1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十一年三月二十二日(木曜日)
午後二時二十二分開会
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委員の異動
三月十六日委員斎藤昇君及び佐藤清一
郎君辞任につき、その補欠として岡田
信次君及び石村幸作君を議長において
指名した。
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出席者は左の遜り。
委員長 田中 一君
理事
青柳 秀夫君
紅露 みつ君
白井 勇君
大倉 精一君
委員
小沢久太郎君
古池 信三君
西川彌平治君
笹森 順造君
白川 一雄君
最上 英子君
安部キミ子君
近藤 信一君
山田 節男君
島村 軍次君
市川 房枝君
政府委員
自治庁長官官房
会計課長 石渡猪太郎君
事務局側
常任委員会専門
員 池田 修藏君
説明員
自治庁財政部財
政課長 柴田 護君
会計検査院事務
総長 池田 直君
会計検査院事務
総局第一局長 大澤 實君
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本日の会議に付した案件
○本委員会の運営に関する件
○会計検査院法の一部を改正する法律
案(内閣提出)
○昭和二十九年度一般会計歳入歳出決
算(内閣提出)
○昭和二十九年度特別会計歳入歳出決
算(内閣提出)
○昭和二十九年度国税収納金整理資金
受払計算書(内閣提出)
○昭和二十九年度政府関係機関決算書
(内閣提出)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414103X01019560322/0
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001・田中一
○委員長(田中一君) ただいまから第十回決算委員会を開会いたします。
議題に入る前に報告申し上げたいことやお諮りいたしたいことがございます。
まず委員の変更を御報告いたします。
去る三月十六日には委員佐藤清一郎君、齊藤昇君の辞任に伴いまして、石村幸作君、岡田信次君が補欠として選任されました。
本日理事会において申し合せました事項は次の通りであります。
本日の委員会日程に関する件であります。これは別紙お手元に配付した通りであります。
次は、次回の委員会の日程に関する件でありますが、次回は三十九日午後一時から日本開発銀行関係、管財局関係、国有財産増減及び現在額総計算書外一件の審議を行います。
以上、理事会で申し合せた通り取り計らうことに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414103X01019560322/1
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002・田中一
○委員長(田中一君) 御異議ないと認めましてさよう取り計らうことにいたします。
次に付託中の案件についてはお手元に配付した報告書の通りでございます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414103X01019560322/2
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003・田中一
○委員長(田中一君) では本日の議題に入ることにいたします。
まず会計検査院法の一部を改正する法律案を議題といたします。
ただいま出席の方は、会計検査院事務総長池田君、小沢法規改善課長の両名でございます。
本日はまず検査院から本法案の内容について詳細な補足説明を聴取することにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414103X01019560322/3
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004・池田直
○説明員(池田直君) ただいま議題になっております会計検査院法の一部を改正する法律案につきまして、私から御説明を申し上げます。
今回会計検査院法の一部を改正するに至りました事由につきましては、先に内閣官房長官から一応御説明がありました通り、今回物品管理法案が別途提案されておりまして、新たにこの法案が成立するということになりますると、会計検査院法もこれに伴いまして改正する要がございましたので、会計検査院法の一部改正法案が提案された次第でございます。
会計検査院法の一部を改正する関係の条章につきましては、すでにお手元でごらんの通り、第十一条、第二十二条、第二十三条、第二十九条、第三十二条、それに付則ということになっておりまするので、便宜、委員長から詳細説明せよとのお話でございまするので、逐条的に御説明申し上げます。
まず院法第十一条の改正の関係でございます。院法第十一条は検査官会議で議決すべき事項を規定したものでございまして、同条の第六号は国の出納職員の弁償責任の検定、公社などの出納職員の弁償責任の検定などが検査官会議の議決事項である旨を規定いたしておりますが、今回物品管理法案の付則によりまして、予算執行職員等の責任に関する法律の一部が改正されましたので、公社等の現金出納職員の弁償責任と公社等の物品管理職員の弁償責任とが別個に規定されることになりました。新たに予算執行職員の弁償責任の関係の、予算執行職員等の責任に関する法律十一条が新設されることになりましたので、この新設されました十一条の規定による公社などの物品管理職員の弁償責任の検定及び再検定が検査官会議議決事項としなければならないので、会計検査院法十一条の今回の改正によりまして、これを検査官会議議決事項とするということを規定したものでございます。
〔委員長退席、理事青柳秀夫君着席〕
次に、会計検査院法第二十二条、第三十三条の改正につきまして御説明申し上げます。会計検査院法第二十二条は、会計検査院の検査しなければならない事項、すなわち必要検査事項を規定したものでございます。第二十三条は会計検査院が必要と認めるとき、または内閣から請求のあったときに会計検査院が検査をする事項、言いかえて申し上げますれば、任意検査事項ということにいたしておるのでございます。従来国の所有する物品は会計検査院の任意検査、事項となっておりました。すなわち会計検査院が必要と認めたときに検査をやるということに建前がなっておりました。このことは、国の所有する物品がその数が非常に膨大である。使用させることを目的とするもので、その管理の態様も物品につきましては区々である。こうしたことのために、会計検査院法では任意検査事項としておくのが適当と考えておった次第で、以上のように規定しておりました。しかし実際には昭和二十二年五月、国の所有する物品につきましては会計検査院の検査に付する旨の決定をいたしまして、現在検査をいたして参っております。今回これを法律上必要検査事項といたすことにいたしましたのは、物品管理法におきまして、政府が物品の増減及び現在額総計算書を作成いたしまして、会計検査院の検査を経て国会にこれを提出するということにいたしましたので、会計検査院法におきましてもこれを会計検査院の必要検査事項とすることが適当であると考えた次第で、二十二条並びに二十三条の改正をいたした次第でございます。
次に院法第二十九条の改正でございます。会計検査院法第二十九条は、会計検査院が決算検査報告に掲記しなければならない事項を規定したものでございます。今回の改正は、さきに述べました会計検査院法第十一条の改正と全く同趣旨の理由によりました改正でございまして、予算執行職員等の責任に関する法律第十一条が新たに設けられまして、公社などの物品管理職員の弁償責任の検定及び再検定を検査院が行うことになりましたので、その事項を検査報告掲記事項に加えるために改正をいたした次第であります。
