1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十一年四月二十五日(水曜日)
午前十一時七分開議
出席委員
委員長 村松 久義君
理事 吉川 久衛君 理事 笹山茂太郎君
理事 白浜 仁吉君 理事 助川 良平君
理事 中村 時雄君 理事 芳賀 貢君
赤澤 正道君 足立 篤郎君
安藤 覺君 五十嵐吉藏君
井出一太郎君 石坂 繁君
大野 市郎君 大森 玉木君
木村 文男君 楠美 省吾君
小枝 一雄君 鈴木 善幸君
綱島 正興君 原 捨思君
本名 武君 松浦 東介君
赤路 友藏君 淡谷 悠藏君
伊瀬幸太郎君 井谷 正吉君
稲富 稜人君 石田 宥全君
小川 豊明君 川俣 清音君
神田 大作君 田中幾三郎君
中村 英男君
出席政府委員
農林政務次官 大石 武一君
農林事務官
(農地局長) 小倉 武一君
農林事務官
(畜産局長) 渡部 伍良君
委員外の出席者
農林事務官
(農地局参事
官) 戸嶋 芳雄君
参 考 人
(農地開発機械
公団理事長) 成田 努君
参 考 人
(農地開発機械
公団理事) 和田栄太郎君
専 門 員 岩隈 博君
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四月二十五日
委員日野吉夫君辞任につき、その補欠として川
俣清音君が議長の指名で委員に選任された。
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四月二十四日
農林漁業組合再建整備法の施行期限延長に関す
る請願(白浜仁吉君紹介)(第二〇五七号)
慶光寺地内開拓農道新設に関する請願(松澤雄
藏君紹介)(第二〇八〇号)
の審査を本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
農地開発機械公団法の一部を改正する法律案(
内閣提出第六六号)
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001・村松久義
○村松委員長 これより会議を開きます。
昨日に引き続き農地開発機械公団法の一部を改正する法律案を議題といたし、審査を進めます。
本日はまず参考人の方より意見及び説明聴取を行います。ではまず成田努君に説明をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/1
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002・成田努
○成田参考人 私が農地開発機械公団理事長の成田努でございます。当公団の創立以来の概略を御説明を申し上げます。
御承知の通り、昨年十月十日に設立されまして、登記完了いたしまして以来今日までの間、当公団のなすべきことに対する準備行為をやや完了いたした次第でございます。御承知の通り当公団は、農地の造成及び改良の事業に効果あらしめるため、最も効率的の機械の購入をいたしまして、これをもって農地の開墾並びにこの機械を貸し付けて、農地の造成及び改良に資するということが主たる目的でございますので、その機械の購入に対しまして、購入資金としまして世銀との借款交渉をその後進めて参りまして、今日ではほぼ完了に近いところまで参りました。いずれ世銀の方から招電が参りましたならば、私が参りましてその締結をいたしてくるという段取りのところまできております。しかしてこの仕事の方につきましては、北海道の根釧地帯及び篠津地帯におきまして——篠津の方は御承知の通り国営事業に対して機械の貸付をいたすのでございますし、根釧の方は公団みずからが開墾に当るということになっておりますので、入植者の訓練その他も根釧の方はすでに終えまして、何どきでも機械を導入いたしまして開墾に着手する準備を整えておる次第でございます。また青森県の上北地区におきましては、目下入植者の訓練中でございまして、その完了と同時に、機械を導入いたしまして開墾に当ろうという考えでおります。その地積その他につきまして詳細なことは、ここにその担当をいたしております和田理事が出席しておりますから、委細……(「なぜきのう出席しなかったのだ」と呼ぶ者あり)昨日なぜ出席しなかったかという御質問でございますが、まことに申しわけないことでございまして、当公団に対して委員会の事務当局から出席していろいろ説明をしろという電話があったのでございます。それで手前どもといたしましては、全般の事務に精通しております、総務部を担当しております土屋理事が御説明申し上げますのに、最も適任と存じて差し向けたのでございまして、われわれ両名出席すべきところ出席しなかったことはまことに申しわけありませんので、幾重にもおわび申し上げます。どうぞその点はお許しを願いとうございます。
かようなことで、なお詳細につきましては、ただいま和田理事をして御説明申し上げさせます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/2
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003・村松久義
○村松委員長 次に和田栄太郎君にお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/3
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004・和田栄太郎
○和田参考人 公団の仕事の進行の模様の概要につきましては、ただいま理事長の方から御説明申し上げたのでございますが、私から若干つけ加えて申し上げたいと思います。
すでに御承知のように、機械公団の仕事は、根釧、上北地区の開墾を実施いたしますことと、篠津の国営の土地改良、開拓地区の建設工事に使用されます機械を貸し付けることと、この二つに目下のところなっておりますが、開墾の実施の方を申し上げますと、この仕事は政府の仕事、それから県の担当される部分、それから公団の担当する部分と分れておりますが、説明の都合上全体の様子を申し上げたいと思うわけであります。
上北、根釧両地区とも開拓の実施計画が完了しまして、道路をつける場所、防風林を置く場所、あるいは薪炭林として残しておく場所等は、すでに現地でくいを打って決定を終りました。なお順次開墾をいたすわけでございますが、本年度に開墾する場所も確定いたしております。なおその開墾する場所の立木を伐採して取りのけなければなりませんが、これは林野庁の非常な御努力によりましてすでに大半終りまして、予定しております六月二十日からの開墾にさしつかえないように進行をいたしておる次第でございます。
道路の建設でございますが、これは公団が政府から委託を受けまして、その実施は農地事務局でまたやっていただいておるわけでございますが、これも機械の購入それから設計等が完了しまして、雪解けあるいは土地の凍結が解け次第工事にかかれるようになっておる次第でございます。
入植者の方は根釧の方はすでに七十戸の入植者の訓練を終りまして、来月に入りますと間もなく入植をして、第一番に家屋の建設を始めることになっております。上北の方は百十六戸の入植者の選定を終りまして、目下三本木、七戸の二カ所に分れまして訓練中でございまして、六月下旬には現地へ入植して、さっそくそれぞれの家屋の建築その他に当る予定になっております。
それから公団の受け持ちます開墾は、北地区では六月二十日から入ることに予定されておりまして、約三分の一くらいはことしの間に牧草を作付ける予定でありますので、それに合致いたしますように仕事が進む万全の準備を整えております。篠津の貸付用の機械も、工事を実施されております北海道開発局と密接な連絡をいたしまして、御希望の機械を御希望の時期に入れるように手配を済ませまして、大体予定通りに仕事が進行すると思っております。
なお機械開墾につきましては初めてのことでありますので、開墾後の営農が十分いきますように、開墾のやり方につきましては万全の努力を払ってやる決心でおります。どうぞ先生方からも御指導いただいて、十分責任を果していきたいと存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/4
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005・村松久義
○村松委員長 参考人に対する質疑を行います。稲富稜人君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/5
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006・稲富稜人
○稲富委員 参考人に質疑する前に、提案者にちょっと基本的な問題で御質問いたしたいと思います。この法律案の改正の条文を見ますと、第一条中「農地の造成及び改良の事業の効率化」を「農業経営の合理化と農業生産力の発展」に改める、こういう提案の趣旨でございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/6
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007・大石武一
○大石(武)政府委員 仰せの通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/7
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008・稲富稜人
○稲富委員 それではお尋ねしますが、農地開発機械公団法の第一条のどこを見ましてもこういう文句は書いてない。すなわち第一条は、「農地開発公団は、農地の造成及び改良の事業の効率化に資するため、国際復興開発銀行等から資金の融通を受け、農地の造成及び改良の事業の用に供する高能率の機械等を保有して、」こう書いてある。政府が提案されておりますようなこういう文句はこれは公団法の中には書いてない。書いてない文句をここへ持ってきて改正されるという趣旨はどういう意味かということを聞きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/8
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009・大石武一
○大石(武)政府委員 御質問の御趣旨、ちょっと私には理解しかねるのでありますが、こういうことだと思います。この提案の理由は、この農地開発機械公団法の第一条の「農地開発機械公団は、」とありますところをその次から「農業経営の合理化と農業生産力の発展に資するため、」と直すことが第一条の改正であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/9
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010・稲富稜人
○稲富委員 先刻あなたはこの法案の前文の「農地の造成及び改良の事業の効率化」を「農業経営の合理化と農業生産力の発展」に改正するとさっき御答弁なさった。ところが現行法にはこういう文句はない。改正案を出す場合は、原文にはこううたってあるけれども、こううたってあるものをこう改正するのだということを出すことが法律改正案の立法の骨子でなければならぬ。原文と違ったものを出してこれを改正するということはこれは改正の理由がはっきりしない、この点をお聞きしておる。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/10
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011・小倉武一
○小倉政府委員 この第一条は要するに現行法の第一条でございますが、この最初に「農地開発機械公団は、農地の造成及び改良の事業の効率化に資するため、」こういうふうにあるのでありますが、この最初の行の中の「農地の造成及び改良の事業の効率化」という文句を改正いたしましてこの文句「農業経営の合理化と農業生産力の展に資するため、」と直すというのが今回の改正の一点でございます。現行法には「農地の造成及び改良の農業の効率化しという言葉がございますのでそごはないと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/11
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012・稲富稜人
○稲富委員 そうしますると、この提案なさっておりますのは、第一条中「農地の造成及び改良の事業の効率化」という文句も、次の「農業経営の合理化と農業生産力の発展」も、これも新しい法律とかわるべきものでございますか。法律の改正案を出す場合には、原文にはこうなっているが、これをこう改めるのだ、こう改正案を出すことが慣習じゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/12
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013・小倉武一
○小倉政府委員 先ほどは現行法に基いて申し上げましたが、改正案によりますと、「第一条中「農地の造成及び改良の事業の効率化」を「農業経営の合理化と農業生産力の発展」に、」こういうふうに直しておりまして、現行法の中の文句を引きまして、その文句を直すというふうに相なっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/13
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014・稲富稜人
○稲富委員 そうしますると、これは従来の現行法から根本的に変ってくるということになってくるわけなんです。法律の一部を改正する法律案というのは、単にその間の一部を改正するのであって、なぜそれじゃこういうように一部改正なんということでお出しになったのか。根本から法の精神を変更するような場合は、一部改正案として出すことが妥当であるかどうかという問題が出てくるわけなんです。この点提案者はどういう解釈をされておるか承わりたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/14
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015・小倉武一
○小倉政府委員 お話のように、現行法によりますると、機械公団は、農地の造成及び改良の事業に限られておるわけでございまして、従いまして間接的な目標も「農地の造成及び改良の事業の効率化に資するため、」こういうふうになっておるわけでございますが、ただいま審議をお願いしておりまする改正案におきましては、輸入乳牛の仕事を取り扱うということになりますので、題目である「農地の造成及び改良の事業の効率化」だけでは足りなくなる。そこでもう少し言葉を広める必要が生じましたので「農業経営の合理化と農業生産力の発展」、こういう言葉に改めたのでございます。形におきましては一部改正であることには間違いございませんので、公団法の一部改正ということで御審議を願っておるわけでございます。御承知のように、趣旨といたしましては、現行の公団法の目的より相当広くなっておりますので、条文の改正の個所が意味するよりも、ずっと重要な改正であるというふうには私ども存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/15
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016・稲富稜人
○稲富委員 私のお尋ねしておるのは、機械公団というのはどこまでも——この機械公団法が成立いたしましたときは、この条文にありますように、機械を保有して、そうして農地の造成、改良に資するということがこの法律の主なる目的であった。ところが今度の改正案というのは、この主たる目的を変更して、すなわち「農業経営の合理化と農業生産力の発展」に寄与しようとするという基本的な法律の改正というのが行われてくる。ここに私は大きな疑問を持つのであって、これほどの基本的な法律の改正というものを一部改正案としてお出しになったということ、野卑な言葉を用いればインチキだ、この立案に対して私は妥当でない、こういうような解釈をするのですが、提案者はこれでも差しつかえない、こうおっしゃるのであるか、こういうことをお聞きしておる。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/16
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017・大石武一
○大石(武)政府委員 お答えいたします。ただいま農地局長からお答え申し上げましたように、今までの公団の目的は「農地の造成及び改良の事業の効率化に資するため、国際復興開発銀行等から資金の融通を受け、農地の造成及び改良の事業の用に供する高能率の機械等を保有して、これを国、地方公公団体その他当該事業を行う者に貸し付け、その他その効果的な運用を行うこと」が目的でございました。ところが今回さらにこれを広めまして、ジャージー種を買うということを書き加えたわけでございます。そうするとこの「農地の造成及び改良の事業の効率化」だけでは多少足りませんので、言葉をかえまして、先ほども申し上げましたように「農業経営の合理化と農業生産力の発展」という言葉に置きかえたわけでございますが、その実際の仕事は何であるかと申しますと、その説明書きのように、「国際復興開発銀行等から資金の融通を受け、農地の造成及び改良の事業の用に供する高能率の機械等を保有してこれを国、地方公共団体その他当該事業を行う者に貸し付け、その他その効果的な運用を行い、あわせて輸入に係る乳牛を地方公共団体に売り渡すこと」、そうした性格を持たすことが仕事の実態でございますので、これをこのように御解釈いただければけっこうだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/17
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018・中村時雄
○中村(時)委員 関連して。提案者にお聞きしますけれども、提案者のおっしゃるように、当初の目的は総則であなたが読まれた第一の目的、これは第一条に出ております。これによりますと、農地の造成及び改良の事業の効率化、あるいはその次に出てくる農地の造成及び改良の事業の用に供する高能率の機械等を保有して、これを貸し付けることが目的である。そこでわれわれは、この前にこれを認めていったわけです。ところが今度の実際の改正になりますと、これは完全に一つの行政機構に属するような指導権まで持ってくる改正になってくる、基本的に変ってくる。たとえばこの次にあるところの「運用を行うこと」を「運用を行い、あわせて輸入に係る乳牛」、これはジャージーの問題がそこから出てくる。ジャージーの問題を主体に取り上げておるが、農業経営までこれを行うというように大きく角度が変ってきておるわけです。当初私たちが目的にしたのは、機械を貸し付けて高能率化をはかろうということだった。悪くいえばあっせん的な行動であった。そこで外国から金を借りてきてやってみようということになった。ところがこうなってくると主体的なものは、おのずからの経営ということが中心になってきておる。そういうことをあなたは認めていって行なおうとしておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/18
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019・大石武一
○大石(武)政府委員 お答え申し上げます。先ほども答弁申し上げましたように、問題は外国からの借款によって、いろいろな高能率の機械を買いまして農地の造成及び改良の事業を行うことが主体でございますが、さらに今回ジャージー種を一緒に借款によって買うということ、これをつけ加えることにしたわけでございます。従いましてこれが目的でございまして、農業経営の合理化に資するためというので、農業経営を指導しようというような、行政にタッチする面は全然ございませんので、その点は私どもの話のように御解釈いただければ仕合せと思う次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/19
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020・村松久義
○村松委員長 参考人に対する質疑が主題でございますから、どうかその一問だけで……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/20
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021・中村時雄
○中村(時)委員 今おっしゃっておるけれども、実際に法律の改正の中から見ますと、一番重要なことが出てくる。拡大解釈していきますと、こういうような格好になりましたならば、完全な営農指導の方向が打ち出されてくるおそれがある。実際に実態を見ますと、今までの機械の貸付をやっていくのと意味が違いまして、拡大解釈したら、営農の一つの指導を公団が行なっていくという完全な解釈が成り立ってくるのですが、あなたはどうお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/21
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022・大石武一
○大石(武)政府委員 いろいろな解釈も出てくるかと思いますけれども、はっきり私として申し上げますことは、今までの目的のほかにジャージー種の乳牛を輸入して売り渡すということ、これだけが目的でございますので、それ以外に何ら他意のないことをはっきり明言できる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/22
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023・稲富稜人
○稲富委員 それでは提案者に対する質問はあと回しにしまして、参考人にお尋ねいたしたいと思うのでございます。
参考人は農地開発機械公団の実際の運営者としてその任に当っておられるのでございますが、あなた方が機械公団を運営されるときに、これは営農指導までやるというようなお含みはなかったと思う。昨日の参考人もそういうことを言っていらっしゃったのでございますけれども、その責任者である理事長にお伺いしたいのは、これは単なる機械を貸し付ける役目だけであって、しかも農地の造成によってやるというのであって、将来営農指導までやるというようなお含みが公団にあったかどうか、こういうことを一つ承わっておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/23
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024・成田努
○成田参考人 ただいまの御質問に対してお答えいたします。われわれは当初から営農指導をする考えは毛頭ございません。またさように政府から承わっております。農営指導をする機関でないと承わっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/24
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025・稲富稜人
○稲富委員 そうしますとすでに御承知の通り、農地開発機械公団の今度の改正案でございますが、この改正案がただいまもお聞きの通りに、基本的な法律の方針を変更いたして改正されるということになっておるのでございますが、これはあなた方の従来の公団としては、これに対して公団の方からこういうことを従来の公団の運営上申し出られたのか、それとも政府の方からこういうことを公団にせよということを指示されたのであるか、この点を一つはっきり承わりたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/25
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026・成田努
○成田参考人 この法律案の改正案を私は見まして、決してこの改正案によって営農を指導するということに改正せられたとは私は解釈しておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/26
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027・稲富稜人
○稲富委員 それでは営農指導問題はあと回しにしまして、私の聞いておるのは、第一点は営農指導の質問でございましてその次に質問しましたのは営農指導の問題を言っておるのではなくて、今度の法律の改正案というものは、公団が自主的にこういう法律の改正をしてそうして酪農の導入をやる方がいいという自主的な考えから、この法律案の改正案というものをあなた方が要求されたのか、それとも政府が公団の一つの仕事として酪農を導入するのだ、こういうことをあなた方にしいられたのであるか、その基本的なものを承わりたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/27
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028・成田努
○成田参考人 われわれが乳牛を導入することがわれわれの仕事の上において非常にいいことである、こう考えて政府に申し上げたのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/28
