1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和二十九年五月十四日(金曜日)
午前十時二十七分開会
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委員の異動
五月四日委員横川信夫君辞任につき、
その補欠として白井勇君を議長におい
て指名した。
五月六日委員白井勇君辞任につき、そ
の補欠として吉田萬次君を議長におい
て指名した。
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出席者は左の通り。
委員長 川村 松助君
理事
剱木 亨弘君
加賀山之雄君
荒木正三郎君
相馬 助治君
委員
雨森 常夫君
木村 守江君
田中 啓一君
高橋 衛君
中川 幸平君
吉田 萬次君
杉山 昌作君
高橋 道男君
岡 三郎君
高田なほ子君
永井純一郎君
松原 一彦君
長谷部ひろ君
須藤 五郎君
野本 品吉君
国務大臣
文 部 大 臣 大達 茂雄君
政府委員
文部政務次官 福井 勇君
文部省初等中等
教育局長 緒方 信一君
事務局側
常任委員会専門
員 竹内 敏夫君
常任委員会専門
員 工楽 英司君
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本日の会議に付した事件
○義務教育諸学校における教育の政治
的中立の確保に関する法律案(内閣
提出、衆議院送付)
○教育公務員特例法の一部を改正する
法律案(内閣提出、衆議院送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X03319540514/0
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001・川村松助
○委員長(川村松助君) 只今から文部委員会を開会いたします。義務教育諸学校における教育の政治的中立の確保に関する法律案、教育公務員特例法の一部を改正する法律案(閣法第四一号)の両案を一括して議題といたします。前回において両案に対する質疑は終局いたしております。よつてこれより討論に入ります。御意見のおありのかたは賛否を明らかにしてお述べを願います。なお修正の御意見もございましたら、この際お述べ願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X03319540514/1
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002・加賀山之雄
○加賀山之雄君 私は只今議題となりました教育公務員特例法の一部を改正する法律案並びに義務教育語学校における教育の政治的中立の確保に関する法律案の両案に関しまして、緑風会文部委員三名即も高橋道男君並びに杉山昌作君並びに私の三名の意見を代表いたしまして、原案に対しまする修正部分を提案いたしましてこの提案理由の説明を申上げ並びに修正部分並びに修正部分を除く原案につきまして賛成の意思を表明せんとするものでございます。先ず修正部分につきまして朗読いたしたいと思います。
教育公務員、特例法の一部を改正する法律案に対する修正案
教育公務員特例法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。
第二十一条の二の次に一条を加える改正規定のうち第三十一条の三の見出し中「制限等」を「制限」に改め、同条第一項を次のように改める。
2 前項の規定は、政治的行為の制限に違反した者の処罰につき国家公務員法第百十条第一項の例による趣旨を含むものと解してはならない。
次に
義務教育諸学校における教育の政治的中立の確保に関する法律案に対する修正案
義務教育諸学校における教育の政治的中立の確保に関する法律案の一部を次のように修正する。
第三条中「反対させるための教育」を「反対させる教育」に改める。
簡単に修正の意図の御説明をさして頂きたいと思います。
私は今回政府より提案されましたこの両案につきまして、本委員会の、審議を通じまして慎重に検討いたしたつもりでございますが、私は先ず第一に申したいことは、これは誠に我が国にとつては不幸な法律であるということであります。新教育制度が実施せられまして新憲法下教育基本法の下にいわゆる新らしい教育が行われ来たつたのでありますが、それらの行われ方について見ますると、私は決して十分に新教育の精神が理解されず、又教育基本法に定めまするところの各条項の精神が生かされておらない。これが十分に実施されて、おらないということを痛感する次第でございまして、これは極めて遺憾なことに属すると思うのであります。この原因は奈辺にあるか、これはこの責任がどこにあるかということと突きとめることは、この問題ではないのでございますが、併しながら問題の解明に当りましては、飽くまでもこりよつて来たる原因を究明いたすことか本義である。それによつて初めてよい解決策が生まれるものであると私は確信いたすのであります。思いまするに、いわゆる新憲法下における民主王義の勃興或いはその精神に基いて組織せられました労働運動の趨勢又先ほども申しましたように新教育基本法が文部行政を司どる当局自体にも又教育者或いは被教育者或いはその父兄たちにも、一般国民に至つては極めて関心が薄く理解がされていない。又労働運動等におきましてもまだ日浅くして稚拙の域を脱しない、かような状態でございまして、この中にあつて教育が推し進められて来た。で、教育に当る教員諸君は、鋭意この新教育の如何なるものかを理解しよう、そうして立派な教育を施そうと努力して来たと思うのでありますが、遺憾ながらまだこの法律施行されて以来日が浅いために、その理解が十分でないために、一部には誤謬もあれば錯覚も起きる。或いは意識的な行き過ぎも起きると、かようなのか現状であろうかと考えるのであります。併しながらこういつたまだ日が浅いからとか或いは労働運動が幼稚だからという理由の下に、この重大な教育をこのまま放置していけないということは、これは論を待たないところであります。かように信ずるのであります。然らばこの法律が真に必要であるかどうかという問題になつて参ります。又この法律がこの解決策として最もいい方法であるかという問題になつて来るわけでありますが、先ほども申しましたように、教育界の現状は遺憾ながら教員諸君の幼いものに施しております教育自体に、これは誠に発達段階に適応しない不適当な点があるということが看取されるのであります。又教壇を離れた政治活動にも多分の行き過ぎがあるということも毫も否認すやわけには参らない。又それらの諸君の組織活動におきましても、やはり同様に思い違い或いは行き過ぎといつたものが認められるのであります。従いましてこれへの偏向は何によつて是正をさるべきかとと申しまするに、私は何よりも第一に、それらの個々の教員諸君並びにそれらの諸君を以て組織せられたる団体の反省自粛にこれを求めたいのであります。私はこの反省と自粛というものに頼るということは、極めて大切なことであると思うのでありまして、反省をしたことのない人は、そんな反省なんか頼りになるものかと言われるかも知れませんが、私はこの民族としての精神、特に外来思想がたびたび我が国を侵して参つた場合にも我々民族は必ずやその精神を咀嚼し、我がものとして立派なものにして来たのであります。かような観点から是非とも反省と自粛に求めることは根拠がある、民族が自信を持てば、私は、かようなことが必ず言えると思うのであります。併しながら反省と自粛のみによつては足りない。そこで他律的な或いは他動的な制約を加えてこれの目的を達するということでありますが、これは言わずともこの憲法の基本的人権に最も関係の深いことから申しましても、又反省に求める精神から言つて必要な最小限度にこの制約をする、又罰則をつけるということが私は至当である、かように考えるのでありまして、これがこの理由の第一点であります。
次にできるだけ教育界の内部、教育行政の手によつてこれを矯正することを考えてもらいたい。すぐに人に頼んでほかの方法でこれを直そうとしないで、教育界内部でやり、教育行政の手でこれを直すことを、どうして考えられないか。これが特例法におきましてはこの刑罰を行政罰といたすゆえんであります。