次に院法第三十二条の改正につきまして御説明いたします。従来国の出納職員につきましては、現金の出納職員につきましても、物品の出納職員につきましても、会計法第四十一条、同じく第四十五条におきまして、善良なる管理者の注意を怠って、現金または物品を亡失毀損いたしました場合には、弁償の責任を免れることができない旨を規定いたしまして、院法第三十二条におきまして、出納職員の弁償につきましては会計検査院が検定する旨の規定をいたしていたのでございます。今回物品管理法案が制定されるのに伴いまして、会計法は現金の出納職員についてだけ規定し、物品の出納職員等につきましては、これを物品管理法に譲って規定することになりました。また弁償責任を課される職員の範囲、責任の要件につきましても改正が同時に行われることになりましたので、会計検査院法におきましてもこれに伴う改正を行う必要を生じた次第でございます。
以上、簡単でございまするが、これをもちまして私の説明といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414103X01019560322/4
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005・青柳秀夫
○理事(青柳秀夫君) それでは御質疑のある方は順次御発言をお願いいたします。
ちょっと速記をやめて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414103X01019560322/5
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006・青柳秀夫
○理事(青柳秀夫君) 速記をつけて下さい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414103X01019560322/6
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007・安部キミ子
○安部キミ子君 防衛庁の在庫品はこの管理法の対象になりますか。なるとすればその莫大な在庫数は検査院は確認しておられますか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414103X01019560322/7
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008・池田直
○説明員(池田直君) 今の御質問の防衛庁の膨大なる物品でございまするが、これは会計検査院の対象になると考えております。ごく細部の事項につきましては、あるいはいろいろ物品管理法の施行に伴いまして政令等ができきますので、多少あるいは違ってくる関係もできるかとも考えられないこともありませんが、大体検査院の検査の対象に全部なる、現在も検査を行なっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414103X01019560322/8
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009・安部キミ子
○安部キミ子君 それで第二の質問ですが、その莫大な在庫品は検査院は確認しておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414103X01019560322/9
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010・池田直
○説明員(池田直君) 現在できる限り検査を十二分に行いまして、確認いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414103X01019560322/10
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011・安部キミ子
○安部キミ子君 そのように確認しておられながら、防衛庁の在庫品についてはいろいろな不詳事件が起っているんですが、その点はどういう原因でそういうことになっているのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414103X01019560322/11
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012・池田直
○説明員(池田直君) 大へんごもっともな御意見に存じますが、会計検査院といたしましても十二分に検査は行なっておりまするが、やはりまあ各省にも相当の資材等もございます。あるいは機械等もございまするが、検査を検査院といたしましてはできる限り、現在の権限なり職員をもちましてやっているのでございまするが、やはり各省でも検査院の方で不正の、あるいは不当事項の防止ができないような状況に間々ありますのは遺憾でありまするが、防衛庁に関しましても、各省に関する事項と大体同じ意味合いにおきまして、会計検査院も十二分にそれを防止できない現況にあると、こうお答え申し上げねばならないかと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414103X01019560322/12
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013・安部キミ子
○安部キミ子君 そこで私が先日小郡の自衛隊を視察しましたときに、ちょうど雨の激しい最中でございましたが、その状況を見ますと、ジープだとかトラクターだとか、その他いろいろな機械類が雨ざらしになっている。何の雨よけの設備もなくてほったらかしてあるという感じを受けたのですが、こういうときに会計検査院は、あるものをただ調べて数を合わすということだけでなくて、そのような実態にあるということは、国の財産として非常に粗末な扱いだと思うのですが、そういう点についていろいろな注意とか、あるいはそれに対する処置とかをするために、進言か勧告かなさるようなことはありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414103X01019560322/13
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014・池田直
○説明員(池田直君) 役所の管理いたしておりますジープとかトラクターとか、そういった装備品の管理についての御意見でございまするが、会計検査院といたしましても、まあ一時は特に金よりも物が大事な時代でありましたので、物品の管理ということにつきましては始終検査の際目を配っております。それで従来も管理が悪かったために、非常に木材等につきましては——これは自衛隊ではありませんが、品質が非常に悪くなった、国に損害を及ぼしたということで検査報告などに掲げたことがございます。そういうような意味合いにおきまして、自衛隊のものにつきましても、今のお示しの通り相当膨大なものがございますので、非常に注意はいたしております。
ただ小郡のことにつきまして警告を、注意をいたしたかどうかは、私ちょっと役所でなお調べてみなければわかりませんが、管理が悪いような場合は、当然これは注意をいたさなければならぬと思います。ただ私も一度そうした場面を目撃したことはございまするが、貨物廠ではいろいろの、ジープ、トラクターその他の膨大なるものが受け払いされて管理されておりまするが、着いたばかりとか、あるいはこれから出すようになっているものとか、そうしたものばかりでなくて、一時に納められた関係でよく雨ざらしなんかになっておることがあります。倉庫その他が必ずしも完備していない関係等とも相待ちましてちょいちょい遺憾な点があるように考えておりますが、この点今お示しの通りのことで、十分検査院も検査をいたしておるつもりでございますが、なお、さらに注意いたしますが、今の件につきましては、私役所へ帰りまして、なお一つ調査いたしましてからお答え申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414103X01019560322/14
