1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十一年二月二十一日(火曜日)
午後一時三十七分開議
出席委員
委員長 佐々木秀世君
理事 大坪 保雄君 理事 野澤 清人君
理事 藤本 捨助君 理事 岡 良一君
植村 武一君 加藤鐐五郎君
亀山 孝一君 熊谷 憲一君
小島 徹三君 田中 正巳君
田子 一民君 中山 マサ君
阿部 五郎君 岡本 隆一君
滝井 義高君 長谷川 保君
三宅 正一君 山口シヅエ君
中原 健次君
出席国務大臣
労 働 大 臣 倉石 忠雄君
出席政府委員
労働政務次官 武藤 常介君
委員外の出席者
専 門 員 川井 章知君
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二月二十日
委員八田貞義君辞任につき、その補欠として小
坂善太郎君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十一日
委員井堀繁雄君辞任につき、その補欠として辻
原弘市君が議長の指名で委員に選任された。
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二月二十日
療術既得権存続に関する請願(野原覺君紹介)
(第七〇五号)
同(井岡大治君紹介)(第七〇六号)
同(大矢省三君紹介)(第七四二号)
同(高橋等君紹介)(第七九〇号)
同(内田常雄君紹介)(第七九一号)
国立療養所の代添廃止反対に関する請願(西村
力弥君紹介)(第七〇七号)
同(石田宥全君紹介)(第七〇八号)
同(川俣清音君紹介)(第七四三号)
同(西村榮一君紹介)(第七九四号)
教護院の国営化に関する請願(小牧次生君紹
介)(第七〇九号)
同(柳田秀一君紹介)(第七六一号)
同(池田清志君紹介)(第七九二号)
健康保険法の改正反対に関する請願(岡本隆一
君紹介)(第七一〇号)
同(池田禎治君紹介)(第七一一号)
同(森本靖君外一名紹介)(第七一二号)
同(中崎敏君紹介)(第七一三号)
同(中崎敏君紹介)(第七六四号)
同(西村榮一君紹介)(第七九三号)
豪北地域の遺骨収集に関する請願(田原春次君
紹介)(第七一四号)
美保航空基地駐留軍労働者の失業対策確立に関
する請願(足鹿覺君紹介)(第七一五号)
生死不明旧軍人の処理促進に関する請願(田子
一民君紹介)(第七一六号)
衛生検査技師の身分法制定に関する請願(岡良
一君紹介)(第七四四号)
理容師美容師法の一部改正反対に関する請願(
志賀健次郎君紹介)(第七一四五号)
美容師法制定反対に関する請願(大矢省三君紹
介)(第七四六号)
同(田中久雄君紹介)(第七八九号)
健康保険法による被保険者負担反対に関する請
願(長谷川保君紹介)(第七六五号)
国立ハンゼン長病療養所患者慰安金増額に関す
る請願(福田篤泰君紹介)(第七八八号)
県立療養所金峰園の施設拡充に関する請願(加
藤精三君紹介)(第七九五号)
の審査を本委員会に代託された。
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本日の会議に付した案件
労働保険審査官及び労働保険審査会法案(内閣
提出第四八号)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404410X01019560221/0
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001・佐々木秀世
○佐々木委員長 これより会議を開きます。
労働保険審査官及び労働保険審査会法案を議題とし、審査に入ります。まず趣旨の説明を聴取することといたします。倉石労働大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404410X01019560221/1
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002・倉石忠雄
○倉石国務大臣 労働保険審査官及び労働保険審査会法案の提案の理由について御説明申し上げます。
御承知のごとく、労働省所管の保険といたしましては、労働者災害補償保険法及び失業保険法に基く保険制度があり、また昨年第二十二回国会において成立をみましたけい肺及び外傷性脊髄障害に関する特別保護法による給付も労災保険とあわせて運用されているのであります。
しかしてこれらの保険制度における保険給付等の決定に異議ある場合の審査機構としましては、労災保険と失業保険とにおきましてそれぞれ別個の審査機関が設けられているのであります。すなわち労災保険におきましては、第一審である保険審査官及び第二審である労働者災害補償保険審査会がともに都道府県労働基準局ごとに設置されており、失業保険におきましては第一審として失業保険審査官が、第二審として失業保険審査会が労働省に設置されているのであります。
これら審査会制度の今日までの運用の実情を見ますと、労災保険におきましては、中央の審査機関がないために審査の統一ある運用に欠ける点がありましたので、この際労働者災害補償保険審査会を失業保険審査会と統合いたしまして労働省に労働保険審査会を設け、審査の統一ある運用を確保するとともに同審査会を常置の機関として審査の迅速化をはかろうと存ずるのであります。
他方労働者災害補償保険審査会も失業保険審査会もともに現行制度のもとにおきましては、労使及び公益の委員によるいわゆる三者構成となっているのでありますが、審査会は、本来、行政官庁の行う事故の業務上外の決定、障害等級の決定及び失業の認定等について審査を行うものであり、準司法的ないし判定的機能を有するものでありますので、裁判制度或は労働委員会における不当労働行為の救済制度におけるがごとく、公益的立場にある学識経験者のみによって構成される機関が審査し、裁決することが妥当であると存ずるのであります。
よって一この際労働保険審査会の組織につきましては、社会保険審査会の例にならい、内閣総理大臣が両議員の同意を得て任命する特別職の委員をもって構成することといたしたのであります。しかし審理に当りましては労使の主張を十分聴取するため労使代表の参与を認め、その意見を十分尊重するように別に措置することといたした次第であります。