次に国家公務員法並びに同法に基く人事院規則等も極めてあいまいな点があることから見ましてこれらは深く再検討を要する点がおるのでありますが、これらの理由に基きまして特例法におきましては、原案の刑罰規定を削除して、行政罰によることとした次第であります。
第二の法案における「ための」という僅かの三字でありますが、これは極めて意義あることと思います。提案者におきましてはこういうことになれば骨抜きになる、こう言われておりますが、私は文部大臣が言われるようにこの法案が決して処罰することが目的でないとするならば、かようなことになつで骨抜きになるということはおかしいと思うのでありまして、前段に「政治的勢力の伸長又は減退に資する目的をもつて、」と言い、又後段に「ための」ということが加わりますために非常にそこにあいまい模糊たる性格を生ずるのであつて、先ほどの基本的人権の精神から申しまして特に教育が学問、研究或いは思想、言論に最も深い関係があります立場からいたしまして、これな必要の最小限度にとどめと拡張解釈の慮れある字句は排除すべきものであると私は確信する次第でります。
以上が本修正案を提出いたしました理由でございます。修正部分を除く原案に対して賛成をいたしますゆえんであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X03319540514/2
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003・田中啓一
○田中啓一君 私は議題の二法案に関しまして自由党を代表して意見を述べたいと思います。
只今承わりますると、加賀山委員ほかお二人のかたから修正案が提出されまして、その要旨とするところを私は公立学校教育の本質に徴しまして教職員の政治活動を現在より広汎に制限することは職員の政治的中立性を保障し教育の公正な運営を期する上に必要なことではあるが、その違反に対して刑事罰を以て臨むことは行き過ぎであり、身分上の懲戒処分にとどめるのがよろしい、こういうことが一つの点、又教育を党派的勢力の不当な影響又は支配から守りまして、真に教育者の自由と自主性とを保障することはこれ又必要なことであるが、その規定の方法においては「特定の政党等を支持させ、又はこれに反対させるための教育」この「ための」という字句は如何なものであるか、ときに濫用される慮れもあるから、むしろなきにしかず、こういう、ことが他の一つの点、まあ以上の二点であると、かように承わりましたのでございます。この修正案につきましては皆様の御討論が済まなければわからんことでございますが、これまで相当多くのかたの御賛成があるように伺つておるのでございまして、本二法案に関しましては一時各方面から絶対反対の叫びがなかなか上つてておつたのでございますが、我が参議院文部委員会におきましては非常に身長御審議の結果、かように或る程度法案の趣旨を認められる、こういうことになりましたことは、私は後段申上げますように結論としては違つた意見を申上げなければならんのでありますが、只今の点は私深くそのかたたちに対して敬意を表する次第であります。併しながら私はこの修正案には強く反対をせざるを得ないのでございまして、このたびの教徒旭丘中学の事件、これを一体何と見られるでありましようか。(「政府の挑発だよ」と呼ぶ者あり)偏向教育の事例として旭丘中学や或いは山口日記等の例が文部省から提出されました頃、或いは当委員会におきまして調査のため証人が喚問されました頃に今日のごとき一世を聳動するような大発展をなすものとはなかなか的確には指摘し得た人はなかつたでありましようが、ここまで来れば余りにも極端な偏向教育、又余りにも極端な政治的行為、世間はただ唖然たる有様であります。而も私ども当時から考えましたのは日教組内における共産党グループの活動状況と言い、各所に起きておりますところの偏向教育を思わしめる事例、こういうものを併せ考えますと、決してただ一局部にただ一時偶発的に起きた或いは起きるものとは考えなかつたのでありまして、私は相当に根のあるものであり、いつかような爆発的なものが随所に起らんとも限らないものであるということを深く信じて憂いておつたのであります。現に旭丘中学の事件につきましては、その張本人たる北小路氏ほ三人の教員はすでに懲戒免官になつておる。なつておるにもかかわらず教育委員会、校長を全然無視して学校に立籠もり、当委員会に来て述べられたいわゆる平和教育、平和を守る教育を強行しておる今日の事態、これを一体懲戒罰だけで、行政処分だけでどうして一体とめることができましようか、やめさせられてからやつておる。かかる事態に対して何故に司法権を発動せしめるような立法措置を講ずることが不可でありましようか。現在地方公務員法を見ましても三十七条にはいわゆる争議行為に対しては刑事罰を以て臨んでおる。而もあすこに言われておるのは主として経済的争議行為のごとき感心を持つのであります。今回のは余りにも極端なる政治的行為である。そもそも地公法三十六条と三十七条というもので片方は刑事罰を以て臨み、片方は行政処分しかないということが私はすでに甚だ不均衡な欠点のある点だと指摘せざるを得ない。これらの点から見まして私はこの特例法に刑事罰が付いて、かかる事態の鎮圧に当ることは私は当然のことであると言わざるを得ないと思います。
次に中立法から「ための」を削除するという点でありますが、これは教育基本法第八条第二項の文言であります。「特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育」ということを「児童又は生徒に対して」という文言が入りましたから、ただ文法上使役形に変えたのみであります。従つて教育基本法と実質上何らの変更もないものでありまして、第三条の条文は言葉を換えて言えば、教育基本法第八条第二項に禁止しておるような偏向教育を行うことを教唆し又は扇動してはならない。こういう意味よりは広くも狭くもないと思うのであります。而うしてこの教育基本法というものは、立法以来教育上当然の規定として誰も非難した者はありません。而も法でありますから違反することがあれば公務員法上法令違反として懲戒罰の対象となつておるのであります。これも又誰も疑つた者はありません。これをもつてこれを観れば、「ための」の文言が基本法にはあり中立法にはない、刑事罰と懲戒罰との多少範囲が或いは異なるのじやないかというような感を抱かしめ、或いは紛糾のもとにならんとも限らないと私は思うのであります。例えば只今申しました旭丘中学事件の問題でも、或いは山口日記でも基本法においては入るが中立法においては入らないのだ、こういうような読み方をする者があれば私は由々しき大事だと思う。(「根本的に違うじやないか」と呼ぶ者あり)どうかこれらの点を考えまして私はよくよく御考慮を願いたい、かように存ずるのであります。以上申上げました理由から私は只今御提出の修正案には反対をいたし、衆議院送付の法律案に強く賛成をいたす次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X03319540514/3
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004・荒木正三郎
○荒木正三郎君 私は日本社会党第四控室を代表いたしまして、只今加賀山、高橋、杉山三委員から提出された修正案に賛成をいたすと共に、残りの原案をも含めて賛成いたすものでございます。私はこの二つの法律が政府によつて提案されましたときに、この法律は類例のない悪法であるから、この法案を撤回するようにということを政府に申入れたこともあるのでございます。今以て政府提出の法案が極めて日本の教育界に暗い影を投ずる悪法外であるということは何ら所見を異にしておらないのであります。それはこの政府提出の法案が直接には教員の政治活動を封殺するというところにあることと、もう一つは教員の組合運動に対して重大な制限を加えようとしておるという点であります。而もこれらのことは憲法に規定されておるところの政治活動の自由という基本的人権に関係する問題でもあり、又集会、結社の自由の条項にも重大な関連のある問題でございまして、政府の考え方は私どもといたしましては憲法違反の疑いがあると、こういうふうに考えて来たのでございます。更にこれが法案の間接的な目的は、将来における憲法改正の布石として考えられておる点も予想されますし、又教育の中央集権化を図つて、そうして曾つてのような、戦前のような教育体制に逆戻りさせよう、こういう意図も予想されるのであります。そういう意味において私どもはこの法案に対しては非常に強い反対をして来たものであります。併し今日加賀山さん初め三委員のかたがたから修正案が提出されて、最も私どもの憂慮しておつたいわゆる憲法に認められておるところの政治活動の自由を拘束して、その拘束に違反した者については刑法上の罰則を以て臨む、こういう苛酷な点について修正をせられた。それから又中立性確保の法案については非常に拡大解釈の虞れのある「ための」という文字を削除してれそうしてこの法案の害毒をできるだけ食いとめよう、こういうお考えの下に修正された私は修正者の御意見に非常に敬意を表すると共に、私ども現在取り得る途といたしましては、この悪法の少しでもその悪影響を少くする、こういうことが現実的には私どもの取るべきたつた一つの途である。こういうふうに考えまして、この修正案を提案された委員に敬意を表すると共に、この修正案に賛同をするものであります。
