1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十一年四月三日(火曜日)
午前十一時十八分開議
出席委員
委員長 村松 久義君
理事 吉川 久衛君 理事 笹山茂太郎君
理事 白浜 仁吉君 理事 助川 良平君
理事 田口長治郎君 理事 中村 時雄君
理事 芳賀 貢君
安藤 覺君 五十嵐吉藏君
伊東 岩男君 井出一太郎君
大野 市郎君 大森 玉木君
加藤常太郎君 木村 文男君
楠美 省吾君 小枝 一雄君
鈴木 善幸君 中馬 辰猪君
綱島 正興君 原 捨思君
本名 武君 松浦 東介君
松野 頼三君 赤路 友藏君
淡谷 悠藏君 稲富 稜人君
石田 宥全君 小川 豊明君
川俣 清音君 神田 大作君
中村 英男君 日野 吉夫君
久保田 豊君
出席国務大臣
農 林 大 臣 河野 一郎君
出席政府委員
農林政務次官 大石 武一君
農林事務官
(大臣官房長) 谷垣 專一君
農林事務官
(農林経済局
長) 安田善一郎君
農林事務官
(農地局長) 小倉 武一君
農林事務官
(畜産局長) 渡部 伍良君
林野庁長官 石谷 憲男君
農 林 技 官
(水産庁次長) 岡井 正男君
委員外の出席者
大蔵事務官
(主税局税関部
長代理) 崎谷 武男君
農林事務官
(農林経済局経
済課長) 尾中 悟君
農林事務官
(畜産局畜産課
長) 神尾 正夫君
農林事務官
(林野庁林政部
長) 奥原日出男君
農 林 技 官
(水産庁生産部
漁港課長) 林 真治君
通商産業事務官
(通商局農水産
課長) 日比野健児君
専 門 員 岩隈 博君
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三月三十日
町村合併に伴う農協統合促進に関する陳情書
(第四三三号)
漁港整備促進等に関する陳情書
(第四五六号)
新指導農業団体法制定に関する陳情書外五件
(
第四五七号)
自作農維持創設資金の融資増額に関する陳情書
(第四五八号)
蚕業技術員の身分法制定に関する陳情書
(第四五九号)
森林雪害保険設定に関する陳情書
(第四八八号)
災害耕地復旧に対する国庫補助金の交付促進に
関する陳情書
(第四九四号)
森林雪害に対する補償制度確立に関する陳情書
(第五二七号)
を本委員会に参考送付された。
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本日の会議に付した案件
家畜取引法案(内閣提出第九二号)(参議院送
付)
漁港法の一部を改正する法律案(内閣提出第九
〇号)(参議院送付)
森林開発公団法案(内閣提出第一四五号)
農林水産業の基本施策に関する件
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/0
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001・村松久義
○村松委員長 これより会議を開きます。
農林水産業の基本問題について質疑を続けます。中村時雄君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/1
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002・中村時雄
○中村(時)委員 先般来に引き続き競馬の問題に入る以前に、一、二点ちょっと重要な緊急の問題を御質問したいと思うのであります。実は政府が本年度砂糖において百十四万トンの輸入計画を発表された。それをよく見ますと、大体フィリピンが五万トン、台湾が三十万トン、ジャワが二十万トン、ブラジルが六万トン、計六十一万トン。これは現在通商協定を結んでいる地域であります。で残りの方がオープン・アカウントといたしまして、大体五十三万トンはキューバ、ハイチ、ドミニカ、ペルー、そのうちの八割までは大体キューバ糖でありますが、これらの問題に関して、一昨々年度から現在に至る糖価の状態あるいはその高低の問題、これは非常に変化を来たしておるのであります。というのは、昨年度から本年度にかけましては、諸外国におきましてはほとんど平均指数が出ておる。ほとんど動揺がない。にもかかわらず日本におきましては、最高斤当り百円近くから最低七十五、六円、現在七十二、三円していますが、そういう状態の変動が非常に激しい。これはどこに原因しているかというと、まず第一点に非常に輸入数量が少い。さらにはその施策の方針が、業者におどかされたのかどうか知りませんけれども、非常にこま切れ発表をやってみるとか、あるいはまた期間的に作為的に、おそらくこれは公取の問題にかかるであろうと思うようなカルテル、そういうものまで結んでいるのではないかという推察さえ行われるのであります。こういう際におきまして、一つの方法としてのこの取り上げ方は、数量を本年度は百十四万トンくらいな予定は立てていらっしゃるようですから、この点で私は遺憾ないのじゃないかと思っている。さらに次いでもう一点の問題は、こま切れ発表じゃなくして、大きく二半期に分けるとか年間に分けるとか、そういう大きな手を打つことが第二点、第三点は、今申しました通商協定を結んでいる以外の地域は、少くともAA制にしていって、以前に返していくという方法が糖価安定の最も根拠になるだろうと思う。そういう意味において農林大臣の考えかを率直にお伺いしたい。そのほかいろいろな問題がありますけれども、これは法案も提出されることでありますから、そのときにおいていろいろお話をしてみたいと思っておりますが、まずとりあえずその点に関して……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/2
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003・河野一郎
○河野国務大臣 ごもっともなお話でございまして、私も大体同様に考えておるのでございます。実は両三日前、今年度の為替の問題を協議すべき閣僚会議におきまして、今中村さんのおっしゃったお話と同様なことを私も主張したわけでございます。政府といたしましては、直ちにこれを実施することは、いろいろの点もございますので、その点についてはすみやかに案を具して、そうしてどういう品目は自由制にできるかということをやっていきたい。その中にはむろん砂糖も入れてあるわけでございます。大豆、砂糖、その他農林関係以外の物資、たとえばくず鉄のようなものにつきましても、何とか自由制にしようじゃないかということで、した場合にどういう影響があるか、した場合にそれがどういうふうになっていくだろうかというようなことを検討いたしまして、すみやかに結論を得ることにする、すみやかに結論し出すということを条件で私は賛成しておりますから、必ずやある程度御趣旨に沿うような結論が遠からざる将来に出る、こういうふうに私は期待しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/3
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004・中村時雄
○中村(時)委員 もう一点だけお尋ねしたいのは、なぜ私がこういうことを言うかといいますと、先般河野農林大臣に、本年度キューバ糖二十五万トンの輸入が、発表されずして内面的に行われておるということを御警告したはずでありますが、本年度また百十四万トンのきまらないうちに、本年の二月ごろに、はやすでに貸付とかいろいろな方法でその行動が現われておるのであります。しかも通産省はそれを各工業会なりあるいはその他の関係業者に対して内示をしております。そうしてこれを委員会に率いて発表されたためにびっくりいたしまして、再びここに先般来操作を続けておる。そうして今度今言ったように四半期の一部を二十五万トン発表したわけです。二十五万トン発表したためにどういう結果が出てきたかといいますと、キューバ糖なんか今までは八十ドルないし八十五ドルくらいで入っておったものが、現在百ドル内外になっているのです。このように発表の仕方、時期というものをよほど慎重に取り上げないと、この価格構成に応じまして、諸外国の高騰ということが考えられる、そういう意味において、これは御忠告でありますが、十分注意をしていただきたい。また技術者の問題であるとかそのほかの二、三の問題に関しては後ほどお話をしたいと思っております。
第二点はコカコーラの問題でありますが、現在いろいろな方々がどういう動き方をしていらっしゃるのか私は知りませんが、御存じのようにコカコーラ・エキスポート・コーポレーションによって、今まで軍用品として納められておった。それが非常に縮小されまして、その結果今度は一般市販として一部を認めてくれぬか、こういういろいろの運動、動き方があったわけなのです。どういう内容であるか私は知りませんけれども、これがもし認められるならば、国内における果樹栽培者は非常に大きな打撃をこうむるわけです。その内容なりいろいろな経過なりというものは一応省くといたしまして、こういう外国資本に基いた特に強力なるコカコーラの会社のようなものに、日本の果汁、そういう製品がやっと芽をふきかけて努力をしようというやさきに、こういう姿で入られてきた場合には、非常に大きな打撃を受けるはずなのです。こういう意味から河野農林大臣の見解を一点お聞きしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/4
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005・河野一郎
○河野国務大臣 ただいまお話しになりました国内産の果汁の問題につきましては、昨年来いろいろ問題がありましたことは御承知の通りであります。私といたしましては、果汁がなるべく多量に消費されますように努めていかなければならぬという意味合いにおいて、いろいろな施策をいたそうと思っております。ところがこの果汁の問題は、いろいろな経路を経てコカコーラの問題にまできておるようであります。一部においては、果汁の消費についてこれを必ず上も喜ばないというような面があるかと思いますと、今度はコカコーラの輸入は絶対にいけないというような面になり、非常に錯雑いたしておりまして、どこに目標があって何がということが——みな自分の立場立場を主張するようなきらいがありますので、私といたしましても、これを一々取り上げて、これがこうこれがこうということはなかなかいきにくいというようなふうに考えますので、長い間懸案になっておるのでありますけれども、これを直ちに決定して、コカコーラの輸入よかろうというようなことをいたそうとは考えておりません。おりませんが、いずれにいたしましても、今申し上げますように、清涼飲料水の問題と果汁の問題、これらは全面的に検討いたしまして、そして国民全体の納得のいくような取扱いをしなければいかぬ、こういうふうに考えておりまして、今お話しになりましたコカコーラを、今すぐにきめてどうするというようなことは考えていないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/5
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006・中村時雄
○中村(時)委員 今のお答えは、コカコーラをすぐ入れるというお考えはない、ただ国内におけるところのジュースに対するいろいろな施策方針を整備し、合理的に打ち立てていきたい、こういう御意見だと思うのですが、しつこいようですが、もう一回お聞きしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/6
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007・河野一郎
○河野国務大臣 その通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/7
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008・中村時雄
○中村(時)委員 第三点は、先般来の競馬の問題でありますが、これを二点だけお聞きして集約をしたいと思います。
一つは、いろいろな観点でここで議論されていったのですが、関税法違反とかいろいろな問題に関しては、検察当局によって調査が行われているようですから、その問題は一応省きまして、河野農林大臣の政治的良心の問題をお尋ねしたい。ということは、あなたは現在農林大臣をしていらっしゃる。しかもその指揮下に中央競馬会というものがある。その中央競馬会に対して、あなたがトロッター協会からの申請によってトロッターの馬を輸入されている場合、あなたはトロッター協会の会員ではないと私は思う。しかるにこのトロッター協会を利用し、会員でもないあなたが実需者であるところのトロッター協会に割り当てられた金額を利用し、結果において利用し、そうしてあなたが競馬の馬を買って帰られた。そのことに対して、あなた自身は、これがほんとうに正しかったと思うか、あるいは——結果において私は言っておるのですが、あなたの政治良心はどういうお考えを持っておるか、私には不可解なので、この点をはっきりと御明言されたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/8
