1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十一年五月二十六日(土曜日)
午前十時十四分開会
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委員の異動
本日委員苫米地義三君、笹森順造君、
上原正吉君、小野義夫君、古池信三
君、高橋衛君及び栗山良夫君辞任につ
き、その補欠として石坂豊一君、秋山
俊一郎君、関根久藏君、重政庸徳君、
青山正一君、瀧井治三郎君及び小松正
雄君を議長において指名した。
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出席者は左の通り。
委員長 三輪 貞治君
理事
西川彌平治君
白川 一雄君
阿具根 登君
山川 良一君
委員
青山 正一君
秋山俊一郎君
石坂 豊一君
重政 庸徳君
関根 久藏君
瀧井治三郎君
深水 六郎君
海野 三朗君
上條 愛一君
小松 正雄君
加藤 正人君
中山 福藏君
国務大臣
通商産業大臣 石橋 湛山君
政府委員
通商産業大臣官
房長 岩武 照彦君
通商産業省重工
業局長 鈴木 義雄君
通商産業省繊維
局長 小室 恒夫君
事務局側
常任委員会専門
員 山本友太郎君
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本日の会議に付した案件
○繊維工業設備臨業措置法案(内閣提
出、衆議院送付)
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001・三輪貞治
○委員長(三輪貞治君) ただいまから委員会を開きます。
まず委員の異動について申し上げます。苫米地義三君、笹森順造君、上原正吉君、小野義夫君、古池信三君及び高橋衛君が辞任され、その補欠として石坂豊一君、秋山俊一郎君、関根久藏君、重政庸徳君、青山正一君及び瀧井治三郎君がそれぞれ指名されました。
以上御報告いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X03719560526/1
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002・三輪貞治
○委員長(三輪貞治君) 繊維工業設備臨時措置法案を議題といたします。御質疑のある方は御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X03719560526/2
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003・海野三朗
○海野三朗君 私は二、三お伺いいたしたいと思うんですが、この法案を出される前に当って、いろいろ通産省では審議を重ねられたものと思いますが、その際、どういう方面の人たちをもって審議を進められましたか、その点をお伺いいたしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X03719560526/3
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004・小室恒夫
○政府委員(小室恒夫君) 昨年八月二日に閣議決定をもって、繊維産業の総合対策を審議するための通産大臣の諮問機関として審議会を設置いたしたわけでありますが、この審議会には、会長は稲垣平太郎さんでありますが、そのほか中立委員として、日本銀行の副総裁であるとか、あるいは稲葉秀三さんであるとか、そういう方々に数名入っていただいたほか、繊維産業の各界の業界の代表者、それからまた、繊維の従業員の方の労務者の関係の代表者に入っていただいたわけであります。繊維機械の関係については、これは、私どもの方は、要望があれば入れるという気持でおったのでありまするが、業界の方も、少数の者が入って、多数意見に巻き込まれるのでは困るというような若干の懸念もあったようでありますので、結局これらの方は入らないということで審議を進めたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X03719560526/4
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005・海野三朗
○海野三朗君 そういう際に、審議会の委員の構成ですね、それには労務者側からもだれか入りましたか、業者側からいえばどんなメンバーが入ったのですか、またその割合はどういうふうになさるお考え方であったのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X03719560526/5
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006・小室恒夫
○政府委員(小室恒夫君) 繊維の労務者の関係は三名入っております。それから繊維産業の業界人といいますか、これは綿紡績もございますれば、毛紡績もあれば、毛紡績にも紡毛もあれば梳毛もあると、あるいは絹紡、麻紡、それから染色加工また織布部門の組合の理事長さん、これも綿、スフ、絹、人絹に分けておる、こういうふうな関係で、一番大きな業界で三名ぐらい、普通は一名ぐらいの代表者で構成されておるわけであります。そのほか中立委員が合計して五名入っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X03719560526/6
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007・海野三朗
○海野三朗君 中立委員といいますと、財界のあれがおもなんですか、どうなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X03719560526/7
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008・小室恒夫
○政府委員(小室恒夫君) 具体的に申し上げますと、日本銀行の副総裁の井上さん、評論家の稲葉秀三さん、それから木内信胤さん、それから杉道助さん、こういう方が稲垣平太郎さんのほかに入っておられます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X03719560526/8