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015・安部キミ子
○安部キミ子君 私はたまたまこの間の視察の途中で小郡をたずねて、そういうことを目撃したのですけれども、あの一事から推してみても、おそらく日本のたくさんの自衛隊にこういう現象があるのじゃないかと思うのです。そうでなければいろいろな、決算委員会が指摘されているような不要不急の品を買ったり、あるいはむだな金を使ったりということは起らないと思っております。そういう点でただ小郡を対象にしてあなたが調査なさるということよりも、自衛隊全体の管理というふうなことに十分御注意を払っていただきたい、こういうふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414103X01019560322/15
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016・池田直
○説明員(池田直君) ただいまの御趣旨よくわかりました。検査院といたしましても、ただいまお示しのような御趣旨で検査を十分今までにやらしておるつもりでございますが、なおさらに一そう徹底するようにいたしたいというように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414103X01019560322/16
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017・青柳秀夫
○理事(青柳秀夫君) 私から一つ御質問申し上げますが、会計検査院法の一部を改正する法律案は、御説明にもありましたように物品管理法ができますので、それに伴って改正される。そこでお伺いしたいのは、物品管理法案というものを制定する、これは今大蔵委員会にかかっているようでありますが、その趣旨は、結局やはり物品管理というものを適正にして、不正不当というようなことのないようにやっていこうという点にあるのだと思うのでありますが、それではこの物品管理法案というものを制定されるについて、全然会計検査院と関係なしにこの法案ができたのか、あるいは内容等についても、会計検査院の方といろいろ御協議があってできたものか、あるいは会計検査院の方から積極的に、今のでは困るから新しいものを作れというような御意思でこの法案が出てきたのか、その点についてのお話が伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414103X01019560322/17
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018・池田直
○説明員(池田直君) 物品管理法案が制定されました理由につきましては、ただいま青柳さんのお話の通り、物品の適正かつ効率的な供用その他良好な管理をはかるというのが、この物品管理法案ができました理由でございます。
なおこれができまするまでのいきさつにつきまして、会計検査院と大蔵省との関係でございまするが、御承知の通り物品会計規則が明治憲法の時代にできましたものでございますので、幾多今日まで不備な点も多かったので、決算委員会でもたびたび御指摘もあり、物品管理法の制定につきましてはすみやかに改善しろという強い御意見もありました。検査院といたしましても、御趣旨の点等もございまして、大蔵省に別に文書をもちまして要請したわけではございませんが、口頭をもちまして、機会あるごとに大蔵省に、物品会計の規則の整備につきましてすみやかに実現をみるように努力してほしいということは申しておりました。
なおこの物品管理法案が制定されるまでの事務的の関係でございまするが、大蔵省からも熱心に会計検査院に意見等を聞いてきまして、検査院といたしましても、この関係の担当者が進んで大蔵省の質問等に対しまして熱心に受け答えいたしまして、そうして物品管理法も現在ではこの程度の法案が一番よかろうというところに意見が大体一致してできております。
経過をざっと申し上げますと以上の通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414103X01019560322/18
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019・青柳秀夫
○理事(青柳秀夫君) ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕
〔理事青柳秀夫君退席、委員長着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414103X01019560322/19
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020・田中一
○委員長(田中一君) 速記をつけて。
では会計検査院法の一部を改正する法律案の審議は、一応きょうはこの程度にとどめておきます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414103X01019560322/20
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021・田中一
○委員長(田中一君) 次に、昭和二十九年度一般会計歳入歳出決算
昭和二十九年度特別会計歳入歳出決算
昭和二十九年度国税収納金整理資金受払計算書
昭和二十九年度政府関係機関決算書
国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査
を議題に供します。
まず自治庁の部を審議いたします。会計検査報告批難事項は第三十二号であります。本件に関し出席の方は、検査院大澤第一局長、柴田自治庁財政課長、石渡官房会計課長であります。
まず大澤第一局長から検査院側の説明を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414103X01019560322/21
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022・大澤實
○説明員(大澤實君) 検査報告の六十七ページに書いてあります「地方交付税交付金の交付が均衡を欠いたと認められるもの」というのについて御説明申し上げます。
御承知の通り、二十九年度の地方交付税は総額千二百五十六億でありまして、そのうち富裕な四都府県を除いた四十二道府県に交付された普通交付税が七百八十三億六千余万円でありますが、この交付は御承知の通り、人口数とか道路の面積とか、その他いろいろな各県県政の基準となる数値をもとにしまして、それに一定の金額をかけたりして計算いたしましたところの各道府県の基準財政収入額それから基準財政需要額、これを算出しまして、その不足額を算出しまして、そうしてこの七百八十三億をそれぞれ不足額に按分して各道府県に配付するということになっておるのでありますが、会計検査院におきまして、四十二道府県のうち、約八割に当る三十四道府県について、それぞれの数値を出したところの基礎となるいろいろな資料を点検いたしましたところが、ここに掲げてありますように、いろいろな数値の取り方の違い、あるいは数値は正しくとも、それの計算の違い、計算の集計の違い、その他いろいろな違いがありまして、三十四道府県、それぞれ全部にわたりまして計算の誤謬がありました。それをもとにして計算いたしますると、財源不足を過大に計上したと認められるものが、総額で二十四道府県、一億一千八百余万円、財源不足を過小に計上したと認められるものが十県で、四千六百余万円というような違いが出てきております。これは交付税の総額は国が当然支出の義務を負うのでありますから、こうした違いがありましても、国費の面から見ますれば余分に出したとかあるいは少く出したということにはならないのでありますが、出した金を各道府県に配分する場合には、当然総理府令に従いました配付基準によりまして正確に計算すべきであるものが、その計数のとり方のために、ある県は非常にたくさん交付税をもらっている結果になっている、ある県は少くもらっている結果になっているということになりまして、均衡を欠くことは総理府令にももとる、妥当なことではないと認めまして、ここに検査報告として掲げてある次第であります。