なおこの機会に私は一、二意見を述べておきたいと思うのですが、その一つは、日本の教育の復興、発展という問題についてでありますが、私はこの問題を考えますときに非常に遺憾に思つておる点があるのであります。それは文部省とそれから全国五十万の教職員の間に深い溝があるという問題であります。言葉を換えて申上げますならば、文部省と日教組との間に深い対立があるということであります。このことは日本の教育の将来にとつて私は決して望ましいことではないというふうに考えておるのであります。文部大臣が日教組を誹謗するというふうな言葉も私はたびたび聞いております。又日教組も文部省の反動性を痛罵する、こういう形になつて、その対立は容易に解けるとは思われないのであります。併しこれは日本の教育界にとつて非常に不幸なことであるというふうに考えております。仮にこの法案が通りましても、これによつてこの関係が改善されるとは思いません。むしろもつと悪化するのではないかというふうにも考えられるのでありますが、私はこの問題についてもつと根本的に検討すべき必要があるというふうに考えておるものでございます。私は今日の両者の対立というのは単なるイデオロギーの対立では私はないと思います。その根本はやはり吉田政府のとつているところの文教政策自体にも大きな原因があるということを指摘しなければならんと思うのです。今日のように再軍備予算は年々増加されるけれども、教育予算はそれに比して非常に冷遇されておるという事実であります。これは幾多の例を挙げることができますけれども、少くとも吉田政府のとつている政策は教育よりも再軍備のほうが重い、こういう考え方に立つておるということはその予算に明白に示されておると思うのです。これは我々文化国家の建設を念願しているものにとつては、強く政府に反省を求めなければならん点であると考えておる。これはやはり私は文部省或いは政府と組合との間に深い溝ができる一つの問題ではないかというふうに考えておるのです。更に又従来とつて来られた政府の組合に対する対策というものも組合運動をできるだけ制限して行く、こういう方針に副つて次次に制限が強化されて来ておるということであります。こういうふうな政策が私は今日の対立を生んで来た大きな一つの理由であると思います。勿論一方においては日本教職員組合の活動についてもこれは十分な反省と検討を要する点が私はないとは申しません。そういう点は教育職員の良識によつて十分な反省をしなければならんというふうに思いますが、併し政府自身みずからよしとして組合運動の制限に狂奔するとか或いは教育の政治的自由を拘束するとかそういうことによつては解決できないというふうに考えるのであります。特に教職員の身分についても決してこれは安定しているとは申せないのであります。この教職員の地位とか身分という問題は他の諸官庁或いは労働組合に見られない複雑性を持つております。現在義務教育諸学校の教職員は身分は市町村にあります。併し身分は市町村にあるけれども、給与は府県が負担しておる。更に給与は府県が負担しているけれども、独力で負担しているのではない、国家が半額を負担しておる。従つて教員が給与の改善一つを達成したい、こういう念願を持つておつても、任命権者である市町村の教育委員会に交渉することすら、話合いすることすらできない、或いは府県の教育委員会とこの問題について話合いをしても十分解決できない、といつて文部省と話合いができるかどうかというと、それすらできない。ここに今日義務教育諸学校における教職員の待遇というのは全国まちまちになつおる。そうして絶えず問題が起つておる、こういう点があります。この間からもこの文部委員会で指摘された本年度の大量に上る主として女教員の馘首問題についてもこれを一体どこで解決するか、これは主としていわゆる教育財源から来ておる問題でございますが、これを市町村で解決することはできない、或いは都道府県でもできない、文部省でもできない、結局あいまいにせられてそのまま葬り去られる。こういうふうに現在の義務制教職員の身分というものはいろいろの面から一体誰に保障されているのかという点になると、これは明確ではございません。こういう点については殆んど考慮されておらない。それから又今日私は教員組合だけの問題でなしに、この労働組合とそれから使用者側との問題について労使協調とか或いは組合の経営参加というようなことがかなり検討されて来ていると思うのです。教育の問題についても教職員の意見というものが教育行政に反映せられる、こういうことになることが私は今後の教育を改善して行く一つの重要な点であると思います。その点についても曾つて中央教育審議会が設けられましたときに、当委員会としては多数の意見を以て、そうしてそれらの意見がこの審議会に反映されるために組合の代表とか或いは直接職場に働いておる教員の意見が反映されるような構成にすべきである、こういうふうに述べられた。併しその後中央教育審議会においてもその構成は偏つておる、そうしてそのとき」文部大臣が約束した構成というものは全然考慮されておらない。こういうことでは私は事態を改善して行くことはできないと思います。文部大臣は法律万能主義的な考えを持つておるのじやないかと思うのです。法律を以ていろいろの行動を規制して行つても決して積極的な改善にはならない。むしろ進んで教職員の声を聞き、教職員と共に手を携えて日本の教育のために尽して行くということ、こういうための隘路になつている問題を検討して、それらを解決するという方向に努力すべきであると思うのです。そういう意見をこの際申上げて、私はこの今議題になつておりまする義務教育諸学校における教育の政治的中立の確保に関する法律案及び教育公務員特例法の一部を改正する法律案について修正案に賛成をすると共に、残余の原案に賛意を表するものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X03319540514/4
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005・永井純一郎
○永井純一郎君 私は日本社会党第二控室を代表いたしまして、討論をさしてもらいますが、発熱いたしておりますので、坐つたままで失礼と思いますが、討論をさして頂きたいと思います。
私も修正案は非常に不満足な点もありまするが、緑風会、改進党並びに無所属の同僚諸氏の良心的な、熱心なその御態度に敬意を表しまして、この修正案に賛成をいたしますと共に、修正を除いた残余の部分に賛成をするものであります。討論の便宜のために私は衆議院送付原案が悪法であり、国民が了解することのできない点を明らかに先ずして行きたい、こう考えます。
ビキニの灰と汚職の中でこの法案が作られたことは日本の恥辱である、このように矢内原さんは全国のPTA、小中学校長会その他の教育関係者が行なつた法案研究会で述べられておりますが、私も全くこれと感を同じくするものであります。以下順を追つて原案についての欠点を述べて行きたいと思います。