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009・海野三朗
○海野三朗君 こういう際に業者及び労務者の方はあまり重きを置かなかったようなきらいがあると私は思うのですが、その辺はどうなんですか、十分業界及び労務者の意見を聴取されたのでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X03719560526/9
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010・小室恒夫
○政府委員(小室恒夫君) これは別に持ち時間等の制限を設けたようなこともございませんし、また審議会にはいろいろな部会を設け、また繊維の小委員会を設けまして、それぞれ労務者の発言も自由にしていただいたわけでございまして、人数の比例からいうと、あるいは労務者の数が少いではないかというようなお話もございますかもしれませんけれども、その立場の発言は十分伺っておりますし、またそれとは別に、非公式に役所として、それぞれの関係の人々とお話する機会も持ったわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X03719560526/10
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011・海野三朗
○海野三朗君 この結果から見て、この法案が出てきた際において、相当問題が、反対の意見の者も相当あったように思う。そうすると、その方面の労務者及び関係業者の意見が取り入れられていなかったのではないかという懸念がありますが、その辺はどういうふうにお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X03719560526/11
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012・小室恒夫
○政府委員(小室恒夫君) これはごもっともでありますが、先ほど申し上げましたように、私どもとしてはこの法律によって影響を受ける関連産業、特に繊維機械工業等については、代表者に入っていただいてもけっこうであるという考えを持っておったのでありますが、その業界の考え方も参酌して、結局入れないということに相なりましたが、しかしながら非公式に私どもは、繊維局といたしましては、紡織機械の協会の理事会等には、ほとんど毎月のように私どもが出るなり、あるいは代理の者が出るなりして、法案の進行状況その他を話して参ったのであります。またそれとは別途に、繊維機械の方の労務者の方々とも私自身懇談する機会が何回かあったわけであります。それで十分繊維機械工業側の要望なり労務者側の要望も承知しているし、そういう意味の影響をできるだけ軽微にするために通産省の名義でもって紡織機の更新の打合会というものを作りまして、これは前に申し上げましたので繰り返しませんが、更新需要を喚起する処置を具体的に講じたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X03719560526/12
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013・海野三朗
○海野三朗君 私はこの法案に対しましては金属の方は相当に反対者があった。そうしてみると、その方面の意見があまり取り入れられてなかった結果であると思う。そうしてみれば、この審議会というものは公平に、審議会は稲垣平太郎君が委員長でやったのでありましょうが、どうも審議会の進め方、その点について遺憾の点があると私は考える。今後ともこういうことがあってはならないと思いますので、どうも通産省としてはこの業者及び労務者の方の考えを取り入れるということが落ちておったんじゃないかと、こう思うのですが、どうなんですか。反対がある結果からみて、私はそういうことを申し上げる。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X03719560526/13
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014・小室恒夫
○政府委員(小室恒夫君) お言葉を返すようでありますが、むしろそういう反対があったので、業界人としては、繊維の業界の人は、たくさんおるところにあまり入って発言したくなかったという点があるかと思います。そういう事情もあるので、私どもは審議会のメンバーには言いませんでしたが、実際上の御連絡は先ほど来申したようにいたしておるのであります。その空気もよく承知しておられたわけでありまして、その点は非公式の連絡がありまするから、別に繊維機械工業の方に、どういう立場をもっておられるか確実に突きとめたわけではありませんが、実際的には連絡はとっておったわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X03719560526/14
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015・海野三朗
○海野三朗君 そうした際に十分その方面の意見を取り入れるために、その代表者を入れるということをないがしろにしてはならないのじゃないか、私はこういうことを申し上げる。で、そういうふうにして進められないと、法案というものはすべてへんぱに流れやすくなる、それであるからして、十分労務者なり業者の方の意見が反映するように、あるいはこの中立の立場にあるお歴々がたくさんおられるというとしり込みをするというおそれもなきにしもあらずでありますから、そういう際にその方面の労務者なり業界の代表者を入れるということが最も大切なことではないか、そういうふうに私は考えるのですが、どうなんですか。もう一度お伺いいたしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X03719560526/15
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016・小室恒夫
