1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十一年二月二十二日(水曜日)
午前十時四十五分開議
出席委員
委員長 山本 粂吉君
理事 大平 正芳君 理事 保科善四郎君
理事 宮澤 胤勇君 理事 受田 新吉君
大坪 保雄君 大村 清一君
薄田 美朝君 田村 元君
辻 政信君 床次 徳二君
林 唯義君 福井 順一君
眞崎 勝次君 横井 太郎君
飛鳥田一雄君 石橋 政嗣君
稻村 隆一君 片島 港君
中村 高一君 細田 綱吉君
出席国務大臣
文 部 大 臣 清瀬 一郎君
出席政府委員
法制局長官 林 修三君
法制局次長 高辻 正巳君
委員外の出席者
議 員 古井 喜實君
議 員 山崎 巖君
専 門 員 安倍 三郎君
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二月二十二日
委員西村力弥君辞任につき、その補欠として中
村高一君が議長の指名で委員に選任された。
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本日の会議に付した案件
憲法調査会法案(岸信介君外六十名提出、衆法
第一号)
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/0
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001・山本粂吉
○山本委員長 これより会議を開きます。
憲法調査会法案を議題とし、質疑を続行いたします。通告がありますので順次これを許します。石橋君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/1
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002・石橋政嗣
○石橋(政)委員 第一番目に私は憲法改正の手続に関連いたしまして、若干の質問をいたしたいと思いますが、その第一は憲法改正の提案権の問題であります。この問題についてはしばしば問題になっておるわけでございますが、われわれの見解といたしまして、憲法を改正するときには、憲法九十六条の規定に基いて、国会にのみその発議権があるのだ、提案権があるのだというふうに考えておるわけでございますが、従来の政府側あるいは提案者の説明によりますと、これは政府にも、内閣にも提案権があるかのごとき答弁が再々行われておるわけでございます。この政府にもあるという解釈がどこから出てくるのか、その根拠法規というものを中心に御説明を願いたいと思うわけであります。なお政府にあるというならば、なぜ今回のこの調査会法案の提出も内閣でやらずに、議員立法という形をとったのか。特に調査会を内閣に置くという形がはっきりと法案の中で打ち出されておるにもかかわらず、あえて内閣提案という形をとらずに、議員立法の形をとった理由をも、あわせて御説明を願いたいと思うわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/2
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003・山崎巖
○山崎巖君 ただいまの石橋さんの御質問に対しましてお答えをいたしたいと存じます。憲法改正の手続につきまして、憲法改正の発議権が国会にのみあることは、憲法の条章に照して明らかであろうと思います。ただ発議権を促しまするいわゆる提案権の問題につきましては、従来からこれが国会にのみあるという説とあわせて、内閣にもあるという両説があるわけであります。学説も区々に分れておることは石橋さんの御承知の通りであります。しかし学説としましても、大部分の学説は内閣にもあるという説の方が強いように、私どもは学説としては見ております。私どもといたしましては、いわゆる多数説と申しますか、これに従いまして国会に提案権があることはもちろん当然でありますが、あわせて内閣にも提案権はあるという解釈を従来とっておるのであります。その根拠となりまする条文といたしましては、憲法七十二条の「内閣総理大臣は、内閣を代表して議案を国会に提出し、」云々とありますのを根拠法規と考えております。
次に、内閣に提案権があるとするならば、何ゆえに今回の憲法調査会法は議員提出にしたか。何ゆえに政府提出にしなかったかという御質問のように存じます。この点につきましては従来第二十二国会におきましても議員提出の例もありますし、またその当時はすでに衆議院はこの憲法調査会法は通過をいたしております。従来の前例によったことが一つでありますし、また内閣に提案権がかりにあるという解釈をとりましても、議員が自分の権限に基きまして多数の賛成を得て発案するということは何ら差しつかえない点だろう、こういうふうに解釈をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/3
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004・石橋政嗣
○石橋(政)委員 二十二特別国会において同様の法案が衆議院において通過しておる、こういう前例もあるので、今回も議員立法の形を前回と同様にとったのだという御説明でございますが、前回のあの場合の通過というようなことを前例にあげることは、私は全く不可解だ。なぜならば、当時この法案が衆議院に出されましてから、内閣委員会に付託されて審議された時間はわずかに三時間、全く多数の暴力によって押し切っておるのであります。何らの審議もしないでこのような形で押し切っておいて、それをもって直ちに先例とするというようなことでは、私は困ると思う。このようなことを先例にされることは決して許されることではないと思うわけであります。
それでさらにお尋ねするわけでありますけれども、議員立法の形をとるならば、なぜこの調査会を国会の中に設けるという形をとらないのか、議員立法でやっておって内閣に置くというところに、私はおかしいところがありはせぬかという質問をしているわけであります。少くとも内閣に置くとするくらいならば、政府提案にすればいい。私たちはそれは許すことはできない。憲法に関連した重要な議案である以上、憲法七十二条を根拠法規とするのではなしに、あくまで九十六条に基く、この関連の上に立って、直接国民に発議するという形の法案でないにしても、慎重を期して、やはり国会のみが発議権を持つという杉から、今度のこのような問題についても、政府に提案権ありなどというのは納得いかないわけでありますが、その点は一応おくとしても、今申し上げたように、議員の提案とするならば、国会の中に調査会を置くという形を当然とらなくちゃならなかったと思うのでありますけれども、そこのところの矛盾を一つ御説明願いたいわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/4
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005・山崎巖
○山崎巖君 憲法調査会法案によりまして、調査会を何ゆえに国会に置かずして内閣に置くかという御質問は、衆参両院の本会議でもしばしば出た問題であります。その当時私は御答弁申し上げたのでありますが、今回調査会を内閣に置きまして国会に置かなかった理由は、委員の構成、調査会の組織をごらんになりますとわかりますように、国会議員と同列に学識経験ある者をこの委員会に参加せしめまして組織することに相なっております。こういう種類の調査会は国会に置くよりもむしろ内閣に置くことが適当であろう、こういう観点から内閣に置くことにいたしたわけであります。なおこの調査会は、法案によってごらんになりますればわかりますように、申すまでもなく、調査会自体が自主的に現行憲法の全面的検討をいたすことが任務でありまして、内閣に置きましたからと申しまして、先日も御意見が出ておりましたように、行政府の意見がこの調査会に強く反映するというようなことは絶対にないものと考えておるわけでありまして、こういう意味からしましても、内閣に置くことが適当かつ妥当であろう、こういうふうに考えて内閣に設置することにいたした次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/5
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006・石橋政嗣
○石橋(政)委員 ただいまの御説明も私は本末転倒の理論だと思うのです。なぜならば、この法案の内容を見たらわかるように、国会議員三十名とそのほかに学識経験者二十名でこの調査会を構成している。学識経験者を二十名入れるから、だから国会の中に置くという形をとらないで内閣の中に置くのだと言いますけれども、自分たちが勝手にこういう法案を作っておいて、だからというのを理由にするのは、これはおかしいと思う。先ほども申し上げているように、この憲法改正の発議権はあくまでも国会のみにある。そうだとするならば、この国民に示す改正案を作るための調査会も、当然国会の中で十分に論議を尽し草案を作るという杉がとられるべきだと私は思うわけです。それを学識経験者を入れるのだかり、だから国会よりも内閣に作った方かいいというような御説明をされるのはちょっとおかしいのじゃないか。国会の中でやったにしても、そういう学識経験者の意見を十分に徴する機会を与えることもできるわけです。公聴会という形もとれるでありましょうし、やろうと思えば十分にできるのです。それをあえて内閣でやろうというところに問題がある。わが党の各議員から再三質問されているのはそこなんです。今の内閣で内閣の中にこういうものを作って改正案を作るということになると、どうしたって行政府の意向、内閣の意向がここに加わってくるのは当然です。委員選任という形の中から一つは出てくる。それだけじゃなしに、現在の日本のアメリカ従属性というもの、ここからくる強圧も加わってくる。だから国民の自由なる意思に基いた改正案なるものはできっこないというのがわれわれの考え方なんです。