私どもはこの法案が全国各新聞を初め、世論の圧倒的な反対の中に政府と自由党が無理押しに推し進めようとしておる点であります。汚職とこの教育二法案によつて吉田内閣には、はつきりと世論は世論、国会は国会という悲しむべき態度を打ち出して来ておるのであります。このことはやがて日本の民主政治を破壊し、一方に警察力を一手に握り、他方では時の政治の正しい批判者であり、次の時代のよりよき社会の創造者であるべき教育者の一切の政治活動を禁ずることによつて独占資本の金権をバツクとした独裁の専制政治を急速に成長せしめる結果を招く虞れがあるのであります。この世論や輿論から離れて浮き上つた独善が、やがて極右極左の暴力主義を抬頭せしむることは必至であります。もはや今日吉田内閣は民主主義の大道をあるこうとはしていないものだと断ぜざるを得ません。これが第一の原案に賛成しかねる点であります。
第二には、提案の理由が少しも明瞭でない点であります。これは証人喚問や文相との質疑応答を重ねるに従つてますます明瞭となつたのであるます。文部省が提出して来た二十四の偏向事例にしましても、或いは又文部省の通牒に基く教育の中立性が保持されていない事例の教育委員会の正式の報告について見ましても、明らかに偏向事例ありと明瞭に報告した府県は一県もない実情であります。文相もおしまい頃には二十四の事例は偏向教育が行われる虞れがあることと推測するに足る事例に過ぎないという答弁をせざるを得なくなつたのであります。結局のところ、これは単に尤もらしい理由を付けた日教組対策ではないかと問い詰められると、さすがに文相もそうだとは答え切れず、決して日教組対策というものではないと逃げておられるのであります。結局のところ、政府はこの二法案を出した根拠と理由には国民を納得せしむるに足る資料は全然持ち合わせず、偏向事例と称するものをかき集め、でつち上げて却つて国民から軽蔑され、そのぶざまを笑われたのが実情でありましよう。而して率直にこの法案提出の根拠を求めるならば、それは文相の時代遅れの感覚であつたといつて間違いではありません。即ちそれは君が代は国歌であり、学校では歌わすべきものだという低い、古いその感覚であります。これから出た日教組対策と言つて間違いないと思われるのであります。
次に文相は赤対策、共産党対策であるという意味のごとき答弁を答弁に詰まると必ず幾度も強調されております。赤色革命を文相や自由党政府が恐れられる気持は私どもにもわかる、私も又それを好まない。而して赤色革命は文相的感覚、自由党的感覚がこれを誘発するものであることになぜ気付かないのであろうか、ロマノフ王朝の時代、ルイ王朝の時代、幕末の時代すべて暴政であり、自由と人権の束縛であり、奴隷政治であつたからであります。真に赤色革命を恐れるならば、先ず政府は独占資本の金力による政治をやめなければならない。働くこと及び働く人を尊び、正直者が馬鹿を見ない、正しき人が尊重される世の中を作り上げなければならない、そこでは常に自由が尊ばれ、人権が確保され、生活が保障されるのであつてそこにはもはや赤色革命などの起る余地は毛頭存在し得ないのであります。汚職をやめよ、佐藤、池田両君を直ちに逮捕せしめよ、これをせずして民主憲法を蹂躙し、国会を軽視し、ただ現在の国会の多数を恃んで横暴政治をやるならば、国民は逆に赤色革命の途を、或いは極右の暴力主義の途を選ぶに至るであろうことは火を見るより明らかであると言わねばなりません。大礎の吉田総理の身辺には、すでにその兆しが見えております。即ちそれよりほかには国民大衆には取るべき有効な手段がなくなるからであります。
第四には、これが違憲の立法であるということであります。憲法の第三章において規定する基本的な人権や表現の自由に対する明らかなる侵害であります。全体の奉仕者であるという言葉や、公共の福祉に反するという言葉を名目としてこれを濫用し、或いは悪用して、時の権力に服従する義務を持つ国家公務員と本質的に違つて、むしろ時の権力に服さず、支配されないという、そういうことを本質とする、むしろこれらから守らるべき身分を持たされているところの教師を国家公務員と全く同一に扱つて、その政治的活動を全面的に禁止することや、或いは又中立確保に関する法律案では何人もが教唆扇動の罪の対象となり、これは明らかに国民全体が表現の自由の制限を受け、民主政治においてはむしろ最も活発であることが望まれるところの政治活動に制限を受ける結果を生ずるもので、明らかに憲法に違反する最も好もしからざるものであると言わねばなりません。
次に反対すべき重要な点は、文部省という文教の府がかくのごとき五十万教師に捕縄をかけるがごとき刑罰法規を立案すべきものでないという点であります。これは法律的にも明らかに文部省にかくのごとき法案を立案する権限は文部省設置法に許されていないことに文相は気付いておられないのであります。あなたの古い役人の感覚が文部省というものに対して重大な根本的な錯覚を起している結果、文部省だからこの法案が提出できると簡単に考えたものと推察します。文部省の法案の立案権は設置法に具体的に定められた各局の所管する事務に関してのみ法律案の立案が許されており、それは主として教育の目的を遂行する諸条件の整備確立に関するもののみであつて、教育や教師に対して刑罰を以て、臨む法規の立案のごときは一切文部省の各局の管轄の事務にはないのであります。これは理の当然のことであります。従つて政府がこの法律を提案して来るにしましても、その立案は法務省と自治庁等が立案して、国会に提案し来るべき筋合いのものであります。この点大達文相は全く文政史上空前の一大汚点を文部省に残したものと言わなければなりません。教育行政上悲しむべきことであります。
時間がないので総括的な反対の主な点を指摘しましたが、要するにこの二つの法律案は次の世代を如何にするかという真面目な教育的立場に立つて考慮されたものではなく、実に政治的考慮の上に立つて、即ち選挙というものをかなり頭の中に置いて立案された不まじめな眼先の政治闘争だけを目標としたものではないかということを考えさせるのであります。政府は教育の政治的中立を強調して来ましたが、この法案が成立すれば、明らかに自由党という特定政党の政治勢力の伸長に資せられることもあるということが考えられます。即ちこの二法案は全く看板に偽りがあるのであつて、自由党という政治勢力の伸長に資するための法律案ではないかと言う人があるのも肯けるのであります。
次に各論的に不備や欠点と思われる個々の点につきまして主なる点を箇条書程度に簡単に指摘をしておきたいと思います。実はこれらの点につきましては、逐条審議等の詳細な質疑応答によつて明らかにしたいと願つておつたのであります。特に当参議院におきましてはこの法案が我が国の教育に及ぼす重大性に鑑み衆議院の審議のごとき乱暴な粗雑な審議でなく、静粛に而して詳細に意を尽した審議をすべきであると考え、私どもはお互い申合わせて慎重に真面目にやることとし、たとえ非紳士的な態度をとるものがあつても我慢し、又どのように文相の答弁がぐるぐる廻りの答弁で要領を得ず、又その態度が投げやりであつたりしても私どもはこれを堪え、我慢して十分の審議をしたいと念願しておりましたが、私どものこの誠意は遂に与党の諸君の容れるところとならず、信じて来た委員長が詐欺にかけたような恰好で質疑のみの打切りも強行したことは、第二院として全く遺憾であつたと思います。従つて質疑は多少残つておりますが、ここでは時間の関係もあり、主だつた点のみを指摘しておきたいと思います。
最も重大な欠点は、肝心の教育を破壊し、殆んど大多数の立派な教師の人々の不安と恐怖による教育の萎靡、沈滞、畏縮を防ぐ何らの保障も措置もされていないという点がその一つであります。
次には地教委はこの法ができれば全く教育振興のために寄与すべき機関ではなくして、監視機関と化してしまう。而して罪を論ずるに当つて請求権を持たされた地教委も、別に捜査する権限もないのであるから、これは当然警察が学校教室に立入る最も忌むべき事態が生じ得ることは明瞭であります。教師として教え子の前で、このような事態が起ることは、最もその心を痛めるところであろうと私は考える。
次に教育基本法はどこまでもその実行を教師の良心と良識と自主性に訴えた訓示的規定であつて、刑罰を以て臨むなどは毛頭考えられておらない性格のものであるということであります。刑罰で臨むこと自体がすでに教師の自主性を基本として作られた教育基本法の精神に反することであり、教育そのものを破壊することであります。この点私はどこまでも文相に注意を喚起してやみません。