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029・稲富稜人
○稲富委員 これは非常に重大な発言でございますが、あなた方の公団は発足いたしましてまだ半年足らずである。しかも実際の現在の公団の仕事というものは、まだその緒についていないという状態のときに、あなた方が今日これほど多くのジャージー種を輸入しなければいけないということを自主的に考えられたというと、これは非常に重大な問題でございますが、それじゃその根拠を一つ承わりたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/29
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030・成田努
○成田参考人 われわれは乳牛を輸入して、われわれの仕事の一端にすることが非常にいいことであると考えましたのとともに、政府自体からもさようにすることがいいということによってお話し合いの上、私どもはまことにけっこうと申し上げておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/30
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031・稲富稜人
○稲富委員 これは公団法の改正にとって非常に重大な拠点になるのでございますから、何も私は言葉じりをとっていろいろしょうとは思いません。はっきりこれはしてもらいたいと思う。私たちが考えますことは、あなた方は発足してまだ日が浅いのです。しかも後ほど聞きますけれども、人員その他が充実していないという状態なんです。公団はまだよちよち歩いているというのが今日の状態だと思う。こういうような状態のときに、ここにこれほど大量のジャージー種を輸入しなければいけない、そういう高遠な理想をあなたが抱かれるということがどういうような根拠からこれをなされたのであるか。政府からそういうことをした方がいいではないかと言われたから、ぼくがやりましたというようならばあなたに聞くことはありませんが、あなたは自主的に公団自体が申し上げたとおっしゃいますから、それほど公団が自主的に考えられたというのはよほど根拠があるだろう、その根拠を具体的に伺いたい、こういうことを申し上げておるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/31
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032・成田努
○成田参考人 機械化公団でありますから機械をもってとにかく農地を開発します。効率化しておるところの大きな機械をもってやりますれば、勢い集団営農という格好になって従来のごとく個々の農民のやっているのと違いまして非常に集団的な農営法になってきます。(「それは営農指導じゃないか」と呼ぶ者あり)いや指導するんじゃない。そうなると申し上げておるのでありまして、指導するんじゃないのですから誤解のないように願います。自然にそうなる。そうなりますると、そこへ家畜をプラスしますればますますけっこうな格好になるんじゃないか。こういう考えから政府に一言申し上げたわけなんでございまして、ただ結局これを実行するということは、政府のお指図によってなすわけで、私が先ほど申しましたのは言葉が足らぬところでありまして、私はさようしたことがいいのではないかという私の意見を申し上げたという程度でございますから、どうぞその辺は……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/32
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033・稲富稜人
○稲富委員 先刻あなたはジャージー種を輸入することは公団の自主性によってきめたんだとおっしゃいますが、今の御説明を聞いておりますと、ただ政府の方からそうやったらどうかと言われたからあなたの自主性においてそれはよかろうと言われたこと、そうあなたの自主性という言葉なのでございますが、そういう意味でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/33
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034・成田努
○成田参考人 さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/34
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035・村松久義
○村松委員長 参考人に申し上げますが、発言を求めるときは許可を得て下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/35
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036・成田努
○成田参考人 どうも慣習を知らぬものですから、何かと失礼ばかりいたします。失敗ばかりでどうも申しわけありません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/36
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037・井谷正吉
○井谷委員 私はさっきから聞いておると、もう少しまじめに答弁をしてもらいたいと思います。冗談みたいな、座談会じゃないのですから、その点けじめをつけてもらいたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/37
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038・稲富稜人
○稲富委員 そうしますと、今度は政府の要請によってあなたの方もそれでよかろうと受けて立ったというような、御答弁を変更になったようでございますが、実際のあなたの方の公団の運営上から見て、今日すでに営農指導はやらないという建前をとっていらっしゃった。ところが今日ジャージー種がたくさん入ってくると、ほとんど営農指導のような立場までもとらなくちゃできないような広範な事業になってくるということをわれわれは考える。その場合、今日の公団においてそれはやれるという自信があるかどうかということを承わっておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/38
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039・和田栄太郎
○和田参考人 お答えいたします。公団の乳牛に関する仕事は、乳牛の購入と輸送と、それから県への売り渡しでございまして、それに関する限り営農指導には関係ございませんし、公団としてこれが国会で議決されましてやることになれば、十分これをやっていける自信を持っておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/39
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040・稲富稜人
○稲富委員 公団は現在の機械だけ扱って、現在の状態で公団の使命は十分達成されている。現在の機構、現在の人員、しかもあなた方が今日与えられている仕事、これら三者が一体になって公団の使命が完全に果されているというふうにあなたの方は解釈をされているのでございますか。あるいは現在の人員、予算等に対しても、もっと足らざるものがあるというようなお考えであるか、この点、一つ運営を率直にお答え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/40
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041・和田栄太郎
○和田参考人 ただいまの人員、予算で余っているわけではございませんが、必要最小限度のものが与えられていると存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/41
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042・稲富稜人
○稲富委員 それではこの公団の今日の予算、経費はどうなっておりますか。及びこれに対する人員、このことをつまびらかに承わりたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/42
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043・和田栄太郎
○和田参考人 本年度の予算は五千百万円くらいになっております。それから職員数は四十七人でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/43
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044・村松久義
○村松委員長 芳賀貢君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/44
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045・芳賀貢
○芳賀委員 成田参考人にお尋ねしますが、あなたは今回の機械化公団法の法律の改正案を見られて、けっこうでございますというようなことを言われましたが、これは最初に疑問を持たれたと思うのですが、いかがですか。今までの機械公団の性格に、稲富委員も言われたように、大きな変更が現われたわけです。これは変じゃないかというようなお感じは持たぬのですか、その点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/45
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046・成田努
○成田参考人 私は、これでまことに妥当だと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/46
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047・芳賀貢
○芳賀委員 それは、公団自身が法律の改正をやるのじゃなしに、政府が法律を改正して、あるいは制定して、あなた方が生まれているわけです。だから、それに反抗することはもちろんできないのですよ。ただすなおにこれを見た場合に、この法律の改正はちょっと変だというような感じを持たなかったかどうかということを聞いているのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/47
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048・成田努
○成田参考人 変だとは考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/48
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049・芳賀貢
○芳賀委員 今日までの機械公団の性格は、世銀等の借款によって、これは国産品で十分あるのですけれども、特に外国から農地開発用の機械を購入して、委託を受けて機械開墾地区の農地の造成をやり、あるいは改良をやる、また機械の貸与を行うということになっている。今度の場合は、これはジャージー種の輸入業務を行うと同時に、それを都道府県知事に売りつけるという仕事ですね。これは決して機械開発公団の今までの事業計画と並行するものじゃないのですよ。あなた方の御説明によると、機械公団が開発した地域に牛を導入するからして、非常にけっこうであると言われているけれども、これは機械開発をやった地域にジャージー種をすぐ入れるというのではない。既存の農家に対して高度集約の地区の指定を行なって、その地区に導入するジャージー種を公団が輸入して、その地域の知事に売り渡すということになるのです。機械公団の事業とジャージー種の取扱いというものは必ずしも並行してないのです。全然関連性を持たない場合が非常に多いのです。だから今成田理事長の言われたような説明と考え方は、最初から的がはずれているのです。だからこれを見た場合に、ちょっと変だという感じが起きなかったかということを聞いている。政府が法律を改正して押しつけてくれば、何でもけっこうでございますという考え方であなたがやるのであれば別ですよ。しかし常識人としての判断から見た場合に、これは変だというような考えをあなたは全然持たなかったというと、和田さんはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/49
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050・和田栄太郎
○和田参考人 今先生のお話の通りに、機械開墾地区だけでなくして、その周囲の集約地区にもこのジャージー種を導入されるわけでございますが、御承知のように酪農は、相当の牛の数があって加工施設が十分にあることがうまく発展する根本の要件でございますので、機械開墾地区を含むその周辺に広く導入することは非常にけっこうなことだと考えているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/50
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051・芳賀貢
○芳賀委員 ジャージーの輸入計画は、世銀からの借款の関係もあって三カ年計画です。三カ年でわずか三億一千七百万円しか借りられないのですよ。今までも国の予算等を通じて、資金措置は一年間に二億五千万円くらいを投じてジャージーの買付を行なっているのですよ。問題は、機械開発公団がなぜ牛の輸入及び売り渡しを行わねばならなかったかということです。そういう必然性に対してどう考えているかということを聞いている。けっこうでございますとか、よろしゅうございますとかいうことでない。なぜ機械開発公団がやらなければいかぬかという理論的な根拠というものをお感じになっているかどうかということなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/51
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052・和田栄太郎
○和田参考人 これは政府の方からお話がありまして、私たち非常にけっこうだと思って賛成をいたしている次第でございますから、その理由については政府の方から御答弁いただいた方がよろしいかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/52
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053・芳賀貢
○芳賀委員 これはわざわざ参考人においで願って意見を聴取して、われわれがまた疑点をただしている。政府の答弁は昨日も行われたけれども、これは政府としてはけっこうでございますということを言っておらぬのですよ。何もこれは機械開発公団にやらせなければならぬという理由はない。ただ政府は世銀からの借り入れをする場合においては、政府の特別会計等にそれを繰り入れてこれを使用することができないので、一応何々公団というようなものにやらせるより方法がないのだ。便宜的だ。だからこれはあなた方はけっこうだと言っているけれども、政府の考えとしては、これは森林公団でも住宅公団でも民間の団体に類するような準政府機関的なそういう公団あるいは公社にやらしても一向に差しつかえないのだということを言っているのですよ。ところが理事長も和田さんも、もうふんどしをはずしてまことにけっこうであります。こういうことでは筋道が通らぬじゃありませんか。だから最初に私は、改正点がちょっと変じゃないかということを考えなかったかということを言っているのですよ。その点を明らかにしないと、今後あなた方に機械公団の仕事をまかすわけにいかない。主体性が全然なくて、何でもかんでも時の政府の押しつけに応じて何とか経費の面であなた方がやって行けさえすればそれでいいというような考えでは、今後日本の農業開発とか酪農振興なんというものは絶対できないですよ。もう少し信念的な考えというものをここで表明してもらいたい。理事長いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/53
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054・成田努
○成田参考人 その点は一応政府から御説明がありましてその後御答弁申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/54
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055・村松久義
○村松委員長 芳賀君、よろしいですか。これ以上の発言はないようですから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/55
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056・芳賀貢
○芳賀委員 それではこれは問題点があるということをまずお考え願いたい。
もう一つは、参考人が言われた通り、機械開発の行われた地域に対して集中的に牛を入れるということは非常にけっこうなことであるというが、それはその通りなのです。ところがこの法律によると、機械開墾地区の入植者に対して牛を売り渡すということになっておらぬでしょう、地方公共団体には売り渡すけれども、実際必要とする入植者に売り渡すということはどこにも条文の中にないじゃないですか。なぜ一番必要とするところの機械開墾地区の入植者に牛を売らないのですか、何も都道府県の知事に売り渡すという理由はないじゃありませんか、この点に対してはどうお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/56
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057・和田栄太郎
○和田参考人 牛は、最初に入って参りますのは生後十八カ月以上のものが入ってくる予定になっております。が、入植者に売るには一応日本の気候になれたものを売り渡した方が安全に参りますので、最初に入ってきます牛は機械開墾地区の周辺の農家に県が売り渡しをいたしまして、その子供を入植者に売ってもらうという建前になっておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/57
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058・芳賀貢
○芳賀委員 その点が変なんですね。では参考人のお考えは、機械開墾地区の入植者には非常に丁寧に扱わなければならぬからして、日本の風土に適応した牛が産まれてから与える、しかしそれ以外の農家に対しては直接外国から買ってきて、もう風土に合わなくてすぐ死んでも、それは八万六千円で預ければいいというわけですか。わが国農民全体を対象にした場合に、既存農家が今年あるいは明年ジャージーを導入することに対しては別に心配することはない、しかし入植者に対しては慎重を期する必要があるから、風土に適応したようなそういう状態になってからジャージーの子を与える、そういうお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/58
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059・和田栄太郎
○和田参考人 少し私の説明の言葉が足りなかったのでございまして、十八カ月以上になっておりますと牛が非常に達者でございまして危険が少いわけでございます。しかしその大きいものを直接入植者に入れることになりますと値段が少し張って参ります。そこでもう少し安い牛を入れるためには子供を入れてやることが非常に適当である。なお既存農家でございますと、若干高くてもすぐ子供が生まれて、それを売っていきさえすれば経済的に成り立っていくのですから、そういう建前でこういう計画になった次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/59
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060・芳賀貢
○芳賀委員 そこで先ほどもお尋ねしたのですが、地方公共団体に売り渡すという方法ですが、この点は非常に重要ですから、これに対する御意見があればお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/60
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061・和田栄太郎
○和田参考人 地方公共団体に売り渡しをいたしますのは、地方公共団体が集約酪農地帯を初め酪農の指導をいたしておりますので、その指導しておるところに売り渡しまして、指導しておるところから農家に売り渡しをやる、また営農の指導をするということが最も適当であるということから、そういうふうになっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/61
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062・芳賀貢
○芳賀委員 私の聞きたいのは、なぜ機械公団が、地方公共団体を対象にしなければ牛を売ることができないかということです。これは昨日も小倉局長に質問したのですが、機械公団が一番の目的としてやる農地の造成、この開墾料というものは、開拓者資金融通法によって最高二十二万円を限度とし、機械開墾地区の入植者に貸付が行われることになっている。これは何も地方公共団体を経由しなくても、直接入植者に貸付を行うことができるのです。そういう事例が開けておるのです。牛だけはどうして知事に売らなければ安心ができないかという点なんです、こういう点は機械公団を運用する立場にある参考人は検討しておられると思うのです。筋が立たぬじゃないですか。開墾料は知事に貸さないで直接入植者に貸付を行える、牛に限っては安心がならぬから知事にしか売らないという点は、非常に系列が乱れるように私は考えるのですが、そういう点に何ら疑点がないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/62
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063・和田栄太郎
○和田参考人 営農資金の貸付は公団から貸し付けるのではございませんで、開拓者資金特別会計の方から貸し出しがなされるわけでございます。牛の方は公団が購入しました牛を売るわけでございまして、従って県に売りまして県から農家に売っていただく、そういうことの方が資金の回収等についても好都合でございますので、そういう計画になっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/63
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064・芳賀貢
○芳賀委員 結局理由は、今言われた資金回収に便宜だからやるというだけなんでしょう。それ以外に何もないのじゃないですか。開墾料は政府の特別会計から直接入植者に貸付が行われておる。公団の場合には非常に慎重を期して、農民を信用しないで知事以外には牛を売らぬという態度は、そのことによって資金回収の完遂を期するという以外に何らの理由はないのです。その点を率直に言ってくれればわかるのです。それ以外のことをいろいろつけ加えるから非常に問題が複雑になる。だからそういう点をまず取扱いの業務をやる参考人の立場から明らかにして、正直に言ってくれれば、もう少し内容が整然とすると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/64
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065・和田栄太郎
○和田参考人 先ほども申し上げまた通り、酪農全体についての指導をいたしております県を通じて売るということが、指導上から申しましても非常に好都合でありますし、あわせて資金の回収にも好都合である、そういうことからこういう計画になったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/65
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066・芳賀貢
