1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十一年三月十五日(木曜日)
午前十時三十六分開会
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委員の異動
三月十三日委員小沢久太郎君辞任につ
き、その補欠として岡田信次君を議長
において指名した。
三月十四日委員鶴見祐輔君及び岡田信
次君辞任につき、その補欠として斎藤
昇君及び小沢久太郎君を議長において
指名した。
本日委員酒井利雄君及び永井純一郎君
辞任につき、その補欠として伊能芳雄
君及び小笠原二三男君を議長において
指名した。
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出席者は左の通り。
委員長 赤木 正雄君
理事
石井 桂君
小沢久太郎君
近藤 信一君
委員
伊能繁次郎君
伊能 芳雄君
石川 榮一君
入交 太藏君
斎藤 昇君
西岡 ハル君
武藤 常介君
小笠原二三男君
田中 一君
北 勝太郎君
村上 義一君
衆議院議員
田中 角榮君
国務大臣
建 設 大 臣 馬場 元治君
政府委員
建設省計画局長 町田 稔君
建設省道路局長 富樫 凱一君
建設省住宅局長 鎌田 隆男君
事務局側
常任委員会専門
員 武井 篤君
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本日の会議に付した案件
○理事の補欠互選
○住宅金融公庫法の一部を改正する法
律案(内閣提出、衆議院送付)
○都市公園法案(内閣提出)
○地代家賃統制令の一部を改正する法
律案(内閣送付、予備審査)
○積雪寒冷特別地域における道路交通
の確保に関する特別措置法案(衆議
院送付、予備審査)
○建設事業並びに建設諸計画に関する
調査の件(盛岡、大曲間の道路に関
する件)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/0
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001・赤木正雄
○委員長(赤木正雄君) ただいまから委員会を開会いたします。
委員変更の件を御報告いたします。
三月十三日に小沢久太郎君が辞任され、その補欠として岡田信次君が指名され、三月十四日鶴見祐輔君及び岡田信次君が辞任され、それぞれその補欠として斎藤昇君及び小津久太郎君が指名されました。また本日酒井利雄君が秤任せられ、伊能芳雄君が補欠として指名されました。
お諮りいたします。委員変更に伴い、理事一名が欠員になっております。この際理事補欠互選を行いたいと存じます。御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/1
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002・赤木正雄
○委員長(赤木正雄君) 御異議ないと認めます。
つきましては、この補欠互選の方法は、成規の手続を省略いたしまして、委員長の指名によることに御一任いただきたいと存じます。御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/2
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003・赤木正雄
○委員長(赤木正雄君) 御異議ないと認めます。
それでは私から理事に小沢久太郎君を指名いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/3
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004・赤木正雄
○委員長(赤木正雄君) 住宅金融公庫法の一部を改正する法律案を議題に供します。
本案は一昨日質疑を終了いたしております。これから討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにして、お述べを願います。
討論を省略いたしまして、採決することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/4
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005・赤木正雄
○委員長(赤木正雄君) では、これから採決を行います。
住宅金融公庫法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/5
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006・赤木正雄
○委員長(赤木正雄君) 全会一致であります。よって本案は、全会一致をもって、可決すべきものと決定いたしました。
なお、本院規則第百四条による本会議における旦頭報告の内容、第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成、その他自後の手続につきましては、慣例によりましてこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議はございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/6
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007・赤木正雄
○委員長(赤木正雄君) 御異議ないものと認めます。よってさように決定いたしました。
それから報告書には多数意見者の署名を付することになっておりますが、本案を可とされた方は順次御署名を願います。
多数意見者署名
北勝 太郎 武藤 常介
西岡 ハル 村上 義一
近藤 信一 石井 桂
石川 榮一 伊能 芳雄
斎藤 昇 入交 太藏
田中 一 小津久太郎
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/7
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008・赤木正雄
○委員長(赤木正雄君) 次に、多少順序は変更するかもしれませんが、都市公園法を議題に供します。
まず、提案理由の御説明を政府からお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/8
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009・馬場元治
○国務大臣(馬場元治君) ただいま提案になりました都市公園法案につきまして、提案の理由とその要旨を御説明申し上げます。
従来、営造物である公園に関する法制としては、明治六年太政官布告第十六号のほかは、わずかに都市計画法及び土地区画整理法にその建設に関する規定が散在するにすぎず、これが管理に関する法制は全く存在しなかったのであります。その結果、公園の管理の適切を欠くものが多く、あるいは荒廃し、あるいは壊滅した公園も少くない状況であります。
このような事態に対処するため、公園の規制に関する法律の制定が長年にわたり各方面から要望されておりましたので、ここに都市公園の設置及び管理に関する基準等を定めて都市公園の健全な発達をはかり、もって公共の福祉の増進に資するため、本法案を提案することといたしました次第であります。
以上が本法案の提案理由でありますが、次に本法案の要旨につきまして簡単に御説明申し上げます。
第一に、本法は市街地の住民のための公園を規制の対象といたしまして、その範囲を都市計画区域内において地方公共団体が設置する公園もしくは緑地または都市計画の施設である公園もしくは緑地で地方公共団体が設置するものとしたのであります。
第二に、公園は本来屋外における休息、観賞、散歩、遊戯、運動等を行う場所でありますので、公園施設として設けられる建築物の建蔽率を限定したのであります。
第三に、公園の管理が乱れる最も大きな原因は、公園の効用を阻害する工作物等によって公園が占用されることにありますので、これらの工作物等による都市公園の占用は、一定の要件を満たさない限り、許されないものとしたのであります。
第四に、公園管理者である地方公共団体に対して、法令違反者等に対する監督処分の権限を付与してこの法難の実効を確保することといたしたのであります。
第五に、わが国の人口一人当りの都市公園の面積は諸外国に比較してきわめて狭く、かつ、都市公園は一たび廃止されますとこれにかわるべき都市公園を建設することは容易でありませんので、公園管理者は、公益上特別の必要がある場合または廃止されるべき都市公園にかわるべき都市公園が設置される場合のほか、みだりに都市公園の全部または一部を廃止してはならないこととしたのであります。
第六に、都市公園の使用関係を私法上の契約にまかせておきますと、とかくその関係が不明確になりがちでありますので、都公市園を構成する土地物件については、私権の行使を制限することといたしたのであります。
以上が都市公園法案の提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/9
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010・赤木正雄
○委員長(赤木正雄君) この法案は参議院が先議になっています。従って、引き続き、本案の内容の詳細の説明を、政府委員からお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/10
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011・町田稔
○政府委員(町田稔君) ただいま御提案になりました都市公園法案につきまして、逐条的に御説明を申し上げたいと存じます。
第一条は、この法律の目的を規定いたしたものでございます。この法律は、都市公園の健全な発達をはかって公共の福祉の増進に資するため、都市公園の設置及び管理に関する基準等を定めることを目的といたしたものであります。
第二条は、本法にいう郡市公園と公園施設の定義を明らかにしたものでございます。都市公園とは、都市計画区域内において地方公共団体が設置する公園もしくは緑地または都市計画の施設である公園もしくは緑地で地方公共団体が設置するものをいい、それらの地方公共団体がこれに設ける公園施設をも含みます。都市計画区域内に設けた公園と都市計画の施設である公園とは重復するようでありますが、都市計画区域外においても都市計画事業が執行される場合がございますので、このように規定したわけでございます。
次に、公園施設とは、都市公園の効用を全うするために当該都市公園に設けられる第二項各号に掲げる施設をいいます。だれが設けるかということは問わないのでございます。また第二項各号に掲げる施設であっても、都市公園の効用を全うするためのものでないものは、公園施設には含まれません。
第三項は、都市公園及び公園施設と国立公園計画等に培いて設けられる施設との関係を明らかにしたものでございます。国立公園計画等に基いて設けられる施設は、都市公園または公園施設に含まれないことといたしました。
第三条は、都市公園の設置基準を定めたものであります。都市公園の設置は、合理的な配置及び規模のもとに行われることが好ましいので、地方公共団体が都市公園を設置するときは、政令で定める都市公園の配置及び規模に関する技術的基準に適合するように行うものとしたのであります。なお、本条の政令におきましては、それぞれの都市公園の稲類について、その利用者の誘致距離等の標準や面積の標準を定める予定にいたしております。
第四条は、公園施設の設置基準を定めたものであります。公園は本来屋外において散歩、観賞等のリクリエーションを行う場所でありますので、原則として建蔽されないことを建前とすべきでありまして、本条におきましては建築物である公園施設の建蔽率を原則として百分の二といたしました。ただし動物園を設ける場合等特例の場合もありますので、政令で例外を定め穫ることといたしました。
第二項では、第一項に定めるもののほか、公園施設の設置基準を政令で定めることといたしましたので、本項の政令におきましては、それぞれの都市公園の種数ごとにその公園に設けることを適当とする公園施設について定めることを規定いたしております。
第五条は、公園管理者以外の者が公園施設を設けまたは管理する場合について規定しております。公園管理者は、売店その他特殊な公園施設で、みずから設けまたはみずから管理することが不適当または困難であると認められるものに限り、公園管理者以外の者に当該公園施設を設けまたは管理させることができることにいたしていますが、その場合には、その公園施設を設けまたは管理しようとする者は、公園管理者の許可を受けなければならないことになっております。また、あまりにも長期にわたって同一の者に公園施設を設けさしたり管理さしたりすることは、諸種の弊害の生ずることも予想され好ましくありませんので、その期間を一応十年とするということにいたしました。ただし、この更新を妨げるものではありません。
第六条は、公園施設以外の工作物その他の物件または施設による都市公園の占用の許可について規定いたしました。都市公園の管理が乱れる最も大きな原因は、これらの工作物その他の物件または施設によって都市公園が占用されることにありますので……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/11
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012・赤木正雄
○委員長(赤木正雄君) この法案が入っていないのですが。これはこの中に都市公園法案とあるけれども……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/12
