんにお尋ねしたいのでありますが、実は本件はこの野口さんのはられたビラというものが信性のあるものであろうか、どうであろうか、これが実は事案なんであります。そこで、いろいろな方面からこれの信憑性を打消し或いは立証しようと、こういうことになるのでありますが、そこで私は今山本さんからは野口さんという人は何だか少し正常を欠く人で、或いは大分欠く人で、ビラはり狂のような人だという意味のように伺いました。又、同じくPTAの学級委員の木村さん、又部落委員の河合さん、こういうかたが先般文部委員会へ出て見えまして陳情をなさいました。野口というのは気ちがいだ、かようなことが確かに耳に残つております。だからそんなものの言うことは当てになるものか、文部省はとんでもないものを発表してえらい迷惑をしている、こういうまあ大体今日山本さんと似たような話をして帰られました。そこで私は、ちよつとおかしいと思うから聞き質そうとしたところが、同僚諸君がまあやめておけということでありましたから、やめてそのときは何も言わなかつたのでありますが、そこでこれはもう村上さんは実に町内に明るいかたでいらつしやるように存じます。でありますから、一つ先ほど何かこう野口さんが文部委員長にとかおつしやいましたが、ちよつとはつきり覚えておりませんが、どこか手紙をお持ちになつておるような、手紙の写しか何かお持ちになつておるようなことを伺いましたが、一つあなたの見られるところ並びにそれの証明になりますならば、野口さんのひととなりもどうぞ併せて御言明を願いたい、要点だけでもお読上げ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/837
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838・村上義晴
○証人(村上義晴君) 田中先生にお答えをする前にお尋ねをいたします。只今、野口君が気ちがいなりということを、河合部落委員や木村委員が言われたということがありましたが事実でありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/838
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839・田中啓一
○田中啓一君 私の耳にはさように残つております。(「そんな表現はしていないよ」「気ちがいだなどという表現はない」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/839
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840・村上義晴
○証人(村上義晴君) 申上げます。これは後日必ず問題になります。こういうことがあります。先般これは衆議院の調査団かこの参議院の調査団か存じませんが、前田榮之助先生が調査に来られて、そうしてこの委員会で発言をせられた事柄が、三月十二日の文部委員会において前田榮之助先生が発言せられたことが、三月十九日附五百十二号の「時事通信」の十四ページの内外教育版に載つておつたのであります。それをさる知人が野口君の宅に持つて行つて見せた。野口君は非常に憤慨していました。それで、自分は健康であれば、これはいわゆる自分の名誉を毀損されたのであるから、必ず何とか対策を講じなければならんのだが、何分にも自分は病弱でどうもならんが、君は行かれたら、これは何かの参考になるかもわからんから、特に発言を求めても読み上げてくれ、こう言いまして、前田榮之助先生宛に野口君が自筆で私の目の前でこれを書いて、私が見舞に行つたときにこれを書いて、前田榮之助先生に書留か何かで抗議文を発送したわけです。野口君は筆の立つ人で、原稿も何もないのにこれだけの達筆でこれだけの筋の通つたことの掛ける人なんです。これはそれだからビラはり狂だとか何とかいうことは決してありません。問題がありましたときに、先年、年は覚えませんが、先年この安下庄の土木工事に関しまして町の認可と言いますか、設計と言いますか、それが百十五万の工事が末端の請負師がやりましたときは三十五万で受けてその土砂が崩れた事実がある。そのときに町民大会を開いていろいろ世論を喚起したがどうにもならなくて町民大会を開いたとき野口君が一、二回ビラをはつたことがあります。それ以外にはビラをはつたことはありません。ビラはり狂とは存じません。
それで本論に入りますが、ここに前田榮之助先生宛てに出されたこの野口君の書面の控えを読上げます。
冠省
三月十九日付第五二一号時事通信(内外教育版)の十四頁の記事に三月十二日文部委員会に於て前田榮之助長は「山口県大鳥郡安下庄小中学校問題で学校を非難した野口安一という人は無頼の徒に近い人で教育に熱心どころか、過去五年間に学校へ一度しか連絡にきたことがない。野口氏に寡兵的だといわれた先生は右社の受田代議士の崇拝者で容共的でも何んでもなく、左派社会党的ですらもなかつた」と報告したとある。
新聞等の記事が必ずしも正確とは断じ難きも、事権威ある国会に於ける議員の発言記事ともなれば、一応正確なものとみるは常識であろう、前記々事の如く貴下が国会に於て発言されたとすれば、何を根拠としてなされたか御たずねいたしたい。尚記事により小生が想察するところでは、現地調査の為め来県された貴下は本町の問題を数十里隔てた岩国あたりで聴き、他人の口車に乗せられ、まんまと虞れを信じ、共の結果一面識もなき他人(小生)の名誉、信用を傷けるが如き発言を国会に於てなすは貴下の軽卒を嘲笑するよりむしろ国会議員としての貴下の人格を疑うものである。
此に一言述べ度きは、小生が本町の教育問題について取り上げた掲示の字句や是れを掲示するまでの経路について、詳細貴下御存じないであろう、
先生(取分け安本小学校長)を容共的だと非難したのは、本町多数町民であり(特に有識者が多い)是れを放置するは教育上よろしからずと察し、小生は九月始め安本小学校長に注意し、何等かの方法で善処する様、要望した事もある、其の後父兄の立場にある小生より見れば、教育者として好ましからざる点あるにより、彼等の反省をうながす可く本町広報町民の声の欄へ投稿したが、広報委員には小中学校教員数名が居る為め私情により記事の編集を左右にし、紙面には余白がないとの理由で掲載しなかつたので、やむなく問題の掲示をした処、当時本町に於けるこの反響はどうであつたか、町民多数のよく知るところである、学校側では是れに対し無言の行をとつてみたが、半歳後の三月始め校長の転任問題や文部委員来県等により始めて色をかへてPTA委員幹部への工作を猛烈に始めたり、病床の小生を訪れ掲示は単なる噂を聞いて出したので格別のものでないと小生に云ふて貰へば都合がよい等と哀願する様はむしろ滑稽であつた、右社の受田代議士の崇拝者で左派社会党的ですらもなかつたと指摘された相手は昨年の総選挙には左派某候補の運動に血眼であつたとは当地に於ける受田支持者の談であるから付け加へて申し置く。最後に無頼の徒に近い人と指摘された小生の自己紹介をする事とす