○政府委員(小室恒夫君) あるいはこちらから積極的に無理にでも入っていただくという方が今考えるとよかったかと思いますけれども、そのときは業界の方もあまり進んで入る気持もなかったようでありましたし、しいてということもいたさなかったわけであります。事実上の連絡でもって事が足りるのじゃなかろうか、一種の妥協的な考えを持ったわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X03719560526/16
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017・海野三朗
○海野三朗君 そこで私はこの点をはっきり申し上げておきたいと思いますことは、この審議会、いろいろまあ各審議会がありますが、こういう際に、その審議会の委員になる人がどういう人であるかというところに問題があるので、そういう際に最も公平なる立場に、しり込みをしたらその人を入れないということではなしに、これは利害関係の重大な影響を及ぼすから、ぜひこの意見を吐露してもらいたいということに、通産省が骨を折っていただかなければならない、出る法案に対してぶつぶついつでも反対があったり、これを調整するのに骨が折れる、その根本は何かというと、それに関係するところの業者なりその労務者なりの意見が取り入れられてないというところに基因しておるのであるから、この審議会の委員というような場合には、これはぜひそういうことに努力していただかなければならぬ。今日までおやりになったところを見ると、その点についてははなはだ遺憾の点がなきにしもあらずであったというふうにしか私は考えられないので、業者なり労務者なりの代表者を入れるということをぜひやっていただかなければならないし、またこの日銀の副総裁とか、これは中立者とか言うけれども、これは財界の者である、経済界の人たちであって、経済界の方面から見てこれを推していこうという場合には、必ずその考えがへんぱになるものであります。実際に仕事をやっておるもの、それからその実質上の関連産業のもの、そういう方面の意見を徴するということに通産省としては十分御熱意がなくちゃならない、その御熱意がどうも私は今日まで十分であったとは考えられないのであります。今後に対するまた通産省のお考え、そういうことに対してもう一度はっきりした御答弁を承わっておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X03719560526/17
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018・小室恒夫
○政府委員(小室恒夫君) 通産省のことを私が申し上げるのもなんでありますが、繊維局に対しましては、御趣旨を体してできるだけ努力いたしたいと思います。
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019・三輪貞治
○委員長(三輪貞治君) ただいま栗山良夫君が辞任され、その補欠として小松正雄君が指名されました。以上御報告申し上げます。
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020・海野三朗
○海野三朗君 大体政府の御答弁は了承いたしまするが、その労務者を入れるというような点は、将来とも非常に重要視していただきたい、そのでないと、労働問題がやかましいものでありますから、この労務者の代表も入れて、また業者の代表も入れるということが根本にならなければならないと思いますから、この点を十分はっきりした御返事をもう一度伺っておきたい。労務者を入れて業者の代表も入れる、この方面をないがしろにしてはいけないと思いますから、その点のお考えをもう一度お聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X03719560526/20
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021・小室恒夫
○政府委員(小室恒夫君) これはまことにごもっともなお尋ねでありまして、私どもも、法案には学識経験者と書いてございますが、労務者の代表をはっきりと入れるつもりでおりますので、特に提案理由のかなり末の方でありますが、労務者の代表もこの審議会に加えるということをはっきりいたしておるわけであります。その点は間違いございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X03719560526/21
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022・海野三朗
○海野三朗君 今ちょっと時間があるようですから、繊維局長に一、二点伺っておきたい。
この繊維産業は、東南アジア方面に対する日本の繊維産業の地位はどんなことになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X03719560526/22
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023・小室恒夫
○政府委員(小室恒夫君) これは、従来から日本の繊維産業の最も大きな市場は東南アジアであることは御承知の通りであります。最近いずれかというと、東南アジア方面に対する輸出はやや不振であります。その不振の原因の一つは、これは綿製品の最大のマーケットでありましたインドネシアが賠償問題等にからみまして、わが国の輸出超過のしりと申しまするか、わが国から申せばオープン・アカウントの債権の履行について渋っております。そういうような関係で、わが国としても一時的にはこのインドネシアとの貿易を大体バランスさせて参りませんと、債権が焦げつくようなことになりまするので、そういう事態から特にインドネシア向けの輸出が減少いたしましたこと、あるいはその他の国にも若干外貨事情等がありまして、最近はやや不振でございます。しかしながらこれはフィリピンとの賠償問題も解決を見た今日、おそらくインドネシアについてもかなり早い機会にそういう問題が解決するのじゃないかと思います。今日のところ将来の、長い目にわたっての将来の予測としては決して悲観はいたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X03719560526/23