○芳賀委員 ここで押し問答をしてもしようがない。これは和田参考人に申し上げておきますが、都道府県は、すでにジャージー種を入れる高度集約地区の指定を受けておる、もうきまっておるところに牛が入るのですから、そこに入る場合には何も知事に売り渡しをしなくても、予定されている地域の計画の中に含まれているところの農民に売り渡せばそれで済むのです。だから余分なことは言わないで、ただ資金の回収が不安だから知事に責任を転嫁させる、そして回収をやらすのだ。政府からそう言われて安心しておりますということを言えばそれでいいのじゃないですか。きのうは政府当局からそういう説明があったわけなんです。だからそういう点が明らかにならぬと、今後の公団の運営に対してわれわれは非常に安心ができないのです。公的な機関であるか、利潤追求の機関であるか、その点が明確にならないわけです。だからもう少し率直に——どうせこれは政府が提案せられて改正されるかされないかわからない法案なんですから、あなた方は今の段階においては、現在の法律のワク内において忠実に業務をやるということでいいと思う。それ以外に何も政府に媚態を呈する必要はないじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/66
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067・成田努
○成田参考人 先ほどから和田理事が種々御説明申し上げました通り私も考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/67
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068・芳賀貢
○芳賀委員 最後にもう一点お伺いしておきます。改正案では、今までは農地の造成改良を目的として機械公団が事業をやったわけですが、今度は農地の造成改良事業以外の事業に対しても機械をその用に供することができるということになっておる。そうすると今度はまた何か別の仕事をやるというふうにも考えられるわけですね。その点に対しても、公団はこの改正案に対して非常にけっこうであるというように考えておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/68
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069・和田栄太郎
○和田参考人 その点についてお答え申し上げますが、根釧、上北両地区とも冬は雪が深くて開墾作業等はできませんで、機械が全部は冬の間働けない。開墾あるいは土地改良事業を目的にしておりますと、機械が遊ぶことがあります。ところが一方、この地帯では雪がありまして非常に輸送上困難を来たしておりますので、そういう際に道路の雪をのけるとか、あるいは修理をするとかいったようなことをすることが非常に機械開墾地区を発展さすのに好都合だということでありますので、農林大臣が適当として指定されるものに機械器具を貸し付け、道路修理等にその機械を利用することはまことにけっこうなことと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/69
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070・芳賀貢
○芳賀委員 これは営利を目的としないで、機械開墾地区の、冬季間農地の造成あるいは改良事業ができない遊休の時期に、これは奉仕的にその地域の除雪あるいは道路の修理ということに、これは奉仕するという意味ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/70
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071・和田栄太郎
○和田参考人 無料で奉仕ということではございませんで、実費主義でやることになろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/71
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072・村松久義
○村松委員長 淡谷委員。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/72
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073・淡谷悠藏
○淡谷委員 まず和田理事にお尋ねしておきたいのですが、さっきのお話によりますと、今この公団の要員が四十七名というお話でございましたが、欠員は一体何人でございますか。その欠員はどこどこにありますか、お答え願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/73
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074・和田栄太郎
○和田参考人 職員は四十七名でございますが、今発令しておりますのが、三十七名でございます。本所が三、支所が七人を今手続中でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/74
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075・淡谷悠藏
○淡谷委員 理事長はさっき、最も公団の内容に通じている土屋理事を昨日当委員会に出席せしめたというお話でありましたが、その土屋理事の御答弁によりますと欠員は九名、今度はまた十名——これは何百名という数ならば違ってもいいのです。仕方がありませんが、四十七名というと、いなかの大家族では一家族です。それが一々答弁が食い違ったり、しかもこの発足したばかりの公団が、さっき理事長は、私の希望で乳牛の導入は申し入れましたと言っておる。和田理事はそうじゃないと言っておる。政府から言われたからこれを入れる、こう言っておる。どっちが一体ほんとうなのですか。人員の点はともかくとして、基本方針に対する理事長と和田理事との答弁の食い違いは一体どういうわけなのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/75
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076・和田栄太郎
○和田参考人 理事長が先ほどお答えを訂正されましたそのお答えと、私のお答えは一致しておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/76
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077・淡谷悠藏
○淡谷委員 人員のお答えはどうですか。確かな数字はわかりましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/77
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078・和田栄太郎
○和田参考人 これは、現在発令済みのものは三十七名が正しいのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/78
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079・淡谷悠藏
○淡谷委員 なおお願いしたいのは、現地の調査が完了して本年度の開拓目標も確立した、こういうようなお話でございましたから、この資料を具体的に作り上げまして一つ御提出を願いたい。開墾の地図あるいは年度別の計画なども、できるだけ詳しく委員会に御提出願いたいと思います。
なお立木伐採について営林局との間にさまざまの交渉があったそうでございますが、一体この開墾地の立木の処分並びにその分収の方法はどういうふうにいたしますか。開墾者のものになりますか、それとも営林局のものになりますか、その点はどうきまりましたか御答弁願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/79
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080・和田栄太郎
○和田参考人 これも政府の方から御答弁いただいた方が適当かとも思いますが、私の承知しておりますところを申し上げますと、未墾地の買収は素地を買収いたしておりまして、立木は特別必要のあるもののほかは買収いたしませんので、営林局、林野庁所管のものでございます。ただ防風林等、あとで立木を残す必要のあるものは残しまして、立木補償をすることになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/80
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081・淡谷悠藏
○淡谷委員 開墾のために伐採するほかはない立木の処分はどうなります か。これは公団のものになりますか、あるいは開墾者のものになりますか、営林局のものになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/81
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082・和田栄太郎
○和田参考人 それは営林局のものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/82
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083・淡谷悠藏
○淡谷委員 理事長にはっきり申し上げておきたいのですが、これは一公団の問題ではなくて、日本の酪農行政上の非常に重大な問題をはらんでおる法案であるということを、これは直接指導に当らなくとも十分頭に入れてお考え願いたい。日本の酪農が一公団の営利上の便宜から勝手に扱われたのでは、とうてい将来見込みがない。そういう点でこの法律の改正というものは非常に大きな意味を持っておりますから、その点率直な御答弁を願いたいと思うのでありますが、一体公団の根本的性格は、土地改良に資し、あるいは農地造成をするといいましても、政府の方針に基いて機械的に作業をするものであるか、あるいは公団そのものが何らかの意見を述べて国家の基本方針に助言をするのか、この点をはっきりしておきたいのですが、これはさっき御答弁を訂正されましたが、一体どのようなお考えで理事長としての位置を占めておられるか、この際確言していただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/83
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084・成田努
○成田参考人 公団におきましては、政府の御指示によって一切立ち働いていくつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/84
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085・淡谷悠藏
○淡谷委員 今の御答弁に従いますと、さっきの和田理事の御答弁にありましたさまざまの作業というのは、本来政府のやるべき作業であります。現地の調査あるいは入植者の問題、これはおそらくは開墾に臨んで政府の実行すべきことであって、この基礎に立って機械を動かして開墾の実際作業を始めるところから公団の仕事が発足すると思う。そうしますと、現在五千万の予算を使い三十七名の要員を持っておって、やった仕事は何もないじゃありませんか。結局政府がなすべき入植者のさまざまの準備、現地の基礎調査——これは公団の仕事じゃない。機械が入っていない。機械が入っていないのに今度はまた新しくジャージーの購入にまで手を染める。これから雪が消えますとそろそろ機械が入ってきます。機械が入ってない開墾地を前に置いて、牛を購入する仕事、これを運搬する仕事、貸し付ける仕事、これをまたやるとすれば、現在の三十七名、並びに欠員になっております十名の職員を補充しまして、現在の機構のもとに根本の違った二つの仕事が果して間違いなしに実行できるとお考えでございますかどうか、お伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/85
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086・和田栄太郎
○和田参考人 間違いないようにやる決心で事に当っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/86
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087・淡谷悠藏
○淡谷委員 決心はけっこうですが、それじゃ今後公団はこれ以上増員しない機構の改革も行わぬで、この法案改正はのめるという決意なんですね。もしできない場合は責任を負えますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/87
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088・和田栄太郎
○和田参考人 将来開墾地区が拡張される予定で政府の方で計画をしておられますから、その暁には事業量に従って拡張されるものと存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/88
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089・淡谷悠藏
○淡谷委員 まことにこれは人を食った御答弁だと思います。現在のままならば、仕事も何もしてないから、欠員あってもやれるのです。これから開墾地の予定計画もあるでしょう、牛の入る見込みもあるだろうし、回収のいいろな手続もしなければならぬだろうし、はっきりここに計画された事業がある。その計画に基いて法案がここに出されておる。それに対してそのときはそのときでという御答弁では、御答弁にならぬ。成田さんに伺いたいのですが、あなたは理事長として、方向の違った二つの仕事をやる上において、現在の人員と現在の機構でやっていけるというはっきりしたお見通しがありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/89
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090・成田努
○成田参考人 現在の仕事の範囲におきましては、現在の人員、予算をもってやっていく決心でございますし、自信もございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/90
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091・淡谷悠藏
○淡谷委員 現在という言葉をまるで隠れみののように使っておられますけれども、一体現在というのはいつまでですか。あしたから未来ですか。何年度から未来ですか。きょうはきようでいいが、あしたは未来であるから、あしたのことは知らぬというのでは答弁にならぬ。一体現在というのは何年度までをさすのか、この点だけはっきりしてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/91
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092・成田努
○成田参考人 現在と申し上げましたのは、現在計画しておる範囲のことを申し上げておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/92
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093・稲富稜人
○稲富委員 関連して。これはさっきもお聞きしたのですが、今度は新しくジャージーを導入されるのですよ。先刻からお話を聞いておりますと、たといジャージーを導入することになっても、現在の人員でやれるという自信がある、決意があるという御答弁のように私は伺っておったのです。ところがただいま聞いてみますと、将来拡張された場合は、またふやさなければならぬ。こういうように、答弁に非常にそごを来たしております。その点をはっきりしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/93
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094・和田栄太郎
○和田参考人 現在と申し上げましたのは、現在計画されておる事業をやる上には十分だという意味でございまして、ジャージーの導入は計画のうちに入っておりますから、それを含んで現在は十分である、こういう意味でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/94
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095・淡谷悠藏
○淡谷委員 どうも非常に質問と答弁とが食い違う傾向があるのですが、現在の計画というのは何年度までの開墾を意味するのか、ジャージー種何頭までの輸入を意味するのか、ごまかさないではっきり言ってもらいたいのです。どうしても足らぬということであれば、足らぬようにしなければならぬ。足るなら足るでいいのですけれども、公団というものは非常に今不確かな歩み方をしておりますので、あなた方自体にそれに対するはっきりした見通しがあるかないか、確かめておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/95
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096・和田栄太郎
○和田参考人 現在の計画と申しましたのは、上北の三千四百町歩の開墾を三カ年でやる計画と、根釧の同じく約三千四百町歩の開墾を、五年も要るのでありますが、やる計画と、それから篠津へ建設機械を貸すものと、それからジャージー種を三十一年度に千九百頭、三十二年度に二千五百頭、三十三年度に六百頭導入する計画、それだけの事業をさしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/96
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097・淡谷悠藏
○淡谷委員 三年度くらいの事業と申しますというと、開墾につきましてはすでにこの公団法が発足するときに、きまった計画があったはずであります。ところが、ジャージー種を五千頭輸入するに要する予算と要員の数と、当初の発足当時の開墾だけの事業に限定された要員と予算とが同じであるという結論ならば、前の予算請求や要員請求は水増しして請求されたのですか。ほんとうのことを言っていいはずです。ジャージー種輸入という仕事がないならば、何らこれだけの要員も要らぬし、予算も要らぬ。ここ三年間ふやさないというならば、初めの計画は水増しじゃありませんか。サバ読んでるんじゃありませんか。その点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/97
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098・和田栄太郎
○和田参考人 昨年度の職員の定員は二十二名でございまして今年は実際に仕事に取りかかっていきますので、開墾の方の事業がふえ、乳牛の導入事業が入りますので、その方の人数も入りまして四十七名になりましたのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/98
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099・淡谷悠藏
○淡谷委員 これは重大な御発言です。まだ法律は通っておりません。通っていないのにすでに職員も入れ、予算も盛ったというのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/99
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100・和田栄太郎
○和田参考人 乳牛導入の仕事に従事する職員も入れて四十七名でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/100
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101・淡谷悠藏
○淡谷委員 すると、あなたは法律が通る前にあらかじめ公団の職員を請求した、こうはっきり思っていいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/101
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102・和田栄太郎
○和田参考人 予算の要求の時期がこのようになりますために、その他の事業でもやるように、同じやり方になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/102
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103・淡谷悠藏
○淡谷委員 そうしますと今後、この法律が万一通らなければ、この職員なり、あるいは予算なりは削るのでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/103
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104・和田栄太郎
○和田参考人 万一そのようなことがありましたら、そういうことになろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/104
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105・淡谷悠藏
○淡谷委員 それではあらためて質問いたしまするが、この乳牛を導入するにつきまして世界銀行の借款の受け入れ態勢が他にあるならば、何もこれは開発機械公団でやる仕事じゃないと思います。そこで一体ジャージーを受け入れた場合に、これを貸し付け、回収するまでの経済上の責任はどこにありますか。政府にございますか、公団にございますか。これは理事長に伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/105
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106・成田努
○成田参考人 それは公団が借りる相手でございますから、当然公団が責任を負います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/106
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107・淡谷悠藏
○淡谷委員 それではあらためて理事長に伺いたいのですが、公団がジャージー種導入の全責任を負うとするならば、たとい営農指導上の御意見はありませんでも、この牛を買い受け、同時にこれを県に貸して損失なく回収するだけの成案は得ておると思いますが、一体理事長は、成牛を幾らで買い取って、幾らに貸し付けて、子牛は幾らに売って、何カ年にこれを回収するというだけの計画を持っておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/107
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108・和田栄太郎
○和田参考人 購入価格は、これは平均の見通しでございますが、一頭六万三千五百二十円でございます。これは外国の輸出港舷側渡しです。それを輸送して参りまして売り渡すわけでございますが、運賃の一部、海上保険料、途中で故障の起った牛の補償費、それから検疫の延長についての経費、そういう政府からの補助がございますので、今の見通しでは、農家べ売り渡します価格は八万八千八百十五円になる予定でございます。
なお、この回収は三年間据え置きまして、あと七年間で回収することになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/108
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109・淡谷悠藏
○淡谷委員 子牛は一体幾らに売るつもりなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/109
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110・和田栄太郎
○和田参考人 農家の負担分は八万八千八百十五円の予定でございます。(「いや、子牛だよ」と呼ぶ者あり)子牛はそのときの時価というふうに今考えられております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/110
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111・淡谷悠藏
○淡谷委員 非常にずさんな計画だと思うのです。実は配られております資料を見ますと、乳牛の購入費はFOBで四万七千五百八十円、それが中間諸経費のために、実際の売り渡し価格が八万八千八百十五円になっております。これではとうてい今の開墾の営農にはふさわしくない。従って今度の牛は開墾地へやらないで、県に売り渡して、多少の損失があっても県にかぶせておいて、さてそこで生まれた子牛は幾らに売れるものやら、まだ見当がつかない。時価でありますと言ったって 一体今の時価は幾らしておると思いますか。現在国内産のジャージー種の子牛の時価は幾らだと思っておりますか。そういうお考えがなしに、これだけ大きなことをやっているのでは大へんでありますから、はっきりと伺っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/111