以上のほか、従来の審査の実情から見て、審査について管轄、手続等をさらに合理化する必要がありますので、審査手続につきましても改善をはかることといたした次第であります。これが今回本法案を提出いたした理由でございまして、これによって審査の統一をはかるとともに、その適正化を期したいと考えておる次第であります。
次に法案の内容について概略御説明申し上げます。
まず本法案における審査制度の概要についてであります。第一審である審査官の段階につきましては、現行制度をほぼそのまま取り入れることとし、現行の労働者災害補償保険審査官及び失業保険審査官を総称して労働保険審査官と称することといたしました。
ただ従来の各都道府県労働基準局ごとの労使三者構成の審査会を廃止いたしますので、審査官が審査を行うに当り、労使の代表が当該事案につき意見を述べることを保障する制度を採用いたしたのであります。失業保険審査官につきましても審査の慎重を期するために同じく右の制度を設けることといたしております。なお、労働基準法上の災害補償に関する労使間の争いの審査及び仲裁につきましても、業務上外の決定、障害等級の決定等実質的に労災保険給付についての審査と全く同一内容の事案を取り扱うものであり、かつ、これと一体不可分でありますので、労災保険に関する異議の審査についての機構を整備いたしましたのに伴い、この際労災保険の場合と同じく労働者災害補償保険審査官をして取り扱わしめることといたし、右に申し述べました労使の代表が意見を述べる制度は、この場合にも活用することといたした次第でございます。
第二審につきましては、労働省に労働保険審査会が置かれることは前に申し上げたところでありますが、労働保険審査官がした保険給付に関する不服に対する審査の決定にさらに不服のある者が、この労働保険審査会に再審査の請求をすることになるのであります。その組織につきましては、さきに申し上げましたごとく、内閣総理大臣の同意を得て任命する委員三名をもって構成されるのでありますが、各保険ごとに労使の代表者が再審査に当って、その意見を述べあるいは意見書を提出することができることといたしたことは前に述べた通りであります。
以上のごとく、審査官の審査、審査会の再審査を経まして、なお不服のある者が裁判所に出訴することができることについては現行制度と同様であることは申し上げるまでもありません。
次に法案の定めている審査手続についてでありますが、審査ないし再審査請求の対象となる事項につきましては、現行制度そのまま採用しておるのでありまして、労災保険関係については、当該負傷、疾病、死亡等の事故の業務上外の決定、障害補償費を支給するについて特にその障害等級の決定、平均賃金額の決定、保険の給付制限事由の有無の決定等々が、失業保険については、被保険者資格の得喪の確認、失業の認定、保険金の給付制限事由の有無の決定等々が現行制度におけると全く同様に審査事項になることは申し上げるまでもないところであります。審査ないし再審査の請求の受理から始まり、本案の決定、その通知に至るまでの審査の諸手続につきましては、労働者及び事業主の権利救済の万全を期するため、現在政令で定められてある事項を法律に規定するとともにその整備充実をはかることといたしたわけであります。
なお、本法案の作成に当りましては、社会保障制度審議会を初めとして、労働者災害保険審議会、中央職業安定審議会、けい肺審議会及び中央労働基準審議会に諮問いたしたのでありますが、その答申につきましてはこれを尊重し、必要な事項は法律案に取り入れることといたしたのであります。
以上提案理由を御説明申し上げたのでありますが、何とぞ御審議の上すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404410X01019560221/2
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003・佐々木秀世
○佐々木委員長 以上で説明は終りました。
なお本案に対する質疑その他につきましては、後日に譲ることといたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404410X01019560221/3
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004・佐々木秀世
○佐々木委員長 次に新たに労働政務次官となられました武藤常介君を御紹介申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404410X01019560221/4
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005・武藤常介
○武藤政府委員 私が今回労働政務次官に就任いたしました武藤常介でございます。もとより浅学非才でありまして、ことに労働行政並びに政務につきましては全くのしろうとでございまして、時局柄この任務を全うし得るやはなはだ心もとない感をいたしておるのでありますが、駑馬にむちうちまして一生懸命勉強をいたす考えであります。どうぞ各位におかせられましても御指導、御鞭撻を賜わりますよう切にお願い申し上げる次第でございます。
はなはだ簡単ですが、これをもってごあいさつにかえます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404410X01019560221/5
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006・佐々木秀世
○佐々木委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
午後一時四十七分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404410X01019560221/6
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