次は教育委員会に請求権を持たせせる以上、教育委員会自体が整備されて、自由党員、やその他の政党員が委員になつたり、教育長になつてはならないための立法措置を同時に講ずべきであるという点であります。この点については、今次の旭丘中学事件についても十分考慮を要するものがあります。勿論私どもは、両者に非常に行き過ぎがあり、誠に遺憾であると考えておりまするが、例の福原委員長が自由党員であり、而も人格的、性格的に偏狭な人である点は、今後請求権を与えられた場合の教育委員会運営上、見逃すことのできない重大な点であると私は考えるのであります。
次に又同時に、警察が完全に政治的中立が保持されるごとき制度でなければならないという点であります。然るに政府の警察法の改正案は、全くこれと逆なものであるという点であります。
次はたとえこの法律が実施されましても、実際には一つの地域社会に無用な混乱を起すのみであり、又裁判になつた場合でも、殆んど政府の言う偏向事例のごときものは、憲法違反のものであり、従つて一々必ず逆提訴が行われることは必定であります。その結果裁判は常に混乱するが、今日第一線で公正に立ち働いておる裁判官の良識と憲法を守る義務のある裁判官が、日本の平和、民主憲法を御都合主義でなく、まじめに公正に解釈し運用することは、十分期待できるのであつて、殆んど無罪になることは明らかであります。而して、むしろこの法そのものが違憲の法であるということが明らかにされるであろうということを私は指摘しておきたいと考えます。
以上簡単に申述べましたが、これを、要するに私どもは民主憲法、平和憲法の精神に背反する一切のものを許すことはできません。以上のごとき意味から、私どもは修正案は十分であるとは考えませんけれども、加賀山君以下の御熱心な、而も真摯なその御態度に敬意を払いまして、修正案に賛成をいたしまして、そしてこれを除くところの原案に賛成をいたしたい、このように考えるものでございます。以上を以て私の討論を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X03319540514/5
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006・松原一彦
○松原一彦君 私は参議院改進党の総意を以て、只今提案せられました緑風会の修正点と、これを除く原案に賛成するものでございます。
この法案は五十万の義務教育に従事する先生方の思想、行動を、刑事罰を以て威嚇的に取締ろうとするものであります。教育者は単なる労働者ではないし、学校は一つ観念工場ではないのであります。教育者たる条件は、正しい情熱と思慮を持つ人格者で、全国民の信頼を通してのみ、千六百万の児童の教育に当り得るものでありまして、その教育者に対して、かくのごとき威嚇立法を以て思想、行動を取締ろうとすることにおいては、私は根本的に反対するものであります。誠に……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X03319540514/6
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007・荒木正三郎
○荒木正三郎君 発言中でありますが、議事進行。私は文部大臣が出席せられてから松原さんの討論をせられることを希望します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X03319540514/7
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008・川村松助
○委員長(川村松助君) 今呼んで来ますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X03319540514/8
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009・松原一彦
○松原一彦君 教育者は単なる労働者でもなければ学校は一つの観念工場であつてはならないのであります。教育者たる条件は正しい情熱と思慮を持つ人格者、それが全国民の信頼を通して一千六百万の児童生徒の教育に当るものでなくてはなりません。従つてこの教育者に影響する教育立法のごときは、非常な慎重な態度を持つておやり頂かなければ、誠にその結果が恐ろしいのであります。私は今回の立法が誠に悲しい教育界に大きな悪記録を残すものであることを信じて、原則としてはこの立法に反対するものであります。併しながら教育界の現実を見まするというと、文相の憂えられるところにも確かに一つの事実がある、即ち教育界における行き過ぎも偏向もあるのでありますが、この行き過ぎ偏向の例の最も著しいものとして昨今上つておるところの旭丘中学校のごときは当然これは改めなければなりません。又教育団体の中に日教組のごとき有力なものがあつて、これが労働組合法によらないで労働組合の尖端を走り、或いは政党法によらないで政党以上の政党的行動をとつておることについても、私どもはかねてから反省を求めておる。併しながら普仏戦争の勝利がドイツの教育者の勝利であつたと言われるごとく、日清、日露戦争の勝利も又日本の教育者の国民教育としての根底から現われた勝利と伝えられておるのであります。併しながらその大きな影響を持つ教育者が明治の末期から大正にかけて政治的批判を忘れ、天皇絶対、教育勅語の暗誦に没頭した結果、遂にミリタリズムの抬頭となつて日本の国は危うく亡びそうになつたことは周知の通りであります。日本の教育者は過去の誤つた教育に対して非常な悔恨を持つておるのであります。従つてこの悔恨に報いるために新らしい憲法の下に平和なる文化国家を民主的に建設するという大理想に陶酔して、絶対平和の目的の下に新教育を築いて行こうという熱意に燃えておる。これが大きな断層であるために、過去と現実との境が甚しいために、日本の教育界には行き過ぎが生じたのです。これは理想を追うの余りにあせつて、そうして行き過ぎをも生じたのでありますが、併しそのすべてが曾つて全国に配られた自由党報にあるように、現在の小学校教員は共産党の宣伝隊であり、職員室は共産党の出張所であるといつたような認識をとられることを私は悲しむ。私の友人で心から共産党嫌いのものがある。大連におつて非常な共産党のテロの下に悩んだ者でありますが、その者が私にはがきを寄せて、教育二法案くらい教育の実際を知らない法案はない。誠に馬鹿げ切つたものであるが、これも元を正せば日教組がその種を蒔いたのであるから、いま暫く静観せざるを得ないだろうということを申しておる。私どもはこの戦前の目を以て戦後の新らしい時代の教育者を律することはできないのであります。そこに生じたる行ぎ過ぎがすべて共産党の手段によつてひつかき廻されていると見るその見地から立てられたところのこの立法であるとするならば、それは非常な大きな誤りであり、五十万の教育者を侮辱するものだと思うのであります。従つてこの認識の相違からかくのごとき法律が忽卒の間に強引に押し切られて出て来たとするならば、その結果は誠に恐ろしいのであります。五十万の教育物をば殺すことにもなるかも知れない。萎縮せしめる結果の大きいことを私どもは心から恐れるのであります。
今回のこの法律が法の批判としましても地方公務員の身分を変えないで国家公務員の制約の条件のみをそれに加えようとするがごときはまさに憲法上の違反であります。違法であります。又中立法の「ための」は拡張解釈の虞れが十二分にあるのであります。これはいろいろ原案支持者の側からは言われておりまするけれどもが、教育者にそのような厳罰を以て、臨んで呵責なく網の目に包んでしまうというようなその考え方の基礎に誤りがある。又旭丘のごとき悪例がそうするというとつかまらないと言つて盛んにこれが院内外に流布せられておりまするが、決してそうではございません。この法律案は二つになつておるけれどもが合せて一本であります。政治的な行き過ぎに対しましては取締りに行政罰を以てする偏向の教育、政党の支持若しくは反対に対する措置に対しましては刑事罰を以てするのであります。政治的な行き過ぎは行政の罰で結構であります。進んで大きな過ちを犯し、児童を通じて偏向教育をなすごきものは、それは刑事罰を以て律することができる。二本を以て一本の法と見れば両方が適用することがでぎるようになつておるのであります。併しこの悪例がたまたまあつたために全国がそのようにあろうなどと想像することを私は否認します。恐れます。断じてさようなことはございません。どうかこの法律が幸いにして暫定措置法としてここに出されておりますから、私はこれを是とします。そして教育界の自粛が一方に行われてこの暫定措置法が一日も早くなくなりますることを熱望して、この修正案並びに残余の法案に賛成の意を表するものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X03319540514/9
