1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十一年三月五日(月曜日)
午前十一時五十二分開議
出席委員
委員長 大矢省三君
理事 亀山 孝一君 理事 永田 亮一君
理事 吉田 重延君 理事 北山 愛郎君
理事 中井徳次郎君
唐澤 俊樹君 木崎 茂男君
纐纈 彌三君 櫻内 義雄君
渡海元三郎君 堀内 一雄君
森 清君 山崎 巖君
山中 貞則君 五島 虎雄君
坂本 泰良君 西村 彰一君
出席国務大臣
国 務 大 臣 太田 正孝君
出席政府委員
総理府事務官
(自治庁財政部
長) 後藤 博君
総理府事務官
(自治庁税務部
長) 奥野 誠亮君
委員外の出席者
専 門 員 円地与四松君
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三月二日
委員櫻内義雄君及び林唯義君辞任につき、その
補欠として佐伯宗義君及び山崎巖君が議長の指
名で委員に選任された。
同月三日
委員佐伯宗義君、渡海元三郎君、徳田與吉郎君
及び山中貞則君辞任につき、その補欠として櫻
内義雄君、保利茂君、川島正次郎君及び高木松
吉君が議長の指名で委員に選任された。
同 日
委員川島正次郎君、高木松吉君及び保利茂君辞
任につき、その補欠として徳田與吉郎君、山中
貞則君及び渡海元三郎君が議長の指名で委員に
選任された。
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三月一日
私鉄に対する事業税改正に関する請願(永山忠
則君紹介)(第一〇二二号)
同(小林郁君紹介)(第一〇二三号)
地方税法の一部改正に関する請願(佐竹新一君
紹介)(第一〇二四号)
同(伊藤郷一君紹介)(第一〇二五号)
同(足立篤郎君紹介)(第一〇七一号)
同(植村武一君紹介)(第一〇七二号)
同(大野市郎君紹介)(第一〇九九号)
地方自治法の改正に関する請願(中馬辰猪君紹
介)(第一〇二六号)
公衆浴場業に対する固定資産税軽減に関する請
願(永田亮一君紹介)(第一〇六九号)
公衆浴場業に対する事業税軽減に関する請願(
永田亮一君紹介)(第一〇七〇号)
軽油引取税の設定反対に関する請願(江崎真澄
君紹介)(第一一〇〇号)
の審査を本委員会に付託された。
同月二日
市町村公平委員会の存続に関する陳情書
(第二一二号)
同
(第二三三号)
公民館建設事業費の起債認可に関する陳情書
(第二一八号)
木材引取税撤廃に関する陳情書
(
第二三〇号)
消防功労者報償費を公務災害補償費に切換えの
陳情書
(第二四七号)
軽油引取税の設定反対に関する陳情書
(第二六七号)
地方公務員の停年制法制化に関する陳情書
(第二七〇号)
町村特別交付税増額に関する陳情書
(第二七一号)
高島町海底水道事業の起債認可に関する陳情書
(第三一一号)
一般上水道事業の起債増額に関する陳情書
(第三一二号)
有明海自動車航送船建造資金の起債に関する陳
情書(第三二六号)
を本委員会に参考送付された。
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本日の会議に付した案件
小委員の補欠選任
地方交付税法の一部を改正する法律案(内閣提
出第五〇号)
国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関す
る法律案(内閣提出第六四号)
地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
六九号)
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404720X01719560305/0
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001・大矢省三
○大矢委員長 これより会議を開きます。
まず小委員補欠選任についてお諮りいたします。すなわち地方税法等改正に関する小委員でありました徳田與吉郎君及び渡海元三郎君が、それぞれ三日に委員を辞任されました結果、小委員が欠員になって、おります。この補欠選任を行わなければなりませんが、これは先例に従って委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404720X01719560305/1
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002・大矢省三
○大矢委員長 御異議がなければ、委員長より徳田與吉郎君及び渡海元三郎右を小委員に御指名いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404720X01719560305/2
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003・大矢省三
○大矢委員長 次に、地方交付税法の一部を改正する法律案、国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律案、地方税法の一部を改正する法律宋の三案を一括議題として質疑を行います。質疑の通告がありますので、これを許します。北山君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404720X01719560305/3
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004・北山愛郎
○北山委員 それでは地方税法についてお伺いをいたします。それはこの前野さんにもお願いしておきましたが、山林原野についての固定資産税、この土台になる山林原野の面積に非常は異同があるわけで、昭和二十五年からずっと見ますと、逆に相当に減っておるわけなんです。山林と原野を通じて、昭和二十五年度と三十一年度を比べますと、百七十万町歩ばかり減っておるのです。これは保安林等が課税の対象から除外されたというような理由によるのであるか、その間の関係をお調べになったと思いますので、一つお伺いをしたいのです。昭和二十五年に山林の面積は八百四十三万町歩で、三十一年度には七百四万町歩になっている。原野の方は昭和二十五年の百七十に相当に減っておるのですが、これはどういうふうな理由によるのか、それを御説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404720X01719560305/4
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005・奥野誠亮
○奥野政府委員 資料が政府委員室に停滞しておったようでありまして、今お配りしております。御指摘のように、山林につきましては保安林編入を独力に押し進めておりますので、その土地地積調の備考の3に書いてありますように、二十六年の一月一日から二丁七年の三月三十一日までの間におきますだけでも、二百九十五万一千二百七十反ですかの保安林の面積の増加を木たしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404720X01719560305/5
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006・北山愛郎
○北山委員 そうじゃないかとは思いました。ところが昭和二十五年度は国税庁調べを基準にしているようであります。その後は市町村等の実際の調査を集計したものだ、かように考えますが、しかしまた林野庁等の統計を見ますと、山林原野の私有林関係が山林においては千二百万町歩以上あります。これと比べますと、固定資産税の対象になるものは、昭和三十一年度で七百四万町歩というように、その間開きが五百万町歩くらいあるわけなんですが、寺社有等が多少ありまして、そういうものを控除してみても、いわゆる林業の統計等の数字と固定資産税の対象になる山林原野の面積とは相当食い違いがあるのですが、これはどういう原因でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404720X01719560305/6
