1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和三十一年二月二十八日(火曜日)
午前十一時二十一分開会
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委員の異動
本日委員中田吉雄君及び後藤文夫君辞
任につき、その補欠として大倉精一君
及び石黒忠篤君を議長において指名し
た。
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出席は左の通り。
委員長
松岡 平市君
理事
石村 幸作君
伊能 芳雄君
森下 政一君
小林 武治君
委員
小幡 治和君
笹森 順造君
佐野 廣君
田中 啓一君
安井 謙君
大倉 精一君
加瀬 完君
岸 良一君
国 務 大 臣 太田 正孝君
政府委員
自治庁行政部長 小林與三次君
自治庁税務部長 奧野 誠亮君
事務局側
常任委員会専門
員 福永與一郎君
説明員
自治庁次長 鈴木 俊一君
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本日の会議に付した案件
○地方税法の一部を改正する法律案
(内閣送付、予備審査)
○地方公務員法等の一部を改正する法
律案(内閣提出)
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/0
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001・松岡平市
○委員長(松岡平市君) これより委員会を開会いたします。
委員の異動がございましたので御報告申し上げます。本日委員後藤文夫君は辞任されました。新たに石黒忠篤君が委員に任命されました。
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/1
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002・松岡平市
○委員長(松岡平市君) 去る二十二日地法税法の一部を改正する法律案が当委員会に予備審査のため付託されました。つきましては、この際、本案について政府の提案理由の説明を聴取しておきたいと存じますが御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/2
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003・松岡平市
○委員長(松岡平市君) 御異議ないと認めて、地方税法の一部を改正する法律案を議題に供します。政府の説明を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/3
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004・太田正孝
○国務大臣(太田正孝君) ただいま予備審査の議題に供されました地方税法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概略を御説明申し上げます。
政府は、明年度において地方財政の再建並びにその健全化をはかることを重要施策の一つといたしているのでありますが、この方針のもとに、あとう限り自主財源の充実等を期すべく、地方税制の面におきてましても鋭意検討を加えて参りましたところ、昨年十二月地方制度調査会及び臨時税制調査会から明年度地方財政に関連して地方税制改正についての答申がありましたので、その趣旨をも尊重して、今回の地方税制の改正を企図いたした次第であります。
その改正の方針といたしますところは、第一に、非課税範囲を縮小し、租税負担の均衡化をはかりながら増収を期待することであります。きわめて特別の場合を除きますれば、一部の人または物等について非課税を認めることは、税制上極力避けるべきであり、特に地方税の場合においてしかりでありまして、この意味におきまして、今回は、地方における自主財源充実の観点から、大幅な増収を期待し得るものについて非課税範囲の縮小をはかったのであります。すなわち、従来固定資産税を課されていなかった(1)国及び地方団体の所有する固定資産のうち国及び地方団体以外の者が使用しているもの(2)国有林野の土地、(3)地方団体の所有する発電施設、(4)日本専売公社、日本国有鉄道及び日本電信電話公社が直接その本来の事業の用に供する固定資産等に対して固定資産税相当額の負担を求めることといたしたのでありますが、これら固定資産の所有者が、国、地方団体等であることにかんがみ、特に固定資産税相当額の交付金または納付金を固定資産所在の市町村に交付し、または納付するようにいたし、この制度につきましては、別途「国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律案」として御審議を願うことにいたしております。なお、このほか、地方税法自体におきましても、同様の趣旨により、日本放送協会及び日本中央競馬会の所有する固定資産に対する非課税制度を廃止することといたしたのであります。
方針の第二は、受益者負担の制度を拡張いたしまして、施設充実に要する財源を確保することであります。国民の租税負担が一応限界に達しているとされている現在におきまして、さらに施設充実に要する財源を確保するには、その充実した施設によって受益する者に負担を求めることはやむを得ないことであり、反面その財源は関係の事業に充てることとすることが適当であると考えられますので、この趣旨のもとに、目的税制度を拡充しようとするものであります。その一は、道府県税としての軽油引取税の、その二は市町村税としての都市計画税の創設であります。
方針の第三は、税務行政の規律を明確化することであります。税務行政の規律を明確にすることによって納税者の納得を得ることができ、またその取扱いに公正が期せられるのでございまして、このことは、納税秩序を確立するための基本的な条件であると考えられます。今回、不動産取得税における住宅の定義、遊興飲食税における徴収猶予の制度、自動車税における課税方式等について改正いたそうとしておりますのは、いずれもこの趣旨に基くものであります。
方針の第四は、財源調整の機能を強化するための措置をとることであります。このたびの改正により、かなり大幅に自主財源の増強をはかっているのでありますが、なお自主財源の不充分な地方団体に対しましては、別に提案いたしました「入場譲与税法の一部を改正する法律案」によりまして入場譲与税制度の持つ財源調整の機能をさらに強化し、そこから得られる財源を振り向けることとするのもやむを得ないものといたしているのであります。
以上の方針による改正のうち、地方税法に関するものの内容の概略を御説明申し上げます。
第一は、総則に関する事項といたしまして、現在個人の道府県民税は、原則として市町村が市町村民税とあわせて賦課徴収することとなっているのでありますが、市町村が徴収した道府県民税が過誤納となった場合、納税者及び市町村の双方の便宜をはかり、他の市町村税の場合と同じく、これをその納税者の未納の市町村税に充当することができることとするものであります。特定の場合に道府県が個人の道府県民税と市町村民税をあわせて徴収した場合における事例についても同様に取り扱うことといたしております。
第二は、道府県民税及び市町村民税に関する事項といたしまして、その地方団体内に事務所、事業所を有しないが、寮、クラブ等を有する場合に均等割を課することができることとしたのであります。これによる増収額は三百万円程度であります。また給与所得者のうち年金受給者のごとく特別徴収によることが著しく困難であると認められる事情がある者に対しては、普通徴収の方法によることができることとしたのであります。
第三は、不動産取得税に関する事項といたしまして、住宅の定義を「人の居住の用に供する家屋又は家屋のうち人の居住の用に供する部分」と改めることであります。これによって併用住宅を建築した場合は常にその住宅部分について百万円の基礎控除の特典が認められることとなるのであります。
第四は、娯楽施設利用税に関するものでありますが、学生、生徒等のスケート場の利用に対しましては、すべて非課税とすることとしたのであります。これは学校によってはスケートを正科としているところもありまして、学生については、スケートを娯楽の見地から律するよりもスポーツの見地から律する方が適当であると考えられるからであります。これによる減収額は三千八百万円程度であります。またパチンコ場等に対する本税の徴収方法について、従来の申告納付のほかに、道府県の選択により、普通徴収の方法によることができるものとしたのであります。
第五は、遊興飲食税に関するものであります。従来遊興飲食税の徴収については、発生主義の立場から行為の行われた月の翌月にその行為にかかる税額をすべて納入することになっていたのでありますが、昨年十一月公給領収証制度の実施に伴って特別徴収義務者は遊興飲食等の行為のあったときに、料金及び税額を受取るといなとにかかわりなく、すべて領収証または領収証となるべきものを作成することとなりましたので、料金が売掛になっているかあるいは現実に収入になっているかは、領収証制度を忠実に履行している限りは明確になっておりますので、その種のものについては売掛部分について三月以内の徴収猶予をすることができることとし、この部分については延滞金を免除するものとしたのであります。また、貸し倒れとなった場合等には、すでに遊興飲食税を立てかえて納入しているときは還付し、まだ納入されていないときは、納入の義務を免除することとしております。