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009・河野一郎
○河野国務大臣 この機会にあらためて御了承を得たいと思いますことは、私が表面上の競馬を了承いたしておりまして、これに関係するいろいろな取締り法規等のありますことについで十分研究しておらなかったために、いろいろ誤解を招くような結果があったことは非常に遺憾だと思います。これは全く私の不注意でございました。この点は私も以前から深く反省しておるわけであります。従いまして私は、できれば両三日、すみやかに私の今問題になっております馬は——私の前に持っておりました馬を種馬として譲渡いたしました私の友人がございます、その友人に私のその馬を種馬として与えて、一切の誤解を解くようにしたい、こういうふうに自分できめておりますが、すべては私が深く法律を研究せずして、今までのしきたり、今までの成り行きをそのまま妥当のものと考えてやった点に間違いがあり、誤解を招く点があったということでございますから、そういうふうにして善処したいと考えておるのであります。この点について深く遺憾の意を表する次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/9
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010・中村時雄
○中村(時)委員 もう一点は、先般来種馬が問答になったのでありますが、その結論をつけたいと思います。というのは、現在まで種馬として輸入されておる牝馬には子供をはらんだものが多いのであります。しかもあなたは種馬だとおっしゃるけれども、競走馬として、今持っていらっしゃるのは三才馬か四才馬である。そうすると二年間で六才馬になる。六才馬は種馬になるかといえば、なかなかそうはいかなぬ。やはり地方の草競馬に回す場合もあるでしょうし、いろんな問題がある。だから実際の観点としては、競走馬としての能力を持った考え方を持っていらっしゃる。しかもそういうような馬であれば、十分能力の検定をした結果やらすのだったとおっしゃるけれども、すでにあなたの馬はアメリカにおいて早くも賞金さえ得ているような優秀な馬なんです。そういうようなものを何ももう一度合理的にそういうことをさせる必要もないというような折紙のついているような馬なんです。だから主たる目的は、事のいかんを問わず競馬だったと思うのです。そういうようなことをせず、あなた自身は、私どもとしましては、ほんとうの農林行政に専心してもらって、そういうふうな点には十分注意をされて、なお自重の上に立ってやられんことを希望する上において、あなたの最後の見解を聞いておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/10
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011・河野一郎
○河野国務大臣 ただいま申し上げましたように、私は善処するつもりであります。しかし今のお話でございますが、こういうことを申し上げてどうかと思いますけれども、アメリカの競馬場と日本の競馬場は競馬場の構造が違いまして、従来の記録等も実は比較ができないのでございます。向うは砂馬場、こちらは芝の馬場というようなことがあって、決して私は強弁するわけじゃありませんが、従来も私の知る限りにおいては、イギリスのサラブレッドの雌の馬を持ってきて、こちらの競馬に出て、それが今千葉県で種牝馬に使われておるというようなことを知っておったものですから——そういうことを全然知らなければ十分研究をしてやったのでありますけれども、今のような誤解を招くことになったということでございます。御注意のほどは十分了承いたしました、善処するつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/11
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012・村松久義
○村松委員長 芳賀貢君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/12
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013・芳賀貢
○芳賀委員 畜産局長にお伺いします。前日の委員会では種馬について論議がだいぶん行われたのですが、畜産局においては、種馬登録というのはどういう取扱いをしておるか、承わりたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/13
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014・渡部伍良
○渡部(伍)政府委員 種馬登録協会という社団法人がございまして、それで登録しておるのであります。これはホルスタインや豚等種畜について一般的に社団法人を作りまして、そこで登録しておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/14
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015・芳賀貢
○芳賀委員 政府として、畜産局として、ホルスタインや豚というのは馬ではないが、種馬ですね、その登録はどういう形で行われておりますか。たとえば最近の輸入馬はほとんど種馬という名目で輸入しておるわけですね。競走馬であっても種馬として入れておる。ですからそれらの最近の輸入馬なるものは、ことごとく種馬としての扱いを受けておるということになると、その目的が種馬でありますからして、そういう種馬を輸入した場合においては登録を必ず行わなければならぬということになると思うのであります。その取扱い、事務的な処理というものは、これは当然完全に行われておると思うのでありますが、その点をお尋ねしておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/15
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016・渡部伍良
○渡部(伍)政府委員 これは御承知のように、登録協会で登録規定を設けております。それに馬主が申請して登録してもらうことになっております。その登録の認定はいろいろの資格条件があります。それに合わすために能力検定等が必要だ、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/16
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017・芳賀貢
○芳賀委員 そういたしますと、種馬で輸入したものは登録協会を通じて種馬に登録をする。競走馬が入った場合はこれは競走馬としての登録をするわけですね。そういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/17
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018・渡部伍良
○渡部(伍)政府委員 競走に出したいという向きがあれば競走馬として当然登録を申請するわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/18
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019・芳賀貢
○芳賀委員 それでは二重登録ができるわけですね。種馬にも登録をする、競走馬にも輸入した場合は登録ができる。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/19
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020・渡部伍良
○渡部(伍)政府委員 建前は並立になっておりますが、実際問題としては、競馬に使っておる間は種に使うことはないと思いますので、能力検定が済めば種馬として登録する、こういうことになると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/20
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021・芳賀貢
○芳賀委員 私の聞いておるのは、競走馬ということを全然考えないで、わが国の畜産改良という意味から、どうしても純血度の高い種馬を輸入しなければならぬ。そういう目的で買い付けていく場合においては、当然これは種馬として育成しなければならぬと思うわけですね。ところが本人の自由意思で、国内に入った以上は競走馬にしても何にしてもかまわない。輸入はその
一つの手段方法としてのみ種馬として扱って、国内に入ってきた場合は、日本の土を踏んだ場合に、おいては、すでにそれは競走馬でも何でも差しつかえない、登録はそういう仕組みになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/21
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022・渡部伍良
○渡部(伍)政府委員 これはただいまは輸入するものは、一切種馬だけしか認めておりません。従って種馬としての能力を十分に検定する必要があって、
一定期間出走せしめるということがあるだけであります。その条件を厳重に守らせるわけであります。従いまして種馬として入ってきたものが競争馬で終るということは認めないわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/22
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023・芳賀貢
○芳賀委員 その競争馬の輸入できないということはわかっておる、われわれも承知しており、これを取り扱う当局はなお知っておるわけですね。自分が方針をきめておるわけですから…。いかなる場合においても競争馬が輸入できないということは明らかなのでしょう、ですから輸入する場合は種馬以外は輸入できない、種馬であれば輸入できるということなのでしょう。だからこれを輸入する場合には、どうしても牝馬であっても一応種馬としてのそういう名目をつけて、やる気であれば輸入はできる。問題は、種馬として輸入した後において、その目的の通りこの馬が育成され、また馬産改良のために寄与するような方法にこれが忠実に行われておるかどうかというところに問題がある。種馬をせっかく輸入して、一カ月もたたないであるいは問題が出て、それを友だちにくれるとか、それがどうなるかわからぬような形で初めから貴重な外割をして、しかも種牡馬でなく、牝馬なる種馬を人に与えたり売ったり、転々として移動させるような形で、ほんとうに今後の馬産改良としての種馬なるものの使命が果せるかどうか、そういう点はいかがですか。そういう点には全然注意力を向けないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/23
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024・渡部伍良
○渡部(伍)政府委員 種馬は当然一定期間競走に出すという条件で輸入を許可しておるのでありますから、これの行方については、監督官庁として十分注意をしておるわけであります。そうしまして、軽種馬に属するものであれば、軽種馬協会に登録させるということになっております。その行方ははっきりわかっております。それが輸入の条件と違うようなことにならないよう厳重に監視できるわけです。またしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/24
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025・芳賀貢