なお同じくこの特別会計から支出しておりますところの揮発油税の譲与金、これは各都道府県と五大市に、その道路面積に応じて配分することになっておるのでありますが、これもその通路面積の計算に違いがありまして、検査しました結果によりますと、道路面積を過大に計上したものが東京都外九府県で、その面積が四千五百万平米余、それから過小に計上したものが北海道外十三県一市、これが二百九十八万平米余というように道路面積が過大または過小に計算されておりまして、その結果、総額においての譲与金の金額は、国から出す金額は異同がなくても、各都道府県あるいは五大市の受け取る金額がそれぞれ違っている、こういう結果になっております。そのうち特にはなはだしいのは大阪と東京を見ましたところが、東京では過大に譲与されとた認められる金額が百二十八万円、大阪では同じく過大に譲与されたと認められる金額が一億七千七百万円ということになっておりまして、これは会計検査院から自治庁の方に照会しました結果、自治庁の方でそれぞれ減額して再配分してあるわけであります。
そのほかにこうした過大または過小と認められた分は、地方交付税の分も揮発油譲与金の分も合せまして、二十九年度において配分訂正できるものは訂正いたしましたが、そうでないものは三十年度のそれぞれの配付のときにそれぞれ訂正の処置をとって、処置は終っております。
以上、簡単でありますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414103X01019560322/22
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023・田中一
○委員長(田中一君) 次に自治庁側から説明を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414103X01019560322/23
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024・石渡猪太郎
○政府委員(石渡猪太郎君) ただいま検査院から御説明のありました昭和二十九年度地方交付税交付金及び揮発油税譲与金の交付額についての会計検査院の検査の結果、錯誤につきましてはただいま御指摘の通りでございまして、はなはだ遺憾に存じておる次第でございます。錯誤につきましては、地方交付税法第十九条第一項の規定によりまして、この昭和三十年度の普通交付税の決定の際に是正の措置をとったのでございますが、決定の間に合いませんものにつきましては、昭和三十一年度の普通交付税の決定の際に是正をすることにいたしておる次第でございます。また揮発油譲与税の錯誤につきましては、地方道路譲与税法第五条及び付則第三項の規定によりまして、今後譲与すべき地方道路譲与税譲与金におきまして是正の処置をとることにいたしております。
これらの錯誤を生じました原因といたしましては、補正係数の適用を誤るなど、算定方法の誤解に基くもの、それから算定に用いる台帳の整備が十分でないもの、単純な計数違いのもの等が考えられるのでありますが、自治庁といたしましては、これらの錯誤の絶滅を期しますために、算定の技術的な点について明確化をはかりまするとともに、算定資料の作成について、事前に各都道府県の主管課長会議並びに事務担当者説明会等を開催いたしまして、理解を得ることに努めますとともに、また資料を検収いたしますに当りましても、特に厳重な検討を加えて、誤まりのないように努めて参った次第でございます。また市町村部につきましては、都通府県に対し、算定の具体的注意事項を詳細に記載した市町村の地方交付税算定事務指導要領を作成いたしまして、これを都道府県の市町村に対する算定資料作成の指導に便するようにいたしておる次第でございます。なお、このほか自治庁といたしましては、極力地方公共団体の算定資料に関し実地調査等もいたしまして、市町村につきましては、都道府県に対しまして実地監査を行うように指示いたしておるのでございます。今後も以上申し述べました各般の措置を一そう励行いたしまして、錯誤を生じませんように努力をいたして参りたいと存ずる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414103X01019560322/24
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025・田中一
○委員長(田中一君) 御質疑のある方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414103X01019560322/25
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026・安部キミ子
○安部キミ子君 自治庁にお尋ねいたしますが、この交付金の国家財政及び地方財政に占める総額の地位ですね、それは大へん重要な役割を果しておると思うのでありますが、ただいま検査院から指摘がありましたように、またあなた方の一応の説明がありましたように、非常に多く見積って交付されている県と、それから過小に計上されている県とあると思うのです。このような——それがわずかの金額であればともかく、相当数の金額がこのように均衡を保たないということは、その算定の方式に何か間違いがあるのじゃないか、基本的にはどういう方針でそれを算定されたか、その理由を聞かしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414103X01019560322/26
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027・柴田護
○説明員(柴田護君) 交付税の計算間違いは毎年実はありまして、交付税法の規定によりまして、翌年度または翌翌年度において直して参っております。
それで、どういう理由で間違うのかということでございますが、計算をいたします場合に計算間違いが非常に多いわけでございます。どういうところで計算を間違えますかといいますと、先ほど会計課長から御説明申し上げましたように、算定方法の趣旨の理解の徹底を欠いている場合、あるいは計算をいたします場合に、軽卒な間違いで写し間違いをしたり、あるいは乗じたり割ったりいたします場合の計数を間違ったりといったようなものがあるのでありますが、そういうものがほとんどでございますが、前々会計検査院の方からは、趣旨を十分徹底させていないからさような間違いが起こるのじゃないか、それには交付税の算定方法をきめてから、実際に計算をして金額をきめますまでの間の時間が少いことはないか、通常は七月の二十日ごろに大体算定方法をきめまして、八月の中ごろに検収いたします。その間約三週間ばかりの時間がありますが、この二週間が短かすぎはせんかというようなおしかりを受け、また御注意を受けたのであります。昨年あたりからこの期間を延ばしまして、早く算定方法をきめまして、周知徹底をはかるということで、昨年あたりは三週間ばかりに延ばしておりまして、だんだん総体的には錯誤件数は減って参っているのでありますが、そういう間違いを起しますもとの実体的なものの中には、道路台帳が非常に不備でありまして、この道路台帳の不備に基く錯誤というものが相当ございます。これも台帳は逐次整備されておりますけれども、なおまだ不完全なものがございますので、こういうところに大きな錯誤の原因があろうかと私たちは考えております。またそれを是正するように努力をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414103X01019560322/27
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028・安部キミ子