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024・海野三朗
○海野三朗君 今のビルマ及びタイ、インド方面に対してはどうなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X03719560526/24
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025・小室恒夫
○政府委員(小室恒夫君) ビルマにつきましては、現在ビルマがアメリカから受けておりまするところの余剰農産物としての綿花を、日本に委託加工させるという話について具体的に話し合いが進行中でございますが、そのほかにもいわゆる通常貿易として相当程度の輸出がございます。しかしながら、今申したようにビルマ政府の外貨事情は実はあまりよくないので、ここしばらくのところはあまり大きな輸出は期待できませんが、相当有力な市場でございます。
それからインドにつきましては、インドとパキスタンとが分離いたしました結果といたしまして、インド側はむしろ繊維工業が非常に発達しておって、最近では毎年多いときは十億ヤード、少いときでも五億ぐらいの輸出国となっておりますので、これは特殊の繊維は別として、繊維の輸出先としては往年の地位を占めておりません。それに対しましてパキスタンはまだ紡績工業も確立しておりませんし、年々ある程度の輸出は行われておりますが、これも自国工業発展に伴いましてやや減少の傾きがございます。パキスタンとの間に余剰農産物の委託加工の計画を昨年実施しまして、今年もまた近い将来に行われる見込みでございます。大体そういうような……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X03719560526/25
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026・海野三朗
○海野三朗君 そうしますと、この繊維産業は、東南アジアに対しましては将来あまり明るい見通しは持てないという状況でありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X03719560526/26
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027・小室恒夫
○政府委員(小室恒夫君) これは一方において東南アジア諸国があるいは独立し、さらにまた経済的にもできるだけ工業化していこうというような動きがございまするからそれに応じてわが国の繊維工業の方もいわばプラント輸出というか資本輸出というか、そういう形で進出しようという計画もございます。これもまた一方においては時宜に適した点もあるかもしれませんが、また一方においてマーケットの見通しといたしましてもあるいはインド、あるいは香港、あるいはその他の国々、中共の面からもある程度出ておりますからそういう国からの競争もある程度激化いたしましょうけれども、インドネシアの将来については相当貿易拡大の見通しもあると思います。一がいに悲観することはないと思います。ただ私どもといたしましては最も競争の激甚な綿布のほかに化学繊維あるいは他の繊維、新しい繊維等も漸次東南アジアに輸出していくことが繊維貿易を拡大し、東南アジアにおけるわが国の市場を開拓するゆえんじゃないか、こういうふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X03719560526/27
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028・三輪貞治
○委員長(三輪貞治君) この際総括的に一、二の点について御質問しておきたいと思います。
本法案の提出を見るまでの立法経過を見てみますと、初めに繊維産業臨時設備調整法案というものが考えられておりました段階では生産制限のための共同行為、価格引き下げ勧告などの制度を入れておりましたものをいつの間にかこれを除去されたいきさつもあるようであります。これらに関連いたしまして近い将来にたとえば繊維産業の安定法というような形で現在の本法における勧告、相談に法的な基礎を与えられるようなお考えがありますかどうか、その点をお尋ねしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X03719560526/28
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029・小室恒夫
○政府委員(小室恒夫君) 確かに事務局原案の時代に、今の相談、勧告及び価格引き下げ勧告を裏づけるような規定がございました。しかしながら相談、勧告につきましては公正取引委員会等々と相談いたしました際に、これは独禁法の改正問題もいろいろ検討されている際であるから、まあ繊維産業の生産制限に関する共同行為というものは、これは法律的にできないなら格別であるけれども、現在やっておりますような行政措置として勧告する道も開かれておるわけでございますから、しいてこの際この法案に盛りたくない、こういう見解もございまして、またその他二、三同様な意味で行政措置でやる方が可であるという意見もありましたので、勧告、相談に関する規定は落したのであります。またそれと見合いまして、実は価格引き下げに関する勧告も同様の行政措置でできるという意味で落したのでありまして、実質的にこれらの措置をやらないわけではございませんが、万やむを得ざることがあれば、これは行政権の発動でやるという意味で落したのであります。従いまして近い将来には、これらの規定を直ちに復活させるということは、私どもといたしましては考えてはおりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X03719560526/29
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030・三輪貞治