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010・須藤五郎
○須藤五郎君 与党の諸君は四月三十日に至り、未だ総括質問も終了せざるにかかわらず、衆議院の例にならい、無謀にも審議打切りの動議を成立せしめた。かかる非民主的なる暴挙は何の目的を以てなされたのであろうか、かかる暴挙をあえてなさしめたる手は何者の魔手であろうか。汚職によつて存続の自信を失つた政府が法案の成立を急いだのも確かにその理由の一つであるが、この法案の背後にアメリカの強力なる圧力が加わり、先に成立したるところのMSA協定と密接なる関係にあることは明白なる事実と言わざるを得ないのである。大達文相はこの法案が問題になつたのは昨年の七、八月頃で、山口県の日記帳問題が起つてからである。だからMSA協定に関する昨年十月末の池田・ロバートソン会談とは何らの関係がないと言つている。だが併し、これは単なるごまかしに過ぎない、なぜならばMSA協定が日米両国間の話合いとなつたのは昨年の五月末である。而もMSA協定の第八条には「自国の防衛能力の増強に必要となることがあるすべての合理的な措置を執り、」と明記されておる。よもや文相はこの条項の意味するものを知らないとは言えまい。政府はこの線に沿い、この二法案の立案を急いだことは蔽うべからざる事実である。昨年十月末の池田・ロバートソン会談は単にこのMSAの内容をより具体的に話合つたに過ぎないのである。即ち報道された日本側議事録草案に上れば、日本側の代表団は十分な防衛努力を完全に実現する上での四つの制約のあることを強調している。即ち第二の制約として、政治的、社会的制約を挙げ、これは憲法起草に当つて占領軍当局がとつた政策に源を発する、占領八年に亘つて日本人は如何なることが起つても武器をとるべきでないとの教育を最も強く受けたのは防御の任に先ず就かなければならない青少年であつたと言つている。そうして確認事項として会談当事者は日本国民の防衛に対する責任感を増大させるような日本の空気を助長することが最も重要であることに同意した。日本政府は教育及び広報によつて日本に愛国心と自衛のための自発的精神が成長するような空気を助長することに第一の責任を持つものであると謳つているのである。古来いずれの独立国で他国から愛国心の育成を慫慂された国があるだろうか。アメリカの慫慂する愛国心とは果してどこの国のための愛国心なのであるか。この新聞発表にあわてたアメリカ側は日本側に秘密漏洩であるとして厳重に抗議を申入れておる事実は、この話合いが真実であることを裏書しておるのである。
なおそれを更に裏書するごとく、去る三月十六日の衆議院外務委員会において穗積委員が行なつたMSA協定文中の防衛能力についての質問に対し、岡崎外務大臣は次のごとく答弁しておるのである。即ち、防衛能力と申しますと、その防衛力の基礎となるべき一般的な国力、すなわち産業、金融、資源その他経済的ないろいろの力、そればかりでなく、防衛力を効果的に発揮するために必要な組織とか構成とか、あるいは国民精神と申しますか、そういうようなすべての防衛力の基礎となるべきものを含んだものと考えております。」と答弁しておる。これでも政府はこの二法案がアメリカに忠誠を誓う法案であり、MSAと関連浅からざる法案であることを否定できるだろうか、この真実を国民の前に隠蔽することはできないであろう。
政府は昨年の日教組山田大会で確認された平和教育推進に関する運動方針が如何にも偏向教育を指示したもののごとく言つておるが、平和教育と偏向教育との間には何らの関係もなく、平和教育は飽くまでも目的であつて手段でも何でもないのである。日教組の指示する平和教育は憲法第九条の精神に則つたものであり、教育基本法の精神に従つたものに過ぎないのである。政府は今回二法案作成の裏付けとして当委員会に提出したるいわゆる二十四事例はその出所を明示することもできず、その内容は全く嘘と歪曲に満ちた文部省作成の怪文書ともいうべきものであるが、而もその中心的事例はすべて平和教育に関する問題である。今日教育者の中心課題は、再び子弟を戦場に立たさぬということである。曾つて第二次大戦に際し政府軍部の強要によつて心ならずも幾多の子弟を戦場に駆りたてたために、今日自責の念に堪えない思いをしておる人が多いのである。この人たちが新憲法第九条に如何に感激したかということは想像にかたくない。これは教育基本法によつて得られた教師の自主性と共に、今日教育者が教育に情熱を捧げておる二つの根源なのである。政府は平和教育は手段であつて、その目的とするところは再軍備反対であり、軍事基地反対であり、吉田政府打倒であるというが、そうではない、これらはすべて教師が平和教育の道を探求する過程においてひとしくぶつかるところの厚き壁に過ぎないのである。この壁を破らずしては平和教育は一歩も進まなくなるのである。外国軍隊の撤退なくして日本の独立はあり得ない。日本の独立なくして日本の平和はあり得ない。日本の平和なくして日本の教育はあり得ない。再軍備教育に反対せずして子弟を守ることはできないではないか。軍事基地に反対せずして子弟を悪風より守ることはできないではないか、飛行機の爆音より教育を守るためには軍事基地撤去の署名運動を起さざるを得ないではないか、吉田内閣の打倒なくして以上述べたところは実現し得ないではないか。
以上はすべて平和教育途上の厚き壁である。この障害を破らずして平和教育は進展し得ないのである。一部のアメリカ追随者はいざ知らず日本の独立と平和を愛するものは皆教師たちと志を同じくするものである。これがどうして偏向教育と言い得るのであろうか。
京都市大将電小学校の給食問題が文部省によつて、偏向教育の事例とされておるが、給食問題に対して頭を悩ましておるのはひとり大将軍小学校の教師のみではない。
又去る五月三日の朝日新聞によると、文部当局の調査で小中学校児童の長期欠席者が全国で約三十四万人という数字が報道されている。危険校舎において授業を受ける児童数は全国百二十万と称されておるが、教室不足による二部教授、三部教授も又再軍備予算を注ぎ込み、教育を破壊しておる吉田政府の文教政策の実態である。
今回起つた旭丘中学の問題は、この法案を、通すための政府の挑発だと思うが、同校舎を閉鎖し、学生を街頭に閉め出そうとしたのは誰であるか、政府手先、京都市教ではないか、かわいい子供を偏向教育から守るために教育二法案を出したという政府、文部当局は何を口幅つたいことを言うか。中国帰りの中学生が、中国の三反五反運動を書いたいた作文を載せたところ、滋賀の日記冬の友を偏向教育の事例として挙げているが、三反五反運動の対象となつているのは官僚主義、贈収賄、浪費、脱税、国家資材の横領などである。今日汚職収賄で汚れている自由党の諸君には子供の純真な声は恐ろしくて聞くに堪えないのであろう。大阪府南河内郡内小学校が使用している六種類の社会科教科書において国際教材の配列について調査した結果によると、アメリカの問題を取扱つた回数が三百四十五回で総数の四六%を占め、中国は九・九%、ソ同盟は四%に過ぎないのである。このような社会科教科書によつて育てられた日本の児童が如何なる影響を受けているか、大阪府下郡部中学生一千名を対象として大教組が調査したところによると、世界で一番好きな国はどこですかという質問に対し、アメリカと答えたのが三二%、祖国日本と答えたものは驚く勿れただの二%に過ぎなかつたのである。又池田市池田小学校の調査によると、どこの国に生れかわりたいかという質問に対し、六年生児童でアメリカと答えた者が五三%、父母の国日本と答えたものが僅か一六%に過ぎないのである。これこそ文部当局の教育に対する方針がアメリカ一辺倒の結果であり、植民地的教育の結果ではないか。かかる法案を作る無駄な努力をする前に、アメリカギヤング映画や街のパンパンや飛行機の爆音から児童を守るためにこそ最善の努力をなすべきである。