○安部キミ子君 今あなたの説明を聞きますと、計算違いだというふうに、事務的なあやまちからこういう結果になったというような印象を受けますけれども、私は国会に出て、いろいろな代議士の動きとか、あるいは地方の県知事の動きというものをある程度知ることができました。そういう動きを見ていますと、たとえば与党側になっている代議士とかあるは大臣とか、それぞれ相当の地位にある人たちの動きによって地方の交付税が多く取られて、非常にそれが政治力があるとか何とかいうことによって、次の選挙運動の大きな材料になっているというようなこともしばしば聞いているし、一番顕著な例を引きますならば、私は山口県でありますが、山口県の代議士はその例としては最も顕著なものであると私は思います。そういうふうな事例も私はあると思うのですが、会計検査院はそういうことはあるとお思いになりますか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414103X01019560322/28
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029・大澤實
○説明員(大澤實君) お尋ねの件ですが、この交付税の中には普通交付税と特別交付税とあります。普通交付税の方は、先ほどちょっと御説明いしましたけれども、総理府令で非常に詳しく、どうして計算するかという計算の方式があるのであります。たとえば通路面積によって幾らあれするとか、児童数があれば児童の数に幾らかけるとか、こうしたものを積み上げた事務的な計数がまとまりまして、普通交付税の算定の基準となるところの財政不足額というものは算定されておりますので、普通交付税に関しては、私は今安部委員の仰せになるような点は介在する余地はないのではないかと思います。また事実検査いたしました結果のこの違いも、それぞれ道路台帳からの引き写しの違いとか、計算の違いというものでありまして、私たちの立場として、全然あるとかないとかいうことは申し上げかねますが、少くとも普通交付税の検査の結果としましては事務的な違いであろう、こう考えております。なお特別交付税の方は、いろいろな災害があるとか何とかいったことで出しておりますが、これに対してはそのときそのときで査定しておりますので、こうした計算の基礎となるところの算式というものがありませんので、われわれとしては当否を判定することがちょっと困難な状態になっている次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414103X01019560322/29
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030・安部キミ子
○安部キミ子君 地方の長官になる、たとえば知事さんとかいうふうな人たちの立場が保守系の立場とあるいは革新系の立場というふうに区別することができると思うので、大略的に見ますと、そういう見方で見ていきますと、こういう問題が割にはっきりしてくるというふうなことを私は考えておるのですが、そういうふうなことはありませんですか。たとえば自民系の知事さんの県にはたくさん交付税をやるというふうなことを、あなた方は一度もしたことはない、そういうお気持で一度も交付税の額を増したり減らしたりしたというふうなことをしたことがないと、こう自信を持って言われますかどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414103X01019560322/30
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031・柴田護
○説明員(柴田護君) さようなことは断じてございません。先ほど会計検査院の御説明の中に、普通交付税につきましてはこまかい計算基準があるが、特別交付税にははっきりしたものがないというお話でありましたが、特別交付税につきましても査定をいたしますのは、大体総額の二割程度のものでございます。あとはほとんど全部機械計算で計算いたします。従いまして、世間ではただいまおっしゃいましたような何か運動をすれば交付税がふえるといったようなことがまことしやかに伝えられておりまして、またまことしやかにさようなことを信じていろいろ陳情に見える向きもございます。ございますが、これにつきましては、交付税が地方財政平衡交付金でありました時代から今日までかってそのようなことはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414103X01019560322/31
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032・安部キミ子
○安部キミ子君 私は率直に、山口県の例を引きますが、皆さんも御承知のように、佐波郡の出雲村の例の災害の交付金ですね、あれは特別交付税になると思うのですが、あの問題について地方の人は何と言うかと申しますと、ある代議士のおかげで一つの村に何億という金がとられた、これは何々代議士に投票したおかげであるというふうなことが県民一般に信じられていて、何回選挙しても何々代議士でなければ県のためにもわれわれのためにもならないんだというふうな印象を受けておるし、また素朴な地方民はそういうふうに信じておるのでありますから、この出雲村の問題につきましも、会計検査院が指摘されて、そうしてこの国会でも問題になっておりながら、結果とすればそういうふうな間違ったいき方も何でもないことだ、これがいわゆる代議士の政治力のえらさだというふうに考ているのです。そういう点についてあなた方はその責任をどういうふうに考えておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414103X01019560322/32
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033・柴田護
○説明員(柴田護君) 御指摘のお話は、災害の国庫補助金じゃないかと思います。交付税につきましても、災害につきましては、財政収入の不足部分を補てんしたり、あるいは災害によります特別財政需要を見て参っておりますけれども、交付税に関しまして一村に億をこすような金がいった覚えはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414103X01019560322/33
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034・安部キミ子
○安部キミ子君 そうしますと、八月の中旬ごろまでに自治庁では大体原案ができると、こういうふうにおしゃいましたが、それ以後においてこの金額が多くなったり少くなったりということはありまんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414103X01019560322/34
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035・柴田護
○説明員(柴田護君) さようなことはございません。通常の場合は八月三十日におきまして、八月中におきまして普通交付税の額をきめます。それ以後におきまし交付税の総額がふえたり減ったりいたしました場合には、各地方団体別の配分額を変更いたしますが、これは昨年度のような例外の場合でございまして、通常の場合はございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414103X01019560322/35
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036・安部キミ子
○安部キミ子君 そうしますと、この自治庁のお話では、自治庁は正しくやっているのだと、こういうふうに釈明されているようだと思います。まあ一応それをすなをに受け入れたといたしまして、会計検査院の方で指摘しておられますところのあやまちを今後防止するために、自治庁は事前にどんなふうな指導をなさったのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414103X01019560322/36