○委員長(三輪貞治君) それから提案の理由の御説明、並びに質疑の過程で承わった中に、この法律案は当該事業界が情勢の変化に対応いたしまして、みずから醸成したもののごとき印象を与える御説明もあったわけであります。しかし結果としては事業者側の相当部分におきましては、このような法律案では確固たる強制力もなく、また自主的なものでもない、こう称している向きもあるようであります。政府当局は本法案のような規定の運用で、果して法律案の初めに掲げてありまするような目的の達成ができ得るとお考えになっておりますかどうか。その点をあらためてお伺いしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X03719560526/30
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031・小室恒夫
○政府委員(小室恒夫君) この法案はまず第一に、紡績設備及び染色加工設備が従来のごとく景気の変動に応じて無秩序に乱設されるようなことを防止いたしたい。新増設を必要とする場合は需給計画に照らして秩序立った新増設を認めていきたい、こういうのがねらいでありまして、この点についてはこの法案で十分目的を達するものと確信するものでありますが、また一方過剰設備処理の問題につきましては、できるだけ業界の自主性も尊重しつつ審議会の意見もしんしゃくして、いやな者に無理に強制することをできるだけ避けたい。しかしながらむろん委員長御指摘のようになかなか業界も複雑でございまするからその辺の取りまとめは相当困難があると思いまするが、これは行政指導でできるだけの努力をしてみたい。なかなか実績が上らない場合には法案の改正ということも考えなければならぬと考えておったのでありますが、衆議院におきまして中小企業の大部分を占める織布部門の過剰設備処理については、一種の強制命令、設備処理に関する命令の道を開いていただきました。私ども現実にこれを運用する立場としてはその点はあった方が確かに実際的である、こういう感じもしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X03719560526/31
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032・三輪貞治
○委員長(三輪貞治君) 総括的に大臣にお伺いしておきたいと思いますが、前の石炭の合理化法のときもそうでありまするし、本法もそうでありまするが、今までの通産行政のあり方を見ておりますと、非常に好況の場合には野放図にしておりまして、たとえば石炭の場合でありますと朝鮮ブームのようなときにはそれと合理化に向けるという指導をしないで、あるいは不況になると法律で合理化をしていく。こういう形が何か通例のようになってきているようでありますが、なおこの繊維、石炭のほかに近き将来において同様の合理化措置をお考えになっておりますかどうか、その点をお伺いいたしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X03719560526/32
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033・石橋湛山
○国務大臣(石橋湛山君) お説のように今までの処理はやや好況の時代には思うままに各企業者が各事業を拡張して、不況になりますとこの処理についていろいろの問題を起して、政府も黙っていられないから、何らかの手を加えなければならぬというようなことを繰り返しておりました。これは非常に悪いくせでありますが、まあ日本の企業がさっき局長もちょっと申しましたように、非常に零細企業が多いのでありまして、ことに繊維については昔から織布関係におきましては、少し景気がよくなるとむやみに企業がふえる、また少し不況になりますとそれらがはしから倒れていく、こういうようなことを繰り返して参りましたので、今度のこの法案などによりまして、そういうふうな企業をだんだん整理するとともに、協同組合等を強化して、波乱を少くするような方向へ指導したい、こう考えております。なおさしずめこれと同じような処置をとろうとしているところの、考えております産業はございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X03719560526/33
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034・海野三朗
○海野三朗君 今、大臣が御出席の前に、局長から大体のお考えは伺いましたが、もう一度通産大臣にはっきりした御所見を私は伺っておきたい。と申しますのは、このたびのこの法案につきましては、いろいろ賛否両論があった。それを考えますると、審議会というものでもって、いろいろと参考意見を聞かれたということでありまするが、この仕事をやっておる者——業者あるいは労務者、そういう方面の代表者を入れて、よくその意見を徴する必要がある。ただ単に中立者と言われるが、財界方面の代表者だけでもって、こういうことを編み出されるということは、へんぱになりやすい。私が特に申し上げたいのは、国民の声なき声を聞かなければならないのだ。それには下積みになって働いておるところの労務者及び業者、そういうものの意見を十分くみ入れて、この法案をお作り下されば反対者があろうはずがないのである。私はそういう点について、この労務者及び業者というものを、常に審議会、こういうものに対しては入れるということについてのはっきりしたお考えを持っていただきたいと思うのでありまするが、通産大臣からもう一度重ねてはっきりした御答弁を伺っておきたい。労務者及び業者、そういう方面の意見を少数意見として抑えつけないで、国民の、この業者なり労務者なりの声なき声を聞かなければならないのだと私は考えますがゆえに、大臣のこれに対する御所見を承わっておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X03719560526/34
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035・石橋湛山
○国務大臣(石橋湛山君) これは行政をいたしまする場合に、各方面の声を十分に聞いて、その声を取り入れて施策しなければならぬということはお説の通りであります。この繊維工業設備臨時措置法案につきましても、前の審議会には、御承知のように労務者の声も聞きたいというので、労務者の代表も加えました。なお今後の設けられる審議会等におきましても、その方面の人たちの意見が十分に出るように措置をして参るつもりであります。お説の通り実行いたしたい、かように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X03719560526/35