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007・奥野誠亮
○奥野政府委員 今お話にもございましたように、固定資産税の地積調べの方は、固定資産税の課税対象になります市町村から出て参りました概要調書、これを集計しておるわけであります。従いまして国有林野も入っておりませんし、また神社有で課税されていない部分ももちろん入っていないわけでございます。従って若干の食い違いは出てくるのじゃないかと思っております。なお毎年の面積を、もう一ぺん北山さんの御指摘から調べ直してみますと、県の部分につきまして単位を取り違えておったりしたような誤謬も若干あったようでございます。そのことは別に非常に誤謬を来した部類に入らないかもしれませんが、そういう結果もございまして、もう一ぺん概要調書による集計を整理するのに非常にいい機会であると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404720X01719560305/7
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008・北山愛郎
○北山委員 食い違いが多少あるにしても非常に大きいわけです。山林というものは国有、公有林を全部合せれば二千二百万町歩以上になるでしょうが、そのうち国有を引き公有を引いても私有林は千二百万町歩くらいある。国有が七百四十六万町歩、公有が三百万町歩、私有が千二百二十五万町歩あるわけなんです。このうち社寺有が十五万町歩でありますから、保安林等をとりましても固定資産税の対象になる七百万町歩とはあまりにも大きい開きがある。これはどちらが一体実際に近いのか、どっちが統計として信頼が置けるのか、はなはだ迷わざるを得ないんですが、どっちが一体正しいんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404720X01719560305/8
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009・奥野誠亮
○奥野政府委員 今お話いたしましたように、市町村から出て参りました概要調書を集計したのでありますけれども、御指摘の数字もあるようでございますから、どの点が食い違いのもとになっているか、保安林であるのか、あるいは社寺有林、あるいは公有林であるのか、そういうことをいろいろ調査させていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404720X01719560305/9
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010・北山愛郎
○北山委員 その点はよく調べていただきたいのです。というのは、現在耕地それから山林原野、こういうものの面積が、どれが一体正しいものであるか、まだほんとうの調査ができておらない。私どもの考えるところでは、固定資産税というのは一応台帳によってとり得る数字としては、実際に近い一般的な統計ではなかろうか、こういうふうに思う。ところがまた農林省が統計調査部でもってやっておる林業統計、これの数字も別にあるわけなんであります。これの食い違いが今申し上げたように、私有山林原野において一方は千三百四十九万町歩、これは昭和二十六年の農林省の調査です。ところが固定資産税の方は、昭和三十一年度で八百六十六万町歩というように膨大な開きがあるということは、考えようによれば、固定資産税の方は台帳面でこれを集計していく、林業統計の方は、実測といいますか、多少そういうものも入っているかもしれぬ。いわゆるなわ延びと称するものが、多少は反映しているのじゃないか、こういうふうにも考えられるのです。そういたしますというと、一般に伝えられておるように、田畑においても一五%くらいのなわ延びがあるといわれておりますが、山林原野においては、その開きが非常に大きいので、ところによっては四倍も五倍も違う、こういわれておるわけであります。従って課税の対象として捕捉されておらない、また大きく国民経済政策といいますか、開発政策から考えてみましても、山林原野の面積の実態が捕捉されておらないということは重大な問題であります。従ってわれわれとしては固定資産税の統計というものを一応見たいのですが、今お話申し上げたように非常な開きがあるということでは、ここに何らかの対策を講じなければならぬのじゃないか、こういうふうにも考えられるわけです。
それから同時に山林所得という問題ですが、固定資産税の対象としての山林は、一反歩当りたしか千三百円くらいの平均評価になっていますが、それが立木を考慮した方がいいかどうか、また個々の団体が実際の評価をするに当って、立木があるとないとで、評価の違いがあるだろうと思うんですが、そういう基準はどうなっておるかというようなことも関連してくるわけなんですから、固定資産税の対象としての山林の評価ということについて、ここに奥野さんの御見解を承わっておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404720X01719560305/10
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011・奥野誠亮
○奥野政府委員 前段の問題は、林業統計の数字だろうと思いますが、それはよく比較し、調査した上でお答えをいたしたいと思います。
第二の山林の評価の問題でございますが、これもお話のように、林地の価格だけをとっているわけでありまして、立木の価格はとらないことにしております。林地の評価に当りましては、松に適した林地であるとか、杉に適した林地であるとかいうことによっても評定上の差をつけたり、あるいはそれが地勢とか交通の点から考えて、どういうところにあるかというふうなことから評定上の差をつけましたり、いろいろなことから総合的に判断をして決定をしているわけでございます。ただ立木を評価の中に算入して参るようにいたしますと、伐採いたしません限りは、山林の評価が年々増加していく、こういうことになるのではなかろうかと存じます。そういうことは山林を育成していく見地から考えて参りますと、だんだんと負担が重なるばかりで持ちこたえられないというふうな問題にもなったりするわけでありますので、これはやはり林地だけを評価することにして、立木の方は伐採した場合に、現行制度でいきますと、木材引取税が課されるようになっておるわけでありますから、そういう形において運営していった方が山林の実態に合うのじゃないかという考えを持っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404720X01719560305/11
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012・北山愛郎
○北山委員 そうすると、実際に市町村が固定資産の山林の評価をする場合には、立木があるとかないとかそういうことによって評価を変えておりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404720X01719560305/12
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013・奥野誠亮
○奥野政府委員 その林地がどういう樹種に適しておるかということで立木を見ることはございましょうけれども、立木の現況がどうなっておるから評価を上げたり下げたりするということはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404720X01719560305/13
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014・北山愛郎