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037・柴田護
○説明員(柴田護君) 数年来この問題は常々本院の委員会でも御叱正を受け、会計検査院からもいろいろおしかりを受け、また御鞭撻いただいておるわけでありますが、二、三年前から市町村分につきましては監査要領というものをこしらえまして、それによりまして県の職員に委任をいたしまして、検査をさせ、その結果の復命を待ちまして現地に自治庁の職員等が参りましてさらに再検査するという方法をとっております。それから県の方につきましては、会計検査院でもお調べを受けるかたわら、私どもの方でも実地につきまして計算をやっております。ただ問題の本質は、やはり計算方法というものをよく理解せしめるということがまあ一番大事なのでありまして、そのためには、先ほどちょっと申し上げましたように、計算方法を説明してから計算にかかるまでの間にある程度の時間的余裕を置くことが必要だ。去年は従来二週間のやつを三週間に延ばしたのでありますが、ことしもなるべく早く計算方法を明らかにして、そういたしまして計算に間違いないように、つまり検査をする期間を与える、期間を持ちたい、こういうふうに考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414103X01019560322/37
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038・安部キミ子
○安部キミ子君 それであなたの方では万全を期して交付しておられるけれども、このような間違いが起きたことについて、その事後の審査ですね、自分たちが与えた金がどのように正しく使われたかという審査は、どういうふうな検査をしておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414103X01019560322/38
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039・柴田護
○説明員(柴田護君) この金は何に使ってもいい金でございます。地方へ国から出す金でございますし、国の国税三税の一定部分でございますが、その実体は地方団体の一般の税金と変らない、つまり一般財源でございますので、その使途につきましてはこれは検査をする筋はございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414103X01019560322/39
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040・安部キミ子
○安部キミ子君 使途でなしに、知事がそれを交付しますね。しましてもこのように不当事項としてあげられているわけですね。そのあげられた事項についてあなたの方で検査しておられるでしょう、どういうふうに検査をしておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414103X01019560322/40
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041・柴田護
○説明員(柴田護君) 会計検査院の御指摘を受けました部分につきましては、さらにその御指摘に基きましてもう一ぺんその算定資料を見直します。そうして誤まりが確認されたものにつきましては、その誤まりの原因をつきとめて、そうしてその翌年あるいは金翌年において直していくわけであります。それでもしその誤まりが虚偽もしくは作為のものであります場合におきましては、地方交付税法第十九条の第三項の規定を適用するわけでございますが、その適用の場合は現在までまだございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414103X01019560322/41
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042・田中一
○委員長(田中一君) ちょっと私から伺いますが、字句の書き写しの間違いとか、そろばん違いなんということは、はなはだ無責任きわまるものなんです。あなたの下僚の職員が、こういうものを年々やっておる熟練者が、そういう答弁は答弁にならぬと思うのですがね。これは人間ですから間違いはあるでしょうけれども、これだけのものが全部その書き写しの間違いとか計算の違いとかいうことで、答弁らしい答弁じゃないと思うのですがね、実際にそういうような能力のない職員を使っておるのですか、自治庁は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414103X01019560322/42
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043・柴田護
○説明員(柴田護君) この交付税の計算は、計算をいたしますのは各地方団体でございます。各地方団体が計算をいたしましたものを、自治庁におきましてこれを検修し検査するわけでございます。検査をする際に単純な、おっしゃるような単純な計算間違い等のものにつきまして発見できるものもございます。ところがその基礎になりますところのデータを、たとえば指定統計によっておるとかあるいは道路台帳によっておるとかいったものにつきましては、台帳までかついでくるわけには参りませんので、そういうようなものは遺憾ながら私たちの方では間違いが発見できない。検査院では現地につきまして台帳と実数とを照らし合されたり、あるいはその指定統計と現実とを照らし合せたりというようなことをやって参るわけであります。またそのために台帳が整備されあるいは統計も整備されていくという反面の効果も非常に上っておるわけであります。ここ数年来、そういう台帳の整備というものは現実に非常に進んでおる。私たちにももちろん検収いたします場合見誤りと申しますか、間違いが、当然発見すべき間違いを発見しなかったというようなものもございます。御指摘のように、長年そういう検収事務に従事しておりながらその誤りを発見できなかったかと言われますれば、まことに申しわけないのでございますけれども、そういうような発見できない部分も相当あると、発見できる部分につきましても、逐次件数は減って参っておりますけれども、なお見落しがあるというような実情でございます。まあその点につきましては今後とも十分注意いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414103X01019560322/43
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044・田中一
○委員長(田中一君) 会計検査院は、毎年毎年こういうものがありましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414103X01019560322/44
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045・大澤實
○説明員(大澤實君) この地方交付税交付金の前身といいますか、前に平衡交付金を出しております当時からありまして、これは二十八年の検査報告にも、たしか二十七年度の検査報告にも掲げてあったと記憶いたしております。大体調べてみますと、まあ相当間違いがあることはここに書いてある通りであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414103X01019560322/45
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046・田中一