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013・町田稔
○政府委員(町田稔君) 失礼いたしました。今お配りいたしますから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/13
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014・赤木正雄
○委員長(赤木正雄君) それでは局長、引き続いて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/14
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015・町田稔
○政府委員(町田稔君) 第六条の説明からさせていただきます。第六条は、公園施設以外の工作物その他の物件または施設による都市公園の占用の許可について規定をいたしました。都市公園の管理が乱れる最も大きな原因は、これらの工作物その他の物件または施設によって都市公園が占用されることにありますので、第一項は、これらの工作物その他の物件または施設を設けて、都市公園を占用しようとする者は公園管理者の許可を受けなければならない旨、規定いたしたのでございます。第二項は、許可の申請は申請書による旨及びその記載事項を、第三項は、許可事項の一部変更について規定いたしました。第四項は、占用期間の最長を十年をこえない範囲において政令で定める期間といたしました。
第七条は、都市公園の占用の許可基準を定めたものであります。占用の許可は、工作物その他の物件または施設が本条各号に掲げるものに該当するとともに、その占用が公衆の都市公園の利用に著しい支障を及ぼさず、かつ必要やむを得ないと認められるものであって、政令に定める基準に適合する場合のほかは与えない方針であります。なお本条に基く政令におきましては、たとえば地下埋設物を設ける場合においては土かぶりを幾らにしなければならないというような、技術的基準を定める予定にいたしております。
第八条は、公園管理者は第五条または第六条に基いてする許可に都市公園の管理のため必要な条件を付することができる旨を規定したものであります。ここに条件とは付款のことでございます。
第九条は、郵便その他国の行う事業または日本国有鉄道等の行う事業のため、第七条各号に掲げる工作物その他の物件または施設を設けて都市公園を占用する場合にも、これらの事業を行う者が公園管理者の許可を得なければならないとすることは実情に即しませんので、このような場合には、これらの事業を行う者と公園管理者との協議が成立することをもって公園管理者の許可があったものとみなすこととしたのであります。
第十条は、公園施設の設置もしくは管理または都市公園の占用の許可を受けた者の原状回復義務を規定したものであります。公園施設の設置もしくは管理または都市公園の占用の許可を受けた者は、その期間が満了した場合またはそれらの設置、管理もしくは占用を廃止したときは、直ちに都市公園を原状に回復しなければなりません。ただし原状に回復することが不適当な場合はこの限りでありません。第二項は、公園管理者はこれらの者に対して、原状の回復または原状に回復することが不適当な場合の措置について必要な指示をすることができるとするものであります。
第十一条は、この法律の実効を確保するために、公園管理者に対して監督処分の権限を付与したものであります。第二項は、公園管理者が同項各号に掲げる違反者に対して、この法律の規定によってした許可の取り消しその他一定の処分をし、または行為または工事の中止等、一定の措置をとることを命ずることができるとするものであります。
第二項は、同項各号に掲げる公益上必要な場合には、公園管理者はこの法律の規定による許可を受けた者に対し、前項と同様の処分をしまたは措置をとることを命ずることができるとしたものであります。
第三項は、前二項の規定による処分をするときは、公園管理者は被処分者の利益擁護のため、あらかじめその者について聴聞を行わなければならないと規定いたした次第でございます。
第四項は、第一項または第二項の規定によって必要な措置を命じようとする場合において、その措置を命ぜられるべき者を確知することができないままに放置することは公益上著しい支障が生じますので、このような場合にはその措置をみずから行い、またはその命じた者もしくは委任した者に行わせることができるとしたのであります。ただし、この場合には相当の期限を定めて、その措置を行うべき旨、及びその期限までにその措置を行わないときは公園管理行またはその命じた者もしくはその委任した者がその措置を行う旨をあらかじめ公告しなければならないことにいたしております。
第十二条は、公益上必要な場合に、この法律による許可を受けた者に対して監督処分を行い、その結果被処分者が損失を受けたときは、公園管理者はその者に対して通常受けるべき損失を補償すべき旨を規定したものであります。この損失の補償については、両当事者が協議して定めるのが原則でありますが、この協議が成立しないときは、公開管理者は自己の見積った金額を損失を受けた者に支払わなければなりません。この場合にその金額に不服のある者は、当該金額の支払いを受けた日から三十日以内に収用委員会に裁決を申請することができます。
第四項は、損失補償を生じさせた公園管理者の監督処分が公園と関係のない公益上の理由によるものであるときは、公園管理者は当該補償金額を当該理由を生じさせた者に負担させることができることと定めたものであります。
第十三条は、公園管理者は、他の工事または他の行為によって必要を生じた都市公園に関する工事に要する費用については、その必要を生じた限度において、それらの工事または行為について費用を負担する者にその全部または一部を負担させるものとする規定であります。
第十四条第一項は、第十三条と逆の場合でありまして、公園に関する工事によって必要となった他の工事に要する費用は、一定の場合を除くほか、公園に関する工事の費用、負担する者がその全部または一部を負担しなければならないとするものであります。
第二項は、第一項の都市公園に関する工事がさらに他の工事によって必要となったものであるときは、公園管理者は、その原因となった工事または行為について費用を歓損する君にその全部または一部を負担させることができるとするものであります。
第十五条は、木法に基く義務を履行するために必要な費用は、この法律に特別の規定がある場合を除き、当該義務者が負担しなければならないとするもので、当然のことのようでありますが、この関係を明白にして義務の履行を確保したものであります。
わが国の都市公園の人口一人当りの面積は、諸外国に比較してきわめて狭く、また都市公園は一たび廃止しますと、これにかわる公園の建設がなかなか容易でありませんので、第十六条で、公園管理者は、公益上特別の必要がある場合または略止される都市公園にかわるべき都市公園が設置される場合のほか、みだりに都市公園の区域の全部または一部について都市公園を廃止してはならないことといたしたのでございます。
第十七条は、都市公園台帳について規定したものでありまして、公園管理者は建設省令で定めるところにより、都市公園台帳を作成しなければならないものとしたのであります。
第十八条は、この法律及びこの法律に基く命令で定めるもののほか、都市公園の設置及び管理に関する事項は条例で定めることを明らかにしたものであります。
第十九条は、国の補助金に関する規定でありまして、政令により補助卒等が定められることになっております。
第二十条は、都市公園行政の主管大臣たる建設大臣に対する報告義務及び建設大臣の報告または資料を要求する権限について規定いたしております。
第二十一条は、都市公園の行政または技術に関する勧告、助言または援助に関する規定でありまして、建設大臣は都道府県及び市町村に対し、都道府県知事は市町村に対し、これらのことを行うことができることといたしております。
第二十二条は、私権の制限に関する規定でありまして、道路法第三条の規定と同趣旨のものであります。都市公園の使用関係を私法上の契約にまかせておきますと、とかくその関係が不明確になりがちでありますので、「都市公園を構成する土地物件については、私権を行使することができない。」といたしまして、ただし所有権を移嘱し、または抵当権を設定し、もしくは移転することは差しつかえございません。
第二十三条は、公園予定地についての規定であります。いまだ都市公園としての供用を開始しない段階においても、その土地及びこれに設けられる施設等についてこの法律の規定によって規制しませんと、いざ公園を設置するというときに非常な支障を生ずることになりますので、地方公共団体が都市公園を設置すべき区域を決定し、その旨を報告した後は、その区域に都市公園が設置されるまでの間においても、地方公共団体が当該区域内の土地に所有権等の権限を取得した後においては、当該土地または当該土地に設けられる施設で公園施設となるべきものについて本法中一定の条項を準用して、その保護をはかることといたしました。なお、地方公共団体が都市公園を設置すべき区域を決定しようとするときは、あらかじめ当該地方公共団体の議会の議決を経なければならないことといたしております。
第十四条は、異議の申し立て及び訴願について規定いたしております。第一項各号に掲げる処分について不服のある者は、処分のあった日から三十日以内に、当該処分をした公園管理者である地方公共団体の長に異議の申し立てをすることができる。この異議の申し立てがあったときは、当該地方公共団体の長は、申し立てを受理した日から三十日以内に、文書をもって決定しなければならないことにいたしました。さらにこの決定に対して不服のある者は、決定の通知を受けた日から二十日以内に、建設大臣に訴願することができるのであります。
第二十五条は、第十一条の規定による公園管理者の監督命令に違反した者に対する罰則を定めたものであります。
第二十六条は、公園管理者以外の者の行う公園施設の設置及び監理に関する第五条の規定及び都市公園の占用に関する第六条の規定に違反した者に対する罰則を定めたものであります。
第二十七条は、法人の代表者または法人もしくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人または人の業務に関して前二条の違反行為をした場合における重罰規定を定めたものであります。
附則第一項は、この法律の施行日について規定したものであります。本法の施行については政令、省令の制定等、諸般の準備行為が必要でありますので、この法律の施行の日は公布の日から起算して六カ月をこえない範囲内で政令で定めることといたしました。
附則第二項は、本法の施行の際、すでに地方公共団体または地方公共団体の長が設置しまたは管理している公園または緑地で、都市計画区域内にあるものまたは都市計画の施設であるものは、本法施行の口において当該地方公共団体または当該地方公共団体の長の統括する地方公共団体が設置した都市公園となるものとしまして、以後本法の規制の対象とすることといたしました。
附則第三項は、既設公園の建蔽率についての経過措置を規定したものであります。従来は第四条第一項のような規定がありませんでしたので、既設公園の中には同条に規定した建蔽率を上回っているものもあるわけでありますが、これを直ちに第四条第一項に適合させることは適当でありませんので、これらの建築物は本法施行の日以後においてもなお存置することができるものとしたのであります。
附則第四項は、本法施行の際、公園管理者以外の者で現に権原に基いて公園施設を設けもしくは管理している者、またはそのために工事を行なっている者についての経過規定であります。それらの者は、その権原に基いてなお当該公園施設を設けまたは管理することができるものとされている期間、従前と同様の条件によって当該公園施設を設けまたは管理することについて第五条の許可を受けたものとみなして、以後本法によって規制していくことといたしたのであります。なお当該期間の最長限を第五条と合せまして、本法施行の日から十年間といたしました。
附則第五項は、本法施行の際現に権原に基いて第七条各号に掲げる工作物等によって公園を占用しまたはそのために工事を行なっている者についての経過規定であります。これらの者は、その権原に基いてなお当該公園を占用することができるものとされていた期間、従前と同様の条件によって当該公園を占用することについて第六条の許可を受けたものとみなし、以後本法によって規制していくことといたしました。なおこの場合の占用期間の最長限を第六条と合せて、十年以内で政令で定める期間といたしました。
従来は第二条とか第七条のような規定がありませんでしたので、公園に公園施設及び第七条各号に掲げる工作物以外の工作物等が設けられている場合があるわけでありますが、附則第六項は、本法施行の際これらの工作物等を設けて公園を占用しまたはそのために工事を行なっている者がある場合についての経過規定を定めたものであります。このような場合には、その者がその権原に基いてなお当該公園を占用することができるものとされている期間に限り、当該工作物等を第七条各号に掲げる工作物等とみなし、その者を第六条の規定によって許可を受けたものとすることといたしました。なおこの場合の占用期間の最長限を五年といたしました。
従来は私人による公園施設の設立及び管理並びに都市公園の占用の許可は短期間を限り行うのが例でありまして、必要に応じてこれを更新しておりましたので、附則第四項から附則第六項までの規定によって従来の権原による期間を短縮されることが原則としてはないと存じますが、例外的に長期にわたり占用期間等を認めるものもあるかと存じまして、附則第七項において、そのような者があった場合には、公園管理者はその短縮されたことによって通常受けるべき損失を補償すべきことといたしたのであります。