第六は、自動車税に関する改正であります。その一は従来揮発油には揮発油税及び地方道路税が課せられておりますのに、軽油にはそれがなかったので、その間の負担の均衡を保つため、軽油自動車に対する税率を揮発油自動車のそれの五割増に定めていたのでありますが、今回軽油引取税が創設されることとなりましたので、この税率区分を廃止し、軽油自動車に対する税率を揮発油自動車に対する税率まで引き下げることといたしたのであります。これによる減収額は、昭和三十一年度二億九千七百万円の見込みであります。その二は、自動車の所有者が変った場合、都道府県間に異動があった場合等における従来の取扱いを改め、すべて月割をもってそれぞれ課税することとしたのであります。さらに、年の中途で自家用車から営業用に変更になったこと等により、その適用税率が異なることとなった場合も、それぞれの月割額の合算額で課税することとしたのであります。その三は、所有権留保付売買があった場合は、実際の使用者である買主に対して課税することができることとしたのであります。最近自動車の月割販売が相当行われているのでありますが、一切の租税公課は買主が負担する契約をしているにもかかわらず、現行法では販売会社に課税しなければならないこととなり、実際の納税上種々の不便があったのを是正しようとするものであります。
第七は、固定資産税に関するものであります。日本放送協会及び日本中央競馬会の所有する全固定資産を非課税の範囲から除くこととし、特に日本放送協会が所有する固定資産で直接その本来の事業の用に供するものに対しては、その公共性にかんがみ、課税標準は価格の二分の一、昭和三十一年度においては、激変を避けるため四分の一といたしています。この改正による増収額は昭和三十一年度八千百万円、平年度九千五百万円の見込みであります。
第八は、電気ガス税に関するものでありますが、日本国有鉄道が直接一般交通のための旅客または貨物の運送の用に供する電気に対しては、電気ガス税を課さないこととし、一般の地方鉄軌道事業者におけると同様の取扱いといたすのでありまして、これによる減収額は、昭和三十一年度四億円程度であります。
第九は、目的税として軽油引取税を創設しようとすることであります。軽油引取税は、すべての都道府県が課税するものとし、特約業者からの小売人または消費者の軽油の引き取りを課税客体とし、納税義務者はその引き取りを行う者としたのでありますが、徴収は特別徴収の方法によることとして、特約業者を特別徴収義務者とし、毎月引き渡した軽油の容量を課税標準とし、営業所所在の道府県にその翌月の十五日までに申告納入することとしております。なお、代金決済の実態に照し、揮発油税の徴収と同じく、担保を提供した場合は、二月を限って徴収猶予を認めることとしております。税率は、一キロリットルにつき六千円であり、揮発油に対する揮発油税及び地方道路税の合計額一キロリットルにつき一万三千国の約半額であります。本税は、目的税であることから、道路との関連の有無、免税手続きの難易等を勘案して免税の範囲を定めております。すなわち、船舶の主たる推進機関の動力源に供するもの、国が設置管理する航路標識の光源に供するもの、鉄道車両または軌道車両の主たる推進機関の動力源に供するもの、その他これに類するもの陶磁器の製造工程における焼成用に供するもの、その他政令で定める事業を営む者が政令で定める用途に供するもの等については免税措置を講じております。本税の税収入は、その徴収に要した費用に充てた残額は、すべて地方道路譲与税の場合と同様に、道路に関する費用に充てるものとされるのであります。なお、五大市の長がその区域内の国道及び府県道の管理責任者とされておりますので、五大市所在の府県は、その徴収した軽油引取税を道路の面積を基準として五大市に交付することとし、五大市はその交付された額を道路に関する費用に充てなければならないこととしております。本税の収入額は、昭和三十一年度二十四億五千四百万円、平年度三十七億九千六百万円の見込であります。
第十は、同様に目的税として都市計画税を設けようとすることであります。市町村は、都市計画事業に要する財源に充てるため、都市計画税を課することができるものとしていますので、課するかいなかは市町村の任意であります。この税は、都市計画区域として決定された区域の全部または一部の区域で市町村の条例で定めるもののうちに所在する土地及び家屋に対して課することとし、課税標準は固定資産税の場合と同様その土地及び家屋の価格とし、税率は百分のO・二をこえることができないことといたしております。徴収については、固定資産税とあわせて行うこととにより手続の煩雑化を来たさないよう配慮いたしております。目的税でありますので、収入は全部都市計画事業または土地区画整理事業に要する費用に充てなければならないものとしております。税収入額は昭和三十一年度三十億三千九百万円、平年度三十四億三千七百万円と見込んでおります。
以上のほかなお次のような点についての改正をいたしております。
その一は、自動車損害賠償責任保険にかかる収入金額を正味収入保険料の百分の十とすることであります。この保険が強制保険であることと、その付加保険料の割合が低いことにかんがみまして、現在の百分の三十五を引き下げようとするものでありまして、これによる減収額は七百万円程度であります。
その二は、外航船舶を運航する法人の事業税の課税標準である所得の算定について特例措置を定めることであります。御承知のように、海運業に対しましては、収入金額を課税標準として課税しておりましたのを、昭和二十九年四月一日以後所得を課税標準とし、その所得の計算は法人税の計算の例によって算定することに改めたものでありますが、その際、法人税の所得の計算上損金とすることを認められる減価償却額のうち、いまだ損金経理の行われていないいわゆる減価償却不足額の莫大なものをかかえており、それは、所得を課税標準とすることになっても、事業税においては当然に直ちには損金として繰り越されないため、自来法人税と事業税との間に所得の計算が異なることとなったのであります。このこと自体は、たたに税務行政上その所得計算を二重にしなければならないばかりでなく、そもそも海運業のわが国経済に占める特殊な地位にかんがみ、国策として海運業を助長している際でもありますので、法人税における場合と同様の取扱いをいたすことによって、所得課税に切りかえた時期における減価償却不足額の掛金としての繰り越しは認めることとし、また欠損金の取扱についても減価償却不足額の取扱いとの均衡をとるため、同様に法人税について認められる損金としての繰り越しは認めることとして、税額算定の簡易化をはかることにいたしたいと考えております。
その三は、国民健康保険税につきまして、被保険者一人当りの保険税額や療養給付費の増大に伴い、課税限度額を現行の三万円から五万円に引き上げることでございます。
その四は、軽油引取税及び都市計画税の創設に伴い、「日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定の実施に伴う地方税法の臨時特例に関する法律」の一部を改正いたしまして、軽油引取税にあっては合衆国軍隊及び国際連合の軍隊等が軍隊等の用に供する軽油の引き取り、都市計画税にあっては軍隊等の所有するものに対しては課税しないこととしております。
以上御説明申し上げました地方税法の改正案による昭和三十一年度の増収見込額は入場譲与税、国有資産等所在市町村交付金及び納付金を含めて百二十億三千九百万円となります。平年度におきましては百八十三億八千四百万円の見込みであります。
以上をもって今回提案いたしました地方税法の一部を改正する法律案の提案理由及び内容の概略の説明を終ることといたします。
何とぞ慎重御審議の上、すみやかに本法律案の成立を見ますようお願いいたす次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/4
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005・松岡平市
○委員長(松岡平市君) 本案につきましては、適当な機会にさらに詳細なる説明を聴取し、質疑に入ることとして、本日はこの程度にいたして御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/5
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006・松岡平市
○委員長(松岡平市君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/6
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007・松岡平市
○委員長(松岡平市君) なお御報告申上げます。本日、委員中田吉雄君が辞任せられまして、新たに大倉精一君が委員に任命されました。
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/7
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008・松岡平市
○委員長(松岡平市君) 次に、地方公務員法等の一部を改正する法律案、本院先議、を議題に供します。
本案に対する政府の提案理由の説明はすでに聴取いたしてありますので、これより質疑に入ります。御質疑のおありの方は御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/8
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009・加瀬完
○加瀬完君 提案理由の説明は先般担当大臣から伺ったわけでございますが、一そう法案の改正点を明瞭にさせるために、次長もお見えのようでございますから、提案説明を補足する意味でさらに具体的ないろいろな問題について、もう一度説明の補足をしていただきたいと思いますが、委員長の方でよろしくお取り計らいいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/9
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010・松岡平市