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036・三輪貞治
○委員長(三輪貞治君) 他に御発言もなければ質疑は尽きたものと認めて御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X03719560526/36
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037・三輪貞治
○委員長(三輪貞治君) 御異議ないと認めます。
これより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X03719560526/37
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038・上條愛一
○上條愛一君 私は本法案に対する修正案を提出いたしたいと存じます。
その要旨を次に読み上げます。
繊維工業設備臨時措置法案の一部を次のように修正する。
第二十五条第二項を次のように改める。
2 前条第三項の共同行為の内容は、次の各号に適合するものでなければならない。
一 一般消費者及び関連事業者の利益を不当に害するおそれがないこと。
二 不当に差別的なものでないこと。
三 当該共同行為の指示を受けた者に係る事業の従業員の地位を不当に害するものでないこと。
第二十六条中「前条第二項」の下に「各号」を加え、同条に次の二項を加える。
2 通商産業大臣は、過剰設備の処理が行われたことにより、糸又は織物の価格が著しく高騰し、当該糸若しくは織物若しくはこれらを原料とする繊維製品の輸出貿易を著しく阻害し、又は一般消費者若しくは関連事業者の利益を著しく害するおそれがあると認めるときは、当該糸又は織物の製造業者又は販売業者に対し、当該糸又は織物の販売価格を引き下げるべきことを勧告することができる。
3 前項の規定による勧告は、告示により行う。
第二十九条第二項中「第二十六条」の下に「第一項」を加える。
第三十三条に次の一項を加える。
3 通商産業大臣は、前項の建議があつたときは、これを尊重し、繊維工業設備の更新の措置に係る建議については、当該建議に基き設備の更新に関し必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
附則第一項中「三月」を「四月」に改める。
次に簡単にその修正条項の提出の理由を申し上げます。
第二十五条の問題は、原案において一、二の両号は含まれておるのでありまするが、新たに第三号を加えようとするものであります。これは何ゆえかと申しますれば、戦後においても、昭和二十七年にすでに綿紡績におきましては四割操短が行われたのでありまするが、そのときにおいて従業員の約五万余が職を離れて故郷に帰らざるを得なかったのであります。それからまた先般の中小企業安定法の第二十九条の実施に当りましても機械工業方面の従業員が多数その職を離れるに至ったのでありまして、このような臨時措置法が講ぜられまする場合においては、それに便乗するところの人員の整理や貸下げが行われ、労働強化が招来せられるという事情が存するのでありまするから、ここにおいてこの法律の実施によりまして共同行為の指示を受けるところの事業の従業員の地位を明確に確保いたしていきたい、こういう趣旨であります。
それから第二十六条の問題は、これは過剰設備の整理が行われ、ことに独占禁止法の除外例を認めることになるのでありまするから、この法案の実施に当りましては注意しなければなりません点は、すでにこの法案の実施を見越しただけの原因ではないとは思われまするけれども、今日においてすでに繊維製品が相当値上りをいたしておるという実情にかんがみましても、この法案の実施に当りましては強く一般消費者の利益を不当に害するというようなことのないような十分の配慮が必要であると考えまするので、従って政府はそういう場合に当りましては、価格の引き下げを勧告することができる。またもう一つは糸の高騰によりまして中小企業を中心とする織物業者が、従来原料高の製品安という苦境に追い込まれて参っておりまするので、そういうような糸その他原料の不当の価格のつり上げに対しましても十分政府が対処することのできるようにという精神に基きましてこの一項を加えたいと、こういうことであります。
それから第三十三条の問題でありまするが、これは三十三条の第二項において「審議会は、この法律の実施に伴い繊維機械工業その他の関連事業が受ける影響に対処するための措置について、通商産業大臣に建議することができる。」こう規定せられておりまするので、その建議いたしました場合においては、通商産業大臣は、その建議を尊重して繊維工業設備の更新の措置について十分必要な措置を講ずるように努力しなければならないという点を明確にいたしたいという精神であります。
それから次に、付則の問題でありまするが、衆議院の修正におきましては本法が実施せられてから三ヵ月の猶予を置くことになっておりまするが、それを四ヵ月に改めたいということであります。これは申すまでもなく、本法の実施に当りましては、なるべく猶予期間というものを短縮することが本法の精神を生かすことになることは申すまでもないことでありますが、今回の本法の実施に当りましては、特別な事情がありまして政府原案においては十分に本法の実施に伴って影響をこうむると認められておりまするところの関連産業の機械工業方面についての配慮が行われておらないのでありまして、従って、本法が実施せられまする場合においては、相当この関連産業方面における波乱を来たすことが明白であると考えられるのであります。従って設備の制限によって機械工業に打撃を与えるのでありますから、機械工業がこれに対処する準備の期間を相当置く必要があるのではないか、たとえば、機械工業者みずからが他に転換するの道を講ずるにいたしましても、また政府が紡織機の輸出を促進したり、あるいは技術の更新等に関する必要な処置を講ずる場合におきましても、これは相当な日時を要すると見なければなりませんので、従ってこれらの関連産業の犠牲に対しまして十分なる準備の処置を講ずる期間を置きたい、こういう精神からいたしまして三ヵ月を四ヵ月にいたして万全の措置を講じたいという精神にほかならないのであります。