土木技術者であり在鮮三十余年土木請負を業とし終戦当時は、北鮮江界の水力発電建設工事に当り其の為めソ連占領下金日成政治下で十一カ月間を過し共産主義の如何なるものかを体験し、肝にめいじてリユウクサック一つで引揚げ、帰郷後は健康勝れざるにより本業を断念し僅かばかりの所有農地を唯一の資産とし、農を営みかたわら本町の駐在員として町行政の末端事務を担当し、尚毎年通産省農林省等関係の各種統計事務に調査員を其の都度命ぜられ、且又公職選挙の場合は公正を認められ選挙立会人として選出せられる事十数回に及ぶ小生は二月二日以来医薬に親しみ、貴下一行が調査のため来県されし三月初めには重体であり、当時本件についての日々の新聞記事は親友が(親友とは私のことです。)枕辺にて読むを聴き入つて居たが、最近小康を保つ程度となつたので病床にて思ひのまま乱筆を走らす事としたが、是れに就て貴下は紳士として如何御考へあるや
三月二十九日 野口安一
前田榮之助殿
そうしまして、これは三月三十一日附で自由党辻文部委員殿、野口安一として、こういう書面が出してあります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/840
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841・田中啓一
○田中啓一君 そこで今この手紙の中にもございましたし、先ほど村上さんの御証言の中にもございまして、野口さんのところへ行かれたのはここにおいでの山本さんと誰か先生一人、こういうことでございます。先生の名前もお伺いいたしたいし、又この手紙の通りでございますか、山本さんからお伺いをいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/841
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842・山本保夫
○証人(山本保夫君) 私も一個のつまらん人格を持つておりまして、決して嘘は申しません。先生は豊田先生と申しまして、私と二人で行きました。決してこれを取消してくれというようなことを私は言つておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/842
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843・田中啓一
○田中啓一君 どういうことを言われましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/843
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844・山本保夫
○証人(山本保夫君) あなたはこの中に、この原文にありますように、こんな話をよく耳にするが、ということでありますかということをお尋ねしたのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/844
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845・田中啓一
○田中啓一君 ただそれだけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/845
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846・山本保夫
○証人(山本保夫君) そうであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/846
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847・田中啓一
○田中啓一君 それだけのことでお尋ねに上られた。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/847
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848・山本保夫
○証人(山本保夫君) そうです。それは非常に大事なことと思います。この箇所は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/848
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849・田中啓一
○田中啓一君 ちよつと私には不思議でありますが、耳にすることがありますかということをお尋ねに行かれたわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/849
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850・山本保夫
○証人(山本保夫君) 要するにこんなことを耳にするがということでありまして、この文章は具体的なものが上つていない。でありますから、私はここが大事だと思つて聞きに参つたのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/850
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851・相馬助治
○相馬助治君 議事進行に名を借りたような発言になりますけれども、ここは極めて重大なので一言村上さんに念を押して委員長の取扱を適当に今後もされて頂きたいと思うので申上げたいと思うのですが、と申しまするのは、我が党所属の前田榮之助君に対する野口君の個人の信書がここで朗読されたのでありますが、村上さんも御了解頂けると思うのでありますが、私どもは他院の議員の当然その非を責めるというようなことは、その抗弁をし得ないような立場において一方的にすることを、議員間においては従前慎んでおります。そこでこの委員会においても、只今の手紙が読上げられたことは二つの実は問題があろうと思うのであります。個人間の親書であるという問題と、前田君は、これに対して何とも弁解し得ない立場において、一方的に読み上げられたというこのことでございまして、私は村上さんが非常に急いで出て来たというのであつて、さようなる手紙を持参していたとは実は思わなかつたのでありますが、とにかく読まれたことの正否を私はここで批判いたしません。ただこれに関しましては前田君にしてもそれぞれ意見があり陳弁したいと思うことがあるかも知れませんが、且つ又、その読上げられたるものは、個人の間の信書でございまするのでこれが信憑性に関しましては、我が党といたしましてはあとで論ずることあるということを申上げます。そうして、この取扱に関しましては、委員間においてもこれだけのことを前提として、而もこれが速記に載せられたことを了承しているということを念を押して申上げておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/851