附則第八項は、前項の損失の補償について、両当事者間の協議、土地収用委員会の裁決の申請に関する第十二条第二項から第三項の規定を準用したのであります。
附則第九項は、地盤国有公園に関する経過措置を定めたものであります。従来明治六年太政官布告第十六号によって設置された公園または旧東京市区改正条例、震災復興に関する旧特別都市計画法、旧神官関係特別都市計画法もしくは震災復興に関する旧特別都市計画法によって生じた公園については、国が国有地盤を地方公共団体の長または地方公共団体をして公園の用に供していくのが多いのでありますが、本法の施行によってこれらの公園も地方公共団体が設置した都市公園となりますので、国はそれらの公園を構成する国有の土地物件を地方公共団体に対して、その公園が設置されている間、無償で貸し付けるべきものとしたのであります。なお、これらの土地の中には、公園と全然関係のないものの敷地となっておるものもありますので、これらの敷地は有償とすることといたしました。
附則第十項は、本法の施行に伴い建設省設置法の一部改正の規定でございます。
以上で大体各条についての御説明を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/15
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016・赤木正雄
○委員長(赤木正雄君) この法案の質疑は後に譲りまして、この際地代家賃統制令の一部を改正する法律案を議題とすることに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/16
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017・赤木正雄
○委員長(赤木正雄君) 御異議ないと認めます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/17
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018・赤木正雄
○委員長(赤木正雄君) 地代家質統制令の一部を改正する法律案を議題に供します。
まず、提案理由の御説明を政府からお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/18
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019・馬場元治
○国務大臣(馬場元治君) ただいま議題となりました地代家賃統制令の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。
地代家賃の統制は、御承知の通り、昭和十三年以来、戦後の混乱期に引き続き物価政策の一環として行われ、国民の住生活の安定に役立って参りましたが、昭和二十五年に至り、一般物価の安定とともに統制対象は大幅に縮小され、今日においては、主として昭和二十五年七月以前に建築した住宅とその敷地について統制されております。以上のように、地代家賃の統制は、住居費の安定に役立っておりますが、その反面、現行統制額が低水準に置かれているため、借家の老朽化、借家の再生産の阻害、借家敷地の減少等住宅対策上検討すべき問題を生じており、また統制の対象につきましても現在の社会的経済的情勢に即応するように荷検討をする必要が生じて参りました。
従いまして、この際、統制借家の修繕を促進させてその老朽化を防止するとともに、統制対象につきましては、現在の住宅事情、経済事情からいたしまして、これを必要農小限度にとどめ、統制令の適切かつ合理的な運営をはかる措置を講ずることとした次第であります。
以上がこの法律案を提案いたした理由でありますが、次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。
第一に、借家老朽化防止のための措置といたしまして、借家について大修繕を行なった場合には、都道府県知事の認可によって家賃の増額を認めることとし、借家の修繕を促進する道を開くことといたしました。
第二に、統制の適切な運営をはかるため、三十坪をこえる建物及びその敷地、または三十坪をこえる賃借部分を統制の対象から除外し、統制対象を現下の国民生活の安定に必要なもののみにとどめることといたしました。
なお、現在では都道府県知事が地代家賃の統制額を増減額する際には、都道府県地代家賃審査会の意見を聞くことになっておりますが、今回の修繕促進の措置により認可件数が相当増加することも予想されますので、事務の簡素化、経費の節約のために、地代家賃審査会の諮問事項を整理いたしまして、この際これを簡素化することといたしました。
以上がこの法律案の提出の理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さるよう御願いする次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/19
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020・赤木正雄
○委員長(赤木正雄君) ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/20
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021・赤木正雄
○委員長(赤木正雄君) 速記を始めて。
積雪寒冷特別地域における道路交通の確保に関する特別措置法案、本案を議題に供します。
これはこの前の委員会で提案理由を伺いました。つきましては、各条について質疑に入りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/21
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022・田中一
○田中一君 道路局長の出席を求めたいのですが、道路局長と自治庁の交付金の方の……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/22
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023・赤木正雄
○委員長(赤木正雄君) 今、田中委員の要求によりまして、道路局長あるいは財政関係の方面の出席を要求しております。それはそれといたしまして、法案の審議を……。一々質疑のある方はお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/23
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024・田中一
○田中一君 この交通確保五カ年計画というものは、現在できておりますか。提案者は少くとも、かつてガソリン税の見合の問題の五カ年計画の場合にも、こんなものは政府が作ればいいのだということを答弁しておる。今回もまた一応の基本立法をして、あとはお前の方でやれというような態度であってはならないと思うのです。従って、むろん提案者である田中君はこの五カ年計画というものの草案をお持ちになっていると思う。そこで草案をまずお示しを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/24
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025・田中角榮
○衆議院議員(田中角榮君) お答えいたします。この法律の御審議をわずらわす前に一言申し上げたいのは、積雪寒冷地という地域の道路交通確保に関する法律でありますが、これが地域の指定に対しては、前にこの種の法律案がありまして、なかなか規定はむずかしいようであります。私の現在考えておりますものとしましては、北海道、東北及び北陸、その他の地域が想定せられるわけでありますが、これが地域を今決定をいたしましておくよりも、前にも積寒に関する地区の立法があるのでありますから、その法律等と十分調整をいたしまして、この法律案が通過をするまでに大よその基準をきめたい、こういうふうに慎重な態度をとっておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/25
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026・田中一
○田中一君 資料として全国道路利用者会議からの一応の計画案が出ております。従って、提案者はこの全国道路利用者会議から要請されてこの法案を出してものじゃないかと思うのです。そこでこの全国道路利用者会議の計画案というものは詳細まだ検討いたしておりませんが、提案者はこれを通そうというつもりでやっておるのか、あるいは独自の案をお持ちなのか、その点伺いたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/26
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027・田中角榮
○衆議院議員(田中角榮君) この法律案提案の基盤をなすものは全国道路利用者会議ではありません。これは明確に申し上げておきます。この法律の提案を考えましたのは、特に北海道選出の自民党及び社会党の有志諸君が中心になって考えられ、そのような議案の提案に対して私たちもその案に賛成でありますというので、道路利用者会議の諸君が賛成の意見を述べられたようでありますが、私といたしましては、これらの諸君は全然違った観点に立ちまして、道路法及び道路整備の財源措置法、有料道路法というような法律を手がけましたものの一環として、この法律を提案したわけであります。でありますから、利用者会議が皆様のお手元にお届けしたというものは参考案にはなるだろうと思いますが、これが地域の決定、路線の指定に対しては、建設大臣がこの法律案の精神を十分にくまれて、慎重にきめらるべきだと考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/27
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028・田中一
○田中一君 道路局長並びに建設大臣に一つ願いたいのです。提案者は、今ここに出されておるところの参考資料としての全国道路利用者会議からの計画案というものに対しては、何ら関知しておりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/28
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029・田中角榮
○衆議院議員(田中角榮君) 私はそのような基準案があることを初めて今承知したのでありまして、手元に取り寄せて早急に研究、参考といたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/29
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030・田中一
○田中一君 では、まことに提案者に申しわけございませんが、一番熱心だといわれる北海道選出の自母堂並びに社会党の諸君の御出席を一つ求めたいと思いますが、そのような御連絡を願えませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/30
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031・田中角榮
○衆議院議員(田中角榮君) せっかく田中さんの御提案でありますが、私が代表しておりますし、今与野党は衆議院の審議に集中しておりますので、どうぞ一つ、私でできるならば、ごかんべんをいただけるならば幸甚だと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/31
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032・田中一
○田中一君 委員長に伺いますが、この資料はどういう経緯を経てわれわれの手元に取り寄せられたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/32
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033・赤木正雄
○委員長(赤木正雄君) お答えいたします。冬季道路交通確保五箇年計画調、全国道路利用者会議、積雪寒冷地帯道路対策委員会、この資料をこの前の委員会に利用者の方々が持ってきまして、これを御参考になりはせぬかと思いましてお手応に配ったのにすぎてません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/33
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034・田中一
○田中一君 提案者に伺いますが、私は、この全国道路利用者会議の計画されたものは相当こまかく、実情に即したものだと思うのです。しかしこれを提案者が知らないということじゃ、あらためて提案者から計画案というものを出してもらわぬと、審議の対象にならぬと思うのです。ぼやけまして、非常にこの法案だけでは。そこでむろんこの法案が成立した場合に、政府が当然これを立てるのだということでは、審議をするのになかなか困難だろうと思います。むろんこれには予算措置その他の問題も起るでしょう。補助金の問題もあるでしょうし、そういう点について、われわれはこの参考書に基いて提案者に質問するならば、容易です。しかしながら、そうでないと、まずこれを五カ年計画の草案を出していただきたい、こういうことをお願いして、それから審議に入るより方法がないと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/34