○北山委員 山林所有者については、どうも私どもいろいろ疑問な点があるのです。たとえば所得税についても、山林所得についてはたしか十五万円くらい控除があるわけですね。一応管理費としていろいろな経費を差し引いた上に、山林所得控除というのが十五万円あるわけです。それから事業税はかかっておらぬ、しかも固定資産については、その上に立木という財産は課税の対象になっておらぬ、こういうふうな恩典といえば恩典を受けておる。これは一応の意味があるようにも考えますけれども、これについて一貫した何か方針があるかどうか。固定資産税についてもそういう考慮が払われておるのかどうか、この点をお伺いしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404720X01719560305/14
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015・奥野誠亮
○奥野政府委員 御承知のように山林所得の中で、継続して山林を育成しているような人たちにつきましては、所得税の面につきましても五分五乗の方式がとられておりまして、伐採をしたから所得が非常にふえた、従って高率な累進課税を受けるということは避けるようにしておるわけであります。これは山林の特殊な性格からできる限り伐採適期までこれを持ち続けていかなければならないというふうな国土保安の見地も多分に加わっているだろうと私も考えておるわけであります。これはシャウプ税制の際に、特殊な制度が一ぺん廃止になったことがあった。それは国情に合わないということで、またその後に今のような制度に除々に復活されて参ったと考えております。林地に対する固定資産税の昔の制度は地租でありますけれども、地租につきましても土地の賃貸価格が課税標準になっておったわけでありますが、賃貸価格はやはり林地の賃貸価格でありまして、立木が当然その中には入ってこないわけであります。今の固定資産税も昔の地租の場合と同じような方針をとって参ってきておるわけであります。
木材引取税は戦後に法定されたわけでありますけれども、これも明治の初年から地方において特に行われて参ったわけでありまして、これも雑種税として県で課税しておった時代もあったわけでありますけれども、大体においてずっと一貫して同じような方向をたどってきておるのじゃないかと存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404720X01719560305/15
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016・北山愛郎
○北山委員 そこで山を守るといいますか、山林を守るという政策がその底を流れておるというその点は一応わからないわけじゃないのですが、実際に植林をして自分が管理をして山を育てていくような地主であれば、そういうことも考えられるのですが、しかしだから山を買った者についてもやはり同じような取扱いを受けるということでは、何か山林の立木、いわゆる木という相当莫大な財産については、課税の対象外に置かれておるという点について、どうも納得のいかないものを感ずるわけです。この際伺っておきたいのは、木材引取税というのがいろいろ問題になっておるのですが、これは従来の立木伐採税というものが転化をしたものだというふうに聞いておるわけですが、なぜ立木伐採税が悪くて木材引取税に変ったのか、その間の事情を承わっておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404720X01719560305/16
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017・奥野誠亮
○奥野政府委員 お話のように、今の木材引取税になります前には、立木伐採税でありましたりあるいは木材移出税でありましたり、いろいろな形をとっておったわけであります。立木ということになって参りますと、薪炭原木を伐採した場合におきましても、やはり課税の対象になるわけでございます。薪炭原木のようなものを課税の対象にするのはいかがなものであろうか、こういう考え方が持たれるわけでございまして、そういう意味で素材の引き取りだけ、従って薪炭原木の伐採は課税からはずす、そういうことで現在の木材引取税ができておるわけであります。
それともう一つは、木材引取税を作りましたときには、価格統制が全体に強く行われておった時代でありまして、そういう関係から引取者が負担をする。従いましてまた統制価格プラスこの税、こういう形において運営していこうということになったわけでありまして、もとより立法者が転化を意図いたしましても、経済状況のいかんによりまして逆転する場合もいろいろあるわけでございます。しかし原則的には、木材を買い受けていく人間が木材引取税も費用として一緒に負担をしていくというのが合理的な姿じゃないか。特に山林育成の問題もございますので、そういう姿の方が好ましいのではないかというふうなことで、現在の姿をとっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404720X01719560305/17
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018・北山愛郎
○北山委員 薪炭林の場合問題だというのですが、薪炭林の場合については特殊な取扱いもできないことはないので、立木伐採税にした場合でも、技術的に別に不可能ではないと思うのです。それで引取税にしてしまえば、それは流通面においての木材業者が負担をするというような形になる。現在山元で1私も詳しい事情は知りませんが、木材業者あるいは薪炭業者というものは非常に苦しくて、むしろ原木が高いということが非常な問題になっておるようです。ですから山の所有者が、いわば非常に有利な立場に立っておるというような事態が一般的にあるのではないか、こういうふうに考えられるので、そういう事態になってきたならば、やはり税金の負担者というものは、山の所有者、木の所有者が切るときに自分で負担をするというふうに変えた方がむしろ事態に適するんじゃないか、こういうふうに思うのですが、奥野さんどのようにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404720X01719560305/18
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019・奥野誠亮
○奥野政府委員 先ほど申し上げましたことに、さらに今の御質問に対しまするお答えを加えたいと思うのですが、立木を伐採いたしましても、直ちにそれで税金を負担する力が生ずるわけじゃなしに、むしろ売買が行われ、金を受け取って、立木の所有者が負担し得る力ができるようになるのではないか、こういうことにも考えられるわけであります。木材引取税の場合には買受人への転化を予想しておるわけでありますけれども、いずれが負担するにいたしましても、売買が行われて初めて負担する力を持つことになるのではないか、この思うわけであります。比いまして、伐採と同時に納税の義務か発生するよりは、引取行為が行われ、初めて納税義務が発生するというここにした方が負担がしやすいんじゃないか、こういうふうに考えておるわけであります。従いまして伐採いたしましても、その引き取りが行われません間は納税義務は発生いたしません。ただしかし、それがために何年も長く据え置かれてしまいますと、実体がわからなくなってしまいますので、そういうことをおもんばかりまして、一定の期間に引き取りがない場合には、伐採をもって引き取りとみなすというふうな規定を例外的に設けて、その欠陥は救済しておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404720X01719560305/19
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020・北山愛郎