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852・村上義晴
○証人(村上義晴君) 野口君の、(「答弁要りません」と呼ぶ者あり)特に御出発の間際に、ひよろひよろ私の家に来てこれをことずけるので、これに参考になるところがあれば持つて行つてくれということで持つて来たのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/852
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853・田中啓一
○田中啓一君 私は重大であるという点は、この手紙の中の文書、それから又村上さんは直接今山本及びいま一人の先生が野口氏の宅を訪れてのお話の趣きを直接、よく聞いて下さい、村上さん。直接野口氏から、この「病床の小生を訪れ掲示は単なる噂を聞いて出したので格別のものでないと小生に云ふて貰へば都合がよい」、こういうことを野口氏は村上さんに直接又言葉でお話をしたと、こういうことに伺いましたが、従つてこの点と今の山本さんの証言とは重大なる喰違いがありますから、もう一度しかとさような魚味ではなくて、ただあなたは単なるうわさだけで、ああいう掲示を書いたのですかと、こういう点を聞きに行かれただけであると、しかとさようでありますか。もう一遍ここではつきりと、あなたが何と野口氏におつしやつたか、御証言頂きたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/853
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854・村上義晴
○証人(村上義晴君) 私ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/854
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855・田中啓一
○田中啓一君 いや山本さんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/855
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856・山本保夫
○証人(山本保夫君) お答えいたします。私はたびたび申上げますように、どこまでも裏付のあるということを私は尊ぶ、そうでなくちやならんと思う。従つてこれではしつかりとした裏付がないのでありまして、裏付があるかどうかということも実は尋ねに行つたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/856
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857・田中啓一
○田中啓一君 原田さんにお尋ねいたしますが、転任の決定を委員会でなされたが、それを後になつて町長、町会議員の中裁で一応とりやめにした、こう原田さんはおつしやいました。それに対して校長さん並びに山本さんからは、正常なる教育をしておらんからという理由で、転任の決定をなした旨内示があつたけれども、転任がとりやめになつたからその理由を取消されたものだと、従つて正常なる教育はなかつたことになる。こういう御証言でありますが、原由さんのお話聞きますと、転任先を探しに廻つたけれども、どうにも教育長の力では転任先が見付からない。転任先が見付からないから転任を命ずるわけにも行かない。止むを得ないから転任だけは沙汰止みにするほかはない。こういうように伺いましたが、転任先が見付からなかつた事実がございますか。又その理由はどういうところにありますか。なぜ受付けてくれないか。今こうしてお話伺つておりますと、なかなか立派な、頭のいいかたのように私はお伺いをするのでありますから、その点だけからみれば私はどこでも喜んで引受けなきやならんようなおかたのように見えるにもかかわらず、受取つてくれる先がなかつたのは、どういう一体わけでありましたか。この点と二つ合せて御証言をお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/857
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858・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) 今申されたのでありますが、あちらこちらを転任先を探して歩いたのでございますが、県下では相当安本校長の名はあちらこちらで売れているようであります。そういうわけでかく地教委でも受入手はない。高等学校のほうにもいろいろあちこちお願いしたのでありますが、これもどうもうまく行かなかつたのであります。それともう一つ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/858
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859・剱木亨弘
○剱木亨弘君 時間がないようですから簡単に安本君に聞きますが、あなたは教育長から山口日記の使用について適当な処置をとれと言われて、これは結局そういうやめる必要はないとおつしやつたのは、現在もさようにお考えでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/859
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860・安本薫
○証人(安本薫君) 教材として使つておりませんのでそのように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/860
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861・剱木亨弘
○剱木亨弘君 教材として使つておるかどうかということは先ほど随分論議になりましたし、併しその内容が偏向でないとお考えでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/861
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862・安本薫
○証人(安本薫君) そう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/862
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863・剱木亨弘