○委員長(松岡平市君) 次長よろしゅうございますね。それでは地方公務員法等の一部を改正する法律案について、現行法との関係その他について、前回の政府の御説明と重複を避けるようにして、一応各委員のわかりやすいような御説明を願うことにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/10
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011・鈴木俊一
○説明員(鈴木俊一君) それでは、地方公務員法等の一部を改正する法律案要綱というのがたしかお手元に御配付申し上げてあるかと思いますが、その要綱につきまして御説明を申し上げたいと思います。
第一点は、「市町村の公平委員会を廃止し、その事務は、都道府県の人事委員会が処理するものとすること。」、この点は前回提案をいたしておりました地方公務員法の改正案の中にもうたっておりました点でございまして、全く同様でございます。その趣旨は、今日市町村に公平委員会が置かれておるわけでございますが、不利益処分の審査等を中心とするこの仕事は、この公平委員会の制度ができましてから今日まで、全市町村を通じましても百件ぐらいの程度でございまして、非常に件数も少い。また、市町村ごとにこういう公平委員会を置きましても、真に不利益処分を審査するにふさわしいような人を得ることがなかなか困難である、そういうような状況から、今日すでに府県の人事委員会に委託をいたしましたり、あるいは合同して、共同で公平委員会を設置するというような便法が設けられておるわけでございますが、その趣旨をさらに徹底をいたしまして、府県の人事委員会が市町村の公平事務を処理するようにいたしたいというのがこの趣旨でございます。ただし、今日人事委員会が残っておりますのは、五大市を除きますと、仙台市だけでございます。その部分だけはそのまま残しておいて、公平事務がそこに残る、こういうことになるわけでございます。それは附則においてその点を明かにいたしております。
次に第二点は、「地方団体は、条例で停年制を定めることができるものとし、停年制を定めるに当っては、職員の職の特殊性並びに退職年金及び退職一時金の制度との関連について適当な考慮を払わなければならないものとすること。なお、市町村立の義務教育学校の職員の停年制は、都道府県の条例で定めるものとすること。」この点でございます。停年制は、前回提案をいたしておりました案には入っていなかったわけでございますが、今回これを新しく加えまして御提案を申し上げた次第であります。停年制につきましては、かねていろいろ御議論があったわけでございますが、地方制度調査会におきまして、二回にわたりまして停年制の施行実施につきまして、政府に対する答申がございました。政府はその点を考慮いたしまして、今回加えることにいたしたわけでございます。要するに、職員の停年制につきましては、地方公務員法が施行になります以前におきまして、ことに市町村におきましては相当程度にこの停年制が制度として行われておったのでありますが、現在の地方公務員法におきましては職の適格性がございます限りは、年令のいかんを問わずその身分を保障するという建前になっておりまするので、新陳代謝ということができない。停年制を設けることは法律上違法ではないかという議論があるわけでございまして、今回その点を明らかにいたしまして、条例で停年制を定めることができる、こういうふうにしようということであります。ただ、そういう停年制を定めまする場合には、いかなる年令を停年に定めてもよろしいというのではなくて、職員の職の特殊性、年令に影響を及ぼしまするような職員の職の特殊性というものを考慮して、停年制を定める場合の年令を定めなければならないし、また退職年金、退職一時金、要するに恩給等がもらえる年令というものとの関連を考慮して停年制を定めなければならないということを、念のために法律の上に明らかにいたしまして、停年制をやるとやらないとは各地方団体がその実情に即して条例に基いてやる、やろうと思うならばやれる、こういうふうにしようというのが今回の案でございます。
なお義務教育学校の職員につきましては、今日の建前では御承知のごとく公務員としては市町村の公務員と、こういうことになっておるわけでございますから、従って停年制も各市町村ごとに放っておけば作らなければならない、こういうことになるわけでございますが、それは今日給与の負担が府県になっているし、退職年金の負担も府県になっておりまする関係上、これは都道府県の条例で統一的にやる、やらないを定めるのがよろしいというので、教育公務員法に対する特例といたしまして、都道府県の条例で義務教育職員の停年制をやるということにいたしておるものでございます。
第三点は「地方公共団体は、当分の間、条例で定めるところにより、臨時待命制度を実施することができるものとすること。なお、市町村立の義務教育学校の職員の臨時待命制度は、都道府県の条例で定めるものとすること。」という点であります。臨時待命の制度は、二十九年度及び三十年度におきまして国家公務員につきましてもまた地方公務員につきましてもこのような名前の制度ができておったわけでございますが、これは最長十カ月を限度といたしまして、職を、その意に反して、やめさせるという場合に、臨時待命という名前で指名をいたしまして、その指名された者は勤続二十年以上の者は十カ月臨時待命という形で仕事はしないが給与をもらえる、こういう制度を作ったわけであります。その制度は、国家公務員につきましてはすでに失効いたしておりますが、警察職員につきましてはなお効力を持っておるのであります。この点に関連をしまして、やはりこれも昨年地方制度調査会の答申がございまして、休職と同じような、要するに一定の期間経過いたしましたならば失職になるような制度を考えるべきである、職務はとらないが一定期間経過すればやめるというような、ちょうど昔の休職制度のようなものを考えてもらいたいという答申があったのでございます。政府としましては、今日の公務員制度上の休職というのは、復職を前提とするものでございますので、一定期間経過によって当然に失職するというような古い官吏制度時代の休職というものはないのでございますので、そういう形の休職制度はとれない、しかし実質において同じような考え方に立ちまするところの臨時待命という制度をそれでは規定することがよかろうというので、実は今回この臨時待命の制度を書き加えまして提案申し上げたような次第でございます。なお義務教育学校の職員につきましては、停年制と同じように、本来は市町村の条例で作るべきでございますが、恩給制度等の関係もございまするので、都道府県条例でやる、こういう形にいたしておるのであります。
それから第四が、「退職年金及び退職一時金並びに退職手当の支給に関する異議の審査制度を整備するものとすること。」という点であります。これは、現行法によりますというと、地方公務員法上には特別にこの異議審査の制度がございませんので、一般法であるところの地方自治法によりまして給与の給付に関する、異議として長なり教育委員会等に対しまして異議の申し立てをする、異議の申し立てがあれば議会に諮って決定をする、こういうような格好になっておるのでございます、しかしながら今日この人事委員会の制度があるわけでございまして、人事委員会の構成、任務等から考えまして、退職手当の支給に関する異議は、みずからやった長が自己審査をするというよりも、むしろ人事行政を専門とするところの人事委員会の審査に付することの方がより合理的であるということで、府県の人事委員会に異議の審査をしてもらうというふうにいたしたという点が第四点であります。
それから第五点は、「任用候補者名簿の提示方法を簡素化するものとすること。」という点であります。この点は一つの職の職員を採用いたします場合に、五名の候補者を試験に合格した者のうちから作りまして、それを人事委員会が提示する、こういう格好になっておるのでありますが、この点は従来からも採用権につきまして不当な制約を加えて、かえって不都合であるというような議論があったわけでございまして、その点を今回は五名というような制度をはずしまして、人事委員会の規則に細部の事項を譲ることにいたしたのであります。実質的には今日国家公務員につきましても五級職以下の者につきましては、いかなる順位の者でも、いやしくも採用試験に合格しております者は任命権者が採用できる、こういう人事院規則が出ておりますが、それと同じような形におきまして、地方におきましても任用の際におきまする任命権者の選択の範囲を広くするようにいたしたいというのがこの第五点であります。
それから第六点は、「採用試験について受験手数料を徴収することができるものとすること。」という点であります。今日地方公務員になりますために人事委員会が行いますところの採用試験を受ける者は非常に多数ございまして、東京都のごときは万に近い数に達するというような状況であります。これらの試験につきましては相当多くの経費を要しまするので、受験者に対しまして一定の受験手数料を徴収してその経費の一部に充てるということを行なってもいいのじゃないか。現に国家公務員につきましても同様なことを実施いたしておりまするので、地方につきましても受験手数料を徴収することができるようにいたしたい、こういうのが第六点の改正でございます。
大体今回改正いたしたいと考えておりまするのは以上の点でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/11
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012・松岡平市
○委員長(松岡平市君) ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/12
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013・松岡平市
○委員長(松岡平市君) 速記を始めて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/13