以上が本法案に対する私の修正案を提出いたしました理由であります。
次に、私は日本社会党を代表しまして、本法案に対する態度を明らかにいたしたいと存じます。本法案は昨年八月設置せられました繊維産業総合対策審議会の答申の一つを骨子といたしまして提出せられたものでありまするけれども、繊維産業の安定策としては不完全なものでありまして、現下の操短を繰り返しつつある過剰生産対策として設備の制限のみをもってこれが解決をはかることは不可能であります。海外輸出の促進、生産量の制限、外貨割当による綿花、羊毛等の原料の輸入制限等の対策を講ずべきが当然であると存じます。加うるに政府原案は関連産業であって、本法実施によって多大の影響犠牲を受ける機械工業の対策が考慮せられておらないのであります。また中小企業に対する対策、一般消費者の立場もまた顧みられておらないのでありまして、またその内容にありましても共同行為におけるアウトサイダーに対する処置が不完全であります。しかしながら衆議院において修正を加え、付帯決議が付せられ、政府案の欠陥を若干補うことができたのであります。私はさらにここに修正条項を提出するとともに、衆参両院における修正条項並びに衆議院の付帯決議の方策に従いましてすみやかに政府は誠意を持って関連産業たる機械工業に対する万全の処置を講じ、さらに政府は近き機会において繊維産業の安定に関する総合対策を樹立されんことを強く要望いたしまして本法案に賛成するものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X03719560526/38
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039・白川一雄
○白川一雄君 私は自由民主党を代表いたしまして討論を行うものであります。局部的に設備が過多で業界の恐慌を来たすことを防ぐために登録制を設けることは妥当と思いますが、産業の盛衰には常に波があり、変化があるのが普通でありまして、海外の市場の推移等によってもまた動くことが多いので的確な見通しをして、あるいは制限したり、あるいは助長したりするようなことのないように、早まらざるよう行政指導を特に強く希望いたしたいと思うのでございます。また制限される紡績部門及び機械製造部門に過渡的に人員過多等の現象が免れないのをおもんばかりますので、周到なる行政指導を特に注意を促しておきたいと思います。
ただいま上條委員の提出になりました修正案のうち二十五条第二項の修正案は法律の修正としては訓示的なものであり、むしろ付帯決議とすべきものが妥当と考えられまして、特に当局は強い行政指導を的確にしてもらいたいという考慮から、特にこれに賛成いたすものでございます。
右よりの理由によりまして希望を述べまして修正案並びに修正案を除く本案に賛成するものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X03719560526/39
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040・加藤正人
○加藤正人君 私は緑風会を代表いたしまして衆議院の送付原案及び社会党提出の修正案に対しまして以下若干要望を付しつつ賛成をいたさんとするものであります。従来わが国の輸出貿易に関してはともすると海外からいわゆるダンピングの烙印をおされまして種種の形におきまして差別的待遇を受けてきたことはすでに御承知の通りであります。このようなダンピングの非難をこうむる要因の多くは遺憾ながら繊維製品の輸出に基因するものであったこともまた周知の事実でございます。もっとも、ダンピングの非難もあるいは感情的なもの、あるいは誤解に基くものが多いのでありますけれども、一面またわが国業者の過当なる競争に基因する面のあることも否定でき得ないのであります。かかる過当競争を惹起しておりまする根本的な原因は現在のわが国の繊維工業の設備が非常なる過剰状態にあり、これから生産される膨大なる繊維品が次々と売値をくずしつつ洪水のごとくに海外にはき出され、その関係業者を圧迫してきたところにあったことは、これは申すまでもないことであります。この顕著なものといたしましては、言うまでもなく綿紡績でありまして、現有八百三十万錘の設備中実に百数十万錘が過剰であるとされておるのであります。かかる状態を放置いたしましては、海外諸国ではやがてわが国に対してその門戸を閉鎖するに至ることは必然でございます。貿易振興上ゆゆしい事態を招来するばかりでなく、国内的にみましても常に需給の不均衡から特に中小企業の多い織布業界その他関連業界の経営を不安定なものたらしむることは、これはまた明白でございます。かかる意味におきまして今日おそまきながら本法案が立法化され、この過剰設備の処理がはかられるに至ったことはまことに重大なる意義を持つものであります。
繊維産業がわが国の輸出貿易に占める地位から見ましても、これはひとり一繊維産業界のみの問題でなく、広く国民経済全般の問題として同感を禁じ得ないのであります。
しかしながら本法案は、せっかくの立法化にもかかわらず果して所期の目的が達成し得るかどうかはなはだ疑問にたえないような点も少くないのであります。たとえば本法の最も大きな目的である過剰設備の処理についても、通産大臣その処理についての共同行為を業界に指示することになっておりまするが、その指示には何らの強制力が付与されておりません。このような強制力のない一片の指示のみでは複雑な利害関係のある業界が一本にまとまり得ないであろうことは過去の経験から見ましても明らかでございます。これではせっかくのこの法律が過剰設備の処理どころか反対に現に百万錘にも達すると言われておるのでありますいわゆるかけ込み増設によりまして、かえって設備を増加せしめたという皮肉な結果になるおそれが非常に多いのであります。この意味におきまして、私はこの点については何らかの修正を加えたいところでありますが、会期の切迫した今日、不満足ながら何とかこの法案を成立せしむること自体が先決問題であるので、本日はただ問題を指摘するにとどめて政府の今後の善処を要望したいのであります。同時に本法の精神に全く反するかけ込み増設分の取扱いにつきましては、過去においていわゆるやみ設備がいつのまにか正当化されたごときことのないようにくれぐれもその処置を誤まらぬように要望するものであります。