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112・和田栄太郎
○和田参考人 今まで導入されましたジャージー種は、子供を政府へ返すことになっておりまして、まだ売買はほとんど起っていないので、時価というような固まったものはないように存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/112
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113・淡谷悠藏
○淡谷委員 その相場なしにあなたは引き受けられるのですか。これは理事長に伺いたい。買うのは幾らでも買える。売るものの値段も見通しがつかないで、これだけの代金を借りて損失なしにやっていけるという自信がどこから生まれますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/113
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114・和田栄太郎
○和田参考人 今申し上げましたように、自由に売買されておるものはございませんけれども、平均しまして五万五千円くらいに算定されておりますので、先ほど申しましたように時価によることに考えられておりますが、これは現在のような情勢ならば五、六万になるだろうというふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/114
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115・淡谷悠藏
○淡谷委員 現在、ホルスタインの子牛が三万円せいぜいで、三万五千円という値がついておりますが、政府は、新しく開墾されました公団の開墾地に対する入植者の資格としてジャージーを買うということを必須条件とされている。この保護政策のもとにおいてはあるいは政府は五万五千円という価格を見通しておられるか知りませんが、この方向が破れまして自由売買になりましても、国内産のホルスタインの二万円ないし三万五千円に対しまして、ジャージーの子牛が五万五千円の価格を維持し得るというお考えでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/115
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116・和田栄太郎
○和田参考人 専門家の意見がそういう見当でございますから、専門家の意見を信用している次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/116
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117・淡谷悠藏
○淡谷委員 営農指導やあるいは農地改良のことならば専門家の方にまかしてもいいでしょうが、経済上の主導権は公団自身にあるのではないですか。公団は経済行為をする、この経済行為の指導まであなたは政府に仰ぐつもりですか。一体赤字の責任を政府にかぶせるつもりですか。はっきりしてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/117
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118・和田栄太郎
○和田参考人 御質問の趣旨がよくのみ込めないのでありますけれども、子供を売りますのは、買いました農家が売るのでございまして、公団といたしましては、購入いたしました牛を知事に売り渡すということになっている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/118
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119・淡谷悠藏
○淡谷委員 非常にそれはずるいお考えをとっております。大体政府が買って——政府か公団か知りませんが、買ってきた牛の値段を一方的に八万八千円で押えておいて、これを知事に買わせる。知事がまたこれを農家に売りつける。そうして生まれた子供は勝手に売買しろということであれば、公団というものは、ジャージーの増殖をはかって農家の経営に役立つように努力するなんてことが一体言えますか。それは非常に無責任であって、牛を売ればそれでいいのだというようなお考えとしかどうしてもとれない。やはりあなた方は、入れました牛をどうしても府県知事に押しつけておいて、金さえ取ればいいのだというお考えですか。はっきりした農家経営上の経済的な採算をとってみたことがございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/119
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120・和田栄太郎
○和田参考人 現在、加工乳の生産にはジャージーを使用するのが適当であるというふうに考えられておりまして、そういう線に沿うてジャージー種が導入されるわけでございます。説明資料にもありまする通りに、この八万八千円と申しますのは、実費から政府の補助金を差し引いた価格でございまして、その間手数料とかマージンとかいったものは一切入っていないわけでございまして、これが一番安く入れられる価格だというように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/120
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121・淡谷悠藏
○淡谷委員 人を食ったような答弁をしないで下さい。大体実費というのは、乳牛購入費として四万七千五百八十円、畜舎費として八千二百二十円、飼料、敷きわらの料費として七千七百二十円を見ております。ほかに海上船の運賃が一万八千七百九十八円、陸揚げの検疫費が五千八百六十五円、管理器材費が六百三十二円で、その合計が八万八千八百十五円です。ほとんど牛の値段じゃなくて、途中の運賃その他の雑費なんです。こんな輸入家畜を無理やり押しつけられて、それでも忍んで開墾をしなければならない地方行政庁の身になって考えてもらいたい。そうした行政府や、あるいは時の政府の政策の上にあぐらをかいて、一体公団の経済的行為というものはできるものか、できないものか、少しまじめに考えたらわかるものと思う。その点はどうなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/121
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122・和田栄太郎
○和田参考人 淡谷先生のおっしゃった通りに、畜舎費だとか、飼料、敷きわら等含んでおります。これは、持って帰ってくるために必要な実際のコストでございまして、そのコストに対して、先ほど申しましたような事項に対して政府の補助金があるわけでございます。そういう意味で、これは実費でございまして、それ以上切り下げるためには政府の補助金をふやすほか方法はないと存ずるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/122
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123・淡谷悠藏
○淡谷委員 もうこれ以上公団というものに追及しましても、大体底が見えましたから追及しませんが、結論として、私としてはこれは非常に安心のできない一つの機構であり、またひいては農家の経営に大きな負担となる存在である、こういうふうに思っております。どうもあなた方の御答弁では私は満足しませんが、他の同僚の質問もございますから、一応私の質問はこれで打ち切ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/123
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124・村松久義
○村松委員長 石田宥全君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/124
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125・石田宥全
○石田(宥)委員 基本的なことでちょっとお尋ねしたいんですが、公団は、公団の性格といたしまして、機械開発をやる場合に、先ほども答弁の中にありましたように、政府の仕事、それから府県の仕事あるいは公団独自の仕事をおやりになる、こういうことでありますが、われわれがこの法案の審議をいたします際には、開墾計画というものはすでに完璧を期せられてある、すでに工事の一切の計画は完成しておるんだ、こういうことで了承しておったわけです。ところが先ほど和田さんの話を聞いておりますと、さらにこの実施計画を今やっておる、こういうお話であったわけですが、そういうふうに一応の計画は計画してあったけれども、さらに実施計画をやるというようなことで、当初の工事計画というものをさらにやり直しをやったりするようなことになりますと、そういう面で莫大な経費がかかることになりはせぬか。私どもは当初この公団が成立するときには、公団というものはそういう仕事をするのではなしに、機械を持って、そうして先ほど申しましたように独自の場合もあるが、委託を受けて機械を効率的に運用するんだ、こういうふうに理解しておったんですが、その点はどうなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/125
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126・和田栄太郎
○和田参考人 初めに申し上げましたように、この開墾の仕事は政府と県と公団と開拓者と四者が寄ってやりますので、持ち場、持ち場がございますが、関連がございますからこれを一貫して申し上げますということで御説明申し上げたのでございまして、計画等は、これは政府がおやりになっておる。それから実施計画と申しましたのは、計画が動いたわけではございませんで、計画されておったことを、実際にそこに道路をつけるようにくいを打った、そういうことを完了しましたというように申し上げた次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/126
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127・石田宥全
○石田(宥)委員 そこで次にお伺いしたいことは、先ほど来人員の問題がだいぶ議論になりましたが、もう今日人手をそろえることには骨を折る必要がない段階なのでありますが、最近までまだ予定の人員を整えておらない。ところが今度はジャージー種の乳牛を導入することを予定して当初の人員を発令をした。こういうことになりますと、ジャージー種の導入がなければ、予定の四十七名ですかの人員は必要なかったんだ、こういうふうに理解していいんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/127
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128・和田栄太郎
○和田参考人 御説の通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/128
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129・石田宥全
○石田(宥)委員 そういたしますと、当初、この公団が発足するに当っての計画というものがきわめてずさんであって、酪農に関するジャージー種の導入ということがなければ、この定員はもっと別のものでよかったんだ、こういうことに了解してよろしいわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/129
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130・和田栄太郎
○和田参考人 ずさんなものであったわけではございませんでして、年度を切って定員がきめてございましたものですから、三十年度は職員は二十二名、三十一年度については開墾の実際の仕事が始まりますので、その方の増加と乳牛の仕事に当る人数を合せまして四十七人になっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/130
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131・石田宥全
○石田(宥)委員 それはちょっとおかしいじゃないですか。先ほどの和田さんの説明だと、牛の導入をする関係があるので、予定の人員を最近になって発令をしたんだ、こういう答弁であったわけです。そうすると、さっきの答弁と食い違うんじゃないですか。実際それは正直に言って下さいよ。実際の公団というものは、従来の機械開発の仕事だけならばそう実は必要がなかったのなら、必要なかったんだということを正直におっしゃる方がいいと思う。われわれはあなた方をいじめようとかなんとかいうことじゃなくて、最近政府が愛知用水の公団を作った、今度は森林開発の公団を作った、まだいろいろな公団が考えられているようだが、一体公団というものが果して本質的にいいものかどうか、これをよく検討をしないと、将来に災いを残してはいけないから、この問題はあなた方によくただして、ほかの公団についての一つの参考にしたい、こういう気持でおるんだから、そのつもりで率直に、正直に一つお答え願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/131
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132・和田栄太郎
○和田参考人 先ほども申し上げましたように、機械開墾及び機械貸付のための業務に従事する人数と、それから乳牛の関係の人数と合せて、三十年度に比べて二十五名増しておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/132
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133・石田宥全
○石田(宥)委員 総合して考えますと、今度新しく法律を改正して公団というものをもう本質的に変えよう、今までの仕事にもう一部門を加えて、名前は開発公団だけれども、実は本質的に変えようというのが今度の改正なんですね。そこでさきの酪農の問題をあわせて入れるということについては、理事長は要望をしたと言っておる。その点については私は今繰り返しませんが、どうもはなはだ不明瞭であって、政府の方から呼びかけたのか、公団の方から呼びかけたのか、実はここに疑問が残るわけではありますけれども、それはそれといたしまして、農地の開発というものは、これはもう国策として、非常に重要な政策の一つなんです。ところが最近、アメリカの余剰農産物の受け入れ等に伴って、どうも耕地の造成やあるいは食糧の増産というものは第二次的に考えるような政府の考え方が、きわめて濃厚になってきておるわけです。そこで公団の機械開発というものについて、従来の計画通りにやらなくてもよいのだ、せっかく当初の計画は立ててみたものの、国全体として当初の計画通りの耕地の造成はまあ見送ってもよいのだというような政府の考え方から、機械開発公団として発足をしても、実は当初のように耕地の開発はやらないかもしれないから、せっかくできた公団であるから、まあジャージーでも扱わせようというような示唆を政府の方から受け、あるいは慫慂されたのではないかということを、われわれは疑わざるを得ないのです。この点をわれわれは重要視しておるわけです。参考人は大体そういう意味の答弁をされたのですが、その点もっと明確にしておいていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/133
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134・和田栄太郎
○和田参考人 私たちが今まで申し上げて参りましたのは、牛を導入することは、土地開発、開墾事業がさらに完璧になる一つの手段でございますから、大へんけっこうな仕事と考えて賛成をいたした、こういうことを申し上げた次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/134
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135・石田宥全
○石田(宥)委員 もう一点。これは重要な点だと思うのでお伺いしますが、購入すべき機械を——アメリカから導入をする、あるいはイギリスから導入する分もあるのですが、その外国から持ってくる機械そのものについて当初この公団発足に当って予定された機械は、必ずしも日本の開墾、開発に、妥当ではないという批判が一部に行われておって、そこで当初予定されたものでないものを入れるか、予定通りのものを入れるかというような点で、かなり問題があったように承わっておるわけであります。この機械を導入するについて、まだ機械が着いておらない。昨年から発足をした公団で、まだ機械が内地に届いておらないというその理由と、それらに関する事情を明らかにしておいていただきたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/135
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136・和田栄太郎
○和田参考人 機械の到着時期につきましては、仕事に差しつかえないように、本省及び県と十分打ち合せをして、その時期に間に合うように手配をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/136
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137・石田宥全
○石田(宥)委員 もう一つの質問の、予定通りの機械を持ってきて、予定通りの台数を入れるのか、別な機械に乗りかえておるのかどうか、明らかにして下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/137
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138・和田栄太郎
○和田参考人 機械につきましては、農林省そのほか機械の専門家が非常に研究をされまして私の方の職員も一緒になりまして研究しまして大てい予定通りのものが入ることになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/138
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139・中村時雄
○中村(時)委員 ちょっと議事進行で……。実は非常にりっぱな参考人の方々を呼んで、非常に慎重審議をす必要があるにかかわらず、委員のいろいろの状態から——どういう結果からこういう状態になったのか知りませんけれども、定数が不足しております し、まだ今後有意義な質問もあるわけでありますが、ここで一応休憩をするか、あるいはその人員が集まるまで待って、そうして時間を一定限度とって継続をしていただくか、どちらか一方にきめていただきたい、このように思うわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/139
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140・村松久義
○村松委員長 ただいま参考人に午後からの都合を伺いましたところが、午後からも出席が可能だということでありますので、午後に継続をすることにして、休憩をいたします。
午後零時五十五分休憩
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午後三時五分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/140
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141・村松久義
○村松委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
農地開発機械公団法の一部を改正する法律案を議題といたし、審査を進めます。参考人に対する質疑を続けま す。川俣清音君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/141
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142・川俣清音
○川俣委員 この際参考人にお尋ねいたしたいと思いますが、できるだけ参考人の直接関係のある部分だけをお尋ねいたしたいと思います。
参考人はこの公団に入社されるに当りまして、採算のとれる公団だというお考えをもって入社されたのか、健全な経理が成り立つ公団であるという考え方で入社されたのであるかどうか、この点をお尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/142
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143・成田努
○成田参考人 私は採算のとれる公団と信じて入社いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/143
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144・和田栄太郎
○和田参考人 理事長のおっしゃいました通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/144
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145・川俣清音
○川俣委員 もちろん入社された当時は、現行公団法に基いて入社されたのでありますが、その後入社されてみ て、公団の経理が健全な運営が行われるとお思いになったかどうか。今なお健全な運営がなされておるとお考えになっておりますかどうか、この点をお尋ねしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/145
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146・和田栄太郎
○和田参考人 入ったときの考えと同じでございます。現在も健全にやっておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/146
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147・成田努
○成田参考人 私も同様に考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/147
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148・川俣清音
○川俣委員 現行法のもとにおいて健全な経理状態であるということになりますと、あえて事業を拡大しないでもよろしい、こういうお考えでありますかどうか、この点をお尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/148
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149・和田栄太郎
○和田参考人 これは、公団の経理が健全であるとかないとかいうことから乳牛を扱うか扱わないかという問題が起ったのではないのでありまして、乳牛を取り扱うことの必要がありまして、公団で乳牛を取り扱うようになって参ったものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/149
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150・川俣清音
○川俣委員 そういうことを聞いておるのではないのです。これは健全化をはかるために改正を要するという政府の提案理由の説明なんです。従って私のお尋ねしておるのは、別に政府の方針を聞いておるのではない。あなた方公団自体の経理の健全なる運営ができておるかどうか、これを聞いておる。それでこれは、三十年度も健全な運営ができた、こういう御答弁なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/150
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151・和田栄太郎
○和田参考人 健全な経営をやるためという説明は、営農の健全化に資するためにというふうに私は承知いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/151