○芳賀委員 個々のことはどうなるかわからないわけですね。ただ問題は、種馬以外の馬の輸入はできないということは明らかになっております。それでお尋ねしたい点は、種馬を合法的に輸入する場合は、やはり一定の資格条件があると思うのです。申請する場合の申請人の資格とか、それからそれを申請する場合の一定の手続、そういうものは明確になっておる。ですから種馬を輸入せんとするもの、外割の申請をしようとするものはどういう法人か、あるいは個人ば申請の適格者になるか、またその手続上、いかなる書類、手続を講ずる必要があるかということは、あらかじめ規定しておると思うのです。そういう点に対して、畜産局長よりも、むしろ当面の仕事を担当しておる通商局の農水産課長が出席しておられますので、農水産課長からその点に対する詳細を一応ここで説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/25
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026・日比野健児
○日比野説明員 御説明申し上げます。申請者の資格といたしまして、家畜の実需要者という一項がありますが、これにつきましては農業協同組合または連合会、牧場経営者とありまして、必ずしも牧場経営者に限っておらないので、今回の例のごとき場合もあると思います。そういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/26
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027・芳賀貢
○芳賀委員 私は何も今回の例とかなんとか特定の事案を掲げて聞いておるのではない。競争馬を輸入できないということは明確になっておる。馬を輸入する場合においては、いかなる場合であっても、それは種馬として以外は輸入はできないのです。その場合の適格条件というものを、いかなる基準、いかなる審査の機関を経て扱っておるか。また一般国民に対しては、こういう形でなければ種馬の輸入はできないということを公表しておるかということを聞いておるわけです。特定のことを私は聞いておるのではない。農林大臣個人としての河野一郎君の場合はこうしたとかああしたとかいうことを聞いておるのではない。わが国の馬産改良の上に外割をする場合においても、競走馬は輸入させないけれども、種馬の場合には、目的に沿うということが明確になった場合においては輸入を認めるという、その扱いをどうしているかということを聞いておるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/27
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028・日比野健児
○日比野説明員 競走馬輸入につきましては、われわれといたしましても外割をしないという観点に立っておりますが、今まで本委員会で御論議になりましたように、種馬としての馬につきましては外割をいたすのがわれわれの考えでございます。その種馬であるか競走馬であるかの判定につきましては、従来も御説明いたしましたように、一定の検定期間を置きまして、そのあとで種馬として使う馬につきましては、畜産局の御意見にもある通り、われわれとしては種馬だ、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/28
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029・芳賀貢
○芳賀委員 そういうことでなくて、具体的の手続について、種馬の輸入はどういう方法でできるのかということです。種馬に関心のある人たちが外貨割当を受けて種馬を輸入したいという場合、政府としては行政的な普遍性を持った取扱いを当然なさると思います。今までもやってきておると思います。ですからわれわれとしてもそこを明確にしておかなければならぬ。特定のだれに対しては便宜をはかるけれども、それ以外の者には便宜をはからないというようなことではいかぬでしょう。そのために、たとえば家畜に関する外貨資金割当の基準等も発表になっておるわけです。昭和三十年四月二十二日に外貨資金割当会議審査基準第六号なる通達をもって、雑輸入品中家畜の外貨資金割当会議審査基準について、通商局農水産課から出ておるわけです。「雑輸入品中家畜の外貨資金割当は下記に定める外貨資金割当会議の審査によって行います。」となっており、以下何項かに分けて示しておるわけです。それと同時に、また一方において「第三回輸入公表における雑輸入品中家畜の外貨資金割当について」なる通達も、やはり三十年の四月二十二日に発表されて、「上記について、下記により外貨資金の割当を行います。」 となっております。この二つの通達というものは、家畜の輸入に対しては関連性のある当局としての通達であったようにわれわれは承知しておるわけです。この中には当然競走馬に対しては外割は行わないということが明らかになっておりますので、たとえば申請者の資格等についても「次に掲げるいずれかに該当する者から発注を受けた輸入業者またはこれらの者でみずから輸入を行おうとする者でなければならない。」ということになっておるわけです。その資格者というのは、一つは、公共団体及び学術研究機関で、これは地方庁、研究所、学校等となっており、一つは、家畜の実需要者で、今言われたように農業協同組合または連合会、牧場経営者等になっております。ですからこの(イ)(ロ)に定める機関から発注を受けた輸入業者またはこれらの者でみずから輸入を行おうとする場合についてのみ申請者としての資格条件がここに生ずるというようにわれわれは解釈しておるが、それ以外の解釈があれば示してもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/29
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030・日比野健児
○日比野説明員 ただいま芳賀委員からお話がありましたように、申請者の資格といたしましては、そこに掲げる該当者から発注を受けた業者または(イ)(ロ)の該当者みずからが輸入する場合ということになっておりますことはその通りでありますが、その場合に家畜の実需者というのはどういうものかということについては、農業協同組合連合会、牧場経営者というようになっておりまして、さらにそのほかに外貨資金割当会議審査基準の中で、家畜の種類及び品種という項目でありまして、それには、「輸入家畜の種類及び品種は農林省畜産局の定める畜産振興計画に適応するものでなければならない。」となっておりまして、農林省の畜産局で定められる畜産振興計画にマッチした種馬を輸入するのが適応だと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/30
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031・芳賀貢
○芳賀委員 それで先日からも問題になっておる、この日本トロッター協会が三十頭のいわゆる競走馬を種馬として申請したわけでありますが、この申請を輸入業者藤井商店を通じて申請書を出している。これは輸入公表並びに審査基準を十分熟知して申請書が出たわけですね。この申請書の日時等を見ても、これとちょうど適合するような書類の作り方になっている。これは公表並びに基準を十分わきまえて、トロッター協会はわが国の農馬改良を目的として、種牡馬五頭と種牝馬二十五頭を輸入したいという外割の申請をしたわけですね。ですから、それはこの審査会においてその基準に照らして、これを承認した、そういうふうに理解して差しつかえありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/31
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032・日比野健児
○日比野説明員 そうでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/32
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033・芳賀貢
○芳賀委員 そのときの外貨割当の申請に対して承認をしたのは、通産省の農林水産課長日比野健児君が通産大臣の代理として承認を与えているわけですね。そうすると、あなたは家畜関係の外割等に対しては通産大臣の権限を代行するという権限を持っているわけですね。その点いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/33
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034・日比野健児
○日比野説明員 その通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/34
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035・芳賀貢
○芳賀委員 それはどこに根拠があるのですか。通産省の課長が大臣の決裁を常に代行するという根拠ですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/35
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036・日比野健児
○日比野説明員 これは別の省でもそういうことでございすが、内部の委任事務規程というのがありまして、その委任事務規程に基きまして、こういう割当事務のような問題につきましては、担当課長がきまっておりまして、それで物資によって違いますけれども、農水産物につきましては、私の方で私がやる、こういうことにきめられております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/36
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037・芳賀貢
○芳賀委員 それは一応その通り聞いておくといたしまして、そういう場合には、これはあなたの権限で自由に決裁ができるのだからして、たとえば通産大臣とか、その上の局長から行政的あるいは政治的な圧力がかかって、不本意ながらこういう決裁をするという事態は全然ないのですね。課長としての責任において、自主性においてこれが正しいと認めて決裁をするということが常に行われている。そういうことを信頼して差しつかえないですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/37
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038・日比野健児
○日比野説明員 信頼していただいて差しつかえないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/38
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039・芳賀貢
○芳賀委員 そういたしますと、トロッターの三十頭の輸入に対してはこれは問題がなかった。しかもあなたは前は農林省に身柄を置いておられたというように聞いているので、たとえば先日の通商局次長よりも、馬あるいは種馬、そういう畜産関係に対しては普通以上の認識があるというふうにわれわれは認めているわけですが、その場合問題は、先ほどもあなたは何か言っておられましたが、これと合せて河野一郎君とか、あるいは永田雅一君から種馬の外貨割当の輸入申請が出ておったかどうか。前回の当委員会においては、そういう手続上の問題は全然なかったということが、各担当係官から言われておったのですが、あなたのさっきの発言によると、何かそういう申請も出ておったというふうに感じやすいような発言もあったので、ここであらためてお伺いしますが、これと合せて、河野一郎氏あるいは永田雅一氏というような個人から、このサラブレッド種の種馬の外割の申請が出ておったかどうか、その点はいかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/39
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040・日比野健児
○日比野説明員 私は話を聞いておりませんし、また外割の申請が出た事実もありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/40
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041・芳賀貢
○芳賀委員 そういたしますと、あなたの扱った問題は、日本トロッター協会から申請された、日本の農馬改良を目的とするためにトロッター種三十頭を輸入したい、このことを家畜の外割の審査会の基準に照らして、妥当と認めて輸入承認を与えた、そういうふうにわれわれは確認して差しつかえないわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/41