○北山委員 これは見解の相違かもしれませんが、伐採の方にかけるということは、それは自家用に使う場合もあるかもしれませんが、そういう範囲まで課税の対象としてもいいのじゃないか。ことに山林の保護という面から見れば、木を切るということに課税をするという方が、山林の育成という政策からすれば、いいのじゃないかと思われるので、なお薪炭林についてもやはりある程度にはかけても差しつかえないという考え方も生まれると思うのです。そうでないと、やはり山林県などにおいては、府県内における県民の所得というものは、そういう面からの部分が相当大きいという場合に、これを課税の対象にすることによって収入を上げ得るというように、県内なら県内の産業から平均して課税するという点からして、むしろその方が妥当ではないか、こういうふうにも考えられますから、この点は、もしも木材引取税は適当だというのでやめるとするならは、やはり立木伐採税というものは考慮してもいいのじゃないか、この点御研究を願いたいと思います。それから別の問題に移りますが、こり前も申し上げましたが住民税のことです。何としても住民税の第一方式、第二方式、特にそのただし書きという二つの方式の間に、住民は住んでいる市町村の区別によって税金が倍も違うということでは、どうしても納得ができないのじゃないか。東京に住んでいれば千円で済むものが、地方へ行くと二千円も住民税をとられるというようなことは、これはあまりに食い違いが多過ぎるという問題があると私は思うのです。それと同時に、なぜそういうことになったかということをこの前参考人にお伺いしましたら、荻田さんは、それは一地方財政計画の立て方が悪いんだ、そこに原因があるのだ、こういうお話だったので、今年の三十一年度の地方財政の計画においても、第二方式による超過見積りを相当に見ていると思うんですが、昭和三十一年度の第一方式ただし書き等をとることによる超過見積りは、どのくらいになるのであるか、これを一つ伺っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404720X01719560305/20
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021・奥野誠亮
○奥野政府委員 ちょうど九十三億円だけ、第一方式による場合だけの収入よりもよけい計算に入れているということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404720X01719560305/21
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022・北山愛郎
○北山委員 これはいろいろな資料によると、二十六年度からずっと通算ししみますと、昨年までで四百六十六億円、今年の九十三億を加えると五百五十億ばかりですね、そういうものが財政計画上よけいに見込んでおる。その結果として地方団体は第二方式のただし書きをとらざるを得ないようになって、その分だけ増税になっている、こういうことになっておると思うんですが、この点はお認めになるのかどうか。これは財政部長の方にもお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404720X01719560305/22
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023・奥野誠亮
○奥野政府委員 一応私から先にお答えをさしていただきます。財政計画上の問題としては、地方財源をどこまで見ていくか、従ってまた地方歳出もどこまで算入していくか並行した問題だろうと思うのであります。歳出だけ非常に削減しておきまして、歳入だけは非常に大きなものを見ていく、こういうことはできるだけ避けなければならないだろうと思います。こういうような地方財政計画策定上の問題以外に、やはり現在の日本の国民の負担力から考えた場合に、地方財政需要がちょうど合致しているかどうかというふうな問題も出てくるのではないだろうかと思っております。今のままにして参りますならば、地方財源をさらに大幅にふやしていかなければ、こういう問題はなかなか解決しないのではないだろうかというふうな感じも持つのでありまして、民主主義の浸透とともに、国民のあれもこれもやってもらいたいという考え方が非常に強く出て参るのではないか。ことに弱小の町村でありますと、今まで施設が十分ではございませんので、それだけにまた施設充実の要望も非常に強く出て参るのではないだろうかというふうに思っております。従いまして、またそういう施設を押えるのが、北山さんが御指摘になりますように、とにかく租税負担の面では二倍も三倍も違いが起らないように注意制限を加えるが、注意制限を加えた結果はなかなか一挙に施設を充実させるような方向にいかないのではないかというふうにも考えられるわけでありまして、そういう政策の問題にからんでくるのではないか、こういう感じを持っているわけであります。非常に重要な問題でありまして、どの程度の差があってもやむを得ないのではないかということは、今後なお深く検討していかなければならない点だろうと思っております。地方財源のふえることは理想でありますけれども、反対に国民の租税負担も一緒に考えていかなければなりませんので、どういうような方向でこの問題を解決していったらいいだろうかということは、慎重に検討しなければならないと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404720X01719560305/23
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024・後藤博
○後藤政府委員 お話の通り、オプション・ツーないしスリーの増収額を財政計画の歳入に入れるということにつきましては、いろいろ議論があるところであります。しかし、これは歳出との関連の問題もあります。従って、交付税の配分方式につきましては、別途な考え方を現在までしているわけであります。歳入の中に入れていくのがいいか、それともその分だけ財政需要を落していくかという問題もあります。現在までずっとそういう方式をとっておりますのでことしも入れたわけであります。落すとすればやはり財政需要の方もある程度考えていかなければならない、こういう問題があります。しかし、それがそういう形にしておるから、オプション・ツー、スリーに移っていくということには、私はなっていないと思います。これは各市町村の租税負担の均衡の問題等もやはり重大な問題でありますし、また市町村の特殊財政需要をまかなうために、一種の増税形式としてとっていくというような場合もあります。従って、財政計画からすぐ割り出してそういうふうにいくものとは私は考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404720X01719560305/24
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025・北山愛郎
○北山委員 いろいろなことを言ってつじつまを合せるのですが、荻田さんから、第一方式、第二方式というようにたくさん方式があること自体は別段間違っておらない、問題は、地方財政計画においてよけい取るような方式を採用せざるを得ないような財政計画だから、そうなっていくのだというような公述がこの前あったのです。それも私は一面においてあると思います。それと同時に、歳出の面、あるいはいろいろな行政サービスの需要というようなことからして、特別に地方市町村等でよけい増税をしなければならぬ、こういうように言われるのですけれども、実際東京に住んでおる人たちに対する行政サービスと、地方の貧弱町村のサービスと一体どっちが高いか。町村の方は住民税も倍だからやはりそれだけ余分にもっとよい住民福祉のための行政をやっているならまだよいと言うこともできるのですが、しかし、何と考えても、東京の人より地方の住民が地方自治体から恩恵をよけい受けている、こういうふうには考えられない。むしろ財源不足を補うためにやむを得ず——行政サービスを引き上げるという積極的な意味でなくして、足りない分を補うためにやむを得ずオプション・ツーのただし書きをとるといりようなことになるではないですか。それが現実であるということになればやはり考え直さなければならぬと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404720X01719560305/25
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026・後藤博