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014・加瀬完
○加瀬完君 自治庁にお願いしますが、停年または待命制度というものをこれから設けようといたしておるわけでございますが、これによりまして、自治庁が今想定をいたしております停年による退職者あるいは待命による退職者といいますか、こういうものを総計いたしまして、地方財政の上にどれだけの財源余裕というものを生ずるのか、この明細な資料を御提出いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/14
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015・松岡平市
○委員長(松岡平市君) いかがですか、自治庁の方で、ただいま言われた資料はすぐおできになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/15
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016・鈴木俊一
○説明員(鈴木俊一君) ただいまの点は数字をはっきり整えまして、次の機会に、午後までに差し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/16
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017・松岡平市
○委員長(松岡平市君) その点につきましては、なるべくすみやかに資料を御提出願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/17
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018・加瀬完
○加瀬完君 もう一つ、国家公務員法なり、地方公務員法が制定されましたときに、停年制なり、あるいは待命制度なりというものが特に設けられなかった理由というのはどういうことであったのですか、これは委員会における質疑、あるいは法案制定の過程におけるこの問題についての見解でも、資料がありましら、あわせて御提出いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/18
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019・鈴木俊一
○説明員(鈴木俊一君) この点はなおよく速記録を私どもの方でも調査をいたしまして、御要求のものがございますれば急いで手配をして差し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/19
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020・松岡平市
○委員長(松岡平市君) それでは、これは調査室の方でもそういうものについてはかねがね研究しておられることだと思いますから、資料を探されて、自治庁でも探されて、そうしてなるべくすみやかに自治庁で何か資料があれば提出するようにお骨折り願いたい。よろしうございますね……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/20
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021・小幡治和
○小幡治和君 この停年制の問題ですが、停年制を特に今度定められたというその立法理由、それはまあ財政的に高給者に勇退してもらうということなのか、それとも能率的に新陳代謝ということを主として考えているのか、どっちなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/21
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022・鈴木俊一
○説明員(鈴木俊一君) 停年制の制度それ自体は、あくまでもこれは新陳代謝ということなのであります。一定の年令に達しましても能力が減退しない人に対して、要するに適格性を備えておる人に対しては、これは考え方によれば、そういう人に職にさらにとどまってもらうのがいいのかもしれない。しかし今日どんどん新しい学校の卒業生が出て参って、その間新陳代謝が行われないということになりますと、やはり清新の気風を注入することもできませんし、いたしまするので、やはり正常な姿で、毎年、一年づつ卒業生が加わってきまするならば、官庁等に勤務しております者も毎年一歩づつ交代をして、その席を譲って行くと、こういう新陳代謝の建前が可能であるようにいたしたいというのが、今回の停年制を施行しようとする根本の理由であります。ただ今日まで地方公務員法上停年制を施行できなかったわけでございますから、事実上任意的な話し合いの措置によって停年制のような形で、一定の年令に達した者にはやめてもらう、こういうようなことをやっておった団体もあるようでございますが、そうでない団体には相当高年令の人もあるようであります。そういうようなところに、もし条例によって停年制を実施するということになりますと、その第一回の年におきましては、新陳代謝が一時に数年分といいますか、相当の分まとまって行われるわけでございまして、これにかわって全員新しい卒業生を入れるということでありますれば、これは新陳代謝でありますが、やはりそういうことでなくて、一定の限度のものしか交代としては入れないということになりますと、そこにその程度の整理が行われるということになるわけでございます。将来的に永久的な制度として考えますと、先ほど申し上げましたような新陳代謝ということを建前とするのでございますが、施行の当初におきましては、そういうようなことが団体によっては若干起るだろうかと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/22
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023・小幡治和
○小幡治和君 そういう点だろうと思うのですが、そうすると、ほんとうの人事行政の面から見て、大体これで条例を作るとなると、あるいは五十なり五十五というふうなことにきめて行くことになるだろうと思うのです。そうすると、そこに非常に冷い年令の定規によって処してしまうというふうな弊害が出てくるということを私は心配するので、むしろ五十なり五十五というようなところは、人間としては一番経験としてもついてきたところだし、また人格的に円熟してくるときだし、これからほんとうに仕事ができるというときに、むしろその冷い定規できめられて、そうしてまるで未熟な若い者がそこへ出てくるということになると思う。そういう点でここに職の特殊性ということを法案に入れておりますが、私は人の特殊性というものをなぜ考えなかったか。すなわちその人が非常に技術的にほかの人と比べてかえがたいようなりっぱな技術者であり、あるいはその人が人格的に見でその部門の行政について非常に他の者をもってかえられないほどのりっぱな者であるというふうな者を、冷い停年制でもって処してしまうということは非常に惜しいという気がするのですが、そういう面がとかくおろそかになりがちだと思うので、そういう点についてどう考えられますか。私は職の特殊性のほかに、人の特殊性というものを入れてもらいたいというふうに考えますが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/23
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024・鈴木俊一
○説明員(鈴木俊一君) ただいまの点はごもっともなことでございますが、この法案におきましては、停年制を定めるのはこれは各団体が自主的に定める。定める場合の一つの要件として、恩給との関係とか、その職務の性質というものを考えて定めなさい、一律一体に機械的にということのみを目標にしないで、こういうような点にも考慮しなさいということを特に念のために書いたのでございますが、ただいまの点はひとり職のみならず、人についても考えろということでございます。この点は、たとえば余人をもってかえがたい地位におる人、そういう人について特別のはからいをするということは、これは条例の上でそういう表現をもってうたえばそれでいいわけでございまして、そういうことを一切認めないという趣旨ではないのであります。要するに条例で自主的にいかようにもきめられる。ただその際の条件として、今の職員の職の特殊性と年金との関係からの考慮、こういうことを念のためにうたったわけでございまして、ご指摘のような点も、条例の上でうたえばそれも可能であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/24
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025・小幡治和
○小幡治和君 それはそうだろうと思うのですが、しかし職の特殊性ということを特にここにうたう以上は、やはり人の特殊性というものの方がむしろ大事だと思うのです。そういう点も入れておいて、そうして各府県の条例の一つの基準としてして、職としての特殊性というものを考えるということを言ってやった方がいいじゃなかというふうに私はそう思うのです。その点もう一ぺん再考していただきたいということが一つと、それから二年ということですが、若朽に対する新陳代謝というものをどういうふうに考えておられるか。さっきの新陳代謝というものが主であるとするならば、若朽というものの新陳代謝というものを考えて行かなければなるまいと考えるのですが、そういう点についてはどう考えておられるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/25