○剱木亨弘君 先ほど編纂した山口県の教組のかたもこれは非常に適当でない部面があると言われておりましたが、そういうものを教育長からそれは適当に処分せいと言われてもあなたはそれに対して、命令に、その教育長の指示に従わないだけの権限があるとお考えでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/863
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864・安本薫
○証人(安本薫君) 適当に処分せよと言われることは、私といたしましては教材として使つておりませんので別に処分ということについては考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/864
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865・剱木亨弘
○剱木亨弘君 教材として使わないというのはみんなこう書いてありますが、教材として使わないという意味は先ほど来随分論議された点であつて、あなた自身が教材として使つていないというだけの判定であつて、教育長がそれを判定するのに対して、誤りなろことをみずから主張して反抗するという権限があるとお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/865
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866・安本薫
○証人(安本薫君) 教育長に反抗しておるとは思いません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/866
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867・剱木亨弘
○剱木亨弘君 ただ一言教育長にお伺いしたいと思います。
教育長として今校長が教育長から指示されたのに従わなくても差支えないとお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/867
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868・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) 差支えないことはないと思います。(「時間だ、時間だ」「もう時間がないぞ」「まだ三分ある」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/868
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869・川村松助
○委員長(川村松助君) 高田君に発言を許しました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/869
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870・高田なほ子
○高田なほ子君 私が許可を受けております。(「時間ないぞ」「三分間あるのですよ」「三分間あるのならばこつちも」「あなたのほうはないよ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/870
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871・川村松助
○委員長(川村松助君) 高田君、発言。(「時間あるかないか聞いてみろ」「ある、ある」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/871
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872・高田なほ子
○高田なほ子君 山本さんに。委員長にご了承を得ましたから。これで一分くらい過ぎちやつたから、こんなものは入れないで下さい、貴重ですから。山本さんに再確認をいたしますから明確にお答え下さい。本問題について偏向教育のようなものはないのだと、安下庄町長、教育委員、安下庄小学校育友会、安下庄中学校育成会から、掲示公表された野口安一氏の、いわゆる偏向教育に対する事実はないという証明書が出ておりますが、これは事実でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/872
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873・山本保夫
○証人(山本保夫君) お答えいたします。確かに間違いありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/873
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874・高田なほ子
○高田なほ子君 大多数の御意見であるということをお認めになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/874
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875・山本保夫
○証人(山本保夫君) お言葉の通りであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/875
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876・高田なほ子
○高田なほ子君 教育長にお尋ねをいたします。どうぞお答え下さいまし。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/876
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877・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) 私はさようではないと思います。実際の状況から見ますればそうでないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/877
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878・高田なほ子
○高田なほ子君 町長、教育委員、安下庄小学校、中学校両校の育友、育成会これらのものが大多数の意見でないということは、まさにあなたの偏見を現わすものと考えますが、(「そうだ、独断だよ」と呼ぶ者あり)私はあなたのお答えをもう一度お願いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/878