こういうことを言うと、見解の相違だと言われるかもしれませんけれども、少くとも、学識経験者を国会議員と同列に委員の中に入れる、そのためには国会の中に置くよりも内閣に置いた方がよいというような本末転倒の理論は、ここで述べていただきたくないと思う。私は、そういう意味合いにおきまして、あくまでもこれを内閣に設けるというふうなことには賛成いたしかねるわけであります。特に昨日同僚議員から御質問があったように、必ず委員の任命という形の中から内閣の都合のいいような人選が行われるでありましょうし、決して国民の自由なる意思が代表された改正案はできっこないというふうに私たちは考える。この点はここで論議してもしょうがないとおっしゃるかもれしませんので、一歩進めた論議をしたいと思うのでありますが、あなた方はこういう調査会を作られる、そうして必ずしも自分たちの考えに近い者だけを委員にはしないのだということをきのうからおっしゃっておられるけれども、そうするといささか考えを異にする人たちも委員の中に入ってきた場合に、一体いつまでこの論議をされておるのですか。ほんとうに十分に論議を尽されて、りっぱな改正案を作ろうと思えば、満場一致の形がとられるまで論議を続けていく、こういうことになるわけですが、少くともこの委員会の中で、もし公正な委員の人選が行われておったならば、おそらく平行線をたどる問題がたくさん出てくると思う。そういう場合に、やはり最後には多数決となるというような方法を、この答申案と申しますか、改正案を作る場合にも採用されるのであるかどうか、この点についての御説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/6
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007・山崎巖
○山崎巖君 石橋さんもただいまお述べになりましたように、この委員の構成につきましては、調査会法案が可決をされました後におきまして、十分に慎重に、そうして公正な世論が反映できるように衆知を集めたいと考えております。決して政府が勝手に自分に都合のいい人を人選するということはあり得ないことだと考えております。また反対論者がこれに相当参加せられる場合には、論議が平行線をたどって結論がいつまでも出ないのではないか、こういう御心配のようでありますが、この調査会の運営は、調査会ができまして自主的にこれを決定することに相なっております。従いましてこの際私どもから、これを多数決でやるとか、あるいは少数はこれを重んじないとか、こういう結論を申し上げるわけにはいかないと思います。調査会自体がこれはきめるべき問題だろうと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/7
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008・石橋政嗣
○石橋(政)委員 調査会自体がおきめになるというのはけっこうでございますけれども、結局方法は二つしかないと思うのです。多数決でいくか、満場一致でいくという方法以外にない。そうするとこういう重大な国の基本法たる憲法改正をするに当って、草案を作ろうというような場合に多数決というものを採用していくことが妥当だというようにお考えになるかどうか、この点、提案者の考えをお尋ねしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/8
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009・山崎巖
○山崎巖君 お説のように、憲法の問題はきわめて重大でございまして、できるだけ国論の分裂を来たさないような方法をとらなければいかぬと思います。多数決というようなことは望ましいことではないと考えますが、先ほど申し上げましたように、この調査会の運営自体は、調査会自体がきめる問題でございますので、私からこの際とやかく申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/9
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010・石橋政嗣
○石橋(政)委員 とやかく申し上げることは差し控えたいと言われるので、これ以上お尋ねしてもなんでございますが、もし政府がこの人選を誤まらなかったならば――何人が見ても妥当だと思われるような公正な人選が行われて、良識ある委員たちが出てきたならば、結局多数決などというような暴挙はやらないだろうと私は考えるわけです。提案者の今の答弁もそういう趣旨であったかと思うのでありますが、そうすると、相当長期間の論議というものがかわされなければならないことになる。きのうの総理の答弁によりましても、拙速はとらない、十分時間をわけてゆっくりやるということでございますが、それにしてもおのずから限度というものができてくるのじゃないか、そうするとここで改正案を作るまでに、どのくらいの期間を当て込んでおるといいますか、一応必要とする期間をどのように考えておるのか、この点ちょっとお尋ねしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/10
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011・山崎巖
○山崎巖君 だんだん御審議を願いますとわかると思いますが、憲法の各条章にわたって全面的に検討する問題でございますので、この調査会には相当の期間を要することは予想にかたくないと思います。ただ予定をつけて、いつまでに結論を出すということは全然今考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/11
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012・石橋政嗣
○石橋(政)委員 それでは次に質問を移しますが、この憲法調査会ができてから、これまた自主的にきめるとおっしやるに違いないのでありますけれども、この審議の方法といたしまして、現行憲法を中心に各条ごとに検討を加えていくという形と、一広この現行憲法というものは横に置いておいて、全く白紙の形で小委員会か何か作って、そこで草案を作って、それを委員全般の審議にゆだねるというような形と、二つあると思いますが、提案者が考えておりますのは、どちらの方法であるか。特にこの提案理由の説明を読みますと、「新たなる国民的立場に立って現行日本国憲法に全面的検討を加えることは」必要だというように書いております以上、一条一条審議をして、そして改正の必要ありやなしや、必要とすればどのように改正すべきかというふうな、検討の方法が加えられていくのじゃないかと推測するわけでございますが、提案者のこの点についての考え方を承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/12
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013・山崎巖
○山崎巖君 ただいまのお説にございましたように、その問題も調査会ができまして、自主的にきめる問題でございますので、私からとやかく申し上げることはできませんわけでありますが、現行憲法の全面的の再検討を使命といたしまする調査会であります以上は、いろいろ大きな問題も論議されましょうし、また条文ごとにこまかい審議も尽されることと私は予想をいたしておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/13
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014・石橋政嗣
○石橋(政)委員 そのような慎重な討論と検討を経て、一つの改正案というものがいつかの機会にできることになるわけでありますが、その改正案なるものは、直ちに政府の報告される。そうするとこれに対して政府がとかくの修正を加えるというようなことは、憲法の改正手続その他から推してまことにけしからぬことだと思いますが、そういうことはやらない、その調査会でできた案そのものが国会において、国民の投票を仰ぐ対象となる改正案となるのかどうか、この点についての御説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/14
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015・山崎巖
○山崎巖君 調査会法案にもございますように、もしも改正が必要であるという結論が出まして、さらにその改正の具体案を検討し、結論が出ました場合には、法律によりまして内閣に報告すると同時に、国会にも報告することになっておるわけでありまして、これを内閣がとやかくするということは考え得られない問題だろうと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/15
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016・石橋政嗣
○石橋(政)委員 次の点は、総理にも特に伺っておかなくちゃならない問題であろうかと思うわけでございますが、改正案ができ上って、これを国会が三分の二以上の賛成を得て国民の投票を仰ぐというような段階に立ち至ったときに、具体的にどういう形の投票形式を踏んでいくのか、現在のところこれの根拠法規となるべきものはないのじゃないかと思うわけでございますが、ここで新たに最高裁判所裁判官国民審査法といったような形の、別個の法律を制定することになるのかどうか。この点お尋ねいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/16
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017・山崎巖
