1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十年六月二十九日(水曜日)
午前十時四十九分開議
出席委員
委員長 綱島 正興君
理事 井出一太郎君 理事 松浦 東介君
理事 中馬 辰猪君 理事 足鹿 覺君
理事 稲富 稜人君
五十嵐吉藏君 伊東 岩男君
石坂 繁君 小枝 一雄君
原 捨思君 山本 猛夫君
足立 篤郎君 久野 忠治君
田口長治郎君 松野 頼三君
赤路 友藏君 淡谷 悠藏君
楯 兼次郎君 芳賀 貢君
佐竹 新市君 中村 時雄君
日野 吉夫君 久保田 豊君
出席政府委員
農林政務次官 吉川 久衛君
委員外の出席者
専 門 員 難波 理平君
専 門 員 岩隈 博君
専 門 員 藤井 信君
専 門 員 徳久 三種君
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六月二十九日
委員楠美省吾君辞任につき、その補欠として高
岡大輔君が議長の指名で委員に選任された。
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本日の会議に付した案件
愛知用水公団法案(内閣提出第一三四号)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03119550629/0
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001・松浦東介
○松浦(東)委員長代理 それではこれより本日の会議を開きます。
理事会の申し合せによりまして、去る六月二十一日本委員会に付託になりました内閣提出の愛知用水公団法案を議題といたし審査に入ります。
まず本案の趣旨について政府の説明を求めます。吉川政務次官。
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—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03119550629/1
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002・吉川久衛
○吉川政府委員 ただいま上程されました愛知用水公団法案の提案理由を御説明申し上げます。
あらためて申し上げるまでもなく、国土を総合的に開発し、その利用の高度化をはかり、食糧の増産と農業経営の安定をはかることは、現在わが国におきまして最も緊要な事柄であります。
農林省は、このような観点に立って、農地の改良、開発を総合的かつ効率的に行う計画を検討いたして参りました結果、今回愛知用水事業を取り上げることといたした次第であります。
愛知用水事業は、名古屋市東方に位する平野及びこれに接続する知多半島の一帯が気候、産業立地条件に恵まれているにかかわらず、雨量少く、灌漑用水はもちろん、飲料用水、工業用水等の不足が農業その他の産業の発展を阻害する要因となっている現状にかんがみまして、木曽川水系の水を高度に利用し、これら地域の総合的開発をはかろうとするものであります。その計画の概要といたしましては、木曽川支流王滝川にダムを新設し、ここに貯溜された水を岐阜県兼山から取水し、新設水路を通じて知多半島に導水し、用水不足に悩む水田の補水を行うとともに新たな農地の開発を行い、畑地灌漑をも大規模に実施しようとするものであります。またそれにあわせて地域内市町村の飲料用水、工業用水を供給するとともに、貯水池の下に新たに設置される発電所や下流の既存十数個所の発電所の発電にも利用させようとするものであります。
このような事業によりまして、水田に補水されるもの約一万六千五百町歩、二毛作可能となるもの約六千八百町歩、新たに開田されるもの約三百町歩、新たに開畑されるもの約二千九百町歩、畑地灌漑されるもの約一万六千三百町歩に及び、その結果米麦約二十七万一千石の増産が達成されるのみならず、年間約九千七百万キロワット・アワーの電力が発生し、また約三十一万四千人に対する飲料水の供給が可能となるのであります。
本事業は、かかるきわめて大規模な事業でありますので、事業を合理的に行うためには、短時日の間に急速に工事を行う必要があり、このためこの事業の資金といたしましては、国家資金のほか、特に国際復興開発銀行からの融資及び余剰農産物見返り円資金をもってこれに充てることにいたしまして、従来の土地改良事業の施行の方式とは異なった新たな構想をもちまして、愛知用水公団を設立してこれに事業を効率的に行わせることといたした次第であります。以上が愛知用水公団法案を提出いたしましたゆえんであります。
以下法案の内容について簡単に御説明申し上げます。
この法案は、愛知用水事業を施行する団体として設立される愛知用水公団の組織、業務等について定めますとともに、これに必要な監督の規定を設けたのであります。
その第一は、この愛知用水公団には、公社に準ずる性格を付与することといたしまして、その役員の選任や欠格条項に関する規定を設けますとともに、公団に対しましては、所得税、法人税等の諸税を課さないことといたしたのであります。
第二に、公団の業務は、前述の事業を施行いたすことでありますが、この施行に当りましては、農林大臣が関係大臣の同意を得て定めます事業基本計画に基いて関係県知事と協議して定める事業実施計画または施設管理規程により実施すること等、総合開発の見地から遺憾のない措置を講じますとともに、その費用につきまして、おおむね現行の土地改良事業に準じ、受益者及び県から地元負担金を徴収することにいたしております。
第三に、公団の財務及び会計につきまして、その収支予算及び資金計画につきましては、農林大臣が認可することといたし、さらに借入金の借入、余裕金の運用、財産の処分につきましても一定の制限を付する等、その経理に公正を期しますとともに、その事業に必要な経費に充てるための政府の補助金及び国際復興開発銀行からの外貨資金の借入に伴う政府の保証等の規定等を設けたのであります。
第四に、監督の点でありますが、事業の実施につきまして、公団の自主的運営を尊重いたします反面、その事業の重要性にかんがみ、役員、業務及び会計の全部面にわたりまして、農林大臣が厳正なる監督を行うほか、その業務の内容によりましては、農林大臣が関係大臣とともに監督を行うことといたしまして、その適正なる運営を確保することにいたしたのであります。
以上が同法案の主要な内容でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことを切望いたす次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03119550629/2
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003・松浦東介
○松浦(東)委員長代理 本日はこれをもって散会いたします。
午前十時五十七分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102205007X03119550629/3
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