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879・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) 大多数の意見でないと思いますが、それで御不審なら安下庄へ一ついらして御覧になればよくわかると思います。(「文部委員会、行こうじやないか」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/879
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880・高田なほ子
○高田なほ子君 校長さんにお尋ねをいたします。校長さんはおうわさに聞けば若くより検定を受けられ、教育者となるために苦しい道を歩まれ、若くして校長の椅子に坐られ、県下においても極めて優秀な先生であると承わつております。人格温厚篤実、このような校長先生、本日あなたの御人格に接し、お言葉に接し、この優秀な校長さんが権力のお好みによつて県下にやるところもないということを言われております。私は全く教育を守る立場から涙なきを得ないのでございます。先生は私が町長、教育委員、安下庄中学校、小学校育友、育成会のこの証明するところの偏向教育のないという事例について、この後もますます平和憲法を守つてお行きになる御決心をお持ちでございましようか、重ねてお尋ねをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/880
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881・安本薫
○証人(安本薫君) 誠につまらない者でありますけれどもそうした決意を持つております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/881
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882・高田なほ子
○高田なほ子君 最後に教育長にお尋ねをいたします。教育は権力の下に支配されてはならないのであります。ただ単に君が代を歌わなかつた、やれ日記の処理がまずかつた、一万円以上の買物をするときに言つて来なかつた、そういうようなことを偏向教育ありとしてこのような優秀な先生を県下どこにもやる所がないというようなことをおつしやるということは、全く私は教育者に対する侮辱だと考えるのであります。(「そうだ」と呼ぶ者あり)私はこのような侮辱は許されないと考えます。権力の下に断じて教育は置いてならない。教員の身分というものについて如何お考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/882
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883・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) 私は教育は地域社会の信頼と支持がなければ教育の効果は上らんと思います。(「その通り」「その通り」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/883
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884・高田なほ子
○高田なほ子君 地域社会の信頼のあることはすでに証明されておるのであります。その証明を無視されてあなたがそういうふうにおつしやるということはどうも納得が参りません。どうも謙虚にあなたは御自分も反省なさるべきだ、御自分の反省なくして町の地域社会のこの大事な数を守つていくということはできないと思います。あなたに御反省があるかどうか、この点を伺つて私の質問を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/884
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885・原田弌雄
○証人(原田弌雄君) 私は虚心坦懐に我々の教育行政に当つております。(「そうは受取れない。」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/885
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886・川村松助
○委員長(川村松助君) お諮りいたします。……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/886
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887・田中啓一
○田中啓一君 この問題につきましては、世論調査というものは極めて重大な意味を持つと思いますので、幸い原田さんのお口振りからは世論調査の結果について全部か一部かは存じませんが、お持ちになつているようなお口振りでございますので、どうかそれをこの委員、会へ資料としてお出し願いたいと思います。(「自分たちに都合のよいことだけの世論調査なんか要らんよ」「賛成」と呼ぶ者あり。)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/887
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888・川村松助
○委員長(川村松助君) お諮りいたします。只今書面を以て相馬委員から川村委員長宛次の要望があります。
村上証人持参の野口氏より前田氏に当てた書信の写しを当委員会に本日提出するよう委員長において取扱われたし。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/888
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889・川村松助
○委員長(川村松助君) 只今相馬君からの要望をお諮りしましたに御異議がないようでありますから、さよう取計らいいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/889
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890・田中啓一
○田中啓一君 私の動議も御採決願います。(「賛成」と呼ぶ者あり。)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/890
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891・川村松助