○山崎巖君 憲法の条章によりまして、改正手続として国民投票の規定がございますが、この国民投票の具体的方法につきましては現在まで法制ができておりません。従いましてそういう機会が参りました場合には、国民投票の方法に関します制度を法律をもって規定する必要があろうかと存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/17
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018・石橋政嗣
○石橋(政)委員 確かに現在できていない、将来の問題でありますけれども、これも非常に大切な問題になってくるわけなんです。なぜならば、おそらくでき上った改正案というものは多岐にわたる改正案になるだろうと思うわけでございますけれども、国民投票を仰ぐ場合に、どういう形の投票をしたらいいのか、改正の個々の条にわたって、この条の改正には賛成だ、この条の改正には反対だという形をとるのか、それとも改正案そのものに賛成か反対かという形をとるのかによって、大きな違いが出てくると思うのです。少くとも軍隊を持つとか、戦争放棄の規定を削除することには絶対反対だ、しかしその他改正の条項については賛成のところもあるというような、国民の意思をどういうふうに反映さして、国民の自由なる意思に基く改正憲法を作りあげていくかということは、非常に重要な問題だと思うわけであります。この点は明日総理にも私お伺いしたいと思いますけれども、一応本法案提出の責任者になっておる山崎さんの見解を特にお伺いしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/18
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019・山崎巖
○山崎巖君 国民投票の方法につきましては、ただいま申し上げますように、国民投票に関します制度ができます場合にはっきりきめるべき問題でありまして、今からどういう方法を用いるということを申し上げますことは、非常に困難だと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/19
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020・石橋政嗣
○石橋(政)委員 今からどういう方法をとるか、ここで述べることは困難だとおっしゃいますけれども、私は非常に大切な問題だと思うのです。これを誤まったら、果して国民の自由な意思に基く改正といわれないのじゃないかという場合も発生してくると思う。こういう大切な問題について一応の見解を持たない、こういう方法をとることこそが最も正しい改正案を得る、あるいは現行憲法のままでよいという結論も出るかもしれないのですが、そういう国民の意思を明確に問うことができる方法だという一つの見解を持たないということが、私は少くとも憲法改正を前提にしたこの調査会設置法の提案者としては、少くとも不適格ではないかと思います。自分が現在どういう形をとった方が適当だと思うという程度のものは、今後のこの大切な問題をきめるときまでの各人の研究の資料にもなることでございますし、国民の世論喚起というか、討論の材料にもなるかと思いますので、私はぜひお漏らしを願いたいと思うわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/20
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021・山崎巖
○山崎巖君 繰り返して申し上げましてまことに恐縮でありますが、憲法改正に関します国民投票の方法をどうするかという問題は、国民投票に関する制度を作ります場合に、慎重に検討をして結論を得べき問題だと考えております。ただ憲法改正に関しまする国民のはっきりした意思が判明するような方法をとらなければならぬという原則論につきましては、もとより私はそういうふうに考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/21
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022・石橋政嗣
○石橋(政)委員 これ以上お伺いしても答弁が得られそうもありませんので、この点については明日改めて総理にお伺いいたすことといたしまして、次に質問を移したいと考えております。
それは本法案提案理由の説明によりますと「この際新たなる国民的立場に立って現行日本国憲法に全面的検討を加えますことは、わが国独立の完成のためにも、はたまた、再建日本将来の繁栄と国民福祉の向上のためにも、きわめて緊要なことであり、」云々と書いてあるわけでございますが、ここの「わが国独立の完成のため」ということが、ちょっと気になるわけです。われわれは現在日本は完全な独立の形をとっておらない、日米安全保障条約というものを中心にしたアメリカとの関係において、従属国的な形をとっておるのだという見解をとっておるので、この言葉はすなおにわかるわけですが、あなた方は現在の日本は完全な独立国だ、どこからも干渉されておらないし、この憲法改正についても、サゼスチョンを受けているわけではないのだというようなことを往々言っておられる。そうすると、この間山崎さんが御説明になったあの提案理由の説明の中で、独立の完成を期すると言うからには、現在の独立というものは不完全だということを容認されての理論であろうかと私は思うわけです。そこで、どういう点が、現在完成されておらないというふうに考えて、このような御説明をなさったのか、この点御説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/22
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023・山崎巖
○山崎巖君 わが国はサンフランシスコ条約によりまして、独立をいたしましたことは、明らかな事実だと思います。ただ国土の防衛につきましては、安全保障条約並びに日米行政協定によりまして、アメリカとの間に協定を結んでアメリカの力によって防衛の一端をになってもらう、あるいはまた経済的にはいろいろの援助を受けるという意味におきましては、日本は完全な独立という点におきましては欠ける点があるかと思うのであります。こういう意味合いにおきまして、今後日本の独立を完成するためには、占領下に作られました、日本の国民自由意思によってできていないところの憲法につきましても、再検討を加えて、ほんとうの日本の独立を完成せしめる、これが提案理由にもありました趣旨であるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/23
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024・石橋政嗣
○石橋(政)委員 サンフランシスコ条約あるいは日米安全保障条約に基いて、米軍が日本に駐留しておる、こういう形のものが完全な独立というふうには言えないのだというふうに私は聞いたのでありますが、そうでありますか。――そうしますと、結局アメリカの駐留軍に帰ってもらって、日本は日本自体の軍隊で守れるようにするということが、わが国独立の完成ということになるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/24
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025・山崎巖
○山崎巖君 私どもが憲法に再検討を加えるというのは、たびたびの質疑応答によって明らかになっておりますように、憲法九条の問題だけを改正しようという趣旨ではないことは、たびたび申し上げた通りであります。各条章にわたりまして、日本のほんとうの国情に沿うように再検討に加えたい、そのことはやがては日本の国家の繁栄に寄与し、また国民の福祉の向上を来たすゆえんであろう、こういう趣旨で、憲法に全面的の再検討を加える、これが私どもが今回調査会を設置せんとするゆえんのものであることを御了承願いたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/25
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026・石橋政嗣
○石橋(政)委員 どうも私納得しにくいわけなんです。現行憲法が占領当時にアメリカによって押しつけられた憲法だ、そういう憲法を持っておるから、日本の独立は完全なものではないのだ、こういう議論に聞えるわけなんで。結局現行憲法の成立の動機と申しますか、手続と申しますか、そういうものが不備だということだけで、現行憲法そのものの効力その他を何ら否認することなしに、そういう議論を進めることはおかしいのじゃないかと私思うわけです。もう少しわかりやすく説明してもらいたいと思う。現に現行憲法はアメリカに押しつけられたものだからけしからぬと言いながら、現行憲法の持っておる民主主義と平和主義と基本的人権の尊重主義という、この三原則の貫かれておることには大賛成だと、惜しみなく賛成をしておるわけです。ここのところの矛盾について、私は明確に解明してもらいたいと思う。少くともでき上った憲法の三原則というものは、完備しておるりっぱな憲法であると言っておりながら、そのりっぱな憲法だけれども、作るときの動機がおかしい、だからだめなんだというふうな理論は、これはいささか飛躍し過ぎておりはせぬか。動機が押しつけられたものだから、自由な国民の意思に基かないものであるというならば、なぜ現行憲法そのものを否認しないのか。それほどの勇気もない。暫定憲法でもなければ、仮憲法でもない。現実りっぱな、しかも先ほど申し上げたように、ほめたたえる現行憲法が、動機が悪いからということだけで、改正を必要とするというふうなことを言われるのは、おかしいじゃないか。動機が悪ければ、もっと勇気を出して、そういう動機のもとに作られた憲法を否認する形を打ち出されて、初めて一貫した筋が通るのじゃないかと思います。この点の御説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/26