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026・鈴木俊一
○説明員(鈴木俊一君) 若朽というのは、ようするに若いけれども適格性がない、こういうものだろうと思うのであります。そういうものは今日の制度におきましても、適格性がないのならば、これは排除できる建前になっておるわけでございますが、実際適格性がないからといってやめさせることは、なかなか実際問題としてできないということでありますが、しかし制度上は、適格性がないものならば排除できるという建前に今日すでになっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/26
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027・小幡治和
○小幡治和君 どうも停年制というものを作ると、結局停年まではどんな若朽でも、これは身分が保障されておるので、悪いことさえしなきゃたばこを吸ってぼんやりしておってもいいのだ。しかし今度停年制が定められますと、一生懸命勉強して、すばらしい人がりっぱな技術者になり、人格者になっても停年がくればやめてしまう、そこに非常な欠陥があると思うのです、人材という面において……。これをやるのには、どうしても私は停年になっても、その人が実にりっぱであるならば残しておく、また停年にならなくても、その人がさっぱりだめならば、これを簡単に処置できる、今のところあなたはそういうところを法律的にはできるというのだが、実際上できない、できにくい。それをある程度簡単にできる……、待命制度で今度できるのですか、待命制度というものはそういうところに援用していいのかどうか。そういう停年になっても非常にいい人を残しておく、若朽でも停年までは安全だという観念を払拭して、若朽なら簡単に若朽ということが人事委員会にすべてわかってくれば、これをやめさせる、そういう点の配慮がなくて、停年制というものをやると、非常に弊害が伴うと思うのですが、その点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/27
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028・鈴木俊一
○説明員(鈴木俊一君) 停年制というのは、要するに職員の概数を観察いたしまして、多くの職員、通常の能力を備えている者は、一定の年令まで勧めて、そのかわりにある時期になれば若い者と入れかわっていく、こういうのが本旨でございまして、こういうような建前は、世界各国とも停年制のないところはほとんどないと申していいと思うのであります。ただいま御指摘の点は、要するにそういう停年制を機械的に一律に定めてしまうというと若朽の淘汰ができないし、いい者でおいておかなければならぬ者が、途中でやめさせられなければならぬじゃないか。こういういわば、全体の公務員から申しますならば、そういう特殊な場合に対する配慮が欠けてはならぬという御注意かと思うのでありますが、その点はまことにその通りでございまして、職員の職と申しましても、あるいは御指摘のように人というふうに申しましても、結局特定の人が熟練を多く要するような地位によって初めてその人は価値を持つわけでございまして、どこへ持って行っても使える人という者はおらぬわけでありまして、ですから御指摘のように、かけがえのない人というのは、やはりその職と結びついているわけでもあると思うのであります。生き字引というような人におってもらいたい、停年に達してもなお残したいという場合には、やはりそういう人をその職に置かせるということは意味があるのだろうと思います。そういうことがやはり地域的にうたわれました点は、職員の職の特殊性、こういう点の運用によってもできるかと思いまするし、あるいはそういう表現でなくて、先ほど申し上げましたような、余人をもってかえがたい職にいる人、そういう人について、さらに停年を越しても例外的な措置としてそのまま在年することを認める。これは各国の停年制の場合にもそういう例外を認めているようでございます。そういう趣旨でこの法案にもうたっているわけでございます。それから若朽の方につきましては、これは一方において勤務成績の判定ということを行う。その点から申して適格性がないものでございまするならば、これはもうその意に反してもやめさせることができるかと思いまして、ただその辺の判定が不明確であります場合におきまして、どんどんやめさせるということになりますと、これはまたかえって公務員の安定を害する。こういうことにもなりますので、現行制度の運用ということによって処置すべきではないだろうかというふうに考えるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/28
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029・松岡平市
○委員長(松岡平市君) それではこれで暫時休憩いたします。
午後零時十九分休憩
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午後二時一分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/29
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030・松岡平市
○委員長(松岡平市君) 委員会を再開いたします。午前に引き続き地方公務員法等の一部を改正する法律案を議題に供します。
さきに委員長及び理事の協議の結果、大体本法案については今週中で質疑を完了するようにしていきたいということになっておりますので、委員長、理事の協議の結果をなるべく御尊重願って来週には早々に討論採決のできるように御質疑をしていただきたいと希望いたします。
これより午前に引き続き質疑を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/30
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031・小林武治
○小林武治君 ちょっと承わっておきたいのですが、地方公務員関係で停年制をしくということは私はもとより賛成をしておるのでありますが、これに関連して国家公務員をどうされるか、あるいは国家公務員関係とこの点について協議されたかどうか、その点について承わりたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/31
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032・小林與三次
○政府委員(小林與三次君) 国家公務員につきましては、公務員制度調査会というのが御案内の通り中央地方を通じて再検討を要するというので内閣にできまして、公務員制度調査会でも答申が出ておるわけでございます。それには停年制の問題をやはり取り上げまして、職種その他の状況を考えて停年制を採用しろという趣旨の答申が実は出ておるのでございます。それもひっくるめた全般の制度の改正を扱うために、内閣の方で調査室を作って、この前来ました室長が中心になって公務員制度の改革を準備しておる、こういう段階でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/32
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033・小林武治
○小林武治君 地方公務員が先がけてこれをやるということについて、その権衡の問題はどういうふうにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/33
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034・小林與三次
○政府委員(小林與三次君) これはわれわれも地方公務員法でぴしりと停年制をしくのならそういう問題が当然出て参りまして、国家公務員と一緒でなくちゃ全くおかしいのでございますが、そうでなしにまあいわば自治体の法律である条例で作り得る道を開くのでございまして、従来からも地方公務員については停年制を条例で実施しておったわけでございます。それを今の公務員法の解釈上疑義があるので、その疑義を明らかにする、また自治団体の自主立法をここでやるという建前にするのだから、その権衡問題もある程度の説明がつくのじゃないか。国家公務員でも特に必要のあるところの職種につきましてはすでにやっておるわけでありますから、われわれとしてはそういうふうに理解して差しつかえあるまい、そういうふうに存じておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/34
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035・小林武治
○小林武治君 停年制はまあ条例で各地方団体がやる。これは適当であると思うのでありますが、その条例の内容等について自治庁がひな形あるいは大体の条件を示す意向があるかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/35
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036・小林與三次
○政府委員(小林與三次君) 条例の作り方と申しますか、そういうものにつきましてはこちらの方でも何か考える必要があろうと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/36
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037・小林武治
○小林武治君 そのひな形は単に形でなくて、規定の内容についてお示しになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/37