○後藤政府委員 オプション・ツー、スリーをとります場合、財源不足からでている場合も相当あると思うのです。おっしゃるようなこともたくさんとざいますが、だからといって、大都市の方がやらないというのは、大都市にはまだ特殊な事情があります。これは技術的に非常に困難であるという点からやはり大都市がこれを見ている事情もあるのであります。従って、大都市はやらないで市町村だけやっておる。小さい町村だけやっておるということは財源不足だけの問題でない、私はかように考えているのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404720X01719560305/26
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027・中井徳次郎
○中井委員 途中で前に戻りますが、今北山さんから木材引取税のお尋ねがあったのでありますが、これについてちょっと大臣にお伺いします。木材引取税についてはずいぶん反対の運動があるようでありますが、これについて大臣はどういうふうにお考えでありますか。それともう一つ。木材引取税というのは果して公平に取られておるかどうか、そういうことについてお聞かせ願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404720X01719560305/27
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028・太田正孝
○太田国務大臣 第一の木材引取税を置くかどうかという問題は、その地方の財源として今まで相当な部分見込まれておりましたので、ことに山間地帯においては大きな問題になっております。そういう面からも今ここでやめるということは私はできないと思います。公平、不公平の問題は、私よく取り方のことについてはまだ承知をしておりませんので、奥野君からお答え申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404720X01719560305/28
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029・中井徳次郎
○中井委員 山間地帯にとって非常に重要な税金であることはよくわかるのですけれども、この引取税を廃止しようという最も大きな原因は、いずれにしましても、金額の絶対額が日本全国合せまして二十億程度のものであるということ、それから取り方が結果としてどうもはなはだ不公平になっている。地区により非常にまちまちでありますので、業者も木材を売る方の側も引取税については何かすっきりしないものがあることが一番の原・因でなかろうかと思うのです。それで、先ほどからの問答を伺っておったのですが、奥野さんに伺いますが、自治庁の当局におかれましては、日本全国の一年間の木材伐採の総量だとか、それの燃料に使う部面がどれくらいあるか、あるいは自己で使用するものがどれくらいあるか、売買に当るものがどれくらいあるか、こういうものの御調査ができておりますかどうか、それをちょっと伺いたい。おりましたら一つ資料として出していただきたい。その点伺っておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404720X01719560305/29
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030・奥野誠亮
○奥野政府委員 年間の生産見込み石数は一億八百九十四万五千石、こういりふうに見ております。そのうちで課税の対象になります部分が六割ぐらいだろうということで、六千五百三十六万七千石ということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404720X01719560305/30
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031・中井徳次郎
○中井委員 そういう程度の調査では私ははなはだずさんだと思う。これはもっと厳格にやってもらって、すぐわかると思います。私は木材引取税についてはいろいろ議論があろうと思いますが、税というものは基本的に公平でないといけない。今の二十億ばかりの収入のうちで、それではもう一つお尋ねするが、国有林払い下げによってはね返ってきますところの木材引取税と一般の民有林の比率、これを一つ御調査をいただきたい。そうして一年の伐採量の中で国有林がどれくらい、民有林がどれぐらい、この比率をお出しいんだけば、これは決算をお調べになって、見込みじゃございません。過去の決算を一つ御調査をいただきたいと思います。そういう点について今の御答弁でなくて、もう少し詳細なものを、税の小委員会なども開かれておりまするから、この審議の終りまするまでにぜひお願いいたしたい。
ここで一つ私は意見を申し上げておきます。木材の引取税なんというものを置くならばもっと率を下げなさい。下げたって総量は集まりますよ。それを私は申し上げます。根本的にはやはりさっきの北山君の言ったように伐採税の方がいい。奥野氏は何か伐採をしても売らぬのがあるということを言われるが、それはいろいろありましょう。たとえば春、山の木を切りますと、そのまま木出しをすると非常に重いものですから、半年ばかり木材業者が山にそのままほおっておいて、冬になって枯れてきましたときに出す、そういういろいろな技術的なことはありますが、そういうことでごまかされてしまって、結局いつ売ったか買ったかわからない。村によりましては割当をいたしておるというようなところがたくさんあるわけです。金額は二十億。私はやはり業者の反対運動には他のねらいもあろうかと思います。たとえば伐採税をやるのならば反対だ、今のままで残してくれとおそらく言ってくるんじゃないかと思いますが、問題は不公平になっておる。この事実をもっと調べて、今五%であったと記憶いたします。これは三形でもけっこうでしょう。国としては助かると思う。林野局その他は非常に助かりますが、それが金額が比率が少ければだれでも出しよいということは言えるわけでありますから、この点はもう少し研究をぜひ一つしてもらいたいと思います。そういう点について何か、今御研究の段階でどういうふうな考え方をしておられるか、ちょっと伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404720X01719560305/31
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032・奥野誠亮
○奥野政府委員 御指摘のように木材引取税の運営についてはいろいろ問題があると考えられます。木材引取税を設けました当時におきましては、いろいろな統制経済のもとにあったわけでありますし、同時に県におきまして木材検査を行なっておったというような事情もございましたので、今よりはもっと把握が徹底しておったんじゃないだろうかというふうに思っております。もう一つは価格を課税標準にして参りました場合に、一応山元どまりにおける価格というものに考えておるわけでありますけれども、この価格の見方が非常に市町村になりましてから区区になっております。このような事情から二年ほど前でありましたが、林野庁と打ち合せをいたしまして、一応基準とすべき価格を示したのでありますけれども、この程度の示し方ではまだ不徹底ではないかというふうな考え方もいたしております。同時に御指摘にありましたように、市町村によりましては五%正確に課税しているところもあれば、五%という税率は条例に示しているけれども、評価そのものが非常に低いものになっておるものですから、二、三%にしか当っていないというような団体もあるようでございます。従いまして、この課税の問題につきましては、客体を捕捉する問題について一そう工夫をしていかなければならないという問題、市町村によっては森林組合等に仕事をゆだねておるところもあるようでございます。