○委員長(川村松助君) 田中君のは村上……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/891
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892・田中啓一
○田中啓一君 原田証人から、世論調査の結果をお持ちのようでありますから、それを……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/892
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893・川村松助
○委員長(川村松助君) 皆さんお聞きのように、田中君からの御要求に応えてよろしうございますか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/893
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894・高田なほ子
○高田なほ子君 異議はありませんけれども注文があります。つまり結果だけでなくて如何なる方法で調査したかということが世論調査の最も大事な点でありますからその方法もお願いいたします。(「結構」「大いに結構」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/894
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895・荒木正三郎
○荒木正三郎君 それは委員長のほうで保管してもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/895
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896・相馬助治
○相馬助治君 私が動議を出したところが、満場一致承認されましてありがたいことに存じますが、実はかような文書を以て要求するというようなことは如何かと思つて、私は個人的に、我が党に関することなので村上証人にその手紙をお貸し願いたい旨をお願いしたのですが、都合によつて拒否されたので、証人持参のものを出すことをお願いしたのでありますが、私は別途前田君の手紙と照合いたしまして、これが間違つておつたり或いは附加えられてあつたりした場合には当委員会においても適当な処置あるものの確認の下にこの証人持参の手紙の提出を要求し、これが容れられたのでございますから、しかと委員長においてお預かりを願いたいと思います。(「異議なし」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/896
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897・川村松助
○委員長(川村松助君) 承知いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/897
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898・村上義晴
○証人(村上義晴君) その点について発言いたします。私が出るときに野口君が申しますのには、これは前田先生に出したのと一言一句間違いないのであるが、控えがないのであるから先で問題になつたときに困るから、君はこれを紛失しないように必ず持つて帰つてくれということを言われたのであります。それを今あなたがたにこれを押収されては困るのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/898
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899・川村松助
○委員長(川村松助君) 何も騒ぐことはないのです。(「委員長を信頼したらいい」と呼ぶ者あり)相馬君の要望は書信の写しです。写しですから頂きます。(「速記録に出てるよ」「筆跡が大事なんだよ」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/899
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900・村上義晴
○証人(村上義晴君) これは野口さんの自筆の写しです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/900
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901・川村松助
○委員長(川村松助君) 当委員会としては一応お預りいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/901
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902・村上義晴
○証人(村上義晴君) それでは一つどうぞ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/902
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903・川村松助
○委員長(川村松助君) 紛失しないようにしつかり番号を付けてお預かりいたします。あなたのほうでも何枚かよくお調べになつてメモを取つておいて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/903
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904・村上義晴
○証人(村上義晴君) その点固く申されましたから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/904
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905・川村松助
○委員長(川村松助君) それではお預りいたします。ほかに御発言ございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/905
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906・川村松助
○委員長(川村松助君) 別に御発言がなければ本日はこれを以て散会いたします。
午後九時四十一分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X02019540413/906
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