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038・小林與三次
○政府委員(小林與三次君) 内容と申しますのは、結局年令等をどうするかという問題であろうと思います。あるいは職種別にどうするかという、そこまでは私は考える必要はないのじゃないか。そこらはブランクにしておきまして、ただ形として午前中にも御議論が出たと思いますが、たとえばそういう、余人をもってかえがたい特殊の者ならば考えられるとか、そういうふうな趣旨の規定も入れる程度のもので考えたらどうかと存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/38
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039・小林武治
○小林武治君 そうすると自治庁としては年令の制限というものについては腹案はない、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/39
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040・小林與三次
○政府委員(小林與三次君) 自治庁として何才が適当だと積極的に言う意味の案は持っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/40
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041・小林武治
○小林武治君 もう一つ伺っておきたいのは、教育公務員の関係が付則で規定される。それでけっこうだと思いまするが、この規定の適用を受けるのは義務教育諸学校の教師教員だけに限っておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/41
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042・小林與三次
○政府委員(小林與三次君) この付則の適用を受けるのはそうでございます。しかしそれ以外の職員は当然一般の都道府県市町村の公務員でございますから、その一般の停年制の規定が当然に働く。この付則で書きましたのは御案内の通り、現在義務教育職員の身分が市町村にございますが、給与は府県でやっておりますから、かりに作るとすれば府県で一本作る必要があるのじゃないか。そういう意味で府県の条例を作り得るという特例でございます。それだけの意味であります。でございますから、それ以外の教員はそれぞれの団体にいろいろ属しておりますから、それぞれの団体の条例で作ったものは特に例外を設けなければ教員であろうが、ほかの職員であろうが当然に通用する、そういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/42
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043・小林武治
○小林武治君 そうすると、県立の高等学校の職員は一般の地方公務員として県条例によってやる。それから市町村立あるいは組合立の高等学校の教職員はやはり市町村の条例に支配される、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/43
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044・小林與三次
○政府委員(小林與三次君) その通りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/44
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045・小林武治
○小林武治君 その点やはり身分が同じ境遇の高等学校の職員等が別々の条例でいく、これはやむを得ない、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/45
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046・小林與三次
○政府委員(小林與三次君) 条例といたしましては、やむを得ないのじゃないかと思います。要するに原則が身分の属している団体の問題ですから、その条例を作るということは、これは当然だろうと思います。ただ義務教育職員だけは給与負担団体が違っておりますので、これは事実上ある程度府県でも人事のあっせんもやっております。そういう関係もありまして、府県で統一をすべきではないかという考え方でございます。ただそうすることによって、問題は条例の中身が食い違って、同じ高等学校の教員でも市町村の教員と年令が食い違うのじゃないかという問題が起り得ると思いますが、これは私は事実上の指導なり連絡なり調整なりで、その間の権衡がまずおのずから行われるものと期待していいのじゃないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/46
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047・小林武治
○小林武治君 今のようなのは要するに権衡論が大事だと思うのですが、これについて何らか自活庁として関与をすると申しますか、調整することはできますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/47
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048・小林與三次
○政府委員(小林與三次君) これは積極的にまあ関与というわけにもいかぬと思いますが、先ほどお話も出ましたその条例の準則あたりでどう考えるか、あるいはまあ今度の条文にも書いてありますいろいろな退職年金の考慮とか、職種に対する考慮とかいうものの解釈と申しますか、運用上どう考えるかという感じをどの程度盛らすかということだろうと思います。私はまあ結局こういう問題はそうてんでんばらばらに事実上できるものでもありませんし、まあ団体によって多少の特殊事情はあるだろうと思いますが、まあ大よそ一般のところに、落ちつくところへ落ちつくのじゃないだろうか、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/48
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049・小林武治
○小林武治君 盲ろう学校等ではあるいは県立あるいは市町村立とこういうものが別にあろうと思いますが、これはどうなりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/49
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050・小林與三次
○政府委員(小林與三次君) これはやはり別々にいたしますと別々の条例でということになろうと思います。それでまあ盲ろう学校ぐらいになってくると、これは非常に特殊でありますから、おそらくはその人事の異動などは私はあまりないと思いますけれども、それぞれの市町村では非常に特殊な職員として見なければならぬ場合がこれはあり得ることだろうと思います。そういう場合にまあ特殊な技術職員などと一緒にそれぞれ例外を設けるというようなことも考えられるのじゃないか。それは結局それぞれの団体の職員構成なり何なりに即して妥当に考えるよりほかないのじゃないかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/50
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051・小林武治
○小林武治君 ちょっと念のために伺っておきますが、県立のそういう学校でやはり義務教育をやっている所もあるかと思いますがどうですか。県立の学校で小中学の要するに義務教育に属する盲ろう学校。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/51
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052・小林與三次
○政府委員(小林與三次君) これはあるはずでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/52
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053・小林武治
○小林武治君 その場合はどっちへ入りますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/53
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054・小林與三次
○政府委員(小林與三次君) ですからこれは当然県立のものは県の条例はもちろんでございます。それかさっきちょっと思い違いしておりましたが、市町村立の盲ろう学校につきましても、給与負担法で府県のこちらの付則の適用がございますから、それですから県条例一本になります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/54
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055・鈴木俊一
○説明員(鈴木俊一君) 午前中の加瀬委員からの御質問の点、印刷が参りませんので口頭で申し上げてよろしゆうございましようか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/55