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152・川俣清音
○川俣委員 そういたしますと、三十年度の予算で政府から示された方針でも健全な運営ができるというのに、なぜ一体補助金などの要望が出たのですか。必要でないところに補助金が出たのでありますか。この補助金がなければ運営できないということで国の補助を仰いだのではないかと考えますが、その点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/152
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153・和田栄太郎
○和田参考人 開拓者その他農民に対するコストをできるだけ低下するために補助金をいただく、そういう筋合いになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/153
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154・川俣清音
○川俣委員 御答弁がちょっとおかしいのですね。前の計画よりも補助金が出たために特に開拓農民が低利に、有利に事業が行えるというふうにはなっていないと思うのです。三十年度の計画を三十一年度もそのまま実施されておるはずなんです。従って補助金が出たから特別有利になったというふうには説明がなされていませんが、有利になった点があればどこですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/154
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155・和田栄太郎
○和田参考人 開墾費として開墾のコストは実費主義になっておりますので、補助金が出ました分だけそれだけコストが低下する、そういう筋合いになっておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/155
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156・川俣清音
○川俣委員 それで間違いありませんか。政府の予算書を見ますると、公団の事務費も含めてある。農地開発公団の事務処理に必要な経費を補助するためにとこうなっておる。そうするとこれは事務処理の費用じゃないのですね。開拓農民の費用を軽減するために受けた補助だ、こういうことになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/156
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157・和田栄太郎
○和田参考人 前の国会で参考資料として政府から提出されましたものでは、公団の事務費もコストの中に含まれておったわけでございます。そこで国会でもこれは国が負担する方がよくはないかという御意見が強かったのでございまして、大体この趣旨に従ったような予算編成になった次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/157
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158・川俣清音
○川俣委員 私が一番最初に聞いたのは、健全な運営ができるか、こういうことをお尋ねしたところが、現在までできておる、こういう御答弁であった。ところが実際は補助をもらったのではないかという質問に対しましてあなたはこれは全然実費がかかったのを負担させるために農家の負担が過重になるから補助を受けたのだ、こういうことになる。健全なものであるならそのくらいのものをあなたの方でかぶってもいいはずだ。貧弱だから負担させるわけでしょう。貧弱でなければみずからかぶってもいいはずなんです。負担しきれないから農家にかぶせる、こういうことなんでしょう。そこで私は経理内容を聞いておるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/158
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159・和田栄太郎
○和田参考人 先ほども申しましたように、農家の負担は実費主義になっております。最初の考え方は事務費を込めての実費になっておったのを、それでは農家の負担が重いからという御意見が強くございましたから、事務費について補助金を出す、そういうふうに変った次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/159
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160・川俣清音
○川俣委員 事務費を負担として徴収することは実際上困難であります。困難であればここに経営の不健全な結果が生ずるおそれがあるために、おそらくこういう処置がとられたのだろうと思うのです。農家が負担しきれるものでありますならば、何もこういうことにならないはずなんです。負担しきれないところに負担をかけようとして無理があるから国はこれを補助しよう、こういう考え方になったと思うのです。その点はあとでお聞きしますが、さらに進んでそれではお尋ねいたします。それでは法の目的に従いまして、国際復興開発銀行からの借款の契約は完了しておるのですか。これは事業のうちの一番中心です。運営がうまくいっているということになるとこの借款が終ったということだと思うのです。まだ緒につかないということになると、事業というものはまだできていないということになる。従ってこれらの借款が成立したのかどうか、並びにこの借款について政府の保証が得られたのかどうか伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/160
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161・和田栄太郎
○和田参考人 借款につきましては、三月に世銀から地域担当の部長が見えまして、事務的な打ち合せを終りました。近くワシントンにおいて公団の役員が参りまして調印の運びとなるはずであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/161
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162・川俣清音
○川俣委員 そこで二つお尋ねしなければならぬ。一つは三十年度において計画した通り、経理面の見通しと申しますか、三十年度としての経営は健全であったかどうかという質問に対して、あったと称し、あったということは借款が成立したということを意味していなければならぬと思う。三十年度において借款契約が成立するという条件であったのですから、健全であるということは、すでに三十年度においてそれの契約が実施されていなければ健全だとは言えないと私は思う。この私の認識が誤まっておるかどうか、この点が一つ。もう一つは、借款と申しましても、この世銀の借款はこれはおそらく金ではないと思う。機械類だと思うのです。どんな機械を契約されたのであるかどうか、すでに仮調印的なものについて承諾を得たということでありますが、どんなような機械を入れることに契約されたのであるか、それらの機械は日本でできない品物であるかどうか、あわせて伺っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/162
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163・和田栄太郎
○和田参考人 正確に申せば、先生のお話のように、三十年度に契約がなされる予定のものが、その通りになされれば最も健全でございますが、私が借款契約がおくれたにもかかわらず健全であると申し上げましたのは、少し契約の時期が予定よりおくれましたけれども、実質的に、実際の仕事に差しつかえないように進行しておるからという意味で申し上げたのでございます。それから機械でございますが、世銀から借りますのは、やはり金でございまして、公団で必要といたしまする外国産機械の代価を支払うために世銀から金を借りるそういう意味でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/163
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164・川俣清音
○川俣委員 政府保証の点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/164
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165・和田栄太郎
○和田参考人 政府保証につきましては、公団法で御審議をいただきました通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/165
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166・川俣清音
○川俣委員 問題はさらにどうもわからなくなって参りました、一番最後の政府保証は、法律によって保証されておるというのですが、今度の予算書の中にはないんですね、どんなに見ても出ていない。おそらくこれは国の負担行為となる部分とかいうことで、その保証が出ていなければならぬはずですが、予算書にはない。従って予算書にないものは、財政法上政府保証が行われているということには見がたい。財政法上おかしいですよ。財政法に基かない国の負担行為なんというものはあり得ない。従ってあなた方あると思っていれば、これは予算書に載っていなければならない。財政法止違反の契約をすることになる。保証があるとするならば、これは当然予算書の中に国の負担行為としての項目が載っていなければならない。この点はちょっとおかしい。それから三十年度の予算、決算は健全であったかどうかと私は聞いているのですよ。十年度予算に借り入れができておれば、これは予定通りの契約でありますから、健全であったということになると思うのです。三十年度の決算書というものは、まだできないでしょうけれども、計画書と申しますか、貸借対照表を国に出しておられると思いますが、それにはおそらく借り入れということが確定的な要素になっていると思うのです。その重要な部分が落ちていながら健全であったということは、これは詭弁だと思うのですが、もう一度この点を承わりたい。この二点をお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/166
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167・和田栄太郎
○和田参考人 先ほども申しました通りに、借款契約の時期がおくれておりますが、実質的に仕事が進行するように手はずができておりますから、そういう意味で申し上げたのでございます。
それから二番目の点は、私の解釈は、法律で保証が規定されておりますから、それで十分なように存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/167
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168・川俣清音
○川俣委員 和田さんはかつて役人でもあったし、また公務員として元へ戻り得ることも本法で規定しております。従っていかに法律にありましても、財政法を犯して契約できるということはお考えになるまいと思う。それは法律に根拠があるからそういう契約をすることはできるけれども、もう一本財政法とにらみ合せて、国の承諾がなければ、保証がなければこの契約は進まぬものだと思うのです。この点に疑問がある。
それからもう一つは、これはあなた二十三条に基いて貸借対照表及び損益計算書——これを本法では財務諸表といっているようですが、これを出しておられるはずです。普通の会社は、損益計算書または貸借対照表、これと合せて初めて健全であるというのです。その会社が健全であるか健全でないかという判定はそこからくるのです。貸借対照表と合わないようなものは、近くこれは利益があるはずだと示したって、これは世間では認めないと思う。利益があるはずだ、あるいは金が借りられるはずだといっても、貸借対照表、損益計算書に載せないで、これは健全でありますなどといったってそれは普通の会社経営の面からいくと、民間人から見ると、いよいよもっておかしいものです。損益計算書が問題にされなかった時代と今とちょっと違うのですよ。政府の計画が、どうも予算は通ったけれども、なかなか実施することは困難だというのとちょっと違いますよ。三月に打ち切られておる年度ですから、その限度において貸借対照表及び損益計算書というものが決算として出されるはずであります。契約書と決算書の相違が出てこなければならない。相違があればこれは健全だとは言わないはずなんです。成田さん、そうじゃないですか、成田さんから伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/168
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169・和田栄太郎
○和田参考人 今損益の対照表のお話がございましたが、借款がおくれましたために収入は予定より減っておるわけです。それに対してやはりまだ支出をしておりませんから、それはつじつまが合うておるわけです。それから保証の問題は先ほども申しました通り、私はあれでいいと思っておりますが、もし私の考えが間違っておりましたら、政府の方からお話しをいただきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/169
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170・小倉武一
○小倉政府委員 ただいまの債務保証の問題につきましては、私どもの関係が多いものでございますので、責務保証の点についてだけお答えした方がいいと思います。債務保証を政府がいたします場合には、根拠といたしましては、法律があるか、あるいは予算にうたわれておるか、あるいは現に予算が組んであるか、この三つくらいになると思いますが、当該公団につきましては、法律に保証の規定がございますので、その規定に基いて保証をするということで、特段に予算におきまして債務負担行為が書かれてあるということは必要がないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/170
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171・川俣清音
○川俣委員 理事長にもお尋ねしているんですから、理事長から、経理が健全であるかどうかということについて答弁を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/171
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172・成田努
○成田参考人 経理面はまことに健全でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/172
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173・川俣清音
○川俣委員 私がお尋ねしているのは、経理をごまかしているかどうかという意味ではないんですよ。そんな小さな、金銭をごまかしているとかいう、そういう経理じゃないんですよ。そんなことを聞いておるんじゃない。事業目的を完全に遂行するような健全な計画かどうか、こういうことなんです。人一人も置かない、使いもしなかったからということで、この公団法の目的が達成されたとは思わない。本法をわざわざ特別立法をもって制定した趣旨に基いて健全に運営されておるかどうかと聞いておるのです。金も借りなかったから、支出もやらなかった、事業もやらなかった、三十年度は何にもやらなかった——三十年度は初めから何もやらなくてもいいという事業計画じゃないはずです。だから、あなた方が入社されたときには、これは健全な運営ができる公団だとお考えになって入社された。入ってみてからどうですかと聞いたら、入ったときと同じですと、こういう答弁でしょう。三十年度は借りられなくてもいいというふうなことでお入りになったのですか。三十年度はどうしても借りようということでお入りになったんじゃないんですか。これをあなたからお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/173
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174・成田努
○成田参考人 三十年度はぜひ借りようと思って入ったのでございますが、いろいろの事情でそれがおくれて参りましたので、従って事業も多少延びましたが、しかし三十一年度の事業には差しつかえないように取り計らっております。ただし三十年度は、御承知の通り現地は雪も深く氷も厚いものでございますから、そう多くの仕事をしようと思ってもなかなかできぬ状態にありますし、なお借款問題も多少おくれました点がありますので、今日まで延びておるような次第であります。ただ、財政が健全なりやいなやという御質問に対しては、健全であるとお答え申し上げる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/174
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175・川俣清音
○川俣委員 それはあなた、この場のがれの答弁です。私がわざわざお尋ねしているのは、あなた方が経理上ごまかしておるかどうかということを聞いておるのではないのです。本法の運営上健全であったかどうかということをお尋ねしておる。それをあなたは、三十年度は雪が降って仕事ができなかった。これは毎年十一月、十二月雪が降ることはあなたが入る前からきまっていることなんです。入る前から雪が降っておるのです。ただ十日か一週間の違いだけです。日本の冬には雪が降ることはきまっておる。従ってその間開拓事業はできないかもしれぬが机上計画は進める。その計画の中にさらに重要な要素であるところの機械の買い入れは三十年度に入れる。それで四月から実施する、こういうことだったでしょう。そのことがちゃんと財務諸表の中に出ておるはずなんです。そのことが実行できないで健全だというのはどこから出てくるのです。計画書通りやられて初めてその公団は健全であるということになる。仕事をやらない公団が健全だということは、世間ではそうは認めませんよ。計画書通り進行して初めて健全か不健全かの問題が出てくるわけです。何もやらないでおいて、損がありませんから、これでは健全だとはいわれない。どこの会社を見たってそうでしょう。その会社が計画通りものが実施されているかどうか。予定の利益が上げられたかどうか。予定の借款ができてこれは工場の拡張に回ったかどうかということが健全か不健全かの問題なんです。どうもあなたの御答弁では、三十年度にはうまくやりましたということなんですが、そんなことは無責任ですよ。計画通りいっているかどうか、この点ははっきりしなければならぬ。健全ということでごまかされておるということになりますと、法律でいくら擁護してやったって擁護し切れるものではありませんよ。もう一度御答弁願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/175
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176・和田栄太郎
○和田参考人 お説のように借款の時期が少しおくれておりますが、先ほども申し上げましたように、この公団の一番重要な仕事でございます。開墾の仕事、これはもともとこの春から始めることになっておる次第でございますが、それには十分間に合うように仕事を進めております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/176
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177・川俣清音
○川俣委員 春には間に合うということですが、まだ契約も十分できていない。いつ機械が入るかというと、おそらく七月か八月になるのではないか。そのくらいなら、今あなたが入れようとしておる機械でありますならば、日本でだってできているはずなんですよ。去年の暮れに=文したらことしの春に間に合うようにでき上ったかもしれない。一体機械開墾するのが目的なのか、借款することが目的なのかどっちなんです。この点一つ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/177
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178・和田栄太郎
○和田参考人 先ほどから申し上げておりますように、開墾はことしの六月からやることになっておりまして午前中にも申し上げましたように、上北では六月下旬に入植者が現地へ入って参ります。その時期と合せて開墾を進行するように県及び農地局と打ち合せて、それに間に合うように機械が入ることと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/178
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179・川俣清音
○川俣委員 この際はっきりしておきたいのですが、どういう機械を幾ら幾らで買う、その買う価格は幾ら幾らでなるか、借款が幾らであるか、この点を明瞭にしておいていただきたい。それで機械類はどの機械がいつ日本に着く予定であるか。もしもその予定をはずれた場合の責任はだれが負うつもりであるかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/179
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180・和田栄太郎
○和田参考人 開墾用の機械として今年入って参りますのは、トラクター類、それからそれにくっつける作業機でございますプラウ、ハロー、それから播種機、それから石灰散布機、それから機械の修理のときに使います。あるいは積みおろしに使いますクレーン・トラック、それが開墾用の機械でございます。このうちクレーン・トラックだけは七月末になりますが、他の機械は六月中下旬にそろうことになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/180
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181・川俣清音
○川俣委員 あわせてその金額もお示し願いたいのですが、資料としていずれそれを御提出願いたい。並びに二十三条に基く財産目録、貸借対照表及び損益計算書、いずれも参考資料として提出願いたいのですが、今和田参考人の読み上げられたものは最初の計画なんですね。今度入るとすれば、どこの会社の幾らのものが入るかということにならないと具体的じゃないと思う。個々の入れたい希望は聞いておりましたよ。どこの会社の製品がどこから積まれてどこべ着くんだということにならないと計画になりませんよ。あなたの言われたのは最初の計画なんです。今度輸入して現実になってくるのですから、どこのメーカーの製品であるか、そうしてどこの船がこれを運ぶのであるかというところまではっきりしないと、もう六月に着きますでは、これはとても間に合いません。まだどこのメーカー品かもきまらぬでおって六月に着きますなんていうことはおかしいのです。船との契約もできていないし、今から船との契約ができても、これは六月の中じゃむずかしいでしょう。おそらく六月の末でしょう、今の船便の状態からいえば。従って日本船で運ぶのか外国船で運ぶのか、船とはどこの船会社と契約をしたかということがはっきりして初めて予定でございますということが言えると思うのです。来年入れるのなら別です。こういう品物を入れたいという希望と入るということとはだいぶ現実に違うのですが、この点を説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/181
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182・和田栄太郎
○和田参考人 ただいま申しました機械のうちトラクター類はキャタピラ社製品でございます。それからプラウ、ハローはジョンデア社のものでございます。いずれもサンフランシスコから船積みをすることになっております。それからクレーン・トラックだけはイギリスのものでございます。従ってこれは航海日数がかかりますから、先ほど申しましたように七月末に入ることになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/182
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183・川俣清音
○川俣委員 そうするとそれだけ借款するというのですか、借款のうちの一部なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/183
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184・和田栄太郎