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042・日比野健児
○日比野説明員 その通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/42
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043・芳賀貢
○芳賀委員 そういたしますと、このトロッターの農馬改良の種馬にまぎれ込んで競走馬三頭が、輸入されたということに対しては、あなたは全然これは関知しておらぬということになると思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/43
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044・日比野健児
○日比野説明員 この点につきましては、この前通商局の次長からも御説明申し上げましたように、通商局といたしましては、十万ドルのトロッターの外割をいたしたときに、競馬馬の問題につきましては話を聞いておらなかったわけでありますが、外貨資金証明書には家畜十万ドル、こういうように記入いたしますのが従来の外貨割当の慣行でございまして、そういう前提に立ちまして、あとで種馬の問題が起きました場合に、通産省といたしましては、お話があれば当然それは認める、こういう考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/44
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045・芳賀貢
○芳賀委員 だいぶ話が違うですよ。そういう話があれば認めてやるというのですか。話のあることを期待して余裕のある十万ドルの割当をいたすのですか。変じゃないですか。そういう場合には申請は要らないのですか。一つの申請があれば、それに符合さして余裕のある外割を行なって、あわせて輸入ができるというそういう便法があるのですか。そういう方法があれば国民が喜ぶかもしれぬですね。その便法というものをもう少し具体的に、この際ちょうどいい機会ですから御説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/45
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046・日比野健児
○日比野説明員 決して便法ではないのでありまして、たまたま外貨の割当炉家畜十万ドル、こういうことになっておりますので、そこでトロッター三十頭買いまして余裕金が生じた場合にそれをどうするかにつきましては、本来なら通商局と十分御連絡あるはずですが、この点は通商局としても一応遺憾だということは考えておりますが、ただ十万ドルの割当の範囲内で種馬をまた追加して入れるということにつきまして話があれば、当然それは通商局でも許した、またそれで手続を進めた、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/46
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047・芳賀貢
○芳賀委員 そういうことは了承できないじゃないですか。このトロッターの輸入申請は、目的とするところは競走馬の種馬を入れるのじゃないでしょう。農馬改良です。しかも昭和二十六年から終戦後の日本の馬産改良をどうするかということ、昭和二十六年に軍馬偏重の馬政計画というものを一擲して、農馬の生産改良に重点を置くという方針をきめたという、こういう非常に古ぼけた資料をこの間畜産局長は持ち出した。昭和二十六年にこういうものがきまっている。ところがわれわれは昭和二十六年以降今日に至るまで、農林省あるいは畜産局がこういう計画とか方針をきめたということを、いかなる文献を探してもこういうものは全然ないわけです。これはわれわれがそんたくすれば、あるいは一夜づけにこういうものを作ってあったのだということで持ち出されたのかもしれぬけれども、こういうものが一応ある。あるとすれば、この方針に基いて畜産局がトロッターを年次計画で入れなければならぬということになって、そうして日本トロッター協会がこれに協力する意味において輸入申請をやったというふうにわれわれは一応善意に解釈している。いいですか、農馬改良の目的ですよ。サラブレッドというのは農馬改良にどういう貢献をするのです。あなたしろうとじゃないですからわかるじゃないですか。ですからそういう便法というものは、今まで通産当局は外割をやる場合には常にいろんな方法において、便法なるものを講じてきておるんじゃないか。表面はりっぱな審査基準とかそういう厳格な規定を設けて、その陰の方ではインチキと類せられるような便法なるものを常にやってきたということが考えられるのですが、それは常套手段だったのですか、今までどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/47
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048・日比野健児
○日比野説明員 決してそういうことはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/48
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049・芳賀貢
○芳賀委員 そういうことがなければ何も農馬改良の種馬を輸入する場合において、外貨が余れば競走馬を買ってきてもかまわぬという申し出のあることを期待しておったというようなことは、通産大臣の代理までやるところのあなたの非常に逸脱行為であると私は考える。それでも良識のある政府職員としての判断ですか、それはどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/49
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050・日比野健児
○日比野説明員 何回も申し上げますように、当初からサラブレットと申しますかトロッター以外の馬が入るということは、われわれが外割をするときにおきましては、そういう話を聞いておらないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/50
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051・芳賀貢
○芳賀委員 ちょっと角度をかえて。この問題は外貨割当並びに輸入手続の問題に対して私は今お尋ねしたのですが、これは外国から入ってきた場合、輸入された場合には、当然これは税関を通関しなければ輸入できないということになっておると思いますが、税関部長は見えていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/51
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052・村松久義
○村松委員長 税関部長代理が見えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/52
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053・芳賀貢
○芳賀委員 それでは税関部長代理にお尋ねしますが、ことしの一月十二日横浜港にフィリピン・トランスポート号で競走馬三頭が到着しておるはずでありますが、このサラブレッド種の三頭の到着に対して、これは横浜税関が扱ったと思いますけれども、通例輸入貨物が入ってきた場合においては、税関においては一応どういうような取扱いによってこの輸入を最終的に認めるということになるか。この点を一応ざっと御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/53
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054・崎谷武男
○崎谷説明員 お答えいたします。税関に貨物が到着いたしました場合に、税関に輸入申告をすることになります。その輸入申告のときに、ほかの法律によりまして許可承認が要るものは許可承認がとってあるという証明書を輸入申告と一緒に出さなければならぬ、こういうことになっております。従いまして外貨割当輸入承認があったことを証する書類をつけまして税関に輸入申告をする。これをチェックいたしまして税関は通関をする、こういうことになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/54
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055・芳賀貢
○芳賀委員 今御説明になった点は、そうすると関税法の三十一条の規定にそういうものが載っておるわけですが、その場合には輸入申告なるものの書類は、通産省において行なった外貨割当の承認を受けるに必要であった輸入申請書、この中に記載してあることと同一の書類を税関に差し出すということになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/55
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056・崎谷武男
○崎谷説明員 通産省が出しております輸入承認書をそのまま税関に輸入申告のと遂に持ってくる、こういうことになるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/56
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057・芳賀貢
○芳賀委員 そういたしますと、通産省はサラブレッドの競走馬三頭に対する輸入承認というものはしていなかったということが明確になっておるわけです。そのと遂に税関に三頭の競走馬が突如として入ってきたわけなんですが、それが何の不審もなく税関をパスして、今日これはある厩舎につながれておるということなんですが、そのと遂に疑点とかいうようなものは、横浜税関においては全然生じなかったかどうか、その点を御存じであればお知らせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/57
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058・崎谷武男
○崎谷説明員 輸入承認書には馬となっておりまして、税関に出しました輸入申告も馬となっております。税関は別にそのとき不審も何も持たなかったものと私承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/58
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059・芳賀貢
○芳賀委員 輸入承認のときは、外貨割当の承認の書類には、トロッター三十頭ということに一応なっておる。三十頭のトロッターを輸入する、そのうち種牡馬が五頭、種牝馬が二十五頭というおよその区分はついておる。そのときに輸入申請の承認をする場合の申請書の内客にその点は明確になっておる。トロッターを三十頭、しかも購買地はアメリカのカリフォルニア州及びイリノイ州においてこれを買いつけるということさえも明確になっておる。それから農馬改良の目的でこのトロッターが入れられるということになっておるのに、三頭しか馬が入ってこなかった。しかもそれはだれが見てもわかるサラブレッドの競走馬であるということになった場合にも、税関の方はただ生きた馬ということだけでパスするわけなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/59
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060・崎谷武男
○崎谷説明員 税関は通産省から適法に出されております輸入承認書に何らの条件もついておりませんので、税関といたしましてはその当時何の不審もなく通関したことは私当然の処置だと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/60
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061・芳賀貢
○芳賀委員 税関に入ってきた場合は、そういう判断で税関の官吏の善意の判断で、そのときはパスしたとしても、その後においてこれが適法において行われておらなかったということが明確になった場合には、これはどのようなことになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/61