最後に社会党より提出された修正案につきまして一言言及したいのであります。すなわちこの修正案によれば、本法の経過期間については原案の二ヵ月が衆議院において三ヵ月となり、さらにこれが四ヵ月となるわけであります。これは言うまでもなく現在機械メーカーが受注しておる紡織機の製造に時をかすための配慮にほかならない。もしこの注文品が途中でキャンセルされれば機械メーカーの受ける打撃は相当なものであり、この意味において機械メーカーを保護せんとする気持は私にもわからないことはないのであります。しかしながら私が特に主張したいことは、もっと大きな国家的見地からであります。このことはとりもなおさずこの法律の目的と全然反するかけ込み増設の完了を待つことを意味するものにほかならないのであります。このようにむざむざ行われている二重投資、過剰投資という国家的損失はより大きな問題である。かかる観点から私はこの修正案には同調しにくいのでありますが、会期まぎわの今日、あえてこれをのむ次第でございます。一言この点に言及して私の討論を終ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X03719560526/40
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041・三輪貞治
○委員長(三輪貞治君) 他に御意見もなければ討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X03719560526/41
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042・三輪貞治
○委員長(三輪貞治君) 御異議ないと認めます。
これより繊維工業設備臨時措置法案につきまして採決に入ります。
まず討論中にありました上條愛一君提出の修正案を問題に供します。上條愛一君提出の修正案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X03719560526/42
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043・三輪貞治
○委員長(三輪貞治君) 全会一致でございます。よって上條愛一君提出の修正案は可決されました。
次にただいま可決されました修正部分を除いた衆議院送付案全部を問題に供します。修正部分を除いた衆議院送付案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X03719560526/43
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044・三輪貞治
○委員長(三輪貞治君) 全会一致でございます。よって本案は全会一致をもって修正すべきものと決定せられました。
なお本会議における口頭報告の内容、議長に提出すべき報告書の作成、その他自後の手続につきましては、慣例によりこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X03719560526/44
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045・三輪貞治
○委員長(三輪貞治君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたしました。
報告書には多数意見者の署名を附することになっておりますから、本案を可とされた方は順次御署名を願います。
多数意見者署名
上條 愛一 秋山俊一郎
石坂 豊一 瀧井治三郎
阿具根 登 小松 正雄
青山 正一 深水 六郎
白川 一雄 重政 庸徳
西川彌平治 関根 久藏
海野 三朗 加藤 正人
中山 幅藏 山川 良一発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X03719560526/45
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046・三輪貞治
○委員長(三輪貞治君) この際、石橋通産大臣より発言を求められております。これを許します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X03719560526/46
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047・石橋湛山
○国務大臣(石橋湛山君) きわめて複雑な問題を含んでおります繊維工業設備臨時措置法案につきまして、非常に長時間皆さんの熱心な御審議を受けまして、その結果本日修正議決されましたことをお礼を申し上げます。
この法案は私どもとしては、ぜひとも日本の重要産業であり、またいろいろの過去において常に問題の多い繊維産業を整備するためにはぜひ必要である、そうしてこれは相当効果があるものと確信して御審議をわずらわしたのであります。なお御審議中にいろいろの御意見があり、また修正がありました。修正の点は言うまでもありませんが、その間に述べられた御意見につきましても、われわれとして十分拝聴いたしまして、それらの御趣意に沿って十分この法案が日本産業の立て直しのために効果があるように善処いたしたいと存じます。どうかこれは政府だけの力ではなかなかこの法案の効果を十分あらしめることも実をいえば困難な点が多いのでありますから、どうか皆さんにもあるいは各業者におきましても十分御協力を願うように、各議員諸君においても今後とも一つ御援助をいただくようにお願いいたしまして私のごあいさつを終ります。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X03719560526/47
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048・三輪貞治
○委員長(三輪貞治君) 本日の委員会はこれをもって散会いたします。
午前十一時七分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414461X03719560526/48
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