第二には、評価の点につきまして、あるいは価格によりませんで、容積をとるという問題にもなろうかと思いますが、もう少ししさいな指導の仕方ができぬものだろうか、こういうことも考えておるわけであります。あわせまして今御指摘にありましたように税率等の問題につきましても並行して研究はしていかなければならないというふうに思っております。今お話のありました資料等につきましては十分調査をして御報告いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404720X01719560305/32
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033・北山愛郎
○北山委員 それから税の問題ですが、今度は国有財産なりあるいは公社等の固定資産についても交付金、納付金等がかけられるということになったのですが、国有財産については交付金分は、たしか収入見積りは十一億ばかりだと思います。わずかに十一億だけのものを取るのに、ずいぶんめんどうでさいことをしなければならぬようでが、しかもその中には従来国有林等でもって特別な交付金として出ておったのが、たしか三億くらい含まれているということになれば、十一億になりましても、やはりそれが交付税の算定上、収入の中に正式に今度は見込まれるということになって、実質上地方団体としては大した変りがないということにもなるわけでありまして、そういうふうな結果において大したものでないものを、今度国有財産に対する交付金として新しい制度を作ったので、われわれとしては全く解せないような感じがするわけです。こんなものは、むしろ交付税の算定から除外してしまった方がよいのではでないか、こういうふうにも思うのですが、これについての御見解。
それからもう一つ、国有財産の交付金の場合に、その財産の中で非課税といいますか、対象にならぬものが相当ある。どういうものが一体対象になるかというような内訳を御調査になっておると思いますので、その資料を一つ出していただきたい。この二点をまずお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404720X01719560305/33
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034・奥野誠亮
○奥野政府委員 国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律案によりまして、平年度で百十億円くらいの収入を予定しておるわけでございます。なお国有資産だけであれば非常に地位の低いものではないかという御指摘でございますが、しかし、たとえば発電施設所在の町村にとりましては莫大な交付金の額になるのではなかろうかというふうに思っております。同時にまた同じような資産であるにかかわらず、片一方では固定資産税を負担しておるのに、片一方ではそういうものを負担していないということで、国民感情に与えております悪影響ということも重視しなければならないのではないだろうかと思っておるのでございます。これを基礎にいたしまして今後なお一層合理化を推進していきたいという考え方を持っておるわけでございます。なお国有林野について課税になる分と課税にならない分との資料でごさいましたでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404720X01719560305/34
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035・北山愛郎
○北山委員 公社の分は別としまして、交付金として出される国有林野等の国有財産、いろいろな種類があるようでありますが、国有財産の中で対象になるもの、それを種類別に一つ資料としておだしを願いたい、こういうわけです。いろいろ除外されているものもありますし、要するにどういうものが貸付財産としてあるか、そういうことです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404720X01719560305/35
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036・奥野誠亮
○奥野政府委員 貸付財産の内容は資料として御指摘のように提出いたしたいと思います。
なお先ほど答弁漏れしたのでありますが、国有林野につきましては、現在国有林野所在市町村の交付金を林野庁の方から三億二千万円ほど出しております。この分は基準財政収入額には算人されません。三億二千万円が四億五千万円にふえるわけでありますが、ふえます一億三千万円の七割の額が、今後基準財政収入額に算入されていくこいうことになって参るわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404720X01719560305/36
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037・北山愛郎
○北山委員 時間も経過しておりますから、この際財政計画についてちょっこお伺いしたいのですが、この前地方頂の計画をちょっとお尋ねしたわけですが、今度地方財政計画が正式に決定になった、これを拝見いたしますこ、一般事業債、災害や義務教育等の関係において昨年に比べまして総額で口七十億減っておる。それから政府資立が減っておるのは百七十五億円です。一般単独事業の起債についても昨十の百億が八十五億になって十五億の減額になっておる、そのうち政府資金の減額は十億であります。あるいは公六事業、単独事業等の事業債において——これは公募、政府資金全部含めてでありますが、百八十五億円減額になっておるわけであります。そういたしますと、この三十一年度の地方財政計画したしか公共事業等のいろいろな措置によって地方負担の減額になる分は五十億と承っておるのであります。そうすると五十億の負担減が出てくるけれども、これに引き当てる地方債においては百数十億減額になるということによって、むしろ一般財源にしわ寄せになっていくのじゃないか、起債が減ってくればやはりその分だけ一般財源から持ち出しをしなければ所定の計画に当る事業ができないということになって、結局その方面から非常な圧迫を受けるのじゃないか、こういうふうに考えるのですが、その点についてはどういうお考えで財政計画をお作りになったか、それを承わっておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404720X01719560305/37
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038・後藤博
○後藤政府委員 おっしゃる通り昨年と比べますと地方負担が百八十五億減っております。地方負担の額は五百六十九億ありますので、一般補助事業の起債につきましては、それを基礎にいたしましてその起債をきめたわけです。起債を減らして参りますれば、どうしても一般財源の投入が多くなるわけでございます。一般財源の方が昨年よりも豊かになって参りますので、その分だけ地方債を落す、こういうような財政計画の立て方になっております。地方債を少くしていけば一般財源が多くなっていくのであります。一般から見まして税収も伸びて参りますし、交付税も伸びて参りますので、その関係で一般財源が豊富になって参りますから、地方債は落してよろしい、こういうふうに考えたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404720X01719560305/38
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039・北山愛郎
○北山委員 そうすると大体大ざっぱ参な計算上五十億公共事業等の関係で地方負担が減るわけですが、それに見合う地方債の方では百八十五億でありますから、百三十五億というものは一般財源から持ち出してその事業の費用に充てなければならぬ、大体において地方団体としてはそういうことになるのじゃないか、こう思われるのですが、そういたしますと、本年と昨年と比べていろいろ税の伸びもあり、あるいは交付税もふえたといいますけれども、果して事業面に百数十億円一般財源からそっちに回わし得るかどうか、私は非常にこの点を疑問に思うのですが、それはできるとお思いになっておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404720X01719560305/39