○和田参考人 ただいま申しましたのは今年使用します開墾用の機械を申し上げましたのでございまして、借款の全部ではございません。一部でございます。このほか開墾用といたしましは、これらの機械の修理用の部分品をあとから入れていくということになります。そのほかに北海道の篠津の開発用の機械を今年も購入しますし、それから来年、再来年も工事の進行に従って必要な機械を購入することになっております。それらを全部含めて借款対象にする予定でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/184
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185・川俣清音
○川俣委員 さらに参考人にお尋ねしたいのですが、農林省は機械の整備の費用として予算をとっておることを御存じですかどうか。これとさらに公団は建設機械を入れられるわけでありますが、あなたの方で機械を入れるとすれば、農林省の機械整備の方の費用は要らないとお考えになっておりますか。またはもっと公団も必要であるし、農林省もさらに必要だというふうにお考えになっておりますか。この点をお尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/185
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186・和田栄太郎
○和田参考人 機械開墾地区の開墾用の機械は公団が入れますから、政府の方には入れる必要がなくなるわけでございます。それから機械開墾地区の道路建設用の機械は、これはその地区だけに使うものでなしに、一般的に広く使えるような機械は公団が購入してそれを政府が使用するということになっております。なお篠津の分は輸入機械、これは泥炭地開発でございますから、非常に特殊な機械になっておりますが、その外国産機械と、それから国産でも一般的に使われるような篠津用の機械を公団で買うことになっております。従って政府ではその他の地区に使用する機械はやはり購入される必要があるであろうと想像しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/186
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187・川俣清音
○川俣委員 どうも和田参考人の答弁はおかしいですよ。機械開発公団で機械を輸入するというと、それだけ開墾事業の方の機械は要らないことになった、こういうことですが、予算書はそうなっておりません。土地改良事業または開拓事業を最も効率的に達成するためには工事の機械化をはからなければならない、これに要する機械を購入し、または購入した機械の適切なる保全をなすため必要な経費であるということで経費要求が出ているでしょう。ちゃんと開拓事業というのは開拓も開墾もみんな含まれるのです。従ってあなたが一ぺん農林省を出られて、それは私の方で買えば要らないのだといっても、予算書は明らかに予算要求をしているのです。予算要求したものは予算要求されたものとして一応認めていかなければならない。そこをあなたに聞いているのだが、予算は取ったけれども、私の方からいえばそんなものは買ってもらわぬでもいい、こういうつもりかどうか、こうお尋ねしている。予算は要らなくなったというのは、民間人はよけいなことなんです。あなたはまだ農林省にいるつもりで返事をしておられますが、そうじゃない。民間人になったのだから、こういうことは私の方でやることだから要らない、こういうつもりかどうかということをお尋ねしている。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/187
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188・和田栄太郎
○和田参考人 先ほども申しましたように、公団で購入いたします機械は、機械開墾地区と篠津開発の機械でございます。従ってその地区に対する機械は政府で購入される必要がなくなるわけでございますが、その他の地区に使用される機械はやはり購入される必要があるものと想像いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/188
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189・川俣清音
○川俣委員 私のお尋ねしているのは、機械ばかり入れて、お互いに一つの機械であれば方々に融通のきくものを、あなたの方でも入れる、こっちの方でも入れるということで、機械の高能率を下げていったのではおかしいじゃないか、予算のむだじゃないか、こういう意味を含めてお尋ねしているのですよ。わざわざ予算書の中には効率的に達成するためとあるのですから、一台で多くの開拓あるいは土地改良事業が行われることが望ましい、こういうことなんです。一年じゅう大して使わない機械を両方で買ってやることはむだじゃないか。そこでもう限度がきているのか。もっともっとあなたの方も買わなければならぬのか、政府も買わなければならぬようにお考えなのかどうかということを聞いている。要点はそこなんです。曲げないでまっすぐにとって答弁願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/189
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190・和田栄太郎
○和田参考人 篠津並びに機械開墾地区に使います建設工事用の機械の購入につきましては、利用される方の農林省及び北海道開発局の方で十分研究されまして、政府でお買いになる機械と公団で買う機械とがダブらないように十分計画を立てられてそうしてこれこれの機械を公団で買うようにという連絡が参っているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/190
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191・川俣清音
○川俣委員 あなたの御答弁をお聞きしますと、機械開発公団も今借款によって買い入れるものはごく一部であるし、もっと必要である、農林省もまたもっと必要であろう、こういう見解のようです。私はそう了承します。そこでその了承のもとに立ってもっとお尋ねしたいのは、もっと機械の購入が必要であるということは、何が必要かというと、もっとすみやかに開墾事業を行わなければならないというところから来るのでしょう。また国の方も、開拓事業、土地改良事業をもっと効率的に達成さすために機械の整備がもっと必要だ、こういうふうに私ども認めているわけなんですが、そこであなたにお尋ねしたいのです。やらなければならない本業の機械さえ入れるのにまだ一部より入れられない。借款も一部より成り立たない。借款契約もまだ一部よりできてないし、できるにいたしましてもごく一部、こういうことです。そうすると本業の方の機械を入れることすら借款の見通しがまだ十分でない。大体見通しがついてきた。その上に機械公団としては副業的な畜産の借款の見通しはつくのですかどうですか。世銀の方は大体機械を売りたいというのですから、機械の見通しは常識的には、下手であればどうかわかりませんけれども、機械購入の借款は成立しやすいように一般に理解されております。一般に理解されているものですら、なかなか遅々として進まないのに、借款が成立しないのに、今度本業以外の別なものをやるのに非常にたやすいとお考えになっているのですか。もしやさしければもっと本業の方が進んでいなければならないと思うのですが、どっかそこにわけがあるのじゃないですか。三十年度の間に借款の見通しがつくと言ったやつがつかなかった。しかもこれは本業です。本来の使命はここにある。借款ができるということでこの公団が成立した。見通しがなければあの公団は去年成立しなかったはずなんです。三十一年度でなければ見通しがつかなければ、機械公団は三十一年度でよかったはずです。三十年度に見通しがつくということで出発した。その出発したものですから三十年度に見通しがつかないで、三十一年度も、しかも日本の開墾期としては四、五、六の準備をして始めて、北海道、東北のごときは六月に着工して九月までには完成するようなところに行っていなければ能率が上らないにかかわらず、七月の末であるとか八月にならなければ仕事ができないような状態では、本業の方すらなおざりにするというようにお考えになりませんか。この点をお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/191
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192・和田栄太郎
○和田参考人 先ほど購入の確定しておりますものの機械が借款の一部であると申し上げましたが、この一部であるということは計画通りでございまして、来年購入いたすものは、工事がその機械を必要とする段階まで進行しないから来年購入するのでございまして工事の進行度に応じて必要な機械を順次買っていくということになっております。それから後年度に購入いたす予定になっております機械も乳牛も、同時に借款契約ができるように進行をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/192
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193・川俣清音
○川俣委員 これはまた答弁が少しおかしい。計画が問題なんですが、初年度、三十年度輸入機械、三十一年度輸入機械という計画があったはずです。それが三十年と三十一年度分が一緒に契約できたのかということが一つ。もう一つは、今度の改正の趣旨によりますと、その開墾地以外にもこの機械を利用することになっているが、もしそういう余裕があれば、もっと入れられて他の地区にも活用してよろしいはずなんです。別に法律には上北地区以外にはやれないと規定されてはいないのですし、しかも今度の修正案を見ると、全国のことがやれるような改正にされようとしているでしょう。そこでお尋ねしておきたいのだが、今までは農地局の所管でしょうけれども、今度改正になるとこれは農地局の所管じゃなくなるでしょう、所管が変るでしょう。農林省設置法に基きましても、この表題になりますと所管が変りまして、これは三局にわたるだろうと思います。農業経営の合理化ということは農地局ではありません、畜産局でもございません。農業生産力の発展も、これも農地局ではありませんし、畜産局でもございません。すなわち目的を変更したのでありますから当然所管が変るというふうに見られますけれども、この点はどうなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/193
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194・小倉武一
○小倉政府委員 これはやかましく言えば関係局の共管ということになるだろうと思いますが、主として農地局と畜産局のそれぞれの仕事の分野においての共管、こういうことになろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/194
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195・川俣清音
○川俣委員 いや、参考人はどう思っておるかをお尋ねしているのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/195
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196・和田栄太郎
○和田参考人 所管につきましては、私もただいまの農地局長のお答えのように想像をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/196
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197・成田努
○成田参考人 私も同様に考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/197
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198・川俣清音
○川俣委員 今農地局長は畜産局と農地局だとこう言いますけれども、農業経営の合業化というのは農地局の所管ではありません、畜産局の所管でもありません。従ってここに「農業経営の合理化と農業生産力の発展に資するため」というふうに目的が変ってしまっている以上——前は農地の造成及び改良の事業の効率化のためにこれこれの事業をやるというのですから、その主目的なるものが農地局にあったことは間違いありません。ところが今度は農業経営の合理化と農業生産力の発展に資するためにこの機械公団を使うのですから、所管は当然変るというふうに参考人はお考えになりませんかどうか、この点を聞いているのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/198
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199・小倉武一
○小倉政府委員 役所の所管のことでございますので、政府側の方からお答えした方がいいと思うのでありますが、重ねてのお尋ねなのでより正確というか、申しますと、公団という一般的な所管の問題につきましては、これは従来通り農地局でございます。だから仕事がいろいろふえて参ります。たとえば今度のように乳牛という問題が入りますと、乳牛導入は畜産局の所管でございますので、この面の仕事については畜産局が主掌をする、そうして公団全体の経営に影響あるという範囲においては農地局ももちろん関係がありますので、そういう意味で共管というふうに申し上げたのであります。
なお農業経営のことをお話でございますが、これはいわば間接的な目的でございまして、究極するところは農業生産力の発展であるとか農家経済の安定ということにどの法律でもなるわけでございますが、しかしこの法律の直接の仕事の内容によって所管を分けておりますので、農業経営の問題はここでは間接的な目的になっておりますから、これによる所管ということは論ずる必要はない、かように存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/199
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200・川俣清音
○川俣委員 小倉局長からせっかくの答弁ですが、これは間接的なものだということになりますと、主目的でないというのですから、間接的なものをあえて法文化する必要はないですね。農地局の所管内における改正、こういうふうにこれは改正すべきだと思うのです。所管外まで及ぶような改正案を出すことはおかしいということになる。農地局の所管にしておくならば、その所管の範囲内のような表現を使うことの方が妥当だ、これは少し行き過ぎだ、こういうことになるのじゃないですか。これはあらためてまた一般のときに議論いたしますけれども、あなたの答弁を正直にお聞きすると、これは付属だ、従って主目的でないのだということになれば、この条項はあえて必要じゃない、こういうことになるのですね。従ってジャージーや何かも入れることも主目的じゃないのだということになって、本法から離れていく、こういうふうに理解しまして、進めていきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/200
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201・村松久義
○村松委員長 木村文男君から関連質問の申し出がありますので、これを許します。木村文男君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/201
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202・木村文男
○木村(文)委員 この公団法の一部改正については皆さんがみな非常に関係が深いのでありますけれども、私は特に関係地方区でありますから、そのためにもどうしても政府の方針と公団側の方針をただしておかなければならないと思うのであります。昨日も私は土屋理事に対して二、三のお尋ねをいたしたのでありますが、実に不満足でありました。皆さん聞いておられればわかる通り、御自身が理事でありながら、御自身が運営せねばならない公団の最も大事な人事のことまでわからないというような理事が、その公団にすわっているということは、第一に私は不満足である。これくらい私は重大なことはないと思う。その事業の成果をあげる上にもしかりに人事の運営を間違ったならば、これこそ私は事業の失敗の大きな原因になると思う。そういう面から私は最後にあの人事の問題に対する所信を尋ねたのでありますが、私に対する答弁はきわめて私を不満足にさせたので、きょうはまた重ねて、当面の責任者である理事長がお見えでありますので、特にお尋ねしたいと思いますから、理事長におかれてはその点をあらかじめ一つお含みおき願いたいと思います。
まずその前に、和田理事に対して私は四つの問題についてお尋ねしたいと思う。第一は、農地開発機械公団法の提出の理由説明のときに、その目的とするところは、農地の造成及び改良の事業の効率化に資するためとして、保有する機械の効率的な運用によって、急速に農地の造成及び改良事業を完成したいためであると述べられておるのでありますこれは昨年の十月当公団法が設立された際に、私どもは十分聞かされたところでございます。ところが設立されてまだ六カ月たたない今日、その目的の上に変更が加えられるのであるか、現に加えられておるのであるかという点を、まず第一点として和田理事にお尋ねしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/202
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203・和田栄太郎
○和田参考人 今度の改正は、最初の目的を包含して、少し目的を広げた改正であるというように理解をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/203
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204・木村文男
○木村(文)委員 それでは、少し広げる意味においてこの法の一部改正を提出をされているというようなふうに考えておる、こういうお答えでございますが、そうすると、重ねてお伺いしますが、公団の設立された当時の性格とその目的の上にも変更をされた、こう解してあなた方は今後運営されるつもりでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/204
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205・和田栄太郎
○和田参考人 現在の法律で「農地の造成及び改良の事業の効率化に資する」と書かれましたのは、その直接の仕事をうたったのでございまして、その最終的な目的は、やはり農業経営の合理化と生産力の発展ということを最終目的にしておるものと思います。従って範囲は広がっておりますが、非常に大きい目的の変更は起っておるというようには考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/205
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206・木村文男
○木村(文)委員 その問題については、その法律の提出者は内閣でありますから、従って公団の理事に答弁を要求するということはこれは不可能だと思いますので、あとで政府当局にお伺いしたいと思います。
第三点として、先ほどの川俣清音君のお尋ねに対するお答えによりますと、購入をせんとする機械は六月には到着する予定である、こういう自信を持っておるというような御答弁でありましたが、私はこれをもう一ぺん確認してみたいと思います。この六月までに注文の契約をいたしました機械が、間違いなく現地に届いて、その作業に当ることができるかどうか。なぜ私はこのことを特に再確認したいかと申し上げますと、御承知の通り、当公団の運営される方面は、北は北海道であり、またその南にありますといえども青森もまた雪国でありまして、従いまして稼働する可能性のある期間はきわめて短期間であります。もしかりに和田理事の言を信じて、六月中に機械が現地に到着し、その作業に当ることが可能であるといたしましても、開墾事業に従事し得るところの、開さくの任に当ることのできる期間というものは私は三カ月足らずであると思う。ことに北海道のごときは、その期間よりもさらに短かい期間であると思います。これを案じますがゆえに、現に今から地元においてはこれに非常なる関心を持つとともに、心配をいたしておるわけであります。入植せんとする者の、希望者もその点に二の足を踏まなければならぬといったような状況にあるのであります。こういうことを私は案じますがゆえに、この点の見通しについて重ねてお伺いを申し上げたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/206
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207・和田栄太郎
○和田参考人 ただいま木村先生から非常に御心配をいただいて、私たちも農業をやるのですから時期に間に合わすように、仕事をする点については非常に心配して努力をいたしております。その気持と同じ気持で御質問をいただきまして、非常にありがたいと存じております。先ほどから申しておりますように、先般県と農地事務局と農林省と公団と集まりまして、ことしの上北の開墾は、六月二十日から開始しまして七月二日までに開墾を終ったものに対して牧草を播種する、そういう予定で進行することになっております。それに対しまして公団の機械の手配は、確実に間に合うように手配済みでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/207
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208・木村文男
○木村(文)委員 それではもう一点念を押してお聞きしておきたいのでありますが、現在その購入せんとする機械が、一切の事務的な手続の上においては完了しておるかどうかということが一つと、いま一つは、公団で開墾を進めるに当っては、機械が六月中には入るという自信がおありのようでありますから、従ってその計画が、現地を見ての結果の計画を十分お立てになったかどうかということ、この当面の責任者である両理事のうちだれかが現地に参りまして、そうして現地の県庁あるいはほんとうの地元の協力を求めようとする方々の集会を求めるなりして、その上での実施計画ができているかどうかということを、私は念を押しておきたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/208
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209・和田栄太郎
○和田参考人 私は農林省に在職当時から、ここの地区には関係をいたしておりましたので、この地区には何回も参りまして実地踏査をいたしております。それから今回の実施計画につきましては、私も現地の協議会に参りましたし、土屋理事も支所長も参りまして、計画を進めておる次第でございす。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/209
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210・村松久義
○村松委員長 木村君、成田参考人に尋ねられる点一点ありましたね。どうぞその点をすぐやって下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/210
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211・木村文男
○木村(文)委員 一点追加して。今和田さんがそのようにして計画を進めるつもりでありますという御答弁でございましたが、私の聞いておるのは、実施計画がはっきりとできているかということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/211
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212・和田栄太郎
○和田参考人 実施計画は現地で、県、農地事務局それから私の方の支所長並びに職員が参りまして実施計画を立てまして、午前中にも申し上げましたように、それぞれの配分の区域、防風林のくい打ち等を終っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/212
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213・木村文男
○木村(文)委員 実施計画ができているというお話でございますので、どうかその計画を私どもにも御提出を委員長からお願いをしておきまして、最後に理事長にお伺いしたいのであります。