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056・松岡平市
○委員長(松岡平市君) それは資料を出していただきましよう。明日は間に合いますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/56
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057・鈴木俊一
○説明員(鈴木俊一君) 間に合います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/57
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058・松岡平市
○委員長(松岡平市君) 間に合えば資料を出していただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/58
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059・小幡治和
○小幡治和君 午前中ちょっと質問したのですが、この職の特殊性というのは一体どういうことなんですか。たとえば工業試験所長とか農業試験所長とかそういうようなものの特殊な職にある者は、一般は五十五にしてもこれは六十にするとかそういう考え方なのか。それとも人間がこれは農業技術について専門がある。ですからそれが試験所長であろうと農務課長であろうと、要するに人間が特殊の者だからそういう者は技術者として、特別の技術者として、残すというのかそれはどういうのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/59
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060・小林與三次
○政府委員(小林與三次君) これは職ですから個人の問題でなしに、特別のつまり研究、特別の研究職とかお医者さんの職とか研究所の職を押える。あるいは肉体労働に従事する、その今の守衛とかそういうものを押えたりするという趣旨でございまして、人間の問題は結局個人の問題で、個人が全くかけがえのないということは当然にあり得るわけでございまして、それはこの条文に入らずに一般のこの条例にそういう規定に当然にわれわれも入れるべきものだと思っております。余人をもってかえがたい人はその限りでない、個人的にそういう事例は相当にあり得ると思います。そういう道はやっぱり開いておいた方が条例の運用上適当ではないかとこういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/60
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061・小幡治和
○小幡治和君 そうすると、たとえば研究所長とか何とかというものを考えておるという話ですが、そういうものは年令的に別の年令を作っていいということなのか、それともそういうところはこの限りにあらずというのか、そういうふうに考えるのか。それともそういうところに特殊の技術の人が行くときには特殊の技術の人たちだけを考えると、そこに誰でも交替し得るような人がいた場合それは適用ないのかどうか。ここになぜ一体職の特殊性ということをうたってあるのか。人の特殊性ということをむしろうたうべきじゃないか。人の特殊性をうたわないで職の特殊性をうたっておる。その職というものに誰でも取りかえられるような者がいた場合、それだけでたまたまその職にあるからといって制限からはずされるということはおかしい。またそういう職じゃなくても人としての持っておる特技、あるいは人として持っておる人格、そういうかけがえのないというものはむしろ残すべきであるというふうに思うのです。ですから法律に職の特殊性ということを特に入れるならばむしろ人の特殊性というものを入れた方が妥当であるかと思うのですけれども、その点はどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/61
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062・小林與三次
○政府委員(小林與三次君) この停年制の一般制度をきめるきめ方の問題としてここに考え方が出ているわけでございます。それでありますから、それを考えるとすればやはり職種というものを基礎に考えざるを得ない。そういうものに考慮を払って適当に考えろということでございまして、その考え方も団体が自主的に考えればいいのでありまして、特定の職種については除外するということも考えられるかもしれませんし、あるいは年令の差を設けることも考えられるかもしれぬし、そこは適宜に考えていくと思うのでございます。今おっしゃいました、いろいろそれと人間とは切り離せるかということになれば、これは大ていの場合は、ある特殊な専門技術だからかけがえがないというのがこれは通常でありまして、われわれのようなフリーランサーとは違いまして、それぞれの専門職に長年いるそういう人は、ほかへ持っていって役立たぬわけでありまして、医者なら医者、研究員なら研究員として値打があるわけだろうと思います。そういうものは職の特殊性で当然できはしないか。しかしながら一般の文官でも、一般の書記何とかでも、非常に特殊な技能というか能力を持つているという場合もあつて、この人がいなくなっては仕事の生き字引がいなくなって非常に困るということもあり得ると思います。そういう場合は、そははむしろ個人々々の能力の問題でありますから、そういうものについても特例を設け得ることは当然考えていいのではないか、これは一般的制度の問題ではない。個々の人の運用でありますから、運用し得る道だけは条例を定める場合においては考えられて然るべきものだろう。ここに書くのは一般的な制度の立て方の問題ですから職で押えた、こういうのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/62
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063・小幡治和
○小幡治和君 そうするとたとえば学校の校長先生みたいなものは、職としては一般職だろうと思うのですけれども、人格が非常によくて教育者として実にこれは立派なものだというふうなものは職の特殊性には入らぬ。そういうものを置いておきたいと思うときには、あなたの言うのは余人をもってかえがたしというものにそういうものは入るのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/63
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064・小林與三次
○政府委員(小林與三次君) それは条例の書き方の問題でありますが、今おっしゃいましたような場合には、校長であろうが、事務官であろうが、雇用員であろうが、その人をもう少し働かしてもらわぬと困るという場合は、そういうものは一般的に、個人的にすぐかけがえのないという人ならば、はずしてもいいという趣旨の条例を一項作っておけば十分運用がつく、こういうふうに考えております。これは結局個人々々の認定の問題でございますから、人事の運用の判断にまかすべき問題であると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/64
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065・小幡治和
○小幡治和君 そういう点が一番大事だと思うので、要するに停年制というものを作ると、どんなに立派な人でも、停年が来ればやめざるを得ない立場に追いやられる。それは非常に人物経済上残念だ。その弊が非常にありますから、地方の条例に任意にまかせるということよりもむしろ私は法律にそれをはつきり人の特殊性というものをうたってもらった方がいいのではないか。しかしこれがどうしてもこの際むずかしいということならば、先ほど自治庁で一つのひな形を作ると言われましたが、そのひな形にそういう点は強調していただきたい。それだけ希望いたしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/65
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066・小林武治
○小林武治君 受験手数料は何か制限がありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/66
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067・小林與三次
○政府委員(小林與三次君) 制限は別にございません。みな条例にまかしてあります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/67
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068・小林武治
○小林武治君 これはしかし多少の取り方、あるいは金額の問題があろうと思いますが、何か幾ら以内というふうな標準はありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/68
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069・小林與三次