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035・田中角榮
○衆議院議員(田中角榮君) せっかく田中さんの御意見でありますが、私も今資料の中にありましたから見ましたのですが、非常に膨大な計画のようであります。これは私のこの法律案を提案するゆえんのものは、先ほども申し上げました通り、非常に各国におくれている日本の道路網の整備を行わなければならないということに基盤を置きまして、前の国会に御審議をわずらわしたごとく、道路関係諸法律の整備をはかり、非常に遅々ではありますが、道路の整備が行われておるわけであります。あとに残りまするのは、これが一年間の中三分の一積雪に悩み、寒冷のために非常に大きな路盤に損傷を来たしておりますこれら地域の交通確保をはかることによって、産業振興の基盤を作り上げたいというゆえんのもとに、この法律をまず立案をしたのでありまして、この法律を立案する以上、当然試案であっても計画書はなければならないということも十分了承できるのでありますが、これは建設省で現在道路五カ年計画を進めておるのでありますし、積雪寒冷地帯における除雪の計画も道路維持修繕令によって現在も行われておりますので、これが基準は、この法律ができれば当然建設省で直ちに立案ができるわけであります。立案というよりも、過去の実績から徴し、建設事務当局においては直ちにこれが調書が作成できるのでありますから、私はこの種のものの作成は、この法難を審議していただいておる過程において建設事務当局をして作らせることが至当ではないか。私たちはただ純然たる立法府の一員として、この法律の通過をはかりたいと、こういう考えでおりまして、審議の途中においてお求めがあるならば、建設事務当局とも十分連絡をとり、しかるべき試案を御提出いたしたいと、こう考えるわけでありますから、これが試案の提出までには、一つ別の面の御質問をちょうだいできれば幸いと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/35
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036・田中一
○田中一君 私も東北出身の議員として、非常にこういう考え方に共感を覚えるんです。ことに地方財政の再建促進特別措置法のうちの昭和三十一年政令第十三号で出した政令の改正案を見ますと、東北その他の、北海道は別として、東北は公共事業が大いに減額される、こういう事態から考えても、特別な措置をしなければ、東北のような後進地区というものは国民のほんとうの生活というものをですね、保護されなかったという点は重々あるんです。あるんですが、単にこれは道路五カ年計画だけのものではなくて、第五条にあるように、除雪とか防雪に関する事項とか凍雪害の防止というようなことは、ただ道路だけではないのです。維持管理なり、あるいは道路上におけるところの除雪とか機械の整備というものが、大きな負担がかかるということになっておるわけなんです。そこで計画だけでなくてですね、実際に政府はどういう考え方をもって、もしこの法案が通った場合には、計画を立て、そうして費用の点、資金の点をどういう工合に考えておるのか聞きたいんです。従って、道路局長が出ないと、提案者に言っても提案者は一本やりで、この短い法案を早く通してくれというより手はないと思うのです。そこで一つ道路局長と並べて質問したいと思うのですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/36
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037・田中角榮
○衆議院議員(田中角榮君) この短い法律のとびらみたいなものだけを御審議をわずらわしたいというのではないのでありまして、この法律案提案に対しましては、当然歳出を伴う法律でありますし、特に同派の提案でありますから、慎重に政府関係との連絡協調もとってあるわけであります。
で、なお申し上げますのは、大蔵省といたしましては、この法律が出ることによって、道路の費用が大幅に予算を拘束するような状況になるのではないかという意見もあったのでありますが、これは五カ年計画の財源等に関する臨時措置法と違いまして、予算の許す範囲内ということでありますから、その大蔵省の危惧は心配はなくなったわけであります。ただし、この法律を提案すれば、もちろん衆参両院の議決によって法律が公布されるのでありますから、少くとも三十二年度からはこの法律によって予算をもらわなければならないということだけは当然であります。建設当局としましては、この法律に対して、場合によっては現在の通路維持修繕令でもってできるのじゃないかというような意向もあったのでありますが、この種の法律が公布せられることは道路整備の上でも好ましいのでありますから、反対はなく、立法化されることに対しては賛成をいたしております。
ただ、私たちがこの法律を出しますのは、無制限に横雪寒冷地の道路交通確保のために費用が出されるとは考えておりません。今も申しました通り、五カ年閥で道路利用者会議の案なるものは約百十九億という相当大きな金額になっておるようであります。五カ年計画というと、約二十四、五億にもなるでありましょうか、年間それだけのものをプラスすることが、予算編成の上で相当な問題があるだろうということも十分察知せられるのでありますが、私はここまでしぼってこの法律を考えておるのではありません。いわゆる長い間の道路整備というものの、いわゆる御審議を願った通路三法ともいうべきすでに公布をせられた法律の一環として、道路整備に力を入れたいというのでありますから、この法律ができますと、予算編成時においては円満に政府間において協調をせられて、予算の許す範囲内一ぱいでこの法律の要求する費用を盛ってもらえばいい、こういう考えであります。
なおガソリン税の問題もあるのでありますが、ガソリン税収入相当額を五カ年計画に盛らなければならないという法律を御審議願ったときに、ガソリン税収入額と同じ額だけで通路整備五カ年計画をやるのではない、一般財源をプラス・アルファとして加えるのだということがこの委員会の決議であったようでありますが、現在では道路五カ年計画の費用を盛るのに対して、ほとんど一般財源は盛られておらないのであります。当該年度のガソリン税収入額と同額しか盛られておられないのでありまして、全国の通路網はガソリン税収だけでもってまかなっておる。こういう状況で、ある意味においては退歩しておるのであります。その意味におきまして、この種の法律が通った場合には、当然ガソリン税収入額プラス・アルファというその範囲内において調整をし、立法の精神を十分予算面にも生かしたい、こういう考えでありまして、現在の状態においては、建設省は輿論なし、大蔵事務当局としましてはあまり大幅に拘束をせられないようにという消極的な意見の発表があるわけでありますが、この法律が公布せられれば、もちろん立法の精神がくまれて、横雪寒冷地の交通確保に相当大きな貢献をなすであろうということを考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/37
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038・田中一
○田中一君 道路局長に伺いますが、この法律案の第五条の「除雪」、「防雪に関する事項」、「凍害の防止に関する事項」という内容を具体的にお示し願いたいのです。何県にはどのくらいの横雪があって、その雪を取るにはどうなるか。まあ年々違うでしょうが、その標準のものでけっこうです。もう一つは、第四条の五カ年計画、これの草案を一つお示し願いたいと思います。この二つだけ、道路局長に御説明願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/38
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039・富樫凱一
○政府委員(富樫凱一君) 第五条の除雪、防雪、凍雪害の防止という文句がございますが、このうち道路五カ年計画に盛られてありますのは、凍雪害の防止に関する事項と、防雪に関する事項のうち防雪柵を作る、あるいはスノーセットを作るというようなことが五カ年計画に盛られておるわけでございます。五カ年計画に盛られてあります分につきましては計画がございますが、その他の除雪、並びに第四条にいっております道路交通確保五カ年計画につきましては、この法案の成立に従いまして研究して立案いたしたい考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/39
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040・田中一
○田中一君 では、第五条の除雪というのは、現在道路局長はどういうような指示をして府県にやらしているんですか。それでその機械の整備、機械はどんなものが現在あるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/40
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041・富樫凱一
○政府委員(富樫凱一君) この除雪につきましては、従来除雪用の機械等の補助はいたしておりません。ただ開発庁、開発局の実施いたします分につきまして、除雪用の機械を購入いたしましたり、また購入の計画もございますが、従来のところは主としてグレーダーのようなものであったわけでございますが、さらに高性能の除雪用の機械を購入いたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/41
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042・田中角榮
○衆議院議員(田中角榮君) ちょっと今のに付言して申し上げたいんですが、この法律を提案した目標の一つはそこにあるのでありますが、今道路局長が申しました通り、北海道を除く地区の除雪機械は補助をしておらないというのでありますが、現実的には、今年度は積雪の非常に多い地区、東北、新潟、北陸等では、すでに二メーター以上の積雪でも地方において冬季間の交通を確保しております。確保しておるというのは、機械が幾らか働いておるわけでありますが、この機械購入に対しては地元から受益負担をとったり、相当乱暴な方法がとられておるわけであります。ところが、冬季間バスやハイヤーが通るか通らぬかという問題は、これは地元の住民にとりましては死活を制する問題でありますので、相当乱暴な賦課金的な状態でも、それに応じて自力で交通を確保しておるという現状でありますので、この種のやり方は好ましい方法ではない。いずれにしても、法律をもって是正の道を講ずべきだというのが一つの大きなこの法律案の目的になっておりますことを申し添ておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/42
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043・田中一
○田中一君 第五条の三の「凍雪害の防止」というのは、これはどういうことなんです、道路局長に伺いますが……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/43
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044・富樫凱一
○政府委員(富樫凱一君) これは主として路盤改良の仕事でございます。これは雪国におきましては近路の凍上という現象が起りますが、これは道路の排水の悪いために起るのが通例でございます。このために路盤を非常に厚く構築する必要が起るわけでございますが、一種の路盤改良と称すべきものでございます。主としてそういった工専が主になるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/44
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045・田中一
○田中一君 現在道路局では、道路整備五カ年計画に対して整備をやっておるはずです。そうすると、この寒冷地における道路というものと、宮崎、鹿児島における道路というものと、同じ構造でやっておるんですか、どういうことなんです。一体どうしてそういうものをしなきゃならないのか、立法化して区別しなければならぬのか。どういうことをやっておるんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/45
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046・富樫凱一
○政府委員(富樫凱一君) 道路の構造は、雪のある所と、また鹿児島、宮崎のように特殊な土壌の地帯と、これは構造を変えて実施いたしております。凍雪害のために路盤改良等が必要であることは申し上げましたが、従来作られました道路で、雪害を受けるあるいは凍害を受けて年々交通に支障を来たし、また維持費に多額を要する事態がございますので、これらにつきましては路盤を改良して対処したいと考えるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/46
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047・田中一
○田中一君 この法律が出なければ、そのような凍上するような区域の道路の改良はできないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/47