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062・崎谷武男
○崎谷説明員 通産省が適法に出しております輸入承認書に基きまして、税関といたしましては適法にいたしたものと考えておりますので、特に輸入承認書が適法であったかどうかという問題は、税関といたしましてはお答えいたしかねます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/62
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063・芳賀貢
○芳賀委員 ちょっと誤解があるかもしれぬが、私の言うのは、まだ到着しておらぬと思いますが、本物のトロッター三十頭が、後日日ならずしてまた入港する、その場合には、税関はやはり確認して善意に判断してパスさせると思うのですが、そういうことが全部——いわゆるトロッター種をめぐる種馬の輸入が終ってしまったのちにおいて、実は最初に入った三頭の馬はこれはトロッターの輸入申請と趣旨が別のものであったというようなことが判明した場合においては、そういう不正に類する、違法と認められるような反則が発見された場合には、——そういうことも事例としてはあると思うのですが、そういう場合においては、税関においては関税法等にも示してあると思いますが、どういうような取扱いをされるか。今までは善意な判断でやってきたけれども、しかしあとになって考えると、実はそれは適法において入ってきたものでなかったというようなことが明らかになった場合には、どういう扱いをされるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/63
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064・崎谷武男
○崎谷説明員 あとになって考えましても、ことしの一月のものは、適法な輸入承認に基きまして税関が適法な通関手続をしたものと考えております。それからもちろん有税品でございまして、税金のかかる貨物でございまして、それが不当に入ってきたという場合には関税逋脱で税関がいろいろ捜索いたしますが、本件は、今は、牛と同じでございますが、家畜類は無税になっておりますので、関税逋脱の問題は一切ございません。税関としては今まで一月に通関しました馬につきましては、全然税関の処置について反省することは、税関としては必要ではない、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/64
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065・芳賀貢
○芳賀委員 ちょっとそれは変じゃないですか。その三頭のサラブレッドは、輸入申請を行わない馬であったということがわかっても、これは適法であるということをあなたは頑強に主張するのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/65
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066・崎谷武男
○崎谷説明員 輸入申請が適法になされていなかったというような御意見でございますが、これは先ほど通産省から御答弁があった通りでございますが、とにかく通産省の輸入承認書というものは、適法に出されておりまして、税関がそれを見ましたときには、税関としてはそれによって当然通関すべき書類であったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/66
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067・芳賀貢
○芳賀委員 では次にお尋ねしたい点は、税関において課税する場合には、関税定率法に基いた措置が講ぜられるわけでありますが、このサラブレッドの競走馬三頭に対しては、おそらく免税措置が講ぜられておったと思いますが、その点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/67
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068・崎谷武男
○崎谷説明員 今の関税定率法におきましては、馬、牛その他家畜類はほとんど無税になっております。二十六年の改正までは、馬につきましては五%、牛につきましては一〇%というような関税率が盛られておりましたが、二十六年から全部無税ということになっておりますので、関税をかけるという問題は一切ございません。従いまして、特に種馬だからどうの、競走馬だからどうのというような措置は、税関としては考える必要はないわけでございます。免税ではなくて、もともと無税でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/68
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069・芳賀貢
○芳賀委員 これは競走馬の輸入はしないということが、一つの現実の問題になっておる。それから家畜を入れる場合は、増殖用の動物で、大蔵大臣が指定したものは免税という規定じゃないですか。いかなる家畜でも、家畜でありさえすれば、全部免税になるということじゃないのではないですか。それの規定は明確になっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/69
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070・崎谷武男
○崎谷説明員 今の関税定率法では、全部無税でございます。特に増殖用とかそういう条件をうたっておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/70
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071・芳賀貢
○芳賀委員 そこで農林大臣にお尋ねしたいわけですが、先日から事務当局といろいろな苦しい答弁があるわけですが、これは農林大臣自身その命令を下さなかったかどうかしりませんが、巧みに外貨割当とかあるいは輸入承認とか、それから関税に対する取扱いとか、そういうものは、表面は一応合法化されたような処理はされているわけでありますが、われわれが一般的な立場からこれを見た場合においては、やはり特定の人物に対して、今回のあなたが買ってこられたところの競走馬の輸入に対しては、非常に不明朗な、一般国民に対しては適用することのできないような措置を事務当局が行なったとしか考えるわけにはいかないわけです。この点に対しましては、先ほど中村委員からも御指摘がありましたが、この当面の外貨割当の実質的な承認を与える、しかも家畜の輸入等に対してはむしろ実態は農林省の所管でもあるような、こういう問題の取扱いに対して、農林大臣としての今回の行動というものは、非常にわれわれとしては、行政府の主管大臣の行為としては了承のできない点が非常に多いわけでありますが、この点に対しまして、先ほど農林大臣は、いろいろ考えた結果、この馬を友人に与えることにしたということで、それで問題が全部解決できたようなお考えのようでありますが、その真意はいかがでありますか。しかもその主管大臣として、責任のある立場からながめた場合におきましてはどうであったかという点に対する所見を、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/71
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072・河野一郎
○河野国務大臣 先ほど中村君にお答えいたしました通り、私といたしましては、従来の慣例等を見聞いたしておりました関係からいたしまして、これが取扱いについて十分研究をしなかった点について、自分に遺憾の点があったというのでございます。従いましてこれが善後処置としては、これを明確に種牝馬として取り扱うために、私がすでに自分の持っておった馬を譲渡いたしました優秀な牧場がございますが、その牧場にこの馬を譲渡して、そうして明確に種牝馬としての使命を達成するようにさすことが一番妥当であろう、これが世間の疑惑を除くゆえんだろう。そうすれば、それで責任がないような顔をしているとおっしゃいますが、それとこれは別であります。善後処置としてはそういうふうにしてみようと自分は考えている、こう申し上げたのであります。しかし今日までの経過は、今申し上げました通りに、私が競馬の馬の取扱い、もしくは種馬の取扱い、これらについて多少の見聞した経緯がございますので、そういうふうに行われていて、それで何らの遺憾の点がないものと思っておったところに多少の不注意の点がある。こういうふうに自分は考えるのであります。でありますから、これらにつきましては、十分遺憾の意を表しているのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/72
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073・村松久義
○村松委員長 芳賀君、時間の都合もありますので、結論を急いでいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/73
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074・芳賀貢
○芳賀委員 これは結論は出ませんよ。農林大臣に対する不信行為を追及しているので、質問者に結論を出せといっても無理です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/74
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075・村松久義
○村松委員長 あなたの結論に入っていただきます。他の発言者もありますから、一つ急いでお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/75
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076・芳賀貢
○芳賀委員 農林大臣にお尋ねしたい点は、事務当局の答弁を聞いても、サラブレッド三頭の輸入に対しては、だれからも申請が出ていなかったという話、あればいいがと待っておったが、そういう申請も何もなかった。しかもサラブレッドの中の二頭に対しては、農林大臣、あなたがこれを買ってきたわけですね。ですからそれを購入するとかいう場合は、当然外貨の割当の申請とか、そういう許可等が必要になってくるわけですが、これはどこからもそういう申請が出ておらなかった。おらないにもかかわらず、現実の事態はそのあなたの馬が輸入されているということなんです。この点は今までの答弁を聞いても、どうも了承することができないのです。あなたも申請をしておらないし、当局においても申請を受理しておらない。一体これはだれが手続をしてだれが購入して、そうして輸入を行なったかというその点に対しては、現在あなたが馬の所有者ですから一番おわかりだと思いますが、その点に対して明確な御答弁を願いたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/76
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077・河野一郎
○河野国務大臣 はなはだ不注意のようですが、事務を一々自分でやらぬものですから、その後何か問題があり、もしくは困難性があり、めんどうがあれば、そのときに聞いたことと思いますけれども、全然聞かずに、代理の者がやってくれたということで、自分ではそう思っておったわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/77
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078・芳賀貢
○芳賀委員 これは変じゃないですか、本人が全然知らない。しかしだれか代理行為をやったとすれば、その人がこれは手続をしたはずですね。だからそれらの点をあわせて御説明願わぬと、馬の持ち主であるあなた自身が、あの馬はどうして入ってきたかわからぬというのでは、だれか答えられる人があれば、この際明らかにしてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/78