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027・山崎巖
○山崎巖君 私どもが憲法調査会を設置いたしまして、現行憲法に全面的の検討を加えるという理由は、提案理由で申し上げましたように、二つあるわけであります。その一つは、制定の経過から見て、ほんとうに日本国民の意思に基く憲法でないという点を非常に私どもは問題として取り上げておるわけであります。もう一つは、申すまでもなく、現在の憲法は九カ年の間実施をいたしてみますと、日本の国情に合わない点が出てきておりはしないかというのが、私どもが憲法調査会を設けて全面的の検討をせんとする第二の理由であります。
そこで、それではどういう点が具体的に言えば実情に即していないかというと、私は憲法の各条章にわたってあると言えると思います。これは憲法調査会におきまして慎重に御審議を願う問題でございますから、ここで私どもが各条章にわたってこまかくいろいろと申し上げることは差し控えますけれども、たとえば一、二の例をとって申し上げましても、現在の憲法で国会におきまして予算の増額修正を認めることがいいかどうかというような点は、日本の将来の財政を考えますと、やはり検討に値する大きな問題ではなかろうかと思うのであります。あるいはまた解散権の所在につきましても、現在では憲法七条並びに六十九条、これをめぐりまして常に論議があります。今七条によって解散ができるということが慣行に相なっておりますけれども、こういう重大な問題につきましても議論が残っておるわけであります。こういう点も明らかにしておく必要があるのであります。あるいはまた内閣の制度につきましても、内閣総理大臣の権限が、今までのようなままでいいかどうかというような問題も残っておると思います。あるいは司法制度につきましても、最高裁判所の裁判官の国民審査の問題が、果して適当かどうかというような問題もあると思います。こういうふうに各条章にわたりまして、日本の国情から考えまして検討を要する問題は多々あると思うわけでありまして、こういう意味合いにおいて私どもは調査会を設置して、全面的に慎重に御検討をいただきたい、こういう趣旨でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/27
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028・石橋政嗣
○石橋(政)委員 明快な答弁は依然として得られないわけです。アメリカによって押しつけられた憲法だ、だからこういう憲法には全面的検討を加えて自主的憲法を作らなければならないのだというようなことを言っておる。そのこと自体大きな矛盾だということになぜお気づきにならないのか。押しつけられて、自由なる国民の意思に基いて作られた憲法でないならば、なぜお認めになるのかと私は聞いておる。そんな憲法ならばなぜ否認しないのか。少くとも今あなたは完全な独立国になったのだと言われるならば、その独立国となったときを契機として、敢然とそういう押しつけられた憲法は無効だとなぜ言わないのか。私はそこのところの御説明を聞いておるわけなのです。そういう動機によって作られたというならば、これは日本国の国民の自由なる意思に基いて作られた憲法じゃないのだから、否認するという形をどうしておとりにならないのかとお尋ねしているわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/28
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029・山崎巖
○山崎巖君 現行憲法も、たびたび申し上げますように、幾多の長所を持っております。提案理由で申し上げましたように、あるいは民主主義あるいは平和主義あるいは基本的人権の尊重というような、幾多の長所がございます。こういう長所は私どもとしてもあくまで堅持して参りたい。ただ先ほど具体的に一、二の例をとって申し上げましたように、現在の国情から見まして、これに適当するような全面的の検討を加える時期がきたのじゃないか。全面的な検討を加えまして、これが改正を必要とするということになれば、その具体的の問題につきまして、国民の自由な判断に基いて、新たな憲法の改正をいたすということが適当であろうかと考えます。従いましてわれわれは現在の憲法を全面的に否認するということは毛頭考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/29
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030・石橋政嗣
○石橋(政)委員 押しつけられた憲法で、国民の自由な意思に基いて作られたものじゃない憲法を否認しないというような理屈は、私はおかしいと思う。そういうことを否認し切らないくらいならば、押しつけられた憲法なんというおこがましいことは言わないようにしていただきたい。あなた方がいかに論弁を弄されても、真意はここにはっきり出てきておる。押しつけられた憲法だからいやなのだというのじゃない。押しつけられた憲法であろうと何であろうと、でき上った現在の憲法が持っておるこの民主主義と平和主義と基本的人権尊重主義、このものが気に食わないということだと私は思うのです。そういうことであるならば十分に私たちは理解できる。あなたたちのことだから、おそらくそうだろうというふうに理解できるけれども、押しつけられた憲法だけれども、できている憲法は非常にいいところがございます、民主主義がけっこうです、平和主義がけっこうです、基本的人権主義がけっこうですなんということを、口でだけ言っておる。現に押しつけられた憲法だというけれども、そのときに当時の閣僚たちが抵抗を試みておる。その抵抗というものが、あなたが今口にされた日本の国情に沿わないという言葉によって、より非民主的な方向に現行憲法を持っていこうという抵抗が、当時現われておった。しかし、占領軍の力、当時の敗戦を契機としてぼつ然と沸き起っている国民の力を無視することができずに、ついに押し切られた。だからこの八年か九年たった現在、当時試みて失敗した抵抗を、今あらためてやり直そうということの意義にほかならないと私は考えるわけです。この点は、意見の相違だとおっしゃるかもしれませんから、その証拠として、あなたたちがいかに口ばかり民主主義だ、平和主義だ、基本的人権の尊重主義だと言ったって、腹の底ではこれと逆行する。これを否認しないまでも、少くとも後退させる方向に持っていこうとしているのだということを、ここで如実に暴露するようなことを、現に今の一部改正という言葉の中から現わしてきておる。そういうことを私はここで一つ一つ例をあげて時間の許す限りお尋ねをしたいと思うわけであります。いかに口で民主主義だ、平和主義だと言っておっても、そのものをほんとうに理解しておらないのじゃないか、そういう意味を基礎に置いてお尋ねをしたいと思うのであります。
現に、今あなたは予算の増額を伴うような、あるいは新たなる予算措置を必要とするような修正なり、あるいは議員提案の立法なりをすることに制限を加えたいというようなことをお漏らしになった。これなども非常に大切な問題だと思うのです。民主主義国家というものは、御承知の通り、司法、行政、立法三権分立の形の中からできております。そうすると、この立法、司法、行政が対等の形でいくのか、それともいずれかにウエートをより多く置いていくのかということによって、非常に問題が出てくると思うのです。今の問題なども、行政権の強化という形になっていきはしないかという心配を私持っておるわけです。かつて自由党の憲法調査会なるものが試案を作られたことがございました。その中で、現行憲法四十一条に規定されております国会は国権の最高機関であるという、これを削除するということをはっきり打ち出しておられる。これとの関係もあるのじゃないかと思う。このように、国会が国権の最高機関であることをやめにする、そして逆に軍の最高指揮権を総理大臣に持たせるとか、憲法改正の発議権をこれまた内閣に持たせるとか、あるいは昔の緊急勅令にかわる緊急命令を国会閉会中に出す権利を総理大臣に与えるとか、あるいはまた条約締結に対する国会の承認権の制限をやるとか、いろいろ行政権を強化し、国会の力を押えるような形に動いた試案が作られたことも、かつて自由党においてあった。この考え方に非常に近いものをあなたが持っておられるのじゃないかと懸念するわけです。このほかにも、地方公共団体の長の公選制度も削除していく。これまた中央集権化の道にほかならない。なぜそういうことをやるかという質問に対しては、現在の憲法は、内閣の首班は国会がこれを指名することになっており、最高裁判所の長官は内閣が指名することになっている。どちらかというと、司法と行政が立法に従属ないし隷属するような形にとられがちだ、だからより完全な対等な形にするために、国会が国権の最高機関であるということを除きたいのだというふうな説明が、当時なされておったのでありますけれども、これなどはまことに危険な思想じゃないかと思う。国会が相当の力を持っておって、初めて民主主義の国家というものの形態が安定するのじゃないかと私は考える。いたずらに行政権の強化をはかるというようなことは、まかり間違えば、これは中央集権化、そうしてファッショ化への道につながると私は考えておるわけです。現在の憲法のもとにおいてすら、総理大臣の大臣の罷免権というものに象徴されておるように、あまりにも大きな権限を持ち過ぎておるというような批判がある。そこへ持ってきて、さらに国会の権限にワクをはめ、そうして行政権を強化するというような形に持っていくということは、非常に危険きわまりない考え方だと思うのでありますが、この点についてあなたの御意見を一応お伺いしておきたいと思うわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/30