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040・後藤博
○後藤政府委員 これは起債のときに申し上げようと思っておりましたが、一般補助事業のほかに災害関係が非常に減って参ります。これは当然に落ちて参るものでございますが、この災害関係で三十億ばかり落ちております。一般補助事業の地方負担の額が昨年よりも減ったということは、一般財源が多くなったために減ったのであります。従ってそれだけ一般財源の投入が多くできるというふうに考えた次第であります。そのほか義務教育等につきましても、一般財源が多くなりました関係で少し減らしております。それから単独事業あたりも、やはり昨年から見ますれば少し落してもよいのではないか、かように考えたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404720X01719560305/40
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041・北山愛郎
○北山委員 これは実際この財政計画でやってみると、個々の公共事業等をやる場合に、おそらく一般財源からそれだけの持ち出しができる状態ではないと思う。そうすると従来のような起債充当をやってくれないということになれば、これは事業を返上しなければならぬというような事態になると思うのです。おそらく事業返上ということを期待してでもなければ、こんな財政計画は組めないと私は思うのですが、どうでしょう。というのは税の伸びとか、あるいは交付税の増額というのは、それぞれ別途の消費的経費等の需要額に見合っておるのですよ。給与費の是正もやっておるでしょう。それから公債費も百十何億ふえておる。それたから三公社あるいは国有財産に対する交付金、納付金等の百幾らというものは、全部今度は元利償還がふえる公債費の増額分に引き当てになってしまう。そういうふうなことを考えていくと、どうしてもこの面で、一般財源からこの事業の方に振り向けるという余裕が出てこないのではないか、そういう状態において事業債の起債をどんどんこういうふうに大幅に切られてしまえば、事業がやれなくなる。やれなくなると事業返上ということになって、それが政府の思うつぼである、こういうことになりはしないかと思うのですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404720X01719560305/41
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042・後藤博
○後藤政府委員 個々の団体につきましておっしゃるようなことがあるかもしれませんが、全体として税も伸び、交付税も多くなって参ります関係からいたしまして、やはり地方債は少し落してもよろしいということに計画的にはなるのであります。個々の団体に参りまして、新しくふえます財政需要こ、投資的経費に回す一般財源の量をこういうふうに考えるか、こういうここになりますこ、それは個々の団体の問題でありまして、どちらを主とするかはそれぞれ判断すべきで、そのワクの中で事業をやっていくという建前であろうと思います。従来通り投資的な事業を計画しながら、一万において消費的な費用を増していくというようなことになればそういう結果になりますが、その点は予算を組みます場合に、あらかじめ来年の起債率は本年よりも落ちるということを私どもは申しておりますので、予算編成の際に投資的事業に回しますものと、一般財源の量はそれぞれかげんすべきではないか、またそういうふうなことで予算編成をやられておるように聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404720X01719560305/42
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043・北山愛郎
○北山委員 すると三十一年度の起債の充当率はどの程度になりますか。どういうふうに変化いたしますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404720X01719560305/43
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044・後藤博
○後藤政府委員 全体から申しまして一割くらいは必ず落ちると心得てもらいたい、こういうことを申しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404720X01719560305/44
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045・北山愛郎
○北山委員 それは一割で済みますか。一般補助事業においても昨年は三百九十二億です。今年は二百六十八億なんですよ。特に政府資金は昨年は三百十二億であったものが、今年は百八十八億というふうに、一割どころではない、猛烈な削減なんです。それから義務教育は百十一億が九十五億というふうに、非常に大幅な削減をしておりますので、一割くらいの起債充当率の低下ではない。それはもちろん事業を返上するような団体がたくさん出てくれば、起債充当率はあるいは思ったより下らないかもしれないけれども、七うでもしなければ、どうしても一割減どころでないように、計算してみて思うのですがどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404720X01719560305/45
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046・後藤博
○後藤政府委員 個々の団体におきます問題といたしましては、私どもは公共事業の起債をつけます場合は、余裕財源の量というものをだいぶ多く考えております。従って余裕財源の量と申しますか、税の二割の額でありますか、そういうものの量によって起債の充当率をかえておりますので、そういうものが非常に伸びるところは、やはりその税の方でやってもらいたい。起債の量を落していくということは可能なんであります。現実の面で、そういりものがないところの問題となりますれば、充当率はやはりそう下らない、こういうことになって参ります。しかし一般的に申しまして、大体この計画からいきますと、一割ぐらいは必ず落してもらう、かようなふうに考えてもりいたいというふうに言っておりますので、そう大きなあれはないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404720X01719560305/46
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047・北山愛郎
○北山委員 この点はまだ相当議論をしなければなりませんが、次へいきまして、もう一点起債について、ことしの地方財政計画上の地方債という財源はことしは七百十五億になっており、たしか七十五億ですか、昨年よりも減こいうことになっているのです。ところが七百十五億の中には六十億の退職十当債を含めておるのです。これはどうですか。これは妥当でないと思うのにが、六十億の退職手当というものを期源として歳入の方に見込んでおるというのは正しいことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404720X01719560305/47
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048・後藤博
○後藤政府委員 退職手当債をあげるが、あげないか、これは政策の問題もがらんで参りますが、私どもはやはり用源として考えて間違いない、かように考えております。昨年三十年度は御承知の通り六十億のうち三十億分だけ乙財政計画の中に入れております。三十億分だけを外に出しまして、再建債円な取り扱いをしたのであります。昭州三十一年度はこれを全額財源的な考ん方の中に入れておるのでありまして、これは私は財源的な考え方をして間違っておるとは考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404720X01719560305/48