私はたびたび君が代の問題に関して大達文相の所信を質して来た。これは教育に関する政府の方針なり、態度を見極めるために一番よい方法だと考えたからである。大達文相は、君が代という、文字は憲法の主権在民という点からいうと合はないと言いながら、君が代という歌に流れている考えは日本の愛国心、国民の民族愛を謳つたものである、かように考えておりますと答えておる。愛国心とは一体如何なるものであるか、憲法で明示された主権者である人民を愛し、国土を愛し、民族の文化を愛することではないか。君が代のどこから人民を愛するという観念が生れて来るのであるか。文相の言う君が代によつて育成される愛国心とは、いわゆる天皇中心の愛国心であり、赤紙一枚により戦場にかり出されるところの愛国心を意味する者ではないか、この精神は、今日の憲法の精神と全く相反するものと言わざるを得ない。而も文相は、この憲法の精神に違反したところの君が代を歌うか歌はないかを以て偏向教育の踏絵にしようとしているのである。これこそ文相の教育方針が奈辺にあるかを如実に物語るものではないか。私が曾つての委員会において、秋田市の敬愛学園の例を挙げ、そこにおいて八紘一宇の天皇を神格化するがごとき教育がなされていることを指摘したのに対し、文相はそのような教育は全く好ましい教育だと答弁しているのである。これこそ明らかに現内閣の軍国主義教育の方向を示すものであり、かかる教育を推し進めるためには、あらゆる手段を尽して平和に対する教職員の熱意を弾圧し、その口を塞がざるを得ないのである。
この法案は実に平和に対する挑戦であり、再軍備や戦争に対する批判の力を奪おうとするものであると断ぜざるを得ないのであります。さればこそ今日日本の言論機関は挙げて反対を表明し、あらゆる大学教授を初めとするインテリゲンチャ、労働者諸君もこの法案に反対していることは何を物語るものであるか。それはこの法案がアメリカの再軍備政策に奉仕する法案であり、日本を破滅に導く法案であり、憲法の精神に相反する法案であることを国民全体が知つているからである。ひとり反省せざるものは汚職吉田内閣であり、頑迷固陋なる大達文相のみである。曾つて教育勅語を誤読したために責任をとらされた校長のあつたことを耳にしているが、この三法案が通過した暁は、日本の教職員は常に牢獄と失職に脅かされ、安心して教育に当ることすらできないこととなるだろう。併し新憲法下八年、たとえ不十分とはいえども、自由とは何か、民主主義とは何かを身につけたる日本の教職員は、この法案に萎縮することなく、日本の平和のために、又崇高なる教育の本義を守るために飽くまでみずからの選んだ道を勇敢に進むことを信ずるものである。
なお私は只今加賀山委員より提出された修正案に賛成し、又修正点を除く原案に賛成するが、併し更に次の機会においてこの法案の完全なる廃棄を目指して闘うことを誓うものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X03319540514/10
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011・野本品吉
○野本品吉君 私はこの二法案の審議に当りまして、飽くまで私をなくしましてれ虚心坦懐に法案審議の経過に耳を傾けて参つたのでありますが、この長い、而も委員各位の熱心な質疑及びこれに対する政府側の答弁を通じまして、私の結論は、緑風会の各位の良心と努力によつてできました修正案に賛成し、残りの政府の原案に賛成するということに相成つけたわけであります。
先ず若干の所見を申述べたいと思うのであります。
今度の国会に提案されました法案は、現在政府提出法案だけでも実に百七十九件の多きに達しているのでありますが、これら多数の法案のうちで、いわゆる教育二法案ほど天下の視聴を集め、与野党の間に熱心な白熱的な論議が展開されたものはその例をみないと思うのであります。何が故にこの法案がしかく全国民的関心の的となつたのでありましようか。これはこの法案の対象となつている全国五十万教育公務員の政治活動並びに教育活動と直接至大な関係があるということもその大きな理由の一つでありますが、より根本的な理由は、教員の政治活動並びに教育活動のあり方の如何が、自己のすべてを子供の健全な成長に期待する親たちの問題であり、更に戦に敗れました日本の再建復興を若い新らしい次の世代の生命に求めようとする祖国と、民族の運命に関しまするところの、切実であり、極めて、深刻重大な問題であるからと思うのであります。従つてこの法案が提案されまするや、あらゆる方面からこの法案に対する賛否の論が澎湃として捲き起つて参つたのでありますが、この賛否の論に我々は虚心坦懐に耳を傾けて参つたのでありますけれども、今や全国民は国会において、判断の最終段階として、参議院の良識が如何にあるかということ、そうしてその結論が本日如何に導き出されるであろうかということに耳を傾け、眼を見張つてその結果如何を見守つているわけであります。
この法案に対しましての主なる批判を要約いたしますならば、その一つは、純然たる学問、研究の成果の発表が加罰の対象となる虞れがある。
第二番は基本的人権と教育の自由を侵害し、教育の権威とその自主性を失わせる。
第三は、教育が国家権力の不当な支配を受け、民主教育の危機を招くものである。
第四は、教育が対立し、抗争する現実政治の渦中に捲き込まれる虞れがある。
第五は、教育の実践面において教師を消極的にし、これを萎縮させる。
第六は、政府の政策の批判を一切の教育活動から排除する。
第七は、民主的な憲法擁護と人権思想の普及を目指す教育の根本精神が破壊される。
第八は、憲法に保障された市民的自由が著しく拘束される等々でありまして、以上は、この法案に対しまして教育関係の学界並びに実際家から公に表明された批判及び反対の意見の概要であります。これを要約して真正面からこれを受取つて参りますと、これらの批判をいたしました人たちの心の底には、この法案は日本教育に一つの汚点を印するものであり、幾十万教育者と教育とを「侮辱するものであるという気持が流れておると私は看取するので証あります。併しながら、それは我が国教育の拠りどころとなつている教育基本法の精神、学校教育法その他の関係法規の規定が、教育者たちによつて正しく理解され、教育の場において忠実に実践されているという前提において首肯される意見であり、議論ではあるが、逆に現実に教員とその組織が政治活動や教育活動の面におきまして、或いは基本法の精神が歪められ、或いは教育法の規定等が蹂躪されている事実がありとするならば、私はにわかに先ほど申上げましたところの各方面からの所論及び批判に同調し得ないのであります。それだけでなく国がこれを正常化するため適当な措置をすることの正当性を認めざるを得ないのであります。かように考えて参りますと、私は遺憾ながら我が国の教育界の一部にその過誤と行き過ぎを是正すると共に、かかる風潮の瀰漫を防止するための措置をとる必要性を裏付ける事実の存在を否定することのできないことを悲しまざるを得ないのであります。従つて私は甚だ遺憾なことではありますけれども、この二法案に対しては、応提案の理由ありと認めるものであります。併しながら、ここに注意しなければならない点は、かかる法律の意図するところは、どこまでも教員を弾圧し、教育を権力的な支配の下に置こうとするものではなく、教師と教育の場における過ちや行き過ぎを是正して、教員の持つ正しい力を助長し、純粋な教育活動を促進することを目途とするものでなければならないという点であります。教育二法案は、かかる意図以外に不純な何ものも持たないといたしますならば、この限りにおいては善意の上に立つ教育者と教育界は、この法律案を歓迎こそすれ誹謗すべき何らの理由を持ち得ないと思うのであります。