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048・富樫凱一
○政府委員(富樫凱一君) 従来の計画におきましても、凍雪害等の防止に関する道路の改良工事を実施いたしております。ただ、これらの費用が五カ年計画の中におきましても比較的占める割合が少いのでございますが、仕事そのものは五カ年計画にも入れて実施いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/48
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049・田中一
○田中一君 これは提案者に伺いますが、このように現在やっているんだそうです、感心に。やっているものを、またあらためてこういうような法律案を作って強制しないでも、やっているもの、いいじゃありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/49
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050・田中角榮
○衆議院議員(田中角榮君) ごもっともな御意見でありますが、この法律をやることによってよりよくなるということが端的に申し上げられるのであります。それは道路整備五カ年計画というものは、御承知の通り、当委員会でも御審議願った況知でよくおわかりのことだと思うのでありますが、国道約九千キロ、二級国道二万三千キロ、指定地方道二万七千キロというような、もう全く幹線動脈というような道路網でさえも、現在五カ年計画をもう十カ年くらい延ばさなければ、全線が開通しないという状況でありますので、乏しい財源の中から道路五カ年計画に配分せられております予算は、できるだけ道路改良に主眼を置いておるわけであります。とにかく道路は起点から終点まで通ることをまず第一次五カ年計画で考えようということに重点が置かれておりますので、道路五カ年計画による財源はほとんど改良に回されておるわけであります。で、維持修繕に対しましては、北海道だけが維持まで国の補助の対象になっておりますが、一般内地は維持は道路管理者の負担になっておるわけであります。維持は全部都道府県知事及び市町村長が行わなければならないということになっておりますので、実際凍雪害に悩まない地区においてさえも、この維持という問題は非常にむずかしく困難な状況になっておるわけであります。しかし修繕の問題に対しましては、議員立法で現行法として残っております道路の修繕に関する法律によって、幾ばくかの助成の道は開かれておりますが、五カ年計画法のように、財源を縛っておるような強力な法律ではありませんので、この修繕という問題に対する国の補助の道は開かれてはおりますが、開かれておるというだけでありまして、事実その効をあげておらないのであります。
積雪寒冷地においては、その上になお除雪及び融雪以後の——一般の雪の降らない地方に比べて非常に道路がいたんでおるのであります。御承知の通り、雪解けの道といいますと、これはもう問題にならない状態になっておりまして、特に舗装道を考える場合、寒冷地及び暖地との区別ができるのでありますが、ほとんど現在の積雪寒冷地における道路は砂利道であります。砂利道が融雪後の四月、五月、六月というものは、これはもうほとんど使いものにならないくらいのいたみ力をするのでありまして、この期間の大きな損傷を維持にするか、修繕にするか、改良にするかという問題は、これはもう積雪寒冷地における、特にある意味においては、改良しなければならないというような個所も非常にたくさんあるのであります。東北地方に対しては側溝等ができておりません。そのために、融雪時における損傷は、暖地における表日本等の道路と比較にならないほどの多額の修繕維持費を要するのでありまして、この法律によってもう一つ進めて、いわゆる道路五カ年計画法、それにプラスするに道路修繕等に関する法律、それにプラスをしてこの法律と、三本立でもってやっていったならば、今よりも相当な効果をあげられるだろう、こういう考えであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/50
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051・田中一
○田中一君 もう提案者が、この前の五カ年計画にしても、プラス・アルファだといって、財政支出というものを見込んでおったけれども、結局こちらがきめたガソリン税相当額すらもよん切って持っていかれたという現状は、御存じのはずなんです。あなたは自民党に属しておられる方なんですから、少くともそういうことは予算の編成によって十分にこちらに行くのです。これは当然行くのです。ことに本年度など一割近い公共事業費をちょん切っておいて、そうしてこの法律を作ったからといって、金が行くものじゃない。やはりこれは、田中角榮君の政治力に待たなければならぬのであって、法律の力にかりるというのは愚の骨頂なんです。あなた自身の政治力でもって予算のぶんどりはできるものなんです、これが実際に必要なものならば。必要なのは知っています。必要であってもわきに持っていくのが今の鳩山内閣の予算の編成なんですから、こういう臨時措置法を作ったから予算が流れるという考え方は、過去におけるあなたの言葉にだまされましてわれわれもここでもって賛成して、結局かえって予算が減ってくるという現象になったことは、あなたも御存じのはずなんです。それで、それは法律を作ったからこの地方の財政投資というものが道路に向けられるということは、考えられないと思うのですよ。その点はどういう覚悟を持っておられるのですか。それからもう一つは、提案者も主張するだけでしょうから、建設大臣から一ぺん聞きたい。建設大臣がどのような考えをもってこの法律に対処するかということを聞きたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/51
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052・田中角榮
○衆議院議員(田中角榮君) 私たちも、道路整備五カ年計画法を御審議願ってプラス・アルファを確保することに対して、当委員会の強い御意思も表明せられておったのでございまして、三百名の与党を、もってこの法律を作らなくても幾らでも凍雪害防止ができるじゃないかという意見に対しても、私自身としては納得できるのでありますが、そうしてまた私たち自身も、たとえ予算ぶんどりという汚名を着ても、東北地方や横雪寒冷地の産業開発の資になるならば、あえてやらなければならないとは考えておりますが、社会党の諸君がそういうやり方はうまくないのだ、こういう御意見でありました。それはなぜかというと、ときの与党であるところの自民党の諸君は、内閣との間の予算調整のときに、いろいろなことでひもをつけたり取引をしたりしておりますが、これは正道ではなく邪道である。いわゆる今の憲法には明らかに予算の提出権は内閣にあるのだ。もちろん予算編成権は内閣にあるわけであります。まあ議院内閣制度でありますから、現実問題としては、予算が編成せられる最終段階までには、党と閣僚との間に意見の調整があることは事実ではありますが、これはあくまでも明記してあるのでありますから、予算に対して与党がかれこれいうことは問題があるぞ、もう一つは、法律で規制するということと、いわゆる折衝によって何らかの処置をするということに対して、区別したらどうか、これが筋じゃないかと思うのですが、新しい憲法の予算というものは、官僚寄港に予算編成を自由裁量としてまかす、またそれを自由に裁量して使わせるということ自体がおかしいのだ、理論的にいえば、アメリカの予算のように、もう予算が通過するときには法律で全部縛っておくのだ、自由裁量権というものはないのだ、これが新しい憲法の建前じゃないか、準拠法のない予算というものは盛るべきではないという強い意見があった。私もそれにはいささか賛成をしておるわけであります。私たちも長い間与党でおられるとは考えておりませんので、そういう意味ではやはり準拠法を作って、その法難によって、衆参両院の制約は法律をもって行う、その法律に基いて、法律違反を政府をして起さしめないということが一習いいのであって、できるならば財源を縛る、道路計画五カ年法のごときもので対処してゆきたい、こういう考えでありましたが、これはいろいろな観点から両派で話し合った結果、あなたの言うこともよくわかるが、五カ年計画法のように縛ると、予算編成のときに大へんお困りになると思うから、予算の許す範囲内ということが現在の段階においては妥当ではないか。二年、三年この法律を施行してみて、いわゆるその返ってくる利益というものを、大衆を納得せしめるという状態になれば、当然この法律の精神を貫かれるのであって、準拠法を作るという意味で今日立法したらどうかというのが、両派の意見調整がなった結果でありますので、どうぞ一つその間の事情も御了承願いまして、御審議をわずらわしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/52
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053・田中一
○田中一君 道路局長に伺いますが、こういう法律ができなければ何もできない、この法律の目的とするところを現在のままではできないというのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/53
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054・富樫凱一
○政府委員(富樫凱一君) 除雪、防雪のうちで維持に属するようなものは、北海道だけはできますが、その他の地域についてはできません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/54
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055・田中一
○田中一君 では、建設大臣が指定する地域をきめまして、それもできるようにしたらばできるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/55
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056・富樫凱一
○政府委員(富樫凱一君) 道路法を改正すれば、できることに相なると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/56
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057・田中一
○田中一君 そこで田中君に伺いますが、どういうわけで——あなたはいつもこういう臨時措置法、臨時措置法といって持ってくるけれども、持ってきたって結局それが骨抜きになるのですよ。実施をしないうちに、骨抜きになつちゃうのです。一ぺんでも実施していいか悪いかの判断が与えられて、それで変更されるなら、われわれは納得しますけれども、一ぺんも実施しないうちに骨抜きになるということは、あなたは御存じのはずなんです。また今あなたはそうした財源を縛る目的事業というものを法律で作らなければ、官僚というやつはその金をそのものに使わないのだというようなことは、私は現在はないと思うのですがね。現在でも、今こういう大幅に道路に予算を盛り込もう、道路整備のために使おうということは、政府が決意すれば使える。しかし、そうすると、再軍備はできないことになるかもしれないですね。だから、それは、結局これは、あれもこれもといったって、できっこないのですよ。そこでガソリン相当額を目的税的に道路整備に使用して、われわれがあなたの提案に賛成をして通した。翌年実施していないうちに、それがもうくずれておるということでは、どうにもならぬ。本件だってそうです。全部政府にまかしておるのです。たとえば計画もない。計画というものを提案者が作って、この計画をやれというならまだわかりますが、お前の方で、お前の方の財政上できる範囲でもつて計画を立ててやれというのでは、現在やっておるのとちっとも変ってないですよ。そういう点が、これはちょっとあなた自身が相当反省しなければならぬと思うのですが、その決意はどうなっておりますか。提案者の決意よりも……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/57
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058・田中角榮
○衆議院議員(田中角榮君) これはどうも、田中一先生に申し上げますが、これは私ちょっと、はっきり申し上げると、間違いができるのじゃないかと思います。これはあなた方がこの五カ年計画法やその他の法律を出して下さったので、これはうんと実績は上っておるのです。今の予算の中で一番内閣が因っておるというのは、道路に関する法律をたくさん作ったので、これはどうしても削れない、こういうことを言っておりますし、現実的に道路法の改正が大正八年以来三十五年間も、三十六年目に改正がせられたわけでありますが、この道路法の改正を行い、有料道路法が制定され、道路五カ年計画を御審議願って、この三法ができましたために、当初七十億であった道路費は今年約五百億に膨張しておるのであります。当時は大蔵省は三百万リッター以上はガソリンは使わない、三百万リッター以上ガソリンを使ったならば甘木の経済は破滅すると、この委員会で大蔵大臣は言ったのでありますが、こんなことは絶対にない。ガソリンを五百万リッター使うようにならなければ日本は立ち上れないと言っておりましたら、わずか二年にして三百万リッターを突破したのであります。あの法律をお作りになっていただいただけに、少くとも道路五カ年計画の整備費は三百数十億の金が投下されておりますし、有料道路法を作っていただきましたので、やむを得ず道路公団も作っていただいたわけであります。今度はこの法律は少し骨抜きのようでありますが、この法律があれば、これはこの法律に対して百億も百五十億も盛れるかどうかはわかりませんが、これは特にこういう法律がある場合には、将来は少くともこの法律の精神にのっとりまして、全然予算をつけない——現在はつけられないのでありますが、全然つけられないなどということはこれは起きない。