○委員長(田中一君) そうすると自治庁に伺いますが、地方から自分の方でもらい分というものですね、これがもらい分でございますと資料が出て、それによってあなたの方でチェックして額をきめるという方針をとっているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414103X01019560322/46
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047・柴田護
○説明員(柴田護君) これは法律並びに総理府令によりまして算定方法がきまっております。その算定方法によりまして一銭一厘間違なく地方団体で計算して送って参ります。それをもう一ぺんその基礎に基いて、正しい計算を行なっているかどうかということをわれわれの方で実際に額をきめます前に一ぺん検査するわけであります。そういう方法によっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414103X01019560322/47
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048・田中一
○委員長(田中一君) そうしますと会計検査院が間違いをしでかしているということになるのですね。地方から出している資料というものを立証する基準がありながら、それを間違って判定を下すということになると、自治庁の、ほかの役所の間違いを会計検査院でまた間違って判定するということになる形ですね。結局、あなたの方でその間違いを指摘し、正しいものを求めるということが間違っているということになると、一体何を信用していいかわからなくなってくるのですがね、その点になってくると何を基準にしてやるかということですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414103X01019560322/48
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049・柴田護
○説明員(柴田護君) 御質問の趣旨が実はよくわかりませんが、地方団体で計算をする、計算をする場合の計算の方法、あるいは計算に用うべき数値というものは、どういうものをとるかということは、法律にもきまっておりますし、総理府令にもきまっております。その総理府令にきまっておるものの数値に間違いがあるものもあるし、あるいは正しいつもりで書いたものが間違っている場合もあるわけであります。それを私たちの方で、自治庁で検収をいたします場合に一応チェックをいたします。そのチェックでひっかかったものは全部その際に直しております。従いまして、ここに指摘されております間違い以外にまだあるわけでございます。それはそれぞれ私たちの方でその場で検収して直しまして計算しておるわけであります。ここに指摘されましたのは、その際に誤りの発見できなかった、あるいは発見されたものも発見しておりまして、あとで直すように、つまり交付税の額をきめましたあとにおいてわれわれの方で発見したもので検査院で指摘されたものもあるわけでございますが、そのわれわれの方で一応誤まりがないと考えましたものにつきまして、主としてはそういうものにつきまして、検査院が現地について調べられて、そして現地について数値を突き合されて、たとえば、道路でいいますならば道路台帳の道路面積が幾ら、ところがその道路面積の、道路台帳に載っております面積その算定の基礎になった道路というものはこれこれだ、そのこれこれの幅員が現地に行ってみますと違っておったと、そういうものもあるわけでございます。そういうものも一々全部調べられて誤まりとして指摘をいただいておるわけであります。従って検査院が別に誤まった検査をするということには私はならぬのじゃないかと思います。むしろこういう検査をしていただくことによりまして、交付税の計算というものがより正確になっていくと、また特に台帳などの面におきましては、台帳等の整備というものが非常にいい結果をもたらす。私ども自身につきましては、もちろんその誤ったものを正しい姿に直すように、検収いたします場合に努力をもちろんいたしますけれども、かたがたこういうふうな指摘をされましたことによりまして、そういった効果もあろうかというふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414103X01019560322/49
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050・田中一
○委員長(田中一君) 会計検査院に伺います。そうすると自治庁は、地方からきた申請と申しますか、そういうものを一々現地について調べればこういう間違いがなくなるということは言えませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414103X01019560322/50
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051・大澤實
○説明員(大澤實君) 私、ただいま委員長おっしゃられる通りに、むしろ自治庁において、少くとも道府県分は実地にそれぞれ行かれまして当られればこうした間違いがないのではないか。たとえば、会計検査院では約十名の職員が、こればっかりじゃありませんですが、担当いたしまして、一年間に大体三十四道府県やっております。これ専門にそれぞれの職員が当られれば精密な計算ができるのじゃないか。そうすればその方でどんどん是正ができていくのではないか、こう考える次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414103X01019560322/51
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052・田中一
○委員長(田中一君) では自治庁の方では、今、会計検査院が言っているような間違いを是正する方法を本年度からとるつもりですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414103X01019560322/52
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053・柴田護
○説明員(柴田護君) 従来もやっておりますけれども、会計検査院からのそういうお話もありまして、本年度からは相当身を入れてやりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414103X01019560322/53
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054・田中一
○委員長(田中一君) それで人員は、職員は足りるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414103X01019560322/54
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055・柴田護
○説明員(柴田護君) 現在の職員をもっていたしましては必ずしも十分とは言えません、正直な話を申し上げまして。しかしながら、乏しい職員の間におきましても、仕事が仕事でありますので、何とかやり繰りいたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414103X01019560322/55
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056・青柳秀夫
○青柳秀夫君 ちょっとお伺いしますが、会計検査院の報告によりますと、四十二都道府県のうち、会計検査院で実地検査されたのは三十四府県だ、この三十四府県全部が間違っていた。あるいは過大なものもあるし過小なものもあるが、三十四府県全部が間違っていた。そうなればこの残りの、四十二都道府県のうち三十四だけ会計検査院の方が実地をやられたのでありますから、八道府県というものが残っているわけです。これはどういうふうに今なっているか、自治庁からの御説明を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414103X01019560322/56