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079・河野一郎
○河野国務大臣 次回までに調査をいたしまして、明瞭にお答えをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/79
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080・芳賀貢
○芳賀委員 河野さん、あなたの今の答弁は不遜じゃないですか。あなた自身がサラブレッドを二頭買ってきているのでしょう。それをここで全然わからぬ、だれが買ってきたか調査しなければわからぬというのは変じゃないですか。あなたはすでに競走馬として、河野一郎なる所有者で登録しておるじゃありませんか。その馬がどういう経路で入ってきたかわからぬというようなことを、しかも国会の委員会においてそういう答弁をなさるということは、われわれは絶対に了承することができぬのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/80
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081・河野一郎
○河野国務大臣 決して私は不遜ではございません。間違うといけませんから、明確を期するために次回までによく経緯を調べてきてお答えすると申し上げたのであります。実は私の想像では、永田君の秘書が万事やってくれたと思いますけれども、それがどういう経路でどうなっているかということは、詳細に調べてお答えした方が明瞭になりますから、そこで次回までお待ちを願いたいと申し上げたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/81
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082・芳賀貢
○芳賀委員 この点に対しては後刻委員長から農林大臣に対して、所有者の農林大臣がどういう経路で輸入されたかわからぬのでみずから調査されるそうそうですから、何日までこれが調査が終って当委員会に明確に報告がなされるか、これはあとで委員長から確認してもらいたいと思います。
さらに通産省の農水産課長にお尋ねしますが、今農林大臣の答弁を聞いておると、農林大臣の意思によってサラブレッドの輸入は行われていない、農林大臣は今まで全然タッチしておらぬような答弁なんです。あなたの方では、農林大臣の代理者かあるいはそれに類する者と話し合いとかで了解ができて、このトロッター協会の輸入馬の中にそれが混入されて輸入されたということになるわけですか。それが適法であるとか、そういう口頭による話し合いがあったとかいうようなことを言っておられるわけですが、その経緯はどうなっておるのですか。その点は、事務当局としては業務上の問題ですから、もう少し明確に、正直に言えると思うのですが、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/82
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083・河野一郎
○河野国務大臣 私から申し上げますが、私は次回と申し上げたのであって、おそらく明日の委員会には出席できると私は思っておりますから、そのときにお答えするというつもりで申したのであります。決して、いつまでと言ってこれを流してしまうというような考えは持っておりません。なるべく早くその経緯を明確に調査いたしまして、明確にお答えしたいというつもりであります。明日、多分出席できると思いますが、あるいは明後日か、私はなるべく早い機会にお答えいたしたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/83
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084・日比野健児
○日比野説明員 何度も申しまして恐縮でございますが、十万ドルの外貨割当をいたしますと遂には、種馬としてのサラブレッドの輸入については私ども通産省としては承知しなかったわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/84
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085・芳賀貢
○芳賀委員 まだ質問があるのですが、これは明日農林大臣が御出席になったと遂にさらに残余の質問を継続することにして、きょうはその点は保留しておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/85
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086・村松久義
○村松委員長 了承いたしました。
次に川俣君。時間がありませんので、あなたの質疑は一分の限度でお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/86
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087・川俣清音
○川俣委員 農水産課長にお尋ねいたしますが、外国為替管理法というのはどういう目的でできておるというふうに理解されておりますか、これが一点。
次は外国貿易の外貨割当をした場合に、公表しなければならないというのは、いかなる理由におきまして公表しなければならないとお考えになっておるかということが一点。
もう一点は、あなたが外貨割当の権限があるというふうに説明されましたが、管理法のどの点においてあなたが権限があるとお考えになっておられるか、以上三点についてお尋ねしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/87
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088・日比野健児
○日比野説明員 外国為替管理法につきましては、御承知のように、外国為替の管理と貿易の管理についての基本法でございます。
それから第二点の公表につきましては、輸入地域等につきまして概括的な必要事項を公表するというのが建前でございます。
それから権限の問題につきましては、管理令と申しますよりも、組織法上の問題でございまして、これは先ほど申し上げましたように、委任事務の規定がございまして、それに基いてそれぞれの担当の課長のできることがきまっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/88
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089・川俣清音
○川俣委員 時間がないから研究しておいてほしいと思うのですが、外国為替管理法は、あなたは読んでおられるかどうか知らぬけれども、「国際収支の均衡、通貨の安定及び外貨資金の最も有効な利用を確保するために」となっておる。おそらくこれに基いてあなたが権限があると、こう言うのでしょうが、課長及び局長に外資割当の権限があるという根拠は出て参りません。この法律では明らかに大臣にもない、むしろ閣僚審議会にあることになっておる。あなたは閣僚審議会の構成メンバーでも何でもないのに、権限があるというのはどこから出てくるのですか、これは法律上権限が明らかになっております。法律上明らかになっているのに、あなたが権限があると言われるのは、どこから出てくるのですか。これは職務上重要な御発言だと思いまするから、権限の所在について口頭でなく文書をもってお出しを願いたい。
それから公表しなければならないということについて、あなたは誤解があります。公表するというのは、輸入された貨物が国内産の貨物に影響を与える、物価に影響を与えるからこれを公表しなければならないので、外資が余っているから、これを割り当ててもいいというものじゃないということは、管理法において明らかであります。従って輸入によって通貨にどれだけの影響を与える、または価格に影響を与えないとお考えになって割り当てられたかどうか、この権限はあなたの判断によるべきものではないと私は思うけれども、なおあなたに権限があるとすれば、その点もつけ加えて文書でお出しを願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/89
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090・村松久義
○村松委員長 なお淡谷君及び神田君より、大臣に対する質疑が残っておりますが、これは明日に継続いたしまして、休憩いたします。
午後一時半から再開をいたします。
午後零時二十八分休憩
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午後二時三十九分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/90
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091・村松久義
○村松委員長 休憩前に引き続いて会議を開きます。
去る三月十四日付託になりました内閣提出、参議院送付、家畜取引法案を議題といたし、審査に入りたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/91
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092・村松久義
○村松委員長 御異議なしと認めます。
まず本案の趣旨について説明を聴取するわけでありますが、本案は参議院において修正の上本院に送付されたものでありますので、参議院の修正部分につきましても、便宜上政府より提案趣旨とあわせて説明を承わりたいと思いますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/92
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093・村松久義
○村松委員長 御異議なしと認めます。
それでは政府の説明を求めます。大石農林政務次官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/93
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094・大石武一
○大石(武)政府委員 ただいま上程せられました家畜取引法案の提案理由を御説明申し上げます。
戦後わが国における畜産は、急速に発展し、現在馬以外の家畜につきましては、飼養頭数が、戦前の最高水準をはるかに上回っておりますことは、日本農業の発展のために大いに喜ぶべきことと存ずるのでありますが、これらの家畜の流通という点に立ち入って考察いたしますと、なお、そこに畜産振興の隘路とも称すべき重大な制度上の欠陥が見られるのであります。すなわち、わが国の家畜の流通形態は、家畜の商品としての特殊性にもよるのでありますが、農産物に比較いたしましても、流通段階が複雑であるだけでなく、市場についての規制が不十分で、その取引の方法が著しくおくれておりますために、家畜市場においてさえ、必ずしも常に適正な価格の形成と公正な取引を期待できるとはいい得ない実情にあるのであります。
このような事態を放置するとすれば、近年大量に増加した家畜の円滑な流通を著しく阻害し、その結果・国が推進に努めております有畜農業経営にはなはだしい支障を来たすとともに、ひいては国民の食生活の改善にも悪影響を及ぼすことをおそれるものであります。
御承知のように、家畜市場の法的規制は、明治四十三年の制定にかかる家畜市場法炉ございましたが、これが終戦後昭和二十三年に廃止されまして以来、相当数の道府県で条例を制定いたしまして、それぞれ家畜市場の規制を行い、流通秩序の維持に努めてはおりますが、何と申しましても各府県の個個の対策では、家畜の流通対策上遺憾な点が少くないのであります。よって、ここに、家畜市場を中心として家畜の流通を円滑ならしめるためこの法律案を提出する次第であります。以下簡単にその内容を御説明申し上げます。
第一にすべての家畜市場につきまして、これを開設しようとするときは都道府県知事の登録を要するものとし、これに伴い登録の基準等につき必要な規定を設けたのであります。
第二に家畜市場についての規制でありますが、登録された家畜市場における家畜取引を、公正かつ安全に行わしめるため、家畜市場の施設、取引の方法、代金決済の方法等について所要の規制を加えることといたしたのであります。