○政府委員(小林與三次君) まあこれもあまりむちゃなことをやるはずもないと思いますが、今おっしゃいました通り御懸念もあるようなら、われわれといたしまして一応のめどを示したいと思います。現在国家公務員では六級が五百円、五級三百円、四級二百円、こういう受験手数料、これは人事院規則できまっております。それから地方の公務員の実績をみますともちろん手数料はとれないので、受験者一人当りの試験費用を調べた結果が最高七百円、最低百円、かかっております。われわれといたしましては国家公務員の試験をこれはやはり基準に考えて、そうあまり非常識なことをしないように、そういうことで適当なめどを必ず示せるものなら示したいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/69
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070・小林武治
○小林武治君 今の問題は、受験する人にとってはやはり新しい負担、こういうことになりまするから、たとえば国家公務員の手数料に準じたらよかろうというような通牒でもお出しになるかどうか、何かそういう手だてが必要じゃないかと思うのですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/70
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071・小林與三次
○政府委員(小林與三次君) これはごもっともでございまして、受験手数料をとることにつきましてはそういう趣旨の試みを示したいと思っております。先ほど小幡委員のおっしゃいました点も十分考えて指導いたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/71
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072・佐野廣
○佐野廣君 これはなんですか、停年制は都道府県の条例でお定めになるというのですか。そうすると五十才のところもあったり五十五才も五十三才も、いろいろ出ることを予想しておられるのですか、停年制の問題。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/72
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073・小林與三次
○政府委員(小林與三次君) まあ法律上はそれぞれの団体の職員でございますから団体ごとにきめる。だからきめる所もあればきめない所もある。かりにきめるとすれば多少の食い違いも法律上の可能性はあるということは申せると思います。しかし事実上はそう各団体ちぐはぐなことができるわけのものじゃないだろう、大体似たり寄ったりのところできまるのじゃいなかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/73
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074・佐野廣
○佐野廣君 これは府県によって、退職を勧奨しておるところがありますね。ああいうふうなものはこういうふうなものの条例になるのでしょうが、やはりあれで五十才とか、まあ一般会社なんかでも五十五才の停年とかいう所も今のところあまりないようですけれども、そうすると隣りの府県との違いなんというもので、自治庁としてこれを統制じゃないが一応の歩調をそろえるというふうなお考えはないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/74
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075・小林與三次
○政府委員(小林與三次君) まあそれは結局、先ほど来いろいろ御議論の問題だろうと思います。そこであまりこれは自治体のことでもありますから、やっちゃいかんものですから、退職年金の制度との関連について適当な考慮を払えといった問題は、まあ大体若年停止という制度が恩給制度にありまして、これは現在五十五才ということになっております。やはりやめられるからには恩給ももらえるようにということがやはり物事の普通の常識的な考え方でしょうから、そういうことが一つのめどとして考えられるものじゃないだろうか、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/75
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076・佐野廣
○佐野廣君 それで先ほど小林委員からもお話があった国家公務員とのにらみ合せ、それから地方財政のいろいろな実情からして、府県によってあまり差があるということは、地方公務員全般についての関連上非常におもしろくない結果が出ると思うのです。そういう点ではあなたの方では基準は作らない、またそれは押しつけなさらんでしょうけれども、一応のお考えもあるでしょうけれども、これは一つよっぽど、貧乏県と富裕県との関係から考え、それから構成等のこともいろいろ実情は違いますから、だからその辺はみんな同じ地方公務員ですから。しかもそれが地方公共団体としてみんな違った団体に属しておるということになりますと、その辺は相当親切な御高配をなさる必要が私はあるんじゃないかと思うのですが、特別な何かそういう方についてのお考えを明示なさる必要はないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/76
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077・小林與三次
○政府委員(小林與三次君) 今仰せられました通り、これは職員としてはきわめて重大な問題であります。それとまた団体にとってもきわめて慎重を要する問題でもありますので、それで大よその基準を法律に書きまして、その基準を基礎にして考えるように、そういう点はわれわれの方でも十分調査をいたしたいと思います。しかし団体によって年令構成なども違います。そもそもこんなものは必要がないという団体も私は相当実はあるだろうと思います。必要だとかりにしましても、ここらの、法律に出ておるのがやはり大体の基準であって、そこまで至らんというのならもっと上できまることもあるかもしれませんし、そこらのところは無理のないようなことを中心にして、それぞれの実情によって弾力性をもって考えるように、それは慎重に考えたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/77
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078・小幡治和
○小幡治和君 停年制を設けて年令というものをはっきりしますと、それでもって停年にかかった者に対してやめろというふうなことを言った場合に、もしやめない場合はどういうふうな処置になりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/78
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079・小林與三次
○政府委員(小林與三次君) これは停年制はやめるやめないにかかわらず、かりに満六十をもって停年とするということをやれば六十で職が失われると、こういうことになるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/79
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080・小幡治和
○小幡治和君 特命制度と休職制度とどう違いますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/80
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081・小林與三次
○政府委員(小林與三次君) 休職制度は現在の制度としては、在職を前提にいたしまして、その間に病気とか何とかで職がとれないと、それで職を休んで身分をそのまま継続させると、こういう前提でございます。従来からあります待命制度はそうじやなしに、待命期間が過ぎれば退職になると、一応ある一定の期間職を休んでおいて休んだ期間が終ったらその職を失う、いわゆる退職を前提にしておる制度でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/81
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082・小幡治和
○小幡治和君 待命をさせる場合の条件というもの、何か基準というものは出されるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/82
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083・小林與三次
○政府委員(小林與三次君) この待命の条件と申しますと、結局、待命が行われますのは法律に書いてあります通り、職制の改廃か定員の減少で、いわば普通ならば機構改革をやって行政整理をやるときの条件でございます。その場合にお尋ねのが一体個人の選び方についての条件という意味なら、もうこれは全然考えておりません。そこは普通の人事の運用で考えられてしかるべきものじゃないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/83
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084・松岡平市
○委員長(松岡平市君) 本案に対する質疑はさらに次回に続行することとして、本日はこの程度にて散会いたします。
午後二時二十九分散会
――――・――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/102414720X00619560228/84
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