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057・柴田護
○説明員(柴田護君) 検査院の決定以外におきまして、検査院の指摘されました府県以外につきまして私の方で調べました結果、錯誤を発見いたしましたのが四県ございます。そのほかの県につきましては、私たちの方の検収では錯誤なしということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414103X01019560322/57
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058・青柳秀夫
○青柳秀夫君 そうしますと、会計検査院では、検査された県全部が間違っていた、自治庁では残りの八つをされたうちまあ五〇%、四つだけが間違っていて、四つはよかったということになるけれども、それで間違いないというふうに会計検査院ではお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414103X01019560322/58
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059・大澤實
○説明員(大澤實君) われわれが検査していないところの県のことでありますから何とも申し上げかねますが、類推解釈をしますれば、行ったところ多少間違いがあるので、あるいは精密に調べていったら、それも検査して、調べれば間違いがあったのじゃないかという想像はつきます。しかし、これは何ともはっきりしたお答えはいたしかねます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414103X01019560322/59
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060・青柳秀夫
○青柳秀夫君 これは誤りを摘発するという意味じゃないのでありますけれども、国の権威としても、やはり三十四をやられたのが全部間違っていたという場合に、残りの八つがやや疑問でそのままになっているということは不徹底じゃないかと思う。これはあとからでもいいから自治庁とも御協力になって、自治庁の方で御検査になっているのですから、これは疑うわけではありませんけれども、しかしこういうことははっきりした方が全体の行政といいますか、まああれが安心できると思うのでありまして、このままにされておくということは、やや私まあ非常に自信が自分ではないのでありますが、このままにされる気であるかどうか、会計検査院に伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414103X01019560322/60
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061・大澤實
○説明員(大澤實君) 従来は一年間に見るのは全部見られませんので、計画としましては二年分を、たとえば今年半分見たとすれば、来年見るところは過去にもうすでに終ってしまった分も合せまして見ている次第であります。この検査報告には二十九年度分の間違いだけが書いてあるのでありまするが、この、ここにあげてある県の中に二十八年度分を検査してなかったものは、今度のこれと合せて検査した次第でありまして、その分には相当誤まりがありましたのですが、この分は二十八年度分は決算を確認しておりましたので、今さら検査報告に書くのはどうかと思いまして削除はしてあります。その方は誤まりがあります。将来としましても、ある県を見なかったならば、翌年に行ったならばその年度の分も合せて見ていこう、こういう方針はまあ考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414103X01019560322/61
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062・青柳秀夫
○青柳秀夫君 だんだん交付金というようなものが増額になって、三十一年度ではまあ全体では千六百二十七億と非常にまあ予算の上からいっても重要性があるわけでありまして、これは適正に法の定むるところによって合理的に分配されなければならぬと思いまするので、まあ自治庁において、先ほど柴田さんから徹底的におやりになるというので安心でありますけれども、一つ会計検査院ともさらに御連絡になって、はっきり軌道に乗って、もう間違いないというときがくればいいのですけれども、こんな報告だと、全部が間違っていたというようなことになると、残りの八つの県も間違っているのではないか、これはまあ指導の上からもはっきり間違いを改められた方がいいと思いまして、何とか差し繰りされてこうはっきりしていただきたい。また後の機会にこれを報告していただきたいという希望を述べまして、質問を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414103X01019560322/62
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063・田中一
○委員長(田中一君) これはこの問題につきましては、今日はだいぶ出席も少いから、次回までこの審議を延ばそうと思います。
もう一つ自治庁に伺いたいのですが、これは別の問題ですが、三十一年度の政令第十三号で地方財政再建促進特別措置法施行令の一部を改正する政令を出しておりますが、この政令によって、三十年度の公共事業費が大幅に削減されるという府県は何府県ぐらいありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414103X01019560322/63
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064・柴田護
○説明員(柴田護君) 今、再建計画を、再建団体になっている、つまり再建促進特別措置法の適用を受けたいという県は、申し込みをいたしております県は大体四県ぐらいあります。これの再建計画はまだできておりません。現在再建計画をいろいろ検討中でございますので、そういう県におきまして公共事業費をどれくらい押えるかという計数は出ておりません。はっきりとはわかりませんけれども、そういった再建促進特別措置法の適用を受けます県におきましては、ある程度公共事業費を圧縮するということが行われるだろうと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414103X01019560322/64
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065・田中一
○委員長(田中一君) 私が調べてみますと、大体災害のなかった県は、前年度よりも相当大幅に減らすと、二割程度に圧縮される府県が多いと思うのです。八割が圧縮されるというようなはなはだしい県もあるのじゃないかと思います。これはまあ決算委員会の問題じゃありませんけれども、この問題についてこの政令が四月一日から施行されて、四十六都道府県がどのような形になるかということを資料としてお出し願いたいと思うのですが……。
ではほかに質問がございませんので、自治庁の審議は次回まで継続いたします。
本日はこれをもって散会いたします。
午後三時四十六分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414103X01019560322/65
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