冒頭において私はあらかじめ理事長に対して、ただいま私のお尋ねをいたしました要点からしても、いかに新しく設立されました公団の使命が重大であるかということは、もう申し上げるまでもないと思います。しかしながらあなたも神様ではございませんから、その運営の面に当っては、あなた御自身がその衝にお当りになるということも私はなかなか不可能だと思う。そこで要は人事の問題であると思います。人事の面においてはよほど慎重を期せねばならないと思う。ことに農林当局から出向の形でありますか、あるいはまたその当時の法案の説明によりますと、再び農林省に帰り得る可能性のある形式によって、あの法律の人事が動くというような御説明であったように私は記憶しているのでありますが、そういう有能なる過去の経験者が行っているのであります。しかしこれは土屋理事に対してはなはだ気の毒でありますけれども、昨日の答弁は私は実に不満足である。何となれば、たとい私にいたしましても、小さいながらもその長についたことがあります。一社をお預かりしたこともあります。そういう経験を持つ私としては、きのうの答弁には私は満足できない。なぜ、それはまだそう何千人もおる人事じゃない。それがこれくらいだと思いますとかいうような言葉で配置のことやあるいは定員の問題などを、われわれが代表して尋ねておる議場において自信のないような答弁をするような理事が、高給をもらって——しかも役所で経験のある者が何のために行かねばならないかというと、ほんとうに理事長を助けて、理事長はまさにめくらでもいい。この人間たちがおれば、この公団がりっぱに運営できるのだというようなことを期待されて派遣せられた。内々ほんとうの実態はそうであったろうと思うし、そうであるべきであると私は思う。多額の金を費して派遣されておるのでありますから、ほんとうにしっかりした運用をしてもらわなければならないと思うが、そういう面において理事長は、あの公団に派遣されている、あるいは構成されている人事の面において、どういうような方針で今後人事面を運営していかれるお考えであるか、その決意を一つお伺い申し上げておきたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/213
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214・成田努
○成田参考人 ただいままことに御親切なる御忠告ありがたく拝聴いたしました。人事の面につきましては、御承知の通り木部の幹部は大体過去において十分の経験を持っておられる、農林省から派遣された方々をもって構成しておりますし、また現地におきましては、北海道は北海道庁並びに北海道開発局に奉職しておりまして、現地の事情をよく熟知しており、かつこの事業にも十分の経験を持っておられる方々をもって担当していただいております。また青森におきましても、仙台の農地事務局並びに青森県庁からも有能の士を割愛していただきまして万全を期しておるような次第でございます。どうぞその点は御心配のないように私はいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/214
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215・木村文男
○木村(文)委員 私はそれに対して不満足です。なぜ私がこれを言うかといいますと、いかがわしい者がいるのです。ほんとうのところを申し上げましょうか。しかし、そこまでいうことは、与党の立場もあるし、またいろいろある。しかし今のような、御心配ないようにというようなことは、私は失礼だと思う。心配しておるから私は言ったのです。心配をかけないように努力します。なら話はわかりますよ。しかし御心配ないようにというようなことは、あまりに私の発言に対する見くびりだと思う。この点をもう一ぺん尋ねたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/215
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216・成田努
○成田参考人 御心配のないように努力いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/216
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217・木村文男
○木村(文)委員 了承。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/217
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218・川俣清音
○川俣委員 先ほど私の質問中、木村君が関連質問だということで言われたのですが、関連のない部分までお入りになったようであります。
そこでお尋ねいたしますが、公団でいわゆる世銀から機誠を買う資金を受けるわけですが、この機械は日本にできないようなものをお買い上げになるのですか。やはり日本でも大体同一程度の工業力が発展いたしておりまして日本でもできるようなものまでお買いになるのじゃないでしょうか、この点を明らかにしてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/218
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219・和田栄太郎
○和田参考人 輸入いたします機械につきましては、日本の国産機の生産の指導監督もやっておられます通産省の重工業局と再三打ち合せをいたしまして、これこれの機械は輸入した方がよろしいというものを選択して輸入することにいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/219
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220・川俣清音
○川俣委員 そうすると、輸入する機械のほかに、国内産の機械をもお買いになる予定ですか。その比率はどうなっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/220
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221・和田栄太郎
○和田参考人 国内産の機械も購入いたします。開墾用の機械につきましては、比率は輸入が三で、国産が一くらいになりましょうか。建設用の機械は篠津のものは半々くらいになります。上北、根釧の機械は国産品だけになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/221
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222・川俣清音
○川俣委員 それでお尋ねいたします。そういう御説明だといたしますと、資金も世銀の資金ではないのであろうと思いますが、その資金の調達はどうなさるのですが、それらの国内メーカーのものも世銀の金でお買いになるのか。それは世銀の借款では買い得ないのか。買い得ないとすれば、その資金は何によるのであるか。債券の発行等によるのであるか。債券の発行とすればどの程度の発行を今見込み、利回り等はどの程度にお考えになり、公募する場合の市場等の見通しをどのようにお考えになっておりますか、あわせて伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/222
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223・和田栄太郎
○和田参考人 国産機の購入代金は円で支払いをいたします。それから資金の調達先は、見返り資金特別会計から借り入れることになっております。見返り資金特別会計の借り入れ条件は、四分で、十五カ年、三年据え置き、十二年の元利均等年賦償還ということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/223
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224・川俣清音
○川俣委員 余剰農産物処理特別会計から借りるということですが、今までの政府答弁の中には、機械公団に対する融資という説明がなかった。あれはまだきまっていないという説明はあったけれども——愛知用水公団には明らかに予算書にも出ておりますが、機械公団には今まで明瞭に示されていないのです。それをいつあなたは確約できたのですか。政府は答弁していないのに、公団の理事ができると言うのは、どこから聞かれたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/224
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225・小倉武一
○小倉政府委員 見返り資金の関係についての御質問でございますが、本委員会でその点についてあるいは特別に御質問なかったので説明を申し上げる機会を逸しておったかとも思いますが、これは余剰農産物の受け入れに伴う資金の関係でございますが、この中に土地改良の関係がございます。この中に、愛知用水の関係とともに機械開墾の関係も含まれておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/225
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226・川俣清音
○川俣委員 先般、森林公団のときに、森林公団の十億はきまっているが、その他の配分はまだきまっていない、早く確定するつもりだということが政務次官から答弁になっている。それは配分がきまったかと言うと、きまっていないという答弁であります。それではもうきまったのですか。政務次官はきまっていないと言った。きまっていなければ、森林公団の十億というのはあやしいじゃないかという質問に対して、いや、これだけは優先的にきまっている、その他のものはきまらないという答弁であったのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/226
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227・小倉武一
○小倉政府委員 大体のことについては御承知だろうと思いますが、第二回分のうちに農業関係は二通りございまして、一つは土地改良の関係になっておりますのと、その他の農業開発という関係になっておりますが、まだ未確定だという御説明を申し上げましたのは、主としてこの農業開発の関係の四十一億の部分が全部きまっていないということを御説明したのだろうと思うのでありまして、四十七億の分が土地改良に使われるということについては、これは決定をいたしておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/227
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228・川俣清音
○川俣委員 これは参考人じゃなく、あらためて政府に対する一般の質問のときに譲ることにいたします。ただおかしいと思うのは、公団と農林省との間においてはきまったと言い委員会 においてはきまらないと言う そういう相違があるものを、きまったようにお考えになって事業をやるところに支障が起るようなことがあるのじゃないか、こういう点からお尋ねしておるのです。あなたの方はきまったと思って計画する。いや、それは未確定だということからくるそごが今までも非常に多かったと思う。それでお尋ねしているのです。
そこでさらにお尋ねいたしますが、そうすると資金の原資は、世銀と余剰農産物特別会計からのものと二つだ、こういうことになりますか。その以外は考えておられない、こういうことですか。
それからこの法律は、世銀等ということになっておってかなり広汎に資金の調達ができるようになっているわけです。このことについて先ほどからあなたにお尋ねしているのは、世銀等ということで、かなり広範に資金の調達ができるようになっているのに、なぜそこに力を入れられなかったのか、この点が一点なんです。
それから戻りますが、本改正案の提案理由の中には、本公団の健全化をはかることを目的としてこの法案を提出したという提案説明が政務次官から行われております。あなたは、この健全化というのは、公団の健全化でなくておっしゃいますけれども、政府は公団が健全な運営ができていないという認定に立ってこの改正の要あり、こういう説明なんです。あなたの方は健全な通常ができているから入り用がない、こういう説明になっているわけです。そこでお尋ねしたい。そんなことをやらないでも、資金の面の融通ができているならば、その方に力を入れていくことが健全な運営ができるんじゃないかと思う。当てにもならないような世銀の金を当てにしたり、見返り円もまだきまっていないのに事業をするから、不健全な経営になってくると思う。しかもジャージーを五千頭も入れるということになりますと、そこにまた計画のそごを来たすおそれがある。そこでせっかくこの法律ができた趣旨に基いて健全な計画が可能であるというふうにお考えになりませんかどうか、その点を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/228
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229・和田栄太郎
○和田参考人 資金源は、今川俣先生からお話の世銀借款と、余剰農産物の特別会計からの借り入れと、それから先ほどから話が出ております政府の補助金、それだけになっております。法律上から申しますと、そのほかからも借り入れが可能なようになっておりますが、今のところ、政府といろいろ御相談をいたしました結果、これらのものに資金を仰ぐのが公団にとって最も健全な運営ができる、こういう考え方で、こういうように決定されたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/229
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230・川俣清音
○川俣委員 今まで健全でなかった、こうおっしゃるのですか。政府はどうもそうなんです。本公団の健全化をはかる目的をもってこの法案を提出したというふうに説明されているのですから、どこが一体健全な運営ができなかったというふうにお考えになっているのか。あなた方は、健全な運営をしていると先ほど御答弁になっている。政府は健全な運営ができてないのだという前提に立っての提案説明である。提案説明を読みます。「当該機械等を道路工事等の農地の造成または改良の事業以外の事業の用にも供することができるようにし、もって本公団の健全なる運営に資せしめたいと存ずるものであります。」こういうことになっている。結局ジャージーを入れたり、あるいは入れた機械を他の事業にも用いることによって本公団の健全な運営をしたい。逆に読むと、これをやらないと健全な運営はできない。あなた方は、現在でも健全な運営ができている、こう理事長もおっしゃるし、理事も言うんですね。健全な運営がこれでできるなら、余分なことは要らないじゃありませんか。満足な健全な運営ができているという自信のほどを示された。従って、こういうことはよけいなおせっかいで、現在でも健全な運営ができているという自信を持っておられるんだから、自信を持っておられるところへこんな強要をしなくてもよろしいということになるじゃありませんか。前の健全な運営ができているという言葉を取り消されるなら別です。自信のほどを示された。でありますから、その自信に基くと、こんなことはよけいなおせっかいだ、こういうことになるのじゃありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/230
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231・和田栄太郎
○和田参考人 公団の運営は先ほどからもたびたび申しましたように、健全に運営できていると確信をいたしております。
なお冬季間の機械が遊休の時期に、地元で非常に積雪で交通に難渋するといったような場合、あるいは雪解け後の道路の補修というようなことをやる必要があるわけなんでございますが、そういうときに公団の遊休しておるときの機械をそれへ活用するということは、それ自体が大へんけっこうなことでございますし、公団の経営も堅実さをさらに増加する、こういう意味に私どもは理解をいたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/231
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232・川俣清音
○川俣委員 そこでお尋ねするが、私どもはこの本法提案の理由からいって、こうすることが、もって本公団の健全なる運営に資するものであるということになっておるので、公団の運営がまずいから、こういうことによって突っかい棒をしてやろう、こういうように理解をいたしておるのであります。そうすると、あなたの方では突っかい棒が要らないと、こういうふうに一応理解をして、その点はそういう理解のもとにお尋ねをいたしたいと思います。
そこで政府は、このほかにジャージー種を入れるための予算を国会に要求し、それが議決を見ております。そうすると政府輸入のものとそれから公団輸入のものとがある。そこに相違があった場合にはどういたしますか。一方政府輸入のものと、公団輸入のものと二つあります。政府輸入のものは、これはおそらく従来の慣習に基きまして、政府から公共団体すなわち府県等に直接貸し付けるということになると思うのです。その条件と、公団が——ピンはねをするといっては悪いかもしれませんが、ルートを通っていった場合にはルート料というものが、当然手数料として支払われるだろうと思います。その危険負担もありますから、当然負担増になって参ると思うのです。そこの相違をどのように解決されるという考え方でおられますか、その点をお尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/232
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233・和田栄太郎
○和田参考人 私の方は政府で輸入されるものに関連をいたしておりませんので、私がお答えするのは出過ぎたことのように思いますので、これは一つ政府の方からお答えをいただいたらどうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/233
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234・川俣清音
○川俣委員 私が尋ねておるのは、政府輸入からすぐ府県へいった場合には、おそらくあなた方よりも安い価格でいくであろうということは想像されます。そこでそれとあなたの方とが相違した場合には、あなたはどういうふうに処置したいとお考えになっておりますかと親切に聞いているのですよ。わからないという答弁はないでしょう。困ることが起きませんかと、こう聞いているのですよ。困らないなら困らないでいいのです。困るからこうしたいという希望があれば、その希望を聞きたい、こう言っているのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/234
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235・和田栄太郎
○和田参考人 政府輸入のは、一口に子返し制度と呼ばれておりますように、頭金をある程度出して、あとは最初に生まれた雌を政府へ返すという度でございます。私どもの取り扱いますのは、府県へ売ってしまう。そして生まれた子供は農家がまた自分で売れるという制度でございまして 制度の違いがございますから、直接値段の比較がしにくいわけでございますが、そこのところは両方が都合よくいくように、政府の方で計画をなさっておるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/235
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236・川俣清音
○川俣委員 おかしいですよ。金額の問題ばかりじゃないんですね。受ける末端はみな同じなんです。従って違ったものが現われてきて、こちらの方がいいとかあちらの方が悪いとかいうことが起きて参りますと、あなた方の計画がくずれやしないか、こういう点からお尋ねしているんですよ。それをあなた方は売りっぱなしでいい——芳賀委員からもたびたび聞かれたように、県が受けるであろうということを想定しますが、相違した場合、方法も違う。違った条件になっているんだから、どっちが受けられるかということを判定していなければいけない。そこで、あの条件ならばだめだ、今まで通りの条件でなければだめだといわれた場合に、計画にそごを来たすおそれがあるのではないか。自信がありますか。ないならば、今からその計画を変えておかなければならないはずだ。あなたは健全な運営ができると言うが、だれも買手がなかったらどうする。健全な運営なんかできやしません。言葉での健全な運営じゃだめですよ。自信のあるような運営の仕方をしなければならない。そこであなたに聞いているんじゃないですか。あまりなれないことをやると、健全な運営どころか、失敗の運営になるおそれがあると思うので、聞いておる。だれかがやってくれる——実施するのはあなたですよ。公団ですよ。従って公団の希望というものが、こうやればうまくいくと思うからこう願いたいということが参考人から出てくれば、われわれはそれをバック・アップするにやぶさかではない。やれもしないことをやるといったって、それは無理じゃありませんかと私の方では言うかもしれませんよ。この親切な質問に、だれかが何とかやるでしょう——そんな無責任な話はないじゃありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/236
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237・和田栄太郎
○和田参考人 政府の牛を貸し付けます地区と公団の牛が入っていきます地区とは、これは別々になっております。従来の計画もございまして従来子返し制度で入っておる地区を完了するまで同じ制度でそこへ入っていく。公団の牛が入っていくのは別の新たな地区にということになっておりまして、それぞれ所管の県と完全に了解済みでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/237
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238・川俣清音
○川俣委員 公団から入ってきた牛は色が変っているとかで区別して、これはこれだけの手数がかかったから高く売ってくれといったって農家はそういうわけにはいきません。どこから入ろうと、ジャージーならジャージーを見てよければこれはいい、悪ければ悪いということで、公団から入ってきた牛だから手数料を多くとられた、もっともだ、やむを得ない、こちらは子牛で安く買ったから安くしておく——世の中はそういうふうにはなりませんよ。そんな公団の考えているような甘い考えで世の中を渡るわけにはいかない。そこで失敗も多かろう。健全な運営をさせたいというのだから、よけいなことをあまり考えられると失敗するんじゃないかということからの親切な意見なんで、各委員から、芳賀委員などもしきりに言われたのは、みな親切余っての質問なんです。それを親切でない質問だと思って答弁するというと、ほんとうに経営が困難になりますよ。そこを一つ考えて、もう一ぺん御答弁を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/238
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239・和田栄太郎
○和田参考人 この導入のやり方につきましては、公団と農林省と十分相談をいたしまして、その上で関係県とも十分打ち合せをしまして了解を得ましたわけでございまして、ただいまのところこういうやり方が適当であるというように公団側も考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/239
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240・川俣清音
○川俣委員 これで質問を終りますが、先ほど要求いたしました公団法二十三条に基くいわゆる財産目録、貸借対照表及び損益計算書、これらの財務諸表を三十年度、三十一年度の年度別に資料として御提出願いたいと思います。特にこれは公団から御提出願いたい。公団は農林大臣に提出し、その承認を受けなければならないのでありますから、その承認を受けようと思って提出されました書類の写しをお出し願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/240
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241・淡谷悠藏
○淡谷委員 さっきお願いしました資料のうち、数字の方は来ておりますが、開墾地図の写しはまだいただいておりませんので、お忘れないように願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/241
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242・和田栄太郎
○和田参考人 地図はここにございますから、あとでごらんをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/242