第三に家畜の生産地帯において、子牛、子馬等が取引される産地家畜市場につきましては、現在その数が家畜の生産頭数に比して多過ぎるため、互いに弱小となって十分市場としての機能を果し得ないうらみがありますので、関係者の自主的な協議がととのった場合には、都道府県知事が地域を指定し、市場の再編整備を行う一定期間は、その地域内において類似市場の開設を制限して、健全な産地家畜市場の発達を期そうとするものであります。
このほか、家畜市場外における家畜取引につきましては、家畜取引業者は一定事項を記載した書類を取引の相手方である農業者等に交付させることを義務づけることによって、家畜の流通の円滑化と取引の公正化をはかった次第であります。
以上がこの法律案を提案する理由であります。何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げる次第であります。
なお参議院におきまして修正の点がありますので、かわって御説明申し上げます。
修正の主要な点は、一、家畜市場の登録基準として、禁固以上の刑に処せられ、刑余二年を経過しない者には登録を与えないこととする、二、禁固以上の刑に処せられた者、その他家畜商法、家畜伝染病予防法または家畜取引法の違反者で、刑余二年を経過しない者は、家畜商免許の欠格事由とし、その免許を取り消すこととするの二点であり、その他にこれに伴う経過規定等の修正が行われたのでございます。
この修正点は、中央卸売市場における卸売人、商品取引所における会員及び証券取引所における会員等についても同様の規定がございますし、家畜商等の業界におきましても要望のある点を考慮して、これにならうという趣旨でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/94
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095・村松久義
○村松委員長 質疑は次会にこれを行います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/95
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096・村松久義
○村松委員長 次に去る三月十二日付託になりました内閣提出、参議院送付漁港法の一部を改正する法律案を議題といたし、審査に入りたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/96
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097・村松久義
○村松委員長 御異議なしと認め、まず本案の趣旨について政府の説明を求めます。大石農林政務次官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/97
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098・大石武一
○大石(武)政府委員 ただいま上程せられました漁港法の一部を改正する法律案の提案の理由を御説明申し上げます。
漁港法は御承知の通り、水産業の基盤である漁港に関する基本法といたしまして、昭和二十五年に制定、公布を見たのでありますが、それ以来本法に基き、漁港の指定は二千六百五港の多きに達し、漁港整備計画は、第十回及び第二十二回の両国会に御承認を得、これに従い漁港修築事業の施行を推進いたしておりますとともに、漁港管理者の指定等により、漁港の維持管理の適正化をはかります等、本法の運用によりまして着々と漁港整備の実をあげ、わが国水産業の発展に大いに寄与しているものであります。
しかしながら、五カ年間にわたる本法施行の経過にかんがみまして、本法に規定する手続中、簡素化して差しつかえないものはこれを整理いたしますとともに、漁港整備の進捗に伴い二、三の規定を設けて本法の充実をはかり、また漁港の実情に即して多少現行制度を改正する措置を講じますこと炉、今後の漁港行政の一そう円滑なる運営を期するゆえんと存じまして、この際漁港法の一部を改正することとし、本法律案を提案いたした次第であります。以下、この法律案の内容について、概略御説明申し上げます。
第一に、手続の簡素化に関する改正規定でありますが、その一は、漁港の指定の内容の軽微な変更については、漁港審議会の議を要しないものとし、その二は、漁港修築計画の軽微な変更については、農林大臣に対する事前許可制度を届出制とし、その三は、漁港管理者が定めることとなっている漁港管理計画及び漁港管理規程は、これを統合して漁港管理規程とし、その四は、従来の第一種漁港に加えて新たに第二種漁港においても、その区域内の公有水面の埋め立ての免許については、農林大臣の認可を要しないものといたしました。これらはいずれもその手続を簡素にいたすことにより、事務の一そうの円滑化を期したものであります。なおこれらとあわせて、従来明文を欠いておりました漁港整備計画の変更の手続は、その制定の手続に準ずべきものといたしました。
第二に、新設の規定といたしましては、その一は、昭和二十七年以降実施しております国の直轄漁港修築事業のうち、完成を見るものもありますので、これによって生じた土地または工作物に関する規定を設けることとし、これらは農林大臣において管理、処分を行い、そのうち漁港施設については、漁港管理者に管理を委託することができるものとし、これらの国有施設を、漁港管理者炉みずからの施設とあわせて一体的に維持管理を行うことにより、漁港の運営に遺憾なからしめようとするものであります。その二は、漁港管理者において漁港台帳を調製せしめることとし、これによって漁港の現況を常時明確に把握し、適正な漁港管理の基礎といたしたい所存であります。
第三に、現行制度の改正に関する規定といたしましては、その一は、漁港管理者が、漁港の管理につき種々の公法上の規制を行う権能が与えられていることにかんがみ、漁港管理者となることができるものは地方公共団体のみといたしました。これによって漁港管理権の性格を一そう明確にし、今後の漁港管理の適正を期します上に望ましいものと存じます。その二は、漁港管理会でありますが、漁港運営の実態にかんがみまして、その利用範囲が全国的にわたって重要である第三種漁港については、従来通り義務設置とし、その他の漁港については、これを任意設置といたしますことが適当と考えられ、そのように改正しようとするものであります。その三は、漁港の機能施設のうちに野積場を加え、これを漁港管理の対象としようとするものでございます。
このほか、これらの改正に応じまして所要の関係条文の整理を行っております。
以上が、この法律案を提案する理由であります。何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/98
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099・村松久義
○村松委員長 質疑は次会にこれを行うことといたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/99
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100・村松久義
○村松委員長 次に、森林開発公団法案を議題といたし、審査を進めます。
質疑に入ります。質疑の通告がありますので、順次これを許します。川俣清音君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/100
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101・川俣清音
○川俣委員 森林開発公団法について二点お尋ねいたしたいと存じます。
第一点は、未開発資源でありまする残された資源として森林を開発して、国民経済の上に大きな寄与をしたいというねらいであるわけでありますが、この資金源について、果して可能な資金源を確保されておるかどうかという点なんです。説明によりますと、余剰農産物資金融通特別会計から一年間に十億ずつ、三年間に三十億を資金源としておるようでありますが、余剰農産物資金融通特別会計というものは必ずしも永続性のものではないという点が一つ。それからもう一つは、余剰農産物を受け入れる犠牲というものの、かなり大きな犠牲を日本の農民が払っておるわけなんです。従いましてこうしたことが日本農村経済に及ぼす影響が非常に大きいから、すみやかに余剰農産物の受け入れなどは、これを拒否すべきだというような国内態勢が生れてくるのじゃないかというところに問題点があるわけであります。そうすると資金源をこの困難な特別会計に求めておられるわけですが、果して見通しがあるのかないのか、この点についてお尋ね申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/101
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102・大石武一
○大石(武)政府委員 お答えいたします。川俣委員の御質問はごもっともなことでございます。私どもといたしましても、当面のこの三年間の資金は余剰農産物見返り円資金をもってまかなうことといたして三十億を計上いたし、一応その計画を立てておるわけでございます。しかし果しておっしゃる通り、今後長い年月にわたってこの余剰農産物の見返り円資金が使えるかどうかという点は疑問でございます。従いまして一応この法案も三年間で一段階を終ることにいたしまして、とりあえずそれで相当の開発を進めることにいたしておるわけであります。しかし計画は六年、六十億を投入いたす予定でございますので、その後の資金につきましても十分考慮いたしまして、何らかの道を必ず講じてこの計画を貫徹いたしたいと思う次第でございます。
それからもう一つ、余剰農産物を日本に持ってくるということは、日本の農民に犠牲をしいるのではないかという御質問でございますが、でき得る限り犠牲を与えないように、ある程度の犠牲を与えるならばそれ以上にプラスがあるようにということを心がけまして、ぜひとも農民の犠牲において、農民の負担において余剰農産物の受け入れが行われないように、一生懸命努力いたす所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/102
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103・川俣清音
○川俣委員 この資金源が非常に問題になりますのは、造林にいたしましても林道にいたしましても、途中で資金が枯渇するというようなことになりますと、経済効果が半減するわけであります。これは完成されて初めて経済効果が大きく上ってくるのであって、途中で途絶するということになりますと、むだな経費とまでは言わないにいたしましても、経済効果というものは十分の一に減り二十分の一に削減されるものであるだけに、資金源というものは十分考えていきませんと、問題は地元の負担金の徴収にも影響する問題でございます。従いましてこの経営が成り立つか成り立たないかという岐路にあるのでございます。途中で危ないということになりますと、これは県の負担におきましても地元の負担におきましても、なかなか徴収が困難に相なると思うのであります。そこでやはりある程度の見通しは、特別会計から入れない場合においては、別な会計からでもその計画の三年計画、四年計画だけは少くとも実施するということが明瞭になってこないというと、この公団方式による開発というものが効果がないということになるので、この点をもう少し明瞭にしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/103
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104・大石武一
○大石(武)政府委員 おっしゃる通りでございます。それで私どもいたしましても、何とかしてこの資金を確保いたしまして、事業の完成をはかりたいと念願しております。三年間に三十億の見返り円資金を予定いたしておりますが、もし三十二年度あるいは三十三年度以降に、そのような資金が望めないといたしますれば、三十二年度においては二十億を少くとも見返り円資金として確保いたしまして、三年間で三十億の資金で一応の計画を立てたいと考えております。なおそのあときにつましては、何とかできるだけあらゆる努力をいたしまして、その資金の獲得に努めたい所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/104
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105・川俣清音