もう一つ例を申し上げますと、ことしは非常に、私たちが所属をする政党から出ておる内閣ではありますが、実際内閣というものは相当に力のあることは御承知の通りでありますが、内閣がこういう法律があるにもかかわらず、二億のものを一億にし、五千万にし、一千万円にした。法律がありましたので、衆議院は多数であっても参議院さんがいるから、もう五千万くらい加えようというので、六千万に上っておるのであります。これは法律のおかげであります。私はそのときに、こういうふうなことをするから、積雪寒冷地に対しても立法化す、私はそのときに宣言をしたのであります。大蔵事務当局というものは実際において、与党の議員としてもいかんともなしがたい存在でありまして、法律をもって縛らなければ、片山内閣のときでもそういうことがあったのでありまして、これはやはり法律で縛って道路の整備を行うということに、どうぞ御共鳴下さるようにお願い申し上げておきますし、私も法律を提案し御可決願う以上は、この法律の精神を貫くために大いに努力をいたすつもりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/58
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059・田中一
○田中一君 では、この道路整備が促進されることは賛成しておるのです。ことに東北地方の積雪寒冷地域に対する特別措置というのは賛成しておるのです。しかし、もしそうならば、あなたの方の提案に共鳴して、もう少し僕があなたの御提案を促進させようとするならば、こういう修正案を出したらどうでしょう。「第六条の規定は、昭和三十二年四月一日から施行する。」となっておりますが、どっちみちあなたでも不満足のようなようですけれども、予算編成をするならば、これは結局「三十一年四月一日から」と、こういう修正には当然御賛成でしょうね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/59
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060・赤木正雄
○委員長(赤木正雄君) この際御報告申し上げます。ただいま永井純一郎君が辞任せられ、補欠として小笠原二三男君が指名されました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/60
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061・田中角榮
○衆議院議員(田中角榮君) 私もこの種の法律案はできるだけ早く施行すべきだと考えておりますが、ちょうど予算も衆議院を通過し参議院に御審議を願っておる状態でありますし、特に社会党の方々ともお話をしまして、議員立法というものが一時非常に多く出ました。いわく熱海温泉都市建設法、いわく何々という法律がたくさん出まして、どうも衆参両院の力をもってすれば何でもできるというような気持も一部において批判をせられたのでありますから、将来は別としまして、今日この段階においては、予算を伴う法律に対しては、衆参両院議員であっても一つ慎重に、内閣とのあつれきを起さないような状態で出そうじゃないかという、非常に常識的な御議論がありましたので、それであるならば、三十二年からということで、官僚陣の反対というものはなかなか強いものでありますから、なるべく官僚陣が反対しないように、三十二年度からということにする方が立法技術上うまいんじゃないかということに、三番目の理由は、もうこの雪がちょうど消える時期でありまして、(笑声)三十一年の四月からといいますと、ちょうど三十二年から適用してもそれほどの問題はないのじゃないか。特にこれに対しては、地域の問題としましても、北海道、東北だけではなく、北陸とかその他の、ちょうど横雪寒冷地帯臨時特別措置法ができましてこの適用地域をどうするかというとき、雪の降る所は高千穂の峰に降ったのもみなだと、こういう宮崎県、大分県、鹿児島県の一部も適用しなければならないという、政治的に非常にむずかしい問題があるのでありますので、特に議員提案でもありますし、そういう地域の調節やその他を一つ両院の方々、また社会党、自由民主党の間で十分調整をするにも、二年度からの施行が時宜を得た方法じゃないかという議論が多数でありましたので、それに従ったわけであります。私は早い方がいいと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/61
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062・田中一
○田中一君 第三の点というと、雪が解けちゃうというけれども、来年またやはり雪が積るのですよ。そうすると、ことしそういう措置をとった、第六条の規定を……。補助という問題をきめてとっておかないと、三十二年の雪は消えてしまうのですよ。三十一年度の雪を除雪するには、今予算措置をしなかったら何にもならぬじゃありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/62
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063・田中角榮
○衆議院議員(田中角榮君) 非常に私も申し上げたいことを、私から申し上げるのは申しわけないと思っておりましたが、あなたが御質問下さったので申し上げますが、私も、三十二年度からというと三十二年の四月からでありますから、ことしの冬もう一年間だめなわけであります。ところが、こういう法律が出まして、法律になりますと、これは大蔵省の諸君は、どうせ縛られるものであるというならば、これはことしもきっと臨時国会があるでありましょう、またきっと予算の補正もあるだろうと思いまするので、まあ段階を作りまして、この法律がもとの法律として通っておれば、七月、八月、九月にでも臨時国会があれば、そのときこそこの法律によって、法律は三十二年施行であっても、法律の精神をようく考えて、臨時国会に何らかの方法でもって盛る、道路の修繕の法律を適用しても盛ることは盛れるわけでありますから、そういうふうにだんだんしていかないと、初めからいいと思うからといって、ばんとワクをはめることは、いろいろな争いを起しますので、常識的にだんだんと追い込んで官僚を馴致していこうと、こういう考えであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/63
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064・田中一
○田中一君 どうも、提案者に聞いてもだめだ。道路局長に伺いますが、三十一年度の——来年の冬ですね、冬に現在の三十一年度の予算でもってこの精神を生かす方法、財源的な余裕ですね、こういうものはどのくらいに見込んであるのですか。これは、何もこの法律ができなくても、しなければならぬものです。そこでどういうふうな処置をやっていこうとするおつもりなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/64
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065・富樫凱一
○政府委員(富樫凱一君) このうちの一部は道路整備五カ年計画に盛られております。その計画に従いまして、三十一年度実施する予定でございますが、その額につきましてはただいま資料を持っておりませんので、後ほど御報告申し上げたいと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/65
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066・田中一
○田中一君 そうすると、今提案者の田中角榮君が説明しているような措置は、もしも三十二年二、三月ごろですか、あるいは一、二月ごろかな、こういうふうな第五条に盛り込んである仕事というものは、補正予算に組まれる場合には、政府としては予算を組むような意図もあるというのですか、この法律が出れば。そういうふうに理解していいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/66
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067・田中角榮
○衆議院議員(田中角榮君) これは今三十一年度の予算が審議中でありますから、この法律を通過させるということが参議院の意思として決定せられれば、現在審議中の予算を直して今年度からの道を開くこともできますし、また今年中に開かれる臨時国会があれば、この法律で制約をしなくても、法律はもうすでに三十二年から適用されるのでありますし、実際この法律を提案する両派の意見としては、今年四月一日から適用したいということでありましたが、無用の争いを起したくない、こういう良識的な立場から、三十二年という間を履いたのでありますから、政府は、私は、臨時国会で予算を補正するような場合があれば、この法律がすでにそのときに通過しておれば、法律の精神をくんで当然、法律で制約がなくても、組むべきだと考えます。(「それはおかしい、そんなことはないよ。」と呼ぶ者あり)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/67
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068・田中一
○田中一君 道路局長にちょっと説明を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/68
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069・富樫凱一
○政府委員(富樫凱一君) 補正予算の組まれるのは、緊急の場合に緊急の処置のために組まれるものと考えますが、かりに凍雪害防止のために緊急に道路工事を行なっておかなければならないという場合には、補正予算で要求するつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/69
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070・小笠原二三男
○小笠原二三男君 今提案説明者は、こうしておけば常識として、三十一年度に補正等を組む場合においては、大蔵官僚は善処するであろうということを言っておりますが、この法律の建前は積雪寒冷特別地域道路交通確保五カ年計画に基いて指定せられた道路についてなんです。この五カ年計画は三十二年度の閣議決定になるものなんです。三十二年度に閣議決定になって、それが指定せられて、初めて除雪その他のための補助助成が行われるわけなんです。三十一年度には何もそういう根拠がないのです。なくて、補正予算でだね。そうして前もって組んで、個人的にもお金を補助しますというだけに財政的な余裕が今日あるか。もしもほんとうに提案者がそういう意味で、三十一年度冬季からこれを出させたいとお考えになるならば、施行の期日はやはりそれに間に合う期日をもってやり、そうしてむろん補正予算が問題になる場合には、当然法に基いて予算化せられるということにやったからといったってだね、あるいは陰に陽にそうしむけるからといったって、結果は同じなんです。同じですよ。あなたがいつでも、政府与党としてだね、取るものは取るで一生懸命やってきたんで、それで大蔵省の方とあなたが工合が悪いということに今日なっているかもしれぬけれども、われわれはちっとも工合が悪くない。官僚の抵抗などと言うけれども、国会として、国会議員として官僚の抵抗なんて、並び立って争う筋のものじゃない。よい法律は作ればいい。施行するのは政府なんです。官僚じゃないのです。そういう意味から、ぬけぬけともう初めから、官僚の抵抗があるとか、そっちのあれがこうだからとかということが公然と提案者のいろいろな理由になるということは、私は聞きたくない、そういうことは……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/70
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071・田中角榮
○衆議院議員(田中角榮君) 小笠原さんの言われるのも私まあ了解いたしますが、あなたはあとからお入りになって、私が申し上げた断片だけをお聞きになったから、そういうふうにお聞きになったようですが、そうじゃないのです。田中さんが言う立法手段に訴えなくても予算ぶんどりでもって適当にやれるじゃないか、こういうのが第一問であったのです。ところが、社会党の諸君と自民党の両派が話し合いをした結果、準拠法を作る方が新しい憲法上の建前だから、法律でもって制約をしろ、そういうことでこの法律を出したのでありますと。