更になお注意すべきことは、局地的現象、部分的事実を以て全般を律し、而もこれに臨むに冷厳な法的制裁を以てしようとすることは、私の承服、納得することのできない最も重要な点なのであります。例えば今次京都市の旭丘中学のいわゆるあの教育の破局的な混乱の様相を前にいたしまして、私どもは誠に教育のため、日本のため、病根憂慮に堪えないものを感ずるものでありますけれども、かかる事態の発生を捉えて直ちに全日本の教官が暴力革命の前夜にあるがごとき戦慄感を国民に与えようとするような意見の発表は、当面の問題解決に何らの役に立たないだけでなく、攷々として教育に精進努力しております教師と学校教育に対する信頼を失わせまして幾十万教師から教育に対する至純な情熱と意欲を奪い去り、我が国教育を萎縮沈滞させる以外の何ものでもないことを、警告いたしたいのであります。加うるに私は本法案の提出を契機といたしまして、今や従来沈黙を守つておりましたまじめな良心的な教育者諸君の多数が、教育界に対する轟々たる世論の批判を前にいたしましてみずからの良識とみずからの判断に基きまして自主的に自分たちのあり方を規制し、自分たちの社会を改善しようと立ち上りつつありますこの尊い姿、この事実を見落してはならないと思うのであります。教師と教育の場における好ましからざる事態を教育者みずからの良識と努力に信頼して、これを排除させるよう、彼らを支援し、鼓舞し、激励する配慮こそこの際最も必要であり、妥当であり、効果的であると私は考えるのであります。従つて外部からの威圧、威赫或いは圧力による抑制のごときは、問題の根本的解決からみますというと、迂遠の途であると私は考えざるを得ません。
私が原案に反対し、冷酷な法律による拘束を緩和するこの修正案に賛成するゆえんのものは、実にこのときこの際においてまさに立上りつつある善良、有為なる教育者自身の力によつて必ずや明朗閥達、真に信頼され、我々の負託に応え得る教育が建設され、それを通して祖国と民族の繁栄が招来されるであろうということは絶対の期待と信頼をかけるからであります。
私は教育家諸君に対しまして、かような期待をかけておると同時に、政治の立場に立つ者として思い出す言葉をここで申したいと思うのであります。それは、人を率いるに刑罰を以てするときは、免れて恥なき徒を生むだけであるということであります。この古人の蔵書は今更のごとく思い出だされまして、この法案に対して私は深く考えさせられておつたわけであります。
更に申したいと思いますことは、教育はあるべき世界、あるべき人間像を画いて、この理想の追求と実現に努めるところにその使命がある。別言すれば、現実政治に先行し、現実政治を高いところから引張つて行くところにその特色があるということであります。若しそれ教育が政治に支配されて、政治に対する奉仕、妥協を事とするのみであるようなことがあましたならば、それは人類、世界に進歩を期待することができないと思うのであります。これは経済を支配すべき、政治が経済に支配され、これに奉仕するところには政治の向上がなく、却つて醜い腐敗と堕落を政治の現実直に頻発させておることと同じであると私は考えます。(拍手)この法律の理解と把握又その運用に当つては、常に理想を追求してやまない教育と、世俗的な問題の現実的処理を事といたしますところの政治との正しい位置付けと関係の上において細心且つ慎重な用意がなければならんと思うのであります。
私は重ねて全日本五十万の教育者諸君の良識が今まで多数の者によつて諸君の頭の上に投げかけられておる汚名とその不信を、諸君の良識と努力によつて一日も早く払拭洗浄されて、真に尊敬される教師、教育であり、真に愛される教師であり教員組織である日の一日も早からんことを心から念願いたすものであります。
以上をもちまして私は修正意見に賛成し、残された原案に賛成の意を表する次第であります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X03319540514/11
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012・川村松助
○委員長(川村松助君) ほかに御発言ございませんか。ほかに御意見もないようでございますから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X03319540514/12
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013・川村松助
○委員長(川村松助君) 御異議ないと認めます、
それではこれより採決に入ります。
初めに義務教育諸学校における教育の政治的中立の確保に関する法律案、内閣提出、衆議院送付について採決をいたします。
先ず討論のうちにありました加賀山君ほか一名提出の修正案を問題に供します。加賀山君ほか二名提出の修正案に御賛成の方の御起立を願います。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X03319540514/13
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014・川村松助
○委員長(川村松助君) 多数でございます。よつて加賀山君ほか二名提出の修正案は多数を以て可決されました。
次に修正の部分を除いた原案全部を問題に供します。修正の部分を除いた原案全部に賛成の方の御起立を願います。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X03319540514/14
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015・川村松助
○委員長(川村松助君) 多数でございます。よつて、義務教育諸学校における教育の政治的中立の確保に関する法律案は多数を以て修正議決されました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X03319540514/15
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016・川村松助
○委員長(川村松助君) 次に教育公務員特例法の一部を改正する法律案、内閣提出、衆議院送付について採決をいたします。
まず討論中にありました加賀山君ほか一名提出の修正案を問題に供します、加賀山君ほか二名提出の修正案に賛成の方の御起立を願います。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X03319540514/16
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017・川村松助
○委員長(川村松助君) 多数でございます。よつて加賀山君ほか二名提出の修正案は可決されました。
次に修正の部分を除いた原案全部を問題に供します。修正の部分を除いた原案全部に賛成の方の御起立を願います。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X03319540514/17
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018・川村松助
○委員長(川村松助君) 多数でございます。よつて教育公務員特例法の一部を改正する法律案は多数をもつて修正議決されました。
なお本会議における委員長の口頭報告の内容等については、例によりまして委員長に御一任を願います。
それから議院に提出する報告書には多数意見者の署名を附することになつておりますので、両案に賛成された方は順次御署名を願います。
号数意見者署名
高橋 道男 杉山 昌作
加賀山之雄 松原 一彦
長谷部ひろ 永井純一郎
相馬 助治 須藤 五郎
野本 品吉 荒木正三郎
高田なほ子 岡 三郎発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X03319540514/18
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019・川村松助
○委員長(川村松助君) 署名漏れないと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X03319540514/19
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020・川村松助
○委員長(川村松助君) 署名漏れないと認めます。
本日はこれをもつて散会いたします。
午後零時十五分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/101915115X03319540514/20
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