○川俣委員 次に第二点でお尋ねいたしますが、この計画の基本になっております開発についての地元負担金並びに県の負担金と申しますか、事業費の負担区分でございます。これは一般の林道にいたしましてもあるいは造林にいたしましても、従来の公共事業費の負担区分が異なっておるわけであります。なぜ一体こう異ならなければならないかということについて、今後疑惑が生じて参りますと、この公団方式によるところの事業成績が上らない結果になると思う。そこで何ゆえに負担区分が異ならなければならないか。この点の説明が明らかにされなければならないと思う。これは政務次官ではちょっと無理だろうから、長官からお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/105
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106・石谷憲男
○石谷政府委員 この開発についてでございますが、御承知のように林道事業の場合におきましては、現在公共事業費によりまして毎年の仕事を実施しておるのでございますが、その場合におきまして、このような今回の開発の対象にあります熊野川でありますとか、あるいは剣山周辺の民有林でありますとか、こういった比較的大規模な開発対象を開発いたします場合の林道に関しましては、現在国の負担が公共事業の場合におきましては六割、県が一割、受益者が三割という負担区分をいたしておるわけであります。ところがこういった場合の負担区分でございますが、いわゆる奥地林開発というものを対象にいたしまして、現在やっておりますものの中で、ただいま申し上げましたような負担区分によるものは、全路線数の一割ということを限度にしてやっておるわけであります。おおむねもより市場からの距離が、開発地点の中心まで約四十キロ以上、こういうことが一応選定の基準でございますが、路線数にいたしましても、ただいま申し上げますように一割ということでございます。残余の九割の路線のものにつきましては国の負担が五割、県の負担が一割、受益者の負担が四割ということでやっております。
ところで、こういったような森林を対象にいたしまして開発いたします場合の、大体の対象となる森林の内容でございますが、これは全体の開発森林の中で用材林が六割、薪炭林が四割、用材林の中におきましても、針葉樹林が五割五分以上、従いまして広葉樹林が四割五分以下、こういったものが奥地林開発の場合、一応の対象林分の基準といたしておる数字でございます。
そこで、今度対象になります二つの地域の問題でございますが、これらの林は御承知のように、開発の対象になり得る面積が一般の奥地林開発の場合に比べまして非常に大きいのでございます。と同時に森林の内容が非常に高いのでございます。すなわち用材林の場合におきまして七割、その中でしかも針葉樹は六割五分以上占めておる。こういったように非常に内容の高い森林に相なっておるのでございます。従いまして現実に受益者の負担し得る能力というものが、一般の公共事業の場合に比べて非常に高いといったような特殊な事情がここにあるわけでありまして、従いまして私どもといたしましては、この開発事業の経済効果と同時に、受益者の付帯的な負担能力といったようなことを詳細に検討いたしまして、そうしてこの受益の率というものをきめて参る、こういうことをいたしました関係上、一般の公共事業の場合に比べまして、受益の区分がいささか違って参っておる、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/106
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107・川俣清音
○川俣委員 そういたしますと、一般の公共事業費というものは、いわゆる公益性の富んだ地帯が選ばれる。しかもそれが一般の予算の上からいろいろな制限を受けて、開発とはいいながら遅々として進まない現状において、最も経済効果のある地域に集中した資金をつぎ込むのであるから、最も経済効果の早く上るような地帯を選んだために、一般の公共事業費よりも負担率が高くなっておる、こう理解してよろしいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/107
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108・石谷憲男
○石谷政府委員 受益者の負担は、必ずしもこの場合に高くなっているというわけじゃございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/108
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109・川俣清音
○川俣委員 そういたしますと、ここで問題があります。いわゆる今までの造林事業については五分五収制度をとっている。それとの比較において必ずしも負担が軽いとは言われないと思うのです。あなたが今軽いと言われたのは、おそらくこういう経済効果が早く上って、総体的には負担が軽くなる、こういう意味ならば理解ができますけれども、負担区分が軽いということになると、非常に誤解が生ずるのではないか。経済効果を総体的ににらみ合せて割合に負担が軽い、こういうことじゃないんですか。これを誤りのないようにしてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/109
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110・石谷憲男
○石谷政府委員 ただいまのような意味合いのことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/110
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111・中村時雄
○中村(時)委員 ちょっと政務次官にお尋ねするのですが、先ほどあなたは六カ年計画において、大体六十億円を想定しておった。それが現在の見返り資金の問題から関連いたしまして、三カ年にして三十億円をこれに当てはめる、そうして一年間に十億円ずつを利用していきたいんだ、このようにおっしゃっていた。来年、再来年の問題はどうなるかわからない。ところがそれがもしもいけなかった場合には、来年度においても何とかして二十億円を確保したい。見返り資金のワクというものは、一定されておるわけですが、あるいはそれ以上に幅がとれるかどうか知りませんけれども、それは今後における政治的折衝である。ところが農林省から出されておる森林開発公団法案の参考資料の中において、その九十六ページには、ちゃんと公団の収支表というもの炉出ておるわけです。それを見てみますと、第一年度において十億円、第二年度において二十億円・以下三年からずっと十七年度まで考えまして、そのうちでおもな収入は、六年度まで、すなわち二年度から六年度までの間には、一般にいわれておる奥地開発の補助金をこれに当てはめようという考え方に基いて、計画が立案されているのです。そうすると、あなたがおっしゃったように、見返り資金の六十億円をとってくるとか、そういうことはただつけ足りであって、その場かせぎの言葉だと思うのです。少くともちゃんとここに出ておる。そういう軽率な言葉の表現をしてもらいたくない。やるなればやるとちゃんとはっきり認識した上において、あなたの行動をとってもらいたい。あなたはどう考えているか、そのお答えをいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/111
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112・大石武一
○大石(武)政府委員 もっと具体的なことをとりあえず林野庁長官にお答えいたさせます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/112
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113・石谷憲男
○石谷政府委員 私どもといたしまして、この両林地の完全な開発というものを目的にいたしまして事業を実施していく場合には、約五十億円くらいの資金量が必要である、こういうように考えられるのでありますが、ただいまお話のように、やはり何といいましても資金の確保見通しということが一番重大な問題であります。三十一年度におきましては、とにもかくにも十億円だけこの事業に使えることに相成っておりますが、三十二年度以降につきましては、実は確たる資金見通しというものは何とも申し上げられぬ事情炉あるわけでございますが、一応三十二年度はこの余剰農産物の円資金につきましては期待で送る、こういうことを前提といたしまして、それで三十二年度でかりに打ち切られるという場合におきましては、ぜひとも二十億だけをこの事業のために継続して確保していきたい。そこで三年間にわたりまして三十億の資金の確保ができさえすれば、基本的な面だけの開発は一応これででき上る。そうしてそのときの状況に立ち至りまして、さらに資金の確保見通し等が立ちますような場合におきましては、完全開発のところまで進みたい、こういうような考え方を持っておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/113
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114・中村時雄
○中村(時)委員 そうすると、今のお話のように全然内容が違ってくるわけです。見返り資金を今言ったように、六カ年計画に基いて六十億の線じゃないんですね。当初年度においては十億円とって、それでいけなかった場合に、三年間の計画の上において次年度に十億円、さらに三年度に十億円。しかし三年度が危険だというような立場から、次年度においてプラス・アルファーして二十億円としたいという意向。それから足らない部分は、この計画によりますと奥地開発の問題等によって取り上げることが第一点、県単位で取り上げることが第二点、一般で取り上げることが第三点、この三つを総括されて四十五億円という数字を大体基本的に出していらっしゃる。だから見返り資金としての六カ年ということは一応御破算にされて、そうして三十一年度という線でこれを行われておるはずです。私はそう記憶しておる。ところが政務次官がおっしゃるのでは、六カ年で六十億円という膨大なる考え方を持っていらっしゃるようだから、その点あなたの考え方がどこが間違っておったかということをはっきりさしてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/114
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115・大石武一
○大石(武)政府委員 中村委員のおっしゃる通りの考え方でございます。ただわれわれは、初めの三年の間に三十億円確保いたしまして、それで第一段階の仕事を終えまして、そのあともしとれるならば三十億円の円資金を得まして、六十億円として十分仕事をいたしたいという念願でございます。しかし現実に三十億円がとれるかとれないかということはむずかしい問題でございますので、とれない場合にはどうしようかということでこのような計画を立てたわけでございまして、おっしゃる通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/115
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116・中村時雄
○中村(時)委員 詳しいいろいろな質疑はあとに回しまして、そうなりますと、いろいろな問題が起ってくる。たとえば三十億の見返り資金が毎年十億円ずつ入った場合に、奥地林道としての政府の取り上げ方がどうなるか、あるいは県単位の問題をどう取り上げるか、そういうようないろいろな問題がそれに付帯して生まれてくる。だから一応の区切点は区切点として、そういう別な推察を入れてくるならば、いろいろな問題が発展してくるわけです。この点の整理をあなたの頭の中にしておいていただきたい。これは御忠告でございます。いずれ詳しいことはあとにいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/116
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117・村松久義
○村松委員長 本案に対する質疑は明日にいたすことといたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後三時九分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X02719560403/117
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