もう一つは、その次に出た質問は、そうするならば、この法律を三十二年度にしないで三十一年度からだったら、一年間うまいじゃないかと。これは五カ年計画でなく六カ年計画にするようにというそういう議論もあったわけでありますが、予算を伴うこの法律に対しましては、今まで熱海国際観光温泉文化都市建設法とか、伊東国際観光温泉文化都市建設法とか、特に非常に重要な港湾都市建設法さえも出されたのでありますが、法律ができても竜頭蛇尾になっているという傾向もあります。これは衆参両院の議決を経てきめられておるにもかかわらず、いわゆる大蔵省のないそでは振れないというようなことにじゅうりんされておるのはまずい。今度この種の法律はいわゆる積雪寒冷地、未開地の後進性を持っておる地域の産業の一大根幹をなそうという法律でありますから、出した以上これは実効を上げるようにしなければならない。そういう慎重な立場から、常識的に考えて、まあ政府当局とも十分連絡のとれる時期を渇こうじゃないか。しかも、衆議院はここに書いてある数は少いのでありますが、ほとんど社会党及び自由民主党全委員の提案と同じであります。衆議院提案と同じようなものでありますから、だから、この法律が通過をしたら実効を上げなければならぬ。それには問題はあるが、現在すでにもう三十一年度の予算が参議院に送付をせられておる状態であるのでありますから、ここで予算を伴う法律を強引に当年度から行うということよりも、円満な妥結をはかるためには、良識的な立場から三十二年度にした方がいいのじゃないか、こういう話し合いがまとまりましたので、代表者に選ばれた私はその決定通りの行動を行なっておると、こういうことを申し上げた、のであります。
第三の問題は、この法律は三十二年度ではあるが、今年一年の冬がどうにもならぬから、何とかできないかという御質問でありますから、それは衆参両院が法律をもって三十二年度から行う積雪寒冷地における道路交通は確保するのだという院議をきめておけば、まあ法律的拘束力はないけれども、いわゆる予算補正を行うような場合になれば、良識的に考えても、大蔵当局もこの法律適用を実質的に六カ年計画として、一年繰り上げた方式をとっても、予算を盛るような努力をするであろうと思いますし、特にこれは超党派的な提案でありますので、衆参両院の力をもってしてもその方に誘導していけるのではないか、こういうことを申し上げたので、一つ御了承をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/71
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072・小笠原二三男
○小笠原二三男君 そうしますと、この法案が衆議院の委員会を通過します際に、政府の所見をおただしになった場合には、どういう御答弁だったのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/72
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073・田中角榮
○衆議院議員(田中角榮君) これは衆議院は今日午後一時二十分から開会をいたしまして質疑に入るわけでありまして、委員会としての質疑は終了しておりません。こちらは予備付託でもって、こちらの方が早くなっておりますが、今までの政府当局との懇談におきましては、これがガソリン税以外のものでありますから、しかもいろいろな説を参考としますと、相当膨大な予算歳出を含むようだから、とにかくこの法律が出ることによって予算が組めないというようなことになると大へんですと、ざっくばらんな意見がありました。しかしこの原案は、五カ年計画に対しては、六条の中に「予算の範囲内において、政令で定めるところにより、」というのがありますが、これは削ってあるものであります。もっと拘束力が強かったのでありますが、これは政府との折衝の結果、また両党の話し合いによりまして、まあ事実だれが内閣をとってもいろいろな制約があるのだから、今時この段階において提案をする原案としては「予算の範囲内において、政令で定めるところにより、」という事項を入れて提案しようじゃないか、こういう話し合いがついたために、このように修正して提案申し上げたのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/73
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074・小笠原二三男
○小笠原二三男君 自民党は、他の問題については強行突破まで行わんという工合に強硬なんだし、田中さんも従来そのような傾向だったのですが、ずいぶんこの際は謙虚な、つつましやかなお考えになられたものですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/74
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075・田中角榮
○衆議院議員(田中角榮君) 二曹申し上げますが、まあ新聞やラジオでもってお聞きになっていることで、私自身を誤解されていると思うのでありますが、私が参議院に持って来た法律は十五、六ぐらいあると思いますが、自民党だけで吊したような法律を持って来たことは一ぺんもない。これはもうほとんど社会党の諸君との共同提案にかかるものだけ私は代表者になろうということでありまして、このたびだけつつましやかになったのではございませんので、一つそういう私情を入れないで御審議をわずらわしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/75
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076・小笠原二三男
○小笠原二三男君 それでは、完璧にこういう道路交通確保五カ年計画で必要とする費用概算は幾らぐらいで、この規定によって予算の範囲内でなくて、全部これを三分の二補助でまかなおうという場合には、どれだけかかるか。また良識的に予算の範囲内ということになる場合に、建設当局としてこれを執行しようとする場合に、どのくらいの予算要求がまず適当であるとお考えになっているか、その程度をお示し撒いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/76
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077・富樫凱一
○政府委員(富樫凱一君) この道路交通確保五カ年計画は、この法律に基きまして立てなければたらないわけでございますが、これの案はまだ立てておらないのでございます。現在行なっておりますのは、維持に属する仕事は北海道においてのみ実施いたしておりますが、これにつきましては道路整備五カ年計画にも入れているわけでございまして、五カ年計画でやっております。しかし北海道の維持で申しますと、昭和三十一年度におきまして開発局関係が約五億を組んでいるわけでございますけれども、その中で除雪害といたしましては三千五百万円程度でございます。だんだんに自動声の交通が多くなり、また冬期の輸送も要望されて参っておりますので、今後はこれらの費用を相当に、この法律が通ることによりまして、充てなければならぬと考えますが、三十二年度予算がどのくらいになるかということはいまだ予測ができませんので、どの程度このために費用を充てるのか、ただいまのところ案がないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/77
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078・小笠原二三男
○小笠原二三男君 それから事務当局としては、これが将来施行せられた暁に、この財源確保の上から、道路整備五カ年計画の財源のうちからこの方にさくというようなことで、プラス・アルファの財源を取り得ないというような見通しになる場合も考えられる余地がありますか、ありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/78
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079・富樫凱一
○政府委員(富樫凱一君) 私どもの最も心配しておりますのは財源の点でございます。お話のように、進路整備五カ年計画もプラス・アルファが計画通りついておらないわけでございます。さらにこのような道路に関する費用がふえて参りますと、その費用を別に道路整備五カ年計画外に要求しなければならぬわけでありますが、これは一般財源から要求するわけでありまして、道路整備五カ年計画に入れらるべき一般財源との関係が多少あいまいになってくるわけでございますので、その点を検討中であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/79
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080・小笠原二三男
○小笠原二三男君 そこで衆議院側の意向としては、そういうことの起らぬように善処せられる、そういうあれが大蔵当局から出る場合には排除する、そういう御決意で、一般財源からこれは出させるのだという建前を固執しようということで、この法案を出しているわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/80
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081・田中角榮
○衆議院議員(田中角榮君) 御質問はこの法律案の骨子をなすものでありまして、これは非常に論議を重ねたのであります。そうして御審議をわずらわしたいというのは、そこなんであります。これは今年度の予算編成の過程において、道路整備の財源等に関するいわゆる道路整備五箇年計画法というものがなかったら、もっとうまく予算が組めるという意見が大蔵事務当局に非常に強かったのであります。それはどういうことかというと、裏を返すと、この法律がないと、道路費をこの法律で縛られないで、三百億のものを、道路に二百億、あとの百億を調整費に回せば、予算なんか楽に通るのだ、この法律によって予算編成権を拘束しているのだ、こういう議論が非常に強かった。それでこの法律はまだ二年だけあるのでありますが、これは五箇年計面法はやめてもらって、恒久立法化することは、これはもう新しい観点から大賛成しなければならぬ、こういう有力な意見があります。私はこれは実に問題があると思うのでありまして、当然道路五箇年計画の法律は恒久立法化すべきだと思います。こういう強い信念を持っておるわけであります。これは延長ずるときはまた議決を求めなければならないわけでありますが、そういう関係から、結局プラス・アルファというものをガソリン税収入以外に加えなければならないといいつつも、加えておらないのであります。今年度の公共事業費の削減に当りましても、一価七千万円という金額を削減しております。ようやく三十一年度の予算の最終段階において、二億五千万円のプラス・アルファをつけたわけでありますが、プラス・アルファ二億五千万円から一億七千万円削減しておりますから、プラス・アルファ八千万円ついているわけであります。そのほかに道路公団に二十価という費用を、ガソリン税収入の相当額から支出しているわけです。これは現在の五個年計画法の改正を前提としておりますから、この二十億の道路公団に対する支出にも大きな異論があります。輿論というよりも、私たちは原則的には反対であります。反対ではありましたが、これはとんでもない別なものに二十億投下されるならばこれは大反対でありますが、道路公団に二十億政府出資がないと、道路公団の運営もまたつかないのであります。その盲点をついて二十億を道路公団にやる。道路公団を作ってやるから、ガソリン税から二十億を削れと、こういう実に両建でもって攻めてきておるわけでありますが、私たちは道路公団を作りたい、また作ることによって道路整備のもう一つの面が伸びるだろうという考えで、やむを得ず異論がありつつものんでおるような状態でありますが、三十二年度の状態でこのままにしておけば、プラス・アルファはなくなると思います。少くとも五箇年計画法でありますから、五カ年間はこの法律を廃止しもしくは改正することができないとしても、これにプラス・アルファ、をつけて北海道、東北の除雪、修繕、維持をやろうなどということはできないと思います。そういう意味で五箇年計画法の恒久化を妨げようとするような有力な意見に対抗する意味においても、この秤の立法はぜひ必要であると、こういうことで、先手を打って衆参両院の一つ議決をもって実際の効果をあけよう、これがこの法律案を提案したほんとうの趣旨であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/81
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082・小笠原二三男
○小笠原二三男君 そういう情勢である中で、法律に基かない従来の例による補正予算等による道路交通確保の財源を得られるということが、どういうところから出てくるのですか。そういう困難な情勢の中で……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/82
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083・田中角榮
○衆議院議員(田中角榮君) なかなかデリケートな御質問でありますが、これは衆参両院の議決をもって立法化すわけでありますから、衆参両院の院議はこの法律が通過すればきまるわけであります。この種の問題に対する院議は、拘束力は昭和三十二年度からであるとはいいたがら、きまったわけです。それに対して、この法律は三十二年度からだから、今年の冬はかまわぬでもいいという議論は成り立つわけでありますが、やってはいけないということはないから、いかに大蔵事務当局といえども、財源が許さないということであるならばやむを得ませんが、何人が見ても予算が許すじゃないかと、こういう場合には、補正等においては当然院議は尊重されるべきである。また私どもはこの法律を出す以上、しかも衆参両院のきっと全員の議決ということになろうかと思いますが、そういうことになれば、これはもう法律の拘束はなくても、行政府はそのように指導せらるべきであり、またわれわれも指導しなければならぬと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/83