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031・山崎巖
○山崎巖君 答弁は求められなかったのでありますが、現行憲法の長所でありまするところの、民主主義、平和主義並びに基本的人権の尊重につきまして、どこどこまでもこの基本原則は堅持していく、なおその精神をさらに伸ばしていきたい、こういう気持は絶対に私どもしては持っておるわけであります。この点は誤解のないようにお願いをしておきたいと思います。さらに私が先ほど、現行憲法の検討の一つの例として、国会制度のうちで予算の増額修正の問題を御検討願いたいと申し上げたわけでありますが、この問題は、従来から学界におきましてもいろいろ議論のあるところであるし、また各国の憲法の例を見ましても、非常に問題になっておる点であります。従いましてこういう問題を、この調査会ができました以上は、できるだけ慎重に御検討いただきたい、こういう趣旨で申し上げたにすぎないわけであります。従いまして私どもが、根本的に中央集権化をはかるとか、あるいは行政権を非常に拡大するとか、腹の底にそういう考えを持って憲法の検討に当る、こういう趣旨でないことを御了承をいただきたいと思います。なお自由党時代にいろいろの案を検討されまして発表になっておるものもございますが、こういう案につきましては、憲法調査会におきましては、別にこれにこだわるというような気持は毛頭ございません。全く憲法調査会は白紙の態度で、十分に慎重に各種の問題について御検討をいただきたい、こういう考えでございますことを御了解願っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/31
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032・石橋政嗣
○石橋(政)委員 それでは、個々の条文についてどういうふうな見解を持っておるのか。非常に国民の関心の強い問題について、二三質問をしてみたいと思います。
その一つは現在の二院制度というものをどういうふうに考えておるのか。御承知の通り、衆議院における多数党の横暴を抑制するのだというふうな理由から、参議院というものが作られたわけでありますが、この二院制度というものについて根本的にメスを入れる必要があるというふうに考えておられるのかどうか、あわせて参議院の任期、あるいは選出の方法というようなものについても、これを改正する必要がありというふうに提案者の方では考えておられるのかどうか、この点をお伺いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/32
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033・山崎巖
○山崎巖君 議会政治の運用を円滑にするために、私どもといたしましては、二院制度は非常に必要な制度だと考えております。ただ参議院の構成あるいは任期等につきましては検討を加える余地は残っておりはしないか。世間では参議院の任期が衆議院と違うことに非常にいろいろの不都合があるというような議論もございます。こういう点につきましても、憲法調査会において慎重に御検討願う価値のある問題ではないかと考えております。二院制度自体をどういうふうに変革するというような点は、私どもは目下のところは考えておりません。調査会におきまして、あるいはそういう問題が審議されるかもしれませんけれども、私どもの今の考えとしては、二院制度について変革を加えるというような意思は毛頭ございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/33
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034・石橋政嗣
○石橋(政)委員 特に議員の選出方法ということは大切な問題だと思うのです。少くとも現在のいろいろの意見がある中で、参議院は直接選挙という形をとらないで、推薦制とか、あるいは間接選挙というようなものを併用するなりした方がいいのじゃないかというような意見がたくさんあるようでございますが、こういうやり方は特定の階級の者から議員が出てくるというふうな弊害が出てくる。こういう特殊の者に特権を与えるというようなことは、やはり民主主義を破壊するもとになるのではないかというふうに私は考えておるわけでございますけれども、この選出の方法というものについてどういう考えを持っておられるか。今のままがいいとお思いになられるか、あるいは先ほど言ったように、推薦制とか間接選挙制というものを併用するといったような方向に持っていった方がいいとお考えになっておられるか、この点御見解をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/34
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035・山崎巖
○山崎巖君 参議院の構成につきましても、いろいろ今日まで議論のあることは、石橋さん御承知の通りであります。ただいま石橋さんの御意見の中にございましたように、推薦制をとるのがよいのじゃないかという議論も一部にはございます。こういう問題こそ憲法調査会ができまして十分に御検討を願い、国民の世論を反映せしめ結論を出すべき問題である。今日私がこの推薦制がいいとか悪いとかいうような結論は私自身も持っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/35
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036・石橋政嗣
○石橋(政)委員 憲法調査会の審議に待つのだ、だから自分自身がどうこうというのは差し控えるということを再三おっしゃっておられるのでありますけれども、少くとも国の基本法たる憲法を改正することを目的としてこの憲法調査会法案というものが出されておる。そうするならば、この法案の直接の提案者であるあなたが一応の見解を述べるということは必要なのじゃなかろうか、私はそのように思いますので、あまり逡巡なさらずに、一つ自分の意見をお聞かせ下さって、われわれの参考に供していただきたいと思います。そういう意味でさらに質問を続けます。
先ほども申し上げましたが、この行政と立法というものの関連性というものは非常に大切だと思うわけでありますが、中でも私どもがゆるがせにできないというふうに思われる問題は、国会が閉会中は、やむを得ないから緊急事態に際して、内閣が法律にかわるべき何らかのものを作る権限を持った方がいいのじゃないかというふうな意見が、これまたしばしばわれわれの耳に入ってくるのでありますが、これも非常に物騒な意見である。三権分立を破壊し、民主主義を破壊する方向に、間違うと行きやすい安易な方便的なやり方になるおそれがあるのじゃないかと思うわけでございますが、こういう制度をもやはり考慮されるというふうに考えておられるのか、この点お尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/36
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037・山崎巖
○山崎巖君 国会閉会中の国政の処理につきましてどういう方法を用いることがよろしいか、これは非常に重大な問題だと思います。現在の方法としては参議院の緊急集会の制度が認められておるのでありますが、果してこれが適当であるかどうかという点は、やはり検討に値する問題ではないかというふうに私は考えております。そこでこういう問題も、これは決して私の責任を回避するわけではございませんけれども、これこそ衆知を集めてその調査会において結論を得ることが最も妥当である、今私自身その結論をもってとやかく申し上げるものは何にもございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/37
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038・石橋政嗣
○石橋(政)委員 どうも明快な御答弁が得られずにまことに残念でございますが、今ここで言われないというほんとうの腹の底には、先ほど私が申し上げたように、やはり大きな民主的な勢力の非難を買うことをおそれているのじゃなかろうか。それでなければ堂々と自分の考えをここで言えるのではないかと思う。少くとも提案者としてこういう一つ一つの問題について、相応の意見を持たないで提案しているというようには、私たちには考えられかい。しかし、お述べにならないならやむを得ないから一応次に移します。
その点は何かといいますと、地方公共団体の長の公選制度をやめて、これを間接選挙かあるいは政府の任命というような形に持っていこうという動きがこれまた再三あったのでございますが、憲法の条文に拘束されて目的を果さなかったということが過去においてもあったと思うのであります。そこでこの機会に、公選制も廃止してしまおうというふうな考えを持っておられるのではなかろうかという懸念がありますので、一応御見解をただしておきたいと思います。特に内務官僚出身の山崎さんは、かつての内務省の復活というふうなこともからんで大いにこの点あたり意図するところがあるのではなかろうかと思いますので、御意見を承わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/38
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039・山崎巖
○山崎巖君 私が旧内務省出身でございます関係で、いろいろ特別の御質問があったようでありますが、私どもとしましては、今知事官選というようなことは毛頭考えておりません。また内務省の復活というようなこともかつて考えておったこともない次第でございますから、御承知を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/39