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243・村松久義
○村松委員長 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。
参考人の方々には長い間御苦労さまでございました。どうもありがとうございました。では、お引き取り願ってけっこうでございます。
なお、本案に関して政府に対する質疑を継続いたします。芳賀貢君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/243
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244・芳賀貢
○芳賀委員 昨日の質疑に続きまして残余の質問をいたしたいと思います。
第一の点は、ジャージーの購入費が非常に高くつくということは、政府もお認めになっておるようでありますが、この資料によってみても、外貨資金による分が六万三千五百二十円、邦貨資金による分が二万五千二百九十五円、合せて八万八千八百十五円になるのですね。これはおそらく末端の農家に売り渡す価格になると思うわけですが、そのほかに政府の費用として負担する分が二万六千百三十一円、なお、当該都道府県が負担する分がやはり六千円ないし九千円くらい一頭についてかかると思うのです。そういうものをすべて合せますと、一頭について十二万円くらいの費用がかかるということになるのですね。これらは、国内におけるホルスタイン種と比較した場合においては非常に高い牛になるということが言えるわけです。それで結局は、どのような部面でもう少し合理的に買付をやった場合においては、この予定価格の引き下げができるかという点について、これは畜産局長から御答弁を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/244
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245・渡部伍良
○渡部(伍)政府委員 お話のように、遠方から持ってきますので、運賃諸掛りが非常にかさむのであります。これはどうしてもやむを得ないのでありますが、せんだって御要求によってお配りいたしました表にありますように、一定の市場から遠い原料乳地帯を作りたい、すなわちほかの農業では成り立たない地区に、その地区に適する牛を入れるためには、どうしてもジャージーがいいという結論が出てきておるのであります。せんだってお配りした表にありますように、たとえば米国におきましては、総乳牛頭数の三千七百五十八万七千頭のうち一千百二十万頭余り、豪州では、四百七十四万六千頭の総乳牛頭数のうち百四十万頭あまり、ニュージーランででは、三百十一万頭の総乳牛頭数のうち二百六十万頭余りというものがジャージーになっておるのであります。これは、先進国ではそれぞれの国で、ホルスタインあるいはその他の乳牛とジャージーとの適地適産ということをやっている結果であります。従いまして私の方では、ホルスタインならば脂肪分が低いから、市乳地帯、すなわち都市に近い所で主としてやったらいい。従来一般の穀菽農業が入らない、しかも草地を利用しなければならない地帯には、ほかの国ではジャージーを飼っているのであるからジャージーを入れたいというので、ジャージーを入れるのでありまして、もっと近くにありますれば安い牛が買えるのであります。これでごらんのように、牧場で買う費用は四万七千円であるのが、府県の農家の手元へ到達するまでに約十二万円弱になります。そうしてこれらの中間の運送費でありますとか、これは一カ月以上かかりますが、その間の飼料費でありますとか、いろいろの費用がかかります。私の方では、一応従来の実績等を見ましてこういう試算をやっておりますが、この中で考えられるのは、運賃と海上保険料、それから先ほどお話がありましたところの、国内で検疫所から府県に送るまでの六千円余りの費用、そういうものについては相当程度まだ節約が可能である、こういうふうに考えております。現に、先般入札いたしましたのでは、昨年に比べました輸送賃で二千円近く安く落札いたしておりますから、それがことしの一つの基準になってくるだろうと思います。ですからこれに比べましてその分だけは明らかに節約できるということがすでに言えると思います。その後、たとえば海上保険料等のついてももっと負けろという交渉をやっておりますが、相当程度安くできるのじゃないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/245
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246・芳賀貢
○芳賀委員 問題は結局、外資導入を急ぐのあまり、世界銀行の借款にしても、たとえば機械の購入にしてもジャージーの購入にしても、借款に機械と牛が乗ってくるのです。物と切り離すことのできないところに責任借款の問題があると思うのですが、産地の牧場では安いけれども、非常にこれが高値になるということは事実です。最近の例としては、神奈川県あたりでもホルスタインの牝の子牛がなかなか売れないというような事態が生じているのです。そういうものと対応して考えた場合においては、実際に必要とする農家に対しては、八万八千円ということでなくて、地方においてもやはり少くとも七万五千円ぐらいにしてもらわなければ受け取りずらいということは、農家並びに都道府県も意思表示をしていると思うのですが、それに対して政府としても、ややその線に沿ったような安心感を与えている事実はあるのではないですが。その点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/246
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247・渡部伍良
○渡部(伍)政府委員 私どもが府県と交渉するときには、九万六千円くらいで交渉しておったのであります。その当時は、お話のようにホルスタインの方も非常に安くなっておりまして、先般御説明申し上げましたように、去年はホルスタイン成牛の価格は八万円見当、これは雑で、平均しても九万六、七千円ということであったのであります。最近はまたちょっと値が出ておりますが、いずれにしましてもホルスタインは成牛が平均して十万円、雑で八万円、純粋種で十一、二万円というところでありますが、私の方では、今後入れるものは十八カ月経過ということでありますので、そう高い値段ではない。お話のように七万五千円くらい、少くとも七万円台にしてほしいという意見がありまして、ちょうど予算編成時期でありましたので、大蔵省と折衝いたしまして運賃の補助等もとりまして、やっとこの程度になったのであります。なおかつこの中には先ほど申し上げますように、私の方でも操作上予算を出す単価として多少安全を見込んでおりましたので、今申し上げておりますように、運賃その他相当程度節約ができる、こういうことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/247
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248・芳賀貢
○芳賀委員 結局問題は世銀借款そのものにもあるわけです。これは毎日新聞の「白い手、黄色い手」にも世銀借款のいろいろな点が指摘してあるのです。わずか三億一千万円程度のジャージー種を三年計画で入れるために、それくらいの資金措置ができなくて世銀から借款しなければならぬというところにいわゆる現在の政府の農政の貧困があるわけです。そういう根本的な問題をここで取り上げるということはなかなかいとまがないわけでありますが、問題はジャージー種を入れる場合においても、これは農業経営に酷農を加味して営農安定を期するというところにねらいがあるのでありまして、不当に高価なジャージー種を押しつけるということよりも、やはり国内におけるホルスタインであるとか、そういうふうな国内産の乳牛を与える可能な手段というもの、これは随時とっていく必要があると思う。
そこでさらに問題を変えて申し上げますと、都道府県知事は、世銀借款分のほかに農家負担分の立てかえ払いをしなければならぬ事態が来ると思います、牛が到着した場合には……。農家の自力で自己負担をすることができる者もあるし、できない者もあるのです。そういう場合には、いわゆる邦貨資金としての二万五千円というものは農家が調達しなければならぬことになるから、できない場合は有畜農家の創設資金の方からこれを貸し付けるということになるわけですが、これらの有畜農家の融資措置が非常におくれるような場合には、当然都道府県知事が一応立てかえて公団に事前に支払いをしなければ牛の買付をすることができないということになると思う。こういうような問題に対して、当局としてはどういうような手段をとるつもりですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/248
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249・渡部伍良
○渡部(伍)政府委員 お話のように、売却する場合には農家負担分が必要であります。しかしこれは年賦償還で返せばいいのでありますから、一度に全体の金を出さなくてよろしい。それから世銀以外の分は有畜農家創設法の金でやるというのでありますから、その額はあまり大きい額でない。これも期間は短かいけれども、有畜農家創設の方の一年据え置き三年で返せばいいわけでありますから、すぐの府県の負担としては、検疫所を出てから農家まで運ぶ運賃の県補助、これは従来も大ていの県がやっておりますが、その分だけの問題になってくると思います。しかし今度は公団が中に入るのでありますから、公団がその金繰りについて、何といいますか、県側に向ってあこぎな措置をさせないように私の方で研究したい、こういうふうに考えます。
それから先ほどお話がありました、ジャージーにたよらずにホルスタインでやったらよいじゃないかということでありますが、私どもの方では、ホルスタインの適地にはホルスタインをあくまでも奨励したいと思っております。また現にやっておりますが、ホルスタインよりもジャージーの方がよい——ということは、二十八年からやりました八ケ岳、岩手山麓以来の実績から見まして、普通の方法では乳牛も入りにくい地帯、原乳地帯として相当の草原のあるところにジャージーを入れたいという考えでおります。これはどうしてもある程度ジャージーにたよらざるを得ない。従ってその点を十分に理解願って、新しく入れるところにはジャージーを入れた先進地の苦心をよく説明し納得願って入れたい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/249
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250・芳賀貢
○芳賀委員 それから、この有畜農家創設関係の資金の中で、その七割分に対しては五分の利子補給をする、残余の三割分に対しては利子補給をしないということになっておりますのはどういう理由ですか。わずかの差しかないわけですが、これは有畜農家創設特別措置法によっても、あの資金に対しては利子補給をやるということが明確になっておるわけです。ところがこの資金の七割分に対しては利子補給をするけれども、あとの分に対しては利子補給を行わないというようなことになっておりますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/250
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251・渡部伍良
○渡部(伍)政府委員 有畜農家創設特別措置法施行令第一条で、「有畜農家創設特別措置法第五条の補助金の額の限度は、同条の農林大臣が定める金額の範囲内で同条の家畜の購入又は借受に要した資金の百分の七十に相当する金額を」云々というふうに規定いたしております。政令で三割は創設農家の方で負担した方がよろしかろうということをきめておるわけであります。今度ジャージーを入れる場合に特別に七割にしたというわけではないのであります。この七割がよいか悪いかということについては、また別に議論が出ると思います。従来の方針に従ってやっておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/251
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252・芳賀貢
○芳賀委員 次に、売り渡した牛の資金回収の場合に、この導入牛が、実際飼育して不幸にして完全な乳牛としての用をなさないような場合もあるが、こういう場合においては、やはり当初の売り渡し価格によって農家が返済するということはできないのですね。現物の返済ができれば可能であるが、なかなかそういうことは公団はやる気持はないと思います。そういうことになりますと、当然そういう不良牛に対しては価格の引き下げとかなんとかいうような特別の措置を講じないと、非常に過重な負担が農家にかかるし、またそうでない場合においては、地方公共団体が責任を負うということになりますので、そういう期待に沿わないような不良牛であったということが認定された場合は、これはどこでその損失の補てんをするのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/252
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253・渡部伍良
○渡部(伍)政府委員 これは昨日も御説明申し上げましたが、売り渡し契約書の中に、当該農家は天災地変その他農家の責に帰することができない事由——その他農家の責に帰することができない事由ということは、今のような乳をとるために買った牛が、乳が出る時期になっても生理的欠陥で妊娠しないというような場合には、当然公団が責任を持つことになりまして、買手から減額を請求することができる、こういう規定を入れます。これは当然だと思います。その際に飼育の方法が悪かった、乳の出方が少いというような場合になると悶着になるかもしれませんけれども、それにしましても、農家が普通の指導によって普通の管理をやって効果が出ないという場合には、支払い期間の延長なり、今のように全然妊娠しないということになれば、その牛を返すなりあるいは減額する、減額するということは逆にいえば、それを肉なら肉の価格で評価して、申し出があれば減額してやるし、そうでなければ引き取ってくれということもやらざるを得ぬ、こういうことになると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/253
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254・芳賀貢
○芳賀委員 今のお話で大体わかりますが、これは本来は目的に沿わない。全然乳の出ないような牛とか、最初輸入したときから不妊牛であるというような場合、これは公団が引き取るのが当然ではないですか。とにかく売り渡してしまえば、何が何でも代金決済だけやればいいのであるというのであれば、こういう公団なんか必要がない。これは単なる牛馬商と同じなんです。そういう場合は公団が引き取って、それにかわる優良なものを与えるとか、そういうことは良心的にやるということに最初から、きめておかないと、あとで非常に問題が出てくると思いますが、そういうものを条文の中に入れ必要があるのではないですかどうでか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/254
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255・渡部伍良
○渡部(伍)政府委員 これは前に御説明したと思いますが、検疫所から府県に引き渡すときにはその点が非常に問題になるのでありまして、府県からの引取官、それから農林省の検疫官、獣医が立ち会って検査をするのであります。その際にそこではっきり発見できたものは当然渡しません。これは当然であります。しかしそこで両者が立ち会って引き取った後にも、何かの関係で生理的異常ができてくる場合が保しがたいのであります。これは今まで獣医とか専門家が引き渡すとき立ち会ってわからないのかといって私の方でずいぶん責めてみましても、やつぱり出てくるのであります。それはわずかの数字でありますけれども、そういうことがありますので、そのためにこういう規定を置きまして、原則としてそういうものを渡さないというのだけれども、渡した後にもそういう事態が発生したならば公団で責任を負うのが当然である、こういう契約を結ばすのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/255
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256・芳賀貢
○芳賀委員 次にこの法律改正に伴って、これはどうしても酪農振興法との関係が出るわけですが、この際あわせて今年度の高度集約地区の指定等に対しては、昨年から始ったわけでありますが、本年度はどういうような計画を持って、この計画の完了が果していつになるかという点に対しても、内容を明確にされたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/256
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257・渡部伍良
○渡部(伍)政府委員 三十年度は三十一カ所指定しまして三十一年度は予算を三十カ所認められております。現在府県と交渉しております。まだ全部の説明が終了いたしておりません。現にきょうは青森、秋田なんかやっておりますが、たとえば地域の問題、あるいはホルスタインを入れるかジャージーを入れるかという問題、あるいはできた乳の処理の問題、あるいはまた集約酪農地域内の飼料資源の関係等、逐一図面によって府県と検討を加えまして、修正すべきところは修正し、県で処置すべきものは県で約束を得てきめていこうということになっておるのであります。大体今まで申請が出てきておるのは三十三、四カ所くらいでありまして、もうあと数カ所検討すれば終りますので、それに基きまして今申し上げましたように、農林省から府県に対して、こういう点はこうしろ、こういう点はこうしろ、それで府県からの回答がきますれば最後的に決定することにいたしたいと思います。時期は大体もう一月くらいはかかると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/257
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258・芳賀貢
○芳賀委員 最後に、これは直接の関係はないわけでありますが、酪農振興法によると、協同組合あるいは連合会が生産者を代表して相手方の会社と団体交渉をやって、そうして契約を締結する、そういう行為を政府としても奨励しておるわけですね。その一つを言えば共販の形ですね。牛乳の共販態勢を確立させるというような形が振興法の運用の中にも期待されておるわけです。これがたまたま最近における公取委員会の見解から見ると、何か独禁法に違反しておるかのごとき見解を公取の方は持っておるように思われるのです。先般の、たとえば北海道における雪印と道バターの場合も、そのことだけが問題の中心点ではないですけれども、いわばそれと似たような行為が独禁法に抵触するというような審決の指摘を受けておる。これはやはり政府当局としても十分に調査研究して、見解を明らかにする必要がある。四月の十一日の国土開発特別委員会において私は農林大臣に対して、公取の北海道審の雪印、道バター等に対する審決の内容に対してどういうような見解を持っておるかということをただしたわけであります。農林大臣は全然それをまだ承知しておらないので、十分調査検討の上農林省としても見解を表明したいということを言っておるわけです。現在出張中でありますが、事務当局においては、そういうような勉強はすでになさったと思うのですが、所管はどこの局かわかりませんけれども、この際畜産局長でも農地局長でも、おわかりになれば説明を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/258
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259・渡部伍良
○渡部(伍)政府委員 乳牛の導入並びに乳の集荷に対して、協同組合あるいは協同組合出資関係者がどうやったとかいう関係で、従来経済局の方で今の公取関係の交渉をやっておるようであります。私の方は当然乳牛であり乳でありますから関係しておるのでありますが、窓口は向うからやっておるようであります。私もかわった当時からその話はよく承知しておりますが、それより前に昭和二十九年からいろいろ問題が起っておるようでありまして、なかなか込み入った問題でございまして、協同組合の共販態勢と独禁法との関係というお話のような点でありますが、善意に共販を強化しようというところは、ある場合においてある組合の当事者等が、相当組合員に対して圧を加えておるんじゃないかというふうな疑いがありますし、そういう点が公取で指摘されたのでありますが、現に事案になっております北海道の関係は係属中でありますから、審決案を公取から関係各社に示され、農林省もそれを見せていただいております。それに対して農林省は行政庁として、不当競争の起る疑いがあるような場合には、そこにもっと親切な指導を与えて、公取のお世話にならないようにした方がいいのじゃないかという考えを持っておりますけれども、現在の事案は公取の審決案に基いてどういうところは不服だという案を各社で練っている、今それで議論をしている段階である、こういうふうに承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/259
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260・吉川久衛
○吉川(久)委員 行政指導の範囲でやらなければいけないでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/260
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261・渡部伍良
○渡部(伍)政府委員 行政指導の範囲でやった方がいいのですが、今の審決案が出ておりますから、それに対して公取がすでに介入してきているのですから、どういうようなことにするかということは、今度はこちらの立場を話して円満に解決をつけたいと思いますが、今審決案に対する反対陳述書なども出ているので、それに基いて公取と協議しているような状態であります。なお長野県においてもそれに似たような問題がありましたので、私の方では、北海道におけるようなそういったシリアスな事態に至らぬように、疑いがあると称せられる組合には調査員を派しまして、果してどういうふうになっているかということを逐一調査さしております。そして、もしそういう疑いがかりにあるとすれば、こういう点はあまりよくないのじゃないかというようなことを実際に指導していっております。とにかく乳の需要がうんとふえつつあって、それに対して各社が非常に猛烈な競争をしておりますから、どうしても商売上相当行き過ぎが各方面に出てくるのはやむを得ないのだろうと思います。しかしやむを得ないというなりでほっておくわけにはいかないので、行き過ぎたところは順次行政指導で直していくのがわれわれの勤めだと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/261
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262・芳賀貢
○芳賀委員 畜産局長の今の答弁ではまだ不勉強で、なかなか納得できないのです。これは行政指導の必要性を説いているけれども、今局長の言われた通り、昭和二十九年度は当委員会においては五度にわたってこの乳価問題を中心にして公取委員会の出席を求めたりして、たとえば内地府県においては森永、明治のごとき巨大な乳業資本がカルテル独占化の行為があるということを常にわれわれは指摘してきたのですが、いまだに処理が明確になっていないわけです。こちらから指摘されると、行政指導をそれまでにやっておかなければならぬというようなことを言っても、その間においては全然やってないということになる。そういうことを常に行政的な指導を与えておれば、独禁法違反なんという問題にはぶつからないで済むのじゃないかと思うわけですが、きょうはまだ局長も勉強が足らぬようですからして、明日は委員長から公取の委員長の出席を求めることになっているので、もう少し問題の内容を勉強してさておいて、必要な場合において自信のある発言をしてもらいたいと思う。なお委員長に申し上げますが、本法案に対しては、質問すればするほどいろいろな疑点が出て参るので、なかなかこれは質疑を尽すことはできませんけれども、同僚委員の質疑もまだ相当残っておりますので、私の質問はこの程度にとどめておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/262
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263・村松久義
○村松委員長 それでは本日はこの程度において散会いたします。
午後五時十五分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102405007X03319560425/263
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