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049・北山愛郎
○北山委員 それならば、財政需要の方にもやはり六十億まるまるでなくても、幾らか置かなければ私は理屈が合わぬと思いますが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404720X01719560305/49
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050・後藤博
○後藤政府委員 退職金の財政需要というものがやはり需要の方にはあるのであります。従ってそれに見合うところの退職者を出しておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404720X01719560305/50
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051・北山愛郎
○北山委員 需要の方にはどこに幾ら計上してあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404720X01719560305/51
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052・後藤博
○後藤政府委員 この前申しましたように、給与費の中に入っております。三十億分は、これは毎年財政計画上落しております一定率でもって入っております。それから三十億分につきましては、はっきり九千人の減員の計画の上に出ておるものであります。一緒にして給与費の中に入っておりますので表に出ておりませんけれども、内容的には入っているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404720X01719560305/52
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053・北山愛郎
○北山委員 それは給与と同額というような考え方で入っておるのではないですか。それとも今のような御説明であれば、その内訳を詳しくいただかねばならぬと思うのです。今までの説明であれば、給与費として載っておって、そうしてもしも退職をすればそれだけはやはり給与費が減るからして、そこで退職手当の方はそれで帳消しになると思う。大体においてそういうような組み方をしているのだというようなふうに私どもは受け取っておるのです。ところが、このように財源の方に退職手当債を六十億入れますと、六十億分だけは必ず計画上首を切る。だから、退職手当の需要というものがはっきりと載ってなければならぬはずです。これが年度の初めにきちんと六十億分の首が切れてもまだ足が出るのじゃないかと思う。要するに、一人当りの一年間の給与額の総額の平均単価、これと平均の退職手当の分との差額だけはどうしても足を出すのではないか。しかも年度の初めにおいて一斉に六十億分の首を切るわけにもいかぬでしょうから、そうなればなおさらのことなんです。だから、普通の給与額で置きかえる、退職手当の需要に置きかえるというふうには、どうしても歳出の面ではいかぬのじゃないかと思う。そうすると、一体給与費の中にどういうふうに区分けして織り込んでいるのか、これを示していただかぬと、私の疑問も当然だと思うので、六十億に見合う退職手当の財政需要の方の歳出の方ですね、これを数学的に一つ資料ででもいいですが、今度出してわかるように説明していただかなければちょっと困ると思うのです。そうでないと、六十億の退職手当債を財源の中に見込むということは納得ができない。この点を一つお願いをいたしておきます。
私きょうはこれで終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404720X01719560305/53
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054・永田亮一
○永田委員 今地方債計画の話があったのでちょっとお尋ねいたします。今いただいたプリントだと、災害復旧事業百二十億と出ておりますが、これは補助災害と単独災害とが含んでおるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404720X01719560305/54
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055・後藤博
○後藤政府委員 その通りです。過年災です。——過年度の補助と単独災です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404720X01719560305/55
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056・永田亮一
○永田委員 その過年度の補助災害と単独災害の内訳はわからないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404720X01719560305/56
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057・後藤博
○後藤政府委員 大体の予定を現在つけておりますが、過年度災が六十億、それから現年災の予備費が三十七億、単独災が三十億入っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404720X01719560305/57
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058・永田亮一
○永田委員 予備費が入っておるのですか。現年度災害予備費が三十七億ですね。わかりました。
それからもう一つ関連してお尋ねしておきますが、これは僕よくわからないのですけれども、再建債を、去年もそうだったけれども、百五十億ワク外にしてある。ことしもワク外にしてある。これはどういうわけですか。応募するときにどういうわけでワク外にしなければならないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404720X01719560305/58
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059・後藤博
○後藤政府委員 ワクの中に入れるか、外に出すかという問題があるのでありますが、これは昨年外に出しましたのは、ほんとうの起債ではないじゃないかという議論がありますが、従来一時借入金で借りておるものを長期に直すのであります。従って新しく起債するのでなくて、短期のやつを長期に直す、こういう意味で、本来のものとはちょっと性格が違うのであります。そういう意味で出したのであります。本年度の分もやはりそういうものがありますので、一応ワクの中へ入れないで、外に出してあります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404720X01719560305/59
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060・大矢省三
○大矢委員長 それでは時間もちょうど一時でありますから、本日はこの程度にして、次会は公報をもってお知らせいたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後零時五十八分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404720X01719560305/60
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