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040・石橋政嗣
○石橋(政)委員 それでは、きょうあんまりたくさんやるなという意見もございますし、ゆっくり今後も続けていかなくちゃならないと思いますので、若干の質問にとどめたいと思いますが、その一つは、最高裁判所裁判官の国民審査制は廃止するという意見、これまた非常に強いのでございますが、この問題についてどういう考えを持っておられるか。それから前国会におきまして総理その他から御説明があったのでありますが、憲法裁判所というふうなものを認める考えでおるのかどうか、こういうことについても一言触れておいていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/40
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041・山崎巖
○山崎巖君 ただいま御質問の現行憲法のうちの司法制度に関します憲法裁判所の問題、あるいは最高裁判所の裁判官の国民審査の問題、この二つは調査会の司法制度の部門におきまして非常に検討に値する問題だと思っておるわけであります。しかし、私どもとしましては、これをどういうふうに改正するのがよろしいかという結論はただいまのところ持っておりません。ただ検討に値する問題点であるということを申し上げておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/41
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042・石橋政嗣
○石橋(政)委員 どれを聞いても問題点だということ以上を出ないのでありまして、非常に残念でございますが、それでは最後に一つ。これは特に国民の中でも婦人層に関心の深い問題であろうかと思いますので、家族制度について若干の御質問、それから婦人の地位についての質問をしておきたいと思います。
戦後現行憲法において男女同権という大原則が打ち立てられ、そうして婦人にも初めて参政権が与えられたのであります。これが尚早であるというような意見もしばしば聞かれるのでございますが、婦人の参政権についてどういうふうな見解を持っておられるか。それから、かつての家族制度の復活を意図しておるのじゃないかという懸念をわれわれ絶えず持っておるのでございますが、長子相続、家産制度というようなものについて、どういうふうに考えておられるか。またかつての自由党の調査会案の中に、血族的共同体を保護尊重し、親の子に対する扶養及び教育義務、子の親に対する孝養の義務を規定する必要があるなどということも書いてありました。これなどは全く法律と道徳を混淆したものであろうと私たち思うのでございますが、こういう問題についてどういうふうな御見解を持っておるか、最後に一つお尋ねしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/42
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043・山崎巖
○山崎巖君 家族制度につきましては、もちろん男女平等、個人の尊厳という大原則につきまして、これを尊重して参ることは当然だと考えております。従いまして、往時のようないわゆる旧戸主権の復活というようなことは、何人も考えておらない点であろうと考えております。ただ、現在の憲法の二十四条の規定は国家と個人とを直接結びつけたような誤解がよく出るわけであります。従いまして、国家の基礎をなしまするところの家庭生活を保護していくというような点については、何らか検討の余地のある問題ではなかろうかというふうに私どもとしては考えておるわけでございますし、また家産制度につきましても、往々にして農地の問題について世上いろいろ論議がございます。農地のいわゆる細分化を防止するような意味において何らかの制限を必要とするのじゃないかという議論もあるが、そういう点は調査会におきまして十分御検討をいただかなければならぬ問題点ではなかろうか、とこういうふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/43
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044・石橋政嗣
○石橋(政)委員 本日の私の質問の中で完全に明快な答弁の得られない部分が非常に多かったのでございます。しかしながら、この不満足の答弁の中からでも、私が最初から一貫して申し上げておるように、改正の意図が、単に押しつけられた憲法だから改正する必要があるのだという形で、どちらかというと国民の通俗的な民族意識というようなものに訴えた形で打ち出されているけれども、実際の本音は、昔のいわゆる帝国憲法の時代に逆戻りさせようという意図に基くものであることを、あちらこちらに露出していると思うわけです。口には現行憲法の三原則をあくまで貫いた精神を今後も生かしていくのだと言いながら、民主主義を唱えながら、片一方では天皇の地位の強化をはかるというふうな矛盾を平気でやろうとしている。平和主義を唱えながら、軍備と戦争を放棄した完全な条項をこれまた修正しようとする、基本的人権の尊重を唱えながら、公共の利益、福祉というものとの相関関係の上に立ってという美名のもとに大きな制限を加えようとしている。こういう、当時占領軍の力、あるいは敗戦を契機としてほうはいとして起ってきた国民の民主的な意欲のもとになし得なかった反動的な抵抗を、この機会にあらためてやろうとする意図であるということを、如実に示しつつあると思うのでありますが、明日の総理に対する質問あるいは同僚各委員の今後の質問の中からそういった本性を次ぎ次ぎにむき出させるような方向に持っていくことを、ここで再度申し上げておいて、本日の質問は以上で終りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/44
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045・山崎巖
○山崎巖君 石橋さんは最後の結論として、私どもがたびたび申し上げました民主主義、平和主義、基本的人権の尊重という三原則を堅持して参りますという主張に対しまして、これはそういう主張はしているけれども、その意図は逆コースをたどるのではないか、こういうことをおっしゃるのでありますが、絶対にそういうことはございません。私どもとしましては、三原則をますます堅持し、そうしてその精神を伸長していきたいということは間違いのない点でありますから、その点をあらためてはっきり申し上げておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/45
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046・山本粂吉
○山本委員長 受田君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/46
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047・受田新吉
○受田委員 きょうは石橋委員の質問で終りたいと思っておりましたが、今石橋委員の質問に対して山崎さんの答弁せられた中に、はなはだ解せない点がありますので、一、二カ所だけ指摘しておいて御答弁いただきたいと思います。
それは、この法案の提出方式が議員提案で、かつ調査会そのものを内閣に置くということについての疑義に対して、昨年の国会ですでに先例があるという御答弁があったんですが、少くとも昨年のあの衆議院の審議の仕方は、山崎さんのおっしゃる民主主義とは逆な方向であって、提出したその日に委員会を仕上げ、本会議を仕上げるということは、前古未曽有のできごとである。こういう粗雑なことをしたことを、先例があるとおっしゃったことは、国会議員として、提案者としてはなはだ不謹慎だと思うんです。少くとも法案提出即日委員会と本会議を同時に上げるというようなことは、民主主義的な審議といえますか。その点の御答弁をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/47
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048・山崎巖
○山崎巖君 先ほど石橋さんにお答えしましたのは、二十二国会におきましてこの調査会法が衆議院を通過したということを申し上げて、これを先例と言ったわけでありますが、その点だけじゃなくて、今回議員提出といたしましたのは、むろんわれわれは憲法改正の提案権もあり、また発議権を持っておるわけであります。従いましてわれわれが議員提出としてこの法案を出しますことは何ら差しつかえないことであり、また議員提出をいたしましたゆえんのものは、憲法の再検討に対しまするわが自由民主党の熱意の現われであるというふうに御解釈をいただきたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/48
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049・受田新吉
○受田委員 私は昨年の審議の方式は日本国民が憤激したことと思うておるんです。こういうやり方に対して、あなたは今何ら反省の言葉として現われておりません。昨年の審議の仕方は非常にまずかった、委員会を三時間で仕上げて本会議へ持ち込む、しかも本会議を即日仕上げるというかかるやり方は、今後絶対に避くべきであるという言明をいただきたいんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/49
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050・山崎巖
○山崎巖君 昨日も受田さんの御質問のときに申し上げましたように、今回はこの調査会法の重大性にかんがみまして、一つ十分に御審議をいただきたいと存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/50