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084・小笠原二三男
○小笠原二三男君 そうすると、私の尋ねたのは二点あったのですが、一つは、将来の財源たるものは道路整備五カ年計画で必要としておる財源ではなく、一般財源をもって充てるということを建前にする。それから今後補正等の出る場合においても、三十一年冬期に備えて適雑なる予算措置を講ずべきである。この二点は了解が得られたようですが、そうしますと、衆議院の委員会あるいは本会議等で、この法案通過の際に、その趣旨のことを付帯決議をもって政府に対して意思を明らかにしておくというような措置等を講ずるお考えはあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/84
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085・田中角榮
○衆議院議員(田中角榮君) 私は提案君でありますから、最終議決がどうなるかはわかりませんが、衆議院の委員会でも最終的にはきっとそのようになるのではないか、そういう考えと、もう一つは、私自身は、でき狩るならばこの法律通過のときにそういう付帯決議を、衆議院、参議院いずれでもけっこうでありますから、お付け下さるように、衷心から希望いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/85
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086・田中一
○田中一君 道路局、長に伺いますが、道路対策委員会から出ておる積雪寒冷地域の道路というものの一番おしまいに図面がついておりまして、この図面には北海道、東北だけの除雪実施路線と除雪計画路線とあるのですが、これはだれが作ったのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/86
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087・富樫凱一
○政府委員(富樫凱一君) 私はこの図面を今日初めて見たわけでございまして、私どもの方で作ったものではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/87
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088・田中一
○田中一君 提案者に伺います。こういう資料を出されると、われわれはこの法律が通るとこれをみなやってくれるのかという誤解を受けるのですが、従って、政府は急速にこの法律に該当する区域というものをお示し願いたい。こういうだれが作ったかわからないような資料をこの法案審議の参考資料として出されては、非常に誤解を受けます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/88
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089・田中角榮
○衆議院議員(田中角榮君) 田中さんの御意見は十分了解できるのでありますが、これは議員立法でございますし、特にこの法律は財源を縛っておらないわけであります。幅を持たせて円満な運営をしたい、こういうのでありますから、この法律が制定せられたならば、やはり衆参両院の当該委員会の方の御努力を願ったりして、どういう基準ということは非常にむずかしいのでありますが、これは一級国道をいつやる、二級国道をどうするというのでなくて、いわゆる三メートルの積雪のある地域と、一メートルでも道路交通確保のためどうしてもやらなければならぬ所もありますし、寒冷度による損傷の率の多い所と非常に少い所と、これは地域が非常にむずかしいのであります。ちょうど農林関係を含めた積雪寒冷単作地帯振興臨時措置法や離島振興法とよく似ておりまして、この適用は非常にむずかしいのであります。その意味において、今建設省に作れといえば、衆参両院の意図するところは大体了解できまずから、作れるだろうと思いますが、私は今の段階において、こういう基準でやるのだということを建設省に作らせるよりも、この法律の趣旨を十分生かすようなものを、少し時間をかけて、また皆さんにも一つ御意見を出していただいて、新しいアイデアのものですから、基準を作るのに慎重にやられることがいいのではないか、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/89
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090・田中一
○田中一君 今日はこれだけで質疑をやめますが、だれが作ったかわからない、責任のない資料を提出されては、非常に迷惑です。そこで議員立法であろうと、その議員が政府に向って、この法案を出すからこれによって一応これに当てはまるような案を作ってみろと言えば、作らざるを得ないので、作っていただいて、次回の委員会に資料としてお出し願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/90
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091・赤木正雄
○委員長(赤木正雄君) お諮りいたします。この法案の審議は、本日はこれでとどめて御異議ありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/91
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092・小笠原二三男
○小笠原二三男君 道路関係について、私ちょっと質問をしたいと思いますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/92
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093・赤木正雄
○委員長(赤木正雄君) どうぞ。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/93
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094・小笠原二三男
○小笠原二三男君 それでは、たまたま道路局長お見えでありますから、道路関係について一つお伺いしたいのでありますが、それはこの図面にも出ておるのでありますが、岩手県と秋田県とをつなぐ盛岡−大曲間の盛曲線であります。これは二級国道の指定を受けておるはずでありますが、二級国道にふさわしい道路でないこともこれは周知の事実なんで、こういう場合、新路線を決定するその決定権者はだれであるかということをお尋ねしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/94
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095・富樫凱一
○政府委員(富樫凱一君) 国道につきましては、一級国道、二級国道とも、道路審議会に建設大臣が諮問いたしまして、その結果を政令で指定することになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/95
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096・小笠原二三男
○小笠原二三男君 ところが、現実の問題としては、これはこういう席で申し上げるのはいかがかと思うけれども、時期的に一応は公式の問題として取り上げて申し上げる段階でもあろうと思うので、あえて私は質問するのですが、岩手県、秋田県の両県知事の間で、それぞれ路線決定の話し合いをしておるのすが、それが最終的な結論を得ない、並行線で。秋田県は生保内から仙岩峠の北側を通る、岩手県は南側を通るということで、結着を得ないでおる。ところが、たまたま先般の鉄道建設審議会において、この盛岡−大曲間の途中にあります橋場−生保内間の生橋線の建設の問題が決定せられたのであります。その関係からいいますと、トンネル工事の取りつけ工事が鉄道関係においては行われなければならぬのでありますが、一方はこの二級国道の問題がある、これらがうまくからみ合って一本化して事業に着手できるということであれば、能率の上から、あるいは財政負担の上から、いって、適当なことではないかというふうにも考えられる。しかるに、この問題は何ら結着をしない。また建設当局はいかような指示を両県知事に対して与えておられるのか、また両県の知事に何ら権限がないなら、なぜ建設当局は建設省案なるものを道路審議会にかけて、これが最終的な決定を得ようと努力しておられないのか、その間の経緯について詳しく御説明を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/96
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097・富樫凱一
○政府委員(富樫凱一君) 先ほど申し上げましたのは、一級国道、二級国道の指定について申し上げたわけでございますが、ただいまのお話は、その二級国道のうちの改良をどの線を選んでやるかということのように拝承いたしましたが、その点は建設大臣が決定できるわけでございます。
そこでただいまの二級国道の問題でございますが、秋田県と岩手県との間に意見の調整がつかずに、未だに改良路線がきまっていない状態でございますが、これにつきましては、私どもの方では両県からそれぞれ意見を聞きまして、できるだけ早く協定するように言っておりますが、私の方の案はこれであるということはまだ示しておらないわけでございます。ただいまお話しのように、鉄道との関係で改良が急がれるという状態でありますと、できるだけ早くこの線をきめなければならぬと考えますが、至急に県に連絡いたしまして、その間の状況を聴取いたしたいと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/97
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098・小笠原二三男
○小笠原二三男君 では、私はまあ公式にはこれだけの質問をするにとどめておきますが、少くとも道路整備五カ年計画等ができ、またその前に二級国道の指定があって、なおかつ改良路線の決定が今日においてできない。これは一年やそこらではないのです。そういうふうに放置しておくということは、これは地元側に実際的な責任はあると思いますけれども、やっぱり形式上からいえば、国会として追及するとなれば、建設当局の責任を追及するという形になると思うのです。それでなお両者の間の決定ができないというなら、私は当委員会みずから両県知事を招致して、それででも決定しなければならぬと思います。それほどじんぜん日を暮していいような、緊急欠くべからざる路線でないというのであるならば、私はこれは二級国道の問題はそもそもに立ち返って検討し直さなければならぬと思うのです。そういう意味において、道路局長にははなはだ言い過きる点もあったかもしれませんが、やはり権限者の立場において、両県知事に妥結を急がれ、結論を得て決定もせられ、計画も立てられ、そうしてこの改良工事が進められるように強く希望いたします。この路線は宮古−盛岡−大曲−秋田間の太平洋、日本海をつなぐ重要な路線なのです。これ一本が通るということは、産業開発の上からいえば、両県において非常に大きな効果のある路線なんでして、これが今日まで放置せられたということははなはだ遺憾にたえない。
で、その結果はいつごろ当委員会に報告願えますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/98
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099・富樫凱一
○政府委員(富樫凱一君) あと二週間ほどの間おひまをいただきたいと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/99
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100・小笠原二三男
○小笠原二三男君 了解しました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/100
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101・赤木正雄
○委員長(赤木正雄君) 本日はこれをもって閉会することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414149X01519560315/101
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102・赤木正雄
○委員長(赤木正雄君) 次に、次回の委員会は、二十日に、この前に決定いたした通りに、連合委員会をいたします。その後なお時間があったら、継続して審議をやりたいと思います。
本日は、これをもって閉会といたします。
午後零時四十九分散会
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