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051・受田新吉
○受田委員 今回でなくて、昨年のやり方は十分反省すべきであるかどうか、今後かかることは絶対にしてはならぬという御意思があるかないか、それをお尋ねしておるんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/51
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052・山崎巖
○山崎巖君 今回の審議に当りましては、ほんとうに民主的のルールに従って十分な御審議をいただきたいと思います。昨年の審議につきましてとやかくの批判をいたしますことは、私としましては差し控えたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/52
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053・受田新吉
○受田委員 差し控えたいということはどういう意味か、そのお気持の内容を明らかにしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/53
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054・山崎巖
○山崎巖君 ただいま申し上げました御答弁で御了承を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/54
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055・受田新吉
○受田委員 強引なお方ですね。あなたはこういう重大な法案を、今回は慎重にやるとおっしゃっておられるんですが、提案者の考え方の中にも驚くべき反動性があると思います。何となれば、今回提案された方々のお名前を拝見しますと、ずらりと並ばれたお名前は大東亜戦争を引き起した当時の責任者であられる方か、あるいは当時の重要ポストにあられた方々であって、時代逆行を物語る顔ぶれであることをわれわれは指摘せざるを得ないんです。少くとも提案者に、そうした国民に反動的印象を与えるような方々が御遠慮されて、もっとすっきりした民主主義を尊重されるような方々が提案者になられるべきであったと思いますが、提案者の自粛自戒的なお考えがどうあったのか、一つお答え願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/55
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056・山崎巖
○山崎巖君 私が長い間官僚生活をいたした関係で、今受田さんからいろいろ御批判があり、御心配がございましたけれども、私も国会に出ましてもう三年半、民主主義に徹して今後の政治に終始していくつもりでございますから、どうぞその点は御安心をいただきますようにお願いを申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/56
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057・受田新吉
○受田委員 しからば山崎さんにお尋ねしますが、今回調査会法案を出される意図の中心には、第九条の改正が含まれていることはしばしばお聞きしておるのです。ところが昨日の総理の答弁、それから今まであなたが答弁されていることなど総合してみますと、自衛権を認める立場からの自衛軍というものを考えなければならぬという結論が出ておるのです。そこで私はこれに関連してお尋ねしたいのですが、自衛権というものの内容と自衛軍の限界というものはどういうものであるか、そういうところであなたの時代逆行性かあるかないかを判断したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/57
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058・山崎巖
○山崎巖君 自衛権並びに自衛軍につきましては、しばしば政府が申し上げております見解を、私どもとしては支持をいたしておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/58
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059・受田新吉
○受田委員 しからば国を守るためにやむを得ざる立場の正当防衛という解釈ということになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/59
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060・山崎巖
○山崎巖君 その通りに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/60
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061・受田新吉
○受田委員 しからば大東亜戦争は自衛のための戦争であったか、侵略のための戦争であったか、いずれであったか御答弁いただきたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/61
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062・山崎巖
○山崎巖君 大東亜戦争はあるいは自衛のために起ったかもしれませんけれども、その結果においては必ずしも自衛のみに限定されたように私は思っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/62
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063・受田新吉
○受田委員 あなたの御答弁ははなはだ不可思議なことであります。自衛のために起ったかもしれぬが、最後は自衛でなかったかもしれぬ、かもしれぬというような判定では、あなたの逆行性を審判するのにははなはだ根拠薄弱であります。少くとも大東亜戦争は侵略戦争であったか、あるいは自衛のための戦争であったかということは、第九条改正の根本的問題になるので、一つその御解釈をはっきりさせていただきたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/63
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064・山崎巖
○山崎巖君 大東亜戦争は、はっきり申し上げまして自衛のための戦争であったとは私は思っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/64
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065・受田新吉
○受田委員 しからば侵略戦争ということになると思います。大東亜戦争は侵略戦争であったとあなたは断定をされますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/65
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066・山崎巖
○山崎巖君 ただいま御答弁申し上げたことによりましてはっきりしておると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/66
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067・受田新吉
○受田委員 自衛でないとなれば、侵略だということにあなたは結論を出された。しからば侵略戦争に協力された元凶の方々がこの憲法改正を意図されたということにおいて、われわれはそのよって来たるところがはなはだ遠大であることを審判せざるを得ないのです。この点私は一つ提案者に御詰問申し上げたい点があるのであります。大東亜戦争の詔勅の中に「今や自存自衛ノ為、蹴然起ツテ、一切ノ障礙ヲ破砕スルノ外ナキナリ。」という言葉がありましたが、これはあなたは否定されますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/67
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068・山崎巖
○山崎巖君 いろいろ御質問がございましたが、私も皆さんも同じでございますが、総選挙におきましては、国民の審判を経てこの国会に席を置いておるわけであります。従いましてただいまいろいろ御意見の点もございましたけれども、決して私自身が反動性に富んでおる人物とも思いませんし、また今後、先ほど申し上げましたように、民主主義の原則に従って、その精神に徹して国政といいますか、あるいは国会政治に終始していくつもりでございますから、その点一つ御了解をいただきまして、御安心下さるようにお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/68
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069・受田新吉
○受田委員 はなはだ安心できないのです。あなたは今、大東亜戦争は侵略戦争だと言われた、その戦争を指導された方々の中にあなたが入られるか入られぬかは御判断をいただくべきでありますが、ここにおられる保科先生、辻先生たちもそんな侵略戦争に協力した方々ということに結局なるおそれもあるので、われわれはこの点については大東亜戦争を侵略戦争と断定する憲法調査会法案の提案者山崎先生に対して、さらにつつ込んでお尋ねしたい点があるのですが、これはさらに何回も会を持ちますのでそれに譲るとして、もう一つ特にきょう御発言になられた中に重大な問題が残っておるので、お尋ねします。日本は完全独立とはいえないとおっしゃられた。いろいろな安保条約とか行政協定とかによって縛られて、アメリカ軍もおるというような、アメリカだけの関係で、完全独立でないとおっしゃったが、サンフランシスコ条約の中にはソ連がまだ入っていない。そしてソ連が入っていなくても、アメリカとの関係だけで完全になっていないので、完全独立といえないという御答弁には何か不備な点があると思うのでありますが、この点いかなる御見解を持っておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/69
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070・山崎巖
○山崎巖君 先ほど大東亜戦争につきまして、あるいは言葉が足りなかったかもしれませんが、初めに申し上げましたように、初めは大東亜戦争というものは、自衛のために起されたものであると思いますけれども、その戦争の過程におきましては、非常に逸脱した点があったというふうに、私は申し上げたつもりであります。なおソ連が今戦争状態の終結に至っておらないから、日本は完全独立でないのじゃないかという、こういうことでございましたが、日本はサンフランシスコ条約によりまして、独立は一応できておると私どもは思っております。ただ国土の防衛等につきましては、アメリカの力を借りておりますので、その意味においては完全でないといえば、ないということがいえる、こういうふうに申し上げたつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/70
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071・受田新吉
○受田委員 今あなたが言い直されたから、さらに質問しなければならぬことになるのですが、そうすると、日本は自衛のために戦争を始めた。それから後に侵略になったのだという、こういうことに是正されたわけですが、最初は自衛の意図で、実際の結果は侵略であったということになると思うのですけれども、この自衛か侵略かの判断はだれがされるのですか。そこが問題なのであって、自衛のための軍隊か、侵略のための軍隊かという判断は、だれがされるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/71
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072・山崎巖
○山崎巖君 この点は非常に重要な問題と思いますが、かりに自衛軍というものが憲法改正の場合に認められます場合には、これは国会の意思によりまして、発動が決定されることに、おそらくなると思います。従いまして、その発動の場合は、国会の意思によって決定するというふうに私どもは考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/72
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073・受田新吉
○受田委員 自衛のためということにどれだけの限界を持つかということは、非常にむずかしいはずなんですが、あなたも総理も、ここにおられる清瀬さんも、とにかく自衛のための軍隊は持てる、ところが現憲法ではそこが非常に不明瞭になっているから改正するのだというお言葉があるわけなんです。この点国会の承認を求めて戦争を始める、将来この自衛軍を動かすのだという御答弁があったのですが、国会に対して、今から自衛軍を動かすということの承認を求めるということが、今度の第九条の自衛軍を持つ場合におけるその発動の根拠になるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/73
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074・山崎巖
○山崎巖君 その点は重要な問題でありまして、そういう点こそ、憲法調査会におきまして、十分の御審議を得て適当な結論を出していただきたいと、私どもとしては考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/74
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075・受田新吉
○受田委員 憲法調査会に全部責任を転嫁されるようでありますが、提案者がそういうものに対してある程度の構想を持たないで、こういう法案を出されるということは非常に問題だと思うのであります。そこで、自衛の観念というもののあなたの御解釈は、外部から侵略したことに対してそれに正当防衛をする、こういう形のものである。それならばたとえば、ここに最近盛んに発明されておる無線誘導弾のようなものが、ある国からこの日本へどんどんやってきたというときに、この無線誘導弾の発射地が向うにあるというときに、こちらから向うの根拠地をたたかなければこの侵略を防げないというときには、海外派兵とかそういうようなことも考えられると思いますが、海外派兵は侵略ということになるかどうか、これを一つお答え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/75
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076・山崎巖
○山崎巖君 かりに憲法が改正されまして、自衛軍が設けられた場合に、その行動の範囲と申しますか、これは私どもとしましては、国会の承認を得ることが適当であろうと現在では考えておるわけであります。現在自衛軍が設けられましても、昨日総理大臣が申されましたように、海外派兵というようなことは考えておらないことは、政府と私どもも同一でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/76
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077・受田新吉
○受田委員 海外派兵をする場合、自衛のための海外派兵であるならば侵略にならないという結論になりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/77
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078・山崎巖
○山崎巖君 きのうの総理の答弁の通り、海外派兵ということは私どもは考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/78
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079・受田新吉
○受田委員 最後にお尋ねしておきたいのですが、大東亜戦争に例をとりますけれども、この大東亜戦争は初めは侵略の意思がなかった、しかし真珠湾が攻撃され、南方地域が攻撃されたが、その攻撃されたことは侵略になるのか、あるいは意図がなかったけれども、最初から侵略というものが伴ってきたのか、こういうことが考えられると思うのですが、この点はいかが御解釈されますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/79
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080・山崎巖
○山崎巖君 真珠湾の問題等につきましては、私はこの機会に意見を申し上げることは差し控えたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/80
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081・受田新吉
○受田委員 われわれが今一番関心を持っておるのは、憲法第九条を改めて自衛の軍隊が持てるようにする場合に、過去にわれわれが犯したいろいろな戦いのあとを顧みると、これらが重要な参考になると思う。そのときの政府が、これは自衛だというので詔書を出していただいて戦争を始めた、こう考えておられるようであるが、あとから見たらそれは侵略であったということになるならば、初めから侵略を企図して戦いをするということはあり得ぬということになる。侵略戦争を最初からやる意図で戦いを起しているものはないということになるならば、戦争は全部最初は自衛だということになる。そういうことに結論が持っていけるわけです。結局自衛々々と言うておるうちに侵略になるというのが戦争の常識じゃないでしょうか。こういうことを考えるときに、自衛のための軍隊というものの解釈はそのときの政府がする。(「国民がするのだ。」と呼ぶ者あり)国民がするのだという声がその辺から出ましたが、国民がするということは、非常に責任のないことであって、戦争を起した責任者の感覚が、自衛であったか侵略であったかということが大事な問題です。この点、大東亜戦争は重要なわれわれの反省の戦争であると思う。今後さらに会を重ねるに従って詳細お尋ねを申し上げることにいたしまして、一応これで質問を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/81
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082・山本粂吉
○山本委員長 本日はこれにて散会いたします。
午後零時九分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102404889X01019560222/82
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